地方行政委員会 第8号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/12/21
会議録
○大野委員長 これより会議を開きます。 警察に関する件について調査を進めます。 警視庁警務部長宅における爆破殺人事件について国家公安委員長から報告を求めます。中村国務大臣。
○中村国務大臣 今回、去る十八日に、警視庁の警務部長宅が爆破されるという事件が起こりました。国会の皆さま方にもたいへん御心配をおかけいたしまして、申しわけがないと思っている次第であります。 なお、犠牲者に対しましては、心から哀悼の意を表するものでございます。 事件の概要につきまして御報告を申し上げます。 発生日時は、昭和四十六年十二月十八日、午前十一時二十分ごろでございます。 発生場所は、都内豊島区雑司ケ谷一丁目五十の十八、警視庁警務部長土田国保方であります。 状況でございますが、十二月十八日、午前十一時二十分ごろ、警務部長の妻民子、年は四十七歳でありますが、それと、四男の学習院中等部の二年生恭四郎君、これは十三歳、の二人が、階下の居間において、小包等の荷物を整理中、突然荷物の一部が爆発し、妻民子は、両手首切断等による即死であります。四男恭四郎君は、顔面、両手足火傷、全身創傷、全治三週間の負傷を負うとともに、爆発によって居間の床板が約三十センチ四方にわたって抜け落ちたほか、家具、什器、戸障子、窓ガラス等が変形、破損いたしました。 捜査状況でございますが、警視庁におきましては、所轄目白警察署に、公安部長を本部長とする警務部長宅爆破殺人事件特別捜査本部を設置いたしまして、捜査員百三十四人を動員して、犯人の割り出し、逮捕に鋭意つとめて、目下捜査中であります。 爆発現場の捜索、検証によって、現場から、差し出し人防衛庁防衛局長久保卓也名義の荷札、及び爆発物の破片と見られるアルミニウム片を発見、押収しておりますが、荷札については、本人に発送の事実がなく、また、爆発物の構造等についても、起爆装置及び時限装置等が発見されていないため、目下のところ特定は困難でありますが、爆発音、爆煙等から判断いたしまして、塩素酸ナトリウムを爆薬として用い、ひもまたは包装紙を開披すると爆発する仕掛けの巧妙な爆発物と見られております。 いずれにしても、被害者が小包等の荷物を整理中爆発したことより見まして、被害者宅に配送された小包等、特に、事件当日配送された小包等九個の発送人、内容物等について徹底した捜査を進めております。 以上でございます。
○大野委員長 いろいろ質疑もございましょうけれども、本事件は、目下捜査中でございますから、もし必要があれば、追っての機会にいたしたいと思います。 ————◇—————
○大野委員長 次に、地方財政に関する件について、調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上村千一郎君。
○上村委員 私は、昭和四十七年度の地方財政政策につきまして、ただいま四十七年度予算編成作業が進行しておる途上にあるかと思いますが、若干の重要な点につきまして、政府御当局にお尋ねをいたしておきたいと思います。 実は、四十七年度予算編成に際しましては——今回、円のドル為替レートが、この十二月十九日に、閣議で、一ドル三百八円ということに決定をいたしました。そして、二十日から実施ということになりましたが、もちろん、その背景をなしておりますところの直接の問題は、去る八月十五日に、アメリカのニクソン大統領が新経済政策というものを発表され、いわゆるドル・ショックといわれ、国内並びに国際的に大きな影響を持ちましたこと、そのまた背景をなしておるのは、特に、わが国としましては、昨年の暮れごろからずっと景気の落ち込みを来たしておること、こういうような点を考えますと、四十七年度の地方財政としましては、従来にない、いわば相当な財源不足と申しましょうか、予算編成過程におきましてきわめて御苦心の多いことであろうと思います。 四十七年度の予算編成のいろいろな経過を新聞その他から拝見をいたしておる程度におきましても、たいへんな問題がございまするが、しかし、その最も大きな問題は、景気浮揚策としましての公共投資というものが重点になっている。しかも、それは、国の規模だけでやるのではとても所期の目的を達するわけにいかない、地域住民と直結いたしておりまする地方団体と一体をなしてやらなければ、とうてい所期の目的を達するわけにいかない、こういうふうに考えられます。国としましても、この財源対策につきましては、編成上非常な苦心の要ることでございましょう。しかしながら、国としましては、国債の大幅な発行ということによりまして、その所期の目的を達することができましょうが、地方としましては、なかなかそういうふうにいきかねる。しかも、車の両輪と申す以上に、国と地方とは一体化してこの処置を講じなければならない、こういうふうな過程になっております。でございまするので、自治大臣に、基本的な姿勢というものにつきましてまずもってお尋ねをいたしておきたいと思います。
○渡海国務大臣 閣議の関係でおくれまして申しわけございません。 四十七年度の地方財政問題でございますが、いま上村委員御指摘のとおり、たいへん困難なる状態にあることはもう御承知のとおりでございます。詳しい内容等はもう委員御承知でございましょうが、ただ、予算編成にあたりまして、国の公共事業の消化は国債発行という形で行なわれますが、これを実施する上におきまして地方負担が必要である。この地方負担を完全に自治体が果たし得る財政能力を与えることによって実施されますものでございますから、その点におきましては、私たち、ぜひともこれを確保するという姿で予算編成に臨み、当たりたいのは当然でございます。 しかし、考えなければなりませんのは、その公共事業を消化するということだけに全財源を与えるときは、いわゆる自治体に与えられた今日の姿、生活関連施設、最も住民の望んでおりますところの福祉施設の問題等々に充てる財源をなくしてまでこれを与えるという姿であっては絶対にならないと私は思っております。公共事業を直接間接に自治体が行なわなければならないことでございますから、これの財源を確保することは当然でございますが、同時に、自治体が当面かかえておりますそのような単独事業等に対しましても、その財源をともに確保するという姿で当たらなければならない。このような姿で予算編成に臨みたい。これが私たちの最も基本的な姿でございまして、これを確保することによって、初めて、国、地方を通ずるところの目的が達成されるのである。自治体自身の本来の使命も達成できるのではなかろうか。そのための財源はぜひとも確保しなければならない。このような姿で当たっておるのが私たちの基本姿勢でございます。 なお、委員各位には申しわけないのでございますが、いま連絡がございまして——大蔵の政務次官も来ておられますが、大臣折衝と申しますか、自治省関係の予算編成までに固めておかなければならぬ国、地方を通じての財源問題もございまして、大蔵大臣が帰られまして、さっそく入りたいという通知がございましたので、私、欠席させていただきますが、ひとりお許しを賜わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○上村委員 いま、渡海自治大臣が基本的な姿勢をお述べになりました。私も全く同感だと思います。四十七年度の予算編成が、わが国が置かれておりますところのこの不況克服という際に、景気浮揚策の大きな力に財政政策をもっていくという点から考えますれば、国が、地方と、車の両輪というような程度でなくて、地方と一体をなして所期の目的を達しなければ、とうていこの政策目的を達するわけにいかない、こういう意味に、端的にいいまして感じられます。そういう基本的姿勢につきましては全く同感に存ずるわけでございますが、ただいま大蔵政務次官がお見えでございますので、大蔵省のほうの、その問題についての基本的なお考えをひとつお尋ねをしておきたいと思います。
○田中(六)政府委員 御承知のように、景気が沈滞しております。したがって、税収の伸びが思うようにまかせない。その結果、自治省の要求する予算どおりにうまくいかない。通称一兆円のギャップがあるというふうにいわれておりますが、私どもといたしましては、国の施策が財政主導型で、公共事業費その他福祉施設、公害などに予算を組んでいくという一つの方針を持っております。この、国の方針は、即地方の方針でもなければなりませず、財政の裏づけがなければ、かえって地方、国も困るということで、この一兆円のギャップをどのようにして縮めていくか、どのような話し合いのもとに進めていくかということを鋭意事務折衝しておりまして、だんだん煮詰まっております。本日ただいまも、大蔵大臣と渡海自治大臣がその点について十分話す計画でございますが、私どもといたしましては、国だけが突っ走ることもできませず、といって、地方の要求どおりいくということにもいきませんが、何とかそこにうまい話し合いをつけて、国、地方が一体となっていける予算を組みたいというふうに考えております。
○上村委員 昭和四十七年度の国の一般会計予算規模は、現在の異常な経済状態に対して、景気浮揚というような一つの政策的な観点も加味されまして、公共投資によって景気対策を講ずる。従来よりも、いわば大型の予算になる傾向にあると思うのであります。新聞その他で拝見をいたしておる点だけを考えてみましても、対前年度当初比としましても、一般会計規模だけで二〇%以上の伸びを示して、十一兆三千億以上になるように思われます。また、財政投融資計画は、対前年度当初比にしましても二五%以上になるように感じられます。この場合におきまして、国と地方が、いわば同一の基調におきまして景気に対処するということになりますれば、地方の財政規模におきましても、従来、国の規模とほぼ同程度、あるいはそれ以上になっているような形の事例から見ますれば、今回もそういうふうになっていくであろうと思います。そうすると、この公共投資の拡充とか社会福祉の充実ということが、今回の予算編成の大きなウエートを占めるというふうに思います。それで、国の公共事業の拡充と並行しまして、地方団体の単独事業というものが非常に重要になってくると私は思うのでございます。しかも、地方単独事業の拡充の比率を見ますと、昭和四十六年度は、対前年度比としましても二二%になる、公共事業の伸び率は一九・五%になるということになりますと、今回の四十七年度の予算編成におきまして、公共投資の伸びというものが相当考えられるというと、地方団体の単独事業の伸びというものはもっと大きく伸ばすことが、実は、先ほど申し上げましたような、四十七年度の財政政策というもののねらいを真に実効あらしめるものだと思うわけでございます。 この、地方団体の単独事業というもの、四十七年度の単独事業の事業量というものにつきまして、どういうふうなお考えをお持ちになっておるか、自治省当局からひとつお考えをお伺いしておきたいと思います。
○森岡政府委員 地方公共団体の単独事業は、御承知のように、地域住民の日常生活に直接密接な関連を持ちます生活環境——道路でありますとか、学校、下水、その他の施設が数多くございますが、それらにつきましては、地域の生活環境を整備するという意味合いにおいて積極的に推進していかなければならないということがつとに要請されております。同時に、いま御指摘のように、国、地方を通じまして、景気の落ち込みに対処する公共投資の拡充ということに対処していかなければならない。こういう事態でございますので、両面の意味におきまして、私どもは、地方団体の単独事業は従来同様に相当の伸びを見込んでまいりたい、また、それに必要な財源措置は確保するように努力してまいりたい、かように考えております。四十六年度の地方財政計画の伸び率は、お話がございましたように、約二二%でございます。それに準ずる伸びはぜひ確保してまいりたい、かように考えております。
○上村委員 そういたしますと、四十七年度の地方財政としましては、いわゆる景気浮揚策その他とも関連しまして、公共投資の伸びというものが相当伸びる、また、生活環境関係の諸施設の整備、その他住民に直結いたしまする地方行政としまして、財政需要が非常に伸びてくる、というふうに思います。いまお話しのように、単独事業におきましても相当伸ばす必要がある、また、そういうふうにならざるを得ぬだろうということになりますと、いよいよもって財政需要というものは大きくなってまいります。しかるに、一方、地方税あるいは地方交付税というようなものの伸びは、経済の不況化、あるいはその他四十六年度におきまするところの年度内所得税減税、そういうものなどのはね返りその他で歳入の伸びが非常に鈍化するというようなことで、地方財政は両方から痛めつけられるというような状態になってくる。しかも、なおかつ、与えられた昭和四十七年度の景気浮揚というような一つの目標に向かって進むということになりますると、非常な苦心が要するわけであります。それで、特に、地方交付税の総額の確保ということは、地方財政としてまず考えなくちゃならないと思われるのであります。で、この地方交付税で処理していくものとしてどうしても考えられますのは、社会福祉経費あるいは給与費等の経常的な経費というものは、どうしても地方交付税の総額の中で確保されなくちゃならないだろうし、あるいは、先ほど述べましたような、景気対策として行なわれる公共事業の地方負担というものがずっと伸びてまいりますから、こういう部面につきまして手当てをしなければならぬという問題も出る。あるいは、市町村の公共投資というものにつきましても手当てをしなければならぬという問題も出る。 こういうことになりますので、地方交付税の総額の確保という問題については、一体どういうお考えを自治省はお持ちになっておるか。まず、その点につきましてお尋ねをしておきたいと思います。
○小山政府委員 地方交付税を確保するということは、私ども自治省といたしましては、最も重要な課題というふうに考えまして、ただいま大臣が大蔵当局といろいろ折衝をいたしておるような過程でございます。 御存じのとおり、景気の後退等によりまして、国税三税の伸びの鈍化も相当の額に達するのではないかというふうに考えております。したがって、三税の減がそのまま地方交付税に比例して出てくるわけでございますので、何らかこれにかわるべき財政措置を国においてもぜひ考えてほしいというような方向で、ただいま両大臣の間に話し合いを進めておるわけでございます。私どもとしては、いま先生の御指摘のように、地方におけるところの財政事情等を考えまして、特に、交付税については、何らかの形における昨年同様な財源の確保については、全力をあげて大蔵当局、国の理解ある支援を得たいというふうな考えで、ただいまも折衝中でございます。今後、国との折衝次第によりましては、この交付税の確保ということについて、私どもまたいろいろな面で皆さま方に御協力をいただかなければならぬというふうに考えておる次第でございます。
○上村委員 地方交付税の総額確保ということにつきましては、国税三税に対する現在の三二%という比率をアップするということになりますれば、これはまた、それが一番簡単にいくでしょう。また、地方制度調査会の答申などを見ますると、こういう比率をアップするほうがよかろうというような御答申が出ておるようです。が、しかし、この問題もなかなかむずかしい問題でしょう。要するに、国と地方との財源の配分問題につきましては、基本的な問題になり、また、三二%というのがもうすでに限度ではなかろうかという有力な意見もある。ですから、なかなかむずかしい問題を含んでおります。それかといって、地方交付税の総額を確保しなければならぬという、いわば至上命令的な問題も起きてきた。こういうわけで、いま自治政務次官がおっしゃったように、御苦心のあられることだと思います。 しかし、ここで注意しなければならぬことは、交付税の特別会計からこの際借り入れを必要なだけやればいいじゃないかということ、これは安易な考えだと私は思うのであります。地方も困っておるだろうが、国も困っておる。こういう際だから、交付税の特別会計から措り入れして処理していけというような安易なわけにはいかないだろうと私は思います。と申しますのは、四十六年度の補正予算の際におきましても、この借り入れ金の現在高が千三百億になっております。これが、安易にどんどん借り入れ額が伸びていくということになりますと、将来、その配分の三二%の問題につきましても、相当深刻な問題を提起してくるであろうし、それから、この借り入れ金の現在高を無制限に増大させるということは、非常に簡単であるように見えるだけ、将来に非常に禍根を残す。むしろ、現在千三百億ぐらいで限度に来ておるというような感じも私はいたすわけでございますので、どうか、交付税の特別会計から借り入れて処理していきさえすればいいじゃないかということのないようにお願いするとともに——もちろん、この分も、処理をするという意味におきまして考える対象になるということは考えられますけれども、また、過去においていろいろと講じられましたところの臨時特例交付金というような制度もよく考えていかなければならぬと思いますが、その点につきましてのお考えを自治省にひとつお尋ねをしておきたいと思います。
○小山政府委員 御指摘のように、明年度のように国税の大幅な減収が見込まれます場合、交付税の特別会計から一時借り入れて補てんをしたらどうかというような御意見もあることを私どもも承知しておるわけでございます。 ただいま大臣が折衝中でございますので、私どもがあまり突っ込んだ考え方を申し上げることはどうかと思いますが、過去においては、特別交付金というようなことで大蔵省と話し合いをいたした例等もございます。われわれは、安易にこの借り入れ金に依存するというようなことは極力避けなければならぬというふうに考えておりますが、ある意味において、本年度のような場合においては多少そういう点も考慮せざるを得ないことに相なるかもしれないと思いますが、原則としては、できるだけ国の財政の中でこれらの点を配慮してもらうというような考え方の上に立ちまして、鋭意大蔵当局と折衝をしたいというふうに考えておるわけであります。
○上村委員 次に、沖繩復帰に伴う特別の財政措置の問題があると思います。 これは、沖繩関係の国内法案も現在御審議中でございますが、いわば、今国会は、沖繩国会といわれるくらいに、沖繩の重要性、またそれに対する経過措置、その他論議が多くございます。けれどもが、要するに、その基本をなしておる点を考えますと、沖繩の特殊性ということになると思います。 この沖繩の特殊性としましては、少なくとも、本土復帰の場合におきまして、本土との地域格差と申しましょうか、行政格差と申しましょうか、これが相当開いておる。とりあえずそのことも考えなければならぬとともに、少なくとも、おくれておりまするところの沖繩の開発、振興ということが大きな目標になってくる。また、そういうことを講ずる背景としましても、あるいは特殊な自然条件、風土の条件というような点につきましては恵まれていないという点がある。こういうような諸般の実情を考えますと、沖繩の復帰に伴う財政措置というものはきわめて特異性のあるものだと思うのであります。そういう際に、沖繩が復帰した、沖繩県になる、だから、通常の地方交付税の措置によって措置される、というような考え方をとってはならぬというふうに思いますし、また、とり得ないものだというふうに思うのであります。でございまするので、この沖繩に対する場合におきまして、現行の交付税率による地方交付税の総額の中において沖繩の四十七年度の財源措置をするということはきわめて無理であろう、私はこう思うのでございます。 そういう意味から、特に、昭和四十七年度の地方財政の、先ほど申し上げましたような特殊性というようなものをも全体的に考えて、沖繩に対しましてはぜひ特別な財政措置を講ずる必要があるというふうに私は思うわけでございますが、この点につきまして自治省の御見解を承っておきたいと思います。
○小山政府委員 沖繩の地方行政の水準は、本土と比較いたしました場合、かなり立ちおくれがいたしておると私ども承知いたしております。したがって、本土復帰後は、当然、沖繩のそれぞれの地方自治体に対しまして、特別な配慮、財政的な措置も考えなければならぬ。さような考え方に基づきまして、ただいま、明年度予算におきまして、沖繩の地方交付税については、交付税の特別会計のワク外で国においても何らかこの点を配慮してほしい、かような考え方の上に立ちまして、これまた、現在、両大臣との間にいろいろと話し合いを進めておる過程のように承知いたしておりますが、私どもの役所といたしましては、いま御質問のとおり、この点につきましては、特に関係各方面の御理解をいただきながら、この考え方は堅持をしてまいるつもりでおります。
○上村委員 最後に一点御質問を申し上げて終わらさせていただきたいと思いますが、この四十七年度の予算編成の過程におきましての大きな問題は、住民に対しまして、国民に対して、減税をしていくという考えでありまして、これが、こういう景気状態におきまして、きわめて一般的に普遍的に一つの経済力をつけさしていくと申しましょうか、景気を浮揚させる一つの大きな基盤になるという考え方は、これは常識的になってきております。そうしますと、地方税の減税ということが考えられてくる。これもまだ御検討中でございましょうし、新聞その他によりますれば、地方税の減税というものを考えていくというような政府の見解なども述べておられるようです。そうしますと、地方財政としましては、財政需要がますます増大をしていくという傾向にある。そして、歳入の面におきましては、伸びがきわめて鈍化するのみならず、大きな減少をきたしていくというような傾向になっていく。これをどういうふうに考えるか、処置をするかということが一つの重大な問題となってまいると思います。このことは、四十七年度におきましては、高度の政治性というものにおきまして、こういう地方の財政の財源の落ち込みということになるのでございまするので、こういう場合の財源補てん策は、国において積極的に措置をしていくのが妥当であるというふうに考えるわけですが、自治省の御見解をひとつお尋ねをしておきたい。
○小山政府委員 いま御指摘になりましたように、明年度におきます地方財源につきましては、かなりの減収が予想されるわけでございます。したがいまして、交付税を含めまして、何らか減収対策を講じなければならないわけでございます。したがって、私どもも、当然、来年度予算の中におきまして、行財政を通してできるだけ節約につとめる反面、これらの不足財源の確保をはからなければならぬわけでございます。したがって、ある意味においては、地方債の発行なども相当大幅に増額をされるのではなかろうかというような考えもあるわけでございます。いずれにしても、国、地方が一体の関係の上に立ちまして、それぞれの地方自治体が明年度の予算を執行します上において支障のないように財源の確保を考えたい、かような考え方で、これまた、ただいま、両大臣の話し合いの中でいろいろと検討中のように承知いたしております。私どもとしては、この地方財源の減収分、地方税の減収分、交付税の減額分、これらを合わせて一つとして、いま両大臣で折衝をいたしておるような状況でございます。
○上村委員 ここには田中大蔵政務次官もお見えです。地方行財政には深い御理解があると存じますので、私は、いま、自治省のほうへ御質問をしながら、私どもが考えておる基本的な姿勢につきまして述べたわけですが、ひとつその点もよく踏んまえていただいて、今後の予算編成過程においてお力添えを賜わりたいことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○大野委員長 山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 最初、事務当局からでもけっこうでありますが、御説明をいただきたいと思います。 昭和四十七年度の地方財政につきまして、自治省が大蔵省に提出をしております要求の数字については承知をいたしておりますが、いま、予算編成期に当たりまして、予想以上の景気の落ち込みがある中で、約一兆円にのぼる地方財政の財源不足ということが、いわば折衝の焦点になっているわけでありますが、私どもの見るところ、一兆円の財源不足ということは少な過ぎるのではないか、現実はもっと一兆円をこえる財源不足が見込まれるのではないかというふうに思います。 自治省が一兆円の財源不足と言っておりまする根拠、数字をまずお示しをいただきたいと思います。
○森岡政府委員 現段階のことでございますので、こまかい点になりますと、なお若干いろいろな流動的な面がございますけれども、大ワクで申し上げますと、歳入でございますが、私どもは、地方税あるいは地方交付税、使用料、手数料、雑収入その他を合わせまして、おおむね五千億円強の歳入しか見込めないと考えております。これに対しまして、給与費その他の事務的な経費、それから一般行政経費、公共事業の地方負担の増、あるいは地方単独事業、そういうものを合わせました一般財源所要額を一兆五千億程度見込んでおるわけでございます。もちろん、この辺の歳入歳出につきましては、先ほど申しましたように、細部にわたりますとなお流動的でございますけれども、大筋といたしまして、そのような形に相なるものと考えておるわけでございます。そのようなことから、一兆円の財源不足が出るであろうというふうな推計を私どもいたしております。
○山口(鶴)委員 数字の繰り返しみたいな御答弁でございましたが、これに対して、大蔵省は、一兆円というのが過大過ぎるのではないかというようなことを言っておられるようでありますが、大蔵省のほうは、この地方財源の不足については一体どのような数字的な見込みでありますか。事務当局でけっこうですから、お答えいただきたいと思います。
○加藤説明員 歳入につきましては、まず、地方税収でございますが、目下、税務、主税両局で——前提になる経済見通しが非常にむずかしいわけでございますが、そういう点を一応議論しながら、過去の経緯と、それから来年度のいろいろな特殊な事情、こういうものも織り込んで、両局で目下検討中でございます。 その他の歳入の項目でございますが、地方交付税につきましては、御承知のように、国税三税の見通しにかかわってまいりますので、これは議論があまりないかと思います。 それから譲与税のほうも、御承知のように、あまり議論がなかろうかと思いますが、そのほかの雑収の系統につきましては、自治省のほうとわれわれのほうと、いろいろな要因を検討いたしまして、目下話し合いをしております。 それから歳出でございますが、歳出面は、給与の項目につきましては、目下、各省の増員の問題がございまして、これが地方のはね返りの問題がございますので、両省でそういう関係計数を持ち寄りまして検討しております。 一般行政経費でございますが、補助系統のほうはあまり議論がございませんが、単独につきまして、これをどうするかという議論をやっております。 それから、投資的経費でございますが、これも補助系統につきましてはあまり差がなくなろうと思いますが、単独につきまして、やはり両省で検討しております。 非常にこまかくなりましたが、大体、目下鋭意詰めつつあります。
○山口(鶴)委員 いま大蔵省のお考えを聞いたわけですが、私は、ただいまの大蔵省の考え方は、そう言っては恐縮ですが、たいへん間違っておるのではないかと思うのです。と申しますのは、一ドル三百八円、国民がほんとうに驚くような円の大幅切り上げを、アメリカ並びにEC各国の圧力に屈して佐藤内閣はのんだわけですね。わが国がこのようにアメリカ並びにEC各国から袋だたきにあうような状態になぜなったのかということがやはり問題ではないかと思います。結局、わが国の今日までの経済のあり方が、大企業に対して国の資金をつぎ込むという中で、輸出ドライブをかけて、いわば、輸出に非常に血道を上げた。外国から見れば、日本はそんなことばかりしておって、社会保障は一体どうなる、住宅はどうだ、下水道はどうだという非難があったのではないかと思います。わが国ぐらいでしょう。国民総生産の中で占める国民消費支出が、五〇%を割るか割らぬかというような状態になっておる国は非常にめずらしいわけでありまして、やはり、そういうところを十分拡充強化していくということが、いまわが国に課せられた重大な課題だと私は思うのです。いま、突き合わせて、合わぬところがどこかということになれば、行政経費のうちの単独事業を一体どう見るかという問題それから、投資的経費のうちの単独事業を、これまた一体どう見るかというところに、歳出については非常に大きな差がある。言いかえてみれば、大蔵省のほうは、国民生活基盤を強化するための投資的経費の単独事業をできるだけ小さく押えろということでしょう。それからまた、国の社会保障が不足のために、各自治体が、児童手当とか、あるいはお年寄りに対する医療費を無料にするとか、いろいろな面で、消費的経費のうちの単独分について非常に努力してきた、そういうものを押えろということでしょう。わが国の経済がいまこのように各国から袋だたきにあっている中で、いままでの産業基盤優先、輸出優先というような経済から国民生活優先に変えていかなければならぬというときに、しかも、国民の消費支出をできるだけふやしていかなければいかぬというときに、これに逆行するようなそういう主張をしておられるということについて、私ども非常に残念に思うのですが、この点について、田中政務次官のお考えをひとつお示しいただきたいと思います。
○田中(六)政府委員 御指摘のように、国際収支にばかり数年間日を向けておりまして、国内の社会資本投資というものが非常におろそかになっておった、したがって、新しい年度から財政主導型にしなければならない、という命題はあるわけであります。政府も、私どもも、その点に沿って予算編成にかかっておるわけでありますが、何しろ、財源の面で予想以上の落ち込みがあり、経済成長率も大幅に下がっておりますし、したがって、税収の伸びも非常に鈍い。したがって、財源が問題でございまして、約一兆円といわれるギャップがございますが、国といたしましては、財政主導型ということで、単独事業、つまり、下水道とか、あるいはいろいろな環境整備関係に注ぐという命題はありましても、財源等の関係でどうにもなりませず、率直に申しますと、そこに非常にジレンマを感じているわけでございまして、これをどうするかということ。したがって、国債を発行しなければいかぬが、ただ、国債も、私どもが懸念するのは、建設国債でなければ歯どめがなくて、行き当たりばったりの赤字国債になっていきますとこれはたいへんだということも頭にありまして、そこら辺の詰めをいま鋭意やっておるわけでございまして、今日の概念といたしましては、あくまで、御指摘のような単独事業に向かって、自治省との折衝でどの程度この意向に沿ってやるかということが悩みでございまして、これを無視して、全面的に打ち切るという方向でやっているならば、かなりこれは——折衝も難航しないのですが、そこの合わせをどうしようか、できるだけそうしなくちゃいかぬということと、財源、それから国債発行、そういう三つの柱の組み合わせということで頭を痛めておりまして、国民の意向、あるいは私どもの政府の意思をできるだけ貫く方向でいくということでやっておりますけれども、そういう客観的情勢があるということを御認識いただきたいと思います。
○山口(鶴)委員 先ほど、自民党の上村委員も、単独事業が必要ではないかということを強調しておられました。その点に対しましては、私どもの主張も同じであります。この点は、大蔵省も十分配慮いただくと同時に、自治省も、従来の主張をより一そう強調していただくことを要請いたしておきます。 そこで、公債発行の問題でありますが、私たちも、歯どめのある公債発行政策はこの際やむを得ないというふうに考えております。ただ、安易に公債発行にのみたよることは問題であります。この際、地価が非常に暴騰しているが、この地価の暴騰に対しまして、特に法人が所有しております土地等に対して再評価をいたしまして、その評価の増に対して思い切って課税をする等々の施策を一方で講じながらの歯どめのある公債発行もこの際やむを得ないではないかというふうに言っているわけでありますが、その問題はさておくといたしまして、問題は、交付税が明年度どうなるかということが大きな課題だと思います。 景気後退によりまして、不況によりまして、国税三税自体が減少する。そうしますと、かりに、交付税率を若干、地方制度調査会の言っておるように上げましたところが、もとが大幅に落ち込むわけでありますから、交付税自体はさっぱりふえないということになるでしょう。したがって、国は、この公債発行という手があるわけで、財源穴埋めの方法があるわけですが、結局、国税三税の落ち込みによって交付税が減額をするというものについては、当然穴埋めのために公債を発行するわけでありますから、名前は建設公債とかいろいろつけておりましても、要は、財源不足を補う趣旨には変わりない。したがって、これに対して交付税率相当分をかけまして、その分を交付税譲与税特別会計に繰り入れる。上村さんも、安易に借り入れで措置するのは問題があると言われましたが、財源穴埋めのために発行いたしました公債の一定率を乗じたものを、当然一般会計から交付税譲与税特別会計に繰り入れて、そうして国税三税の落ち込みによってのこうした減額の穴埋めをするということは当然じゃないかと私は思うのですが、自治省、この点はいかがでございますか。
○小山政府委員 いま先生御指摘のような方向で、大臣が大蔵当局に理解を求めて、できるだけそういう方向で補てんをしてもらいたいということで、折衝中でございます。
○山口(鶴)委員 当然、そうしなければつじつまが合わぬと私は思うのですが、大蔵省の側はいかがですか。
○田中(六)政府委員 大蔵省としても、それは、人間の考える知恵は大体同じでございまして、この不足財源につきましては、一般財源、それから特別会計の借り入れ、それから地方債、そういうようなものを組み合わせてそれを補足する以外にないというふうに考えております。
○山口(鶴)委員 四十年不況の際の四十一年度の予算を思い出しますと、特例交付金あるいは地方債、この地方債につきましては、当時元利償還も考えたようでありますが、そういう形で結末をつけたようでありますけれども、本筋は、やはり地方債でこの財源不足の肩がわりをするというのは、間違いであって、政府が公債発行で財源補てんをするならば、当然、それに見合う額というものは、特例交付金という形で、一般会計から交付税譲与税特別会計に繰り入れて穴埋めをするということが筋だと私は思います。そういうことで、明年度の地方財政に対する措置を完全にとっていただくということを強く要請をいたしておきたいと思いますが、時間の制限がありますので次へ進みます。 次は、地方税の問題であります。地方制度調査会の考え方等を拝見いたしますと、事務所・事業所税等を創設したらどうかというようなことをいわれておるようであります。現在のわが国の状態を見ますと、過密、過疎が激化をする。過密地帯の事業所をできるだけ押えるという意味で、特定の地域を限って課税するという考え方は私どもも賛成であります。ただ、事務所・事業所税を見ますと、これは、不動産取得税見合いのものを課税するというような趣旨のようでありますけれども、これでは、当該の事業所については一年一回きりというかっこうになるわけでありますが、一回限りではなくて、私どもとすれば、むしろ、法人税に対して、地域を限って格差をつける。過密地帯にどうしても事業所を置きたいということで、そういうところに置けば、現在投資をされた社会資本を当然そのまま使うわけでありますから、事業所としては便利なんでしょう。便利だからこそ、過密地帯に事業所が集中する。ということになれば、この際、わが国の法人課税につきましては、外国に比べて低いわけでありますから、ある程度差をつけて、特定地域についての市町村の法人課税については高くするというくらいの措置をやってもしかるべきじゃないか、そういうことがわが国を均等に発展させるという意味でも必要ではないか、というふうに思います。それに対する考え方と、いま一つは住民税です。 今度、年度内所得税減税を行ないましたために、住民税と所得税との課税最低限の差はさらに大きく開きました。所得税の課税最低限と住民税の課税最低限は、次第にこの間が詰まってきたわけでありますが、ここでまた再び差が開いたという状況ではないかと思います。地方制度調査会の考え方は、住民税減税については何か消極的だ。むしろ税調のほうが、この際住民税減税をやるべきだという趣旨でありまして、話が逆ということはないが、たいへんおかしなような感じを私どもは受けるわけでありまして、確かに、明年度の財源不足は深刻でしょう。しかし、先ほど私が主張しましたような形で、財源不足は国の責任において見るべきです。そういう中で、法人税その他につきましても、特定地域については税率をかさ上げする等の策を講ずる。あるいは、道路目的財源について、市町村の充当率が低いわけですから、これを高めるとか、万般の施策を講ずる中で、住民税の課税最低限も当然下げる。一年に直ちに所得税の課税最低限と合わせろとは言いませんけれども、二年ないし三年くらいのうちにこれを合わせていく。そういう意味で、明年におきましても、住民税の減税は当然断行するということが必要ではないかと思うのですけれども、自治省、住民税減税については一体どうお考えですか。これをやらぬというようなことは、私は納得できません。お答えをいただきたいと思います。
○小山政府委員 税の問題につきましては、それぞれの諮問機関等もございまして、あらかじめそれらの機関の考え方というものを承りませんと、私ども単独でこれらに対する意見を発表するというようなことは、従来の慣例から差し控えなければならぬようになっておるわけであります。いずれにしても、所得減税と関連を持ちまして、住民税の減税というものは当然そういう方向で対処していかなければならぬことは、答申を待つまでもなく、私どももそういう方向で善処したいというふうに考えております。しかしながら、明年度におきましては、御承知のとおり、地方財源が非常に枯渇いたしておりますおりからでもございますので、趣旨としては当然さような考え方でありますが、現実の問題として、どの程度そういう理想を現実に移すことができるかどうかということで関係者もいま苦慮いたしておるわけでございます。私どもといたしましては、所得減税に見合って、住民税の減税をできるだけ早い機会に実現をしたいという考え方の上に立ちまして、全体の税収の確保を何らか別の面でつとめなければならない、それと並行して住民税の減税を考慮したい、かように考えておる次第であります。
○石川説明員 法人課税の強化をはかれ、特に、格差をつけて、一定の地域に法人課税を強化してはどうか、こういうお話でございました。税制調査会の答申におきましても、都市財源の強化の一環として法人課税の強化をはかるようにという御趣旨の御提案がございまして、ただいまお話しの点とはやや違いますが、私どもといたしましては、そういう方向で努力をいたしてまいりたいというように考えておりますし、集中抑制その他の面から見まして、御提案の考え方も一つの有力な考え方ではあろうかと思うのでございますが、来年度の問題といたしましては、法人課税につきましては、さしあたり、法人税の付加税率の取り扱いをどうするかという問題がございまして、私どもといたしましては、この問題につきまして、できる限りこれは存続の方向で参りたい、これに全力を集中していくということになっておりまして、将来の問題といたしましては、税調の答申等ともあわせ考えながら、なお検討いたしてまいりたいと考えております。 なお、事務所、事業所の課税につきましては、都市にできるだけ実態に即して税源を与えていきたいということで、一回限りの課税を考えていこうということで検討を加えておりますが、これはまだいろいろ問題がございまして、なお税調等の御審議をわずらわしていきたいというふうに考えます。
○山口(鶴)委員 前回の地方行政委員会でも、この一・七五%の法人税の付加税率の存続については、当然自治省としてはそうだろうし、大蔵省としてもこれは存続することが正しいのじゃないのかというお尋ねをいたしまして、当時、平井さんだったと思いますが、参りまして、当然存続するつもりですというようなお答えだったと思いますが、その点は間違いないでしょうね。
○田中(六)政府委員 間違いありません。
○山口(鶴)委員 当然これも存続をさせる。それから、先ほど私が提言いたしましたようなことも御努力をいただく。そういう中で、とにかく所得税と住民税との課税最低限が著しく違うということでは国民も納得をいたしませんので、この住民税減税につきましては、自治省の側も、消極的な態度でなしに、積極的に実現をするという方向で御努力をいただきたいと思います。 それから、次に、やはり地方税の問題ですが、木材引取税がいま問題になっておるようであります。財源の乏しい過疎町村におきましては、有力な財源であることは間違いございません。外材の課税等を考えながら、何とか木材引取税については減税をしようという動きもあるやに聞いておりますけれども、ガットの関係からいいまして、それでは外材に対して課税することがはたして可能なのかどうか、やはりいろいろ問題があると思います。特に、財源の乏しい過疎町村の有力財源である木材引取税をやめるとか、あるいは半分に税を軽減するとかいうことはやはりすべきじゃない。むしろ、木材引取税につきましては、課税自体が、何といいますか、率直にいえば脱税が非常に多いといいますか、適正でなかった。地方財政計画の税収入の見込みを見ましても、ここ数年間、木材引取税については全く異動がないというような状況でありまして、むしろこれは税の適正化につとめるべきではないかという感じがするわけですが、この点いかがですか。
○石川説明員 木材引取税につきましては、一方におきまして、ただいま御指摘のような、外材との関連におきまして、木材引取税の軽減をはかりながら、一方、それによりまして財政措置を講じて、山村が困らないようにしたらどうかという御提案があるのでございます。私は、これも一つの考え方であるというように考えております。ただ、そのこと自体は、いま御指摘のように、山村、特に過疎対策に苦しんでいる山村の税制が成り立たないというような形になりますれば問題がございますし、また、財政が成り立たないということでは非常に問題がございますので、御提案につきましては、なお検討を加えていきたいと思いますが、御趣旨のとおり、山村市町村が困らないようにやってまいりたいと考えておるわけでございます。 なお、木引の課税の適正化の問題、これはきわめて重要な問題でございまして、市町村といたしましても、把握の適正化に年々つとめておるところでございますが、これは山林所得とあわせて、なかなかむずかしい問題でございます。御趣旨を体しまして、一そうその方向に向かって努力をいたしたいと考えております。
○山口(鶴)委員 大臣が参りましたのでお尋ねしたいと思うのですが、お見えでありませんときに、自治、大蔵両政務次官に対しまして、一つは、国が公債を発行して国税の穴埋めをしておるということでありますから、当然、地方に対しては、景気が停滞し、落ち込んだために交付税額が少なくなる、税率を若干上げても、もとが少ないのですから、どうも交付税自体がふえないという場合は、当然公債発行で国は穴埋めをするのですから、それに一定率をかけたものを、いわば、国税三税の落ち込みによって不足した分は一般会計から交付税譲与税特別会計に入れることによって穴埋めをするのが当然筋ではないか、地方債でありますとかいう形で肩がわりをするとか、あるいは上村さんが言われたように、いわば借り貸しによって、一般会計からの繰り入れではなしに、交付税譲与税特別会計が財投から借り入れることによってその穴埋めをするということは間違いだ、あくまでも一般会計からの繰り入れでこの穴埋めをすべきだ、その趣旨を貫くべきだ、ということを申し上げました。それに対して、政務次官からもお考え方の発表があったわけでありますが、この点に対する大臣の強い決意を承っておきたいのが第一。 それから、現在、地方財政が非常に困難なために、住民税の減税については確かに困難があることはわかります。わかりますが、いわば、一兆円の財源不足をどう穴埋めするかという今後の努力の推移と——また、過密、過疎が激化をしている中で、これをある程度抑制するというような気持ちも含めて、事務所・事業所税の創設等も考えておられるようでありますが、そのほか、法人税についても、あるいは格差をつけるとか、さらには道路目的財源につきましても、市町村に対してもっと充当率をふやすとか、万々の方法についてもちろん努力をする必要もありましょう。そして、事業税減税については明年も必ずやる。とにかく、所得税と住民税と課税最低限が詰まってきたのがまた開いたわけでありますから、これはやはり詰める。そして、何年かのうちにはこれを同じように持っていくということは当然なすべきことなのであって、苦しいとはいいながら、明年住民税減税を見送るということは私ども絶対に承服しがたいわけであって、この点に対する自治省のお考え方もあわせてひとつお聞かせをいただきたい。
○渡海国務大臣 第一の点でございますが、交付税の伸びが、国税三税の伸びが少ないものでございますから期待できないということは、いま御指摘のとおりでございます。この穴埋めは当然交付税をもって行なわなければならない。経費というものは、地方債というふうな姿でなくして、交付税で行なわなければいけない。その穴埋めというものはぜひともしたい。しかも、それは、一般会計からの補てんという方法でやるべきであるということは、いま山口委員御指摘のとおりでございます。いま、その論に対しまして、とにかく国庫もたいへんなときであるので、借り入れで始末せいというふうな議論も出ておることもまた事実でございます。いま御激励を受けました姿で行なうというのは当然のことであろうと思いますので、国庫当局の姿等を勘案しながら、御要望の線に沿うように私もがんばり抜きたい、かように考えておりますので、今後ともよろしく御支援賜わりたいと思っております。 少なくとも、県でございましたら、国と同じように、景気変動に対する調整というものを財政運営面に期待することもあるいはできるのでございますが、市町村は、それほど財政規模も大きくございませんし、そういうふうな国と同じような操作、景気の悪いときには国債を発行するのだというふうな姿でおさまるべきものではない。したがって、これは交付税で措置すべきものであるということで、いま国庫当局と予算折衝に当たっておるような姿でございますので、いまの御要望の御議論を心のかてとして今後がんばり抜く覚悟でございますので、今後とも御支援を賜りたい、かように存じます。 減税の問題でございますが、先般、地方制度調査会におきまして、当委員会にもおられました阪上委員から、いま山口委員御指摘と同じような発言を聞きました。地方制度調査会では、住民税の減税の余地がないという姿の御答申を得たのでございますが、その御答申の過程において、当然住民税は減税すべきだ、財政の状態はわかっておるが、減税すべきであるという御意見の発言がございまして、私、それに対して答えたのでございますが、所得税が減税された、したがって課税最低限が開いた、これが直ちに同額であるかどうかということは、所得税のありさまと住民税の性格上、住民負担をしております税の本質上問題はあろうと思いますが、この格差は縮めるだけの方法はせなければならない、これは私たち政治をあずかっておる者のなさねばならぬ当然のことである、私はこう考え、そのときお答えさせていただいたのでありますが、大臣としては落第である——そのこともよくわかっております。よくわかっておりますが、同時に、このことは市町村長の方々もそれをなさなければならない立場にあることは私と同じでなかろうかと思う。それにもかかわらず、その市町村長がなさなければならない義務をなさずに、どろをかぶってでも減税をしてくれな、という御決議を自治大臣にいただいておるのは、それだけに財政が苦しいことを表明しておるものじゃなかろうかと思います。この姿をながめたときに、自分だけよい子になって、その財源を与えずに、これは当然やらなければいけないことだから減税させていただきますということは、この市町村長さんの、自分の姿を捨てての御要望に対して、私は、口がさけても申し上げることはできません。したがって、私もそのように考えておりますが、その裏には、いま山口委員御指摘のとおり、減税し得る財源を得て実行するのが私たちの果たさねばならぬつとめであるという姿で国庫当局との予算折衝に臨む覚悟でございます。そういう御答弁をさせていただいたのでございますが、そのときに初めて私の口から住民税の減税を述べ得ることでございまして、それなき間は私たちは減税できません、ということを申し上げるよりしかたがない状態でございます、ということを述べて答弁させていただいたのでございます。いま山口委員は同じような御発言でございましたが、私、そのつもりで予算折衝に当たらしていただきたいと思いますので、これまた御了承を賜りたいと思います。
○山口(鶴)委員 これでやめますが、住民税減税は、大蔵省はどうなんでしょうか。これは賛成のように承っておるのです。しかも、住民税減税ということは、何も、ほかのことは考えぬで減税しろと言っておるわけじゃないので、当然、住民税減税をするためには、地方財政の危機を目の前にして、何らか国としても責任を負う形の中で、しかも住民税の減税はすべきだということだろうと思いますので、その点お伺いしたいのが第一です。 それから、この際、公共用地の取得について、自治体が先買い権を持つとか、いろいろな形で公共用地を自治体が十分確保するということは何よりも必要ではないかと私は思います。ヨーロッパ名画へ参りますと、市の区域の中で、うちの市は三分の一市有地を持っておる、うちはその二割を持っておるということを必ず聞かせられるわけでございまして、わが国の現状を見ますと、非常に残念な気がいたすわけであります。土地開発基金というものでいままでやってきました。私は、交付税にこういうものを使うことは反対であります。そのことはしばしば申し上げてまいりました。この際は、交付税でもって従来やってきました土地開発基金というようなものについては、一切清算をいたしまして、そのかわり、公用地取得のための、まあ名前はいろいろございましょうが、たとえは仮称土地基金とか、あるいは土地公庫とか、そういうものをこの際思い切って大々的につくる必要があるのじゃないか。そうして、国の資金を思い切って公庫ないしは基金につぎ込むことによって、この際、公共用地の取得については全力をあげて努力をするということが必要ではないかと思っております。この点も、わが党の阪上委員が、地方制度調査会であるいは強調されたと思うのでありますけれども、これに対する考え方をお伺いしたいと思います。 それから、一兆円の財源不足につきまして、大蔵、自治の事務当局の考え方を聞きました。問題は、行政経費のうちの単独事業をどう見るか、それから、投資的経費のうちの単独事業を一体どう見るのかということが、その一兆円が多い、少ないという議論の相当な部分を占めているというように承りました。いま、わが国は、国民消費支出を大いにふやさなければならぬ。輸出ドライブばかりかけているのじゃないんだ、やはり国民生活基盤を強化するのだ、それに力を入れるのだということを示すことが必要である今日でありますから、この行政経費のうちの単独事業、投資経費のうちの単独事業、いわば、その自治体のシビルミニマムを達成するための経費はやはり十分配慮しなければいけないのだと私は思います。そういう意味で、自治省がいま申し上げた趣旨を体して、単独事業の経費につきまして、この財源を確保するということのために今後とも十分努力していただきたいことを三番目にお尋ねをし、私は強く要請をしておきたいと思うのです。
○渡海国務大臣 土地の問題でございますが、この問題に、私は三つの措置をいまのところ考えております。 その第一は、御指摘になりましたところの、公用地の取得のための自治体に対する先取権と申しますか、先買い権を何らかの法的規制でやらなくてはならぬ。これは、建設省の分野の主管もございますので、この夏以来、その法制化につきまして、建設省と連絡をとりながら進めております。先般、新聞紙上へ、建設省の案として、一つの試案が出ておりましたが、これもそのあらわれでございまして、何らかの形で各省との連絡を得、公有地の先買いをすることによって土地価格の上昇を押えることができ、また、土地の入手を容易にする——いまのところ、土地収用法ということでございましたら、事業が確定してしまわぬことには行なうことができませんので、そういったことでは目的を多く果たすことができませんので、何らかの形の先買い権をぜひとも法制化したいと思って、鋭意努力をいたしておりますので、御了承賜わりたいと思います。 第二の問題は、現在、土地購入のため、単に一般会計だけでは民間資金の導入等ができませんので、公社組織にしまして民間資金の導入を、各県あるいは各市ともはかっておられるのが現在の姿でございまして、土地開発公社という名前のものが現在八百余りすでに全国でできておる姿でございますが、これはあくまでも私法的な姿でございまして、これを公法化することによってその活動を積極化するということが必要でなかろうか。これは私たちの所管でございますので、ぜひとも次の通常国会に提出いたしまして、積極的に活動し得る土地開発公社として法人格を与えたい、このように考えております。 三番目は、御指摘がございました資金でございますが、財政投融資の中からはこれを行なうことはとても困難であります。ざっと私たちが見積もりました各県の土地購入の実績によりましても、すでに一兆円をこえておるような姿で土地購入をやっております。この上になお、将来伸びていく各種事業、あるいは各省がつくっておられます五カ年計画等を考えましたなれば、毎年二兆円近くの金が土地購入のために必要となるのではなかろうと思います。このためには、何としても、民間資金の活用をはかることが必要であろうと思いますので、このでき上がりました公社に対するそれらの民間資金を、自治省として、国全般に対して、統一とれた資金として供給し得るような制度を何らかの形でつくりたいとせっかく努力いたしております。 この三本の柱を立てることによりまして、来年は、完ぺきとは申さずとも、三本柱の基礎と出発だけはぜひともいたしたい、このような姿で目下努力をいたしておりますので、何ぶん、委員各位の格別の御指導と御援助を賜わりたいと思っております。 土地の問題はそのような姿でやらしてもらいたいと思っておりますが、それからあと、もう一つは何でしたか。
○山口(鶴)委員 単独事業をがんばらなければいかぬということですね。
○渡海国務大臣 どういう議論が出たのか知らぬのですけれども、この点は、私が先ほど上村議員に答えたとおりでございまして、公共事業だけやって、それで問題が果たせるものであるとは考えておりません。しかも、公共事業が多くなればなるほど単独事業がふえておる。これが実情じゃないかと思います。現在、各地方自治体で行なわれねばならぬ生活関連施設、あるいは福祉施設、この需要は一日も欠かすことができません。公共事業が伸びるのと同時に、単独事業はぜひとも行なわなければならない。これは、私、年来の要望でございまして、どのような差額が自治当局、大蔵当局で述べられたかわかりませんけれども、この点は、ぜひとも単独事業ができるように、また、それでもって初めて自治行政の責任を全うし得ると考えておりますので、考えたいと思います。 なお、数字の詰めをながめておりまして、毎年、大蔵省の言いますのと自治省の唱えますのと非常に差がございます。財政計画というものは、あくまでも標準の計画でございまして、一兆円あまりの席が出ておることは山口委員の御指摘のとおりでございます。歳入の面で歳出の面の実績を言い、そうして歳出の面ではその規模のことを言われたら、そこに大きな差が出ることは当然でございまして、私、大蔵当局に、事務の詰めにおきまして、数字の理由はわかるけれども、おかしいじゃないかということを申し上げておきましたが、私は、単独事業ができるような姿になるまでは絶対に引き下がらぬ覚悟でがんばります。また、このことをして初めて地方自治体としての責任を果たし得るものだ。このようなつもりで国庫当局とも当たってまいりたいと思いますので、御了承を賜わりたいと思います。
○山口(鶴)委員 あと、住民税の減税は……。
○田中(六)政府委員 御指摘のように、住民税の減税につきましては、所得税の減税との格差が課税最低限でできておりますので、それを十分加味し、税制調査会の答申も二十三日にはあると思いますので、そういうことを加味して検討していきたいと思います。
○大野委員長 桑名義治君。
○桑名委員 来年度の地方財政が非常に困窮していることは、先ほどからいろいろと議論がなされておるわけでございますが、私は、一番最初に、税の再配分あるいは交付税率の引き上げ、この二点を大きな問題として、大きな一つの柱としてまず伺っておきたいと思います。 現在の地方財政をながめてみますと、昨年度から公害の問題が非常に大きな課題になっておりますが、この公害に対する対策の、いわゆる財政需要というものが非常に大きく地方財政を圧迫をしているということはいなめない事実でありますし、それに加えまして、これは付随的な問題でございますが、下水道の五カ年計画というものもまた立てられております。あるいは、社会資本の充実ということがまた言われております。こういった問題は、一切がっさいが地方に大きな財政のしわ寄せをもたらしておるということは当然なことだと思います。それからさらに、都市の人口の急増、この都市の人口の急増というものは、結局、いままでの不交付団体が交付団体に落ちていかなければならないというような、そういう一つのケースまで生まれているというのが事実でございますし、そうして、新たに、今回は、来年度のこういったいわゆる財政需要に見合うだけの税の収入をはかっていかなければならないということで、新税の新設ということも考えておられるようでございますが、この新税の新設ということも一つの限度に来ているのではないかと考えるわけでございます。こういった中でも、やはり所得税に見合うだけの地方税の減税も考えていかなければならない。あるいはまた、現在の地方交付税の性格というものは、一番最初の交付税の性格からずっとかけ離れてしまった。何でもかんでも、財政需要がふえたら交付税で、交付税で、ということで、何でも交付税で補てんをしていくというような方向に現在流れているということは、これはいなめない事実であります。それからさらに超過負担、この超過負担分についても、これもやはり同じように、交付税でこれをあがなっていくという方向で現在行なわれているわけでございます。あるいは、今回のように、この景気を浮揚させるためには、いわゆる直轄事業を大々的に推し進めていくということで、国債の発行等も考えておられるわけでございますが、こういった問題もまた、二分の一の裏負担分は地方が見ていかなければならない。こういうふうに一つ一つ積み重ねていきますと、地方財政というものはやがてはパンクするのではないかということは、これはもういなめない事実であります。それに加えて、来年度の不況というものが折り重なっております。この来年度の不況というものが起こらなくても、地方の財政はここで大きく洗い直していかなければならない時期が来たのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。 そういったことから、地方の財政を確保するためにはどうしなければならないかという点に着目していきますと、当然そこに帰着するものは、税の再配分か、あるいは交付税率の引き上げ、この二点に大まかにしぼられてくるのではないかというふうに考えるわけでございますが、このたびの沖繩国会における議論にもあったように、沖繩に新しい財政需要が生まれてくるという中で、現在の交付税率を引き上げるべきではないかという議論があり、その中で、大蔵大臣も、総理大臣も、この交付税率の引き上げについては、いろいろな関連が起こりますので、これはちょっと早急には考え直すわけにはいかないというような意味の御答弁があったわけです。そうなってくると、この税の再配分という方向で走っていかなければならないという実情にあると私たちは考えるわけでございますが、まず、自治省としての考え方は、このどちらを優先的に今後推し進めていこうとなさるのか。この点について、まず、その方向をお聞きしておきたいと思います。
○渡海国務大臣 地方財政のあり方について、経済変動の姿をどう受けとめていくか。これは、いま御指摘のとおりの時代が来ているのではないかと思いますが、これは、事務配分の問題にもからんでくる当面の問題ではないかと思います。いま、地方制度調査会でも、先般も申し上げさせていただいたのでございますが、単に財政の問題だけでなく、行政の問題とからんでこの問題を抜本的に考えなければならぬ、方向を検討せなければならぬのじゃないかということを、当面の御答申は得ましたのですが、長期的にこれに取り組んでいただきたいということを、私、ごあいさつの中で申し上げたのでございますが、いま桑名委員御指摘のような姿に来ておるのじゃないかと思っております。私たちとしましても、これは根本的に考えていかなければならないのじゃないかと思っております。 ただ、そうすると、いま言われましたように、税の再配分か交付税の率の引き上げよりないじゃないかということになりますけれども、税の再配分といいましても、どの税をとってみましても、高いところにはなお高くいく。日本のような場合、自治体そのものが非常に格差のある自治体でございますので、いまのような譲与税方式によってこれを案分する、あるいは交付税制度によってこれを平等に分けるようにする、というものを残されない限りにおいてはやむを得ないという姿になっておるのでございます。したがいまして、事務の再配分あるいは行政のあり方等とからんで、財政の問題も考えていかなければならないときに来ておるのじゃないかと思っております。 私、沖繩委員会の論議を聞いておりまして、交付税の引き上げに対して、大蔵大臣、総理大臣がそういうふうな発言をされたことも聞いております。実は、交付税の三二%というものが、国と地方の事務の配分によって、交付税制度そのものによって率を上げることによって解決する問題であるかどうかという点に対して、交付税率が、あの制度に基づくところの交付税率のあり方として、ある程度の限界といいますか、その近くに来ておるためにああいう発言があったのじゃなかろうかと思っております。 私たちは、当然率の引き上げが必要なこともあり得ると考え、要求もしておるような姿でございますが、そういうような関係で非常に苦慮しておるというのが偽らざる実情でございます。したがいまして、いま端的に交付税をどうするのか、税の再配分をどう考えておるのかということでございますが、非常に大きな問題でございますので、私自身、しからばこうしますという具体的な案を持ってお答えすることをいたしかねておりますが、地方制度調査会等の御審議を得まして、この問題に取り組んでまいりたい、単に明年度の当面の問題だけでなく、取り組んでまいりたい、かように考えておる次第でございます。 ただ、私は、その場合に、景気の変動というものは今後避けられない問題であろうと思いますので、これを長期的にとらまえて、いかに財政運営をやっていくか、国、地方を通ずる問題として、十分考慮しながら配慮していかなければならないものであろう、単に短期間だけをとらまえて動かしていくという問題じゃなく、そのときの需要を、最も合理的に、長期的な目でながめて、地方財政の健全化を期して、財政の果たす役割りを考えていくということが最も必要な考え方の一つではないか、かように考え、その方策をいかにすべきかということについて検討を加えてまいりたい、このように考えておるような次第でございます。
○桑名委員 税の再配分にいたしましても、交付税率の引き上げの問題にいたしましても、これは即刻にできるような問題でないことは重々承知している観点から申し上げているわけでございます。というのは、先ほど申し上げましたように、公害等におけるいわゆる財政需要の増高とか、あるいはまた、下水道五カ年計画に対する地方財政のいわゆる負担分の増高とか、いろいろな問題が最近は惹起しているわけです。それに加えて、来年度は——いま、こういうような不況が起こってきたというような、いわゆるダブルパンチどころか、もう五重にも六重にもパンチを食らっているというのが実情であるので、いままでの、税の再配分とか、交付税率の引き上げとかいっておった問題を、ただここで言うのではなくて、いよいよここらで詰める一つの段階に来たのではないかということを私は申し上げているのです。いままでこの問題もたびたび論議にあがっているわけでございますけれども、そういう方向で考えますとか、そうしなければならないとかいう答弁は何回も言われているわけです。 では、しからば、この問題にどれほど取り組んで、どのような形になって現在考えられているかという点になりますと、これはおそらくゼロの段階じゃないかと思うのです。だから、こういう問題は、思い切ってどこかで区切りをつけながら改革をしていかなければ解決のつかない問題だと私は思うわけです。だから、それについては、いまが非常にいい時期ではないか、一つの立案をしていくところの転機を迎えているのだから、ここらでひとつ作業を始めたらどうだ、話し合いを始めたらどうだ、ということを提起しているわけであって、いまから先どうすべきか、こうすべきか、ということを明快にお答え願いたいということをここで詰めようとは思いません。時間もございませんし、当然、そういうような性格の問題でもございませんが、ただ、いままで言われておった事柄がおざなりに流されてきたところに問題があるのじゃないかと私は思う。しかし、もうここらで本気になって取り組んでいかなければ、これは重大な問題になってくるということを私は申し上げているわけでございますので、その点についての大臣の御決意なりをさらに伺っておきたいと思います。
○渡海国務大臣 私、いま申し述べましたように、いまの桑名議員のお考えと同じような考えで当面の問題に取り組んでいくと同時に、長期的な問題を考えなくてはならないのじゃないかと思っております。いま、変革期の時代に来ておると言われておりますが、日本経済も新しい方向に向かって転換をしようとしております。政治のあり方も変わり、外交のあり方も変わる。私たちの内政の問題も、いま言われたような転換期ではないかと思っております。御発言のとおりでございまして、地方制度調査会でも、長期的な面について、いま御発言のありましたような点について、ぜひとも御検討を賜わりたいということを、先般のあいさつで、桑名委員と同じような気持ちで申し上げたのでございまして、ぜひともそのような方向で転換を加え、その転換が——私も長い間地方行政に携わってまいりまして、そのことを述べながら、いかに困難な問題であるかという現実面をとらまえておりますが、いま言われたように、いまこそ取り組むべき時期ではないかと考えておりますので、各界の知識を集めてそういうような方向に持っていきたいと思いまして、まず、その最も必要なる機関でありますところの地方制度調査会で、あいさつの中でそのことをお願い申し上げたような次第でございますので、全く桑名委員御指摘のとおりの気持ちで当たっていきたいと思います。
○桑名委員 自治大臣のお気持ちはわかったわけでありますが、大蔵省としてはこの問題をどういうふうにお考えなのか、政務次官にお尋ねしておきたいと思います。
○田中(六)政府委員 桑名議員御指摘のように、地方制度並びに事務の再配分という根本問題にこれは立ち入らなければならない問題でありまして、これは、いま問題にされているだけでなくて、例年の財政制度審議会などでも毎年取り上げられている問題でございます。それほどこれは取り上げられておりますが、実行にはなかなか移されないで、非常にむずかしい問題でございます。しかし、私どもは、発想の転換という時期に来ておる、チャンスが非常に迫っておるという気持ちを持っておりますので、先ほど自治大臣が申し述べられましたように、十分そういうものを勘案して、折衝して、実現に努力していきたいというふうに思っております。
○桑名委員 そこで、先ほどから住民税の減税の問題が論議をされておりましたが、先ほどの大臣の答弁の中からうかがわれることは、一応その減税に見合うだけの税収入の道が開かれたならば減税を考えましょうというふうな、端的にかえばそういう御答弁だったと私は思います。そこで、現在の税制度が資本の蓄積優先の税制度であり、いまから先の税制の変革といえば、国民生活充実のための税制度でなければならない。そういう観点に立った場合には、いまの大臣のお答えではどうも私は不満足なんです。 そのおもな理由は何かといえば、結局は、この住民税の減税をすることによって歳入が非常に押えられるというところに問題があるわけでございまして、いわゆる財政的に減税をする時期ではない、したがって、この減税はできないという端的な論理になると思います。しかし、私が先ほど申し上げたように、資本蓄積優先の税制から国民生活充実の税制へ切りかえていくとすれば、いまから先は、言うならば、公共住宅の建設やら、下水道の建設やら、老齢年金やら、あるいは社会福祉等の諸施策、そういった優先順位にまさるとも劣らないという方向でこの住民税の減税等も今後は考えていかなければならないのじゃないか、ただ、財政的に行き詰まっているからできませんということでなしに、減税をするという一つの観点の上に立って、ではその減税分に見合うだけをどうするかという方向で考えなければ、来年度の住民税の減税というものはとうていおぼつかないのじゃないか、そういう方向で考えることが最も至当な今後の考え方ではないか、こういうふうに私は考えるわけです。所得税と住民税の格差が約三十万できているということでございますが、これは、私の調べでもそういうふうになっておりますけれども、しかし、先ほどから申し上げておりますように、所得税の減税や住民税の減税をまず前提にしてから、それから財源さがしや歳出の取捨選択を行なっていくことが、最も大事なことではないかと思うわけでございますが、先ほどからの大臣のお考えは、やはり同じように、財源ができたらという視点に立っての減税であると考えているというふうに考えざるを得ないわけでございましょうか。どうでしょうか。
○渡海国務大臣 税本来の性格のあり方についてのお話がございましたが、国税の立場と地方税の立場は、またその性格を異にするのじゃないかと私は考えております。したがいまして、所得に応じて税を取る、これを平等に施設に還元する、地域の住民に負担をしていただく、というのが住民税の性格の本質のものではないかと思っております。そして、施設をしなければならないことが山ほど積まれております。したがって、そのどちらを選ぶかということが最も必要になってくるのじゃないかと思います。しかしながら、その住民税そのものが過酷なものになりましたら、できなくともやらなければならないという姿になるのは当然の姿じゃなかろうか、このように考えております。私も承知をいたしましたとおり、あの当時は、所得税に対して初めて一八%というものを所得割りとするという税制に改められた当時でございますが、私の近村は全部金持ちの村でございましたので、十八%を一五%に下げろという運動が起こりまして、全部一五%に下げられたのでございます。その当時、私のところへも二十名ほどやって来られて、その要望がございましたのですが、私は、普通以上の苦しい中から税金を取ろうと思っていないが、所得に応じてせなければならないことがたくさんあるのだから、還元するために税は下げることができませんということを、事を分けてお願いしまして、取らしていただいた経験もございますが、そういうふうな性格で市町村長さんは当たっておられるのではなかろうか。そういう観点に立ってやらなければならない。いま言ったような、みずから率先して住民税を下げるべきだと言われる市町村長さん方が、それを行なわれずに、住民税の減税だけはこの際やめてくれというふうな要望を聞いておるのが私のいまの姿でございまして、この市町村長さんに対して、財源をいただかずには——市町村長さんそう御心配されるな、これだけあったら十分下げられますというものをつかまぬ限りにおいては、住民税減税をいたしますということは私の口から言えないということがいまの私の立場でございまして、当然やるのだ、やらなければならないのだということを前提として財源折衝に当たれというお話でございましたが、その気持ちにおきましては、桑名委員の気持ちとは変わりなく折衝いたしたいと私は思います。しかし、市町村長さん方のいまのそのような御要望に対して、そういうふうな性格を持つ住民税であるということを考えました場合、桑名委員と同じ決心をうちにどのくらい持っておりましても、口では言えないという気持ちで私はおりますので、そのことを山口委員に答えたつもりでございまして、住民税減税をぜひとも実行し得るような財政措置に持っていきたいということが私の努力目標であるということを御賢察賜わりまして、今後ともの御鞭撻と激励を賜わりたいと思っております。
○桑名委員 その減税をするための一つの方策として、事業所税を創設するとか、あるいは軽油税の税率を引き上げようとか、いろいろな事柄が検討されている模様でございますけれども、これの見通しは大体どんなふうなんですか。
○渡海国務大臣 この問題は、実は、税制調査会の、大都市の財源充実の問題としても御提案がございましたので、その点、私たちも鋭意努力を重ね、この問題に対して取り組んでおりまして、ぜひとも実現に持っていきたいと考えております。事務所・事業所税の分でございます。ただ、答申を得ましてから何ぶんにも時日が間もない姿でございまして、新税を起こす場合のいままでの姿から申しましたなれば、非常に困難なる状態にあるということは事実でございますが、現在の財政事情等にかんがみまして、各位の御了解を得、御支援を得て、ぜひとも実現に持っていきたいと、目下努力中でございます。 なお、軽油税の問題でございますが、地方財源として軽油引取税があることは御承知のとおりでございまして、ガソリン税との負担割合のことを考えましたなれば、引き上ぐべき姿にあるということも当然でございますし、また、円・ドルの交換等の問題によりまして、輸入原価も徴税を保し得るような理由になるのではなかろうかと考えております。ただ、自動車トン税を行ないましたような関係で、これが消費者に転嫁されるというふうな姿で、物価値上げ等の問題もございまして、そういうふうな実情のときは非常に困難ではないかと考えまして、この問題の行くえを研究をしながら、消費価格に転嫁されないような姿でぜひとも実行に移したいと思っていま考えておるのでございますが、いま、OPEC等が、この機会に値上げを要求しておるというような流動的な問題がございまして、これまた流動的な姿ではないかと考えておりますので、十分慎重にそれらの点も考慮して行なわさせていただきたいと思います。
○桑名委員 今回は、国債の多額の発行が一応予想されておるわけでございます。そこで、国債を中心とした公共事業の拡大が行なわれるわけでございますが、そうしますと、公共事業の拡大に対する地方負担は、国の事業の二分の一は当然必要とするわけでございますけれども、国債中心になれば、その裏負担分を地方財源は必ず見込まなければならない。そうなってくると、その分は地方債という可能性が生まれてくるわけでございますけれども、現在の地方公共団体の財政を考えてみたときに、この地方債でまかなうことがはたしていいことであるか、悪いことであるか。現在の地方財政を見るならば、これはもう当然結論は出てくると思います。そういったところから、公共事業の地方負担分を全額起債で見るのではなくて、いわゆる特例交付金制度というものを設ける必要があるのではないかと思うわけでございますが、大蔵省としてはどのようにお考えになっていらっしゃるわけでございますか。
○加藤説明員 四十一年のときは、御指摘のように、特別事業債という対策をとりまして、四十三年度から元利補給を行なったわけでございますが、国が公共事業に対しまして公債を出す。その地方負担について、財源措置をどうするかということを考えますと、やはり、事業の性格、目的から考えまして、地方債が適当なのではなかろうか。その理由といいますのは、国が、財政法の四条で、公共事業につきまして公債を出すことが授権されます。その考え方が、地方財政法の五条にも通じてあるわけでございまして、もちろん、地方債だけでいいかどうかという問題は、全体の財政対策のからみとして考えるべきであろうと思うのですが、原則論といたしましては、現在の財政法あるいは地方財政法の考え方はそういうふうになっているのではなかろうかと思っております。
○桑名委員 そこで、これはもう言う必要はないかとも思いますけれども、先ほど言ったように、約一兆円の落ち込みがあり、それに加えて、公債発行で、さらにその裏負担分を地方債でまかなっていかなければならないということになれば、これはまた地方にとりましてはたいへんな負担になってくると思うのです。それで、政府は、現在のいわゆる財源の伸びが悪いといって、安易に地方債を発行する傾向にあるわけでございますが、現在の地方団体がこの地方債を完全に消化をでき得る財政事情にあるかどうか、この点どういうふうに認識をされているか、そこら辺に一つの問題があると私は思いますが、大蔵省としてはどのようにお考えでありますか。地方債を発行しても、まだ十二分に消化でき得るという財政事情にあるというふうにお考えでございますか、どうですか。
○加藤説明員 その問題は、問題が二つあると思います。一つは、地方財政が、そういう借り入れ金と申しますか、地方債の負担にたえ得るかどうかという問題と、それから、そういうような金が調達できるかどうかという問題があろうかと思うのでございます。 前のほうの問題でございますが、本年、補正時に、景気振興対策あるいは地方財政対策を立てまして、相当大きな地方債をやったわけでございます。それから、国のほうも七千九百億の増加をやったわけでございますが、その結果を見ますと、国が当初予算で四・五%ほどの公債依存度であったわけでございますが、それが一二・数%に上昇しております。地方のほうは、当初四%何がしでございましたが、七・何%程度になっておるわけです。それで、国の財政規模あるいは国の制度から考えまして、地方をマクロでとらまえて、一つの数字で地方を代表させて云々するというのはもちろん間違いであろうと思いますが、そういうような数字があるということ。それから、四十一年に交付税率が上がりまして以来、交付税が毎年非常な勢いで増加してまいりました。その結果、投資的経費の増加あるいは土地開発基金の増加をやってきたわけです。そういうようなものは、こういう景気の落ち込みの際には、あるいは地方税収の減の際には、ある程度それを取りくずすといいますか、そういうような考え方は財政運営として当然あるのではなかろうかというようなことを考えますと、まず、地方のそういう借り入れ金あるいは地方債の負担力の点から申しますと、まだあまり心配しないでいいのではないか。今後の経済の見通しがどうなるか、それによって地方税収あるいは交付税の収入の行くえが問題になりますが、目下のところ、いろいろな財政措置によりまして、来年には——来年中ごろですか、そのころにはまた何とかなるのではなかろうかというような見通しもありますので、そういう面かな申しましても、一番目の問題のほうはそう心配することはないのじゃないかと思います。 それから、二番目の消化ができるかどうかという問題でございますが、これにつきましては、公営企業金融公庫の活用の問題とか、あるいは政府資金をどうするかという——これは財政投融資関係の問題なので、直接私どもの担当ではございませんが、補正時におきましても、われわれといたしましては、政府資金の充当率を、いままで見なかったような八割というような充当をしてもらったわけでございますが、そういうようなことを考えていけば、消化の点につきましても……。それからもう一つは、市中金融がかなり緩和に向かっておるわけです。これは今後どうなるかという問題もございますが、そういうような金融市場全般の動きと、それから政府資金の充当率をどうするかということを考えれば、その第二点のほうもそう心配が要らぬのではないかというふうに考えるのですが、ともかく、むだと申しますと語弊がございますが、不要不急の事業等についてはできるだけ押えていく。そうして、ほんとうに地域住民の生活に直結するものとか、あるいは生活福祉のものとか、そっちのほうにつながるものに重点的に財源配分を考えていく。そういうようなことを考えていけば、消化の点でも、地方団体の負担の点についても、必ずしもそう心配することはなかろうというふうに考えております。
○桑名委員 いま主計官が言われましたように、地方財政を平均的にとらまえていきますと、そういう一つの論拠も出てくるかとも思います。しかし、東京とか、大阪とか、またこれに付随するような大郵市におきましては、この地方債なり起債を起こす能力が実際に十分にあるわけでございますけれども、しかしながら、人口が五万から十万クラスのところにありましては、これに対応するだけの力は十二分にございません。あるいはまた、答弁の中の一部として、市中銀行の云々という話がありましたが、市中銀行から借りたら、またこれはたいへんになってしまいます。確かに、ワクは拡大、緩和されるかもしれませんけれども、その利子の補給というものが十分に見られなければ、この市町村財政というものは当然あがなっていくことができないことは事実であります。それに従いまして、先ほどから問題になっておりますように、いわゆる国税三税の落ち込みがすなわち交付税の落ち込みに——三二%の税率がそのままでも、いわゆる総額において落ち込んでいくということになってくれば、これからまたこの国債に対する裏負担分を見ていくということも、あるいは地方債を見ていくということも、これはいずれにしても借金でございますので、たいへんなことになると私は思うのです。それは一つの論理であって、実情から見た場合には、それは決して適当な答弁ではないと私は考えるが、その点について自治大臣はどのようにお思いでございますか。
○渡海国務大臣 いま、市町村と大きなところと分けて考えられましたが、地方財政全般について、起債能力と申しますか、将来の地方財政に対する財政負担能力ということの観点で見る一方、三千二百の異なる自治体を持っておるのが地方財政の問題であるという点は忘れてはならないものであると私も思っております。したがいまして、今回のような場合におきましても、少なくとも、大都市を除く市町村に対しましては、過重な負担をかけずに仕事ができるように持っていくだけの交付税でもって措置せなければならないと考えております。少なくとも、県規模のところで、長期的な財政運営を考えながらやっていけるのではなかろうか。この点、財源を取るということだけでなしに、同時に、財政運営そのものに非常に苦慮してこの危機を切り抜けなければならないということを常々配慮し、また、私たちの最小限の要望であるところの、少なくとも、市町村に借金でやれというふうな姿、形の起こらないように、市町村が住民需要を満たしながら、しかも健全なる運営を続けていかれるような額だけの交付税の額はぜひとも確保せなければならない、このような姿でがんばっておるような次第でございます。 しかし、同じ県にいたしましても、いま申されましたように、公共事業の裏負担にいたしましても、民間資金を市中銀行から縁故債で求め得る限度が、それぞれの県によって能力の差があるんじゃなかろうかと思います。それだけの分は政府資金でまかなわなければならない、このようなつもりでぜひとも国庫当局に当たらせていただき、その線だけは確保せなければならない、このようなつもりで、いま折衝に当たっておるような次第でございます。 なお、全般的に申されましたとろこの、将来にわたる地方財政の姿が、借金でまかなうことによりまして、今後、財政面から地方自治を束縛を受けるようなことのないように——全般についてのことにつきましても、何%までは公債費で持ってもかまわぬというふうないろいろな学説がございますが、少なくとも、それらのあんばいを絶えず事務当局に検討させながらその運営に当たらせていただきたい、このように考えております。三千二百の自治体それぞれに合うようなきめこまかい運営をともに期すことによりまして、桑名委員御指摘の点のおそれがないように運営を持っていきたい、かように考えております。
○桑名委員 時間が参りましたので、あと要望を申し上げておきたいと思いますが、いずれにしましても、今回の景気の停滞というものは、これは、結局、政府の引き締め解除のおくれと、国際通貨の不安に対する見通しの甘さからきているものというふうに考えざるを得ないわけでございます。さらに、社会資本の整備をないがしろにして民間設備投資に重点を置いたというような、さまざまな要件によって現在のような事態を惹起してきたというように考えざるを得ないわけでございます。それに対応しまして、いわゆる地方財政の仕組みというものは、地方自治体の財政確保の独自性というものがとほんど認められていないといっても過言ではないと私は思います。そういった立場から考えますと、今回の大きな波を乗り切るためには、いわゆる政府サイドの財源の落ち込み分に対しての対策がなされなければ、この不況を乗り切ることはどうしてもできないのではないかというように考えるわけであります。 それについて、いわゆる財源の落ち込み分については、特別交付金によって措置するというような考え方が大蔵省にあるかないか。その点を最後にお尋ねをして、質問を終わりたいと思います。
○田中(六)政府委員 原則といたしまして、特別交付税の三二%で見るという原則がございますし、一般会計あるいは地方債、こういうものを加味していったらどうかと考えておりますが、三二%だけでは足りませんので、その点はさらに上のせすることも加味して検討していきたいと思っております。
○桑名委員 終わります。
○大野委員長 門司亮君。
○門司委員 ごく簡単に二、三の点だけ聞いておきます。 意地の悪い質問をするようですけれども、自治省として、税制調査会に対する注文はどういうことがなされておりますか。これに何か注文をつけたことがありますか。
○渡海国務大臣 私、一番最初に参りまして、社会、経済の変動に応じての税負担のあり方について御審議を賜わり、適切なる御答申を賜わりたいということを述べさしていただきました。 いま当面の問題と、長期の問題と、二つに分かれて討議を重ねておられるのが実情であるということを聞いておりますが、その討議に対する具体的な問題の提起についてのこちらの要望等につきましては、私出ておりませんが、事務当局が絶えず出ておりますので、事務当局から答弁をさしていただきたいと思います。
○門司委員 事務当局の答弁は要らぬと思うのです。 私はふしぎに思っておるのですが、地方制度調査会にいろいろなことが言われて、地方制度調査会で税財源をどうするかということが議論されても、国の機関としては、やはり税制調査会のほうが力が強いのですね。だから、結局、問題は、地方制度調査会にたよってみたところで、実際は税制調査会のほうが重要であって、そこに地方財政と税源の問題がどういうふうに反映しているかということが一番大事なことだと私は思う。だからいまのような少し意地の悪い質問をしたわけであります。 私がそういうことを聞きますのはどういうことかというと、地方財政が非常に行き詰まっておるといわれておるが、地方財政の行き詰まりの中では、地方の自治体の関係はちっともないのです。これは、ある意味においては全部が減収しておるというのが社会現象といってもいいのですね。これは、私から言わなくても、あなたのほうがよく御存じだと思うのですが、いま、税制の問題で、たとえば固定資産税一つを取り上げてみても、どういうことになっておるかということですね。これは、土地と建物にかけておる。ところが、市町村税である固定資産税については、物価の上昇その他国民負担との関係を押えて、法律には、その年度の属する一月一日の時価と書いてあるが、これが適用されない。ところが、同じ土地と建物であっても、県の所管の不動産取得税は、法律にもちゃんと、そのときの取引の時価と書いてある。そうしてここはやや時価に近い。まごまごしていると、贈与された財産等については、大蔵省がかってに見積もって税金をかけてくる。こういうことでしょう。これは現実がそうなんです。そうすると、同じ税法の中で、地方の市町村税である固定資産税については、法律は時価と書いておるが、実際はその実行ができないで、何分の一の税金しか取れない。片一方は、一時限りの税金であっても、結局は時価によって税金を取られるという、国と地方というよりも、国と府県と市町村の税の取り方というものについて、私は、いろいろな問題がありやしないかと思う。これは、国が、固定資産税を上げることによって地代が上がってくる、家賃が上がってくる、だから物価対策として押えておかなければならぬということはわかる。だとすると、その差額は当然国が負担すべきことじゃないですか。私は、先ほどから聞いておって、交付税の三二%が多いとか少ないとか言っておるけれども、税収自身についても、こういう大きな国の責任に基づく地方財政の圧迫があるわけだ。こういう点を一体政府はどういうふうに考えておるか。自治省として、こういう点一体大蔵省に要求されておるのか。あるいは、税制調査会に持ち込まれておるのかどうか。これをひとつ十分に考えてもらいたい。私がなぜそういうことを言うかというと、たとえば、シャウプ勧告の昭和二十五年の税制を見てごらんなさい。あのときは、地方の自治体の固定資産税を中心に置いて、そうして財源の変動の少ないものを地方に与えるということで、主として、固定化した財源というのを地方に、特に市町村に与えておいて、そうして、経済関係のある税制というものを県と国に与えた。こういう形が出てきておる。そうして、その当時はそれでやれたのであります。税制の比準からいっても、いまのように、国民の税負担総額の六%なんということではなくて、このときは一〇%をこえておったと私は思う。ところが、二十五年から起こった朝鮮動乱を契機にして、経済がずっと伸びてきたことのために、一方においては物価が上がってきて、いろいろな問題が生じてきておる。戦後における日本の税体系の中からずっと引き出してくると、そういう問題がどうしても出てくるのです。だから、自治省は、遠慮していまのことに固執することは毛頭ないと私は思う。だから、さっきから意見のありますように、税の配分と言うけれども、税の配分を変える税制のあれを立てかえる必要がいまこそあるのではないかと思う。こういう意味で私はお聞きしたのでありますが、どうも税制調査会に対する圧力が自治省としては弱いというんなら、これは何をか言わんやであって、そうなれば、大蔵省に来ていただくか、あるいは、税制調査会の諸君にやはりこういうことをお話ししなければならぬのじゃないかとも考えられる。こういういままでの地方自治体の、特に市町村の財政が行き詰まって、そうして生活が非常に向上してきて、そこから出るいろいろな財政需要というものはおびただしいものである。東京都のごみ戦争にしたってそうなんですよ。これは何も東京都だけがごみ戦争をやっているわけではない。地方の自治体はみんなごみ戦争をやっている。こういう地方の、ことに市町村の財政需要の急激な伸びに対して、結局、財源というものがそういう意味でなおざりにされておった。私は、極端なことを言ってみると、いまの時価で固定資産税を取ってごらんなさい、地方の財政はちっとも困りやしませんよ。それができないというところはやはり国の責任だということで、当然国が責任を負うべきだという考え方を持っておりますが、これに対する大臣の所見だけをひとつ聞いておきたい。
○渡海国務大臣 税の問題についての、地方制度調査会と税制調査会との重点の置き方という点につきましては、私も重々承知いたしておりまして、税制調査会に対して、税務当局をあげて、大蔵省が国税の分野についてやっておられるのと同様の姿で当たっておるという姿でございまして、門司委員指摘のとおり、税の問題は税制調査会で決定されるべきものであるということは常に念頭に置いて処置をいたしておりますので、ひとつこの点は御了承賜わりたいと思います。 また、税制調査会におきましても、国税の場合と同等の熱意をもって地方税の問題についても近ごろ当たっていただいておるという姿に聞いておりますので、委員各位にも感謝しておるような状態でございます。 ただ、いま固定資産税の問題が出ましたが、シャウプ勧告のときに、府県のほうは景気の変動その他に応じ得る能力があるということで、法人事業税その他の税が充てられ、市町村は景気の変動のない固定資産税をもって充てるという制度が打ち立てられたということは、私も当時末端の行政をあずからせていただいておりまして、十分感じたのでございます。その当時のことを振り返られまして、あの当時は時価に応じたものをかけておったんだが、いまは固定資産税が時価になっておらぬ、これは物価対策その他に対する国の責任のために生じておる問題じゃないかという門司委員の指摘がございましたが、そういう見方もできるということで、今後、私、税の配分とか、そういうものに対して国に当たっていきます一つの示唆を与えていただきまして、この点感謝いたします。 私たちはそこまでは気づかなかったのでございますが、むしろ、固定資産税を与えられておきながら、時価だけ取れない。たとえば、農地の問題にいたしましても、この前の国会で、先生方のいろいろな御苦心の末きまりました問題が、都市近郊農地の分も非常にむずかしいような現状でございまして、市町村当局が固定資産税の徴収にいかなる困難を感じておるか。こんなことを言うたら、また門司委員に何と思われるかわかりませんが、私自身、国のやり方のために固定資産そのものが税額どおり取れないんだというふうな見方をあまりしてなかったものでございますから、御示唆を与えていただいて非常にありがたいと思いますが、土地取得、あるいは売られたときの所得というものの、県税の土地の取得税あるいは国税の相続税、所得税というふうなときには、収入があり、しかも時のものでございますから、時価に相応してかけられますが、固定資産税というものは、収入のないところにかけていくところに、いまの物価に非常に適合せぬ負担が生じる、というところから困難性を背負っている。私たちも、絶えず時価に近づけるために、あるいは評価を適正化させるために、数年来努力を続けておるところでございますが、実情は、時価と書いてありながら時価どおりいかない。私たちの努力が足らないのだとばかりに思っておったのでございますが、そういう見方も立ち得ると思いますので、この点は御示唆に基づいて今後検討もさしていただきたいと存じます。
○門司委員 これは税制全般の問題です。いまのは固定資産税だけをとったわけですけれども、これだけではありませんで、市町村税というのは固定化した税収が多いのでありまして、したがって、経済がこういう形で非常に変動しておるときにはどうにもならぬという、国の犠牲に基づくものであって、これを改革しようとすれば、私は、基本的なものの考え方は、財産税の設定であると思う。しかし、財産税の設定というのはそう簡単に行なわれませんで、大蔵省の諸君にもときどきいやみを言いますけれども、そう言ったって簡単にはいかないと言うんだが、やはり、土地の価格の問題と相関連した財産税的な性格を持たせて——固定資産税なんというのは、いま労働省が奨励いたしておりますところの、例の持ち家政策などは、将来税金を一体どうするつもりかということなんですね。自分の小さな土地に小さな家を建てている人は、一〇〇%自分の自腹で固定資産税を納めなければならぬ。百万坪、二百万坪持っている人は、自分の自腹で固定資産税を納めている人は一人もいない。だから、固定資産税というのは金持ちほど楽な税金なんです。貧乏人ほどつらい税金なんです。それが同じように千分の十三、千分の十四というところに問題があるのであって、これは物に税金をかけているからそういう形になっている。財産に税金をかけていないというところに問題がある。したがって、財産税の設定が行なわれなければ、容易にこの問題の解決はできないと思う。いまの財産税というのは、かろうじて相続税があるだけでありまして、あとに財産税らしいものはないのであります。だから、結局、税体系を全部一ぺん取りかえるという観点に立つことも当然でありますけれども、事実上の問題として、物価抑制のために思うように上げられない。何も私は一緒に上げろというわけではないが、思うようにいかないというのは、国の施策の一環ですから、国が当然責任を持つべきであって、こういう理論からすれば、三二%を五〇%に上げたからといって、交付税なんていうものは一つも差しつかえないと思うのです。その辺が国のほうであまり議論されていないんじゃないかという気がしますから、いま一応聞いたのであります。 その次に聞いておきたいと思いますことは、実際の問題として、地方の自治体の一兆円の赤字をどうするかということで議論がかなりされておりますが、しかし、これを起債に求めるとすれば、結局、原資をどこから持ってくるかということが非常に大きな問題になろうと思う。ところが、いまの地方財政というものを見てまいりますと、長い戦後の歴史の中で、古いことを言うようでありますけれども、昭和二十八年ですか、一応の地方財政のピークの時代というように言われて、あのころに、御承知のように、地方財政再建整備法ができたり、あるいは町村合併が戦後に行なわれたりして、地方財政を行政面からも財政面からも何とかしたいということで立て直しをやった時期であります。ところが、いま置かれておる地方自治体の財政の関係から見てくると、ことしは一兆円だと言っておりますけれども、この一兆円の借金をするということと、また、国が二兆円ぐらいの借金をすると言っておりますが、そうして公共事業をふやしてくるということになると、それに対応する地方の自治体がやはり借金をしなければならないことは当然であろうかと思う。国のほうの借金は、私は、そう苦にはならないと思いますが、地方の財政で借金したのは、何年かにこれを返還しなければならないということになりますと、地方の自治体はかなり財政の不如意な状態がこれから続くと見なければならないことが一応考えられる。と同時に、財政需要は急激にふえていくという、この二つの問題から、地方の自治体は非常に困ると思う。 そこで問題になってまいりますのは原資の問題であって、どこから金を借りるかということで、先ほど大蔵省の意見としては、何か市中銀行あたりに金があるようなことを言っておりますけれども、市中銀行に金があることは事実であって、いまはおそらく市中銀行は借り手をさがしているでしょう。持ち過ぎて困っているでしょうが、しかし、だからといって、国が二兆円の借金をするということになると、それはかなり銀行筋から吸い上げられると思う。地方に回ってくるのは利回りの悪いもの——地方の債券に回ってくるのはどれだけあるかというと、私は、疑問があると思う。大蔵省の言っているように、そう簡単に、お金があるからそっちから借りろというわけにはいかぬと私は思う。国は日本銀行が引き受けるかどうかわかりませんが、かりに日本銀行が引き受けないとすれば、地方の銀行にこれを引き受けさせることは当然であって、そうなってくると、利率のいい国の債券に流れることは当然であろうと思う。地方の自治体としてはこの面からも困りはしないか。そういうように考えてくると、勢い、地方の自治体はわりあいに割高な起債による借金を背負わなければならぬということになると思う。 それじゃ、これをどこで防止するかということになってまいりますと、これも過去の例でありますけれども、先ほど大蔵省の諸君が言っているように、手持ちの財源をどうするかということ、いわゆる政府債、資金運用部資金を一体どう使うかということが非常に大きな問題です。これと、さっき言いましたところの、地方財政のピンチであったといわれておった昭和二十八年の当時の状態をいま見てみますと、このときは、政府の資金運用部資金の原資である郵便貯金と簡易保険の五六%が地方に出ているということです。ところが、昭和四十六年の計画を見てみると、この原資が三兆四千億か三千億かあるのに、地方財政に回されたのはわずかに六千四百億ぐらいの程度であって、一八%ちょっとこえている程度である。これは、二十八年を頂点にしてだんだん減ってきておって、したがって、政府の資金というよりも、地方住民の郵便貯金、簡易保険というようなものが、国の財政投融資という形で、産業基盤の拡充のために開発銀行を通じて使われておる。こういうことを考えてくると、地方の財政がここまでピンチにきておるという実態、財政需要が非常にふえてきておるというときの一つの施策としては、やはり過去にそういう例があるのであって、これは統計をお調べになればすぐわかりますが、年々ずっと減ってきているわけであって、これを、何も二十八年まで戻せといわなくても、まん中ぐらいまで戻しても、かなり長期の安い利息のお金が地方では借りられるのではないかということが考えられる。私は、こういう問題を、政府はもう少し真剣に検討すべきではなかったかと思います。また、する必要があるのではないかと思う。きょうも郵政大臣その他に来ていただいて、あるいは大蔵省の諸君にもと思いましたけれども、時間もございませんので、これ以上私はこの問題には触れまいと思いますが、しかし、これはぜひひとつ政府内部で考えてもらいたいと思うのです。 さらに、行政面から言うのもおかしいようですけれども、行政面から言えば、いまの非常に財政需要がふえておりまするときには、やはり、地方住民の郵便貯金というものが学校になり、道路になり、下水になり、ごみの焼却場になるというように、地方の自治体行政に対する住民の協力を得る面からしても、私は、かなりこれは有効な働きをするというように考えられる。したがって、こういう点等は特に大臣のところでひとつ御考慮をわずらわしておきたいと思いまするし、いずれ機会があれば、大蔵省、郵政省にもわれわれはそういうことを申し上げるべきだと考えておりますが、きょうはおいでになっておりませんので、一応大臣からの御答弁だけを要求しておきます。
○渡海国務大臣 これまた、四十七年度予算編成作業に当面しております私たちに有意義な示唆を与えていただきまして、まことにありがとうございました。補正予算を組みましたときも、その点を非常に強調いたしまして、大蔵省の理財局の、非常に困難な中を御審議賜わりましたように、政府資金を大部分これに充てるという姿で切り抜けさせていただいたのでございますが、今回の予算折衝にあたりましても、同じ起債の処置でございますが、政府資金をいかに多く獲得するかということが問題の一つになろうと思います。このときにあたりまして、お詳しい門司委員から、過去の統計によるところの有力な示唆を与えていただきまして、まことにありがとうございました。いまの御意見等も十分参酌いたしまして、地方財政の運営の上に、低利な、しかも確保することのできる預金部資金いわゆる政府債をできるだけ多く獲得するように努力いたしたいと考えておるのでございますので、今後とも御支援を賜わりたい、かように存じます。
○門司委員 大臣、もうけっこうです。 最後に、文部省の方が見えておるとすればちょっと聞いておきたいと思います。 地方財政のことで一々議論をしておりますと、非常に長く、ばく然としている。また、地方財政というものについては、財政需要がたくさんありますので、非常にむずかしい。しかし、いま、大都市の一つの問題として解決をしなければならないものに、教育施設の問題があると私は思う。ごみの問題もあるし、屎尿の問題もありましょうし、それから下水の問題もありますが、その中でも、どうしても解決を急がなければならないというよりも、当面の問題として解決をしなければならない問題は、人口急増地帯に対する教育施設の問題です。これに対してどういうふうに文部省はお考えになっているかということです。私がそういうことを聞きますのは、さっき申し上げましたように、全体のワクで議論をしていますと、議論はばく然となって、そうして、いま自治大臣とやりとりしたような形になって終わってしまって、ものの解決はつかないのです。そこで、これを教育行政あるいは教育施設だけにしぼって、財政措置をどうするかということを一応文部省の立場からお聞きをしておきたいと思うのであります。 御承知のように、いまの人口急増地帯は——私の住んでいるところのことを言ってはおかしいようですけれども、私の住んでいる横浜なんというところは、平均して一年に大体八万人人間がふえる。そうすると、一万人ふえると小学校が一つ、二万人ふえると中学校が一つという計算をしますと、十年たつと百五十の学校を建てなければ追っつかぬのです。それを横浜市にかぶせたってどうにもならない。これは大阪にしたって、名古屋にしたって、大都市の現象はみんなそうなんです。三万人ふえているか、五万人ふえているかということは別にして、多かれ少なかれそういう著しい財政需要がある。下水の問題等については、これは一つの大きな問題でありますけれども、地域が広くなるわけではありませんので、結局、一つの市内の下水計画をどう立てるかということで、総体的のワクの中で議論ができるのであります。ところが、教育の問題はそうはいかぬのでありまして、どうにもならない事態がすでに差し迫ってきておる。そうして、戦後の古いものももう建てかえなければなりません。あの荒廃し切った戦後に廃材を集めて建てたバラックのような学校はそう長くもつわけはありませんし、これもたいへん危険な状態になっている。ところが、文部省のほうでは、建てて四十年くらいたたなければ危険校舎といわぬのだというような、妙なところで計算をして、実態とは違った——実態はどうにもならないんだが、年数で計算するということで、なかなかめんどうを見てくれないということで、実際弱っております。だから、文部省の考え方を、この際こういう問題にしぼってひとつお聞きをしておきたいと思いますが、文部省は、来年度のこういう予算をどういうふうにお考えになっていますか。
○松浦説明員 いま先生からお話しがございましたように、過密地域の学校の建設というのが非常に大きな問題になっておりまして、文部省としましても、公立学校施設の整備費の補助金の中で最も力を入れてやってまいっておるところでございます。非常に予想外に過密が進展するものでございますから、そういう地域におきましては、よく例に出ることでございますが、プレハブ教室とかあるいは特別教室を普通教室に転用するというようなものがかなりございまして、小学校で七千数百教室、中学校を入れますと約九千教室というような現在状況でございます。それが年々ふえてまいっておるというような状況でございます。文部省としましても、従来から、これらの地域の校舎整備のための事業量を相当大幅にふやしてまいっておりますが、なかなか追いつかないというような状況でございます。 今年度は六十六億円の補正予算が計上されましたが、その中でも、過半数を、過密地域の校舎あるいは屋体等の建設に振り向けておるというような状況でございますが、来年度の概算要求におきましても、たとえば小学校の校舎でございますと、ことし百十二万平米でございますが、来年度は百十五万平米の要求をいたしております。 それから、過密の波が中学校に及んでおるというような状況でございますが、二十三万平米を四十万平米に増額するというような、大幅な中学校校舎の増額要求を行なっております。 それから、屋内体育館につきましても、全国的に見ますと、小学校で三〇%、中学校で二〇%弱のものが屋内体育館がないのでございますが、最近の傾向としましては、学校があれば屋内体育館等は必置の施設であるというような父兄の要望が非常に強くなってまいっております。そのようなことから、小学校の屋内体育館につきましては、十七万平米を二十五万平米に、それから中学校の屋内体育館につきましては、十二万平米を十五万平米にするというような要求を行なっております。 それから、いま先生から御指摘がございましたように、そういう地域におきましては、一方に新しい学校ができまして、古い学校がありますと非常に目立ってくる。父兄としては、やきもきして、ぜひ早く建てかえてほしいというような要望が非常に高まってくる実情でございますが、どの部分から改築していくかということにつきましては、実は、耐用年数といいますよりも、むしろ耐力度の測定といいますか、危険度といいますか、そういうものの測定をやりまして、年数にはあまり関係ございませんが、いたんでおるものから順次取り上げていくというような施策を行なっております。その場合、木造校舎につきましては、完全なものが一万点満点というような計算をいたしますと、四千五百点以下に落ち込んできたものを対象にするというのが従来の基準でございますが、それをさらに促進するという意味から、来年度は、一部五千点までのものを対象にしていくというような増額要求を行なっております。 それから、特に震災対策ということが最近いわれておりますので、そのような観点からも、東京、神奈川とか、そういう地域の木造校舎は、無条件に五千点以下のものを改築の対象にするというような要求を行なっております。 それから、なお、申しおくれましたが、校舎等につきましても、子供がふえましてから建てていくということになりますと、後手後手に回るということになりますので、来年度の要求におきましては、三年間くらい前向きに児童生徒数を見込みまして、それに必要な校舎は一挙に建てていくというような要求を織り込んでおるわけでございます。 それから、過密地域におきまして、従来非常にそういう教室不足が生じました原因の大きな要素といたしまして、用地の取得難ということがございます。そのような点につきまして非常に強い御要望もございましたし、関係団体の非常な御協力も得まして、今年度は、そういう児童生徒急増市町村の用地購入費に対する補助制度が初めて実現したのでございますが、なお、その内容としましては、相当改善をはかるべき点がありますので、来年度としましては、その対象事業量をふやしますとともに、補助対象外になります部分をできるだけ少なくいたしまして、できるだけ多くの分を対象にするというようなことで、百三十億円の要求をいたしております。本年度は二十億円でございます。六十億円の三年分割ということで、実際は二十億円でございますが、来年度分としまして二百二十億円の補助を想定しまして、その二年分割交付ということで百十億円、それに本年度分の二十億円の第二年度分を加えまして、百三十億円の要求をいたしておるわけでございます。 それから、建物等の補助率につきまして、財政負担が非常に大きいから、それの促進をはかるということで、ぜひ補助率を引き上げてほしいというような要望もありますので、それにつきまして、過密市町村の補助率は三分の二に引き上げるというような要求を行なっております。
○門司委員 ちょうど私の時間ですから、これ以上は聞きませんが、いま、文部省から、補助金を三分の二にするからどうだとかこうだとかお聞きをしたのでありますが、文部省の言われることをそのまま聞いても、現実に九千教室、プレハブの教室では、実際、ほんとうの教育はできませんね。それから、これがあるために運動会もできないということで、教育行政の面から見ればきわめて不都合な状態になっておる。これを一挙に解決はできないかもしれませんが、しかし、文部省としては、もう少し積極的にこれを解決する必要があるのじゃないですか。こういう問題をひっくるめて自治省の財政需要や何かで議論されるものですから、案外文部省に当たりが弱いのですよ。地方の自治体としましては、ほんとうの教育行政について、ことに過疎地帯も困るのがあります。私が現実に知っているのでも、中学校で、生徒が一人おって、先生が二人いるというようなところがあるのですね。小学校の先生は兼任ができるけれども、中学校の先生は専科があるからというので、生徒が、小学校、中学校合わせて三人おって、先生が三人いるというような学校がないわけではないのですよ。そういう学校もあって、過疎地帯においても、財政的には、教育の問題が非常に大きな関連性を持っております。過密地帯はいま話したとおりであって、どうにもならぬ。そういう面に対して、文部省としては、もう少し真剣な考え方をしていただかぬと、いまお話のありました程度で一体解決がつくかということですね。先取りだと言われますけれども、先取りじゃないのですね。私のところの横浜の実態はほんとうによく御存じだと思いますけれども、住宅団地ができて、そこの入居を市は拒否したのです。そこに入居したって学校はございませんぞ、だから、少し入居を待ってもらいたいということで、公団とけんかしたというわけではありませんが、なかなか問題を起こしたことがございますが、こういうことでよろしいかということなんですね。これは、都市計画の面で、住宅を建てるならば学校を先に配慮すべきであったといえば、そういう理屈でそれは通るかもしれない。しかし、現実の問題としては、団地ができて、そこに入居をするのを、市役所が学校がないから来てもらっては困ると言うというようなことはきわめて不見識な話ですけれども、それが実態なんですね。 私は、きょうはこれ以上聞く時間がございませんから申し上げませんが、文部省としては、過密地帯、過疎地帯の教育の行政については、もう少し真剣にやってもらいませんと、ここから来るところの少年に及ぼす影響、いわゆる非行少年化の問題はかなり大きな問題がある。きょうひまがあれば、もう少し実際について話をすればいいのでありますけれども、時間もありませんので、単に教育だけの問題ではないということ、これには社会問題として大きな原因が一つあるということ等も考慮に入れて、御配慮を願っておきたいと思います。
○大野委員長 田代文久君。
○田代委員 自治省と厚生省に質問したいのですが、申し上げるまでもなく、地方自治体のあり方なんですが、これは、官僚的な中央が、これをじかに中央の意のままに動かすというようなことはやってはならないということは当然のことなんですね。そういう地方自治体の運営というものは、財政面から申しましても、基本的な姿勢から申しましても、完全に民主的に運営しなければならないというのは当然でございますが、現在の現実の地方自治体の行政は必らずしもそういっていない。非常にすぐれた民主的な運営のされ方をしておる自治体があることは御承知のとおりでありますけれども、全くそれに反する、異常なまでに官僚的な、頭ごなしな、中央の言うことさえやれば何でもいいんだというようなやり方で運営されている自治体もあるわけですね。それがどのようなひどい状態でなされておるかという点を、具体的な例から申し上げて、そうして、厚生省なり自治省の御見解あるいは対策を伺いたいと思うのです。 これは、御承知と思うのですけれども、十一月の二十六日、北九州市の第二松寿園、これは結核の病院ですけれども、ここで、われわれ国民から見れば全く考えることができないような不当な行為が、市当局によってやられておる。これはもう御承知かと思うのですけれども、すなわち、当日、私服の警官あるいは機動隊、それから管理職などの、二百人にも余るというような者を動員して、この結核病棟に寝ておる病人、患者の人たちに対して、強権的にこの病院を閉鎖するという方向で合理化するというようなことから、病人がベッドに寝ているのを、そして、いやだ、そんなことをしてくれるなと言って涙を流して訴えているのを、そういう暴力的な力を動員して、ベッドごとかかえてこれを運び出すというような、全く言語道断な異常な措置がとられておるわけですね。これは御承知だと思うのですが、大体こういうことが許されるかどうかということですね。 私は、まず厚生省にお伺いしたいのですが、厚生省の医療の行政というものは、日本の国民の健康をどのように発展させるか、あるいはどのように病気を治療するかというところに一切が集中されなければならないわけなんです。ところが、いま申しますように、そういう結核で寝ておる人たちに対して、しかも、本人たちの意志に反して、そういう強権を発動するようなことによってベッドを移動させる。ねらいは、この第二松寿園という病院を閉鎖をするとか、あるいはそれを縮小するというような方向でいっているわけなんですが、しかも、そういうことをやったために、これは当然のことなんだけれども、そのベッドに寝ておる患者さんたちは、その後、病気なり健康状態が非常に悪化するという事態を引き起こしているわけです。ですから、北九州市当局がやった、異常な、非常識な、基本的な人道を無視したこういうやり方に対して、厚生当局は、治療的な立場、政策から、報告を受けておられると思いますが、これに対してどういう指導をやっておられるのか。また、北九州市当局のこういう治療的な姿勢に対して、それを正しいと認めておられるのか。報告が来ておるとすれば、それに対して、どのような勧告なり注意を与えられたか。その点をまず厚生当局にお伺いしたいと思うのです。
○林説明員 厚生省といたしましては、国民の健康を保持増進するというふうな観点から、結核患者に関する結核対策の指導をいたしております。
○田代委員 そういう一般的なことじゃしようがないのですよ。だから、この具体的な事実について、北九州市がどのように報告したか。そして、これは全く異常なんですから、こういうことは許されないのですから、これに対して、中央の省としてはどういう指示を与えられたか。北九州市のそういった措置に対して、これは医療的な観点からいって正しい、もっともだという立場をとられたのか、そういうことはやるべきではないという立場をとられたのか、その点を聞いておるのです。どうですか。
○林説明員 北九州市におきます結核対策の現状は、健康診断の受診率につきましては、ほかの都市に比べてやや低いわけでございますが、感染性患者がどのくらいいるかという、そういう有病率、あるいは、人口万単位の病床の数などの点では、ほかの大都市に比べてむしろやや成績がいいというふうな状況でございます。 そこで、私どもといたしましては、結核病床の配置につきましては、地域ごとに必要数を確保いたしまして、患者の医療に支障のないように指導してまいっておるところでございます。
○田代委員 これは、時間がありませんから、簡潔に問題の焦点をはっきり言っていただきたいのですが、この問題については、報告が来ておるはずだと思うのです。そうして、この異常ぶりに対して、私がさっきから繰り返しておるように、厚生省はどういう処置をとられたのか、それをはっきり言ってください。いやそれは正しいのだ、そういうことをやってもいいんだという指導を与えられたのか、いやそういうことはいかぬというような処置をとられたのか、問題をはぐらかさずに、はっきり言ってください。
○林説明員 市当局におきまして、患者側、職員側と十分話し合いの上で、自然な形で進めるというふうに指導しておると了解いたしております。
○田代委員 それは一般的にはそうでしょう。けれども、現実に、具体的に、それと全く反する事実が起きておるということを私は申し上げたが、そういう報告が来ておるでしょう。厚生省がそういうことばを繰り返されるのでは、結核患者に対して死ねということであって、指導も何も全くしていないことになる。怠慢そのものの答弁じゃないですか。じゃ、今度は自治省にお伺いしますが、これは自治省も当然責任があると思うのですけれども、こういうむちゃなことがやられましたから、そういうことはやるなということで、患者の諸君や民主的な団体が仮処分の申請をすぐやられた。この仮処分の申請に対しては、裁判所が、それは全くごもっともだということで、時を逸せず、その仮処分をきめておるわけですね。これは当然なことだと思うのです。そのときの仮処分について、一部だけ申しますけれども、これは福岡地方裁判所の小倉支部からですけれども、「詐術や威圧等の不当な方法で、病院の廃止を理由に、同園の転、退院を強要してはならない」ということを、裁判所が実際にはっきり言っておるわけですね。これはもう当然のことだと思うのですけれども、こういう裁判所の決定を自治省としては尊重されるかどうか。また、厚生省のほうにいま質問したことですけれども、ああいう無責任な不当行為が行なわれたことに対して、何らの指導もやっておらないということに対しては、当然、これは自治省としても責任があるし、北九州市のそういうやり方に対してははっきり指示をさるべきだと思うのですけれども、御見解を伺いたいと思うのです。
○森岡政府委員 患者の移送禁止の仮処分が九月二十三日にあったことは御指摘のとおりでございます。これは、私ども調査いたしましたところでは、第二松寿園から第一松寿園に移すということについての移送禁止の仮処分であるように聞いております。もちろん、仮処分の決定があったわけでございますから、その後において、第二松寿園から第一松寿園に移すにつきまして、仮処分の趣旨に従った形が整えられなければならないと思います。ただ、十一月二十六日の御指摘の内容は、第二松寿園の中での病床の移転であるように私ども聞いております。したがいまして、二十六日の病院当局のとっておりました内容と、仮処分の問題は、直接的には結びついていないのではないかと思います。ただ、これは事実関係でございますが、しかし、基本的に申しまして、病院の統廃合ないしは患者の移送問題は、患者の人たちと病院当局がよく話し合い、十分な合意を得て、円満裏にこれを解決することが最も望ましいと私どもはねがね考えております。この件につきましてのお話を承って以来、私どももまた、そういう趣旨がで、病院当局にその旨十分伝えておるわけでございます。
○田代委員 そうしますと、この問題について、北九州市に対して、御指示なり、勧告なり、何かそういうことをなさいましたか。
○森岡政府委員 事柄が非常に紛糾いたしておりまして、率直に申し上げて、なかなかむずかしい事柄になっておると思います。しかし、私どもといたしましては、そういうむずかしい状況にありましても、いま申しましたように、できるだけ話し合い、説得というものを続けることがやはり必要だろうということで、十二月三日に、担当課長から病院当局に連絡をいたして、その旨を伝えてあるわけでございます。
○田代委員 病院当局だけでなくて、いわゆる北九州市当局ですね。北九州市の病院局長などがこれは陣頭指揮をやって、むちゃをやったのですから、市当局に対して自治省としてはやっていただかなければならないと思うのですが、それはやってくださいましたか。
○森岡政府委員 私どもが話をいたしましたのは、病院局長に話をいたしておるわけでございます。ただ、いま申しましたように、非常にむずかしい紛糾状態に入っておりますので、なかなか解決困難な状況にあるということで、私どもも心配をいたしております。
○田代委員 当然これは中央の政府の全責任ですから、むずかしいとかなんとかいうことは、私どもから見れば、これは簡単明瞭だと思うのですよ。ですから、その点から非常に強力な指示をやって、市当局に対しても十分連絡していただきたいということをまず要望したいと思います。 それから、これは厚生省なんですけれども、先ほど、北九州市の結核対策が、満足いかないけれども、とにかく相当のところまでいっているというような、何だか、弁解されるような御答弁でしたけれども、すでに御承知のように、この北九州市における健診は、六大都市のうち全く最低ですよ。一九・二%と、健診の率は一番低いですよ。そして、そういう不十分な、最低の健診の結果、昨年、三千人の罹患者が出ている。その罹患率というのは、全国で第四番目ですよ。これは、北九州市の結核対策は十分だと弁護するような内容ではないと私は思うのですよ。これは、厚生省ともあろうものがおかしいと私は思うのですよ。現在、結核による死亡者の方々というのは、一時とは違って、今度はまた非常にふえつつありますね。特に、老人なんかの結核患者の死亡率は非常に高い。これは全くゆるがせにできない。しかも、こういう重大な中で、北九州市では、結核患者が昨年三千人発見されたといいますけれども、健診がこういうふうに非常に不十分なものですから、まだ家に隠されている者がたくさんいると思うのですよ。釈迦に説法みたいですけれども、現在の予防医学の観点からいいましても、特に結核なんかというものは、事前にせきとめるという立場をはっきりさせなければ、国民の健康は保持できないと思うのです。だから、北九州市の健診が最低であり、罹病率が全国の四番目というような高い状態であることに対して、厚生当局が弁護されるということはおかしいと私は思うのです。そういう弁護をされること自体が、現在の厚生省がとっておる治療対策が実際に全くいいかげんなもので、国民の健康のことなんかは真剣に考えてはおらないということである。特に、また、この結核なんかで罹病される方々は、勤労者や貧困者が多いわけですよ。であれば、なおさら力を注がなければいけないと私は思うのですよ。いささかも弁護すべき余地はない。そこで、私は、そういう点からしまして、とにかく、もう少しこの健診のスピードを上げるべきだ、全国で最低の健診で満足されて、それをそのまま野放しにしているようなことは正しくない、公的な結核機関の強化ということをやるべきだ、こう思うのですが、厚生省の見解を伺いたいし、また、そういう点で不十分であれば、そういうことを率直に認めて、今後そういう点においては強力な指導をいたします、国民の健康はおまかせください、というようなことをはっきり言っていただきたい。その点の御答弁をお願いします。
○林説明員 ただいま、結核の健康診断の受診率が全国一低いというお話でございましたですが、確かに、昭和四十五年の統計によりますと、二〇%を割っておりまして、一番低くなっております。ただ、ものの見方といたしまして、過去三年くらいを通して見るというふうな見方をいたしますと、それほど低くはない。四十四年には三四・〇%というふうな数字になっておるわけでございます。したがいまして、そういうふうな観察から総合して見まして、ほかの大都市と比べて、似たり寄ったりであるというふうなことを先ほど申し上げた次第でございます。 なお、われわれといたしましては、これで十分だと存じておるわけではございませんので、御指摘のように、健診の効率をあげ、医療の質を上げるように、なお一そう指導すべく努力してまいるつもりでございます。
○田代委員 そういう点では、全国の国民が控えておりますから、確信をもって指導していただきたい。 それから、これは自治省にお伺いしますが、こういうふうに実際に医療効果があがらないし、患者が放置されているということについては、結局これは自治行政が基本になると思うのです。 そこで、北九州市は、いわゆる再建計画を立てて、現在の市長のもとに出発しているわけですが、それに対して、自治省の責任で助言と勧告をされてきたわけで、北九州市の再建計画というものは、その助言と勧告に基づいてやっておる。ところが、御承知のように再建計画というやつが、四十二年の十月に発足して、十カ年間でやり上げるという計画になっておって、余すところあと五年しかない。自治省が助言と勧告をやったその計画が、あと五年間で終わる。そうすると、これは、一言でいえば、そういう病院なども含めて、一切赤字をそれまでになくするということなんでしょう。ところが、いま言いましたような病院の問題にしましても、あるいは水道とか、地方自治体が敷いておる電車とかバスとかいう交通の問題にしましても、このあとの五年間ではとても北九州市は解決できないと私は思うのです。これを無理にやろうとするから、寝ておる患者までかつぎ出してほうり出していくというような、むちゃな暴力的なことを、強権まで発動してやるということになると思うのです。ですから、そういう観点からいいますと、この再建計画そのもの、助言と勧告そのものに非常に無理があったということを言わざるを得ないと思うのです。そういう観点から、自治省は、あと五年しかない北九州市のこの再建計画について、これを再検討させて、もう少し延ばすというような変更をさすべきじゃないかと私どもは思うのですが、この点についての御見解を伺いたいと思うのです。
○森岡政府委員 北九州市のみならず、他の市町村におきましても、病院事業はかなり経営が悪化いたしております。そのようなことから、御指摘のように、四十一年度以後再建計画を立てまして、交通、病院が中心でございますが、経営の改善をはかり、それによって市民のサービスを向上するという観点から、再建の努力を続けておるわけでございます。北九州市におきまして、いま御意見のありました第二松寿園を第一松寿園に統合するという問題も、御案内のように、北九州市の病院事業の再建計画の一環として進められておる問題でございます。第二松寿園、第一松寿園、いずれも木造でございますし、また、老朽化いたしております。また、ベッド数などから考えましても、一病院に統合するほうが、医療サービスという点、あるいは経営の問題等、いろいろ考え合わせて、より合理的ではなかろうかということで、再建計画の一環としてのこのような病院統合問題が出てまいっておるものと理解しておるわけでございます。 ところで、北九州市の再建の進みぐあいでございますが、病院事業全体が、社会保険診療報酬の問題それから医師の不足問題、あるいはまた病院の建設費の償還の問題等、それぞれむずかしい問題が重なりまして、なかなか再建が満足な形で進んでいないということ、これも確かに私ども非常に憂慮しておるわけでございます。しかしながら、北九州市につきましては、いま、あと五年しかないというお話でございますが、逆に申せば、まだ五年あるわけでございますので、私どもといたしましては、財政再建のための一般的な援助なり、あるいはその他の、いま申しましたもろもろの措置をその間にできるだけ充実いたしまして、ぜひ期間内に再建が終了するように努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。 そして、また、北九州市の病院事業だけでなくて、大都市の交通でありますとか、あるいはその他の市町村全般を通じまして、そのような考え方で努力をしてまいりたい、かように思っております。
○田代委員 いま、再建計画の内容の一部をお話しになりました。しかし、そういう点では、現地の患者なり住民の意見を皆さん方はよく聞いておられないのじゃないですか。とにかく、いまの再建計画の、松寿園を廃止して一つの病院に統合するというようなことは、自治省としては、それは正しいという観点から、これを認められておるような印象を受けましたけれども、現地の声はたいへんですよ。事実、私ども行って調べましたけれども、統合しようとするところは北九州の真東ですよ。松寿園は真西でしょう。その距離は幾らありますか。よく知りませんけれども、少なくとも二十キロぐらいあるのではないですか。十四、五キロではとてもきかぬでしょう。そして、あれは五つの市が合併されて北九州市になった。そうすると、いままである若松の第二松寿園は西の果てにあって、そこの地域の人たちはずっと——この皆さん方は、あなたたちと違って金を持ちませんから、幾ら距離が遠くたって、その交通費には事欠かないというわけにはいかない。若松の地域の人が、家族の方が、病院へ患者さんの見舞いに行くとか、あるいは、治療のために通院するとかいうようなことでも、わざわざ二十キロもあるような離れたところまで行くというようなことは、これは時間的にも財政的にも実際にたいへんなんですよ。 だから、そういう点は、ほんとうに厳格に社会保障の観点に立って、単なるそろばんの上で、赤字さえなくすればいい、病人が死のうが、治療効果があるまいが、そんなことは知ったこっちゃないというような冷酷きわまりないやり方でなくて、患者なり地域の方々の意見を聞いてそういうことをなぜやらないか。現実に、この十一月に起こった事件などは、全く患者を無視してやった不届きしごくな行為だと思うのですね。そういう意味におきましても、これを一つの病院に集めるという問題でも、民主的に意見を聞いて、無理のない形でやるのが親切じゃないですか。ですから、この再建計画なるものについてはよく考えていただきたい。まだ五年あるからといったって、いままでの五年間のうちは、ただ金をはじき出すことばかりやっている。生活保護者をいじめつけるとか、失対事業の苦しんでおる人を無理にやめさせるとか、そういうことではじき出して、そして黒字をつくるというような方向を出すなら——大体、北九州市はそういうことに血道をあげているようですけれども、これは黒字になるかもしれません。しかし、そういう財政計画は、国民の観点からいえば、これは財政計画でも何でもないのですよ。ほんとうに民主的に国民なり地域住民の立場に立ってやるというのが地方自治体の根本原則であるし、また、精神であるし、また、そういうふうに指導していただかなければならないと思うのです。だから、この点は十分考慮して指導していただき、もう少し再検討してもらって、そして、こういう頭ごなしのやり方に対しては、中央の政府としてはもう少しきびしくやってもらいたいと私は思うのです。野放しにしておいて、君のところはとにかく赤字が減ってきたな、非常に君はよくやっているというようなことでやってもらっては困るということをはっきり申し上げたいのであります。 地方財政のことについてまだいろいろ質問したいのですけれども、時間がなくなりましたので、またの機会に譲ります。
○大野委員長 次回は、明後二十三日木曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十分散会