災害対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/12/23
会議録
○中井委員長 これより会議を開きます。 この際、請願の審査を行ないます。 本委員会に付託されました請願は、北海道の冷害による被害農家救済に関する請願一件であります。 本請願の取り扱い等につきましては、理事会の協議のとおり、紹介議員の説明等を省略し、直ちにその採否を決することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 おはかりいたします。 北海道の冷害による被害農家救済に関する請願は、その趣旨妥当なものと認め、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○中井委員長 なお、すでに御承知のとおり、本委員会に参考送付されました陳情書は、北海道の異常低温による農作物冷害対策に関する陳情書外八件であります。念のため御報告いだしておきます。 ————◇—————
○中井委員長 次に、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。 先ほどの理事会におきまして協議いたしましたとおり、災害対策に関する件について、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じます。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○中井委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。 本日は、まず、昭和四十六年七月から十月までの低温による災害に対して、その後政府においてとった措置の概要等について、政府当局から説明を聴取いたします。総理府総務副長官砂田重民君。
○砂田政府委員 御報告を申し上げます。 初めに、昭和四十六年七月から十月までの期間内における長期にわたる低温による災害を激甚災害として指定し、及びこれに対し適用すべき措置を指定する等の政令の制定について御報告いたします。 激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律については、先般本委員会において御審議をいただき、その一部改正が行なわれたところでありますが、この法律に基づき、政府は、昭和四十六年七月から十月までの期間内における長期にわたる低温による災害を激甚災害として指定するとともに、この激甚災害に対して適用すべき措置として、法第八条第一項の天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置の特例を指定することとし、去る十一月二十九日政令第三百六十二号をもって公布施行いたしました。 次に、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律施行令について、同日付の政令第三百六十号をもって一部改正を行ないましたので、御報告いたします。 改正の内容は、第一に、法第四章の中小企業に関する特別の助成及び第二十五条の失業保険法による失業保険金の支給に関する特例の適用地域について、これまで「激甚災害につき災害救助法が適用された地域」となっていたものを「激甚災害により災害救助法施行令第一条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当する被害が発生した市町村の区域」と改め、これを拡大する。 第二に、法の一部改正に伴うもので、中小企業者に対する貸し付け金の貸し付け限度額について、中小企業者一人につき百万円を二百万円に、中小企業等協同組合等の団体一団体につき三百万円を六百万円にそれぞれ引き上げる。 以上の二点でございます。 以上、御報告を申し上げます。
○中井委員長 次に、農林大臣官房参事官大河原太一郎君。
○大河原政府委員 北海道、東北等の冷害に対します農林省関係のただいままでに講じた措置について、概括的な御報告を申し上げます。 融資制度関係につきましては、ただいま総理府総務副長官のほうからお話がございましたように、天災融資法の改正と激甚災害法の改正を同時に行ないまして、当委員会においても御審議願いましたとおり、貸し付け限度額の引き上げ、貸し付け利率の引き下げ等の措置を講じたわけでございますが、同法の公布制定と同時に、天災融資法の適用政令を十一月二十九日に公布施行いたしまして、融資総ワク百六十億、うち、北海道百四十億、特別被害地域指定都道府県等を定めたわけでございますし、また、ただいまお話がございましたように、激甚災害法の適用政令も同日付で適用されたわけでございます。 次に、災害融資制度の一つの大きな柱でございます自作農維持資金につきましては、災害特別ワク百二十三億を設定いたしました。うち、北海道百十一億でございますが、さらに貸し付け限度額の特例措置につきましても、地元の御要望どおり四十万円をプラスするという措置を講じたわけでございます。 それから、当委員会においても御議論賜わりました償還猶予措置につきましては、制度資金については償還猶予措置を講ずることといたしまして関係機関を指導しておりますが、特に事務処理の簡素化という問題につきましても、被害農家の実情に即しまして可能な限り一括処理できるような措置をきめまして、関係機関を指導しておるところでございます。 次に、越冬用飼料の確保のための政府保有の飼料の払い下げ問題につきましては、大麦二千トンを払い下げることといたしまして、十二月三日にその実施要綱を定め、現在実施中でございます。 また、規格外米等の政府買い入れにつきましては、当委員会においてしばしば御報告したとおり、十一月の初め及び十二月の中旬に、それぞれ県を定めましてこれを行なっておるところでございます。 また、豆類の特別等級の設定につきましても、当委員会にすでに御報告申し上げましたとおり、十月中にその措置を講じたわけでございます。 また、水陸稲の農業共済の関係につきましては、被害の激しい地域につきましては損害評価の特例措置を講ずることといたしたわけでございますが、共済金の早期支払いにつきましても、北海道においては十一月上旬に仮渡し十四億五千万円を行なうとともに、北海道、東北におきましては、今月の中旬には本払いを実施したところでございまして、総支払い額は、北海道が百五十八億、東北が約七十億ということに相なっております。 また、現地から要望がございました四十六年産米の予約概算金返納に関しては、被害の程度に応じまして、返納金額に加算する利子の減免を行なうことといたしております。 また、米の生産調整奨励金なり協力特別交付金等の早期支払いという問題がございましたが、実績確認の終わりました北海道、東北等につきましては年内の支払いが可能なように措置いたしまして、年内に農家の手に渡るというような見通しを得たわけでございます。 また、飯米不足農家に対しましては、特別に政府保有米の直接売り渡しの御要望がございましたが、北海道当局と打ち合わせた結果、六百六十トンを無利子、延納の条件のもとに、これを売り払うということにしたわけでございます。 なお、しばしば御報告を申し上げておりますように、被災農家に就労の機会を与えるための救農土木事業につきましては、既定予算と補正予算の中から事業費ベース約五十四億円を支出いたしまして、農道、圃場整備、客土等の事業を実施しておりますが、そのほかに、道、市町村起債による単独事業も起債ワクが認められまして、現在行なっておるわけでございます。 なお最後に、再生産用の種もみ及び雑穀の種子に対する助成でございますが、これも行なうべく、その数量の確定が若干おくれましたが、これも早急に結論を得るように、ただいま取り進めておるところでございます。 以上、北海道等の冷害等に対します応急措置につきましては、実情と現地の要望に即しまして、ほぼその措置を終わったところでございます。
○中井委員長 以上で政府からの説明は終わりました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○中井委員長 速記を始めてください。たいへん皆さん御迷惑をかけました。 ————◇—————
○中井委員長 次に、新潟港外におけるタンカーの座礁事故に関する問題について質疑の申し出がありますので、これを許します。米田東吾君。
○米田委員 十一月三十日の新潟に起きましたタンカー事故、ジュリアナ号の事故によりまして大量の油が流出をして、漁民やあるいは地域住民にたいへんな被害を与えておるわけでありますが、このことに関しまして、主として災害のサイドから、私は政府の御見解をお聞きしておきたいと思うわけであります。 きょうは総理府の副長官がお見えでございますので、最初に御見解をお聞きしたいと思いますが、今度のいわゆるタンカー事故、ジュリアナ号のタンカー事故につきましては、これは主として海洋汚染防止法に基づいて運輸省あるいは海上保安庁等が主体になって、その処理や対策を進められましたし、また、被害等につきましては、総体として農林省、水産庁等がその衝に当たっておると承知をいたしております。 しかしながら、私は非常に心配をしておるわけでありますが、この災害は、当初におきましては、それほど今日のような深刻な事態を予想しておりませんでしたために、たとえば海洋汚染あるいは局部的な海上の油濁に伴うところの若干の水産物の被害という程度であって、大きな災害対策的な取り組みというものは考えられなかったのではないかと私は思うわけであります。しかし、今日のこの被害の状況等は、ここであらためて説明を求めませんけれども、すでにこの被害は、海洋におきましては新潟県、山形県に及ぶ広大な海面で被害が出ておりますし、それによって水産物あるいは魚介類の多くの被害というものははかり知れないという状態が出ているわけであります。 これらの関係を見ますと、これはもう少し総合的あるいは集中的に、国の被害に対する対策、災害の救済対策というものが進められなければ、被害はさらに拡大をするし、また、あとの処理というものは一そう困難になり、かつ時間も要するということになるのではないかという心配をいたしておるわけであります。 そこで、これは一体災害というサイドで対策は進められないのかどうか、こういうことで、私もいろいろ災害対策基本法あるいは政府の防災基本計画、それらいろいろ検討してみましたけれども、私の判断では、政府で、その気持ちさえあれば、これは十分災害対策として総合的に取り組むことが可能ではないか、こういうふうに実は判断をいたしておるわけであります。いまなお、この問題についてはそういう政府の姿勢が必要ではないか。 ことに今度のタンカー事故は、日本におきましてはいままでにない最大の事故だといわれておるわけでありますけれども、申し上げるまでもありませんが、タンカーの大型化というものは、これはどんどん進んでおるわけでありますし、いつまたこのような災害が起きないとは保障し得ない。石油の海上輸送、そういうような関係からいきまして非常にそういうことがいえる今日の事情ではないかと思うのでありまして、すでに三十万トン、五十万トンというタンカー時代にも入っているわけでありますから、そういうことを考えますと、この災害を教訓にして、今日の災害対策基本法の解釈とか、あるいは防災基本計画等に、明確に大型タンカーの大型事故等に対する防災も加えまして、そして国の重点的、集中的な効果的な対策というものを進める道を考えておかなければならぬのではないか、こういう実は感じも持ちながら災害対策基本法やあるいは防災基本計画等を見たわけでありますけれども、私の解釈では、そういうふうに政府の姿勢いかんによっては取り組むことが可能ではないかと思うのでありますが、しかし、法律的にこれは不可能なのかどうか、ひとつ政府の見解をお聞きをしておきたいと思っておるわけであります。
○砂田政府委員 お答えいたします。 海上の安全の確保という問題は、もっぱら海上保安庁の本来的な任務、責務でございます。そういう観点から、この事故が発生いたしました当初、事故に対処をいたしますのに、政府といたしましては、海上保安庁にジュリアナ号海難対策本部を設け、海上保安庁が中心となって関係各省庁、特に農林省、消防庁等関連が深かったわけでありますけれども、そういうところと密接な連絡をとりながら事故に対処をしてまいりました。本部というものを海上保安庁に置いてまいったわけでございます。そういう観点から、海上保安庁を中心にした各省庁の協力体制というものは、私は、われわれの意図いたしましたとおりに進めてきてくれていると考えます。 ただ、いま米田先生がおっしゃいました今後の対策——ほんとうに不幸なできごとでございましたけれども、また災害を受けられた漁民の皆さんにはたいへんお気の毒なことでありましたけれども、非常に多くの、また大きい教訓をわれわれは受けたわけでございまして、中央防災会議といたしましても、災害対策基本法等、私自身がもう一ぺん検討をしてみました上で、私が持っております所感を申し上げますならば、基本法でいいますところの災害というのは、これは釈迦に説法でございますけれども、台風、地震等の自然現象により生ずる被害、いわゆる自然災害のほかに、大規模な火事、爆発、その他その及ぼす被害の程度においてこれらと同程度の大規模な事故により生ずる被害、こういうことになっております。ここでいいますところのその及ぼす被害の程度においてこれらと同程度の大規模な事故、この文言の意味は、広範囲にわたり、多数のものの生命、身体または財産に被害を及ぼすものをいうものと私は解釈をいたします。 そこで、御指摘の大型タンカーの転覆、座礁等によります大量の油の流出の問題は、タンカーはたいへん大型化をしておりますが、日本の経済の発展、これからの長期的な展望に立ってみましても、ますますタンカーは大型化するでありましょうし、航行の頻度もより多くなりましょうし、こういう危険にさらされるわけでございますから、タンカーの座礁やら転覆等による大量の油の流出というものは、一般的にいえば、基本法でいうところの広範囲にわたり多数のものに被害を及ぼすおそれがある、こういう点におきましては、災害対策基本法にいいますところの災害の原因に該当する、こういうふうに考えてこれから対処をしていかなければならないではないか、このように考えております。
○米田委員 副長官がおっしゃるように、私もいまの御答弁で一応わかりますが、ただ、いまの海洋汚染防止法にいたしましても、あるいはおっしゃるように、海上保安庁が海上の安全、秩序というものについて全責任を持って進めておられることはわかりますけれども、起きたあとの災害の処理というものについては、あの海洋汚染防止法やいまの海上保安庁の関係だけでは、大型化してまいりますと、これはきわめて適当でない。今度の場合は、油の流出量が約四千トンといわれておりますし、あるいは六千トンともいわれておるわけであります。大型化も、これはことばでいえば抽象的になりますけれども、今日三十万トン、四十万トンというタンカーの時代を考えますときに、大体新潟の今度のジュリアナ号の場合を一応基準にして考えますと、積載総量の約二〇%から、あるいは悪いときは三〇%ないし四〇%くらいの油が、あのような事故になりますと、いかなる場合でも流出をする。四十二年のイギリスのトリー・キャニヨン号の場合は大体四〇%近くが流出したのではないかと思うのであります。そうなりますと、三十万トンあるいは五十万トンといたしましても膨大な流出量が想定されるわけであります。したがって、そういうことが予想されるのに、ただ、海洋汚染防止法だとかあるいは海上保安庁がということだけでは済まないだろうと私は思います。そこで、いま副長官は、災害対策基本法の解釈としても明確にして今後取り組むという御答弁でありますから、ぜひ私はそういうふうにして大型のタンカーの事故に対する取り組みというものをいまから十分確立しておく必要があるじゃないか、こういうふうに思っておるわけであります。 それから多数の人命の被害あるいは危険ということは、この災害対策の場合の大きな一つのポイントだといわれております。これも私、わかりますが、陸上の災害ならばこのことは不可分において出てまいりますけれども、今回の新潟の場合などは、幸いに人命は、その危険もあるいは被害もなかった。しかし、流出した油による汚染というものは、海洋の水産物、そういうものにはかり知れない被害を与えておる。したがって、人命の関係をセットにいたしますと、海上というものはどうしても緊迫感がないとか、あるいは被害感というものが弱いと私は思う。しかし、国の、あるいは国民の被害ということになりますと、これは陸上といえども、海上といえども、私は区別することは誤りだと思うし、もっと海洋の資源の損失なり被害というものについては重視をしていかなければならぬのではないか。そうしなければ漁民の被害というものは救ってもらうにしても、基本的にものさしが陸上と合っておらない、こういうことが指摘できると思うのです。 そういうことで、この人命の関係を尊重あるいは第一義的に考えなければならぬということはわかりますけれども、今後のタンカー事故やあるいは海上の大型な放射能とかあるいは油等の事故についての考え方というものをひとつ私は書いておいてもらわなければいかぬのじゃないか、こう思うのでありますけれども、この点はどうでしょうか。
○砂田政府委員 先ほどお答えをいたしましたように、私はやはり災害対策基本法の中にこのタンカー事故等も当然組み入れて考えていかなければならない、かように考えておりますことを申し上げたわけでありますが、米田先生のただいまの御意見に別に反駁をするわけではありませんけれども、やはり大型タンカーの座礁なり転覆による油の流出という問題は人命に大きな影響があるものと予想してかからなければならないと思います。したがいまして、タンカーの転覆そのものを基本法の中に書きませんでも、タンカーの転覆あるいは座礁による油の流出そのものが常に沿岸の多数の人たちの人命にかかわる火災を起こすという問題を持っておりますことだけに——トリー・キャニヨンのあの事故のときのフィルムを見ましても、あるいは海上保安庁が前に実施をいたしました東京湾、大阪湾での、油を流してそれに火をつけてみて実験をしている、この状態を見ましても、大阪湾あるいは東京湾で大型タンカーが事故を起こした、油を流出した、そのことは、もう直ちに沿岸の多くの住民に火災の危険を及ぼす、これは当然関連して災害対策として政府側は考えなければならない、このように考えますので、私は、実はタンカーの事故というものを災害対策基本法の中で考えていかなければならない、さように考えますというお答えを先ほど申し上げたわけでございますから、そのように御理解をいただきたいと思います。
○米田委員 わかりました。 そこで、さらにもう一ぺん副長官に御答弁いただきたいのですが、いまの御答弁で私が申し上げておることと大体食い違いはないし、今後の対策等について、災害対策という面で十分対処していくという積極的な御答弁でございますからよろしいのでございますが、それであれば、五月に修正されました防災基本計画、これは「防災業務施設及び設備の整備」の条項に、新しく「石油等の大量流出による災害を防止する施設及び設備」というようなものが加えられまして、被害の軽減をはかるとか、あるいは事前の設備をよくするとかいうようなことが取り入れられておるわけでありますけれども、いま副長官が御答弁されましたように、今後の大型な海洋のタンカー事故、総体的に言いますと大型のタンカー事故ですね。こういうようなものについては、この基本計画の中にはおそらく考えられておらないし、入っておらないのではないか。拡大解釈や援用解釈をすればどうかとは思いますけれども、私は、やはり明確にこの基本計画の中に入れて、そして中央防災会議なりあるいは各省庁等の防災という面での日ごろの指導なり、あるいは対策なりというものが確立されておらなければならぬのではないか、積極的に実はそういうふうに御指摘をしたいわけであります。それで、そういう関係についてひとつ検討していただけるかどうか、この点についても御答弁いただきたいと思います。
○砂田政府委員 五月の二十五日の中央防災会議で防災基本計画を修正をいたしました。これはことしの五月のことでございます。 そこで、この修正いたしました防災基本計画の中では、防災に関します総合的な、かつ長期的な計画の一環として、石油等の大量流出による災害を防止するための施設及び設備を整備すること、それから石油等の危険物の大量流出及びそれによる被害についての研究を推進すること、こういうことが実はきめられておりまして、あわせまして、この基本計画に基づいて防災業務計画及び地域防災計画におきまして、重点を置くべき事項の中に同じようなことを取り込んでいるわけでございます。 海上保安庁におきましても、その防災業務計画において、オイルフェンスでありますとか、油の処理剤等の資機材の整備をはかること、各指定行政機関、地方公共団体においても、それぞれの防災業務計画、地域防災計画において、所要の修正をこの基本計画に基づいてするのだということはきめてあるわけでございます。 文章では、実は先生、これはできているわけであります。問題は、その書かれたことの内容をどう充実させるかということが、これからの私たちの責務であろうと考えます。いまおっしゃいましたように、大型タンカーの事故というものを文章であらためて書き加えませんでも、この防災基本計画の中にいま書かれております五月二十五日に書かれましたことの内容を充実させることが私どもの責務だ、かように私は考えておりまして、今回のジュリアナ号のこの事故を教訓といたしまして、たとえば中和剤の問題は、先ほどお話がございましたけれども、いま海上保安庁その他の官庁が対処をいたしております事故処理のことで、問題は逐次処理をされていくでありましょうけれども、はたして中和剤の問題がどういう後遺症を残すのかという問題もございましょう。中和剤が使いにくいということになれば、それは海に流された油を処理するための新しい科学技術の開発のことも、もっと力を入れてまいらなければなりません。防災基本計画にことばで何か書き加えるということではなくて、すでに書き加えられたものの内容を充実するということが大事なことではないだろうか、四十七年度予算から、すぐにでも先生の御意見も体しまして、この点に取り組んでいきたい、このように考えております。
○米田委員 これ以上申し上げませんが、やはり文章なり計画に、一目りょう然にわかるようにしてもらうことが大事なことじゃないか。特に副長官に考えていただきたいのは、たとえば、いままで運輸なんかで常に指摘されておりますが、東京湾でこのような事故があったら一体どうなるか、あるいは瀬戸内でこのような事故があったらどうなるか、こういうことはしばしば公害対策特別委員会等におきましてもそうでありますけれども、指摘をされておりますけれども、総体的には国のこれに対する対策というものは進んでおらないと私は思います。 これを一歩高めていくには、多少行き過ぎだとかりに言われても、防災会議等が十分指導し、音頭をとりながら、防災的なサイドでこれに対する取り組みを高めていく、そして各省庁やあるいは法律的な整備というものを急がせるというふうにすべきではないか、こういう感じを実は持つわけであります。したがって、この基本計画をいろいろ読み合わせてみれば、副長官おっしゃるように、ここに書いてあることで十分なんですといえるかもしれませんけれども、私は、やはりこれだけの教訓を残して、しかも大きな国費を使っていま対策を進めておるわけでありますから、しかも、これ以上の災害が予想されるわけでありますから、この際、ひとつ若干の適切な修正等があればこれを思い切ってやっていただいて、そうして災害対策基本法の第二条の解釈あるいは政令の解釈、そうしてまた、この防災基本計画等の条項、一貫して大型タンカー事故に対する防災的な取り組みというものを十分確立するように、ひとつこれはお願いを申し上げておきたいと思います。それはよろしゅうございますね。
○砂田政府委員 ただいまの米田先生の字句の修正をしろ、こういう御意見は十分検討させていただきますが、いずれにいたしましても、長い問いわれておりながらまだ実現しない大型船の航行規制を含みます海上の交通安全法と申しますか、こういうものも運輸省で当然考えてもらわなければなりませんし、その場合の漁民の補償の問題もからんでまいりましょうが、やはり私どもといたしましては、災害という角度から総合的に中央防災会議の事務会議等で検討を続けてまいりたい。たいへん大きな教訓を受けたわけでございますから、これからの対処の姿としては前向きに取り組みます。このことだけは明確にお約束をしておきたいと思います。
○米田委員 運輸省の関係について御質問をしたいと思いますが、私の質問は、海上保安庁あるいは港湾局長、海運局長、それぞれ御答弁をいただく質問になろうかと思いますが、総対的には運輸省としてお聞きいたしますので、ひとつそれぞれの所管からお答えをいただきたいと思います。 まず、一つは、今回のジュリァナ号できわめて重視をしなければならぬのは、新潟港の港域内に起きた事故ということであります。これは今後の補償の面やあるいは港湾整備の面で非常に大きな問題となる点ではないか、率直に言って私はそういう感じがするわけであります。ジュリァナ号が新潟港外——港外といいますけれども、港域内の事故だということは、相当私は政府としても今後の対策として考えてもらわなければならないポイントではないか、こういう感じを持っておるわけであります。 そこで、新潟港の港域内に起きた今度の事故に対して、新潟港の港湾整備の面で、あるいは港湾の安全の面で問題はなかったのかどうか、この点をまず私はお聞きをしたいわけであります。 端的に言って、今度のジュリアナ号の事故でいわれておりますのは、検疫錨地に投錨した、そうして岸壁があけばそこへ入港して油をおろすというその準備あるいはその順番を待っておるときに、風が強くなって流されて座礁して事故にあった、こういうことになっておるようであります。それで、私どもが新潟の現地へ行きましたときの九管の本部長の説明によりましても、なぜそうなったかと言えば、検疫錨地に投錨したいかりが流された、走錨したということを説明しておりました。この新潟の港の検疫錨地として指定して、そこに入港船舶を一時投錨させるわけでありますが、その錨地がそういう関係からして適切であったのかどうかということは、われわれはしろうとでありますけれども非常に疑問であります。この点は港湾局長になりましょうか、新潟港あるいは検疫錨地に欠陥はなかったかどうか、この点ひとつお聞きをしておきたいと思いますから、御答弁願います。
○栗栖政府委員 ただいまの先生の御質問でございますが、検疫錨地につきましては、これは厚生省が運輸省に相談して指定するというたてまえになっておるわけでございます。ただ、厚生省のほうの検疫というのは、御承知のように伝染病を予防するというふうな立場から、なるべく危険のないところというふうなことで選ばれると思います。 新潟の検疫錨地につきまして海底の土質を見ますと、大体海底は平らなところを選んでおりますし、それから海底の土質は砂あるいは泥土というふうなところでございまして、岩盤ですと、いかりがかりという点からいきましてちょっと問題がございますけれども、他の港に比べましてそれほどいかりがかりが悪いというふうには考えられない次第でございます。ただ、御承知のように、日本海沿岸の特性、新潟もその一部でございますけれども、冬季風浪が強いという特性がございますので、そういう気象条件に対しては、ほかの港に比べて、日本海全体でございますけれども、条件が決してよろしくないということはいえると思います。ただ、錨地の選び方その他につきましては、一般にはもう少し強くなれば、昔からいわれておりますように佐渡の島陰に入るというふうなこともございますので、いろいろと検討いたしましても、錨地の指定そのものに欠陥ということはなかったんじゃなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
○米田委員 検疫錨地は厚生省の所管であろうとどうであろうと、やはり港にかかわる問題でありますだけに、これは運輸省としては、厚生省がかってにきめてかってにやるんだからということだけでは済まされないと思います。専門的にやはり運輸省がアドバイスをしてやるとか、あるいはあらかじめここのところが適当だというふうに相談に乗ってやるとか、いずれにしても、港湾局や運輸省の意思が入っていないで検疫錨地がきまるなんということは、私はあり得ないだろうと思う。したがって、そういうことでひとつ善処をしてもらえるかどうかということで御質問をするわけであります。 もう一つは、新潟の九管の説明によりますと、かつてもやはり冬季間船が流れる、走錨するという事例はありました、こう言っている。そういうことからいきますと、やはりあの場所というものはもう少し検討できないのかどうか。われわれしろうと考えで言えば、もっと沖に出すとか、あるいは同じ港外でも検疫の面でそう支障がなければもう少し場所を移動させるとか、何か今度の事故にかんがみてもあの検疫錨地が適当であるかどうかということを検討をしていただいて、そうして今後適切に錨地の変更を含めて対処をしてもらうことが必要ではないか、こう思うのでありますけれども、この点はどうでしょうか。
○栗栖政府委員 ただいま先生の御指摘のように、錨地は厚生省だけできめるわけではございませんで、私どもあるいは海上保安庁とも十分相談をして選定するわけでございます。 後段のほうの御質問でございますが、御指摘のように、あらためて気象条件その他も考えて再検討は当然いたさなければいかぬというふうに考えますけれども、なお、厚生省とも十分相談してございませんけれども、事前に着船検疫とかあるいはほかの方法もあろうかと思いますので、そういう面も含めまして相談をさせていただきたいというふうに考えております。
○米田委員 これはひとつぜひ港湾局長にお願いをしておきます。 もう一つは、新潟の港は、御承知のように入り口が狭くて信濃川の河口一本であります。それから西港といわれるあの新潟港も、決して岸壁その他十分ではございません。私の知る限りでは、あの新潟港の港外、いわゆる検疫錨地のあの周辺には、大型の船がしょっちゅう停泊をさせられております。ことに今度の場合なんかの事故はそれらに関係があるのじゃないかと思いますけれども、要するに、待機している待ち船の時間が長過ぎるということであります。そういうことからいきますと、錨地の指定はより一そう十分に検討をしてもらわなければならない。普通半日か一日でいいのが、検疫が終わったけれどもバースがあかないから待っていなければならない、こういうようなことになって二日も三日も待たされる、こういうことがしょっちゅうでありますから、そういう点でもひとつこの錨地というものについては十分検討をお願いしなければならない。 それから前にもありました、今回もそうであったというようなことからして、市民は非常に不安に思っております。もう少しあの船を沖に出してとめてもらえないのか、こういう点では非常に不安を持っておりますので、ひとつ錨地の指定等につきましては、いま御答弁いただきましたように、なお一そうひとつ運輸省等が責任を持っていただきまして、厚生省その他の関係省庁とよく打ち合わせをしていただきまして、早急にこの問題については、どこというふうに私はしろうとでありますから申し上げませんが、適地を選んでいただいて検討してもらいたい、こういうふうに思います。 それからもう一つは、新潟港の港長の責任であります。これは海上保安庁になるかどうかわかりませんけれども、今度の事故の場合は、新潟の港の港長において責任はなかったのかどうか。私はしろうとでありますから、港長の権限あるいは指揮命令の関係——たまたまこの日は相当な突風で二十メートル、普通の風速で約十メートルから十四、五メートルというふうに聞いておりますけれども、そうたいして異常な気象ではなかったと思いますが、それにしても、警報なりそういうものも出ておるというふうに承知をいたしておるわけでありますが、船舶の安全あるいは入港の指示、待機、そういうようなものについて港長の適切な指示がなされておったのかどうか、この点ひとつお聞かせをいただきたい、こう思います。
○貞廣説明員 お答えいたします。 まず、こういった場合の港長の措置といたしましては、当該船舶に気象等の異常気象を知らしてやることと、それから入港した場合の適切な措置をとるように指導すること、この二つかと思います。 まず、このたびの事故の原因となりました気象につきましては、二十八日の晩に気象官署から海上警報を英文で打っておりますが、ゲールウォーニングは出ております。その伝達の方法といたしましては、海上保安庁としては、郵政省並びに海上保安庁の告示によるところの放送時間並びに放送周波数というものが一般に知らされておりますので、これによって無線放送をいたしております。ちょうど二十一日の晩からジュリアナ号が遭難したときまで連続延べ九回にわたって放送を続けております。少しこまかくなりますが、御説明いたしますと、新潟地方気象台は、十一月二十八日二十一時にゲールウォーニングを発令をいたしました。港長のほうでは、即刻同日の二十一時十八分から二十一時二十二分の間、それから次の沈黙時間直後の二十一時四十八分から二十一時五十二分の間、その次、安全通信再放送時刻の最初の……。
○米田委員 大体の資料はもらっておりますから、責任はあるのかないのか、適切であったかなかったかという御答弁がいただければいいいのですから……。
○貞廣説明員 はい。そのように連続放送をいたしております。さらにまた、港の信号所には、ゲールウォーニングが出ていることを知らす警報を掲げておきました。 それから警報が出たときに、もともと新潟港におきましては、このような事故が起こった場合の措置といたしまして、新潟港の災害事故防止対策協議会、これを港長が平素から指導いたしまして、この構成メンバーに対して平素の指導をいたしております。たとえば、今度のような外国船につきましては、特に船主の代理として代理店業務が行なわれておりますので、この代理店に対して指導をいたしてきております。その指導のもとで、こういった場合の気象警報の伝達経路をきめまして、電話番号その他責任者もきめまして、報が出たならばそのルートに従って直ちに伝達する、受けた人が必要な措置をとる、このようにいたしております。 今回の場合、ジュリアナ号について申し上げますと、直ちに港長は、この協議会の定めに従って、ジュリアナ号ばかりでなく関係の向きに全部周知させました。代理店を通じて、港内に停泊している船は、さらに増しもやいをしなさい、綱をもう少しふやしなさい、港外にいる船は、必要があれば早期避難あるいは安全な措置をとれというふうに指導いたしました。こまかくなりますが、安全措置といいますのは、こういった場合に、船長は海図を見れば、先ほど港湾局長から御説明がございましたけれども、どのような底質であるか、それから風が吹いたらどうなるかということは一目でわかるようにこまかく海図に書いてございます。それを船長が見まして、こういった場合に、避難しないならば、そこで停泊するとなれば、船長の常務として——そんなに神さまのような船長でなくて、通常の船長の能力において常務としてやられることはきまっております。これはもう船長になればそれだけ能力を持っておるはずです。たとえば、船橋でいかりが引けておるかどうか、風が強くなればいかりがどのくらいぴんぴん張ってきておるかということを当番を続けてみて、そしていかりがびんびん張りそうになったならば直ちにいかりを延ばす。本船は、あとの調べですが、たった四節しか出しておりませんで、少なくとも八節、九節を延ばすべきであったとあとから考えられますが、それから予備錨をさらに打つとか、そうして早期発見をし、必要ならば機械をかけていく、こういうのは船長の常道でございまして、そういう措置をとるべきではありますが、先ほど申しましたように、念のために早期避難等安全措置をとるように直ちに指導いたしておきました。
○米田委員 いまの御答弁によりますと、港長は、十分規定に基づいて、あるいは当時の状況に基づいて、職務上のことについては徹底してある、こういうことだと思いますね。普通であれば、船長が十分あの事態は認識できて事前に手を打つことができた、こういう御判断だろうと思います。大体今度の事件は、船長の責任というものが非常に大きいように私どもも聞いておりますし、人為的なミスであるということも大体もうはっきりしているようでありますから、その点は承知いたしておりますが、ただ港長がはたして十分な措置をしておったかどうかということだけは明確にしておきたかったわけであります。これはそういうことで十分であったというふうに理解してよろしゅうございますね。 次に、私は港湾関係でもう一点だけお聞きしておきたいのでありますが、新聞の報道等によりますと、あるいはこれは国会の運輸委員会の際における運輸省の答弁でもそうでありますが、このジュリアナ号は、いずれ新潟港のC岸壁に入港してそこで荷役をして帰る、こういう予定でございました。C津壁がたまたま前の船が入っておってあいておらないために待機しておったんだ、こういう説明のようでございます。そのC岸壁とはどこなんでしょうか。これは港湾局長、教えていただけませんか。
○栗栖政府委員 先生御承知のように、新潟港の西港に入りまして最初の新潟臨港開発というところの水面がございまして、それの左側の入り口の岸壁でございます。
○米田委員 入って左側の……。
○栗栖政府委員 はい。
○米田委員 要するに、臨港埠頭といわれるところでございますね。
○栗栖政府委員 そうでございます。
○米田委員 そこで私は、ひとつ港湾局長にこれまた御注文しておきたいのでございますが、このC岸壁はひとつ十分検討していただきたい。これは臨港埠頭といわれるくらいに私企業の埠頭でありますから、なかなかむずかしい問題だと思いますが、非常に危険であります。今度の場合は、ジュリアナ号はせいぜい一万一千トンから二千トンくらいで、油を積んでも大体二万トン程度でありましたけれども、常態としてここには四万トンから五万トンのタンカーが入っております。非常に危険なんです。御承知のように、日本海は、十一月から三月くらいまでは、ほとんど季節風が吹きまして波が高い。しばしば入れなくて港外でみんな待機をしている時間が多いのであります。日数もかかるのであります。それから昭石は、専用バースを、Cバースといわれる埠頭を持って沖合いから直ちにパイプで油が荷役できるように設けてありますけれども、これすら冬期間はほとんど使えないというふうに私は聞いております。そういう環境を考えますときに、依然としてC岸壁を油の荷役の岸壁として利用することについてはきわめて不適当で危険だ。今後の港湾整備の関係もありましょうから、ひとつこの岸壁を外洋のほうに向ける。このC岸壁を使うには、何といっても四万トン、五万トンのタンカーが狭い河口を入っていかなければならぬ。入らなくても、外洋の日本海の外のほうから使えるように若干の整備をしてもらえば可能だと私は思います。そういうふうにひとつ検討いただけないかどうか、これはいかがでございますか。
○栗栖政府委員 先生御指摘のように、新潟港の西港につきましてはだんだん整備が進んでまいっておりますけれども、それを上回って入ってくる船の数がふえてまいっておりまして、御承知のようなふくそう状態でございます。なお、東港と俗称しておりますけれども、東部のほうの港湾計画も進めておるわけでございますが、これも思うように——予定のとおりには進んでおりますけれども、今回の事故に間に合うような進捗度でなかったということで、東港につきましては、港湾計画からいきまして十万トン程度のものは入れるように計画されてございます。いまの先生の御指摘のように、西港の入り口で受けとめるか、あるいは東港のほうに持っていって受けとめるかということも含めまして、この事故を契機に早急に再検討して、これは地元の管理者は県でございますけれども、県知事と相談いたしまして進めたいというふうに考えております。
○米田委員 けっこうでございますが、東港はかりにそうなりましても、西港はその周辺に昭石あるいはシェル、日本石油等のそれぞれの製油工場があるわけであります。したがって、ここの西港を利用する価値というものは、当分この企業のそれぞれの製油施設やタンクが移らない限りは、私は重要さを増してくると思います。したがって、港湾整備の関係で、これは地元とも県のほうとも十分関係がありましょうけれども、この危険のまま狭い河口を出入りして油の荷役をしなければならぬということだけは何とか解決するように、私はここに略図でありますけれども図面を持っておりますが、外のほうから、外洋のほうから直接この岸壁をやっていただければ荷役できるように思いますので、水深の関係でもそう無理はないんじゃないか。これはやはり手直しをしてもらわなければなりません。しゅんせつは必要でありましょうけれども、可能だと思いますので、ぜひひとつこの点については御注文申し上げておきますので御検討いただきたいと思います。
○栗栖政府委員 御指摘のとおり、いろいろと考えられる案も出てまいろうと思います。ただ一つ、西港の外側で受けとめるという案もございますけれども、御承知のように、新潟空港との関係、飛行機が飛びますから、その真下になるという関係もございますので、その辺も十分関連を考えまして最もいい方法を考えたいというふうに思っております。
○米田委員 局長、飛行機関係ありません。これは私、地元でありますから、飛行場のほうの滑走路の延長の関係もわかりますが、関係ないはずです。しかし、まあよく検討していただきたいと思います。 時間の関係がありますので、運輸省関係でもう一点、保険の関係をお聞きしておきたいと実は思うわけでありますが、このジュリアナ号には相当保険がかかっておる。したがって、補償その他についてはだいじょうぶだということをしばしば政府のほうからも、または関係官庁等でもそういう説明をなさっておられます。私も、その点についてはそうだろうと思いますし、信用いたしておりますが、この保険の関係につきましても、しさいに検討してみますとそう簡単ではないんじゃないか。そういう点では、専門的にこれはまあ検討が必要だろうと思いますが、それまでのことはここでは時間がありませんからできませんけれども、大体保険についてはどの程度今度の災害に対する補償として可能なのかどうか、この点ひとつ大ざっぱな質問でありますけれども聞かしていただけないか、こう思います。
○鈴木(珊)政府委員 お答え申し上げます。 今回のジュリアナ号につきましては、幸いにいたしまして油濁の損害を補てんいたします船主相互責任保険組合、これは英国の組合でございますが、その組合にこの船主が加盟しておりまして、その組合で船主の要求によりましててん補が行なわれるだろう。油濁の場合には、最高の金額が一千四百四十万ドル、(米田委員「日本円で言ってくれませんか」と呼ぶ)円で申しますと、三百八円といたしまして約四十四、五億だと存じます。そういった面での補てんの制度に入っております。 それからまたもう一つ、この船主はそういった混乱の除去あるいは防除措置、そういったことで、たとえば官庁、海上保安庁が出費いたしました費用あるいは自分から出した費用、そういったものにつきまして、そういった防除の費用をカバーいたします制度もございまして、これは略称でございますけれどもTOVALOPとわれわれは呼んでおりまして、油濁責任に関するタンカーオーナーの自主協定というのがございます。この制度にも入っておりまして、これにつきましては、私どもの調べた範囲では、この船は普通、円で申しまして三億五、六千万円程度の限度で入っておるというふうに私どもエージェントを通じまして確認いたしたのでございますが、その機構にも入っておるということもございまするので、その範囲内での損害のてん補につきましては一応これで担保できるのじゃないかというふうに私ども踏んでおる次第でございます。 さらになお第三段目といたしまして、荷主が、これはシェルでございますけれども、これまたこの二つの機構でカバーし切れない面についての損害をカバーいたします世界的な機構がございまして、これはCRISTALというふうに私ども略称で呼んでおるのでございますけれども、タンカーの油濁責任に対する暫定的な補償に関する協定という国際協定がございます。これは世界の各国の石油会社が自主的にファンドを積みまして、こういう場合の補てんに充てるという制度もございます。これによりますると、一番最初のPI、船主相互保険組合の分、並びにTOVALOPの分、その限度でまだ損害が限度を越える場合には、このCRISTALという機構が三千万ドル、約九十四、五億でございますかの限度で、さらにその差額分を見るというふうに、三段がまえになっておりますので、そういった面でのカバーができる、そういう制度に全部加入しておるというのが大ざっぱな現状でございます。
○米田委員 この保険はとりあえずPI、TOVALOP、これはそれぞれ契約者は船主だろうと思いますが、実際の支払いには今後どういうふうに手続がなされていくのですか。被害額が確定しなければということがまず前段にあろうかと思いますが、時間がかかる。しかも、第二次公害となると、なかなか被害額の確定は困難である。それを待っておったんでは、被害者は待てないし、もう生活もできない。したがって、被害額の確定ということだけに固執しますと、それが確定しなければ保険についての交渉ができないというようなことだけでは、これはもう解決にならぬと私は思うのでありますが、トリー・キャニヨン号の例等もございまして、これは相当積極的に政府、すなわち運輸省と保険会社との事前の交渉あるいは折衝というものがなされていかなければならぬだろうと思うのでありますけれども、具体的にはどういう手段、方法、手続が必要かわかりませんが、ひとつそこらあたりについて、皆さんの考え、いまの方針を聞かせてもらいたいと思います。
○鈴木(珊)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、被害の額の算定につきましては、これはもちろん被害者の要求もございますし、また、これを受けて立ちまする保険組合その他の機構の側からの調査もやはりございまして、時間がかなりかかるんではないかと存じます。 それからまた、てん補する範囲につきましても、要するに、たとえば漁業ですと、直接的な被害のほかに、御指摘のような二次公害的な被害もあるかと存じます。そういった方面での被害の確定、因果関係の確定等、いろいろむずかしい問題があるかと存じますので、かなり時間がかかるのではないか。私どもといたしましては、運輸省が海運関係を担当しております立場で、外国の船主ではございますけれども、本件につきましては、私どもが中心になりまして関係各省の方にも御協力願いまして、補償の側といいますか、両方の間に立ちまして、これがスムーズに処理できますように、あらゆる努力を払いたいというふうに決意いたしておる次第でございます。 実は具体的にも、つい一昨日でございますか、関係各省のこの問題に関します補償促進に関します諸問題を円滑に処理していくというために、関係各省の関係局の職員からなります各省協議会というものを、実は内閣からの指示がございまして、運輸省が窓口、まあ幹事役でございますか、になりましてつくっておりまして、第一回の会合を来週早々に開く予定でございます。そういったような態勢でおります。もちろん私どもは、御迷惑をこうむりました漁民の立場を考えまして、補償の側からもスムーズにいくように全力をあげたいと思っております。 なお、手続でございますが、やはりこれは、被害者からまず責任者である船主に対しまして被害の要求を行なう。それから船主は、保険組合に対しまして、てん補の金額を要求する。それからまた、片やTOVALOPのほうに対しまして、船主は、防除に要しました費用一切についての請求を行なう。この二点につきましては、船主は、もうすでにだいぶ前でございますけれども、請求を行ないまして、すでにクレームを申し入れております。金額はわかりませんけれども、すでにクレームを申し入れております。さらに、その前の段階にいきますと、今度はCRISTALでもしも見なければならぬ場合には、被害者はCRISTALの機構のほうに請求を持っていく、こういう手続でございまして、もちろん被害者の、請求される側には零細な漁業者が多うございます。これにつきましては、もちろん御関係の省庁あるいは県御当局等におかれましては、十分その面、被害者のほうの面での、スムーズに円滑にいくような面での御指導あるいは御援助があるかと存じます。補償する側といたしましては、私どもが中に入りましてスムーズにいくようにやってまいりたいと思っておる次第でございます。
○米田委員 その被害を請求する側、要するに原告というのでしょうか、これは国も入りますね。国、自治体、それから被害者、直接被害者、間接被害者、総体的に被害者といいますが、国、自治体、被害者、この三者が請求する、こういうことになりますね。
○鈴木(珊)政府委員 お答えいたします。 国が、被害者と申しますか、防除費用を出した場合ですね。その場合のカバーを船主に要求する。それから地方団体も入りますし、もちろん被害者も入ります。
○米田委員 そうなりますと、これはどうなんでしょうか。相当国がリードをしてあるいは総体的に折衝するということにならざるを得ないことになりませんか。そのほうがまた解決を早めるし、処理のために適切な方法だということになりませんか。いまあなたの御答弁にありますように、被害者ということが大事だと思いますけれども、それをあまり重視されますと、それが前に出て、国がうしろにいるというようなことでは、相手が相手であり、問題が問題でありますだけに、より長引いたりあるいは非常にめんどうになったり混乱を起こしたりということになりはせぬか、こういうふうに思います。 イギリスあたりのトリー・キャニヨン号の場合は、あれは被害の様相が今度の場合と変わっておると思います。要するに、国や自治体の損害が大きく、直接の被害が漁民である関係者には非常に少なかった、こういう関係もあろうかと思いますが、あれは初めから終わりまで政府が全部片づけたということになっていますね。最後の示談までイギリスとフランス政府がとうとう全部責任を負って片づけておるわけであります。それにしても約三年かかっております。ですから、今度の場合はあの場合と違って、逆にいえば、漁業者とか漁民とか、そういう方々の被害のほうが大きい。これは漁業の権利あるいは実際の魚介類の損害ということがそうさせると思いますけれども、それにしても、国のほうがよほど前に出てどんどんやってもらわないと長引くだけだと思うのであります。 新聞によりますと、すでに海上保安庁の長官が十二月の四日ですか、船主のトルー海運のエディV・K・シュー社長(在香港)に、事故にともなう損失、出費の負担責任は船主にある、そういう立場に立って、三点にわたって申し入れといいますか、そういうものをしておられるわけでありますが、これがもうすでに損失補償の第一歩として受け取っていいのだろうと私は思いますけれども、こういう方向でどんどんこれからも推進してもらいたいと思うのでありますが、いかがでありますか。
○鈴木(珊)政府委員 こういう問題でございますから、やはり国が積極的にリードしていくと存じます。ただ私どもは、私ども運輸省だけではもちろんまいりませんので、被害者の側に立ちまするほかの関係省庁も御一緒になって、そういう推進をしていただければと存じておる次第でございます。
○米田委員 水産庁にひとつお聞きしたいのでありますが、大体被害の推定額は、いまの水産庁の調査の段階でどのくらいと見通しておられますか。漁民被害、漁業被害です。
○藤村政府委員 被害は現在も出ておりますし、これからも将来にわたって長期的に続くものと考えておりますので、現在被害額幾らという算出はいたしておりません。ただ、漁業者といたしましては、現在魚がとれないというものの被害につきまして七億三千万円を内金として要求しておるのが現状でございます。
○米田委員 現在被害がどんどん進行している、それから二次公害の被害もまだ進行中でありましょうし、なかなかつかみにくい、そういう事情はありますけれども、大体あなたのほうでは、どの程度の被害になるじゃないかという推論くらいは、総体的に立ちませんか。
○中井委員長 ちょっと私からもお尋ねするが、七億円ばかりの要求でいいのか。まあ、そういうものも含めてお答えください。
○藤村政府委員 いままでにこういう例がございませんし、中和剤を大量にまいたこともございませんので、中和剤の被害等もわかりませんので、私どもといたしましては、損害額の推定というのは現在できない状態でございまして、漁業者が言っております七億三千万円という数字も、三月までに沿岸で操業ができない組合、新潟以北、新潟県漁連など二十組合の四カ月間の推計の漁獲高から推計したものでございまして、現在私どもといたしまして、これがいつまで影響を及ぼすか、どの範囲まで影響を及ぼすかわかりませんので、推定ということはできかねる状態でございます。
○米田委員 それではやむを得ません。 そこで、時間も何ですからお願いしておきますが、いま被害調査をやっておられると思います。ひとつこれは第一次、第二次、第三次というくらいに段階的に、なるべくまとめられる範囲でまとめながら、まとまったものから被害補償の交渉に入れるように配慮してもらわなければならぬということが一つであります。 それからもう一つは、査定にあたっては、あなたのほうでは多分に——今度の場合船主、船員あるいは荷主、みんな外国だ。したがって、前のトリー・キャニヨン号の例等も参考にされて、きわめて慎重、シビアに査定をしておられるようでございます。そのために、漁民のほうでは、幾ら被害がこれだけといっても、それは裁判にいくとそういうのは立証できないとか、あるいはそれは対象から落とされるとか、何かそんなようにして、ことさらにあなたのほうでは、被害額というものを過小に評価をするという動きがあるのではないか、こういう不満が現に被害者の中にあるようでありますから、ひとつ被害額の査定にあたっては、十分被害者の納得ずくで、そうしてできるだけひとつガラス張りで調査なり査定なりをしてもらって、早急に交渉に入れるように指導していただきたい。それを水産庁にお願いしておきます。よろしゅうございますか。
○藤村政府委員 ただいまのお話でございますが、私どもといたしましては、まず第一段階といたしまして、三月までにどのような影響があるか、影響がなくなるのかということの調査を続けたいというふうに考えております。 それから漁業被害でございますが、被害の査定は加害者のほうが査定いたしますので、民事上の争いになるものでございますから、それにつきまして、漁業者といたしまして科学的根拠というのは出せないだろうということで、私どもといたしまして、ここまで影響があって、ここまで被害があったというような科学的なデータをそろえたいというふうに考えておりまして、決して私どもが査定いたすとか、そういうことは考えておりません。 現在やっております調査といたしましては、汚染海域の範囲とそれの水質、それから底質等がどういう影響があっだかということと、それから原油の処理剤の生物への影響がどういう影響があったかということと並行いたしまして、漁業の生産の実態と漁価の低落の実態等もあわせて調査いたしておりますので、私どもは過小に査定するというようなことはいたさないつもりでございます。
○米田委員 ぜひそうしていただきたいと思います。ただ、あなたの答弁の科学的ということでありますけれども、はたしてこれは科学的に加害者のほうが認定できる、立証できる査定なんか今度の場合できるかどうか、きわめて私は疑問だと思います。だから、科学的ということを否定はしませんけれども、その名において漁民の要求をあなたのほうが退ける。加害者のほうが法廷なんかで退けてくるのはいいでしょう。これはわかりますけれども、その前段であなたのほうがあまり手かげんを加えるということについては、ないかもしれませんけれども、これはひとつ考えてもらいたい。 どちらにしても、やっぱりトリー・キャニョン号の解決が一つのものを示唆しておると私は思います。最終的には法廷という場を通すかもしれませんけれども、おそらくあの解決の方法というものは、何だかんだといっても、被害者、加害者を含めまして、まあまあということで解決をしたということであの示談が成立しておるわけであります。そういうことからいきましても、いずれは政治的に最終的には決着をつけなければならぬだろう。そのとき被害者の側が一番根拠になるのは、最初の補償の要求額であります。何といってもそれが基本になるわけでありますから、加害者はそれを値切ってくるわけであります。ですから、そういう点を考えまして、こちらのほうで科学的にやっていただきたいと思いますが、その名においてあまりシビアにならないように、これは私は注文を申し上げておきたい。漁民の立場に立ってもらいたいということを申し上げておきたい。 それから、これからの被害の交渉の中には、当然二次あるいは関連のものも全部入ってくると思いますが、要するに、被害を受けたものは全部補償するという前提で当たっていただくことになると思いますが、この点どうでしょうか。たとえば、内水面の漁業の被害あるいは関連の産業といいますか、中小企業その他を含めた、この被害ですね。漁連に入っておらない任意の組合なんかもあるわけでありますし、それから一人一人の企業者もおるわけでありますし、あの地域は非常に零細な、新潟県でも非常に寒村でありますが、そういう零細な被害者が多いわけでありますから、そういう方々についても、方法と時間はとにかくとして必ず補償してやる、そういう前提で取り組んでもらわなければならぬと思いますが、この点はいかがでございますか。
○藤村政府委員 内水面等のあるいは組合に入ってない漁業者の被害につきましては、もちろんこれは被害として補償の対象になると思いますが、関連産業の被害がどこまで及ぶのかという点につきましては現在検討中でございまして、運輸省とも十分相談して要求させたいと考えております。
○米田委員 自治省と中小企業庁、消防庁等に関係することにつきまして最後に御質問をしたいのでございますが、一つは、自治省のほうにお願いしたいのは、今度の事故については、新潟県あるいは事故現場の新潟市等におきましては、当時の気象の条件等もございまして、非常に厳重な警戒体制をとりました。私が承知しておるところでは、県や市におきまして相当防災についての支出をしているわけであります。当然これらは、今後自治省のほうからそれぞれ特別交付税等を通しまして対応していただけるものと私は思いますけれども、これなんかも、うやむやにされると、やはり災害的な問題の取り上げについて実は再検討しなければならぬというところへまた戻ってくるわけでありますけれども、そういう点については、基本的には自治省では見るのだということで理解してよろしかろうと思いますが、いかがでございましょうか。 それからさらに、いままだ時期ではございませんけれども、当然新潟の日和山海岸あるいは瀬波海岸等におきましては、海水浴の適地として、海水浴場として存在をしておりますし、また非常にきれいな海岸でございます。これはいずれ時期になりますると海岸の大掃除をしなければならぬ、そういうことから地方自治体が主体になってくるんじゃないかと私は思いますけれども、このクリーニング代も出してもらわなければならないのじゃないか。これらも自治省はどういうお考えであるか。どっちみち財政がものをいうわけでありますので、お聞きをしておきたいと思います。 それから中小企業庁の関係では、いまのジュリアナ号の油の被害の直接的なものではないかもしれませんが、たとえば新潟でいま非常に問題になっておりますのは、魚釣りが、いそ釣り、海釣りが全然もうできなくなって、ちょうど新潟では.釣りのシーズンだということで、相当釣り具屋なんかは道具を仕入れた。ところが、まるきり今度のあれで売れなくなった。年も越せない。何とかできないかという陳情や、そういう要求が出ておるようであります。これらはひとつ中小企業庁等が実態をつかんでいただきまして、水産庁でも、今回はさしむき六億九千万円でありますか、特別融資等の措置を考えて、まず第一の救済の手を打っておられるわけでありますから、中小企業庁等におかれましても、そういう関連の中小企業に対する手当てあるいは対策というものを進めていただかなければならぬと思いますので、この点についてお聞きをしておきたいと思います。
○福島説明員 お答えいたします。 今回の事故の状況から考えまして、基本的には私ども事故原因者が経費を負担すべきものであると考えるわけでございますが、先生御指摘のとおり、防災について多額の経費の支出を見たというようなこともございますので、実情を調査の上、適切な措置を検討してまいりたい、かように思っております。
○西田説明員 釣り具商その他の関連の中小企業の方々がお困りになっていることを伺っておりますので、政府関係の中小企業専門の金融機関に対しまして、その実態を把握するよう指示し、適切な御相談に応ずるようにいたしておるところでございますけれども、いま県のほうにもお願いいたしまして、そういった方々がどのような影響をお受けになっておるかという実態を調べていただいておりますので、この調べをまた参考にいたしまして、なおこの金融機関の融資条件その他で、必要があれば条件緩和等の措置を講じてまいるというような準備をいたしているところでございます。
○米田委員 ぜひひとつお願いしておきたいと思います。 環境庁からおいでをいただいておるのでありますが、おられますか。——ひとつ最後に環境庁のお考えをお聞きしておきたいのでありますけれども、いままでは環境庁の出番はそうなかったと思いますけれども、これから海をもとに戻す、きれいにするという点では、今度はひとつ環境庁は大いに前に出ていただいて、各省に対する指導や環境庁自身の対策というものを進めてもらわなければならぬのではないか、私はこう思うのであります。 それで、沿岸の被害漁民等は、何といっても魚のとれるもとの海にしてもらいたい、いまのところ、切実なそういう声であります。また、海水浴場等の関係者等も、きれいな海に戻して、またここで来年の夏には海水浴ができるようにしてもらいたいということです。とにかく海をもとに戻すということでありますが、こういうことについて環境庁は当然手を打ってもらわなきゃならぬと思いますけれども、そのことについての方針等をお聞きしておきたいと思いますし、具体的には、海の大掃除をやるというようなことは、これは環境庁の仕事になるかどうか私わかりませんけれども、考えられないかどうか。二次公害なんかについては、特に私はそういうことが指摘されるのじゃないかと思います。 いま新潟では、新潟大学あたりが調査をしておりますと、油はすでに海底五十センチくらいのところまで浸透してきておるというようなことがいわれておる。二次公害の被害も、私はやはりそれに匹敵するものがあるだろうと思う。したがって、漁民は海の中を大掃除してもらわなければ昔の海は戻ってこない、端的にそういう主張をしておるわけであります。そういうことができないかどうか。そこまでやはり環境庁が前に出てもらわないと、海洋の自然やあるいは資源を守ることはできないし、環境の整備は不可能じゃないかと私は思いまして、この対策についての環境庁の決意をお聞きして、私は終わりたいと思うのです。お聞かせください。
○河野説明員 今回の事故につきましては、運輸省、海上保安庁の懸命の努力によりまして災害は防止されましたが、油それから油処理剤による今後の二次公害のおそれはまだ解消されていない現状でございます。 当庁といたしましては、これら多量の海中に拡散されました油あるいは処理剤が、今後海洋動植物の生育環境あるいは動植物そのものについてどういう影響を与えるか、あるいは直接間接、人の健康にどういう影響を与えるかという点につきまして重大な関心を持っております。このため、海中におきます油、油処理剤の動向につきまして相当長期にわたりまして調査することが必要だというふうに考えております。今後関係省庁と緊密な連絡をとりまして研究、調査を実施したいと考えておるわけでございます。現在、具体的な調査、研究の内容につきまして検討を行なっておるわけでございまして、これらの研究、調査の結果をまちまして油処理剤の規制の必要の有無等につきましての検討を進めたいと考えております。
○米田委員 海をきれいにしてくれますね。
○河野説明員 そういう方向で研究、調査をしたい、かように考えております。
○米田委員 終わります。
○中井委員長 次に、瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 十一月三十日の新潟港外で発生したリベリア船籍のタンカー、ジュリアナ号の座礁による原油流出の事故について、若干の質問をいたします。 時間が詰まってまいりましたので、はしょって質問を申し上げますから、簡潔に御答弁をいただきたいと思います。言うまでもなく、災害対策基本法に基づいて、広範囲にわたり多数のものに被害を及ぼすということで、当然災害としてこれを取り上げていろいろと対策をとるべきだという考え方から、私は以下質問をいたすものでございます。 ジュリアナ号の座礁に伴う油の流出事故は、かってない、わが国で経験した大惨事となったわけで、現在流出した油は六千トンにも及ぶ、こういうふうにいわれておりまして、たいへんな被害を受けておるわけです。 最初に、現在この原油拡散に伴って山形、新潟、秋田一円に広がっておるように承知しておるわけでありますが、その被害の及ぼしておる状況と、油の移送の問題で、船尾を曳航して他に移すということもいわれておりますが、それらについての処理状況は、どういうふうに現時点ではなっておるか、簡潔に最初にお答えをいただきたいと思います。
○貞廣説明員 お答えいたします。 ジュリアナ号の船尾部分の処理につきましては、残油約七千トン残っておりましたが、これは十六日に完了いたしました。今度は船首部分でございまするけれども、これには残油約一万トンと推定されておりますが、これが残っておりますので、これは去る九口に船固めを終わりまして、その後、これを陸上からも抜き取るというために海底油送パイプ等の設置と、それからタンカーから沖で抜き取る、この二つの準備を進めてまいりまして、去る十八日までに約八百トン、タンカーから抜き取っております。その後しけ模様で、きょうもまだだめではございますが、陸上へ抜き取るパイプ布設作業準備は完了いたしておりますので、あと天気がよくなりますと、タンカーによる瀬取りとともに、一日で陸上への抜き取り準備を完了する予定でございます。なお、約四千トンばかりを現場で抜き取ります。タンカーあるいは陸上いずれを問わず、天気がよければこの両方でもって約四千トンばかりを抜き取りまして、船を浮き上がらせることを計画いたしております。浮き上がらせるときは、非常にむずかしい作業でございまして、いろいろ計算をしてやるわけでございますが、好天の日一日を必要とする。そのあとは、いまのところ、東港にこれを油の漏れないようにしつつ曳航いたしまして、ここで急速に瀬取りをする、ここで残る油が約五千四百トンと考えられますが、これはもう静かなところへ引き込みましたら二日で終わるというふうに計画いたしておりまして、今度なぎ次第、順天が続けば七日で完全に抜き取ってしまう、このような計画で鋭意努力いたしております。
○瀬野委員 海を生産基盤として生活を営んでおる沿岸漁民にとっては、この流油海域を中心とする周辺海域においては、すでに休業を余儀なくされておるわけでございます。広大な範囲にわたって漁場が半永久的によごれて壊滅することが懸念されるわけでありますが、この褐色の海、こういうふうにいわれておりますが、この海の回復は、今後まだ処理を続けていかなければなりませんけれども、見通しはどのように保安庁等はお考えでございますか。いつごろになるとこれがもと通り回復するというふうに見通しを現在立てておられるか、全然まだ立てていないのか、そのことを次にお尋ねします。
○貞廣説明員 海洋そのものがいつ回復するかというふうなことについては、ここで私ちょっと申し上げられませんが、先ほど水産庁のほうから、被害状況を調査している旨お話がございましたが、海上保安庁といたしましても、水路部でいま沿岸をずっと海洋調査をいたしております。その結果によりまして、その後検討をしていくこととなりましょうけれども、いつごろにこれが回復するかということは申し上げられません。
○瀬野委員 先ほど環境庁からもいろいろ答弁がございましたが、現在のところ見込みが立っていないわけですけれども、この褐色の海の回復がなされなければ、今後二次公害等たくさん起きまして、たいへんな問題になるわけです。 あとでいろいろとお尋ねするわけですが、その前にもう一点お聞きしておきますけれども、事故発生当時は、警察、自衛隊、海上保安庁等が一体となって対策に手が打たれておったのですが、乗あり組み員が救助されたあとは、警察、自衛隊等は引き揚げて、事実上、汚染問題は海上保安庁の管理であるということから、警察も自衛隊もほとんど手を打たれなかった、引き揚げてしまったということがいわれて、いろいろ中和剤であるとかあるいはむしろ五万枚を使った、その回収等の問題が、いろいろあと始末に困るということで、地元で、そういうむしろを使っては困るというような苦情等も出ておるように聞いておるわけですが、現在どうでしょうか。そういう協力体制については十分やっておられるのか、その点、また地元も、そのように乗り組み員が救助されたあと協力体制がなかったということについては、いかなる反省をしておられるか、ひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います。
○貞廣説明員 今度の事故の場合、立ち上がりの一日、二日におきましては、防災的な見地から大事故と思われました。しかし、油の流出処理につきましては、海洋汚染防止法で、船長、船主が十分やるべきことをやっておらないと思ったときは海上保安庁がこれをするようにさせる、緊急間に合わなかったら海上保安庁みずからやる、なお、船主に対して協力者として荷主等がしなければならない、こういうたてまえになっております。 いまお話がございました問題につきましては、地元におきましては、最初防災の見地からは、当然のこととして警察、消防等並びに県、市の防災諸関係部課から密接な連絡、協力のもとに、あそこに平素からこういう事故を予想してつくっておりました協議会で、十分援助、協力はいただけて今日まできております。なお、先ほど申しましたように、区分的なといいますか、流出処理だけに限ったような事態になってきました現在におきましても、やはり警察、消防等はそれぞれの持ち場において十分協力していただいておるのが現状でございます。
○瀬野委員 次に、大型の原油、重油事故等に伴いまして、回収船の開発をしなければならぬということでございますが、そのことと、この回収船は日本では四隻あるということで、すでに委員会でいろいろ審議されておるわけで、そのうち三隻が現在建造中である。ところが、最大の回収能力というものが一時間に四十五トン吸い上げるのが精一ぱいであるやに聞いております。GNP世界第二位でもほとんど一〇〇%の原油を海上輸入しておる日本でございます。聞くところによると、フランスでは一時間に二千トンの原油を吸い上げる回収船が就航しておるというふうに聞いておりますが、この事実を見て、今回の被害によって、被災漁民に対し、被害者に対して、政府は、いわゆるこの回収船の対策の手おくれをどのように説明されるのか、また、この回収船について今後もっと考えるべきである、さっそく来年度の予算でも検討すべきじゃないか、かように思うわけです。この点についてお答えをいただきたいと思います。
○貞廣説明員 タンカー事故で油が海上に流出した場合の措置といたしまして、従来やっておりました要領では、今回のような外洋で荒海ではきわめて困難である、あるいは不可能であるということが身にしみまして、いま先生が言われましたような油回収船、俗に申しますオイルスキーマーというものは、日本にもそのような隻数がございますし、国際的にもございますけれども、これは効率的にもあまりよくないし、今度のような場合、外洋においてはいまのものでは適当でございません。今度油の防除につきまして、責任者であるシェル関係は、国際的な油防除の権威者、エンジニアを呼んでいろいろとこの対策を検討させてきましたけれども、彼らの言によりましても、高性能のオイルスキーマーというのは国際的にはございません。しかしながら、こういう事態でありますので、今回の経験にかんがみまして、外洋で波の高いときにも油がとれるというものはいかなるものであろうかとつくづくあのジュリアナ号の甲板で考えましたが、金魚が水を飲むように、荒海であっても、船首に左右にひげをはやしたといいますか、そのような耐波性のあるフェンスをつくって、そして大きい船でどんどんと油の面に突っ込んでいく、そして油水を自分の船の中に取り込んで、ここで油水分離をして、水だけを流して船はどんどん進む、これを一般にオイルキャッチャーといってすでに検討もいたしておりますが、この実用化について真剣に検討していって、こういった事態にも対処できるようにしたい。いまワーキンググループをつくって真剣に考えております。
○瀬野委員 質問をはしょって行なうわけですが、中和剤のことで若干お聞きしておきます。 中和剤の散布によって二次公害が起きるということでたいへん問題になっておるわけでありますが、やむなく使用する場合は極力毒性の少ないものをやらなければならぬ、また、それらの中和剤を開発しなければならぬということも当然でございます。水産動植物に全く無害の中和剤をすみやかに開発すべきである、こういうふうにいわれておるわけでございますが、いま二次公害の危険性が現地で問題化しておるところでございまして、運輸省は、四十二年に英国で起きましたトリー・キャニヨン号の事件を契機として、たしか日本海難防止協会に毒性実験をやらせておられるやに聞いております。海藻とか魚介類に対してきわめて猛毒であるということはすでに確認をされておるそうでございまして、これらのことを踏まえまして、四年間にわたって研究をしてこられたと思うが、中和剤の研究の結果どのようなものが開発されつつあるのか、このことも、ひとつ簡潔にこの機会にお答えをいただきたいと思います。
○原田説明員 お答え申し上げます。 先生の御指摘のとおり、運輸省ではかねてから日本海難防止協会に依頼いたしまして、油の拡散問題それからオイルフェンス並びに油処理剤の研究をさしておるわけでございますが、必ずしも十分なものでないわけでございますけれども、四年間におきましてかなりの成果を見つつあります。 そこで、最近では油処理剤の海産物への影響につきまして鋭意調査、研究中でございまして、関係の大学等にも入っていただきまして、この検討をいたしております。ただし、あくまでもこれは民間ベースでございますので、私どもとしては、今回の事故を契機にいたしまして、この程度の調査、研究ではなお不十分であるということから、研究に本年度の科学技術庁の調整費をいただきまして、約一千万円以上になりますが、それを投入しまして油処理剤に関する調査をさらに強化してまいりたいと考えております。特に、油処理剤の海産物への影響を主体にいたしまして、いかなる油処理剤が適当であるかどうかという採択基準等をこの研究で早急に結論を出すべく努力いたしたいと考えておる次第でございます。
○瀬野委員 ただいまの答弁で、研究は不十分である、科学技術庁の調整費を一千万円投入して採択基準等を検討しているということでございますが、ここでそのことを論議すると時間もかかりますけれども、海国日本が油によって日本海周辺はほとんどよごされております。こういったことを踏まえたときに、一千万円の調整費でこういったものをいまからまたさらに研究をするということでありますけれども、こんな微々たるものではとてもたいへんだと思うのです。被害を思ったならば、数億使って調査、研究をし、早急にやるべきじゃないかと思うのですが、これらは十分検討していただくように、金額として論議はいたしたくありませんが、早急に開発してもらいたいと思うわけです。 なお、いまのに関連しまして、この処理剤にかわるものの開発がおくれておった、また研究が不十分であるということがいま言われましたが、こういったことを踏まえまして、四年間の研究の公表もせず、しかも十分な研究、調査もなされていないという現状から踏まえまして、これは明らかに政府の責任であり人災である、こういうように思うのですが、それについてどういうふうに漁民に説明をし、どのように責任を感じておられるか、その点もう一ぺんひとつあわせてお伺いしたいのであります。
○原田説明員 ただいま御指摘の点でございますが、もちろん海難防止協会の調査につきましては十分ではございませんけれども、相当の積み重ねができてまいっておりまして、今回の政府の資金を出しますと、これらの積み重ねの上に促進されるという形になるわけでございます。さらに一方では、民間の会社自身がまたいろいろトリー・キャニヨン号事件以来の経験を積み重ねて努力いたしておられますので、政府の金は一千万円を若干こえる程度でございますけれども、これは呼び水でございまして、そういった成果なり従来の経験も積み重ねた上で、結論を早急に出していただけるものとわれわれは確信いたしておるわけでございます。 なお、漁業に対する被害でございますが、これは当然われわれとしては、処理剤を使用したものに対します漁業被害についても船主に対して要求すべきものと考えております。そして漁業被害について関係の部署で調査を促進していただいておりますけれども、運輸省が窓口になりまして、水産庁、通産省、厚生省等関係の役所が集まりまして、被害の状況並びにどの程度の被害が保険に要求できるかといったような点も含めまして連絡協議会を催しまして、早急に損害補償についての考え方を取りまとめたいと考えておるような次第でございます。
○瀬野委員 同僚委員からいろいろと質問があったので、若干補足的な問題をお尋ねしますが、今回中和剤を使うにあたって、ヘリコプター等から海上に投下した場合に、もちろん中和剤のかんのふたをあけたものもあったが、ふたを締めたまま投下したものもたくさんありました。また、中和剤を大量に投下したわけでありますが、今回現地の漁民の試験操業によって、実は網が破れた、よく調べてみたら、いわゆる十八リットルかんに入った中和剤がふたをあけないまま投下されておおったので、それが網にたくさんかかってきたというようなこともありまして、相当急いでやった関係から、十分ふたをあけないで投下したのじゃないかと思います。こういったことが現地でいろいろさまざま起きてきておりまして、こういった問題について、これは漁民に対して、網の破損、これはもう十分国の責任において補償して見てあげなければいかぬ、こういうことになるわけですが、これらについても、当該補償の問題は種々多くあるので、いま検討中であろうと思いますが、どう考えておられるか、当局の御見解を簡潔に承っておきたいと思います。
○貞廣説明員 いま御指摘の件につきましては、現地対策本部としては具体的にそういう事実はつかめておらないようでございますが、いま先生のお話もございましたので、現地に指示して調査させたいと思います。
○瀬野委員 そういう事実が現に起きておりますので、ひとつ対策本部のほうで十分調査をして対処されるように強くお願いしておきます。 次に、この船主保険のことで先ほども論議されましたが、四十四億から四十五億、船主にはかかっておる。さらにまた、その他にも三段がまえで保険に入っておるという答弁でございました。PIとかいう保険だと思うのですが、さらにお尋ねしたいことは、てん補範囲の中に二次公害もこれに入るかどうか。私が調べたところによると、いまのところ疑問になっているようにも思うのでありますが、二次公害までも入るのかどうか、この点をひとつ明確に当局の御見解を明らかにしていただきたいと思うのです。
○鈴木(珊)政府委員 お答え申し上げます。 いわゆる二次公害の損害でございますけれども、その原因との因果関係がきわめてはっきりしているものはまだしもでございますけれども、はっきりせぬものにつきましてはきわめて困難ではないかと存じます。これは保険組合の約款等でどの程度読めるかという問題と思うのでございますけれども、最終的には裁判で争われれば裁判所の決定ということに相ならざるを得ないと存じます。御指摘のとおり、きわめてむずかしい問題かと存じます。
○瀬野委員 原因と因果関係がきわめてはっきりしているものはいいが、そうでないものはきわめて困難という答弁でございますが、これが裁判にでもなりますと長くなるわけです。そういったことも踏まえまして、もしこの二次公害がこのPI保険に入らないということになると、漁民に対して払えない、二次公害については払えないということも起きるわけですが、この場合に国は支払う意思があるか、この点もう一度お尋ねしておきます。
○鈴木(珊)政府委員 お答え申します。 いまの点につきましては、かりに被害者が漁業者であれば、私からお答えするのは適当でないかと存じます。御関係の官庁の方からのお答えかと存じます。
○藤村政府委員 私どもは二次公害と申します油処理剤によります害も当然漁業の被害に入って、PI保険で要求の対象になるものというふうに考えて対処してまいりたいと思っております。
○瀬野委員 そこで、これは水産庁にもお聞きしたいのですが、漁場復旧対策についてでございますけれども、自然のままにこれをまかせておきますと、これは長い時間かかるのです。当初質問しましたときに御答弁ございましたが、見通しは立たないということでございますが、そういうことでは、これは今後もたいへんである。特に現在サバあるいはカニ、エビ等の最盛期で、一番漁獲高も多いし、収入も多い時期に入っておるわけですが、来年もこういうことが続くとなると、これは漁民はたいへんな壊滅的打撃を受けるということになる。そういったことから、先ほども若干質問にも触れておられましたが、何とか積極的な掃海をする、自衛隊等で掃海をさせるとか、新しい魚礁を投入する、あるいは貝類の死滅がはなはだしいので、生産力を回復するために稚貝とか種苗を植えつける、こういった具体的なことを進めなければならぬと思うのですが、こういったことについてはどのように検討を進めておられるか、御見解を承りたいのです。
○藤村政府委員 現在水産庁の日本海区水研と東海区水研、新潟及び山形県水産試験場が中心になりまして、保安庁の水路部とも十分協力をしながら漁場の汚染状況、海底の汚染状況等を調査中でございますので、その結果を見ながら油の除去のためのしゅんせつ、客土あるいは耕うん等も必要かどうかということを十分検討いたしまして、処理いたしたいというふうに考えております。
○瀬野委員 次に、海洋汚染防止法によりますと、原則として海洋に流してはならない、こういうふうになっておりますが、ただし書きがございまして、一海里六十リットル流していいようになっておるわけでありますが、現在は日本じゅう油だらけになりつつあります。こういったことから、こういう油によるところの被害というものは、今回の問題を含めましてあちこちにも被害が起きているわけですが、はたしてだれが救済するのかということで、地元漁民はたいへん疑問を持っているわけです。漁民は泣き寝入りになるぞ、こういうふうにいつも批判をしているわけでありますが、こういったことにつきまして、海洋汚染防止法によるところのこういった問題について政府も検討する必要があるのではないか、かように思うわけです。また、その責任を明確にすべきだ、こういうふうに思うのですが、その点についての見解を承りたいと思うのであります。
○原田説明員 海洋汚染防止法につきましては、千九百五十四年の油による海水の汚濁の防止のための国際条約の改正条約が一九六九年に採択されまして、それに基づいて船舶からの油の排出の禁止措置がとられておるわけでございます。そこで、この条約は、条約の改正条約が一九六九年でございますが、そのもとの条約に加盟しておる国の三分の二以上が受諾の通知がなされますと発効いたすわけでございますが、わが国は四番目に受諾いたしまして、この海洋汚染防止法によりまして規制を行なうということになっておるわけでございます。現在のところ、まだ三分の二にはとうてい達しませんので、海洋汚染防止法が施行になりますのは、この法律の規定によりまして来年の七月からでございますが、それまでには一九六九年の改正条約がまだ世界的には採択されておらない、適用されておらないという状態でございますが、わが国だけは、その規定にかかわらず海洋汚染防止法が施行になるわけでございまして、わが国は海洋国家として非常に前向きに海洋汚染防止法を施行いたすことになるわけでございます。しかしながら、この海洋汚染防止法の規定で、先ほど御指摘のございましたように、航行中油分の瞬間排出率が一海里当たり六十リットル以下という規定がございます。これにつきましては、当時国際条約を検討いたす際に各国から非常に論議があったわけでございますが、この程度の油分であれば一応まずまず被害のほうはだいじょうぶということから、こういう率がきめられたというように承知しております。
○瀬野委員 時間が詰まってまいりましたが、あと若干、はしょってお聞きしたいと思います。 次に、十二月四日でしたか、木更津沖でも事故がございまして油がかなり流出しました。きのうも千葉県の船形で油流出の事故がございました。また、千葉県の市原に入港したドナユラ号が三千キロもたれ流しながら走り続けて百トンも流出してきたということで問題になっております。こういったことは過般も瀬戸内海でも起きておるし、相当あっちこっちでこういったことが起きて、最近は特に頻発しております。ここ二、三日の間でもこういった大きな事故が起きております。こういったことを見ましたときに、加害者がはっきりしているときはよいのでありますが、はっきりしてないときは、これは結局沿岸漁民の被害者は泣き寝入り、こういうことになる。また、加害者がわかっていても解決にかなり長い時間がかかる。こういうことについて政府はどう解決すべく対処していかれるのか、これまたひとつこの機会に答弁をいただきたいのであります。
○藤村政府委員 現在、水産庁といたしまして制度としてやっておりますことは、漁業共済組合というものがございまして、これによりまして漁業被害の保険制度になっておりまして、保険がかけられるようになっておりますが、これが養殖につきましては、人災の場合には免責にされることになっております。したがって、これを適用することができませんが、最近加害者不明の公害が多発して油の害が多発しているのにかんがみまして、水産庁といたしましては、被害者に対する救済措置を関係省庁と相談いたしまして、新たな制度を検討いたしたいというふうに考えております。
○瀬野委員 関係省庁と協議して新たな制度を制定したいという答弁でありますが、ぜひこれはひとつ早急にやっていただきたい。そうしないとこれはもうたいへんなことになってくる、こういうふうに思うわけです。これまた時間の関係で詰めることができませんが、強く要望いたしておきます。 そこで、運輸省にまたお尋ねしておきたいのですが、こういったタンカー事故が激増してくる。また大型タンカーで五十万トン・タンカーまでもいろいろいわれておるときでありますので、この安全航行ということについて十分いろいろ手を打っておられると思うのですが、今回の事故にかんがみましてどういうような指導を具体的にされたか、これまたひとつ簡潔にお答えをいただきたいと思うのです。
○原田説明員 お答え申し上げます。 運輸省といたしましては、タンカーの事故防止につきまして総合的な対策をかねてから立てましてその実現を期しておるわけでございますが、なお今回の事故にかんがみまして三つの対策をとりあえず樹立いたしまして、即刻実行に移すべく努力いたしておるわけでございます。 すなわち、第一は、こういう事故に直面した場合の緊急の体制でございますが、油処理剤あるいはオイルフェンスの技術的な開発をいたしますとともに、こういったものを採択基準をきめまして石油基地にも備えつけさせるという指導をいたしたいということが第一点でございます。 第二点は、海上交通の安全指導をいたします場合に、法的な規制措置が港湾外ではございません。したがって、狭水道あるいは湾内におきます海上交通の規制をいたしますための海上交通法の制定を検討いたしてまいりたい。 それから第三点は、船員の操船技術が発展途上国等におきましては相当未熟な点もございますので、政府間の海事協議会、IMCOと申しましてロンドンに本部がございますが、これにわが国が積極的に提案いたしまして、操船技術、運航技術の国際的なレベルアップをはかりたい、こういうように考えておる次第でございます。
○中井委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○中井委員長 速記を始めて。瀬野君。
○瀬野委員 それでは、一時から本会議もあることで、いよいよ時間がなくなりましたので、最後に、まとめて要望申し上げて、質問を終わることにいたします。 今回の事故で、漁場価値の低下、価値減等の事態に対処して、融資とか減税措置を講じていただきたいし、漁場の復旧施策を早急に行なっていただきたいということと、損害賠償制度を抜本的に改正して、特に漁業被害を救済するための油濁等による漁業被害救済制度を早急にひとつ特別立法化していただきたい。さらには、被害漁民に対する救済措置として、漁業被害については、直接被害、間接被害、また関連被害を十分算定して、国の一時立てかえ支払い、あるいは緊急融資措置等を早急に行なっていただく、こういったことを強く要望するわけでございます。漁民も年末を控えてたいへん苦しんでいるときでありますので、いままでの論議を通じて、十分対策を講じておられることもうかがえますが、さらにひとつ対策を講じていただきたい、かように思います。 なお、きょうは、このあと私は、林野火災について質問をする予定でありましたが、時間がなくなりましたので、次回に譲ることといたします。ただ一点要望いたしておきますが、林野火災は、本年の四月に呉市の火災という一つの大きな事故がございましたが、あのときに十八名の方がなくなりました。まだ記憶に新たであります。また、ことしも相当火災が起きておりまして、先般の林野火災の秋の安全週間においても、家屋に次いで二番目の被害を受けておりますし、特に林野火災は一月から五月にかけて火災が一番最盛期になっております。こういったことで、森林火災保険の改正、またこれに対する対処方針についていろいろ尋ねる予定でございましたが、時間がございませんので、この問題につきましては、来年一月、かなり委員会はおそくなるのではないかと思いますので、十分ひとつ林野当局は対処されまして、森林火災のシーズンにも入りますので、十分検討し、対策を講ぜられて、万全を期していただくようにひとつお願いしたいと思います。もう年々火災が激増し、しかも森林火災も並行して大型化して、激増しておりますので、十分対処されるようにお願いしたい。環境保全上からも特にお願いをするわけでございます。 以上、たいへん御協力いただいてありがとうございました。質問を終わります。
○中井委員長 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時五十四分散会