公害対策特別委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/09/17
会議録
○委員長(加藤シヅエ君) ただいまから公害対策特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る三日、栗林卓司君が委員を辞任され、その補欠として松下正寿君が選任されました。 また、本日、赤間文三君及び棚辺四郎君が委員を辞任され、高橋雄之助君及び渡辺一太郎君がそれぞれ補欠として選任されました。 —————————————
○委員長(加藤シヅエ君) 次に、寺本広作君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に矢野登君を指名いたします。 —————————————
○委員長(加藤シヅエ君) 次に、公害対策樹立に関する調査を議題といたします。 まず、先般、当委員会が行ないました委員派遣について、派遣委員から報告を求めます。 第一班の群馬、長野班については、私から報告いたします。 小平理事、原委員、加藤進委員と私加藤シヅエの四名で編成された第一班は、八月三十一日と九月一日に群馬県を視察し、続いて九月二日と三日に長野県の視察をいたしました。群馬県下の視察には、茜ケ久保委員が現地参加されました。 群馬県、長野県とも、密集工業地帯を持ちませんので、都市全域にわたる複合汚染というやっかいな公害現象はまだ発生するに至っておりません。したがって、公害に関する苦情のほとんどが単一の工場、事業場に起因するものであって、紛争事案は局地的なものであり、相隣関係的なものが大部分であります。そうした一般的な状況の中で、両県に特異なものとして、群馬県には、足尾銅山を公害源とする渡良瀬川流域の農地被害と安中市所在の東邦亜鉛安中精錬所からのカドミウム汚染による公害がきわ立っており、他方、長野県には、諏訪湖の汚染問題が解決を迫られており、また、自然公園地区を走る観光開発道路に対する自然環境保全の立場からする反論が問題として指摘されております。 私どもの視察は、これら四つの項目を対象とすることにいたしましたが、あわせて、群馬県では、高崎市にある金属工業団地を視察し、また長野県では、有機燐系農薬が原因ではないかと疑われている学童の目の疾患についても調査をいたしました。 以下項目を分かって、概略の報告をいたします。 渡良瀬川流域の農地汚染の視察は、台風二十三号にぶつかって、雨の中を長ぐつばきでの視察になりました。太田市毛里田地区に設置されている銅による汚染土壌と銅とカドミウムとが共同した汚染土壌の改良試験田について説明を受けつつ、現地に立った私どもは、青々と威勢よく稲が育っている客土済みの試験田に比べて、ふぞろいの穂が並んでいる未客土の汚染田とを対比しながら、底深い土壌汚染公害の実情を見せつけられたのであります。この現地視察と、県庁における知事以下関係部長との意見交換の中から浮かび出た問題点は、次の各項であります。 一、太田市毛里田地区の四十五年産米に最高〇・九三PPMのカドミウム含有量が検出されたことから、このカドミウム汚染源の究明が始められたのでありますが、いまだにその根拠が判明しないことに農民は不安と不満を抱いております。この究明については、県だけにまかせず、国も力をかして、早急に解明してもらいたいという要望が強く出されています。 二、銅による汚染の農作物被害は、農林省調査によれば三億二千四百万円と推計されていますが、関係農民は、百二十億円と見積もっております。この補償問題を紛争処理委員会に持ち出すために、六百万円という多額の手数料を用意しなければならないというので、農民が困惑しております。 三、これ以上の汚染が累積することを予防するには、現在の高津戸橋地点における流水基準〇・ ○六を、〇・〇二に引き下げてもらわねばならないと主張しております。 四、カドミウムによる汚染だけでなく、銅、亜鉛による汚染についても、土壌汚染防止法が適用されるよう措置しないと、土壌改良事業を行なうのに被害者農民の負担がかかることになると心配しております。 以上の諸問題点のほか、概括して、深さ十センチメートルの客土にアール当たり四十万円の費用を投じて得られる成果は米二俵の増産であるという現在までの投資効果を踏まえると、汚染農地の対策は、もとの水田に戻すことだけがよい方策なのか、それとも、総合農政との関連で他に転用する方法を見出していくのがよいのか、困難な問題を含んでいることを痛感いたしました。 次に、安中地区におけるカドミウム汚染について申しあげます。 まず、東邦亜鉛の製錬工場について五億八千八百万円を投じて実施したといわれるばいじん、硫黄酸化物の除去施設及び排水処理施設の改良部分を中心に視察いたしました。 続いてカドミウム汚染地区対策として県が行なっている農作物転換対策試験圃と、汚染畑地を持つ農家の自家用野菜対策として市が設置している共同菜園を見た後、安中市役所において、市当局、市会議員、公害対策被害者協議会の会長等から実情の説明を受けました。ここでは、次の事項が問題として取り上げられました。 一、カドミウム汚染〇・四PPM以上の米は、一PPM未満であっても、事実上、流通米に乗せることができないのが実情であるから、土壌汚染防止法に基づく土壌改良事業の対象をそこまで広げないと、農民が現実に困っている窮状の解決にならないとの訴えが強く出されました。 二、土壌汚染防止法の汚染対策地域の指定基準を再検討してもらえないだろうか。現在、指定基準とされている農作物中の含有値というものは、栽培管理の方法によって差異が生じるものであるから、流動的なものとなる。それよりも、有害物質が土壌そのものの中にどれだけ含まれているかを基準にして指定することのほうが科学的であると言っております。土壌値を基準にすれば、米作をしない畑地は対象にならないという現在の不平等な扱いも是正されることになるという提案がなされました。 三、安中地区に多発しているぜんそく、気管支炎、関節炎、指曲がり病等の患者の不安を解消するためにも、重金属と疾病との関係についての医学的究明を急いでもらいたい。また、疑わしい場合には、準公害病としての取り扱いができないものであろうかという希望が強く寄せられました。 四、地方公共団体が支出する公害対策費に関する交付税の算定基準を明確にして、公害対策費に対する国の財政援助を強化してもらいたい等の諸点が、特に今後解決を待つ問題点として取り上げられたのであります。 長野県の視察に移りまして、まず、諏訪湖の汚染浄化について申し上げます。 諏訪湖の汚染がプランクトンの異常発生によるものであること、また、汚染防止のために水質基準の認定、環境基準の当てはめなどの法的規制が行なわれてきたこと等については、すでに当委員会でも論議があったところでありますから、経過については省略いたします。 私どもは、まず湖上に船を走らせて、湖全体の汚染状況を視察いたしました。ただいま回覧いたしましたような「アオコ」と称されるプランクトンが湖面をおおっているのであります。その発生原因がいまだに解明されていませんので、研究費の支出によって科学陣の奮発を期待できないものかと地元は嘆いておりました。 地元における浄化対策は、当面、湖水汚濁の原因となる外的要因を遮断することに力を注ぎ、一、湖と河川にごみを捨てない住民運動の実施、二、湖周辺の工場、事業場の排水処理施設の設置促進、三、底になったどろのしゅんせつ等を実施しておりますが、根本対策としては、湖周辺の三市一町が設置する公共下水道をまとめて処理し、処理水を天竜川に直接放流するという流域下水道の設置に期待がかけられているのであります、その規模は、計画面積四千百六十二ヘクタール、対象人口二十万人、計画汚水量は一日平均三十三万三千五百立方メートルで、これに要する費用は、公共下水道を含めて三百億円、うち、県の負担が四十四億、地元の市町村負担は百三十一億円とされております。 湖上視察を終えた後、諏訪市役所において関係市町関係者から、また、しゅんせつ工事事務所において工事関係者から、それぞれ説明と要望を聞きました。要望の中心は、おのずから、流域下水道計画の促進援助の拡充に向けられました。諏訪湖のように、汚濁現象の科学的解明ができないまま急激な汚濁が進んで、死の湖に近づきつつあるという差し迫った事態に対処するには、一段と特別の補助率を設定すべきではないかという意見が委員の間に強く意識されたのであります。 また、諏訪湖周辺には二千三百の企業が操業していますが、その大部分が中小規模であります。これらの中小零細企業がたとえばみそ製造業に見られるように、共同してつくることにしている排水処理設備に一〇〇%処理能力のある技術がないために、不安なままで一億五千万円を投じるということになります。公害防止技術、設備の国家検定制度を強く望んでおりました。 長野県における第二の視察対象である自然保護問題について申し上げます。 尾瀬沼の自然が守られることになったことの世論の高まりの中で、長野県では、八ケ岳中信高原国定公園を走るビーナスラインを美ケ原にまで延ばそうとする道路の開設について、賛否両論がぶつかり合っているところでありました。私どもは車をかって約四十キロメートルのビーナスラインを走り、途中、美ケ原につながる和田峠におり立ったのでありますが、おりあしく霧が立ち込めて、終始、視界が十メートルという状況でありまして、十分に所期の目的を達することができず、わずかに七島八島の湿原地帯を望見し、また、終点近くに位置する御泉水に保存されている自然美をめでることができたに終わってしまいました。県当局側の説明は、この路線工事はすでに四十五年三月に県会の議決を経、また十二月には建設大臣の許可も受けた問題であるので、四十六年六月に県が自然保護条例によって設置した自然保護審議会にはその可否について諮問しなかったということでありました。その際、私どもは、設置反対論を含めて広く県民の意向を取り入れ、その納得を得る努力を県当局に要望いたしておいたのであります。その後、あらためて審議会の意見を聞く機会がつくられたという報告を受けましたが、今後の善処を望んでやまない次第であります。 最後に佐久地方における学童の眼の病気について申し上げます。私どもは県庁において信州大学の加藤眼科教授の話を伺い、また、臼田町の浅間総合病院に立ち寄って大戸眼科部長の説明を伺いました。大戸医師が学童に見られる視野の狭窄、屈折異常を伴う極度の視力低下は有機燐系農薬が原因であるとされるのに対し、信州大学の加藤教授はこれを否定されておりますが、このような見解の対立については医学の分野において解決されることと考えます。ただ、多くの学童が視力の低下を起こしていることは急速に治癒させる必要があります。幸いに適切な治療を早期に施せば数カ月で視力を回復するとのことでありますが、月四千円から五千円の自己負担があるために、中途で治療を放棄する学童が出ております。佐久地方だけでなく、大阪、長崎からも同様の症状が報告されていることを考えると、農薬公害の疑いもかけられるかと考えます。原因を究明することとあわせて、とりあえず、罹病学童の治療研究のために研究費の支出を検討すべきではないかと話し合った次第であります。 以上、調査の大要について報告申しあげました。なお、精細については、別途提出いたします文書報告を会議録に掲載するよういたしたいと存じます。 以上でございます。 次に、第二班の報告について、寺本委員からお願いいたします。
○寺本広作君 第二班の調査の結果を御報告申し上げます。 杉原理事と私は、八月三十一日より四日間の日程で、秋田、岩手の両県における公害と、鉱山による鉱害等の実情を調査してまいりました。 台風二十三号のために、現地到着がおくれ、第一日の調査はできなくなりましたが、第二日以降は順調に調査を進めることができました。 調査項目は、両県における公害と鉱山鉱害の全般的な状況、鉱山から排出する重金属による汚染、鉱石採掘による地表沈下、休止、廃止鉱山による鉱害、これについての対策の現状、自然環境の保護と利用であります。 まず、公害全般について申し上げます。 秋田、岩手両県とも、工業開発の点では、太平洋ベルト地帯や、他の工業先進県と比べて、さほど進んでいる状態とは申せません。したがって、広範囲にわたる大規模な公害、いわゆる典型的な公害は少ないのでありますが、局地的には、工場のばい煙、排水等が周辺の地域や水域を汚染し、住民との間にあつれきを生じております。 秋田市近郊の茨島地区では、製錬所から発する亜硫酸ガスが問題となっております。県は、継続的に測定、調査を行なうとともに、住民に対しては、二次にわたって健康診査を実施しておるのであります。はっきりした健康障害の有無につきましては、第二次健康診断の結果の判明に待たなければならぬのでございます。 現在、秋田市近郊には、非鉄金属製錬所、火力発電所、木材関連企業、肥料工場等が立地しております。今後、日本海に面した広大な砂浜に、パルプ、製紙等の木材関連工業や、銅、亜鉛の製錬所を誘致し、さらには、男鹿半島に至る海岸線に、大規模工業地帯を造成する構想を立てておる状態でございますので、今後、産業公害が増大するおそれがございます。 秋田県では、公害が発生する前に、これを防止することを対策の眼目とし、公害防止対策の先取りにつとめております。東北電力秋田発電所の三号機増設にあたって、亜硫酸ガスを低減する改正協定を締結したり、新規立地の東北パルプの廃液浄化に北欧方式を取り入れたり、積極的に公害防止に取り組んでいるのでございます。 メタルマイニングから発生する鉱害も各地で問題となっております。 御承知のとおり、秋田、岩手両県とも、国内有数の鉱山県であります。中でも、秋田県は、銅の国内産量の四〇%を占め、銀、鉛、亜鉛、硫化鉱も全国の一、二位の生産をあげ、文字どおり全国一の鉱山県でございます。県内には、三菱金属尾去沢鉱業所、日本鉱業釈迦内鉱業所、同和鉱業花岡鉱業所など、大手の金属鉱山をはじめとして、数多くの金属鉱山をかかえているのであります。それだけに、鉱害は深刻であり、対策には並々ならぬ苦労を重ねております。 鉱山鉱害の一つは、重金属汚染の問題であります。先般、実施された厚生、通産、農林各省のカドミウム汚染調査によりましても、鉱山の周辺、下流地域の大気、水質、土壌が相当程度汚染されていることが判明しております。特に、鉱山の密集している北鹿地方においては、米、飲料水、河川水のカドミウム濃度がそれぞれの基準を越える数値を示したところも見られます。県は、重金属汚染の主要地区について、独自の調査を実施し、そのうち、〇・四PPM以上のカドミウム米が産出された地区を要注意地区として継続調査することとしております。なお、その原因と見られる鉱山に対する改善指導、農業用水の改良指導、保管米との交換などの所要の措置を講じていることは申すまでもございません。 岩手県においても、問題となった宮古、田老地区における汚染米の発生について、県、市が一体となって、被害に対する企業補償のあっせんなど所要の措置を講じております。 ここで、鉱山鉱害を防止するため、秋田県が勇断をもって実施しました、秋田県パイプ流送鉱業公社の事業を御紹介したいと思います。 この事業は、県が公害防止事業団からの融資と、この施設を利用する鉱山からの分担金とによって行なったものでありまして、四十四年に竣工いたしました。施設の内容は、大館地区の黒鉱の——先ほどお手元に回覧いたしました黒鉱でありますが、黒鉱のかすを延長七十キロメートルに及ぶパイプで日本海沿岸へ流送し、能代近郊の浅内終末処理施設で浄化して海に放流するものでございます。 現在、この施設を利用している企業は、日本鉱業と同和鉱業の二社にすぎませんが、鉱滓の共同処理による鉱害の防止ということでは、先駆的な役割りを果たしているものと評価できますし、同時に、将来における鉱害防止のあり方を示唆しているもののようでございます。 鉱山鉱害の二つ目の問題は地盤沈下でございます。 大館地区は、高品位の金属を含む鉱石——黒鉱の産地でございます。当地区では、水田、畑、河川など、平坦地の下に幾層にも埋蔵されている鉱石を採掘しております。浅いところは露天掘りもいたしておりますが、大方のところは坑内掘りでありまして、しかも、地表から比較的浅い平均二百メートルないし四百メートルのところを掘るために、地表が沈下するのであります。 昭和四十二年に、専門家に依頼しまして、沈下の予想を立て、相応の措置を講じてまいっているのでありますが、沈下量は予想を大幅に上回っております。予想では昭和四十六年までに六十センチとなっていたのでございますが、現実には、松峯地区で二メートル二十五センチも沈下している状況であります。また、沈下面積は九十八ヘクタールに及んでおります。 企業側は、通産省の監督、指導のもとに、掘った坑道をすぐに埋め戻すなどの措置を講じておりますが、沈下はとまらないのが現状でございます。問題は、事後補償でございます。企業も、監督官庁も、県も、沈下についての資料はすべて公開する方針で臨み、住民と十分に話し合い、納得の上で補償措置を講じようとしております。たとえば該当地域の住民代表を入れた対策協議会を十数度にわたって開き、住家の移転、補修、農業用水路の整備、水田の畑作転換など、補償と指導の措置を講じつつあります。 休、廃止鉱山の鉱害対策も深刻な問題でございます。鉱業権者が存在する鉱山にあっては、休止中であっても、鉱業法、鉱山保安法の運用によって、鉱害の賠償と復旧の措置がとられるのでありますが、鉱業権が消滅して五年以上経過した廃止鉱山については、鉱害責任の主体がなくなるのであります。 日本鉱山誌によりますと、休、廃止鉱山は、秋田県では百六十、岩手県では百十八もございます。なお、秋田県、仙台鉱山保安監督部が、四十五年六月から十月にかけて、秋田県内の百十五の休、廃止鉱山の調査を実施しておりますが、その結果、何らかの対策を要する鉱山は五十カ所、うち、緊急対策を要する鉱山は十カ所もございます。 これらの鉱山は、責任者のいないまま、堆積された鉱滓の山がくずれたり、強い酸性の水が流れ出したりして、下流の河川水などを汚染しているのでございます。 廃止鉱山の鉱害対策につきましては、県、市が事業主体となり、国から三分の二の補助を受けて実施しているところであります。秋田県では、現在まで十鉱山につき、ほぼ、工事を完了しているとのことでございますが、廃止鉱山に対する国、地方公共団体による鉱害防止事業の促進が必要と思われます。 採掘中あるいは休止中の鉱山については、法律のたてまえでは、企業の責任で鉱害の防止、賠償を行なわせることができるわけでありますが、無資力の鉱山では、実際には、鉱害が放置されている現状でございますので、これらの鉱山についても、鉱害防止事業の適用拡大が県の要望として提出されているのであります。 以上、鉱山鉱害の実情と問題点を指摘いたしましたが、鉱害は、閉山いたしました後もなお継続的に発生するわけでありますから、将来にわたる鉱害に対処するため、金属鉱山についても、積み立て金制度の確立、供託制度の活用がはかられるよう検討すべきではないかと存じます。 私たちは、かつて硫黄の産出で東洋一を誇り、現在では細々と硫化鉱の生産を続けている松尾鉱山を訪れました。松尾鉱山は、公害防止のための脱硫装置のあおりを受けて、経営不振におちいり、会社更生法の適用をうけた会社でございます。 硫黄を採掘する坑道からは、強い酸性を帯びた坑水が流れ出るのでありますが、この酸性水をみずからの力で処理できなくなり、下流の水質が極度に悪くなるおそれが生じたために、県が会社にかわって、中和処理を実施し、また、国が行政代執行で、坑口の閉鎖工事を行なったのであります。しかし、酸性水は、他の坑口から再びあふれ出ております。 松尾の実情を見るにつけても、積み立て金制度等を確立する必要性を痛感する次第でございます。 最後に、一言、自然保護について触れたいと存じます。 両県とも、すぐれた自然景観に恵まれておりまして、この恵まれた自然を守ることを県政の重点の一つとしているのでございます。 私たちは、八幡平国立公園を横断するアスピーテラインを通り、秋田から岩手へ抜けました。松尾鉱山の鉱煙によってむざんにも枯れたアオモリトドマツの一部を除いては、自然の荒廃は特に目立ちません。しかし、将来、開発の波が東北地方に押し寄せるとき、このうるわしい自然が、現在以上に荒廃しないように、いまのうちから、環境保護施策について本腰を入れて検討すべきであると考えました。 岩手県では、八幡平、栗駒、陸中海岸などの地域で、森林、高山植物、野鳥、海浜を守る自主的団体が活動しており、県も、これらの団体を守り育てながら、自然の保護に力を入れております。 調査の要点のみを述べましたが、詳しい報告書は、第一班と同様、会議録末尾に掲載することにいたします。 以上、御報告申し上げます。
○委員長(加藤シヅエ君) ありがとうございました。 ただいまの報告に関して質疑のある方は、順次御発言を願います。
○杉原一雄君 私は、いま寺本委員から報告された秋田、岩手の報告書を中心として質疑をいたしたいと思います。 質問を分けて大きく二つにしたいと思いますが、一つは、休廃止鉱山の現状とその対策。いま一つは、特にいま寺本委員から強く評価された秋田県パイプ流送鉱業公社による鉱滓のパイプ流送事業についての指導監督行政のあり方と、その法的根拠について。以上二つに分けて質問をしたいと思います。 冒頭に、いまの報告書にも出ておりましたとおり、休廃鉱山の現状のいわゆる鉱害対策の問題として、秋田から要望書が出ております。もちろん鉱害一般に関する問題もございますが、しぼって二つの問題提起を大切にしたいと思います。そのうちの一つは、「鉱害復旧積立金制度の確立について」という要望であります。内容は、「鉱山の開発に伴って生ずる坑内水、ズリ、地盤沈下などの鉱害は、鉱山の廃止後も長期間にわたり継続するので、将来の鉱害復旧に対処するため、積立金制度の確立又は鉱業法による供託制度の完全なる活用が図られるよう特設のご配慮を願いたい。」という要望であります。 次に、第二の要望として、「休廃止鉱山鉱害防止事業の適用範囲拡大について」でございます。内容は、「本制度は、鉱業権が消滅した廃止鉱山について適用されているが、現に鉱業権が設定されている休止鉱山について、鉱害防止の義務者が」、いまも報告があったとおり、「無資力であり、鉱害発生のおそれのあるものについても、本制度を拡大して適用されるようご配慮願いたい。」という要望であります。 で、同じ悩みを持つ岩手のほうからは、こういう形の要望ではございませんが、幾つかの要望の中で、特に現象的な、具体的な問題提起として、「北上川の水質汚濁防止対策について」というので、「北上川の水質は、松尾鉱山及びその周辺から流出する強酸性水により近来とみに汚濁が著しく、流域住民の生活環境の保全、本県の開発に占める水資源としての有用性並びに県民感情のうえからももはや看過し得ない状況となっている。このような実情にかんがみ、国においてその防止の方策について早急に調査研究を行ない、可及的すみやかに抜本的な対策を講じられるよう強く要望する。」、これは具体的に対策を明示しておりませんけれども、秋田のほうでは、先ほど申したような二つの提起を制度的に、立法的に要求をしているわけです。これらのことは、同時に岩手県の議会議長の高橋清孝氏からも「北上川の水質汚濁防止に関する意見書」ということで、われわれに実は付託がされているわけであります。いま、こうした両県から出された要請、要望に対して最終的にお答えをいただきたいと思うのでありますが、それに関連して、やはりそうした問題の基礎に、もとに流れているさまざまの問題等を項目別に実はお尋ねをしたいと、このように思います。 そこで、先ほどの報告の中では、仙台の鉱山局からの調査結果でありますから、これは局部的であります。私のほうからは、第一点として、休廃止鉱山に関する調査——最近、通産省当局で調査の結果が明らかにされているかと思うのでありますが、全部完了したとも思いませんけれども、少なくとも四十四年度までの概況調査と、四十五年から始められた四カ年計画の精査検討の中間報告、こうしたものを簡単に求めたいと思います。
○説明員(久良知章悟君) 現在操業いたしております鉱山、それから鉱区を持っておりますが、現在活動はしていない——休止中というふうに私ども呼んでおるわけでございますが、操業中並びに休止中の鉱山が約二千二百ほどございます。それからそのほかに、過去に操業をいたしましたが、鉱山は、御承知のように、当たりはずれの非常に多い事業でもございます、また景気の好不況の影響も大きいわけでございますが、不幸にしてうまくいかなくて廃止をした、鉱業権を放棄をしたというふうな鉱山が、いま申し上げました二千二百の約倍くらいの数あるのではないかというふうに、これは推定をいたしておるわけでございます。 四十四年度まで通産省で概査をいたしました結果、カドミウムその他の鉱害を防止する必要、それからまた坑口その他に一般の方が入っていかれるというふうなことから起こる災害を防止するというふうな必要のある山というのが約千五十ぐらいあるのではないかというふうに推定をいたしたわけでございます。その千五十の鉱山につきまして、四十五年度から四カ年計画で、四十八年度までかかるわけでございますが、再調査をすることにいたしました。四十五年度には七十五鉱山、四十六年度には三百二十五鉱山の調査をする計画で、ただいま進めておるところでございます。大体四十七年、四十八年は同じぐらいの数の鉱山を調査をいたしまして、四十八年度までに千五十鉱山の調査をいたしたい。所要の経費は約四千二百万円を予定しておるわけでございます。 で、今日まで調査をいたしました結果、先ほどの御報告にもございましたように、私ども処置の対象として考えなければならない事項といたしまして、三つを考えておるわけでございます。 一つは、坑廃水の中に含まれる重金属による汚染、それから坑廃水のPHと申しますか、酸性水による公害の発生のおそれがあるということでございます。 それから二番目は、鉱山から排出し、堆積をいたしておりますいわゆる堆積物に関しまして、その堆積物ののりじりから、やはり雨水その他が浸透水として出てまいります。それで、やはり重金属なり、酸性水による鉱害の問題が起こるわけでございます。それからもう一つは、その堆積物は崩壊をする、それによって災害が起こるという危険性があるわけでございます。 それから第三番目が、先ほど申し上げました山中に休鉱が放置されることによりまして、鉱山の関係外の方がその中に入ったときに災害に遭遇されるというふうな危険があるわけでございまして、この三つの可能性について対策を要するというふうに考えておるわけでございます。
○杉原一雄君 若干、いま質問しようと思ったことの中身にも触れてきた感じもいたしますが、もう一度、いろいろ概況調査等の結果並びにそれに対する今後の対策ということでお示しをいただいたわけですけれども、これはしろうとでございますから、的はずれであるかもしれませんけれども、とにかく、四十六年度は三百二十五、来年度も三百二十五、次も三百二十五ということで、千五十を消化するということですが、これは坑廃水なり、ズリの崩壊現象等、かなり急迫を要する問題の順序において行なわれるのか。それともまた、そうしたことにつきましても、ただ、通産当局の調査なり、そうしたことについての能力の問題、そういうことからその年次計画が先に出てくるのか。私、実態は全部承知しておるわけではございませんので、実態の緊急度といいますか、そういうこと等から、計画は整然として整備されておるのかどうか。ただ機械的に千五十を割り当てたというものじゃおそらくないだろう、こう思いますので、やはり調査研究の結果等についての、非常にこれは危険だとか、これは少し、しばらくの臨時的には放置してもいいという判断に基づいておるのか、そうしたこと等について触れていただければはっきりすると思います。
○説明員(久良知章悟君) 先ほど申し上げました千五十の鉱山について、約三百をこえる数の鉱山の調査を年々やっていくということを申し上げたわけでございますが、この三百という数字は、やはり予算なり、調査能力によって限定をされるわけでございますが、その三百の鉱山を選ぶ基準といたしましては、これは鉱害なり災害の可能性というものから、緊急を要するものから手早く調査をし、処理をしていくという方針で進んでおるものでございます。
○杉原一雄君 これは非常に当を得ていると思いますが、問題は、お金がないからしかたがないということでなしに、これも省として大いに努力していただいて、できるだけ——千五十がたいへんだという判断に立っておいでになりますから、急いで処置されるような御努力をいただきたいと思います。 その次の問題として、廃止鉱山については、法のたてまえもございますし、鉱害対策について補助金を出す、あるいは鉱害防止事業の対象となる、こういうことで作業が進んでおると思いますけれども、現状ですね、大体こういう対象になって、計画的な鉱害対策をとっているのが山として幾つぐらいあるのか。その補助金を放出する現況なり、その現に行なわれている事業を類型別に分けることができるならば、いろいろその場の廃鉱についての取り組みの一つの教訓ともなると思いますので、そうした実態等について若干お述べいただければと思いますが、いかがでしょう。
○説明員(久良知章悟君) 鉱山の鉱害防止につきましては、これはもちろん鉱業権者の義務でございます。鉱山保安法におきましては、四条にはっきりと規定をいたしておるわけでございます。そのほか、廃止されました、鉱業権が消滅されました鉱山の鉱害防止につきましても、鉱業権を放棄してから五年間の間は、鉱害防止のために必要な措置を鉱業権者に命令することができる、指示することができる、鉱業権者はやはり鉱害防止の義務があるのだということを二十六条にきめてあるわけでございます。 先ほどのお話のように、この休止中、廃止中の鉱山の鉱害防止については多々問題があるわけでございますが、私どもの方針といたしましては、鉱業権のある鉱山については、まず鉱業権者に鉱害防止の措置をとらせる、それから鉱業権を放棄した鉱山につきましても、五年の間はできるだけ鉱業権者に処置をさせるというふうな方針をとっておるわけでございますが、鉱業権を放棄いたしまして五年をオーバーするもの、それからもう一つは、五年以内ではありましても法人が解散をしたり、それから鉱業権者が死亡してしまったというふうなことで、責任をとる権者が存在しないというふうなケースもかなりあるわけでございます。そういう場合には、ただいま申し上げましたような方針で処理をすることができないわけでございますので、こういうものについて国と地方公共団体が共同いたしまして鉱害防止対策を進めるということで、これは今年度からそういう制度を発足さしたわけでございます。本年度につきましては、国の予算が約八千七百万円でございます。県に工事額の三分の二の補助をいたすわけでございますので、工事額としては約一億二千万円強の確保ができるということでございます。 こういうふうな補助金によりまして対策を講じなければならない鉱山というものがどのくらいあるのかということにつきましては、現在精密調査をいたしておる次第でございますが、一応の推定といたしましては、いまの千五十の鉱山の中で約二百五十鉱山については何らかの対策をとる必要があるのではないかというふうな推定をいたしております。その二百五十鉱山の中の百七十鉱山は、これはいわゆる放置坑口と申しますか、昔稼行いたしました坑口に人が入れないように閉塞するというふうな、比較的簡単な工事で済むものでございますが、残りの約八十鉱山につきましては、これは先ほど申し上げました堆積場に由来する鉱害の防止、それから坑内水の放流に由来する鉱害の防止ということのためにかなり大がかりな防止工事が必要だと、そういうふうに考えておるわけでございます。 ちなみに、四十六年度で申し上げますと、本年度は約三十九鉱山を対象にして工事をいたすわけでございますが、この坑口閉鎖の小口に属するものが三十鉱山、それから鉱害防止の大口案件に属するものが九鉱山でございます。この大口案件の中の三件につきましては、これは四十七年度まで継続工事になるというふうに予定をしておるわけでございまして、四十七年度につきましては、いまの三件を含めまして大口の分が約二十鉱山に達するのではないか、そういうふうに予想をし、それに必要な四十七年度の予算の要求を行なっている段階でございます。
○杉原一雄君 いま中小鉱山の倒産企業のような、倒産状況になってあと始末のできない、かいしょうのない鉱山、そうした問題等もいろいろ触れられたわけですから、一応それ以上この問題では追及をしようと思いませんが、ただ、私たちが見て回った具体例として、先ほどの報告にもあげられた松尾鉱山の場合ですね、何か具体的なケースを中心として若干の省の考え方なり対策をお伺いしたいと思うわけですが、岩手の県知事から要望が出たように、とにかく岩手県の県民からすれば、母なる川北上川が汚濁しておる、一日も早くこれを清流として取り戻してもらいたいという、これは岩手県民百数十万の当然の要望だと思うのです。それにこたえるには、あるいは通産省の努力に待つのか、環境庁の努力に待つのか、それぞれ問題点を明らかにした最終的な結論に従ってそれぞれ努力をさるべきだと思いますが、ただきわめてやっかいなことは、その休廃の——これは廃鉱にはならない現状であると私たちは理解しておるわけですが、問題は、硫黄が今日の経済情勢の変化とあわせて鉱害問題対策との関係があって、山の中から硫黄を掘り出す必要がなくなった、こういう一つの客観情勢の大きな変化に従って松尾鉱業の硫黄が採掘されなくなった。一部硫酸を露天掘りの中から採掘して一カ月、松尾鉱業からいただいた資料によりますと、四月度では三千五百九十八万円であった。それから五月度では四千百三十一万円、そして八月に至ると、それは非常に生産量が減退いたしまして千九百三十万円というような、細々と営業を続けておるという実態であります。それに加えて、通産の指導等もあってだろうと思いますが、北上川に、もちろん支流を通じてでありますが、酸性の強い水を流すことはまかりならぬ、だからというのでその水処理を、指導に従って今日まで企業努力をし、通産の援助を得てやっておるというこの事実を私たちは見てまいったわけですが、しかし、この水処理費も、実は四月では五百八十六万円、ピークは七月でありますが、九百六十九万円と、だから先ほどの売り上げ高と対比してみた場合に、たいへんなパーセントを占めておるわけであります。それはどんなしろうとが見たって松尾鉱業もたいへんだといったような、われわれしろうとでありますが、同情を寄せるのはおのずから当然だと思います。 そこで、いま掘り出していない鉱山から酸性の強い水が流れ出ておる。私らも流れ出ておる水を手にとってなめてみましたら確かに酸性度の強いものでございます。こういう状況にいまあるわけですが、これをモデルケースとして、こうした鉱山に対して通産当局は今日までどのような手当てをされてきたか、その経過であります。あわせて、しかし今度手当てをしてきたけれども、なおかつ北上川の水はよごれているわけです。で、たいへんな県民の世論が高まりつつあるわけですから、今後に向けてこれにどう対処するのが望ましいのか。そうした点について通産当局の経過並びに今後の指導の方向等について明らかにしていただきたいと実は思っているわけであります。 環境庁へは特にお願いはしていなかったのでありますが、きのう入手した情報によりますと、昭和四十六年九月八日の、これは読売でありますが、「清流北上川に国も本腰」という見出しで、「中和方式を検討、吾妻川(群馬)の実績土台に」と、これは環境庁の——どういう形でか知りませんが、対外的に表明された方針であります。だから環境庁としては、吾妻川の実績等を踏まえながら、北上川上流に起こっておるこの鉱害現象に対して中和方式を十分検討して対処したいという意欲的な方向を出しているわけですから、とりあえず、先ほど申し上げたようなことで、通産当局が松尾鉱業に対して今日まで予算面でもかなりの努力をしておられると思いますが、そうした問題と、それでもなおかつ流れ出るという現状から考えて、今後どういう指導方針を持って臨まれようとしているのか。あわせて環境庁からも——担当者がおいでになるかどうか知りません、予告してありませんでしたから。もし御参列であれば、それに対する期待というのですか、そういうものをこの席で明らかにしていただければと実は思うわけであります。 通産のほうからの御答弁を要求します。
○説明員(久良知章悟君) 松尾鉱山は、御承知のように、かつてわが国最大の硫黄硫化鉄鉱鉱山であったわけでございますが、操業時におきましては、このPHにいたしまして一・六という非常に酸性の強い水を一分間に約三十立方メートルという、かなりな大量でございますが、坑内から流出しておったわけでございます。これをそのまま放出しますと、北上川流域の農業、漁業に非常に大きな影響があるわけでございます。もちろんこれを処理をして放流をいたしておったわけでございますが、先ほど御指摘の脱硫の回収硫黄のために、会社としても硫黄鉱山としては立ち行くことができなくなりました。更生会社となると同時に、規模を縮小いたしまして、硫化鉱の採掘に一部専念をするということになったわけでございます。 当時、松尾鉱山の鉱害防止をどうするかということが非常に大きな問題であったわけでございます。通産省といたしましては、学識経験者の調査結果をも参考にいたしまして、下部の坑道を閉塞をいたしまして、これによりまして一つは坑内から出てくる水の量を少なくしよう。それからもう一つは、やはりこういう水が、雨水が松尾鉱山の硫黄の鉱床、それからその周辺のやはり硫黄に汚染されました地帯を通って出てきますときに酸性度が非常に高くなるというわけでございますので、この鉱山の低いところと申しますか、高度の低い、下部にある坑道を閉塞をいたしまして、坑内にある程度水をためまして、上部の坑道からだけ水を出せば、水の量が少なくなると同時に酸性度も低くなるはずであるということから、鉱山に力がございませんので、約三千七百万の金を代執行といたしまして国が負担いたしまして、鉱害防止工事を実施したわけでございまして、その結果、排水量につきましては従来の約三分の二に低下をいたしまして、酸性度のほうも約七カ月間に〇・八五から一・三五というふうに以前よりは改善をされたわけでございます。現在、この改善のテンポはあまり早くはないわけでございますが、やはり現在でも若干このPHが上昇すると申しますか、酸性度が低くなっていっているわけでございます。 この工事と並行いたしまして、北上川の中途に四十四田ダムというダムがあるわけでございますが、鉱山の放流された水も、一度このダムによりまして滞水をするわけでございますが、このダムの水の酸性度と申しますかペーハーを四・〇よりも低くしないというふうに現在会社を指導いたしておるわけでございます。そのための費用というものは、先ほど先生御指摘ございましたように、大体五百万から七月には九百万に達したということでございますが、松尾鉱山の再建計画の中では、一応月間五百万というこの鉱害対策のための経費というものを見込んで織り込んであるわけでございます。ただいま先生からもお話ございましたように、松尾の再建計画というものが必ずしも計画どおりにいっていない面もあるわけでございまして、この鉱害処理費というものが再建会社にとって非常に大きな負担になっていることは事実でございます。私どもといたしましては、現在、会社の経営そのもの自体も流動的でございますが、水質の点につきましても、若干酸性度が低くなってきておるという事情もございますので、いましばらくこういう変化を見守っていきたいと考えているわけでございます。その改善が将来においてもはかばかしくないという場合には、技術的な問題につきましては、やはり再度学識経験者の意見も聞く必要があろうかと思うわけでございますが、この将来の対策につきましては、岩手県並びに環境庁とも相談をいたしまして善処してまいりたいと考えている次第でございます。
○杉原一雄君 その善処する場合に、昭和四十四年の十二月に、北上川流域調査委員会というのが通産省の指導で設置されているわけですが、それはいまなお継続し、かつ機能を発揮しているのかどうか、その点はどうなんですか。
○説明員(久良知章悟君) 先生御指摘の委員会は、まだ存続をして活動をしているわけでございます。
○杉原一雄君 これは少し唐突で申しわけないのでありますが、これは、私、雑誌の「世界」の十月号で見たので申しわけないのですけれども、常磐炭礦の中郷礦というのだろうと思うのですけれども、八月二十一日に正式に閉山を宣告したということと、そのレポートの中で、これは閉山の最大の理由は水が出たということでありますから、このレポートでは、そういう会社の姿勢の中に、出水に便乗しての閉山ではないかという疑問が残るのは当然である、こういうふうに書いてあるわけです。しかし、私は、これがどうか、判断のしようはございません。これらの問題等についての真相ですか、どういうふうに把握しておいでになるかということを若干お聞きしたい、こういうふうに思います。
○説明員(久良知章悟君) 常磐炭磯の中郷礦でございますが、これは八月に出水がございまして、先生御指摘のように、閉山に至っております。あの地帯は採掘いたします炭層が、基盤と申しますか、石炭が堆積いたしましたときの受けざらになりました古い岩石があるわけでございます。その岩石と炭層との間の距離が非常に狭いと申しますか、二、三十メートルから百メートル足らずくらいの距離であるわけでございます。この基盤と來炭層との間に水がございまして、あの地帯、隣接の炭鉱でもかなり多量の出水を起こしまして、それがために操業に支障を来たして閉山をした。現在では、中郷礦だけが残っておったわけでございます。その隣接に向洋炭硬、それから高萩炭礦というふうな炭鉱がございまして、いずれも一分間に約三立方メートル程度の出水を起こしまして、そのために閉山をしたものもございますし、それからその出水を防遏いたしまして、非常に努力を続けたけれども、経済的に引き合わずに閉山をした、こういう山もあるわけでございます。中郷礦では、隣接で約三立方メートル水が出ましたので、ポンプ施設その他に余裕を見まして、約一分間に十立方メートルの出水があっても耐えられる、こういうふうな設計をしておったわけでございます。ところが、八月に出ました水は一分間に二十立米という、あの地区では、かつてなかった大量の出水でございます。一分間に二十立米と申しますのは、年間に直しますと約一千万トンの出水になるわけでございます。出水地点も地下約六百から七百メートルという深いところでございますので、それだけの水をくみ上げるだけのポンプ施設なり、それから年間の電力量を中心にいたします経費というものがかなり膨大な金額になるわけでございまして、いまの炭鉱の経理状況ではその負担にとうていたえられないということで、私どもといたしましては、閉山もやむを得なかったというふうに考えておるところでございます。
○杉原一雄君 そういう判断に立ちますと、石炭合理化臨時措置法の適用ということも妥当だということになりますね。結論としては、そういうことですか。
○説明員(久良知章悟君) その点につきましては、私、担当でございませんので、何ともお答えがちょっとこの場ではできない次第でございます。
○杉原一雄君 先ほど申しましたように、一つの雑誌から問題提起をしたわけですから、これ以上、私、確信を持って追及するというものでありませんから省略いたしますが、ただ、あの辺の鉱山というものが、現在稼働しておろうと、また休鉱ないし廃山になった場合であろうと、非常に問題を持っているということを提起していると思います。現在行なわれている法律のワクの中でも、これらの問題に対処するには早さの問題、あるいは領域の問題その他で非常に問題があるということだけは、私なりに身にしみて感ずることができるのであります。 そこで、問題をもとに戻しまして、そうした事情、なかんずく局長が報告いたしましたように、現在あるカドミを含めて一千五十の非常に危険な鉱害を予想される問題の山が廃山、休鉱があることを明らかにされたわけですから、こうした問題の一つの解決の方法として、秋田の県知事から提起された問題について逐次回答をいただきたいと思います。 第一点は、先ほど申しましたとおり、鉱害復旧積み立て金制度の確立という要望が出ておるのでございますが、これに対して通産当局の見解、また、できれば目下作業等が進められておるような具体的な、積極的な意図がございましたら、そうしたこと等についてこの際御披露いただければ、私たち、秋田県知事から託された要望書にもこたえることになるのではないか。同時に、先ほど冒頭にも申しましたように、今日非常に多くの問題を抱えておる鉱業に対して一つの方向を示すものではないだろうか、このように思います。特に、私、大館周辺の日本鉱業なり、同和鉱業をおたずねしたときにも、そのことを実感として受けとめました。それは、日本鉱業は——ここで企業に影響を与えてはいけませんけれども、現在の鉱脈等から判断しても長くて十五年間の命だ、同和鉱業はそんなことはないだろうというようなことがささやかれておることを耳にしておるのであります。現にそうした生き生きした鉱山でもやはり運命が限られておるわけでありますから、そうしたことに対する対処の方法として秋田知事が提起した積み立て金制度の問題等について、通産当局の見解なり、作業の実態等について、この委員会を通じて秋田知事あるいは鉱業を営んでおる皆さんへの一つのアドバイスか、さもなければ案のお示しをいただくという結果になればきわめて幸いであると思うわけです。この辺の回答をひとついただきたい。
○説明員(久良知章悟君) 御質問の積み立て金制度につきましては、通産省から銅、鉛、亜鉛等の鉱山業者、それから製錬業者に対しまして、こういう趣旨に合った制度の設立というものを要請をしておったわけでございます。それにこたえまして、金属鉱業の鉱害基金というものを社団法人として設立、十月一日から発足ということで準備が進んでおります。この社団は、事業内容といたしまして、鉱業法の百十七条に鉱害に対する積み立て金の制度があるわけでございますが、この制度とほぼ同様の機能を果たすというために、社団の会員が毎年大体二億円の金額を今後五年間にわたって拠出をするわけでございます。会員が事業を廃止した場合には、その拠出した金額の範囲内で、鉱害の防止工事、それから鉱害賠償のために必要な原資といたすわけでございます。 それから、そのほかに、この会員は合計二億円の金額を常時この基金に積み立てまして、鉱害賠償、それから鉱山の休廃止に伴う鉱害防止工事のために必要なときには、それを取りくずして使用をするというシステムをとるわけでございます。現在、この社団には約三十の会社が加入をする予定でございますが、この三十の会社で生産量の約九五%のカバーをする見通しでございますが、通産省といたしましては、この三十のほかにも、できるだけ多くの企業に加入をしてもらうよう指導をしてまいりたい。そういうふうに考えておるわけでございます。
○杉原一雄君 いま法律にあると言っておりましたが、通産省の言っているのは、法律の供託の制度と別個な社団法人金属鉱業鉱害基金制度をつくる、そのように理解していいわけですね。しかも、それはおっしゃったのでは、拠出金と積み立て金と両方の制度で、そこから貸し付け金その他の方法でいま申し上げましたような事態発生の場合にはそれを使うとか、あるいは取りくずしていくとか、いろいろなことを考慮した意味の制度ですね。大体そういうような理解のしかたでいいですか。
○説明員(久良知章悟君) 先生のおっしゃいましたように理解をしていただいてけっこうでございます。
○杉原一雄君 非常に前進的な取り組みであるというふうに理解して、うれしく思いますが、その次の秋田知事が要望した問題、休廃止鉱山鉱害防止事業の適用範囲の拡大の問題でありますが、これは廃止鉱山については、大体先ほども説明の中に触れられておられるわけですが、いわゆる鉱業権のいまだに放棄していない状態の松尾鉱山の場合もこれに該当すると思いますが、つまり休鉱状態になっている場合に、いわゆる報告の中では無資力という表現を実はとっているわけですが、この無資力の考え方にもいろいろな意見が出てくると思いますが、率直に秋田知事が要求していることは、そういういわゆる無資力状態にある鉱山に対しても廃鉱同様の適用はできないものか、こういう要望だろうと私は理解しますが、これについて、率直に通産当局の現行法規を踏まえながらの見解と、あわせて、それを拡大してもらいたいというんですから、拡大してやれないのか。やれなければ、立法措置に踏み切ることが可能なのかどうか、その辺の若干の見解をお示しいただければと思います。
○説明員(久良知章悟君) 鉱山保安法では、先ほどちょっと申し上げましたように、第四条で鉱害防止の義務は鉱業権者にかかるんだということをはっきり規定をしておるわけでございます。これは、中小企業であろうとなかろうと、また資力があろうとなかろうと、やはりそのまま直にかかるわけでございます。 しかし、実際問題といたしまして、先生御指摘のような場合には、こういう考えだけでは解決にならないわけでございますので、私どもといたしましては、そういう場合を予想いたしまして、先ほど申し上げました鉱害積み立て金の制度へできるだけ中小の方も加入をしていただきたいということで、強力に指導をするつもりでございますが、現在、現実に緊急性の高い問題もあるわけでございますので、そういうものにつきましては、できるだけ融資の面で手厚い措置を第一にはとっていきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。 しかし、そういういま申し上げました積み立て金制度への加入、それから融資と、二つのことを前提にいたしましても、なお先生の御指摘のような場合にはやはり解決のできがたい場合もあるわけでございます。秋田県知事の御提案も、そういう場合に補助金制度を適用してはどうかというようなことであるわけでございますが、こういうケースについての補助金というものは、なかなかむずかしい問題もあるわけでございます。他への影響、その他かなり考えなければならない問題も多いわけでございますが、せっかく先生の御提案でもございますので、さらに私どもといたしましては研究をしていきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
○杉原一雄君 それでは最後に、先ほど寺本委員から報告された秋田県のパイプ流送鉱業公社による鉱滓のパイプ流送事業についてのことでございますけれども、これはあえて問題提起にはおそらくならないと思いますが、少なくとも秋田県が大館周辺に採掘される黒鉱に伴う鉱滓の処理についてフランスの専門研究機関から技術を導入して、昭和四十二年の九月から四十四年の三月まで総工費二十四億一千万と膨大な工費を、もちろん県費だけではございませんけれども、導入をして、大胆な流送事業をやり遂げている現状でございます。私たちも、その山元とあわせて澄んだ水を海に流す、現場まで総距離七十キロの入口と出口と両方点検をして回ったわけでありますが、篠田所長の言を借るならば、この水は、海に流す水は飲んでもよろしいんだ、現に魚もピチピチ泳いでいるではございませんかと、こういう説明でございまして、ぼくらとしてもその説明を実は了としてまいったわけでございます。ただ、この事業の実態を見るにつけて非常に感ずることは、あるいは田子の浦のヘドロ問題なり、各地に起こっているヘドロの問題等の解決には一つの先導的な大きな役割を果しているのではないだろうか、私は、このように理解するわけでありますが、通産当局の指導の観点から見て、これに太鼓判を押していいのかどうか。これは、ぼくらのしろうとと、あなた方の判断では違うわけでありますから、これは万全であると——いろいろお調べになった経過もあると思いますが、そういう判断をまず伺うと同時に、もし、私たちが感じたように、これがすぐれてりっぱな鉱害をなくする運動、なかんずくいま始末に困っているヘドロの始末をするという一つの方法としてすぐれたものであるとするならば、これは全国的にこうしたことで非常に苦労している企業ないし行政、地方公共団体、なかんずく地域住民等の不安にこたえる一つの方向を示唆するものではないかと、このように考えますので、最初に通産当局のこの事業に対する価値判断の問題、その判断が私が仮定したようにすぐれたものであるとするならば、これをすでに行政指導して行なわれているとは思いますけれども、そうした企業、地方公共団体、関係住民にもこのような手があるんだということを知らせてやる必要があるんじゃないかと、このように思います。 知事等の考え方も聞きましたが、フランスからパテントを譲り受けてこのことにかかったけれども、このような大がかりなことは世界一だということでありますが、それも私真に受けていいだろうと思います。そういうことで、二点の面から通産当局の見解なり方針をお聞きしたいと思います。
○説明員(久良知章悟君) この鉱業と申しますか、マイニングというものは、産業の性格上、立地上に縛りつけられると申しますか、自由度がない産業でございます。もう一つは、採掘に伴いまして、非常に大量の廃棄物ができる。その廃棄物を安全に、鉱害を起こさないように処理をしなきゃいかぬという、二つの性格があるわけでございます。いま御指摘のように、秋田県の北鹿の黒もの地帯で、秋田県知事の英断によりまして、パイプ流送鉱業公社というものを設立されまして、この公社が廃棄物の運搬、最終処理ということをやっておられるわけでございます。私ども、こういうものの処理のやり方といたしましては、非常に高く評価をいたしておるわけでございます。 これを考えてみますと、二つ大きな性格があるわけでございます。一つは、この廃棄物の輸送にパイプ流送という新しい技術を採用したということが一つでございます。もう一つは、各鉱山の廃棄物の処理というものを共同して、しかも県がその中心として、みずからの事業としておやりになるというところに意義があろうかと思います。パイプ流送につきましては、これは新しい技術ではございますが、秋田県の例その他から、非常にこういう大量の物質を輸送するにはいい方法であるという認識が広まってまいりまして、最近では、数カ所でやはりこれを実施をし、あるいはその計画をするということが進められておるわけでございます。私どもといたしましても、他の個所に対しましても目下指導をいたしておるものもあるわけでございます。 それから共同でやるということにつきましても、これは鉱山だけでなくて、他の産業におきましても、やはりそういう方向での公害防止におきましては非常に意義のあるものでございますので、私どもも、そういう方向で今後も進んでいきたいと考えておるわけでございます。ただ、この秋田県の場合は非常に成功をしたわけでございますが、これはやはり黒ものと申しますか、塊状のかなり品位の高い鉱床を稼行ずる鉱山が比較的狭い地域に多数存立をしておるというふうな特殊な条件がございまして、このパイプ流送の事業が成立をしたと申しますか、パイプ流送について大体調べますと、トン当たりにいたしまして約二百六十円から四百円ぐらいの経費がかかっておるようでございますが、まあ普通の鉱山では、やはりこの大体二分の一ぐらいの経費で鉱滓の処理をするというのが目標でございまして、そういう水準からしますと、かなり経費がかさむ処理のしかただということになるわけでございます。結果においては、先生御指摘のように、非常に完全に近い処理ができるというところに意義があると私ども考えておる次第でございます。
○委員長(加藤シヅエ君) では、暫時休憩いたしまして、午後は一時から再開いたします。 午前十一時五十四分休憩 —————・————— 午後一時十一分開会
○委員長(加藤シヅエ君) それでは、ただいまから公害対策特別委員会を再開いたします。 引き続いて質疑に入ります。
○小平芳平君 私は、加藤委員長から御報告のありました群馬県及び長野県における調査の報告に対する質問をいたします。 各地元で提起された問題点がたくさんありまして、いずれも重要な問題でありますが、本日は、ごく限られた時間でありますので、限られた点について質問いたしまして、残りは別の機会に取り上げていきたいと思います。さしあたり、本日、この報告に対する質問が終わったあと、私に質問の機会を与えられておりますので、カドミウムによる健康被害、これは岐阜県神岡等を中心にした健康被害、安中も含みますが、質問をしたいと思います。 まず初めに、質問の第一点としまして、土壌汚染防止法による客土、この土壌汚染防止法による客土は、カドミウム一PPM以上の米がとれたところを客土の対象にするということでございますか、それを確認したいと思います。
○説明員(岡安誠君) 土壌汚染防止法によりまして、汚染されました土壌につきましての改良事業、まあ対策事業といっておりますけれども、それを実施する場合には、まず都道府県知事が地域の指定をいたしまして、対策計画をつくるという段取りになるわけでございます。その対策計画の内容につきまして、客土その他の改良事業が計画をされるというようなことになるわけでございますが、したがって、どの地域で客土事業が行なわれるかという場合には、どういう地域について地域指定が行なわれるかということが問題になると思います。土壌汚染防止法では、特定有害物質といたしましてカドミウムだけが指定されておりますけれども、それにつきましては、現在、まだ土壌に関します環境基準ができておりません。したがいまして、米の中に含まれるカドミウムの量が一PPMをこえるというようなものは、いわゆる汚染米といたしまして食品衛生法の規制の対象になっておりますので、それとの関連におきまして指定の基準を政令で定めておるわけでございます。この政令によりますと、まずカドミウムが一PPM以上含まれる米が生産されると認められる地域というのがまず指定の対象になり得るわけでございます。したがいまして、カドミウムを一PPM以上含んだ米ができた地域というふうに簡単に申しているのじゃないかと思いますが、それだけじゃございませんで、そういうような地域の近傍の地域でございまして、その土壌中のカドミウムが先ほどの米の中に一PPM以上のカドミウムが含まれた、そういうような米を生産をした土地と同程度以上のカドミウムがあるような、そういうような土地、これは土性その他が一緒でなければならないとか、そういう条件がございますけれども、そういうようなところであれば、現在、カドミウムが一PPM以上含まれる米を生産していなくても、そういうカドミウム一PPM以上の米が生産されるおそれが著しい地域ということにいたしまして、指定の対象になり得るというふうに、条件で規定されておるわけでございます。したがいまして、繰り返しますと、土地改良事業といいますか、土壌汚染防止法によります対策事業の対象になり得る土地は、一PPM以上のカドミウムが含まれるような米を生産するといいますか、されるおそれがある地域と、そういう近傍でもって一PPM以上の米が生産されるおそれが著しい地域も含んで指定の対象にするというような運用になっておるわけでございます。
○小平芳平君 したがいまして、いま局長御説明の土壌の環境基準を至急きめていただきたい。ということは、一PPMをこえるというものは土壌汚染防止法の対象として、客土する場合も費用負担がきまることになるし、それからまた一PPM以上の米は、第一、買い入れをしませんので、それの損失に対する補償もできるわけですが、しかし実際上は、〇・四PPM以上の米は、配給にも回してないし、そしてまた〇・四から一の間の米は保有米も交換をしている。しかも〇・四から一PPMまでの間のたんぼは、ことしも米をつくる、来年も米をつくる、再来年も米をつくっていくわけです。しかも、つくった米は、農家も食べられなければ、配給米にもできない。しかも土壌汚染防止法の対象にならないならば、何年でもそれを繰り返す以外にない。ただでさえ倉庫が一ぱいだ、そこへもってきて、また新しい米が入る。そうすると、一ぱい詰まっている倉庫から別へ移す、そうすると、運搬費は、結局、日通との契約か何かで運搬すれば、それだけ食管会計の赤字がふくらんでいく。こんなやる気のない政治はないじゃありませんか、いかがですか。
○説明員(岡安誠君) 問題は、米の中に含まれるカドミウムの量が、〇・四から一PPMまでの場合、そういうような米が生産される土壌について、どういうような対象をとるかというような御意見だと思いますけれども、私どもは、もちろん今後いろいろ研究いたしまして、カドミウムにつきまして、土壌の環境基準というものを鋭意検討中で、至急つくりたい、設定いたしたいというふうに考えておりますけれども、やはり〇・四から一PPMまでのカドミウムが含まれる米というのは、われわれは、いろいろ交換その他の措置がございますけれども、必ずしも汚染米ということにはなっておらないのではなかろうかというふうに実は考えておるわけでございます。したがって、考え方といたしましては、やはり土壌汚染防止法の対象といたしますのは、食品衛生法上やはり規制されております一PPM以上のカドミウムが含まれる米を生産されるような、そういう関係にある土壌ということにならざるを得ないのではなかろうかと、現在考えておる次第でございます。
○小平芳平君 それでは、先ほどの加藤委員長の報告にもありましたように、〇・四PPMから一PPMまでの米がとれたところで、農家としては、こんなばからしい話はない。一生懸命米をつくっても、うちでも食べられなければ、配給にも回せない、およそ農民にとってこんなばかげた話はないです。 そこで、じゃ、たとえ十センチでも客土すればよくなるということがあるなら、十センチ客土してまともな米をつくろうというふうに良心的に考えた農家があっても、その客土の費用はだれが負担しますか。
○説明員(岡安誠君) 実は、現在におきましては、〇・四PPMから一PPMまでのカドミウムを含む米を生産するおそれのある地域につきましての土地改良事業、客土等を含みます土地改良事業につきましては土壌汚染防止法の対象ということで必ずしもないわけでございます。農林省におきまして、土地改良事業の一環としてそういうような事業を行なう、いわば従来の土地改良事業の補助率等が適用されまして、残りにつきましてはやはり地元負担ということになるのではなかろうかと実は考えております。
○小平芳平君 なかろうかでは困るので、長官、いま長官がおいでになる前に始まっていたわけですが、農家で米を生産しておりますが、この生産された米が一PPMをこえたものはカドミウムが土壌汚染防止法の対象として地域指定をし、計画を立てて客土する、客土して、少なくとも農家が自分でも食べられるし、配給にも乗せられる米ができるわけですが、しかし、実際上厚生省が〇・四PPMを一つの危険信号だと言っておきながら、ある時期に一PPM以上が食品衛生法に言う食品ではないというようなことを言って、そういう行政の混乱のために〇・四と一の間の米は農家も食べられなければ、配給にも回せなければ、ただ倉庫に眼っている。しかも、ただ倉庫に眠っている米を新しい今年産米がとれるとほかに移して、またそこに買い込む、買い込んだところでどうせ食べられるものではないのです。実際上厚生省の一PPM以下はだいじょうぶだというけれども、だれも食べている人はいないのです。しかもそれが土壌汚染防止法の対象にならないというなら、こんな農家にとってばかな話はないわけで、一年間苦労して米をつくったが、うちでも食べられなければ、政府も買い上げてくれない。そんなことを毎年毎年繰り返しているようなばかな政治はないじゃないでしょうか。
○国務大臣(大石武一君) どうもおそくなりまして失礼いたしました。 いまのお話でございますが、一PPM以上のカドミウムのある米はこれは食っていけないということで、その土地は米をつくることが禁止されているわけでございます。ただ〇・四PPMというのは、やはりどの土壌がカドミウムで汚染されておるかおらないかということを調べるのは、何かの基準がなければその精密検査をするわけにはまいりませんので、まず〇・四PPM以上カドミウムが含まれているという米が生産される地帯には、あるいは多くカドミウムが含有されておるかもしれないという一つの基準を置きまして、そこからその精密検査をするという方法をとっておりますので、〇・四PPMというのは、別にこれは有害であるとかないとかの基準ではないと考えます。そういう意味で、一PPM以上の場合はこれはいけないということでございまして、その土地を全国全部するわけにはまいりませんから、どこかのやはりあやしい土地を選んで検査しなければなりません。その検査をする取っかかりとしての基準として〇・四PPMというものをきめているのだと、こう思います。なお、それで〇・四PPM以上〇・九PPMまでの米は政府で買い込んでいくのだと思うのですが、ですから、政府の責任においてその米をどうするか、それを配給に回すのか、あるいはそれを廃棄するのか、それは政府の米関係、農林省関係の判断において、その判断する場合には、いろいろな医学的な検査とか、各省とも折衝すると思いますが、農林省の責任において米の処分はすることと思いますので、別に農家そのものには迷惑をおかけしないとこう思うのでございますけれども、なお、そういう米を何年か検査していけば、この土地は間違いないんだ、あるいはあぶないから客土したらいいんだという方向はきまっていくでしょうから、そういうことで落ちついていくのではなかろうかと思います。
○小平芳平君 私が申しますように、〇・四から一の間の米は政府が買い入れます。買い入れますが、ただ倉庫に眠っているのです。同じところへ来年もつくれば、また〇・四から一の間の米がとれて、また倉庫に入れて眠らせておくのです。一方で食管会計の赤字をどうこう言いながら、こんなばかな政治はありますかと、こう言っているのです。したがいまして、倉庫で眠らせておく米や、あるいは農家が自分でも食べられないような、そういう米のとれるたんぼは早く防止法の対象としまして、まともな米ができるようにしてもらいたい。しかも、その経費は、農林省の何ですか、土地改良法ですか、そういういろいろな法律をもってくるのではなくて、やはり土壌汚染防止法の対象とする、こうなると費用負担がきまりますので、やっていただきたいということが一つ。 それからもう一つは、特に渡良瀬川流域では、カドミウムのみならず、銅や鉛の——特に銅の被害が何十年にわたって続けられているわけです。したがいまして、早く銅、鉛の基準もつくって、防止法の対象にしていただきたい。以上二つです。
○国務大臣(大石武一君) 前の米についてのお考え、私も大体同感でございます。それを倉庫に眠らせておくというだけではまことにこれはもったいないことであるし、一面から考えれば国費のむだづかいのような気がいたします。しかし、米をどうするかというのはむずかしい問題だと思うのです。〇・四や〇・五PPMでは食べても差しつかえないのだという見解をとっていると思うのです。ただ、われわれは、公害に対して神経が過敏になっておりますから、〇・四PPMから〇・五PPMカドミウムがあれば、やはり食べたくないというのが人情だと思うのです。これは医学的には差しつかえないという判断がございましても、気持ちの上では食べにくい。そういうものがあるので問題になるのだろうと思います。こういうふうに私思うのですが、二、三年は、米の生産状態、土壌のカドミウム状態、米の中の含有量なりを調べてみて、そうしてその結果を判断して、やはりどうしても毎年〇・六PPMから〇・七PPM出るような、みんなが不安でいる米をかかえておるよりは客土したほうがよかろうという場合、客土して土地改良すれば、あるいは〇・五以上上がらない、間違いないから安心していいんだということに方針がきまれば安心してできるだろう、そうすれば政府も買い入れた米は安心して配給に回せるんだ、こういうことになりますので、やはり二、三年は観察しながらそのような方針をきめるべきではなかろうかと私は思うのでございます。もちろんそのような場合に客土したり、土地改良したらよろしいと判断した場合、やはり企業の責任者なり、政府の責任者が中心になりましてこれをよくするのが私も妥当であると考えております。 それから渡良瀬川流域の問題であります。これは先日も皆さま方から陳情を受けまして、なるほど下流の問題下流の皆さんが悩んでいることを知ったわけでありますが、銅や亜鉛につきましてはやはり非常に古い問題でありますが、いま検討いたしております。できるならば年度内にこれを対象にしたいという方針で鋭意検討を進めておる段階でございます。
○小平芳平君 年度内ということは昭和四十六年度、来年三月ということでしょうか。
○国務大臣(大石武一君) 大体年度は昭和四十六年度ですから、来年三月までを目標としていま急いでいるわけでございます。
○小平芳平君 それからもう一つ、渡良瀬川の地点で地元から幾つか問題点が提起されておりますが、そのうちの二つの点についてちょっとお尋ねしたいのですが、渡良瀬川流域の太田市の毛里田地区では、カドミウム汚染を県が調査しておりまして、この点については、一体、カドミウム汚染の汚染源はどこかと、これは足尾に違いないというふうにみんな思うのだけれども、はっきりしたカドミウム汚染の汚染源が足尾だと言い切る人もいないし、またその決定的な調査もできていないというのが現状のようです。したがいまして、毛里田地区では、客土のいろいろな試験田をつくって、いまやっております。そして土壌汚染防止法によります客土となりますと費用負担の問題も出てくるわけでありますが、その場合、汚染源が足尾であるかないか、それが第一点です。 もう一つは、いまの銅の基準は来年三月までにきめようという長官のお話でございますが、渡良瀬川の高津戸橋の地点において銅の水質基準が現在は〇・〇六PPMとなっている、これを〇・〇二PPMに下げてほしい、現在は高津戸橋におきまして銅の水質基準が〇・〇六なんです。それを〇・〇二に下げてほしいということが強く地元から希望されておりますが、こういう点について、局長、検討されましたか。
○説明員(岡安誠君) まずカドミウムによります汚染の原因ということでございますが、カドミウムにつきましては、群馬県の調査でもって、一PPMをこえるような米は生産しなくなっているわけでございますが、それに近い米が現在あるということでございまして、現在そういう地点がわかりましたので、県が主体になりまして原因の調査を進めていただいておるわけでございます。まだ私どものほうにはそういう報告が届いておりません。至急督促をいたしておるというような段階でございます。 それから銅につきまして、高津戸地点で現在〇・ ○六PPMというような基準になっているわけでございますが、それを〇・〇二にしたらどうかということでございますが、〇・〇六がきまりましたのは、もちろん〇・〇六PPM程度の銅の含有量の水が水田に入ってまいりますと、それが年々蓄積をするということになりまして、私どもの計算でも大体二十五年間ぐらい、大体そういう程度でもっていいかもしれませんけれども、二十五年周期でもってやはり客土その他の土地改良事業をする必要があるというような基準になっておるわけでございます。〇・〇二に下げれば、そういうような客土事業といいますか、二十五年周期で行なう必要のある客土事業もする必要はないというような基準であろうかとも考えますけれども、問題は〇・〇二まで下げるということが技術的その他の見地から可能かどうかという問題もあるわけでございます。したがいまして、全般的な考え方から二十五年に一回の土地改良事業を要するような〇・〇六の基準でいくか、それとも技術開発その他の関係もございますけれども、〇・〇二まで下げるようにするか、それは全般的な技術その他の関係も配慮すべき問題だというふうに考えておりますので、今後、土壌汚染防止法によりまして銅、亜鉛等につきましての環境基準等を設けるような際、当然もう一回検討はしていきたいというふうに考えております。
○小平芳平君 いまの局長の御答弁ですが、私が第一点として質問しましたのは、毛里田地区におけるカドミウム汚染の汚染源がどこかという問題なんです。これはぜひ明らかにしていただかないと、企業負担があるわけですから。カドミウム汚染の汚染源が足尾銅山なのか、それともそのほかの工場なのか。県の調査では、そのほかにカドミウムを使った工場はなかったと、こう報告をしているんですけれども、そうなると足尾以外になくなるわけです。その点をはっきりしていただきたいことが一つです。 それから銅の〇・〇六を〇・〇二に下げる点については、これは二十五年周期と言われますが、洪水でも出ますと、大雨で飛躍的に汚染が深まるわけです。ですから、どういう点から二十五年と計算されたのかと思いますが、できる限りこれは ○・〇二に下げるべきだと、このように思いますが、簡単でけっこうですから、以上の二点について。
○説明員(岡安誠君) カドミウムの汚染源につきましては、至急調査をいたしたいと思っております。 それからいまの〇・〇六の基準につきましては、先ほど申し上げましたとおり、土壌汚染防止法の対象にするというように出ておりまして、もう一回、御意見でございますので検討はしてみたいと思います。
○小平芳平君 それでは、農林省としましては、お米をつくっている農家の立場に立ってものを考えてもらいたいのですけれども、お米をつくっている農家として、私が再三説明しましたように、〇・四PPMをこえる米だとなりますと、これは実際上汚染米扱いをされているんです、現実に。それを食べている農家もなければ、配給にも回していないのです、実際問題。そういうものをかかえてあっちへ動かし、こっちへ動かししていたんでは食管会計赤字がふえるばっかりというのは当然のことです。農林省としては、環境庁長官あるいは通産大臣にもっとそういう点を強く申し入れて、せっかく農家が一年かかって米をつくるのだから。環境庁長官は、しばらく二、三年様子を見るとおっしゃったのですが、では様子を見る間だれが金を出すか。それから実際上二、三年たっても〇・四をこすようだったら政府なり、企業が責任をもって改良すべきだと長官おっしゃっておられますが、そういう点をもっと農林省は農家のために、農家の身になって、まともな米ができるように、農家が悪いんじゃないんですから、先祖伝来のたんぽを耕ししているうちにいつの間にかそんなふうになっちゃったわけですから、そういうことを進めていただくことが当然だと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(遠藤寛二君) 先生御指摘のとおりでございまして、農家は全く自分の罪に帰せられる何ものもなくて汚染されているわけでございます。私どもも、先生のお話の趣旨には全く同感なのでございます。ただ、現在の制度とかその他の問題からいきまして、一つは、先ほど環境庁長官がお答えになりましたような点がございまして、一・〇PPM以上のものは、これは有害であるということで買わない。これは直ちに事業の対象になってくると思います。ただ、現在の時点におきましては、一・〇に満たない米というものが、先ほど来、繰り返し御説明がございましたように、有害でないというたてまえになっておりますから、私ども、先生おっしゃいますとおり、なかなか事業として直ちに取り上げにくい面がございます。私どもが事業をやってまいります場合に、先ほど申しました地域の指定というようなことで、一・〇の米がぴたり出なければならぬというだけではなくて、かなり幅を広げた範囲で、おそれがあるということでなるべく事業範囲を広げていきたいと思っておるわけでございます。それでもなお先生のおっしゃる全部を救うということもあり得ないものでございますから、御指摘の点につきまして、農林省といたしましては、もちろん農民の側に立ってものを考えるわけでございますので、今後ともいろいろ検討さしていただきたいと思っておるわけでございます。 それから先ほど調査の点で岡安局長からお答えがありました足尾かどうかということ、カドミウム汚染の毛里田地区の問題でございますが、あの調査、いま現に農林省から匹百万円の補助金を出しまして、県費と合わせまして八百万円の調査費で、通産省と連絡をとりまして原因の追及調査を行なっております。年度内には調査を終わるのじゃないかと思います。あわせて御報告申し上げます。
○小平芳平君 次に、群馬県は以上で終わりまして、長野県の問題ですが——建設省おりますか。 長野県諏訪湖周辺の流域下水道の建設について、何回も私これは委員会で取り上げましたので、いろいろな理由の説明は省きますが、本年から予算がついて用地買収、そして着工の段階になったということも現地で伺ってまいりました。何せこれが三百億円という大工事で、その三百億円という工事に対して本年度国の予算がついたのは一億円であったというふうにも聞いてまいりましたが、この点について建設省に二つの点をお尋ねし、要望したいわけです。 第一の点は、なるべく早く完成できるように国の予算措置を講じていただきたい。これは御承知のように、諏訪湖は全くもう死の湖寸前、日増しに汚染が急速に高まるという現状になっておりまので、なるべく早く完成する、そういう国の予算措置を今後とっていただきたい、これが第一点です。 それから第二点としましては、やはり地元負担が相当な金額になるわけです。そしてまあ法律による国の負担、県の負担、市町村負担というものがきめられていることでありますけれども、なるべくいろいろな点から地元負担を軽減していかれるような方法ですね。それは法律どおりいけば、そういうことはできないのだとおっしゃるかもしれませんが、法律どおりいったにしても、こうした特殊な諏訪湖汚染という、しかも死の湖寸前という特殊な事情にあるのを考慮しまして、地元負担をなるべく軽減するように可能な限りの措置をとっていただきたい。 以上二点。
○説明員(久保赳君) 諏訪湖の流域下水道の問題でございますが、先生御指摘のように、総額は約三百億円でございますが、この中身が分かれておりまして、と申しますのは、県が事業主体になって実施をいたします流域下水道は、市町村の行政区域を越えた部分の骨組みでございます。したがいまして、非常に大きな幹線と、それから処理場、こういうことになりますが、その部分が百七十六億円、それからそれに接続する各市の、たとえば諏訪市とか、岡谷市の公共下水道分がございますが、それが百二十五億円ほどでございます。合わせて約三百億円、こういうことになるわけでございます。 そこで、その流域下水道でございますが、これは御指摘のように、水質保全をはかるための方法といたしましては、かなり広域的な抜本的な方法でございますので、特に重点を入れるという意味から、下水道整備五カ年計画の中でも最重点、したがって先生御指摘の早期完成ということを目途に進めておるところでございます。 それから第二点の地元負担の問題でございますが、これにつきましては、流域下水道は国の補助が二分の一でございますので、残りの二分の一は府県並びに関係市町村が負担をするということになるわけでございます。そこで、地元負担を軽減する方法は、たとえば補助率の問題とか、あるいはさらには地方債を現状よりも増加する、いろいろな方法があろうかと思うわけでございますが、先般、第六十四国会で下水道法の一部改正が審議制定されたわけでございますが、そのおりに、衆議院並びに参議院両方でございますけれども、その下水道の財政に対するいろいろな改善措置が附帯決議になっております。したがいまして、私どもも、いま直ちにその附帯決議の線に沿うということはできませんけれども、その方向で今後とも検討してまいりたい、かように考えているところでございます。
○小平芳平君 まあ検討もけっこうですけれども、とにかくもう着工しようということでありますから、大至急ひとつ結論を出すように、またなるべく負担軽減が実際効果のあがるように要望いたします。 それから次に、諏訪湖の第二点としまして、先ほど回覧をいたしておりました「アオコ」というのがあります。これは植物性プランクトンだといいますが、これが湖面をペンキを流したようにおおってしまいまして、先ほど回していたのはもうまっ黒に変色しておりましたが、ああいうふうに冬になると腐って沈でんをします。そうすると、それがまた栄養となって来年さらに大量発生するということを繰り返して、諏訪湖の汚染が急速に進みました。 そこで、御質問したいことは、この「アオコ」、なぜそういうものが発生するか、どうやったらそれの発生をとめることができるか、そういうこともはっきりしてないというわけです。学問的にもはっきりしてない。したがって、地元としては、県と市で「アオコ」の研究は地元の信州大学にも依頼しましていろいろな研究はしているのですが、こうした特殊な問題については国も取り上げていただきたい。これはどういう取り上げ方があるか、いろいろ事務当局で検討していただくことになると思うのですが、特殊な事情にありますので、長官、いかがでしょうか。国が取り上げて研究していただきたい。あるいは研究を委託するか補助をするか……。
○国務大臣(大石武一君) これは、いま最後にお話ありましたように、われわれ取り上げてまことにけっこうなことでございます。ただ、われわれとしては、直接いま研究機関もまだできておりませんので、研究費の補助なり、委託なり、そういうことで実態を明らかにしてまいるように努力してまいりたいと思います。
○委員長(加藤シヅエ君) 委員長からちょっと長官に伺いたいのでございます。 ただいま小平委員からいろいろ御質問ございました諏訪湖の問題につきまして、私も御一緒いたしましていろいろ視察をいたしてまいりまして、先ほどこの委員会に報告をいたしたわけでございます。 諏訪湖の問題は、その汚染の原因がこれは科学的に非常に複雑で、いまお話のとおり、原因の究明も十分にできていない。要は下水道を早く完成して、そうしてこれに対処する以外はないという結論のようでございますが、よく私も学問的に知識がございませんけれども、こういうような諏訪湖が死の湖になるというようなおことばが小平委員のほうからも出ておりました。私の報告でもそのように申しましたのですが、そういうような状態は、富栄養湖と申しますか、それは何かものの本によりますと、そういう状態になりますと、もうそれから先は死ぬほうの段階に向かってどんどん進む。歴史が何万年もかかってきたこの湖を人間が数十年のうちにそういうような状態に追い込んでいる、その一つの現象として諏訪湖というようなものがあるというふうにも聞かされたのでございますが、視察をいたしまして、まさにそのとおりだと思います。原因の科学的解明はできていなくても、人間がどんなふうにこれを死の湖にまで追いやったかということは、もう一目見ればわかることでございます。しかしこれを下水道の少しも早く完備することによって何とかこれを助けたいというのが地元の方々の強い希望でもございます。 それで、いま伺っておりますと、下水道に多額の費用を要しますが、それに対しての出費というものは非常に少なくて、一般と同じか、あるいは少し急ぐというような意味でもそのくらいしかお金が出なくて、それでいままさに死に瀕している重病人が助かるのでございますか、それとも、もうどんどん死ぬというほうの現象に向かって、諏訪湖という湖はそうなってしまうのであろうか。長官としては、どういうようなお見通しをお持ちでございましょうか。
○国務大臣(大石武一君) ただいまの御質問でございますが、私も、皆さま方と同じように、何とかして日本の大事な自然をりっぱに守ってまいりたい、保存してこれを子孫に残したいというのが一番のわれわれの願いでございます。そういう意味で、いま死に瀕しつつあると申しますか、非常に汚染されておる諏訪湖あるいは琵琶湖等につきましても、われわれは、できるだけ努力いたしまして、これを早い機会にもとに近いような状態にまで回復いたしたいものと願っておるわけでございます。この汚染の原因が全面的には必ずしも解明されておらないでしょうけれども、間違いなくいろいろな下水が大きな原因であることは間違いないと思います。そういう意味で、いま委員長がおっしゃるとおり、何としても一日も早くこの下水道対策を、下水道をつくりあげまして、そして富栄養湖と申しますか、汚水を放流しないこと、水を早く、そしてきれいな水と入れかえさせることが何より大事だと考えております。そのために、われわれも何とかしてこの下水道の完備を早くいたしたいものと願っておるわけでございます。 御承知のように、いま日本では建設省が考えまして、今月の初めでありましたか、閣議におきましても下水道整備五カ年計画を決定いたしました。これは四十五年度から五年間に二兆六千億円の予算をもってこの下水道の整備をいたすことになるわけでございますけれども、とうていこれだけの予算では五年間日本の下水道の大半を仕上げることは不可能でございます。そこで、われわれ環境庁の調査いたしました結果によりましても、こまかい数字は忘れましたが、とうていこれだけではわれわれが考えている環境基準を達成することは半分もできない状態でございます。したがいまして、できるだけ早くいい環境をつくるためには下水道を整備しなきゃならぬということで、この五カ年計画も、できるならば早い機会に繰り上げの実施をいたしまして、早く消化をして次の新しいまた五カ年計画を立ててほしいということを閣議でも私をはじめ建設大臣、みんなが発言しまして、いまそのような方向に向かっているのではなかろうかと思います。そういう意味で、一生懸命努力いたしまして、地元の負担がどうであろうとかなんとかということも、これも大事な問題でございますけれども、そういうものはやれば必ずやれると思うのです。やれば国からの起債とか、いろんなものがありますから、その起債が多くなり過ぎて市町村が破産をしたということもまだ聞いておりませんし、いいことに使う金ならば、必ずどこか救済なり、措置ができると思うのです。その意味でも、ひとつできるだけそういう予算をたくさんとりまして、早く下水道がいろいろな地区にでき上がりますように努力してまいりたい、こういうことを考えておる次第でございます。
○小平芳平君 長官、その地元の負担なんかたいした問題じゃない——というふうでもなかったのですけれども、やっぱり地元の負担が大きな問題です。私は、かねがね個人的には、災害の場合には激甚災害に対する特別法があるわけで、まあ公害の激甚に対する特別ということはこれはあり得ないかもしれませんけれども、とにかく特別な事情としまして御配慮願いたい。そのための新しい法律をつくるとか、法律改正するとなると、これはいつのことかわかりませんので、とにかく地元負担も大きな問題になっておりますので、御配慮願いたいと思います。 それからもう一つ、この自然環境の問題で、長野県ではビーナスラインというこの高原を走る道路が建設されまして、そうして今度はこのビーナスラインを和田峠から美ケ原のほうに延ばそうという計画があるわけです。県当局は、もう県議会できまったことだと、それから建設省その他の認可も受けたことだというふうに言っておりますが、地元にはまた有力な強い反対も起きておりまして、長官のところへも陳情に来られたということを新聞で拝見いたしましたが、この点については、長官、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(大石武一君) 私は、美ケ原、霧ケ峰にはまだ行ったことがありませんが、日本でもすばらしいこれは二千メートル級の高原であって、ことに美ケ原のようなところは日本に二つとないようなすばらしいところだと聞いております。したがいまして、そのようなすばらしい日本の大事な自然は何としてもこれをこわさないで、われわれの子孫に残してまいりたいと考えております。ただ、残念ながら、この霧ケ峰を通りまして和田峠まではすでに道路が完成いたしました。今度は和田峠から扉峠までの区間が大体県の開発の着工の許可を受けそうな状態でございます。その先さらに美ケ原を通って松本に抜けるという道路がつくられそうな情勢でございますが、できるならば、私は何としてもこれをとめたいものだと考えておるわけでございます。ただ、残念ながら、これは環境庁としてのいまのできる仕事は、県知事に対してこれをやめてほしいという申し入れをすることができます。協議することはできますけれども、この道路建設の許可はすでにもうおりております。したがいまして、いまさら私が申し入れましても、県知事並びに県がこれに賛成してくれて、同意をしてくれない限りはこれを決定的にとめることはできないのでございます。残念ながら、聞くところによりますと、霧ケ峰並びに七島八島地区は相当いたんでおるということでございますが、せめて美ケ原のこの日本に二つとない二千メートル級の大きな高原というものは何としても自然の姿で残したいものだと願って、いろいろ苦労いたしておるわけでございます。 実は、きのうからきょうにかけましても、現地の調査にいま職員を派遣いたしまして、きょうか、あす帰ってまいると思いますが、それからいろいろな様子を聞きまして、今後の努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
○委員長(加藤シヅエ君) 長官、私もちょっと一言伺います。あのラインを通りましたとき、あいにく霧が深くて十メートルの視界というわけで、有名な美しい景色を十分に見ることができなかったのでございますが、また反対運動の方々の陳情も伺いましたのですが、まあ県としては、いまさらとめることもできないような事情にあるという説明を聞いております。それで、通したいというほうの希望の中には、道路をつくれば足の弱い人たちもここまで登ってくることができて、みんながこの景色を喜ぶことができるのだ、そうでなければ、足の強い方だけがここへ登ってきて楽しむのだというような声もたいへんあるということでございますけれども、同じ道をつくるにも、排気ガスがたいへんに自然を破壊するとか、あるいはそこにたいへんたくさんの観光客が入り込んでいってよごしてくるとか、そういうことのないような道のつくり方というのもお考えの中にないでしょうか。もしそういうものがあれば、あるいは汚染もしないし、草木にも被害を与えないし、ただ、歩けないような人もそこまでどうやら一方通行ででも何ででも上がれるような道をつくるとか、そういうような方法はないものでございましょうか。
○国務大臣(大石武一君) 委員長の御質問に対して答弁する前に、もう少し私の考えを申し述べたいと思います。 なるほどいい景色はだれも見たいと思います。しかし、自然というものはだれでもかれでも、すべての人にそのまま気軽に開放されていいものとは思いません。やはり自然というものには自然なりの持ち味があります。そういうものを尊重して、自然をそこなわないように、われわれはその自然に親しむことが大事だと思うのです。そういう意味で、自然のふところに飛び込むにはそれ相当のやはり体力と申しますか、あるいは汗を流すと申しますか、そういうものが必要だろうと思います。そのような場合に、自然というものは非常な感激をわれわれに与えてくれると思うのです。いま、なるほど自動車でお年寄りも赤ちゃんも日本じゅうどこでも見て歩けるということになれば便利かもしれませんが、はたしてそれが日本民族に対してどれほどの意義を与えるものか、どれほどの感激を与えるか、私は疑問に思います。自然というものは、なるほど多くの人に御案内してあげたいと思いますけれども、少なくとも国の半分か三分の一か、三分の二かわかりませんが、ある程度のものは自然をほんとうに愛する者のために残すべきだと思いますし、また、われわれが目先だけのそのような感覚だけで全部の自然をこわしてしまっては、後代の子孫にわれわれはどのような批判を受けるかもわからないと思います。そういう意味で、私は、残すべき自然はなるべく破壊されないように、自然に親しむ者だけに、自然のふところに飛び込む者だけにそのような感激を与えることも一つの大事な道ではなかろうかと思うのです。私は、霧ケ峰にまだ行っておりませんけれども、いろいろな話を総合しますと、これは残すべき大事な自然ではなかろうかという考えを持っておるわけでございます。いま、よごさないような道ができはしないか——私は、できないと思うのです。自動車道路をつくれば山肌も削らなければなりませんし、谷も埋めなければなりません。必ず問題が出てまいります。その場合に、原形に近いように修復しようとかいうことで言っておりますけれども、そんなことは不可能であります。でありますから、できるだけこわさないほうがいいと思うのです。 それからもう一つは、聞いてみますと、あそこは、いまかん詰めのあきかんの山でございます。促進陳情に来られた市長さん方の話を聞きましても、かん詰めの山であって、あれを降ろすためにわれわれは何億円と金をかけて、あらゆる努力をしているのだというお話でございます。これが残念ながらいまの日本の国民の民度、マナーだと思うのです。ですから自動車で手軽に行けるようになれば、必ずあそこには欲の深い人がドライブインをつくるとか——間違いなくつくると思います。そういう目ざとさがあると思うのです。そうなりますと、あの山が折り詰めの箱や、かん詰めのあきかんで山じゅうが埋まることは疑いない事実と思います。日本人のマナーがもう少しよくなるのにはもう数十年の時間がかかると思います。それほどの人が行ってどれほどの意義があるでしょうか、感激があるでしょうか。私は、そういう人にはもう少し遠慮してもらって、近くのよごしてもいい地域で楽しんでもらいたい。その意味で、あの山は守りたい。 長野県議会が十年くらい前にきめたものをいまさらやめられないというお話ですが、すべて行政というものは時代とともに変わってまいります。十年前のものの考え方がいま通用するはずがない。ことにいまの自然を守るという日本の行政は、この数年大きく変わってまいりました。私は、急角度に変わらなければならないと思います。そういうときに、十年前に計画したものを、何でもかんでも通さなければならないというのは間違いだと思います。時代の進歩に即応して正しいあり方に変えることが、国の政治はもちろん、地方議会におきましても大事なことではなかろうかと考えておる次第でございます。
○委員長(加藤シヅエ君) 長官の御発言によりまして、いままで長官が自然環境保全のために非常に勇気を持ってこれに対処なさっていらっしゃいましたが、今後ともさらに深い御理解と勇気を持って対処しようという御所見と承りまして、私も深い敬意を表したいと思います。ありがとうございました。
○小平芳平君 私も、長官のいまの御発言に非常に敬意を表する次第でございます。 といいますのは、私は、長野県の山で育ちまして、少年時代に遠足や旅行で行った当時とは打って変わった、ここまで自然というものは破壊されるものかと、あ然とするような場面がたくさんございました、今回の視察におきましても。したがいまして、一たん破壊された自然というものはもとへ戻らない。また、もとに戻すにしても容易なことではないというような点、長官の御発言に全く同感でございます。 いま、環境庁から二人の方が現地視察においでになっていらっしゃるということですが、長官も、できたらひとつ現地へおいでいただいて——先ほどの御答弁の中には、残念ながら残念ながらと、たいへんに何回もおっしゃったのですが、長官が、きわめて残念な状態にあるという、いまの御趣旨をひとつ地元の人にもよくお伝えしていただきたい。私たちとしまして、国会として地方議会に対しいますぐどうこうということはちょっとかど違いでどうかと思いますが、行政上の問題としまして、長官のいまの御意見をぜひ地元の多くの人に伝えていただきたい。また長官も直接ごらんになっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(大石武一君) ただいま御激励をいただきまして、非常に感謝いたします。 私も、美ケ原は一ぺん見に参りたいと決意いたしております。近いうちに、あまり騒ぎませんで、こっそり参りまして十分に見て、またその自然を楽しんでまいりたいと思っております。
○小平芳平君 次に、もう一つで終わりますが、午前中委員長から報告がありましたように、佐久市におきまして農薬眼病というのがございます。これは佐久の市立浅間総合病院というその病院の研究では、有機燐の農薬が原因だということを事こまかに発表しておられるわけです。また、大阪、九州等からも同じ例があるという報告がなされているわけですが、長野県の教育委員会の委託を受けて県のほうでやった調査の結果では、これは農薬じゃないと、これはもう県下全般の調査をした結果から見れば、県下どこにもある子供の眼病であって別に有機燐じゃないという全く相反する二つの意見を私たちは伺ったわけです。ここでもって、はたして農薬による子供の眼病であるかないかという点については、これは医学上の問題として医学の研究に待つよりほかにないと思います。思いますが、いずれにしましても、午前中の報告にもありましたように、数カ月の治療を受ければなおると報告しているわけです。この浅間総合病院の研究によりますと、これは全国どこにもあることであって、こうした子供の視野狭窄あるいは屈折異常、そういうものは数カ月の治療で完全になおすことができるのだということもあわせて発表しておられるわけです。ところが、問題は、小学生が多いのですが、自己負担が月に四、五千円もかかる。したがって、その負担がたいへんなので、途中で治療をやめる者が出ているということも浅間総合病院で報告しております。したがいまして、はたして農薬眼病であるかないか、それは医学上の研究を待つだけですが、それが一つと、もう一つは、こうした自己負担についてはイタイイタイ病あるいは水俣病のときにはっきり公害病としての指定がある前に、研究費として国が幾らかのお金を渡しまして、そうして患者の自己負担を立てかえてやった例があるわけです。したがいまして、この際そうした長野県において二つに意見が相分かれているときに、すぐそれを公害に対する研究費の対象として取り上げるかどうか、いまここで決定は無理かもしれませんが、そういう方向で取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(大石武一君) この長野県の子供の眼病につきましては、厚生省時代から奇病としてこれを取り扱いまして研究いたしておるのでございます。ただいま小平委員の話を承りまして、数カ月で治療すればなおるという話を聞いて私うれしくなりました。私は、まずたいへんな病気で、なおらない病気でありはしないか、知らないもので、そう思っておった。ただいまのお話を聞いて非常に安心したわけでございます。そのように、なおるものならどんなことがあってもこれは治療してやらなければならないと思います。そういう意味で、いま環境庁におけるその費用の関係はどうなっているか、私、よくわかりませんけれども、お話のようにできるならば、どの役所の所管であろうと、これが手当が十分受けられるように、そのように措置を講じなければならないと思います。そういうことで一生懸命に検討いたしまして、できるだけ御期待に沿うような措置をとってまいりたいと考えております。
○寺本広作君 午前中、長官にはお出ましいただけませんでしたが、当委員会から公害の実情調査に派遣されました私ども第二班でございます。私から報告申し上げ、杉原理事から質問がございました。それに関連して一つだけ私からお伺いしておきたいと存じます。 私どもは、秋田と岩手の鉱山の公害を中心にして調査してまいりました。その中で、現在まだ片づいておらず、将来もなかなか片づく見込みがないと思って見てまいりましたのは松尾鉱山、北上川の水質保全の問題でございます。松尾鉱山は、御承知のとおり、石油精製工場の脱硫装置によって滅ぼされた、こう言われておりますが、行ってみますと、あすこで硫黄製錬をやめた結果、あの八幡平の中腹のところのアオモリトドマツとか、あういう木がほとんど枯死しておる。枯損寸前にあったものは、硫黄製錬を中止してからだいぶ息を吹き返していると思って見てまいりました。脱硫装置は石油精製工場の付近の大気をきれいにしただけでなく、ああいう硫黄鉱山によって滅ぼされかかった自然を回復する非常に威力のある公害防止の装置だったなと思って感心して見てまいったわけでございます。 ただ、あの鉱山から出ます強酸性の水だけは非常に処置に困っているようでございます。鉱山保安局から代執行で水の漏れている坑道を閉塞されたということでございましたが、今日なお水はほかのところからとうとうと流れております。あるいは三十センチぐらいの土管から音を立ててたくさんの水が流れ出ている状況でございます。そのごく一部は貯水池に入れて炭カルを入れて中和して川に流しておりますけれども、大部分の水は生のまま川に流れているというのが実情でございます。一応鉱山保安局としても、鉱山としてもやることはやってるのです。しかし、それではちっとも本質的な問題の解決になっておらぬと思って拝見してまいりました。鉱山側の説明を聞きますと、閉山したあとの会社の生産額は月三千万円くらいで、いまごく一部分申しわけ程度にやっている、炭カルの中和の装置の運営に六百万は金がかかるということだそうでございまして、まあとてもあの会社に多くを求めても鉱山から出る水の処理は、これは完全にすることは不可能だと見てまいりました。 松尾村の当局並びに鉱山側の希望を聞いておりますと、何とかあの辺にある沼とか川の水が地下水になって鉱区に流れ込む前に地下水を抜き取ってくれという注文でございました。地すべりなどの場合に地下水を抜く例がありますから、あるいはそういうこともできるのじゃなかろうかと思い思い県庁に行って、岩手県庁で話を聞いてみますと、根本的ないい対案がないから、来年は県と通産省、建設省三者で根本的な対策を見つけるための共同調査をしたいということで、国に予算を要求してあるということでございました。どこに要求してありますかと聞きますと、建設省の河川局だということでございます。河川局のどこに何という費目で要求してありますかと聞いてみますと、費目は立ててない、予算が取れたら配分の際考えるということだそうです。説明したのはあそこの副知事で、あの人はだしか大蔵省の主計官か何かやっておられた人で間違いないと思いますが、話を聞いてみて、非常に問題の扱いが軽く扱われておるなという感じでございます。 そこで、まあ建設省からみえてくださっている方に、どういうところに幾らくらい予算が要求してあるのかということが一つ。それからその予算要求される際、環境庁並びに通産省の鉱山保安局のほうには協議というか、御連絡、そんなものがあったのかどうか、ちょっとその点をお教えいただきたいのでございます。
○説明員(宮崎明君) お答えいたします。ただいまの件につきましては、ことしの春ごろ、岩手県のほうからそういう要望がございまして、今年度の予算、私ども、河川総合開発事業調査費と言っておりますが、北上川に配分しております四百万円の調査費の中からさいていろいろ調査をしようということで考えておるわけでございます。 来年度の要求につきましては、柱を立てるということは、いままでの例もございませんし、群馬県の須川のこれも強酸性のあれですが、そういう調査も一応河川総合開発事業の調査費の中で、それぞれ個々の地区に予算をつけてやっていくという方法をとっております。金の額はちょっと覚えておりませんけれども、全体として数億円の全国調査費を持っております。今年度も、先ほども申しましたように、北上川に四百万円つけているわけです。来年度はできるだけ増額しまして、先ほどお話ありましたように、県と通産省当局等と一緒になりまして共同調査をするということで、何か話し合いが進んでおるように聞いております。それから通産省のほうとの協議は特段いたしておりません。
○寺本広作君 本年度の調査費が四百万円、来年度は幾らか増額したいということであります。御説明によると、こういう柱を立てるということは前例がないからということでございますが、先ほど長官からお話がありましたように、刻々と社会情勢が変わり、行政の要請も変わりつつある。十年前にきめましたことでも、公害関係の問題については、刻々と改めていくべきものがあるというお話で、私は、そのとおりだと思って伺っておりました。こういう問題でも、やはり北上川の水質保全の問題は相当大きな問題ではないかと思います。私どもは、ちょうど盛岡の少し上流のところの北上川を実際に横切ってみたわけですが、水は茶褐色によごれておりますし、川原の小石は赤くなっておるというような状況でございます。石川啄木にうたわれたときの北上川にほど遠いというのは、岩手県人のただ郷愁であるといって見過ごすわけにはいかぬ大きな問題だと思ってまいりました。こういう問題については、建設省が川の主管の役所ではございますが、やはりこういうところまでくると、県庁は建設省にかけ込んだかもしれませんけれども、環境庁がやはり発言なさって、こういう予算を確保してあげるということが非常に大事ではなかろうかと思います。出張先で聞いた話でございますけれども、これは相当大きな問題だ。こういう予算について通産省ともあまり連絡をされない、中央の段階で。出先では連絡をしておられるようでございますけれども、予算要求の問題ということになれば、やはり通産省、環境庁が御連絡の上で、環境庁長官の記憶にとめていただきまして何とか——どこに入っておるかわからぬようなわずかな予算ではございますけれども、問題は大きな問題でございますから、ぜひ予算の具体化、予算折衝の最終段階では環境庁からお口添えいただいて、そういう予算が大きく伸びていただくように御配意いただけるならばと思って御意見伺いたいと存ずるわけでございます。
○国務大臣(大石武一君) 非常にありがたい御意見でございます。われわれは、常に各省庁と緊密に連絡をいたしまして、実は予算の調整もいたしておるわけでございますが、すでに八月一ぱいで来年度の概算の要求を大蔵省に出しておるわけでございます。その中で建設省との割合がずいぶん、一千億以上——いまの調整の額は一千億以上あるように思っておりますけれども、その中に柱があるかどうか、局長からあとお答えいたしたいと思いますが、柱がないかもしれません。建設省にそのようにお考えいただいて、調査費の中から出そうとお考えならば、あるいは一つ柱として出てきておらないかもしれませんですが、いまお話がありましたように、われわれも、十分に建設省と連絡をいたしまして、十分に対策を立て得るに役立つような予算をできるだけ要求するように調整し、協力してまいりたいと、こう考えております。
○委員長(加藤シヅエ君) では、派遣委員の報告に関する件は、以上をもって終了いたします。 —————————————
○委員長(加藤シヅエ君) 次に、公害対策樹立に関する件を議題といたします。質疑のある方は、順次御発言願います。
○小平芳平君 次の私の取り上げます問題も、長官から率直なお答えをいただけば、ほんのもうわずかの時間で終わるわけですが、よろしくお願いします。 水俣病の救済につきましては、四十六年八月七日に環境庁事務次官の通知が出ておりますが、これは関係の県へいったわけでしょうね。「公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法の認定について」の通知となっておりますね。この関係の県に出されました通知は、簡単に申しますと、水俣病として認定の対象を広く考えてほしい、有機水銀の影響によるものであることを否定し得ない場合、とにかく有機水銀の影響というものが否定し得ない場合は認定の対象に入れるようにというような趣旨の通知と私は承っておるわけですが、同じようにイタイイタイ病につきましても、イタイイタイ病の軽症患者もカドミウムによる影響によるものであることを否定し得ない場合は救済の対象に入れるようにという通知を出していただくことが必要じゃないかと思いますが、いががでしょうか。
○国務大臣(大石武一君) それはみんなひっくるめましてそのような考えでこの通知を出しておるわけでございます。イタイイタイ病も水俣病と同じように、公害病につきましては同じような考えでその通知を出したわけであります。
○小平芳平君 この文面では有機水銀、有機水銀と盛んに出てまいりますが、これはカドミウムの関係の県にも出しておりますか。
○説明員(船後正道君) 八月の初めに出しましたのは、一つは水俣病にかかる裁決書、いまひとつは同時に事務次官通知でございます。裁決書のほうは、すべて水俣病にかかわるものでございますから、原因物質につきましても有機水銀という表現をいたしておりますが、事務次官通知のほうは、その裁決を出しました機会に、あらためて救済法の趣旨とするところを都道府県知事に通達したものでございまして、これは水俣病のみならず、すべての公害病を対象にした通知でございます。
○小平芳平君 大体了解しました。 次に、第二点としまして、鉱山や製錬所があるその町、大体神岡とかあるいは足尾町とか、そういう町では、非常に公害病だということをいやがるわけです。うっかり会社の批判でもしたら、あるいは過去において会社はこんなひどいことをしたからと言ったら最後、もう外も歩けないというような状態にあります。でありますが、私がいま直接申し上げるのは、これは岐阜県の神岡町ですが、これがイタイイタイ病の本元になるわけです、神岡鉱業所があるわけですから。この神岡町におきましても非常に患者が多いということ、あそこが痛い、ここが痛いという、しかもお医者さんからははっきりした病名を言ってもらえないということを私はまざまざと何回か行って直接お会いもし、お聞きしてまいりました。二人の方が——これは名前は一切言わないことにして聞いてきたんです。一人の方は四十八歳でなくなった、一人は七十歳でなくなった婦人がいるわけです。この二人の御婦人などは、町の人からは、おたくのおばあちゃんもイタイイタイで死んでしまったねと、こう言われるわけです。しかし、病院のほうからは、四十八歳の女性の場合は、骨ガンだと言われた。骨ガンだと言われて町立病院に入院した。その前からあちらこちらが悪かったんですが、四十八歳の方は四年くらいは働けないで、病人だった。それで階段から二段ほど落ちただけで右の腕の骨が折れて入院した。骨が折れただけで入院するのもおかしいんですが、入院して半年ほどでなくなった。ところが右の骨が折れており、左の骨もとけてだめですよと、こういうふうにお医者さんから言われた。それで結局は骨ガンだということでなくなったわけです。それから七十歳でなくなった女性、この方も十年くらい手足の痛みを訴えて、そして関節リューマチということで二年ほど入院して、なくなったわけです。関節リューマチでなくなるかどうか、まあ私はお医者でないから、ちょっと見当がつかないわけですが、二年ほどしてなくなっている。こういう方はカドミウムが原因じゃなかろうかということの疑いを持つわけですが、それで——厚生省来ておられますか。 こういう場合、カルテなりあるいはレントゲン写真なりを町立病院から取り寄せて検討するということはできないですか。
○説明員(新谷鉄郎君) カルテの保管につきましては、医師法に規定がございまして、そのカルテの記載した医師の所属する病院または診療所が管理をすることを五年間義務づけられておるわけでございます。そういうことになっておりますけれども、もちろん一時貸すというようなことで外に出すということは法律上許されていないというふうには考えておりません。ただ、そういうカルテの内容を外に知らせるということにつきましては若干の問題がございまして、その一つは、医師が業務上秘密保持の義務を持っておるということで、それに触れるような問題になる場合にはそれができないというようなことも場合によってはあろうかと存じます。 それから、もちろん御質問のような場合には当てはまらないかもしれませんけれども、やはりその医療の必要上、患者に対してそのカルテの内容を全部知らせることが適当でないというふうに判断される場合もございますので、いま申し上げましたような場合に当てはまらない限りは、これはあくまで権利があるとか、義務であるとかいうことでなくて、当事者同士の話し合いでもってその内容をお知らせもするとか、あるいは一時貸し出すというようなこともあり得ると存じます。
○小平芳平君 そのあり得ることは、どこがやったらできますか。要するに、これは新聞で報道されている方は、カルテは患者のものと、国を相手に引き渡し請求をしている。この訴訟が起こされておりますですね、つい最近。こういうような方も、結局、医師のほうで渡しませんと言えばそれまでなんですか。そのいまの御答弁の「あり得る」場合は、どういう場合にそのカルテとレントゲン写真を見せるのか。カドミウムとの関係があるかないか、それを明らかにしてほしいという、それだけが私の趣旨なんです。そういう医療制度の根本問題をここで論議しようというわけじゃないんです。
○説明員(新谷鉄郎君) いま例にお引きになりましたような、カルテを引き渡せというような要求を出しておる場合に、形式上そのカルテの所有権が一体どこにあるかというようなことになりますと、これはやはりカルテの記載を義務づけられ、あるいは保管を義務づけられております医療担当者側にあるということになると思いますけれども、問題は、単に一枚のカルテの所有権がどこにあるというようなことではなくて、カルテの中身だと思うわけでございます。カルテの中身を相手方に知らせるかどうかということになるわけでございます。そういたしますと、先ほど申し上げましたような、個々にはいろいろ微妙な問題がございますので、いまの制度上患者の側に権利としてその中身を知る権利が明らかにあるというふうに考えることは非常にむずかしいと存じます。たとえばそれが裁判になったような場合に、裁判所がその権限をもってカルテを提出させるというようなことは、その法制上担保されておるわけでございますけれども、法律上できるわけでございますけれども、そうでない場合に、権利として必ず見られるということはむずかしいかと思います。しかし、逆に、その医療担当者の側で単に見られると都合が悪いから見せないというようなことは、むしろ社会常識上適当でないわけでございまして、あくまで当事者の話し合いでもって見せられる場合には見せるということになるかと存じます。
○小平芳平君 そこで、長官にお願いしたいことは、そういういま厚生省からの御答弁のような事情、カルテに対する基本的な考え方と、もう一つは、私が先ほどちょっと触れましたように、そうした鉱山の町では——とにかく三井金属鉱業神岡鉱業所ということで成り立っている一つの町であります。その町において、話し合いで、コピーをとっていただきましょうとか、あるいはじゃ三日間貸してあげましょうというようなことは非常に困難だと思うのです。私が話し合いをしたわけではないのですけれども、非常に困難がございます。したがいまして、私ができると思いますことは、環境庁にイタイイタイ病の鑑別診断班がございますが、その鑑別診断班で、そうしたどうしても遺族が疑いを持っている人、あるいは周辺の近所の人があのおばあさんもイタイイタイでなかったかという、そういう疑いを持っている人について、これは全国にそんなに大ぜいいるわけではなく、そうした鉱業所や鉱山は限定されているわけですから、そういう限定された地域におきまして、この鑑別診断班によってその調査をしていただきたい。現在残っておるのは、カルテ、レントゲン写真、それから実際診療を担当したお医者さんあるいは看病した人しかいないわけですけれども、できるだけそうした状況を調べて、そうしてカドミウムは関係なかったのです。実際は関節リューマチで間違いなかったのですとか、あるいはカドミウムが関係あったんだとかということをはっきりさせる。現在なお腰が痛い、足が立たないという人がいるわけです。あるいは指がまるで曲がってしまって見るかげもないとか、手も足も曲がってしまった人がいる。そういう人が一体カドミウムなのか、ほかの病気なのかという疑問をしろうとは持つわけであります。したがって、こうした環境庁における権威ある診断班でそうしたものを取り寄せて検討していただきたい。こういうふうに考えますが、いかがでしょうか。
○説明員(船後正道君) 御承知のように、イタイイタイ病は骨の変形とか、骨折を伴うものでございますので、現在、要観察地域におきましては、診断研究班がいろいろな診断をやっておるわけであります。幸いに現在までのところそのような患者が見つかっておりませんけれども、いま先生御指摘のように、要観察地域であろうと、あるいは要観察地域の外であろうと、地域の住民がそのような懸念を持っておるという地域がございますれば、その鑑別診断研究班による判定をいたしまして、できる限り住民の不安解消につとめてまいりたいと思いますので、県当局とも十分連絡をとってまいりたいと考えております。
○小平芳平君 要観察地域と局長言われますが、じゃ神岡はなぜ要観察地域にしませんか。検討すらなさらなかったのでしょう。要するに、要観察地域に指定したところは、初めは鉱山ですね。それから黒部、安中等は製錬所ですね。局長、そうでしょう。初めは鉱山の川の流域、そこが問題、研究対象になり、次いで製錬所周辺の地域が対象になった。そうすると、神岡は両方じゃないですか。鉱山もあれば製錬所もある。それがなぜいままで検討されていなかったのか、あるいは検討したけれども入れなかったのか、いかがですか。
○説明員(山本宣正君) 私、神岡鉱業所の付近の環境調査をたしかやったと記憶しておりますが、いま直ちにこまかい数字を記憶しておりませんので即答がしかねるのでございますが、必要がございましたならば、その地域の問題を要観察地域の指定という方向で考えてみていいのではないかと、かように存じます。私、いまその付近の環境調査をした数値を記憶しておりませんので、何ともお答えできませんですが、そういうぐあいに考えております。
○小平芳平君 何かあまりはっきりしない答弁をなさいますけれども、長官ね、長官から今後の方向さえ示してくださったら私はもういいのです。したがいまして、鑑別診断班の研究を依頼する点が一つと、それからもう一つは、ついでに長官にお尋ねして、もうこれでおしまいなんですが、健康調査でございますが、神岡町というところは山の谷合いでして、ほかの要観察地域のようなたんぼや畑はごく少ないわけですが、しかし、それでも汚染田といって本年休耕しているところが何カ所か出ているところは出ているわけです。どうもその地域は水が原因なのか、とにかく上流ですので、その上へ過去に鉱山が何か捨てたとすれば、水が原因で汚染田として休耕になったと思うのですが、あるいは安中の野殿地区のように、排煙が原因なのか、その辺ちょっとわれわれ判断がつきかねるわけですが、したがいまして、第二点といたしましては健康調査をやっていただきたい。で、さっき鑑別診断班のほうはなくなった二人のことをあげましたが、健康調査は県が行ないましたけれども、これは製錬所周辺とはかけ離れたところをやっているんです。農村地帯の、要するに休耕したところの一部住民の健康調査を岐阜県がやったわけです。しかし、私たちが疑問に思いますのは、むしろ製錬所周辺で過去に相当煙を吸い、ガスを吸ったんじゃないか。そういうところに四十年、五十年、六十年生活をしてきた方々が、はたしてカドミウムによる健康被害を受けているかどうか、健康調査をしていただきたい。それもできたら岐阜県だけにお金を出すからやれというのではなくて、それなりのカドミウムに権威のある調査をやっていただきたいと、このように思いますが、以上二点についていかがでしょう。
○国務大臣(大石武一君) 二つの問題でございますが、お気持ちはよくわかりますが、率直に考えまして、私の意見を申し上げますと、鑑別診断班のようなものがあればまことにけっこうだと思いますけれども、これは私は役所自身でやるのはあまりふさわしくないと思います。と申しますのは、やはりいろいろな争いが出てまいりまして、おまえの診断が間違いじゃないかと別の問題が出てまいります。いろいろな争いが出てまいりますとちょっと紛糾すると思うのです。ですから、こういうものはどこがいいかちょっと具体的に言えませんが、たとえば公害の問題の紛争が起こりますと、紛争処理機関がございますが、あのような中立的な機関でこのような鑑別診断をすれば一番望ましいのではなかろうかと思いますが、実態はやはりそこの病院がしかるべき正しい筋をもって、カルテを見たかったり、レントゲン写真を見たかったら見せるべきだと思います。当然の医者の義務だと思います。見せてならないのは患者に対して非常な診察上の不利を与えるとか、あるいは悪事に利用されるという場合には見せてならない。そういう秘密漏洩を防止する義務はございますけれども、それが正しいことに役立つならば、私は、見せるべきだと思いますし、そのくらいの雅量を医者も持ってもいいと思いますし、また同時に、そのようなしかるべき筋を通じましてそのカルテ、レントゲン写真を見ることは困難ではないのじゃないかと常識的には思う次第でございます。 それからもう一つの地域の健康調査、これは必要だと思いますが、金をやるかやらないか別といたしまして、やはり岐阜県の医者ではだめだからよその医師ということは、これは岐阜県に対して侮辱を与えることになります。そういうことになりますので、やはりしかるべき正しい手続を踏んで正しい健康調査が行なわれるように、岐阜県にひとつ相談をいたしたいと考える次第でございます。
○小平芳平君 私は、それでけっこうですが、長官の御答弁で。要は鑑別診断班でなくても、そうした紛争処理の機関でも、要は地元あるいは遺族が納得できる、これだけ環境庁長官が手を尽くしてくれたんだ、けれども結果こういうことなんだからというふうにしていただきたいわけです。自然環境を守ることと、もう一つ大事なことは人間の健康ですから、ひとつそこの点で手を尽くしていただきたいことと、それから健康調査も、私は、岐阜県の医者がだめだなんて言っているわけではないのですが、しかるべき専門家を入れて実施していただきたい。
○内田善利君 私、局地的なことではなはだ恐縮でございますが、福岡県の大牟田、それから北九州の大気汚染について、ぜんそく様の疾患あるいは肺気腫等で悩みながらいま治療されている、そういった方々の立場から質問したいと思いますが、ひとつこういった方々を何とかして救済するという立場から当然お願いしたいと思います。 まず第一は、大牟田地区から質問したいと思いますが、厚生省が五カ年計画で昭和四十五年から大牟田市の疫学調査をやっていらっしゃるわけですけれども、最初の一年の調査結果はどのような調査結果になっているか、まずこの点からお伺いいたしたいと思うのです。
○説明員(山本宣正君) いまのお尋ねの件でございますが、厚生省から引き継ぎまして、環境庁におきましてもばい煙影響調査をいたしております。これは四十五年度を初年度といたします五カ年計画で、ばい煙による大気汚染とその人体影響というものをやっているわけでございまして、その一端といたしまして福岡県にもその一部をしておるわけでございますが、先生御指摘の大牟田がその地域に入っているかどうか、ちょっと四十五年度の調査につきましては、その分析の最中でございますので、私、まだその地域につきまして十分存じておりません。
○内田善利君 発表されなければ発表されないでけっこうですが、それでは大気汚染のほうから質問していきますと、大牟田全域にわたって亜硫酸ガスの濃度が非常に環境基準をこえておるわけですが、私のほうから申し上げますと、中友小学校で昭和四十六年の最近のデータでは平均が〇・〇五一PPM、最高が〇・六五PPM、それから上官校区ですけれども、ここは七浦町の公民館でデータが平均〇・〇四七PPM、最高が〇・四〇PPM、それから三川公民館のほうでは平均が〇・○三八〇PPM、最高が〇・五四PPM、このデータを公害被害の地区に指定されております四日市と比較してみますと、これは公害白書にも出ておるわけですけれども、四日市のほうは年平均のPPMでSo2が六カ所データが出ておりますが、〇・〇三七、〇・〇二〇、〇・〇五一、〇・〇四四、〇・〇五〇、それと〇・〇三二。大牟田のほうは商業地区が二カ所、住居地区が一カ所、計三カ所出ておりますが、これは〇・〇五二、〇・〇五一、〇・〇五七と、四十四年度ですけれども、非常に年平均の硫黄酸化物の平均値をとってみましても、あのひどい四日市よりも全部上回っておるわけですね。それからほかのほうのデータは省きますが、緊急時の発生頻度、日数、これも四日市のほうは十五、二、一、三十四、二十六、二となっておりますが、大牟田のほうは三十四、九、五というふうに非常に多いわけですね。こういった亜硫酸ガスの環境基準をこえた状況などを見ましても、あるいは四十四年度と四十五年度を大牟田地区で比較してみましても、これは県の報告ですけれども、大牟田市役所のところと三川支所と三池工高の分ですが、昭和四十四年は〇・〇四四、昭和四十五年は〇・〇五二と基準をこえておりますし、みな平均値ですけれども、三川支所のほうが〇・〇四八だったのが昭和四十五年〇.〇五六。三池工高でも、これは四十四年が〇.〇五六、〇・〇五五と、非常に年間平均濃度の環境基準〇・〇五PPMをこしておると、こういう状況でございますが、こういった点から、非常に大牟田地区は大気が汚染されている、このように思うわけです。したがいまして、疫学調査も行なわれていると、こう思うのですけれども、いまの四日市よりもこんなにひどい状態にありますが、まだ疫学調査が終わっていないという状況ですけれども、私は、いまの特に横須地区方面ですね、あの工場の近辺。昨年、私たちが当委員会から視察に委員派遣で行きましたときにも、横須あるいは新地のアパートの方々の陳情を受けたわけですが、また病院の先生からも陳情を受けたわけですが、非常にぜんそく様疾患がひどいわけです。こういったことに対して、環境庁としてはどのように考えておるのか、まず御説明を願いたいと思うのです。
○説明員(山本宣正君) ただいま四日市の現状と大牟田の現状と御比較いただきましたけれども、四日市は、かつて指定する以前におきます汚染は、今日の大牟田以上に悪かったわけでございます。その後指定をして医療の救済の対象にしておりますが、最近では四日市は下がってきたということでございます。大牟田につきましては、先生御指摘のような数値が見られております。私ども市当局あるいは県からもデータを収集して存じております。なお横須工場の南側の魚市場の付近のところで非常に局地的に汚染が高いということにつきまして、たしか四十五年からことしにかけましての半年間のデータで非常に異常な高さが出ておるのも私現地を見てきているわけですが、この地域の健康調査は市がすでにやっておられておりますが、そのデータは最終的には私手にしておりません。大気汚染による救済地域の指定につきましては、それぞれの地域の従来の汚染度の環境基準をこえているようなところを当然順次調査をいたしまして指定していくという方法をとっておるわけでございます。大牟田につきましても、これは十分地元の市及び県とも協議して、今後の問題は考えてまいりたい、かように考えておるわけであります。
○内田善利君 今後の問題として考えていきたいということですが、現に昭和四十二年から汚染状況ひどいわけです。四日市の非常によくなったところで比較して悪かったかもしれませんが、悪い状況の四日市と比較すればよかったのかもしれませんが、公害白書を見ながら比較しましたので……。とにかく大牟田市は昭和四十二年から三、四、五、六とデータ出ておりますが、ほとんど〇・ ○五PPMをこしておるわけです。いま横須地区の魚市場のデータの話がありましたが、たとえば四十五年の九月は〇・〇五PPM以上、すなわち環境基準をこえた時間が八時間、九時間、十一時間と継続しているわけですね。それから四十五年の十月、〇・〇五PPM以上になったのが八時間あるいは十時間が一回ずつあります。四十五年の十一月には〇・〇五PPM以上をこしてずっと継続した時間が十五時間以上というのが一回あります。それから四十五年の十二月に同じく三十八時間、ずっと環境基準をこえておった時間が三十八時間、そういうふうに非常に汚染されておるわけで、特に最高値は〇・五四二PPM、こういうことも魚市場、それから学校のある中友小学校ではもう十倍という〇・五四二PPMというような状況にもすでになっているわけです。どうもお答えを聞いておると、将来検討してきめたいということのように思うわけですけれども、浮遊粉じんの状況もほかのところに比較してみましたけれども、非常に浮遊粉じんもその状況がひどいわけです。先ほども申しました七浦町というところでは、月に一平方メートル当たり四十五トン〇一、四十五トンもの粉じんが降下しておる、こういう状況なんですね。工業地域の平均が三十一・七七トン、商業地域で十八・七〇トン、住居地域で十七二二九トンというふうに非常に多い。さっき言いました四十五・〇一トンというのは平均値ですが、具体的には昭和四十五年の三月で七十六・六八トンというような非常にひどい降下ばいじんが降っているわけですね。こういう中で住民は生活しているわけです。そうしてその中で、先ほど申しましたように、ぜんそく様の疾患あるいは肺気腫というような、新地のアパートなどは軒並みにそういう患者がおる、こういう実情にあるわけです。こういうところを私は一日も早く調査して指定地域にしていただきたい、このように思うんですけれども、いかがでしょうか。
○説明員(山本宣正君) ただいま先生から御指摘ございましたように、降下ばいじんの量が大牟田市で測定されておるのは私も伺っておりますが、ひとつ御存じいただきたいことは、大気汚染による人体影響のありますものは硫黄酸化物とそれに浮遊粉じん、特に十ミクロン前後の浮遊粉じんが特に影響があるということでございまして、降下ばいじんというのは、むしろ私どもの生活環境のいわゆる洗たく物がよごれるとかいうようなことに影響するものと考えられております。そういう意味で、浮遊粉じんと硫黄酸化物につきましてのデータというものは、非常に健康影響に重要な指標だと私は考えております。降下ばいじんにつきましては、若干、健康影響につきましては少し指標としては違うんではないかと私思います。それから先ほど申し上げましたように、大牟田市におきます硫黄酸化物の汚染度というのが最近になりましてかなりひどくなってきたということは、私も十分見ておるわけでございます。カドミウムの要観察地域の指定のときに私も現地を見まして、これらの観測点もそれぞれ見てきたわけでございますが、市当局並びに県当局とも十分協議をしてまいりませんと、この指定の問題にはいろいろな調査等を必要といたしますので、先ほどお答え申し上げましたように、県市と十分これから協議して今後の方向をきめたいと、こういうことでございますので御了承いただきたいと思います。
○内田善利君 降下ばいじんが多ければ浮遊粉じんが多いことはもう当然なんです。したがって、降下ばいじんを一つ例にとったんですけれども、降下ばいじんと浮遊粉じんは、十ミクロン以下、これがもう呼吸器に入っていくわけですけれども、この浮遊粉じんについても、あなたもデータを御存じと思いますけれども、非常に多いんですよ。 それじゃ浮遊粉じんについて申し上げますが、四十四年九月の調査では、これは大牟田ですが、カドミウムが一・四九マイクログラム・パー・立方メートル、銅が一・二七マイクログラム・パー・立方メートル、鉛が十四・六五マイクログラム・パー・立方メートル、鉄が二七・八二、マンガンが〇・七七、クロムが〇・〇五と、こういう実情で、この公害白書によりましても、これは昭和四十四年の調査ですけれども、名古屋と北九州、大牟田と比較してみますと、名古屋の二百四十五マイクログラム・パー・立方メートルに対して北九州が二百七十九・二と、やはり多いわけです。そしてベリリウムは、名古屋が〇・〇〇一マイクログラム・パー・立方メートル以下、大牟田は〇・〇〇二以下。それからバナジウムが、名古屋が〇・〇四九、大牟田が〇・〇一三。クロムが名古屋が〇・〇五で、大牟田が〇・一二。マンガンが名古屋が〇・六で、大牟田が〇・一九。鉄が名古屋が七・〇九で、大牟田が四・六。ニッケルが名古屋が〇・一一で、大牟田が〇・七以下。コバルトが名古屋が〇・〇〇八以下。それから大牟田はチタンが出ておりまして、〇・一七三。それから亜鉛が名古屋が二・三二で、大牟田が三・七。鉛が名古屋が〇・八四で、大牟田が〇・九八と。こういうふうに、浮遊粉じんにしても、名古屋と大牟田あるいは北九州は全然変わらない、むしろ多いと、そういう実情なんです。降下ばいじんは関係ないということですけれども、降下ばいじんが多いということは、浮遊粉じんも多いということなんです。これだけ知っていただきたいと思います。この中の十ミクロン以下の小さい粒が肺の中に入っていくことも悪いわけです。その浮遊粉じんの重金属の分析状態を見ても、こんなに多いわけです。環境庁のほうで疫学調査の結果を発表なさらないから、私は、こっちのほうのデータをあげて、よそよりも多いと。だから何とか——大牟田全市というわけにはまいりませんでしょうが、いま、こういったぜんそく様疾患あるいは肺気腫等で悩んでいる人たちを早く調査をして、指定地域にしていく気持ちはないのかどうか、どうでしょう、環境庁長官。
○国務大臣(大石武一君) いま、大牟田が非常に大気汚染の状況が進んでまいりましたということは、おっしゃるとおりでございます。われわれもこのことを考えまして、いろいろのことを講じてまいらなければなりませんけれども、第一番目には、何としてもこのような大気汚染をなくすことが大事でございます。そういう意味では、近くこの地区も公害防止計画の中に入れまして、それの根本的な対策をつくってまいることをいま考えて、調査しているわけでございますが、さらに、その前にやらなきゃならぬことは、おっしゃるとおり、被害者、たとえば公害病患者の発生についてのいろいろな救済措置であろうと思います。これにつきましては、御承知のように、いろんな大気の汚染の状況と、それから慢性呼吸器疾患の有症率の多いということが一つの地区規制の基準になるわけでございます。そういうものをいま県当局にお願いをして調査いたして、間もなくそのような報告が参ると思います。そういうことで、われわれは来年度の基礎的な調査をやる地区に入れまして、そのような方向に出るように、いま予算を要求いたしておるわけでございますが、何とかして御期待に沿い得るように、実態に沿い得るように、ひとつそのような措置をとってまいりたいと考えておるわけでございます。
○内田善利君 それと、いま降下ばいじんあるいは浮遊粉じんが話題になったわけですが、浮遊粉じんにしても、降下ばいじんにしても、環境基準がないわけですね。ですから、もうこの浮遊粉じんの中の重金属の量は、一年前、二年前、三年前からしますと、もうエスカレートをしているように多くなっているように思うわけです。下のほう、流れるほうを押えれば上から出てくる。上から出てくるのを押えれば下から出す、こういう実情を私は感ずるわけですけれども、やはり排水のほうをしっかり規制するならば、そうして環境基準をきめたならば、今度は煙突のほうも、外に出る、大気のほうに出すほうも——排出基準は今度きめられたわけですけれども、環境基準も的確に基準を決定すべきじゃないかと、このように思うのです。そして測定方法をきちっときめて、環境基準を保持していく。そういうふうにしないと、ここだけ抜けておりますから、やはりこっちのほうにどんどん出てくるという傾向を私は感ずるわけですが、この浮遊粉じんあるいは降下ばいじんについても、できるだけ早く環境基準を決定していただきたいと、このように思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(大石武一君) 全くお説のとおりであります。われわれとしても、そのようなことにいたすべく、いま粉じんにつきましてもいろいろと研究いたしております。これは厚生省時代から特別の委員会をつくりまして、その専門委員会の報告も受けているわけでございます。これらを基礎といたしまして、できるだけ早い機会に環境基準をつくってまいりたいと考えております。
○内田善利君 それから少し排水のほうにも触れてみたいと思うのですが、大牟田水域は、ことしの八月、全国の水質総点検の結果が発表になったわけですが、これも旧水質保全法によりまして環境基準が決定され、また、公害法によって排出規制をされたわけですが、この八月の環境庁から発表された内容を見ますと、非常にひどいわけですね。一向によくならないということを感ずるわけですが、特に、大牟田川の場合は、自然の流量といいますか、これが非常に少なくて、工場排水が何万トンと流れておるような実情で、排出規制と環境基準との関係が大体十倍ぐらいになっている関係ということらしいんですけれども、非常に大牟田の場合は特別な関係にあるように思うんですけれども、これに対する対策はどのように考えておられますか。
○説明員(岡安誠君) お話のとおり、大牟田地区の河川につきましては、特にやはり流量が少ないということもございまして、非常に水質が悪くなっているわけでございます。私どもは、県とも相談をいたしまして、できればやはりそういう水量、流量が少ないという実情に相応するような排水規制の強化ということをはかってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○内田善利君 それから有明海・大牟田海域のヘドロですけれども、底質、これが福岡県衛生部でことしの一月から二月にかけて試料を採取して出された結果は、シアンが四〇・〇PPM。有機燐が三・九。カドミウムが二四四・四あるいは二六一・七、あるいは二〇〇・五。鉛が四二一・七、四九六・○、二三九・八。それから砒素も二〇八・七、一一〇・四、九七・四。トータル水銀で三二・四八とか二六・三四。トータルクロムで一二九・九あるいは九二・〇、あるいは七〇・四。このように非常にヘドロも汚染されているわけですが、これに対する対策はどのように考えられておりますか、県がやることだと思いますけれども。
○説明員(岡安誠君) ヘドロにつきましての現状は、先ほどお話がございましたとおり、総点検いたしまして、公表をいたしたわけでございますが、私ども、大牟田港の底質というものは非常に汚染されているというふうに考えておるわけでございます。 対策は二、三あると思っておりますが、その一つは、やはり今後さらにそういう底質の汚染の進行をとめるということではなかろうかというふうに考えておりまして、それにはやはり先ほど申し上げましたとおり、排水規制につきましては、さらにきびしい指導をするということによりまして、今後急速に底質が汚染されないように措置できるのではなかろうかというふうに考えております。さらには、やはり根本的な対策といたしましては、しゅんせつということも考えなければならないというように思っておりますが、実は、これは運輸省におきましていろいろ従来検討をしてまいっております。特に運輸省は、まず港湾機能の維持確保というためのしゅんせつを検討いたしたのでございますけれども、そのしゅんせつをいたしましたヘドロの捨て場所というようなことにつきまして、二次汚染を避けるということでいろいろと問題があるようでございます。そこで、なお検討中ということでございますけれども、われわれといたしましては、運輸省とも相談いたしまして、そういうような根本対策にもできるだけ早く手をつけたい、そのように考えておるわけでございます。
○内田善利君 このヘドロについても環境基準を設定されるようにずっと前から言い続けておりますが、これはやはり問題があるわけですか。
○説明員(岡安誠君) 公害の基本法によりますと、必ずしも、ヘドロといいますか、底質につきまして環境基準をつくるというふうになっておらないのでございますけれども、これは必要がないということよりも、早急につくるのは困難ではなかろうかという趣旨だと私ども理解をしたしております。 そこで、私どもは、来年度におきまして、できれば底質に含まれます有害物質と、それからその有害物質が水質に及ぼします影響等のメカニズムにつきましてぜひ研究調査をいたしまして、できれば、環境基準ということは困難かもしれませんけれども、行政措置の指標になるようなものが得られればというふうに考えておる次第でございます。
○内田善利君 もう一つは、北九州ですけれども、北九州も、この大気の状況は、先ほど大牟田の場合に申し上げたと同じで、特に戸畑、若松、八幡区が亜硫酸ガスの汚染度がひどいわけですが、特に戸畑、若松のほうで環境基準の〇・〇五PPMをオーバーしておるわけですが、それと浮遊粉じんにつきましても同じで、名古屋、大牟田と同じように北九州も浮遊粉じんの量が非常に多い。特に八幡地区の城山小学校は、四十四年では降下ばいじんが最高八十四トンも降りておる。こういう状況で、非常に城山小学校付近は汚染度がひどいわけです。そういった中にあって、これも疫学調査はどういうふうになっているのか。北九州市学童喘息様疾患調査協議会というのが四十四年度と四十五年度引き続き調査しておるわけですが、これは簡単に申し上げますと、小学校で定型ぜんそく重症、軽症合わして、九十七校を対象として調査して、九万四千八十九人対象として調査したわけですが、そのうちの千二百四十四名、一・六七%なんですね。それが四十五年度では、百二十二校、九万四千八百八十一名対象にしまして千六百人、一・八二%になっておるわけです。この昨年の一・六七%というのは、これも四日市に比べますと、四日市は〇・九三%、それから東京都の場合が一・一九%、これに対して北九州は一・六七%、四十五年度は一・八二%にふえておるわけです。それと非定型が四十四年度は九百九十九人で一・三四%、これが昭和四十五年度になりますと二・〇二%とふえておると、そういう状況で、こまかく申しませんが、そのように学童の調査によっても四日市あるいは東京都と比べて非常に多い。成人のそういった調査は知りませんが、学童の調査によると、こういう結果が出ておる。そういうことで、これは北九州も大牟田も同じですけれども、特に北九州の場合は八幡、戸畑、若松地区が硫黄酸化物の量も〇・〇五の環境基準をこえているし、またこういった調査によりましても、非常にぜんそく様疾患が多い。こういうことから、私は再度申しますけれども、一日も早く健康被害法による指定地域にしていただいて、苦しんでいる人たちを救うような措置をとっていただきたいと、そのように思うわけですが、環境庁長官、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(大石武一君) いまお話のように、北九州市につきましても、ことに戸畑、八幡、若松地区でございますが、そういう地区につきましては、明年度に基礎調査ができますように、いま予算を要求しておるのでございます。
○内田善利君 明年度基礎調査といいますと、結局、来年、再来年になるわけですが、こういった健康被害の調査はうんと予算を組んで、一挙にひとつやっていただきたいと、そのように思うわけです。今年の被害者救済の予算を見ましても、昨年来は五千六百二十五万六千円、本年度は六千五百八十八万二千円で、プラス九百万円なんですね。これでは、こういった苦しんでいる被害者を救済することはできないんじゃないかと、そのように非常に強く感ずるわけですが、もっと予算をふやして、一挙にこういった被害地区の——局部的でもけっこうです。大牟田市全市とか、北九州市全市とは要求しません。あの大牟田では中友小学校の近辺、北九州では城山小学校の近辺ですね。非常に降下ばいじん、浮遊粉じんの多い、またSO2の環境基準をこしている、そういった中で生活をしている被害者、そういう人たちを早急に救済するような措置をとっていただくように、まだ概算要求のところですから、ぜひひとつ早くこういった方々を救済していただきたい。もちろん発生源対策は講じなきゃなりませんが、発生源対策も、この予算を見ますと、非常に少ないように私は思うわけですが、特に東京都などの公害予算、予防対策が十カ年計画でやっておりますが、これに比べたら微々たるものを感ずるわけです。特に、私は、被害者救済ということから、そういった予算措置をしていただいて、特に大牟田の——繰り返しますが、中友小学校地区の周辺、それから北九州では城山小学校の周辺の被害者を救済していただくよりにお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(大石武一君) 御趣旨は、まことにごもっともでございます。御趣旨に沿うように努力してまいります。 ただ、救済法関係の予算はだいぶ少ないので、まことに大きな覇もできないわけでございますが、来年度はできるだけ多くの予算を獲得するようにいま努力しております。とりあえず来年度われわれが要求しておる予算は、被害者の救済措置費用が本年度は六千六百万円でございましたが、これを明年度はその三倍にいたしまして、二億一千万円の要求をいたしております。そしてできるだけ被害者の、被害患者が多くありましてもだいじょうぶのように、また同時に、これらのいろいろな手当てをさらに条件をよくしまして、増加いたしてまいる方針でこの予算を組んでおるわけでございます。 さらに基礎調査費といたしましては、いま申し上げましたように、大牟田、北九州市を入れまして大体六地区分二千二百万円を要求いたしまして、昨年度の倍の地域でございますが、そのような方向で御期待に沿うように努力してまいりたいと考えております。
○内田善利君 ひとつよろしくお願いしたいと思います。 それと水質の件でございますけれども、県に六月二十四日から委譲されておりますし、さらには、いままで指定地域でなかったところは、本年の十二月二十四日からいよいよ指定されて、権限が委譲されて、いよいよ新法が適用されるわけですが、私が一番心配するのは、いよいよ新法が適用されるようになったら分析技術者の問題が非常に大きくなってくるんではないか、このように心配するわけです。データに基づいていろいろ裁判が行なわれるということになりますと、技術者の養成ということが非常に肝要であり、大事なことじゃないかと思うわけですが、この技術者養成についての予算措置、これがちょっと少ないように思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○説明員(船後正道君) 先生御指摘のとおり、今後の環境庁行政を推進する上で、測定関係の技術者確保というものは非常に大きな問題でございます。この任務を持っておりますのが環境庁に付置される予定の公害研修所でございまして、法律上は、四十七年度末までに開設ということに相なっておりますので、明年度予算でこれが実現をはかるべく予算要求をいたしております。そういうことでございますので、来年度はこの研修所ができませんけれども、環境庁自体で、主として地方公務員を対象といたしまして、でき得る限り、短期にならざるを得ないと思いますけれども、地方公務員のそういった技術関係の研修をやりたい、かような予算を要求をしているところでございます。
○内田善利君 それからもう一つは、排出基準ですけれども、大分の佐伯市の興人工場のことをお聞きになっていると思いますけれども、私は、昨年からこの排出基準については排水量も考えに入れるべきじゃないかと、このように申してきたわけですが、大牟田の例を見ましても、ここは自然の流量がなくて、工場排水ばかりといってもいいくらいな排水なんですが、興人工場の場合も、水をまぜて基準に合わしたというような報道がなされておりますが、私は、排出基準をきめる場合には、排水量ということもやはり考慮に入れた上でその工場の排出基準をきめるべきではないかと、このように思うわけですが、この点は無理な面があるのかどうか、よく私にわかりませんが、排水量の多い場合あるいは少ない場合によって基準が違ってくるんじゃないかと、このように思いますが、この点はいかがでしょうか。
○説明員(岡安誠君) 御承知のとおり、現在、水質汚濁防止法によりましては、量に関係なく、水質といいますか、その水の中に含まれますいろいろ物質の量によって規制をいたしておるわけでございますけれども、おっしゃるとおり、いろいろ状況によりまして量も規制する必要があるというような場合があろうかと思います。その場合に、私どもといたしましては、できれば上乗せ基準の活用によりましてそういうような量の規制もしたらどうかというようなことを現在県のほうに指導いたしておるという実情でございます。
○内田善利君 それでは、その問題はそれで終わりまして、次に農薬のことについて簡単に二、三点質問したいと思いますが、実は農薬のことについて、特に作物の残留性農薬についてBHCあるいはDDTがことしの十月以降いよいよもう山林も散布できなくなるのですが、このBHC、DDTが現在各企業に保存されている、現在日本に保管されている量はどのぐらいあるのか、企業側が幾ら、あるいは農家保存が幾ら、この点数量をお聞きしたいと思います。
○説明員(福田秀夫君) 現時点、今日時点の数量というのがまあわからないわけでありますけれども、実は、五月一日から一般にはごく一部の山林を除きましては使えなくなったわけでございますが、その時点におきまして調査いたしました数字といたしましては、大体メーカーにありますのが四千六百トン程度と考えられます。それから流通在庫が六千八百トンぐらいあろうかと思います。合わせまして一万一千トン余あるかと思います。それから農家の在庫でございますが、これはなかなか実態の把握がむずかしいのでございますが、これはきわめて少ないものであるというふうに考えられます。
○内田善利君 いよいよ使用されなくなりますと、製造はもちろん禁止されておるわけですが、この一万一千トンというBHCあるいはDDTをどのように一体処理されるつもりなのか、その対策をお聞きしたいと思います。
○説明員(福田秀夫君) この使えなくなったものにつきましては、もちろん法によりまして使うことも売ることもできなくなったわけでございますが、この処分につきましては、これを処分することによって二次的に公害といいますか、また新しい公害源になってはならないと考えますので、安全第一ということを考えまして、安全な処分をしなければならないと考えます。しかしながら、これを科学的にうまく処分する方法があるかないか、専門家に検討していただいたわけでございますが、科学的にこれならばという、あまりいい方法もないようでございますので、この安全な処分につきましては、四月の十七日付で農政局長通達を出しまして指導いたしました。 その内容は、毒物劇物取締法の毒劇物の廃棄の基準というのがございますので、それを参考にいたしまして、おおむねそれに準ずるということにいたしまして、地下水を汚染するというようなことがないような場所、すなわち地下水が高いとか、あるいは地下水がわき出している場所、そういうところはやめるとか、あるいは飲料水源に近いところ、そういうところは避けまして、なるべく粘土質の場所に小規模の範囲で、小規模と申しますのは、大体一カ所三百キロ以下であろうというふうな小規模の単位でもって埋没をするなどの方法でもってこれを処分するというようなことを四月十七日付の通達でもって指示したわけでございます。 なお、また同時に、四月の中旬に各都道府県の主管課長、係長全員にお集まり願いましてこの問題につき討議をし、かつその徹底をはかった次第でございます。
○委員長(加藤シヅエ君) 福田課長に伺いますけれども、農家の保有量というのはわからないと、そういうお話でございますけれども、それは全然調査なさるというおつもりがないのか。また、農家でもって少しでもよけい買っておいたのや何かあれば、それをもったいないから使おうというような気持ちも起こらないとも限らないので、もし、まだ持っている者があるならば、それは農協その他の手を通じて買い戻すというのか何かの処置をとるというような御計画はないのでございましょうか。
○説明員(福田秀夫君) 昨年の臨時国会におきまして農薬取締法の改正を御審議いただき、改正になったわけでございますが、その際に、使えなくなったものは回収につとめるものとするというような条項が一つございます。そこで、農家にございますものは、まず量でございますけれども、これは実は調べようとしたわけでございますけれども、これは四十四年の秋ごろからもうBHC等の塩素剤を使うことは次第に規制をしていきましたので、四十五年のシーズンが始まる前には、もうほとんど前年度の手持ちというものはないと、ただ、実は、ことばが少し前後しましたけれども、調査しようといたしましても、中にはもうすでに封を切ってしまって使いかけの残りというようなものもあるわけなんでございます。こうしますと、BHCの袋の口を切ったものがございまして、中に白い粉が入っているといたしましても、これがBHCの残りなのか、あるいはからっぽの袋へほかのものが入ったのかということが、一度封を切られておりますと、なかなか確認ができないというようなこともございまして、そういったものなどが残っているとしますと、前の年以前に買ったものの使い残りというものが主力を占めているというようなこともございまして、なかなか量の把握がしにくかったことと、それから買ったあとで使えなくなったということがわかったものですから、使えないということで農家が返すというようなこともだいぶやったようでございます。この辺は販売業者と農家との個々の商行為でもって返したところもあるようですし、また返せなかったところもあるようでございまして、なかなかその辺の実態が複雑でございまして、的確な把握ができない。しかしながら、考えてみますと、農家が持っておりますものがかりに一袋二袋ございましても、全国の農家平均いたしましても、先ほどの量からみますというと、わずかの量であろうというふうに考えられます。それで、先ほど申しました回収につとめるものとするという条項もございますので、県に対する通達の中には、そういったものも全部農家個々と言わずに、農協の末端の指導者でございますね、病害虫防除員だとかあるいは毒物劇物取扱責任者、そういった県の職員の指導によりまして、なるべく回収をする。回収すると申しますのは、先ほど申しました小規模な範囲で埋没等の処理をする方法を研究いたしまして共同で処理をする。こういうことで、回収ということばは適切じゃないかもしれませんけれども、そういうことばに言う回収の一つであるというような、そのような指導をいたしまして、末端の指導者の指導のもとに、部落単位と申しますか、先ほど三百キロ以下と申しましたので、それをこえない小規模の範囲でもって持ち寄って処分をしてもらう、そのような指導をいたしたわけでございます。
○内田善利君 この処理方法は埋没のようですけれども、ほかに科学的な処理方法はないのかどうか。一万一千トンものBHCを埋没するとなると、地下水のないところということですけれども、そういう適当な場所があるかどうか。すでに静岡県では農薬を埋没して問題になっているわけですが、この点について聞かしてもらいたいと思います。
○説明員(福田秀夫君) 先ほど申し上げましたように大規模に埋没しようとしますと、確かに地下水その他の関係で適当な場所がなかなか得にくいというところもございますので、なるべく小規模の範囲で埋没するならばそういった埋没ができるだろうと考えたわけでございます。 で、八月十五日の調査でございますが、八月十五日、一カ月ばかり前の調査時点におきまして、大体一千八百トン余りのものが安全に処理をされたというふうに確認いたしております。その他の残りの大部分につきましても、あわてて不適当なところに処分をしますというと、やはりあとのたたりということがございますので、その処分の方法、場所等については慎重に適正な場所を選んでやる。特にあわてて急ぐよりも安全にそれを凍結させたほうがよろしいというような指導をいたしておりますので、現在、農協の倉庫あるいはメーカーの倉庫等に返品されましたものが集まって凍結されているものもございます。そのように、かなり大規模なものがまとまってありますというと、御指摘のとおり、これを埋没するということも、なかなか安全に埋没するのも困難でございますので、この辺はなお専門家に御検討願っておりますけれども、たとえばかなり量が多くなりますれば、ただ埋没するだけではなくて、相当厚いコンクリートで囲ってしまって埋没するというふうなことをすれば安心ではないかというようなことも考えておりますので、そういった方法につきまして、その予算措置等についても現在検討しているところでございます。 静岡県で起こりました問題は、これはいわゆる有機塩素系殺虫剤ではないようでございまして、プラスチンと申しまして、以前いもち病の防除剤、殺菌剤として開発されたものでございますが、これは稲にも薬害がないし、人畜に対する毒性も非常に低いということで、例の水銀剤がいもち病の防除に使われておりましたが、水銀剤をやめるために、そのかわりとして新しく取り上げられ、急激に広まったものでございますが、これがあとで野菜に薬害を生ずると申しますか、野菜が奇形になるということがわかってまいりましたので販売使用を中止したという薬でございます。これはクミアイ化学がかなり手持ちがございまして、それを自分の工場の敷地の中に埋めたということでございますが、そのことが若干付近の住民の方々から不安を持たれたという情報がございます。一部にそのときに一緒に有機塩素系殺虫剤と申しますか、BHCでございますが、BHCを含んだものが埋められたという報道もございましたけれども、調査をいたしましたところが、BHCというような、いわゆる有機塩素系殺虫剤は埋められていないということでございます。こういったプラスチンというふうな安全なものでございましても、やはりかなり大規模に及びます場合には、やはりそのような住民の不安ということを呼び起こすことになると思いますので、この辺も指導を徹底いたしまして、やはり保健所と申しますか、衛生関係の当局とよく相談した上で、すべての関係者の納得のもとに処理をしてもらうように指導していきたいと考えております。
○内田善利君 厚生省にちょっとお聞きしたいと思いますが、この算定基準、いままでは努力目標としてベータBHCは〇・一PPMだったですね、それが今度〇・一八ですか、七月に省令ですかで 〇・二PPMになったわけですけれども、非常に甘いという先ほどの米の一PPMと同じように、 〇・一PPMを目標としてきながら〇・二PPMになったということ、この点どういう理由でなったのか聞かしてもらいたいと思います。
○説明員(神林三男君) お答え申し上げます。〇・一というのは、これは私たち学問的に根拠があったというわけではございませんでして、ちょうどおととしですか、長崎で一・二八PPMという全国の最高平均値が出たということがございまして、四月に全国の課長会議を急遽開きました。そのときに全国の課長に対しまして急遽BHC、特にベーターBHCでございますが、含有量を下げてほしいというお願いをしたわけでございます。そのときに質問の中で、それではどのくらい下げたらいいだろうという質問が出ましたために、私たちこれはよく細菌学、いわゆるばい菌のほうでございますが、細菌数十万だというような場合にこれを一オーダー下げるということをよく行政で指導しておりますために、とりあえず長崎のような高いところは一オーダー下げてくれ、したがって、その一オーダー下げると大体〇・一下げるということで努力してほしいということがこの〇・一の根拠でございましたが、なお〇・二にしましたいきさつにつきましては、一応先ほども申し上げましたとおり、四十四年末以来、牛乳のBHCの残留量の実態調査を、厚生省といたしましては、やっておったわけでございますが、その結果、BHCの中の異性体のうちで、特にべーターBHCの残量が多いということが判明したわけでございます。 そこで、ベーターBHCの毒性につきましては、従来から内外にもあまり資料もございませんし、頼るべきデータという、世界的に評価し得るようなデータというものもございませんでしたから、国立衛生試験所で、サル、それからマウスを使いまして毒性試験をやったわけでございます。その毒性試験につきましては、なお試験そのものの評価につきまして、一応専門学者の意見を聴取いたしまして、さらに牛乳中の毒性試験の結果、大体一日の許容摂取量、ベーターBHCを大体どのくらいとっていいかというようなことからきめまして、その結果〇・二PPMという数値が出てまいったわけでございますが、なお、現在まで得られました毒性試験で、さらにこれからいろいろ試験も継続中でございますから、もし新しい知見が得られたならば、これはなお変えていきたいというふうに考えております。したがって、〇・二というのは、あくまでも暫定的なものでございます。今後、実態調査の結果、あるいはいろいろの新しい知見というようなものが得られましたら、これはさらに下げていきたい。また、牛乳というものは、本来こういう農薬というようなものがあるべきものではございませんから、あくまで最終的には私たちはやはりゼロに持っていきたいというふうに考えているわけでございます。
○内田善利君 農薬のことについては、また後の機会に譲りたいと思いますが、いずれにしても、このBHC、DDTは一万一千トンというばく大な量が残るわけです。処分しなければならないわけですので、その処分の方法については十分ひとつ注意をしていただくようにお願いして、私の質問を終わります。
○委員長(加藤シヅエ君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時四十四分散会 —————・—————