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65回国会参議院1971/03/23

予算委員会第二分科会 第1号

発言数
657
登壇者
23
会派数
4
開催日
1971/03/23

会議録

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。  この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。  予算委員の異動に伴い、渡辺武君の補欠として岩間正男君が選任されました。     —————————————

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 本院規則第七十五条により、年長のゆえをもちまして、私が主査及び副主査の選任につきその議事を主宰いたします。  これより主査及び副主査の選任を行ないます。  つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 主査及び副主査の選任は投票の方法によらないで、主査に金丸冨夫君と副主査に竹田四郎君を推選することの動議を提出いたします。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 ただいまの鈴木君の動議に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 御異議ないと認めます。  それでは、主査に、私、金丸冨夫が、副主査に竹田四郎君がそれぞれ選任せられました。(拍手)     —————————————

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) ただいま皆さま方の御推挙によりまして、主査をつとめることに相なりました。何とぞ皆さま方の御協力を切にお願い申し上げます。(拍手)  審査に入ります前に、議事の進め方についておはかりいたします。  本分科会は、昭和四十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、防衛庁、外務省、大蔵省、経済企画庁及び通商産業省所管を審査することになっております。  二十六日の委員会において主査の報告を行なうことになっておりますので、議事を進める都合上、主査といたしましては、二十三日防衛庁、二十四日午後外務省、二十五日午前大蔵省、午後経済企画庁、二十六日午前通商産業省という順序で進めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 昭和四十六年度総予算中、防衛庁所管を議題といたします。  まず、慣例では政府から説明を求める順序でありますが、説明を省略し、お手元に配付してあります資料をごらん願うことといたしまして、直ちに質疑に入ります。また、説明資料は本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) この際、参考人の出席要求についておはかりいたします。  本日、昭和四十六年度総予算中、防衛庁所管の審査のため、日本住宅公団理事尚明君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 最初に、四十六年度の防衛庁の予算の中で、特に予算折衝段階で、防衛庁がどうしてもやりたいと思った点で削減をされ、あるいは予算に計上されなかったようなところがあるかどうか、この点いかがでしょうか。

田代一正防衛庁経理局長

○政府委員(田代一正君) お答えいたします。  四十六年度予算の編成にあたりまして、防衛庁は、三次防の最終年度であるということ、それから、並びに沖繩問題に関する準備というようなこと、いろんな点を勘案いたしまして要求いたしたわけでございます。それに関連いたしまして、十二月の二十日以降、予算折衝ということで大蔵当局といろいろ折衝いたしたわけでございますが、御案内のとおり、防衛庁といたしましては四十六年度予算におきまして、総額で六千七百九億円ということで、昨年に比べまして一七・八%の増加になっております。しかも、三次防の達成状況といたしまして、比較して申しますると九七・五%になるということでございます。総額といたしましては、まあまあという感じでございます。それからまた内容につきましても、特に三次防計画の骨格に類する問題、これはほとんど達成できるという状況になりましたし、それからまた、特に昨年来、防衛庁といたしまして要求しておりました人間尊重に関する施策、これにつきましても、まあまあという感じでおさまったというぐあいに理解しておるわけでございます。   〔主査退席、副主査着席〕

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いまお話のありました隊員の処遇の改善のために特別の配慮をされております。これは長官のいつも言われる隊員を思う気持ちからだと思いますが、特別弔慰金の引き上げの問題、あるいは具体的な隊庁舎の新改築の問題、あるいは宿舎の増置の問題、こういう問題はいまここで時間がありませんから後ほど資料としてぜひ出していただきたいと思います。それから、そのために予算としては幾ら計上されておりますか。

田代一正防衛庁経理局長

○政府委員(田代一正君) 私どものほうといたしまして、人間尊重施策の推進ということで申し上げておるわけでございます。これはたしかお手元にお配りいたしました。いつぞやお配りいたしました大要がございますが、それに従ってごらんいただきますというと、四十五年度予算で大体九十億ぐらいでございましたのが、四十六年度では百二十億をちょっとこえる増額という感じに相たっておるわけでございます。なお詳細につきまして、また資料等によって御提出いたしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 今度処遇が改善された分の増額分は幾ら、そこだけ聞きたいのです。それが百二十億ですか。そうじゃないでしょう。

田代一正防衛庁経理局長

○政府委員(田代一正君) これは増額分だけを取り出した分と、それから絶対額の比較というものと両方ございますので、ちょっといま増額だけの分はまた整理いたしましてすぐお手元へ差し上げます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから超音速高等練習機と新型戦車の開発研究のための予算がそれぞれ幾ら組まれているのですか。

田代一正防衛庁経理局長

○政府委員(田代一正君) 超音速高等練習機でございますが、これにつきましては四十六年度の最終要求といたしまして二十五億九千八百万でございます。それから新型戦車でございまするが、これも四十六年度の最終要求といたしましては九億八千八百万ということになっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはまた後ほど伺いますが、最初に防衛庁長官に伺いますが、けさの新聞を見ますと、北富士で今月の二十九日から三日間また実弾演習を米軍がおやりになるようです。前回十七日から三日間のときにも、私は委員会で、現在の地元感情、そして今日までの北富士演習場に対する紆余曲折、いろんな点から勘案いたしまして、できることならば演習を中止していただくように、そして地元のいまわだかまっております感情を解くために、積極的に防衛施設庁が中心になって現地とも折衝したらどうか、こういう意見を出したのでありますが、残念ながら長官は、米軍に対して中止の意思はない、こういうことでございました。その後、あの三日間の演習に際して特刑法の発動等もあって、三人の忍草のおかあさん方が逮捕されるというような事件もあったわけですね。結局そういうことがますます反防衛庁的な考え方を強めていると思うのです。安全施設の点についてもいろいろ問題があるでしょう。したがって、この二十九日からおやりになる三日間の米軍の実弾射撃については、規模もかなりエスカレートしているように思いますが、アメリカ側から正式に通告をされた演習の内容というのはどういうものでございますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 米軍から通報がございましたのは三月二十九日、三月三十日、三月三十一日の三日間にわたって演習を行ないたい。それで、使用火器としては百五ミリのりゅう弾砲、百五十五ミリ、二百三ミリ自走砲を一応予定しているとしてあります。時間は午前八時から二十四時ということになっております。本件は山梨県等に通報いたしているわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この百五十五ミリ自走砲というのですね、百五ミリのりゅう弾砲のほかに、いま長官のおっしゃったように百五十五ミリの自走砲と、二百三ミリの自走砲、これがそれぞれ射程最大距離が十四キロと十九キロにそれぞれなっているのですが、これはおそらく梨ケ原のあの演習場ではちょっと無理なように思うのですけれどもね。これは東富士や北富士との関連で演習をするようになるのでございますか。その辺はどうでしょう。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) まだどの程度の距離で撃つかということについての詳細の通報がございませんが、二月の二十三日から三日間やりましたときにも、百五ミリのりゅう弾砲がもちろん射程は長いわけでございますが、その当時撃ちましたのは二千五百メートルないし二千八百メートルぐらいの距離でございますので、もちろんこういう非常に大きな大砲で撃ちます場合も、当然その射程、実際に撃ちます距離についてはうんと詰めて撃つということになろうかと思います。したがいまして、両富士にまたがって撃つというようなことはないと私どもは信じております。そして、いかなる場合におきましても、米側としては安全の確保、被害の防止ということにつきましては従来最大の重点を置いておりますので、そういう点は今回も配慮されるというふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その点が、確信をいたしますというのであって、着弾地が梨ケ原だけか、あるいは東富士のほうに向いて撃ち放していくのか、そういう点は明確でないのですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) まだ細部については現地で調整中でございますので、私まだそこまで承知しておりませんが、おそらく着弾地は従来どおり中央の部分の従来撃っております着弾地に目がけて、射座の位置については若干の移動があるかもしれませんが、着弾地は従来使っております着弾地を使うというふうにわれわれ考えております。なお詳細についてはさらに米側と十分調整いたしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 長官、私は第一段として、前回の三日間の演習の経過を見ましても、安全の問題についての保障がなかなかむずかしいように思いますので、この三日間の演習については中止をしていただいて、そしてもう少し積極的に地元と話し合いをするような方法をとっていただきたいと思いますが、それはできませんでしょうか。私はやってほしいと思うのですが、いかがですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 私ども諸般のいろんな事情を考えまして、この種の演習をあまりひんぱんにするということについてはいろいろ問題がございますので、できるだけそういう回数につきましては制限をしてもらうように米軍司令部のほうには申し入れをいたしております。今回の演習はすでに部隊が上陸いたしておりまして、先般の十七日から三日間の演習のあとの演習でございますので、これについては米側としてはぜひやらしてくれ、こういうことを言っております。今後につきましては、われわれとしてもできるだけ回数を制限をするようにさらに交渉いたしたいというふうに考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、回数を制限してもらうように申し入れているということは、今回の演習もできるならばひとつ見合わしてもらいたい、こういう趣旨も入っているわけですね。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) その点もう少し調整の余地がないかということで折衝いたしましたが、今回の演習については、すでに部隊も来ておりますし、そういう予定を持っておるので、今回はひとつぜひやらしてほしい、こういう向こうの意向でございました。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは長官、これだけは約束してもらえますか。着弾地が梨ケ原だけで済むのか、あるいは二百三ミリの自走砲の場合には相当距離が、十九キロもあるわけですから、射程距離が。したがって、あるいは梨ケ原だけでできなくて、東富士との二つを利用するというふうなことが考えられるのですね。そういうことは少なくとも最低限やめてもらうということだけは約束してくださいよ、これは。いかがですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 着弾地につきましては梨ケ原を中心にやってもらうように、さらにまた両富士にまたがっての演習はやらないように、こういうことについては十分向こうへ申し入れをいたします。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 非常に私は残念ですが、いろいろないきさつもあるようですから、今回はどうもおやりになるらしいですけれどもね。しかし、なおひとつ米軍に対して、いまのような状況の中でおやりになることはまずいと私は思いますから、ぜひその間の事情はよく理解をしていただいて、今回は中止をしていただいて、ぜひ地元と積極的にひとつ交渉を進めるような方向でぜひ善処していただきたいと思いますが、この点、長官いかがですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) ただいま申し上げましたように、この二十九日からの三日間の演習を中止させるということはちょっと困難ではないかというふうに考えております。ただいま御注意の点につきましては、十分、米側のほうにわれわれとしても注意を喚起いたしまして、私ども先ほど申しましたような線を守らせるように努力をいたしたいと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 では次に移りますが、わが国の国防の基本方針についてちょっとお尋ねいたします。  現行のわが国国防の基本方針は、昭和三十二年の五月にきめられたものでございまして、その後、十四、五年経過を経ておりますので、この間いろいろな諸般の情勢の変更等からして、この基本方針というものを大幅に改定をするということについては、長官もそういう御意向を持っておられるように聞いておりましたのですが、そういうふうな意向をすっかりお固めになったのでございましょうか。この点をひとつ具体的にお聞かせいただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 大幅に改定しようという考えはありません。しかし、部分的改定と申しますか、補足修正と申しますか、そういう必要はあると思っております。現在の基本方針はお説のとおり昭和三十二年にできたものでございまして、その後、時間の経過とともに内外の情勢も変わりまして、特に次の新防衛力整備計画を発足させる前に、決して軍国主義におちいるものではないのである、そういう歯どめと申しますか、ブレーキと申しますか、そういうものを補足的に打ち出して、そうして内外に向かってさらに安心していただくような措置が政治的に必要であると感じておるわけであります。そのような補足修正というようなものを若干必要としておるのではないかとも考えております。なお、安保条約の自動継続、あるいは米軍の大部隊の撤退という新しい事態も、当時から見ると、出てきておりますので、自分の国は自分で守るというような面につきましての、もし必要あれば補正する必要があるのではないかということも感じておる次第であります。   〔副主査退席、主査着席〕

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 現在の国防の基本方針というのは四つありますが、いずれも、読んでみますと、きわめて一般的、抽象的な表現になっておりまして、少しつかみにくいわけですね、国民として。ですから、もう少しこれを具体的に表現をすることも必要だと思います。それで、いま長官は、まだ部分的な修正を考えているのであって、言うならば、軍国主義的な道を日本が歩まないというようなことを中心にして補足修正をしたいのだということですが、もう少しこの問題は、現在の憲法九条から照らして、いまの自衛隊というものが違憲であるかどうかというような論もこれは現実にはあるわけですね。これは日本の憲法が昭和二十一年の十一月三日に制定され、二十二年の五月三日に公布されて、当時は自衛権あるなしというような論議は全然なかった。たまたま二十五年に朝鮮動乱が勃発して、マッカーサー書簡で警察予備隊七万五千というものがつくられて、その後二年たって二十七年には保安隊になり、二十九年にいまの自衛隊になった。この歴史的ないきさつ等からしましても、やはりこの自衛隊というものが憲法上から照らして問題があるという意見も、これは憲法学者の中にもあるし、国民もそう思っていると思うのです。ですから、そういうものにこたえていくためには、現在の自衛隊というものがどうあるべきか、それは戦力であるか、自衛力であるかというだけの使い分けであって、戦力即自衛力であり、自衛力即戦力であるわけです。憲法九条をきょうあらためて読んだのですけれども、一切の軍備を放棄して日本は武力による戦争をやらない、しかも交戦権は認めない、こういうことが書いてあるわけですから、だれがどう読んでみても、すなおに読んでみれば、いまの自衛隊に対していろいろ疑義を持つというのは当然だと思うんですよ。私がこういう論議をすると、いまごろお前はそんなことを言うのかというおことばがはね返ってくるかもしれません。いまわれわれの心の底には、いつもそういうふうな危惧を持っているわけであります。一国が軍備を持つ持たないは、国民全体の判断としてこれは最終的には決定されるものですから、現行の憲法というものが、九条が自衛力あるいは軍備を否定しておるものとするならば、これはまたいつの日か国民の総意によってこれを変えていくことも私はあると思います。だけど現在の憲法の姿の中でものを見た場合には非常にその点が心配になる。したがって、私は、たとえばニクソンが大統領に就任した直後に、アジアのオーバーコミットメントはもう解消してしまう、解消して日本に低開発国の援助と軍事援助の肩がわりを求める方針だということを内外に宣明しておられるわけです。こういう問題がさらに沖繩返還を契機にして、一段といま長官のおっしゃったように、自分の国は自分で守るんだというようなそういう考え方の中に発展をしてきている。だからして、これから基本方針を検討する場合に、一体どこまで自衛隊というものはいくんだろうかという、そういう心配を持つわけであります。だから、私は予算委員会でもあなたに関連で申し上げましたように、あくまでも平和外交によって世界の平和を保ち日本の平和を保つということが第一義ですね、そして九条というものを意識しつつ日本の自衛隊というものをどこまで進めていくのか、国民のコンセンサスを得ながらどこまで進めていくのかという、そういうリミットというものは一体どこなのか、こういうことをやはり明確にしておく必要が私はあると思うんですね。ですから、そういう点を含め、この改定をもしおやりになるとするならば、もう少し具体的に国民にわかるような国防方針というものをお示しになるべきではないかと思うんですけれども。まだそのほかに、たとえば国民の心配になっておる非核三原則の問題とか、海外派兵や徴兵制の問題もあるでしょう、それから海外に脅威を与えるような戦略ミサイルの戦闘戦略爆撃機とか、あるいは攻撃的な航空母艦、こういったようなものは日本は持たないとか、軍事に対する外交の優先とか、文民統制の問題とか、シビリアンコントロールの問題ですね、こういったような問題をもう少し具体的に改定の中に入れる必要があるんではないだろうかと、こう思うんですけれども、いかがですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 憲法につきましては、いまの憲法をつくるときに芦田修正というものがございまして、鈴木先生御存じのとおり、「前項の目的を達するため」という文章がわざわざ入れられたわけであります。そういう経緯もありまして、自衛権並びに自衛権を保障する防衛力、ある節度ある限度において認められておる自衛隊はそうである、このように私は考えておりますし、政府の一貫した方針もそうであります。  そこで、国防の基本方針の問題でございますが、いまお示しになりましたお話の中で私も同感の点もございます。やはり日本が、非核専守国家と言っておりますけれども、いわゆる憲法上の制約、政治上の制約、運用上の制約、それから兵器採用上の制約、そういう諸制約を守って、憲法の範囲内における節制ある防衛力というものにつくっていかなければならぬと思っております。そういう点について内外に多少誤解がたいとは言えません。そういう面から見ましても、われわれも自戒をいたしまして、必要あらば国防の基本方針につきましても、そういう配慮をした補足修正というものは必要ではないかと思いまして、私はそういうことも考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、具体的に軍事よりも外交が優先するというような問題だとか、あるいはシビリアンコントロールの点ですね、それから核は、非核三原則というものははっきり自衛隊は守っていくんだと、これは当然のことですけれども、こういったこととか、あるいは攻撃用のミサイル兵器なんかについても、どうもいままでの政府の答弁を見ておると、戦略的な小さい攻撃用のものでなければ核兵器も持てるんだというふうな、そういう解釈はとっておるわけでしょう。憲法上はそれは認められておるんだ、しかし、政策上はいま自衛隊はとらないんだと、こういうことも言われておるわけでありますから、その辺も、昔は少し足の長い戦闘爆撃機は、これはもう攻撃用になるので持たないというようなことも言われておったですね。戦車を特車と呼び、戦力を武力と言うとか、いろいろな論議がありまして今日までずっときておるわけですけれども、だんだんだんだんエスカレーションをして、当初の警察予備隊というものがここまできたわけですから、一体これからどこまでいくのだろうかということを国民は心配をいたします。だからして、いま具体的に私があげましたような点は、少なくとも国防の基本方針の中に明確に示しておく必要があるのじゃないんでしょうか。そうすることによって国民は、それは憲法上の疑義があるないということは一応おきますけれども、そういうことにして、国民の中に自衛隊というものが理解されていくというような方法をおとりになるべきじゃないでしょうか、いかがですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) ただいまのお話につきましては同感の部分も大いにございます。そういう御趣旨をよく検討いたしまして私も研究してみたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで、この際もう一つ長官にお伺いしたいのですが、実は何回もこの委員会の問題になりました非核中級国家というこのことばは、中曽根防衛庁長官が発案されたものだと思うのですけれども、その非核中級国家というものが一体どうなのかということでいろいろ論争をし、また総理大臣は、どうもあまり気に食わなかったようですね。そこで、あなたが先般、総理と御相談になった結果、非核専守防衛国家というふうに呼び名を変えたわけですね。私はこれは表現がどう変わろうと、問題は中身のことであって、あなたの言う中級国家からいわゆる上級の軍事大国的な方向に方向が変わったのじゃないかという心配を国民は持つわけです。中級国家なら中級国家である程度解釈はいろいろあるとしても、なるほど中型だなあと、こう思うのだが、中型がはずれたのだから、今度は大型に行くんじゃないかという心配は当然出てきます。ですから、これは表現を非核専守防衛国家と変えたわけなんだが、相撲の「しこな」を変えるのと違いまして、たいへん中身についての問題があるわけですから、どういう経緯でまあこうなったのか知らないが、中曽根さんのおっしゃったような最初の構想が倒れて、そして総理の言うような、どうもそれは適切じゃない、いわゆるその裏にはもう少し上に進んだ防衛力というものを描いておられると——これは私の一方的な推測ですが、それにあなたの考え方が負けてしまったのじゃないか、そういう心配をいたしますが、このいきさつについてひとつ少し詳しく説明してもらいたい。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 中級ということばを取りましたのは、上級になるという意味ではございません。中級、上級というそういう範疇でものを論じますと、質的に同じジャンルに入る、そういう憂いもありまして、日本の防衛というものは外国と質が違う。そこで専守防衛という表現のほうが妥当である、それは攻撃用兵器を持たず、他国に脅威を与えるようなことを行なわず、いまの憲法を守っていくという、こういう憲法を持っている体制下の防衛力というのは世界に例がないわけでございます。したがって、上級とか中級とかいう、ほかの国の防衛というものと同一に論ずべきものではない、そういう考えが総理にありまして、それで質的な相違を明らかに出すという面から、専守防衛ということばが出てきただろうと私は思いますし、私はそういう意図で、専守防衛ということばを使っておるわけであります。したがいまして、そのことは前から私言っておったことでございますが、表現としては、誤解を与えないという意味において、後者の表現のほうがよりよくなったんではないかと、そう私は思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、非核中級国家という表現を使って国会で論議をかもし、たいへん国民も、この中級国家ということに対しての意味がよくわからなかったということからして、かなり疑問を持った。これはあなたも、研究が非常に不足しておった、一回、非核中級国家と打ち出してみたんだが、よく考えてみたら、これはどうもまずいので、非核専守防衛国家というふうに変えたんだと、こういう単純なものですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛白書を出しましたときの長官談話に、非核中級ということばを用いまして、この考えはまだ未熟であって、今後大いに研究開発を要する、大方の皆さまの御示教を得たいと、そういうふうに書いてありますように、試みにこういうことばで表現してみてはどうでしょうかと。しかし、皆さん方から教えを受けて直すのにやぶさかでありません。そういう意味でたたき台を出したわけで、国民的論議が生まれれば、これは非常に望外のしあわせであると思ったわけであります。幸いに上田委員からそういうことが指摘されて、国家ぐるみの国民的関心を呼んだということは、やはり日本の防衛の質というものをみんなで考えるという意味で、私は効果があったと考えます。それで、中級がいいか、専守防衛がいいか、いま論じておりますように論じ、それをお聞きくだされば、自分ならどう考える、自分ならどう表現する、ついては中身は一体どういうものだ、現実はどうだろうかと、皆さんが考えていただくことになり、それが国民的な歯どめにもなっていくんだと思うのです。そういう意味においてたたき台を出した、私としては非常に結果はよくなった、望外のしあわせであったと、そう思います。それで、よりよきものを発見するという努力を国会及び国民とともにやろうと、そういう考えに立って、いま申し上げたような非核専守防衛という表現のほうがよりよさそうである、そういう考えに立って変えたわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはとことんの、ほんとうの気持ちは、やっぱりわからないですね、私にはわかりません。これはもっともっと長い時間、中曽根長官ともお話をしていく間にわかるかもしれませんが、いまにわかに私にはよくわかりません。そこで、これはその真相を知ることはなかなかむずかしいでしょうが、やがて私は歴史がそれをある程度明らかにしてくれると思うんですね。最初に申しましたように、ニクソン大統領就任当時の、アジアのオーバー・コミットメントを解消して、日本に低開発国援助と軍事面での肩がわりを求めるんだという方針が一方にあるわけですね。それがニクソン・ドクトリンとしてあらわれ、やがてわが国はわが国の力によって守るんだという佐藤さんの考え方というものは、私は逐次、この第四次防衛計画の中にも出てくるような気がする。したがって、あなたが中級国家と、ほんとうの意味においておっしゃったこと、そして佐藤さんがそれではどうもおかしいんじゃないかという御意見が出たこと、そして今度、非核専守防衛国家と名前が変わったこと、これがやがて今後の年の移り変わりによって、私は国民の前に明らかにされてくる点ではないかと思います。われわれは願わくば、さっき申し上げたような憲法第九条の問題、あるいは自衛隊法の問題、それらの問題を十分意識しながら、憲法第九条との特に関連については、私さっき申し上げましたから、再びそれを繰り返しませんが、そういうことを念頭に置いて、国民に背を向けるような、あるいは背を向けられるようなわが国の自衛隊にならないように、ぜひひとつやってほしいということを私は強く要望しておきます。  それからもう一つ、非核の点では、これは完全に一致している。ただし、いままでの論議の中では、戦略的な小さい攻撃用でない核については持てるんだ、こういうことを憲法上、法制局長官も言っておりますね、政策上は持てない。少なくとも第四次防計画の中ではこの考え方は貫いてくれますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) もちろん貫く考えでおります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから海外派兵ですね、徴兵制というのはこれは当然憲法を変えない限りできないんですけれども、海外派兵についてはこれはいかがですか、この海外派兵の考え方。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) もちろん従来申し上げておるように海外派兵はいたしません。よく難民救済とか、いろんたことで御質問をいままで受けてまいりましたが、政府は一貫して海外派兵はいたさない、こういうことは言明しておるとおりであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これに関連しまして、今月の十二日に札幌地方裁判所で開かれました長沼ナイキ基地訴訟の口頭弁論で、軍事評論家の元海軍中佐高橋甫氏が証言をいたしておりますですね。その中に、特に北海道の防衛体制について触れております。証言によりますと、「現在北海道内に駐留の第七師団は、わが国最強の部隊といわれ、第四次防ではさらにこの部隊並みの部隊三師団を北海道内に配置する計画になっている。防衛庁ではこれまで終始「北海道配置の部隊は本土決戦のため」という見解を示してきたが、これはソ連の軍事力、軍事動向からみて国民をだます偽りのものだ。地形、寒冷地など朝鮮半島と同じ条件の中できびしい訓練を続けているが、これは朝鮮半島作戦へ出動する目的の訓練であることは明らかだ。自衛隊の補給能力などからして米軍の作戦の一部である存在から海外進攻は必至。そのための装備も着々整備されてきている、」、こういうふうに、これは、現実に口頭弁論のときに述べた証言の一部が報道されておりますがね、こういうのを国民が見ると、ははあ、第四次防というのはおそろしいことをたくらんでいるんだな、海外派兵はやらないと言っているんだが、一たん緩急の場合ですね、そういうこともあり得るのかという非常に危惧を持っておると思うんです。これに対して防衛庁長官は答える義務がある。この証言に対してはどうでございますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) その証言は、誤解または偏見に基づくものではないかと思います。間違っている証言であります。私は高橋甫という人と海軍省軍務局で同じ部屋におったことがありまして、よく知っております。当時は、私らの軍国主義を鼓吹されるような立場にあった人でありました。皇国史観を持っておったような人であると私は日常接したときには感じておったのです。それが戦争が終わってから急転回したので、あ然とした人であります。それで、自後、書きものや何かを、そういう、昔接触のあった人でありますから、関心を持って全部読んでみたりしておりますけれども、どうも誤解ないし偏見があるように思いまして、彼の軍事評論は私はあまり価値を置いておりません。この証言も私読みましたけれども、朝鮮半島に出兵のための目的で北海道に要請されているというようなことは、全く事実に相違し、また防衛庁や政府の方針を曲解している判断であって、間違った考え方であります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その点は防衛庁長官としての考え方はわかりましたが、もう一つこの中に、第四次防では現在の第七師団並みの部隊三師団を北海道内に配置する計画になっていると、こう述べておりますが、この点も全く第四次防の中ではそういうことは考えておらないということになりますね、いまのあなたの御発言ですと。その点いかがですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 第七師団並みの師団三個師団を配置するというのは間違いであります。第七師団は人員で七千名ぐらいでありますし、他の師団は九千及び七千でありますから、ただ十三個師団について、四次防以降におきまして装備の近代化、質の向上をはかろうといたしております。その中で特に四つの師団について、その装備の近代化を早く四次防の中で進めたい。その四つのうちの三つが北海道にあるということは確かであります。他の師団は九州でありますけれども、ただその師団の装備の内容というものは第七師団と異なっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、北海道には現在四師団がおるわけですが、配置されているわけですね。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 失礼いたしました。七師団を含めまして四個師団でありました。したがいまして、第七師団と質は異なりますけれども、近代化の推進を北海道の三個師団と九州の一個師団については早くやりたい、こういうことであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その点わかりました。  そうしますと、いま防衛局長のおっしゃった装備の近代化ですね、あるいはその強化といいますか、そういうのは大体どういうものを考えておりますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 全般的に申しますと、戦車の数の増強でありますとか、それから装甲車、対戦車誘導弾、それから自走火砲、そういったものの増強を考えております。なお北海道の三個師団とその他の師団の数量もあるわけでありますが、ちょっと手元にございませんので、別途、御必要があれば御説明したいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは陸上のことであって、航空関係はどうなるんですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 航空関係は、これは陸上自衛隊にヘリ団がございますけれども、ヘリ団とそれから師団についておりまする航空隊のヘリ部隊の若干の増強をそれぞれ考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあいまも長官から、私の述べましたいろんな意見に対して賛成する部門もある。しかし反対する部門もあるんだろうと思います、そうなりますと。ですから、さっき私も述べた幾つかの項目で、あなたがどうもそれはまずいというところはどこなんですか。賛成するほうを言ってもらってもどっちでもいいんですが。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私はお説を拝聴しておりまして、とにかく日本の防衛力が生成されていく間に外国の誤解を受けるようなことがあってはならぬのだ。そういう意味で憲法を守り、文民統制を徹底して行たう。そして装備その他においても外国から誤解を受けないようによく注意してやらなければならぬし、運用もしかり。そういうようなことにつきましては私も共鳴してそう考えているところでもございます。一致しなかったという点は憲法の解釈論にあるんではないか、こういうように私は思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 わかりました。これはおそらく現段階において、防衛庁長官と私が九条の解釈について一致することはまずないと思います。ですからその点はわかりました。これは国民もいろいろ考えていることでしょうし、やがてこの第四次防からさらに第五次防と、将来に向かってこの問題は国民にほんとうの意味において信を問わなければならぬ時期がくると思います。現行においては二つに、両論に分かれているんですから、これは一致しようとしても無理でしょう。それはわかりますから。  それからひとつ、けさもちょっとNHKの八時半のニュースを私聞いておりましたら、アメリカの国防省の高官の何かズムワルトさんという作戦部長さんがいるのですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) ズムワルト。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ちょっと耳で聞いたのでわかりませんが、ちょっと人が来てよく聞くことができなかったのですが、ズムワルトとかいう作戦部長、とにかく国防省の高官です。この人が韓国に駐留するアメリカ軍が実は核——戦略的な核兵器だと思いますが、核兵器を持っているということを明らかにした。こういうニュースを聞きました。あとから沖繩のことも触れますが、アメリカ軍は海外のどことどこに核基地があり、そのどことどこに核を保有しているか、おぼろげながらわかりました。現在、第四次防をこれからお進めになるわけですが、北朝鮮あるいは中国、あるいはソ連、まあ南のほうに行けばいろいろフィリピンも台湾もあるでしょうし、特に日本の自衛隊は自由国家の中に立って、アメリカと安全保障条約を結んで共同の立場で極東の安全に当たろうということになっているのでありますから、おそらく想定される相手方というのはおのずからわかってくると思います。したがって、私はそういう仮想敵国であるとか何とかということははずしますが、特に北朝鮮、中国、ソ連等の極東における軍備の配置というものをどういうふうに皆さんはその情報を集めておられるのか。そうしてこの四次防というのは、国際的には平和外交を推進していくけれども、一たん有事の際に、日本が攻撃にあっちゃならぬのですが、万一あった場合には、わが自衛隊が防衛の任につくということになると思いますが、そういう諸般の御判断というのは、やはりそれがなければやる必要がないが、敵の力を知り、おのずから自分の力をたくわえていくということだと思います。ですから、そういう場合に四次防をどんどんふやしていく必要性というのは、いま客観的にどういう情勢を展望してそれに対応していくのか、その必要がどこにあるのか。簡単に言えば、四次防は五兆七千億とか八千億とか言われておりますが、これだけ国民の税金をつぎ込んで自衛力を強めるのは、客観的にどういう情勢があるからそれをしなければならないのか、これをもう少し明確にしていただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 極東における国際情勢、それから共産圏並びに自由圏における軍備の状況、あるいは日本国内のいわゆる国力、国情と言われておるようなファクター、そういうすべてのものを考えまして国民的コンセンサスが得られるような程度及び方法によって、防衛力を漸増していこうという考え方に立脚しておりまして、特定の国を目標にしてやったものではありません。しかし、防衛力というものは一朝一夕にしてつくれるものではないわけであります。要員の訓練にいたしましても、あるいは兵器その他の整備にいたしましても、一カ月や二カ月でできるものではない。また、国際関係も急変するということもあり得ないことではない。   〔主査退席、副主査着席〕 やはり国防という問題は歴史的、時間的経過の中で一定の蓄積をいたしておくということが必要であると思うわけであります。この程度ならという程度までに一定の蓄積を保持しておこう、こういう考え方に立って一次防から漸増してきたわけでございます。そういう考えに立脚いたしまして次の新防衛力整備計画も、必要限度において節制あるものにしていこう、こう考えておるわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 どうも抽象論に終わってしまうのですけれども、要するに、核については日本は持たない。第四次防も持たない。政策的にははっきりしております。そこで、かりに韓国に核が入ってきた、アメリカ軍が核を持ち込んだ、この情報はどうですか、つかんでいますか。それから、北鮮は現在核は持っていませんか、持っておりますか。中共はICBMたりIRBMなり、中距離、長距離の弾道弾を持っておると判断されておりますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 韓国に核兵器があるかどうか、私は存じません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 韓国じゃない、韓国にいる米軍です。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 韓国の米軍が持っておるかどうかも私らは存じません。また、中国の核開発及び長距離弾道弾等の開発につきましては、過般の予算委員会でもって、情報として、米軍あるいはそのほかから得た情報を申し上げた程度のことをわれわれも知っておることでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 北鮮はどうですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 北鮮につきましては、そういう一般情報で聞いている程度のことを知っておるということで、特に北鮮について関心を持って詳細に知っておるということではありません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 持ってないのですか、持っているのですか、核兵器。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 北鮮に核兵器ありやいなやも私はよく知りません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 だから、そんなことで大体国防計画が立つのですか。私は疑問を持ちますね。もう少し一国の軍備状況というものは明細に把握をして、そしてそれに対する対応策というものを立てることが基本的ではないでしょうか。防衛庁は、外務省その他とも協力をし合って、できるだけ情報集めをしているのでしょうけれども、持っているか持っていないかもわからない、中共についても、あるいは北鮮についても何かよくわからないということでは、これは第四次防は何のためにつくるのかよくわかりませんね。そういう情報集めはできないのですか。それだけ情報網は貧弱なんですか、自衛隊は。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 核兵器の存在というようなものは、各国は最も厳重に秘匿しておるところでありまして、われわれのような現在の貧弱な力をもってしては、とても知ることのできない情勢にあります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはもうそんな貧弱じゃだめだから、貧弱じゃないようにちゃんとしなければ、これでは戦略、戦術は立たないですよ。そんなお粗末な自衛隊が国防の任に当たっても不安だな。もう少しちゃんとした情報集めをして、まず敵——というと悪いけれども、各国の軍備はどういうものを持っているか。そのくらいのことがわからなければしようがないじゃないですか。日本の場台は、核はアメリカに完全に依存して、核のかさに入って、その抑止力にたよって平和を保っていこうという従来の考え方ですから、それはわかるのですが、それにしても相手方の戦略の配置、戦備の状況、軍備の状況、そういうものをもっと把握するように努力してください。  それから、もう一つ端的に伺いますけれども、さっき長官は、北海道の部隊が朝鮮に侵攻することは絶対にない、こうおっしゃった。そこで、たとえばある国から攻撃をしかけられた。北海道がたたかれた。それに対して日本の航空自衛隊がこれを要撃し、これを撃墜するためにがんばるでしょうね。戦闘をやるでしょうね。そして、それが今度爆弾を落として基地に帰ろうとする。これを追跡をしますね、日本の自衛隊は。その場合に、海外派兵との関係もあって、敵の領海、領空に入れるのですか、入れないのですか。その場合、報復爆撃していく場合。これはどうなんですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 自衛の限度はそのときどきの侵略の程度、規模等によって相対的に変化するものと考えられるので、一がいに申し上げられない問題であると思います。昭和三十一年に鳩山総理大臣の答弁を船田長官が代読しましたものを申しますと、「誘導弾等による攻撃を受けて、これを防御する手段がほかに全然ないというような場合、敵基地をたたくことも自衛権の範囲に入るということは、独立国として自衛権を持つ以上、坐して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨ではあるまい。そういうような場合にはそのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度め措置をとること、たとえば誘導弾等による攻撃を防御するのに他に全然方法がないと認められる限り、誘導弾たどの基地をたたくということは、法理的には自衛の範囲に含まれており、また可能であると考えている。」、「しかし、このような事態は今日においては現実の問題として起こりがたいものであって、こういう仮定の事態を想定して、その危険があるからといって平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではない。」、こういうふうに答弁しております。こういうような考え方に立ってそのときそのときの状況を把握して解釈すべきものである、そういうふうに思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ですから、長沼訴訟の場合、評論家の高橋さんがおっしゃっているように、弾道弾ですね、日本の基地がやられた、国内が、国がやられた、そのときに、それに対して報復爆撃、簡単に言えばたたけると思う、今度その敵の基地に対して。ですから、そのたたけるというのは飛行機でたたくのか、あるいは船に乗って日本の領海から公海に出て、向こうの領海に入って、国土に入って、領土に入ってたたくのか。それはいろいろあるけれども、それには飛行機でもってたたくとか。日本が長距離弾道弾を持つということはないでしょう。核をつけなければ持つのですか。いずれにしてもそういう具体的な問題についてやはり考えない、これは仮定だから答えられないという、そんたことでは困るので、だから、そういう場合に、たとえば海外派兵というものが一方で禁止されておっても、兵隊を向こうに上陸さして、その基地をたたくよりほか日本の安全を守れないというときには、それはやるのでしょう。だから、決してこれは私は雲をつかむような奇想天外たことを言っているのじゃない。いまの鳩山総理ですか、あなたの読み上げた従来の政府の解釈からしても、そういうことはあり得るのですか。そのときは陸上自衛隊は絶対行かぬというふうにあなたおっしゃるなら、それで私も安心します。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) そのときの状況に応じて自衛権あるいは緊急避難の限度を判定すべきであって、一般的、抽象的にはそう言い得ないものであると思いますが、元来、自衛権あるいは緊急避難というようなものは、必要最小限度にとどむべきものである、このように思いまして、厳格に解釈して、その状況を判断いたすべきであると考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その点は私も同感です。同感ですけれども、その基地をたたかざる限りわが国土の安全は保てないという最悪の事態に逢着した場合に、陸海空は一体どうするか。海外派兵ということで一方は禁止されている。日本の国内におって次から次へとたたかれて、そのまま自滅していくのですか。そんなことはできないでしょう。その場合にどうなるのですか。これは海外派兵もへったくれもないじゃないですか。でてくるのじゃないですか。従来もそういうことになるのですよ。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) ただいま朗読いたしましたように、「独立国として自衛権を持つ以上、坐して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨ではあるまい。そういうような場合にはそのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとる」、こういうことを言っておるのでありまして、どういう方法でそういう措置をとるかということは、この場合の具体的判断で状況を見てやるよりしかたがない、このように思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ですから、長官が否定をされたかったわけだ。私があげた弾道弾を将来持つかどうか、ナイキとか、ホークとか、いろいろありますが。ですからそういうものと陸海空の具体的な部隊が移動するということについては、いまあなたのおっしゃった中には画然と区別されないわけですね。ですから、入ることです。したがって、そういう危険性というか、そうした事態があり得るということは、これはまた認めざるを得ないのじゃないですか。そうでしょう。だから、私はこの高橋さんのおっしゃっていることも全く空論ではないし、最終的な段階に逢着したわが自衛隊の一つの方法であるということを判断されたと思います。そのためにはあなたがおっしゃるように、軍事というものは、防衛というものは一朝一夕にできないわけですから、長く年月をかけて訓練を積んでその非常事態に備えるということを日常の行動の中で、活動の中で自衛隊はおやりになっているでしょう、そういうことにならないですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆる海外派兵という概念とそのような緊急避難的な処置というものはちょっと性格が違うのじゃないかと思います。海外派兵は憲法で禁止されているとわれわれ考えます。しかし、いま申し上げましたような、国が存亡を賭して坐して死を待つというようなそういう緊急避難のような事態は、やはり国を存立させるだけの措置は必要最小限認められるべきである、このような考えがありますので、その考えに立ってその事態を判定すべきであるというように考えるのであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 あなたの言う海外派兵というものの解釈がわかりません。緊急の場合の措置というものが海外派兵に入るのか入らないのか、そういうことでしょう。一般的にいったら日本の国土から外に出ていくわけですから、緊急の場合だって海外派兵には間違いないですよ。その意味においては海外派兵の解釈は私は統一されていますよ。あなたの言うのは、海外派兵は一体どういうものであって、緊急事態に即応する自衛隊の行動というものは、これは海外派兵じゃないという根拠はどこにあるのですか。これをはっきりしてください。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) ここにいま読み上げましたのは緊急避難的な処置というか、いわゆる海外派兵というものと性格が違うように思います。いわゆる海外派兵というような場合には他国の領土にそういう軍事的目的をもって兵隊を送る、そういうような考えが一般的にあるのでありまして、要するに、緊急避難というようなごく差し迫った、そして非常にケースとしては少ないケース、そういうものを考えたぎりぎりの段階の場合、そうでなくて、一般的に軍事目的で武力を行使する目的を持って外国に兵隊を送るという場合と、仕事の性格、質が違うのじゃないかと私思います。私、法制専門家でありませんから、この辺は法制局長官にお尋ねいただければわかると思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは私は十五年間国会におりますが、その十年前の三十四年安保改定の際に、岸さんが倒れる前、私は予算委員会でこれをやりました。それで具体的に岸総理と問答しております。これは議事録を見てください。それでそのときに私が岸総理に尋ねたのは、いまのような想定をして、問題を設定して質問したわけです。ところが最初はそういう場合にはたたいてよろしいと言ったのです。ところが今度はあとで、いやそれはたたけないのだ、それじゃ、みすみす領海に入らないで、領空に入らないで返ってくるのかと、こう言ったら、そうだというような答弁をしておるのですよ。今度あなたの場合は、敵の基地をたたくことはよろしいということになっておるのだから解釈がまた変わってきておりますよ。その後いつそういうように解釈が変わったのですか。これは、歴代内閣の防衛庁長官でない総理大臣の考え方が、そういうように私に答弁しておるのですから、その後、十年以上長い年月がたっておりますから、あるいは私の知らたいところでそういう答弁がされておるとするならば、それを明らかにしてください。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) いま朗読いたしましたのは、衆議院内閣委員会の昭和三十一年二月二十九日の鳩山総理の答弁を船田長官が代読したものでありまして、こういう考え方で統一されておると思います。私の記憶では、増田長官もこういうような趣旨の答弁をしていたと私の記憶に残っておりますが、必要あらば政府委員に答弁せしめます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そのときに、それは海外派兵かどうかということで論議したのだ。海外派兵だという前提に立って論争したそのときのとあなたの海外派兵の解釈と違うですよ。そのときには海外派兵でないと言ったのですからね。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 海外派兵という場合に、通常は、自衛のためでないから憲法違反であるというふうに解釈されておると思います。ところでその場合に問題になりますのは、それでは、自衛であればかつてのごとく朝鮮半島、満州へ自衛のために出兵するのかという疑問が出てまいります。そこで、現在の憲法が生きてまいりますならば、最小限に必要な範囲として自衛であるであろうと考えます。そこで、いま長官が申されました従来の統一解釈に基づきますと、ミサイルたどが発射されてまさにわが国が自滅しようとするときに、そのミサイルの基地をたたくのは自衛の範囲に入るのではないかということであろうと思います。そこで、陸上の場合にどうなるかと言いますと、それが最小限必要な自衛の範囲に入るのかどうかという解釈であろうと思いますけれども、空なんかの場合は、一応ミサイル基地をたたいてすぐ引き返してまいります。陸上の場合ですと、最小限必要な範囲をこえるおそれがありますので、私個人としては、そういった少なくとも必要最小限にとどめるべきであろう、またそれが憲法解釈であろう、こういうふうに考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、久保さん、陸上自衛隊あるいは航空自衛隊、海上自衛隊三つありますね。この三つがそういう事態に立ったときには敵の基地に乗り込んでいって基地を粉粋するために、撃滅するためにやれるのだという解釈ですね。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) むしろ逆の解釈を私はしたつもりでありますが、非核と申しますか、専守防衛ということばはまさにそれを意味するわけでありまして、きわめて緊急避難的な、短時間的に、わが自滅を防ぐために敵の基地をたたくということはあり得るかもしれないけれども、専守防衛の範囲をこえる、つまり最小限自衛の必要範囲をこえてやるようなありよう、これはおそらく陸上自衛隊の場合に一番そういう事態があろうかと思うのでありますけれども、そういったものが必要最小限の範囲をこえるのではなかろうかという解釈をするのが適当であろうと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、その場合に、陸上自衛隊一つの例をとって、そういう場合でも自衛隊は敵の基地に行かぬというふうに解釈をしていいですね。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 陸上自衛隊が敵の領土に入る場合には、自衛のためにと、広い意味では自衛のためと言えるかもしれませんけれども、少なくとも憲法の予想しておる必要最小限度の範囲をこえるおそれがたぶんあろうと思いますので、私はそれは必要最小限度外であろうと考えます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 関連。いまの御答弁の中にもありましたように、攻撃を受けた場合に、坐して死を待たないためにその攻撃基地をたたく、攻撃を受けるときにはミサイルということばがありましたね。ミサイルをたたくときに通常兵器でたたくことがありますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) ミサイルということばは飛しょう体ということばでありますが、日本にASM攻撃をする場合のASMも、ミサイルでありますし、長距離の場合は相手方という意味であります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 相手方からくるとき、こっちからたたくのには何でたたくのでありますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) したがって、戦略ミサイルである場合にはそのミサイルを打ち落とす方法はございませんので、その発射基地をたたくという意味であります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 こちら側からたたく兵器は何でありますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 先ほどの坐して自滅を待つという趣旨ではないという場合に、攻撃するのは航空機以外にはございません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 わかりました。そうすると、航空機以外にない。したがって、海上自衛隊の出動も陸上自衛隊の出動もあり得ないんですね、これははっきりしました。わかりました。  時間があまりありませんので。国防の基本計画をこれからおつくりになるようでありますが、その時期等は、おそらく第四次防との関連でこれはどうなんですか、予算の概算要求の時点、すなわちことしの八月くらいまでに何か修正すべき点があれば修正するということで、長官としては作業を進めていく心組みでございましょうか、どうでしょうか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 次期防が国防会議あるいは閣議等で正式にきめられます前後に、国防の基本方針は、もし必要があり、可能であれば、修正補足といいますか、やりたいと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ぜひその際、先ほどから私が申し上げているような、国民の疑問に思っている点を明快に解いていただいて、わが国自衛隊の国防のあり方についてお示しいただくように希望しておきます。  次に、これは上田委員からも何回か質問がありました第四次防の整備計画のことですが、この三月末までぐらいにはめどを置いてきめたいと、こういう長官のお考えで努力をされてきたようでありますが、われわれが承知するところによりますと、どうも予算の審議の終わるまでにこの委員会にその内容のお示しがしていただけない、非常に私は残念に思います。そこで、最初から私がそういうふうに断定するのはあるいは失礼かもわかりません。したがって、もしお示しになる時期が、従来からおっしゃったような三月の末であるならば、私はいまの前段の発言は取り消すにやぶさかではございませんが、もし事実三月末までにお示しになることがむずかしいとするならば、一体どこに原因があっておくれるのか、そういう点を最初に示してもらいたいと思うんです。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 三月末を原案作成の努力目標にいたしたわけでありますが、一番基本的におそれましたのは、積算を詳細に詰め直し、全体の合理的に見直す、結局、各幕からいろんな意見が上がってくるわけでありますが、それを内局でもって詳細に当たり直す、これがソロバンの関係で案外に時間をとりまして、これでおくれたということであります。主とした原因はそれでありますが、それに加えて、TX練習機のエンジンの問題も生じておるというようなことがからんで遅延をしておるという状況であります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 具体的にはその二つだけでございましょうか。TXのエンジン、ロールスロイスの会社の倒産の問題等をあげておられるんですけれども、もう少しおくれる理由があるんじゃないでしょうか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) AEWとか、あるいは横須賀のSRFの問題などをあるいは御想定かもしれませんが、これはそれほどむずかしい問題とも私は思っておりません。もう少し時間をかければ、そんなに、いま申し上げたような主たる原因に並ぶような問題ではないと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、TXのエンジン部分が非常に高くなってきたというので問題になっているようでございますね。これについては新聞もかなり詳しく報道していただいておりますから、われわれも非常に参考になりましたが、久保防衛局長は、たしか二百機でございましたか、この第四次防の間にTX、XT‐2、これを購入したいというお話しでございましたね、これはどういうわけでエンジンがそう高くなっていくのか、倒産というのが即エンジンが高くなるということにどういう結びつきがあるんでしょう。その点よくわかりませんですが。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 先ほど二百機と申されましたが、練習機は八十機でありまして、あと同じエンジンを使うのにFS支援戦闘機の分がございます。これが百三十機で、合計約二百機ということであります。なお、予算委員会で御説明申し上げたときは装備局長がおりませんでしたので、受け売りで御説明したわけでありますが、ここでは装備局長おりますので、装備局長から答弁させていただきます。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○政府委員(蒲谷友芳君) 現在XT‐2用のエンジンが高くなるかどうかにつきましては明確なデータを持っておりません。二月四日にロールスロイスがつぶれまして、イギリス政府がそれを接収するという発表がありまして、イギリス政府といたしましてはXT‐2用のエンジンについては迷惑はかけないと言明はしておりますけれども、現状としましてわれわれが考えますのは、ロールスロイスが倒産しました原因のおもな中に、いまのイギリスの経済なり労働事情なりもあるのではないか、単なるRB−211というエンジンの問題だけじゃないんじゃないか、われわれが計画を考える場合には、そういう事情等についても考慮する必要があるということで調査する必要があるというふうに考えております。現在の段階でいろんな仮定の試算はできますけれども、特に確定的にエンジンが上がるというデータを持っておるわけではありません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは何でおくれる理由の中にこれを入れたのですか。まだ上がるかどうかわからないという責任者のお話でしょう。ところが一般的に当初一機四億円と言われたものが、いわゆる量産体制に入ってくる段階で一機十五億円にべらぼうな値段のつり上げが予想される、こういうことで、なかなかきめかねるというようにわれわれは聞いているんだが、まだエンジンが上がるかどうかわからぬというような——それはわからぬじゃ済まないでしょう。一体ロールスロイスの倒産によって実際にこのエンジンがどういうふうに動いていくか、あるいは場合によったら他の方法によってエンジンを調達しなければならぬというようなことになるのか、私は率直に言って、第三次防整備計画の中で国内開発をやろうということで、このTX‐2の開発に乗り出したわけだが、ニンジンはよそさまのものでなければできないんですか。日本の科学技術、エンジン工業についてはそんなに劣っているんですか。国内、国際と言わず、大体アメリカの飛行機を買い入れて民間航空もやっているんですから、そのおくれはわかるんですけれども、実に貧弱ですね、情けないじゃないですか。一番大事な心臓をよそから持ってこなければ飛行機がつくれないというそういうことなんですか。どうしてそれを克服するんですか。このエンジンの値段が値上がりになって一機当たり十五億円にもたるというそういう想定がされているんだが、そのことに対して、まだ真相は確かめておらない、これはどういうふうなことで確かめるのか、そしてその結果、場合によったらこのエンジン部分を他から購入するということもあり得るんじゃないですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○政府委員(蒲谷友芳君) いまの御意見の前段でございますけれども、ロールスロイスが二月四日に倒産しまして、たしか二十一日に接収というか、航空機部門のエンジンと造船部門のエンジンについては国が接収して経営するという方針が出ておりますけれども、   〔副主査退席、主査着席〕 二千億をこえます資本金を持っておりますロールスロイスでございますので、現在、管財人がおりまして、その具体的な接収なり、あるいは具体的な新しいイギリス政府が経営します会社がどうなるかにつきましては明確でございません。われわれといたしましては、在ロンドンの大使館を通じ、あるいは関係の企業を通じて情報を集めておりますけれども、新しい会社と具体的な価格を詰めるだけの向こうの用意がございません。このためにいままで待っておったわけでございますが、もちろんわれわれは、いままでの計画どおりにものを組むことは簡単でございますけれども、それだけ情勢が変わっておるのに、それをほっておいて、いままでの前提で組むということも問題がございますので、いままでのわれわれの考え方が正しいかどうかにつきましての、何と申しますか、調査をして、その検証をする必要があるだろうということが問題でございます。そういう意味では、実はこの二十五日を予定しておりますけれども、調査団を出しまして、その問題につきましては積極的な調査をしてまいろう。それによって、われわれの今後のそういう問題の計画をつくります確証を得たいと考えております。相手方がいままでそういうものに対して交渉ができるだけの態勢がなかった。それではいままでどおりの試算でいいではないかというお話もございますけれども、何と申しましても、いまイギリスの経済が相当な変動をしておりますので、そういう問題につきまして、今度のロールスロイスの倒産ということを契機にして、もう一回われわれとしては検証したいということでございます。  後段の、日本のエンジン生産部門でございますけれども、残念ながらいままではT1用エンジンJ3を過去につくった経験はございますけれども、世界的なエンジンにつきましては生産の経験がございません。防衛庁が使っておりますF104用あるいはF4用以外のエンジンにつきましては大量生産してその経験を積んでおりますけれども、現実にわれわれが今回計画をします航空機に積めるようなエンジンは、国産は力を持っておりません。われわれもぜひそれを早くしてほしいというふうに関係方面にはお願いしておりますけれども、残念ながらそういう実情でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 とにかく最初に私が伺いましたように、四十六年度予算二十五億九千八百万円という予算を計上してこの超音速高等練習機の開発に乗り出すことになっているわけでしょう。おやりになるわけでしょう、ことし。したがって、これは事重大でありますから、調査団を派遣することもやむを得ないでしょう。まあしかし、経済との関係で倒産をしたのでありますから、そこまで私も防衛庁に、行き先の見通しがつかなかったのかと、こう言ってしかるようなことは私は差し控えますが、いずれにしても、その後起きた経済情勢の中でやむを得なかったことだと思いますから、それはそれとして、具体的に、調査団を派遣するなら派遣して、詳細に事情を聴取し、その結果を持寄って、そして当初の目的がいささかも変更されずに完遂できるような措置を積極的にやってほしいと思うのですよ。そういう意味においてこの問題が結着をする。そうすると、これは防衛庁長官、だいぶ先になりますね、決定というのは。どうなんですか、見通しは。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) いまの調査団は二週間くらいの予算で帰ってくる算段になっておりますが、いずれにせよ、できるだけ状況を早く正確に入手いたしまして早くまとめ上げるようにしたいと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、これも四十七年度からスタートするわけですね。したがって、おそくも八月ぐらいまでには一応の姿はつくらなければならぬでしょう。ですから、私は三月に出せないということについてはきわめて不満ですよ。これは何と言おうと不満です。少なくとも五兆何千億というもの、五兆五千億とか七千億とかいう膨大な予算を使ってやるのですから、長期構想の中で、われわれはこの予算審議の中でぜひ出していただけるものと期待しておったのですがね。それができなかったことはまことに残念ですし、また長官としてもこれは重大責任問題だと思うのですが、しかし、客観情勢もあるわけですからね、ひとつ当初の目的に一歩でも近寄るようにしてほしいと思いますし、またわれわれは、予算編成の概計をきめるまでに、少たくとも八月ごろまでにはこれは国民の前に明らかになると、閣議決定ができると、こういう判断をしておるのですが、大体そういうふうに見てよろしゅうございますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 大体そういう段取りでいきたいと思って、努力目標としてやっておる次第であります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから、さっき久保防衛局長もお述べになった三つの中で、たとえばAEWの問題ですけれども、これもものすごい予算がかかりますね。一機が八十億もかかるというのですから、二十機として千六百億、もし三十機とすれば二千四百億というようなものがかかるわけでして、こういうものが、実際、現在の国民感情として、また自衛隊のあり方としていいのかどうなのかということもたいへん私は問題があるようでありますから、これらの扱いは慎重を期してもらいたいと思います。  それからもう一つ、米海軍の横須賀基地縮小のことですが、六月ごろまでには佐世保に移るというその当初計画はいささかも変わっていないわけですか。多少その移駐がおくれるか、あるいはこれをやめて横須賀にまた居すわるというような——居すわるというか、まあ継続使用でしょうか、そういうふうに変わってくる可能性というものが出てきているのですか、最近。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 先方からは、十二月の二十一日の安保協議委員会の決定に変更があるというような通知は正式にまだございませんけれども、   〔主査退席、副主査着席〕 横須賀につきまして何らかの変動があるような情報もございまして、いまアメリカのほうにも問いただし、その点をいま正確に詰めている最中でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、まだいまのところは不確定というようなわけですね。しかし、可能性は、不確定要素として、あるいはあすこを続いて使うという可能性も若干あると、こういうふうに理解をしておきましょう。  そこで、この返還されたあとの横須賀の使用のことですけれどもね、横須賀、佐世保とか、呉は、御承知のように、民間にドックを開放して、そして自衛隊は民間の手を通じて修理をやっているわけですね。今回の場合には何か五つのドックのうち四つを海上自衛隊のほうでお使いになるような話も聞いておりますけれども、そうなりますと、自衛隊法の改正、かつての、旧海軍工廠的な形に変わっていくわけでしょう。これはもう非常に重大ですね。そういう構想をお持ちですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 最近は造船ブームで、造船会社がみんな新造船は喜んでやりますけれども、修理というものはあまり、ドックを占領したりして歓迎しない上に、自衛艦につきましては特にそういう現象が目立ってきておりまして、そういう面からいたしましても、二、三千トンクラスの自衛艦等についてはやはり自前で直す能力も持っておらなければいけない、そういう状態であります。そこで、横須賀がもし返還されるという事態がはっきりしました場合には、やはり一部を、いま横須賀に艦船造修所というのがございまして一部の造修もやっておるわけでありますけれども、それを拡充して、自分で自分の自衛艦について修理もできるようにしたい、そういう念願を持っております。どの程度の規模にするかどうかというようなことは、SRFの処理の問題もからみ、米軍ともよく相談をし、また地元の横須賀の意見もよく勘案しながら考えてやらなければならぬと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 もう時間がありませんので詳細な内容について伺うことはまた他の機会に譲りますが、いま長官のおっしゃったように、地元の理解を得るということはこれは絶対的な条件だと思います。しかも、こめことのやり方を一歩間違うと、北富士なり何なりのようなことになりますから、ひとつ返還後のいまの基地の使用については原則として、これは佐世保とか呉と同じように日本国に帰ってくる。それが国有である場合、あるいは民有である場合、あるいは公共企業体の所属に属する場合、いろいろあると思いますが、いずれにしても日本に帰ってくるわけですから、それをまた使うことになりますと、住民の理解を得ることが絶対条件ですから、その点はひとつ念を押しておきます。  それから、またもう一つは、やっぱり自衛隊法の改正になりますね、そうなりますと。

宍戸基男防衛庁長官官房長

○政府委員(宍戸基男君) いまのお話で自衛隊法の改正は多分必要なかろうと考えております。といいますのは、現在でも横須賀地方隊の配下に造修所があるわけです。その造修所は別に法律で規定してあるわけでもございません。法令上の措置は政令以下の段階できまっております。この造修所が若干大きくなる可能性はあろうかと思いますが、全然性質の違うものを別につくるということになれば別ですけれども、多分造修所が若干大きくなるという程度に考えられますので、自衛隊法の改正ということに直ちに結びつくということではないと思います。   〔副主査退席、主査着席〕

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 しかし、あなたね、いまそこでそういうふうに独断されますけれども、私は内容を聞いておりませんから、自衛隊法の改正が必要であるかないかよくわかりません、判断が。したがって、私のいま申し上げてお願いしておきたいのは、いまある修理部ですか、そういう程度のものであって、その規模より以上に増大する計画はないんだと、したがってそういうものであれば自衛隊法の改正は必要なかろうと、まあ自衛隊法でなくても自衛隊の設置法ですね、いろいろ問題も波及してくるわけですから、そういう点をやはり法制的に若干整備して、その内容の改正の必要もあるかもしれないけれども、いまにわかに断定できないんじゃないですか。その点は独断的に言わないほうがいいんじゃないですか。われわれ文句言いますよ、もし変なことでもって、改正する必要がないだなんていいかげんにやられたらね。

宍戸基男防衛庁長官官房長

○政府委員(宍戸基男君) お話のとおりで、内容次第になろうかと思いますが、現在一応想定される程度の内容でありますと、従来の法律の体系で言いますと、多分自衛隊法の改正の必要はなかろうかと、現在の段階では内容が十分わかりませんけれども、多分そういうことであろうかという程度に考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは時間がないから次に進みますけれども、沖繩の返還協定は、最近の新聞を見ると、五月七日閣議決定、五月十日調印というような方針が報道されておりますが、今週愛知、マイヤー駐日大使の会談も行なわれるようでありますが、一体見通しは、この報道のようで間違いないのでしょうか。それから返還の日時については一九七二年四月一日という可能性が強いということですが、この点もあわせてひとつ見通しをお聞かせいただきます、アメリカ局長。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 御指摘のような新聞報道が行なわれておることは承知しておりますが、現在のところ、政府としては明年、一九七二年内のできるだけ早い時期に沖繩返還を実現するとの基本方針で、本年春から夏にかけて協定の署名に持っていきたいと、こういうように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私の質問に答えてない。あなたは、この新聞が五月七日閣議決定、五月十日調印という方針が固まったと言っているのは、これはそうじゃないのかですね。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) そのようにはきまったとはわれわれは聞いておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 で、今週中に愛知、マイヤー駐日大使の会談はやられるのかどうか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) その点についても何ら予定はございません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、政府のほうでは一九七二年の早い機会に返還ができるように準備を進めておると、こういうことですね、あなたのおっしゃるのは。したがってまだ具体的なスケジュールははっきりきまってないということですね。それでは、きょうの新聞報道によると、こういうふうに見ておるところもありましたね。国会の開会中をはずして、国会終了後の時点で協定調印というような形に持っていくというような見通しをしているんだが、こういうことはきわめて抽象的なんだが、こういうこともまだ企然きまってないんですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 事務当局としては、まだそのような方針が決定されたとは聞いておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 事務当局、事務当局じゃないでしょう。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) いずれにしても、政府としてもそのような決定が行なわれたということは聞いておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、まあここまでですよ、もう一九七二年の四月一日に返還が実現するという可能性がおよそ想定されるわけなんでしょう。それであれですか、外交上の秘密かもしれませんがね。国会でわれわれが、これから私は沖繩の基地の問題についても政府に意見を伺っていくんですがね。まるで雲をつかむような、一九七二年の早い時期だけでございまして、何もきまっておりません、そんな無計画でその交渉をいま進めておられるのですか。たとえば第一次の復帰要綱、第二次の復帰要綱もすでにきまったんでしょう。そして着々と準備を進めておる。しかも四十六年度の予算の中にも沖繩復帰のためのいろいろな予算が組んである。その準備も進めなければならない。七二年といったら来年ですよ。来年の四月といったらもう何ぼもない。一年足らず、その間の準備をどう進めていくのか。そんなどこかのいなかに行って話をするようなことでなくて、少なくとも国民の代表であるわれわれが、せっぱ詰まった問題として見通しを聞いておるのに、三年も前に言っているようなそんな抽象論であなたはこの場を乗り切ろうとしておるんですか。それは政府がなかったら、あなたはアメリカ局長として、何かのプログラムを持って対米折衝を進めておるんじゃないですか。そんな抽象論ではあなた、われわれは納得できません。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 御承知のとおり、沖繩返還交渉は幾多の重要な問題を含んでおりますし、かつ関係する各省も多いわけでございますし、また相手方もあるわけでございますから、これらの重要点について一つ一つ問題を把握し、かつ相手と交渉しつついまやっておる最中でございまして、まだいつごろこの協定の目鼻がつくか、いまのところ確とした見通しはございません。ただし、おそらくこの春から夏にかけて調印に持っていけるように政府としては努力しております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ春から夏ですか、春から夏だね。まあ交渉はですね、非常に相手のあることですからたいへんだと思います。ただわれわれとしては、四分の一の世紀の間、沖繩の人たちが非常に苦労されて、いまここに返還の日を迎えるわけですから、万難を排して日本民族が熱望しておったその気持ちが、ああよかったという気持ちで交渉がまとまるように、今後ともぜひ格段の御努力をしていただきたいと思います。きょうは大臣においでいただきたかったんですが、外務委員会との関係でおいでいただけなかったので、どうぞ大臣にお伝えいただいて、たいへん困難な苦しい点もわかります。私たちもわかりますけれども、来年の沖繩返還、将来に対する間違いのないようなひとつ姿にまとまるようにぜひお願いしたいと思います。  それから、私はずうっと沖繩基地についてきょうは伺いたいと思いましたが、どうも時間がなくたりましたので、問題を二つにしぼって、返還に際して、佐藤、ニクソン会談で約束されております基地の核抜き返還、この問題と、もう一つはアメリカにある特殊部隊、これが一体交渉の前段で、交渉段階においてどういうふうに決着するのか、これはいまのむずかしい点の二つだと思いますが、それからもう一つはVOAですね、この三つの問題だけに限って伺いたいと思います。  それではまず、返還される基地に核があるのかないのかということは、実際に日本の政府が自分の目で見なきゃわからぬわけですよ、これはわからない。ですからして、それは点検をする時期が、日米交渉の段階でその問題を明らかにするか、あるいは終わったあと直後に、これは中曽根長官がおっしゃったようた、あるいは総点検という形になるか、いずれにしても核があるかないかの見きわめをちゃんとして、そしてニクソン、佐藤会談で核抜き返還ということが名実ともに実証されて、そして日本に返ってくるということでなければいけないと思うんでありますが、この点に対しては防衛庁長官として、従来のあなたは、まあ交渉段階のことも含めてかどうか、よく私も直接聞いておりませんからわかりませんが、まず対米交渉の中で核抜きの問題についてははっきりしていくかどうか、あるいは返還直後にやるかはいずれにしても、私は交渉段階でやってほしいと思うんですけれども、点検ということをやるということについては、従来の方針と変わっておりませんか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 前に国会で申し上げたことは変わっておりません。私が前に申し上げましたのは、返還後、たとえばナイキの基地を自衛隊が引き継ぐというような場合に、われわれのほうで要員を派遣するとか連絡員を派遣するとか、直ちに行なわれますから、そういう場合を通じて、どうせ自衛隊が引き継ぐのでございますから、これは確認するということも可能であると思うんです。佐藤・ニクソン共同声明によりまして、両国の大総領及び首相が厳粛に約束していることでありますから、もちろんこれは実行されることは間違いないと思います。また、さるべきでもあります。しかし、沖繩の場合には、前に申し上げましたように、毒ガスの問題、核の問題、異常な関心を呼んでいる問題でもありますから、本土の政治家として、できるだけ手段を尽くして、沖繩の皆さん方に安心していただくような措置を講ずるべく、その誠意を私たちは尽くす必要があると思うわけであります。しかし、外国の軍事基地というようなものを、国際慣習等によって点検するというようなことはできないわけです。これは当然のことですが、しかし、日米親善友好の上に立って安保条約を適正に運営していくという大乗的見地に立って、政治的判断で両国のそういう合意が得られれば、非常に好ましいものであると私は考えるわけです。ガスについては、アメリカはあのような配慮をして、その現場に至るまで日本の自衛隊を含む調査員に調査をさせました。核等についてそこまでやれるかどうか疑問でありますけれども、ともかくいろいろ技術的手段等も講じまして、両方の合意を得てそういうことをする、そういう誠意を日本の政治家として持つ努力もしてみたいと、こう思うわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 防衛庁長官の考え方はよくわかりました。そこでアメリカ局長に伺いますが、この確認の方法なんですが、報道によりますと、日本政府がむしろアメリカに対して、沖繩が本土復帰の当日にニクソン米大統領が、沖繩から核が完全に撤去された旨の宣言をしてもらって、それによって基地の点検ということはやらずに済まそうというような方針であるかのように報道されておりますが、この点はどうなんですか、ほんとうですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) そのような方針は決定しておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、ニクソン会談の中で共同声明にもうたわれているように、核抜きの点については、どういう方法で交渉段階では現実に確認しようとしているのか、外務省の考え方を示してください。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 核抜きに関する佐藤総理大臣とニクソン大統領の共同声明の項目は、両国の最高首脳が決定してこれを行なったものでございますから、両国の最高首脳がこのように言明している以上、これについてさらに何らかの疑問をはさむということはあり得ないとわれわれは信じております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 したがって、どういうふうにやるか答えてくださいよ、あなた。したがってどうするのですか、外務省としてはどういう態度で臨むのですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) このように両国の最高首脳間で固く約束されている以上、この点は何ら問題がないものとわれわれは考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 問題がないものと考えるというのです。それで私は、それではあなたはいま私が最初に指摘したように、日本政府としては、ニクソン大統領にそういう核は抜きました、撤去しましたということを言ってもらえば、それで何ら再点検とか、あるいは確認をするということは必要ないという考え方ですか、そうなるのですね。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 沖繩返還に関する共同声明の一つの条件として第八項があるわけでございますから、沖繩返還が実現すれば、当然その前提条件である核抜きに関する第八項もそれが実行された、こういうことになるだろうとわれわれは思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 実行されると思うと言ったって、思うだけじゃだめなんだから、要するにそれは実際に防衛庁長官は、返還された直後にいずれ自衛隊が防衛の任務につくわけですから、その際に点検したいという考え方を持っているわけだね。私は、それも一つの方法かもしらぬが、むしろ交渉の段階において、それじゃ佐藤さんとニクソンでもいいですよ、沖繩に行ってお互いに目で見て間違いないと、こういうふうに何らかの立証する必要があるのじゃないかということを国民はみんな考えているわけですよ。ところが外務省、あなたの意見だと、ニクソンが撤去したと言えば、それを信用して、それで何もしなくてもいいのだということでしょう。そういうことじゃないですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 現実の問題として、核兵器があるかないかということを点検する方法は、技術問題としていろいろあり得ると思いますが、先ほど申しましたように核抜き筆並み返還ということはすでにきまった事実でございまして、その前提に立ってわれわれは交渉しているわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは同じようなことをまた聞くのだけれども、それはニクソンと佐藤さんの共同声明というものはもう発表されているわけですから、それによって具体的に返還される際に、核が抜けているか抜けてないかということは、それはニクソンがわざわざ沖繩へ来ることもたいへんでしょう。佐藤さんが行くのもたいへんでしょうけれども、それは政府のあるベースにおいて確認し合っていくことが当然じゃないですか。また事実、私たちは信頼しないということじゃない、信頼するのです。それであるならば、なぜその事実を日本国民の目で確認さしてもらえないかということを言いたいのですよ。確認さしてくれないということは、逆を返せば、何か国民に対して不安を持ったまま沖繩は返ってくることになるのじゃないですか。ほんとうに佐藤さんを信頼し、ニクソンを信頼すればこそ、その国民の中にある疑義を解くためにも、進んで両国において確認をして、そうして日本に返してもらう、こういうことをするのが当然じゃないですか。それが日本の外交当事者の責任ですよ。国民はそれを望んでいる。もしそれをやらないとするならば、いずれはさっき私が言ったように、もう一回何か点検するかしないかは別として、もうあれがああ言っているから当然返るときには核抜いているのだと、何もしないということじゃないですか、これに対して。そんなことじゃ日本の外交なんか要らぬですよ。まああなたはアメリカ局の局長ですから、外交の政治的な問題で事務当局として答えられないなら答えられないと言ってください、また大臣に聞くから。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) いずれにせよ、核兵器が存在するかどうかという問題は事実問題だとわれわれは認識しております。したがって、先ほど中曽根長官がお答えになったような方法もあり得るかと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連して。局長、いまのような答弁だけれども、アメリカのやること全部信頼して、それでもうそのとおり確認すればいいのだというような答弁は今日通用しないじゃないですか。たとえばガスの問題一つとってみてもどうです。ガスの問題は、中曽根長官も昨年行って、もう今年度のうちには全部撤去するはずだった、毒ガスは。ところが、これはほとんど実施されてない。わずかに百分の一運んだにすぎないでしょう。こういう事実があるから沖繩の百万県民は心配しているし、日本の国民は心配している。そういう事実があるアメリカに対して、いまのような最高トップできめたんだからそれを信頼さえしていればいいのだということで、これ役割りつとまりますか。アメリカの代弁者たらいざ知らず、日本の国民の側に立つならば、いまのような答弁は了承できない。そういう点からあなたのいまの態度では話にならぬと思います。あらためて答弁してほしい。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 先ほども申し上げましたように、返還後、現実に核兵器が存在するかどうかということは、事実問題の認定の問題だろうと思いますから、それはまたそれなりにその方法はあるかと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは明らかに外務省のアメリカ局長の意見は、国民の意見を代表してないですよね。これは防衛庁長官のほうが全く正しい、国民の世論に立った姿勢だと私は思う。だから明らかになったことは、わが日本防衛庁の中曽根長官は、長官は代表ですからね。また国民も返還後、在沖繩の米軍基地の総点検を返還直後にやりたいというその構想は変わっておらぬ、今後もそれでいきたい、こういうことが、少なくとも国務大臣であり閣僚の責任者である長官から述べられた。あなたは外務省アメリカ局長、外交の行政官だから、政治的な判断を求めるのは無理だと私も思いますが、われわれがいろいろと情報を察知すると、どうも日米間の友好関係というものを一般的な原則に立って論じておる。そしてこの場合でも、軍の施設に立ち入り検査をすることは非礼にたるとかいうような考え方を持って反対をしているやにわれわれはいろいろな意味から想定ができる。これは間違いである。少なくともニクソン、佐藤会談のあの共同声明に盛られた精神というものを明らかにするためには、われわれはアメリカを信頼すればするほど、むしろこの際、日本人が広島、長崎に落ちたあの核の洗礼を受け、核の脅威に対して必要以上に神経を高ぶらせておる日本国民が、この際沖繩は返還する、核は抜いてほしい、こういうことがニクソンにも認められてあの共同声明にたったわけだから、それを忠実に施行するために、外務省は先頭に立ってやらなければならない。その際に何らかの形、私はここでどういうこととは言いませんが、何らかの形において、核が抜けたかどうかということを日本人の目で見て、そしてやることが、今後の日本とアメリカの友好関係から見ても私はベターだと思う。むしろここでそういうことをやらないで、ただ声明か何かでお茶をに濁してやったとすれば、ますますこれはアメリカに対しても感情が激しくなってくる。わが日本の外交、外務省に対しても国民の非難は集中されますよ。だからこれはひとつ長官はお聞き取りいただいておりますから、おそらくこれからそういう方針で閣議の中でもやっていただけると思いますので、長官の御所見も若干この点についてお伺いをし、外務省のアメリカ局長は、ぜひ愛知さんにも私どもの切なる願いを無視しないように、われわれの願いに沿ってもらうように格段の努力をすることをあなたは間違いなく伝えてください。それだけあなたの答弁を求めます。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私の考えは前に述ベたとおりでございますが、総点検ということばを私は使ってはおらないのです。確認ということばを言っているのでありまして、総点検ということばの響きが、何か人の権利をじゅうりんするような印象を与えるのではないかということを外務省はおそれているのじゃないかと思います。要するに核がないということを沖繩の皆さん方に安心してもらう措置を講ずるということが、政治的判断としても私は必要のように思うし、それが日米友好のためにも将来必要である。鈴木委員のおっしゃいましたように自分も感じているわけであります。この問題はアメリカ局長に答弁させるのはかわいそうで、外務大臣に直接お聞きになって、政治家の答弁を求めたほうがいいのではないかと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私もそういう点よくわかります。総点検は確認に私は訂正します。総点検ということばは、まあ私たちは総点検と呼ぶのですが、おたくのほうでは確認というふうに言っているのですから、あえてことばの使い方によって何も問題を起こしたくないから確認でもけっこうです。いずれの方法においても確認を日本人の目においてやってもらいたい。そういう考え方では一致しているわけですから、ひとつ大臣に伝えてください。これは議事録に載せておかないとあとで問題になるから答えてください。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 大臣にお伝えします。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは沖繩に現在核兵器と思われる兵器はどのくらいあるか。これは防衛庁でも外務省でもいいですが、それこそ貧弱な情報網と言ったけれども、それくらいはつかめるのでしょう。潜在主権のある沖繩ですから、何と何と何がありますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 核兵器のことは全くわかっておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 どうもこれは情けないことですな。  それでは、読売新聞が派遣をしている竹下という特派員が、十九日に那覇から電報を送ってきているが、それによると、那覇の軍事消息筋は、三月十九日、沖繩基地から戦術核兵器オネストジョンがひそかにベトナム戦線に運ばれた、そういう可能性があることを述べていると伝えているのですね。それでこの発言は、アメリカ及び南ベトナム軍がラオス南部で戦術核兵器を使用するかもしれないという三月十八日のハノイ放送の関連からしても推察がつく、こういう電報を送ってきておりまして、これが新聞の記事になっておるのですが、このオネストジョンがあるかないかも全然わからない、そういうことですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 部隊に配備されておりますオネストジョンといたしましては、オネストジョンは師団砲兵に属する装備でありますので、このオネストジョンに関しては沖繩にはないというふうに私どもは承知いたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ日本の防衛庁は防衛庁の情報網を持って調べた結果ではないと、こういうことですね。それは私も少なくも日本の特派員の送ってきている記事ですから、これを信頼しますが、少し貧弱な情報網だから、さっきも言ったのだが、もう少ししっかりしたものをつくってください。アメリカさんとの間でそれくらいのことが話ができないのですかね、いまあすこにどういう兵器があるかぐらいのことは。  それから、いま沖繩には地対空ミサイルナイキ、ホークがあることは、これは認めますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) ナイキとホークとございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは核装備のできるものかどうか、この点はどうなんですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) ホークは非核専用であります。それからナイキハーキュリーズは核、非核両用の兵器であります。これは本来そういう兵器であります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 だから、それが沖繩に核弾頭を持っていますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) ナイキハーキュリーズに核弾頭が現実に装着されているか、あるいは準備されているかということについては全くわかっておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは名前を言ってもいいのですが、ある月刊雑誌の記事を見ますと、二月の初旬に防衛庁の某高官筋から、ある記者が、非公式ではあったが、こんな話を聞いたというのが載っている。その中に、周知のとおり沖繩にある米軍のナイキは核装備しているため、一応防衛庁としては航空自衛隊が使用しているナイキJと同じような非核化する作業が必要で、調査団の派遣もそのためだ。たしか調査団を二月の末に沖繩に派遣をしているんじゃないですか、その事実もついでに答えてください。そういうことで、調査団をそのために現地へ派遣をする。いま防衛庁の部内では、防御用のためになら核を保有しても差しつかえないのではないかといった論議もされておる。場合によっては、沖繩の戦略的条件からいって、この、ミサイルを日本が買収するという考え方を持っておるのですか。これもはっきりしてもらいたいのですが、そのまま買ってもいいんじゃないかという意見すらあるというような話を聞いたというのが、ちゃんと活字になってあるのです、月刊誌でね。  ですから、このミサイル、ナイキハーキュリーズあるいはホーク等の問題について、はたして、核弾頭がついておる、それを今度日本がもしその基地を接収するとすれば——買うのかどうか、それは知りませんが、買うのかもしれませんが、その際には少なくとも核だけはとらなきゃいかぬでしょう。それが技術的にその際、はずせるのかはずせないのか、こういうことも調べてみなければならぬと、こういうところまで話は進んでいるのじゃないですか。だから久保さん、秘密に属することは、どうしても外交上秘密だということは、私たちは聞き出そうとは思いませんけれども、ここまで進んできておるのですから、ここは国会の場ですから。実際こういう報道がどんどんなされをいくわけですから、この報道がなされていけば、これは国民は読んでいますよ。そうしますと、実際はそういうものがあるんじゃないかという危惧があって、ますます国民はわからなくなっちゃう。だから、これはあえてこの問題について聞いたわけですよ。だから、こういうものがあるのかどうか。調査団を派遣して核弾頭がとれるのかとれないのか、とれる場合に、これは日本がミサイル基地を引き継ぐということも、これは私どもは決して反対だとは言いませんが、そういうことをひとつすなおに国民に答えてほしいのです、疑惑を解くためにも。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 沖繩にありますナイキハーキュリーズに核がついているかどうかということについては、秘密というよりも、私ども全く知っておりません。したがいまして、調査団のことにつきましては、あとは装備局長がお答えいたしますけれども、調べてみて、当然、核のついているようなものがもしあるならば、それは当然購入も、われわれが採用もいたさないでありましょうし、核のついていないものであれば、それが核がつかないように工作をしたものは買う可能性はあるということだそうであります。その点はあとで装備局長がお答えいたします。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○政府委員(蒲谷友芳君) 調査団を二月に出した事実はございません。ただ近いうちに出したいと思いまして現在準備をしております。ただその内容は、いま先生の御指摘のような核弾頭があるかないか、核弾頭をとることができるかどうかというような調査ではございません。当然現在のありますナイキハーキュリーズというものは、核弾頭もつけ得るような設備を持っておりますので、そういうものにつきまして核弾頭がつけられないようなことは、この問題とは別個に考える問題でございますけれども、調査の対象ではございません。調査をいま考えておりますのは、現在自衛隊が沖繩のナイキ、ホークの陣地をつくるにつきまして、現在設置されているものを、米側としては日本側が希望すれば譲る意思はある、こう言っております。日本側のほうは、現実のものがどの程度のもので、われわれが期待するような価格であれば、検討する価値はあるのじゃないかという点が、現在のポジションでございます。そういう意味で、われわれとしましては、一体どういう現物なのか、それを見ておきたいという気持ちがございまして、近々中に調査団を編成したい、出したいと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 調査団はいつ行って、いつ帰ってくるんですか。何人ですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○政府委員(蒲谷友芳君) 十五人程度と思いますけれども、ちょっといまはっきり日程も持っておりませんので、約一週間の予定で行ってくるということを考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは行っていろいろ本土復帰に備えて、万全の体制をつくるための調査をやっていただいてけっこうですが、その際やはりミサイル基地ですね、この問題は、当然私が言うように問題になるんですよ。だからあなた方がそこを見るか見ないかということは目的じゃないとおっしゃるんだが、そういう重要なところを見るのでなければ、何のためにあなた沖繩に税金使って行くかということになるので、ですから、われわれが心配している一番の的をよく調査なさって、私は、だからミサイル、ナイキハーキュリーズでも核弾頭をとればいいというんです、それは反対しない。だからそういう装備がもしあるままでよこすといったら、これはいやだというわけでしょう、核を持ち込まないわけだから。そういうことをアメリカに聞いたっていいじゃないですか。アメリカが秘密で言わないといったら、これは向こうさんのことですが、日本の姿勢としてはそういう話があるならば、そのミサイルは核ではないでしょうかということを確かめるのは、これはあたりまえじゃないでしょうか。あたりまえのことをやってもらわなければ、これは出張する意味がないんですから、その点もひとつ私の意見に乱暴なところもありますけれども、意のあるところはくみ取っていただいて、調査の目的をはずさないようにしてもらいたい。  それからもう一つ本土にない特殊部隊が五つあります。その一つは第三海兵師団、これは一部は海上で第七艦隊とともに行動し、有事の際に緊急発進をする、それに備える部隊。それから二つ目は破壊特殊部隊、これはグリーンベレーといっているんだが、対ゲリラ戦がおもな目的になっておるようです。それから三つ目は第七心理作戦部隊というもので、これは対共産圏向けのピラを散布しておる、謀略工作を行なっておる、こういう心理作戦部隊。それから四つ目は、SR71というこれは偵察機、これはたいへん問題で中国大陸、北朝鮮の領海領空に侵入して偵察をやるもので問題になっているのです。それからもう一つは、南ベトナムを含みますが、第三国の軍人の訓練をしている陸軍情報学校というのがあります。こういうようなものは、どう見ても、安保条約の解釈上から見て当てはまらないような気がするわけです。ですから、これは返還と同時に立ちのいていただきたい、これが私は国民のほんとうの気持ちだと思いますが、この特殊部隊に対する扱いはどうなさるおつもりでございますか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 御指摘の特殊部隊については、目下その実態を把握するのにつとめております。まずその実態を把握した上でそれぞれ対処したいと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは外務大臣じゃなければだめですな。  防衛庁長官、いま私五つあげましたが、このうちで安保条約の解釈から見て、極東の範囲外まで出動する行動半径を持っておるのははみ出しますね。こういう五つの私が具体的にあげた問題についての防衛庁の見解はどうなんですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 安保条約及び地位協定の機能のワク内にとどめるべきであると思います。返還後はかりにもし存在するとしても、その場合には安保条約及び地位協定の許されている機能のワク内にとどめるべきである、こう考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると具体的にはどれとどれがはみ出るか、はみ出ないかというお答えはいただけなかったかと思いますが、指摘した問題は、すべて問題ではありますね、これは疑問のあるところですね。したがって、あなたは国務大臣でもありますし、外務大臣ともこれからいろいろと御折衝——この問題をどうするかということは、防衛上の立場から問題になると思いますが、政治的な判断も含めて対処するについての考え方をお聞かせいただきたい。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) それらの部隊の機能の実体の調査把握にまずつとめて、その上にいま言った安保条約及び地位協定の機能の適用の範囲内であるかどうかをよく見きわめて、その上で、もしそれがはみ出しているようなものならば、その機能のワク内にとどめるようにさせる、できないような場合には出てもらうよりしようがない。そういうことであると思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 わかりました。もう非常に明快ですから、それ以上言いませんが、要するに実体を把握するということがやはり大事なことで、これはしかし相手方があって、外務省の局長に聞けば、これは何も答えないから私は聞きませんが、結局この実体把握ということは、防衛庁は防衛庁の立場でおやりになることがいいと思うのですよ。ですから、せっかく行かれる調査団もあるのですから、さっきの私の質問をしたようなミサイル基地に調査の目的があるのだとおっしゃるんだが、そういう問題も含めましてぜひ御調査を、アメリカと話をしていただくようにしてもらいたいと思いますが、この点どうでしょうかね、装備局長。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○政府委員(蒲谷友芳君) 現在派遣を予定しておりますものは、全く技術関係者でございまして、向こうの設備というか、あります機材がどの程度古いもので、今後どの程度使えるのか、どの程度の手入れが要るのかというような問題の調査に参りますので、そういう大きな問題に対処するような構成は現在考えておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 あなたはやはり事務屋だな、事務屋らしい答弁をするわ。  いま長官がおっしゃるように、事実を確認することが最初だとおっしゃるわけですから、これは長官、今度の使命はそこにないようだから、それはそれで行ってください。それはそれとしていただいて、どういうふうにして事実確認ということをおやりになるつもりでございましょうか。お差しつかえなかったら漏らしていただきたい、長官。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) それはいまおあげになった諸部隊については、私らはまだ不敏にしてその中身もわかりませんから、これはいずれ外務省とも相談して、主としてこれは外務省のやる仕事で、われわれは外務省から要請があったら、それに適当な人を出す、政府一体となってやるべきことである、そう思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 外務大臣が来ていないものだからついあなたのところに質問の先がいくのでたいへん恐縮ですが、済まないことを承知をして私は質問をしているわけですが、国務大臣のことでもありますから、閣議の席上でも、終わったあとでも、ひとつ外務大臣と、きょうの私のあげましたのは五つですから、そういう問題について具体的にアメリカともよく御相談をして、どういう内容なのか、そうして安保条約があるから、それからはみ出すものについてはお断わりするという姿勢でやっていただくように心からお願いしておきます。  それからもう一つ、VOA放送の扱いなんですが、これは日本の電波法第五条からして当然認められないわけです。あの内容についてはいろいろ言われておりますが、あれは特別にアメリカ軍に対して条約上認めておるものですから、これはいいのですけれども、日本領土に返ってくることになりますと、当然日本の電波法が適用される。第五条は外国の政府とか公共団体、そういうようなものは持てないことになっておる。したがって、これは撤去してもらうわけなんだが、きょうの報道等を見ますと、何か一年か一年半くらい移すにしても時間がかかる、どこか韓国あたりに持っていくことを言っておるのですが、そうなりますと今度電波法の一部をちょっと変えて、特例で一年か一年半の間その放送を認めるというようなことまでやるようになると思うのですが、それはアメリカ局長、あなたはよくわかっておるのですが、これは法律解釈上はそうなんでしょう、どうですか。電波監理局から来ていただいておりますから、両方からお伺いしたい。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) VOAの法律的な関係については、いま先生のおっしゃられたとおりだと思います。いずれにせよ、われわれとしては、まずVOAの活動自体の実体を見きわめることとし、さらにその上でこれに対する方針を慎重に検討いたしたいと思っております。

太原幹夫郵政省電波監理局審議官

○説明員(太原幹夫君) 一郵政省の立場で申し上げます。VOAの問題につきましては、いままで外務省といろいろ話し合いを進めてまいっておりますが、現在までのところまだ結論を得るに至っておりません。  昨日の新聞にも出ておりましたが、どっかへ移転するような記事がございましたが、そういう問題につきましても議論を尽くしておりません。郵政省の立場といたしましては、ただいま先生から御指摘のありましたように、電波法の五条の第一項第二号に「外国政府」という欠格事由にもろに該当いたしますので、国内法といいますか、電波法そのものからいたしますと認められない、こういうことになっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると太原さんね、かりにこれは交渉の過程で、一つの設問ですが、電波法上からは当然これはだれが何と言おうと出てもらうことになる。ただしその際にお話しのように、たとえば一年なり一年半の間、韓国なら韓国のある地点にアンテナを立て、受信設備、送信設備をするという建設計画が一年半かかるとしますよ。そういう場合に電波法を変えなければ、いまの沖繩に置けないわけですわね。これはアメリカとの交渉結果になりますから、そのことは外交ベースでやってもらうとして、そういう場合には当然電波法の改正をしなければいけないですね。その点は.はっきりしておりましょう。

太原幹夫郵政省電波監理局審議官

○説明員(太原幹夫君) その前に、電波法の前に、返還協定がどのような条文になってきめられるかということが私どもわかりませんので、そういう返還協定の表現のしかたということが問題になろうかと思います。また、それに関連しまして、いま御指摘の電波法にどういうふうに響くのか、どういうふうに表現しなければならないかということが、それから派生してくる問題であろうかと思っております。したがいまして、いま直ちに電波法で暫定的な期間というものを規定するかどうかという点も、まだ外務省と全然話しておりませんので、いまここでお答えをすることができない状態でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはその返還協定というものの中で、たとえばアメリカ政府であっても、何年何月から何年何月の間特別に日本の電波法を越えた条約解釈としてVOAを認めるというようなことが、その協定に入った場合のことをあなたは想定しておるわけだね。  もう一つ、外務省と全然相談したことがないというけれども、これはどうなんですか。これは総理府が主体となっていろいろな返還のための手続をしてくれると思うのですが、そういうことを話しておるのですか、その二つ。

太原幹夫郵政省電波監理局審議官

○説明員(太原幹夫君) このVOAの問題は外務省とやっております。総理府とはやらないで外務省とやっておりますけれども、いままでのところ、先ほど申しましたように結論が出ておりません。  それから前段の御質問でございますが、返還協定にどのような表現をされるか、いま御指摘がありましたように、返還協定にどのように表現されるのか、暫定的なものがあるのかどうか、そういうことがなしに、電波法でそういうことができるのかどうか、そういう点はまだ私どもといたしましては、外務省とそういうことにつきまして議を尽くしておりませんので、いまここでお答えできない状態でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはいろいろ放送の内容等は、われわれが知る範囲で調べておりますけれども、問題があると思います。VOAはアメリカから送って、あそこで中継をしているだけだと、こうおっしゃるけれども、放送の内容その他を見ましても、やはり意識をして対共産圏への宣伝をしているように思うのです。ですから、そういうものがあそこにあることは、復帰された場合に、日本に対する感情というものが、特に共産圏諸国からものすごく出てくると思う、悪いものが出てくると思う。だからしてあれは撤去すべきです。だから、どういうふうなことになるか知らぬが、いずれにしても、特例法によって日本の国内法を変えない限りはこれは許せない。その場合の具体的な措置というものはこれから進めてもらうのですが、そういうき然たる態度で進まないと私はいけないと思います。ですから、そういう点をひとつ踏まえて、郵政省もやってもらいたいし、外務省もぜひやってほしい。そういうことをお願いして、もう時間がないからこれで終わります。どうもありがとうございました。     —————————————

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、内田善利君が分科担当委員を辞任され、その補欠として矢追秀彦君が選任せられました。  午前の会議はこの程度とし、午後一時三十分から再開することとして、暫次休憩いたします。    午後零時四十二分休憩      —————・—————    午後一時三十五分開会

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) ただいまから予算委員会第二分科会を再開いたします。  この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。  ただいま、鈴木強君が分科担当委員を辞任され、その補欠として杉原一雄君が選任されました。     —————————————

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 休憩前に引き続き、防衛庁所管を議題として、質疑を行ないます。一質疑のある方は順次御発言願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 主として防衛施設庁関係について御質問いたしたいと思います。  まず、大和市にありますイーストキャンプの返還はきまったわけでありますが、その後、このあと地をどのように利用していくのか、若干経緯があるように伺っております。ここ一年ぐらいでけっこうでございますが、イーストキャンプのその後の経過についてお伺いしたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) イーストキャンプの地区の返還につきましては、一昨年、四十四年の八月から、在日米軍に対して非公式にその返還を要求いたしてきておりますが、米側のほうは、厚木飛行場内に代替施設、たとえば隊舎でありますとか、あるいは食堂でありますとか、そういうものを建設すれば返還するという旨を回答してまいっておりまして、その具体的な内容について折衝を行なってまいりました。御承知のとおりに、昨年の十二月二十一日の日米安保協議委員会におきまして、厚木飛行場の再編計画が示されましたので、そのイーストキャソプ地区の将来につきましてもいろいろわれわれとしても再検討する必要がありますので、現在米側と折衝中である、こういうのが現状であります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 前に、イーストキャンプの中にある米軍施設のリロケーションの話が出ていたと思いますけれども、その件は一体どうなりましたか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 米側のほうからはリロケーションの条件を出してまいっておりまして、そのリロケーションの条件につきましていろいろ折衝してまいりましたが、厚木飛行場の再編計画が昨年末示されましたので、イーストキャンプの今後の問題につきましてもやはりいろいろ問題ございますので、そういう点について再検討いたして、そして米側と折衝中というところでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうするとリロケーションの話というのは立ち消えになったというふうに解してよろしゅうございますか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) まだ米側といたしましてはその条件を引っ込めたということではございません。その問題についていま折衝中でございまして、実は来年度の予算の要求の最後の段階におきまして、実はわれわれのほうは、これを特定国有財産特別会計で予算化をはかりまして、リロケーションをやろう、こういうことでございましたが、その予算が実現を見ておりません。そこで、そういう全体の基地縮小という、こういう問題が出てまいりましたので、さらにその問題を含めまして、いろいろと米側と折衝中である、こういう状況でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 最近、米側からリロケーションの費用としてではなしに、何らか日本国のほうに若干報償を求めてきているという話を聞きますが、そういうことはありませんか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 別にそういうこと聞いておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それではこの用地あと地四万坪というのは、国有財産の特別会計に入れるということは、大蔵省のほうではきまってるんですか、きまってないんですか。

楢崎泰昌大蔵省理財局国有財産第三課長

○説明員(楢崎泰昌君) お答えいたします。  昨年、いま長官から御説明がありましたように、本地域の返還がリロケーションのもとに行なわれるというような話がございました際に、リロケーションにつきましては多額の国費を必要といたしますので、その代替施設をつくるために特別会計に繰り入れてはどうかということで、関係各省と調整を進めていたわけでございます。先ほど御説明にありましたように、十二月二十一日開催の日米安全保障協議委員会で厚木の返還問題が起こってまいりました。そういうような事情に対処するために本年度の予算は見送るということで、現在特別会計では予算を計上いたしておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 このあと地の利用について、そうすると現在のところ何ら話し合いというものがどこからも出ていないというふうに了解していいんですか。あるいは関係者の間で、このあと地の利用について、いろいろ施設庁のほうに話が出ているというふうに理解してよろしゅうございますか。どちらでございますか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 私どものほうは、大和市のほうからこの返還についての非常に強い御要望がございまして、そういう線で米側とも今後折衝して、できるだけその線が実現するように努力をしてまいりたいというふうに考えておりますが、これはもちろん国有財産でございますので、結局は大蔵省のほうでそのあと地の利用計画については御決定になるべきものであるというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大蔵省のほうはどういうふうにお考えになっておりますか。

楢崎泰昌大蔵省理財局国有財産第三課長

○説明員(楢崎泰昌君) ただ、イーストキャンプの地域は国有地でございますが、さらに、長官が先ほども申されましたように、地元の大和市のほうからいろいろな御要望が出ておることは私ども承っております。しかし、現在の段階ではまだ返還の交渉が行なわれておる段階でございますので、大蔵省では地元の御要望を一応お伺いするけれども、さらに返還の交渉が煮詰まってきた段階で、地元の御意向であるとか、あるいは国側の都市計画の事情等を考慮しながら、この問題の処理の方向をきめていきたい、かように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 従来公団ではこの四万坪のうち二万坪ないし三万坪を住宅公団の団地をここにつくるというような考え方はございませんか。

尚明日本住宅公団理事

○参考人(尚明君) 御承知のように、住宅公団は住宅難解消のために住宅建設に努力をいたしておるわけでございますが、一番困難な問題の一つとして用地の取得難がございまして、かねがね国有地及び公有地の有効利用ということで、私どもも要請をいたしているわけでございまして、この問題につきましては、四十四年の八月二十二日に、大蔵省及び防衛施設庁に対しまして、将来返還になりました場合に住宅公団の団地として利用さしていただきたい旨の要請は出してございます。で、私どもとしては、先ほど申しましたようなことなので、もしかなえられますなら、住宅建設をさしていただきたいという気持ちでいる次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大蔵省は住宅公団のこの要請についてはどんなふうにお考えですか。

楢崎泰昌大蔵省理財局国有財産第三課長

○説明員(楢崎泰昌君) 先ほど申し上げましたように、現在の段階ではまだあと地の利用処理方針についてきめておりません。地元の御要望あるいはそのほかのいろいろな諸要請を勘案しまして、今後処理方針をきめたいと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大和市からはどういう要求が出ておりますか。

楢崎泰昌大蔵省理財局国有財産第三課長

○説明員(楢崎泰昌君) 大和市からは御陳情がございまして、学校施設あるいは幹線道路、公園、さらに安全措置のための集団移転用地というようなことにこれを使いたいという御要望を承っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それはあれですか、四万坪全体について言っているのですか、その一部についてそういうことを言っているのですか、その点はどちらですか。

楢崎泰昌大蔵省理財局国有財産第三課長

○説明員(楢崎泰昌君) 御陳情によりますと、はっきりとした土地の使用計画というものはございませんけれども、そのようなものとして使いたいと、かように御陳情を受けている次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大和の地域というのは、御承知のように、まあこのほかにも瀬谷の通信隊にも大和の地域は一部とられていると思います。神奈川県全体、首都圏全体といたしましても、この地域というのはいまや一番人口急増地域の一つの帯になっている地域になっていると思うのです。そうした点で地域の人は、この四万坪というのを、いま言われた文教施設だとか、あるいは公園だとか、まあこういうものにぜひ全部使わしてほしい、こういう要求が出ておりますが、そういう地域住民の要求についてはどんなふうにお考えですか。

楢崎泰昌大蔵省理財局国有財産第三課長

○説明員(楢崎泰昌君) 御陳情を受けておりまして、まだ精細に検討する段階までになっておりません。もちろん地元の御意向も尊重しつつ今後の方針をきめたいと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それはひとつ早く、こういう狭い地域でもありますから、そこに公団の住宅をつくるということよりも、私はあの付近も緑地がもう非常になくなっている地域でありますし、今後いろいろまた問題が出てくる地域でもあろうと思いますから、その点はぜひひとつ大和市から、おそらく大和市の住民としては、全体として市の公共施設あるいは緑地、こういうふうにしたいという願いが非常に強いようであります。その線に沿ってひとつ御検討をいただきたいと思うわけですが、いかがでしょうか。

楢崎泰昌大蔵省理財局国有財産第三課長

○説明員(楢崎泰昌君) 先ほど申し上げましたように、地元の御意向も十分勘案しつつ今後の処理方針をきめたいと思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 厚木の海軍飛行場についての日米間の折衝の経過というものは、現在どんなふうになっておりますか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○政府委員(鶴崎敏君) 昨年の十二月に開かれました安保協議委員会で、厚木の飛行場につきましては、大部分の航空機並びに兵員が引き揚げるということになっております。なお、飛行場地区につきましては、その管理権を日本側に譲り渡すということになっております。そこでその後いろいろ米側ともこまかな点について折衝をいたしておりますが、具体的な計画の内容につきましてはまだ検討中という段階でございまして、この席ではっきり申し上げるところまで行っておりませんけれども、少なくとも滑走路、ランウエーというような飛行場としての一番基本になる施設につきましては、航空管制、その他それの管理権につきましては、日本側にこれを渡してもらうという方向でこまかな点をさらに詰めておるという段階でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それは飛行場の施設を返還するということではなしに、ただ管理権を日本のほうに渡すということだけでありますか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○政府委員(鶴崎敏君) 管理権を日本側に渡しますが、その後におきましても修理施設その他が残りますので、米軍としては、その後におきましても修理その他の必要性の範囲内においては、航空機の離発着その他のために、地位協定の二条四項(b)の形で使用したい、こういう条件がついておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 自衛隊のほうとしては、この管理権を日本に渡された場合に、自衛隊のほうではこの飛行場をどのようにお考えになっておりますか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○政府委員(鶴崎敏君) 防衛庁としましては、現在下総にあります海上自衛隊の航空部隊、これが今後成田の飛行場等ができますと、非常に作戦基地としての機能が低下する、大幅に低下するというような事情がございますので、これを厚木に持っていきたい、こういうふうに考え、検討しておるということでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もし持っていくとすれば、どのような任務を持った部隊を持っていくわけですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 現在下総には第十四航空隊という対潜哨戒部隊がございます。で、四十六年度に移りますのは、このうちのS2Fという双発のいわば小型機と申しますか中型機と申しますか、小さいほうの飛行機を中心に、あとヘリコプター、それから若干の雑用機を含めまして十七機程度、人数にして六百人でありますが、将来はさらに大型機でありますP2Jを持ってまいりまして、合計いたしまして大体飛行機の数が三十機ばかりになります。このP2Jも対潜哨戒機といたしまして、太平洋、日本近海の哨戒に当たるという任務を持っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 運輸省としてはどのようにお考えですか。

丸居幹一運輸省航空局飛行場部長

○説明員(丸居幹一君) 御存じのとおり、羽田空港は非常に込んでまいっておりまして、すでにその処理能力が限界にきております。そこで、ぜひ東京周辺に国内線の飛行場が必要でありますので、まあ規模といい距離といい、きわめて厚木が使わしていただければ適当なところにありますので、本年七月、これが返ってきましたら、羽田から近距離で飛んでおります、主としてまあ東京周辺、なるべく近いところを飛んでおりますようなYS11を中心としてこの厚木飛行場へ移させていただきたい、そういうふうに考えておりまして、目下関係方面と折衝をしておる段階でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 防衛庁と運輸省にお伺いしますが、それは両者共用できるという形ですか、それとも共同はできないということになりますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 将来P2Jが入りましても、民航と共用できるつもりでおります。

丸居幹一運輸省航空局飛行場部長

○説明員(丸居幹一君) ただいま防衛局長からのお話しのように、われわれも七月からせいぜい五十便内外くらいをお願いしたいというふうに考えておりますので、防衛庁ともよく相談をいたしまして、共用できるような線でお願いしたいと思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあこの地域はすでに御承知だと思うんですが、もう長い間爆音によるところの被害というものを非常に強く訴えている地域であります。テレビは聞こえないし、いろいろ健康の上にも障害を起こしている地域であり、最近飛ばなくなったということでたいへんほっとしているということでありまして、大和市の行なった世論調査でも、九二%というのはもう飛行場に使うことは困ると。爆音防止期成同盟の世論調査でも、九四%というものはもう飛行機なんかこりごりであると、もっと静かな住まいの地域にしてくれと、こういうふうに反対をいたしておりますし、県にいたしましても市にいたしましても、大和市としては、飛行場として使用するということについてはかなり反対の意見が強いように承っているわけですが、そういう要望というものについて政府のほうは一体どのように考えていらっしゃいますか。そんなものはもう必要ないというふうにお考えでしょうか、どうでしょうか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○政府委員(鶴崎敏君) 地元の方々が防衛庁に参りまして、いま先生の御指摘のように長い間騒音で悩まされてきた、この際もう飛行場でなくて、音のしない公園その他の施設として利用をしてもらいたいという御要望がございました。しかしながら、やはり飛行場としてのりっぱな施設がございますし、また、防衛庁としても運輸省としてもこれを利用したいという計画がございます。たとえばこれを他に移転するとしても、実際問題として移転はほとんど不可能に近いというようなことでございますので、これを飛行場でなくしてしまうということについては、実際問題として御要望にはこれは沿いかねるのじゃないか、このように考えております。  しかしながら、従来の米軍機と比べまして、自衛隊機の場合は対潜哨戒機でございまして、これは音の高さは非常にいままでよりも低くなるというようなことでございます。なお、それでも騒音がないとはいえませんけれども、その面につきましては、今後ともいろいろ周辺対策をさらに推進することによってカバーをしていきたい、このように考えておりますので、この点、御陳情に見えた方にも、今後ともひとつ御協力をお願いしたいということでお話を申し上げているわけですが、以上申し上げましたのが防衛庁としてのこの問題に対する考え方である、このように思っております。

丸居幹一運輸省航空局飛行場部長

○説明員(丸居幹一君) 私のほうといたしましても、先生御承知のように非常に羽田が込みまして、それに対する対策として、まず遠方から来るものについてはこれを大型化するより方法がないだろうというので、九州あたりの飛行場は徐々に大型化をしております。そこで、YS11で運びますと六十人でございますけれども、もっと大きい航空機で運びますと、百数十人あるいは三百数十人を一機で運べるわけでございますので、そういうことをして羽田へ一ぺんに持ってこようというふうに努力しておりますけれども、たとえば東京周辺の島なんかを一つ例にとりますと、これは相手方の地形上の関係でどうしても大型化がはかれません。で、YS11を安全に飛ばすために、いま千二百のをせいぜい千三百とか千五百とかいったような飛行場に改善をしつつあるわけでございますが、こういったところのものを全部合わせますと、やはり羽田が一ぱいで入れない。上でぐるぐる待機せざるを得ないという状況でございますので、何とか東京の周辺に飛行場がほしいわけでございまして、まあ厚木飛行場は、御承知のとおり非常に面積が広うございまして、なかなかあれだけのものを東京周辺に新たに建設をするということは非常に不可能に近うございます。何とかこれを飛行場として使わしていただけるように、ぜひひとつ地元にお願いを申し上げたいというふうに考えておるような次第でございます。よろしくお願いしたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 鶴崎さんは、音がだいぶん低くなると言うのですが、具体的にいままで米軍が使っていたのよりどれくらい低くなる、何ホンくらい低くなりますか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 先ほどの鶴崎参事官の御答弁にありましたように、従来米軍のジェット機が使用しておりましたところを、今度はプロペラ機が使用いたしますし、また民航が入ってまいりますと、これもまあ、これはジェット機になりますか、いずれにしましても、その騒音の度合いというものは、やはり今後十分に調査いたしまして、それに対応する措置を講じなければならないというふうに考えておりますが、いまP2Jの騒音、それから米軍が使っておりましたジェット機の騒音との比較に関する資料は手元にございませんので、またよく調べまして御報告申し上げたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあ低くなると、しかも使わしてくれと、地元はもういままでのからだをつんざくような騒音でこりごりしている、こういうことでありますから、まあ音が低くたるというだけでは、おそらく私は納得しないだろうと思うのです。で、具体的にどのくらい低くなるか、これはおそらくわかることだろうと思うのです。これはぜひ明らかにしていただかなければならない問題であろうというふうに思いますが、そうしますと、防衛庁としては、この厚木の飛行場からは一切ジェット機などは絶対飛ばさない、将来にわたってそういう考え方ですか、あるいは将来ジェット機も飛ぶようになるということになるのか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) S2Fはプロペラ機であります。またP2Jもプロペラ機でありますが、緊急の場合及び離陸の場合、時によりジェットをふかす場合があります。これは重さの関係その他でジェットをふかす場合もあるのです。しかし本質的にはプロペラ機であります。で、いまのところではここにジェットを持ってくるさしあたっての計画はございません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、とりあえずは持ってくる計画はない。長い先についてはわからない。そういうふうに理解してよろしゅうございますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) さようであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあ、そうなりますと、音が低くなるといっても、それはただ単に一時的に低くなる、こういうふうにしか理解できないわけですが、そのように理解してよろしゅうございますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 厚木飛行場は海上自衛隊が使用するわけであります。米軍の使用を別にいたしますと、海上自衛隊は現在ジェット機を持っておりませんので、将来海上自衛隊の装備構造が変わってくれば別でありますが、現在のところジェット機が海上自衛隊の装備にありませんので、当分そういうことは起こらないということであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 あなたがそう言っても、いままであそこは米海軍の使っていた飛行場ですね、現実問題として。ですから、まあいろいろ今後の防衛をどうするか。四次防あるいはその次は五次防というものがおそらく出てくるであろうと思うのですけれども、そういう際になっても海上自衛隊というのはジェット機は一切持たないというふうには理解できないだろうと私は思うのですけれども、それは、あなたのおっしゃられたその当分という期間がいつなのか明確でございませんけれども、これは海上自衛隊はまあ今後ジェット機は持たない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 米海軍は空母に載せる関係がありますので、われわれが使っておりますようなF4ジェット機、航空自衛隊が使っておりますようなF4ジェット機でありますとか、あるいはA幾つといったような攻撃機を持ってありますけれども、そういった種類のものは、これは海上自衛隊は持ちません。しかし、将来P2J、S2Fなり、そういったものの航空機がどうなりますか。それに関連して考えられるかもしれませんけれども、四次防ではそういうものは俎上にのせておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあ、四次防は五カ年間ですよね。その次のことはわからないと。だから、来年から五年の間はまあ海上自衛隊がジェット機は使わないと、これだけは保証できるわけですが、その先についてはまだわからない、使うかもしれない、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) ここで絶対に使わないと御約束するのは少し明確にし過ぎると思いますので、少なくとも四次防ではそういった計画はございませんと言えるとは申せましょう。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 民間機はどうですか。これはジェット機を使うということはございませんか。

丸居幹一運輸省航空局飛行場部長

○説明員(丸居幹一君) 私のほうは新東京国際空港開港までが非常に羽田が込むわけでございますが、その間に向こうへ持っていく飛行機といたしましてはYS11を考えております。YS11の騒音でございますが、これはわれわれが使っておる民間機の中で比較的音の高いコンベア880とかあるいはDC8といったようなものよりは十五ホーンないし二十ホーン低うございます。いま民間機で使っておる旅客機としてはまあ一番低い騒音の飛行機だと思います。これをまあ持っていかしてもらうわけであります。それから、その後のものにつきましては、羽田の拡張とかいろいろ考えておりますので、ただいまのところ、ほかのジェット機を持っていくか持っていかぬかということをすぐ直ちに申し上げるほど計画を詰めておりませんですが、かりにまあジェット機を持っていくことになりましたとしてもまあ、737とか727といったような比較的音の小さい飛行機になるだろうと思います。それはなぜかといいますと、それ以外の、さっき言いましたような地方の飛行場を大型化しておりますが、これらの飛行場の大型化しているものは、やはり二千メートルの滑走路では少し短うございます。二千五百ございますけれども、まあ8とか新しくできますジャンボのSRにしましても、あるいはエアバスにしましても、もっと長い滑走路を必要といたしますので、これらは全部羽田に着けたい。できるだけ早い機会に羽田の拡張をやりたいというふうに考えておりますので、いま考えられる機種としては、ただいま申し上げましたような機種におそらく限定されるだろうというふうに思いますが、繰り返しになりますけれども、ただいまのところの計画はYS11だけの計画しか考えておりませんので、あまり先のことは申し上げられませんが見通しとしてはそういうことになっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、あなたのお話を承りましても、ちょっとの間は、いままでよりも、まあどれだけ低くなるか資料ございませんからわかりませんけれども、少しの間はかつてのベトナム戦争の非常に盛んであった時代よりは低くなる。いまよりは高くなる。現在よりは高くなる。こういうことになろうかと思いますが、そういたしますと、将来にわたって自衛隊と共管になるということを一応考えますと、この基地は米軍に使わせるということで地域の住民は一応理解をしているわけです。これがすぐに自衛隊やあるいは民間航空が当然使用できるのだというふうには理解をしていないはずであります。先ほどの調査でも、その点はそういうことを物語っていると思うわけでありますが、その前に、その周辺の関係の市とか町、そういうものに、これをこういうふうに使うのだけれどもという一応了解、こういうものは私は取りつけるべきだ、こういうふうに思いますが、その点は地元の了解を得ないで使うというのか地元の了解を得て使うというのか、どのように考えておりますか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○政府委員(鶴崎敏君) 先ほども申し上げましたように、厚木飛行場は米軍も修理その他の目的の範囲内において航空機の離発着があります。それから自衛隊、それから民間航空もこれを利用するということでございますが、なお詳細な使用計画の内容が固まってまいりました段階においては関係の市、町の御了解を得るようにしかるべき機会を設けまして十分御説明をし、その理解と御協力を得た上でこれを実施に移したい、このように思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それは大体いつごろになりそうですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○政府委員(鶴崎敏君) 安保協議委員会でもきまっておりますように、六月末までにというターゲットがございますので、おそくもそれまでの間においてそういう措置をとりたいと、このように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それではまだこれについては施設庁のほうとしては綾瀬町なりあるいは大和市なりに別に照会はしていない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○政府委員(鶴崎敏君) 非公式ではお話しはしておりますけれども、その具体的な内容を添えて、こういうことで使いたいというような正式の協議はまだいたしておらない、こういう状況でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 非公式に話されて施設庁が得た感じはどうですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○政府委員(鶴崎敏君) 先ほど先生おっしゃいましたように、住民の方々の中には、もう騒音はごめんだというお気持ちがあるということはわれわれ十分承知いたしております。しかしながら、先ほども申し上げましたように、やはりこの飛行場を防衛庁としても民間航空としても利用したいという考え方でおるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もしその来年度から——来年度というよりも、むしろことしの四月一日以降でありますが、使うということになりますと、いまのままでいいかどうか、私はかなり疑問があろうと思います。たとえばこの地域は地域的には綾瀬町のほうに非常に多くの面積が取られて、おそらく大和市域に入るところの割合というのは二割程度ではなかろうかと、こういうふうに思います。しかし、いままであそこに居住をしていた米軍の軍人軍属というのは大和市のほうにたくさん住んでいたわけであります。そうしますと、軍人軍属については住民税はおそらく免除されておりますし、しかし、ごみであるとか、あるいは屎尿であるとか、その他の道路の問題であるとか、こういうことについてはいままでたいへんに大和市の大きな負担になっていたわけであります。基地交付金にいたしましても、あるいは自治省のほうで出すところの地方交付税の特交にいたしましても、いままで非常に不十分であった。これは米軍の使用というようなことであったかもしれませんが、学校等におきましては若干の防音装置というようなものもできております。まだこれも全体的に考えますと非常に不足をしていると思いますが、具体的に一つ問題を設定いたしますと、たとえばNHKのテレビの受信料ですか、これはかなりな範囲にわたって二分の一になっていると思います。こういうものは新しく引き継いだ場合には、具体的にいままでそういう形で得ていた権利、こうしたものについてはどのようにお考えになりますか。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○政府委員(薄田浩君) いま先生の御指摘の例をあげて申しますと、NHKの受信料の減免でございますが、これはNHKのほうと、いわゆる政府機関であるわれわれ各省集まりましていろいろ協議いたしまして、いわゆる減免措置をとっておるわけでございますが、そういう障害状態が残ることはいなめない状態でございますので、やはり続けたいと思っておりますが、ただ、いろいろNHKのほうでおきめになりました規定等に多少検討しなきゃならぬ点があるんじゃないかということで、いまわれわれその検討を始めたいと思っておるところでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その検討というのはどういうことですか、内容は。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○政府委員(薄田浩君) 告示に、防衛施設周辺の減免ということで書いてございまして、キロ数を一キロ、五キロというふうな範囲をきめております。ただ、その場合に、主としてジェット機というふうな書き方がしてあったように思いますので、その点を検討、相談いたしたいと、こういうふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、具体的にはテレビ、ラジオの減免については、これは大体いままでどおりというふうに理解していいんですか。それともジェット機はなくなるんだから、その範囲というのは非常に狭くなる。その辺はどうなんですか。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○政府委員(薄田浩君) これは使用の態様によってきまることだろうと思いますけれども、やはりいわゆる難聴と申しますか、それから画像が飛ぶという状態は起こるわけだと思いますので、その実態を調査いたしましてできる限りいままでどおりの形でやっていきたい、こういうふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 防音施設関係はどうですか。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○政府委員(薄田浩君) これはいろいろ基地が御迷惑を長年かけておりまして、私のほうといたしましても、施設庁の初期のころからいろいろ対策を講じてきてまいったわけでございまして、いままでも大体累計いたしますと、防音だけにつきまして約三十七、八億、学校と病院等にやっておるわけですが、今後はやはり米軍基地が返還されましても、先ほど長官及び防衛庁のほうから御説明ありましたように、自衛隊の飛行場として使用するわけでございますので、周辺整備法の適用に合致いたしますので、引き続いて考えていきたい、こういうふうに思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大体の方針は、先ほどもお伺いしたように、民間と自衛隊の共管、ともに両方が共同使用をする。管理権についてはこれは自衛隊のものであると思いますが、民間がこれを借りるということになりますので、まあ、いままでは日米安保条約のもとに提供した施設だと、こういうことで住民もある程度いたし方ない、こういう思想があったわけでありますが、民間機がこの飛行場を使いまして、先ほどのお話では一日五十便程度だということでありますが、騒音をまき散らす、この民間機の場合には、明らかにこれは自衛隊と違いまして、営業ということで五十便を飛ばすということになってまいりますと、私は事情が若干違ってくるのじゃなかろうかと思います。いままでと同じような形ではちょっと済まされないと思いますけれども、共同使用になった場合には、そうした面の営業によるところの住民の迷惑というものに対する補償というものは、これは運輸省あたりではどういうふうに考えておりますか。これはもうかまわないということですか、どうですか。

丸居幹一運輸省航空局飛行場部長

○説明員(丸居幹一君) まあ、飛行機は元来乗るためにありまして、そのために飛行場が要るわけでありますが、まあ各地で、実はいままでそういうふうなことが問題になったことがありませんので、むしろその飛行場の設置についていろいろ皆さん御熱心な陳情を受けるほうがおもでございます。それは、飛行場がその周辺の皆さん方が便利に利用できるということがおもな理由だと思いますが、そういうことで、私たちは、なるほど御迷惑をかける点もあるかもしれぬけれども、しかし、大和市あるいは綾瀬町の方が旅行されるときは、わざわざ羽田までお越しにならなくてもすぐ近くから乗れるという非常に大きな便利を提供するのではないかということを考えますと、欠点ばかりではないということをひとつ地元の皆さん方にもわかってもらわなければならぬというふうに思っております。しかし、まあ音というのは、これはやはり非常にすぐ進入表面直下の方には御迷惑をおかけすると思います。そこで、ただいまでは騒音防止法というものがございまして、それによって、一定の騒音以上をまき散らすところにつきましては、その騒音防止法に規定してある範囲内において騒音対策をやっていくということになっておるのでございますが、ただ、その騒音防止法が適用になります場合は、私のほうで設置、管理をしておる飛行場についてその騒音防止法に基づいて騒音対策を実施するというのが本来のたてまえでございますので、まあ、これを防衛庁のほうで管理していただくということになれば、直ちにその騒音防止法がそのまま適用になるのかどうかということは、ちょっと私まだ検討を済ませておりませんので、十分検討をしてからでないと御返事ができぬのでございますが、まあ、これもいろいろ防衛庁たり関係方面と御相談申し上げて最終的な結論を出したいというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ運輸省のほうは騒音防止法の条項によって騒音の防止をやると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

丸居幹一運輸省航空局飛行場部長

○説明員(丸居幹一君) 関係方面といろいろ御相談した結果、そうやるべきであるという結論になりましたら、騒音防止法という法律がございますので、これを適用すればそれがやれるということになると思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もう一回確認しておきますが、騒音防止法によって騒音の防止をやると、関係各方面と相談してそれをやると。もう一回確認しておきますが、よろしゅうございますね。

鶴崎敏防衛庁参事官

○政府委員(鶴崎敏君) 公共用飛行場の設置に伴いまして、この民間航空機の発する騒音につきましては、その飛行場の管理がたとえば米軍であるとか自衛隊というような場合には、その民間航空機の発する騒音は、米軍機あるいは自衛隊機の発する騒音とみなして管理する官庁がこの騒音についての必要な措置をとるということになっております。したがいまして、従来も、たとえば板付の飛行場につきましては民間機が利用しておりますけれども、これは施設庁のほうで騒音防止を民間機も含めてやっておりますし、また、たとえば北海道の千歳の飛行場につきましては、自衛隊の飛行場でございますが民間機も利用しております。したがいまして、その民間機の音も含めてこれも施設庁のほうで防音工事をやっておるということでございますから、厚木につきましても、民間機につきましてはやはり防衛庁のほうで措置ができるということに相なっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、民間航空会社は、何もそれについては自分たちのほうは費用を出さなくていいんだ、自衛隊のほうが一切その方面はやってくれると、こういうことで、自分のほうは責任はないと、こういうことになるわけですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○政府委員(鶴崎敏君) ただいま申し上げたようなことでございますので、これは国として一本の形で対処をするということでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その点若干私疑問を持たざるを得ないと思うんです。まあ、おそらく自衛隊がどれだけその防音装置をやってくれるか。いままでの、過去の経過から見ますと、私はかなり疑問に思っておる。いままであれだけ騒いでも、風船をあげ、のぼりをあげてそして騒いでも、この防音については十分にやってくれないという不満が非常に強いと思います。おそらく大和市等から毎年のように爆音防止についての要求というものは、私、出てきたと思います。私も若干タッチしましたので、ほとんど毎年のように出てきてるんですが、それはほとんど解決をされていないというふうに私ども見ております。たとえば、学校とか病院はやっておりますけれども、その他の施設についてはやっておらない。保育園にしても幼稚園にしても同じだろう。そういう点についてはいままでやっていただいておらない。こうなってまいりますと、音は下がる、こういうことになれば、おそらく何もやってくれない、こう思いますが、どうですか。もう少し進んで、もし共同使用と、あるいは自衛隊が専用でもかまいませんけれども、そうしたことは今後もっと進めてくれるのか。音が低くなるからかまわないというのか。どうなんですか。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○政府委員(薄田浩君) 音の障害緩和の措置としていろいろ法律、政令に基づきまして各設備をやるわけでありますが、やはりその実態は、音の強度と頻度の問題、どうしてもこの実態を解明をいたさなければなりませんので、厚木につきましては、先ほど来御議論がありましたように、多少飛行機の機種が変わりますので、われわれ施設庁といたしましては実態調査、いわゆる騒音の測定をもう一回新たにやり直してみていろいろの施策をきめたい、こういうふうに思っております。それから、先ほどおっしゃいました学校等だけであるという御指摘でありますが、いわゆる全国的なバランスをとりつつ、ほかの対象物件についてもやっていく姿勢には変わりございません。いずれにいたしましても、厚木につきましては、近く態様が変わりました時点においてもう一回騒音測定等をやらしていただきたい、そう思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いずれにしましても、先ほどからのお話で当分五年間はジェット機はまあおそらく使わないだろうということはある程度確認できるわけです。その後のことについてはわからないという先ほどの話でありますが、いずれにしても、この五年ぐらいは確かに音の強さとその頻度というのは、いままでよりも——おそらくいままでの激しいときよりは下がるであろう。こういたしますと、いままでの基準より基準を上げてもらわなければ施設というものは進んでいかないという論理的な判断になってまいります。しかし、音の問題については、いままで、ずいぶんおとなしくこの地域の人はがまんをしたものだと思うのですけれども、最近の音に対する公害といいますか、こういうものは、ますますきびしく告発されるようになってきているというふうに考えますと、どうもいまのお話ですと、少しも進んでいかない。こういうふうにしか理解できないのですけれども、一体、これはもっと前向きになるのか、現状と同じようなものなのか、どうなんですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 騒音から来るいろんな障害を防止するということは、結局、騒音の高さと、それから、騒音がどの程度の頻度によって起こるかという、そういう客観的な事実をもとにしていろんな対策を講じるわけでございますので、先ほど施設部長から申しましたように、今回のはステータスが変わりますので、その時点において十分騒音の測定をいたしまして、合理的な対策を考えていきたいというふうに考えておりますが、御承知のとおりに、また御指摘のように、騒音の問題というのは、非常に社会的な影響を大きく持ってきておりますので、われわれとしても、騒音対策というものにつきましては、できるだけ前向きの姿勢で今後も十分検討をしていきたいというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この問題もう少しお聞きしたいんですが、時間がありませんので次へ進みたいと思うのですが、岸根の野戦病院はすでに使用を中止してからもう一年近くなっているわけです。これはどのようになっているのですか。聞くところによると、米軍の病院を横須賀と横田の二つのほうに移すというその中で、岸根の野戦病院は解除になるのではないかというふうにわれわれ伺っておりますけれども、どのようになっているか御説明いただきたい。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 岸根の兵舎地区につきましては、いまの御指摘のとおりに、昨年三月に、病院施設を六月までに閉鎖するという旨が米側から明らかにされました。したがいまして、われわれとしては、この機能が停止いたしましたこの閉鎖につきまして、できるだけ早期に解決をはかりたいということで、いろいろ米側と折衝いたしておりますが、今日までの段階、米側がまだ今後この地区を利用する計画について見通しを十分立てておりませんので、その点が進捗しておらないのが非常に残念に思っております。しかしながら、われわれとしましては、地元の希望なりあるいは関係者の要望にこたえまして、できるだけ本施設を単純に返還するということを今後も要求し続けていきたい。途中の段階におきましては、米軍はこの病院のリロケーションを条件に出したことがありますけれども、われわれとしては、こういう情勢下におきまして、その条件必ずしもわれわれとしても納得できませんので、できるだけ単純返還と、こういう線で今後も努力を続けてまいりたいというのが現状でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もう一年も使っていないし、この付近は御承知のように非常に人口稠密地域でありますので、しかも、交通もかなりひんぱんな地域でありますので、ひとつその交渉を早く進めていただかなければたらない、こういうふうに思いますから、ひとつ早急に進めていただきたいと思います。  それからその次に移りまして、先ほど鈴木委員のほうからも、米軍の海軍の第七艦隊の旗艦の基地として佐世保のほうに移転をするということで、昨年の十二月の二十一日の日米合同委員会におきましても、第七艦隊の旗艦及び第七潜水艦群の兵たん、補給活動の一部は佐世保海軍基地に移転するという合意がなされています。これについては、新聞報道によりますと、一年くらい延びるというお話ですし、先ほどのお話ですと、それについては確認をしていないということであります。さらに、米軍の横須賀基地に働いている方々の解雇問題が出ましたけれども、この解雇問題も、一カ月ぐらいはひとつもう一回つとめてくれ、こういうような通告もあって、せっかく解雇後の再就職の計画というものがめちゃくちゃにされてしまったということで、首切ったり戻したりということで、地獄の何丁目かを行き帰りしているというのが横須賀基地に働いている人たちの心情になっているわけでありますけれども、基地の労働者としてはきわめて迷惑しごくということでありますが、こうした事情というものを、第七艦隊の基地が移転すると言ってみたり、移転しないと言ってみたり、解雇をすると言ってみたり、もう少し使うと言ってみたり、こうした点について米軍にその理由を問い合わせたことがございますか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 私どもとしましては、解雇の延期に関する通知がありますたびに、その理由については十分問いただしておるわけでございます。米側のほうの理由としましては、基本的な計画そのものに別に変更があるわけではないが、いろいろ従来の計画を進めるにあたりまして、その間にたとえば器材の撤去、あるいは器材の輸送、あるいはSRFにつきましては、艦船修理計画の遅延、こういういろいろなそういう作業が遅延をいたしておるようでございまして、それが結局作業量に影響して、それに基づいて解雇の延期があらわれてきておる、こういうふうにそのつど説明を受けておるわけでございますが、先ほど来話がありましたように、それはどうも基本的な計画に大きな変更があるというようなことはわれわれのほうは何も聞いておりませんけれども、おそらくそういう作業そのものの遅延ということがこの原因になってこういう計画の変更というものが行なわれておるのではないかというふうに考えておるわけでございまして、ただ、こういう計画がいたずらに変更せられるということは、確かに従業員の皆さん方にとってはたいへん迷惑な話でございますし、大きな影響を及ぼしますので、われわれのほうとしてはそのつど、こういう計画がしばしば変更されることのないようにということは強く申し入れをいたしておるところでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それはあれですか、日米合同委員会で協議、決定をした第七艦隊の旗艦及び第七潜水艦群の兵たん補給活動の一部、こういうものがおくれている、佐世保の基地に移動するというようなことがおくれているようにうわさされている件も、この作業の遅延に関連しているのですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) すでに定められております計画を進捗させるにあたりまして、その間にいろいろなそういう作業が遅延をしておる、そのために従業員をさらに引き続き使用する必要があるということで解雇の延期が行なわれている、こういうふうに承知いたしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、その解雇の問題をいま質問したわけじゃないのですよ、第七艦隊の旗艦ですね、あるいは第七潜水艦群の補給兵たんというような問題ですね、こういうこともおくれているようにうわさされています。これもいまの作業の遅延と関係あるのかないのかということなのです。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) その辺の事情は私どものほうにもしかとはわかりません。結局、まあ器材の撤去あるいは輸送あるいは軍人家族の輸送等について若干の遅延があるということを先方は申しておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、十二月二十一日の日米合同委員会で決定をされました第七艦隊の旗艦を中心として主要部隊が佐世保に移転をするという問題については確かめてもらえますか、どうなんですか。一年間延期するとかなんとかいうことが言われておりますけれども、これは解雇の問題と同じように、移転する、延びるということですと、おそらくいろいろな計画が狂ってくるだろう。また、市民の生活というものも、この辺が確定していかないと、移転すると思って、まあ六月の末には店を締めようとしたのが締められない。いろいろ計画がずいぶん狂ってくるだろう。その辺は明確にしてもらわないと、非常にこれは住民は迷惑するわけです。住民がたよりになるのは日米合同委員会のこういう議事録だけです。その辺どうでしょうか。はっきりして米軍に聞き合わせてもらうということをお約束いただけるかどうか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) この問題は、外交レベルで、外務省を中心にしまして、そういういろいろな動きがございますので、その辺の実態を明らかにして、そして結着をつけるという線でいまいろいろ協議がなされているところでございます。それについて、米側からまだ明確なる説明と申しますか、そういうものが明らかにされておらないというのが現在の段階でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 施設庁長官、私はその理由は先ほど聞きましたよ。だから米軍の施設部会とかなんとかで、おそらくこれは施設庁のほうもお出になっているだろうと思います。あるいはいろいろな連絡がおありであろうと私は思うのです。だから、そうした点をはっきりしてもらえるかどうかということなのです。それを米軍と折衝してもらえるかどうか、その約束がいただけるかどうかということを私は聞いているわけです。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 私も、機会があるごとにその点については確かめる努力をいたしておるわけでございますが、先方の回答はそのつど、基本的な計画については変更はない、一部こういう作業遅延のためであるという回答を得ておるわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあ、向こうが、変わらない、合同委員会の決定どおりだと、このように言っているわけですから、それを守らせていくということがまた防衛施設庁のほうの役割りでも私はあろうと思います。しばらく静観をしていきたいと思います。  それから、横須賀の艦船修理部のあと地については、私どもは、この地域は、旧軍港市転換法によって軍事施設をなるべく平和施設に転換をするという法律が適用されている地域でありますから、当然横須賀の艦船修理部のあと地利用は、先ほど防衛庁長官は、何か自衛隊の艦船の造修部ですかにしようというのですが、それにしていくということは、私は間違いじゃないかと思います。

鶴崎敏防衛庁参事官

○政府委員(鶴崎敏君) 先ほど防衛庁長官からも御答弁しましたように、海上自衛隊の護衛艦等の修理が現在の一般の造船界の状況から見て非常に困難であるというようなことで、これがもうずっとそういう状態がこれまで続いてきております。そこで、何とかこれを若干でも解決しなくてはならないということもございますので、このSRF地区の一部につきましては、自衛隊の直営の形で自衛艦の修理をやるようにいたしたい。しかしながら、その他の部分につきましては一般の民間の経営にまかして、いわゆる民需にもこたえるような形にしたい、こういう線で現在検討をしているわけです。そこで、地元からは、これをすべて民営にゆだねるべきであるという声があることも事実でございますが、いま申し上げました自衛艦の修理が思うにまかせないという特殊な状況もございます。したがいまして、こういった防衛庁側の必要性とそれから一般民間の必要性というものとの調和点を見出して問題の解決をはかっていきたい、このように考えておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これはおそらく国有財産を提供しているんだろう、こういうふうに思うんですが、それを一方的に自衛隊のほうが、私のほうも使うんだという形でそういうことをしていいんですか。これは一回大蔵省に戻すべきじゃないでしょうか。そこで話し合いを詰めていく。一ぺんに、もう自分のほうが使うということにきめ込んでいるのは、大蔵省とはその点が話がついているわけですか。あるいは、その場合に横須賀市についてはそういうことについての了解を得なくてもよろしいんですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○政府委員(鶴崎敏君) いま申し上げましたのは、防衛庁としてのもちろん考え方でございます。したがいまして、これから関係各省とも御相談をしなくちゃなりませんし、また、地元の市長さん等にも御相談をして、その御理解の上でやるということに相なろうかと思います。ただいま申し上げましたのは防衛庁としての考え方でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、これはぜひ地元に返してもらうことを要求いたします。旧軍港市転換法の趣旨に基づいて、これは当然平和的な施設に返すべきである。横須賀市の財政という面から見ましても、これは平和産業に使わしていかなければ横須賀市の今後の計画というものには大きな狂いが出てくるだろう。そういう意味で、私は、これを自衛隊が艦船の修理部として使うことについては、使わないようにしていただきたい。地元に返してほしいということを強く要求をしておきます。  それから、座間の基地に朝霞から施設部隊を持ってくるという話で、地元ではその施設部隊が来ることについて全町をあげて反対をしているわけでありますが、その経過をお聞きいたしたいと思います。

鶴崎敏防衛庁参事官

○政府委員(鶴崎敏君) 朝霞に陸の施設大隊がございますが、この部隊の一部を座間の一部に共同使用の形で入れたい、こういうふうに考え、現在検討しております。この施設大隊は、御承知のように災害派遣その他を任務とする部隊でございます。神奈川県下には、現在のところ陸上自衛隊の部隊がございません。そういう点も勘案しまして、共同使用の形で入れたい、こういうふうに考えております。しかしながら、まだこの問題につきましては地元の町その他との調整がついておりませんので、今後十分御相談の上で円満のうちに実施したい、こういうふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 なぜ陸上自衛隊でなければいけないんですか。災害派遣は、ほかのたとえば海軍の部隊であったりしてはいけないんですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 施設部隊は、ことばのとおり、いわば昔の工兵隊のようなものでございまして、ブルドーザーやその他各種の土木工事用の施設を持っております。したがいまして、災害派遣その他地域内の土木工事の地域住民協力ということが行なわれております。そういうことで、もちろん災害派遣という範囲でいえば、どの部隊もできるわけですが、えてふえてでいえば、陸上自衛隊は一番じょうずでありますが、また能力を持ってそのうちでも施設部隊が一番適切な能力を持っているということであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 土木工事なんかのために来てもらいたいという要請がどっかからあったんですか。おそらく私は、神奈川県ではこういうものを座間の付近に置くということはきわめて不適当だと思う。災害派遣の場合にいたしましても、座間に通ずる道路というのは、そんな大型車が自由にあちらこちらぐんぐん通れる道路というのはきわめて少ないわけです。交通混雑しているわけです。むしろ私は、そういう点ならば、神奈川県の災害援助に、救助に出ていくというならば、富士あたりの部隊であっても少しもかまわないと思う。あそこの座間のところから行くより、東名高速とか、そういうルートを使って行けば、むしろ富士のほうが早く神奈川県の中心地あるいは東京に私は着き得ると思います。おかしいじゃないですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 従来、施設部隊といいますのは各県で非常に寵児のごとく喜ばれている部隊でございますが、私どもの計画としましては、ある持っておる施設部隊を、なるべくならば分散をして持ってまいりたいということで各県に分散しておるわけであります。現在朝霞にある部隊を持っていく計画をしているようでありますが、朝霞が非常に手狭ということもありますし、神奈川県下に類似の部隊もないということも手伝って、一応私どもの計画の中でそういうことを考えたということであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、神奈川県にどうしても持ってこなければならないという必然性はないわけですね。たまたま神奈川県にはそういう部隊がないから持っていくという程度のものですね。どうしても置かなくちゃならぬという理由は私ちょっと理解できないわけです。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) どの部隊も必らずそこでなければならない絶対的な理由というものはないと思いますけれども、全般的な、自衛隊で利用し得る基地あるいは米軍と共用し得る基地を眺めまして、一応分散できるようなところがあればそれを利用したいというのが、これが私どもの考え方であります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それはわかるんですが、おたくのほうが地図の上であっちこっちこまを動かすようにやるということはわかる。しかし、座間のあそこが適当かどうかということになるときわめて不適当だと私は思うのですよ、どうですか。それならばむしろ、いま基地のたくさんある富士あたりのほうが私は実際上便利であろう。防衛局長がそういうふうに考えているなら、ずっとそのほうが役に立つと思う。また、神奈川県の場合、どうしても自衛隊に来てもらって道路工事をしてもらわなければならない——過去にはそうであったと思うが——いまは私はその必要を感じているところはほとんどない、こう思うのですがどうですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 神奈川県の状況を必ずしも私は存じませんが、全国的に言えば、施設部隊の受注能力をオーバーするような申し込みが非常に多いようでありまして、そういう意味では非、常に好まれているわけでありますが、いま仰せられましたように、地元で非常に反対でありまするとか、あるいは地理的に非常にかえって不便であるとか、そういうような条件があれば、もう一度検討はいたしてみます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これはたしか防衛庁のほうから座間町長に協力要請を出したと思うんですね。返事は来ましたか。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○政府委員(薄田浩君) いま御指摘のはさだかにちょっと記憶しておりませんが、施設庁の横浜防衛施設局長からたしか御協力要請を出したはずでございますが、御返事はまだいただいてないように聞いております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いただいてないんじゃなくて、書類そのものを返されたんじゃないですか。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○政府委員(薄田浩君) それはちょっと聞いておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それ、調べてください。  それで、これは座間の町も御承知のような地域でありますし、これは防衛局長よく調べてください。座間の町会、町の議会はもちろん反対を議決しております。町民大会でもこれは反対しているわけです。政府のほうから座間の町長に対する協力要請の書類も、町長が議会で発言している範囲においては、封も切らずに返したと言っている。これはよほどのことだと思うのですね。普通ならばあけて、そしてこの要請には応じられないという返事が来ると思うのですが、そのまま返しているのですね封も切らずに、議会での発言を聞きますと。ですから、よほど反対をしているというふうに私どもは評価もしておりますけれども、これは地元が納得しないということであれば、この施設部隊は座間には移転させませんね。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 私どもの計画といたしましては原案でやりたいというふうに、これは全般計画からすれば、そういうふうに考えます。  ただ、先ほどお話しのように、地元の問題もありましょうし、それから地理的な問題もありましょうし、そういう問題が非常にかえって不利であるというような客観的な結論が出るようであれば検討してもけっこうだろうと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それをひとつ再検討してみてください。これは、私は、あそこへ置いても、現在の交通事情から考えてみれば、必ずしもあそこに置くという目的、その目的にはあまり沿わない、もっと適切な場所があるはずと、こういうふうに思いますから、それは再検討していただきたい、このように思います。  その他若干ありますけれども、もう時間が来ておりますから、私の質問はこれで終わります。

杉原荒太自由民主党

○杉原荒太君 簡単に一問だけ質問いたします。  殉職隊員に対する賞じゅつ金、特別弔慰金の問題は、あえて申し上げるまでもなく、隊員の士気にも関係するきわめて大事なことに違いないわけです。本年度の予算でどれくらい引き上げられておるかということ、これが第一点です。

江藤淳雄防衛庁人事教育局長

○政府委員(江藤淳雄君) 賞じゅつ金並びに特別弔慰金につきましては、大体におきまして最低限度の額を二倍、最高限度額のものは一・五倍程度に引き上げまして、百二十万円のものは二百四十万円、二百二十五万円のものは三百四十万円というような額に引き上げております。

杉原荒太自由民主党

○杉原荒太君 これの具体的の支給の方法については、たしか内規できめるようになっておったのじゃないかと思うが、いずれ予算が成立すればそういう内規の改正というようなことも当然予想されるわけでしょうか。

江藤淳雄防衛庁人事教育局長

○政府委員(江藤淳雄君) それは防衛庁の訓令できめております。

杉原荒太自由民主党

○杉原荒太君 ああ、訓令でね。わかった、わかった。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 最初に、人間尊重の見地に立った諸施策の強化ということをうたわれておりますが、前々から私が問題にしてきております医官不足の問題についてお伺いしたいと思います。現在の医官不足の現状をお伺いします。

鈴木一男防衛庁衛生局長

○政府委員(鈴木一男君) 年度別に見ますと、三十五年度は、定員八百六十六名に対しまして現員が四百十一名。それから、現在一番ピークでございましたのは三十六年、定員七百八十六名に対しまして四百十四名、これがピークでございまして、その後漸減いたしまして、四十五年十二月三十一日現在、定員八百二十名に対しまして現員二百八十四名、充足率、全体で三四・六%ということに、これは医官でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 これに対しまして今後の見通しと、それから、それに対する対策はどうなっておりますか。

鈴木一男防衛庁衛生局長

○政府委員(鈴木一男君) 従来これが不足対策といたしまして、貸費学生制度、現行六千円となっておりますが、その他、人事処遇の改善、医療施設の近代化並びに航空自衛隊の航空医学実験隊——立川にございますが、海上自衛隊の潜水学実験部——これは横須賀にございます——等の整備拡充につとめる等、医官の充足に資しておるわけでございますが、今回やはり防衛庁の医官が、先ほどの御説明のごとく非常に不足をいたしております関係上、絶対数確保ということで、防衛医科大学校の設置を考えておる次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 防衛医科大学校について、今回の四十六年度予算で五百万円が計上されておりますが、どういうふうな構想でこの医科大学校をつくられようとしておられますか。

鈴木一男防衛庁衛生局長

○政府委員(鈴木一男君) 御指摘のごとく、調査費五百万でもって、まず大学設置の準備委員を、これは学識経験者を主体にいたしまして、関係行政機関を構成メンバーにしまして、十数名のメンバーで委員会を構成しまして、今後どういうふうな形でやっていくかというようないろいろな御意見を承りたいと思っているわけでございます。その下に専門委員会として、教育、人事、施設関係の専門部会も設けていく予定にいたしております。  少なくとも修業年限とかあるいはカリキュラムだとか、施設関係——整備でございますが——等につきましては、学校教育法によります大学医学部あるいは医科大学に求められまする諸種の基準にあくまでも準拠することになると考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そうすると、大学はやはり六年制ということに解してよろしいのですか。

鈴木一男防衛庁衛生局長

○政府委員(鈴木一男君) いまの段階、進学課程二年、専門課程四年、計六年ということを考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ということは、その大学を修了した後、実地の修練を経てからやはり医師国家試験を受験させ、それからそれを、免許証を持った人が医官になると、こういうことでよろしいのですか。

鈴木一男防衛庁衛生局長

○政府委員(鈴木一男君) そのとおりでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 はたしてこの防衛医科大学校ができた場合、そこを卒業した人が必ず全部医官にたるかどうか、その点はいかがですか。

鈴木一男防衛庁衛生局長

○政府委員(鈴木一男君) 一〇〇%歩どまるかどうか、これはいまの時点でなかなかむずかしい問題だと思いますが、御参考のために申し上げますと、自衛隊に対する認識度と申しますか、これは御案内のごとく、四十四年の九月二十六日から十月二日まで、内閣総理大臣官房広報室が調査を行たいまして、自衛隊に対します国民の印象、認識、要望及び防衛に関する国民の考え方を調査した結果によりますと、自衛隊に対しまして好意的な印象を持っておるものが六九%ということでございます。自衛隊の必要性を認めているものが七五%を示しておりますので、今後これは直接医者の志望者を調査したわけではございませんが、一応自衛隊に医官として勤務することも考え、受験する者が相当あるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 昨年もこの分科会で質問をいたしましたが、防衛大学校卒業生のうちで民間に就職をする割合について伺いましたが、本年度はどのようになっておりますか。

江藤淳雄防衛庁人事教育局長

○政府委員(江藤淳雄君) お答えしますが、この過去三年間は、大体防衛大学を卒業しまして一年以内に退職する者が約一四%という数字で推移いたしております。なお、本年の卒業生につきましては、まだこれからの問題でございますので、何とも申し上げられませんが、大体その程度は一応退職するということもあり得るというふうに想定しております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私が申し上げたいのはその一四%、普通の防衛大学を卒業した人ですら民間に就職をしておるわけでありますから、まして現在医学部関係は非常に志望者も多くて、いろいろ問題が私立大学の場合起こったり、あるいは先日も不正入試の問題も出てまいりましたように、非常に現在の医療制度の上からも問題が多いわけです。したがって、せっかくこの医科大学校ができましても、おそらくほとんど自衛隊には残らぬじゃないか、みんな開業してしまうという可能性を十分感じるわけでありますけれども、その点については何か法的に予防措置を、要するに、開業しないように予防措置をとられるのか。ただそのままほっておけば全部ほとんど開業されてしまうんではないか。そうでなくとも、私立の場合は非常に入学金、あるいは寄付金、授業料が高いわけですから、防衛医科大学校の場合は国立大学と同じようになると思いますので、そういう点でむしろ外へ出てしまう、そういう可能性が十分あると思います。その点についてはどのような見通しを持っておりますか。

鈴木一男防衛庁衛生局長

○政府委員(鈴木一男君) せっかく防衛庁の所管の防衛医科大学をつくりましても、先生御指摘のように、外に逃げてしまったんでは意味がございませんので、その間の歩どまりをどうするかという面につきましては、私どもは、自治省がお考えのような僻地の医科大学、これもある程度の期間勤務をさせることを考慮しておられるようでございますが、私どものほうといたしましても、この縛りをどのようにするか現在検討中でございまして、今後設けられます準備委員会等の諸先生方にもおはかりをしてきめてまいりたいと、このように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 定員はどれくらいを見込んでおられますか。

鈴木一男防衛庁衛生局長

○政府委員(鈴木一男君) 現在六十名を考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 六十名で、たとえいま言われたようなある程度残すというふうなたとえ規約をつくったといたしましても、現在の医官不足を完全に充足することはちょっと不可能じゃないかと、このように考えますし、六十名ぐらいであれば、かなり私は外へ出てしまうと、このように思うのですが、その点はいかがですか。

鈴木一男防衛庁衛生局長

○政府委員(鈴木一男君) ただいまただちにこの防衛医科大学をつくるといたしましても、医者は、先ほど申し上げましたように、六年の課程を経まして研修ということになりますと、八年から、一人前の医者になるには相当かなりの期間要するわけでありまして、現在これら二百何名しかおらぬ現員に対しましてどのような施策をとっておるのかということは先ほど申し上げたとおりでございまして、つけ加えさしていただきますと、その足らぬ分につきましては民間のお医者さんのいわゆる委託医師にお願いをいたしておるわけでございます。それが病院関係その他部隊関係の医官、これら委託をお願いをしておる医師が、これは本年の一月三十一日現在のデータでございますが、医師が四百十二名に相なっておるわけであります。したがいまして、専任の自衛隊医官並びにこれら民間の御協力を得まして、いま自衛隊の関係の健康の保守並びに増進の問題は支障なきを得ているわけでございます。そういうふうなことで、今後もそういう諸施策をあわせ考えまして絶対数の確保に向かってまいりたい、このように考えておる次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 歯科医師についてはどのようになっておりますか。現在の歯科医師の医官とそれの充足率、それから、もし医科大学をつくられるとした場合、歯学部については検討されておりますか。

鈴木一男防衛庁衛生局長

○政府委員(鈴木一男君) 歯科医官につきましては、三十五年が定員百九十八名に対しまして現員九十三名でございます。で、この辺がピークでございまして、ついでに御参考までに申し上げますと、三十六年が定員百八十四に対して八十八名、四十五年の十二月末の定員では、百九十名に対しまして五十六名。充足率で申し上げますと二九・五%というふうな状況が歯科医官の状況でございまして、私どもが考えております防衛医科大学校の中に歯学関係をやるかという御質問でございますが、この点は医学課程だけを考えておる次第であります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 本年度の文部省の大学の医学部の設置の問題で、ある大学も見合わせになっておりますが、現在各所に医科大学あるいは歯科大学は増設をされておりますが、スタッフの問題となりますと、非常に問題点が多いわけでありまして、医学部の場合は大体いまのところは何とかいけそうだという現状と伺っておりますが、これはもう少しふえてまいりますと、現状ではちょっと教授陣あるいは研究者の体制がなかなか整わない。歯学関係につきましては、もうことしあたりがピークでして、現状においてもまだまだ非常に新しい大学ができて、いわゆるいままであった大学からたくさん教授が流れまして、もとのほうが現在がたを来たしておるような、そういう点も見られております。特にこの教授陣を集める問題について、結局新しくできても、まあ特に防衛大学校の場合は、定年制の問題がどうなるか、現在国立大学の、あるいは公立大学の医学部の先生が定年でやめられた方をとられるのか、そういうことはどう考えておられますか。

鈴木一男防衛庁衛生局長

○政府委員(鈴木一男君) 御指摘のごとく、要員確保、特に大学の先生を求めることは非常にむずかしい問題でございまして、現在新しい大学が次次誕生するというような状況に相なっているわけでございます。仰せのとおりでございますが、私どもといたしましては、先ほど申し述べました大学設置のための準備委員会の中に、三部といたしまして人事、教育、施設というふうな専門部会を設けまして、そこでこの予算がお認めいただければそれを発足させまして、そこでいま申し述べました件につきまして十分検討してまいりまして、施設、スタッフともに魅力のある大学の構想を、さらにそういう学識経験者の知恵をお借りいたしまして、斬新な構想のもとに出発してまいりたいと、このように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 現在絶対的に医官が不足をして、開業医のほうに委託をお願いをすると言われておりますが、自衛隊のような場合であれば、私はかなり医療へのコンピューターの導入を考えてもいいのじゃないかと思います。現在まだまだ研究段階で、実施までには至っておりませんけれども、無医村対策にもかなりコンピューターの導入がプラスになる、このようにも考えておりますが、その点についても自衛隊はバッジ・システムというすごいコンピューターもたくさんあるわけですから、その点の利用といいますか、導入をお考えになってもいいんじゃないか、実験的にも自衛隊はできるのじゃないか、このように思うのですが、その点はいかがですか。

鈴木一男防衛庁衛生局長

○政府委員(鈴木一男君) この点につきましては、御指摘の点も十分加味いたしまして、今後できます特に医科大学の付属病院の問題につきましては、新しいシステムを取り入れまして、先生の確保並びに学生の確保をはかる上にも、魅力ある施設に持ってまいりたいと考えている次第であります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次の問題に移りたいと思いますが、バッジ・システムの問題でありますが、現在の航空自衛隊の作戦行動を指揮統制するこのバッジ・システムは、現況はどのようになっておりますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) バッジ・システムといいますのは、全国のレーダー・サイト二十四カ所に、それぞれデータの収集能力を集めまして、そしてDCサイトというのがありますが、そこにコンピューターでもって情報を収集し、さらにここから航空基地に対して情報を伝達し、飛行機を空に上げて、その飛行機に対してコントロール、要撃管制される。つまり、相手方の飛行機の諸元を味方の飛行機の諸元に合わせて会敵させるという能力を持っております。そして四十二年から稼働しておりまして、今日では十分動いております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 現在一日何時間稼働しておりますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 現在は、フル稼働いたす場合では十二時間だそうであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そのフル稼働して十二時間が大体何日ぐらいもちますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 十二時間の場合には、一応連続して使えます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 これについて四次防でも、かなりこのバッジ・システムの強化を言われておりますが、四次防が実現した場合はどの程度のものになりますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 現在バッジ組織の中でまだ機能的に不足なのはコンピューターが一つのシステムでワンセットしかございません。したがいまして、先ほどのような稼働時間が低くなってまいるわけで、MTBFですか——故障間隔、故障間の時間です。——そういったものが長くなる。それから、そういった故障がある間は稼働しない、あるいは訓練期間というものがあるというようなことを加味しまして十二時間になるわけで、そこでコンピューターをデュアル化する、つまり二重化いたしますと、理論的には二十四時間稼働するようになりますが、やはり機械も万能ではございませんので、若干それよりも短くなるであろう。MTBFというものが当然残ることは残りますので、二十四時間ということはないと思いますけれども、いまの十二時間というものが大幅に向上するということになると思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 昨年二月から三月にかけて行動態勢検閲というものが行なわれたと聞いておりますが、その内容とその結果、それに対する対策、これはどうなっておりますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 私、ちょっと聞いておりませんので、あとで調べて御報告いたしたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 現在、具体的に言った場合、いまのバッジ・システムの場合の処理の可能な機数はどれぐらいになっています。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) これは一応機密ということになっておりますので、具体的には申し上げられませんが、一つのDCサイトで数十機というふうにお考えいただけばけっこうかと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ということは、現在のシステムでは、いま日本にある自衛隊の航空機が全部出動して動いた場合、それは全部キャッチできるような体制になっていますか。敵機の場合には何機ぐらいキャッチできますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 数十機と申しましたのは一つのDCサイトについてでありますから、そういうものがDCサイトは四カ所ありますし、さらにDCサイトでやりますのは自動的に行ないますが、他のSSサイトでも、何といいますか、ボイスですから、音声によるコントロールはできるということで、現在私どもの総合的な能力としましては、五百機以上のものは十分にできるというふうに見ております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それから、このバッジ・システムの有効範囲でありますが、これは現在どの辺の範囲まで可能ですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) バッジ・システムの有効範囲は、レーダー・サイトのレーダー・カバレージによって規制を受けます。そこで、今度はレーダー・サイトのカバレージは相手方飛行機の行動によって規制を受けるわけでありますが、かりに非常に高高度を飛んでくれば、二百マイルのノーチカルマイルで二百マイルカバーすることは可能であります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 広さの場合ですが、日本を中心としてどの範囲まで広がるのですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 厳密には図面でないと申し上げかねるわけでありますけれども、レーダー・サイトが、このサイトの位置によって、低い場所であればカバレージが短かくなりますし、高くなればこれが広がる。まあ、広がった場合に、先ほど申し上げたような距離になるわけでありますが、要するに、日本周辺百数十マイルから二百マイルばかりといったような区域をお考えいただけばけっこうだと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 で、まあ、この間からもずっと予算委員会等で議論になっております早期警戒機でありますが、まあ、これについては今月中に結論が出るとかいろいろ言われておりますが、この早期警戒機が動いた場合ですね、この現在の有効範囲がどの程度広がるか。しかも、この現在の有効範囲の一番端っこにAEWがきた場合、相当他の国まで入ると思うのですが、その点はいかがですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) AEWを日本周辺に配置するかどうかということがまず問題であるわけですけれども、このAEWは、御承知のように、低空域をカバーするというためのものであります。そういたしますと、低空域といいますと五千フィート以下ということでありますが、そうなった場合に、先ほど申し上げたように、レーダー・サイトのレーダー・カバレージが数十マイルに減ってまいります。これは場所によって当然違ってまいりますけれども、その外周に百マイルばかりさらに延びるというふうに考えられます。そこで、外国の領土に重なるかどうかということでありますが、たとえば朝鮮海峡の上空に飛ばせば韓国の上空には入りましょうし、あるいは北海道の上辺に配置すればそういうことになりましょうが、一応私どもの計画では、そういった地域よりも、もっと、何といいますか、中心部寄りというふうに考えておりますので、一部かかるところも出てまいるかもしれませんが、大部分は公海上であるということになるかと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまのお話だと、現在のレーダーの有効範囲の外へはそんなに行かないと、こういうことになるわけですか。そう広がらないと考えていいわけですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) ちょっと御説明しにくいのですけれども、低空域で向こうの飛行機が飛んで来る場合には、いまのレーダーでキャッチし得るのが数十マイルくらいになります。そこで、その数十マイル以遠のものをこちらが捕捉をするということで、数十マイルから以遠のものは、いまのレーダー組織ですと空白になりますけれども、AEWを飛ばせば百マイル以上のものがこちらのカバレージに入ってまいる、こういうことであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そのいま言われた数十マイルのところにAEWがあった場合ですね、一番向こうに行く範囲、それがやはり私は韓国、まあ大体北朝鮮くらいまで入ってくるのじゃないかと思いますがね、その点いかがでしょう。まあ高度にもよるでしょうが。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 飛行機でありますからどこでも飛べるとはいうものの、一応私どものこの低空域のカバレージが非常に弱いところに配置をするということになりますると、非常に西部、非常に北部というよりも、やや中心寄りであるということで、地図をちょっと記憶はいたしておりませんが、全然かぶらないということはないかもしれません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 結局、そのかぶってきた場合、現在のレーダーの有効範囲でも、私はやはり韓国、特に北朝鮮あるいはソ連、中国に対する刺激が全然ないとは私は考えられないのです。特に四次防でバッジ・システムが強化された場合、さらにAEWを配置した場合、その飛ぶ場所によっては、やはり領空侵犯にたとえならなくとも、そのレーダーの範囲が相当延びて、隣の国を刺激する、こういう可能性が出てくるのではないか、このように思うわけですが、その辺についてはどうお考えですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 正しい申し上げ方かどうかわかりませんが、レーダーであるとか無線であるとかいうのは、必ずしも国境がないのでありまして、ICBMも空を飛びまするし、レーダーのカバレージはわがほうも一部外国にかかりますけれども、わが国もまた外国のレーダーのカバレージの中に入っているというようなことで、この点は一応それぞれが防衛的な姿勢でもって、無線によるあるいは電子機器による防衛を担当しているということで、それをもってして、攻撃的である、あるいは脅威にかかわるものであるということは申せない、全部防衛的なもので、単なる情報収集の手段であるというふうに考えるのではなかろうかと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私が心配するのは、この前のプエプロ事件にいたしましても、ずっと前にはU2機、そういういわゆる偵察機、そういうふうなものが、戦争には至っておりませんけれども、非常に緊張を高める一つの要因になったことは事実でありますので、早期警戒機にはかなり高いお金が.かかるものなんであります。それだけに相当な有効なことを考えておられるわけですから、結局、それが電波とかそういうふうなものは刺激をしないと言われますけれども、いままでの紛争、緊張が起こったことから考えますと、私としては決して安心できない、このように思うわけですが、その点はいかがですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) EC121機などが北鮮の領空近くに参って、あるいは領空に入っているかどうか存じませんけれども、そこで落とされたというようなのとわがAEW機の違いは、言うならば、空を飛ぶたこのごとくでありまして、たこには糸がついているのと同じで、わがほうの数十マイルにつながっていないと、つまり、AEWのレーダー・カバレージとわがほうのレーダー・サイトのレーダー・カバレージがつながっておりませんと、それはそこに空白ができます。したがって、それでは意味がないというわけで、たこの糸と同じで、わが国のレーダー・サイトのレーダー・カバレージにつたがってAEW機のレーダーのカバレージがあるということになりますから、それほど向こうのほうに飛ばせるわけにいかない。またAEWは当然常時も有事も使用されるものでありましょうし、非武装、無武装のものでありまするし、あまり遠くへ飛ばせるわけにはいかない。やはり本土周辺に配置をするのが本来の運用でありますので、私どもはEC121のような事態が起こり得るとは考えておりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そうしますと、このAEWに積み込まれる電子計算機というものも、自然、いま言われた数十マイルの地点から向こうへは行けないようなそれくらいの能力のものに限られる、こう解釈していいわけですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 数十マイルというのは地上のレーダー・サイトのカバレージでありますから、その数十マイルから外周に飛ばされる、そのAEW機のカバレージの範囲が百マイル以上ある、こういうことであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 防衛庁長官にお伺いしますけれども、いま問題にしておりますこのレーダー・サイトの問題でありますけれども、AEWのタイプ、これをいろいろこの間から議論されておりまして、これはまだ検討、答えは出ていないと思いますけれども、いま言うような、絶対に回りの国を刺激しない、そういう範囲のものにした場合、はたして私はこれだけのAEWが必要かどうか、その点疑うのです。というのは、相当の金額でもありますし、しかも、そんなものを数十マイルの地上のレーダー・サイトの範囲の上に少しプラス・アルファという点であれば、そこまで金をかける飛行機を飛ばさなければならないのかどうか。その点はもう一度再検討されるべきではないか。ということは、私は、もっと現在の有効範囲を広げる方向のものになるのではないか、また、それがそうなれば、いま言ったような緊張をかもし出す可能性があるのではないか、その点で、専守防衛という面から考えると少しまずいものになるのではないか、このように考えるわけでありますけれども、その点についてはいかがですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 日本の防衛上、低空侵入の飛行機を捕捉する機能を自衛隊が持つことは必要であると思います。しかし、金額及び運用上の諸問題、性能、そういうものを考えまして、どういうものがはたしてよろしいか、目下慎重に検討している段階で、まだ発表する段階に至っておりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次の問題に移りますが、先ほども航空医学、海洋医学の面で、潜水学校ですか、この点について少し触れられましたけれども、自衛隊では、海洋開発といいますか、海洋の調査というものに対し、あるいは潜水調査船、現在一つございますけれども、これについては今後どのような方向をお考えになっておられますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 現在、海上自衛隊は海洋観測艦として「あかし」という船を持っております。そうして、これでもって日本周辺の海域におきます水温でありますとか海流の流れ、あるいは温度、それから音波の伝播のしかた、それから海底の状況、そういったようなものを調査いたしております。で、これは海上自衛隊の最大の任務が対潜哨戒といいますか、潜水艦に対する任務を持っておりまするので、潜水艦を把握する場合、つまり音波探知機——ソーナーでもって探査する場合に、これは単純に音波の流れだけでなくて、それが海流の温度、塩分その他によって非常に屈折し、反射し、非常に複雑な変化をいたしますので、そういう状況を知っておりませんと、十分なソーナーによる運用ができないということで、主として観測艦によって観測を行なっております。今後もそういった範囲を逐次ふやしてまいりたいということであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 海洋関係の研究は科学技術庁のほうでもかなりやられておりますし、またこれからもやられておるわけでありますが、自衛隊のやろうとする目的といわゆる平和目的とは全然異なってくるのかどうか。というのは、やはり海洋は、海底軍事基地の利用という問題も出てまいりますし、これについては現在いろいろ国際間でも問題が出てまいりまして、国連でもいろいろ討議がされておるわけでありますけれども、いま言われたような程度であれば、現在科学技術庁等で行なわれておるもののデータあるいはそういうものを集めただけでは、やはり自衛隊としてはそのデータでは足りないのかどうか。やはり軍事という目的の上からやっていかなければならないのかどうか、その点はいかがですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 海上保安庁などと緊密に連絡しながらやっておるわけでありますが、やはり私どものやっておる分野と、それから他の官庁がやっておる分野と違う面もありまするし、それから海域が違うといったようなもの、あるいは行なう頻度、密度が違うといったような問題もございます。そういうようなことで、私どものほうとしましては、先ほど申し上げたように、潜水艦を探知するために、つまりソーナーを適切に運用するために必要な海水のデータあるいは海底のデータを知るということで、必ずしも海上保安庁と合致しておるわけではございません。しかしながら、私どものデータで知り得たものは海上保安庁にも渡しておりまするし、海上保安庁からいただくものもあります。そういうことで、一応保安庁側の具体的な目的よく存じませんけれども、ある程度重なる分野もありますけれども、それはそれだけで私どもでは不十分でありますので、綿密に調査をしてソーナーの運用に資しておるということであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 防衛庁長官にお伺いしますが、日本の国としては海底軍事基地ということは一切考慮されておらないかどうか、あるいは日本という特殊性から考えておられるのかどうか、その点はいかがですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 日本は海底大量破壊兵器禁止条約に率先して賛成し推進したものでありまして、海底軍事基地という考え方に対しては反対のものにあります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 最後に、次の問題に移りますけれども、昨年十月一日から七日間にわたって行なわれました矢臼別の演習問題についてお伺いしたいわけですが、この演習訓練は正式には何と呼ばれておりますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 私の手元の資料で具体的な名前が出ておりませんけれども、いずれにせよ陸幕長の特命演習として北部方面隊の中にあります第七師団を中心に行なわれた演習であります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 訓練の概況、特に目的、それからおもな演習内容、それについてお伺いしたいと思います。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 演習は北部方面総監が統裁しておりまして、十月一日から七日までの間、場所は北海道の矢臼別演習場でありますが、第七師団、第五師団を基幹といたしまして、ほかに第一特科団、これは千歳にありますが、第一戦車群、空挺団、これは習志野にあります。その他の部隊約九千名、車両二千両ということでやったわけであります。目的といたしましては、けさほども問題になっておりましたが、第七師団は唯一の機械化師団でありまするが、この第七師団の作戦行動を実員によって総合的に演練をするということで、他の部隊は支援部隊あるいは対抗部隊として矢臼別演習場で行なったものであります。で、格別に想定というものを設けているわけではありませんが、一応東千歳と富良野地区というところに第七師団が集まりまして、道東方面から進んでくる敵に対して矢臼別演習場で会敵し、その地域を確保するために仮想敵といいますか、対抗部隊を排除して演習場を確保するというような内容であったわけであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 まあ演習でありますからいろんなケースも考えられると思いますし、まあ私あまり勘ぐるわけじゃありませんけれども、一応仮想敵というものはどういう状況の敵、要するに日本というふうな島へ上陸したようなものなのか、あるいは陸続きのところへ来たようなものなのか、その点はどういうふうな想定がなされておりますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) この場合は上陸した部隊に対してこれを排除するといったふうな想定ではありませんで、一応平地において対抗部隊が出現をした、そうしてわが第七師団のほうは演習場の主舞台である矢臼別演習場を確保するということで、いわば青軍と赤軍が一定地域で会戦をし、青軍がその地域を確保するというような基本的な訓練であります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この場合の航空勢力、海上勢力、敵の。これはどういう想定なんですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 第七師団の演習が中心でありますので、また、場所が矢臼別演習場でありますから、海は入っておりませんが、航空部隊といたしましては、F86Fの二機が仮設敵として、第七師団に対する攻撃に使われているということのようであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 航空勢力はこちらより優勢と見ておるわけですか。まあ演習ですから、二機になっておると思いますが、その点はどうですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 七師団側の航空機としましては、移動用のヘリコプター、観測用のヘリコプターを若干持っております。連絡機もありましたが、そういった程度で、相手部隊を攻撃する航空機としましては、向こう方に二機を想定しており、第七師団のほうでは持っていないという状況のようでありました。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、作戦地域の状況でありますけれども、住民との関係はどのようになっておりますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 格別、存じておりませんけれども、通常の演習につきましては、事前の広報をやり、また危険地域その他を特定しておりますので、そういう意味での地元地域住民と了解は得ておったものと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そういう意味じゃなくて、戦争、いわゆる演習の中における住民の状況、住民はいないのか、どういうふうになっておりますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 本格的な訓練の場合には、いろんな想定をし、たとえば海上艦艇がどうなり、あるいは航空部隊が双方についてどうなり、あるいはその他のいろんな後方関係あるいは地域住民がどうなりということを想定し、またこまを進めさせるべきでありましょうけれども、まだそういったものは行なっておりませんで、基本的な訓練でありますので、そういうものは状況外といたしております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 しかし、実際の想定によりますと、住民の大部分は避難をしておるが、一部の住民が残っておりまして、その中には敵性分子が入っておると、そういうことを考慮してあるということを伺っておるわけですが、それはそれとしまして、この演習場の近くにある根室ですね、この辺から東のほうはどういうふうな考えでやられておるわけですか。要するに海という考えのもとにやられておるんですか、それとも陸続きと考えられておりますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) この場合は、再々申し上げますように、一応平地における青部隊、赤部隊の対抗試合ということであります。基本的な訓練でありますので、海上関係あるいは海からの攻撃云々というようなことは捨象されて、単に陸続きでの平地における訓練と考えてやっておるようであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ということは、もちろん演習ですから、いろんな考え方、いろんな想定がありますので、何とも言えませんけれども、やはり海軍勢力を一応考慮外として、完全な陸上ということにしてありますけれども、何か勘ぐると、どうしても私は日本の専守防衛の上からの演習としては、ちょっとふさわしくないのではないか、何か朝鮮半島というようなものが想定されているような気がしないでもないんですけれども、こういう今後の演習の上から考えまして、専守防衛という立場をきちっと守るというふうなチェックといいますか、そういった点はやはり防衛庁としてはできるのですか。それともあくまでもこういう演習というものは、いわゆる制服レベルで一切行なわれて、あと報告を受けてやるというふうなシステムになっておるんですか。その点はいかがですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 大規模な演習、特にこの演習のように、陸幕長の命令によるものは当然内局は相談を受けております。で、そういう場合に、演習の中身でありますけれども、専守防衛であることは疑いもございませんが、たとえば相手方が上陸をしてくる場合に、上陸を阻止するような演習もありましょう。しかしながら、現在の段階では、たとえば連隊レベルあるいは師団レベルを訓練する、さらに進んでは方面隊レベルを訓練するといいましても、一応遭遇戦といいますか、青軍が一定地域を確保しようとする、赤軍がそれを阻止しようとするのを排除するといったような基礎的な訓練が行なわれておると思いまするので、それでもって専守防衛でない、あるいは他国に出ていっての防衛、あるいはそういった攻防戦が行なわれるというふうに考えるのはきわめて少し行き過ぎではなかろうかというふうに考えております。基本的な訓練でありますから、あくまでもいろんな条件を加味して平地における訓練を行なっておるというふうに御理解いただいたほうがよかろうと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 最後に防衛庁長官に重ねてお伺いしますが、こういった種類の演習に対する、これからだんだん四次防になり五次防になってきた場合、かなり多くの兵器、多くの人員が動員される演習が活発に行なわれてくると思いますし、また、先日来米軍との合同演習の問題等が出てきておりますので、今後の自衛隊としての演習のあり方、それに対する方針、特に専守防衛という立場の上からどのような方向でいくべきであるか、それに対してはどういうチェックといいますか、監督がなされるべきであるか、その点に対する長官の御所信を伺いまして私の質問は終わります。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 演習はもとより日本列島を防衛するということを主眼にして、それに対する諸般の応用訓練等をチェックをすべきであると考えます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 現在米軍に提供されている沼津海浜訓練場並びに北富士演習場を使用転換で日本側に返すという計画があるやに聞いていますが、それはその後どうなっておりますか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 沼津海浜訓練場につきましては、使用転換をいたしまして自衛隊がこれを管理運用し、そして米軍に随時使用させる。こういうことでいま米側とも折衝中でございます。  北富士の演習場につきましてもわれわれの基本的な態度といたしましては、これを使用転換いたしまして、自衛隊が管理運営し、そして米軍が随時使用、こういう形に持っていきたいということで、いろいろ地元との話し合いも進めておるというのが現状でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはいつきまったんですか。そしてまたこれは地位協定の二4(b)、これの転換だと思いますが、どうですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) そのとおりでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ただし、この返還について米側から条件をつけられているのじゃないですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 沼津海浜訓練場につきましては米側からいろいろ条件が提示されております。したがいまして、それにつきましても目下検討中でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どんな条件ですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) いろいろ条件が出ておりますが、その中で主たる条件は使用転換に関しまして、荒天時に緊急な人員、車両、装備品等の積み込み、積みおろしのために近傍にあります清水港を優先使用するという条件を提示しております。それについて検討中でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは第九回日米安保協議委員会で大体こんなことがきまったでしょう。米側の通例使用または他の適当な施設についての取りきめを条件として日本政府に返還予定されている、そうでしょう。だからその条件が満たさなければこれは使用転換はできないということですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 米側に返還を求めます場合、いろいろ米側からその返還につきましての条件が提示される場合がしばしばございます。したがいまして、その条件について当方といたしましてその条件が妥当であるかどうかということをいろいろ検討いたしまして、その条件をこちらが受諾できるということになりますれば、両者間で合意が成立いたしまして、それが所定の手続を経て返還になる、こういうのが一般でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それは決定されたのは、たしか昨年の八月二十七日の、これは第三十四回施設調整部会、ここを通じて沼津海浜訓練場の使用転換における米軍の継続使用に関する条件、こういうものが提案された、そういうふうに聞いておりますが、そうですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 私どものほうは昨年の九月一日に三十四回施設調整部会において提案があった、こういうふうに理解しております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その中で、もっと具体的な要求が、条件が出されておると思いますが、その具体的な条件について話してください。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 条件は非常にたくさん出ておりまして、その中の主たるものが先ほど申し上げた条件でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 もう一回その条件を言ってください、具体的に。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) その条件は全部で十九項目程度あるそうでございますが、その中で特に問題になりますのが先ほど申し上げたように……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その先ほど申し上げたのをもう一回言ってください。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 米側からこういう条件が出ております。「荒天時に緊急な人員、車両、装備品等の積み込み、積みおろしのために、近傍の清水港を優先使用する」という条件が提示されております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その中で具体的にこういうことをいっておるでしょう。清水港の埠頭施設の優先使用権の提供、それから沼津港の小型舟艇用のドックの優先使用権の提供、この二点が最も具体的なそういう条件でしょう。そうですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) そのとおりでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そのついでに十九項目の条件というものは資料としてもらえますか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) これは日米間の交渉の内容事項でございますので、その全貌につきまして資料として提出することについてはちょっと差し控えたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあそれほどの秘密のものでもないですね。こういう条件というものは国民的な視野からこれは明らかにしたいというと、日本の産業経済、国民の生活の安定、そういった深い関係があるのですから、これは単に施設庁が、一防衛庁が独断すべき問題じゃないのです。何でも、いざというとあなたたち、資料提供というと、全部秘だ。その資料が何十万というかっこうになって防衛庁の仕事が……。またここで壁にぶつからせるのですか、われわれの審議を。長官どうですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) できるだけ御要望に応じまして、防衛の内容を国民に知ってもらうようにいたしたいと思いますが、外交交渉の内容を具体的にこまかにそのままお伝えすることは困難ではないかと思います。いまの十九項目についての概要についてここで御説明申し上げるならば施設庁長官から御説明申し上げます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 時間がなくて——これで時間制限されておるから困るので、だから資料とも考えたのですが、十九項目全体でなくてもいいから、おもな条件、それはこっちから一々質問します。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) それでは主要な条件について施設部長から御説明申し上げます。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○政府委員(薄田浩君) 昨年提案のありました米側提案のそのあらましを申し上げますと、当然のことでございますが、二4(b)の施設として提供してくれということがございます。それから適用条項については、これはいままでも普通そういう例がございますが、必要なる条項の適用をしたいということでございます。  それから訓練の内容といたしましては、部隊及び海兵の揚陸訓練に使いたい、これは現在の提供状態と同じでございます。それからまた同じでございますが、海難救助訓練をやりたいということでございます。  それから防衛庁がいわゆる何といいますか、家主のような形になりますのでこれも当然でございますが、防衛庁がいろんな訓練場の使用計画の作成等の責任というかイニシアチブをとってくれと、こういうことが書いてございます。  それから訓練区域内においては弾丸の発射、いわゆる火薬類の爆発等はやらないということでございます。  それから米軍の使用取り消し、中止、そういういわゆる変更あった場合には防衛庁の代表者にそのことを通知するということでございます。  それから次が、いわゆる先生御指摘の、またわれわれも大きな問題だということで先ほど長官が御答弁したとおりでございますが、この使用転換に関連して、現在の沼津の訓練場が天候不良のときはもよりの港、カッコして清水港を優先的に使用さしてくれないかと、こういうことがございます。それから、この使用は予告後少なくとも二十四時間以内に使わしてくれと、こういうちょっと問題の条項がございます。  大体以上でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはどうですか、この条件のむ気ですか、のまない気ですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) この清水港の優先的使用ということにつきましては、いろいろ関係機関の意見も聞いておるところでございますが、われわれの判断といたしましては、この条件は非常に困難であるというふうに考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 困難……。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) それに応ずることは非常に困難であると考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 困難、それで了承したんですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 現在のわれわれの判断を申し上げたわけでございまして、まだ米側とその点で折衝をいたしておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ここに資料あるわけですね。これはどうですか。昭和四十五年十月六日、防衛施設庁長官から静岡県知事あてに、さらに十一月十七日、横浜防衛施設局長から静岡県知事あてに要請書を出しているわけですね。これはこの条件をのむという、そういう意思ですね。そういう形で折衝を始めたのではないんですか。これはどうなんです。ここに資料がありますけれども、これ出していますね。間違いございませんた。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) こういう文書を当時の施設庁長官から静岡県知事に出しております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 このアメリカ側が、理由があるでしょう、清水港や沼津港の優先使用を要求しているその理由というやつは、これははっきりしているだろうと思うんです。どういう理由でしょうか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 上陸用舟艇を沼津の海浜訓練場へ持ってまいりまして部隊を上陸させるということでございますが、その場合に、非常に荒天であるというときに近くの適当な施設を優先的に使用してそこで人員、装備等を積み上げといいますか、荷揚げをする、こういうことが必要であるということがその理由でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それはあなたたちのその文書ではっきりしているだろうから、やっぱりはっきり明確に答えてください。  こういうことでしょう。訓練場は自然のままで整備されていない、したがって天候不良中は人員それから車両、装備及び補給品のすみやかな積み込み、積みおろしができないと、そこで清水港がほしいと、こういうことですね。ようございますね。沼津の場合、どうです。沼津港については。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) よく質問がわかりませんが。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 沼津港についてはなぜ沼津を必要かという理由を向こうはあげているでしょうが、これはこういうことじゃないですか。沖合いに停泊する大型米軍艦船の必要から、小型舟艇の揚陸のためにこれは沼津港が必要だと、それで沼津港を要求してきているんじゃないですか。どうなんですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 御承知のとおり、富士で米軍が演習やります場合に部隊が上陸しますが、それに沼津の訓練場を使っておるわけでございまして、それが彼らの必要とするゆえんでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 清水港の場合ですが、清水港の埠頭のうちどの程度のものをこれは要求してきているんです。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○政府委員(薄田浩君) お答えいたします。  清水港の場合、具体的にどの埠頭とかどの広さというふうなことはあれしておりませんが、ただ人員、車両——緊急の場合でございますが、人員、車両、装備、補給品等の積み込みあるいは積みおろしをするという必要でございますから、いわゆるいままでの富士演習場に参ります海兵と一隻や二隻でくる人員等を考えますと、相当広範囲な面積になろうとわれわれは考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 具体的にあなたたち出した要求書じゃないですか、これ。はっきり出しているでしょう、条件を。こういうこと、こういうこと、こういう条件のものがほしい、それを二十四時間以内に通知があったらもう使用できるような緊急の措置と、ここに具体的に出しているじゃないですか。だから国会論議というのはまるでたな上げにされているということなんですね。いつでもわれわれはまあほんとうに実態の一部分しか知らない、深い部分が沈でんしているということは、この辺にわれわれの論議が立たされているということです。こういうことで、どうなんでしょう。——いまごろそれ何されているんですか。喫水はどれくらい、バースの長さは幾ら、面積は、陸揚げの。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) ちょっと——いま資料を取り寄せておりますので、ちょっとお待ちください。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○政府委員(薄田浩君) どうも手元に持っておりませんのでたいへん失礼いたしました。  水深が二十七フィート、それから長さ六百フィートのバース及び出入貨物等を貯蔵するといいますか、一時貯蔵するために一万二千平方フィートの荷揚げ場と、こういうふうになっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それは喫水の深い上陸作戦部隊の船舶、例をあげれば、上陸舟艇母艦、上陸用輸送船一隻を収容する、そのためにいまのような条件を満たさなきゃならない、こういうことですね。そうしてさらに制限時間ですね、通知してから二十四時間以内に利用できる。こんなことは沼津の現状に合いますか、清水の現状に合いますか、どうです。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) これは運輸省の関係になると思いますけれども、私どもといたしましても実際問題といたしましてそういう条件は必ずしも実情に合わないというふうに考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは静岡県から回答がありましたか、知事の回答がありましたか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) まだでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ない。  われわれが現地でこれは調べたわけですが、国際貿易港としての機能を阻害し、本県経済に与える影響も少なくないとして、これに反対している意向だと聞いているのですが、これはおつかみになっていらっしゃいますか、先ほど何か困難だと言われているが、調査の結果、あるいはそういう意思を踏まえて言っておられますか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) この問題は建設省、水産庁、運輸省、また静岡県、地元の沼津市等いろいろ関係のところが多いわけでございます。そういうところの意向を照会中でございますが、私どものいままで得たところではなかなかこれは困難な条件である、こういうふうに考えておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 運輸省の方見えていましたね。これはどなた、どなたですか。

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 竹内参事官。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 じゃ、お聞きします。  第一に清水港の日本経済に果たしている役割りはどう考えるのですか。

竹内良夫運輸省港湾局技術参事官

○説明員(竹内良夫君) 清水港は現在特定重要港湾という格を持ちました港湾でございまして、日本の経済上、貿易上ウエートの非常に高い港であるというように考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 海外貿易港でしょう。そして発展した非常に重要だと聞いています。もう一つは外航定期船の寄港地だというふうに聞いておりますが、そうでございますか。

竹内良夫運輸省港湾局技術参事官

○説明員(竹内良夫君) いわゆる外航定期船の寄る港でございまして、そういう意味におきましてもなかなか大事な港でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 外航定期船でしょう。

竹内良夫運輸省港湾局技術参事官

○説明員(竹内良夫君) そうでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 東海地方の中心港と考えてよろしいですね。

竹内良夫運輸省港湾局技術参事官

○説明員(竹内良夫君) そのとおりの重要な港でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そこの使用状況ですね、年間の陸揚げ量、積み出し量、こういうものをここで言えますか、何なら資料で出してもらってもいいですが。

竹内良夫運輸省港湾局技術参事官

○説明員(竹内良夫君) 昭和四十四年——一昨年でございますが、昭和四十四年におきます総取り扱い貨物量が千三百六十万トンでございまして、そのうち外貿貨物、すなわち先ほど言いましたように、外国との貿易の貨物が七百六十万トン、大体全国の一%ないし二%のウエートを持っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういう中で非常に貨物がふくそうしているので停船、滞貨、抜港というのですか、抜港のようなこういう事態が続いている、この状況いかがですか。

竹内良夫運輸省港湾局技術参事官

○説明員(竹内良夫君) おっしゃるとおりにいわゆる滞船といいまして、港の外で岸壁を待っているような状態が続いておりまして、昨年の一月から十一月の十一カ月間でございますが、入港の外航船でございますが千八百隻ございまして、そのうち港外で待っていたものが六百八十隻、待っている船は一隻平均四十四時間待っているというような状態でございまして、総体的に施設が足りない状態でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると平均二昼夜沖待ちをしなければならないということですね。そうすると、これらの損害というものはばく大だろうと思う。これは一昼夜の滞貨の、滞船の経費というのは、一万トン級として大体どのくらいの損害になるのか、一日の滞船で。

竹内良夫運輸省港湾局技術参事官

○説明員(竹内良夫君) そこまで私たちちょっと計算してございませんけれども、おそらく一万トンの船が一昼夜やっておりますと、百万円とか二百万円とかというオーダーになると思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういうことになりますと、いま六百以上といいましたね、これらの概数で大枚六億円以上の損害ですね。そういうところに米船を、一昼夜以内に向こうから通知来たら港からそこらのところは、ちゃんと整理しなければならぬ。しかもこれはまさに軍艦ですから、装備を載せて、その中には百五十五ミリりゅう弾砲が載っているはずです。それから戦車が載っているはずです。それから装甲車が載っているはずです。むろん弾丸を載せていると想定して、やはりわれわれはりつ然とするわけですね。こういう損害を与えるということは、一体清水のようなふくそうした港に可能性があるのかどうか、こういう事態を調べて、それからこのような要請を出されたのかどうか。ここのところは防衛庁の基本姿勢として非常に重大な問題ですからお聞きしたい。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) これはこの沼津の訓練場のみならず、それ以外の米軍の基地につきまして、いろいろ米軍から条件が出されるわけでございますが、われわれとしてももちろんその条件をそのまま受諾する、うのみにするということは決してやっておらないわけでございまして、われわれとしても種々検討し、また関係機関のいろいろな意向を聞きまして、その上で、できないものはできないということではっきり態度を示しているわけでございます。この問題につきましても、先ほど申しましたように関係機関が非常に多いわけでございますので、十分関係機関の御意向をわれわれとしても尊重しながら、米側との折衝にあたってまいりたい、かように考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いまの情勢の中であなたたちの意向は伺いましたけれども、これをはっきり貫いて、米側のこのような条件についてはこれを拒否するという考えを防衛庁長官に伺わなくちゃならぬけれども、どうでしょう。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 本件のみならず、そういう施設の利用等については、先方のいろいろな要望がありますと、わがほうで直接判断して回答すべきもの、あるいは関係各省、地方公共団体にも照会をしてその意思を確かめるもの、おのおのいろいろやり方があるわけであります。いまのようなケースの場合には施設庁長官がお答えしましたように、日本の情勢から見てきわめて困難である、そういう判定にいま傾いている。こういうことであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 運輸省の方にもう一つお聞きしたいのですが、清水港はいま第三次港湾整備をやっておるわけですか。しかしこれじゃ間に合わぬでしょう。さらに第四次港湾整備考えているのですか、いかがですか。その経過状況をちょっとここで知らしてください。

竹内良夫運輸省港湾局技術参事官

○説明員(竹内良夫君) おっしゃるとおりに現在第四次の港湾計画を策定中でございまして、ただいま港湾整備緊急措置法を御審議願っている最中でございます。われわれの案といたしましては一応持っておりまして今後詰めていくわけでございますが、現在のところでは先ほど私も申し上げましたように、昭和四十四年に千三百六十万トンの貨物量に対しまして、おそらくうしろのほうの経済発展等を考えますと、昭和五十年におきますところの総貨物量は約二倍の二千四百万トン程度になるのではなかろうかと推定しております。したがいましてそれらの港にその貨物をつけまするところの施設、防波堤並びに岸壁、航路、泊地等を計画をしていきたいというように考えております。おそらく本年中にはその計画をつくり上げることができるという段階になる予定でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 こういうところにもし万一に米軍が優先使用権を獲得する、そして米国の艦船がひんぱんに来る、こういう場合が生ずればどういう事態が起こると推定されておりますか。

竹内良夫運輸省港湾局技術参事官

○説明員(竹内良夫君) 現在の港湾の管理自体は港湾管理者である静岡県が実際に管理運営しております。で、先ほども申し上げましたようにいろいろ滞船があると申し上げましても、時間的なあるいは時期的な問題、いろいろあると思いますが、私どもの感じでは、先ほど言いましたような状態でございますので、優先使用等ということは非常に困難ではないかというように考えられます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 もし強行された場合にこれはどうです。米艦船がひんぱんに入港してくる。清水港の機能は麻痺してライナーポートとしての国際信用を失墜してしまう。さらに地元の業者が経済的に先ほどもあげましたようにたいへんな損失を受ける。埠頭荷役の管理運営も大きな影響を受けざるを得ない、こういうふうに考えられるわけでありますが、どうでしょう。

竹内良夫運輸省港湾局技術参事官

○説明員(竹内良夫君) 先ほども申し上げましたように、現在の管理運営を静岡県がやっております。それで私ども県の意向を十分考え、あるいは参考にしながら判断したいというふうに考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この問題について運輸省に要望があったですか、ないですか、県当局から。

竹内良夫運輸省港湾局技術参事官

○説明員(竹内良夫君) 現在のところこの問題につきまして運輸省にはまだ相談がございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 以上の運輸省側の見解、そしてこういう問題については運輸省とはいままで直接交渉はなかったのですか。私は当然これは運輸大臣と防衛庁長官の間に話があってしかるべきだ、こういう実態をもっと把握してからこういう要請書とか何とかいうものは出されるべきじゃないかと思うのですが、どうですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) まだ運輸省から正式の御回答は出されておりませんが、中間段階におきましては運輸省としてもこれを受けることは非常に困難である、こういう意向であることはわれわれも承知いたしております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 防衛庁長官に伺いますが、こういう状況ではこの清水港の優先使用権の設定というものははっきり拒否すべきだと思いますが、いかがでしょう。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) いろいろな意見を確めてみまして最終的には判定したいと思いますが、私もそういう方向に傾いております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 もうこれは言うまでもなくこういう形では私は国民は黙っていないだろう、地元の人たちは黙っていない。静岡県県当局さえこれははっきりそういう意向を持っているわけですからね、そうでしょう。  ほかに、どうですか、このような使用優先権を求めてきておる港は現在ございますか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) ほかにはございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ただいまないということは、これからありそうだということですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) まあ今後の問題でございますので、どういう状況が出てくるか、いまここで絶対ないということにはまいらないと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 現在認めているところはどこですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 現在優先使用を認めているところはないようでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 全部ないのですね。確認しておきます。  そこでお聞きしますが、防衛庁長官にお聞きしたい。  いまかりに清水港の優先使用権が確保されたとしても、沼津今沢の海浜訓練場の使用は依然として継続される。これが二4(b)の規定だと思うのです。こう考えてよろしゅうございますか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 沼津の海浜訓練場は……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 もう時間ありませんから、そこのところははっきり考え方だけ答えてください。これは防衛庁長官に聞いているのだが。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) それは先生のおっしゃるとおりだと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうだと言えばはっきりするわけです。  そうすると、基地返還ということをうたい文句にして、使用転換によって基地が返還されたとしても、しかし実際は、いま申し上げましたように依然として使われる。地位協定二4(b)の条項がある。これが適用される限り実質上基地は米軍に継続使用される。こういうことになりますというと、いま新たなる基地再編成の中で実は必要なこういう基地というものは、一応返したというのは名ばかりなんです。実際はそれを条件としてもっと必要なものを取っておる。こういうことでしょう。それでことに重要なのは、沼津の海浜訓練場は自然のままだ、悪天候の場合はぐあいが悪い。そうしたら、どんな天候、いわゆる全天候的な使用をしたいと、海兵隊の訓練場であります、まぎれもない。そうして富士にこれは上陸する。富士の訓練をあくまでも継続する。そういうことのために、このたびの措置というものは、返還に名を借りた基地の拡大であり、さらにこれを強化する方向に動いているのたというこの現実を明確にこの問題は指示しておると思いますが、いかがです。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 使用転換いたしますので、考え方といたしましては、自衛隊がそれを管理運営し、米軍が随時使用するという形でございますので、この措置が必ずしも基地の拡張につながるというものではないというふうに考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 拡張につたがらないと、そう言ったって、ちゃんと清水港を確保しろと、ほかのものを払いのけても二十四時間以内にすぐに使えるようにしろ、そういうことを要求してきているのでしょう。そうして御承知のように、これは富士というのは第三海兵隊のアジア最大のこれは演習場です。この演習場の入り口なんでしょう、そうでしょう。そうしてそれはしかも新しいアメリカの戦略の中では最も重要な課題じゃないですか。五つの主要な要素がある。第一はこれは第七艦隊です。第二にポラリス潜水艦です。第三はB52です。第四はC5Aギャラクシーです。これと並んで海兵隊、これを離したらニクソン戦略は成り立たないのです。そうしてそのためには、国頭あたりでもこれは海兵隊の訓練をやっておるけれども、ここは狭い。ジャングルだ。ここはヘリコプターで見なければなら糧どうしても、もっと広範なこの富士演習場が必要なんだ。必要なそういう演習場というものは、あくまでもこれは確保し、協力し、全天候的な使用に耐えるそういう体制をとっているというのは、まぎれもないアメリカの新たなる戦略体制の中における本土における基地の姿じゃないか。事実が何よりも示しておる。いかがですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) いままでの使用から見ますと、ともかく自衛隊が常時管理して、自衛隊の使用下に服して、アメリカが期間を限って臨時的に使用するということになれば、これはいわゆる二4(b)という形は、二4(a)よりは前進である、主客が入れかわるわけでありますから。ですから、従来のやり方から見れば、日本の自主性がさらに拡大されていくだろう、私はそういうふうに思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういうような説明を一体信用するでしょうか。少なくともいまの事実そのものは、はっきりあなたの説明というものが、いかにそれは国民にPRで事態を糊塗するかという方向にこれはなっておると思う。二4(b)によって返還をされたそういうものはますます多く使われている。とにかくこういうかっこうで、実は沖繩と本土を結ぶ一体の体制の中で基地の再編成が行なわれているのだという、このまぎれもない事実をわれわれはここに明確にしなければなりません。そしてこれは全くあなたたちの返答の余地もないほど事実が何よりもこれを証明しておる。われわれは論議をやるときに、沖繩あるいは戦略論争をどうしてもやはり抽象的にやりがちです。足もとの事実を見なさい。事実はかくのごとく示しておる。この問題を明確にするということが、ほんとうに防衛委員会が国民の側に立って、国民の要求にこたえてその問題をやらなければならないのだという観点から私はこの問題を取り上げておる。久住忠男氏の「米軍基地の展望」これは四十五年十二月二十八日、「基地の整理、縮小は本土、沖繩を含め、日本全体で綜合的に実施する」と新しい基地の体制をはっきり語っておりますが、沖繩に直接つながるその基地が、新幹線でわずか一時間のところのあの沼津、そして富士にもうはっきりこれは出てきているというこの姿を、われわれはこの現実の問題を無視しておいて、そして防衛論争をやっても、これは非常に抽象的なものになります。富士演習場の実態が何よりもこれを示しているのじゃないですか。富士での海兵隊の演習がやまない限り、沼津、今沢の使用、これは拡大強化され、さらにそれは清水のほうに広がり、沼津に広がるのじゃないですか。これがいまの実態じゃないですか、いかがでしょう。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 富士における米軍の演習、これは富士をわが国が米軍の演習場として提供いたしておりますので、それを米軍が使用するということは、これはちっともさしつかえないわけでございまして、それに至る道程におきまして、沼津の海浜場を従来から提供いたしておるわけでありまして、それを従来から使用しておるわけでございまして、現状におきましてそれが特に大きく転換をしたというようなことはございませんで、従来の事態の継続というふうにわれわれは考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 何だかどうも歯切れが悪いですね。はっきり胸を張って答えてほしいですね。そういうことを言われますけれども、われわれはずいぶん現地も調査したのですよ。  そこで、私はあらためて富士の演習場についてお聞きしたい。富士演習場が二4(b)の演習場として使用転換されたのはいつですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 四十三年の七月三十一日でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 使用転換にあたって、米軍との間に新たに使用協定が作成され、それには米軍の使用する期間が当然これは明記されているはずだと思いますが、そうでしょう。これは二4(b)の条項によってはっきり承知している。そうするというと、「一定の期間」をちゃんと明示しなければならぬ。何日というふうにこれはきめられていますか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 富士演習場におきます米軍の使用期間につきましては、防衛庁と米軍の間で双方の演習計画を事前に調整をすることによりまして具体的に使用期間を定めるということになっております。で、現実には富士学校長とそれからキャンプ富士司令官との間で計画の調整をやって使用期間をきめる、こういうことでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 富士学校の校長がやっているというのも問題です。学校の校長、これでいいのか。現地に行って、富士学校の校長が米軍とやっているというので実は驚いたのですが、学校の校長、これは一つ問題です。  それから、何日と明記しなければならないのでしょう、一定の期間を。二4(b)ちょっと読んでください。ちゃんと「一定の期間」について「明記しなければならない」と書いてある。そうじゃないですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 「一定の期間を限つて使用すべき施設及び区域」ということにつきましては、「年間何日以内というふうに日数を限定して使用を認めるもの。」「日本側と調整の上、そのつど期間を区切って使用を認めるもの。」「米軍の専用する施設・区域への出入のつど使用を認めるもの。」「その他、右に準じて何らかの形で使用期間が限定されるもの。」こういうふうに一応四通りの定め方があるわけでございまして、この富士の場合は、日本側と調整の上そのつど期間を区切って使用を認めるもの、これに該当するわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そんなこと言っていますけれども、私の質問主意書で答えられたでしょう。あなたこれをごらんになったでしょう。見ていませんか。これは私から質問主意書を出しています。その質問主意書に対しあなたたちはこういうふうに答えている。質問主意書の七項3の(3)、これを見てください。「地位協定第二条四項(b)中の「一定の期間」とは個々にきめられる期間を指すのであって、具体的には、「個々の施設及び区域に関する協定」において、米軍の使用期間は年間何回何週間等明記されている。」こういうふうに答弁している。そうしたら富士のこれに何週間、何日というふうに明記しないとしたら、これは全く質問主意書の答弁書というものは私を偽ったのですか。日にちはあるのでしょう、言ってください。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) その内容そのものがもちろん誤りであるわけではございませんで、ただいま申し上げましたように、期間の定め方としましてはいろいろな態様がございますので、先生にお出ししたものは、その一つにつきまして例示いたしまして、「等」となっておるはずでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 「等」とは何ですか。わからぬ、そんなこと、あなたたちの抜け道だったの。最も主要なアジア最大の演習場を提供しようとするとき、「等」で抜けようとしたのか。言語道断じゃないですか。何だ、「等」とは。日にちを、「一定の期間」を明確にしなさい。これなしに富士演習場、この民族の山をあなたたちは売ったのか。それでごまかせると思っておりますか。何日ですか。富士の演習場の期間を区切ってください。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 最近の実例で申し上げますと、四十五年の一月が十四日、二月が二十一日。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いや、そんなこと聞いておりません。協定の中の期日は何日かと聞いているのです。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) したがいまして、先ほど申しましたように、現地の司令官と富士学校長がそのつど調整して定めるということにたっておりますので、それに従っておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 「等」ということで無制限に拡大できるという、そういう体制をあなたたちとったんだね。その背景は何ですか。そういうことで国民の権利が侵されていいのですか。日本の主権がこんなばかげたルーズな形でなにされていいのですか。たいへんな問題ですよ、これは。たいへんな問題だと思いませんか。たいへんな問題ですよ。富士だって言うけれどもこれは民族の山だ。山部赤人の時代からの富士だ。長官、笑っているけれども知っているでしょう。「天地の分れし時ゆ神さびて」という歌を知っているでしょう。あの時代から民族の山だと言っているのに何だ。富士の学校長と、何だって、現地の司令官が相談してかってにきめるんだって、そんなこと通ると思っておりますか。何と答えるのですか。だれが許した、そんなことを国民が許したのか、長官にお聞きします。  中曽根長官は、衆議院予算委員会で、楢崎委員の質問に対して、二4(b)による施設・区域は二4(a)と異り日本側のものであるが、米軍の使用が認められ、その使用する期間は何らかの形で限定されている。限定されている態様として四つの型をあげているはずです。あらためてお聞きします。その四つの型とは何々ですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) かかる施設・区域として実情に即して考えるに、一応次のごときものがあげられる。  年間何日以内というように日数を限定して使用を認めるもの。日本側と調整の上、そのつど期間を区切って使用を認めるもの。米軍の専用する施設・区域への出入のつど使用を認めるもの。その他、右に準じて何らかの形で使用期間が限定されるもの。右のごとく、使用期間を限定する方法については、当該施設・区域の態様、使用のあり方、日本側の事情等々により必ずしも一定せず、個々の施設・区域ごとに、具体的に定めるしかないが、いずれにせよわがほうの施設を米軍に臨時に使用させるという二4(b)施設・区域の本質のワク内で合理的に定めていく考えであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そこで四つの場合何に当たる、この富士演習場は。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) その二、日本側と調整の上そのつど期間を区切って使用を認めるもの、これに該当します。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 なぜ私は明記されないのかわからないですね。期間が明記されない、無制限に拡大できるようなそういう手段をとっている。これを期日さえも言うことができない。しかしおのずから限定があるだろうと思います。これはやはり防衛庁長官の衆議院の発言にもとるだろう、そうでしょう。あなたははっきり言われた。少なくとも一年のうち半分以上使う場合には、これは二4(b)ではまずいと言っているだろう、楢崎委員の答弁に対して言っております。そうでしょう、これは確認しておきます。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 一応原則的にはそういう考えも成り立つと思います。富士の場合を、回数を見ますと四十五年についてはわがほうが三百二十に対して米軍は二百三十九、こういうことになっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 自衛隊の基地ですから自衛隊が何回使ったかということを聞いておりません。米軍がとにかく一回返したのだ。管理権もこっちに移ったのだ。そうして管理使用料も日本に払わしているのだ。ドル防衛の立場からこういうことをやっています。しかし返した基地というものは何日使われているか。これが非常に重大な問題です。  そこであらためてお聞きしますけれども、何日使われたのです。昭和四十五年——一九七〇年の一月一日から同十二月三十一日までに彼らの、海兵隊が使用した日数をあげてもらいたい。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 富士演習場につきましては四十五年の一月から十二月までの間二百三十九日でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 二百三十九日とは一年の半分以下ですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 先ほど長官からお話がありましたように、自衛隊が三百二十日でございますので、それとの見合いにおいて非常に使用の頻度が高過ぎるという感じではございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 え、あなたは何でしょう、協定の上に立って履行してもらわぬと困るのですよ。あなたは感情で多いとか少ないとか、そんなことを施設庁長官が言ったって、そんなこと問題になりません。あなたたちはっきり協定というものを持っているわけです。その協定に従ってこれは正しく運用をされているかどうかということを見きわめないで何の一体かんばせがあるのですか。現地のこれは私は富士防、あそこの防衛施設庁に行きました。こういう問題についてだれがはっきりこのような協定の内容、地位協定の適用、運用、こういうものについて——だれが一体これをほんとうに監督し、そうしてこれをチェックするのかと聞いたら答えることができないんだ。だれも言えないんだ。野放しなんだね。これが安保の正体です。これが地位協定の正体です。こういう形で運用をされているから、もうむちゃくちゃじゃないですか。  だから長官の言うことばから言ったって、二百三十九日が三百六十五日の半分以下だなんということはどこを探したって出てこない、暦を変えればいざしらず。そういうことをやっておるので二4(b)は成り立たない。富士では二4(b)は成り立ちませんな。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 先ほど申しましたように、富士学校長と現地の米軍司令官との間に双方それぞれ演習計画を持っておりますので、それを十分調整して使用いたしておるわけでございまして、二4(b)の精神からいきましてそれは相当であろうと私は考えています。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この富士学校を何回も出すのだが、この校長は何ですか。学校の教官でしょう。これが、何ですか、現職でこのようなしかも最も重大な日米の共同の作戦訓練体制というものをやるわけだ。それを学校の校長が出てやるのだ。耳ざわりなんだ、最初から聞いていて。長官どうですか。これでいいですか。そこにみんなまかせておる。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 東富士の情勢を見ますと、使用面積とか、あるいは使用の日数、そういう使用の態様全般を見ますと、自衛隊が主であって米軍は従である、そういう形になっております。そういう面から見まして、私があのときに申し上げた二4(b)の態様の一つに入っていると思うわけであります。  なお富士学校の校長は、あそこは訓練教育隊でもありまして、部隊的な性格を持っている面も半面においてあります。まああそこにおける最高地位の者という意味において米軍司令官とあの使用について協定する権限を与えられておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 学校長とは名ばかりだ。実際それをはげばそれは制服だということが明確になります。そして富士におけるあそこは最高の権限を握っている、こういう体制で一体いいのか。これはここの主題ではありませんので、これはあとへ残しておいてもいいでしょう。とにかくあなたは前言をひるがえしてはまずいでしょう。こう言っているでしょうが、衆議院で。中曽根長官はこう言っていますよ。米軍の使用が多くとも半年以上になれば主客転倒だ、そういう場合は二4(b)でなく二4(a)に変える必要がある、忘れないでしょう。これは楢崎委員の質問に対して答えているわけです。しかし、楢崎委員は当時この富士の演習の実態を御存じなかったらしい。だからここのところはこれで逃げられちゃった。逃がすことできません。これは二百三十九日だ。主客転倒もはなはだしいでしょうが。長官の国会における答弁というものはどういうものでなければならぬかということを私は明らかにする任務をも持っているんだ。そうでしょう。どうたんですか。これはどうです。二4(a)に変えるんですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私が二4(b)について答えましたこの四つの態様がありまして、その中で年間何日以内と日数を限定して使用すると、そういう場合と、それからそのつど調整して期間を区切って使用するものと、そういうタイプが違うわけです。この場合は第二のタイプに入っているのであって、初めから年間日数を幾日と限定して使用するタイプには入ってないのであります。したがって回数が何回かふえるというようなことは、たとえば小銃の訓練をするとか、射撃演習をするとか、そういうものが短期間に限って何か行なわれると、そういうことがあり得るわけです。そういう意味において二4(b)の態様を逸脱しているとは思いません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 苦しい答弁ですよ。そういうことはまかり通りませんよ。二4(b)全体をあなた仕分けをして説明うまくやったって、結局あなた貸しているんでしょう。こっちはおもやなんだ。こっちは主人なんだ。あなたそう言ってるんでしょう。そして貸しているのが半分以上こえたらこれはぐあいが悪いんだと、したがって二4(a)に返って、米軍はこれをもってそして自衛隊が共同使用できるような体制に戻らなきゃならぬのだと、こう言ってるんだ。これであそこは逃げてきたんでしょう。最後のこれは衆議院の大詰めの場です、楢崎委員に答えたのは。しかし現実はどうか、現実は。富士の実態はどうだ、海兵隊訓練におけるこの場所はどうだ。こういうことは全く国民をあざむくものですよ。何よりも現地のこれは人たちをあざむくものです。私の質問主意書にあなたたち何と回答していると思います。こう言っている。——「東富士演習場については、最近の使用実態に徴すれば、自衛隊の使用が増大し、米軍の使用頻度は極めて少ない。このような実態にかんがみ、演習場の管理は自衛隊とし、米軍も今後使用する計画があるので、これを地位協定第二条四項(b)により使用せしめることとして、地元の同意を得たうえ、今回、使用転換の措置をとったものである。」と。私は地元に参りました。農民と懇談した。農民はどういう一体点に同意したか、どんな同意を得たんですか、言ってください。どんな同意があったんですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) これは演習場の使用協定を防衛施設庁と地主の代表諸君と結んでおりまして、それによりまして同意を得ているわけであります。

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 岩間君に申し上げます。時間は経過しておりますから問題を集約してください、あと質問者が控えていますから。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 はい、承知しました。そんなに長くやろうとは思っていません。

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) いやいや打ち切りますよ……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 現地の農民は何と言ったか、こう言った。——年三回か四回使うものだと思って私たちは同意をした、こう言っております。ところがどうです。実際はこの約束は全く破られている。同意を得さしたときには私の主意書に答えたような方針で、最近米軍も使わない、自衛隊が主だ、だからこれでやっていく、もうたいしたことないんだということであなたのほうでは農民を納得させたはずなのであります。ところがどうです。事態は全く変わってきたじゃありませんか。十数回にわたってもう海兵隊は続々やってくる、ますますやってくる。そしてベトナムで大損害を受けた第三海兵隊、海兵隊緊急派遣部隊を急速にここで再編強化しなければならぬ、チャップマン司令官がはっきりそう言っているでしょう。全太平洋にこれを使う、そういう軍隊をここで急速につくらなければならないというのは、これはチャップマンのアメリカ下院外交委員会における証言であります。そういう体制の中で、新たな戦略体制の中で、先ほど申しましたように、五つの足が、この海兵隊内には——ニクソンドクトリン、この新たたる戦略、これができない。そしてどんどんどんどん入ってきて、昨年のごときは実にいままでのこういう約束というものを全部じゅうりんして、これを強化した、これに対する何らのチェックもない、見のがされている、ここに自衛隊の姿があるのじゃないですか。日米共同作戦体制、そして沖繩と本土との一体化の基地再編成、新たなる各種戦略体制の中に日本をはっきり位置させるようなこういう姿がある。  そこで私はこういう問題について一体これでいいんですか。結局二4(b)を変えるんですか。アメリカ海兵隊の、米軍のこのような無制限な、全く制限のない上陸というものを今後このまま継続するわけですか。私は、沼津のあの海浜訓練場に行ったところが、ちゃんときめられた施設があるわけですよ。その施設の外のところに戦車をどんどん上げている、そうでしょう。あの松原は千本松原です。若山牧水のあそこは有名な歌碑のあるところです。日本でも有数な風致地区です。県はこれを風致地区に指定している条例を持っている。この区域外に出て松の木を切り倒しております。これをたいております。テントを張っております。そしてこの連中が、御存じのように、あの東名高速道路まで使ってここのところを富士に向かうのであります。むろん巨大な爆弾を積んでいるのであります。百五十五ミリ自走りゅう弾砲を六台、この前なんか六台、その他たくさんの武装をしたなにが東名高速道路を走っているのであります。こういうものが放置されている、だれもチェックしないのであります。そして富士はこのように使われているのであります。あなたたち、どうして一体こういう問題に対処できないのか。ここにアメリカの沖繩返還を前にしての新たな戦略体制がはっきり出ているじゃないですか。これをのまなければ沖繩は返さないと言うんですか。われわれ沖繩の問題を論議するのに本土のこの実態を明らかにしない限りは、これと全く連関のあるこの事態というものを明確にすることはできないんです。

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 岩間君、簡単に要約してください、もう時間になっているから。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いまのこれについてのあなたの見解をお聞きしたい。これは米兵、海兵隊のこのような、そして全く安保の目的から考えましても、太平洋地域全体に出動できる、いついかなる場合にも緊急に出動できるというようなこういう海兵隊の訓練のためにわれわれの民族の山をあんな形でじゅうりんされることはがまんできない。そして清水港を、さらに全面的に本土に打撃を与えるような、そういう形での港の機能を麻痺するようなやり方に拡大することはこれは許されない。長官、はっきり言いなさい。長官に私は最後にこの点を要求したい。海兵隊のこのような制限のない上陸、こういう体制についてはっきりアメリカ側と話し合うべきであると思うのです。そうしてこれをそのまま許すという形で沖繩返還の協定を結んで、そういうことを条件として、そうして何とかこの問題を国民の前にごまかそうとしている、そういうことは許すことはできない。そのことははっきり沼津、今沢の問題、清水港の問題、そうして富士演習場の問題、これに対する防衛庁の対処のしかた、ここの中に明確に最も集約的に出ております。長官のこれに対する見解と、それからあなたの決意を最後に伺いたい。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 安保条約並びに地位協定で約束しましたことは、われわれはやはり国際信義にかけて約束を実行しなきゃならぬと思います。そうして安保条約並びに地位協定の範囲内において米軍の使用は私は認めていかなければならぬと思っております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 国防の基本方針の改定の問題について伺いたいと思います。  防衛庁長官は国防の基本方針の改定に非常に強い熱意をお持ちだと伺いますけれども、いろいろむずかしい問題があるということも聞いております。この問題について総理と話し合いを詰めて一応の了解に達しておられますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) いまだそういう話し合いを詰めたということや、了解に達したというようなことはございません。しかし話し合いはよくしております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 伝えられるところでは、あまりどうも長官と総理とは具体的にお話し合いをなさる機会が少ないようですけれども、非核専守防衛国家という名称に変更されたときは十六日ですか、そのときにそれぐらい基本的な問題をお話し合いになられたのだから、この問題についても当然触れられたのではないかと思います。こまかい問題についてはともかく、いまこの国防の基本方針についてはそもそもこれを改定するのか、見送るのかという大きな分かれ目があると思うのです。この点について総理と話し合われたとか、あるいは有無相通ずるということでもけっこうですが、合意線に達しておられるのか、改定されるのかされないのか、その一点について。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 話し合いをしたことはあります。しかし、いつどうするかということを合意したことはまだありません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そうすると、くどいようですけれども、長官は改定に強い熱意をお持ちになるが、改定されないかもしれないというお考えですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) いまいろいろ検討中でありまして、事務レベルの段階でいろいろ三人の事務次官レベルでやっておる最中であります。私個人としましては、いわゆる新防衛力整備計画が決定する前後にやはり必要なる補足的修正といいますか、時代に合う修正をやることが好ましいと考えて努力していきたいと考えております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 長官の熱意は再三にわたって伺っておるところなんですけれども、これは事務レベルで案ができて徐々に上がっていけばどうたるかということではなくて、改定するのかしないのかということは、やはり非常に重要な要素だろうと思うのです。千里を隔てておられる総理と閣僚ではないわけですから、この点については十分に改定をするんだということでいける見通しがあるわけですか。重ねて伺います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) まだそういうような詰めた話はしておりませんから、改定するんだとか、しないんだとか、そういうことをまだ断言する段階ではございません。これからもいろいろ相談をして、高度の政治レベルにおいて、総合的判断を形成していく段階だと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 もう一言伺いますけれども、これは何となしにやっているということにしては非常に重要な問題です。基本的に改定するのか、しないのかということを、内容ももちろんですけれども、やはり明示していただく、最高政治判断と称すべきものが私は必要だと思います。  確認をいたしますが、今日までこの問題について、防衛庁長官と総理の間では、基本的な改定の方向についてのまだ話し合いは行なわれていない。次に、しかし、防衛庁長官としては、改定についての強い意思と可能性を信じて作業を進めている、こういうことでよろしいですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私は熱意を持って推進しているということであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 それじゃ十分なお答えでないから、もう一ぺん繰り返しますが、総理とはまだ話し合っていない。しかし総理と近く話し合われますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 総理とは話し合っております。今後も話し合っていくつもりです。

上田哲日本社会党

○上田哲君 長官と二メートルぐらいしか離れてないんだから、すぱっといきましょうよ。総理と話し合ったことの中には、国防の基本方針の改定について、その方向についてはきちっとした話し合いがまとまっていないんですね。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) きちっとした話し合いはまとまっておりません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 じゃ、きちっとした話し合いがまとまっていないけれども、まとまり得るものだということを前提として、強い熱意でお進めになるということに了解をいたします。そうなると、国防の基本方針の改定は、長い年限をかけてゆっくりやればいいということにはならない条件があります。特に四次防の政府案の確定ということの、長官はかつて、前後と言われましたけれども、時間的な制限からすると、内閣の閣僚という人の任期というようなもので微妙な段階になってまいります。アドバルーンが打ち上げられて、何となくということでは、私どもまじめに審議をすることの意味の過半を失うので、たいへん微妙なところで恐縮な気持ちもしますけれども、一体この国防の基本方針の改定をいつまでにやるんだということを、中曽根長官の責任範囲の問題として御明示いただきたい。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 次の、新防衛力整備計画の決定の前後と、前にお答えしたとおりであります。それが私の願っていることであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 あまり直截な言い方はいけないと思うのですけれども、七月に内閣改造が行なわれるという話を聞いています。そういうかね合いから言って、ほんとうに現在の責任体制で、どうしても国防の基本方針の改定に進むんだということになれば、そういう時間的な問題は大きなかね合いになるだろうと思うのです。そのあとということになると、私たちはちょっとまた違った次元を加えてやらなきゃならなくなるので、具体的に伺いますけれども、七月以前に一応の固めを行なうということは考慮されますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) それはわかりません。七月に改造があるということもいまあなたからお聞きしたので、総理から聞いたわけでもありませんし、私は引き続いてやるかもしれませんしあるいはやらないかもしれません。政治は非常に流動していますが、しかし自民党の政策というものは、これはみんなで合議して形成されていくので、一人の力でやれるものじゃありません。民主的な政党でありますから、みんなの意見を持ち寄って、そして合議、形成されていくものであるというふうに御認識願いたいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 じゃ質問をちょっと変えます。そういう流動的なものだということを前提としてもよろしいですが、そうしますと、熱意を具体的に表示するための防衛庁側の原案は、文案と言いましょうか、文章、それほど長いものではありませんので、そうした原案はいつごろまでにおつくりにたりますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆる腹案は、私は就任のときからもう持っておりまして、その後情勢な見ていろいろ自分ながらそれを修正したり訂正したり、腹案として腹の中にはあります。しかしそれを正式に提示するのがいつであるか、どういう形でまたやるべきか、そういうことは政治情勢とにらんでやることで、まだいろいろ検討しておるところであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そうしますと、事務当局での、事務レベルでの詰めの問題ではなくて、きわめて具体的にはもう政治判断、政治折衝の意思統一の問題にかかっている、こういうふうに考えていいですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 最後的決定はそのとおりであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 いまやそういう問題に集約されていると考えていいですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 結局いつきまるかわかりませんが、きまる段階が近づいてくれば、そういう方向にせり上がってくるものだと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 それでは、熱意を強くお持ちになるということは、時間的にやはり熱意を持って詰めていくということにならざるを得ないはずだと思います。事務的な問題として詰めなければならないいろいろな問題があるということでは特にないというようなお答えでありますから、そうしますと、可及的すみやかにこの点について総理と閣内の意見統一をはかられるべきではありませんか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 総理とは、両方の時間ができ次第常によく懇談をしております。今後も意見交換をしていきたいと思っております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 この内容ですけれども、問題の中心の一つは、非核三原則という政府の政策をどういう表現で中に盛り込むのかどうかということにあるように、長い経過として承っております。長官、これにどれくらい執着しますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) そういう思想を私は入れたいと前から言っておりますが、今日でも同様であります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 私はどれくらい執着するかと言っているんです。もっと具体的に言いましょう。少なくとも政府の統一見解として、非核中級でも非核専守防衛でも、頭の部分は変わらなかった、非核というのをつけて、これが今後の防衛構想だということを打ち出している以上、非核ということが入らないというのは少しおかしい、これは社会認識としては当然のことになってくると思います。そこで、私は、もしこの改定を行なうというのであれば、中曽根長官の従来の考え方を理解する立場から言っても、当然にこれを入れなければ、仏つくって魂入れずということにもなるだろうと思うんです。少なくとも政策というものの国民に対する説得力からしても、この非核三原則ということをここに入れることは当然なありようだと思います。  そこで伺いますが、非核三原則を国防の基本方針の中にうたうこと、そしてうたわないことの区別は、この改定についてのきわめて中心的な課題だと考えていいですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) それは人によってまた意見が違うところで、上田委員のそういう御意見は御意見として拝聴しておきます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 私は別に私の意見など言っておりません。長官はどう思っているかと聞いております。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) そういう思想をできたら入れたいと、そういうふうに私は念願しておるのであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 非核三原則に触れない国防の基本方針の改定ということもあり得るとお考えですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 自民党は私が動かしているんじゃありませんから、そういうこともあり得るでしょう。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そういうことがあり得た場合に、長官としては、基本的な部分で基本方針の改定については不満足であるというふうに考えざるを得ませんか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) そういう思想を入れたいと私は前から言っておりますけれども、それは表現がどういうふうになるかということにも関連してまいりましょう。私個人といたしましては、そういう思想を入れることが今日の事態において適当であると思っておるわけです。

上田哲日本社会党

○上田哲君 もう一つの問題は、国力国情にふさわしいというあの表現ですけれども、この国力国情問題、この表現を変えることについては、どれぐらい執着を持たれますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 着任後、あれができた当座のことをよく調べてみましたが、やっぱり非常に苦心してつくっておるようです。それで、国力というところは、これからの経済成長をある程度考え、国情というところは、憲法の制約あるいは社会保障その他とのバランス、そういう意味も非常に強く含められておったようです。ですから、私は当座は、国力というGNPの増長ばかりが表へ出やしないかと憂えておったのでありますが、国情という意味がそういう意味が込められてつくられたんだという資料を見まして、そういう配慮もあったのならば、このことばもあるいはいいかもしれぬ、そういうふうに感じました。

上田哲日本社会党

○上田哲君 長官が国防の基本方針を改定されようというふうにお考えになって、いろいろのところでそのお考えを具体的に表示された、これは中曽根長官はそういう表現力が豊かなほうですから、そしてたくさんの機会を利用されていろいろ言われたものを総合すると、私は、この国力国情という熟語は、本来の日本語の意味だけではなくて、防衛構想の中で占める一定の意味づけが出てきていると思います。この辺のところを譲るか譲らないかということは、国語の理解上の問題じゃなくて、防衛構想上の大きな原理に属するものだと私は理解をしてまいりました。これが違っているならばそういうふうに御指摘をいただきますけれども、大体この問題を追い続けてきた人の一つの認識じゃなかろうかと私は思うんですよ。そこで、長官のいまのお話にもありましたし、前にも一ぺんそういうことを伺ったことがありますけれども、国力国情ということばの意味をよく考えてみたら、初め考えた疑問とは違ってきたということにたると、ここだけでも従来の中曽根構想というものに若干の変化が出てきたというふうに考えなければたらないのかどうか。もしそういうことであるならば、長官が、とにかく国の基本でありますから、この国防の基本方針を改定されようというのについて、大体腹の中には腹案がずっと前からできているのだということならば、少し乱暴なことになってきた、やはり今日では、その疑問が解けた、あるいは考えが変わったということを合わせて、とにかくも中曽根私案でもけっこうです、長文の文章になるわけではありません、国防の基本方針の改定の素案なり考え方なりをしっかり御開陳をいただかなければならぬと思います。おおよその御説明をあわせてお願いいたします。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私の私案がごときものを出すのはまだ大いにはばかるところでありまして、そういうことをやる時期でもないし、熟してもいないと思っております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 後のために聞いておきますが、腹案はできているんだけれども出す時期ではないという意味ですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 腹案というのは腹の中にしまっておくものであって、表へ出すときにはいろいろな調整が済んでからやるべきものであると思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 あまりまじめに答えてもらってないという気持ちを持ちますけれども、あなたのそういうお答えの態度にもかかわらず、私がまじめに考えると、考え方は固まっているのだけれども、出すとぐあいが悪いので、政治的な調整を行なった後、出す時期を選ぼうと、こういうふうに理解していいですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 自民党は合議制の政党で、いろんな意見が合成されて党議というものが出てくるわけであります。したがいまして一人の意見で突っ走るということはきわめて危険なことであります。したがいまして、いろんな調整を行ない、みんなの衆知を集めてそういう国策というものは形成さるべきであると思いますから、私は私の分限を守って慎みたいと思っておるわけであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 自由民主党は、というお話がありましたが、そこの部分に立ち入ってお話をするつもりはありません。そのことについては申し上げませんが、あえてそのことばが出ましたから、連なって言わせていただけば、もしそうした衆知を集めた平均値やトータルで結論が出るものだとするならば、世間の常識は、中曽根長官の勇壮活発なる構想にもかかわらず、国防の基本方針の改定は見送られるのではないかと思われていますが、どうですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) さあどうでしょうか。上田委員のお考えのようになるか、またはならぬか。これから情勢がいろいろ流動していくわけであって、またわれわれの努力の価値あるところでもあると思っております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 基本的には意見が違うし、基本的な反対論を踏まえての上で思い切って言いますけれども、私はあなたの考えはいいと思うんです。たいへん条件的な言い回しを、気をつけて言わなければ私もぐあい悪い立場にありますけれども、かなり率直に言えば、あなたがいま、三十二年以来そのままになっている国防の基本方針の表現を、少なくとも新しい考え方の中で修正、訂正をしていこうということに、私は前進の意欲をくみ取っているんですよ。しからば、そういう条件の中では、かなり意欲的に出ていかれるということもないと、これは政府部内や自民党与党部内できまるということが大事だということではないはずですから、終局点としては。その意味では、これは相当努力、あるいは言われるところの熱意ということを具体的に表される必要があるように思っております。そういう意味で、かなり私はまじめにあなたの努力や決意を促している部分があるんですが、もう一歩ひとつ、まあ突っ込んだと言いましょうか、腹を割ったとまでは言いませんが、意欲のある答弁をお聞きしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私は私の分限の範囲内で、誠実にいままで言ってきたことを実行していくように努力していきたいと思っております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 どうももう一歩の御答弁がいただけないことをうらみに思いますけれども、まあやめましょう。  改定をしようということのいろんな考え方の柱の一つには、安保補完論という考え方があったと思うんです。過般の防衛大学の卒業式に出席された総理のごあいさつの中には、「足らざるところを日米安保条約によって補完する」ということばが出ています。これはかなり公式な発言でありますから、私はあなたが、たとえば国力国情論について、まあ歩み寄ったと言いましょうか、考え方を変えられたということと同じように、これは本格的な理解をほんとうにしないでしゃべっているかもしれないが、総理のほうは、安保主じゃなくて、安保従、あるいは安保補完ということばをこういうところで使われたということは、中曽根構想に、具体的な結果論的にも歩み寄りがあると思うんですが、日米安保条約の補完論の現在の位置づけは、国防の基本方針の改定論の中でどのようなものですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) やはり私は、その国民がまずみずから守るべきものである、外国に依存するという部分は、必要やむを得ざる範囲内においてそれは行なわれるべきものであると思います。そういうようなニュアンスを私は国防の基本方針において出してもいいと感じております。いまでもそういうことは感じております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 国防の基本方針の改定論が出たのはきのうきょうじゃないわけで、長官の執念とでも私は言ってもいいようなものがあったと思っています。その執念には注目をしてきたつもりですけれども、その意味では、安保補完論というのは非常に抵抗があったように理解をしています。で、私が伺っているのは、総理の防衛大学での熱のこもったあいさつの中に安保補完論が出てきたということは、国防の基本方針の改定の中では、安保補完論ということは通るんではないかと、これは政府部内の合意線にきているんではないかというふうにも見られるように思うんですが、そのことはいかがですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) まだ合意線とか非合意線とか、そういう煮詰めたところに話はいっておりません。先ほど申したとおりであります。しかし安保補完論的表現というものは、たしか総理の施政方針演説の中にも一回出されたことがあると記憶しております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そのあとを言ってくださいよ、だからどうなんですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) いろんな人の意見をよく聞いて、そして自民党として総合的な考え方を形成していくという段階にあります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 どうも歯切れがよくないですね、長官。この問題、これで終わりますからね。それじゃ国防の基本方針の解決はできませんよ。  私は、やはりたいへん力もあり、つまりリキもあり、また発想も豊かである防衛庁長官、あなたは防衛庁長官をやらない人間は総理にはなれないということをいつか言われたこともありまして、そういう位置づけだとみずから頼むこのポスト、あるいは今日までの仕事の延長線上にやはりなすところあるならば、国防の基本方針の改定というのは、これだけちょうちんと言っちゃ失礼だが、いろいろ打ち上げてあるんだし、国論の中にはそれなりの議論があるのですから、やはりやるならやるように、大いに猪突猛進、そういうものも含めて、イノシシ年でもありますから、大いにおやりになるべきだと思う。意欲がある熱意があると抽象的に言って、結局は腹の中を見せないということばかり言っていたのでは、じり貧、打ち死にをするばかりだと私は思います。少なくともそういう一般論としてのあなたの決意を、具体的にもう少し示されるべきだということと、さらに具体的にそうした問題の作業と呼ばれる部分ですね、これについてはもう少しめどをつけられるような、まさしくそのことは、国論の中に防衛問題を大きく広がらしていくということの政府側からの大きなテコにはなるんでありましょうから、そういう部分を、二点ですけれども、意欲的に内容的に御答弁をいただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) いままで申し上げたとおりでございまして、今後とも誠意を持って大いに努力してまいるつもりであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 問題を変えます。アメリカの国防年次報告が出ているわけで、これは過般もちょっと触れましたけれども、十分な時間もありませんし、御意見を承っていないので、この問題を少し話し合いたいと思います。この国防年次報告の根底にあるのは、現実的抑止戦略であるということなんだろうと思います。で、現実的抑止戦略というものが出てきたことの条件として、七つの変化ということをあげています。この七つの変化ということを、やはりそういう分析が妥当であるというふうにお考えになりますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 七つの変化というのを私、いま知悉しておりませんが、今度の年次報告を読みまして、ニクソン政権の新しい防衛政策がここに顕示された、これは非常に注目してわれわれは聞く必要がある、日本の防衛当局としても、この考え方をよく深く見きわめる必要がある、このように感じました。

上田哲日本社会党

○上田哲君 七つの変化を御存じないのならば読み上げますけれども、「進展するソビエト軍事力と技術能力、ソビエト海軍の進出の例に見られるソビエトの影響力の増大、中国の核能力の発展、国防予算の比率を下げたいとするアメリカ国内の要求、人件費増大と徴兵制廃止計画、自由諸国の経済発展、同盟諸国の責任分担についての認識増加、」この七つを妥当だとお考えになりますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカの立場から見てそういう考えが出てきたんだろうと思いますが、アメリカの立場を考えてみると、了解はされます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 アメリカの国防年次報告では、これを、現実的抑止戦略を立てるにあたって不可避な理由であるという言い方で、七つをあげているわけです。長官も大体了解できるというので、こんなところだと思うんです。これを見ていくと、やっぱりこの年次報告の根底にあるのが、力による戦略の強調と、それから同盟諸国、友好諸国ということばが使われておりますけれども、そういう分担責任の要請といいますか、そういう二つに分かれますね。そういう認識からすると、この七つの変化ということの初めの三つ、ソビエト軍事力あるいは技術能力の増大、あるいは海軍力に示されるような影響力の増大、あるいは中国の核開発能力の進展、この三つというのは、この年次報告の根底にある二つのものの第一、力による力の立場への傾斜といいますか、強調といいましょうか、そういう部分を成り立たせているように思います。結局これは、一方に相当、というように大きな期待があるんでしょうけれども、核大国、これは米ソでしょうが、核大国の核軍備競争の激化という方向に傾いていく傾向、その必然性というものを承認をしている。承認ということばはきついかもしれませんが、見通さざるを得なくなっているというふうに思われますが、いかがですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) ニクソン・ドクトリンというものを背景にして出てきている、これは前のジョンソンさんやあるいはダレスさんのときと違っているだろうと私は思います。たとえば意味ある介入ということばがございますが、これは意味あるという点におもしろい、新たた表現があるので、戦争を防止するためにもしそれが、介入が必要である場合には、出ていくこともあり得る。意味がなければならぬ。しかし、防止するためには、必要があれば撤退することもあり得る、戦争防止という意味において。そういう意味において、いままでは力で出ていくとか、抑止するということばかり、進め進め、あるいは現状でコンフロントするといいますか、対立する、そういう考え方から、引くこともあり得るという思想が出てきているんだろうと思います。これがニクソン・ドクトリンのベトナムからの撤兵、各国からの撤兵、そのほかのことからも出てきているだろうと思います。要は、戦争を起こさせまいという配慮が中心で、その意味で非常に弾力性を帯びてきたという傾向がこの中に込められていると思って、それはわれわれが注目すべき要素だと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 この年次報告で、アメリカの戦略というものが、月並みな表現だけれども、曲がりかどにきている、こういう認識ですね。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカ的立場に立って、アメリカのいままでの業績の反省がここに盛られてきている。アメリカ人の立場を想像すると、そういうように察知されます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 曲がりかどということばがいやならそれでもいいんで、ことばの意味はそういうふうに理解しますが、前段の御答弁は私は違うと思うんですよ。七つの変化ということが、大体それでいいと言われる。これは、私どもが書いたんじゃない、アメリカが書いているわけですから、私も、大体七つの変化というのはかなり率直で妥当な分析だと思います。事実、新戦略を不可避にした理由だと書いてあるこの率直さから言って、これを土台にして議論していいと思うんです。私は、やはり去年の国防報告とことしの国防報告は、単に五年計画が出てきたとか、去年が過渡的であったということだけじゃなくて、やはり大きな曲がりかどというのは少し月並みですけれども、そういうところにきていると見るべきだと思う。そういうものが出てきているということの認識はたぶん共通するということがいま言われたんだと思うんです。ただ私が言いたいのは、七つの変化、わざわざ読み上げたわけですが、最初の三つは、後退論なんかないわけです。もし最初の三つを前提にして、軍事力が上がったとか、あるいは海軍力がぐんぐん出てきて影響力が強くなった、中国も核を持っていくぞというこういう三つの条件から、後退ということが考えられたということを言ったら、これはアメリカが負けて負けて逃げまくるということになってきたということになると思うわけです。私はそこは分析としては精密さを欠いていると思います。七つの変化を知悉してないというお話がありましたから、ことばじりなんかとらえるつもりはありませんけれども、私が言いたいのは、七つのうちの初めの三つ——先に言えばあとの四つは、おっしゃるように、進むばかりでなくて退くということもなければならないんだと、退きたくはないけれども、せざるを得ないという意味であげられていることだと思います。ただここで私が特にあなたと議論をし、見解を明らかにしていただきたいと申し上げているのは、初めの三つはそうではないだろう、うしろの四つにそういうことがあるにしても、上の三つは、やっぱり六七年以来ですか、ICBMが千五十四発から全然ふやしていない。MIRVのほうにかわっていったということがあるとしても、中国は別にしても、これは問題にならないでしょうが、ソビエトの核兵器保有力というものはぐっと上がってきている。これから数年たてば、算術計算からすれば向こうのほうがいい。また実際には、アメリカの核弾頭は全部無線誘導で正確だというけれども、いろいろ聞いてみるとソビエトのほうもやっぱりそういうふうになっているようです。したがって、そういうことをトータルで考えてみると、初めの三つにあげていることは、ニクソン・ドクトリンというものが通常言われている後退論とのみは言いませんけれども、後退もあるという考え方はあるけれども、最初の三つは、やはり場合によっては再び力の戦略というものに入っていかざるを得ないぞということを強調をしたポイントだろうと思う。そこのところはやっぱり私はかなりはっきり見ておかなければならないだろうと思うんですが。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) もちろんそういう要素もあります。総合的に現実的抑止力、リアリスティック・デタレンスということばを使っておりますが、現実的ということばがなぜ使われているかということを考えてみると、観念論でやらない。引くときには引く、出るときには出る。きわめてリアリスティックにやる。そういう考えに立っているのだろうと思いますし、それを実行するものとして、意味ある介入と力の立場に立った積極的交渉ということばが言われております。これが二つの柱だろうと思っております。積極的交渉ということは、中国との話し合いにいまアメリカが出つつある、そういうような非常に弾力性を持ってきている立場がここに発見されるのであります。ですからそういう意味で、これは非常に注目すべきポイントがあると私は申し上げているのであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 やはりそこで重要なことは、SALT等に大きな期待もかけよう、それから交渉もしっかりやろう、意味ある介入というのは私はまたあとで議論しましょうけれども、ことばとしても抵抗がありますし、これはあまりいいことばじゃないと思います。しかしそれはそれとして、平和的な話し合いということを平和的な話し合いとしてのみやるんじゃなくて、平和的な話し合いを実効あらしめるためにはうしろに力というものが、このままではなくて、さらに補強されるような条件を付加しなければならないんだぞということを言っているというところが非常に重要な問題だろうと思うんですよ。場合によってはこれから、いままで伸ばさなかったICBMの数だってまた無理やりにもふやさなければならないという計画をうしろに秘めて、そこが力の傾斜ということになっている、この辺が私は非常に、全般的には進め進めの新戦略だとはどう見たって読めないのだけれども、少しそういう柔軟だとおっしゃったけれども、柔軟だということを基底に置きながら、やっぱり弱味は見せられないぞ、場合によってはぐっと力を強めるぞということをここに強調されているということが非常に重要なことだろう。単に私はその中で形を変えた意味の砲艦外交だと思うんですね。結局外交というのはそういう形にしか成り立たないのかなという気持ちがありますよ。そういう意味で、平和外交ということを前には出しているけれども、そのうしろにある軍備増強、簡単に言えば軍拡競争に入るぞということを言っているんですよ。軍拡競争に入るということを意欲的に言っているわけではないけれども、軍拡競争に入らざるを得なくてもおれのほうは逃げないぞということを言っている、この点についてはどういうふうにお考えになるかということです。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) そういう決意ももちろんあると思います。いやだというけれども、ことと次第によっては入らざるを得ない、その場合には入る。そういう決意がやはりそこにはあると思います。しかしベトナム戦争やアメリカの国情その他から見て、いままでアメリカが何ができるかということを、ものを考えて政策を進めてきた。そういうことから、力というものを過信して入り過ぎるということが出てきた。何ができるかを中心に考えますと、しかし何ができないかという発想方法を新しく持つ。何ができないかということをよく分析してみると、いろいろな社会条件その他も目についてくる。そこにアメリカの非常に深みが出てきていると私は思うのです。この何ができないかという反省力を持ったという点に、この新しい国防白書ですか、考え方に私は注目しておる次第であります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 だからそれだけなら問題はないのです。具体的に言いましょう。たとえばSALTの促進のためにABM配置は不可欠だということを言っているわけですよ。私はそれはたいへんたてとほこの関係がここに露出している。それは矛盾の論理であって、しかたがないんですけれども、しかしABM網の配置ということが、SALTの交渉前進のための不可欠なる要素たんだということは、たとえばベトナム問題でも、パリ会談というものを結局成功させていないという論理につながるわけだし、突き詰めて言えばこれは全く、平和外交とさっきおっしゃったけれども、平和外交の推進ということの傾斜よりも、結局力の論理への傾斜が出てくることにならないか。その辺はどうかということです。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 先に触れられた部分は、ウイーンにおけるSALT交渉に対する牽制的部分も私はあると思います。SALTが成功するか失敗するかということは、軍事費の配分においてかなりの影響が出てくるということを向こうが考えておるんだろうと思います。そういう意味においてぜひSALTを成功させたい、そういうような念願が秘められて、ある意味においては牽制するような表現もあるんではないか、そう思います。ですから非常に柔軟性を持って、何といいますか、多方面的戦略の形で出てきているんではないかという気がいたします。

上田哲日本社会党

○上田哲君 核兵器体系の行き詰まりといいましょうか、このままいったら軍拡以外に道がないというところへ追い詰められているところに、私はこの国防報告の中にあらわれている新戦略構想の曲がりかどだというふうに見るわけです。そういうことで言うと、たとえば、これは心理的な問題になっちゃうかもしれないけれども、SALTにかけようという期待度といいますかね、非常に戦略判断上も大きくなっていると、こういうことですね。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) そう思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そういうことから見ますと、いまのSALTの促進のためにABM網の設置が必要なんだという言い方は、これはSALTに対する、何といいましょうかプレッシャー、ある意味のプレッシャーという外交的の言辞である、修辞であるというふうに考えるのですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) ですから、SALTに対する牽制と私は申し上げたわけです。

上田哲日本社会党

○上田哲君 牽制だけですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) SALTを実らせようという悲願をこめた牽制、影響力の駆使というものだろうと私は思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そこら辺までは禅問答でいいのですけれども、そこで出てくるのはトータル・フォースなんです。トータル・フォースというのは、日本語でこれからどういう訳をつけるのか、ちょっと一ぺん聞いておきます。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) これは外務省がどういうふうに訳されているか知りませんが、全体戦力とか言っておりましたかね、総合戦力ですか、外務省にひとつ聞いてください。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) まだ翻訳はしておりません。トータル・フォースと言っております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 相談してきめようじゃありませんか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私の思い違いでありましたか、何かそういう全体戦力とか何とかという、別のところの訳を記憶違いで言ったのかもしれません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ぱっと言えそうなものです。トータル・フォースというのをきめようじゃないですか。アメリカ局長がここにいて、防衛庁長官がここにいれば大体きまるじゃありませんか。いいですよ、あとで変えても。向こうさんのことばを、これだけ使っているのじゃ自主防衛にならぬでしょう。全体戦力でいいじゃないですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) まあトータル・フォースでしばらくどうですか。

上田哲日本社会党

○上田哲君 じゃそうしましょう。トータル・フォースのままでいいというようなことでは困るのです。トータル・フォースはそれでもいいけれども、議論のためにこれ必要ですから、外務省もひとつ急いで全文の訳をきちっと出してくれませんか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 何しろ膨大な報告でございますから、われわれとしては主要部分を摘出しているので、いま作業しておりますが、全体の訳がいつできるかちょっとお約束できかねます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 だめです、そんなことは。外務省は一体何人いるのです、人は。そんな長いと言って、別にあなたそんなものは新聞社の訳はとっくの昔、その日の夕刊、朝刊ですか、半日ばかりで出ているじゃないですか。それで議論していいというならやりますけれども、それはあなた有権解釈というか有権訳語というのですか、すっかり出さなければだめですよ。そんなこと、いつになるかわかりませんというのではこれは通りませんよ。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) なるべく早くでき上がるよう一生懸命努力いたします。

上田哲日本社会党

○上田哲君 まあ早く出してくださいね。トータル・フォースだとすぐできるでしょう。これは何も日本語に訳さなくたって、英語でさっと読めばわかるのだから、意味合いを防衛庁ときめて——。しばらくトータル・フォースで、きょうはきまらぬというなら、トータル・フォースできょうは議論しますけれども、話がだんだんぼけてくるから、話は先へいきますから、早く出してください。そこでトータル・フォースですがね。トータル・フォースが問題になってくる。確かにウイーンなりヘルシンキなりへの牽制ということはあっても、基本的にはやはりあとへ引けないという、核兵器体系というものを持ち込んでくる必然性があるわけです。したがって、そのトータル・フォースの中にわれわれの国がどういうように位置づけされるのか、これが非常に問題になってくるわけです。私はその辺が、何かたいへんぼうばくとした言い方の中で説明が十分届かないということではいかぬだろうと思うのです。たとえばそういう説明が十分に行なわれない、まだ研究中であるとか詰めてないとかいう形の中で、たとえばアメリカの原子力潜水艦と日本の海上自衛隊の合同演習などというものが行なわれちゃっている。具体的にこれは標的艦であったなんということを言われようと、受け身であろうと攻め手であろうと、具体的にアメリカの戦力を形成をしている一部が日本の海上自衛隊とコンバインして演習をやったということは、これはどういう位置づけをお互いに持ち合わせなければならないかということははっきりしてくると思う。一回はどうだこうだということで逃げないで、その大きく完結させる意味での、トータル・フォースの中での日本の位置づけというようなもの、この辺を核のかさ論などという単純な表現ではなくて、もう少しきちっと説明していただきたい。つまり、もう一ぺん整理しますが、この機会に、アメリカ原潜と行なった合同演習の中身、そしてそういうものを踏まえて、今後行なわれるかもしれないそうした計画、そしてそれを全体を包む構想、つまり協力構想を説明してください。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 先般行なわれました原子力潜水艦を標的艦にした訓練の内容をまず申し上げますが、日時は三月三日であります。場所は房総半島の野島崎南南東約五十マイル周辺の海域、いわゆるチャーリー海域であります。参加艦艇は、わがほうは護衛艦が五隻、米側は原子力潜水艦「スヌーク」でありまして、昨年の春ごろから米側に折衝いたしまして、原子力潜水艦の訓練目標艦としての提供を求めておったものが今回実現したわけでございます。訓練の目的は、高速潜水艦、つまり原子力潜水艦に対しての探知、追尾の訓練をやるということでありまして、現実には十五ノット以下の速力で訓練をやっております。詳細なことはまた御質問に応じまして御答弁いたしますが、いまのこの訓練とそれからトータル・フォースと私は直接に結びつけるのはちょっといかがかと思うのですが、トータル・フォースの内容は御存じのとおりでありまして、結局米側の見方がどうであれ、わがほうはわがほうの自主防衛努力でもってみずから守るべき分野を防衛努力をし、足らざるところを米側に依存するという従来の態度でありまして、その中で、わがほうは対潜水艦作戦ということが海上自衛隊の主たる任務になっている。ところが原子力潜水艦は持っておりませんので、米側の原子力潜水艦を借りて訓練をしておるということであります。したがいまして、こういった補完を対象にした訓練というものは今後も継続していく必要がありましょうし、また大規模な、たとえば、これは私ども共同訓練とは申しておりませんけれども、米側の駆逐艦とわがほうの護衛艦が共同し、また航空機も含めていわゆる共同訓練をする、共同演習をするということは、今後時期を得てそういう実態でやっていくのがむしろ日米安保体制を確保していくゆえんではなかろうかというふうに思っております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 御質問に応じてなんて言わないで、よく知らないんですから説明してください。それから、今後の計画はどうなのかということを言った。それもひとつ説明してください。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) それではもう少し詳しく申し上げますが、当日は三月三日の午前四時半から十一時半の時間が訓練期間であります。そしてチャーリー海域はほぼ千平方マイルございます。そしてこの訓練内容といたしましては、同一方向に潜水艦を潜没して推進をしている場合の探知訓練、それから同一方向でありませんで、自由方向に潜没推進している原子力潜水艦に対して探知、追尾する。ほぼこの訓練時間中七時間にわたって探知、追尾は可能であったということであります。米側の潜水艦、特に原子力潜水艦を借りるゆえんは、先ほど申し上げたようにわがほうで原子力潜水艦を持ってないということ、それから原子力潜水艦がどういうふうな逃げ方をするかといった戦術をわがほうでも察知をしたいということ、かたがた全般的には潜水艦の数が足りませんので、米側の潜水艦をときどき借りて訓練をいたしておりますが、そういうものの一環でもあるということであります。なお米側といたしましては、原子力潜水艦の行動は横須賀、佐世保に寄港する場合はともかくといたしまして、一般的には非常に機密度の高いものとして扱っております。したがって、なかなかわがほうの目標艦として提供するのを好んでは必ずしもいまの段階ではおらないということで、いまも申し上げましたように、昨年の春ごろに米側に提案したのがようやく今回実現したということでありますので、またいずれそういった機会をわが海上自衛隊としては持ちたいわけでありますが、そういった訓練がこの次にいつできるかということは必ずしもいま明言はできておりません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 昨年の春からたのんで一年かかってようやくできたということですね。だから簡単にはできないんだという御説明だけれども、やりたいわけですよね。この次の計画ができているかどうかわかりません。私も率直に言って知らないんですが、しかしやりたいということで、そちらへ向かって今後も話し合いもしようということは間違いないんですね。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 現在、次の段階の計画は明確になっておりませんし、またいつごろできるかという見通しもございませんが、防衛庁としてはそういう訓練をやりたいというつもりはございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 アメリカ軍と日本軍が敵性侵攻戦力として見る相手方は、これは一致するということはない場合があるけれども、全然違ったものを対象とすることはあり得ないということですね。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) ちょっと意味をよく取りそこねましたが、われわれが相手方と考える潜水艦の性能というものは、われわれにとりましても、また米側にとりましても、おそらく同一もしくは類似のものだろうと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そうなりますと、こういう訓練というものはやはり共通の敵性勢力に対する訓練ということにならざるを得ないわけですね。必然的にそこにはコンバイン、コンビネーションというものがある。それは訓練の内容からすると、こちらの速さをはかったとか性能の検査とかいろいろなことがあると思いますが、しかしこれはいま明らかに言われたように、そういう方向性は一致するわけです。むだな訓練をするわけじゃないと思うのです。そういうことからいうと、これは確かにトータル・フォース・イコールということにはならない、量的には。しかし質的に言えば、まるっきり違った仮想敵をもって寄り集まって訓練をした、また別な作戦行動を展開するために協力してもらったということにはなりようがない。したがって、小さな作戦計画であったにせよ何であったにせよ、また一方、こういう訓練を持続的に行ないたいという指向性をはっきり持っている以上は、しょせんはトータル・フォースの中に入ってこざるを得ない。つまり日米軍事協力体制というのははっきりできているわけです。これはきわめて当然なことだと思います。  したがって、そういうことを一つ例としながら、一体日本とアメリカの戦略的な協力関係をどういうふうに考えるかということを聞きたいのです。きわめて具体的には、アメリカが、少なくともいまアジアで問題になっている日本列島ということでは、特にそういうことですが、問題になる核戦力と、日本は核を持っていないということになると通常兵器による戦力と、どういうようにコンバインできるかということなんです。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 核戦力という場合には、分けて考えなければなりませんのは、言うまでもなく戦略核兵器と戦術核兵器だろうと思います。そこで戦略核兵器の場合には、米側の国防白書によりますと中ソの核戦力の増強ということをうたっているわけでありますが、その際に果たすべき日本の役割りはまず存在しないように思います。それから戦術核兵器の場合には、これはたとえば日本で防衛戦争が起こった場合に、日本側は戦術核兵器を持っていないから、アメリカの戦術核兵器をもって防衛しようという、これは軍事技術上の問題としては存在し得ると思いますが、しかしそれは、核兵器の持ち込みは認めないという三原則がありますので、そういう防衛戦争の要素はわれわれは考えない。したがって、いま一般的に言われますことは、核兵器を使った戦争になると全面戦争になる。そういう戦争はまず予想しにくいし、まずないだろう。われわれとしてもそういう要素は考えない。したがって、在来型の兵器による攻防というか、侵略に対する防衛ということを考えるということです。したがって、両面からいいましても、アメリカの核戦略といいますか、そういうものに対する日本の寄与の場面もなければ、日本の果たすべき役割りはないのじゃないかというふうに考えてもいいのじゃないかと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 非常にそこは明確になりました。核戦略については、日本が受け持ったり参加する部分はないというふうに考える。そこで戦術核という範囲まで含めて、その部分はアメリカの撤退、引き潮に対して肩がわりするのじゃないか。そうではないということは言えますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 戦術核兵器が現実に戦略の中に織り込まれているのはNATO正面であります。新聞でまで韓国の情勢あるいはインドシナの情勢が触れられておりまするけれども、戦術戦略として明確に組み込まれておるのは、これはNATOであります。そこで、日本の場合には、まあ別に議論してもよろしいと思いますけれども、戦術核兵器といえども核兵器を使った防衛ということは必ずしも日本のためにならない、むしろ日本の防衛を全うすることにならないというふうに私は思いますので、そういった部面、つまりアメリカが部隊を引いたからその肩がわりとして、人間のかわりに核という装備を残して肩がわりをするということは、日本の場合には存立し得ないものと考えます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 先ほどのお話をずっと詰めていきますとね、核大戦争になるという意味での核配置あるいは核行使ということには、われわれは無縁のものだと。しかし、逆に言えば、核大戦争になるんでない範囲のものとしての兵器である戦術核というものはあり得るだろう、こういうことですね。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 理論的にはあり得るでありましょう。ただ現実には、たとえばNATO正面の場合に戦術核の思想が、小さな兵器からだんだん大きな戦術核に移り、それがまた戦略核兵器との区別がないということでの、いわゆるエスカレーションが懸念されておりますので、なかなか使いにくいだろうということでは、NATO正面の場合には、戦術核兵器の議論が相当行なわれております。しかし、他の正面におきましてはそういった議論が行なわれておりませんので、理論的には、海上なら海上だけで核兵器を使うということが理論的には言えるかもしれませんけれども、それから伴う危険性ということを考えますると、私どもとしてやはりそういった理論的に考えられる局限された戦術核兵器の使用もやはり穏当ではない、日本の防衛にとって、何と言いますか、得策ではないというふうに考えられます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そこで、非常に微妙になってきたんですよ。現実に、一般論としてでなくて、戦術核の使用ということはいろいろ外電では伝えられているということもあります。これはやっぱり使用意思という問題があるんだから、そこのところはある一線から先にいけませんけれども、しかし外部状況としての必然性は、戦術核兵器の使用をある程度類推される状況になっているのは明らかです。そこで、その基準についてはっきりしておかたければならぬと思うので、長官に伺いますけれども、わが国の場合は、そういう一般論と核の問題をはっきり区別できますか。つまり戦術核を含む、自分の指でボタンを押すか、たまたま肩を貸すかはいろいろあるでしょうけれども、全体として言う場合の、戦術核の使用ということを含めて、アメリカの使用に対して、肩がわりかどうかを明確にしておいてください。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 政府は非核三原則をいままで堅持するとも言ってきておりますし、将来にわたっても堅持するということを言っておりますので、戦術核というものもわれわれの防衛体系には入っていない、今後も入らないと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 この肩がわりはないということですな。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 肩がわりもありません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 先を急ぎますけれども、ラオスの大撤退ですね、この意味するものがやはり関連が出てくると思うのです。で、不拡大のための進攻という考え方、これがやはり誤算であったのではないかということが、ここではやはりはっきりしなければならない。で、それはまたちょっと次元が変わってきますけれども、まとめて言っちゃいますけれども、ペトナミゼーションというものの破綻ではないかということが言えるのではないか、その辺.ひとつ。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) あまりにも現在はなまなまし過ぎて、もう少し時間がたって総合的に判断をする資料を得ませんと、ここで即答はできません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 この部分、飛躍して結論に入りますけれども、不拡大のための進攻という考え方というものは、計算としては私はあるだろうと思うのです。またこれは完全に拡大のための拡大であったということを、上から変な衣を着せて紛飾をしたのだというふうに私は特に言いたいとは思っていないのです。しかし、ちょっと飛躍しますけれども、たとえば、コンピューターというものは自己のあやまちを分析する力がないという、そういう基本的な条件からして、私は、ペンタゴンなりホワイトハウスばりの計算というものの中には、ここに決定的な誤謬が出てきたと見るべきではないかと思うんです。これがもし紛飾であったなら話はまた非常に変わってくるわけですけれども、やはり、まともに七二年ニクソン大統領の選挙にすべてを集約して、ひたひたと内に向かわなければならないという、つまり国内政策にすべてをかけなければならないというニクソン政策の中でつくられた不拡大のための進攻戦略というものは、やはりシンボリックな言い方をすれば、ぺンタゴンのコンピューターの自己破綻ではないのか。つまり、私はここでちょっと文学的な言い方かもしれませんけれども、アメリカは滅びるんだということをアメリカのコンピューターは出し得ないという意味で、このベトナミゼーションの破綻というものは、日本の自主防衛論なり軍備論、国防論なりというものが基本的に押えなければならない分析のプリンシプルとして、これははっきり、時間がたてばということではなくて、明確に分析をし、結論を出し、展望を出していただかなければならないと思うのです。御見解を承わりたい。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) ベトナム、ラオスの問題は、あまりにもなまなましい事態で、われわれは正確な情報を得ておりません。やはりこういうのは三カ月ぐらいたって、正確に、零細な情報をよく受けとめて、そうして分析した上で考え方がまとまるべきで、われわれとして、責任ある立場にある者としては、まだそういう発言する段階ではないと私は思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ラオスに入ってから大撤退まで半分やられたというような数字が出てくるのが明らかに目の前にありながら、だからなまなましいのであって、敗北のなまなましさの段階では敗北を評価することはできないんだということでは、私は非常に危険だと思います。三ヵ月たてばということでは、ラオスは二回起こるのですから、二回ラオスが失敗をしてから分析をしても始まらぬことだと思います。そこはやはりアメリカだからということで遠慮しないで、率直に防衛庁長官としては見解を示していただきたいと私は思うのですが、先に行きます。  どうも基本的に、飛ばしながら言っちゃって申しわけないのですけれども、長官、日本の防衛構想の基本というものがまだあまりにも未熟であって、でき上がっていないと思うのですが、これはでき上がる時点とか、でき上がる姿というのは何であるかということはないであろうと思うけれども、そういうような形の議論ではなくても、いかにも何かこう無理やりに洋服を着せた、帽子をかぶせたというような自衛隊が、いままでバイバイゲームできたけれども、実際にはそれを指導すべき基本の防衛戦略というもののおくれが目立つことだけは明らかである。非核中級でも非核専守防衛でも、ことばの遊びに私は興味を持たぬようにしますけれども、しかし、いずれにせよ、あなたが非核中級のことで言われたように、非常に未熟な構想である、未熟な構想に立っているために、直接われわれのまわりに直接利害のある事象が起きている。それに対してはっきり対応する分析ができないということになってくるのだろうと思うのです。一体基本的な防衛構想という問題の、今後の何と申しましょうか、詰め方、何を詰めていくのか、どういう姿に至るのか等々について、こまかいいろいろお話をしたいと思いますけれども、しりが追われておりますから、見識を問うてこの一問はそれだけにしておきます。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、自分が防衛庁長官に着任しまして一番感じたのは、そういう基本的な日本の防衛戦略体系の問題で、その腰がすっきりしていないという、おもちゃの自衛官になる、そういうふうに感じたものですから、まあ未熟ながら一生懸命努力してきたところです。そういうような発想がいままで少なかったのじゃないかと思うんです。しかし、こういうものに手をつけて、皆さんのいろんな御批判を受け、だんだんだんだん充実していくべきもので、十年や二十年はかかるだろうと思います。拙速でなまはんかのものをやるよりも、やはり客観情勢をよくにらみながら、重厚なものをつくったほうが賢明である、こう思いまして、決してあせらずにゆっくりと着実なものをつくりあげていくべきであると考えております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 この議論そのもの、未熟ですけれども、ついでにちょっと触れておきたいのは、長官も今度情報機能を統幕の中に強化するという構想を出されています。そのAEWをどうするとか、そういう技術的な問題はいろいろありましようけれども、もっと基本的に言って、さっきも鈴木委員との論議の中で、沖繩に核があるかどうかわからぬと、韓国もよくわからぬという話がありました。しかし、私は、いよいよ日本とアメリカも一緒になって核戦争でもおっ始めようかという話になっているならこれは別だけれども、本来核の装備ということは、戦略論としては抑止論に立っている。抑止論に立っているたら、抑止論の宿命的な条件として持っているある絶対値以上の破壊力の内容というものと、それが持っているトータルな力量というものは相手方に知らせなきゃならぬ。そのことが相手方に知られることによって、つまり抑止論というのは、根本的に相手の指導者の心理的な要素というものを考えている。最終的に心理要素に到達する戦略としてあるわけですから、全然こちら側の持っている兵器や特に核兵器というものを相手方に知らせない、明らかにしないということで、こういうことで核抑止力論というものは根本的に成立しない。そういうきわめて当然な基本的な筋からすると、その一体核のかさの中にいると明言されている日本の自衛力が、一体その核のかさなるものがどこでどう成り立っていて、一体どういう核抑止力が具体的に配備されているのかということをまるっきり知らないということでは、何をやっていることになるのか、闇夜にちょうちんも持たない姿にすぎないんじゃないか。しかし、これは結局憲法上の限界はあるかもしらぬけれども、それはバイバイゲームで大きいことはいいことだという防衛構想にしかならないんじゃないか。十年二十年経たなきゃ基本の防衛構想ができ上がらないので、十年二十年はとりあえず闇夜にちようちんなしに歩いていこうという姿勢についてはそれはそれとして、外国のことでありますからどこに核があるか知りませんと、私はいま具体的に一つ一つ突き合わせませんけれども、時間がないから。そういうことがなしでいいのだというような感覚の中じゃ核抑止論そのものが完全に自己矛盾してしまうはずなんです。そういう意味で情報集収というのは、私はよって立っているところの核抑止論、核のかさ論ということの論理の忠実さにおいても、もっとはっきり明らかにさるべきだ。そこから先は知っているけれども言えないというのならば、これは話は別だ。それは全然関知しませんということ、知りませんということでこの核抑止力論に立たれているのかどうか、そのことがわからないのです。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 外国のことでありますから、われわれは及ばぬものであります。  それから核戦略については、あいまい性の戦略というのがあるわけであります。ストラテジー・オブ・アンビグーイティ、あいまい性の戦略、それがあいまいであるがゆえに抑止力として機能している。どこにあるとか、いつ使われるとか、そういうことを表に出さないがゆえに抑止されている、そういうものもアメリカあるいはソ連の戦略の中に明らかに入っていると思います。そういう面から見ますと、あいまいであるということ自体も一つ機能している戦略ではないかと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 鈴木委員との質疑の中で出ましたけれども、相手の基地をたたく場合には航空兵力だということがありました。私どもいままで聞いておりますのは、航空兵力というのは迎撃能力だけに限ってつくっておる。防衛ということの中には、向うの攻撃基地をたたくのだということは論理的にはわかりますけれども、結果的にはわれわれの国の航空兵力は、全く向うからやってきた場合にたたくのだという計算の上に成り立っていると思うのです。そこが変わったわけですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 法律論をおやりになりましたから私は法律論をやったわけでありますが、現実問題といたしまして先生のおっしゃるとおりでありまして、F4は要撃機であります。しかし爆弾を積むことは可能であります。爆撃照準器を持っておりませんので、行って、少ない爆弾を落とすわけであります。沿海州なら沿海州というところにようやくたどりつくという程度であります。たとえばケルンという町はたしか二次大戦中に二万トン落とされております、爆弾を。ところがF4一機でおそらく四百マイルも行けば一トン足らずしか爆弾は携行できないということで、さほどの被害というものは与えられない。いわんや大陸諸国、大陸諸国では無数に近い基地を持っております。したがって、私は法理的にそういうことは可能であるということを申したのであって、事実上非常に大きな力をそういうことで持っておるかというと、それは現実に持っておりませんし、将来の計画にもそれは持っておらない。したがって、そういうものはどうしても必要であるというときには、やはりそこで日米安保体制というものが働いてきて、米軍の力に依存するものであるということがわれわれの防衛構想になるわけであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そうしますと、先ほどの御答弁に鳩山さんの御答弁もお使いになりましたけれども、あれは一般論についての御答弁、見解であって、現実にこれから進めていく防衛力整備計画の中では、相手の基地をたたくということは現実の問題としてはないんだということになりますか。これは長官に。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) もちろんそうです。御質問がそういう論理的可能性の、論理学のような質問でありましたから、論理学的に返答したのがあの答弁であって、あの答弁の最後に現実論としては云々ということばがあります。現実論としては力もないし、いまのところは意思もない、いま答弁したとおりでございます。

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 速記を起こして。

上田哲日本社会党

○上田哲君 私はそこに疑念は持ちます。一般論としてということを現実論として絶対考えられないなら、一般論としてむしろ長いことばをかけて説明しておくことはないのでありまして、そういうことはありませんということをもっと強調すればいいわけだし、現実に防御兵器というものと攻撃兵器というのと、足の長さなり何なりからいったって、これはまあ常識としてはあり得ないわけですから、全くこれは使用の意思にかかってくる、こういうことだと思います。逆に言えば、状況によっては防御兵器が攻撃兵器になっちゃうことが当然あるわけです。ABMだって完全防御兵器じゃなくて、攻撃力をうしろに踏まえて、それを守るための防御兵器だということは戦略上の常識なんですから、そういうことから言えば、いまの御答弁は私は非常に疑念を残します。残しますけれども、少なくとも最後の部分、鳩山さんの発言まで出されての御答弁を締めくくっておけば、ああいうことは現実論として全くないのだということのほうに重点を置いて理解をしておきます。  で、最後の問題ですけれども、四次防ですね。四次防が非常に具体的に言ってこれはもうわれわれの国の骨格にかかわる問題なんでしょうが、われわれはそう理解しますし、防衛庁当局もそうだと思います、政府も。この四次防が実際に四次防全体として議論をされる場というのは非常にむずかしいわけですね。具体的に言えば、この国会で十分に議論をしなければ国会の場ということは事実上はなくなってしまう。臨時国会を開いてどうだとか、そういう技術論で言われれば、これはまじめな議論じゃなくなりますけれども、実際に八月に通るなら通って、それが一年度ごとに五分の一ずつ出ていくということになるならば、野党の力がどうだとかということは言いませんけれども、そういうことは別にしても、たいへん自動的なものになってしまうということがある。やっぱり理解を求められるというのであれば、私は法律解釈論からいえばその必要がないのだということでなくて、やっぱり積極的に政府の側から四次防、具体的に言えば四次防を審議しろというのは何だという、この前答弁がありましたけれども、たとえば五兆八千ですよ。五兆八千をまるごとこの国会の審議に一ぺん乗せたらどうだ。現実に——もう少しこまかく言いたいのだけれども、一問しかありませんからこれでまとめちゃいますけれども、現実に五兆八千なら五兆八千が政府案としてきまれば、三次防が九七%の達成率であるように、よほど大きな条件を考えればそれはもちろん別ですけれども、普通に進んでいくというペースでいえば、これはもう全く優先扱いといいましょうか、手の触れられるものでなくなっていく。防衛予算というのはそんなものなんだと言われるかもしれませんが、それなればこそよけい防衛予算というものについては、やっぱり五兆八千というまるまるの数字を、これだけのことを言っているわけではありません。象徴的に言えば、わかりやすくその五兆八千ということを国会にすっかり出してみるということを積極的に考えられることが、この防衛論というものを大きく国会の審議にも付し、世論にも広げていくということにもなるだろうと私は思うのです。そういう点で、三次防まではそれでよかったとは言いませんが、特に四次防というのは、新防衛力整備計画ということばに言いかえて長官がお使いになっているくらい大きなものであるし、意味が深いのであるから、その点では五兆八千というようなものを決してお金だけだと受け取っていただかないで、シンボリックに言えば、五兆八千というものをまるごと国会に提起して議論してみるというようなことを——これはいろいろなところで議論しているじゃないか、審議には応じているじゃないかという言いのがれじゃなくて、五兆八千がイエスかノーかというようなテーマとして提起するような考え方を積極的にお持ちにならないか。こういうことじゃないと、これは残念ながらわれわれのほうはくつの上から足をかくような力でしかないけれども、そういう条件でないと議論というものが本物になっていかないと私は思うのです。もっといろいろ言いたいのですけれども、それだけにしておきます。その点についてひとつ御見解を承りたい。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 言わんとするところは私もよく了解できますし、そういうお考えを持たれたことについては敬意を表したいと思います。ただ、まだ政府案自体ができていないのでありまして、防衛庁案がまだ正式にできていない、いま詰めの段階である、そういうことであります。国防会議あるいは閣議決定を得て正式にそういう政府案ができれば、それを来年度から実行するということになれば、やはり国会に対して政府側としてはこういう考え方で進みますがいかがでしょうかと、そういう政治的アプローチをとることは民主的に正しいと思います。何らかの方法によってそういうことを一つのアイテムにして議論が起こるということは非常に望ましいと私、考える次第であります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ちょっと一言だけ……。  いまのいいと思うのですよ。そこで、事実上間に合いませんから、それはそれでいいとするならば、いまのことばに私は手を差し伸べようと言うのですけれども、来年の当初予算に四次防の第一年度分の予算が出る、本来それでいいでしょう。いいでしょうが、いまおっしゃったように何らかのアイテムをつけてというお話があったから、私はぜひ拡大してみたいと思うのだけれども、単年度予算を出せばいいだろうけれども、それを分子として五兆八千を分母とするようなそれをつけて、下敷きにして議論の場に提供するというような技術的な問題についてぜひひとつ積極的な前向きな御検討をお願いをしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 御趣旨をよくのみ込みまして検討してみたいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 どうもおそくなりました。

金丸冨夫自由民主党

○主査(金丸冨夫君) 以上をもちまして、防衛庁所管に関する質疑は終了いたしました。  明日は午後二時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時十三分散会      —————・—————

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