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67回国会衆議院1971/11/13

科学技術振興対策特別委員会 第3号

発言数
128
登壇者
18
会派数
5
開催日
1971/11/13

会議録

渡部一郎公明党

○渡部委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  最初に、去る十一日の川崎市におけるローム斜面崩壊実験事故の概要について説明を求めます。平泉国務大臣。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 ローム斜面崩壊実験計画における事故について御報告をいたします。  十一日、午後三時半ごろ、川崎市生田において、ローム斜面の崩壊実験の実施中、予想外のがけくずれが起こり、多数のとうとい人命を失い、また多数の負傷者を出すに至ったことは、まことに遺憾にたえません。  科学技術庁は、実験の安全性については常々注意を払ってまいりましたにもかかわらず、このような事故を引き起こしたことにつきまして、当庁の努力の至らなかった点を深く反省する次第であります。  今回の事故の原因となった実験は、最近の土地開発に伴い増大しておるがけくずれによる被害に対し、その防止対策を樹立するため、がけくずれの発生機構を解明すべく、科学技術庁が昭和四十四年度から三カ年計画で進めてきたローム台地におけるがけくずれに関する総合研究の一環として行なわれたものであり、生田試験地において実際に斜面に散水し、人工的にがけくずれを起こさせ、その発生機構を解明する基礎データを収集しようとしたものであります。  九日午後三時半から散水を開始し、十一日午後三時半ごろ、総雨量が約五百ミリメートルに達したときがけくずれが起こりましたが、その崩壊の速度及び規模が予想外に大きかったため、実験関係者ばかりでなく、報道関係者を含む二十数名が生き埋めとなり、川崎市、神奈川県警、自衛隊等の必死の救出作業にもかかわらず、現在までに確認されたところでは十五名の方がなくなられ、十名の負傷者を出すに至りました。  私は、事故発生とともに、担当官を伴って直ちに現場に急行し、事故の状況を把握するとともに、事故に対する対策を総合的、効果的に推進するため、事故後直ちに科学技術庁にローム斜面崩壊実験事故対策本部を設置し、今後の事故対策に遺憾なきを期することといたしました。  今回の事故の原因については、総理府において委員会を設け、その究明を行なうこととなっております。科学技術庁としましても、本実験計画そのものの再検討を行なうとともに、当庁関係のすべての実験について、安全性の確保、管理体制等に対する総点検を行ない、今後このような事故を二度と起こすことのないよう万全の措置を講ずる所存であります。  なお、今回の事故は、直接実験に従事した方々のみならず、その報道のため現地で取材、撮影等の仕事に携わられた方々その他の方々にまで及び、まことにおわびのことばを知らないところであります。  被災者及びその遺族の方々に対しては、哀心から哀悼とお見舞いの意を表するとともに、できる限りの補償を行なうことにより、幾ぶんなりとも事故の責任を償いたいと考えております。     —————————————

渡部一郎公明党

○渡部委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田川誠一君。

田川誠一自由民主党

○田川委員 質問の前に、今回の事故でとうとい生命を失いました十五人の方々の御冥福をお祈りいたします。また、特に実験関係者以外の方々に犠牲者が出たということは、私どもにとりましても非常に大きな驚きでございまして、重ねて御冥福をお祈りいたします。  今度の計画は、自然界を対象にした実験でありまして、そうした自然を対象にする実験についてはどうも慎重さを欠いたといわれても、これはやむを得ないと思います。特に関東地方のローム層は水を含みますとくずれやすい。この関東地方でも集中豪雨によるがけくずれというものは相当数起こっておりまして、今回のローム台地におけるがけくずれに関する総合研究というものは、危険を伴う実験であるということがいえると思うのです。そういう危険を伴う実験についての慎重さといいますか、そういう問題について、どうも関係者の間に配慮が足りなかった。これは事件が起こってからいろいろな方面からいわれております。  いろいろ原因があるでしょうけれども、私は、今度実験をするに選んだあの川崎の生田の土地が、はたして実験に適当であるかどうかという疑念を抱いているわけでございますけれども、科学技術庁長官は、今度実験地域として設定されたあの土地が一体適当であったかどうか、こういう点についてまずお伺いをいたします。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 お答えいたします。  ローム台地におけるがけくずれに関する総合研究は、昭和四十四年度から継続して行なっているものでありますが、本研究についてはすでに昭和四十二年度から準備を始めておりまして、当初崩壊実験の現場といたしまして、横浜市の磯子地区、南多摩の造成地、川崎市週辺等四、五カ所が候補にのぼっており、現地調査、地元との非公式の接触等を通じ、それぞれについて地形、一般市民への安全性等の面から検討し、最終的に今回の生田緑地内の現場が定められた次第でございます。  本生田緑地が最終的に決定されるに際しましては、川崎市の好意的な示唆もあり、また、同地域の土地の占有許可も、四十五年二月十八日付で正式に川崎市長から許可をいただいたわけであります。さらに、実験の実施にあたりましては、実験計画書を川崎市当局に送っていろいろ密接な連絡をとった、こういう経緯でここにきまったわけでございます。

田川誠一自由民主党

○田川委員 実験の場所をあそこに選んだということは、その経過はいま御答弁でよくわかりましたけれども、私どもあの地域に参りまして、また川崎市の市の当局の関係者からお伺いしますと、どうもあの地域が実験の場所に不適当である、こういうふうに断定できるわけであります。あなたも御視察をされておわかりになったと思いますけれども、あの地域は公園でございます。自然公園として川崎市が指定をしたところであって、しかも、あの付近には文化財のいろいろなものができております。それで、昨日あたりも行ってみますと、非常に人出が多い。きのうの人出は、あの災害を見に来る人ももちろんあったでしょうけれども、あの公園を見学に来る、あるいは遊びに来る、こういう人出が非常に多い。特に池のほとりには遊歩道路までつくられてある。そういう点で全く不適当である。しかも、あの地域は観測をするのにたいへん不便である。がけくずれの実態がどういうふうにして起こるかということを見るには、両側から見なければよくわからない。しかし、両側からは、木がはえておってよく見えない。したがって、観測するには上か下かで見なければならない。そういう面で観測上からもあのところは適当ではないということが言えるわけです。いま経過を伺いましたけれども、実験をやる場合、特に自然を対象にする実験の場合、特に場所の選定というものを十分慎重にやっていただかなければならないと思う。その場所の選定については地元がよくわかっているはずでございますから、これからそういう点について、もう少し実験をする場所についての配慮というものをやっていただかなければならないと思います。  それから、もう一つお伺いいたしますのは、先ほども申し上げましたように、危険な実験でありますから、安全対策も用意周到にやらなければならぬのですけれども、安全対策に対してどういうような対策を一体おとりになったか、これを次にお聞きしたいと思います。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 お答えいたします。  今回の実験に際しましては、報道関係者に対する事前の連絡が十分でなかった、また立ち入り制限等の趣旨が十分徹底しておらない、この二点については否定できないのではないか、こう思いまして、まことに申しわけなく思っておるところでございます。  今回の安全性について、十分関係者としてはいろいろ配慮したつもりでございましょうが、結果におきましてこういう事態が発生したということを見ますと、あくまでもこの安全対策というものについて抜本的な考え方を改めていかなければいけない、こういう考えでおるところであります。

田川誠一自由民主党

○田川委員 いま長官のお話のように、安全対策、特に立ち入り禁止区域の設定、警戒体制、そういうものについて不備であったという点をお認めになりましたが、これからまだいろいろな危険を伴う実験が科学技術庁関係にはあると思います。また国の試験、研究機関、こういうところで自然を対象にする実験研究が幾つかありますけれども、そうした試験研究、実験についての警戒体制、安全対策というものをこの機会に十分再検討をしていただいて、遺漏のないようにお願いをいたします。  特に、今度の事故で犠牲になられたいろいろな方々の仕事の様子を見ますと、実際に直接研究に携わった方々は被害を受けていらっしゃらない。そして企画の立案に当たった方だとか、あるいは、たまたま用があって来た人が災難にあわれた、あるいはまた、報道関係者が災害を受けた、こういうことで、実験に直接タッチしておったという方が犠牲を受けられなかったというのが今度の被害の特徴ではないかと思うんですね。これはどういうことかというと、やはり警戒体制というものが不十分であったのではないか、こういうふうに考えられます。  そこで、長官にお伺いをしたいのは、一般の方々に対してどういうような安全対策をとるか、公開実験をやる場合に、そこに見学に来る方あるいは報道の任務に当たられる方々、そういう方々に対してどういうような対策を立てていかれるか。これからの問題です。これからの問題についてお考えを示していただきたい。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 今回の問題で、いま先生がおっしゃいますとおりの問題があるわけでございます。科学技術のこういう実験につきましては、ことに今回の実験のような場合は、国民生活に密着した研究である、こういうことから一般の方々、ことに報道関係の方々が非常な御興味を持っていたようです。そうして、こういう研究をどういうふうにやっているかという点で非常に関心を持っておられるわけであります。そういうことだけに、こういうところで殉職の方を出すということははなはだ申しわけないことであります。報道の方々の御熱意にこたえながら、しかし、あくまでも安全性を守るという立場で厳重な、どこまで立ち入っていいのか、どういう際にはどういう安全な退避ができるかという万全の措置を講ずる、これでなければならぬと思うのでございます。

田川誠一自由民主党

○田川委員 もう時間が来たそうでございますから、最後に、今度の事故は、先ほど申し上げましたように、実験場所の設定の誤りだとか、あるいは危険を伴う実験に対する警戒体制の不備だとか、また、報道関係者や一般の方々の立ち入り禁止の不徹底、事前連絡の不備、こういうようなことがいわれますけれども、もう一つ重要なことは、このような自然を対象にする実験研究の予算が非常に少ない。こんな大きな実験をやるのに、三カ年計画でたった五千五百万円、これではこのような重要な、貴重な実験を安全に遂行することはできない。これはあなたに申し上げる問題ではございませんけれども、これからも海中作業基地、海底居住、海の高圧にいどむ実験がもう目の前に来ておるわけです。こういうような未知の世界に対する実験研究というものに対して、もう少し十分な予算をとっていただかなければなりません。まだまだお伺いしたいことはたくさんでございますけれども、今度の事故を通じまして、基礎的なこういうような実験研究に対する予算というものを十分とっていただきたい、またとらなければならないと思います。  それからもう一つ、最後につけ加えて私の考え方だけを申し上げますと、こうした事故が起こったときは、あれもこれもと、いろいろな手抜かりが出てまいりますし、また、関係当局に対する非難や風当たりも大さくなってまいります。これは当然のことでございますけれども、こうした非難や批判だけでこのような問題を解決することはできない。集中豪雨によるがけくずれの被害を少しでもなくしていこうという気概のもとに、そういうような考えで取り組んだ研究者が犠牲になられた、また、そうした問題を報道しようという報道の熱心な、取材欲にかられて犠牲になられた方がおられるわけですが、そういう方々の霊を慰める意味からも、ただ単に非難や批判だけで終わることなく、これからどういうふうにして再びこの被害を起こさないようにするかということを、ひとつ関係者に真剣に反省をしていただきたい、このことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 次に石川次夫君。

石川次夫日本社会党

○石川委員 ただいま平泉長官から事故の原因についての概略の説明があったわけでありますけれども、あの説明によりますと、予想外のがけくずれ、こういうことになっておるわけであります。思わざる不測の事態のためにあれだけの報道陣、研究陣営を含めてのとうとい人材を失った。ほんとうに哀惜の念にたえないし、このとういう犠牲というものを何とかむだに終わらせないために、前向きの姿勢でこれを生かしていくという切なる気持ちを込めて私は若干質問したいと思うのでありますが、時間がございません、ひとつ簡潔に御答弁を願いたいと思うのです。  御説明によると、予想外というのですが、現地を見て、われわれしろうと目にもどうしても予想外だとは考えられないということがあります。具体的に伺いますが、新聞だけで見ますと、大体五秒ないし六秒という予定が一秒間でずっとくずれ落ちてきた、こういうふうにいっておりますが、その点どうですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川政府委員 事実問題でございますので、私からお答え申し上げます。  関係者から聞くところによりますと、当初予想しておりましたのは、大体五秒ないし六秒程度で一番下のところまで流れてくる。その間に避難ができるという予想だったそうでございます。ところが、実際実験に参加している者からの話を聞くところによりますと、その正確な時間はわかりませんが、非常に早いスピード、大体二秒程度のスピードで押し寄せてきたのではなかろうかということでございます。この点につきましては、今後の調査によってはっきりしてくると思います。

石川次夫日本社会党

○石川委員 冗談言っちゃ困りますよ。この新聞はとうとい犠牲者が死をもって写した写真ですね。「泥流一瞬死の撮影」とはなっておりますけれどもも、三・五秒かかっておりますね。五秒が三・五秒になったところで、あの災害はもう当然起こり得べくして起こったと言わなければならぬと思うのです。この実例だけでもわかると思うのです。五秒と予定したのが三・五秒でなったのだけれども、五秒か六秒だって起こり得たのですよ。あんな狭い地域で、うしろは退路を遮断して池になっているのですね。どう考えたって間に合わない。ですから、あまりといえばあまりの不注意ではなかったか、こう言わざるを得ないと思うのです。したがって、いま五秒か六秒ぐらいでと言ったが、五秒か六秒にしたって災害は起こったと私は思うのです。だからこの責任はきわめて重大だ、こう反省をしてもらわなければならぬと私は思うのです。  そこで、伺いたいのですけれども、大体、退避場所が全然ないのですよね。ぼくは行って驚いたんだが、こういう狭いところで、うしろは池で、逃げろといったところで逃げ場所がない。しかも笛をピーッと鳴らしたらどこまで、ピッピッと鳴らしたらどこまでといって、退避する場所の指示も何も事前にしてないわけです。だからあれはどう考えても、政府みずから行なった実験で空前の事故を政府みずからが引き起こした、こう考えざるを得ないと思うのですが、その点どうお考えになりますか、長官。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 先生のおっしゃいますように、これは安全対策において抜本的に対策を考え直さなければならぬ、こう考えておる次第でございます。今回の事故につきましては、政府の重大な責任があると考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 政府の行なう研究のやり方は、結果を急ぐのですね。想定した実験の結果を何とかすぐはっきりあらわしたい。統粋の学者であれば、むしろ予想外のことが出てくることを期待しながら実験をするという考え方だが、行政の研究の考え方は、こういう結果が当然出るだろう、早くその結果を出したいというような、結果を非常に急ぎたいということのための単なるショーに終わってしまったというようなことで、このような災害を生んだのではないかということは、私は責任は非常に重大だと思うのです。  いろいろ申し上げたいことはあるのですけれども、大体研究体制としていま申し上げたようなことも含めて申し上げたいのですが、安全研究対策というものは十二分に行なわれておらない。この事故はこれだけじゃないのですよ。この前にも、シートピアの計画でも二人犠牲者を出していますね。その安全対策はいま検討中だというお話でありますけれども、それにこりず、またこのようなあり得べからざる、しろうとが考えても当然起こり得た——たとえば建設省関係の方は一人も犠牲が出ていないというのは、これは不幸中の幸いであったと思うのですが、おそらく山津波などの実情などを知っておって、あらかじめ用意をされて、心の準備をされておったと思うのです。学者が研究室の中で実験をして、実験を積み重ねたとはいっても、その実験をとたんにああいう危険な場所でもってやるというような安全対策の不十分さというものは、十分反省してもらわなければならぬ。それからスケールアップの問題も私は同時に言いたいのですが、時間がありませんから申し上げませんけれども、小さな実験をどんどん積み上げていって大きくするというのじゃなくて、いきなり大きなものにばんと移っていくという、こういう不用意さ、この安全研究の対策というものはきわめて不注意千万ではないか、こう私は考えるわけなんです。この点、長官反省されておりますか。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 まことに御説のとおりでございまして、私といたしましても、昨日、科学技術庁関係のすべての研究所、また関係諸機関、こういうところでそれぞれ実験を行なっておりますが、こういうところの所長、理事長を集めまして、安全対策について、再度この際抜本的な再検討を行なうように指示をいたしたところでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 私は申し上げたいことはたくさんありますが、科学技術庁がみずから行なって、科学技術庁に対する信頼はこれによって一挙に崩壊をしたと私は思うのですね。政府のやることは信頼ができないという印象を国民に与えた責任というものは、きわめて重大だと思うのです。私は率直に申し上げて、平泉さん一生懸命努力されております、そして非常に能力もあるし、前途有望でもあるし、親近感も感じておりますから、私情としては忍びがたいのでありますけれども、科学技術庁あるいはまた政府全体の姿勢に対する国民の信頼をつなぐという意味で、あなたは、前途のためにも、あなたの将来のためにも、おやめになるのが適当ではないか、こう私は考えざるを得ないのであります。その点はどうお考えになっておりますか。進退伺いをすでに出しておられるということは聞いておりますけれども……。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 御承知のように、私は総理の手元に進退伺いを出しておる、こういうことで、私自身といたしまして責任を非常に痛感いたしておりますが、現在の段階におきましては、この事故の対策、そうして今後のこういう問題の再発を防ぐ体制づくり、こういうことに現在全力をあげておるという段階でございます。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この実験は四省庁の合同実験だった。それだけにそれぞれの省庁の指揮命令というか、あるいはセットがどのようになっておったか。また、それそれの責任、全体としての責任感が薄れたのではないのか。一体この実験の総括的な責任はどこが持っておって、そして指揮とか命令とか、そういうのは一体どこが行なうことになっておったか。さらに、先ほど石川委員も指摘いたしましたが、万一の場合の救済対策というものは全然ない。たとえば防護さくもなかったということである。私もきのう現場を見まして、一体こんなところで非常識な、こういう感じを受けましたが、このような点はどうなっておりますか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川政府委員 お答えいたします。  従来科学技術庁が行なっております総合研究の体制でございますが、その体制から、ただいま御指摘の点について御説明申し上げたいと思います。  従来、科学技術庁で行なっております総合研究につきましては、その総合研究の対象といたしまするのは、それぞれ国立研究機関においてそのときにおいて行なわれております研究のうちで、各省庁が相互に連絡をとりながら協力的に研究を行なわなければならない研究について、科学技術庁のほうでまとめて特別研究として実施しているわけでございます。したがいまして、各省庁の研究の中で特に取り上げるべきものが出てまいりました場合には、科学技術庁におきましてその計画を策定するわけでございます。したがいまして、この計画の責任は科学技術庁でございます。  次に、その研究機関がいかなるかっこうで実施に移すかという点につきまして、この計画の中で関係省庁によりまして推進連絡会議を設けまして、その席上関係研究所が集まりまして、そうしてその実行計画について検討するわけでございます。これには科学技術庁が入っておりますが、当然主体は各研究所でございます。  その実行計画を実施するにあたりましては、その推進連絡会議で各プロジェクトリーダーをきめまして、さらにそのサブテーマについてはそれぞれの責任者をつくって進めることになっております。  このような計画ができましたときに、それに対する経費、いわゆる予算につきましては科学技術庁が一括してとっておりますので、それを各省庁に移しかえをするというかっこうになっております。したがって、そのあとの予算の執行についてはそれぞれの各省庁が行なうということになっております。したがいまして……(田中(武)委員「だから結局は総括責任はどこがとるのか」と呼ぶ)計画的なものにつきましては科学技術庁でございますが、それぞれの実施につきましての指揮命令はそれぞれのプロジェクトリーダーのところが責任を持っていることになっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いや、だからそれぞれの各省庁の研究テーマ等についてはそこが持っている、しかしながら、総合的に責任を持っておるのは科学技術庁である。したがって、こういうときに総合的に判断をし命令をする、指揮をする、これはやはり科学技術庁です。そのときに、こういういざの場合に最高的な指令を出す、この体制がなかったんじゃないですか。そこに今度の問題があったと思うのです。  もう一つは、科学技術庁が持っておる、こういうことだが、長官、あなたは事故が起こるまでこういう実験が三年も前から行なわれておったということは知らなかったんでしょう。官僚王国といわれるが、結局官僚がやることにまかされておって、あなたは知らなかったんじゃないですか。その辺のところはどうなんです。いざのときの責任を持って退避とか何かすること及び救済対策、防護対策というようなところはどこがやるべきなんだ、そのことを聞いておる。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 私自身といたしまして、こういう種類の研究、これが防災科学技術センター、ここで行なわれておるということは承知いたしておるわけであります。その実験そのものにつきまして私が了知しておらなかったということは事実でございまして、この点につきまして実はこういう連絡が不十分であったということで、今後こういう種類の大きな実験に対して十分多角的な事前の検討ができる、こういう体制づくりをしなければならぬという指示を与えておるところでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 まあそういうことだと思うのですが、では総合的に責任を持ち、今度のような場合にとっさの判断において退避を命ずる最高指揮官といいますか最高指揮者はきまっていなかったのですか。それはどこなんです。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 今回の実験にあたりましては、防災科学技術センターの責任者が現場の総指揮をとる、こういう体制であるわけであります。今後ともこういう体制というものをほんとうに確立し周知徹底させるということでなければ現場の秩序の維持はできない、こう考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私は、こういう合同研究の中にも各省庁のセクトが出る、こういうところに今度のこの思わざる事故の総合判断、対策等に抜かりがあったと思います。  それから自治大臣にお伺いいたしますが、川崎市には研究の場所を提供さした、ただそれだけで、川崎市自体には、市長も言っておったようだが、その実験の内容は何にも知らされていなかった。しかも事故が起こって、おもに、自衛隊も出たけれども、やっておるのは警察なりあるいは消防その他ですよね。自治体に迷惑をかけておる。こういうところにも私は、政府の自治体軽視、こういう観念があらわれておる、こういうように思いますが、いかがですか。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 今回の実験は川崎市の公園において行なわれているわけでありますから、自治体の十分な御協力、御了解というものを得なければならぬということは当然であります。その点、いささか不十分な点があるのではないかという点を私非常に心配をいたしておるのでございます。川崎市長御自身は私にその点について不満を漏らされました。私からもその点につきましては十分御了解を願うように努力をいたしておるのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いや、自治大臣の立場から……。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 このたびの研究は四省庁の研究機関の合同研究でございます。この間の密接なる連絡が不十分であったという点は、御指摘のとおり今後このことのないように努力いたしたいと存じております。  なお、自治体に対する政府の態度に軽視の態度があったのじゃないかということでございますが、後援としてやっていただいておりますが、当然このような大きな計画の内容のときは、それによって起き得るところの災害等も十分連絡いたしまして、警察当局なり消防当局なりにもあらかじめ予想される場合の対策を講じていただく等の連絡をしてこそ、初めて自治体の活動も行なうことができたんじゃないかと思います。そういうふうな点、一応後援にはなっていただいておりますけれども、計画の内容なりにつきまして十分市当局のこの計画に対するところの御意見等をお聞きし、その点に従って計画を実施に移すという態度において御指摘のとおり欠くる点があったのじゃなかろうかと反省いたしておるような次第でございます。  今後こういうふうな実験が行なわれるときは、その自治体に対して十分の連絡をとるように指導してまいりたい、かように考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私は、やはりこういう点にも中央集権的なというか自治体を軽視するという考え方があらわれておる、こういうふうに思うわけなんです。  それから国家公安委員長にお伺いいたしますが、警察はいち早く捜査、鑑識等も入ってきのうもやっておられました。たぶん刑法二百十一条の業務上の過失致死傷罪ということでやっておられると思うのですが、その重点というか、どういうところに重点を置いて捜査をしておられるのか。  さらに、このような場合、たいてい起訴せられたり取り調べられる者は現場の人だけ、いわばまあ官制上からいえば下のほうの人が多くて、それを計画したりあるいはそのうしろにおる上部の人には及ばないのですね。私は、この種のものについてはもっと上部の人、上司の人まで対象として  捜査せらるべきではないか、こう思いますが、いかがです。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○中村国務大臣 警察といたしましては、事件が起こりました日の午後六時、県警の刑事部長を本部長といたしまして、緑地公園人命事故捜査本部というものを設置いたしまして、捜査員七十四名をもって、いま田中委員が御指摘なさいましたように、業務上過失致死傷罪容疑事件として捜査をやっているわけでございます。現場の保存あるいは死体の検案を行なうなど、そのほか綿密な現場の検証を実施し、負傷者あるいは実験関係者、目撃者などから事情を聴取するなど、事故原因の究明に鋭意捜査に当たっておる次第でございます。その捜査の対象は、いまの時点ではいろいろ努力を続けておる点でございますが、私は、その責任は任責者すべてに向かって対象として調査を進めてまいりたい、かように考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大体この種の問題が起きたときには、現場で働いておる人が対象になって、その計画をやったあるいはそのことに対して予算の執行を命じたいわゆる上部の人というか、こういう人には及ばない、私はそれはいけないと思うのです。だから、そういう点に重点を置くべきじゃなかろうか。計画自体にずさんな点があるならば、計画を立案しこれを許可したもの、これにも大きな責任があると思う。捜査の段階ですから、こまかいことは申し上げません。少なくとも業務上の過失致死傷罪にはそれぞれの成立要件がある。それは一体どこにポイントを置いてやるべきか、こういう点をもう一度お伺いいたします。  それと同時に、時間がありませんから続いて行ないますが、科学技術庁長官、あなたは補償には十分に努力をする、こう言っておるのです。ところが、この中には政府関係の職員もおる、あるいは自治体、川崎市の職員もおる、ことに報道陣の方々が四名も犠牲になっておられる、その他一般の人も。その間に補償はどういうように、区別するのかしないのか、もっと具体的に、努力をするというのだが、金額についてはどの程度なのか。現に事故が発生したときに家族の人に連絡がおくれたり不十分であった。遺体が収容せられておるところの、安置せられておるところの病院へ遺族が着いたのは午後六時過ぎ、ところが、きわめて冷淡な態度をとられた。そして遺体に面接というかお別れしたのは午後九時だというのです。三時間の間、それらの人たちは十分内容を知らされずに待合室におっぽり出されておったというのが事実のようです。その点と、あなたが補償に最善の努力をするということとを関連せしめてひとつ御答弁を願いたいと思う。  まず、国家公安委員長から……。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○中村国務大臣 捜査の実情等につきましては、刑事局長から答えさせたいと思います。

高松敬治警察庁刑事局長

○高松政府委員 私どもといたしましては、いま田中先生御指摘のように、これの事故原因の究明、特に実験計画あるいは実験方法、安全対策、そういうものを全部含めまして、もし刑事上の責任があるとすればだれにあるのかということを全般について総合的に捜査を進めてまいる、こういうことで、すでに現場の計器類その他四十四点、それから昨日は防災科学技術センターから関係の書類五十三点等を押収して、これらを今後調査を進めてまいる予定にしております。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 現場におきましての御遺体の処置、これに対するところが非常に混乱がございましたということは、私も実際に現地に参りまして、先生御承知のように、今回の事故の特殊な性格からきまして、御遺体のいろいろなことに非常な時間もかかるということもあるのだろうと思いますし、また一挙に相当の数でありましたために非常な混乱が起こった、いろいろな点で御遺族の方に対して手違いをしたという点、まことに申しわけなく思っておる次第でございいます。  なお、補償の点に関しましては、それぞれの根拠法規が実際は違ってくるのではないかと思います。そういう点を現在十分に調べまして、とりあえず私どものほうとしてはお見舞い金という形で何がしのことをいたしておりますが、実際の全体としての補償ということに関しましては、最善の努力を傾注いたす所存でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ぼくは新聞の記事で見たのですが、きわめて冷淡な態度であって、遺族の方々が遺体に御面会する時間等に三時間もほっておかれた。しかも最初は死者はなしというような連絡だったというようなことも聞いております。きわめて冷淡に事務的にやられた、そういう点には深く反省をする必要がある。  それからもう一つは、それぞれの根拠法がある、これはまあそうです。だが、補償に万全を期するということであるならば、政府関係職員はもちろんでございますが、それ以外の川崎市の職員あるいは一般の人、あるいは報道陣の方々、こういう方に対しては——少なくとも私は、これは私鉄の衝突のような事故でなしに、政府の殺人行為だともいえると思うのです。その上に立って、十分考えてほしいと思います。どうです。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 現場における手違いにつきまして、あらためてまことに申しわけなく思っております。補償の点に関しましては、万全の対策を考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 先ほど時間がなかったので、言い尽くせない点がありましたので、若干追加をしたいと思うのです。  予想外とはどうしても言えないという点は、たったボーリングを三本、しかも三メートルしかやっていないというようなことで、はたして現地の実験をやるということが妥当であったかどうかということは、しろうと考えでも私は納得できない。  それからあと一つ、関東ローム層というものの地すべり、くずれというものは、学問的にもまだまだ解明されていない非常な難問をかかえておるわけです。そういうことが十分わかっておりながら、あのような膨大な、しかも狭い地域で、延長線に人を置いたというようなきわめて不注意なやり方、これは何といっても弁解の余地がない、これだけははっきり申し上げておきたい。  それから、いま田中委員のほうからお話がありましたけれども、刑事責任については、当時現場の担当者だけであってはいけないという話がありましたが、私は、これは法待的な問題ではなしに、これは安全対策というものに対する科学技術庁の取り組み方が、きわめて不十分なものが一挙にふき出しておると思うのです。端的な例として今回出てきておる。例を言うと、ちょっと違うかもしれませんが、たとえば原子力の研究をいまやっております。高速増殖炉あるいは新型転換炉などどんどんやっております。けっこうです。それはほかの国に負けぬようにやってもらってけっこうですが、それに対応して、放射能から受ける人体の被害だとか、あるいは小さなスケールでやって、それをだんだんスケールアップを一挙にやらないで、そこで実験的にデータを十分に集めておいて、自信のあるところでスケールアップをするとかいう方法をとらずに、一挙に三十万キロワットから百万キロワットにもっていくというようなやり方、放射能障害の人体に対する影響、遺伝に対する影響というふうなものに対する対策、こういうものに対しては組織的な対策というものが何もないのですよ。そういうふうに安全対策に対する十分なる根拠がなしに令日までこういうふうな体制をとってこられたということに根本的な原因がある、こう考えなければいかぬ。この点は警察庁のほうでも十分に私は考慮に入れてもらわなければならぬと思うのです。  これは、答弁を求めると非常に時間がございませんからこのくらいでやめるほかないのでございますけれども、とにかく現場の人に責任をかぶせるというやり方は、断じて反対です。これは根太的に政府の、特に科学技術庁の安全対策の姿勢そのものを反省をする、そのことから出発をするのでなければ、死んだ方々の霊に対して申しわけない、こういうことを痛感するのでありますが、科学技術庁長官の所見を最後に伺いたいと思います。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 私は、今回の事故に際しまして、いまおっしゃいますように、この事故、この中から得るべき非常な貴重な教訓といたしまして、科学技術庁の今後の安全対策ということについて、ほんとうに抜本的な立て直しをやらなければならぬという考えでございます。その意味におきまして、昨日も全関係研究所、また実験を行なっております各種各般の関係機関の責任者の集合を求めまして、強く指示をいたしました。また、今後とも抜本的な対策を庁内において確立するという指示をいたしておるのでございます。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 今回のこの痛ましい事故、まことに遺憾でございます。遺族の方々に対してつつしんで哀悼の意を表したいと思います。  今回のこの実験を見まして、結局実験計画のずさんさということを非常に感じるわけです。底辺が百メートル、三十度角度の斜面、ローム層、そして小屋あるいは計器等を設置しておる場所を見ましても、のり面の下から五十メートルしか離れていない。防護さくはほんとうにちゃちな、一メートルである。私たちもきのう現場を見まして、これはしろうとが考えても災害が起こるということはわかるわけです。それをあえて実験をやったという、その見通しの甘さ、ずさんさ。とうとい十五名のなくなられた方のことを考えますと、私はほんとうに怒りを覚えるわけです。  そこで、この事故は当然起こるべくして起こった事故であるということを私は申し上げたいわけです。すなわち、完全な人災であるということであります。この点について、長官はどのように反省されておりますか。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 結果におきまして、こういう大事故が出来しておるということから考えましても、全く計画そのものに重大な反省を加えなきゃならぬ、こう考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 先ほども話が出ておりましたが、この実験に際して、安全対策というものがほんとうに真剣に考えられておらない。笛一つにしても、いまからくずれるぞという合い図だという。当然マスコミ関係の人だってその瞬間を記録しようとしてかまえているわけです。おそらく事故班の人もそうでしょう。ところが、その笛は、あぶないから気をつけて逃げろよという合い図の意味もあるんだ。そういういいかげんなことでそのような実験が進められておる。さらにその安全対策においても、もっと安全な場所を選んで、あなた方ここで観測してもらいたいとか、そういうことは当然あってしかるべきです。しかも、聞くところによりますと、当日は地元の警察にも消防にも何にも連絡をしてない。ああいう自然公園で、観光客もたくさん来ておるわけですよ。そういう事故の発生ということを真剣に考えたならば、当然地元の警察や消防にも通知するのがあたりまえですよ。そういうこともやってない。安全対策上全く何もやってないにひとしいようなそういう対策をとっておる、これについてはどう思いますか、長官。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 先ほど申し上げておりますように、昨日、全科学技術庁関係の実験の実際の各機関の責任者を集めまして特に訓辞をいたしましたときにも、いま先生御指摘の点を強調いたしましたわけでございます。やはり試験官における実験あるいは実験室における実験というものと根本的に違う考え方を立てなければならぬ。そういう点の意識が不十分ではないか。この際、研究者が狭い研究意識にとらわれることなく、もっと多角的な角度から、あらゆる可能性というものを十分に考え、そうして安全対策というものに遺憾なきを期するという姿勢でなければならぬという考えでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 科学技術庁は、最近、原子力関係においても事故が多発しております。私たちも、一つの小さなミスというものがどれだけ重大な事故に発展するか、それを心配して、ある人から、そんな小さい問題を言わなくてもいいじゃないかと言われたこともありました。だけれども、そういう小さいことから真剣にやらなければいけないということで、私たちはそのことを叫んできた。ところが最近、政府のそういう姿勢というもの、原子力関係のそういう事故、この間千葉県ではあのイリジウム一九二のような事故もありましたし、またこういう実験という面から見ても、あのシートピア計画を見ても、あれは一体何ですか、これとは違いますけれども。いざ加圧して潜水していく、もちろんそれは機械装置でありますけれども、九十メートルまできてヘリウムガスがない、どこにあるのだ、何百メートルも離れたところにある、それを運ぶ車もない。あの事故だって、へたをすれば死亡をしていますよ。同じ事故じゃないですか。あのアメリカにおけるアポロ計画に見るような、ああいうような万全なチェックというものが全然なされずに、同じ状態でこの事故が起きているのです。あれは、当然起こるべくして起こったことです。われわれがこのように指摘しておったことを真剣にえりを正して聞こうとしなかった。やかましく言いよるわいというような、悪く言えばそういう感じで聞いておったんじゃないかと私は思うのです。そういう点、ほんとうにあれだけの大実験をやるのについて、あまりにも小さな実験から一段飛びで飛び過ぎたと私は思うのです。そういう点、ほんとうに綿密なそういうようなチェックがない。こういう点について非常に私はよくないと思うのです。  そこで、これは各省庁がずっと関係しておるわけですが、これだけの大実験をやることです、きょう来られておる大臣並びに政務次官は詳細にちゃんとこれは把握しておられたんですか。時間がありませんから、簡潔に各大臣、政務次官、答えてください。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 本研究を行なっておるということは承知いたしておりましたが、川崎における本実験の、総合実験研究の行なわれておることは、事実、私、存じ上げませんでした。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○中村国務大臣 私のほうには通告がございませんから、私は承知しておりません。

稻村佐近四郎自由民主党通商産業政務次官

○稻村(佐)政府委員 通産省のほうも通告をいただいていないのでわかりませんが、何はともあれ、安全性確認不備のために、当省でもたいへんな犠牲を出したことについて、まことに申しわけないとおわびを申し上げたいと思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 こういう政府がやっておられることについて、そういうこまかい把握をしておらない。結局、人まかせにしておるという責任者の姿勢を私は問いたいわけですよ。まあ部下がやっているだろう。——責任者というのはそういうことについてやはり一切を知るという真剣な努力があって私はしかるべきじゃないかと思うのです。そういうお互いがもたれ合いの、そして肝心かなめの中心になる責任の科学技術庁が、まあそれは防災研究所でやっているのだ、お互いに無責任なところから私はこの事故が起きたと思うのです。そういう無責任からこれは起きた事故です。したがって、当然その無責任に対してどういう責任をとられるかということなんです。この事故については、私は結局は大きな政治責任であると思います。そういう政治責任という問題についてどういう反省をなさっておりますか。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 科学技術庁の研究体制、実験体制、こういったものを抜本的に再点検をしなければならぬ、こういうかたい決意で臨んでおります。今回の問題の責任問題につきましては、やはりこれは科学技術庁が中心になって、この責任問題というものを深く意識し、そうして、この際二度とこういう事故が起こることがないようなあらゆる対策を立てるということに努力を集中してこそ、ほんとうの責任意識というものがあるのではないか、こう考えるのでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 きょうは刑事局長も来られておるのですが、こういう政府機関に立ち入って強制捜査をされたということは過去にはあったんですか。

高松敬治警察庁刑事局長

○高松政府委員 従来からもそれはございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 こういう民間のたくさんの方々を巻き込んでこれだけの犠牲者を出した。きょうは最高責任者の総理もお見えになりますから私はその責任を問いたいと思いますけれども、いずれにしても、これは科学技術庁が中心でやったということでありますけれども、これは何も科学技術庁だけの問題ではない、政府全体の責任であるし、またきょうお見えになっていらっしゃる大臣、各省全部の責任でもあると私は思うのです。ですから、こういう点において今後もう二度と起こさないというほんとうに真剣な反省がなければ、それがいいかげんな気持ちで、ある時期が過ぎればまあ済むだろうというような安易な気持ちでおったならば、私は次には重大な事故がまた起きると思うのです。そういう点ほんとうに心からの反省をしていただくべきであると思うのです。もう時間がありませんから、この点を最後に長官の決意を聞いて、私は終わりたいと思います。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 私は、けさ早暁にも科学技術庁の幹部を集めまして、今回のこういう事故、これは科学技術庁のでき上がって以来の最大の危機である、これは科学技術庁が今後ほんとうに国民の信頼を得て、そうして国民のための科学技術というものをほんとうに振興していける機関として国民の信頼を得られるかどうか、そういう関頭である、この意味において今後二度とこういう事故の再発のないような万般の対策を講じなければならぬ、科学技術庁のすべての体制についてとらわれない形で新しい再検討を始めるべきであるという指示をいたしておるのでございます。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 次に吉田之久君。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 質問に入ります前に、私も、今度の事故に際しましてなくなられました十五名の方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。同時に、十名のけがをしておられる方々の一刻も早き全快をお祈りする次第でございます。  ところで、いま近江君からもお尋ねがありましたけれども、一体この種の実験が行なわれる場合に、先ほども伺いましたら、そこにおられる大臣あるいは政務次官は、いつどこでどの人たちがどのような規模でやっているかということを全く御存じなかった、ただそういう実験があるということは知っておった。それではわれわれと全然変わらないじゃないですか。われわれだってその程度のことは知っております。問題は実にまずここから出発すると思うのです。まず、科学技術庁はこの実験が行なわれることを決裁した最高責任者はどなたであるか、そしていつであるかということから御説明いただきたい。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川政府委員 この計画に対して決裁を与えたのは研究調整局長であります。ただ、その日にちにつきましては、私ただいま手元に資料がございませんので、早急にこの資料を取り寄せたいと思います。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 その日にちをすぐに知らせてください。  それから、局長は自分どまりで決裁をしていい権限を持っているのかどうか、全然上にそれ以上報告する義務がないのか、あるいは今までの慣例もそうであったのかどうか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川政府委員 この研究を進めるにあたりましては、研究調整局に委任されておるわけであります。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 自治省はいかがでございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 消防庁長官よりお答えいたさせます。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 この計画に従いまして、わがほうの職員が参加をするという決裁は、私がいたしました。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 いつしましたか。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 十月三十日でございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 通産省、いかがですか。

稻村佐近四郎自由民主党通商産業政務次官

○稻村(佐)政府委員 工業技術院の職員から報告いたします。

緒方雅彦工業技術院総務部研究業務課長

○緒方説明員 工業技術院につきましては、地質調査所の所長でございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 いつ決裁されましたか。

緒方雅彦工業技術院総務部研究業務課長

○緒方説明員 その点は後ほど資料を調べまして御報告申し上げたいと存じます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 国家公安委員会としてはいかがでございますか。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○中村国務大臣 私どものほうは関係がございませんから、決裁も何もありません。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 いまわかりましたように、いま関係各省庁がこの時点においても、いつ部下が決裁したか日にちもろくろくわからない。まあわずかに自治省のほうで十月三十日であったということだけしかわからない。このようなずさんな、このようなばらばらな計画、これで事故が起こらなかったら私はおかしいと思うのです。今度のこの事故ほど政府の責任の重大な、かつ文字どおり人災そのものの事故はかってなかっただろうと思います。一体あの場所で実験を行なうということをきめたのはどの省のだれでありますか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川政府委員 この計画は四十四年度から行なっている計画でございまして、計画全体をこの三カ年計画で進めるということにつきましては、科学技術庁のほうでその計画を立てて進めてきたわけでございます。したがいまして、これは各年度ごとに行なわれる計画でございまして、その細分にわたりましては、予算面等につきましてはそのつど決裁を行なっておるわけでございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 あなたは先ほどから予算を分けた、分けたと言っているけれども、実は科学技術庁が実際やった仕事はその程度であって、それ以上のリーダーシップをとっていないわけです。一体この生田公園の場所を選んだのはだれなのかということ、それはわからないのですか。漫然とだれかがいつかかってにやったのですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川政府委員 この計画の中に生田緑地を使って地層の問題、穴を掘る試錐の問題、さらにこのがけくずれの実験の問題、これにつきましては四十二年ごろから計画を進めております。その時点におきましては、関係各省庁が集まって推進連絡会議等を設けまして計画を立てているわけでございます。で、最後にこの分担は国立防災科学技術センターの分担となったわけでございますので、この生田で行なうということを最終的に決定したのは防災センターとこういうふうに考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 まことにあいまいな答弁で、責任の所在も全く初めからはっきりしないというふうな感じがいたします。  そこで、私は、先ほども同僚委員から御質問がありましたけれども、あの生田緑地公園に場所を選んだということ自身に大きな問題がある。私どももきのう行ってみました。まことに落ちついた遊園地であります。何となくそういうのんびりムードが、遊園地ムードが漂っているその一角において行なわれておる、いわゆる実験に対するきびしさというようなものが、初めから場所の選定そのものから間違っておったのではないか。  それからいま一つは、関東ローム層の実験だとはいっておりますけれども、あれはほんとうに、完全に天然のローム層で一〇〇%でき上がった山であるかどうか。まず下に池があるわけであります。この池といえども完全に天然の池だとはわれわれには思えない。池が天然でないということは、その辺の山の一部分も天然でない、人工の山であるかもしれない。そういう点で対象そのものにも一つの問題があるのじゃないか。ましてうしろに池があるわけであります。まさに背水の陣です。逃げようったって逃げられる場所でもないわけであります。こういう所に場所を選んだというところに重大なミスがあるのではないか。  それからいま一つは、どうしてもあの場所を選ばなければならないとしても、観測ということが非常に重要であります。報道陣もそれを観測しなければならない、報道しなければならない。だとするならば、観測や報道に便利なためのいろいろな工作を講ずる、たとえばあの木を伐採してしまって、どの角度からでも観測ができるというようなことぐらいは、だれが考えてもできるはずでありました。そういうことも全くしていない。だから真下へでも行かなければ写せないではないか。物が高い所から下へ落ちるのは当然のことであります。下にいることほど危険なことはない。がけくずれの実験でありますから、高い所だってくずれるおそれがあるのです。一体こうした場所の選定あるいは観測のために行なうべき事前の配慮、私どもから申せばそれが皆無の状態であると思いますけれども、長官、いかがですか。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 はなはだ不明でございますが、私自身も事故後直ちに現地におもむきまして現場を見まして、御指摘のような点があるということをはなはだ痛感いたした次第でございます。今後二度とこういう事故の起こらないように、実験の現場、こういうものの選定につきまして多角的な検討をして、そうして慎重に実施する、こういう態度をとるように指示をいたしております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 次に、いろいろ新聞報道等によりますと、専門家あるいは研究機関が室内で実験を十分重ねた結果、自信を持って現地の実験を試みたということのようでございますけれども、室内の実験と実地に行なう実験というものには異常な差が生ずるおそれがあるということを十分計算に入れなければならない。現に上部ローム層だけがくずれると思っておったけれども、もっと深い大規模なくずれ方をしてしまったという報告がなされているわけであります。おさらの上にあるものだけがこぼれるような実験室の実験ではないということですね。この辺の検討がなされておったのかどうか。  それからいま一つは、やはり専門家と申しますか科学者と申しますか、そういう人たちは科学に対する過信があります。そういう過信から出発して、たとえば危険度を測定する場合でもその危険率をミニマムに考えようとする習性があるのではないか。しかし、こういう実験を行なう場合には、政治的にもまた社会常識から申しましても、そういう実験室の実験とは変わった一そうの安全装置を二重三重にも施さなければならない、そういう配慮を一度でも指示されたことがあるのかどうかという点でございます。

寺田一彦科学技術庁国立防災科学技術センター所長

○寺田説明員 ただいま実験のことにつきましていろいろ御指摘ございましたが、確かに実験室内と外部とは非常な相違があるわけでありますが、その点は研究者はある程度の目算を持っていたわけであります。そしてその計画自身は、御承知のように各研究所と関係者が相談いたしましてつくりましたもので、私が見ましたときのこの計画では、一応ローム台地のまわりからいろいろ観測をするということになっておりまして、下のところにはビデオテープのカメラを備えつけておるというような状態で、観測の点では全部安全性が十分だと私は思っていたわけであります。不幸にも今回はカメラの近くまで皆さんが見学をされたという点に問題が起こってきていると思います。  それで、先ほど御指摘のように、たとえばまわりの木を切るとかという対策が非常にお粗末だったということは、重々おわびしておきたいと思います。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 ある程度の目算があったというようなことは、科学者の言うべきことばではないし、責任ある人たちの答弁には全然ならないと思うのです。  それから、いま気になりますが、観測用のカメラの位置まで見学されたという表現を使っておられますけれども、見学といったって一般人が見学しているわけではない、報道関係の人たちがそこまで来てカメラをかまえておられたということだろうと思います。  私は、この機会に、特に今後も留意しなければならないのは、報道関係の人たちは職務上危険をおかしてでもその一瞬をとらえるために最大の努力をしなければならないという使命感に燃えておられる立場であります。われわれも写真ぐらいはとったりするわけでございますけれども、そういうときはそこに注意が集中しているわけでありまして、他に注意を払うということはできないはずであります。いわばそういうきわめて特殊な使命感を持っている人たちが特殊な条件において撮影しなければならない、これはこういう実験の場合には最も危険な関係に立ちます。それに対する配慮というものが全くなされていなかった。きのうも聞きましたら、サイレンが鳴る、笛を吹く、そうすると一方では逃げなければならないと思うけれども、みんな気持ちとしては前へ出たいということであります。こういう方々に対して、この種の実験の場合に一人ずつ横に配置するとか十分な連絡をとる、あらかじめそういう危険な状態における退避の方法を熟知しておいてもらうというふうな配慮が全くなされていなかったという点は遺憾千万でありまして、その点、長官は今後どのようにお考えでございますか。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 全般的に見まして、今回の実験のほんとうの意図が、横浜地区で民家の宅地造成によっていろんな事故が、実際に死傷者のあるような災害が起こっておる、これを何とかしなければならぬということから、それに非常に近い地域を求めたという気持ちがあったのではないかと私は考えますが、しかし、いろいろな点において根本的に不備がある点は、先生の御指摘のとおりでございます。  また、ことに報道関係者との関係につきましては、私は事故後直ちに現地におきましてもそのように皆さまに申し上げておりますが、やはり報道関係者の立場として、人がそこにおればそこまで行かれるのだ、したがって、今回は放射線関係の事故の場合のように特殊な装置、そして特殊な衣服による防護というものをしなければ絶対に立ち入りできないという状況でない中で、実験関係者がおればそこまで報道関係者が見えるということは理解できることであります。その点を考えてまで安全ということを考え、ほんとうの安全という意味では、実験管理者自体も立ち入らないということでなければならないはずであります。そういう点におきまして非常に申しわけないことだと思っております。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 次に寺前巖君。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 哀悼の意を表して、真理の探求のために長官にお尋ねをしたいと思います。  私は、三つの問題を検討してみたいと思います。  第一番目は、この実験がずさんな計画に基づいて、ずさんな状態で行なわれていたということを認めるかどうか。そしてこの実験場をあの公園の中において川崎市の好意によって許可をしてもらっているのにもかかわらず、その川崎市が出しているところの許可条件の十一項目の中の第四項目の中に、安全管理についての注意事項が明確に書かれている。この市当局の御好意に対して、これでよかったのかという問題について第一番目に聞きたいというふうに思うわけです。  そこで、私が、この事故が起こってからローム斜面の崩壊実験計画書並びに崩壊実験作業計画、作業実施細目、これの内容を調べてみたところ、一項目も安全の内容について書かれていません。これは市当局に対しても約束と違うという上において裏切ったことになるのではないか。また、あの袋状の地形の中で実験をするということは、あの袋状の中におったら当然落ちてくるということが十分予想されるという地形上の問題があります。また、観測点をあの急傾斜の真下に置いてやらすということ自身にも明らかにずさんさがあります。また、たとえばダムの放水をするときには関係市町村と連絡をとって警報装置を大きく一般の人がわかるようにされています。ところが、何らそういう警報装置はされていません。また、あそこに横にある道路のところへ行ったら立ち入り禁止はなわ一本が張ってあって、そこに紙で立ち入り禁止と書いてあるだけ、もう一カ所のところは十五センチ、三十センチぐらいの立て看板みたいなものの中に、崩壊実験中、立ち入り禁止と書いてあるだけ、何月何日の何時何分からこういうことをやると大きく掲示をしてでも注意を払うという体制になっていない、どこから見たってずさんである。ずさんであるということを認めるかどうか。そして市当局に対して約束を裏切ったということに対する責任をどう感ずるのか。これが長官に対する第一の質問。  第二の質問は、あそこの実験場の三カ所でボーリングをしたということが先ほど出されました。しかし、その掘ったボーリングの中から、前日の実験担当者の話を総合的に聞いてみても、前日にローム層の中にすでに亀裂が起こってきている。ちょうどローム層と粘土層との分かれ目が大体二・三メートルから二・七メートルぐらいのところにあると思うのです。そこのところに亀裂が前日に起こってきている。こういう事態が前日に起こっておったということを聞いているのだけれども、そうしたら事前にすでに危険な状態が起こっておったということを考えなければならないと思うわけであります。そうすると当日これは公開して実験する状況になかったのではないか、それをやらしたというのは、すでにそのときにあの実験を見てくれといわぬばかりの功をあせるところの姿のために、こういうたいへんなことを起こしたのではないか、功をあせらす思想に重大な問題があったのではないか、これが第二番目の問題であります。  第三番目の問題は、学者諸君たちを総合的に参加さして相談さしてこの種の実験をどうするかということ、こういうことをやったかどうか、民主的な運営がなされていなかったのじゃないか、この三つについて長官に質問したいと思います。——答弁はあとですね。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 それでは、佐藤総理が出席されましたので、総理に対する質問に入ります。  田川誠一君。

田川誠一自由民主党

○田川委員 今回の事故は、十五名のとうとい生命を失ったたいへん重大な事故でありますけれども、また一方におきましては自然を究明する、これからいろいろ自然を究明する問題がたくさんありますけれども、そういう研究に対する萎縮的な雰囲気が起こってくることを私ども非常におそれているわけです。五分しか質問の時間がありませんから、一、二の点について御質問をいたします。  先ほど来話が出ておりますように、今回実験を行なった場所がはなはだ不適当である、こういうことがどこから見てもいえるわけです。特に先ほどもちょっと科学技術庁の長官には申し上げましたけれども、あの地域は自然公園の地域である。そうして遊歩道路もあるし文化財もあるし、そういうような非常に場所としては不適当なところを選んだ。特にこの実験は破壊をするのが実験なのです。土砂くずれを起こすのが実験なのです。その土砂くずれを起こさせる、自然を破壊をすることを政府があえてやったということは、非常にこれは重大な問題ではないか。自然保護がいろいろ言われているときに、その公園内に自然を破壊するような行為までした、しかも実験をするところとしては、両側もよく見えない、両側から観測もできないというようなところです。そういう誤ったことをやってしまったわけであります。  それから第二番目には、安全対策に非常に欠けておった。こういうような自然を究明する研究、実験というものは何が起こるかわからない。何が起こるかわからないからこういうような実験をやるわけです。そういう実験について安全対策というものが考えられていなかった。ああいうような危険な場所で不適当な場所でやるにしても、たとえば工業用テレビをたくさん使ってやれば遠くから観測もできるわけです。そうしてそういうようなことは現にロケットの打ち上げだとかあるいは海中実験だとか、そういうところで工業テレビを使っているわけですね。そういう常識的なことをやらなかったということは慎重さを欠いておったということがいえるわけであります。  それからもう一つは、こういうような実験、今度のように各省庁にわたる実験は責任体制を明らかにしなければならぬ。ところが、今回の場合はどこが責任か、あるいはこの実験に参加している人が何人いるのかというようなこともあの事故が起こった当時はわからなかった。こういうような責任体制を明確にしてやっていかなければならないプロジェクトです。特にこれから大きなプロジェクトがたくさん出てくるわけでありますが、そういう意味で責任体制が欠けておったということ、こういう問題が私ども非常に残念でたまらないわけです。  それから、最後に総理にお伺いいたしますことは、こういうような事故がこれからも起こるかもしれません。いまのような状態では起こるかもしれない。特に先ほど申し上げましたような自然を対象とする研究、開発というものは予測がつかないことが起こり得るわけであります。先ほどもちょっと申し上げましたけれども、工業用テレビなどというものは簡単にできるわけで、簡単に利用ができるのをできなかったということは、予算が足りない。科学技術に対する予算が足りないんです。科学技術に対する予算が足りないということのために、こういうような事故が起こってきたこともあります。そういう意味で、私は科学技術に対する予算というものを十分政府としては考えていかなければならぬ。  それから、先ほど科学技術庁長官は、今度の事故に対して政府には重大な責任があるということを言われました。私は、いろいろな政治におきましても経済におきましても、最近責任をとる問題、責任感が非常に薄れている、そういうゆるみが今度の事故の大きな底流として流れているのではないかと思うので、今度の事故の責任に対して総理から明快な御答弁をいただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 今回の不祥事件については、ただいま当委員会において究明されておりますから、原因その他あるいは対策等についていろいろさらに明確になるだろうと思いますが、しかし、私は何よりも私自身が政治の最高責任者である、そういう立場に立って見ますとき、今回の問題が政府の側において自然の究明にしろ、自然を対象にしての究明にしろ、どうもその慎重さを欠いた、かような非難が当たるのではなかろうか。また、それにいたしましても現実に十五名も多数の方を一瞬にしてその生命を失ったということ、そこに政治的責任を感じないわけにはいかないと思います。  私は、さような意味において、この事故発生後において国民の皆さまにも、心から私どものあり方について、その責任の所在が明確である、こういうことでおわびを申し上げた次第でございます。また、心から、なくなられた方々の御冥福を祈るとともに、同時にまた、遺家族に対しましても十分の弔意を表する、こういうことをとっておるわけであります。  しかし、何よりただいま言われますように政治的責任、そういうものは一体どこにあるかと、こういうことで、それについてわれわれも考えていかなければならない、かように思っております。いち早く科学技術庁長官からは進退伺いが出ておりまして、私はまだ処断を下さないで、ただいま預かっておる程度でございます。と申しますのは、ただいまの処置をする、その責任をとる、所在を明らかにするということも必要でございますが、何と申しましても事後処置の万全を期する、そういうことにおいてまだまだとられておらない現状でございます。またさらに、この種の究明、自然に対する実験、そういうようなものがいろいろ計画されておりますから、そういうものに対しても平泉君自身において安全性をもっと高める、そういうくふうがあってしかるべきだ、かように思いますので、ただ事故が起きたからもう政治的責任をとってやめると、こういうようなことではちっとも事態が直っていかないのであります。そういう意味で、もっとしっかりとした取り組み方をきめてくれと、こういうことをただいま大臣には命じてございます。私は、そういう点がこの機会にもっと明確になるのではないか、かように思います。  いずれにいたしましても、この事態が十五名のとうとい生命を奪った事故でございますから、私も政治の最高責任者として国民に心からおわびを申し上げる、これは何よりも私どもの態度でありまして、同時にまた、なくなられた方に対し並びに遺家族に対し、これを敬弔する、そういう意味での万全を期したい、かように思っております。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 次に田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 総理、先日の予算委員会のたまたま私の総括質問のときに、近鉄のあの衝突事件が起こりました。そこで私は総理に、こういう事故が起こるたびに、再びこのような事故を起こさないようにということを繰り返すにすぎないんじゃないか。そうして、私は総理に、たいへん失礼ではございましたが、内閣も末期になれば思わざるいろんなことが起こる。そこで、ひとついわゆる人心を新たにするという観点に立って、総理、お考えになったらどうですか、このように申し上げたのであります。ところが、今回またこのような事故が起こりました。これは私鉄の衝突事件といったような問題ではなくて、いわば政府の行なっておった実験による殺人行為であります。一体政府はどう考えておられるのか。言うならば、防災センターによる防災の実験、災いを防ぐということであるが、この際は、「ぼう」は暴力の暴を書いて、政府の暴災である、こう申し上げても私は言い過ぎでないと思う。  そこで、総理自体の責任はどう感じておられるのか。さらに科学技術庁長官は、いわゆる進退伺いを総理のもとへ提出したそうであります。これは何らか事故が起きれば慣例的に、形式的によく進退伺いなるものを役人なり行政府は出されるようです。しかし、これに対して総理は慰留するとかあるいは保留するとかということでありますが、これは単なる形式的な慣例によるところの進退伺いであってはならないと私は思います。このような点について、総理の御所見と責任の所在を明らかにしていただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 田中君からは過日も予算委員会の席でこの問題に触れられました。私はその当時、私が受けておる非常なショックから私の感じたとおりを申し上げて、そして国民に謝罪したようなわけでございます。またただいまは、田中君の前に田川君から同じような質問がございました。この意味において、これは政府の責任であること、これはもう明らかであります。どこの省だとか、こういうことは末の問題であります。私は、どうも現在の日本の科学技術、自然と取り組んで防災に対処しようとするその態度は御理解をいただけると思いますが、ただいまの技術関係等におきましてはあの程度のことも予測できないのか、私はまことに意外に思う次第でございまして、それらの点で、まことに残念に思う次第であります。  私は、日本の科学技術庁、これは最高を行くものだ、かようにみずから自負もしております。ただいま予算がどうとかこうとかというようなお話もありますが、私は予算が少なかったらやらなければいい対策だと思います。そういうような、予算が少ないからこういうことをやむを得ずやった、これは弁解にならないと思います。私はそういうことも考えながら、日本の科学技術庁の、最高を誇る科学技術庁でもこういう事故が起こるのか、さようなことを考えると、ほんとうに感無量でございます。私は、そういう意味で国民に対しましてほんとうに心からおわびしなければならないと思っておる次第でございます。どうか対策についてさらに究明していただいて、そうしてこの種の事柄がぜひとも二度と繰り返されてはならない。  私どもは、ずいぶん科学技術が進んで、自然を克服したといって他の面ではいろいろ自慢もできるのでございますが、しかし、それを克服するその一つの実験として行なった事柄が、ただいまのような計画の粗漏とでも申しますか、あるいは不十分な、十分の万全の用意でない、かようにでも申しますか、この種の事故が起きたことはかえすがえすも残念でございまして、心から国民の皆さんにあやまる次第であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 進退伺いは。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 進退伺いは、私は皆さんの批判も十分受けまして、その上できめるべきこと、かように思います。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 石川次夫君。

石川次夫日本社会党

○石川委員 総理は現場を見ておらないから、人から、人づてに聞いた程度で判断をされているのでしょうが、現場を見た者の全くしろうと目で見ても、これは当然起こり得べくして起こった人災であり、政府の手による殺人的行為である、これは明らかであります。ということは、地形が非常に狭い。そして、死をもって写した写真が三・五秒かかっておるわけです。ところが、予定したのは五秒か六秒だというのです。五秒か六秒だとしても、うしろは池なんですよ。逃げるわけにいかないのです。したがって笛を吹いたら逃げるんだといったって、笛をどう吹いたらどこまで逃げる、どこまで行くんだといったって、うしろは池なんですから逃げ場がないので、あれが計画どおり五秒か六秒かかったとしても、当然あの災害は免れなかったというような点を考えてみても——特にまあ関東ローム層というのは地すべりの起こり方というのがまだ学問的に究明されておらない。ボーリングをわずか三メートルずつ三本やっただけで、もうすぐ実験にかかってしまった。実験室のものをすぐ大規模のものに移してしまったというようなことから、どう考えてもこれは政府の手による殺人行為であって、いまだかってない事故だということを十分に反省してもらわなければいかぬ。  そこで、科学技術庁長官は先ほど、進退伺いを出して十分にこの対策、今後の対策について善処する、こういうことを言っておられるわけでありますけれども、政府に対してこのまま責任をとらない形で依然としてじんぜん職を埋めるということになりますと、たいへんな不信感を与えるのではないか。ですから社会党といたしましては、党の決定として、これは私情においては個人的に私も親近感を持っておりまするし、忍びないものがありまするけれども、ぜひそういう処断は、明確に即時にやってもらわなければ国民は納得しない。こういうことに対してどうお考えになりますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 これは御意見として承っておきます。ありがとうございました。

石川次夫日本社会党

○石川委員 御意見として伺うということだけではわれわれとしては納得できないのですよ。まあここでそれ以上の答弁が引き出せないのなら、意のあるところをわれわれとしてはわれわれなりにくみ取って善処してもらえるものと考えて質問を続けますけれども……。  先ほど田川委員のほうからも話がありましたように、これは現場のほうで起こした事故であるから現場のほうに責任があるというような考え方になりがちなんです。そうではなくて、いつでもこれは科学技術庁関係あるいは政府全体の問題でありますけれども、ビッグプロジェクトのほうについてはどんどんやっていく。——それ自体も外国から比べたら少ないのですよ。だからビッグプロジェクト自体をわれわれは否定するつもりはないのです。ないのですけれども、それに対応して、一体安全対策をどうするのだ。たとえば原子力の問題だったら、三十万キロでやっているものを、いきなり今度はスケールアップして百万キロをやるのだ。どういう不測の事態が起こるかわからない。あるいはまた放射能の障害がどういう影響を人体に与えるのか、どういう遺伝的な影響を与えるのかというふうなことについて、体制的な十分な予算を取るというふうなことがない。そうして一方のプロジェクトだけはどんどん進んでいくということに対して、非常な不安感を国民が持っておる。そういうふうな安全対策に対する基本的な姿勢というものが欠けておったから今度のような問題が起こった、こういうふうにお考えになっていただかなければ、このとうとい犠牲というものを無にするだけであると私は考えざるを得ないのです。基礎研究についてもいえるのですが、きょうは安全対策の問題についてだけ申し上げますけれども、これは両輪としてビッグプロジェクトだけじゃなく、それと同じ比重で十分に対処していくのだ、こういう根本的な姿勢がないから今度のような事故を生んだんだということを反省してもらいたいと思うのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 石川君のただいまの御意見、私も全面的に反省をいたしておる次第でございます。どうも地くずれ実験という、そういう事態をあまりにも軽視した。これが起こる事態について、もっと重大だと考えるならば、まずみずからやるという、こんなものが公開されるという、これは非常な自信を持った処置だろうと私は思うのです。そこらに、いま御指摘になったとおりに、非常に、何というか、自然の軽視、あるいは地くずれ、そういうものに対する十分の認識がない。  さらにまた、いま言われるようなビッグプロジェクトに対しては、これはまだ、もっと重大な問題でございますから、そういうものについて、この重要性をもっと認識して、そして取り組んでいく、そういう姿勢でなければならない、かように思います。何と申しましても、今回のは、ただいま申し上げるようにこの事態を軽く見ている、そういうところにあるのだと思っております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 がけくずれだけの問題に限っての御答弁のようでありますけれども、私の伺いたいのは、安全対策がおろそかになっておる。これは予算上の問題からもいえると思うのです。したがって、実験室でやれば——いきなり大がかりな、しかも、ああいう当然災害が起こり得るような場所でやってしまったというようなことも、予算の裏づけがないだろうし、それから、そういう研究をする場合には、政府の研究機関というのは、とにかく実験をすれば、実験の結果はこうなるんだということを見せたいという気持が多いのです。そうではなくて、純粋の学者というのは、予想外のことができることがさらに学問の発展になるという考え方なのです。したがって、研究に対しての安全対策は、外部の研究者というものを十分に入れた体制でなければいけないのではないか。  そういうことと、それから結果を予見してあらかじめ見せるのだということになると、これは単なる見せものになってしまうのですね。そんなものはやる必要ないのですよ。当然の結果を予想して、こう出るのだろうと予想するのじゃなくて、予想できないものが、実験室で考えたものと違った予想できないものができるのだということを考えて初めて安全対策になる。しかも、予算が伴わなければならない。こういう点について——ビッグプロジェクトそれ自体も、外国に比べたら少ないのですよ。しかし、この安全対策には、日本の研究費自体が相当少ないということは定説です。全研究費の中で政府の出し分は二八%しかない。ほかの国は七割から、少ないところでも五割以下というところはございません。そういうふうなところも十分考えて、安全対策あるいは基礎研究、こういったものについて十分な配慮をする、そういう抜本的な体制というものに立て直すということがなければ、この死者に対する報いにはならないのではないか。この点をどうお考えになりますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 最高技術者会議でもそのことがしばしば論議されております。私は先ほど、予算がないということは、あまりこれは弁解にならない、かように申したのですが、新しい科学技術、それの取り組み方、これは何と申しましても予算が必要だ。これから巨大な技術開発、こういうことになれば、どうしても巨額な資金を必要とする、かように思います。しかし、その予算がない、そういう場合に可能な事柄、それは一体どこかという、そういうことを考えるべきじゃないのか。予算がないから危険なことでもやったのだ、これは弁解にはならない、かように私は申すものでございます。これは一つの地くずれだけではございません。その他の問題にいたしましても、私は、やはり予算で制約を受ける、そういうことはやむを得ないと思います。けれども、やはりいま御指摘になりますように、研究も必要だが、安全が無視されるようなことがあってはならない、このことを私も強く指摘したいと思います。

石川次夫日本社会党

○石川委員 時間がないので、非常に残念ですけれども、いまの総理の答弁はうしろ向きですね。予算がなければやらなくてもいいのだというのじゃなくて、そういうときには十分予算をつけて安全対策をやるのだ、こういう前向きの姿勢の答弁がほしかったわけです。そうでなければ、もう国民は、科学技術庁のこういう計画あるいはビッグプロジェクト、それ自体に対しての非常な不安感——前にもシートピアでも事故を起こしているわけですよ。そういう点で、時間がないから答弁を求めませんけれども、予算がなければやらなくてもいいのだ、安全を考えればいいのだというのではなくて、そういう安全対策には十分予算をとってやらせる、こういうことでなければ死者の霊は浮かばれないんではないかということを十分反省していただきたいと思います。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 次に近江已記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 私も、昨日、現場を見てまいりました。よくこのような危険なところで、しかも安全管理もなく実験をしたものである。ほんとうに、なくなられた方々に対するそういう気持ちを考えますと、私も怒りを禁じ得なかったわけでございます。急斜面のところで、のりの面から五十メーターほど離れたところに実験小屋等を置いておる。そこに観測陣あるいはマスコミの人もおったわけでございます。総理は、先ほど、わが国の科学技術は世界最高の水準をいくとおっしゃっておりましたけれども、これがはたして世界最高の水準をいくわが科学技術陣のあるべき姿であるか、私は心から残念に思う次第であります。  それで、今回のこの事故だけではなく、いままで、あの雫石町上空の自衛隊機と全日空との衝突事故あるいは近鉄のああいう事故、あるいはまた、科学技術庁に限っていえば、本年の五月に起きましたシートピア計画、これなどは、圧力を潜水九十メーターのような状態にしておって、ヘリウムガスがない。どこにあるんだといったら、何百メーターも離れたところにある。それをとりに行く車もない。もうちょっとで中に入っておった三名が死亡するところだった。一連の同じようなことが起きておるのです。したがって、この事故は単なる科学技術上の問題ではないわけです。根本的に、政府の姿勢です。生命をとうとぶというその姿勢の欠如なんです。それがすなわち今日のあらゆる社会現象にも出ているわけです。  公害がわれわれの健康をむしばんでおります。交通事故で昨年度も一万六千何百人が死んでおります。重軽傷合わせて百万に近い人が出ておるわけです。結局それは政府に、根本的に、国民の生命を守るんだ、尊重するんだというその一点が欠けておるわけです。この国民の生命を守る、生命を大事にするということについて、総理自身どういう考えを持っていらっしゃるか。まずこれを第一点に聞きたいのです。  そしてまた、今回のこの事故は、どこから見ても起こるべくして起こった事故であります。したがって、これはもう完全に人災であるということはいえるわけです。これについてどう思われますか。  まず、この二点についてお聞きします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 人命尊重は、私の、どちらかといえば皆さんから批判される一枚看板といわれておるものでございます。そういう一枚看板、それすら怪しくなっておるじゃないか、こういう非難、ただいまの事態はまさしくそれに該当する、かように思っております。また、わが国の科学技術の水準は、これは非常に高い。しかし、そこでもこういう事故が起きた。何と情けないことか。こういう意味で私は、国民の皆さんにあやまった。かように私は、率直にその事態を認めておるわけであります。  第二点は……(近江委員「人災、起こるべくして起こった事故だ」と呼ぶ)私は、どうも、起こるべくして起こったという——これは、先ほど田中君に対してもお答えしたように、また石川君からも御指摘がありましたように、これらのものを、自然現象というものについて軽視してはならない、もっと配慮をしなければこの事故の絶滅は期せられない、かように思う次第であります。  私は、その場所はまだ見ませんけれども、皆さん方、現地をごらんになった方々のお話を聞いても、まことに不適当だ、かようにいわれておりますし、また、その土質から見ても、それはたいへんくずれやすい土質だ、かようにもいわれております。そういうことを考えると、なぜこんな場所を選んだのか、こういうことが、起きてから後ではありますが、悔やまれてならない次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そこで、今回のこの事故を見ますと、防災科学技術センターは科学技術庁、土木研究所は建設省、地質調査所は通産省、消防研究所は自治省、このように各省にまたがっているわけです。そして私たち総理がお見えになる前いろいろお聞きしましたが、結局責任者がこまかいことを全然知らない。そういう中で行なわれておる。全く統制がとれてないということであります。政府ばらばらということであります。そういう無責任な行政が行なわれておったのでは国民としては安心できぬわけです。そういうことで今回の事故というものはあらゆる政府のそういう欠点、そういうものがもう出てきたわけでありますが、そういう点で起こるべくして起こった事件であります。  したがって、これはすべて政府の責任であります。言うならば、最高の責任者である佐藤総理の責任でもあるわけで、いま科学技術庁長官は進退伺いを出していらっしゃるそうでありますが、これについては長官だけではなく、これだけ十五名のとうとい人命が失われたわけですから、総理としても長官とともにやはり進退をお考えになるのが当然じゃないか。さらに各省庁、総理のもとでなさっておられる総理府総務長官もともに責任をとるべきではないか、私はこのように思うのです。ことばだけで幾ら反省をした、今後どうします、なるほどそれも大事かもしれませんが、やはり責任を明確にする、これが一番大事じゃないかと思います。その点、総理、そして総務長官、そして平泉長官、三名の方からお聞きして終わりたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 先ほど来、政府の姿勢が間違っている、こういう意味でいろいろお話、御意見を述べられました。私も謙虚にそれらの御意見を伺ったつもりでございます。私は、国民に率直にこの事態を引き起こしたことについて、私ども政府として心からおわび申し上げる、すでにもう他の委員会でもさように私の考え方を率直に申し上げましたが、この機会に重ねて国民に率直におわびを申し上げる、その点を最高責任者としておわびを申し上げる次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 あと総理府総務長官から簡潔に。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 私も総理府の立場において責任をとるべきだという御意見でありますが、私も、この事件が起こりましたあと、どこで責任を持ってこのようなことが実験されていたかを一瞬判断に迷ったわけであります。しかしながら、テレビ等によってそれを科学技術庁の主管において行なわれたことを知ったわけですけれども、総理府には全体を統合すべきものとして中央防災会議がございます。ここで各省の行なうべきことにつき、あるいは行なわなければならないことについていろいろと打ち合わせをし、計画を立てる場所がございますので、やはりここらにも連絡をとってやってくれていたのかと思いまして、不審に思ったものですから調べてみましたが、その連絡は実はどうもとられていない。今後はそのような各省庁ともに参加して行なわれるような場合には、どうしても政府一本の姿勢というものが出るように、中央防災会議等の立場において検討を加えた後実施すべきではなかろうかということを考えておる次第であります。  なお、御承知のことでありますが、今回の事故はそのような形で起こりましたので、その原因調査というものはあらゆる角度から調べなければなりませんが、全く客観的に調査して、冷酷であっても冷静な結論を出す必要があると思いますので、したがって、第三者のみで構成される事故原因調査委員会をつくりまして、昨日直ちに現場に行ってもらいまして、それぞれ専門家の間で分担をして、調査を続行してすみやかに結論を出していただくことにいたしておる次第であります。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 先ほど申し上げましたように、私自身といたしましてこの問題、科学技術庁は非常な責任を感じて、二度とこういうことを起こさないように、科学技術庁の仕事が国民のほんとうの信頼を得られるように抜本的な体制づくりということをやっていかなければならないという心境でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 終わります。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 次に吉田之久君。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 総理に率直に申し上げます。  今度の事故を知って国民はほんとうにがく然としております。一体政府は何をしているんだろうかというのが偽らぬ国民のすべての声であります。一般に民間でもいろいろ災害が続出いたしておりましてたいへん憂慮にたえません。しかし、われわれにとっていま現在なお忘れることのできないのは、あの七月三十一日に盛岡上空で自衛隊が全日空と衝突した、百五十五名の犠牲者に対して政府は十一月十日の日に一人平均千百九十万円の補償額を払うということを遺族に提示されたばかりであります。それが十一月十一日の新聞に報道されているわけなんです。実はその日にこの事故が起こっているのです。一体どこまで事故が続くのだ、政府はどこまで弛緩しているのだ。しかもその事故も単なる偶発的な事故ではありません。単なる自然災害ではありません。まさに文字どおり人災そのものであります。しかも、政府がみずからの手によってみずからの職員に命じて、しかもその職員と有為な報道関係の青年を十五人も一挙にみずからの手で葬ってしまっている。われわれはこの問題の責任が明らかにならなければ国民的規模において国民は了解しない、承知しないと思うのです。  実は、長官は進退伺いを出されました。それに対して総理はおっしゃいました。長官が進退伺いを出さなければならないような事故を伴う実験に対して長官みずからが知らなかったというところに問題があるではないかとおっしゃっております。まさにそのとおりであります。実は今度の実験、そしていままでからこの種の実験というものはほとんど大臣クラスの人たちは知らされていない。先ほども質問していろいろ伺いましたら、いつだれがその決裁をしたのか、だれが責任もって場所を選んだのかということについてもまだほとんどお答えができない状態でありました。政府委員をしてかろうじて答弁させておられますけれども、その決裁の日付さえ明確に答えられたのは一人であります。  総理、問題はここにあると思うのです。私はこのような体制のままでは今後次々とこの種の事故が起こるといわなければならないと思うのです。したがって、この機会に総理は、この問題に対して責任を明らかにされなければならない。先ほどあなたはおっしゃいました。事故が起こったたびごとに大臣の首をかえておっただけでは問題は解決しないとあなたはおっしゃいましたけれども、そうではないと思います。いま総理みずからがほんとうに責任を明らかにされなければならない。われわれはもはやこれ以上長官に対して責任をとれというふうなことを言う以上の重大な問題であるというふうにこの問題をとらえているのでございまして、いますぐにここでどうするということをお答えになれば一番明確でございますけれども、それができないとするならば、すみやかに明確な結論をお出しにならなければ国民は納得しないであろう、この問題が解決しなければ今後消防訓練にさえ国民は協力しないだろうということをはっきりと申し上げなければならないと思うのでございます。いかがでございますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 吉田君のただいまの切々たる御意見、私、謙虚に承っておきます。どうも事故の起きた後でありますだけに、これより以上申し上げることはいかがかと思います。私が謙虚に承っておること、これだけは御了承を賜わりたいと思います。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 さらに一言申し上げたいと思いますが、さきの委員もお触れになりましたけれども、科学技術の名において行なわれ、しかも最低の結果、最低の事故であったということであります。われわれは日本の科学技術振興のためにこの委員会でもがんばっております。しかし、ともすれば、原子力や宇宙開発や海洋開発、三大プロジェクトのためには大臣の方々は全部熟知しておりまして、最大の指導力を発揮しておられるはずだと思います。総理みずからもそうしていらっしゃるだろうと私どもは信じております。しかし、地震の研究であるとかがけくずれの研究であるとか、この種のじみちな研究に対して、科学技術の名において行なわれなければならない、しかもきわめて重要な研究に対してはなはだ無関心でおられる。そして各省庁がばらばらである。縦の連絡も横の連絡も全く通じていないというようなことでは、私は重大な問題だと思うのです。足元からくずれているのです。われわれは最高の科学技術を追うことも重要でございますけれども、まず国民生活に密着した重要な足固めからまじめに真剣に謙虚にやらなければならないと思います。この機会に総理の御決意を伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いま吉田君の御意見、ごもっともです。その高い技術水準、われわれが日本の技術水準を高めるということも必要でしょうが、まだもっと生活に直結したようなそういう点の技術、科学、そういうものと取り組む、そういうときではないだろうかと私も思います。  また、そういうように考えれば、各省ばらばらであるはずはないのです。必ずこういうものは政府の形において思想統一ができるはずであります。そのことをすることによって、初めて本事故に対する政府の改悛の情とでも申しますか、そういうものが改められたと、こういうことにもなるんではないかと思いますし、また、ただいま御指摘になりましたような身近なものにわれわれがもっと真剣に取り組む、そういう方向にわれわれの今回の事故からの考え方を統一していかなきゃならない。これが国民の期待にこたえる義務だろう、かように思います。ありがとうございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 この機会に、政府みずからがこの種の問題で大きな反省をなされなければならない。この問題についての政治責任をすみやか明確にされなければならないということを要望いたしまして、私の質問を終わります。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 次に寺前巖君。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 一問だけお尋ねしたいと思います。  今回のこの事故が生命軽視のずさんな計画であり、その実験であるというふうに私は言えると思うのです。また、川崎市当局の管理している公園の中において実験がなされた。非常に好意をもって実験地を提供してもらったのであるが、そのときの約束ごとに安全管理のことが指摘してある。それにもかかわらずその責任を果たさなかった。また、実験の結界から見ても、崩壊実験じゃなくて地すべりというか、がけくずれというか、違う形になってあらわれているという事実に見られるように、あるいは関係者の間では、事前にすでに地すべりの姿が感知できたといわれている状態であるにもかかわらず、それらの人たちを民主的に集めて十分相談するという、そういう体制になかったために、危険なことが予知できる状況のもとにおいて、報道関係者その他の人をこの実験に参加させた。私はその責任はきわめて大きいものがあると思います。  先ほど総理は、防災に対処する姿勢を持ってきたということをお話しになりました。しかし、今回無謀な実験が行なわれている。これは国民の中にある——たとえば政府当局の資料によっても、急傾斜地崩壊危険区域というのが一万三千三百二十四カ所ある。毎年毎年、その崩壊とその死者がふえていっているという実情、国民が非常に大きな注目を払っている状況の中において、政府はこんなりっぱなことをやっているという見せかけ的な実験をやりたい、そういう功をあせるという思想がそこに流れたために、じみちな民主的な方法によって実験をするという十分な体制をとらなかったことになったのではないか。したがって、私は、今後この種の実験については、見てくれ式のヒットを打つというような、そういう性格の実験はやるべきではない、もっとじみちに研究というのはやるべきだ。そして同時に、いま国民が持っている急傾斜崩壊危険区域が一万三千何ぼある。去年の例から見ると、九億しか、予算を組まれていない。今度の概算要求を見ると、その倍になっている。その対象個所はわずかその一割にしかすぎない。一方で、十分な体制をとっていないところから、研究に期待をかけてそこで宣伝しようとする。このやり方を改めるためにも、この急傾斜地崩壊危険地域、これに対する全面的な防災の予算を組むべきだ、そして国民に謝罪を明らかにすべきだと私は思うんだが、総理の見解を聞きたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 寺前君にお答えいたします。  私は、今回の実験がいわゆる国民に見てくれの実験をやったんだ、かように言われることは必ずしも当たらないだろうと思います。私は、やはり科学技術庁といたしましても、また各省といたしましても、地すべり地帯が非常に多い、おあげになりましたように、全国的には非常に多い。しかもまた、その災害をこうむった方が非常に多い。それらのことを考えると、こういうものが事前にどういうようにして防げるか、また、どういうような程度ならその危険を感ずるか、こういうようなことでその防災はどういうようにするかというような、いろいろのものをこの実験からつくり出すつもりであったと思っております。私は見てくれだと言われることには抵抗を感じますが、しかし、いずれにいたしましても、この種の事故を起こして、しかもただいまとうとい生命を失った方が、あるいは報道班の関係者であるとかあるいは写真班であったとか、そういうようなことを考えますと、いま寺前君が御指摘になったような何か政府はこの実験を誇示する、そういうこともあったんじゃないかという、そういうような疑いを持たれてもこれはしかたがないと思います。  私は、それらの点は、これからもちろん反省すべきことだと思いますが、しかし、私は、何よりも先ほど来のお尋ねと同様の点をやはり寺前君も御指摘になりたかったろう、いままでの方がみんなそれぞれ話をしていらっしゃいますから、全然同一のわけにもいかぬので、別のことを御発言になったんだろうと思いますが、私はそういう意味からも、今回の実験に研究の方々も非常な好意をもって公園地帯でも提供された、それに対してもわれわれが十分に万全の対策を立てて実験に臨まなければならなかった、そういう点に大きな抜かりがあったんだ、これは何よりもわれわれが反省しなければならないことであります。この点はただいま寺前君の仰せのとおりであります。  私は、その点について、いままでも皆さん方のお尋ねについて、また御意見について、率直に謙虚に御意見を伺ってまいりましたが、寺前君のお話につきましても謙虚に御意見を伺い、また、国民の皆さんに対しましても、各党を代表してのお尋ねではありますが、同じように私自身は各党の代表を通じましても国民におわびしたい、これに変わりはございません。まことに残念なことでございます。ありがとうございました。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 次に田川誠一君。

田川誠一自由民主党

○田川委員 先ほど私の発言に関連して、予算が足りなければやらなければいいではないかということをおっしゃいました。石川委員が、それに関連して御意見をおっしゃいましたけれども、予算が足りなければやらなければいいじゃないかということばは、御訂正をいただきたいと思います。これは重大な問題だと思うんです。私どもは、科学技術ばかりでなく、どこでも予算が足りなくてみな一生懸命やっているんですからね。私どもは、先ほど申し上げたのは、予算が足りないから事故が起こったということを申し上げたんじゃないんです。予算が乏しい中に一生懸命やっている、そういうことで手抜かりも出てくるんじゃないか。根本的な原因は、先ほど私が申し上げたとおりでございまして、先ほどのようなおことばでは私ども満足できません。  特に、科学技術は総理も御承知のように、科学技術庁長官もおやりになった、この委員会も超党派で日本のおくれている科学技術を少しでも何とか前進させたいということで、超党派で一生懸命やっております。あまりなり手はいないんですよ、この科学技術の委員は。そういう中で予算が足りなければやらなければいいということばは適当なことばではない。私はこれはお取り消しをいただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私は、予算がなければやらなければいいというような、そう簡単にいまのように取り消される筋のものではないと思います。これはやはり何と申しましても、安全第一にものを考えるんだ、予算が不足だからいいかげんな計画を立てる、そういうことは弁解にならない、こういうことを実は申し上げたいのであります。必要なる予算はもちろん皆さん方の御審議を得て、そうして予算案はでき上がるのでありますから、政府だけがつくるのではありません。そういう意味で御協力を得なければならない。毎年、科学技術庁の予算、新しいものについてもいろいろ検計はされてまいりますが、それらの点について、私は予算を消減するという気持ちで申したわけじゃございません。しかしながら、どうもとかく事故が起きた後に、予算が不足だから、こういうようなことをしばしば言われます。そういうことは弁解にならない、こういうことを実ははっきり申し上げたいのであります。  したがって、ただいま取り消せとおっしゃっても、これは私むしろ言い過ぎだろうか、私と田川君との間に誤解のないようにその点はいたしたい。だから必要な予算は、もちろんわれわれは請求し、また要求し、それを計上するにやぶさかではございません。だけれども、現実に具体的な問題に当面して、予算が足らない、それでもなおかつそれを実施する、これぐらい危険なことはない、そういうことを私は申し上げております。

田川誠一自由民主党

○田川委員 いま総理がおっしゃったことはあたりまえのことですよ。予算が足りないからという理由で事故を隠蔽するようなことはできない、このことはだれだってわかるわけです。しかし、先ほどの御答弁は、そういうふうにおっしゃっておりません。これは速記録をごらんになればわかります。これは私どもも見のがすことはできない。そういう意味でおっしゃったような発言ではありません。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいまの点は、私はいま申し上げたような意味で申したのですから、十分速記録を御検討願います。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 以上で佐藤内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。  次に、佐藤総理大臣が出席される前の寺前委員の質疑に対する答弁を求めます。平泉国務大臣。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 先ほど、計画がずさんではないか、こういう御質問でございます。その第一点につきましては、当事者といたしましては最良の注意を込めてつくった計画であると思います。しかしながら、実際の事故を見ますと、私は、やはりこの計画そのものを根本的に再検討しなければならぬ、この点におきまして、御指摘の点につきまして十分反省をいたさなければならぬと思っておるのでございます。  第二番目、川崎市との関係についてお話しになりましたが、私、事件当夜も川崎市長とずっと御一緒におりまして、川崎市長から市長御自身のお気持ちにおいての御不満な点、十分伺っております。川崎市との関係につきまして十分善処いたしたいと思っております。  第三点、民主的な科学者、こういう方々とも十分協議したもっと広い多角的な検討が必要ではないか、こういう御指摘でございます。私が昨日も各所長を集めまして厳重に注意いたしましたのも、まさに狭い研究のグループ、それだけで立案し、それだけで実施するということでなしに、多角的な視野が加えられるようなくふうをしてもらいたいということを申しております。  以上の諸点につきまして、今後とも十分注意をいたしまして、抜本的な対策を立てたいと思う次第でございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 それじゃ時間のようでございますので、私は最後に、先ほど総理に申し上げましたけれども、学問というのはじみちに、民主的にやらなかったならば、それが一時的な時代に便乗するような形でやった場合には、必ず何らかの事故を起こすものだという意味においては十分反省する必要がある。そうして、いま国民が求めているのは、先ほども言いましたように、防災実験をやってくれるということは何も否定はしていません。しかし、やってほしいのは災害が起こるということのないようにやってくれ、このことが全面的なものであって、その一部としての防災実験というのがあるのであって、その防災実験が、やるべきものをさておいてこれをやっておって、いかにもやっているというようなことにしようとしたときにはたいへんなことになるということを十分理解してもらって、私はこの問題に対する政治的責任を明らかにしてもらいたいということで終わりたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川政府委員 先ほど吉田先生から御質問ございました日にちでございますが、これは四十六年、ことしでございます、四十六年六月九日にこの実験計画の承認を行なっております。決裁は研究調整局長でございます。

渡部一郎公明党

○渡部委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時三十七分散会

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