社会労働委員会、運輸委員会連合審査会 閉会後第1号
- 発言数
- 567 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/10/13
会議録
○委員長(中村英男君) これより社会労働委員会、運輸委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。 日本国有鉄道の不当労働行為に関する件を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。
○藤田進君 議事進行。きょうの発言順位あるいは時間等、われわれまだ承知いたしておりませんが、いま理事から仄聞いたしますと、割り当て時間等、まことに了解しがたい状態であります。このままおやりになりますと、国会というところは一回やれば、それが先例だとかというようなことになって、われわれも発言をしたいわけでございますが、そういう点を委員長どうお考えになりますか。(「制限なし」と呼ぶ者あり)この連合審査会としては、まだ何ら聞いておりません。
○委員長(中村英男君) これはまた妙な発言ですが、きのう理事会で持ち時間を打ち合わせをして決定したことを御理解と私は思っておりますが、連絡ないですか。
○藤田進君 はい。これはやはり委員長からきょうの進行についてどういうふうに、順位はどうとか、大体これは事務局がそれぐらいの用意をすべきなんです、記録にも何も載らないですしね。事務局どう考えているんです。
○委員長(中村英男君) きのうそれでは連合理事会で決定したことを御報告申し上げて御理解願いたいと思います。 順序は自民党、社会党、社会党、社会党、公明党、社会党、社会党、民社党、共産党。持ち時間は一人約一時間。社会党は三名でしたが、申し込みがございましたので、五名で三時間を消化していただく。この一時間は往復です。こういうことを理事会で決定いたしましたから……。御異議ございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)藤田さんよろしいですか。
○藤田進君 まあ事の性質上、一つの目安としては、これはわが党出身の委員長でありますだけに、協力いたしたいと思いますが、しかしその辺の裁量、運営については十分ひとつ万遺憾なきを期していただきたいことをつけ加えておきます。
○委員長(中村英男君) これは大体目安ですから。——それじゃ御異議ございませんな。
○鬼丸勝之君 今回のいわゆるマル生運動にまつわる国鉄当局の不当労働行為につきましては、すでに御承知のように国鉄当局が、公労委の出した陳謝命令を受諾し、実行するということになりましたけれども、国民の立場から見てまことに遺憾な点があると存ずるのでございます。私は、当局に対して心から謙虚に反省することを求めますとともに、これからのいわゆる純粋の生産性運動をどう進めるかに重点をしぼって若干の質問をいたしたいと思います。 まず、国鉄が昭和四十五年度から進めておりますこの生産性運動の意義、目標とその成果について伺いたいと存じます。いわゆるマル生運動というこの運動は、本来ILOのフィラデルフィア宣言に渕源して世界各国で生産性向上運動として行なわれておりますし、日本でも日本生産性本部が推進いたしてきたことは御承知のとおりであります。しかし、いまやいわゆるマル生運動は国鉄の専売品のように受け取られている向きがある。ジャーナリズムにおいてもクローズアップされ、最近はサラリーマンの間でも、あまりいい意味ではないようですが、流行語にもなろうとしておるような状況にあります。国鉄の言う生産性運動、これは生産性向上ということをあえて言っておらないようですが、一般の生産性向上運動とは、その意味においてどういうふうに違いますか。これが第一点。 また、その具体的な目標は何ですか。第二点。 なお、四十五年度から一年有半にわたって、今日まで実施されておりますが、その成果——マイナスの面の成果は、大体私も新聞等で承知しておりますので、プラス面の成果をひとつ聞かせていただきたい。 以上三点について、簡潔、明快に御答弁を願います。
○説明員(磯崎叡君) ただいまの御質問にお答えする前に、私のほうの現時点における心がまえと申しますか、それをまず申し上げさしていただきたいと思います。 去る八日に、公労委の命令書が発せられましたが、種々慎重に検討いたしました結果、私といたしましては、いまや国鉄は創業百年を迎えまして、前途に非常に輝かしい新幹線その他の未来を見出しつつも、現実は有史以来の難局に直面いたしております。私はその責任者といたしまして、従来ともほんとうに微力を尽くしてまいりましたが、昨今のいろいろな情勢、これは労働問題に限らず、財政問題その他全般的な状況にかんがみまして、あらためて国鉄法第一条並びに公共企業体等労働関係法第一条に明白になっております企業を健全に発展させ、そして公共の福祉の増進、擁護をはかるという原点に立ち返りまして、四十万職員各自の信念と自覚を喚起して、国鉄の再建をはかる所存を新たにした次第であります。その立場に立ちまして、私は去る八日、公労委から発せられました命令を受諾し、かつ実行することといたした次第であります。これまで純粋な生産性運動が、いわゆる不当労働行為によって歪曲して理解された事例があったことは、はなはだ遺憾でございます。まして生産性運動に名をかりて、不当労働行為を行なうことは許されないことでございます。本来、国鉄における生産性運動は、国民への誠意、国鉄への愛情と、この二つを基調とするものでございまして、それはあくまでも職員自身の信念と自覚が、その基調の要件にさらに必要なものだというふうに私は考えます。何と申しましても四十数万という大きな世帯でございまして、その刷新には若干の時日がかかるかと存じますが、私はみずからの責任におきまして、いわゆる労使双方の不信感の払拭ということに全力をあげまして、そして国鉄の再建に邁進いたしたいという決意でございます。国民の皆さま方の御理解と御協力をお願いする次第でございます。 さて、ただいまの御質問でございますが、いわゆる生産性運動の理念、歴史等につきましては、すでに諸先生御承知でございますので、その点には詳しく触れませんが、まず、国鉄における生産性運動の目的、それが民間企業と違うかどうかという点でございます。これは各生産性運動の理論の中にも、各企業ごとにこれをそしゃくして、そして企業ごとの目標を定めてやるというふうなことになっておりまして、私のほうは、わが国の国民経済の実情に応じた国鉄の維持、発展、それから社会への奉仕と公共の福祉の維持ということを中心として考えております。現在の経営状態あるいはいろいろな法的規制から申しますと、いわゆる成果の配分あるいは雇用の拡大という点につきましては、むしろ非常に困難な事態にございます。私どもはそういうことができるようになる時代を目的としつつ現在の段階におきまして、全力をあげて国鉄経営のあり方をよく職員に理解させ、そうして職員のモラルを高める、そうして国鉄の持っている社会的責任を完全に行なうということを目標としているわけでございます。 その成果でございますが、なかなか具体的にどうこうと、収入が幾ら上がったというふうな成果は申し上げにくい点がございます。これは事柄が一種の精神運動でございます性質上、数字的な、いわゆる計量的な成果は非常にむずかしいというふうに考えます。しかしながら、現在、生産性運動に参加している職員は、四十数万の中で約二十二万ぐらいおるというふうに推定されます。これはもちろん組合の所属のいかんを問いません。また、組合に所属していない職員もございます。そうして職場におきましては、生産性の推進グループあるいはプロジェクトチームというふうなものをつくりまして、あるいは運転事故の防止あるいは収入の増加あるいは近代化・合理化への適用というふうな具体的な項目、これは地域によって非常に置かれております情勢が違いますので、たとえば東京における国鉄の情勢と北海道における国鉄の情勢とは交通機関としての使命に相当開きがございます。したがって、全国一律な、具体的な目的はなかなか発せられませんが、各地域、地域におきますその地域の具体的なものをつかまえて、各地方、各職場のおのおのの特質を生かして積極的に活動しているという次第でございます。
○委員長(中村英男君) 一言申し上げます。 本日、政府側は、労働大臣、労政局長、運輸大臣、鉄道監督局長、国鉄側から国鉄総裁、副総裁、職員局長、監査委員長が出席しております。 なお、時間が制限されておりますから、質問の方も、ことに答弁の方は簡潔、明快にお願いいたします。
○鬼丸勝之君 ただいま御答弁のありました生産性運動の成果というものは、数字的に、あるいは金額としては出てこないということはよくわかります。ただ、国鉄当局がいままで熱心にやってこられておるいわゆる近代化と合理化の問題には、どういうふうにこの運動が寄与しておるとお考えになりますか。この点、もう一つお答えを願いたい。
○説明員(磯崎叡君) 国鉄の近代化・合理化には、当然ばく大な投資を伴うとともに、職員の労働条件に大きな変化がございます。したがいまして、近代化・合理化をやっていきます際には、十分職員側の了解を得、また協力を得ていかなければできないことでございます。この運動につきましても、職員が、近代化・合理化、たとえば電化をするという場合には、どういうふうなことが実際に行なわれるのか、あるいは複線化する場合には、どういった事態が起こるのかということを十分認識してもらいまして、そうして、それに応じた職員の再配置、再配分等を考えるというふうなことの基礎になっているというふうに考える次第でございます。
○鬼丸勝之君 ただいままでの総裁の御答弁なり、あるいは十一日に発表されました総裁談話による決意の表明をあらためて伺って、この生産性運動というものは、その本旨におきましては、まことにこれはけっこうなことであり、また、国鉄が今日膨大な赤字をかかえて未曽有の難局に直面しているときに、この運動の必要性を私は十分認めるものであります。現に昭和四十五年度の監査報告におきましても、この生産性運動は相当高く評価されておる。しかしながら、この運動の趣旨はまことによいといたしましても、運動のやり方に当を得なかったのではないかと思われるのであります。特に今回、公労委の陳謝命令を受諾し、実行せざるを得なかった。そういう裏づけの事態は、生産性運動の本来の機能を逸脱したものと言わざるを得ないのであります。こういういわば異常とも言われる事態が生じましたのは、その原因は一体何だとお考えになりますか。また、こういう事態のあらわれとしての不当労働行為の中止命令の申し立てとか、あるいは提訴が、これは新聞等によると、いろんな数字が出ておりますが、一体現にどのくらい出ておるか、あるいは今後どういう見通しか、この点も、原因の問題と合わせてお答えを願いたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) いわゆる純粋な生産性運動が、不当労働行為というものによりまして歪曲されて理解された、それはなぜだろうという御質問だと思いますが、これは、生産性運動を実施いたしていきます際のいろいろなやり方その他について、反省すべき点があったというふうに考えますが、また、現在公労委に申請されております案件は十三件あります。今後の見通しは、ちょっとわかりませんが、目下のところ十三件です。
○鬼丸勝之君 ただいま、いま申請されておるのは十三件というお話がありましたが、新聞等の情報によると、八十件とか七十九件とか四十件とか、いろいろございます。まだ今後も出てくる可能性が相当あるのではないかと思われますが、こういう状態になっておることは、確かにお話のように生産性運動が非常に歪曲されておる、第一線のほうでゆがめられて行なわれておるという事実がそこにあると思うのでありますが、その事実の中で、新聞等の論調その他によりますと、一番大きな問題は、一種の労組の組織争いというものが行なわれておる、あるいは組織の切りくずしといいますか、あるいは既存の組織を無視して進められておる、こういうこと、少なくともそういうふうに疑われる結果を招いておるという事実があるということが、この歪曲された生産性運動、本来不当労働行為とは全く関係のない生産性運動が今日の異常ともいうべき事態のもとになっておるのではないかと思います。そこで、いわゆるこれから原点に立ち返って、生産性運動を純化していく、いわば軌道修正を行なっていこうというのが総裁の先ほどの決意であったろうと思いますが、私は総裁が十一日の談話で、みずからの責任において、全力をあげて労使双方の不信を払拭し云々と言われておりますが、これはどうも抽象的で明確でありません。私は、国鉄側も今後労働組合の組織問題には介入しないという態度をはっきりすべきであると思いまするし、また、不当労働行為、少なくともそう受け取られるような行為は一切やらないという、きびしい態度をとることによって、労使相互の信頼関係は取り戻すことができると思うのでありますが、総裁の私の意見に対する見解とあわせて、この不信を払拭し云々の具体的な方途をひとつお答え願いたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) 不信の払拭と一言で申しましても、なかなかむずかしい点があると思いますしかし、その具体的な方法につきましては、いろいろ考えられますが、要は私どもと組合の幹部との意思が疎通するかどうかということの問題であり、国鉄の現在置かれている立場におけるわれわれの立場をどう見るか、また、その中における組合の立場をどう見るかという、お互いの立場に対する一つの見方の問題であるというふうに私は考えます。そういうことを前提といたしまして、今後の不信感の払拭ということにつきましては、極力私みずからの責任で、直接の責任でやってまいりたいという気持でございます。
○鬼丸勝之君 総裁、私はちょっと意見を、意見というか、提案的な意見を申し上げたのですが、組合の組織問題には介入しないということと、今後不当労働行為と思われるようなことは一切やらない、これはひとつはっきり末端まで浸透させるべきだと思いますが、この点いかがですか。
○説明員(磯崎叡君) 失礼いたしました。ただいまの点、御答弁落としました。私はもちろん労働組合というものは憲法によって団結権を保証され、そうしてそのもとに行動しているものである以上、それの団結権を妨害するようなことは一切いたしません。また、そういうことのないように、現場の末端まで浸透させるということを、この席においてはっきり申し上げさせていただきます。
○鬼丸勝之君 そこで、次にちょっと具体的な問題になりますが、今回の不当労働行為を行なった管理者に対して、今後のマル生運動を純化するためにも、情状に応じて適正な処分を行なうべきだと思うのでありますが、この点はいかがでございますか。
○説明員(磯崎叡君) 管理者に——管理者と申しますか、これは全体を含めての問題でございますが、私はケース・バイ・ケースによりまして、適宜な措置をとってまいりたい、総合的な措置をとってまいりたいというふうに考えます。
○鬼丸勝之君 総合的な処置、処置には処分ももちろん含まれていると理解してよろしゅうございますね。一ぺんに聞きますわ。そこ女労働組合員で、この生産性運動に関連して、違法行為をやった、あるいは職務命令違反の行為をやったというふうな事例が若干あるやに聞いておりますが、また今後も予見されると思いますが、これに対しても適正な、厳正と言ったほうがいいかもしれませんが、処分は、当然おやりになるでしょうね。その点も一つあわせて伺っておきます。
○説明員(磯崎叡君) 私が申し上げました総合的な措置というのは、あらゆる措置でございまして、なお組合員……
○鬼丸勝之君 処分を含むのだろうと……。
○説明員(磯崎叡君) その点は、いわば措置と申しますのは非常に広い意味でございまして、人事的な措置と、こういう意味でございます。また、組合員の中で、こういった問題に関連した人もあるかというお話でございますが、正確にはまだはっきりわかっておりません。しかし、あるかもしれませんし、また、その点はあったとしてもたいしたことではないと申しますか、次元が違うと申しますか、具体的な事象がちょっとわからない点がございますので、この席ではっきり申し上げる段階に至っておりません。
○鬼丸勝之君 総裁は、生産性運動は国民への誠意と国鉄への愛情を基調とするもので、それはあくまで職員各位の信念と自覚によってのみ発展させなければならないと考えておると言っておりますね。ただ、これだけでは、これもやや浪花節的なお経の文句みたいな感じもいたしまして、これだけでは十分成果は期待し得ない。私が先ほど来申し上げることのほかに、今後第一線の管理者が労働組合員との十分話し合いの場を持って、生産性運動の純粋な正しい趣旨あるいは国民のための国民の協力による国鉄再建策、その中での特に近代化とか合理化の問題、こういうことを十分話し合いを進めて組合員の理解と協力を得るように最善の努力を尽くすべきだと思うのでありますが、さらに、そのための管理者の教育が、どうもいままで不十分な点があったのじゃないか、これを十分徹底してやる必要があると思いますが、この点についての御所見を伺います。
○説明員(磯崎叡君) 今後この運動を進めていく際の管理者の教育等につきましても十分注意して、具体的な指示、方向のもとにやらしてまいりたいというふうに考えます。 また、その他の点につきましては、ただいま先生のおっしゃったとおりでございます。
○鬼丸勝之君 次に、労働大臣に伺いますが、ある新聞の社説に出ておりましたけれども、「労働大臣はマル生問題の実態を明らかにし、異常な事態を解きほぐす努力を続けると言っておる。」ということが書いてあります。このとおりだろうと思いますが、大臣は、国鉄に対して事実上の仲介というか、の労をとられて、この労使関係の正常化また生産性運動の正しいあり方に対して何らかの指導なり助言をなさるお考えがありますか。この点をひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) 鬼丸さんにお答え申し上げます。 その仲介に入ります経過等、それから私の考え方を一応申し上げたいと思いますが、九月の三十日に国労の代表、委員長、副委員長等がおいでになりまして、いわゆる不当労働行為が非常に行なわれておる、ついてはこれはもうほうっておくべき事態ではないから善処を望むという御意見がありました。私はそのときに考えた、事態はやはりきわめて深刻である。労使双方の不信感はかなり深いものがある。感情はきわめて先鋭化しておるという判断に陥りまして、さっそく翌週の十月の五日には運輸大臣にお会いしまして、私の判断ではもうすでに私はこれは純然たる深刻な労働問題に変わっておる、労働大臣としては放置しておくことは悪循環をするから、この辺で何とか事態を収拾できればよろしいと思って運輸大臣にも了解を得ましたところが、仲介の労をとってよろしいということでございました。それで、その後十月の八日金曜日に国鉄総裁に労働省へおいで願って、まず事情聴取ということから始めまして、事情聴取は事情だけでなく、私の意見も若干申さざるを得ないことになって、かなり、一時間半にわたって国鉄当局からも事情を聴取いたしました。それから、九日の土曜日には国労、動労及び鉄労この三労働組合の代表者においで願って労働省でいろいろ事情も聞きましたし、私の意見も申し上げたような次第であります。それで、いまも申しましたように、労使双方の不信感がきわめて深い、こういう不信感がある間は国鉄の再建はおぼつかないし、生産性向上もまたおぼつかない、まず両者の不信感を払拭することが根本であるし、第一歩である、こういうふうに私は判断いたしまして、何とか仲介の労をとろうと思っていま踏み出しておる最中であります。だんだん話がそれから進んでまいりまして、いまもお話がありましたように、十月の八日には公労委が不当労働行為であるということを認めて注意を発しまして、それから十一日の月曜日には国鉄総裁はこの公労委の注意に服するという声明を出して、いま申し上げたとおりであります。それから、一昨日は衆議院の社労委員会において十時間あまりにわたっていろいろ質疑応答等を繰り返して、大体事態が明らかとなってまいりました。それで、私のいままでのところでは、具体的に、さて仲介をどうするかということはいま検討中でございますが、とにかく一昨日は双方でちょっと話し合いが始まったような次第でございまして、話し合いのルートがつきそうになってきたというのが本日現時点の状況でございまして、私としては、できたら双方において自主的、建設的なまず話し合いから入っていただくことがよろしかろうと期待をいたしておるところであります。
○鬼丸勝之君 ただいま労働大臣から、現時点までの経過等を伺いまして、大臣の御努力に敬意を表する次第であります。どうかひとつ、せっかく仲介の労をとられることになりましたから、最後まで十分にひとつ御尽力願いたいと要望いたします。 それから運輸大臣にお尋ねをいたしますが、日本国有鉄道法の第五十四条の監督規定がございますね、これには監督命令と報告を徴することができるという規定がございます。「公共の福祉を増進するため特に必要があると認めるときは、」「監督上必要な命令をすることができる。」と、この監督命令は、本来こういう労使関係の問題には当てはまらないと思いますから、監督命令を出す筋ではございませんが、しかしこれだけ世間にも話題になっておる問題につきまして、国鉄の監督大臣として、少なくとも国鉄に対して正式に報告をさせる必要はあるのではないかと思いますが、いままで今回のことに関連してどういう報告を徴しておられたか、この点をひとつまず伺いたいと思います。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの監督権限に基づいて報告を求めたかどうか、こういう御質問だろうと思いますが、こういうふうな事態に立ち至ったのだからと、こういうまた御趣旨であろうと、こう思う次第でございますが、実は私、もとより不当労働行為の、これが不法であり違法であり、なすべきでないことはむろん当然のことでございまして、それが提訴されておりましたときにおきましても、これはやはり公平なる第三機関の判定にまつべきものでございますので、その成り行きを見守った次第でございますが、しかし、最近におきまして国鉄におきまする労使問題におきまして、非常に先鋭化しておるというような事態は、非常に私は憂慮をいたしておる次第でございます。これは何と申しましても、国鉄再建の基礎はやはり国民の足としてその安全を確保し、そうしていまの危機の再建をするのには、労使がほんとうに協調して、その基礎に立ちまして初めてなし得ることでございまして、それが不信感に非常に包まれておるということは、ほんとうに何とかなってもらいたいものであるということを考えた次第でございますが、たまたま原労働大臣からそれらの問題につきまして御相談がありまして、全然私と意見が一致でございました。労働専門の大臣にそれではぜひお願いしたいということで成り行きを見守った次第でございます。それに伴いまして、先般十一日に国鉄総裁が、現実を直視して、それで率直な反省のもとにあらゆる問題につきましてみずからの努力によりましてこの点を打開して、労使のほんとうの協調をはかっていくという意図でやっているということでございまして、もとより私のほうは国鉄との間は鉄道監督局というのがございまして、それによりまして鉄道の状態を常に見まして、これがほんとうの国民の負託にこたえるような運営をしているかどうかということを監督をしている次第でございまして、私ども不敏ではございますが、常にその状況を監督局を通ずるなり、また国鉄首脳部を通ずるなりして判断をいたしておる次第でございますので、いまあらためてそういった監督命令を出すということはいたさないつもりでございます。
○鬼丸勝之君 よくわかりました。監督命令を私は出す必要はないと思っておりますが、今後こういう事態の推移等を明確に把握するために、報告等は十分ひとつ徴されたほうがよろしいのではないかと考えております。 最後に運輸大臣にもう一点伺いまして私の質問は終わりますが、生産性運動は、先ほど来総裁からもるるお答えがありましたように、労使協調を基盤として労使相互の信頼関係の基調のもとに今後も一そう推進していく必要があるということを考えておりますが、この面で運輸大臣も側面から御指導と申しますか、あるいは応援をしていただくという必要があると思います。ただ、今日の国鉄の現状からいたしまして、精神力、精神運動と申しますか、そういう努力だけではなかなか再建の効果があがらないと思います。私は国鉄再建のために、運輸大臣を中心として政府が強力な財政的な援助をして、あわせてこの再建に取り組む、精神力の高揚をはかる、職員一般の努力を要請するということが、今後の純粋な生産性運動を実りあるものにするためにも必要なことであると思いますので、これは要望になりますけれども、どうかこの点についての、来年度の予算編成も迫っておりまするし、大臣の御所見を伺い、あわせて私の要望をいたしまして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま鬼丸委員の御趣旨ごもっとも、当然のことでございまして、今日の国鉄が非常に財政的に危機に置かれているという点でございます。また社会交通資本の投下のおくれておる現状でございます。私はそれらの点につきまして、国鉄がほんとうの再建を財政的にするためには、どうしてもやはり国の援助、出資というものが非常にいま必要である、それらの方法につきましては、せっかく四十七年度予算の編成につきまして、合理的経営難解消の目鼻のつくような予算を出したいというので、せっかく努力をしている次第でございますので、ひとつ一そうの御鞭撻と御協力をお願いする次第でございます。
○佐田一郎君 国鉄総裁に御質問申し上げますが、先ほどの鬼丸委員の質問に対して、国鉄の職員が四十有余万人いると、その中の二十二万人は協力しておるがということばがあったのですが、あと残っておる二十余万人の人たちは協力しておらないのかどうか、その点ひとつお尋ねします。
○説明員(磯崎叡君) 私が申し上げましたのは、二十二万人が生産性運動に賛成していると申しますか、生産性運動をやっているという意味でございまして、そのほかの二十数万が、国鉄の業務そのものに協力していないということについては全然触れなかったわけでございます。
○佐田一郎君 そこでお尋ねしますが、一体この生産性向上運動について、国鉄はどういう組織で指導しておるか。たとえば組合、国労あるいは動労、鉄労等を通じてやっておるのか、あるいは職場単位のポイントを通じてこれは指導しておるのか、具体的にひとつお聞きをしたいと思う。
○説明員(真鍋洋君) お答え申し上げます。 国鉄の生産性運動は、国鉄の生産性教育ということから下部で自主的に起こっておる運動ということでございます。で、生産性教育ということは、中央学園あるいは日本生産性本部の指導員研修を受けました者が、地方の学園等で研修あるいは教育という形で生産性教育を行なっております。で、生産性教育を受けた者が、それぞれの現場で、先ほど総裁が申し上げましたように、生産性グループ等をつくりまして生産性運動を推進しておるというのが現状でございます。
○佐田一郎君 そうすると、先ほど総裁から言われた二十二万人というのは、そういう教育を受けたいわゆる職員の数をいうのであるか、あるいは団体のいわゆる員数を言っておるのか、この点、総裁どういうことですか。
○説明員(真鍋洋君) 教育は現在年間で、中央でやりますのが約四、五千名、地方を入れまして約五万名ぐらいの速度で進めておるわけでございますけれども、それらの者が核になりまして現場機関でそれぞれ話し合っていくという形で生産性運動が広がっておるわけでございますけれども、そういったグループあるいは学習グループというような形で教育を受けませんでも、この運動に参加して生産性を高めていこう、労使協調して国鉄を再建していこうということに生きがいを感じてこれに加わっておる者がふえていっておるというようなのが現状でございます。
○佐田一郎君 そこで総裁にいま一度お尋ねしますが、この二十二万人というのにこだわるわけじゃございませんけれども、動労や国労、鉄労というものは、生産性運動については基本的には賛成して協力しておるのかどうか、この点ひとつお尋ねしたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) 組合の中のことは、私十分存じませんが、ただ、いま申しました約二十万人をこす生産性運動に賛成し、また挺身している者の中には、これは組合のいかんを問わず、あるいは組合員でない、どの組合にも所属していない者が入っている。国労も動労も鉄労もみんないる。しかし、どの組合が何人ということ、そこまでは調べておりませんけれども、どの組合の職員もいるということでございまして、各組合がこの運動に対していろいろ違った意見を持っていることは大体承知いたしておりますが、正確にどの組合がどういうふうな意見だということは、やはり組合の文書その他ございませんと誤解を生じますので、この際はこの席では申し上げられないと思います。
○佐田一郎君 そういうことで、各組合というものも基本的には賛成をされておる。組合員の方でも賛成しておる者と、あるいは協力性のない者もある、こういうふうに受け取れるわけですが、そこで私は、今度の問題点はおそらく総裁の意思ではなかった、こういうふうに私は善意に解しておるわけですが、この点いかがですか。
○説明員(磯崎叡君) 生産性運動をやること自身は私の信念でございます。しかし、不当労働行為が出てこの運動が歪曲されたことについては、私ははなはだ遺憾に思っております。
○佐田一郎君 最近新聞紙上もそうでありまするけれども、きょうの答弁の中にも総裁は軌道修正をするということを強く主張しておるわけですが、一体軌道修正というのはどういうことか。私は、角をためて本質を逸脱するようなことがあっては困ると思うんですが、この点、総裁どうなんですか。軌道修正というようなことばは、全然変わったコースに行くのか。新聞等に出ておりますが、これはどんなりっぱなよい薬でも、たとえば終戦後ペニシリンなんといういい薬が出たわけですけれども、やはり体質によっては若干副作用が起こる。したがって、今度の問題も、私は総裁の意思じゃないと思うが、そういうことで若干の副作用があったために、それがために軌道修正というか、本質から逸脱してしまうような生産性運動では何にもならないんで、この点、総裁どういうふうに考えておられるか。
○説明員(磯崎叡君) 私は軌道修正ということばは私自身使ったことはございませんです。いままでの純粋な生産性運動が、いわゆる不当労働行為によって歪曲されていた。その部分を取り除いて、本来の生産性運動に戻ると、こういう意味でございます。戻ると申しますか、生産性運動でないものが、あたかも生産性運動の一部をなすがごとくいわれた、その部分を取り除いて、そうして本来の生産性運動というものを今後続けると、こういう意味でございます。
○佐田一郎君 最後に要望いたしておきますが、私どもは国鉄の生産性向上の運動は、大多数の国民は賛成しておる。満場の全部とは申し上げませんけれども、大多数の国民は賛成しておる、これは。したがって、今度の事件によってこれが修正されるようなことがあったら、これは大きな問題であります。国鉄だけは日の丸経営では許されないんです。いま経済危機の日本が直面しておる難関を切り抜けるためには、あらゆる企業が真剣に取り組んでいるのに、国鉄だけがこの事件のために軌道修正をするというようなことがあってはならない。大多数の国民は国鉄のやり方に賛成しておるんです。こういう点を十分ひとつ意識されて、悪いことは悪いとして反省して、生産性運動については今後とも大いにひとつがんばってもらいたいということを要望して、私の質問を終わります。
○田中寿美子君 最初に私、総裁の責任についてそのお考えをもっとはっきりさしていただきたいと思います。実は私ども社会党は、夏以来全国各地に起こっておりますマル生運動に関連した不当労働行為の調査に議員団を派遣してたくさんの事実を発見しているわけです。それですから、それに基づいて追及してきたわけなんですけれども、十一日の衆議院の社労の委員会も私は一日傍聴しました。そうして国鉄側の答えもずっと聞いておりましたし、それからきょうの御発言でも、全体を通じて、総裁は純粋な生産性向上運動というものがあるんで、それを下部のほうで歪曲してしまったという言い方をしていらっしゃるわけですね。まるでそれは自分はいいんだけれども下の者が間違ったと、顧みて他を言うような言い方をしていらっしゃる。ところが実際にこれほどたくさんの不当労働行為が起こり、そうして事実五件については救済命令を受けてそれを受諾なさった。先ほど係争中のもの十三件とおりしゃったけれども、これは公労委にかかっておるもので、そのほかに裁判に出しているものが一ぱいあります。告訴中のものが全部含めて七十余件あるわけです。それから、それだけじゃない、提訴も何もしていない事件が一ぱいあるわけです。こういうふうに世間を騒がしているし、ただいまタカ派の方からの御激励がありましたけれども、総裁、ああいうことに惑わされてもらっては困る。大多数の国民が一体どう考えておるかは世論でもおわかりだと思います。ところが先ほどから、みずからの責任においてこの生産性の運動を原点に返ってやるというおことばです。一体原点に返っての純粋な生産性運動というのは何なのか、中身のお話はちっともない。それから不当労働行為に対してはケース・バイ・ケースで処置する、総合的に処置するとかいうあいまいなことばを使っていらっしゃる。その処置の中には、先ほど鬼丸委員から処分を含むのかという質問があったけれども、それは全然おっしゃらない。記者会見の席上では処分するということばを使っていらっしゃいますが、処置ということの中には、現場で不当労働行為を行なった者を処分するということも含まなきゃならない。それから私は、この運動を指揮命令した磯崎総裁、あなたがマル生運動をやり始めた方、その総裁並びにそれを指揮命令した本社の皆さん、真鍋常務理事なんかもそうですけれども、その他本社側にも十分責任があるわけです。その責任を一体どういうふうにおとりになるのか、常識からすれば、これほどの騒ぎを起こしたならば、自分が責任をとらなければならないということばが出るはずだと思う。みずからの責任においてというのはどういうことでございますか。
○説明員(磯崎叡君) ただいまいろいろ御質問がございましたが、先生のお話の中で、私が下部のほうの独断でというふうにとれるような発言をしたというようなお話がございますが、これはそうでなしに、現象が下部で起きたという意味です。その意味ではちょっとおことばのニュアンスが私どもの考えているのと違いますので、その点は、私が下部の者が独断でやったというふうなことを申したのではないということだけ申し上げておきます。 それから、私の責任においてと申しましたことは、これは私は最高の責任者でございますから、私自身の責任でやるということはことばのとおりの問題です。またいま一つの御質問で、原点に立ち返るとはどういうことかという御質問でございました。これは先ほども申しましたように、やはり私どものほうの国鉄の運営の仕事と、並びに国鉄の労使関係をきめております法律は、もちろん御承知のとおり日本国有鉄道法と公共企業体等労働関係法、ほかにもございますけれども、おもなものはそれでございます。両方の法律はくしくも第一条で、われわれの仕事としては、われわれの国民からお預かりしておりますこの国鉄事業というものを健全に発達させるということが目的である、そうして最終目的は公共の福祉を増進し、かつこれを擁護する、守るんだということが法律によってきめられております。私はこれからの考え方、また従来もそうであったつもりでございますけれども、国鉄運営の原点というものは、やはり法律第一条に示された国鉄の設置目的、あるいは国鉄の労使関係を規制する法律第一条の目的、これが私は原点だというふうに考えておる次第でございます。
○田中寿美子君 処分は……。
○説明員(磯崎叡君) 処分と申しますと、いろいろな意味がございますが、私は先ほどから申しましたとおり、ケースバイケースによりまして、総合的な措置をとりたいという気持ちでございます。
○田中寿美子君 その総合的なということばだけではわからないんですね。たとえば具体的に不当労働行為を行なった者は処分するということも含みますね。
○説明員(磯崎叡君) そういうことの全般的なことを私は総合的な措置と申しておるわけでございまして、一件、一件のケースバイケースによって考えると、こういう意味でございます。
○田中寿美子君 なぜその処分ということばを避けられるのか私はわからないんですけれどもね。それで、当然その不当労働行為を行なったということの判定を受けている者に関して、処分しなければならないはずだと思います。で、先ほど、まるでマル生運動というのは自然発生的に起こってきて、そして、それをいつの間にか二十数万がやり始めたかのような御説明がありますが、具体的に現場へ行ってみれば、そんなものでないことは、だれでもよく知っております。その一例をあげますと、たとえば新幹線、大阪の支所ですね、大阪の鳥飼ですか、あそこなんかでもちゃんと割り当てを受けて、何月何日までに何人のマル生の推進グループリーダーをつくれという命令を上から受けておりますね。それから吹田の貨車区でもそういう説明がありました。そして、八月十五日でしたか、までに、マル生の推進グループをつくれと、こういう命令を受けて、そしてしかたがないから、上から順々に助役から兼務助役とか、だんだんにグループをつくっていっているわけです。つくらしている。ですから、そんな自然発生的に起こったものじゃなくて、本社が命令している。そういうものに対して、まるで自分は純粋なやり方を指令したのに下部が歪曲したというような言い方は、これは総裁恥ずかしくありませんか、そういう言い方は。
○説明員(磯崎叡君) その点は先ほども申し上げましたように、下部で歪曲したというふうな表現は私はいたしておりません。そういう事例が起きたということを申し上げたわけでございます。私の談話の中にもそういうようにはっきり書いておるわけでございます。 それから、いまの先生のお話の中で、自然発生的に云々というお話がございました。実は、この運動のほんとうの起源から申しますと、昭和四十三年ごろから現場で起こって、たとえば国鉄をよくする会、それから新生会とか、いろいろな意味で各地で小さいグループがいろいろ出てまいりました。それは四十三年から四十四年の春にかけてでございます。いわゆる生産性運動として組織的にやったという事例以前から、一体このままで国鉄がやっていけるのかどうか、どうなるんだということについての従業員の中から自然発生的に起こった四十三年ごろからの問題でございまして、初めからいまのお話のような形で発生したものでないことは御承知のとおりでございます。
○田中寿美子君 そういうふうにおっしゃるけれども、実際には磯崎総裁になられてからマル生運動が大々的にスタートしたということ、それから、私は順序としてこういうふうな発言をするんではなくて、われわれ社会党五人が発言するものですから、時間が少ないので、それぞれ分担したわけです。ですけれども、いまのお話から言わざるを得ないので、私の順序をかえて言わなきゃなりませんけれども、マル生運動というのは国鉄の業務とは別のことで、別の生産性本部からの指導を受けてやっているものだというような説明があったけれども、実際業務内容としてさせているのですね、命令して。それで、じゃ例を一つあげますけれども、これは甲府の動力車労組の組合員なんですが、これが六月の四日、これ有泉啓という人です。この人は六月四日、機関区で遠藤助役、藤原助役から、六月十日から六月十二日まで代々木の青少年センターで生産性向上運動の講習に行けということを口頭で要請された。また浅川清さん、この人は六月三日の日に同じ藤原助役から六月七日から九日まで青少年センターでマル生の講習を受けてこいと言われた。まだもう一人あります。岡寿恵男さん、この人はやはり、倉川区長あるいは助役から、六月十四日から六月十六日まで青少年センターで講習を受けてこいというふうに口頭で言われた。しかしこれは任意のはずだから行かなかったのですね。しかし行かなかったけれども、ちゃんとその期間中は勤務して、そして甲府機関区で機関車の部品や検修作業に必要な物品の受け渡しなどの任務に携っているのです。それにもかかわらず賃金カットを受けているのですよ。有泉〓さんは一万一千四百七十二円、その間は欠勤扱いにした。それから浅川清さんは一万一千七百八十四円、岡寿恵男さんは九千五百四円賃金カットを受けている。マル生運動に参加しないために賃金カットを受けるなんてこれどういうことですか。これは業務ですよ、国鉄の業務そのものとしての命令を出しているわけです。
○説明員(真鍋洋君) 国鉄の教育訓練につきましては、教育の一環としてやっております。生産性教育につきましてもそういうことで各職種、各ポストごとに必要な生産性教育というものを行なっているわけでございます。この場合、いまお話のございましたような研修会議に参加いたしますような場合には、進んでそういった機会に参加をしてもらいたいということでございますけれども、できるだけ本人に理解をしてもらって入れるようにという指導をいたしておりまして、これを強制して行なうということはやらしていないわけでございます。したがいまして本人がそういった研修のチャンスを受けようという自発的な意思がございました場合には、研修参加の手続をとるわけでございます。その手続をとりましたあと、もしかりにそういったことに参加しないということになりますと、そこで問題が起こることがあるかと思いますけれども、ただいまお話のありましたようなことは、私どもは聞き及んでいないわけでございますので、もし必要があれば調査をしたいということでございます。
○田中寿美子君 任意だと言われましたね。これ任意であって、口頭で要請を受けて、命令じゃないのですね。それなのに、それに出なかったということの理由で賃金カットを受けるなんて、こういうふうな不当なことをするからマル生運動というのは即国鉄の業務であり、業務命令と同じような扱いをしているということになるでしょう。そんなやり方はどうですか、総裁。あなたはそういうようなやり方がいわゆる歪曲されたということを意味しているとおっしゃるのですか。だれが歪曲するのですか。
○説明員(磯崎叡君) 私はその事例いま初めて伺いましたが、賃金カットしたということについては至急調べてみます。
○田中寿美子君 これいま九月十日に甲府地裁に提訴しておりますから、知らないはずはないと思う。職員局長知っていらっしゃると思う。
○説明員(真鍋洋君) その事実につきましては私どものほう聞いておりませんけれども、本人がたとえば出張命令を受けまして出張をしませんでした場合には、出張命令というのは業務命令なんで、いまお話のように、たとえば本人が正規の業務についておるのにかかわらず賃金カットをするということはあり得ないわけでございます。その点につきましては調査をしたいと思います。
○田中寿美子君 告訴中ですから、資料すぐ手に入るはずです。ごらんになって、これ午後にお答えを願いたい。——いまお答えくださいますか、調べて。(「調べたらすぐわかるじゃないか」、「休憩」など呼ぶ者あり)
○森中守義君 議事進行。いま質問者もそういう御意向のようですから、ちょっと休憩してもらって、直ちに調べてもらう。あとに回しちゃいけません。(「休憩、休憩」と呼ぶ者あり)
○委員長(中村英男君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中村英男君) 速記をつけて。 暫時休憩します。 午後零時二分休憩 —————・————— 午後零時五十八分開会
○委員長(中村英男君) これより社会労働委員会、運輸委員会連合審査会を再開いたします。 休憩前に引き続き、日本国有鉄道の不当労働行為に関する件を議題といたします。休憩前の田中委員の質問に対し、国鉄当局の答弁を求めます。
○説明員(真鍋洋君) 調査に時間を要しまして申しわけありませんでした。 ただいま東京西鉄道管理局を通じまして、先ほどのお話の甲府機関区の有泉、浅川、岡三名の賃金請求の訴えに対します事案につきまして調査をいたしました。その事情を申し上げます。 この三名は、検査長等の職にあるものでございますけれども、六月七日からの二泊三日の代々木の青少年センターにおきます特別研修に受講するように話しておりましたところ、三名ともこの特別研修に参加をしたいという意向を持っておりまして、この七日以降のそれぞれの研修につきまして出張命令を出すことにつきましても応諾をいたしておったわけでございますが、直前になりまして、どういう理由かわかりませんが、三名ともこの特別研修に受講を拒否をしてまいったということでございます。そこで、直前の拒否でございますので、出張命令どおり行くようにという説得をいたしたわけでございましょうけれども、本人は結局この研修に参加をしなかったということが事実のようでございます。したがいまして、本人が業務命令に違反をしたということになるわけでございますけれども、争点は、本人が納得をして、この特別研修に参加するということを納得したかどうか、業務命令違反、出張命令違反でございますけれども、平常勤務についたという主張でございますけれども、管理者側は、平常勤務についたという確認をいたしておりませんので、この点につきましての賃金カットをいたしたということについて、平常勤務についたかどうかということが、甲府の簡易裁判所から地裁に移送された現在の段階で争われておるということでございます。九月十日に、甲府の簡易裁判所に訴えが出たようでございますけれども、西局にはこの事件につきましては上がっておりましたけれども、本社は十分まだ調査の段階で聞いていなかったという事情でございます。
○田中寿美子君 いまの最初の御説明ですと、三人に対して受講することについて、行くようにと口頭で言ったということになりますね。最初、もちろん業務命令ではないわけですね。そして任意——これは任意でございましょう、その任意のものを拒否したということですが、あとはこれは業務命令になるんでしょうか、すりかえたんですか。
○説明員(真鍋洋君) 教育でございますので、進んで本人が教育の機会に参加するようにということは、管理者側が常に説得をしておるところでございますけれども、本人がどうしてもこの教育には参加したくないということを最後まで言い張りますような場合には、教育の効果の面におきましても疑問でございますので、そういった場合には教育に参加させないということになります。ただ、本人が教育の内容等を理解をいたしまして、教育を受けたいということになりますと、そこで出張命令を出しております。出張命令は業務命令でございますので、これに従わない場合には業務命令違反になるということでございます。
○田中寿美子君 青少年センターでのその講習というのは何ですか、正式の名前は。
○説明員(真鍋洋君) 名前は正式には西局の特別研修という名前で呼んでおるようでございます。
○田中寿美子君 中身は。
○説明員(真鍋洋君) 中身につきましては、生産性教育を主体にしました教育でございます。
○田中寿美子君 だから、こういうことが、マル生運動あるいはマル生教育というようなものが業務の中で行なわれていて、国鉄の業務とマル生運動は全く一つになっているという事実なんですね。ですから、最初に非常にあいまいで、口頭で行くように要請し、本人がそれじゃ行きましょうと言ったら出張を切る、みんな出張でやらせているわけですね、どこでも。これはほとんど強制的に出張で行かされている人たちがたくさんある現状ですね。ですから、これはいま係争中ですから、事実本人たちは勤務についていたのに、ついていないと言っているわけですけれども、これがはっきりした場合、現場長にその責任があると思いますね。だから不当労働行為がこの現場長にあった場合には処分なさいますかどうか。総裁いかがです。
○説明員(磯崎叡君) いま先生がおっしゃいましたとおり、この事件は甲府の地方裁判所で係属中でございます。したがいまして、その決定の出るまで模様を静観いたします。
○藤田進君 関連。総裁にお伺いしますが、いま職員局長と田中委員とのやりとりの中で、当初有泉外二名、生産性教育に行きましょうという了解であったから、そこで業務命令を切ったということ、しかし後刻、理由はわからないが、行かないということになったので、自動的に出張命令即業務命令が働いて、賃金カット、こういう説明でしたね。これは国鉄の場合、私どもしばしば、まあ運輸委員会におる関係もあって、出張予定が本人の都合で延期されたり、取りやめになったり、役所の都合で中断されたり、これはもう日常われわれ知っているだけでも相当あります。ここが問題なんですね。本人が行くということでなければ、教育効果等から見ても業務命令、すなわち出張命令は切っておりませんと。しかし、このケースは出張いたしましょうということであったから業務命令を出したと、出張命令をね。この意味は、私の推定では、本人たちはその行く教育というものがいま問題となっている、これは六月当時のようですが、これはたいへんなやはり労使間に問題のあるところ、その渦中に入るべきではないというふうに解したかもしれません。他に理由があったかもしれない。しかし、いずれにしてもその業務命令、すなわち出張命令を出すという本意は、本人が喜んでその受講をする、こういう意思の人に出すというのが本来の方針だ、こういうんでしょう。で、途中から何を言ったって、おまえら、あとに戻さないぞと、懲罰だと、賃金カットだと、ここに問題の本質があるんです。これは懲罰的な扱いですね。賃金カットをしていることは事実なんですね。これは公判の判決の結果を待たなければなんというのは、少し事を荒立てるんじゃないでしょうか。どうこれを聞いてみましても、本人が途中で、これは組織に入っている人じゃないでしょうか、その辺は……。組合員ですね。組合のほうから、それはこういうものだから、当局も出張命令で行かなければ懲罰、業務命令違反というようなこともないのだし、これは行かないほうがいいですよと、そうですが、そういうことを知らなかった、それでは行きませんということで行かない者を、これは賃金カット、こういうようなことは他の受講者について、私の知っている限りではやっておりません。特定の人だけこういうことをしている、賃金カット。これは総裁、常識的にあなたが業務を総裁されてどう思いますか。これはたいへん行き過ぎ、こう思いませんか。
○説明員(磯崎叡君) 事情の内容はいま真鍋から申し上げましたが、先生のおっしゃったようなことだと思いますけれども、結局普通の命令ですと、仕事の範囲内ならおまえ出張して調べてこいというようなことを言います。しかし、教育の場合だけには、何と申しますか、やはり教育という問題ですから、本人が勉強してこようという気にならなければ、やっても意味がないということで、本人の承諾と申しますか、本人の行きましょうという承諾をとった上で出張命令を出すということだと思います。その後になって、たとえばからだのぐあいが悪いとか、ほかの仕事が急にできたとかというような場合でなしに、ただ、いま先生のおっしゃったように、組織の中の人間だから組織のほうからやめろと言われたからやめましょうということで簡単にやめていいものかどうか。一ぺんやはりやりましょうと言って、そうしてそれによって命令が出れば、それに服するのが私は業務命令だと思います。しかし、全体として多少ぎすぎすしている、こういう感じはいたします。しかし、いずれにしても現在すでに公判が開かれております。それ以上のことをこの席で申し上げるのは、公判の関係もいろいろございますから、批判はいたさないことにいたします。
○藤田進君 受講し、その研究効果があらわれてこないところにはやはり無理があるということで、出張命令の動機というものはすべて本人の意思によってという、それはその研究効果をあげるという意味に直結しているという主張なんでしょう。その意思が出張命令発令前であろうとそのあとであろうと、より積極的に受講参加したくないという意思表示がある以上、それは教育効果はあなた方の見解でいえば非常な削減をされる、なくなる。こういうたてまえを通す以上、一たん出したならば、一切出張命令はこれを取り消すことができない。そういう——これは汽車だってやっておる。時間どおりこないこともあれば、途中でとまることもあるじゃないの。それがいまのように目的を効果あらしめるためにということであれば、これはやっぱり出張命令を出した者はその実行を延ばすなり、取り消すなり——出張命令は取り消さない、そのかわり旅費は払っておく、行ってないけれども……。そうはしてない。賃金カットだと、こういうのです。そこに無理がある。ぎくしゃくと何かいま言われましたが、そこに問題があるのです。これはひとつもう一度そういうことがないように、公判中だから不利なといったって、不利であろうがなかろうが、正しい道を主張し、正しいことをやるべきですよ。これだけで何時間かかってもやりますよ、これは。
○説明員(磯崎叡君) 私、公判中だから不利だという意味でなしに、現在第三者機関で判定中でございますから、これ以上のことを申し上げかねると、こう申し上げただけでございまして、有利、不利の問題ではございません。 それから、ふだん普通の出張命令は御承知のとおり本人の意思にかかわらず、どこへ行ってこういうことを調べてこいというのが普通の出張命令、これはどの会社でもあることなんです。しかし教育につきましては、一応やはり受ける人の気持ちというものが一番大事でございますから、本人の納得を必要としている、これは正しいやり方だと思っております。一たん行きますと言ったら、特別な事情がない限りやはり行ってもらわなければいけないというふうに私は思います。しかしそこのところは、もういつ行ってもいいんだということでは、やはり管理上困ると思いますので、もちろんオーケーと言うまでにいろいろ考えること、これはかまわないと思います。しかしやっぱり、ぜひ参加しましょうと言った以上、いろいろそれによって人数の手配等もありますので、出張命令はそのとおりやってもらうというのが筋であると思います。 それからもう一つ、行かなくてさっきのお話では日常、平常どおり勤務したというふうなお話がございます。その点につきましても若干事実の問題もあると思います。そういう点はやはり第三者機関で両方の主張を聞いて、直接の主張を聞いて判断されるというふうに思うわけでございます。
○田中寿美子君 教育、教育とおっしゃいますけどね、実はこれはマル生運動なんですよね。それで現場を歩いてみますと、マル生の講習に行けという割り当てがくるわけですよね、ノルマがあるのです。それでそこにみんな行け行けと勧誘されて行くんでして、いま、それだからやむを得ず行くと言った、しかしよく考えてみたらこれはマル生運動であったからいやだというふうに考えた。この事件の場合はそうだったと私は思いますけれども、実際には現場長の話によりましても、本社から何名出せと、だからこれを募集するんだ、こういうことでございますね。ですから全く業務の中にマル生運動が結びついてしまっているということ、教育ということばでごまかされますけれども、こういうことなんですね。ですからこういう事件が起こってくるわけです。ですからこれを強要したということと、それからそれを行かなかったがために賃金カットされたと、こういう非常に不利益な処分を受けたことに対し、私はこういう不当な労働行為をした現場の責任者は処罰されなければならないと思うんですけれども、これはあくまで係争中だから答えを出さないというのがいつも総裁のことばなんです。で、これまでの公労委から出された五件についても、総裁は処分ということばを全く避けていられる、これ以外にたくさんこういう事件があるわけなんですけれども、同様な事件があるからこれを受諾しなさったんだと思うのです。ですから、そのようなことが実際にあった場合には責任者は処分しますということをいさぎよくおっしゃるのが、一番本部から命令を発せられている総裁の責任じゃないかと思うのです。みずからの責任においてとおっしゃるのは、そういうことじゃないでしょうか。総裁いかがですか。
○説明員(磯崎叡君) 今回の命令を受諾いたしましたのは、先ほど申しましたとおり、個々のケースがどうこうということよりも、全体としての、何と申しますか、私の立っている立場に立ってこれを受けたということでございます。もちろん一件一件がイエスとかノーとかというような問題じゃなしに、全体として、姿勢としてお受けするということでございます。もちろん、だからといって、一件一件を否定するという意味ではありません。その点ははっきり申し上げておきますけれども、全体として、やはり総裁として、あれだけのものを受ける際には、一件一件の事務的な認定の問題よりも、国鉄全体の姿勢としてどうするかというふうな判断に重点を置くのが、私はしかるべきものだとこういうふうに考えます。したがって、今後どういうふうな案件が出ますか、私はよくまだ十分承知しておりませんけれども、全体としての立場といういまの新しい次元に立った私の姿勢というものは、先ほど申し上げましたとおりの気持ちでございます。
○矢山有作君 関連。いま総裁、あなたはこの具体的な陳謝命令が出された五件についても、個々に具体的にどうこう言うのじゃなく、全体として、国鉄の姿勢として受けたのだと言われましたね。では、具体的な事実についてはどう考えているのですか。そういういいかげんな答弁で逃げようとしても、それはできませんよそんなことは。具体的な事実の内容をあなたは知っているのだろう。具体的な事実の内容を見て、これを具体的にどう考えているか、これを言ってくれ。
○説明員(磯崎叡君) 冒頭に申し上げましたとおり、私は国鉄の責任者として、そして法律の原点に立ち返って国鉄の再建をはかる所存だと、その立場に立ってこれをお受けする、こういうふうに申したわけでございます。もちろん命令書というものが何も抽象的なものではございませんし、私も十分熟読いたしました。ですからそういうことを前提とした上でこの命令書を受諾し、かつ実行するということを私申し上げました。実行するという以上、それは個々の具体的な問題を踏まえての問題でございます。
○矢山有作君 そんな答弁で承知できますか。あなた、国鉄の責任者としてこれを全体として受けたのだろう。私の聞いているのは、そういうあいまいな答弁では困るというのだ。そういうあいまいなことを言っておるから、不当労働行為者に対してどういう処置をとるのかと言っても、その答弁があいまいになるのだ。具体的な事実をどう認識しているのか。あなたは具体的な事実を読んだと言うのだろう。読んだのなら、その読んだ認識の上に立って具体的事実が間違っておったから受けたのなら、具体的事実が間違っておったからと言いなさい。間違っておらぬのがあるのですか。間違っておらぬのはあるけれども、総裁として、国鉄総裁の立場として受けたと、こうおっしゃるのですか、それはごまかしじゃないですか。はっきりしなさい、はっきり。いいかげんなことで逃げてはいかぬよ。
○説明員(磯崎叡君) 具体的な事実はここに五件でございますか、書いてあるわけでございますが、私といたしましては、そういうものを踏まえた上で受諾し、かつ実行する、こういうふうに申したわけでございます。
○矢山有作君 委員長、それじゃ話にならぬ。答弁のやり直しをやらせてください。私は、現場へ来ての話しかけだと、具体的に一件一件について総裁に見解を求めている。一件一件についての答えをしなさい、一件一件の。これをあなた読んでいるのだろう、読んでいると言ったでしょう。読んでなおかつ、この内容がわからぬほどばかなのか。そうじゃないだろう。よく読んでおるなら、読んでおった結果として具体的な事実に対してどう考えるのか。ごまかしてはいかぬよ、答弁を。そんな秀才答弁で抜けられぬよ。
○説明員(磯崎叡君) 私は別にごまかす意思も何もございません。いま先生のお示しになったその案件を十分熟読いたしまして、そうしてそういう事実、公労委の認定というものがここに出ているわけでございますから、この認定の事実の上に立って、それを踏まえて受諾し、実行する、こう申したわけでございます。
○矢山有作君 持って回ったように答弁するなと言うんだ。具体的事実をどう考えておるかと言ってるんだ、おれは。具体的事実について答えなさい。——委員長、これはあなた注意してください。こういうやり方何べん繰り返したってだめだ。具体的事実について、一つ一つの事実についてどう思うのかと言って聞いてるんだから、委員長はそれを答弁さしてください。そうしないと、時間食うだけです。
○説明員(磯崎叡君) 具体的事実についての公労委の認定について、私はそれを受諾したわけでございます。
○矢山有作君 具体的事実について悪いと認めて受諾するんですね。
○説明員(磯崎叡君) 公労委の認定を認めております。公労委の認定が正しいものとして認めたわけでございます。
○矢山有作君 具体的事実について公労委の認定を具体的に認めるんですね。
○説明員(磯崎叡君) 公労委の認定が五件と一件別でございますが、これを事実として認めて、公労委の認定を認めて受諾した……。
○矢山有作君 具体的事実についてですね。
○説明員(磯崎叡君) さようでございます。
○矢山有作君 わかった。
○田中寿美子君 それで、具体的な事実を認めて受諾した、つまり不当労働行為があったということを認められたわけですね。それで、静岡県の五件ですね、さっきの。その五件についてはどういう処分をなさいますか、その責任者に対して。
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、冒頭も申し上げましたとおり、ケースごとに総合的に判断して措置いたします。
○森中守義君 関連。これは総合的に判定すると、こう言われるけれども、ちゃんと法律の中に懲戒規定があるじゃないですか、これによるべきじゃないですか。だから、この中に、三十一条か、懲戒規定だな、「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合」と、ずっと列挙してある。だから、国鉄はあれですか、総裁の適宜な裁量で処分をしたり、寛大にしたり、そういうことありますか、こういうものによるべきじゃないですか。だから、いま全体でないと。公労委の認定に従ったと。こう言われるならば、矢山君が言っておりますように、事実を認められたわけだから、こういう懲戒規定の何条に該当するなら該当するというような、こういうところまで検討すべきじゃないですか。全体の判断によるなんて、そういう政治的な表現では、どうしてもこういうものは処理できませんね。もうちょっと具体的にそういうことを答えてください。(「いつ、どうするのかということも含めて。」と呼ぶ者あり)
○説明員(磯崎叡君) 総合的に措置するということを申し上げましたのは、いま森中先生の御質問のとおり懲戒規定その他の適用につきましては、総裁がきめるわけでございます。その際に、いろいろ情状と申しますか、酌量いたします。その際に、いわゆるそれに関連して起こった第三者の意見も参考にしなきゃならぬ、こういうふうに思います。したがいまして、その認定、決定書、命令書を十分読みまして、それの意見も十分しんしゃくした上で、私は総合的に判断したい、こう申したわけでございます。
○森中守義君 これはちょっと少しあとの質問の関係で出てくるような気もしますが、最初から私は聞いていてわからないのは、四十三年に、つまり精神運動というような表現も用いられて生産性向上運動を始めたと、こういう答えがさっきあった。ところが、これも私の乏しい知識からいけば、国有鉄道法の三条の「業務」は一つの基本でしょう。これを受けて九条「理事会の設置及び権限」というふうな、おそらくこういう重大な問題については理事会の決定等が行なわれなければできないと私は思うのですよ。ところが、最初何とかいう、あれはだれだ、何というのだ——真鍋常務理事というのは、いかにも自然発生的にこういう問題が起こったような印象を与えた。新聞その他の談話からいっても、しかもさっきの総裁の答弁からいきましても、置かれている地位、立場からいって私は責任を持つ、こういうお話だった。ですから、マル生運動の起源というのがはっきりわからぬ。それは、私はここで聞きたいのは、計画の責任の所在はどこにあるのか。つまり、法律的に言うならば、第九条のこういうものを準拠にして事が起きているのか、あるいは単なる思いつきでこういうことになったのか、まあこの辺の限界をはっきりしてもらいたい。これはもうあれでしょう、九条の中にね、総裁に委任する事項、理事会で決定しなければならぬ事項、法律がきちんときめていますよ。だから、四十三年の何月何日何時から開かれた理事会でこういうことが決定をされたのか。まずマル生運動の起源をこの際明らかにしてもらいたい。意外にそういうことがぼかされたまま総裁の答弁のように、置かれている立場とかどうとかというそういうむずかしいことになるのですがね。こういう点、理事会の権限があり、総裁の権限がある。そこで、中央が責任をになうべきものなのか。何とかという理事が言うように、自然発生的に起きたものなのか。まあこの辺の区別を一ぺんはっきりしておいてください。国鉄の答弁じゃわからない、そういうことが。つまり生産性向上運動というものは、正規な法律に定める機関の決定によって行なわれたものであるかどうなのか、それをはっきりしてくださいよ。
○説明員(磯崎叡君) 国鉄法三十二条に、職員の職務専念義務というものがございます。これは、職員はその職務に専念しなければならないと、こういう規定が第二項にございます。その専念のし方というか、専念に対するかまえ方というか、そういうことについては一種の教育、あるいは教育をもう少し超越した大きな国鉄としての姿勢の問題になってくると思います。それの内容の一部が生産性の教育でございます。私ども生産性教育と申しますと、生産性運動、生産性運動と申しますのは、いわゆる実際の運動でございまして、生産性教育というのは、その中心になって生産性の勉強をし、またそれを実践する連中を生産性の教育と、こういうふうに申しております。したがいまして、その教育は国鉄法三十二条でどういうふうにやるかということは、これは国鉄法九条の中で理事会で決定すべき事項、また総裁が専決すべき事項、いろいろございます。第九条におきましては、御承知のとおり理事会の決定事項が一応限定事項になっております。もちろん第九条に定められるものにつきましても、理事会に報告しあるいははかることもございますけれども、部内の職員の教育について生産性の理念を入れるか入れないかということは、これは総裁のもっぱら定めるところということになって差しつかえないと私は思っております。
○森中守義君 そうしますとね、理事会等できまったものではないということですか。それと、いまのおことばからいくならば、国鉄には訓練機関が別にあるのでしょう、訓練機関が。あるんですね。——訓練機関あるんでしょう。で、そういう正規な、定められた訓練機関においてこういう研修というのはできないですか。わざわざそういうような生産性運動本部あたりと話し合いをするとか約束等によってしなければならぬ筋合いのものですか。だから、私どもが理解をするつまり研修ということは、事業研修、まあその中には技術部門もありましょうしね。いろいろな取り扱い上の研修等もあるでしょう。当然その生産性向上運動という特別な運動によらなくても、国鉄が保有する正当な訓練機関等においてやれば、こういうことにわざわざしなくてもいいんじゃないですか。 それと、私は、要するにこの生産性向上運動というものが、本社が画一的に企画をし、計画をし、実施しているのか。それならば、それはどこでいつきまったのか、それを聞かしてほしいと、こう言っている。なるほど三十二条読めばわかりますよ。けれども、いつだれがどこできめたということがはっきりしない。それを聞かしてくれというのです。
○説明員(磯崎叡君) 教育機関のことでございますけれども、生産性教育は部内の学園でも現在やっております。いまおっしゃった既存の教育機関でもやっております。 それから生産性教育について、これを正式にきめましたのはことしの三月三十日でございます。今年度分について決定いたしております。 それからなお理事会につきましては、これは理事会でお話しいたしております。三月三十日の職能第百七十四号という書面でございます。
○森中守義君 それはいままで私どもの手にも渡っていない。決定された事項、地方機関に出された通達、そういうもの直ちに出してください。そこで、おそらく実施要領とかそういうものがこまかく規定されていると思う。そこで、さっきの賃金カットの問題等も、こういう教育のために特定な人間を指定して、出席をしなければ賃金カットしてもよろしいというような、そういう内容があるのかどうかも見たいし、計画の内容、全部ここへ出してください。これは本社から持ってきたらむずかしくないでしょう。あるならばそれを全部発表しなさい。
○説明員(磯崎叡君) もちろん生産性教育の実施要綱はございます。それはなければ非常にみだりになりますので、きちっとしたきめがございます。
○森中守義君 出せますか。
○説明員(磯崎叡君) いま持ってきてございますかどうか。ございましたらすぐ差し上げますが、もしなければ、すぐ持ってまいりまして提出いたします。
○田中寿美子君 それで、総裁は処分ということばを非常に避けられるんですね。けさほど自民党の鬼丸議員からも、不当労働行為のあった者は処分しますねという念を押されたときにも、処置とか総合的な処置とかという答えをしている。衆議院でも一日中その質問に対してそういうふうに答えていられた。実は、十一日の衆議院の社労の委員会の前に総裁は記者会見しているわけです。その記者会見の席では処分ということばを使っていられるんですね。国会に出てきてからその処分ということばをすっかりなくして、処置処置、総合的な処置という言い方をしていらっしゃいます。 山田副総裁にそれじゃお伺いします。山田副総裁は処分するということばをお使いになりました。衆議院の社労のときに、総裁は、それも含めて自分は総合的処置だというふうに言い直しなすったけれども、一体お二人の間に考えの相違があるのかどうか。山田副総裁答えてください。不当労働行為がある者に関しては責任者を処分もする、こういうことを出していらっしゃいます。総裁もそういうことばを記者会見で言っている。それを変えてしまったのはなぜか、これをはっきり言っていただきたい。山田副総裁。
○委員長(中村英男君) ただいま山田副総裁ちょっと所用で席をはずしたそうです。本社へ行っているそうですから、すぐ参ります。
○森中守義君 それは委員長注意してくださいよ。ちょっと中座さしてくれという話はあったけれども、それはいかぬと言って出席きちんとしてあるんですよ。委員長、理事に断わりなしに帰るなんてけしからぬ。来るまでどのくらいかかるの。
○委員長(中村英男君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中村英男君) 速記を起こして。 それじゃ見えるまで暫時休憩。 一時三十八分休憩 —————・————— 午後一時四十六分開会
○委員長(中村英男君) これより社会労働委員会、運輸委員会連合審査会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。運輸委員岩本政一君が委員を辞任され、その補欠として河本嘉久蔵君が、社会労働委員佐々木静子君が委員を辞任され、その補欠として吉田忠三郎君が、それぞれ選任をされました。 —————————————
○委員長(中村英男君) 休憩前に引き続き、質疑を続行いたします。
○森中守義君 議事進行。 山田副総裁、見えましたね。委員長の了解も得ないで、出席を求められておりながらどうしていないのか。ために、委員会は約十五分か二十分中断した。これ、ひとつ委員長から厳重に副総裁に警告してください。同時に、国鉄当局が国会に対してそういう不遜な態度をとるならば、国鉄問題に対して、委員会は協力できませんよ。率直に言って、私どもは、きょうこうして大ぜいの者が、それぞれの日程を差し繰ってでも、国鉄の将来のために明るい展望を持ちたいというわけで、審議をやっている。それなのに、呼ばれておってかってに本社に行くとは何事だ、それは。まことに不遜きわまりない。磯崎総裁も厳重に注意してもらいたい。ですから、委員長、最初に副総裁の委員会に対する陳謝をやらして、それから答弁してください。
○委員長(中村英男君) それでは山田国鉄副総裁。
○説明員(山田明吉君) いま森中先生から御指摘がありました点、休憩になりましたのでちょっと本社へ書類を取りにまいっておった次第であります。それで……
○森中守義君 十二時四十五分再開の通知があったはずだ。
○説明員(山田明吉君) はい。いま開かれたという通知がありまして、それでかけつけたわけでございます。そのために審議が中断いたしましたことをまことに申しわけなく思います。以後厳重に注意をいたします。
○委員長(中村英男君) 山田副総裁、委員長からも注意しますが、十二時四十五分に——私は五分ということは時間を正確にするつもりで、四十分と言わずに四十五分と言った。それまでは休憩なんです。それから後は開いておるのですからね。まあそういうことは承知してひとつ……。 それじゃ質問を続行してください。
○田中寿美子君 山田副総裁、午前中の質問も聞いていらっしゃったと思いますが、午後のやりとり聞いていていただかなかったので、ちょっと困るのですけれども、国鉄総裁は、どこまでも公労委の例の救済命令については、五件に関しては受諾している。つまりあれは不当労働行為があったということを認めているわけですね。それに対して処分を含めた処置をするべきだ、処分をすべきではないかというのが私どもの質問なんです。先ほど自民党の鬼丸議員も処分をすべきでないかということを言われたけれども、磯崎総裁は処分ということばを極度に避けているわけです。総合的な処置というようなことを言われた。山田副総裁は処分ということばを口にされた。衆議院の社会労働委員会で、磯崎総裁が、それを、山田副総裁の言ったことじゃなくて自分の言うほうがほんとうだというような意味の発言をしておられます。しかし総裁も十一日、あの受諾をしたあと記者会見で、処分ということばを口にしておるのです。私はちゃんとテレビで聞きました。だから、山田副総裁は処分もするつもりでいられるのかどうか、総裁とはその点で意見が違うのか、その辺を明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(山田明吉君) おくれましてまことに申しわけございません。ただいまの御質問でございますが、先日の国会で、同じようなうちの労使問題についての御質問がございました。その際に、いろいろな問答がございましたけれども、私は、御質問の内容に関するところで、ケース・バイ・ケースで考えて処分をすると、処分ということばを使ったことは事実でございます。ただそのときには、時間的にも相当以前でございましたので、まあ常識的な意味で処分と申したわけでございまして、私、休憩前の先生の御質疑も伺っておりましたし、それから鬼丸先生の御質疑も伺っておりました。総裁の総合的な立場で措置をする、その内容と同じ意味で私は当時言ったつもりでございます。
○田中寿美子君 そうすると山田副総裁、総裁が言う総合的な措置というのは自分が言った処分と同じ意味である、こういうふうなことですか。・
○説明員(山田明吉君) 総合的な、適切な措置をとると総裁も申しております。それと同じ意味でございます。
○田中寿美子君 それじゃもう一ぺんその処分ということについて、具体的に言ったらどういうことですか。先ほど森中委員からの質問もあったのですが、あなたがいらっしゃいませんでしたのでわからなかったのですが、公共企業体等労働関係法の中の懲戒の処分のことがあるわけですが、そういう意味ですか。
○説明員(山田明吉君) 厳格なことばの使い方でございますが、日鉄法上にそういう表現のことばもございます。それで私が別の機会に申し上げたのは、別にそういう厳格な、何条に基づいてどうというようなことを意識しませんで、常識的に処分ということを申したわけでございます。そのもっと内容的な意味は、総裁が先ほどお答えしたような意味であります。
○田中寿美子君 いま私、公共企業体等労働関係法と言いましたが、日本国有鉄道法の第三十一条です。で、また山田副総裁も磯崎総裁と口を合わせて、常識的な意味だとか、総合的な意味だとか、これは非常におかしい、はっきりしないのです。先ほどから、もう五件については受諾した、つまり不当労働行為があったことを認めて、悪いということを認めたのであるから、悪いことをした責任者は処分するということが当然ではないかと私は思いますが、その点について、もう一度、まず副総裁から。
○説明員(山田明吉君) 正確なとおっしゃいますので、現在法律的な問題として取り上げられておりますものは、公労委の五件に関する決定でございます。その決定の内容は、もう先生御存じだろうと思いますが、これこれこういう理由で不当労働行為と認定する、そうして当局に対する公労委としての考え方は、こういう内容の謝罪文を当該労働組合に交付しなさい、それからそれ以外に提訴側の組合から出ております、一例で申しますと、局報に謝罪文を掲載するとか、あるいは懲戒処分をするというような点については、この主文の内容で足りるという、これが決定の内容でございます。しかしながら、私自身、昨日も実は国労の幹部諸君と会いました際にも、いまの段階で、すなおにこの決定を当局としては受けとめるという、この時点におきましてその内容の字句の点では私どもは拘泥しない。したがって、いわゆるその処分の問題につきましても適切な措置はとるつもりであるというように話しているような実情でございまして、それに対する考え方は、総裁が申しました総合的な考え方で適切な措置をとるべきものであると、そのように思っております。
○田中寿美子君 山田副総裁のほうがやや具体的だったと思います。いま処分の問題についても適切な処置をとると言われたから、処分も含むものと私のほうは解釈をしておきたいと思います。で、なおこの問題につきましては、今後もまだまだ追及していきたいと、今後も不当労働行為は一ぱい現実にあるわけでありますから、追及していきたいと思います。それで、念のために申し上げますけれども、総裁がみずからの責任においてと最初に言われましたけれども、えてして官僚というものは、たれかが一人やめたらあとはもうそのままということで、もとのとおりに運営がされていくようなことがあり得るわけで、私どもはそういうことを希望しているわけではないのです。もう無数に国鉄の現場に行なわれているマル生運動に名をかりたたくさんの不当労働行為の一つ一つを、これをやめさせることがまず何より第一である。それの責任者には適当な処分や措置をしなければいけない、そういうことを十分やる責任を総裁はとってほしい、こういうことでございますので、それは念のため申し上げておきます。 それでは、もう私の時間は何かわけがわからなくなってしまったのですが、実は各地を歩きましてたくさんの不当労働行為があることを発見しておりますけれども、衆議院の段階で持ち出されなかった問題で、私はひとつぜひ労働基本権を侵害する事実がたくさんあるということについて問題を出したいと思います。 で、至るところで労働組合の組合活動を否認するような、団結権を否定するような行為が行なわれているんです。たとえば大阪の吹田第二、これは中田俊一区長のところですが、国労や動労の掲示板のビラをかってにはがしてしまう。それから鉄労のビラだったら当局の掲示板でも張らせる、こういう差別をしております。それから新幹線大阪運転所梶木淳一区長のところですね。これも掲示板からかってに掲示をいずしてしまう。そしてそれを自分の机の引き出しの中にまるめ込んで入れている。これはとった写真がたくさんあります。それからまた沼津、これは動力車労組の組合掲示板、組合旗をのこぎりで切り取ったり、これもたくさんの写真があって、告訴中です。しかも、これは鉄労や民社党の調査団が入った時には旗を立てておくというようなこともやっている。あるいは動労大分の佐伯支所ですが、組合旗をやっぱり撤去してしまう、組合の掲示板に掲示してあるものを実力で取ってしまう。これ、写真もございます。 そこで労働大臣にお伺いしたいのですけれども、組合旗をかってに取ってしまうとか、掲示板の掲示をかってにはがすというような行為は、組合の団結権とか組合活動、労働基本権の侵害になりはしませんかどうかということです。お伺いいたします。
○国務大臣(原健三郎君) 田中さんにお答え申し上げます。 これは非常にいろいろな事犯が各方面に起こっておるというお話でございましたが、抽象的にまた一般的に申し上げますと、組合活動は、これは就業時間外にかつ企業施設外にあって行なわれるのが原則でございますが、実際はわが国においては労働組合というのは企業別に組織されていることがありまして、組合掲示板とか組合事務所等は企業施設内にあることが多くなっております。しかもその貸与の条件等は労使間の協定等で定められておるのが一般の慣行になっております。こういう場合においては、労働組合においては、定められた条件に従って組合掲示板等を使用さるべきものであるし、また、他方使用者も、定められたところに従って便宜供与を行なうべきものであります。でありますから、結論的に申し上げますと、労使双方で話し合いができておるのにもかかわらず、一方的にこれを制限したり、あるいは組合間によって差別的な取り扱いをするようなことは許されないことは当然であると思います。
○田中寿美子君 それで、総裁にお伺いいたしますけれども、まあ国鉄は前近代的な感覚だというふうに一般にいわれているんですが、労働組合というものに対する考え方が根本的にちゃんとしていないんではないかという気がするわけです。首を切りますと言ったら、はいはい、配置転換、はいはい、賃金カット、はいはいというようなことをしないでも済むように、働く人は強い立場にある使用者に対して団結する権利が憲法で規定されておるし労働組合法で規定されておる、そういう保障があった上で団結権、団体交渉権、団体行動権があるわけなんで、それの団体の団結のシンボルが旗なんです、組合の旗。それから掲示というのはそういう活動を組合員に呼びかけるために必要なものだと思うわけです。それを国鉄の施設の中で貸してもう二十年もきているわけです。そういうのでありますのに、さっきあげた事例もほんの少し、実は日本じゅう至るところで組合旗を取ってしまったりポスターを国労や動労のものははがしてしまったり、かってに捨ててしまったりということが非常にたくさんある。こういうようなことを、国鉄総裁、国労や動労の運動を押えるためにしているんではないか。これは労働運動そのものを否定するものではないかと思うんですけれどもいかがですか。
○説明員(磯崎叡君) 私も憲法によりまして労働者の団結権が認められておることは承知いたしておるつもりであります。それからいまの組合法によりましてある程度の便宜を供与いたしております。駅構内の土地を貸したり、あるいは電話を使わせたり相当な便宜を供与いたしております。しかし、それに際してはいま労働大臣がおっしゃいましたとおり約束ごとがございまして、たとえば掲示はそこの掲示板以外にしないということなどはさまっておるわけでございまして、組合の掲示板に書いてあることをこちらが破るというようなことは、これはもう約束違反でございますから、それはいけません。しかしながら逆に、当局の業務機関にかってなビラを張ったりすることも、これは許されないことであります。これはお互いさまだと私存じます。また、旗につきましても、これは区々でございますが、旗をあげるということをお互いに協定しているところもあれば、それの書いてないところもある、また非常にいわゆる闘争時などになりますと駅構内に旗が林立いたします。そうすると、これはやっぱり駅構内の秩序維持と申しますか、ということの点から、約束以外のものは認めない、結局便宜供与というものは、御承知のとおり両者の協約の範囲内においてのみ許される、これはたしか無償で貸してあげているはずでございます。そういう意味で、お互いにルールを守って便宜供与し便宜供与を受ける、これが私は筋だと、こういうふうに考えます。
○吉田忠三郎君 総裁ね、あなたの答弁はきわめてきれいごとで答えていますよ、きれいごとで。問題を具体的に提起しているわけですからね、その面で答えていただきたい。私もこの問題の調査に行った一人でありますが、一つ例をあげますと、たった一つですよ、まだたくさんあります。北海道の追分というところに駅があります。この駅で、いまあなたが答えられたように、労働大臣が答えられたように、労使の協議の決定に基づいた掲示板があるんです。その掲示板に国労の組合は民間の商店の商品の販売価格を掲示をしていた。それは労働組合、国労に関係ないということで追分の駅の平訳という助役がひっぱがした、これはどうですか、総裁、これは。こういう問題が一つある。それからもう一つは、田中委員が指摘いたしましたが、処分の問題であります。鉄労のいまは組合員であるけれども、当時はあなたが指導しておったマル生運動のグループの諸君でありますが、たいへんな問題ですよ、これは。踏切番であります、居眠りをしておった、あぶなく事故寸前で国労に所属をいたしておったあなたの側から見ればいずれにしても職員でありますが、その職員が発見して事故を免れた。それが一回ではない、二回こういう事実があるんです。そのときに国労の発見をして注意をして事故を防いだこの人が、この平訳という助役に、これは処分すべきものではないのか。その処分の内容はいろいろありますね、日鉄法の二十九条以下羅列されておりますから、どの処分に該当するか別として、私は処分の対象になると思っております。ところがこのあなたの部下である管理職である平訳という助役は、事故とは人身に障害を与えたり物的に現実に起きないものは事故ではないということで、この処分をしなかった。いまだにしておりませんよ。一体こういう現場に事態が起きておって生産性運動であなたが掲げておるつまり国鉄を再建できると思いますか、こういう問題がある。それからこの段階になっても、あなたはそうした誤った管理者の処分について、ものを言っておりません。やや副総裁は言っている。しかし一体、あなたは新聞紙上等等で見ますると、生産性運動と不当労働行為とは別だ、不当労働行為については労働者の基本人権に触れますから私はやらしておりません、ですからやった行為については誤った行為をしている、これをもとの姿勢に直すんだ等々と何回かあなたは新聞紙上でも述べております。総裁、あなたは十月の十一日の朝日新聞の社説を見ましたか。あなた自体としても責任ある態度をとりなさいとここに書いてある。このことは別として、こういうことが一体不当労働行為であるかないかということの判断——これは労働大臣もおりますから労働大臣にも伺いますが、私は前に予算委員会でこの問題を、長野の塩尻駅問題として取り上げた。大阪の運転区の問題も同時に取り上げた。そのときには証拠としてテープコーダを持っておった。どうですか、いまここにおりまする真鍋常務理事もそうしたことについてはあやまちであるから是正をいたしますという国会答弁で記録が残っている。それはそれとして、総裁よく聞いてくださいよ。昭和四十六年七月十六日、札幌電力区長、電力区長というのは管理者です。この区長が極秘文書で生産性運動の拡大という公文書です、これは公文書。この中で、今後の運動の進め方については、いままでは管理者は影武者的存在であった。会の指導、会の指導というのは生産性運動の会ですよ。会の指導、核の増大をはかってきたが——はかってきたんですよ。核とはつまり生産性運動のグループのことを称しているわけですが——核の増大をはかってきたが、会の組織を確立されたので、管理者総ぐるみで表面に出て生産性運動を展開していく、目標は国労が企業を無視した行為、許されない違法行為等が続けられている現在、これを批判しながら、あすなろ会、これが生産性運動の核と称されるあすなろ会、この会の会員を増大をして、会員が一般職員、この職場は百五十四名でありますが、この半数を占める時期をもって電力区としては、問題の山をつくり上げ、国労脱退、鉄労加入を実施する計画であるという計画書、公文書が出ているんですよ。これは一体総裁どう考えますか。労働大臣、一体これが生産性運動と不当労働行為とは別だと、いままで磯崎総裁がこう言ってきたことの関連であなたはどう考えますか。これはコピーをしたものでありますから、私はこれの原本の資料を要求いたします。
○説明員(磯崎叡君) ただいまのお話で、まず先ほどの冒頭の踏切警手のことて、ございますが、たとえ列車の実害がなくとも、あるいは客貨の支障がなくとも、そういうものはいわゆる事故の前の準事故として取り扱っています。準事故は隠蔽してはもちろんならぬ。準事故は事故の卵になりますから、準事故は隠蔽してはいかぬということで、管理局まで必ずあがっていると思います。その際の処分その他につきましては、別に組合の関・係で処分をするとかしないとかいうことはなしに、やはり準事故の内容によって処分をする、あるいはしないというふうなことになっているはずでございます。おまえは国労だから処分するとか、おまえは鉄労だからというふうなことは、事故についてはやっているということは考えられないことでございます。 それから、ただいまの札幌のお話、これは実は一昨日衆議院の委員会でもお話が出まして、私も最後のところは非常に不穏当であるということで調査いたしました。
○吉田忠三郎君 不穏当なんて、そんなものじゃないですよ。
○説明員(磯崎叡君) 間違っているということでもって、私はそれをさっそく調べましたら、その当事者もそれに気がつきまして、すでにそれから数日後に別な新しい通知を出しておるというふうに聞いております。しかしそれが出たことは確かであります。数日問いっておったことも確かでございますので、十分それについてはあと始末について考えなければいけないというふうに考えております。
○委員長(中村英男君) ちょっと関連だから短かくやってください。田中さんの時間がなくなる。
○吉田忠三郎君 総裁、それに気がついて別なものを出すと、こう言っておりますが、しかし、これは短時日にやったものではない。七月の十六日ですよ。きょう何月ですか、十月じゃないですか。三カ月も前からこういう実施計画、つまり管理の目標というものを立てて、これは計画書ですよ。ですから、こういうもしあなたが誤っていると言うなら、誤った指導をしておった管理者は当然処分すべきじゃないですか。そうしてこういう誤ったことはやめさせるべきじゃないですか。これを聞いているのですよ。それからあなたは、いままで不当労働行為と生産性運動とは違うという言い方をしてきたのです、今日まで。これは各新聞記事をずっと系統立てて見ればわかる。ようやく最近この方向はちょっと変わった言い方をしていますが、これはどうですか、労働大臣。生産性運動の拡大というこの運動の中にこれがあるわけですから、これはまさに不当労働行為じゃないですか。労働大臣どう考えますか。
○国務大臣(原健三郎君) 国鉄の管理者から出た文書で、それが甲の組合から乙の組合に移るというようなことを言うていることは、明らかに不当労働行為であります。
○委員長(中村英男君) ちょっと総裁、吉田君の原本の資料提出いいですね。
○説明員(磯崎叡君) ちょっと時間がかかるかしりませんけれど、取り寄せます。七月十六日とおっしゃいましたと思いますが、それをすぐ気がつきまして、七月二十日に訂正のものを出しているというふうに聞いておりますので、両方持ってまいります。
○田中寿美子君 じゃ先ほどに戻りますけれども、労働大臣が抽象的に組合の団結権のことを説明なさいましたが、それでは組合が組合事務所に旗を掲げるということは、最も基本的な組合活動の一つだと思うのですけれども、その事務所を貸した国鉄が組合旗を無断であるいは実力で奪取していくというふうなこと、掲示板に張った国労や動労のポスターやビラや掲示物を取っていくというようなことは、これは不当介入、不当労働行為ではないでしょうか、労働大臣。
○国務大臣(原健三郎君) 非常に微妙な具体的なことですから、事務当局から答弁させます。
○説明員(石黒拓爾君) お答え申し上げます。組合の旗をどこに掲げるか、どの範囲に掲げられるかということは、構内を利用する場合には労使が話し合ってきめるべきことでございます。それにつきましては、おのずから常識的な線があろうかと思います。それが非常にとんでもないところに掲げられているのでもないのにかかわらず、自力でこれを撤去するというようなことは、非常に慎重を要することであって、場合によりましては問題になるのじゃなかろうかというふうに考えます。
○田中寿美子君 それで総裁、組合の旗を組合事務所からかってに取っていく、実力で取っていくというようなことは、これは不当労働行為を侵している、あるいは不当介入をしているということにならないでしょうか、どうですか。
○説明員(磯崎叡君) 先ほど申し上げましたように、いわゆる便宜供与につきましては、その内容を当事者同士で話し合っているはずでございます。したがいまして、その範囲内のものならば、実力で取るということは許されませんし、また、その範囲外のことをすることはルール違反である、あくまでも便宜供与でお互いの労使の一つのルールだと思います。したがって、ルールの範囲内でやればいいんで、掲示板以外に事務室にビラを張ったりすることは、これは許されません。ですから、その意味でルールでもってやるということが一番いいんじゃないか、私はそういうふうに思います。
○田中寿美子君 ルールというのは、便宜的な申し合わせなんですね。国鉄には労働関係事務取扱基準規程がある。これは組合との間に申し合わせたものではないようですね。一方的に国鉄がその規程を設けていらっしゃる。かりに組合と話し合って協約があったとしても、こっちの組合には許しておき、こっちの組合には差別するということになれば、これは不当労働行為になると思うのですね。それで、いまきめられたところ以外、ルールを守っていない場合ということですが、さっきの大分の佐伯の事例なんですが、これは私写真を持ってきておりますが、組合事務所にある旗を——これ助役ですよ。二人の助役が切り取っていくところです。それから、これは掲示板に張ってある掲示物ですけれども、これルール違反になるでしょうか。たとえば事故防止会強制出席指定反対——事故防止会というのはマル生の運動のもので、時間外に集めて、それに強制的に出席せよというのに反対。それから、当局、鉄労の組織破壊攻撃粉砕、これはおたくの一方的にきめていられる労働関係事務取扱基準規程の「施設の使用」というところにある「正規の組合活動」によるものであること、個人を誹謗するものとかということはいけないと書いてあるんだけれども、そういうものにすら当たらないわけです。これは、はがしている助役ですよ。こういうようなことは不当なことじゃありませんか。
○説明員(磯崎叡君) 便宜供与の内容につきましては、本社と本部の間で一々きめているわけでございませんが、やはり関係現場でもって、駅長なりあるいは管理局長との間の話できめているというふうに考えております。また、事務所の便宜その他につきましては、やはりどの組合だからいいところを貸す、どの組合だから悪いところを貸すということはございませんで、どちらかと申しますれば、古い組合のほうがいいところを使っている。新しい組合はどうしても場所がございませんで悪いところを使っているということもあると思います。そういう意味で、むしろ駅構内というのはそれほど無意味に広くないものでございますから、その中で——もっとも各組合、しかも現在三組合、そのほかにもう一つ最近できまして四つの組合がございます——四つの組合に一々便宜供与となると、これはたいへんなことでございまして、その意味で私のほうでも駅構内という非常に公衆の目につきやすいところにつきましては、やはり相当な制限なりルールをつくった上で、それで便宜を供与するというふうにすべきだと思います。したがって、組合が自分の力でもってよその土地を借りて事務所をつくるというふうな場合には、私らには全く関係ないわけでございます。それは当然なことでございます。
○田中寿美子君 もう過去二十年間も、国労も動労も駅の構内に事務所を持って、旗を立てているわけなんです。その旗を人の目につくからという理由で取るんじゃ——これは旗は目につくために立てているわけですね、組合のシンボルですから。そのほか長年の慣行で、ちゃんと旗を立てるためのポールまで国鉄側がつくってくれているんですよ。それをいまになってのこぎりで切るというようなことをする非常な不当なことが、いまマル生の運動のもとで行なわれているわけなんです。これはリボンとか腕章とかゼッケンとかいろんなものを、自分たちの組合活動をあらわすものを、標章だとか、そういうものをつけている者は考課の参考にする。たとえばリボン、ワッペン、ビラ張りについて、これは地方局の考課査定の事項の中に入っていますよね。ワッペンとかビラ張りなんかは絶対やらないという人は三点で、注意をすればやめるという人は二点、やる人は一点というふうに考課表ができているぐらいに、組合活動を成績の査定に使ったりしているわけなんです。それで、組合旗やポスターの問題は各地で私どもも出合いましたけれども、正当なものまで全部取っているというような事実は直ちにやめさしてもらわなければ困ると思います。すでに昭和四十五年五月十三日都城簡易裁判所では、国鉄に対して都城機関区内に動力車が所有する組合旗掲揚の柱を撤去したりロープを切断したり組合旗をおろしたり、そのほか動力車の組合旗掲揚支柱の占有使用を妨害する一切の行為をしてはならないという仮処分が出ている。同じようなことは四十五年六月四日福岡簡易裁判所が門司地本の香椎支部で、あるいは四十五年五月十五日都城簡裁で掲示板の撤去について、これも仮処分、それをしてはいけないという決定が出ていますですが、同じく四十六年五月十八日東京地裁でもこれらのものの使用妨害を禁止する仮処分が出ているわけなんです。千葉でも四十六年五月十七日。これらに対して国鉄側は異議申し立てをしておりません。だから実際認めているわけですね、こういう組合活動の妨害。こういうことがたくさんありますから、いま不当労働行為をなくすということを、みずからの責任においてと言われたけれども、よほど徹底的に調べて、こういうようなことがないようにしてもらわないと困りますし、先ほどから申しますそういう責任者に関しては厳重な処罰や処分をし、そうしてみずからもそういうことに対する十分の責任を感じていただかなければいけないと思いますが、最後にこのことについての総裁の決意を聞かしていただきたい。
○説明員(磯崎叡君) 先ほど申し上げましたように、私は私自身の全力をあげて労使関係の不信感の払拭に尽力いたします。と同時に、国鉄の再建には、やはり四十数万の職員の力、並びにその中の大部分を構成しております国鉄労働組合、動力車労働組合、鉄道労働組合、そのほかの組合の全面的な協力支援、それから全職員の盛り上がる熱意、これによって私は国鉄再建に邁進いたしたいという決意でございます。
○矢山有作君 再三総裁は、不当労働行為を今後なくして労使の間の不信感をなくすることは私の責任においてやると、こう言っておられる。そうすると、一番大切なことは不当労働行為をやった者をやった者として処分をするということが一番大切なんです。その点があいまいにされて、不当労働行為をやった者が不当労働行為をやったがゆえに配置転換をされ、栄転をしていくというようなことがあっては、これは不当労働行為のやり得になる。この点は総裁にきちっと腹に入れてもらいたい。したがって、少なくとも先般の公労委で陳謝命令を出された五件の不当労働行為をやった者については、これはあなたも五件にそれぞれ全部悪かったと認めておるわけだから、具体的に処分をしてもらいたいと私は思いますが、その点どうですか。その辺があいまいになると、不当労働行為はますます起こりますよ、幾らでも。労使の不信感はますます大きくなりますよ。どうですか、そこは。
○説明員(磯崎叡君) その点は、けさほどから何べんも申し上げておりますように、個々の事件につきまして適切な措置をとってまいります。
○矢山有作君 適切な措置とは一体何ですか。適切な措置ということになると、処分という概念とは非常に違って幅広くなるんです。処分といえば大体懲戒処分と、これが常識です。適切な措置の中には、あんた方が不当労働行為をもうやらぬやらぬと言っておっても、こっそりやらしてやろうと思ったら、これは栄転させる、そういうことだって適切な措置と言えば広い範囲の中に入ってくるおそれがある。だから、私は少なくともこの五件についてははっきりしてもらいたい。あんたも具体的に一つ一つ悪いと認めたんだから、悪い以上は悪いように、悪いのにふさわしいような措置でなければならぬ。それがイコール処分なんだ。懲戒を伴う処分なんだ。そこのところよろしいか、どうですか。
○説明員(磯崎叡君) その命令書の中で明らかなとおり、私は先ほど申しましたとおり総合的な措置をとると、こういうふうに申しております。その命令書の中にいろいろ書いてございます。ですから、いわゆる情状等についても書いてございます。そういうものを全部判断した上で総合的に措置をすると、こう申しておるわけでございます。
○矢山有作君 ここでこの問題結着づけるのに三日でも四日でも一週間でも私やりたいけれども、あとの問題があるからこれでこれはもうやりませんが、しかし、私はしつこい男ですからね、きょうのところはあんたこれでのがれておったと思ったら大間違いですよ。はたして少なくともこの五件の陳謝命令を出されたものについて、あなたがどういうような処置をとられたかいうのは、私ども十分注意しておりますからね。それが、不当労働行為をやった者が栄転などというような、とんでもない措置をとった場合には、あなたもその覚悟はしてもらわなければなりませんよ。それだけだめ押ししておきます。 そこで、ひとつお伺いしておきたいのですが、真鍋職員局長は昨年の十一月十七日に大阪に出張になったことがありますか、簡単に答えてください。
○説明員(真鍋洋君) 事故防止監査で行ったことがございます。
○矢山有作君 それで、そのときに、私の承知しておるところでは、あなたは天王寺鉄道管理局に行かれたということでありますが、そのとおりですか。
○説明員(真鍋洋君) さようでございます。
○矢山有作君 あなたはそのときにどういう話をなさったか覚えておいででしょうか。
○説明員(真鍋洋君) 全部正確に覚えておるということではございませんけれども、運転事故防止の監査でございます。運転監査でございまして、各区の主管局が出向きまして、各現場を見てまいりました総合講評をいたしました。その場合の、運転監査の講評の中では、個々のいろいろの問題を申しまして、さらに運転の事故防止については十分職員管理の面も含めてやってもらいたいという注意をしまして、講評を終わっておるわけでございますけれども、個々に具体的に、どういうことを言ったかというところは正確な記憶はございませんが、運転監査の講評でございますので、そういうようなことを言っておると思います。
○矢山有作君 あなたはそういう場合に、行かれたときに、そこで思いつきをペらペらとしゃべって戻るのですか。少なくともそういう場合には、あなたは局の幹部を集めて話したでしょうから、ちゃんとメモを持って話をしておるのですか、どうなんですか。思いついたままそこででたらめにしゃべって戻るのですか。それともちゃんとした下敷きをこしらえて、こういうことをしゃべろうということで、メモを持ってしゃべっておるのですか。どうなんですか。
○説明員(真鍋洋君) 講評でございますので、大体は各系統から出ましたそれぞれの現場の監査の結果を総合して講評いたしておりますので、その場合には、大体こういうことを言おうということのメモがあったと思います。
○矢山有作君 私が承知をしておるところでは、なるほど運転事故防止で行かれたということはわかっております。ところが、そのときに、あなたは、いまの講評などというような観点からかなりはずれた話をだいぶなさっておるようですね。だから、私はそのメモをあなたがお持ちならぜひ出していただきたいと思うのです。私が持っておるのと、あなたがしゃべっておるのと食い違っているかどうか、出してもらいたいと思います。たとえば、こういうことをしゃべっています。これは労働大臣もしっかり聞いておいてください。職員の意識を変え、労働組合の体質改善に全力をあげる必要がある。マル生運動は国鉄再建の重要な柱であり、良識ある職員を育成する運動なのだ、こういうことをしゃべっていますね。そして、そういう運動を進めていくのに、人事権を十分に活用した管理手段をとれ、こう言って、昇給については、抜てきを3項8号を適用するとか、昇職にあたっては信賞必罰処分、組合活動をも留意する、こういうこともしゃべっておる。それから、良識職員の育成強化に力を入れよ、組合の質的変化の役割りは大きい、グループ組織を伸ばす援助をやれ、こういういろいろなことをしゃべっておる。さらに組合介入、要注意職員チェックは自信を持ってやれ、組合介入をやれとはっきり言っておるね。あなたはこういうことをしゃべりましたか。
○説明員(真鍋洋君) ただいま伺いました最初から最後まで、私は言った記憶は全くございません。私は、むしろそういうことにつきまして、どういうところからそういうものが出ておるかということを十分調査いたしまして、私も御返答申し上げたいと思いますけれども、最初から最後まで私は言った記憶は全くございません。
○矢山有作君 ところが、そういうふうに答弁しろということを、あなたは水戸の鉄道管理局の酒井経理部長、早川能力開発課長というようなのが出席をして、これは衆議院でも問題になったことだから御存じでしょうが、現場長会議の席でよく教えております、そのとおりを。会議に行ったのは行った。行ったけれどもそういうことは言っておらぬ。行ったけれども何を言ったか忘れた、忘れることは人間の常でございますから、そういうふうに言って、知りませんということで突っぱれ、こう言ってよく教えていますわ、これは早川能力開発課長が現場長会議で。あなたはそれを自分で実践しておるんだね、いま。会議には出た、何をしゃべったか覚えていない、そんなことを言うていない、早川能力開発課長が水戸鉄道管理局で、現場長会議で言ったとおりのことをあなた言っておる、どうなんです。
○説明員(真鍋洋君) 私は最初から最後までそのことばは全く記憶がございませんし、言っておりませんので、それにつきましては、どういう資料でそういうことをおっしゃるかということにつきましては、私も十分調査をしまして、御返答申し上げたいと思います。
○矢山有作君 それでは、そういううそを言えとか、言ったことでも言うなということを教えるそういう水戸鉄道管理局の早川能力開発課長というようなのがおる。あなたの直接の部下だよ、このマル生運動やっておるのは、あなたが中心だから。そういう直接の部下がこういうことを堂々と言うぐらいだから、そういう教育をわれわれはあなたがやっておると思わ、ざるを得ない。それで私は手に入れたメモについては、これはきわめて正確な確実な出所ですから、あなたはそこまで開き直るなら、あなたがしゃべったときのメモを全部ちゃんと資料として出してください。いいね。
○説明員(真鍋洋君) 私がそのときの講評いたしましたものにつきまして、おそらくあると思いますが、これはできるだけ調べまして、そのときの資料を出します。いまおっしゃいましたような資料は私は全く関知しないものでございますけれども、私も十分に調べさせていただきまして、それがどういうところから出たかということにつきましても、私は十分調べまして御返答申し上げます。
○矢山有作君 自分で知らぬと言えといって教えるぐらいだから、自分でこういうことを言ったとは答えるはずはないと私も思っておりますが、しかし事実の究明はあなたがおっしゃるようにまたやりましょう。 それで労働大臣、いまのことはお聞きになったとおり、それから私が最初指摘した水戸鉄道管理局で酒井経理部長、早川能力開発課長あたりが、現場長会議の席上で言っておるのに、こういうことも言っているんだ、マル生教育でね。その鉄労という組合を少なくとも過半数以上に、いわゆる階級的闘争主義の組合から脱皮した職員、完全に脱皮した職員というものを過半数以上つくらなければ、生産性運動の第一歩は踏み出せない、こう言っているね。こういう教育をやっています。 それからもう一つは先ほど吉田委員が指摘をしたとおりの札幌の電力区の例がある。それからもう一つは岡山の鉄道管理局で岡山の鉄道管理局の総務部長、人事課長、労働課の補佐その他が出席をいたしまして、岡山市の「みずほ」という旅館で、これも各運輸長、主要現場長及び助役を集めて会議をやっておる。そのときにこういうことをしゃべっておる。生産性運動を強力に推進し、良識ある職員をつくることが根本である。その運動を進めた結果、自覚して働く者が次第にふえている。ことしで約七百名が組合を脱退した、こう言っておる。これを考えると、労働大臣、私はこういうことをやったことが不当労働行為であるとかないとかいう一もちろん不当労働行為でありますが、それもさることながら、いわゆるいま国鉄が進めておるマル生運動なるものが、不当労働行為そのものである、不当労働行為を奨励する運動である、私はそう理解せざるを得ぬのですが、比較的公平な立場に立ってものの言える労働大臣の御見解を承りたい。
○国務大臣(原健三郎君) 最初に結論的なところを申し上げます。国鉄の管理者が組合介入をすすめたり、組合介入をしたり、あるいはさいぜん述べられた鉄労へ移れと言うたり、ある組合を脱退せよというようなことを国鉄の管理者が言うたり、文書を出したりすることは、明らかに法の禁止するところであって不当労働行為であります。で、国鉄当局、本社において生産性向上運動をやっておることも皆さん御承知のとおりであります。しかし、少なくとも国鉄の本社から出た文書、その他指令において不当労働行為をやれというようなことは、言うていないはずでありますが、たまたま末端においてそれをはき違えたか歪曲したか、何か私のほうはよく知りませんが、そういう不当労働行為が末端において出ておることも事実でございまして、それをどうするかということは、これからいろいろ研究して対処いたしたいと思います。
○矢山有作君 労働大臣、あなた少し認識が足らぬのじゃないか。私はわざわざ時間をかけて内容まで読んだ。あれを読んで、あなたそのとおりに聞いておられれば、国鉄のマル生運動なるものは不当労働行為と不可分一体、一体不可分のもの、まさに。さらに言うならば、国鉄のマル生運動は不当労働行為である、そうなるんじゃないんですかね。私はそこのところ、あなたの印象を聞いている。マル生、マル生といって、いまのように組合を出て行けとか第二組合をたくさんつくるんだとかということを教育しているんでしょう。マル生運動、これ不当労働行為を教えているんじゃないですか。不当労働行為を大いにやれという宣伝活動をやっているんじゃないの、これ。どうなんですか、労働大臣。そう思いませんか。
○国務大臣(原健三郎君) 議論としては不当労働行為がどういうふうになるかということは、いま私が申し上げたんですが、実際の末端の事例においてどの程度不当労働行為が出ておるか。具体的にどうであるかというほうは、私のほうは労働省で、あまり把握いたしておりませんので、把握しておる程度は公労委において不当労働行為であるという命令を国鉄当局に出した。これは明らかにいたしております。その他もあろうかと思いますが、その事例は私のほうで把握しておりません。そうしてみると、やはり大局的には、国鉄当局から生産性運動を進めていった、そのこと自体は必ずしも悪いことではございません。それが末端へいくにしたがって総裁の意思と反して不当労働行為が方々に出ておる。一番はっきりしてきたのは公労委の五件ですが、まあこういうことでございますから、マル生運動即不当労働行為と、こう割り切ることもまだいまの段階ではいたしかねます。
○矢山有作君 まあそういうふうに思うともなかなか言えぬのだろうけれども、しかし、私はいま言ったように、たとえば水戸鉄道管理局の能力開発課長というのはね、労働大臣、これはマル生運動の推進者ですよ、その局のね。それから職員局長というのは国鉄全体のマル生運動の推進者の中心人物ですよ。これがいま私が言ったようなことを言っておるとするならば、マル生運動とは不当労働行為そのものでございましょうが。そこのところをあなたきちっと踏まえて仲介の労をとられぬと、おかしな結論が出ますよ、おかしな結論が。そこのところを私は御注意申し上げておきますから……。 ところで総裁にお伺いしたいんですが、私は、いま例示いたしましたようなことから、たびたび申し上げておるように、いまあなたがやっているマル生運動は不当労働行為そのものだと思う。ところがあなたは歪曲されておる、歪曲されておると、こう言うんですね。一体だれが歪曲したんですか、それを聞きたいんですわ。
○説明員(磯崎叡君) いま先生のおっしゃったように、生産性運動が不当労働行為であるというふうに直結なされましたけれども、そのこと自身が生産性運動が曲がって解釈されている、こういうことだと私は思います。
○矢山有作君 ちょっといまのは日本語になっていないな。よくわからない。私はいまあげたような事例からして、いまあなたがやっておるマル生運動は不当労働行為そのものではありませんかと、そう私は思う。ところがあなたは、いやそれは違うんだ。マル生運動というのは私はそんなことは考えていないんだと。ところがみんなが歪曲したんだと、こう言う。歪曲されておるんだと。——みんながまでつけていませんね、歪曲されておるんだと。だから私は、歪曲したのはだれですか、だれが歪曲したんですか。あなた、だれが歪曲したということをつかんでいなければ、これから不当労働行為をなくしますと、ここで幾ら大みえを切ったって手が打てませんよ。
○説明員(磯崎叡君) けさほど申し上げました私の談話にもございますとおり、いわゆる純粋な生産性運動がいわゆる不当労働行為によって歪曲されている、その事実は先ほどの先生のお示しの八日の公労委の認定で出たわけでございます。そういう意味で歪曲されたと私は申したわけでございます。
○矢山有作君 そうすると、つづめて言うとこういうことになりますね。あなたは正しいんだと、しかし不当労働行為が起こっているのは、その不当労働行為をやっているやつがみな間違っているんだと。正しいのは私一人でございますと、こういうことになるね。そうなんですか。
○説明員(磯崎叡君) その点は、けさ田中先生の御質問にも申し上げましたとおり、私は、下部の者だけがやっているというふうに申したことはございません。歪曲されたというのは一つの事実を申しただけでございまして、だれが歪曲したかということは、これからの問題だろうと私は思います。
○矢山有作君 それでは、私は一つ御紹介しますがね、あなたね、これは十月の十一日に記者会見をされたときの記事だろうと思いますがね、その席上こういうことを言っておりますね。新聞記者の方がこういう質問をしたんです。では、マル生運動がなぜ曲がってしまったと思うかと、こう新聞記者が質問したら、あなたは、国鉄職員は信号が青ならば進み赤ならとまるといった習性がついており、ものごとを単純に割り切って自分で判断する習性がついていなかったためだと、こうおっしゃっておる。これはまさに私は、ははあ国鉄総裁は自分のところで働いている従業員をこういうふうに見ているのか。これで言うなら、マル生運動が不当労働行為になってしまったのは、私の責任ではない、みんな国鉄の職員が全然判断能力もないものだからやったんだと、かってにやったんだと、こうなるね。ところがもういっちょ考え方を変えてみると、そういうふうに青なら進み赤ならとまるという習性が身についてしまっているその国鉄職員が、自分の判断でいろいろやるということは、これは考えられないね。そうすると、上から言われたとおりをやると、こうなるわけだ。ここら辺はどうなんですかね、一体。
○説明員(磯崎叡君) 私がそういうふうに申しましたのは、たとえば国鉄の仕事は、いま先生お読みになったように、汽車を動かす仕事あるいは切符を売るとか、線路を直すとか、これは規則どおり——規則にプラスアルファもマイナスアルファもいけないわけでございます、それは規則どおりやってもらわなければ困るわけです。しかし、そういった一つの規則をぴしっと守るという習性がヒューマンリレーションにもついているんじゃないかと、それで本来ならば、生産性運動をやった結果、自分が、どういうふうな組合、労働問題に自分のかまえをすべきかというふうなことについては、公労法第四条で職員が自分で判断しろと書いてございます。すなわち、繰り返すまでもございませんが、職員は、組合を結成し、結成せず、加入し、加入せずという、非常に明白な公労法第四条の規定があるのは御承知のとおりであります。本来、それによって自分で判断すればいいと、こういうことでございまして、自分で判断して、そしてどこに、国労に残ろうが国労を出ようが、それは自分自身の判断だと、こういう意味で私は申したのでございまして、その点がその新聞でどこまで書いてございますか、私ちょっといま知りませんけれども、私の申しましたのは、あくまでもそういう問題は自分の判断でやるべきだということを申したわけでございます。
○矢山有作君 しかし、あなたこれを、こういうことばを言うたことは認めているんだ、否定しなかったんだから。しかし、あなた、そういう言いわけをなさるけどね、要するに、国鉄職員はこうせい言うたら、そのとおりする習性がついていると、こう言うんだからね。そういうふうな習性がついた者が、正しいマル生運動しおるときに、正しいマル生運動からはずれた不当労働行為を一生懸命やりますかね。私は言われたとおりやると思うんだ。それで不当労働行為が何百件、何千件というほど起きているわけだ。そうすると、私はあなたやっぱりほんとうのこと言うたなと思ったわけです。あなたが、マル生運動に名をかりて不当労働行為を大いにやれと、不当労働行為をやったやつは抜てき、昇給、昇格、昇職、いろいろな恩典をやるぞと言って、あなたがすすめたんじゃないかと思うんだ。すすめたから、こういうふうに全国至るところ、北は北海道の果てから、南は鹿児島の果てまで不当労働行為が、まさにみんながびっくりするほど多くなっている。そうじゃないんですか。この辺はもう正直に言ったほうがいいですね、あまり矛盾撞着する答弁しないで。
○説明員(磯崎叡君) その記者会見での私の申しましたことは、先ほど申したことと同じことでございまして、結局、職員としては自分で判断するんだという、公労法四条の精神でやらなきゃいけないんだということを——その新聞には公労法四条と書いてないようですけれども、私はそういう趣旨のことを申したわけでございます。
○矢山有作君 そうすると、あなた、それはそういう意味だとおっしゃるなら、自分の判断でするんだと言ったと、それで、あなたは、そうすると国鉄の職員は自分の判断でやっていると思っているわけだな、思っているわけですね、思っているんですね。
○説明員(磯崎叡君) 自分の判断でしなきゃいけないんだということを申したわけです。
○矢山有作君 しかし、だれが読んでもそういうふうにはとれぬわけですね、とれぬわ。これはとれませんよ。それは都合が悪くなったから、逃げることばでしょう。それはよろしい。それはよろしいとして、いずれにしても、このように職員局長の発言、水戸鉄道管理局の能力開発課長の発言、さらに岡山における総務部長の発言等々からして、これは、何としても、いまのマル生運動というのはまさに不当労働行為そのものというようなことに、もうなってしまっているわけだ、あんたが何ぼ弁護しても。そうすれば、この辺で、このいま進めておるマル生運動は全面的に御破算にするということでなきゃ、出直しはつかぬのじゃないですか、どうなんですか。
○説明員(磯崎叡君) 先生の御助言は、お話としては私よくわかります。しかし私といたしましては、別にいこじを張るわけでなしに、純粋な生産性運動、いわばいまの起こっているといわれているいわゆる不当労働行為と全く関係のない生産性運動がたくさんございます。それには、先ほど申しましたとおり、国労の所属でありながら生産性運動を一生懸命やっている人もおりますし、鉄労の所属でやっている人もおりますし、あるいは組合に所属しないでやっている人もおります。そういう意味で、いわゆる全職員の、何と申しますか、共通意識、最大公約数のような感じでもって、いま行なわれておるわけでございまして、全部生産性運動が即不当労働行為だというふうに私は考えません。私は、したがってその歪曲された部分を取り除いて、そして生産性運動のあるべき姿に戻すというような気持ちでございまして、先生のおっしゃっていることはよくわかりますけれども、私は私なりに少し考えさしていただきたいと、そういうふうに思っております。
○矢山有作君 そうすると、方面をかえてお聞きしますが、しかしマル生運動が、あなたが何と考えておろうと、これだけ不当労働行為の続発になって、全国津々浦々に不当労働行為が起こったと、その責任はあんたにあるわけですね。この責任はのがれるわけにいかぬでしょう。歪曲された、歪曲されたと言って、だれか人が歪曲したように言って逃げるわけにいきませんね。あなたの責任ですね、これは。
○説明員(磯崎叡君) 全国のそういった事件がすべてに近いほど不当労働行為ということになりますれば、これは私の不徳のいたすところでございます。
○矢山有作君 ところで、もう一つお聞きしたい。あなたは私の責任だとおっしゃったが、あなた、この不当労働行為というのは、もう昨年の暮れごろから、あちらでもこちらでも起きて、国会でも論議になる、新聞紙上にも報道される。おそらくあなたらの耳に入ってないことはないと思うんだがね。あなたはもっと早い時期に、おれが進めておるマル生運動は、全くこれは不当労働行為になっちまっておるわいと気がつかなかったですか。ここで国会で大問題になるまで気がつかなかったですか。どうですか。
○説明員(磯崎叡君) いわゆる不当労働行為につきましては、過去でもときどき実はございました。公労委にまで持ち込んだ事件もございます。したがって、過去で皆無だったとは私申しません。しかしながら、この生産性運動と関連して非常に話が大きくなったのは——ということを知ったのは、最近のことでございます。
○矢山有作君 私は国鉄総裁にいやみを言うわけじゃありませんがね、国鉄の経営の責任は全部あなたにあるわけでしょう、最高の責任者として。そうしてね、その経営をよくやっていく、うまくやっていくというあなたに大きな責任があるわけですよ。ところで、あなたがマル生運動を進め出した、不当労働行為が続出した、その点で、あなた、ひょっとしたら私の進めておるマル生運動が、これは誤解を受けているんじゃないかといって調べてみる気にならなかったですかね、全然ならなかったですか。いままで不当労働行為というのはあったから、まあその惰性でやっぱりあるんだろうと、数がえらくふえたんだろうと、これぐらいにしか思わなかったですか。
○説明員(磯崎叡君) いわゆる生産性運動と関連してそういう話が出たのは、最近のことでございます。その前には、もちろん先ほど申しますとおり、ときどきございましたことは事実でございます。ですから、私といたしましては、先生のおっしゃったとおり、もっと早く気がついて、もっと早く調査すべきだったというふうな御意見だと思います。その御意見は全く私も同感でございます。
○矢山有作君 まあそうしてみると、やっぱり無責任な話ですよね、これは全く。やはり総裁だ、総裁だという以上は、そういった自分が中心になって進める運動の結果、どういう影響が起きておるのかということは、やはりしさいに気を配らなければならないし、問題が起きれば、それを直ちに取り上げて、間違っちゃおらぬのかということを反省してみなければならぬ。それをやらないできたというのはきわめて不注意です。ということは、総裁としてはきわめて怠慢ですね、これは。しかも、その結果どういうことになったかといったら、労使相互の間の不信感はもちろんでありますけれども、同じ職員同士の間でたいへんな不信感でしょう。あなたマル生運動で生産性を上げるといいながら、生産性、これは上がりますか。国鉄を大混乱におとしいれている。あなたが推進したマル生運動が今日国鉄を大混乱におとしいれているんですよ。その責任は痛感しますか。
○説明員(磯崎叡君) 大混乱とおっしゃる意味でございますが、これはいろいろ解釈のしようがあると思います。私としては全力をあげてやっておるつもりでございますが、私の刀の足りないところは、これはもう先生のおっしゃったとおりだと思います。しかし、いま、現状は大混乱してどうだというふうなお話には、私は私なりに見方が違っております。しかし、おまえの力が足りないんだとおっしゃれば、これはまあ力が足りないことについては、第三者のほうがよくおわかりでございますから、その点は、私は別に反論いたす気は毛頭ございません。
○矢山有作君 あなたは、そうすると、これは大混乱でなしに、きわめて正常だと思っているんですか。この間からマル生運動に名をかりた不当労働行為が新聞紙上をにぎわさぬことないわな。国会でも議論になる。これほど問題になり、現場ではいろんな混乱が起こっておるということは、あなた耳に入っているはずなんです。それでも、これは混乱してないというんですかね、正常だというんですか。耳に入っていないといえば、あなたの耳はよっぽど短いね。そうなりますよ。おかしいじゃないですか。大混乱でしょうが。大混乱にしておるという認識がなければ、その混乱を正常化させるために積極的な意欲は出ませんよ。これが正常な状態だと思っておる頭で、どうして正常化がはかれますか。大混乱しておると、これはたいへんだと、こんなことをしておいたら、大衆の安全を守らなきゃならぬその重大な任務を持っておる業務の運行に、どんな支障が起こるかわからないという切実な気持ちがなかったら、正常化に本気で取り組めぬのじゃないですか。認識が甘いですよ。
○説明員(磯崎叡君) その点は、先ほど申しましたとおり、私が今回の命令を受諾いたしました私の立場、かまえというものを御了承——御賛成はともかくとして、御了承を得たというふうに私は思います。そういう時点に立って新しい労使関係を確立したいというのが私の気持ちでございます。
○矢山有作君 そこでね、もう一、二聞きたいんですが、あなた不当労働行為をなくする、そのために全力をあげると言うんですね、私がこの間、大阪の吹田の第一機関区、第二機関区、それから貨車区、鳥飼の運転所、大阪支所それだけ回って歩いただけでもこんなにたくさんあるんだよ、不当労働行為やったという調査の資料がね。これをずっと見てみるとね、不当労働行為をやって、国労や動労はいかぬから鉄労に入れという、そういう行為をやるときには、えさを出しているんだ、えさを。そのえさは何かといったら昇級、昇格、昇職、配置転換あるいは官舎への入居、こういうえさを出している。ひどいやつは、奥さんが病気になった、共済の貸しつけ金を貸りたいと申し入れをした。これは岡山であった。そうしたら、それまでを国労から脱退をする道具に使っている。脱退をすれば金を貸してやろう。これを見て私はあきれ果てた。国鉄の労務管理というものはこんなものか。いまね、いなかの中小企業のおっさんでもやりませんよ、こんなばかな話は。そこで、こういうような不当労働行為をあなたがほんとうになくしようというなら、そういうえさが使えないようにしなきゃいけない、えさが使えないように。あなた不当労働行為をなくすると言うんだから、具体策を聞かしてもらいたい。どういうふうにしてなくするのか。口先で言っているのじゃなくならぬ。それは、もうすでに、あれはことしだったかね、職員局長と国労の企画部長との話し合い、あるいは国労三役と山田副総裁との話し合い等で、不当労働行為はやらぬ、やらぬと言ってきているけれども、依然としてやり続けた。やり続けたどころではない。その件数がますますふえてきた。この実績に徴しても、口の上だけではわれわれは信用することはできない。どういうふうに具体的な措置をとろうとするのか。それを言ってもらいたい。その一つの例としてえさがある。そのえさが使えないようにする分別をあなたは具体的に考えられぬかということです。どうですか。
○説明員(磯崎叡君) 不当労働行為をなくす具体的措置いかん、こういう御質問だと思います。 まず私といたしましては、私どものほうが先ほどの、一昨日の談話でありましたとおりのような姿勢をする。そしてまずお互いに同じ土俵に上がって問題を再検討するという根本的な姿勢、いわば組合——もちろん国労、動労、鉄労、組合いろいろございますが、各組合とのチャンネルが切れないようにしておく、常にパイプがつながっているようにするということが第一だと思います。それからその次は国鉄の中の体制をきちっとしなければならない。先ほど先生は大混乱とおっしゃったけれども、私は、別の認識の上に立ちましても、もう一ぺん管理局長を集め、総務部長を集め、私自身からこういった空気も十分話をしまして、もう一ぺんここで新しい原点に立って管理者側の姿勢というものをはっきりさすというふうな具体的な措置、それからいま先生のおっしゃった一々の問題につきましては、これは昇給とか昇職とか、一応法律でもって一つの基準がきまっております。その基準の具体化について、いま組合と御承知のとおり調停に入っております。そういう基準につきまして、それをお互いに進めていくということも具体策のうちの一つじゃないかというふうに考えます。
○矢山有作君 そうすると、昇給や昇職、昇格、その他私があげたようなこと、これは一応の基準があってやっているのだろうと思う。ところが、その基準を管理者が自分の思いのままに活用して、組合の切りくずしができるようになっているところに問題がある、不当労働行為の多発する問題がある。不当労働行為を調べてみると、ほとんどそれなんだから、いま言ったように。たとえば私は昇職の問題を一つ例に取り上げても、一次試験、二次試験とあると、表向きは試験によってやっているんだと、こうおっしゃる。ところが具体的な事実を調べてみると、国労と動労におったんでは昇職試験に通らぬぞと、はっきりこう言っているんだ、区長や助役が。だからこれは皆無とは言えぬでしょう、そういうことは現実の具体例があるんだから。たとえば公労委から出た陳謝命令のあの事項の中にも一つあるでしょう、似たようなものが。だからそういうように昇給や昇職、昇格、配転、住宅入居、官舎の入居ですね。これをえさに使えないような歯どめを考えなさいと言うんです、歯どめを。具体的に組合と協議をしてやるようにするとかなんとか、考え方はありませんか。それをいまのままでほうっておいたらだめなんです。
○説明員(磯崎叡君) いま先生のおっしゃったように、人事上の問題につきましては、御承知のとおり国鉄法第二十七条、第二十八条、第二十九条に一つの基準がございます。それに基づいて、具体的にどういうものをつくるかということをいま組合と協議中でございます。これはすでに調停委員会にかかっている段階でございますので、先ほども申しましたとおり、調停の段階で組合と話し合いできめていく、こういうことを申し上げたのであります。
○矢山有作君 じゃ具体的にどういうものが出るか、それを私どもは注意しております。ただ不当労働行為のこれがえさにならないように、きちっと歯どめをやってください。 それからもう一つお伺いしたいのですが、管理職手当の中に管理職手当流動部門というものがあるのですか、そんなものがありますか。
○説明員(真鍋洋君) そのような手当はございます。
○矢山有作君 それは何を根拠にしてその流動部門などは出したのですか。私が調べたところでは、管理職手当というのは、管理職員給与基準規程というものによってちゃんと出されているのですが、この管理職手当流動部門というのは、どういう費目で出ているかわからないですがね。
○説明員(真鍋洋君) 管理職手当に管理職の流動部門というのはございまして、管理職手当のほかに流動部門の手当がつくという形になっております。これは業務の繁忙等を考慮いたしまして、管理局長がそれぞれにつけているというものでございます。
○矢山有作君 だから、私はその法の根拠はどこにあるかということを言っているんですよ。繁忙手当か何か知らんが、かってにつまみ金で出せるようなものではないでしょう。出し方を見ると、たとえば岡山で四十三年の暮れに出したときは、現場管理者に三万円ないし五万円配分している。ところがこれは別にちゃんと管理職手当というものは出ているんですよ。具体的に言いましょうか。たとえば、津山の首席助役、これはちゃんと管理職手当として毎月一万三千円づつもらっている。ところが、これが別途、たとえば四十四年の上期に一万四千円、下期に七千円、合わせて二万一千円もらっている。四十五年の上期に五千円、下期に五千円、一万円もらっている。管理職手当というのはちゃんと法の規定があって、それに基づいてきまったものが出されているんだろう。ところが管理職流動部門手当、これは何の費目から出ているんだ、給与を出すのはちゃんと法的規定がなければ管理職のつかみ金でかってに出せるような性質のものではないでしょう。
○説明員(真鍋洋君) 流動部門も特殊勤務手当の中の費目で充てられておるわけでございます。
○矢山有作君 職員局長、人をやすく見てなめた答弁するのじゃないよ。特殊勤務手当というのは、きみ、職員賃金基準規程の中に、ちゃんとどういうものが特殊勤務手当だといって出ているじゃないか。管理職流動部門という費目はないよ、この中に。人をなめた答弁するのじゃないよ。基準規程読んでみろ、基準規程を。
○説明員(真鍋洋君) 私が申し上げましたのは、費目は特殊勤務手当の中の費目で支弁をしておるということでございます。 管理職の流動部門につきましては通達できめまして、その裁量につきましては地方の管理局長が繁忙等を見まして流動部門をつけておるわけでございます。
○矢山有作君 わからぬね。国鉄というところは通達でかってにつまみ金で給与が出せるようになっておるのか。そんなでたらめの経理やっておるのかいな、国鉄は。職員賃金基準規程によると、特殊勤務手当というのは、一々読むと時間がかかるけれども、ちゃんときまっているよ。何々手当何々手当といって。それから管理職手当は管理職員の給与基準規程で第十条にちゃんときまっているじゃないか、固定額は。それ以外に繁忙だとか何だとかいって、管理職だけにつまみ金出せるようになっておるのか。そんなことが通達でできるのか。そうすりゃこれどんなの。
○説明員(真鍋洋君) 管理職につきましてのそういった特殊勤務手当につきましては、通達で従来ともやっておりまして、これにつきましては運輸省等にも報告をいたしておって、その手続でやっておるわけでございます。
○矢山有作君 運輸大臣知っていますか。こういう、会計処理としてはこんなでたらめはできませんよ。会計検査院はこれ認めませんよ、こんなことは。そういうつまみ金で給与を払う。そういうことで管理職のけつをたたいて不当労働行為をしっかりやって、国労や動労を分裂さしたやつほど上期、下期にたくさん手当をもらっているのだよ、つまみ金で。こんなばかなことあなたいいと思うの。
○吉田忠三郎君 関連して。それから総裁、旭川の機関区で添乗旅費という旅費があるが、実際に勤務しない助役、指導機関士がその旅費を支給されている事実、これは認めましたよ。その助役は認めましたよ、今度の調査で。認めたが、それは今回は乗務はしていないけれども、あとで補完の乗務をするのだから、それで間違いないと現場で答えがあるが、私も国鉄で経理をやったことがあるが、そういう規定はないのですが、こういう事実。 それから、追分の機関区でもいわゆる指導助役、それからその他の助役、添乗していませんよ。勤務していないのです。勤務していないでこの旅費を支給しておる事実。これも私が調査して発見したことだ。 こういうことは一体総裁通るのですか。総裁、これは追ってわれわれ決算委員会あるいは会計検査院の問題になると思うが……。
○矢山有作君 運輸大臣が先だ。運輸大臣。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの管理職手当をどういう項目から出しているかという御質問、これが妥当であるかどうか、こういう御質問であろうと思いますが、その点につきましては、私、具体的に承知しておりませんので、ただいま鉄監局長から御答弁を申し上げます。
○説明員(山口真弘君) お答え申し上げます。 国鉄の給与につきましては給与準則の定めというのがございまして、これは運輸省にも報告がございます。その中に、職員に対する給与の支給といたしまして、固定的な部門と若干流動的な部門の定めがございまして、その定めのもとに国鉄の総裁がその内容を具体的にきめてやっておるということでございます。
○矢山有作君 きょう監査委員長が見えているそうですから、監査委員長というのはまさかこんなものが通達でかってに出せるようなことにはなっておらぬということぐらい御存じだと思うので、監査委員長の見解をちょっと聞きたいのですが。
○説明員(金子佐一郎君) お答えを申し上げます。 監査委員会といたしましては、この経理につきましては数字的には監査をいたしております。しかしながら、いまの御指摘がございましたような給与の問題につきましては、私どもの知る限りにおいては、いま答弁がございましたように、運輸省に報告をされておられるそうでありますが、そこまで私どもは深入りいたしておらないことを申し上げておきます。
○矢山有作君 まあ監査委員長、きわめて御正直で、やっていないというのならしようがないけれども、しかし、これでは国鉄監査は何しておるのか、監査の職責を万全に果たしたことにはなりませんのでね、これは御注意申し上げておきます。万全に監査の職務を果たしていただきませんと、国鉄財政の再建も困難だろうと思いますから、これは御注意申し上げておきます。 それで、私はこういうように一片の通達で、つかみ金で、金を総裁がかってに気に入ったやつに振りまけるようなこういう制度には、私は日本の会計法規はなっていないと思います。そういうことをやらせたら、これはまさに紊乱もきわまれりというやつじゃないですか。公権力によってこういう行政の紊乱をやっていいのですか。それをやっておる国鉄当局が不当労働行為を奨励するようなマル生運動をやって、どこに国鉄の財政の再建ができるのですか。国民をたばかるのもいいかげんにしてもらいたい。管理者の、経営者の姿勢を直さねばだめじゃありませんか。どうなのですか、これは。
○説明員(磯崎叡君) 先ほどの吉田先生の御質問でございますが、乗務をしていないのに乗務旅費を支給されておる。これは間違っております。さっそくその点は調査いたします。
○吉田忠三郎君 処分しますね。
○説明員(磯崎叡君) 調査いたします。
○吉田忠三郎君 処分しますね。
○説明員(磯崎叡君) 実際調査いたしましてからいろいろ検討いたします。
○吉田忠三郎君 旭川の件については、新聞にたたかれていますよ。
○説明員(磯崎叡君) それから矢山先生のお話につきまして、先ほど職員局長の御答弁があまりはっきりしなかったと思います。あらためて副総裁から御答弁いたします。
○説明員(山田明吉君) 矢山先生のお話は、管理職手当の中の私どもが流動部分と言っている問題であろうと思います。管理職手当の支給につきましては、先ほど先生からも御指示がありました国鉄の給与準則の内容でございまして、その給与準則は運輸省に届けて承認を得ているものでございまして、その中身の管理職手当、それから管理職手当の中の固定部分と流動部分に分けて支給するという内容を、あわせて私どもは御承認をいただいている、したがって手続的に法律違反ということではないというふうに考えております。
○矢山有作君 いまの御答弁でありますが、そういう形で国の会計経理が行なわれていくとするならば、それぞれの部門でかってに準則をつくって幾らでも金の山分けができるということになるのですよ。そういうようなことが行政上許されますか、端的にそれじゃありませんか。給与の支給はちゃんと法に基づいてやるべきなんです。きちっと額がきまったものをやるべきなんです。それを総裁に一任されるポケットマネーのような形で金を別ワクで取っておって、それを準則に従ってかってに配分するという、そんなことができますか。これはそれを通達や準則できめたから適法じゃという問題じゃないのですよ。そういう会計処理自体が、それをきめる準則なり通達自体が間違いだというのです、それは。もしそれが許されるというなら、各省全部やりますよそれを。あるいは各政府関係機関全部やるかもしれませんね。運輸大臣どうですか、これは。あんた、そんなものを運輸省の認可を得ておるというが、そんなものを許しておる運輸省も怠慢だな、まさにこれは。
○説明員(山口真弘君) お答え申し上げます。 国鉄の経理につきましては、国の経理と違いまして、できるだけ国鉄の自主的な経営、能率的な経営ができるようにいたしてありまして、したがって、国のような財政法、会計法あるいは国家公務員給与法というような法律の適用がございません。国鉄の給与につきましては、全体といたしまして国鉄の予算の中におきまして給与総額の定めを置きまして、それによりまして一つのしばりをかけ、さらに全体といたしましての収入支出予算としてしばりをかけ、さらに給与準則という制度によりましてこれのしばりをかけておるという範囲におきまして、なるべく国鉄に自主的に定めさせるというたてまえでございます。それによりまして国鉄総裁がその給与の支払いに関します各種の準則を定めて、そうして能率的な経営に資するというやり方をいたしておるわけでございます。
○矢山有作君 それを官僚的答弁というんだ。私の言っているのは、そういうふうなつまみ金のような金の配分、これは国鉄はなるほどあんたのおっしゃるように国そのものじゃないかもしれぬが、国の経営でしょう、国の経営の企業体でしょう。国の経営の企業体であるとするならば、そんなでたらめが許されていいわけはない。そうすると、もう一つ聞きますがね、この管理職手当の中に、わざわざ流動部門というものをこしらえて、かってな主観で金を分けるような制度につくっておくことが、国鉄の自主的な能率的な経営に役立つのですか、これは。どうなんですか。役立つとおっしゃるなら、そういうやり方が国鉄の自主的な経営、能率的な経営に役立つ根拠を示してください。
○説明員(山田明吉君) 管理職手当でございますので、これはもちろん法律的には組合との団体交渉の内容でないことは先生御承知のとおりでございます。これは国鉄総裁の通達でできる内容でございまして、その中に固定部門と流動部門をなぜつくったか、それがどんな効果を発揮するかという、その御質問だろうと思いますが、これは通俗的にいえば、会社のボーナスで個人の間に差があると同じような思想で、やはり繁閑、その個人の能力に応じてつけるという思想で総裁がきめたものでございます。
○矢山有作君 なんだね、国鉄の諸君にしても、役人の諸君にしても、言い抜けば実にうまいや。しかしね、私の言わんとするのは、そういう理屈でおっしゃるなら、忙しいときに苦労するから出してやろうというんなら、なぜ管理職だけにするのです。管理職は、そうでなくても一般の職員に比べたら給与水準は高いだろう、しかも、別に管理職手当と称して、たとえば津山の首席助役のごときは一万三千円ももらっているんだ。管理職手当は次の各号に掲げるとおりとし、その適用は別に通達する定数によるものとするとして、月額一万七千円から一番少ないところで三千円までちゃんと出すことになっている。そのほかにまだまだ分け取りの形で管理職だけ金をやらなければならぬ、それは忙しいからだろうと言う。第一線で苦労して働いておる諸君になぜやらない。なぜやらないんですか。
○説明員(山田明吉君) おっしゃいますように、組合員に対する給与につきましては、これは団体交渉事項でございます。ベースアップの配分それから年末手当。それで、その内容につきましては、私どもは、組合に対する提案といたしまして、これは給与総額で総額がきまっておりますから、その配分につきまして、やはり個々の職員についても差をつけたらどうかという提案をしたことがございます。しかしながら、これは現実の組合との話し合いの中で、それがなかなか私ども管理職にやっておりますと同じような考えがまだ実現いたしておりません。
○矢山有作君 わかった。要するに国鉄の考えておることは、組合員に対する給与は団体交渉事項である、管理職の給与は団体交渉事項じゃないと。だから国鉄財政再建といいおる困難な赤字財政の中においても、管理職には流動部門と称して金の分け取りをするのだ、そのことは通達、基準できめたことだから適法だと、こういう解釈だ。そういう解釈は、国鉄の経営首脳には通用する解釈であっても、国民にはそういう解釈は通用しませんよ。国鉄の管理職は、財政困難におちいって再建もおぼつかない国鉄の中に巣くって、金の分け取りをやっているのだ。そういう姿勢を根本的に直してきなさい。そういう経営者の姿勢が直らぬから、マル生運動に名をかりて徹底的に職員を痛めつける、そういう不当労働行為をやるんじゃないか。人にきびしく当たる者はみずからえりを正しなさいよ、みずからえりを。自分がかって気ままな金の分け取りをやっておいて、なぜ職員に対しては不当労働行為を押しつけるか。国民に通用しないような議論をするところは国会の場ではありませんぞ。国会の場ではすこぶる国民に通用する議論をするところだ。この問題については、あなた方悪いと認めぬのだから、あとに問題を残しましょう。 そこで、もう一つこの際だめ押しをしておきたい。昇給や昇職、昇格、配転あるいは官舎入居の問題については、組合といろいろ基準を話し中であるということをおっしゃいました。それはそれで今後の結果を見ることにいたします。しかしながら、あなたが、不当労働行為の多くが昇給、昇職、昇格、配転あるいは官舎への入居、こういうものをえさにして行なわれておるというこの現実をお考えになったときに、あなたは直ちにそうした昇給、昇職、昇格、配転、官舎入居、こういうものを国労や動労脱退の道具に使わぬ、そのことをはっきり約束してもらいたい、どうですか。使ってはならぬという通達を出してもらいたい、通達を。
○説明員(磯崎叡君) いまのいわゆる不利益処遇の問題でございますが、これは全般的な問題として私どもはもちろん下部に徹底させるつもりでございます。また、先ほど申しましたとおり、そういったものについての、ことに法律で定められました昇職云々の三つの問題につきましては、極力早く現在調停段階にあるものを組合側と話をまとめたい、私のほうだけで一方的にきめるわけに参りませんので、極力組合側と早く話をまとめたい、こういうことでございます。
○委員長(中村英男君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中村英男君) 速記を起こして。
○矢山有作君 これで最後。 私はこの間大阪に調査に行きましたが、そのときに、管理者は常に、国労から脱退しろとか動労から脱退しろとか鉄労に入れとか、こういうことを盛んに言って家庭訪問をしたり、あるいは自分の部屋に呼びつけてそういうことを言ったり、あるいは構内で会ったときにそういうことを言ったりする行為が非常に普遍化しております。そこで、総裁にこれはぜひともやっていただきたいんですが、あすの日にでも、マル生運動に名をかりて国労、動労から脱退しろとか、鉄労に入れというようなことは一切言うてはならないという通達を出していただきたい。出せますか。
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、一昨日の私の談話の発表直後、うちの中の機関紙を通じまして、また一人一人に配ります新聞を通じまして、徹底いたしたつもりでございます。
○矢山有作君 新聞やそんなものでなしに、総裁としての正式通達を各機関におろしてもらいたい。確約してくれますか。
○説明員(磯崎叡君) なるべく早くいたします。正式に通達いたします。
○矢山有作君 なるべく早くじゃ困るんですよ。
○説明員(磯崎叡君) あしたとおっしゃったものですから。きょうはまた夜まで時間がかかりますので、あしたはちょっとどうしても……。
○矢山有作君 正式の通達としてできるだけ早くやりますね。
○説明員(磯崎叡君) 承知しました。
○矢山有作君 まことに申しわけないんですが、先ほど管理職手当の問題について、何か会計検査院なり関係機関の人が来られるようですが、おいでになったらあらためてそれをやらしてください。
○杉山善太郎君 私はこのマル生運動というものには、とらえ方については最初錯覚を持っておりました。何かマルクス、レーニズムでやはりコントロールをして、何か赤攻撃であるとか、革命の予行演習でもやるんだから危険的な存在だというようなふうに錯覚を起こしたわけですが、そういうものではなくて、率直に言って、総裁あるいは所管大臣である運輸大臣や、また労働行政の所管である労働大臣は、どういうふうに受けとめていらっしゃるかわかりませんけれども、とにかく現象面では国鉄のマンモス企業の中で多くの人たちがノイローゼというような状態におちいっているというふうに私は現象面でとらえております。ただそれだけではなくて自殺者までも出ておる、こういう状態のマル生運動の推進と不可分な関係において、やはり国鉄当局の労務管理のあり方というものについて、その不当性というものについて、私は古くして新しいことばでありまするけれども、三つの視点をとらえて、政府の関係者であらっしゃる、所管である労働大臣も、運輸大臣も、それを補佐する立場の人々も、そして国鉄を一身にになって責任のやはりセンターにおられる磯崎さんにも聞いておいていただきたいものでありますが、その第一点は百聞は一見にしかずということです。第二点は、何が本物で何がにせものであるか、非常にこれはよく似ておるわけであります、本物とにせものは。しかし本質的にはやはり本物は本物であるということははっきりしているはずであります。と同時に、いろいろなどんな事案、事件、それが複合しようと、あるいは多岐多様にわたろうと、原点は、ただ真実は一つである。こういう三つの視点をとらえて言うならば、何が一体不当差別であるか、何が不当処分であるか、何が憲法で保障されておるところの生存権的な基本人権であるところのいわゆる勤労の権利であるとか、あるいは労働三権で言わずもがな、団結をする自由であるとか、あるいは団体交渉することの自由であるとか、あるいは団体行動することの自由であるとか、そういう三権というものが、いま申し上げた三つの視点のものさしではかった場合に、一体原因者がある限り、加害者がある限り、事象は森羅万象においてやっぱり被害者があるいずであります。したがって、よって来たるところの責任の所在を明確にすることが、いまマル生運動によっていろいろとかもし出されておるところの、大きく分けて一体具体的なメリッリは何だ、そしてマイナスは何であるか。しかも、国鉄は言うならばこれは国民の足であるでしょう。そういう点から労働大臣、まず最初にあなたに私はいま言ったようなまくらことばといいますか、前置きで、まず労働大臣からお尋ねをいたします。むずかしいことを聞くわけじゃありませんから御心配にならなくてもいいわけであります。私は大体内閣がかわるごとに、労働大臣というものに対する横顔というものは、みんな新聞を見て、ははあ今度の労働大臣はだれかというかっこうで、原健三郎先生だということ、そして、その受けた感じでは、原労働大臣は、これはヒューマニストであり、そして、やはりいろいろなものわかりのいいそういう大臣である。私は労働大臣になぜよく注目するかというと、実は私の先輩で船長でありましたけれども、初代の労働大臣は船長で私はその船の一機関士であったわけであります。そういう春秋の論理もありまして、そこで私は労働大臣が、今度まかり間違えば——よほど性根を据えてやっぱり基本的な法以前の憲法の原点というものをはっきりやはり把握して、それに法律というものに準拠して、そして、マル生運動を中心としていろいろな影響、波紋を描いておるが、それをあなたが官房長官なり運輸大臣とも相談をなさって、とにかくありふれた時の氏神ではなくて、とにかく政治的な仲介の労をとってみようというふうに出られた真意は一体何であるか、簡潔にひとつお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) お答え申し上げます。真意は、国鉄当局と労働組合との間にはなはだ不信感が強まっておるという認識、また憎悪感も先鋭化しておる、こういうことを私は察知いたしまして、また国労の委員長、副委員長等が私に陳情があったときにもこのことはよくわかりました。それで何よりも、本質的にもまた第一番にやることとしては、この双方の不信感を払拭することであると考えまして、それにやはり官房長官や運輸大臣の了承をとっておくことが必要なら、その了承を得まして、一つはもう完全に労働問題になっておる、これを労働大臣として放置することはできない。第二はまた民間の企業であると多少の紛争があっても放置しておくんですが、国鉄に関する限り一億国民に非常に影響力の大きいものであるから、政府として乗り出さねばならぬという認識に立って仲介に入りました。すでに国鉄当局からの事情も聞き、私の意見も意のあるところは申し述べてあります。それから、労働組合三団体の方々にもおいで願って、その事情も聴取するし、その真意も聞くし、私の見解も申し述べて今日にまいりました。また一昨日は衆議院の社会労働委員会、本日はここに出まして、さてどうするかということは目下思案中でございます。
○杉山善太郎君 それはやはり客観的にも、主体的にもそれはそのとおりでありますが、それなりに真意として労働大臣みずからの口でおっしゃるので、それは了承しておいておきますが、問題は、私が非常に心配するのは、また新聞も書いておりますけれども、これはまかり間違うというと、どろ沼にとにかく足を突っ込んでしまう。そして私が最ももう一つ杞憂は、問題は労使のやはり関係をもみほぐして、そして、当事者が相互に理解を深めることだと、だからイコール二つの言い分を聞いて、スイカ割りにして、そして、おれの責任の限界はこれで可能最大を尽くしたんだからあとは野となれ山となれというかっこうで、途中で逃げられるというようなことがあってはたいへんなことでありまするので、そこで、私はこの政治的仲介を得られた、その真意は何かということを聞いたのがただす側の、質問する側の私の本旨であるということをひとつ肝に銘じておいていただきたいと思うんです。と同時に、しからば、やはり国鉄総裁なり、あるいは国労、動労、鉄労等々のそれを代表する委員長などに会って、あなたはそれなりに胸を開いて、そして、労働大臣としての立場の真意というものをそれなりに通じ合っていると思いますが、問題は展望については一体これからいま考え中であるとか、あるいは事務当局と目下相談をしておると、それはそうでありましょう。しかし、問題い船であるならばあなたが船長であるから、あなたがこれは潮の流れやいろいろなものを見て、よろしいと、これはこういうことでいこうと、その決断はあなたが下だすべきだと思います。したがって、今日はすでに御承知のように、札幌ではやはり地裁の仮処分が出ておるし、公労委の段階ではやはり一つの救済命令も出ておると、そういう一つの主体的なあるいは客観的な事実の上に立って、そしてあなたが非常に苦労をしておられるということもわかりますが、展望の上では、一体この問題については、あなたはどういう自信と決断と勇気を持って処理されるおつもりですか。その辺については、先のことはわからぬとおっしゃるか、それじゃ済まされぬ、逃げを打たれちゃ困るんだ、この問題は。そういう意味でひとつお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) 杉山先生の烈々たる御信念よく了承いたしました。決して初めちょっとやってみてうまくいかないから途中で逃げ出す、そういう考えではございません。しかし、私はよく両者の話をかなり時間をかけて、国鉄当局には一時間半ぐらいやりました。ほかの組合でも四十分以上かかっております。かなり詳細に聞きましたが、困難であろうとは思いますけれども、この両者の不信感を払拭するのに誠意をもって、信念をもって大いにやるならば、これほど私は全く望みなきなどとは考えておりませんの!御承知のように、国鉄の持つ日本国民の中における地位、またその再建等についても、当局も労働組合もよく認識しておられます。ただ感情がもつれておるのでございますから、その感情をほぐしていきたい、相互の理解を進めていきたい。それで、まだこれだけで一回切りでございますが、少し引き続きできたらこの折衝も続けて解決の道をはかっていきます。ねばり強く解決まで努力を惜しむものではございません。
○杉山善太郎君 これは所管の大臣である運輸大臣もお聞きいただきたいと思いまするけれども、すでに田中委員やそれから矢山委員も一応それとなりに実証をあげて言っておられまするが、しかし、私は視点のとらえ方として古くして新しいことばであるが、百聞は一見にしかずという形で、私は選挙区が新潟でありますので、しかし、札幌に行きましてやはり札幌総局管内をつぶさに一応見てまいりまして、まあ百聞は一見にしかずでありまするが、しかし驚いたことは、これは総裁もそれから職員局長もよく聞いてくださいよ。あなたたちは、まあ身に覚えのあるところだと思うのですけれども、ぼくは実に驚いたのですよ。こういうことが書いてあるのです。「やる気十分」というふうに、これは総裁の字かなと思ったのだが、そうでもなかったようでありますけれども、とにかくこう書いてあります。「立て再建の先兵よ。かん難きたれ、歯をくいしばり、明日の国鉄築こうぜ。われ再建の人柱。オレがやらねばだれがやる」「やる気十分」、こういうふうに右に左に書いてあるのですよ。これは多くを言う必要はありませんけれども、百聞は一見にしかず、私は戦前派の労働運動者ですから、海で十年、おかで二十五年、とうとう頭が白くなつちゃいましたけれども、しかしこれはなるほど百聞は一見にしかずの象徴だというかっこうで、まことに驚きいってきたわけであります。それが一カ所だけでなくて、とにかく先々であるというふうにもなるわけであります。 それから、中身に入っては申し上げませんけれども、私は岩見沢ですね、あの地域全域にずっと入ったわけでありまするけれども、動力車関係だけでこれは不当差別だ、そして、一歩進めばこれは不当労働行為だというものが五十件ありましたよ。それから、国労関係では十三件なんです。いずれこれは事実として出てくると思いまするが。それから、この札幌の総局の中で、たとえばその管理職、そういう主催は北海道総局でありまするけれども、そこで副総局長の話であります。それから、機関車課長の話であるとか、あるいはその他いろいろの、さすがに総局長は出ておりませんが、とにかく運転関係業務検討会というものを開いて、そして、これは具体的には昭和四十六年の八月二十七日の十一時より二十八日の十三時までに及んでおるわけであります。この中身についても、これは百聞は一見にしかずでありまするので。それからもう一つ、この中でまあひとつ運輸省においてもそれから、総裁でも労働大臣でもひとつ具体的な問題として、いまこれは不当労働行為としてテープ、そういうものがとられて、そして、その事案が、まあ全体として各局別にありまするけれども、二十二件ですよ。これは論より証拠といいますか、テープにとられたものが総数二十五件、証拠ある不当労働行為の内容、これは労働組合側で調査していずれ出てくる事案でありまするから、それは百聞は一見にしかずという関連と真実は一つしかないという問題で、これをこれ以上に多く言う必要はありませんけれども、私が先ほど申し上げたとおり、これは法以前の問題の、憲法の中のやはり勤労する権利であるとか労働三権という問題は既成在来の法以前の問題としてやはり国民の足を、もっぱら一手に、独占的企業に、しかも、国有鉄道である限りにおいては、十分その間の労使関係というものについては重大にひとつやっていただきたい。これはこの中に一ぱい入っておりますけれども、時間の空費でありまするから、それはやめることにいたします。 次には、関係の当局者である総裁にお尋ねをいたしますが、私も、これはきょうの質問の序列の中では、自民党の鬼丸先生がいみじくもお尋ねになっておるわけでありまするけれども、一体このマル生運動——これはやめましょう。生産性向上運動をあなたがやはりからだを張って、そして、われわが道を行くと、そういう信念だと思います。そういう根性だと思います。そこで、問題は、あなたの、そして国鉄のある限り、われわが道を行くんだと、そして、この生産性向上運動については軌道修正もしないんだと、そういう立場をとっておられまするが、私はそのあなたの哲学と思想と信条というものを、私がかりそめに質問をしておりまするけれども、国鉄の労働者にも、それは国労にも、そして動労にも、鉄労にも、一般国民に——主権は国民でありまするから、あなたがひとつ、いま申し上げたような哲学、思想、信条についてとにかくしゃべってください。
○説明員(磯崎叡君) ただいま先生のおっしゃった私自身の信念と申しますか、哲学と申しますか、私も国鉄の経営をお預かりいたしまして約二年半になります。その間、財政状態は非常にきびしく、また、組合のいわゆる違法なストライキも非常に頻発いたしております。また、事故は幸い最近減ってきておりますけれども、なおあとを断ってないというふうな、先ほど冒頭申しましたような、非常に有史以来の難局であるというふうに私は存じます。しかも、競争機関が激甚でございまして、国鉄のいわゆる全体の中におけるシェアはどんどん毎年減ってきているわけであります。しかし、私どもは国鉄の未来を信じておりますが、その未来の中で、やはり一番大事なことは人間の問題だというふうに私は思います。したがいまして、私といたしましては、まず国鉄の健全な発展をどうしてもここではからなければならない。二十一世紀に向かってどうしてもここで基礎を固めなければいけないということ、そして、その最終の目的はやはり社会公共の福祉を増進する。国鉄、鉄道という仕事によって社会公共の福祉に貢献する。またそれによって社会公共の福祉を擁護するという立場に私は立ちまして、そして、全職員の協力を得て再建をはかってまいりたいと思います。しかしながら、それにはやはり私なりの一つの理念がなければいけないと思っております。それは多数の職員、また多数の国民に御理解いただくために、きわめて平易に、わかりやすく、簡単に申し上げますと、冒頭に申し上げましたとおり、一つは何といっても国鉄は利用者のおかげで存在しているわけでございます。これは労使という問題を離れて、利用者なくして国鉄は成り立ちません。したがって、私ども、私以下全職員が常に利用者に対して誠意を持たなけりゃいけない。これは事故の問題でも、あるいは事故を起こさないということ、あるいはサービスの問題でも、すべて誠意が私はもとになると思います。次は国鉄という企業、先ほど申しましたとおり、有史以来の難局に直面している国鉄という企業に対する私は部内の人間としての愛情だと思います。何とか国鉄をよくしたい、何とか国鉄をりっぱにしたい。そして、この大きな難局を打開していきたいという国鉄に対する愛情、いわば誠意と愛情とこの二つを一つの基調にいたしまして、そうして、これから国鉄の再建をやっていくというのが私の経営の哲学でございます。哲学というにはあまりにも底が浅いとお考えかと思いますけれども、私は私なりに、そういう理解をいたしております。そうして、それを全四十万職員が、どの組合に属そうと、組合に入っていなかろうと、そういうことを抜きにして、職員として、組合員たる前の職員として、同じ道でもって進むというふうにぜひやってもらいたい。これがいまの先生の御質問に対する私の信念でございます。
○杉山善太郎君 委員長もわがほうの委員長であるし、いま理事のほうからも時間について、ほどほどにということがありましたので、協力をするつもりで多少はしょりますけれども、総裁、それはあなたの哲学であり、信条であり、思想であると思いますから、それは反論はすることはやめましょう。しかし、私は先ほどこの質問をするについての第二番目の視点として、本物とにせものは、見た目ではむしろにせものが本物よりいい場合があるけれども、本質はやはりにせものはにせもので、本物は本物なのだということをなぜ視点として言ったかということを私は私なりにずばりと申し上げましょう。 大体、生産性向上運動は、率直に言って、雇用の拡大ということが、やはり大きな一つの原点であり、柱ですよ。もう一つは、企業は、私企業から国の企業であろうと公共企業であろうと、人間、しかも、使う者と使われる者との関係から成り立っておるのでありまするから、その限りにおいては、やはりILOや憲法や労働法を待つまでもなく、労使対等の原則の上に立ちながら、しかも、あなたは愛情という表現を使われましたけれども、それもいいでしょう。人間を優先をしながら、労働の尊厳というものを高く評価しながら、その上に立って、労使がどうして生産を上げる、どうして企業の能率をあげるかということの創意性とくふう性ががっちりとかみ合って、具体的にもりもりと生産性が向上されるのだということです。もう一つは、国の責任においても私企業においても、損をして企業をやるなんというばかな話はないのです。みんなそろばんをそれなりにはじいていいと思うのです。しかし、その利潤は公正に分配をされなければならぬ。この三つの柱が、じみではあるけれども、そんなことは古いことであっても新しいことで、これが本物であって、あなたの話を聞いてみるというと、労働組合は、現実においてあなたは、その本質が何であるかということはもう釈迦に説法というよりも、身をもって体験してあなたもわかっておるはずなんだ。であるけれども、あなたも、生産性向上運動、言うならばマル生の中にはやはり労働組合——それはかじの取りようによってはいろいろあるでありましょう。あるでありましょうけれども、おしなべてそういう法で保障され、そうして、人権、生存権的なやはり基本人権として保障されておる憲法の条章からいっても、あるいは労働組合というものに対して、あなたは職員職員と、そういう点からいって、これは私の持つ哲学、思想とは違うから、同じになれとは言いません。言いませんけれども、その辺が非常にあなたの姿勢を正して——あなたは軌道修正しないのだ、国鉄の続く限り生産性向上運動はやるのだ。しかし、生産性向上運動の推進と、そこで多くのノイローゼ患者を出したり、自殺者を出したりしておるようなものについては、それは即当局の労務管理という問題にひん曲げられると、むしろメリットよりもマイナスが出てくるのだと、そういうふうに私は掌握をしておるわけであります。一例を申し上げてこの論議はこれで打ち切りますけれども、かりに百聞は一見にしかずで、たとえば東京港でも横浜でも中国の船が入ってまいります。一口に申し上げまして、あなたあるいは国鉄の関係者みんな一ぺん行ってみられるといいのでありますけれども、政治局員と船長と機関長はおります。そして、同じ型の船であって、同じ性能の日本の船舶であっても、やはり乗組員の員数は倍おりますよ。しかし、結局服装は全部同じですよ。食べものも全部同じ食堂で食べますよ。政治局員、船長、機関長を除く以外は船舶勤務員というかっこうで、筋も金ぴかも何もついておりませんよ、実際問題として。そして、最もサロンとしてりっぱなのは学習室というものがあります。学習室の中では、毛語録というものを中心として活学活用というかっこうで、決して毛沢東を英雄化すという教育ではない。それを活学活用して、どうして機関部員は、どうして船の安全と生命と、積んだ人さまの荷物をきわめて能率的にやるかということがこれがやはりどういう視点のとらえ方、マル生と言ってとらえても、生産性向上運動と言っても、具体的な事実として百聞は一見にしかずだから、そういうことでありますから、それはそんなものは次元が違う、政治体制、政治形態が違うから行かぬでもわかっているわいというようなとらえ方をされても自由でありますけれども、いまのあなたが、これはお客さんがある、利用者のために国鉄はあるのだからサービスする。それはいいでしょうけれども、しかし、そうであって、そして、事故を絶滅するとすれば、やはりそういうような形で実は一ぺん行ってごらんになると百聞は一見にしかずということになると思います。これはにせものとほんものとはどういうものであるかということと百聞は一見にしかずという視点で、時間があればいろいろとこれはものの原点のとらえ方が違いますから、論争を展開することになりまするけれども、これはこれでやめますが、一点として、ただこれはお伺いしておきたい点があるわけであります。 これは私にもどうしても職員局長なりそれから総裁なりに聞いておかないとわかりませんからあれでありますけれども、これは場所は札幌の運転区でありますけれども、日時は昭和四十六年の十月九日の十時であります。話題は「国鉄の現状について」と、それから「運転二科生の将来の昇進について」と、それから、三番目には「思想問題について」と、その次には「その他」と、こういうふうに分けてあります。差し出し人は札幌運転区長小林敏夫さんなのです。それで、この手紙がとにかく発信されておるのは九月の十五日付ということになっておるわけでありますが、しかし、この手紙の中に、出した限りにおいてはどうしても来てもらいたいのだというかっこうで、やはり「九月十四日お話したいことがありますので是非御出席下さい」というかっこうで、小林と書いて補足してあるわけです。で、問題はこの中身でありまするけれども、この運転二科生のおとうさんやおかあさんをみんな招集をしているわけですよ。それに対して、大体手紙はこれは第三期の修了生で三十九名にこの手紙が出されているわけでありますが、それで返信つきでありますから二十二名出席しますということに相なっております。 これに関連をして、無賃乗車証ですね、とにかくただで乗れる一つの無賃乗車証というのが出ておるわけであります。それは規程があるとかないとか、それはあるでしょう。先ほどの会計経理の面で、私どもは通念上民間ではどんぶり勘定というものの是非については厳密に、これはいつも問題になるわけでありまするけれども、この点については、私は不当労働行為であるとか、この中身については何もかもわかっております。ここに書いてありまするけれども、それから出した原文のコピーもとってあるわけでありまするけれども、一体、これはむしろ職員局長が関知しておられると思いますけれども、この問題については、また運輸当局から監督局長とかあるいは関係はありまするけれども、こういう切符の出し方は、これは氷山の一角だと思います。あそこでもここでも教育、そして何期生があるのだと、それに対してそのPTAですね、そういうものをお呼びになって、そのつどつどこの乗車証というものを出しておられる。私のとらえ方はこれは氷山の一角だと考えますが、この点はどうですか。まず、これはやはり職員局長、それから、この中の思想ということはそれは聞かぬでもわかっておりますから、それは説明はいいですよ。この中のいろいろな項目がありますわね。「国鉄の現状について」とか、「運転二科生の将来の昇進について」とか、「思想問題について」ということについてはわかっておりまするから。しかし、非常に問題じゃありませんか。お答えください。
○説明員(真鍋洋君) 運転区におきましては、特に若い機関助士等がたくさんおりまするような場合に、家族懇談会のような形で父兄を呼びまして、いろいろ昇進等について御懇談申し上げておるということは現在まで各所であるわけでございます。ただその場合に家族の乗車証で大体来られるのが原則であろうかと思いますけれども、どういうものを出そうとしたかということは私のほうでしっかりつかんでおりません。ただ、この計画につきましては、すでに中止をいたしておりまして、現実には行なわなかったわけでございますけれども、そういう家族懇談会のようなもの、あるいは父兄を呼びまして実際に職場を見ていただきまして、そういった職場の御理解を深めるというようなことで、それぞれ、これはもう長い歴史を持っておりますけれども、そういうようなことを行なっておることは事実でございます。
○吉田忠三郎君 関連して。総裁、いまの常務理事の答えだけでは私は理解できない。国鉄の無賃乗車証の発行の規程には幾つかの規程がありまするけれども、私はそういう例を今日まで承知をしていませんから、ですから、非常にいまの答えは矛盾性を含んでおると思うのです。 それと、関連質問ですから関連さして聞くのでありますが、その小林なる者の父兄に対する招請状と、それから先ほど私が問題にした運転の関係の、つまり国労を脱退をさせて鉄労に加入させる計画だと断定してあるのです。これが実施の時期は十月の十九日を目途に総決起をするということになっておる。これはあとであなたのほうから資料を、原本を求めるわけですけれども、いいですか、これはコピーですから。秘扱い文書になっておりますね、これとの関係。それから札幌の、北海道というのですか、北海道総局に機構改正になりましたが、当時は札鉄の管理局長、いまは北海道副総局長、こういうことになっておりますが、曽根君です。曽根君が九月の十九日追分に参りまして、家族の方百七十名集めて——集めた場所は町の福祉センター、ここに集めて、こういうことを言っておる。国鉄労働組合は悪い組合であるから絶対につぶしてみせる、またつぶれるであろう、そうして、家族の皆さんの理解と協力を求める、こういうことを言っておる。そうすると、いま杉山委員が指摘をした件と、この曽根君の言動と、具体的にこれは実行しているわけですから、この言動と、そうして、この秘扱いの公文書、この関係というのは、一体総裁、どうあなたはながめるんですか。まさに私はでたらめきわまるものだと思う、目に余るものだと思うのです。まさに国鉄の現状は法秩序がない無法地帯ですよ。言ってみれば、あなた方のやっていることは無頼漢がやっていることと同じじゃないですか。どうですか、これは。
○説明員(磯崎叡君) 北海道の副総局長が追分においてどういう発言をいたしたか、つぶさには承知いたしません。しかし、いま先生のおっしゃったようなことをそのまま言ったとすれば、これはもう問題にならないことだと思います。ただ、表現その他はどういうふうに表現をしたかよく存じません。いま先生のおっしゃったようなことを言ったものだとは私は思いません。
○吉田忠三郎君 私が調査に行って出たわけです。でたらめ言っているわけじゃないですよ。
○説明員(磯崎叡君) 先ほど杉山先生のおっしゃった家族との懇談会、これはことに運転関係の者につきましては非常に大事でございまして、何もいま最近に始まったことではない、昔から家族との懇談会をやっておりまして、いろいろな形式その他は違いますが、結局家族とよく話をしておく、また、国鉄の現状あるいは運転の現状を知ってもらうというような意味で、家族との懇談会をやっておりましたが、それがたまたま思想という字が入っておりまして、何か非常に不穏当であるというようなことで中止したように聞いております。これは思想ということばは何も非常にむずかしい……。
○吉田忠三郎君 われわれが調査に行って、われわれが調査に行ったから、その事実を認めたからやめたのじゃないか。
○説明員(磯崎叡君) したがって、それは先生方のおっしゃったとおり、思想という表現が非常に不穏当である、不適当であるという意味で、懇談会全体の性質を誤っちゃいかぬという意味で中止したことと、こういうふうに考えます。また、先ほど午前中、先生がおっしゃった札幌の問題につきましても、これも数日後に改めております。そういったことで、冒頭私が申しましたとおり、非常に大きな世帯でございますので、すぐ手のひらを返したようにいかないということはお断わりいたしましたけれども、極力そういうことのないように私は全力をあげてやるというふうに申し上げておくわけであります。
○杉山善太郎君 それで取りやめられたということですが、そうするというと、結局この無賃乗車証なるものが結局発行されなかったということにも通ずるわけですか。 ついでに申し上げますけれども、これはきわめて、私は思想と書いてあるからどうこうと言うわけじゃないのですよ。こういう手紙ですよ。「初秋の候、御尊家御一同様には益々御繁栄のことと存じ、お慶び申し上げます。」「さて札幌運転区も開区以来六年余りも過ぎ、全職員一体となって国鉄再建のために頑張っておりますが、国鉄の経営も苦しく、このため御子息の昇進も思わしくなく、最近では帰省した折に自分の将来などについて、話題が出ることが多いことと存じますので、左記により運転二科出身の父兄とのこん談会を開催いたしますので、万障繰合せて御出席下さい。なお出席の方には無賃乗車証を郵送いたしますので、九月二十三日までに、復信にてお知らせ下さい。」こう書いてありますもので、とにかく皆さんのところでは、御承知のように、「何々を守る会」であるとか、「何々に集まる会」とか、まあそういったようなものと、その教材、教具はみんなやはり共通の国鉄学園ですか、いわゆる生産性に関するそういう教材が主であると私は理解をいたしておりますので、そういう点でありまするが、この点についてはどういうことになりますか。
○説明員(真鍋洋君) この会議につきましては、総裁から申し上げましたように取りやめておりますので、無賃乗車証を交付したかどうかということは確かめておりませんけれども、おそらく交付をしていないのではないかと思います。ただ、無賃乗車証につきましては、国鉄で行ないます会議につきまして部外者を会議に招請いたします場合に、無賃乗車証を出せる規程はございます。ただ、この家族懇談会の場合に、そういったものに当たるということはちょっと考えられないわけでございますけれども、その辺につきまして実際に交付をしたかどうかということも、中止しておりますので具体的に調査をいたしておりませんけれども、おそらく交付していないのではないかと思っておるわけでございます。
○杉山善太郎君 そのまま乗車証を発行する規程、基準はあるわけですね。
○説明員(真鍋洋君) ございます。
○吉田忠三郎君 あなたは乗車券は発行していないということですが、私どもは調査に参りまして今月の七日に曽根君と会ってきているのですよ。その席上でもあなたと同じような答弁をした、当初。この証拠を突きつけられて、三十九名中十八名は乗車券を発行したと認めたのですよ、これは。認めた事実ですよ、これは。いま総裁は中止をした、こう言っていますから、それはわれわれの調査で指摘されたから中止をしたのであって、もしかりにわれわれが調査をしなかったらどういうことになる。具体的に実行して、結果的には十月の十九日にまたまた不当労働行為、そうして、国労脱退、鉄労に加盟、ここに書いてあるわけですから、このことが行なわれたことになるのですよ。これは認めたことだよ。そういうふざけた答弁では私は了解しませんよ。
○委員長(中村英男君) いいですか。
○吉田忠三郎君 答えなさい、ちゃんと。
○説明員(真鍋洋君) 無賃乗車証を出します規程はございまして、それには部外者等の会議、懇談会に出し得る規程はございます。ただ、この懇談会が出し得ることに判断したかどうか、私どものほうは確認していないと申し上げたわけでございます。したがって、もしそういうことの御調査の中で実際出ておれば、そういう規程に従って出したものと思うわけでございます。
○吉田忠三郎君 規程に従っていませんよ。
○杉山善太郎君 次には、この問題はこれで一応時間が、時は金のように迫ってきておりますので、次に移りますが、今月の二日ですけれども、私は選挙区が新潟で実際は新潟に居住いたしておりますのですが、ノイローゼで十月二日の朝、新潟県の新津市の実家に帰っておって、吉井弘二十四歳で、この人が実はもう大体においてなおりかけておったわけであります。そして、いよいよもとへ、渋谷駅でありますが、渋谷駅へ帰ろうということで荷物を一応家族の方々が駅に持っていったわけですが、帰ってみたらばおりませんので——ところが物置き小屋で首をつってなくなっておるわけであります。これは百も御承知でありましょうけれども、渋谷駅の駅務掛は全体として二十六名だそうでありますが、その中で二十名は鉄労に行っておるわけであります。六名がいわゆる国労の本流を守って、その一人でありますが、これは国鉄の機関紙、国労の機関紙で書いてありまするので、それなりにそれは当局の、ことに職員局関係、労働関係の係はそれは御存じでありましょうけれども、それはここで言いませんけれども、ともあれ父親は吉井実という人でありまして、五十六歳であります。これは国鉄のOBでありますけれども、現在はやはりこうじ業、つまり甘酒やなんかをつくる——米どころでありますから、こうじ業で細々と生きているわけであります。母親は五十歳でありましてハルと言われますが、兄貴は国鉄の新潟の駅に勤めておるわけであります。しかし、血は水よりも濃いのであります。兄貴のほうは鉄労に籍を置いておるわけでありまするけれども、しかし、この二十四歳になる青年が、ほんとうにこれは私は身に置きかえて、駅夫という職能の中で、二十六名おる中で、国鉄の労組の六名という立場で、あの手この手で、一体同じ部下であり、同じ同僚であり、私も戦前の海運で多くの生活をしておりまするけれども、こういうようなことが一体常識として人間のつらをかぶってできるかというような形に、しかも、昇進、昇級をあるいは宿舎の利用等々の問題について駅長、副首席、指導掛、かなり国鉄の職制といいますか、管理体制というものは手が込んでおりますわ。海運に見るがごときそういう状態ではないのでありまするけれども、しかし、結果において、思いあまって帰って行っても、もはやもう希望は持てないんだと、しかし、その原因は、率直に言って駅務掛からやはり旅客掛の昇進試験を受けたいというかっこうで実は受けたわけでありまするけれども、その受ける前段の前には、いわゆる職制ですね、何回となく呼ばれて、おまえは国労におってはとても試験は受からぬぞ、考えてみたらいいだろう。手をかえ、品をかえ、人をかえてその人の身になるような側で、しかし、それは言うならば、国労におっちゃ試験は受からないぞ、考え直せいということに尽きるわけであります。そして、彼はやはり同じ新潟で売店をしておる娘と結婚をするべくこれは約束しておったのでしょう。収入とやはり住まうというバランスにおいて宿舎に住まうということの願望と希望を申し上げておったわけであります。それはわかるけれども、おまえ、しかし、国労じゃだめだぞ。それは内申を出さなければならぬのだから、ありのままに内申を出せば、おまえは六人衆の一人じゃないかというような形で、試験もだめであったし、そして、家を持というという、そして、収入と支出の関係で宿舎に入れてもらったらやっていけるという可能性で、それも生きる上の唯一の希望を持っておった。結局ノイローゼが高じて、いなかに帰って、なおって帰ろうというような気持ちにもなっていたんだが、彼はよく考えて、結局首をつって死んでしまったのだということです。そこで、これは一つの変死でありますから、新津署で母親を呼んで聞いたのです。母親はそういった込み入った、マル生が何であるか、国労が何であるかということはわかりませんから、ともあれ、これは三男坊なんです、しかし、いい息子であったんだけれども、何か渋谷の駅で働く仕事のことで悩んでおったようだ。そして、結婚のこともあったのだけれども、とにかく結婚も何もせずに死んでいってしまったのだ。よくはわかりませんけれども、まことにかわいそうなことをしましたということを係官に言っているわけです。種もしかけもなく、これは母親がわが子を思う愛情の中からありのままを言っているわけであります。おやじもOBでありまするから、とにかくしかし、問題はそういうような事実であって、これでいいのですか。一体これは皆さん全部、こういうようなことが、私も生きてきた人生航路の中でいろいろな事象、事態に接しておりますけれども、自殺にもいろいろな自殺のしかたがありますよ。首つりほど思い詰まって銭のかからない自殺の方法はありませんよ。自殺でもはでな自殺で、金でもあって、もうこれでいいことをしたから、太く短く、罪業を死でこたえるという死に方もあると思いますけれども、こんな思い詰まった死に方をさせるということは、それは量見が小さいということはありますけれども、これはひとつ総裁にしても何にしても、人道問題、人権問題として、何ですか、一体。勤労する権利は憲法に保障されていますよ。それはあれしてやったからこれしてやったから、内申でこうだということは、実は武器なくして殺したことにも匹敵しますよ。しかし、この問題は、聞けば国鉄地本は、やはり東京地裁に民事で損害賠償の訴訟をしているわけです。そして、人権擁護委員会にも出しておる、そういうことを決議しているというふうにも聞いておりまするから、これはそういう方面で、一応しかし人道問題として、人権問題として、一体どういうふうに考えておられますか。国鉄総裁はあらゆるもののやはり総責任者でありまするから、この問題に関連して、それは首つりで縁起の悪いことで、こういうところで言うべきことじゃないというようなことでなくて、ずばりで、これも私は先ほど労働大臣に行政の長官としてやっぱり言うべきことでないということでなくて、言うべきことは言ってください。私どもは個人の主観で言っているのじゃないのだ。そういう立場ですから、そういうことの関連で、しかし、運輸大臣はよく考えておいてください。あなたの主管行政下にそういうまあ物語があるのだ。現実にあるのだということと、しかし、総裁はそれなりに、あなたの信念なり考え方をひとつお答えください。ここではっきり答弁してください。
○説明員(磯崎叡君) 私のほうの職員が自殺をしたことにつきましては、私は非常に深く弔意を表するものでございます。 実は自殺ということは、なかなか申し上げにくい点も多々ございます。実は私自身も近親にそういう者を持っております。非常にはっきりした理由があったにもかかわらず、やはりいろいろ調べてみますと、必ずしも単純なことでなしに、いろいろなことが錯綜してやはり死を選んだというのが私の近い事実でございます。したがって、現時点におきまして、それをいやしくも人の死というものをあとからいろいろああでもない、こうでもないというふうなことについて私は申し上げたくございません。深く死者に対して弔意を表しますとともに、私はその死者は静かに眠らしてあげたい。やれどうだ、かれどうだというふうなことを言うことは、結局私としては片っ方が言えば片っ方が言うというように、非常に霊を慰めるにふさわしくないことになると思いまして、私は静かに、また深く弔意を表して、今後の、二度とこういう不幸なことがないように、みんなであたたかく見守るということをすべきだと考える次第でございます。
○森中守義君 関連して。総裁も職員局長も、そういう答弁はありませんよ。いま質問者はマル生運動の結果そういう死人を出していると、こう言っているわけだ。何ですかそれは。さっきの職員局長の答弁でも一緒だ。具体的な事実を調査をしてきて、こういうことがあったがどうだと聞くのに対して、さっきの優待券の問題でも一緒ですよ。職員局長が言った。それは出し得る方法があるから、それで出したのだと思う、そういう答弁がありますか。私も十五年国会の中にいる。各行政機関の大臣等が質問者の質疑に答えて、そういう答弁をした例はない。参議院を軽視しているよ。よく考えてもらいたい。 本来、いまのような死人まで出た、その原因が、マル生運動の結果ではないのかという疑いを持っている。それならば調査をなぜしないのですか。札幌の問題でも一緒ですよ。当然具体的な問題が調査の結果あがっているんだから、それを日本国有鉄道が一体の責任において業務が運行されている、その中に発生をした問題ですよ。当然総裁であろうと真鍋職員局長であろうと、国会に忠実であろうとするならば、当然事実をきわめるべきだ。いまこの場で返事せいとは言わない。けれども、質問者の答弁にはそういう態度で答えてもらいたい。朝からずっと答弁聞いていると、とにかくこの場でうまいぐあいに質問をかわしておきゃいい、時間をかせげばよろしいというような、そういう答弁に尽きている。まことに遺憾のきわみですよ。いま、国鉄をどうするかという問題にぶつかって、みんな心配している。皆さんのほうでは、これは日限を切られた予算や法案の審議ではない、適当にこの場でやっておけばよろしいということであるならば、将来、社会労働委員会でも、運輸委員会でも、国鉄のそういう姿勢に対しては考えますよ。しかも、いまの死人の問題に対して何ですか、あなた方の態度は。静かに冥福を祈りたいとは何だ。死因が少なくともマル生運動に関係があるのではないかという疑いがある。なぜ調べませんか。そういうことをいんぎん無礼と言う。参議院はそういうことを許しませんよ。答弁のやり直しだ、いまの。できるだけ時間を制約をして、軌道に乗せようというのに、その態度はなっちゃいない。
○説明員(磯崎叡君) たいへんおしかりを受けましたけれども、私はきのう、おとといの衆議院におきましても、同じことを申し上げました。
○森中守義君 衆議院がどうかしたか知らぬが、参議院は通らない。
○説明員(磯崎叡君) やはり自殺と申しますのはなかなかそう簡単に原因がわからないということは、私自身の経験で先ほど申したわけでございます。したがって、いま杉山先生のおっしゃった、生産性運動と関係があるのかないのかということにつきましても、私はあるともないとも申しかねるということでございます。それはやはり自殺者については、それはいろいろな理由が錯綜していると、それを単にこれだあれだということは非常に私は死者に対しても失礼になるというふうに思いまして、あるともないとも申し上げずに、ただ冥福を祈ると申し上げたわけでございます。
○吉田忠三郎君 総裁、あなたの心境はそれでそれなりに私はくどく言いませんが、しかし、この運動が始まって急激に不当労働行為、これが出たのはあなた先ほど答えていましたね。ここ急にそういうものが出てきた、そのことについては関知をしていなかった、不徳のいたすところと、こう答えた。この間に、私の調査では六名自殺者が出ている。いま、杉山君は一人だけ例にとった。六名、北海道の青函局でも若い青年が自殺をしている。どうですか。いまだかつて国鉄にこういう自殺者が連続発生したことがございますか。ないでしょう。ですから、このマル生運動というものがただ単に不当労働行為のみならず、とうとい人命を失う方向に行っている、こう言っているんですよ。この実態をあなたどう考えていますか。
○説明員(磯崎叡君) 私も自殺者につきましては一一報告を受けております。しかし、それが多いとか少ないとかということを言うべき性格でもございませんし、また個々の例について、事情を一応聞いてございますけれども、それが先ほど申しましたとおり、この運動に直接関係があるのかないのかということにつきますと、またほかの理由も出てくるというふうなことで、結局なくなった方に対して非常に私は心苦しく思いますので、その点はこの程度の答弁でごかんべん願いたいと思います。
○杉山善太郎君 私はこの質問に立つ前提に、とにかくノイローゼや自殺者まで出したマル生運動の推進と、国鉄当局の労務管理のあり方の不当性について、そういう出発点で、そういう発想で出ております。したがって、もうこれで終わりますと言うけれども、問題はまあ表現のしかたによっては生命は地球よりも重いという評価のしかたもありますよ。総裁のそれは近親者か家庭か知りませんけれども、この渋谷の事件は、とにかく血のつながった母親が職場のことでと、そして二十四歳というならば適齢期ですよ、そして縁があってというようなことについては、しかも、二十六名の駅務掛があって、そして、二十名の人が鉄労に行っているんですよ。その行っている過程については、どういう手だてで、どういう道具だてで行っているということについては、みずから信じて、いわゆる鉄労がいいとかあるいは何がいいということで行っているわけじゃないんですよ。かなりこれは不当労働行為ですよ、実際は。結局、心臓の弱い連中が、当局の側で昇給、昇進にそのコースに乗りやすい、軌道に乗りやすいほうへ行って、自分たちは国鉄の本流を守るという立場で、そういうしんの強い人でさえも、この問題についてはこう言っているんですよ。新潟におるその兄貴は、これは鉄労なんですよ、鉄労なんだけれども、血のつないだ兄弟であるけれども、あれはしかし、六人で国労を守っておるということについてはおれは割り切っておるのだ。兄貴、心配しなくていいのだ、兄貴は兄貴、おれはおれだというふうに言っておった。しかし、まことにかわいそうだったということを兄貴も言っておるそうでありまするから、これは名前はだれが何を言ったという——あなたのほうにはたとえば駅長だとか首席助役であるとか指導助役とかいろいろありまするけれども、それらの人たちが手を変え品を変え、宿舎の問題やそうしてその試験の問題について内申書を書くにしてもみんな言っていることは、明らかに国労脱退、鉄労入会というものを突きつけて、よく考えてみよということを言っているんですよ。明らかに死人に口はないけれども、弁護士が、これは刑事事件じゃない、民事事件として人権擁護委員会に出しても、とにかくあるいは東京地裁に出してもこれは事件になるのだという、国鉄が少なくとも東京地本の大会で衆知を尊重して、そして専門の弁護士を出しているんだから、明らかにこれはマル生運動のとにかく強圧の犠牲者なんですよ。でありまするから、これについてあなたの根性とあなたの考え方はわかりましたから、きめつけたようなものの言い方は、時間の——もう一つこれは総裁やそれから運輸大臣や労働大臣に聞いてもらわなければならぬことがありまするから先へ進みまするけれども、いいですか、総裁。そういう点でこれは死んだ人には気の毒だけれども、そんなマル生運動に関係がないような——あるかのごとくないようなごとく、あなたの真意は、ないというふうな、そういうニュアンスで影響力を他に広げようという魂胆だというふうに私は断言しておきますが、しかし、これは推定の限界を越えませんから。 それで実は、とにかく大体国鉄が、どういう死に方をしましても仏になった人を尊重されることはけっこうだと思いまするけれども、大体この葬式に、十月二日にそういう首つり自殺をしたわけでありますが、どういう死に方をしてもやはり仏になった限りは祭りごとをしますので、このことを表面的にあながち私はきめつけて、悪いとは申しません。東京の西局長、それから渋谷駅長、そして新宿の運輸長、それから渋谷駅の幹部一同という人たちから実にりっぱな花輪と、そして、みんな役付の偉い人でありますから、何々付という人がこの葬式に参列をした。むろん渋谷駅の国労の分会長も言っておりまするけれども、見てびっくりしたわけであります。だとすれば、これは、おれも花よりもだんごで、花輪よりも少しでもお香典を仏前に捧げたほうがいいと思ったけれども、こういう当局の方々が実際に何々付というものを着て、そして、やはり組織と血のつながりの兄弟分が花輪を立てなければいかんというかっこうで花輪にしておるという状況でありまして、ここに写真もありますよ。そして、みんなこういうように大きな花輪がついておりまするが、まことに貧しいうちでありまするけれども、花輪だけはりっぱに立っておるわけですが、問題はしかし、この実父は先ほども申し上げたとおり国鉄のOBであって、そして、祭りごと——焼いて葬式が済むまで結局管理職の方々がこのおとうさんのそばを離れなかったということと、某旅館の別室を借りきっていろいろと謀議をやっておる事実があるわけでありまして、でありますから——しかし、これは語るに落ちまするけれども、一体こういうふうにやっぱりどういう事故死であっても、あるいは名誉ある一つの殉死であっても、前例として一駅夫さんがなくなった場合について、慣例としてこういうことをやっておられるのかどうですか。しかし、やっておられるとしたらけっこうでありますけれども、ぼくがぼくの感触で聞いた限りでは、そういうことは前例はないのだと、これは異例だというふうに聞いておるわけであります。でありますから、この仏に対してこういう手厚い儀礼上の儀式をすることについて、私は、いいとか悪いとかということとは別であります。少しこの措置という問題については、結局やはり胸に手を当てて真実はただ一つしかないのだ。一体何を模索、画策してこういうことをなされているのかというような点については、これは総裁にしても、それから職員局長にしても、管理職にある人で、とにかく一体そういう前例があるかどうか、それはいつの場合でもやるんだというふうになるか、その点どうなっておるか。しかし、この渋谷駅の吉井君の場合はまた別であるとなるなら、その点をひとつ明確に答えていただいて、だいぶ私も時間を食って、時は金なりというえらそうなことを言って口ぐそをたれたことになりますから、もうこの辺でやめますが、そこでひとつ答えてください、その辺を。
○説明員(磯崎叡君) その吉井君の葬儀の詳細につきましては、私、いま詳細に承りました。普通、殉職の場合にはいま先生おっしゃったような程度の弔意を表するわけでございます。いわゆる職務上死亡した場合には大体その程度のことはいたします。しかし、自殺の場合と申しましても、まあそう始終例があるわけではございませんが、それはそのときによって管理局長なり、駅長のやり方は多少許された範囲内で酌量できますので、どういう気持ちでそこまで深い弔意を表したか。これはちょっと私もここで憶測いたしかねますけれども、非常に世間的にお騒がせし、また本人にも非常に気の毒であったという意味でそれだけの弔意を表したというように私は考えます。
○矢山有作君 行政監察局なり、会計検査院の方がお見えになったようでありますから、先ほど申し上げておったことについて御見解を承りたいのですが、事の経過がわからぬだろうと思いますから概略申し上げます。 よくお聞きおきいただだきたいのですが、四十三年の十二月の中ごろ過ぎに岡山鉄道管理局の管内で、十一月の末から十二月の初めにかけて現場管理者に三万円から五万円のつかみ金を配分しておるという風評が立ちました。そこで岡山地方本部で調査した結果、管理職手当流動部門として出したことがほぼ明らかになったようであります。そこで十二月の九日に局の集団交渉でその中身を追及いたしました。その結果一つは、それは管理職手当の流動部門である。岡鉄局では夏冬二期で一千四百万円を支払った。対象管理職は七百八十名である。これでいきますと、大体一人平均二万円弱になりますね。 それから第三番目に費目は特殊勤務手当で出した、こういうふうに言ったというのであります。そして、参考までにその後の状況を申し上げますと、具体的な例をあげて申し上げます。津山駅の首席助役でありますが、これが毎月、固定部分として一万三千円管理職手当をもらっておるという。そして、流動部分として四十四年度は上期が一万四千円、下期が七千円、合わせて二万一千円、それから四十五年度に上期五千円、下期五千円で合わせて一万円もらっておる、こういうことであります。そこで、私は、国鉄の職員賃金基準規程なり、あるいはまた管理職員給与基準規程をながめてみましたが、どうもこういうようなものを出す根拠がないのじゃないかということで質問をしておったわけであります。私の質問に対して最初職員局長のほうからは、それは特殊勤務手当という費目で出しておるというお話であった。そこで私のほうは、特殊勤務手当というこの費目の中で出したというが、それに該当するようなものは基準規程にはないではないか、ということでお話を持っていきましたら、今度は山田副総裁のほうからの答弁で、それは管理職手当で出しておるのだ。管理職手当の中には固定部分と流動部分とあるのだ。この流動部門からつかみ金を出しております、こういうことなんです。こういう経理のやり方というのが国なりあるいは国の経営企業体である国有鉄道で行なわれておるというのは、私は、きわめて不当なやり方ではないか、こういうことで質疑をしておったわけであります。それぞれ検査院なり行政管理庁の御見解が承りたいのであります。
○説明員(浅古迪君) お答えいたします。 ただいまの御質問の件でございますが、私ども初めて聞いたことでございまして、これの金銭の支出の当否につきましては、第一次的には会計検査院が毎年検査されておりますので、これの検査結果というものを私ども行政管理庁としては尊重する立場でございます。こういうものを支出することが適当かどうか、この点につきましては一応、手続的に成規の手続がとられて支出されているとすれば、それは違法ではないと思いますが、そういうのが不当かどうかという点につきましては、なお検討してみないと適当かどうかということを御返事できないと存じます。
○説明員(鎌田英夫君) お答え申し上げます。 私も実はいま突然——突然と申しますか、急にこういうことを承りまして、勉強する余裕がなかったと申しますか、直ちに検査院としての結論を申し上げる段階にない、こういうわけでございます。検査院は当然、国鉄の収支その他につきまして検査しておるわけでございまして、こういった手当の支給についても検査する立場にございます。ございますけれども、われわれの検査の範囲と申しますか、非常に複雑多岐な国鉄の膨大な業務なり、建設なりといったものの検査にあたっておりまして、個々の駅の検査、そういったものにつきましては、人員的あるいは時間的な関係で現場について検査をしておりません。いま先生がおっしゃいました津山という駅につきましても行っておりませんで、実態がどうなっているか全く承知しておらないわけでございます。しかし、だんだん承っておりますところによりますと、まあ特殊勤務手当この中に固定部分と流動部分、そういうものがありまして、固定部分については管理職員給与基準規程、こういうものに規定されておるけれども、この流動部分については規定されていないじゃないかというお話でございました。しかし、この流動部分につきましても、特に——ちょっと急に調べたものですからよくわかりませんけれども、通達で特別加算額を支給できるような措置をとっておられる、こういうように、ただいま、間違っておるかもわかりませんが、そういうふうに承っております。そういたしますと、この基準規程というものも通達である、それからそういう特別加算を認めたものも通達である、こういうことになるわけでございますが、私ども一般に国に準ずる機関、公共企業体としての国鉄、こういう見解は持っておりますけれども、やはり公共企業体は公共企業体というもので、やはり純然たる役所とは多少違った流動性あるいは弾力性というものを持ってしかるべきじゃないかと、そういう見地に立ちますと、総裁がその裁量によって、そういう通達によって給与を出すということもあながち、これは私の私見になるかと思いますが、いけないことではないというような感じもするわけでございます。国鉄法の四十四条に給与のことがございます。給与は給与準則に従って出すと、定めるところによって出すと、それから一方、予算の中の給与の総額を越えて支給してはならないと、こういうことになっております。私ども国鉄本社におきまして給与を全般的に調べるわけでございますが、全般的に調べました範囲におきましては、予算の中の給与の額を越えていない、こういうようなことを確認いたしまして、その給与の実態、この人に幾ら払われたかというところまで手が行き届きませんで、その実態を知りませんけれども、その範囲で一応検査を了すると、こういう立場をとっております。 いろいろ申し上げましたけれども、多少私見を交えて申し上げました点をおわびを申し上げまして、これで終わります。
○矢山有作君 検査院にお伺いいたしますが、なるほど手続的には管理職手当の中に流動部分と固定部分とを分けて、そうして、その流動部分から出したとこうおっしゃる。そして、そのことについては運輸省の了解を得ておると、だからあなたは、手続的に言うならば違法がないということならわかります。それはあくまでも手続の問題です。ところが私は、検査院というところは、ただ単なる違法かいなかだけでなしに、当不当を検査するところの検査院だと私は思っておりますがね。こういうように非常に財政困難におちいって、再建すらあやぶまれておるような国鉄の経営の中でですよ、わざわざ、総裁が自分の裁量でつかみ金として思うたように使える金を、一片の通達か基準かしらぬでつくり上げて、そうして、ばらまくという、このやり方が正当であると思うんですか、それは正当ではないと思われるんですか。これをしも正当とおっしゃるんなら、一体会計検査院というところは何をするんですか。手続的に整備されておりさえすれば、手続的に整備というのは、いまの場合で言うならば、運輸省に了解を得ておきさえすれば、あなたは国と公共企業体を分けて言われましたが、公共企業体はどんな金でも出せるんですね、つかみ金で。そういうことにはならぬのじゃないですか。それを検査院が正しいと認められるんでは、一体どういうことになるんですか、これは。私はあなたの考え方を疑いますね。
○説明員(鎌田英夫君) ただいまの重ねての御質問でございますが、先ほども申し上げましたように、私勉強不十分でございまして、私見というようなことで申し上げまして、まことに申しわけなかったんでございますが、これが直ちに当不当という判断は現在の時点では私もつきかねますので、その点は先ほど申し上げましたとおり、しばらく時間をかしていただきたいと考えるわけでございます。 なお、検討するということを先ほど申し上げるつもりでおりましたのをちょっと失念いたしました点をおわびいたします。
○矢山有作君 私は検査院なり行政管理庁に申し上げておきますけれども、法律で定めなければならないような重要事項を法律できめないで政令に移し、省令に移し、規則に移し、基準に移し、通達に移して、そうしてかってなことをやっておるというのがいまの日本の政府なんです。これもその端的な例なんですよ。そういうことの実態を検査院としては私は検査してもらいたいと思うんです。形式的に運輸省の了解を得て通達を出した。そうして、おればどんな形で金を出しても正しいのだというなら、これは一体どこで貴重な国の税金の使途を、あるいは国の経営体のその金の使途をチェックするのですか、正しく。その齢どめがなくなってしまうじゃありませんか。形式論理だけを振り回すのではなしに、やっぱり行政の実態に立ち至った立場から判断をしてもらいたいと思うのです。たとえば会計検査院の第五局長の最初の答弁をそのまま私がこれでのがしておったら、おそらく運輸省なり国鉄は、自分のやったことが検査院から正しいと認められたとして、あるいはますます一片の通達でもって、つかみ金で振りまける金のワクを予算上ふやしていくかもしれませんよ。そういうようなことは許されぬでしょう。であるとするなら、あなたはその辺のことをわきまえた答弁がなされなければならぬ。この問題については後日に問題を残しておきます。あなたもこれが正当な支出であるとはおっしゃっておらないようです。当不当については判断をさしてくれとおっしゃる。検討さしてくれとおっしゃるのですから検討していただきましょう。その場合にですね、形式論理だけにとらわれないで、ものの実態を判断をしてそのあなた方の見解を示していただきたいと思います。 それで、この際当局にお願いをしておきます。この管理職手当は何か、基準か通達かでこの流動部分と称するものを出しておるのだと、こうおっしゃっておりますが、その根拠を、通達なり基準規程があるならこれは資料としてお出し願います。 それから、四十三年、四十四年、四十五年、四十六年度のこの管理職手当の積算基礎を示していただきたい。積算基礎、これは積算基礎ですからね。通り一ぺんの資料じゃ困るのですよ。固定部分と流動部分とを分けて総額こういうふうに積み上げたのはどういう基礎でこういうふうな積み上げをやったという、その積算の基礎を資料として出していただきます。 それからもう一つ、検査院に追い打ちをかけてことばじりをとらえるのではありませんが、この管理職手当の流動部分という形で出しておるこの金は、何も津山なら津山の駅をお調べになる必要はありません。こういう不当な出し方をやっておる、それは国鉄なり運輸省が言っておるように、ちゃんと国の予算の中に組んであるようでありますから、だから何もこれは津山駅に行って検査なさらぬでも検査のできる問題であります。あなた方がこういう手当の支出について真剣にですね、不正なやり方で、不当なやり方で支出をしておられるようなことはないだろうかといって注目をされれば、相当な予算額でありましょうから、これはお気づきになって検査対象になるはずでありますから、その点はこれはさっそくちゃんと検査もなさり、そうして、それに対する判断をあなたのほうからは示していただきたいと思います。 それから、引き続いてもう一つお願いをいたします。これは行管であります。行管のほうは今日マル生運動にからんで国鉄の中に不当労働行為が続発をし、そうして、死者が出、ノイローゼ患者が出る。そうして職場においてはいままで仲のよかった労働者同士が相反目をしなきゃならない、きわめて陰惨な空気がみなぎっておる。このことは私は国鉄の業務運営の上には多大な悪影響をもたらしておると思います。そこでこういうことはいまに始まったことではないので、すでにこれまで国会の場でも論議にもなった、新聞でもたびたび取り上げたところであります。そういうことから、行政管理庁としては国鉄の業務運営の実態に対して監査をやろうと思われたことがありますか、それとも全然御承知なかったのですか。この辺はどうですか。——検査院のほうからも答弁してもらってくださいね。
○説明員(浅古迪君) お答え申し上げます。 国鉄の監査につきましては、以前何べんも監査いたしましたが、最近二、三年は監査をいたしておらないような状況でございます。 なお、現在のところ、本年度は国鉄の監査につきましては計画には上がっておりません。
○矢山有作君 上がっていない……。
○説明員(浅古迪君) はい。
○森中守義君 どうするんだ。特別監査やれと言っている。
○説明員(浅古迪君) この問題につきましての監査は上司とも相談いたしまして、必要があれば適当な時期にいたしたいと思います。
○矢山有作君 あとからまた確答を求めますから。 検査院から答弁を。
○説明員(鎌田英夫君) ちょっと申しわけないのでございますが、御質問の趣旨をちょっとわかりかねますので、もう一度お願いいたします。
○矢山有作君 あなた質問の趣旨がわかりかねるって、何を聞いておったのですか。
○説明員(鎌田英夫君) ちょっとぼやっとしておりまして、失礼いたしました。
○矢山有作君 ここへ出てきてぼやっとしておるようなことじゃ話にならぬじゃないの。そういうようなことでは国の各省庁の会計経理の監査をできませんよ。
○説明員(鎌田英夫君) 監査ということはわかっておるのでございますけれども、検査ということはわかっておるのでございますけれども、特に……。
○矢山有作君 だから、私の言うのは、一つは、あなたが軽々に当不当の判断を示されたということは、これは国鉄にとっては、検査院すらこれはいいと言ったのだから幾らやってもかまわぬのだということで、これから管理職手当だろうが何だろうが、とにかくほしい金を予算化して運輸省にめくら判をつかしておいたら分け取りだということが起こりますよ。そんなことになったらたいへんだから、したがって、一片の通達や基準で何をやってもいいんだということにはならぬはずだ。だから、その点であなたの答弁はもう少し慎重でなければいけませんよ。こう言ったのが一つ。 それから、たとえば基準やあるいは通達を出しておきさえすれば、金はつかみ金で何ぼでも総裁の独断で使えるというようなやり方は手続的に、それが手続を踏んでおる、たとえば運輸省の承認を得ておるといっても、それだけで正しいとは言えぬじゃありませんか、ということを言っているのです。手続としても問題がありますよ。金の出し方が問題がありますよ。そんな基準や通達で何ぼでも金が出せるということになったら、これは何をやりだすかわからない。それを言っているのです。だから、ただ形式的に手続さえそろっておれば違法でないということだって軽々しく言えぬのです。手続自体が正しいのか正しくないのか、もとになる法のたてまえからいっていいのか悪いのかという判断も要るわけです。たとえば手続的に問題がないとしても、そういう金の出し方が当を得ているか当を得ていないかという判断もある。いろいろな問題がありますよと、いうのが一つ。 それから、もう一つは、監査をやられるのに何も津山駅へおいでになる必要はありませんと申し上げたんです。津山駅で起こっている問題だけではないんですから。これは全国で起こっている問題なんです。国鉄は管理職手当の中に固定部分、流動部分といって予算を組んでおいでになるんだから、手当等の使い方についても、検査院が注目をされるならば十分気がついて検査をおやりになっておっていい問題であるし、またいまでもおやりになれますよ、こう言ったんです。
○説明員(鎌田英夫君) お答え申し上げます。 私先ほど津山の駅へ行っておらないというようなことを申し上げましたけれども、仕事の量の問題、あるいはこちらの人員の問題、日数の問題、そういうものもございまして、津山駅に限らず、駅についてのというようなものは見ておりません。そういうわけでございまして、今度御指摘もございましたので、今後そういった実態につきましてなお実地に検査すると同時に、それをまとめまして総合的、総括的に判断を下していきたいと考えます。
○委員長(中村英男君) 国鉄はいまの二つの資料よろしいですか。
○説明員(真鍋洋君) 管理職手当につきまして、副総裁から申し上げましたように、固定部分と流動部分とがございまして、この流動部分につきましては四十三年の三月十九日総裁達がございます。さらに四十五年の十月十三日にも総裁達を出しておりまして、実施をしておるわけでございますけれども、それらの資料は後ほどお届けいたします。
○矢山有作君 それから積算基礎、四十三年から四十六年までね。 それからもう一つこの際資料として出していただきたい。あなたは、無賃乗車証を出すのにはその基準か規程か知らぬがあるとおっしゃっておりましたから、私ども、いま指摘になった札幌運転区長の小林氏のやった処置が適当か適当でないかという判断をしなければなりませんので、あなたがおっしゃった根拠になる、基準か規程か知らぬが、それを資料で出していただけますね。
○説明員(真鍋洋君) 出します。
○矢山有作君 もう一つ。行管のほうに再度はっきりさせておきます。マル生運動に名をかりた不当労働行為で国鉄の業務運営は非常に問題をかかえておると思うんです。そこでこれは特別監査をぜひやっていただきたい。四十六年度の監査計画にないとおっしゃいましたけれども、なければなくていいからとにかく特別監査をやると、そういうことでやっていただけますか。御答弁ください。
○説明員(浅古迪君) お答えいたします。 マル生運動につきましては、労働委員会が不当労働行為だということで裁定が出ているわけでございます。それで、これがどういうふうに行なわれているかということは非常に調査はむずかしい問題ではないかと思います。それで、この点につきましては上司とも相談いたしまして、その必要があると上司が判断いたしましたときには監査いたします。
○委員長(中村英男君) 質問の趣旨に沿うて相談をしてやるという趣旨ですか。
○説明員(浅古迪君) はい。御質問の趣旨に沿いまして、上司とも相談いたしまして必要があるということになれば監察いたします。
○矢山有作君 いまの国鉄の現状はこれだけ混乱しているんですよ、マル生運動で。業務に支障が起こっているのはあたりまえの話でしょう。だから、いまの国鉄の実態をあなた個人は特別監察する必要があると思うんですか思わぬですか。あなたが特別監察する必要がないんだという考え方でおって大臣に相談されたらたまりませんよ、こっちは。前向きというのは特別監査の必要があるという立場で大臣に相談するんですか。
○説明員(浅古迪君) 大臣には客観的な状況をよく申し上げまして、大臣の御判断を仰ぎたいと思っております。私個人の判断は入れないで申し上げます。
○委員長(中村英男君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中村英男君) 速記を起こして。
○杉山善太郎君 労働大臣とそれから運輸大臣にひとつ注文つけておきます。 衆議院、参議院では、あとは沖繩国会で、通常国会だから、ここさえ通ればもうこれで済みだわいというようにとってもらっちゃいかぬということが一つと、それからもう一つは、ノイローゼが出たり自殺ができた。これはいいことならいいんだけれども、悪いことでしょう。ですから、惰性とあるいは善か悪かの常識のものさしではっきりとピリオドを打ってくださいよ。これは国鉄の当事者ですから、国鉄の当事者は磯崎さんだけれども、これは何とも言わぬでもいいけれども、とにかくひとつ両大臣に惰性とあるいはこれは国民のためにひとつ善はぽんと伸ばして、悪は惰性にピリオドを打っていただきたいということを国民の名において要望しておきますから……。これで終わります。
○委員長(中村英男君) だいぶん時間がオーバーしましたが、問題がたくさんありますから後ほどの方も、きょうで済むわけじゃないですから時間一ぱいやってなお残った部分は相談をいたします。 それでは小平君。
○小平芳平君 私のあと引き続き田代委員がいろいろな質問をすることになっておりますので委員長御了承をお願いいたします。 それで、私は最初に結論的にお尋ねをいたしたいのですが、労働大臣と運輸大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、最初労働大臣はあっせんに入られたときのいきさつは先ほどお話がございましたので繰り返しませんが、労働大臣としては、当然第三者として、要するに初めから先ほどの午前中の質問では生産性運動は強力にやれというような御意見もございましたが、 〔委員長退席、社会労働委員会理事上原正吉君着席〕 労働大臣としてはそういう一方的な立場に立たないで第三者としてあっせんに入られたものと私は了解いたしております。したがいまして、はたしていま各委員からるる現地の実態を指摘され、そして国鉄当局は、一生懸命検討します、調査します、また気をつけますで朝から終わっちゃったわけですが、結局、結論としては労働大臣が第三者として生産性運動を見た場合に、これはやめたほうがいい。つまり生産性運動そのものは杉山委員からも先ほど指摘された雇用の拡大であり、労使の協議制であり、そうしたこととは似ても似つかないものがマル生運動と称して行なわれ、そして、現在のような大混乱というのは、国鉄総裁は大混乱という認識は自分はそういうふうに見てないというお話でありましたが、とにかくいまのようなこうした中で労働大臣が最初におっしゃったように、労使間の信頼を取り戻す。そのために自分はあっせんに入るんだという御趣旨からいえば、やはりこのマル生運動は一たんさしあたってやめて、当局が。そして、それこそ組合との信頼の上に立って、そこで新しく協議を始めよう、合理化なり技術革新なり、生産性向上そのものは決して私は否定しているわけではありません。そうした生産性向上にしろ技術革新にしろ、それは労使の信頼の上に初めて成り立つのであって、この労使の信頼を取り戻す、そして、労使間の協議を始める。そのことが生産性運動ではないでしょうか。したがって、いまのような、いま、朝以来るる指摘されたような現状、この現状を抜け出す道はお互いいろんな言い分もメンツもあるかもしれませんが、さしあたってはマル生運動はやめるというふうになればきわめて話し合いもまた展開していくんではなかろうかと私は感ずるわけですが、労働大臣はどのように考えられますか。
○国務大臣(原健三郎君) 小平さんにお答え申し上げます。 最初に根本的におっしゃられました、第三者として一方に偏せずあっせんをされるほうがよろしい。その心がまえでいまやろうといたしている最中でございます。 第二段の生産性向上運動そのものについては私も否定いたしませんと小平さんもおっしゃっておりますが、これを全面的に生産性向上運動が一から十まで全部だめだ、それほど皆さんも、必ずしも労働組合の人もおっしゃっていない。ある労働組合のごときは、生産性運動はしっかりやるのはよろしいが、それが下部において間違われて不当労働行為で逸脱してしまっている。これは厳につつしまなければならぬ、これは皆さんも同感でございます。私もそうでございます。 そこで、この際もう思い切って生産性向上運動やめたほうがいいじゃないかとおっしゃいますが、この問題はなかなか複雑で、直ちにこれをやめたら——むろん私どもの考えとしては、やめなくても、不当労働行為はどんぴしゃりやめることが一番いいと思うのですが、そういう方法があるかないか、衆議院の委員会でも、当委員会においてもいろいろ論議されているところでございますし、直ちに生産性向上運動をやめなさい、やめたほうがいいという断定は私はいたしかねておるわけでございます。
○小平芳平君 労働大臣、不当労働行為がどんぴしゃりやまればいいのだ。ところが、実際問題、公労委で救済命令の出た五件というものは、いかにも氷山の一角だということは朝以来るる御指摘があったわけです。したがって、そこでどんぴしゃり不当労働行為をやめるということは、つまりマル生運動として、まあ、総裁の意向とは全く相反するそうしたことが現場で起きちゃったというような説明をるるされるわけですが、いかにもそこに無理がありはしないか。やはり、生産性の向上を否定したり、機械化を否定したり、そういう考えは毛頭ありませんが、とにかく、いままで推し進めてきたこのマル生運動にはあまりにも無理が多過ぎる。そういうような感じはいたしませんですか。労働大臣と運輸大臣からも御答弁願います。
○国務大臣(原健三郎君) 国鉄当局が生産性向上運動をやりまして、これに非常に勢いよくやった結果、こういう不当労働行為が起こってきた。それで、さいぜんからるる申し上げているのですが、国鉄当局も、これが不当労働行為であることがはっきりわかった。それは一切やらぬようにすると、こういうことを言っておりますので、いましばらくこの事態を、国鉄当局を私どもは信頼して、その善処方を積極的にやっていただきたい。また私もその線に沿って仲介の労をとっていきたいと思っております。この時点においてはそういたしたいと考えておる次第であります。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御指摘でございますが、私といたしましても、生産性向上運動は、先ほどから労働大臣からも申し述べました。また、国鉄総裁からもるる再三申し上げましたとおり、この生産性向上運動そのものが国民に誠意を尽くし、国鉄を愛するというような精神運動でございます。しかも、それが日本の一番の最大の組織体でございます、一番の職員をかかえておる国鉄におきまして、その理事会におきまして正当に決定をいたしましてやっているという運動でございまして、私はこの点におきましては、いまそういった精神運動を続けていくことは差しつかえないと思っておる次第でございます。ただ、いまお話が、先ほど来いろいろの御指摘がございました不当労働行為につきましては、これはもう当然不当であり、こういうものを許すべきことでないことは、これはもう明らかなことでございまして、それゆえに、これらの点につきまして、それらの運動が、国鉄総裁が申し上げましたとおり、歪曲されたり、あるいはその名をかりまして、そういったふうに走りましたものにつきましては、これはいかなることがございましてもこれを絶滅を期するということは当然でございまして、それゆえに私も労働大臣からのお話を、ただ私が国鉄サイドだけの話で聞いているということだけではまいりませんで、先般の委員会におきましても、私なりに情報も集め、また一番の専門であるところの労働省のほうの情報もよく聞いて、そして、公正なる判断に立ちましていろいろ指導してまいりたい、こう思っておる次第でございます。
○小平芳平君 まあ両大臣からは大体その程度の御返答しかないのかもしれませんが、国鉄総裁としましても、それは総裁がどういう意図で始められたか、理事会で正規にきめて始めたことだとおっしゃる。そして、また組合も了解して、一生懸命精神運動に加わっている人もあるのだというふうな御説明もされるわけですが、先ほどの自殺者、ノイローゼあるいは職場で差別待遇、こうしたことがあまりにも総裁として多過ぎる、自分の意図とはあまりにも反し過ぎると、かりにそうした支配介入という、あるいは労働組合に対する差別扱い、そういう意図が全く総裁に初めなかったといたしましても、かりに全くなかったといたしましても、あまりにも歪曲なり脱線なりが多過ぎませんか。いかがですか。
○説明員(磯崎叡君) 冒頭に申し上げましたとおり、私はいわゆる純粋な生産性運動は、これは非常に必要なことだと思っております。ただ、それがいろいろな形で名をかりて不当労働行為をやったというふうなことは非常に遺憾に思いますし、また過般の公労委の命令によりまして、不当だと判定されたことはそのとおりでございまして、その点につきましては大いに反省しなければならぬというふうに思っております。
○小平芳平君 したがって、その反省も、ただ不当労働行為の救済の命令を受けたと、それでおわびをしますということだけじゃ反省にならないんじゃないですか。やはりそこで具体的に救済命令を受けまして、そして、それは五件という限られたものでありますけれども、それだけで終わらないわけでしょう、実際問題。それだけで終わらない、どこまで根深く出てくるかというような現実からしてみれば、総裁としてもやはりここで反省するという、ただ精神的な反省だけでなく、一体生産性運動というものがなぜそんなに歪曲されるのか。どこの企業におきましても、それは生産性向上あるいは機械化、そういうことを全然考えないでやっている企業というのはないと思うのですが、しかし、どこの企業でもノイローゼや自殺が出たり、朝から指摘されたいろいろなケースにしても、まだまだ数え切れないと思いますが、そういうような結果になっている。事ここまできてしまった。そういう現時点で、総裁は原点に立ち返るというようなこともおっしゃったのですが、午前中。ですから、いずれにしても、いままでのやり方はもうだめだと、かえって生産向上どころではなくて、生産低下もはなはだしいというのが現実ではありませんか。そうなったらそれこそ根本から考え直さなければならないのじゃないかというように感じますが、いかがでしょう。それが一点です。 それから、もう一点は、これも処分か処置かということですが、この点についても、やはり少なくともはっきり不当労働行為をしたと、組合に支配介入をしたという現場長がそのまま統率しているということ自体があまりにも不合理ではありませんか。それはどのような処分をなさるか、処置をなさるか、それはいますぐ結論が出ないとしましても、大体の考え方としまして、職場でもって毎日顔を合わせる。しかし、その職場の長は、その不当労働行為をやったのだと、公労委でそういう決定が出ているんだと、そのままにいつまでして置かれますか。そのままにして置くということは非常に不合理ではありませんか。
○説明員(磯崎叡君) 私は、今後の生産性運動につきましては、先ほど申しましたとおり、これが不当労働行為になるというようなことは一切しないと、そうして、さっき申しましたとおり、国鉄自体はたくさん組合がございますが、また組合に入っていない人がおる。そういった総体、全部の人のいわゆる何と申しますか、共同意識と申しますか、コンセンサスと申しますか、そういう点に立って生産性運動をやっていくというのが私の気持ちでございます。したがって、ここでもって生産性運動をやめろという先生のおっしゃる気持ちは私、わからないじゃありませんが、私も経営の責任者として、今後この運動をそういう観点で進めていくということでございます。 また第二番目の問題につきましては、これも朝来申し上げましたが、私といたしましてはケースごとに、ケース・バイ・ケースによりまして、総合的な措置をするということでございます。
○小平芳平君 総裁としまして反省するという、従来の、私が生産性について申し上げる意見もわからないことはないがと、しかし、生産性運動自体は進めていくと、そうして、各組合との了解も得ていくというように言われますが、実際上可能でしょうか。これだけの問題が全国に起きておりながら、おいそれと信頼関係というものが回復できますか。いかがでしょう、見通しとしましては。
○説明員(磯崎叡君) その点も朝に申し上げましたが、非常に大きな体でございますので、すぐ右から左に発進することは、これは先生おっしゃるように非常にむずかしいと思います。手のひらを返したように、くるっと変わるということは、この大きな体でなかなかたいへんでございますが、私といたしましては全力をあげてそういう方向に持っていきたいということと、私のほうにも組合がたくさんございまして、いろいろ意見が違っております。また立場も違っております。なかなか三組合、あるいは四組合、同じテーブルについて一つの話をすることはむずかしいこともあろうかとも存じますが、できるだけ一緒の話し合いと申しますか、個々別々でなく一緒の話し合いを持ちたいというような気持ちを持っておりますが、それもやってみないとわかりませんけれども、方向といたしましては、その組合の立場、組合の思想のいかんを問わず、この問題を討議して考えてまいりたい。このような気持ちでございます。
○田代富士男君 関連で……。連合審査で朝からいろいろマル生運動のことにつきまして審議がされております。私は去る八日の運輸委員会におきまして、この問題を取り上げました。八日の運輸委員会におきましては、具体的な問題を五つの点から——ちょうど磯崎総裁が原労働大臣のところへ行っていらっしゃるお留守中で、山田副総裁も、また丹羽運輸大臣御出席でございましたが、その席上で具体的問題、五つの立場から、いろいろ私も質問してまいりました。そのときに、山田副総裁は、不当労働行為じゃないかと私が指摘したのに対しまして、管理職、あるいは駅長、助役が介入しているじゃないか。あなた自身はそういうことは指示されてないでしょう、しかし、事実はなっているじゃないかと、そのように申し上げたおりに、一部には勇み足になったところがあるかと思います。——勇み足というならば、これはごく限られた部分じゃなかろうか。しかし、北は北海道から南は九州に至るまで、さまざまな問題が起きている。ただ単なるこれは勇み足というわけで済まされるわけにはいかないのと違いますか。ちょうど去る五日並びに八日に公労委からも仲裁裁定が出まして、まあ国鉄に対する一応の指示がなされたわけなんです。そこで、私は、そのときにも、今後、事実問題を提起いたします、掌握しておりません、実情を掌握いたします。こういう一辺倒でございました。きょうも朝から事実問題が提起されておりますが、それに対しまして、まだ掌握しておりません、実情を調査いたしまして明確にいたします。——私は、八日の段階からあれだけ事実の問題——きょう出ました問題は、私は八日の日も出しておるのです。きょう事実問題が出たうちの一部は、にもかかわらず、まだそれが掌握されていない。八日の日からきょうの日まで、何日たっています。少なくとも、いま委員の方の質問を聞きまして、八日の日にあれだけ質問をしていた。私は、それに対する私なりの答弁が得られるのじゃなかろうかと大いに期待もしておりました。しかし、何ら前進を見ておりません。一歩も進歩しておりません。八日の時点と何ら進展、変わりなしです。これでいま新しい国鉄再建につきましては、私も努力していきたい、総力をあげて応援したいし、私もその気持ちでおります。生産性向上のための運動ならば喜んで参加します。しかし、その運動におきまして犠牲者を出すような、そういうことがあってはならないと思うのです。まあそういうことから、国鉄に対しましても公労委からの公平な立場からの指示もあったことだし、何らかの形で前向きの線が出るのじゃなかろうかと大いに期待をしておりましたが、一貫して変わってないことに対して、私はこれではならないと、いまひとり私自身決意している次第でございますが、いま小平委員からも質問がございまして、この生産性向上の運動には賛成であるけれども、問題が起きたのだから、またこの問題につきましては、いま話がありますとおりに、労組との感情の問題にもなっていると原労働大臣が話されました。こういう問題につきましては、目的は赤字を解消するために必要でありますが、事の起こりは生産性向上の運動を打ち出したために波及した問題です。磯崎総裁が国鉄に情熱を燃やしていらっしゃることもわかります。もう真心からやっていらっしゃる。誠意と愛情とおっしゃるけれども、私はそれは賛成です。もうその二字に磯崎総裁のことばは尽くされておると思います。私もこのように追及してみればかわいそうなくらいに情熱を持っていらっしゃることがわかりますけれども、より私は情熱を持ちますから、その生産性向上の運動をやるなとは言ってない。この問題を一時、そういう労働問題に波及したためにその話し合いの場所をつくるためにはこの問題の打ち出しにつきましては一たんはやめましょう、そこでお互いの話し合いの場というものができるのじゃないかというのが小平委員のいまの質問の要旨じゃないかと思うのです。そうして、それについては、やはりそれだけの問題を起こしたところがある。そのために公労委からの命令も出ておりますから、それについては清らかに処分する点は処分しなさい。処置と処分とどのように違いがあるか。ちょうどここは社労と運輸との合同委員会でございますが、厚生省等におきまして公害問題が大きく取り上げられまして、公害裁判が行なわれたときに、公害患者に対しましては、疑わしきは認定する。公害病とこの国鉄の問題と一致するというわけじゃありませんが、ものの考え方として、疑わしきは認定するという方針で公害患者に対する裁判も臨まれております。そうした場合に、まだ調査するとか、それも必要でしょうけれども、これだけの問題がもう提起されております。公労委におきましては六件申請中五件までその命令が出ております。そのほかに全国に七十四件、未提出の事件だけでも数十件、数百件あるでしょう。ここまでやるなら、すみやかに正すべき点は正して、このように改めてやります、そのかわりに話し合ってください。それから、新しく生産性の根本であります労使協調をしまして進んでいくのでもおそくはないと思います。行き詰まったらもとへ戻れ、世間では急がば回れということばもありますから、そういう意味から私はこれをやるべきじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○説明員(磯崎叡君) 田代先生のおっしゃいましたこと、先ほどの小平先生のおっしゃいましたこと、私、お話としてはよくわかります。ただ私といたしまして、これから国鉄の再建に本腰を入れる際に、いままでの生産性運動、しかも、純粋な生産性運動をここでやめるということは、私としてはいたしかねることでございまして、御助言たいへんありがとうございますが、十分これは伺いまして、今後の私の施策の指針とさせていただきたいと思います。
○田代富士男君 私はここで全面的にやめなさいと言っているわけじゃありません。話し合いの場所をつくるためには、やめませんよと、これじゃ相手は臨んでこないと思うんです、労使協調といいましても。問題は国鉄から生産性向上の運動を打ち出したために不当労働行為の問題が起きてきているわけなんです。それを全面的にやめろと言っているわけじゃありません。話し合いの場所をつくるためにもそのくらいの余裕はないだろうか。まして公労委からのもう命令も出ていることだし、そして、反省しております、誠実と愛情をもって取り組みますというならば、そのくらいの姿がなければ、おそらく国民もこれは何だとなりますよ。国民に利用してもらわなければ成り立っていかない国鉄だとおっしゃいますが、国民の声も私聞きました。市民の声も聞きました。この委員会だけじゃないのです。国鉄はあれはあやまって、そうしてあの生産性向上の運動をもう一時的にもやめて話し合いをすべきじゃないか。国民の声を私が聞いた範囲内じゃ、そうすべきだという国民の声もあります。私はそれをあえて代表として言っております。それもなおかつそういうことであるならば、私は原労働大臣にお尋ねいたしますが、本来であるならば、労働大臣がこのような問題に介入されるということは、これは介入すべきでないじゃないか。これも市民の声です。こういうことに介入する、行政の責任者がこういう個々の問題に介入するのはどういうことだと、こういう声を私も聞いております。おかしいじゃないか、これは一般市民の声です。しかし、原労働大臣がこのように全国民に問題を提起する、国鉄の問題であるために、何としてでも仲介の労をとってといって自分からこれこそ勇み足でない、まあ勇み足の気持ちでお臨みになったと思います。その場合に仲介の労をとるならば、きょう一貫して朝から国鉄総裁として国鉄再建のために情熱を燃やされる姿勢はわかりますけれども、話し合いをするときに、原労働大臣は一貫してきょうは——先日、各労働組合の代表ともお会いした、国鉄の代表ともお会いしたのです。そうして、どうするかといえば、現在私は考えている、思案中であるというような答弁がたまさかなされておりました。だから、少なくとも思案中であるということは言えますけれども、この問題に臨もうと思うならば、私は、乗り込んだ限りでは、このようにするぞという確信がなければならぬ。臨んでおる、思案中である、その経過はよろしいですが、その問題に対する最初の確信、少なくともここまで持っていくぞという確信がなければ臨む資格はないと思うのです。あえて臨んだ限りにはその確信があったればこそお望みになったと思います。その段階におきまして、いま国鉄総裁は、生産性向上運動はやめません。今後は不当労働行為にならないように生産性向上運動をやっていきますと、そういう意味じゃないかと思いますが、あるいは国労あるいは動労側の意見からするならばいま問題提起されました、私も八日の日に問題を提起しております。そういう問題点につきまして話し合いの場が持てないと思いますが、私はいまさっき小平委員のおっしゃったとおり、ここで一時中止して、そして話し合いの場所を持って、さらに建設的な面におきまして生産性向上の運動に労使ともに出発すべきじゃなかろうか。その場合にやはり新たに決意する場合には、そういう問題を起こした人に対しては適当な処分をするべきじゃなかろうか。その処分につきましては、処置ということばに——処分ということば、処置ということばにどれだけの違いがあるかしらないけれども、ずいぶん執着はされておりますけれども、その点に対しましても労働大臣はどのようにお考えであるかお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) お答え申し上げます。 御趣旨は、一時生産性向上を中止して間違ったらもとへ戻ったほうがいいとか、こういう結論でございます。それでなければ話し合いに乗ってこないであろうと、こういう見通しでございますが、生産性向上運動を一時中止するといいましても、一時中止すれば、おそらく永久に中止に通ずるおそれも多分にこれはあると思います。世の中の流れというものもいろいろ考えまして、私は仲介するのはまことにこれは異例のことであると思います。一つはさいぜんからしばしば申しておりますように、非常に労使双方が感情的にもつれておること、先鋭化しておること、それも普通の企業と違って全国民に影響の大きい国鉄労組でありますから、放っておく場合においては、それは悪循環するおそれがあるから、この悪循環を何とか話し合いにおいて断ち切りたい。そして、労使が気持ちよく話し合いの場に臨むようにいたしたい、こういうのが私の考えでございます。こうしたらうまくいくかいかぬか、確信がなくてやるというのはおかしいとおっしゃいますが、事情もかなり両方から聞きましたし、一昨日は衆議院の社労委員会で長時間にわたって質疑応答も聞かしてもらいました。本日はこの社労・運輸の参議院の合同委員会においても御意見をよく拝聴いたして、だんだん私もその中において具体的にどうするかというところをいま研究中でございまして、ただいままだその発表の時期に至らないことをはなはだ残念に存じます。一時生産性向上を中止しなければ話し合いがまとまらない。私は必ずしもそう思っておりません。それは一番安易な方法かもしれませんが、むずかしい中にも誠意を披瀝して何とかしてこれを話し合いの軌道に乗せたい、こう思っております。現に昨日国鉄と国労との間においてもちょっと接触がございましたそうで、話し合いの、軌道に乗ったとは申しません、話し合いの糸口がつこうとしておるような状況がありまして、必ずしもそう悲観もいたしませんが、楽観もいたしておりませんが、誠意をもって尽力する決意でございます。
○田代富士男君 いま大臣が、いまさっきは思案中とおっしゃいまして、今度は研究中であると、衆議院の社労委員会、きょうの合同委員会を通じてだんだんわかってきたと、まあだんだんわかってきたとおっしゃるけれども、思案中から研究中であると——もうちょっとはっきりした態度で、臨むからには——異例のことであると、その異例のことをやるくらいだったら確信があるはずです。それに対しては、私は、思案中、研究中、じゃこれは思案、研究とも時間の問題でございますが、いつごろになったら結論が出るのか、これを大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) 誠心誠意ことに当たるつもりで、具体策はいまここに発表するまだ時期に至っておりません。しかし、なるべくすみやかにその仲介の糸口をつかんで両者あっせんに臨みたい。ただいまこれより申し上げることができないのをはなはだ残念に存じますが、御意見のほど、あなた、先生の決意のほどもよくわかっております。
○田代富士男君 それで、いまさっき磯崎総裁がこれだけ労組との間に問題が提起されまして、公労委からの命令等もありまして、新しい時点に立って労使関係を確立していきたいと、こういう意味の答弁をいまさっきお聞きしましたけれども、それで生産性向上の運動はやめない。これはあえて再度申されましたけれども、生産性向上の運動をやめずして、新しい時点に立って労使関係を確立していきたいという点は、具体的にはどういうふうにしてこれをおやりになるのか、新しい時点において労使関係を確立するという点は、具体的に、いまさっきはそういう意味でございますが、具体的に御説明を願いたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) 新しい原点に立ち戻って労使関係を改善したいというふうに申し上げました。私の申します原点と申しますのは、先生の御承知のとおり国鉄の企業をいかにして発展させ得るか、その結果公共の福祉をどうやって増進し、またそれを擁護するかという角度に立たなければならないと思います。したがって、こういう角度に立ちまして生産性運動を純粋なものにしつつ、私の全責任でもって組合との不信感を払拭する。もちろんこれにはいろいろ具体的な方法もございます。ただ私はいたずらに形式的な方法でなしに、やはり実体的に有効な方法でなければいけない。さっき申しましたように、組合と一がいに申しましても、私のほうには四つの大きな組合がございまして、多少立場も違い、また考え方も違っている。また生産性運動に対する考え方も相違いたしておるようでございまして、足並みがお互いにそろうのはなかなか手間がかかるというふうに思いますが、やはりそれらを乗りこえて、そして、全般的な、一組合でなしに、各組合との不信感と申しますか、労使関係を円滑にしたいというのが私の具体的な方法でございます。
○田代富士男君 私が一番心配することは、まだ話し合いの場所もつくられておりません。これは国鉄部内の問題じゃないかと思いますけれども、しかし、御承知のとおり、国鉄の利用者は一億国民全部国鉄を利用しております。ここで一職場におきまして、Aさんは国労の人だ、Bさんは動労だ、Cさんは鉄労だ、そういうような構成で仕事が現実になされております。で、これが組合だけの問題でしたならば、組合同士の話し合いにおいて解決されるべき面もあると思います。しかし、この問題に対しまして国鉄当局がこれに介入している。している、していないというのが論議になっておりますけれども、実際はそうなっているわけです。そうしますと、国鉄で一番大事なことはいまこういうように国鉄を再建するために努力をしなくちゃならないのですけれども、それも大事ですが、事故を起こさないということが一番大事じゃないかと思います。やはりこれだけの一億国民の命を輸送する機関が国鉄です。しかし、このようにお互いに感情問題にあつれきが生じている、話し合いの場所がない。ここにおいて私が一番おそろしいことは、あれは国労だ、動労だ、鉄労だ、こういうようなことのために連絡と連係がうまくいかなかった場合に事故が起きた場合にどうなるのか。ただ単なる国鉄部内だけの問題でありますけれども、そのしわ寄せというものは、すべて国民に響いてくる。この点に対して、これはお互いに反省していかなくてはならない。そういう面からいたしまして、まだそのために直接の事故が起きていないじゃないか、何を言うかという意見もあるかもしれません。事故が起きていないからどうこうじゃなくて、それだけのいきさつがあるならば、事故が起こる可能性のある条件であることは間違いありません。ましてこれは運輸の立場から申し上げますと、先日、東亜航空が墜落いたしましたあと、全日空と自衛隊の飛行機が衝突いたしました。ニアミスの問題につきましては、これはもう数年前からこの問題につきまして申されておりました。こういうことが起きるぞ、起きるぞと。その段階で起きなかったから事故がなかった。起きてしまってから、あれは二、三年前から言うてたぞ、言うてたぞという人が一ぱい出てきた。私は、この問題を放置するならば、大きな事故になった場合、一体だれが責任を持つか。そういうときには死んだ人に、まことに申しわけありません、冥福を祈ります、これでは済まされません。こういう大きな問題を含んでいる。この問題に対しまして、そういう意味から早急に解決するには、いまさっきから何回も申しますとおりに、すみやかに話し合いの場所をとるべきである、私はそのように申し上げる次第であります。そういう意味から、国鉄総裁といたしましては、自分の信念を貫くというのはけっこうですけれども、話し合いの場所に臨む姿勢を——事故が起きてからじゃおそいです。そういう意味から、こういう事故対策に対してどのように国鉄として対処していくか。まして、航空界の問題からあわせまして、こういう国鉄を監督していくところの運輸省の所管であります運輸大臣はどのようにお考えか、また国鉄総裁はどのようにこの問題に対して対処しておいきになるか。こういう問題を含めまして、原労働大臣は、すみやかに検討中とか研究しますとか、ここではっきり言えないのが残念ですというようなことを言わずに、乗り越んだ以上は異例の乗り越みでございますから、さすが原さんやったぞと言われるぐらいに早くやってください。その点につきまして、いまのことに対して原労働大臣、どうお考えか、三人からお願いいたします。
○国務大臣(原健三郎君) ただいまの田代さんの御意見は全然同感でございます。私もあなたと同様憂いを同じくいたしておるものであります。でありますから、なるべくすみやかに仲介の労をとって解決の糸口をつけたい、その決意を表明いたしておきます。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 先般からの重ねての御指摘でございますが、監督の責任者といたしまして、一日も早く労使の不信感を除きまして、健全なる姿に立ち返りまして、そうして、国鉄本来の目的でございます国民の足の確保、安全の確保をすることは、これは当然のことでございまして、私も一刻も早くその解決の日の早からんことを期待して、あらゆる方面におきまして御協力を願っておる次第でございます。国鉄当局者といたしましても、先般の十一日以来いろいろ現実の問題を直視いたしまして、異例のこの公労委の裁定を直ちに承服をする。そうしてまた幹部一同を集めまして、いやしくも不当労働行為に及ぶようなことは絶対にいかぬ——当然のことでことでございますが、これを再三厳命をいたしておりました。そうして、またただいまも労働大臣からも話もございました、総裁からも話がございましたが、組合の幹部の皆さまともいろいろ話の端緒をつくろうというふうに努力をいたしておりまして、総裁、自分のひとつ責任におきましてこの問題を解決したいという意欲にせっかく燃えておるところでございまして、私も監督者といたしましてあらゆる努力をいたしまして、国民の皆さまに、国民の最大の足であります国鉄が御不満をかけないように努力をいたす所存でございます。
○説明員(磯崎叡君) 田代先生がいま事故について御発言でありました。私も事故についてはたくさんの悲しい経験を持っておりまして、一番やはり事故があらゆることの中で一番避けるべきであるということは私の信念に変わりございません。もちろん、したがって、いま事故が起こってないじゃないかというふうな不遜な気持ちは毛頭ございません。こうやって御答弁している最中にもないということは保証できないわけでございまして、その点は私は事故につきましては、それこそ寝てもさめてもということばになりますけれども、念頭から去ったことはございません。したがって、事故防止につきましても、あらゆる努力を重ねておりますが、いまおっしゃったように、一つの職場の中に組合がたくさんあるという、これは一つの現実の事実でございまして、それを一つの組合にするということは、これはもちろんけしからぬ、いけないことで、これは自然発生的に四つできておれば、四つのままであるということになると思います。したがって、私は組合が違って相互間に非常に感情的に対立があるとかいうふうなことは、これはあってはいけないことだし、またあり得べからざることであるというふうに考えます。したがって、そこで、当局のほうで不当労働行為ということをしないということを申し上げている以上は、四つの組合が一つの職場の中でもお互いに仲よく鉄道職員として仕事をしていくということは、現実に四つ組合がある以上、これはそういうふうなことを前提として、職場の管理を考えるのが最適だというふうに思う次第でございます。
○田代富士男君 そこで、原労働大臣にお尋ねいたしますが、いま前向きにこれは取り組んでいくとおっしゃいました。これが一つの労働組合と国鉄という場合には、お互いに話がしやすい場合もありますし、また労働組合の問題だってお互いに話がっきますが、幾つもの団体で、磯崎総裁もコンセンサスが大事であるということを申されました。私もその点は同感でございます。そういう意味におきまして、これは今後、おそらく労組の皆さんたちも国鉄を憎んでおりません。全部再建しなくちゃならない。全部国鉄を愛してる。愛してるところがらこういうことをやめろというのは出てきていると思うのです。これも磯崎総裁をはじめ当局者は理解してもらいたい。そこでその話し合いの場所ということを、国鉄側あるいは労組の代表、そういうわけで各部の代表の連絡協議会というような一つの設置機関等をつくって、そこでいろいろな問題を協議していくというようなセンターともいうべき機関をつくって、今後国鉄再建のための道を開いていくという考え方はいかがでございましょうか。最後に私の考え方を労働大臣に申し上げまして、労働大臣いかにお考えであるか、その御答弁をお聞きさしていただきたいと思います。これで私は終わります。
○国務大臣(原健三郎君) 労使が不信感を除き、そして交渉していくという御意見でございまして、話し合いをしていく一つの方法として考えられるべきことではないかと、こう思っております。
○小柳勇君 午前中、田中委員が質問したときに、真鍋常務理事は日本生産性本部の指導を受けつつ学園などから生産性運動が自然発生的に始まりました、その運動が下部のほうで広がって自然と全国的になったんでございます。こういうような答弁がございました。鉄道の技術を教育する鉄道学園で、いつごろからどんな動機で、またどういう形でこの生産性運動というものが生まれてきたのか、そのことを簡明に御説明願いたいと思います。
○説明員(真鍋洋君) 学園で生産性教育を始めましたのは、昭和四十四年度の終わりに一部入った形でございまして、四十五年度から本格的に生産性教育を始めております。これは生産性本部の協力を四十四年度の末からいただきまして、四十五年度は千名、四十六年度千五百名という計画で、生産性本部の研修を計画しておるわけでございます。現在日本生産性本部の生産性教育をそういう形で受けております。で、これらの生産性教育を受けました中で、指導員の研修を受けました者が、これが地方の学園等で国鉄の生産性教育を担当しておるというのが実態でございます。そういう形で昭和四十五年度、四十六年度という形で生産性教育を行なっておるわけでございますけれども、これらの生産性教育を受けました者が帰りまして、各現場の職場で生産性グループをつくり、それらが生産性運動を進めていくというのが実態でございます。
○小柳勇君 それで四十四年から始まって四十五年の三月に本社の養成課が能力開発課に改名されまして、かわりました。で、そのころから本格的ないわゆるマル生運動なるものが発生したと考えます。日本生産性本部とどういうような契約で費用負担やあるいは講師の依頼やいろいろありましょうが、どういうような契約で生産性本部が国鉄職員を教育し始めたか、その実態を御報告願います。
○説明員(真鍋洋君) 日本生産性本部に対しましては、日本国有鉄道総裁名で、日本国有鉄道職員の教育の依頼についてということで、書面を差し上げておるわけでございます。この中身は、四十五年度教育人員千名、四十六年度千五百名、四十七年度千五百名ということを、具体的な実施方につきましては、別途お願いすることにしまして、大体こういう形で国鉄の生産性教育を御依頼申し上げるという形でお願いをしておるわけでございます。
○小柳勇君 経費は。
○説明員(真鍋洋君) 経費は教育費で支弁をいたしておりますが、四十五年度は、生産性本部の委託経費は千七百五十万円でございます。それから、四十六年度は、年度計画でございますけれども二千八百八十八万円を計上いたしております。
○小柳勇君 四十五年、四十六年、四十七年が千五百名でありますが、四十八年、四十九年の契約はなくて、四十七年まではもう契約済んでおるんでありますか。
○説明員(真鍋洋君) これはいわゆる法律上の契約でございませんで、日本生産性本部の、国鉄の生産性教育をこの程度の数をやるといたしますと、準備もございますので、大体三年間ぐらいでこの程度の数をやっていただきたい。この程度の数は私どもとしてもお願いして、大体一巡する形になるんではないかというような形のお願いでございます。これに基づきまして生産性本部のほうは内部の態勢をとられたというふうに考えておるわけでございます。
○小柳勇君 生産性本部とそれから国鉄の能力開発課との交流といいましょうかね、生産性本部からの講師が方々へ派遣されたり、あるいは国鉄本社から生産性本部に出向したり、そういう関係について御説明願います。
○説明員(真鍋洋君) 人事交流というような形ではございませんで、研修会議の中で、国鉄の職員が講師になりまして話をする場合もございますし、学園でやります教育の中で生産性本部の講師の方が見えて話されることもあるというような形で、そういう意味の交流はございますけれども、いわゆる出向等の形での人事交流というものはないわけでございます。
○小柳勇君 いままで生産性本部に講師を依頼して、もう四十四年千名、四十五年千名、教育が済んでいるのでありますが、その講師のお名前及び講義の内容なり、講義の時間などは、資料として御提出願えますか。
○説明員(真鍋洋君) 提出いたします。
○小柳勇君 わかりました。 それから、生産性本部の職員研修所に、能力開発課の国鉄の出張所が置かれておるということを聞いておりますが、いかがですか。
○説明員(真鍋洋君) 聞いておりません。具体的にそういうことはないと思いますが。
○小柳勇君 ないですか。
○説明員(真鍋洋君) はい。
○小柳勇君 それから、生産性本部に鉄道電話が二本引かれまして、電電公社の回線を借りて、月に十一万円を東鉄の西管理局が支払っておる。こういうことを資料が提出されておりますが、いかがですか。
○説明員(真鍋洋君) これにつきましても、調べましたけれども、該当する事実はございません。
○小柳勇君 これね、電話番号もわかっておりますし、出しました金額もわかっておりますしね、それはいつお調べになりました。
○説明員(真鍋洋君) 実は、その電話番号は、先ほどお伺いいたしまして、調べたわけでございますけれども、一つのほうは西局の研修所の電話番号のようでございます。 それから、もう一つの電話番号のほうは、ちょっとわかりませんで、かけましても話が通じない形で、いまのところ、どういうところかよくわかりませんけれども、いずれにしましても、国鉄でそういうふうな形での通信を持っていることはございません。
○小柳勇君 東鉄の西管理局から月に十一万円、二機の使用料として、電電公社に支払っておるという報告を受けておりますが、これも事実ありませんか。
○説明員(真鍋洋君) 事実はないと思います。
○森中守義君 思いますじゃだめだ。調査せい。
○説明員(真鍋洋君) その電話番号につきまして、さらに再度調査いたします。
○小柳勇君 いま職員局長は自信をもって答弁されたわけでありますけれども、私のほうもこれ正確な資料がありますからね、正確に調べてください。そのこと自体も問題ですけれども、それを一つの参考にしていま質問を展開しているわけですからね。 で、その生産性本部と国鉄本社の能力開発課というものが癒着をして、そうして、国鉄本社の、もちろん、首脳陣の責任ではありますけれども、養成計画なり、あるいは内容なり、養成の方法などを生産性本部が直接指導している面もあるように思う。で、能力開発課から出向していた皆さん、あるいは鉄労の幹部の諸君も出入りしながら、三者一体となっていわゆるマル生運動を展開しているという事実をキャッチしておりますが、職員局長はこれを知っておりますか。
○説明員(真鍋洋君) 生産性本部に教育を依頼を申し上げておりますので、そういった関係で、連絡は十分にとりながら生産性教育をやっておるということはございますけれども、いまお話のございましたような形で、生産性本部と私どものほうの能力開発課がそういう状態にあるということはちょっと考えられないわけでございます。鉄道労働組合のほうも、これは別個に生産性教育を依頼をされておるのではないかと思いますけれども、これは私どものほうとは関係のない形でございます。
○小柳勇君 中央学園だけではなくて、地方の学園にも生産性本部から講師が派遣されておるようです、各地とも。この千名なり、千五百名の養成計画というのは、中央鉄道学園だけではなくて、これは全国の各地域の学園も含んだ数字と考えていいですね。
○説明員(真鍋洋君) 千五百名の日本生産性本部でお願いをいたしております研修は、生産性本部に依頼をしております研修でございますので、地方でそれぞれやっております研修の中で、生産性本部の講師の方が出向かれまして講習なり講演なりやられてるという数字は入っておりません。入っていないわけです。これ以外のものでございます。
○小柳勇君 いまおっしゃいました四十六年の千五百名の養成というのは、中央学園だけのいわゆる本社がキャッチしているだけの養成の人数ですか。
○説明員(真鍋洋君) これは、一応中央学園に入った形での研修というたてまえをとっておりますけれども、生産性本部が計画をいたします研修ということでございます。このほかに中央学園は中央学園で生産性教育を別途にやっておるわけでございます。
○小柳勇君 そうしますと、地方の学園の養成まで入れますと、どのくらいの数字になります。
○説明員(真鍋洋君) これは、本社段階では約一万弱になるかと思います。本社段階と申しますのは、本社、中央学園、生産性本部といった中央での研修というわけでございますが、そういったものは約一万人ぐらいの計画になっておるかと思います。
○小柳勇君 そうすると初めに言われました予算ですね、四十五年が千七百五十万、四十六年が二千八百八十万というのは、四十五年は千名、四十六年は一千五百名に対する予算でしょう。
○説明員(真鍋洋君) さようでございます。
○小柳勇君 そういたしますと、一万人に対する予算は一体幾らになりますか。
○説明員(真鍋洋君) これは教育費の中でやっているわけでございますけれども、中央学園の四十六年度の教育費は三千二百九十二万円になっております。これは中央学園の全体の教育費でございます。生産性関係だけということになりますと、なかなか区別しにくいわけでございますけれども、大ざっぱな数字で言いまして、四十五年度は約一億五千万円程度のものを生産性教育に充当したのではなかろうかという推定はできるわけでございます。
○小柳勇君 四十五年が一億五千万、四十六年、いままで生産性運動のためにどれくらい費用を使っているのですか。
○説明員(真鍋洋君) 四十六年度の計画は推定でございますけれども、一億九千万円ぐらいの形になるのではないかというふうに推定しております。
○小柳勇君 これが生産性本部には千七百五十万から二千八百八十万しかやっていないが、あと四十五年の一億五千万の中から千七百五十万引きますというと、約一億三千万ばかりのものは生産性本部と無関係に国鉄のほうで、いわゆるマル生運動のために使ったと、こう理解していいですか。
○説明員(真鍋洋君) これは講習生の経費、それから講師の謝礼等を含めているわけでございますけれども、そういったものでございます。ただ、先ほどお話のございましたように、生産性本部自体の千五百名の研修以外に、講師として出向かれるような場合については、それはまた別になっているわけでございますけれども、それはたいした経費ではないと思います。
○小柳勇君 あとの生産性本部以外の費用をそれから引きますと、一億三千万ですね、正確には一億三千二百五十万、その金は日本生産性本部の、もちろん講師などには少しいきましょうけれども、これは、いわゆる各現場などでいまやっているマル生運動に使ったものであると理解していいわけですね。
○説明員(真鍋洋君) これはあくまで教育費でございますので、地方の学園でやります教育、それからあるいは地方学園で使いませんでも、たとえば何々のセンターとかいうようなところでやりますものも、地方学園が計画をいたしましたものは全部この教育費の中に回ってくる経費になるわけでございます。
○小柳勇君 そうしますと、一般計上のいままでの職員養成のための経費ですね。その中からこれが出ておると理解していいのか、あるいはそのワク外にいわゆる職員養成費、各学園にありますね、年度予算もあります。そのワク外に一億三千二百五十万の金がいわゆる生産性運動の費用として出されたと、そういうふうに考えていいのか、どちらでしょう。
○説明員(真鍋洋君) 教育費は約八十七億、四十五年度の決算であるわけでございますけれども、その中で生産性教育に充てたものがこの程度あり、四十六年度も大体この程度のものを見込んでおるということでございまして、これは内部的にはそういった予算の計画を立てておるという数字でございます。
○小柳勇君 あとの問題は総裁なり副総裁に質問いたしますので、職員局長には最後の質問は、電話も取り付けておりませんと、それから能力開発課の出張所が置かれている事実もないということでありますから、その日本生産性本部と事務所との癒着はないと、国鉄本社はないと理解していいですね。
○説明員(真鍋洋君) 教育を御依頼申し上げておるわけでございますので、連絡はとっておりますけれども、癒着というおことばでございますけれども、癒着という感じでの接触は私どもは感じていないということでございます。
○小柳勇君 はい、わかりました。それじゃ、癒着ということばではなくして、事実電話もないと、それから生産性本部の職員研修所に能力開発課の出張所が置かれてないと、そう確認していいですな。
○説明員(真鍋洋君) はい、これは再度調査いたしますけれども、ございません。
○小柳勇君 わかりました、どうぞ。 それじゃ、総裁に質問いたします。 四十五年の三月から能力開発課ができました。いま職員局長から、質問しまして明らかになりましたが、四十四年度から生産性運動を始めて、そして、日本生産性本部から講師を雇って教育してもらった。その教育された者が軸となって下部のほうで、現場のほうで生産性運動が起こったと、そういういま発言がありました。そこで、鉄道学園というのは言うまでもなく鉄道技術を勉強して、現場、第一線でもうあすからいわゆる技術屋として働く人たちです。それになぜ、特にこの四十五年の三月から養成課を能力開発課に変えて、そして、生産性本部から講師を雇い、あるいは密着——癒着じゃないとおっしゃいますけれども、能力開発課と生産性本部とは、もうそれは一体となってマル生運動を進めたと思うが、なぜそういうことをお考えになったのか、もう一回聞いておきたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) 昨年の三月、当時までございました養成課という名前を変えまして能力開発課にしたわけでございますが、これは御承知のとおり、合理化によりまして相当多数の職員が浮いてまいります。そうすると、その職員の教育その他につきましては、いわゆる養成というふうないままでのルートでもって育て上げる、養成するということではなしに、新しい職場に新しい能力を持っていくというふうな、新規の能力を開発するという角度でないと配置転換にいたしましても地域別、職種別にいろいろ問題がございます。したがっていままでにない新しい能力を開発するのだという意味の能力開発ということばを使ったわけでございます。いわゆる養成という、ずっと筋の、いままでのような一つの、何と申しますか、ルートで上がっていくという意味の養成でなしに、新しい職場に行くという場合の新しい能力を開発する、こういう意味でございます。 それから生産性運動という生産性教育を始めましたのは、やはり四十五年三月ごろから国鉄財政のたいへんな危機がなおさらひどくなってまいりました。私ども全力をあげてその再建に努力をしつつも、やはりまず内部的に職員自身が国鉄自体としての企業努力をしなければならない。その企業努力の一つの根本思想として、さっき申し上げましたように、私なりに理解いたしますれば、利用者に対する誠意と国鉄に対する愛情と、その二つを具現化する意味におきまして生産性教育というものが一番いいんじゃないかということを考えまして、生産性本部にお願いしたという順序になっております。
○小柳勇君 いま総裁は新しい能力とおっしゃいましたけれども、鉄道百年になりますのに、もうみんな一つ一つ昇職試験を受けて、あるいは他種の転職試験を受けて、新しく養成されるときにはみな新しい能力ですね、ちっとも変わったことじゃないのですよ。変わったというならば、特に生産性教育をやること自体がそれだけが変わっているのですよ。いままでの転換教育あるいは昇職教育、そういうものプラスいわゆるマル生、いわゆる生産性教育ですね、それだけプラスされたと、私はそういうふうに理解いたします。何もあらためてここに新しい能力があったから、これを特別に能力を開発するということではなくて、教育の面と、いわゆるいままでの鉄道教習所から鉄道学園になりました教育というものと、それから、これにいま能力開発課になったから特別の何か能力を持ってきてというようなことを考えておられるようですけれども、私はそう思わないのですね。それは連綿として百年続いてきているわけです、鉄道の教育というものは。ただ変わったのは、四十四年の暮れからいわゆる生産性教育というものが加わったから今日これだけの問題がある。その加わった教育は何かというと、これは新たなるいわゆる鉄道の技術の教育ではなくて、しかも、その生産性向上といいますけれども、普通の生産職たとえば機械の工場であれば、働きまして少ない人間で短時間で生産をふやすという、端的に目の前に見えますけれども、鉄道の場合にはすぐ目の前に見えませんから、生産性教育即労働組合の組織の、これを破壊する、組織を分裂せしめようという方向に急速度に傾斜していっているわけですよ。そのことがいままでずっと問題になってきているわけです。いろいろ間を省略いたしましたから飛躍していますけれども、それは衆議院、参議院できょうまで論議されたから私は省略していま議論していますけれども、したがって、そのいわゆる生産性本部を雇ってきて生産性教育をするという、その発想なりその事実が今日のこの紛争を起こしておると私は思いますが、その点について総裁どう考えますか。
○説明員(磯崎叡君) 生産性運動そのものは、もう先生御理解のとおり生産性本部がもう十数年前から始めた運動でございまして、別に国鉄が事新しい運動ではございません。しかしながら、生産性運動を導入いたすに至った動機というものは、けさほど来申し上げておりますように、国鉄としてはいま最大の有史以来の難局に直面している、そういう意味で、部内においてもできるだけの努力をする。そして、それには先ほど申しました一種の精神運動というふうな形でもって生産性運動を取り上げるというふうな気持ちでやったわけでございます。 で、能力の開発につきまして、いままでの試験その他は、大体自分がいままでやってきた系統の上級にいくというふうな養成課程が多かったわけでございますけれども、これからいろいろな職種が余ってまいりまして、全然いままでと違った方面に転職することも出てくると、そういう意味で新しい能力を開発しなくちゃならぬということで能力開発課をつくったわけでございます。したがいまして、生産性運動が起きたために、生産性教育のために現実のいろいろな問題がそのために起きたのでなくて、先ほど申しましたとおり、それに公労委の決定にありますとおり、生産性運動があるいは生産性教育が、ある意味でそのレールからはずれて、そうして、行くべからざるところに行ったのが不当労働行為だというふうに考えるわけです。
○小柳勇君 その問題はまたあとで論議いたします。ただ申し上げておきたいのは、きのう西部の学園から蒸気機関士の古い人が、今度はディーゼル動車の運転士の勉強をして卒業しました。その教育期間を聞いたら、七十日だというわけです。あのスチームエンジンを長くやってきまして、もう四十四、五になりました機関士が、わずか七十日間の教育を受けて、これからディーゼル動車の運転士になります。ディーゼル機関車の運転士にならなきゃなりません。それで、卒業のとき、感想を書けと言われたから、私はいままで蒸気だけやってきた、それにディーゼルのエンジンの構造なりあるいは電気回線なりを知らなければならぬ、高度の技術を七十日間で養成して出すとはどういうことでしょうか。わずか現場へ行って一カ月しまして、あのディーゼル機関車を運転しなきゃならぬというわけです。私のうちに来まして、後輩だから切々と訴えていきました。で、彼が言うのは、せめて半年ぐらい、年もとっておるから教育してもらわぬと、私どもはやっぱり自信がないというわけですよ。それにはなぜ教育期間がないかというと、やっぱり予算の問題がありましょう。あるいは人間の問題もありましょう。ありましょうが、いまこの教育予算の八十七億円の中で、これだけの予算があるならば、いま申し上げましたように、もう蒸気エンジンはなくなるんですから、それは電気機関車なりあるいはディーゼル機関車の運転士にならなきゃならぬことはわかりますよ。せめて半年なり一年のみっちりしたほんとうの教育をすることが学園の任務じゃないかと思うんですよ。それよりも彼が言うのは、もっと幹部職のいわゆるマル生教育ですね、思想教育のほうが多いというわけですよ。たくさんの人が入ってきて出ていく。そういうものを考えたときに、この鉄道の教育にいま私は矛盾を感ずると言っている。私は長くそういう職にありましたからよくわかりますけれども、ここ二、三年ですよ、そういうような悩みを訴えられるのは。学園の教官自体が大きな矛盾にぶち当たっておりましょう。自分たちで教えればいいのに、生産性本部から来る。生産性本部はだれに頼むかというと不当労働行為の有名な会社の部長や課長を講師として派遣する、あるいは第二組合をつくった組合の委員長を講師として派遣する。そういうことをやられているわけです。だから生産性を上げようと皆さんおっしゃる、その教育だとおっしゃるけれども、現場で受けておる諸君の受ける感じは、やはり国労を分裂させ、動労を分裂させるためにおれたちは教育されておると感ずると言うわけです。そういうものを私どもとしてはやっぱり問題としなければならぬと思って取り上げます。具体的に申しません。あとこれは具体的にもっと現場の実情を聞きながら、私にも責任がありますから是正するものは是正しますから、具体的な問題としては言いませんけれども、いま鉄道教育がそういう重要な、さっき公明党から事故の問題がありましたが、それ一つ取りましても大きな事故の原因にもなりましょう。したがって、私はこの生産性本部から講師を雇って一億数千万円もかけてやられる、いわゆるこの生産性教育については、この際やっぱり昔に返りまして、総裁の原点に返りまして、しばらく中止してもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
○説明員(磯崎叡君) 最近動力の近代化その他機械化によりまして、いろいろ新しい仕事にかわってもらわなければならないことができておるのはいま先生のおっしゃったとおりです。蒸気機関車のドライバーからディーゼル機関車のドライバーにかわるということが典型的なことだと思います。それにはもちろん十分必要な教育をいたし、また訓練をいたし、また実地の訓練をした上でなければ、それはもうたいへん事故と直結する問題でございますから、必要な期間を十分取らなければいけないと思います。いまの七十日がいいか悪いか、これはちょっといまここで御答弁できませんけれども、これらにつきましては十分関係の部局の意見を聞きまして、もしたとえば年齢別によって期間を変えるとか、あるいは若い人は覚えが早いから短くていいけれども、年とった人は期間を延ばすとか、何かそういうような実際に即した教育をしない限り形だけの教育ではいけないということをいま先生のお話を伺っていて痛感した次第でございます。また、生産性の教育そのものにつきましては、もう諸先生方からいろいろおっしゃられまして、私もよく諸先生方の御意見はわかったつもりでおりますけれども、国鉄の再建で新しい原点に立ってやるという私の気持ちといたしまして、いままでの生産性運動をほんとうに純粋なものにして、そして、それを軸としてやってまいりたいという気持ちでございまして、先生の御意に沿えないのはたいへん遺憾でございますが、私としてはそういうような考え方でやってまいりたいというふうに思う次第でございます。
○委員長代理(上原正吉君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長代理(上原正吉君) 速記を起こして。
○小柳勇君 いまの生産性教育の問題は、あともう一回問題にしまして、今度は労政局長にいまの日本生産性本部のおい立ちから、その金の出どころから、それから、どういう仕事をやっているか御説明願います。
○説明員(石黒拓爾君) お答え申し上げます。 最初に申し上げますが、労働省は生産性本部とそれほど密接な関係ございませんので、実はあまりよく存じない点もございますのですが、私どもで知る限りお答え申し上げます。 生産性本部は三十年の三月に発足をいたしました財団法人でございまして、通産省の認可を受けたものと承知しております。以来非常にいろいろな仕事をいたしておるわけでございまして、経営セミナーとか労使関係のセミナーとか、あるいは委託教育であるとか、それから、コンピューター関係であるとか、海外との技術交流というのも非常に盛んにやっておりまして、非常に多種多様の仕事をしておりまして、財政規模としては私ども承知するところでは四十六年度予算は約十七億円というふうになっておりまして、そのうちの約十三億円が事業収入と承知いたしております。
○小柳勇君 詳しく説明がありませんでしたが、時間もありませんけれども、簡単に言っておきませんと話が通じませんから言いますが、アメリカ政府が一億八千万援助いたしまして、日本の資本家が一億円出し、政府の補助が四千万円で昭和三十年に発足いたしました。そして、いまおっしゃったような仕事をしておりますが、現在の財産は一億二千万でありますが、ただその間にMSAの余剰農産物の売却代金から金を借りて、そして、十年償還の四分の利子で借りて、そして、商工中金に六分五厘で貸す、あるいは石炭協会に六分五厘で貸してその利ざやで収益をあげている面もあります。それから、現在の資産は約一億二千万でありますが、渋谷で事務所を持ってコンサルタントあるいは生産性向上の労使協調の講習、出版物の発刊などをやっておられます。私どもが長い労働運動の中で得た、はだで感じた生産性本部のあり方はとにかく労使協調、ストライキやるな、なるべくもう——なるべくじゃない、ストライキやらない組合、労使協調の組合をつくって、そして、生産をあげよということが非常に印象に残っています。まあそれも一つの方法でありましょう。何も私はそれをあながち批判いたしませんけれども、そういうような団体でありますだけに、たとえば労使対決がひどいときには第二組合をつくるという方向に力を入れられた事実がたくさんあります、過去に。したがって、生産性本部が手を入れると必ずそういうふうに第二組合、第三組合をつくって、そして、ストライキをできないようにして、労使協調の路線、そういうものを私どもは労働運動やったものはみなはだで感じ経験で知っています。そういう実績を知っています。それであるだけにこの生産性本部から講師を雇って、そして、開発課が癒着をして、マル生運動をやっておられるので、私もこれだけ大きく、私は問題にしています。したがって、ほんとうに総裁が哲学として国民に誠意を尽くし、国鉄を愛するなら、何もそのような札つきの生産性本部から講師を雇わなくたって、たくさんおられるでしょう。もし具体的に事実言えとおっしゃるなら言いますよ。そういう人でなくて、もっと精神的に、あるいは仏教家もあるでしょう。哲学家もあるでしょう。そういう人もあるでしょう。なぜここにわざわざ契約をして、一億数千万円の金を出して、そこに頼まなければならぬか。養成課があるんですから、いままででも開発課があるんですから、開発課が一々行って学校の先生を頼む、あるいは宗教家に頼む。いろいろあるでしょう、方法は。なぜ生産性本部に請け負わして、生産性向上運動をやらせるのか、もう一回御答弁願います。
○説明員(磯崎叡君) 生産性運動の骨子は、もう先生おっしゃいましたとおり、労使の協調、あるいは成果の配分、雇用の拡大というこの三つの原則であるというふうに了承いたしております。もちろんそれが各企業にどういうふうに適用されるか。企業の内容もさまざまでございますし、また企業の経営の実態もさまざまでございますので、この各企業への適用のしかたは、これは各企業で考えるというふうになっているようでございます。私どもは生産性本部にその研修と申しますか、指導を依頼いたしましたのは、その根本的な考え方、いわゆるフィラデルフィアにおける労使の協調宣言というものは、私は、組合がいいとか悪いとかということじゃなしに、非常にけっこうなことだというふうに思ったわけでございます。これはストライキを禁止されているとが、されてないとかという問題、あるいは第二組合をつくるとか、つくらないとかという問題じゃなくて、理念として生産性を高める。そして、いま国鉄では雇用の拡大はできません。また成果の配分も残念ながら成果がございませんので配分もできない。公労委の裁定のままであるということで、現実は生産性運動の三原則をアプライ、そのまま適用することはできませんが、考え方として労使協調して、そうして、全体的な成果をあげ、そうして、国全体としての雇用を拡大するという考え方には私は賛成したわけでございます。
○小柳勇君 十分御存じだけれども、生産性本部の生産性運動の三原則は、一つは雇用の増大、第二は労使協議制の確立、第三は成果の公正な分配です。不当労働行為をやって組合を分裂させいなんて書いてない。こういう原則があるにもかかわりませず、いままでの長い終戦後の労働運動の歴史からも、生産性本部が労使対決がきびしいところに入っていって、第二組合をつくって、そうして、強引に労使紛争を押えつけるとか、そういう例があるわけです。だから言っておるのです。もう一回言いますけれども、さっき原点に返って、不当労働行為は一切やらないように通達を出すことを約束されました。で、ここでいま問題を、われわれも国会議員としてこの問題を収拾しなければなりません。したがって、収拾の道は、いままで差別を受けた組合員なり職員の救済をすることと、それから、このマル生運動といわれる、いまの、いま総裁が言っておられるそれと少し違いましたね、あなたの哲学と違ったマル生運動、生産性運動をしばらくやめるということですよ、収拾する道は。したがって、その一番具体的なあらわれは生産性教育でしょう。ならば、その一億数千万の金を使っておる、特にあの学園で技術をうんと教えて、うんと国民に奉仕しなければならぬ、あの学園でこのような教育をせんでもいい。私はそう思う。したがって、その教育をひとつやめてもらいたい。もう一回総裁に私は勧告いたします。
○説明員(磯崎叡君) 先生の御勧告たいへんありがたく拝聴いたしました。私といたしましてもいろいろ考えました末、けさほど来申しておることを申しておるわけでございますけれども、なお今後、先ほどおっしゃいました具体的な問題につきましては、いろいろと三組合あるいは四組合と話し合いの過程においていろいろ出てくると思います。これはまあ労使の問題としておまかせ願いたいと思いますが、生産性教育をいまの時点でやめるということについては私は朝来申し上げました理由でやめるわけにはまいりません。残念ながら先生の御助言、御勧告に従えませんのをたいへん遺憾とする次第でございます。
○小柳勇君 労働大臣に質問いたしますが、御意見を聞きますが、時間がないから、この日本生産性本部の性格なりあるいは運営なりについて討論する時間がありませんけれども、いま私が申し上げましたようにいまのマル生運動の直接の問題は、いわゆるこの生産性教育なのですよ。生産性本部に頼んで契約をしてやっている。その生産性教育が問題なのですから、これをやめてもらいたいと言ったら、総裁おっしゃったように、これは私の哲学だからとおっしゃる。まあ修正はされるでしょう、あと。しかし、それでは間に合いませんから、労働大臣に意見を聞きたいのは、生産性本部のひとつ郷司浩平さんに会って、問題になっておるから、この際ひとつもうしばらく手を引いたらいいぞと、静観したらいいぞと、そのくらい、あなたあっせんに乗り出したのですから、収拾策を考えるべきだと思うのですが、どう思いますか。
○国務大臣(原健三郎君) 御趣旨のほどはよくわかっておりますが、私の聞いたところ、最近郷司さんのほうから国鉄当局に向かって、われわれの生産性向上運動は、その不当労働行為をやるというようなこととは別であるから、不当労働行為は厳につつしんでもらいたいということを、郷司さんのほうから国鉄当局に申し出があったということを私は聞いております。
○小柳勇君 それで、私のいま言ったのは、手を引け、しばらく静観しなさいと。
○国務大臣(原健三郎君) いまの時点ではなかなか微妙なところがございまして、いまのところ、そこまで話が来ておるそうで、これは国鉄当局と両方でひとつ、いわゆる不当労働行為はやらないということを申しますし、生産性向上と、それを、いわゆる郷司さんのほうと話し合いをしてきめていただけばけっこうだろうと思います。
○小柳勇君 それはまた別の機会に生産性本部からもここに来てもらって、このことを、少し中身を論議しましょう。 それから、あと救済の問題ですけれども、総裁、これは衆議院でも論議されておりますように、国労や動労であるがゆえに、試験を受けても二次試験で落ちるということは、これは許せないことですよ。だから、職員局長にお願いしますけれども、過去二年間の昇職昇給試験などで、動労、国労あるいは鉄労その他の人たちの受験者と合格率をひとつ出してください。これはどこに行きましてもそう言われますと、われわれは数字で見る以外に判定のしようはありません。これはしかし許せないことですよ。動労、国労におるために生涯の自分の身分を支配する昇職試験や昇給試験、昇格試験で差別されるということは許せないことですよ。この実績をひとつ出してもらいたいと思うが、いかがでしょう。
○説明員(真鍋洋君) 昇格昇職等の実績につきまして組合別に調査をするということは実はやっていないわけでございますけれども、もしそういうことを私どものほうでやれというお話でございますと、時間はかかりますけれども、御趣旨に沿うように努力するということではないかと思います。
○小柳勇君 では、過去二カ年間分をひとつ早急にまとめてください。われわれも現場でいろいろ言われると、数字の上から判定する以外に方法はありません。そして、もし差別があるならば、早急にこれは回復してもらわなければなりません。 もう一つは刑事事件の問題でありますが、私はこの間、総裁に言いました。私は現場に調査に行きましたら、四十人くらいの検査掛のの詰め所に、 〔委員長代理上原正吉君退席、運輸委員長木村睦男君着席〕 一つ机の上に白いペンキで、裏切り者、ひきょう者死んでしまえと書いてあった。これは聞いたところでは、だれが書いたかわからぬと書いてある。おそらく裏切られた組合員が書いたのでしょら。そういうもので、そこは四十人の中で八名脱退しておる。その机の人は朝出てきたとき、どんな気持ちで仕事をするでしょうか。また周囲の人は、いままでは仲のいい友だちです、同志です。その人が、その仲間が裏切っていった。それは昇格したいからでしょう、助役さんになりたいからでしょう、栄転したいからでしょう。で、その上長のあるいは鉄労の人の勧誘に負けて組合を脱退した。たいへん悩んだでしょう。奥さんとも相談した結果でしょう。そういう人が自殺したり、ノイローゼになったりするのでしょう。そうしてそれは組合役員も説得に行った、返りなさいと説得に行ったところが、これがきのう逮捕されていった、組合員をですが、二人逮捕された。それは聞いたところが、いろいろ説得しておって、つまずいて倒れた。で、ひじをちょっとかすり傷を受けた。その日は仕事をしていたら、翌日になったら、助役が呼んで、そして、診断書をとって、五日休んだ。そして、告訴しておる。それがきのうの朝、二人逮捕されておる。この組合役員だって、何もいままで自分たちの仲間、しかも、それが脱退届けを撤去すれば、また自分の組合員でしょう。暴力して、なぐってけがさせたなら言いませんよ。私は県警本部にも行って、厳重に抗議しておいた。もうそんな話が弁護士からあったから……。ところが、やっぱり逮捕した。私はさばかれるのはあなた方ではないかと思うのです、ほんとうに。これは方々にあるんじゃないかと思います。私は福岡の事実を言いますけれども、全国でこういう事実があるのじゃないかと思う。刑事事件になる。脱退を慫慂して四十人の中で八名の者を脱退さして、一体どうなりましょうか。職場は不明朗になって仕事ができません。それが事故の原因になりましょう。検査掛ですから小さいところを検査して歩かなければなりません。脱退のことばかり考えて、その仲間のことばかり考えて仕事も十分できぬでしょう。そういう職場環境というものをつくり出したのはあなた方ですよ。ほんとうに刑事的にも道徳的にも責められなければならないと私は思う。で、この逮捕者についても、早急にひとつ釈放するように言ってください。私も言いますけれども、あなた方も言ってください。そうして早急にこういうものは不起訴にして、もとの職場に返して、それでその八名脱退した人にもちゃんと鉄労の役員か、あるいは上長か、助役か、区長か勧誘しているのだから、もとに返すように言ってください。それは決して不当労働行為じゃありませんよ。ほんとうにあなた方がそういう生産性を願うならば、ほんとうに生産を願うならば、脱退を勧誘した者が、これはたいへんだからもとに返れというのは何の不当労働行為じゃありませんよ。まだ、これは正式な承認もしておらぬでしょうから、そうしてください。そういうそのくらいのことをしなければ、あなたはけさから言われた不当労働行為はもうしませんとかなんとかいうことじゃ、それは言いのがれになりますよ。したがって、各管理局長会議をやられるならば、もっとあたたかい気持ちでこうしてくれよと、そうして労使一体となって、いうならば、私は言いたいのは労使一体となって政府にぶち当たる、あるいは自民党にぶち当たって国鉄再建のための予算をとらなければ、鉄道は動かぬでしょう。 〔委員長代理木村睦男君退席、社会労働委員会理事上原正吉君着席〕 ただあなた方は組合を分裂さしておいて、合理化に反対するようなものは全部分裂さしておいて、そうして、合理化を進め、一年間に四十億もうけましたという。赤字は何千億の赤字でしょう。もっとほんとうに、組合三つでも四つでもいいじゃないですか、組合がしっかり手をにぎって、一緒になって国鉄再建しなければ、事故も起こりましょうし再建はできぬと私は思う。そういう原点に立ち返って、法律ではなくして人間の原点に立ち返って、このひとつ事態を収拾してください。私どもがんばります。総裁の見解を聞きます。
○説明員(磯崎叡君) いま小柳先生のおっしゃったように、私も国鉄再建をするためには、決して私どもの力だけではできるものとは思っておりません。やはり四十数万のいわゆるマンパワーと申しますか、やはり人力というものが、何と申しますか、人間の力というものが非常に大きな要素になることはたしかでございます。したがって、三組合、四組合いろいろ立場が違い、考え方が違っても、これは共通のコンセンサスが私は必ずあるはずだと思います。そういうものを見出しつつ新しい再建に進まなければならないと思います。また具体的な事件につきましていろいろお話ございましたが、これはさっそく関係方面と連絡いたして、どういう事情なのかよく聞いてみます。
○小柳勇君 最後に、提案ですけれども、いま各局、各ブロックで生産性大会というものがなされています。これは五日の午後大阪の厚生年金会館で行なうはずであった生産性大会が組合員の実力で阻止されたという新聞が出ていた。で、聞くところによりますと、十一月の二十七日でございましたか、全国の代表を集めて東京で生産性大会やられると聞きました。こういうものをやりまして、またピケと参加者と衝突して血を流したら、もうそれこそ国鉄は国民に向かって言うべきことはありません。もう総裁もやめてもらわなきゃならぬ。どうぞひとつ局やブロックの、あるいは全国の生産性大会をすぐ取りやめるように決心してください。答弁を求めます。
○説明員(磯崎叡君) 全国の十一月幾日かに予定されております大会があるというように聞いておりますが、それにつきましていま先生のおっしゃったようなトラブルが予想されるということも考えられますので、いまの生産性運動をやっている実行委員の連中と組合本部とじかの直接の話をしております。私どもがそこに入るということはこれまた不穏当なことでありますので、直接の両者職員の代表、それから組合とが話し合いをしている最中だというふうに聞いております。それが円満に私は話が進むことを期待するわけでございます。
○森中守義君 関連。 磯崎総裁、お聞きしていますとね、ひきょうですよ、あなたの言うことは。いま小柳君が提案したこと、これはやはり最初計画された運動の延長ですよ。なぜそれを当事者間で話せと、こう言うのですか。先ほどちょっと私がお聞きしたように、何といってもマル生運動の起源はあなたじゃないですか。それがだんだんエスカレートしてこういうことになった。そこで、予期しないような一大事が発生する可能性がある。危険性がある。それならばどうしていまの提案を受け入れることにちゅうちょしますか。それと、私はさっきから聞いていてどうも釈然としないのは、原点に返ると言われる。不当労働行為は絶滅するように努力すると言われる。しかし、生産性運動はやめないという。ところが先ほど無理にちょうだいした日本国有鉄道が発行した生産性研修指導要領、これはその保証がありますか。不当労働行為を根絶し得るという自信がありますか。私も大急ぎでありましたがね項目だけ拝見しましたよ。国労が、あるいは動労だという固有な名称は使っていないけれども、各組合の運動方針が対比してある。生産性運動に必要なものはどれなんだ。つまり選択を求めているじゃないですか。しかも、そのことが、結果的にその選択の結果というものは、国労と動労をやめていけ。望ましい、好ましい方向に進むべきだということを具体的に与えていますよ。答えまで与えてある。それで生産性運動はやめない、不当労働行為はやめさせる、保証がありますか。絶対あり得ないということですよ。ですから、あなたの言われる、運動を絶滅するということは、しっぽをつかまれないようにうまくやれ、じょうずにやれ。やっただけやり得であるという、そういったことにしか受け取れない。その辺に最大の今日の焦点があると、私そう思う。どうですか。ですからね、こういうものが存在をし、この運動が続けられる限り不当労働行為は絶滅できないでしょう。だんだんだんだん問題はエスカレートしますよ。そしてこれは多少予見的なことを言うことが許されるならば、今日の動労といい、国労といい、あなた方期待されるように、一人も残らないような状態が考えられますか。むしろこの運動が継続をされる限り、今日よりももっと深刻な、もっと陰惨な事態が発生することも当然予想される。だから、いまの問題はまじめにあなたが、現在に至る大きな社会問題に発展をし、国会がこの問題に介入した今日、真剣に考えるならば、当然生産性大会というものはやめるべきです、少なくともためらうぐらいは持ってもいいと思う。やめるべきですよ。これが第一点。これは磯崎総裁にお答え願いたい。 それから、運輸大臣に私はこの際お聞きしておきたいのは、先ほど会計検査院、あるいは行政監察——行政管理庁、こういうところにそれぞれ所見を求める、また労働省も心配のあまりこの問題に介入しましたね。この事態をどう思いますか。運輸省の設置法を見てごらんなさい、再建計画の特別措置法を見てごらんなさい。私は、運輸大臣がこのことに、問われなければものを言わないという態度はけしからぬと思う。日本国有鉄道はだれが指揮監督していますか。あなたですよ。労働大臣が心配のあまりものを言う、他の見るべき行政機関にものを言ってもらわなくちゃならぬ、それ自体運輸省の怠慢じゃないですか。だから、私は、国鉄総裁が生産性運動をやめないと言う、しかし、不当労働行為はやめるようにしますと、こう言う。それはですね、結果においてできない、絶対できませんよ。それならば、これはもう小柳君と同じように、二つの提案ですけれども、一つは、直ちに国鉄総裁に対して、あなたの固有の権限である行政規制権がありますよ。その権限を発動して直ちにやめさせるように指令したらどうです。これが第一点。生産性大会ですよ、ほんとうに血が散る、そういう予想がある。 いま一つは、特別措置法の中でも国鉄への改善命令権があなたにある。設置法の中でも命令権がありますよ。繰り返して申しますけれどもね。生産性運動の継続ということが依然として不当労働行為の継続であり、しかも、陰惨な、笑いのなくなった国鉄を当然予想されるわけですから、一体そういうことが再建計画にどういうメリットがあるのか、むしろ生産性を低下させるでしょう。むろん生産性は、生産性というよりも国鉄の今日の状態というものは、労働再生産という結果ではない、ある意味では国の政策の誤りですよ。交通基本政策がない。国鉄はどういう分野を受け持つべきであるか、何をしなければならぬかという答えを与えてやらぬじゃないですか。運賃収入、料金収入が少ないからこうなっているということじゃない。投資も過大にしているでしょう。そのはね返りとして運賃料金収入が伴ってこないじゃないですか。過当競争の中に置かれている、そういう根本的な問題がどっかに没却されてしまう。生産性運動というえたいの知れない、国鉄の混迷を招くような状態をどうして放置しますか。このことは磯崎総裁も十分検討されてしかるべきだと思う。およそ筋が違っちゃいませんか。しかも、なお生産性運動、このことは労使双方が一つのテーブルについて話し合うことですよ。そうじゃありませんか。しかも、この中に言っている組合の批判、この批判が直接行動に訴えられている。両当事者間にそれぞれいけないなら、悪いなら、改むべきだなんというところがあるなら、当事者間の一つのテーブルについて対話の中から一つの改善を見出すべきですよ。それをしないで、好ましくない、右へ向けへ左向け、それ自体が基本的な不当労働行為を容認するという、計画し実施をしておる、こういうことに私はなっておるんじゃないかというように思うんです。ですから、運輸大臣はまず生産性大会をやめさせる、生産性運動をこの際は暫時中止させる、そして吟味検討を加えて新たな方向を出すように直ちに措置をとってもらいたい。どうです、あなたの固有の権限としての命令発動しませんか。慎重にひとつお答え願いたい。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま運輸大臣がこの問題に対しまして、国鉄のこういったような不信に対し何らいままで活動していないことは非常に怠慢じゃないかという御指摘でございましたが、私は私なりに、いわゆる不当労働行為が出てくる。また、ことに最近におきましてそういったようないわゆる労使間の不調和、非常に不信感が強まってくるということは非常に私も憂慮をいたしております。先般も運輸委員会で申し述べましたとおり、私といたしましては早く労使間がほんとに心の通うひとつ協調を見せてもらいたいということを念願しておる次第でございます。生産性向上、国鉄再建もそれの基礎に立ちまして初めて私はできるもんであるということを確信をしておりまして、でございますから、それが一番の根本であることは申し上げるまでもないことでございまして、それゆえに、先般原労働大臣がいろいろ御心配をいただきましたときも、私非常に御協力を感謝いたしまして、私のほうとしてもやるべきことはやるから、ひとつ労働の専門といたしましても、いろいろのお知恵を拝借したいと申しておる次第でございます。 御承知のとおり、国鉄のいろいろの問題に対しましての最終責任者、国会に対しまして、また国民に対しましての責任者は私でございます。国鉄が再建におきましても非常に困難を来たす。ことに労使の間におきましていろいろ問題が起こりまして、それがまた不祥事に発展するようなことがございましたら、これはまことに申しわけないことである、その点は私は政治家でございますから十分わかっておるつもりでございます。しかしながら、御承知のとおり、国有鉄道法がつくられましたときにおきまして、いままでの国自体でやっていることよりは、公共企業体といたしまして、そうして、敏速に円滑に、そしてあらゆる企業体としての特徴を生かしてやったほうが、国自体でやるよりも一個の独立人格としてやらしたほうがよいという政府の方針、また国会の御協賛をいただきまして、今日、国鉄公社ができている次第でございまして、それゆえに、第一の実際の直接責任は国鉄総裁が負っておる次第でございますので、私は国鉄総裁がその点におきまして今日の労使の不信をまず誠意を持って解決してもらうことが、これが一番の順当な道だと思っている次第でございます。それで、私のほうといたしましては鉄道監督局もございますし、常に意思の疎通をしておりますので、事改めて監督命令を出すということがございませんでも、十分に私どもと協議をいたしまして、事態の不測なることを避けるということには、私は必ずでき得るという確信を持っておりますし、私微力ではございますが、その政治家といたしましての指導力を持っていると思っている次第でございます。また国鉄総裁にいたしましても、いまの事態におきまして、そうして万一予測される——悪い予見ではございますが、そういった国鉄の労組同士におきまして、あるいはまた、その生産性大会とか申しますか、それとの間を開くことによりまして、いろいろの不測な事態が起こるようなことがございましたならば、必ずその時点におきましてこれらを必ず予防するという措置は、十分私はとると思っている次第でございますし、その能力は十分磯崎総裁は持っているものと私は確信している次第でございます。それゆえに、私はただいま事態を慎重に見守っているところでございます。
○森中守義君 大臣ね、原則論を私は聞いてるんじゃないんですよ。いまあなたの大半は原則論に終わっている。ところが生産性大会というのは、これを行なおうとする者、はばもうとする者がおそろしいような状態が発生する可能性がある。その危険性は十分あると、こういうのです。それをあなたは、その時点でどうかしようと、こう言われるけれども、警察を導入するとかどうとかなったら、なおさらこれはたいへんですよ。だから、そういうように危険な予想をされるならば、これは予防しなくちゃいかぬ。そこで私が言っているのは、ちゃんと法律にも書いてある。何も法律の文言をたてにとるわけじゃないけれども、監督上の命令権がある、あなたには。一体監督上の命令権とは何か。「特に必要と認める」場合にはということを、してありますよ。だから、生産性大会というのはまさにそういう意味では特に必要と認める場合、こういうことに該当するのじゃないですか。だから、あなたがね、おれは政治家だから一個の見識を持っているのだと、こう言われる。それならそれでですね、ここに法律が保障している監督上の命令によってこれはとめなさいと、こう言っているわけだ。それが一つ。それと、将来生産性運動やめない、しかし、不当労働行為やめます。しかし、それは矛盾がある。軌道修正とは何なんだ、これが全面的に直らない限り不当労働行為やまないということですよ。よろしいですか。だから、もっとね、磯崎さんが言われるように、国鉄を愛する、国民に奉仕すると言われるならば、こういう相矛盾する内容を持った生産性運動では話にならぬ。ほかに方法がありはしないか。こういう観点のもとに生産性運動やめさすべきだ。少なくとも冷却期間を置くべきだ。その間に、大臣もお入りになり、国鉄総裁と一緒になって、当事者間が集まって一つのテーブルにつきながら何かいい方法考えたらどうですか。これがもはや極限にきている大臣のおっしゃる政治家としての政治判断の時期ではないか、こう言っているわけです。さっきの答弁では釈然としない。いますぐできなければね。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) いや、ちょっと私からもう一度補足いたします。 私はいま申しましたことは、これは原則論だけじゃございません。ただいま、先ほど来磯崎総裁あるいは原労働大臣からも申し上げましたとおり、いままだ非常にむずかしい状態でございますが、組合の幹部とも国鉄の首脳部と話し合いを始めております。また、ただいま磯崎総裁からお話を申し上げましたとおり、各地におきまして、そうして、いまの運動本部と組合との話し合いをさしているということでございます。磯崎総裁もおそらくその話し合いのつくことを期待しているでございましょうし、それがやはりいまの情勢におきましてどうも話し合いがつかない、変なことになりそうだといったら直ちにそれをするであろうと思う次第でございます。やはり、先ほどから聞いておりますると、できるだけ自主的の運動であるから自主的のあれにまかしたい。それができませんような場合におきましては、これはまあひとつ何でも最後は中止命令をするとかどうかということは、これは磯崎総裁も考えておると思う次第でございます。それらの観点につきまして十分私は注視をし、そして指導し、監督してまいりたいと、こう思っておる次第でございます。
○森中守義君 そうすると、大臣、いまのお話よくわかりました。総裁並びに当事者間の話し合いがつかなければ職権命令をお出しになる、こういうことですね。そのように認識していいですね。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 私は職権命令を出すと申しておりません。この点はいま私ども運輸省と国鉄とはそういったほどの血の通わぬ仲でないと思っておる次第でございますので、私は諸般の状況を十分判断をいたしまして指導してまいりたいと、こう思っておる次第でございます。
○瀬谷英行君 じゃ私のほうからその点について簡潔に聞きたいと思うんです。 その生産性大会をやめさせるのかやめさせないのか、問題は。いろいろややこしいこと言いません。まごまごすると血の雨が降るかもしれないというこの大会をやらせるのかどうかということです。やらせたいと思っているのかやめさせたいと思っているのか、どっちなんですか。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御質問でございますが、もとより血の雨を降らしたいなんてだれも思っておる次第でございません。できるだけ私は、再三申し上げましたとおり、平穏に、しかも最後におきまして労使が協調してやっていくと、それが基礎であるということを私は申し上げておる次第でございます。
○瀬谷英行君 自殺者だとか発狂者がたくさん出てくるということは大問題ですよ。きょうの夕刊にも出ておりましたけれども、本社の監察局の大城監察役が、自宅のベランダから飛びおり自殺をはかって即死した、こういう記事が出ております。先ほどお聞きしたんですけれども。しかも、新聞によってはわざわざ当局の談話として、これはマル生運動には関係がないという断わり書きをしている。 〔委員長代理上原正吉君退席、委員長着席〕 ところが、話を聞いてみると仕事のことで悩んでいた、こういう話なんですね。何をやってたかというと、静岡の車掌区に行って監査委員会の報告書といったようなものの説明をやりに行った。ところが静岡から帰ってきたあとで自殺をはかったということになると、仕事で悩んでいたということになると、この人も生産性運動について悩みを持って——まあどういう動機かそれはわからぬけれども、死んだ人には口がないからわからぬけれども、これが一つの自殺の動機になったんじゃないかということは十分に考えられるんですよ。先ほども話がありましたけれども、いままでも自殺者が何人も出たという話があったでしょう。御丁寧に当局のほうから、どこそこの自殺者はマル生じゃなくて女関係だ、こういうことを記者発表までやった。そういうふうに当局が、国鉄の中でマル生関係で自殺したのはみんな女関係にして片づけるつもりなのかどうか。こういうことは私は人権問題だと思うんです。自殺者が出る、あるいは発狂者が出る。ここまで深刻になってきているんですから、これは監督官庁としては十分に考えなければならぬ。総裁が言ったことは一々私はここで繰り返して取り上げませんけれども、そこで運輸大臣としてはどうしたらいいというふうにお考えになるか、はっきり言っていただきたいと思うんです。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまお話でございますが、もとより、国鉄職員におきまして自殺者を出したということは悲しむべき事態でございます。これはやはり経営者といたしまして、そうして、やはりいろいろの職員を使用しておる立場におきましては、これらのことがないように指導するのが当然でございますし、また、なきを期しておる次第でございます。一人でもそういうものがないことが願わしいことだと思っておる次第でございます。
○藤田進君 関連。どうも夕刊見ておりませんが、総裁、いまのかなり上層部の人の自殺のように思うのです。非常にどうも頻度から見ても、またいまの議論聞いてみても、死に至らしめるという心境はこれはたいへんなことだと思うのです。この点についてはどういう状況かよく調べて、後刻ただしたいと思いますが、さて先ほど東京における全国の生産性、マル生運動の大会をやる。これについて不祥な事態が容易に予想される状態。地方においてもその状況は国民の御承知のとおり、総裁もとより御承知のとおり。たまたま国会の開会中であるかもしれませんというようなことで、私どもとしても、そのことが国家のために、あるいは国鉄再建のために非常に役立つ。少々死人が出ようが血が出ようがというようなことであるはずがございません。 そこで、おそらくいま速記録を調べるまでもなく、運輸大臣はこういうことを言っているんですね。行政命令としてこれをするまでもない。国鉄総裁はもしそれが変なことになるようであれば、国鉄総裁のほうでこれを措置します。こういう御答弁があったわけであります。これを察しますと、まだ国鉄総裁、自主的、自立的な機能はまだ持っているという認識だろうと思う。内部指導なり等々はするとしても、まあここであらためていわゆる命令という形式をとらないでも、その能力があるというふうにちらっと聞いたわけです。とすれば、総裁にこの際お伺いいたしますが、監督官庁である運輸省、運輸大臣はかかる見解を持っているようですが、委員間でいまいろいろ指摘されつつ、この大会はとりやめたらどうかということでありますが、私もそう思いますが、運輸大臣の期待は、総裁がこれを措置する、変なことになりそうなら措置する。しかし、これはもう招集してしまってあれこれしたあとでは間に合いませんわけですから、また国費、公社の費用乱費等から見ても、早くやはり踏み切りをきちっとつけていくという立場からこれを見ますと、運輸大臣の期待したような措置が総裁としてとれるのか、あなたも長年の国鉄マンで、なんだかどうも石田さんのときの総裁と比べてみて、何か周囲なりそういったものに支配されがちで、どうも自主性、自立性というものが大臣ほど私は期待できない。けさ来の、あるいは衆議院を通じての応答を聞いてみまして、何かこういろいろ聞いてみて、こうしようという新しいビジョンなり見解というものが出てこないのですね。国鉄内部でいろいろ相談してひもがつけられたとおりを金科玉条、朝から晩まで同じことを反射的に往復しているというように思われるから、運輸大臣はそうじゃなくて、そこらはバラエティーに富んだ判断が総裁にはあるだろうし、あるべきだという期待をかねての御答弁だったように思うのですが、繰り返しませんが、これ以上。そういう意味では、どう考えてみても、いま、こういう議論の中で、そうして国鉄内外の情勢の中で、そういうものをことをかまえる時期ではないと思うのです。いわんや労使が協調とまで言わないにしても、妥協しながらでも国鉄再建へという、そうして、労働大臣も、特にこの際居中調停に入ろうという現状ですから、これにことをかまえる時期ではないと思うので、運輸大臣がやめさせますと言うまでもなく、総裁としてこれは考慮いたしますとかなんとか、ここにあるべきはずだと思うので、できれば明快な御答弁をいただきたいと思うのです。 それから、立ったついでで委員長恐縮ですが、大臣あれされて、あとまだ三人ですか、われわれもこれは聞けば聞くほど正規な発言もしてみたいわけですけれども、どうします、これから。運輸、社労両方の理事さんが進行中に、これは会議録にとらなくていいですが、進行中にどうするのかこれから。時間がおそくなって、総裁、まあ運輸大臣はなかなか元気そうであれだけれども、また自殺者をその辺で出すようになってもいけませんからね。あす引き続き行なうとか、やはり人間的な冷静な運営ができるようなことを理事さんとしては、委員長は一応議事さばきされるでしょうけれども、相談していただきたいと思うのです。これは立ったついでに、切実な要望でございます。私は時間をさらにとってもらうことを希望いたします。 御答弁願います。
○説明員(磯崎叡君) ただいま藤田先生から私自身の能力、才能について御評価賜わりまして、私も深く感銘する次第でございます。私も微力ながら全力投球しているつもりでございますけれども浅学非才、いかんとも先生方の御期待に沿い得ないのはたいへん申しわけないと思っております。 さて、来月の下旬に予定をされております全国の生産性運動の大会でございますが……。
○藤田進君 今月だろう。
○説明員(磯崎叡君) 十一月でございます。先ほど申しましたとおり、実行委員、これは大体国労所属と鉄労所属の人のようでございます。実行委員と本部と話をするという段階になっております。もちろん先ほど瀬谷先生言われましたように、流血の惨事などということは、もちろん考えてはいけないことでございまして、どうしても話がつかない、そうして、流血の惨事が予見されるというふうな事態になった場合には、私どもといたしましても全力をあげて平和な解決に努力いたしたいと考えております。
○藤田進君 ちょっとその平和な解決とかいうことが、だからそういう場合には取りやめということも含めての処置になりますか。
○説明員(磯崎叡君) それは平和的な解決ということば、いろいろその時点によって違うと思いますが、現状におきましては、平和にやれることも全然できないことではないと思います。いずれにいたしましても平和的な解決ということを考えております。
○藤田進君 取りやめも含むのですか。
○説明員(磯崎叡君) これはその時点によって違ってくると思います。いまのこの時点で取りやめを含むとか含まないとかということは、ちょっと私は早過ぎると考えております。
○委員長(中村英男君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(中村英男君) 速記を起こして。 だいぶ経過をしておりますから……。瀬谷君どうぞ。
○瀬谷英行君 先ほどの話では、何か、この運動が自然発生的にわき起こったかのようなことを言われたけれども、ゆうべの十時四十分からのNHKテレビでこのマル生運動が紹介されましたけれども、あれを見ると、中央学園でもって講師が幹部クラスを集めて講習をやっているわけでしょう、計画的に。ああいうことをやっていて自然発生的な一つの運動であるというふうにはどう考えたってとれませんよ。これは明らかに国鉄当局がやらせていたことであるというふうに断定する以外に方法はないと思うのです。 そこで、監査委員長にお伺いしたいと思うんですが、国鉄の先ほどの自殺者は、本社の監察役は、この監査委員会のこの報告書が十分に徹底しているかどうかといったようなことを静岡へ行って、幹部を集めて、いろいろと聞いたり何かしたという話なんですが、詳細よくわかりません。しかし、この監査委員会の報告書の中に「生産性本部が推進している生産性運動に関する教育が全社的に行なわれたこともあって、職員の間に国鉄の現状についての理解が深まり、再建意欲は急速に向上しつつある。」と、こういうことを書いてある。で、実際には、この不当労働行為によって公労委の命令が出て、総裁が受諾しているのですよ。何回もけさから答弁をしているように、不当労働行為即生産性運動になってしまっているわけですね、国鉄の現状は。それでなぜ監査報告書はそれを高く評価するようなことを書いているのですか。これじゃ全然その実態に合ってないと思うのです。いかなる見解でこういう報告書を書かれたのか、その点をお伺いしたいと思う。
○説明員(金子佐一郎君) お答え申し上げたいと存じます。 監査委員会といたしましては、この生産性運動というものが始まりましたというのは、先ほどお話がございましたとおり、四十三年ごろから始まったんでございましょうが、この四十五年の監査報告書をつくりますまでは、私どもは固く生産性運動というものを純粋のものとはっきり私は信じておりました。ところが四十五年度の監査報告書をつくっておりますとき、どうもこの問題が不当労働行為というところまでは私は聞いておりませんが、組合との間に紛糾があるように聞きまして、これははっきりしておかなければいけないじゃないか、こういうようなことで、この生産性運動というものの趣旨というものを、あくまでもこれは誤解がないように、ゆがめて解釈するようなことがあってはならない、こういう意味でその趣旨を徹底して、これを行なう者に理解を深めて、そして間違った、ゆがめられた解釈をしないようにということを監査報告に載せてございまして、これははっきり申しまして国鉄に対しましての警告をいたしたのでございます。 なお、いま御指摘がございましたように、何か私どもが監査委員会といたしまして、この生産性の運動が、これらの問題がゆがめられて、しかも、不当労働行為に関係しているということを前提としてこの運動を評価したようにおとりになっていたといたしますれば、まことに私は遺憾でございます。絶対そういうことを前提といたしておらないのであります。事実四十五年の報告書に書きましたとおり、昨年度の万博をごらんいただきましても、ほんとうに職員の努力によりまして、二千万以上の人を事故なく運んでおる事実も私は見ておるのでございます。また従来から、国鉄がこの再建をするにはどうしても近代化、合理化に対して職員の協力を得たい、こういうようなことを皆さまとともに私どもも強く考えておりましたところ、この四十五年度の結果を見ましても、相当にこういう問題について進捗のあとが見られるのでございます。それで私どもは率直にこの従業員、いわゆる職員たちの努力というものを評価いたしたのでございます。そうして、また生産性運動については間違った道を行ってはならないということもはっきり書いたはずでございます。しかるところ、本日私も朝からここでいろいろお話を伺いまして、かくもこの生産性運動という純粋のものが不当労働行為にからまって問題が出ている。これは私も全く遺憾に思い、また総裁みずからもこの問題をすべて不当労働行為と生産性の問題とは切り離すという決意をされておりまして、それを私は信頼いたしたいと思いますが、監査委員長といたしましても絶対にこの生産性運動というものと、この不当労働行為というものが全く切り離されなければならない、強い信念を持っておることを申し上げてお答えにいたしたいと思います。
○瀬谷英行君 まあ監査委員長は、不当労働行為と生産性運動とは切り離さなきゃいかぬということを言っておりますけれども、あなたのこの四十五年度の監査報告書に書いてある文面からは、そういうことは書いてないような気がするんです。どこかにそういうことが書いてあるんなら、御指摘願いたいと思う。ここには生産性運動の教育が全社的に行なわれたことがけっこうだということしか書いてないような気がするんですね。 それから万博についてのお話がありましたけれども、万博でもってその営業収入が上がったことは確かです。しかし、これは生産性運動でもって収入が上がったわけじゃないんですよ。万博へ行く人が汽車に乗ったから旅客収入がふえた、これは。生産性運動とはちっとも関係はないと思う。これはもう国鉄の職員にしてみれば、お客が来れば切符を売るのはあたりまえなんです。だからこそその旅客収入がふえた、それだけの話ですよ。それを何か生産性運動と結びつけて、だから去年はうんと収入が上がったのだ、こういうふうに考えて、しかも、それをノルマにでもされたのじゃ、これは大きに迷惑な話なんですよ。これは勘違いのないようにお願いしたいと思う。監査委員長にじゃあ再度お伺いしますけれども、あなたは、ここに書いてあることは生産性運動をまるのみ込みをしたような書き方をしておるけれども、今日のような不当労働行為というものはこれははなはだ遺憾であるというふうにお考えになっておるわけなのですね。それならばそのようにこの報告書の中にも御指摘いただかなければならぬと思うのですが、その点はどうなんですか。
○説明員(金子佐一郎君) いまおっしゃったことはまことにそのとおりだと思う。ただ、私どもはその監査報告書をつくりますときに、かくのごとき今日のような問題が起こっていると、また起こるということについては、私はまた不敏ながらそれを耳にいたさなかった。この点を私の不明といたすところと思いますが、実際はこのような問題がありますれば当然書くばかりでなく、国鉄当局に対しましてももっと具体的に指摘すべきではなかったかという強い気持ちを持っております。ほんとうにそのとおりでございます。
○須原昭二君 関連。いま万博の話が出ましたから、私もここにちょっと資料を持っておりますから、ちょっとお伺いをしておきたいと思うのです。なるほど万博によって職員の皆さんがよく働いたという評価については私も同感です。しかし、最近の天王寺鉄道管理局の昭和四十六年度の経営計画を見ますると、運転収入が実に三百七十七億円、こう規定をされております。万博のときにあの多くの輸送、すなわち日本の国民の六千万人ぐらいが入場したといわれているこの万博でさえ三百四十九億円、実にその昨年度の実績の上にさらに二十八億円を機械的に上積みをしている。問題はこういうところにあると思うのです。すなわち生産性運動にあると思う。御案内のとおり、こうした目標達成をすることは国鉄の再建の至上命令である。だからマル生運動を推進し、表面的にはマル生は増収と、そして事故防止だと称しながら、現実には現場においては増収させなきゃならぬようにしりたたきをして、現場では実績を得るために手段を選ばない、労働強化だってくそくらえ、あたりまえのことだ。あるいはまた組合の団結権なんかどうでもいい。労働基準法も旅客基準規程もくそくらえ。こういう態度がこういうものに出てきていると言わなければならないのであって、そうした経営計画そのものを再検討させなければならないのではないか、そういう点について国鉄の総裁はどう考えておるのか、この際明らかにしていただきたい。
○説明員(磯崎叡君) 国鉄の収入の目標あるいは輸送の目標でございますが、昨年の旅客収入は万博の関係で約四百億ぐらいの増収をいたしております。ことしはすでに御承認願いました国家予算、これは万博の分を引きまして大体普通の日本の各交通機関の伸びよりちょっと低目に押えて約四・五%ぐらいの伸びを見ております。また貨物のほうは最近のような不況を予見いたしませんでしたので去年の実績とほぼ横ばいでございます。現在におきましては旅客収入は大体国家予算とんとん、貨物収入のほうは残念ながら、ちょうど半年たちましたが、約百億ちょっとこしたぐらい、すなわち二千六百億ぐらいの収入の中で、百億少しこしたぐらいの対国家予算の赤になっております。したがいまして、この収入増加ということは、これは何といいましても国鉄のたとえばべースアップをやるにいたしましても金がなければできない。やはり働き出してある程度の——もちろん全額はとてもベースアップ分まかなえませんが、相当程度借金でありますけれども、やっぱりある程度は自分で働き出すというのはこれは当然だと思います。どの企業でもそういうことになっております。したがいまして、できるだけ働き出すということにしますけれども、ただ客観的に最近のような不況、それによる貨物輸送の減少というようなことはこれはわれわれの力ではどうにもならぬ、職員の力ではどうにもならぬという問題もございます。そういう点を勘案いたしまして毎月国家収入を一つの目安とした目標を定めておりますが、いままでの実績はそういうことで、ほかの交通機関の輸送の伸びと比較して異常に高いということでなしに、むしろ一般の交通機関よりは低目に目標を見ていると、こういうふうな見方をいたしておるわけでございます。
○瀬谷英行君 いま須原委員が言ったことは、万博でこれこれの収入があった、それを一つの基準にして、それ以上の収入の目標を立てたのでは、ことしももう一回万博やらなければ間に合わないということになる。日本国有鉄道主催の万博をやるわけにいかぬでしょう。だから、そういうむちゃなことをやって、それでしりをはたいたところで、それは無理じゃないかということを言っているわけです。その点をよく考えなければならぬ。それをしもやれというのが生産性運動だというならこれはまるっきりむちゃですね。生産性運動なるものが一体どんなものかというと、これはわれわれは事実によって判断する以外にないんです。看板によって、生産性運動のねらいは労使の協力だとか、あるいは雇用の拡大だとか成果の配分とかいろいろなことを言ったって、そういう口頭禅というのは何もならないのです。労使協力と言ったって、すりか、置き引きみたいなまねして組合員をかすめ取っていくような方法をとって労使協力できるようになるわけないんです。まあ時間の関係で一つ一つ私は言いませんけれども、具体的には証拠が一ぱいあるのです。この不当労働行為の証拠というのは浜の真砂ほどあるのですね。これ一つ一つ取り上げていけば委員会何年かかるかわからない。だから、たとえばここにある池袋の職員が裁判所に訴えたという問題があります。これも助役から、試験を受ける気があるなら鉄道労働組合にいかなければだめだと言われた。しかし、第一次試験に合格したら第二次試験の前にもう一度念押しをされた、こういったようなことが書いてあります。こういうように明らかに、これは裁判所に訴えているのだからうそ偽りはないと思うんです。身に覚えのないことだったら裁判所に訴えるということはなかなかできませんから、これも確かなことだと思います。 それから、職制のほうから命令をしたというような具体的な例は、この秋田の管理局管内の問題があります。これも運輸長の写しというのがここにあります。そして、その中にはどのようにしてその体制の切りかえというのですか、体質の改善と、こういう言い方をしているんだけれども、実績をあげていくかということをこまごまと指示しております。そして差別のやり方なんかまでこまごまと指示している。こういう事実があるわけですよ、ここに写しが。それから、争訟の問題についてはテープだってあるわけです、テープも。これは御披露しているとうんと時間がかかるので、残念ながらきょうおそくなったからやりませんけれども、こういうれっきとした証拠は、私が持っているだけじゃない、各委員全部持っているのですよ。遠慮してきょうは小出しにしているだけなんです。だから、この次の委員会ではみっちり御披露したいと、こう思っておるのですけれども、きょうのところは証拠があるということだけ申し上げておきます。そして、この証拠に基づいて考えるならば、いままで総裁は、歪曲されたのは遺憾だ、こういうふうに言われておった。しかし、歪曲をした人間に対する処分については、措置ということを言われておって、処分をするということを明言しておられないのですね。もし総裁の意図と違った方向でもってこの生産性運動が理解をされて不当労働行為が行なわれたならば、その不当労働行為を行なった者を処分をすべきものではないかと私は思うのですよ。つまり、赤信号と青信号と間違えて列車を脱線転覆させたという場合には、その責任者はどうなりますか、文句なしに免職になるでしょう。いま総裁が言っていることは生産性運動のほんとうのねらいとは違った方向にいっちゃったのだ、私の真意とは別に歪曲されたのだという意味のことをおっしゃった。総裁の真意でなかったならば、この歪曲をした、たとえばどこそこの運輸長であるとか、どこそこの総務部長であるとか、あるいは局長であるとか、これらの証拠のあがっているような人たちは、運転事故でもって死傷者を出したと同じような責任を追及する意味で私は処分をすべきだと思うのですが、そうじゃないのですか、その点はどうでしょう。
○説明員(磯崎叡君) その点についてもすでに午前中申し上げましたけれども、私が申し上げましたのは、純粋な生産性運動がいわゆる不当労働行為によって歪曲されて理解された事例がある、こういうふうに申したわけでございます。したがいまして、その考えから申しますれば、純粋な生産性運動と不当労働行為とは別のものである。こういうことをはっきり申し上げたわけでございます。また、いま先生の御指摘の点でございますけれども、いわゆるそのあと始末と申しますか、事後処理につきましては、その事件についてたとえば現在出ております公労委の命令書によりましてもごらんのとおりその点について触れております、そういう点も考えた上で総合的に措置したいというふうに申したわけでございまして、その命令書自身にも触れているということを私はもう一ペん申し上げさせていただきます。
○戸田菊雄君 瀬谷委員の証拠問題についての関連事項で資料をこの際要求しておきたい。これは真鍋職員局長に回答してもらいたい。 その一つは、長万部機関区の家庭訪問名簿、これは星野助役というのが十六名対象に勤務退庁後連日行っている。これは決して星野助役ばかりだけではなくて、波状的に各職制がひとり者に対して二、三回ずつ行っているわけですね。少なくとも現地では勤務解放後ですから、全く私有時間なんですね、そういうものに対して深夜を問わずとにかくやられるわけですから、最大の休養がとれない、こういう実態が数多くあるわけです。したがって、これ、長万部機関区の私が当たってきた訪問名簿、これを具体的にいつだれがだれに当たったかというようなことについて、詳細長万部機関区の資料をひとつ提出していただきたい。 それから、もう一つは、長万部機関区に新生会というマル生運動の組織があるわけですけれども、これは青函局内全部ありますから、それらの青函局のマル生運動を推進するにあたっての資料——各職場ごと、会則、運動方針、こういうものを全部ひとつ出していただきたいと思います。 それから、もう一つは、超過動務の支払い状況、これは実際起こったのは昨年の十一月だから、四十五年の十一月以降にしてください。それで、ひとつ超過勤務の命令簿ないし支払い状況、この一覧をひとつ出してください。 それからもう一つは、長万部の、これは車掌区でありまするけれども、組合員に対する証拠物件——テープはありますが、区長、助役が二時間程度組合員を軟禁状態にして脱退慫慂したという事実がある。その状況調をひとつ出していただきたい。 同じように、超過勤務の支払い、その一覧、これを出していただきたい。 それからもう一つは、長万部の客貨車区でありまするけれども、この区長、助役が同様の家庭訪問をやっておる。この状況調べをひとつ出していただきたい。 なおかつ、長万部客貨車区の場合は、一日約八千円見当の自動車賃をかけてそれぞれ家庭訪問をやっているわけです。その詳細をひとつ出していただきたい。 それから、もう一つは、運輸長、これは長万部の運輸長でありますが、長万部の運輸長の勤務一覧、これは昨年の十一月以降今日までのやつを全部出していただいて、それから同様に、この出張命令による特殊勤務手当、これが出されているわけですけれども、それと、これは職務上出るわけですから、手当が出ているはずであります。その支払い状況一覧、これをひとつ出していただきたい。 もう一つは、秋田車掌区の超過勤務支払い、この状況を昨年の十一月以降今年の九月まで、これをひとつ出していただきたい。同様に委員長に要請をしておきます。回答いただきたい。
○説明員(真鍋洋君) 御指示の事項調査いたします。
○吉田忠三郎君 それから局長、これは函館駅です。自衛隊のトラック二台を使用して、この運動を具体的に行なっております。それで、自衛隊のトラックのナンバー、二台のナンバーを調査をして、それで戸田委員と同じように資料として提供してもらいたい。
○瀬谷英行君 まあ私のほうも出せばあるんですけれども、まとめて言いますが、いま指摘をされたような資料というものをこちらのほうからあらためてまた請求します。だから、それを全部ひとつ資料として出してもらいたい。私のほうでまとめて申し上げますから。まだ読み上げますと時間がかかりますので、きょうのところはそういうことで一括してお願いいたします。それだけです。 それから、したがって、委員長、もう議事進行上あまりこれ以上申し上げるのは時間がかかって悪いと思いますので、何とかまとめたいと私も思っておりますけれども、とてもきょう一日やってみただけで言い足りないわけなんですよ。ですから、あらためて社労委員会なり運輸委員会なりでやりたいというように考えておりますけれども、ともかくいままではっきりしたことは、もうこれだけ無数の証拠があがっているということなんですね。無数の証拠があがっております。したがって、不当労働行為、生産性向上運動即不当労働行為であって、不当労働行為を取り去った生産性運動なんというのは事実上何もないわけです、いままで。だから、これを分けるというようにしきりにいままで答弁されておりますけれども、生産性向上運動というのは、世を忍ぶかりの名であって、事実上は組合の切りくずしと、骨抜きを策す運動以外の何ものでもないということははっきりしているわけです。だから原点に返ると言いますけれども、返った原点からして曲がっているのだから、幾ら原点に返ったって、やっぱり不当労働行為の方角を向いちまったんでは何にもならぬと思うのですよ。そこで、いままでもお話がありましたけれども、不当労働行為はやらないけれども、生産性向上運動をやりますという話は、酒は飲みますけれども、酔っぱらいませんというのと同じなんです。たばこは吸いますけれども、煙は出しませんというのと同じなんです。こういうごまかしは、私は通用しないと思うのです。だから酒を飲むんなら酔っぱらいますと正直に言ってくれたほうがよっぽどいいんです。だから、もしこの不当労働行為をもういたしませんと言うなら、表向きだけじゃなくて、ほんとうに中央学園でやっている教育にしても公開をして、われわれにこれもまた資料として提出してもらって、公開をして偏向教育が行なわれている事実がないかどうか。もし身にやましいところがなかったならば、これはオープンにしてもらいたいと思うのです。すべての点はそういうところがら出発しております。 それから、当局が指導したのじゃなくて、自発的になんということは、これは今日では通用しませんから、だからどうかそれらの点を、これは労働大臣のほうから、労働大臣いなくなりましたか——それじゃ運輸大臣のほうから、このとおり事実関係ははっきりしておりますから、国鉄がけさからいままで言ってきたことは言いわけなんです、言うなれば。しようがないから何とかして汗をふきながら言いわけをしているだけの話です。これは見え透いた言いわけなんです。だから、この言いわけじゃだめなんだから、監督官庁として一体どうするのかという断固たる所信というものをここで明らかにしていただきたい。続きはあらためて私のほうでまた席をかえてやりたいと思っております。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 瀬谷さんからの午前中からの問題につきまして重ねての御指摘でございますが、先般十一日に国鉄総裁決意を披瀝いたしまして、そして絶対に不当労働行為はさせない。それでそれらをあらゆる点で努力をしてやる。しかし、何しろ大きな組織であるから、しばらくそれに対して時日をかしてもらいたい。それでいろいろそのもとといたしましては、労使協調、パイプがつながるためのあらゆる努力をいたしたい、時日をかしてもらいたい、こう言っている次第でございます。それにつきまして、私どもその点につきましては総裁と同様に考える次第でございますので、しばらく時日をかしてやっていただきたい、こう思っておる次第でございます。
○田渕哲也君 今回国鉄の当局の進めてきました生産性向上運動が歪曲されて、不当労働行為を起こしたことばきわめて遺憾だと思います。しかし、この当局の不当労働行為というものは、文字どおりこれは不当でありますから、悪いことは明らかである。したがって、当然これは改めるべきだと思います。しかし、この不当労働行為をやって、それが悪かったから改めた。それだけで問題が基本的に解決するとは思わないのであります。なぜかといいますと、これは国鉄の再建という大きな問題にからんで出てきた問題であって、今日国鉄の再建は五千六百五十四億円の赤字をかかえ、国並びに国民にとっての重大問題となっております。この再建をやるために、生産性を高める運動をやることは私は当然だと思いますけれども、しかし、問題はこれらの再建の活動の背後にあるものをやっぱりメスを入れていく必要があるのではないか、今回の国鉄当局の生産性向上運動が不当労働行為になった原因とか理由というものがあるはずだと思います。本来は生産性向上運動と不当労働行為は無関係のはずである。しかし、国鉄のマル生運動が不当労働行為をこれだけたくさん起こしたというのは、その原因、理由というものが必ずあるはずである。その点について国鉄総裁にお答えをいただきたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) ただいまの田渕先生の御質問でございますが、本来生産性運動と不当労働行為とは次元の違う全然別のものであるということは午前中から申し上げているとおりであります。この生産性運動に、あるいは生産性教育に関連いたしまして、この種の不当労働行為が出てきたということにつきまして、いろいろな見方もあると思います。公労委の認定もその一つであり、またいろいろなそのほかの第三者機関の認定もあると思います。要するに、問題は、生産性をどうやってあげるかということ、そして、それをどういうふうにして現実の運動として取り上げていくかということについての問題だったというふうに考えます。したがって、個々別々にそういうケースと申しますか、そういう事態の起こってきた理由はおのおの違ってくるというふうに思いますけれども、全般的に見れば不当労働行為というもの、いわゆる組織の介入あるいは差別待遇というふうなものがありとすれば、それらに対する十分な配慮が足りなかったということであるというふうに考えます。
○田渕哲也君 私は、このマル生運動が個々別々に偶発的に不当労働行為に結びついたとは思えないんです。というのは、非常にたくさんの事例があがってきているわけですね。だから、末端でこれは歪曲されて偶発的に出てきた問題ではない。それは国鉄の総裁が意識されたかされていないかわかりませんけれども、その背後に国鉄の再建にからんで何かあるのではないか、こういうものに結びつく必然性があるのじゃないかと思うのでありますけれども、この点についてはいかがですか。
○説明員(磯崎叡君) 国鉄の再建自体は、先生のおっしゃったとおり非常にむずかしい問題であり、決してわれわれの部内の力だけでできない、部外の国民あるいは政府の御援助がなければできないことは明らかでございます。しかし、私どもといたしましては、部内的に全力をあげて部外から応援していただけるだけの資格のある企業体にしなければならない。それだけの努力をしなければならないということは当然だと思いますが、そういうことが多少、純粋の生産性運動を曲げざるを得なかったということに結びつくかどうかという御質問だと思います。私は、その点はいまの国鉄の当面している財政問題、これがある意味の生産性運動を私どもが取り上げた一つの原因であることは事実でございます。しかし、それが直接不当労働行為に結びつきました点につきましては、やはり生産性運動を、生産性教育を実施する過程におけるいろいろな問題があって、ことに不当労働行為に対する認識と申しますか考え方が十分でなかったという点に問題があるというふうに考えます。
○田渕哲也君 マル生運動の実態をお聞きしたいと思います。これは何べんも質問されているかもわかりませんけれども、できるだけ具体的に、簡潔に、かいつまんで、マル生運動の実態はこれこれこれだということをお答えいただきたいと思います。
○説明員(真鍋洋君) 生産性運動は、各職場でいろいろな名前で運動として起こっておるわけでございますけれども、その中身は、たとえば運転事故防止を主体にしておるもの、あるいは増収をはかろうということでやっておりますもの、あるいは環境をよくしようということで駅の美化運動をやっておりますもの、あるいはありがとう運動というようなことで生産性運動をやっていこうというような形でやっておりますもの、いろいろな形のものが具体的にはございます。いずれにしましても、それらの運動を行なっておりますものは、あくまで国鉄再建という大きい目標の中で、いろいろな取り組み方をその職場職場でやっておるというふうなのが現状でございます。
○田渕哲也君 私は今回のマル生運動の中心をなしておるものは、やっぱり教育ではないかと思うんです。特に、生産性教育、この教育の受講者がすでに十万人ぐらいに達しておる。この教育内容について、お答えいただきたいと思います。
○説明員(真鍋洋君) 生産性教育につきましては、日本生産性本部の教育が基調になっております。この中では、まず労使の協調を主張をしております。それから、雇用の拡大、安定ということを教育内容として行なっております。さらに、労使協調の中では、労使協議制を指向するということも教育内容に入れておるわけでございます。最後に、成果配分という将来目標に対しまして、経営参加も含めましての、労使が手を携えて、企業繁栄をはかっていこう。企業が繁栄すれば、それは企業側にもプラスになりますし、そこに働く従業員にも返ってくるのだ。企業側も労働者側も、これは繁栄を分かつのだという、労使が協力して再建に当たろうというのが基調になっております教育の中身でございます。
○田渕哲也君 その教育の中の科目に、たとえば不当労働行為に結びつくような科目があったのか、なかったのか、この点いかがですか。
○説明員(真鍋洋君) 不当労働行為は、管理者が組合の組織介入、あるいは利益誘導等によります差別支配を行なうということの行為がございますと、不当労働行為に該当する行為になるわけでございますけれども、生産性教育の中で、そういった項目のものはもちろんございませんし、そういった教育をするはずはないわけでございます。ただ、先ほど来御議論がございますように、生産性運動はあくまで労使が協力し、協調するという協調路線でございますので、そういった中での議論は十分あるかと思いますけれども、教育の内容として、これが不当労働行為につながるというような教育の内容は全くございません。
○田渕哲也君 私は考えてみますのに、このマル生運動の問題点というのはやはりあると思うんですね。特に、この不当労働行為を生じやすい背景というものはあったと思います。特に、マル生運動の問題点は、私は二点——まあ、ほかにもあろうかと思いますけれども、大きく分けて二点ある。 まず、第一点は、精神教育に重点を置き過ぎたきらいがあるのではないか。第二点は、再建というものは総合的に進めなければならない。総合的な再建計画の推進の一環としてこういう教育が行なわれるならば効果はあろうかと思いますけれども、こういうものだけ取り出して進めるところにやはり無理があるのではないかと、このように考えるわけです。 まず、第一点のマル生運動の基調である国民への誠意、国鉄への愛情、私はこれは非常にけっこうだと思いますけれども、精神教育に重点を置き過ぎますと、どうしても精神教育というのは思想のよしあしが問題になる。思想のよしあしといっても個人、個人の思想というものは表に出ていませんからわかりません。したがって、形式的にとらえて、生産性向上運動に反対している国労、動労に所属しているのはいかん、賛成している鉄労はいい、こういう判断に結びつきやすいと思うんですね。だから、精神教育に重点を置き過ぎた点がやはりこの不当労働行為を生んだ一つの背景ではないか、このように考えるわけですけれども、この点いかがですか。
○説明員(真鍋洋君) 御指摘の点は、十分反省すべき点かと思いますが、ただ私どもは、いろいろ財政的な援助、これは、政府あるいは国民の利用者の皆さんからいただきますそれぞれの御援助を仰ぐのは当然でございますけれども、まずその前には私ども国鉄に働いております者がまず再建の努力を労使で力を合わせてやるということが前提でなければ、そういった物質的な援助というものはなかなか得られないのではないかということを考えております。そういう中で合理化、近代化等を進めておるわけでありますが、先生のおっしゃいますように、そういった中でどれぐらい働いておる者にペイができるかという意味におきましては、財政上はだんだん悪くなっております中では、おっしゃいますようなところは、かなり私どもも、協調路線の中でひとつがんばり抜こうというような意気込みをお互いに示し合っているということがあるわけでございます。
○田渕哲也君 いまのお答えになった点につきましては、後ほど論議をいたしたいと思いますけれども、私は、まず第一点の精神教育に重点を置き過ぎた問題というのは、生産性向上活動の第一歩として共通の基盤を持つ、あるいは意思統一を行なう、これは、出発点として必要だと思うんです。そういう意味で精神教育が全く無意味だと申しませんが、生産性向上活動というものは、それだけではないと思うんですね。まず第一にやっぱり参加する者の共通の目標設定がなければならない、何を目標にして活動を進めるかということがなければならないと思います。その次には、手段として労使協議制をどういうかっこうで持っていくのかという問題、さらに標準化や近代化の具体的方策の決定、それから、成果の還元、この成果の還元は広い意味で、言うならば生産性向上運動を起こすことによって、雇用の面で逆にマイナスが起こらないか。賃金、労働条件でマイナスが起こらないか。そういうマイナス面をどういうふうにカバーされるか、さらにプラス面としてどういう還元があるか、こういう具体的なスケジュールを明らかにして、それを労働組合の間でも理解が得られなければだめだと思うのですけれども、この第一歩のところの精神教育だけに重点が置かれたような気がするわけですが、この点いかがですか。
○説明員(真鍋洋君) 第一点の目標でございますけれども、これはあくまでも国鉄という企業を繁栄させようではないかということが出発点でございますので、国鉄の再建ということを目標に置いているわけでございます。その中で労使協議制に持っていこう。それにはやはり労使が協力し、協調するということがなければ、労使協議制もかなわないわけでございますので、そういった方向に指向していこうではないかということでございます。さらに、そういった中で最終的に成果配分という問題もあるわけでございますけれども、それらは企業を再建するということの上で、どういうペイをお互いに分け合うかという将来の問題であるということで、私どもの生産性運動をやっておりますものも、私ども教育いたしておりますものも、現段階で生産性教育、あるいは生産性運動で共通のものは、やはり国鉄の再建ということが先に立っているわけでございます。
○田渕哲也君 先ほど指摘いたしました第二の問題点に触れたいと思いますけれども、国鉄の再建というのは、これはたくさんの要素があります。大きく分ければ内部要因と外部要因とある。内部要因としては経営能力、職員のモラル、意識の問題、これがひいては国鉄の社会の進歩、変化への対応力、あるいは合理化、近代化の推進、生産性の問題、こういう問題となってこようかと思いますけれども、こういう内部要因があることは事実であります。しかし、それと同時に外部要因も非常に大きな点があることは明らかであります。公共負担を国鉄が負担するのではなくて、どっか国かどこか適当なところが負担すべきではないか、あるいは赤字の大きな原因をつくっている赤字地方路線をどうするかという問題、運賃制度面での制約の問題、事業範囲の制約の問題、この外部要因も非常に大きな要素があるのですね。私は、再建をほんとうに進めるなら、こういう総合的な計画をつくって、それを進めていかないといけないと思いますね。基調は自力再建ができるということでありますけれども、この自力再建に向かって職員が動き出すような条件づくりをしてやらなければ酷ではないかという気がいたします。そういう意味でこのマル生運動は、まず内部からということで、職員のモラル、意識の点に重点を置かれたと思いますけれども、ただ、これだけに重点を置いてもほんとうに従業員、職員に再建への自信と意欲がわいてこなければ何にもならない。国鉄の責任でないものまで負担させられて、幾ら働け働けといわれても再建する自信というものはわかないと思います。だから、これははっきりして、ここからここまでは国の責任である、あるいは公共で負担すべきものである、ここからここまでは国鉄、あなた方自身の責任でやるべきことだ、これをはっきり分けて、国鉄の責任でないものはこういうふうに国でめんどうみるから、きみたちはがんばってくれ、こういうふうに言うと、やろうという意欲がわいてくると思うのです。こういうことをほっておいて、ただ単に精神教育だけに重点を置いて、国民には誠実であれ、国鉄を愛せよといわれても、ちょっと無理があるのじゃないか。そういう無理がある中で、精神面を強調し過ぎると、どうしてもその運動そのものがひずんでくるのではないか。現在マル生運動に参加されている者は約二十二万、半分だといわれておりますけれども、そうすると、あとの半分の人は反発をしているわけですね。こういうところに非常に大きな欠陥があるのではないかという気がいたします。こういう点が歪曲を生じた一つの背景ではないかと思うのですけれども、この点いかがですか。
○説明員(磯崎叡君) ただいまの先生のお話のごとく、今回のいろいろな問題はやはり国鉄財政あるいは国鉄の置かれておりますいまの社会環境の中から出てきたということ、これは事実だと思います。 そして、昭和四十四年に現在の再建整備臨時措置法をつくっていただきましたときも、非常にその点が問題になりまして、結論といたしましては、国鉄自身の努力の問題を、それから、政府の援助の問題、それから、利用者の協力の問題、この三本の柱を一つにして、今後十年間の再建運動をやろうということになったわけでございます。その後二年たちましたが、やはり客観情勢は改善されず、このままではもう赤字の累積で間もなく一兆をこすというふうな事態でございまして、一方、関係方面でも徐々にいま先生のおっしゃった、主として外部的要因の問題が理解され始めまして、しかし、なかなかこれは一挙には実現しないと思っておりますけれども、大体去年ぐらいから、どなたかの先生がけさおっしゃいましたが、一体鉄道というものは将来どういう分野の仕事を分担するのか。道路との関係はどうだ、船との関係はどうだ、こういう総合的な視野から鉄道を見ていかないと、いま先生のおっしゃったように、いたずらに鉄道だけが負担を負ってしまう、そして全体的に経営が苦しくなる。これじゃいけないということで、今年度の予算並びにもう一年前の四十五年の中ごろ、四十五年度になりましたころからいわゆる総合交通体系ということが叫ばれまして、そして総合的な交通分野の面から国鉄のあるべき姿、そして、国鉄が企業として成り立つ面と、企業として成り立たない、しかしながらソシァル・ミニマムとして維持しなければならない面、これは当然国なり何なりがめんどうを見なくちゃいけないというような議論のもとに四十五年ごろから相当専門的にその総合交通体系が勉強され始めたわけでございまして、残念ながら四十五年度予算はそれが実現しませんで、つなぎ予算になったことはもう御承知のとおりでございます。四十六年度以降におきましては、この問題を解決するというふうなことになっております。したがって、私どもといたしましても、一方部内における生産性の運動をやると同時に、外に対しましても少なくとも来年度予算におきましては、いま先生のおっしゃったような外部的要因について相当部分をとにかく前進さしてくれなければ困るということを強く実は政府その他関係方面に現在もう要請をいたしておる最中でございます。私どもといたしましては、むしろ四十七年度予算に全精力をかけているといっても過言でないほど、いまいろいろ関係方面にお願いしておりますけれども、その際にやはり部内の生産性をあげるということについても最大限の努力をしなければ、やはり外からの御協力が得られないというふうな立場でもって今日まできたわけでございまして、多少時間のちぐはぐはございますけれども、いま先生のおっしゃったように、いわゆる部内要因だけでなしに、部外要因も極力前進さして、そうして国鉄の再建をはかりたいというのがわれわれの希望でございます。
○高山恒雄君 関連。総裁に質問申し上げたいのですが、いま田渕委員が申し上げましたように、生産性教育に基づく不当労働行為の事件が午前中からずっと連続して、その事実があがってきております。なおまた、総裁もその点は認めておられますし、今後改革をすると、こういう方針のようでありますが、私は非常に不可解に感じますことは、この生産性運動というものは労使の理解の上に初めて成り立つのであります。それなくして生産性運動はやるべきじゃない。それができなければできない方法の、国鉄の五千数百億という膨大なこの赤字をどうするかという問題は、別な方法でも方法はあろうかと思うんです。したがって私は、非常にこれは失礼ですけれども、戦後二十五年たった今日において、これだけの多くの不当労働行為が出てきたというこの事実は、これは国際的に見ても国内的に見ても初めてではないかという私は感じがするわけです。で、日本の労働運動は、総裁も労働大臣も御承知のように、この二十五年の間には非常に成長いたしております。しかも、また今日の日本の労働運動は、御承知のように、先進国と多少違って、企業内組合ということで、組合の幹部も三年か四年で交代をしていくという慣習が残っております。したがって、私は国鉄の管理職の方が何人おられるかわかりませんけれども、少なくとも数万人近い人がおられるんじゃないかという気がしております。その人の中には組合の経験者も私は多数おられたと思う。そうした経験者もいわゆる管理職におられたと思いますが、それにもかかわらず中央地方を問わずこれだけの不当労働行為が発生しておる。この事実は、これは何としてもやっぱり生産性の、いま私のほうの田渕委員が質問いたしましたように、基本的ないわゆるこの生産性の理念というものをはき違えた形のものではないかということを疑わざるを得ないのであります。したがって、ここに先ほど配付されました、管理職の方も本社八十三名、地方二百六十四名、こういう人たちがこの教育をお受けになるんだろうと思いますが、私は生産性教育も大事でありますけれども、いまのこの現状から言いますならば、管理職のいわゆる経営、労働対等の立場におけるところの人格の尊重というものを基本にした管理職の労働組合に対する認識というものの教育が、まず前提でなければならぬのじゃないかという感じを私は受けるのです。これを誤ると大きな社会問題が今日のように起こってくると思うのです。したがって、生産性教育も大事でございましょうけれども、私はこれをまずやるべきじゃないかというような感じすらしておるのであります。民間企業では戦後二十五年たった今日において、そういうことは私は最近はないと思うんです。私もかつて人権争議という近江絹糸の争議をやりました当時の私も責任者です。これこそ全く人権争議でございましたが、その後これだけの不当労働行為が出た事実はないのであります。こういう面を考えますときに、もっと国鉄総裁のほうといたしましても、私は管理職の教育をやる、いわゆる労働基本権に基づくところの企業と労働のあり方についての基本的なものを教育する必要があるんじゃないか。その後に初めて生産性の教育というものの中から、今日の国鉄の危急を救っていくという形にならなければ実を結ばぬのじゃないかという気がいたしますが、総裁はその点どうお考えになっておりますか。あるいはまた労働大臣にもついでですから質問申し上げますが、そういう点は労働省といえども指導の立場にあるのであります。私は国鉄の管理規則は読んではおりませんけれども、戦前そのままのものがあるんじゃないか。いわゆる職権乱用のできる道がたくさん開けておるのじゃないかという気すらするのであります。こんなものは民間では労使双方の中で完全に改正いたしております。職階制の改正をやっておるわけです。そういう面の指導を、私はむしろ仲介よりも労働大臣のほうはそういう面に力を入れて、そうしたものをひとつ指導してやるというような方向でやることが妥当ではないかというような気がしておるんですが、労働大臣はこういう問題、いわゆる職権乱用的な様相に対してはどういう指導を考えておるか、仲介よりもそれのほうが基本だと、私はこういうふうに思うのですが、ひとつ大臣のほうからも答弁願いたい。
○国務大臣(原健三郎君) ただいまの御意見、管理職についても不当労働行為などをやらないように、そういう教育をされることは賛成でございます。それから、仲介よりもそのほうがよいと、仲介は仲介でこれは急ぎますので。教育は直ちに効果があがるかどうか、長い目でじっくりそのほうはやっていただければけっこうだと思っております。
○説明員(磯崎叡君) ただいまの御意見でございますが、私もまさに管理職に対してもっとそういう意味の教育が必要であるということは痛感いたします。したがって、今後の新しい時点に立っての今後のいろいろな具体的な問題としては、いま先生の御説示の問題も一つの具体策として取り上げてまいりたいというふうに考えます。と同時にやはり私のほうは企業内組合と申しながら、三つないし四つの組合がございまして、相当組合の中で考え方、立場の違っている組合がございます。その点一つの企業の中の単一組合の場合とは相当趣を異にいたしております。場合によってはなかなか共通の場が見出しにくいということもございます。そういうような現実の事実に立脚いたしまして、まあ今後の問題を考えていかなければならないと思うわけでございまして、今後具体的にいろいろ話をする際に、私はできるだけ私どもの組合と一緒になって。同時に話をしたいというふうに思っておりますけれども、なかなかそういうふうにいきますかどうか、若干の時日がかかるというふうに思います。しかし、いずれにいたしましても、いかなる感覚を持っておろうとも、これは少なくとも共通の国鉄職員としての意識がなければいけないというふうに思います。それを推し進めていくのが今後の運動の基本である。これが先ほど申しました誠意と愛情である。きわめて抽象的でございますけれども、一つのコンセンサスとしてはそれしかないというふうに私は考えております。したがって、それを伸ばしていくことによりまして、今後の各組合とのいろいろな問題が除々に解決してくるというふうに思うわけでございます。
○田渕哲也君 先ほどの問題に戻りたいと思いますけれども、たとえば公共負担の問題、赤字路線の問題、こういう問題、私は本来は国鉄の責任ではないと思います。やはり政治の責任である。佐藤内閣の責任であり、運輸大臣の責任ではないかという気がするわけです。国鉄総裁はこういう面で国のめんどうを見てもらうからには、部内をまとめて一致協力して再建に邁進できるような体制をつくらなければならない。こういう考え方のもとにどちらかと言えばあせっておるのではないか。私はそれはやっぱり運輸大臣なり内閣が、国鉄が再建できるような環境をつくる責任があるのではないか。これは各国の例を見ましても、公共負担の問題にしても、赤字路線の問題にしても、政府が手を打っております。ところが、わが国の場合は非常に手を打つのがおそい。これに対して運輸大臣がどう考えておられるか、お答えを願いたいと思います。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御指摘でございますが、社会交通資本の投下に対しまして、ことに国鉄のそういった方面についての性質上、政府資金の投入につきまして非常に少ないのではないか。それがゆえにいろいろな問題が起こっているのではないかという御意見だと思う次第でございます。——よろしゅうございますか。 私はやはり田渕委員の御指摘のとおりだと、こう思っておる次第でありまして、極力私どもと努力いたしまして、その方面は皆さまの御協力を得まして、できるだけその方面における国鉄の健全な経営ができるように努力をするつもりでございます。せっかくひとつよろしく御指導をお願いする次第でございます。
○田渕哲也君 私の申し上げておる趣旨は、国鉄労使が自主的に自力で再建できるというような環境をつくってやれということなんです。公共負担もめんどう見なければならぬ、赤字路線もどんどん背負わされる。この中で自力で再建せよと言ってもなかなか再建意欲はわかないと思うのですね。だから極端にいえば、国鉄が過重に負担しておるものを取り除いてやる、もう一方では過保護になってはいかぬと思うのです。そういう面を切り離して国鉄労使が自力で歩む場というものをつくってやらなければ、なかなか再建に向かって全員が意思統一できないのではないか。そういう点について急速な措置をお願いしたいと思うのですが。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 御指摘のとおりと思っておる次第でございます。できるだけひとつその方面で四十七年度の予算におきましてもその決心で私臨む次第でございます。よろしくお願いいたします。
○田渕哲也君 労働大臣にお伺いしたいと思います。労働大臣は国鉄労使の不信感の深さに驚いたと言われておりますけれども、私はこの不当労働行為をやめさせただけでは問題の解決にならないということは前に申し上げました。私は労働大臣が仲介に入られるならば、この労使の不信感を取り除くことこそ肝要だと思いますけれども、この点いかがですか。
○国務大臣(原健三郎君) 御説のとおりでございまして、不信感を取ることが第一にやるべきことであるし、また本質的な問題であると思っております。
○田渕哲也君 労働大臣はその不信感の原因はどこにあると思われますか。
○国務大臣(原健三郎君) さしあたりいま議論になっておりまする生産性運動に関連して不当労働行為が各所に頻発しておる、これが直接積極的原因になっておるかと思います。
○田渕哲也君 私は現在起こっておるこの不当労働行為こそ、不信感があったから起こってきた問題ではないかと、このように考えておるわけです。このマル生運動が起こる前に労使の不信感というものはあったのか、なかったのか。労働大臣がお答えになれればお答えいただきたいし、あわせて国鉄総裁のお答えもいただきたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) それは卵が先か鶏が先かという議論になりますが、私の考えでは、これほど先鋭化し、悪感情になってきたのはマル生以後であると考えております。
○説明員(磯崎叡君) 労働組合と私のほうとの間の不信感の醸成の問題でございますけれども、これはもういま労働大臣が言われたようなとおりでございます。ただ、私どもといたしましては、やはりこの輸送条件の急激な変化に伴いますいろいろな合理化、近代化等に伴います組合とのトラブル、あるいはそれが違法のストライキに発展するといったような事態の中からだんだん不信感が出てきた。これは何も責任を組合側に負わせるという意味ではございません。ただ、客観的な事実として合理化、近代化の過程で相当たび重なって違法ストライキが行なわれたというふうなことなど、それらも一つの原因じゃないかというふうに考えます。しかし、それに対して、私のほうも適切な手が打てなかったということもいろいろ問題がございます。そういったことが重なり合って今日の事態にきたんではないかということで、私はやはりその点をいろいろ両方で考え直さなくちゃいけないというふうに思う次第でございます。
○田渕哲也君 労働大臣にお伺いしますけれども、それならばこの不信感を取り除くにはどうすればいいか。何か御方策があればお伺いしたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) 今朝来しばしば申し上げておりますように、この不信感の原因をなしておるマル生運動に関連する不当労働行為を国鉄当局をしてすみやかに払拭していただく、これは払拭するということを言明もいたしております。 それから、また、過般来、公労委の命令に対しましても、これに服するということを、国鉄総裁は決意いたしております。また服するのみならず、それを実行すると、こう言っております等々は不信感を払拭するに役立つものであり、私どもといたしましては、そういう事態を踏まえて、労使双方が、何が何でもまず話し合いに臨んでいく、話し合いを通して、両方理解を進めていく、また、そのうちに信頼も回復されていく、これらも相願わくば、自主的に積極的にやっていただくことを期待いたしております。そういう線でいきたいと思っておる次第であります。
○田渕哲也君 当面の問題としまして不当労働行為を取り除く、これは当面の急務だろうと思います。しかし、私がたびたび申し上げておりますように、問題は悪いことをした、それを改めたからもとに戻って——もとに戻るということばは語弊があるかもわかりません。労使の不信感が完全になくなるかといえば、私はそういう楽観的な見通しはできないと思います。まず、一つの例を申し上げますと、当局は不当労働行動はやめるけれども、生産性向上活動は必要だからやるのだということを言明されておる。ところが一方、国労、動労のほうは、生産性向上活動には反対という態度を出されております。したがって、この生産性向上活動を続ける限りにおいては、労使の対立は激化するし、不信感は増大するのではなかろうか。もし、労働大臣がこの間をうまく調整するとすると、当局に生産性向上運動をやめさせるか、あるいは現在は反対しておるけれども、国労、動労に何とか協力させる方向に持っていくか、二つに一つしかないのではないかという気がするわけです。この点労働大臣はどういう方向で労使の調整をはかろうとしておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) いまの段階におきましては、御承知のように、国鉄当局はいまお話がありましたように生産性運動は続けていく。組合のほうでも国労と動労は生産性運動をやめてもらいたい、こういうことを言っております。それでこういうわけであるから国鉄当局が不当労働行為を払拭しても依然として不信感が残るであろうと、こうおっしゃるようでございますが、私が国労や動労にお会いして意見を聞きましたところでは、生産性運動に名をかりてやる不当労働行為は断じて承認できない、これは非常に強調されたのです。私もその場において、いま直ちにこれまで言うておるのに、生産性運動をやめ、やめと言うてみたところがなかなか当局もやめられそうもないし、だから不当労働行為をやめることについては、私は賛成であるが、それについて積極的にやるし、それで了承してくれとこう言いますれば、あながちどうも私の知っている限りでは、同じ労働組合でも鉄労のほうでは生産性をもうちっとやってもよろしいとこうおっしゃる。それから国労、動労はいま言うたとおりでございますが、国労、動労におきましてもあながち積極的にマル生、生産運動を除去せいということよりも、むしろそれから派生するこの不当労働行為は憎むべきものである、これが不信感を抱くもとであるからこれをやめてもらいたい。こういうふうにウエートは後者のほうに、不当労働行為のほうに置かれていると、こう私は感知した次第でございます。ですから、これを口先だけでなしにほんとうに払拭することは私は両者話し合いに入るゆえんであるし、あなたのおっしゃる根本的な不信感を除去していく第一歩になっていくであろうと確信いたしておる次第でございます。
○田渕哲也君 国労と鉄労の問題にちょっと触れたいと思いますけれども、組合の組織の人員が、国労、動労は最近減っております。それから鉄労が非常に伸びておる。この原因はどこにあるのですか。不当労働行為によるものだというふうに一般には言われておりますけれども、その点国鉄総裁はどう考えられますか。
○説明員(磯崎叡君) これは、御質問の点はこれは組合自体の問題でございまして、私が申し上げる筋合いでないというふうに思います。
○田渕哲也君 それから職員の昇格昇給についても差別があるということをいわれておるわけですけれども、昇給協定を見ますと、これは四十六年の八月に結ばれたわけでありますけれども、このうち勤務成績で左右されるのがこの第四項の、優秀な者は四号俸増加、それから別紙の八番目に、良好でない者は一号俸減ずると、ここが私は勤務状態ということでその裁量の余地がある分野ではないかと思います。その他は全部機械的にきまるわけですが、問題はこの部分が該当する者が全体のどれくらいに当たっておるのか、この点をお伺いしたいと思います。
○説明員(真鍋洋君) 昇給につきましては、年一回四月期に行なっておりまして、昇給協定をそれぞれ対応機関で結びまして、協定に基づいて実施をいたしております。その中で四項に、勤務成績が特に優秀な者につきましては四号俸以内の増加をするという協定になっております。これにつきましては、年によって違いますけれども、二%程度の者があるというふうに考えるわけであります。特別にこの者の原資をとりましてこれを割り当てるということでなくて、地方から上がってまいりますものを大体この程度のところにおさめるというような配慮がございますけれども、大体二%程度のものになっておるわけでございます。八項に「勤務成績が特に良好でない者」、一号俸以上減ずることができるということを協定で結んでおります。これにつきましては、一%までに至らない数字になっておるわけでございます。
○田渕哲也君 いい者の増給が二%程度、悪い者の減給が一%程度というのは、ちょっとこれ一般的に言えば少な過ぎるような気がしますが、間違いじゃないんですか。
○説明員(真鍋洋君) 実績でございまして、間違いではございません。ただ、経過的には勤務成績が良好でないと申しますよりも、原資的に昇給の原資を押えてまいります、押えてまいりますというよりも、原資的に一〇〇%昇給ができなかった時期が長く続いておったわけでございますけれども、現在では昇給資金は一〇〇%を確保した中で、勤務評定の中でそういったものを行なっておるという形でございます。
○田渕哲也君 まあ民間の場合と国鉄の場合と仕事の内容が同じじゃありませんから、一がいに比較するのは問題かもわかりませんけれども、常識的に考えると、勤務成績による評定の部分が少な過ぎるような気がしますね。それで、これならほとんど勤務評定が行なわれていないということになろうかと思います。まあ国鉄の仕事というものは標準化されておって、勤務評定をする余地がないというなら別ですけれども、われわれの感覚で言うならば、こういうところではどうも一生懸命働いてもそれでなくてもあまり差がつかない。休まずおくれず働かずやっておれば、順調に昇進、昇給する。こういうところがら、私はぬるま湯的な状況というものが出てきておるのじゃないかという気がします。それと、このことのよしあしはこれ以上触れませんけれども、私は国鉄の管理者が、こういうような制度のもとにあるならば、やはり部下の勤務評定に対しては客観的に公正にシビアにやるという訓練がされていないのではないか。だから、そういう場合に当たっては、そういう訓練がされていないから、勢い形式的にものをきめざるを得ない。国労、動労はいかぬ、鉄労はいいというようなこんな余地が入るのではないか。そういうところに私は国鉄の性格、体質の一つの問題があるような気がしますけれども、これは外部に、いま聞いたところによって判断しておるから間違いがあるかもしれません。この点はどうお考えでしょうか。
○説明員(真鍋洋君) 勤務評定につきましてのフォーマルなものはきめておりませんけれども、それぞれの現場の課所長が最もその現場に適したと思われますような方法で人事考課のやり方をやっております。一応こういったものを参考にして、こういった項目についてということの指導はございますけれども、それぞれの現場で最も正しいと思われるような形で人事考課をやっておるということでございます。
○田渕哲也君 もう一点暴力事件についてお伺いしたいと思いますけれども、最近暴力事件が非常にふえておるということを聞いております。その背景は一体どこにあるのか、その暴力事件のどういうケースで起こったかというケース別件数を知らせていただきたい。
○説明員(真鍋洋君) 暴力事件でございますが、これはただいまのところまでの件数は約百件ほどのものがございます。これはたとえばA組合からB組合に移った、A組合を脱退したということについてのいわゆる村八分的な暴力事件が主でございまして、組合別には国労が加害者となっております件数が四十九件でございます。動力車労働組合が加害者となっております暴力事件が四十七件でございます。鉄道労働組合が加害者となっております暴力事件が三件でございます。で、管理者が加害をしたということで問題になっております件数がこれも三件でございます。
○田渕哲也君 それの原因はどうなんですか、マル生運動が行なわれたためにそういう暴力事件が起こったという場合が多いわけですか。
○説明員(真鍋洋君) これらは生産性運動の中で暴力事件が起こったということではございませんで、偶発的な事件もございますけれども、この大部分のものは組織が動いたということとの関連で起こっておる暴力事件でございます。
○田渕哲也君 その組織が動いたという理由は何ですか。
○説明員(真鍋洋君) これはA組合からB組合に移る、B組合からA組合に移るというのは従来とも大なり小なり組織の移動はございました。このいわゆる村八分的な暴力行為というのは、いままでにもあったわけでございますけれども、そういった形での暴力行為でございまして、この原因は、それぞれの職場で自発的にそういった移動があったところで起こっているということでございます。
○田渕哲也君 あまり時間がありませんので、最後に労働大臣にお尋ねしたいと思います。 日本の労働運動の中で、私は官公労関係の組合と民間労組との基本的な差があると思うんですね。一つはストライキの問題です。ストライキというのは、労働組合の基本権ですけれども、民間組合はストライキは自由である。官公労関係はストライキについて制約がある。もちろん民間の場合はストライキはもろ刃のやいばでありまして、ストライキで経営者に打撃を与えるけれども、一方きびしい競争場裏にある民間企業においては、へたに使えば自分の首も締めかねない。それが自然の制約になっておるということは言えるわけです。もちろん官公労の場合には、公共性の問題、独占性の問題、こういう点でストライキをやった場合の影響が大きいからスト権の制約がある。これもうなずける面でありますけれども、一つこのストライキの面で大きな違いがある。それからもう一つは、生産性向上運動の問題だと思います。民間の場合は、生産性をあげて利益を生み出さなければ自分の賃金に返ってこない、取れない。ないそでは振れないから、勢い好むと好まざるとにかかわらず生産性向上運動をやらざるを得なくなる。官公労の場合には必ずしもその論理が通用しない。まあ、こういう基本的な性格の差があると思うのですね。もちろん民間の場合にも生産性向上運動にたてまえとして反対している組合もありますし、千差万別ですけれども、大きく言ってこういう基本的な性格の差があろうかと思います。私は、この国鉄の場合ですね、国鉄の独占性というのは昔に比べたら非常に薄れつつある。四十五年度において旅客において三二%、貨物では一八%にすぎない。もうすでに親方日の丸的感覚ではだめだということがいわれております。国鉄の監査報告によりましても、すでに国鉄は昔の国鉄ではない。独占性が失われつつある現在、独占時代には当然とられていた各種制約を排除すべきだということがうたわれております。これは、監査報告ではこの労働問題について触れておるとは思いませんけれども、私はこの労働組合の面でもこういう制約をも排除すべき時期にきておるのではないか。それから、経営側においてももっと自主性というものを持たせるべきではないか。これは先ほど申し上げましたように、過保護と過剰な負担というものを廃止する、当事者能力を拡大する。こういうことを考えていかなければ、国鉄の労使関係というものはいわゆる従来の官公労型の労使関係ではやっていけないところにきておるのではないか、こういう気がするわけです。一方、労働組合のスト権の制約という面は、これは排除すべきである。そうして、労使の自主性というものをもっと持たしてやることが私は国鉄の労使関係の正常化にとって必要であるし、また国鉄の再建にとって必要である。このように考えるわけですけれども、この点について労働大臣の御意見をお伺いしたいと思います。 なお、企業の自主性の問題、当事者能力の拡大につきましては、運輸大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) 国鉄のような公共企業体の職員の行なう業務について、非常に国民全体の利益と密着いたしておることは御承知のとおりであります。それで、その意味においてストライキ権を、争議権を制限いたしておることは御承知のとおりであります。これを直ちに民間と同様にしていいか、私はにわかにそれに賛同することはいまできません。そういう国民生活全体にその利益があまりにも密着しておるからであります。民間企業とかなり違いがございます。 第二の公共企業体等の当局の当事者能力をもっと強くせよ。こういう御意見は私ども意見としては賛成でございますが、なかなかこれはさいぜん運輸大臣もいろいろ尽力するということを申されましたが、国会できめられた予算等の関係もあって、一部制約を加えられていることは御承知のとおりであります。 それから、これらについてどういうふうにするか。いろいろ私も御承知のように、いまのような国鉄では、一方では締めつけられ、一方ではうまくいかない等々、非常な矛盾撞着をかかえておることは、もうしばしば皆さん方のおっしゃるとおりであります。だからもっと抜本的に何かやらなければ、国鉄総裁だけ責め上げてもとても解決しない問題が多々あることは私もよく存じております。それで、まあこれらの点について、現在公務員制度審議会において審議していただいておりますので、最終的なこの結論が出ましたときにおいてこういう関係を再度慎重に検討いたしたいと思っております。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの企業の自主性の問題でございます。もとより企業の自主性は尊重すべきものでございまして、できるだけそのほうで指導してまいりたいと思っておる次第でございますが、御承知のとおり、いまの国鉄公社は国有財産特別会計から引き継いだものでございまして、みなこの財産は国民のものでございまして、国民の負託によりまして今日やっておる次第でございます。そしてまたただいま労働大臣からの説明にもございますように、いろいろ国の財政措置によりまして、そして運営をする、経営をするという面でございますので、一般の民間の企業体とは異なっておりますので、常に国民の立場におきまして、いろいろやはり監督をすべきところは監督してまいらなくちゃならない、こういうふうに思う次第でございます。
○田渕哲也君 終わります。
○委員長(中村英男君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中村英男君) 速記を起こしてください。
○小笠原貞子君 一時間でも足りないくらいたくさんの事例もございます。いろいろお伺いしたいと思いますけれども、もうだいぶんおそくなりましたので、ごくわずかにしぼって質問していきたいと思います。そういうわけでございますから、いずれ残りましたのは時をあらためての機会をいただきたいと思います。 それから御答弁いただきます総裁、真鍋局長も御協力いただきまして、なるべく端的にイエスかノーかでお答えをいただくというように御協力をいただきたいと思います。 それで、生産性運動というというのはまさに血を流すような、凄惨という字が当てはまるような不幸な結果をもたらしてまいりました。これは不当労働行為というようなことで単に労働運動だけではなくて、これはたいへんなところまでエスカレートしていると思うのです。総裁や局長がそんなつもりじゃなかったとおっしゃっても、実際には、これは民主主義を否定するというようなところにまで現実にはきているということを私は、非常に憂慮するものでございます。 そこで端的にお伺いいたします。国鉄当局として全職員の思想調査というようなものをするようにというような指示をなさったり、またそういうようなものについての報告を求められるということはありませんでしたか。
○説明員(磯崎叡君) そういうことはございませんでした。
○小笠原貞子君 ございませんと同時に、そういうことはしてはならないとお思いになると思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(磯崎叡君) 私も十分憲法を存じておりませんけれども、少なくとも憲法に規定されているということはよく存じております。
○小笠原貞子君 衆議院で寺前委員が、思想という欄が田端電力区の指導原簿の中に置かれているということを申しました。その指導原簿の中の思想欄に記入してあるというようなこともはっきりされまして、それは総裁御存じないということでそれを調べてみましょう。そして、その資料も委員会に出しましょうというお答えが土曜日にあったわけですけれども、事実どういうふうにお調べになりましたか、もしできておりましたらお伺いしたいと思います。
○説明員(真鍋洋君) 田端電力区におきます指導原簿の中のその欄に、思想ということばが入った欄があったわけでございます。これは調べましたところ、かつてこういった調査票を使ったことがあるということのようでございましたが、現在は使っていないものであるということでございます。その場合も、思想という欄をそれほど深い意味で本人の思想全体がどういう思想であるかということよりも、どういう考えか、あるいはたとえば激しい気性であるとか、そういった程度の考え方を考えておったということでございます。
○小笠原貞子君 激しい気性なんというのは、思想に入るのでございますか。
○説明員(真鍋洋君) したがいまして、そういった思想という欄のことばの使い方がまずかったということでございますけれども、それは、現在はそういった表は使っておらぬということでございます。
○小笠原貞子君 現在は使っていないけれども、使っていたということでございますね。イエスかノーで答えてください。
○説明員(真鍋洋君) かつて使ったことがあるということでございます。
○小笠原貞子君 そこまでお調べになっていたら、かつて使って、どういうふうなのが書かれていたかということを、もうちょっと丁寧にお調べいただきまして、あとでもけっこうでございますけれども、御提出いただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○説明員(真鍋洋君) そのような資料ができますれば、調査しまして御報告いたします。
○小笠原貞子君 できますればということですが、いま、かつてあったということまでわかっていらっしゃいますでしょう。
○説明員(真鍋洋君) できますればと申し上げましたのは、資料をつくった上という意味でございます。
○小笠原貞子君 どうも失礼いたしました。たいへんむずかしい日本語になりまして……。それではそれをぜひ出していただくようにしたいと思います。 私が先ほど心配いたしましたのは、まさに思想及び良心の自由だとか、信教の自由だとか、それから、表現の自由というようなものが押えられるときは、まさに民主主義のほんとうの否定になるし、それはかつて、戦争へ向かったファシズムの前兆だというふうに考えられる。決してそれは考えるのではなく、事実そういうことは歴史が証明しているわけなんです。そういうことが現実に起こっているということを私は申したいわけなんです。そういうようなことがおたくの中央のほうではないと言われるけれども、もしもそういうようなことがちゃんとやられていたという事実があれば、当然それは悪いことだし、そんなことは憲法違反にもなるんだから、そういうことを先ばしって、先取りしてやった者に対しては、責任者として処分なさるということが当然だと私は思いますけれども、いかがでございますか。
○説明員(磯崎叡君) 先日も申し上げましたように、私のほうの現場の末端で思想ということばを、けさほども札幌のお話がございましたけれども、簡単に使っておりますが、それはいわゆる先生のおっしゃった憲法上の非常に厳密な意味の思想という意味でなしに、現場の表現で、何と申しますか、さっき真鍋が申しました性格だとか、考え方だとかということを表現して思想というふうに言ってしまったんだと思います。さっそく関係の方面に思想という、いやしくも観念の混淆を来たすようなことばを使っちゃいかぬということをすでに厳密に通達いたしてございます。田端に対しましても、直接いま使っていなくとも、過去の思想という考え方はだめだと申しましたら、いや、実はそういう厳格な意味で書いたのじゃございませんというようなことを言っていましたけれども、しかし、そういう誤解を招くようなこともあるといけませんので、十分用語については注意いたします。
○小笠原貞子君 私は用語がけしからぬと言っているんじゃなくて、そういうような思想調査の内容がけしからぬと言ってるんです。だから用語を使うなという御指示なすっても、それはあまり意味がないのです。だからその思想調査になるような内容の調査をしないようにということをしていただかなければ何にも役に立たないんですけれどもね。
○説明員(磯崎叡君) 私が申し上げましたのもそういうような意味でございます。
○小笠原貞子君 それでは一つまた事例がありますので申し上げたいと思います。これはきょう御用意いただくようにということで差し上げたと思いますが、総裁のお手元にいっておりますか、いっておりませんか。——じゃあすみません、差し上げますから、用意もしてあります。——いまお手元に届くと思いますけれども、これは昭和四十五年、去年の四月一日国鉄大井工場から出ております。これを持っていた人は、所持者の人事課長の百瀬鉄雄さんとおっしゃる方です。この内容ごらんいただきましたとおり「職場別組合勢力分布一覧表」とこうなっております。で、職場名がE、C1、C2、C3というようにローマ字で書かれておりまして、それから職員数だとかそれから管理者一人当たり掌握人数、組合役員、それから主流派、批判勢力、それからその次が反主流派と書かれておりまして、その下に日共と書かれておりまして、その隣が反戦でございます。で、その隣が共産党と反戦との合計でございまして、そのお隣には創価学会というのも入っているわけなんでございます。で、そういたしますと、この組合員は共産党員か、まあ私のほうは共産党だからってこれ持ち出したわけじゃなくて、民主主義一般の否定につながる危険な問題として取り上げたわけなんです。それぞれがどの政党に入るかということは、これはもう憲法に保障されているものでございますのに、あいつは何党だと、あいつは学会だというようなことになりますと、これはまた宗教の自由にも関係してまいります。で、こういうような欄がきちっと書かれて、詳しくこの数字が全部明細に書かれているわけなんです。これはまさに思想調査という内容になるのではないかと、そう思うわけですが、いかがでございますか。
○説明員(真鍋洋君) この表は私いま初めて伺いますので、どういう趣旨でどのような形でこれができ上がったかということはよくわかりませんが、その使い方、あるいはどういうようなことでこういった区分をしたのかということを調査してみませんとはっきりお答え申しかねるのでございます。
○小笠原貞子君 どのような趣旨でどういうふうに使おうと思って出されたなんというのは問題じゃないのですよ。こういうものがつくられているということは思想調査したということになるわけでございましょう。だから、こういうような内容を調べるというそのものが憲法違反の行為ではないかと私はそう言っているのです。どう使おうとそんなこと別に問題じゃないですよ。問題もありますけれどもね。こういうこと自体きちっと調査しているという事実はこれはけしからぬと私は思うんですけれどもどうなんですか、と聞いている。
○説明員(真鍋洋君) 何回も申し上げますように、そういう思想調査をしてこういった表ができたのか、あるいは創価学会なら創価学会の会員ということが何らかはっきりしておってこういう表にしたのか、その辺は、私ども具体的にこの大井工場でやりましたものを知りませんので、調査してみないとよくわからないと申し上げたわけでございます。
○小笠原貞子君 私は創価学会会員です、私は共産党員です、と組合に申し出ていったわけじゃないですね。そうすると、これ、自然にわかったわけじゃなくて、やはりあいつは何だろうということからこの数字というものは出てくるわけでございましょう。それが調査になるんではないかと、こういうわけなんですわ。そうじゃないですか。
○説明員(真鍋洋君) その辺の事情がはっきりしませんのでお答えしにくいわけでございますけれども、たとえば創価学会会員になれば、たとえばこの大井工場の職場でだれそれが創価学会の会員であるというふうなことがはっきりわかっておればこの表は別段調査なくてできるというふうにも考えられるわけでございます。一々個人個人に当たりまして、共産党員であるかどうかと当たった調査ということになれば、そういう思想調査をやったということになるわけでございますけれども、どういう形でこの表をつくったかということは調べてみないとよくわからないわけでございます。
○小笠原貞子君 そんなことをおっしゃって、だめなんですよ。共産党員だから共産党員だということを当たってわかったということで、調査かどうかというのじゃないですね。あいつは共産党員——これこのままそのとおり党員か創価学会員かわかりませんね。数字に違いはあるかもしれない。しかし、あいつは学会員じゃないだろうか、あいつは共産党員じゃないだろうかというふうにしてここにつけるということが調査になるわけでしょう。そうでしょう。そこのところ何ぼ答えても答えられないで、時間たちますからやめますけれども、そこが問題なんです、思想調査というこは。はっきりした党員だからといってここに登録した、それ以外は調査にならないということなのじゃないです。あいつはどうも反幹部的だからそうじゃないだろうかということで、数字を間違って、党員でないけれどもここに入れたということにすれば、それはやはり調査なんでございますよね。 それから、その「備考」のところをちょっと見てください。「備考」のところの2、のところなんかおもしろいんですけれども、「主流派に対する批判勢力に創価学会を加えて、昨年の四・二%から六・八%に増加している。」、また四番目へいきますと、「企業内に組合を結成しようとしている創価学会は、今日では批判勢力となっている。」、こういうふうに備考がついているわけです。ここで大事なことは、系統的に調査しているから、この前は四・二%の批判勢力だったのが今度は六・八%だというふうに、調査を系統的にやっていたからできてくるわけですね。そうすると、これは一片のものとして出されたのではなくて、系統的に調べていたということはここでみずから証明しているわけなんです。だから、こういうふうに系統的に調査されているということについて、この間から資料出すたびに、知らなかった、初めて見た、なんておっしゃるけれども、私たちがちょっと見たらわかるのに——おたく専門でしょう。それで月給もらっていらっしゃるのに、そんなことでどうしてほんとうにちゃんとやっていけるんですか。(「なまけ者の典型だ」と呼ぶ者あり)ほんとにそうですよ。だから、こういうことが事実として出てきているということは私のほうの資料でわかったわけなんです。これは名前もわかっているわけです。人事課長の百瀬さんという方です。だから、こういうことをやっているのは私はたいへんけしからぬと思います。それから、また御丁寧に、この百瀬さんとおっしゃる方はたいへん忠実な方らしくて、「大井工場における労使関係上の問題点」「大井工場人事課長 百瀬鉄雄」「一九七〇年六月一日」、これのあとですね、具体的な対組合対策なんというのを六ページにわたって書いてございます。時間がありませんからみんな読みませんけれども、組織分裂の方針がはっきり四番目に出ております。「管理者の一人一人が腹心の部下をつくること。その方法は縁故関係、保証人としての立場、先輩後輩の関係、子弟関係或いは利害関係を利用してもよい。」、たいへん御丁寧に指導していらっしゃいます。そういうように組合を分裂させるというような手口だとか、それから、また協定によって当局に不利であるような、そういう協定はこの次には結ばないように断固としてやれとか。それから口約束だとか慣行だとかというようなことはこれは今後妥協しないでどんどん破棄していけ。こういうような労使協議というようなことの一番大事なそういう慣行とか組合とかに対する信頼を全く裏切るようなことが綿々と書かれているわけですね。この二つの事項を見ても私はこういうことでは幾ら上のほうで指導いたしますだとか、何だとかおっしゃったけれども、また出てきてまた知りませんじゃ困るわけなんです。だからこういうことをやっているという事実を、きょう私が申し上げたんですからこれは早急に調べていただいて、これは事実だということになれば、当然処分はしていただかなければならないと思う。その点はいかがでございますか。
○説明員(真鍋洋君) ただいま仰せになりました事項については存じませんので、これにつきましては調査をいたします。調査いたしました時点でどのような事情であったかということがわかるわけでございますので、それらにつきましても適切な措置をしたいと思います。
○小笠原貞子君 そういうことで、こういうような思想議査に関するようなこういうことはするなということも当然お調べになるときに事実ありましたものをきょう私が出したんですから、こういうようなことはすべきではないというふうに具体的に御指示をいただけますか。
○説明員(真鍋洋君) このことが思想調査ということでやっておるとしますれば、適当ではないのでそういうふうな指導をしたいと思います。
○小笠原貞子君 ちょっと一字お加えになるくらいは大したことないと思います。不当労働行為こういうことをしてはいけないと先ほどやるっておっしゃったのですから、そうしたら、こういうような憲法違反になるような、思想を調査するようなことはしないようにということをぜひお書きいただきたい。そういうふうに指導しますとおっしゃったと受け取ってよろしいですね。いいですね。——はい、わかりました。 それじゃ次に進みたいと思います。ずっと磯崎さんの生産性運動というのは乗客へサービスをしていい国鉄にして誠意を持ってというふうにするために生産性運動というものをやっていくのだ。こうおっしゃったわけですけれども、実際にはそういうことになっていないわけなんです。つまり、この国鉄の安全というようなことから見ても、この生産性運動の中で非常に安全が脅かされる。大きな事故が起きないのは、これは本当に労働者が血のにじむような努力の中で事故を起こさないように守っている。まさにほんとうに針の、細い髪の毛でいま国鉄守られているというような状態だと私は思うわけなんです。これにかかわらず、当局のほうは生産性運動ということで、もうそれこそ安全も何も無視して狂気のごとく進めていらっしゃる、こういうわけでございます。それの一つは、たとえばことしはたいへん台風がひどうございまして、各地で被害を出しているわけでございますけれども、水戸鉄道管理局の平客貸車区のことで、これは地裁に提訴中のことなんでございますけれども、ことしの八月三十一日、台風が起きているわけでございます。その台風が起きて各地でずっと台風ですからだんだんこちらへくるだろう、当然この台風に対して国鉄としては安全を確保するために準備もしなければならないし、それこそみなで力を合わして安全のためにやらなければならないはずなのに台風がきました八月三十一日ですね。この八月三十一日朝事故がだいぶ起きているわけです。平の場合には八月三十一日の二十三号台風で普通貨車が磐越東線の平——赤井間で六十メートルがくずれております。それから、常磐線でも五百メートルぐらいが事故になってきている。被害総額は工事費で八億円と、それから損失が七億円と、十五億円という被害が出ているわけです。こういうふうなたいへんな台風が起きているんですから、当然国鉄の安全とかいう立場に立たれれば、この台風の被害に対してどうしなければならぬと、それこそ力を合わせてこういうときだから一生懸命やろうというような話があるのがあいさつでも一番先にそれが入るはずなのに、そんなこと全然お説きにならないで、貨物列車の運転していないことをいいことにして、八時三十七分より約一時間にわたって延延と国労批判を説き、その最後には「私の目の黒いうちには徹底的にやると点呼の席で口言する」ような事故が起こっているわけです。で、こういうことはやっぱり私は、どうおっしゃろうとも、事実上、下では安全なんかよりまずこれやっちゃえというようなことになって、たいへん危険な状態になっていると思います。それから、今度、九月に入りまして十一日と十二日の集中豪雨が関西を襲っているわけです。ここで天王寺の鉄道管理局でも不通個所が二十七カ所と紀勢本線の三木里駅の構内というようなところで起こっているという、この台風のときなんかもまたたいへんなんですね。この台風の雨が降っているまっ最中にやっているわけですわ。これ見ますと、雨の中で大会を開いて、そして、マル生運動で街頭に繰り出しているわけです。雨の中大会をやって、そして天王寺の阿倍野の区役所、公民館から管理局まで福田営業部長を先頭にしてデモをしているというたいへんはなやかな、はでなやり方をしているわけですね。こういうふうに事故が起きるその前、事故が起きて、そうして、台風のまっ最中というようなところに、それはそっちのけにしてマル生運動で血道を上げていらっしゃるというのは、これは私はたいへんなことだと思うのです。そういうことが出てきているのですけれども、こういう点はどうごらんになりますか。
○説明員(真鍋洋君) 台風で国鉄の列車運行が乱れるというような時点では、それぞれの適切な措置が必要かと思います。それらの事情の中でおっしゃいましたような事態があったとすれば適当でないと思いますので、調査いたしました上、指導をいたしたいと思います。
○小笠原貞子君 それで大きな事故にならなかったからようございましたけれども、こういうことが起こって、そうして、安全そっちのけでやられているわけですね。そういうことは、これから調べて適当になんていうのじゃなくて、こういうふうなことがなぜ起こってくるのだろうか、それに対して当然皆さんのほうできちっとした指導や監督というのがあるべきだと思うのですけれども、こういうことはけしからぬと思うのですけれども、どうなんですか。
○説明員(磯崎叡君) 台風その他のときは列車運転を無事にするということが、一番大事なことでございます。したがって各地で、大体台風を予見いたしまして、事故対策本部をつくり、相互の連絡協調をやっているわけでございます。したがって、その最中に、いまお示しのようなことがありとせば、これは不適当なことと考えます。
○小笠原貞子君 これはお調べになるなんていう問題ではなくて、陰でこそこそおやりになったのじゃなくて、大会もって、雨の中で、デモまではなやかにやっていらっしゃるわけなんですから、これは具体的な事実でございます。こういうことをやっているというところ、お名前もわかっております。福田営業部長を先頭にしてこういうことをやっている。これは職務放棄じゃないですか、こういうことをやっているのは。こういうことをやっているのをそのままで、これから調べますなんていうのでいいんでしょうか。これからお調べになってもけっこうですが、こういうことをやっている者に対してどういう措置をなさいますか。むずかしいことじゃないから、お考えになっていることをおっしゃったらどうですか。
○説明員(真鍋洋君) 勤務のお話がございましたが、そういった地方の生産性大会に参加しておる者がどういった勤務状態にあるかということは、当然地方では調べておるはずでございます。ただ、九月十一日は土曜日になっておりますので、勤務の面では、局勤務の者は勤務解放後に参加しているかと思いますけれども、いまお話のような点につきましては調査をしてみたいと思います。
○小笠原貞子君 けさ方から総裁のほうは、マル生運動というのが純粋なもので、不当労働行為を伴わないものだと、それが不当労働行為が起こったことによって、マル生運動すなわち不当労働行為をやる、けしからぬものだというふうに曲解されていると、そういうふうな御発言があったわけなんですけれども、真鍋さんのほうからは、その辺のところがはっきり出ていませんので、ちょっとお伺いしたいのですけれども、生産性の運動というものと、それから理屈はどんなことをおっしゃいましても、現実が出てきているわけですね、不当労働行為というものが。それがあなたのほうの御指導、直接担当で御指導なさったのですけれども、その御指導なさったのが結果的にはたいへんなことになっておるというのは、一体御指導が徹底したからこういうことになったんでしょうか、それとも御指導がどこか間違っていたから、こういうことになったんでしょうか、責任はどういうことになるのでしょうか。ちょっと真鍋さんの立場をお伺いしたいと思います。
○説明員(真鍋洋君) 生産性教育につきましては、先ほど申し上げましたように、あるいはそれを受けまして各地方でやっております生産性運動につきましては、不当労働行為の要素は全く何もないと思っております。ただ先般公労委で命令が出ましたような不当労働行為が起こりましたということにつきましては、労務担当といたしまして不徳の至すところだと非常に遺憾に思っているところでございます。
○小笠原貞子君 やはりいろいろなことをおっしゃっても、こういう事態を引き起こしたということの責任は当然総裁にもあるし、事実それを直接担当なすったのが真鍋さんなんで、やはり責任を一番とらなければならないと思うのです。よその人をどういうように処置するか、処分ということをおっしゃいませんでしたけれども、御自分のことは一番わかっていらっしゃると思うのですけれども、御自分としてまず総裁、こういう事態を起こして、自分としてはどういうようにその責任をとろうとお考えになっておられますか。
○説明員(磯崎叡君) 先ほども申し上げましたとおり、公労委の命令を受諾したということは、私の不徳のいたすところをお示ししたわけでございます。したがいまして、先ほど全般の事態につきましては、私の不徳のいたすところだというように申し上げたわけでございます。それが現時点において感じております私のこの問題に対する感じでございます。
○小笠原貞子君 感じでなくて不当労働行為がこんなに自分の部下の中から起こってきたと、その責任を総裁としてどうおとりになろうとしているのか、あれを受けてあやまったと、それで責任は済んだとお思いになるのか。たいへんな死人も出てくるような大事故になってきているから、ここでひとつ私がいさぎよくやめましょうと、そういうように男らしくお思いになっていらっしゃるのか、それともこれを取り戻すためにもっとしっかりがんばろうとお思いになっていらっしゃるのか、御自分のことですから、どうでしょうか。
○説明員(磯崎叡君) いま申しましたとおり、私の不徳のいたすところであるということを申し上げたわけです。ただ私は、総裁就任以来、私の進退については、常に毎日考えております。
○小笠原貞子君 それでは最後にお聞きしたいと思いますけれども、国鉄再建をするために何かいい方法はないか。そのいい方法として生産性運動ということに活路を求めていらしたと、こういうように受け取ってよろしいですね。総裁、どうですか。
○説明員(磯崎叡君) 私は先ほど田渕先生の御質問にもお答えいたしましたが、国鉄再建がこの運動だけでできるとは決して思っておりません。しかしながら、臨時措置法をつくりましたときも、国鉄自体の問題と、それから、政府、国民というふうな三本の柱で再建の緒についたわけでございます。したがいまして、いまのこれからの時点につきましても、国鉄自体の問題と、それから、国民に御協力をお願いすること、あるいは政府に直接御援助をお顔いするというふうな総合的な部内、部外の要因でもって再建しなければ、そうなまやさしいものではないと思っております。
○小笠原貞子君 その国鉄部内の問題として、一生懸命に再建するというために生産性運動というものを取り入れたと、こうおっしゃるわけでしょう。その生産性運動には三つの原則があると、こうおっしゃってましたね。まず、雇用の拡大という面から考えれば、雇用の拡大どころか十何万も首を切らなければならないのだから、この雇用の拡大の原則で国鉄を再建するというのは、私は、現実の問題としては、これはちょっと役に立たないと思うのですが、どうですか。
○説明員(磯崎叡君) これは、先ほどやはり田渕先生にお答えいたしましたが、いわゆる生産性運動の原理は、先生も御承知のとおり、雇用の拡大と、それから利潤の配分——成果の配分、それから労使の協調、この三つでございます。それがおのおのの企業にどういうふうに適用されるか、これは企業のその時点における実態、あるいは客観情勢等によってきまってくるわけでございます。お説のとおり、現在の国鉄では、雇用の拡大はとても考えられませんし、機械化、近代化によって人が減ってくるという事情でございます。しかし、生産性運動の原理から申しますと、その企業で雇用が減っても国全体としての雇用がふえることが一つの原理だというふうに言われているようでございます。私は、国鉄が再建され、日本が、非常に日本の国内の交通が便利になる、非常によくなるということによって国内全体の雇用量が拡大されることが、やはり国鉄としての生産性運動の原理であるということで、いまの雇用の拡大にいたしましても、あるいはまた成果の配分にいたしましても、現時点の国鉄ではそういう間接なことを考えるということでございます。
○小笠原貞子君 もう一つの公正の配分というところまでも含めて、現時点では、間接には考えられるけれども、具体的にいまの国鉄の問題としてはちょっと考えられないと、こういうふうにおっしゃったようにお見受けしますが、よろしいですね。
○説明員(磯崎叡君) いま成果の配分については触れませんでしたけれども、いま国鉄には実は成果がございませんです。したがいまして、ベースアップをするにいたしましても借金をしてベースアップをする、という以上、ある程度のものはやはり自分で働き出すということが必要だと思います。全部お国の借金だ、税金だということで給料を上げてもらうということは、これは必ずしも感心しないことであると思いますので、成果の配分がせめてできるようにという努力はすべきだと、現実にはできませんけれども、せめて十年後、五年後には成果の配分ができるようにしたいと思うわけでございます。
○小笠原貞子君 第一も現実的ではないし、第二の公正な配分もちょっと現実的には無理だと、やりたいなあという御希望に終わっているわけです。そうすると残りますのは何でございますか。
○説明員(磯崎叡君) 労使の協調でございます。それにつきましては先ほど申しましたとおり、私のほうにはいろいろな組合がございます。組合によって考え方も違う、立場も違うということでございますし、また組合員になっていない職員も数万人おります。そういった者の共通の考え方、共通のもののかまえ、まあ近ごろ流行のコンセンサスということばでございますか、それを求めるということが現時点における私のほうの第三の問題点であると思います。しかし、先ほどちょっと申し上げました第一の問題、第二の問題、いずれもこれは私のほうに非常に関係の深い問題、ことに第二の問題はやはりここで努力しなければ成果があがらない、いわゆる配分すべき成果があがらないということにつきましては、きわめて身近な問題でございまして、決して遠い希望だけではございません。
○小笠原貞子君 そうしますと、いままでの御答弁で伺っておりますと、この生産性運動に一番期待をかけていらっしゃるというのが労使の協議制ということになりますよね。三つの原則の中で一番期待されるのは労使の協議制ということに重点が置かれるわけでございましょう。違いますか。
○説明員(磯崎叡君) ただいまも申し上げましたとおり、やはり雇用の拡大は、これば国鉄としてはいま望むべくもない。ですから、成果の配分につきましては毎年ベースアップをいたしまして、約千億近い金がかかるわけでございますが、それを全部国民にしょってもらう。全部税金でめんどうをみてもらうというわけにはまいりませんものですから、やはり自分でもって働き出すという意味においては、きわめて身近な問題であるということを先ほど申し上げたわけでございまして、それは全然遠い話だろうといういまの御質問には、私はそうでございますとは申し上げられませんわけでございます。
○小笠原貞子君 いや、もうちょっとすなおになりましょうよ。一番期待していらっしゃるのが労使の協議でうまくやりたいということになるのです、どんなにおっしゃっても、客観的にこういう結果を出してみますと。そこで、それに期待を持っていらっしゃって、一生懸命がんばっていらっしゃると思うんだけれども、じゃあ、労使と協議する上に一番ガンになるのは何でしょうか。たとえば国労があり動労があり、そして今度は鉄労があり、また今度は施設関係ができると、また組合に入っていない者も出てきている。いろいろ雑多に分かれておりまして、多岐に分かれておりまして、問題は一つにはまとまらないと思います。一番そこで労使協議していこうというのにじゃまになってぐあいが悪くて頭が痛くてガンになるというのはどこでございますか。
○説明員(磯崎叡君) たいへんむずかしい御質問で、御質問の要点が私によくわかりませんので、もう少し具体的にお聞き願えますれば御答弁申し上げますけれども……。
○小笠原貞子君 これぐらいわからないと相当知能指数低いということになりますよ。労使と協議制をやりたいと、うまくやりたいと。そのやりたい相手というのはもうわかっていてそうお聞きになったのだろうから、ばかみたいにこっちも言いませんけれども、幾つにも分かれている。そこで協議するのにたいへんやりにくくていらっしゃるわけですね。御苦労していらっしゃる。その中で一番手ごわくて、はっきり言ったら、協議しようと思っても協力してくれないというのは一体どこですかと聞いているんです。一番切実に感じていらっしゃるからおわかりになっていらっしゃると思うのです。
○説明員(磯崎叡君) 問題によりましていろいろ違うと思います。
○小笠原貞子君 やっぱりおっしゃりにくいんでしょうけれども、はっきり申しますれば国労と動労がどうも手ごわいとお思いになっていらっしゃいますね、鉄労さん手ごわいと思ったら入れなんておっしゃらないでしょうから。そうしますと、動労と国労というのは一番手ごわいということになりますよ。なりませんか。
○説明員(磯崎叡君) 私も実は二十数年組合とのつきあいをやっております。手ごわいとか手ごわくないとかという問題でなしに、むしろ歴史的にいえば、御承知のように、私は国労の結成前、連合体時分からよく知っておりますし、動労の結成の事情もよく知っております。また鉄労ができましたこともよく知っております。そういう意味で、手ごわいとか手ごわくないとかということは問題が、私にとっては問題でないと申しますか、そういうことを考えたことはございません。
○小笠原貞子君 じゃ、うそ分析器でも持ってこなければ結果が出ませんけれども、はっきり言えば、だれもが客観的に言っていることは国鉄さんにとって一番手ごわいのは国労と動労だ、これを何とか協議制に引っぱっていってやるというのが生産性運動の根本的な中心問題になっている。だから、これをどうやってやるかという生産性の特質、ほんとうの姿というものは、まずできれば組合ぐるみ、たたかわないで協力してくれる組合につくっていこう。それができなければ組合の中に分裂を持ち込んで、そして、組合をつぶしていくというこの二つしかないと思うのです。もう時間がございませんし、またあとに続けたいと思いますから申しますけれども、そういうことになりますと、ここではっきり出てきちゃったわけです。生産性運動というのは労使協調をさせる一番役に立つ運動だ。その労使協調をさせるためには一番ガンになっているのは国労と動労である。これを協調させるためには不当労働行為をせざるを得ないというところにきたからこそ、これだけ全国的に一斉に不当労働行為が起きたんだ。これはいやとかなんとかおっしゃったって事実なんでございますから、これはもう認めざるを得ないことだと思うのです。午前中からの御答弁の中で、私のほうはそういうふうな指導はしておりませんと、そしてまた公労法四条によって職員は自分の判断でやれ、こういうふうに言っているんだから、こういうことをやれとストレートに言ってやったんじゃなくて、みんなが自主的にやれと指導しているんだと、こうおっしゃったわけです。そうすると、問題はますますはっきりしてくるわけです。国鉄当局の方針をいろいろな立場の人がいろいろと自主的に判断した結果、これはどうしてもこれくらいやらなければならないという不当労働行為につながってきたということになるわけですわ。で、自主的に判断、まあだれがやったって不当労働行為で、組合分裂、組合介入をしなければならないという結果になってきていると、そうすると、この国鉄当局の方針というのは実にみごとな方針になっているわけです。そういうみごとな方針を出して指導された真鍋さんの手腕というものは、私はちょっと敬服するぐらいなんですけれどもね。こういうふうな状態で不当労働行為というのは、マル生運動とは切り離せない問題にいま出てきておるわけです。だから不当労働行為などはやめますと、純粋なマル生運動でいきますとおっしゃっても、決意を表明されても、これは必ずまたいろいろ問題が出てくる。出てくることを待っているわけじゃありませんけれども、必然的な帰結として不当労働行為が出てくるわけです。だから、ほんとうに不当労働行為をしないという、その気持ちがあるならば、こういうマル生運動というような、不当労働行為をしなければならないような運動というものに活路を求めるというのは間違いだ。だから、これは不当労働行為をやめますと同時に、このマル生運動というものは、これは間違いなんだと、やめるというところまでいかなければ解決はつかないと思います。そうしますとはおっしゃらないだろうけれども、私はそうしなければならない、わが党としてもそう思うし、きょうずっとおっしゃっていた、皆さんもそうおっしゃっているわけなんです。その辺のところをほんとうに総裁として考えて善処していくという根本的な問題をとらえていかなければ、不当労働行為はしません、じゃあどういうふうにするんです。しっぽをつかまれないようにうまくやれよ——ますます陰湿になっていって、結果的にはこういう事故というものは非常に知能犯的になってくるという結果が出てくるわけです。だから、このマル生運動という、すなわち不当労働行為を誘発するようなこういう運動はぜひやめてくれと、やめるべきであるというのが私の最後に言いたいことでございます。そうして、マル生運動というものは、先ほどからおっしゃっているように、これは教育運動であると、まあそちらは教育運動とおっしゃったけれども、客観的にわれわれから見れば、これは戦争中の国家総動員法、産業報国会、あれと同じですよ、やっている中身というものは、精神運動。そういうふうな危険なものを私たちは感じています。しかし、国鉄総裁としてはそういうことをおっしゃれないから、これは自主的な参加によるものだとおっしゃったわけですね。そうすると、こういうマル生運動というものはあくまでも自主的な運動なんだからということをはっきり文書にして直ちに出していただきたい。このことを、自主的なもんだと、それを強制したりするような不当労働行為はしてはいけないのだということをはっきり出していただきたいと思いますが、最後にいかがでしょうか。それが試金石ですよ。口じゃやりますと言ったってだめ、やるかやらないかという問題なんです。
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、一昨日の私の談話の中にはっきり触れているつもりでございます。すなわち、もう一ぺん読ませていただきますと、前後を省略いたします。まん中のところだけ読みます。「本来、国鉄における生産性運動は「国民への誠意と国鉄への愛情」を基調とするものであって、」、その次でございます。「それはあくまでも職員各自の信念と自覚によってのみ発展させ」なければならないと考えます。これがいまの先生の御質問に対する答弁でございます。
○小笠原貞子君 信念と何とかによってなんというのはもうあたりまえのことなんです。いままでおたくが言っておりましたから。だから、不当労働行為が起こるというのは、強制してやらせるというところにあるわけでしょう。だから、そんなにことばを惜しまないで、私が言ったことでも総裁でさえもおわかりにならないというような、そういうこともございますから、下部のほうでなかなかわかり切らないと思いますから、この運動は自主的な運動なんだから強制したりしてはいけないのだということを丁寧にはっきりと御指示をいただきたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) いずれもう、実は一昨日から全然時間がございませんで、いずれ私は自分の談話を現場に通達いたしまして、それについての具体的な指示を、先ほど先生方からも御指摘ございましたから、できるだけ詳しく現場に、第一線に誤りがないように伝えてまいりたいという気持ちでございます。
○小笠原貞子君 最後にもう一点。これで終わりますけれども、先ほどから十一月の二十七日ですか、マル生の全国大会が行なわれると、これについては善処するというふうにおっしゃっていましたけれども、具体的にもうそれに参加するという運動が始まってくると思うのですよ。そうすると、そこにまだ大世帯のことだからまたここのところでいろいろと不当労働行為につながるような問題が起きて、また下部を苦しめる。ここでまたそれこそ自殺する人がまた出てくるかもしれないとたいへんに危惧するんです。そしてそれが食いとめられなければその当日にどういうことになるかわからないということでもうこの大会は絶対にやらせないということをはっきり言明いただきたいし、そうでなければこれによって起こるところの責任はすべて国鉄総裁にあるというふうにはっきり言わざるを得ないと思うんです。この大会についてどうするんだ、もう来月の二十七日のことでしょう。そうするともうどんどん下では運動しなければ一万人集まらないですよ。強制的に業務命令で一万人集めないとすれば。そうするといろいろとまたここに事故が起こると思います。その辺のところもうちょっとはっきりと、この大会をどうするんだと、それについての起こる事故についてはどういうふうに覚悟していらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) 先ほども申し上げましたとおり、私は事態が平和的に解決するように希望し、また、それぞれの適当な段階で適当な処置をとります。
○小笠原貞子君 希望したってだめなんですよ、希望だけじゃ。具体的に措置をとると、それで措置がとりきれないで事故が起こったらどうしますか、そのときに。
○説明員(磯崎叡君) 先ほども答弁申し上げましたとおり、私は現在生産性大会の実行委員と組合側との話がどういうふうに進むか、その進展のぐあいによって、その事態その事態によって適宜処置をいたします。
○瀬谷英行君 「昭和四十六年度の教育訓練について」というのを見せてもらったんですけれども、中央鉄道学園あるいは地方の学園において課長クラスであるとか一般であるとか、そういう人たちを集めて計画的に教育をするようになっております。この生産性教育の実施計画に基づく教育の方法、たとえば五日間なら五日間の日程、それから科目、それからそれに用いる教材、テキスト、こういったようなものはどういうものをつかって、それから、どういう講師を使うのか、その講師の資格であるとか、そういったようなことを資料として提出願いたいと思います。
○説明員(真鍋洋君) 資料がございますから提出いたします。
○森中守義君 ちょっと総裁ね、最後に特に一つ要請でもありますが申し上げておきたいのは、総裁、副総裁あるいは本社局長、こういう皆さんの今日の言動というものはすこぶる注目されますよ。ですから純粋な公務出張であっても、そうでないというように疑われる可能性が非常に強い、ですからよほど言動については慎んでもらわなくちゃならぬ。地方への出張等についてはこの際は遠慮してもらったほうがいい。特に九州に真鍋職員局長が最近出張で行かれるという話のようだけれども、何といっても総裁、職員局長は時の人だ、マル生運動の。あたりまえの仕事で行ってもそうじゃなかろうというふうにみんな見ますよ。私もそう見る。また、実際問題としてそうでない出張というのはいまあなたない。だから、朝からずっと現在に至るまでいろいろたくさんの事実が出ましたよ。私が懸念するのは、総裁あるいは職員局長の答弁というものは、すべからく何とかこの場をのがれればいい。少なくとも責任ある答弁じゃありません。ことに先ほどの台風がきているときに正常な列車の運営に当たらなければならぬ運転部長だか、営業部長だか、マル生運動のデモの先頭に立って旗を振るというのは何ということですか。それを適当でないという、こういう言いのがれは何ですか。私さっき言ったように、国鉄は一体のもとに運営されているわけだから、そういう事実に対しては、正副総裁はもちろん、本社局長、理事は国民にここでわびなくちゃいけませんよ。そういうわびるとか責任を感じるという、そういう答弁が残念ながら朝から聞かれない。だからことさらに最後には本社首脳部の言動は、厳にこの際は自粛すべきである、こう言っているわけです。しかも、具体的に九州への出張は取りやめますか。この前、私は運輸委員会で、総裁にそれを言いましたね。あなたの出張の動向も聞きましたが、資料が出てこない、相当日数たっていますがね、資料出てこない。総裁どうですか、職員局長の九州派遣等は、直ちにこれは疑惑を生むわけですから取りやめたらどうですか。
○説明員(磯崎叡君) 先般も申し上げましたように、私のほうのいわゆる運転監査は全社的に各局長に全国ほうぼうを見さしております。したがって、何局長はどこへ行くかということは、おのおのの課長との組み合わせその他の関係で行くわけでございます。しかし異常に先生がその点この前からいろいろ御心配になっておりますが、どういう理由かもう少し拝聴いたしまして十分検討いたします。
○森中守義君 そこは簡単ですよ。マル生運動の張本人ということだ。この人が九州に入れば、また九州で一騒ぎ起こそう、そういったことが予見されるからやめてくれ。まともに不当労働行為はしない。こういうことをさっきから言われているわけだから、そういうことをまじめに実行しようということならいくべきじゃありません。その人でなければ、余人をもってかえがたいという人物じゃないから、総裁だってほかの人だっていいじゃないですか、その人をやっちゃいかぬというのです、そう言っているのですよ。他にかえなさいよ。
○説明員(磯崎叡君) 御趣旨、どういう御趣旨かいま初めてわかりました。前回そういうお話がなかったものでございますから、ただ真鍋を九州によこしちゃいかぬというお話だけでしたから、どういう理由か、私どものこれは中の仕事でございますから、理由を伺いまして、そして、なるほどと思いますれば、私はいつでもかえます。
○森中守義君 ぜひかえてもらいたい。
○委員長(中村英男君) それでは本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村英男君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。 これにて散会いたします。 午後九時四十八分散会