交通安全対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/08/10
会議録
○伊藤委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。 この際、政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。内村航空局長。
○内村説明員 ただいま委員長から御指名がございまして、私のほうから、先般航空交通安全緊急対策要綱というものをつくりましたので、その点につきまして御説明を申し上げたいと思います。 これは、先般の自衛隊機と全日空機との衝突にかんがみまして、今後自衛隊機と民間とのまず分離ということが必要ではないか、そのために自衛隊機と民間との間をどういうふうに分離交通するかということを主眼といたしまして考えた緊急対策でございます。 まず第一に、一つは、空港の空域、それから航空路の空域、その航空路の空域の中にはジェットルートの空域というものも入れて考えますけれども、それと自衛隊の訓練空域及び試験空域というものを完全に分離するということがまず主眼でございます。それによりまして、自衛隊の訓練空域ないし試験空域というものを、完全に空港の空域及び航空路の空域からはずしましたところに設定いたしました。この空域設定につきましては、防衛庁長官と運輸大臣が協議いたしまして、それでこれならばだいじょうぶというものをきめて、それを公示するというふうなことにいたしました。 その次に、空域につきまして、有視界飛行方式による訓練飛行のできる空域というものを設定いたしました。と申しますのは、航空路の中には、計器飛行による最低安全高度というものがきめられておりまして、その下につきましては有視界飛行が自由であるということ、それから航空交通管制区、これは飛行場のまわりでございますけれども、飛行場のまわりで一定のある範囲につきましては、その一定の底がございまして、その下については有視界飛行が自由ということになっております。そういう二つの場所におきましては、いま申しました一番底の空域から安全のために一千フィートをとりまして、その一千フィート以下のところなら有視界飛行をやってよろしいということにいたしまして、これによりまして航空路とかあるいは航空管制区というものから有視界飛行を分離いたしまして、有視界飛行がそういうところにまぎれ込むことがないようにいたしました。そういうところにおきましては、有視界飛行ができるのだということにいたしました。 それから三番目には、特別管制空域というものを設定するということでございます。特別管制空域と申しますのは、わかりやすく申し上げますと、いかなる航空機でも運輸大臣の管制を受けなければならない空域というふうなものでございます。本来、管制を受けるのは、いわゆる計器飛行方式と、それから有視界飛行方式、この二つの飛び方が飛行機にはあるわけでございますが、有視界飛行方式のほうは、管制を受けないで自由に飛べるという性格を持っております。それに対しまして、計器飛行方式の場合には、必ず管制官にクリアランスをもらいまして、管制の指示に従って飛ぶというのが計器飛行方式の性格でございます。したがいまして、従来ならば、航空路に、これは計器飛行で飛んでおりますけれども、そこに有視界飛行の飛行機が目で見ながらこれを横断するということは自由にできるたてまえになっておりました。しかし、これでは危険ではないかということで、そういうふうな飛行場の空域とか、あるいは航空路の特定のところ、そういうところを特別管制空域ということにいたしまして、有視界飛行も、この特定の空域に入る場合には管制官の承認がなければいけませんということにしたわけでございます。これが特別管制空域でございます。 その特別管制空域には、ターミナルの特別管制空域、つまり飛行場の上空及びその周辺、たとえて申し上げますと、すでにいままでにも、三沢、東京、大阪、名古屋、宮崎、鹿児島、この六つの飛行場につきましては特別管制区を設定しておりまして、有視界飛行でも、その中に入ってまいります場合には管制官の承認を受けなければならぬということになっておりますが、そういった空域をさらに新たに福岡、仙台、高松、千歳というものにも及ぼしまして、そういったところでも、管制官の承認がなければ有視界飛行では飛べないのですというふうな形にいたしたわけでございます。 それから次に、東京、大阪、これは飛行場でございますけれども、いままでも特別管制空域に指定されておりましたが、さらにその範囲を拡大する、たとえば、羽田の場合には御宿上空のほうまでも特別管制空域に入れていくというふうに拡大するというふうなことをいたしたわけでございます。 それからさらに、いま申し上げましたのは飛行場についての特別管制空域でございますが、そのほかに、航空路につきましても、おもな幹線航空路のうち、航空がふくそうする、そういうところにつきましては特別管制空域というものを設定するというふうなことにいたしました。このおもな航空路と申しますのは、東京−大阪−福岡ルート、あるいは東京−串本−鹿児島——これは国際線のルートであります。あるいは東京−札幌ルート、そういうふうなところの交通ふくそう部について特別管制空域をさしあたり設定しようというふうに考えております。 それからさらに、先ほど申し上げました自衛隊用の訓練空域というものを全然別個に設定するわけでございますが、そこに到達するまでにはやはり飛行機は飛んでいかなければなりませんわけで、その場合に航空路と交差する場合もあるが、そういう場合には、特定の、回廊と申しますか、トンネルのようなものをつくりまして、自衛隊の飛行機はここを飛びなさい、民間航空機はここを飛んではいけませんというふうな特別な回廊をつくります。つまり立体交差というふうなことをやることによって衝突を回避しようというふうなことをいたしました。 それからその次に、先ほど申し上げました訓練空域を除きまして、雲上有視界飛行を禁止するという措置をとったわけでございます。この雲上有視界飛行と申しますのは、下のほうには雲があるけれども、雲の上はすっかり晴れていて見通しがいいという場合には、飛行機は航空路を通っているわけでございますが、雲の高さに応じて上がったり下がったりするというふうな飛行方法がいままで認められております。これを雲上有視界飛行、こう言っておりますけれども、この場合に、一方において雲上有視界飛行、こうやっておりまして、一方において計器飛行で雲の中を突っ切ることがあるということになりますと、たまたま雲を出るところでもってぶつかるというふうなことがありますので、これも禁止するということにいたしました。従来から夜間につきまして民間の航空機は雲上有視界飛行を禁止しておりますけれども、このたびは昼間も含めまして雲上有視界飛行は一切禁止する、ただし訓練空域は残るというふうなことにしたわけでございます。 そういった、いま申し上げましたようなことを基本にいたしまして、防衛庁と私どものほうと協議を行ないまして、具体的に訓練空域をどう設定するかというふうなことについて現在協議を進めておる段階でございます。 それからさらに、「運輸省の航空行政と自衛隊の業務との間の調整に関する覚書」という覚書が従来あったわけでございますが、これはこの際航空交通安全の見地から白紙に戻しまして、すみやかに新しい結論を出すということにいたしております。これについてもなお引き続きこれから協議を進めたいというふうに考えております。 さらに、こういった措置のうち、在日米軍機の運航等に関係のある事項につきましては、米側の協力を求めるということにいたしまして、今後さらにこういったようなことにつきまして米側とも折衝いたしまして、あるいは訓練空域の分離なり縮小なりといったことを協議してまいりたいというふうに考えております。 以上、大体御説明を終わります。 —————————————
○伊藤委員長 本日は、航空交通の安全対策に関する問題について、参考人として、日本航空株式会社社長朝田静夫君、航空評論家関川栄一郎君、航空安全推進連絡会議事務局長松田更一君に御出席をいただいております。 各参考人には御多用のところ御出席をいただきまして、厚く御礼を申し上げます。 最近における航空輸送需要は、わが国経済の高度成長と国民所得水準の上昇とともに、ここ数年来急激な膨張を遂げてきておりますが、この傾向は今後とも続くものと見られ、このような近年における航空交通のふくそう化、並びに航空技術の革新による機材の超大型化及び高速化に伴い、航空交通の安全確保が焦眉の重要課題となっております。特に最近起きた数次にわたる航空機事故は、航空輸送の基本となるべき航空交通の安全の問題を再認識させ、また社会の関心も高まっており、こうした事態を契機に、長期的な展望に立った空港整備計画等の策定が必要であり、この長期計画に基づいて、現在直面しておる諸問題の解決がはかられなければならないのであります。 本委員会といたしましても、航空交通の安全対策について調査を進めておりますが、本日は、それぞれの立場から、航空交通の安全対策に関する問題について忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 御意見の開陳は、朝田静夫君、関川栄一郎君、松田更一君の順で、お一人約十分程度お願いいたします。 それでは、朝田参考人から御意見を伺うことにいたします。
○朝田参考人 日本航空の社長の朝田でございます。 本日、当委員会で意見を申し述べることになったわけでございますが、まず、二つの問題に分けて御説明を申し上げたいと思うわけであります。その一つは、私どもの会社でとっております安全対策、二番目は、政府各部門に要望をさせていただきたい事項、こういうことでお話をさせていただきたいと思うわけでございます。 私どもの会社でとっております安全対策の、経営の基本的な姿勢からまず申し上げたいと思うわけでございますが、当然のことでございますけれども、航空輸送事業を経営いたしておりまするものといたしまして、安全性の確保というものが何ものにもまさる最重点的な施策としてこれを運営しなければならないことは、申すまでもないところでございます。私どもの会社が、自主運航以来約二十年近くになっておりますが、旅客の死亡事故がゼロであるという実績を有しておりまして、この伝統的な精神はあくまでも守り抜かなければならない、このことが、経営の上におきまして、他の問題と競合いたします場合にもあくまでも妥協をしない、かたくなだと言われましてもそれを守り通す絶対前提条件であるということを常に鮮明にいたしておるわけでございます。特に、整備の施設に多額の投資を今日まで続けてまいりまして、設備、施設だけでも三百億円にのぼっております。各種部品を含めまして五百三十億円の投資を今日まで続けてきております。なおかつ、技術の開発にも続けて努力をいたしておる状態でございます。 いま申し上げましたように、私どもの会社の経営方針として、少しでも安全性向上のために非能率であったり、あるいはやりにくくなっておったりすることが現場でもしありといたしまするならば、直ちにこれを取り除く、経営の側において一刻もすみやかにこれを取り除くことにいたしておるのが、経営における方針でございます。特に、私どものほうで重点を置いておりますことは、品質管理とZD運動の推進でございます。ZD運動は、御承知のように、グループ活動でございまして、目標指向活動であると同時に、また提案活動でもございます。各職場を通じまして経営に参画をするという意識の高揚として、いまや各職場に私は定着しつつあると考えておるようなわけでございます。 およそ航空安全について私は六つの要素があろうと思うのでございまして、その六つの柱、重要な要素として考えられますことは、まず第一に、航空機とその整備でございます。第二は、乗員及び運航管理者の問題でございます。第三番目に、飛行場あるいはその滑走路、誘導路の施設、四番目には航空保安施設、五番目に航空交通管制、第六番目に航空気象、こういうことであろうと考えるわけでございます。いま申し上げました六つの要素の中で航空会社で直接管理できますものは、最初に述べました航空機と、それから乗員及び運航管理者の問題でございます。 あとの四項目につきましては、機会あるごとに政府に対しましても要望を重ねておる次第でございますが、私どもの会社といたしまして、運航の安全について、先ほど申し上げました経営の姿勢以外に、具体的な諸施策を進めておるわけでございますが、まず第一に、多くの人員と機材を駆使して行ないます近代航空におきまして、運航あるいは整備に関するルールというものが確立していなければならぬ、これが不可欠の要件であろうと思います。第二に、安全運航の基本的な要件といたしまして、高度の技術を修得させるための訓練というものがございます。第三に、この技術を体得した上で、さらに、先ほど申し上げましたルールを徹底的に順守する資質をつくり上げるということが必要であろうかと存じます。 こういった基礎の上に立ちまして、信頼性のある機材を運用することによって、初めて乗客の生命を預かる安全運航の実施が自信を持ってできるのでございます。 ところが、安全運航の維持というものは、こういうことばかりでございませんで、自社の運航経験だけでなしに、あらゆる世界じゅうで起こりました事故を自分の会社の場合に照らし合わせて、あらゆるインフォーメーションあるいはデータを収集して不断の改善をはかるということをつとめておるわけでございます。 まず第一に、りっぱなマニュアル、ルールをつくるということが必要でございまして、人によって異なる判断を生ずる余地のないりっぱなマニュアルをつくる、そのマニュアルが、わかりやすくて、かつ、守りやすい規則でなければならない、また、かりに一つのミスを犯しましてもなお安全が保障されるようなバックアップ・システム、こういったものをつくって実行しておるわけでございます。 訓練につきましては、いま申し上げましたように、そういうマニュアルを、自由裁量をはさむことなしに、厳格に徹底的に守り得る資質をつくり上げるということに重点を置いておるわけでございますが、特にシミュレーターを活用いたしておりまして、わが社においては、いま747、いわゆるジャンボジェットのシミュレーターを一基、DC8のシミュレーターを三基、そして727のシミュレーターを一基、合計五基を保有いたしておるわけでございます。訓練基地といたしましては、実用機の訓練のために、アメリカのワシントン州のモーゼスレークに自社訓練施設を持っております。また、仙台におきましては、いわゆる基礎訓練課程のために、日航独自の方式によりますところの基礎訓練所を持っておるわけでございまして、この訓練所においては、航空大学校の修習課程の最後の課程を私どもは委託を受けてこれを実施いたしておるようなわけでございます。第三番目の人格養成の点につきましても、基礎課程を、この意味から言いましても、重視いたしまして、国際的にもすぐれた機長としての人格識見を備えることを目標といたしまして、訓練生の時代から一貫した教育を施しておるわけでございます。いま申し上げましたようなルールメーキング、 マニュアルあるいはルールをりっぱなものをつくる、それを守り通すだけの資質を養成することが教育訓練でございまして、そういうところに加えて、さらにオペレーションの実績に応じてそれをフィードバックしていく、そしてまた、その規定なりマニュアルというものを修正してそれに改善を加えていくという方式をとっておりまして、特にどの部にも制肘を受けないで独自に運航の安全監査をやる航務安全監査室というものをつくりまして、全体にこれをにらんでさらにまたルールメーキングにフィードバックをしておるというような方法をとっておるわけでございます。 時間の関係もございますので一そういう施設につきましても、私ども、先ほど申し上げましたようなことで、品質管理あるいははZD運動の定着化とともに、ただいまの安全保障対策あるいは機材と安全、あるいは安全性の上から見て機材を改修していく、こういうこと、あるいは整備技術の開発といったような点にも重点を置きまして、新しい技術の開発にもつとめておるようなわけでございます。 政府に要望いたしたいことを率直に申し上げさしていただきますならば、現状の航空行政というのが、一言にして申し上げますならば、航空界の、飛行機のほうが日進月歩の技術革新でどんどん進んでまいりまするにもかかわらず、特に地上施設がこれに伴わないということでございます。諸外国の航空行政と比較して著しく劣るところがございます。率直に申し上げまして、安全性確保において重大な要素でありますところの、政府のおやりになる施設と技術、行政運営面が十分でないということを申し上げたいのであります。すでに国会の審議でもあるいは一般にも指摘されておりますように、航空交通管制の面におきましても、運輸大臣が委任をしておられる自衛隊のほうがはるかに施設と人員が整っておる。本家本元の運輸省のほうがあまりにも貧弱な施設と人員であるというのが現状でございます。五カ年計画で整備をされることになっております空港の整備計画を、最近累次の事故にかんがみまして、繰り上げて実施をするということもいわれておりますが、それにいたしましても、三年ぐらいはかかるんじゃないか。特に、施設ができましても、管制官あるいは通信盲あるいはその他の技術者というものが、一朝一夕に整うべくもないと思われるのでございます。 そこで私ども、米国の一九三〇年以来の航空行政機構の改革の経験を通じまして、行政改革がアメリカでも逐次行なわれてまいったのでございます。私は、そういった施設の一元的な運用、人員の一元的な運用ということに、単に緊密な連絡をとっておやりになるというようなことでなしに、この際行政機構をひとつ思い切って整備していただきたいと思うわけでございます。 アメリカで航空の行政機構の——先ほど経験と申しましたが、一九三〇年には、いわゆるCABというのが設立されております。シビル・エビエーション・ボードでありますが、現在の運輸省の航空局のごとく、いわゆる航空事業の振興あるいは政策あるいは安全面、事故調査など、すべて包含をしておった組織でございます。ところが、一九三五年におきまして、CABとCAAと分離いたしまして、CAAというのは、シビル・エビエーション・オーソリティー・エージェンシーでありますが、これが航空安全行政を担当したわけでございます。いわゆる航空局の監督行政と航空安全行政と分離いたしたわけでございます。一九五八年には、CABと、それからこのCAAというのが、軍と民間航空とをあわせた交通安全行政というものを担当するFAA、いわゆるフェデラル・エビエーション・エージェンシー、連邦航空局と申しましょうか、そういう組織になったわけでございます。一九六六年に、このCABとFAAに加えて、いわゆる交通事故調査機関と申しますか、NTSBというのが設置されております。ナショナル・トランスポーテーション・セーフティー・ボード、こういう交通安全庁のようなものが設置をされまして、最近に至りまして、商務省とかそういったような行政機構に属しておりました航空行政も、いわゆる運輸省というものが設立されまして、FAAと、いま申し上げましたNTSBがこの配下に置かれたわけでございます。CABは、以前からでございますけれども、大統領の直属になっておるというようなことでございます。私は、こういうアメリカのような機構をまつまでもなく、運輸省の海運行政を見れば、同じ思想の上に立って機構がつくられていると思うわけでございます。海運は、もちろん、伝統と歴史のある行政においても、あるいはその産業界においても、造船を含めて非常に大きなウエートを持っておったわけでありますが、運輸省の内局に海運、船舶、船員、港湾という四局がございまして、海上におきますところのロー・エンフォースメント、法令の順守、執行にあたりまして、あるいは水路とか灯台といったような、海上の航行保安施設の運営にあたっております海上保安庁というものがございます。また、海難の事故審判にあたって、戦前の海員懲戒法から、海員を懲戒しただけでは事故は絶滅できない、そこで真相の探求主義に移行いたしましたのが海難審判法でございまして、その際に、戦後できましたのが海難審判庁で、いわゆるNTSB、先ほど申し上げましたような機構と全く相応しておるわけでございます。こういう体制が、CABは大統領直属の機構でありますが、これが運輸省の内局に該当しておる、FAAが海上保安庁に該当しておる、いま申し上げましたように、NTSBが海難審判庁にあたるわけでございまして、米国の例を持ってくるまでもなく、運輸省自体でそういう思想を同じくするりっぱな行政機構を持っておられるわけでございます。独立いたしました航空事故調査庁の設置は、私どもが従来から陳情、お願いを申し上げておるところでございますが、事故ごとに臨時に調査委員を任命されてその原因究明にあたっておられますが、恒久的な常設機関がなければ、事務当局の組織、そういったものを駆使して原因を探究するのになお不十分であると思うわけでございます。 そこで私は、先ほど申し上げました、自衛隊にすでに二十四カ所のレーダーサイトがあり、そしてそれを管制と結合いたしまして一元的に運用をはかるということは、米国において先ほど申し上げましたFAAのつくられた事情から考えて、この際ぜひとも実現をしていただきたいと思うわけでございます。レーダーコントロールによりますところの航空交通管制を一元的に行なうことによりまして、航空機に対して航行援助を与える、誘導していく。箱根と福岡の二カ所しかない運輸省のレーダーのカバーする範囲は一部でございますので、早急に自衛隊の設備と人員を活用し得る体制をとるべきであろうと思うわけでございます。 また、気象につきましても、気象庁だけでなしに、自衛隊に相当大きな組織の気象群というものがございます。そういう気象群による観測データをあわせて活用すべきであろうと思うわけであります。 このように一元的な運用が政治の面で特に処断されなければ、とうてい実現し得ないように思われるわけでありまして、行政当局の事務レベルでの協議にまかしておいては、私は百年河清を待つがごときであるというふうに感ずるのでございます。 時間の関係で、あとは端折って申し上げますが、航空法の改正を、私どもはすでに私が専務で航務本部長をつとめておりましたときから陳情を出しております。プロペラ時代の航空法が、いま申し上げるような日進月歩の技術革新に即応しないという面が多々あるわけでございますので、航空法の改正ということも取り上げていただきたい。 それからまた、地方空港の整備、VORあるいは、DME、ILSの設置を整備五カ年計画においてお考えになっておりますけれども、そういうことに対処いたしまして、私どもも航行援助サービス料というものを負担しております。受益者負担の原則からいって、当然私どももこれに協力をいたしておるわけでございます。 空港の過密状態に対する道は、私どもはこれを大型化あるいは新鋭機材による大型化ということによって対処してまいりたいというふうに考えておりまして、航空が国民大衆の足として定着してまいりました現在、需要の増大にこたえて、しかも便数を総体的にふやさないで、しかも安全性が向上いたしております新鋭の大型機でこれに対処する、私は、むしろこれのほうがそういう安全性の見地からいって好ましいというふうな考え方に立っておるのでございます。したがいまして、今日、四十五年と比べまして、私どものキャパシティを大きくして機材を投入いたしました結果、私どもの会社の四十六年度の国内線の増便は著しくないわけであります。むしろ減便をいたしているくらいでございます。離発着の回数も少なくて済むというようなことで、これに対応する地上の航行安全施設というものの完備を待ちまして、空港の処理能力の限界と相まって、過密状態に対処する道は、大型化をもってせざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。 時間が過ぎたようでございますから、これで失礼をいたします。
○伊藤委員長 参考人の方々にお知らせをいたしておきます。お一人の陳述時間は十分程度ということをお含みの上にひとつ御意見の開陳を願いたいと存じます。 関川参考人。
○関川参考人 簡単に申し上げます。 今回の連続事故を契機にいたしまして、以前から論議されておりました航空法の抜本改正ということがいよいよ実現の段取りになりました。これはまことに喜ばしいことでございます。ところが、航空法を改正いたしますにつきまして、一つ政府のほうにくれぐれもお願いを申し上げておきたいことがございます。それは、ただいまから五年前、昭和四十一年でございますが、やはり連続航空事故がございまして、そのときにこの航空法の抜本改正ということがやはり話題にのぼったことがございます。そのときに、航空技術安全協力委員会、俗称アタスコという組織がございますが、ここから航空法の改正について政府に要望書が出たわけでございます。これは安全向上のための要望という名目にはなっておりましたけれども、内容を読んでみますと、操縦士の訓練時間の規則をもっと短くしろというふうな、安全向上とはやや逆行するような内容が盛られておりました。私どもこれに対しまして反対意見を述べた記憶があるのでございますけれども、今回また、この航空法抜本改正の声に乗りまして再びそういう要求が出ないとも限りませんので、改正なさる方々は、こういった点にくれぐれも気をつけて、正しい方向の改正を進めていただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。 それから二番目に、この航空法改正について一つの問題点になろうかと思われますのは、自衛隊の航空機に対する法の適用除外の問題でございます。御承知のように、自衛隊法第百七条によりまして、自衛隊の航空機につきましては、現在の航空法が文字どおりほとんど適用除外の扱いを受けることになっております。これは軍用機という特殊な性格から申しまして、航空法をそのまま適用するということには非常に無理がございます。ですから、現在の適用除外の条項が私は必ずしも悪いとは申しませんが、今回抜本的改正で洗い直すというのを機会にいたしまして、もう少し何とか妥当な形で航空法が自衛隊の飛行機にも適用できないかといった点を御検討願えないかと思うのでございます。 それからもう一つ、かりに適用が無理だという結論が出たといたしましても、自衛隊の運用者、パイロット、そういった方々に、航空法というものをもう少し勉強する機会を与えていただきたい。今回の盛岡上空の空中衝突事件も、あえて申しますならば、自衛隊員の航空法の知識の欠除という点がないではないというふうに思われるわけであります。したがいまして、自衛隊員の今後の教育プログラムにおきまして、航空法の勉強という面をもう少し強化していただけないかというふうに思うわけでございます。 それから、先ほどの航空法の抜本改正とも関係する問題でございますが、今回の連続事故を契機といたしまして、先年来進めておられます空港整備五カ年計画、これの一部を繰り上げて三年で実施をするという方針を政府のほうではお固めになったようでございますが、これも、三年に繰り上げのために内容が粗雑になりはしないかという心配をわれわれはするわけでございます。この整備計画の繰り上げにつきましても、十分に監視をされて、これが当初計画のとおりきちんと実施されるようにぜひお願いいたしたいと思います。 それから、ただいま朝田参考人のほうからもお述べになりました独立調査機関、恒久的な事故調査機関の設置についてでございますが、これはわれわれ前から申し上げておりますように、こういった機関の設置はもちろん望ましいことではございますけれども、問題は、こういった機関を設立した後、その機関がどういった権能を持ち、どういった能力を持って、どの範囲の調査をやる権限があるかという問題になろうかと思うわけです。アメリカの事故調査機関あたりには、それぞれ専門のベテランのエンジニアなどをたくさんかかえまして、かなりこまかな問題でも、民間の助力なしに、その機関の独自の能力だけで調査をやるという権能を持っておるようでございます。わが国の、今回設立が論議されておりますこの調査機関も、うんと費用をかけて、設備だけでなく、そういった人材の面でもうんと整った、能力のある機関にしていただきたい。なお、その機関が設立された後、調査し得る範囲内に自衛隊機の事故というものをぜひ含めていただきたいというふうに思うわけでございます。 それから最後に一つお願いしておきたいのは、私は法律の門外漢でございますけれども、現在、航空事故が起こりました場合、事故の責任をめぐって裁判になった場合に、責任の立証というのは、被害者の責任になっているそうでございます。これは、航空機のように複雑な機械になりますと、個人の被害者、あるいは団体を含む場合もございますが、被害者の立場からこういった複雑な機械、しかも複雑な運用をするものを独自に調査するということは非常に無理があろうかと思います。それで、ぜひこの点を被害者が立証せずに済むような方法に改めていただきたい、こういうふうにお願いしたいと思います。 以上、簡単でございますが、感じたことを申し上げます。
○伊藤委員長 次に、松田参考人。
○松田参考人 私の組織は、現場で働いております。パイロットや整備士、空港管理者あるいは管制官、そういった者で占められておりますが、限られた時間の中でございますから、その中の発言のうち特に今回強調しておきたい点を二、三述べておきたいと思います。 一つは、内村局長のほうから一昨日来出された結論の中の問題点でございますが、特別管制空域の設定をするということがございます。しかし、この問題は、当面の対策のようであって、実はなかなか実現が不可能な問題がございます。と申しますのは、二つか三つほどの条件が整わない限り、かえって問題点が出てくるのではないか。 その条件と申しますのは、現在、空は、確かに飛行機も混乱をしておりますが、飛行機の呼びかう声も混乱をしております。一つは、いわゆる電波法にいう周波数の拡大という問題がなくてはいけないし、周波数の分離というものが特別管制空域の場合には特に必要ではなかろうかと思います。 それから、昨年から一昨年にかけてこの特別管制空域の実験がなされた中で出ておる問題でございますが、特に有視界飛行においては位置の確認というのが非常に困難でございます。そういう意味では、やはり航空路のレーダーというものの完備が必要でありますし、あわせて、航空機の搭載するトランスポンダー等々の完備を必要とするかと思います。 それから第三には、こういう管制は非常にきめのこまかい管制になりますから、当然ここで要員問題が出てまいります。 以上三つの問題がなくては、この特別管制空域ということを単に政治レベルで出されても、実現がなかなか問題ではなかろうか。現場の立場から申しますと、そういったところを特にお考えになっていただきたい。 次に、いま朝田参考人からお話のございました組織改正の問題について、若干私たちの立場から言わしていただきますと、いまは組織を改正する云々という次元ではなくて、現在一番大切なことは、どういう形で乗員をふやし、その訓練体制をとるか、この辺が一番大きな問題だと思います。もちろん、それに伴って機構の改革ということが当然出ておりますし、現在いろいろと新聞記事等では出ておりますが、いま私たちが必要なことは、要員の確保と訓練ということである。しかし、どうしても組織を改正しなければいけないとなった場合、現在三つほど出ておりますが、朝田参考人がおっしゃいました点で、若干失礼な言い方になるかもしれませんが、現在のアメリカのFAAの組織というのは、私たちいろいろと研究をする中では問題点があろうかと思います。 と申しますのは、現在のFAAというのは、軍と民が一緒に形式上はなっておりますが、実質上は、軍用基地は軍、民間基地は民という形で並列的に存在をしております。しかし、内部的には相当にいろいろとなわ張りその他、同じようにアメリカにおいても問題点があって、うまくいっていないというふうな報告が私たちのほうには来ております。大体、世界の傾向としては、フランスにおいてもイギリスにおいてもそうでございますが、特にイギリスの場合は、昭和四十二、三年ぐらいまでは、二万六千フィート以上を軍用の高度として指定をしておりましたが、そういう問題について種々問題点が出、現在は民間のほうにすべて戻された形で一応運用をされているというふうに、私自身も現地に行きまして聞きました。イギリスやフランス等の例を見ますと、やはり運輸省が主体的な立場で一元化をなす中で、具体的にはそこで軍との関係を調整するというような形になっておるようでございます。 ここで一つ私たち申したいのは、現在出ております航空庁構想とか航空保安庁構想がございますが、後ほども申します便数規制その他フローコントロールというふうないろいろな立場から申しますと、われわれ一歩譲っても、やはり航空庁という一元的な組織の中でしか今後の複雑した問題というものの解決はできないのではないか、いたずらに機構をふやすという形でやっていくということについては、われわれとしては反対せざるを得ないというふうに考えております。 なおもう一点、本日の閣議の中でも決定をされておりましたが、いわゆる航空管制要員、保安要員といわれる約二千六百名の要員に関しても、どうも行政管理庁の報告では削減をされておるようでございますが、過去一カ月の間にこれだけの問題がある中で、やはり削減をするという画一的なやり方についてはどうかというふうにわれわれとしては考えざるを得ません。 いずれにしましても、この組織及び要員問題につきましては、現在、空港整備五カ年計画を初めとして繰り上げの問題もございますが、何はともあれ、お金は出るが要員がいないというこの問題については、とくと政府のほうとしても真剣に対処していただいて、空港整備五カ年計画の完成の暁にどのような形でそれを運用していくか、あるいはその五カ年の間にどのような形で運用をするのか、この辺のところについては、何はともあれ、航空保安体制の長期計画というものが当然あってしかるべきではないかと思いますが、その辺がいまだに出ていないところは、ぜひ政府のほうとしても最大限お考えになっていただきたい。 時間がございませんので——そういうふうなことで、長期対策ということは、相当時間をおかなければいけない問題があろうかと思います。となりますと、当面一体何をやるべきかという問題が出てこようかと思います。これについては、いま政府のほうで訓練空域の分離等をやっておられますので、その点については触れませんが、一つだけ出しておきたいのは、パイロットに言わしてもあるいは管制官に言わしても、異口同音に出てまいりますのは、便数規制、機数の規制という問題でございます。現在、日本の空の中をどういうふうな飛行機が飛びかっているかと申しますと、大体民間機と自衛隊機の二つ及び米軍機でございますが、現在この便数規制というものには二つあって、一つは空港の規制の問題、もう一つは航空路の規制の問題、大きく分けますとこの二つに分けられるかと思います。 この空港規制の中に、一つは民間機の問題、もう一つは自衛隊機の問題がございます。民間機には、御存じのように、国内線、それから国際線、それから訓練機、大体、種類としては大きく三つに分類できるかと思いますが、さらにこの国内線、国際線については、定期便と臨時便というものがそれぞれにございます。 〔図により説明〕次に、航空路の規制について。航空路の問題で言いますと、同じように国際線と国内線、それから訓練機というふうなことでございますが、現在、自衛隊機等について、計器飛行を含めてこういう形で分類されている中で、いま規制の対象になっておりますのは、この赤の点線で示されたいわゆる空港規制のうちの民間機、その民間機のうちの国内線と国際線の二つであり、さらにそれを分類しますと、国内線のうち、一応定期便、臨時便がある程度規制をされておりますが、国際線については定期便のみの規制で、臨時便というものについての規制が若干抜けておるように、われわれ現場サイドからは見ております。 そういうことで、規制の対象がその程度になっている。まして、航空路については、現在のところ全く規制の方法すらも確立されておりません。現在、空港についての規制が、一時間三十四、三時間九十という規制の形で大阪と羽田にはされておりますが、そういったことすらも航空路についてはございません。そういう意味で、この空港規制における国際線の臨時便の扱い、あるいは自衛隊基地から計器飛行で出てまいります便の扱い、それから航空路規制においては、すべてここに図示してございますような形の規制の問題を運輸省が一元的にやはり御検討願う中で、この便数規制というものに徹底的に取り組んでいただく、そういうことで当面しのいでいく中で、空港五カ年計画あるいは要員の長期計画といったものを整備し、そういう整備の暁においてこの規制を徐々にゆるめていくようなことがない限りは、おそらく二回目、三回目の事故がまた発生しないとも限らない、私たちはそういうふうに考えております。その意味で、ぜひ政府のほうにおきましても、この辺のところを含めた規制の問題をとくと御検討をお願いしたいというふうに思います。 大体時間が参りましたので、このくらいで私の意見陳述を終わります。
○伊藤委員長 どうもありがとうございました。 以上で参考人からの御意見の御開陳は終わりました。 —————————————
○伊藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。丹羽久章君
○丹羽(久)委員 きょうは、日本航空の社長さん、航空評論家の関川さん、事務局長の松田さん、それぞれ御出席いただきまして、ありがとうございました。 御意見を承って、それに対して、内容等に対してはあまり深く掘ったことをお尋ねするだけの勉強が不十分でございますし、与えられた時間もわずかでございますから、ごく簡単にひとつお尋ねいたしたいと思います。 日本航空の社長さんの朝田さんからただいまいろいろお話していただきました。そのうちで、航空行政をぜひ一本化してもらいたい、自衛隊、民間を問わずして、それに対する航空行政のあり方に対して、一本でいってもらうことが一番適当というような説でございましたが、私自身の考えも、そういうことによって空中事故をなくしていくことができれば非常にしあわせだと思うわけでありますが、さて、国内の飛行場のうち、自衛隊が使用いたしております飛行場と民間との共同飛行場があるわけであります。これに対して日航さんの使用になっている飛行場というのは一つよりないと思いますが、それはさておいて、全体的な民間航空としての考え方から、このような軍が使用しておる飛行場と民間航空とが共同使用しておるという点については、分離していったほうがいいとお考えになるか、経駿の上からどのようにお考えになっているか、参考人にひとつ忌憚のない御意見を承りたいと思います。
○朝田参考人 ただいまの御質問でございますが、御質問の中にも御指摘がございましたように、私どものほうの国内で飛んでおりますところは、いわゆる国内幹線でございまして、多くはないわけでございますが、東京、千歳、そして大阪、福岡、この四地点を結んで、国内幹線を終始今日まで拡大もせずに当初より運営をいたしておるわけでございます。千歳は、自衛隊がこの管制をおやりになっておる。それから福岡は、近く移管されるとは思いますけれども、米軍がやっておられる。それから大阪と東京は運輸省がやっておられるわけでございます。そこで、そういったところの管制と、それからいわゆる航空路の監視レーダーというものが一緒になっておれば、その地域を過ぎましたときにも連絡もうまくいくというふうにもわれわれ考えられますし、それから、そういったレーダー監視と航空交通管制がリンクされまして、そしてそれが誘導に当たるということが必要なわけでございます。 そこで、なるほど、先ほど松田さんからもお話がありましたが、一挙に機構改革をすることも、現実の人員、施設あるいは技能、技術、そういったものから問題があるということでございましたが、自衛隊の持っておられるレーダーサイトは、なるほど、使用目的が違うと思います。しかし、手段は共通しておるものがあるわけでございますから、私どもは機構改革を主張しておるばかりではございませんで、現在においても運輸大臣が委任をしておられる、そういう意味からいって、施設と人員が足りなければ、一元的にそういったものを運用する必要があるということを申し上げておるわけでございまして、そういう意味において、自衛隊だけで使っておられる百里とかその他の飛行場では、民間航空に関係のないところもございましょう。そういうところはどういうふうにブレークダウンし、区別をして、そして民間航空とオーバーラップするようなところを一元的に人員と施設を運用していくかという問題であろうというふうに考えて、先ほどから発言をいたしておるようなわけでございまして、自衛隊では一千人以上——管制官等を含めますとあるいは千五百と千人くらいの問じゃないかと私は思いますが、運輸省では管制盲あるいは管制通信官を含めまして五百人足らず、こういうことで、先ほどの松田さんの現実の問題が起こってくると思うわけでありますが、これをどういう形でやることが一審いいか、もちろん現場の意見も尊重されて一元的にそれを運用するということをしませんと、セクショナリズムにこだわって、運輸省の中だけでやるといっても、人間の問題に逢着するわけでございますから、その意味において、人員、施設を一元的に運用していただきたい、こういうふうに私は申し上げたわけでございます。
○丹羽(久)委員 もう一度お尋ねいたしますけれども、率直にお尋ねいたしたいと思いますことは、民間機と軍用機とが並行して飛行場を使っておるような場合、いまのお話でいきますと、自衛隊のほうには管制員もたくさんおるし、人員もおるから、管制が非常に行き届くであろうけれども、運輸省関係、民間のほうには人員も足らない、これをミックスしてうまくやっていけば、飛行場を分離するというような考えはしなくても、交通管制の上における統一した線が出てくればそれでいいとお考えになっているかどうかということを参考人にお尋ねするわけなんですね。 いま世論的にいうと、どうも軍用機、自衛隊機と民間機と共同使用する飛行場というのは何か非常に危険性がある、どうもかんばしくないという世論もありますが、それはやはり管制がうまくいって交通整理ができていくならば、あえてそういうことも差しつかえないじゃないかというお考えを持っていらっしゃるのか、その点どうでしょうか。
○朝田参考人 私は、千歳のような場合でも、運輸省が一元的に運営されることのほうが好ましい、こういうふうに考えております。
○丹羽(久)委員 ありがとうございました。 それでは、先ほどちょっとお話がありました、航空法には自衛隊の適用除外の点があるというお話でありましたが、その点で、特に自衛隊に対する適用除外、これは将来抜本的改正にはなるだろうと思うが、こういうようなところはぜひとも変えてもらわなければならないというお気づきの点があったら、ひとつ御指摘いただきたいと思いますが、その点はどうでありましょうか。
○朝田参考人 私も自衛隊の適用除外について詳細勉強いたしておりませんが、航空法の耐空証明とかあるいは技能証明、身体検査の証明とか、いろいろございますが、こういったものの中で、ただいまのところは、適用除外を特に民間航空の側からこれをはずしてほしいということは、私は、全体的にいいまして、ないような感じがいたしております。これは先ほども少し申し上げましたが、自衛隊の中で同じような法体系を持っておりますのは船舶法——自衛艦が商船であるかないかというような議論もございましたが、そういうような法体系の上からくる航空法も、先ほど申し上げました登録の問題あるいは耐空証明の問題、そういったようなものが、自衛隊の性格上、除外をしておられる、こういうことで、ここに列記されております航空法の十一条以下適用除外が十数項目あるようでございますが、特に私はそれを除外していただかなければならぬということは考えておりません。ただ、運航管制における適用除外が、もし法律に基づく規則その他においてございますれば、そういうものはひとつ適用除外からはずしていただきたいというような感じでございます。まことにあいまいな答弁で申しわけございませんが、そういうふうに考えております。
○丹羽(久)委員 評論家の関川先生にちょっとお尋ねいたしたいと思いますが、先ほどのお話を聞いておりますと、自衛隊にも航空法の勉強をしてもらいたいという希望がございました。自衛隊は自衛隊法で運用しておったと思いますが、特に航空法のうちのどういうようなところが自衛隊に認識が不足だったというようなことをお感じになったでしょうか。その点、お気づきの点があったら御指摘していただきたいと思うわけです。この問題につきましては、あの盛岡における全日空の事故で各先生方からもあらゆる角度からいろいろの御質問があったわけなんです。やはり自衛隊独自のあり方というのは、今度直接的な判断からいきますと、異常接近というのが、また大きな事故に対する——何と申しますか、注意をしなければならないということで何度も何度も勧告を受けながら、それが行なわれなかった、また、それが同じような方向で進んできたかっこうがあのような大きな惨事になったということも一面言えるというようなことがあるわけです。さらに、自衛隊自身航空法というものに対する認識が不足しておったということは、いろいろ調査をしてみますと、その点は明らかになってきたこともわかるのですけれども、さらに先生が、航空法そのものに対しもっとこういうところが勉強してあったら今度の事故なんというものは起きなかったろうというようなお気づきがあったら、ひとつお教えいただきたいと思います。どうでございましょうか。
○関川参考人 私はもう少し航空法をよく勉強してもらいたいと申しましたのですが、特に今回の事故に限って申しますと、航空法の第六章に「航空機の運航」というところがございます。これは十数条こまかい規定があるわけでございますけれども、たとえば、民間機には飛行方法によりまして飛行高度がちゃんときめられております。非常にこまかい分割で各方角に対する飛行高度というものがきめられております。すべての民間機は、計器飛行の場合でございますが、その指定された高度に従って飛行しているわけでございます。したがって、今度の場合なんか、訓練中のジェット機が、民間機の指定高度は何フィートと何フィートであるということをあらかじめよく勉強しておれば、自分の飛行機がその高度に差しかかった場合、当然民間機と空中で遭遇するという可能性があるわけでございますから、あるいは今度の事故も避けられたのではないかというふうに感ずるわけでございます。それから、今回新聞等によりますと、自衛隊の設定した訓練空域と民間のジェット航空路とが一部重なっておる、食い込んでおる部分があるということが指摘されておりますけれども、これなども、航空法のABCの知識すらないのではないかというふうに思うわけです。 それからもう一つ、これは見のがせない点でございますが、話が少しこまかくなりますけれども、ちょっと五分ほどお時間をいただいて申し上げてみたいと思います。 これは直接は航空法とは関係ない問題でございますけれども、今回の事故を起こしました二機のジェット機は、すでに御承知のように、教官機と学生機がこういう角度で飛んでいたわけでございます。これがフルイド4という形式の訓練を——つまり、こうジグザグに飛びながら、クロスしながら飛ぶ訓練でございます。すでに報道されておりまして御承知かと思いますが、直接ぶつかった市川二等空曹の陳述によりますと、とにかく自分は新米のものだから、教官の飛行機をながめているだけで、見失うまいと見ているだけで精一ぱいであって、自機の位置も高度も、周囲を見る注意力も全く持っていなかった。これは当然のことでございます。したがって、この場合、当然、見張りの責任は教官機ということになるわけでございますが、自衛隊のパイロットの方に聞いてみますと、実は、こういうごく初級の訓練生をかかえている場合、教官のほうもその回りを見ているひまがないのだ、つまり、うしろばかり見て、自分の学生がはたしてついてくるだろうかということが、心配で、前を見たり高度計を読んだりするひまが、一人で飛んでいるときほどは十分とれないということを言っておりました。自衛隊のほうでもこのことは当初から気がついておりまして、最初のうちは、先に教官機がいて、そのあとに学生機がいて、さらにそのうしろに監視のための教官の飛行機一機つけていたわけです。教官機二機で学生機をはさんで、サンドイッチという形で飛んでいたわけですね。それが、約三年か四年ぐらい前と記憶しておりますが、訓練の能率をあげるという名目のために、うしろの監視の飛行機をやめてしまったわけです。それで、お互いに監視が不十分だと知りながら、この二機だけで訓練をする方法に切りかえておったわけです。こういったことが、しかも訓練空域がジェットルートに食い込むというふうなごく幼稚な知識でもって訓練を実施するということと重なりますと、これは大事故を引き起こすということは当然のことでございます。したがって、民間の航空路に近いところで訓練をするということとさえも航空法の精神を踏みにじるものでありますけれども、さらに監視の飛行機さえもなくしてしまったということは、これはどう見ても航空法と相背馳するものではないかというふうに考えるわけです。ですから、今後ともかりにこの訓練空域を完全分離したとしましても、自衛隊機と民間機の空中衝突がそれで絶無になるかというと、どうもそうは考えられないわけでございます。それを少しでも防ぐ手だてといたしまして、もしできれば前にやっておったように監視の飛行機をつける制度を復活すべきではないかというふうに私は思うわけでございます。
○丹羽(久)委員 もう一ぺん関川先生にお尋ねいたしたいと思いますが、先生の発言のうちに、恒久的な独立調査機関というものによって事故の調査をしていくことが適当であろうと思う、アメリカでもそういう事故調査機関があって、非常に権威的なものであり、そうしたことによって克明にその事故がどういう原因によって発生したかということが調査せられていくというお話でありましたが、それはもう私自身も、アメリカの事故調査機関というのは権威もあるし、相当綿密に発表せられるということを知っておりますけれども、日本の場合、これからつくられていくとするならば、どういうような機構、人材でつくられることが適当だとお考えになっておるか、構想がありましたらひとつお聞かせいただきたいと思います。どうでしょうか。
○関川参考人 私もFAAのことについてはそれほどよく知っているわけではございませんけれども、FAAと申しますのは、事故そのものを調査する機関でございまして、先ほど朝田参考人のほうから御指摘がありましたように、その調査された事故をもとに事故原因を判定するという機能は、NTSB、全米輸送安全委員会という別の組織が行なっております。わが国でもそういうふうに判定機関と調査機関とを別々に分けることが望ましいわけでございますが、さしあたって調査機関の内容でございますが、アメリカのFAAの例を見ますと、飛行機を数十機持っております。わが国の航空局が持っております飛行機は、いま三台か四台だと思います。プロペラの低速機だけでございますけれども、プロペラの低速機しか運航したことのない航空局の方々が、実際に大きなジェット機の事故を判定するということは、理屈から考えてもいささか無理があろうかと思います。ふだんから航空局も——これはいま言ってすぐ実現できる問題とは思いませんが、やはり民間航空で使っている——すべての機種ということは無理かもしれませんが、ある程度共通した大型ジェット機というものを一種類ぐらいぜひ備えて、ふだんから大型ジェット機の運航というものについて民間を監督、取り締まれるだけの力と知識を持たせるようにしなければだめだと思います。 それから人員の点につきましても、現在のところは技術関係の要員が非常に少ないと聞いております。これなども、経験のうんと長いジェットパイロットをはじめといたしまして、整備なんかの点につきましても、民間を十分に監督、取り締まりできる、だけの経験者、そういったものをふんだんにそろえなければ意味がないのではないかというふうに感ずるわけです。
○丹羽(久)委員 どうもありがとうございました。
○伊藤委員長 横路孝弘君。
○横路委員 この委員会でも、だいぶ航空安全の問題について議論がされてきたわけであります。今度の二大事故が発生して、なくなった人たちも帰ってこない以上、やはりこれから二度と事故を起こさないということで、行政のほうも、会社のほうも、これはやはりお互いに努力していかなければならないのじゃないかと思います。そんな意味で、きょう参考人の方々に貴重な意見を聞かせていただきましたので、それに関連をして二、三お尋ねをしてみたいと思います。 初めに、現場からの声ということで、先ほど松田参考人のほうから、運輸省のほうでいろいろ考えておられる措置については、全面的にこれは問題はないけれども、問題は、その要員がいるかいないかだという御指摘があったわけであります。先ほど松田さんは、特別管制空域を設けるにしても、そのほかのいろいろの施設に伴ってVOR、ILS、そのほかどんどんつけるということになれば、要員が足りないというようにおっしゃったわけでありますけれども、現場の声として、大体あとどのくらいの人員が必要なのかという点について、もし御検討されておられれば、その点を説明していただきたい。
○松田参考人 私なんかのところでの議論で、はっきりと結論のついたところと、まだつかないところがございますが、簡単に申しますと、現在の空港整備五カ年計画の要員として最低三百四十五名程度は必要でなかろうかというように考えております。 先ほど関川参考人は、三年間繰り上げに伴う問題点を指摘なさいましたが、確かにそういうふうな問題が現行の要員体制の中では出てくる危険性はございます。そういう意味で、五カ年計画達成のための要員というのは、その程度。 それから、その達成された暁に、もちろん、民間航空はすべて——昨年の十月二十五日でございましたか、十一月だったか、ちょっとその辺日にちはさだかではございませんが、運輸審議会で結論を出されましたいわゆるローカル空港におけるジェット化の問題、そういった答申が出ております。ですから、これまでYS11クラス以下しか飛んでいなかった空港も、五カ年計画の達成の暁には、ジェット機にすべて切りかわる、そういった答申を運輸省のほうへ審議会が出しておりますが、そういったことになりますと、やはりそのための、安全を確保するための運用要員というのは、現在われわれの見ますところで、運用関係の現行定員の約二・五倍から三倍程度の要員が最低必要ではなかろうか、そういうふうに考えております。
○横路委員 三百四十五名というのは、第二次五カ年計画の繰り上げ実施に伴う要員としてそれだけ必要である。そうすると、この特別管制空域等を設けることになると、さらにその要員としてそれ以上の人間が必要である、その数字が二・五倍ないし三倍ということになるわけですか。
○松田参考人 そうでございます。
○横路委員 そこで、きょう航空局長が御出席なのでちょっとお尋ねしますが、いま参考人からそういうような意見があったわけですけれども、運輸省のほうとして五カ年計画の繰り上げ実施に伴う要員、さらに今度特別管制空域を設けることに伴う要員というのを、大体どのぐらいの数というように踏んでおられますか。
○内村説明員 ただいまの御質問でございますけれども、まず第一に、三カ年に繰り上げるための要員、これにつきましては、さしあたりVOR、DME、これを五カ年を三カ年に繰り上げるというふうなことで考えておるわけでございます。そこで、これにつきまして、全体として幾らかかるかということになりますと、それ、だけの数字ではございませんで、全体的に申し上げますと、現在管制官及び管制技術官を含めまして約千人、それから今後要るものが、五年間ぐらいで約千人あるいは千二百人ぐらいというふうに考えております。これがつまり運用のほうの要員でございます。 それから、ちょっとお答えが前後いたしましたけれども、整備計画を立てるための要員、これにつきましては、まだ三カ年にどのくらいというふうなことまでははっきりは出しておりません。それは今後の来年度以降の問題として考えていくつもりでございますけれども、さしあたり、五カ年を三カ年に繰り上げるために、どうしても今年度すぐ要る問題がございます。これにつきましては、行管、大蔵省のほうとも折衝いたしまして、予備費を取ると同時に、定員も今年度からつけてもらうということで、これは部内の操作と合わせまして、大体管理要員として六十名前後をとれております。これでもってことしの分は何とかやっていけるのじゃないかというふうに考えております。
○横路委員 その六十名という数字は、行管のほうから認められた数字であって、おたくのほうで要求された数字はまだそれよりはるかに多いのじゃないですか。
○内村説明員 これはほかの管制官の訓練要員も含めておりますけれども、要求は百名ちょっとオーバーしたと思います。ただし、つきましたのは、それをも含めまして大体八十何名ということです。要求まではいっておりません。
○横路委員 そうすると、今度立てられた計画を遂行するにあたって必要な数というのは、いまのお話ですと、ちょっと確認をしておきますけれども、全体で大体二千二、三百名ということでよろしいですか。千名に千二百名ということで−…。
○内村説明員 私の申し上げましたのは、管制官、管制通信官、管制技術官、これを含めまして現在の人数が約千名、それから今後四、五年間に約千名ないし千二百名ぐらいがさらに要るだろうということでございます。
○横路委員 そこで、けさ閣議で決定された——行管の方おられますね。これはやはり運輸省等全部一律に割り当てて削減するということなんですが、航空関係はどういうことになっておりますか。
○古谷説明員 本日の閣議で第二次定員削減が決定になりました。運輸省の航空管制官の件でございますけれども、実は削減にあたりまして、行政管理庁といたしましては、各省を通じまして四つの分類に区分いたしました。その中の一番最低の率に、航空保安職員として掲上してあります。しかし、行政管理庁としましては、最低の率といえども、その最低の率を、これを削減しろ、こういう意味ではございません。受けました各省が、自主的な判断によりまして削減をするということを考えております。したがいまして、航空管制官につきましては、削減をいたさないというふうに聞いております。
○横路委員 航空管制ばかりじゃなくて、航空の管制要員ということで、無線なり照明なり、そのほか全部含めた数についてはどうなっているのですか。
○古谷説明員 先生御承知のとおり、約二千六百名ぐらいを最低の分類のほうに区分しております。
○横路委員 ですから、それだけ削ろうというわけでしょう、結局。
○古谷説明員 分類をいたしましたのは、どこまでも各省のバランスをとるための分類でございます。その後それによりまして数が出ましてなお調整を加えております。したがいまして、運輸省としては航空管制官についての削減をしないというふうに聞いております。
○横路委員 それで航空局長、管制官については何か削減しない、一応割り当てた数字なんだけれども、あとは自主的に運輸省のほうでやるんだ、こういういまのお答えですけれども、管制官ばかりじゃなくて、航空の保安要員すべて含めてこれはやはり数字が出ていますね、行管のほうから。これについて運輸省としてはどういうお考えなんですか。
○内村説明員 私のほうといたしましては、何と申しましても、管制官というものは表面に出てまいりますから、わりに御理解もいただいておるわけでございますけれども、そのほかの保安要員になりますと、なかなか御理解がいただけません。しかし、実際問題としてやはり保安要員というものがおりませんと保守、運営には差しつかえるということでございます。ただ、政府全体の姿勢から見まして、やはり人員削減というふうなことも一つの大きな流れではございますから、その辺、私どもとしましても、あるいは集約管理とか、そういうふうに統合できるところはなるべく統合するというふうなことは一方考えてはおりますけれども、しかし、なお全体として足らないことは事実でございます。
○横路委員 行管のほうに——いま航空局のほうでも、管制ばかりじゃなくて、問題は、VOR、ILSそのほかつくると、無線の関係ですね、空港を整備していくと、照明の関係ですね、あるいはVOR一つつくるにしても、それを計画したり調査したりする人員ですね、こういう人員がなかったら、いまの航空行政、ほんとうに安全という立場からきちんと飛行機を飛ばすようなことにならぬわけですね。したがって、この間のあの連合審査会の中でも、行管の中村長官のほうは、航空の関係については一律削減ということはいたしませんということを、たしか楢崎さんの質問に対してお答えになっているはずなんですが、きょうの閣議決定を見ると、数字が出てきている、しかもその数は相当な数だということになると、これは私たちちょっと——政府というのはこれは一体ですから、運輸省、行管というようなそれぞれの領分はあるのでしょうけれども、非常に疑問に感ぜざるを得ないわけです。その辺のところ、管制のほうはいいのですけれども、管制以外の分野については一体どのようにお考えになっておりますか。
○古谷説明員 先ほどもお答えしましたとおり、航空保安職員として最低の分類のほうに分類させていただきました。しかし、それを受けました運輸省といたしましては、運輸省全体、すなわち、航空関係のみならず、ほかの部門を含めまして再検討いたしまして、再度削減の数を決定すると思います。その中で、管制官についての削減はいたさないというふうに聞いております。
○横路委員 それは管制官ばかりじゃなくて、その無線なり照明なり、そういう関係の職員についてはどうなんですか。
○古谷説明員 ただいま先生の御質問についても保安職員として掲上してあります。最低の分類のほうに掲上してあります。それを含めて運輸省としては、削減を考慮するということに聞いております。
○横路委員 それで、局長の先ほどの答弁ですと、非常にその辺のところはわかってもらえないという話だったのですけれども、結局、千六百五十五人ですか、そうですね局長、きょうの閣議決定は。中村行管長官のこの間の連合審査における答弁というのは、航空関係は別ワクなんだという答弁が繰り返しあったように私は記憶をしておる。それが他省並みにそういうことにきめられるということになると、これは大臣を呼んできてほんとうはやらなければならぬということになるわけなんですけれども、そういう決定に対して運輸省のほうでは一体どういうようにするつもりなんですか。先ほどの必要な要員がたくさん出されたわけでしょう。皆さん方参考人の方の意見を聞いても、やはり要員を配置してもらわなければ困るというのが、三人の方共通の意見として出てきたわけですよ。それがこんな閣議決定をなされて、運輸省のほうとして別に特別考えるだろうなんというようなことを行管のほうではおっしゃっておりますけれども、一体これはどうなさるつもりなんですか。
○内村説明員 行管の立場もいろいろあろうかと存じますが、運輸省内部としては、当然、私どもといたしまして、管制官なり、保安要員については削減してもらいたくない、少なくとも最小の率でいってもらいたい、それを運輸省内部でごたまぜにしてほかで使うというふうなことはしてもらいたくないというふうに考えております。
○横路委員 それじゃ現実の問題としてどうなさるのですか。閣議決定されている。
○内村説明員 そういうことで中では進めておりますと同時に、いわゆる政府全体の方針と申しますか、そういった意味で、一つの形式論もございましょう。したがいまして、全然ゼロにする職種はできないから、形の上では一%の削減にしなくちゃいかぬということもあるかと思いますが、その点につきましては、今度はむしろ純増でもってその分はふやしていただくということでもやっていただきませんと、われわれは非常に困るというふうに考えます。
○横路委員 ことし必要だということで百数十名要求されて、認められたのは、削られてやはり八十名ぐらいの数字なんでしょう。そうですね。そうすると、やはり行政の需要というのは変化して、航空行政というのはいま特に要員が必要なわけですね。そのときに、行管長官のほうで答弁をちゃんとしているわけですよ。航空関係に特別な配慮をします、定員削減のワク外にしますという答弁をきちんと中村長官がやっておられて、それを皆さんのほうで一体どういう特別な配慮をしたのか。一番低いところで押えたといったところで、他省並みにそういう削減をするということでは、口先だけでいろいろおっしゃっておるけれども、ほんとうにやる気があるのかないのかということが、きょうの閣議決定を見たって、私たち憤りを感ぜざるを得ないわけですよ。一体その特別な配慮というのは、行管のほうでどういうぐあいに皆さん方内部的に検討されたのですか。
○古谷説明員 私、大臣の答弁の際ちょっとおりませんでして記憶がないのでございますけれども、特別な配慮と申しましたのは、たぶん本年度の予備費要求についてのお答えだと私は思います。すなわち、先ほど局長から答弁しておられたように、八十五名の増をつける、こういうための答弁だと思います。 また、減員のほうでございますけれども、第四分類に掲上してありますけれども、それで積算をいたしまして最後に調整ということをやっております。したがって、運輸省としてはその調整の財源を使って航空管制官等の削減はしないだろう、こういうふうに承知しております。
○横路委員 だから、その行管の姿勢がおかしいんですよ。あなた方、事故があったり何かあると、問題があって、人が足りないから事故が起きたんだなんというような勧告をよく出されているでしょう。そういう勧告を一方でしておきながら、人をふやすのを認めないなんて、そういう矛盾したことを——これはまた別の席で大いに議論をせざるを得ないわけですけれども、運輸省のほう、一体いままで行管のほうとどんな話し合いをしてきたのですか。特別なワクでもって特別な配慮をするのは、ことしの予備費のその八十数名についてだけで、来年からのことは知らぬよという、私はそういうぐあいには大臣の答弁は承っておりませんけれども、一体どういう姿勢でやっておられたのか、それをちょっとお答えいただきたい。
○内村説明員 先ほどの八十五名と申しますのは、御説明申し上げましたように、本年度の予備費の話でございます。 それから削減の問題はこれとは全然別でございまして、私どもといたしましては、管制官とか保安要員とかにつきましては、これは要るばかりである、減らされるのはとんでもない話だということから、極力この削減はやめてほしいという態度で臨んでおりました。
○横路委員 そうしてどういう話し合いの結果になったのですか。現実にこんな閣議決定されているわけですよ。それについて何か特に航空関係どうだなんという条件がついているわけじゃないでしょう。あとは運輸省のほうで自主的にやりなさいということでしょう。それでいいんですか、それでちゃんとやれますか。
○内村説明員 ただいま聞いてみましたら、まだ閣議決定か何かの文書は私のほうの事務当局まで流れてきておりませんけれども、それを見まして十分さらに交渉をしてみようと思います。
○横路委員 参考人の前でこんな議論をしてほんとうに恥ずかしい次第なんですけれども、しかし、現実にはこうなんですね、いままでの行政というのは。関川さんなんかも航空の専門家として見ておられて、いまいろいろ行管のほうからも答弁がありましたけれども、こういう行政の姿勢について何かいろいろお感じになることがあると思うのですけれども、ひとつ大いに言いたいことを言ってください。どうですか。
○関川参考人 言いたいことを言えというお話でございますが、これは、何時間あっても足りませんので、一つだけ申し上げたいと思います。 かねがね私どもは口をすっぱくしてお願いしていることでございますけれども、わが国には航空政策といったものがございません。この際、やはりすべての分野の人たちが根本的に検討を繰り返して、航空行政の将来をきめるマスタープランというものを一刻も早く打ち立てていただきたい。ただいまの定員削減の問題なども、しっかりしたマスタープランが長期にわたってできておれば、こういった問題は起こり得ないと思います。 ほかにもいろいろ申し上げたいことはございますが、ただ一つそれだけをこの際申し上げたいと思います。
○横路委員 松田参考人にお伺いしますが、いまのような話で、これまた一律削減ということで、運輸省の中で調整するといったって、航空局だけ別でもってあとでその分だけ措置するということにも、これはなかなか——いま陸運関係を見ていたって、個人タクの免許一つを取り上げてみても、人手が足りなくてこの行政というのは混乱しておるわけですね。 〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕 それはどこかへいくといったってなかなかできない状況だと思うのですけれども、どうですか松田さん、いまの行管の姿勢について、あなた方現場の立場からどういうような問題があるか、この定員削減の問題について、その点どうですか。
○松田参考人 私、ここ一週間の中でいろいろ現場の方ともお話をしています。率直に言いまして、現場のほうの意見といいますか発言は、これほど世上にいろいろ議論をされながら、一方で増員を叫ばれながら、一方でやはり削減をせざるを得ない。こういうところのいわゆる機構というのですか、筋論というのでしょうか、政府の中での一つのたてまえ論、そういったものがあることに対しては、率直に言って、皆さん方わからない。とにかくわからない。政府というのは、佐藤総理もおっしゃったような形で発言をされながら、実態は一体どうなっているんだろう、これでほんとうに航空の安全というものを真剣にえらい方々は考えているんだろうか、まあそういった率直な意見を私いろいろな方から聞かされております。そういう意味で、いま横路先生とのやりとりをいろいろと聞きながら、私自身も非常に複雑な気持ちであります。
○横路委員 航空局長、きょうは参考人がせっかくおられるわけですから、皆さん方と議論をするより参考人の方の意見を聞くということでございますので、この問題はまた場所を変えて議論をしていきたいと思いますけれども、政府の方針だといったところで、今度の事故直後には、総理大臣はじめ行管の長官も、ともかく別ワクで考えますということを明確に答弁されておりながら、きょうのような閣議決定をする、そういうことで、皆さん方も行管とのいろいろな折衝そのほか立場もあると思いますけれども、その辺のところは、ほんとうに安全を考える行政を皆さん方やるための要員ということで、これはこの間のここの委員会でも同じくやはり要員の問題が東中委員から指摘があって議論がされたわけでありますが、その辺のところを十分ひとつ配慮をして進めていただきたいと思います。 そこでひとつお尋ねをしたいわけでありますけれども、今度の自衛隊機による事故、このニアミスというのは前からもいろいろ議論されてきたわけでありますけれども、ニアミスの件数を調べてみると、どうも数字というのがさっぱりよくわからぬわけです。一体年間幾らあるのか。 それで、朝田参考人にお尋ねをしたいと思うのですけれども、日本航空のほうで、キャプテンレポートというのを集めていますね。ところが、あれは運輸省のほうに全部いっているわけじゃないので、どうもそのキャプテンレポートの数字と運輸省のほうに上がっている数字というのは一致しないわけなんですが、おたくのほうでは、このキャプテンレポートについて——先ほど、安全を確保するためにいろいろやっておられるという御説明がありましたけれども、やはりニアミスも、一つ一つのニアミスというのをきちんと分析をするということから対策というのも立てられるだろうと思うのです。その辺はどういう取り扱いをなさっているのか、日本航空の例というのをお尋ねしたいと思うのです。
○朝田参考人 ニアミスが起こりました際には、先生御指摘のとおり、キャプテンリポートを出します。それを必ず航空局に提出をいたしております。 件数につきましては、一九六八年以降七一年、四カ年にわたりまして、民間機とのニアミスが二十三件、自衛隊機とのニアミスが二十三件、全く同件数でございます。わからないのが四件ございます。このときはちょっと確認ができなかったのであろうと推察されるのでありますが、こういう統計になっております。
○横路委員 そうすると、全部報告されているというお話なんですけれども、私のほうで調べた範囲では、たとえば昭和四十五年のニアミスですが、キャプテンレポートで上がってきているのは、日本航空の場合十八件ある。ところが、運輸省のほうからいただいた資料を照らし合わせてみると、日本航空の関係は九件しかない、こういうことで、途中で消えてしまっているものが相当あるのですね。それは何もおたくばかりではなくて、これは全日空にしても同じ、自衛隊のほうも同じ。ですから、運輸省のほうで発表されている数字というのは、ほんとうにわずかの数字なんですね。運輸省で公表されている数字と、各航空会社でキャプテンレポートで上がっている数字が大体同じぐらいですね。この辺のところの数字を見ると、どうも何か航空会社のほうも都合の悪いものを隠して運輸省に報告をしていないのではないかという疑問を私持たざるを得ないわけでありますけれども、いま全部報告されているというのはどうも数字で合わないわけなんですが、その辺のところはどのようになっていますか。
○朝田参考人 ニアミスにつきましては、全件報告をいたしております。数字が合わないのは私も非常にふしぎに思いますが、これは場所的にも、それから自衛隊機、民間機、それから東南アジアにわたって、全部の件数を航空局に報告しておるということでございます。
○横路委員 運輸省のほうにお尋ねしますが、このニアミスのものが各航空会社でもって報告されないでやはりつぶされているのが相当ある。自衛隊のほうの数字とも合わないのですよ。これはまた自衛隊のほうと議論したいと思いますが、やはり各航空会社からきちんとニアミスのレポートをさせて、そしてそれを管理する体制というのも必要じゃないかと思いますけれども、その辺のところについて運輸省のほうではどういうふうにつかまえておりますか。
○内村説明員 お説のとおりでございまして、やはりニアミスというものをはっきりつかむ。少なくとも、方々で数字が違うのは非常に困った現象だと私思います。 ニアミスというのは、IFRとVFRのニアミスと、IFRとIFRのニアミスとがある、これは御承知のとおりと思いますが、IFRとIFRのニアミスの場合には、これは管制官のところでしかわからないということですが、VFRとIFRのニアミスあるいはVFRとVFRのニアミス、これはニアミスにあった本人しかわからないわけです。したがいまして、本人からの報告、これしかよりどころがないわけですから、そこで本人の意思によって、報告するかしないかがきまる、ここが問題でございまして、これをどう扱ったらいいか。あまり厳重に罰しても報告がこなくなる、あるいは、ほっておいてもニアミスはなくならない、この辺が考えどころでございまして、この辺どうしたらいいかというふうにちょっと考えているところでございます。
○横路委員 日本航空の場合、ニアミスの場合はそれを処罰するということでは別にこれは解決しないわけですね。これからそういう同じようなニアミスというものをいかに防止するかという、その原因を追及して対策を立てるということが一番大事なわけですから、ニアミスレポートをきちんと出してもらうということが、まず一番大事なことだろうと思うのです。 日本航空の朝田参考人の御意見でございますけれども、私のほうで運輸省のほうからいただいている数字と、日本航空のほうのキャプテンレポートの数字、七〇年、去年昭和四十五年のものは、ともかく数字にして半分ぐらいの差があるわけなんです。運輸省は去年公表しているのは二十八件ですね。二十八件のうち日本航空関係というのは、私のほうで調べた限りでは九件程度。ところが、日本航空のほうからニアミスレポートとしてキャプテンレポートで上がっているのは十八件、こういうことになっておりますので、朝田参考人、この点、そういうような姿勢に立って、原因の追及というのはやはり運輸省も含めておやりになるということで、キャプテンレポートをきちんと運輸省のほうに報告される体制というものもぜひ完成をしていただきたいと思います。これは要望でありますけれども、一言お願いをしたいと思います。いかがでございますか。
○朝田参考人 ニアミスについて私どもが都合の悪い事情はごうもございませんで、むしろニアミスをいかにして防止しなければならぬかということで、キャプテンレポートは全件報告しておるということでございますが、先ほど私が申し上げました四カ年間の合計件数の中で、横路先生御指摘の七〇年は十八件になっております。この中には、東南アジアの件数が二件、モスクワが一件ありますので、それを差し引きました国内のニアミスは十五件、こういうことでございまして、全件報告しておるということでございます。
○横路委員 日本航空のほうで報告しているならば、運輸省のほうから私のほうに出した資料が抜けているということになるので、四十五年は二十八件ですな。そのうち日本航空との関係で調べてみると、一件一件計算してみると、いまの十五件という数字にもならないわけですね。だから、資料を提出したという時期が、きっと皆さん方のほうで事故があってからあわてて出した数字じゃないんですか、こんなことを言うと失礼かもしれませんけれども。どうもとらえている数字の時点が、私のほうで運輸省からいただいている数字と違うので、その辺いまここでどうこうということではございませんから、ひとつぜひ検討していただきたい。これはおたくばかりじゃなくて、実は自衛隊のほうも、運輸省のほうで公表されているニアミスの内容と自衛隊のほうで発表しているニアミスの内容がこれまた全然合致しない、別のことになっているわけですね。つまり、自衛隊のほうで公表しているニアミスというのは、民間のジェット機等ではなくて小型のセスナですね。新聞社の飛行機等々のニアミスが、自衛隊のほうからニアミスとして報告されている。ところが、運輸省のほうから報告されているのは民間機である。今度の事故があったようなああいう形のニアミスというのは、日本航空とか全日空から上がってきているその内容と全然かみ合っていない、実はこういうことになっているので、そういうニアミスを調査する体制というのは、運輸省の中でも事故調査課というのがあって、事故が起きた場合にはやっているけれども、実はいままでニアミスについては皆さん方そんなに熱心にやっておられなかった。人の配置もほとんどしていない。その専従の人というのは、管制と航務に若干——一人ですか二人ですか、ほかの仕事と一緒になって担当している方がおられるだけで、それ専門のそれぞれの部員というのはいるわけじゃないのですね。そんなわけで、ニアミスという問題を、そういうような組織的な意味からいっても、軽視してきた面というのはあるのじゃないかと私は思いますので、その辺のところもひとつ運輸省のほうで検討していただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○内村説明員 全く横路先生のおっしゃるとおりでございまして、ニアミスというのは、何とかしてあった事実を客観的に把握する、それによって何とかしてその原因を追及し、それを防止するということをやらなければいけないことは当然でございます。したがいまして、私どもも、先生のおっしゃるとおり、何かニアミスについての特別の組織と申しますか、そういうふうなものを設けて、集中的に研究していかなくちゃいかぬというふうに考えます。
○横路委員 時間がございませんので、最後に松田参考人にお尋ねしますけれども、先ほど、便数の規制を航空路についてもやるべきだというお話がありました。現在、時間によってあるいは高度差によっていろいろコントロールをしているわけでありますけれども、航空路についての便数の規制ということになりますと、さらにそれに一時間当たり幾らというような規制を、いま羽田等でやっているようなああいう規制をやれという御意見なんですか。
○松田参考人 まあ乱暴な言い方をすればそういうことになろうかと思いますが、特に、私ここで先ほど指摘をいたしましたように、国際線の臨時便及び自衛隊機の計器飛行、米軍機の計器飛行、こういったものに対する規制措置というのは、全くいまのところ運輸省の中に法律的にもどこをさがしてもなさそうだ。なお、自衛隊の計器飛行については、この事故が起きましてつい四、五日後でございますけれども、現場の方からいろいろ聞きましたところでは、計器飛行の機数がふえているというようなことで、そのための航空路上の便数が非常にふえてきた。そういうふうな話を聞いておるわけですが、自衛隊が現在やっております計器飛行の方式というのは、向こうにありますベースオペレーションというところに自衛隊のパイロットから飛行計画書を提出して、それが東京管制部あるいは札幌、福岡の管制部に提出をされる。その提出された飛行計画書に関しては、運輸省サイドとしては全く規制の方法がない。若干規制の方法があるとすれば、それは遅延を起こさせるだけの規制措置ぐらいしかない。そういうふうに現状はなっておるわけであります。これをたとえば自衛隊の場合に、計器飛行の演習についても、ある程度計画的に現在の民間の定期便と同じような形の規制措置がとれればよろしいのですが、私自身の経験でも、大体毎年二月から三月の年度末になると自衛隊の計器飛行が一ぺんにふえていく。これは計器飛行の時間かせぎの問題もあろうかと思いますが、この辺のところについても考えていくことでなければ、安全という問題は根本的には解決できないんじゃないか、そういうふうに思います。
○横路委員 最後に、いまの参考人の意見について航空局のほうではどういうぐあいにお考えですか。
○内村説明員 私実は実態がよくわからないのですが、ただいま伺った限りにおきまして、一つは国際線の臨時便というお話がございました。国際線の臨時便でございましても、羽田なり大阪なりわが国の空港に到着し、そこから離陸するものについては、これは当然押えられるわけでございます。したがいまして、いまのおことばは、私の予測でございますが、あるいはフライオーバーしていくもの、そういうものについて押えがないというふうな意味ではないかという気がしたわけでございます。これについてはなるほど押えようはないかもしれません。それから自衛隊のもの、これにつきましては、管制部におきましてクリアランスを与えるわけでございますから、当然そのクリアランスを与える際に、セパレーションをとってクリアランスを与えるということになれば、この点はいいのではないかと思うのですが、ちょっと私実情をわかりかねますので、いま松田参考人が言われたことがよくわかりません。その辺はもう少しよく実情を伺いまして、しかるべき対策があれば措置したいと思っております。
○横路委員 関川参考人、それから松田参考人、それぞれ民間でいろいろと航空安全のことを考えておられるわけでありまして、こういう方の貴重な意見をぜひ行政に反映をされるように運輸省のほうとしても今後ぜひ努力をしていただきたいと思います。 終わります。
○加藤(六)委員長代理 坂井弘一君。
○坂井委員 三人の参考人の方々からたいへん貴重な御意見をお聞かせいただきまして、二、三お尋ねをいたしたいと思いますが、今回の大事故によりまして、いわゆる緊急対策が決定されたわけでございます。先ほど、この緊急対策の内容につきましても、松田参考人から、特別管制区等における問題等必ずしも十分な対策たり得ないのではないかというような一、二の御指摘がございました。私、考えるわけでございますけれども、確かに、いわゆる緊急対策でありまして、悪く言うならば、自衛隊機をどうすれば訓練に飛ばすことができるかというような、まさに航空安全ということのすりかえのような感じが実はしてなりません。したがって、航空安全という面からとらえるならば、むしろ今日の航空法を抜本的に改正していく、これが恒久的な航空安全であるということは論をまたぬと思うのですけれども、この航空法の改正にあたっても、また関川参考人から二、三の留意すべき点等についての御意見がございました。 最初に関川さんにお尋ねしたいのでございますけれども、航空法の抜本改正は一応さておきまして、今日の緊急対策、これではたしていわれるところの航空安全が期せられるかどうか、何かこの辺のところにももう一つもの足りない、落とし穴のようなものがあるのではないかということが心配されるわけでございますけれども、そういう点につきまして御意見ございましたらば、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
○関川参考人 法律改正に伴う落とし穴と申しますか、先ほど最初に私申し上げましたように、かつて四十一年の連続事故のあとで法改正の話が出たときに、法改正の精神と逆行するような動きが一部にございました。これはやはり今後とも警戒を続けていかなければいけないと思っております。と同時に、今度連続航空事故を契機に、あわてて政府が二、三打ち出されました法改正その他空港計画の繰り上げ実施といったような問題についても、やはり同じようなおそれが、私はないとは言えないと思うのです。こういったことを監視する機構といたしましては、現在民間人ないしは二、三の民間団体が自由にてんでんばらばらにやっておるわけでございますけれども、こういった、つまり事故調査機関とは別に、安全そのものをチェックする機関、こういったものを、たとえばアメリカの全米輸送安全委員会でございますか、NTSBのような機関を日本でもつくりまして、恒常的に安全性確保のためのチェックをすると同時に、法律改正その他におきましても、こういった機関に相談をして、こういった機関がむしろ主導権をとって改正を進めていくという必要があろうかと思います。
○坂井委員 松田参考人にお尋ねしたいのですけれども、航空法の改正につきましては、先ほど関川参考人から御意見がございました。私、心配しますことは、先ほども御指摘のありましたように、今回のこの緊急対策によって、自衛隊機対民間機、この事故に対する対策はある程度立てられたとしても、いわゆる民間機同士ですね、この辺がなお安全確保のためにはいささかの問題があるのではないか。たとえば、一昨年瀬戸内海の上空で全日空のYS11と民間の小型機が接触をした、こういう問題がございました。ですから、そういうような事故を誘発するようなものはなお存在するのではないか、心配があるのではないか、こう思われるわけでございますけれども、そういう点を含めて、来たるべき航空法の改正にあたって、どういった点が最も重要な問題として、チェックポイントといいますか、考えなければならないか、改正されなければならないかという点につきまして、御意見がございましたらばお願いいたしたい。
○松田参考人 実は航空法の問題については、われわれも研究をしておるところでございまして、まだ結論がすべて出ておるわけでございませんから、二、三の点だけについて意見を出しておきたいと思います。 まず、自衛隊機の関係でございますが、本来ならば、航空法の九十三条に、訓練空域の場所の指定というものが法律上一定の手続をとってきめられて、それ以外のところでやったときには罰則規定があるというふうになっておるわけでございますけれども、これはその前条の九十二条を受けて、その九十二条に、監督者のもとで云々というふうなことがございます。その九十二条がさらに三十五条を受けて、結果的には民間の飛行機についてだけしか適用されないという、そういう法律体系になっておるわけですが、特に訓練の問題については、確かに運輸省と防衛庁でいまいろいろとなさっておられるようでございますが、航空法に関しても、その辺のところは運輸省が一元的にやるとすれば、その辺の法律の問題はひとつ改正を考える必要があろうかというふうに、まず第一に思っております。 それから民間機同士の問題でございますが、私は、これは法律だけの問題じゃなくて、行政の問題と二つ密接不可分にあるのではなかろうかというふうに思います。と申しますのは、法律では一応民間機についてはそのような形でいろいろと規制をしております、はっきり申しまして。しかし、現実の実態としましては、たとえば練習の場所として、現在、北は帯広、それから仙台、岡山、宮崎、こういったところが大体民間の小型機の訓練飛行場という形になっております。しかし、ここにおいての管制官の人たちの話あるいは定期便のパイロットの人たちの話を総合いたしますと、とにかく非常に危険でしょうがない、ですから、訓練飛行場を国の責任でやはりつくっていく、そこには全く定期便を通さない、そういったものが第一に行政上も必要ではなかろうかということを言われております。 それからもう一つは、そういうふうな場所での、たとえば駐機場なんかの問題がございます。自動車でいうと駐車場でございますが、駐機場なんかで、小型機とジェット機が並列いたしますと、ジェット機の噴流で小型機が飛ばされてしまう、そういうふうな問題も、はっきり言えば、これは行政の問題としてやはり考えていかなければいけない問題だというふうに思いますが、そういうふうなことで、民間機同士の訓練の問題については、法律の問題よりも行政の問題のほうがより大きな問題があろうかというふうに思っております。
○坂井委員 行政に大きな問題がある、こういう御指摘でございます。確かに飛行機そのものの技術革新というのですか、たいへんな革新をなし遂げる。ところが、それに対応するところの、管制を含む航空行政あるいは航空政策といいますか、これが非常に立ちおくれてきたのではないかというようなことが一般的に論じられ指摘されているわけであります。そういうことになりますと、ちょうど片肺飛行みたいなもので、今回の事故につきましても、むしろ、遠因というのですか、真因はその辺にあったのではないか、こういうこともいわれております。 そこで、行政をよくするポイントは一体何かということになってくるわけでございますが、金と人である、俗にこういわれるわけです。確かに金と人である。しかし、これは思想的にそういうとらまえ方をして、さて部分的に進めていこうとした場合にも、先ほどから御指摘のございますように、やはりいろいろ問題点はある。最も大事なことは、関川さんが先ほどお述べになっていらっしゃいました、いわゆる航空行政、将来を見越した、あるべき姿といいますか、そうしたマスタープランがないところに一番大きな問題がある、こういう御指摘でございました。まことに当然かと思います。 そこで、今回交通総合体系の中で——運輸政策審議会が大臣に答申を出したようであります。この交通総合体系の中で、航空政策、空の輸送の位置づけですね。確かに最近の航空需要というものが国民の足化している。そういう中で、陸海空にわたる、特に空の需要、これの位置づけを総合体系の中でどうしていくか、その辺のところがはっきりしなければ、今後の航空行政そのものも、また空の安全そのものも、抜本的には対策が樹立できないのではないか。ところで、今回のこの総合交通体系の答申を見ますと、項目的には並べておりますけれども、実際に航空行政、航空需要ということに対して具体的なものが私にはどうもうかがわれない。そういう中において、一説では、たとえば東京−大阪間、新幹線をさらにもう一本というような中で、東京−大阪間というようなところを航空需要にまかせる、競合するというような形、これがはたして得策であるかどうかというような点も議論をされておる。 そこで、率直に関川さんにお尋ねをしたいのですけれども、そうした今後の空の需要ということから見て、特に航空安全ということを根本に置いた理想的な将来の航空行政は一体どうあらねばならぬかというような点について、御構想をお持ちでございましたらお願いいたしたいと思います。
○関川参考人 たいへんむずかしい御質問でございますが、一体航空輸送の全輸送体系の中に占める位置をどういうふうに考えるかということにつきましては、これはそのほかの交通機関との比率の問題とか何かでは判断できないところがあるのではないかと思います。たとえば現在のわが国の全輸送量の中で航空輸送が占める割合というのは、一%にまだ満ちておりません。一%以下でございます。今後十五年くらい、大体昭和六十年くらいの時点を考えましても、おそらく三%前後ではないかというふうに、運輸省の長期予想によりますと、なっております。それに対しまして、これに対する投資額が、現在のところ、御承知のように、空港整備五カ年計画、これは第二次のほうでございますが、これが約五千六百億。それに対しまして、道路整備計画、これが約十兆円でございますか、およそ二十分の一くらいです。ですから、自動車輸送対航空輸送の比率からしますと、あるいは金額の比率、投資の比率もその程度かもしれませんけれども、しかし、航空機というものの運航の特殊性、したがって、それに伴う安全に要する投資ですね、そういったものを考えてみますと、単なる量的な比率だけでは解決しない問題じゃないかと思います。将来の問題としまして、航空輸送というものは非常に金を食うものであるということから、航空輸送をいっそ全部やめてしまうのだといえばまあそれまでなんですが、もし、航空輸送が将来とも全輸送体系の中で必要である、育成していかなければならぬという方針をおとりになるならば、これは思い切った投資が要るのじゃないかと思うわけです。したがって、その投資が幾らぐらい必要か、どういう形でどういうところに投資するかということは、これからそれぞれ専門家の方の御研究にまつわけでありますけれども、私どもしろうとの目から見ましても、現在の航空に対する投資額というものはあまりにも少な過ぎるという感じはどうもぬぐい切れません。
○坂井委員 次に、航空管制の問題で関川参考人にお尋ねしたいのですが、たとえば東京航空交通管制部、東京コントロールセンター、自衛隊機も民間機もあるいは米軍機も、全部このコントロールセンターを通る、ここでもって管制をしておるのだ、言うならば、形の上では管制の一元化はここでできておるというようなことが言われているわけであります。これに対しまして、関川さんのほうでは、二元、三元、二本化、三本化で、ここらにも問題がある、こういうことを御指摘されていらっしゃる。その辺の、実際問題は一体どうなっているのかというようなところについて、ひとつ御意見をお願いいたしたい。
○関川参考人 私の隣に管制の専門家でいらっしゃる松田参考人がお見えになっておりますので、私が申し上げるのはあまり適当でないかと思いますけれども、ただいまの御質問に対しまして、ごく簡単に、たとえば東京付近の航空交通管制の仕組みについて申し上げますと、なるほど、東京航空交通管制部というものがございまして、航空路についてはこれは一元的にやっているわけでございます。しかも航空路を飛ぶIFR、計器飛行方式で飛ぶ飛行機、これは軍用機も米軍機も全部東京航空交通管制部のコントロールを受けて飛ぶわけでございます。しかしながら、御承知のように、たとえば関東平野を例にとりましても、航空自衛隊の百里基地、それから白井下総の海上自衛隊の基地といったようなところがございます。それからまた、横田の米軍基地といったようなところがございます。こういった基地では、基地周辺の管制はそれぞれ自衛隊なり米軍なりが独自に行なっております。それから基地から飛び出す飛行機も、航空路に入らない限り、それから目視飛行、VFRで飛ぶ限りは、東京航空交通管制部のコントロールを受けないでかってに飛んでもいいということになっております。したがって、危険だ危険だと言われておりますのは、こういったVFR、目視飛行で自由に飛び回る軍用機並びに小型機、つまり航空交通管制部の範囲外にある飛行機、そういったものが非常に危険であるということでございます。 なお、関東平野について申しますと、関東平野の西半分くらいをおおいまして有名な横田エリアという米軍の訓練専用区域がございます。ここは日本側の権限の及ばないところでございます。形式上は、非常に繁雑な手続をとりまして米軍の許可を得れば中を飛ぶということはできるわけでございますけれども、いわゆる青の十四という南北に通ずる航空路がございます。これを通過する、横切るといった点を除きまして、この横田エリアにあえて入ろうという飛行機はあまり数はございません。そういった関係で、一元化というのは名ばかりでございまして、実態は、民間、自衛隊、米軍、完全な三本立てになっていると言ってもいいかと思います。
○坂井委員 いまの同じ問題につきまして、専門の松田参考人にお尋ねしますけれども、この管制の一元化ということ、非常にむずかしいいろいろな問題があろうかと思うのですが、一体この管制の実質的な一元化というものはできるのかどうなのか、いま問題はここにあって、ここがガンになって一元化できない、やろうとするならば、こういう点が改善されればできるんだ、実際にできるという方法があるのかどうなのかという点について、御意見を承りたいと思います。
○松田参考人 非常にむずかしい問題だと思います。いま関川参考人からおっしゃったように、確かに法律的形式的には一元化されておりますけれども、実態論的にはいろいろと問題があるわけで、その辺のところで、では実際にどういう形ならばできるのかという御質問だろうと思うのですが、ずばり私申しますと、いまさっきも関川参考人がおっしゃいましたけれども、政府がほんとうにその気になってやるかやらないかという問題だろうと思う。もう少し具体的に申しますと、それだけの金と人間をかけてまで空の安全についての対策を立てる気持ちが内閣あるいは政府の全体にあるかないか、この辺のところに、はなはだ抽象的になりますが、まず第一にどうしてもそこのところが出てくる。まあ先ほどもいろいろと御議論の中で、たとえば定員の問題につきましても、どうしてもがたがたせざるを得ない。そういった実態でございますから、私は、人と金がありさえすればできるだろうと思います。ただ、それにしても、やはり自衛隊機の緊急発進のものについては、これは相当な調整とそのための具体的な対策というものがない限りはなかなかむずかしいと思いますし、これは日本だけでなくて、各国やはり同じような問題点をかかえておるようでございますから、このところは専門家にまかせて、一応の、たとえば一つの出発方式あるいは帰投方式というものを中心にして技術的に解決する以外にはなかろうかと思います。というのは、現在自衛隊はバッジシステムというのを持っておるわけでございまして、出発方式から、ある時間を経過するとバッジのほうに移るわけでございますから、その先の問題というのは、やはりこれは自衛隊の防空上の問題ということが出てまいります。そこのところはやはり運輸省としてどこまでタッチできるかというと、これは人間と金を投資したとしても、さらに別な政治的な次元の問題があろうかと思います。そこを除きますと、私は、金と人を投資すれば大体できる、そういうふうに、まあはなはだ抽象的でございますが、言わざるを得ないのでございます。
○坂井委員 それからニアミス、まあ今回問題になり、あるいは空中接触を何とか防止することはできないかというようなことで、いろいろの方法等が議論されているようでございますが、ただその中で、この空中接触を防止する防止装置というのですか、警報装置でございますか、そういうものの技術開発がかなり進んでいるというようなことが新聞等でも報じられております。アメリカなんかでも相当開発が進んでおる、しかしながら、まだ実用段階には入っていないというようなことだそうでありますけれども、実際こういうものが開発されますと、ニアミスないし空中接触に対しては大きな効果を持つものなのか、非常に期待できるものなのかという点でございますが、ただ、実用化ということがかりにできるそれ以前の問題として、この運用の問題で国際的に全部が統一しなければならないというような問題が出てくるので、むずかしいのではないかというような意見もあるようでございます。そういう点を含めて関川さんにお尋ねいたしたいのですけれども、これは相当期待できるものでしょうか。
○関川参考人 アメリカ等で開発されております空中衝突防止装置のマニュアルその他を見ますと、これが正常に働けばかなりの効果があるように聞いております。ただし、この機械は、あたり一帯を飛ぶすべての飛行機がつけなければ意味がないわけでございます。現在のところ、御承知かと思いますが、飛行機に持っております二次レーダーというものを地上のコンピューターに結びつけて衝突回避をやろうという計画でございますが、これは二次レーダーを持っておれば、地上から、もし空中で異常な動きをする飛行機があれば、相手の飛行機に対して、接近しているぞという警告を出すことはできるわけでありますけれども、一方、無線機を持っていない飛行機、あるいは持っておっても管制官のほうで呼び出し符号さえもわからないような飛行機がたくさんございます。この場合は、警告をしようにしようがないわけでございます。したがって、理想としましては、お互いにレーダーで自動的に相手の飛行機の存在を確認しまして、パイロットが気がつかないうちにでもかじが自動的に動いて、お互いが衝突を回避する運動をするという機械が理想でございます。これは理屈の上では一応完成しているそうでありますが、との機械をつけるには、飛行機そのものにも、あるいは地上のステーションにも相当のお金をかけなければなりません。また、小型機で個人用の飛行機といったようなものにも全部つけなければ意味がないわけでございますから、これも法律で強制いたしまして、すべての飛行機につけるということは、いま言っていますぐ応用できる問題でもございません。かなり時間がかかろうかと思います。
○坂井委員 防止装置がなかなかそう簡単にはいかないとすれば、その前に飛行機全部にラジオ交信の装置——いま民間機はVですか、自衛隊と米軍のほうはUですか、これらを何とかうまく調整するといいますか、できなければ、VもUもどっちも包み込む、そうすればお互い飛行機同士の交信ができて、ニアミス防止と接触防止等にかなり大きな役割りを果たすのではないか、こういうような意見もあるようですけれども、これについてはいかがでしょう。
○関川参考人 御指摘のとおりでございまして、民間と自衛隊との緊密な話し合いのもとにUHFとVHFの統一をはかるということは、これは非常に緊急の問題であります。しかし、伝統もございますし、それからごく小型の飛行機には重い無線機を二重に装備するといったような点にも難点があろうかと思いますので、この辺もよくよく研究の上、実施をしていただきたいと思います。 もう一つは、民間の軽飛行機でございまして、これは重量の点からも、お金の点からも、そういった高価な、重い無線機を二重に装備するということはちょっと不可能かと思います。したがって、こういったような装備のできない飛行機は、いわゆるコントロールされている管制空域、込み合う空路、そういったところに立ち入らせない。自衛隊の訓練空域を分離いたしましたように、小型機、有視界飛行、それから無線装備の弱い小型機、そういったものの飛行できる空域を分離するということが法的に必要かと思います。
○坂井委員 時間がございませんので、最後に一問だけ関川さんにお尋ねしたいと思いますが、ローカル空港で欠陥空港ということを最近非常にやかましく言われるわけですが、定期便の飛ぶようなローカル空港の空港保安施設の最低要件といいますか、それには、まずVORと滑走路の延長、この二つは最低条件だ、こういうことがもっぱら言われておるようでございます。いずれにしましても、今後航空需要、空の輸送というものが非常に大きく伸びていくということは必然であろうと思いますし、そういう中で、特にそうした設備の貧弱なローカル空港に対しては、より目を注いで、安全面に対しては万全を期さなければならぬ。五カ年計画を三カ年に短縮をしてということの計画の中におきましても、いろいろ問題があろうかと思います。しかしながら、いま申しましたような安全を期するということ、これは根本義でございますので、そうした面から、少なくともローカル空港にはこれこれの保安施設、これは最低の要件である、これがなければローカル空港としては意味をなさないというような、そういうぎりぎりの要件として関川さんはどうお考えになっていらっしゃるか、御意見を承って、終わりたいと思います。
○関川参考人 まあこれも私の専門外のことでございますが、一体その空港にとって何が最低条件かという、その最低条件のボーダーラインの引き方が非常にむずかしいかと思います。 御承知のように、わが国のローカル空港の大部分は、滑走路があって、NDBというごく原始的な無線標識が一つあるというだけの設備のところが半分以上でございます。これから考えますと、VORというのは、なるほど望ましい機械ではございますが、いますぐVORが全ローカル空港に行き渡るということはちょっと予想できません。これは値段も非常に高うございますし、それから精度の検査ですね、実際に飛行機を飛ばしてみてVORが正しく働くかどうか、フライトチェックという検査が非常に手がかかるわけでございます。それからもう一つは、パイロットのVORを利用して飛ぶ利用技術、そういったところも問題がございまして、これはなるほど考え方によっては最低の設備と言えるかもしれませんが、VORが全空港に行き届くというところまではまだなかなか時間がかかるのではないかと思います。さしあたって、それでは何が必要かと申しましたら、私は、今日ただいまの時点において、最低条件というのは、バシスという照明装置がございます、これはごく簡単な、光を出す装置でございまして、着陸するパイロットが目で見て、自分で進入の正しい角度をはかって、それを見ながらおりてくる、非常に原始的な装置でありますが、パイロットの方に聞きますと、なかなか威力のある装置だ、値段も非常に安うございまして、三千万円くらいだそうであります。これも先ほどのVORと同じように、光の角度の調整になかなか時間がかかるそうでありますが、VORのような高い機械ではなくて、値段も安い、しかもわりに簡単につけられるということでございますので、今日ただいまの意味で最低条件を満たすために、まだ全国二十数カ所、このバシスさえもないような空港がございますが、こういったところには至急にこれをつけていただきたい、そういうふうに思うわけでございます。
○坂井委員 ありがとうございました。 終わります。
○加藤(六)委員長代理 河村勝君。
○河村委員 二、三参考人にお伺いいたします。 さっき松田参考人は、航空管制の一元化について、金と人さえあればできる、意欲さえあればできる、自衛隊の緊急発進を除いて、こういうお話でしたね。そこで、一番最初に朝田参考人から、航空管制一元化について、アメリカのFAA、連邦航空局のシステム、これがいい例ではないかというお話があって、松田参考人から、それは形式はよさそうであるが、どうもそれは中身が伴っておらなくて、実際にはだめなんだ、こういうような御説明がありました。その点、問題は指揮命令系統であろうと思うのでありますが、朝田さんからでも松田さんからでも、どちらでもよろしいのですが、FAAの航空管制の指揮命令系統は、特に軍民の関係ですが、一体どういうふうになっておるのか、それがわかったら教えていただきたい。
○朝田参考人 私が先ほどFAAの例を申し上げましたのは、CAAがFAAにかわった経緯から申し上げたわけですが、やはり軍用機と民間機の航空交通管制をそこで一元的にやる。しかし、軍自体は別の施設と人員で——私は使用目的が違うと思いますので、そういうものを持っておると思います。しかしながら、この航空交通管制は、極言すれば、衝突の防止ということであるわけでございますから、そういうことで、アメリカを飛んでおります。パイロットのFAAのコントロールの実際の経験から言いますと、十分満足をしておるという報告を私は受けておるわけでございます。したがいまして、今度のような事故から考えても、こういう施設と人員が、運輸大臣から委任されておる自衛隊のほうに整っておる、それをレーダーコントロールによる航空交通管制というものを一元的にやるべきじゃないかということを私は申し上げておるわけでございまして、機構がどういうふうに組み立てられればいいかということの結論は、行政組織全般として御判断を政府でお願いしたいと思うのであります。海上保安庁にいたしましても、ロー・エンフォースメント、あるいは海難審判所の例もあげましたが、運輸省の中で行政のアンバランスというものが、これほど大きな差があるんだ、したがって、理想的な、何でもかんでもみなうまくいくというようなことはないかもしれませんが、一歩前進で改善すべきだ、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。
○河村委員 松田参考人、実際はなかなかうまくいっておらぬということの一番大きな欠陥はどういうところにありますか、それを伺いたいと思います。
○松田参考人 こまかくいろいろなことまでも私のほうで研究しているわけじゃございませんが、かつての軍の航空組織と、それから民間のCABといわれる組織とが統合されて後のFAAの方たちのお話を聞きますと、やはり指揮命令系統というのは必ずしも長官一本ですぐいけるというようなものでなくて、過去の経緯を十分お互いが尊重する中でやっておるために、現実には、形式的に一本化されておっても、事実上はやはり二本立てのような形で運用せざるを得ないし、また、それをしない限り、いろいろなあつれきがあるという、そういった話をわれわれいろいろと聞かされておるわけです。特に、先ほどから申しますように、軍の目的と民間の目的とは、本質的に飛行の目的において非常に違います。軍の目的は、やはり一たん緩急があった場合の緊急発進が第一の目的でありますし、民間の目的は、何が何でもお客の命を常に安全に確保しながら、あるいは財産を常に安全に確保しながら目的地に到達する、これが目的であろうと思います。そういう意味で、それぞれの空港における運用方式というのを一本化しようとしても、そこにはいろいろ問題があるのは、その話をわれわれ聞きましてもうなずけるわけでございますから、私、先ほど強調したかったのは、いずれにしても、現在の航空法はすべて自衛隊は適用除外になっております。こういった航空法の抜本改正については、関川参考人からもおっしゃったように、改正をしていただくということについては賛成でございますが、そういった航空法の改正と同時に、運輸省として一元的にやるには一体どこまで責任が持てるかというところと、それから現在の日本における自衛隊の目的に対して、安全な立場から見た場合、ではどこまで制限をすればいいのか、この辺のところを洗い直していただくということがまず先決であって、単に航空庁構想とか、あるいは航空保安庁構想とかいろいろあるという形で政治的に花火だけを出すのは、現場サイドから見ると、結果的には反対の方向へ行くのではなかろうか、そこのところを強調したかったものでございますから、あのような表現になったということでございます。
○河村委員 わかりました。機構いじりそのものに堕してはならないということであって、この問題、FAAの場合でも、自衛隊の目的——アメリカの場合は国防省ですけれども、それと民間とが本質的に違うから、そこに矛盾があるのはまあやむを得ないところもある、こういうことですね。 その場合、緊急発進そのもの、これは一種の戦闘行為ですね。ですから、これをコントロールするというのは実際私もむずかしいだろうと思いますが、アメリカの場合なんか考えて、緊急発進だって大部分は訓練ですね。現実のスクランブルというのはあまりないはずです。そうすると、軍の訓練飛行、そういうものまで含めてのコントロールは一元化されておりますか、おりませんか、その点いかがでしょう。
○松田参考人 これは政府のほうが答弁なさったほうがいいのだろうと思いますけれども、私の知る限りにおいては、訓練の飛行というものについては、出発方式と帰投方式の大体前後十分程度の範囲内までは確かに一元化されておりますが、それ以降についてはこれは全くバッジのほうに移るわけでございますから、運輸省のほうは管轄されていないのではないかというふうに思います。ですから……。
○河村委員 アメリカの場合ですよ。
○松田参考人 アメリカの場合については、そこまで詳しくわかりません。
○河村委員 航空局長、その点は研究しておられますか。
○内村説明員 私も、申しわけございませんが、そこまで研究しておりません。
○河村委員 松田参考人は、さきに、アメリカの場合よりも、イギリスあるいはフランスですか、そちらのほうが進歩しておる、そちらのほうが例としては参考になるのではないかという意味の発言があったように思いますが、アメリカの場合とヨーロッパの場合とはどう違うのですか。
○松田参考人 いまさっき申しましたように、機構面からいえば、アメリカは形式的には一本化されております。しかし、フランスやイギリスの場合は、法律的にも実態論的にも二分化されております。そういう意味では全く違いますし、特に先ほど申しましたように、イギリスの場合は、昭和四十三年くらいまでは、軍用高度というのを二万六千フィート以上を持っておった、それをやはり実態的には管制しにくいということで、すべて民間側の一元化のほうへ移っていったという歴史的な経過を聞いております。そういう意味では、世界の傾向としては、機構的な面からいうと、一元化の方向じゃなくて、やはり若干の、組織的には、自衛隊側と運輸省側というふうな形の組織はそれぞれの国でも持っておるようなのが傾向としては大きいのではなかろうか、そういったところを先ほど述べたわけでございます。
○河村委員 航空局長、航空管制一元化というのはこれだけ問題になっているのでしょう。それがもうすでに相当話題になっているにもかかわらず、知りませんというのは、ちょっと私はひど過ぎると思うのです。あなたは御存じなくても、スタッフでは研究されておるかもしらぬから、それはあなた自身がいまここで詳しいことを知らぬでもいいけれども、もうちょっと心がまえとして考えてほしいと思いますね。 そこで、これは松田参考人から、自衛隊のレーダーサイト二十四を活用すべきだという意見があって、そうだと思いますが、いま外国の話がだいぶ出ましたが、やはり二十四のレーダーサイトで日本じゅうをカバーしているわけですね。アメリカなどの場合でも、空軍のレーダーサイトが全域をカバーし、もう一つ民間のほうも全域をカバーするレーダーサイトを持っている、そういうことになっているんですか。
○朝田参考人 アメリカの場合は民間の場合でも全部カバーをしておると私は承知しているのです。 先ほど欧州の問題を御質問になっておりますが、ユーロコントロールという組織がある。日本の航空局で、先ほどから問題になっております空港整備五カ年計画に対する財源として、航行援助施設使用料というものを航空会社からお取りになる、受益者負担の原則ということをさっき申し上げたわけでございますが、ユーロコントロールも、同じようにそういうものをこれから取ろうということで、この十一月から取るわけでございます。これは軍民の航空機をある程度コントロールをしておる。したがって、そういうレーダーコントロールによるところの航行援助施設の使用料というものを同じく取るわけでございます。したがいまして、欧州においてもユーロコントロール、これは一国だけでなしに、欧州各国及びイギリスも入ったそういう組織でございます。そういうように承知をいたしております。
○河村委員 特別管制空域のことでちょっと伺いますが、これも先ほど松田参考人から、特別管制空域を設定する場合に、要員の問題が先ほどから議論になっておりますが、要員以外にも、周波数の拡大、分離、それから位置を確認するためのいろいろな計器類、トランスポンダーその他の計器類がなければ、いかに空域だけ指定したって動きはしないんだという御説明がありましたけれども、航空局長、東京−札幌間、これはごく最近自衛隊との話し合いがついて空域の指定ができるという話でありましたが、要員のみならず、こういうものを整備してそれでスタートするのはやはり相当手間がかかるのですか。
○内村説明員 今度、航空路について特別管制空域をつくりましょうというところは先ほど申し上げましたが、東京−札幌、それから東京−大阪−板付、それから東京−串本−鹿児島、この三つでございます。これは直ちに全部について特別管制空域にしようというわけでございませんで、その中でやはり一定の条件に合ったところをやろうという趣旨でございます。交通の状況からいいますと、交通の密度が高いところ、そこの区間をやろうというわけであります。そのためにはどうすればいいかといいますと、先ほどどなたか御説明がありましたけれども、確かに要員の問題がございます。それから無線の周波数の問題それからもう一つレーダーの問題があります。いまレーダーを使えますのは、箱根の航空路監視レーダーがあります。航空路監視レーダーについてもう一カ所、福岡の三郡山、ここにございます。この二カ所のレーダーによりますと、まず箱根のレーダーによりますと、関東の東から南の部分、ルートで申し上げますと、東北方面は松島ぐらいまで、それから南へまいりますと、浜松、静浜、あの辺が箱根山のレーダーでカバーできる。福岡のほうのレーダーでは、中国の岩国あたり、それから北九州の部分、この辺ができるだろうというふうなことでございます。したがいまして、私どもさしあたり考えておりますのは、まず静浜、浜松、大島、その辺の部分と、岩国の部分、それから松島、この辺のところについて考えております。そういうところですと、周波数がとれるということができますと、あとは、要員の配置ができますればそういうことができるということで、そこは比較的早い時期に行ないたい、こういうふうに考えております。
○河村委員 そうしますと、いまの自衛隊のレーダーサイトの活用という問題が出てくるわけですね。二十四のレーダーサイトを活用できれば、いまあなたが一番強調しておられたレーダーコントロールの問題は解決するわけですね。そうすると、そう時間がかからずにいま予定されておるものができる。もちろん要員の問題がありましょうが、要員さえ解決すればできる、そういうことになるわけですね。
○内村説明員 それが、残念ながら、しかく簡単にまいらないわけでございます。と申しますのは、レーダーはございますけれども、その像を管制部のほうに持ってまいりまして、そこで管制官がそれを見ながら管制するということが必要なわけでございます。いま申しました箱根のレーダー、それから三郡山のレーダー、これはみな管制部に入っております。したがいまして、そこでもってできるということでございますが、自衛隊のレーダーサイトの場合にはそういうものがございませんので、これを管制部でコントロールいたしますためには、管制部までレーダー像を引っぱってまいりまして、それによってコントロールしなければいかぬ。ところが、そのレーダー像を引っぱってくるのにたいへんな工事が要るわけでございます。これは局舎のほうにもからんでまいります。そういうことで、これはなかなか早期にできない。率直に申し上げますと、こういう方法をとったとしても、現在契約しておる航空路監視レーダーを全部民のものを別につくるのと同じくらいの年月がかかるというふうなことが実情のようでございます。したがいまして、いま私どもが考えておりますのは、そこまで一〇〇%ではないけれども、何か自衛隊のレーダーサイトを使って少しでも役に立てる方法があるまいかということをいま研究しておるところでございます。そういった意味で、あるいは三沢のレーダーサイトとか、そういうふうなところを利用いたしますと、東北の松島以北の部分、この辺が大体入ってまいります。それから北海道近くも入ってまいります。したがって、そういうところを使いますと、実はこれは管制部まで引っぱれませんから、そこへこちらから人を出して、そこで別の席をつくってそのレーダー像を写す、それを見ながらウオッチをして、その情報を管制部に電話回線か何かで伝えたらどうかというふうな方向で、いま緊急対策を研究しておる次第でございます。
○河村委員 その場合、自衛隊のレーダーサイトそのものを使ってコントロールすることは、技術的にできないのですか。
○内村説明員 コントロールはやはり管制部でいたしますので、管制部でいたしますためには、自衛隊のレーダーサイトの像というものを管制部まで引っぱってまいりまして、そこでやらなくちゃいかぬわけです。その引っぱるのに、管制部の局舎の増設とか、あるいは引っぱる工事が要るとかいうことで、相当難航するわけであります。
○河村委員 だいぶむずかしい話がわかりましたが、そうすると、特別管制空域ができるという話は、自衛隊の話がついても結局相当時間がかかる。一体どのくらい時間がかからないとできないということになるのですか。たとえば東京−札幌あるいは鹿児島。
○内村説明員 大体先ほど申し上げましたように、まず航空路全体ということは必ずしも……
○河村委員 時間的にいつごろでけっこうです。
○内村説明員 航空路全体についてはちょっといま未定でございます。必要な部分についてやるということで、必要な部分については、さしあたり……。
○河村委員 じゃ東京−札幌は……。
○内村説明員 東京−札幌は、松島の部分まではこれは早い機会にできます。
○河村委員 松田参考人にちょっとお伺いします。さっき便数規制の問題でお話がありましたが、いろいろ横路委員とのやりとりを伺っておりますと、民間航空に関する限り、国際線であろうと国内線であろうと、とにかく空港規制でカバーができる、そしてそれ以外の自衛隊機、米軍機、それだけが航空路規制をやらなければ規制ができないのだ、こういうふうに了解してよろしいですか。
○松田参考人 確かに空港規制としては羽田と大阪には一応の基準がございます。しかし、最近の定期便の分析をいたしますと、たとえば名古屋から札幌に行く便とか、名古屋から松山に行く便とか、そういうふうな形で羽田、大阪以外の各空港間の便数というのが全体的にふえております。そういう意味では、単に羽田、大阪だけを押えたから航空路については自衛隊だけを云々というわけにはまいらぬだろうというふうに思っております。そういう意味で、さっきも申しましたけれども、民間機を含めての航空路の便数規制というのは、民間機を含めて何らかの基準を設定する必要があるのではないかというように先ほども申し上げわけです。 それからもう一点は、先ほど運輸省のほうからおっしゃいました国際線の臨時便の件なんですが、私なんかの見るところでは、国際線の臨時便について、そんなにたくさんはないと思いますが、一部漏れているようなところがあるのじゃなかろうかというふうに見ておるのですが、これは現場の管制官の方が言われているので、二、三その辺実証的にはあるのですけれども、どの程度漏れているかということについては、われわれもしっかりしたデータを持っておりません。ただ、臨時便が——普通ですと、定期便というのは少なくともタイムテーブルのほうに載っかっている。そのタイムテーブルに載っかっている中には、臨時便を含めての定期便のいわゆる時間表になっているわけですけれども、これがどうもここ一、二カ月の傾向の中では、そんなに多い数字じゃございませんが、やはりあるように聞いております。特に大阪からウエークに行くとかあるいはグアムに行くとかいうふうな中に二、三あるように話を聞いておりますし、事実上またそういった話の具体的な二、三のデータは私のほうも聞いておるわけです。この辺はやはりもう少し運輸省のほうでも御検討願いたいというふうに思います。
○河村委員 羽田、大阪、福岡だけ規制したって航路規制できないというのはわかるのですが、そういう話を伺っていると、何かほかの空港の規制は運輸省としてはやってないのか、あるいはやっておっても、航空路とは関係なしに、飛行場の容量だけでその限度内ではばんばん飛ばしているのか、そういったように聞こえるのですが、そういうことになっているのですか。
○内村説明員 現実の問題は、いま航空路について規制の御要望がございましたけれども、航空路についてやっておりません。それから、飛行場についてやっおりますのは、東京の羽田、それから大阪の伊丹、この二カ所でございます。ほかにつきましては、空港自体についてのキャパシティーはまだあるということに考えておりますので、それはやっておりません。それで、航空路の規制でございますが、これについては、私も規制することが望ましいと考えております。しかし、これはテクニカルに非常にむずかしい面がございまして、いろいろいま考えて、あるいは何回何回ということの試案は持っておりますけれども、まだこれといった方法がないというのが実情でございます。
○河村委員 それはおかしいじゃありませんかね。これだけ過密だといわれておって、東京羽田と伊丹しか空港規制をやっていないで、あとは容量が許せば野放しだというのでは、それじゃ過密になるのはあたりまえですね。全体の航空容量はわかるはずですから、そうすれば、そうこまかい計算をしなくたって、一応全空港の航路容量に見合ったような規制というのは、空港規制だけだってある程度できるんじゃないかという気がします、しろうと考えですが。そうじゃないのでしょうか。
○内村説明員 現在までの規制は、やはり空港におけるキャパシティー、これが一番問題でございまして、羽田なんかにつきましては、空港それ自体がもう手一ぱいであるということで現実に押えておるということでございます。それから伊丹もそういうことでございますが、ほかにつきましてはそういうふうなことではなくて、空港自体としてはまだ十分に余裕がある、発着もまだできるということで、空港は押えていないということでございます。そこで、それならば航空路を押えなければおかしいではないかという御議論が出るわけでございますが、これに対しましては、現在のところは、フローコントロールと申しまして、たとえば羽田なら羽田、そこの上空のホールディングが三十分以上になるというふうな場合には、出発地点で押えていくというふうな方法によって一応コントロールはいたしております。
○河村委員 その点は、きょうはあなたと議論しておる日じゃありませんから、あらためてやりますが、どうもまだちょっと配慮が足らぬような感じがするという感想だけ申し上げておきます。 最後に、関川さん、さっき航空事故の場合の被害者責任、被害者に立証責任を負わしておるのはおかしいじゃないかというお話でしたね。確かにそのとおりで、自動車賠償責任なんかの場合には、挙証責任を転換しておりますね。実際問題として、航空事故で被害者が責任を立証できなくて困って賠償も取れなかったというような例が一体あるのでしょうか、それをちょっとお伺いしてみたいと思います。
○関川参考人 私はそういう例は聞いておりません。いままでそういう例がまずないのではないかと思います。と申しますのは、従来わが国では、そういった、航空機は複雑なものであるということが先入観にございまして、裁判に持ち込むまでもなく、どうせわれわれの手に負えないのだというふうな感じで、平たく言えば、被害者が泣き寝入りをしたといったケースが大部分ではないかと思います。
○河村委員 もう時間になりましたが、泣き寝入りをして困ったという例がほんとうにあるのでしょうか。実例として御存じですか。
○関川参考人 いや、私いま泣き寝入りと申しましたのは、これはことばのあやでございまして、実際に泣いておる人があるかどうかということは聞いておりません。ただ、形の上から申しますと、裁判にかけてもう少し補償金が取れたかもしれないのに、裁判にかけなかったということは、つまり平たく言えば、泣き寝入りである、あるいは被害者の方が補償金の金額に対して百人が百人皆さん納得された金額ではないだろうと私は思います。現に二、三の方から、これは人命の補償にしては安過ぎるという声も聞いております。そういう方々が裁判に持ち込まれなかったということは、これはイコール泣き寝入りと言っていいのじゃないかと思うのです。
○河村委員 どうもありがとうございました。
○加藤(六)委員長代理 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 各参考人には御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。ただいまの貴重な御意見は本委員会の調査に資するところがきわめて多かったことを、委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。御退席をいただいてけっこうでございます。ありがとうございました。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十七分散会