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65回国会参議院1971/03/24

予算委員会第三分科会 第2号

発言数
160
登壇者
15
会派数
4
開催日
1971/03/24

会議録

三木忠雄公明党

○主査(三木忠雄君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。  分科会担当委員の異動について御報告いたします。  本日、鈴木強君、小山邦太郎君が委員を辞任され、その補欠として杉原一雄君、小林国司君が選任されました。     —————————————

三木忠雄公明党

○主査(三木忠雄君) 昭和四十六年度総予算中、農林省所管を議題とし、質疑を行ないます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 私は米の生産調整及びその制限買い入れ、そういうものを中心にお伺いをいたしたいと思います。  政府はこの生産調整のいわゆる歯どめとしての制限買い入れ、それをまあ今年度一体として強行しようとしておる。食管法という法律を改正しないで政令改正という手段でそれをまあやろうとしておるわけです。で、これは政治的に不当であるだけでなくて、明らかに法律的にも私は違法であると思いますけれども、しかしそういうふうな根本的な議論はきょうはいたすつもりはございません。むしろ具体的に制限買い入れというのが進んでいく段階でまあ起こるであろういろんな矛盾、そういうものについて具体的にお尋ねをしたいと思います。  最初に四十六年度の生産調整二百三十万トン、あるいは農家の保有米四百五万トン、自主流通米百八十万トンですか、まあ政府の自主流通米を含めての流通計画にのせる数量が七百六十万トン、そういう大まかな数字はわかっておるのでありますが、私がまずお伺いをしたいのは、農家の保有米四百五万トンというものの計算の基礎はどこにあるのか、そのことからお尋ねをいたしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私どものほうで、いま松井さん御指摘のように全体の生産量のうち保有米を四百五万トンと見ておるわけでありますが、四百五万トンという計算の基礎をひとつ事務当局から申し上げたいと思います。

松井誠日本社会党

○松井誠君 実は私は外務省関係の分科会に行く時間がきまっておりますので、そういう意味で時間がきわめて制限をされておりますし、こういう質問は何もきょう唐突にやるのではなくて、おそらく準備をしておいていただいたはずなんです。なるべく時間をとらぬようにしてもらいたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) まことに申しわけございません。実は私もここに参るまで衆議院の農水に出ておったわけでありますが、そこへの連絡が本会議の関係で分科会が二時半ぐらいになるだろうというようなことも言われておりましたけれども、私は向こうの御了解を得て定刻までに飛んで来たようなわけで、同じような連絡がおそらく役所のほうにもいっているかと思いまして、悪意ではないと思いますが、おくれておるわけでありますが、四百五万トンの内容というのは、まあいままで例年保有米の量というのは前年度から踏襲してきまっておりますので、私大体のことはわかっておりますけれども、やはりいろいろあとお尋ねいただく御都合もあると思いますので、事務当局から正確に数字を申し上げるほうがいいと思います。

三木忠雄公明党

○主査(三木忠雄君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

三木忠雄公明党

○主査(三木忠雄君) 速記起こして。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) お答え申し上げます。  四十六年産米農家保有量四百五万トンと見込んでおりますが、もちろん農家消費等は年によって変動がございます。近年の傾向を見ますと、農家の人口減少もございまして、毎年平均二十ないし二十五万トンぐらい減少するというのが近年の傾向でございます。そこで私ども今回採用いたしました四百五万トンという数字は、四十四会計年度の実績が約四百五十万トンでございまして、このようなことから考えますと、四十四年度の実績が四百五十万トン、四十五年、四十六年という二カ年持ちになりますので、それを見込みまして四十六年度は四百五万トンと見込んだ次第でございまして、従来の傾向から申しますれば、大体において妥当な線であろうと考えております。

松井誠日本社会党

○松井誠君 そうしますと、まあ、四十四年度の実績が四百五十万トンというと、これはもっぱら実績ですね。この実績というのは具体的にそれではこの保有米農家の戸数が幾らで、あるいはまあ半保有米——半分の保有米というのもあるでしょうが、そういう農家の戸数あるいは人口、したがって、農家の一人当たりの消費量幾らというそういう計算に基づいての四百五万トンではないわけですね。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 実績の計算は私どもでいろいろ農家の現在高調査とかいろいろ各種の調査をいたしておりますが、この実績と申し上げましたのは、四十四年度の全体の生産と消費の関係からはじき出した数字でございまして、一人当たりの実績をこまかく調査をしたという性格のものではございません。全体的な推計のもとにでき上がっておる数字でございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 そうしますと、実績が四百五十万トンと押さえた根拠はどこにあるのですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 農家消費——農家で直接食べたというものは私ども現在高調査というのを毎年やっております。これが大体四十四年で申しますと三百五十六万トン、これが私どもの実際食べたと思われるもの、これは具体的に食糧庁で調査をいたしております。その差額の九十三万八千トンに、四十九万九千トンでございますが、正確に申しますと、四百四十九万トンと三百五十六万一千トンとの差九十三万八千トンにつきましては、これは農家が自分のうちで食べる以外の何らかの消費が行なわれた、かような推計でございます。この全体的な九十三万八千トンの推計というのは全体の米の生産、政府買い入れ、そういうものからこれほどの差額が生じてまいる、かような推計をいたして計算いたした数字でございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 ですから、この九十三万八千トンというのは、農家が消費したであろうと思われるという推定だけですね。あなたの言われた三百五十六万トンというのは、これは一人一人の消費量全部を当たったわけではないでしょうけれども、とにかくこれは何がしかの調査に基づいた一応の推計、しかし、それと現実に農家が消費したであろうと思われる数量との差額が九十三万トンというのは、逆に言えば、農家全体でかりに四百五十万トンなら四百五十万トン消費したであろうと思われるという根拠は何か。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 御承知のように、全体の生産量というのは統計調査部の調査から出てまいります。それから政府買い入れ量というのが出てまいるわけでございまして、結局その差額というのは農家の保有ということになるわけであります。そのような全体の推計からずっと過去もやはりその間にギャップがある。これはやはり農家において消費される以外に何らかの農家が贈与その他の使途で使われたであろう、かような推計をいたしておるわけでございます。でございますから、統計調査部の生産量、これも一応統計的推計でございますけれども、その推計から出発をいたしているというものでございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 三百五十六万トンの推計は私はしかたがないと思うのです。しかし、いま言ったように、政府買い入れ数量がこれだけ、実際に消費をしたといいますか、その量がこれだけ、その差額はおそらく農家が食ったんだろうという大ざっぱな計算で出ておるのが、四百五十万トンでしょう。したがって、この農家の推計調査である三百五十六万トンとの差額の九十三万トン何がし、約百万トン近いもの、これはあなたの話では、なかなか言いにくいようでありますけれども、何らかの形で消費をしたであろう、よそへくれたりなんかしたのであろうと、こういうのですけれども、ざっくばらんに言えば、おそらくはやみとして回ったのじゃないか、農家がそれだけ食べたのではなくて、農家の腹の中に入ったのではなくて、現実には流通に回った数字がこれだけと見る以外にはないのじゃないですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) もともとこれは生産量自体が統計調査部の推計から発足いたしておりますので、その辺にも推計の問題が大きくあるということを御理解願いたいと思います。そういう推計という世界の中での話でございまして、一応私どもは例年やってみると、やはりそのぐらいのギャップがいつもある。これはずっと毎年近寄った数字が出てくるわけでございまして、その推計どおりやるとすれば、これはやはり農家が贈与をする、あるいは農家には献米、神さまのお祭りをするというような習慣もだいぶあるようでございまして、それからもちろん御指摘のように農家でいろいろな形の処分が行なわれておるのがこの中には入っております。

松井誠日本社会党

○松井誠君 実態を把握されていないのでございますから、議論をしてもこれは水かけ論かもしれませんけれども、贈与とか何とかというものよりも、おそらくこの大部分が流通に回っておるのだろうと考えざるを得ないわけです、農家の実態を知っておる者としては。私が申し上げたいのは、したがってそういう意味で、実際は流通に回っておるけれども、しかし統計の上では農家が消費をしたことになっておるその数字、それをいわば基礎にしてことしも四百五万トンという農家の消費量というものをはじき出している。この農家の消費量の四百五万トンというのが、ほんとうに農家が消費するなら私はこんなことを聞くつもりはない。おそらく農家の保有量の四百五万トンの中の、いまお話のように、やはり百万トンあるいはそれに近い数字が農家の腹の中に入らないで、流通に出るのじゃないか。そういったやはりいままでの経過から言えば、あるいは普通のこれ農村の実態を知っておる者の常識から言えばそう考えるのは当然じゃないですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) まあこの数字の中には御指摘のように、いわゆるやみというものもあると思います。もちろんそれは商業的な消費に回されるものもあれば、やはりこれはきわめて非商業的に贈与とか、あるいは親戚に送るとか、献米するとか、いろいろな形の消費のしかたがあるわけでございます。ただ、これが一挙になくなるかというと、私はこれはそういう非商業的なものは、やはり日本の社会慣習としてもなかなかなくしにくい。それから商業に出るものにつきましても、非常にもちろん悪質なものは、これは食管法違反ということで、それぞれ司直の手で処分になるわけでございますが、少量のもの、あるいは散発的に行なわれるものについては、なかなか捕捉しがたいということでございまして、事実これに該当する数字は、私どもいま持っている資料では三十八年からございますが、それ以外につきましても、大体このような数字というものは社会的に存在しておったということ、そういう現実を踏まえて私どもとしては四百五万トンが農家において消費、もしくは処分するものと見込んでも、私どもとしては従来の傾向なり従来の事実を踏まえて決しておかしいものではない、かように考えております。

松井誠日本社会党

○松井誠君 この四百五十万トンだとすれば、それでは農家の一人当たりの年間消費量、あるいは一日でもいいですが、消費量は一体どれくらいになる見通しですか。あるいは四百五万トンとすれば幾らくらいになるのか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 農家の生計費統計というのを私ども取っておるわけでございますが、これによりますと、四十三年で一一・八キロという数字になっております。これは一人一カ月当たり一一・八キログラムということでございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 私の聞いたのはそういう意味では血くて、四百五十万トンを消費しておるとすれば、農家一人当たりの消費量は幾らになるかという算術計算です。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 四百五十万トンを消費しておるのは四十四年でございまして、そのうち四百五十六万トンが米穀現在高調査による農家の直接の消費として出てきております。ただこのときの農家人口、この生産世帯人口は、私どものほうで四十四年で二千五百十九万五千人というように把握をしておりますので、この計算をすれば出てくるわけですが、いま計算いたしたものが出ておりません。先ほど申し上げましたのは、これはそれとは別途の農家生計費統計でございますので、直接関連のない別の統計から出てまいりました数字を四十三年で一一・八キロであるというように申し上げたわけでございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 私が聞いているのは、ですから、つまり三百五十六万トン、あるいは四百五十万トンと関連のないそういう統計の数字を聞いているのではない。三百五十六万トン、あるいは四百五十万トンでも、飯米をもらっている農家の戸数、農家の人口をどれくらいと押えているのか、そういうことを押えられなくて、農家の全体の保有米の数量を出すこと自体おかしいのではないか、そういう保有米の農家の人口というものがはっきりしておれば、当然すぐに一人当たりの消費量が出るわけでしょう。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 先ほど申し上げましたように、三百五十六万一千トンを農家人口二千五百十九万五千人で単純に割るということでは出てまいりませんので、御承知のように一部保有農家もこの中に入っておりますので、そのほうの計算をこの中から出すことが少しむずかしいような状況でございます。でありますから、先ほど別途の資料で御説明せざるを得なかったわけであります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 そうしますと、一部保有、全部保有というそういう統計はないのですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 農家消費高につきましては、一部保有農家、全量保有農家の区別をいたしました調査はいたしておりませんので、ちょっとわかりかねます。でございますから、別途生計費調査のほうから推計をいたすほか現在のところ困難であるわけです。

松井誠日本社会党

○松井誠君 大臣、お聞きになっておって、農家保有米というものの算出の根拠というものが非常にあいまいだということが私はおわかりいただけたと思うのですよ。私がお尋ねしたいのは、実際は流通に回っておる、大臣御存じだと思うのですが、その流通に回っている米が、今度いわば市場に回る米ですね、いままでやみに回しておったのだけれども、それならばこれをひとつ政府に買ってくれという形になって出てきたときに一体どうするのかということ、実際限度数量内の申し込みをした、そうして農家の保有という政府の流通計画に従うような保有米を保有をした、しかし、当然のことながらその一部が余ってくる。全体ではおそらく百万トン近いものが余ってくるでしょう。そういうものが政府の流通計画に従いながら、政府の生産調整の計画に従いながら、なおかつどうしても余ってくるという米がある。その米を一体どうするのかということ。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 保有米を、つまりいわゆる飯米農家の方々は、端的に申せば生産調整、それから限度数量の割り当てについて、つまり限度数量というのは、いままで販売をしておったほうの農家から去年の実績のうち、生産調整を引いたものに割り当てるわけでありますから、それがまた村によりましては、今回村全体で割り当て数量を何トンという話をするところもございます。そうなりますというと、それは私どものほうでは別にそれはいけないとは申しませんからして、そういう場合にはいまお話のありましたような飯米農家の調整もその村全体の調整の中に入れておやりになるかもしれません。したがって、そういうのは私どもあえてとがめだてをいたしませんで、結局村の事情でこういうふうにやりたいというものがあれば、それはそのとおり自主的にやっていただくことを拒否しているわけではないのであります。したがって、生産調整と限度数量の割り当てというものは、私どものほうで村にいたしますからして、それによってある村によっては飯米農家の生産には全然手をつけないところもあるでありましょうし、あるいは飯米農家にも調整が話し合いでいくところもあるかもしれませんが、先ほど来お話のありました保有米農家の米がその何割かが他に出ているではないかということにつきましては、私どものような立場のものがあえていろいろ言うことは遠慮いたさなければなりませんが、現実の問題としてはさまざまな要請がある。これはほとんど常識のようであります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 大臣、私は飯米農家のことを聞いたのではないのですよ。時間がありませんから、ひとつ尋ねたことだけをお答えをいただきたいと思うのです。私の聞いたのは、農家の保有米のこと、保有米農家といわれるいわゆる飯米農家のことを聞いたのではない。そうではなくて、いわば米の販売をする農家が自分の保有米を持っている。しかし、それは統計上明らかなように、明らかに過剰なんです。したがって、それは当然流通に出回ってくる。そのときに限度数量内の申し込みをしたから、あらためて申し込みをしなきゃならないということになるでしょう、もし政府が買ってくれるということになれば。そういうときに一体どうするのかということ。つまり生産調整には協力をした、したがって、そういう意味で限度内数量という申し込みをした、しかし、現実に米が余ってくる。それは自然現象で豊作になったという問題とはまた違う。そうじゃなくて、政府自身が予想をしておる四百五万トンという保有米そのものから余ってきた、そういう場合に、まさに農民の責任ではなくて、政府の責任だと思う。この余ってきた保有米というのを一体どうするのかということ。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど誤解しておって失礼いたしました。いまのようなお話の場合、これはは御存じのように、政府買い入れ数量とその他に自主流通がございます。そこで、なおいまのようなお話の問題につきまして、これはは農業団体が一生懸命売ると言っておりますけれども、そういう農業団体もやはりそういう場合の米は一定の規制のもとに、いわゆるやみは困るのでありますから、一定の規制のもとにどんどん売っていただく、こういうことにお願いをいたしておるわけであります。それでなおかつそれがうんともし売れるとすれば、政府のほうの米は売れなくなるのではないか、こういうお話もありますけれども、それは現実の問題としてそれがあるかもしれません。しかしどういうようなことになりますか、自主流通に準じた形で一定の規制のもとに農業団体をして販売せしめる、こういうことに考えておるわけであります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 私はいわゆる余り米ですね、第二次流通米と言われ、第三の米と言われる、いま大臣が言われたのはそのことですね。私がいま言っておるのはそれとは性格が違うのじゃないですか。しかし政府が言うように、生産調整をしてもなおかつ豊作で米が余った場合ということがあり得る。それはいわば第二次自主流通米というような形で農協からさばいてもらう、そういう仕組みになっておることは私も知っております。しかし保有米が余ったというやつはそれとはまた違う。言ってみれば第四の米です。しかし、生産調整に協力をし、そういう意味では必要以上のものをつくったわけではない。政府の計画そのものに従って保有米を持っておるけれども、それは本来余るべき保有米なんです。したがってどうするかということが当然出てくる。そのいわゆる第二次自主流通米と言われるものは、御承知のようにいわゆるUターンというものがきかないというのですね。いよいよ売れないときに政府が買うということはしませんということを政府は言っている。しかし、本来の第一次の自主流通米というものは、いざとなれば政府が買いますよというその姿勢は変わらない。そういう意味で第一の自主流通米、第二の自主流通米というのは流通の経路は同じでも非常に性格が違う。この第四のいわば保有米の余った米というのはどっちに入るのですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 私ども四百五万トンという数字は決して少な過ぎるとか多過ぎるということではない、現在考えられる妥当な数字だと思っております。したがいまして、保有が減るというのが——私どもはむしろ先ほど御指摘のように、あまりそういうことを言いたくないのですけれども、従来やみで売ったものを今度は政府に買ってくれと言って持ってくる、あるいは自主流通に回して持ってくるというようなことにかるのではないかと思います。私どもは当然そういうものは、これはやはり先ほど御指摘の第二の自主流通米と申しますか、農協に一定ルートで規制して売らせるというルートの対象として取り扱わさせるべきである、かように考えます。それからほんとうに人口が減って保有米が出てくるということは、私どもは実際上はこの数字であれば、四十四年の四百五十万トンから四十五万トン下げて見込んでおるのでありますから、私どもとしては実際上そういうことは起きないであろうというふうに思っております。

松井誠日本社会党

○松井誠君 年々この保有米の総量をあなたが押えている数字が減るのは、何もやみに流す米が減るからではなく、農家の消費そのものが減っておるからです。ですからそこから減ってくるのであって、やみに流すのが困難になって減ってくるというわけではないのです。そこで、この四百五万トンをいわば予定をしておって、そうしてそれが余ったら、農民はそれを腹の中に入れて食わないのが悪いのだと言わぬばかりのようなそういう処理のしかたはおかしいのじゃないですか。なぜ腹の中に入らないものを保有米としてお前持っておれと言うのですか。生産調整には協力をするけれども、いわば消費の量まで政府に協力する必要はありません。これ以上食えませんよということになる。しかし、公認された保有米が余ってきたその場合に、第二次自主流通米ということで、普通のいわゆる今度の余り米と同じみたいな扱いをしていいのですか。これは当然余るべき保有米を割り当てた政府の責任じゃありませんか。したがって、私はやはり第二次自主流通米にならって、どうしても売れない場合に政府が買うという、いわゆるUターンというものを少なくもこれについてはやらなければ首尾一貫しないのじゃありませんか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) お話わからないのではないのですけれども、いままでずっと統計的に考えてみまして、自自主流通の八十、それから政府買入れ五百八十、合計七百六十万トン、それに生産調整二百三十万トン、これは生産調整についてのいろいろ御意見もあるようでありますが、それに保有米を、先ほど来お話のございましたものを大体見ますというと、平年作について余らない計算になります。いまそれは計算であって、いま松井さんは四百五万トンの数字についていろいろお話があるのだと思いますが、私どもとしては生産調整がもし行なわれないということになれば、これはたいへんなことになると私ども心配しているわけであります。われわれだけじゃなくて、米をつくっている農家の方御自身が一番心配していらっしゃる点ですから、ことに四十五年には一四〇%もやっていただいたのでありますので、私どもは四十六年度で、私どもは四十六年度においても皆さん方に御協力をしていただいて、これがやり得るものだと確信をいたしておるわけでありますが、したがって余らないという計算はやっておるわけでありますけれども、どういうことがあってやっぱり余るかもしれません。そういうときに、そのときの事情をひとつ調査してみて、そして農業団体等とも相談をして、これは何とか措置することを考えなければなるまいと、こう思っておるわけでありますが、それはずっと一年半も先のことでありますので、それまでの間に生産調整というものの措置を考えながら、そのときのことは、いま申し上げましたように、農業団体とも相談をして措置いたさなければなるまい、こう考えているわけであります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 私の言うのは生産調整に協力し、なおかつ余る米、しかも、それは繰り返しますけれども、豊作で限度数量を含めて、とにかくそこの農民がいままでの実績よりももっと多い米がとれたという、言ってみれば天候のせいにすることができるような、そういう場合のことさえも私は抜いて、そうじゃなくて、まさに忠実に政府の言うとおりにしたときでも、なおかつ明らかに実は余るのです。農業人口をさっき二千五百万ということを言われましたが、あるいは二千五百万に十一・八キロですかからいったら、一体どうなるのか。先ほどあなたが言われたように、三百五十六万トンという数字が当たっているかどうかわかりませんけれども、ほんとうの消費量というのはおよそそんなものでしょう。ですから、どっちみち百万トンぐらい余ってくることは間違いないのです。これは将来の問題などということでなしに、まさに余ることは既定の事実として目の前に見えている数字ですから、ですから、もしどうしても余ったら、そのときに考えましょうという問題ではなくて、政府の計画そのものの中から初めから余るように仕組まれている数字なんです。だから性格が全く違うというのです、私は。そういうものについてに農民に何か責任があるかのごとく、そのときにはひとつ農協が負ってくださいというようなことで一体いいのかということなんです。少なくともそういう米については、政府の言ってみれば保有米というものの計算のミスと言っちゃ悪いけれども、まあ仕組まれたミスですよね。ですから、その責任はやっぱり政府がとって、いざとなればそれだけ余ったなら買いますよということは言わなきゃならぬわけでしょう。来年になって初めてわかる問題じゃなく、いまわかっておるのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) どうも私はその話は、あなたの意見には賛成いたしかねる。余るにきまっているとおっしゃいますけれども、やはりこれはこまかな実績というものはなかなかむずかしいですけれども、いままでの実績がありますし、それからして私どもはこれから先に生産調整等をやっていただくわけでありますので、両方とも仮定のことを言っている。あなたはもうその仮定は、自分のほうは間違いのない仮定だと、こういう御意見かもしれませんけれども、私どもはそのようには考えておりません。したがって、私どもとしては先ほど申し上げたような考え方で対処してまいりたいと、こう思っています。

松井誠日本社会党

○松井誠君 時間がないからやめますけれども、しかし私は仮定のことを言っているのじゃないのですよ。この四百五万トンあるいは四百五十万トンというものを、保有米を持っておる農家の人口というもので一体割ってごらんなさい、一人どれだけになるのですか。一部保有とそうでない全部保有との区別がつかぬそうですから、それだけ数字もいいかげんなものですが、実際とにかくわれわれが考えている消費量をはるかに上回るんですから、当然それは流通に回っていく、これは常識でしょう。そういう常識まで否定をするなら、これは議論になりません。やはりそういうことを考えて、当然政府としてやっぱりその政策を立てる。そのときにいままでいわれておるような余り米というそういう問題とは全然性質が違うということを頭に置いて対処すべきだと思う。しかし、時間がありませんから、いずれまたやらしていただくことにしまして、生産調整という問題にからんででありますけれども、たとえば、この間私参議院の豪雪の視察で新潟県へ行きました。  そこで話が出るのは雪の問題よりもむしろ生産調整の問題です。この雪の中で生産調整をやってほかの作物に転換をするというには一体何をやるか。畑にしても田が乾きますと、地割れがいってもうあとは使えなくなる。木を植えようと思っても木は豪雨でつぶされてしまう。ビニール栽培なんかできない。そういうことで、どうにか半年は雪の中でありますけれども、とにかく米でやっておる。しかし、山間地ですから明らかに生産費が高い。いいものがあればやはり生産調整をしたいという気持ち、自主的に生産調整をやる、こういうことまで反対する気持ちはありませんから、そういう意味でそういう人たちが、たとえばいま新潟県でもって一つの唯一の血路として考えておるのがニシキゴイですね。そのニシキゴイというのは、それじゃ生産調整の場合の転換作物としてどの程度優遇されているかというと、きわめて私は冷遇されているんじゃないかと思う。これはどういう扱いになっているか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) お話のように、私ども実は生産調整ということを考えますだけでも、農家の方々の身になってみて、まことにいろいろ感無量なものがございます。ことに単作地帯等についてはいろいろ御苦労の存するところであると存じますが、したがって、私ども地域指標というふうなものをつくってみましたのも、そういうようなことに対する全体の行政、または生産に従事される方々の御参考のためにいろいろなデータを集めてつくってみたわけでありますが、いまお話の新潟県のようなところ、北陸、東北地域につきましては、私ども特にそういうことを考えなければならぬと思っておりますが、いまニシキゴイのお話がございましたが、これは地元のほうからもいろいろお話がございましたが、そこで方針をきめたのでありますが、事務当局のほうから御報告いたさせます。

太田康二農林大臣官房長

○政府委員(太田康二君) ニシキゴイにつきましては、ただいま大臣からお答え申し上げましたように、だいぶ各地からも強い要望もございまして、ニシキゴイをつくるために養魚池をつくるわけでございますが、これは水田の何と申しますか、転用に該当するわけでございますが、いろいろ検討いたしました結果、三年間に限りまして奨励補助金を出す。その場合の一応の基準の単価といたしましては三万五千円、通常のわれわれが寄託休耕あるいは普通転作といっているものに準じて三万五千円、三年間ということで考えておる次第でございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 当初の原案よりは何がしか確かに進歩をしたと思うんですが、私は元来こういうものを生産調整に便乗してやるということが、ほんとうはいってみれば政策的にはやぶにらみで、私どもほめた話ではないと思うんですけれども、しかし、この際、やはりそういうものがあるとすれば、そこでも何がしかの手当てをすることは必要だ。これはしかし、大臣が先ほど申しましたように、特にそういう転換をしようにもするところがない、そうかといって米の生産費は高い、まさに退くこともできないし進むこともできない、そういう窮境にあるもののために転換作物奨励金というような形で、いわばつるのではなくて、もっと本格的に転換をするための政策というものと本格的にやっぱり取り組むという姿勢がなければ、単に三年間の奨励金というもので終わってしまう。そういうことについて、これはまあきょうは詳しいことはお聞きをしませんけれども、まあ第一、豪雪地帯の生産調整を一律にやるということ自体が私はどだい政策としてナンセンスだと思う。これは政策に値しない。けれども、そんなことをいま言っていてもしようありません。しようありませんけれども、ともかくやはりそういうものを本格的に本腰を入れて考えるという、頭から一律に生産調整やって、そしてそのときにまあまあ転換作物のえさでつるという、そういう一時のがれの転換作物政策ではなくて、ほんとうに米から恒久的に転換をさせるものとすれば、それなりのいろいろな施策があるものと思いますね。そういうものにひとつ本格的に取り組んでもらいたい。

太田康二農林大臣官房長

○政府委員(太田康二君) まさに私たちが考えておりますことはそういうことを考えておるわけでございまして、決して今回の生産調整がうしろ向きの施策ではなしに、これを通じまして、日本農業の再編成をいたしたい、かように考えておるわけでございます。そこで、今回は四十六年から五年間に計画的に生産調整を進めるということにいたしたわけでございまして、その際できる限り需要が見込まれる農作物に転作を進めていくということを基本的に考えておるわけでございまして、そのために実は前年度八億程度の予算を転作奨励のために四百二億の生産調整の補助金も計上いたしたような次第でございますし、なおかつ、御承知のように、もちろん一部休耕も含むわけでございますが、奨励補助金といたしまして千六百九十六億というような予算も計上いたしまして、いまのわれわれの見通しでございますと、もちろん壊廃等の面積によりまして違ってくるわけでございますが、昭和五十年には六十万ヘクタールぐらいの土地が余るだろうということに考えておりますので、そのうちの大部分のものを転作によって埋めていく。ただし、いま先生が御指摘のように、そうは申しましても、自然条件等で直ちに転作に入れたいところもあるわけでございますから、休耕も認めざるを得ないということでございまして、五年間の間に転作を定着せしめるということで、転作に重点を置いた生産調整ということを考えておる次第でございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 けっこうですけれども、しかし、順序がわれわれから言わせれば逆なんですね。そういう転換ができるという素地をつくって生産調整なら生産調整というものにいくべきものなのに、まず生産調整へ追い込んでおいて、そしてこういうものに転換したらどうだというのは実は順序が逆だと思う。しかし、その点の基本的な論議は、きょうは避けてやめますが、最後に、けさの新聞によりますと、貧乏人は古々米を食えという、そういう見出しのニュースがある。それは、今度食糧庁は米の規格を変えて五等米を廃止をするはずです。廃止をした五等米というのは、いままでは徳用米に回っておったのだけれども、しかし徳用米に、五等米を廃止をしたあと、政府の買い上げ米から出す余地がない、そこでやっぱり古米を回そうという見通しを含めた記事なんです。これはどういうことなんですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 御承知のように、徳用上米あるいは徳用米というものの充当すべき米が五等、等外というようなものでございますけれども、従来、準内地米あるいは普通外米、そういうようなものを使っておった時代もございまして、現在原料的にはそういうものもなくなった今日、必ずしも十分でなくなったということは言い得ます。ただ、これに古米を充当することにつきましては、いろいろ消費者団体なり、また国会でもそういう御意見も出ておるかと思うのでございますが、やはり古米であってもこれは主食用に供せられるものであるから、値段は安くして主食用にも売りさばく道を開いたらどうかという御意見も非常に強いのでございます。よほど古いものは餌とかいろいろな原材料とかに回すことはやむを得ないけれども、食べられるものはやはり主食用に売る道を開いたらどうかという声も非常に強いわけでございます。私どもとしましては、徳用上米あるいは徳用米というような、値段も安い米を今後も続けていけばやはりそういうことも考えていかなければならぬのじゃないかということで現在検討いたしております。まだそういうふうにすると決定をいたしたわけではございませんが、そういうようにするのがいいのではないかということでいろいろ検討をいたしております。  それから、検査規格の改定につきましては、これも昨年来いろいろ専門家にお集まりを願ったり、農業団体にもお入りを願って検査規格の改定問題について検討いたしております。この内容を、まだ十分完全には固まっておりませんけれども、いま五等米がなくなるのだ等、いろいろ新聞に書いてありますが、五等米をなくす案もありますし、そうでない案もありますし、私どもとしてはいますぐこの検査規格の改定をどういう方向でいかなる時期にやるかという問題に関しましてはまだ検討中のことでございます。まして、その問題と、古米を徳用に充当することとの間に何ら直接的な関連はございません。

松井誠日本社会党

○松井誠君 私は、その配給米の中身のことよりもむしろ検査規格のことをお尋ねをしたいのです。そうしますと、検査規格を変えるというその計画はおありになるのか、これはどういう意味で検査規格を変えるのか、何の必要があるのか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 検査規格につきましては、これはとにかくこの十数年来ずっと同じ検査規格でやってきておりまして、五等米等は不整粒のものが五五もあるというふうなことから、やはり米の品質の向上が期待されておるというふうな現段階におきましては、やはり米の品質の向上をはかる一つの指標と申しますか、そういうものとして検査規格を再検討する必要があるというふうな認識が非常に高まっておることはもう御承知のとおりだと思います。ただ、これは非常に農家にとりましても、米の流通にとりましても大きな問題でございますから、私どもとしていまその具体的な内容については専門家相互の問で検討いたしておる、こういう段階でございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 いま、品質の向上ということを言われましたけれども、品質というのは、私いま農産物検査手帳というやつを持っておるのですが、これに、たとえば量目とか包装とかいうものがあって、そのあとに品位というのがありますね、いろいろその米の品位について書いてあるわけですけれども、いま言われた品質というのは、これはいわゆる品位という意味なのですか、品質というのは一体何ですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) まあ、品質ということばは俗語でございますが、率直に申しますと、結局その中の水分度合い、被害粒、死米、異種穀粒及び異物等の混入度を少なくするというような、きわめて常識的な意味で先ほど私はお答えをいたした次第でございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 そうしますと、ここに書いてあるいわゆる品位というのと同じ意味で理解をしていいのですね。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 同じでございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 そうすると、品位のいいのは高く買う、品位の低いのは安く買う、この品位というものでどうして値段を差別をするのですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) これは、御指摘の等級間格差のことでございますが、やはり上級のものほど整粒の度合いが高い、容積重も高い、かような観点でいわゆる整粒以外のものの混入度合いが少ない、あるいは水分が少ない、あるいは形質がそろっておる、かような観点から私どもとしては等級間格差というものを設けておるわけでございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 時間がないから私のほうから言いますけれども、この品質というのは米のうまいまずいと関係がないわけでしょう、そうではなくて、まさに品位の問題であるわけですね。品位のいいというのは、たとえば水分が少ないとか粒がそろっているとか、それが品位がいいというわけです。しかし、その品位のいいというのを高く買うというのは一体何か、私が言うのは、消費者にとってうまいのを高く買うのはわかる、しかし、品位のいいものを高く買うというのは一体何なのか、品位のいい、その品位を向上させることはいまの食糧政策の中でどういう意味を持っておるか、そういうことを聞きたいのです。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) もちろん、これは味ということと検査法に申します品位というのは別でございまして、この品位というのは、どちらかといえば物理的性質を基準にいたしております。しかし、この品位によりましても当然等級の高いものは歩どまりも高い。それから、どうしてもこの整粒以外のものの混入が多ければ味等も必ずしも好ましい味という方向ではない。まあ私どもとしては一応物理的な標準でございますから、もちろん味等とは直ちには関係ございませんが、消費者の嗜好から申しましても、やはり上品位のものが好まれるということはいなめないと思います。

松井誠日本社会党

○松井誠君 上品位のものが好まれると言いますけれども、消費者はそういうことを考えておるのじゃないのです。私も詳しいことは知りませんけれども、むしろ規格外米と言われるもののほうがうまいとさえ言われる。いま確かにうまい米がほしいという要望があります。何か規格を上げれば米がうまくなるような錯覚があるわけです、消費者団体の中で。そういう幻想に便乗して、この際ひとつうまい米をつくらせるようにしようと。そういう意味では品質の向上が必要だ、だから検査規格を厳重にしようと、そういうところに問題をすりかえていってるのじゃないですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 食味という観点とこの検査法にいう品位という物理的観点と、もちろんそれぞれ別個のものでございますけれども、やはり食味と全く無関係とは私ども言いがたいと思います。事実、異種穀粒であるとか被害粒が入っておっていい味がするということは常識的には考えられないことでありますし、それからもちろん物理的にはいわゆる米の持つでん粉質の量からいいましても、上等のものがより豊富に含まれている。こういうことから私どもとして値段の差をつけているわけでございます。消費者が味を好むということはもちろんそうでございましょうが、味以外にも、やはりこの米飯としてたいた場合の整粒のぐあいなりというものも、これは食味という主観的問題でございますけれども、やはりそれはそれなりに消費者にとって高く評価をされると私ども考えております。何もそれを混同するという趣旨では毛頭ございません。

松井誠日本社会党

○松井誠君 まああなたもさっき言われましたけれども、歩どまりですね、つき減り。そういうものが品位のいい米は少ない。だからこれは高い値段で買おう。おそらくもう唯一ではないかもしらぬが、最大の理由はそれです。それを今度品位を高めるというのは一体どういう意味があるのでしょうか。それは現在の食糧政策とどういう関係があるのですか。品位のいい米をたくさんつくらせるというのは一体どういう意味なんですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) これは全体の米の需給と関連のある問題だろうと私は思います。やはりその米が余る時代と足りない時代で、その辺は弾力的に考えるべきじゃないかと思うのであります。まあ簡単に申しますと、結局できた米の中で人間が食うのが本来の目的でありますから、やはり食用に供される分は、最も質のそろった優良な部分を人間が食べるということでありまして、そういう点から申しますと、現在の規格のような、いろいろ整粒以外のものが相当量に混入したものまで配給の対象になるかどうか。現在の需給事情ならばもう少しその辺は、非整粒などはもう少し除外をして消費者に配給しても需給上は支障がないじゃないか。この辺の観点からであろうと思います。

松井誠日本社会党

○松井誠君 いまもあなたが言われましたけれども、やはり、米が余るときにはこれは考えなければならぬじゃないかということを言われるけれども、私はやっぱり正直言ってそこだと思うのですね。なるほど非常に極端な例を言えば、等外のうんとくず米に近いようなものは確かに食味も悪いでしょう。しかし消費者が望んでおるのはそんな極端な例を言うんじゃなくて、とにもかくにも検査にいままで通っておるような米は、一等よりも二等が悪い、二等よりも三等が悪いということじゃなしに、うまいかまずいかで消費者は判断しているわけです。そういう判断をしておるのに今度品質の向上と称して規格検査を改めるというのは、やはりいまもあなたが言われましたけれども、過剰な時代になったらこの品位の規格の検査というものを変えなければならんじゃないかというのが私は率直な皆さん方の考えじゃないか。新聞が五等米の廃止をするというそのここを、初めから専門委員会か何かに諮問するというニュースを書いているのですけれども、やはりそこがねらいではないのですか。それは五等米廃止するのは反対だという意見もあるでしょう。しかし五等米を廃止しようというそういう態勢がどこかにある。率直に言うならば、私はいまなぜこの問題を持ち出したかといえば、事実上の制限買い入れです。制限しろということを正面からやらない。しかし、この検査規格というものを変えることによって五等米を切ってしまう、実質上。新聞にも出ていますよ。約四、五十万トンになるだろう。この四、五十万トンを制限買い入れを事実上やってしまう。そういう、言ってみればサル知恵みたいのものですぐしっぽが出るのですよ。大臣、そうじゃないのですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) ちょっと私から説明させていただきますが、確かに五等米四、五十万トンございますが、買い入れ制限ということは私ども毛頭考えてはおりません。というのは、かりに五等米をいまやめるといたしましても、五等米を精製すればその相当部分が四等米になり得るわけでありまして、もっとも非整粒米を除くという手間は若干かかりますけれども、その相当量は四等米として今度精製できるわけですから、それによって買い入れ制限の量というものを期待するとしてもそれはほんのわずかでありまして、やはり検査規格の改定を、これまたやりますかどうかわかりません、検討中のものでありますが、それを買い入れ制限と結びつけて考えているということは全然考えておりません。また量的にもそういうふうな買い入れ制限という意味に値いするような量は、かりにやっても期待はできないと思っております。

松井誠日本社会党

○松井誠君 それでは先に回って結論を聞きますけれども、いままで五等米でやっておったものを全部切り捨てるのではなくて、何がしか規格を変えて、かりに四等米にできるけれども、その四等米に五等米の何がしかを入れる、そういうことですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) まあ具体的な混入の方法でございまして、実はそこまで私ども方針がきまっておりません。ただ、いま私がお答え申しましたのは、たとえば四等と五等の違いというのは、大体におきまして被害粒、未熟粒、異種穀粒、異物、こういうものの混入度の違いが大部分になっていますので、そういうものを一生懸命除く。除いて四等の規格に合わせるということができるということを申し上げたので、五等はいま五十万トンあるとしても、かりに五等は規格検査外となっても、五十万トンはそのまま政府の買い入れ量に半減するということではない。農家にとっても四、五十万トンの五等米のうち四等米につくることができる、異種穀粒を除くということによってつくり直し得るということを御説明申し上げたのであります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 もう時間がまいりましたからこれでやめますけれども、私も私なりに一種の情報を持っているつもりであります。それは言いませんけれども、それによれば明らかにこれは制限買い入れの変形なんです。その制限買い入れを正面からやるわけにいかないからこういう形で出てきておる。それをかりにやるにしましても、いまも生産調整というものをやっている。ことし制限買い入れというものをやる。そういうのに呼応して現にうまい米というものが相当数、いわばほんとうに銘柄米というものが出回っている。そういう状態をよく見てからでも農林省は方針をきめるのには決しておそくはないじゃないかと思うのです。別に答弁は要りません。これで私の質問を終わります。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 きょうはひとつうんと角度を変えて狭い問題、小さい問題を与えられた時間内でいろいろ質問をしたいと思うのです。最初、生鮮食料品ということでしぼって質問しようと思っていたわけですが、それではまた非常に条件も若干違いますし、もっと掘り下げて生鮮食料品中の野菜ということにしぼって政府の今日まで進めてきた行政、これから特にことしの予算にあらわれた生鮮野菜に対する政策の特に顕著なもの、そしてまた今後の大きな農業新地図等の関係における位置づけ、展望等についてお伺いしたいと思うのであります。行管から四十六年度の監察計画、これを第一・四半期にやる。その第一にあげられているのは、生鮮食料品の需要、供給、流通、とにかく暴騰、暴落の価格の問題等をめぐってやるということがすでに対外に明らかにされているわけです。そういったこと等も念頭に置いていろいろお伺いしたいと思います。  第一点として、予算が衆議院にある段階、予算委員会、あるいは物価の連合審査会等の席上で大根がたいへん問題になりました。どうして大根が一本二百五十円になったのか。これは物価の観点からもいろいろ議論されたわけですが、私は、物価の観点をはずして、それにも増して、そうした現象がなぜ起こるかという経済的な背景なり政治的な背景なり、そうしたものをこの行政を主管される農林省では、すでにかなり月日が経過しておりますから、いかに分析されたか、これを実は冒頭に伺いたいと思います。そうしたことも念頭に置いて、きのう一ツ木通りの四坪ほどの店舗のおやじをたずねて、いろいろ野菜の話を聞いてみますと、二キロ若干上回るような大きな大根がもう八十円であります。しかし、それは二百五十円とどういう関係になるのか、議論しようとは思いませんが、ただ、ここで端的に言って、大根がどうしてあの時点で二百五十円になったか、これを農林省側から分析、検討できれば、そうした現象に対する対策というものをも含めてひとつお聞きしたいと思います。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○政府委員(荒勝巖君) 年末から年始にかけまして、大根が非常な高値を呼んだことにつきまして相当報道されておりますが、大根だけに問題を一応しぼりまして簡単にその原因を御説明申し上げますと、この冬野菜の主流であります大根、あるいは白菜というものは、御存じのように大体八月の末から九月の彼岸前後までに種まき、いわゆる播種を行なうのでありますが、ことしの夏の終わりごろに相当干ばつがございまして一部の地方では大根の種まきが、まいたけれども発芽しなかったという地域もございますし、また、十月においても多少関東平野の部分でございますが、長雨等がございましてその発育があまりよくなかった。したがいまして、この年内、いわゆる十二月から三月ごろまでが冬野菜への、秋野菜から冬野菜にかわるのが十二月でございますが、十二月前後の初めごろには大根が多少生育不順であった、十分大きくなってなかったということ、われわれの見方ではそういう見方をしている次第でございます。ところが、御存じのように、十二月、一月と非常な高値であったわけでございますが、ことし一月に入りましてから、おかげさまで天候が順調であったというようなこともございまして、一月、二月、三月と月を追うに従いまして、供給が多少余裕が出てまいりますといいますか、相当ふんだんに出てまいったということもありまして、大根はきわめて順調に、安定的に、その後一月以降下がってまいりまして、ただいまむしろ冬野菜としては最後の段階に入りまして、むしろ春野菜を待つ段階で推移している、こういうふうに御理解願いたいと思います。特に一月早々の異常高値は、多少正月早々の関係がございましたか、中央卸売り市場間におきましても多少価格に差もあったんではなかろうかと、こういうふうに理解して、特にその中でも一番最高級の大根について、一番高い値段が出たことが報道されたのが大きな原因ではなかったかと、こういうふうに理解しておる次第でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 いまの局長の話だと、結局供給源と申しますか、産地ですね、産地と生産者特に自然との関係というところに、主たる要因を置いておられるわけでありますが、ぼく自身もそうこまめに歩いて、実態を調査したわけではありませんから、その判断ではたしていいのかどうか。もう一つは、突っ込んでいくならば、供給構造の問題なり、あるいはせっかく四十一年におつくりになった野菜生産安定出荷法ですか、こうした法そのものがスムーズに発動しなかったか、さもなきゃこの法案自体にまた先ほどおっしゃった市場の操作の問題がありますから法そのものの中に欠陥があったのではないだろうかという点など、もう少し、私は情勢をしっかりつかまないで判断しておりますから、推理、推測になるといけませんので、そちらのほうは大体全国的なコンピューターではじき出して、どこに大根がどのように停滞しておるかということはわかるわけで、一月の月初めに、二百五十円の大根が飛び出して、だんだん春野菜が出回るころに大根はよけいになってきたから安くなってきたということにもならぬだろうし、きのうの八百屋のおやじさんの話だと、そろそろ大根はあがってくる時期ですから、自然的に大根は値引きされるのは当然だと思いますが、私は自然の流れというよりも、もっと供給の構造の中に、あるいは流通機構の中の、特に安定法その他の有効な活用がなされながら、なおかつこの現象を生んだ、その辺のところを赤裸々に、当局のほうでもつかんでおいでになることを報告していただくと、またこの問題を判断する大きな資料にもなり、事と次第によっては、安定法そのものに欠陥があれば、改正を考える時期も必要になってくるんじゃないかというふうに思いますので、もう少し大胆に分析してくれませんかね。雨降ったとか、天気よかったとかいうだけではないのじゃないですかね。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○政府委員(荒勝巖君) この大根の冬のいわゆる異常高値につきましては、特に東京市場におきます大根の占める比率といたしましては、ほとんど三浦の大根におおむね限定されております。あと多少、その他の産地の大根もございますが、東京市場では何といってもやはりいま冬大根としましては三浦大根ということに限定されているわけでありますが、われわれの見方といたしまして、この冬大根につきまして、三浦大根がそう面積的に減っておったとは、いろいろな形で調べましたが、いわゆる急に生産面積が非常に減っておるとは見ていないわけでございます。しかもこれは去年の例になりますけれども、去年は大根が三月、四月にかけて非常に高値になったということがありまして、その年その年によって多少違いますが、大根自身冬場はかなり例年冬野菜の主流を占めておるものですから、例年高値になる場合が多いというふうに理解しておりますけれども、ことしの三浦の大根に関しましては、十二月前後には、面積はあったけれどもあまり供給余力がなかった。その後非常に高くなりましたけれども、また先ほど申し上げましたように、適当な雨と適当な温度によりまして、一月中にもやはり肥大を続けまして、供給が非常に安定してきました。その間多少まあ大根が一部東京以外の地区でも不足した、たとえば札幌地区とかその他の地区にも大根が不足したというようなこともありまして、三浦大根がいわゆる札幌地区等にも少しは行ったと思いますけれども、われわれといたしまして、ただいま御指摘がありましたが、ことしの大根はやはり時間的には非常にまあ一月が高くて三月は多少安ぎみということですが、平均値でいきますとそれほど高くもなければ安くもない、三浦の農家としてはおおむね平均的な手取りになったんではなかろうか、こういうふうに理解しております。  なお、一つ問題ではございますが、やはり大根とか白菜とか、あるいはその他の野菜全体につきまして、われわれの見たところでは、農家労働収入という観点から、やはり大根自身につきましても一日当たりの家族労働報酬としましては、年々、都市近郊にある関係もこれあり、特に賃金問題がはね返ってきますので、相当生産費自身は高くなっておるのではなかろうか。四十五年産の大根も、来年統計で結論が出ると思いますけれども、やはり生産費としてはある程度高く出てくるのはやむを得ないんではなかろうか、こういうふうに思っておりますが、そういうふうに御理解願いたいと思います。  なお、指定産地といたしましては、三浦は実はこの十二月に指定産地として初めて指定したわけでございます。と申しますのは、三浦は都市近郊には近いにもかかわらず、三浦には商人というものはあまり入って行かないということでありますけどれも、逆に都市に近いものですから、ここの農家が直接東京辺に出荷される頻度が大きいということで、指定産地の要件でありますいわゆる指定消費地域へ二分の一の供給、あるいは三分の二の共同出荷率といった指定産地の要件について、三浦自体でその条件を満たすための指定産地を受けるのはなかなか困難だというようなことで、いろいろ長い間、この法律ができましてから五年間の間、われわれとしてはなんとかして三浦産地をつかみたいということで努力したのでありますが、三浦のほうでそういう強い条件ではなかなか受け入れがたいということでいろいろ問題があったのですけれども、やはり長い将来を見れば指定産地としてしっかりした産地をつくりたい、三浦自身やっていきたいという三浦の、いわゆる横須賀の農協の御意見もございまして、ようやく昨年の秋に話がまとまりまして十二月に産地として指定したわけで、われわれといたしましては、今後これを大いに育成したい、こういうふうに思っておりますが、われわれの見方といたしまして、指定産地制度自体がそんなに大きく現状から間違っているとは私たち思っておりませんで、むしろどちらかといえば、育成の進度なり育成の度合いがまだ少し足りなかったのじゃないか。野菜の種類をふやすことにむしろわれわれは重点を置いて年々指定野菜の種類をふやしてまいりまして指定産地をふやしてまいりましたが、やはりここら辺でもう一ぺんじっくりと指定産地の育成についてほんとにしっかりした産地づくりをやるのがわれわれの仕事ではなかろうかと、こういうふうに考えている次第でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 いまの提起された指定産地の問題ですね。後ほど新農業地図との関連において、もう一ぺん焦点をしぼってまたお伺いしたいと思いますが、ただいまいろいろお話を聞いてわかったわけですが、同時に、野菜の値がどんどん非常に高値で暴騰するということは、また一面暴落につながるというような歴史的な法則じゃないけれども、ぼくら経験法則としては頭にこびりついているわけですが、たとえば最近問題になっております、先般一般質問のときに申したと思いますが、ホーレンソウが一わ一円だというふうな問題、それはきわめて短い期間であったと思いますけれども、現象として出たことは事実だし、きのうも八百屋さんで調べてみた。相当大きく束ねたので三十円ですからね。あれでは農家もたいへんだと思いますが、たとえば先般一般質問で指摘したのは、朝日新聞の三月十日の写真でありますが、これはまあちらっとちらつかせて、それ以上追及しなかったわけですけれども、これには埼玉県豊里村の小松菜、ホーレンソウ、それがトラクターで敷きならされているところが写真に出ておるわけですね。なおその説明の中では、あれは徳島の鳴門のところが出ておりまして、「三月にはいってダイコンが暴落。箱代、運賃、手数料を含めると、出荷しても二十円ばかり損になる、と川に捨てている。」という記事が出ている写真が載っているわけですね。こうしたところの関連をやはり究明しないと、三浦大根だけ突っ込んでおるだけでは問題の本質が明らかにならないし、かりにおわかりになっても対策が出てこないのではないか、そういうことで、この現象一つ一つをお尋ねしようと思いませんが、やはりなぜ暴騰し、なぜ暴落するかというこの極端な現象が、品物により、ところによって出てきている。言うなれば、野菜の生産出荷安定法という法があるけれども、やっぱり安定していないという結論になると思うのですよ。そうしますと、野菜が持っているところのいろいろな体質なり、あるいは供給構造なり、それから需要の側の問題もあると思うのですね。そうした問題をやはり明らかにしていく必要があるのじゃないかと思いますが、先ほどちょっと申したように、行管から何か農林省へ来ているのじゃないですか。それも六月以前の計画、特に何か報告を要求されているようにも伺っているのですが、そういう事実はないのですか。それは二月段階で、何か行管から、いわゆる野菜の高値の問題についてすみやかに報告しろといったようなのが来ているようにも伺っているのですが、それは来ているのですか。来ているとすれば、報告の期限も実は切れているのじゃないかと思いますが、すでに報告をされていると思いますね。でありますから、いま資料をここにいただこうという言い方をしないけれども、出されたとすれば、これは仮定でぼくは推論していますから、的をはずれていたら失礼しますが、そういうことになれば、特にそうしたものに対する実態の報告とあわせて、この点についてこういう努力目標で、計画をこうしますといったようなものを出さなければ、行管の荒木さんの目玉が小さくならない、その辺はどうなっているのですか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○政府委員(荒勝巖君) 行管の新年度の四十六年度の監査について、まあ監査方針というものが新聞等にも報道されてはおりましたが、私たちのほうにも野菜についての監査をするということは御通知をいただいております。それにつきましてはいわゆる野菜の指定産地制度のあり方についてが一つのポイント。  それから第二が価格安定制度というものについて、いまの価格安定の、いわゆる野菜の価格補てん制度がいいのか悪いのか、もう少し何か検討改善の余地があるのかどうかというようなことをひとつ想定したと思われる野菜価格安定制度についての査察ということと、それからさらに野菜の生産段階から消費末端に至る、小売りの段階まで至る流通段階について、先ほどの指定産地制度の問題とおそらくからむと思いますが、流通関係もお調べになる。大体、大きく分けて三つの点についていろいろとお調べになるのではなかろうか。それにつきましての基本的な資料等につきましては、データについては、逐次行管に入れながら、しいて言えば、行管のほうで書類審査をいまされておられるのではなかろうか。おそらくそのうちに全国的なお調べもされるのではなかろうか。また、具体的な日程は、私、実はまだ存じていないのでございますけれども、そういうかっこうでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは先ほど申しましたホウレンソウの値下がりの問題ですね。実は、それと関連して、北海道ででん粉に北海ジャガを七万俵つぶした、つぶす計画を立てた。問題はジャガが下がったからだ、そういうことをきのうの新聞で報道していたところがあるのですけれども、こういう事実が出てきているわけですね。それはだれの責任とか、そういう意味ではありません。そういうことが起こる。なら、ジャガが東京の八百屋さんあたりでそんなに安いのかというと、そうでもないじゃないか。去年は逆に春先のジャガタラがものすごく高値を呼んでおったんだが、ことしは値下がりをしている。それは、九州とかその他のところがたいへんジャガがたくさんとれたというようなことなども記事としては載っているわけですが、こういったような事実が出てくるわけです。だから、現象一つ一つを追っかけて議論をすることもどうかと思うけれども、ホウレンソウがうんと値下がりをした、極端な言い方をすれば、一わ一円だった。白菜は埼玉県ではどろの中に、土にかえったといったような現象が起こるわけですね。大根はずっと暴騰した時期はほんの短期間であったけれども、また一面こういう現象も出てきている。こういう関係ですよ。この関係を、どこに問題の本質があるのか、ぼくらはしろうとですからなかなかわかりかねるわけですが、ずっと行政を通して見ておいでになる皆さんのほうにその本質が明らかになる。供給構造の面ではこういう欠陥がある流通機構の側にこういう欠陥がある、それからまた求める側にも——私も清水谷の宿舎におるのだけれども、冷蔵庫を持っているのだけれども、冷蔵庫の中をまくって見たって、そんななま野菜などというものはなかなか入っていない。私の娘が毎日少しずつ買ってくる。これは私だけの家庭生活ではなくて、東京や大阪などの主婦たちは、アメリカなどと違って、大体そういう物の買い方をしている。そういうことは、つまり、これは需要の側の一つの今日的な形態ですから、ここに行政的な統制を加えるということはきわめて困難でしょうけれども、その事実を否定した飛躍的な計画はなかなかむずかしいだろうし、いま、ちょっと一、二のそうした事実を私はお話し申し上げるわけで、高い時点で行政指導をしておられる皆さんのことですから、こうした問題に対してもっともっと政府として、こういう手があるじゃなかろうか、こういう試みをやりたいといったようなことを実はきょうお聞きしたいわけですね。ところが、予算の面で、野菜の問題はほんの十何億ですか出ておったりして、あるいは指定野菜が一つか二つふえるというようなことなど出ているわけですけれども、こういうものは別に私はそう大きな変化を起こすような行政じゃないと思いますね。いろいろ私が申し上げたことはまわりくどくてわかりにくいと思いますが、皆さんのような専門にタッチしている人はぴんとくると思います。でありますから、系統的にいえば大根が二百五十円、ホウレンソウが一わ一円になったというような暴騰、暴落の現象を年中行事で片づけるわけにはいかんだろう、また自然現象ということで片づけるわけにはいかんだろう、幾多の要因があると思いますから、そういうことを系統的にもしお示しいただければ、私らもこうした問題を今後考える場合に非常に参考になる。同時にまた、望むらくは生産者を大事にし、また消費者をも大事にしたいという私たち配慮のもとでのこういう発言を実はしているわけですから、そういうことも踏まえながらお話をいただければと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) お答えになるかどうかわかりませんけれども、杉原さんたびたびおっしゃいます問題について私どもも全く同じことを心配いたしておる一人でございます。そこで先ほど事務当局からも指定産地の制度等について申し上げましたが、私はやっぱり、品物にもよりますけれども、需要に見合った供給ができるだけ円滑にいくようにということは大いに力を入れなければならないと思います。個々別々のものにつきましては、時期的に、特殊な天候等の支配によりまして、需要が非常に強くて供給がおくれて、そのためにばか高値が出るというようなこともあるかもしれませんが、したがって、政府は来年度予算におきましても、この野菜指定産地等に、特にまた稲作転換について特段の力を入れておる野菜でございますので、真剣に計画的に取り組もうといたしておることは御存じのとおりでございますが、私ども農林省の中でもこれら野菜に対する特別の対策本部を設けましたり、学識経験者に御委嘱をしていろいろな追跡的調査をいたしたりいたしておりますけれども、私は大根などについて考えてみますと、まあ私の郷里なども野菜の産地でありますが、野菜をつくっておられる農家の方々も、やはりかなりそろばんが達者であります。これはつくらなければお国のためにならないとか何とかということが前提になるわけじゃなくて、それもあるかもしれませんが、やっぱりそろばんをとって、何よりも何がいいだろうと、去年はこういうことだったから来年の植えつけはこうするのだ、いろいろ計算をしていらっしゃいます。当然なことだと思います。そこで私は日本の物価全体を考えてみますときに、まあテレビジョンについて不買同盟が行なわれて、結局消費者の力というものはある程度成功いたしましたが、私は実は一昨日でありますが、農林省が全国の御家庭の主婦さんたち一千名あまりの方にモニターをお願いいたしておりまして、その方々に集まっていただきまして、そこに出てしばらくの問いろいろなお話を聞いておりました。この人たちは大部分が消費者的立場の方々であります。お話を聞いておりまして感じますのは、高いということになるとむしょうにみんなが買いにいくという、これは私はやっぱり消費者としての態度について非常に教えられるところだろうと思うのです。そういうものは買わないということになれば、テレビと同じことで物価は下がるのではないか、何でもみんなが同一物を同時刻にほしがるというような点について、これは私どもは、いま農林省は生産だけじゃなくて消費の面についても一生懸命でやらなきゃならない立場でありますので、そういう角度から考えますというと、私は、私どものいなかから出てきました野菜、われわれ子供のころはどろのついたまま八百屋に売っておりましたけれども、いまやまるで芸術品みたいに、すっかりきれいにいたしておりまして、その八百屋に買いに来る奥様方に、洗わずに煮るかと聞いたら、八割はやはりもう一ぺん洗うのだそうです。そういうようなよけいな労力を使っているところにたいへんなコストアップの原因もあるのではないか。私はモニターの方々の御経験談などを承っておりまして痛切に感じますのは、生産者というものの心理、それから消費者の心理、こういうものを、しかもそれをどのように調和させるかということは、やはり物価を含めた経済政策として大事な問題ではないかとつくづく感ずるわけであります。そういうようなことを考えてみますというと、大根などというものは、御承知のように普通の野菜より労力が非常につくわけであります、あれをいためないで掘り出すということには。しかも九五%が水といわれているものでありますので、保存ということが非常にむずかしい。しかもそれを同時に非常に大ぜいの人が欲求されるということ、そういうような点を十分に考えて対処しなければならないのではないかと思いますが、杉原さん、私どものやっております価格補てん及び指定産地の制度についてたいへん御関心をお持ちいただいてありがたいのでありますが、これとても、いわゆる計画経済ではないものですから、なかなか思うようにまいりませんが、私は農林省がせっかくああいう全国にモニターなぞお願いして、消費者のお立場から生産を考えるというふうなことをやっているわけでありますから、これからは新聞などにも報道されておりますほかの産物、さっきテレビのことを申しましたが、ああいうようなことについてやはり国民全体がこういうことに真剣に取り組んでいただくように考えをお持ちいただければかなりいい結果が出てくるのではないかと思うのでありますが、そういうことについても私どもは啓蒙するつもりでありますが、指定産地につきまして、これは私どもみずから聞いた話でありますけれども、二分の一は指定されたところに出さなくちゃいかぬとか、三分の二は共同出荷でなければいかぬというふうになっておっても、やはりそろばんをとって、それを尊重しないというところもたまにあるようであります。そういうところは農林省としてもやはり困るのでありますから、蚕系園芸局においても、そういうところには厳重な態度で臨みもいたしますが、いずれにいたしましても、私どもはもう少し生産と需要、が見合うようなふうにさらに検討してまいって、できるだけ安定した価格でひとつ生鮮野菜類を供給するようにいたしたいと、こういうことで一生懸命になっておるわけでありますが、何かいい案がありましたら教えていただきたいと思います。どうぞよろしくひとつお願いいたします。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 非常に率直にお伺いいたしました。指定産地の問題で、新聞等でもかなりきびしい批判がでてきているわけですが、これをまとめれば、結局野菜法そのものがまだまだざる法である。大臣がいま何としても計画経済でもないからなかなかむずかしいことだと、こうおっしゃっておるわけですから、そうした点につきましても、やはり何かこう、この法そのものをもっと締めて市場操作といいますか、何かできるような道はないだろうかということをわれわれもやはり考えるべきだと思いますし、政府もまたことしの経験にかんがみて野菜法そのものの欠陥がないかということで御検討なさっていただきたいと思うわけです。私が手にしている新聞などのごときは非常にきびしく、まさに野菜法はざる法だ、その中できびしい批判の焦点を、つまりやはり指定産地がいわゆる指定された大都市、消費都市に野菜を送らないで、その辺のところで、地場で消化してしまう、こういうようなことが指摘されておる。結果的には補助金が去年三十二億円出されていたことも、私しっかり知りませんよ。これによりますと、補助金三十二億円は水のあわになってしまったのじゃないかといったようなことも、相当突っ込んで書いておるわけですから、しかし私まあ他山の石としてこういうことをわれわれ政治家も大いに考えていくべきだなと思うわけでございます。  先ほど大臣のほうから総括的な非常に丁寧なお話をいただいたわけですが、もう少し技術的な面で、あるいは供給構造のほうで、いわゆる生産者のほうでどういう問題点があるのか。いま大臣が言われたことで、私も百姓しておりましたからよくわかりますが、そろばん族だという農民の根性というものは、私は否定しがたいものだと思います。せっかく減反減反、休耕休耕と言われても、私のすぐ近くにいる農民の人たちは、どういう知恵を働かすかというと、悪口言っちゃいけませんけれども、できるだけ米のとれないたんぼを休耕しておりますよ。これは農民の知恵です。言い方をかえれば、抵抗の姿だと思うのですが、そういうことで、非常に農民というものはそういう姿で、いままで自然相手に苦しい息の長い戦いを組んでまいりましたから、今度は台風や長雨でない政治のこうした大きな変化が出てまいりますと、これは本能的に抵抗しますね。野菜の場合でも、政府はいま大豆をつくれと言っているようだし、くだものをつくれと言っているのだから、今度はひとつ裏をいこうじゃないかということで、なかなかそういう点は独特の知恵を持っているわけですが、私はそうした農民の知恵をよく見抜きながら、今度は逆に、誘導行政ということばをあなた方はよく使われますから、誘導行政の方向で、農民のそういう勤労意欲なり生産意欲を活用する方向で、きょう私野菜にしぼっているわけですから、野菜の側面でひとつ知恵を出し合っていただきたいと思うのですが、先ほど値下がりの問題にちょっと触れたわけですが、その辺のところ局長どうですか。でん粉の話とか、タマネギの話とか、その点何か判断する資料があれば提示していただきたい。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○政府委員(荒勝巖君) 具体的に御返事いたしますが、たとえばいまお話がありましたように、バレイショが非常に今年はどちらかといいますと安値で推移している次第でございますが、具体的にたとえば三月の時点でとりますと、昨年のちょうどいま時分はバレイショが非常に高くなりまして、東京の神田の卸売市場でキロ百五十八円。ところがきょうあたりの相場で見ますと、キロ当たり二十八円ということで、約五分の一前後に下がっておる。非常に私たちとしてもこれは困ったことだと思っておりますけれども、去年非常にバレイショが高値だったものですから、実は私たちのほうで北海道に呼びかけまして、食用バレイショについて大いに生産指導すべきである、でん粉バレイショばかりつくるだけが能ではないということで、道並びに生産者団体にも呼びかけまして、非常に大量に北海道のほうでバレイショをつくっていただいたということが結果的にはこういうことになっておるのではなかろうかというふうに私は思っております。そこで、北海道で従来から冬の間、昔の習慣でございますが、バレイショを囲っておいて、春になって、やはり非常に相場が安ければ、最後はほうっておきますと腐ってしまいますので、でん粉にして、春摺りのでん粉ということも間々あるようでございますが、今年の北海道のバレイショについては、われわれとしてはもう少し全体計画を十分見ながらやりたいと思いますが、そういうふうに御理解願いたいと思います。なお、バレイショにつきましては、食用バレイショを従来同様にわれわれといたしましては今後も北海道に呼びかけまして、食用バレイショの貯蔵庫とかあるいは生産の改善ということで、広域的な生産振興対策は大いに打っていきたいと思っております。  それから、さらにこまかいことでございますが、ホウレンソウの点を御指摘ございましたが、われわれといたしまして、先般来、関東の一部でホウレンソウが多少廃棄というふうな形で私の耳にも入っておりますが、関東の農業の実情の一つとして、いわゆる春の農事に入る段階がちょうどきておると、三月中下旬は。それで霜やけしたり、あるいは日やけした古いホウレンソウを置いておいてもやがてとう立ちをしてしまうということで、   〔主査退席、副主査着席〕 九割前後大体出荷した段階で、あとの一割ないし五%ぐらいのいわゆる多少品位の落ちたホウレンソウを——非常に不足しておるならいざ知らず、普通の場合には春の農作業に入って、むしろ農家としてはいつまでも圃場に古いホウレンソウを置いておくよりも、何らかの形で新しい種まきに入ったほうが営農計画のローテーションとしてはいいというので、そういう習慣というか、そういうふうなのが農業の実態ではなかろうか。したがいまして、ホウレンソウがたいへんに暴落したから廃棄したんではないと、むしろ品質的に相当悪いホウレンソウを無理して出荷するよりも、むしろこの際新しい農事に入っていったというふうに私たちとしては理解しておりまして、したがいまして、ホウレンソウの物価も大体において、ちょっと一時的にそういう品質の悪いものが大量に出回りましたが、その後安定的に価格が推移してまいりまして、冬ホウレンソウはこれでおおむね完結いたしまして、やがて四月に入りますと春ホウレンソウが新しく出てくるんではなかろうかと、こういうふうに理解しておる次第でございます。大体そういうことでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ホウレンソウはことしから安定法の中に入るわけですね、法の指定に。そういうことになるわけですね。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○政府委員(荒勝巖君) はい、そうでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それはそれでいいんですが、ちょっといまの北海道のバレイショで心配になってくるのは、ことしはキロ二十八円だった。去年は百五十八円でしょう。そうすると、大体ことしの大まかなことでけっこうですが、コストといいますか、何から考えると、どれくらいの値段でないと——これはマイナスになったりしたらたいへんですから、一定の過程から見たらどういうことになりますかね。一キロどれくらいであったらパーパーになるのか。それが二十八円だということになると、去年から比較してたいへんでしょうから、ただたいへんだけじゃなしに、具体的に北海道の農家で一キロのバレイショをつくり出すためにどれくらいの値段であればとにかくマイナスにならないというぎりぎりの線ですね、ボーダーラインというのはどれくらいですか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○政府委員(荒勝巖君) 私たち、北海道のバレイショにつきまして、でん粉用バレイショと食用バレイショと両方を実は見ておりまして、一時は——三、四年前までは大体でん粉用バレイショのうち小粒のものが食用に回って、大粒のものがでん粉に回るというふうな時代があったわけでございますが、それでは時代の流れにそぐわないと、やはりいつまでも「農林一号」なんというバレイショをつくるというわけにはいかないので、食用バレイショ専用の「メークイン」とか、昔から伝統的に名を売っております「男爵」というふうなものを大いにつくるべきだということで、生産指導もそういう形で、最近食用といわゆるでん粉用とを分離しながら生産指導をこの二、三年来やっておる次第でございます。したがいまして、結果的には食味が違うと同様に、収量もでん粉系統は収量が非常に多いけれども、食用は収量が少ないというようなことになっておりますが、われわれといたしまして端的にまだ原価計算的なあれはいたしておりませんが、従来の例からいたしますと、やはりバレイショは市場卸売り価格で大体五十円前後の相場がいいんではなかろうか、これくらいになると安定して農家の方も毎年東京への出荷を喜んでされるのではなかろうか、こう思いますけれども、こういうふうに少し悪過ぎると、来年のいわゆる食用バレイショの生産が少しまた元気がなくなるんではなかろうかということを非常に心配しておる次第でございます。北海道では、食用バレイショの生産地帯と、多少ことし値段が高くなっておりますが、玉ネギの生産地帯とは大体において場所的に似ているところもありますので、その辺の生産調整をことしは十分に心がけたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 農民の知恵として、御存じだと思いますが、私も新聞でつかんだ程度ですから現地見ておりませんが、田無しの田倉さんという方が——田無ですから都市近郊と言ったほうがいいと思いますが、何かイチゴの株売りをして直売する、都会の生活と密着する、何か家族がそこへ来てイチゴの手入れをしたり、イチゴを収穫したりするような楽しみ、そういうものと密着した経営をやろうということを言っておられるわけで、その方個人の広い農地を提供する、そういうことで二千万ぐらいの収入をあげるというようなことも書いてありますが、これはある特殊な例であろうと思います。こういうものは行政のベースに乗ってくる問題ではないと思いますが、われわれとしても示唆のある一つの農家の姿だと、こういうふうに思います。同時にまた、きょう一時から台湾玉ネギの安売りが始まっているわけですね。東京だけで千六百七十三軒の八百屋さんが一斉に一キロ百円の玉ネギを売ると、こういったような現象等が出てきているわけですから、ただ、こうした現象の中から流通機構をどう押えるかということがかなり行政上大きな問題になってくるわけで、時たまたま政府のほうから卸売市場法案が実は出ているわけですから、おそらく流通機構ももっとスムーズにより整備され、しかも需要と供給の関係ができればどんぴしゃりというドッキングができるような体制をとりたいというのが意図だろうと思いますが、その辺のところ、流通の問題について、市場法の問題はこれは提案も大臣からいただいたわけですから、大体を承知していますから、特にいま申し上げた暴騰暴落の関係と、供給の側の構造と需要の側の関係との間における流通の問題として、市場法にこだわることなく、こういう方向で今日までやってきたし、これからも市場法を核にしてこのような形でひとつ問題をスムーズに解決していきたいといったようなものがあれば御披露いただければいいと思いますが、いかがでしょう。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○政府委員(荒勝巖君) 御指摘のように、生産面の対策がある程度整いましても、中間の流通機構がこれに対応して改善してまいりませんと、全体として生鮮食料品の流通。がうまくまいらないわけでございます。私ども暴騰暴落を繰り返すというふうに言われております特に野菜につきまして、市場流通機構の面からできるだけの改善をはかりたいと念願いたしております。一昨年になりますけれども、大ぜいの専門の方にお集まりをいただきまして、卸売市場制度の改正の方向というものを審議会で議論していただいたことがございます。  その中ではっきりと指摘されておりますことは、一つは、かつては東京、大阪のようないわゆる大都市、そこに生鮮食料品が非常に豊富に集まってまいりました。地方の都市にはそれぞれの地場に、その地方に特有のものがあって、その出回り期には安く出てまいりますけれども、その時期が終わりますと、あとはあまりそう豊富にはましなものがない。大都会にはさまざまのものが年間を通じて各地から集まる、そういうような形で、長年野菜の流通が行なわれておりましたものが、近年、交通、通信も非常に発達いたしました、また産業活動も日本全国にくまなく発達してまいりましたので、どんな地方の中小都市でも、消費生活というものの水準が非常に上がってきた、そこで地方の中小都市の場合にも、大都市とほとんど同じような、非常に多種多様な、豊富な野菜が出回りませんと、そこで野菜は暴騰するというような問題が指摘されております。これは確かに十年、二十年前にはあまり気がつかなかった、野菜の流通をめぐっての、今日の非常に大きな新しい問題点ではないかというふうに見ておりますし、こういうものが起こっておりますのに、市場機構と申しますか、市場の施設そのものは必ずしもそういう需要の姿に見合って発達していない。東京、大阪等の巨大都市の市場、これが非常に狭くなっておりまして、増大する都市の需要に間に合わないということで、これをできるだけよくしようということに私ども多年努力しましたけれども、その努力の陰で、実は中小都市のほうの流通というのが非常に大事だという点についての手当てがやや立ちおくれたのではないかと、率直に反省しておるわけでございます。  そういうことでございますので、たまたま園芸局長からもいろいろ説明いたしましたように、非常に気象条件あるいはその他の悪条件が重なって、たとえば三浦大根のようなものが非常に奪い合いになるというようなことがございますので、東京に出てまいっております三浦大根の量はそれほど減ってなくても、いま申しましたように、中小都市でも消費者の方がやはりよいものを非常に強く需要するということでございますから、前の年と同じくらいのものが市場に入っておっても、そのうちの何がしかはさらに地方都市に転送されてしまうというようなことがございまして、あるものが非常に足りないということで奪い合いになるようなときには、どうも昔よりも奪い合いの程度がひどいようでございます。逆に、余ってくるときには、これはまあ地方の都市がみんなそばへ畑があって、そういうところからどんどん直送してまいりますから、余っているときにはそういうことがありませんが、ちょっと足りなくなると、そういう意味で、大都市の市場にものを幾らほうり込んでも、とにかく値が上がるというふうなことがございます。  そこでこれらの点に着目いたしまして、今回の法案でも中央卸売市場について、強力に過密都市の市場問題を解決するということをやりますのと全く同じぐらいの力を、地方の消費に対する市場の適切な配置ということに力をさきたい、両者車の両輪のようにして市場の施設を整備したいというようなことを特に重点的に取り上げておる次第でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 大体わかりました。そこで、いま野菜なり物がUターンをしたり、せっかくのやつがまたどこかへ地方都市のほうへ姿を消していったりいろいろするわけですから、結局中枢神経的に何かどんぴしゃりその情報を完全に押えて、どこか一本の指示によって物を動かすというような、そんなようなことは現在の法体制の中ではおそらく困難と思われますが、どうでしょうか。またそうした提起を受けて立つとすれば、それは法改正その他でできるものかあるいは行政指導だけで簡単にできるものか、まあコンピューターとか何とかという時代ですからね、どこの主産地に何があって、どれくらい物があって、特に野菜のように腐ったり貯蔵の困難なようなものであったり、とりわけ輸送の面ではかなりやっかいな品物でございますから、そうした点の何か中枢的な指示系統があれば、非常にその点は浪費も省かれるし、いま申し上げたように、値段がそのことによって暴騰したりするようなことを阻止できるんじゃないか、これは全くのしろうと考えで、ぼくの友人もそういうことをよく言うんですが、そんなようなことを手段として考えることは現在の行政ベースではむずかしいんでしょうかな。

小暮光美農林省農林経済局長

○政府委員(小暮光美君) 非常に大事な点、御指摘があったと思うのですけれども、いま申しましたたとえば地方市場を整備したいという気持ちは、実はこういうことと関連いたしております。野菜、特に葉もの等の場合には非常に痛みやすいわけでございまして、遠いところの産地からどこかの消費地に送り届ける、送り届けて自分が見てないところで、いわば他人さまにそこで値段をきわめてもらって売りさばく、そこで自分でそばに立ち会っているわけではございませんし、ものそのものは非常に痛みやすい、あとからあなたの出したものは非常に悪かったと言われて、ああそうですかと言って引き下がるわけにもまいりませんし、何か事故があったからと言って、いきなり電報が来て夜行で飛んでいくというわけにもいかない。ですから非常に信頼関係の密接な、わかっておる相手に荷物を送り届けて、その人にそこでさばいてもらう、こういう要素が痛みやすいこういう生鮮食料品の流通に非常に特徴的な点だと思います。そこで、全国各地に、需要に見合って、適当な姿、信用のある業者というものを配置しておきませんと、そこへ遠くの産地から安心してものを出すことができない。やはり神田の何とかという名の通った、全国的に名の通った会社に届けておけば、まず間違いないだろうというようなことで、そっちのほうへ届けてしまうというようなことがございます。  そこで、各地に市場網を配置をする、と申しますのはそういう信用を配置する優良な業者を配置をするという意味もあわせて考えるわけでございます。ただ、いま申しましたような取引でございますので、こういうものの出荷指図と申しますか、だれがどこに送り届けるかということについて、あまり第三者が指図するということは、ものの性質上非常にやりにくいことであるというふうに考えております。ただ、国なり地方自治体なりあるいは全国組織の団体なりがこれからもっと力を入れてやるべきでございましょうし、現に努力が始まっておると思いますのは、今日与えられました交通通信の武器、非常にまあ電算機あるいは通信機等発達しておるわけですから、そういうものをできるだけ活用して情報を的確に収集する、伝達する。こういうことが国なり県なりあるいは団体なりの一つの職務であろうというように考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 これから言うことは、流通機構の末端機構ですけれども、たいていの町に小さな小売り屋があるわけですけれども、きのう私が見た、これはいつも私、買い付けの店屋ですが、四坪で店舗を張って、しかも、非常にこの店舗が非近代的な店舗ですね、目一ぱい野菜を並べているわけですが、おやじにこの地面一坪幾らだと言ったならば、百万円だ。百万円だったら、この地面売ってほかに商売したら得じゃないかと、冗談言っておりましたが、それでも、それはおやじの経済的な立場かもしれないけれども、付近に居住する私たちとすれば、その八百屋さんが、どうしてもなくてはならない存在だ。そうしますと、流通機構のその末端を背負っているそういう小売業者がどういう姿であればいいかということになると、これは行政の手でどうこうできないものかもしれませんけれども、まあとかくスーパーとか、私の周辺には生協なんかあるのですが、生協の店などでも、ゴボウや大根やニンジンのようなものは、かりに扱っても、ホウレンソウやそういうものはなかなか扱いかねているわけですね。これは野菜の持っている特性だろうと思いますが、そうした点など、まあ市場法で解決できる問題じゃないのであって、ほかのあらゆる市民の、常に末端の市民が接触する接点に起こってくるこうした現象、流通機構の問題等については御検討なさったことがあるかどうか。それは手におえんと、しかたがない、自由主義社会だからやむを得んのだ。そのほうが味もあっておもしろいじゃないかというような、アメリカ人と違って、まあ冷蔵庫、東京、大阪なんか八〇%、みんな持っているそうですから、本来ならば冷蔵庫へ入れて、二日も三日もなにして、そして食べていくというほうがいいのだろうけれども、ともかく現物を見ないと承知しないというのが消費者の心理でございますから、とにかく毎日買い物を楽しむという向きもあったりして、やはり小売店が存在することが今日的状況の中では欠くことのできないような状態ですが、しかし、店舗の実態をこう見てくると、あまり芳しい姿でもないし、またいつまでも古代の遺物のように、ああいう形の店舗が残るということも、都市構造としてもどうかなと思ったりするのですが、これは単なる思いつきでありますけれども、そうした点等についても、流通機構の問題を検討なさる場合に検討なさったことがあれば、実はお知恵をお借りしたいと思いますが、どうでしょう。

小暮光美農林省農林経済局長

○政府委員(小暮光美君) 小売りの近代化の問題につきましては、市場の問題と並行して種々検討いたしております。特に、小売り段階での労賃の上昇ということが生鮮食料品の価格の値上がりにかなり大きな影響を与えておると思います。小売り業近代化のために、融資あるいは助成等を特に強化していくように処置いたしております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 時間がありませんので、野菜をめぐる問題を一応これで打ち切りまして、市場法の審議の過程でまたいろいろお話を伺う機会があると思います。  で、林野関係、大臣のほかにどなたか来ておりますか。——それでは私、実は昭和四十三年初めて国会へ出て、その当時も農水におりましたものですから、たしか四十四年だと思いますが、片山林野庁長官に出席をしていただいて、林業労働者の白ろう病、つまり職業病の問題で、チェーンソーを議会の中へ持ち込んでいただいて、いろいろ白ろう病の原因とか、チェーンソーの持ついわゆる危険性と申しますか、結局白ろう病の原因はもうチェーンソーにある、自動のこぎりにあるということであったわけですが、そのとき片山さんがこういうことを言ったわけですよ。これについては十分職業病対策として考えていきたいと思うけれども、とりあえず、チェーンソーを使わないというわけにはいかぬ。だから、チェーンソーをずっと長い時間、長期的に使うと白ろう病になるのですから、時間を短くする。さもなければ断続する。そういうことによって白ろう病をなくする方向で努力をしたいという説明が実はあったのです。これは四十四年ですからもう二年たちましたが、その時点の白ろう病患者の数、そして現在の数、同時にまた、数だけでなしに、白ろう病そのものの、重症患者も軽症患者もあるでしょうから、そうした点について、私は願わくば、その時点から見れば、今日、数も減り、そしてまたまた重症患者も少なくなったといったような報告を期待するわけですけれども、現実はそうはいきませんから、その現実をひとつ、どうなっておるか。私は四十四年の春だと思いますから、それ以来ちょうど二年間たちましたから、いま申し上げたように、白ろう病患者の当時と現在の数、それを重症、軽症の分類別にもしお示しいただければお聞きをしたいということです。

齋藤誠三林野庁職員部長

○説明員(齋藤誠三君) お答えいたします。  白ろう病対策といたしましては、ただいま先生がおっしゃいましたように、昨年の八月ごろから厳重なチェーンソー、ブッシュクリーナー等の使用時間の規制をいたしておりますが、四十四年には公務災害の認定者が千四十二名でございますが、四十五年以後も引き続いて認定者が出てまいりまして、十二月の末で千百四十九名ということに相なっております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そうすると、ふえているわけですね。

齋藤誠三林野庁職員部長

○説明員(齋藤誠三君) はい。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そうすると、片山さんのおっしゃった対策という中で、時間はどれぐらい短縮されたわけですか、継続使用の時間ということですが。

齋藤誠三林野庁職員部長

○説明員(齋藤誠三君) 従来はチェーンソーを大体一人三、四時間使うのを例としておったようでございますが、それ以後は一日二時間以内に規制いたしております。また週の間では五日以内。しかも、連続操作日数が三日をこえないこと。それから月での計算では、月四十時間以内。そして具体的な操作では、チェーンソーを十分使いますと何がしかのいわゆるチェーンソーを使わない時間。それから刈り払い機については、三十分以上連続して使ってはならない、そういうことでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 どうしてその数がふえていくのですかね。労働者の数が減っているのでしょう、絶対数が。その上に、いまおっしゃったように時間短縮をして、断続使用して、それでまた使えば、そのあと何とかほかの仕事の作業について——これは当時片山長官もこれを約束しておったわけですが、かなり対策面としては前進したように受け取れますが、患者がふえてくるということは、これはどういうことですか、潜在、潜伏しておったのですかね。

齋藤誠三林野庁職員部長

○説明員(齋藤誠三君) お答えいたします。  時間規制等は昨年から実施いたしておりまして、最近では短期間に、一年ぐらいでございますが、使いましたために新規に発生するということはほとんどなかろうと思います。ただ、従来とも使っておりまして、それが時間規制がありましても、従来の症状が若干変わってきたと申しますか、そういう潜在的なものが非常に自覚症状として出てきておるというような事例も、そういう意味もあろうかと思います。また、診断の基準でございますが、白ろう病等については管理医の方々も従前はあんまりなれておらなかったわけでございますけれども、一昨年来いろいろそういう点の御研究に伴いまして、認定の基準というものも非常に取り扱いとして明確化されてきておる、こういうことで、過去に潜在していた者が若干、百名前後出てきたということでございます。  それから、なお、昨年の秋に、現在の認定者の全部ではございませんが、千名ばかりについて調査をいたしました。その結果では、よくなってきたように思う人が約三割以上、三百三十名前後おります。それから変わらないと言っている者が、これが五百九十名で、約六割でございます。悪くなっている者というものが二、三%でございますが、先生御存じのとおり、白ろう病については、まだ医学的にもそういう治療法というものが確立していないわけでございまして、こういう患者も、通院等、あるいは栄養剤、血管拡張剤等、いろいろ静養はいたしておりますけれども、なお症状といたしまして完全になおったというに至らない者があるわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 千何名のうちで労働者として再起できないという者が何人かおるわけでしょう、どうですか、千百四十五名中……。

齋藤誠三林野庁職員部長

○説明員(齋藤誠三君) 現在の千百名前後につきましては、職種がえ等をやりまして、現在国有林の作業員として大部分が残っているわけでございます。ただ、その間、八十名前後の方が退職されまして、そのいろいろ追跡の調査もいたしておるわけでございますが、白ろう病のために退職したというケースは非常にまれだということになっておりますので、きわめて重症で、そのためにどうしたということはほとんどないものと考えます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 四十四年に職業病と——いま白ろう病だけが職業病でないでしょう。林野労働者の場合はどうですか。とにかく三百名ぐらい死んだというふうに聞いてるんですが、職業病として認定された者が。その数字は事実ですか、どうですか、四十四年度。

齋藤誠三林野庁職員部長

○説明員(齋藤誠三君) 白ろう病のために死亡した件数はございません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ない……。

齋藤誠三林野庁職員部長

○説明員(齋藤誠三君) はい。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そのほかの職業病というのは、何か林業労働者としてあるのですか。

齋藤誠三林野庁職員部長

○説明員(齋藤誠三君) 難聴と腱鞘病でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それは死に至るような病気ではないでしょう。

齋藤誠三林野庁職員部長

○説明員(齋藤誠三君) 死に至るような病気ではございません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ぼくが持っているこのデータでは、四十四年度で職業病と思われる人が三百人ほど死んでるというのがあるのですが、これはうそですね、そうすると。事実でないですね。

齋藤誠三林野庁職員部長

○説明員(齋藤誠三君) 全く心当たりはございません。労働災害でなくなった方が四十四年には十三名ですか、ございますけれども、それはいろいろな事故による災害でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ちょっと大臣、聞いておってくださいよ。四十四年のときに片山さんが非常にぼくの頭に残るようなことをおっしゃったのですよ。どういうことかと申しますと、チェーンソーが白ろう病の原因であるということは認めると。それならチェーンソーを使わないでどうでしょうかと言ったら、こういうことを言われたのです。チェーンソー、あれは外国製のものでございまして、チェーンソーを購入してからまだ日がたちません、帳簿上の減価償却がまだ終わらぬものですからそういうわけにいきません、と言っておる。ということを、それをそのまま聞きますと、機械のほうは大事だけれども、人間が病気になってもしようがないというふうに聞こえて、ぼくはたいへんなことだ、冷たい人だなと思っていまだに忘れることができないのです。  ただそこで、必ずしもそうでなくて、その後こういうふうに時間を短くしたり、ほかの仕事をやったりして断続的にやって、できるだけ白ろう病にならないような措置をとってきておられることは、いま実は明らかになったわけですが、ただ根本問題として、チェーンソーにかわるものがないのか。さもなければ、チェーンソーそのものはこんな大きなものですね。何キロあるか知らないけれども、小型のものではだめなのかどうか。そうした機械のほうで、何かその後機械を改造するなり取りかえるなりという努力はなされておられるかどうか、その辺のところを聞きたいと思うのです。

齋藤誠三林野庁職員部長

○説明員(齋藤誠三君) お答えいたします。  振動数のあまりない機械の開発は、林業試験場あるいはメーカー等でもいろいろ研究開発されておりまして、四十五年度までに、現時点までには七機種すでに入れております。たとえば例で申し上げますと、チェーンソーアームスタンドというチェーンソーの機種が二機種ございまして、これが百二十八台あります。そういうぐあいにしまして、現時点でチェーンソー関係では七機種、四百八十四台。それからブッシュクリーナーでは電動刈り払い機が二機種で千百四十四台入っております。またこれは労働協約を必要としますので、現在組合と協議中のものが六機種でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは話を変えますけれども、この間、農林大臣の倉石さんがBHCの問題、お約束をされたわけですよ。六カ月以内ぐらいに全面使用禁止をしたいとおっしゃったのですが、それを受けて立つ林野庁のほうでは、まかしておいてくださいと、こういう方法があるのだといったような段階的な何かめどでも立ちますか。いまのところ立っているのですか。天敵に待つということでもないでしょうね。

海法正昌林野庁指導部長

○説明員(海法正昌君) BHCにつきましては、その残留性や環境汚染等の問題になっておるわけでございますので、農業資材審議会からもできる限りその使用を全面的に禁止するように答申がございましたので、農薬取締法の改正に際しまして、その方向でいま対処していくというふうに考えているわけでございますが、森林におきますタマバエ類などの防除につきましては、対象が直接口に入るものでもございませんし、また現在有効代替剤が見当たらない状態でございます。なお一方、病虫害というものがふえる傾向にございまして、九州の松あたりに埋没するという情勢でもございますので、資源の保護上ぜひ必要なものでございますので、酪農地帯、湖沼・河川周囲、そういうものにつきましては使用を禁止をいたしました。人畜等に影響のないように使用規制をきびしくいたしまして暫定的に使用することといたしまして、すみやかに代替剤農薬の出現によって今後に対処してまいりたいというふうに考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ちょっとやっぱり心配になってきました。いまのところまだかわりのものがないとおっしゃっているわけですね。ただ研究段階、試験段階ということはいまの言明では出てきませんから、これ大臣声明とちょっと食い違ってくると思うのです。林野庁としてたいへんだと思いますが、大いに努力してもらわないと……。

海法正昌林野庁指導部長

○説明員(海法正昌君) この代替剤につきましては、現在検討いたしておりましてタマバエ類等の新病害虫の防除に関しまして試験研究を行なっておりまして、最近一、二のものが開発をされております。現在その効果について実際に調査をいたしておるわけでございます。また農薬にかわりますものといたしまして、天敵利用によりますところの防除法の研究に対しましても重点的に進めておりまして、これも一つぐらい実用化の見通しはついているのでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、私の県でも国有林が非常に少ないわけですけれども、それでも冬場になると下におりてきて、——座談会などに引っぱり出される場合が多いのですが、そういう定員外の職員でございましていま休業期間中の手当は、どういうふうになっているかぼくは知りませんけれども、定員外の職員というのは、きのうの衆議院の農水ではわが党の長谷部委員の質問に答えられて、相当おいでになるように言明なさったわけですね、定員外職員。新聞によると三万何千とか言っていますが、それはほんとうなんですか。

齋藤誠三林野庁職員部長

○説明員(齋藤誠三君) 現在林野の定員外職員は、常用作業員が二万六千名、定員外一万一千名で、三万七千名です。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 これを労働者問題としてとらえた場合には、普通の定員外じゃなくて、進んで、給与体もさることながら、退職金なりいろいろな諸権利を完全に付与することなど、労働者の立場に立ちたいと思うのですが、そういうことはできないのですか。   〔副主査退席、主査着席〕

齋藤誠三林野庁職員部長

○説明員(齋藤誠三君) 雇用区分の改正につきましては、現在林野庁においてもいろいろ検討いたしておりますが、公務員の制度にかかわる問題でもございますので、人事院、行政管理庁、人事局等とも現在相談中であります。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 もう終わります。そこで最後に林野庁のほうでBHCの問題、これは目下かわるべきものが一種出たということで若干の希望つなぎますが、やはり大臣の意思というものははっきりしておるわけですから、それにこたえるように、私から言うわけではないけれども、大いに努力していただかないと、これはいろいろなところに影響してまいりますので、最大の御努力をいただきたいということと、まさか二四五Tなどというものの使用はいま全面禁止になっているでしょうね。今後とも使わないでしょうね。その点ははっきりしているのですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 二四五Tにつきましては、催奇性などについて疑問がございますし、現在世界各国において調査検討が行なわれておりますが、わが国においても調査を実施しておりますけれども、国有林としては、これらの調査検討の結果が現在明らかでないこともございますし、二四五Tの使用を現在は中止することとしております。  なお、民有林においても、その趣旨に沿うて指導を行なってまいりたいと思います。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 若干の質問をいたしたいと思いますが、お伺いをすることよりも、自分の意見を途べることのほうが多かろうかと思いますが、適切なお答えがいただければけっこうだと思います。  私は、農基法をつくった当時、やはり農水の委員でございまして、いろいろな意見を皆さんから聞き、私も述べたのでございます。その前文に、農業者は、国民生活の安定、国民経済発展に寄与してきたというふうにたたえられて、その次に、農業者は、幾多の困難に耐えつつそのつとめを果たし、そうして、国家社会及び地域社会というものの重要な形成者として勤勉な能力と創造的精神の源泉たる使命を今後も果たし得るのであるというふうに言われておるのでございます。その基本法というものを基本にいたしまして、第一条には、いろいろな格差が是正され、生産性が向上されて、農業従事者の所得が増大して、そのことによって他産業との所得の均衡をはかるのである、こういうふうなことが目的の大きいところであろうというふうに私は思うのでございます。そこで、いまのは一条でございますが、十五条になりますと、自立経営になるよう育成するために必要な施策を講ずる、こう言っておるのですが、なかなかいま自立経営ということはむずかしい段階になってきておるのではないかと思うのであります。  農産物の大宗であります米があのような状況で、価格も据え置かれておる。そこへもってきて、いろいろな輸入の自由化等も行なわれるというようなことで、自立経営というよりも、むしろ、私の調査によりますと、十四ばかりの問題を出してアンケートをとってみましたところ、交通の不便なところ、あるいは交通のきわめて良好なところでも、一番たくさん希望をしておりまする意見は、十五の問題の中で、自分の家から工場に通って兼業をしたい、こういう——詳しくは時間がございませんので申し上げられませんが、そういうものが第一であります。土地をふやして、もう少し経営面積を大きくしていく意思はないか、そういうことはどうであろう、こういう問いは八位ぐらいでありまして、このような難儀なことで収益のない産業を土地をふやしてまで営む意思はございませんというようなふうに見えるのではなかろうか。そういう考え方を農家が持っておるのではなかろうかというふうに、少し古い調査でございますからただいまは違っておると思いますが、そういうふうに私は思うのでございます。  そこで、自立農家というのは、基本法の中でも、こういうものが自立農家であると言われておるわけでございますが、この自立農家の釈明なり理由なりを聞くのじゃなくて、自立農家というものができるであろうか。それよりも、むしろ、自立農家をうたい、それの育成をはかるということは必要であっても、そういうものがなくなるということは農業にとって必ずしもよいことではないと思います。また、現在も残存するわけでありますから、それはそれとして、私は、農林省が、ただいま、兼業に努力をするとか、兼業というものの収入をとらえて農業者の過疎対策に資するとか、そういうようなことを考えておられるとは思いませんが、すなおな意味で自立農家の形成を育成するのだというお考えをいまも持っておいでになるのであろうか、この問題をまず簡単でよろしゅうございますがお聞きをしたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまお話のございましたように、基本法のたてまえはそういうことでありますが、基本法を制定いたしましたころ、私たち国会議員として、いまのように地価がこれほど高騰するであろうということを、まあ予測しておった方もあるかもしれませんが、私どもは、あの法律制定に参加したころ、想像しておりませんでした。いま、規模拡大は基本法でも言っておりますし、ただいま農林省でもそういうことを言っておりますけれども、稲作転換等を含めて、規模拡大のことを農業団体等と話し合ってみましても、やはり非常に障害になっているのは、中央、地方を問わず、地価の高騰であります。これは、私どもにとりましては、農業だけの問題でございませんで、日本全体の問題でございますが、それにもかかわらず、農業というものを見ますときに、自立経営の農家というものをある程度どうしても維持すべきではないか。しかし、われわれが考えますときに、農業というものを考えるのと、それから農村というものを考える場合と、それから農業者というものを考える場合、それからまあ農林省としてはもう一つは食糧省という立場があると思うのでございます。  ただいまお話しのございました農業という立場から考えてみますと、私は、わが国の農業政策の基本にいたしておりますのは、経営規模の拡大をはかり、自立経営の農家を育成していくというたてまえだと思っておりますし、その方向でありますが、しかし、現実の姿は、御存じのように、いわゆる自立経営の農家といわれるものが農業就業者の二〇%足らずであります。その他は兼業農家、しかも兼業農家の中の六割余りのものが第二種兼業農家、こういう状態を考えたときに、農業というものと農村というものを考えてまいりますというと、「総合農政の推進について」というところでもその思想を出しておりますけれども、自立経営農家を育成する、それを中核にして比較的広域的な農村をつくっていくということが必要ではないか。それに配するに、やはり兼業農家の人たち。しかも、兼業の農家の方々は千差万別でございまして、それでもいいから農業をやっていきたい、農業を手放したくないという方が最近のわれわれのほうの調査でもかなり大きな部分を占めておられます。そういうのが一つ。それから農業を離れていい仕事があるならそのほうに行きたいという者も若干ありますけれども、農業従事者の今後の動向というのを聞いてみますと、八五%は農業をそのままやっていきたいという希望。しかも、御存じのように、全体の農家の所得というものは、純粋の農業所得というものよりも農外所得のほうが多いのでありますから、そういう現状をわれわれは把握して、それらの人々で離農をしたいと言われる者は離農をしやすくすることが必要でありますし、なお在村して農業に従事していきたいというふうな方々には、協業なり、それから今度は昨年決定していただきました農業協同組合法の改正等によって農協自体がいろいろな共同の作業をすることができるようになっておりますから、そういうようなものを活用していくというふうに配置をしていく必要があるのではないか。しかし、新全総なんかでも言っておりますように、逐次いわゆる農業の専従者というものの数は減るかもしれないけれども、生産力はかえって増大していきたいと、われわれはそう思っているわけでありますが、そうなればそれはどういうことを意味するかといえば、効率のよい専業農家をある程度持続させるということでなければそういう結果になってきませんから、私どもとしては、一億をこえる日本の非常に大きな国で、やはりある程度の比率の食糧自給率というものは維持していくように努力すべきではないか。まあそのような考え方で農政に取り組んでいかなければならないのではないか、こう考えております。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 ただいまの農家の姿というものは、私が申し上げるまでもないのでありますが、借金がずいぶんふえているんですね。一体、農家の借金というものはどのくらいあるんでしょうか。百二十万から百五十万くらいの所得が二一%余りあるということであります。これは、ごく最近の新聞で見たことでございますから、真偽のほどはわかりませんが、私はけさ写してきたんですが、そういうことのようであります。農家といっても、やはり、電気洗たく機あるいはカラーテレビ、そういうものが買いたい。それから車をだいぶ持っておられる。車ももうずいぶん自家用車というものを持っているのでありますが、もう時間もありませず私はこの台数は申し上げませんが、これは最近の農業というものが車を持たなければ経営ができないというような形態に移ってきているのでありますから、私は、レジャー用に持っているというふうに解釈はいたしたくないのであります。これはなるほど乗用車等も持っているようでありますが、ただそれだけで農家というものはよくなったというのではなくて、けさの新聞にもございますが、農家にたいへん借金がふえてきた、こういうことでございます。これはおわかりならならないそれでいいのでありますが、先ほど申し上げましたように、何もこれは追及するわけでもなんでもない、ひとつおおらかに聞いていただきたいと思いますが、これは私の説ですから、自立農家というものについて大臣の御説明もそのとおりであろうと思いますが、私は、国が自立農家を放棄して兼業農家に移っていくんだというお考えを持っているとは思いません。けれども、現実に自立農家と称せられるものが減ってきている。そして、兼業農家がふえてきておるということは事実であろうというふうに私は思うのであります。  そこで、基本法ができた当時には、一体どのくらいな面積を持っておれば自分の経営する農業によって家族を養い得るというふうに見るのかということで数字を示しております。また、家畜なら家畜で、酪農ならば一体何頭から収益性があるのか。一頭、二頭では収益性がないのです。一、二頭の牛を飼ってそれで収益があるとは考えられませんが、それが頭数が上がってきておる。豚も同様であります。鶏も同様でございます。そこで、そういう掛け算の結論を、答えを一つにしようとする、均衡を得せしめるということに答えを合わせると、頭数が上がらざるを得ない状況になってくるだろう、かように私は思うのでございます。したがいまして、その当時には何頭ならいいと思ったのか、いまは何頭になりましたというような統計がございましたら、過去のことはもしわからなければよろしいのですが、私のほうから申し上げてよろしいのですが、どのくらいに一体お考えになっておるでしょうか、収益性のあがる経営というのはどのくらいになるでしょうか、こういう質問であります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 一応私どもといたしまして目標いたしているのは、耕地面積で言うと四ないし五ヘクタールぐらいの農業、それから酪農業で申しますと……

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 わからなければいいんですよ。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 目標をつくっておりますから、五十二年に三十から四十頭、そういう目標を立てているわけであります、酪農で。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 酪農、それはけっこうです。豚や鶏はよろしゅうございます。これもおわかりになっておるとは思いますが、私は、ここで、かりに五十頭、これは五十年ですからもっと向こうになりますが、日本の普通の農家で粗飼料のない濃厚飼料だけで二十五頭、三十頭という牛を飼える農家はきわめて少ないのではないか。おそらく、ことばの上で、こっちの所得と均衡を得せしめるためには、こっちの数字を上げていかなければならぬからこういうふうになったのであって、ほんとうはできない相談ではなかろうかと思う。これを責めておるのじゃありませんよ。けれども、だんだんとこれを上げていかなければ答えが一つにならないということはお認めになりますか。

増田久農林省畜産局長

○政府委員(増田久君) 基本的には、先生のおっしゃるとおりであります。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 わかりました。私はこれ以上の問題でなにしようとは思わぬが、理屈の上から頭数をふやしていきさえずれば都会の勤労者と所得が均衡するというふうに言いましても、それを飼育することができない。労賃は高くなり、そうして飼料が高くなったときに、そういうことをひとつ考えていただきたい。そうして、農家にたいへんな借金があるということでございます。ですから、農家というものをどのようにごらんになっているかは知りませんが、たいへんなことだと思うのであります。  そこで、私は、早く進めないと時間がございませんから進めますが、輸入自由化と日本農業の特質ということで御見解を承りたいと思うのでございます。結局、私は、自由化をするために、原因が国外的と国内的と二つにあると思うのでございます。その国外的というのは、残存輸入の制限品目が他国に比して特に農産物等に日本がたくさんの品目をかかえてきた。それは、私は、国内農業の保護のためにそういうふうになってきた結果であろうと思うのでございます。そこで、先進国に比べて多いということで批判が非常に強い。そして、一日も早く激しく自由化にするようにというふうに迫られてきまして、これはもう皆さんも御承知のとおりであります。そこで、経済大国である日本が、世界市場に大量の日本製品を売り込んでおいて、自分のところでは輸入品は入れないというのではおかしいではないか、こういう問題もある。これが、私は、外国から受けるところの自由化に踏み切らなければならなくなった一つの理由であろう、こういうふうに思います。間違っておったら、あとで、どこが間違っておったということを御指摘をいただきたいと思うのであります。  そこで、国内的に申し上げますと、自由化には物価対策が一つあると思うのです。いまのように、物価が野方図にという言い方はいたしませんが、ともあれ予定よりも多く物価が上がるということは、これはとりもなおさずインフレである。これは悪性のインフレとは言えないにしても、インフレの範疇にいくのではなかろうかと思われるように物価が上がってきている。これを抑制するということは政府も国民も同様な姿勢でなければならぬというようなことで、物価対策上自由化に多くのものを踏み切っていく、こういうこと。もう一つは、国際収支の対策上でもあろうか、五十億ドル近くあるいはあり余っているかもしれませんが、二十億ドル前後を低迷いたしました日本の外貨が、かつてないほどそれほど持ってくると、今度は、使わなければならぬとも思わないかもしれませんが、ともあれそういう考え方になってきたであろう、こういうふうに考えます。だから、国内と国外があるわけでございます。ところが、物価が上がるというその原因の中に、弱い産業である農業と中小企業があるということを私は忘れてはいけないと思うのであります。これを保護育成しないで、物価のことだけが頭にかかって、これを抑圧しながら自由化に踏み切ろうという考え方は、あまりおもしろくないのではないかというふうに思うのでございますが、その点、自由化というものに対する私の考え方についてどのようにお考えになりますか、お伺いをいたしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私がどのように一生懸命でお答えしても、ただいまの堀本さんの御説明以外にはとてもうまくお話し申し上げることができないのでありますが、完ぺきなことだと思います。そこで、ただいまお話しのようなことで、われわれ一応九月末に四十品目というつもりでおりましたが、それをできるだけ努力して四月末までに残存を四十ぐらいにしよう。その中で、いわゆる農林物資というのは二十八あるわけでありますが、それら残っておりますものから見ますというと、これはもうたいへんなものでありまして、それだけになりますと、いわゆる西独並みといわれておりますが、そういう国と劣らないような状態になるわけでございますけれども、そこまで努力をいたしてまいるためには、国内のわれわれの関係しておる産業の近代化もいたしたり、それからまた、それでもなおかつ間に合わないものについては、関税制度等を弾力的に活用するということが必要であります。したがって、私どもは、先ほどお話のございましたような国内外の情勢をにらみながら、いまお話しのようなことでわれわれのほうの所管の産業に悪影響を与えないように配慮しながら取り組んでまいりたいと、こういうところに私どもの苦労が存在するわけでございます。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 御苦心のありますことは、われわれも重々承知をいたしておるのであります。ところが、われわれ農村に住んでおります者のほうにいろいろな陳情がございます。これは、陳情の形で取り上げる以外に農家は方法がございません。ともあれ国の大方針には従わざるを得ないのでありますが、そういう意味で、われわれが気のつかないところで、日本の自由化を積極的に行なうのだということ、この現実をつかまえて、アメリカその他の国々が、日本に対して、農産品あるいは冷凍物資等の中にも相当あるようでありますが、大攻勢をかけてきておるということでございます。これはもう新聞等にも出ておりますので、私が申し上げるまでもないのでございますが、三月二十三日、きのうでございますが、アメリカのオハイオ州の畜産物を中心にした団体が展示会を開いて、しかもそれは大衆へ呼びかけるというような、安いものがわが国にはありますという宣伝方式をしようというようなことになっているということでございますし、それからまた、次に、四月になって、日はまだわかっておらぬようでありますが、アメリカの中部農業振興協会というものが今度発足をいたしまして、日本の自由化について、ここで日本に進出することが一番いい機会であるということで、四月に入りますと大挙日本に来て日本へ農産物を売るということがこの協会ができた初仕事であるというふうに述べられているのを見ましても、相当な攻勢をかけてくるだろう。特に、来る会社は四十四社だそうでございますが、その中で日本で特約店を持っているものが半分しかない。あとの半分は、この機会に品物を見てもらい、値段を聞いてもらい、特約店としての契約をやりたいということのようでありますが、これもあまりそっけなくばかにはできない問題であろうと思うのであります。  また、二、三日前の二十一日に、日本の経済団体の人が豪州へ参りました。豪州の物産の買い付けに行くというか、いわゆる貿易の形で行かれるのであろうと思うのでありますが、私もオーストラリアあるいはニュージーランドへ去年の秋過ぎ行って参りました。全く、これは、私は少しいなか者で表現が悪いのでありますが、ほんとうに驚いたのです。私が牧場を三つほど伺いましたが、その一つに、四万二千エーカーほどある牧場で、牧場主に、何頭この牧場の中にいますかといって伺いますと、大体六千頭ここにおるでしょうと。従業員は何人ぐらいで管理しておりますかというと、牧童等を入れまして六人でございますというのであります。これは詳しくお話しすればわかるのでありますが、もう農林省の皆さんは御承知だろうと思いますので私は言いませんが、とにかく四万何千エーカーのところへ六千頭放されておる。そうして、六人ぐらいが、管理といいますか、そういうことをやっておる。それはもう放牧でございますから、厩舎といいますか、牛舎といいますか、そういうものはないのであります。夜も昼も野原におって生活をしておるわけでございます。売ったりあるいは周囲のさくの管理にそういう人が要るということでございます。そういうところをかなり長い時間をかけて視察してまいりました。オーストラリアは、日本に対しまして、たいへん、好意といいますか、非常な親愛感、親善関係を結びたいという希望を持っておるようでございます。ことに、親元でありまするイギリスが、御承知のようにEECに加入しておる。いままでの農産物、畜産物は、全部、アメリカが——全部とは申しませんが、アメリカが買ってくれておった。それがEECに加入すると、どこへ売ろうかというのがいまオーストラリアの政策でございます。これは二十一日に出発をしてまいりましたが、いま直ちに畜産物を買い付けるというようなことはないと思いまするけれども、将来そういう交流が盛んになることにおきまして、驚くべき安価な肉あるいは畜産物が日本へ入ってくるであろう、これも一つの攻勢でございます。そういうときに、畜産物等の自由化が行なわれますと、政府は、あるいは季節関税をかけたり、あるいは緊急関税の差額を上乗せしたり、いろいろな処置があるようであります。しかし、農家は、まだまだ十分にそれを理解するほどの時間もございませずしますから、不安がるのはもとよりでありますが、私は、これがうまく農林省のお考えどおりにいくのであろうか、この攻勢等から考えて、よほど注意をしなければならぬ問題が示唆され、含まれておるのではなかろうかというふうに考えるのでございますが、こういう一連の——今月に入りまして、あるいは来月にかかりますが、行為を見まして、どのようにお考えになりますか、ひとつ感想をお伺いしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) その前に、さっき、自由化について、九月末を四月末と申しましたが、やはり九月末でございましたので、それをちょっと訂正さしていただきます。  それからただいまのお話でございますが、私どもは、経済合理主義だけで農業を考えるわけにはいかないと思います。わが国は、いま、たとえばほかの産業で石油が大きな問題になっております。鉄鉱石でもそうであります。いろいろこういうものはわが国の産業の中心的なもので、それの動きによっては大きな影響を持ってくるのは当然でございますが、そういう比重よりもまた違った意味で重い比重を持っておるのは私は農業だと思います。したがいまして、農業にある程度の国が助成策を講ずるということは、これはもう外国の政治家も長い間やっておりましたことでありますが、ただそろばん勘定だけでやっておるものではないと思います。したがって、私どもの国において、とにかくこれだけの人口をかかえ、こういう地域に生存いたしております日本人が独立を確保していくためには、農業というものがそういう意味でも非常な重要性を持っておると思うのです。したがって、ある程度農業に特段の保護を与えるということは、農業政策だけでなくて、国全体の存立、そういう保障の意味においてきわめて重要な政策ではないかと思うのであります。それを忘れて、ただ単にそろばん勘定だけで農業を律するということは、誤りではないかと思うのであります。したがって、われわれは、いままではまあお米というものが一〇〇%余りございまして農業がそれに大きなウエートを置いておりました時代はあまりそういうことを考えなかったかもしれませんが、いまや米というものがこういう今日のような状態になってきましたときに、われわれは農業というものを維持し、六八%といわれる全体の面積の中で、林野の占めるウエート、それからまた農村の占めるウエート、それからまた、農村にあります特殊な質実剛健の気風、そういうものを考えますときに、必要なものの生産というものを国内においてまかなうということは間違った政策ではないと思います。したがって、堀本さんよく御承知のように、一番国内の農業生産に頼ることをしなかった英国が、植民地を手放した今日、どのように彼らは困難を感じたか。私どもは、他国のそういう歴史等にかんがみましても、農業というものについては、ただいまの政府が言っておりますように、これを縮小するということはいけないと、こういう考えは正しいのではないかと思うのであります。したがって、個々別々の品物についてそれほど力を入れなくてもいいようなものも地方的にはあるかもしれませんけれども、少なくとも稲作転換にこういうようなものが必要であると農林省がいま力を入れておりますようなものについては、特段なる措置を講じてこれは持続することに全力をあげるということが必要なことではないかと、こういうふうに思っておりますので、そろばん勘定だけの競争だったら、米をはじめ、もっとほかに幾らでも負けるものがあるかもしれませんけれども、私は、単に経済合理主義だけでものを判断する一部の経済人などには組することができないわけであります。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 まことに力強い頼もしい御答弁をいただきまして愉快に存じますが、ある人の言い方によりますと、「農業なんというものくらいいい職業はない。子供を連れてたんぼのそばに乳母車に入れておいて、子供と一緒に夫婦そろって働ける職場は農業である。空にはヒバリも鳴いておるし、タンポポの花が見える。こんな中でむつ言をかわしながら作業をするくらいうれしいことはないじゃないか」なんということを書いてあるものを読みましたが、ただそういう喜びだけではどうもぐあいの悪いところがございます。それは、やはり、経済というものの裏打ちが、少なくとも努力をすればするほど、投資をしたら、その投資の裏返しが努力が報いられるような形でその経営の指導をすべきでないか、これが政治であるというふうに私は思うのでございます。  ですから、そういう意味で以下お伺いをいたしますが、ともあれ、お米というものが、急に食べなくなったのでもなければ、米がこんなに少なくなるのならなぜ堀本さん先に注意をしてくれなかったかなんていなかの人から言われますけれども、なるほど少なくなるではあろうとは思いましたが、急にこのような姿になるとは思わなかったが、現実にはたいへんなことになって、農産物の大宗であります米が——時間が来たからやめてくれということでありますから、もうやめますが、またの機会に伺うことにいたしますが、私は、きょうは、飲用乳の問題、豚の価格の問題、それからそれにまつわりまするふん尿の処理をどういうふうにするかどうか、あるいは外国材に少し関税をかけて高関税を、高というのは間違っておりますが、ともあれ関税政策を働かすことが必要ではないかというようなことを私の意見をそれぞれ述べてみたかったのでありますが、もう申し上げませんが、たった一つ、グレープフルーツのことを去年のこの分科会でも私はお伺いしたのでございますが、これはもう大臣がお答えになることはよくわかっておるのでありまするが、今度どなたがおいでになるのか、園芸局長がアメリカにおいでになるのかしれませんが、新聞にそういうことが出ておるようでございますので、まことにわが意を得たような気がするのであります。しかし、そこで特にお願いをし、私の意見を若干お聞きを願っておいたらと思いまするのは、アメリカが、あのようなガットの問題にいたしましても、自由主義の国で、みずから残存物を持たないで、全部開放して取引をしよう、貿易をしようという国柄の国でさえ、繊維問題に見られるように、二年間の交渉でもあの繊維問題がまとまっておりません。そういうようなときに、あれを保護主義と見るのかどう見るのかは、これはいろいろな見方もあると思いますが、私は、国内産業の保護の形で出てきておるのであろう、こういうふうに思うのであります。そういうことから考えまするならば、選択的拡大と称せられておすすめになりましたのは果樹や畜産でございます。この果樹や畜産というものが今度の自由化によってうまくいくであろうかどうであろうかということを私は心配をするものでございます。これはグレープフルーツだけにします。おあとはいつかの機会にまた個々に問題をあげてお伺いをいたしたいと思いますが、グレープフルーツも、いまの繊維問題に対するアメリカの考え方等から類推をいたしますならば、いま輸入をしておるのでありますから、輸入の量をふやして、そして日本産業に及ぼす影響をごらんになって、その後に自由化に踏み切られてもよろしいのではなかろうか。現に、若干のものは入れておるのであります。この数量をふやしてテストをしてみるということ。そして、その結果、いろいろあると思います。たとえば、日本のかんきつ類をアメリカに買ってもらうことであるとか、いろいろなことがあると思いますが、そういうことの結果、再度自由化に踏み切られるのが一つの方法ではないか、こういうふうに思います。この点につきましては、どのようなお考えを持っておられますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) グレープフルーツの自由化については、すでに政府の方針案が一応きまったわけでありますけれども、その前に、四十四年の日米協議の際に、わがほうからは、アメリカが日本産温州ミカンの輸入解禁止を実質的に拡大するという了解のもとに、日本はグレープフルーツの自由化を認めたと、こういうことに相なっておるようでございます。したがって、私は、ほかの委員会の席でもお答えいたしたのでありますが、そのときの当事者でありました農林大臣はかわりましたけれども、佐藤内閣というものはかわっておらないわけでありますから、これはやはり国民にもそのことを徹底しておりますし、したがって、そういうことについては最善の努力をする義務が私どもにはあるのだと理解をしておるわけであります。そういうことで、そのことの実現のために、先ほどお話しのとおり、農林省の担当者を向こうに派遣いたしたり、それからまた、先般来向こうから参りました者にも私もじかに会いまして、たまたま自由化の話が出ましたようなときには、ただいま申し上げましたようなことをはっきりと先方にも伝えてあるような次第でありますので、われわれとしては、最善の努力をいたしたい、こう思っておる次第であります。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 もう御出発になる前でございますので、念には及びませんが、私は、量をワンステップを置いておふやしになって、そのあとに自由化に踏み切られるような処置が講ぜられるならばまことにけっこうだと思いまするし、なお、日本のかんきつがアメリカに輸出をされるということは、以前から、前の大臣からお話があったわけでございまするし、大臣も御確認でございますので、それができなければいましばらく延ばしてもらうというようなことも一つの方法ではないかと思いまするので、格段の御協力をお願いをしたい、かように思います。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 私は、二点について、時間も十分程度でありますから、簡単にお伺いいたしたいと思います。  まず、第一は、新全総計画に基づいた広域未開発農業地域の調査の進捗状況と、それに基づいたある程度の構想というものがどのようになっているか、簡潔に、しかも具体的なある程度の数字をお示しいただきたいと、こう思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) お話しの新全総の大規模開発プロジェクトの構想に従いまして、今後わが国の畜産に期待される高度な畜産経営の創設と、これにふさわしい生活環境の整備を行ないまして、あわせて地域の農業構造の改善をはかることを調査の基本方針といたしておるわけであります。その結論を待って事業化をはかってまいりたいと考えておりますが、ただいま私の申し上げましたようなことで、およそ、北上・北岩手地域、これは岩手県でございますが、阿武隈・八溝地域、これは福島、茨城、栃木県、阿蘇・久住・飯田地域、これは熊本、大分県、根室中部地域、これは北海道、こういうようになっておりますが、数字は事務当局から申し上げます。

岩本道夫農林省農地局長

○政府委員(岩本道夫君) 北上山系に広がります広大な未開発地域を対象といたしまして、ただいま、新全総に基づく大規模。プロジェクトの一環として、広域未開発農業地域開発調査を実施中でございます。この地域は、北上山系にまたがる遠野市ほか十二市二十三町十四村という広大な地域でございまして、この中に所在しますおおむね十四万五千ヘクタールの開発可能地を対象として、主として草地造成を中心に、その他圃場整備とか基盤整備を行ないまして、大家畜頭数を大幅に増加をいたしまして、畜産を中心とした近代的な経営の創設をねらいとして調査を進めております。現在、この地域には十万頭の大家畜がおりますが、これを将来二倍の三十万頭に持っていきたいと考えております。また、それをテコといたしまして、農業所得も三百万円以上の所得をあげる農家を創設したいというふうに考えております。  調査は、四十四年度から着手しておりまして、現在まで地域の自然的社会経済的条件等の把握につとめておりまして、基礎調査を行なっておりますが、四十六年度におきましては、さらに開発構想を策定いたしますための土地利用方式、草地造成方式、畜産経営の類型などについて調査を実施する予定でございまして、できますれば昭和四十八年度にはこの開発構想の検討を行ないまして、開発基本計画を樹立したいというふうに考えております。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 ただいま北上山系について一つの例として御説明いただいたわけですが、私どものほうで聞いておりますのは、開発可能地域、草地造成用としては、おおよそ十七万ヘクタールくらいは可能ではないか。それからあわせて人工造林のほうは二十六万ヘクタールくらい、これが一つの基礎になるんじゃないだろうか。したがって、ただいまの御説明の十四万五千ヘクタールというのは、いささか小さいのではないだろうか。この点が一つ疑問でございます。  それから乳用、肉用牛の頭数にいたしましても、これは先ほど堀本委員からも基本的な御質問もあり、あるいは酪農の近代化方針というものが最近答申で出ておるわけでありますが、これによりますと、四十三年の四百万トン程度の需要に対して八百万トンの酪農の需要が出てくるであろう、それから頭数も非常にふえて、東北地方においても五十二年には一二%くらい年率で伸ばす、こういうような計画になっているわけです。しかも北上山系でおおよそ百六万ヘクタールくらいの面積を持っておるわけです。したがって、これは牛についてはそれほどの平坦地を必要としないのであって、北上山系というものはかなり利用度の大きい地域でありますから、この十四万五千というのは、いささかどうも小さ過ぎるのではないだろうかという点が一つあるのです。と同時に、頭数につきましても十万を三十万頭にするという程度では、五十二年に一千万トンを目標としている計画に対して、いささかどうも割当が少ないというか、考え方が小さいというか、土地利用のしかたがいささか過小に過ぎるのではないだろうか、こういう感じがいたすわけでございます。  それから三百万円以上の所得と申しまするが、これは農林省当局のまだ中間的な計画でございましょうが、草地二十ヘクタールで乳牛の成牛が四十頭で三百万円以上、これはこれであるいは根拠のある数字かと思いまするが、こういうようなことでは、先ほど堀本先生がおっしゃったように、非常に能率の悪いものがこれから何年か先に出てきて、そういった計画が出たとき、もはやまた小規模のものであって役に立たない、何のために投資をしたか、こういうふうなことになるおそれが多分にあるような感じがするわけでございます。そこで、私どもは、おおよそ十七万ヘクタールというものを一つの基礎として頭に置いて、二百頭くらいは一つの規模にして、そうして相当の収益をあげてやっていく。しかしこの二百頭を養うということになりますると、相当の牧場をつくらなければいけない。これはおおよそ一頭について一ヘクタールという計算が正しいとすれば二百ヘクタールが必要なわけですが、二千ないし三千くらいの大型の牧場をつくって建て売り牧場とでも申しまするか、そういう構想でこれをやる、そのためには相当の資金が要ります。おそらく一億円以上の資金を用意しなければできない。だから、これに対しては相当の低利でしかも長期、これは十五年とか二十年というのは長期だとは私は農業では思いません。四十年、五十年あるいは百年といったくらいの超長期の資金を用意してやらなければ成功しない。こういうふうに思うわけでありまして、残されたわずかに全国四カ所の地域でありまするから、相当深く突っ込んで大構想をもっておやりになっていただきたいと、こう思うのでございまするが、これらの点についてはいかがお考えになりますか。

岩本道夫農林省農地局長

○政府委員(岩本道夫君) ただいまも御答弁申し上げましたように、この地域は、現在基礎調査の段階でございまして、まだ十分な検討ができておりませんが、面積は百万ヘクタールにも及ぶ膨大な地域でございますし、開発可能地として十四万五千ヘクタールあるであろうという見通しを持っておりますから、これは調査の進展に応じてあるいは数字は動いてこようかと思います。当初、開発構想を立てるにあたりまして頭に描きました営農類型が、ただいま御指摘にありましたように、一戸当たり草地二十ヘクタール、乳牛の成牛が四十頭、農業所得三百万円ということでございますが、これらの地域の開発をどういうふうに考えるかというのは、将来の日本の遠隔地の農業地帯の開発方法としてきわめて基本的な問題であると存じますので、調査の進展に従いまして、この開発をどういうふうに進めるかという調査に基づく事業化をどういう形で行なうかというような点についても今後検討が必要だと考えております。特にこれらの遠隔地域につきましては、地域も大きうございますし、また開発の潜在的余力も大きいわけでございますので、新全総の大規模。プロジェクト構想に基づいて、新しい農村社会の建設ということを目途に、その目的が達成できるような方法を考える必要があろうかと存じます。しかしながら、従来のこの地域開発の手法ではその大構想に対応し切れない面もあろうかと存じますので、これらの点につきましては今後十分に検討いたしまして、実り多い結論を得るように、調査にあたりまして鋭意努力をしてまいりたいと考えております。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 これは農林省とは別に、有志の間で研究をし検討しておる数字でありまするが、先ほど申したような二千から三千くらいの牧場で、建て売り方式でやってみたらどうかというようなこと、それから混牧林の構想も大いに取り入れてやっていく、現にそれをやって成功している人が岩手にはおるわけです。ですから、そういったような現実をつかまえて、悔いのないひとつ開発方式を確立していただきたい。  そこで普通、通常北岩手、北上山系の開発のためにはおおよそ一兆円ということばが合いことばになっているわけです。その一兆円の使い方はどうかというと、まず道路であると、道路に六千四百億円くらい要るであろう、それから牧場のために二千七百億円、それから林業のためにおおよそ一千億円、こういったような数字もわれわれ有志の間では検討をいたしておりますが、これは今後の調査の結果、また農林省と十分に打ち合わせをしなければ確定のしない数字でありまするが、おおよそ一兆円も投資してやるわけでございまするから、悔いのないようにやっていただかなければいけないということを繰り返して申し上げるのでありまするが、大臣にこの際伺いたいのは、こういう大構想を行なっていかなければならないという点についてどうお考えになるか。さらにまた大体何年ぐらいには具体的に、こういう牧場、畜産が行なわれ得ることかということのめどですね、年次のめど。それからこういう構想を進めてまいるためには調査の終わる段階かあるいはその前から国立の北上山系開発センターというもの。が必要ではないか、さらにそれを受けて県のほうで、地元で県立の北上山系開発委員会であるとか、あるいは技術面において指導する技術センターであるとか、あるいはいろいろな施設を建設するための——これは、まあ公社とも言うべき施設建設事業機構といったようなものも必要ではないかと、かように考えるのですが、その点についてのお考えをこの際伺っておきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま、御存じのように基礎調査をやっておるわけでありまするが、四十八、九年ごろまでには調査を終わるわけであります。それまでの間に、ただいまお話のような関係方面と十分な検討をいたしまして、これは計画というのは、時間がたってみると、大き過ぎたということはないと思うんですが、したがって十分にそういう調査をいたしまして、われわれのそういう計画のねらいが発揮できるようにすべきではないか。ただいま基礎調査をやっておるところでございまするので、そういうことの上で政府としてもそういう方針をきめるべきではないかと思っております。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 それではひとつ最後に残った質問。まだ伺いたい点もありまするが、時間がありませんので第二点の質問を申し上げたいと思いますが、それは国有林の伐採のやり方についていささか最近私疑問を持つような現状を目にいたしましたので、それについて申し上げたいと思います。それは国有林の木材生産と、それから自然保護あるいは水資源の涵養等、経済と公益、あるいは環境保全というものとの調和が必ずしも十分にとられないで林野庁の業務が行なわれているんじゃないか。これは具体的には、一つの例として北上山系の中に早池峰という山があります。山系の中心部でございますが、ここが県の自然公園になっておるんです。いわば自然林、原色林なんです。そこの道路が新しくつくられたところ、観光資源にもなっているところ、そこの山はだがめちゃくちゃに切られてしまっている。まことにぶざまな姿をあらわしているんです。しかも一方において治水の影響も出てきて、防災ダムを——その関係かどうかはわかりませんけれども、防災ダムをつくっておる。一方において林野庁の独立採算のために木を切っている。便利なところ、搬出経費の少ないところから、もうけるために切っている。片方においては防災ダムをつくらなければいかぬと、治水のために金を使わなきゃならぬと、こういうようなことは非常に行政面としても矛盾をしておる。また環境庁もつくられていく、自然保護をしなければいかぬ。一ぺん木を切ったらもう何十年、何百年も戻ってこない。そういうことが行なわれております。これは地元でも、ずいぶん営林署等にも要望もし、注意もしたそうでありまするが、あえてそれは営林署の権限として行なわれてしまった。こういうことでは、私は、日本の自然保護と、そうしてまた国有林である以上は、そこら辺はもっと全体的な調和の中において行なわれなければならない、かように考えまするので、特に大臣からこれらについての基本的な姿勢と指導方針をこの機会に明らかにしていただきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 国有林野というのは国土の保全等の公益的機能が優先すべきものであって、経済機能というのはこれを維持していくために必要な面であると、私はそのように思っているわけであります。そういう機能を総合的かつ効率的に発揮させることがその使命と考えておるわけでありますが、ただいまお話のございましたように、自然保護、水資源の涵養等の公益性というものは、これは国有財産をあずかる林野庁の仕事におきまして最大のものであると思っております。何かもし勘違いをして、経済的経営に重点を置くということであるとするならば、これは私はたいへんなことだと思っております。ただいま私どもは国有林のあり方についていろいろ根本的に検討いたしておりますので、ただいまのようなお話もあわせて検討いたしまして、国有林のあり方について十分国民全体の期待に沿えるように改善してまいりたいと思います。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 基本方針としてはそれでけっこうでございますが、具体的に毎日木は切られてまいりますのですから、直ちにそういう変なことにならないように、末端にまでまず基本的な方針を指示していただくことを特にお願いを申し上げたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 初めて承りましたので、さっそくそういうただいま御指摘の点については調査をいたします。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私、たいへん持ち時間も少のうございますし、また私には、沖縄の返還協定が順調に進められておるという中でも非常に不安と疑惑が一ぱいある。ところが秒刻みで七二年返還に向けて刻々沖縄問題がクローズアップされております。そういう中で復帰要綱の第二次がようやくきのう閣議で決定した。こういう現状。それから沖縄には一ぱい復帰不安がございまして、いろんな問題が多岐にわたって、国会の中でも毎日論議されておるわけでありますが、ところが全般的に見渡して大事な沖縄の農業、漁業の開発問題が何かしら表面にクローズアップしてこないような気がいたしまして、これはたいへんだと、こういう意味合いから、この委員会でぜひこの問題を短い時間の中ではありますが明らかにしていただきたい。こういうことで、多岐にわたる問題の中で私非常に必死になっておるわけでありますが、どらかそういう気持ちをくんでいただいて、まことに長時間お疲れではあると思いますが、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。  そこで確認いたしたい第一点は——沖縄問題にしぼらせていただきたいと、こう思うわけでありますが、第二次の対策要綱の中にも出てまいっておりまするが、それはこれまでの沖縄問題担当の山中長官はじめ、一貫する答弁の中にも、沖縄の経済開発は決して沖縄の復帰全体を含めて四十七番目の県にするのではない、二十六年にわたる祖国から断絶されたそのひずみから起こった格差を補ってさらにその特性を伸ばしていくんだ、こういうことが一貫して強調されておるわけであります。そういった大前提に立ちまして、特にこの沖縄の経済開発の一つの姿勢として新全国総合開発計画、新経済社会発展計画の改定の中で沖縄を一ブロックとして開発をしていく、この特色を十分に伸ばしていくんだと、こういうことが確認されておるわけでありますが、農業開発にあたりましてもその姿勢で臨んでいただくことは間違いないものと、こう思っておるのでありますが、いかがでございましょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 御指摘のように、そういう趣旨で沖縄対策を講じてまいるつもりであります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 それで安心いたしました。  それで問題たくさんございますが、幾つかにしぼって申し上げたいと思いますが、もう一点確認しておきたいことは、七一年の五月に調印、それから十月に臨時国会、来年の四月一日と、こうなりますとまことにあせりを感じるわけですが、そういう中で七二年返還までにはすべての準備計画が終了すると、のみならず、具体的にその時期までには補うべき問題については最善の努力をして補っていくと、なお七二年の返還をまた出発点としてそれから加速度的にと、こういうことにならなければいけない、こう思うわけであります。そういうことからしますと、今年度の沖縄復帰予算が六百三十億、これは一応類似県並みという立場からしますというとそう劣らないとも思われますが、しかし二十六年間の断絶の中から起こったいろんなひずみからまた生まれた格差があるわけであります。これを補うにはあまりにも少な過ぎる。たとえば一例を申しますと、教育の格差を一応基本施設を中心として縮めるために類似県並みに持っていくにも一億五千万ドル——五百四十億ですか、これだけ要るわけです。そういう例からしますと、これは七二年までには格差を縮めていくという前提に立つというと、まことにこれは観念論にしかすぎない微弱なものであるわけですが、さてその六百三十億の中に占める農業開発費といいますか、農漁業の占める比重というものが二十億程度と聞いておりまするが、確認しておきたいと思いますが、その程度でございますかな。

太田康二農林大臣官房長

○政府委員(太田康二君) 本年度の日本政府の援助、農林関係予算額でございますが、いま先生のおっしゃいましたように二十億七千三百八十六万三千円、こういうことに相なっております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 そういう比重からしますというと、まことに率が低い。これにはいろんな要因があるわけでございまするが、それはともかくといたしまして、このように、比率からしますというと非常に低いと、こういうことをまず確認していただいて、お尋ねしたい第一点は、戦後、沖縄の置かれておるこの異常性、軍事基地あるいは支配、しかも全島で一三%、沖縄本島では二四%、その二四%の中の一三%が農耕地である、こういったこともありまして、特に年次を追うて沖縄における農業に従事する者が、特に青年の離農と老齢化が著しくなってきておりますし、一部には農業粗放化の現象も見られるに至っておりますが、沖縄農業を青年にも魅力ある、しかも高い収入のものとするためには、どうしてもそこに農業の協業化あるいは機械化によってこの零細経営構造を改革する必要があると思われますが、政府はその方策をお持ちであるでしょうか。もしおありであれば、その方策をお聞かせ願いたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 喜屋武さんの前で私が講釈がましいことを申すのは申しわけありませんが、私も長いこと行ったり来たりして、沖縄はかなり見ておるつもりでありますが、あそこは米はあの程度、それからやはり台風常襲地帯ということでサトウキビ、パイナップル、それがおもであります。しかもサトウキビにつきましては、ほかにやはり仕事もあったこともあったでありましょうが、台湾とかその他に比べますというと、十分な手入れはしてございませんでした。私どもは、これからできるだけそういうことについてかんがいであるとかその他の基盤整備も御協力申し上げて、ぜひああいうところの農業というものはそれで立ち行くように育成してまいりたい。あとでお話もあるかもしれませんが、そのためにサトウキビに対する政策などにも十分考慮をしてまいるつもりでありますが、そのほかに、やはりこれは農業だけ考えましてもなかなか、結局は農業というのは農業それ自体が引き合うような計算を立ててやっていかなければなりませんので、地元におかれましても、やっぱりそういう合理化であるとか、それから生産性向上にうんと力を入れていただくということが必要なことだと思います。それで第一次、第二次の沖縄対策の政府の方針によりまして、将来は——喜屋武さんはかなり御存じと思いますけれども、われわれとしてはずいぶんこまかいことに気を使ってやったと思っております。まだこれからも三次もありますけれども、そういうことでありまして、したがって、たとえば沖縄の構造改革、農業の構造改善等につきましては特段の力を入れてやってまいりたいと思っておりますが、何しろ長いことああいう情勢のもとに置かれましたものですから、農業として見ましてもたいへんむずかしいところが多いと思うのです。したがって復帰に備えて、われわれはかねてから沖縄対策室も持っておりますけれども、いよいよ実際に動き出す段階になりましたならば、もっともっと地元の生産者団体、つまり農業協同組合等とも連携をしながらできるだけ能率の上がるような指導、御協力をいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 何かそれについて具体的なプランでもございましたら、もう少し詳しくお聞かせ願えませんか。

太田康二農林大臣官房長

○政府委員(太田康二君) 実は、沖縄の復帰に伴いまして私たちが最初にやらなければならぬ仕事といたしましては、先般の第二次の沖縄復帰対策要綱できめましたように、新全総法律で沖縄を独立の地域として法律を立てるということに相なっておりますが、私どもといたしましては、先般農業生産の地域指標の試案というものを公表いたしまして、昭和五十二年における農産物の需要と年度の長期見通しを立てたわけでございますが、その際、沖縄はまだ含まれておらなかったわけでございますが、現在沖縄に関するいろいろな資料を集めまして、復帰に伴いまして、当然沖縄におきますところの農業年度の地域指標というものを作成をいたしまして、これに基づきまして、農業の指導をやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  そこで、当面実施いたしております事業といたしましては、沖縄農業の開発実験事業ということを実施するための予算を要求いたしておるわけでございますが、これは意欲のある農民集団の協力を得まして、こういった農民の方々の集団化した経営地、一応四十ないし五十ヘクタールを考えておるわけでございますが、こういった集団化した経営地の上に技術的にも、経営組織的にも沖縄農業近代化のパイオニアになるような協業農場を実験的につくる。その成果をモデルとして一般農家の方々に展示をして、将来の沖縄の農業の構造改善に資するということで法律をいたしておるわけでございまして、その経費は全額国庫負担とするということでこの事業に取り組みたいと、かように考えておる次第でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 急いでまいりたいと思います。  次にお尋ねしたいことは、沖縄農業の生産性を高めていくためには、農業経営構造の改革も大事でありますが、それとともに土地基盤の整備がきわめて重要であると思われます。御承知のとおり、本土に比べてその基盤整備が大幅におくれておることは御承知だと思いますが、沖縄農業近代化の前提条件として、この立ちおくれをどのようにして縮小なさるのか、また縮小していくための具体策をお持ちでありましたら、ひとつお聞かせ願いたいと思います。

岩本道夫農林省農地局長

○政府委員(岩本道夫君) 沖縄農業の近代化のために農業生産の基盤の整備がきわめて大事なことであり、不可欠でありますことは御指摘のとおりでございます。したがいまして、従来から日本政府の援助によりまして資金面及び技術面でいろいろ指導を行なっておるところでございまして、こちらのほうから人も派遣しておるところでございます。今後とも沖縄農業振興方策に即しまして、基盤整備事業の積極的な推進につとめたいと考えております。このため本土復帰までには、沖縄復帰対策費のうち、いわゆる日政援助費のうち農業基盤整備関係予算を大幅に拡充する措置等を講ずる所存でございまして、本土復帰に際して、各種の事業の採択基準なり補助率等について、沖縄の特殊事情を十分勘案をいたしまして検討してまいりたいと考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 なお、この問題につきましては掘り下げてお尋ねしたいとも思いますが、時間が限られておりますので、一応問題提示の形で、また次回にぜひ納得のいくところまでお尋ねいたしたいと、こう思っておりますので、ひとつよろしくお願いします。  次にお尋ねしたいことは、沖縄においても、これは全国的にもある程度共通の傾向があると思いまするが、都市化の進展に伴って青果物、畜産物の市場とその施設が未整備なために需給の実情が適切に価格に反映されておらない。その結果、生産者、消費者とも非常に不利をこうむっていると思われますが、この状態を改善するために、今後主産地の形成あるいは輸送手段の整備と相まって公設市場の設置、あるいは施設の改善近代化に力を入れる必要があると十分考えられます。その対策をもしお持ちでありましたら、ひとつお聞かせ願いたいと思います。

小暮光美農林省農林経済局長

○政府委員(小暮光美君) 御指摘の点につきましては、私どものほうからも担当官がおじゃまして、いろいろ現地を見せていただいたので、その報告も承っております。いろいろ流通機構の整備についての御要望もございます。また現実が御指摘のようになかなか問題を含んでおるようでございます。ただ、御承知のように、特に野菜等の場合に生産の場所が都市に非常に近い。那覇の場合を聞いてみますと、都市近郊にかなり野菜の生産地があるように報告を受けております。したがいまして、まだ現状では直接生産者が市場に持ってきて、生産者と消費者がそこに直接相対するような形がまだ一般的であるということも聞いております。それぞれ沿革があってそうなっておることと思います。それらの点につきましては、なお今後もできるだけ密接に連絡をとりまして、また現地も見せていただいて、そうした生産と消費の実態をよく見まして、地元の方の御要望も十分頭に置きながら、私のほうで現在考えております農産物市場の整備の考え方、それをどのように当てはめていったらよろしいかということを研究させていただきたいと思います。ただ、その際に、従来と違いまして、ただいま御審議をいただいております法律が成立をいたしますと、大型の卸売り市場の施設整備と並行して、地方の卸売り市場の整備というものについても国がいろいろ指導する法制的根拠ができますし、実情によっては中央卸売り市場でまいりますかあるいは地方卸売り市場でまいりますか、それらの点も含めてよく現地の実情を拝見しながら検討いたしたいというふうに考えております。  なお、畜産物の流通についても、いろいろ実態を調査した報告を聞いておりまして、これにつきましても食肉センター等の設置というようなものをめぐって、十分現地の実態を把握したいというふうに考えておる次第でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 質問時間が六時八分までという連絡がまいっておりますので、なおお尋ねしたい、また御意見申し上げたいこともありますが、次に移らしていただきます。  次に、特に沖縄の農業といいますと、砂糖、パインの問題は、これは歴史的にもまた将来もどうしてもこれは切り離すわけにはいきませんが、その中で含みつ糖につきましては、沖縄産糖の糖価安定事業団による買入れ等に関する特別措置法、これによって一応守られているわけでありますが、ところが、その事業団の買い入れが行なわれて、価格の維持がはかられてきておる中で、この含みつ糖についてはこのような措置が行なわれておりません。ただ奄美等とよく比較をされて問題になっておるわけでありますが、沖縄においては、事情が本土、奄美大島とも違っておりまして、含みつ糖しか生産できない、離島地域がたいへん多いということは御承知のとおりであります。その生産者と周辺農家にとっては含みつ糖及び原料サトウキビの価格安定がきわめて重要な、関心の高い問題であります。今日の復帰対策要綱でも、政府はこの問題に触れられておるわけであります。その方針は明らかにされておりますが、その内容をどのようにするのだ、こういったことをもっと詳しく御説明願いたいのであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 含みつ糖は、糖価安定制度の対象になっておりませんので、現在は琉球政府が独自の対策として、一種の不足払いといったような措置を講じておると承知いたしております。今回政府が沖縄復帰対策要綱で含みつ糖対策を取り上げましたのは、含みつ糖が、いまお話のように、沖縄の離島経済において特殊な地位を占めております重要産物である事実にかんがみまして、復帰後もその保護育成に必要な措置をとるということで、特に従来琉球政府が講じてまいりました対策が実質的に継続できるように、当分の間必要な措置を講ずるという方針を決定いたしたのでございまして、具体的内容は今後の検討課題でございますが、そういう実質的に琉政がやっておりましたのと同じ結果になるという方針を決定いたしております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまの御答弁で安心いたしましたので、ぜひひとつそれを間違いなく実現してくださるように御要望申し上げます。  次に、沖縄農業の開発振興のためには、その立地条件からみまして、熱帯農業に関する試験研究を推進することが非常に有益である、本土では見られない、沖縄でなければという特殊な熱帯農業の地域であるわけでありますので。幸い、すでにそのような着眼で熱帯農業研究センターが設置されていることは承知いたしております。地元沖縄農業振興のために、現在どのような活動を行なっておられるのか。また今後その研究所をどのように生かしていこうとお考えになるのか、そのことについてお伺いしたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 熱帯農業研究センター沖縄支所は、沖縄が属する亜熱帯の農業に関する試験研究を行なうとともに、熱帯、亜熱帯及び温帯間の作物導入、馴化に関する試験研究を行なうことを目的といたしまして設置いたした次第でありますが、初年度であります昭和四十五年度については、施設整備に着手いたしますとともに沖縄農業に関する調査を行なっておるわけであります。今後は優良品種の導入、病虫害防除、地力の維持増進等を中心として試験研究を推進してまいる考えでございますが、これによりまして沖縄農業振興にも十分寄与し得るものと考えておりますが、私はこの際、沖縄御選出の国会議員である喜屋武さんにも申し上げたいと思いますが、沖縄の人たちには一つ楽しみを持っていただきたいと思うのでございます。それは、いま東南アジアの開発途上国、これらの国々がいろいろわが国へ向かって農業的に技術面で、あるいはいろいろな意味でわれわれの協力を求めている国もあり、期待いたしておる国もございます。そういうようなことについて、私どもは一々現地に参って研究をいたすというよりも、たいへんよく似通っていることのあります沖縄の熱帯農業研究センターというものは、そういうところの経験を生かして、このアジア諸国におけるわれわれが御協力を申し上げるべき研究個所としては非常に将来性のあるものであります。したがいまして、こういうところを基点にいたしまして、私は、もっとアジア全体の国民の経済的向上、それからまたひいてはアジアの平和に貢献し得る農業の協力などについての基礎的研究の場所になるわけでありまして、そういう意味で、沖縄の熱帯農業研究所を施設することにつきまして特段の関心を持っておったわけでございます。沖縄というところは将来ともに、やはり戦前の沖縄とは全く今日地理的にも、いろいろな意味においても新しい意味を持っておりますので、沖縄の方々は、そういう意味で御自分たちの立場、それから有利な地域等に根拠を置かれまして、ますますひとつ大いに勉強し、発展していただくように心からお願いをいたしたい。ことに熱帯農業については、私はそういう楽しみを持っておるわけであります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 最後に、これは流通機構という立場からしますと、農林省の問題にもなりますが、これは運輸省とも関係があると思いますので、沖縄の農業の問題のみならず、特に農業の立場からも強調いたしたいのでありますが、どうしても沖縄対本土、たとえば本土でありますと北海道、四国、九州と離れておりますが、ほとんど海というものが海底トンネルが通っておりますから陸の延長だと、こういうふうに見てよろしいと思われるわけであります。だから鉄道と船舶の問題は、本土では一応陸続きだという形で通っております。ところが沖縄の場合には、これは船舶以外に航空の整備もあるわけですが、船舶が主になる。四十幾つかの離島が散在しているわけでありますから、沖縄本島と離島とのつながり、それから今度は沖縄本島と本土とのつながり、これを抜きにしては沖縄の開発はどうにもならない、こういう特殊な事情があるわけであります。ところが戦前は沖縄航路は国鉄並みに補助がされておったわけでありますが、いまそれがないわけであります。そういった輸送上の船舶の問題、沖縄対本土、あるいは沖縄本島対離島、この問題をひとつ念頭に置いていただきたいということと、さらに、沖縄本島では戦前は鉄道があったわけであります。ところがその鉄道の復活を計画したことが戦後あったわけでありますが、アメリカの圧力にあいましてとめられてしまって、それが実現しなかったわけなんです。だからいま本島内における輸送機関というのはバスとトラックだけです。こういうこともぜひ念頭に置いていただいて、この問題をともどもに解決をしていただきたい、こういうことであります。  それから最後に、これは御即答はもらいませんが、本土に比較いたしまして特に沖縄がああいった異常な環境が四半世紀も過ぎた中で、沖縄には農政がない、こう断言しても過言ではないと思うわけでありますが、そういった情勢の中で、戦後、今日まで本土におきましては農家一人当たり国がどれだけ投融資してこられたか、それから沖縄の農家に対してどれだけ投融資してこられたか。どうしても資金面で二十五年間にわたる期間に格差があることはもう申し上げるまでもありません。この資料を数字的に、もしおわかりであれば御即答もお願いしたい。これは後日でもよろしゅうございます。  時間もありませんので、以上申し上げまして私の質問を終わります。

太田康二農林大臣官房長

○政府委員(太田康二君) 私たちの手元にございます資料によりますと一九六九年におきますところのわが国本土の一人当たり国庫支出金——農業関係でございますが、これが三万三千円、これに対しまして沖縄は一万円ということになっておりますので、約三分の一ぐらいということになっておるようでございます。

三木忠雄公明党

○主査(三木忠雄君) 以上をもちまして農林省所管に対する質疑は終了いたしました。  これにて散会いたします。    午後六時十一分散会

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