公害対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/12/22
会議録
○小林委員長 これより会議を開きます。 公害対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤清二君。
○加藤(清)委員 末期的症状とでも申しましょうか、佐藤内閣はちかごろあまり評判がよろしいようではございません。しかし、その中にありまして、わが大石環境庁長官だけは一人気を吐いていらっしゃいまして、国民の期待するところがきわめて大でございます。ひとつ大にその威力を発揮していただきたいということを期待して質問をしたいと存じます。 第一番にお尋ねしたいことは、まくらでございますけれども、事公害に関して、このまま放置しておけば、国家が責任を持ってなさなければならないことを地方自治体が肩がわりをせんければならぬ、こういうことになっている案件がございます。御案内のとおり、航空基地の周辺の防音装置でございますが、これはもう長年にわたりまして、軍事基地であれば、防衛庁予算をもって義務教育の防音装置だけはどうやらまあまあというところまででき上がったようでございます。しかし、幼稚園、保育園以下、民家、病院等々の防音装置は、いまだそのままでございます。いわんやラジオ、テレビ等の障害に対する補償は、なされてはいるものの、これはほんの申しわけでございまして、地方の住民がたいへん困っているわけでございます。そこで、近ごろ、国家を相手にしていてもらちがあかないというんで、市長を相手どって、この始末をしろという請願、陳情を市役所へ市役所へとやっておるようでございます。たとえば小牧基地のごときがしかり。それから大阪の騒音の問題につきましては、あの基地の問題につきましては、事裁判になっておりまするから私は触れませんけれども、これでは、国家が自分みずからが公害を出しておきながら、その始末を、さなきだに赤字で苦しむ地方自治体に責任をしょわせるということは、これは筋の通らない話だと存じますが、それについて長官としての御見解、来年度予算に臨むこの件に対する態度等を承りたいと存じます。
○大石国務大臣 ただいま加藤委員のお話しのありました航空基地周辺の騒音のことにつきましては、大体おっしゃるとおりのことと思います。航空機の大型化とかあるいは発着回数の増加とかいろいろなことによりまして、その騒音が基地周辺の住民に非常な迷惑を与えていることは確か、そのとおりだと考えております。そして、それに対して、公共的な施設、学校とかあるいは病院のような一部に対しましては、ある程度の国の対策も立てられておりますけれども、一般の国民につきましては何らの対策のないのが現状でございます。まことに残念なことで、ほんとうに相すまなく思っている次第でございます。そういうことで、これは何とかする責任がございます。お話しのとおり、国のほうでこれに手当てをする何らの政策なり法律がございませんために、県とかあるいは市のような地方自治体に対しましていろいろと負担を負わしている、これは確かでございまして、まことにすまなく思うのであります。行政というものは、国だけでやってよろしいものでもなければ、県だけでやる、市だけでやるものでもございません。国から県、市町村というものが全部一本になりまして、総合的に強力な施策を行なうことが正しい筋かと思うのでございまして、どこで特に責任を負わなければならぬということは申す必要もないと思いますけれども、とにかく現段階では県や市においてある程度のめんどうを見さしておる、これは住民にとっては多少欠陥なことでありますが、国としてもまことにすまなく思います。そういう意味で、われわれも何とかしてこれに対処しなければならぬと考えておるわけでございますが、何せ航空機の騒音というものは、これを規制する基準というものがいま、世界じゅうどこでもございませんで、非常にむずかしい問題でございます。そういうことのためにいままでは手をつけられなかったと思うのでありますが、これは手をこまぬいておるわけにまいりませんので、御承知のように、環境庁といたしましては、中央公害対策審議会にお願いいたしまして、この騒音を規制する一つの環境基準をつくりたい、こういうことを願いまして諮問をいたしておるわけでございます。実はもう二十三日にこの答申が出てまいります。これは環境基準というほどのりっぱなものではございません。何せ世界的にそのような基準がどこにもございません。われわれが率先してつくるわけでございますが、初めからそう大きなものはできませんが、何とかして多少でも規制し得るような指針と申しますか、そういうものはきめたいと思いまして、あした答申を受けることになっておるわけでございます。ですから、その詳しい内容についていま申し上げるわけにまいりませんけれども、大体は、御承知のように、音を制限すれば一番いいわけでありますが、いまの段階では音の制限はできません。そうしますと、音のあることによって、具体的には、たとえば飛行機の発着回数をどうするか、夜間の飛行はどうしたらいいかとか、あるいは民間に対してはどういうような防音の施設の手当てをしたらいいかというようなことが大体内容となると思いますけれども、そういうものにつきまして、多少でも地域住民の方々に対してお役に立つようなことを進めてまいりたいと考えておる次第でございますが、詳しい内容は、あした答申を受けますので、きょうはひとつ、この辺でごかんべん願いたいと思います。
○加藤(清)委員 けっこうです。長官御承知のとおり、この航空機公害に対する対策というものは、先進諸国といえどもわりあいにおくれているようでございます。なぜおくれているかといえば、これは国土の相違なんですね。諸外国は非常に広い土地を持っている。したがって飛行場というものが人家密集地帯の中になくて、遠く離れた、人家のないところにあるのですから、音の公害だけでございますから近所の公害だけなんで、そういうことが外国には少ない。しかるに日本のように人家密集地帯の中に飛行場がある、したがって音の害はきわめて大きい、こういうことでございますから、世界に類例がかりに少なくとも、率先してこの公害を除去していくということが、やがて成田空港のようなああいう悲惨なことを少なくする原因にもなる、かように存ずるものでございます。したがいまして、それは幸いあす答申が出るということであれば、それに基づいてぜひひとつ、予算化するものは大臣折衝においてでもやれないことはございませんから、ぜひ来年度予算に盛り込んでいただきたい、かように存ずるわけであります。で、あすの答申がいつの具体的施策に間に合うようでございますか、その点をちょっと承りたい。
○大石国務大臣 あすの答申があさってからすぐ役立つように大いに働かしていきたいと思います。あさってからと申しましても、これは一つの表現のしかたでありまして、そのように年内、年度内にも、もちろん来年の予算にも関係するようにつとめてまいりたいと思います。
○加藤(清)委員 それではそれに対する予算は来年度予算で審議するということを期待いたします。 それから、電波監理局から来ていらっしゃいますか。——御苦労さんです。電波監理局へは、私は、こういう陳情団を連れて何度もお伺いをしたことを記憶しておりまするが、もう長年にわたる問題で、NHKの場合も、料金を下げるの下げないのといって——しかし、それをNHKの予算でやられたのではたまったものじゃない。国家の予算でやってもらいたいというのがNHKのほうの言い分が、それはいいとして、民放の場合はこれは聴視者のほうがいかれっばなしですね。何も恩恵は受けないですね。これに対してどういう措置をとられるのか。それから、電話がガアガア鳴っちゃいますね。テレビがきらきらきますね。ラジオも聞こえなくなっちゃいます。これに対する補償はもう長年の問題でございますが、電波監理局としてはどう考えておりますか。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 航空機基地の雑音、騒音対策としましては、従来ラジオ、テレビといったものが、よく聞こえ、よく見れるようにするというのが私どもの基本的な考え方でございまして、そのために、NHK並びに民放の局を免許いたしておるわけでございますから、当然その方向で私どもも努力しておるわけでございますが、ただ、航空機というふうになりますと、これは物理的な手段としまして、その騒音をなくする、あるいはテレビのちらつきをやめるということは非常にむずかしいことでございますので、これは先生もおっしゃったようなことでございますが、NHKの受信料というものを減免するという措置を、従来講じてきたわけでございます。しかし、おっしゃいますように、NHKはいわば被害者でございまして、正しい電波を出しているのに飛行機によって妨害されるということでございますので、私どもとしましては、その原因者が当然負担すべきであるという立場で、従来関係方面と話し合いをしておりまして、これは来年度の予算になるわけでございますが、国際空港につきましては運輸省、いわゆる基地のほうにつきましては防衛庁というところで、それぞれ現在、いままで減免しておった額に相当する予算をいま要求している、そういう状態でございます。ただし、おっしゃいますように、これはただ減免するということだけでございまして、実際に聞くほうの側から、あるいは見るほうの側からしますと、依然として改善されないということになるわけでございまして、私どもも何らかの技術的な手段によりまして、そういった対策ができないかということをいろいろ検討しているわけでございますけれども、残念ながら、まだその決定的なものはいまのところないというわけでございます。 なお、民放につきましては、これは現在NHKと違いまして聴視料というものがございません。見るあるいは聞くほうの人はただで見ているというかっこうでございますので、民放のラジオあるいはテレビにつきましても、NHKと基本的な対策は同じでございまして、それに対する受信料の減免とかそういうものはいまのところないという状態でございます。
○加藤(清)委員 民放もまた被害者の一人なんです。同時に聴視者も被害を受けっぱなしで、何ら救済策が立てられていない。これは早急に検討を要する問題だと思うのです。ぜひひとつこれも来年度予算あたりにはその検討した証左があらわれるような方策に出ていただきたいということを要請いたしておきます。ところで、この被害の救済の持っていき場所がないので、国会へ来てもなかなか、本省へ来てもなかなかと、こういうことなので、ついに市役所や県庁へそのしりを持ち込んでいるというのが現状でございます。それでもなお解決できないと裁判所に持ち込んでおるという例さえもうすでにあるわけでございます。国家の責任を地方自治体へ持ち込んで、地方自治体がその弁済の義務をしょわなければならないということはこれは筋が通らぬと思うのですが、自治省さん来ておられますか。——どういう見解ですか。
○立田政府委員 ただいまお話しの件に関しましては、もちろん地方公共団体でいろいろ御相談を受けるという場合はあろうかと思いますが、その内容につきましては、やはり国の段階で処理していただくのがたてまえではなかろうか、地方行政から見ますとそういうことになろうかと思います。
○加藤(清)委員 これに対する見解は承りましたが、どうされますか。どう指導されますか。県庁おまえやむを得ぬから弁償しろとか、市役所おまえやむを得ぬから弁償しろとおっしゃるのですか。
○立田政府委員 いまの件に関しましては、やはり国の段階で所要の措置をとっていただくという事例だろうと思います。そういう点に関しましては、地方団体にそういう御相談が地域の住民の方からございますれば、そういう点で地方団体につきましては、やはり国に所要の措置をしていただくというふうなかっこうになってくるのではなかろうか、そういうふうに思います。
○加藤(清)委員 地方自治体が本来の義務を負うてある程度のことをした。またしなければ裁判に訴えますよということになりますと、問題が拡大されまするので、やむなくある程度の弁償の義務を負ったというときに、じゃ自治省としてはこれに対して特別交付金とか何らかの措置をとられますか。
○立田政府委員 やはり地方団体で負担をするという性質ではなかろうと思います。そういたしますと、その点に関しましては、むしろ地方団体が負担するのはたてまえとしてはおかしいのではないか、そういうふうに考えております。
○加藤(清)委員 おかしいだけじゃいけないのですね。具体的にいま病人があらわれておるのです。この病人をほうっておくわけにはいきませんから——あなたはここでそう言っておれば月給はもらえるのでいいんです。ところが、現地の市長はそうはいかぬですわね、取り巻かれちゃうんですから。そうでしょう。市民に取り巻かれちゃうんですから何とかしなければならぬ。何とかした場合に、自治省としては、筋の通らぬことでも市民のためにやったことですね。これは何か対策がありますか。
○立田政府委員 いまおっしゃいました事例は、地方団体が負担をするたてまえになっておらないものにつきまして、地方団体がやむを得ずやった場合のお話かと思います。したがいまして、その点について特別こちらから——もちろん公害対策全般としてのいろいろな財政措置ということについては、自治省としても積極的に講ずることにいたしておりますけれども、その負担される前に、やはりそのものとしては地方団体よりは国のほうで所要の措置をとっていただくということで、地方団体のほうも対処していく必要があるのではなかろうか、そういうふうに考えております。
○加藤(清)委員 あなたはそんなことを言っておってはいかぬ。あなたはこの件を御存じないようですね。朝日、毎日、読売、中日に大きくでかでかと出ているんですよ。それで関係市長は「ねばならぬ」という答弁をしているのです。やむを得ないから「ねばならぬ」という答弁をしている。そうすると、これは予算が要りますね。あなたはそれは国家の任務だから地方自治体でやってはいけないというなら、国家から予算をつけますか。あなたの論理からいくと、国家でつけなければならぬというのは当然でしょう。ところが国家では、目下のところいままで長年の間つけようがない、電波監理局のほうも。NHKのほうに言わせればNHKはわれわれも被害者だ、民放のほうへ持っていけば、われわれも被害者だと言っているのです。それでは、その責任の運輸省ないしは防衛庁へ行きますると、それまでの予算はありません、こう言っている。前段の話を別ものに聞いておってもらってはいけませんよ、まくらに置いたのですから。あなたのところがポイントですね。
○立田政府委員 いろいろ、航空機騒音その他の騒音問題につきましては、地方団体としましてもいろいろな措置を講じられておるわけでございますが、その場合において、内容的に地方団体でやり得る限度というものはやはりございますので、そこでいまお話しのようにやむを得ず地方団体が所要の措置をとった場合ということはもちろんあり得ると思いますが、たてまえといたしましては、国で行なうべきものあるいは地方団体が行なうべきものがございますので、私らのほうから見ますと、公害対策全般の問題としての所要の措置というものは当然講ずるというたてまえになっておりますけれども、その内容の事柄によりまして、やはり国で措置されるべきものあるいは地方団体自身で負担をしていく問題というものは、財政的にあろうというふうに考えております。
○加藤(清)委員 あなた、そんな形式論を言っておってくれると困るんだ、内容によっては云々というような。内容を私はいま具体的に申し上げておるのだ。そんな形式論じゃないのだ。この具体的なものをどうするかという問題なのだ。すでに火がついておる。筋論から言えば国家が責任を負わなければならぬものを、その責任を負っていないのですね。ゆえにやむなく地方自治団体がその責めに及ぶ、こういう段階にあるのです。内容によってあれこれ、そんな問題じゃない。内容はいま申し上げたとおり。それに対して具体的にどうするか。これは無理からぬことでしょう。自治大臣でないからこれ以上あなたを追及しようとは思いません。しかしこれは省へ持ち帰られまして、大臣とよく折衝の上、いずれ私は個人でも会いに行きますから、大臣にその始末を、早急に筋の通った解決策を具体的に出しておいていただきたい。それはできますか。
○立田政府委員 御趣旨のような線で検討さしていただきます。
○加藤(清)委員 わかりました。 次に、環境庁の長官に、すでに御認識済みの問題だと思いますが、地方自治団体に公害の権限が委譲されましたですね。たくさん委譲されました。しかし、立法されて間もない期間でございまするから無理からぬとは存じまするが、その権限が十二分に活用されていないうらみがたくさんございます。それは当該担当の地方自治団体の官僚が事公害ということに対して知識が浅い。認識が薄い、こういうところにも原因がありまするけれども、一つには公害発生企業がひた隠しに隠してほっかむりをして逃げるというところに最大の原因があると思う。ところがそれはそれとして表へ出ておりまする契約書、公害発生企業と地方自治団体と結びましたところの契約書、これが約束不履行になったり、不渡り手形になるおそれが十二分にあります。その件について特に私は本日は大気汚染、大気汚染も大きなものが三つございますけれども、特にSO2にしぼって御質問します。 なぜかならば、この契約書を私は方々の地方自治体からとってみました。直接現地に臨んで調べてみました。するとすべての企業が軌を一にして言うていることは、低硫黄をたきます、超低硫黄でございますということなんです。それはそのはずです。当然そう言わなければ追放されるからです。しかし、ではその低硫黄と称するもののS含有量は何ぼほどでございましょうと尋ねますと、どこへ行っても大体一・〇以下のことを言うのです。ひどいのは〇・三でございますと答える。〇・三とおっしゃるから、そんなことができますかと言うと、もっと低く言えばいいかと思って〇・二をたきますとおっしゃる。大気保全局長御存じでしょう、私はあれを再現しておるのですからね。うそじゃないのです。それは一体原油ですか重油ですかと言うと、みんなミナス原油でございますと言うのです。しかも次におっしゃることがいい、C重油でございます、こう来るのですからね。知っておって答えておるのか知らずに答えておるのかわけがわからぬですね。しかしそのトータルをとってみますとこれはうそになる。なぜか。日本へ輸入されているところのミナス原油は二億キロのうちの二十分の一の千万キロ前後なんです。しかし大口消費の消費量を見ますと、火力電気だけでも二億キロのうちの四割、四千万キロを使っている。あるはずがない。マクロの立場あるいは通関実績のところを調べたらすぐわかる。あるはずがない。いわんや脱硫装置が行なわれておるといったって、直脱、間脱とありますけれども、片や一・〇にまでしか抜けない、片や〇・三にまでしか抜けない。しかもその脱硫装置の量たるやどのくらいかというと、あるあると申しましても、某工場は二十万バーレル分の四万バーレルしかありません。そんな程度のものです。ミックスして出しちゃう。ブレンドして出しちゃう。したがって、今日の日本国内に流れている重油のS含有量の平均値は二・七から三以上のものと見なければならぬ。ところが契約書を見ますと、一・〇だの、〇・八だの、〇・九だの、ここ両三年、先へいけばいくほどだんだん低く契約をしている。できっこないです。そうでしょう。ところが日本ではミナス、ミナスとこれをみんな隠れみのに使っている。何かといったら低硫黄はミナスと言えば事が済むと思って、みなミナス、ミナスと言っている。これじゃミナスじゃなくしてミナゼロだ。おかげでミナス原油は一年半前と比べると一・六倍の値上がりをしてしまっている。これの及ぼす影響は大きいです。今日すでに契約不履行、不渡り手形になっている。二年先、三年先の契約はほとんど不可能に近い数字が契約書にうたわれている。もっていかんとなすという問題であります。 そこで順序を追って、最初にテーマを頭だけ申し上げておきます。あなたを立ち往生させるために質問しているのじゃございません、私はもっていかんとなすというところに主体を置きますから。いまにして対策を施さなければここ両三年の後にたいへんな悔いを残さなければならぬことが出てくる。契約不履行は犯罪に匹敵することになりますから、あちらでもこちらでも裁判問題が起きたらどうなりますか。その実例を病人と死人からまずお尋ねしたいと思う。 大気汚染によるところの認定患者、この傾向、病人と死人の関係、これはすでに環境庁で御調査済みですから簡潔に現状と将来の傾向を教えてください。——私は、予算委員会と違って、立ち往生させるのが目的ではございませんから、それにまた委員長、理事諸公のお計らいもありまして、貴重な時間をいただいたのですから先へ進みます。 とにかく私は病人のほうも死人のほうもここに持っている。どんどんふえているんですね。川崎市、四日市、大阪、尼崎それぞれ別に行なわれていますが、四十四年よりは四十五年、四十五年よりは四十六年と死亡率もふえている。死人の数もふえている。それに関係する大気汚染の閉塞性呼吸器病ですね。これはあれこれありますが、あなたが専門ですからね。だからあなたに承りたいところですけれども、これが逐年ふえているんです。ことしの九月現在の総トータルを見ても、認定患者だけで五千人近くなっています。これはあらわれているだけです。しかもこれは、ここに出ている五千人は、いま申し上げた市だけです。名古屋は入っていませんね。名古屋だって柴田ぜんそくというのがある。東海市にももう認定患者が出ている、それを隠したとか隠さないとかいうことが新聞にぼんぼん出ておりますが。これはたいへんなことですね。長官はお医者さんですからおわかりでございましょうが、この四つの市だけで五千人余の病人がいま閉塞性呼吸器病で病床に呻吟している。これはほっておくわけにいきません。その原因のほとんどがSO2ということなんです。しかもここで認定患者にならない方々ですね、それがどうか。かぜを引きますと、一般の売薬ではなかなかきかなくなってきている。薬屋の宣伝をするとしかられるから言いませんが、某々という名前のかぜ薬を飲みますと、普通鼻かぜ程度であれば一日か二日でなおったものが五日も六日もかかる。これは薬剤師会の発表でございます。ですから、ここへあらわれていない一般人までがたいへんな大気汚染のために健康を阻害されておるということがいえます。だからその原因は早期に除去しなければならぬと思いますが、長官、専門のところで、いかがですか。
○大石国務大臣 おっしゃるとおりいろいろな大気汚染が、ことに呼吸器関係のぜんそくその他の疾患を引き起こしておることは確かでございます。こういうものに対しては、何としましてもそのような環境をよくすることが一番大事でございますから、それに対して御承知のような努力をいたしておるわけでございます。そのために環境庁も生まれましたし、各地方自治体にもいろいろな権限を与えまして、要するに環境汚染を防ぎ、もとのような環境に戻そうというような努力をしておるわけでございます。ただ御承知のように、環境汚染、公害というものが発生いたしますと、これをもとに戻すということはたいへんな努力が必要でございます。また、どのような努力をしても完全にはもとに戻らないかもしれません。したがいまして、いままでできたものは、もちろん何とかしてこれ以上進めないように、もとに近い状態に戻すように一生懸命努力いたしておりますが、これもなかなか目に見えてすぐ大きな効果があらわれにくいものでありますが、ともかく努力はしなければならないのでいたしております。ただ一番大事なことは、今後このような環境の汚染をできるだけ強くしないように、範囲を広げないように、できるだけ公害を未然に防ぐこと以外に、結局は対策はないと思います。そういうことで、いま申しましたいろいろな大気を汚染すること、硫黄酸化物の排出に対してはほんとうにわれわれは十分に心を用いなければならぬと考えておるわけでございますが、いま申しましたように、いままでの硫黄酸化物に対する環境基準と申しますか、あるいは排出基準と申しますのは、これはあまり強いものではございません。これはお話のありましたように、低硫黄の原油が買えないとかいろいろな理由があったと思います。そういうことが大きな原因でございまして、私どももこのような現実を見まして実に歯がゆく思っておるわけでございます。しかしこのままでほっておくわけにまいりません。そこで、われわれはきのうの閣議では、浮遊粒子状物質の規制をする環境基準をつくりましたし、硫黄酸化物につきましてもいままでの大体四割以上の、あるいは五割以上の強い規制をするようにいろいろと基準を改定いたしまして、近くそれを実行することになっております。このように一生懸命に努力いたしておるわけでございます。そういうことで努力はいたしておりますが、御承知のように根本的にはやはりいま申しましたような低硫黄の原油あるいは硫黄分をなくす、脱硫することのできるような技術を考えることが一番大事でございます。お話しのように各自治体におきましては、発電所その他をつくる場合にはいろいろな協定を結びまして、非常にきびしい基準を設定いたしまして、そのような協定なり約束をいたしておるのでございます。これは法律的にどこまで有効なものがあるか、いろいろなものがあると思いますが、少なくとも各自治体がそのような自覚を持ってこのような協定を結ぶことは非常にけっこうなことだと思うのです。これに対しては環境庁もいろいろな、そのような指導と申しますか相談に乗れば一番いいのでありますが、あまり環境庁が出てまいりますと、上から権力で押えつけることになりますので、できるならその自治体が県とも十分に協力いたしまして、ほんとうに法律的にも拘束力を持つ、そのようなきびしい基準の協定をぜひつくってもらいたい。これが各地方に公害を広げていくことを押えるただ一つの方法だと私は思うのです。幸いに通産省その他の努力によりまして、いま脱硫装置が非常にくふうされまして、実験の段階では成功しておるそうでございます。これを大量に工業化することにいま努力中でございますが、おそらく近いうちにはそのような脱硫装置もつくられると私は思いますけれども、それにはまだ三年とか五年とかの時間がかかると思いますので、その間は少し無理でも、そのような企業に対して十分な規制をし得るようなきびしい協定をつくってもらうことが、大きな押える一つの方法ではなかろうかと考えておる次第でございます。
○加藤(清)委員 与えられた時間あと五分、こういう電報が来ましたので、私は実はデータをたくさん持ちまして一つ一つ詰めたいと思いましたが、委員長の命令ですから五分でまとめたいと思います。 第一番に申し上げたいことは、通産省はローサルを輸入する、それからガスをより多く求める等等の努力をまずしなければならぬではないか。過去においてはそのような努力が払われた例もございます。高碕達之助先生のおりにソ連油を入れるということが行なわれました。そうしてこれでブレンドしてローサルにしようという努力が行なわれましたけれども、あれこれあってこれはさたやみになりました。いずれにしても通産省はローサルをさがす、少々銭がかかってもいいんです。そういうことに銭を使ったほうが、かえって円の切り上げなどというあほなことで損なことをこうむらなくてもいいんですから。その問題が一つ。 それから精製の場合には直脱、間脱を問わず脱硫装置をしなければならない、「ねばならぬ」ということにすべきだと思うのです。このことは地方住民のほうがりこうでございますから、姫路に出光がつくろうとした場合にも、併設しなければいけない、こう言っちゃった。しかしあれは公害発生——精製の段階においてはSO2を発生しないんだけれども、しかしその精製されたものが別な場所で発生させる原因になるからということでああいうことになった。「ねばならぬ」これはぜひしてもらいたい。 次に大口消費者はおのれみずからの手によって脱硫装置をつける。これをしなければ東電の力をもってしても静岡においても千葉においても火力発電を断わられておるでしょう。ですからぜひ排煙脱硫装置を、既設のものについては面積が足りないからやむを得ないとしても、将来の問題にはぜひこれを「ねばならぬ」ということにすべきだと思うのです。いずれこの問題は来年の予算委員会で徹底的に詰めます。「ねばならぬ」ということにすべきだと思います。しかし多量な面積を必要としないところの排煙脱硫装置が目下三菱化工と日本合成ゴムとの間においてこの実験段階に入っておるはずなんです。これを普及させるという努力をしていただきたい。 それからせっかく脱硫装置をしましてもアスファルトが残りますね。これをまた重油に戻して市販し燃焼させるからSO2になる。これをアスファルトをSのままにして利用する。そのためには、建設省から来てもらっておるはずですが……。
○小林委員長 おります。
○加藤(清)委員 これは時間がありませんから一人しゃべりします。ぜひひとつこれ、来年度予算で十分練っていただきたい。すでにこの問題は農道には適用するというので一千五百億つけたんですよ、長谷川農林大臣のときに。ところが実質そのアスファルトが使われたのは百五十億だけだった。まあその理由は別にしますが、地方道ですね。日本ほど道路舗装の少ないところは先進国にはないんです。社会保障、社会投資に金を使うことが、世界から円の切り上げなどというペナルティをつけられぬと済むことですから、これはぜひひとつアスファルトのまま——アスファルトを燃焼させるような使い方を避けるために、農林省も建設省もぜひひとつこのことに協力すべきである、国民の健康のためにぜひやってもらいたいと思います。 最後に長官に。私は去年の正月に公害の国際会議に出ました。世界が日本の公害をながめているのですね。エコノミックアニマルの名前の原因は公害出しっぱなし、たれっぱなしにもあるのです。そこでこれはガットの平等の原則にも反する行為であるという。公害出しっぱなし、たれっぱなしでつくった品物はそれだけコストが安いんだから。そこで、輸入するときにはこれはペナルティをつけるべきだというのです。そのペナルティは先進諸国が公害除去に投資している分だというのです。率としては、それは一割から二割五分が相当だ、こういう。世界が殺倒してそのことを言っているのですよ。アメリカが言う、カナダが賛成する、フランスが賛成する。そこで、日本に向かって経済的なペナルティを与えるべきであるということを、ことしの正月、もう言われておった。したがって、今度のようなああいう問題に発展してきた。つまり外貨におけるあれはペナルティなんだ。あんな過酷なことは世界の歴史にないことなんだ。しかし、にらまれているから、ああいうことものまざるを得ぬ結果になる。この際、あり余った金を社会保障もいいけれども、ぜひひとつ公害追放ということに使うべきだと思う。それがエコノミックアニマルを除去し、やがてよき環境を日本もつくるために努力しておるということが世界の貿易にも友好親善の基礎をつくるゆえんだと思う。ぜひこれはやっていただきたいと存じます。時間が参りましたので失礼します。
○小林委員長 島本虎三君。
○島本委員 まずこれは長官にお伺いして、順次入ってまいりますが、長官は先ほど加藤委員から、まことにおほめのおことばをちょうだいいたしました。おそらくは満足であろうと思います。しかし私が言うのは、そういうような発想とそういうような努力、これは当然買います。当初、長官が就任された際に、無過失賠償責任の立法については、これは身をもって行なうことを宣言いたしましたし、その際には、被害者に対しましては漁業権を含む財産権も当然対象に入れてしかるべきだ、こういうような強力なりっぱな発言がありました。しかし、その後二度、三度質問すると、その辺がぼけてきておりまして、なかなか杳としてつかみがたいようなことになりつつある。そうじゃないと私はいまでも思っておりますから、発言は発言として、いませっかくあなたがアピールしてきたそれは、あなたに対する称賛であると同時に期待であります。その期待を裏切らないようにするのが当然あなたに課されている義務でありますから、その点だけお忘れにならいように願いたい。 それと同時に、八月の十日にこれは赤どろの問題で同じく質問したことがございましたが、そのときの長官の態度、これはまことにりっぱであります。それはやはり害があろうとなかろうと、海に捨てるべきものじゃない、陸上処理を第一にする、こういうようなりっぱな発言がありました。しかし最近になると、これはやむを得ない場合は海に捨ててもいたし方がない、こういうふうにまたこれも変わってきつつある。これじゃしかし、初めに言ったことは議事録に残っておる。残っておることを、あなたがもしそういうようにして変えるということになったら、大臣としての欠格条件としてまずあげられなければならない立場に立たされるわけです。幸いにして環境庁長官、いままでのこのはえある栄誉を保ってもらいたい、そのためには前言を軽々にして変えることは許されない、こういうように私は思うわけなんであります。御所見を承ります。
○大石国務大臣 赤どろの廃棄に関しましては、これは廃棄物処理の政令に先日きめて発表いたしましたが、原則としてこれは陸上廃棄をきめております。ただ、いまの段階で別に、これは新しく出るものではなくて、いままでのいろいろなそういう経過をとってきた事例もございますから、原則的には陸上処理を打ち出しておりますが、ある段階まではやって、でなければしかるべき処置をとった上で海上の投棄の例外もまあ一応認めてあるわけでございますが、もちろん原則をできるだけ貫くように努力してまいる方針でございます。
○島本委員 それはおかしいです。私の場合はやはりそういうような変更は認められません。原則とつけたのは、それを破るためにつけたとするならば、これはちょっといただけません。陸上処理できないというようなことは、これを明確にした上に立ってそれを言うならわかるわけでありますが、陸上処理、ほんとうにできないですか。
○大石国務大臣 陸上処理ができないということが明確になった事例、これにつきましてはある期間はやむを得ないと思います、いままでそれを許してきたのですから。ただし、これから新しく操業するあるいは設備をつくるというものに対しましては、陸上処理を絶対にやらせるような方針で進めてまいるように考えております。
○島本委員 もうすでにこれからできつつあるのは日軽金の苫小牧工場であります。それから同じようにしていまやっているのは、これは北九州にある三井アルミナ工場であります。三井アルミナ工場では二十五億円をかけてこれはちゃんと陸上処理をしております。またそれによると、三十万坪を三十億円でこれをやって、年利一割をかけても十年間だから三十億になる。そうすると計六十億、坪三万円で売っても十年間に二十一億もうかるのだ。こんないい商売はないじゃありませんか、陸上処理をやって。北九州でできて苫小牧でできないわけはないでしょう。あそこには湿地帯が無限大にありますよ。北海道というのは一つの県じゃないですよ。都道府県といえば県と同じですけれども、東北六県に新潟を足しただけあそこには広さがある。もう少し入念に言うと、四国、中国、九州を足して広島を引いたくらいの広さがあるのですよ、北海道は。それくらいのところで、九州の片いなかと言っては失礼ですが、片いなかですら陸上処理ができて苫小牧でできないなんて理由がない。またやれば十年間で二十一億もうかる。その三十万坪全部じゃない、二十七万坪でこれだけもうかるのだということがちゃんと例証されている。これをなぜやらせないのだ。これはおかしい。だめだよ、そんなの。
○大石国務大臣 苫小牧の日軽金の赤どろの問題につきましては、海洋投棄を認めておるわけではありません。いまこれはどのようにすべきか方針を研究中でございます。それにつきましては、北海道庁におきまして、赤どろ処理対策委員会というものをつくりまして、学者を中心にして、陸上処理を原則としていまその対策を考究中でございます。その結果を待って、われわれはその結果をさらに判断してどう処理するかをきめるのでございまして、陸上処理を原則として考究さしているわけでございますから、いまその答申なり方針の決定を待っているわけでございます。
○島本委員 もうすでに十二月の九日に中間報告が急遽出されたということになっておりますが、これはどういう内容でございますか。
○岡安政府委員 実は私どもも最近ですが、聞いたわけでございますが、十二月九日にこの委員会の審議経過といいますか、報告ではないようでございますけれども、審議経過が発表されたというふうに聞いております。いろいろ第一分科会、第二分科会、第三分科会に分かれておりまして、第一分科会は赤どろの物理化学的な問題につきましての検討をいたしております。第二分科会は有効利用ですね。陸上処理を含めました有効利用の問題をやっておりますし、第三分科会は漁業への影響ということをやっておるようでございます。相当いろいろ書いてございますけれども、いろいろ問題がある。さらに研究を要し、さらに詰める必要があるというようなことがそれぞれ書いてあるようでございまして、まだ結論的なものが出たというふうに聞いておらないわけでございます。
○島本委員 これはやはりはっきり結論が出て、陸上処理が可能ならばあそこにはりっぱな湿地帯がございます、本州各地には見られないような広大な湿地帯があるのです。こういうような方面に利用することを先に考えたならばあとからこれまた感謝されるのです。海洋も汚染しない。湿地帯、それを住宅地帯にする。いま天下に害悪を流して憎まれている日軽金がこのようにしたということになれば、環境庁は未来永劫にお釈迦さまより偉いというふうにあがめ奉られるようになる。おそらくいまの立場のあなたがそういうようになる。これはもう十分に陸上処理が可能な場合は陸上処理をさせるのだ、この点だけはまず明確にしておく、これが第一。 第二は、やはり漁民に対して不安を与えるような状態で海上投棄はすべきじゃない。これは原則であります。これは変更することのできない原則でありますが、長官、この点はっきりさしておこうじゃありませんか。
○大石国務大臣 前にも申しましたように、この赤どろは陸上で処理する、これを原則としてできるだけその方針なり対策を中心にいま検討してもらっております。ただ漁民からはたびたび陳情があります。しょっちゅう見えられまして、何としてもわれわれの漁業の安全を守ってもらいたいという陳情がございます。それは当然でございますから、われわれは必ず正しい漁民の権益は守るということは約束いたしております。そのためには陸上処理が行なわれれば文句ありません。もし何らかの都合によりましてかりに海洋投棄が行なわれるとしましても、それは非常に厳重な条件をつけます。ことに海洋汚染防止法の海域の指定につきましては、われわれに権限がございますから、その海域を、漁場を完全に守り得るような考え方を中心として、みだらな投棄はさせません。十分漁業に文句のない、不安のないようにすればいいと思うんですね。そういう海域を指定いたしますし、またその投棄の方法につきましても、いままでのようなただ海中にぶん投げるようなことは一切させません。厳重に固めて海底深く押し込んでいくような方法をさせるとか、いろいろな具体的なことをさせまして何ら漁民に不安を与えないような方針をとっております。なおこのことにつきましては、環境庁と通産省と農林省、ともに協議をいたしまして、お互いにこの方針を貫くように、三者で徹底的な協議、共同行為をするようにお互いに申し合わせをいたしておる状態であります。
○島本委員 貫けるか大石発言。まあこういうようなことで地元北海道、会社、国民というふうにしてそれぞれ関心を持っております。いま貫くという発言——発想は依然として変わっておらない、こういうことで心強く思っております。ただ閣内で孤立して、もし大臣がどうしても自分に忠実にならんがために、おそらくは自民党や閣僚の中で、自分がやめるようなことになり自民党を裏切るようなことがあっても、国民だけは裏切らないでほしい。これはまさに貫けるか大石発言でありまして、そういうような意気込みでやるところに——あなたは七二年代の代表的な男に選任されたじゃありませんか。そのことを国民に感謝するために、自分は国民は絶対裏切らない、この高いあなたの気持ちを発揚すべきです、そう思いますが、当然でしょうね。
○大石国務大臣 ことばの表現にはいろいろありますが、必ず漁業の安全性は守ってまいる決意であります。
○島本委員 この監視体制の問題になるのですが、これは現実問題として、環境庁長官のあなたがそういうふうにりっぱにいま国民の前に宣言されました。しかしその事務処理はどういうぐあいに動いているのか、これも十分点検しなければなりませんし、官房長もいるはずであります。正式に言うと、昭和四十六年十二月二十日午前九時五十分から五十五分までの間、全日空の飛行機で私が上京しましたとき、苫小牧の上空に差しかかった際に窓から見たところが、苫小牧の王子製紙、この排出口から——海の色は薄い草色に窓の中から見えておりましたが、その排出口から放物線を描いて日高のほうにぐっと流れているのを見た。一緒に乗っている人はあれはおかしいですなというささやきさえもつぶやかれた。さっそくこれはたれ流しじゃないかということで、来て調査させましたところが、これは何も異常なし、操業も普通どおり、そういう事態はありませんという返事であります。一体これはどういうことなんでしょうか。飛行機からちゃんと現認しているのは島本虎三であります。同乗の人は全部見ている。ところが会社側を通しての環境庁の答弁は異状ありません。操業も普通どおり、そういうような事態、事実はありませんという、幽霊でございましょうか。
○岡安政府委員 いま十二月二十日の十時前後の状態につきましては、先生からお話を伺ったわけでございます。私ども実は急なことでございますので、苫小牧の王子製紙のほうに照会をいたしまして、そのときの状態はどうであったかというふうに実は聞いたわけでございますが、いまお話しのとおり、王子製紙からの回答によりますと、通常の操業状態を続けておったということでございます。通常の操業状態であるならば、この王子製紙の苫小牧工場におきましてはケミカルグランドパルプ、サルファイトパルプ、セミケミカルパルプ等をつくっておりますので、その廃液が混合いたして出るといたしましても、大体茶褐色か茶色の薄い色というのが常識でございますので、おっしゃるような紫色の排水が出るということにつきましては、私どももし通常の操業状態であるならば出るはずのない廃液が出ているということになるわけでございます。そこで一応の報告はそうでございましたが、私どもはやはりこれは現地によって調査する必要があるということで、さっそく北海道庁のほうに申しつけまして、現地によってその後の状態を至急調査するようにいま命じておるわけでございます。その結果いかんによりましては必要な措置を講じなければならない、こう考えております。
○島本委員 環境庁というのは、会社の報告を求めてそれを認定する官庁なんですか。
○岡安政府委員 実は私ども事前にそのことを承知いたしておらなかったわけで、二十日の午前十時前後の状態がどうであったかというお話でございましたので、そのときの状態がそうであったというお話でございましたので、道庁からかけつけるということも時間もありますので、とりあえずその当時の操業状態はどうであったかということを企業から聞いたということでございます。
○島本委員 監視測定の状態はいまどういうふうになっているのですか。
○岡安政府委員 水質の監視測定につきましては、都道府県が測定計画をつくりまして、常時監視をするというたてまえになっております。大体主要な河川におきましては最低月一回程度は採取いたしまして、これを分析し、まとめて公表をするということに指導いたしております。 具体的なこの苫小牧の王子製紙周辺の水質につきましては、現在北海道庁が上のせ排水基準をつくりたいということで、定例の監視のほかに上のせ排水基準をつくるための測定をいたしておりまして、最近におきましては十一月中に大体二回程度、十二月にもやっておりますし、わりあいひんぱんにはいたしておりますが、通例は月一回。
○島本委員 月一回ではあとの二十九日はたれ流ししてもわからぬですよ。何ですか、その体制は。月一回くらいやってもあと二十九日わかりますか。それだけ企業を信頼するという立場に立つから、そうでしょう。そういうようなことで環境の保全なんかどこの国のことばですか。こういうような汚水を出した、色が変わっている、普通の場合には海の色は草色に見えませんよ。光線の状態で草色に見えている。そのときに黒味がかった紫色に見えた、そういうようなことなんですよ。茶褐色であるからこれは違うのだ。こんなばかげた想定する人ありますか。どういうふうにしてこういうものを出しているのか。これを調べるのは、水質汚濁を監視するのは保内庁、こういうような場合には何か方法がありますか。
○岡安政府委員 おっしゃるとおり環境基準の維持、達成それから排水の規制を完全に行なうためには、もちろん企業自身がその基準を守るということも必要ではございますけれども、やはり外からチェックするということもぜひ必要であるわけです。そのためには常時監視、まさに二十四時間監視というのが理想的な状態でございまして、私どもはそういう方向に近づけるべく、そのためには機械によります自動測定装置というものをやはり広範囲に設置するということ以外には、なかなかその目的を達成するわけにまいらない、こういうことで現在その努力をいたしておるということでございます。
○島本委員 あなたそんな答弁をいまするから私は言っておく。環境庁がまだ発足前去年の十二月に、いろいろな関係法律案を全部審議した、その以前からこの水質汚濁の問題に対しては入念にわれわれは検討しておった、その際いまの山中総理府総務長官が公害関係の事務を担当していらっしゃった。暫定的だったけれども、若干の期間は環境庁長官をつとめた。その際に、水質汚濁に対してはあらゆるデータバンクを使ってでも測定の機械化は今後やりますということを言っているのです。一年たっていまあなたはまたそんなことを言っているのです。これは何ですか。これはやると言っているのにやらないのが悪いのだ。やるのだったら予算をつけてちゃんとやりなさい。あなたの答弁は要らない。長官……。
○大石国務大臣 苫小牧の王子製紙の廃液のこと、これはいま初めて聞きましたけれども、これはもう少し調査いたさせます。 ただ紫色がどうであったか、何か特殊なものを流したのか、あるいはいままでと違った特殊な仕事をしたのか、そういうことをやはり会社のほうで調べる以外にはないと思いますので、会社に対しても十分な立ち入り検査か何かしてまでも、その実態を確かめることが必要だと思います。 御承知のように、いま日本の公害対策は、いろいろと努力しておりますが、一番むずかしいのは水だと思います。そうして将来なかなかこれをもとに戻すためには、一番時間のかかるのは私はいま水だと思うのです。それは大気のように機械化はいまのところまだできておりませんし、一々各省が水を持ってきて分析をしてやらなければならぬという非常な手数のこんだことをしなければなりませんので、ここにも一つ水のむずかしさがある。あらゆるものが全部水にいままでは投げられましたから……。こういうことにつきましても非常にむずかしい問題があると思いますので、私はこの水に対して一番重点的に力を入れることが今後の公害対策の基本であるといま考えておるわけでございます。そのためには当然もっともっと、いまの監視体制ではまだまだ不十分でございますので、ことに機械力が不十分でございます。ですからくどいことは申しませんが、これに対してはそのような方針でできるだけの機械化を進めるように、それは予算の獲得も必要でございますが、もう一つ新しい技術もできるだけ開発しなければなりませんが、そういうことに対して一生懸命働いてまいりたいと考えております。
○島本委員 企業を指導しているのは通産省、通産省は黙っていても始まらない。こういうのは日常出してはいけないという指導、それから同時に科学的にこれを検出する方法、こういうものをともに企業に言いつけて完ぺきを期すべきじゃないかと思うのです。そういう方面が手ぬかりがあったのですか。
○久良知政府委員 王子の苫小牧の問題でございますが、まず第一には、やはり汚水の処理施設を完備させるということが第一であろうかと私ども考えているわけでございます。同工場につきましては、SP廃液の燃焼設備を中心にいたしまして、約二十億の工費をかけまして来年の八月に完成をさせる、それによりましてCODを四八〇PPMまで下げさせたいということで鋭意努力をしておる最中でございます。なお、監視測定等につきまてしも、同社は約三十人の専従職員を使いまして、環境改善に努力をしておるわけでございます。正確な測定それによる公害のない操業ということに一段と努力をさせるよう指導していかなければならないと考えておるわけでございます。
○島本委員 そうしなければならないというのじゃなくて、そうしていなければならないのですよ。いまさら将来そうしなければならないなんて私どもに説教するのはやめてください。逆にこっちから言いますが、そうしていなければならないのです。日本語を的確に使うようにして答弁してもらいたい。 それからなお、これは水産庁で十一月の二十九日、藤村次長がいろいろと東海区水研並びにいろいろ関係者側を呼んで赤どろの問題で調査をされたようでありますけれども、この問題に対する結論は出たのですか。
○藤村政府委員 結論はまだ出ておりませんで、中間的な討議結果は出ておりますが、結論というのは一月下旬を目途に結論を出すことになっております。
○島本委員 その概要について、手短に御報告願えませんか。
○藤村政府委員 赤どろの、その当時議論いたしましたことは、日軽金と昭和電工の羽衣丸、えびす丸の協力を得まして、水産庁の調査船の陽光丸を使いまして、投棄する場所の現場での調査と、それから実際の赤どろを日軽金からもらいまして、これを実験室で躍層をつくりまして、それでそこに落としてみる調査、それと魚族に対する影響の調査をその段階でいたしておりましたので、調査いたしましたところ、その中間的な検討事項といたしましては、赤泥は表面に流した場合、あるいは三十メートル下に流した場合でも、約百メートル下の躍層の部分で約六〇%が躍層雲となり、躍層を越えて下に落ちるものは大体二〇%程度ではないかということが一つでございます。それは実際の場合と実験室の場合とほぼ一致しておりました。それから魚族に対する害というのは、現在のところまだ結論が出ておりませんので、そのときには中間報告というものには出ておりません。 以上が大体の要約でございます。
○島本委員 いろいろとそれぞれ違いがあるようでありますが、この点に対しても明確にしておくべきだろうと思われる点が若干あります。粒子の問題です。水産庁のデータは、粒子の大きさを十から二十ミクロンに求めておられるようです。それから北海道の函館の五十嵐博士によると、十から二ミクロンに求めているようであります。日軽金は平均三十ミクロンでこれはやるようであります。それぞれ別々な都合のいいことばかり調査して、これはすぐ沈むんだ、これは浮かぶんだとかいったって、これはだめなんだ。同じような状態での調査にさせないと、これはだめじゃありませんか。この点等についてももっと広く調査すべきであり、軽々に結論は出すべきじゃないということです。なぜ北海道は結論を急いだのか。もうすでに全部が全部でき上がって、船もでき上がって、海洋投棄してもいいだけ準備ができたので、向こうが急いで十二月九日、結論を出させて、その結論たるや、中間報告にして、これは経費も期間も不足なために、自分で調査したのではなくて、これは日軽金の資料によってやったんだということになっている。こういうようなことをやっちゃいけません。軽々にして、あとからそういうような金もない、時間もない、こういうような状態での調査ですから、ということで中間報告している。これじゃ私はいただきかねるわけです。まして五十嵐レポートによると、百メートル沈降するのに一年近くかかるという結論が出ている。それは当然十から二ミクロンの間の調査だからそうなるでしょう。水産庁のほうでは、これはもう二〇%は表層、六〇%は躍層、上部、それから赤泥雲として拡散されるのはその分である。そして下に沈降するのは二〇%以下である、こういうようなことのようであります。それから日軽金のほうは、すみやかにこれは沈降しますという結論になっているのです。みんな違うじゃありませんか。それぞれ都合のいいことばかりしてやったら、長官、これはとんでもないことになる。したがって、もうこういうようにして水俣病でもイタイイタイ病でも、結論が出るまでの当初の間は、双方ともに、あるいは金に、あるいは権力によってそれぞれ研究し、中には御用学者といわれる人が、結局あとからそれを妨害する結果さえ最近までの公害の被害者救済の中に出てきている。カドミウムの問題でもしかり、イタイイタイ病の問題でもしかり、また有機水銀の問題でもしかりであります。そういうようにして見ると、こんなことを二度と繰り返してはなりませんので、この点は十分検討すべきである、こういうように思っております。水産庁その他と十分連絡しているという話ですが、そういうような点は十分考えてやってもらいたいし、そうしなければならないと思いますが、長官。
○大石国務大臣 その赤泥の陸上処理の対策ですが、これにつきましては、まだ報告が参っておりません。申し出がございませんから、われわれは完全な対策が、方針がきまるまでは、一切投棄させません。したがって操業もできないと思います。 そういうことで、その中間報告もいろいろな意見があるということでございますが、そういうものはわれわれ関係ございません。われわれとしては、出たものを正しく判断して、信念のもとにこれを処理するという方針でまいりたいと思います。実はいろいろな報告が、調査だ、研究だ、報告がいままでは各種の公害については一ぱいございまして、国民はそのどれをとっていいか非常に迷っているのが現状だと思います。そういうものにつきましては、やはりできるだけ早く公害研究所をつくり上げまして、ここでもってわれわれが信念をもってこうだ、このとおりであるということを国民にも示すことがてきるような、そのような方向に一日も早く進みたいと考えておるわけでございます。
○島本委員 念のために水産庁並びに海上保安庁のほうに聞いておきますが、いままで各種の赤どろの投棄は、いま海上に、三宅島付近を指定して投げさせておられるようでありますが、その場合に、いまのようにして何年です。三十八年間もそこに投げておる。とすると、相当下にそれが沈滞してあるはずであります。そうでなければ、全部拡散することになる。それが赤潮になるか、いろいろ水質を汚濁している原因になっているはずであります。その底質の調査をしたことがございますか、水産庁。
○藤村政府委員 現在投げておりますところの真下の底質については、調査したことはございません。
○島本委員 なぜ調査をしないのですか。
○藤村政府委員 先ほど申し上げましたように、躍層約百メートルのところでございますが、その躍層の下に入るのは、先生もおっしゃったように二〇%以下でございまして、その下も、躍層以下千五百メートルないし二千メートルのところへそのまま真下に赤泥が落ちていくことは可能性はわりあいに少ないのじゃないかということで、現在まではやっておりませんが、これから必要がございましたら、底質も調べてみたいと考えております。
○島本委員 私の手元にある資料によりますと、水産庁で調査した。そうしたら赤泥そのものの沈降物はなかった。なぜないのか。その辺までは、現在清水並びに東京付近から出すものは十四時間もかかって行く。その船の航海日誌によると、二時間しかかけておらない。十四時間かかるのを二時間で行く。十年も三十年もそこへ投げておる。沈降するものであったならば、そこに底質にちゃんとあるはずだ。その場所へ行っても下にはないという、十四時間もかかるところを二時間にして、四時間かかって帰ってくるのだ。これならあるはずがない。所定の場所まで行ってないじゃありませんか。これだったら、東京湾がよごれるのは無理もない。瀬戸内海がよごれるのも無理もない。環境破壊されるのも当然だ。こういうような監視はとんでもないことじゃありませんか。今後監視体制は十分気をつけなければだめなんですが、保安庁は最近一生懸命やっておられるようですけれども、この点は、何ということですか。もっと科学的にしっかりしないとだめなんです。問題は、科学的にはっきりするということですよ。あの新潟の油に対する中和剤の問題もその努力は高く評価された。しかし科学的なその結果に対する取り入れが不十分じゃなかったかという批判であります。今度の赤どろの問題も、ちゃんと投げたと言っていても、たった二時間くらいしかかけないような状態だという。それだったら下のほうを調べたってないはずなんです。この辺あたりはもっと監視を厳重にしないとだめなんです。人員の不足でそれができないのか、それともそういう機械がなくてできないのか、この点、答弁してください。
○貞廣説明員 私どもといたしましては、水路部においていままでやっている測量というのは一般的な測量でございまして、いま先生が御指摘ありましたような具体的な海底の堆積物の調査はいたしておりません。しかしながら、今度、海洋汚染防止法の施行に備えまして、海洋に有害物を投棄する場所、方法等が政令で定められることになっておりますが、それが公布になりましたらその基準に沿って強く指導し、それが来年の六月施行になりましたならば、いま言われるような強力な監視取り締まりをいたしてまいりたいと思います。つきましては、来年度、そういった場合に備えまして、環境庁が定めた場所等がきまりましたならば、それに対して長期的なモニタリングをやるつもりで、目下そういう海底調査の予算要求をいたしております。 それから最後に言われました監視取り締まりでございまするが、従来も人員、施設、器材、職員の知識の向上等についてつとめてまいってきておりまするけれども、何せ海上で普遍的に常時くまなく目を光らすということはきわめて困難なことでもございまするが、来年度予算においてもこれらの予算の要求をいたしておりますし、特にその中には夜間、海上の油のたれ流しも監視できるというものも含めてございまするが、ただいまの先生の御指摘に従って今後さらに努力いたしてまいりたい、かように考えております。
○島本委員 この点は十分やってほしい。それと同時に、先ほど、私、三十八年間もと言ったのは誤りでありまして、三宅島周辺は三十八年から投げていますから約十年間くらいでありますから、そういうようなところに底質はほとんどないという、これがあるかないかということを、これは今後の大きな監視取り締まりの問題にもなりますので、十分この辺は今後の問題として調べておいてもらいたい。 なお、その地点ではエビの資源が減少しておるというような漁民からの報告もあがっておりますが、一体そういうようなことに対しては、どういうふうに考えておられるのか、あわせて調査もしておいてもらいたい、こういうふうに思います。調査事項としてこの点は要請しておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○藤村政府委員 私まだエビが減ったという報告は聞いておりませんが、先生の御指摘もございましたので、将来調査いたしたいと思います。
○島本委員 きょうは赤どろの問題を集中的にやりましたが、水質汚濁の問題ではこの苫小牧の辺にまた大昭和製紙もございまして、大昭和製紙からの排水というのは以前から、これは朝日でしたかが、はっきりそれを一面にわたってそのままの写真にそのままの色をつけて一回出して、われわれびっくりしたことがありましたが、やはりこの点は十分今後考えなければならないことであります。それと同時に、いまもうすでに被害がなって、これを進めているはずのあの苫小牧の臨海工業地帯、この方面で九月ごろにグラジオラス、ライラック、ナナカマド——ライラックやナナカマド、これは北海道に多い植物でありますが、グラジオラスには二二・五ミリグラム、ライラックには三八・一ミリグラム、ナナカマドには三〇四ミリグラムの弗素が検出された。こういうふうにいわれており、この九月ごろに苫小牧では大きい問題になっております。これはもう日軽金の弗素ではないか、こういうふうにいわれておりますが、これさえもまだ結論が出ておらないそうであります。なお、あの辺一帯の畑は、もう半分ぐらい枯死の状態であるということでありますが、これは一体どういうようなことになっているのでしょうか、科学技術庁。
○千葉政府委員 私のほうは御案内のとおり調整官庁でございまして、関係各省のおやりになるような研究、試験等を調整するというような官庁でございますので、そういう点につきましてはまだ調査いたしておりません。
○島本委員 こういうような問題は大きい問題でありますが、これは環境庁でしょうか、厚生省でしょうか。通産省は、これはもう弗素を出した原動力であるから、あなたのほうでわかっているはずだが、これはどういうわけですか。
○久良知政府委員 アルミ製錬には、電解のときの溶剤として弗素の入りました氷晶石を使うわけでございますので、場合によっては微量の弗素ガスが出るということもあり得るわけでございますが、苫小牧工場について具体的に現在防止装置はとっておるわけでございます。どういうガスが出ておるかということにつきましては、データを持ち合わせておりませんので、後ほど調査をいたしまして先生に御回答申し上げたいと思います。
○島本委員 こういうふうにして破壊されてきてからではもうおそいのでして、これは九月ごろのことですから、もう行っても北海道は雪に埋もれておりまして、現場を見ても見れないことになりますが、これは十分考えておかなければならないのですが、環境庁、こういうようなことは重大じゃありませんかね。まして旧苫小牧、これからの臨海工業地帯として第三期開発計画に沿っているその場所は、前から言っているように通産省自身の基礎調査ができておらない。それなのにマスタープランができ上がってしまっている。海岸寄りに全部工場の配置がきまっている。そうして高拡散、高煙突にするから、現在、加藤委員がいまここで質問されたように、一%から二%ぐらいの硫黄分を含んだこういうようなやつでも、札幌あたりまでもその被害が及ぶということで懸念されているわけです。この点については、なぜマスタープランをやる前に基礎調査をしてきっちりとしてやらぬのですか。私はこの点、通産省は怠慢じゃないかと思う。なぜこれをやってからマスタープランをちゃんとつくらせないのですか。
○久良知政府委員 工業地帯の造成につきまして、私ども、その計画とそれからその計画が完成いたしましたときにどういう公害が起こるかという予測につきましては、産業公害相互事前調査といたしまして従来からやってきておるわけでございますが、この調査は、自然条件の調査とそれからそれを使いまして各工業地帯に進出を予定しております工場から出ます公害源との関係を、模型を使いまして予測をいたすわけでございまして、これには、予測の結果出ました公害の状況と、それからそこに進出をいたします工場の計画との間にいろいろ関係があるわけでございますので、調査の結果出ました結果を用いまして、工場の計画の内容を改善させる、あるいは工場全体のレイアウトを変える、場合によっては進出予定の工場について差しとめをするというふうなことになるわけでございまして、調査、それからその結果の分析、それからそれに基づきます計画の変更というのを何回か繰り返して一つのまとまった総合計画に昇華をしていくということでございますので、非常に長年月がかかるわけでございます。したがいまして、工場の計画そのものもやはり流動的でございますので、計画を初めからつくりまして、それに従って工場が出ていくというのと若干の相違があることはやむを得ないと私ども考えておる次第でございます。
○島本委員 委員長からやめろということでありますからこれでやめますが、環境庁長官、いま言ったようにしていろいろ環境破壊が行なわれつつありますが、保全についての環境庁の努力は高く評価したいと思っている。しかし環境庁をはじめとして、運輸省、水産庁、厚生省、それから通産省ともに、投棄方法として投棄地域は海に求めて、盛んにこれを検討しているようであります。海を投棄場所と認める考え方はどうも私はよろしくないと思う。自然は緑にしてきれいにして保全しなければならないが、同じく海もきれいにしてやらなければ、いまに世界的な一つの指弾を日本は浴びなければならないことになるのです。行政の向きは依然として、環境庁をはじめとして、運輸省、水産庁、厚生省、投げ場所をすべて海に求める傾向がある。いまいろいろ検討されておるようであります。これはよろしくない。ことに一般廃棄物さえもそういうような傾向があるということを聞いて私はがく然としているのです。厚生省、そんなことはないと思いますけれども、これは特に答弁を求めない。そういうようなことのないように、十分監督指導すべきである。そうして七二年輝ける日本の顔は大石武一である、こういうようなことにして、ひとつ公害は有終の美をおさめるように心から期待しておきたいと思います。いままでの総締めくくりとして心強い決意をひとつ表明していただき、私はこれで終わりたいと思います。
○大石国務大臣 御激励の御趣旨はよくわかりました。御趣旨に従いまして一生懸命に努力してまいります。 それからこの際ちょっと一言訂正をいたしたいと思います。先ほどの加藤委員に対する答弁の中で、きのうの閣議で、浮遊粒子状現質の環境基準を設定し云々と申したようでございますけれども、これはちょっと間違いでございました。きのうの閣議では硫黄酸化物の排出基準の強化に伴う地域区分の改正について政令を定めたのでございまして、そのようにひとり訂正をいたしたいと思います。
○小林委員長 岡本冨夫君。
○岡本委員 最初に環境庁長官にちょっと確かめておきたいことがございます。 長官は、環境について非常に一生懸命にやっているように見受けられるのです。ところが、これからの自然破壊をやめていく、こういう姿勢も大事でありますけれども、現在起こっているところの要するに環境破壊、公害対策、これが若干抜けておるのではないかというように私は常々考えておるわけであります。やはり公害対策ということが一番大事である。当面いま被害がたくさん出ておるわけですから、これから環境破壊するというのをとめるのも大事ですけれども、対症療法、それもやはり大事である。何かいうと権限はないから、絶えずこういうようなお話をされるわけですけれども、環境を全部守っていこうとすると、そっちのほうも権限は地方に移ったと言いながら、それに対して勧告権あるいはまた調査、そういうものをしっかりやって地方自治体を督励していくことも必要であろう、こういように私は思うのです。 次に、先ほど聞いておりますと、現在の環境基準というのは非常に弱い、そういうようにも見受けられる。そこで、先ほど長官は、大気汚染の問題で、地方自治体ではできるだけきびしい基準をきめてほしい、少し無理でもきびしい協定をやってほしい、こういうような御意見を加藤委員に対して話しておりましたけれども、私はそれをそっくりまた長官のほうにお返しをしてみたいと思うのです。 ということは、航空騒音の答申が、明日発表するということでありますけれども、すでに新聞報道あるいはまた漏れ承るところによりますと、今度の航空機の騒音の基準を八十五ホンにするのだというようなことも承っておるわけです。八十五ホンというのは、ちょうど地下鉄の中に乗っておる、あの騒音だといいますね。八十五ホン以下は、被害の救済あるいはまた各家の防音装置もしないというようなことになりますと、これは問題であろうと思うのです。 答申は審議会によって出されたわけでありますけれども、長官としては、今度は、審議会で出されたのをそのまままるのみで、審議会で出ましたからこれですと、こういうような情けないところの態度ではないと思うのです。やはり長官として、環境庁として大阪伊丹空港にもおいでになっているし、また各所でもうすでによく御承知だと思いますので、その点についての答申どおり基準をきめてしまうのか、あるいはまたそれに何らかの加味をして、この答申では弱過ぎるということで決定をされるのか。この点について、ひとつ、もうきょうのあしたで非常にあれですけれども、お聞きしておきたい、こう思うのです。
○大石国務大臣 あしたその答申が参りますので、いまその内容についてはくどいことをとやかく申し上げるわけにまいりませんが、騒音の判定の基準というものはいままでホンというのが中心でございましたが、これだけでは不十分でございますので、別な形のものになるかと考えます。もう少しいろいろな要素を取り入れまして判断できるような、そのような音の判定の基準が答申されることと考えておるわけでございます。 なお、その答申をそのままうのみにするかどうかということでありますが、これは諮問、答申でございますから、うのみにするわけにはまいりません。われわれがその答申をもととして正しい判断を加えてその方針をきめるわけでございます。したがいまして、答申どおりわれわれは、そのとおり正しいと判断する場合もありましょうし、それがもう少し強くなければならないと判断する場合もありましょうし、あるいはまたそれが強い場合にも、正しいと思いましても、それを今度は実施する場合には、いろいろな、他の役所との折衝がございます。それにつきましてもある程度の折り合いをつけなければならない場合もございますから、そういうことも考えますと、別にその答申どおりの処置をいたすとは私は申し上げかねますが、とにかくわれわれが正しい判断で、それを土台として判断をするということだけははっきり申し上げておきます。
○岡本委員 その御決意を聞きまして非常に安心をいたしておりますけれども、ただ一つ心配なのは、各関係省庁と相談をしなければならぬというようなところにも少し問題がまだ残っておると思うのです。というのは、先ほどあなたがお答えになった中で、地方自治体ではできるだけきびしい基準を設けて、そして少し無理でもきびしい協定をやってもらいたいというように、環境を守るためにはあなたが地方自治体にそういう御要求をなさるくらいですから、やはり今度は長官のサイドでなさるのですから、各省で非常に抵抗があろうと思いますけれども、御承知のように、あのB滑走路ができてからもたいへんな問題ですから、ひとつこの点はよろしく正しい御判断をいただきますように要求いたしておきます。 もう一つ、夜間飛行の禁止について、これもしばしば申し上げておりますけれども、これの具体的な案ですね、これを若干きょう漏らしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○大石国務大臣 あした発表になりますので、どのような答申をしてまいりますか、その答申を全然見ないで、聞きもしないで、われわれの考えを述べるということもまことに審議会に対して申しわけないことだと思いますので、その点はひとつ明日までお待ちを願いたい。できるだけ、その地域住民の人々の御迷惑を少しでも解消する方向に進めてまいりたいということだけははっきり申し上げておきます。
○岡本委員 きょう言うわけにいかぬといいますから、よく検討して発表していただきたい。 次に、非常にゆゆしい問題が最近起こっておりますが、私たちの健康について一番大事なことは食品公害、これはわれわれ三党で環境保全基本法を出しましたけれども、そこにはやはり食品公害というのは入れなければいかぬというように、そういう基本法になっているわけでありますけれども、十二月八日に秋田県の衛研におきまして、コーヒーの中に二グラム中〇・一三グラムの硫化鉛が発見されておる。これは百五十グラム入りの一びんに換算すると九・七五グラム、致死量に近い量であるというような発表がされておりますけれども、厚生省のほうではこれについて、食品のほうになりますが、検討なされておりましょうか。ということは、これはそのまま私たちの体内に相当入る。しかも相当日本ではコーヒーを飲む人が多い。皆さん方も相当飲んでいらっしゃると思うのです。ですから非常に心配である、こう思いますので、厚生省のほうからひとつお答えを願いたいと思います。
○浦田政府委員 十二月八日、秋田県の教育センターから金属性の異物混入のインスタントコーヒーがあるということで秋田保健所に届け出られました。それで、これに基づきまして、疑わしいものについて調査したことろ、次のとおりでございました。 商品名はネスカフェの百五十グラムびん入りでございます。製造場はネッスル日本株式会社姫路工場でございます。製造年月日は四十六年七月十四日、販売先は、秋田市の株式会社「なかよし」というところでございます。 調査結果を県の担当の技官から直接聴取いたしましたところ、購入経路といたしましては、「なかよし」が十一月六日ネッスル日本株式会社仙台出張所から二百四十個仕入れたものでございます。この二百四十個につきましては製造月日はまちまちでございますが、この中の一個が問題の品物でございまして、その製造月日は先ほど申しましたとおり四十六年七月十四日でございます。 製造場につきまして、十二月十三日兵庫県の食品衛生課に現場調査を依頼いたしましたところ、当該工場は、検査の結果は清潔であり、また製造工程中では異物混入の余地が全くなく、七月十四日製造のサンプルの検査結果は異常は認められなかったというの旨の回答があったのであります。 次に、県内の市販品の調査をいたしております。これは十二月十四日県内一斉調査を実施いたしましたが、その結果は異物混入のものは発見されておりません。 さて、当該届け出品についての試験検査の結果でございます。これは県の衛生科学研究所で実施いたしております。異物の含有量は先ほど岡本先生がおっしゃいましたとおり、コーヒー粉末中約六・五%、コーヒー粉末二グラム中〇・一三グラム検出されております。その異物の成分は、これは定性試験でございますが、鉛及び硫黄でございまして、異物中の鉛の含有量は八五%、ほかに亜鉛とかカドミウム、銅、マンガン、鉄について検査しておりますが、これは不検出でございます。それで総体的な判断といたしまして、異物の種類は硫化鉛であろうということを推定しております。 さて、これに関連いたしまして、収去いたしました品及び依頼検査品につきましてはどういう結果であったかと申しますと、収去いたしました七月十四日製造のものにつきましては、これは一検体でございます。それから製造月日不明のものは三検体でございます。このほかに、依頼のありました七月十四日製造のものが一検体、製造月日不明のものが一検体、以上の六検体からは異物は検出されておりません。 以上から考察いたしますと、一般消費者から保健所に届け出られました二十一件及び食品監視による一斉調査では異物混入が認められず、また、他県からの通報もなく、異物混入のコーヒーは県教育センターからの届け出一本のみであるということが判明いたしております。 届け出者及び製造工場について調査いたしました結果は、先ほど申しましたとおり異物の混入はございませんで、また経路につきましても調査の結果ではどうも不明でございます。 以上から、この県教育センターから届け出のあった一本については確かに硫化鉛がかなりの量含まれておったということでございますが、目下のところそれ以外には混入の事実は認められないということでございますが、県といたしましては、年末年始の一斉取り締まりにもからみまして、期間中特にこれらの点について留意して監視を続けていきたい。 それから一般消費者につきましても一そうの注意をはかるよう協力方を呼びかけたいということでございます。 以上、経過、結果の報告でございます。
○岡本委員 コーヒーは国内生産が大体一万トン、それから輸入が約三千トン、こういうようなことでございますが、コーヒーの毒性は非常に心配されるところでありますけれども、これをもってよく考えますと、原因がはっきりしないというところが非常に心配であると思うのです。たとえばこの会社の商売がたきと申しますか、そういうところが変なことをやって混入したか、これなどりっぱな犯罪になりますね。そういうこともないだろうと思いますけれども、原因が不明であるということについて私は非常に危惧を感ずる。 そこで私は、食品の検査、これは消費者の皆さんは自由に商品を選択することができることになっておりますけれども、これは一般の方ではなかなかわからぬことです。たまたまこのコーヒーを見ますと、何かきらきら光っているものが目に見えますと、これはたいへんだということで、しかもこの方は役人さんでしょうか、に近い方ですからすぐに調査ができましたけれども、一般の大衆の方ですと、知らずに使ってしまうのではないかということを考えますと、食品の添加物あるいは食品の製造、食品のいろいろな公害あるいは毒性問題についての検査、そういうものがはたして確実にいろいろなものについてできておるんだろうか。消費者によって初めてわかるというようなことでは非常に心配のように私は考えられるわけですが、その点について、食品衛生についての何かきめ手というか管理のきめ手というものがあるんだろうかということが心配なんですが、その点をひとつお聞かせ願いたい。
○浦田政府委員 確かに、岡本先生御指摘のとおり、食品をめぐりますいろいろな事故発生の機会というものは多いわけでございますし、最終的には消費者の段階までそれが見つけられず事故が起こるということがやはり絶無とはいえないわけです。これらにつきましては、私どもはできるだけ事前にこういった事故が起こらないように、食品衛生の法の上では法律の第七条に基づきまして、まずその規制の強化、たとえば厚生大臣は、公衆衛生の見地から、販売の用に供する食品もしくは添加物の製造、加工、使用、調理もしくは保存の方法につき基準を定める、あるいはまた、添加物につきましては規格を定めるということで、人体に有害な食品が出回らないように、まずそこでチェックをしているところでございます。 それから第六条では、化学的合成品は原則として禁止するというきびしい態度で、添加物その他につきまして万一食品に使用する場合にも、これは特別にそのものだけに使用していくということで、原則的には禁止しているという考え方でございます。しかしながら問題は、幾らそのように規制が、あるいは基準がきびしくても、守られなければ何にもならないわけでございまして、これは先般、食品等の問題の懇談会で中間答申をいただいたわけでございますが、その中で、結局だれが見てもわかる、それから安心して食べられる食品ということを理想像としながら衛生行政を考えていけという御意見もございました。それは、一つは規格をはっきりさせるとともに、表示でもって安心して見分けられるといったようなところまで考慮していく必要があろうかと思います。それからメーカーの方々の良心にまつわけでございますけれども、食品の原料の仕入れから製品として売り出す段階まですべて衛生的に自主的に管理ができるように、またチェックができるように、体制として食品衛生管理者という制度を設けまして、自主規制をはからしておるわけでございます。それからまた、随時食品衛生監視員が出回りまして、あやしい食品については、場合によりましては収去いたしまして、そして化学試験あるいは細菌試験にかけて目を光らしておる、こういったことでございます。さらに私どもは、これらの検査能力あるいは機動力、人員その他についていま必ずしも十分とは言えませんので、今後一そうの充実をはかっていきたいということで予算要求その他についてもやっておるわけでございます。また一般消費者の方々、あるいはさらには食中毒の患者の集まってくる可能性の一番高い病院とか診療所とか、そういった専門の方々のおられる場所からの通報なり御協力といった点もあわせて考えまして、食品による事故の発生ということの絶滅を期していくように努力してまいりたいと思います。
○岡本委員 食品を製造する工場あるいはそういう企業は、これを見ますと、届け出も必要ないし、許可も必要ないということですから、何か事故があって初めて、要するに大衆の、一般の消費者の皆さんから出てきて初めてわかる、わかってから大騒ぎするというようなことではちょっと心配だと私は思うのです。いま取り締まり官ですか、保健所あたりも非常に人数が少なくて、とてもそこまで手が回っておらないというのが現状ではなかろうかと思うのです。もしもそういうことがはっきりしておれば、今度のコーヒーのように、これはおかしい、これは製造ではこういうことにならないのだ、これは何かの作為でやったんだということで、すぐ調査もできるわけですから、その点についてどういう御意見を持っておるのか、ちょっとお聞かせ願いたい。
○浦田政府委員 御指摘のように、今回のネスカフェのような、食品の製造業につきましては特に許可とかいうことにはなっていないわけでございますが、一般的には、飲食店の営業につきましては全部許可が要るわけでございます。また食品の製造につきまして、すべてが許可が要らないというわけではありませんで、許可の要る業種もあるわけでございますが、全般的にさらに徹底するためには、この際その対象の業種とかあるいは品目とかいうものについてさらに検討を進めていきたいと思っております。 また保健所等におきまする検査の実態でございますけれども、これはかなり近年検査件数もふえてまいりまして、たとえば昭和四十一年に比べまして、昭和四十五年ではその件数が倍になっておるといったようなことで、かなりふえてきておりますけれども、まだまだ将来の問題としてこれはうんと増強していかなければならないと考えております。
○岡本委員 これは環境庁長官に、ひとつ今後の問題についてお聞きをしておきたいと思うのですけれども、これは厚生省所管でありますが、環境の中で、一番人体の環境というのはこれは内面からきますからたいへんな問題で、いまお聞きのとおり食品は何十種、何百種というのがあるのですね。そしてこの届け出も飲食店とかそういうところは必要なんですけれども、そうでないところ、製造しているところは届け出る必要もない、どこで何をやっているかもわからない、また許可も必要ない。こういうようなことでは非常に心配なんですね。ですから、その点についてあなたのほうではどういうようにお考えになっていらっしゃるか、絶えず長官もどんどん飲んでいらっしゃるのですから、食べていらっしゃるのですから、これは人ごとではないと思うのです。今後、あなたのほうはおそらく勧告したりあるいはいろいろする権限しかない。これはほんとうは環境庁に取り入れていってもいいくらいに私は思うのですが、その点のお考えを承りたいと思います。
○大石国務大臣 先ほどのコーヒーの中の硫化鉛の問題につきましては実は初めて聞いたわけでございますが、実に奇妙なできごとと思います。ネスカフェといえば、世界的な大きないわゆる優秀な会社であるはずでございますから、かりそめにもそのような間違いがあるはずはないと思うのでありますが、現実にただ一本だけのことでありますが、そのような現物が出たということは非常な問題だと思います。しかしその後は、おそらくは間違いなく厚生省がその会社を調査し、あるいはその後の工程なんかについても、いろいろ厳密な調査なり監督をしておることと思いますから、おそらくは間違いないと思いますけれども、なぜこのような一本が出たのか、それが会社側の、おそらくミス以外に考えられない、ミスであるのか、あるいはもっと悪く考えると、先ほどおっしゃるように故意的な犯罪であるかもしれません、いろいろなことがあるかもしれませんが、やはりむずかしいことですけれどもはっきり原因を究明しなければならぬ、それが一番大事なことだと思います。 ただ、このような、御承知のように、いま世界じゅうは公害だらけでございまして、どのような製品からどのような公害が起こってくるのかわからないのが現状だと思います。いろいろなものが使われまして、いろいろなものが生産される。ことにケミカルな化学製品というものがどんどんつくられておりますと、われわれが予知できなかったようないろいろな障害があるいは公害が起こってくる可能性がございます。したがって、こういうものを何としても前もって防ぐようにすることが政治の大事な姿勢だと思うのでございます。 ことに、先日の新潟沖のあの海難事件にあたりましては、中和剤の問題が起こりました。私はこういうことを考えまして、自分の権限であるかどうかわかりませんでしたが、今月の三日でありましたかの閣議に私は発言をいたしまして、少なくともいわゆるケミカルな化学製品についてはいろいろなものが生産され発売されておるけれども、このようなものにつきましては厳重に監督する必要がある、ただ単に安易に発売なりをしないように——許可制をするにはいろいろな問題がありましょうけれども、少なくともその化学製品が市販される場合には、売られる場合には製造元において一応厳密な検査をする、実験をする、そうしてこれは無害である、こういうわけでこのとおりであるという無害の実験の報告書というのですか、そういうものをつけて届け出をして発売をするとか、何かそのようなことをしてはどうか、そのようなことを窓口を一元化して、どこでもいいからそのような規制を加えたらどうかということを発言しましたが、内閣審議室としてはさっそくそれを取り上げまして、すでにそれに対する対策がつくられまして、あさっての閣議でそれを発表することになっております。一方、おっしゃるとおり、やはりただ野放しはいけないと思うのです。大体間違いのない食品ならけっこうですけれども、やはり何かしら未知のもの、物質を使う、ことに化学材料を使う化学製品を使う場合には、そこに何らかのこれを一応は安心して国民に使わせるような処置が必要であるということでございまして、そのような処置を講じつつあるわけでございますので、あさっての閣議において了承を得れば、そのような方向を各省にも厳重に伝えまして、御趣旨に沿うような方向に進んでまいりたいと考えております。
○岡本委員 コーヒーの今度の問題を通じまして、その他たくさんの食品がございますけれども、いま長官がおっしゃったように、新しいものあるいはまたいろいろなものをつくった場合は、必ず毒性検査あるいはいろいろなものをして、そしてこれなら間違いないというようにして販売するようにすれば、こういうことがなくて済むのじゃないか。 それで、いま厚生省の環境衛生局長は、いろいろな表示をしておきます、こういうお話がありましたけれども、一般の方々ではなかなか表示はわからないのです。私たちも見てもわからないのですね。ですから、いま長官がおっしゃったようなこれからの食品、新しいものをつくるときには、やはりすべてひとつ検査をして、これなら間違いないというようにしてから発売する、販売するようにしていくと、消費者は非常に健康を保てるのじゃないか、こういうように思うのですが、いまの長官の御意見と、それから厚生省のほうの立場はどういうことをお考えになっていますか。
○浦田政府委員 大石長官のおっしゃることはまことに私どもも同感でございまして、またいままでの食品衛生行政に関しましても、そのような考え方でやってきておるつもりでございます。たとえば食品添加物、これは化学合成品でございますが、これの使用につきましては、実は原則的としては禁止しておるところでございまして、特別に大臣の許可したもののみ、それもいろいろな規制を設けまして使われているわけでございます。新しくこのようなものを許可する場合には、厳密に、急性毒性試験はもちろんでございますが慢性毒性試験、催奇形性その他いろいろな毒性についての検査をさせまして、そのデータがついてなければ、それで人体に無害であるという確信がなければ許可しないというたてまえでございます。これは、二、二年前までは慢性毒性に対するチェックはゆるうございました。いまではそれはきびしくなっております。したがいまして、今後ともそのように、あらかじめ工業化するあるいは製品として売り出すという前に厳重なチェックをしていきたい。それから、現在すでに許可されております添加物等につきましても、さらに新しい見地からの検討を加え、場合によりましては、単に無害であるとかなんとかいうことでなくて、あまり必要でないというものについてもさらに除外していくといったような方向で考えているわけでございます。 それから食品の公害と申しますかそれにつきましては、私は大体二通りあると思います。一つはいわゆる外部汚染と申しますか、環境が汚染されまして、本来の食品は清潔であり衛生的であるにかかわらず、それが外部からの汚染によっていろいろと問題を生ずる、健康に害を生ずるといった問題と、それから食品そのものの構成物質として、たとえば先ほど申しましたような添加物ですけれども、これが法律で許されていないようなものを使って、いわば違法な行為によって生ずるといったような問題、またそれは場合によりましては何か間違って入ったというような問題、いわば内部からくるものと外部からくるものと二つあると思います。いずれにいたしましても、私は過失というものは少なくとも食品につきましては許されない、事故というものは本来あってはならないということで、むしろよりきびしい態度で考えていくべきじゃなかろうかというふうにいま長官のことばを聞きながら感じたわけでございます。
○岡本委員 長官の御意見を承って、そして非常に厚生省のほうも強く感じられたようでありますので、そこで、一つだけ最後にお聞きしておきたいことは、あちらこちらに販売されておるところの食品、袋に入れたりいろいろいたしますね。こういうようなものの検査あるいはまた製造過程におけるところのいろいろなチェックと申しますか、これはもうおそらく本省で全部やられないわけですから、地方ではどこでそれをやっているのでしょうか。県単位ではこれはとてもそこまで手が回りません、ということになりますと、十分やっておりますといっても、確かにAという品物に対しては十分やっておるけれども、B、Cになると野放しになっているというような面があると思うのです。そこで一つだけお答え願いたいのは、今後は新しくいろいろなものをつくる場合、少なくともそれを製造するところの届け出までさせなければ、どこで何をつくっているかわからなければこれはチェックするわけにはいかないのですから、その点もひとつお聞かせいただきたいと思います。この二点について。
○浦田政府委員 いろいろな化学的、細菌学的な検査、これは保健所と、それから県にそれぞれ最低一つは衛生研究所がございますが、その衛生研究所と、両方が県における段階では中心になっております。それから全国的な問題等につきましては、国立衛生試験所あるいは場合によりましては予防衛生研究所、それから民間のものといたしましては、食品衛生協会の研究所その他分析センターとかいろいろとございまして、それぞれやっておるところでございます。 それで、先ほど申しましたように、保健所の検査件数というのは五年間で倍くらいにふえてきておるということで、かなり能力としては上がったのでございますが、今後ともこれの強化につとめてまいりたいと思います。 それからやはり、すべて行政を円滑にまた強力に推進していくためには、このような状態の把握というか、これが一番根本でございますので、御指摘の点については今後十分に検討してまいりたいと思います。
○岡本委員 長官に、これも実情をお話し申し上げて、今後の閣議決定とかいろいろなときに問題を出していただきたいのですけれども、保健所をどんどん統括をしていこう、範囲の広いところ、たとえば何々郡と何々郡というように、地方へ行きますと、廃止をしてそしてまとめていこう、若干は過疎地になる場合もあるので、そういうふうな施設も、保健所もなるべく少なくしていくような傾向があるのではないかと思われる場合が、私は感ずるのです。たとえば、この県では十の保健所があるとすると、人口も非常にここに密集しているという場合、そこに一つ保健所をつくろうとすると、どこかを廃止しなければできない。これは厚生省というのは少し腰が弱いのですけれども、きょうは公衆衛生局長来ていないからあれですけれども、こういうように大事な食品のいろいろな問題、また妊産婦の問題で、一番保健所にたよらなければならぬものが少なくなる、あるいはまた数が同じなので、減らしてこっちへ持っていくというような問題で、保健所を取り合いしているところも県によりましてはあるのですね。だから、こういった社会保障は非常に大事ですし、同時にまた人の健康というものも大事ですから、環境問題を審議するにあたっては、環境庁長官としては、所管は違っても、そういう面については、地方では保健所に持っていって初めて気がつくものもあるのだし、保健所でもってわからぬなら県の衛研に持っていくということで、いきなり県の衛研に持っていったりはしない、一番保健所が窓口になっている、その点をよくお考えいただいて、そして実情を知っていただいて、善処をしていただきたい。これはあとで御答弁をいただきます。 与えられた時間があとわずか五、六分でありますので、もう一つ厚生省にお聞かせいただきたいのは、たびたびこの問題を取り上げてやっておりましたのは古寺委員ですが、スモン病の問題でありますけれども、これは一日も早く公害病の中に入れて救済をしてやらないと、たいへんな問題になってまいります。いま入院しておる人は重症患者は月一万円くらいの謝金をいただいておるそうでありますけれども、自宅療養をしておる人、こういう人に対しても、原因がキノホルムあるいはウイルスかもわからぬと言っておりますけれども、大体キノホルムではないかというところまで来ておるわけでありますので、かつてのカネミの中毒事件、ああいうような問題で、結局大企業が出したものに対してはみな原因がわからなくなってしまっている、原因がわかるまでわかるまでといって引っぱられますと、もう医者にかからなければならぬといった被害者、患者は非常に困るわけですね。そこで自宅療養をしてそしてお医者さんに行きますと、保険をかけておりますそれ以外のお金がずいぶん要るわけです。こういう問題を考えますと、ひとつ早急に救済策が必要ではなかろうか。きのう厚生省に来てもらって、原因がわからないからとこう言うのですけれども、しからば水俣病やイタイイタイ病は原因がわかったのかどうか、これは厚生省ではわかったというのに、今度は企業ではイタイイタイ病はまだ三井鉱山が認めない、こういうようなことではどうもおかしいのではないかと私は思うのです。その点について今後のスモン病対策についての厚生省の見解と、それから長官の今後どうすればいいかという救済策についてお聞かせ願いたいと思います。
○石丸説明員 スモンの原因につきましては、ただいま岡本先生からお話がございましたように、鋭意、早期に結論を出すよう努力いたしておる段階でございますけれども、いまだ最終的な結論には至っておりません。 それで、御承知のようにスモン調査研究協議会というものが、いろいろな分野の専門家の集まりでございまして、それぞれ班をつくって研究をいたしておる段階でございます。それで、来年二月中旬から二月下旬にかけまして、各班ごとに班員が従来の研究を持ち寄りまして、各班ごとの従来の研究のまとめをやろう、それから三月中旬に各班が集まりまして、総会におきましてこの協議会としての従来の研究から得た一つの結論を、報告を出そう、こういう段階にまで、現在この研究が進んでまいっております。 さらに、このスモン調査研究協議会におきましては、このスモンの原因の究明のほかに、スモン患者に対します治療方法の研究並びに後遺症を起こしました人に対しますリハビリテーションの研究、こういったことを総合的に研究を行なっておる段階でありまして、今後の患者に対します救済の問題は、先生御指摘のように、原因が確定いたしまして、その原因に基づいていろいろなものが行なわれると思いますけれども、現段階におきましては、そういうふうに治療方法あるいはリハビリテーションの方法等も研究を行なっている段階でございますので、ただいまの段階におきましては、治療研究あるいはリハビリテーション研究を通じまして、できるだけ患者の医療費の軽減という方向に対処してまいりたいと思っております。
○大石国務大臣 先ほどの岡本委員の御意見は私も賛成でございます。このスモン患者とかあるいはカネミ油症患者でございますね、こういう者は大体公害病患者として扱っていい種類のものだと私は思います。ただ問題は、いろいろなこまかい法律的な制約がありまして、いますぐに公害病患者だと認定をするわけにまいらない点もございます。それは患者救済の法律、救済法によりますと、大体大気汚染または水質の汚濁ですか、そういうことによってできた公害というものを公害病患者としてこれを扱うということになっておりますので、はっきりカネミのようなものあるいは食品衛生法に関係のある患者をすぐに入れるとか、スモンの場合も残念ですけれども、近い将来には私は必ずきまると思いますが、一応はキノホルムであるという見解が強いのでありますけれども、必ずしもまだ、一部にはビールスであるとかいろいろな意見がございまして、これは早く厚生省でそのあり方をきめてもらいたいと思いますが、そういうことの問題がありますので、実はわれわれとしても公害病患者に扱いかねているわけでございます。しかしカネミ油症患者につきましては、すでに食品衛生法か何かによりまして手当てを受けておりますね。これは国でやっても会社でやっても、その条件が同じであればけっこうです。公害病患者で原因者がはっきりしておれば、そこで責任を持つべきでございますから、少なくとも公害病患者と対等以上の取り扱いを受けておるならば、これはとりあえずそれで納得していただいて、これを公害病患者として扱うかどうかということは、今後もう少し検討して法律を改正しなければぐあいが悪いと思いますので、そういうふうにしてまいりたいと思います。 キノホルムにつきましては、これは何とか救済の措置を講じなければならないと思います。厚生省では来年度予算で考えておるようでございますけれども、これと十分に折衝いたしまして、どちらでもよろしい、とにかく何らかの救済の手当てが打てるようにわれわれも努力してまいる考えでございます。
○岡本委員 長官の御決意を承って非常に安心いたしましたけれども、聞くところによると、厚生省の環境衛生局のほうですか、難病に対する十億円くらいの予算をいま要求しておるそうでありますけれども、これは全部、大蔵省にやかましゅう言ってもらって、そしてぜひこの中に、いま入院している人はもちろんでありますけれども、自宅療養している——スモンの患者は全国で大体八千人ほどおるのですね。あとは保険でかかっておるわけですから、その差額だけは何とかして見てやっていただきたい、これをひとつ要求いたしまして、きょうの私の質問を終わりたいと思います。
○小林委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○小林委員長 速記を始めて。 ————◇—————
○小林委員長 これより請願の審査に入ります。 本委員会に付託されました請願は四十八件であります。 本日の請願日程全部を議題とし、審査を進めます。 審査の方法についておはかりいたします。 本請願の内容につきましては、請願文書表等によりましてすでに御承知のことと存じますが、さらに先刻の理事会において御検討いただきましたので、紹介議員よりの説明等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 採決いたします。 本日の請願日程第一ないし第四八の請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、ただいま議決いたしました本請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○小林委員長 この際御報告申し上げます。 本委員会に参考のため送付されました陳情書は、自然の保護及び環境の保全に関する陳情書外四件でございます。念のため御報告申し上げます。 ————◇—————
○小林委員長 次に、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。 細谷治嘉君外七名提出、環境保全基本法案、細谷治嘉君外八名提出、公害に係る被害の救済に関する特別措置法案、及び細谷治嘉君外八名提出、公害紛争処理法案並びに公実対策に関する件、以上の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十二分散会