決算委員会 第3号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/11/16
会議録
○福田委員長 これより会議を開きます。 昭和四十四年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、運輸省所管、日本国有鉄道、建設省所管及び住宅金融公庫について審査を行ないます。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。丹羽久章君。
○丹羽(久)委員 決算に基づきまして、住宅金融公庫の四十四年度と四十五年度の事業計画及び貸し付け実行額はどのような状況であるか、お尋ねをいたしたいと思います。
○淺村説明員 お答え申し上げます。昭和四十四年度の住宅金融公庫のまず事業計画から申し上げますが、ごく大分けに分けまして、まず一般住宅、これが十六万五千戸、金額にいたしまして千六百九十二億円でございます。次は産業労働者住宅、これが九千戸、金額にいたしまして七十四億円でございます。次はその他災害復興住宅等という見出しでいろいろなものをくくっておりますが、とれが七万二千戸でございまして、その金額は四百億円でございます。以上が住宅でございますが、私どもは宅地関係にも融資いたしておりますので、宅地造成等という項目で千九百八十三ヘクタール、金額にいたしまして三百六十五億円と相なっております。したがいまして、合計いたしますと住宅の戸数は二十四万六千戸、金額は二千五百三十一億円ということで事業計画を策定いたしましたが、いろいろと状況の変化に伴いまして計画を変更いたしまして、一般住宅は十七万一千戸、金額にいたしまして千七百六十五億円、産業労働者住宅は七千戸に変更いたしまして、金額は、これも変わりまして四十八億円、その他災害復興住宅等は六万八千戸といたしまして、金額が三百四十七億円、なお宅地造成等は千百九十四ヘクタールと相なりまして、金額の合計額が三百四十一億円。したがいまして、合計いたしますと、戸数にいたしまして二十四万六千戸、金額にいたしまして二千五百一億円と相なったのでございます。 なお四十五年度について申し上げますと、昭和四十五年度の当初事業計画は、ただいま同様の分類にいたしまして、一般住宅は十七万二千戸、これが金額にいたしまして千九百三十六億円、産業労働者住宅、これが九千戸、金額にいたしまして七十六億円、その他災害復興住宅等という見出しにございますものが七万五千戸、金額で四百四十八億円、そのほかに宅地造成等がございます。これが千九百八十三ヘクタール、金額にいたしまして四百三十三億円。合計いたしますと、住宅で二十五万六千戸、金額にいたしまして二千八百九十三億円という計画でございましたが、これを変更いたしまして改定いたしましたものが、一般住宅十七五戸、千九百六十億円、産業労働者住宅八千戸、これが金額にいたしまして五十八億円、その他災害復興住宅等七万五千戸、金額にいたしまして四百四十一億円、宅地造成等が千五百四ヘクタール、金額にいたしまして四百三十億円、合計いたしまして二十五万三千一尺金額にいたしまして二千八百八十九億円ということに相なっております。
○丹羽(久)委員 四十四年度と四十五年度の事業計画並びに貸し付け実行額の説明をいま承りましたが、大体予定どおりにいっておるわけでありますけれども、決算書を見ますと、四十四年度の決算において、いままでにそういう数字は出てこなかった赤字が生じたように出ているわけなんですが、この欠損額が二億六千三百余万円とい、ように書かれておりますけれども、その内訳はどういうわけでこういう欠損額が出たのでしょうか、それをひとつお示しいただきたいと思います。
○淺村説明員 私ども従来赤字を出した経験はございませんが、昭和四十四年度に限り、まことに遺憾ながら、ただいま御指摘がございました二億六千三百二十四万円の赤字計上となりました理由を申し上げます。 これは実は住宅金融公庫は、一般個人住宅の申し込みを受け付けますと、従来は抽せんでこれを決定いたしておりましたが、住宅資金の貸し付けを希望なさる方を抽せんでやるということはできるだけ避けたい、できれば適当なものであれば皆さんにお貸しを申し上げたいということでかねがね研究をいたしておりましたが、相当危険性を覚悟の上で、昭和四十三年度から、大体五カ月か六カ月の期間をきめまして、その間に受け付けましたものは、適格であれば一応全部の方にお貸しをするという——私どもで常時受け付け制と少し大きなことばを使っておりますが、そういう制度に切りかえたのでございます。これはたいへんみなに喜ばれまして、申し込みが非常に多くなってまいったのでございます。そこで、切りかえました翌年度、昭和四十四年度はまだ従来のやり方を大幅に変えないでおりましたので、申し込みが非常に殺到してきたということになりますと、事業計画を途中で変更しなければならないという事態になったのでございます。 どういうふうに変更したかと申しますと、要するに、個人住宅の申し込みのワクが足りないので、中で流用いたしまして、ほかの費目からこの個人住宅の貸し付けの資金のワクを捻出しなければならぬという事態になりました。そこで、どうしたかと申しますと、私どもにはまだ、一般個人住宅のほかに、中高層の建物をお建てになる方に対する融資であるとか、いろいろな融資がございますが、一般個人住宅に対する融資は、金利が五分五厘でございます。ところが、これに流用しようとする費目の金利は七分とか七分五厘とか、それよりずっと高いものでございますので、高い金利のほうから低い金利のほうにお金を回しますと、予定しておっただけの利息の収入があがらないという結果になったのでございます。 そういう一つのマイナス要因がございましたことと、もう一つ、そのようなことをいたしますと、私どもは仕事を全国の金融機関に委託をいたしておりまして、その金融機関に手数料をお払いいたしておりますが、個人住宅の扱いの手数料が一番この中でも割り高になっております。そういう面にワクを回しましたものですから、したがいまして、金融機関に当初予定しておった支払い手数料よりももっとよけなものをお払いしなければならないという形になりました。 先ほど申しました利子が減ってきたということと、ただいま申し上げました手数料の支払いがふえたということ、そういうことがからみまして、このような二億六千三百二十四万円の赤字という結果になったのでございます。
○丹羽(久)委員 総裁のお話を聞きますと、一般住宅のほうへ回ったその利息の率が変わってきた。その点もあるが、重点的には、一般住宅の申し込みを、抽せんでなくて、非常に善意的な方法をとった、申し込みを五カ月前あるいは半年前にしたのを、これは適当だと思うと、その人々の一〇〇%までお貸しするような方法をとった、それがために事務的な費用も大きく重なったというんですけれども、それは真実ですか。私はこういうことを聞いている。ほかの借り方をすると、いまおっしゃったように率が高い。高いから変更して、個人的に切りかえたほうが借りる率が五分五厘ですかに安くなるからということで、そういう利息計算をして、安くそちらへ持っていくという変更をそれぞれが考えて、その変更分のほうが多くなったがために、こういうような二億数千万円というものは、事務的費用よりもそちらの率のほうがウエートが高いように話を聞いておりますが、その点はどうでしょうか。
○淺村説明員 この赤字要因につきましては、ただいまごく大きい点を申し上げたのでございまして、その他こまごましたことはいろいろとからんでおるわけでございます。 ただいまお話がございました、特に私のほうがそのような意図で操作をしたということは、私はなかったと思います。先ほど申し上げましたように、申し込みが非常に当初予定したより多かったという事実がございまして、それに対応いたしますためには、常時受け付けを打ち出した手前もありますので、とにかくお貸ししなければならぬということでありますと、どうしても中でもってやりくりせざるを得ない。五分五厘の利子というのは私どもで一番低い利子でございまして、やりくりをすればどうしても高いところから持ってこなければならぬという結果になりますので、そのような事態を起こしたというふうに私は理解をいたしております。
○丹羽(久)委員 その論議はあとにいたしまして、そのように赤字が出ることが大体明白になった時点で何か対策を講ずるようなことはできなかったでしょうか。それはもう最後の決算までいかなければ、そういうものはわからなかったのですか、どうですか。
○淺村説明員 実は、私ども、年間の事業計画を実施いたしました後に収支の関係をはっきり把握するわけでございます。もちろん、年間において、途中においてそのような事態をはっきりつかまえておけばよかったのかもしれませんが、従来、そのようなことをせずに、年間を通じまして、最後に収支を明らかにするということでやってまいったわけでございます。私どもは、従来、それで何の支障もなくやってまいっておりましたので、その年も、まあ何とか収支償うものであるというくらいに考えてまいって、いざ決算を最後にしてみますと、そのような赤字が出たということでございまして、これは、私どもといたしましては、あとから考えますれば、そういうときにもう少し注意をしておけばよかったという気持ちももちろん持っております。しかし、遺憾ながらそういう赤字を起こしましたので、これを戒めにいたしまして、翌年度からはそのようなことのないように大いにつとめたわけでございます。
○丹羽(久)委員 それで、赤字はどのようにして埋められたか、ひとつお尋ねいたしたいと思います。
○淺村説明員 赤字が発生いたしましたので、四十五年度におきましては、まず大蔵省とも御相談を申し上げまして——私どもは補給金というものを毎年度、予算でいただいております。この補給金と申しますのは、赤字が出ないように、もともと仕事が逆ざやでございますので、大蔵省から、一応赤字となるべき分を年度初めに算定をいたしまして、補給金という形で予算上資金を計上していただいております。その補給金というのは、従来は、九月と三月と、二度に分けてちょうだいしておったのでありますが、こういう事態でございますので、非常に早く、五月に補給金の大部分を出していただいたという救済措置を講じていただきました。 それと、もう一つは、一般個人住宅を希望なさる方に御迷惑をかけてはいけませんので、各都道府県並びに大都市にあります住宅供給公社に、私どもは分譲住宅資金であるとか賃貸住宅資金であるとかいうのをお貸ししておりますが、その供給公社に対して、資金の貸し付けを、従来よりややきめのこまかい方法をとらしていただきました。と申しますのは、従来はわりあいおおようなやり方をしておりまして、供給公社側から申し出を受けますれば、いつでも必要な資金を回して差し上げておったわけでございますが、そういうことにしますと、必ずしも必要でない金がいくということになっても困りますので、毎月一回、月末近くに一度だけ必要な額を差し上げるというようなこまかい措置をいたしまして、結局、資金の管理を徹底的に行ないながら業務を進め、黒字に転換したというわけでございます。
○丹羽(久)委員 毎年七億円ないし八億円程度の黒字であったものが、四十四年度ではこういう欠損になっておるわけでありますが、特に重要なことは、公庫融資のほうは、逆ざやの足らぬ分やあるいは事務経費は国民の税金でまかなっているというような点を考えると、いま総裁がおっしゃいますように、早くこれを知らなければならなかったのが手おくれであったけれども、今後はこういうことのないように十分注意するということでありますし、また二億数千万円の程度で一応終わったことでありまするが、今後これは十分注意をしていただくということで、このことは結論をつけていこうと思います。 さて、そこで、いま総裁のお考えになっていることを私は率直に聞きたいと思いますが、土地は持った、そうしてどうしても家を建ててみたいと思うときに、その融資をあなたのほうにお願いする。それはいままで八十万が百万になり、最近は百二十万までに増額と申しますが、甲地区というのか、都市ではそういうように通達が行っておるようでありますから、その程度まで借りられるということになるようですけれども、百二十万まで金が借りられる場合に、その金で建てた場合に一体どの程度の家が建つか。 もう一つは、この二十五年に、住宅公庫の趣旨というものは、そうした夢を持つ人たち、そうした望みを持つ人たちに半分程度考えてやるのか、あるいは三分の二程度考えてやるのか、どういうような考え方で立法せられたとお考えになっておるか。この点をいま一度思い直していただいて、現状の建築費と、あなたのほうで出していただけるお金とがどのような差があるとお考えになっておるか、これをひとつお聞きいたしたいと思います。
○淺村説明員 お答え申し上げます。ただいまお話がございましたとおり、私どもの個人住宅に対する融資額というものが実は非常に少のうございまして、これはかねがね私も申しわけなく思っておるわけでございます。もちろん住宅金融公庫ができました当時は、必要な資金の七〇%くらいはこれで充足するということでできておったと私は理解いたしております。ですから、現在におきましても、そのようになっていなければほんとうはいけないところでございますが、その後物価はどんどん上がるし、いろいろ事情が変わってまいりまして、私どもの予算折衝も十分効果を発揮できず、だんだんに実際の必要な金額と私どもの融資する額との間に開きが出てまいったというのは偽らない実情でございます。でありますから、私は、金融公庫の仕事はいろいろあるけれども、特に個人住宅の融資額をもっとふやすということが何より大事ではないかということを毎度内部でも申しておりまして、いろいろ苦心をいたしました結果、建設省、大蔵省の御理解も得まして、先般おおむね平均九十五万ないし百万であったものを百二十万円までに上げることができたわけでございます。これも、ものによりましていろいろございますので、百三十万、百四十万お貸しするのもございますが、平均いたしますと百万が百二十万になったと、ごくわかりやすく私は理解をいたしております。しかし、これではまだとても足りない。非常にこまかい計算をいたしまして、全国的に統計をとって、私のほうで一体一戸建てるのに最低どれくらいかかるであろうかというようなことを考えますと、ごく安い場合をとって恐縮でございますが、かりに上物だけで三百万円ということにしますと、百二十万ということで、やっとこれで四割くらいまでいった、数字の上だけでございますが、そういうふうな感じでございます。しかし、これではとても足りませんので、来年の予算におきましては、少なくとも百五十万円には上げてもらいたいということをただいま一生懸命お願いをしております。何とかそこまで上げていただけるのではなかろうかと私どもは期待をいたしておるわけでございます。百五十万になりますと、まあまあ五割、半分程度はこれでお貸しできたということになるわけでございます。今後努力を重ねまして、もう少しふやしまして、せめて七割くらいまではこれを上げるように一そう努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○丹羽(久)委員 総裁が御苦労していただいておる心中はお察しすることができます。しかし現実の問題は、百二十万お借りして、あと百八十万円をまかなわなければならぬということはたいへんなことでありますし、もう一点は土地の問題にも関連するわけなんです。最近、気前よく貸してくれるかというと、土地はなかなか貸してくれない。ある程度土地も購入しなければならない。そういうようなことで、たとえば住宅公団が建てるのは、これは抽せんで入れるということになるから、うまく当たればよし、当たらなければ三年でも四年でも待たなければならぬということで、この夢は持てないというようなところから、今日日本で一番悩んでおるのは、食べることでもなければ着ることでもない、住むことに悩みを持っておる。そういう意味から考えてまいりますと、百万円が百二十万までにあなたの努力でまた理解でなったので、今度は百五十万までと言っていらっしゃるが、私は百五十万だってそれは全然問題にならないと思う。やっぱり二百万程度のものは貸して、しかもそれはあなたのほうが第一担保で、何ものにも動かすことのできない担保としてそれはおとりになるでしょう。そうじゃないですか。そして最近総裁みずからが調査をせられたろうと思うし、その担当の理事の方々も御研究になったことであろうと思うが、私は、実際十一月の通達によって事務の簡素化ができてくるようになったということ、非常に熱心にやっていただけるということには敬意を表しますが、いままで、十一月前の手続上というものはどんなにめんどうな手続をしたかということを御存じなんですか。全く金を借りるのに、借りるというのかもらうというのか、もうほんとうにそれはかわいそうなほど通って、わからぬ書類をつくり、一生懸命にひまざえをして、ひまざえをしてでき上がったものをあなたのほうに第一担保としてとられて、何十年間は何とすることもでき得ないということになるわけなんです。全額あなたのほうに納めなければ売ることもできなければ何ともこれはできない。しかし今度は、私が通算するところによれば、いままでは四十日近い時間的ひまざえが、一週間か五日程度で一切がっさい金が借りられるようになったのは全く大きな躍進だと思うのですけれども、もう一つ私は総裁に聞きたいと思いますことは、前回は土地もある程度貸してくれたものが、最近では土地のめんどうは全然見ないようになった理由はどういうわけでしょうか。その点を一つお尋ねいたしたい。
○淺村説明員 私ども土地に全然貸していないわけではございません。一応申し上げておきますが、従来は、土地を貸してくれとおいでになれば、とにかく一定額をお貸ししておったことは事実でございます。しかし現在は、土地と申しましても、区画整理済みの土地であるとか、あるいは公共事業のために立ちのきを余儀なくされた方が家を建てなければならぬ場合に、土地をあわせて貸せとおっしゃった場合に貸すとか、場合を限定して土地資金はお貸しはいたしておりますが、確かにおっしゃいますように、従来すべて貸しておったものをそれに限定したということは事実でございます。これはいろいろ理由もございますが、結局は、やはり私どもの予算の力というものもございまして、従来は抽せんで最初きめましたワクの中におさめることができましたが、これからは、四十三年度からは申し込みを受けつけたら必ずお貸しをするという制度にいたしましたので、やはりそこらも考えて私どもはやらせていただいておるわけでございます。もちろん、だんだんに予算の大幅増額を私どもも考えてまいりまして、もう少し楽な方向に持っていくのが私どもの義務だと思っておりますが、現段階ではまだこの程度の力しか私どもにございませんので、来年、再来年と一そう努力をいたしてまいりたいと考えております。
○丹羽(久)委員 総裁にもう一度お尋ねをいたしたいと思いますが、この住宅金融公庫法の第一条でいう目的である国民大衆のためのものが、最近一部の金持ちの人というのか、宅地造成を業者がやっていく、そしてそれに金を貸す、それだけでは足らないから頭金をうんと取るというような傾向が非常に実際多いんですよ。そういう実態は調査をせられたようなことがあるのでしょうか。そうなってくると、いま小部分的な宅地造成は認められないとか、五万坪以上だとか十万坪以上だとかいう宅地造成になってくる。そこで、あなたのほうでそれが宅地ともに住宅資金が貸し付けられるというと、そういう資金面の非常に大きいところにはわりあい融資的になってくる。また、それはその次に金が足らないから頭金をうんと取るというような悪循環的な傾向が最近見えてきた。それよりも、個人個人の一人一人がどこかで土地を求めて、そしてささやかな家でも持つということに、私は国民大衆のためを考えてきたときはそういう方向へもって持っていくべきだと思うけれども、総裁の考え方はどうでしょう。その点ひとつお伺いしておきたいと思います。
○淺村説明員 その点につきましては、私も全く先生と同じ意見を持っておりまして、最近、都市問題が非常にクローズアップいたしまして、都市問題の一環としての住宅問題というものが大きく出てまいっております。庭つき一戸建て住宅はもう時代おくれで、何かコンクリートで積み上げたアパートに入るのがいまの時代に合った行き方だというような感じが少しございますけれども、私はやはり、ほんとうのみんなのほしいのは、狭いながらも小さな庭のあるところに一戸建てで住みたいという気持ちがあるわけでございまして、そういう気持ちを無視してかかるということは、これは非常にいけないことだと考えております。したがいまして、私は常に内部で申しておりますのは、金融公庫はいろいろ新しい時代に即応した融資等もやっておるが、従来からある個人住宅融資というものはもっと大事にしなければいけない、この制度を大事にするということであれば、何としてももっと貸し付け額をふやさなければいかぬのではないかということをやかましく内部でも申しております。もちろん、それには土地資金の融資も含んでのことでございますが、ただいまのような、それでやっと百二十万、しかもこれが区画整理済みの土地であって、土地も貸してくれとおっしゃれば、その場合は貸しますが、それでも土地だけで八十万くらいしかお貸しできないというと、合わせてせいぜい二百万しかお貸しできぬということになると、それでは全く丹羽先生のお話のように、もう問題にならぬではないかというおしかりを受けるわけでございます。ごもっともでございますので、私どもは一そう努力をいたしたいと思っております。来年の予算折衝もいよいよ間近でございますので、大いにこちらもがんばりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○丹羽(久)委員 非常に総裁熱心にやっていただいておりまするが、そこで、たとえばあなたのところから百二十万円借用した、そして家をでかした、その家が四百万円くらいかかった、だれが考えても四百万円かかった、ずいぶん無理をした金である、そして、第一担保はあなたのほうに設定せられた、第二担保は最近はどこに設定してもいいよということであるそうでありますが、その家が十年たった、そうしてあなたのほうに百二十万に対して十年間払った、百八十万のうち十年払ったあるいは十五年払った、もう残り金はわずかになって、三十万円、二十万円になったという人があるとするならば、それをいつまでも第一抵当権を設定しておくということは過剰的な担保取りになるように私は思うのですが、そういうようなことについてはどういうようにお考えでしょうか。そこまで払ってきたものであって、残された金額がもうわずかになってきたら、担保をはずしてやっても私はいいように思うが、いまお考えとしてはそういうようなことをお考えにならないでしょうか。どうでしょう。
○淺村説明員 ただいまの御質問の点も、私どもにとりましてはまことに重要な問題でございまして、いつもこれは中で話が出まして、研究もいたしておる問題でございます。たとえ貸し付ける金額が百二十万程度でございましても、やはりこれは政府関係の資金でございますし、私どもといたしましては、その貸し付けに努力をすると同様、回収にも骨を折らなければならぬことになっております。そこで、一番抵当権を設定し、しかも保証人もとるというようなことでやっております。どの程度でこれをただいまお話しのように楽な方向にすることができるのか、これもなかなかむずかしい問題でございまして、やはり全国に六百以上の金融機関がございまして、これに業務を委託し、しかも窓口全体ではもう六千以上もございます。そういうところに仕事を委託します場合は、ごくわかりやすい基準というものをつくって運用してもらいませんと、ある場合にはいいと言ったことが、ある場合にはいけないと言ったようなことでは、それはとても皆さんに承知してもらえない。そうしますと、どういう基準をつくったらいいものだろうというような点に非常にむずかしい問題がございまして、その点は何度もするのでございますが、なかなからちがあかない。結局は、できることは債権の残高の証明書を発行してあげて、たとえば自分のところの債務はあと幾らだ、金融公庫のほうから申しますれば債権があと幾らこの方にあります、一番抵当はとっておりますけれども、金融公庫側の債権はこの万に対しては十万でございます、あるいは二十万でございますというような証明書を発行してあげて、そういう場合の不便を一応緩和して差し上げておるわけでございますが、この担保の問題につきましてはいろいろ問題がたくさんございます。今後の融資額のふえ方等ともいろいろ関連もございますし、常に前向きで研究をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○丹羽(久)委員 総裁、三百万円まで同じ国の金を貸しながら担保をとらなくて、無担保で、しかも十数年間に返せばいいという制度のあることを御存じでいらっしゃいますか。どうでしょう。そういう制度がありますね。無担保で、保証人だけで三百万円までは貸してあげますよという制度のあるのがありますが、あなたは御存じですかどうですか。御存じなければ私から教えてもいいと思いますが、もしそういうことを知っていらっしゃったらここで答えてもらいたい。
○淺村説明員 そういう点につきましては、ごく一般的なことは私もいろいろ勉強いたしておりますが、こまかいことになりますと、どこでどうやっておられるかということをそう一々は存じておりません。先ほども申しましたように、私どものいまのやり方が絶対これでいいのだ、今後ともこうやっていくと別にがんばっておるわけじゃございませんので、担保の問題につきましても、状況によりましては一番抵当ということをそんなにいつまでもがんばらなくてもいいじゃないか、一体それに対してどういう債権がほかにあるのか、その債権の額がこれこれだということであれば、それと見合ってうちの債権という関係ならば、何も一番、二番といつまでも固執することもなかろうじゃないかというふうなことも私も中では申して、いろいろ研究を進めております。今年度の一般個人住宅貸し付けの申し込み期間はちょうど今月の十五日で終わりましたので、いずれにいたしましても、新しい措置をとる問題は来年度の問題でございますが、何とか少しでも皆さんに喜んでいただけるように研究は大いに進めたい。どうも足がのろくてたいへん申しわけないと思いますけれども、一生懸命やっておる気持ちだけはひとつくんでいただきたいものだと考えております。
○丹羽(久)委員 淺村総裁、どうも御存じないようですから、私から申し上げますが、環境衛生金融公庫というのがある。いまになって、ああそうかとお思いになったでしょうが、これは三百万円までは店舗改造あるいは融資の面で借りられるのです。それは無担保で、最高額三百万円まで。環境衛生金融公庫です。しかも保証人が二人いればよい、営業は六カ月以上やっておればいい、こういう条件になっているのですね。そういう点から考えますと、御努力いただいている住宅問題というのは、あなた方の責任だけではないと思うのです。実際は私どもにも責任があると思う。もっともっとたくさん貸してあげて、担保をとるのですから、右も左も向くものじゃないのですから、もっと金を貸してもいいと思うのです。これを理解でき危いところがたとえば大蔵省にあるとするなら、私どもも援助をしなければならぬし、そうした発言を大いにしなければならぬと思うが、そうした制度も実際にはあるのですよ。三百万円までは無担保で、保証人だけでちゃんと貸してくれるのです。商売やっておるから貸してくれるというのはおかしいでしょう。この人たちは自分の住むところなんです。住むところのうちに百二十万円より借りれないというのは、私から言えば政治的な欠陥だと思う。それを腹に入れて今度の折衝をひとつしっかりやってみてくれませんか。そしてあなたのおっしゃる、百二十万が百五十万までいくなんてみみっちい話をしないで、やはり二百万まではどうしても貸せ。それは貸すのです。国から一応銭を相手方に貸すのです。それは少々年限は長くなるけれども、担保をとっておるから、ちゃんと戻ってくる金でしょう。だから、この点でひとつあなたにお聞きしたいと思うのは、回収率はどんな率になっておるのですか。七〇%や六五%でないと私は思う。少なくとも九〇%以上の数字がちゃんとあがっており、国は何も損はしていないはずだと思っているが、その点どうでしょう。
○淺村説明員 私どもの回収率は、九九%ちょっとでございます。
○丹羽(久)委員 だから貸せられた金のもうほとんどと言っていい。そして利息がちゃんとついて、迷惑をかけないで戻ってくる金じゃないですか。それは一応融資するだけの問題なんですね。別にそれによってついえていってしまうという金ではない。ただ単に事務費が消えていってしまうだけの問題です。だから、これはひとつきつい交渉をしていただきたいと思います。 最後にお尋ねいたしたいと思いますことは、こういう申し込みを受け付けるところが全国に大体六百ですか、私の聞き方が悪かったかもしれませんが、信用金庫だとか相互銀行だとかいうのが取り扱っておってくれるのですけれども、その内訳を、銀行と相互銀行と信用金庫というようなところに分けて一ぺん教えていただけませんでしょうか。
○淺村説明員 お答え申し上げます。私どもが仕事を委託しております金融機関の数は、先ほど申し上げました六百三十三でございます。そこで、それがみな支店を持っておりますので、取り扱い店舗、実際にこまかい支店の数を全部入れますと、三千二百十九ということでございます。本元は六百三十三で、支店も何も一切含めますと三千二百十九ということになります。 それで、住宅金融機関六百三十三の内訳をただいまの御質問の順序によってお答え申し上げますと、都市銀行が七つでございます。それから地方銀行が五十七でございます。それから相互銀行が七十、信用金庫が三百十四、信用組合六十四、労働金庫四十二、信用農業協同組合連合会という長い名前のが四十六、もう一つ名前が長いわけでございますが、信用漁業協同組合連合会が三十二、それから最後に無尽会社が一つ、これで合計いたしまして六百三十三。 それから取り扱い店舗、要するに扱う店の数は……。
○丹羽(久)委員 それはけっこうです。 大まかに言いまして、六百三十三のうちで都市銀行は七よりない。これはどういう理由でしょうか。たとえば名古屋市内でもちょっと私調査しますと、地元の東海銀行ともう一つの都市銀行よりこれをやっていなくて、あとは全部やっていないということですが、その理由は、全額が百二十万ばかりの書類を扱うことはめんどくさいのでいやだというのか、あなたのほうが依頼せられてもそれを拒否しているのか、あるいは申し込みに行く人がそういう大銀行へ行くことは非常に足が重い、あんな大きな、りっぱな建物に入っていって頼むのがどうも行きにくいということか。都市銀行が全国に幾つあるか知りませんけれども、どういう意味で七つくらいでしょうか、それをひとつお尋ねしておきたいと思うのです。
○淺村説明員 私どもは、こういうものの委託をきめます場合に、従来からの一つの経過もございますが、やはり適当な事務量がございませんといけないという考えを一つ持っております。扱い件数があまり少なくても、銀行のほうではそのためにやはり何人かの人を置いておかなければなりませんので、件数が少ないと非常に銀行もいいかげんな仕事になってしまう。このくらいの件数なら適中にやっておけということでいいかげんにやられます。たとえ一件でも二件でも不親切な扱いがありますと、住宅金融公庫は不親切じゃないかというようなおしかりをすぐ受けることになります。やはり受託機関には金融公庫のルールもちゃんとのみ込んでもらって、お客さんから御相談があれば十分お答えできるようにしておってもらわないと私ども自身がしかられますので、そういうふうな配慮を常にいたしております。ただ自分のほうに看板だからやらせてくれというような申し込みをいただきましても、ほんとうに相当な件数がそこにあるのかどうか、銀行業務として、受託業務として適当な形のものが成り立つのかどうかというようなことを私ども考えながら、従来数をきめてやってきております。だんだん最近は申し込みも多くなってまいりましたので、私どもも状況をよく把握しながら、実際に合うような方向に持っていくべく常に検討を続けておるわけでございます。
○丹羽(久)委員 いま総裁の話を聞きますと、非常に善意的に、そういう申し込みをする人たちに対して親切丁寧にやってくれる人たちを対象にしてお願いをしてある、都市銀行なんか相当の経費がかかることであるから、粗末にされると私のほうにも文句がくるし、あるいは借りる人にも迷惑を及ぼすから、つとめてそういうところは遠慮しておるというけれども、銀行の主体性というものは、どんな場合でもサービス本位で考えてもらわなければならぬと思うのです。それはちょっと行き過ぎだと思うのですよ。そしてあなたのほうは、この銀行は実質的にやっていくことが適当でないということであったら、あなたのほうから取り消してやめてもらうという態度に出られることが当然である。銀行自体の性格というものは、いまどういう内容を整えてやらせようといったってやらせない。別に法律ではそれをふやすふやさないということはきめられていないけれども、不文律的にそういう方針を大蔵省銀行局はとっておる。限られた範囲において、限られた国民の金をなぶって、しかも国がやる事業に対してそうした経費が云々というようなことは私はあり得ないと思う。なるほど銀行は利益であるから、そういうことも考えられていくかしれませんけれども、そうするなら、そういう不特定というのが思いがけない収入がちゃんとあがるのをわれわれは黙って目をつぶっておる問題があるのです。御存じになっておりますか。それはたとえば県税を納めて、その県税を納めたあくる目すぐ県へ納めなければならぬというのではなくて、三月なり二月なりちゃんとその金は無税で使うこともできるというようにいまなっておるはずなんです。そういうような特別な、銀行に対する手数がかかるに伴う大きな収益をあげさせるようにもなっておるのですよ。だから、そういうようなお考えでなくて、取り扱うのはどこもかも取り扱わせて、そうしてあなたのほうは不適当だと思ったら取り消されたらいいと思うのです。どうでしょう。その点の考えをもう一度聞きたいと思います。 それは、もう一つだけ申し上げておきますと、何だ、大銀行というのは不届き千万だ、この間たのんだら、おれのところは関係ないといってやってくれない、ああいうのは政府は一体どういうわけでやらせないのだ、そういうえこひいきをするのかというような声がぼつぼつあがってきたのです。だから私は、この際総裁のはっきりした態度とお考えを示しておいてもらいたいと思いましたので質問をするわけなんですけれども、どうぞひとつそういうつもりでお答えをいただきたいと思います。
○淺村説明員 いろいろの理由がございましてただいまのような数字になっておりますが、これは私どもでも毎年いろいろな角度から検討を加えながらやっておるわけでございまして、逐次数もふやしておることは、先ほど申し上げたとおりでございます。 実は、いま先生のおっしゃいました、一応委託してもまずければ取り消したらどうかという点は、これはやはり私どもにも有益な御示唆でございまして、私も実はその辺をどう考えたらいいものかというようなこともときどき思案をすることがございます。しかし実際問題としては、なかなか一ぺんやりましたものを取り消すということも穏やかでございませんので、そういう事態が起こらないようにこちらで配慮して、適当な分布状態にするということにまずつとめるべきではなかろうかと考えておるわけであります。公庫の貸し付け金額もだんだんふえる方向にございますし、扱う件数も今後ますますふえるものと思われますので、私どもは、ただいま仰せの点十分心に置きまして、前向きで検討してまいりたいと考えております。
○丹羽(久)委員 一応これで私の質問を終わりますが、当局側と申しますか、大蔵省と熱心に折衝していただく総裁の気持ちはわかりますが、先ほど申しました環境衛生金融公庫なんか無担保で三百万まで貸せるという制度があるのですから、ほんとうに自分の家をつくっていきたいという人に百二十万、百五十万なんて言っておらずに、きつい線を出してもらって、ほんとうにみんなが喜ぶように、個人住宅に重点的に、なるほど国がこれだけの金を十八年なり十五年で返せば貸してくれるのかということがほんとうにみんなの考え方なんですから、それと土地がみずからの土地であったら、ほんとうに金がないというのだったら土地のほうもやはり融資してやるような方向をいま一度考えで、新しい予算どきになってきたのですから、厳重に話し合いをしてくれませんか。私どももみんなとともに協力したいと思っております。これが国民の願いであろう、家のない人たちの願いであろうと思っておりますから、くれぐれもお願いをいたしておきたいと思います。 どうも委員長ありがとうございました。
○福田委員長 華山親義君。
○華山委員 去る九月三十日に開かれましたこの委員会におきまして、私は運輸省当局との間で、東京の四ツ谷駅構内におきまして東京陸運局が東京自動車協会から借り上げている建物の借料についてお尋ねをしたのでありますけれども、その間にすれ違いがあって、質疑応答がよく進みませんでしたので、その際は資料の提出を求めて質疑を保留いたしました。その後、運輸省、国鉄、大蔵省、会計検査院からいろいろ説明を受けましたので、ここで私なりに得た考えの要点を申し上げたいと存じます。 東京陸運局は長い年月の間、東京自動車協会の所有する二階建て一千百四十五余.平方メートルの建物を庁舎として借り上げ、この建物の敷地は協会が国鉄から借りておるものであります。その土地は一千二百十二余平方メートルとなっております。 ここで私が問題といたしたいのは、協会が国鉄に支払う土地の借料と陸運局が協会に支払う建物借料の中に含まれているはずの土地に対する部分に相当する額との関連であります。四十五年の単年度についてこれを見ますと、協会が国鉄に支払った土地使用料は年額百十七万一千四百六十円であるのに対し、陸運局が協会に支払った借料の中の土地使用料に対する相当額は、二百九十七万五千四十一円であって、ここに百八十万円余の差があるのであります。 なぜ陸運局は協会が国鉄に支払った額よりも多くを支払う計算見積もりになるのか。その要因には二つのことがあると思われます。 その一つは、陸運局が借料の見積もりにあたって部外専門鑑定機関の鑑定を参考としているのでありますが、この参考資料につきましては、陸運局からは批判がありません。この鑑定では土地借料、建物借料その他の経費を合算したものであって、その中の土地借料については、適正土地価格を計算した上、これに四%の資本利子率を乗じて得ているのであります。この計算方法、すなわち資本利子率を乗ずるのは、その土地に自己の資本として所有権を持っている場合であるとか、あるいは所有権に準ずるような権利を有する場合に行なうべきものであって、三カ年の短期の契約で、契約そのものに対し、何らの代価なくして得るに至った借地に対し資本利子率を乗ずることは間違いであると私は思います。 さらにもう一つは、国鉄では、借料の計算にあたって地価の値上がりに対処するために、三年ごとに借料の改定を行なっているのでありますが、地価の上がる倍率については、急激な上昇を緩和するために、漸進改定率を設定しているのでありますけれども、この鑑定資料にはこれがありません。これを考えるならば、陸運局は、賃借料見積もりにあたっては、協会が国鉄に支払う借料をそのまま土地に対するものとして計算するのが適当であったと思われます。陸運局においては、協会が国鉄に支払う借料については何ら考慮にも入れることなく、協会に対し、自己の所有する、またはこれに準ずる土地でもないものに対し利益を与えたことは、私は不適当だと思わざるを得ません。 これらの点について会計検査院の再調査をお願いいたしたい。また会計検査院の検査が国鉄、運輸省ばらばらに行なわれて、その間に横の連絡がない。このようなことから起きているとも考えられるものでありまして、会計検査院の反省を求めるものであります。 なお申し添えるならば、この協会の決算によれば、収入のほとんど全部、あるいは全部と言ってもいいかもしれないものが建物の収入であり、これが国の財政から支払われ、協会の運営は、一にかかって、国の財政からの収入から得ているものであります。また協会の理事長は国会議員でもありますし、これらの点を考えるならば、借料の計算はあくまでも厳密、慎重を要するものと思われるのであります。 さらに事ここに至るまでの私の調査において気ついた若干の点を申し上げますと、前に申し上げました値上がり倍率の漸進改定率、これは全国的に行なわれるわけでありますが、これについては、国鉄では一般国有財産と違った法則をとっております。よく計算してみますと、結論としてはあまり違わない数字が出てくるのでありますけれども、それにしても、これらの財産は、帰するところ同じく国民の財産なんでありますし、国鉄の経営に対し一般会計から補助の増額も問題になっているときでもありますから、この相違は調整されてしかるべきものではないかと思われます。 また地価倍率の漸進改定率は、私の受ける感じでは甘過ぎるのではないか。土地の値上がりの大きいものほど、借料の値上がりがない。このようなことは反省さるべき点ではなかろうかと思うのであります。したがって、一般的なものでいうならば、陸運局の徴した鑑定にもこの調整漸進改定率の考え方が入っていないように、私はこの漸進改定率には再研究の必要があると思います。この点につきましては、なお今後委員会において私が取り上げる機会があるかとも思われます。 またさらに、国有財産については、国有財産を貸す場合には、その借料について各省庁に通ずるところの準則があります。しかし民間から借り上げる場合には準則のないことも、この研究の中でわかりました。貸し手、借り手の強弱もあることではあるし、借りる場合には、一がいにきめられないということもわかりますけれども、そこに何らかの幅を持たせたものであっても、借り上げる場合の準則があってもよいのじゃないか。これらの点についても大蔵省において検討をしておいていただきたいし、またいつか当委員会でお聞きする場合もあるかもしれません。 さらに、ここで問題にいたしました陸運局と協会との借料については、四十五年度における鑑定においては、年額八百四十万円余と見積もられるのでありますけれども、運輸省はこの見積もりを批判するのではなくて、予算の都合として七百十余万円の支払いにとどめました。それで土地借料の部分の私の指摘したところでは、百八十万円余の多い見積もりは五十万円余に縮まっているのでありますけれども、これは予算というものにかぶせられたところの皮肉の結果なのであります。一般の場合についていうならば、予算の査定は各省庁ごとに前年の何割増し、そういうふうな概算として出てくるものではないかと思いますが、これによって適正な借料を圧縮するようなやり方、これについては私は疑問を持つものであります。 以上、私は時間を節約するためにも質疑応答をなるべく省きたいと思いまして、一方的に全部を申し上げました。もしこれについて御意見があれば、関係当局からお伺いしたいと思うのであります。 なお最後に、この四ツ谷駅構内は風致地区として指定されております。そして陸運局はあそこから立ちのきまして他に移転いたしまして、最近はあき家になっております。この協会に貸している期間が過ぎたあとはどうなさるのか。私はあの場所にあのあまりきれいでもない場所があることは問題だとも思いますし、またどういう者に貸さないとも限らないし、建物を貸す場合には国鉄の了解を得なければいけないということにもなっておりますし、期間が来たならば、期間は来年でございますか再来年でございますか私よくわかりませんが、あの土地は風致地区として国鉄では持っていかれたほうがよいのではないかと思いますけれども、お差しつかえない限りこれについての御方針を承っておきたいと思います。
○福田委員長 華山君に申し上げますが、あなたの非常に多岐にわたる御意見をまぜてのいまの御質問でございましたが、きょう幸いに運輸省からは高林官房長が来られておられる、日本国有鉄道から長浜理事が来られておる、会計検査院からは桜木第三局長が来られておりますので、あなたの御質問に対して順次意見を申させまするから、もしこの三君の御答弁に対してなおかつ御質問があれば追加して御意見御発表願いとう存じます。 まず会計検査院桜木第三局長。
○桜木会計検査院説明員 先生御指摘の件につきまして、協会が国鉄に払っております額と、それから陸運局が借料を算定するにあたりまして、その中に取り入れております土地の借料相当額の間に相当開差があるということにつきましては、私も率直に疑問を感じているわけでございまして、この点調査の至らなかった点も多々あると思いますが、反省しておるところでございます。今後この点につきましては、私のほうで国鉄の検査を担当しております所管の局とも十分連絡調整をとりまして、十分検討いたしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○福田委員長 次に、国有鉄道の長浜理事に、国有鉄道としての御意見がありますれば御追加願いとう存じます。
○長浜説明員 先生のお話、われわれとしてもよく勉強させていただきたいと思いますが、基本的に、国鉄の財産は国有財産法の適用を受けないことになっておりますけれども、国鉄といたしましては、土地の適正な貸し付け、その他いろいろございますので、部外の諸先生方にお願いをいたしまして、国鉄の財産管理等公正委員会という委員会をつくっていただきまして、そこでいろいろな案件、基本的な事項を御審議をいただきまして御指示をいただくようにして、適正を期してまいっておるわけでございますが、今後ともそういう点に十分気をつけていきたい、こういうふうに考えております。 なお先生のお話の、今後どうするかという御質問でございますが、あきました土地は国鉄といたしましてはできれば返していただきたい、こういうふうに考えております。ただ、先生もおっしゃいましたように、この土地は四十八年の三月三十一日までの契約期間になっておりますけれども、そういうつもりで折衝を進めていきたい、そうした暁は一般の旅客その他の便利になるような使い方をしていきたい、こういうふうに考えております。
○福田委員長 ただいまの両君の御意見なり御答弁に尽きたかの感がありまするが、幸いに運輸省の高林官房長が来られておりますので、運輸省の立場で御意見がありますれば御開陳願いとう存じます。高林君。
○高林政府委員 ただいま御指摘ございましたように、東京陸運局におきます建物借料の計算にあたりましては、民間精通者の意見を徴しまして、算定に際しましては、一般の事例にならいまして、土地借料の積算上一般的に使用されておる資本利子率を用いまして予定価額を定め契約したものでございます。しかし、先ほど御指摘がございましたように、本件のような国鉄用地の上に建てられました建物の借り上げという特殊な事例による契約といたしましては、事前の調査が不十分であり、われわれ配慮が足らなかったという点は御指摘のとおりというふうに考えております。したがいまして、ただいま御指摘にございましたように、このような事例がございます場合におきましては、厳重、慎重に今後十分事前の調査を行ない、そうして適正を期してまいりたいというふうに考えておるものでございます。
○華山委員 私から一言申し添えますけれども、私がこの問題にこのようなことを申し上げるようになったのは、決してこれを初めから考えてねらったわけでも何でもありません。私は四ツ谷の駅で地下鉄を国鉄に乗りかえて、家から来ましたり帰ったりしているわけでありますけれども、その際にたまたま、あの建物は私は陸運局の建物とばかり思っていたのに、自動車料金値上げの標語が大きく横に張ってあるわけです。適正料金でよいサービスとかなんとか、私忘れましたけれども、横幕が張ってあるわけであります。それで、はて料金の値上げは陸運局と自動車協会とが共同戦線でやっているのかなという妙な感じを得ましたので、それを調べている間にこのようなことになったわけでありまして、偶然のことであります。それですから私は、このような問題が全国に、また運輸省のみならず各省においてもあり得るのではないか、こういうふうに考えますので、会計検査院、大蔵省等におきましても、全国にわたってよく調査をして、このようなことのないようにお願いをしたいと思います。 これで私の要望は終わります。
○福田委員長 華山君にお伺いいたしまするが、あとあなた御質問もございませんか。——ただいまの華山委員の御要望を、本日御出席の当局の方はよくしかと胸におさめられて参考にしていただきたいと存じ上げます。 次回は公報をもってお知らせいたすことにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十九分散会