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65回国会参議院1971/03/26

予算委員会第二分科会 第4号

発言数
142
登壇者
13
会派数
4
開催日
1971/03/26

会議録

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。  この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。  ただいま大橋和孝君が分科担当委員を辞任され、その補欠として前川旦君が選任されました。また、予算委員の異動に伴い、渡辺武君の補欠として須藤五郎君が選任されました。     —————————————

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 昭和四十六年度総予算中、通商産業省所管を議題といたします。  昨日の会議と同様、政府からの説明を省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) この際、参考人の出席要求についておはかりいたします。  本日、昭和四十六年度総予算中、通商産業省所管の審査のため、公害防止事業団理事古沢実君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私は政府の石油政策と、懸案であります日米間の繊維製品の輸入制限にからむ話し合い、また今後の措置等をお尋ねをいたしたいと思いますが、その前に通産省に、国民の生命ないしは健康を維持する上において非常に重大な影響を及ぼすと思われる原子力発電の問題にからんで、一点お尋ねをいたしたいと思います。  これは去る二十四日の朝日新聞の夕刊に載ったことでありますが、中部電力が静岡県の浜岡原子力発電所の設置について、地元との間に自主的に協定をした内容について、その内容が今後の発電所設置に関して企業の側、通産行政の側から見て障害になるかのごとき発言があり、そういう指示をしたような新聞記事が掲載されたのでありますが、この点、もしこれが事実であるといたしますれば、まことに遺憾なことでありまして、原子力発電所に関しての、たとえば立ち入り検査権はもちろん法律的に通産省それ自体においてお持ちになっておることとは思いますが、地域の住民なり、地方の自治体というものが自主的に企業との間で立ち入りに関する協定が結ばれたといたしますれば、それはむしろ喜んで尊重さるべき立場に本来的にあるべきが妥当ではないのか。それに対して、そういう立ち入り検査を認めるということは行き過ぎであるかのような発言はまことに国民感情を無視するものであり、もしこういうことが事実であるといたしますれば、通産省に対しての国民の非難、批判は免れないところだと私は思いますが、この新聞に出ております内容はおそらくお読みのことと思いますが、事実関係は一体どうなっておるのか、そういう事実があったのかないのか、具体的にひとつお答えいただきたいと思うのです。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○政府委員(長橋尚君) お尋ねの事実関係につきましてお答え申し上げます。  三月の十六日でございますが、中部電力株式会社から浜岡原子力発電所の建設に関連をして、静岡県と浜岡町など三町との間に安全確保のための協定を結びたい、かような話でございまして、説明を受けたわけでございます。その際、今回の協定は従来の原子力関係の協定例とは異なるものでもございましたので、問題点を指摘いたしまして、第一に環境放射能測定技術会、原子力環境安全協議会をその協定の中で設置することになっております。この点に関しまして、協定の案文では、静岡県及び地元三町の地方公共団体の側でこういう技術会を設ける形になるという説明を聞きましたので、この点につきましては、中部電力も当事者として加わった地方公共団体と電気事業者との間の共同の協議会、かような形を踏むことが適当ではなかろうかという点。  それから第二に、異常な事態が発生いたしました場合に、必要に応じて静岡県及び地元三町が立ち入ることができるという規定がございます。この点につきましては、もともと非常に原子力発電所内の安全についていろいろ問題のある地点でもございますので、地方公共団体の側から立ち入りの際、事前に連絡を受けるということをはっきりしておくことが適当ではなかろうかというふうな点につきまして指摘をいたしたという事実はございます。しかしながら、新聞報道に見られますように、本協定自体につきましてクレームをつける、あるいは当事者を非難するというふうなことをいたした事実は全くございません。

大矢正日本社会党

○大矢正君 大臣、ものは言いようでして、こういう協定は今後あなたの企業だけではなしに、電力会社全体を縛ることになるからおやめなさいと、こう言わなくても、こういう協定というものが自主的であろうとつくられることは、結局のところあなた自身が縛られますよ、あるいは通産省の立場からいえば、こういう協定は必ずしも好ましくないとか、ことばの表現はいろいろあると思うんですが、やめさせようとする、あるいはそういう協定は結ばせまいとする際における発言というのは、これは言いようによって幾らでも同じ効果を相手に与える内容、表現のしかたというものは私はあると思うんですよ。したがって、いまの段階でいえば、これはそういう新聞に書かれているようなことを言った覚えはございませんと、こうあなたのほうはおっしゃるかもしれないが、受け取る側にしてみると、この新聞のとおりの発言ではなくても、多少ことばの言い回し方を変えるだけで同じ結果を相手に与えるということもあり得るわけです。ですから、私はきょうは本題が別でありますから、簡潔に質問だけしてやめますが、ただ、ここで一つ問題が残ることは、いま局長の発言では、こういう事実はないと、裏を返していうと、これは誤解であると、そういう趣旨のことは言った覚えがないということでありますから、かりに将来こういうことが事実であったとする際には、それだけの責任を持ってもらわなきゃならぬことは明瞭だと私は思いますが、大臣としてこういうことが新聞に書かれる、あなたのほうは誤解だとおっしゃられるが、しかし事実であるいはあるかもわからない。私も事実であるかどうかということは実は今日の段階では不明確である。しかし、かりそめにもこういうことが新聞に書かれるような事態を起こしたということ自身が、通産省はそれでなくても企業の味方であって、地域の住民や国民の味方でないという非難というものをますます高めるだけではないかという感じがいたしますが、大臣いかがでしょう。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま政府委員の申し上げましたことは二点ございまして、一点は環境放射能測定については地元側と電力側と一緒に共同してやったらどうかということ、並びに非常事態の場合の立ち入りについては、それはけっこうであるけれども、原子力発電所であるから、事前に通告をして入ることが適当ではないか、こういうことを申したということを申し上げたわけでございます。まあ注意といたしましては、私はこれは一つの意見としてまずまず相当のアドバイスであろうと考えますが、しかし実際には、別にそのアドバイスどおり協定ができたようでもございません。いろいろいきさつがございましたことと思います。それで、私どもがこういう事態に対処する基本的な態度としてとらなければならないと思いますのは、一点は安全の確保ということであろうと思います。ことに原子力発電についてはさようではないかと思います。第二点は、一ぺん協定を結びましたら、その協定は忠実に履行されなければなりません。何とかその場を切り抜けるために、できないような協定を結ぶということは将来に必ず禍根を残しますので、結んだ協定は忠実に守らなければならない、また守れる協定でなければ結んではならないということであろうと思うんです。その二点について行政上の指導をする、これはやりまして差しつかえのないことで、あるいはまたやらなければならぬことだと、こういうことを指導の原則にすべきではないかと考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 大臣の発言を聞くと、ますます疑惑を深めるわけですが、守られないような協定をつくっちゃいかぬというあなたの御発言、私はどうもそれが引っかかってしょうがないんですよ。守られないような協定というのは本来的にあるべきものでしょうか。しかも中部電力ともいうべき大企業が守られないかもしれないということを前提として、かりにそういう協定を地元との間に結ぶなどということは、本来的にこれは想定されることでしょうか。あなたの発言を聞くと、やはりこれは何か圧力をかけたという感じはどうも免れないんじゃないかという気がいたしますが、いかがでしようか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 別に裏の意味があって申し上げたわけではございませんで、最近の例で申しますと、ある会社と、あれは富士市でございましたかとの間の協定が不履行になっておるというような問題が起こりまして、私どもの耳に入っておるわけでございますが、いやしくも急場を切り抜けるために、語弊があるかもしれませんが、適当なことを協定しておけばいいというような態度は許されるべきでないので、協定したことは誠実に守られなければならない。客観的に見まして、履行がむずかしいというようなことをその易しのぎでやってはならないということを申し上げたわけでありまして、その裏に別の意味があるわけではございません。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私はこのように考えるのでありますが、いまあなたは、守られないおそれのある協定は締結をすべきではないとおっしゃられるが、私はそういうところに力点を置いた行政指導を行なうのじゃなくて、むしろでき上がった協定は、つくられた協定は守るようにしなさいということを中部電力なりそれを締結した企業の側に強く主張し、そしてそういう指導をすることのほうが私は本質的に国民の願望と合うんじゃないかと思うのですが、あなたのほうは協定違反が起こらないために、その協定はもうできる限度で結ぼうとするところに力点を置いている。私はそうではなくて、これだけの大企業が協定を結んだ限りにおいては、これは守るのは道義的にもあるいは法律的にもそういうことが起こり得るかとも思いますが、ともあれ守らなければならぬ責任と義務があるわけでありますから、通産省の行政の指導を、その守られるような協定に限定しようとする態度ではなしに、できた協定は、地域の住民なり地方の自治体というものが安心をできるような協定がかりに結ばれたとすれば、それを守らせるように企業というものを指導するのがむしろ私は通産省の行政の中心でなければならないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 大矢委員の御指摘のとおりでございます。私が先ほどのようなことを申し上げましたのは、これが電力でございますので、普通のその他の公益事業でない生産会社でございますと、かりに協定が不履行になって生産ができないということになりましても、国民経済的に考えましてまあたいしたことはございません。しかし電力会社でございますと、相当大きな影響をすぐに与えますので、そういう意味で、ただいまのような将来に紛争を残さないようなやり方をしなければならないということを特に強調して申し上げましただけでありまして、趣旨は大矢委員の言われるとおりでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私はこの問題については、今後とも事実関係をみずからの立場で明らかにしていき、もしいままで通産省が答弁をされていることに誤りがあるとすれば、別の機会に政府の責任を追及したいと思いますので、この点はきょうはこの程度にとどめたいと思います。  次に、政府の石油政策についてお尋ねをいたします。これは先般のOPECとそれからメジャーとの間における話し合いによって大幅な原油価格の引き上げが一方的に実施をされ、その処理解決をめぐって大臣は非常に強硬な立場で、これがわが国の国民生活やあるいはわが国の産業にとって重大な影響にならないように努力をする、またそれをやらなければいかぬということで、かなりの意気込みで臨まれたようでありまして、私もまことに敬意を表しておったわけでありますが、最近の状況を見ますると、当初のその意気込みがさっぱり感じられないで、結果的にはメジャーの言うなり、そしてまたメジャーの言うなりになるわが国の石油業界、こういう形になってしまったのではないか、非常にこれは残念なことであります。  こまかい点から聞くようでありますが、先般わが国の産業経済の中で論争を巻き起こしましたこの問題について、現在はどうなっており、将来どうされるおつもりなのか、それから過去においてあなたがいろいろなことを述べられておりますが、それが実際に実行されておるのかどうかというこの事実の問題を、ひとつこの際明らかにしてもらいたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) もう少し様子を見る必要はございますけれども、必ずしも大矢委員の示唆されたとおりではなかろうと、実は私は多少希望的な気持ちもございますけれども、考えております。と申しますのは、いわゆる石油連盟が何人かの代表者を選びまして、メジャーと個々に話をいたしまして、これは二度にわたってそういうことがあったわけでございます。で、そういうことがございました後に、メジャーのうちで少なくとも何社かは、日本政府、日本業界の主張についてある程度理解することができるという態度を表明いたしました。しかしながら、ヨーロッパその他の国にすでに新しい価格で供給をしておるという現実もあるので、その理解のもとに個々に取引先と話し合いをしたいと、こういう意思表示がございまして、で、私はその間の事情は理解できると考えましたので、石油連盟のいわゆる団体的な交渉の体制を解くわけではないが、個々に話をすることで別段差しつかえなかろうと、こういうふうに考えまして、そう返答をいたしました。したがいまして、ただいまの段階はメジャーとその取引先とが個々に話をいたしておる段階でございまして、私どもとしてはそれを含め、及び精製業者の自主努力を含めて、何がしかでも引き上げ幅を狭めるべきであるというふうに考えておるわけでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私はその抽象的な議論ではなしに、あなたがあの問題が発生して以降いろいろな面で努力をされたわけだが、具体的にはどういう効果があったのか、お答えをいただきたいと思う。あなたの努力によって実際にどれだけの具体的な効果があらわれたのか、それをお答え願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはただいま申し上げられない段階——と申しますのは、知っておりまして申し上げないということではむろんございませんで、個々の会社、何々と何々という話し合いにただいま入りましたので、その結果がどう出てくるか、これは各社一様ではおそらくなかろうと思いますが、少なくとも私どもが予測いたしました四十五セントでございますけれども、メジャーとの話し合い及び自身の企業努力を含めて、そこから何セント落ちるかということは、実はただいままだ個々の交渉というものが妥結したケースが一つもございませんので、申し上げることができないという段階でございます。しかし、方向はそういう方向に向かっておりますことはほぼ私は間違いないと思っております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 昨年の秋も灯油やあるいはガソリン等の値上げが行なわれたわけでありますが、昨今もまた現実には末端の需要者の段階では、消費者の段階では価格というものはすでに織り込み済みで上げられておるんじゃないですか。それからまた現に原料として油を供給する立場においては、業界とそれから精製会社、元売りとの間に値上げ交渉が行なわれてるのではないですか。私はそういう面についてどういう影響があらわれておるかということを重ねてお尋ねをいたしたいと思うんです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 詳しくはただいま政府委員から申し上げますが、前半言われましたいわゆるガソリンスタンドの値上げ分は、昨年の十一月、十二月に行なわれました一部の値上げを反映しようというものであるというふうに私は理解をいたしておりまして、ことしに入りましてのOPECとメジャーとの話し合いの結果はまだ具体的にそういう姿にはなっておらないというふうに考えております。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) お答えいたします。  ガソリンの値上がり状況につきまして、現実の問題として気配が出ておるということを指摘されておりますので、先般三月、東京の通産局をしてガソリンの販売価格を調べさせました。大体一割——現金売りについて調査しましたところ、若干の店におきまして値上げが行なわれておる、あるいは値上げを予定しておるということが報告されましたので、十日と十一日に石油連盟並びに全国石油商業連合会のほうへ、便乗値上げに類することになるから、これは厳重に慎むようにということを連絡いたしまして、傘下の組合員に徹底をはかっておる、こういうことでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 局長、あなたはそうおっしゃいますが、実際に私もこれは自分で自動車を運転するから油入れにいくと、はっきりあらわれているんです、事実の上において。それを知らないのはあなた方だけであって、事実上値上げが行なわれております。一回の値上げで済むか、さらにまた引き続いて行なわれるのか、私はわかりませんが、実際問題として値上げが行なわれておるわけですから。一方において通産大臣はメジャーとそれから日本の精製業者あるいは元売りの間で話を今後も継続してやらせるのだという。このこと自身私はやるべきであるとか、必要がないとかは申し上げませんが、大臣が現に行なわれておることが実際に末端に行って、消費者の段階にいけば効果をあげていない事実があることを私は特に強調したいわけです。  そこで、次にお尋ねをいたしますが、これは特に海外の石油開発に関連をしてであります。先般も新聞で一部報道されましたが、わが国の石油開発公団が出資をいたしておりますインドネシア石油資源開発が、事実上油に当たらずして、アメリカの資本にゆだねて撤退をせざるを得ないという事実がありましたが、そこでインドネシア石油資源開発というのは私の調べておる限りにおきましては、八十九億七千万石油開発公団が出資して、五一・三%の株式を取得しておる企業ではなかろうかと思うのであります。よって、石油開発公団が事実上経営をしているといっても差しつかえない、五一・三%の株式を持っておるわけでありますから。その企業というものが撤収をしなければならないということは、もちろん私は油を掘り当てるということは容易なことでなくて、通常国際的に言われておるのは、大体探鉱その他を実施して、結論的には二割程度当たればいいほうだ、このくらい非常に探鉱探査のむずかしいものであるという程度のことは私も知っておりました。したがって、これがだめになったから、すべての海外における油田の開発というものは不可能だという意味で申し上げるわけではございませんが、ともあれ国の資金を多額につぎ込んで、株式の過半数を占めているこの種の企業が、今日の段階でこういう事態に行き当たったということは、私はやはり国民的な立場に立つと、重大な関心を払わざるを得ないわけでありますが、政府のこれに関する所見を承りたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) お答えいたします。  御指摘のように、インドネシア石油資源開発株式会社は、百七十四億八千六百万円の資本金のうち五一・三%の八十九億七千万円の資金を公団から出資しておる会社でございます。インドネシアで北スマトラの沖合いと東カリマンタンに鉱区を持ちまして、試掘を行なってまいりましたが、いままでやりましたところでは、一部には油層あるいはガス層を確認できるような試掘坑もあったわけでありますが、商業生産量を確認するまでに至っておりませんで、今回、沖合いの深い部分につきまして、ガルフとの共同探査を行なうということに相なったわけでございます。  御指摘の点で、石油開発公団が五一・三%を出資いたしておるので事実上の経営を行なっておるのではないかという御指摘につきましては、石油開発公団は、民間の石油開発がきわめてリスキーであり、資金調達も困難であるというところから、側面的に資金援助をはかるということで発足いたしました機関でございますので、石油開発公団がこのインドネシア石油資源開発の運営そのものを指揮し、支配しておるという次第で運営してまいったものではないのでございまして、横から援助してまいるという形でいままで進めてまいったわけでございます。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 十分な御理解の上に立ってのお尋ねでございますので、私ども感じておることを申し上げますが、やはり一プロジェクト一企業という体制に問題があるのではないであろうかと考えます。  すなわち、御指摘のように、そもそも非常にリスクの多い仕事でございますから、一企業一プロジェクトでございましたら、そのリスクによりましてもうすぐに企業自身がやめなければならないということになってまいります。やはり何かの形でそれらを統合——ということばが強過ぎるかもしれませんけれども、大きなベースでいたしておきませんと、ここははずれたがここは当たったというようなたてまえにいたしてまいりませんと、ただいまのような問題を起こしやすい。リスキーではありますが国民の税金を注ぎ込む仕事でございますから、何かそういう仕組みについても考える必要があるのではないか。  それにいたしましても、会計検査院等々むずかしい問題はあろうと存じますが、少なくともそのような仕組みの上での新しいくふうが要るのではないかというふうに考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 石油開発というものは非常にリスクの多い企業である、また事業である。よって、この程度の、言うならば見当違いは当然のことであるというような意識が政府においてもその他においてもあるのではないか。いまの段階では特殊なところ、たとえば私の調べではサバ石油開発とか、一部を除いては出資はおおむね資本金の五〇%限度というような考え方も持っておられて、他の五〇%は民間の資本の導入と、こういうことにまあなされておりますから、公団のリスクは言うてみれば半分しかないということになりますが、先般通産省が今後の石油政策、特に四十七年度を目がけての石油政策の一つの中に、公団の出資ないしは融資の比率をぐっと高めよう、場合によっては八割くらいまで出資をしてもかまわないという態度で臨まなければいかぬ、こういうことが報じられておりますが、だといたしますると、私はここでこの考え方の根本的な転換をはからないと、石油を掘り当てるということは、リスクの伴うことであるから失敗するのはあたりまえであって、二割しか成功率というものがないんだから当然なんだという意識は、やはりこの際なくしてもらわない限り、貴重な国民の金を使って石油資源の開発をするということは、許されないことになるのではないかと、こう思うのでありますが、大臣、どう思いますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは仰せのとおりであると思います。誠実に全知全能を尽くしてやってみて、そうして失敗をしたというようなことは、これは考えられることでございますけれども、少なくとも国が全部のリスクを負うということでございましたら、いわゆる民間側は非常に安易になりやすいわけでございますので、私ども石油公団の融資の比率を、場合によりましては高めたいと考えておりますけれども、やはり民間にリスクの一部を負担させておかなければ、ただいま大矢委員の言われましたようなことになりかねない。そういうことは大事なことでございますから、原則の問題として考えておかなければならないと思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 いまの段階で、これはごく最近の資料でありますが、海外石油の開発会社に公団が出資をしておりますのが百七十五億円、融資が四十六億円、合わせて投融資が二百二十一億円。それに、開発段階に入っておりますアラビア石油に対しての保証百十億円、これだけが今日政府の機関である公団が投融資と保証をいたしておるわけですね。  そこで、あなたに端的にお尋ねいたしますがね。石油開発公団というものに、技術屋が一体何人いるとあなたは想像されますか。技術屋がね、石油開発公団に。  これはなぜこういう質問をするかということは、たとえばこれはインチキな人間がおって、あるいは企業がおって、そうして適当なことを言って、適当に資料をつくって、適当に利権をとって、そうして金を出してくれと、こうきた際に、その技術屋なりそれから内容の調査なりということは非常に重要なことになってくると思うのですね。政府に対して、公団に対して投融資を依頼するほう自身が、最初から油が出ないことを前提にしてかかったら、これはもう油が出るはずがないから、これはもう完全にインチキにかかったと同じことになるわけですね。そういう意味では、公団が資金を供給する際に行なわなければならない技術的な調査、あるいはそれ以外のいろいろな条件というものが、非常に私は大事になってくると思うのですが、公団に実際問題としてこれだけの金を現に投融資、保証している会社に技術屋が何人おるか、お答えをいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) おっしゃいますとおりでございます。実はその問題は私も前から気にしておりまして、公団の総裁ともよく話し合うのでございますけれども、二十人くらいだそうでございます。そうして公団には、わが国の業界のみならず、世界各国からいわゆる情報売り込みというようなものがございますようでして、従来までのところ大部分は、まあことに国際的な売り込みはどうもいいかげんであるそうでございます、経験によりますと。そうは申しましても、しかし二十人程度の技術者が、しかも世界あっちこっちの事業について民間の業界から相談を受けて判断をするわけでございますから、非常に技術陣としては貧弱である。まあわが国の場合、そのほうのいままで、何と申しますか、戦争中の一時期を除きまして人が育っていないということになりますので、やはり何といっても技術人の養成ということが大切でございまして、こういう事態になって、私ども一番やはり苦慮いたしますのは、金の問題ではありませんで、そういう人がきわめて乏しいということでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 あなたいま二十人とおっしゃったが、なるほどしいて技術屋と名前づければ二十人おるのですよ。ところが実際現地に行ってそれ相応の判断をする能力のある人というのはその半分の十人しかいないのです。その技術者の中にはごく最近学校を卒業して入ってきた人がぽんと、おまえ向こうへ行って見てこい。そしてそれが確実に判断できるかということになればこれはできないでしょう。ですから過去に経験もあり、ほんとうにそれぞれの。プロジェクトがあった際に、現地に乗り込んで行って実際に見れるのはわずか十人しかいない。その十人しかいない技術屋が、石油開発公団というものが、いま私が申し上げたようなこれだけの出資、融資、保証をしているわけですね。そこに無理があるのではないか、根本的に無理があるのではないか。ともあれ二十一社、海外において現に石油開発のために取り組んでいる会社が二十一社ほどあるようでありますが、そのうちの十四社に対して、公団というものは資金を何らかの形で、株式の取得すなわち出資もしくは融資をしているわけでありますから、極端なことを言えば、十人でありますれば一社に一人も割り当てができないわけです。それでどうやって正確な将来心配のない出資や融資ができるのでしょうか。だから私が申し上げたいことは、この石油というものは非常にリスクが多いものであるという隠れみのにぶら下がって、失敗があれば、これはもう二割くらいしか成功しないのが世界の通例だからしかたがないのだないのだといって逃げておるが、結果としてはみんなだめになっていく心配すら、これはもちろん二十何社かある会社の中で一、二開発段階に移行しつつある会社もありますから、ゼロとは申しませんが、私はここに大きな問題があると思います。  それから次に大臣にお尋ねをいたしますが、現在、先ほど私が申し上げたとおり、四十六億円を四つの企業に対して融資をいたしております。もちろんこれは通産省が今後大幅にこの種の資金を確保して投融資を強化しようというのでありますから、急速に明年あたりからはあなたのほうの思惑からいけばふえると思うのでありますが、この融資に対して、普通、融資というものについてはそれ相応の担保なりその他価値あるものを提供させて融資をするというのが本来の姿ですが、これに価値あるものの担保を、すなわち抵当権その他設定をされておるかどうかお尋ねをいたします。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) お答えいたします。  石油開発公団の融資制度では担保を徴しないことも可能だということになっておりまして、御指摘のように、株主会社の保証を提供しておるところもございますが、ないところもございます。ただ、これは海外における探鉱事業に対する融資であるという性格から出てまいる結果でございまして、海外の鉱業権が担保価値としてなかなか評価してもらえない、あるいは成功するまで担保に提供すべきものがないというような特殊な事情がございますので、現在こういう制度でやっておりまして、できるだけ株主会社の保証をとる、そしてその保証が限度額に達している場合、成功した場合の特別納付金はとらないという形でやっておるわけでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 大臣、お聞きのとおりです。それで実際にこれは世の中で融資、すなわち金を貸すのに抵当権も設定しなければ担保もなしで金を貸すというのはありますか。そしてそういうことを前提にして投融資をふやしていくということは、担保もなければ抵当権もない者がこれからどんどんふえていくということでありますよ、どうします、これ一体。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) その辺が実際この問題のむずかしいところだと私もとつおいつ考えるわけでございますが、やはり基本的にはこの融資をし、あるいは出資をいたすにいたしましても、それを受ける側、かりに民間側とさしていただきますが、が何がしかのリスクを負うのでなければこれは非常にあぶのうございます。リスクを負わせておきましたらだれも自分の金を何にもないところに捨てる者はありませんから、それはやはり最善の努力をしてだいじょうぶと思うところへ投資をいたすことになるわけでございましょうから、それが三割であれ四割であれ、あるいは一割でございましょうとも、ともかくゼロでは困るということはやはり原則であろうと思います。  それからもう一つは、まことに残念なことでありますけれども、わが国の技術的な能力というものは非常に、先ほど御指摘のように弱うございますから、やはりメジャーなどになりますとかなりのそういう知識も技術もあるわけで、メジャー自身のリスク、それからわれわれのリスク、それを合わせて一緒に仕事をしていくというようなこともどうもこれも現実の問題としてはやむを得ないのではなかろうかと考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 具体的にお尋ねをしますが、このように担保ももちろんなければ抵当権の設定もできない、もうそういう中の融資というものを今後も継続しておやりになるのですか。先ほど私が申し上げたとおり、あなたの、あるいは通産省の構想からいくと、明年度以降は、またあとから質問いたしますが、利権の獲得等の問題もありますが、投融資規模というものをかなりの速度でふやしていこうというわけでしょう。一方においては、担保もなければ何もない、それでも金を貸すのだ、こういう形は非常に将来問題を残すのじゃないかと思うのですがね。あなた自身それでもしかたないと、たとえば担保もなければ抵当権も設定できないものがこれから百億、二百億、三百億出てもしかたがないと、こういうふうにお考えなんですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 会社の株主となります者からできるだけの担保あるいは保証をとるということは、これは常に努力すべきことだと考えますけれども、しかし何億ドルという規模で探鉱あるいは開発をしていかなければならないとなりますと、必ずそれだけの確実な担保をとるということになりましたら、これはやはりなかなかむずかしい問題が起きるであろう。したがって、融資を受ける側、あるいは出資を受ける側が自分のリスクをやはり背負っておるという体制でやってまいることは、これはもうどうしても大事なことでございますけれども、そういう仕組みで進めていくということではなかろうかと思っております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私はあなたの御発言にはとうてい納得ができません。やはり通産省として公団の投融資に関してもっと具体的に何らかの措置を私はとるべきじゃないか。たとえばこういうことも一つ出てくるのじゃないかと思うのです。それは結局のところ担保がなくても、抵当権を設定する何にもなくても融資をしてもらえるのだというようなことも、ある意味においては一面であなたが考えておるような一プロジェクト一企業という、そういう形になって、それをむしろ促進していくような結果になる。これは算術的に言えば、たとえば二割がまあ大体当たって、あとの八割は失敗するのがこの石油資源の開発の場合の結果だと、かりに仮定をいたしますれば、五つのプロジェクトを一つの企業が持っていて初めてそこで一本成功する、算術的に言えばそういうことになるわけですね。そうして、やはり一プロジェクト一企業じゃなくて集約してやらなければならぬのだとあなた自身認めておられるのだが、一方においてそういう担保も抵当権もなくても金を貸すのだということになれば、私は集約化なんということはとうていできないと思うのであります。ある特定の地域を何社もして鉱区を分けて掘っておるわけですから、もともとそれは利権の設定の際には分けられるのは当然でありますけれども、やはり一地域には一つの企業で何カ所かの鉱区を試掘することによりてリスクを分担させるような方向というものは当然とられなければならぬが、私は、結果として、いまのあなたのような考え方でいけばそうならない。二十一社の海外における石油開発会社がもう本年中にはおそらくあと五十社や六十社すぐふえてくる。このままいけば百社二百社というのは軒並みふえてくる。今度失敗すれば政府がみずから八〇%から九〇%出資したり、融資したりするということになれば、みずからが持つリスクというのは一割や二割でありますからちょっとやってみようじゃないか、うちの会社の利益になる、それを注ぎ込んでうちの会社がひっくり返らない限度でやってみようじゃないかという企業が横行してきて、政府の考えている方向とは違った方向に走っていくんじゃないでしょうか、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 有限責任でございますから、そういうことは考えられることであります。したがって、今後一プロジェクト一社というのは、確かに言われますように、会社をつぶしてしまえばそれでおしまいになるのではないかという動機を非常に与えやすいのでございますから避けていきたい。何かの形でもう少し大きなベースで責任を負うということにしなければならないだろうと思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 そこで、先般、石油開発に関しての通産省の構想というものが、大蔵省との間に話し合いを経て、もちろん煮詰まっているわけではありませんが、四十七年度発足を目途として具体的な構想を発表されておるようでありますが、私は、いま言ったとおりに非常に不安がある、政府の石油開発というものに対して。私は石油開発をやめろと言うのではないのです。最も必要なことであります。エネルギーの面から見ても、あるいは石油化学等における原料面から見てまことに必要なことではあるけれども、いまのような状態のままで多額の金を石油開発に政府が注ぎ込むことに非常に危険性を感ずる。したがって、私は、もっとやはり真剣になって政府がこの種の問題については考えなければならぬ。構想の中の一つには、石油開発公団というものをもっと充実しなければならないとか、いろいろなことも書かれておりますが、特にこの利権の獲得という問題は大事なことであるし、同時にまた、これは非常に多くの技術的な水準の高さを要求されるものもあるわけですね。すでに海外においては、日本の石油開発の技術水準というものはまことに低く、これでは世界の水準と太刀打ちできないというような現実的な姿も出ているわけでありますけれども、このようにして石油開発公団というものをかりに中心にして、わが国が海外において石油開発を行なっていこうとするにあたって、いまの石油開発公団の機構や機能や能力では利権獲得であるとか、たとえばその以前の段階の情報収集、実際の事業に対する、あるいは企業に対する指導なり、そういうものはできないわけですね。一体これはどうやっておやりになるのですか。技術屋というものはそんなにたくさんおるわけではないのですね。とすれば、一体どうやって一挙に予算もふくらませ、資金も豊富にわたし、そして利権の獲得をみずからやる、もちろん情報の収集もやらなければならない、たいへん膨大な機能を有しなければできないわけですね。にもかかわらず、いまの石油開発公団というものをどのようにしてそれに合わせる体制にするのですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) お答えいたします。  現在の石油開発公団の陣容で今後の拡大強化した公団の機能を十分分担するということに対しては、御指摘のように危倶があるわけでございます。情報収集体制につきましては、当面やはり海外駐在員の増加をはかるということを考えておりますが、同時にジェトロの機能も活用いたしますし、また大使館のほうでも資源情報についての体制を整備するということと相まちまして、本部におきまして情報の収集、整理、分析、活用ということをやる情報処理センターを新たに設けたい。これに対しまして御指摘のように、技術者が不足するという点がございますので、先般来もその点を石油・天然ガス資源開発審議会でも御議論いただきまして、御承知のとおり日本の石油開発の技術水準がおくれた石油資源開発に、実際の訓練を経た技術者がたくさんおるわけでございますが、このほうからの協力を得るという体制をさしあたり考えておりまして、同時に今後の技術陣のレベルアップのために、外人の技術者を招聘して技術水準の向上をはかると同時に、現地における作業等で訓練された者を強化してまいりたい、こういうふうに考えておる次第であります。

大矢正日本社会党

○大矢正君 貴重な税金であります国の金を使うのでありますから私は慎重な配慮、そして国民に批判のされないような形での処置等を十分考えて対処してもらいたいということを、時間もありませんので、この際強く政府に希望をいたして最後の質問に入りたいと思うのであります。  先ほども申し上げましたとおりに、もう一点は、日米における繊維についての話し合い、そしてその後の経緯等についてでありますが、まず第一にお尋ねをいたしたいことは、この日米間の政府交渉が昨年からずっと続けられてまいりました。いまは行なわれておりませんが、これはどうなのか、日米間における政府ベースにおいての話し合いというものはもうやらないのだということなのか、あるいは休んでおるというだけでまたやがて必要なとき、そして時期がくれば政府ベースにおける話し合いというものが行なわれるということなのか、どちらなのですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 繊維の規制に関します限り両政府間で再度話し合うことは私はおそらくないのではないかと考えております。と申しますことは、この問題をめぐりましてアメリカ政府——ニクソン政権と申し上げたほうがよろしいかもしれませんが、必ずしも非常に幸福だというふうな姿ではないようでございますし、それからわが国以外の国の問題もございます。ですから、そういう今回の業界の自主規制宣言をめぐって出てきましたいろいろな問題、これらについては政府間で話をしていかなければならない部分がございますかと思いますが、それは繊維そのものの問題ではございませんで、むしろ基本的な日米間の友好関係とか、他国の関係などがあるとすればございますかと思いますが、繊維そのものにつきまして両国間で交渉をするということは、おそらく私の考えではもはやないのではないかと思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 わかりました。  あなたのいまの御発言からいくと、将来を予測して日米間において再び政府みずからが乗り出していって話し合いをまとめるために行動を起こすということはあり得ないということでありますから、私はまことにけっこうなことだと思います。そこで、それはある種の見通しの上に立って述べられた結論だと思うのですね。ということは、アメリカの情勢はこういう情勢だから、よって政府間交渉というものは起こり得ないであろうとか、あるいはまたアメリカがどんなことを重ねて言ってこようとも、それは業界の自主規制宣言ではねのけれる自信なり、それの判断というものがあるからいまのあなたのような結論が出てくるのじゃないかと思うのでありますが、慎重なあなたでありますから私が幾ら探りを入れても簡単には乗ってくるはずはないと思いますけれども、あなたの心のうちをもしお話しできるとすれば、この機会にどういう判断から再び政府間における交渉はないであろうという判断をされたのか、ひとつお尋ねをいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) おことばではございますけれども、それほど深くも情勢を存じませんので、ただ思いますのに、本件につきましてはしばしば国会の御決議がございます。で、政府間交渉をいたしましても、その結果は業界がよく理解をしてくれなければ、政府が一方的な権力によって規制をするということはあってはならないと、これが国会の御決議の趣旨でございます。  ところで業界は、このたびの宣言によりまして、自分たちの譲り得る限界というものをみずからはっきりさせたわけでございますから、私どもがかりにそれと違う——それよりおそらくきついと申し上げたほうがよろしいと思いますが——交渉をいたしましても、業界がそれを簡単に納得するとは思われない。そういたしますと、そのような交渉はやりましても意味がございませんし、まだそれを強行するとなれば国会の御意思に反することになる。これはもうどう考えましてもそのように思われますので、交渉をするいわばベースというものが失われておるというふうに考えるわけでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 時間がありませんから、端的にお尋ねをしたわけで、あなたとは昨年来、この日米繊維問題についてしばしば商工委員会で論争してきておりますから、私がどういう意図でいまそういう質問をしたかということは十分のみ込んでいただいていると私は思いますから、これ以上申し上げません。  ともあれ、わが国の国益とそれから国会における議決、それから業界の自主的な判断等を中心にして今後とも見守ってもらいたいことを強く希望いたしますが、ただ私はいやみで申し上げるわけじゃございませんが、最後に一言述べさしていただきたいのは、一番先に私は油の問題を質問いたしました。で、事実上の問題として、構想は出しても全く実態の伴わない、現実的ではない政策がしばしば発表される。まことに残念なことである。特に先般来非常に力を入れられたメジャー等わが国の石油精製業者もしくは元売り等との話し合いにおきましても、いまのまま推移いたしますれば、結局のところ政府の努力というものは何も実らないという結果になる、通産省の努力というものは、日米繊維交渉の問題については、これまた結果としては、政府は具体的に——結果論でありますが——何らの役割りも果たしておらない、結論だけ言うと。それから最近話題になっております。パイプラインの問題を考えてみますれば、これはどっちの力が強かったのかということは抜きにして、通産大臣自身の力をもってしては、これをまとめあげて、そうしてその円滑な油の供給輸送という方針をとうとう打ち出せないでしまっている。まことに最近の通産省というものは私は株が下落したものだと実は残念に思っているわけです。国民から一方においては企業べったりで国民の立場をひとつも考えないと批判を受けるし、もう八方破れ、これ以上破れようがないというくらいに破れております。どうかひとつ大臣をはじめそれぞれの役人の方々も心してやってもらわなきゃいかんと私思います。  最後にきつくこのことを申し上げて私の質問を終わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 御叱正をいただきましてまことに恐縮でございます。全員力を合わせまして国民のための行政に励んでまいりたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 与えられました時間が短うございますので、ごく簡潔にお伺いをいたしますが、公害関係の法制がいろいろ整備をされました。これは一歩前進として大いに私どもも歓迎をするところでありますし、法制は整備されましたけれども、あとはどうやってそれに魂を入れて実効あらしめるかという問題であると思います。そこで、現実にあるケースに当てはめてみて、これは一体どうなるのかということで具体的にお伺いをしたいと思います。  私は世間が狭うございますのでたくさん知りませんが、私が現実に目で見た、私の目で確かめた問題点について二つほどピックアップしてお伺いをいたしますが、まず最初は、日向灘の沿岸に伊予三島という町があります。そこでは製紙会社から出します大量のヘドロによりまして第二の田子の浦となるかということがたいへん新聞等で取り上げられました。そこでいろいろな法を当てはめてこのヘドロ公害に対する対策をいろいろとってこられたようでありますが、いわゆる環境基準あるいは水質基準、排水基準、こういったいろいろな基準というものがこのケースに当てはめてみると、どういうふうに働いて、どういう関連性を持っているのかについてまずお伺いをいたします。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 事務当局からお答えさせることをお許しいただきます。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○政府委員(宮崎仁君) 伊予三島川之江水域ということを申しておりますが、ただいま御指摘のように、パルプ、紙製造によりまして伊予灘の汚染の原因になっております。現状を見ますとこういった工場が七十四社ございまして、排水量が日量約四十万トンということだそうでございまして水産業等に相当影響が出ておる。汚染の水域の範囲は、沖合い約四キロ、東西約十キロという相当広範な区域になっております。そこで、御指摘のように、経済企画庁といたしまして、昨年十月、水質審議会に伊予三島川之江部会というのを設置いたしまして、水質基準と環境基準の当てはめの二つの基準を設定すべく作業をいたしてまいりまして、本年一月二十日に水質基準はこれを決定いたしました。公示をいたしております。それからこの区域の水域の環境基準につきましては、水域類型の当てはめという行為をやるわけでございますが、現在その成案を得まして、三月二十二日に水質審議会の答申をいただいております。今月中に閣議決定をする予定にいたしております。  そこでこの基準の設定の考え方でございますが、まず環境基準のほうから申し上げますと、この区域の利水の現況、結局、水産への影響が中心でございますが、これを考えまして先ほど申し述べました汚濁の範囲というものを沖合い一キロメートル、東西四・五キロメートルぐらいに縮小するということを目標にいたしております。そしてこれを四十八年度までに達成するということで考えております。また水質基準につきましては、現在この水域に流入をいたしております、いわゆるCOD汚濁負荷量ということを申しますが、CODの汚濁になります負荷量でございます、日量約三百トンということでございますが、これを七割くらい除去するということが必要になります。そのように各工場の排水のところの負荷量を削減するということをきめているわけでございます。最も大きな大王製紙という工場につきましては大体負荷量の八割を除去するということになるようでございます。このほか、現在相当ここには汚泥が堆積をいたしております。したがいましてSSと申しますが、こういう浮遊物質についての総負荷量現在一日約百六十六トンということでございますが、これについても七割以上を除去するということを考えております。なお当面の対策としていろいろなことを考えなければならないと思いますが、この辺につきましては通産省のほうでもいろいろお考えを願いまして、県当局とも相談をいたしまして、四十八年、水質基準の規制の効果があらわれます間にできるだけのことをすると、こういう考えでやっておるわけでございます。

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) この際、政府委員の方にお願いしますが、質疑時間が限定されておりますので、きわめて明快かつ簡単に、ひとつお願いしたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 通産省の政府委員の方にお伺いいたします。この工場の排水に対する指導としてどういう指導をされたかということを伺いたいわけですが、とりあえず、緊急対策としてどういう指導をされましたか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 御存じのとおり、伊予三島地区問題が起こりましてから、すぐに通産省のほうでは、先ほど企画庁のほうからお話ございました、当地区におきます大手の会社でございます大王製紙と丸住製紙に対しまして、汚濁量の削減のための緊急対策を実施していただきたいというような申し入れをしたわけでございます。両社のほうでも直ちにこれに応じまして緊急対策を実施したわけでございます。まず、大王製紙のほうにつきましては、三島工場の各種の排水中、浮遊物質の多いものを埋め立て地に設けました沈でん池に導きまして、浮遊物質を沈でんさせた後、上澄み水を海に放流するということで、これに関連する工事を四十五年の十月末に完了して、効果をあげておるところでございます。また、丸住製紙につきましては、全体的に生産量の削減を行なって、汚濁量の削減を行なうことといたしましたが、同時に、浮遊物質の除去装置を設置したり、あるいはろ過器の改造等を実施いたしております。こういうような緊急対策を実施いたしました結果、四国の通産局で二月の十五日に水質調査を実施いたしましたところ、排水の汚濁が大幅に減少しているということが認められておりまして、当時、百十六トン程度の汚濁負荷がございましたものが、六十五トン程度に減少しているというようなことと相なっております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 四十八年までにきめられた基準に達成する、つまりきれいな海にするということでありますから、緊急対策と同時に、それに見合った長期対策を当然組まれていらっしゃると思いますが、それに対する長期対策は何を考えていらっしゃるのか、御説明いただきたいと思います。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) おっしゃいまするように、当然、緊急対策だけでは用に立ちませんので、長期対策を実施しなければいけないわけでございます。先ほど企画庁のほうから御説明ございましたとおり、当地区におきます水質基準は昭和四十七年一月二十日より適用されるというようなことになっております。これによりますと、大工場の排水中に含まれます浮遊物質は七〇PPM以下に押えられますとともに、中小企業につきましてもこれに準じた規制を受けるというようなことになるわけでございます。この結果、現在、総負荷量が日量百四十四トンでございますものが、四十七年の一月には約三十四トンというように減少するというようなことが見込まれております。こういうような恒久対策を実施いたしますためには、当然、多額の資金が必要でございまして、当地区の工業者は約五十三億円にのぼる公害防止施設を建設するというような計画を持っておりまして、私どものほうにおきましても、公害防止事業団の融資を通じてこの設置の促進をはかるというようなことを考えておる次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 ただいまの御答弁を伺っておりますと、四十八年までにはたいへんきれいな海が取り返せるというふうに伺いましたが、そういうふうに実行していただきたいと思います。  そこで、これは本来自治省の問題かもしれませんけれども、通産省サイドでちょっとお伺いしたいのですが、工場に対する立ち入り検査権は地方自治体に委譲されました。そういうふうになりますね。そうすると、この伊予三島から流れるヘドロでこの県もよごれるでしょうけれども、他県をよごすということがたいへんあるわけです。ここではそういうケースになりまして、ヘドロが隣の県へ流れていって、隣の県の漁場が死滅するという結果になっています。そうなりますと、被害を受けた側の県は、立ち入り検査権もなければ、それから国のきめた基準に上のせをして、自主的にきびしい基準をきめる権限もない。そういたしますと、往々にして自治体同士で見解の相違、争いということがどうしても起こりがちであります。現在もすでにそういう傾向が起こっているわけであります。こういう場合に、これは通産省サイドで考えてみて、どういう指導をして、どういうふうに的確にそこのところをやっていかれるおつもりなのか、御見解を承りたいと思います。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 企画庁のほうで先ほど御説明がございましたとおり、当水域の全面については環境基準が定められておるわけでございます。この環境基準を監視しますために、いろいろな観測点がございますが、いまお話しの点に即して申し上げますと、愛媛県境と香川県境のところには観測点が設けられておりまして、香川県境のほうに非常に汚濁が及ぶということになりますれば、当然その実態に応じて、これは企画庁と申しますか、今後は環境庁になると思うのですが、排水基準が当然強化をされるというようなことになるのではないかというように思われるわけでございます。通産省といたしましては、当然、排水基準が強化されますれば、それに合致しますように企業側が排水するというようなことについて強力に指導してまいりたいというように思っているわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 具体的に当てはめて、だいぶんわかりました。  それじゃ、水産庁お見えになっていらっしゃいますが、両県からこの漁場の死滅ですね——死滅ということばはきついかもしれないけれども——について、南西海区の水産試験所に調査の依頼をして、南西海区の水産試験所は取り組んでいらっしゃるだろうと思うのです、実際に依頼したところは別と思いますけれども。そこで、この結論は一体いつ出ることになりますか。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) 昨年十一月中旬に、南西海区水産研究所に両県から依頼がございまして、この海域について二十点ばかり定点をとりまして検査をいたしまして、その結果は一応出ておりますが、その結果につきまして、伊予三島市のヘドロの影響であるかないかという点につきまして、さらに詳しい調査が必要でございますので、両県から日本水産資源保護協会に委託いたしまして、両県の推薦する学識者並びに南西海区水産研究所所長を加えまして、現在調査中でございます。大体四月一ぱいに結論を出したいということを目途にしております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 その内容でありますけれども、非常に広範囲にヘドロで海が死滅をしております。漁獲量は去年の八月からほとんどありません。そのヘドロが原因なんですけれども、そのヘドロがその工場から出たのだという因果関係というものが、これは非常に重大な問題になってくると思うのですが、その辺はこの結論にどう出てくるのか、いまお答えできますか。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) いま申し上げましたように、南西海区水研の調査によりますと、海底並びに水質がある程度汚染されているということはわかっておりますが、それの汚染源が何であるかという因果関係は現在調査中でございますので、ここでお答えする段階にはまだ至っておりません。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それではもう一つ、現実の問題に当てはめてどういう対策をするかをお伺いしたいんですが、私はこの間、ある人と一緒に屋島という有名な観光地に行きました。上へ上がって海を見ましたところが、たまたま団体が来まして、ガイドさんがどういうガイドをしているかというと、皆さん、ごらんください。これが最近はやりの有名な公害でございますと言って、ガイドさんが説明しているんです。なるほどと思って上から見てみると、海がまつ黒なんですね、まつ黒。あの観光地の青い海と黒い海とが分かれて、あれはふしぎなものです。いわゆる白砂青松といわれた屋島の海がまっ黒によごれている。これはたいへんなことだと思う。そこで、何が原因かいろいろ私も調べてみました。すると、御坊川という川と詰田川、特に御坊川という川がたいへんな工場排水で、日本一きたないというまっ黒な川です。ここから出るまっ黒な悪臭を放つ水が、これが屋島の下を取り巻いてたいへんなことになっているわけです。そこでこの川については、先ほどと同じように水質基準、あるいは環境基準、排水基準等でどういう対策がとられてきたか、現時点での御説明をいただきたいと思います。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○政府委員(宮崎仁君) 高松市内の御坊川の水域につきましては、昭和四十四年の九月に指定水域に指定をしまして、水質基準の設定をいたしました。それからさらに昨年九月にいわゆる環境基準の水域類型に当てはめるということを行なっております。この環境基準によりますと、この水域は河川のE類型、BOD一〇PPMというところに持っていきたいということでございますが、御指摘のように、現在、非常に悪うございまして、一九七PPMというような状況でございます。そこで、環境基準といたしましては、五年後の暫定目標として八〇PPM、これを達成する。さらに五年をこえる若干の期間、おそらく八、九年ということになろうかと思いますが、その間に下水道の整備をいたしまして、そうして先ほど申しました一〇PPMに持っていく、こういうことで一応対策等も考えまして基準をきめておる次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 最大の汚染の原因は、こういう大きな土管を川に突き出して、どくどくと悪水を流しておりますこのテックス会社が一番大きな犯人でありますけれども、このテックス会社に対して通産省は排水についてどういう御指導をなさいましたか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 御承知のとおり、御坊川の汚濁の最大原因はテックス会社が大体汚濁の原因ではないかというように思われるわけでございます。このテックス会社は実は湿式繊維板というような繊維板を製造しておる会社でございますが、この繊維板自体を製造いたしますときにパルプを製造いたします過程で生じます黒液みたいな廃液が生じるわけでございます。この廃液が悪臭の原因でございますし、同時に川並びに海面をよごす原因となっておるわけでございます。したがいまして、この黒液を処理いたしますれば汚染の原因はなくなるというような考え方から、私のほうといたしましては香川県と協力いたしまして、この黒液の処理の方法というような点についていろいろ努力を払ってきたわけでございます。まず、当地には四国の工業試験所がございますので、その四国の工業試験所が中心になりまして、どういう方式がよろしかろうかということでいろいろ検討を進めてきました結果、完全処理には濃縮燃焼方式がよいというような結論が出ましたので、同工業試験所が中心になりまして、なお東京工業試験所あるいは民間のプラントメーカーの協力も得まして中間プラントによる実験を実施いたしたわけでございます。その実験の結果ではほぼ成功の見通しが上がりましたので、当省といたしましては香川県とともにその企業に対しまして濃縮燃焼設備を設置するよう指導いたしまして、会社側においても建設に着手をするというようなこととなっております。本装置は現在すでに機械装置等は発注されておりまして、いまの見通しでは本年の末には完成をするというように考えられておるわけでございます。なお本装置の設置につきましては公害防止事業団等からの融資も当然講ずる所存でございます。なお、本テックス会社に対しましては、この十月一日から水質基準が適用されるというようなことになるわけでございまして、そういうことになりますと、黒液燃焼装置の完成は十二月ということにも相なりますので、水質基準の施行の時期と合わないわけでございます。したがいまして香川県のほうでは当会社を指導いたしまして、黒液燃焼装置とは別途に活性汚泥法による排水処理施設の建設を行なうというような指導を県の段階で行なっておられまして、水質基準設定の十月一日までには活性汚泥装置を完成して水質基準BODで三〇〇以下、SSで二五〇以下というような基準を達成せしめるというようにいたさせる所存でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 通産省はこの排水の問題でいろいろ努力をされておるのはわかりますが、現実に四国通産局から行くと、立ち入り検査権がないということで入り口で入ることはお断わりだということでオミットされておるのが実際です。そういう中でどういうふうに具体化していきますか。その自信といいますか、方法というものはどうなんですか。入れない。向こうが入らせない。入らせないのを入って機械を見るということは不可能でしょう。どうされますか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 御存じのとおり、工業排水等に関しましては、現在地方自治体、この場合で言いますと香川県のほうが全面的に監督の責任を持っておられるわけでございまして、通産局としましては香川県と密接に協力いたしましていろいろ香川県を通じて当該の工場を、事業を行なう企業側を指導していくというような方法をとっておる、こういうのが実情でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 通産省が入ることを玄関で断わられるということは、なかなかこれは苦しい問題であると思いますけれども、最大の努力をしていただきたいと思います。  そこで、これは最後ですけれども、建設省の下水道の方をお呼びしてありますのでお伺いしますが、この下水道整備の第三次の五ヵ年計画、この案を見てみますと、汚濁をした非常によごれの強いところは優先的にという趣旨が出ておるようであります。そこで、この御坊川はたいへんひどい、日本一きたないこの川。この地域については、この下水道ではどういうふうに扱われる御予定ですか。この第三次下水道五カ年計画に乗せるという基本的なお考えかどうかお伺いしたいと思います。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) お答えいたします。  建設省では下水道整備緊急措置法に基づきまして四十六年度から五十年度に至る五ヵ年間の五ヵ年計画を閣議決定を求めるということで準備中でございますが、その中で幾つか重点がございますが、最大の重点といたしまして、水質汚濁対策下水道という形の下水道計画を策定する予定にしておりますが、その考え方は、環境基準がきまりました水域に対しましては、先ほど企画庁からも御説明がありましたように、暫定基準あるいは本基準のきまったところにつきましては、重点的な対策を、下水道整備を進める予定にいたしております。したがいまして、御坊川につきましても、御坊川の暫定基準を達成するに必要な下水道整備を行なう予定といたしております。以上でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 そういたしますと、昭和五十年までには下水道が整備されると受け取ってよろしゅうございますね。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) 御坊川の暫定基準はBODにいたしまして八〇PPMでございますから、この八〇PPMの達成を目途に、下水道の整備を五ヵ年内に進める、こういうふうに考えておるところでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 下水道ができますと、工場で処理をした廃液はその下水道へ流されて、それから終末処理場へ行ってもう一。へん再処理されて海へ流す、こういうことになりますから、川へ流さないで済む、こういうことになりますか。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) 下水道が整備されている区域では、原則として工場排水も下水道に流入していただくということになるわけでございますが、ただし、その場合には、下水道のほうへの受け入れの水質基準に適合するまで工場側で除害をしていただきまして、しかる後、下水道の最終処理で、下水道に与えられておる水質基準に適合するまで浄化をして放流する。こういう仕組みになるわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 では最後に、具体的にケースを当てはめていきますと、この川に流しておるいろいろな中小企業、いまのテックス会社を含めて川にだいぶ汚水を流しておりますが、その汚水、この川に流しておる工場の汚水、これは、五十年にこれができますと全部そこへ入っていくと。もちろん、工場側できちっと一定の、いまあなたがおっしゃったような基準以下の水を流さなければいけませんけれども、その基準はありますけれども、それが達成されれば下水で受け入れると、こういうことになりますか。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) 現在の高松市の下水道整備計画がなされておる区域内の中小工場は、御坊川の流域もそうでございますが、 これは下水道に入って、下水道の終末処理場を通って処理されて出てくる。こういうことになりますが、先ほど来問題になっておりますテックス会社が所在する地域は、まだ下水道の整備計画区域外になっております。したがいまして、そのテックス会社の工場排水をどうするかという問題が残るわけでございますが、この地域につきましても市街化が進行しておりまして、テックス会社の所在する地域を含めまして、早急に下水道整備をはからなければならないと、こういう状況にあるわけでございますので、その地域の下水道計画を策定する際に、問題の工場についても、除害施設により一定の水質まで処理をしてもらった上、下水道へ受け入れる、こういう方向で検討したいということに考えておる次第でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 そうしますと、くどいようですが、これ一問。五十年までに、この川へ流されているほとんどの流域、いまの下水道区域の出している排水は原則として受け入れる。それから、最大の犯人であるテックス会社のこれについても、五十年までには、何とか下水で流せるように前向きで検討する、取り組むと、こういうことでしょうか。こういうふうに理解してよろしいですか。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) 先ほどお答えいたしましたように、五十年までに暫定基準BOD八〇PPMを目途といたしておりますが、その八〇PPMを達成するには個別に、そのテックス会社が、先ほど通産省の方がお答えしておりましたように、工場側の処理施設ができます、それから下水道の整備区域の中小工場が下水道で受け入れられる、こういう体制が進みますと、一応八〇PPMは達成される、こういう形になっておるわけでございます。したがいまして、ただいまの計画では、八〇PPMを達成するには、このテックス会社を下水道の中に取り込む、こういう計画にはなっておりません。しかし、暫定基準でなくて、本基準BOD一〇PPMという基準を可及的すみやかに、五年以内といわずに可及的すみやかに達成することが閣議決定の方針になっておりますので、その趣旨に沿って、できるだけ五ヵ年以内に、この工場の排水の下水道への取り込みという方向で検討していきたいというのが建設省の考え方でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 時間があまりございませんので、簡単に質問いたします。  現在、工業団地の造成が各地において進んでおりまして、特に公害防止の観点の上から、公害防止事業団等の建設も行なわれる、あるいは融資事業も行なわれまして、かなりできておりますが、工業団地をつくる場合の公害処理施設に対する指導監督、それはどのようになっておりますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 事務当局からお答え申し上げます。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 公害防止事業団のほうにおきまして、いろいろ工業団地を造成いたしております。こういう団地をつくりますと、中には、非常に水質に悪影響を及ぼすような排水をいたします企業がその中に含まれておるというケースが間々あるところでございます。したがいまして、こういうような企業が存在いたしますような工業団地を建設いたします際には、公害防止事業団のほうで、大体、排水の処理施設を工業団地に付置するというようなことで指導をいたしておりまして、数個の団地におきまして、こういうような団地に、共同して排水を処理するような施設が併設されておるというような現状でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その施設で、現在問題が起こっておるようなところはございますか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 大部分の団地におきましては、併設いたしましたような防止施設について特に問題が起こっておるというようなことは承知しておりませんが、御質問に近い事例といたしましては、塩釜に設置いたしました水産物加工工場アパートがございます。先ほど私団地というように申し上げましたが、工場アパート等におきましても当然同じような問題がございますので、排水処理施設を付設するというようなこととなっておるわけでございます。この工場アパートは、もともと、塩釜市内に散在いたします水産加工業者十六業者が入居いたしましてかまぼこをつくるというようなアパートでございますが、こういう工場からの排水を共同処理する施設を事業団のほうで設置いたしたわけでございます。ところが、施設が、建設いたしましたあとで見ますと、実際の排出の水質が設計値の水質よりも高濃度のため、処理施設の機能が十分に発揮されておらないというようなこととなったわけでございます。地元のほうでもいろいろ問題がございまして、事業団では、この施設を改善いたしますために特に事業団の中に塩釜の基本構想検討委員会を設置いたしまして、どういうふうにするかということでいろいろ処理方式の検討を重ねてまいったわけでございますが、その結論が出ましたので、その結論をもとに現在塩釜市等の関係者と改善策の実施について検討しておるというのが現在の段階でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 塩釜の問題は国会でも議論されましたし、私はこの中の問題についてはいま伺わないのですけれども、一つの事例として問題を提起しておきます。次に、葛飾メッキ工場アパートの件ですが、これもメッキ工場を集めた画期的なものとして高く評価をされておりますが、この排水処理施設は完ぺきなものなのでしょうか、それとも、この排水はどうなっていますか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 御指摘の東京の葛飾メッキ工場アパートにおきましては、メッキ業者が集合してつくったアパートでございますので、シアン等の問題の物質が排水中に含まれておりまして、この工場アパートのかたわらに処理施設を併設いたしております。現在、処理施設は完全に稼働をいたしておりまして、特に監督官庁である東京都等から、あるいは付近の住民から、問題があるというような指摘は全く受けておりませんので、予想どおりの効果をあげているものというように私のほうは信じております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 排水はだいじょうぶだといわれておりますが、私、ちょっとデータを持っておりませんが、かなりのシアンが使われておりまして、特に排水のところを写真にとってきたんですけれども、青紫色のようなものが流れておるわけです。残念ながらまだ分析しておりませんので、何とも言えませんけれども、その実態については把握されておりますか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 特に検査をしたことはございませんが、御指摘の写真は、メッキ工場の排水というのはもともとこういう色がつくものではございませんので、おそらく他工場からの排水ではないかというように存ずるわけでございますけれども、御指摘の点もございますので、さらに当該葛飾メッキ工場アパートについて水質のデータ等を取り寄せまして、後刻御報告申し上げたいと存じます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それからここで出ておる有毒ガスの排気設備ですが、こういうふうな設備でいいのかどうか、その点はいかがですか。付近からはだいぶにおうというというあれも出ておりますが。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 工程上、有毒ガスがメッキ加工工程から出るものでございますので、排気設備といたしましては排風機によりまして屋上から有毒ガスを排出いたしております。この程度でだいじょうぶじゃなかろうかというような感じを持っておりますが、特に問題があるというようなことは聞いておりませんので、だいじょうぶじゃなかろうかという感じを持っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 地元では、風向きによっては非常にくさいにおいを感ずるという苦情も出ておりますが、この点も調べていただきたいと思います。  それから次の問題にまた移りまして恐縮でございますけれども、大阪にある廃酸処理センターですが、あそこで硫酸第一鉄ができるわけですが、これはどのように処理をされておりますか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 工程中、硫酸第一鉄ができるわけでございますが、実は、工程中、硫酸七水塩というものもできるわけでございます。硫酸七水塩は、これはベンガラの材料になるわけでございまして、硫酸七水塩は必要な事業業界に販売をいたしておりますが、硫酸第一水塩のほうは販売先のほうがございません。したがって、もとの工程にリターンいたしまして、また、一部は硫酸第七水塩に還元をして、これを処理しているというのが現状でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 下水処理施設へ廃酸センターから運ばれておりますが、あれは何ですか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) ちょっと存じ上げません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 たしか、汚水処理場で硫酸第一鉄が必要だということで、要するに、廃酸処理センターでできるものが使われるということで非常にぐあいがいいということになってできたのがこの廃酸処理センターということになっているわけでありますけれども、実際硫酸第一鉄の需給関係はいまどうなっているのですか。かなりたくさん出ておりまして、全体的にこんなに余ってきている、こう聞いているのですが。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) ちょっといま手元に資料を持っておりませんので、何とも答弁いたしかねます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私がいろいろ調べるということでもないのですが、大阪市に参りましていろいろ伺ったのですが、この廃酸処理センターから出ているのといろいろな工場から出てくるものも一応使って、下水処理施設も、脱水ですかね、脱水に使われている。このような脱水というのですか凝集剤ですか、これに使われているということで、そう問題は私はないと思うのですが、運搬がそのまま運ばれておりまして、硫酸がぼたぼた落ちながら町のまん中をトラックで走っている。これは偶然私が目撃したのです。もう一つは、処理センターからじゃないわけですが、ある会社から下水処理場へ持ってくるトラックも、これはおそらく硫酸第一鉄だと思うのですが、全然ほろもかぶっていないし、はだかで運ばれている。大阪市ですから、ああいう大きい道路ですから、そうそれが飛び散ってどうということはないと思うのですが、偶然でも、真夏、隣に車が走っていて、窓なんかあけていて硫酸がかかることがある。いまの運び方を考えたほうがいいと思うのです。  私はなぜきょうこの三つの問題を持ってきたかというと、こういう廃酸処理センターで硫酸を処理する場合、処理センターにつけられた装置というか、やり方が、いまの硫酸第一鉄をつくる方法になっているわけであります。ほかに廃酸処理の方法はあるわけですか、ないわけですか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) メーカーによっていろいろ機械の使用は若干違うかもしれませんが、実は、私は、廃酸処理センターのああいう機器をつくったときの責任者であったわけであります。私が当時いろいろ調査いたしました限りでは、ああいう方式、ああいう原理を使った方式しかないのではないかというように思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 これからあと、東大阪でも、廃酸処理センターをつくる計画があると聞いております。尼崎のほうでもつくるという計画であります。それもいまと同じ方式がとられるとすれば、硫酸第一鉄がそうでなくても非常に余ってきているわけです。これまだ私も事実をつかんでおりませんので、何とも言えませんけれども、ある企業から出てくるものが山の中に捨てられておる、こういうことも開いている。そういうことで、石こうをつくる方法がいま特許になっておると思いますけれども、この方法をとるのか、あるいはそういういまの硫酸第一鉄をとる方法をとるのか。要するに、どういう機械を使うかというそこの考え方が、あくまでも特に公害防止事業団とかあるいは通産省が指導されてやられる、こういうものについては、どういう基準でどういう考え方でどの機械をとるか、そういう点はどういうふうな方針でこれから臨むわけですか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) いろいろ処理の方式はあるかと存ずるわけでございますが、御指摘のように、現在の方式では硫酸第一鉄が生ずるわけでございますので、こういう硫酸第一鉄の処理の方法とか、あるいは有効利用の方法等についてさらに私どものほうで検討して、廃酸センターが今後続々できますので、廃酸センターの運営について問題のないように指導してまいりたいというように思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 公害防止事業団がお見えになっておりますから、お伺いしますけれども、さっきの塩釜などの場合は私も大きな問題だと思うわけですね。要するに、公害防止事業団がお金を出したり仕事をやったところが公害を起こしたのでは、これは何をやっておるかわからぬということになるわけです。その場合、先ほどの報告にありましたように、塩釜の場合は計算が狂ったというようなことがいわれておりますけれども、いままでのものも含めまして公害防止事業団でやられた仕事がほんとうに現在の環境基準を全部きちっと規制を守れるようになっているかどうか、この点の点検は機械について全部終わっているのかどうか。今後つくられる場合、どういうふうな——要するに、その機械が入ってからチェックされたのでは、これはもうその機械が入っちゃってからあとから処理をやってだめだった、あるいは動かしてなかった——やはり入れるときが問題だと思うわけですその点は、これからはどういうふうにされるのか、その点をお伺いしたい。

古沢実公害防止事業団理事

○参考人(古沢実君) ただいま通産省の公害部長さんから事業団に関連しての各種の事業について御説明がありましたが、塩釜の問題につきましては、たびたび国会でおしかりを受けまして、ただいま公害部長さんからお話がありましたように、私どもとしては、その事後の対策、それから今後の問題ということで、東北大学の松本教授を委員長にお願いをして委員会をつくりまして、その委員会活動を通じて徹底的に調査検討をいたしました。そして、昨年の十月から、何と申しますか、一次と申しますか、塩釜水産加工団地の処理について手直しの工事をいたしまして、十月から操業が始まっております。おかげで、その結果として、私どもの見ているところでは非常によく動いておるのではなかろうか、このように感じます。  それから先生からいろいろ御指摘がありましたとおりでございまして、われわれのほうは、たとえば一つの事例で御参考にさせていただきたいと思いますが、昨年の春に、私どもとしては、兵庫県の西脇地区の染色排水の汚水処理設備を完成いたしまして組合に渡しました。これは染色工場から出ている排水でございますが、これが技術的に染色排水特に硫化系の排水については非常にむずかしい処理技術でございますので、これにつきましては、通産省、あるいは工業技術院、あるいは県、地元の西脇市で数年前からこれに関連する処理方式を徹底的に研究をされまして、それをもとにして一昨年工事にかかりまして、おかげで昨年来われわれ終始チェックいたしておりますが、非常にうまく動いておりますが、要は、先生もそういう意味で指摘されたかと思いますが、緊急対策とそれから恒久対策、こういうようなものがございますが、塩釜の場合も、言いわけじゃございませんけれども、すぐこういうような公害を防止しなければいかぬという場合の問題がございまして、調査不十分、そういうふうな点からいろいろ御迷惑をかけた面はわれわれ非常におわびしなければならぬと思いますが、そういうふうな点も考えまして、西脇の例とか、あるいは塩釜の場合も、徹底的な調査期間をもとにいたしまして処理方式をきめておりますので、そういうことをすることによって今後いろいろなそういう公害防止の事業の完全な運用というものは期待できるのではなかろうか、このように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 現在、公害処理の機器が相当たくさんできまして、この間展覧会も行なわれましたし、こういうふうな書物も出ておるわけでありますけれども、私がちょっと疑問に思うのは、この機械がはたしてきちっと現在相当きびしくなってきておる規制を十分満足させる処理ができるかどうか。その点のチェックというものは、現在、機関もないし、そういう法律もありませんし、JISというふうなものはありますけれども、こういう考え方でのJISというかっこうではないわけです。現在は申し合わせというのが行なわれております。ただこれだけで、それで処罰としては会を除名してしまう、これだけしかないわけですけれども、この点について、大臣、どのようにお考えになりますか、今後の問題について。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 多くの機械がその使用者の現実に適しますように注文生産になるようでございますので、一般的なJIS規格をつくるということが事実上困難だそうでございます。そういたしますと、やはり、品質、性能の検定機関といったようなものを考えていく、そういうことが必要になるのではなかろうかと思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ほかの機械であれば、今度いいものができた、それを宣伝してそれを買うのは、これはまた自由に買えるわけで、その点は、それを買って失敗した、そのためにそこの製品が売れなくなった、それで終わりになるわけですけれども、公害防止の機器の場合は、つけてからこれがだめだったのではちょっとおそいわけでありまして、だから、いま大臣が言われたように、そういう機関というものをきちっとつくっていただいて、今度それを入れるときも、いろいろなこういう共同処理場をつくる場合、あるいはどの企業でもこの機械を入れるといった場合、それをきちっと点検をする。といいますのは、私、こういうふうなことを思いついたのは、これはちょっとものがあればいいですけれども、薬局へ行ったら、たしか公害防止マスクという普通のマスクで、一酸化炭素がとれるのだというような宣伝がついている。それが一つと、もう一つは、パンフレットが入っておったのですけれども、自動車の排気ガスのやはり一酸化炭素が全部とれてしまうと、かなりいい宣伝をやっておるわけです。また、この書物でも、ずっと見ておりますと、実にりっぱな宣伝ですよね。これなんかは色が全部溶けてしまう。そういうふうに、ここの広告を見ていましたら、全部公害というものがなくなるみたいに書いてあるのですね。ほかの製品ならそれでいいと思うんですよ。だけれども、公害というこういう大事な問題であり、しかも国あるいは県できめられた基準というのはきちっとあるわけですから、そうなりますと、かなり公害防止産業の今後のあり方、特に先ほど言った共同処理場をつくった場合どの機械を入れるか、その場合のチェックと、この産業の今後のあり方というものは——いま株がだいぶ上がってきているそうですから、公害防止産業のこういう点で悪くとれば公害という美名に隠れてインチキな機械がなければ幸いですが、インチキな機械がもしできておったとすれば、それでぼろもうけをしている、そういうことになるわけです。やはりそういう点はきちっと規制がされなければならぬと思いますので、その点についての通産省の方向をお伺いして、質問を終わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私も、実は、この公害関係の機器の展覧会を見たのでございますけれども、矢追委員と同様の感じを抱きました。個々の注文生産でありますからJISということはむずかしいのでございましょうけれども、やはりこの性能というものを、表示された性能が必ず発揮されるという、そういう保証なんかの措置が必要であろうと思いますので、先ほど申し上げましたが、やはり検定の機関といったようなものをつくっていきまして、そうして性能をチェックすることを考えることが必要であろうと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私も、宮澤大臣に、昨日の中部電力のことで一応質問する予定をしておりましたが、先ほど大矢さんがだいぶ詳しく質問なさいました。そこで、まだちょっと私の納得のいかぬ点だけを伺いたいのですが、あの新聞記事は、ああいうことは事実でないというお答えでしたね、通産省のああいう非難は。そこで、ああいう協定を結ぶことは好ましいことだとお考えになるのか。また、協定を尊重されるのか。通産省は、自治体の立場を尊重されるのかどうか。ああいう協定を結ぶことについて、さらに住民運動などであらわされるところの住民の意思を尊重されるのかどうか。それから先ほどのお答えに、できない協定は結ぶべきでない、こういうふうにおっしゃいましたが、あの結んだ協定の中で守られない点というのが事実あるのかどうか。この四点について大臣から伺いたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 協定ができることが基本的に望ましいことであるかどうかというお尋ねでありますが、望ましいことと考えます。そうして、この現実にできました協定、これが私どもが一見して不可能と思われる部分があるかと申しますと、さようには考えません。これでございますと、協定を順守していくことが可能であろうというふうに考えます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 もう一つ、こういう協定を結ぶ場合、地方住民の意思をあくまでも尊重するという立場を通産省としてとられるのかどうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 基本的にそうすべきものと考えます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ、次の質問に移りますが、最近、自民党の最高幹部は、革新自治を非難するという立場に立って、彼らは地方政治にイデオロギー政治を押しつけようとしておる、また、イデオロギー独占を許してはならない、こういうことを盛んに言っていらっしゃるわけです。名前はあえて申さないでおきますが、言えといえば申し上げてもいいですが、それは言わぬことにしておきましょうよ。革新自治は、どこでも、住民の命と暮らしを守る政治、住みよい町や村をつくる政治を行なっている、こう私は確信しています。中央直結、大企業奉仕の政治ではなく、住民直結、住民本位の政治を行なっておる。だからこそ、東京都の美濃部都政に対しまして、世論調査・三月三日付東京新聞におきましても、自民党支持者の三六%——ここは皆さんにとってもたいへんな点だろうと思いますが、自民党支持者の三六%、公明党支持者の四六%、民社党支持者の六七%が美濃部さんを支持しておる、こういうこと、がはっきりとあらわれてきておるわけです。この事実は、イデオロギー政治の非難が全く見当違いで、根拠のない、ためにするものであるということをはっきり示しておる、こういうふうに思います。  ただ、ここで私が見のがすことのできないのは、このイデオロギー政治の例といたしまして、京都の発電所の問題を持ち出しているわけなんですね。この間のNHKのテレビ討論会で、やはりこの問題をあなたのほうの幹部が出して言っているわけです。京都はイデオロギー政治だ、発電所をつくらせない、こういう意見を述べていらっしゃる。通産大臣は、そのと一おりだとお考えになっていらっしゃるのかどうか。私は、これは、意見というより、ためにする中傷だと、こういうふうに思っておりますが、電力担当で京都のいきさつをよく御存じのはずの通産大臣は、この点をどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) おそらく宮津の発電所のことにお触れになったものだと思いますけれども、私ども、宮津の市会が地元の意思として発電所を受け入れてもいいという意思表示をした段階があったと聞いておりますので、それでございましたら、府当局もひとつそれに沿って協力をしていただきたいと考え、今日も考えているのでございますけれども、いろいろ理由もおありと思いますが、なかなかそうまいりませんで、関西一円にわたりまして電力の供給——ことに尼崎といったようなところは公害に関係のある発電所でございますので、そういうものを動かさなければならぬというところに追い込められまして、実はかなり苦労を私どももいたしておるわけでございます。そのような府知事のお考え、お立場については、ただいま論評を差し控えますけれども、私ども困っておりますのは、これは私どもの出先は大阪の通産局長でございますが、通産行政の立場から知事にお会いをしていろいろ御要望も申し上げ、また御意見も伺いたいと、こう考えましても、実際上知事にお会いをするということが事実上なかなかできない。同様なことは会社の首脳部にもございますようでありまして、そういう意味で、どういう点に反対であり、どういう点を是正すべきだとお考えなのか、直接京都府知事の御意見を承ることが私どもに実はできないということは残念なことだと思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 その点は、何で京都府知事がいまのような態度をとっていらっしゃるかということについても解明をしていきたいと思っておりますが、あなたたちは、京都府知事が宮津の発電所の建設に反対していらっしゃるんだ、イデオロギー的に反対していらっしゃるんだと、こういうふうなものの言い方をこの間のあなた方の幹部も言っているから、私は特にこれを取り上げているんですが、決してそうじゃないんです。あなたがこの間の私の一ちょっと前後は逆になりますが、公害の連合審査のときに私がその問題を取り上げたときに、あなた、こう言っていらっしゃるんですね。いまおっしゃったと同じことを言っている。ここに議事録がありますが、「宮津の火力というものがどうしてもできないわけであります。これには、どうも私どもはなはだ不思議に思ういろいろな事情がございます。地元の市会も異議なしという決議をしておりますし、したがって、市長はしばしばそういうことを京都府にも言おうとしておるわけでありますけれども、なかなかそれを言う機会が得られない。関西電力もまた最高責任者がそういうことを申す機会が得られない。いろいろな事情がございまして、これで関西電力の総合的な供給計画……」云々と、こういう点があるんですね。しかし、これだけ聞いておりましても、あなたは、やはり、自民党幹部のように、宮津の発電所を反対しているのは知事が反対しているんだと。そうじゃないです。宮津の発電所に反対しているのは、漁民、農民、住民なんですよ。そうして、あなたは、市長や市会ということを言おうとしていらっしゃる。市長、市会は、住民の意思を代表していないですよ、このことに限っては。だから、私は非常に間違いがあると思うんです。だから、こういうことはもっともっと慎重にやるべきもので、決してそう簡単に市長が承認したからいいんだとかなんとか言うべきものじゃないと思うのです。私は言いたくないことですが、あなたのほうの幹部、あそこにおりますね、前尾繁三郎さんですか、この方です。宮津は前尾繁三郎さんの地盤ですよ。そして前尾さんは関西電力の芦原社長とは親交のある人。それで、あそこでは前尾さんの言うことは何でも通るというような、そういう立場にある人なんです。だから前尾さんは、かつてその電力会社のできる前にこういうことを言っている。前尾氏は、昭和四十年の十二月に里帰りをしたとき、さん下の前尾会、自分の後援会の会員を集めてこういうことを言ったんです。「水力開発は金がいる。これからの大発電所は火力でやっていく。石炭でなく重油を使ってやる。私は東京で火曜会といって関電の芦原社長など財界の連中と会をやっている。このなかで宮津に設置をするということがきまった。」、こういうことを言っておる。これは昭和四十年の十二月なんです。だから市民や何かの意思は無視してそういう取り引きをちゃんと前尾さんはやっておる。そのことをここで発表しておるんです。だからあなたの御意見じゃ市民も農民も漁民も全部抜けちまって、市長が承認したから、市会が承認したからと言って、そういうことであれを設置したことは何も無理なことじゃないんだと、当然じゃないかと、こういうふうなあなたの御意見です。そういう点からいくと、そうじゃないんですね。どうですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 市長なり、市会なりは市民の意思をこの場合は代表していないのだというふうに仰せになっておるわけでございますけれども、私どもは、やはり市長、市会というものは市民の多数の意思を反映しておるというふうに考えますことが相当ではないかと存じます。  それから、京都府に対しましては、昭和四十二年の九月ごろから必要な許認可事項について申請届け出を会社はしようとしておるのでございますけれども、京都府は、その段階でないとして申請書を受理しないという状態が今日まで続いております。なお、最近になりまして——今年でございますけれども、京都府当局は、発電所の建設の必要性は理解できる、これまでに公式にも非公式にも反対を表明したことはない、こういうことを言っておるそうでございますけれども、問題は少しも解決に向かって進展をしておらないということが今日までの現状でございます。幸いにして、ほんとうに反対でないということでございますれば、それを端緒にひとつ建設に向かってお話し合いをいたしてみたいものだと考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ、もう一度あらためて聞いておきますが、京都府政が、蜷川さんが発電所設置に賛成をしていないということは、あなたのほうの大幹部がおっしゃったように、イデオロギー政治だというふうにあなたお考えになるのか、イデオロギー政治ではないんだというふうにお考えになるのか、どっちですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ともかくお会いをしたことのない方でございますので、どういうお考えでありますのか、私に理解ができません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ、その議論はそこでとめておきましょう。発電所やコンビナートをつくる場合は、少なくとも私は次の三つは最小限必要だと思うんですね。  まず一つは、十分な科学的調査をすることです。それから二は、公害防止対策を確立すること。三は、関係地域住民の納得を得るということ。この三つは絶対重要な条件だと思うんですね、私は。必要な条件、その一についてもう少し申しますならば、たとえば亜硫酸ガスの着地濃度の計算、それも単に紙の上の計算ではない、現地の地形、気象状況等の実際の調査に基づく計算、それをした上でこの三つの条件を入れるということが私は最低必要な条件だと思いますが、あなたはどういうふうに思いますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のとおりだと思いますが、最後の点でございますが、地元云々というときに、私は、まあその地方の長でございますれば町長、あるいは町議会といったようなものの意思表示というものは、これは地元を代表するものだと考えるべきものだと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 あなた、さっき中部電力の問題で、三番目に住民の意思を尊重するかどうかといって、尊重するとおっしゃったじゃありませんか。それじゃ話が少し違うじゃありませんか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもは、住民の意思をどういう方法で知るかと申しますと、それは町なり村なり市なりの責任者である公選せられました責任者、議会等々を通じて知ることが最も適切な方法だと思うのであります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、やっぱしその市長なり市会議員を選ぶ場合は、この関西電力の火力発電所をここへつけるということ、それがどうかという問題、これを中心にして選挙をやることも必要ですし、住民といっても宮津の市民だけの問題じゃないですよ、この問題で起こるのは、そこへ発電所をつけることによって広範な地域の住民が被害を受けるのです。だから、宮津のごくわずかの市会議員、市長、それだけの承認でここへつけていいというものじゃないと思うのです、私は。そうでしょう。住民というのは、そこのごく小部分の、そこのごく小地域に住んでいる人だけを私は言っているのじゃないですよ。やはりこれから被害を受けるであろうと考えられる広範囲の人たちのことですよ。第一ここへやれば、漁民がおるでしょう、農村もありますよ、ミカンの被害が起こっている、漁業に被害が起こる。そうすれば、宮津の人だけでは問題解決しないですよ。もっと広範囲の人たちの意見を聞いてみる。それは必要がないのですか、どうですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは一般的に申しまして、関係の市町村というふうに申し上げることのほうが適当であるかと思いますが、しかし、その場合に、関係市町村の意思というものは、私どもは、公選によって選ばれましたその責任者等々を通じて聞くというのが最も適切な方法であろうと思います。なお、宮津の場合には、御指摘のように、漁業組合の問題もあったわけでございますけれども、漁業組合との関連では交渉がほぼ妥結をしておったというふうに承知しております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 あなたの言う漁業は、発電所の周辺の漁業ですよ。そこから流れ出るところの温水、そういうものから被害を受けるというのはその周辺の人だけじゃない。もっと離れた人たちも被害を受ける。そこのことなどあなた考えていないですよ。この周辺、そうしてそれも一応妥結して補償金をとったということを私も聞きました。しかし、それは間違いであった。あとでいろいろ調査した結果、こういうことじゃわれわれも食っていけなくなるだろう、われわれの漁業もできなくなるのだということを言って、もらった金はちゃんと一カ所へ集めて、だれも使わない。そうしてその協約をわれわれは破棄するのだ、こういうことになっているのですよ、現在。それから、これも順序が少しあっちこっちになりますが、あなたは、ごく一小部分の人たちのことしか考えていないということの証拠に、非常な広範囲の人がこれに反対をしておるということははっきり——まあ、あとで私ははっきりその点を数字をあげて言うことにいたしましょう。順が狂うと御答弁しにくいだろうと思いますから、それはあとにしますが、決してそうじゃないんですね。私がいま言ったように、非常に広範囲な人たちがこれに反対しておるということは、はっきりと私は申し上げておきたいと思うんです。  それでは、私がいま言ったこの三つの条件ですね、これほんとうに調べられたんですか、どうですか。完全に調べていますか、どうですか。その点をどうぞ。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○政府委員(長橋尚君) 御指摘の、まず科学的調査という点につきましては、一般の例といたしまして、地方公共団体、特に県知事あたりが、地元の理解と協力を確保するという意味合いにおきまして、この科学的調査を行なわれる例が多いわけでございます。同時に、もしも地方公共団体側でこれを要望されるというとになります場合には、通産省におきましても、コンビナートの場合の事前総合調査の予算というものが……。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 いや、そんなこと言っているんじゃないんです。時間が……。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○政府委員(長橋尚君) まだその段階までいっておりません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 時間があれですから、ぼくの質問に端的に答えてください。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○政府委員(長橋尚君) それから公害防止対策につきましては、四十四年の十月、関西電力として、また府当局に手続の促進方をお願いいたしました際に、建設の最初の話を出しました当時の公害防止対策を、その後の燃料事情の改善に照らしましてさらに一歩進めまして、低硫黄化の線をきびしいものにした公害対策を会社自体、国にも御説明をしている、かようなことでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ、新宮津火力発電所の計画に先立って、関西電力は、現地で十分な、かつまた科学的な調査をしてないんですか、してるんですか。どうですか。してるならしてる、してないならしてないと答えなさいよ。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○政府委員(長橋尚君) 会社といたしまして、立地条件につきまして一般的な調査をいたしまして、そして公害防止対策としてはこのようなことをいたしますという対策を具しまして、府並びに市当局に話をいたしているわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 十分な科学的調査をしてないんですよ。もしも事実しているというならば、その資料出してください。ありますか、資料が。科学的な調査の資料がありますか。あるなら出してください。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○政府委員(長橋尚君) 実地の申請段階におきまして、一般的な、概括的な調査を会社でいたしてその上で話をお願いしたわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 科学的な十分な調査がないんですよ。いいかげんな調査して、そのいいかげんな調査をもとにして市民をだましているんですよ、この関西電力は。そのことがあとでだんだんわかってきたんです。通産省は、そういう調査でこれはもう十分だというふうにお考えになっているんですか、どうですか。そういうずさんな調査でそれで十分だと、こういうお考えでしょうか、どうでしょうか。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○政府委員(長橋尚君) 今後、地元とのお話し合いが軌道に乗ってまいりますれば、地元側からの、亜硫酸ガスについてはこの程度にしてほしいと、具体的な御要望が会社の案に対して出てくるわけでございまして、まだいまその段階までいっていないわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 あなたの答弁聞いておっても何だかはっきりしない。十分な調査をしてないということはわかるんですね。市民が、町民が納得のできる、その周辺の人たちが納得のできるような調査をされてないということは、それではっきりするんですね。私たちのほうはちゃんと調査を依頼して——共産党がやったわけじゃないんですけれども、「「新宮津火力発電所」公害調査報告書」というものを、日本科学者会議京都支部公害問題研究委員会で、時間と金をかけてちゃんと調査しておるんです、ここに。その調査によると、私は時間がないから結論だけ早く言いますが、こうなんです。いろいろな点で、大気はこうだとか、それから植物、農産物に及ぼす亜硫酸ガスの影響——市がやったような、関西電力がやったようなサットン方式でやったって、それは立地条件が違うのだから、平野でない、山あり、海あり、いろいろあり、また、風向きもいろいろあるのだから、そういうことを考慮してないんだと、関電の報告は。だから、そういう点でも無理だと。それから、人体に及ぼす亜硫酸ガスの影響、冷却排水の拡散の問題、冷却排水の海洋生物、漁業資源に及ぼす影響、災害、発電所の騒音、送電線による妨害電波、工業用水の問題、地方行財政の問題、そういう問題をずっと克明に解明して、それであとで勧告をしておる。このような状態では、あそこに発電所を置くべきでないのだと、白紙に還元すべきだと、結論を言うならばそうなっておるのです。もし、これを読みたかったら貸しますよ。これを読んで、これに反発することがあったら反発してごらんなさい。関電の調査というのはでたらめですよ。町民や市民をだまくらかすためのいいかげんな調査をしている。だから、市民や、漁民がそういうことを知って、そうして反対運動がずっと盛り上がってきたのですよ。だから京都の蜷川知事は、その住民の意見を受けて、そうして今日の段階であそこに関西電力の火力発電所を置くことはこれはやるべきでない、こういうふうに知事が考えられた結果こういうことになっておるのであって、決して、政府当局や自民党の幹部が考えるように、蜷川さんがイデオロギーの問題で、どうしてもあそこに置かないんだと、こういう考えでやっておるのではないと、こういうことが言えるわけです。あの当時、宮津の市長は外遊しておって留守だったのですね。それで帰って来て、そうしてその話を聞いて、あわててああいうことになったらしいんですが、そういうこともここにありますよ。私はここに持っていますけれども、読むと時間がなくなりますから、時間さえくれるならぼくは読んでお聞かせしますがね。

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 適当に、ひとつ簡単に。時間ありませんから、時間きておりますから。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 簡単に言うなら、いま私が言ったようなことなんです。それで市長は、真相も何ら知らないで、ただ一方的に関電の言うことだけうのみにして、そうして親分の前尾繁三郎さんの口添えもあり、それを了承してしまったというのがこのいきさつなんです。だから私は全くけしからぬやり方だと思うのですが、それに対して、いまこの問題の経過を見ますると、住民の反対がいま申しましたようにだんだん大きくなってきたのです、そういう事実を知って。初めはまず漁民が立ち上がったのです。そこから地域住民や、労働者、ミカン裁培の農民が反対運動に立ち上がったのですね。だから、決して観念的な反対ではないのです。四日市や、尾鷲、和歌山、こういうところにも何度も視察に行っております。それで何だ公害の被害はひどいものだということを知っていたわけです。これはたいへんだ、こういうことでその反対運動が広がったわけなんですね。四十年ごろといえば、まだ公害があんまり問題にならなかったときなんです。そのときに関電がまんまと市長や市会をだまくらかして承認を得た、こういうことなんですね。だんだん公害問題が大きくなって、そうして市民もこれはたいへんだというので調査に行った。そうしてこれはたいへんだというので反対運動が広がった。この反対運動の力が実は知事を動かした、こういうことなんです。宮澤さん、ここのところはよく聞いてもらわぬと、あなたにも誤解があるから、ここをはっきりしておいてください。大臣は、この漁民、農民、住民の反対の声を一体聞かれるのですか、そんなものは問題じゃないと、こういうふうにおっしゃるのですか。どうですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) もしそのようなことでございましたら、私が府の行政の責任者でございましたら、申請書を受け取りましたそのときに、この調査はずさんだと思う、もう一ぺんよく調査をしてほしいということを私なら申します。そういうことがあった二とを聞かないのであります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それは逆だと思うのです。そういうずさんな調査を聞かないでしょう。そうしたら今度はあの調査はずさんでございました、あの計画はずさんでございましたから、私たちよく検討いたしまして、今回はこういうことでやりたいと思いますと、むしろ関電から新しい申請をすべきじゃないですか。一ぺんでたらめなものを出して、それを府知事が断わった、それをけしからぬと言っているじゃないですか。関電こそはあらためて知事が納得できるような、住民が納得できるような、農民や漁民が納得できるような資料を関電が出すべきじゃないですか。それを出さないでおって、知事がけしからぬと言うのはそれはおかしいじゃないですか。私は、それは話が逆だと思いますよ。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私が申し上げておりますのは、申請書を受け取った者がこれを許可するか、却下するかというのは行政をする者の責任でありますから、もし調査がずさんだと考えるのならば、知事がそれに対してそうおっしゃるべきものである。何もそういうことをおっしゃっておらないのです。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それはずさんだから承認しないのですよ。そうしたら何で承認をしていただけませんかと尋ねたらいいじゃないですか、関電こそ尋ねたらいい。どういう条件を入れたら知事は御承認願えるのですか、関電がそう出るべきじゃないですか。それを一方的に知事はけしからぬ、知事はけしからぬと、そんな知事や、市民、住民をだまくらかしておいて、その反省もなしに、許可しないのはけしからぬ、けしからぬと言うのは一体どういうことですか。それは話が少しおかしくありませんか。だからこの間の知事選挙がはっきり私はあらわしておると思うのですよ。この間は、こういう問題のあとで知事選挙が行なわれましたね、京都の。そのときに知事に対する何というのですか、支持といいますか、それは以前よりもうんとふえておるということを見てもはっきるわかると思うのです。ここに私は資料を持っていますが、こうなんですよ。

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 須藤君にお願いします。時間がきてもう本委員会待っておりますから、簡単に願います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 簡単にします。  伊根という漁村ですが、この前の選挙のときは四九%しか支持率がなかったのです。今度は七四・六%くらいに票がふえている、支持率が。それを見ましても、漁民たちが知事のとった態度をいかに支持しておるかということは、これでも私ははっきりすると思うのです。だからあなたがおっしゃることは全く企業の側に立っておって、自治体の側、住民の側、それらに立っていないということがあなたの口ではっきりしてきましたよ。  それで結論を私は申し述べましょう、時間がないから。  ここでさっきからの答弁の中で、私は問題がはっきりしてきておるように思うのです。京都では、イデオロギーの政治などではなく、住民の生活を守り、憲法を暮らしの中に生かす政治、これが行なわれておるわけなんです。発電所ができないのは、公害はないといって住民をだまして、住民の納得のいく公害対策をとらないでいる私は企業の側にあると思うのです。決して府の側じゃないのです。そういうような企業の立場を容認しておるところの政府の態度も問題がある、通産大臣の態度にも私は問題があると思うのです。公害はごめんだと、こういうふうに反対のほうに立った住民は私は正しかったと思う。電気は要らないと言っているんじゃないんですよ、住民は。公害は要らないと言っているんです。私は、大企業本位の政治を改めて、国民本位の政治に切りかえるために、もっと謙虚に革新自治体の政治を見習っていくという姿勢が必要だと思います。この火力発電所問題でもそのとおりです。  また公害対策予算、今度の国の予算を見ましてもそのことがはっきりいたしますが、七一年度公害予算、総理をはじめ、公害はたいへんだ、しっかりと取り組まなければならぬと言っていたかと思うと、一般会計で九百三十億円、ところが美濃部東京都知事は千二百八十六億円の公害対策費を組んでいますね。

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 須藤君、簡単にしてください。集約してください。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 もう一分。革新自治体こそが住民の命と生活を守るものであることを、私は、これが予算面ではっきり示しておると思うのです。政府が住民運動を尊重して、大企業本位でなく、国民本位の政治を行なうように強く希望しまして私の質問を終わることにします。  納得がいかなかったら何回でもやりましょう、たくさん資料がありますから。

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 以上をもちまして通商産業省所管に関する質疑は終了いたしました。  これをもちまして本分科会の担当事項であります昭和四十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中防衛庁、外務省、大蔵省、経済企画庁及び通商産業省所管に関する質疑は終了いたしました。  これをもって本分科会の審査を終了いたします。  なお審査報告書の作成については、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  これにて散会いたします。    午後零時四十六分散会      —————・—————

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