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66回国会参議院1971/10/13

社会労働委員会 閉会後第1号

発言数
23
登壇者
4
会派数
3
開催日
1971/10/13

会議録

中村英男日本社会党

○委員長(中村英男君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  大橋和孝君、和田静夫君が委員を辞任され、その補欠として矢山有作君、佐々木静子君が選任されました。     —————————————

中村英男日本社会党

○委員長(中村英男君) 労働問題に関する調査を議題といたします。  御質疑のある方は、順次御発言願います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 労働省にお尋ねいたしますが、最近の新聞でよく中高卒の新規採用が取り消しになったと、それでどこの会社がこれだけ取り消しになったということが報道されております。これはアメリカのドル防衛以前からすでにもう経済の先行き不安というようなところで、下請企業などで整理をし、あるいはもう長野県などの山間地ではすでに下請企業の零細企業は締めちゃったというようなところも出ておるわけですが、そういう点で最近の労働市場の動向についてどのように把握をしておられるか、お尋ねしたいと思います。

住榮作労働省職業安定局長

○説明員(住榮作君) ただいま御指摘のように、昨年来の景気の鎮静化に伴いまして、一般的には求人の減少、求職者の増加ということで、それ以前と比べますと労働力の需給関係はやや緩和の状態でございます。しかしながら、なお求人倍率といたしましては大体一・七、八倍程度でございまして、私ども、ドルショック以前におきましては景気の上昇的な要素も見受けられておりましたので、そうなりますと労働力の需給関係もまた緊迫するのではないだろうかと考えておったのでございますが、御指摘のようにドルショック以来特に学卒関係の求人取り消しが出てまいっております。九月末までの学卒関係の求人の取り消しは約五万二千名、三百企業でございます。ところが、この際やはり新規労働力、将来の見通し等も考えてのことだろうと思いますが、新たに求人をされる企業も出ております。九月中に新たに求人の申し込みのあった件数も相当数にのぼっております。それで全体といたしまして就職希望者が、中卒、高卒合わせまして約七十四、五万程度でございますが、求人のほうは二百四十万というような状況になっております。また一般の求人のほうでございますが、これは毎月新たに安定所に申し込まれる求人の数は月間五十万人程度になっておりますが、九月末までに求人の取り消しのあった人数は二千人ということで、必ずしも深刻なものではないと考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 局長から深刻なものではないという結論をおっしゃる、それから大臣もいまのところ深刻な問題ではないと、まあ要するに、五万人の求人取り消しはあったけれどもいまのところはたいした問題ではないというふうに演説されておられたのを聞いたわけですが、しかし、中高年齢層はむしろ深刻も深刻、現在でも深刻だし、さらに一そう深刻になるんじゃないか。それで中高年齢層については、民間の事業所に雇用率を設定するとか、あるいは職業指導、職業紹介、職業訓練を行なうとか、こういうことを前々から労働省としては発表しているわけですが、依然として中高年齢層につきましては、職業安定業務月報などによりましても、むしろ就職希望者で就職できる人が毎月五%、六%、あるいは多い月でも二二%というような現状にあるわけです、今日でも。それがこれから景気が立ち直るという見通しがなおつきかねる。したがって、これからが非常に問題が深刻化する。現在も中高年齢層の離職者にはきわめて深刻な状況にある、このように私は判断いたしておりますが、いかがでしょうか。

住榮作労働省職業安定局長

○説明員(住榮作君) ただいま現在のところの労働市場の状況は先ほど申し上げたとおりでございますが、今後どうなっていくか、こういうことにつきましては、私どもも楽観をいたしておらないのでございますが、ただ、今後、輸出関連中小企業なりあるいは一般的な景気浮揚対策、これを強力に進めることによりまして、企業に対する影響の緩和をはかっていくというような政府の全体の施策としてとられ、またとられようとしておりますので、そういうような政策のいかんによって雇用、失業情勢も変化してまいると思うのでございますが、しかし、なお計画的、摩擦的にはやはり中小企業、特に輸出関連中小企業等を中心といたしまして企業整備等も行なわれるのではないか、こういうように考えております。特にその場合に、御指摘のように現在でも中高年齢者の称就職は非常にむずかしい、こういう状況に加えてそういう事態になりますと、私どもといたしまして、そういう方々の再就職につきましては、たとえばさきの通常国会でいろいろ御議論いただきました中高年齢者等の雇用促進に関する特別措置法に基づきまして、手帳制度の有効な活用をはかり、弾力的な運営を行なっていく。と同時に、現在ございます職業転換給付とか、あるいは職業訓練を積極的にやっていく。また、積極的な求人開拓を行ないまして、きめのこまかい職業指導、職業紹介を行ないまして、対策の万全を期してまいりたい、このように考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 安定所業務の具体的な点について二、三お尋ねいたしますが、第一には、安定所間のなわ張りみたいなものがありまして、それで就職希望者が窓口へ行っても全体としての求人の状況がわからない、そこで各通勤可能な——東京都内のようなところでしたら通勤可能なわけですから——通勤可能な求人は窓口で一ぺんにわかるという制度を当然これはとるべきだと思いますが、いかがですか。

住榮作労働省職業安定局長

○説明員(住榮作君) 最近の求職者の実態を見てみますと、非常に就職の希望条件等が多様化いたしてまいっております。それから、また、通勤範囲が交通機関の発達によりまして広域化してきておるということで、私どもといたしましては、いま先生おっしゃられましたとおり、できるだけ求人の状況を求職者にどのようにして知らせるか、こういうことについて、いろいろ業務の改善をはかっておるのでございますが、たとえば安定所に申し込まれた求人、これは従来ですと、その紹介する人がそれぞれ格納されたものを引っぱり出してまいりまして、求職者の相談のときに使う、こういうような方式でございましたが、現在におきましては、申し込まれた求人を求職者に公開する。こういうことで、その安定所に申し込まれておる求人を求職者がすべて知る、こういうような業務を、私どもはこれを求人の公開と呼んでおりますが、そういうような業務のやり方もやっております。それから、もう先生御承知のとおりでございますが、従来、四十四年の十月から関西地区におきまして、いわゆる電子計算機に求人を記憶させておく。で、安定所の窓口に求職者があらわれた場合に、その求職者の希望条件をチェックいたしまして、それをあらかじめコンピューターで記憶されております求人との照合をはかるということで、いわゆるリアルタイムによる職業紹介をやっておるわけでございます。そうしますと、安定所の管轄区域を問わず、通勤可能な範囲における求職者の希望と合致するものがすぐ求職者の前に提示される、こういうようなシステムをとっております。近く南関東地域、中部地域にもそういうシステムを拡大していくということで、現在準備を進めておりますが、そういうことになりますと、いま先生の御指摘のような点について大きな改善が加えられることになろうかと思っています。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そのリアルタイム方式ですが、失業保険適用事業所の大阪地区で二七%、東京が二八%というように、三割に満たないというようなものしか電子計算機に載ってきていない、これではあまり意味ないと思います。ですから、結論としては、私が指摘するように、通勤可能なところでしたら、安定所間のなわ張りではなくて、求職者にすべてわかるような、そういうふうな方向にいくわけですね。そう理解してよろしいですか。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) ただいまの御説のようにこれからやる考えでおります。

小平芳平公明党

○小平芳平君 次に労働大臣に、先ほどお尋ねしました中高年齢層は現在も深刻な状況にある、きわめて再就職が困難で、あるいは労働条件が悪いところしかない、そういう認識で進めていただきたいと思いますが、それは大臣よろしゅうございますね。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) 御説のとおりでございまして、非常に人手不足等も手伝って、中高年齢者に仕事についていただきたいというので、過般の通常国会で中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法という法律をつくりまして、それによって訓練手当を月二万六千円出す、それから、就職指導手当を月一万九千円出す等々いたして、中高年齢者の雇用促進をはかっております。その重大なことは御説のとおりよく認識いたしております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 次に安定所の窓口が失業保険の支払いに追われていて、実際本来の職業紹介よりも、保険金の支払いでもうてんてこ舞いだ、ぜひとも人員をふやしてほしいということがしきりと各安定所のおそらく職員の方だと思いますが、そういう要望がきておりますが、それで、機械化するなりあるいは取り扱いの方法を改めるなり、あるいは人員をふやすなり、そういう何らか措置がとられないことには、本来の職業紹介よりも、保険金の支払いでてんてこ舞いだ、これが現状ではありませんか。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) 御説ごもっともで、機械化するほうはさいぜん局長から話しましたように、コンピューターを使ってリアルタイムシステムを全国的にいま拡張いたす、これはやはり非常に能率があがると思います。きのうなんかも、南関東と名古屋、中部地方のリアルタイムシステムをいよいよ開始するので行ってまいりましたが、カードを突っ込んで約三十秒、おそいのでも一分以内にさあっと照合の返事が出てきます。非常に高速化しておる。しかし、いまおっしゃったように、失業保険の支払いで、職業安定所の人数の少ないことはお説のとおりでございまして、私どもも認識いたしまして、最近十日ほど前に行政管理庁長官に私は面会を申し込みまして、そして、これからいよいよ重大になってくる職業安定、職業紹介について人員をふやしてくれという申し入れをいたしておりまして、よく検討しようということでございました。さらにこれは大蔵省のほうへもこれを交渉に行こうと、私自身交渉に行く考えでいま進めております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それから次に職場適応訓練というのをやっておりますが、この職場適応訓練の半年間は非常に生活がたいへんなわけですね。実際問題、中高年層で適応訓練を受けておる人たちは一〇〇%家族持ちと考えなければなりませんが、そういう点についても配慮していただきたい。要するに、給付金が非常に低いわけです。そして大都市では事業主に支払う訓練費も全額事業主から訓練受講生に支払っているというような現状にあることはいかがですか。

住榮作労働省職業安定局長

○説明員(住榮作君) 私ども職場適応訓練は中高年齢者等の再就職につきまして非常に効果のある制度だと思っておるわけでございます。いずれにいたしましても訓練が終わればその職場に雇っていただく、こういう前提で職場環境あるいは作業環境になれると同時に技能も覚えていく、こういうことでまあ適応訓練を受けている人には訓練手当を支給する、それから事業主の方には謝金を払うということで実施しておるのでございますが、先生の御指摘はおそらくその場合の訓練手当が低い、あるいは事業主に対して払う謝金が低い、こういうような御指摘かと思いますが、そういう意味で、訓練でございますので一般の訓練手当と同様職場適応訓練を受ける人には払っておるわけでございます。全体といたしまして、そういう訓練の際に対する手当というものが必ずしも十分でないということは承知いたしておりますので、そういう点につきましては私ども今度の予算においてその充実をはかってまいりたいと考えておりますので、御指摘のような点については十分努力してまいりたいと考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それから、次に、これは東京都内でいわれることですが、たとえばタクシーの運転手がAの会社をやめてBの会社に就職する、このときにすでにこの話はできていると思うのですが、安定所の窓口を通していけば支度金の支払いを受けられるということで、労働省のほうで四十五年十二月中の人を取り上げて調べてくれたものがあるんですが、結局タクシー運転手のような場合は就職難というよりもむしろ就職がしやすい。そういうところで、しかもAの会社をやめる前からBの会社に入ることを約束しておいて、そうして、失業保険の給付を受けあるいは支度金をもらってBの会社に就職していくということが最近目立つというふうな声がありますがいかがですか。

住榮作労働省職業安定局長

○説明員(住榮作君) 現在の就職支度金の状況につきまして、たとえばこれを四十五年の十二月に調べたものでございますが、就職支度金を受けて再就職するものの中の七、八%程度はタクシーの運転手が該当しておる、こういうふうな調査等もございまして、ただいま先生御指摘のような就職支度金の制度が運転手について安易な転職を誘発しておる、こういうふうな御意見等も聞いております。  そこで私どもといたしましては、さらにそういう実態をひとつ詳しく調査してみたい、こういうふうに考えております。と同時に御承知のように、就職支度金は受給者の早期再就職を促進する、こういうたてまえでつくられておる制度でございます。それがそういうように乱用されるということになりますと、非常にその制度の趣旨にも反するようなことにもなりかねないということを考えまして、私どもといたしましては求人者に対する指導、あるいは求職者に対する職業紹介の際に留意すべき事項とか、あるいは支度金支給に際しての調査のやり方等につきまして安定所に対して細部の指導をしてまいりたいと考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 あと一問で終わりますが、これは大臣の特に政治的な判断を私は求めたいのでありますが、雇用促進事業団の住宅があります。この雇用促進事業団の住宅はあき家が多いんですね。まるっきり事業団としては住宅は建てたが、さてそこへ就職してくるような職場がない。したがって、これは労働省からいただいた資料によりましても、六カ月を経過しても県内で新潟県の場合は入居率が六二%、長野県の場合は七六%、つまり事業団の住宅が、移転就職者用の宿舎ができたと、そうして、いなかには珍しくりっぱな建物が、四階建てぐらいのりっぱな住宅ができたわけですが、それは半年たっても十軒のうち三軒か四軒があいたままになっている。しかも、それは平均してのことであって、これで見ますと、たとえば長野県の坂城というところの住宅は四十五年五月から入居を開始しているんですが、したがって、もう一年半ぐらいたつんですが、入居率が四九%、つまり半分はあき家になっているわけです。それから、同じく須坂市の、これは四十五年十二月に入居開始しておりますからやがて一年ですが、四六%、つまり半分以上があき家になっているわけです。で、これは地元の人の目から見れば、あの住宅は労働省の住宅だと、この住宅は市営だ、県営だと、そういうこともよくわからないわけですが、実際問題としましては外見だけ見たんではそれはわからないわけですけれども、しかし、その実態というものが、市営住宅の場合なんかは何倍の競争率で、入ろうとしても入れない。一方労働省のほうの就職者用の住宅は一年たっても半分以上あいている、こういうようなことなんですね。労働省事務当局ではそういうことはあまり問題にしないでほしい、問題にされたくないと言うんですが、じゃ政府施策住宅としていま説明いたしますような現状は、これは私が具体的な解決策としては、一つには入居条件を緩和する。入居条件を緩和して半分以上ただあけておくということがないようにするか、せっかく建てる住宅なんですから。まあ全然廃止しろと私言っているわけではないですけれども、その運営を再考していただきたいと思いますがいかがですか。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) 御説のとおりこの入居状況を調べたものによりますと、本年七月末、ごく最近の資料によりますと、全国で六万二千二百五十二戸を建設、設置して運営しておりますが、そのうち設置六カ月以上を経過しておるものの入居率が九〇%、六カ月未満のものが四三%、平均で入居状況は八七%というんでございまして、各方々において、やはり入居率の悪いところがあるのは御指摘のとおりです。したがって、いま改善の御要望でございましたが、私どものいま考えておりますのは、第一にそういう建設地が適当であるかないか、もう少し慎重にやらすこと。第二は、いま御説のように入居条件、これは家族がみなそろわなければいかぬとか、いろいろ条件があるそうでございますが、これらについても、この住宅不足のときでございますから、みんなが利用できるよう入居条件を再検討させたいと思っております。

中村英男日本社会党

○委員長(中村英男君) 他に御発言もなければ、本件に対する午前の調査はこの程度といたします。     —————————————

中村英男日本社会党

○委員長(中村英男君) 連合審査会に関する件についておはかりいたします。  先刻、運輸委員会から日本国有鉄道の不当労働行為について、連合審査会開会の申し入れがございました。これを受諾することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村英男日本社会党

○委員長(中村英男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会は本委員会休憩後開会いたします。  暫時休憩いたします。    午前十時四十二分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕

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