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65回国会参議院1971/03/29

予算委員会 第23号

発言数
83
登壇者
11
会派数
6
開催日
1971/03/29

会議録

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十六年度一般会計予算、昭和四十六年度特別会計予算、昭和四十六年度政府関係機関予算、  以上三案を一括議題といたします。  前回に引き続き、締めくくり総括質疑を行ないます。岩間正男君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 最終段階を迎えたと言われている沖縄返還協定交渉の中で、私は沖縄の特殊な基地の問題にしぼってお聞きしたいと思います。  まず、愛知外務大臣にお伺いしますが、この前の分科会で特殊な部隊について、その所属系統や任務等調べて報告してもらうと、こういうことになっておるわけでありますが、いかがでしょう。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 返還後の沖縄に置かれる米軍の規模、態様等に関連して、現に置かれている米軍の組織、機能等について、できるだけ実相を掌握して御説明をいたしたいということを申し上げたわけでございますが、同時に、一昨々日にも岩間委員にお答えをいたしましたように、きょうですね、この総括締めくくりのこの日に説明せよという御要請がございましたが、これはいまいろいろと調べている最中であって、きょうこの時間に御説明することは、遺憾ながらお約束ができませんと申し上げたとおりでございまして、一昨々日の状況と本日の状況とは変わりはございませんので、何とぞその点御了承賜わりたいと存じます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は中間報告でもと望んでおったんですね。そのとき防衛庁にも頼んで調べてもらうつもりだということをおっしゃいましたが、防衛庁長官、これどうなっておりましょうか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 委員会におきましても、そういう質問もございまして、われわれのほうでも実態調査を多少しております。言われているところのものについては、まだ中身が正確にわかっておりませんが、新聞やあるいは議会の御質問等から見まして、いままでそういう疑念があると指摘されておりますのは、米太平洋陸軍情報学校、それから第一特殊部隊群、いわゆるグリーンベレーといわれるもの、それから第三海兵師団、これは岩間委員が特におっしゃっていたものであります。それから第七心理作戦グループ、それから、SR71偵察機、こういうような問題が議会でいろいろ御論議になった対象でございますが、これらの内容の把握に現在つとめておる状態でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはできるだけ早い機会に報告をしてほしいと思います。外務大臣の答弁ありましたが、非常にこれは不十分だと思いますね、こういうことではまずいと。私はなぜこの問題を重視しているかというと、沖縄の米軍は施政権返還後、新たに安保条約が適用され、地位協定によって日本政府はアメリカの基地要求を再検討し、望ましくないものは提供を拒否することができるたてまえになっております。しかし、一たん使用を認めた基地はアメリカの同意なしには返還させることはできない。だから問題を煮詰めているいまこそ、米側の要求に対する政府の態度を明らかにして、国民の意思を反映することが重要だと、けじめをつけるべきだと、そう私は考えるのですが、いかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) この点はかねがね御説明しているとおりでございまして、安保条約のもとにおいて、日本の安全、日本を含む極東の安全に寄与するために、必要な施設、区域を日本政府が提供するわけでありますから、現在とは全く考え方が違うわけ、考え方が違えば、具体的な内容も違うのは当然でございますから、そういう考え方に立って交渉をして、返還後はそういう形になるようにしなければならない、こういう考え方でおりますことは御承知のとおりであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ところで現在沖縄にある特殊な部隊は、大別すれば二つになると思います。その一つは、国務省などの国家機関系統のもの、もう一つは軍関係のものです。まず前者についてお聞きしたいと思いますが、VOAについてはすでに米側と交渉中と聞いております。そんなら統合情報センター、いわゆるJSPCといわれる。あるいは海外情報サービス機関、FBIS。それからUSIA等については、どうでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) VOAにつきましては、前々から申し上げているとおりでございますが、いまおあげになりました軍関係以外の施設は、大体いまお話になったように、USIA、つまり、国務省の外郭機構の系統に属しているものが、ほとんど全部ではないかと思います。で、その中にはいろいろのものがございますから、現に本土の各地にも文化センターその他いろいろセンターと呼ばれているようなものが存在し、活動を続けておるものもございますし、あるいはアメリカとして友好国、日本以外のところにも、たくさんの施設をつくっております。お尋ねになっている主眼点はそういうものの中の活動分野、あるいはその性能がどういうことであるか、それによっては問題になるのではないかというお尋ねかと思いますが、そういう点につきましては、沖縄の場合はこれから復帰するわけですから、復帰する前に、十分実態を掌握しつつ、必要に応じて対米話し合いをいたさなければならないと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それではお聞きしますが、VOAの撤去を要求している理由ですね、それからその交渉経過はどうなっていますか、お聞きします。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは岩間委員からも再々お尋ねのありましたように、たとえば、日本の国内としましては、電波法や放送法から申しましても、外国の施設が波を出すということは禁ぜられておるわけでございます。その国内の放送に対するかまえ方から申しましても、なじまない存在であろうかと考えられます。そういう点から考えて、望ましくない施設であると、こう言える。このことは岩間さん御自身の御主張でもあろうと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私はまあVOAの撤去を要求する。しかもこれは論議がいままでされましたけれども、四カ国語にわたりまして、そうして中華人民共和国あるいは朝鮮民主主義人民共和国、その他の社会主義国、中立国、こういうところに謀略放送を、これはもう絶えず繰り返している。強力な一千キロワット電波を使ってやっている。こういうことなんで、これは撤去を要求された。こういうことになっておると思う。それなら同じ国家機関である謀略諜報をやっている統合情報センター、これなんかは、まあ極東各地で入手した機密情報の処理をやっております。海外情報サービス機関、これも同じ国務省系ですけれども、これは社会主義諸国の放送を傍受して材料を集めている。USIAに至りましては、これはVOAの上部機関、指導機関。これと相談いたしまして放送をやっている。こういうことですから、当然これらも撤去を要求すべきだと思うが、いかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) VOAは形にもあらわれておる非常に大きな設備でございますから、これは御承知のような経過において折衝しているわけですが、いまおあげになりましたようなものは、先ほど私が申しましたように、各国あるいは本土にも存在しているような組織であって、しかし、その活動の内容がどういうことであるかということが、おあげになっている点は問題であると思いますから、その内容、実態について実情をまず十分に掌握をして、そしてその中身で改めるべきものがあったら改めたり、制限をしたりするということが、私は適切な措置であろうと思うのであります。一がいにどうどうであると断定をなすっての御質問でございますけれども、私は、まだ政府としてはそういったような活動の詳細にわたって断定するだけの判断をいたしておらないわけでございます。現在、実態を掌握中でございますし、それからまた、返還になって日本の主権が本土並みに及ぶようになれば、当然やまるものも私はあろうかと思いますが、その辺のところを米側と十分話し合いをつけてまいりたいと思っておる段階でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 次に、軍関係としては、先ほど防衛庁長官のあげられました情報学校、グリーン・ベレー、それから第三海兵師団、第七心理作戦部隊、SR71戦略偵察機、そのほかにまあ化学科部隊とか、混合サービス・グループ、これはCSG、こういうようなものがあると思うんですが、これらはいずれも安保の目的から逸脱して、しかもアジア社会主義諸国や中立国に対する謀略破壊工作を行なっている、こういうものが大部分だと思います。沖縄返還を契機として私は撤去さすべきだというふうに考えますけれども、これはいかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これらの点も、分科会や外務委員会でしばしばお答えをいたしておりますように、核については核自身がなくなるわけですから、核だけを扱う部隊がなくなるのは当然だと思います。それから毒ガスについては、御案内のように、現にもう撤去することになって話しがどんどん進んでいるわけで、そういった種類の毒ガスだけを扱うことが任務である部隊がいるはずはなくなるわけでございます。こういうものは、先般来、非常に明確に申し上げておりますように、非常にはっきりしたものであるし、それからそれに準じてはっきりするような、つまり、これからの安保体制下における沖縄における施設、区域を一定の制限のもとに使用し得る米軍としてはなじまない性格のものがいなくなることになるのは、これも自然の考え方だと思いますが、ただ、従来申し上げておりますように、軍隊というものの性格から言って、その可能性のある能力あるいは潜在的な能力が、これこれあるからといって、その点だけに注目されて、これは目的外だとか、目的内だとかということを論議するのは、必ずしも軍隊というものの性格から申しまして適切ではないのではなかろうか、その辺のところはやはり十分検討の必要があるのではないかと思われるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあ性能は非常に大きいんだが、安保を適用するのはだいじょうぶだというようなことを、いままで繰り返して言ってきましたが、しかし、ドル防衛でいま非常に困っているアメリカが、わざわざそんな非常に費用の多い部隊を一体わざわざ置くというのは、それは使う目的があるからだと、こう考えなければならぬのですね。そういう点については、どうも私は承服しかねます。  それから、調べがつかないから、まだほかの問題については明確にできない、こう言っているのですが、返還協定の調印は、これはいつですか。国会ではすでに明らかにされたように、五月か六月か、山中長官はもうはっきりそういうふうに言っておられるわけですね。特殊な基地を、そういうことになるんですから、特殊な基地の使用を許すかどうかという決定は、このままでいけば調印後に持ち越されることになるんではないですか。また、最終的処理は国会の協定批准後に持ち越されるおそれも十分あります。もしそうなれば、そのときの折衝いかんでは、安保の目的に沿わぬ基地が、そのまま沖縄に居残る公算が非常に多いと私は思います。今日、特殊基地の取り扱いが大きな問題になっているのは、そのためです。したがって、調印までには個々の基地の取り扱いを必ず明確にする必要があると思います。これは約束できましょうか。また、これらの扱いがきまらないうちは調印しないと確約できるでしょうか。この点をお伺いします。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 協定の、協定づくりは、いまほんとうに一生懸命やっておる最中でありまして、中身についての合意がなかなかむずかしい点もございますから、まだある程度の日数がかかるのは当然だと思います。自然、何月何日に調印の見込みだということを申し上げる段階には、まだ至っておりません。  それから、その次に、調印のときには全部そこでものがはっきりしてしまっているのでなければいかぬと、これはもうごもっともなお話しだと思います。ただ、基地の問題に限らず、話しはすっかりきまったが、具体的な準備やあるいは物理的な進行が、その後返還の実行されるまでの間にはある程度の時間がございますから、その間にいろいろの準備を進めていくという点で、物理的にいろいろな点が調印のときにはっきりしていないということもあり得ようかと考えるわけでございますし、また、ほかの例で申しますれば、たとえば、国内立法措置が非常に広範囲にわたって返還については必要でございますけれども、そういうものも、それから以後において国会の御審議を願って、立法の手続ができて、それから有効に成立するわけでございますから、これも協定調印のときに、そういう凡百の立法の内容というものが、基本的な考え方はもちろん明確になるわけですけれども、法律案の形で、全部が全部きちんと用意されるとは言えないと思いますから、そういう意味で、そういう意味も含めまして、調印が協定の上にできたからといって、すっかり全部のことが具体的にそこできまるというものでは私はないと思います。それだからこそ、協定の有効に実施できる期日というものは、別に定められて、それまでに協定できまった原則というものが、きちんと実行ができるようにするという必要な期間だけは、その間に置かなければならない、こういうかっこうになる、かように考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 少なくとも原則的取りきめは、それまで決定されると考えていいですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 返還の基本になる原則は、もちろんきちっときめなければならないと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いまの特殊な基地についてです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 基地等につきましての基本的な考え方は、もちろん協定においてきちっとするわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ところでけさほどの新聞報道によりますと、ロジャーズ国務長官は、あまり前例のない上院への外交報告というのを、これは上院に送って、その中で、米国は琉球の施政権を日本に譲渡するが、米国にとって不可欠な同等の軍事基地は確保する、こういうことを述べたといわれております。これは何かそういう約束があるんでしょうか。佐藤総理にお聞きします。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 一昨日の当委員会でも、ちょっと私答弁に触れたんですけれども、アメリカの国務省が、外交、まあいわば白書といいますか、青書と申しますか、こういうものを発表することになっておったわけでございまして、これは異例といえば異例かもしれませんが、ニクソン政権ができてちょうどまる二年たって、この二年間を振り返って、国務省としてやってきたことを回顧して、日本などでは一年に一回いろいろの青書、白書が出ておりますけれども、そういう方式にならったような印刷物を出し、かつこれに関連して若干の発言があったようでございます。その中で、日本については、ずいぶん多くのことばが費やされておりますが、その中に、沖縄返還のことも出ております。私が読みましたところでは、沖縄返還問題については、一昨年十一月の大統領・総理の間の共同声明がよく引用されております。したがって、沖縄返還につきましては、この共同声明が繰り返し引用されておって、それ以外のことを、何も新しいこと、あるいは違ったようなことを言っているわけではございません。共同声明、ずばりこれが繰り返されているわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはまあ共同声明第七項の再確認みたいなものじゃないですか。日本及び極東の防衛のため米国が負っている国際的な責務の遂行を妨げない、こういう沖縄返還をうたわれているわけですね。そのことをやはりロジャーズ長官のこの報告では非常に強調しているようですね。これはそう確認してようございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 日本政府といたしましても、この共同声明に基づいて、現に先ほど来お尋ねの返還協定についても、これを中核として返還協定づくりを一生懸命いまやっておるわけでございますから、日米双方ともに共同声明を引用するというのは、これは当然すぎるぐらい当然で、それでなければまたいかんわけだと、私どもは考えているわけで、これはロジャーズ長官においても全く私と同感であろうと、これが行間によくにじみ出ていると、かように存じますし、同時にこの共同声明は日米安保条約ですね、これ条文を読むことはもう省略いたしますけれども、全く日米安保条約の前文から各本条の精神をそのままこの共同声明が引用され、強調されていることであって、日米安保条約を沖縄返還によって変質したというような論は全く当たらざるものであるということが、この共同声明で明白になっている。この点を日米当事者がこもごも主張し、かつ繰り返している次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 七項の強調、しかもこの時点で、この段階で強調されるということの意味が、非常に私は国際的には強いと見ているわけですね。この七項の、共同声明七項の精神というのは、基地の機能、従来のこれは沖縄で負っているいわば太平洋のキーストーンとしての、そういうようなものを含めて、そういう機能をそこなわない返還ということが、ずっとこれはいわれてまいりましたが、そういうものだと思うのですね。  そこで、中曽根防衛庁長官にお聞きしますけれども、極東戦略上アメリカが沖縄に負っている、そのような持っているところの基地の機能というものはどういうものがありましょうか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 日本のためには日本の防衛に寄与しているところが大であると思いますし、また、極東地域における戦争勃発を抑止している、そういう抑止機能がまた非常に大であると思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 機能別にこれは述べて、これはレアード国防長官のそういう言明もあるわけです。これは沖縄は第一に出撃基地だと、第二には補給基地だ、第三には通信連絡基地だと、こう述べているわけです。そのほかに私はゲリラなどの訓練、そういう基地でもあるというふうに思うのです。  そこで私は、この中で特に問題にしたいのは謀略宣伝ですね。こういう基地として、通信連絡といってますが、これはていさいのいいことばで、実際はしばしば論議されてまいりましたように、この実体は謀略宣伝、たとえば出力千キロワットの放送を繰り返しやっておる。あるいは数十億万枚のビラを計画的にこれは社会主義諸国にまき散らしている。あるいは三千メートルの上空から定期的に偵察機を放ってスパイ行動をやっている。こういう機能というのは、一体これは沖縄の機能の中に当然、極東防衛、日本と極東の防衛のために必要な機能というふうに考えられるでしょうか。この点、重要でありますから、この点について明確にお答え願いたい。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) おっしゃるようなことは、はたしてやっているかどうか、確認しているわけではありませんが、要するに、抑止機能として非常に大きな機能を果たしているように私は思います。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 時間がまいりましたから、これでやめてください。  以上をもって岩間君の質疑は終了いたしました。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 委員長、何ですか、もうこれだけやります。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 時間が来ております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それではもう一問だけたださしてください。佐藤総理にこれ、たださなくちゃ……。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) もうやめてください。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これらの謀略基地は……。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) やめてください。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 明らかに安保の目的外であり……。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 岩間君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いまもうやめます。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 時間が来ています。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 困難を排しても私は撤去すべきだと思うのです。  そこで、佐藤総理に最後に、時間のお許しをいただいてお聞きしたいのですが……。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 許していませんがね。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 外国の諜報活動、その中では中華人民共和国をはじめとする社会主義諸国に対する明らかな謀略破壊工作が含まれています。こんなことを近々日本の主権下に戻る沖縄で続けさせることは差しつかえないのかどうか、これが第一点です。  第二点は、一国の主権の問題だと思います、これは。外交通商上などのことならいざ知らず、他国の国家機関の諜報謀略活動を独立国の国土で公然と行なわせる、こういう例はあまり世界に聞いておりません。独立国、いやしくも独立国を言っている、経済大国を言っている日本で、こういうことはいいのかどうか。  次いで、さらに、こんな基地を許すということは、第三点として、安保条約の性格が質的に変わります。さらにそれは、同時に、日本の民主主義にとっても重大な影響を持つものです。共同声明の中に七項のような条項がある限り、こういうものは残る、そういうものが、この導因が非常にあると思う。そういうものをなくすように努力すべきだというふうに思うのでありますが、以上の三点についてこれは御答弁をいただきたいと思います。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) これは最後ですから、特別にいまの発言だけ追認をいたします。これはしかし、前例としては、なりません。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 岩間君に気の毒だけれども、実は最初のほう、委員長なかなか許さないのだと、かように思っていたので、不規則発言かなと、かように思いながら聞いておりました。けれども、そうではなくて、いまちゃんと許されたようですから、お答えしなきゃならぬと、かように思います。  そこで、ただ私が申し上げたいことは、この事の起こりというか、沖縄の祖国復帰、これは私が手がけていろいろ交渉をした、その結果、沖縄が祖国復帰する。その場合に、一体どういうような考え方をするのか、これはもう現在行なわれておる日米安保条約並びにその付帯取りきめ、それがそのまま沖縄にも適用になるのだと、こういうことが前提でございます。したがって、先ほど来お話がありますように、一番最初が最も大事なんだと、そういう意味で、その安保の基本的な条項が変わるようなことがあっては困るし、またその他の付帯条項に変更が加えられると、こういうことがあっては困る、こういうことで、ただいま外務大臣や防衛庁長官が折衝している、その際でございます。ただいま御指摘になりましたような数点、これはまさしくいままでの安保条約そのものに抵触しないならばけっこうですが、そういうものに抵触すると、かように考えられますと、これは変更を、今回の事柄によりまして安保の基本に変更を来たすと、こういうことであってはならない、かように思って、ただいま取り組んでおる最中でございます。先ほど来外務大臣がお答えいたしましたように、おおむね岩間君の御期待に沿い得るように、ただいま折衝していると、かように私は思っておりますので、ただいま三点に分けておあげになりましたが、それらの点は一括して私がその基本的な姿勢を御説明申し上げまして、そうしてあとは今後の折衝に待っていただきたいし、そうしてちゃんと御審議をいただく機会がございますから、その際に十分御批判を賜わりたい、かようにお願いいたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 確認して終わります。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 以上をもって岩間君の質疑は終了いたしました。     —————————————

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 次に、青島幸男君の質疑を行ないます。青島幸男君。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 本日は、政治資金規正法につきまして、総理並びに自治大臣に若干の質問をしたいと思います。例によりまして、たいへんに初歩的な質問にわたるとか思いますが、わかりやすく明確にお答えいただきたいと思います。  まず、自治大臣にお伺いいたしますが、政治資金規正法の改正の作業は現在どのような進展になっておりますか、その点をお答えいただきたいと思います。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 政治資金規正法の改正につきましては、選挙並びに政治をきれいなものにしたいという全国民の要望にぜひ沿いたいと考えております。しかし、御承知のとおり、過去三回この改正案が国会にだされましたが、いずれも廃案になりまして、日の目を見ていないわけであります。そこで、やはり金のかからない選挙なり、そういう政治活動の改正というものを前提につくり上げていくことが、この際、この改正案を成功さす私は基本的な点ではなかろうかというように思いをいたし、そういう条件の整備を待って、通過可能な、パッサブルな案を現実的には出してみたい、こういうふうに考えて、いろいろ、むしろ基本的な条件の整備に、いまいろいろ思いをいたし、また力をいたしておる、こういう経過でございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 先日の当委員会での市川房枝氏の質問に対して、今回の諮問委員会にはこの件に関してはまだ諮問していないというふうにお答えになりましたけれども、そのように了承してかまわないのでしょうか。  次に、総理大臣にお伺いしますが、せんだっての記者会見の節にも、総理は、政治資金規正法の問題をどうなさるのかという記者団の質問に対して、これからやろうとしておるものに対して失敬じゃないかといって、たいへんに御立腹になったということをお伺いしましたけれども、ということは、政治資金規正法の改正にたいへん熱意を持っていらっしゃると考えてよろしいわけだと思います。この政治資金規正法の改正は急務であり、また、ぜひともやらなければならないのだという所信をいまだにお持ちになって、それはお変わりございませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 政界の浄化は、これは国民ひとしく希望するところであります。私どもの政治姿勢は、国民の要望にこたえると、そういう態度でなければならないと、かように思っております。今日も私は変わっておりません。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 続いて総理にお伺いいたしますが、現行の政治資金規正法は、なぜ改正されなきゃならないとお考えになっていますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 政治資金規正法そのものを直ちに改正しなければならないとは思いません。しかしながら、いろいろな名目によりまして、最近の政治に金のかかっておる、そういう状態は見のがすことはできないと、かように私思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 現行の政治資金規正法の不備な点があるからこそ改正をしなければならないと思うのですけれども、不備な点というのはどういう点なんでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 現行の制度は現行の制度なりに、これは適当にできておると、かように私は思っております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 先ほど自治大臣がおっしゃいましたが、過去三度この改正案が提案されて流れておるという事実は、その答申案どおりに改定をする案が出ると自民党が反対をする、全く骨抜きの法案になると野党が反対をする、こういう経過をいままでたどっておると思うのですけれども、この事実は、自民党が総理の意に反して反対をしていると考えてよろしゅうございますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) なかなかこの問題は、ただいま御指摘になりましたように、審議会そのものの答申だと、これはたいへん思い切った改正であります。そういう意味で、なかなかいままでやってきている点から、なじまない点があると。また、しからばもっと程度の低いものということで改正しようとすると、理論的に野党から反対される、いま言われたとおりであります。しかし、やっぱり私どもこういうことを経験しながら、各党で賛成できるような、そういう案をつくるべきがわれわれの仕事ではないかと、かように思いながら、ただいま検討中でございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 いずれも現実に即さないということでお考えになっているのだと思うのですけれども、先ほども自治大臣は選挙制度と同時に考えなければならないのだというふうにおっしゃられましたけれども、総理もたまたまそういうことをおっしゃることがあります。私の前回の質問にも、そのようにお答えになりました。  選挙には法定費用がありますし、だれも同じ金額しか使わないことになっておりますから、選挙と政治資金規正法とは何ら関係がないように私は思いますけれども、その点、どうお考えになりますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 選挙と政治資金規正法、これはもう直接は関係はないと。政党活動がする、いろいろ政治活動、そういうために非常な合法的な金がかかる、こういう点は見のがすことができない。国民から見ますと、選挙と政党の政治活動、これは区別して見ておるはずでございます。また、政党が政治活動する限りにおいて金のかかること、これは当然だろうと私も思います。しかし、それが一緒に混淆はされない。いろいろな形で、ときに政治活動が選挙の際に非常に活発に行なわれると、ともすると、そこらにも何か誤解を受けやすい。こういうのが実情ではないかと、かように私は思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 そうすると、政治活動のために政治資金が必要なのは当然だと。では、その政治活動というのは何を一体さすのか、教えていただきたい。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 政治活動でございますから、日常自分の、あるいは政党の政策を宣伝したり、あるいは選挙に関連をいたしましていろいろこれらの宣伝その他の行為一切が含まれまして、いろいろな活動と、こうなるわけでございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 官報に記載されておるアジア研究会、育政会、政経研究会というのは、佐藤総理の所属する団体というふうになっておりますけれども、この三団体の総収入は毎年約三億円、多いときで六億円となっております。接待費、宣伝費その他を除きました研究調査費が約その八〇%を占めておりまして、多いときで五億円相当になっております。この調査研究費というのは一体どういうふうに使われておるのですか。できれば項目を明らかにしていただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これは、私の後援会をやっておりまして、その中身を私は一々つかまえておりません。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 けっこうです。自民党の調査費が半期で約一億三千万円。野党四党のそれに相当するのは、全部合計して、これも半期ですけれども、約一千万ぐらい。これも官報に記載されております。それから考えますと、先ほどの金額はかなり非常識なものだと考えます。  収入の面から伺いますけれども、政治資金規正法改正の焦点となっておりますのは、寄付以外の収入としての出どころ、不明確な金の公開、俗に言うガラス張りとか透明度とかいわれる問題ですけれども、どこから金が入ってくるか明らかにするということは不都合なんですか。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 収入は、問題点は寄付及び会費でございまして、この点、いろいろ御論議があるわけでありますが、現在は、政治資金規正法の規定に従いまして、届け出は正確に仕分けて届け出られているわけでございます。そこで、問題は、会費等でございますけれども、やはり、その会の趣旨を賛成をされまして、毎月定期に納められるという会費、これをはっきり明示せよという点にありましょうし、しかし、これはいろいろ論議があることでございまして、いまの規制になっておるわけでございます。これが多いことが不明朗であるかどうかということは、必ずしも形式的に、これが多いからいかぬというわけにもいかない。趣旨に賛同されまして定期的に出されるという趣旨からも、今日の規定になっておるところをひとつ御了解願いたいと思うのでございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 続いて自治大臣にお伺いしますが、政治資金規制法発足以来、昭和四十四年までの同法違反による判決件数を教えていただきたいと思います。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 政治資金規制法に関する違反といたしまして検察当局に受理をされました人数は、昭和二十三年から昭和四十四年までの間に二百四十一人になっておるという数字が出ております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 私の調べた資料ですと、昭和二十三年から四十四年における政治資金規正法違反は、検察庁の受理件数が二百七十六件、起訴が三十九件、不起訴が百五十七件、そのほか八十件。そのほとんどが昭和二十九年以前のものであります。ということは、最近では、ほとんど政治資金規正法の運用が厳密に行なわれていないということを意味するものと考えて過言でないと思うのであります。昨年の上半期の例を見ましても、収入の届け出は約半数しか行なわれておりませんし、それすらほとんど期日を守っておるものはございません。国民が、たとえ十分間駐車違反をしても数千円の罰金を取られるという事態から見れば、これはたいへん不適当だと言わなければならないと思います。このような不当な政治資金規正法のよって来たる運営の状態というのはどこにあるかといいますと、昭和二十九年の四月から始まったと思います。造船疑獄の件ですけれども、当時、自由党の幹事長佐藤榮作氏に対して政治資金規正法違反による逮捕状の請求の動きがありました。そのときに指揮権発動によってこれが阻止されました。指揮権発動ということが行なわれたというのは、そのまま放置しておけば有罪になる可能性があるということだと、だれしも想像するのは簡単だと思います。そのときから検察庁はやる気がなくなった。国民ももう何をかいわんやという心境になったのだと思います。  以上のように、現行、全く不備だといわれておりますこの政治資金規正法ですら、いま申したとおり、厳密に運用されておりません。守られていない状態ですから、この上政治資金規正法の改正などということは望むべくもありませんし、ましてや、先ほどからいろいろ伺っておりますけれども、どの事実、どのお答え一つをとってもあなたに改正ができるということは私は絶対期待しません。  まず、政治資金規正法の改正すべき問題点は、政治団体の収入——寄付、会費など含みますけれども、それと支出の明細を公開することです。まず支出について言うならば、調査費とか研究費とかいう名目で届けられているのは実はうそでしょう。先ほど言ったように、あなたの属する政治団体だけで年間五億円というのですね。一体これ何を研究し何を調査しているのか、たいへん疑りたくなります。ほんとうは、派閥を維持拡張するための費用でしかないということは、だれしも想像にかたくないことであると思います。それは歴史的に見ても金を多額に集めた方が歴代総理大臣になられておられるようですし、また、金の集まり方に応じて派閥の大きさがきまっておられる、そういう事実が何よりも証明することだと思います。また、選挙の年に限って多くなるというのも、全くの偶然とは言えないと思います。こうなってまいりますと、先ほど自治大臣も言われましたが、あなたの言われる政治資金とは国民大衆にみずからの政策を周知浸透せしめるための活動資金ではなくて、現実には権力を保持し、あるいは獲得するためにばらまくえさにほかならないと私は確信します。そのおかげで、総理、あなたは総理の座をそこにお占めになっていると考えます。また、ひるがえって収入の面について言うならば、どの企業からどれだけ収入があったということを明確にすることが、政府と財界の癒着を明らかにしまして、政府の施策がすべて、財界の、財界による、財界のための政治であることを露呈することだと私は思います。  私ごとで恐縮ですけれども、私はテレビタレントとして働いておりますけれども、テレビのコマーシャルをやっておりません。小さい話ですけれども、テレビタレントの収入というのは、その知名度によって得られるコマーシャル収入がばく大なんです。私は一定の企業と結びつくことは、少なくともバッジをつけた以上は許しがたいと思って私はやめております、三年間。あなたの後援会に財界の代表的な企業の会長とか社長とかいう方々がずらっと名を連ねていることを知るときに、国民がそこに何らかの疑問を持つのは当然だと思います。少なくとも、一国の代表者たる総理のとるべき態度ではないと私は確信します。  私は、あえて国民協会と政府の結びつきについては言及いたしませんが、以上の事柄から、もし理想的な政治資金規正法がつくられまして、これが厳密に運用されたら、自民党政府の存立はあり得ないでしょう。そのことはだれも知っておりますし、一番よく御存じなのは、佐藤さん、あなた御自身だと私は思います。だから、これは政治資金規正法の改正というのは私はできないと思います、あなたには。できもしないことを、やるのだやるのだとお約束になるから、ますます国民の不信を買うばかりであると私は信じます。うその上にうそをついて、塗り固めて、過去何年間か来たわけです。そういうことは、むしろ国民を愚弄することだと私は信じます。できないならできないでいいと思います、私は。資本主義国家なんですから、企業からお金を集めてそれを政治資金にするというのは、私は明らかにすればそれでいいと思うのです。できないならできないと明確におっしゃったほうが、一そうはっきりするのです。——————————そのことを指摘いたしまして、私の質問を終わります。答弁は要りません。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 委員長から申し上げます。  ただいまの青島君の発言の中で不穏当のものがあれば、会議録を調査をいたし、理事会において協議の上、善処をしたいと考えますから、さよう御了承いただきます。  青島君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、締めくくり総括質疑通告者の発言は全部終了いたしました。三案の質疑は終了したものと認めます。     —————————————

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) それでは、これより討論に入ります。通告がございますので、順次発言を許します。賛否を明らかにしてお述べを願います。吉田忠三郎君。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 私は日本社会党を代表して、昭和四十六年度予算三案に対し反対の意思を表明します。  理由として、予算三案は、いずれも七〇年代の第二年度目の予算として、真に人間尊重の予算、経済成長より福祉優先の予算、産業より生活優先の予算となっておらず、不況対策を第一とした高物価、高負担の低福祉予算であるからであります。  佐藤総理は、最近になってようやく「福祉なくして成長なし」ということばを使われるようになりました。これまでは、毎国会施政演説でGNPが自由世界第二位となったことを声を大にして強調してこられたのであります。しかし、国民生活の実態は一体どうでありましょうか。物価は年率七・三%という世界に例がないような高い上昇率を示し、公害も日本じゅう至るところで発生し、国民生活を脅やかしているのであります。経済の超高度の成長によって民間企業の設備投資は、年率三〇%にも及ぶ高い伸びを示してきましたが、住宅や生活環境施設、社会資本投資、個人消費支出の伸びは、その半ばに近い伸び率にとどまっているのであります。また、財政支出中に占める社会的サービスの割合は、先進諸国中、最低の状態にあることも、昨年度の経済白書が指摘しているとおりであります。佐藤総理は、池田内閣の経済政策を、生産第一主義の高度成長政策であると批判し、経済の安定成長によってひずみを是正し、人間尊重の政治と社会開発の推進を最大の公約として、政権を担当したにもかかわらず、今日までの実績は、その公約とは反対に、経済は超高度の成長を続け、経済のひずみは、かえって拡大しているのであります。七〇年代は、このようなGNP至上主義の経済政策を根本的に転換し、真に人間尊重を基調とした政治の実現、成長より福祉を優先させた経済社会の建設が要請されているのであります。  昭和四十六年度予算は、このような福祉社会実現のための施策をさらに積極的にすすめるべき重要な予算であるにもかかわらず、依然として福祉より成長優先、生活より産業優先の予算となっているのであります。  その第一は、景気見通しとその関連であります。  政府は、四十六年度の経済見通しにおいて、実質一〇・一%の成長率を見込み、景気を、過熱もなく、大きな落ち込みもない、安定成長の路線に乗せるため、予算を経済に対し、中立的な性格とし、経済情勢に機動的に対処できるようにした中立機動型の予算だと説明しておりますが、その実体を見ると、中立どころか、近来にない景気刺激予算となっているのであります。すなわち、一般会計予算の伸び率は一八・四%、財政投融資計画の伸び率は一九・六%で、GNPの名目成長率を大幅に上回っており、また、中央、地方の財政全体を含めた国民経済計算上の政府財貨サービス購入を見ても、その伸び率は一五・四%であり、GNPの名目成長率一五・一%を上回っております。ことに、一般会計予算の伸び率は、戦後最大の不況といわれた四十年不況を克服するため公債政策まで導入して編成された昭和四十一年度予算の伸び率を上回り、三十八年度予算以来最高の伸び率であります。  大蔵大臣は、わが党委員の質疑に対し現時点における実質成長率は、一〇%を一%ないし二%割っているかもしれないと述べておりますが、四十年不況の際の実質成長率は、わずかに五%であり、現在と比べものにならない低さであります。しかも、今年度は、すでに日銀の公定歩合は、二回にわたって引き下げられ、財政投融資は、四十年不況のときの追加額を上回る二千百四十一億円の追加が行なわれているのであります。  四十六年度の経済は、政府がみずから新経済社会発展計画で安定成長のめどとして示している実質一〇%台の成長が見込まれているにもかかわらず、本予算案で四十年不況克服のため編成された四十一年度予算を上回る景気刺激予算を組んだことは、日本経済を量的成長から質的成長へ転換させるどころか、これまでの超高度の成長によって、インフレ的な体質になっている日本経済のインフレ的体質を一そう促進させる以外の何ものでもないのであります。  さらに問題なのは、経済情勢の変化に機動的に対処するためと称して一般会計の予備費や使途を特定してない国庫債務負担行為のワクを拡大し、また政府関係機関予算に弾力条項を設けて債券や借入金の発行限度額を七千百三十八億円も拡大し得る措置を講じていることであります。  もし、この弾力条項をフルに発動した場合には、財政投融資の規模は、前年度に対し三九・五%にも拡大されることになるのであります。もとより、われわれとしても、不況の場合における財政面からのてこ入れの必要性を否定するものではなく、問題はそのやり方にあるのであります。不況対策が真に必要ならば、なぜ補正予算を組まないのでありましょうか。  政府は、四十三年度予算以来、総合予算主義の名のもとに補正予算を避ける方針をとっておりますが、いままた、経済情勢に機動的に対処するためということで、七千億円にのぼる財政資金を行政府限りの判断で支出し得る措置を講じようとしているのであります。これはまさに、使途を明示して国会の承認を求める予算の原則に反するばかりでなく、不況対策に名をかりて、憲法に定められた財政民主主義を事実上空洞化するものであり、国会軽視もはなはだしい措置といわなければなりません。  その第二は、税制改正についてであります。  政府は、今回の税制改正において所得税を中心に初年度千六百六十六億円の減税を行なうこととしておりますが、その内容は、諸控除の引き上げを中心とした課税最低限の引き上げであり、税率の緩和や税負担の不公平是正にほとんど手をつけていないのであります。今日のような物価情勢と名目所得の上昇下にあっては、課税最低限の引き上げを行なうだけでは、実質的な減税にならないことはいうまでもありません。公聴会においても、横浜国立大学の宇田川教授は、物価上昇過程における減税は、課税最低限の引き上げと税率の緩和をあわせて行なうのでなければ実質的な増税になる階層もでてくるとの意見さえ述べられているのであります。しかも、社会資本の整備に充てるためとして新たに自動車重量税を創設することとしておりますが、社会資本整備の財源とするということならば、当然に総合交通体系の確立が前提でなければならず、また新税を設けるとすれば当然に大企業や資産所得者、医師等に対する優遇措置になっている租税特別措置の整理合理化が前提でなければならないのに、交際費課税の若干の強化以外は、実質上の整理が行なわれておらず、租税特別措置による減収額は、四十六年度で四千三百九十四億円にも達しているのであります。  このため四十六年度は、租税の自然増収に対する減税額の割合は、九・三%で、実質減税ゼロといわれた四十三年度を除いては、最近十年来の最低であります。  四十六年度の税制改正は、高福祉、高負担の名のもとに高負担だけを先行させたものであり物価高にあえぐ国民の要望を全く無視した税制改正といわなければなりません。  その第三は、物価対策であります。  政府は、新経済社会発展計画で最終年度までに物価を三%台にまで引き下げると約束しておりますが、その初年度である四十五年度ですでに七・三%の上昇が見込まれているのであります。また、四十六年度予算でも最重点を置いたといいながら近来にない景気刺激予算を組み物価対策の基本である総需要政策を無視した政策をとり、また、公共料金を厳に抑制するといいながら、財政体質の改善を理由に、郵便料金や電報料金の値上げ、あるいは健康保険の保険料の値上げを行ない、また消費者米価に対する物統令の適用廃止から公営公庫、公団など政府施策住宅の家賃まで値上げが予定されているのであります。  また、物価対策関連予算は、一般会計、特別会計を合計して前年度に対し千六百五十億円増額したと説明しておりますが、この種の物価対策関連予算が物価の安定にどの程度の効果があるのか、昨年度の例を見ても疑問なきを得ないのであります。  昨年度の物価対策関連予算は、前年度に対し千百九十七億円増額されているにもかかわらず、物価は、七・三%にも上昇しているのであります。しかも、最も問題になっている生鮮食料品対策の予算はわずかに三十八億円増額されたにすぎず、管理価格や再販売価格維持制度、地価対策などについては、何ら前進した対策は、見られないのであります。  これでは、政府見通しの五・五%にとどめることの困難であることは、火を見るより明らかであり、まさに物価政策不在の予算と言わなければなりません。  その第四は、社会保障についてであります。  公共事業費は、四十年度予算以来、最高の伸びを示しているのに対し、社会保障関係費は、わずかに一七・八%の伸びにとどまっており、前年度予算の伸び率二〇%を大幅に下回っております。またその内容を見ましても、厚生年金や福祉年金の引き上げ、生活扶助基準の引き上げ等物価上昇に伴う当然の措置と、形ばかりの児童手当制度を発足させたにとどまっているのであります。特に、児童手当については、その実施時期を四十七年一月以降とし、年齢も四十六、七年度は、五歳未満としているので、四十六、七年度において実際に支給対象になる人員は、完全実施した場合の支給対象人員二百四十七万人の三八%に当る九十三万人にすぎないのであります。  また、公共事業関係の五カ年計画は、すべて認めているのに対し、老人福祉施設や身体障害者収容施設、保育所等を緊急に、整備するための社会福祉施設整備五カ年計画は、決定を、見送られているのであります。  さらにまた、健保の再建対策については、保険料の引き上げや、国庫補助の定額制から定率制への切りかえなどにより単年度の収支は、均衡するような措置はとられております。が医療保険制度改革の車の両輪といわれている診療報酬体系の適正化には、何ら手はつけられていないのであります。現在の診療報酬体系は、本来重視さるべき医師の技術より、薬や注射の使用量により支払われるようになっており、乱診乱療や医療費急増の最大原因になっているのであります。国民の総医療費は、昨年度ですでに二兆五千億円にも達しており、年々の医療費増加額の四〇%は、薬や注射代だといわれているのであります。今回の健保再建策は、これまで政府がたびたび表明してきた抜本対策の公約に反するばかりでなく、財政再建に名をかりて一方的に国民に負担を転嫁するものであり断じて許すことができないのであります。  その第五は、農政についてであります。  政府は、四十六年度予算で、食管の赤字対策と過剰米の増加を理由に、二百三十万トンという大幅な生産調整、米の買い入れ制限、消費者米価に対する物統令の廃止などの方針を打ち出しておりますが、これは、政府がこれまで繰り返し国会で約束して、また、食管制度堅持の約束を事実上、破るものであり、政府がこれまで進めてきた自立経営農家育成を目標とした基本法農政の失敗を農民と消費者に転嫁する以外の何ものでもないのであります。  一面防衛関係費は、三次防の最終年度とはいえ、総額六千七百九億円が計上され、前年度予算に対する伸び率は一七・八%で、文教及び科学振興費の伸び率一六・五%を上回り、自衛隊発足以来の最高の伸び率を示しております。しかも、新たに航空機や艦船を調達するため、国庫債務負担行為と継続費において、二千五百六十四億円の後年度負担を約束しております。予想される四次防の計画規模、五兆七、八千億円と相待って、財政の一そうの硬直化を招き、内政費の圧迫要因となることは、明らかであります。日本の軍国主義復活に対する諸外国の疑惑が深まっている今日、このような多額の防衛費を計上することは、とうてい国民の納得を得ることはできません。  以上述べましたように、四十六年度予算は、政府のいう福祉社会建設のための諸施策を積極的に進める予算ではなく、不況対策を第一とした成長優先の景気刺激予算であり、国民生活を二の次ぎにした高負担低福祉のインフレ促進予算であり、このような予算にはとうてい賛成することはできません。  以上をもって私の反対討論を終わります。(拍手)

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 次に、林田悠紀夫君。

林田悠紀夫自由民主党

○林田悠紀夫君 私は自由民主党を代表いたしましてただいま議題となりました昭和四十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算、三案に対し、賛成の討論を行なうものであります。  わが国経済は、昭和四十年の不況を克服して以来、五年にわたる史上最長の拡大基調を続けてきたのでありますが、一昨年九月から実施されました金融調整措置その他経済環境の変化によって、目下景気は停滞を続けております。一方、海外における経済情勢にも、世界貿易の動向、国際的インフレ問題等、懸念すべき要因も少なくありません。  このような内外の情勢下の中で、四十六年度予算の編成の基本方針は、景気の過熱もなければ、また、大きな落ち込みもないバランスのとれた経済の安定的成長を眼目として編成されており、その運用にあたっても、経済の動向に絶えず配慮を払いながら、財政金融政策を機動的・弾力的に運営を行なおうとしております。  以下、新年度予算の性格と内容について述べてみたいと存じます。  まず、第一は、予算の規模であります。四十六年度一般会計予算の規模は、九兆四千百四十三億円でありまして、伸び率は一八・四%であり、また、公債発行額は、前年度と同額の四千三百億円が予定されておりまして、公債依存度は、五・四%から四・五%と低下されております。  一方、財政投融資計画は、四兆二千八百四億円、伸び率は一九・六%となっております。  確かに、一般会計及び財政投融資計画について、その伸び率は前年度より高い水準となっておりますが、しかし、これを政府の財貨サービスの購入についてみますと、四十六年度一五・四%の伸び率は、前年度の一五・三%のそれとほとんど変わりませんし、また、四十六年度の名目経済成長率一五・一%に比べましても、必ずしも、財政面から経済への刺激を強めるものとなっていないのみならず、停滞している経済の現況に対し、適切なる財政規模であると思うのであります。  第二は、予算の運用の機動性についてであります。  新年度予算においては、経済情勢の推移に対処した機動的な財政運営を行なうため、公団や公庫の発行する政府保証債や借り入れ金の額を、経済事情の変化に応じて限度額の五割まで増額し得るよう予算総則に規定し、予算に弾力性を持たせて、不測の財政需要の発生に円滑に対処し得る態勢を確立させております。また、公共事業費の適切な繰り上げ使用も考えられております。これは財政が国民経済に果たす役割りにかんがみ、経済の推移を注意深く見守りながら、財政運営が機動的弾力的に行なわれるものとして、時宜を得た措置であると思います。  第三は、税負担の軽減合理化についてであります。  新年度は、所得税の負担の軽減をはかるため、給与所得控除を中心とする各種の所得控除の引き上げ等を行なっておりまして、たとえば、夫婦子供二人の勤労者四人世帯における課税最低限を、前年より約一〇%引き上げて九十六万三千七百二十七円と、その負担の軽減がはかられておりまして、昭和四十四、四十五の両年度における大型減税に引き続き、四十六年度の税制改正により、平年度約二千億円の減税が行なわれることとなっております。  また、相続税法において、いわゆる妻の座に対する優遇措置として、贈与税及び相続税の配偶者控除を引き上げておりますほか、租税特別措置において、公害対策、資源開発対策、交際費課税の強化等その整備合理化が行なわれております。  その他、新規に、道路その他の社会資本の充実の要請を考慮して、自動車重量税を創設し、道路交通政策上の所要財源を、必要最小限において、自動車の利用者に求めたことは、今後の総合交通体系の整備のため、適切な措置であると思うのであります。  第四は、予算及び財政投融資計画を通じまして、限りある財源を適正かつ効率的に配分して、経済の均衡ある発展と国民福祉の向上をはかるため、重要施策の推進をはかっていることであります。  以下、その施策のおもなものについて述べますと、その第一は、物価対策であります。  現在、不況下の物価高といわれ、これが安定をはかることは急務であります。新年度予算においては、この安定対策を最重点事項として編成されておりまして、低生産性部門の生産性の向上、流通機構の整備、労働力の流動化促進、競争条件の整備、生活必需物資等の安定的供給等、各般の施策を充実することとして、八千百七十五億円の物価対策関係経費が計上されておりまして、その効果が大いに期待できるものと思われます。特に、生鮮食料品の値上り動向が著しいだけに、政府においては、一段と強力な対策を願いたいのであります。  次は、公害対策の拡充強化であります。  新予算においては、さきの六十四臨時国会において成立をみました各種公害立法を実施するための財政的裏づけが講ぜられておりますほか、公害行政の一元化をはかるための総合行政機関として、環境庁の新設がきまっておりまして、快適な人間環境整備のための公害防止対策の飛躍的な拡充がなされております。  すなわち、下水道整備について、総額二兆六千億円の新五カ年計画がスタートするほか、水質汚濁対策、大気汚染対策、公害防止のための調査研究体制の整備等が強力に実施されることとなっております。このため、予算面においては、一般会計、特別会計を通じまして、対前年比約四〇%増の九百三十一億円が計上されておりますほか、財政投融資計画においては、対前年比約五〇%増の総額一千七百二億円が予定されております。また一方、税制面においても、公害防止施設の特別償却の対象範囲の拡大、償却率の引上げ、低硫黄原油に対する関税の軽減が行なわれておりまして、このように公害克服に対して従来にない画期的な拡充がはかられておりまして、適切な措置であると思うのであります。  次は、社会資本の整備についてであります。  四十六年度の公共事業費の総額は、一兆五千九百二十七億円が計上されておりますが、新年度の公共事業の特色は、従来の道路、治水、海岸等の五カ年計画とあわせて、新たに四十六年度を初年度とする住宅、下水道、港湾、空港、交通安全施設の五つの五カ年計画が策定されておりまして、立ちおくれている社会資本の急速な充実が期されております。  その他、社会保障の整備、農業と中小企業の近代化、文教、科学技術の振興、貿易振興、沖縄振興対策、地方財政対策等、いずれも国民生活上の緊急課題にわたる各般の重要施策について、きめこまかい配慮がなされておりまして、その措置を妥当とするものであります。  特に、農業問題、なかんずく、四十六年産米の生産調整につきましては、政府においては、米作農民の立場を十分に考慮して、地域の特性に適合した長期的展望に立った農政を指導されるとともに、転作に伴う資金及び助成については、格段の配慮を願いたいのであります。  以上、昭和四十六年度予算は、日本経済の均衡ある安定成長路線を確立し、現下の国民的課題を解決して、将来の民生の向上安定に資する予算として満腔の賛意を表するものであります。  これをもって、昭和四十六年度予算三件に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 次に、三木忠雄君。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 私は公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和四十六年度予算案に対し、反対の討論を行なうものであります。  以下その理由を述べてみたいと思います。  昭和四十六年度予算は、新規財源として一兆五千億円に及ぶ大幅な税の自然増収を見込んで、四十五年度当初の一般会計予算と比べ、一八・四%と、ここ数年では最大の伸びを示す大膨張予算となっております。一般国民の等しく望むところは、物価が安定し、公害のない社会保障の行き届いた住みよい環境のもとでの生活であります。これを実現のための効率的な財政資金の運用こそ、わが党の要求するところであります。  しかしながら、この予算案の内容をみますと、各所に国民の要望を犠牲にしたビジョンのない政府与党の政策態度を露呈しているといえます。  すなわち、政府は四十六年度の消費者物価の上昇を五・五%と見込み、とくに値上がりの激しい野菜、肉類、水産物の食料品の流通等に対する各種物価安定対策により、上昇率をその範囲内にとどめると繰り返し言明してまいりましたが、四十五年度の当初見込みが大幅な狂いを生じ、結局改定せざるを得なくなった苦い経験については、その責任所在に一言も触れておりません。  またすでに予定されている郵便、電報、電話等の公共料金の値上げ、インフレマインドに乗じた管理価格の横行等諸物価の値上がりは必至のことであり、はたして政府の見通しの範囲内にとどめ得るかは至難のことと思われるのであります。さらには政府の答弁の中で、再三政策の失敗をたな上げしてその原因をコストインフレにすりかえ、賃上げを批判し、将来は所得政策を導入するかのごとくにおわせているのは一般労働者を踏みにじりた態度であり、われわれがとうてい認めることのできない点であります。また、公害対策をみても税制面、金融面での措置がおもに大企業中心の産業界向けに、優先していることが指摘できます。加えてこれらの優遇措置の中には、本来企業独自の責任によってまかなうべきものであるのに、国民の税金によって肩がわりされているものも少なくないのであります。  今回、予算編成過程において重要視されていた、米、健康保険、国鉄のいわゆる3K赤字対策には、何らそれらの根本原因にメスを入れることなく、単に小手先だけの、対策に終始し、全く評価するに値しないお粗末なことは、衆目の一致するところであります。  すなわち、米の物価統制令撤廃で必至とされる消費者米価の値上げ、利子補給等の後むきの国鉄財政の手直し、健保の保険料率、初診料の値上げ等、抜本的な解決に対する政府の熱意が欠如したため、今後に尾を引く問題となっており、一般国民にその責任のしりぬぐいを強いておりますのは、怒りにたえない感じさえいたします。  一方、今次税制改正に至っては、史上空前の税の自然増収が見込まれながら、そのうち減税に向けられるものは約九・三%にすぎず、国民の減税を望む声はいたずらに空転するばかりであります。しかも各種租税特別措置については、一向に整理の方向に進展せず、むしろその新設、既存の措置の延長等によって、その恩典に浴する減税額は四千四百億円の多額にのぼっていることを考慮すると、依然として大企業、高額所得者の優遇が行なわれているの感を深くするもので、この税制改正の姿勢が納税者に向かっているとは、どうしても考えられません。  また細部にわたって論及すれば、数多くの点を指摘しなければなりませんが、時間の制約もございますので、最後に、本予算の基本的性格は、政府与党と財界が一体となり、景気対策に名をかり、国民生活を無視し、財界の利益と与党の地方選挙を意識した予算であると断定し、私の反対討論を終わります。(拍手)

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 次に、向井長年君。

向井長年民社党

○向井長年君 私は民社党を代表してただいま議題の昭和四十六年度予算三案に以下数点の理由を付して反対の意向を表明いたします。  第一の理由は、予算規模が一般会計で対前年度比一八・四%というかつて類例のない大幅増加にもかかわらず、何ら国民生活をよくするという特徴のない点であります。相変わらず従来どおりの情勢に流れた総花予算で、ただ各項目ごとに一律、平均十数%の伸び率を示し票田対策を意図したおおばんぶるまいだけが目立つ予算案となっております。申し上げるまでもなく、明年度予算は七〇年代の関頭に立つ新たな認識の上に立つべきであったと思います。これまでの産業優先政策から、人間優先への福祉重点に大きく転換する重要なかなめとして期待した国民の心情を思うとき景気刺激のみに意を用いたこの予算案に賛成するわけにはまいりません。  第二の理由は、税制改正について依然として大衆課税の域を脱せず、税負担の不公平、不平等の改善にさしたる措置が講じられておらないことであります。すなわち、減税措置については、自然増収が約一兆五千億の巨額に達しておりますが、所得税減税は千六百六十六億円であります。しかも物価上昇率が政府の見込む五・五%にとどまる可能性は、まずないとする現状においてこの程度の減税では物価調整にも満たないのであります。反面、大企業や資産所得を中心とする幾多の租税特別措置の不合理、なお、交際費課税を怠り、あまつさえ自動車新税の創設をはかろうなど、断じて容認せざるところであります。  第三の理由としては、物価安定をこの予算の最重点項目に置くとしながら、何ら有効な施策がとられていないことであります。今日消費者物価の安定はひとしく国民の切望するところであります。しかし、いざ予算のふたをあけて見ますと、この期待はむざんにも裏切られるばかりか、郵便、電話料金の値上げをあえて行なおうとしております。さらに消費者米価の物価統制令適用禁止は必然的に米価の上昇を招き、いよいよ国民生活を脅かすであろうことは明白であります。私がこの予算を問題にする最大の理由は実にここにあるのであります。  第四の理由は、先国会以来の懸案事項であります公害対策費の不十分な点であります。すなわち、一般会計予算に計上された九百二十二億円は過日発表された東京都の千二百億に満たないのであります。そのうち六百六十五億円は公害対策というよりは、むしろ従来からの継続施策であった下水道整備費であります。もとより下水道整備につきまして公害対策とは別ワクで、しかも高率補助により緊急を要するものでありましたが、ついて補助率の引き上げは見送られておるのであります。したがって、下水道を別にした純粋の公害対策予算は、基地周辺の騒音防止対策費を除くと、わずかに百億足らずでまことに貧弱の一語に尽きるのであります。これでは人間尊重の七〇年代を先取りする自然を含む環境保全対策は望むべきもありません。  最後に反対する理由は、防衛関係費の急激な伸びであります。残念ながら、わが国においてはいまだ自主防衛について国民合意は成立しておらないのであります。したがって、そのような努力もせず、そして第四次防計画の基本は何であるのか、その心がまえもなしに防衛関係費をいたずらに急増することをはなはだ遺憾とするところであります。  以上申し述べました理由により、私は、本予算案に反対の意を明らかにし、討論を終わります。(拍手)

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 最後に、岩間正男君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、本予算三案に反対するものであります。  第一の理由は、本予算案は、日米共同声明に基づき、現在ますます露骨に進められているアメリカのインドシナ侵略の拡大、ニクソン・ドクトリンへの積極的な協力、加担を強めるものであり、日本の安全と極東の平和にとってきわめて危険なものであります。  政府は、軍事費をかつてなく大幅にふやし、本予算案は、絶対額、増加率とも自衛隊創設以来の最高であり、これで第三次防を完遂し、明らかに攻撃的性格を持つ第四次防への事実上の移行を始めているのであります。それは、核装備に備えたミサイル装備の拡充を含む火力の充実であり、海空軍の増強であり、護衛艦隊、戦闘爆撃機の増強にみられる侵略的能力を持つ武装の強化であります。  また、東南アジアの反共かいらい勢力を中心に注ぎ込まれている対外進出費の増大も、見のがすことはできません。これは、大資本の輸出市場、原料資源、低賃金労働力等の確保ということだけでなく、アメリカの侵略戦争への経済的協力にほかなりません。まさに侵略的な日米共同声明路線の推進であり、わが党の絶対に容認できないところであります。  反対理由の第二は、本予算案が、大資本奉仕の大膨張予算、むき出しのインフレ予算であるということであります。特に、一兆六千億円にのぼる公共事業費には、重大な問題が含まれております。佐藤総理は、新全総をこと新らしく日本列島の未来像と銘打って持ち出し、国民には、バラ色の未来を保障するものであるかのように見せかけ、大資本の高度成長政策を、安定成長の名で強行しようとしております。もし、いままでどおり、何の反省もなしにこの政策を強行すれば、自然と環境はますます破壊され、公害、物価高、交通災害の激化をもたらすことは明らかであり、われわれの断じて許すことのできないものであります。  反対理由の第三は、本予算案が、国民生活破壊の予算だということであります。  国の公害対策予算は、一東京都の公害対策費にさえ及ばないものであるだけでなく、その中身は、公害規制の経費をほとんど地方自治体に転嫁し、一方、大企業に対しては、減税百十億円余と、他に融資など七百六十億円もの至れり尽くせりの奉仕をしておきながら被害者への公害救済対策費は、わずか七千六百万円しか計上しておらないという、全くひどいものであります。どうして、これで、国民の命が守れると言えるでありましょうか。  物価問題については、わが党が一貫して提唱してきている独占価格の価格規制について、政府は何ら具体的対策を講じようとしておりません。しかも、公共料金の値上げは抑制するといいながら、郵便、電話料金の値上げや、消費者米価を物統令からはずして主食の値上げを行なおうとしております。  また、政府は、健康保険制度の改悪や、失対就労人員の削減、失対事業の廃止を企図していますが、これは、労働者の健康破壊を一そう促進させ、また、事実上再雇用の当てのない人々をさらに追い詰めるものであり、非人間的政治の典型と言わざるを得ません。  最後に、予備費の大幅な増額、弾力的条項を設けることによる政府保証債の増発、国庫債務負担行為のワクの拡大等、政府の予算執行権を拡大したことは、そのこと自体、インフレと重税の要因となるばかりでなく、国会の予算審議権を侵すものであり、憲法と財政法の精神に反するものと言わなければなりません。  日本共産党は、以上の理由により、本予算三案に反対するものであります。(拍手)

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 以上をもちまして、討論通告者の発言は全部終了いたしました。よって、三案の討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決を行ないます。昭和四十六年度一般会計予算、昭和四十六年度特別会計予算、昭和四十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括問題に供します。三案に賛成の方の起立を願います。   〔賛成者起立〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 起立多数と認めます。よって、三案は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午前十一時三十九分散会

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