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65回国会参議院1971/03/16

予算委員会 第15号

発言数
430
登壇者
29
会派数
3
開催日
1971/03/16

会議録

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十六年度一般会計予算、昭和四十六年度特別会計予算、昭和四十六年度政府関係機関予算  以上三案を一括議題といたします。  昨日に引き続き質疑を行ないます。塩出啓典君。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 本日は水の問題を中心にいたしまして、あと時間がありましたら海洋汚染の問題にも触れたいと思います。  最初にまず、地盤沈下の問題についてお聞きしますが、経済企画庁長官に、担当大臣として今日までどういう心がまえで臨んでこられたのかお伺いしたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 御存じのように、従来から工業用水法でありますとか、あるいはビルの用水規制あるいは新潟におけるところのいわゆる地盤沈下対策としてのくみあげ規制、こうしたいろいろと措置をとってまいりました。この方面においては幸いだいぶ沈下の現象が減速してまいりまして改良も見られておるんでありますが、最近におきましては御存じのように、むしろ東京と大阪、いずれも周辺部のほうに相当沈下の現象が起こっておるようであります。そういうことでこの地盤沈下対策というものをもっと広範な地域にわたってこれの対策を措置していかなければならない。こういうことで関係各省、通産、建設それぞれの所轄に応じてこの地盤沈下対策、これをいま進めておるところであります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは東京の地盤沈下の現況と、それからきのうの新聞で千葉の船橋で非常に学校の校舎がほとんど傾いておると、そういう記事が載っておったわけでありますが、そのあたりの沈下の状況を御説明願いたい。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 政府委員に答弁させます。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) お答え申し上げます。  東京を中心にいたしましての最近の地盤沈下の現況でございますが、東京地域の地盤沈下の速度は先ほど大臣が申しましたように、次第に緩和してきておりますが、やはり沈下は続いておる、特にその区域は北のほうの周辺部に拡大しておるということがいえるかと存じます。葛飾区、足立区、江東区の一部、さらに埼玉県の戸田市、川口市、鳩ケ谷市、千葉県の浦安町、船橋市、市川市の一部では年間十センチメートルをこえる沈下があるわけでございます。それから横浜、川崎につきましては、東京、埼玉ほどの大きさではございませんが、年間四センチないし十センチ——十センチ以下でございますが、——程度。特に川崎の多摩川河口付近及び横浜内陸のごく一部に局部的には十センチ程度の沈下量というものがあるわけでございます。現況についてはそういうことであります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 ゼロメートル地帯が大体年々どのようにふえておるのか、東京の場合それから全国の場合ですね。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) ゼロメートル地帯、いわゆる東京湾の中等潮位以下の地盤のふえでございますが、東京都内で申しますと、昭和三十六年には約三十六平方キロでございました。それが四十年時点では四十五平方キロ、それから最近では四十四年のデータがございますが、六十四平方キロというように順次増加してきておるというのが事実でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 年間一センチメートル以上沈下しておる地域は二十三区では大体何%くらいですか。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) 年間一センチメートル以上沈下いたしております東京都内での面積は、昭和四十四年のデータで見ますと約二百九十四平方キロ、約三百平方キロでございます。したがいまして、東京都全体と申しますか、むしろ区部のほうがいいかと思いますが、区部の面積が二百七十二平方キロでございますから、約五割程度は一センチ以上沈下しておるということでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 ゼロメートル地帯には東京の場合何人住んでおるのか。また、東京湾の最高の潮位以下に大体何人住んでいるのか、大体でいいんですけれどもね。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) まことに申しわけございませんが、人口のデータはいま持っておりません。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 大体の数でわかるでしょう。大体五十万と二百万だと思うんだけれども、そう言ってくださいよ。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) 大体二百万程度かと存じます。さらにゼロメーターの……。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 ゼロメートルで五十万、それから最高潮位で二百万、大体その程度ですね。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) 大体その程度でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 じゃ地下水の水位はどのように下がっていますか、これは東京と三多摩に分けて。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) 地下水の水位の変動量でございますが、東京、いわゆる東京も江東、たとえば南砂町であるとか、このような地域のデータがございますが、これによりますと、昭和二十九年からのデータを持っておりますが、昭和二十九年から昭和三十六年ぐらいまで、これは一メーターないし二メーター、ひどい年になりますと二メーター五十程度毎年地下水位が低下しておったということがいえると存じます。さらに三十七年ぐらいから順次低下量が減少してまいりまして、四十年から四十二年ぐらいは二メーターぐらい逆に上昇したというデータがございます。さらに最近はまた若干沈下いたしております。四十四年のデータでは約九十センチ程度の低下を見ております。これが南砂町のデータでございます。  それから亀戸あたりもこれとほとんど同じような傾向を示しております。  さらに、最近の沈下が激しくなっております戸田橋の付近、このデータで見ますと、これは三十六年ごろからのデータでございますが、昭和三十八年から四十一年、四十二年ぐらいにかけまして、ひどいときは四メーター以上、少ないときでも二メーター、約三メーター程度の地下水の低下を、非常な低下を見ております。最近のごくこの一、二年、四十三年、四十四年の量では一メーターないし五十センチ程度の低下、しかもこれはずっと低下しておるということがいえると存じます。  さらに、いまおっしゃいました三多摩と申しますか、もう少し内陸地というほうのデータを私のほうで持っておりますものなども、わりに奥のほうではないのでございますが、板橋であるとか、あるいは練馬地域であるとかというようなところのデータしかございませんが、これにつきましては最近この地下水位の観測を始めましたものですから、ごく最近のデータしかございませんが、それによりましても、練馬あたりで最近の一年間で一メーター五十程度地下水位が低下しておるという資料がございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 三多摩。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) 三多摩の資料、ここにちょっと手持ちがございませんのですが……。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 どなたかわかる人いませんか。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) ちょっとお待ちください。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 大体五、六メートルぐらい、平均。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) ただいまここに資料ございませんので、先生おっしゃった約五、六メーターあるのではないかと言うしかございません。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 大体そういうゼロメートル地帯に何人住んでいるかとか、三多摩で地下水位がどれだけ下がっているかというのはいま問題になっているのですから、そういうことを通告しなければわからぬようでは困るね。政府の地盤沈下に対する甘い姿勢のあらわれだと思います。  じゃ東京では大体どのくらい地下水をくみ上げておりますか。これも大体でいいです。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) 東京における地下水の用水量でございますが、大きく分けまして工業用水と、それからビル用水と、それからあと、区部ではございませんが、水道用水というものとあると存じますが、まず工業用水について見ますと、昭和四十四年の平均の一日くみ上げ量でございますが、江東地区では約一万九千立方メートル、一万九千トンパーデーのくみ上げ量でございます。それから城北地区につきましては、三十一万七千トンパーデーのくみ上げをいたしております。  次に、ビル用水でございますが、これは都心三区、あるいは台東区まで含めておりますが、こういう中心部では、四十四年には四千トン一日当たり、日量四千トン程度でございます。それから江東地区におきましてはほとんどビル用水は現在くみ上げておりません。  それから次に水道用水、上水でございますが、これは都内の平地部で、四十三年のデータでございますが、大体四十万八千トン、四十万八千立方メートル、一日にくみ上げておるという量でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 三多摩も入っておりますか。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) 入っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 三多摩も含めてね。  東京で地盤沈下が年々増大しているところがあると聞いているのですが、千葉の船橋あたりもどんどん沈下量がふえている、そうなっておりますか。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) ただいまの千葉県におきましての先ほど先生おっしゃいました船橋の——新聞にも出ておりました船橋の一つの例をとりましても、沈下量は相当にふえておるということは言えると存じます。たとえば昭和四十四年から四十五年、これは四十四年二月から四十五年二月でございますが、一年間の沈下量で、船橋の例を申しますと、ひどいところで二十二センチ、これは船橋の市役所、それから例の新聞にもございました湊中学校の校内の測定でございますが、約二十二センチ沈下いたしております。それから船橋駅前あるいは市内などで十八センチ程度というような相当に多量の沈下を見ておるというのは事実でございます。これで過去のよりもだいぶ進んできておるということは言えると存じます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 東京都の江戸川区の長島町周辺はどんどんふえていると聞いているのですがどうですか。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) 江戸川区の長島町の沈下量でございますが、大体昭和四十年くらいまでは年間の沈下量が十センチ弱でございました。それが最近四十三年、四十四年では十三センチ、あるいは十六センチ程度というふうに増加してきております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 先ほどいろいろ説明をいただきましたように、地盤沈下の状況は非常に広がっておる、しかも進行しているところもあるわけです。そういう点でひとつどういう対策を立ててきたのか、通産、建設、厚生の各大臣にお伺いしたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもの役所の関係はやはり一番工業用地下水をくむという問題でございますので、工業用水道の整備ということが基本になっておるわけでございます。それでただいま各地区について御指摘がございましたが、東京の江東地区は工業用水道がすでに済んでおりまして、したがって水源の強制転換は完了しております。それから城北でございますが、これが今年の四月に工業用水の給水開始でございますので、昨年の十二月に強制転換を始めまして、本年の十二月までに水源転換を完了いたします。それから先ほどお話のありました千葉県の市川、船橋等でございますが、臨海部では現在水源転換を行ないつつありまして、九月までに完了いたします。これは工業用水道が一部給水を開始いたしました。それから内陸部におきましては工業用水の給水が少しおくれておりまして、この年度がかわりますと早々に予定をいたしておりますので、そういたしますと水源転換をいたします。それから埼玉県の南部でございますけれども、これは東部第一、中央第一の前期工事が済みましたので、昨年の二月に一部水源転換をいたしました。一部実は残っておりまして、中央第一工業用水道の工期の計画がおくれております。その完成が来年の前半になる予定でございますから、そういたしますと水源転換が可能になる。江戸川の一部に別途問題のある地区がございまして、これは東京都が来年度工業用水関係の調査をいたすことにいたしております。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 私ども厚生省といたしましては、二つの見地から、すなわち一つは地盤沈下というのはやはり公害の一つの典型であるという見地、もう一つは上水道を預っておりますので、上水道源の枯渇というようなことに影響しないというような二つの面から、各省の施策に協力をいたしております。しかし、地盤沈下の最大の原因は、やはり御指摘のように地下水のくみ上げでございますが、ただいま通産大臣からお話がありましたように、工業用水道についてのこれの建設の促進、またビル等の使う地下水の規制に関する法律が御存じのとおりでございますが、これの法律の運用の的確化というような面から関係省に協力いたしますとともに、私どもは広域的の見地から、ダムの築造など水の資源の確保、また長距離上水路の築造というようなことに着眼をいたしまして、関係省に協力をいたしておる、こういう立場でございます。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) お答え申し上げます。建築用の地下用水の制限あるいは工業用水の転換等はいま両大臣のほうからお話がありましたが、私のほうといたしましては、やはり何としても地盤沈下するところが高潮等で非常に危険になりますので、防潮堤を年々これは増強しております。さらに今度は内水面がはんらんして入ってくる、それで河川改修で内水面の堤防の強化、これをやっておりまして、さらに総合的にはやはり工業用水、上水道の水源を確保してやらないと、どうしても地下水をくみ上げまするので、現在総合的なダムをつくりましてこれを活用する道を開いていく、こういうふうな施策をやっている次第でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 ちょっと建設大臣にここで確認しておきますが、先般の委員会で建設大臣は、江東区等の防災都市建設に非常に金がかかる。だから移転を考えている、そういうお話ですけれども、これからどんどん全国各地でゼロメートル地帯が出ているわけですから、幾ら防潮堤をつくってもそれがまた下がっちゃうわけですからね。それはいままでの分は移転はやむを得ないけれども、原則的には地盤沈下をとめるという方向でいくべきじゃないかと思うのですが、その点どうですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 先般私が申し上げましたのは、江東地区のようなところにあのまま人口並びに産業が集中することは非常に危険であります。と同時に、これを改善するには膨大な金がかかる。そこで私は、実は首都圏整備委員長といたしまして従来の計画を実地にわたって一応検討し直さなければならぬと思って見たわけです。その結果は、むしろ群馬、栃木、茨城等には土地も水資源もある。ここに社会資本を投資さえすれば優に百万都市が昭和六十年までにはできる可能性が非常にある。したならばそっちのほうにむしろああいう過密地帯の条件の悪いところが移転していって、そうしてそこに快適なる都市機能を持った総合的な団地構成がよろしい。これについては三県とも非常に積極的で、それなら非常にわかる、こういうふうな動きがありまするので、これは非常に迂遠なようでありますけれども最も基本的なものじゃないか。そうして江東地区はできるだけ緑地とかそれから避難場所とかそういうものをだんだん確保していくことがいいであろう。しかしながら、これはいますぐに間に合うことじゃありませんから、一方においてはあそこに防潮堤も強化し、あるいは内水面の浸入を防ぐ。それから地下用水のくみ上げを禁止する。こういうふうにしてやはり総合的にやらないといけないと思いまして、それをあわせて行なうように指導している次第でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 通産大臣にお聞きしますが、この江戸川区の長島町は、先ほどもお話しのように、数年前から地盤沈下が年々増大をしているわけでありますが、ここはビル用水の規制はしているけれども、工業用水の規制はしていない、そのように聞いているわけですけれども、どういうわけですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどちょっとそれに触れたつもりでございましたけれども、実はこの地区の工業用水道の布設がおくれておるわけでございます。でこれをしてやりませんと、そういう問題が起こりますので、それで東京都におきまして布設の調査をこの四十六年度行なう、こういうことになっておるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 ビル用水は規制をしているのに、工業用水道がなければどれだけ地盤が下がっても工業用水は使いほうだいだ、これでは私よくないと思うんですね。工業用水道がなくてもできるだけ回収水を使わせるとか、できるだけやっぱり地下水のくみ上げを少なくするように通産省は指導すべきじゃないかと思うのですけれども、その点どうですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 現在の法律のたてまえがただいま申し上げたようなことになっておるわけでございますけれども、地盤沈下というものを一つの公害としてとられなければならないわけでございますから、この考え方を実はもう少し柔軟にしないといけないのではないかという意識は実は私も持っておるわけでございます。問題は、結局従来水道があればともかく、工業のための水は地下からくみ上げてもいいという長い間のそういう観念があるわけでございますけれども、それが地盤沈下につながるというようなことになりますと、水だから掘って使ってもいいんじゃないかという観念に多少やはり問題があるのではないかと考えまして、その辺のところはただいま関係の審議会でどういうふうな調整をするかを研究をいたしてもらっております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それはいつできるのですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 問題が非常にむずかしゅうございますので、やはり多少の時間がかかるというふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 きょうの新聞で、工業用水法を改正するということを見たわけでございますが、その改正点の内容はどういうように改正するのかですね、地盤沈下対策と関係あるのか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 水の、工業用水を中心にいたしまして、水の需要とそれから供給、需給のプログラムをひとつ各地域でつくることが必要なのではないか、そういったようなことを考えるべきではないかというような発想から工業用水道法の改正を考えたのでございましたけれども、実は水という問題を総合的にとらえるという努力に政府全体としてまだ必ずしも十分ではないという問題がございまして、一部だけでなく全体そういうふうな根本的な問題から考え直したほうがいいのではないかという議論が政府の部内に起こりまして、私もそれはもっともなことであるというふうに考えましたので、今回そういう小幅な改正をすることを取りやめまして、基本問題として研究をし直すと、こういうことにいたしましたので、今国会に提出いたさないことにいま考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 企画庁長官にお伺いいたしますが、ともかく地盤沈下というのはもう非常に、きのうの新聞にも載っていましたように、深刻な問題になっていると思うんですね。一度沈んだ土地は二度と返らない。そうして、もしあの伊勢湾台風のような三千名以上の死亡者を出したら——それを再び出さないためにも、もう少し政府は本気になってやっていただきたいと思うんですがね。その点どうなんですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) お説のとおりに、最近各所にこうした現象が起こっております。そういう意味におきまして、いま所管の各大臣が答弁されましたが、私たちもこれを総合的に見まして、そうしてこの対策をさらに拡充、強化しなければならない、そう考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 じゃ、通産大臣にお伺いいたしますが、工業用水法の目的は何ですか、地盤沈下対策ですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 地盤沈下対策につながることはもとよりでございます。つまりもっと基本的に申しますと、国は上水道、公共団体は上水道を供給する責任と申しますか、義務がございますことは、これはもう論ずるまでもないことでございますけれども、次にやはり工業用水につきましても同じように供給をするということが基本的には国あるいは公共団体のやはり社会的な義務ではないという発想から生まれたわけでございますが、もちろんそのことはいわゆる井戸を乱掘することによって水資源の不経済な利用をする、さらには、ひいては地盤沈下を起こす、そういうことを踏まえまして、国があるいは地方公共団体が工業用水を水道の形で供給することが適当だ、こういうことが法の目的と存じます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 建設大臣にお伺いしますが、建築物用地下水の規制、これは目的は何ですか。第一条を読んでもらえれば書いてある。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) これはあなたも御承知のように、地盤沈下が相当の大きなウエートを占めていることは事実でございます。その上に建築物が地下水を取ることによって地盤が脆弱になってくるということもありまするけれども、主たるものはやはり地盤沈下を規制することが目的でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 確かに第一条の目的を見ますと、ビル用水の規制のほうははっきり地盤沈下対策と書いているんです。工業用水の場合は、「工業の健全な発達と地盤沈下の防止」と、そういう二項目がありまして、私は、当然公害基本法においても経済条項を削除した。そういう点から考えて、地盤沈下対策のために、場合によってはこの地盤沈下防止を優先にするように工業用水法を改正すべきか、あるいは別に地盤沈下対策のほうを立法すべきか、いずれにしてもこういうことでは絶対地盤沈下はなくならないと思うのですよね。経済企画庁長官どうですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 確かにそうした観点がこれからますます重要になってくると思います。そこで、塩出さんも御存じと思いますが、今回の環境庁の設置にあたりまして、この地盤沈下対策の総合的な実施を環境庁に移すことにいたしております。結局これもいま御指摘のような観点が重視されてきておるということの当然の結果であろうと思いますが、そうしたことで、今後十分にいまの公害的な見地というものを頭に置いて地盤沈下対策というものが進められていかなければならない、こういうふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、やはり規制も、現在のように地盤沈下が起きてから、被害が出てから規制するのではなくて、そこが沈下しなくてもそこでくみ上げればまたほかのところが地盤沈下する。そういうわけで、やはり広域的に取り組むべきじゃないか、そう思うのですが、その点どうですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) おっしゃるように、私たちもしばしば聞くのですが、水の流れというものは非常に広範囲にわたって関係があるようであります。でありますから、埼玉県の問題かと思うとそれが千葉県の水の流れと関連している。こういうようにいわゆる地下水の、何というのですか、水脈というものは非常に複雑なようでございます。今後の対策というものはそういう意味でますます広域的に扱っていかないと、一カ所だけを扱ってもだめになってくる、こういうことははっきりしておるわけでありますから、お説のような方向でやってまいらなければならないと考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 厚生大臣にお伺いしますが、三多摩方面では一日四十万トンの地下水をくみ上げて、そのために非常に年間五、六メートルも地下水の沈下が起きておる。これは今後どうしますか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) それによりまして地盤沈下が起きるというようなことが生じまして、これは千葉県、埼玉県と同じような状況を来たしますので、私どもはやはりその防止対策といたしましては、広域的な観点から、水資源の確保、あるいはその導水路の確保、あるいはまた地下水のくみ上げ等の規制について、現行の法律あるいは助成体制等を十分私は活用いたしまして、そういう事態に対処しなければならないと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 具体的な計画がございますか、厚生大臣。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) お答えいたします。  ただいま三多摩地区におきましては、三多摩の分水事業計画を都のほうで進めておるところでございます。これは三多摩の飲料水を東京都のほうで一括して、まあいわば卸売りいたしまして、そうしてそれをその市町村のほうが受けてそれを配給する、こういう構想でございます。事業費は大体三百億円程度のものでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いつできますか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) すでに一部給水事業を開始しておりまして、おおむね四十八年ぐらいで大体完成する予定だと思っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 上水道水を地下水からそういう水に切りかえた場合は非常に金がたくさんかかると思うのですが、そういう場合に、税制、金融の処置を考えるべきじゃないか、工業用水の場合と同じようにすべきじゃないかと思うんですが、その点、どうでしょうか。厚生大臣。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 御承知のように、簡易水道などにつきましては補助金の制度もございますが、上水道そのものについては直接の補助はございませんで、起債等の条件緩和というようなことが主力になっております。もっとも、上水道でも水源を遠くにダムをつくりまして、そして広域計画というようなことをやります際には、そのもとのほうのダムについて国が補助をする、あるいはまた広域の水の配分施設について補助をするというようなこともございますので、そういう点を合理的に組み合わせまして、そしてその建設費用負担なり、あるいはまた、ひいては消費者が合理的な価格で上水道の恩恵に浴するような方向でいろいろ考えてまいりたい。これについては大蔵省の協力、理解をも得なければならない面がございますので、そういう方面とも打ち合わせてまいりたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 大蔵大臣、いまの件はどうでしょうか。工業用水道と同じように特別な手を考えるべきじゃないかと思いますが。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 上水道と工業用水は、その補助のしかたの沿革が違いますので、仕組みが違いますが、上水道の場合は三分の一補助です。それから工業用水の場合はもっと低率なんですが、この地盤沈下などの場合のかさ上げ措置というのがありまして、かさ上げしますと、これが二五%ないし四五%になる、そういうことになって、平均をとってみるとバランスを得ておると、こういうことなんです。問題は、その補助率、これはまあかなり高い補助率でございますが、補助率という問題でなくて、その事業の量のほうに問題があるんじゃないかと、そういう感じがいたしております。  なお、きょうは塩出さんから、地盤沈下と工業用水、また上水道の因果関係、これは私も思いを新たにするものがあります。そういうようなことで、私もいろいろ今後なお検討してみたいと存じます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 企画庁長官に最後にお聞きいたしますが、七月一日で地盤沈下対策が環境庁に移ると、それまでに方向づけをするというお話でございますが、いままで非常に各省に分かれて一元性がない、当然それを一元的に、しかも強化していかなければいけないと思うんですけれども、そういう点、いつごろまでを大体めどに、どういう方向で検討しているのか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 確かに、関係各省に所管が全部分かれておりまして、ただ企画庁には審議会が置いてあるというだけの今日の体制というものは、必ずしも十分なものと私も考えられません。今度は、環境庁にまいりますと、いままでのように企画庁でただ審議会の庶務をやっているというような立場でなくして、やはり環境庁として独自の計画を持ち、そして総合的にこれをやっていく。もちろん、この工事の内容なり、あるいはその目的なりが違いますから、どうしても所管がある程度分かれるということはやむを得ないと思いますけれども、これはできるだけ総合的に行なっていく。そういう意味において、環境庁に移りましては、従来以上にその総括的な行政というものを進めていくことが可能になるわけでございます。そういう意味で非常に期待ができると思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 大蔵大臣にお願いしますが、地盤沈下対策を強化するにはどうしても金もかかると思うんですよ。けれども、これは非常に大事な問題ですから、大蔵省も真剣に前向きで取り組んでいただきたい、そのことを要望したいのですが。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 真剣に前向きで取り組みます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 次に、東京都の水の問題についてお聞きいたしますが、東京都の水の需給状況はどうか、御説明を願いたい。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) 東京都の水の需給問題でございますが、東京周辺と申しますか、埼玉、千葉両県を含めまして、東京周辺の水の需要見通しといたしましては、昭和五十年度で大体上水道、工業用水道合わせまして、毎秒当たり約六十七トン程度の水を必要とするというふうに考えておるわけでございます。  それで、供給の面でございますが、いま申しましたように、ちょっと神奈川県が東京周辺としては入っておりませんが、これは利根川の水系ということでまとめておりますのでこれを除外しておりますが、それで、利根川水系の水資源開発というもの、これは御承知のように、法律に基づきまして基本計画をつくっておりますが、昭和五十年を目標年次といたしましての、新しくその間で水需要が出るということで、利根川水系全体といたしましては百三十立方メートル毎秒の需要が生ずるであろう、これに対して供給をしなければならないという考え方に立っておるわけでございます。  それで、その供給施設といたしまして現在はっきり施設名まで申し上げられますのが六事業ございまして、これでこの百三十立方メートルに対して毎秒九十立方メートルの供給は可能である。その残りの約四十立方メートルのものにつきましては、これから詰めてまいりますが、給供施設を早急に実施いたします。あるいは水の合理化、高度化というような利用の方法について、たとえば循環使用であるとか、あるいはいわゆる水の調整というようなことを考えてまかなっていくということで、一応利根川水系全体として何とか間に合わせていくという考え方でございまして、その一環として、先ほど申しましたような東京圏と申しますか、東京周辺の水の需給というものもバランスをとっていこうという考え方に立っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 企画庁長官にお伺いいたしますが、小河内ダムの水も非常に減ってきておる。しかも、先ほどの昭和五十年を目指しての利根川水系の計画も予定どおり進行していないと、そのように聞いているわけですが、昭和五十年までだいじょうぶですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 現在、御存じのように、六カ所の事業の進行を行なっておりますが、さらにそれに引き続いて、今後の工事を着工すべく計画をしておるわけでございまして、昭和五十年までの水の需給については、もちろん十分その対策を立てておるつもりでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 どうも企画庁長官のその説明には納得できないわけですけれどもね。では、この利根川の昭和五十年までの計画の進行状況を、この図面で説明してくださいよ。これでちょっと、どことどこが完成して、どういう状態になっておるのか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ここに利根川河口せき以下六カ所の計画がございますが、この中で利根川の河口せきは四十五年度をもってほぼ完成をいたします。草木ダムにつきましては、現在、用地交渉の大詰めになっておりまして、これが片づきますれば、本年度中に本格的な着工の運びになると思います。それから北総東部、房総導水路、これは私どもの所管ではございませんが、それぞれ現在進捗をはかっておられる予定でございます。思川の開発につきましては、これは現在栃木県等といろいろ接触をいたしておりまして、現在の段階では、まだ着工には至っておりません。霞ケ浦の開発につきましては、これは農業補償等、いろいろ問題がございますので、現在、水公団を中心にいたしまして交渉をいたしておる現状でございます。なお、その他の中にも、現在、直轄の多目的ダム事業といたしまして、川治ダム、八場ダム等を計画いたしておりますので、こういったものが着工の運びになりますと、さらにこの水量に追加できるのではないか、こういうふうに考えております。  以上でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 この思川とか霞ケ浦は、実施計画もまだ認可になっていない。これで昭和五十年までに間に合いますか。どこか担当のところ……。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 現在、まだ実施方針の認可に至っておりませんけれども、私どもといたしましては、できるだけ五十年までに概成をはかるように、今後とも努力をいたす覚悟でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いまの昭和五十年計画の一三四のうち三分の一の四〇・一は、まだその場所もきまっていない。これはいつごろきまるのですか、場所は。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) ただいま御指摘のございました約四十立方メートルの分でございますが、これの半ば以上、二十三、四トン分については、一応個所的には考えておるわけでございますが、ただ、現実にまだ地元住民との話し合い等まとまっておりませんために、全く具体的な計画としてここに出せないというのが実情でございます。それからその残りの分につきまして十六、七トン程度の問題につきましては、現実に、たとえば先ほども申しましたように、水の再使用であるとか、あるいは水の、何と申しますか、利用の再配分というようなことで、高度化と申しますか、合理化をして何とかしていこうということで、いまいろいろやっておる最中でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 企画庁長官にお伺いをしますが、昭和五十年以後の計画はどうなっていますか。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) ただいま御指摘の昭和五十年以降の計画でございますが、これはあらためて、なるべく早い機会に詰めてまいりたい。現在、現実に五十年時点以降の需要の調査、あるいは、これは私どものほうじゃございませんが、供給可能性の調査等をいたしておりまして、なるべく早い機会にこれから先の計画も考えていくという考え方に立っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 ともかく、先ほどの話のように、地盤沈下するのに水をくんでいるところもあるんですね。また、あとから触れるように、多摩川なんかは下水よりもきたない水を飲み水に使わなければならない。それは、いま水が足りないからそういう状態なんですよ。しかも、昭和五十年の計画にしても、大体、私が企画庁からもらった資料では、ダムの建設には準備調査を始めてから完成まで十年以上かかっているんですよ。だから、これは五十年にできるわけは絶対ないと思うんですね。私は、もっとやはり長期的な計画を立てなければならぬと思うんですけれども、そういう点、どういう点に問題があるのか、その点をお伺いしたいんですけれども。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 確かに、高度経済成長のための異常な水需要の伸びというものは、ここのところへ来て急速に伸びました。一方におきまして、御存じのように、いわゆる水資源の開発というものがだんだんと条件が悪くなってまいりまして、一面において抵抗も強いというようなことから、非常に困難性を増してきております。そういう意味において、御指摘のように、できるだけ早くその調査を開始し、そうして、そうした意味での開発の地点の選定、あるいはまたその計画の設定というものをできるだけ早目に今後やっていく、これが一つ重要であろうと思います。そしてまた、そうした水資源の手当て、調達のためには相当の努力が要るようになってきているわけでございますから、それらはできるだけひとつ行政的な努力をもって困難を克服してまいらなければならないわけでございます。五十年までは、いま塩出さんが御指摘になりましたが、私どもも百三十トンという数字は相当の余裕を持っておるというふうに実は考えてもおりまして、先ほど御質問がありましたが、十分、需給について決して御心配のないようにしていく自信を持っております。でありますから、その先の問題について、お話のありましたように、できるだけ早目にひとつ計画を立てていかなければならない、こういうふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 アメリカでは、大体三十年後の計画を立てて、その計画の二十年前にはもうすでに通水をしておる、そう言われでおるんですね。ところが、わが佐藤内閣のお家芸は突貫がお家芸だ、そのように言われているんですね。そういう点をひとつ改めてもらいたいと思うんです。  それで、このように計画が非常におくれている理由は何でしょうか。これは建設大臣と企画庁長官の両方にお答え願いたいと思います。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 建設工事がおくれておる。これは、何と申しましても、先ほども申し上げましたように、やはり地元との話し合いをつけてまいる、そうしたことが中心であろうと思います。その前に、やはり計画の作成というものを、できるだけ早目にやらなければならない。それがおくれた、あるいはまた、地元との関係、いろいろと今日一般的にも言われておる、そうした事情が大きな原因になっておると思います。そうした点をできるだけ説得によって促進をはかってまいる、これが実情でございます。水の絶対的な必要性というものは一般にも十分了解されておるのでございますから、技術的な点を除きますれば、できるだけこの問題については政府としても格段の努力を払って、今後、もしそれに必要ないろいろなことがございましたならば十分それに配慮を加えて、制度的にも考えていかなければならない、そう考えております。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) おくれておるのは、いま経済企画庁長官から言われたとおりだと思います。そこで、最近の産業もだいぶこのごろ考えてきまして、いままでは、大都市周辺に工場が立地することがメリットがあったから集まってきましたが、このごろは公害の問題と水の問題で実は参ってきまして、最近では、むしろ水資源のあるところに工場を移転するのが経済的だというふうな形になってきました。私は、そういう手法をもう少し政府が誘導してやっていいじゃないかと思うんです。たとえば首都圏の問題も、この東京、それから千葉、神奈川に、いま必要とする水を現状のままでやろうとしても、これはたいへんな金がかかるのみならず、上流のほうは、どうしてもいまは地域的な利己主義と申しますか、東京や神奈川や、あるいは埼玉、千葉のためにわれわれが水没させられるのかという素朴な対立感があるようです。そこで私は、むしろ、先ほど申し上げましたように、群馬とかあるいは栃木とか茨城等にそうした新しい団地をつくってやりまして、水没する人々をそこに吸収する、こういう構想のほうが実際効果があるような気がします。現実に、私は関係の知事さん並びに国会議員、あるいはおもなる市町村に話してみると、それなら考えようがあるというような動きが出てきました。だから、私は、むしろそういうふうにすることが、過密の東京都を改善しつつ、しかも一方では、わずか五十キロ、六十キロ圏内で過疎化現象でもって水没されるというものを救済することができるんじゃないかというような感じがしておるのです。しかし、現実にそれはそれとしてやりながらも、いままで着工の準備を進めておるいろいろのダム等については現在の状況でも必要でありまするから、これはできるだけよく説得いたしまして、そうして地域住民の要求する関連取りつけ道路とか、いろいろのものがございます。これは経済企画庁、大蔵省にも話をいたしまして、それをできるだけ充足しつつ、既定の計画は進めていきたいと思います。  それからもう一つ、いまあなたから御指摘になりました五十年以降の問題については、なかなかむずかしいのです、ほんとうを言うと。それからもう一つは、最近は、御承知のように、公害の問題と、それから石油が非常に高くなってきました。そこで、もう一たび、日本の水を利用する発電、水力発電と、その水を活用することがより重要な意義を持ってきたと、こういうことで、私は、首都圏ばかりでなく、これはいまの新潟県とか長野県とか、あるいは福島県、こういうようなかなり広域地域なところで水資源とエネルギー資源を総合的に開発する、そういう観点で、今度は五十年から六十年にわたっての新たなる国家の大きな事業になるんじゃないかというふうに考えて、いま基礎的な準備にかからせるつもりで、いま準備をいたしておる次第でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、昨年の予算委員会でも問題にしたわけでございますが、やはり現状では、昭和五十年の予定も進行してない、そういう点、今後のことを思うと非常にわれわれ心配なわけです。やはり一番問題なのは、用地の補償、そういう問題じゃないかと思うのですね。それで、いま、そういう水没地域の公共補償だけじゃなくして、生活再建等の問題、あるいはこの地域の関連公共事業、そういうのを当然やっていかなきゃならない方向に来ていると思うのですね。その面については、きのうの予算委員会におきまして、西村委員に対する答弁にしても、建設大臣の考えは去年と大体変わってない、個々にやっていくと。それではやはり、そこに一つの基準、ルールをつくっておかないと、地元としては、少々ごね得したほうがよけい出るのだと、おとなしくしておったらば結局水没地域の公共補償をやってくれない——それではよくないと思うのですよ。そういう点、これは根本的にやはり検討すべきじゃないかと思っているのですか、建設大臣、その点はどうですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) いまの御提案は、数年前からずっと各水源地を持っておる知事さんから提案されています。私も真剣に取り組んでみました。ところで、こういうことを言っていいかどうかわからぬけれども、いろいろな立法をしましても、農業基本法ができれば全部解決すると思ったって、それはなかなかできない。あらゆる基本法なるものが出てきます。けれども、立法するだけじゃこれはできないのであって、問題は、具体的な総合的な施策をやることなんです。それをやらなければこれはどうにもならないのでありまして、ところが、いまのダム開発に対する総合的な施策というものは、観念的にはいろいろ言えますけれども、地域的に非常に違うのです。もうそれは、ダムサイトのある場所によって、ほとんど立地条件、社会的条件、経済的条件が違うのです。それを一つの法律でやるということが、私も実は事務当局に検討さしてみたけれども、非常にこれは概念的なものになっちゃって、ただそういうもののために法律をつくったという基本法的なものになってしまうのですね。だから、むしろ私は、具体的にその一つのどこそこのダムサイトには住民の要求がこれこれのものだと、しかも社会的経済的交通条件はどうだ、その具体的な問題を解析して、そうしてそれに対する裏づけをしたほうがより現実的だ、こういうふうな考えでやっておるのです。どうも、各省にいろいろ話してみても、結局、法律だけつくるより、やっぱりそのほうがより現実的ではないかということで、いまのところ、私は塩出さんの御提言の気持ちはよくわかるのです。わかるけれども、それは、はたして具体的にどれだけの効果があるかということを、いま私としてもまだ決断し切れないところです。琵琶湖の問題については、そのために具体的に関係各省並びに地元と、これは滋賀県と下流の利用する県のほうもあわせて協議の上、そうして具体的なその対策を、いまやらしておるわけです。それをやる場合にどうしても立法を必要とするならそれをやりましょうと、こういうことで、私は水源地帯の対策として立法するということは、もう少し考えさせていただきたいと思っておる次第でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 建設大臣、私は、立法ということではなくても、地元の要求は切りがないと思う。多いほうがいいのはきまっているのですから。そこにやっぱり一つのルールというか、基準というものをやっていかなければ、結局相手の出方次第によって建設省は……、そういうことじゃ困るというのですね。そういうルールをつくるべきだということはどうなんですか。ありますか、そういうルールは。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) まだ、客観的な基準的なルールというものはできておりません。それで、まあせっかくの提言ですから、これは私のほうのみならず、経済企画庁、関係省と、これは自治省も関係があります、検討させてみます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 企画庁長官も、その点、どうでしょうか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 当然ルールがなければいかぬと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まあ、その点はひとつ御検討いただいて、ほんとうに公平に、しかも納得のいく線を出していただきたいと思うのです。  次に、現行制度では非常に多目的ダムが多くなってきているわけです。現在の建設のあり方では、各省のアロケーションをきめたりするのに非常に時間がかかる。やはり十年二十年先の不特定の需要者のための水資源の開発、そういう先行投資をするように制度を改めていかなければいけないのじゃないか、そういう点、建設大臣、どうですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 現在でも、不特定多数の需要者のために先行投資は現実にやっております。これはいま水資源開発の公団がこれを実際上やっているわけでございまするが、おそらく、塩出さんのお話しののは、それよりももっと規模の大きい、相当の資金を注ぎ込んでやれと、こういうことだろうと思うのですがね。そういう意図はありますけれども、いま、先ほど申し上げましたように、まず第一に工事に着工することができるかいなかということに問題がありまして、現実にはできないのですよ。そこで、先ほど話したように、いまの一般の国民の、国民というよりも産業界も、だいぶ変わってきまして、いまたとえば北海道には新苫小牧の開発をやろう、あるいは陸奥湾の小川原湖を開発してこれをやろう、秋田では、いまの八郎潟の残存湖、並びに海岸地帯の開発というふうに、水と土地のあるところ、それに労力のあるところにむしろ産業がいくべきなんだ。従来ややもすれば都市に産業、工業が集中していく、そのために必要な水はどこからでも持ってこいということが、だいぶ変わってきたんですね。だから、そういうような発想になってきますれば、今度は、いまあなたが提言されたことが出てくると思うんです。土地が確保されたと、ここにはこれだけの工場の収容力があると、そのためにその付近の水資源をまず開発すると、こういうことが出てくると思いまして、これは決してむずかしいことでありません。いまの水資源開発のあれに資金をどんとつけてやれば、これはできるというふうに考えている次第でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 これは企画庁長官にお伺いしたいんですけど、水資源公団も確かにある種の先行投資はやっていると思うんですね。けれども、つくるときには厚生省関係、各省にはっきり分けて、それからダムができているわけなんです。私の言うのは、現状では無理ですよ、現状は昭和五十年ができないんだから、そんなことはいまとてもできないけれども、やはりもっと各省の割り振りもきまらない将来のことを考えて、ということは、ダムをつくるのに十年かかれば、やっぱり計画のときと、つくったときは、特に農業用水等も農業の構造の変化によって変わってくるわけですから、そういう意味のやはり先行投資を考えるべきじゃないかと、そう思うんです。その点はどうですか、企画庁長官。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) おっしゃるとおりと思います。政府としましても、急激な水需要の伸び、これは世界で最高の経済成長を背景にしまして、この水需要も最高の伸びであるわけでございますから、率直に言いまして、これに対応するのに追われておった実情はわかりますが、今後の問題といたしましては、建設省はじめ、常に将来のことを考えて、常にその方面における適地をさがしておると、こういうのが実情でございます。ただ社会的な条件、いろいろな条件の変化もございますが、そうしたものも十分に予想しながら、できるだけ先行的にこれをやってまいらなければならない、こういうふうに考えています。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 大蔵大臣に。水資源の開発には、やはり先行投資をしていくべきじゃないかと思うんですけどね、そういう点で、いままでの考えを、少し、一歩前進していただきたい、その点どうでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 具体的の問題とすると、なかなかこの水資源問題の先行投資というのはむずかしいと思うんです。まあ塩出さんのおっしゃる先行投資に当たりますかどうか、琵琶湖の総合開発を今度始める。これは先行投資といえば先行投資になるわけですが、まあある特定の地点を見定めて、土地の買収を行なうとか、そういうようなことでありますと、なかなか実際問題とするとむずかしい問題じゃあるまいか、そういうふうに思いますが、もしそういう地点なんかが予定できまして、土地の買収なんかが行なわれるというようなことになれば、私はこれはたいへんけっこうなことだと、こういうふうに思います。財政上そういう仕組みはできておる。つまり水資源公団で借り入れ金を行なって、そして将来の用地を獲得していく、こういうような仕組みがすでにあるわけでありますが、実際の具体的な問題となると、なかなかむずかしいんじゃあるまいか、まあそういうふうに思いますが、お説のとおりに、考え方として私も賛成でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 きのうの委員会で建設大臣は、広域利水計画をつくっているというお話ですが、昨年の委員会でも私申しましたように、各省非常にばらばらで、目標も違うわけですね。やっぱりその計画は、ちゃんと各省と連絡をとってそういうものをつくってもらいたい。それと、いま建設省でつくっている計画は、昭和何年を目標にしてつくっているのか。それから建設大臣の言う広域利水というのは、どの程度の範囲のことを含んでいるのかですね、日本海の水をこっちに持ってくると、そのようにこの前総理は言いましたけれどもね、そういう計画も入っているんですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) これは私のほうでは、御承知のように道路も住宅も、大体一応の目標は昭和六十年度を一つの目標としております。で、これについては、水資源そのものは日本は豊富なところです。一年に大体三千億トンぐらいの降水がありますから。ただ、これが流れてしまうところに問題がありまして、これをどう活用するかということでございます。ところが、いまの日本は産業並びに人口が非常に狭いところに集中しておる。現在の全国土の面積の一・二%程度がいまの市街地です。これは昭和五十年に約二倍にしよう。これがいまの線引きしたところであります。その中で特に水の不足を感じておるのは、いわゆる首都圏のうちの南部地区、それから名古屋地区ですね、それから大阪の地区、それから北九州、それからいまの瀬戸内海の山陽道地区、こういうことなんです。ところが、これがいま御承知のように、みんな選挙によって、知事さん方がみんな水利権を持っているわけです。それで、この水利権が地域的に非常にシリアスな対立になってしまうということで、この使い方が非常ににむずかしいんです。そこで、できるだけ水の開発にあたって、地域的な利己主義の対立がないような何らかのプロジェクトをつくってやらないと、現実にやっぱりこれはまとまりつかないです。そういう意味で、先ほど申したように、その地方は、水資源のあるところに産業やその他を持っていき、そうしてその一部を他のほうに融通するというような方法をとらざるを得ないということです。  それからその次には、北九州のようなところでありますと、いままでは一つの水系にダムをつくって、その水域に流すというのを、他の水系を結び合わしてそれで調整するというところまで考えざるを得ない。これは近畿でもそうです。その意味において、これからはどの水系とどの水系を結んで、それが経済的にペイするかどうか、これはかなりむずかしいんです。そういう問題をいま基本的に、これから事務的にも検討させなきゃいかぬということでありまして、これは昭和六十年を目標にして、いま検討を進めさせつつあるということでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いま私お聞きしましたのは、建設省だけでやっているのか。各省とちゃんと連携とってやらなきゃいけないという点と、それと広域というのがどの範囲の広域かという、その二点。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) もとより水全体の資源の問題は、経済企画庁が調整役でございますから、そちらにおいて厚生省あるいは通産省、全部連絡してやっています。ただ、実務として水資源を調査するには、やはり建設省が河川局でやることが、一番手があるからやらしておるということで、広域という点になりますというと、必ずしもどの程度ということをはっきり申し上げることはできませんけれども、たとえば首都圏でありまするならば、首都圏のほかに、一部、将来においては他の地区をもこれは考えざるを得ないところも出てきます。一部は静岡県とかあるいは長野県とか、あるいは福島県というようなものをも考えていかなければならぬところも出てくると思います。それから大阪でありますると、御承知のように、いわゆる近畿圏から山陰に至るまでこれは考えざるを得ない。それから中国は全体として、あるいは山陰もこれは含む。それから九州は一体として考える。それから四国は四国として、北海道は、これは他から持ってこられませんから、北海道で一つのブロック的にこれは考えていかなきゃならぬと思っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 企画庁長官に、この問題の最後に要望しておきますが、非常に水行政が一元化されていない。そういう点が非常にいままでも問題になっているわけですね。アメリカの上院等では水資源特別委員会もできて、西暦二〇〇〇年を目標に計画もできておる。そういう点で、ひとつ一元化の問題と、それと、さらに長期的な見通しを立てるようにやってもらいたい、そういう点、要望するのです。その点どうでしょうか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 水は利水目的も多種多様でございますし、実施力を伴う行政でございますから、どうしてもそれぞれの角度から、今日、権限が分かれております。結局、また、その権限の分裂の弊害を是正するという意味において、企画庁において五大水系を中心とするところの一番重要なものについてその調整をはかる、こういうことに、御存じのようになっております。そして水資源公団というものをつくってこれはやっておるわけでございますから、さらにその調整の機能を一そう高めていく。現在の機構でもってその機能を高めていける、十分できると思います。問題は、やはり先ほどからお説のように、やはりできるだけ計画を先行的に行なっていくことによって十分事態に対処していけるのじゃないか、こういうふうに考えています。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 次に水質の問題についてお聞きいたします。  非常に上水道の水源が悪化しておる。東大の石橋教授は、はなはだしいものは下水処理場から出た水よりも悪い、そういうふうな場合もある、そのように指摘しておるわけでございますが、東京のたとえば多摩川上水道につきましてはどういう状態であるのか、御説明願いたい。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) お答えいたします。  多摩川の水質は、御指摘のようにかなり汚濁が進んでおるわけでございますが、東京都の玉川浄水場の取水口におきます水質の調査の結果が出ておりますので、それを御報告申し上げます。  四十年から五カ年間の経年変化でございます。これは一月から十二月までの平均値でございます。まず濁度でございますが、四十年が五九・四度で、四十一年一五・一、四十二年二六・三、四十三年は四二・二、四十四年が四八・〇と、濁度につきましては横ばいという状況でございます。それからアンモニア性窒素でございますが、四十年が、これはPPMでございますが、四・八六、四十一年が三・九〇、四十二年が六・三七、四十三年が四・一〇、四十四年が三・二八。BODで申し上げますと、四十年が四・八PPM、以下単位はPPMでございますが、四十一年が五・二、四十二年が七・七、四十三年が六・四、四十四年で五・四ということで、全体として少しずつ汚濁が進んでおる。あるいはものによりましては横ばいのものもある。このような状況でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 戦前の水と比較して、アンモニア性窒素がどうなっているかわかりますか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) 戦前の数字は持ち合わせておりませんが、戦後多摩川のアンモニア性窒素がふえたということは間違いのないところであると思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 これは岡山大の小林教授が昭和十七、八年ごろ測定したデータを参考にしますと、非常にアンモニア性窒素がふえている。大体二百倍から三百倍ぐらいにふえているわけですね。これは一体原因は何でしょうか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) アンモニア性窒素の原因につきましては、大体、生物系の排せつ物といいますか、生物系のものに由来するということが定説でございます。したがいまして、多摩川の水系におきましては、その地域の宅地化の進行、それからもう一つアンモニア性窒素の原因として考えられますのは肥料が考えられるわけでございますが、その辺のところの多摩川水系における関連は、必ずしも明らかでありません。あそこでは、やはり宅地化が進んでおるということによる影響が一番大きかろうというふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 東大の石橋教授は、家庭下水の影響であり、特に屎尿処理施設からの排水ではないか、そう言っていますが、その点どうでしょうか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) 主体はやはり家庭下水と言わざるを得ないと思います。約半分以上はこれに影響されるものと考えております。また、御指摘の屎尿浄化槽あるいは屎尿処理施設でございますが、これらにつきましては、その排水につきまして基準を設けておりまして、一定のBOD以下で流すということでございますが、アンモニア性の窒素につきましては、通常の処理方法ではなかなか除外しにくいという実情の難点もございます。これは御指摘のとおりでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 多摩川の上流には約八千三百の工場があり、その流域には二百七十万人が住んでおる。そこから流れ出た下水の水が、現在の上水道の水源になっておるわけですね。淀川もそうだと思います。そういうところが全国に非常に多いと思うのですが、厚生省としては、こういうのにはどういう対策を立てておるのか、お聞きしたいと思います。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) これらの汚濁の原因が、主として家庭下水である、あるいは旅館その他の営業上の浄化槽その他からの排水が原因であるといたしますと、これはやはり根本的には、何と申しましても公共下水道を設けまして、終末処理場で徹底的に処理するということが一番根本の解決策であろうと思います。また、現在あります屎尿処理施設その他につきましては、すみやかに現状の維持管理を十分に強化すると同時に、やはりすみやかに公共下水道への切りかえということによって、汚濁の原因を断ち切る。現在聞いておりますところでは、多摩川の水系につきましては、いわゆる流域下水道ということで、建設省のほうでも建設を進められておるというふうに聞いておりますので、それを早く完成させるという点にあろうかと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 建設大臣にお伺いいたしますが、いわゆる流域下水道ですね、流域下水道。普通の下水道では、また川に流れてしまうわけですから、窒素なんかは、そのまま。だから流域下水道で水源に入らないように、下流に持っていく、そういう考えじゃないかと思うのですが、この流域下水道というのは、多摩川とか淀川は、いつできるのですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 具体的な実務については事務当局から答弁させますが、いま御指摘のように、従来、いわゆる一般下水道で市町村が単位でこれはやっておったのです。そのためになかなかこれは進まないし、そうして効果がない。終末処理を一つずつやるとばく大な金がかかる。そこで数年前から、やむにやまれず大阪とか、主として関西の方面、このあたりが関係町村を集めて、あるいは場合によっては隣接県も一緒になって、一つの水系別に大規模の下水道をつくって終末処理をやっていく、このほうが非常に効果があるというので、この下水道の抜本的な推進のために、今度は政府が正式にそれを取り上げてやっていくということでございます。そこで、これはでき得るだけ今度の公害基本法に基づいて水質基準を指定された、主として大都市を中心としてこれは進めていくつもりでございます。これはおおむね一カ所について十年はかかるんです。たとえば多摩川の付近あたりになりますと、これは全部やると金が千億単位です。そうすると、国の助成と地元のであれをやると、それが全部できるのはそれくらいかかると思いまするが、一応現在新しい五カ年計画で考えておるおもなる広域下水道の計画は、事務当局から御説明いたさせます。

吉兼三郎建設省都市局長

○政府委員(吉兼三郎君) 流域下水道の計画につきましては、私ども第三次五カ年計画——一番重点を置いております現在の事業の実施状況でございますが、継続事業といたしまして十二カ所すでに着工いたしております。四十六年度——第三次五カ年計画の二年度におきましては、さらにこれに七カ所追加いたしまして、四十六年度当初におきましては計十九カ所の地区につきまして、この下水道事業に着手をいたすことになっております。  それから、お尋ねの多摩川、淀川でございますけれども、これはまあ一番私ども重点を置いて、しかも流域下水道を中心に下水道整備を進めていきたいと考えておりますが、長期の見通しでございますが、私どもの現在の見通しは五カ年、五十年を目途にして具体的な計画に入っておりますが、両地域とも完全に下水が完備いたしますのは、やはり五十五年時点ないし六十年時点というふうなところが現在の見通しじゃなかろうかと、かように存じております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 だいぶ遠い話で、それまでは下水や屎尿の水を飲まなければならぬわけでございますが、もっと上流から水をとったらどうなんですか、厚生省。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) 御承知のように、ただいま荒川のほうから朝霞あるいは村山浄水場のほうに水を引いているわけでございます。したがいまして、それをさらに上から引いてくるということになろうかと思いますが、現在のところ荒川のほうからの導水は、あまりまだ水質としては汚れていないわけで、問題は多摩川であろうと思います。多摩川は一番水源は御承知のように小河内ダムでございますが、幸いに、いま問題になっておりますのは下流のほうの水が汚れておりまして、まだ村山の浄水場から取っております多摩川の水は、そう汚濁が進行していないということでございます。また、多摩川の下流から取っております水につきましては、現在すでにかなり水質汚濁が進んでおりますので、たとえば渇水期にはその取水を停止するとか、あるいは異常な時期にはその取水の時間を制限するとかといったようなことでもって対処し、さらに、ほかの浄水場ではやっておりませんような前処理をいたしまして、塩素処理でございますとか、そういったことでもって対処していっているところでございます。東京都の全体の現在の需給状況からいけば、どうにか私は間に合っていけるのではないかと、こういうふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 水担当の企画庁長官に申し上げますが、とにかくそういう水を飲んでいま東京は間に合わせているわけであって、大体先ほど水はだいじょうぶだという認識自体がぼくは問題だと思うんですよ。そういう点を要望しておきます。  次に、豚が全国的にかなり多い。豚は大体人間の十倍ぐらいの尿をするので、全国に六百万頭の豚がおると、そうすると人間の六千万人に匹敵するわけで、豚公害が非常に問題になるわけですが、農林大臣どうですか、対策は。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) お説のように、最近一部の畜産経営が市街地に包容されるようになりました。それからそのほかに多頭飼育が非常に盛んになってまいりましたので、こういう家畜ふん尿の処理が適切に行なわれませんというと、お話のように河川の汚れを生ずるわけでございますので、このような問題の発生を防止いたしますために、私どもは適当な地域に養豚畜舎を——経営を移転してまいるということをいま盛んに始めているわけであります。四十五年度から畜産団地造成事業を発足いたさせまして、四十六年度予算では、これをさらに拡充して実施することといたしております。それから同様なことをいたしますため金融面からも経営の移転を助長いたしますため、四十五年度に移転を行なうものに対し、農林漁業金融公庫を通ずる資金融通の道を開きまして、さらに必要な処理施設につきましては、農業近代化資金等の融通をいたすことにしておるわけでございますが、さらにまた、ただいまお話しのように、人間の八倍あるいは十倍と言われる濃厚な窒素分を持っております尿を出すわけでございますので、そういうことに対する技術の開発のための研究や、それから四十三、四十四年度において設置いたしました施設によりまして、いまそういうことの実験を継続いたしておるわけであります。なお六十四国会におきまして水質汚濁防止法が成立いたしまして、豚舎等についても排水基準が定められるものと考えられますので、畜産につきましては一般に零細な経営が多いわけでございますので、そのほうにも影響するところが多いと存じますので、私どもといたしましては適切な基準の設定や、それから経営の近代化等についての指導を実施する必要があると存じます。そのために四十六年度には畜舎排水基準指標策定事業、これを開始いたすこととしておるわけでありますが、お説のようなことでございますので、私どもこの点については万全を期したいと思って、種々検討いたしておるわけであります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 農林大臣、実態を一応調査されたのがございますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 実態をそれぞれ調査いたしております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 尿の水質基準というのは、大体どの程度になる予定なんですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 事務当局からお答えいたします。

増田久農林省畜産局長

○政府委員(増田久君) 先ほど大臣からお答えいたしましたとおり、本年度の事業によりまして、畜舎排水基準指標策定事業ということを実施しておるわけでございます。この事業を策定いたしまして、その結果に基づきまして、企画庁と相談して基準をきめるという段取りになっているわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 これは全国的にきめるわけですか、一律ですか。

増田久農林省畜産局長

○政府委員(増田久君) 現在のところ一律にきめるか、または地域別にきめるかはまだ検討している段階でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 その点ひとつ慎重に基準だけきびしくても、飼っている人が守れないようではいけないと思うのです。その点ひとつよろしくお願いしたいと思います。  それから厚生大臣に、まあ東京ではカシンベック病等も出て非常に水の流れが心配されているわけですが、この上水道は飲料水となるので、水質汚濁には特にやはり厳重でなきゃならぬ、そういう点で、現在の水道法には原水の測定が法律的に何ら義務づけられていない。これはよくないと思うのですが、どうでしょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 法律的にはおっしゃるとおりでございまして、調べてみますると、やはりじゃ口からわれわれの口に入る水をとるときの水質検査の義務が、水道法上課せられておる。しかし、いま浄水場まで引き入れる原水については、法律上の水質基準検査の義務がないと、こういうことになっておりますが、実際上はそういうことでは、今日とうてい良好なる水道が得られませんので、水道事業者と常に連絡をとりながら、また厚生省自身も通達を出しまして、法律によらざる実質上の通達を出しまして、そして原水についての定期検査をやらせておる、こういうことにいたしております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 やはり通達を出しているというけれども、上水道というのは、一番人間の口に入ってくる大事な水なんですから、やはりできるだけ早くキャッチするという点において、やっぱり法律的にちゃんと定めるべきじゃないんですか、その点ちょっとぼくは問題だと思うのですね。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 原水の水質検査の法定義務ということも、私どもは検討いたしたいと思います。しかし、問題はその検査のもう一つ前の先ほど来御議論がございますように、河川の水そのものが非常によごれてきておりますので、よごれている原因に対応するような処置をまず講じ、それとあわせて原水についても法律上の検査義務の問題について検討をいたしたいと、かように考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まずその対策を講ずるのはいいけれども、なかなか十年も先に、それからやるというのですか。まず緊急の問題として、そういう水質の検査をちゃんと完全にしろと、そして長期的な見通しに立ってそういう新しい法を考える、ぼくはそう考えるのですけどね。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) それは分けてやるわけではございません。一方においては法律的の義務制度を検討しながら、他方においては原水そのものがよごれない対策を講ずる、なおその中間には浄水場に引き入れました水について塩素で前処理をいたしますとか、あるいは活性炭素で特別な処理をいたしますとか、あるいはまた冬期の渇水期などには多摩川などもそうでございますけれども、もう原水そのものの取り入れをやめさせるというようなこともやりながら、これは法律だけつくればそれで万能ではありませんので、私が申しましたのはさような意味でございまして、法律的にも原水検査の義務をかけることを検討する一方、いま申しますような事実上の対策を厚生省は講ずるべきだということを、私は担当者に言明をいたしておる、こういうわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 じゃ、水道法の検査義務を法律化するように、前向きにひとつ検討している、それでいいですね。  次いで、合理的使用の問題でございますが、先ほど通産大臣から工業用水法を改正して非常に合理的に使用すると、そういう趣旨でございますが、これは通産省は大体工場に対してどの程度合理的使用を義務づけることができるようになっているのか、また合理的使用というのはどういうことを考えているのか、その点をお聞きしたいと思うのですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 実際問題といたしましては、工業用水の工場側の負担はかなり大きなものでございまして、また実際そういう姿で合理的な使用を、どう申しますか、事実上せざるを得ないような強制を行なっているわけでございますが、同時に製鉄所等々ことにさようでございますけれども、海水の利用でありますとか、あるいは水の再生利用でありますとか、そういうことにつきましては、私どももいろいろに指導をいたしておりますし、企業側も先ほど申し上げたような理由からそういうことにつとめておるように見ております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで非常に企業によっては九十何%の回収水を使っているところもあるわけですが、やはり推進していかなければいけないと思うのです。ところが、特にそういう点で大口の需要者ですね。水もやはり冷却水等いろいろ用途があると思うのです。冷却水等は循環使用して使えるわけですね。けれどもビールに使うような水は、循環使用できないと思うのです。そういう点をひとつ厳重にやってもらいたいと思いますが、特に回収水を利用するために設備をつくる、そういう場合にはやはり工業用水の転換水の場合のように特別償却とか、あるいはその施設は免税にするとか、あるいは特別融資するとか、そういうような処置を私は考えなければ推進できない、そう思うのですが、通産大臣どうでしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 現在そういう措置は実はとっておりません。私どもとしては水利用の見地からも、そういうことがあればたいへんにけっこうなことだと考えますけれども、財政のほうの都合などもございまして、現在はそういう措置をいたしておりませんで、御指摘でもございますので、いろいろ検討いたしてまいりたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 大蔵大臣、いまの点はどうでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいまお話しのことは、税制としてやっておる由でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 やっておりますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) はい。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 やってないんじゃないか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) なお、私よく聞いておりませんでしたので、政府委員からお答え申し上げます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 やっているのは、地下水の場合だけでしょう。

安井誠大蔵省主税局総務課長

○説明員(安井誠君) 水を再使用いたします場合の浄化装置でございますけれども、それにつきましては現在汚水処理施設につきましては公害防止施設といたしまして、特別償却の対象にいたしておりますが、一部にちょっと誤解がございまして、汚水処理施設の中に入っていないというようなお話がございましたのでございますが、調べてみましたら全部入っておりますので、今後これが改正になりますと、三分の一の特別償却から二分の一の特別償却になるわけでございまして、中に入っているわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そうですか、失礼いたしました。  それから農林大臣はいわゆる農業用水の合理化を、慣行水利権のほうの調査をやる。そのようにこの前言われておるわけなんですが、大体農業用水のこういうのは、やっぱり合理的に使用すれば余るのかどうか。そういう点どのあたり進んでいるのかどうか、その点お聞きしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 慣行水利権は、農業用水利の大半を占めておるのが現状でございます。農業水利の合理化は、農業の生産性の向上のためにも、それから水資源の効率的利用のためにも必要でございますし、それからそういう観点に立ちまして各種の事業等を実施いたしておるわけでありますが、慣行水利権につきましては、農村社会の形成とともに歴史的に、御存じのように古い昔から成立いたしたものでありまして、内容も複雑でございますので、その取り扱いは慎重にするということが必要でございますので、関係の各省とも十分これを相談いたしていま研究しておる、こういうところでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 やはりこういう水の合理的な使用の対策というものは、各省がやはり工業用水あるいは農業用水一元的にやっていかなければいけないと思うのですね。そういう点でひとつ今後水の合理的使用というのをどのようにやっていくつもりなのか。これは責任官署はどこになりますか、お答え願いたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) これは私やっているわけじゃありませんけれども、何百年来御存じのように歴史的なものが慣行水利権でありまして、しかも全国に零細な農業を営んでいるその根源がこれにあるわけで、ただいまおよそ十三万二千ぐらいあると思います。これは御存じのように河川法で承認されたと同じ形で容認されて使っておるということでありますが、御指摘のように非常に大事な問題でございますので、これ政府の中でひとつ統一して研究をしよう、こういうことでいまやっておるわけであります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 経済企画庁じゃないのですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) この水の使用につきましては、それぞれの利水目的に応じて所管省が分かれておりますから、先ほどお話がありましたように、工業関係、産業関係の用水につきましてのその高度利用化、合理化というものは通産省がやっておられるわけでありますし、かんがい用水につきましてはいま農林大臣がやっておられるとおっしゃたようなわけでございます。今後われわれは水を総合的な行政の立場からぜひ各省に、今日の需給状況の見通しからいいましても、御指摘の合理化、高度化というものをどうしてもやっていただかなければならない、早急にこれは差し迫っておると思います。そういう意味におきまして、できるだけこの方面の関心も高め、そして積極的にその方向で推進していただくように、われわれとしても強く要望するつもりでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まあひとつ、いまも合理的使用についてだれが答えていいかわからない、そういう政府の関心ではいけないと思うのですよ。国民の関心を高める前に、まず私は政府が関心を高めて、まあ水道の漏水問題も日本の国は非常に多い、二〇%とか言われているわけだし、そういうような面も含めて、もう少し水の問題について計画にしてもしかり、そういう合理化の問題にしてもしかり、非常にむずかしい問題とは思うのですけれども、経済企画庁長官が中心なんですから、ひとつ本気になって取り組んでいただきたい、この点を要望しておきます。  それから次に河川のはんらんの問題でございますが、大体建設省は昭和四十二年にはんらん想定調査を発表しております。その内容を簡単に説明をしていただきたい。それと都市化が進んで非常に河川のはんらんする危険性は増大しているいわれていますが、そのあたりはどういう傾向にあるのか、簡単でいいと思うのですけれどもね。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のように、昭和四十年から四十二年にわたって調査した、実務については事務当局から答弁させますが、調査したはんらんをされると思われる地区に、大体人口並びに産業が約五〇%集まっておるようでございます。したがってはんらんに基づくところの被害も、それだけ非常に危険性が高まっているということでございます。最近の数年間におけるそういう地区に人口並びに産業の集中度が一年一二%ぐらいずつふえているのじゃないかと思われるほどです。したがいまして、これは主として都会地に近いところです。その意味において、建設省としては都市河川の改修を本格的に先年から始めてまいりました。今後もこれを推進していくつもりです。なおまた中小河川についても、従来に比べて最近は前線あるいはまた集中豪雨、これに基づくところの河川の災害は中小河川に集中する傾向がありますので、これについては従来の一般の治水の予算の伸び率に比べてそれを上回る重点施行を中小河川と都市河川に集中しておるということでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 建設調査会の報告では、流域の市街地開発のために洪水量が増大をしている、流出時間が短くなるために洪水のピークが一・五倍になる、また建設省の土木研究所も、郊外の都市化のために水のたまる場所がなくなって、だんだんアスファルトになっていく、そういうわけで中小河川にはんらんの危険性が増大をしている、なかなか修理が追いつかないと、そういうのは事実でしょうか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) お答えを申し上げます。  最近の地域開発あるいは都市開発によりまして、非常に地表の被覆面積がふえてきております。したがいまして、われわれの専門的には流出係数と言っておるわけでございますが、これがずいぶん高くなってきております。したがいまして同じ雨が降りましても、一時的な流出量というのは非常に増大しておるわけでございます。したがいまして、在来のいわゆる災害とはまた違った都市の治水環境が非常に悪くなっておるのが実情でございます。したがいまして、先ほど大臣からもお話しのございましたように、都市計画法の改正に伴いまして、市街化区域のいろいろな都市施設をできるだけ緊急に整備をするというような方針がございますので、河川につきましても、そういった市街化区域を中心にいたしまして、三十ミリの雨ならどの程度の区域が浸水するとか、そういったような現在はんらん区域の調査をいたしております。で、その結果を待ちまして適切な対策を立てるようにいたしたいと、こういうふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 その調査は大体いつごろ終わるのですか、いつごろまとまりますか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 現在私どもの地方建設局あるいは都道府県を通じまして資料を徴取いたしておる次第でございますが、その結果を取りまとめまして、四十七年度の予算要求時点までには、何らかの資料の形でまとめまして予算に反映するようにいたしたいと考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは次に、治山対策の問題についてお聞きしたいと思います。  そこで大蔵大臣に、ちょっと意地の悪い質問かもしれませんが、山林ですね、山林とは一体どういう働きをしているのか、その点、大蔵大臣の感じているままをひとつ。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これはたいへん多目的だというふうに思いますが、一つは、これは木材資源、そういう役目を果たしておると、そういうふうに思います。もう一つは治水対策、こういう上において有効な働きをなしておる、そういう二つが主じゃないかというふうに思いますが、最近の社会風潮から言えば、何というかわれわれの生活環境と、こういう上から見まして重大な役割りを演ずると、こういうふうに考えます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 実はこれは私林業白書に載っておる表を持ってきたのですけれども、特にきょうは水問題をいろいろ討論をしているわけでございますが、水問題についてひとつ大蔵大臣に認識をしてもらいたい。ここにありますように、森林がある場合と裸の場合は大体、表面流出ですね。降ってすぐ流れる水は、結局裸の場合は倍以上ですね。それからまた地下水の問題ですね、これが地下に浸透する水でございますが、裸の場合は五%しか地下に浸透しないけれども、森林がある場合は三五%、七倍浸透する。そういうわけで先ほど非常に時代とともに河川のそういう流量係数もふえてきている。そういう点から考えて、森林というものは、幾ら力を入れてもこれ公害はないわけですからね。力の入れ過ぎはない、私はそう思うのですけれども、大蔵大臣もそういう意見に同感してくれますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 全く同感であります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで林野庁から、現在の林野庁の森林計画というものがどういうように進んでいるのか、これもひとつ簡単に、だいぶ時間たちましたから、質問も簡単にしますから、答弁も簡単にひとつ……。

海法正昌林野庁指導部長

○説明員(海法正昌君) ただいま造林についての計画だと思いますが、民有林の現在の人工造林面積が昭和四十四年度で約六百八十四万ヘクタールでございます。この人工林率にいたしまして、現状は四〇%ということでございます。今後、造林計画につきましては、昭和六十年度末における民有林の人工林面積を一千万ヘクタールに持っていくということを目標といたしまして、拡大造林を重点におきまして、推進につとめてまいる、現状はそのようでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、先般いろいろ林野庁から説明をいただいたわけでございますが、非常に愛媛とか愛知等は進んでいるわけですが、富山とか島根とか岩手とか、こういうところは達成率が三〇%である。非常に差があるわけなんすけれども、こういうおくれているところの理由はなんでしょうか。

松本守雄林野庁長官

○政府委員(松本守雄君) お答えいたします。  富山とか島根、確かにおくれております。その原因はいずれもが豪雪地帯である。造林が非常に困難であるということが一点でございます。  それからもう一点は、特に島根の場合でございますが、有名な戦前は薪炭の国でございました。その薪炭が最近はどうも使い道が急減をいたしておる。しかも、薪炭林は資本蓄積と申しますか、伐採をいたしましても収入があまり上がらないというようなことで、造林が非常におくれておる状態でございます。  そこで、林野庁といたしましては、こういった地域に造林を推進する必要があるというようなことで、雪に対する特別な補助、それから林道をつけたり、拡大造林をする場合には、造林の補助率を上げたり、また、団地造林というものに対しましては、さらに点数を上げたり、そういうことでいま対処をいたしております。逐次、その人工林率も向上をしつつございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いま林野庁長官から説明がありましたけれども、まあ私が感じているのは島根県の場合、いろいろ現地から要望も聞いたんですけれども、やはり一番困っているのは、だんだん過疎化して人手が不足する。それと非常に人手も高くなって、なかなか政府の造林の補助が、政府の予算単価が大体千円余りで、実際は千八百円とか二千円、その四割ですから、実際には二割くらい、非常に負担が大きい、そういうようなことが一つの大きな原因になっておるわけですね。今後、やはり山村地帯はだんだん人口流出化して、林業経営も困難になっていくんじゃないか、そういう点でやはり私はもっと林業に対する政府の施策というものを充実させていかなければならない、そう思うんですが、農林大臣、どうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私ども全く同感でございまして、したがって、四十五年度予算におきましても、四十六年度予算におきましても、林道、それから造林等の予算は対前年比、逐次増大いたしてまいっておりますが、先ほどお話にございましたように、いろいろの点で、なおこれからもそういう点について力を入れていかなければならないと、このように努力をいたしておるわけであります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まあここでこまかいことを論議しても時間もございませんけれども、たとえば、今年度は再生造林補助金が四十五年度まであったのが、四十六年度から打ち切っておる。大体先ほど大蔵大臣は非常に同感をしてくれたけれども、実際の処置はそのように遂行しているわけですけれども、これはどういうわけで再生造林の補助を打ち切ったんですか。

松本守雄林野庁長官

○政府委員(松本守雄君) お答えいたします。  四十六年から再造林でございますが、これは後退をいたしております。ただ全面的に打ち切ったのではございません。保安林とか自然公園とか災害あと地の造林、そういうものは続けております。しかし、後退をしたということでございまして、その理由でございますが、再造林の場合には、伐採収入——造林地を伐採したあとの造林でございますから、伐採収入が相当額入るということ、それからして造林をする資金には一応こと欠かないではないかというようなことが一点。  もう一つは、今後の日本林業の発展を考えます場合に、いま申し上げました先ほどの島根のような場合でございますが、薪炭林を人工林に体質改善をしていく、これを拡大造林と申しておりますが、その拡大造林のほうへ国としても力こぶを入れるべきじゃないかというようなことで一応再造林の整理をいたしまして、当然再造林についても着実な実施を期さなければいけないのでございまして、農林漁業金融公庫の資金融資制度の改善、拡充、普及指導制度の強化というようなことで、これに対処してまいるつもりでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 非常にこれから山林地帯は人口流出でそういう林業の経営もますます困難な方向に向いていると思うのです。そういう点で、けれども一方を考えれば、そういう森林の使命というものは非常に重大になってくると思うのですね。最近は年間に二億人の人が山へ行くといっおります。そういう点からも林業経営の将来のビジョンといいますか、そういうのはやはり農林大臣はどういう方向に考えておられますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 林業の持つ使命は私は非常に大きいと思うのでございますが、先ほど大蔵大臣からもお話がございました。一つは、もちろん増大いたしてまいります木材の需要に対処して国産材の安定的供給ということも必要でございますが、さらに、私どもは先ほど来水資源等についてお話のございました国土の保全、それからまた国民の保健、休養、あるいは森林の有する公益的諸機能、そういうものを高度に発揮することが必要であると思います。私ども、そのほかにただいまの農政全体として考えますときに、米の生産調整はいたしておりますが、選択的拡大といっております部分のもっともっと大きな増産を見込まなければならない畜産等につきまして、私どもは国有林を活用して、そういうことを実験的にやってみておりますが、たいへん成功しております。したがって、そういう方面に活用すること、それからまた国民保健のためにも、たいへんこの天然の林野というものを活用する機会が非常にに大きいわけでありますから、かたがた、そういう意味で非常に高度な精神的な休養の地帯として活用するには最もその森林というものは適しているのではないか、あらゆる方面から考えまして、森林の持つ機能というものを十分にひとつ発揮するようにつとめてまいりたい、こういうことを考えておるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、非常にそういう森林を持っている町村というのは金がかかると思うのです、その経営においても、やはり補助もしていかなければ、いけない。しかし、そうやって、一生懸命森林を整備して、そのための恩恵というものは、森林経営者の富ならず、いまさっき言った水の点においてはるかに下流の人が恩恵を受けていくわけであります。そういう点で水利権というものはあるけれども、水源権はない。だから水源権を認めてもらいたい。そうして、この森林をたくさん持っているその市町村に対しては水源交付税といいますか、交付税の中にその水源、そういう考えを取り入れて、それがやっぱりある面から言えば、過疎、過密の解決にもなっていくんじゃないか、そういうやはり運動がかなり起こっているわけでございますが、農林大臣はどう思いますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) お話しになりますことを私ども非常によくわかるわけでありますが、水源地帯の森林造成の費用に対する財政負担、これはもう確かにお説のとおりであります。造林補助事業や融資、それから森林開発公団によります造林事業等に対処いたしておるわけでありますが、下流地域の受益者に対して受益範囲の確定等、制度的になかなかむずかしい点もあると思いますので、一がいにただいまお話しのような水源交付税というふうなことはなかなか困難だと思いますが、これは新税のことでございますので、気持ちはよくわかるんでありますが、私がお答えするには適当ではないと思いますので、どうぞあしからず。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 じゃ自治大臣、どうでしょうか、そういう考え方は。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 既設の地方交付税の中では実は処置をいたしておるわけです。水資源対策として治山治水十カ年計画もありますし、造林事業も政府は行なっておる。これに対する地方団体への措置といたしましては、地方財政計画にも組み入れております。地方交付税上の措置を、算入措置をいたしております。四十六年度で申し上げますと、治水関係で八百八十二億、治山関係で百七十七億、それから造林関係で七十四億でございます。しかし、先生のおっしゃいました交付金というのは従来の地方交付税上の交付金じゃなくて、特別の交付金をあるいはおっしゃっておられるのかと思います。これは関係官庁とも検討をいたしてみたいと思いますが、そういうものが実現すれば、これは地方行政上まことにありがたいと存じておりますが、地方交付税上の措置はただいまのように処置をいたしておるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 ひとつ、大蔵大臣、この間私、群馬県の富岡に参りまして——富岡には日本最初の富岡製糸という百年前にできた製糸工場がある。その前に鏑川という川が流れておる。その川は、昔はその川を伝わって品物を運んでいた。ところがいまはさっぱりかれておる。また相馬ケ原の下のほうには銀明水というきれいな水が出て、それを昔は飲んでおった。いまは上のほうを防衛庁、自衛隊で切っちゃって、さっぱり水が出ない。そして、かかっておった橋も前は長年もっておったけれども、いまは毎年橋が落っこっちゃう。その上で確かに群馬の——あなたの地元と思います。地元の附近の写真とってきていますけれども、かなりはげた山が多いわけですね。それを見ても、やっぱり林業というものに対する認識がもう少し国全体として推進していかなきゃいけないんじゃないか。先ほど林野庁の計画でも、昭和六十年の計画、まあやはりこれは早過ぎるに越したことはない。もう少しやはり力を入れて、そうして交付税なり特別交付税なり、そういうやっぱりこの水源を持つ森林計画というものに対する何らかの検討をしていかないと、ますます過疎が激しくなっていくじゃないか、そのように私考えるんですけれども、そういう点でひとつ大蔵大臣も来年度の予算においては——いままではあんまり林野庁の予算も変わってないわけですよ。前年度に比べれば確かにいま言われたようにふえている。これはあたりまえですよ。全体の中の比較から見れば全然変更もない。もう少し力を入れるべきではないか、そのことを私要望したいのですよ。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 国土緑化というか、そういう見地から見ましても、ただいまのわが国の状態は非常に憂うべきものであると、そういうふうに考えるわけであります。森林問題はそういうほかに資源の問題、災害の問題、いろんな目的があるわけでありますが、重要性は私もよくわかります。自治省にもよくお願いいたしまして、さらに対策を強化してもらいたいと、かように思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それから次に水の料金の問題ですが、上水道の水が非常に全国的に格差が広がっている。これはこの前の昨年の委員会でも問題にいたしました。高いところはトンで九十三円、安いところは二円五十銭、百円以上のところも出ようとしているわけですね。厚生大臣はそれに対して、まあ昨年は努力をすると言われたのですけれどもね、一年後の今日でございますが、大体どういう努力の結果が出ましたでしょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) お説のとおり、水道は各地域のいろいろの地理的、社会的条件によりまして採算が異なっている。しかも、独立採算制を地方公営企業としてとるというようなことから、お説のように地域ごとにずいぶん料金の開きがあるようでございます。しかし、大体から見ますると、十トン当たり二百円から四百円の範囲というようなことでございますが、中には、塩出さんの御郷里に近い方面で非常に高いところがあるところも知っております。その反面、また信州などで非常に安いところもあるわけでありますが、これを平均するということはなかなかむずかしいので、私は、水道法の規定によりますと豊富低廉な水道を供給するということが上水道の目的にもなっておることにかんがみますと、やはり起債条件の緩和とか、あるいは国庫補助の増額とか、あるいはその場所場所の水源をさがしたり、水を供給するという小規模の範囲にとどめることなく、一つの広域化の促進というようなこと、そういうことを通じまして、でき得る限り水道の恩恵が同じような条件のもとに受けられるような、そういう範囲を広くしなければならないと今日でも考えるものでございます。しかし、先ほど来お話しのように、水が足りないものでありまして、あとから開発するものはますます条件が悪くなるということでございますので、新しいのは高くなるという事態にございますので、いま申しましたようないろいろの手段を通じまして、できる限りそういう状況を緩和するように引き続きつとめてまいりたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 ともかくひとつ厚生大臣ね、やっぱりこれ言うだけじゃなしに結果を出してもらいたい、結果をね。やっぱり結果を出さなきゃ何にもならないと思うのですよ、幾らここでうまいこと言ってもね。まあ、うまいことと言っては申しわけないですけれども、ひとつそういう点でさらに検討を加えて、これは不合理なことははっきりしているわけですから、その対策をいろいろ検討して前進をしてもらいたい。  それから次にもう一点、海水淡水化の問題でございますが、これはやはり離島等においてはすでに非常に水の足りないところもあるわけですね。そういうところは陸上からパイプを引いたり、あるいは船で運ぶと原価が非常に高い。現に百円以上の状態も出ているわけです。そういうところには場合によってはやはり海水の淡水化装置を設置する。それが一つは研究の推進にもなっていくと思うんです。現在簡易水道には補助があるけれども、もしこの海水の淡水化の装置を設置する場合には、そういう助成の制度はないわけですね。私はそういうのをやはり検討してそういう問題も推進すべきじゃないか、そう思うんですが、その点、企画庁長官どうでしょうか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 離島におけるいわゆる飲料水の問題は非常に重要な問題でございますから、われわれもすでに簡易水道等について十分の補助をいたしておりますが、いま御指摘の淡水化の問題につきましては、井戸水に塩分のまざりましたいわゆるかん水ですか、これについてはすでに助成を行なっております。問題は純粋の海の水、これの淡水化ということになりますと、御存知のように、これについては技術的にいろいろ問題がございます。現在通産省でもって相当の研究費を出しまして、目下海水の淡水化について相当検討をいたしております。その点についての技術的なめどがつくということになりますれば、今度は、それに対する助成という問題が当然考えられなければならない、そういうふうに考えています。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 塩出君の質疑の途中でありますが、午前はこの程度にとどめ、午後一時四十分再開いたします。  それまで休憩いたします。    午後零時三十一分休憩      —————・—————    午後二時三分開会

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、塩出君の質疑を行ないます。塩出啓典君。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 最初にお伺いしたいことは、きょうは海洋汚染の問題を御質問したいと思うのですが、海は非常に各省管轄がたくさんあるわけでございますが、海洋環境という点での責任省はどこでございましょうか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 海洋汚染の法律に関する所管は運輸大臣にあります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 海洋環境はどうでしょうか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) ただいま運輸大臣の言われたとおりでございますが、七月一日からもし環境庁が国会の議決によって出発をいたしますと、それらの法律に基づく各種規制その他の取り締まり等については、一部実務を除いて環境庁長官が統括して行なうということになることになります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 現在はどこなんでしょうか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 現在は運輸省です。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 経済企画庁じゃないのですか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) それはまあものによって違いますがね。たとえば……

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 海洋環境。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 海洋環境のほうは運輸大臣ではありません。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 どこなんですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは全般の領海、公海、となりますと、運輸省でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 海洋環境はどうでございますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 環境についても海上保安庁その他が新しい法律で、昨年の法律でその取り締まり行政を行なうことになりました。しかしながら港湾の中等については漁港並びにその周辺、地先等についてはこれは水産庁であり農林省ということになるかと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 じゃあ運輸大臣が担当だそうでございますけれども、私は大体日本の海が非常に濁っている、汚染が進行している特に瀬戸内海とか東京湾とか大阪湾とか、そういうような海を将来どういう状態にするつもりなのか、私は責任者の方針を聞きたいと思うのですけれども、その点どうですか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 御承知のようにこの海洋汚染防止法ができますというと、まだこれは法律は通りましたが、施行になっておりませんので、現在の現行法律ではたとえば排出規制法とか、廃棄物処理法とかいう現行規定で、港湾の中についてはいわゆる運輸省が、港湾管理者がこれを監督いたしております。ただお話の件は海洋のたとえば瀬戸内海なら瀬戸内の海の水をどうする、だれの所管か、きれいにすることとか、どういうこととかいう問題は、従来の現行の法律では、港湾内はもちろんこれは運輸省が必要な措置は現行法に従ってこれをやります。たとえば、しかしヘドロの問題になりますというと、これは関係官庁と相談をしながらこれを除去するということで、昨年の臨時国会で通りましたいわゆる公害諸法律の制定によって初めて総合的な措置が講ぜられると、こういうことになっております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 総務長官、公害の担当ですからお聞きしますけれども、確かに海洋汚染防止法は運輸省担当ですけれども、しかし海洋の環境保全、いわゆる海の水の汚染をどのようにとどめるかという点については、法律の内容は全然違うわけです。だから担当がはっきりしていない。その点どうなんですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 先ほど申しましたように、環境庁が七月一日に発足することになりますれば、環境庁が一元して所管をいたします。しかしそれまでは、全体としては公害担当大臣の私でございますが、個々の行政については、先ほど申しましたようなこまかな区分けによってそれぞれの役所において担当しておる。また瀬戸内海等の水の注ぐ分野については経企庁の所管になるということでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは担当大臣である総務長官に、大体瀬戸内海なり東京湾なり、海を大体将来どのような状態に持っていくつもりなのか、その点を。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) それぞれ河川浄化、港湾浄化等の計画を立てていくわけでありますが、現在はその計画そのものについて、まず通産省で確かあったと思いますが、来年度予算から大型の瀬戸内海の模型等をつくって、そういうものでどのようにしたならば、海流の流れその他を見ながら浄化ができるかというような具体的な基礎研究に入っていくという段階でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いま私の質問の要旨は、将来たとえば魚の住める状態にしておくのか、あるいは東京湾はもうこれはだめだから運河の状態にしておくのか、そういうことを聞いているわけなんです。その点ははっきりきまっていないのですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 当然海は魚の住める状態にしなければなりませんし、その海に注ぐ川についても魚の住める状態を理想としておりますけれども、現在の経企庁の区分いたしておりまするAAから順番にございますランクの中では、魚の住めない状態というものがなおしばらくやむを得ず継続するという環境もございます。しかし、目的はあくまでも海というものの自然の浄化能力というものを取り戻す、そうしてそれに対して魚ももちろん住める海にするということでなければならぬと考えます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そこで、屎尿投棄の問題ですが、厚生大臣はさきの連合審査で、昭和五十年までに海洋投棄を全面禁止すると、そのように答弁をしております。まあ私はこれはちょっと五十年までには実現が無理じゃないかなと、そういうふうに心配をしているわけでございますが、その点間違いございませんか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 屎尿は、公共下水道あるいは広域下水道等に入れますのが一番いい方法でございまして、その終未処理を下水道とあわせてやると、こういうことになるわけでございますので、下水道の普及状況と関連しながら屎尿の完全処理というものはできるわけであります。ところで、私どもは昭和四十二年以来昭和四十六年度に終わる五カ年計画で屎尿の処理施設の整備計画を進めてまいりましたが、下水道のほうはなかなかそれに伴いません。今回四十六年度を初年度とする下水道の整備計画というものができましたので、私どももいまの屎尿処理施設五カ年計画の最終年度である四十六年度から実質的には新しい屎尿処理施設整備五カ年計画というものをつくりまして、下水道施設の完備と相まってなまの屎尿がそのまま海に捨てられるというようなことがないことを期しておるわけでございますので、五十年になりますれば、なま屎尿が海に投棄されるという状態がなくなると、こういう計画でおるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 廃棄物処理法、海洋汚染防止法、いわゆる海洋投棄の問題でどういうものをどこへ捨てるかということを、これは政令できめるようになっているのですが、これはもうきまりましたか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは場所その他の問題について関係各省がだいじょうぶであるという場所を定めて、そこに例外的に排除規定として投棄することを認めようというわけであります。それについての政令はいま詰めの段階に入っておりますので、近くこれが決定できるものと考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 この法律は施行直前にきめられたんでは市町村は困るわけですね。海のどこに捨てていいのか、瀬戸内海が禁止なのか、全面禁止なのか、それによって各市町村の準備も要るわけなんです。そういう点でひとつ早くこれをきめなければいけないと思うんですね。これは大体いつまでにきめるつもりですか。——なかなかいつもきまらないんだ。

見坊力男運輸大臣官房審議官

○政府委員(見坊力男君) お答えいたします。  海洋汚染防止法の施行期日の関係でございますが、六カ月に施行される部分と、それから一年六カ月後に施行される分とございます。屎尿につきましては一年六カ月後に施行ということになっておりますが、屎尿につきましては、廃棄物処理及び清掃に関する法律によりまして、その排出基準はそちらの政令できめられる。その排出海域及び排出方法につきまして海洋汚染防止法の政令できめる、両方リンクいたしておるわけでございますが、私どもといたしましては、すぐ直前に政令をきめましても流行できませんので、できるだけ早くやりたい。いま案を詰めておりますが、できれば六月ごろには成案を得たいというふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、厚生大臣は昭和五十年までに海洋投棄禁止だと簡単に言われますけどね、広島市の場合でも絶対下水道はそれまでにできないわけですよね。当然屎尿処理施設をつくらなければならない。場所がないというんですよ。それでまあ広島なんか考えているのは、瀬戸内海が禁止であれば、大きな船をつくって遠方まで持って行く、そういうことはできるのだけれども、いずれにしても国の方針がはっきりきまらないからこれは困っておると、そういう状態なんですよ。そういうのはどうしますか。国がかなりやはり財政的にも援助していかなければ、五十年全面禁止は非常にぼくは市町村だけではむずかしいのじゃないかと思うのですけれども、その点どうでしょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 先ほども申しましたように、屎尿は下水道に入れて終末処理できれいにして海に流すというのが一番いいわけでありますが、その下水道は日本じゅう全国至るところにできるものとも私は思いません。二兆六千億の新しい五カ年計画で相当はカバーするとは思いますが、やはりその下水道のないところはお説のように屎尿処理施設を独立させて、そこで水をきれいにする、あと始末をするなり、あるいはまたなまのままで海洋汚染防止法によって許される地域まで持って行って捨てるという場合もやはり私は残されると思います。しかし、さような場合におきましても、いまお話のこの清掃及び廃棄物処理法——先般制定せられましたあれによりまして、屎尿の処理基準を政令できめることになります。いままではほんとうのなまのままのものを海岸地先から二百メートル先なら捨ててもかまわないというような驚くべき規則でありましたのがなくなりますので、まずそのなまのままといってもほんとうのなまのままではなしに、いろいろな技術的な基準で沈澱をしたり溶解をしたりするような、そういう政令を制定を急いでおりまして、六月一ぱいぐらいにはその基準制定が少なくともできますので、下水道が整備されます間におきましても、少なくともそういう処理基準に従わせるし、また昭和五十年下水道が整備しない後においても、その基準によって海洋汚染防止法において許されるその地域に捨てると、こういうことになると思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 どうもなま投棄、なま投棄——なまのまま捨てるのでなしに、ちゃんと処理して捨てる、広島でもすでにもう処理して捨てているのですよ。やっぱり粉砕してね。だからどうも厚生大臣なま投棄なま投棄と言ったから、そういう投棄禁止というのはそのまま捨てるのを禁止するので、砕いて捨てるのはそれは五十年禁止じゃないのだと、そういう意味ですね、結局。どうもだまされたな、これは。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) いずれにいたしましても、ことしの六月政令ができました後はなま投棄、なまのままというのはなくなりまして、砕くなり化学処理をいたしましたり、なまのままで終末処理をして、まあきれいな水にしないまでも化学的処理をしたり、捨てられた後分解しやすいような薬品処理をして捨てると、こういうことに六月以降はなるわけであります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 じゃ、まあひとつその点は早く政令をきめて、市町村のできるようにやっぱりやってくださいよ。  それから次にヘドロの問題ですけれどもね。瀬戸内海ももう二十数年前からパルプ工場ができて、瀬戸内海の問題にしぼりますが、かなり漁業に及ぼす影響等が研究されているわけなんです。そういう点でこのヘドロの実態というのを、これは大体どこがつかんでいるのかですね。つかんでいるところがあれば教えてもらいたいと思うのですけれども。大体状況。——つかんでなければないでいいですよ。管轄はどこになりますか、あれは。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) まあ先ほども瀬戸内海については通産省のほうで来年度予算から大型模型、相当な長さの規模の模型をつくってやると申しましたが、そういうところで潮流その他の堆積物等についても検討するはずであります。しかし、現在瀬戸内海の海底、ヘドロ全体についての調査した分析資料があるかと言われれば、現在のところ対策本部の私のほうにも手持ちはございません。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いま瀬戸内海の屎尿の投棄量が一年間に五十四万トンと言われております。私がまあこの岩国、大竹、それから三島、川之江のパルプ工場の排出基準でなされた場合に、まあこのSSから計算いたしますと、大体両方合わして七万四千トンになると、ヘドロは大体その十倍の重さとして大体七十四万トンのヘドロが現在においては年間出されておるわけなんですね。まあ屎尿は五十四万トン、こっちのヘドロは七十四万トンと、しかも害はこっちのほうが岸に近いわけですからね。固まっているわけですから。これは私は実態を調査をして、これは魚類に対する影響はどうなるのか。瀬戸内海の環境保全にはどういう影響があるのか、そういう点を私は調査をする必要があるのじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中貞則君 水産動植物等については赤潮現象等をとらえて水産庁のほうで調査を開始いたしておりますから、あるいはそちらのほうに資料がある程度収集されておるかもしれません。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 どうなんですか、もし資料がなければこういうのを調査する方向で検討していただけますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 日本の一番大きい内海の瀬戸内海、あるいは入り海としての東京湾、あるいは洞海湾、こういうところはそれぞれ計画がございますので、それに従って逐次やはり、単にヘドロのみならず、それらの海面の浄化、あるいはヘドロ堆積物の除去した後の埋め立て、もしくは緑地造成、そういうものについての計画が個々にいま作成されつつあるという段階でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 今後、瀬戸内海沿岸のパルプ工場、瀬戸内海は御存じのように非常に海流の交流が少ないわけですけれどもね、そういうのはひとつ今後どうされるか、通産大臣にお聞きいたします。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどヘドロとは何だというお話がございましたけれども、瀬戸内海で戦前と申しますか、昔でございますけれども、一般に瀬戸内海は底がヘドロだと言われておりました。これは土質の状態をさしておたったように思うのでございますけれども、最近田子ノ浦等々でヘドロといいますのは、その上に普通SSにやはりなると思いますが、それが沈澱した状態を言っておると思います。それでパルプ工場が大体全国で九十あるそうでございますが、そのうち、四十が現在水質二法の適用を受けております。そこで今度は全部受けることになりますので、SSの規制を行なうことになろうかと思います。それによりまして、まず排出量の規制をしていくことになるわけでございます。同時に、技術的にはSSの処理でございますけれども、まあ凝集して沈澱させる方法と、浮上して分離させる方法とございますと思いますが、それらの技術については、実は補助金などを出してもう少し開発をしてまいりたいと考えておりますが、さしずめ全部の工場が今度水質二法の規制を受けることになりますので、沈澱槽等によって処理をする、こういうことがさしずめの方法ではないか、そうすることにならなければならないのではないかと考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 水質を強化されるそうでございますが、しかし、岩国の方面は現在適用を受けているその範囲内でもやっぱり二十一万九千トン出ているわけですね。通産省の工業開発の構想を見ますと、これは試案ですけれども、パルプ関係の工業出荷額は昭和六十年には四十年の六倍にする、と四国では四倍にする、そのようにやはり幾ら規制をしてもそれ以上に生産トン数が五倍、六倍になっていけば、国民の知らない間に海がヘドロになっていくのじゃないかなと、そのように思うのですけれども、そこで私が申し上げたいことは、瀬戸内海なら瀬戸内海の環境保全を考えて、これだけやはり工場を建てればこれだけの人が集まり、これだけの排水が出るのだ、環境をこれ以上破壊されないようにするにはどうしなきゃならないか、そういうやはり総合的立場から考えていただきたいと思うのですけれども、そういう点でこの工業開発の構想どおりパルプ工場も今後増設しますか、通産大臣。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) やはりパルプの工場が一番この公害の一方の大株でございまして、大企業でございますとただいま申し上げましたような施設をいたしていく能力があろうと思いますが、中小でございますとなかなかそう簡単にまいりません。したがって、新設をするということは今回規制をしていきますこととの関連でおのずから困難になるのではなかろうか、そのようなまた規制をしていきませんと意味がないわけでございますから、瀬戸内海のようなところではだんだんそれだけの経費にたえ得ないような規模のパルプ工場というのは新設は無理になっていくのではないかと思っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 次に、ビニールの問題でございますが、ビニール等がどんどん海に流れ込んでいる、そういう実態でございます。それで、ここに海底六十五メートルでとった写真があるわけですが、これはまだ少ないのですけれども、かなりビニールがやはりあるわけですね。将来どんどんこういうのが海底にたまってきて、知らない間に非常な悪影響があるんじゃないか、ところが海洋汚染防止法では一応船からの投棄というのは禁止されているわけですけれども、川からどんどん入ってくるのもあるわけですね。こういうのはやはり何で規制するようになっておりますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは水質汚濁防止法によって底質の悪化というような表現になっておりますから、もちろん前提には産業廃棄物その他の投棄の処理の規則も受けますけれども、一ぺん流れ込みましたものにつきましては、水底の底質の悪化という問題において、可能な限り河川、湖沼、沿岸、そういうものはとらえられていくと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、われわれから言えば、海の大掃除をしてもらいたいと言いたいところですけれども、これはなかなか現実にはできないわけですけれども、しかし、やはり海底のビニール等の堆積状況、その写真にもだいぶタイヤとかがたまっておりますけれども、やはりそういう対策を立てるべきじゃないか、特に漁師の人が魚をとると網にビニールが引っかかるわけですけれども、そういうのはやはり地方自治体で買い上げるように、そういうしさいなことでもひとつやはり指導したらどうかと思うのですが、どうでしょう。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは水産庁もしくは農林大臣おいでいただくとありがたいのでありますけれども、市町村の自治体が買い上げる前に、やはり国の水産行政として考えなければならない。その水産行政に至る前の段階の公害処理の問題として考えなければならないという問題をはらんでいる問題だと思います。実際上海底にビニールが堆積いたしますと、産卵も妨げますし、あるいはまた有益なプランクトンの発生も妨げる。しかも引っぱったら網にはビニールがかかってくるという状態でありますことは全国各地で報道されておりますので、当然漁業対策の面からも無視できない沿岸漁業の重大な阻害要因になっているということは、確かにそのとおりだと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いま非常に川から流れてくるのを、みな投げてしまうわけですね。そういうのはやはり厚生省関係だと思うのですけれども、対策を立てるべきだと思うのですが、その点どうなんでしょうかね。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) これは先般の廃棄物処理法においても、何んも河川その他公共の施設に廃棄物を投棄してはいけない。それに対する罰則が規定されておりますし、また河川法の施行規則でございましたか、やはり同趣旨の規定があるはずでございますので、たてまえとしてはそういうことがあってはならないことになっておるわけでございますが、実際はいま写真で見ますように、そういうものがいつの間にか捨てられておるということでございますので、私どもといたしましても今日の廃棄物処理対策、あるいは公害対策の立場から、これらに対する指導、あるいはそういうことのない事態の実施につきまして、十全の措置を地方公共団体とともにやってまいりたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは最後に二点だけ。  一つは運輸大臣にお聞きしたのですが、瀬戸内海、東京湾でもそうでございますが、一番こわいのはタンカーによる油の問題ですね。で、海運白書によりますと瀬戸内海では十年間に九・四倍、東京湾では八・一倍、油の輸送量がふえているわけですね。一方、フェリーも非常にふえている。そういう点で、そういうような交通対策をどうしていくか、東京湾ではもう大型タンカーは入らないように、パイプで送るとか、そういうのを検討されているそうですけれども、やはり瀬戸内海においても検討すべきじゃないか、今回も特定海域管理法案というのが各省のあれで流れたそうですけれども、何らかの海のそういう秩序というものをはっきりさしていかなければいけない、今後のやはり海上交通のあり方というものに対策を立ててもらいたい、その点。  それともう一つは、これは総務長官に。非常にいろいろ屎尿投棄をやっていて、結局ほんとうに海がきれいにならないわけですね。だからまあ何年までにやっぱりこれだけの環境に保つためには下水はこれまで整備しなければいかぬ、工場排水はこれだけに押えなければならぬ、そういうやはり総合計画を立てて、それに基づいて着々とやっていく、そういうわけで瀬戸内海環境整備緊急措置法、まあ私たちはそういうのをつくりたいと思っていま準備しているわけですけれどもね。やはりそういう方向でやるべきじゃないか、その点に対する御意見をお聞きしたい。それで終わりたいと思います。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) タンカーの問題の前に、屎尿のいわゆる放棄の問題に関連して、海洋汚染防止法の所管省としましては、先ほど政府委員からお話ししましたように、六月ごろまでには政令をきめたい。運輸省側の希望としましては、これは何といっても海洋はきれいにしておきたいのでありますから、したがって、一年六カ月後に実際上法律は施行するのでありますけれども、その時点においては瀬戸内海あるいは大阪湾、伊勢湾、東京湾等の湾内にはこれはひとつ屎尿を捨てることはやめてもらう、禁止してもらいたい、こういう政令にしたいと私のほうは希望いたしております。ただ一年半という時間を要するのは、それがためにはそれを運ぶ船をつくる必要がありますのでやむを得ませんけれども、その後におきましては少なくとも外海の適当な遠いところまで持っていってもらう、かようにこれは強く私のほうとしては要望したいと思っております。  それからタンカーの事故の問題ですが、これは御心配になるように、ことに東京湾はいわゆる浦賀水道、狭いところを通ってまいりますので、東京湾からパイプライン計画を進めることになりまして、本年度調査費を計上いたしております。そうしてできれば私はまあ三年ぐらいのうちにと考えておりますが、それには一つ相当水路を整理しなくちゃなりませんので、それらを含めましてやっぱり三年ではむずかしいかもしれませんが、なるべく早く東京湾内のパイプラインはこれを実現したい。そうしてタンカーはまあ三千トン、五千トン、小さいものまで入れないという考え方でありますけれども、できるだけタンカーというものは小さいものに限っても湾内には入れない、こういう計画を進めていきたいとこう思っております。なお瀬戸内海につきましても、目下運輸省としましては港湾局で同じくこのパイプライン計画を考えております。ただ問題は、瀬戸内海の場合に西瀬戸内海と言いましょうか、いわゆる九州寄りのほう、どの辺にシーバース、いわゆる大型タンカーを入れるかということによってパイプライン網が変わってまいりますので、まだ最終的なもくろみには至っておりませんが、これはもちろん当然に瀬戸内海と同様に、これから橋が三つもかかるということになればなおさらでありますからして、したがって、東京湾に次いで緊急を要するのは瀬戸内海のパイプラインの計画である、かように考えて、これもできれば数年後には実現するような仕組みで努力してまいりたい、かように考えておるわけであります。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 瀬戸内海浄化特別措置法というような仮称的な考え方、これもやっぱりある意味では傾聴すべき御意見だと思います。まあそうなりますと、洞海湾とか有明海とかそれぞれ全部つくらなければなりませんので、そういう手段によるか、あるいは昨年の臨時国会で御協力を得てできました法律で、大体水域については環境基準、規制基準それぞれその地域に必要な上乗せその他も設定できることになっておりますから、それらの規制と相まって、国のほうで公共事業として援助できるもの、あるいはまた地方が行なうもの、そういうものによってやはりある程度の目標は設定しなければいけないと思いますけれども、そういう法律によらなくともやり得る方法が場所場所においてございますので、緊急の度合い等に応じながら最終目的の海面浄化、河川浄化に努力をしてまいりたいつもりでございます。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 以上をもって塩出君の質疑は終了いたしました。     —————————————

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 次に、小柳勇君の質疑を行ないます。小柳君。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 きょう産業貿易の具体的な問題で質問する予定ですが、その前に厚生省に質問いたします。  これはけさのわが党の国対で問題になった問題でありますので、大臣にお聞きいたしますが、厚生省は昭和四十五年度予算に妊産婦の健康診断の予算を計上しておるが、医師会との話し合いがつかないので十分実施されておらないと聞くが、そのいきさつを御説明願います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 御承知のように厚生省で母子保健対策というものに最近は力を入れております。従来でも既婚の婦人が妊娠をいたして届けますと、御承知の母子健康手帳というものを交付をいたしまして、そしてそれらの方々には一般検診と申しますか、ごく一般的な通常の健康診断を公費をもって行なう制度をすでに両三年前からやっておりましたが、本年度から百尺竿頭さらに一歩を進めると申しますか、一般検診の結果異状が発見されたと申しますか、発見される可能性のある人々がおりました場合には、たとえば妊娠中毒症というようなこと、そういう方々に対してはもう一つ上の精密検査というものを公費によって一般検査と同じようにやりたいと、こういう制度を案出をいたしたわけでございます。ただし、これはすべての妊婦ではございませんので、まあ所得税を若干納めている人を含みまして、それから以下の所得階層の人々と、こういうことになるわけでありますが、そういうことを始めたわけでありますが、私が報告を受けたところによりますと、その実施の段階におきまして、公費負担ではあるが、これはまあすでに異状のある妊婦でございますので、医療保険も当然受けられることになりますので、医療保険で受けたその自己負担部分を公費で見るのか、あるいは医療保険を排除して根元から公費で見るのかということにつきまして、実施主体であります地方公共団体等の間、あるいは医療機関も介在しておったかもしれませんが、実施上の問題につきましていま申しました点につきまして措置がなかなか決定しなかったと、こういう状況だったようでございます。しかしこれもとどのつまりは、医療保険の対象として、そのうちの自己負担分を今年度から始めたいまの精密検査に対する助成予算をもってカバーをすると、こういうやり方がよかろうということになりましたそうでございますので、その実施がおくれたというような事情でございます。弁解するわけではございませんが、こういう制度は始めた初年度におきましては、そういう問題もままあり得ることではないかと思いますので、通常は一年分の予算を見ない場合が多いのでありますが、この件につきましては一年間の予算を見てもらったということでございましたが、完全に一年間まるまる、昨年の四月から実施に踏み込めなかった、こういうような状況にあると報告を私は受けております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私どもが聞いておりますのは、もっと深刻な問題ですから、お考えになりました四十五年度予算の中の対象人員と、その予算額と、それから現状ですね、昨年の四月から今日までどのような検診なり精密検査なり、一般検査をやられたか、御説明を願います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 政府委員から……。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(坂元貞一郎君) 本年度の、ただいま御指摘になりました母子保健対策のうち、妊婦の精密健康診査の問題でございますが、これにつきましては本年度予算としましては当初三千百七十七万円を計上していたわけでございます。その対象人員は大体二万七千人でございます。ところがこれにつきまして、ただいま大臣からもお答え申し上げましたように、今日まで、つい最近までいろいろ関係団体との調整が手間どりましてまいったわけでございますが、本年二月以降医療保険の適用を受けた後、その自己負担分について公費で負担すると、こういうようなたてまえに変えたわけでございますが、いまお尋ねのように、全国的に見ますると、十三の団体が、つまり正確に申しますと、十府県と三市でございます。十三の地方団体が実施をいたしていると、こういうことに相なっているわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 妊婦の一般健康審査はどうなっておるかということと、十三団体で現在始めたようでありますが、その他の団体の取り組みはいかがですか。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(坂元貞一郎君) 妊婦の一般健康審査でございまが、これは今年度予算におきましては三億四千八百二万円計上されているわけでございます。これはすでに一般健康審査につきましては四十三府県が実施をしております。それから、政令市のうちでは十四市がすでに実施をいたしているわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 局長、あとの答弁は。十三市のあとの、精密検査のあとの県の取り組みはどうですか。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(坂元貞一郎君) 精密検診につきましては、先ほど十三地方団体と申しましたが、その残りの都道府県、政令市等につきましては国でやっております公費負担という制度ではなくして、むしろ最初から医療保険の適用をやっている、こういうことに相なっているようでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そういたしますと、初めの予想どおりは実施されておりませんが、その予算の残額の処理はいかにされるつもりですか。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(坂元貞一郎君) 公費がそのように変わったわけでございますので、当然国の当初計上しております予算額に余裕が出てくるわけでございます。大体精密検診の場合は二千万程度だと思いますが、この余裕額につきましては、先生御存じのように母子保険対策全般のいろいろな施策があるわけでございますが、そういう施策の中の一環として計上するようにいたしたい。したがいまして、母子保険対策全般が有効かつ適正に運用されるように全体の中の予算経理をいたしていくように財政当局とも話し合いをしたいと、かように考えているわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 四十六年度の予算にも精密検査のこの予算が計上されておりますが、四十五年度よりも減っております。その減った理由と、それから話し合いが今後医師会なりあるいは地方団体との話し合いがどう進むか御説明を願います。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(坂元貞一郎君) 四十六年度の予算といたしましては、精密健康審査の場合には、千二百七十六万八千円を計上しておるわけでございます。これ、前年度は、つまり本年度、四十五年度は、先ほど申しましたように三千百七十七万円でございますが、四十六年度は千二百七十六万円というふうに一応表面上は減っておりますが、これは、先ほど大臣がお答えいたしましたように、保険のほうで、医療保険のほうで、まず適用しますので医療保険のほうが若干負担増になる。したがいまして、私どものほうで計上しております公費負担分の予算というのは、当然減になる、こういうことに相なるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もう一回質問いたしますけれども、公費負担の分は、この四十六年度の予算に計上されてありますかということが一つ、それから、医師会等の話し合いで、健康保険でやるのか、公費負担でやるのか、話し合いが十分ついたと私はまだ知っておりませんが、その点いかがでしょうか。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(坂元貞一郎君) 前段のほうの御質問は、いま申しましたように、明年度も公費負担の予算を計上しているわけでございます。つまり保険のほうで適用いたした残りの自己負担分について、妊婦の精密検診の場合は千二百七十六万円計上いたしているわけでございます。  それから、後段のほうの関係医師会等の話し合いにつきましては、いま、先ほど大臣が申し上げましたように、まず医療保険を適用して、しかる後に、その自己負担分について公費負担をすると、こういう方針で意見が一致をみているわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この下部で、妊婦が問題にしているのですから、初年度から、うまくいかなかったということではなくて、もう少し真剣に、健康保険でいくのか、公費でいくのかということも、まだはっきり地方団体のほうも、あるいは医療機関のほうも理解してないのじゃないかと思うのですが、大臣お聞きでありませんか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) この話はつまり精密検査というのは、一般検診の結果、異常が発見された妊婦に対する検診でございますので、健康保険がきくわけであります。そこで、健康保険として、今日まあ国民皆保険でございますので、健康保険なりあるいは国民健康保険に、その家族として、あるいは本人としてこれらの妊婦は加入されておるわけでございますので、したがって、健康保険の適用を受ける。しかし、それが国民健康保険の場合には三割の自己負担が残り、あるいはまた組合あるいは政管の健康保険の場合には五割の自己負担が残りますので、その三割ないし五割の自己負担分と公費で支弁すると、こういうことで、この精密検査については話がセツルした。そこで三千万円余りの予算のうちで、いま申しましたようなやり方で精密検診の公費負担がすでに始められたと、こういう報告でございます。したがって、四十六年度、来月から始まる分につきましては初めからその要領で、健康保険は健康保険でその上の自己負担分を公費で見るということになりまして予算を組みましたので、対象人員等は異同はございませんけれども、金額におきましては根元から公費で見る三千万円あまりよりも保険の自己負担分ということだけでございますので、千三百万円ということになったと、こういう報告でございますので、もうごたごたはないと私は理解をいたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 乳幼児の検査及び三歳児健康診査などは完全にこの予算書どおり実施されておりますか。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(坂元貞一郎君) その件につきましては、従来どおり実施をいたすと、こういうことになっているわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今年度に消化できませんでした予算をどのように使うかはっきりしなかったので、もう一回御説明願います。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(坂元貞一郎君) 今年度の場合は妊婦の精密検診だけで二千万程度の余裕が出るわけでございますが、これは母子保健対策ということで、いま先生たまたまお述べになりましたように、乳児、幼児、それから三歳児の検診、そういうようなものの一環の予算でございますので、そういうような全体的な予算の運用の中でこの余裕額をどうするかということについて今後財政当局とも話し合いをしていきたい、かように思っているわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの問題は妊婦の意見を十分に私まだ把握いたしておりませんので分科会などに譲ります。  次に繊維問題で質問いたします。  その後のアメリカ政府の動向なり、繊維問題のあとをどのような動きがあるか御説明を願います。外務大臣と通産大臣から御説明願います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) お答えいたします。  政府といたしましては、三月八日以来事態を静観をすることが最も適当であると考えておりますので、その状態を続けておるわけでございます。その後特にどうこうという動きは先方からもございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 アメリカのほうがどう動きましょうとも、いずれにしましても、日本の業者の自主規制はやらなきゃならぬのでありますが、現在の割り当てなど具体的な日本の業者の動きについて御説明を願います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 業界も自主規制の宣言をいたしましたものの、これはみんな一緒になっていたしたわけでございますけれども、さてそれを実行いたすということになりますと、もう御想像いただけますように、中の利害関係はなかなかいろいろに複雑でございます。で、そういう利害関係を業界で調整をし、私どももむろん求めがあれば、中に入ってよろしいと思っておりますけれども、そうしてまず利害関係の調整ができるような形での規制のし方、これを委員会を設けまして検討を始めたところでございます。それから補償措置につきましても、政府に要望をいたしておるわけでございますが、それにつきまして、また別個の委員会を設けまして業界が検討をいたしております。これらは基本的には、先ほど外務大臣もお触れになりましたかと思いますが、自分たちのした自主宣言というものを、いろいろ条件はございますけれども、基本的には誠実に実行していこうという心がまえを持って具体的な準備をしつつある、こういうふうに申し上げてよろしいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの自主規制のこの別個の委員会などの構成なり、それから当然政府も救済策については具体的に検討しなければならぬと思うのですが、たとえば補正予算の計上なり、立法化なり、特恵関税の実施に対しては特恵対策法ができます——具体的な立法化などの救済策をどうお考えであるか、御説明願います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 政府としてしかるべき救済策を考えるということは、先般来、総理大臣も、また大蔵大臣も本院でも言明しておられますので、その基本方針に変わりはございません。ただ、先ほども申し上げましたように、その規制の中身、態様というものは非常に複雑なものでございますので、そのきめ方によりましてどこに一番被害が及ぶかということが異なってまいります。私どもとしては、一番中小、それも縫製、加工などに被害ができるだけ及ばないような規制のしかたというものを考えてもらいたいと業界にも要望いたしておるわけでございますが、規制の態様がほぼ出てわかってまいりますと、どこを一番救ったらいいかということがおのずからわかってまいりますので、まず規制のほうのしかたのでき上がりを私どもとしては見ておるわけでございます。もちろん他方でこうもあろうか、ああもあろうかという案は事務的には検討いたしております。  なお、財源等、金融あるいは財政上の手当てでございますけれども、これは一般論といたしまして、四十六年度予算編成の際に大蔵大臣に対しましては、繊維問題について将来政府として処置をしなければならないかもしれぬ、しかしその態様は全然明らかでないので、そのときにまた具体的に御考慮をわずらわせたい、こういうことを予算編成に際してお願いを申し上げておるわけでございます。  なお、この規制の委員会の仕組みということを言われましたが、これは業界のエキスパート、各業態を代表したエキスパートが委員会を構成しておるというふうに聞いております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大蔵大臣にもお願いをしてあるという発言でありますが、具体的に、通産大臣明敏でありますから、大ざっぱに言って一体どのくらいの予算が必要なのか。いままで一〇%余り伸びておったのが五%で押えられるわけでありますから、相当の打撃ですね。一体、日本の中小企業をあずかる通産大臣としてはどのくらいのものを大づかみに考えておられるか、御説明願います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 実はこの点は私が見当がついておりまして申し上げないというのではございませんので、正確に申しまして見当がいまのところつけにくいわけでございます。と申しますのは、ごらんのような規制のしかたでございますので、業界がほんとうに仲よく話ができるという状態でございましたら、綿の部分あるいは毛の部分というのは化合繊のほうにある程度融通がつき得ることだと思うのでございます、傾向としては両者減っておりますので。そういたしますと、それをどのように化合繊のほうで上手に使うかということによりましてある程度の伸びを確保することはできる。これは理屈で申し上げますほど実際にやってみますと簡単ではないようでございますけれども、そういうことが可能であると考えられます。その辺の話がうまく進んでいきましたら、おのずからある程度の伸びというものが確保できますわけで、そうなりますと、被害の度合いもそれだけ緩和することができる、そういうふうにも考えられますので、私どもいま全力をあげなければならないと思っておりますのは、できるだけ、ことに中小の産地とか縫製、加工などに被害が出ないようなと申しますか、最小限にとどめるような規制の方法というのをひとつ業界にも私どもも意見を申しましてつくり上げる、このことがまず第一ではないだろうか。しかし、それにも限度があるということでありましたら、そのでき上がりによりまして、どのような救済をすることが適当かということを第二段に考えなければならないわけでございますが、まず当面大切なのは、その第一の段階ではないか、こう思っておりますので、先ほどの御質問に対して、計数的にお答えがいまの段階で申し上げにくい、これははっきりまだつかめないと申し上げることが正確であると思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 特恵の影響に対しましては、ことしの七月からのにもう法案が出ております、今度の国会で、特恵に対する対策法は。この繊維交渉はもういま始まったことじゃないわけですね。しかも、それは、政府間交渉にしましても、自主規制にいたしましても、結果的には業者がそのしわ寄せを受けるわけでしょう。だから、いま業者が自主規制宣言したから、さあこれから具体策などということは私は理解できないのですが、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 実は、御承知のように、業界自身が、私ども前から救済措置も考えるがということを前提として申しておったのでございますけれども、規制をするつもりがありませんので、そういう話には乗れませんと申しますか、御相談にあずかる筋合いでないというようなことでございました。規制をするという宣言をいたしまして、そこで初めて、したがって補償もということになってまいりましたので、業界自身がその問題を考え始めましたのがきわめて最近のことでございます。政府はやはり業界のそういう要望を受ける立場でございますものですから、私どもも、相当確かに時間はたっておりますけれども、被害の救済ということを具体的にいままで検討したことはなかったわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大蔵大臣に質問いたしますが、やりとりはいまのとおりです。重要な段階でありまして、もうこれからは話は、業者が自主規制したのですから、政府間交渉にたとえば最悪の場合に追い込まれましても、やはり規制しなきゃならぬでしょうね、いま考えますに。したがって、この救済の具体策については、大蔵大臣、いかがでございますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 繊維業界は、こういう日米の新事態がなくともなかなかむずかしい状態にあるわけでありまして、したがって、構造改善対策を中心としたいろいろな施策を進めておるわけです。これは、税の面においてもしかり。また、金融の面においてもしかりですね。それから一般予算の面においてもしかり。どういう日米交渉の影響が現実に出てくるかと、こういうことを非常にいま判定しにくいというお話でございますが、いかような影響が出ようとも、まずさしあたりそういう対策の体制がありますので、これでかなりのことはできる。しかし、それで吸収し切れないという場合もあるかもしれません。そういう際におきましては、具体的な通産省の診断、また考え方、そういうものを基礎にいたしまして、十分ひとつ対処していきたいと、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務大臣に質問いたしますが、業者が自主宣言いたしましたのはよくよくのことだと思います。それはもう大臣御存じのとおりですね。なお、今後、政府間交渉で制限立法なども言われておりますが、現段階で外務大臣がアメリカの政府の動向をどのように把握しておられますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) お話のように、また、先般来私こちらで申し上げておりますように、この問題は、政府間交渉でございましても、結着するとして、方法論としては、業界の納得と協力を得て自主規制をしていただくよりほかに方法はございませんし、また、政府としては、かねがねから、政府間交渉でございましても、日本政府が立法措置その他やるつもりは毛頭なかったわけでございます。これを、もし、そういうことをやるということを考えるならば、自由主義貿易を基本として維持したいといういわばフィロソフィーに触れてくる問題でございますから、政府としてはその態度を堅持していたわけでございます。そこで、政府間交渉が不幸にしてまとまりませんでしたのは、政府から考えまして業界にお願いし得る限度というものがあると、この点が結局政府間交渉がまとまらなかったゆえんでございます。これは詳しく言えば切りがございませんけれども、要するに、自主規制に対して米側が期待していた線ではございません。それは、大統領の声明にもあらわれておりますように、これは満足のできる決着ではないと率直に言っておるのは、その点でございます。しかし、私どもから見れば、先般来申しておりますように、大所高所の立場に立ってよく日本の業界が勇断をふるってこういう一方的宣言に踏み切られたと私は敬意を表しておるわけでございます。同時に、せっかくこういうふうな決意を内外に表明されましたからには、これが誠実に実行できる、実行していただくことにおいて、時間はかかりましょうけれども、結局日本の姿勢というものが必ずや私は米国側にも理解をしてもらえると、こういう信念をもってこれからは進むべきではないか、かように思っておりますので、これから、この時期におきまして、政府間交渉をあらためて云々ということは考えておりません。要は、この日本側業界の誠意のある態度が、実行の面において、相手方のあるいは国際的な信をつなぎ得る、こういうかっこうになることが望ましい、そのためには私どもとしてもできるだけのお手伝いをしてまいりたい、基本的な考え方はこういう考え方でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま、外務大臣の答弁でも、アメリカの動向についても確たるまだ見通しがありません。それはそうでしょう。いま相当動いておりますが、そこで、通産大臣に重ねて質問いたしますが、私は、特恵の影響よりも、このほうが繊維業者にとっては早いと思うのですね。したがって、もしも、やがて近日中にアメリカのほうだって固まってくると思いますけれども、いまの日本の宣言いたしました自主規制の方向に似たように問題が進展した場合は、予算措置なり、あるいは立法措置なり、特別国会や臨時国会でもやる決意がございますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 具体的には大蔵大臣もよく御相談を申し上げなければならないことでございますけれども、規制に入りますと、現実にどこにどういう被害が出てくるかということは見当がつくと思いますので、その際すみやかに政府としての処置を決定いたしたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 昨年の秋から私どもずいぶん業者とも接触しまして、たいへんな、それはもう血のにじむような気持ちですね。その気持ちは通産大臣もおわかりと思いますから、いま言われた御答弁の方向でひとつ対策を考えてもらいたいと思います。  それから外務大臣、この繊維のあとに自動車やテレビなどにも波及するという心配をいたしておりますが、いかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 何ぶんにも、日米間の貿易の規模というのが、こういう問題が一方にありますけれども、どんどん伸びておりまして、昨年は五十九億ドルぐらいの輸出になっております。こういう次第でございますから、今後といえども、いまおあげになりましたような品目、あるいはそれ以外にも、いろいろ問題が起こるかもしれません。しかし、これは、率直に申しまして、今回の繊維問題というものは双方にいろいろの意味で教訓を与えられたような感じがするわけでございまして、アメリカといたしましても、保護立法、制限措置というようなことをすることがいかに困難なことであるかというようなことについては、これはいろいろの意見が出ておりますが、言外にそういうふうなこともくみ取れるのではないかというような感じがいたします。また、それだけに、私は非常に多きを期待をするというふうにおとりになるかもしれませんけれども、今回の日本側の繊維業界のとられたぎりぎりの自主規制の態度というもの、そうして、これが手ぎわよく実施に移るということが、いろいろの意味で有効打になって、そうして将来における起こり得るであろうところのいろいろの問題について非常に激しい立法であるとかクォータであるとかということにならずに解決し得る一つの示唆を与えているのではないかと思います。これはあまりにひとりよがりの考え方かもしれませんけれども、今度の日本の繊維業界の示したビヘービア、あるいはこれを今後誠実に実行するというその姿勢において、将来、激しいいわゆる戦争というようなことが起こることなしに、適切に解決ができる示唆を与えているものではないか。同時に、そういう考え方でございますから、いろいろの方法によって、日米間の経済問題の対話、連絡というものをなお一そう努力をいたしまして相互の意思疎通を十分はかってまいりたい、かように存じております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務大臣、もう一問ですけれども、台湾や韓国や香港などの動向は、日本に対して不安を抱いているようにわれわれは情報を得ておりますが、どのようにキャッチしておられますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) まことにこれもごもっともな御発言でございます。政府といたしましては、こうした国々がこの問題について非常に大きな関心を持っております。よくそのことは承知しております。そこで、三月八日に日本の業界が一方的宣言をせられまして、このことはそれぞれ通報はいたしておきました、とりあえず。しかし、御承知のようなその後の状況でございますから、ただいま、政府として、政府間でどうこうということはあるいは不適当かとも思いまして、そういう措置はいたしておりませんけれども、十分成り行きを静観してまいりたい、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 われわれは外交にしろうとでありますが、佐藤・ニクソン会談以来、佐藤総理とニクソン大統領との話し合いによってこの話が糸口をつくった。それで、結局は、政府は、これは総理大臣も外務大臣もいい子になって、業者だけがそのしわ寄せを受けているという印象をぬぐい切れないのです。したがって、政府としては、もう少しアメリカに対してもしゃんとして対策を講ずるなり、あるいは、極東三国に対しても、もう少しどろをかぶって、業者にかわって動くだけの熱意が必要だと思うのですが、いかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 政府間の交渉ということで結実しなかったことについては、私もたいへん遺憾に思っている次第でございます。しかし、先ほど申しましたように、ひっきょう、これは、業界の自主規制という方法以外には考えられないことであり、また、業界の御納得を得るぎりぎりの線でまとめなければならないということで、ずいぶん日本側としても努力をしてまいりましたわけでございますから、そういう点から申しまして、政府としては尽くすべきことは十分尽くしてまいったと思います。  それから韓国、台湾等の問題につきましては、これは、ただいま、とにかくアメリカ側が日本の自主規制に対しては満足ができない、こういう態度を表明しておりますときでもございますので、なかなか率直に申しまして扱い方が微妙でございますので、先ほど申しましたように、政府といたしましては、とりあえず日本の業界のとった措置について通報いたしておきましたが、その後の状況は、ただいまのところ静観をしていると、こういう状況でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私が言わんとするところを御了解願いまして、次は、西欧、北欧などにこのアメリカの保護貿易主義の波が押し寄せまして、日本の貿易に対して支障を来たしているようなことはございませんか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 今回のこの繊維問題につきまして、ガットの場におきましても、あるいはヨーロッパ諸国等におきましても、非常に注視している問題でございますだけに、いろいろのコメントや意見が出ておりますが、それらを見るにつけましても、今回の日本側のとりたる措置、あるいはこれからとらんとする措置というものを誠実に実行していくことが私はベストの方向ではなかろうかと、こういうふうな感じを受けるわけでございますけれども、先ほど来申しておりますように、これまでも日米間でこれだけ交渉して政府間としてはついに実らなかったというような、まことに複雑微妙な経路と背景のあります問題でありますだけに、いま静観と申しておりますこの途中におきまして、私もあまり多くを申し上げないほうがよろしいと思いまして、あえて私見を差しはさんだような意見はこの際申し上げないでおきたいと思う次第でございまして、この間の環境や状況を御了察いただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 北欧四カ国、あるいは西欧諸国の外務省の出先機関や、ジェトロの出先機関の諸君、あるいは商社の諸君などといろいろ話しますと、いままで三〇%、五〇%伸びました貿易が急にブレーキがかかってまいったと、そういうことを心配しておるわけです。日本の貿易は伸長させなければなりませんけれども、アメリカのこの繊維問題が、西欧、北欧の貿易にまで相当保護貿易的な色合いを強めておる、そうして出先でがんばっている諸君が苦労しておると、私は非常なわずかな期間でありますから、よくは真相はわかりませんが、そういうことは大臣ですからおわかりでありましょうが、こういうものに対する対策なり処置など、どういうふうにとっておられるか、お聞きしておきたいと思うのです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほどちょっと触れたつもりでもございますけれども、貿易をますます躍進させていきますためには、いろいろの考え方が必要であると思いますけれども、その中の一つに、やはり末長く友好関係を持って伸びていくのには、いわゆるオーダリーマーケティングというような考え方、これはもう日本の業界の方々の中にも十分そういう意識を私はお持ちになっておられるように見受けるわけでございますが、そういったようなことと、それからいま一つは、これは別の話になるようでございますけれども、日米間の貿易というのが、比重からいっても全く比べものにならないほど大きいわけですけれども、同時に、EECとかあるいはほかの比較的従来から見れば貿易の比重がもっと高くてもしかるべきように思われたところが、まだまだ発展の余地があるように思われますが、やはり相互の理解が一そう進みますような環境をつくることが非常に必要ではないかと思います。そういう点で、たとえばEECとの間におきましても、定期的に最高幹部の会談を開くということをはじめといたしまして、双方ひんぱんに意見の交換をする。そしてこちらとしても先方としても、秩序のある貿易の振興策ということを念じながら共存共栄をしていくということに徹していきたいものであると、基本的にはこういうふうな考え方で今後大いにやってまいりたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 貿易の問題はまた別の機会に分科会でやりますが、経済協力の問題を少し質問していきたいと思います。それは七五年までにGNPの一%援助を約束してありますが、いまの日本の経済状態で、この発展途上国に対する経済援助というのは一体どういう意味を持っているとお考えでございますか、外務大臣にお伺いしたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 日本といたしましては、やはり発展途上国に対する平和主義に徹底した、先方の民生の安定、福利の向上ということを念願し、かつ先方の希望するようなプロジェクトに応じ協力するということがまず第一に必要なことであり、そういう線で従来もやってきたように思われます。  それから、一つは、最近アジア諸国、東南アジアあるいは太平洋沿岸諸国におきましても、地域協力という考え方が非常に強く出てまいりまして、たいへんけっこうなことだと思うのであります。日本といたしましても、バイラテラルな二国間の協力はもちろん必要でございますけれども、たとえば政治的な意図とかあるいは思わざる批判を回避していくという意味からいいましても、多数国間の協力関係を設定することがこれまた非常に望ましいことだ。受けるほうも地域協力の考え方で、そして与えるほうも多数国協力していくというような考え方が、私は相当これから比重を増してしかるべきではないだろうかと思われます。したがって、そういう考え方から申しますれば、国際的な機関、たとえばADB、アジア開銀などというものに対する積極的な協力というようなことは、ともすれば批判として起こる政治的な意図などを避けて、そして純粋に経済的に平和的な目的に徹した援助協力ができるのではないかと思います。  それからもう一つは、これはバイラテラルの場合にももちろんそうでございますけれども、援助の条件をできるだけソフトにしたい。それからいやが上にもひもつきでないようなかっこうにしたいということを念じておるわけでございますし、そういう点については、大蔵省はじめ各省庁の御協力を得まして、漸次そういう方向に向いてきておるように思われます。  もう一つは、技術協力の問題でございまして、いわゆる経済協力の中で、ことにこの政府の直接援助というものが他国に比べてまだまだ不十分でございますが、特にそれらの中で技術協力の占めている比率は、昨日、平泉委員の御質問にもお答えしましたが、実額から言っても、比率の面から言いましても、非常に他の先進国に比べて見劣りがしております。この点に徹底した努力をしなければならない。  まあ、以上申し上げましたような数点がただいま私どもの頭の中にある基本的な方針であり、考え方でございまして、大体そういう方向で四十六年度の——各省庁にずいぶんこれはまたがっておりますが、予算の編成等については、かなり前進した予算ができているように私は考えておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 現代の援助、経済援助というのが、あるいは技術もそうでありますが、近隣アジア重点主義を推進するという方向で進めています。で、いまモスクワが最短距離になりまして、飛行機の発達によりまして時間的にも非常に近くなりました。世界全部近くなっております。したがって、この近隣アジア重点主義というものをなお七〇年代、これからお続けになるつもりであるかどうか。そうとすれば、その理由をお聞かせ願いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) この点は、ただいま私も言及いたしませんでしたが、非常に大事なところでございまして、これは今国会当初の外交演説でも触れた点でございますけれども、援助の対象を地域的にも広げるべきであるというのが政府の考え方でございます。従来は、これは経過的に申しますと、まず資力が乏しかったということ、それから賠償の関係等で近隣あるいは東南アジア諸国と結びつきができたこと等々の沿革や理由によりまして、相当この経済協力の対象が地域的に限定されておりましたが、いろんな点から考えましてぜひこの対象を広げたい、そうしてまた広げ得る状況になってきた。たとえば、その全部を詳しく申し上げるわけにも時間の関係もあって何でございますけれども、たとえば資源的に、日本側の立場から申しましても、アフリカというようなところは非常に将来性があり、また日本としても非常に関心を持つべきところであると思います。また別な観点から言えば、南米等においては、日本人がかねてから相当多く出かけておられるし、また、非常な日本に対する期待も大きい。まあこういうことでもございます。その他あるいはトルコであり、インドであり、パキスタンであり、あげれば切りがございませんが、最近の日本の経済力の増加に伴い、また、日本の協力ということが、これは確かにそうだと私は確信いたしますが、先方から見て、軍事的なあるいは政治的な背景、あるいは意図というものがない、まことに平和的な意図であるということがよく理解されてきているのに伴いまして、それだけにまた日本に対する期待が非常に多くなっておりますので、GNP一%といえば四十億ドルあるいはそれ以上の年間の額でございますから、こういったような相当余裕があるといいますか、相当の力が出てきた今日においては、いまあげましたような地域に対して応分の協力をすべきである。また、これが日本の国益にもはね返って大切なことである。従来ともすれば足りなかった、こういうふうな感じがいたす次第であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そこで、この技術援助の拡大ですね、具体的にはどういうことをお考えでございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは経済協力についても、先ほど申し上げましたが、一つは受けたいほうの国々の希望や、それからこちらから見ての経済性といいますか、効果性といいますか、そういうことから見て、具体的に計画を実行しなければならないわけでありますけれども、これは昨日お答えもいたしましたように、人的な面の従来欠陥があった。欠陥といいますか、足らざるところがあった。技術力を相当持ち、そうして語学力も相当豊富であって、そうして現地の人に溶け込んで指導的な、技術指導というものをやり得るような日本の人たちをどうやって組織化し、どうやって安定して待遇もよくして効果をあげていただくかというところに非常なむずかしさがあるわけでございますが、だんだんとこういう仕事にも全体として日本としてもなれてまいりました。訓練もできてまいりましたから、今後は大いに期待できるのではないかと思います。  それからもう一方は、受け入れるほうでありまして、これまたお金を借りるという援助要請だけではなくて、各国の人が日本において技術の訓練、研修をさしてもらいたいという要望が非常に高まっております。この受け入れにつきましても、従来、施設あるいは資金その他の面で不十分でございましたから、これらの面についても、今年度の予算でも相当のくふうをしてもらいつつあるわけでございます。こういうような点が技術協力としての中心課題ではないかと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 アフリカのほうにも力を入れるということ及び技術協力問題など、最後の問題もう少しありますけれども、時間がありませんから、具体的には昨年の臨時国会で、商工委員会でアフリカのタンザニアの水資源開発の問題を提起いたしておきました。これはタンザン鉄道などの中国の協力体制を見まして、われわれも日本の国会議員としてまことに義憤を感ずるような、中国などは二万人の労働者を派遣しながら手めし手弁当でタンザン鉄道を建設しているようなものを見ますと、わが国の出先機関の諸君も切歯扼腕しているわけです。したがって、わずかに七億ぐらいの金があれば何とか日本で将来大きな発電計画などに口出しできるような態勢でありますぞと言われますと、相当考えさせられたわけです。具体的な問題はまた、これは一部分の問題ですからいいですけれども、通産省、外務省の調査費など検討しますと、五億か七億しかない。これでは、いま言われたような技術協力なりあるいは援助体制の地域の拡大などといいましても、とてもできぬのではないか、そういう気がするわけです。また、たとえば運輸省からも出向いていって、運輸公社の編成などに技術的な援助やっています。したがって、そういう出先の諸君が日本のこの技術を発展途上国に与えようとする、貢献しようとする、それが財政のためにできない、こういう面がたくさんあるような気がいたします。こういう面では、少し外務省も通産省もひとつうんと大蔵省に言って予算でもふやして、もう少しいま大臣が言われたような方向に経済協力をし、ひもつきでないほんとうの意味の技術援助などはできないものか。これは大蔵大臣に聞きましょう、時間がありませんから。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は大蔵省でございますから、そう何が何でも、あれにもこれにもというわけにはまいりません。まいりませんが、これはいま日本が世界の中での立場としますと、対外経済協力、これはもう非常に重大だと、こういうふうに考えておるわけであります。したがいまして、まあ、とにかく昭和五十年を目標にGNP一%ということを内外に約束をする、表明をする、こういうことにも賛成し、また愛知外務大臣が言われますように、その中身についてもなるべくソフトなものにしていこうということにも私は賛同いたし、私は、どっちかといえば、この問題につきましては先頭に立ってそういう主張を展開しておるわけでありまして、したがいまして、有効な施策がありますれば、これを財政的裏づけをいたすということについては決してやぶさかではないのであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 政府資金だけでなくて、大蔵大臣になりますと実力者ですから、金融方面にも顔がききますから、民間の協力も十分やってもらって、出先の諸君が十分にひとつ技術が発揮できますように考えてもらいたいと思うのです。  それから文部省に質問いたしますが、出先で子弟の教育に非常に困っている。で、出先の在留邦人の小学、中学、少なくとも義務教育は文部省が責任を持って教育すべきだという気がいたします。私はそういう意見を持っておりますが、考えをお聞きしておきたいと思うのです。

安達健二文化庁次長

○政府委員(安達健二君) 海外に勤務する人々の子弟の教育の重要性につきましては、ただいま御指摘のとおり、わが国におけるこれらの海外の経済協力、技術協力の点からいたしまして一番大切なことであるということが第一点と、それからまたお述べになりましたような子弟の教育の問題は、子供たちの教育を受ける機会を確保する、そういう意味からいたしましてもたいへん大事なことである、こういう観点からいたしまして、外務省と協力いたしまして、この教育の振興に努力をしているところでございます。現在この日本人学校、日本の国内における教育課程と同じ教育課程により、また日本人の教官によって指導されますところの学校というものが二十三校、来年度からはさらに三校ふえまして、二十六校になるわけでございまして、これらの学校に対しましては、外務省と協力いたしまして、文部省といたしましては、教員の派遣あるいは教材の供与、こういうようなこと、あるいは教科書の無償配付、そういうようなことを通じまして、これらの教育の振興に尽力をいたしているところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 きょうは通告がおくれまして、文部大臣出席できなかったから残念ですけれども、外務大臣、私、きょう外国人——日本の学校のことを聞こうとしたら、文部省では文化庁がやっている、こういうわけですね。初中教育を文化庁がやっていることについてもがく然としたわけですが、在外邦人の義務教育については、外務省ももっと真剣になってもらわなければならぬと思うのですが、いかがですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 外務省としては、この在外子弟の教育についてはほんとうに真剣にやっているつもりでございます。いま大体在外邦人で常駐的に在外で活躍されておられる方々が七万人で、それからそれらの方々が連れて行かれている義務教育の——ちょっといま手元に私数字持っておりませんが、相当の数に及んでおります。そして毎年毎年在外の日本人学校をふやしておりまして、今日では相当の数になっておりますが、ただ在外の関係でございますから、その国の国情によりまして、日本のつまり制度をそのまま持っていって、日本の学校と同じようにすることを認められないケースが多いわけでございまして、それらの小学校、中学校等の大部分は、日本の在外公館、たとえば日本大使館の付属の施設というようなかっこうでやっているわけでございます。これらに対しては補助金も相当に出しておりますし、それから教科書の無償配付等についても内地に準ずる取り扱いをいたしております。それから先生方の問題にしましても、従来いろいろの経緯がございましたけれども、文部省にお願いをいたしまして、それから各都道府県の教育委員会にも相当のお世話になっておりますけれども、たとえば国立の学芸大学あるいは教育大学というようなところにお願いをいたしまして、従来は現地採用の先生と、それから日本で学校を卒業したばかりの教職の経験のない人を実は活用して行ってもらっておったんですが、それでは本式の教育はできませんので、たとえばあるAの教育大学はBというところの国の教育を担当していただく。そしてその教職員の身分をそのままにして、そして帰りましてからも十分それが損にならないで職場に復帰ができるような体制をとりまして、そして次々と後輩と申しますか、相当の経験者に引き継いでりっぱな先生が継続的に教職に当たるような、そういう仕組みをいまやっております。何しろ外国のことでございますから、よく問題になる点ですけれども、何を根拠に外務省はそれをやっているか、外務省の設置法のたしか第三条ですけれども、在外邦人の保護ということがございます。それを法律的なよりどころにいたしまして在外の子女の教育をやっている。こういうわけですから、日本的に割り切って、日本と同じではないかとおっしゃられますと、まさにそのとおりですけれども、そのいろいろの条件を克服しながら教育内容の実をあげるようには、できるだけの現在努力をいたしておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大蔵大臣、いまの問題ですけれども、ほんとうに失礼ですけれども、粗末な家で教育をしておられて胸詰まる思いですけれども、日本から派遣をされました学校の先生方もやっぱり給料についての若干の不満もあるようです。したがって、先生方も待遇しながらりっぱな教育をしなければならぬと思うんですけれども、大蔵大臣の見解を聞いておきたいと思うんです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) その問題は外務省ともよく打ち合わせをいたしまして、ずいぶん気をつけてきたと思います。しかし、お話のような状況で、非常に大事な問題と思いますので、この上ともさらに努力をいたしたいと、かように存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 文部省にもう一問。これはフルブライト留学生の援助をいま受けておるんでありますが、この実態について御説明願います。

安達健二文化庁次長

○政府委員(安達健二君) 日米間のフルブライト交換計画は、御案内のとおり、昭和二十六年八月に日米間で取りかわされました合衆国、日本間の教育交換計画に関する覚書によって発足したものでございまして、同覚書に基づきまして在日合衆国教育委員会というものが設置されておりまして、この委員会がこの計画の実施を担当して今日に至っておるわけでございますが、この在日合衆国教育委員会には外務省、文部省の代表も入っておりまして、日米相互でよい計画をということで今日に至っておるわけでございます。このフルブライト事業の財源につきましては、占領中、アメリカ政府が日本政府に売却いたしました各種余剰物資の代金等を必要に応じて充当してきたものでございますが、現在では昭和三十七年一月に署名されました日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定によって生じた日本国政府の債務のうち、円貨払いで返済された二千五百万ドル、九十億円相当分がこの計画の資金になっているという経過でございます。現在このフルブライト計画によって、今日までアメリカに留学いたしました日本人、渡米いたしました日本人の数は三千九百八十人、約四千人でございます。それから、この計画によってアメリカから日本にまいりました米人の数が七百三十六名というようなことになっておるわけでございますが、近年アメリカ政府のドル防衛策というような影響を受けまして、国務省の教育文化交流費が削減される傾向にございまして、このフルブライト計画が最近予算的に、また事業的にも縮小の傾向にあるのが現状でございます。このような事情を背景といたしまして、近年アメリカ側からは、日米教育文化会議、昨年の三月にございましたが、そういう会議等を通じまして、フルブライト計画の拡大のために日本政府のほうでも応分の財政的負担をしてもらいたいというような希望が表明されておるわけでございまして、わがほうといたしましても、従来のいきさつ等も十分勘案の上、前向きの姿勢で検討をしたいというような考え方で進んでおるところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ちょっと、いまの前向きの姿勢の検討というのはどういう方向ですか。

安達健二文化庁次長

○政府委員(安達健二君) 前向きと申しますのは、このフルブライト計画がアメリカ側だけの経費によって運営されているのに対して、日本の経済力等も増大したわけであるし、また、わが国のほうも日米間の文化交流についても、対等の立場で協力すべきであるというような意味におきまして、費用等について分担をするというような点について前向きで検討すべきではないかと、こういう方向でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 わかりました。  この貿易関係の最後の問題ですが、円切り上げの場合は、為替損失分担をということで貿易商社などがメーカーにいろいろいま話し合いを始めておるようでありますが、これは大蔵大臣が担当でございましょうが、貿易商社だけが損をするということにはならぬのじゃないかと思うんですけれども、何か腹づもりございますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 円の切り上げのことは全然考えておりません。したがいまして、その際の対策をどうするか、そのようなことはもうほんとうに念頭のどこにもないんです。御了承願います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 先日から経済論争もありましたように、いまの日本の経済収支の問題、あるいはアメリカの動向などを考えまして、あるいはアメリカだけじゃございません。西欧などの政治、経済情勢なども考えまして、もう円切り上げに対しても、それだけ具体的に爼上にのぼって、みな心配しているわけです。したがって、万一です、それじゃ、万一そういうことがあった場合は、たとえば貿易商社だけこの損失がいかないようにということについては、政府としても責任があるんではないかと思うが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) その万一のこともいま考えておりませんです。最近、日本の外貨が急増しておる。そういうことから円の切り上げということを言う人があるんですが、これは小柳さん、どこをお回りになってお聞きになられたのか承知しませんが、外国の責任のあるというか、私どもの出先の者と話し合う、そういう相手、そういう方々はもうドイツのことをよく知っています。ドイツがマルクの切り上げをやった。そうして益するところはない、損失が非常に多かった。要するに、よもや日本はああいう轍を踏むようなことはあるまいと、これが大勢の感覚でございます。そういうようなことで、外国ではむしろ日本のほうでいろいろのことを言っておる、どういうことかなということを、まあいぶかるくらいの状態でありまして、外国でその円の切り上げをというような大勢というものは私どもはないというふうにかたく観察をいたしておるわけです。まあ私ども、いま日本の経済姿勢が非常に調子がよろしい。そこで世界中からうらやましがられている、こういうような状態はこれははだに感ずるんです。一番外国で何を問題にしておるかというと、わが国の輸出のマナーです。先ほど外務大臣もオーダリー・マーケット、オーダリー・エクスポートということを言われましたが、秩序ある輸出、これが世界各国が非常に注目をしておる点なんです。それから、輸入の自由化の問題、あるいは対外経済協力の問題、そういう問題で日本がどういう姿勢をとるか、こういうようなところは着目をいたしております。そういう身近な諸問題を片づける、そういうことになりますと、円をどうするか、これはもう国内的にも非常にむずかしい問題でありまするし、国際社会にも影響がある問題で、これはそう軽々に外国といえども議論をするというようなことはなかろう。私ども公式に円の切り上げ論なんというものを、いろいろな外国の実力者に会いますが、聞いたこともない。そういうような状態でありますので、まあひとつこの辺はそう神経をお使いにならぬようにお願いをいたしたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 中国貿易について質問いたしますが、日本から二百七十五社、九百人の日中友好商社が参加して、四十五年度の往復貿易額は八億二千三百万ドル、このような貿易がなされ、四十六年度は大体二割ぐらいふえるのではないかというようなことも聞いておりますが、政府はこの日中貿易に対してどのように考えておられるか、通産大臣から。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先般この問題について小柳委員が関連で御質問をなさいまして、おしかりを実は受けたわけでございますけれども、いわゆる中国側のいろいろな原則についてお尋ねがございますことは、これはもう当然のことだと思っておりますが、私といたしまして不用意な発言をいたしまして、つまらぬ摩擦を起こしてはならないという気持ちがございますので、まあ幾らかのみ込みにくいところはございますけれども、ひとつ、もうこういう話はのみ込んでおこうというような気持ちがございますので、そういうところは御理解をお願いしたいと思っております。  先般も交渉されました方々の御努力に対しては、私は非常に実は敬意を払っておる次第でございます。そこで、そのようないわゆる覚書関係の貿易、これは政府としても実は市場調査というようなことで九千万円余りの補助金を出しておりますことは、あるいは御案内かと思います。また、友好商社による貿易、これにつきましても、見本市などにつきましてはやはり国が補助をいたしておりますようなわけでございますから、両方相通じまして申し上げられますことは、日中間においていろいろなルートで貿易量が増大していくことはきわめて望ましいことである、これが政府の態度だと申し上げることができると思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務大臣にも、ひとついまの中国貿易に対する——まあ外務大臣ですけれども、貿易に対する見解を聞いておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 日中間で商取引といいますか、貿易量がふえるということは望ましいことでもありますし、今回の日中貿易の取りきめにつきましても、とにかくこのパイプが維持され、かつ、ある程度の商談といいますか、これが成立したことは政府としてもけっこうなことであると考えております。この前もその御質問が出ましたときに申しましたが、まあいろいろこの覚書貿易が全体の友好商社の取引に比べて比重が歴年少なくなっている、それは一体どういうわけか。これはむしろ経済的な理由かとも思われますけれども、要するに、私といたしましては日中の貿易が漸次拡大するということは望ましいことであると、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま日中貿易は輸入超過で、輸出数がうんと少ないわけですけれども、輸出量をふやすような方向についてお考えになったことはございますか、通産大臣。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) わが国から中国に対する……。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは限られたものについては問題がございますけれども、それはきわめて特殊なものでございますから、求めがあって輸出がふえるということはもとより私ども賛成でございますし、また、一般に従来から輸出振興策と申すことばが適当かどうか、いろいろ財政金融上の措置がございますが、これは日中貿易に対しても同様に適用いたしておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 中国からお帰りになりました岡崎さんも、それから藤山さんも、古井さんも、吉田書簡を処理しなければ大きな貿易の前進はない。政治的にはまた別ですけれども、貿易上ですね。吉田書簡を払いのけなければ、これを乗りこえなければ貿易の拡大はないと、こういうことを言っておられます。そこで、それは直接は延べ払い輸出の問題になりますけれども、いかがお考えですか、外務大臣、通産大臣。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) この関係の吉田書簡についてはもうしばしば申し上げておりますように、これは本来私文書でございますし、私どももこれは承知しておりません。したがって、政府の立場でこれを廃棄するとか、これが続いているんだとかいうコメントをすべき立場にないわけでございます。その点は御了承いただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 延べ払いのこと。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 従来から、したがって、ケース・バイ・ケースでというふうに申し上げておるわけでございますけれども、いや、ケースが少しもないではないかというお尋ねがございます。私、過去一年余りでございますけれども、通産省で見ておりまして、実際なかなかケースが出てこない。これは押えておるということではなくて、なかなか出てまいりません。それはいろいろ事情があるようでありまして、やはりこの商社にいたしましてもメーカーにいたしましても、中華人民共和国と貿易をするということになりますと、今度はそれ以外のところから別な障害が起こるというようなことから、総合的に考えてみると、なかなか踏み込んでいけないというような事情がございますようです。したがって、ケース・バイ・ケースと申し上げておりますのは、ケースが出てくることを押えておるということでは実はございませんので、なかなかそういうケースが案外出てこない。出てまいりましたら、それは文字どおりケース・バイ・ケースで考えていくべきことだというふうに思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ケース・バイ・ケースで、私も商社をいろいろ調べましたところが、ベアリング製造プラントについてはどうでしょうかと聞いてくれということですが、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ベアリングの製造プラント、事柄としてこれは別段輸出を禁止すべき筋のものではなかろうと考えますので、もしそういうケースが出てまいりましたら、これは十分検討いたします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの答弁よくわかりませんでしたが、このベアリング製造プラントというのは、何かに制限があっていま検討しなければならぬということですか。さっき大臣は、何かまだケース・バイ・ケースだけれども、そのケースが出てこないから検討できぬなどとおっしゃるから、いまケースを言っているわけです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いや、冒頭に申し上げましたことは、少しよけいなことを申し上げましたので、ココムというようなものがございますから、そういうことでない限りという意味のことを申し上げましたので、普通のベアリング製造プラントでございましたら、これはそういう関係はなかろうと思いますから検討いたします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それから第二は、合成ゴムについてはいかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それも品目としては差しつかえないのではないかと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 製鉄はいかがですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 普通鋼の製造施設でございましたら、これも差しつかえはなかろうと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私が言わんとするところは、輸入が輸出よりもうんと上回っていますから、日中貿易を前進せしめることが日本のいまの当面の業者の希望ですね。そこで、いま具体的に一、二申し上げましたけれども、たくさんあると思います。したがって吉田書簡などという、そういうような化けものをいつまででも前に置かないで、それを乗り越えて、ケース・バイ・ケースでひとつこの貿易の伸長のために、日本の商社の業務繁栄のために、通産省として、大臣としてお力添えを賜わりたいと思うのですが、友好商社などに対する金融措置などについては、大蔵大臣いかがでしょう。金融の問題ですけれどもね。友好商社などに金融を特別にやる意思はございませんかということです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 友好商社につきましても、普通の貿易金融をやっているんです。ただ輸銀を使ってないと、こういうことであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それから、この特恵関税のために差別が発生してまいるのでありますが、中国生糸の関税と韓国の生糸の関税が変わってまいるということでありますが、その特恵の影響、あとで時間があればまた質問いたしますけれども、いまの中国貿易に関して、この特恵の影響についていかがお考えでございますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 生糸の関係は、これは特恵から除外しております。ですから問題は起こりませんです。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、具体的にいろいろ品物を書いてきましたけれども、時間の都合で……。とにかく中国と、たとえば台湾、韓国など、特恵によって差別することはしないと、こういうことと考えていいですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) この特恵の関係につきましては、中国がUNCTADに入ってないというような特殊な事情があります。しかし、中国が特恵の恩恵に浴したいと、こういう要請があれば、何か手を打つ必要があるんじゃないかと、こういうような感じがいたしておるんです。で、岡崎さんが向こうへ行かれるというにあたりましても、もし話が出たらそういうふうに申し上げてくださいと、こう言ったんですが、中国側におきましては、特恵という問題を話に出さなかったと、こういう話です。つまり、あれは開発途上国、おくれた国々に対して与えるわけなんで、わが国のほうから中国に対しまして、大国に対しまして特恵をやるぞと、こういうようなことになったら、これは失礼じゃないかと、こういうふうに存じまして向こうから話が出ましたら、ひとつ受けてくださいと、こういうふうに申し上げたわけであります。話は現実には出ておらぬと、こういう状況でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 問題が、いま当面二つありますけれども、一つは向こうのほうから頭を下げてくればということですけれども、経政分離と言っておられますから、おそらく中国としては、まだ国交回復してないのに、日本の政府に頭下げてこないでしょうね。したがって、岡崎さんにも言ってもむだだと思って言わなかったと思うのですけれども、第二の問題は、では、韓国、台湾と差別しないようにすべきではないかと、同じアジア同士だから。こういうことを言っているわけです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 特恵でなくて、一般の関税につきましてはなるべくそうしたいというふうに考えております。そういう考え方で、約四百二十品目もうすでに整理をいたしまして、平等の待遇ということにいたして、もう残りは幾らもないんです。ないんでございますが、なるべくそういうことはいたしたくないと、そういうふうに考えております。ただ生糸だけ、これはわが国の養蚕との関係がありまして、なかなかそういうふうにいかない。いま韓国に対しましては生糸にも関税が七・五%、中国からの輸入に対しましては一五%、こういう違いがあるのです。それでこれはやはり国内産業保護という見地、つまり中国は背後地が非常に広く深いわけです。幾らでも絹織物の輸出能力を持っておる。韓国のほうは非常にそういう能力は少ない、限定されておる。そういうようなことで、差別がありましても、そう韓国からの絹織物の輸入ということにはなるまいと、こういう見通しをつけておるのでありますが、しかし、かりにこれが中国からのものに七・五%だけの関税ということになりますと、かなり中国のものが日本に入ってくるだろう。そうするとわが国の絹織物産業をかなり圧迫をすると、そういうことになりますので、これはそう簡単にはいかぬ問題であると、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、政府委員でもいいですけれども、現在韓国の生糸の税率、それから来年四月からの税率をお聞きいたします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 韓国からは七・五、それから中国からは一五です、そういうことになっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 差をつけている……。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ですから、これは簡単に差別をつけないということにするわけにはいかぬという、いま御説明を申し上げたわけであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は、両方差をつけていませんと聞いたから、つけているはずだといって質問したわけで、つける理由がいまわかりました。  それでは別の問題に移ります。そこであとココムの問題を通産大臣おっしゃったけれども……。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 冒頭に私は差別しないというのは、特恵関税です。特恵関税の立場からは、生糸は特恵を与えない品目としておりますので、したがいまして差別も何ももとよりありませんと、こういうことを申し上げたわけです。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、この差をつけたのは何ですか、ケネディ・ラウンドでは、中国生糸の関税は対象から除かれておる。それであと、韓国の生糸はどうしてそんな安いのですか、税率。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 差別がついております七・五、それから一五ですね。これはケネディ・ラウンドを含めました一般関税率であります。特恵率のほうは、生糸につきましてはこれは適用しないと、こういうたてまえをとっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 特恵なら話がわかりますが、特恵でないならなおこれはやっぱり問題ですけれども、あなたと言ったって並行線ですから、ココムの話をいたしますが、ココムの緩和について通告いたしておきましたけれども、通産大臣、現状どうですか、いまのお考えはどうですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 基本的に申し上げますと、わが国は戦争というものを放棄しておりますしいたしますから、こういうものは世界情勢を見ながらではありますけれども、できるだけ緩和をしていくべきものである。ことにその中で、さらに特定の国を別に扱うというようなことはいけないことであって、これはわが国の主張が従来通っておるわけでございますけれども、無差別に、無差別と申しますか、特定の国だけをまた別に扱うというようなことはせずに、しかもレビューごとに緩和の方向に向かっていくべきものだと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 日米安保条約を締結しているアメリカのほうが、どんどんどんどん前進して、中国に接近政策をとっておりますから、いま通産大臣おっしゃったことを私も了といたしまして、次の質問は法務大臣でございますけれども、広州交易会に在日の華僑商社の社員が渡航申請をしておられるが、ことしは全員渡航許可になりますかどうか、お聞きします。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) お答えいたします。  今回の、来月十五日からでございますが、広州の交易会が開かれるにあたりまして、東京華僑総会からの要望事項が出ております。四十八名の名前で出ておりますが、一、二若干追加された者があるやにも聞いております。しかし、基本的には四十八名の出願が同時に出ております。これにつきましては従来どおりの方針によりまして、いま個々のケースごとにそれぞれ審査を遂げておる最中でございまして、まだ全面的に、あらかじめ全面的に四十八人を全部どうするとか、こうするとかいうような基本的な方針変更はございません。個々の審査の上きめてまいろうと、こういう考え方でおる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 昨年四十五人中三十八人、それから事務員のほうが四人中二人でありまして、一部拒否されております。ことしは四十三名、商社員が四十三名と事務局員五人、そして事務局員が行かなければ仕事ができないということのようでありますが、その結論はいつごろ出るのでありましょう。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 政府委員に答弁させます。

吉田健三法務省入国管理局長

○政府委員(吉田健三君) 大臣にかわってお答えいたします。  四月十五日からの交易会でございますので、十分従来の経験に徴しまして、これに間に合うように許可すべきものは許可されるというふうに御了解いただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 昨年拒否された方で、在京の華僑総会の副議長さんとか、あるいは華僑総会の常務理事など、責任ある方が、しかも大きな商業行為を営んでおる方が拒否されたので、その団体としても相当不満のようでありますので、いま雪解けムードもございますから、ひとつ十分に御審査あって、全員許可されるように希望いたしまして次の質問をいたしますが、それは関連して、出入国管理法というものをきょうの閣議で御決定になったようでありますが、御決定になったかどうか、お聞かせ願います。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) お答えいたします。決定いたしました。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その内容ですね、内容についてお聞かせ願いたいと思います。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 今朝の閣議決定に引き続きまして、なるべく早く国会に提案すべくいま準備をしておるところでございますが、この今度の法案は、御承知のとおり、航空機を中心とする国際交通が非常に発達してまいりましたので、それに適応し得るよう出入国手続をなるべく簡素化したいと、また、在留管理の合理化をはかっていきたいと、こういうことが大きな目的でございまして、特別にその他においては変わったことはないのであります。もちろん、運用の上におきましてでき得る限り法案に規定しようとしておるものにつきましても、なるべくこれをその精神に合ったような運用でまいりたいと、こういう考えでおる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 毎国会で問題になる法律でございますが、前に廃案になりました法案と、どういうふうに違ってまいりましたでしょうか。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 提案を予定しております法案の変わっております点について、おもなる点を若干御説明申し上げますと、短期滞在者という、いわゆる在留資格につきまして、特定のものを今度はきめております。そうしてその方法によりまして、一時的な通過観光客には、これは査証も要らないようなことになりまするし、短期滞在を目的とする者の出入国管理の手続をできるだけ簡素化しようというのが一つの変わった点でございます。また、許可を受けないで本来の在留目的以外の職業活動などを行なった場合、あるいはまた、外国人として慎むべき特定の政治活動をした場合、そういう場合には中止命令によってこれを是正することができるようにすると、こういうやり方を考えております。これまた在留管理の合理化をはかろうという目的からでございます。  その次、第三には、退去強制の手続の中で、容疑者を収容しないで審理を進めるということができるようにいたすなど、事務手続の改善をはかろうと、こういうことが大きな点でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 法案はまだ全部読んでおりませんからわかりませんが、前の法案よりももっときびしく、広範になっておるようでありますが、いかがですか。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 私、まだ十二分に詳細な点についての知識は足りないかもしれませんが、私の見ましたところでは、よほど従来よりは簡素化されておりまするし、また、これに対しての対処すべき運用の上で十分また考え得る点もありはしないか、こういう点もあるので、したがって、やはり従来よりは非常に緩和された規定であると、従来と申しますのは、先年、第六十一回国会でございますか、あのときに出した法案よりは非常に緩和されておると、こう私は思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 許可なく商売の、営業のほうの問題なり、政治活動の問題なり、この考え方によっていかようにでもとれるような方向に改悪されたように、いま受け取っておるのでありますが、これを適用される外国人というのは、一体どこの国の人が一番多いのでございますか。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 適用がどこの出身の方に多いかどうか、実は事務的に後ほどお答えさせますが、私の読んでおりますところでは、やはり出身の国のいかんによってそれをどうこうするという考え方はなく、なるべく一律に扱ってあると、それから、たとえばいまの政治活動等の問題でございますが、従来は個々の場合にいろいろと条件をつけたり何かというようなことがあったようでございますが、今回は政治活動をはっきり、こういうような政治活動は困りますというような内容をはっきりもう定めておきまして、そうしてそれ以外の問題については、やはりそのケース、ケースによって善処すると、こういうことに相なると思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この法案が出まして一番対象になるのは朝鮮民主主義人民共和国の諸君でありましょうし、したがって、いままでもこの法律が出ることに反対がなされてきました。まあ五月には、日赤や朝鮮赤十字の努力で帰国船が参るような情勢です。これも中国と同じように、この国とも仲よくしていかなきゃならぬ。しかも学校もできまして、いまあまり問題もなく、前よりも問題もなく、日本の国民と一緒に平和に暮らしておるのでありますから、平地に波乱を起こすような法案は出すべきではないと思うのですけれども、どうしてきょう閣議にお出しになったか、もう一回大臣の心境を聞いておきたいと思います。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) お答えいたします。  あらかじめ政府の方針としまして、今国会に提案する各種の法律案は本日までにぜひ決定したいという御意向でございましたから、これに従いまして、われわれ法務省でも若干——一、二と申しますか、二、三と申しますか、法律案を出したいものはございましたが、そのうちで準備が一番整っておるもの、これが一番進んでおりましたので、これだけはぜひきょうきめていただきたい、将来また追加をお願いしなければならぬ問題があるかもしれませんが、ただいまの段階におきましてはこの法律案が比較的準備が整っておりましたので、これをきょうぜひその最終日に間に合うようにきめてもらおうというのが私の心境でございました。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま日中貿易の問題で論議しておりますから、この問題は別途適当の委員会でまた論議いたしたいと思いますから、先に進ましてもらいます。  そこで、日中貿易の最後に、日台条約の問題もきのう自民党の議員からの質問がありました。私どもは、岡崎さんやあるいは古井さんなどがほんとうに血のにじむような努力をしてこられたこの論文なり話を聞きまして、まことにたいへんなことだと思うのです。しかも、自民党のいまの制度の中でこれだけの勇気ある、しかも、将来を見通した処置をやってこられた。したがって、近いうちに、台湾との関係よりも少なくとも中国と貿易をうんとやれる、そのような国交を回復しなきゃならぬと思うのです。それは、もういま日本の政治の、政治家の一番緊急の課題だと思いますが、外務大臣にお聞きしておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 政府といたしましての態度というものは、従来しばしば申し上げておりますように、要するに、「一つの中国」というものについては、本来、これは両当事者間で平和的にお話し合いを願うべきものであって、その結果に対して日本としてはこれを尊重すべきものである、こういうふうに考えておるわけです。  それから、現在のところにおきましては、もう二十年以上にわたりまして日華平和条約というものができておる、これは厳然たる事実でございますから、この日華平和条約というものは、条約の一般論から申しましても、一たび結びました条約、国と国との間の条約というものは、その条約で定められている手続によってのみこれを廃棄あるいは変更ができるというのが条約の通説でございます。そういう見解をとっておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この貿易の問題で特恵関税に関連しまして最後に質問いたしますが、現在、対米自主規制を行なっておるのは繊維だけではなくて、金属洋食器、モザイク・タイルなども行なっておりまして、繊維を救済するならば、これらの中小企業も救済しなければ財政上均衡を欠くのではないか。で、これらの中小企業は、特恵関税の供与が七月に実施されますと、まっ先に影響を受けることになりますが、政府はその対策を十分に考えておられるかどうか、お聞きいたします。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 今回は、年末のみならず年度末にも中小企業向けの特別の金融をいたしたわけでございますけれども、そういう際に、繊維と同時に、私ども金属洋食器、それからモザイク・タイル、それらのものを対象に考えてきたわけでございます。したがいまして、一般的にそういうことは考えてまいっておるのでございますけれども、繊維としいて申して違うという点を申し上げますれば、いわゆるこの繊維の、先ほど言われました今回の一方的自主規制の宣言でございますが、これは御承知のような経緯の中から生まれ出たものでございますから、その経緯というものはやはりそれとして特別に考えなければならないのではないかというのが私どもの考えでありまして、それに比較いたしますと、金属洋食器の場合にはそれほどの経緯というものはなかった。これはこれなりいろいろ理由はあるのでございますけれども、業界側ももう少し慎重に考えたほうがよかったと思われる点もあったりもいたしますので、そういう点では、私は繊維の問題はやはり特別な点があるのではないかと思っておるわけでございます。  それから、この特恵の問題でございますけれども、金属洋食器の場合にはアメリカのほうが輸入割り当て、割り当て関税をいたしたわけでございます。タリフクォータをいたしたわけでございますから、そうしてそのタリフクォータのタリフそのもの、タリフクォータの税率そのものに特恵をかけるつもりであるか、かけないつもりでございますか、アメリカ側は一向審議が進んでおりませんのではっきりいたしませんが、タリフクォータで一応割り当て量が各国きまっておりますから、わが国がそれによって被害を受けるということはない。ちょっと申し上げようがまずいのでございますけれども、つまりタリフクォータでございますから、輸出国側の間に自由競争の関係はないわけでございまして、わが国から出し得る数量、わが国以外の国が出し得る数量がみんな自動的にきまっておるわけでございますので、そういう意味では、おそらく、かりに特恵がございましても大きな影響を受けることはないであろう。また、今度はわが国が入れる立場で申しますと、金属洋食器の安いもののわが国への輸入というのは、実は非常に数量が少のうございますので、それから来る特恵との関連の影響はまずほとんどないのではないか。で、モザイク・タイルについて申しますと、これも特恵の品目になりますか、なりませんかがはっきりわかっておりません。私の申しますのは、最初に申しますのは、たとえばアメリカならばアメリカの側でございます。それがはっきりわかっておりませんから、申し上げられませんがわが国の場合は、これもやや金属洋食器と似ておりまして、よそから安いモザイク・タイルが入ってくるというようなことは、これはあまり考えなくてもいいのではないだろうかと見ております。いずれにしても、しかし、金属洋食器もモザイク・タイルも輸出環境はかなり苦しいのでございますから、構造改善あるいは季節、季節の金融などについては、これは政府としても配慮をしてまいらなければならない、私どもの頭に常にひっかかっておりますところのアイテムでございます。  それからもう一つ金属洋食器につきましては、先般御承認をいただきました輸出ブランドの法案によりまして、かりにツバメじるしとでも申しますか、そういうブランドの商品にいたしまして、世界的な信用の維持と確立をはかりたいと、そういうことからも政府として応援をしていきたいと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまブランド法を論議しましたときに、発展途上国からの逆輸入の問題を問題にいたしました。今度特恵の問題があるし、それから経済援助——さっき経済援助のところでも申し上げたかったのでありますが、東南アジアなど、アジア地域を中心にする経済援助などで、逆に日本の中小企業というものが発展途上国から追い上げられつつあるわけでしょう。したがって、いまのこの特恵関税の適用地域内、特に香港などはどうするのかお聞きしておきたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど数字を申し上げませんでしたので、念のために申し上げておきますが、金属洋食器のわが国の輸入状況でございますけれども、発展途上国からは昭和四十三年に八千ドル、四十四年に二千ドル、四十五年に一万六千ドルでございまして、〇・〇二%ぐらいでございますから、これはまあまずまずあまり心配しなくてもいい数量かと思います。それから香港でございますけれども、一般論といたしまして、特恵を香港にどうするかという問題はまだ解決しないまま残しておりますが、いろいろの事情から考えるということにいたしますとなりますと、これは特別なケースでございますので、両者の間で合意をした品目についてのみ合意をした態様での特恵を与えたい。一般の特恵は、そのままぽっと、香港に適用するということは私ども実は考えておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 経済援助などといって経済大国のような気持ちでおりますと、逆に発展途上国から日本の中小企業は追いまくられておるわけです。で、問題がまだたくさんありますけれども、時間もありませんから、あとの特恵の影響につきましては分科会あるいは商工委員会で論議したいと思います。  次はエネルギー開発の問題でございます。現在の総合エネルギーについての需給見通しについて特に石油、石炭、電力、原子力についていまの実態を御報告願います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 現在私どもがもとにいたしておりますのは、昭和四十二年に総合エネルギー調査会で答申をいたしましたそれが一応確定した数字でございまして、どうもこれは古くなりましたので、実はやりかえなければいけないと思っておりますのですが、中間的にちょっと試算をいたしてみますと、昭和五十年度で総エネルギーの需要量は石油換算で四億四千万キロリットルでございます。昭和六十年度になりますと、ほぼ十億キロリットルと推定されます。これは四十二年のときの答申に比べますと一・五倍ないしおのおの二倍といったような数字になるわけでございます。その供給側でございますけれども、水力はもはや新しい地点がとぼしゅうございますから、やはり揚水発電を主にしてやってまいりたいと思います。原子力は六十年度までで、いつぞや西田長官からお答えがございましたように、六千万キロワットを目標にいたしております。石炭はやはり多少減っていくだろうということを考えますと、昭和五十年度で水力が——供給側でございますが——四・五%それから原子力が二・二%、石炭一八%、石油七三%、その他が二・三%、それから六十年度では水力が二・五%、原子力が一〇%、石炭一七%、石油六八%というように見通しをしております。いずれにいたしましても、いまだに石油の比率が七〇%前後という時代がかなり続きまして、原子力が私どもの試算では六十年度では一〇%になろうかというような感じでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 科学技術庁長官に質問いたします。  いま通産大臣が六十年度原子力発電を六千万キロワットと言われました。私ども四十二年に石炭開発公団をつくりましたときの大臣の見解、そのときの目標は四千万キロだったのだけれども、六千万キロに対する見通しですね、ちょっと御説明願います。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 小柳先生御指摘のとおりでございまして、現在計画として持っておりまするものは、五十年度におきまして六百万キロワット、それから六十年度におきましては大体四千万キロワット、こういうことでございますが、非常に計画を上回って原子力開発が進んでおります。ただいま通産大臣からも申されましたが、これは電源開発調整審議会でも先の見通しを持っておりますし、それから原子力産業会議におきましても長期計画の見通しを持っておりますが、いずれもそう大差はございません。現在は原子力発電はわずか一%程度の比率を占めておりますが、五十年には大体八%くらい、五十五年時点では一七%程度、六十年では六千万キロワットと見込まれまして、大体二八%くらいに達するものと見込んでおります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 通産大臣、六千万キロワットとおっしゃいましたね、それはどこの基礎ですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども申し上げましたように、四十二年に総合エネルギー調査会の答申がございまして、実はこれがもうだいぶん実情と合わなくなっておりますので、実は四十六年度中くらいに正式にこれをやりかえたいと思っておりますのですが、中間時点で私どもがちょっとはじいてみたわけでございます。そうして科学技術庁ともたしかこれは御相談申し上げたと思いますが、それで六千万キロワットというようなものを目標として考えたわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 経済企画庁長官おられるから。新全総の国の発展の計画の中で原子力発電電力についてはどの程度踏んでおられますか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 私どもは科学技術庁の長官の言われたあたりの数字を一応計算しております。そうして、したがって、六十一年には原子力発電が占めるウエートは一割くらいと、先ほどの説明のとおりと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総合エネルギーの計画は科学技術庁でおやりになるのですか、通産省でおやりになるのですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 通産省の設置法に総合エネルギー調査会というものがございます。そこで諮問をし答申を求めて、それが政府全体のワクでございますけれども、大ワクとしての計画、需給計画になるよしでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 先般来から資源開発の問題なりエネルギー開発の問題が焦眉の問題として論じられておりまするが、いま通産大臣も十分記憶がないほど総合エネルギーの計画なりつかみ方というものが政府全体としてばらばらではないかと、こう思うのですけれども、どこが一番責任者でしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) やはり具体的に需給計画を策定いたしますのは通産省が一義的な責任を負っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そこで、原子力につきましては四千万から六千万に急に計画がこう一、二年のうちに数字だけふえましてね、六十年のことでありますから、これからまだ十二、三年先のことでありますからとおっしゃるならばそれまででありまするが、エネルギー全体を集めまして需要と供給が見当つかないわけです。言いますなれば、いまの経済成長に見合う供給というものが足らぬのではないかと、私どもは、試算をしまして。したがっていま執拗に質問しているわけです。その需給のバランスについてもう一回通産大臣から御説明を願います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども申し上げましたように、昭和四十二年の答申がいま正式の答申で現在あるものでございますけれども、これがもう実情に合わなくなってまいりましたことは確かでありまして、あれをごらんになりますと、とてもこの数字では足りない、こう言われますことはもうごもっともでございます。現に私どもが中間で試算いたしましても、その一・四倍から二倍ぐらいのものがなければ需要がまかなえないということになっておりますから、それはそうおっしゃいますのがごもっともでありまして、したがって四十六年度中ぐらいにはもう一度新しく答申を求めて、それをいわゆる最もアップ・ツー・デートなものにしてまいりたいと考えておるわけでございます。で、私どもが、しかし、それと同時におそれておりますことは、数字のほうは積み上がってまいりますとできるわけでございますけれども、現実に、たとえば電力にいたしましても、立地というようなことを考えてまいりますと、はたしてそういうものが容易に求め得るかというような問題、あるいは石油の需要が一次エネルギーの七〇%と申しましても、低硫黄のものがそれだけ確保できるかというような問題、むしろそういう具体的な実行の面で、先のことだけになかなか問題があるであろう。わが国の産業構造もやはり少しずつは変わってきてくれないと困るわけでございますけれども、そういう見通しの作業の問題とその現実性の問題と、両方にやはりなかなか不確定要素があるということは、これはどうも私どもも心配をしておりますし、認めなければならないところだと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 不満を言ってもしようがありませんが、経済企画庁長官に、日本の経済発展の長期見通しには総合エネルギーというものが一番大きなウエートを占めるのではないかと思いまするが、経済企画庁のほうでは、どうも中心でないようでありますが、いかがですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) この新経済社会発展計画あるいは全総でございますが、あすこにおきましては、われわれのほうでは一応の試算として、従来の増加傾向というものを大体量的に把握いたしまして、そして質的な問題としては、御存じの低硫黄化の問題であるとか、いわゆる液化ガスの問題であるとか、あるいは原子力の開発の問題であるとか、そうしたむしろ政策課題を中心にして私たちの発展計画はつくられております。そうして、数字は非常に先の長期的なものでございますから、その当時に得られたデータによって、一応の参考資料として、フレームワークとして出しております。そういうことで、その数字の中身自身は、もしも新しい傾向が出てきますればやはり見直す必要が出てくる場合が十分考えられるわけでありまして、計画作成当時におけるデータをもとにして一応試算を出してある、こういうものでございます。でありますから、政策の方向としては、まあしかし数字に多少の差はございますけれども、いずれにしてもたいへんな、大体昭和五十年においては四十年の三倍、六十年度におきましては五倍、大まかにいってそうした非常に大きなスピードの速い、しかもたいへん巨大な量のものをまかなわなければならない、こういうたてまえに立って、それに対していかなる対策、政策を考えるべきか、こういうことが計画の中心になっておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの答弁でも不満ですね。経済企画庁が長期見通しで計画してありますから、現在、現状はちゃんと通産省や科学技術庁が把握していますけれども、将来の五年先、十年先、十五年先の計画の総合エネルギーの量は企画庁がちゃんとつかんでおらなければ国の発展計画ができないと思うのですが、まあここで並行線ですから——、そこで、電力は公害のためにもう発電所の建設もたいへんですけれども、さっきおっしゃったようにあまり前進は望めない、量の拡大は望めないと考えていいですね。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる普通の水力は、開発地点がもう非常に限られておりますし、コストが高くなると思いますので視点は揚水発電ということになっていこうかと思っております。それから火力は、結局排煙脱硫の技術と低硫黄重油の入手、こういうことにかかってまいります。両方ともこれは努力を続けてまいりたいと思います。原子力につきましては、幾つかのものが動き始めまして、ただいままでのところ、地元ではこれを受け入れてくれておるようでございますので、この信頼感が続いていきますならばかなりのものが期待できるのではないか。概して電力につきましてはそのとおりに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま発電計画があるところで公害のために建設を拒否されているところを御存じでしょう。ちょっと報告していただきます。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 顕著な例は京都府の宮津、それからやはりペンディングになっておりますのは姫路がございます。それから、そもそも電力開発調整審議会にかけられないものということになりますとまだまだございまして、銚子などもさようでございますが、そこへいきます前に話がなかなかできあがってこないというものはまだかなりあるように存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 したがって原子力も、科学技術庁もおっしゃいますけれどもなかなかそれは、六千万キロワットたいへんでしょう。電力についても望み薄、あとは石炭と石油でありますが、石炭はいかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 石炭はただいま国内の生産が三千八百万トンでございますが、昨年もかなりの閉山がございましたし、今年もなかなかその傾向は急には変わらないかと心配されるようなわけでございまして、それに硫黄分の高いものは電力会社が当然使いたがりませんので、一般炭としての石炭はやはり将来あまり大きな期待は持てない、持つことができないのではないかと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 二年前に五千万トンで発足しまして、もういまは石炭は三千八百万トンになりました。いまおっしゃったように、石炭もこれから国内炭の増産というものについては非常に望み薄でありましょう。そこで炭鉱労働者など、炭鉱経営者は、石炭は一体どうなるであろうか、国は石炭政策に対してどういう気がまえを持っておるであろうか、経営者としては経営に対する不安、労働者としては生活の不安があるのですが、これをひとつ、石炭政策についてはわが政府はこういうふうに考えておるのだということを御見解を聞きたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま第四次の合理化計画を進めておる最中でございまして、四十八年までそれが続くわけでございますが、この考え方は、ひとつ残るものは強くしっかりした基盤の上に残ってほしい、これは第一労務者の安全という見地からそれが大切なことでございますが、そういうことで、そういう人々、そういう炭鉱については政府が積極的にビルドをしようということで、構造骨格をはじめ合理化資金等々を石炭特別会計であれだけたくさんに供給をいたしておるわけでございます。他方、どうしても先行き自信がないというものについては、これも労働対策等を考えますと、金融あるいはその他の社会不安を起こしませんために政府が特別交付金を与えまして特別閉山ということで厚く扱いまして、政府の財政的支援のもとに閉山をする、この制度が今年度まで続くわけでございます。で、これから先も、閉山については御承知のようなもろもろの措置によって、労務債、これは給与の関係でございますが、それから鉱害関係の負担、地元の地域振興等々をはかってまいりたい。つまり、残るものはひとつ政府も積極的に応援するので強く残ってほしい。それから自信のない炭鉱は、残念であるがこれ以上各方面に迷惑をかけないように、政府の財政的支援のもとに閉山をすることもまたやむを得ない、こういう両方の施策でただいま第四次合理化計画が進んでおるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 石油や原子力発電に対して五年先、十年先の計画がありますように、石炭政策に対してももう少し先の見通しを立てて、経営者や労働者に対する不安を除いていただきませんと、山に入ってくる者はいない。なるべくならもうこの際、退職金をもらってやめようかという空気が横溢しているわけでしょう。そうすると、原子力発電もまた望み薄、電力についても望み薄、石炭は斜陽一路、そういうかっこうになります——石油の問題はあとで触れますけれども。したがって石炭政策に対してはもう少し確固たる方針をひとつもう一回、私も十分知っておりますけれども、もう一回練ってもらいたいということです。  それからいま常磐と日炭高松で閉山が起こりました。日炭高松の場合は、これは硫黄分が多くて公害倒産ですね。いまから二年前にちゃんと金を入れて立て抗で発掘し始めた日炭高松——二千人も擁する山が公害のために閉山になります。これに対する通産省の今後の対策をお聞かせ願いたいと思うんです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 日炭の高松につきましては、私も実は何とかして救えないものか、法律をぎりぎり一ぱい読んでみて救済できないものかと、労働側とも経営者側とも何度か私自身御相談をいたしたわけでございましたけれども、結局閉山はやむを得ないということに結論を出されました。そこで私どもとしては、閉山交付金を出すわけでございますけれども、これは先ほど申し上げましたような従業員の労務、給与関係それから鉱害の関係、あと一般債権者等々の問題がこの交付金によってある程度助けられるわけでございます。むろんそれ以外にも地域振興の問題が別途ございますが、これは省略させていただきますが、結局日本炭鉱の今度の閉山にあたりまして、政府として交付いたします金が五十億円余でございましてまあそれだけのことをいたしますと、もろもろの債権、かなりな程度に充足をすることができる、こういう状況でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この日炭の閉山は、普通の山の将来見通しがないからの閉山と違いまして、明らかにこれは公害閉山でございますが、今回の閉山交付金などは特別に配慮されるのかどうかお聞きしておきたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま申し上げました五十一億円、法律の規定に従いまして最高限にはじきました数字でございます。そこで、この炭鉱は御承知のようにかなりの土地等の資産を持っておりますので、その資産の売却をあまり急がずに、なるべく有利な方法でさばいてのきますならば、なお何億円かの売り上げと申しますか、余剰が期待できるのではないだろうかと私どもも見ております。そういう意味では、関係者がしばらく会社側の清算処理について時間をかしてもらうことがお互ののためにいいのではないだろうかというふうに見ておりますので、もちろん鉱害等につきましては、これは法律の規定に従って処置をいたしてまいるつもりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの鉱害の問題を非常に急いでおるわけですけれども、それは下水道整備にいたしましても、道路整備にいたしましても、企業誘致にしましても、鉱害復旧しなければだれも何も手がつかぬのです。したがって、鉱害復旧については、これは一般論です。日炭高松だけではありませんが、福岡県なりあるいは常盤炭礦周辺なり北海道なり、この石炭山の閉山のあとの鉱害復旧は少なくとも五カ年以内くらいに緊急計画を立てて復旧すべきだと思いますが、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 資力のあります場合は、閉山した炭鉱に鉱害復旧の義務を一部負わせるわけでございますけれども、無資力の場合には、これは公の費用をもって鉱害の復旧をしなければならないわけでございまして、したがって現在の石炭対策といわれておりますものの中で相当大きなものがこれから長きにわたって鉱害の支出になるわけでございます。かりに、かりに、これは全くかりにでございますけれども、そういうことはございませんが、五年間に日本の炭鉱が全部なくなりましても、政府の鉱害復旧に対する義務と支出はなお十五年とか二十年とか長く先に続くような制度になっておりますので、これはそういう制度でもって鉱害の復旧、原状回復をはかるということになっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 長くかかってもやることはわかっておりますが、そのやる期間をうんと繰り上げてくれないかと、いろいろ金の問題もありましょう、ありましょうが、先にどうせやるんですから、繰り上げて短期でやってくれないかと言っているわけです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 環境の許します限り、できるだけこれは早くやるべきものでありまして、それは御主張はごもっともなことでございますから、もうできるだけ繰り上げてやってまいります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 自治大臣に長くお待たせいたしましたが、あとの地方自治体がたいへんでございまして、その町はもうほとんど炭鉱によって動いておった地方自治体、また北九州市にも関係ございますが、この山の閉山後の地方自治体に対する援助及びその後の産炭地振興に対する国の援助についてお話を願います。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) お話しのような産炭地域の市町村に対しましては、従来御承知のように産炭地域振興臨時措置法によりまして、いろいろ公共事業の負担率のかさ上げその他これら地域の臨時交付金の交付というような措置をとってまいったわけでありまして、地方行政の分野におきましても、交付税の配分その他地方債の配分等につきまして十分配慮をし、重点的に優先的な措置をとってまいったつもりでございます。ただいま日炭高松の閉山がすでに報ぜられ、常盤炭艦の問題もございますので、これらの市村町に対する措置につきましては実情に即して適切な処置を十分配慮してまいりたいと思います。  なお、閉山後の鉱害復旧対策でございますとかあるいは離職者対策あるいは関連の中小企業の対策につきましては、地域振興の観点から、関係の省庁とも十分連絡をいたしまして配慮してまいりたいと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 労働大臣に質問いたしますが、いま五百名近く——四百名くらいが就職が一応のめどがついたようでありますが、その他の方は離職状態でございますが、この労働者の離職対策なり、まあ常盤にもありましょう——産炭地域には離職者がたくさんありまして、いまの失対法の関係、中高年の雇用促進法に対しても非常な反対の意見が充満しているわけです。この離職対策などについて、見解をお聞きいたします。

野原正勝自由民主党労働大臣

○国務大臣(野原正勝君) 炭鉱離職者の対策につきましては、かねがねあらゆる面で対策を講じてまいったわけでございますが、特に職業訓練であるとかあるいは短期のいろんな訓練等を実施いたしまして、それぞれ各方面にわたって新しい職場に向かっております。いままでも、比較的炭鉱の離職者の方々は、あらゆる方面に参りましてもかなり喜ばれております。したがって、いままでは多数の離職者が生じたのでありますが、新しい再就職が比較的順調にいっておると考えておりますが、しかし、今回のやつはかなり中高年齢が多いと存じます。したがって、いままでの対策以上にこれは新しい離職者のための対策を講ずる必要もある。そこで、新しく求職をされる方々には手当を支給して、それぞれ適当な方面に向けていくような対策をきめこまやかにやっていきたい。したがって、そうした閉山になりました地域には臨時に職業紹介の機関等も設けまして、いろいろな相談にあずかったり、あるいは炭鉱の労働組合の方々にも相談員というふうなことでお話をいただいたり、いろいろな方面にできるだけの手当を尽くす考えでございます。全力をあげて対策を講じてまいる所存でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 炭鉱地帯の離職者は、いままでの失業対策法がよかったと、今度、いま国会に出ております中高年齢者雇用促進法はまたわれわれも不安だと、こういうことばが充満しておるわけでありますが、これに対する大臣の見解を聞いておきたいと思うのです。

野原正勝自由民主党労働大臣

○国務大臣(野原正勝君) ただいま提案をしております中高年齢者雇用促進法につきましては、実は産炭地域であるとかあるいは同和地域あるいは過疎山村地帯というふうな、どうも離職をした方々が容易に職を得がたいような地域には、特別な地域として、そこには新しい対策を講じていくということで、その用意もしておるわけでございます。おそらく産炭地域において非常に困難な方々に対しては、その新しい雇用対策として、今回の中高年齢者雇用対策の特別の措置を講ずる必要があると私は考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その法律についてはまたこれからまいりますから、論議することにいたしまして、いまエネルギー問題を論議しておりますから、エネルギーの最後の問題、石油の問題を質問いたしたいと思います。  石油のほうの需給見通しについて御説明を願います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 政府委員から申し上げます。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) お答えいたします。  石油業法に基づきまして、毎年五年先までの供給計画を組んでおります。四十五年度におきましては四十九年度までを組んでおりますが、四十五年の原油の消費量は一億九千二百万キロリットルでございまして、石油製品の生産量は一億六千五百万キロリットルでございます。それに対しまして、さらに輸入として二千六百万キロリットルのナフサ重油の輸入を行なうことにいたしておりまして、需給を合わすことになっております。これが四十九年には一億キロリットルふえまして、二億九千万キロリットルの原油の消費ということに相なります。そして製品は二億六千五百万キロリットルの生産でございまして、そのほかに三千九百万キロリットルの製品輸入を行なうことになっております。これで需給が一応見合っておりますが、本年三月には四十六年度から五十年度までの供給計画をさらに検討することにいたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 昭和四十二年に石油公団をつくりますときの法律の論議の中で、あれから十年いたしますと国内の石油一億四千万キロリッターは必ず確保すると、そのときの菅野通産大臣は説明されました。現在国内の石油、原油の需給体制についてどのような体制でございますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 現在の石油需要、消費が年間にいたしましてほぼ二億キロリットルでございます。国内の生産はそのうち百万キロリットル前後でございますから、むろん一%に満たない、〇・何%というものでございます。そこで、最近探鉱技術あるいは掘さく技術が進んでまいりましたので、わが国の周辺の大陸だなというものに着目をいたし始めまして、すでに調査は裏日本をしばらく前にいたしましたし、今年あたりは表日本、北海道あたりもやっておるのでございますが、そういうことをして、国内——大陸だなを国内に含ませて考えまして、国内の新しい石油資源の開発をはかりたいと考えております。また同時に、海外に対してわが国の資本と技術によるわが国独自の開発原油を持ちたいということも同じく並行して考えておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 中東戦争が起こりまして石油の日本の蓄積量が二十日分くらいになりましたとき、昭和四十二年ごろこの石油公団が発足いたしました。その後の石油公団のやっておる仕事の実績、活動状況について御説明を願います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいままでに北スマトラ石油等々インドネシア周辺に三地点でございますか、それからアブダビ、さらにコンゴ沖等がかなり有望であるというふうに考えられておりまして、これらの活動につきましては、公団が融資資等々をいたして応援をしておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの情勢、状態でまいりまして、いまから昭和五十年度、六十年度に対します石油の需給体制はいまの体制で間に合いましょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはおそらくわが国の石油消費量の中で三〇%を自力でやるということが間に合うかと、こういうお尋ねであろうかと思いますが、昨今のように石油マーケットがセラースマーケットに変わるのではないかという徴候が見えておりますので、実はここで根本的にそれらの基本対策を新たにいたしませんと、ただいま御指摘のような目標を達成し得るかどうか疑わしくなってまいりました。したがいまして、昨年来、私、役所にそういうことを検討をするように、自分も一緒になってやってまいったのでございますけれども、ほぼ今年の七、八月ごろ、明年度の予算編成、あるいは法案提出の時期に合わせますためのたたき台ともいうべき原案が私どもの役所でできましたので、これから大蔵省と共同でひとつこの研究作業を詰めてまいりたい。基本的には大蔵大臣もこの考え方は支持をしていただいておりますので、明年度、四十七年度にはその体制がスタートできるようにただいま作業を急いでおるわけであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 新聞紙上でもその構想を見ました。したがって、きょうはもうこの問題で真剣に取り組んでおりますから、もう少しその基本構想について明かしてもらいたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) やはり根本になりますのは、もしセラースマーケットになればというようなことを考えますと、わが国独自、わが国が少なくとも発言力を有するような大規模な開発を行ないたいということが基本でございます。で、そのためには、経済協力等についても、当然従来とは違った考え方をしてまいらなければなりませんし、また、そこの探鉱並びに開発に必要な資金の確保につきましても、単年度だけでなく、やや長期にわたっての見通しを持っておく必要があるであろうというふうに考えております。  それからまた、備蓄の問題にいたしましても、石油業界の責任において、あるいはそれを上回りますものは政府の責任においてやっていかなければならない。そういう備蓄の目標ももう少し高いところに置かなければならないというふうに考えておりますし、さらに進んでは国内における精製の体制をどのようにするかといったようなことまで問題は及んでまいるかと思います。  で、その間にあって、公団でございますが、公団自身もときと場合によっては売り買いのあります利権——ときを失しませんように、それを公団自身の手で利権を確保するといったような機能も営ませる必要があるのではないだろうか。これらのことはいずれも法律改正、かなり大きな予算措置を必要といたすわけでございますけれども、いわばたたき台としてはそのような構想を中心に考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 将来の構想についてもう少しお聞きしとうございますけれども、時間がございませんから、当面の問題について質問をいたします。  いま石炭、石油及び原子力発電、電力の問題、これは大体エネルギーの主体でございますけれども、原子力発電と電力については当分期待もありませんし、望みは石油だけでございます。しかも、当面いま問題になりますのは、この間から石油をメージャーにかってに支配されまして、日本の石油も引っぱり回されております。石油業界も引っ張り回されております。したがって、日本の石油業界が国際石油資本に対して自主的にもう少し経営できるように政府がしっかり腹をきめるべきではないかと、そう考えるわけです。これは昭和四十二年のときからわれわれが主張しておるところですが、いま日本の石油会社は、ほとんど三割ぐらいしかほんとうに自主的に運営できませんですね。その日本の石油産業を一体どういうふうにコントロールしようと考えておられるかお聞きしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) すでにメージャーとの関連で動いております精製施設、いわば俗に外資系といわれるものでございますけれども、これは持ち株の関係、原油の供給関係、それから設備についてのいわば親会社からの資金援助等々、なかなか簡単に縁を切れと申しましてもそれは無理なことでございますので、われわれとしては俗に申します民族系の精製をひとつ育てていこうではないかということで何年かやってまいりました。現在かなり民族系の資本が育ってまいったわけでございますけれども、まだまだ十分とは申し切れません。政府資金等を貸しましてなお育成をはかってまいりたいと考えております。と同時に、いわゆる外資系の精製設備につきましても、今後、今後と申しますか、新たに増設をいたしますものにつきましては、昔のように全部その外資系の原油にひもつきということははなはだ好ましくないのでございますから、新しくつくるものについては少くともそういう全部ひもつきというようなことはやめるというようなこと、そういったような指導もし、またわれわれの手で開発されましたアラビア石油の原油も割合に応じて各精製会社が取るようにというような行政指導もいたしておるわけでありまして、われわれとしてはできるだけわれわれの力によるところの、われわれの民族の力によるところの精製施設をふやして育てていきたいと考えているわけですが、同時に、しかしそれに供給をする原油というものを持ちたいというのが先ほど申し上げました点になるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 海外の油田の開発、海外の資源の開発にもちろんこれから取り組んでいくわけですけれども、当面のいまの石油産業に対するてこ入れをしまして、もう少し自主的に石油の精製なりあるいは販売なりができるような体制をお考えになったことはございませんか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど申し上げました新設の設備については全部ひもつきで親もとから原油を買うというようなことはあってはならないという行政指導は現に生きて動いておるわけでございますけれども、これなどはそういうことを支援をしたいという私どもの考え方のあらわれでございます。同時に新規の精製設備を許可をいたしますときに民族系については開発銀行等も金を出しておるわけでございますけれども、そういうものを育てていきたい。こういうふうな行政をここ何年かやってまいっておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これは販売の面になりますけれども、自動車新税の新設なり、あるいは原油の値段の引き上げなどによりまして、運送業者など、あるいはタクシー業者など、精製品を使うものが値上げに苦しんでおるわけです。したがって、これは基本に返りますけれども、そういうような値上げの対策につきましても、もう少し値上げできないように先刻、きのうも質問がありましたけれども、公取なども十分目を光らしてあるようでありますが、政府の対策についてお聞かせ願いたいと思いす。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは先般も申し上げましたように、まずメージャーがOPECで相談したことをそのままわが国の消費者にぶつかるということは不当ではないかということで、ただいま石油連盟とメージャーなどの間で交渉が続いておるわけでございます。  そこでごく最近の、これは幾らか、きざしでございますけれども、国内でこれだけの問題になりましたので、メージャーの側にも多少そういう点を認識しなければならぬのかなあと考えておるものもおるらしく思われますけれども、しかし、これはいろいろ他の国への供給価格等の問題もございますので、私どもあまり公にする本来必要もないことでございますから、個々の取り引きにおいてそういうことがあらわれれば望ましいことだと思いまして、交渉を注目をいたしておるわけでございます。そのようにしてまず全部をぶっかけるというようなことをどれだけわれわれがくい止められるかというのが第一段階でございまして、その後ある程度のことは、これは全部ゼロで済むというようなことは望ましいことですが、実際むずかしいことと考えますから、値上がり分を業界の自主努力でどれだけ吸収できるか、さらにやむを得ない場合に各製品に向かってどのように開くかといったようなことが実はこれからの問題でございますけれども、それより前にメージャーとのそういうとっかかりのところの話をひとつ詰めておきたいというのがただいまの段階でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総合エネルギーの問題につきましては、まだこまかい問題もいろいろございますけれども、最後に、第一次答申が四十二年二月出てまいりましたが、あれから、あの数字を見ますと、現在論議にならないくらいに差が出ております。したがって、早急にこの長期見通し計画、需給計画なりつくらなければならぬと思うんです。通産省のたたき台は先日見せていただきました。しかし私は通産省だけでなくて、科学技術庁も、それから経済企画庁も、もっとどっかに中心を置いて、真剣に総合エネルギーの需給計画を立てませんと、基本的に日本の発展計画はできぬのではないかと思うのですが、第二次の総合エネルギーの答申はいつお出しになる見込みでございますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ごもっともな御指摘だと考えまして、実は各省庁協力いたしまして、四十六年度中には答申を得て決定をいたしたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私の勉強の方向が違うかもわかりませんが、科学技術庁の調査部が、調査室というのが、このエネルギーの中心的な研究をやっておるのだということをこの本に書いてあるわけですけれども、技術庁の長官に聞いておきたいと思うのです。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 科学技術庁は、原子力エネルギーにつきましては私のほうが総括して所管しております。そこで先ほど見通しを申し上げたわけでございまするけれども、原子力委員会におきましても、このような視点に立ちまして四十二年にきめましたこの長期計画がすでに実情に合わなくなっておりまするので、現在この年内を目標にいたしまして原子力計画の長期計画の策定にとりかかっておるわけでございます。年内には原子力に関する限りそういう長期見通しができ上がるものと、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 質問終わります。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 以上をもって小柳君の質疑は終了いたしました。  この際参考人の出席要求につきましておはかりいたします。三案審査のため、東京都防災会議地震部会会長東京大学名誉教授河角廣君並びに本州四国連絡橋公団総裁富樫凱一君、同理事蓑輪健二郎君を参考人として明日出席を求め、意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは本日はこの程度にとどめ、明日は午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十三分散会

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