建設委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 50 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/09/28
会議録
○委員長(小林武君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について報告いたします。 本日、二宮文造君が委員を辞任されまして、その補欠として塩出啓典君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(小林武君) 次に、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、先般当委員会が行ないました委員派遣について各班から順次御報告を聴取いたします。 第二班新潟、富山方面。田中理事。
○田中一君 去る八月十六日から十九日までの四日間にわたって、古賀委員、村尾委員と私は、富山・新潟両県における建設事業について実情調査を行なってまいりました。 御承知のように、両県では、富山、高岡及び新潟地区が、新産業都市として指定を受け、新しい港湾の建設を中心に、臨海工業開発が進められております。また当地方は、日本海沿岸地方では、振興地域でもあります。さらに豪雪や集中豪雨など、自然災害が相次いで起こり、きわめて頻度の高い地域であります。したがって、このたびの調査の対象といたしましては、第一に、新産業都市地区並びに周辺地区における建設事業の現状について。第二に、北陸自動車道の建設をはじめおもなるバイパス事業など道路の整備の進捗状況。第三に、昭和四十四年八月水害等によって、激甚な被害を受けた地方のおもなる河川の復旧と治水事業の状況。第四に、富山県が実施している太閤山ニュータウンの建設状況。第五に、黒四ダムと立山を結ぶアルペンルートの開通に伴い、道路整備による観光開発と自然保護。この五つの問題に大体視点を置いて調査を行なったのであります。 以下、それぞれ事業の概況と地元の要望を踏まえながら若干の意見を添えて報告いたします。 まず第一に、新産業都市地区の中核をなす新港の建設と臨海工業開発についてであります。この富山、高岡並びに新潟地区には、伏木、富山、新潟港と、いずれも河口港があります。河口なるがために、ある程度の制約を受けざるを得ず、また、背後にはすでに市街地工業地が過度に開発されていて、新たな開発はほとんど不可能であります。しかも近年の海運の趨勢である船舶の大型化、さらには貨物量の飛躍的な増加という面から、これら施設の再開発もさることながら、機能施設の拡大は望めず、全く新たな視点に立って、伏木-富山両港の中間区域と、阿賀野川の東部地域に、それぞれ、掘り込み式で、新しい港が現在開さくされつつあり、すでに一部の公共埠頭が完成して開港されております。この新港の開さくの進展も、まだ容易ではなく、その背後に造成される臨海工業団地も、一部の企業を除いては、立地しておらず、造成もあまり進展していないように見受けられます。 企業の動力源である電力につきましては、両地区とも一共同火力発電所が建設中であり、また、この企業立地に見合った工業用水は、庄川水系の和田川や、阿賀野川などから確保されているということでありますが、この新市街地の開発、既成市街地での流域下水道などの整備の進行と相まって、都市用水の増大は急速に高まると考えられますので、水資源の開発については、積極的な取り組み方が必要であると考えます。 また、生産活動の動脈である道路整備については、臨港道路が両地区とも建設されて、国道八号及び七号線と接続しておりますが、その地区内においてもほとんどが未整備のままで在来道路を利用しているのが現状であります。特に富山新港の開さくによって分断されている海岸沿いに連帯する部落に対しての道路整備は、積極的に促進をはからなければなりません。道路の整備については一そうの努力が必要であります。 なお、臨海工業開発が進められている新潟地区で三百二十戸に及ぶ住宅移転の必要であることのほかに、企業立地が決定しているメイーンの中で、しかも、石油配分基地を北側に肥料コンビナート、中央埠頭を東側にして太郎代部落が現在位置に、そのまま残る計画であるということについては、非常に疑問が持たれるところであります。近年、特くに各種の公害が発生して、公害対策についての強い国民世論の高まっている中で、姑息な方法から、糊塗することがあっては、将来に必ずや禍根を残すことになるでありましょう。積極的かつ慎重に検討されるべき問題であると考えます。こうした公害対策の面から、悪臭防止、大気汚染、騒音防止、廃液防止などの防止施設については、立地する企業に対しては、県公害防止条例で厳正な規制をはかる一方、緩衝緑地などを余裕を持って設ける必要があります。いずれにしましても、この臨海工業開発の中核となっております新港の建設で、富山新港においては、水深十四メートルの公共埠頭に八万トン級の船舶を対象としており、新潟新港でも、現在では航路水深を十三メートルに増深中であり、昭和五十年ごろには石油精製企業の進出が見込まれるとして、港口の航路泊地を水深十六メートルに増深して、十万トン級タンカーに備える計画だといわれております。しかし、船舶の大型化は急激に進み、かつ、日本海側貿易ばかりでなく、シベリアなどの大陸への開発に伴って、ソ連を初め北朝鮮、韓国、中国等の対岸貿易が、今後急速に進展し、拡大されていくことは必然となってきております。大型船舶によって石油製品、木材、クローム、マンガンなどの礦石等々、伏木、新潟港における実績を見ても明らかであります。こうした大型化、貨物量の拡大に備えた施設を持つことによって、一そうの重要拠点港に飛躍するのであります。単に当地方の港湾としてではなく、わが国全体の経済発展に十分に寄与するものでなければなりません。 第二に、北陸自動車道の建設をはじめおもなるバイパス事業など道路整備についてであります。北陸自動車道は、起点を新潟市とし、長岡付近で関越自動車道と接続、富山、金沢、福井を経て米原にて名神高速道路に結ぶ延長四百七十七キロの日本海沿岸を縦断する唯一の高速道路であります。第一施工区間であります富山-武生市間は、すでに八八%と用地取得が進み、富山県下においても一部の工事の発注が行なわれ、工事が進行中であります。この第一次区間は、昭和四十八年度に供用開始とする目標で、建設が進められておるということでありますが、第二次施工区間となっている武生-米原間が、着工がおくれたため、供用開始の目標が昭和五十年度となっており、二年間、おくれることになる見込みであります。富山以西、特に石川、福井、両県は、阪神経済圏と密接な交流を持っており、道路は線的な整備が行なわれて、その効果が顕著になるものであります。したがって、この第二次施工区間の建設については、一そうの拍車をかけて促進し、第一次施工区間の供用開始とあまりずれないよう進められる必要があります。また、建設にあたっては、軟弱地盤対策、富山、石川県境付近の地すべり地域における防止対策等の問題があるほか、完成後には、全線にわたって除雪及び路面凍結の対策、なだれ防止や海岸地域での突風や飛砂対策など、冬季間における交通処理並びに安全の確保が最大の課題となるでありましょう。十分に検討されてしかるべき問題であります。 この北陸自動車道の建設の進展と相まって、各インターとの取り入れられる国道百五十六号線並びに新産業都市地区の臨港道路を延伸して小杉インターで結ぶ道路などについては、第二次改修などによって、道路整備を促進する必要があります。また自動車交通量に対処して歩道の設置、交通安全施設の建設についても積極的に建設されなければならない路線であります。 さらに富山-高岡バイパス事業のような四車線規格の道路が新設される場合においては、他の接続する一般国道との交差については、原則としてインターを持つ立体的な交差方式をとることが必要であります。 新潟県においては、新潟、直江津など九バイパスの事業促進について要望されましたが、促進されることが至当であると考えます。特に新潟バイパスについては、現在では、暫定二車線でありますが、昭和五十一年度に完成を予定しております北陸自動車道の新潟市街地への受け口となるものであります。構造的には、中央分離帯を設け、将来の交通量の推定に合わせて、六車線に建設するほか、原則的に完全な立体交差化をはかって、主要な街路との接続は、インター方式によって出入り制限を行なう高規格道路に整備する計画であるといわれておりますが、現在の自動車交通量から見る限り、整備体制を進められてしかるべきものと考えるのであります。 なお、高岡市の繁久寺踏み切りの立体交差工事は、中心市街地と問屋など流通街区を結ぶ非常に自動車交通の混雑する路線であります。財政補助の面から工事がおくれるというような姑息な措置であってはなりません。踏み切りの立体化工事は、いかなる場合でありましょうとも、緊急に措置されることが望ましいのであります。今回、調整費の活用によって措置する方針がとられたようでありますが、至当な措置であると思います。 第三に、昭和四十四年水害等で激甚な被害をもたらした常願寺川水系の称名川をはじめ、黒部川、新潟県における外波川、加茂川及び下条川などの災害復旧と治水事業の実施状況であります。 称名川及び親不知の東にあたる外波川は、いわゆる山岳河川的な特徴を持った河川で、山腹や支渓の崩壊によって、土石流が発生し、激甚な災害を誘発したといわれております。したがって、その復旧対策としては、土石流に対処した治水工法がとられなければならないことは当然であります。 称名川については、常願寺川本川と同様に直轄砂防工事を起こすことになり、砂防堰堤群を河道に築造する方向で進められており、外波川は小河川であるため、災害の原因となった国鉄橋の改良と、部落内での河道の拡幅を積極的に改良復旧し、直接の土石流対策としては、砂防事業で防止するという方針がとられたのであります。 黒部川の愛本峡という、わずか川幅が五十四メートルの狭窄部にある農業水利用のダムは、黒部川の治水上から見て非常なガンでありました。今回の災害で下流の七千ヘクタールに及ぶ水田地帯に被害をも一たらす起因ともなったといわれます。したがって、この復旧に対しては、現在位置での原形復旧はとらない、むしろ、これを撤去し、上流において、十分に洪水吐を設けた新たな堰堤を抜本的に建造するという方針がとられたのをはじめ、同地点にあって流失した道路橋については、百三十メートル、ワンスパンのニールセンローゼ形式とし、取り付け道路を川沿いから避け、隧道を取り入れた路線に変更し改良復旧することになったものであります。 信濃川支川の加茂川及び下条川は、相次ぐ災害で加茂市は浸水が毎年のように発生していたのでありますが、今回、加茂川については、降雨量を百年確率にとって、現在の基準点において毎秒二百二十トン程度であったのを一挙に一千百トンの計画高水流量としておるのであります。 この改修計画のネックは、河道の比較的に狭い加茂市街地であります。そこでとられた工法は、第一次改修として、暫定毎秒五百トンの洪水流下能力を現在の河道で持たせるという方法であります。そのため、矢板護岸によって、河床を二、三メートル掘り下げる河床掘り込み方式となったのであります。河床を掘る方式がとられたことは、堤防の安全性を確保する面から必要なことであると思います。しかし第二次改修については、当然拡幅工事にならざるを得ないと思います。天井川の多い、わが国の河川で掘り込み治水工法が実施されることは、洪水に対して必要最善の策であると考えます。 また、下条川は、災害復旧助成事業などによって、河道の整正、河積の拡大を行なう一方、上流点で治水ダムを建設して、洪水調節を行なう方式がとられております。しかし、治水ダムが土砂で埋没すると、治水効果は減退することになります。ダムの上源について、山腹崩壊等の発生を防止する必要の個所がある場合には、徹底して砂防工事を施工していかなければなりません。なお、加治川では滝の内に治水ダムを、内の倉に農業用ダムを建設して、洪水調節を行なうという治水対策がとられておりますが、治水ダムの建設については、慎重に検討される必要があります。 信濃川関屋分水路は、明治年間から昭和六年にかけて信濃川の洪水を現在の旧信濃川流域の蒲原平野から守るために建設された大河津分水路とともに、わが国の治水史に残る土木事業であります。この分水路は新潟市街地の西部において、旧信濃川の洪水を日本海に直接、放流するため開さくされた水路で河口部には、水位、流量調節を主目的とする可動堰を分派点には締め切り堤、分水堰を設けて、現川への洪水を遮断、平水の確保をはかることとしております。この分水路の完成による効果は、新潟市部分では、現在の洪水疎通能力が毎秒一千トン程度であるため、市街地は洪水の危険から免れることになるほか、海岸侵食地区に流砂を運搬し、侵食防止に寄与すると考えられております。 その他、能生町の小泊地区の地すべり対策事業でありますが、崩壊地すべりの危険な区域にある居住者に対しては、安全な地域に移転するよう指導することが必要であり、住宅金融公庫の融資を活用することも一つの方法でありましょう。また国道八号線については、この部分については、海面に立体連続橋を建設して、災害に対処する方法を検討すべきであります。さらに、このすべり面の土砂を海岸の埋め立てに利用する方法はとれないものかどうか、適地が付近にあれば埋め立て造成によって住宅移転地を確保できると考えますが、検討されてしかるべき問題であると思います。 第四に、富山県が積極的に推進している太閣山ニュータウンであります。富山、高岡両市の中間に位置する小杉町の段丘地帯に造成されているこの事業は、面積二百三十八ヘクタールに六千五百戸の住宅を建設して人口二万四千人の人工都市を建設しようというものであります。この団地内には楽勝寺池を取り入れた公園を設置するほか、総面積のうち二四%の土地を公園緑地とする方針がとられており、自然環境の保全と生活環境の改善に努力しているということでありますが、造成された団地、並びに造成中の工法を見る限りにおいては、くふうが足りないのではないかと思われます。小高い段丘はある程度生かし、切り取り、盛土とする、造成宅地としないで、自然土地を取り入れた団地形成を試みる手法がとれないものかと考えます。特に自然林を生かして田園都市としての性格を持ち、風致的な面を取り入れることによって、この団地の造成される目的が達せられるようになるであろうと痛感いたしました。よく検討して、よりよい団地に形成されることを切望いたします。 また、これだけの面積を占める新住宅市街地については、排水施設の整備が最も重要であります。貯水機能を失った降水は、地表面を流れ、その流出係数は十倍にも二十倍にも増加いたします。現在一万五千人程度の自治体である小杉町の悩みも要望として指摘されておりましたが、必然的に起こる問題であると考えられます。降雨量百ミリ程度で旧市街地が浸水するといわれる下条川の改修事業の促進のほか、国鉄小杉駅と結ぶ街路の整備、自動車の増加に伴って歩道、横断歩道橋などの設置については、いずれも必要欠くべからざる事業であると考えます。 第五に、黒四ダムと立山を結ぶアルペンルートの開通に伴い、道路整備による観光開発と自然保護のあり方についてであります。富山側から立山を中心とする中部山岳国立公園に通ずる県道は、従来道路運送法に基づいて建設した道路がありました。しかし、今春、黒四ダムと立山の室堂に通ずるケーブル、ロープウェイ、さらには延長三千五百六十二メートルのトンネルの開通によって、富山、長野両県から観光客の相互交通がはかられたため、夏山シーズンでは、観光地のメッカとしてクローズアップしてきたのであります。富山県としては、この室堂以下の道路について、新たな観光形態の出現により、一そう、公共性が強くなったとして県道路公社をして道路管理の一貫性を行なわせ、国立公園内の自然保護につとめることにしたのです。また、桂台-美女平間、追分-室堂間の道路を一つの有料道路として道路整備特別措置法による道路として管理、施工するということであります。この桂台-美女平間は、崖錐急峻を縫って開さくされた道路でありますが、昭和四十四年水害に見るごとく、崩壊の起こりやすい地形にあるようであります。施設に対しては十分な検討がなされて建設されたということでありますが、補強、水はけの施設整備、パトロールの強化など一そうの努力が必要であります。観光客のマナーとともに自然保護に対する管理について、その体制を確立することが重要であります。 以上をもって報告を終わります。
○委員長(小林武君) 次に、第三班に願います。山内君。
○山内一郎君 第三班は、二宮委員と私と九月六日から十日までの五日間にわたって、兵庫県の一部を含む四国地方の建設事業を実地に調査してまいりました。以下その概要について申し上げます。 まず、本州四国連絡橋につきましては、御承知のとおり、昨年五月第六十三回特別国会で同公団法が制定され、公団は本年度四十億円の予算をもって調査を実施しているところであります。 私どもは、神戸-鳴門ルート、尾ノ道-今治ルート及び児島-坂出ルートの三連絡橋について、それぞれ架橋計画地点を視察し、また鳴門海峡に設けられております海上基礎工事実験場及び上吉野川橋の長大吊橋における実験研究橋を見聞してまいりました。 昭和四十六年二月に、土木学会の本州四国連絡橋技術調査委員会から提出された技術調査報告書において、特に重点的に調査すべき事項として次の七項目が指摘されておりますが、それは、 1 詳細な地質調査、特に巨大な基礎に対する基礎地盤の工学的諸性質の把握、 2 耐震設計の合理化及び施工時を含めた耐風安定性の確保、 3 水深四十-五十メートル、潮流毎秒四メートルにおける根入三十五メートルの基礎を含む基礎施工の裏づけのための大規模実験、 4 中央支間長千五百メートル級の吊橋に対する耐風性のすぐれたケーブルや補剛トラスの架設工法の裏づけ実験、 5 海上作業についての実験的裏づけ調査、 6 関連する施工機械の開発と実験、 7 工事中及び完成後の船舶航行対策及び安全施設の研究と実験、というものでありまして、本四架橋の技術面における最大の問題は、他の巨大構造物の基礎の最大地盤反力が一般に平方メートル当たり百トン前後であるのに対して、三百から千トンという大きな反力が生ずることと水深四十-五十メートルという深い海底で施工しなければならないという点であろうかと思います。 鳴門海峡の飛島裏の水深三十メートル、潮流五-六ノットの海上に設定された海上実験場は、第一次明石海峡、第二次児島沖に次いでの第三次の大規模な海上実験で、四十四年十一月から日本道路公団で着手したものを、四十五年七月本四連絡橋公団の発足に伴い引継いで今日に至ったもので、この実験の骨子は、潮流が早くて水深の大きい海中に巨大な基礎を構築する実験、その場所での大口径の岩盤掘削、大規模な海底埋設アンカーの築造、水中コンクリート打設等で、すでに二十四本の支柱からなる海上足場はつくられ、新たに開発された重錘式掘削機による岩盤掘削が行われているところであります。 また、上吉野川橋は、早明浦ダム建設に伴う県道本川-大杉線のつけかえ工事の一部として架設された二鉸式補剛構吊橋で、長さ三百二十一メートル、幅員六メートル、中央支間二百五十メートルという、吊橋では若戸大橋に次ぐものでありますが、その架設に当たって、平行線ケーブル架設法、補剛トラス架設法、プレキャスト床版工法の三つの実験調査を行なってきたもので、工事は四十四年十二月に着手、本年七月一日に完成したものであります。 私どもは三ルート地点を歩いて、関係地方公共団体の異常な関心の高まりと熱意を感じ取った次第でありますが、同様にまた、二つの技術面での実験場を見聞して、この世紀の大工事が歩一歩ずつ進行しつつあることを感じた次第であります。ただし、児島-坂出ルートの鉄道部分の普通車と新幹線との調整をどうするかは、早急にきめる必要があるように思います。 二、道路について、 私どもは、現在本州と四国との連絡道路である国道二十八号線について、明石からフェリーで淡路島に渡り、島内を縦走し、鳴門海狭を徳島県の亀浦に渡ったのでありますが、まず、フェリーについて見ますと、日本道路公団の明石、鳴門フェリーと民間の淡路フェリーがそれぞれ終日運航しており、その実績では、明石、神戸側のフェリーについては、公団のフェリーが日に千四百台の自動車を運搬するのに対して、淡路フェリーが三千五百台、鳴門側については、公団の二百四十台に対して二千五百台ということで、全体の九二%は淡路フェリー、八%が公団フェリーによって運ばれているということであります。このことは、淡路島の開発が急速に進みつつあることと、四国との交通が顕著になってきていることの一端を示すものではありますが、同時にフェリーそのものについては、両者の持つ役割りの相違はありましょうが、基本的には公団のフェリーはその先駆的な使命をほぼ達してきていると見てよいのではないかと思います。 二十八号線は、岩屋から福良までの五十二・四キロ間は、六〇%が幅員六・五メートル以下で、急増する交通量に対しては、落石等の危険個所に対する防止工事及び市街地部分のバイパス道路が必要であり、岩屋、津名、州本、福良には、すでにそれぞれ計画が立てられておりますので、すみやかに実施されることが望まれます。 四国の一般国道は、元一、二級国道をあわせて十二路線、さらに昨年四月指定された路線を加えると十七路線で、直轄管理指定区間は、九路線九百九十六キロの延長に及んでおります。四十六年度末十一号、三十号、三十二号、三十三号は、改良、舗装とし一〇〇%の進捗率を示すことになりますが、全体では改良九五%、舗装九二%という状況であります。 私どもは、十一号国道について、徳島-鳴門、西条-高松の区間を走ったのでありますが、第一次改良の現状ではすでに交通量の限界に達し、特に徳島-鳴門間の渋滞ははなはだしいものがありました。この区間はすでにバイパス計画が実施中で、吉野川右岸の市街地部分は用地もほぼ確保され、工事も進捗しておりますのに対して、左岸の農地部分の用地取得が逆に難行しているということは、はなはだ不可解で、早急に解決を要すると思います。 四国の道路は、主要地方道、一般県道を含めて約一万キロに及んでおりますが、急峻な地形が道路延長を相対的に大きくし、交通需要を効率的に満たすことができず、かつ道路の未改修区間が多いために、自動車交通が台数に比して難渋しているように見受けます。 四国の後進性を打破し、新しい発展を求めるためには、本州と結ぶ本四連絡橋の実施と幹線自動車道の建設が基本的に必要であるとは思いますが、大分市と高知市を結ぶ百九十七号線、あるいは高知市と西条市を結ぶ百九十四号線などの改築の早期完成など幹線道路網の整備がより急務であると思います。 三、治水及び利水について 四国の一級河川は、吉野川以下八河川で、昭和四十三年度以降の第三次改修五カ年計画の上では、四十五年度末で二六%、四十六年度末の進捗率で二九%になるにすぎません。那賀川、物部川、渡川等は四〇%以上の改修が進んでおりますが、私どもが視察した吉野川は四十六年度末で改修率二三・九%という状況であります。申すまでもなく、吉野川は四国四県にまたがる流域面積三千六百平方キロ、幹線流路延長百九十四キロの大河川で、高知県土佐郡の西端から四国中央を東流し、四国山脈を横断し、池田町から漸次平野を展開しつつ徳島平野を貫流し、第十ぜきで旧吉野川を分流しているのでありますが、その豊富な水資源の開発が四国の発展計画に大きなポイントを占めていることを見のがすことはできないのであります。 私どもは、吉野川の河口ぜきの計画から、中流部の舞中島地区の改修工事、池田ダムの計画及び香川用水の阿讃トンネル工事の現況、早明浦ダムの進捗状況等を見て回りましたが、早明浦ダムが明年度をもって完成し、これを中心として吉野川の総合開発計画がようやく軌道に乗りつつあることの感を深くいたしました。 1、旧吉野川河口ぜきの建設について、 旧吉野川河口ぜき及び今切川河口ぜぎ建設の目的は、旧吉野川の改修と相まって洪水の疎通能力を増大させ計画高水位を低下せしめて治水効果を高めるとともに、現在の潮どめ樋門附近に河川を横断して旧吉野川及び今切川にそれぞれ九つのゲートを持つ可動ぜきを新設することによって、海水の遡上を防止し、徳島県の都市用水の取水についてその導水距離を短縮しようというものであります。今切川については、本年度から工事に着手しておりますが、その進捗率は一・六%という状況であります。 2、池田ダム及び香川用水について、 吉野川の用水供給計画は、早明浦ダムの操作によって不特定用水を確保し、下流部の既得都市用水、農業用水の安定した取水をはかるとともに、新たに年間八・六三億トンの用水を四県に供給しようとするもので、その内訳は、徳島県四・一億トン、香川県二・四七億トン、愛媛県一・六七億トン、高知県〇・三九億トンであります。 香川県は、この水を池田ダムにより取水し、阿讃山脈の下を延長約八キロの分水トンネルにより、香川に導水する計画で、すでに香川県内の工事は、七五%の進捗を示しております。この香川用水阿讃トンネル工事は、新たに開発された国産岩盤用トンネル掘削機械TM四三〇Gを使用し、きわめて効率のよい成績をあげてきており、四十九年五月には通水の予定といわれます。二億四千七百万トンの香川用水区分は、農業用水一億五千万トン、工業用水七千九百万トン、上水道用水八千三百万トンで、その受け入れ態勢もほぼでき上がっているとのことでした。 池田ダムは、吉野川総合開発計画の一環として、洪水調節、低水流量の調整、香川用水並びに吉野川北岸用水に必要な取水を確保し、あわせて最大出力八千キロワットの発電を行なおうとする多目的ダムで、池田町に高さ二十四メートルの重力式コンクリートダムを築造し、総貯水容量一千二百六十五万立方メートルの貯水池を設けるもので、総事業費四十四億円、四十八年度完成の予定であります。現在は用地買収がようやく軌道に乗ろうとしているところであります。水没家屋は二十二戸、移転を要するもの十四戸ということでありますが、池田地方が山間の古くからの要地として地域も狭く、生活再建の方途も容易でないと考えられますので、香川、徳島両県の良識によって円満に解決されることを望みます。 なお、用水問題について、香川、愛媛両県側の受け入れ態勢はおおむね整い、ことに愛媛県の臨海工業地帯の用水不足が危倶されます反面、徳島県側の具体化がおくれておりますことは、一考を要するように思います。 四、海砂利の採取について 香川県における海砂利の採取は、昭和三十五年ごろから多度津、丸亀沖の塩飽海域を中心に主として岡山、広島県等の業者によって行なわれてきましたが、採取については特別の規制は何も行衣われていなかったのであります。その後次第に採取量が増大し、種々の弊害を生ずるように左って、県では三十八年に建設省所管公共用財産管理規則を制定して、採取を許可制とし、規制措置を講じてきたようであります。さらに四十三年の砂利採取法改正に伴い採取業者の登録制と採取計画の認可が必要となったことから、採取海域、数量、期間、採取方法等について規制を加え、また、許可制度の適正を期すために、副知事を委員長とし、企画、経済労働及び土木各部長を構成委員とする海底土砂採取対策委員会を設置し、海域の選定、採取量、採取方法、期間等の基本的事項を審議決定する機構をつくってきております。採取業者は、三十八年当時数名であったものが四十一年には二十二業者にふえ、四十四年には三十業者に達し、四十五年春ごろかち業界において過当競争の防止等から自主的に組織化の機運が高まり、相次いで事業協同組合が設立されるようになりました。そこで、海域についても、それまで個々に許可してきたものを十三海域に分け、宇野-高松航路のしゅんせつにかかわるオーソノ瀬海域については、その特殊性から西日本海興、臨海土木及び内海海事の三者の共同企業体一社に、その他の十二海域には協同組合を含む十二の業者に、現在許可されてきております。四十五年度の採取許可数量は、約三百三十万立方メートルで、オーソノ瀬海域と十二の一般海域とはほぼ同量であります。 不法採取の取り締まり対策については、数量に応じ使用船舶を限定し、採取時間を日の出から日没とし、また許可船については舷側に海域を表示し、かつ交付した標識を掲げさせる等無許可船との識別を容易にし、県の取締船あるいは海上保安部の船舶による随時海域の監視により、違反船の摘発につとめてきているようであります。 海砂利の採取が近年次第に増大に向かっておりますことは、これまでにも明らかにされてきたところでありますが、採取量の許可と海域に及ぼす影響並びにその基準、採取量の確認方法、採取指定海域の識別、各省庁及び他府県との調整、業界の育成と指導等、河川、山砂利等とは異質の面が多く残されており、公用水面としての海域の保全については、早急に立法措置が必要であることを痛感した次第であります。 以上で報告を終わります。
○委員長(小林武君) 第一班は、去る九月七日から十日まで、小山委員、春日委員、喜尾武委員と私の四名が、山梨県及び長野県における建設事業の実情の調査に行ってまいりました。以下その概要を御報告申し上げます。 両県とも八〇%近くが山で占められている山岳県であり、また内陸県であります。この内陸部における治水、道路、新産業都市、諏訪湖の水質汚濁の問題、中央自動車道の建設状況を主としたものであります。 道路関係について申し上げます。まず、中央自動車道富士吉田線につきましては、八王寺-富士吉田間六十七キロは、暫定二車線をもって、四十四年三月に開通いたしました。しかし、その後の交通量や事故問題等により、八王寺-大月間四十四・五キロに対して、追加二車線施工命令が出て、工事実施中であります。国鉄中央本線、国道二十号線を眼下に見おろす山腹斜面を通過する工事線は、現在供用中の上り線と近接並行しているため、工事上に幾多の制約を受け、困難さの大きなことを見受けました。防護さくなど安全対策に慎重な配慮がなされておりますが、一そうの留意を望むものであります。完成予定は相模湖-大月間は四十八年度となっていますが、緊急区間として駒橋、談合坂等があり、そのうち談合坂区間は拡幅完了し、去る八月から供用開始となっております。 長野県内の予定路線は、本年度中に用地買収が六五%にのぼる予定と聞いております。延長約八・五キロに及ぶ恵那山トンネルは四十九年度完成の予定となっていますが、私たちは、東工事側の飯田口からトンネル内を視察してまいりました。本トンネルは昭和四十四年十月から、補助トンネルは四十二年四月から掘削工事を始めたものであります。車で本トンネルを千六百三十メートルの地点まで進み、そこから徒歩で二つの側壁導坑を見ながら、作業横坑を通り、補助トンネル内を経て本トンネルへ戻り、坑口へ出た次第であります。作業の苦心の一端を理解した感じがありました。補助トンネルは、二千六百十五メートルまで掘り進んだとのことであり、換気用の斜坑も掘り始めたとのことであります。いよいよ神坂断層に当面することになるわけで、将来とも地質の悪条件に対応する万全の工法をもって安全な措置を確保されたいものであります。 地元の要望として、用地買収は四車線であって、着工されているのは二車線である。この西宮線について建設促進と四車線同時着工とされたい旨の声が圧倒的に多かったことを申し添えます。 次に、国道二十号線の甲府バイパスについて申し上げます。二十号線は、東京を起点とし、神奈川県、山梨県を経て長野県塩尻市に至る大動脈であります。そのうち甲府市を通過する部分は狭い幅員と随所の直角曲がりをし、通過交通量は一日二万台とすでに飽和状態に達していますので、この対策として、甲府バイパスが計画され、四十一年より用地買収、四十三年より着工し、本年四月暫定二車線の供用を開始したものであります。石和町から竜王バイパスに至る延長十四・四キロ、暫定二車線の工事費四十億円であります。また、山梨県営有料道路として、富士スバルライン、河口湖大橋、御坂トンネルがそれぞれ三十九年、四十六年、四十二年から供用を開始しております。観光開発と自然保護の調和が、全国的に大きな課題となっている現在、開発と保存に対して、計画的な、科学的に調整する仕組みを確立すべきであると言えるところであります。道路建設の場合に、自然の保護を道路計画の段階で取り入れていく努力が肝要と考えられ、たとえば植物生態学的な見地を加味することも大切であります。当然自然を破壊するという通念の一掃を期待するものであります。 今回受けました道路関係の陳情はすこぶる多く、国道十九号、二十号、五十二号、百五十三号のバイパス建設、中央道長野線建設促進、東名中央連絡道路建設、県道富士見台公園線の拡幅と舗装等があります。 次に、諏訪湖の汚濁対策について申し上げます。諏訪湖は、面積十三・七平方キロ、周囲十六キロ、流域面積五百三十一平方キロの一級河川で知事管理指定区間となっております。諏訪盆地を囲む山岳から流下する十六河川と多数の水路が流入し、排水路は釜口水門を通して天竜川となっているわけであります。 諏訪湖周辺地域は、内陸部唯一の新産業都市である松本諏訪地区の一方の拠点であり、岡谷市、諏訪市及び下諏訪町が湖を取り囲んで位置し、茅野市は諏訪市の東方に広がっております。人口は十七万人に近く、精密機械、光学、食品工業等を中心とした工業地帯を形成しているのが現状であります。諏訪湖の汚濁、富栄養化は非常に進んだものであり、おもな要因は、家庭汚水、工場排水などの流入による外的要因に加えて、湖底に蓄積した汚濁物質の溶出、浮上の内的要因が考えられるのであります。外的要因の排除については下水道、内的要因に対しては、しゅんせつが対策事業として根本なわけであります。 (一) 流域下水道計画の概要は、目標年次を昭和六十年とし、対象区域は約四千二百ヘクタール、計画人口二十万人、その人口比率は、岡谷市三九・九%、諏訪市二九・八%、茅野市一一・一%、下諏訪町一九・二%と算出されます。分流式を採用し、終末処理場を一カ所とする計画であります。概算事業費は、管渠として湖周幹線と茅野幹線で十八キロ、放流渠七キロの計が五十三億円、処理場百二十三億円で総額百七十六億円であります。ちなみに本年度の事業費は一億円となっております。 (二) 湖泥のしゅんせつ事業 底泥は浅いほど有機物の含有量が多く、水深二・五メートル以上には水生植物は繁殖しないことから、湖底を二・五メートル以上にしゅんせつするもので、その土量は百四十万立方メートル、事業費十一億円と計算されています。しゅんせつは、都市河川環境整備事業として、四十六年度は約二十四万立方メートル、一億八千六百万円をもって実施しております。私たちは説明聴取の後、船によって湖におけるアオコの発生状態を視察いたしました。なお、湖岸堤築造事業が進んでおり、四十六年度は一億七千五百万円、四十八年度までの第一期計画としては、延長六・四キロ、事業費八億円であります。諏訪湖浄化対策事業の促進について、地元協議会の陳情を受けました。下水道整備計画に関しましては、四十六年度から、国の積極的な姿勢が五カ年計画改定にもあらわれてきたとは言えますが、地元負担の軽減、終末処理について完ぺきを期する新しい高度の開発等の検討、今後に残された問題は山積しているのであります。立ちおくれている下水道整備に必要左投資額を惜しんではなりません。諏訪湖は一つの例でありますが、日本全体の水質環境保全の実現のため、国、地方公共団体、地元の方々等が一体となって対処すべき今日、画期的な措置が予算面においても、技術面においても、打ち出される必要を痛感する次第であります。 新産業都市松本諏訪地区について 当地区に含まれる諏訪湖周辺地域に関しては、さきに触れたところでありますが、六市十七町村、面積二千七百平方キロの区域を持つ本地区は、昭和三十九年に指定されたものであります。建設基本方針による性格は、すぐれた自然環境のもとで機械工業の開発を中心とし、京浜、中京に近接した内陸部における開発の一拠点として昭和五十五年を計画目標年次としております。工業出荷額においては、四十五年において計画の二千五百億円の一六四%の四千百億円にのぼっておりますが、新産都市建設事業全体の進捗率は、四十五年度末実績では五〇%ということでありました。私たちは、松本市総合団地を見ましたが、本団地は、地場産業の振興育成のための木工団地を中心としたA団地、十一万平方メートルと、生産資材及び生活物資の流通近代化のための流通センターで、(1)松本市総合御売市場団地、(2)国鉄専用線利用企業団地、(3)日用品雑貨食品問屋団地を内容とするB団地二十五万平方メートルから構成されております。総合団地建設費は約十六億円で、昭和四十四年度に着工したもので、本年中に完成の予定と聞いております。 次に、河川関係について申し上げます。 濁川は、甲府市街地を貫流する都市河川であって笛吹川に注いでおります。流域面積二十七・七平方キロ、幹線流路延長十六キロで、近年甲府の市街地等で幾度かはんらんを来たし、また中流部においては支川流量を受け入れることができず、流入支川が溢流はんらんしている状態でありますので、四十三年度から改修に着手しているものであります。本年度事業費二億百万円で身延線橋梁改築を完成するほか、この上下流の開さくを継続するものでありまして、県内中小河川の最重点河川として改修の促進をはかっております。 山梨県における砂防の歴史は古く、その代表的な河川の一つである御勅使川は、甲斐駒ケ岳に源を発し、流路延長二十キロ、流域面積七十三平方キロ、平均勾配二十分の一の急流であります。昭和三十四年、四十一年の台風により、上流地域が再び荒廃したので、補助砂防事業として、金山沢ダム高さ十二メートル、御勅使川ダム高さ十九・五メートル、上荒井沢ダム高さ十一メートルを建設中であります。 次に、太田切川は源を駒ケ岳に発し、平均勾配十七分の一、流域面積六十一・五平方キロの急流河川であり、下流の駒ケ根市、宮田村に直接土砂害を発生させるほか、天竜川本川をも荒廃化させる原因の一つの河川であります。昭和三十四年の出水により太田切川は多大の被害を発生したため、翌三十五年度より直轄砂防事業として着手され、四十五年度までには黒川ダム、太田切ダムが完成しており、四十六年度に太田切第二ダム、高さ十九メートルが完成、黒川第二ダム高さ十九メートル、切石床固高さ六メートルを工事中であります。治水上、砂防の重要性をいまさらながら認識を深くしました。 小渋ダムについて申し上げます。小渋川は、天竜川上流部においては、三峰川に次ぐ大支川で、流域面積二百九十五平方キロ、流路延長二十九・五キロの急流河川であります。昭和三十六年の大災害により、小渋ダム計画は再検討された後、三十八年着工、四十四年完成した小渋ダムは、洪水調節、かんがい、発電用の多目的ダムであります。小渋ダム計画高水流量は、天竜川計画高水流量に基づき、ダム地点で推算した結果、毎秒千五百トンとなり、このうち千トンを調節するもので、これにより天竜川改修始点の天竜峡の洪水流量は約四分の一、また天竜川の土砂量は約三分の一減少するものと推定され、「あばれ天竜」の治水のにない手として期待されるわけであります。 その他、要望としましては、一、天竜川の改修と流域砂防事業の促進、一、急傾斜地崩壊対策事業の採択基準の緩和、一、秋雨前線豪雨被害に関する陳情がありました。 以上、報告を終わります。 以上で派遣委員の報告を終わりました。 これより、ただいまの派遣報告を含む質疑を行ないます。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○茜ケ久保重光君 建設大臣を呼んだのでありますが、何か閣議の都合でおくれるそうで、いずれ見えた時点で大臣に聞きますが、それまで道路局並びに河川局に若干の質問をいたしたいと思います。 先に道路局関係の質問をやろうと思うわけですが、本日は尾瀬の道路に限定してお尋ねをしますが、御承知のように、今日尾瀬の自然保護の問題が非常な社会的な問題になっております。これは御承知のように、群馬県が尾瀬沼の湿原地域を通過して福島県側との道路の接点を継ぐという予定で、それぞれの手続を経て、特に厚生大臣の許可を受けて作業を実施中のところ、新しくできました環境庁長官が――具体的にはこれは一部の自然保護に熱心な諸君の投書だったようでありますが、とにかく大石長官が尾瀬に飛んでまいりまして現況を調査した結果、この道路の建設は尾瀬の自然を破壊する、したがってぜひ中止させたいということで、群馬県、福島県、新潟県の三県知事を呼ばれてお話があった。群馬県側はかなりこれに対して強硬な反対をしておりましたし、ぜひ建設を促進したいということでありましたが、大石長官のたっての御要望、まあ先般公害対策委員会で大石長官にいろいろ聞きましたところ、法的な根拠で実はやったのではない、あくまでもお願いをしたのだということでありましたが、そのいかんは別として、とにかく強い要請によりまして現時点でもまだ群馬県側は正式には中止を決定しておりません。きのうから始まりましたおそらく県議会にこれはどういう形でか中止の了承を得なくちゃならぬと思うのでありますが、私の知事と会った限りでは、大体中止やむを得ぬだろうということでありますし、まあそれはそれでいわゆる尾瀬の他に得がたい貴重な自然を保護することはけっこうでありますし、私ども協力することはけっこうでありますが、問題は群馬県と福島県をつなぐ道路、これはかつてはほんとうに人の歩くだけの道はありましたし、それによって交通がなされておったのでありますが、今日しかしもう自動車の時代になりますと、それは道ではございません。そこで自動車の通ずる道路がほしいという要望がかなり強いわけであります。しかし、現実にはいま予定されている地点を除外しますと、道路建設上のいろんな問題があるということでございますが、しかし私地元に参りまして、地元の諸君との話し合いの中でも、尾瀬の自然を守ることについては決して協力するにやぶさかではないけれども、われわれのいわゆる長い間の懸案である道路の開発についても、これは何とか措置をしてもらいたいという要望が強いし、最近一番中心であります利根郡片品村の住民約半数近い人たちが署名を持って知事に陳情したようであります。これは現在の予定線をそのまま建設推進をしてもらいたいということであります。まあ反面、また自然保護の熱意のある皆さん方は、全国的にこれに上回る、自然保護の立場から、道路の建設は絶対に中止してもらいたいという陳情があったようであります。県としてはか在り苦慮しているようでありますが、私は現地を調査した結果、あるいは現地の方々の御意見等も承る中で、先般の公害対策委員会でも指摘したように、あの尾瀬を守るという見地からは、現在の道路はやはり延長すべきじゃない、これは大体そう私どもも考えております。といって、それをしかし中止しっぱなしでは、これはある程度僻地に住む諸君に対する政治の、やはりもう恩恵が何ら及ぼされぬということで、やはり何とかして道路の開発は、これはやってやりたいということであります。したがって、これは主要地方道でございますから、直接建設省の仕事ではありませんけれども、建設費の約三分の二を国が負担をするというたてまえでございますから、建設省当局がこれに対してかなりの熱意を示していただかないことには、そういった問題はとても解決できない。知事なり県としても、これはまあそのことに対する期待があるようでありますし、一方においてはせっかく予定した路線が中止になるのでありますから、私はこのことは知事や道路課の課長とは直接とは申しませんけれども、やはりせっかく予定した道路を変更するとなると、これはやはり地方自治体というものは国の覚えが悪いのじゃないかと、そうすると次の段階におけるいろんな施策に対してかなりの支障を来たすのじゃないかといった危惧を持っているかのように受け取れます。そこで、道路局長にお尋ねするのでありますが、いま申しました観点から、もちろんまた具体的にどの路線を決定するかは別として、そういった、いわゆる県としては、やはり国の、特に環境庁の要請をいれて現在の路線を中止する方向にいくということは、これはもう決定的だろうと私は思うのですが、その際に別な路線を地元ないしは県で予定した場合に、建設省としては、これに対して、従前の道路建設と同じような熱意といろんな御協力をいただけるかどうか、この点を最初にお尋ねしたい。
○説明員(高橋国一郎君) ただいま御説明ございましたように、主要地方道、沼田-田島線につきましては、昭和三十九年ごろから自然保護の立場に立ちまして、道路を特別保護地域以外に計画するようにルートを変更すべく、厚生省が中心になりまして、林野庁、文化庁それから福島県、新潟県、群馬県の三県並びに自然公園審議会の委員等によりまして、ルートの変更の検討がなされておるわけであります。御承知のように、当初のルートと申しますのは、尾瀬沼の湖畔を通ります、長蔵小屋付近を通ります道路でございまして、この付近が特別保護地域になっておりまして、これは避けるべきであるというような方針から、昭和三十九年ごろからもうすでに厚生省を中心にやったわけでございます。その結果、昭和四十二年にルートが、ようやく現在のルートがきまりまして、自然公園審議会の議を経まして、官報に告示されたことになっておるわけであります。 ただいまのルートは、もうすでに御承知と存じますが、特別保護地域を避けまして、その周辺の山の反対側の尾根を回るようなルート選定になっておるわけでございまして、先ほど申しましたように、当時の国立公園が所属しておりました厚生省が中心になって決定していただいたルートでございまして、これは先ほど御説明のように、事務的に申しますというと、どこからもつつかれるようなものではございません。ただ、最近のそういうふうな環境問題につきまして世論がきわめてやかましくなりまして、ただいまのルートにつきましても再検討せざるを得ないような情勢になってきたことは事実でございます。ただいま先生の御指摘のように、群馬県知事といたしましては、現ルートを破棄するような意思は必ずしも持っていないようであります。私も数回お会いいたしまして、いろいろ懇談いたしたわけでございます。実はむしろ私どものほうが、現在のルートは破棄して別途なルートを選定すべきじゃなかろうかということを逆に申し上げたようなことでございますが、ただいま県会においていろいろ議論されているかと存じますけれども、もし群馬県知事が中心になりまして、三県知事の合意のもとに、ただいまのルートにつきまして破棄して、新たなルートを調査し、それによって新たに主要地方道、沼田-田島線の事業を実施したいということの申請がございますれば、われわれその検討の結果、それが正しければ、別にただいまと同様に国家事業として採択いたしまして事業の推進をはかりたいというふうに考えている次第でございます。
○茜ケ久保重光君 いま局長もおっしゃるように、知事としてはかなり執着を持っているようでありますが、しかし、まあ何といっても今日世論がかなり自然保護に大きなウエートを持っておりますし、まあ県内関係といたしましても、やはり道路の現状を堅持するという方向ではないと思うのです。もとより一部には現状のいわゆる道路をというもちろん意見もあるにはありますけれども、大局的には知事も、議会関係がどういうふうに出てまいりますか、各政党のいろいろな要望を聞いておりましょうが、絶対多数を持っております与党である自民党の議員諸君も、地方選出の議員はやはりいろいろなことがございますから何か執着はあるようでありますけれども、直接関係のない地区の議員諸君は必ずしも執着していないように見受けられるのであります。したがいまして、知事の説明がどういうふうに出てまいりますか、私も予測できませんけれども、これはやはり環境庁長官の要望される点で大体落ちつくのじゃないか、こういう見通しを持っているわけでありますが、そこで先般私も現地に参ったのでございますが、これはまあ建設省もおそらくいまの道路の建設にはいろいろと御協力をいただいたと思うのでありますが、何といっても道路をつくるとすれば一番いい地点でございますね、これははっきりしているのです。そこで私が現地を見、現地の諸君の意見を聞いた観点では、きょうちょっと地図を持って参っておりませんが、大清水から中岐林道というのがあるのですが、これはたぶん東電の私有林を通る林道だと思いますが、大清水から現在あります中岐林道を利用して、これを沼山峠の近い点に結びつけるならば、わりあいに簡単にいくのではなかろうか。ただまあ、現地の皆さんの御意見によると、その沼山峠に近い接点の付近にかなり難所があるらしい、建設上の。そういうことはありましたが、しかし、これが次のいわゆる道路をさがすならば一番よろしいのではないかということでございましたが、建設省当局では中岐林道について調査されたことがあるか。またそういったものについて県当局等から何か話があったことがありましょうか、その点いかがでございましょうか。
○説明員(高橋国一郎君) 新しいルートの調査につきましては、この道路が県道でございますので、県当局が実施してそれに基づいて国のほうに道路事業の申請が出てまいります。ただいままだ調査を県当局としてはいたしてないようでございますし、もちろん国でも現在調査いたしておりません。ただ図上から見ます関係では、地図から見る関係では、先生がただいまおっしゃったように、中岐林道を使うルートしかおそらくなかろうかというふうに私ども推定しております。
○茜ケ久保重光君 とにもかくにも、尾瀬の自然を保護するという点を第一に考えますならば、これはもうほかにいまの予定線を変更する以外にないことは、これはもう当然でございまして、地元でもそう決定しますならば、これはもう次の路線を策定する以外にないと思うのであります。しかし私がきょう質問する真意は、先ほどもちょっと触れましたように、県としては県の力ではとてもこれはできないことでございますので、国の援助、補助を受ける以外にない。そういった場合に、せっかくいろんな手続を経て決定をした路線でありますから、それは環境庁のたっての懇望で変更するといえども、変更は変更でございますから、しかもある程度もう建設を進めておる段階でございます。そしてそれをさらに変更して他につくるという場合になると、地方自治体としては、国に対していろいろとお願いしにくい点があろうかという点を考慮して、実はこういう質問を申し上げたのであります。あとで大臣が見えましてから、大臣に重ねて御要望いたしたいと思っておりますが、ひとつぜひわれわれもそういう意味においてはできるだけの協力は惜しみません。ひとつ建設省として、県からどういう予定変更の路線が生まれてまいりましたか、あるいはまたそれ以前に、いわゆるいま局長も指摘されたように、知事としてはかなり執着しているようでございますし、それといま申しましたようなことは、それは知事の胸中にあろうかと思うのであります。したがいまして、私は公害対策委員会でもはっきり申しましたように、自然保護を主体として考えていただく。したがって道路の変更は当然表すべきだという主張をしてまいりましたし、そういった方向で今日まいっておりますが、それは変わりございません。したがって建設省、特に道路局においても、そういった方向で今後ぜひ御協力方をお願いしたいということをひとつ特に要望し、この件については、あとでまた大臣に重ねて要望しますが、よろしくお願いいたします。
○説明員(高橋国一郎君) ただいまも御説明いたしましたように、群馬県知事といたしましては、現道路を直ちに破棄する意思はないようでありますが、むしろ私といたしましては、最近の世論の動向から、新たなルートを選定されたほうがいいんじゃないかということを逆にすすめている、という状態でございますので、新しいルートを調査することになります。もし県が決意をいたしましてわれわれのほうに相談があれば、一緒になりまして、どのルートがいいかを協議されると思います。その結果、新しいルートが決定いたしまして、いざ着工ということになりますというと、われわれ国の立場といたしましても、従来同様にこの工事の促進をはかりたい。群馬県の要請に応じ、できるだけ工事を早期に実現するようにいたしたいと考える次第でございます。
○茜ケ久保重光君 河川局長に伺いますが、先般の建設委員会で、八ツ場ダムの問題についていろいろお伺いしたときに、四月の地方選挙に際して、現地の事務所長が町議選に関して、何か問題があるのじゃないかという質問をしたわけです。当時、私自身も、ちょうど委員会の前々夜でしたか、電話による情報でございましたので、私自身も、的確な資料はもちろん持ってないけれども、客観的にいろいろと調べてみると、いわゆる選挙以前の、町議会における八ツ場ダム反対の議員の数が、かなり変わってきておる。これに対しては私どもが昨年夏、ちょうど現在の長谷川所長が転勤をされた当時、お会いをしていろいろと話し合いをした時点で、所長自体も、いまの状態では進展ができないんだ、したがって、ソフトムードといおうか、あまり荒だった方法じゃなくて、何といっても自治体の機関の決定が非常に重要であるから、こういった面について、今後全力をあげていきたいんだということも言っておりましたので、それはやはり、長野原町議会がダム反対の決議をしておりますので、これをやはり転換させるために全力をあげるということであったと思うのであります。そうなりますと、やはり四月の町会議員選挙に対して賛成派が有利に、反対派が不利になるような、一つのやはり何らかの手段を講ずるんではないかということを、私ども当初から考えておったのですが、選挙の結果は、そうたいへんな数の違いではございませんが、かなり賛成派が進出して反対派が落選をしている。こういうことが地元においていろいろなうわさの出た原因でありますし、また現に、私もあの委員会後、現地に参りましていろいろ調査もしましたし、秘書やその他を通じて調査をしましたが、現にうわさはいろいろある、選挙でございまして。具体的な事実は私自身もつかめませんでした。しかし、そういった常識になることは事実であります。私は、ですから私自身も具体的にはこういった事態があったというものはありませんから、これ以上追及する気持ちはございません。ここで、私が河川局長にお伺いしたいのは、あなたもここでないとは思うけれども、調査をするということをおっしゃったのだが、あなたがどういう調査をされ、どんな結論が出たか、このことに対する調査の結果のひとつ報告をしていただきたい。
○説明員(川崎精一君) 先般、先生にお答えをいたしましたあと、これは直接、私どもいわゆる調査と申しましても、一人一人調べるというようなわけにもまいりませんし、関東地方建設局を通じまして、そういった現地のいろいろな事情とか、職員の動き等を聞きましたところ、先生の御懸念のような事実は少なくともない。現地の事務所といたしますれば、やはりダム事業を促進したいというようなことで、できるだけ町議会の方々とか、地元の方々と、ソフトムードで接触にはつとめておりますけれども、これは選挙とは一応別の問題でございますので、そういった事情はないというような報告を、関東地方建設局から受けております。
○茜ケ久保重光君 もう一点は、実はこれは、この委員会の報道が群馬の地方紙に出ました。その地方紙の書き方にも問題があったと思うのでありますが、私の質問は、こういう具体的な事実があるのでけしからぬという問題じゃなくて、いま申しますように、私自身も、急な情報で、具体的な事実を調査していないから、事実については不明である。しかしこういうことであるから、これがもし事実であるとすればたいへんなことであるから調査をしてもらいたいということであった。それが地方紙に、何か黒い霧があったかのような報道がございまして、その結果、長野原町議会で問題にしたようでございます。それはまあけっこうです。問題にしたようですが、それについて長野原町議会の、新聞に出ました限りでは、黒い霧が事実無根であるということなんですが、これは黒い霧と言ったようなわけではないのでありまして、私自身も問題にしておるのですけれども、それと同時に、長谷川所長が新聞記者に発言をしておる。これはやっぱり問題だと思う。というのは、現地の所長が、とんでもないことだと、そういったことはないし。何かそんなことを言っているんですね。新聞の報道をそのまま受け取ることもけっこうでございましょうが、少なくとも政府を代表する現地の責任者が、具体的な事実を、こちらの事実を解明しないで、ただ、新聞記者の質問に、とんでもないというような発言をすることは、これは私は穏当でないと思うのです。私は、もちろん現地の所長を相手に何をしようとは思わないが、私自身にも不明でしたけれども、しかし、これはやはりかなり慎重でなければならぬと思うのですね。私も、しかし具体的にどういうことを言ったかまだ承知しておりませんから、そのことを見てすぐに問題にはいたしませんけれども、いわゆるいま非常に重要な段階にきている現地でありますから、ひとつ今後、言動なり行動を慎重にしてもらいませんと困ると思う。私ども、今後、いわゆる参議院の建設委員という立場でなくとも、いろいろな意味で折衝する機会もあろうかと思うのでありますが、私からも、これは時期を見て、またそれぞれの発言をしますが、ひとつその点もよく調べていただいて、まあたいしたことはないと思うけれども、ひとつ注意をしてもらわないと、かえって問題をこんがらからせるような状態になることもあり得ますので、ひとつぜひ注意をしてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○説明員(川崎精一君) ただいまのお話の前段のほうでございますが、実は、あの質問がございましてからしばらくしまして、町議会の方々が私どものところへお見えになりました。で、地方紙でいろいろこういった先生の発言が出ておる。それで、はなはだこれが事実とすれば町議会としても何か考えなくちゃいけない、こういうようなお話でございました。私、直接先生の御質問も受けておりますし、そういった趣旨で先生はおっしゃっておったんじゃないんだということで、急いで議事録等を取り寄せまして、その方々にお見せをいたしました。その方々ははたしてダムについてどういう立場の方かはよくわかりませんけれども、それを見て、大体了解をされたようでございます。したがって、少なくとも地元の方々には、そういった誤解はないんじゃないかというふうに思っております。 それから、なお、現地の長谷川所長の言動でございますが、これについては私実は新聞を見ておりませんし、そういったことを十分よく承知をしておりません、事実があったかどうか。しかし、これは先生のお話しのことはもっともでございますので、こういった大事左時期に誤解を生むよう左発言があってはこれはまことに申しわけないと思いますので、そういった趣旨については十分徹底するようにいたしたいと存じます。
○茜ケ久保重光君 最後に。甘楽郡下仁田町に、これは予定かと思いますが、跡倉ダム、山口ダムというのがございますが、これはいまコンニャクでだいぶ騒いだ地区でございますが、山間僻地でございまして、農業といたしましてはコンニャクが主産でありまして、あと養蚕等が若干あるという地区でございます。過疎地区ではありますが、長い歴史等ある町でありまして、地元では、いわゆる過疎対策なり今後のいろいろな問題をいま盛んに討議をしているのですが、このいわゆる跡倉、山口ダムがやはりひっかかってまいりまして、地元にかなり動揺と不安を与えているわけです。ダムのできることがいいか悪いかは別として、とにかく何らかの形で、こういったことが出てまいりますと、地元に対する、いま申しましたように、今後の問題に対して不安と動揺を与えることは事実であります。先般も、この山口ダムの関係地である村で議員選挙をやったのでありますが、この問題がからめて論議された。当局としては、いまこの問題については、どのような観点とまた予定を持っておられるか。この点をひとつお示しいただきたいと思います。
○説明員(川崎精一君) 山口あるいは跡倉ダム、これは利根川の水資源の、鏑川水系の中にあるダムの候補地点でございます。私どももやはり、利根川全体の治水の問題だとか、あるいは水資源対策、こういった面から、できるだけ、上流にダム群を開発をしまして、そういった要望にこたえるようにしたいというようなことで、昭和四十一年からずっと、ダム群として、ここではございませんけれども、いろいろなダムの組み合わせによってどの程度の洪水調節ができるか、あるいは水資源が生まれてくるか、こういった調査を行なっているわけでございます。大体現在までで約六百万トン程度の調査でございますから、主として利根川水系全般を見た水の解析だとか、あるいは一部航空写真測量、それから水流量の観測、こういったことをおもにやっているわけでございますが、数年前に、水位観測所等の設置で若干地元にトラブルが、たしか山口ダムであったようでございます。そういったことで、現在はそこまで立ち至った調査はしていないようでございますし、地質につきましても、これは踏査と申しますか、大体の地表からの、歩いて概略の状況を調べるというようなことでございまして、これがいますぐ建設計画に結びつく段階にはまだほど遠いものがございますが、しかし長期的に見ますと、やはりこういったところも開発をしていく必要があるのじゃないかと考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 大体これでおしまいですが、大臣が参りました時点でまた一部発言したいと思います。
○田中一君 時間がないから、端的に言いますから端的に答弁してほしいと思います。第一の問題は、通常国会に提案される法律案の予定と申しますか、これをひとつ概略説明してほしい。各委員に資料を配っておりますか。
○説明員(大津留温君) 次の通常国会に提案を予定しております法案は、お手元に差し上げた表にございますとおりでございまして、建設省関係は全部で二十六件でございます。このうち予算関係法案が十三件、その他が十三件でございますが、この十三件のうち六件はなお検討中のものでございます。 簡単に中身を御説明いたしますと、初めの大規模な宅地開発に伴う主要な公益的施設の整備に要する資金の貸付けに関する法律案、これは来年度の予算要求の中に大規模な宅地開発に伴いまして、通勤鉄道等の公益的施設の整備を促進するために、その整備費の一部を無利子で貸し付けようという要求をしておりますので、これの法的措置を講じようとするものでございます。 二番目の都市公園整備緊急措置法案は、都市公園の整備がたいへんおくれておりますので、これを促進しようという趣旨から、来年度を初年度とする五カ年計画を策定してこの整備をはかろう、そういうための法案でございます。 三番目の下水道事業団法案は、下水道の整備がたいへんおくれておりますので、これを急速に進める必要がございます。その際に下水道技術者が不足しておりますので、その技術者をプールして各地方公共団体の要請に応じようという趣旨の事業団を設定しようとする法案でございます。 次の河川法の一部改正法案は、都市の小河川の整備がおくれておりますので、これの管理主体、またその費用負担等につきまして法的な制度を整備しようという趣旨のも一のでございます。 次の特定多目的ダム法の一部改正とその次の治水特別会計法の一部改正の法案は、多目的ダムの建設を促進する場合に、それの利水権者がいまだ確定しない段階におきまして、先行的に投資して建設を進めようというために治水特別会計に借り入れ金をしよう、そして建設が終わった段階で利水権者にその費用の負担を求めるという趣旨のものでございます。 次の治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案は、現行の治水事業五カ年計画を改定いたしまして、来年度から新たに五カ年計画を樹立しようというものでございます。 次の公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案は、この緊急な災害復旧事業の実施期間を短縮いたしまして、二カ年以内に完了させる、その他の災害復旧事業につきましては、三カ年以内に完了するようにいたしたいという趣旨のものでございます。 次の道路整備緊急措置法の一部改正は、自動車重量税の収入を道路整備五カ年計画の実施に要する国が支弁する経費の財源に充てようというものでございます。 次の道路整備特別会計法の一部改正もその趣旨によるものでございます。 次の住宅金融公庫法の一部を改正する法律案は、住宅金融公庫の行ないます貸し付けの中で、中高層住宅建設の促進、団地環境の整備等のために、中高層耐火建築物等の貸し付け、幼稚園の貸し付け等の貸し付け条件の改善をはかろうとするものでございます。 次の住宅融資保険法の一部を改正する法律案は、住宅融資の保険をさらに一そう強化しようという趣旨から、てん補率を百分の九〇から百分の百に引き上げるというような内容の改善をはかろうとするものであります。 次の、住宅生産工業化促進法案は、住宅生産工業化を促進するために基本計画を策定する等の内容の趣旨のものでございます。 以上が予算関連の法案でございまして、次以下は予算に関連はございませんが、次の特定大規模工業都市建設促進法案、これは地方におきます大規模な工業都市の建設を促進いたしまして、国土の均衡ある発展をはかろうという趣旨から、新たに特定の大規模な工業都市を建設するための区域の指定、基本計画、事業計画の策定、あるいは建設事業の施行につきまして、いろいろの規定を設けようというものでございます。 次の地方生活圏の整備に関する法律案、これは地域社会の単位といたしまして、地方生活圏というものを設定し、その地域の特性に応じました生活の基盤を整備し、工業等の導入を含む産業の振興をはかっていこう、こういう趣旨のものでございます。 次の宅地建物取引業法の一部を改正する法律案、これは先般の通常国会で法律の改正が行なわれたわけでございますが、消費者の保護において、さらに一そうの進展をはかるために、消費者のこうむる損害の補てん制度を強化しようというものでございます。 次の屋外広告物法の一部を改正する法律案は、違反広告物に対する規制を強化し、全国的に統一した基準で指導監督を行なおうという趣旨のものでございます。 次の海域管理法案、これは海域の有効利用、環境の適正左保全をはかるために、海域の管理者を定め、海域の管理方針を策定し、占使用の制度化等をはかろうとするものでございます。 公有水面埋立法の一部を改正する法律案は、現行法が古い法律でございまして、現在の時勢に適合しない面も出てまいりましたので、免許基準の明定等の改正を行なうものでございます。 道路法の一部改正法律案は、道路の管理権を強化して立体道路の管理の特例等を設けようという趣旨のものでございます。 なおそのほかに内容並びに提出するかどうかについて検討中のものといたしまして、公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案、都市における緑地等の保全に関する法律案、地域冷暖房整備法案、地下水法案、石油パイプライン法案並びに地代家賃統制令の一部を改正する法律案がございます。
○田中一君 それから沖繩国会に出す法律案のうちに当委員会に関連する法律案の説明、これも簡単に願いたいと思います。
○説明員(大津留温君) 次の臨時国会には沖繩返還協定のほかに四つの法案が予定されております。その一は、沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案。二は、沖繩振興開発特別措置法案。三は沖繩開発庁設置法案。四は、沖繩振興開発金融公庫法案でございます。これらのうち、それぞれ建設省の所管に関する事務に関する内容がございます。 最初の沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案につきましては、沖繩の復帰によりまして、沖繩が本土の法体系の中に織り込まれることに伴って必要となる経過措置を定めるものでございます。建設省関係の中身といたしましては、たとえば沖繩下水道公社というのが現にございますが、それが復帰に伴いまして公社を解散してその業務と職員を沖繩県に引き継ぐということ。また沖繩土地住宅公社というのが現にございますが、これも地方住宅供給公社法に基づく沖繩地方住宅公社というふうに引き継がれるというような内容のものでございます。 それから沖繩振興開発特別措置法案というのは、沖繩の復帰に伴いまして、沖繩以外の本土の地域との格差をすみやかに是正しようという趣旨から、沖繩の振興開発をはかることを目的とする法案でございまして、沖繩振興開発審議会を設けまして、沖繩振興開発計画を定め、産業、交通、通信、水資源、エネルギーの開発、住宅その他の生活環境の整備、保健衛生、社会福祉の向上、国土の保全、防災というような内容の計画を立てて、それに基づく事業につきましては、国の負担割合または補助金を、本土の普通の県よりも引き上げるという内容のものでございます。 沖繩開発庁設置法案は、沖繩の振興開発計画の策定その他関係事務を行なうために、総理府の外局として沖繩開発庁を設け、国務大臣をもって長官に充てるというような内容でございます。 沖繩振興開発金融公庫法案は、沖繩におきまして本土において国民金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫等の公庫がそれぞれ行なっております業務を一本化して行なおうというものでございます。
○田中一君 そこで、これはよくわかりました。なおこまかい問題はいずれかの機会に伺いますが、先国会で通常国会に出ておりました宅建業法がいよいよ明年一月一日から施行することになっておりますが、法律によって明記せられておる政令並びに省令に対する見解、固まっておるものは、たくさんありませんから、一つ一つについて、これはこの程度、これはこういう方向、これはこうだというふうに答弁してほしいと思います。
○説明員(高橋弘篤君) 先般の通常国会で成立させていただきました宅建業法の一部を改正する法律案の政令関係及び省令関係につきましては、施行の日を前に控えまして、目下いろいろ検討中でございまして、関係各省ともまだ具体的に交渉に入っていないわけでございます。大体私ども考えておることは、当時の通常国会におきましても御説明申し上げました、大体そういう同じ方向でございますが、もう一度その要旨につきまして簡単に申し上げれば、これらにつきましては、なお関係各省とまださっき申し上げましたように十分交渉に入っていないのでございます。が、まず、三条の第一項の「事務所」についてでございます。この「事務所」の「政令」につきましては、宅地建物取引業法に関する契約締結権限を有する者が常駐する本店、支店、営業所等を予定いたしておるわけでございます。それから第四条の免許申請の点でございますけれども、この場合に四条及び五条、八条、十八条、六十五条、六十六条等で、「政令で定める使用人」ということばがございます。この「使用人」につきましては、宅地建物取引業者の使用人でございまして、支配人とか支店長、宅地建物取引業に関しまして、事務所の代表者の地位にあるものを想定いたしておるわけでございます。対外的に責任を有する者という意味で、そういうことを考えておるわけでございます。 それから第十六条第四項の取引主任者の試験の受験手数料についてでございます。これにつきましては、従来からこれは試験がございまして、従来は五百円ということになっておるわけでございます。したがいまして、私どもそれを基礎といたしまして、その他の類似のものと十分勘案しながら関係の方面と折衝いたして定めたいというふうに考えておるわけでございます。それから二十三条のやはり宅地建物取引業主任者の合格者の登録手数料でございます。これは新しい制度でございまして、やはりほかの類似のものを勘案いたしまして、五千円というものを登録手数料というふうに考えておるわけでございます。 それから銀行とか信託会社及び指定保証機関以外で前金の返還債務を連帯して保証し得る金融機関というのが法律の四十一条にございますが、この政令につきましては、信用金庫法に基づく信用金庫というものを予定いたしておるわけでございます。次に、第五十一条で大臣の指定を受けまして前金の保証事業を営もうとするものが指定申請書に規定する営業所といたしましては、常時宅地建物取引業者との間で前金保証を受託する旨の保証委託契約を締結する事務所を考えているわけでございます。それから法六十条でございますが、指定保証機関が前金の保証を行ない得る限度額というのがございます。これは指定保証機関の自己資本と保証金の合計額に一定倍率を乗じた額とするわけでございますが、大体いまのところ四十倍というふうに考えているわけでございます。 その他、省令につきましては、たとえば申請書に添付すべき様式だとか登録に必要な手続だとか証明書の様式だとかいうようなものがございますけれども、これにつきましては実情に合うように目下いろいろ検討いたしている次第でございます。
○田中一君 次に、五月十八日採決するについての附帯決議がありますが、附帯決議に対する考え方ですね、これもいつこれを通達するか、ですね。大体のめどと、どういう形の――局長通達になりますか何になりますか――のものになるか、お尋ねしたい。
○説明員(高橋弘篤君) 当委員会におきます附帯決議、三点ございました。この三点につきまして、この措置の方向につきまして御説明申し上げます。 第一点は、「各都道府県に宅地建物取引業審議会を設置するよう指導すること。」ということでございました。現在設置されているものは八府県でございます。これを私どももできる限り多くの都道府県に設置できるようにいたしたいのでございます。申しおくれましたが、すでにこの附帯決議につきましては、法を御可決成立されましたあとにおきまして全国会議をいたしまして、その席におきましてもこの附帯決議の趣旨は十二分に説明いたしておるわけでございますが、さらにこの施行にあたりまして施行通達を出しますので、その際にこの点につきましても設置が促進されるよう指示をいたし、また実質的にも指導をしてまいりたいというふうに考えております。 第二点は、「宅地建物取引業者が都道府県宅地建物取引業協会に全員加入するよう指導するとともに協会の自主的な規制を積極的に活用するよう努めること。」という点についてでございます。宅地建物取引業協会によりますところの自主規制というものにつきましては、誇大広告等の面につきましては、御承知のように、東京地区、大阪地区、名古屋地区という三地区におきましてはすでに実際に行なっておりまして、自主的規制というものもかなり効果をあげておると私ども評価いたしておるわけでございます。今後とも、そういう協会による自主規制というものを積極的に指導してまいるわけでございますが、やはりその自主規制の実をあげるには、附帯決議の御趣旨のとおりに、できる限り多数の業者がこの協会に参加いたしておることが望ましいわけでございますので、今後ともそういう点につきまして指導につとめたいというふうに考えている次第でございます。 第三点は、「営業保証金制度に代わる宅地建物取引損害てん補制度についてすみやかに検討し、その実現を図るよう努めること。」という点についてでございます。その宅地建物取引に伴う損害補てん制度につきましては、消費者保護の見地からいたしまして必要なことは、当委員会におきましていろいろ御質疑がございました、また御指摘があった点でございます。この点につきましては、私どもも十分にその意を体しながら研究いたしてまいりたいわけでございますが、たとえば現在の営業保証金との関係をどうするか、また、この損失補てん金制度というものができました際に選択制度にするかどうか。選択制度にすれば、やはりそれと同じような程度の保証金というものも必要がございます。そういう保証金との関連、また、この事務処理をどういうふうな機構でやるかという点、これにつきましても御承知のようにいろいろの考えがございます。いわゆる特殊法人の基金制度もございます。また公庫制度というものもございます。また、それの任意加入という考えもございますし、強制加入という考えもございます。さらにまた特殊な会社をつくってというような考え方もございます。さらに損保会社もこれについて研究いたしておるわけでございますので、そういう点につきましてどういう方法でやれば一番これが妥当であるかという点につきましても、十分なお検討される必要があろうかと存じます。さらに最も大事なことは、いわゆるこれが保険業務というようなことで、その体制をどういうふうに考えたらいいかという点についてでございます。つまり、この取引に伴っての損害をどの範囲にするか、事故の範囲というものをどういう範囲にするか、さらにこの保険料率もそれに伴ってどういう程度にしたら成り立つかというような、いわゆる保険業務の実際につきましても十分検討される必要がございます。したがって私どもはその基礎といたしまして、不動産取引に伴いますところのその事故の実態というものを目下調査いたしておる次第でございまして、具体的に個々にわたって調査をいたしておりますので、それをもとにして、その結果をある程度見まして、そうしていろいろの各方面の御意見を聞きながら住宅宅地審議会に諮問いたして結論を出し、先ほど官房長から説明がございましたように、予定どおりに私どもとしてもいたしたいと考えておる次第でございます。できる限り早く結論を出していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○田中一君 審議会にはいつごろ、むろん年内にこれをかけなければならぬと思いますし、いつごろ審議会にかけて幸いまの第三の問題は通常国会にかかっても一向差しつかえないわけでしょう。政令その他の問題については、いつごろこれは審議会にかけて準備ができますか。いつごろやるのですか。
○説明員(高橋弘篤君) 政令、省令につきましては、御承知のように施行期日が大体十二月中旬に予定されておりますので、やはりその一カ月前くらいまでにはきめたい、というふうに考えておるわけでございます。
○田中一君 第三の問題については、通常国会に提案する以前にむろん審議会を開いて、それに諮問しながらその決定を待つということですね。
○説明員(高橋弘篤君) 御質問の御趣旨のとおりでございます。
○田中一君 それから数日前に東京国税局か国税庁だったか、いわゆる不動産業者三千幾つの調査をやったところが、約九十億円の脱税をされておるということが摘発されて新聞に大きく書かれておりますが、この内容、対象者というものはどういう性格のものであるか、どういう範囲の仕事を行なっているのか、これは当然監督官庁である建設省としては内容の分析をしたはずだと思いますが、したがってこれに対する説明を願いたいと思います。
○説明員(高橋弘篤君) 御質問の件につきましての新聞記事につきましては、まだ実態調査をいたしておりませんので、調べまして御報告申し上げたいと思います。
○田中一君 建設大臣に伺いますが、いつこの連中――この連中というのは相当多いものなんです。私自身いろいろ聞いてみると、おおむねしろうとが土地を売ってたいへんなもうけをした、そのもうけは隠して、それからこれはうまいというので宅建業者になったという、最近の土地ブームで新しく宅建業者になったという、新米の業者じゃないかと思うのです。これは当然、非常に数年来土地が上がっているのですから、宅建業者というものは悪いことをするやつだというイメージを国民に押しつけているわけです。新聞のこれもそうです。これも九十億の脱税をしたんだと、三千何百と言っておりましたね。千何百がいわゆる申告漏れをしている。それを摘発したんだということを新聞に書かれると、宅建業者というものは全部そういうことを常習手段でやっているんだという印象を受けるんですが、私はそう思っておらないんです。だから、こういう事態があれば国税庁に、あなたのほうは同じ役所じゃありませんか、直ちに監督官庁として行って内容を調べる。たとえばこれはいつ業者になったのか、この時点ではどういうことをしていたのか、これはむろん個人で自分の土地を売ってどういう脱税をしようと、これは全然宅建業者という名前でなく報道されるわけです。脱税者として業者がなっているという以上、その業者の性格、その業者の実態というものは何であるかということを調べるのが、業者を育成し消費者保護の面からいっても当然な義務なんです。いまの計画局長の話を聞くと、数日前にこれが出ているならば、直ちにそれに対する調査を行ない、内容を分析して、建設省の態度として国民の前にはっきりとこれはかくかくのものであるということを表明すべき義務があると思うんです。事実また、宅建業者がこういう悪質なことをやっているならば、それこそひとつはっきりと、これを悪質とするならば――税金の申告漏れなんていうことはないとは限らないんです、善意というか過失でもって。しかし作為でもってこういうことをやっているならば、堂々と発表したって一向差しつかえたいわけなんですよ。そういう態度がないところに、くさいものにはふたをするということをしているのではなかろうと思うけれども、それまでの配慮が互いということによって、国民が選択を誤るということになる。こうした事例に対する態度、これをひとつ見解を示していただきたいと思います。これは建設大臣。
○国務大臣(西村英一君) 全く田中議員の言うとおりです。九十億円の脱税をした、これは実は申しわけないんですが、直ちに調査を命じようと、こう思っておりましたが、多忙でまだ命じておりません。当然です。しかも、その中に私が新聞でべつ見したところによると、大手の業者も二十三社あると書いております。これは新聞がほんとうかどうかわかりませんが、そう書いております。したがいまして、どちらかというとそういうことは私の命令を待たずに事務当局が直ちに調査すべきなんです。この際どちらかといいますと建設省は、はなはだ自分がおるところを悪く言っちゃすみませんが、まあ脱税というと大蔵省だと、われわれのほうには関係がないというような、そういうような気持ちを持っておる。たとえば新東京国際空港のあの騒ぎ、あれを工事をやるのはやっぱり土建業者ですから、土建業者がどういうような方法でどういうような難儀をしてやりおるのか、そういうようなことも調べてもらいたいと私は思っておりますが、これは一例でございまするが、いまの行政はやっぱり四方八方に目を配らないと、全部関係があることでございまして、この点はもちろんいまの脱税の問題については直ちに調査をするようにいたしますが、一般的な行政のしかたとしても、この際ひとつ私はその点につきまして局長連中にもよく注意をしたいと、かように思っております。いずれ調べました結果によりましては、これがあの記事のとおりであるのか、もっとほかの理由があるのか、とにかく九十億円の脱税をしたということが堂々と報じられておりますから、私は無関係ではあり得ないですから、調査をいたしましたらこの委員会に報告をさしていただきます。
○田中一君 宅建の関係は、この程度にしておきます。時間もありませんから。 もう一つ、これも昨年の通常国会で通った法律案ですが、建設業法の改正の問題、これは非常に参議院当委員会は追い込められまして、ぎりぎりに完全な審査も十分にしないで通した法律案である。したがって修正をしたいような気持ちでおったのでありますが、それもできずに成立しました。しかし内容については、いろいろ政府に対して問題点を投げかけて、これが政令並びに省令で、修正というよりも本質的に補てんされるならばよろしいということにして通ったわけです。ことに十項目に及ぶ附帯決議をつけまして、十分に、大臣としてはこれを検討して守ろうというような意思表示があったために通ったのでありますが、で、これもたくさん問題点がありますけれども、一番の大きな問題というのは、この附帯決議の中の第一の問題、軽微の工事という問題、この軽微の工事の中で、一応これでもろて政府も了承して、この附帯決議をのみましょうということを言明した。ところが実態においては、木造建築ということばを使っております。木造建築、そのために木造建築に対する概念というか、定義というものを非常に歪曲して、狭義の解釈をして、狭義の実行を対象者に迫ろうというような機運もある。最近耳にするところによれば、この法律ができて以後、通牒、局長通牒か何か知りませんけれども、通牒でたとえば金属、鉄等をもしも構造体に使った場合には、これは木造建築ではないというような考え方でいけというようなことを言っておる。私はこの木造住宅というものと、それに対するこまかい論戦をここでしようと思いません。思いませんけれども、あなた方自身が長い間の懸案の法律案でよくその実態を知っているはずです。そういう通牒を出したことがあるかないか、先に伺います。
○説明員(高橋弘篤君) 計画局の所管といたしましては、通達を出したことはございません。
○田中一君 それではこの施行に当たる説明の機会に、そういうことを言ったことはありませんか。たとえばこの付帯構造に鋼製のはりでも使った場合には、木造建築じゃないのだ、こういうことを言ったことはありませんか。
○説明員(高橋弘篤君) そういう先生のおっしゃったことは、私自身も言ったことはございませんし、いま担当者に聞きましても、言ったことはないそうでございます。
○田中一君 これは御承知のように、十坪、十五坪、三十坪、五十坪ぐらいの木造建築というものは請負人がやっておらないのですよ。請負人がかりに受けたとしても、大工さんがやっています。町場の大工さんがやっているのです。重層の請負というものは、いかに労働者を苦しめ、消費者、注文を出すものに損失を与えているか、あなた御承知のとおり、あなた自分のうちをつくればわかる、計画局長。そうして複雑な流通機構というか、重層の請負という形式によって、損をするのは末端の労働者と注文を出す者なんです。発注者、いわゆる消費者が損をするのです。それをなるべくじかに単一化してやらせようというのが、私がここに言っている軽微な工事、軽微な仕事というものは税金も事業税も取らない形でもってやりなさいと、いいですか、事業税は取らないでいい範囲でやりなさい、大きな金を出して登録をしなければならぬというのじゃなくて、登録しないでもいいということでやりなさい、こういうことを言っている。これは消費者保護のためにもこれを主張しているわけなんです。ところがそれを木造建築というか、木造住宅とここでなっているものだから、自分の住いにしていて、表のほうには小さな店舗を持っている。あるいはお汁粉屋をやっていると、これは木造住宅でないじゃないかと、こういうことを主張しようという考え方があなた方にあるのじゃなかろうか。たとえば下に自分がお菓子屋やお汁粉屋をやって、二階を少し広げてそれを人に貸しているという場合には、これは木造住宅じゃないじゃないか、こういうようなことを言って――実態にそぐわないのですよ。全く過去何十年か前の古くさい権力をこういうもので押しつけようというような機運があるのじゃなかろうか。したがって、延べ面積が百五十平米未満の木造住宅工事、その他の建設工事にあっては百万円に満たない工事、これを除外しなさい、こう言っているこの実態としてはどういうものをさしておるか、これを局長ひとつ説明してほしいと思います。
○説明員(高橋弘篤君) 私ども政令事項でございますから政令で規定いたすわけでございますけれども、適用除外事項につきましては、当委員会で御決議されましたこの事項のとおりに私ども政令に規定いたす考えでございまして、いささかもその点について疑問を持ったこともございませんし、変えようというふうに検討いたしたこともございません。したがって、先生の御趣旨のとおりに、ここにございますとおりの建築一式工事においては三百万に満たない工事、それから木造住宅工事につきましては延べ面積百五十平方メートル未満、その他の建設工事につきましては百万円に満たない工事というふうに規定いたすわけでございまして、この木造住宅工事につきましても、住宅という建築物の主体が木造でありますればこれは木造住宅というふうに考えております。
○田中一君 いまいろいろ住宅の建築も多様化しております。材料の使い方から工法も非常に変わってきた。いわゆるわれわれが通念として庶民住宅、いわゆる庶民の木造住宅だと言っているのが通念なんですが、むろん、筋かいなんかには鉄棒を使っています。ある場合にははりに軽量鉄骨を入れる場合もあります。またはりのかわりに軽量鉄骨でやって、それを木造でもって被覆する場合もあります。そういうものを総称して私は木造住宅と言っているわけです。いいですか、こういうものは特別な技術がなくちゃできないものじゃない、大工さんがみんなやっているのです。木造住宅になっているから、木材、木のみだと、それから住宅といっているから店舗を張っちゃだめだ、こういうことを言うのは、これはあなた方のいやがらせなんですよ。非常に変わっております、構造体その他も。しかもわれわれが言っていることは何かと言うと、四十五坪程度の庶民住宅をさしているわけです。むろん、下にお汁粉屋をやっていたってこれは住宅ですよ、その点の考え方はどうですか。下でお汁粉屋を自分がやっているとそれはもう住宅じゃないんだと、こういうような考え方を持っているんじゃないですか。
○説明員(高橋弘篤君) 具体的な物件につきましてはいろいろまたございましょうけれども、先ほど申し上げましたように、私どもは先生の御趣旨のとおりに考えておる次第でございまして、いささかもこれを変えようというわけじゃございません。先ほど申し上げましたとおり、建築物の主体部が木造であるというものにつきましては、これは木造住宅工事であるというふうに解したいと考えておるわけでございます。
○田中一君 これはどっちみち三月三十一日までに……、これいつから、公布はいつだったか、施行は四月一日ですね。それまでに一応成文化するので、まだ沖繩国会もあり、通常国会もあるから、十分、あなた方当委員会で約束しているような問題については、まだまだ質疑をする時間がありますが、どうかひとつやたらに、働いている賃金で暮らしている者を苦しめるような方向は極力避けること、これだけはひとつ建設大臣、あなたに申し上げたい。あなたがその腹をぴちっと持って、法律が通ったのだから解釈は自分たちの自由だという考え方じゃございませんで、その点はひとついま申し上げたような点を中心に大臣が腹をきめて、そして、大部分信用していても少し信用できない、こういう官僚諸君でありますが、(笑声)これを信用してやって、そうして国民が求めるというものに持っていってほしいということを大臣に申し上げておきます。まだほかにこまかいことがありますが、まだまだ息は長いですから、次回に譲ります。
○茜ケ久保重光君 建設大臣に一、二御意見やら御質問を申し上げます。 これは尾瀬の問題であります。道路局長にお伺いしておきましたので、大体は尽きておるのですが、責任者である大臣に最後を締めくくっていただきたい。 大臣、御承知のとおりに尾瀬の自然はちょっと世界的にも類を見ないようなすばらしいものであります。年間五、六十万人ものハイカー、愛好者がここを訪れる。そこに建設省の御援助を受けて群馬県が道路をつくる予定で、厚生省からも許可を受けて始めた。これが環境庁ができましたとたんに、大石環境庁長官が道路に待ったをかけて、みずからも飛んでいって調査をして、いま問題になっておるわけです。まあこの点については公害委員会で大石君といろいろやりとりしたのでありますが、結論としては自然保護に重点を置いてこの道路建設を中止する方向にいきたいということでありますが、建設大臣は全国で道路建設その他のことで、まあ自然の保護の問題とか環境保護の問題とか、また古墳なり、そういった文化財等の問題が多くありますし、建設大臣の所見としてはこういった問題についてどういうような措置をとっていきたいと思っていらっしゃるか、自然保護なり環境保護を重点にしていきたいということであるか、これは今後高速自動車道の建設もどんどん進んでまいりますので、こういった点の大臣の所信を伺いたい。
○国務大臣(西村英一君) 問題が二つあろうと思います。尾瀬の問題を一体どう考えるかということと、それからもう一つは、一体環境庁の所管である環境破壊の点と公共事業との関連をどう考えるかということですが、一般的に申しまして、私たちは今後公共事業をあくまで進めていかなければならぬという立場に立っております。しかしまた一方、無益な、その自然を破壊しちゃいけないと、これはまた確かな一つのわれわれの希望でもございます。したがいまして、今後はやはり十分な事務的な段階で調節をとって、やっぱり納得づくで行くということ、そこにはおのずから調和がある。公害があるからといって、それじゃ排気ガスが出るからといって自動車を一台も使うなというわけにいきません。また自然を破壊する道路は一本もつくるなというわけにいきません。そこにはおのずから調和があるものというふうに考えまするから、事務的には非常に複雑であっても、事務的な段階で十分詰めて物事を考えていくということをやっていきたい、かように考えております。 尾瀬の問題につきましてはさきにこれは審議会ができまして、国立公園の審議会でもってこの地にひとつ道路をつくろうという現在の計画になっておるわけでございます。ところが大石長官が向こうに参りまして、それはちょっと出過ぎじゃないかというような発言があったようであります。閣議でも大石大臣から発言がございました。しかしそれはそれとして、いま契約してやっておる工事を中止するわけにはいかないだろう、次にどうするかということならば、もう一ぺん関係者が集まって、ことに国立公園審の許可を得ておるものでございますから、関係者が集まってやはり相談づくでいかなければいかぬ、かように考えておるのでございまして、現在策定された計画をこれを変更するということになれば、あらためて公式のやはり県も含んだ建設省及び県当局ないし環境庁を含んだ結局審議をし直すということになろうかと思っておる次第でございまして、全然無関心でこの工事が進められたものではございません。ある程度この辺でいいだろうということで前もやったのでございますが、それをただ環境庁の立場のみから全部がだめだこういうわけにはまいらないと思っておりまするが、この点につきましては、ひとつ先生も当地の出身の方でございますから、十分審議を尽くしてこれ以上やめようじゃないか、あるいはごうすればもっと自然の保護ができるんじゃないかという良案を得て施工したい、かように考えておりまして、いまやっている工事を直ちに工事を打ち切るというわけにはまいらない、かように考えておりますから、どうぞよろしく今後も地元の先生として御指導、調和のとれた行き方をひとつお願いを申し上げたい、かように考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 道路局長にいろいろと申し上げたので、お話があると思うのでありますが、重複は避けます。ただ最後にいま大臣もおっしゃったように現在施工しておりますから、その点に対する施工の中止はこれはいまのところいたしておりません、工事はやっております。ただこれを最後の地点の三キロぐらいのものを自動車道にするかあるいは遊歩道にするか、これが大体残っておる問題でございますが、これは環境庁としては遊歩道にしてもらいたいという要望が強いようでありますし、県側もこれはあえて自動車道にしようという強い意思もこれはないんじゃないかと思っております。この辺のところを話し合いはつくだろうと思います。私ども大臣のおっしゃるように協力したいと思っているんです。ただ問題は、いま施工している最後の地点から先の問題でございまして、これは絶対環境破壊になるということで大石大臣も非常に強い要望をしているわけです、中止を。 そこでそれはよろしいのでございますが、県なり地元民としてはやはり福島県との自動車による交通の可能性について非常な執着を持っている。そこで一部の間ではなお現在の予定線を固執しておりますけれども、これは私はいま言ったようにどうも可能性が薄いし、またそうしちゃいかぬと思っておりますが、問題はしたがってこれにかわる線をどこに求めるか。先ほど中岐林道ということも申し上げたんですが、これも問題があるようでございます。しかし現時点では一番いいんじゃないかということでございます。そこで大臣に要望になりますが、県としても苦慮しておるというのは、せっかくいろんな手続を経てそれぞれの立場で予定をつくって工事を始めたら途中でやめろ――しかし何といっても国の援助がなければできないことでございますから、あっさりあきらめて次の予定線をやったときには、なかなか国の協力を得られぬということでは困るわけでございまして、そういう点でおそらく県なども苦慮しておるのじゃないかと推察するわけでございます。 そこできょうの大臣に対する質問、要望は、そういった県の立場を考えながらひとつ、今後県の立場を表明するにしても、重要な何と申しますか点でございますので、よしんば環境庁の言い分を全面的に受け入れて現在の建設時点で中止して、かりに接続線を予定し建設をしたいという場合には、ひとついままでと同じように、それ以上に協力を国としてやっていただきたい。それに対する建設大臣の決意といっちゃ大げさですが、ひとつはっきりした御言明をお願いしたい、こういうことなんです。
○国務大臣(西村英一君) いまにかわるいい案があれば、もちろん私たちも賛成して両県の交通の便益に資したいということは、これはもうそういうふうに考える。ただし福島と群馬を結ぶ路線には、田島からおそらく五十里を通って今市に行く何号線ですか――それで連絡線はあると存じます。それは今度考える路線がどういうことにあるかということによって、納得すれば当然これはお助けしなければならぬと思っておりますから、ひとつりっぱなこれにかわる路線ができるということをお願いをするわけでございまして、いずれにいたしましても、これは現在の計画を廃棄してこれからこうするのだという結論を早く出してもらいたい、というふうに私も考えております。その結果によって良案ができれば、国としても十分考えたい、かように思っております。
○茜ケ久保重光君 ぜひお願いしたいと思うのです。大臣もおっしゃったように、私どもいわゆる地元でございますから、立場は違いましても尾瀬の自然保護を重点的に考えながら、また地元民の要望もぜひかなえられるように協力してまいりたいと思っております。しかし何といっても道路建設は多額の費用を要することでございますから、国の御協力なしには不可能でございます。ひとつあらゆる面で総合的左立場で協力したいと思っておりますので、ぜひ大臣もそういった点をお含みの上これがスムーズな解決とそして早くそういった要望をかなえられますようにひとつ御協力をお願いして、質問を終わります。
○委員長(小林武君) 本日の調査は、この程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時三十八分散会