予算委員会 第18号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/03/19
会議録
○委員長(古池信三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 昭和四十六年度一般会計予算、昭和四十六年度特別会計予算、昭和四十六年度政府関係機関予算、 以上三案を一括議題といたします。 昨日に引き続き、永岡光治君の質疑を行ないます。永岡光治君。
○永岡光治君 昨日、総務長官の御出席がかないませんでしたので、きょうあらためてお尋ねいたします。 昨日は、経営努力の一環として、職員の勤労意欲の高揚をはかるためには人材の登用も必要であろう、こういう観点から質問をし、そして各省の人事関係の運用を担当しております総理府の総務長官にその所見を承ろうということであったわけでありますが、その点について、特に上級職その他、大学を卒業されるときに上級職の合格者については御案内のとおりの登用をしておるわけでありますが、しかし、職員に採用された途中で上級職の試験に合格された者も同様に扱うべきではないか、また、上級職試験を合格しなくとも、特に企業官庁におきましては企業能力というものが非常に重視さるべきものでありますので、そういう人材の登用というものについて十分考慮しなければならぬが、この点について、総理府の総務長官としてはどのようなお考えを持っておるか、このことをお尋ねしておきたいと思うわけであります。
○国務大臣(山中貞則君) 初めに質問者の永岡委員並びに予算委員会の皆さまに、昨日内閣委員会で突発事故のために本予算委員会の審議をおくらせましたことについておわびを申し上げます。 ただいまの御質問でございますが、現在では、民間でも学歴不要論等の意向もいろいろと聞く時代であり、やはり人材のふさわしい登用のしかたというものは、国家公務員についてもそういう感触を入れるべき時期にきておると私も思います。しかも国家公務員として一番慎まなければならない不祥事件等において間々見られますことは、学歴のために一定の特殊な部門に長いこと放置されている、放置されていると言えば誤解がありますが、その部門だけに器用貧乏みたいに使われているために、いつの間にか主みたいな存在になって、そのために不必要な癒着や問題を提起した例もございます。これらのことを私かねがね考えておりまして、やはり国家公務員の中で優秀な、ある部門における能力のある者は、学歴等の既存の方針にとらわれることなく抜てきすべきであると考えて、私自身の役所においてはそういうつもりの人事をやっておるわけでございますけれども、国家公務員全体としてやはり途中においてそういう資格を取得されたものも含めて、さらに一般の職員の自分たちの職場に対する未来というものを夢も希望も消えうせたという感じの働きぶりではやはり惰性におちいりがちであり、自分たちの老後に対して何の希望もない。あるいは自分の職場の未来について自分自身の意欲というものを失った場合の公務員としてのあるべき勤務状態というものも想像ができますので、これらの問題については、各省庁の人事管理の担当官ともよく今後も相談をしていくつもりでございます。
○永岡光治君 ぜひその実をあげていただきたいと思います。 昨日来の質問で、私は郵便料金を値上げする前に経営努力の不足をいろいろ指摘してまいりまして、したがって、今後経営努力についてどのような方策を持っているかということについて具体的に聞いてまいりたいと思います。 その第一点でありますが、郵政の機構はこのままでいいとは思いませんが、機構の改革についてどのようなお考えを持っているか、まず郵政大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) ご承知のように、イギリスにおいては、郵便電気通信公社が一九六九年の秋に発足をいたしております。アメリカにおいては、本年の七月から同様なものが発足すると聞いておるのであります。わが国におきましても、昭和四十四年に、郵政事業公社化が採用に値する経営形態であると、こういうことで、郵政審議会の答申をちょうだいしておりますことは御承知のとおりであります。ただ、同時に、この答申の中には、公社化自体が問題を解決するものでは必ずしもなくて、このきびしい現状認識と、あらゆる努力が必要である旨を前提として、現行経営形態のもとで措置可能な部分があるならば、これをまずやったらどうかという意味のことも指摘をしておるわけであります。したがいまして、今回この答申の実質的な面を取り入れまして、郵便、貯金、簡易保険等関連法令の改正につきまして目下取り運びをしておるわけでございまして、この答申に基づいた機動性といいますか、弾力性といいますか、こういうものをひとつ経営形態の中に織り込んでいこう、こういう検討をただいまいたしておるわけであります。
○永岡光治君 電気通信の監督及び放送、電波の監督を持っておる郵政大臣、しかも郵便、貯金、保険の経営の最高責任者である郵政大臣、非常にむずかしい立場にあると思うんでありますが、最近の西独においてはこの問題をよく区分けしておるようでありますが、西独の公社のような運営についての実例を大臣御存じだろうと思いますが、わかっておればひとつ見解を承りたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) 私、必ずしも西独の実態をつまびらかにしてはおりませんが、必要でございますれば政府委員もおります。 そこで、一般論といたしまして、郵便と電信電話と一緒にやるという形、私はずっと日本の従来のあり方を検討してみまするときに、たとえば郵便はがきが長い間一銭五厘ということで戦前ずっと定着しておった時代などを考えますと、これは永岡さん御承知のとおり、ある程度郵便の赤字を電信電話が補てんをしておったということはあると思います。で、現状は電電のほうはもう公社になっており、残る郵便、貯金、保険、これをどういうふうに組み合わせていくかというところに西独などとは少し問題の違う面もあろうかと思うのであります。まあ、昨年のアメリカ、本年のイギリス、それぞれ郵便に関しましては非常に大規模なストが行なわれたことも御承知のとおりでありまして、これらは公社化に踏み切ろう、あるいは踏み切った段階において、まだまだいろんな苦悩をかかえておるんではないかと、こういう感じもいたしますので、いま御指摘の西独ももとよりでございますが、こういう実態をなおよく調べ上げた上で慎重に対処をしたいと思うのでございます。ただ、四十四年の秋に受け取りました答申を、決してほこりにまみれたままでいるというのではございません。これをひとつ十分な検討を続けておると、こういうさなかにあることを御了承を願いたいと思います。
○永岡光治君 いずれこれは逓信委員会で論議するべき問題だと思いますが、これは政府全般として考慮いただくに値する問題だと思うのでありますが、先ほど申し上げましたように、郵政大臣は監督行政を持っておると同時に、企業の経営の最高責任者であります。非常に複雑な立場でありますが、西独は、郵政長官は直接その経営に当たらずに、数人の委員を任命して、その合議制によって郵政事業を運営さしておるわけであります。そういうことを日本の場合に考えますと、郵政大臣は、電波及び放送、電気通信関係の監督行政、それから経営のほうは委員会にまかして最高の監督の責任者として郵政大臣があっていいんじゃないか。私は一つの示唆に富む経営だと思いますので、御検討いただきたいと思います。 そこで、次にそれではお尋ねいたしますが、労使の正常化について具体策はどう考えておいでになりますでしょうか。
○国務大臣(井出一太郎君) これは昨日の御質問にもある程度お答えしたつもりでございますが、何としましても、人手に多くを依存しなければならない郵便の事業のこれは一番基本であろうと考えております。昨年経験しましたあのトラブルを解決をしてまいりまするために、労使双方歩み寄りまして、一つのまあ確認事項と申しましょうか、お互いにこれからやっていこうではないかという約束を取りかわしたわけであります。これがまあ必ずしも末端まで十分な浸透をしておらないということはございましょうけれども、しかし、この線を基本といたしましてこれからやってまいろうと思いますし、同時にそれは、事務的なこまかい細目もさることながら、基本的にはやっぱりもう少しお互いの気持ちの触れ合いと申しましょうか、そういうものを回復をしていくということが前提として横たわっておるのではないかと、こう思うのであります。で、私としましても、及ばずながら、そういう気持ち、誠意を披瀝をして働いておる皆さんと接触をしてまいろうと、こういうつもりでございます。
○永岡光治君 料金の値上げをいたしましても、サービスが改善されなければ国民の期待にこたえることにならぬと思いますが、郵便サービスの改善の具体的な方策、たとえばこの機会にタイムケーブル、東京−大阪間はいつ出しましたものはいつ着きますよと——一分一秒違わない必要は、もちろんこれは期待してもなかなかむずかしいと思いますけれども、一つの努力目標としてそういうことを国民に約束をし、そのことを実行することが私は必要だろうと思いますが、そういう考えがあるのか、ないのか。つまり、国民の料金値上げ後におけるサービスの向上についての具体的なそういう期待がどういう形であらわれていくのかをただしておきたいと思うわけであります。
○国務大臣(井出一太郎君) いたずらに料金だけ引き上げる、それでサービスがこれに伴わないんじゃほんとうにおしかりを受けるわけでありますから、この点を勘案をいたしまして、できるだけいろいろな面でひとつサービスの改善をしたい、こう心がけておりますが、特にいま御指摘の点は、われわれが標準送達速度と呼んでおるような問題にお触れになったわけであります。つまり、郵便が集配の過程におきまして一つのダイヤを組む、タイムテーブルをつくる、こういうことでございましょうが、これは部内における一つの指針としては現在すでに持っておるわけであります。東京−大阪間はまあ翌日なら翌日お届けをする、地方とはどういう関係になるかという指針は持っておるのでございますが、これをほんとうに表へ出して公約をして、これは寸分間違いないというわけにはいかなくても、ある程度狂いのないものをお示しをしなければならない。そのために若干条件が整っていない分もあるのではないかと思うのでありまして、たとえば住居の表示制度などももう少し促進をしなければなりますまいし、あるいはいまの運送方法も自動車輸送によるような面も、もうちょっと適確なダイヤをつくり上げるとかいうような準備に取りかかっておるわけでございまして、これは遠からずそういうところまで持っていけるのではないか、こう考えております。
○永岡光治君 まあ、いろいろありましょうが、時間の関係で省略いたします。 要は私は、経営者としての基本責任——何といいましょうか、自覚を昨日来強調してまいったわけでありますが、普通の家庭電気器具をつくる会社のストライキだとか紛争問題と違いまして、郵便は国民からあなた方料金をいただいているわけです。いただいて、いつ幾日配達しますと約束しているにもかかわらず、そのとおりサービスを提供しないというこのことは、やっぱり経営者としての責任を私はとらなければならぬと思う。料金を返すのか、あるいはまたどういう方法で経営者がみずからの責任をとるのか、この経営者としての自覚の徹底がない限り、私はこの事業はよくならぬと思いますので、そういう点について大臣は今後どういうように経営者陣営を、管理者諸君を訓練といいましょうか、自覚の徹底をしてまいるのか、この点もひとつこの際お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) おっしゃいます点が何といいましても一番基本でございます。そういうことで、これは労使双方ございますが、いたずらに相手方を責めるというばかりではこれは能がございません。特に私は労使トラブルがあるという場合は使用者側、管理者側がより多く反省をしなければならぬのではないか。まあ、これを兄弟にたとえるならば、これは兄貴分が管理者の側だと思うのであります。そういう心がまえのもとに、実は昨年の経験に徴して、一月の二十九日でございますか、一つの通達を出しまして、心がまえを示したわけでありますが、これはもう、一片の通達でどうというような考えじゃございません。もう少し基本的に私みずからがこういう問題に対して責任を負う、そして取り組んでまいる、こういう所存でおるわけであります。
○永岡光治君 行管長官にお尋ねいたします。国民は料金の値上げについてやっぱり不安を持っておりますが、三種以下の郵便料金については郵政審議会の諮問を経るという一つのチェックのシステムをとっておるようであります。郵便法の改正におきまして。ところが、伝えられるところによりますと、行政組織法においてこれら審議会等は政令にゆだねるということになりますが、これは精神からいいますると国民はたいへん不安に思うわけでありますが、いかなる見解でそのようなことをされるのか、お尋ねをしておきたいと思うのであります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答えいたします。郵政審議会の政令化のことでございますが、設置法で設けられていた審議会で——これは一般論でございますが、他の実体法に、その審議会に付議すべき旨が定められていたものについて、国家行政組織法改正に伴いまして各省庁設置法に設置根拠を設けないで、一括して組織法に基づく政令にゆだねようという一般方針に従った次第でございます。したがって、実体法である郵便法自体の付議規定は残るわけでございます。 ですから、言いかえれば設置法で政令に譲っておることが一般法である行政組織法で政令に譲るということに形が変わるだけでありまして、国会との関係、法律制度の関係においては実質的には同じでございます。
○永岡光治君 実質的に同じと言いますけれども、やはり権威の問題から言いましてそうはならぬのであります。これは国会の審議にかわるべき機関として郵政審議会の議を経るということになっておるわけですね。それを政令にゆだねられますと、今後どのような形になるかと言いますと、あまりこれは尊重されぬというか、権威がなくなるおそれがあるわけでありまして、郵便法ではすでにそういう郵政審議会にはかるということをきめておきながら、どうも逆に設置法ではこれをゆるめていこうという考えは、どうも私には理解ができないのでありまして、その点はもう一回ひとつ行管長官のはっきりした、国民の期待にこたえるひとつ答弁をしていただきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 郵政省設置法も行政組織法も同じ法律であります。従来は各省設置法ごとに政令にゆだねる関係のことを規定しておりましたのを、一括して行政組織法でそれを規定するという違いでございまして、法上の取り扱い、慎重さの意味においてはかれこれ差別はないことと思います。
○永岡光治君 いや、大臣は差別はないと思っても国民は不安であります。郵政審議会というものがチェック機関としてあればこそ国民もかなりの期待を持てるのでありますが、それをかってに政令に移行されて、どういうようにこれを構成その他について変えられてしまいましても国民はどうしようもないわけであります。それじゃあ困るわけです。国民として。だからこの点はしっかり考えなければならぬが、その国民の不安をなくす方法は一体どうなのかということを聞いている。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答えいたします。設置法でありましょうとも、行政組織法でありましょうとも、その法に基づいて審議会に関することは政令で定めるということになりますので、国民から見ましても、かれこれ区別はなかろうかと思います。
○永岡光治君 これ、意見がかみ合いませんが、時間が過ぎるばかりでありますからこれは他日に譲りますが、郵政審議会に対する期待ですね、これをひとつチェック機関として十分使命を果たせるような組織、運営、機構、そういうものについて考えておるかどうか明確に所管の大臣でもけっこうでありますが、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) 行政組織法と郵政省設置法、それに基づいての政令という関係はいま荒木長官からお答えがあったとおりであります。これは行政の簡素化、合理化ということに出ておると思いますが、私は、実質的には郵政審議会の機能をますます強化、そして発揮しなければならぬと考えるわけでございまして、今回の三種、四種について郵政審議会にこれをはかるということを特記いたしましたゆえんのものも、実体的に郵政審議会を尊重していこうという気持ちに変わりはないわけであります。それで、現状郵政審議会は四十数名という大審議会でございまして、各界の学識経験者を網羅しておるわけでありますが、この機能をどうやって充実し、活用をしていくかと、こういう問題については今後御意見をも十分に伺いまして善処をして誤りなきを期したいと、こう考えております。
○永岡光治君 次に、放送法、電波法の改正についてお尋ねいたします。 四十一年に一回国会に提案された実績があるわけでありますが、非常に長い間これは改正に至っておりません。しかし、時勢は非常に進歩、変革をいたしております今日、この実情には適合しない、あるいは改正すべき大きな問題があると思いますが、この両法の改正についての構想及びその実施の時期——国会提案の時期ということになりますが、所見を聞きたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) 電波法と放送法は、いまおっしゃいまするとおり、この情報化社会といわれる新しい時代に、その一つの基本法規としてたいへん重要なものでございます。この改正の企図というものは、いま御指摘のとおり、昭和四十一年、五十一国会において提出をいたしましたものの、審議未了になったという歴史があるわけであります。それからもうすでに五、六年たっておるのでございますが、この間の電波関係、放送関係の進展というものは、これはもうたいへんなものでございまして、この新しい事実関係に基づいてこの両法律というものを時代に適合したものにしなければならぬという要求は、私は切実なものとして受けとめておるわけであります。ただ、何としても電波、放送のこれは大法典でございますから、相当に準備が要るわけであって、現在その準備にとりかかっておる段階でございます。この国会は、御承知のように、たいへんいろいろな問題を私どもかかえておりますから、次の国会に間に合わせるというくらいのテンポとスピードをもってこの準備を進めてまいりたい、こう考えております。
○永岡光治君 提出時期は次期国会ということは一応わかりましたが、その改正の構想の全部にわたらなくてもけっこうですが、重要となるべきポイントをひとつ御説明いただきたいと思います。
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。 電波法、放送法と両方あるわけでございますが、電波法につきましては、いま大臣からもお話がございましたように、新しい技術の進歩といったようなものに対応いたしまして、たとえばいまの電波の範囲といったものは、これは国際的にもきまっているわけでございますが、そういった面をもう少し拡張いたしまして、たとえば光通信といったようなものも電波監理の対象にすべきであろうか、そういうようなことも思っております。また、御存じのように、宇宙通信の時代になってまいりまして、そういったものも現在の電波法の範疇に入れるべきではなかろうか。まあいろいろあるわけでございます。放送関係自体につきましても、先ほどの第五十一回の国会に提出しました案をもとにしまして、さらに放送自体のあり方といったものを現在詰めておる段階でございまして、まだ、具体的にと申しますと、もう少し時間を貸していただきたいと、そういうふうに考えているわけでございます。
○永岡光治君 一番改正をしたいところはどこですか、現行法の中で。
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。 電波法自体は、先ほど申しましたような点、あるいは現在の電波監理の簡素合理化といった線も含めまして改正をいたしたいと考えているわけでございます。たとえば検査のあり方であるとか、無線従事者の制度であるとか、そういった面がいろいろあるかと思います。放送の関係は、これはやはり言論立法ということになるわけでございますので、非常にデリケートな点があるわけでございますが、たとえばマスコミの集中排除といった点も、現在でもある程度検討はしているわけでございますが、もう少しはっきり法案に盛るべきであろうかと、そういった点も検討しているといった段階でございます。
○永岡光治君 あまり明確でありませんが、提起をいたしますが、電波の使用料を取る、こういう考えはありませんか。
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。 現在のところ、使用料を取るという考えはございません。
○永岡光治君 理由、国民の共有財産であり、公共財産である電波を、それによって営業して利益をたくさん取っているわけですが、国の財産、国民の財産をかってに使って料金を取らない制度はあまりないと思いますが、なぜ取らないのか。取ったらどういう支障があるのか。
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。 現在、無線局の免許をいたす際にはいろいろ手数料というものを取っているわけでございまして、そういったもので大体カバーしているかと思っております。特に電波自体の使用料というものは、私どもとしてはいまのところ考えていないというわけでございます。
○永岡光治君 理由、理由。なぜ取らないのか、どういう支障があるのか、取れない理由。
○政府委員(藤木栄君) 取れない理由というものは特にないんじゃないかと思いますけれども、まだ、十分そこまで検討していないという段階でございます。
○永岡光治君 ちょっとおかしいな。だから、取ろうと思えば取れるのですか。
○国務大臣(井出一太郎君) ひとつ、そういう問題もあわせて検討をさせていただきたいと思います。
○永岡光治君 放送の再編成についての構想及びこれを実施しようとする時期ですね、これをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) これは音声放送ですね。この問題も二、三年来、音声放送の再編成というようなことでずっと検討をいたしてまいりました。昭和四十四年の秋ごろからでございますが、その後、たとえば放送大学というふうな新たな問題も起こってまいりまして、波の制約等も当時とはだいぶ事情は変わってまいりました。したがいまして、その当時出されました構想を全部ここで実現をするというわけにはまいりませんが、とりあえず、混信対策と申しましょうか、国外から大電力による電波の妨害というものがかなりひんぱんになってまいっておりますので、この際、当面、NHKの第一、第二放送をそれぞれ出力を増加する。民放につきましても、これまた同様な扱いをいたしまして混信をできるだけなくしていこう、それからまあ、どうしてもそれだけで障害を除去することのできない地帯に対しましては、FM放送にこれを切りかえるというような方向で処理をしてまいりたい、こういうことで、先般当面の構想を発表いたしました。これの具体的なチャンネルプランにつきましては、なおもう少し検討に時間を要しますので、おおよそ四、五カ月くらい後にはきちんとしたチャンネルプランも発表し、実施し得るであろうと、かように考えております。
○永岡光治君 それではひとつ、ついでにお尋ねいたしますが、テレビのほうの再編成は考えておりませんか。
○国務大臣(井出一太郎君) テレビのほうは御案内のVの波をUの波に移行するという問題がございます。ただ、これは一つは受信者の側における受信機の普及、つまりオールチャンネルであるとか、あるいはコンバーターをつけるという問題が一つございましょうし、今度は放送事業者の側における送信機も変えなければならぬというような問題がございますから、いま短兵急にいつ幾日にすぐやるというわけにはまいりません。若干の時間の余裕を持って漸次切りかえをしてまいりたいと、こう考えております。
○永岡光治君 テレビのいま言った再編成については時期を考慮されているようでありますが、いまのVをUに変える場合の施設の改造と申しましょうか、変えることに必要な資金が当然出てくるわけですが、それはその場合は国において援助というか、めんどうをみるような、何らかの形においてそういうことをもちろん考えておると思いますが、この際明確に答弁ができれば聞いておきたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) これも現行設備の耐用年数というふうなものを考慮しつつ、どこの放送局をいつというような具体的なプランができるのにはもう少し日がかかると思います。そういう場合、これはまあ相当に新規資金を要するわけでございますから、何らかの低利なものを用意をしてあげたいと、こういう考えは持っておるわけでございまして、具体化いたしますれば、これはあわせて大蔵当局などとも御相談をしようと、こう思っております。
○委員長(古池信三君) 時間ですから。
○永岡光治君 少し食い込んでもいいんですよ。社会党の一般質問の時間が残っているから——音声放送の再編成については中央と地方であまりチャンネルの数が不均衡にならないように、大都市で受けられる程度のものは地方でもできるだけたくさん受けられるような、そういう方針を考えてもらいたいと思いますが、その基本方針は変わりないか、この際明確にしてもらいたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) ちょっと御質問の趣旨を私はっきり受けとめかねたんでありますが、要するに、中央と地方とそういうもののバランス……。
○永岡光治君 東京と地方とのアンバランスですね。
○国務大臣(井出一太郎君) もちろんそういう点に十分な配慮をしてやってまいりたいと思っております。
○永岡光治君 この際、防衛庁長官にお尋ねいたしますが、先般わが党の上田委員からの質問に対しまして、昭和四十六年度の予算の審議にあたって、第四次防というものを、防衛庁の予算を検討する上においては当然これを明確にしなければ審議は非常にむずかしいのではないかという意味で、その提出を求めておりましたが、すでに一応まあそれらしきものは出してあるという話でありましたが、それは一応の構想はわかりましたけれども、もっと予算の審議にあたっての具体的な四次防というものについての明確なひとつプランを提示願いたいと思うのであります。しかも、早急にこれを出してもらいませんと、予算委員会が終わり、国会が終わり、四次防ができて、どんどんそれが発足する、動き出してしまうとあとの祭りということになるわけでありますので、この点をひとつ明確に、この三月中に出してもらいたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先般、文書で御提出いたしまして、上田委員に対して補足説明を申し上げましたが、自来、鋭意つとめておりますけれども、まだ流動的要素がかなり残っておりまして、一生懸命努力はしてみますが、非常にむずかしい状態にあるのを遺憾に存じます。
○上田哲君 関連。長官にお尋ねいたしますが、四次防という、これはまあ新防衛力整備計画につらなるものですけれども、実際に防衛庁原案はいまきまる。政府原案が八月前後にきまるとすると、事実問題として、四次防がその年度からその年次予算に組み込まれるときに、われわれの審議には対象となりますけれども、実際問題として、三次防を見ても九七%の達成率ということになるわけですから、事実上は私どもは四次防なるものの基幹に触れての審議をする機会というのは、これを具体的に言うならば、本国会しかないということです。そういう意味で、当然、政治モラルとしてもなるべく早く防衛庁原案が策定さるべきものであり、そういう立場からも三月一ぱいで防衛庁原案が出ることになっていた、こういうふうに理解をしています。その努力はどうなっているのか。 もう一つは、一体、四次防というような年次計画がまるっきりこま切れの部分だけしか国会の論議にさらされないということはどういうことか。四次防自身が全体として国会の審議に付さるべきものではないかと思います。これは法解釈上どういう逃げ方もできるでありましょうけれども、たとえば国会に報告する政府の計画としては、農業基本法に基づく農業に関する年次報告とか、中小企業基本法に基づく中小企業に関する年次報告、観光基本法に基づく観光の状況に関する年次報告、こういう各報告、その他年次計画というものが四次防防衛計画よりも低いなどと言うつもりはありませんけれども、少なくともこういうものが出る以上、四次防というような国の基本にかかわるような計画については、やはり進んで国会に提出されて、審議の場を持つべきではないか。これについての明確な御見解をひとつ承りたい。 それから関連ですから、ついでに全部言っておきます。もし四次防防衛庁原案の策定がおくれているということであれば、たとえば伝えられておるように、超音速練習機というのが、その後金額の見積り等が大きく狂ったというようなことがどれくらい影響しているのか、あるいはまたAEWがその後どうなっているか、そうしたおくれがあるとすれば、その理由とそれからどれくらいのところで出ることになるのか。 さらにもう一つ、総理との話し合いの中で、非核中級国家が非核専守防衛国家ですか、たいへんわかりにくいことばにまた変わったようでありますが、この立体感を失った、指向性を失った表現の基本的な概念については総理への質問を留保しますが、防衛庁長官としてのこれについてのいきさつやお考えについて、中級というのはどういうことになったのか、これらについて明確に御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆる四次防、次期防衛計画の内容はいまいろいろ内部において作業中でございまして、まだ固まる段階まで至っておりません。固まった上は今度はこれは大蔵省との折衝に入りまして、大蔵省から査定を受けると思いますが、その後、各省との調整に入って、そして国防会議等を経て、正式に政府としてきまるという段取りでございます。非常に努力をしておりますけれども、非常にまだ流動的な要素もあり、詰めの足らぬところもありまして、防衛庁内部としても決定に至らないのを遺憾に思います。今月一ぱいは無理であるだろうと、いまの作業過程から見ますと思われます。 それからそういう正式にきまりました防衛力の整備計画というようなものは、できるだけ国会を通じて国民にお知らせをすることが好ましいことであると思います。 それから四次防の……。
○上田哲君 四次防計画そのものを審議に付しませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 公表できる部分につきましては国会を通じ、国会でもいろいろ議論をしていただき、国民の御意見も承る、そういうことが好ましいと思っております。 それから内容につきまして、いまいろいろ二、三の問題点をおあげになりましたが、それも問題点の中に含まれますけれども、それ以外に陸海空おのおのにわたりまして、詰めのまだ十分でないところがあるのが真相でございます。 それから、非核中級国家云々の問題は、総理大臣といろいろ意見を交換し、懇談をいたしまして、上田委員が申されましたような考え方に表現を統一するということになったわけです。その趣旨は、まあ中級とか上級とかというと質的変化が見当たらない。日本の場合は憲法的制約とか政治的制約とか、あるいは運用上の制約とか、兵器体系上の制約とか、そういうのがあって、ほかの国国と質的な相違を持っておる、日本の防衛というものの内容が。したがって上級とか中級とかというそういう形で考えられると、その内容がよく伝わらないからという意味において、質的な変化を示すという意味で専守防衛という名前のほうがより適当である、そういう考えに立ってこの表現に統一したわけでございます。
○木村禧八郎君 関連。第四次防の関係ですが、その内容についてはいま検討中と言われましたから、検討されて煮詰まったところでわれわれ拝見していくようにしたいと思うんです。しかし、いままで防衛庁長官は、大体予算としまして五カ年五兆八千億という構想を打ち出しているわけです。そうしますと、一カ年一兆一千六百億でしょう。いま審議しているこの防衛費は六千七百九億ですよね。大体倍ぐらいになる。もしこのまま平均的にいくならば、来年倍ぐらいになります。ですから、来年からは第四次防衛計画が発足するとすれば、ものすごく防衛費がふえるわけです。したがって、もうこの予算が組まれちゃってからわれわれ審議したのでは、いつでも予算は与党が多数ですからもうこれは通ってしまうわけなんです。いままでは。したがって、その前にわれわれは十分審議しておきませんと、十分な審議が尽くせませんし、また、外部の意見も十分取り入れられませんから伺いますが、大体この五兆八千億という第四次防衛計画の総額ですね。これはまあ物価の値上がり等もございましょうが、大体これは確保しなければならないものなんですかどうか。これが大蔵省で大きな削減を受けるような場合、一体どうなるのか。その点のことを伺っておきませんと、来年度の予算をわれわれが考える場合、十分に、他の予算との関係がございますから、どうしてもその点伺っておきたい。 それからもう一つ大蔵大臣に、こうなればどうしたって長期財政計画が必要だと思うんですね。これほど防衛費が多くなるというもとで、それから日本の防衛を考える場合には、国民生活安定の問題あるいは教育予算の問題とか、いろんな総合的なバランスの上に立って防衛というものを考えなければならぬところがございますから、防衛費がこんなに多くなれば、これはどうしても長期財政計画をきちんとここで立てませんと、そしてまた長期財政計画を立てれば、その面から防衛の行き過ぎですか、行き過ぎというものもそこでチェックできるんじゃないか。そういう面からもどうしてもここで長期財政計画が必要になってきたんじゃないかと思います。この二点について伺っておきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) われわれといたしましては、社会経済発展計画を一つの基準にしまして、そのときのGNPの総計が六百二十兆ぐらいにたしかなると記憶しておりますが、それに対する見合いというものも考え、それから社会保障あるいは教育、研究費、あるいは公共事業費等も大体見当をつけまして、そういう意味からいわゆる三次防に対するわれわれの次の防衛計画の費用というものは五兆二千億見当と、そういう見当ということを申し上げておきます。それでプラス・ベースアップ分、ベースアップ分がたぶん六千億ぐらいになるかもしれません。それを合わせれば五兆七、八千億見当という考えに立って大体のあらましの見通しを申し上げたのでございます。大蔵省関係との折衝でどういうふうになるかわかりませんが、それは一応のわれわれの現在の見当でございまして、いずれできるだけ早くまとめて折衝に入りたいと思っておるところでございます。
○木村禧八郎君 物価との関係はどうなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 社会経済発展計画における物価の上昇率というものも、やはりこちらもその基準で考えております。
○国務大臣(福田赳夫君) 防衛庁から原案が出てきますれば、大蔵省としては十分これを検討します。これはもう戦前におきましても、木村さんよく御承知のように、ずいぶん軍部から長期計画が出てきた、それに対しまして、大蔵省は斧鉞を加えるというと語弊があるかもしれませんけれども、ずいぶん努力をいたしまして、それが適正であるかどうか、あの二・二六事件の前の暮れあたりは、実に三十六時間閣議ということまでやって、適正なる基準はどこにあるかということを求めたわけです。大事な四次防でありますから、厳正に私どもといたしましてもこれを審査をいたしたい、かように考えております。 それから、こういう時期になって、長期財政計画が必要じゃないか、そういうお話ですが、これは非常に具体的に個々にわたったという計画ということもなかなかやりにくい。しかし長期的展望、これは財政においてももちろん必要なんです。そういうために新経済社会発展計画というものが策定されておるわけでありまして、あれに公共事業費へ配分はどうする、防衛費に配分はどうする、大体の検討はつけられるような基礎が示されておるわけなんです。ただあの長期計画ですね、これ自体が経済の変動によってどういうふうに変わってくるか、これは私は、新しい計画は立てましたけれども、それにこだわっちゃいかぬと、こういう考え方をしておるのです。そのときの現実のその勢い、そういうものと見比べまして、これは弾力的なかまえでそれを修正していかなければならぬというふうに考えておりますが、一応その時点における経済社会発展計画、これを目安として財政は運営する、かように御了承願います。
○木村禧八郎君 簡単に。大体新経済社会発展計画を基礎にして考えていくという、いま大蔵大臣から、しかし新経済社会発展計画については弾力的に考えると、あまりこだわらないと言われました。しかし、一応あれは公表されているものですね。あれを基準にして防衛庁は第四次防衛計画を考えて試算して五兆八千億という数字を出すといわれているのですが、そうなると新経済社会発展計画は、御承知のように、あれは国際収支はあまりふえないという前提で非常に操作されていることは御承知のとおりなんです。ところがあれは批判されたとおりに、国際収支の黒字が非常にふえてきた。あの当時、批判されたとおりの実態になっているのです。ですから当然私は新経済社会発展計画は改定しなければならぬことになっていると思う。ただ弾力的、弾力的といいましても、一応ああいう試算を出したのですから、情勢があれが批判されたとおりの状況になってきた。もう五十億ドルをこえたわけです。外貨は。そういう前提が狂ってきたのですから、ここでやはりその基礎になる、第四次防の基礎にもなっております新経済社会発展計画はここで変えなければならぬ、こういう時期がきていると思うのです。この点いかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま申し上げましたように、新経済社会発展計画につきましては、これをあんまりこだわっちゃいかぬと、五年という計画できめたのだから、何が何でもそれでやり抜かなければいかぬという考え方を持つと私は事を誤ると、そういうふうに思っておるのです。確かにいま御指摘の点ももう狂ってきておる。それから一〇・六、この輸出成長がこれで一体いけるのかという問題もこれも大きな問題、資源の問題だ、労働力の問題だ、こういう問題がどういうふうな状態になってくるかということを、その時点、時点の展望に立ってこれは考えていかなければならぬだろう、こういうふうに思うのです。ですからもとより新防衛計画を立てる、そういう際に、さあ、いままでの経済社会発展計画はこうなっておるから、はたしてこれでいいのかというような点も検討しなければならぬだろうと思います。私は改定というところまで申し上げておるわけじゃありませんけれども、まあとにかくこだわっちゃいかぬ、見直しをしなければならぬ、その見直しも並行させながら新防衛計画も考えなければならぬ、こういうことを申し上げておるのです。
○上田哲君 関連。確認いたしますが、非核専守防衛国家の基本概念は、これは総理への質問を留保しますから、この際は割愛しますが、いま中曽根防衛庁長官からの御答弁の中に、四次防についてはできるところがあればできるだけ審議に付したいということがありましたが、確認をいたしますが、三次防はそういう形で三次防全体としての審議には付されておりません。そこで、四次防は三次防とは違って、国会の審議に付するということでいいのかどうか。このことを明確にひとつ確認をしたいと思います。 もう一つは、防衛庁原案がおくれるということであれば、私どもは防衛庁原案は三月一ぱいに出るということで、今日までそのかね合いで審議も進めてきましたし、各党機関でもその種の話し合いの折衝を進めてきているというふうに聞いております。その点が違ってくると、全体の予算審議にもかかってくるわけでありまして、一体そうなると、四次防の防衛庁原案はいつきまるのか、これが先ほどの御答弁にも漏れております。ここをひとつ明確に御答弁いただいて、今国会中に、三月中にできなければ、少なくとも今国会中に四次防原案をきちんと提案されるのかということをあわせてひとつ、二点目にお答えをいただきます。 それから三点目に、小さくなりますが、そういうおくれがあるとすれば、先ほどはたいへん一言のお答えでありましたけれども、伝えられているところでは、超音速練習機が四億だと思っていたら十五億になったというような、見込み違いといえばあまりにも大きい見込み違いがありますが、それは事実か。あるいはおくれるということになれば、いまさら物価の値上がりが引っかかってどうなったということではありませんから、一体ここへ来てこれだけおくれたという理由を具体的にに御説明願いたい。 以上三点しっかりお答えください。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国会審議の件は、いままでの防衛計画は、そういう正式の審議というのは何を意味するかわかりませんが、上田委員が申されるのは、何々基本法にあるような国会に報告すべしというような形でおやりになるという意図でおっしゃっておるのかどうか、よくわかりませんが、そういう形でいままでやったことはないようです。しかし、防衛庁の原案及び政府としての原案が正式に決定すれば、これは御質問、その他御要望に応じ、国政調査権に即応いたしまして、われわれとしても誠意をもってできるだけ表に出すべきものは出し、お答えすべきものはお答えすべきであると思います。 それから期限につきましては、先ほど申し上げましたように、陸海空にわたりましてまだ詰めが十分でない点がありますので間に合わないわけであります。いつまでと期限を聞かれますとこれは困りますが、なるほど御指摘になりました点も一つの問題点でもあるわけです。たとえばロールスロイスという会社が倒産をして、そういうかげんで向こうの内部においてもまだ将来計画について見通しの的確でないものもあるわけなんです。そういう条件をどう踏まえるかという判断も、いずれ次の防衛計画をつくるときには入ってこなければならぬ問題でもありますので、そういう意味でまだ流動的な要素がありますものですから、いつというふうに的確にお答えすることはできないと思いますが、私といたしましては、ともかくできるだけ早目にこれをまとめて、われわれのスケジュールどおりに夏国防会議及び政府できめるようにしたい、そういう努力を続けていきたいと思っております。(「価格の問題はどうだ」「第三点目」と呼ぶ者あり) いつまでに出しますという期限を切ることは非常にむずかしい情勢にあるわけです。ともかく、いろんな諸元が流動的なものもあり、また、われわれのほうの内部の詰めの問題も、全部そういう諸元に引っかかってきて、函数関係になっておるわけでもあります。そういう意味におきまして、いつということをこの際遠慮さしていただきます。(「価格の問題、四億が十五億になったというのはどうなんです」と呼ぶ者あり)
○政府委員(久保卓也君) ただいま超音速練習機のお話がありましたが、四億が十億になったのではなくて、(「十五億だよ」と呼ぶ者あり)十億が十五億になったというような問題でもなくて、四十一年に超音速練習機を開発しようとしたときに、その対象になりましたもう一つ別のT38という練習機が当時の見込みで四億ないし五億で入るであろう。これはそのころの入手価格でありますと裸価格、つまり特別の器材を載せないで普通に飛行機が飛べるだけの判断でありますが、そういった四億から五億の単価ということが当時言われておりまして、そこで国内で開発をやりました場合に、それよりもそう多くかからないだろうという見通しで開発を進めたそうであります。そこで現在四次防の中では積算価格としては十億を見込んでおります。ところで、いまロールスロイスの関係で石川島播磨がロールスロイスと折衝をしておるようでありますが、そこでの石川島からの見通しからいいますと、機体の単価アップ及びエンジンのアップでもって十四億あるいは五億になる見込みがあるという情報をこれは得ておるわけであります。情報の段階であります。ただロールスロイスが、御承知のように軍事部門については国有化するという法案が議会に出まして、現在通過したか通過する直前であるかというような状況でありまして、ロールスロイス側としましても、当初わがほうが見込んでおりましたような一億数千万の単価でエンジンが購入できるかどうかの見込みをまだ言えないという状況のようであります。したがいまして、今後ロールスロイスと折衝し、石川島播磨と折衝し、そういうことで単価がどういうふうになるかによってこれが流動する。もちろんあまり高くなれば、そういうものは購入し得なくなるというような流動的な要素を持っておるということであります。(「いまの一番初め四億というのは何」と呼ぶ者あり)四億といいますのは、研究開発をやる前に対象機になりましたT38というアメリカの練習機があります。これの単価が当時四十一年ごろに四億ないし五億という裸値段であったということで、開発をやる場合にはアメリカの購入よりも高くなるだろうけれども、そう高くはなるまいということで、一応その基本を四、五億に見て、それより若干のアップを見込みながら開発を進めていくということであったわけであります。
○永岡光治君 四次防のプランの提出をめぐりまして、私の聞こうと思いましたことをほぼ他の委員から聞かれましたので、私の持ち時間も過ぎましたから、これで終わりますが、長官に御要望申し上げますが、四次防のプランをできるだけ早急に取りまとめ、願わくば——願わくばよりも、これはぜひそうしてもらいたいのでありますが、防衛庁設置法の審議をいまされている最中でございますから、参議院においてもこれが正規に法案の審議が行なわれる際までにはぜひその全貌が明確になるように特に要望をいたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(古池信三君) 以上をもって永岡君の質疑は終了いたしました。
○委員長(古池信三君) 次に、田中寿美子君の質疑を行ないます。田中寿美子君。
○田中寿美子君 この国会は公害の問題が重点政策になっているはずなんでございますが、私が非常に日常生活に密着した問題の中から、いわゆる食品公害という問題に関連して特に食品の中に残留する農薬の問題に対して質問をしぼっていきたいと思います。 そこで最初に、農林大臣、実はBHCその他の有機塩素系の農薬が食品の中に残留しているという問題につきまして、特に一昨年の暮れから牛乳に非常に大量に残ってきたという問題がありましたので、ほとんど一年間この問題について私は公害の特別委員会で問題にしてまいりましたのですけれども、農林大臣のあるいは農林省全体の認識は私は不十分だったと思います。去年の暮れに公害の特別国会が開かれるようになり、公害について非常にいろいろの政策が進められるようになって多少認識を改められたんだと思いますけれども、そこで農薬については、その農薬が農作物に対してどれだけ有効であるか、病害とか、虫害を駆除するのにどれだけ有効であるかという観点からばっかりとらえられていた、それが食品を汚染してそして人体にも影響を及ぼす、動物にも影響を及ぼす、それから環境つまり水や空気や土をよごしていくというような問題についての認識が不十分だった、そのためだと思いますけれども、牛乳の汚染の問題なんかはこれ非常に消費者にとっては不安を増す問題でございまして、ですから、いまだにある県では牛乳の学校給食をボイコットしているというような事情も出ているわけです。そこで牛乳を生産する農民の側から申しますと、やはりBHCを入れてつくっているわけじゃありませんから、だからきれいな牛乳をつくりたい、あるいはメーカーも販売する人もきれいな牛乳を売りたいわけです。しかし、消費者にとってはこれは安心して買えないという状況にあったわけです。そこで、農林大臣。私が農薬の問題を問題にしても、農林大臣はあまり農薬の問題などはいままで問題になさらなかった。それから農政局長すらあまりちゃんと出てこないような状況だったわけなんですけれども、いま認識を変えられたと思いますが、昨日、農業資材審議会のほうから答申が出たということをけさ各紙で発表されております。そこで有機塩素系農薬を早急に全面禁止するというような発表をしてらっしゃいますが、これは一体全面禁止というのはどこまでであり、そして早急とはいつということなのか、まずおっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 農薬につきましては、ただいまいろいろ御批判もあったようでありますけれども、私どもは、農林省というのは農業生産者のことはもちろん考えなければなりませんが、やはり消費を対象にしない生産なんというものはあり得べからざることでございますし、生産されたものがどのように消費されるか、しかも、食糧全体についてのお世話をいたさなければならない農林省でありますので、従来そういう点についてはもちろんそれぞれの部門で検討いたしておったわけでありますが、そういう角度から昨年の国会で農薬取締法の改正をいたしたわけでございます。したがって、あの法律に基づきまして、あれが近く施行されるわけでありますが、その施行と同時に政令でいろんな規制をいたさなければなりませんので、ただいまお尋ねのございましたように、農業資材審議会に諮問をいたしたわけでございます。その答申を昨日いただきました。そこで、答申はかなりいろいろなことを書いていただいていますが、これは私どものほうから伺いましたことに大体了解をされ、さらにそれについての御希望等も加わっております。きわめて妥当なところではないかと思いますが、そこで、私どもといたしましては、法施行のときに政令を出します。その政令に出します考え方といたしましては、いまお話のございましたように、牛乳や母乳についてBHCが含まれておるというふうな問題につきまして、これはどのくらいなものが許容されるかということについては、厚生省も専門的に御検討願うわけでありますが、とにかくBHCが牛乳にあるということについて、それが非常に大きな量であるというふうなことになれば、これは生産者たる農民がまずもって非常に困ることであって、それからまた消費者が非常に御迷惑を受けることでありますので、両方のサイドから考えまして、私どもといたしましては、BHCの使用をこの際規制してしまおう、こういうことを考えた次第であります。ただ、いままでは指導いたしてまいりましたのに、直接食糧に関係のない林野等について自然保護地域であるとか、あるいは水源地であるとか、あるいはヘリコプターでまきますからして、牧場の近くであったり、草地の近くであったりするようなところ、そういうところは避けまして、やむを得ざる地域はBHCの使用を当分の間——当分の間と申しましても、私どもといたしましては、もうなるべく代替薬品を早く発明してもらうようにしまして、お花などには使えるようにいたしておりましたのを、今度は使えないようにいたします。それから食糧関係は、果樹を含めて一切BHCの使用を禁止する、こういうような方針で政令を出したいと思っていま検討いたして、そういう方向でやっておるわけでありますが、その方向については、もうすでに私どもは、けさの閣議でもわれわれの考え方を一応報告いたしたような次第でございます。
○田中寿美子君 全面禁止という場合、製造も使用も販売も全部禁止ということでございますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 御存じと思いますが、BHCは一昨年から製造は禁止しております。それで、私どものほうでは……、失礼いたしました、製造禁止というのは農林省としてはできませんので、これは登録しなければ使えませんからして、私どものほうでは、このたびいたしますことは登録をやめますからして、したがって、それを使うことはできません。したがって、同時にまた、政府としては農業関係団体、それから使用される農村の人々にこういうことであるから使用はしないようにと、こういう指導をいたしてまいるわけであります。
○田中寿美子君 いままで、もう昨年、一昨年から国内向けは製造中止というたてまえになっていたわけです。輸出用は製造が許されていたわけですね。そういうことが市場に出回る大きな理由になっていたと思います。それから新しい農薬取締法の施行の日というと四月一日なんですが、じゃ、四月一日からいま言われた部分の全面禁止をされるわけですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) こまかいことは政府委員からお答えいたさせますが、先般、とりあえず四月一日を待たずに、指導方針を地方に農林省が通達をいたしまして、同一の方向で指導するようにいたしておりましたが、その中には、直接、いま申し上げましたように、花とそれから森林は除いてあると思いますが、その他のことについてはもうそういう方向で指導をいたしてまいっております。 それから輸出用についてはどんどん製造しておったというふうなお話でございましたが、これは私はそういうことはないと思いますが、それもあわせてひとつ事務当局から御報告いたさせます。
○政府委員(中野和仁君) お答え申し上げます。 先ほど大臣が申されましたように、一昨年暮れから業界に自粛を求めまして製造を中止しております。それに従いまして、輸出につきましても、原体の製造を若干一時つくっておったようでございますが、製品の輸出というのはございません。
○田中寿美子君 それで、森林にはまだ許すというわけですね。だから、この農林省の通牒もそうなんでございますけれども、森林や花には使わせると、当局から聞きますと、その部分というのは三百トンにすぎない。三百トンにすぎないから使わせるんだと言われるのですけれども、なぜ三百トンにすぎないものを使わせるのかということなんですね。なぜ、そういうふうになるか。つまりそれが一つのきっかけになりまして、事実上いま在庫といいますか、農協に回収したものもあるし、農民が持っておるものもあるのですけれども、農林省の言われる数字では七千五百トンあると、で、それに対して三百トンだけ許していくという方針ですと、やはりこれは出回っていくわけで、なぜ三百トンしか使わないで済むものを使わなければならないのかということ。
○国務大臣(倉石忠雄君) およそ七千トンぐらいいろいろなところにあるだろうと、これはメーカーにもあるでありましょうし、全購連その他地方の単協、農家にも若干は、いっているかもしれません。そこで、これをどのように処分するかということにつきましては、先日、この委員会でもお尋ねがありまして、厚生省ともともども研究いたしまして、そしてこれは焼き捨ててしまうといってもなかなかむずかしいようでありますので、地下水等に影響のないようなことで地下に埋没さしていくというふうなことで厚生省とも話しまして、処分の指導をいたしておるわけでありますが、先ほどちょっと申しましたように、花はもう使いませんで、残っておりますのは森林だと申し上げましたが、森林のほうは、御存じのように、これよりももっと有効な薬品というものがないということで、まあしばらく、しばらくといっても半年ぐらいの間にこれに代替し得る農薬、殺虫剤を開発し得るのではないかと、また、むしろ短期間しか使わせないというふうなことになりますと、それが刺激になって有効な薬品が開発されるのではないかと、そういう刺激にもなるであろうし、やむを得ずそれだけのものは使わざるを得ないだろうということで、食糧関係、つまり人命に影響のないような、動植物に影響のないようなことを考慮いたしながら新しい有効薬品が開発されるまで、暫時の間使わなければなるまいと、こういうことで、審議会においてもそういう御意見を出していただいたと、こういうことであります。
○田中寿美子君 実はBHCの原材料といいますか、それが七千トンないし七千五百トンというのは昨年の九月の段階から農林省が答えていらっしゃるのですね。で、いまでも七千トン——七千五百トンあるというのは非常におかしいことなんですね。どんどん牛乳には出てきているわけですね。それから母乳だとか野菜なんかにも出てきているわけです。ですから使われているのですが、幾ら使ってもあと七千五百トン残っているということになりまして、こういうことは一部に許しているために出回っていくというようなことになりやすい。この点を、私はだから当分の間なんということをいわないで、全面禁止をするということで、四月一日さっそくにこの全部をやめるということにしていただきたいと思うのですけれども、それはできませんですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもも実はあなたがおっしゃいましたように、そういうことが一番すっきりしておるし、いいんではないかと考えたのでありますが、御存じのように、森林関係では放置しておけばかえってそのための害虫の被害等も出てまいります。マツクイムシであるとか、そういうようなものについていろいろな薬品の開発を努力しておるようでありますけれども、なかなかうまくいきません。そこで、まあ半年ぐらいの間にひとつ代替薬品を開発してもらいたいということで、その他残っております地域についてはもう全然使用を禁止をいたしますからして、この点は心配はないと思います。ことにもしこれが引き続いて、たとえば牛乳等に出てくるというふうなことになりますというと、私どもといたしましては、いま稲作転換でうんと力を入れようとしておる側のほうの農産物に大きな影響をもってくる。これはもうそういう意味でもわれわれにとって大問題でありますので、そういうことで努力をいたしておるわけであります。 それから去年から七千トンないし七千五百トンと申し上げておりました。それはいろいろ出てきました、たとえば稲わらに残留いたしておりましたBHCという問題も九州のほうでありましたけれども、それはその前にウンカの発生等で使いましたものが稲わらに残留しておって、それを食べた牛の牛乳からそういうものが出てきたというふうなことでございまして、新しくどんどん使われておるということではないと思います。もうすでにそれを使用を禁止しておりますから。でありますからして、その残留いたしておるものの処分を、先ほど申し上げましたように、厚生省とも打ち合わせまして、不安のないような処置を講ずるように行政指導をしておりますと、こういうことであります。
○田中寿美子君 農林大臣、そうじゃないのですね。実際にこれはいろいろ報道機関なんかも報道しておりましたけれども、もうすでに禁止されてしまっているようなホリドールやパラチオンなんかですら使われている現実がある。それからBHCの問題が非常にやかましくなってきましたために、県によっては回収しているところもあるわけですね、農協で。ところが回収してみると、最初にいったのの三倍ぐらいの農薬が出てくるというようなことで、実際にはどれだけの手持ちがあるかというようなこともほんとうにつかまれてはいないし、それから使わないような指導というのが徹底していないのですね、実は。それですから、私はいまもう全面禁止を即時にと要求したいわけなのですけれども、大臣が何回も六カ月とおっしゃいました。それでは六カ月以後には森林も一切使わせないということをお約束なさるのでございますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 森林の関係だけいま残っておるわけであります。森林はなるべくすみやかにもう禁止を同様にいたしたいと思っております。ですからして、早く代替薬品を開発せよと、こういうことを言っているわけであります。
○田中寿美子君 森林にまくのも人畜に被害がないというわけではない。それで、これをまくことの作業に当たっている林野関係の職員は非常に健康を害しますし、それから、そこから空気も水も、それから、したがって土もよごれていくわけですから、決して森林にまくものは無害であるというふうに考えていただいては困るわけです。で、森林にまくのについて補助金が出ているわけですね。そういうこともからんでいるのではないか。たいへん私はその辺をふしぎに思うのですが、こういうこまかいことは、もう少しあとでいたします。農林大臣は急がれるように聞いておりましたので。 それで、けさ新聞に、これは朝日新聞ですけれども、長野県の農村医学研究所の若月俊一さんのところで、BHCが体内に残っている量を計ったら、二年前の四・五倍人間の皮下脂肪から出てきたということが発表されておりますね。ですから、こういう発表について、いかに一たん入ったものが残留していて、そしていろいろな作物にも土壌にも水にもあるということを考えると、一刻も早くこれを禁止しなければならない、そういうことを、ぜひよく認識していただきたいと思うのです。 それから、行政管理庁が農薬の行政に関して昨年の十一月に監察をいたしましたね。その結果の報告と勧告が出ておりますが、これについて農林大臣はどんなふうに感じられますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私、その全面禁止すべきであるということにちょっと頑強に抵抗しているように受け取られてはまことに困るのでありまして、私自身の意思も同じことなんでございます。 そこで、きのうの審議会でもいろいろ御熱心にやっていただきました結果、「有効な代替農薬のある分野においては使用しないこととするとともに、有効な代替農薬のない分野においては代替農薬の実用化を推進し、できるだけすみやかに使用を中止すること」、これが、いま私が申し上げております森林関係のことでございます。そこで、先ほど来申し上げておりますように、植物関係、水等に影響のあるような地域については絶対に使用してはならないというふうに指導いたしておりますので、なお、なるべくすみやかに——どうも話を聞きますと、その薬品は少し経済的に負担がかかるようでありますけれども、しかし、そんなことを言っておられませんので、できるだけすみやかに、このほうも禁止するように最善の努力をいたしたいと思います。 それから、ただいまお話のございました、臨時国会において農薬取締法が改正されまして、あの間もなく行管からお話がございましたが、これは、農薬の安全性についての登録制度の改善、それからその使用に伴い人畜等に被害を生ずるおそれのある農薬についての登録の取り消し、販売の制限または禁止、使用の規制等の措置が設けられ——これは法律でそうなっておるわけでありますが——これらの厳正な実施をはかるとともに、指導取り締まりの強化、末端における防除体制の整備、農薬残留に関する調査研究及び天敵の利用等、総合防除法に関する研究等を一そう推進する等——こういうようなことについて、つまり末端のほうにまでまだ徹底してないということについての行管の注意でありました。私どもは謙虚にそれを受けました。しかし行管でこういう調査をおやりいただきましたのは、まだ法律も施行される前で、昨年の十月ごろの時点だったと思っておりますが、おっしゃっておられることの趣旨を十分尊重いたしまして、行管の要請の趣旨が徹底するように私どもも指導いたしておるわけであります。
○田中寿美子君 農林大臣が頑強に抵抗していられたというふうに思わないのですけれども、私、ずっとこの問題をやっていて、どうもそのどこに隘路があるかというと、農林省当局の感じがしていたわけなのですね。 それで、農林大臣御存じだと思いますが、厚生省が三月四日付で「牛乳中の農薬残留の減少対策の強化について」という通達を出しました。これによりますと、農薬を残留させないために製造者が自主的な検査もしなさい、それからまた、一定量をこえて農薬が残留している牛乳なんというものは受け取り拒否をしてでもこれをきれいにしなければいけない一これは私、厚生省の立場として当然だと思うのですね。そうすると、一方、まだ農林省のほうでは、末端への指導がたいへんおそいことは、昨年じゅう私ほんとうによくわかりましたけれども、そういう状況であって、実際に意図しなくても出てくるわけでしょう、たとえば牛乳でしたらね。そういうのを一体どうしたらいいのかということで、困ってしまうのは農民だろうと思うのですね。それから消費者も、もしそれだけの十分の取り締まりができなかったら、やはり当分はそういう牛乳を飲まされるということになる。ですから、この点について、私はぜひもう農林大臣が率先して、六カ月といわずに、もし三百トン程度でしたら、けさの報道によりますと、厚生省が二四五Tを劇物に指定したというふうに聞いておりますけれども、それにかわる方法を早急に考えることができないのかどうかということです。
○国務大臣(倉石忠雄君) およそ六カ月くらいの間に、かわるべき代替薬品を開発させたいと、こう言っておりますのはBHCでございますが、二四五Tにつきましては、これはアメリカ、それからスエーデン等、いろいろ情報を出しておりますけれども、これについては専門家の間にもいろいろ議論があるようであります。しかし、私どもとしては、二四五Tはこれは殺虫剤じゃなくて、つまり下草を刈る労力を省力するために使うものでありますが、年中使う必要はないので、何年に一ペんということでありますが、いま使っておりませんが、いろいろ問題もあるようでありますので、これらも使わせないようにいたそうと思っております。 それからまた、もとへ戻りますが、BHCにつきましては、私ども、田中さんがおっしゃることと同じ考え方を持っているわけでありますから、これは一日も早くそういうふうにして不安なからしめるようにいたしたいと思います。それからまた、BHCが人体にどのくらいな分量をどのくらい摂取したらどういう結果になるのだというふうな医学的な結論というものはあまり出ていないようでありますけれども、要するに、何にいたしましても、そういうことについて多くの不安を国民に与えるということは、私ども、ことに食糧生産の立場にある農林省の側にとっては、よくないことでありますので、そういうことで、BHC、DDT等は全面的に禁止する、そういう方針を今回とった次第であります。
○田中寿美子君 まあ、過去にさかのぼりますと、私、たいへん農林省当局の対応がおそかったと思っておるのですけれども、これは農薬メーカーとの関係などを勘ぐることすらできるくらいに私は思っているのですけれども、農林大臣、この回収して使わなくなった農薬ですね、有機塩素系の農薬について補償の要求なんということは、まさかないだろうと思いますが、あるとして、絶対にそれはなさいませんでしょうね。
○国務大臣(倉石忠雄君) そういうことは全然私ども考えておりません。
○田中寿美子君 それじゃ最後に、農林大臣、さっきちょっと触れられましたけれども、使用しない有機塩素系の農薬、まあDDT、BHCあるいはエンドリン剤その他ですが、の処理についてなんですけれども、さっきちょっとおっしゃたけれども、七千トンも、あるいは七千五百トンも、あるいは回収したらもっとになるかもしれないんですが、それの処理というのは、どうなさいますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) これ、さっきちょっと申し上げました厚生省とも相談をいたしまして、一ぺんに大量に地下に埋めるということは、ともすれば、何か弊害があるかもしれないというので、ごく少量ずつ、しかも地下水等に影響のないような地域を選んで、それを地下に埋没して処置をしていくということでよろしいという厚生省との合意で、そういうふうに処分をさせるように指導する、こういうことであります。
○田中寿美子君 それ、一体だれが処分をして、だれが監督をしてやるんですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 事務当局から申し上げます。
○政府委員(中野和仁君) 先般出しました農林省の通達によりましても、いま大臣がお答え申し上げましたとおりでございますが、病虫害防除員というのが全国に約一万八百人おります。その上の機関といたしまして、病虫害防除所が全国百八十カ所、ここにも数名の人を置いております。その職員と、それからBHCは相当部分が劇物に指定をされておりますので、これは毒物劇物の取扱責任者というのを置いておるはずでございます。これの指導を受けまして、先ほどお答えがございましたように、小規模の範囲で埋めるようにいたしたいということで先般通達をいたしたわけでございます。
○田中寿美子君 まあ、農林省は通達行政なんですね。いままでどれもこれも通達ばっかりで、下部のほうにちっとも浸透していません事実は行管のほうからも指摘されていますが、私が少し歩いてみて、ほんとにそう思うんです。これ、たいへんなことだと思いますね。大量のものですから、よほどこれはよく考えていただきたい。 それから、もう一点確認したいんですけれども、さっき農林大臣は、BHCは、そうすると、農薬としてもう登録させないということですね。いままでにすでにずいぶんたくさんあるんですがね。いろいろ混ぜ合わしたのやなんかが。それ、もう全部登録取り消しということですか。
○政府委員(中野和仁君) 改正されました取締法によりますと、農林大臣が職権で取り消す場合がございます。あるいは、業界を指導いたしまして、自発的に登録票を返納させる、こういう手段もございますので、その辺は、これから十分検討の上、どちらかにいたしたいと考えております。
○田中寿美子君 それでは行政管理庁長官にお伺いいたしますが、農薬行政に関しての行政監察をなさいまして、そしてその結果と、並びに勧告をお出しになりましたですね。それについての行政管理庁長官の御意見といいますか、考え方、そして決意みたいなものを……。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お話のとおり、農薬について行政監察をいたしまして、農林省と厚生省両方に勧告いたしました。勧告いたしますと、勧告にも付言しておりますように、三月一ぱいに御回答をいただきたいということに相なっております。御回答をいただいた上で、さらに検討を加えるつもりでございます。
○田中寿美子君 行政管理庁長官、三月三十一日が期限で、回答が来ると。じゃ、その回答が思わしくなかったら、どうなさいますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答えいたします。 回答を審査いたしまして、A−1、A−2、A−3、B、Cという評価をいたしますが、Aの評価をいたしましたものは、およそ勧告の趣旨に沿って善処するという趣旨の内容でございます。それは、しばらくその実施状況を見守りまして静観いたす態度で臨みます。そうして、半年なり一年なりたって、要すれば推進監察と申しまして、その結果がはたしてお約束どおりに動いておるかどうかということを監察いたすことになっております。
○田中寿美子君 ですから、回答が善処するという回答であったら、その状況を見守って、それが不十分であったら推進監察もする、それはどのくらいの期間でございますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御回答をいただく前に、行管のほうとそれぞれ打ち合わせをいたし、論議をいたすわけでございまして、さっき申しましたような評価に基づいて静観すると申し上げましたが、再監察、推進監察をやるといたしましても、少なくとも半年、一年経過した後のことに相なります。
○田中寿美子君 いまさっきお聞きになりましたように、BHCの森林に許しておく期間を農林大臣は大体六カ月というふうな線でお答えになりました。それまでの間に善処しておるかどうかということをよく監察していただきたいし、一年も置いてもらっては困ると思うんですが、それは要望しておきます。 それから、山中総務長官、公害の担当の大臣なんですが、今度のこの行管の勧告についてお読みになったと思いますが、この勧告は全体として農薬の行政が末端まで十分徹底していないということが、通してあるわけです。一体、長官の御感想では、どうですか、この勧告を支持して、これに対して善処するように推進していくという決意をお持ちでしょうか。
○国務大臣(山中貞則君) 典型公害の中には農薬というものは含んでいないわけでございます。しかしながら、食品公害あるいは土壌汚染そのものは今回の法律でも取り入れていったわけでありますから、やはり人間の生命、健康というものについては、公害のジャンルは違いますけれども、隣接部である、場合によっては、そちらのほうがより重大な直接的な危機を与える問題であると考えております。でありますので、新しく出発いたします環境庁においても、農薬の毒性、残留性等については、これについては直接監視をいたしてまいりますし、そのようなことを前提にして、行管が農薬行政について勧告いたしました内容、これらについては、それぞれの役所で耳の痛いこともだいぶ書いてありますけれども、やはりいま少しく前からこれは取り組むべきものであったのではないかという気も私としてはいたしました。したがって、これらの行政管理庁の農薬行政に対する勧告というものは、この勧告された、具体的に触れられた個所については、すみやかにこの勧告の線まで、せめて達するように努力をしてもらいたいものであるというふうに念願をいたしております。
○田中寿美子君 山中長官は、ずっと公害の委員会で議論を聞いていらっしゃって、よくわかっていられると思いますので、これは十分に監督、推進していただきたいと思います。 そこで、行政管理庁の方に、今度の勧告の内容を簡潔にちょっと述べていただきたいと思います。
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。 農薬に関する危害の防止に関しましての監察をしたわけでございますが、その内容を申し上げますと、まず第一点は、この危害の発生に対する実態調査が非常に不十分でございまして、特にその原因関係の調査がほとんど行なわれていないというようなことでございまして、そういうことでございますので、末端の病害虫防除所なり、あるいは農業改良普及所あるいは保健所、いろいろございますが、そういった関係機関の横の連絡を十分にとりまして、早急にこういった実態の把握の体制を確立する必要があるというのが第一点でございます。 それから、第二点といたしましては、農薬の使用に関しまして安全使用基準というのがございますが、これが末端の農家に十分浸透しておりませんので、徹底させる必要がある、こういうのが第二点でございます。 それから、PCP除草剤のように、広域的に使用する農薬でございますが、これにもいろいろ使用規制がございますが、それがやはり十分に徹底していないということで、この指導を強化する必要がある。それから、航空防除につきましても、これは、たとえば早朝の上昇気流の少ないときにまけというような基準があるわけでございますけれども、そういったことがどうもうまく守られていないということで、そういった指導も厳重にやっていただきたいというのが第三点でございます。 それから、第四番目といたしましては、残留農薬の許容量というものを設定するわけでございますが、そういうことを設定する場合の調査研究体制が非常に不十分であるから整備する必要があるというのが第四点。 それから、農薬の登録に際しまして、残留毒性検査、その検査結果を添付して提出することになっているわけでございますけれども、その検査が非常に不十分である。というのは、これは大体三カ月以上の動物試験によってその検査結果を出せと、こういうことでございますけれども、大体三ヵ月で切ってありまして、それ以上の検査の成績がないのでありますが、物質によりましては、もっと長期の試験研究が必要ではないかということでございます。 それから、第六番目の問題といたしましては、都道府県におきまして残留農薬を検査するわけでございますが、この検査の体制が人的にも物的にも非常に不十分でございまして、それを早急に整備する必要があるというのが第六点でございます。 それから、農薬の取り締まりに関しまして、これは都道府県が立ち入り調査権限があるわけでございますけれども、その具体的な指針がないために、ほとんど立ち入り検査が行なわれていないというような状況でございますので、都道府県に対してそういった基準を示して、もっと検査をするようにということが第七点でございます。 それから、最後は、先ほどもちょっと問題になりました不用農薬の処理でございますが、これは非常に大量にございますので、早急に安全な処理対策を立てる必要があるという、以上八項目でございます。
○田中寿美子君 これは項目を追って伺いたいのですが、その前に、大蔵大臣、お聞きになっていましたように、非常に全体として研究調査体制が不十分です。それから、農薬は登録するわけですが、登録の検査の機関なんかも非常に不十分です。それで、人的にも物的にもと、さっき言われたけど、ほんとうに不十分でございますが、そういうものに対して、いま新しく農薬取締法が改正されているのだけれども、予算をふやしたのかどうか、今後どうするつもりなのか。
○政府委員(鳩山威一郎君) 食品の残留農薬の対策といたしまして、厚生省の予算に二千百九十一万円計上いたしております。去年に対しまして四百九十万円の増加でございます。
○政府委員(中野和仁君) 農薬の安全対策、特に残留問題につきまして、いろいろ大蔵省から御理解いただきまして予算をつけていただいたわけでございますが、直接的に申し上げますと、農薬の残留対策の調査事業費といたしまして、従来は農林省のほうの技術会議で実施をしておりましたのを、行政当局に移しまして、約八千万円の残留対策の調査事業費をいただいております。 それからもう一つは、農薬検査所の話が出ましたですが、農薬検査所、昨年は九千四百万円の予算で、人員が四十七名でございました。四十六年度は一億一千三百万円、人員二名ふやしていただきまして、四十九名ということでございます。 それからなお、残留農薬研究所というのを、先生御承知のように、つくっておりますが、それの助成といたしまして、四十六年度は一億五千万円——四十五年度一億の上に一億五千万円追加して支出をするということにいたしております。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま、それぞれ事務当局から申し上げましたが、非常に大事な仕事でありますので、今後とも十分配意してまいりたい、かように存じます。
○田中寿美子君 大蔵大臣、ほんとうにその気があるのでしょうか。これはたいへん少ない金額ですよね、物価が上がっているから、自然増経費もあるし、ほんとうにこれでは何もできない状況です。残留農薬研究所というのは、政府から去年一億、ことし一億五千万、二億五千万出して、それではとても建設費にすら及ばないというので、農薬のメーカーなどがみな入って、これは特殊法人にするわけですね。こんなことでは不十分だと思います。もちろん、予算の使い方、調査研究でも各省間の協力ということも必要だと思いますけれども、もっと本気でこれ、やらないと、たとえば今度は指定農薬の制度を設けるわけです。そうしたら、これに対しても徹底的な指導をしなければならないだろう、いままでのようなことではできないと思いますので、もっと十分に、当局、農林、厚生両方の要求をよく聞いていただきたいということを要望しておきます。 それで、いま行管のほうから出された勧告のポイントを言われたんですけれども、第一点の調査が不十分だから把握ができていないということと、末端の指導が非常に不十分であるということについてなんですが、農薬の危害、被害についての実態の把握が不十分だと、まずそれの把握からしなければならないのですが、農林省並びに厚生省が三月三十一日期限で回答なさるはずでございますが、どういうふうに対応されるのかを聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 御存じのように、法律は四月一日から施行いたしますので、それに関する政令等について、いま鋭意いろいろ事務を進めておることは御存じのとおりでありますが、お話のございます行管の勧告は厚生省と農林省に別々にございまして、私のほうに関する限りは、先ほど申し上げましたように、法律が施行されるのは本年四月一日からでありますが、したがって、あの時点で御調査になりました段階においては、私はきわめて適切な御勧告ではないかと思うのであります。私どもは、あの法律ができますために、これからどのようにこの法律の趣旨を末端に徹底さしていくかということについて、ただいまでも努力をいたしております。それで、私どものほうには、御存じのように、全国的に農業試験場もございますし、いろいろ試験場がございます。技術会議の下にいろいろな施設を持っており、いろいろな人員をそろえておるわけでございますので、それらを十分動員することと、また、もう一つは、地方公務員で指導員というのがございます。そういうような人々にも、やはりこれはえらい専門的な技術の教育をする必要はその人たちにありませんが、農林省が農薬に対してこういう方針でこういうふうにやっていくんであるということの指導というふうなことは幾らでもできる人たちでございますので、そういうことについて末端の指導教育が徹底してないではないかという御指摘は、あのときにおいては、私はきわめて妥当な適切な御注意であろうと思っております。その他、まあいろいろあれは、拝見して、ごもっともだなと思うことが非常に多いわけでございますし、われわれが考えておりましたことを適切に指摘しておられますので、そういう点に十分考慮をいたしまして、今度法律が施行されるまでには十分そういう体制を整えまして、万遺憾なきを期してまいりたいと、こう思っておるわけであります。
○政府委員(武藤き一郎君) お答え申し上げます。 今回の行政管理庁の勧告に対しまして、厚生省といたしましては、事故の防止の問題でございますが、例年大体千四百件ぐらいの事故が報告されております。で、大きな事件は別といたしまして、事故報告等につきましては事件の内容について詳細に聴取いたしておりませんので、こういう点を詳細に聴取いたしまして、事故の改善の今後の施策に反映したいということをいたしたいと思っております。それから指導取り締まり等につきまして、勧告の中で、口頭指示が多いように見受けられるので、これを文書によって徹底せられたいということがございます。この点も、文書によりまして徹底を期すと同時に、従来以上の取り締まり体制を府県に指示するとともに、悪質な違反者等に対しましては、営業停止または告発等の強い処分で今後とも指導の徹底をはかりたいと、こういうことで、勧告を受けましたあと、府県にも通知をいたします。来月担当課長会議も開きますので、この点をさらに徹底したいと、かように考えております。
○田中寿美子君 農薬による危害、被害の実態把握というのは、もっぱら事故なんですね。自殺、他殺、あるいはそれで中毒を起こしたというようなことばっかりしか、いままで把握していなかったんですが、今度は、その予防の面も含めて、それをなさるのか。それから、営業停止なんという場合には、だれがどういう手でされるのか。都道府県にさせるのか、その辺はどうですか。 なお、それに続いて申しますとね。農林省は農薬の主務官庁であるのに、ここに書いてあることによると、自分でそういう危害や被害の実態の把握はしないで、厚生省が事故について件数を報告してきたら、それを使っているのにすぎないと、たいへん痛いことが書いてあるのですがね。今度は、そういうことも含めて、予防のほうまで農林省はどういう手を出すのか。あるいは厚生省はどういうふうなことをするのか。
○政府委員(中野和仁君) 今回の改正案におきまして、従来は都道府県知事に対しましては委任してやっておったわけですが、今度は、法文におきまして、都道府県知事は、販売業者、あるいは先ほどからお話がありました水質汚濁性の指定農薬でございますが、この使用者に対しましては自分で検査するということにいたしております。そうして、この第九条だったと思いますが、販売業者に対しましても、登録を取り消したような場合の農薬等について、その販売の禁止をやるということもいたしておりますし、それから帳簿につきましても、指定農薬は非常にいろいろな問題がございますので、譲り渡し先まで全部帳簿に記載をさせるということにいたしまして、従来よりもよほどそういう販売面での強化もいたしたいと考えております。
○政府委員(武藤き一郎君) 厚生省は毒劇の関係から取り締まりを行なっておりますが、製造業者に対しましては厚生大臣、それから販売業者に対しましては都道府県知事が処置をするということになっております。先ほどお答えしましたように、事故の内容を詳細に今後取りますので、その内容に応じて、たとえば販売業者についての取り締まりを強化するか、あるいは末端におきまして、いろいろ、散布されます事故でありますれば、そういう点につきまして農林省とも十分連絡をとって、事故の減少につとめたいと、かように考えます。
○田中寿美子君 勧告の中にある、農薬の不適切な取り扱いというものに対してどういう指導をするのかということ、これは三月三十一日までに回答なさるのだから、もうその措置は十分考えてあるのだろうと思うのですが。
○政府委員(中野和仁君) 改正取締法によりますと、今度指定農薬になりますと、その指定された農薬の使用基準というものを省令できめます。その省令できめました使用基準どおり使わない場合、あるいはきめられた以外の用途に使った場合、これは使用者が、法律的な制度でございますが、罰則までかけるというふうなことになるわけでございます。ただ、それ以外にも、厚生省のほうで作物について残留許容量がきまっているのが、ふえてきております。それには農林省が追っかけて必ず安全使用基準というのをつくっておりますが、これも従来は単なる行政指導でございましたけれども、今度は、法律に基づきまして農林大臣が基準をつくりまして、これを公表いたしまして、その使用の徹底をはかる。ただ、これはあくまで行政指導でございます。罰則等の適用はございません。
○田中寿美子君 いま、農薬による被害、危害の実態の把握の問題のところだったわけでございますね。それで、中毒だとか事件が起こったときだけしか把握していなくて、前もってそれについての予防の点では非常に不十分だということが勧告されていて、それに対する対応策としてのお答えとしては、たいへん私は不十分だったと思いますけれども、あまり時間がかかっても困りますから、それは研究していただくとして、農薬の残留対策のほうですね。いまさっき厚生省の方がおっしゃったけれども、厚生省がきめた農薬の残留許容量、これに対して農林省のほうが安全使用基準をつくっているわけですね。ところが、それが末端農家への指導が十分届いていない。だから、全然入っていてはいけないといわれているエンドリンなんかがキュウリにも出てくるじゃないかというふうに言われているのですが、これに対してはどんな対応策をなさるわけですか。
○政府委員(中野和仁君) 御指摘のように、確かに不十分な面もあるかと思いますけれども、農林省といたしましては、県庁に防除基準というものをつくらせまして、そうしてそれを大体もとにいたしまして、各町村が、農協も集まりまして、町村単位にそういうものをつくっております。そうして、多くの県では、各戸までそういう基準を書いたものを配布しております。そういうことで指導しておりますので、以後はそれをますます徹底させたいと考えておるわけであります。
○田中寿美子君 末端農家への指導というのは、昨年中、BHCなんかたいへん問題になったときにも、通達だけ出して十分行なわれていなかったので、農民がたいへん、これにも書いてありますように、BHCだとかそれからエンドリンだとか、そういう農薬に対して農民が非常な信頼を持っている、信用をしているということを書いてあって、だから、末端への指導が不足だと、どうしても使うんだということですね。そこまで徹底させますか。
○政府委員(中野和仁君) 改正農薬取締法の施行を機会にいたしまして、十分徹底させたいと考えております。
○田中寿美子君 まあ行政管理庁の回答でも作文はできるのですけれども、これはどうしても実行してもらわないと困るのです。 今度は、たとえば前にそういう農薬を使った、そのあと地を利用してまたそれが残るということがあるではないかと、そういうことまでも指導すべきだと言っているのですけれども、そこまで指導をだれにさせますか。
○政府委員(中野和仁君) 先ほど申し上げました病虫害防除員のほかに、農林省の組織としましては農業改良普及員がございます。普及員といまの防除員とを中心といたしまして、町村の段階ではまた農協にも営農指導員というのがおりますので、そういう方々をまず教育をする、そうして部落単位でも徹底をさせる、部落からまた末端までそれがおりるようにする、こういうことを組織的にやりたいと考えております。
○田中寿美子君 それはぜひほんとうにやっていただきたいんです。昨年一年じゅうほんとうに業を煮やしていたのです。ちっとも下におりていかないもんですから。それ、農林大臣、うんときびしくやってください。 それではその次ですね、農薬による環境汚染防止のところですが、指定農薬の制度を今度つくってきている。その中には三つの種類でやっていくということなんですが、これはそこの中にさっき空中から散布する問題が出ましたけれども、こういうところで、ここは使ってはいけないという地域の指定というのは、それはもうきまっておりますでしょうか。
○政府委員(中野和仁君) 従来から農林水産航空事業実施指導要領でこまかく指導しておりますが、特に行政管理庁からの勧告もございましたので、すでに二月のたしか四日であったかと思いますが——二月の五日でございますが、あらためて事業の実施区域は市街地を形成している区域は除外をするということを明確にいたしました。それ以外にもこまかく空中散布についての新しい注意も与えたわけでございます。
○田中寿美子君 これまでも指定農薬という制度があったわけなんだけれども、それが指定が非常におくれて、現在除草剤のPCPだけしかできていなかった、こういうふうにおくれた理由は何でしょうか。
○政府委員(中野和仁君) 現在の取締法におきますと、これは水田における魚毒性だけを指定するということになっております。現在、日本で大部分使われております除草剤の中で魚毒性のあるものはPCPだけでございます。それでこれだけを指定しておったわけでございます。
○田中寿美子君 勧告によりますと、現在登録されている農薬のうち魚毒性のある有効成分は約二百五十種に及んでいる。それなのにPCP一つしか指定していないとあるのですけれども、今後、それはどのような速度でこういう指定農薬をつくっていく見通しを持っていらっしゃるのですか。
○政府委員(中野和仁君) ただいまお答えいたしましたように、現行法では水田だけでございますからPCPだけでよかったわけでございますが、今回の改正法におきまして、それを農地一般に拡大をいたしました。この機会に昨日御答申いただきました資材審議会にもおはかりいたしまして、今度はテロドリン、エンドリン、ベンゾエピン、ロテノン、これを追加して指定をしたいと考えております。
○田中寿美子君 それでお伺いしますけれども、そのエンドリンというのはキュウリとかジャガイモには全然残留していてはいけないということになっておりますね。それが残留が発見されたというようなのは、これはどういうところに理由があるとお考えなんでしょうか。
○政府委員(中野和仁君) 検出してはならないということになったのに検出したということになりますと、やはり残念ながら一部の農家で使ったんではないかと思われます。
○田中寿美子君 買ったんではないかと。そうすると売る人はどこにいるわけですか。
○政府委員(中野和仁君) ちょっと私は聞き違えたかと思うんですが、農家のほうで使ったのではないかということを申し上げたわけでありますが、エンドリンはまだ禁止はされておりませんので、販売もまだされておるわけでございます。
○田中寿美子君 つまり、だからエンドリンを使用してはいけないという使用の、安全使用の指導が不十分だったということですね。
○政府委員(中野和仁君) エンドリンがキュウリ等に出てまいりましたということ自体がまあ最近の話でございまして、その前にいろいろ薬をまいております。それが出た場合、あるいは先ほども申し上げましたように、残念ながら農家が使ったような場合等がありますので、やはり指導が不十分だったという点は、一部そういう点があったかと思います。
○田中寿美子君 いまのお答えでもわかりますように、農薬というのは、一たん入って相当残留していて、禁止してからも当分出てくるという心配があるわけですから、できるだけ早く有毒なものは禁止しなければならないということになると思うのです。それでは農薬による環境汚染防止について、いまそこのところは、使用地域指定のことですね、さっき、いまちょっとお尋ねしたのですね。地域指定というのは、航空防除の場合に、どことどこはいけないというようなことをもう具体的にきめていらっしゃるんですか。
○政府委員(中野和仁君) 航空防除の実施要領によりますと、これは農林省で全部、どこどこの何村のどこという指定は、なかなか全国広うございますからできません。そこで、県に航空防除の協議会を県なり関係団体全部入りましてそこでつくっております。そこで具体的に、どういうところはまいてはいけない、その他をきめるわけでございます。
○田中寿美子君 そうしますと、さっき三百トンは森林にも使うということだったけれども、農林大臣のおことばによりますと、それも人畜に被害を及ぼしそうな、あるいは水やたんぼに被害を及ぼしそうなところにはさせないということなんで、必ずしも三百トンということにこだわらないでもいいんじゃないですか。もっと少なくてもいいわけです。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私のほうから三百トンということは先ほど来申し上げておりません。
○田中寿美子君 農林省です。
○国務大臣(倉石忠雄君) 農林省でそういうことを言っておるんですか。ちょっとお待ちください。いま政府委員からお答えいたさせます。
○政府委員(松本守雄君) 林業の場合の散布の実績でございますが、四十四年で原体で九十六トン、製剤にいたしますと四、五倍になるかと思いますが、四十五年度には若干減りまして八十四トン、これは原体でございます。以上でございます。
○田中寿美子君 農林大臣どうですか、今後減らしていいですか。九十六トンの四、五倍ですから三百トンぐらいですね。
○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど申し上げましたのが私どもの趣旨でございますから、逐次もう減らしてまいります。
○田中寿美子君 それじゃあまあ六ヵ月たたなくてもどんどん減らしていって、なくなるというふうに理解したいと思います。 次に、残留農薬の許容量のことは、厚生大臣まだお見えになりませんか。——それでは厚生大臣、最初に農林大臣やら山中長官などの御意見を伺いましたけれども、厚生大臣はもうこの問題の推移はよく御存じで、公害の委員会でもだいぶ議論しましたので、行政管理庁のほうから相当きびしい勧告が出ておりますね。そしてまた厚生省は厚生省で、三月四日に相当きつい通知もお出しになった。その抜本的な対策を申し入れしているといわれているわけなんですけれども、その抜本的対策というのは有機塩素系農薬の全面的な禁止と、こういうことでございますでしょうね。
○国務大臣(内田常雄君) BHCなどの非常に危険な農薬につきましては、私どものほうから農林省には製造禁止をしてくれとまでは申しておりません。ただしそれの使用方については、十分安全使用基準というものをつくって、使用農家等に徹底してほしいということをお願いをする一方、これが牛乳その他生鮮食料品等に残留する許容量というようなものを設定する作業を急いでおりましたわけでございますが、けさほど閣議で伺いますと、農林大臣が非常に勇断をもって、BHCは、従来使わせておったごく小範囲についてさえも、たとえば草花でございますか、そういうものは直ちに禁止する。また森林につきましても、代替農薬が六カ月ぐらいにはでき上がるから全面禁止をしますという、厚生省にとりましてはたいへんありがたいお話がございましたので、私どもの気持ちも農林省に通じたことと思います。ただし、まだ手持ちの量があるとかいう話もございますので、万一それらが使われまして、牛乳その他にいつまでも残るというようなこと、これはまあないと思いますけれども、そういうことに万全の注意を払う必要がございますので、先般の牛乳中における残留についての厳密なる測定、ことに原乳ばかりでなしに、びん詰めになるときの市乳などについても毎月一回くらいは、みずからあるいは県やその他に委託しての測定検査というものをやっていただくというような通牒は引っ込めないほうがよろしいと、かように考えておるわけでございます。
○田中寿美子君 製造禁止しなかったらほんとうはやっぱり出回ってくるんですね。ですから全面禁止という場合は、もう製造も使用も販売も全部禁止するというところまで厚生大臣主張していっていただきたいと思います。 そこで、厚生省のほうから出されました通牒ですと、牛乳を飲む段階で、つまり消費者が買います段階のところで一定量以上出てきたらこれはもういけないものになるというわけですから、そうならないように自主的な検査もしなさい、業者にも。それから農民からは受け取りの拒否もしなさいというところまで言ってありますわけですね。ですから、この線でいけば、全面的に禁止してもらわないとこれはできないわけなんですね。ですから、この通牒の指導は、これはもういま直ちに指導をしていらっしゃることなんでしょうね。
○国務大臣(内田常雄君) もちろんいまやっているところでございます。従来厚生省からもこのことにつきましては、たびたび都道府県の注意を喚起したり指導をいたしてまいりましたが、従来の指導というものがおおむね根元の指導であって、末端の指導まで行き渡っておらないのではないかということで、同じ厚生省につながる地方の機関といたしましても、第一線の保健所、また農林省につながる第一線の機関といたしましては、家畜衛生保健所でございますか、あるいはまた農業普及所と申しますか、何か農林省のそういう末端のお役所もございますので、末端の厚生関係、農林関係の役所同士も十分の打ち合わせをするようにと、こういうようなことでございますので、それから毎月一回ずつ、西のほうの私どもがブラックリストに載せております府県につきましては、BHCの残留検査の報告もとっておりますので、そういうものの結果が全く白ということに出ますまでの間は、これはやはりその通牒を実施し続けると。督励をしてまいると。一方、もちろん農林省はこれは全面使用禁止をされるわけでございますから、農林省をも信用をいたしておりますけれども、両々相まって、世の中のこのことに対する不安を一掃をさせたいと、かように思います。
○田中寿美子君 そこで、まあ牛乳を一番問題にしますのは、牛乳はそっくりそのまんま赤ん坊が飲みますし、病人が飲む栄養食品なもんですからね。それにまた一番BHC農薬が出てくるから問題にするわけですけれども、そうすると、牛乳の中の残留許容量を一体それじゃいつおきめになり、そして幾らにするつもりでいらっしゃるのかということなんですね。そうしないと、この通牒では、丸じるしのいまブラックリストに載っていると言われたのは三十四県あるのだけれども、この県は毎月毎月自主的にでも検査しなさいという指導になっているわけですが、これが指導じゃなくて徹底的な監督をするというようなことにするのは、やはり残留許容量というものが設定されるめどがなければならない。
○国務大臣(内田常雄君) BHCというものを農薬としては農林省が登録からおはずしになって全面使用禁止にされるわけでありますから、もうそれはほうっておいても牛乳の中にも入ってこないはずでございますが、まあしかし、何かいろいろのことで入ってきてもいけませんので、私どもはその毎月報告は続けますと同時に、やはり衛生試験所等に対しまして、ガンマBHCでございましたか、ベータでございましたか、ベータBHCの毒性、それは現実にどういう慢性毒性があり、あるいは催奇性があるのか、発ガン性があるのかという検査と合わせて、どこまではだいじょうぶかという残留許容量の調査も中止をいたしません。先般行政管理庁からしかられまして、わずか四人ぐらいの専門家でやっておるから時間がかかるんだというおしかりがございましたが、これはまだいろいろくふうをいたしますので、少なくとも五月中ぐらいまでには、毒性検査もまた残留許容量もめどがつくことと私どもは報告を受けております。
○田中寿美子君 許容量は幾らですか。
○国務大臣(内田常雄君) これはいま衛生試験所等の専門家がせっかく分析調査をいたしておりますので、私は何とも申せませんが、大体私は、これは間違っちゃいけませんけれども、〇・〇一とか、それ以下ぐらいに当然なるのではないかというような期待感を持っておりますが、これはひとつ専門家からお答えをお許しいただきたいと思います。
○政府委員(浦田純一君) 大臣の発言、補足説明させていただきます。 御承知だと思いますが、BHCの残留許容量、牛乳中の残留許容量につきましては、WHOとしてはガンマの値について一応の基準を勧告案として持っております。それは〇・〇〇八PPMでございます。ところがベータにつきましては、これは諸外国ではBHCの基準と申しますか、その成分、規格の関係もございまして、きめられておりません。またWHOにおきましても、この点については基準は示されておりません。したがいまして、日本独自、あるいは日本で特異な問題であろうかと思いますが、かねて国立衛生試験所を中心といたしまして、この慢性毒性その他の動物実験を続けてきているところでございます。このたびようやく組織標本のその検索が最終段階にかかったということで、遠からず結論が出るものと思われます。 そのような事情でございますので、現段階でもってガンマBHCの許容量、あるいはベータBHCの許容量、あるいは総BHCとしての許容量、どのような形でもってこれをきめていくかということにつきましては、まだ私どもとしてはお答えできる段階ではないわけでございます。もちろんこれらにつきましては、人体への影響を考えた場合に、できるだけ低くとっていくということは考えなくてはならない条件かと思っております。
○田中寿美子君 先ほど大臣は、大体五月ごろをめどに、それから〇・一PPMという数字をちょっとお出しになりましたけれども、これはいままで厚生省が指導してきた基準でございますね。それですから大体その辺をめどにして検査について、自主検査をするということをせよということを通牒を出していらっしゃるようです。ただ、WHOでベータBHCについてないからといって、いつまでもこれを延ばしていてはいけないので、日本が特にBHCを使うから早くしなければいけないかと思いますが、そこで残留許容量をきめるに当たっても、これは行管の報告にもあるけれども、非常に手不足でもう調査機能が十分じゃないわけですね。それで残留許容量をきめるのには慢性毒性の検査をしなければいけないわけです。これが三カ月で大体打ち切ってある。これはどういう一もっと二年くらいはしなければいけないわけですが、ことに発ガン性は。どうなんですか。
○国務大臣(内田常雄君) 食品中に残留するかもしれない農薬の残留許容量につきましては、従来食品の種類を十幾つかまず限りますと同時に、農薬につきましても幾つかの農薬というものを取り上げまして食品ごとに、また農薬ごとにその残留許容量をきめてまいりました。大体今日までに十四食品、九農薬というものについて許容量がきめられておるそうでありますけれども、しかしそれでは、十四食品では少ないので、四十八食品といいますか、農産物等につきまして九農薬よりもさらに数をふやしました農薬につきまして残留許容量の設定をしていこう、こういう作業を進めているわけでございますが、いまもちょっとお話がございましたように、これは慢性毒の測定ですか、規制ですか、そういう検査でございますので、動物実験等をいたしますために、最低は二年を要するそうでございます。しかもすべての農薬、すべての食品を一ぺんに並べてできませんので、毎年度の年次計画をもちまして、種類並びに範囲をきめてやりますので、厚生省の計画では昭和四十八年度までにその調査−厚生省が大体必要であるという種類の農薬並びに食品についての調査を終了して許容量を設定することにいたしております。しかしそれが正直のところを申しますと、従来技術者の手不足等によって若干おくれておりましたので、行政管理庁からもおしかりがございましたが、四十六年度につきましては、それらの事情にもかんがみまして、一部は都道府県の衛生研究所等にも分担をしていただくというようなこともやることにいたしましたし、また来年度以降行政管理庁、大蔵省等にもお願いをいたしまして、少ないと指摘されている技術要員等をふやすこともいたしますので、四十八年度までの計画を変更する必要はないと、こういう報告を私は受けております。
○田中寿美子君 四十八年度までに四十八品目の残留許容量をきめるということになっていたのがたいへんおくれているわけなんですが、そのおくれている原因は非常に研究機関が不足であったり、人員が不足であるということが指摘されているわけなんです。ここで人員をふやせというようなことは行管としては言えないだろうと思いますけれども、どういう方法でそれじゃやっていくつもりなのか。農林省のほうにも残留農薬の研究の機関があるし、農林省はたくさん機関を持っているわけなんですが、そういうものをどういうふうに厚生省と協力関係で活用できるのかというようなこと、あるいは民間の機関を活用するとしたらどういうところをどんなふうに活用する計画があるのかということを聞かしていただきたい。
○国務大臣(内田常雄君) 私よりも技術者にお答えをさしたほうがいいのかもしれませんが、私が聞きますところによりますと、先ほど来申しますように慢性毒性の試験であって動物実験をする関係上、必ずしも人数だけふやせばいい、ほかの機関とその協力さえすればそれで能率的にやれるということでもないという面がございますので、たとえば四十八年を四十七年に繰り上げる、他の機関との連携のもとにということが簡単にできるものではないという面もあるようでございますが、何しろ私どもは厚生省で人命をとうとびますので、できることは何でもひとつやってまいりたい、かように考えます。
○田中寿美子君 セクト的にならないでほしいと思うのですが、非常にばらばらにそれぞれいろんな機関があるんですね。それで農林省のほうでは農薬についてはいま残留の調査を本格的にやろうとしておるわけですね。それと厚生省とが、つまり厚生省のほうで許容基準をつくってくれませんと農林省がその安全使用基準がつくれないわけですから、それを待っているわけなんですね。その際に協力——最初の許容基準をつくるときにも協力ができないものなのかどうか。それから民間の活用ができないかどうか。
○政府委員(浦田純一君) お答えいたします。 もちろんそれらの点につきましては厚生省部内のみならず、農林省のほうとも協力いたしまして研究、調査を進めているところでございます。先ほど申しましたように、ことに健康に及ぼす影響ということになりますと、どうしても動物実験しなくちゃならない、しかもその動物がいろいろとむずかしい条件を持つということで、ただ手間をふやしたということだけで解決できない問題もございますが、当初の計画は五十一年ぐらいまでの計画でございましたけれども、それを漸次縮めまして、少なくともやはり四十五年を目途にこの問題は大体全部片づけてしまいたいと、このように計画を変更したところでもございます。
○田中寿美子君 四十八ですね……。 農林省の側からもそれを、協力体制のことについて言っていただきたいと思うのですけれども、いかがですか。
○政府委員(中野和仁君) 先ほど申し上げましたように予算でも相当措置をいたしておりますので、できるだけの調査をいたしまして、またそのデータを厚生省に提供いたしまして御協力をいたしたいと考えます。
○田中寿美子君 官長というのはたいへん苦しいところでしてね、人員が足りませんと言ったらおこられるし、予算が少ないと言ったら大蔵大臣におこられる。これはほんとうに言いたいことを言っていませんので、ちゃんとよく大蔵大臣聞いていてください。大事なところには人間を回すという方針で、要らないところの人間はもうカットするということも考えてもらわないと、さっき別格で——防衛の予算だとか人員なんというのはこれは別格になっているということもありますわね。ですから人間のそれこそ命を守っていこうと、食品に関するようなものにはもっと大きなお金も人員も入れる、あるいは必要な調整をしていく、各省間だとか、あるいは省内の調整だとかいうようなことにもっと総合的な創意を生かしていただきたいと思います。 最後に農薬の検査のことなんですけれども、これはいままで厚生省にも見てもらい、農薬のほうの検査というのは試験場ですね、農薬の検査場を通し、また必要なものは厚生省のほうも通しているということなんですけれども、再登録するときはこれは書類審査だけになっている。これは相当きびしくやらなければいけないし、それからここに指摘されているように混合農薬の相乗性なんていうことについては、ほとんど研究されていない。これについては農林省はどんな計画をお持ちでしょうか。
○政府委員(中野和仁君) 現在の取締法でありますと、御指摘のように再登録のときには試験成績書を添付しなくてもいいということになっておったわけです。新しい改正法におきましては、取締法といいましょうか、登録をいたします際の保留要件というものをすでに告示をいたしまして、それをもとにいたしまして、すべて残留性あるいは毒性についての試験成績書はつけさせるということにいたしました。ただ、現在不登録の農薬につきましては、約六千近くあるもんですから、これを一度に全部そういう試験成績書をつけるのは無理だという判断をいたしまして二年間の猶予期間を置いております。ただし、われわれも国内での調査、外国での調査がございますので、再登録の申請がきました場合にでも、いわば常識的に言いましてあぶなそうなものにつきましては、特別にそこで検査をしようという考え方で改正取締法の施行をいたしたいと考えております。
○田中寿美子君 農薬の検査は非常に厳重にしてもらわなければ困ると思うのですけれども、たとえば残留農薬研究所を今度七億五千万円でつくる。その経常費はどこから出るのか知りませんけれども、あそこでは新しく登録をされる農薬以外には研究しないそうですが、それはどういうわけですか。私はそんな大きな研究機関をつくるのだったら、これからこれまで登録されたのが再登録されるときの場合のような農薬も研究対象にするべきが当然だと思うのです。どういうわけでそれをしないのでしょう。
○政府委員(中野和仁君) 近く発足させますが、発足当初は新規の登録の申請の場合の前提といたしましての検査が、御指摘のようにおもでございます。能力の関係もございます。しかしそれに限定するというつもりはございませんので、これからいろいろ検討しなければなりませんけれども、その機関の確立と同時に、古いものもやるという方向に持っていく必要があるのではないかと考えております。
○田中寿美子君 それじゃもうこれで終わりますけれども、残留農薬研究所というのは七億五千万かけて建てるけれども、農薬のメーカーの社長さんたちがずいぶん入っておるわけなんです。ですから、政府が公正な中立の研究機関を持つということは非常に私は大事だと思うのですね。そういう点でも、次にどういう農薬を開発したらもうかるかというような観点からやるようなことは絶対にないように、これはよく農林大臣、監督していただきたいと思います。 以上で終わります。
○委員長(古池信三君) 以上をもって田中君の質疑は終了いたしました。 本日はこの程度とし、明日は午前十時開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十三分散会