予算委員会第一分科会 第3号
- 発言数
- 224 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/03/25
会議録
○主査(平島敏夫君) ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。 分科担当委員の異動について報告いたします。 本日、鈴木強君及び戸田菊雄君が委員を辞任され、その補欠として杉原一雄君及び矢山有作君が選任されました。 ―――――――――――――
○主査(平島敏夫君) 昨日に引き続き、昭和四十六年度総予算中、内閣及び総理府所管を一括して議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○矢山有作君 まず総務長官なり広報室長、内閣調査室長にお尋ねしますが、現行日本国憲法に対してどういうお考えを持っておるか、承りたい。
○国務大臣(山中貞則君) 日本国憲法は、わが国が戦後帝国憲法にかわるものとして、すべての諸法制の基幹たるべきものとして定めたものでございますから、古めかしいことばで言えば、いわゆる不磨の大典ともいわれるべき基本的な法律のよりどころであります。したがって、総理以下、閣僚、公務員、国会議員その他すべてが憲法を九十九条の定めるところに従って順守し、尊重する義務を負うものというつもりでおります。
○政府委員(松本芳晴君) 総務長官と全く同感でございます。
○説明員(川島広守君) ただいま総務長官がお答えになったのと全く同感でございます。
○矢山有作君 次に、お伺いしますが、現行の教育基本法に対する、同様お三人の方々の見解を承りたい。
○国務大臣(山中貞則君) 文部大臣に聞いていただきたいと思います。
○矢山有作君 それは教育に関する問題はもちろん文部大臣に聞くわけです。しかしながら、教育基本法というのは国家の法律でありますから、したがって、あなたがそれに対してどういう考え方を持つのかということは、一国の閣僚として見解を述べるべきなんであって、それすら見解が述べられぬというのであればちょっとおかしいね、これは。
○国務大臣(山中貞則君) 誘導の入り口でありましょうが、教育基本法というのは、法律としては制定されておりますから、りっぱな日本の国の法律でありますが、その成立の過程においては立場、考え方の違いにおいて議論の賛否あったところでありますから、そのことについて意見を言われるならば、話はまた文部大臣の話にならざるを得ないと私は思いますけれども、制定された法律が違憲でない限り、その法律は順守されるべきものと考えます。
○政府委員(松本芳晴君) 私も教育基本法に対する考えは長官と全く一緒なんでございますが、私どもは各省庁の広報事項を全部その依頼に応じて行なっているわけであります。文部省からも、再三、いろいろな形の広報事項が出てくるのでございますが、最近はちょっとないように思っております。
○説明員(川島広守君) 教育基本法は法律でございますので、十分に尊重されるべきものと考えます。
○矢山有作君 次に承りますが、内閣官房に計上をされておる情報調査委託費の七億四千九百八十七万五千円の明細について、委託先別にその金額をお示し願いたい。
○説明員(川島広守君) ただいまお尋ねのございました委託団体別にお答え申し上げます。 日本放送協会――四十六年度の分でございますが――七百三十万円。内外情勢調査会五千九百二十五万二千円。共同通信社七百二十万円。ラヂオプレス千四十四万円。共同通信社開発局四千二百三十万円。海外事情調査所六千八百九十九万九千円。世界政経調査会二億五千八百七十九万九千円。東南アジア調査会四千百八十五万二千円。国際情勢研究会六千四百四十一万二千円。国民出版協会一億七百六十一万円。民主主義研究会八千百七十一万一千円。合計七億四千九百八十七万五千円でございます。
○矢山有作君 この情報委託をやる場合の委託先は、年度によって変化しておりますか。それとも、いつも固定的に、いま読み上げられたところに対して、情報委託をやっておられますか。どうでしょう。
○説明員(川島広守君) 年度によりまして若干の差はございますが、たとえば、日本放送協会につきまして申し上げますと、前と同じであるわけでございます。内外情勢調査会につきましては若干前年度に比べまして増加をいたしております。若干の増加はございますが、そう大きな差はございません。
○矢山有作君 いや、金額よりも、委託先が年度によって変わることはありますか、それとも、委託先はずっと一緒ですかということです。
○説明員(川島広守君) 委託先は、毎年同様でございます。変わっておりません。
○矢山有作君 ただいま読み上れた情報調査委託先の代表者名、それから役員、こういったものがわかればお知らせを願いたいのであります。ただし、日本放送協会、それから共同通信社、それからラヂオプレスは除外していただいてけっこうです。なお、共同通信社開発局というものが共同通信社の一部門であるならば、これも除外していただいてけっこうです。
○説明員(川島広守君) 内外情勢調査会は、会長が長谷川才次氏でございます。それから株式会社共同通信社開発局、これは代表取締役が成田安賢、それから海外事情調査所は、所長は小林正雄でございます。世界政経調査会は、会長が石井栄三でございます。東南アジア調査会は上村健太郎でございます。国際情勢研究会は、会長が太田一郎でございます。国民出版協会は、会長が下野信恭でございます。民主主義研究会は、会長が浅井清でございます。 以上でございます。
○矢山有作君 これは、代表者だけでなしに、その他役員の名前は、いまわかりませんか。わからなかったら、あとで資料でお知らせいただいてけっこうです。
○説明員(川島広守君) 後ほどお届けいたしたいと思います。
○矢山有作君 次にお尋ねいたしますが、情報調査の委託先からどういう情報を入手されておるか。そうして、また、入手した情報は具体的にどういうふうに利用されておるのか。できるだけ詳細に御説明を賜わりたいと思います。
○説明員(川島広守君) ただいまのお尋ねの最初に、一般的にお答えを申し上げたいと思いますが、内閣調査室が行なっております情報資料の調査方法につきましては、ただいまお尋ねのございましたように、いわゆる団体に委託をして情報資料を集めておるのが一つの手段、方法でございます。 次には、各省庁から寄せられます情報資料、こういうものの分析調査もあわせてやっていただいております。さらにまた、内調自体が自身で多く、広く民間の協力者の方々から情報の提供を受けている、以上大きく分けまして三つの方法によりまして情報資料を集めているわけでございます。 ただいまお尋ねがございました点につきまして具体的に申し上げますと、たとえば、日本放送協会でございますが、これは海外の放送、このモニター聴取をやっていただいておりまして、その聴取記録を作成してもらっておるわけでございます。 内外情勢調査会につきましては、海外放送いたしましたその聴取の記録を翻訳をいたしまして、それを整理をして速報という形でニュースの提供を受けております。さらに国際関係に関します各種の資料につきましても、同様、翻訳、収集、整理、こういうことをお願いをしておるわけでございます。さらにもう一つは、当面大きな現代の社会に起こっておりますさまざまの問題につきまして、いわゆる世論調査とは違いまして、有識者の方々に特定の御意見をお尋ねをするというふうなことをやっていただいておるわけでございます。 共同通信につきましては、いわゆる内外情報につきましてのニュースの速報の提供を受けておる。 ラヂオプレスにつきましても、これは主として海外のニュースが専門でございますけれども、海外のニュースの提供を受けその速報を受けております。 それから共同通信社開発局からは、いわゆる外国通信、「ニューヨーク・タイムズ」でございますとか、「タイム」でございますとか、さまざまな諸外国の主たる新聞雑誌等の記事、資料の提供を受けておるわけでございます。 海外情報の調査につきましては、これまた海外の資料のさまざまな文言にわたります収集、翻訳、整理、それから各種の海外の事情につきましての基礎資料をつくってもらって提供を受けております。 世界政経調査会につきましては、東南アジアを除きました世界の各国の政治、経済、社会事情その他の調査をしてもらいまして、その結果について、いろいろと資料の作成をしてもらい、提供を受けておるわけでございます。 国際情勢研究会につきましては、当面いたしておりまする内外の諸情勢につきまして、それぞれ有識者の、学者その他の方々にお集まりを願いまして情勢の分析、その結果の総合判断の資料の作成をし、その資料の提供を受けておるわけでございます。 国民出版協会につきましては、新聞をはじめ、出版物、いわゆるマスメディアにあらわれておりますところのさまざまな論調、あるいは社会風潮と申しましょうか、そういうものにつきましての調査研究を委託し、その結果についての資料を作成し提供を受けておるわけでございます。 民主主義研究会につきましては、当面いたしておりますいろいろな社会事情あるいは文化、政治、経済の万般にわたりまして、民主主義的な諸施策の展開をするという観点から、政治、経済社会.文化その他に関しましていろんな理論的なものあるいは基礎的な、さらには応用的な、いろいろな調査、あるいは論文の作成等の情報の依頼をして提供を受けておる次第でございます。 以上でございます。
○矢山有作君 それでは、先ほど言いましたように、その情報調査委託先の代表者は聞きましたが、役員に至るまで明らかにして資料で御提供していただくというのは御了解を得ましたので、できるだけ早く御提出いただきたいと思います。 それで、ひとつお伺いしたいんですが、内外情勢調査会の中の有識者等の意見調査というのがありますが、この有識者等の意見調査というのは一体どういう人を対象にして、どういうような意見調査をやっておられるのか、御説明をいただきたいのです。
○説明員(川島広守君) 先ほどもちょっとお答え申し上げましたのでございますが、有識者調査と申しますのは、一般的無作為抽出というような、いわゆる世論調査とは違いまして、たとえば、物価問題でございますとか、あるいはまた当面いろいろ学生紛争等が起こっておりました時点におきましては、大学生そのものの意識でございますとか、あるいは今後の学生運動の推移でございますとかというような当面いたしております大きな問題、テーマにつきまして、少ない場合には三十名、多い場合には五、六百名の方々を対象といたしまして、特定の方々に御意見を承り、その結果を収録をする、こういうことでございます。
○矢山有作君 ですから、特定の人間から意見を承っておられるわけですから、その特定な人間のお名前をおあかし願えないかどうかということが一つです。それからもう一つ、そういうふうに有識者から意見を聴しられた場合に、一人について幾らかの謝礼というのか何というのか、そういったものをお出しになっておるかどうか、その二点はどうでしょう。
○説明員(川島広守君) 問題ごとによりまして、有識者の対象も異なってくるわけでございますけれども、一般的に、重点を申し上げますれば、いわゆる学者あるいは文化人、あるいはそれぞれ社会にお雪ましてかなりリーダー的な立場におられる方々というような方々に、多く御依頼を申し上げておるわけでございます。名前の公表というような問題でございますけれども、問題が特定の問題について忌憚のない御意見を実は承るわけでございますので、名前の公表につきましては差し控えさせていただきたく存じておりますが、一般的に、問題についてどういうような人に尋ねたかというようなことでございますれば、またあらためてお話し申し上げたいと存じます。 それから謝礼の問題につきましては、内外情勢調査会のほうに実はまかせておるわけでございまして、問題によりまして具体的にどれだけ謝礼をいたしておりますか、具体的に私は存じておりませんけれども、あるいは適当ないわゆる謝礼につきましては、おそらく支払っておるのではなかろうかと存じますが、あまりしっかりしたことを存じません。後ほどまた調査した上でお答えさせていただきたいと思います。
○矢山有作君 私が、意見を求められておる、対象になっておる人が、大体固定をしておるというお話でありますから、特にそのお名前をおあかし願いたいと言いましたのは、政府が一体どういう特定の人から意見を聴取されておるかということが、政府の方針決定に対して非常に大きな影響を及ぼすわけであります。したがって、私どもとしては、政府がどういう広報宣伝をめざしておるのかということが、その特定の人のお名前を聞かせていただくことによって推察できるわけでありますし、これは当然国費をもってやっておられるわけでありますから、私どもはこれは何も発表をしていただいて差しつかえないんではないかと思います。特に私の要求が特定のAという人ならAという人が、どういうことを言ったのかということまで聞こうとするのであるならば、あるいはあなた方のほうではそこまではということもあるかもしれません。私どもはそういうこともあってはならぬと思いますが、あるかもしれませんが、名前をお聞かせ願うぐらいなことは、私はこれは国会審議のたてまえからして当然だと思いますから、これはぜひとも名前をおあかしを願いたいと思います。 それから謝礼というのか何というのか、この金の支払い方法について、いささか問題があるように私どもも考える節がありますから、これはきょうは具体的には指摘をいたしません。あなたのほうで調査になって、どういうような方法でこの意見調査をやられ、その対象人物に謝礼か何かが渡っておるかということを調査の上、また、お知らせをいただきたいと思いますが、この二点はどうですか。
○説明員(川島広守君) ただいま先生のお話にございましたように、有識者調査につきましては、部外に実はその結果を発表しているものではございませんで、関係の行政機関その他に配付をいたしておりますけれども、きわめて限定した形で配付をいたしております。 それからまた、お話がございました氏名につきましては、先生おっしゃるとおりでございまして、将来にわたりまして、いろいろと御協力を賜わりますので、特定の人がどういうように答えたかということをあかさないということでございますれば、申し上げることは差しつかえないと思いますが、後ほどまたそうしたものはお話申し上げたいと思います。
○矢山有作君 謝礼の件は。
○説明員(川島広守君) 謝礼の件につきましては、もちろん調査いたしました上でお答えいたします。
○矢山有作君 それから、先ほどの御答弁の中で落ちた分があるのですが、入手された情報を具体的にどう利用しておられるか、この問題についてお答え願います。
○説明員(川島広守君) 内調が行なっております情報資料の、入手しました情報につきましては、その内容によってもちろん違います。異なってまいりますけれども、多くの場合におきましては、関係の行政機関に配付をして政策の推進の参考にしていただくということが主でございます。さらにまた、内閣に対しまして、もちろん必要なものにつきましては、定期にそれぞれまとめて、これを内閣に報告して、内閣の政策の推進に役立ててもらう、こういうことでございます。
○矢山有作君 次に、これは総務長官からお答え願いたいのですが、政府の広報活動における基本的な立場といいますか、方針といいますか、考え方といいますか、そういったことを承りたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 基本的な立場と申しましても、これは政府が国民に広く知らしむべきであるという事柄について、事柄の性質によって、場合によってはソフトな解説をつけたもの、あるいは第三者の批判等を参考として、それによって実際の政府の行政なり、法律なりのあり方を知らせる方法とか、あるいは責任者がテレビ等に出演、対談をする、あるいは紙上等において意見を掲載し、それを国民に知らせる、あらゆる形があると思いますが、要するに正確にかつ国民に広く政府の行なっていること、あるいは日本の政府の法律その他の分野について周知せしめるということが、広報の基本的な立場だろうと思いますが、御質問にこたえた答えになっているかどうか、私、ちょっと質問がその程度のことなのかどうか、ちょっとわかりません。
○矢山有作君 こういうように解釈していいですね、要するに、政府の広報活動というのは、政府のやっておること、いわゆる行政、施策としてどういうことをやっているとか、あるいはどういう法律がつくられ、どういう法律があるとか、そういった政府のやっておることをPRするのだと、これが基本的な立場だと、こういうように解釈していいですね。
○国務大臣(山中貞則君) それは原則的な立場ですが、まだやっていないことについても、あるいは所管大臣の持っている構想などについては、気軽な対談等であれば、話すこともあるわけでありますから、それは限定していないと思うのです。
○矢山有作君 わかりました。 次にお伺いいたします。広報室の予算の明細、これは支出先なりそれから金額もあわせて御説明いただきたい。
○政府委員(松本芳晴君) 昭和四十六年度でけっこうでございますか。
○矢山有作君 けっこうです。
○政府委員(松本芳晴君) 四十六年度の広報室の総予算は十八億二千九百八十万九千円でございます。内訳は諸費別になっておりまして、企画諸費というのが六千百八十九万九千円、それから放送関係の諸費、これは全部委託費でございますが、六億七千二百九十七万三千円、それから出版関係の諸費、これは資料購入費と、広告と、それから一部、編集委託費に分かれますが、合計で八億六千四百六万三千円、それから事業諸費、これは視覚媒体、映画、スライド等を使う費用でございますが、一億六千五十七万二千円、その次に公聴諸費という、例の一日内閣の費用がございまして、これが九百四十四万九千円、それから世論調査諸費、これが六千八十五万三千円でございます。
○矢山有作君 まあ大ざっぱな御説明をいただいたわけですが、私はもうちょっとこまかく聞きたかっわけです。たとえば、ラジオ放送に三千余万円出しておられる。それからテレビ放送に六億一千万円ぐらい出しておられますね。このラジオ放送、テレビ放送はどこを対象にしておるのか。それからまた出版諸費の中にも、それぞれ使途がありますから、金額までは時間かかりますからよろしいから、それをひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(松本芳晴君) 放送関係は、東京の制作局を基幹としまして、各系列局に流しておるわけでございます。たとえば、ラジオの場合は、新年度は、ニッポン放送を基幹局としまして系列局約二十八局に流す、十五分番組、半年でございます。それからテレビの場合は、いまきまっているのは約三つでございますが、日本テレビを基幹局として出すのが、系列局二十三局、一週間、十五分番組一つでございます。それから東京放送を基幹局として出すのが、系列局二十局、これも一週間、十五分番組。それからフジテレビ、これが系列局八局、これも一週間、十五分番組、これが総理府提供という形で出ます。そのほかに、番組の制作だけを委託しているのがございまして、これは財団法人日本広報センターと財団法人日本経済教育センターでございますが、これはまだ新年度の番組その他きまっておりません、それからラジオはこのほかに短波放送がございまして、これは一週二回でございますが、十五分局番組を出しております。 それから出版諸費でございますが、先ほど申し上げましたように、大体、広報資料の買い上げ、これは出版物でございますが、これは「時の動き」という雑誌と、それから「官報資料版」、それからいままでは「今週の日本」がそうであったのですが、今度はそれがはずれました。
○矢山有作君 はずれる……。
○政府委員(松本芳晴君) ええ。新年度から広告のほうに入ることになります。それから「フォト」が出版物の買い上げに入っているわけでございます。大体そういうところでございます。
○矢山有作君 もう少しこまかく聞きたいのだが、時間の関係がありますから次に入ります。 広報室は、こうして広報活動をいろいろ活発にやっておられるわけですが、その資料なり、情報の入手はどういうふうにしておるのかということをお聞かせ願います。
○政府委員(松本芳晴君) 広報室が提供する広報テーマの決定の大部分は、各省庁との毎月一回行なわれる広報担当官会議というのからとることになっております。これには各省庁の広報課の係官が出席いたしまして、その月間における各省庁の広報事項を私どもに説明し、私どもが集中的に管理している媒体に載せてもらいたい、そういう形でくるわけです。それらを私どもが、出版の場合は実務委託をしている職員を呼んで、これと打ち合わせ、それから放送の場合は、放送局のプロデューサー諸君を全部呼びまして、そうしてこまかい打ち合わせをして出す、そういうことになっております。
○矢山有作君 内閣官房が情報調査委託費をかなり出して、活発な情報収集の活動をやっておるわけですが、内閣官房のこれとの関連はどうなりますか。
○政府委員(松本芳晴君) 全く関係ございません。
○矢山有作君 関係ない。
○政府委員(松本芳晴君) はい。
○矢山有作君 次は、広報誌の購入先、それから配付先が知りたいわけですが、特に「フォト」それから「時の動き」、「今週の日本」等について、簡単でいいですから、御説明願います。
○政府委員(松本芳晴君) 「時の動き」、それから「フォト」とも、一番優先的に扱っているのが各行政機関、これは都道府県、市町村、それから中央機関全部含みます。行政機関と、それから議員の先生方でございます。次に公民館、それから一部の学校、高等学校以上が大部分でございます。それから一般有識者といいますか、一般文化人等、それが主でございまして、なお、こまかい配付先は別に資料ございますので、御希望の点は、またあとでお届けいたします。
○矢山有作君 「今週の日本」は、もうこれは買い上げを新年度からやめて、広告だけにするとおっしゃったように承りましたが、そのとおりかどうかというのを一つ先に答えていただいて、その次に、「週刊時事」というのが時事通信社から出ておりますが、これは政府でPR用に買い上げて利用をした、あるいは利用しておるということはありませんか。
○政府委員(松本芳晴君) 「今週の日本」が四月から誌面購入の形式になるのは事実でございます。それから「週刊時事」は全く関係しておりません。それからまた買い上げた事実もございません。
○矢山有作君 私が承知いたしておるところでは、「週刊時事」は、政府機関を通じて相当数買い上げられておるということを聞いておるのです。特に、かつて原潜寄港で問題になった当時に、警察庁が三万五千部ぐらい、この「週刊時事」がちょうどその問題を取り扱っておったので買い上げて、これを警察等に配付したという話を聞いておりますが、これは全く事実無根と御否定なさいますか。
○政府委員(松本芳晴君) 私どもは全く知りません、その事実を。
○矢山有作君 まあ総理府広報室としてそういうことはないということでありますから、そのように承っておきます。しかし、先ほど一つの例を引いて申し上げましたように、私が伝え聞いておるところでは、政府機関の中には、この「週刊時事」を買い上げて配付しておるということが耳に入っておりますので、そういう事実があるのかないのかということは、調査の上で明らかにしていただきたいと思います。後日でけっこうです。よろしうございますか。
○政府委員(松本芳晴君) 私は総理府広報室では全く関係したことないし、また、知らないと申し上げたのでございます。私どもでもちょっと調査はできないと思うのでございますが、各省庁直接にでも……。
○矢山有作君 だから、総務長官えらいゆう然とかまえておるのだけれども、いま申し上げましたように、広報室長が調査をするというのは、私はなかなかむずかしいであろうと思います。あなた、何か総務長官として、私が指摘したようなことがあるかないかは、重要な閣僚の構成の一員ですから、調べようと思えば調べられると思うので、お調べになっていただけますか、どうか。全然お調べになるお気持ちがありませんか。
○国務大臣(山中貞則君) 各省それぞれまた広報予算を持っておりますから、それを私がチェックする権限とか何とかいうことが一方にありますならば、当然義務としてそういう調査をして報告しなければならぬと思うのです。しかし、全くそういうことがありませんので、各省庁がどのような広報なり、あるいはそれに対する買い上げ等をやっているかについては、私自身が調査する立場にないと思います。
○矢山有作君 私は、まあ何も権限を持って調査するとか、何とかということを申し上げておるわけではないのであって、あなたの立場として御調査が、任意でよろしゅうございますから、いただけるか、いただけないかということであります。まあ、政府の広報の実態が全般的にどうなっておるかということを調べて――調べてというか、あなたが知って、われわれに伝えてやろうという御意思があるかどうかという、軽い意味で御意見を承ったわけで、全然それをやる気がないとおっしゃるなら、それも権限を前面に振りかざしておっしゃるのなら、私のほうとして、押してどうこうというわけにはまいらぬだろうと思います。
○国務大臣(山中貞則君) まあ各省大臣を全部次々と呼んで、あなたがお聞きになるのもめんどうくさいでしょうから、サービスとして、私のほうで、できるだけ照会をして、そして回答が集まったならばお知らせすることにいたします。
○矢山有作君 そういう話が最初に出てくればいいのです。さすがは山中総務長官だということになるのです。 それから、その次に、これは大蔵省のほうにお伺いしたほうがよろしかろうと思いますが、各省庁の広報活動関係予算の明細というのは、私もちょっと予算明細書を調べてみたのですが、必ずしも明らかでないのです。情報入手の問題をも含めて、その広報活動関係の予算を知りたいわけでありますが、ここで御説明をいただけますか、どうか。
○説明員(渡部周治君) 恐縮でございますが、手元に四十六年度の各省庁の広報予算全体の数字は持っておりません。後刻調べて御報告いたします。
○矢山有作君 大体私は、そういう御答弁をいただいたら、かんしゃく筋を立てておこるたちなんです。というのは、大蔵省の出席は、きのうの段階で私は要求しておるのです。したがって、大蔵省としては、どんなにエリート官僚のそろいであろうと、国会でどういう問題が出るのかということぐらいは、事前にお調べになっておかぬというと、いまのようにとっさに出された質問に対してはお答えができなくなるでありましょう。そういうような大蔵省の態度というのは、どういうんですかね。要するに、またあとで知らせようといって済ませれば、それでこの委員会は切り抜けられる、国会などというのはそういうものだとお考えなんですか。
○説明員(渡部周治君) 用意しておらなかった点につきましては、まことに恐縮でございまして、おわび申し上げますが、決して国会をさように思っておるわけではございません。
○矢山有作君 役人の方々というのは、いんぎん無礼という特性がありまして、まあ、問題にぶつかれば丁重に頭を下げて、口先で断わっておけば、それで済みという考え方がしみついておるようですね。何としても、委員会があることがわかっておって、事前に質問する委員に何の連絡もしないというのは、これは全く、何とあなたがおっしゃっても国会をなめた話じゃありませんか。でなかったら、大蔵省の役人というのは、何を聞かれても、全部頭の中に詰まっておって、即座に回答が引き出せるほど優秀なのか、どちらかということになる。ところがいまお聞きすると、即座に頭の中から引き出せないようでありますから、それほど優秀でないということなんで、そうすると、やはり委員会なり、国会軽視ということになるだろうと思います。 しかしながら、こんな問題であなたとやり合ってもしかたありませんから、各省庁の、いまいいました広報関係の予算の明細ですね、これは。ただ、どこの省が何ぼということだけでは意味がありませんので、それだけのことなら、多少私どものほうでも調べておりますから、各省庁の広報関係の予算の明細を知らしていただきたい。資料としてできるだけ早く御提出願えますね。
○説明員(渡部周治君) 調べまして提出いたします。
○国務大臣(山中貞則君) これは私のほらで、各省の広報担当でやっております金額と事柄について、広報担当関係官のほうから一応聞いたものがありますから、その点を説明させます。
○政府委員(松本芳晴君) 私ども、実は各省庁の広報関係の予算を全部把握しているわけではございません。先ほど申し上げましたように、各省庁からその重要な部分を私どもに依頼してくるために、広報担当官会議を開いております。したがって、その広報担当官を通じて広報課所管の予算は大体わかります。また、きのう御通告受けましたので、至急電話で照会しまして調べました。それでトータルはわかりましたが、各省庁が独自でやっている部分、それはわかりません。それで申し上げましょう。
○矢山有作君 質問の時間の制限をきょう受けておりますので、普通なら時間の制限なんか、あまり私は気にせぬ男なんですけれども、そうもいきますまいから、お調べいただいておるやつを資料として私の手元へいただきます。それできょうのところはけっこうです。ただし、大蔵省に注文しましたのは、いまの広報室のほうの資料とは別個でありますから、それはわかっておりますね。
○説明員(渡部周治君) 承知いたしております。
○矢山有作君 各省庁は、ファクス・ニュースの受信料として時事通信社に相当な金額を支出しておるようであります。この内容は大蔵省でわかりますか。
○説明員(渡部周治君) 個別に調べて-調べればわかると思います。四十六年度の総体の金額は九千二百二十八万円でございます。
○矢山有作君 これは、私も各省庁のファクス・ニュース受信料の中身を知りたいわけですが、これも一々説明していただいておりますと、時間が長くかかります。総体の金額だけを承っておきますので、それじゃ各省庁ごとに幾ら支出しておるかということを資料で御提出をいただきたい。よろしゅうございますか。
○説明員(渡部周治君) 後刻提出いたします。
○矢山有作君 時事通信社にはファクス・ニュースの受信料、いまおっしゃいました各省庁の九千二百二十八万円のほかにも、政府機関から相当多額の金が支出されておるようであります。その明細がわかればお知らせをいただきたいのですが、これも大蔵省のほうが予算を編成されておるわけでありますから、よく御承知だろうと思います.が、いかがでしょう。
○説明員(渡部周治君) 恐縮でございますが、ファクス・ニュース以外の時事通信社関係の経費につきましては、現在まだ全体をまとめたものを持っておりません。これも後刻調べて御報告いたします。
○矢山有作君 主査に申し上げますがね。大蔵省の御答弁はいまのとおりであります。私がきょう質問したことに対して、一つもまともに答えられたものはない。これを主査としてどうお考えになりますか。ひとつ主査の御見解を承りたい。
○主査(平島敏夫君) 事前に連絡をしておかれたほうがよかったのじゃないか、そう思います。
○矢山有作君 冗談じゃありませんよ。一々どういうことを聞くという内容までいう必要がありますか。
○主査(平島敏夫君) あなたのほうじゃないですよ。向こうに言っているのです。
○矢山有作君 じゃあ向こう向いて言ってください。はっきりしてください。
○主査(平島敏夫君) 大蔵省のほうの手落ちじゃないかと、さように考えます。
○矢山有作君 したがって、どうするのですか。
○主査(平島敏夫君) 今後御注意願いたいと思います。
○矢山有作君 大体大蔵省ともあろうものがあまりにもだらしがないじゃないですか。うぬぼれもいいかげんにせぬといかぬと思いますよ。私のほうで調べておるところを申し上げます。これはそのとおりであるかどうかということについては、あなたのほうからまた資料御提出いただいて突き合わせてみなければわかりません。私の調べた範囲です。総理府から「フォト」の買い上げで一億七千七百余万円が出ておりますね。これは四十六年度のことでありますよ。それから模写電送送信委託というので三百三十四万八千円ですか、出ておるようでありますね。それから外務省からホットニュース送達委託等ということで一億一千六十一万六千円出ておりますね。これは時事通信社に出ているのですよ。それから時事通信社のまあ姉妹機関といったらいいのかね、調べてみたら時事通信社のあるところに同居しているというわけですね、一緒のようでありますが、そして代表者はほとんど時事通信社の代表者の長谷川才次さんが代表者になっておられるようです。ただ外交知識普及会は代表者はないようですね。それはともかく、申し上げてみます。内外情勢調査会、これは代表者は時事通信社の長谷川才次さんであります。ここに五千九百余万円、内閣官房から出ております。それから外交知識普及会というのがあります。これは理事長は上村伸一さん、理事の中に長谷川才次さんが加わっておられます。ここに千四百余万円が外務省から出ておるようです。それから中央調査社というのがあります。この代表は長谷川才次さんであります。ここに総理府の委託世論調査費として六千八十五万三千円出ております。しかも、先ほど言いましたように、時事通信社にいたしましても、それから先ほどいいましたようなものにいたしましても、すべてある場所は一つであります。千代田区日比谷公園一の三というところにあるのです。おそらく事務所はみんな一緒じゃないかと思いますがね、これだけばく大な金が時事通信社並びにその姉妹機関というのかそこに出ておる、これは適当かどうかわかりませんが、金を引っ張り出すために、機関の名前をいろいろつけたというふうに解釈されないこともないわけですね。これはたいへんな金が出ている。いま私が申し上げたことくらいは、そのとおりだとおっしゃれますか、全然違うとおっしゃいますか。
○政府委員(松本芳晴君) 広報室の場合、「フォト」と模写電送は同じで、いま先生の言われたとおりでございますが、世論調査は全然違いまして、世論調査は私ども三社に委託しておるわけです。中央調査社、東京世論科学協会、大阪の世論研究所、この三つに委託しておりまして、中央調査社の場合は新年度四千万円の予定でございます。
○矢山有作君 官房のほうどうですか。
○説明員(川島広守君) 内閣官房調査室といたしまして、ただいまお答えいたしました五千九百二十五万二千円、そのとおりでございます。
○矢山有作君 外務省は見えておらぬから、これは確認の方法がないわけです。中央調査社につきましては、私のことばが足りなかったところでして、金額は広報室長がいまおっしゃったとおりです。しかし、私はこのほかにもあるのかないのかということが、ひとつは疑問に思っておるわけです。しかしこれだけにいたしましても、たいへんなばく大な政府資金が時事通信社並びにその姉妹機関に流れている。しかも長谷川才次さんとおっしゃる時事通信社の代表者が、その機関の一つを除いては全部代表者をやっておいでになる、こういうことになるわけであります。 で、私は大蔵省にここでまたひとつお願いをしたいのは、あなたは予算編成をやっておられるわけでありますから、予算編成をやる以上は、ちゃんと積み上げをやっておいでになるわけでありましょうから、どこに金が出ているかということははっきりすると思うのです。私はいまあげたような機関に対して、どこの省庁からどういうふうに出ているか、私がいま言った以外はないのかあるのか、それはわかると思いますから、これもあわせて、きょうはどうせお答えになれぬでしょうから、資料として御提出を願えますか。
○説明員(渡部周治君) 調べて御提出申し上げます。
○矢山有作君 この間も問題になったところでありますが、今年一月一日の時事通信社の「フォト」の中の長谷川才次氏による文章は、明らかに徹底した憲法べっ視の立場をとっております。したがって、積極的に改憲論を主張しており、また、教育勅語を礼賛し、教育基本法の否定の立場を強く打ち出しております。こういうものを政府広報活動誌として買い上げ配布するということは、先ほど私が、総務長官なり広報室長、内閣調査室長から、憲法、教育基本法に対する考え方を承りましたが、その考え方とはたいへんな相違があると思うのです。私は、そこで先ほど憲法について、あるいは教育基本法について正しい考え方をしておられる皆さんが、政府広報活動誌としてこれほど憲法をべっ視した、あるいは教育基本法を否定した立場を明確に打ち出すこの広報誌を買い上げて配付する。納得いかないのです。これどういうわけなんですか。そこのところを私ははっきりしてもらう必要があると思う。
○国務大臣(山中貞則君) これは、その問題で相当長時間の議論をいたしましたので、繰り返すことになる点もあると思いますが、私どものほうの広報室との編集打ち合わせが二カ月前に行なわれて、そうして発行になるときには、ただもう製本されたものが郵送されてくるだけであったというシステムがわかりましたので、それをゲラの段階でチェックさしてもらうという申し入れについて、私どももそれならば間違いがないだろうということが一点と、さらにその内容は個人の意見として、個人の発行する雑誌その他にお書きになるなら、これは私どもが法的に議論するところでもありませんが、相当数を政府が買い上げて配付するものでありますから、そういうものについて憲法を否定する言辞もしくはひやかすような言辞、あるいは国会の決議においてすでに公的に使用してならないといわれている教育勅語等を掲載してあったといわれる事実については、私自身も非常に遺憾とするところでありますから、それらの経緯については、内閣委員会の経緯は省略いたします。その結果「フォト」に関する限り長谷川才次氏は執筆をしないという約束を向こうから申し出てこられました。したがって、今後はそういうことのないように運営ができると考えますが、将来の構想にわたっては、これも政府としては必要な広報費による紙面購入の方向に切りかえていくべきであろう。「今週の日本」もそういうふうに切りかえて、政府の責任の所在というものを四十六年度予算で明らかにしておるわけでありますから、そういう方向に切りかえていく必要があろうかと考えております。しかし、どうしてもそれでもまずいならば、やはりそういうものを出版できる性能を持つ会社は日本に幾らでもありますから、その会社に委託することも、場合によっては変更せざるを得ないというようなことも考えております。
○矢山有作君 私は、総務長官、あなたのおっしゃることですから、そのままにお受けしたいと思います。しかし、私はどうも政府のやっておることは、言うことは言うのだけれども、実際になかなか実行されぬのじゃないかという危惧があるのです。というのは、この間問題になり、私がいま例に引いた「フォト」は、ことしの一月一日ですね、発行は。そうしてこれはとんでもない反憲法的教育基本法無視の記事が書いてあるのだから、おそらくこれは皆さんごらんになったと思う。ところがそれから二カ月たった三月一日にまた「フォト」が出ておる。これについても「天下の形勢は一変した」というので、参議院議員の源田実氏と評論家の長谷川才次氏、これがまた全く憲法を否定したような対談をやっておる。これがまた堂々と載っておる。私は、一体政府は真剣に広報の姿勢を改めるということを考えておるのかどうか非常に疑問を持つのです。どうなんでしょうね。御存じでしょう、あなた三月一日号。
○国務大臣(山中貞則君) ただいまの源田君との対談の件は、ちょっと見落して見ておりません。ということは、私だって、刊行物全部隅々まで目を通す時間もありませんし、読んでいないということも事実であります。
○政府委員(松本芳晴君) 実はその対談も十二月中に行なっていたわけです。私どもも非常にそれを、私、あれを気がつきましたものですから、またこれも注意したのですが、先ほど長官が申し上げましたように、いま大体もうすでにやっているのが五月一日号なんです、この時点で。したがって、五月一日号のゲラをいま見ている段階でございまして、これは半月刊の雑誌という関係上、非常に前に出さなければならぬので、そういう点で非常にいままで失敗があったと思います。
○矢山有作君 しかし広報室長、それはあなた言い抜けですよ。それはずるいですよ。というのは、それだったら、三月一日のそれが十二月にやられたのなら、一月一日の「フォト」の記事はもっと前にやられておるわけでしょう。そして一月一日にこれが発行になって、こういうでたらめなことが載っておるということがわかったわけでしょう。そうしたら、三月一日について十二月にあなたやっておるのだから、その記事はもう差しとめだとか、そんなことを「フォト」に書いちゃ困るということを言わなければならぬじゃないですか。それを一月一日のもので、こんなでたらめな記事を載せておいて、今度三月一日のをそのまま見過しておるというのはおかしいじゃないですか。
○政府委員(松本芳晴君) どうも弁解になって恐縮ですが、対談と論文とで、ちょっと性質が違うわけでございまして、その論文はおそらく長谷川さんどたんばに書き上げたのじゃないかと思います。私ども二ヵ月前のときには、ほんとうに長谷川さんが書くというくらいのあれしかございませんでした。
○矢山有作君 いいわけは幾らでもできますからね。だから、やはり少くとも政府広報誌となれば私はよほど注意をしていただかなければならぬと思うのです。これは先ほど総務長官が政府広報の基本的な立場をはっきりされましたね。それから見ると、これはたいへんな相違じゃないですか。これは反共思想宣伝の道具であり、憲法改悪の積極的なPR誌であり、教育基本法否定の積極的なPR誌であり、反動思想の徹底的な普及宣伝誌である、そういうことになるのじゃありませんか。これはとんでもない話ですよ。そういうような時事通信の性格をあなたは……、ここにたくさん持っている、一々引用いたしませんが、「週刊時事」にも全部出ているでしょう。これは政府として私は真剣に考え直さないと、委員会の中で通り一ぺんの答弁だけしておけば、それで終わりということにはならぬと思いますよ。あなた方がどういうふうな改善をやられるのかということは、これは事実が証明するわけでありますから、私どもはそれを見守っておりますけれども、おっしゃったように、十分考えて私は処理していただきたいと、こういう誤りを二度と繰り返えされぬように、またつまらぬ苦しい言いわけをせぬでも済むようにしていただきたいと思う。 もう一つ、私はこういうことを書いておるのを読んだのですよ。「時事解説」というのがありますね。この今年の三日十一日号に「お叱りに応える」というので、国会の場で社会党の議員がいろいろと追及した問題を、いろいろと一言居士という人が書いておるのですがね。これはどうも文章から見て、間違いかも知れませんが、私の推察ですけれども、長谷川さんの文章じゃないかという気がするのですがね。ここにこういうことが書いてあるのです。「当局もわたくしどもの営業の大きなお得意先なのだから、ご注文のサービスなり商品はビズネス・ベーシスで話し合いがつけば買って頂く。」、こうおっしゃっている。だから、まさに時事通信社のほうでは、自分たちの編集したものが、政府がそれを歓迎して、これを買っていただいておるのだという言い方なんですよ、これは。いままでのやり方はそれを証明しているのじゃありませんか。これは私は実に重大な問題だと思いますよ。総務長官なり広報室長、くどいようですけれども、もう一ぺん御意見を伺いたい。
○国務大臣(山中貞則君) 私は口先だけでこの場をごまかしてみたって、それが何も私のためにプラスにもマイナスにもならないわけですから、そういうつもりで答弁しておりませんで、事実責任者の方に来てもらって、「フォト」の編集について、今後もこういうことが起こり得るとすれば、そういう程度の本を印刷する会社は、日本に幾らでもありますから、私のほうではっきりとあなたのほうとは契約を切らしていただくという通告もいたしておりますから、私はことばだけでこの場を逃がれるために、そういう表現を使っておるわけではありません。
○矢山有作君 わかりました。大いに私はそのあなたの決然としたお考え方を支持いたしますし、それが実施されることを期待いたします。 そこで私は一つの提案ですが、大臣どうですか、こんな全く何というのか反共反動的な思想の持ち主が主宰をしている時事通信なり、それの姉妹機関に多額な政府資金を出すような予算を組んでおるわけですが、これはおやめになったらどうですか。私はそのはっきりした反省の色が見えるまではやめるべきだと思いますが、その点どうですか。やはり続けておやりになりますか。
○国務大臣(山中貞則君) 続けてやるやらないの問題と、いま一つは、あまり今度はこういう編集をしろというように干渉をし過ぎることも、民間の会社であるならば限度があると思う。私は、原則は、政府が責任を持って刊行すべきものは政府がきちんと刊行していく。いわゆる官報みたいなものは、政府が大蔵省の印刷局で印刷したものであると、だれだって思うようなきちんとしたものでありますから、だから、その限度内のものは、政府が直接金がかかったって必要なものは広報してもよろしいと思います。あいまいなものは、今度は逆に、政府が責任を持てる分野を、紙面購入なら紙面購入の分野について、何ページまでが総理府の広報室において掲載したものであるということを明確にする手段、さらにそうでないならば、必要なものとして発行されたものが、たいへん国民のためにまた行政上も有益であり、有効であると思うものについて、その部数なりその月の発行物を買い上げる、そういう方法にこれから原則として仕分けをしていく必要があるというふうに考えております。
○矢山有作君 それはわかるのですよ。ところがね、いま私が指摘しましたように、時事通信社なり、それの姉妹機関の形をとっておりますが、金の行っているところは一つなんですよね、長谷川才次氏のところに行っている。しかもその政府資金が実にばく大な金額にのぼっているわけですね。そうすると私は、実際にその経営の内容を調べたわけではありませんからわからぬけれども、ばく大な政府資金によって経営がささえられておるというようなことも疑おうと思えば疑って見られるわけですね。そういう時事通信社であるなら、私は政府が関係を切るべきだと言うのです。それは時事通信社が一民間の機関としてどういうことをその自分の発行する誌上に書かれようとあるいはどういう意見を発表されようとそれはかってです、おっしゃるとおり。それはかってですが、その時事通信社なりそれに関連する機関、しかも代表者が同一人である、そこに多額の政府資金が入っていってそれをささえておるというかっこうがある。そういう状態の中でかって気ままなことを言い、そしてかって気ままなことを書きまくるというのは、そういうことを政府がささえておる形になりはしませんか。だから私は関係を切りなさいと言うておるのです。
○国務大臣(山中貞則君) そういう御主張も間違いだとは思いません。ただしかし、それで経営が成り立っているのかどうか、あるいは労使の配分関係がどうなっておるかどうか、そういうところまで私たちが立ち入るべきでないと思いますが、しかしながら、「フォト」という刊行物について国民の一応のいろんな調査等してみますと、わりと歓迎されているという面もあります。したがって、いまのところは、予算上も体系は変えていくつもりでありますけれども、「フォト」というものの出版は政府の買い上げの対象に一応しておるわけでありますが、御意見は御意見として承って参考にしたいと思います。
○政府委員(松本芳晴君) 「フォト」についてちょっと御説明申し上げますと、実はこれ十年前に「グラフ・政府の窓」といって私どもが直接編集企画していたものでございます。ところが印刷がおくれる、それから発送がへた、いろいろな関係を国会筋から実は指摘されまして、当時の室長が職員七名とともに長谷川さんのところに行きまして、長谷川さんのほうの営業部門の応援を得まして、職員七名を引き連れていって時事画報社という独立の社団法人をつくったようなわけであります。そういうような関係がありますものと、それからこの十年間実はこの種の問題を起こしたことはなかったわけです。したがって、私ども先ほど長官が申し上げておりますように、今後はチェックシステムを厳重にいたしまして、いろんな要すれば契約条項のもとに買い上げの拒否をすることもあるというぐらいの強い態度で臨んで今後続けたい、そういうふうに思います。
○矢山有作君 「フォト」も「フォト」ですが、「フォト」がいま正面に出ているから……。私が主眼を置いているのはその時事通信社という社、さらにそれに関連をする各機関が実質的には長谷川才次氏の統括というのか、のもとにある。そこへ「フォト」に限らず多額の政府資金が流れ込んでおる。それが一つの経営の大きなささえになって、それを足場にして反動的な反共的な軍国主義的な思想宣伝を一生懸命やっておるわけですから、そういうものと私は関係を切らなきゃいかぬというわけです。もし真剣に政府が広報活動の公正を期しようとされるなら、総務長官、あなた民間経営の経営実態に立ち入ることはなかなかむずかしいとか、いろいろおっしゃるだろうと思いますが、多額の政府資金が流れ込んでおるという立場から見ても、その時事通信社なりそれの姉妹機関の実態、経営の姿というものはやっぱり洗ってみなければいかぬじゃないですか。その上でこのばく大な政府資金がその時事通信社なり関連機関を運営していくための大きな財政的な基盤になっておるとするならば、これはそことの関係というものは、政府としては広報活動の公正を期する立場から厳に処理していかなきゃならぬのじゃないですか。関係を切っていかなきゃならぬのじゃないですか。押してまたお伺いいたします。
○国務大臣(山中貞則君) かりに政府資金によって委託購入等がなされている相手の社でありましても、その経営の内容調査ということまではする意思はありません。しかしながら、会計検査院からその政府の資金の使途について指摘されるような点があれば、またそれについて反省しなければなりませんし、そういう指摘を受けないような運用を心がけなければならぬ、そういうふうに考えます。
○矢山有作君 私はもちろん民間経営の会社に権限を持って経営に立ち入るとか立ち入らぬの問題を言っているのじゃないのです。政府資金が流れ込んでいる現実を踏まえて、これはやはり会計検査院に責任を押しつけるのでなしに、総務長官としてその実態を知るということは少なくとも閣僚の責任ではありませんか、政府の一員の責任ではありませんか、このことを私は強く申し上げておきます。そして先ほど来りっぱな御決意の表明がありましたわけですから、それらの実行を私は見守っていきたいと思いますし、さらに私どもとしても、今後時事通信社なりそれに関連のある機関の行動というものは十分私どもなりに注視をしてまいります。 時間がまいったようでありますから、これくらいで質問を終わりますけれども、一つだけお願いを申し上げておきたいと思います。 内閣官房の情報調査委託費は、予算を見ましてもその内容がきわめて明確でないのであります。これを見ただけではさっぱりわからない。ところが一方、たとえば一つの例でありますが、外務省の「情報啓発事業及び国際文化事業実施に必要な経費」というようなところを見ますというと、この中身というのが非常に詳しく記入をされております。したがって、予算審議をする者の立場からは、内容が内閣官房の情報調査委託費に比べれば比較的わかりやすいようになっておりますが、私どもは、ぜひともそうした内容をもう少し明確にお示しいただきまして予算審議の便に供していただきたいと思っておりますが、たとえば四十七年度の予算編成あたりからそういう方向に持っていかれる御意思があるかないか。これはまあ直接には大蔵省の問題でもありましょうし、また同時に、内閣調査室の問題でもありましょうから、御意見を承りたいと思います。
○説明員(川島広守君) せっかくのお話でございますので、いろいろ検討してみたいと存じます。
○矢山有作君 大蔵省は。
○説明員(渡部周治君) 十分検討したいと思います。
○矢山有作君 それではまだ不十分な点もありますが、時間がまいりまして、私一人が時間をとっておりましてもあとの方に非常に御迷惑をおかけいたしますので、これで私の質問はきょうは終わらせていただきます。
○峯山昭範君 それでは初めに人事院にお伺いしたいと思います。これは昨年の給与国会のときにもいろいろ問題になったことでありますが、この四月から高齢者の昇給延伸という問題が出てくるわけでありますが、この昇給延伸に際しまして退職時のいわゆる特別昇給といいますか、これについてはもう人事院の規則はすでにできておると思うのですが、これはどうですか。
○政府委員(佐藤達夫君) まだ規則は制定したという形式的な段階にいっておりません。しかし、国会あたりでもその当時いろいろお答えしました趣旨によりまして最後的にいま関係各省と打ち合わせをしております。
○峯山昭範君 その規則ですね。やっぱりできるだけ早くつくっていただかないと、これに該当する人たちというのは、非常に不安な問題なんですね。したがって、昨年出た問題は、従来二十年で亘万だったですかね、それが総裁の答弁の中に二十年で二号という話が出てきたわけでありますけれども、ここら辺のところは変わりませんですか。
○説明員(渡辺哲利君) お答え申し上げます。ただいまの退職時の特別昇給でございますけれども、十年以上を一号、二十年以上を勤続した場合に二号ということで考えておりまして、少なくとも、その高齢に該当いたしまして延伸された者につきましては、四月一日からそういうことで実施をするというふうな予定で検討中でございます。
○峯山昭範君 そうしますと、この高齢者の昇給延伸ということについては、私たちは反対であったわけでありますけれども、ついに法律は通ってしまって、こういうふうな退職金についての手当は、これでカバーできるんですが、そのときに問題になったことでございますが、年金についてのカバーが実際問題できていないと私は思うんですが、これはどういうぐあいにお考えですか。
○説明員(渡辺哲利君) 退職手当につきましては、ただいま申し上げましたとおり、すぐにそれが有効に働くわけでございますけれども、年金につきましては、過去三年の平均給与ということになっておりますので、したがって、伸びた場合に、かりに最終的に上げましても、それは影響しないことになるわけでございますが、それは制度のたてまえ上やむを得ないのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
○峯山昭範君 総裁、これはやむを得ないということでありますけどね、私たちは、そういうふうな方々のことを、これはあとでこれに関連して問題も出てまいりますけれども、こういうふうな方々も、やむを得ないといって済まされてしまうと、やはりかわいそうな点もあると思うんですね。そういう点はやはり何らかの検討を人事院としてもやるべきだと思うんですが、総裁どうですか。
○政府委員(佐藤達夫君) これは、結局、給与法系統でやりくりはできないのじゃないかという気持ちを持っております。結局、年金系統のほうの法制なり、制度の問題であろう。いまのおことばもございますように、私どももできれば何とかという気持ちは十分持っているわけでございます、そっちのほうの問題として、なおこれから検討は続けていきたいと、こんな気持ちでおるわけでございます。
○峯山昭範君 いまの問題と関連いたしますけれども、一応まあ昨年完全実施というようなことになりまして、人事院ができて十数年たつわけでありまして、給与体系の問題ですね、これについても、やはり私はもう抜本改正といいますか、考えるといいますか、検討するといいますか、そういうふうな時期に私はきていると実際思うんです。給与表を見ましても、中だるみとか、ワク外とか、いろいろなものがずいぶん出てまいっておりますし、そういう点からも、給与体系そのものについて、やはり検討すべき段階にきているのじゃないか、この高齢者の問題も、給与表そのものではできないかもしれませんけれども、そういうことも含めて何らか検討すべきじゃないか、こういうぐあいに思うんですが、どうですか。
○政府委員(佐藤達夫君) 去年はおかげさまで完全実施をさせていただきまして、お礼がおくれましたけれども、たいへん感謝いたしております。 いま、御指摘の問題は、御承知のように、私ども毎年毎年の勧告のつど、現行制度に対する反省、あるいは批判的な立場からのいろいろなおことばも考えあわせながら、とにかくこれならばよろしいという形でやってきておると思います。たとえば、中だるみについても、これでは不十分ではないかという批判はありますけれども、われわれとしては努力をしてまいったつもりでありまして、ただし形は、非常にそのときそのときの必要に応じて手当てをしておるわけでありますから、継ぎはぎだらけじゃないかというような制度の外面的な問題は私はあると思います。しかし、実質においては、とにかく一応満足すべき形になっておるというふうに考えますので、この根本的の、たとえば俸給表の分け方をどうするかというような問題もありますけれども、まあ、しかし、現在のたてまえは、これはまだこれをくずすべきだというところまでの確証を得ておりません。そういう意味ではずっと検討を続けつつ今後もまいります。ただし、抜本的にきれいな形、すっきりした形にするかどうか、これはまた時期を得ましたならば、われわれとして取りかかりたいという気持ちであります。
○峯山昭範君 総裁いみじくもおっしゃいましたけれども、継ぎはぎだらけとおっしゃいましたけれども、全くそういう点も私はあると思うんです。そういう点ではやはりこの際検討していただいたほうがいいんじゃないか、こういうぐあいに思っております。 次に、もうことしの民間給与の調査ですか、もう準備を整えていらっしゃると思うんですが、ことしの調査にあたっての調査対象も、昨年は住宅問題とかいろいろそういう点もありましたが、ことしはどういう点にピントといいますか、重点的にやられるのかというのがまず第一点。 それから、もう一点は、今回の民間調査にあたって、基本的にどういうふうな態度で臨んでいらっしゃるのか、ここら辺もあわせて御答弁を願います。
○政府委員(佐藤達夫君) まだ時期的に、最終的に決定すべき段階にまでまいっておりませんから、心づもりの程度でございますけれども、ただいまのところでは、いま最後におっしゃいました基本的な問題点、基本的な態度と申しますか、そういう点については、当面、従来どおりの体制を堅持してまいりたいと、こう思っております。ただ、調査の項目について、どういうものを調査するかということにつきましては、御承知のとおり、昨年もう従来の懸案と思われることはほとんど全部やってしまいまして、あとどういうものがあるだろうかということでむしろおるような始末でございまして、もう近くその点もあわせて十分検討の上決定したいというつもりでおります。そう今度ははでな形にならないんじゃないかという、ひそかにそういう気持ちを持っております。
○峯山昭範君 従来どおりと言いますけれども、調査規模の問題でございますね、これについては、従来、企業規模といいますか、これなんか百人以上でしたね。それから事業所規模五十人以上だったですかね。こういうふうな規模の問題は、私たちは企業規模五百人以上ぐらいに引き上げてはどうかというような考えを持っているんですが、やはり従来どおりというそれだけでは済ませない現在のいろいろな社会情勢というものがあると思うんですが、ここら辺のところはどうですか。
○政府委員(佐藤達夫君) それはかねがね申し上げてまいったと思いますけれども、私どもはやはり納税大衆に対する説得性というものも考えまして、企業規模を策定いたしますにつきましては、その規模の企業に従事しておる従業員の人たちの数が全体の数の過半数にならないと、国民各位に対する説得性がないだろうというたてまえで、現在百人にしておりますけれども、その点、これは刻々と実情は変わっていくわけですから、私どもも常に注視を怠らずにまいっておりますけれども、今日の段階ではまだまだ――たとえば五百人と、これはとても五百人といきませんが、それじゃ二百人はどうだ、三百人はどうだとおっしゃいましょうが、現在のところは、やはり百人程度のところじゃないかということで、この点は先ほども申し上げましたが、基本的には、どうもそういかざるを得ないだろうという気持ちを持っておるわけでございます。
○峯山昭範君 総裁は私が言いたいことを先に言ってしまいましたけれども、五百人は無理にしても、百人というのをもう少し上げるという考え方も考えてもらってもいいんじゃないかとは思います。 それからもう一点、給与の問題についてお伺いをしておきたいんですが、四月一日現在で民間給与の調査をされるわけでありますし、かねがねから懸案でありました四月調査、四月実施という問題ですね。これはやはり勧告にあたっては昨年は五月でしたけれども、四月実施ということをもう考える段階に来ているんじゃないかと私は思うんですが、ここら辺のところはなかなか総裁からは言えないと私は思うんですけれども、そういう考えもあっていいんじゃないかと思うんですが、総裁、どうですか。
○政府委員(佐藤達夫君) これもかねがね申し上げておりますように、われわれは頑迷固陋な態度はとっておりませんので、四月説というのも一理なきにしもあらずというところまでは謙虚に考えておるということは申し上げてまいったわけであります。したがいまして、そういう態度で今後もさらに検討してまいりたいと思います。率直に言わしていただければ、そのせめて内払い金的な支払いだけでも、もうちょっと十二月までには、お待たせいただかないで、もう少し早くお金のほうを出していただけないかということのほうがまず先決問題であるまいかという気持ちを持っています。
○峯山昭範君 それから次に、そういうふうに営利企業への就職の承認に関する年次報告というのがことしも出ましたんですが、通称天下り白書でありますが、これ詳細書いてございますが、総裁、ことしの問題点といいますか、ポイントといいますか、特に人事院がこういう点を注意したという点について初めに概略聞いておきたいと思います。
○政府委員(佐藤達夫君) この私企業への就職の制限の問題は、御承知のように、近ごろここ数年来非常にむしろきびしくすべきだという世論もございます。この制度が発足しましたときは、むしろこれは行き過ぎじゃないか。当時衆議院の審議あたりではここまできつくやって一体いいものかどうなのか。むしろお控えの面がありまして、当時の政府委員は運用の妙によって行き過ぎのないように心がけますというようなことを盛んに御説明申し上げて通していただいたという経過がございますけれども、当時といまとはたいへんな違いで、いまはむしろ甘過ぎはしないか、制限せよという、しっかりやれということで世論が高まって、私どももそれを無視できませんし、国会での御批判もございますので、これはずいぶん当時に比べますときつく締めてまいっております。したがいまして、その態度は堅持しながら、昨年の審査にも当たったわけでございますけれども、ただこのまとめた結果についてひとつ所感を述べさせていただければ、むしろこれは癒着とかなんとかいうような問題よりも、これは技術系統あるいは研究者のスカウト白書の面が出てきたんじゃないかという点について、これは給与の問題とは別に、技術者の引きとめ策のほうについてわれわれはうかうかしておれぬぞという面を強く感じました。この傾向は昨年あたりからもうわかっておったものですから、先ほどのおことばありました給与勧告におきましても、研究職については格段の優遇をしたわけです。われわれとしては先見の明があったということを誇り得るわけですが、今度の場合については、新聞の報道などにもそういう点を非常に一つの問題として指摘されております。われわれとしては、そういう面について今後はさらに留意をしていかなきゃならぬのじゃないかという気持ちを持っております。
○峯山昭範君 最近は、総裁はきびしくとおっしゃっていますけれども、確かにきびしく、内容的にはきびしくされているのかどうか知りませんけれども、現実に表面にあらわれてきた点は、ほんとうに何と言いますか、がたがたにゆるんでおるような気がするわけです、実際はね。まあ人数の点から言いましても、四十二年に百二十一人、四十三年百三十五人、四十四年百七十七人ですか、ことしは百九十三人と、年年増加の傾向にあるわけです。これは、いま総裁が技術者のスカウト白書ということをおっしゃいましたけれども、そういうような点もあるかもしれませんが、その点についても私はちょっと納得ができない点があるわけです。それを先に言いますと、まずこれは総務長官にもお伺いしたいんですが、こういうふうな何といいますか、営利企業に天下りといいますか、天下っていった人たちが、その退職した年齢、そしてしかも退職した人たちがどういうふうな形で退職していったかということを考えていった場合、このいわゆる五十歳未満の人たちという方々が、この人事院の報告によりましても五十三人とか、五十歳台の人が百三十とか、非常にたくさんの人が退職していっているわけですね。しかもこの報告によりますと、百九十三人退職したわけでしょう。そのうち百九十一人が勧奨退職で、あとの二人だけが勧奨退職でない退職をしているわけですね。勧奨退職というのは、これは要するにやめてください、政府のほうが退職をすすめた退職ですね。人事院総裁、これはそうですね。そうすると、いわゆる引き抜きがひどい、またはいろいろおっしゃいますけれども、こういうような退職面においては、いわゆる形の上だけといえばそうかもしれませんけれども、実際上は政府がそういう五十歳未満の人もすすめてやめさせておる、そういう形になっているわけですね。これは私非常に遺憾だと思うのですが、ここら辺のところは、人事院と違って総務長官のほうだと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(山中貞則君) これはきのうも議論しまして、この点私どもも感想を持っておりますが、まず一番円熟した国家公務員である事務次官クラスが一人決定をいたしますると、その同期の人々がほとんどやめていくというあり方がはたしていいのかどうか。五十一、二歳というものが国民のために奉仕する行政機関の責任者として最もふさわしい、しかもまた、社会的な経験その他も踏まえた誤りなき官僚統率のできる年配ではなかろうか。しかし、現実には非常に回転というものを気にして、次官になった人ですらも一、二年でそわそわしなければならぬというようなことが、はたして国家の行政能率を高める上に、公務員の昇進というルートから考えれば問題があるにしても、それでよろしいのかどうかという問題がある。 さらに、いまの勧奨退職の問題は別な問題ですが、これは私は退職金を有利に計算するために勧奨退職という形をとったものだと思うので、こういうことは事柄のよしあしにかかわらずどろぼうに追い銭のような気がいたします。そのようなことが、当然に、役所に慣習として行なわれていることに私は非常に不愉快であります。これは給与担当大臣としての公式の私の感想です。 それから第二点は、それらの人たちの行き先の問題は人事院においてチェックをしているわけでありますけれども、いわば下積みと申しますか、現在の官僚組織の機構の中で自分の行き先、限度というものはもうわかっておる。もうここに来たら袋小路である。かと言って、まだやめる年でもない。かと言って天上がりか、天下がりするところもそうそうざらに自分のような者にはないという人たちが、たとえば四日市における事件に関係した人たちも、なおいまでもその通産局内のたいして昇進もしていない場所であちこち任務を変わっているだけにすぎない。あるいは一時通産本省で有名人が一人〇〇さんというのが出ましたけれども、これらはやはり各役所に共通の問題ではないかと思うのです。やはりいまの人材の登用のしかたを、少なくとも政治家である国務大臣というものが、優秀な人材は優秀な人材なりに登用抜てきし、そしてその才能を十分にふるわせるということは、また別な意味における数多くの人たちの公務員は、天下りなどを議論される人たちはうらやましいとむしろ思っている部類の人たちでありますから、その多くの人たちが自分たちも努力、能力、働きのいかんによって昇進の前途は洋々たるものであるというような意気込みのある役所の人事の気風というものを育てていく必要がある。私はしみじみそう思っておりますし、私のところではできる限りそのようなことを考えてやっておるつもりでございます。
○峯山昭範君 確かに私は過去のデータを見ましても、特定の役所が多いわけですね。ないところは一人もない。過去数年調べても、ないところはないのですね。こういうふうなあり方は私は非常に問題であると思いますし、また、いまの問題についても勧奨退職という、こういうふうな形にすること自体もいま長官がおっしゃったように問題であると思います。この点はやはり将来それぞれ検討していただくようにしていただきたいと思っております。 それから次に、人事院のここに百九十三人の許可がおりておるわけでありますが、これは要するに、人事院にはどのくらい、国家公務員法の百三条に基づいて申請があった人は何人いるのか、そして却下した人がいるのかどうか、そこら辺のところはどうですか。
○政府委員(佐藤達夫君) その点はじっくりと御説明申し上げたいと思っておりましたところなんですが、これは御承知のように、この申請は一人一人の個人個人の公務員が持ち出してくるのではありませんので、その省、さきに在職した省の大臣、通産の人であれば通産大臣、大蔵の人であれば大蔵大臣からわがほうに申請してくる、大臣から総裁へという形で申請をしてまいります。したがいまして、これはどこの役所でもそうでありますけれども、大臣名で承認を求めてくる人を、みすみすはねられる者を申請してくるはずはないわけです。大臣名のものを却下するということになるとどえらいことになりますから、そこは各省のお役人は十分に慎重にかまえておられる。そこで御承知のように、この審査もずいぶん年を経てまいりまして、また最近はずっと精密な御報告を出しております。かたがた各省の当局者も大体これはだめだというような者は、もう前例によって察しがつくわけです。したがいまして、そういう者はそれぞれの、たとえば人事係系統の所管の部局で、これは無理だという者はそこで没にしてしまう。けれども、まあだいじょうぶだろうと思っても、事前に非公式ではありますけれども、人事院にこれはだいじょうぶだろうかというようなことで念を押してこられるわけです。それに対して私どもがこれは無理だと申し上げる者もありますし、これも人の一生に関する基本的人権に関する重要な問題でありますから無理だろうと思いますが、やはり人事官会議にかけまして、こういう非公式であるが、こういう人にこういう処置をすることはどうかということをはかって、これは無理だろうという者は、事務的にこれは無理ですよということを申し上げておる場合があるんです。したがいまして、人事院でけった数がないじゃないかとか、たった何人しかいないじゃないかというお話は、これはもう全然あまり意味のない話になるわけでございます。これは昨年は七人ぐらいおりましたが、これはむしろ主管庁における趣旨の徹底がまだその辺行き届いていないという見方にもなるわけですが、七人おりました。それは事実です。
○峯山昭範君 この国家公務員法の百三条の二項ですが、これによりますと、営利企業には、要するに二項の解釈ですが、総裁これはちょっと詳しく教えてくれませんか。 〔主査退席、副主査着席〕
○政府委員(佐藤達夫君) この条文は読んで字のごとしだと思いますけれども、この趣旨をどうとらえるかという問題だろうと思います。これは現行条文ができたときに、国会で先ほど申したように、いろいろ御論議があって、その際に政府側から趣旨として申し述べたところをわれわれは踏襲しておりますが、それは結局こういうようなチェックをすることによって、職場のあるいは個人個人の公務員の規律というものを厳正ならしめようということである。なぜそういうことになるかと申しますというと、職場にあって自分の職権を行使する際に、この職権を乱用してそして特定の会社と情実関係を結ぶ、あるいはコネをつける、あるいは癒着を生ぜしめておいて、そして自分がその会社に恩を売っておいて、やがてその恩をたよりにその会社にもぐり込むということはよろしくない。これはここで厳正にチェックをされるということの壁を置くことによって、きわめて卑俗的な言い方でありますけれども、コネをつけたところでこれはむだだとか、コネをつけるのはやめようかということで自粛を促すきわめてからめ手からのこれは壁だろうと思うんです。そういうたてまえでこれはできているという気持ちで運用に当たってまいります。
○峯山昭範君 それがいま総裁がおっしゃいましたのは、癒着とか恩を売るとかコネとかいうものが、私はもっと厳格にやらないといけないんじゃないかと思うんです。確かに百九十何人の人を全部チェックしてみますと、建設省、大蔵省、通産省というのが多いのですが、全部コネであり癒着である。これは全部関係ないとおっしゃられるかもしれませんが、何を基準に総裁はしていらっしゃるのか伺いたいんですが、この承認の基準ですね。これをだれが聞いても、はっとわかるようなことばで教えてほしいんですね。そうでないと、全部一人一人チェックすると、大蔵管の人は銀行か証券会社、税関の人は港の船の会社とか全部そうです。建設省の人は土建会社です。そういうところ以外に行ったという人はほとんどいない。みんな九割方そうです。いま総裁は、癒着とかコネとか恩を売るとか、こういうことに壁をつくるのだとおっしゃっておりましたけれども、現実はそうなっていないと思います。そこら辺のところ、承認の基準というものは、実際問題、法律があるけれども、法律が空文化されている。特に密接な関係があってというのは、「密接な関係」じゃなくて、「密接」というのは取っちゃったらどうか。「関係」という大きなワクできめてしまえば、もっとこういうような癒着したものはなくなってくると思うが、この点どうですか。
○政府委員(佐藤達夫君) それはごもっともな御質問だろうと思います。法文には、密接な関係にある地位についてはならないと、確かに書いてありますが、その際に、その密接の中で、人事院の承認した者はいいというのですから、人事院が承認した者は密接であることはあたりまえ、密接でないならば初めから人事院の問題にはならない。そういう法制のたてまえになっているから密接は密接だ、承認したのは密接だというたてまえであるということをまずお含みいただいて、先ほどこの条文の精神について申し上げましたところから述べますと、私どもの責任は、先ほど述べましたように、それぞれの公務員が自分の職権を悪用してということでありますから、過去五年間にその人が在職した地位が当該会社に対して職権を悪用し得る地位であったか、初めから悪用できない地位であったか。同じ大蔵省でも印刷局長は銀行に対して職権を悪用できるかどうかという問題を重点にいたしませんと、これはいたずらに人の基本的人権を制約することになりますから、われわれとしては、法の趣旨から言うと、過去に歴任したその人のポストが職権上のつながりがあるかということでありますが、たとえば陸運事務所長というのはタクシー会社に行っているじゃないかというおしかりを受けますが、しかし、陸運事務所長はそれぞれ府県単位の管轄を持っておりますが、よその管轄外のタクシー会社に関する限りは何ら職権を行使すべき立場にはない。行使すると違法の行使になります。そういうものは管轄が違えばいいのじゃないか。銀行の関係にいたしましても、大蔵省の事務次官は絶対にアウト、それから銀行局長、これもアウト、それから何とか課長というのがありましたね。銀行に関する許可、認可を直接扱っている人は、幾らその人が在職中公明正大に厳正に仕事をやったという人でありましても、おまえはこのポストにいた以上はだめだということで、きわめて冷酷むざんな面もございますが、それは絶対にだめだということできております。これは契約を結ぶ関係とか補助金交付の関係とかいろいろの場面がございます。
○峯山昭範君 いまおっしゃっているのを聞いていると、直接は関係ないけれども、間接にはタッチできる、やはり悪用できるというのがあるんですよ。これを見てみますと、みんなそういうところですよ。それでこういうふうな総裁のお考えですと、何ぼでも自由にできるんじゃないかと思うんです、かえって。それはそういうふうなところをさがしますよ。やはり会社の名前もちょちょっと書いて、行く先も前もって自分の行ける範囲は、いまの人事院の範囲はこの程度だ。したがって、この程度の会社には行けるということをざっと選んで、その人の天下って行く先の一覧表なんというのは何年か前ぐらいになるとそれぞれ自分で持っているのじゃないかと思うんです。それを幾つか、十くらい持っておって、これどうだと、私は総裁のところへどういうふうな下打ち合わせに来るかどうかわかりません。各省大臣名で申請するんだから却下されるのはおかしいのであってされていない。総裁おっしゃいますけれども、事前に相談に来るときには、どこどこに行きたいという場合に、ここに会社の名前をもって、ここはまずいんだと、ここはいいぞという、そういうふうな選び方をするのじゃないか。これは私の憶測ですよ。そういうことも考えられるわけですね。ですからそういう点はもう少しきびしくすべきじゃないか。もう全面的には私はきびしくしてしまうと、やはりまた基本的人権という問題もありますから、その点は私はそこまでは言いませんけれども、いまの調子で見ていると、やはりあまりにもがたがたゆるんでいる感じがするわけです。実際問題毎年毎年ふえておりますし、そういう点から考えてみてももうちょっと考えるべきじゃないか、こういうぐあいに思うんですが、総裁どうですか。
○政府委員(佐藤達夫君) まことにさびしいおことばでございますが、われわれとしては、そういう、おっしゃるような疑念というものは十分持ちながらやっておるわけです。たとえば先ほどたまたま陸運事務所長の例を申し上げましたけれども、かって名古屋の陸運事務所の職員が福井のタクシー会社に就職するというケースがありました。これは先ほどの例から申しますと、かりに、管轄地域が違いますから、名古屋の陸運事務所が福井県まで権限の及ぶはずがない。しかし、福井にあるタクシー会社が名古屋管内に走って来るということもあり得るじゃないかということで、わさわざ福井まで職員が出て行って実地調査をして、タクシー会社の実際の行動半径というようなものを調べた。しかし、ところがきわめてそれが、そこが資本金で言いますと中小企業みたいなタクシー会社でありまして、車も何十台、二十台ぐらいしか持っていないというようなことで、とても名古屋までそこの車が行くはずがないという確証を持って、それじゃこれを承認しょう、そういうところまで気を配ってやっておるわけであります。御了承を願いたいと思います。数がふえたとおっしゃいますけれども、かつて昭和四十三年ですか、前年に比べて減ったことがある。これじゃ相当おほめをいただくだろうと思ったが、決しておほめをいただくどころじゃない。数の多い少ないは、これは客観的な、人事というものは水ものじゃないかと、そんなことで安心する、また自慢がましい顔をする、それは間違っているというようなおしかりを受けた。それは御承知のとおり、われわれはスタンダードは厳に基準を守っていく。年々これを引き締めつつある。しかるのみならず、これはふえているということはもっと違った面の事情がある。たとえば先ほど触れました技術者あるいは研究者というようなものが非常にことしふえておりますから、去年に比べての増加分というのはむしろその人たちがふえたためにここへ出てきておるというような見方もできます。そういう点は十分御理解のある御判断をいただきたいと思います。
○峯山昭範君 先ほど総裁から基準についてちょっとお話がございましたが、各省ですね、たとえばどこどこの省へつとめておる人はどこどこはいけないというような基準が何か人事院ではあるんですか。
○政府委員(佐藤達夫君) それはもちろんございます。あんまり詳しいものを公表しますと、今度はこうなっているじゃないか、なぜこれを認めないのだということでたいへんです。これは各省の側からいいますと、人の運命にかかわることですからたいへんなことで、わがほうに罪はない。わがほうは心を鬼にしてだめだめと言っております。しかし、やはりそういうお尋ねがあれば、基本的な基準まではこれをはっきり申し上げておきませんと誤解を生じますから、常にはだ身離さず持って歩いているものがあるんですけれども、全部読んでもよろしいのですけれども、先ほど触れた点も含めて申し上げますと、過去五年間に本人が歴任した官職が次の各項のいずれかに該当する場合は、これは承認しないというのが一つであります。これは二つばかりあります。そのうちの一つ、その中で当該営利企業に対する事業の免許、料金の認可その他事業の監督等を行なう関係にある官職。先ほど申しました銀行局長は銀行はだめということ、それからその二といたしまして、当該営利企業に対する国税の更正決定等を行なう関係にある官職。これらのいま述べました二つについては、その在任中に具体的に権限を行使しなくてもだめだということです。それからもう一つの不承認の場合としては、過去五年間における職務上の関係が次の三つの中のどれかに当たる場合はだめと、その一つは、当該営利企業に対する事業の監査、製品の検査等、これは現実に行なった場合。それから二として、当該営利企業に対する工事契約等の関係に関与した場合。当該営利企業に対する補助金の交付等の関係に関与した場合というのが不承認の場合の形の基本であります。ただ、申すまでもありませんが、許可、認可というようなことを行なう官職の場合、あるいは技術的に手続的な権限行使の場合、それだけの権限しか持っておらない、たとえば税関を通す――通関というようなこと、これは交通巡査が手を振って自動車を通すのと同じだと、権限はありますけれども、癒着関係を生ずるような関係ではないというようなもの、それからたとえば工事契約につきましても三越と普通の契約を結ぶというのは、これは些少な額であります。それがコネと結びつくこともあるまいというようなことで、工事契約の場合、そういうようなものについてわれわれとしては軽微であるというようなものは特にここで承認の形にする、他に事情がなければ。それからまあつく地位が参与とか、顧問とか、大きな力のある地位ではないというようなこととあわせ考える。そこの点は、われわれとしては裁量の余地があります。しかし、最初申し述べました、たとえば銀行局長が銀行というような場合は、これはもう絶対にだめという形で来ております。
○峯山昭範君 まああんまりしつっこくやりませんけれども、国民の目から見ますと、何といいましてもそういうふうな天下りの白書に載っている人たち、またはこういうことができる人たちというのは、やはり高級公務員だと思います。そういう点から考えてみても、総裁は銀行局長が銀行へいくのはだめだと、そこはぴちっとはっきり大きな声でおっしゃいましたけれども、顧問とか、参与でいくというのも一つの隠れみのになっているような気もするのです。そういうところもありますので、やはり国民が見てなるほどというような得心がいくような、そういうふうないわゆる審査のやり方等を今後はある程度きびしくやっていただきたい。そういうような方向でなければいけないのじゃないかと、まあ厳格にやっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 それから次に、きょうは官報のことについてちょっといろいろお伺いしたいのでありますが、まあ官報は現在私たちの手元に配付されておりますが、非常にこれは重大なものだと思います。その役目も十分承知しておりますが、この官報の編集の責任は一体どこにあるのかということが一つ。それから官報はどこでつくっているのかということ。それから官報の予算はどのぐらいになっているのか。もう一点、官報の発行部数はどのぐらい発行していらっしゃるのか。この四点について初めにそれぞれの担当の方から御答弁を願いたいと思います。
○説明員(翁久次郎君) お答え申し上げます。官報につきましては、総理府の総務課が官報の編集の責任を持っております。具体的には、大蔵省の印刷局が具体的な編集を行なっております。 なお、発行部数あるいは予算等については印刷局のほうで所管しておりますので、そちらのほうからお答えいただきたいと思います。
○説明員(有元三郎君) お答えいたします。官報の年間の製造の所要経費でございますが、四十五年度につきましては約四億七百万円程度の見込みでございます。 また、発行部数につきましては、一号当たり定期的に約四万一千八百部を発行いたしております。
○峯山昭範君 そこで官報の編集の問題ですけれども、私たちが見て非常に読みにくい点があるんですね。まあ何というか、官報というものは非常に冷たいものだと、その感じがするんですね。それでこの編集についてもっと利用しやすいようにしようとかいうような、そういうような検討が行なわれたことはあるんですか。
○説明員(翁久次郎君) このことについては、御指摘のような点も多々あるかと思います。過去におきまして二回ほど次官会議の申し合わせということで、国民にわかりやすく読みやすい官報をつくるということで内容の刷新あるいは改善を加えたことがございます。なお、最近毎週一回青色の紙で資料版というのを出しておりますが、これは昭和二十八年の次官会議の申し合わせで、法令あるいは白書等についてわかりやすく国民に周知させるということで始めたものでございます。なお、各省に官報報告主任者というものを置きまして、毎年一回集まりましていろいろ意見を聞き、印刷局とも密接な連絡をとるようにしております。
○峯山昭範君 これ、確かにそういうように検討していらっしゃるとは思うのですけれども、官報が何というか、必要な人だけわかればいいと、そういう感じが私たちするわけです。ほんとうにいま国民のだれもがわかるようにというお話がございましたけれども、ほんとうにいまそういうものでなければならないと私は思うんです。実際問題、国民の皆さんが官報をどのくらい読んでいらっしゃるのか御調査したことがあるのかどうか私わからないのですが、これは調査したことがあるのですか。この点もあとで教えてもらいたいのですが、いずれにしても、われわれが官報を利用する場合でも、たとえばもっと具体的に言いますと、官報でたとえば法律の一部改正で公布する場合、ここにたとえば例があるんですけどね。これなかなか読んでもわからないのですよね。要するに、改正されたところだけしか書いてないわけです。何々を何々に、何々を何々に、これほんと、よくわかりません。まあこれ読みませんけれどもね。私はこの一部改正の場合でも、元法を織り込んで、そういうような形で登載したらどうか。そうすると、この官報を見た人でもどういうぐあいになっておったかということがよくわかるのですね。利用する場合、非常に便利なわけです。これを見たって、六法引っぱってきて、それを一々やらないとわからないわけです、実際問題としてね。そういうふうな検討はやるべきじゃないか。実は私もいろいろ調べてみますと、ドイツの官報なんかの場合には、そういうふうに元法を織り込んだ官報というのが現実にあるわけですね。そういう点から考えてもやはり先ほどおっしゃいましたが、国民のみんなにわかりやすく、利用しやすいようにという観点からいくと、私はそういうぐあいにしたほうがいいんじゃないかとも思うんですがね。これはどうですか。
○説明員(翁久次郎君) 確かに、御指摘のように、過去二回実は検討いたしましたのも発行部数が必ずしもふえていないということでやったのでございます。ただ、法令の問題につきましては非常にむずかしい問題がございまして、現在、国会で成立いたしました法律の公布につきましては、官報の登載をもって公布をするということになっておるわけでございます。したがいまして、国会で成立いたしました法令そのものを読みにくくはございますけれども、かぎをかけたり、カッコしてそのままの形で公布することによって初めて国の意思を一般に知らしめるという形をとっておるわけでございます。ただ、それだけでは非常にわかりにくいという点がございましたので、過去において一回ほど参照条文をつけたという試みをしたことがございます。ただ、その場合におきましても、参照条文が非常に膨大になってしまいまして、かえって非常にむずかしいことになってしまった経緯がございまして、実はそれを途中から取りやめたようないきさつもあるわけでございます。で、そのこともございまして、法令につきましてはできるだけこの解説記事を載せるということで資料版の発行をいたしておるわけでございまして、官報をわかりやすくするための努力はもちろんしておるのでございますけれども、事、法令の問題につきましてはいま申し上げたような事情で非常にむずかしい点がございます。なお、今後とも検討してまいりたいと思っております。
○峯山昭範君 私はね、いまの、あんまり気に入らぬのですがね、何ぼ法律が成立してその法案のまま載せなきゃいけないといって、それが国会の意思を国民に伝えることであるとはいっても、実際問題その国民が利用する立場で、国民にわかりやすくという点からいくと、芳、れは国民はこんな法律読んだってわからないですよ、全くこれ。家に六法全書でも置いてあってちゃんとしている人ならわかりますが、一ぱい取ってあればね。見るというと、たいへんですよ、これ。実際問題。もっとわかりやすく言うと、国会の意思をそのまま伝えるとは言っていますけれども、国会できまった法律そのまま、改正のところだけをぽんぽんと書いて発表することが私は国会の意思を全部伝えるということにはならないと思うのです、実際問題。もっとわかりやすく何とかくふうをこらしてその参照条文を全部がっと書きゃ、それは全部、たいへんですけれどもね。改正されたところを、たとえばこの国会に出てきますよね。参照条文の中に改正された線を引っぱってね、横っちょに書いておると、改正されたところだけをずっと載せるという方法なんかもあると思うのです。そういうふうな点で、やはりこれはもっと前向きに何とかしないと、ほんとうに、実際問題利用しにくい、そう思うのです。これは何とかしてもらいたいと私は――現実に外国ではあるのですからね、これはそうしてもらいたいと思うのですがね。総務長官どうですか。こういう点、総務長官の担当じゃないですか。
○国務大臣(山中貞則君) まあ官報が無味乾燥な反面、また重要なものでございます。資料版みたいなもので解説みたいなものを書いておりますから、やはりある意味では全部をそういうふうにするわけにも、繁雑その他でまいりませんが、読むほうもまた基礎条文その他の全部の法律が載ることがはたしてどうかという点については、いま新旧対照表などの例もあるではないかという話がありましたが、今後参考にいたしますけれども、なるべく懇切丁寧につとめて、国民が全部それを家庭で見てわかるようなふうに、便に資するような研究は今後もしていきたいと思います。
○峯山昭範君 きょうは法制局長官にたいへんお忙しいところを来ていただきました。法制局に憲法資料調査室というのがございますが、この憲法資料調査室というところは、これはどんな仕事をしているところでしょうか、一ぺんお伺いしたいと思います。
○政府委員(高辻正巳君) 憲法資料調査室はあまり表に出ないところでございますので、仰せのように、一応疑念を持たれるのはごもっともだと思いますが、御承知のとおりに、憲法調査会ができまして七年間の調査審議の結果、報告書というものが国会及び内閣に提出されたわけでございますが、その提出された後に法制局で、憲法資料調査室というものを設けまして、内閣に報告されたその報告書をめぐるいろいろな内容の資料の整理に関する事項が一つと、それからもう一つは、まあ時期がだんだんに過ぎてまいっておるわけでございますので、その憲法報告書に盛られないその後の-当然のことでありますが、その後の補充調査等をきわめて綿密に現在やっております。その二つがおもな柱でございます。
○峯山昭範君 まあ最近ですね、憲法改正というような動きもまあいろいろなところにあるらしいのですが、新聞報道等にも報道されておりますが、実際問題、まあ憲法改正というようなことになった場合ですね、これはやつ。はり内閣の憲法資料調査室というのはいろいろな役目を果たすと思うのですが、これは大体そういうふうになった場合ですよね、どういうふうな役目を果たすのですか、ここは。
○政府委員(高辻正巳君) 憲法資料調査室自体は先ほど申し上げたような職掌でございますので、つまり憲法調査報告書、もっと大きくいえば調査会のいろんな資料の整理と、それからもう一つは、その後の憲法問題に関する補充調査をいたしまして、その資料の整備をはかるというのが仕事でございますので、ただいまおっしゃいましたような憲法改正というふうなことについてどういう働きをするかということについては、率直に申して何の働きもしないということを申してよろしいと思います。なお、お尋ねがあれば詳しく申し上げます。
○峯山昭範君 そうすると、いま資料調査室には憲法調査会の七年間の資料とか、その後国会でいろいろ論争された問題とか報告書等、そういうふうな問題並びにその後のいろんな資料が一ぱいあるそうなんですが、公開しているんですか。これはだれでも見にいけるのですか。その辺のところはどうですか。
○政府委員(高辻正巳君) 憲法調査会のいろんな資料でございますね、これは御承知とも思いますが、これは公開されたものが多いわけで、現在はどうかわかりませんが、当時はかなり一般に配布されたりしたはずでございます。しかし、その後憲法資料調査室でやっております事項については、これは部内の調査資料としてとどまっているだけでございます。ただし、とどまっていると申しはいたしますが、大体はその後の動きにつきましては、公開されたものを実はわれわれが手に入れまして、それをよく勉強して収集整理をしておくということでございますから、もとは公開されておるというわけでございます。たとえば報告後における憲法運用の実態あるいは改正論議についてどういうものを対象にしてしからば調べているのかといえば、きわめて陳腐なことになりますが、新聞紙、一般刊行物、その他政党機関紙は大体みんなこれをすみからすみまで拝見をさせていただいて調査をして、資料として整理をしておるというようなものでございまして、その大もとは公開をされているから、われわれが資料として使えるというものでございます。
○峯山昭範君 事情はよくわかりましたけれども、やはり憲法問題を調べる場合、この間電話でいろいろお伺いしたら、こういうふうなものは公開されたのだから、国会図書館に行けば全部あるということらしいのですが、国会図書館にないものもやっぱりあると思うのですよ。ちゃんと全部-そろえていらっしゃるらしいのですよ。われわれが調査する場合、いわゆる憲法資料調査室へ行けばいろんなものがよくわかるのです。また、政党の機関紙も全部調べていらっしゃるということになると、そういうふうな参考資料を求める場合でも、そちらのほうへお願いして資料を出していただくなんということもできるのじゃないかと私いま考えておったわけですが、そこら辺のところはどうですか。
○政府委員(高辻正巳君) 憲法資料調査室は全くきわめて小さな機構でございまして、室長のほかに一、二名が補助者としているわけでございますが、これが公開のために仕事ができなくなっても実は困りますけれども、一般に、いま先生がおっしゃいましたような、何かこういうことについてどうだろうかというお尋ねを受けることは、これはしばしばございます。そういう際には進んで、レファレンス業務になると思いますが、そういうことは事実上の問題としてできるだけ御注文に沿うようにつとめておるということだけは申し上げられると思います。
○峯山昭範君 それじゃそれはそこら辺でおいておきます。 もう一点お伺いして私は終わりたいと思うのですが、内閣法制局の参事官の問題でありますが、これは要するに、私はきのうもずいぶん調べてみたのですが、各省庁から出向しておる人が多いということでありますが、その実情も一ぺんお伺いしたいのが一つと、その在任期間というものが非常に短いということも聞いております。これもちょっと問題だと思うのでありますが、最近のようにいろいろな法律が出てまいりまして、長官も忙しいとは思うのですが、そういうような場合、実際この法律立案の専門家というのは、私は大事だと思うのですね。そういうような場合、内閣法制局でそういうような専門家を養成するといいますか、そのほかに両院の法制局もあるわけですが、そういうところとも協力して、そういうふうな法律立案の専門家を養成する機関といいますか、そういうようなものを考えていくことも大事じゃないかとも思っておるのですが、この点長官の御所見をお伺いして、私質問を終わりたいと思います。
○政府委員(高辻正巳君) 私どもにとりましてはたいへんいい御質疑をいただいたと思って感謝いたしますが、御質疑の中で、法制局というのは、いまの参事官の問題に関しましては非常に特異な役所でございまして、通常の役所ですと、上級職試験を通りました者を年々採用をいたしまして、そこで育て上げるということをやっておるのでございますが、私どものほうはほとんど唯一の例外だと思いますが、新規上級職試験を通りました者を採用することは全然いたさないところでございます。それはどういうわけかと言いますと、やはりいまおっしゃいました法制の実務、学識のほうでございますが、そちらのほうも十分な能力を持っておる、それからもう一つは、お察しいただけると思いますが、実際法律学徒だけでは実は困るので、行政の実際というものにやはり相当な経験を持っておりませんと、時宜に適した立法というものはなかなかできない、これは立法するわけじゃなくて、立案事務に携わるだけでございますけれども、なかなかそういう面で欠けるところがあってはいけないというわけで、おおむね各省庁に入りました者のうちから十年くらい経た者を採用いたしております。で、その採用はどういう方針でいくかといいますと、これは幸いなことに、ずっと終始法制をやっておるものですから、各省庁から実はその方面における自信のある者が法制局に来て、法制局の参事官と大いに議論を戦かわしながら一つの法案をつくり上げていくという経過がずっとあるわけでございますからして、いわばその間に人物、能力、識見、性向というようなものが大体有望なものについては見当がついておるわけです。したがって、欠員が生じました場合には、そういうものを、俗なことばで言えば、引っこ抜いてまいるということになるわけです。それで養成の問題は確かにたいへん重要なことだと思いますし、いま申し上げた採用のやり方というようなものも、実はそういうところと関連があるわけでございますが、実際には各省庁におります若い者が法制局に参りまして、そこでいろいろな議論の過程でいろいろ法制上の知識も得ますし、能力もだんだんに養成されてまいるというようなことで、養成機関と言ってはおかしいのですが、そういう意味の半面の作用も実は果たしておるということは認められていいのではないかと思います。しかし、御提言のような養成機関を設けたらどうかということについては、十分考える余地がありはしないかと思いますが、何せ事がだいぶ大きくなりますので、いま即答申し上げるわけにはまいらぬと思います。 それから法制局の在任期間が短か過ぎるのではないかということがございますが、実はそういう各省庁から人をとるところとしては、たいへんに在任期間はむしろ長いほうでございます。大体部長もまた参事官をもって充てることになっておりまするが、部長以上の在任期間というものはおおむね二十年、それからそうでない一般の参事官の在任期間も、通常ですと、もっと短いのでありますが、平均して五年間は大体おります。またそのくらいはいてもらいませんと、実際の仕事にはならぬということもございます。あれこれ無秩序に申し上げましたが、もし必要があればさらにお答え申し上げますが、これでよろしければ、この程度にいたしたいと思います。
○副主査(松本賢一君) 他に御発言もなければ、内閣及び総理府所管に関する質疑は終了したものと認めます。 ―――――――――――――
○副主査(松本賢一君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、白井勇君が委員を辞任され、その補欠として斎藤昇君が選任されました。 また、委員の異動に伴う欠員の補欠として植木光教、松下正寿、羽生三七君が、本分科担当委員に選任されました。 それでは、午後一時三十分再開いたします。暫時休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十四分開会
○主査(平島敏夫君) ただいまから予算委員会第一分科会を再開いたします。 昭和四十六年度総予算中、裁判所所管を議題といたします。 裁判所当局からの説明はこれを省略し、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(平島敏夫君) 御異議ないと認め、さよう取りはからいます。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○峯山昭範君 それでは、初めに、最高裁判所の、今度新しくつくるわけですね、新営費並びにそのあと地の利用についてお伺いしたいと思うんですが、最高裁判所の庁舎の新営が今年度の予算で出ておりますが、この新営の計画について概略御説明をお願いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) お答え申し上げます。 最高裁判所の庁舎の新営の問題は、十数年来の懸案事項でございましたが、設計あるいは付近の土地の買収等の手続が全部済みまして、いよいよ工事に取りかかるという段階まで準備が整いましたので、ただいま御審議をいただいております昭和四十六年度予算の折衝の際にいろいろと折衝いたしまして、その結果、ただいまお尋ねの総工事費でございますが、百十九億九千四百四十七万三千円、工期は昭和四十六年度から四十八年度までの三ヵ年。場所でございますが、千代田区隼町十三番の三宅坂、具体的に申しますと、国立劇場の南隣の土地に建築をいたしたい、かように考えておる次第でございます。庁舎の延べ面積は四万七千六百二十九平方メートルでございまして、ただいま御審議いただいております昭和四十六年度の予算の歳出額といたしましては、十四億円ばかりを計上しておるわけでございます。 そこで、今後の計画でございますが、昭和四十六年度で御審議いただいております予算が正式にきまりましたならば、さっそく工事に取りかかりまして、初年度は躯体工事の一部を仕上げまして、二年、三年と引き続きまして、外装、内装並びに外構工事をやりまして、昭和四十九年三月に完成をいたしたい、かように考えております。 なお、ただいまお尋ねのあと地の利用計画でございますが、東京高等裁判所、現在日比谷公園の裏にございます、これは昭和十年に建築されたものでございまして、最高裁判所が完成いたします昭和四十九年には四十年を経過するという老朽庁舎になるわけでございます。現在、非常に建物が狭隘でございますし、執務環境も悪いわけでございますので、私どもといたしましては東京高等裁判所を新営したい、それにはこの場所が一番適当である、かように考えております。
○峯山昭範君 まあ、できましたら、私たちがこの予算を審議する際にあたりまして、本来ならば裁判所の庁舎の図面とか配置とか、そういうふうなものも本来は見せてほしいのですね。というのは、この間から私は内閣委員会で公文書館なんかも審議をいたしておりましたけれども、もう私たちの委員会に来るときには、もうすでに公文書館はできちゃっているわけなんですね。それで、私たち見にいって、いまさら何ぼ言っても、できて引き渡しの段階になってから私たちが実際に審議することになりまして、私たちがいま心配することは、非常に狭いのじゃないか、また、閲覧室なんかもまずいのじゃないかということが出てくるわけです。それらの点からいきますと、こういうふうな予算規模並びに数字等で平米等はいま報告がございましたけれども、これでどの程度考えていらっしゃるのか、今後どの程度はだいじょうぶだとか、現在の広さよりどの程度広くなるのか、そこらのところを、もうちょっとかいつまんで御説明いただきたいと思うのです。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 最高裁判所の庁舎の設計でございますが、これは最高裁判所が国家的な重要な記念建築物であるという観点からいたしまして、これを広く設計を公募いたしたわけでございます。公開コンペによって最優秀作品を決定し、その作品を採用して設計がきまったということになっております。その際も、全国から二百十七件に及ぶ設計作品が寄せられまして、それが、建設省に設けられました公開設計競技の審査会という公の機関でもって審査をいただきました。その結果、一等当選作品がきまった次第でございます。ただいま、設計図あるいは配置図、これはもちろん全部でき上がっておりまして、いずれ適当な機会に、もちろん御説明申し上げてよろしいわけでございますが、簡単に申し上げますと、最高裁判所の現庁舎に比較いたしまして相当広い建物になります。大体二倍近く広くなるというふうに御理解いただいてよろしいかと思います。ここに、法廷――大法廷、小法廷、それから裁判部門、それから事務総局の部門、それから図書館といったようなものを整備いたすわけでございます。四万七千平米と申します庁舎の面積は、これは最高裁判所の現在の私ども執務しております状況から勘案いたしまして、執務環境並びにその広さ、これはまた著しく改善されるということは明らかでございます。 ただいまお尋ねの閲覧室でございますが、図書部門なども、将来ふえてまいります図書の数なども十分見込みまして、十分なスペース、余裕をとった設計になっておりますので、私どもは、今回採用されました設計は、裁判所の将来のために非常によい設計であり、また、これによって最高裁判所の使命を十分に達成いたすことができる、かように信じておる次第でございます。
○峯山昭範君 おっしゃるとおりであれば問題はないと思うんですが、いずれにしても、あながち、私しみじみと思うのですけれども、一般から公募して、そういうふうないい設計のものを採用した、過去においても、区役所とか、市役所とか、県庁とか、そういうところはずいぶんそういうふうに公募して採用してつくったのがある。ところが、実際に外観はものすごくいいけれども、非常に使うのに不便だ、芸術的ではあるかもしらぬけれども、実際に使う場合はまずいというのがあるんですよね。そういう点もあわせて、だいじょうぶだと、そういうぐあいにおっしゃっているんだろうと、私はそうとっておきますけれども、そういう点も心配するわけです。 次に、あと地の問題について、いま話がございましたが、東京高裁にされる予定でございますか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) はい。
○峯山昭範君 その、あとの建物ですか、いまの、現在の。何か大審院時代からのものとかいうことを聞いておるんですが、この建物、ただいま昭和十年とおっしゃいましたですね、できたのは。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 昭和十年と申し上げましたのは、東京高等裁判所の建物が昭和十年にでき上がったということでございまして、元の大審院の庁舎、現在の最高裁判所の庁舎は明治二十九年に最初できたものでございます。
○峯山昭範君 そうしますと、東京高裁のほうが昭和十年で、もう四十年近くたっているというのですね。そうしますと、最高裁の建物は明治二十九年ですと、これこそたいへんな建物ですね。しかし、これは、私の聞いたところによりますと、何か文化財的な価値もあるんじゃないかという話も聞いておるんですが、そこら辺のことについてはどういうぐあいにお考えですか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 裁判所の建物のことにつきましてたいへん御理解のあるお話を承りまして感謝を申し上げます。で、最高裁判所の現庁舎は、ただいま申し上げましたように、明治二十九年に建築されたものでございまして、仰せのとおり、非常に由緒のある建物でございます。大審院の庁舎として建築されたものでございまして、自来約七十数年の歳月をけみしております。ところが、この建物は戦時中に戦災をこうむりまして、外側のれんがを残しまして、中はすっかり焼失してしまったわけでございます。で、そういうわけでございますので、まあ簡単に申しますと、旧大審院庁舎というものは昭和二十年の戦災当時一たん完全に焼失してしまったと言うことができるわけでございます。 ところで、最高裁判所制度を新しく発足いたしましたので、最高裁判所の庁舎をつくる必要が出てまいりました。昭和二十四年に至りまして、この残った外郭のれんがの中に、内部をまたつくりまして、とりあえず修復して今日の姿になったわけでございます。で、もちろん、修復の際には、できるだけ当初建築されましたような姿に直すように努力をいたしたものでございますけれども、まあ、何と申しましても、明治二十九年当時できた建物とは、現在、重要な部分で幾つか違っている点がございます。特に、明治二十九年にできました当時は、この建物は、ドイツルネッサンスの様式によって建築された建物でございまして、庁舎の玄関の上の正面に高い塔などもあったわけでございまして、そうした部分は復元することができませんでしたので、現在は姿が変わっております。また、庁舎の前面は、れんがづくりで、明治の面影を漂わせておりますけれども、中庭あるいは裏側においでになってごらんいただきますと、れんがが相当剥落しておりまして、戦災の傷あともなまなましいといった状況でございます。また、建物、庁舎の構造も、まあそうした戦災をこうむっておりますので、非常にもろい状態になっておるのが偽りのない現状でございます。したがいまして、災害等の場合におきましても、最も憂慮される建物の一つになっております。 で、かような点を考慮いたしまして、私どもといたしましては、やはりあそこに最高裁の現在の建物を存置しておくということは、これは適当ではございませんので、先ほど申し上げましたように、東京高等裁判所の庁舎をあそこに改築をいたしたい。そこで、ただいま峯山委員からたいへん建物の価値について御好意ある御意見でございましたけれども、おそらく、やはりその建物を愛惜する気持ちというものは、いろいろの方がお持ちであろうと想像いたします。まあ、そこらにつきまして、まだ具体的な計画も何も持ち合わしておりませんが、これを何らか適当な方法で保存するというお考え、もちろんございますでしょう。ただ、いろいろ経費を要することでもございますし、まあ諸般のいろいろの事項をなおよく検討してみなければなりませんので、今後いろいろ御意見を承りつつ、なお検討を続けてまいりたいと、かように考えております。
○峯山昭範君 この問題はそのくらいにして、次に、裁判所の少年補導委託費というのですか、これについてちょっとお伺いしたいのですが、この補導委託費というのはどういうふうな性質のものか、また、どういうぐあいにして使われているのか、お伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 補導委託費の御説明を申し上げますと、家庭裁判所が少年法第二十五条第一項によりまして少年を家庭裁判所調査官の試験観察という処分に付します際に、試験観察をより効果あらしめるために、少年に対して守るべき事項をきめてその実行を命じたり、条件をつけて保護者に引き渡したりいたしますほかに、適当な施設、団体または個人に少年の補導を委託することができるというように定められてございます。これが補導委託と申します措置でございまして、補導委託には、少年を家庭その他従来の居住環境に置いたまま、たとえば少年の通っております学校の長などに補導のみを委託する場合と、少年を委託先に住まわせる場合とがございます。補導委託いたしましたときには、少年法二十九条によりまして、家庭裁判所はその委託先に対しまして、委託によって生じた費用の全部または一部を支給することができる定めになっております。これが補導委託費と呼ばれるものでございまして、予算上の措置がとられておるわけでございます。 で、補導委託費につきましては、委託先の職員の給料など職員に関する経費、それから備品費、文具費、こういうものを合わせまして事務費と呼んでおりますが、この事務費と、少年の食糧費、被服寝具費、日用品費、保健衛生費、光熱費、こういうものを合わせましたいわゆる事業費とに分けられております。事務費の支給額は、委託先の所在地域及び収容定員に応じまして、また事業費の支給につきましては、委託先の所在地域に応じましてそれぞれ基準を設け、若干の差等をつけて支給をしているという運用になっております。
○峯山昭範君 いま、少年法第二十五条の適当な施設、団体、個人に補導を委託すると、そういう話でございましたが、この補導委託を決定するときの手続ですね、これはどういうふうな手続をするのですか。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 補導委託を行なうかどうか、これは、通常は試験観察の決定と同時に当該の事件処理に当たる家庭裁判所が決定することになっております。家庭裁判所が事件について調査審判をいたしました結果、少年を保護処分に付するのが相当であると一応考えられますけれども、まだ最終的な判断を下すには資料が若干不足している、あるいは少年院に収容するほどの問題性はない、また、直ちに保護観察のような長期の補導援護に付することも問題がある、当分の間家庭裁判所の調査官に少年の動向を観察させると同時に、その間第三者の補導にゆだねて社会復帰の可能性を見きわめるのが適当であるというような場合に補導委託の決定が行なわれることが多いわけでございます。この際重要なことは、言うまでもなく、当該の少年の補導を委託するにふさわしい委託先を選択するということでございます。
○峯山昭範君 いまお話ございましたように、適当な委託先を見つけるということは非常に私は大事なことだと思うのですが、法律では「適当な」となっておりますが、「適当な」という基準か何かございますですか。適当な施設、また適当な団体、適当な個人ということに、みなかかるだろうと思うのですが、ここら辺の「適当な」というのは非常に抽象的なあれでございますが、何か委託先をいいところを見つけて、それによってやっぱり少年が更生するかどうかということにもかかっていると思いますし、そこら辺の選定の基準といいますか、そういうようなものはございませんですか。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 委託先の選定基準というようなものが具体的な形では定められてはございません。各家庭裁判所がくふうをいたしまして、その選定については調査の上で決定するということで、実情は、その家庭裁判所、家庭裁判所によりまして異なっております。 で、選定の方法といたしまして、その問題になっている事件限りで家庭裁判所調査官が自分で探してきました民間の篤志家の協力を得てこれに委託するという場合もございますが、多くの場合は、これは選定の基準とは少し離れますけれども選定の方法といたしまして、平素から――その家庭裁判所の首席家庭裁判所調査官という職がございますが、この調査官を中心としまして、少年の保護更生に理解のある民間の篤志家、会社、社会事業団体あるいは法務省所管の更生保護会というような施設、厚生省所管の養護施設、こういうような機関、専門用語で「社会資源の開拓」というような表現をとっておりますが、このような形で社会資源を開拓いたしまして、家庭裁判所長が規模、設備その他を勘案して、補導委託先として適当であると認めた場合には、あらかじめ補導を委託するについての一般的な了解をその機関と取りつけておきます。そして、具体的な事件が起きました場合に、委託先の規模、内容、特徴、少年の年齢、非行性の度合い、このようなことを勘案いたしまして、家庭裁判所の裁判官が結局最も適当な委託先というものを具体的に選定いたしまして、あらためて委託先の了解を得て、当該の少年について補導委託の決定をするというような仕組みになっております。
○峯山昭範君 現在、全国で団体と個人の割合といいますか、いま施設の委託をしている人たちですね、どのくらいあるのか。そこら辺は一体どういうことになっているのか、ちょっと具体的にお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) この委託先の個人と団体の割合は、ちょっと調べがついてございませんが、合計いたしまして、昭和四十五年におきまして約四百カ所ございます。
○峯山昭範君 そうしますと、その予算がどのくらい使われているかというようなことで、いまの四百カ所でありますが、たとえば、予算の執行状態といいますか、それについで、ちょっとお伺いしたいのですけれども、施設にはどのくらいの予算がつくのか、または預けた場合、大体平均どのくらいの予算なのか。これまた一般の少年院なんかの場合と比べて、これらの予算等についてはどういうぐあいになっているのか。ちょっと詳細にお伺いしたいと思うのです。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) まず、総額で御説明申し上げますと、昭和四十五年度の場合は、補導委託費総額が一億四千十二万四千円でございまして、ただいま御審議賜わっております四十六年度予算といたしましては一億八千九百九十八万九千円を計上いたしておるわけでございます。でありますからして、昨年度に比較いたしまして約四千九百万円ほど増額をいたしております。 そこで、ただいまお尋ねの、どういうふうなことになっておるかということでございますが、予算的な観点から申しますと、少年一人当たり一日の単価でございますが、積算の単価といたしまして七百十一円ということに、現在の四十六年度予算としては考えられておりまして、昨年度と比較いたしまして一三・一%の増額をいたしておるものでございます。これは、法務省所管の更生保護会でございますとか、あるいは厚生省所管の施設であるいろいろの養護施設の場合等と比べまして、常に比較いたしまして、それに合わせてこうした単価をきめておるということでございます。
○峯山昭範君 先ほどからいろいろ説明がございましたけれども、ちょっと一つ心配なことがあるのですが、適当な委託先を見つけて個人または団体の委託先に補導等をお願いするわけでありますけれども、実際、委託費等の問題から一人一日七百十一円、こういうことでございますが、先ほど四百ヵ所というお話でございましたけれども、団体と個人の割合はどのくらいになっているか、調査はまだ完全にできていないそうでありますが、何といいますか、少年をこういうふうな人たちに預けますと、預け主の人はどういうことをするのですかね、少年に対して。ときどき、少年や少女を食いものにして何のかんのというような問題が出ることがあるのですが、そういうことはまさかないとは思うのですが、そういうことについての指導といいますか、観察といいますか、そういうことはどういうぐあいにしていらっしゃるのか。また、金銭面についての監査といいますか、査察といいますか、そういうようなことについても、どういうふうにしていらっしゃるのか。この二点についてお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 一点は、一言で申しますれば、預けっぱなしになっているのではないかという御懸念の問題 一点は、予算の執行及び少年の収入となったものについて問題が残ってはいないかというような御質問と存じますが、補導委託した場合に、少年に対する視察等についてまず申し上げますと、家庭裁判所が試験観察決定によりまして少年を補導委託する場合には、裁判官あるいは担当の家庭裁判所調査官から委託先に対しまして、その少年を委託するにあたっての具体的な問題点、その指導のし方等について説明をして、まず補導の参考にしてもらうようにしております。次に、補導委託の期間は平均三カ月から六カ月くらいでございまして、担当の調査官が委託先に出向きまして、受託者、少年に面接いたしまして、観察状況を調査し、具体的な補導のあり方について相談に乗ったり、さらにまた指導する。その結果は裁判官に報告するという手続になっております。また、少年を受け取った側、受託者の側では、随時裁判所と連絡をとりまして、委託少年の状況を裁判所に口頭あるいは書面で報告し、指導についての指示を受けているということでございます。また、裁判官も、必要に応じまして委託先の状況や補導の実態を査察し、あるいは調査官を通じましてその報告を受けて、受託者に対する指示を随時行なっております。裁判所といたしまして、一般的に首席家庭裁判所調査官が委託先に家庭裁判所の方針を了知徹底させるとともに、補導の実情を調査して取り扱いについての勧告視察をし、委託先との連絡調整役を果たしていくということになっております。 次に、補導委託費などのいまの予算の執行関係、金銭の支出に対する監察、こういうものにつきましては、委託費の支給は毎月分を委託先からの請求に基づて行ない、請求は少年補導委託費を請求書によって裁判所のほうに請求がされる。これについて裁判所が審査の上で裁判官が支給決定をするという手続になっております。一般的に、委託先の費用支出の状況につきましては、随時首席家庭裁判所調査官、それから会計課の事務官が委託先に出向きまして監査をいたしております。監査の具体的方法は各家庭裁判所にまかしてございますけれども、一般の方法によりまして帳簿を備えつけさせて収入支出を明記し、随時監査の方法も併用しておるわけでございます。 次に、少年の側の収入がどのような形で処理されているかというような問題委託先における作業収益の帰属と申しますか、こういう点について画し上げますと、委託された少年に作業をさせる場合には、委託先において少年に直接作業をさせるという場合と、それからその委託先外の適当な職場に通勤させるという二つの場合があるわけでございます。いずれの場合におきましても、作業を通しまして少年に勤労意欲を起こさせる、働く習慣、努力する習慣を身につけさせる、少年の持続性、忍耐力を養わせて社会性を養うというような自的をもってこの作業を行なわせているわけでございます。委託先によって件業収益の全部が少年に還元される場合と、それから全部は還元されない場合と、この二つありまして、この還元されない場合が問題になるのではないかと思います。家庭裁判所では常に補導費の補導の実態と委託費の使途、作業収益の帰属状況、こういうものにつきまして実情把握につとめておりますが、作業収益の一部が還元されない場合におきましても、これは委託いたしました少年の食糧費、副食費、服装、身の回りの品、そういうものを取りそろえる費用の一部に充てるように指導しておりまして、終局的にはその少無自身のために使われるように指導しているわけでございます。
○峯山昭範君 いま聞いておりますと、裁判官は忙しいですね、ものすごく。いまおっしゃっているとおりにやられているとすれば、これは非常にたいへんなことだと思うのです、実際問題。委託先に一々行ってお願いし、そうしてそのとおりになっているかどうかを確認し、ほんとうにこれはそうなっておれば問題はないと思うのですが、現実に前々からこのことについては、いまの報酬の問題についても、悪いことばで言えばピンはねということになるのですけれども、そういうことについても、いま説明があったとおりにしても、たとえばピンはねと言えば語弊がありますけれども、その分を副食費とか衣料費に回さなければならないというようなことでは、さっき一番初めに言った、その委託する先が適当であるかどうかということにもかかってくるわけです。そういうことはしなくてもいいような、もっとかっちりした委託先というものが実際問題として私はずいぶんあるんじゃないかと思いますが、そういう点から考え合わせても、もっと前回きというか、もっとちゃんとしたところに預けるようにしたほうがいいのではないか。そういうふうなことを、ピンはねと言ったらおかしいですけれども、そういうことが前々から問題になった事実もあるわけです。こういう問題について実際問題改善されているのかどうか。そういうようなことが出てきたところは、やめたほうがいいんじゃないか。もっといいところがずいぶんあるんじゃないか、こういうふうに思うわけです。 それで、こういうふうな実態からいいましても、裁判所としてもこの実態の掌握ということについてはまだまだ甘いんじゃないか、こういうふうな考えを私は持っていま質問しておりますけれども、いまの説明を聞いておりますと、全部完ぺきにやっているという感じでありますけれども、ここではそうであっても、地方裁判所等ではたいへんな実情だろうと思うのです。 私、これからもう一つお聞きすることがあるのですが、車の問題一つにしても、地方裁判所、家庭裁判判所では非常に足りないわけですね。そういうような人たちが預け先に一々行ってやるということは非常にたいへんな労力だと私は思うのです。そういう点も、実際はあまりそういうふうに行なわれていなくて、呼んでやったり、そのほかの手段を行なっているんじゃないかとも私は推察するわけですけれども、そういうこともあわせて御答弁願いたいと思います。 それからもう一つは、こういうふうな制度が一番いい制度なのかどうか。この制度についてはどういうふうにお考えなのか。この二点についてお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 実施上の問題点について御指摘がございました。もちろん、ただいま御説明申し上げましたことは、私どもの方針として、このように完ぺきに実行するよう心がけているわけでございますけれども、現実の問題といたしましては、人員の不定、ひいては時間の不足、あるいは予算的な十分の手当てができない予算上の制約というようなことから、御指摘になるような点が場合によってはあることも、これは推察いたしておるところでございまして、そういう間違いのないように、できるだけの努力をし、人をふやす、あるいは予算をふやすという努力を今後も続けていきたいと存じておるわけでございます。 で、このような補導委託の制度がはたして好ましいものか、もっといい委託先があるんじゃないかという御指摘でございますけれども、委託先の機関あるいはその経営者は、やはり少年に非常な愛情を持ちまして、中には私財を投じて、少年の社会復帰、更生あるいはその成長のために涙ぐましい愛情と努力をささげてくれる方も数多くございまして、現状といたしまして、この補導委託という方法が最もふさわしいものであると私ども考えてやっているわけでございます。ただ、場合によりますと、国会でも御指摘にあずかるような実態と申しますか、調査の不十分、監査の不十分から、期待しないような間違いが出てまいりますので、そういうものにつきましては厳正な態度をもって是正して、少年のためにこの運営に誤りのないように努力をしたいということを申し上げるわけでございます。
○峯山昭範君 まあ、いろいろ問題はあると思いますけれども、いずれにしても、いま後段でおっしゃったような、そういう涙ぐましい努力をしていらっしゃる方もあると思うのですね。そういう方々にたまたま当たった人は、りっぱにうまくいくかもわかりませんけれども、逆に、非常に虐待されるのもあっては困るわけですね、実際問題。そういう点については十分それぞれ裁判所の皆さんとも相談をして、特に東京だけで行なわれているわけではありませんので、日本全国にまたがっていますので、その点もよく査察といいますか、調査といいますか、そういう点については目を配っていただきたいと考えます。 それからもう一つ、車ですがね。私たちも、この間から地方の裁判所にいろいろいきまして感じましたことは、皆さんの話の中で一般的に出てくることでありますが、非常に車が少ないと言うんですね。いま地方へ――地方へと言うより、いまの少年の問題一つにしましても、保護観察をお願いする相手の先に行くにしても、電車に乗ったり、いろいろしていく人もいると思うんですが、車がなければどうにもならないということはずいぶんあるわけです。そういうような観点から考えてみて、現在、車は裁判所はどういうぐあいになっているのか、一ぺん、初めにお聞きしておきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 裁判所の自動車の台数でございますが、総台数四百九十三台ございまして、まあ大部分が乗用車でございます。その他、貨物車、それから護送車といったものでございます。合計が四百九十三台というふうになっております。
○峯山昭範君 全国の家庭裁判所、簡易裁判所、地方裁判所、高等裁判所、最高裁等、全部入れると、幾つ事業所――事業所というとおかしいですが、裁判所があるんですか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 高等裁判所が全国に八つございまして、地方裁判所、家庭裁判所がそれぞれ四十九あるというふうになっております。なお、独立の簡易裁判所が約二百七十ございます。以上でございます。
○峯山昭範君 そうすると、ほとんど車のないところもありますね。まあ平均なんというわけにはいかないと思うんですね。やっぱり上のほうになってくると思いますし、いまの四百九十三台というのは、護送車とか貨物車を入れて、もちろん乗用車が多いとは思うんですが、それも入れてでございますから、非常に少ないと私は思うんです。ここら辺の点については、やはり何といいますか、いろんな、私たちも聞くんですけれども、車がないために、判事の皆さんが記録を持って、てくてく歩いていって、弁護士やそのほかの皆さんは車でさっと行く。非常にかっこうが悪いと言ってはおかしいですが、そういうこともあるらしいんですが、こういう点についても、やはり車という点については、これだけ車をふやせなんという論争は私はあんまりやりたくないんですね、交通安全という点からいって、車より電車のほうがいいということも考えられますが、しかし、そういうふうなこともありますが、やっぱり最低限必要なところも考えなければいけないんじゃないかと考えるんです。こういう点も検討していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 裁判所、特に裁判官の仕事を果たすために自動車が非常に重要な役割りを持っているということは当然でございます。それで、私どもといたしましても、自動車の増車ということを毎年予算でもお願い申し上げまして、ことに四十五年度、四十六年度におきましては、従来の倍近くの自動車を予算上認められているということになっておるわけでございまして、そうした事情もおいおいと改善されてまいっておるのが現状でございます。なお、今後ともこうした努力を継続していきたいと、かように考えます。
○峯山昭範君 終わります。
○松下正寿君 私は、裁判の遅延の問題にも関連しまして、裁判官、それからついでにと言っては非常に失礼ですが、検察官の人員の問題についてお尋ねしたいわけでございますが、第一に、根本的に、現在の裁判遅延ということが残念ながらあるようでありますが、これと、裁判官のあるいは検察官の数が不足しているのかどうか、その間の因果関係はどうなっているか、第一点、御説明願いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 訴訟がおくれておるということは、今日の社会から非常に強い批判として裁判に向けられている現状でございます。その原因はいろいろございますけれども、やはり裁判官の不足にあるということは、これはまぎれもない事実でございまして、この点が訴訟の遅延を解決するにつきましてのキーポイントであるということは御指摘のとおりでございます。 で、現状につきまして簡単に申し上げますと、第一審の裁判所でどのくらいの審理期間を要しているかということを申し上げたいと思います。戦前の昭和十三年から十五年におきましては、第一審、つまり当時は区裁判所と地方裁判所が第一審でございましたが、平均の審理期間が、民事事件につきまして約五カ月、刑事事件につきましては約一カ月ございました。ところが、最近、昭和四十一年から四十四年でございますけれども、第一審裁判所である地方裁判所、簡易裁判所について見ますと、民事事件につきましては平均九カ月、刑事事件五カ月、地方裁判所のみについて見ますと、民事事件約十二カ月、刑事事件約六カ月というような数字になっておりまして、戦前よりも審理期間が長くなっております。これは、事件数も格段にふえております。六法全書を端的に取り上げましても、戦前の六法は名のとおりの六法でございましたけれども、いまは一つの法律書と言ってもよろしいぐらいの多くの法律が登載されておりますように、社会関係が複雑に発展しております上に、これを規制する法律もふえ、国民の意識も非常に進んでおりますために、訴訟の内容が複雑になりまして、いきおい審理期間がこのように延びておるというのが現状でございます。 で、審理期間をどのくらいにすればよろしいのかというのはむずかしい問題でございまして、きめ手がございませんけれども、一応現在の審理期間を半分にする、努力目標でございますけれども、そのような目標を念頭に置きまして、手続面の改善、能率器具の導入というような方法を検討いたしておりますが、なかなか人員増のほうは、現在の裁判官の資格として要求されますところが非常に高い、法律家として高いものが要求されます上に、いまの日本の法学教育の現状でこれ以上ふやすということが、裁判官に必要な識見、法律的素養、能力というような観点からまいりますと、法学教育の上からの限界もございまして、裁判官の増員ということがむずかしい現状にあるわけであります。
○松下正寿君 裁判の遅延の原因が非常に複雑であって、裁判官の不足だけではない、しかしながら裁判官の不足も原因の一つになっておるということは間違いないわけだと思います。 そこで、それを前提にしてお伺いしたいわけでありますが、まあお伺いする前に、かりに昭和四十五年としまして、昭和四十五年の修習生、修習を終えた者の中から弁護士、判事、それから検察官等に振り向けられる割合をちょっと御説明願いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 昭和四十五年度について申し上げますと、これは第二十二期の司法修習生ということになりますが、司法修習を終了いたしました者が五百十二名ございます。そのうちから裁判官に任官いたしました者六十四名、検察官任官者三十八名、弁護士四百四名、その他――これは会社に就職し、あるいは大学の先生になるというような方々が入っております。以上のような数字となりまして、その約八〇%が修習生の中から弁護士になっていく。残りが裁判官と検察官に任官していくという現状でございます。
○松下正寿君 これで現状がわかったわけですが、これをいつと比べたら一番適当かどうかわかりませんが、かりに昭和二十五年、ちょっと当てずっぽうなあれなんですが、その戦後あたりと比べてみると、この率はどういうふうに変化しておりますか。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 昭和二十五年の数字をまず申し上げますと、司法修習生に採用されました者が二百四十五名でございまして、これが修習終了の際――これは昭和二十三年に採用した者が二百四十五名でございますが、昭和二十五年に修習終了の際には五名減りまして二百四十名になっております。その中で、裁判官百六名、検察官五十四名、弁護士七十八名でございまして、七〇%前後が裁判官に、あるいは検察官に任官していたわけでございますが、これが数字的にはむしろ逆転以上の関係になっているという変化を示しておるわけでございます。
○松下正寿君 まさに逆転しておるわけで、これが問題だと思うんですが、私は逆転したほうがいいという面もあるんじゃないかと思うんです。というのは、いままで官尊民卑で、弁護士はいわば裁判官や検察官を終わってから隠居仕事にやる。こういう、まさに民間法曹無視のきらいがあったわけです。それが、断然弁護士志願者が多くなるということは、ある意味ではけっこうなことであります。その点において、私はこの統計を必ずしも悲しんではいないわけです。ただ問題は、一番前に御答弁願いましたように、裁判官の不足と裁判の遅延とが非常に密接な因果関係があるとすれば、これは何とかしなければならないのじゃないかと思いますが、そこに、検察官という、まだお触れにならない問題もありますが、これと関連して、もう少しバランスをとるといいましょうか、もう少し裁判官をふやすような方法がありますかどうか、それをちょっと伺いたい。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) きわめてむずかしい問題でございまして、政府におきましても、裁判官、検察官の志望者が少ないことには憂慮をされまして、昭和三十六年には臨時司法制度調査会というものを設置いたしまして、任官者の数をふやすにはどうしたらいいかという根本的な施策について大きな調査会を設置し、多額の予算を措置いたしまして調査をされたわけでございます。その結果、法曹一元という制度が日本の司法にとってふさわしいかどうかということを中心として非常に論議されたわけでございますが、なかなかその原因と、それに対する対策という問題になりますと、一致した結論を出しがたいということでございまして、一応その調査会の意見書といいますか、答申の内容といたしましては、法曹一元の制度は、これが円滑に実現されるならば、わが国においても一つの望ましい制度である、しかし、この制度が実現するための基盤となる諸条件はいまだに整備されていない、したがって、現段階においても法曹一元の制度の長所を念頭に置きながら現行制度の改善をはかるとともに、その基盤の培養についても十分の考慮を払うべきであるというような意見にまとめられております。 戦後新しい憲法と同時に英米の司法制度を大いに取り入れまして、裁判官についてもこの方向の検討が芽ばえたわけでございますけれども、何ぶんにもその基盤といたしまして日本の法曹が非常に少のうございます。簡単に例をあげますと、アメリカ合衆国では実務法曹が約二十万でございまして、その中から所要の裁判官が採用できるというような状態でございます。イギリスにおきましても、これは御承知のように、ソリシターとバリスターという二種類の弁護士に分かれておりますが、これを合わせますと二万三千人ほどの弁護士がおります。 ひるがえりまして、日本の場合には弁護士数が約九千、裁判官、検察官合わせましても法曹の数としては一万三千でございます。人口一億で一万三千の法曹と、人口一億五千万で二十万の法曹を有するアメリカとは、司法をささえるところの法曹の基盤というものに非常に差がございます。イギリスをとってみましても、法曹の数が日本は非常に少ないために、この中から法秩序を形成していく役割りをになう裁判官あるいは在官の法曹としての検察官、こういう人たちを得るということは、現状からなかなかむずかしいわけでございますので、基本的な法曹一元というのは、検討はされながら、実現の段階になりますと非常に大きな問題に逢着するということになっているのであります。したがいまして、法曹の数をふやすために司法修習の制度についてはさらに検討を加えたらどうかという法務大臣の御提案や、いろいろございまして、これも検討を加えられておりますが、なかなか現実の問題としてむずかしい状況でございます。また、国会の御了解を得まして、初任給調整手当というような特別の給与の方式も実行させていただいて、任官者の数をふやす努力をいたしているのでありますが、抜本的な方策ということになりますと、非常に困難な状況にあるということでございます。
○松下正寿君 この修習生は司法科の試験を合格した者でないとなれないわけですが、これもかりに昭和四十五年を考えまして、受験者数と合格者――その合格者の数がそのまますぐ就職するかどうかは、若干下がると思いますが、そういうことはどうでもいいです。大体合格者と昭和四十五年の受験者の数を説明してください。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 昭和四十五年の受験出願者が二万百六十名でございまして、合格者が五百七名、合格率は二・五%となっております。
○松下正寿君 ところで、現在の受験というのは、どうなっているのですか。一定の標準、まあたとえば大学なんかだと、入学試験は大体定員がきまっておりますから、一千名なら一千名ときまっておれば、あとは一万であろうと十万であろうと全部不合格になるわけですね。定員だけ採用されるわけですが、司法官の場合、大体定員何名という定員があるわけですか。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 司法試験につきましては、法務省に司法試験管理委員会がございまして、法務省の所管事項となっておりますが、便宜私からお答え申し上げます。 この試験は資格試験でございますから、定員はございませんで、合格点に達した人は全部合格者としてその資格を与えられるわけでございます。で、司法研修所への入所につきましては、修習にたえ得る人は入所を許しております。健康上の理由あるいは学校、会社に就職するというような個人的な理由で修習を志願しない人のほかは、合格者のほとんどが研修所に入所いたしております。研修所の定員のために入所を許されなかったという例はございません。
○松下正寿君 初めお伺いしたときに、四十五年の修習を終えた者が五百十二名、合格と修習との間に二カ年期間があるわけですが、あまりこまかく、あまり正確でなくてもいいですから、過去十年くらいの合格した人の数、何人合格したか、ごく大ざっぱでいいですから、大体五百人台とか六百人台とかこんなところでけっこうですから。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 過去十年の合格者数を申し上げますと、昭和三十六年三百八十名、三十七年四百五十九名、三十八年四百九十六名、三十九年五百八名、四十年五百二十六名、四十一年五百五十四名、四十二年五百三十七名、四十三年五百二十五名、四十四年五百一名、四十五年五百七名という数字でございまして、三十六年には四百名足らずでございますが、漸次ふえまして、三十九年に五百名に達しまして、大体五百名から五百五十名ぐらいの間を行き来しております。合格率で申し上げますと、昭和三十七、八年ころは四・二%、このくらいでございましたが、だんだん、これが低下いたしまして、先ほど申し上げましたように、四十五年には二・五%という合格率になっております。
○松下正寿君 まあ、司法官の試験は競争試験ではなくて資格試験だということになりますと、一万人受験すれば一万人全部入るという可能性もこれはなきにしもあらずなんですが、入学試験のような競争試験と違うわけなんですが、大体いま数字を伺いますというと、若干ふえている、減っている年もあるようですが、若干ふえている。これはけっこうだと思うのですが、資格試験ならば、もうちょっとでこぼこがたくさんあるように思われるわけですけれどもね。その年によって偶然非常にできる人が受ければ、一万人とか二万人ぽんと一ぺんに通過する、その次はうんと減って百名くらいに減るというようなことが普通であるのが、これは、私は長い間学校で入学試験をやってきましたから、わかるわけですが、ただ、学校の場合だと、定員がきまっておりますからね、ですから、上からとらないというと苦情が起こるわけですが、受ける人数が漸増で、あまりでこぼこがないところを見ますというと、資格試験とは言いながら、やはりそこに何らかの了解のような、標準のようなものがあって、それでこの数がそう変わっていないというのが実情のように思われるわけですが、あるいは御答弁になるのが御迷惑な点があるかもわかりませんが、もし、あるいは御迷惑でなかったら、ちょっとその点の内容をお知らせ願いたい。
○説明員(当別当季正君) 司法試験のただいまの御質問は、第二次試験の御質問でございますけれども、この司法試験第二次試験の合格者の決定は、各科目について任命されております、法務大臣から任命されております司法試験考査委員の合議によって合格を決定するということに、司法試験法上されておるわけでございます。で、現在必須科目が五科目、それから選択科目が二科目、合計十九科目あるわけでございますが、これの科目につきまして当代一流の学者等を約百名司法試験の考査委員に任命しておるわけでございます。ところで、この採点でございますが、司法試験考査委員が最も適正な、かつ公平を期する観点から採点をされているわけでございますが、事務当局の側から伺いますというと、大体全答案数を各考査委員が一読も二読もされまして、大体本年度のこの問題についての平均的な水準はどの辺にあるかということをまず把握されまして、あと採点基準に従って御採点いただいておるというのが現状だと考えますので、ただいま御指摘のような、一名も合格しない年次があっていいのじゃないか、あるいは全員が合格している年次があってもいいのじゃないかということに理論的にはなるわけでございますが、ただいまの考査委員の御配慮によりまして大体まあ均衡がとれておるというのが現状でございます。
○松下正寿君 大体のその標準ということを年々おきめになるということですが、これに対しては法務大臣は全くノータッチで、全部試験官のほうにおまかせと、こういうわけですか。
○説明員(当別当季正君) 司法試験法上、法務大臣は合格者の決定につきましては何らの権限が与えられておりませんので、司法試験考査委員の合議によるということにされておりますので、考査委員が相互に合議されて、採点基準を大体どの辺に置くかということをおきめいただいておるようでございます。
○松下正寿君 むろん、極端な場合には、何のたれ兵衛になにしてやれというようなことは、これはやれないのは当然のことです。また同時に、こまかい、民法なり民事訴訟法なりについてどうしろということを法務大臣から指示するということも、これも不穏当だと思いますけれども、そういうことでなくて、大体の数とかいうことは、これは、試験官、考査委員の問題というよりは、むしろ国の政策の問題じゃないかと思うのですね。司法制度のそれに対して法務当局が全くノータッチで――ノータッチというか、全然何ら発言権もない、権限が全然ないということになりますというと、ちょっと何か、昔の軍部じゃありませんけれども、一種の統帥権みたいな感じもいたしますが、それはいかがでありましょうか。そうなると、極端に言うと、国会では全く審議できないことであるというような結論になりはしないかと思われるわけでございます。
○政府委員(大竹太郎君) ごもっともな御質問でございますが、申し上げるまでもなく、検察の仕事、裁判の仕事、もちろん弁護士も含みますが、国の秩序の維持と人権の保護というような非常に重要な役割りを果たす機関であり、人々であるわけでございますので、もちろん、先ほど来の質問のように、非常に人員が不足して、裁判が遅延をする、また、完全な裁判ができないというような状態は、これはもちろん、先ほど最後にお話がございましたように、国の方針として人員をふやす方向で進まなければならないわけでございまして、これはもちろん国の方針もございまして、ここにある数字を見ますと、三十年は志願者も少のうございましたけれども、合格者が二百六十四人、四十五年度においては五百人ということになっておるわけでございまして、こういうように、できるだけふやす方向に試験官のほうでも御配慮をいただいておるように思うわけでありますが、しかし、いま申し上げましたように、やはり重要な責任を持っておる人々でございますから、質的に非常に前の合格者は質がよかったが、最近はどうも非常に質が落ちたというようなことでは、これまた非常に大きな問題でございますので、それらについての制約もあるということも十分お考えをいただきたいと、こう思うわけでございます。
○松下正寿君 もう、そろそろ私の質問はやめますから御安心願いたいのですが、むろん、私は、裁判官なり弁護士なりの質を犠牲にして数をふやすということは、これはもう大反対でございますが、質の点になりますというと、なかなかめんどうな問題でして、どこを一体資格と見るかということは、これはなかなかむずかしい問題だと思うのですが、したがって、これを議論するということになると、これは水かけ論みたいになりますからね。ただ、私は、自分自身考査委員になったことはないのですが、友人のうちにもたいへん知り合いがあって、いろいろ私的に話し合ったことや、それから私自身がいろいろ法律の試験をやってみたその経験その他を全部総合してみますというと、私は一さっき極端に、全部合格の場合もあるじゃないかと申しましたが、これはちょっと極端な、理屈がそうなるだけで、実際問題としては不可能だと思うのです。ただ、かりにいまの五百名としまして、その五百名をいまの倍くらいに、千くらいにするということによって、裁判官の合格者の質が低下するとは私は考えられないわけです。実際、上と下との差は非常にありますけれども、合格の線と、それからもうちょっと下のところというのは、ほんの紙一重といいましょうか、全く技術的なことでちょっとしたところで落とさないといけないという点もありますから、私は、いま政務次官が私に同意されるということはちょっと期待いたしませんが、その程度にふやすということは、私は決して、日本の法律教育といいましょうか、非常にこれを低下したものというふうに見てないわけなんです。そういえば私も弁護士会に入っておるわけですが、弁護士方面から、数をふやすことについての非常な抵抗があるように聞いております。しかし、これは非常な三百代言の者が多いです。この三百代言を征伐して、ほんとうの弁護士をふやすということは、かえって弁護士の質を高める上においてけっこうじゃないかと思います。その点を御考慮願いたいと思いますが、お答えにくいと思いますが、次官の御感想だけでも伺いたいと思います。
○政府委員(大竹太郎君) いまの御質問、ごもっともでございますが、ただ、先ほども申し上げましたが、私の手元に昭和三十年度から四十五年度までの出願者の数と最終合格者の数がございまして、さっき一番最初の昭和三十年度と昭和四十五年度の数を申し上げたわけでありますが、この出願者を見ますと、昭和三十年は六千三百四十七名ございまして、さっき申し上げた二百六十四名の合格者を出している、四十五年度においては二万百六十人受験をして五百七人の合格者が出ているということでございまして、これはやはり、志願者が多くなれば当然大ぜいの合格者を、いまのお説のように、出し得ると思うわけでございまして、三十年と四十五年を比べますと、出願者においても三倍の数になっている。これはやはり、もちろん、松下先生のおっしゃるように、同じ出願者のもとにこの合格者をふやすということは、これはなかなか問題があろうかと思いますが、司法官の待遇あるいは弁護士の地位というようなものを高め、一般の人々にも認識をしていただいて、いまのお考えと同時に、やはり出願者を多く、法律を学んだ者は法曹に、優秀な者がこぞって法曹を心がけるというように持っていくことが一番大事であり、そういたしたいものだというふうに私どもも考えておるわけでございます。なかなかこれは、同じ出願者のもとにおいて合格者を、松下先生のおっしゃるように、倍にふやすということは、これはもちろん試験官の採点その他にもよるかもしれませんが、なかなかむずかしいことではないかというふうに思っておりますが、検討をさせていただきたいと思います。
○松下正寿君 もうあと一つで終わります。 いま人員の増加の一つの提案をしたわけで、急に御賛成を得られることを期待しておりませんが、アメリカなどでは、弁護士が相当に成功してお金も十分にたまった、これから五十から六十くらいになると、あと自分の一生を裁判官として国に奉仕したい、こういう人が非常に多くて、これが大体評判がいいわけなんですね。私は、弁護士の晩年を飾るものはむしろ裁判官である、こういう慣習が確立されれば、これこそほんとうの法曹一元化ということが期せずして実現されるのじゃないかと思います。そういう慣習を日本へ持ってこいといま騒いでも急にできないと思いますが、それについて、いろいろ設備を改善するとか、先刻の最高裁の新築などは非常にけっこうだと思いますが、その他何か、もっと裁判官の地位を高めて、優秀な弁護士が晩年あまり食うに困らなくなった場合、裁判官になりたいというような意欲をそそるような、誘引するような方法はないものかどうか、それを考えているわけでありますが、何かお考えがありましたら御意見を承りたい。 これで私の質問を終わります。
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) たいへん困難な問題でございまして、先ほども申し上げましたように、臨時司法制度調査会は、裁判官の拡充を目的としまして、法曹一元を二年にわたって検討しましたわけでございますけれども、実現可能な具体策を見出し得なかったという結論になっておるわけでございまして、お答えに値するような良策はただいま思いつかないのでございますが、しかし、裁判官の不足は当面の大問題でございまして、できる限り可能な手当てはしておるわけでございます。報酬を上げて待遇を改善するという観点からの誘引策あるいは執務環境をよくするというようなこと、それから退官後の待遇というものも老後に不安がないような形で十分な手当てをしていただくというようなこと、いろいろ考えておるわけでございます。給与の面と物的面と両方努力はいたしておりまして、現に執務環境整備十カ年計画をいたしまして、大体地方裁判所の甲号支部までは古い執務体制である宅調制というものをやめて、近代的な執務体制がとり得るように庁舎備品あるいは備えつけ図書の充実をはかるというような手当てをいたしておるわけでございますが、根本的な問題といたしますと、やはりこそく的な手段にとどまっておるわけでございまして、なお、今後この点については十分に検討をして、国民の司法に対する期待を裏切らないような努力を続けていきたいと思っております。
○主査(平島敏夫君) 他に御発言もなければ、裁判所所管に関する質疑は終了したものと認めます。 明日は午前十時から開会することにいたします。 本日はこれにて散会します。 午後二時五十三分散会 ―――――・―――――