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65回国会参議院1971/03/08

予算委員会 第10号

発言数
336
登壇者
30
会派数
3
開催日
1971/03/08

会議録

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十六年度一般会計予算、昭和四十六年度特別会計予算、昭和四十六年度政府関係機関予算、  以上三案を一括議題といたします。  まず、理事会におきまして一般質疑について協議を行ないましたので、その要旨について御報告いたします。  審査の日数は七日間とし、その質疑総時間は九百六十分、各会派への割り当ては、自由民主党及び日本社会党はそれぞれ三百六十分、公明党百二十分、民社党六十分、日本共産党及び第二院クラブはそれぞれ三十分といたしました。また、質疑の順位は、総括質疑と同様にいたしました。  以上のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) それでは、前回に引き続き質疑を行ないます。田渕哲也君。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 初めに、日中問題をはじめとしまして、繊維あるいは石油等の経済面から見た今後の外交問題の打開についてお伺いをしたいと思います。  まず初めに、一昨日藤山愛一郎氏ら訪中団一行が帰国されました。また、日中覚え書き貿易交渉の代表団も帰国されたわけですけれども、今回の藤山訪中並びに覚え書き貿易の交渉の結果について、政府の評価といいますか、見解といいますか、総理にお答えをいただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) まあこの日中覚え書き貿易につきましては、藤山君以下が帰ってくる前からこの席上でたびたび評価その他についてお尋ねがございました。私は、覚え書き貿易は継続される、これはたいへん望ましいことだと、こういうことを申し、またそういう意味からも交流が盛んになることが望ましいんだと、こういうことをしばしば申し上げております。ただ政治問題につきましては、遺憾ながら、私がしばしばお答えしておるように、原則論ではこの問題は片づかない、現実の姿を十分見ていく、そうしてきめなきゃならないと、こういうことを答えておりますので、いままた帰ってきたからといって、このいままでの私の答弁、これを変える何ものもないように思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 今回の日中の覚え書き貿易のまあ日中共同声明を見ましても、中国の姿勢というのは原則的には非常にきびしいものがあるということは論をまちませんけれども、しかし、まあ藤山さんの帰国の談話等見ましても、中国が何らかの接触を深めようとする前向きの態度というものはうかがえるのではないか。また、藤山さんらの訪中団に対しましては、中国はやはりそれなりの配慮をしたということがうかがえるのではないかというふうに考えるわけであります。したがって、日中関係も、お互いに原則論にこだわって強硬な態度だけで終始しておったのではなかなか打開できない。したがって、まずこの接触を深めるということが何よりも大事ではないかということを考えるわけですけれども、私は今回の藤山訪中というものが一つの打開へのチャンスとなるのではないかというふうに考えるわけです。そこで政府にお願いしたいことは、この外交問題についてやはりもう少し柔軟な含みのある発言、態度というものをとることが日中関係を改善するためには肝要と思いますけれども、この点について総理の見解を再度確認したいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ずいぶん含みのある話をしてきたように思います。私はやはり両国間の最も必要なことは、理解を深めることだ、相互理解を深めることだ、相互理解を深めるためにはやはり交流が必要でしょう。こういうことで私どもは、望むならば大使級会談、いずれの場所でも、いずれのときでもこれを開く用意がある、こういうことをしばしば申しております。私はどういう点で政府がもっとやわらかくなれとおっしゃるのか、その点わかりかねますけれども、ずいぶん——少しはやわらか過ぎるんじゃないかしらと思うくらいにやわらかく柔軟な態度で臨んでいるように思います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 口でその大使級の交流の用意があると言っても、口で言うだけじゃだめなんですね。やはり中国側がはっきり言っておりますように、台湾問題なりあるいは国連における重要事項指定の問題なり、こういう基本的な態度について、もう少し含みのある態度をとるべきではないか、そういうことを私は申し上げているわけですけれども。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) そういう問題については、基礎的な問題としてもう少し両国が相互に理解しあうというこのことが必要だろう。そうして相互の立場を尊重し、お互いに不干渉、内政不干渉、そういう立場で交渉する、その心がけが、用意ができなければならない、かように私は思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 ここで経済問題について少し触れてみたいと思いますけれども、日中の繊維交渉が、本日の業界の一方的な自主規制の宣言で大体おさまるといいますか、結末を迎えるだろうというふうに予想されております。これは六日の、六日でしたかあるいはその前でしたか、先日の予算委員会で公明党の中尾さんがやはりこの質問をされておりますけれども、私も再度総理大臣に確認をしたいと思います。これはまあ自主規制と言いましても本来政府間交渉でずっと進んできたのでありますから、自主規制といってもやはり政府の救済援助を行なうべきだと思いますけれども、この点政府としては最大限の救済援助をお願いしたい。再度確認したいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 日米繊維交渉の場合に非常にむずかしかったことは、私どもが政府間で交渉いたしましてもそれが立法処置をとるわけじゃございませんので、業界の納得がいく限りいわゆる自主規制、そういう意味からは業界自身が賛成してくれなければこれはできない、これをしいる方法はないのでございます。日本側においてもないが、アメリカ側においてもさような状態であります。したがって、政府間では交渉いたしましたが、その実情は両者とも十分理解しているはずでございます。したがいまして、今回どういうような案が出ますかそれは別といたしまして、自主規制というか、業界で話のまとまること、これは一つの進歩だ、この問題解決への進歩だ、かように私は思います。また政府はどんな場合でも国内の産業についてその産業の育成強化、これに責任をとる、その立場でなければならないように思います。ましてや特殊な交渉の結果、特に業界に与える影響が大きい場合、これに対して対処するのはこれは政府の当然の責任でございます。しかしながら、ただいま申し上げるような段階では、ただ話ができそうだとかあるいは自主規制が行なわれるそうだと、こういう場合に、——どういう影響があるかそれもわからない。案外皆さん方が都合よくやっていかれるかもわからない。こういうときに、政府が先ばしった考え方を出す必要はございません。私が申し上げたいのは、政府は、あらゆる場合において、政府の責任において国内法、経済秩序を維持する責任があると、こういうことだけ一言申し上げておきます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 総理大臣の御答弁はちょっとふに落ちかねる面があるわけです。というのは、繊維の交渉ももうかなり煮詰まっておりまして、その自主規制の内容につきましても、いままで政府間でいろいろ交渉してきた。それで今回の自主規制でも、大体五%という総ワクでくくるということはきまっておるわけですね。これが業界にどういう影響を与えるかというのはもう大体の予測ができるわけです。業界としては、いままでのいきさつから見て涙をのんでこれでやっぱり妥結せざるを得ないと、そのタイミングだという判断をしたからこそ、中には中小企業の苦しい状況も無理やり説得して、これでおさめようという努力をしておるわけですね。その点について、政府は、最大の措置をするというやっぱり約束をすべきじゃないかと思いますが、再度お答えいただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、何にもしないというわけじゃございません。経済秩序を維持する、また経済の不安を除くということはこれは政府の責任だと、当然やるということを申し上げておるだけです。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 だから、自主規制という形であっても、政府間交渉で交渉をやられたときに、いろいろ救済措置をするというようなことも業界には話をされたと思います。政府間交渉の場合と同じように扱うかどうか。この点をお聞きしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 基本的には、先日も総理が答弁され、ただいままたお答えになったことが政府の心がまえであるわけでございます。ただ、総理がいま後段に言われましたことは、実はそのとおりなのでございまして、一般に自主規制何%とかどうとかこうお互いに理解をしておりますけれども、実際それをどのようにしてやるかということはもう非常に技術的に複雑でございますようでして、私自身などにもとうてい理解できない部分がたくさんございます。それをできるだけ中小に痛手がいかないようなやり方をすると。そこに非常にくふうが要るところであるようでございます。この点については、業界も考え、私どもとしてもやり方について協力をしたいと思っておりますので、したがって、そういう態様が具体化いたしませんと、政府がどれだけのことをする必要があるかということがはっきりしてまいらない。これは逃げ口上で申し上げるわけではありませんで、その部分が非常に技術的にじょうずなやり方、へたなやり方があるようでございますので、それを待ってという意味の総理の御答弁だというふうに考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 それでは、通産大臣にお伺いしたいのでありますけれども、業界の要望というのは、大体、金融面のいろいろな救済措置を行なうこと、それから二次製品の買い上げの問題、それから生産手段の買い上げの問題、こういう点を非常に強く訴えておるわけですけれども、こういう面についても前向きに取り組む用意があるのかどうか、お答えいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 御承知のように、昨年末の年末金融の上に、今回は年度末の三月の金融を繊維を中心にしていたしまして、これはかなり異例のことでございますが、そこまで政府も考えておりますので、ただいま御指摘のようなもろもろの点、具体的に話が出てまいりましたら十分考えなければならないと思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 次に、外務大臣にお伺いしたいと思いますが、極東三国のほうの同時発車の問題が非常に重要な問題になっております。ただ、台湾、韓国、香港、こういうところに同時発車の根回しをするのは、業界でやることも必要でしょうけれども、極東三国の実情を見た場合には、やはり向こうでは政府というものが非常に大きな力を持っております。また、政府というものがかなり強い態度も示しておるわけで、したがって、わが国においても、やはり政府がこの根回しなり折衝についてかなりてこ入れをしなければならないと思いますが、その用意があるかどうか、お伺いをしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 便宜私からお答えを申し上げますが、いわゆる他の輸出国との関係をどうするかということは、たまたま今日業界の総会が開かれるわけでございますけれども、業態によりましては非常に影響するところが大きゅうございまして、どういう仕組みにするかということそのものが今日の議論の一つの大きな問題になるわけで、はっきりした結論が出ておらないわけでございます。停止条件にする、解除条件にする、いろいろなやり方があろうかと思いますが、その結論を待ってみないと確たるお答えができないわけでございます。しかし、業界としましても、いままでこれらの国といろいろな意味で共同歩調もとってまいりましたし、政府としてもこれらの国と過去において連絡もあったことでございますから、そういうことも考えながら、結果を見て対処をしてまいりたいと思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 それから、アメリカのダンピング規制というものが最近いろいろ起こっておるわけですけれども、特に六八年ごろを中心にしてダンピング調査件数が非常にふえてきておるわけです。それで、すでに家電とかエレクトロニックス、板ガラス、こういうものについてのダンピング規制というものが行なわれつつあるわけですけれども、こういう保護貿易的な色彩がやはり強まりつつある。それで今後、自動車とか家電とかエレクトロニックス、こういうものについても、繊維と同じようなケースというものが向こう側から要請される可能性があると思いますけれども、この辺の見通しはどうですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) その点は、総理大臣がしばしば言明しておられますように、政府間の立場というものは、繊維はアメリカにとっては一つの例外であると、アメリカ政府は自由貿易を基本として考えるのだということでございますから、これが一つの例になって、当然に他のものにも同じようなことが期待できるとアメリカ側が考えることは、経緯から考えまして至当なことではないわけでございます。私ども期待しておりますものは、このたびこういう業界の自主規制ができますと、アメリカ側にも、昨年一年を通じて国内におけるいろいろな動きがございましたが、それについての反省といいますか、再考慮も当然出てくることと期待をいたしますので、非常に悪い方向に向かおうとしておった一つの動きをもとの方向に引き戻す効果があるのではないかということを期待をいたしておるわけでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私は、日米関係というものがやはりここ近年変わりつつあるということを感じております。いままでは、どちらかと言えば、経済的にもアメリカに従属的な関係にあったわけですけれども、日本の経済の発展強化によって、ある面ではライバルという関係が非常に浮かび上がってきつつある。したがって今後、アメリカとのこういう関係、摩擦というものはやはりしばしば起こるのではないかというように考えております。そこで日本として考えなければならないことは、現在の貿易の構成ですね、特に輸出においては対米依存率が非常に高い。これは四十五年で三〇・八%もあるわけですけれども、貿易、特に輸出の構成の是正というものを変える必要があるのではないか。あんまりアメリカ依存の部分が大きいと、こういう問題はわが国の経済に一挙に急激な影響を与えるわけですから、この点について、是正の方向を考えておられるかどうか、お聞きしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはやはり御指摘のとおりだと思いますので、ヨーロッパ、EECの国々、あるいは資源開発との関係などで、その他の地域、東南アジアはもとよりでございます、なるべく輸出輸入先を拡散をしていく、広げていくということがやはり大切なことであるというふうに常々考えておるわけであります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 今回はまた石油の原油の値上げの問題が起こりました。これがわが国の経済に与える影響の大きいことは言うまでもないと思いますけれども、ところが現在、わが国の石油の九九%が海外資源に依存しておる。しかも、海外資源の中でもわが国が自主開発をしたのは一〇%ということが言われております。これでは非常に不安定である。今後の石油対策としての自主開発の方向についてどう考えておられるか、お伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) わが国の国内産の石油は百万キロリットル以下でございますから一%に満たないわけで、したがって、御指摘のような海外依存率になるわけでございます。で、実は、しばらく前から御指摘のような問題について私どもの役所でも基本的な構想の検討をいたしておりました。また、関係の学識経験者のお話も伺ったりしておりましたが、先般のようなOPECの動きが出てまいりましたので、いよいよその必要を痛感しておりまして、この夏までに基本的な構想を出したいと考えております。その方向は、ただいま言われましたように、わが国と産油国との提携によるところのいわゆる自主開発もございますと思いますし、また、産油国が自分の取り分として持っておりますところの原油について、われわれがそれを何かの形で引き受けるということも、先方も希望しておりますのでそういう可能性もあろうと思います。ただ、それからこう話がだんだん先をたどってまいりますと、わが国の精製設備といったようなものが、御承知のように相当外資系のものがございます。そうしてそれは、その外資系の原油をある程度買う、買わなければならないというような制約を背負っておるわけでございますから、その辺にまたもう一つむつかしい問題がありまして、結局、総合的、全面的な構想の再検討といいますか、新しい構想を打ち立てることが必要な段階になっておると思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 この石油資源の自主開発をこれから積極的に取り組もうとすればするほど、外交上の問題との関連というものが出てくるわけですね。で、すでに尖閣列島の浅海開発の問題については日中共同コミュニケの中で、「中国に近い浅海海域の資源を「共同開発」することを決定したが、これは中国の主権に対するあからさまな侵犯であり、中国人民の絶対に容認できないものである。」、こういうことをうたっておるわけです。また、ベトナム沖の開発の問題につきましても、すでに日本が開発会社をつくることが決定しておるようでありますけれども、これにつきましても、プラウダが二月二十三日の論評で批判をしております。これは直接日本に向けられておりませんけれども、アメリカがベトナムから撤退しないのはベトナムの石油資源に色気があるからだということを言っておるわけですね。したがって、この石油資源の開発と特に日中問題、あるいは対共産圏との外交問題とは無関係ではないと思うんです。こういう面から考えましても、日中関係の打開というものが必要になるわけですけれども、特に尖閣列島の石油開発については、外務大臣は関係友好国と協議するということを話しされましたけれども、その関係友好国の中に中国が含まれておるんですか、含まれていないんですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) まず一番前提として、石油資源の開発ということについて産油国との間の提携をはかっていかなければならない、これはもうごもっともなことで、この点については、たとえば経済協力の一つの大きな柱として今後ますます考えていかなければならないと思いますが、同時に、やはり大きな消費国がそういった場合におきましても、率直にいえば競争関係に立つ場合が相当あるわけでございます。したがいまして、そういう国との間にも協力あるいは協調していかなければならない、そこにまあいわば資源外交とでも言うべき新しい進路があるというふうに考えまして、いろいろ知恵をしぼり、各国との協力を求めていきたいと思っております。そして今度は海底資源の問題でございますが、これは御案内のように、大陸だな資源、あるいは中国語では浅海資源というふうなことばが使われているようですけれども、これについては国際的に、あるいは国際法的にきまった一つのルールというものがない、それだけに、ある国が一方的に権利を主張いたしましてもそれだけでまかり通れるものではない、これは原則が国際的にやはり現状においては関係各国が協調、協力して開発を話し合うべきものであるということに相なっております。尖閣列島については主権は問題ない点で、これは明確に区別して、あくまで日本のものであるということは明白な事態であると思いますが、それらに関連する海底資源の問題については、関係国と十分相談し合って開発に当たるべきものである、これが原則でございます。  それからその次にコミュニケでその点について触れられておりますが、実は日韓台でありますか、その間で、三国関係で計画が行なわれ云々とあるくだりがございますが、これはあたかも三国政府間でそういうことが行なわれているかのような感じを受けますけれども、そういうことは進んでおるわけではございません。御承知のように、あるいは韓国が、あるいは中華民国政府が、まあ何といいますか、一方的に、大陸だな資源について、あるいは東シナ海の浅海資源について一方的に利権を設定するというようなことが伝わりました場合において、日本政府としてあるいは抗議を申し入れ、あるいは協議を申し入れたという事実はございますけれども、三国間で、政府間で相談し合ってその資源を三国で独占しようというようなことを企図したということは事実としてもございませんわけで、これは今後の問題として事態の推移に応じて適宜適切な処置をいたしていくべきものであると、こういうように考えております。  それから最後のお尋ねのプラウダの記事は、実は外国の新聞等がおりおりこうしたところに触れるところがございますが、まあアメリカがベトナム沿岸の海底の石油資源を獲得するためにベトナム戦争をやめられないんだ云々というようなことについては、コメントをすることは差し控えたいと思いますが、日本としてそれらの国々と相結んで、特にベトナムの水域において海底の油田等について積極的な計画を現にしておるというような事実もまた今日のところはございません。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 再度確認したいと思いますが、尖閣列島の石油資源の開発については、中国大陸と目と鼻の先ですから、中国と話し合いということが必要になってくるかと思いますが、それは考えておられるわけですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ただいま申しましたように、原則としてこれは関係の国々と相談をし合って円満に進めていくべき筋合いの問題である。でありますから、将来の問題としては、ただいまお話しのようなことも考えていかなければならない事態もあり得ようかと思いますが、今日具体的なまだ問題にはなっておりません。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 いまずっとこの質問で申し上げましたように、これからのこの貿易構造の改善の面、それから石油資源、あるいは海外資源の開発の面、そういった面を考えた場合には、やはり経済面から見て外交というものを考えていく必要があるだろうと思います。そういう点から考えた場合に、私はいまの政府、特にこの佐藤総理の中国に対する姿勢はあまりにもうしろ向きではないかという気がするわけですけれども、経済面から見てもう少し前向きに考える必要があるのではないか、この点をお伺いしたいと思いますが。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) もう少し前向きというのはどういう意味なのかこれはよくわかりませんが、私はもう申すまでもなく、自由を守り平和に徹すると、そういう意味で日本は武力にはたよらない。したがって、互恵平等と申しますか、そういう形において、またいわゆる新しい国際主義の立場に立ってこの経済問題は解決さるべきだと、かように思っておりますので、その考え方に別に変わりはない、それが正しいことだと、かように私は思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私が申し上げるのはタイミングの問題でして、経済的な要請からするならば、日中関係の正常化の時期をもっと早くする必要があるんじゃないか。佐藤総理のように、いつまでも待っておったんでは、なかなかこれは解決しないんじゃないかという気がするわけです。まあ今後この点で政府の姿勢の再検討を要請いたしまして、この問題についての質問を終わりたいと思います。  次に、税制の問題を中心にしてお伺いをしたいと思いますけれども、政府は社会開発を進め福祉を充実させるためには国民の税負担は高くなるのはやむを得ない。いわゆる高福祉、高負担の考え方を出されております。しかし、これは新聞のアンケートを見ましても、高福祉、高負担是認というのは、これは朝日新聞のアンケートでありますけれども、七%しかない。むしろ国民の率直な要望というのは、いまの税金の使い道のくふうが先決である。もっとうまいこと使ってくれということを要望しておるわけです。特に、この税金のむだづかいというものがあってはならないと思いますけれども、この是正をまずやる必要がある。  それから第二点は、現在の税負担の不公平の面をやっぱり是正する必要があるのではないか。高福祉、高負担だからもっと税金を新しく上積みするんだという考え方ではなしに、現在の不均衡というものを是正する、こういうこともあわせてやっていかなければならないだろう、このように考えるわけであります。  まずこの第一点の問題でありますけれども、特にことしの予算におきましては、この三Kの問題が非常に大きな問題になっておる。つまり食管赤字、国鉄赤字、健康保険の赤字の問題でありますけれども、たとえばこの食管の赤字をとりましても、過去、税金からつぎ込まれた金額は実に二兆円であります。私はそれなりの必要性もあったと思いますけれども、しかし、ずるずるとこのように国民の税金を際限なく出し続けていっていいものかどうかということですね。私はそこに政府の少し長期的な観点に立った食管制度のあり方、あるいはその米の問題の解決の方策というものを国民の前に示すべきではないか。確かにこの農家の問題、重要な問題がありますけれども、しかし、私はもっと政府がはっきりした目標を示して農家にも不安をないようにし、また国民にも、いつまでもこの税金をつぎ込まなくてもいいんだ、こういう計画を示されなければなかなか納得できないんじゃないかという気がします。それから国鉄の赤字にしましても、すでに累積赤字が八千二百億円、ほっておけばこれが第二の食管になることは明らかであります。これにつきましてのこの赤字対策というものが、国鉄の再建計画はできましたけれども、なかなかそのとおりいかない。将来一体これをどうするつもりか。それから健康保険の問題は後ほど触れたいと思いますけれども、これにあわせて行政機構の改革も佐藤総理はたびたびかけ声をかけておられますけれども、あまり実効があがったという結果は聞いておりません。四十六年度の自然増が一兆五千億ある中で、一兆円がこの当然増経費に食われる。こういう事実を見ても、行政機構の改革というものを今後どう具体的に進めて、どれだけ税金をうまく使えるのか、その点を国民にやっぱり示していただきたいと思うんです。食管問題、あるいは国鉄赤字の問題、行政機構の改革について、長期的展望に立った計画を明示していただきたいと思いますけれども、総理大臣に御答弁いただきたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) お話のように三K問題、これが財政を硬直化させるという要因になっておるわけであります。そこで、その三Kにつきまして、何とかこの打開をし、合理化をしなければならぬ。そこで、まず食管の問題です。これはくどくは申し上げませんけれども、私どもといたしますると、これは方向を出した。こういうふうに考えておるわけでありまして、生産調整、これを中心といたしまして、今後この食管問題、これは解決し得る、こういうふうに考えております。  それから健康保険の問題でありますが、これはまあ中途の段階である、暫定措置である。つまり平年度赤字を解消する、こういう財政措置がとられたわけであります。そのために累積赤字をたな上げをいたします。また定率補助制度を採用します。その半面におきまして、患者負担等のまあ負担増加ということもあわせ考える。こういう措置をとったわけでありますが、政府管掌健康保険につきましては、これは抜本的とまではまだ私は言い切れないと思うんです。しかし、ともかく当面をつなぎ得る、こういう施策になっておる、こういうふうに考えております。  それから一番おくれたのが国鉄の関係かと思います。これは総合交通体制を整備する。こういう問題があるわけでありまして、これを四十六年度予算以前に解決しておけば、かなりいい対策ができたと、こういうふうに思いますが、それが間に合わない。そこで引き続いてこの問題は解決しますが、その解決対策が総合交通対策、これが樹立した上で、その上にのっとって根本的な対策を講じたい。まあ国鉄は、率直に申し上げまして、今回は暫定措置であると、かように考えておるわけであります。それで、そういう問題もありますが、同時に、わが国におきましては社会資本が非常に立ちおくれておる。それから社会保障施設もこれもおくれておる。これを急がなければならぬという要請があるわけでありまして、そういうことを考えると、国費はだんだんと増高する傾向を持つわけでありまするが、それに対しましても無性格に高負担政策をとる、そういう考え方は持っておりません。なるべく低負担でそういうものを実現するようにいたしたい。こういうふうに考えておりますが、何しろ社会資本の充実なんというと金がかかりますから、したがって、現在の国民負担だけではとうていできない、やっていけない。そこで多少負担増加という傾向は免れないんじゃないか、そんなふうに見ておるんです。高福祉、高負担、こう堂々と言っておるわけじゃないんでありまして、目ざすところは高福祉社会である。その高福祉社会を実現するために、やむを得ず若干の負担増加も伴うのじゃあるまいか、基本的にはそういうふうな考え方を持っておるわけであります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 食管の赤字につきましても、生産調整をするからいいんだということだけでは私は済まないと思うんですね。これで基本的な解決にはならないと思います。なぜならば、確かに古米がたくさん余っておるから、それに対する対策としては生産調整をすればいいかもわかりませんけれども、一つは、じゃ農家の生活をどうするのかという問題が出てくる。その生活を保証しようと思えば、やっぱり税金から出さざるを得なくなる、こういう問題がからんでくるわけですね。それじゃ生産調整だけやれば食管の赤字というものはなくなるわけですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 生産調整を軸としてということを申し上げておるわけであります。つまり、もっと申し上げれば、総合農政、これを進めなければならぬ。農家のたんぼの二割ぐらいが休耕、転作になる。その転作、休耕になりましたたんぼをどういうふうに活用するか。これは総合農政政策を伴わなければならぬわけであります。それにしても何よりも大事なことは生産調整である。こういう意味において生産調整を軸としてと、こういうことを申し上げたわけでありますが、新しい時代の要求、要請に応じた姿におきまして農家の家計が立っていくという方向を出していく、こういう考え方のもとに新しい農政の方向というものが今度初めて打ち出されておる、かように御了承願います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 総合農政なんということばはもうだいぶ前から聞いておるような気がするわけです。何年も前からそういうことを言われながら、実際は米の問題もなかなか解決していない。私がここでお聞きしたいのは、これはやむを得ない面もあると思うんですよ。やっぱり農家の生活を保障しようとするならば、お米に対する対策をやらなければならない。しかし、私が聞きたいのは、ここ何年これを続ければ、どうなってどうなるのかというような具体的なものを政府がやっぱり示してもらわないと、税金を払う側は、見通しなしにいつまでも出していくというのはかなわないと思うんですよ。その点どうなんですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) その前に食管の赤字でございますが、これは大蔵大臣からもお話がございましたように、食管のねらっておりますのは国民食糧の安定的供給、それから一方におきましては消費者の家計の安定を旨とするという、そういうような考え方で生産と消費をバランスをとらせるように考えてやってまいったわけでありますが、そういうことの結果、御指摘のように食管赤字が出てまいりました。そこで、大蔵大臣も申し上げましたように、いまは非常に消費が減退してきている。それから生産は技術の増進等によって平均反収がふえてまいりまして、そういうことで年年ストックが多くなりました。そこでそのためには、まずとりあえず生産調整をやる、その生産調整の見込みをつけましたのが、大体五カ年間ということで、休耕、それから転作について区別はいたしながら、逐次転作が定着するように五年の間めんどうを見る。一方におきまして、その転作のために必要なものと、それから調整のために必要なものとの予算は、それぞれつけておりますけれども、そういう事柄によって生産調整が、いまのところ目標としては大体五カ年間で五十一万九千ヘクタールの転作を考えておるわけでありますが、その間に逐次条を追うて転作が定着するように、その間転作のためには、やはりいままで稲でもやっておりました土地改良等、それぞれあるわけでありますが、今度は調整をいたしながら、他作物への転換をはかるための基盤整備、土地改良等をやってまいる、そういうことをいたしまして、その間に、ただいまお話のありました在庫を持っておりますものを大体四カ年間、いまの過剰米を四カ年間で処理をいたす。そのために、その赤字を帳消しするためには七年間でこれを解消していこう。とりあえず一年目でありますことしの四十六一年度予算には三百二十二億を計上いたしておることは御存じのとおりであります。そうやってまいりまして、その間に計画的に、まず一番大きなものは飼料作物に転換をいたします。それから、そのほか野菜であるとか、それから果樹であるとか、畜産であるとかというものを計画的に増進してまいって、そうして国民の食糧の需給のバランスをとることと同時に、生産調整によって行なわれる主食の国民の需給のバランスをとってまいりたいと、こういうことでございますから、農業のことでありますので時間はかかりますけれども、やはり政府はそういうような計画に基づいて食糧の需給のバランスをとり得るように、同時にまた、その最終年度においては食管の赤字は自然に解消するような計画を立てておることは御存じのとおりであります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 食管制度が過去食糧不足の時代に大きな役割りを果たしていることは事実であります。それから、農業政策というものが短時日の間に結果をあげることができないこともよくわかっております。ただ私の申し上げたいことは、過去十年の食管につぎ込まれた金を見ても二兆円ですね。考えてみれば、これは結果論かもわかりませんが、この二兆円をもっとうまく使っておれば、もっと変わったかっこうになっておるのではないかということなんです。やはりそういう点に気がついて手を打つのがおそ過ぎたのではないか、結果のことをいまからほじくり出してもしかたがありませんから、私が申し上げておるのは、これから先何年間、たとえば四十六年度は四千億のあれが要るわけですけれども、たとえば五年間でこれまた二兆円かかるわけですね。そういう長期的にどれだけの金が要るかということを考えて、長期的なビジョンで計画を立てれば、もっとうまくいくのではないか。たとえばこれから十年間こういうものが必要なら、十年間で使う金が五兆円なら五兆円、その五兆円で計画的にいまの農業の構造改善なり、そういうものを進めていくと、そういう長期的な観点に立ってやらないと、毎年毎年行き当たりばったりに、それでいまやっていることは、なしくずしに食管制度をなくしていこうということをやっているだけではないですか。こういう長期的なビジョンに立った計画的な転換というものを、農政の転換というのをやってもらいたい。そうすれば、国民の税金を使っても、これは生きてくるわけですよ。こういう点をお願いしているわけです。  それから次に、国鉄の問題でお伺いしたいと思いますけれども、たまたま、けさの新聞を読んでおりますと、油須原線の「工費十九億円ムダに」という記事が出ております。現在の国鉄が赤字であり、赤字路線の撤廃が叫ばれながら、鉄道建設公団によってどんどん新たに赤字路線がつくられつつある。私がお伺いしたいことは、現在計画されている路線の中で、採算といいますか、将来の経営という見地に立って、これはつくるべきものだ、あるいはつくらないほうがいいものだ、こういう色分けをして、この計画を練り直すべきではないかということを考えるわけですけれども、運輸大臣に御答弁いただきたいと思います。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) けさほどの新聞は御承知のように、石炭産業の斜陽化ということが急速に起きてまいりまして、せっかく石炭を運ぶためにつくった鉄道が役に立たなくなったということであのような記事になっておるわけであります。そこでいまお話しのように採算路線と非採算路線、会計上の区別はやってまいっておりますが、問題は国鉄がどこまでやるべきかという問題が、今後の総合交通体系の中で考えられなければなりませんけれども、しかしながら、地方の鉄道にいたしましても、やはり地方開発の目的もありますし、また国鉄との関係もありますので、これらを慎重に具体的に調査した上で、総合交通体系の中できめていきたいということで、目下これが具体的な検討を進めておる状態であります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 具体的にお尋ねしたいのでありますけれども、現在建設公団で計画されておる工事の中で、当面はそれは採算に合わないのがあたりまえだと思いますけれども、将来にわたって採算がとれるであろう路線と、将来にわたってとれる見込みのない路線と、どれくらいの比率になりますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) お答え申し上げます。  現在鉄道建設公団が建設いたしております新線でございますが、いわゆるA、B線と申しますのが地方開発線、地方幹線、C線と申しますのは主要幹線、それからD線と申しますのが大都市交通線でございます。その中で、D線のほうは、これは大都市交通線でございますから、したがいまして、将来とも大都市交通あるいは貨物輸送その他に非常な大きな効果を期待するということができるわけでございますが、資本費が大きいために、とりあえずはやはり赤字になるということでございまして、将来的には非常に効果があがる、それからC線も主要幹線でございますから、これも資本費のために相当に、当初は赤が出てまいりますが、将来はやはり幹線として大きな効果を発揮できる。  問題はA、B線でございますが、このA、B線につきましては、この線区はどうしても地方の線区でございますから、したがいまして、輸送量その他との関連等を見ますと、将来ともなかなか黒字にはならないという線でございます。ただ、これにつきましては、国といたしまして、その資本費をただにするという見地で無償資金を投入いたしまして、それに対する資本費負担というものをなしに運営をさせるということで、国としてはその国鉄に対する赤字の負担というものを軽減する措置をとっているところでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 その割合はどうなんですか。いま五十七線ですね、建設中のものが、計画のあるものが。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 割合と申しましても、A、B線は五十七線の中で四十二線ございます。それからC線、主要幹線でございますが、九線、それからD線、これは大都市交通線が四線でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私は、A、B線でも地方開発のために必要性はわかりますけれども、私は、鉄道でなくてもやれる面があるのじゃないかと思うのですよ。鉄道よりももっとこのほうが効率がいいという、たとえば自動車とか、そういう効率のいいものがあると思うのですね。何も鉄道でなければ地方開発ができないなんということはないと思うのですが、こういう点に立って、この計画をやっぱり基本的に練り直すべきではないかと思いますが、どうなんですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) A、B線につきましては、ただいま先生御指摘のような問題があろうかと思います。国鉄の赤字線の問題とも関連する問題でございまして、こういった問題は、国として総合交通体系の中において、A、B線とか、国鉄の赤字線等をどのような措置をするかというような、総合的な交通体系の中で問題を議論すべき問題だろうかと思います。  で、政府におきましても、総合交通体系の検討、その確立ということを現在急ぎまして、その中でこの位置づけをしてまいるということでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 総合交通体系というのはいつごろできるのですか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 昨年から総合交通の問題、非常に取り上げられております。政府としましても、各省それぞれにこの問題に取り組んでおります。そして、経済企画庁としましても、それらの各省の考え方というものを調整してまいりたい、こういう方向のもとに目下検討を進めておるわけでありまして、大体秋ごろまでには大かたの結論を得なければならない、こういうふうに考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 ここで、大蔵大臣、自動車重量税の問題についてお伺いしたいと思うのですが、これが去年の暮れきまったいきさつを見てみますと、私は非常に疑問の点があるわけです。まず第一点は、税制調査会の審議経過ですね。この税制調査会は、きまる直前の十一月の十日の税調第三部会では、総合交通政策のビジョン確立が新税創設の大前提であるという意思統一をしておるわけです。それから、十三日の総会においても、自動車新税は総合交通政策のビジョンを確立してから検討するということを確認しておるわけですね。それがこの十二月になりまして、答申を出すぎりぎりのときに、急に自動車新税やむを得ぬということを言い出したわけです。この辺、非常に税調のあり方として私は問題があると思いますが、この点をお伺いしたい。  大体、この新税をつくる場合は、もっと慎重にやるべきなんですね。新税はすべて悪税だということばがありますが、これはすべて悪いという意味ではなくて、それぐらい慎重にやるべきである。国民の幅広い納得というものを得てからやるべきである。それが、総合交通政策も何もできない前に、自動車重量税をむりやりつくったというのは、どうもふに落ちないんですが、まずこの点をお答えいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 政府の考え方といたしましても、ただいまお話しの税調の考え方、これと同じなんです。新税、これは慎重にやらなきゃならぬ。それから前提として総合交通ビジョンがほしい、こういうことでございます。ところが、他面におきまして、四十五年度から新道路五カ年計画一兆三千五百億円の規模の計画が発足をいたしたわけでありまして、それを昨年のいまごろの国会におきまして、議員の皆さんのほうから検討されまして、財源が三千億以上不足するじゃないか。私どもも財源が不足しておることはよく承知しており、これは何とか補てんをしなければならぬと考えておったわけでございますが、同時に国会側からの御指摘もありましたので、四十六年度の予算の編成の際にこれは明らかにしますというお答えをいたしておるわけであります。私どもはそのお答えを非常に厳粛に考えておるわけでございます。  そうしますと、まあ新税を創設する。これがこのビジョンの前にできるということは好ましくないという事情もある。一方において国会との関係もある。そこで中間的にごく軽微なる自動車新税を創設することにしようと、こういうことに政府も方針をきめまして、税制調査会にもおはかりいたしましたところ、やむを得なかろう、こういういきさつでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 これがきまるいきさつにつきまして、確かに道路五カ年計画との関係というものがあるわけですけれども、私はこれがきまるときに、党と大蔵大臣の間で覚え書きというものをかわされたということが新聞に出ておりましたけれども、その内容について御説明いただきたいと思うのです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 覚え書きというほどのこともないんですが、党のほうから自動車新税を創設せられたいという意向が示されました。で、私はそれに対して、自動車新税は創設をしますと。それからなお党のほうから、自動車新税は、これは総合交通体系、これをつくって、なお見直しを行なうという前提の暫定的なものである。それから、できたらこれを特別会計に四十七年度からはしてもらいたいんだと、こういうことでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 この党の覚え書きというのは、これはあれですか、政府に対する拘束力を持っておるのですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 党の強い要請でございまするから、政治的な意味におきまする影響、これはあります。しかし、これはどこまでも政府の責任においてきめることでありますので、拘束力というほどのことはございませんです。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私は、この自動車重量税について若干質問したいんですけれども、この税の性格は何ですか。性格といいますか、何税というような範疇はどうなんですか。

細見卓大蔵省主計局長

○政府委員(細見卓君) 自動車が広く使用されますときに車検制度がありまして、車検に合格したものが自動車として運行できる。その車検の際に一種の登録税と申しますか、あるいは権利創設と申しますか、そういう事柄が行なわれる、それをとらまえて課税の対象にするわけでございまして、広い意味の間接税でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 これは登録免許税と同じように、流通税と見ていいわけですか。

細見卓大蔵省主計局長

○政府委員(細見卓君) 流通税と申しますことは、非常にそれぞれ幅広い解釈の余地がある税でございますが、広い意味の流通税、さらに広くは間接税、そういうことであろうと思います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 前にできた自動車取得税もこれは流通税ですね。そうすると、これ同じ自動車に対して流通税的なものが二つもかかっておることになるわけで、これは二重課税ということにならないわけですか。

細見卓大蔵省主計局長

○政府委員(細見卓君) 府県税でございまする自動車取得税は、自動車の取得に対して文字どおり不動産取得税と同じような形で課税されるわけでございますが、たとえばそういう意味で同じような形態に対して課せられる税という意味におきましては、たとえば私どもの所得に対しまして所得税がかかり市町村民税がかかり、あるいは法人に対して法人税がかかり法人事業税がかかる。そういうことで、それぞれ税の目的が違うわけでございますから、決しておっしゃるような意味の二重課税ということじゃないと思います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 自動車にはすでに一般税として——普通税といいますか、一般財源として物品税、自動車税、軽自動車税、重量税、それから特定財源として燃料税、取得税、まあ非常に目的においても重なっておるものがありますし、この税の性格においても重なっておるものがある。まあ、これは非常に重複して課せられておるという感じがするわけです。この点は、やっぱり自動車は取りやすいから何でも自動車にしわ寄せるということになっていると思うのですが、どうなんですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 確かに自動車に対しましてはいろんな税がかかっております。少しこう目につき過ぎるわけでございます。しかし、今度の自動車重量税は、自動車の重量に対してこれを賦課する。つまり、先ほど申し上げましたように、社会資本の立ちおくれ、その中でも道路、交通、そういうものの整備、これは非常な大問題になってきておるわけであります。その大問題になってきておる特に道路をとりまするときに、道路を損壊するという社会的負担をかけておるのは自動車である。こういうことで、まあ、いままでいろんな税はありまするけれども、自動車の社会に及ぼす社会的負担というものに着目いたしまして新税を創設する、こういうことにいたしたわけでありまして、私はしかし、いろいろの税が一つの対象にかかっておるのはおもしろくない。これはいずれもう少し合理化をする必要があるのじゃあるまいかというふうに考えておりまするが、理論的に申し上げまして、重複課税ということはないと、かように考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私はまあいまの答弁で満足できないわけですが、たとえば重量にかけたりいろんな違うものにかけておるということになりますけれども、払う人は同じなんですね。だから、何とかかんとか理屈つけながら取られているという感じをいなめないわけです。それから交通総合政策というものもまだできていない。それから、税をつくる場合はやっぱりこれをすっきりしてからやるのだということを前々から聞いております。ところが、そういうものも何もない上にまた上積みするということは、どうもちょっと行き過ぎのような気がしますが、その点、どうなんですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあ、三千億円にのぼる道路財源をどうするか、こういうことでいろいろ考えてみたのですが、あるいはガソリンにという考え方もあるわけです。あるいは自動車自体にという考え方もあるわけなんです。しかし、それ以外に何か方法はないかということも考えてみたのですが、ガソリンにいたしましても、自動車にいたしましても、特に自動車になると、課税が非常に複雑になっておりますが、しかし、これを総合して見る場合に、決して先進諸国の中で日本において重い課税が行なわれておると、こういう状態ではないのです。ですから、国際水準から見ても多少のまあ上積み、これはやってもそうはずかしい状態ではない。そういうようなことで、乗用車につきましては、一台一年五千円、トラックにつきましては、一台一年一万円平均の話です。その程度のことでありますればそう大きな負担とは言えないのじゃないか。しかも、これからますます自動車が社会的負担をかける。そういう事態に着目するときには、自動車にこれを財源を求めるという考え方、これは受け入れていただけるのじゃあるまいか。さように考えて結論を出したわけでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 外国に比べても負担は重くないという話ですが、これは大蔵省の主税局の資料がありますけれども、外国に比べたら、日本より重いところもあれば、安いところもある。ただ問題は、日本の総税収と自動車関係税収との関係を見てみますと、もしこの重量税というものができれば、日本は最高です。一番高くなるわけです。それから国民所得が違うわけですね。アメリカは日本の三倍もあるわけです、一人当たり国民所得が。まあ、そういうものに対して、額が同じだからいいんだということにはならないと思います。一人当たり国民所得に対する税金の額の年間負担の比率を見れば、これまた日本が最高である。こういう点もやはり考慮しなければ、公平な税負担、税制とは言えないと思います。  それからもう一つは、現在のこの自動車の保有者を全部調べてみますと、年収百五十万以下の勤労者、これは決して高所得者じゃありません。この人が現在の全自動車の中の一四%を持っておるわけです。それから三十人未満の中小企業ですね、これが五三%を所有しております。農家が一九%、これを全部合わせて八六%。八六%は低所得勤労者並びに中小企業、農家が持っておる。こういう重量税は全部これらの負担になるわけです。だから、これは大衆課税と言ってもいいと思うのです。それからもう一つおかしな点は、自動車が普及して大衆化すればするほど、税負担が重くなっておるわけですね。昭和二十五年は自動車は二百五十人に一台しかなかったわけです。このときは五年間で十七万円の税金がかかった。これが十年たって三十五年になれば、五十人に一人は自動車を持っておるのですね。正確に言えば四十三人に一人。このときには三十九万円——四十万円ですね。四十万円の税金を五年間に払っておるわけです。じゃ、それから十年たったいまはどうか。いまは大体六人に一台です。非常に大衆に普及してきておる。これが五年間に払う税金は五十三万円。重量税ができれば五十六万円。これはいわゆる大衆車クラスの千CCから千五百CCの乗用車で計算してこれだけの税金が取られるわけです。だから、これは政府の考え方は私は基本的におかしいと思うのですね。大衆が使うようになったら税金をふやしていくというのはおかしい。これは私はいままでの政府の財政の考え方の基本にあるものが間違っておると思うのですよ。私は政府の税の基本原則というのは、いろいろ言われるかもわかりませんけれども、まず第一番に、取りやすいことである。抵抗が少ないことですね。それから第二番は、確実にそれが把握される。これは当然かもわかりませんけれども、自動車は登録されておりますから、のがれようがない。サラリーマンの税金もそうですね。確実に取れるものはなかなか政府は手放そうとしないわけです。サラリーマンの税金が高くて不公平であるのになかなか安くしない。これは非常に取りやすくて確実に取れるからです。それから第三点は何かといいますと、できるだけ頭数のたくさんの人から取ろうとするわけですね。つまり、大衆負担をしようというわけですよ。サラリーマンも頭数が多いから、少しずつ取っても税額はたいしたものになるわけですね。自動車もそれと同じなんで、台数がこれだけふえたからたくさんの税金が集まるからかけようと。私はこの三原則で政府は税金の基本的な運営をやっているのじゃないかと思います。それから、いままでの政府の財政を見ましても、結局圧力の強いところはほったらかしにしておいて、結局、文句を言わない大衆にしわ寄せをしてこの赤字対策をやろうとしておる。これはあとで質問します健康保険でも全く同じです。支払い側とか医療の抜本的改正をなおざりにして、健康保険料を払う被保険者にだけ負担をかけて赤字対策をしようとしておる。この基本的な姿勢に私は大きな問題があると思うのですけれども、いままでのこの三Kの問題、それから新しく新税として考えている自動車重量税の問題、全部を通じて私は政府の姿勢を非常にこれはおかしなものではないかと考えておるわけですけれども、この点、総合して総理に御答弁いただきたいと思いますが。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 便宜、私からお答え申し上げますが、これは今度の自動車新税は大衆をことさらねらっておるのだというわけじゃないのです。つまり、自動車が及ぼす社会的負担、これに着目をしておる、こういうことなんです。これは田渕さんが私どもよりももっともっとよく承知しておることかと思いますが、いま自動車の生産はどんどんどんどんとふえていきます。また、その需要もまたふえるでしょう。さあ、そういう状態下において道路状態をほっておいたら一体どうなるんだと、こういうことになると、いまでも非常な混雑状態でありまするが、ますます行き詰まり、行き詰まりへと進行していく。そういう状態だろうと思う。これ、何とか打開しなきゃならぬ。そういうための財源といたしまして何を考えるかと、こういうことになりますると、まあ、所得税だとか法人税だとか、そういう考え方もあるいはありましょう。また、政府におきましても、そういう考え方を主軸にというか、そういう考え方もとっておるわけであります。しかし同時に、道路に対しまして損壊あるいは社会負担を及ぼすという、その及ぼす自動車というものに着目をする。私は、これはもう自然なことじゃないか。しかも、私どもが今回提案をいたしておりますのは、乗用車では一年に五千円である、平均してでございますが。トラックにつきましても平均して一万円である。非常に軽微なもので、しかも、まあ田渕さんからいろいろお話がありまするけれども、自動車一台がしよう税負担というものは、国際社会の中において日本が格別高いというわけではない。そういう状態下におきまして、私は、これは御容認願えることではあるまいか、そういうふうに存じます。  なお、この税の一般の理論といたしまして、私は、とにかく税というものは公平でなきゃならぬ。それから負担力に応じたものでなけりゃならぬ。第三には負担感を及ぼすという、その税ですね、負担感ということ、これを排除しなきゃならぬと、こういうふうに考えておるのです。そこで、負担感という問題になりますると、一度ふところに入ったお金、所得に対しまする所得税あるいは法人税、そういう直接税ですね、これ一番負担感として強く国民に響くだろうと思う。しかも、その直接税が、今日では戦前と全く逆で、税収の中の六五%を占めるというような状態になっておる。これが私は日本の税負担全体として見るときに、比較的に軽いにかかわらず、負担感というものが訴えられる原因であろうというふうに考えておりまして、まあ、直接税中心主義、これを放棄する考えはありません。もとより、これは直接税中心主義でなきゃならぬけれども、直接税偏重、この事態は、これは直していく必要があるんじゃないか。つまり、間接税というものをもう少し強化する。反面におきまして所得税を中心にした直接税、これについて減税政策を進めていく。こういう考え方が必要じゃあるまいか。まあ、税に対する基本的な考え方といたしますと、そんなような感じを持っておるわけであります。そういう中における自動車新税、私は御理解をいただけるんじゃあるまいかと、かたく信じております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 その負担感が軽いから間接税のほうがいいという問題は、私はちょっと異論があります。言うならば、わからないようにごまかして税金を取ろうということになるんじゃないか。まあ、いろいろそれは問題はありますけれども、時間の関係がありますので、税の問題は一応打ち切りまして、健康保険の問題に入りたいと思います。  まず、これ総理にお伺いしたいと思いますけれども、まあ、今回の改正は、政府は四十二年の特例法を出した場合に、抜本改正をするんだ、いずれ近いうちに抜本改正をするんだという約束をしておりました。これをほごにしておるわけですね。四十四年に健保法改正のときと同じように、たび重なる政府の不信行為ではないか、背信行為である、私はこのように考えております。  それから第二点は、今度の改正案は単に当面を糊塗せんとする赤字対策にすぎない。しかも、その赤字対策が、赤字対策は大体支出面と収入面と両方検討しなければなりませんが、支出面はなかなかやりにくいから、これはあんまり手をつけないで、収入面、いわゆる被保険者へだけしわ寄せをして穴埋めをしようとするものである。この二点から非常に問題があると思います。すでに社会保障制度審議会は再考を求めております。社会保険審議会においても遺憾の意を表しておる。政府は、この改正案を私は撤回すべきであると思いますけれども、撤回する意思があるかどうか、総理の答弁をお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 社会保障制度、なかなかたいへん複雑な難問題でございまして、抜本改正と取り組むにいたしましても、いきなり抜本改正、そういうものに取り組むか、あるいはそのうちの一部からだんだん手をつけていくか、いき方はあると思います。政府といたしましては、その後者をとった。抜本改正と言いながらも、いきなりそういう取り組みをしないで、その一部分から第一段階として今回の処置をとったものでございます。したがいまして、ただいま、撤回する意思ありやいなやと言われましたが、政府は撤回する意思はございません。ぜひとも皆さんの御審議を得まして成立させたいものだと、かように心から強く念願しております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 総理の答弁でありますけれども、四十二年の特例法のときに、二年の期限をつけられたわけですね。二年間に抜本改正するからこれを認めてくれというようなお話があったと思います。それがいまだに抜本改正には何ら手がついていない。抜本改正というのは、もちろん一つは医療制度の改正があります。それからさらには、健康保険の収支の面で、支出面の抑制をどうするかという問題があるわけですね。こういう問題をいつどのような方向でやられるのか、厚生大臣にお答え願いたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 私は医療保険制度というものは抜本改正をどうしてもしなければならないものであると思います。これは田渕さんも御承知のように、わが国の医療保険制度は非常に複雑多岐にわたっておりまして、たとえば被用者を対象とする健康保険にいたしましても、組合管掌の健康保険があり、また政府管掌の健康保険があり、負担率なども違っております。さらにまた日雇い労働者の健康保険があったり、また船員保険の健康保険がある。その他学校の先生とか地方公務員、国家公務員等を対象とするそういう職域健康保険もある。また、この船員保険の中に含まれておる健康保険もあるというようなことでございますので、しかも、私は、それらの制度が、負担の面におきましても、あるいは給付の面におきましても、妥当にして納得できるようなバランスが保たれておるならよろしいと思いますけれども、そうではないというような状況のもとにおきましては、どうしても制度の抜本改正をやって、また整理するばかりでなしに、今日の医療の問題として大きく取り上げておりますところの老齢者医療、老人医療の問題というようなものもその中で私は解決していく必要があると、こう思うわけであります。そういうまた医療保険の制度面だけでなしに、おっしゃるように、まあ保険の制度というものは自動車にたとえればその一輪、あるいはクランクシャフトのようなものでありまして、これらが完全に動いていくためには、もちろん支出面といいますか、診療報酬の問題もございましょうし、あるいはまた、さらには広く医療機関と保健所との関係でありますとか、あるいは医薬分業の問題でありますとか、僻地医療問題でありますとか、そういう問題もございますので、そういう問題も考慮しながらこの医療保険の制度を改正をすべきであると、私は厚生大臣に就任いたしましても、つくづくそう思いました。しかしながら、これはいま申しまするように、複雑多岐のためになかなか一向に進まない。昭和四十四年の健康保険特例法の問題が起こりましたとき、直後におきましても、社会保障制度審議会並びに社会保険審議会に、わが国における医療保険制度の抜本改正の方途いかんということで諮問をいたし、しかし、なかなか答えが出ないと困りますので、私どもは、そのうち——さしあたり二年以内に着手すべき事項についてお示しを願いたいというような、そういう御答申をいたしておりますわけでありますが、抜本改正の根本問題につきましても、また二年以内、すなわち昭和四十六年度からこれに取りかかります方途につきましても、問題が問題でありますし、また、この利害がなかなか対立錯綜いたしておりますために、両方の審議会から一本にまとめた適当な御答申がございません。しかしながら、これを放置することはできない。また、公約でもあるというようなことで、今回抜本改正に取りかかる第一着手としての健康保険改正案を提案をいたしました。あとから御質問によりましてお答え申し上げたいと思いますが、私は決して赤字対策だけではない、将来への抜本改正への橋をかけている法律案だと思いますので、総理が述べられましたように、これは撤回しないほうがよろしい、こう思うのであります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 そうすると、二年以内に抜本改正をやられるんですか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 私のお答えのことばが舌足らずであったかもしれませんが、二年以内というのは昭和四十四年から二年以内、すなわち昭和四十六年までにはとにかく抜本改正に対する、さしあたり実施すべき方途をお示し願いたいという諮問を二つの審議会にいたしておるわけでありますが、それが出ません。しかし、私どもは今回いろいろ論議の末、一種の橋渡しの法律案としての今度の健康保険の改正を出しましたので、私は、二年以内といわず、引き続いてこれらの審議会から御答申が得られますならば、来年にでも、さらにやれるべきものは、いま申しますようないろいろの見地からやりたい。しかも、これは法律制度ばかりではなしに、私どもの行政運営の面におきまして運営面を抜本的に改正し得る面もたくさんございますので、そういうことにつきましては来年を待たず本年度からでも私は行政運営面につきましてはやるべきことをやってまいりたい、こう思います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 中央社会保険医療協議会、すなわち中医協においてこの診療報酬体系の適正化について検討が進められておったわけですけれども、いまこれがデッドロックに乗り上げておるわけですけれども、これに対する今後の対策なり見通しをお伺いしたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) おただしのとおり、中医協で診療報酬の適正化につきまして論議をしよう、これはもう中医協は御承知のとおり三者構成でございまして、診療担当者もおればあるいはまた被保険者、事業者を代表する方もおりまするし、公益委員もおりますので、利害はいろいろ違うわけでありますが、しかし、この診療報酬というものは受け取るほうも支払うものも双方の納得のもとにきめられるべきものでありますので、中医協の場においてこれを検討しておくことがよかろうということで、これまでの懸案と申しますか、いろいろの方面で診療報酬の適正化、合理化につきまして意見のある点を検討するためのたたき台のようなものを、先般公益委員の方々のお指図によりまして、中医協の事務局であります厚生省で、全くこれは未熟のものかもしれませんけれども、また中には相矛盾する事項も入っておりますが、大きな見出しにいたしましても十一項目、あるいは中身にいたしますと、小さい項目で数十項目にわたるものを出しました。しかし、御承知のとおり、これに対しましては医師会方面でまだ十分御納得がいかないと申しますか、誤解もございまして、中医協がスムーズに進むに至っておりません。しかし、私はこれに対しましては、小細工を弄することなしに、厚生大臣といたしましては泰然自若として、皆さま方の問題でございますので、これが正規の方向に乗ることを細心の注意をもって注目をいたして、また必要なる処置は講じておりますので、私は必ずこの問題は解決するものと考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 それからもう一つ、支払い面ですね、支出の問題で厚生省が先日発表しました四十四年度の監査結果で、監査九十三件、不正請求約一億四千万と言われておりますが、これは氷山の一角であって、推定によれば年間百億ぐらいいくんじゃないか、こういううわさもあるわけですけれども、この支出面のチェックをどうするか、きめてはあるんですか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 私は、田渕さんの言われますように、医者の不正請求は百億にもなるとは思っておりません。私は、元来医師というものは最高の教育を受けた良識的な人が大部分である。これはお互いのこれまでの成長、私どものこれまでの社会で経験しました過程におきましても、どこの地域でも医師というものは指導者であり、人格高潔で、私どもは尊敬する方々が大部分でございますので、私は、ああした間違いを起こしているのはほんのごく一部分であると思いますし、思いたいと思います。したがって、ああいう事件が起こりますことは、医師の方全体に対して、医師の名誉にも非常な御迷惑であろうと思いますので、私は、これらの医師の団体、つまり医師会の方面とも協力をいたしながらこれらの不正については十分な指導をいたし、どうしても直らない面につきましては厳重な監査もやってまいる、こういうつもりでおります。ただ従来は、十年も前になりますが、厚生省の監査は行き過ぎであるというようなことを国会からもいろいろおしかりを受けたこともございまして、厚生省の当局はいささか萎縮してしまい過ぎた点もございますが、最近におきましては国会の御論議も活発でございますし、世論の動向もございますので、そういう方面も十分注意しながら、私としては必要な処置を講ずるのがよかろうと、かように思います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 支出面のチェックは、実際問題かなりむずかしい問題があろうかと思いますけれども、ただ非常に基本的なことで、保険医療機関及び保険医療養担当規則というのがありますね。この担当規則にきめられておることも現在は守られていない例が非常に多いわけです。たとえば被保険者証には、やっぱりなおった日付とかいろいろな金額まで書いて返すことになっているけれども、ほとんどのところはこれは記入しておりません。それから薬剤の投与にしましても、一応二日を標準とすると書いてありますけれども、何日分をごっそりくれるところがたくさんある。一応きめられた規則も確実に守られていない。このような状況で、このような点を放置しておいて、それで赤字が出たから被保険者の保険料を値上げするんだ。これではやっぱり通らないと思うんですよ。それから、先ほどの基本的な医療の改正にしても、厚生大臣は泰然自若としてかまえておられるのはけっこうですけれども、かなりやっぱり時日がかかるんだろうと思うんです。そういうときに被保険者だけにしわ寄せをするような改正案というものはどうも納得がいきがたいのではないか。私はここで一つの提案をしたいと思いますけれども、やっぱり赤字対策だけをやるならば、とりあえず国庫負担をもっとふやすべきである。大体、これは社会保険ですから、すでに国民保険は四五%負担しているわけでしょう。日雇い健保は三五%負担しておるわけですが、政府管掌の保険は大体中小企業が大部分ですから、これは条件が非常に悪いわけですよ。これには国から金を出しても一つもおかしくはない。今度五%出されるようですけれども、五%じゃ少ないわけですね。審議会の答申でも大体二〇%程度というような御答申がありますけれども、私は国民保険、日雇い健保の関係からするならば、三〇%ぐらい出してもいいじゃないか。三〇%出せば一応赤字というものはなくなるわけですね。とりあえずそういう改正をしておいて、抜本的な医療保険の大綱の改正なりあるいは支出面の改正なりやるべきではないか、こう思うんですけれども、これについてどう考えられるか、お伺いしたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) ごもっとものお尋ねかと思います。いろいろお尋ねがございましたが、あとのほうの国庫負担の点から申しますと、御承知のように、これまでは国庫は定額負担でここ数年間二百二十五億円どまり、これは医療費のほうは医療需要が非常に伸びてまいりましたり、いろいろな関係でふえておりますけれども、とにかく二百二十五億どまりでありましたのを、今回五%ということは必ずしも私は高率とは思っておりませんけれども、定率の国庫負担制度ということを導入をいたしましたことは非常な私は前進であると思います。そこで国民健康保険につきましては、おっしゃるとおり国が一般に四〇%の国庫補助をいたし、ことに財政関係その他特別の事情の場合を考慮いたしまして五%の調整費を出しますから、全体といたしますと四五%の国庫負担を、国保、地域保険については負担をいたしますが、しかし、健康保険につきましては、政府管掌健康保険といえども被保険者である被用者、勤労者の保険料負担は、申すまでもなくきまった料率の半分でございまして、あとの半分は事業主が持つ、こういう仕組みでございます。言いかえると、五〇%事業主が持つ。さらに全額に対しまして今度五%のせますから、五五%ということになりますので、国民健康保険が、だれもが雇い主がいない地域保険と比べまして、その限りにおいては劣るものではないと思います。しかし、私は政管健保というものは、たとえば大きな自動車メーカーなどが経営される組合管掌の健康保険と違いまして、中小企業者が多い点、また病人が被保険者の中に多い点は認めなければならないと思いますので、これらに対しまして厚生省は十分今後配慮をすべきだと思います。ただ、今度定率を五%にいたしましたのは、これまで積もってまいりました累積赤字が四十五年度末でも約二千億円近くになります。四十六年度もめんどうを見てもらうことになりましたので二千数百億円になりますが、それらを保険の負担でなしに一般会計から消してもらうことにいたしましたので、たとえばそれらを五年計画、十年計画で保険外で消してもらうとしますと、年々数百億円のやはり国庫負担を政管健保がもらうことになりますので、今回としては私はそれらを別として五%といたしたというところで手を打たざるを得なかったと思います。しかし私は、五%は当面定率でありますが、大蔵大臣が文句を言うかもしれませんが、私はいろいろの見地から五%は未来永劫の定率ではない。これはやはり状況に応じて十分の配慮をしていくべきものであると考えます。  さらに一言言わしていただきますと、今度は保険料率の引き上げは当面いたしません。標準報酬の上限の引き上げをいたしますが、これはいまの標準報酬が十万円でとまっておりまして、現実の給料と合っておりませんために、多い給料を取る人ほど保険料率の負担が低くなっておるというような現象があらわれておりますので、さような面を公平化する必要もあるというようなこともお考えいただければ非常に幸いなのでございます。  それから医療担当規則における保険者証にいろいろのことを書き込まないというんですが、なるほどそういう規則になっておりますが、実際はその保険者証に、おまえはガンであるとか、おまえはあるいは皮膚科の病気であるとかいうようなことを書いたらたいへんでございまして、書けないという問題もあるようでございます。また一つの保険証を持ちまして何軒かの医療機関を患者が歩かれる場合等を比べまして、これがまた前の医者の見立てということと、あとの医者へ持って行く資料として必ずしも書き込むことは適当でない面もございますので、あれをあのままではいけないと思います。私はやはり、これは医師についてはいろいろのことが必要でございますので書かせることができるような、そういう、仕組みを直していくと、こういうことを考えながらできるだけ私は御期待にも沿ってまいりたいと思います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 その保険問題の最後で僻地医療の問題をお尋ねしたいと思いますが、国民皆保険化といいながら、僻地では医療対策が不十分ですね。医者もおらない、施設もない。保険に入っても保険にはかかれないというのが実態であります。この医師、看護婦、施設の不足をあげられておりますけれども、この対策についてお伺いしたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) とどのつまりは、私はやはり医師も看護婦も保健婦も足りないと思います。日本の医師の国民の比率は、まあ英国とかフランスでございましたか、その辺と比べますとそんなに劣ってないように見えますけれども、ソ連とかアメリカとかイタリアとかいう国から比べますと、たいへん劣っておりまするし、これから医療需要が伸びてまいりますことを考えますと、やはりもう少し医者をふやしたほうがよろしいと考えまして、詳しいことはまたいずれの機会にさしていただきますけれども、結局医者の養成機関である大学医学部の入学定員をふやしたり、また新しい医療機構をつくるということによりまして、今日毎年たしか四千三百人ぐらいの医学生の入学の定員を、昭和六十年ぐらいまでにはやはり六千人ぐらいにふやすということをやってまいりたいということが一つと、それからやっぱり地域的の医師のアンバランスは、国立病院その他公立病院を親元病院などにいたしまして、そこから医師を派遣するというような方法をいままでもやっておりますけれども、さらにスムーズにまいるようなことを考えていきたいと、かように思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 関連。僻地医療に対してお尋ねがあってお答えがあったわけでございますけれども、それに関連して復帰を来年に控えました沖繩の医療問題についてお尋ねをいたしたいと存じます。  沖繩の医療施設は一九六八年末で病院がわずかに十九、全国平均の八分の一、類似県平均の四分の一にも満たない状況でございます。先ほど厚生大臣は日本の医師の数も少ないというお話でございましたけれども、それにも増してそのうちのまだ八分の一とか四分の一とか、医師の数にしましても全国平均の五分の一とかあるいは類似県平均の半数を割るといったような状況でございます。しかもこの大半が那覇とかコザとかいったような市に偏在をしているということでございますから、他の地域の状況が思いやられるというわけでございます。そこでまずお尋ねをいたしたいことは、無医地区、ことに離島の多い沖繩におきまして、いろいろ痛ましい例を聞くわけでございますけれども、そうしたところの医療の実態はどのようになっておりますでしょうか。それが質問の第一点。  第二点は沖繩の医療制度、医療保険と本土の違いについてお尋ねをしたいわけでございます。たとえば沖繩ではまだ皆保険になっていない。あるいはまた本土のような健康保険に相当する被用者保険では、療養費払いになっております。あるいは診療所入院の日数が違う、こういったような点をどのように調整をされるおつもりか承りたい。  それから第三点は、沖繩の医師についても沖繩のみの登録医師及び医介輔の制度がございますけれども、その現状について承りたいと思います。また復帰いたしました際にこの人々の身分、処遇はどのようにされるおつもりか、あわせて承りたいと思います。  最後に、このような沖繩の医療状態につきまして、沖繩をこよなく愛されるとおっしゃる山中長官は、まず何から手をおつけになるおつもりか。また本土並みの医療体制に持っていくためには、年次計画がすでにお立てになっていることと思いますけれども、その具体策と長官の御決意のほどを承りたいと存じます。あわせまして、先ほど厚生大臣のほうから、お金を出していただかないとというお話は、全くごもっともでございます。そこで大蔵大臣にお尋ねをいたすわけでございますけれども、こういった長官の御決意が出ましたときに、大蔵大臣はこれをどのようにお取り扱いくださいますのか、最後に大蔵大臣の御所見を承りたいと存じます。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) ただいまお話しのとおり、沖繩においては医療は制度の問題、医師の存在の問題、さらにまたそれぞれの施設、設備の問題等において、本土で想像もできない劣悪な状態下に置かれておるわけでございます。でありますので、当初の問題としては現在沖繩の方々は被用者保険的なもので、本土と違う中の一例にもなりますが、これは公務員その他も入れた被用者保険制度でありますが、カバー率がわずか四割でございます。残りの六割の方々、しかもこれは山間、離島、僻村の方々が大部分に当然なるわけでありますけれども、六割の方々は何らの保険制度の恩典も浴していない。しかも現在の保険でありましても、これがお話しのようにいわゆる現金給付である。まず患者は、けがをしたり、病気になったりしたときに、自分のさいふと相談をして、それから医者の門をたたかなければならないという、これは本土の制度と全く違う制度でありますから、これはすみやかに本土の医療制度になりますように、向こうのほうで現在琉球政府にお願いをして、制度の改正をお願いしております。  具体的には国民健康保険制度ですみやかに本土並みにまず医者の療養を受けて、しかる後に給付を受ける。しかる後にお金を払うという仕組みにするために、四十五年度予算においても一・四半期分でございますが、法律の整備されることを前提として一億七千万円の国民健康保険の、国の負担分を組んだわけでありますが、これは目下の見通しでは執行不能でございます。執行不用額に立たざるを得ない。継続審査となりました国民健康保険の本土並みの法律をぜひ琉球政府と相談をいたしまして、また議会等にもいろいろの意見がありますから、それぞれお願いを琉球立法院にいたしておるわけでございますが、せめて四十六年度予算においては十二カ月分、すなわち、四十六会計年度発足のときには、国民健康保険が沖繩の人々に全部被用者保険の四割と国民健康保険でカバーする六割の、すべて国民皆保険の中にまず入っていただくように予算措置はとってございまして、四十六年度予算で約八億九千万円の予算を組んでおるわけでございます。  そこで、現在の沖繩の現状における医療の問題は、これは非常に重要な一刻もほうっておけない問題として、私たちはその回答を求められておるわけでございますから、沖繩の全体数の医師が少ない、その上に有資格の医師は那覇近郊、その他都市形態のところにおられる。そこで沖繩には本土にありません医介輔、歯科医介輔という制度がございます。戦争中の軍人であって、軍医のお手伝いをしていたような看護卒と申しますか、看護兵みたいな経験等によって一応医療行為が許されておる制度がございますので、これをむしろ本土のほうからしばらくそれを続けていただきたいという気持ちで、その特例を今後も相当期間延ばします。したがって医介輔、歯科医介輔の方々は復帰後も本土のお医者さんと同じように、そして現在沖縄で開業、診療にあたっておられると同じように、これ地域が限定はされておりますものの、この方々が実際上僻地医療の柱になっていただいておりますので、またそのことによって無用の死傷者が出た、死亡者等が出た例もございませんから、幸いにして地域の信望も厚うございますし、お願いをした形で復帰要項の第一次、昨年の十一月決定分に沖縄における医介輔並びに歯科医介輔については、復帰後も当分の間その権利を認め、営業を保証するということをすでに決定をいたしておるところでございます。  そこで、琉球政府が政府立診療所をそれぞれの僻地、離島等に設けておりますので、沖繩在住のお医者さんではとても間に合いませんので、本土政府としては三十六年度からすでに九年間、本土の派遣医師制度をとりまして、予算を取って沖繩に希望者を募ってそして二年ぐらいずつ行ってもらっておるわけでございますが、そのほかに巡回歯科医療制度もございますけれども、巡回のほうは何とか行ってもらえますとしても、定着して二年ないし三年おっていただく条件の派遣医師の方方がなかなか充足できないというのが率直な実情であります。沖繩在住のお医者さんも行ってもらえないようなところに政府立診療所の建物がありましても、本土から人道上、使命感に燃えて行っていただくお医者さんの数が非常に少ない。そういうことで予算定員に満たないわけでございます。たいへん残念に思うわけでございますが、少なくとも現在のところは、それらの諸施策と相まって何とか僻地医療を確保したい。ことに六十幾つの沖繩の島の中で、人の住んでおる島というのが四十以上ございますので、これらの大部分はお医者さんがいないところであるといっても間違いございません。  しかし、人間が住んでいる以上は病気、けが、必ず起こる日常の不安ごとでございますので、四十五年度予算でフライングドクターという、ヘリコプター二機を購入いたしまして、沖繩本島に一機、それから一番南の八重山に、石垣市に基地を置いて、一機設備いたしますと同時に、常時離島の間を定期的に回って軽微な診察、あるいは治療、ちょっとした手術ぐらいのできます設備を整えた巡回診療艇をこれまた沖繩本島群を一隻、宮古群島群を一隻というふうに、大体ことしの予算で配置を終わりまして、何とかこれらによって復帰後すみやかに本土の諸制度を適用いたしまする際に——肝心のお医者さんがいない、お医者さんがいても緊急に運ぶ手段がない。いまのところは離島の方々はアメリカ軍のヘリコプターを全く神の使いのように感謝して拝みながらアメリカ軍のヘリコプターの来るのを待っておられる。そういう実情がございますし、ほうっておけない祖国の責任でございますので、これらの点を総合勘案しつつ、復帰の時点においては、直ちに沖繩にも本土の各種健康保険を適用いたしまして、さらに施設その他の整備、人員の充実もはるかに立ちおくれておりますから、大蔵大臣においても十分勘案はしてもらえるものと思っております。  いままでの経過では、私の立てました計画について査定減等をいたしておりませんので、将来は総理の約束されました沖繩琉球大学を国立に移管しますと同時に、琉球大学に医学部をすみやかに設置する体制を整えるための準備をいまいたしております。付属病院等は非常に近代的な施設で、設備が完成にほとんど近づいておりますので、これらの実績から考えて大蔵大臣の答弁は不要であると考える次第であります。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 沖繩におきまする医療問題、苦心の数々につきまして、ただいま総務長官から申し上げましたので、私からつけ加えることもないぐらいでございますが、とにかく医療が非常に立ちおくれている、そういう状態であります。復帰になる、そういう際に、沖繩の行政水準、これを内地と一緒に持っていくということが沖繩対策の最大の目的でなければならぬ、こういうふうに考えておりますが、特におくれておる医療問題につきましては、また山中長官のほうからいろいろな御要請があるだろうと、こういうふうに覚悟をいたしております。その御要請を受けまして、全力を尽くして応待してまいりたい、かように考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 では最後に、宅地問題について若干質問をしたいと思いますが、佐藤総理は、昨年の予算委員会におきましても、土地問題には本気で取り組むということを約束されました。しかし、その後も依然として地価の値上がりが続いております。  そこで建設大臣にお伺いしたいのでありますけれども、いままで土地対策について政府がやったことを具体的に列挙していただきたいと思いますが……。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) お答え申し上げます。  端的に今日まで政府としていたしました施策を申し述べます。四十年十一月それから四十三年十一月の二度にわたりまして地価対策閣僚協議会を開催いたしまして、ここで基本政策をきめました。これに基づきまして、まず第一に、一つは都市計画法を制定いたしました。これは昭和四十三年であります。それから建築基準法の改正、これが四十五年でございます。これによって土地を計画的に国の施策、これに相対応しまして地方自治体、それに民間が協力して土地の高度利用をやるということでございます。その次に昭和四十二年、土地収用法を改正いたしまして、これによりまして先行取得制度を確立したということ、それから公用地の取得の場合の時期を明定しまして、これによっていわゆるごね得をできるだけ少なくしたということです。その次は、昭和四十四年都市再開発法を制定いたしまして、これで特に地価の高騰の著しい大きい都市の土地の高度利用の制度を確立いたしました。それから四十四年、これは地価公示法を制定いたしまして、これによりまして地価を抑制する一つの目標、それから政府が公共用地を取得する場合、この値段によって一つの標準とするということにいたしました。それから、昭和四十四年、租税特別措置法、これによりまして土地税制の改善をいたしました。それから公営用の施策をやりまして、土地の需給のバランスをできるだけとるような方法、投機的な、土地による投機で取得をする機会をできるだけ少なくするというようなことをやっておりましたが、さらに昭和四十五年の地価対策閣僚協議会におきまして、さらに当面緊急に実施すべき施策として、土地需給の長期見通しを策定することにいたしました。これは、現在の地価の値上がりがいわゆる仮需要が非常に多いということです。投機の目的もその中に含まれておりまするが、そこで、現在どの程度土地が足らないのか、十年間にはどの程度あれば住宅宅地が間に合うかということをはっきりと示しますれば、一般の需要者も仮需要によって地価を上げることがだんだん抑制されるだろうということで、それを考えました。  それから市街化区域と市街化調整区域のいわゆる線引きを実施しまして、これによりまして、市街化調整区域のほうに投資してもこれはむだだとはっきりと農民や需要者にもその点がわかるようにさせる、そのかわり市街化区域には計画的に公共施設をやっていく、これで土地の需給を安定きせる。その次には、市街化区域内における土地利用の促進を都市計画法によって進めていくということでございます。  それから大規模の宅地の開発、これは主として公団を中心として、それから公共事業体がやる犬開発、これを促進しております。それから土地基金制度を設けまして、公的土地の保有の拡大をはかっております。それから農住政策をやりまして、農地の宅地化の方策を進めております。  それから、今後早急に実施すべき施策として、土地税制の改正、それから産業人口の集中の抑制、それから開発利益の配分方式による宅地開発制度の促進、それから資金の供給体制を確立する、こういうようなことをいま目下検討を進めて早急に実施する予定でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 いろいろなことをやっておられることがわかりましたけれども、しかし、私は、この土地問題に対する数々の提案がかなり前から言われております。それに比べて、政府の打つ手がやっぱりタイミングとしておそ過ぎるのではないかという気がするわけです。たとえばこの土地利用計画の確立については、すでに三十五年に建設省の宅地総合対策の中に出ております。それから三十九年の衆議院の地価安定施策の強化に関する決議の中でも出ておる。ところが実際にできたのは、四十三年に都市計画法が初めてできた。それから租税特別措置法、税制の問題も、これも昭和三十六年の税制調査会の答申で、開発利益の吸収ということが言われておりますし、四十一年の物価問題懇談会の答申では、固定資産税の時価評価をやれということが言われておるわけですね。ところが、税制に何ら手をつけていない。手をつけたのはこの分離課税の問題だけなんです。あまりにも政府の打つ手がおそ過ぎるのではないかという気がするわけですね。  それから収用法の問題にしても、これは三十八年、宅地制度審議会の答申の中で言われておるにかかわらず、四十二年にやっと収用法が改正された。それもごく小部分の改正にしかすぎないわけですね。それから地価公示法にしましても、これは三十九年の衆議院決議の中で言われておるのが、四十四年になって初めて公示法が制定された。私は、大体五年ないし十年おくれておる、タイムラグがあるわけですね。ところがこの地価の値上がりは、五年間で大体二倍以上上がりますよ。十年たてば五倍ぐらい上がっておるわけですね。だから、上がってしまってから政府がやっと手を打っておるということがいなめないのではないかと思うのです。この辺、もう少し政府の打つ手を早くしてもらいたいと思うんですが、どうですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 率直に申し上げまして、御指摘のとおりだと思います。現実がそうでございます。  これは、まず第一に土地に関する認識が国民全体として相当いまと変わっておったのです。まず第一に、日本で、他の国々に絶対にないようなこの土地の値上がりの状況は、これは戦後、御承知のように農地法をつくりまして、これは当時は食糧が非常に足らなかったために、やむを得ずこれはやったものでございますので、土地はたくさんあるのです。あるけれども農地が宅地に転換すること、あるいはまた工場用地にすることをもう膠着させちゃったのです。わずかに現在の土地面積は全国土の一・二%程度なんです。それが押えられておった、これは農業政策との矛盾で、そうして土地を宅地化することはこれは非常に抵抗があった。これが一つです。  それから収用法は御指摘のとおり、おそらくこれほど公共の用に供すべきところの土地が、ある一つのイデオロギーというものにとらわれて、いわば土地収用法が絶対に動けないように監視づけられてしまった、土地所有者の権利を守ることにのみ重点が置かれてきたために、戦後ほとんどこれは収用していない。収用適用しない、こういうことも大きな原因だったと思います。  さらにいまの農地とこれに対する税制が非常に宅地とアンバランスだ、したがって、土地を持っていさえすればどんどん財産がふえる、こういうことが、少しでも金のある人がみんな土地に投資して、しかもこれは仮需要になってしまった。そういうことが累積して今日に来たと思います。ちょうど公害が昨年の国会で非常な大きな国民的な世論の支持と国会の力で大きく転換して今日に至っていると思います。ちょうどある意味においては、土地問題はみんな一応言われながらも、国民の世論もそれからまた一般の関係者も、それだけのまだ自覚が足らなかったところに問題があると思います。ようやく今日その転換期が来たと思いまするので、いままでやったことは確かに手おくれでありましたけれども、これから真剣にやっていきたいし、また道が開けると思います。  さらにまた、最近で問題のある土地問題といわゆる公害問題とはうらはらの関係になってこれはきておるために、従来の新全総も変えて、むしろ土地と人口と水のあるところ、そこに産業を持っていく、こういうようなことをやることも必要になってくるし、それから水の問題が土地問題と非常に関係がある、そうすれば必然的に農業水利権、慣行水利権をどう合理的にするか、こういう、みんなこれは政治的な決断と国民の合意をもってやらなければなりませんので、ぜひこれは皆さんのお力でひとつ具体的な御支援のもとにこういう問題を解決してまいりたいと思っておる次第でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 ちょっと大臣の答弁としては責任転嫁が多過ぎるような気がするわけです。これは土地問題の国民の合意がないと言いますけれども、世論はずっと前から盛り上がっておるわけですよ。何とかしてくれ、してくれという声が非常に強いわけですよ。それにもかかわらず政府がのんびりしておるからこうなったんじゃないですか。政府の決断とやる気ですよ。ほかに責任を転嫁されるというのはどうも筋違いだと思いますがね。それから、まあ時間がありませんので具体的な問題に入りたいと思いますが、今回この水田転用の基準が緩和されました。ところがこれでも実際の例を見てみますと、かなり問題があるわけです。これは基準が緩和される前の例ですけれども、埼玉県の勤労者生活協同組合が宅地開発をした実際例でありますけれども、これは水田を埋め立てて宅地にしたわけです。買収価格は坪当たり二万五千円。ところが分譲価格は十一万円にもはね上がるわけですね。なぜかといいますと、これは宅地造成法とか都市計画法とかいろいろな制約によりまして、緑地とか必要なものをとらなければならない。それと同時に、ここは水田ですから遊水地というものが要るわけです。水はけの池ですね。これをとりますと、宅地に分譲する分が目減りをしまして、非常に高くなって宅地価格に上乗せされている。だから水田転用の基準許可だけでなくて、こういう必要な公共施設については政府が補助をすべきではないかと思うのですけれども、この点についてお答えいただきたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 責任転嫁をしておるということでありますけれども、私は事実を述べました。政府は、だから一番最初に、あなたが御指摘になったとおり、手おくれであったことは私は認めている。その上にこういうような社会環境、国民一般の認識がこれを抜本的にやるに非常に大きなある意味における制約をされておったということを申し上げておるのです。  それから、ただいま申されましたこともそれも事実です。これは、従来民間あるいは公団が大規模の土地開発をしますというと、現在の税制等においては地方に財源がありません。そこでどうしても小学校あるいは幼稚園とか子供の遊び場とか、あるいはまたいろいろいま御指摘になりました水田の近くで遊水地とか、そういうものを施設しなければいわば快適なる住宅地にならない。そこでやむを得ずこれを、最近では民間デベロッパーとほとんど大部分が公団にこれを負担させてくるわけであります。そうすると、どうしても分譲する宅地にこれが加算されてくるのが普通の状況でございます。そこで、そういう弊害をできるだけ少なくするために、本年は——本年と申しますか、昭和四十六年度予算では、人口の急増するところの地域については、小学校等の用地については国が補助をする、あるいはまた昭和四十年から四十五年までの間に地方自治体がそうしたことのために特別起債を出した案件につきましては、利子が六・五%までになるように利子補給をする、こういうような措置も講じておるのでございます。さらに先ほど御指摘にありました固定資産税あるいは都市計画税とか、こういうものが合理化されてまいりますれば、それだけ地方自治体の財源がふえますから、それによってこうしたところの転嫁をなくする。そのほかに、これは漸次大蔵当局と自治省との間で、さらに文部省と協議をいたして、そうした転嫁がなるべくすみやかに解消するようにわれわれのほうからも連絡申し上げて、漸次その方向に進めてまいりたいと思っている次第でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 ただいま小・中学校の用地の問題についての政府の補助の答弁があったわけですけれども、最近は、住宅公団では大体小・中学校の用地確保、しかもそれを半額程度で地方自治体に譲り渡すということはどこでも常套的に行なわれております。それから、中には建設費用を持てというところも出てきておる。それからまた駅前広場とか道路、団地に至る道路の改修費まで分担させられる例もあります。ところが、考えてみればこれは非常におかしな話ではないかと思うのですね。一つは、こういうものが時価に上積みされて、宅地というものの価格をさらにつり上げる要因になっている点が一つですね。  それからもう一つは、こういう公共施設をそこの宅地、団地に住まわせる特定の居住者に賦課する、これは非常に問題だと思うのですね。特に小学校、中学校は義務教育でしょう。義務教育の施設を確保するのは、これは公共団体の責任なんですよ。これをなぜ特定の住民に負担させなければならないのか。憲法二十六条では、義務教育は無償とするという規定をうたってあります。これは狭く授業料だけに解釈すべきものじゃないのじゃないかと思うのです、ほんとうの精神は。やはり小・中学校の建設費というものは公共で負担するというのがこの憲法の精神から見ても当然ではないか、これは特定の住民に負担させるというのは憲法違反じゃないですか。どうですか、これは。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) これは私から御答弁申し上げるのはあるいは筋違いかもしれませんが、いま御指摘のような弊害も若干ありまするので、これを是正するために、本年度から公共用地の取得については国が補助するというふうにし、これを全面的に今度、自治省、文部省、農林省それからわれわれのほうが協議してこれをやることにいたしておるのでございます。従来、ややもしますれば、まず公団住宅をそこに計画するときには十分事前に実は相談してやっているわけです。やっているけれども、今度は地方自治体では、いよいよ地方財政が困ってくると、どうしてもこれは公団で建てかえをやってくれと、建てかえをやっているうちに、今度はもっと困ってきたから、地方議会の関係もあるから何ぼか負担してくれと、こういうふうに言ってきたのです。それをいままでは公団の全体のやりくりで、特にそこの負担にならないようにやっておるのですけれども、厳密に言うならば、これはその地区のそこに入る人の負担にはならないけれども、公団全体で負担することによって入居者が相当の負担をされるわけです。こういうことにならざるを得ないのであります。そういうことのないようにこれから大蔵省、自治省各方面と連絡をして、そういう負担のないようにしていこうじゃないかと、こういうことでいま進めておることでございまして、御指摘の点は十分に配慮してまいりたいと思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 そうすると、これからこういう公共的なものはそこに入る人に負担させないということですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) そのようにいたしたいと思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 それはいつからですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) いつ幾日ということを私がいま自分の責任で申し上げることは困難ですけれども、少なくとも明年度からはそういうことのないように私は関係方面に連絡をしてまいりたいと思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 これ、法律上の解釈をちょっとお伺いをしたいと思うのです。法制局長官にお伺いしたいと思います。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 「義務教育は、これを無償とする。」という憲法二十六条の第二項の規定についてのお尋ねだと思いますが、御指摘もありましたが、無償の範囲というものは、憲法の一般の説から申しますと、これは最小限度授業料だというふうに解されておりますので、形式的なお答えとしてはそれでいいと思いますが、しかし御承知のとおりに教科書の無償給付というようなこともありますし、むろん憲法の精神からいえばそういうものが広いほどいいということは少なくとも言えそうであります。ただこれを授業料というのが最小限度と申しますか、それが必要な条件であるということからしますれば、いまのようなものに及ばないからといって、つまりそれ以上にわたらないからといって憲法違反だということにはならぬと思いますが、しかしその憲法の趣旨を非常に強調される点からいえば、お説のようなことも言えるかと思います。ただ私が申しますのは、憲法解釈としてぎりぎり一ぱいということであれば、それは憲法違反になるとは断定できないのではないかと、これが私の考えでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 重ねて法制局長官にお伺いしたいのですけれども、それなら、こういう小学校、中学校ですね、あるいは駅前広場の問題、これは特定の住民に負担させるということは法律上何ら差しつかえがないということになるわけですか、法律上では。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 事は主として憲法の論点から申しますと、いま言ったようなことになりますが、純粋な地方公共団体の事務ないしは純粋な国の事務というようなことについては、それぞれが財政上の処理をそれぞれの負担においてまかなうべきであるというのは、これは憲法がどうというよりもむしろ基本の原則であろうと思います。そういうような意味合いから地方財政法等の規定があることも御承知のとおりだと思いますが、まあそういうような観点からものを考えていくべきものだと、むしろ自然の理といいますか、そういうふうなものではないかと思います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 これはまあ船橋の金杉団地の例でも、大体駅前広場というものを、そこを利用する率によって分担させられる、もちろん若干国からの補助もあるわけですけれども。ところが、それは団地に住む人はそれで分担させられるわけですけれども、そのほかの新規転入者、団地に住まずに入ってくる人があるわけです。この人はまるっきりかからない。これは負担の公平という面で見ても非常におかしな問題だと思うんですね。なぜこうなったかといいますと、急激に人口のふえるベッドタウン、団地を受け入れる地方団体でこれは財政上困ること、わかりきっているわけですよ。急激に人口がふえてもすぐ税金が入ってくるわけではない。だからこれは当然国として強力な財政措置を考えなければ、地方団体に責任を押しつけても解決をする問題ではない。  そこで大蔵大臣にお願いしたいのでありますけれども、ほんとうに政府が住宅対策に取り組むならば、こういう面で国が財政的なめんどうを見なければならないと思うんですが、いま学校の問題を言われましたけれども、わずか二十億ですね、こんなものですべてこの問題が解決するとは思えないわけです。今後宅地問題として、宅地が急増するようなところに対する公共団体の費用は国がめんどう見るというふうにお願いしたいと思いますが、どうなんですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のような問題は、これは地方固有のあれだから地方自治体だけでやれということもいけないと思うのです。そういうところは再開発をすべき条件が非常に多いと思います。そこで、地方自治体とデベロッパーと相提携して再開発させるという手法をいま講じておるのです。その際には、従来やっておりませんけれども、開銀の資金を活用する方法も与えておる、そういうようなことをして新しい手法をどんどんこれはつくっていかなければならぬ、こういうふうに思っておるのでございます。そういうことによって、そこに入ってくる人それだけに負担させるということでなく、やはりこれはやり得る可能性のある、しかもなるべくみんなでその土地を開発するというような方法がいいではないかと考えておるわけでございます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 御指摘のような点がありますので、公団の団地、これでは、団地内の諸施設、学校だとか何とか、なるべく公団自体が負担をしてやる、こういうようなシステムを四十六年度の予算でもかなり前進をさしておるわけです。それから、公団といわず人口の急増するいわゆるベッドタウンの地域、これにつきましては、特に小学校の用地買収に対しまして国庫が一部の負担に当たるという制度を新たに今度つくろうとしておるわけです。それで、国の問題もありまするけれども、同時に交付税の配分の問題ですね、これにおいても自治大臣のほうでかなりくふうをこらしておる、こういうことでありまして、これからも社会事情がずいぶん変化していく、それに対しましてとにかくこの急増地帯が立ちいかないというようなことじゃ困りますから、適時適切な対策をとっていきたい、そういう考え方で、四十六年度はかなりの前進もした予算を編成しておる、かように考えておるのであります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 いままでいろいろ申し上げたわけですけれども、この予算全般を通して申し上げられることは、私が申し上げましたように、やはり圧力の強いところはできるだけ逃げてさわらないようにしておって、そうしてできるだけ弱いものにしわ寄せしておるという傾向がやはりあらわれておると思うのですね。その点をやはり改めてもらうように強くお願いをしまして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 以上をもって田渕君の質疑は終了いたしました。  午後は一時三十五分に再開することとし、それまで休憩いたします。    午後零時三十五分休憩      —————・—————    午後一時四十三分開会

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  この際、参考人の出席要求に関する件につきましておはかりいたします。  三案審査のため、日本鉄道建設公団総裁篠原武司君を参考人として本日出席を求め、意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 午前に引き続き質疑を行ないます。西村関一君。

西村関一日本社会党

○西村関一君 私は、本日外交を中心といたしまして、防衛問題について質疑をいたしたいと存じます。  それに先立ちまして、先日わが党の杉原委員から質疑がございました大阪刑務所において起こりました入試試験問題の盗難の件でございます。法務大臣は刑務所にミスはなかったと、ただ刑務所に前におった者がやったことであろうというようなおことばがございました。本日の新聞を見まするというと、刑務所にも重大なミスがあったというふうに詳しく報ぜられております。その点につきまして、私は刑務所の当局を責めるつもりはございませんけれども、法務当局としてどういう御見解を持っていらっしゃるかということ。もう一つは、この事件の背景になっております医科系統の大学に入るということには、数百万円、一千万円の金がかかってもどうしても入りたいということでございまして、そういうことではなかなか——たまたまこの事件がこのことをあらわしたんですけれども、この委員会におきましても論議されており、政府の答弁にもございますように、医者が足りないという事態に対処いたしますためには、こういうことではとうていよい医者を必要なだけ得るということはできないと思うんでございまして、こういう点につきまして、文部当局はどういうふうにこれを受け取っておられるか、父兄が多大の経済力の負担を負わなくても、もっと国家の責任において、優秀な医師を志望するところの者を教育できるような措置を講ずることが必要でないかと思うんでございますが、その点についてお伺いいたしたいと思います。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 大阪刑務所において印刷せられた大阪の大学当局の試験問題が外に漏洩された、これについての問題はまことに過日もお答え申したとおり、まだ事態が十二分には明らかでない点がございますが、しかし、われわれ法務省当局といたしましては、何らかそこに欠陥が、間違いがあったのじゃないかというので、十二分に直ちに係官を本省から派遣いたしまして、現地の当局と一緒になって、警察当局とも連絡を取って、その事態を明らかにすべくいま鋭意努力中でございます。今日までのところ、新聞にはいろいろに出ておるようでございますが、中には必ずしもまだ新聞に報道せられておるような事実が確認できてない部分もあるやに承知しておりますので、それでまだ今日全体を、全貌を明らかにしてのお答えはできないことを残念に思います。幸いにして、いわゆる刑務所当局の中に、職員中に間違いを起こした者があるのではないかということに非常に心配もいたしておりました。この点はただいまのところ確認に至っておりません。しかし、やや若干疑惑を持ち得る者がないとも言えないのじゃないかというような様子が若干見えておりますが、確認できません。これはなるべく早く確認いたしたいと思っております。それから刑務所の印刷工場の配置の問題とか、あるいは試験の書類の倉庫における管理の状況等々において、これはやはりいまにして考えれば若干のそこに落度がありはしないかということが思われる点がございます。これも過去の経験にかんがみましていろいろとくふうを重ねて、そうして管理に間違いなきを期しておったのでありますが、やはりその裏に若干のやはりミスがあったのじゃないか、こういう点がございます。その次にやはり外部との関係、すなわち外部から、かつてのこの刑務所の収容者であった者が出獄しておりますが、これが中に入り込んで云々というようなことがございます。これはやはりその工場施設の管理あるいは施錠その他いろいろの点で不十分な点がありはしなかったか、あるいは新聞紙上にも出ておりまする、あの日に入って、そして一日間、一月の十五日でございますが、中に隠れておったという、これが発見できなかった、ここにも一つの大きな管理上の間違いが、あるいは不十分があるのではないかと思います。こういう点等につきまして、さらに事実の確認をいたしまして、そうして今後について戒めるべきことは戒めなければなりませんし、また責任の所在はこれを明らかにして、そして再びあやまちなからしめんことを期してまいりたいと思っております。以上、御報告いたします。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) この不正入学の問題につきましては、ただいま調査をいたしております。ただいままでの段階では、大学側に手続上の手違いというものはなかったように思われるわけでございますが、しかし事件の詳細というものがまだ明らかにされておりませんので、この上とも十分調査を続けてまいりたいというふうに思っております。また、事件が進展するに従いまして、不正入学を行なった学生というものがはっきりする、事実がはっきりいたしました以上は、一昨日も申し上げましたように、大学側は除籍をするということになるだろうと信じておる次第でございます。  また、こういうような特に医学部に志願する人が非常に多い。そしてまたこういうような不正事件が起こる。また私立医科大学等につきましては、相当のお金を出さなければ入れないというようなことも一面において事実のようでございます。また、かなりの一般の人でございましても、納付金を納めなければ私立の医科大学に入れない。このことはお金を持っておられなければ医学教育は受けられないということは、まことにゆゆしい問題でございまして、私といたしましては、この医師の絶対数の不足というものを、やはり年次計画を立てまして、計画養成をしなければならないというふうに考えるわけでございます。過去十年間、昭和三十六年度以来千五百四十名の増員をいたしたわけです。その中には増員をいたしたのもございますし、あるいは私立医科大学を設立したのもございますし、あるいはまた昨年度から秋田医科大学を創設したものもございます。しかしながらまだその計画養成に従って出てきておりまする数というのはわずかでございまして、きわめて絶対数の不足が訴えられておる状況もうべなるかななんでございまして、この千五百四十名の計画で千五百四十名の増の医者が出ますのは、いままでの計画で申しまして昭和五十一年ということでございます。ただいまが大体人口十万当たりに対しまして百十二ぐらいでございますが、その年度、五十一年になりますと大体百二十五ぐらいになるんじゃないか。したがいまして、私たちはこれでも不足するので、少なくとも百五十ぐらいのところまでは持っていきたい、この十年、あるいは昭和六十年ごろまでに。そういう計画を実は持っておるわけでございます。それに対しまして、もちろんまだ定員八十名とか、場合によりましては公立でもあるいは私立でも六十名の定員のところもございます。これをやはり定員を少しふやす、それから八十名のところは百にするというような増員計画も一つの方法。それから私は何といたしましても国立の医科大学あるいは医学部というものを四十七年度以降二ないし三ぐらいはつくらなければならないと私は考えております。それを含めましたここ十年ばかりの計画養成というものにつきまして、ただいま指示をいたしまして検討をいたしておるところでございます。もちろん最終的にはこの五月に中教審の答申がございますけれども、この答申があるなしにかかわらず、私どもとしましては、医師の養成に関しましては、私たちひとつ十分検討いたしまして、本年度中にその計画を発表し、実行に移してまいりたいと、かように考えております。それでなければこういうような問題を根本的に解消することはできないというふうに私は考えておる次第でございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 去る二月の二十日に起こりましたアメリカの核戦争異常事態警報誤報事件というのがございます。これに対して政府はどのようにこれを受けとめておられますか、お伺いをいたしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 米国の核攻撃警報の誤報事件を防衛庁は当時キャッチしていたかということでございますが、防衛庁としては報道により承知したものでありまして、誤報事件当時においてはそのような情報はキャッチしておりません。それで、わがほうではその直後に統幕事務局第二幕僚室が在日米軍司令部に対しまして、事件が報道された直後に照会をいたしまして確認いたしましたところ、在日米軍司令部としても右のような事実は承知していない、そういう返事でございました。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 調べてみましたところ、去る二月二十日午前九時三十三分、これはアメリカの東部標準時でありますが、アメリカの民間防衛局緊急警報センターから全国の放送局に対して緊急事態が発生したので、放送を中止し、緊急放送に備えるようにというメッセージが誤まって伝えられたということでございます。で、これは毎週土曜日の午前に行なわれるテストの際に、誤まってさようなテープをかけたものだそうでありますが、九時四十分、十時十三分の二回にわたってそのメッセージは取り消された由であります。で、この民間に対する警報システムというものは、ラジオ、テレビを通じて国民に、つまり米国民に緊急事態の発生を伝えるためのものであって、民間防衛局の主管となっており、軍の司令系統とは全く関係がないということでございました。

西村関一日本社会党

○西村関一君 民間の警報システムであるけれども、軍に関係ないと言われますが、北米防空司令部、NORADから司令が出なければこれを出すことができないというふうに考えておるのですが、これが誤報として処理されましたのは比較的早かったですから問題はなかったですけれども、おくれた場合にはどういうことになるか、どういう事態が発生するかということに対して非常な心配をするのでございますが、そういうことにつきまして防衛庁長官はお考えになったことございませんか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) さきの事件につきましては、在日米軍及び在沖繩米軍は何らの対応行動をとらなかったという報告でございます。わがほうといたしましても、かりにこの事件が誤報でないという場合で、米軍が何らかの非常時体制に入ったといたしましても、わがほうが自動的にわが自衛隊までもが同様の体制に入るということはなく、自衛隊は閣議あるいは日本側独自の判断に基づきまして法令に定める手続に従って必要と考える措置をとることになっております。指揮その他の系統は全く別個になっておって、わがほうの判断によって行動するということでございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 誤報ということでございますが、十年前にもこの種の事件があったことは御承知でございます。こういうことが起こらないことを期待いたしますけれども、起こらないという保証はないのでございます。誤報からアメリカの大統領の緊急命令というようなところまで発展するようなことになるならば、これはたいへんなことになる。レーダーがミサイル以外のものをキャッチしてこれが敵国からの攻撃であるというふうに誤認した場合にどういうことが起こるかということでございます。そういうことになりますと、十五分間くらいしか余裕がないということでございますが、そういうことに対して心配することは杞憂でございましょうか、もう一度防衛庁長官にお伺いいたします。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 両方が間違った判断によってボタンを押すというこの世界的大災害を避けるために、両国とも、ホットラインをつくったり、あるいはSALTの会議をやったりして、全人類の期待に沿うように両国とも心がけているものだろうと思います。私は、核を持っている世界の大国が、この問題は、単に一国や二国だけの問題でなくして、全人類の運命に関する重大な問題であるということを自覚されて、相互に抑止されてそのような悲劇を防ぐことに全力を注ぐ人類的責任があると思いますし、われわれもその一翼をかついでその方向に国際世論を盛り上げ、行動をしなければならぬと思っております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 中曽根長官は、全人類的な問題であって全力をあげてこれが防止に当たらなければならないと。そのとおりであると思うのでございますが、人間はあやまちを犯さないという保証はないのでございます。もし万が一あやまちを犯したときに、どういう完備したシステムがありましても、たいへんなことになるということを心配するのであります。そういう点につきまして、わが国といたしましては、日米安保条約の体制下にありまして、誤報がさらに誤報で終わらなくなってしまう、実際不測の事態が起こるということになりますというと、それこそ核戦争にまで発展しないとも限らないと、そういうことを心配するのであります。アメリカでは、いつもこの警報の予行のようなものがなされておりますから、なれっこになっているというような点もありますけれども、しかし、そういうことで済まされないような事態がないとは言えないということを心配するし、また、もし万が一、願わないことであるけれども、核戦争に突入するというようなことになりますならば、それこそ、日米安保条約下にあるところの日本といたしましては、たいへんな羽目におちいるということを考えなければなりませんが、そういうことに対して、不測の事態に対して対処するということは全然お考えになっていらっしゃらないのでございますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 将来、わが国がその目標になるというような場合には、日米安全保障条約等によりまして、その抑止力で抑制すると、そういう考えに立脚せざるを得ない。現状はそういう状況でいっているのだろうと思います。しかし、現在の国際情勢を見ますと、そういう核戦争が起こる可能性は非常に少ないと思います。と申しますのは、恐怖の均衡と申しますか、核の脆弱性というものは次第に露呈してまいりまして、お互い第二撃能力でやる力が喪失されつつあります。そういうことで、現在のところ、起こる可能性というものは非常に少なくなりつつあると思うので、われわれはこれを歓迎しておりますが、日本国民も大体そういう判断を持っているのであろうと思います。したがいまして、そういう起こる可能性の少ないことに対して、政府がことさらにそういう心配を表へ出したり荒立てたりするということは、民心安定上どうかと思います。われわれは、そういう国際関係の平和管理に全力を注いで国民を安心させる方向にむしろその力を注ぐべきであって、万一の際の可能性もいまそう考えられない問題についてはあまり国民を刺激しないほうが賢明であると、このように考えます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 長官の言われます点もわかりますし、民心を刺激するようなことはしないほうがいいということも納得がいきますが、しかし、防衛の責任を負っておられます防衛庁といたしましては、不測の事態に対してどう対処するかということを研究しておかれるということが必要じゃないかと思います。アメリカにおきましても、いろんな警報システムのことやら、防空壕の問題やら、退避訓練やら、そういうことをやっておりますが、そういうことを日本でやれとは言いませんけれども、そういうことはもう心配は要らないんだということで済ましてしまっていいんだろうかということを私は思うのでございます。  そこで、現在、米ソの核保有力はどの程度になっておりますか、防衛庁長官からお伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 最近の数字につきましては、防衛局長等より御報告申し上げさせますが、大体において、ICBM等のものは、戦略爆撃機あるいはポラリス潜水艦等も含めまして、千五、六百発程度で、両者がやや均衡に入っておる。最近のアメリカのレアード長官の報告によりますと、アメリカのほうがまだ若干優勢のように承知しております。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) 現在の段階では、米国について申しますと、ICBMが千五十四発、それからポラリス潜水艦が、四十一隻ありまして十六発ずつと申しておりますから、合計で六百五十六発であります。これが主たる勢力であります。  それからソ連の場合には、はっきりした数字はわかりませんが、一応見られておりますのは、ICBM級で千三百発、それからMRBM及びIRBMを含めて大体七百発ぐらい。潜水艦のほうはよくわかりませんが、おそらく弾頭で申して三百発ぐらいであろう。  今後の傾向といたしましては、いわゆる多弾頭化、つまり、一つのミサイルで弾頭が三つないし十個つけられるというようなものを進めております。アメリカの場合にはこれが誘導されておりますが、ソ連の場合にはまだそこまでいっているかどうかがはっきりしておらない。その分については、ICBMあるいは潜水艦のほうのミサイルについても同様の方向で進んでまいる。  なお、これに対する防御網としましてABMのネットがあるわけでありますが、ソ連の場合には、モスクワ周辺で、これも数ははっきりわかりませんが、おそらく六十基程度の配置が終わっておるのではなかろうか。それから米国の場合には、二つの基地、これは以前のマクナマラ長官のころの思想とは変わっておりまするけれども、二つの基地について配備が進められており、来年度の予算で一つの基地についての着工が可能であり、さらにまた、一基地の土地の購入が進められているといったような状況で、米国の場合にはABMについては十二カ所の防衛網を張るであろうというのが将来の計画のようであります。

西村関一日本社会党

○西村関一君 中曽根長官は、核の均衡から核戦争は起こらないというふうに判断をしておられるようでございますが、これをそのままそのとおり受け取ってよろしいでしょうか。核の均衡をそのどちらかが破っていくということになりますと、いま言われるように、アメリカのほうが少し上になった、この次はソ連がこれに追いつき追い越すというようなことになってまいりますと、核兵器競争というものが、どの程度まで続くか、際限なくとは申しませんが続いていく。そういう場合に、人間のひょっとした、その担当しておるところの者のボタンの押し違いとか、あるいはまた、核を持っている者の不安感というようなものから核戦争にまで発展しないとは限らないというふうに思うのでございますが、核の抑止力というものだけにたよっておっていいものでしょうか。もちろん、その裏には、外交的な努力というものがうらはらになっておりますことは言うまでもございませんが、そういう点に対してどうお考えになっておられますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 戦術核等におきましては、ヨーロッパにおいて、NATO軍においても、ワルシャワ条約体系においても、大体作戦の想定に入っておるわけです。オネストジョンであるとか、パーシングとか、ああいう七、八百キロ程度のものまで大演習の想定に両方入っております。これは戦術核の場合でございます。しかし、アジアにおきまして、日本というものを中心に考えます場合には、そういう戦術核の可能性もまず考えられない。これだけ海に取り囲まれている国でございますから、ヨーロッパ大陸のように、兵団が戦車群が直ちに国境を突破してくるという情勢もないわけでございます。そういう意味から、この戦略核というような問題については、どの国の政治家も異常な神経を高ぶらして慎重に扱っているものだろうと思うのです。いままでの火薬の兵器と違っておりまして、これが全人類の運命に影響するという重大な兵器でありますから、たとえばアメリカ側におきましても、核兵器を発動するという場合には、アメリカ大統領の命令がなければできませんし、アメリカ大統領の命令があった場合でも、何段階かの厳重なチェックがございます。NATO軍等におきましても、やはり、その大統領のもとの各段階段階における司令官段階の非常に厳重なチェックがあります。飛行機に載せる場合でも、飛行機は何回かの関門を通らなければそれを載っけて動けないような体制になっておる。それぐらい、核兵器というものについては、どの国の政治家も異常な神経をもって慎重にやっていると思うのです。当然そうあるべきであると思います。ですから、いままでのような火薬を使ったいわゆる戦争概念と違った新しい全人類的破局というものが頭にきておるのであって、こういう意識を国際間にもっと高揚させて、そして核戦争を防ぐ、人類的良心に訴えていくということがわれわれ今日の政治家の非常に大きな責任であると思うのです。でありますから、一般に考えているほど簡単にボタンが押せるというようなものではないし、また、押さるべきものでもない。そういう各段階におけるチェックを具体的にもっと進めたらどうだ。たとえば、軍縮の場合におきましても、査察という問題がございます。この査察という問題をもっと具体的に進めるということも一つの方法でございましょう。あるいは、国際的危機が来た場合には、国際機関をもっと動員して、そういう人類的運命の問題を国際的協力によって合理的に解決するという研究もまだまだ不足であると思います。そのようなあらゆる方面を通じての研究を行なうべき分野がまだ非常に残されていると思うのでありまして、われわれはむしろそちらのほうに力を注ぐべきだと思うのであります。

西村関一日本社会党

○西村関一君 おっしゃるとおりだと思いますが、フェールセーフといういわゆるチェックは、今回の誤報事件を通して考えてみましても、完全でなかったということが言えると思うのでございます。どんなにチェックいたしましても、人間の能力には限りがあって、あやまちというものが起こらないという保証はないのでございます。そういう点を心配するのでありまして、いま長官が言われたような国際的な関連においてこれを食いとめていくということは当然のことだと思いますが、そのことにつきまして、もしも、不幸にして、たとえばアメリカが某国から核攻撃を受けた、戦略核兵器の攻撃を受けたという場合に、そういうことは想定してはいけないことでありますし、願わないことでありますが、おそらくないことだとも思いますけれども、もしそういったような事態が起こった場合に、安保条約第三条によりまして在日米軍基地はすぐさま所定の配置につくし、そういう場合には、日本自衛隊としても、その米軍の指揮下に置かれるということが考えられますが、その点はいかがでございますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) まず、米軍の指揮下に置かれるということはございません。指揮系統はおのおの別個でございまして、日本は、最高指揮権者である内閣総理大臣のもとに、われわれは独自の命令系統を持って行動するわけでございます。  第二番目に、そういう緊急事態ができた場合に、日本が自動的にそういう配置につくかどうかと、そういうことも別のことであります。これは日本独自の判断に基づいてそれぞれの諸法規に基づいて行なわるべきことでありまして、アメリカが行なうからといって、自動的にわれわれのほうが追随すべき性格のものではございません。

西村関一日本社会党

○西村関一君 その点は、日米安保条約との関連においてはどうなりますか。外務大臣、どうですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) まず、前提として、さようなことは考えられないことであるし、また、事実起こることもないと思います。と申しますのは、アメリカ本国が何らかの形において核攻撃を受けた場合に、それに対応していかなる措置をとるかということがアメリカの場合の——これは観念的な問題ですけれども、そういうことをお尋ねになっておることと思います。ところが、日米安保条約は、これは条約の性格が、そうした核の攻撃を受けることがないように、これを未然に抑止するという目的のために、日本国及び日本国を含む極東の安全に寄与するという目的でできているわけでございますから、おのずから、私は、米本国の場合と、そうして日米安保条約の場合と、体系が違った考え方で成り立っているし、そう理解してしかるべきものではなかろうかと、かように考えるわけでございます。ただ、それぞれの国の本土が脅かされた場合、条約がどういうふうに運用されるのかというお尋ねがまたお尋ねの中に含まれておると思いますが、これはそもそも観念的な問題であろうと思いますけれども、同時に、日本は、在日米軍は核を持っておりませんし、核武装というようなことは全然切り離された在日米軍でございますから、そういうこともあわせて考えなければならぬのではなかろうかと、かように存ずるわけでございます。したがって、観念的であるとはいいながら、核の攻撃を受けた場合にどういうふうな体制でそれに当たるのかというようなことについては、条約上の問題はともかくといたしまして、実際上も、それに対応するようなことは考えられないのではないだろうかと、かように私は考えるわけでございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 中曽根長官に再度お伺いいたしますが、核の抑止力というものにわれわれはどの程度までたよっていっていいか。もし不幸にしてこのような事態が起こった場合に、核戦略兵器によるところの攻撃を一方の国が受けた場合に、核戦争になる。そのときに、報復用の第二撃というものがはたして可能であるかどうか。もうそうなれば、長官がおっしゃるように、全人類的な破滅の称相になってしまうということで、極力そういう事態を避けるという一点にしぼって努力をしていくという以外にないと思うのですが、そのことは、核を含むところの軍縮の問題につながってくると思いますけれども、そういう点についてはどうお考えになりますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) やはり、十八カ国軍縮委員会あるいは国連において大いに努力すべきことであると思います。日本は、平和外交の国でございますから、この核の問題については世界をリードするくらいに、全精力を傾けてやるべきものであると考えます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 外務大臣、この核を含むところの軍縮の問題につきまして、いま国際機関においてはどのような状態にまで会議が進んでおりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 核の軍縮に対しての日本政府としての態度は、いろいろの機会に明らかにしておるつもりでございますけれども、ちょうど御質問がございましたから申し上げるのでありますが、今月の二日、軍縮委員会が始まりました段階におきまして、わが国の田中代表をして軍縮問題一般についての日本の立場を明らかにさせたわけでございます。その際におきまして、今後の軍縮問題で最も重要なのは、核軍縮の分野であることを前提にいたしまして、検証が可能な軍縮の措置については、その実現をはかることについて関係各国のすみやかな努力の促進を求めました。そして、こうした基本的な態度に基づきまして、ミサイル実験の規制、それから特に日本として、かねがね重点を置いております地下核実験の禁止、それから兵器用の濃縮ウランの平和目的への転用の諸問題、この地下核実験の禁止と、それから濃縮ウランの平和目的への転用の措置と、この二つについて特に具体的な提案を行なわしめておるわけでございますが、さらに全般的な問題としては、先ほど前提を申し上げましたように、たとえばSALTの問題につきましても、関係国の一そうすみやかなる話し合いの推進ということについて徹底的な努力の要請をいたしたわけでございます。  この会議は、御承知のように、現に進行中でございますが、会議の進行に伴い、かねがねの政府の基本的な態度を背にいたしまして、できるだけひとつ、中に入っての努力をするようにいたしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 米中会談はどうなっておりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 米中については特段の、ただいま御報告を申し上げるような発展はいたしたように見受けておりません。

西村関一日本社会党

○西村関一君 最後に、総理にお伺いいたしたいのでありますが、私がこの問題を取り上げましたのは、あえて平地に波乱を巻き起こそうという意味ではございません。人間は、思いがけないときにおそろしいあやまちを犯すということを考えますから、そういうことが人類の破局につながるような大事件にまで及ばないとは限らないということを心配いたしますから、この問題を提起したわけなんでございます。  御承知のとおり、この誤報が伝えられましたときの暗号、信号というのが、「憎しみ」ということばであったのでございます。「憎しみ」ということばでこのことが伝えられたのであります。先日の三月一日の朝日の「声」欄に、一主婦がこういう投書をしております。「人間を自ら好まざる戦争の準備にまでかりたててゆく、この憎しみとは一体何であろうか。」、「ある人々は、自分に不当な苦しみを与える社会が、環境が、憎しみを生むのだという。たしかに人間は生存をおびやかす相手に対して本能的に憎しみを覚える。それは一種の自衛本能かも知れない。しかし一たび憎しみの心に、自らを渡した時」にはみずから滅んでしまう。こういうことを一主婦が投書欄に書いているのであります。たまたまこの誤報事件が「憎しみ」という暗号記号で伝えられたということに対して、私は、人類からこのような憎しみを取り除いていかなければいけないと思うのであります。先日の成田空港のあの様子を見ましても、憎しみがぶつかり合っておる。お互いが愛情と信頼を持って話し合うという場があらわれてきていないというところに、今日の国内の問題も国際間の問題も大きな根源的な問題が横たわっていると私は思うのでありますが、この点につきまして総理の御見解を承りたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 西村君から、いろいろの問題についてお触れになって、核戦争の危険というか、そういうものについての用意はいいかという意味のお話がございました。私は、先ほど来、防衛庁長官並びに外務大臣からお答えいたしましたように、ただいまの状態で核戦争を考えて、そうしてそれに対する対策を立てる、そういうような時期でないと確信しております。と申しますのは、核保有国の超大国である米ソ両国が、とにかく核についても話し合いをする、あるいは核軍縮について取り組んでおる、こういう状態から見ますると、ただいまの危険は心配はないように思う。また、他の核保有国にしても、みずからそれを使うということはしない。攻撃をされた場合に、こちらで初めて使うのだと、こういうような言い方をしておるところを見ると、核の持つ人類破滅への道、これは、お互いに核保有国そのものが使用について非常に注意をしておる、かように私は思いますので、この危険はないように思います。したがいまして、日本のように平和に徹する国、しかも、自衛隊は自衛力、これはもう専守防衛、その立場にある国、そういうところで、ただいまの核についてのいろいろの脅威を並べられ、そうしてその意味においての国民の関心を深めようとする、そのことはむしろ誤解を受けるのじゃないか。西村君もさような意味ではないということを言われました。私はそのとおりだと思います。ただ、いま最後に投書を引いて、いわゆる「憎しみ」その憎しみがアメリカで起こった誤報事件の暗号にも使われておる、この憎しみのない、そういうような世の中をつくる、そういうわけにいかないかと、これは私、たいへん貴重なとうといお話だと思います。国内だろうが、国際だろうが、憎しみ、それが、ときに暴発する危険があるのでございますから、憎しみのない相互信頼、それができ、それを樹立するようにすることが何よりも必要だろうと思います。私ども平和外交に徹すると、かように申しましても、ただ口先でさように申しただけでは実を結びません。そのためには、相互信頼、その以前に、やはり相互理解、そういうものが深まって相互信頼に結びつく、かように私は思います。  成田空港の場合は、これは私、たいへん残念に思っております。いろいろの事例についてこれは国会でも論議され、まあ、大体私は、それぞれが反省をしておると思います。ただ私、成田空港の問題で一言すれば、あの成田の土地の攻防に対して、いたいけない少年少女、これが狩り出されるという、私はこのことだけはどうも許せないように思います。とにかく、何にしろ、その少年少女を動員しておる、この姿は、まことに私は残念だと、かように思って、これだけは、もっと当事者も十分反省すべきじゃないだろうかと、かように私は思う次第でございます。ただいま御指摘になりましたように、憎しみをなくする、そういうことのために、私は、この上とも努力する、そのためには、相互理解がまず必要だ、基礎をなすものだと、かように思っておる次第でございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 次に、中国問題についてお伺いいたします。  中国が第二回の人工衛生打ち上げに成功したという報道が、アメリカの側から出ております。この点につきまして防衛庁はどういうふうな見解をお持ちになっていらっしゃいますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の人工衛生につきましては、重量が不明であるために、どの程度の推力の打ち上げロケットが使用されたか、推定できません。昨年四月打ち上げられた第一号衛星の重量は百七十三キログラムであったと言われておりまして、打ち上げロケットの推力はIRBM級ミサイルのそれに相当すると推定されております。ロケットの推力はミサイルの射程を、また、誘導精度は命中精度を、それぞれ推定させる手がかりを与えるものでございますが、それらが判明しても、それがしかし、直ちにミサイルが可能と断定することはできない状態であります。

西村関一日本社会党

○西村関一君 昨年の二月に出されましたレアード国防長官の国防年次報告、その中に、中国の核装備につきまして触れているところがございますが、その点、ここでおっしゃっていただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 中共の核兵器開発の進展状況につきましては、詳細は明らかではありませんが、米国その他の諸資料によれば、おおむね次のとおりでございます。  まず、一九六四年十月最初の核爆発実験を行なってから現在までの間に、合計十一回の実験を行ないましたが、その開発の重点は水爆の開発に向けられているようであります。第二に、中共は一九六六年十月にミサイルを用いての核実験に成功しており、このことから、標準原爆、すなわちこれは二十キロトンをミサイル弾頭用に設計製作する能力を有している可能性が推定されます。第三に、ミサイルについては、MRBM級のミサイルの開発試験は一九六七年に終わり、六八年ごろから展開配備されると見込まれておりましたが、まだ配備されている徴候はないと言われております。また、ICBMの開発も行なわれていると推定されておりまして、近く長距離射程の試射が行なわれるであろうと予想されていますが、レアード米国防長官が上院軍事・予算合同委員会に提出した一九七一年度国防報告で、もし数カ月以内にICBMの発射テストが開始されるとすれば、実用型ICBMが完成するのはそれよりも二ないし三年おくれると見るほうが可能性が高いと述べているように、中共のICBMの実用化の確実な時期については二、三年以上先のことと見られております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 外務大臣、ニクソン大統領の外交教書の中でこの問題は触れておると思いますが、いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ニクソン大統領の教書もそうでございますし、それから日本政府といたしましても、中共の核の問題につきましては、たとえば軍縮委員会というようなものは必ずしも国連と一体のものではございません、別個の存在でございますから、軍縮委員会への中共の参加ということが非常に望ましいことであるということはかねがね表明いたしております。それから、昨年二月、NPTすなわち核防条約に日本政府が署名いたしましたときにも、フランスと並んで、この核防条約に対して中共の加盟、これは条約上も道があけてあるわけでございますから、これに参加することを強く要請したような次第も御承知のとおりでございます。こういったような場面で、中共が世界の平和のために、核の軍縮といいますか、制限といいますか、そういうところに積極的な関心とビヘービアを示してもらうということはたいへん好ましいことであると、かように考えております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 ただいま防衛長官からも外務大臣からもお触れになりましたように、中華人民共和国の核開発の情勢は逐次進んでいっておる。一九七〇年代の後半におきましては、ICBM、アメリカの大陸にまで届く核ミサイル兵器が完成するということが言われているのであります。MRBMは間もなく配置の段階にまで来ておるということが言われておるのでございます。そういうことが今回の第二回人工衛星打ち上げと関連して、当然、これらの二つの、大統領の教書及びレアード国防長官の年次報告と、からめて、関連をいたしまして、そういうことが考えられるのでございます。  そこで、私は、こういうことを前提といたしながら、いま外務大臣は、中華人民共和国が国連に加盟しなくても核軍縮に入ることができると、またそれを望んでおるということでございましたけれども、何といいましても、国連という場において、中華人民共和国を国連の舞台に入れて、この問題をともに協議していくという体制をつくっていかなければならないと思うのでございますが、先般の総理の本国会におけるところの演説に対して、与党の鈴木総務会長が質問をせられました。そのときにも、中華人民共和国政府の国連加盟は考えなければならないと、この問題に触れておられるのでございます。しかし、なかなかむずかしい問題があるけれども、ベトナム戦争の平和収拾にしても、軍縮の問題にしても、中華人民共和国政府は無視できない。中華人民共和国の国連加盟問題は、われわれの自主的な選択として、国際世論の潮流を率直に受けとめて、適応した措置を講じていかなければならないということを鈴木さんは言っておられるのでございまして、しかし、その次には、やはり二つの中国——中華人民共和国を認めると同時に、台湾にあるところの中華民国というものも、これを追放するということはできない、という意見を述べておられるのでございますが、この点につきまして、再度、ここにおいて私は外務大臣並びに総理大臣の御意見を承りたいと思うのでございます。これは非常な難問でございます。  私は率直に申し上げますが、ただ単に、われわれの見解を申し述べるだけでは解決がつかない。政府の立場になってみれば非常にむずかしい問題である。中華人民共和国の周総理の見解も、今回の藤山さんたちの訪中によりまして、より一そう明らかになってきておる。そういう中で日本政府として決断を迫られてきておる。もちろん、鈴木さんも言っておられます、言っておられますように、あくまでも自主的な選択をしていかなければならないということは当然でございますけれども、これはもう、そう長くいつまでもかまえておることはできないと思う。やはり、自主的な選択によるところの決断をしなければならないということになると思うのでございますが、この時点におきまして、外務大臣はどういうふうにお考えになっておいでになりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど少しお尋ね以外のことにまで言及して申しわけございませんでしたが、やはり、中華人民共和国が国際社会——国際連合ということはもちろんでございますが、究極においてその一員になるということが望ましいことはもちろんであると私は思うのでありまして、これは、国連加盟国である諸国においても、究極においてそれが望ましい姿だと考えられることであろうと思いますが、やはりいろいろと複雑でありますし、ただいまも御指摘のとおり、特に日本にとりましては非常にむずかしい問題でありますことは、これは御理解をいただいておるとおりでございます。  そこで、私は、軍縮というような、ことに核の軍縮というような問題について言ってみれば、必ずしも国連加盟ということでなくとも、その道は十分開かれているということの一、二の例を申し上げたわけで、軍縮委員会もそうでありますし、核防条約もそうであります。あるいはまた、二国間の、たとえば、先ほど、その後目ざましい動きがないようでございますけれども、バイラテラルな米中会談等々においても、この問題は取り上げられ得る問題でもある。そういうところから漸次積み上げて、平和への道、あるいは国際社会への道ということが築き上げられていくということも一つの方法ではなかろうかということを私は触れたわけでございます。こうした、いろいろむずかしい中に処して、とり得る方策からそれぞれに考えていきたい。何はともあれ、中華人民共和国も、日本政府との間に相互の立場を尊重し、相互に干渉をしないという、この二大前提のもとに、率直な話し合いができ、対話が持てるようになれば、双方ともに非常に理解を進め得ることができるのではないか、こういう態度でありますことは、しばしば申し上げたとおりでありまして、そういうことができますならば、また、そういうルートを通じて直接の対話の中から前進が期し得られるのではないかと考える次第であります。

西村関一日本社会党

○西村関一君 ことしの国連総会に臨むにあたって、秋でございますから、まだ期間があると言えるかもわかりませんけれども、早晩政府の立場をはっきりしなければならぬと思います。アルバニア案に対しまして、これは反対、重要事項指定方式を去年までと同じようにやっていく、またさらに、逆重要事項指定方式というものを打ち出していこうというお考えもあるやに伺います。つまり、中華民国を追放しないということを含めたそういう考え方も政府にあるやに伺いますが、その点はいかがでございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 一言で申し上げますと、政府としてことしの秋の国連総会で中国代表権の問題についてどういう態度をとったらばいいかということについては、まだ検討中でございまして、こういう方法が望ましい方法であると考えるということを、まだ申し上げる段階に至っておりません。まことに大切な問題でございますから、慎重の上にも慎重に考究してまいりたいと思っております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 さっき申しました鈴木自由民主党総務会長の御質疑の中にも、国際世論の潮流を率直に認め、ということがございます。現在、この中国代表権の問題について国際世論の潮流はどういうふうに動いておりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) たとえば、現在のところは、国民政府との間に正常な国交を持っておる国が六十四カ国でございますか、それから中華人民共和国との間が五十七になりましたか、そういうような状況です。しかし、大体のそういう傾向が、国連における代表権の投票等にあらわれている大体の傾向であると思いますが、同時に、国連等における投票の場では三十近くの国が棄権をしておる、こういうわけでございまして、両者の差もそんなに大きくありませんが、同時に、棄権の国も相当に多いということは、いかにこの問題が複雑であるかということを国際的にも示しておるのではなかろうかと思います。したがいまして、政府の立場から、何が国際的に大勢であるか、そういうことを的確にただいま申し上げるべく、あまりにこれは複雑であると申し上げる以外に、いまのところ申し上げようがないような感じがいたします。

西村関一日本社会党

○西村関一君 外務大臣、それぞれ外国公館からいろいろな情報が来ておると思うのであります。特に、国連の代表部あたりからも来ていると思うのでございますが、私がいまさら指摘するまでもなく、カナダ、イタリア、チリー、ナイジェリアに続いて、オーストリアも今月中に国交交渉を行なおうということになっております。こういうような動きから見まして、なお、メキシコ、トルコ、クウェート、その他数カ国が、中国政策に対して再検討しようという動きも出ているのでございます。そういう点を、外務大臣としては、もうすでにいろんな報告を受けておられると思うのでございますが、そういう国際間の動きに対して、検討をしながらも、なおかつまだ慎重にかまえておるということなのでございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) そのとおりと申し上げたいところでございまして、国際的な、つまり、各国それぞれの立場、あるいはそれぞれの国がそれぞれ国連加盟国であるという立場において、本件をいかがいたすべきかという、そういう、また観点もあるわけですが、それぞれに、まあ日本ほどではないかもしれません、率直に申しまして、日本ほどではないかもしれませんが、それぞれ非常に重要な問題として検討をいたしておるようでございます。また、ただいまおあげになりましたように、現実のバイラテラルの関係の動きもかなり流動的であるということは、私もよく観察をいたしておるところでございますが、同時に、従来もよく申しましたけれども、国連加盟国の立場としての各国の考え方の中には、ある国で、しかも人口等からいえば加盟国の十位以上に入るような国が、そして、国連結成以来常任理事国として忠実に義務を果たしてきているようなところを追放するというようなことは、国連の精神あるいは不偏性の原則ということからいい、あるいは世によく言われる国連憲章第十八条という意味ではなくて、そもそもの国連憲章あるいは条章、それらにあらわれている精神等から申しましてもこれは軽々に扱うべきものではない、こういうふうな雰囲気が相当に強いというふうにも見受けられるように考えられます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 その点は私も理解するんでありますが、現在、アメリカにおきましては中国代表権の問題についてはどういう動きがございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 最も最近におきましては、やはり大統領の外交教書の中国に関するくだりのところにあらわれている考え方だろうと思いますが、これはまあ、私率直に申しますんですけれども、非常に練りに練り上げられた文書のようでございまして、これはとっくりと検討に値することでありましょうし、また、反面、非常にクリアカットに意見を表明していないという面も私はあるように思われます。やはり、先ほど来申しておりますように、各国が各国それぞれの立場で現に検討中であって、これでいくんだ、これでなければいかぬのだという態度の表明は、まだ本件については目新しいところまではいっていないように私は観察いたしております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 米上院のグラベル民主党議員が中国の国連招請決議案というものを出しております。これは御承知でございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 承知しておるつもりでございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 中身はどうでございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) いろいろの点がございますが、どの点でございましょうか、御質問の点は。

西村関一日本社会党

○西村関一君 中華人民共和国を国連に招請すべきである、安保理事会の国府の議席はアジアの中の一国に置く、こういうことだと思うのでございますが、そうでございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) はい、その点もよく読んでおります。それは確かにそこに主張されております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 中国の国連代表権の問題は、いま外務大臣が言われましたように、きわめて流動的でございますが、しかし、日本政府としては、いつまでも慎重に、慎重にというわけにはまいらない情勢に来ておるというふうに考えるのでございます。そこで、私は総理にお伺いいたしたいのでございますが、私といたしましては、もちろん、わが日本社会党の態度は、はっきりしておりますし、これは総理も御承知のとおりでございますが、国内にはいろんな意見があるということも私は承知しているつもりでございます。特に終戦のときに、蒋介石氏が、大陸におった敗軍のわが将兵に対して非常にあたたかい態度を示してくれたということに対する感謝を忘れちゃいかぬ、そういうことを忘れたんでは日本人でない、こういう意見が多数あることも私は承知しております。それはそれなりに、そのことはそれなりに、私は受けとめていかなければならぬと思うのでございますが、しかし、先ほど来質疑応答の中でもうかがわれますように、国際間の潮流は、この問題に対するこの潮流は、非常に微妙な段階に来ておるのでございます。特に中華人民共和国の態度は、もはやはっきりいたしております。しかも、政府としては何らかの形で中華人民共和国と接触を保っていきたいということなんでございますが、こういうことに対しまして、どういう態度を示していかれるか、総理としても非常にむずかしい問題をかかえておられると私は思いますけれども、この際、やはり何らかの決断をなさるべき時が間もなく来るのじゃないかというふうに思いますが、その点、総理の見解を伺っておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 北京にある中国政府の問題、これは同時に台湾にある中華民国の問題でもあります。この問題をめぐっていろんな議論がかわされている、そのことはよく私も承知しておりますし、また、この問題をめぐりまして、この国会だけでも、私、何回質問を受けて立ったかわからないほど、数え切れないほど実は立ち上がって申し上げております。したがいまして、私が申していることは、まだこの段階で変化がございませんという一語だけ申し上げれば事足りるようでございますけれども、しかし、どうもそれではあまりにもそっけない、国民のいまの関心事から申せば、もっと政府がこの問題と取り組んでいる姿勢を申し上げなければならぬと思います。結論が出ないにいたしましても、取り組んでおる姿勢、これはもう、日本は独自の立場において、中国問題、これと取り組まざるを得ない立場に置かれております。それが先ほど来の外務大臣愛知君からの答弁でもあったと思います。私は、西村君と愛知君とのやりとりを聞きながら、たいへんむずかしい問題であり、これに全力を注いで、日本がやっぱりこの問題については独自の立場で解決しなければ国民としても納得がいかないのじゃないか、かように私は思いますし、ことに、いま出されました、終戦当時における蒋介石総統が日本国民に示された、いわゆる暴に報いるに暴をもってせず、徳をもってしたという、その事柄は、やはり長くわれわれの記憶に存するところであります。まあ、そういうことも考えながら、われわれが実質的にきめる、こういうことでございますが、何と申しましても、国際間の問題を、この流動している最中に日本が取り上げるというわけにもいかないということでございまして、ただいまたいへん機微な状況にありますから、それらの行く末というか、同時に、検討というか、それをしないことには結論は出ない、かように私は思います。原則論だけで問題が片づくなら、たいへん簡単でございますけれども、原則論は原則論として、われわれも一つの中国という原則論に異存はございません。これはもうかねてからの主張でございます。しかしながら、現在当面しておるのは、正統政府を主張する政権が二つあるという、その問題をめぐって、ただ日中だけの関係ではなく、世界各国がその問題を中心にしていろいろな機微な動きをしておる、その段階でありますだけに、われわれの発言も、この問題については慎重にならざるを得ない。したがって、ただいままだ結論は出しておりませんし、結論を申し上げる段階でもない、この点を御了承いただきたいと思います。

西村関一日本社会党

○西村関一君 総理の御答弁は何べんも同じことをここで伺っておるのでございまして、まあ、それしかおっしゃれないという現状にあるということも私は理解できるのであります。しかし、国府との国際信義の問題、また、先ほど私も触れました蒋介石氏に対する日本国民としての恩義の問題とは別個に、そういうこととは別個に、やはり中華民国の成り立ちから今日に至るまでの状態を考えますときに、虚構の上に立っている政府である——これは意見が違うところでございますけれども、正統政府と名のるのにはあまりにも虚構の上に立っている政府であるというふうに考えられるのでございます。この際、いずれが正統政府であるかということに対する判断、私が前段に触れました問題は問題としながらも、はっきり態度をきめるべきときに来ているのじゃないかというふうに思います。重ねて総理の見解を伺うつもりはございませんが、その点も十分お考えを願いたいと思うのでございます。  そこで、中曽根防衛庁長官にお伺いしたいのでございますが、きょうの新聞を見ますると、周総理と藤山愛一郎氏との会談発言要旨というものが出ております。その中に、千島は日本のものである、台湾問題にも触れていますし、日中交流の問題にも触れていますが、軍国主義につきまして周総理が言っております中に、中曽根さんのことが書いてあるのです。「中曽根は、十六年前に中国に来た時はよい青年だったが、どうして軍国主義をいうようになったのでしょうね。アメリカを訪問してからきつくなったのではないか。」というようなことを周総理が言っているということが出ております。これは、中曽根さん、どういうふうにお受け取りになりますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私に対しまして特別の関心をいただいてたいへん光栄に存じております。しかし、私その談話を読みましたが、非常に大きな誤解があると思います。私と話し合ってみれば十分わかってくれるだろうと私は思います。私は、元来、共産主義には反対でありますが、周総理という人は私は非常に敬意を表しておるのです。長い間革命をやって今日の中華人民共和国をつくり上げたリーダーの一人として、ちょうどホー・チ・ミン大統領やドゴール大統領を愛国者として尊敬したように、私も個人としてはそういう過去の業績については非常に敬意を表しておるのであります。しかし、私を変わったと言われますけれども、周総理のほうも変わられたのじゃないか。バンドン会議が終わったときに、高碕先生から私聞きましたが、周総理は非常にスマートで温厚な紳士で、その後も、外国へ行かれると、みんな外国の若い女の子がついてきたと、それくらいスマートな紳士のように思っておりましたが、文革以来非常に向こうもきつくなったのじゃないかと、私もそういうふうに思います。しかし、中国の政治家は日本の政治家よりも非常に弾力性もあり、非常に思慮も深い。なかなか、四千年の歴史を背景にしている政治家でありますから、非常に深みがあると思います。したがって、われわれが息を長く続けて友好親善を考えていけば必ず成就するときがあると思います。安保の藤山さんと握手したのですから、防衛の中曽根と握手しない日がないとは限らない、私はそう思います。  それで、私は松村先生の教えを受けて、ほんとうに中国の民衆と日本の民族との長い友好親善を念願しておる一人でありまして、その点については私は今後とも努力していこうと思っておりますが、日本が軍国主義云々ということは全く誤解であると私は思います。政治家は、お互いに国民とか国家の名誉を背景にしているものでありますから、お互いにやはり民族の独立と尊厳を確認し合って、それを前提にしてやはりつき合っていかなきゃならぬと思うのです。最近、北京放送その他を聞いておりますと、やはり日本の天皇陛下の展覧会や一国の総理大臣を非難するようなことばが聞こえますけれども、あれはおそらく下僚の心なきしわざだと思いますけれども、日本と中国の友好親善の上に私は礼を失したことであって、はなはだ遺憾であると、そう思います。両国の民衆はほんとうに長い友好親善を願っておるのであって、お互いに政治家がそういう障害を取り除いていくように今後とも努力していくべきであると思っております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 この会談の中には、まあ藤山さんがよいという人ならば喜んで中国は受け入れて歓迎するというその中に、「岸信介や野坂参三、宮本顕治などは困ります」と、中曽根さんの名前は書いてないのですね。中曽根さん、もし向こうが来てということになれば、おいでになりますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 機が熟して、適当であると思えば、いつでも参ります。

西村関一日本社会党

○西村関一君 次に、日中覚書貿易コミュニケ、貿易発展の四条件というものが今回示されておりますが、これにつきまして、これをどういうふうにお受け取りになりますか。どなたに伺えばいいか。通産大臣、新聞お読みになったでしょう。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 今度の、何か、貿易についてのと言われたのでなくて、いわゆる四条件ですか。

西村関一日本社会党

○西村関一君 両方です。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 対日貿易のほうの四項目の条件と、それから従来からいわれているいわゆる四条件ですか。

西村関一日本社会党

○西村関一君 いや、今回の調印をされた……。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) わかりました。——ああ、これですか。実はあまり気にしていなかったものでございますから。まあ、いろいろ向こう側にも、こう、主張があるんだろうかなあというぐらいに読んでおります。

西村関一日本社会党

○西村関一君 通商産業大臣があまり気にとめてないと……。覚書貿易というものがどれだけ国民の関心を呼んでいるか、両国の関心を呼んでいるか、または非常に苦心してこのコミュニケが調印されたという経過から見て、いまの答弁は承服できませんですね。もう少しはっきりお答えを願いたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これ、やはり、いままで言われておりますことを、何か、大陸反攻を援助する、台湾と南鮮に資本を投下して、ベトナムなんかに弾薬をどうとか、それから日本にある米日合弁企業及び米国子会社、まあいままで言われていることをまた言っておるわけでございますね。こういうことは、正直を申して、まっこうから批評をしたり、注釈を加えることも、特に必要でないというのが実は私の感じでありまして、従来からそういう感じを持っておりますので、まあ、どうも先ほどのように申し上げるしがなかろうかと思います。

西村関一日本社会党

○西村関一君 宮澤さん、中国との貿易につきましてどういうふうにお考えになっておられるのですか。あまりこの覚書、コミュニケなんていうのは問題にしていないと言われますが、どういう見解を持っておられるのですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは、お互いに多ければ多いほどいいというふうに思っております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 多いようにするためにはどうすればいいというふうにお考えになりますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ほんとうは、できるだけお互いに自由にやると一番多くなるのです。

西村関一日本社会党

○西村関一君 お互いに自由にやるということはどういうことですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 一番理想的な、私どもが理想的だと思います形は、いろいろの障壁をなくしまして、そうして自由な貿易のしかたをするわけです。それが一番、つまりほしいものをお互いに買い合うという姿が一番私はよろしいのだと思っております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 そうするためにはどうすればいいのですか。日本としてはどうすればいいのですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 日本はもうできるだけ御承知のように、自由化に向かいつつありまして、わが国の体制はまず、まあ世界第一とは申せませんけれども、もうそれに近くなっております。残念ながら先方の国情がそうでないということでございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 これは中国との貿易のために、覚え書き貿易のために岡崎さん外の皆さんが非常に苦労してこられたのです。その労苦に対して、いまの通産大臣の御答弁はいかがなものでしょうかね。やはりその労苦に対してこれを多とすると、日本政府としてもこれを前向きにどういうふうに解決するかということに対する、どういうところに障害があるか、根っこがあるか、根っこがあるならば、それを取り除いていこうという努力がなければ、これは日中友好ということも考えられぬじゃないですか。ただ、いまのような吐いて捨てるような言い方ではどうかと思います。もう一度御答弁を求めます。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 実は私は、御労苦を非常に多としている一人であります。ですが、その結果でき上がりましたものについて私の思っていることをほんとうに言えと、ほんとうにここで申しましたら、私はあまりいいことにならないと思いますから、さっきのように申し上げているのです。

西村関一日本社会党

○西村関一君 わかりました。  総理、もう一度お伺いをいたしたいと思います。いま宮澤通産大臣が、ここで言えばかえってよりむずかしくなるから言わぬだけのことだということでございますが、そういうところにも私は一つ問題があるのじゃないかと思うのです。私はここで、もうこれ以上この問題には触れないつもりでございますが、藤山さん、岡崎さんその他与党の方々が行っておられるわけですから、まあ岡崎さんは党の方でないかもしれませんけれども、よく話し合って、中国側がどういうことを考えているのか、どういうふうにするならば障壁を取り除くことができるかということについて、担当大臣を中心としてもっとよく話し合ってもらいたい、そういうことのために総理は積極的な姿勢をとっていただきたいと思うのであります。私は何も経済の問題、貿易の問題だけを中心として日中の問題を論じているのではございません。一衣帯水の海のかなたにあるところの中国大陸に対して、中華人民共和国に対してどのようにわれわれは友好関係を樹立することができるかということについてお伺いをしているつもりでございます。それはさきにも触れましたように、核軍縮の問題、核軍備あるいは核の無条件廃棄の問題等について考えましても、中国を抜きにしては成り立たないと思うのです。でありますから、私はこの問題に時間を使って総理はじめ関係閣僚の御意見を聞いているのでございます。中国を抜きにすることは、中華人民共和国を抜きにすることはできない情勢に世界情勢が来ておるということでございます。  さらにもう時間がなくなりましたので、私は十分に触れることはできませんけれども、インドシナ情勢、インドシナ情勢について考えてみましても、インドシナ戦争はあのような形で拡大の一途をたどっております。いつ終わるかわからないというような状態になっております。その背後には、いま前線がラオスであり、さらにカンボジア、ベトナム、その後方には中国がいる、もはや戦闘は中国と国境を接しているところの地域にまで及んできているということでございます。そういう情勢の中で、この戦争を、このインドシナ戦争を終息させるためにも、私は中国の力があずかって大きいと思うのでございます。そういう点からも中国を抜きにすることはできないということを思いますから、私はただ単に経済の問題とか貿易の問題だけ——非常にあそこにはたくさんの、中国大陸には市場があるというようなことから、この中国と仲よくしようというようなことを言っているのじゃない。こういう情勢の中で、どうしたならば中国と話し合うことができるか、国際外交の中でともに話し合うことができるかという観点から私は申しているのでございまして、その点、もう一度すみませんが総理の御見解をお伺いいたしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 核の問題、これで中国を除くことができないこと、これは先ほど外務大臣もいろいろ答えて、核軍縮等のメンバーになっていただくことを心から喜ぶ、歓迎する、こういう話をしております。それに対しては国連に加入が先決だ、こういうことのお話がありましたが、そのことと核軍縮ということ、これは一緒にできないことかとも思いますけれども、とにかく核が問題になると、今日世界から中国というか、北京を無視はできない、その状況であります。また、インドシナ地域における戦争が拡大している、この後方には中国がいる、こういうことをいわれます。これはしばしばいわれておりますような精神的な支柱であると、あるいはきわめて限られた範囲における物質的な支援も北側にはしておる、そういう事実がございます。だからそういう意味でも、やはりインドシナに平和を望む限り、また今日の紛争が一日も早く終わるように、かように念願する以上、当然中国の果たしておる役割りというものを理解しなければ、これは片づけるというか、また片づくという方向にはいかないだろうと思います。私はただいまインドシナの米軍あるいは南ベトナム軍それらのラオスへの侵入、米軍のほうは私には確認はできませんが、南ベトナム軍が入っていることは事実だ。したがって、プーマ政権からも、とにかく自分の国に外国の兵隊が入っていることは困るから、ジュネーブ会議のように、外国の兵隊は全部撤退してもらいたいということをはっきり言っております。これは必ずしも南ベトナムを云々したというだけではなく、北からの浸透がその以前からあったこと、そこにやはり合わして最近の南ベトナムの侵入、これをとにかく排除しようとする、これに対しまして日本もインドネシアやあるいはマレーシアと一緒になりまして、このジュネーブの会議の議長に対して、できるだけ外国の軍隊が撤退するように努力してほしいという申し入れをしておるということでありますから、この点では日本も日本なりにただいまの状態で積極的な排除の努力をしておると、かように御理解をいただきたいと思います。  ところで、ただいまの北京における覚え書き貿易のいわゆる四原則、こういうものについて私はまあ別に批判するということではございませんが、私のかねての主張から申せば、お互いの立場、それを十分注意していくことと、したがって、相互に理解してお互いの立場は尊重し合う、そうして内政に干渉しない、その二つの事柄が基礎をなすものではないか、その基礎的条件が満たされないと、思うように貿易拡大もできないし、つき合いも自由にできないのじゃないか、こういうことを実は申しております。たまたま先ほどの周四原則と申しますか、その点に触れて通産大臣がお答えしたのがいかにも率直であり過ぎたということで御不満のようですけれども、私が言うような意味で、とにかく貿易を拡大するというならばお互いにあまり条件をつけないほうがいいのじゃないのか、そういう意味でお互いの立場があるのですからその立場だけは尊重し合う、こういうことが基礎になる、こういうことだと思います。私は、まあその以外にもぜひとも相互の理解というか、それが基礎をなすものだということも忘れなくつけ加えさしていただきますが、そういうもとにおいて初めて相互のつき合いも始まるんだ、また仲よくもやっていけるし、そしてだんだん貿易の拡大をもたらす、それが両国民族の国民のためにしあわせになるんじゃないだろうか、かように思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 関連。通産大臣に質問しておきたいと思います。  中国と日本との関係は、現段階では政経分離やむを得ないという立場で、先輩が今日まで非常に苦労しながら今日の段階の貿易を確保してまいっておられるわけです。今回の藤山さんにしても岡崎さんにしても過去のいろいろ実績を踏まえながら、ここ二、三年前非常に悪かったけれども、それを逐次改善して今日の段階の覚え書きを調印されたものとわれわれは承知をしておるわけです。きょうその貿易の担当である大臣があのような発言をされることは私納得できない。この予算委員会で総理並びに今日までわれわれが確認してきたことは、お互いの国の立場があるから政治は政治、現在は分離しておると、われわれもいまその立場は了解しています。しかし、貿易については、特に西日本などは血みどろで大企業も中小企業も零細企業も中国と貿易量を少しでも拡大しようと努力をして、各界各層ともそうです、このようなときに貿易の担当大臣がそのような消極的な、しかもいま総理大臣のことばをかりますと率直過ぎたというようなことで表現しておられまするが、私はそうは思わない。今日までの、いまの通産大臣の気持ちをそのままいま言われたように考える、率直よりむしろそれはいま調印をされて帰られた代表団に対して、かえって迷惑だ、こういうような気持ちじゃないかと思う。ところが、国民の大部分の方はよくやってくれると、それは私どものいま率直な感じじゃないかと思うんです。したがって、さっきの御答弁が私は納得できないので、もう一回御答弁を願いたいと思うんです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) まず第一に、御苦労は私は非常に多としておる一人であるということを申し上げましたので、これは間違いがないと思います。  次に、いま言われましたことは、私の考えでは少しも貿易の話ではないわけであります。  第三に、それでは貿易の話でなくてああいうことの覚え書きが出たのをどう思うかとお尋ねでしたから、私はそれはたいへんけっこうだとか、たいへんけっこうでないとか言えとおっしゃれば申さなければなりませんから、それを申すことは適当でないというふうに申し上げておるのであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 さっきの西村さんの質問はその覚え書きの話をして、外交的なものは外務大臣に聞きました。そのあと通商的な問題に対してどなたにでしょうかと言ったときに、通産大臣としてあなたが立って答弁したんです。したがって、あなたが通商貿易のほかに閣僚を代表して答弁することはできないでしょう。ならばわれわれは、国民は、通産大臣が答弁した以上は通商貿易に対する内閣の態度として聞くわけです。したがって、さっきのような御答弁は、通産大臣の答弁としては納得できないということを言っているわけです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ですから私は、腹の中ではあの何原則というのは貿易の話ではないと思っておるわけです。

西村関一日本社会党

○西村関一君 いま小柳さんから質問された通産大臣に対するところの問題につきましては、私はまた別の機会にお尋ねをしたいと思います。  さらに、総理にもこれからお伺いをするわけでございますが、私はインドシナの情勢に対して非常に憂慮しておるものであります。それはアメリカのためにも私はまことに憂慮すべき状態に入り込んでいっておるというように考えております。特に、インドシナ三国の人たちがどれだけ大きな迷惑を受けておるか、しかも今度のラオス作戦は米軍は空軍で支援、地上の戦闘は南ベトナム南軍の将兵によってなされておる。つまりアジア人をしてアジア人と戦わしめるというニクソンドクトリンがこういう形であの非常に凄惨な一個部隊全滅ということが伝えられておるような戦闘が日夜繰り返されておるという状態であります。こういうことで戦争が終わるというふうに考えられるのでありますか。これを議論しますとたいへん長くなりますが、私は一九五四年のジュネーブ協定、さらに六二年のジュネーブ協定の線に戻らなければいけないという考え方を持っておるのでございますけれども、いまそういうことを論議しておるひまはございません。アメリカが一番おそれておったのは、アメリカがインドシナから、特にベトナムから手を引くならば、国境を接しておるところの中華人民共和国が北ベトナムに入ってくる、南ベトナムに、ラオスに、カンボジアに入ってきてインドシナ全体が中国の勢力範囲になる、そういうことを押えるためにわれわれは多大の犠牲を払ってインドシナに、特にベトナムから、現在はカンボジアの周辺にまで来ておる、そういうことをアメリカは考えておる、アメリカは撤退するために、撤退を可能ならしめるためにラオス作戦をやっておるんだといいますけれども、もともとはこういうダレス氏の考えたいわゆる、ドミノ・セオリー将棋倒し論という立場に立って、中国を押えるという立場に立って今日まで至っておりますことは、この三十年来の経過を見ましても明らかなんであります。そういうことがどんなに間違いであるかということを、私はアメリカの友人たちにも何べんか強く訴えてまいったわけであります。彼らが戦っておるのは、やはり民族自決、祖国の防衛という立場から彼らがあのような抵抗をやっておる。そういう立場に立って決して中国の介入を求めていない、求めていないにかかわらず求めざるを得ない状態に追い込んでいるのはアメリカではないかということを私はいつも言っているのであります。この段階では、私は収拾するのに非常に困難な状態になってきているというふうに考えるのでございますが、この問題に対しまして大局的な見地から総理のお考えを伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 後ほど外務大臣からもお答えを、補足して答えてもらいたいと思いますが、私は、いまラオスで戦闘をやられておるその地域は、ラオスの南に限られた地区だと、かように理解しております。そうして、それはただいまお引きになりましたように、米軍のベトナムからの撤兵を容易ならしめるために一定の作戦行動をしているのだ、それに限られていると、かように私は理解しております。いわゆるドミノ作戦、さらにラオスに侵入して、南だけにとどまらず、さらに北に伸長し、さらに中国にまで入ると、こういうものではないと私は思っておりますので、私の理解するところでは、ただいまの南の地区、その地域が限られておることと、それからそれは米軍のベトナムからの撤兵計画を容易ならしめる、そのためにただいまホー・チ・ミン・ルートの遮断、そういうことの作戦がいま行なわれていると、かように理解しております。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 西村委員がよく御承知のとおり、まずこのラオスにつきましては、ラオスの政府自体が要請しておりますように、ラオスの中立の維持、外国軍隊の即時撤退、主権の尊重というやはりジュネーブアコードの精神に従って自国の安全を保障してくれと、それは全くそのとおりであるというのが日本政府の見解であり、したがって、支持しておるわけでございまして、ラオス政府といたしましても、第一義的にこうなったのは北からの侵略があったからだと、これも第一に言っておりますが、さりとて、そうだからといって、他の外国の軍隊が入ることをジャステファイできないはずであるということもきちっとしているわけでございまして、日本政府としては、この考え方を支持して、それ以後いろいろの措置をとってまいりましたことは御承知のとおりでございます。  それから、現在の戦局についてもいろいろ御承知のとおりでございますけれども、ラオスに限定して申しますと、やはりホー・チ・ミン・ルートとジャール平原を中心とする北部ラオスが焦点になっておりまして、たとえばタイの国境などについては格別警戒しなければならない動きはただいまのところないように見受けられます。  それから、現在のような戦局におきましては、やはり中華人民共和国の態度というものが関心の的でございますし、また、ラオス政府もこれに非常な関心を抱いておりますので、ラオス政府の態度を支持しておりまする日本政府といたしましては、この心配、懸念というものを米国政府にも通じまして、北からの浸透にさらに中華人民共和国政府が形の上においてもあらわれてくるようなことがないようにするために十分の配慮をしてもらいたい、そうすべきであるということは、十分われわれの考え方というものは通じてあるつもりでございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 いま外務大臣の言われたことは、アメリカ側の主張に即して日本政府が見解を申し述べているというふうにしか私にはとれないのであります。それはいろいろ表向きのことは言われたとおりかもしれませんけれども、内実的にはいろんな複雑な問題があることは御存じのとおりでございます。私は、もう時間がありませんので、この質問は外務委員会においてじっくりやりたいと思いますが、私の心配いたしますのは、インドシナ戦争がアメリカをさらに窮地におとしいれるばかりでなしに、そういうことは、これは自業自得といえばそうであるかもしれませんが、そうでないかもわかりませんが、私の心配いたしますのは、迷惑をこうむっています中立国ラオスの人民、カンボジアもベトナムもそうでございます。そういうことを考えながら、何とかしてアメリカも撤退でき、アメリカが心配なく撤退ができる、そういう姿をつくっていかなければならぬのではないか、そのためにはパリ会談も開かれておるのですし、そういうことに対して北側に対しても話し合いをする、アメリカに対しても話し合いをするという場をつくっていく努力を、何とか政府段階においても考えていただかなければならぬのではないか、そういうことから私はこの質問をしているのであります。こういうことでアメリカの主張だけを押し進めていくことによって、決して私は北側が引っ込んでしまうとは考えません。ますます戦局は拡大するばかりだと思うのであります。そういう点を含めまして私の質問を続けておるわけでございますが、時間がありませんので、これは別の機会に譲りますが、もう一度すみませんが、佐藤総理の御見解を述べていただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたしますが、いま西村君から言われるように、われわれは、インドシナ半島でかような戦争が行なわれておること、これはもう一日も早く冷静に、また平和がもたらされることを心から願っておる一人でございます。したがって、いま軍事的にこそ何ら活動はできませんが、平和的手段においての活動、これはこの前、ベトナムからカンボジアに侵入した際も行動を起こしましたが、今回もまたラオスにベトナム軍が侵入した、その契機にまたプーマ首相が外国軍隊を排除する、したいと、そして独立を守りたいと、その意図に敬意を表しながら、それを支持する意味で、すでに日本が三国で共同して申し入れをしていること、これはジュネーブ会議の議長国に対して、今回ラオスの進駐を行なったことでございます。こういう事柄が、私は、いま西村君が御指摘になるように、われわれと同じように社会党の皆さん方も平和がそこに招来されること、そのための努力をしなければならないと思います。ただ私非常に残念に思いますことは、われわれは、日米安全保障条約を通じ、あるいはまた、日米の貿易体制、友好等の関係から、南ベトナムの実情についてはわりに詳細な実情を把握することができます。しかしながら、北ベトナムにつきましては、ただいまのところ国交はないし、また、その実情を把握することもできない。こういうことでたいへんインドシナに平和をもたらすためには、片寄った情報しか入らない。こういうような状態でございます。その辺まことに残念に思っております。私はまあただいま申し上げますように、平和を招来することがまず第一の急務だ、そのためには、南北とも一応戦っておるその姿がおさまるような、平静に帰すような、これはどういうような方法であろうと、とにかくただいま進行しているパリ会談というものが成功をもたらすようにぜひともあってほしい、かように思っておりますし、そういう意味の北側の努力、これについてわれわれも理解もしたいし、また適切なる協力方法も考えて打ち出すべきじゃないだろうかと、かように思います。どうもとかく日本がベトナムの救援、あるいは避難民、難民等に対する救援等にしても、どうも片寄っているんじゃないかと、こういうような一部の御批判があるようでございます。しかしながら、どうも北の事情というものは国交を持たない国でもありますし、その実情をつかむことはまことに困難であります。まあそういうことができれば、これは人道上の面から見まして北を特別に疎外視するというような考え方ではございませんから、適当なる処置もとれるんではないだろうか、かように思います。いずれにいたしましても、両国の戦い、それをとめて、そうして休戦が招来され、さらに休戦状態から平和へ移行する。そういう状態が何よりも望ましいことですから、そういう方向で努力したいものだと、かように思っております。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 以上を持ちまして西村君の質疑は終了いたしました。     —————————————

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 次に小柳勇君の質疑を行ないます。小柳勇君。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は、理事会に、日本医師会長の武見会長かまたは医師会の代表の方を参考人に出席できるようにお願いいたしておきましたが、出席ありません。委員長からその事情を御説明願います。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 小柳君に申し上げます。  小柳君から参考人出席の要請がございましたので、事務当局をして日本医師会長武見太郎氏に折衝をさせましたところ、本日はやむを得ない要件のために出席ができないという返事がありました。さらに、武見会長にかわるべきどなたかに出席を願いたいという交渉をいたしましたところ、副会長は仙台のほうにおられ、また本日は用事があって出席はできないという返事がありました。まことに残念でありますけれども、参考人がさような事情であれば万やむを得ないものと承知した次第であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 理事会並びに委員部の努力には敬意を表しますが、武見会長またはかわりの方が御出席ないこと、まことに遺憾に存じます。  なお、篠原参考人には失礼でありますが、午前中の田渕君の質問に関係のある二、三国鉄問題の前に、質問させていただきたいと存じます。  まず第一は、日本医師会の中医協委員が総退場いたしまして、その後三月四日に医師会長武見太郎の名前で都道府県の医師会長に対して書面が出ております。これは「四月十日までに都道府県単位の医師大会と一斉休診を行なうこと」、その後「その間に保険医総辞退の体制を整備する」、こういう指令であります。日本国民の健康を守り、病気をなおすこの医師会の団体がこれだけの決意をして笛を鳴らした、そのいきさつについて厚生大臣から説明を求めます。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 医療保険の運営のためには医療担当者、また保険でございますから被保険者から保険料を徴収し、また国も国庫負担をいたすというようなことから、診料報酬をきめます場合には医療担当者と、また保険の主体と申しますか、事業主、被保険者を代表する方々、それから公益委員、こういう三者構成をもって構成する中央社会保険医療協議会、ここにおきまして社会保険診療報酬についての厚生大臣の諮問に答え、あるいはみずから社会保険診療報酬についての考え方をきめて厚生大臣に建議をすると、こういう法制上のたてまえになっておりますことは御承知のとおりでございます。  政府といたしましては、一方におきまして、今回健康保険の改正法案をこの国会に提案をいたしておるわけでありますが、それと直接の関係があるわけではございませんけれども、医療制度全体といたしましては深い関係がありますところの、ただいま申しました診療報酬につきましても、いろいろの方面からいろいろの意見があるわけでございますので、つまり、言いかえますと、この医療費の支払いについての適正化、合理化についてのいろいろな意見がありますので、これらの面につきまして各方面からの意見を集めて、そしていま申します三春構成の中医協で公正な検討をしていただきまして、いままでの診療報酬の不適正な点あるいは合理的ならざる点を直してまいる。で、これは私どもの考え方では、診療担当側に不利益を与えるとか、あるいはまた、保険料を支払う側に不利益を与えるとかという考え方に片寄るものではございませんで、主として公益委員を中心として各方面の意見について一つのたたき台のようなものをこの中医協に出していただいて、それに基づいて審議を始めると、こういうことに打ち合わせができておったわけであります。  それで、お話がございましたように、二月十八日の中医協の席上、公益委員の御委嘱によります各方面の診療報酬の適正化、合理化に関するいわばたたき台のようなものを、中医協の事務当局、法律上の事務当局であります厚生省の保険局がつくりまして、中医協に、公益委員の了承のもとに提案をいたしたわけであります。私が報告を受けたところによりますと、このいわば審議用のメモというものは、当日の中医協の各側の代表が、しからばこれをもってたたき台にして、今後これに加えるべきものがあれば加え、また、各委員が代表する集団、団体から見て不適当であるものは削除する等のこともやる了解のもとにこれをたたき台にすると、こういうことで円満に十八日の中医協は済んだということを私どもは中医協の会長から報告を受けておりました。しかるに、この間の取り運びにつきまして、医療担当側のほうで、私の考えるところによりますと、誤解がございまして、あるいはこれは私どものほうのと申しますか、中医協の事務当局の説明不十分というところに起因するかもしれませんが、誤解がございまして、このたたき台というものは診療側にとってはなはだ不適切なものであるし、また、医療保険運営のために知識の足らざるものがたくさんあるというような点を指摘せられまして、先ほど抑せられましたような事態の紛糾というものが生じてまいっておる、こういう次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣のことばじりをとらえるのではありませんが、根本的にその考えが違うのです。それは医療体系の適正化というのは、いまから二年前の六十一国会で、総理も、時の厚生大臣も車の両輪として約束されてあるのです。健康保険法の抜本改正と医療体系の適正化、これが二つの車となって、この今度の健康保険法改正の基礎になります、と。これは自民党の総務会でもはかってある。総理もこの本会議場で答弁されております。したがって、この二つの車が解決されなければ、健康保険法の改正の提案はできないのです。内閣としてはできないのです。それを適正化のほうはいま審議にかけた。中医協にかけましたけれども、これは医師会がいま退場して審議になりません。したがって、時間をとりますから、ほかの問題がありますから、端的に言いますが、中医協から日本医師会、歯科医師会、薬剤師会、三者が退場され、委員を引き揚げられましても、結論が出ますか。出ませんか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 医療保険制度、先ほども私はこの席で申し上げましたように、幾つかある複雑な医療保険制度を抜本的に改正するということと、それからそのこと自体は診療報酬の適正化ということとは違う問題でございますが、しかし両々相まっていかなければ制度の効用を発揮しないものであるという意味から、私自身もこの国会に入りましてから車の両輪論を唱えておるものでございます。しかし、これは事柄自身は別の問題である。左の車と右の車、あるいはうしろの車と前の車というようなことでございますから、どちらが先にということでは私はないと思いますけれども、幾ら制度論が完ぺきを期しましても、その運営が全きを得ないならば問題になりませんので、私は診療報酬の適正化ということにつきましては、今国会に提案した保険法の改正と同じように、力を入れてまいるものであるということはここで説明を補足させていただきます。  なお、医療担当者側が中医協から引き揚げますと、中医協の運営というものは円滑にまいりません。医師会不在の場で診療報酬をいかに合理的にきめたと申しましても、あとに紛糾を残しますことは、これはもう私ども担当者あるいは政治の面からいって争われないところでありますので、私はやはり医療担当側に中医協の席に復帰をしていただいて、そうして要求すべきは要求し、また御意見のあるところは十分戦わせていただくことを目標に、先ほども申したように、事態の推移を見守りながら、泰然自若として、しかも小細工は私は用いないで、また一方においては保険医総辞退でありますとか、あるいは一斉休診とかいうような事態が起こらないような細心の処置を講じながら、この中医協の正常化を私は願っておりますし、またそうなるものであると私は考えておるものでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理大臣も第六十一国会、昭和四十四年七月三十日の本会議で答弁しておられます。「今後二年以内に実現するように最善の努力を払うことは、先ほど藤原君にもお答えしたとおりであります。」、「この修正案を党内で議論した段階におきまして、」云々、自民党の総務会もこれを決議しておりますからだいじょうぶですと約束されております。  それから内田厚生大臣は、四十六年二月四日の衆議院の予算委員会で、診療報酬体系の適正化の問題、「ぜひ今回法律案を提出いたします以上は、同時にそれらについても進めてまいる所存でございます。」と書いてある。法律案を出すときには適正化の改正もやりますと書いてあるのですよ。あなたは答弁しているのですよ、予算委員会で。どうでしょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) いま私がここに二回立ちましたが、立ちました私のお答えも、衆議院における答弁と同じような考え方のもとに私は進んでいることを申し上げたつもりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 診療報酬体系の適正化の答申ができなければ——できないでもこの抜本改正をやりますか。抜本改正と言えますか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 抜本改正につきましては、昭和四十二年の国会、あるいは次いで昭和四十四年の国会におきまして、政府からもその考え方を国会においてその決意のほどを述べておるはずでございます。それを受けまして、昭和四十四年に抜本改正につきましては、社会保険審議会並びに社会保障制度審議会の両審議会に抜本改正の方策いかんという実は諮問をいたしておるわけでありますが、しかし、もう御承知のとおり、これはきわめて広範かつ複雑多岐でありますので、なかなか四十六年から抜本改正を一挙に実施するようなことを期待することはほとんど不可能だというような客観情勢のもとから、少なくとも昭和四十六年度からは抜本改正の第一着手と申しますか、第一歩、また、私は先ほど抜本改正のかけ橋というようなことを申しましたが、そういう意味でのことは四十六年からぜひやらなければならないというのが今度の健康保険法の改正案でございまして、最終的な到着駅ではございません。しかし、これまたいろいろ機会がありましたら御説明申し上げますが、私はかけ橋にはなっていると思いまするし、第一歩であることには間違いないと思うわけでございますから、したがって、既定方針で抜本改正に進みます。  一方、診療報酬の適正化につきましても、これも同じで一挙に本年からできるというものではございません。各国の制度もそれぞれ違いまするし、また、いろいろこの医療保険の発足の段階などの関係もございまして、まあ一口に言えば、いまの診療報酬の支払い方というものは、御承知の現物給付方式であり、出来高払い方式であると思いますので、それを一挙に変えるというようなことはとうていできないことでありますが、しかし、それを出来高払いなり、あるいは現物給付なりという制度をそのまま続けるにいたしましても、その運営のためには、私は合理化、近代化すべきポイントがたくさんあると考え、各方面も同じような意見を出しております。ただし、これらのたくさんある意見もそれぞれ利害が違いますので、全部これらの点も一挙にできないことはいま申すとおりでございますけれども、制度の抜本改正と相並んで診療報酬の適正化、近代化へのかけ橋というようなものだけはぜひ私はやっておきたい。こういう熱意を持って先般来中医協の会長、公益委員、あるいは他の構成委員の方々にもお願いをいたしておりますのは必ずしも決して偶然ではございませんで、私どものそういう意図を反映してやっている次第でございます。その途中のできごとがいま御指摘のできごとでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この医師会の書面を見ますと、この審議用のたたき台に対する不満が一つです。それから健保改悪反対と書いてあります。したがって、この中医協から医師会が退場されたのは、委員引き揚げされたのは、審議用メモのたたき台反対だけでなくて、あなたが出しておる健康保険法の改正案に対しても反対である。したがって、これは反撃するのだという書面が出ておりますが、そういう点はいかがお考えですか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) ほんとうを申しますと、私は診療報酬の適正化に対する医師会の反対、反撃もよく意味がわかりません。当然医師会側がお考えになられても、また支払い側から考えられても、社会の一般の常識から考えられても直したほうがいいと思う点を幾つか——お互いに相矛盾する点はございますが、のせておりますので、たたき台にして悪いものは除去し、足りないものはつけ加えるということでやればいいわけでございますので、今回の医師会の御反対が私は何らかの誤解か、あるいは私どものほうの手続上の手違いによるものであって、本質的な問題ではないと考えると同じように、健康保険法の改正につきましても、医師会が反対だということを述べておりますけれども、今度の政管健保の抜本改正へつながるこういう改正をやらないときには、政管健保というものはほとんど制度の運営ができないような崩壊状態におちいってまいりますことは、この制度を御承知の方はもう気づいておられるとおりでございます。ただ、もう正直に申しまして、医師から申す場合に、患者負担をふやすと、再診療等の改正、そういう点を診療制限になる点があるからというようなことで反対されるとするならば、これは私はわからぬことはありませんけれども、全面的に反対だということになりますと皆保険反対だと、こういうことにもなるわけでありますから、これは私どもの説明不足であり、また、国会などにおきましてもいろいろ御批判がございますので、今後私どもは、この国会を通じ、また国会外におきましても十分説明を尽くしまして、これらの誤解を解いてまいりたい、かように思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理大臣に質問いたしますが、これはもう総理大臣も何回も宣言しておられますことですが、診療報酬体系の適正化がなければ抜本的正はできないということについては、いまも考え変わりませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) そのとおりです。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それだけ聞いておきますと、あとは医師会や歯科医師会の動き、あるいは中医協の今後の結論を見守って、また別の機会に論議しますが、午前中に田渕君が質問いたしましたのに、保険医療機関及び保険医療養担当規則第四条、これは完全に守っておりますかと聞きましたら、守らせますとおっしゃったと理解していいですか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 保険医療養担当規則の中にはいろいろ項目があるわけでございますが、その中の一つの、たとえば被保険者が持っております保険証というようなものに医師が被保険者を診断したときのその病名、その他診断の経緯等も書くことになっておる。しかし、それは書くことになっておるが、かりにそれにガンだと書いて、ガンの処方や薬を書いたならば、患者はそれこそほんとうのガンになって死期を早めるでございましょうし、またこれは皮膚泌尿科だと、こういうようなことを書きますならば家庭争議を起こす、これは間違いございません。そこで、そういうことを書かせる仕組みになっている保険医療養担当規則というもの自身も直さなければならない点もありますので、そういうものを直しながら、私はことにここでほかの点はあげませんけれども、一例として被保険者証を申し上げたのですけれども、医師が守れるようなものにいたしながら、私は医師にも守ってもらうと、こういう方向をとりたい、とるつもりでございます。かように申しました。そういうことでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣は、そうすると、現在はこれを全然守ってないということですね。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) そのまま守り得ないような状態になっておりますので、守っていないと思いますが、これは政府委員から答弁をお許しをいただきたいと思います。

戸澤政方厚生省保険局長

○政府委員(戸澤政方君) 療養担当規則は大体において守られているわけでありますが、その中の被保険者証の記載事項につきまして、いま大臣が申されましたような一部の内容について完全に履行されておらない面があるわけでございます。しかし、これはそういういまの記載事項の中に、やはり運用上十分適当でないと思われるようなものもありますし、また医療機関の側から見ますと、事務簡素化というような面からいろいろな要望もございますので、十分今後そういう面につきましては直すべきところは直すように検討を加えたいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣ね、いいかげん——まあ、いいかげんと言いませんけれどもね、これは法律、健康保険法の第四十三条ノ三、第四十三条ノ六、それから同法施行規則の第二十三条によって義務づけられておるわけですよ。保険医療機関及び保険医療養担当規則第四条にちゃんと書いてある。規則ができておるわけでしょう。それが全然守られてないでしょう。いま政府委員から聞きましても、いろいろ抽象的に言われますけれども、全然理由になっていないんですよ。こういうものが守られると、けさの、午前中に田渕君が言ったような——私は不正はないと思いますけれども、いろいろ新聞に出てきますね、そんなものもあるいは防げたのではないかとみな思うわけです。わざわざ記入義務を保険医の記入義務規定と書いて規定してあるものが全然守られてない。いろいろ理由がありましょうが、もう少しその理由を具体的に言ってください。そうして守らせなければならぬですよ。法律を守るということについて一生懸命論議しているんでしょう。もう少し具体的に説明してもらいましょう。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 政府委員から具体的に説明さしたいと思いますが、私が申しました趣旨は、いろいろの社会人間性から考えて守り得ないような、そういう規則になっておる部分も私にはあるように思います。これは私は医者をかばう意味では決してございませんが、先ほどの病名とか、あるいはその病気に対する診断とか、あるいはそれに対する、どういう薬を盛り、どういう注射をし、どういう検査をしたというようなことを書きますと、これは医療費請求の際の突合といいますか、審査には便宜でございましょうけれども、その保険証を持っておられる人あるいは家庭に対しては非常な迷惑を及ぼすようなことになりますので、その辺も十分に考えまして、私は医師に対して正しい姿勢を求めますと同時に、実行できるようなやはり保険医療養担当規則というようなものも検討をしてみたいと考えるわけでございます。

戸澤政方厚生省保険局長

○政府委員(戸澤政方君) 被保険者証の中に書くべき事項が幾つかきめられているわけでありますけれども、その中でなおった日——転帰と言っておりますが、なおった日などを書くようになっております。それからまた患者がそのつど一部負担等を払った金額、請求金額、これなどを書くことになっております。しかしこれは患者にしますと、またAの医者からBの医者へ回るというような場合もございまして、これを一々その被保険者証を医者のところに預けておくというのが不便であるというようなこと、また医療機関のほうからしましても、こういったものを一々書くのはなかなかわかりにくい、転帰の日などはわかりにくいというようなこともありまして、これが十分に励行されておらない面があるわけでございます。その他の部分につきましては、大体担当規則どおりに励行されていると思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その他のほうは問題にしていないのです。この第四条をいま問題にしておりまして、これは田渕君が午前中に質問しましたから、これはやっぱり一番問題でありますから、質問しているわけです。したがって、抽象的にいろいろ聞きましたけれども、具体的にはまた一般質問もありますから、聞きましょう。これは一番皆さんがやっぱり法律をつくったんですから、規則をつくったんですから、つくった以上は守る、そのことが国民の一番しあわせになることだと私は信じますから、また一般質問で質問いたします。  次に総理大臣、けさの健康保険法の話に返ってまいりますけれども、田渕君には、健康保険法をどうしても出しますとおっしゃったけれども、これはもう病人も、それから医者も、医者の団体も反対をしているわけです。おそらく健康保険法をこの国会で審議をしないということがきまらなければ、日本医師会は中医協にお帰りにならぬのじゃないかと私は判断いたします。それでも強引に、この前の四十四年みたいに皆さんだけで強引にでも可決する決意ですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私はその強引とか、単独だとか、そんなことをいまの段階で考えておりません。これはもう国会に提案した以上、皆さん方も審議されるのは当然だと思いますし、私は御審議をいただけるものだと思っております。その上でどういう結論が出ますか、これはもういま私、先ほど来抜本改正ということが云々されておりますが、なかなか一ぺんに抜本改正はできない、まあ第一着手として今回提案しているわけですから、それらの事情を御理解いただくなら必ず御審議がいただけるものだと、かように確信しておりますので、どうぞよろしくお願いします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの問題は、総理もさっき約束されましたように、抜本改正と医療報酬体系の適正化は車の両輪ですから、これが完備しなければ健康保険法の抜本改正はないのです。それは総理も本会議で声明しておられますから、その線で、健康保険法はもうこの国会では審議しないように、ひとつ早急に閣議できめてください。  次の質問に入ります。次は、国鉄再建の問題であります。この前のわが党の木村禧八郎委員及び関連した羽生委員の質問で、総理大臣並びに大蔵大臣に、日本国有鉄道はもう公益性を捨てて独立採算制、独算制、いわゆる私鉄のように運営するように腹をきめたんではないかと質問されました。それに対する答弁が私にとってあいまいだったから、まず大蔵大臣に答弁してもらって、あと総理大臣に答弁を求めます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 国鉄は公営企業であります。——公共企業であります。この性格を変更するという考え方は、ただいま政府部内ではどなたも持っておりません。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま大蔵大臣からお答えをいたしましたが、小柳君にしても私にしても鉄道出身でございます。したがって、国有鉄道はどういうものであるかよくわかっております。これはもう一私鉄とは違う、もちろんその公共性は高く評価さるべきものだと、かように私思っております。しかし公共性が高く評価されるから独立採算はしなくてもいいんだとか、合理化はしなくてもいいんだとか、これは論理の飛躍だろうと思います。やはり国民の負担にならないように、採算がとれるようにあらゆる努力はしなきゃならぬものだ、これはもう当然のことだと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 昭和三十六年から四十六年まで合計二兆九千億の借金をして設備投資しているわけですね。そして現在の日本の高度経済成長をなし遂げました。国の大動脈でしょう。公共性ということも十分私も承知しております。したがってそういう前提で質問いたしますが、この前総合交通体系ができるまでは今度の予算は暫定だというようなことをおっしゃいました。この点について大蔵大臣から御答弁を求めます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 四十六年度の予算までに総合交通体系が整っておるとたいへんよかったと思うのです。ところが、まあ非常にむずかしい問題なんでそれが間に合わなかった。間に合わないといって国鉄の運営を放置することはできない。そこで暫定措置、まあ完全ではありませんが暫定措置を講じました。そこでさらにこれをどうするかという問題につきましては、これから総合交通体系、これはあるいは道路の問題あるいは地下鉄の問題、あるいはフェリーボートの問題、航空機の問題、いろいろありますが、それらとの総合的な関係を調査しまして、それらの総合交通力の中において国鉄をどういう位置づけをするか、こういう角度から国鉄のあり方を再検討したい、こういうふうに考えておるんでありまして、これからの課題がまさにその問題になってくるわけであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 経済企画庁長官に質問いたしますが、いまも総合交通政策の必要性をおっしゃいました。新全総などでも交通機関の重大さを考えてありますが、日本国有鉄道というものをこの国土開発の中でどのように位置づけておりますか。

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) 総合交通体系の充実をいま急いでおるわけであります。その中において国鉄の職能のあり方、役割りの分担のあり方、そうしたものを検討するわけでありますが、同時に国鉄再建問題、これはまた別に国鉄の企業、公社としての経営の問題でもあります。でありますから、そうした別の角度もございまして、これはこれでもって総合交通体系の調整と平行して、同時に国鉄再建問題として運輸省を中心にして検討を進めておるところであります。何と申しましても、いわゆる大衆交通機関の雄たるものでありますから、今後におけるやはりその地位というものは非常に高いものでございます。そういう意味においてわれわれとしても十分検討しなきゃならぬ、こう考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 運輸大臣に質問いたしますが、いま経企庁の長官が、運輸省を中心にして総合交通体系を確立するとおっしゃいましたが、いつどこで、どういう形でこの体系ができるものか御説明を願います。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 総合交通体系と一口に言いますけれども、なかなかむずかしい問題でありますが、現在運輸省でも昨年から基礎的な調査は進めておるわけであります。まあ経企長官は運輸省を主としてと言っておりますけれども、これは道路問題が総合交通の体系では大きな役割りをいたしておりますので、もちろん運輸省も十分に準備をいたしておりまするが、この総合交通体系につきましては、運輸省としては運輸政策審議会、これには諮問をいたしております。昨年の十二月に諮問をしまして、私としてはできるだけ——四月中にも諮問を得まして、そうしてまあ経済企画庁を中心とする総合交通体系を考える懇談会の中で、昭和四十七年度の予算編成には、その総合交通体系のもとにおける国鉄なりあるいは航空なりあるいは港湾なり、こういうものを含めたいわゆる連なった予算の要求をいたしたい、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もう少し具体的に話してもらいたい。それはもう新聞、雑誌などで大蔵省案とか運輸省案とかいろいろ出ておりますね、そのこれからの見通しなどが。運輸大臣はいまどういう腹づもりで——いろいろ諮問をしておられるようですけれども、どういう見通しを持っておられるか、運輸大臣の腹を聞きたい。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 御質問の趣旨は、まあかなり経営上の問題にもからんでといいますか、赤字問題にもからんでのお話だと思いますけれども、一応私たちが運輸政策審議会にかけておるものの考え方は、新幹線というものはどういう役割りをするんだと、あるいは在来線はどういう形をとるかと、また大都市交通圏というものはどういう形でどういうような姿がいいか、あるいは宅地等の問題ももちろん入っております。こういう形で、いまおそらく小柳さんの考え方は独立採算制の問題と関連して、この経営問題等についてまで諮問しておるかということでありましょうが、その点は別個の問題になりますので、体系として、いわゆる投下資本の問題等は別個の形でこれは考えていきたい、こう考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 内容がよくわかりません。それではいまの国鉄の赤字、国鉄は赤字で崩壊寸前だと言われておりますが、国鉄の赤字の原因は何でしょうか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 御質問はそこにくるだろうと思ったんですが、それは先ほどの企業——国鉄と私鉄はどういうような区別があるかというところに関連があるわけです。そこでおそらく、小柳さんは国鉄御出身で非常に御理解ありますから、国鉄の使命は公企業体として全国開発のあるいは交通の大宗を握っているじゃないか、したがってそれが赤字であろうと黒字であろうと、当然いわゆる国家的使命を持って行なうのであるから、赤字が出るからこれを私企業並みに、いわゆる完全な独立採算制という考え方はおかしいんじゃないかというような御質問だろうと思うんですね、根本から言うと。そこでおっしゃるとおり、私も国鉄というものは全国開発の大きな柱の責任を持っておる。したがって——ただ最近御承知のように、かつての国鉄が、いまから十年なり二十年前の時代と変わってまいりまして、ことに最近は、いわゆる全国の規模において開発が行なわれつつある。たとえば東京とか関東中心とか、大阪中心とかということじゃなくて、あるいは東北、北海道までいわゆる産業規模を拡大していかなければならぬと、そういうような意味において新幹線計画が行なわれる、あるいは在来線の計画も延長していく、当然ある時期においてはこれらは赤字である、こういうことからして、国鉄が国土開発の大きな使命を持っておる以上は、ある程度の赤字はやむを得ないんじゃないかと、それに対していわゆる政府は考慮すべきであろう、こういう御意見だろうと思います。  そこでその基本的な原則は私はそのとおりだと思います。したがって四十六年度の予算におきましても、国のいわゆる財政助成金と言いますか、助成金がまあ利子等を含めまして二百九十億円、ことしは初めて比較的大きな金額が一般会計から繰り入れられたわけでありますが、もちろんこれは先ほど大蔵大臣からお話があったように暫定的な措置であって、これで国鉄の赤字を解消できるとは考えておりません。国鉄の赤字問題については、御承知のように二万一千キロ、この中で約一万キロというものは、半分五千キロがプラスであり、半分の五千キロはマイナス、合わせましてこれはツウペイになります、一万キロは。あとの一万一千キロというのが相当に重荷になっている。特に最後の二五〇以上の営業係数を持っておる六千キロというのが非常な重荷になっております。そこで昨年からいろいろ検討されておりまする地方交通線というものは、これを国鉄が赤字を背負うということは無理じゃないかと、しかも地方交通線といえども純国家的な開発の意味もある、あるいは純粋に地方的な開発の意味だけしかないものもある。あるいはものによっては道路に変えなければならぬところ、変えてもいいところもある。しかしながら最近の地方における中都市、小都市あるいは工場の分散、こういうところからして通勤通学の使命もあるのであるから、その意味においては地方開発の大きな役割りがあるなれば、しかも道路に変えることができないところは、あるいは地方交通線に対しては国なりあるいは地方公共団体なりがある程度のめんどうを見てもらう、積極的には地方交通会社という鉄道会社をつくってもいいのですが、何らかの方法で国鉄から将来ともに、いわゆる国鉄がやらぬでも済むものは一部分を引き離してはどうであろう、これがまず一つ。  それからもう一つ、従来のいわゆる赤字と言いますか、借金でありますが、これは十年前の昭和三十五年と現在を比べますというと、昭和三十五年度においては総収入の大体五%ないし六%が利払いの金額であります。最近はそれが一六%に上がってきておる。これはもう実際上これでは借金の利払いだけで一六%になれば、とうてい国鉄の経営は成り立たない。そうなりますというと、そのいわゆる利払いというものをどこかで見てやらなくちゃならぬ。これはまあ大蔵大臣とも昨年来から協議をいたしております。四十六年度の予算では従来六分五厘でありました利子に対して、これを五分五厘、一分引き下げて、一分だけを国のほうから見てもらったが、これじゃ私はまだ不満足であります。もっと思い切った利子補給をやらなければまず国鉄の再建は成り立たない。しかしそれだけじゃない。  第三には、国鉄自身がやはり合理化、近代化を積極的に進めなけりゃいかぬと、まあ一生懸命にやっておるようでありますけれども、第三者から見るというと必ずしもまだ十分だとは言えない。その意味においてはやはり一方において近代化、合理化を進めて、さむらいの商法であってはいけないわけであります。こういう意味においてもちろんこれだけでも済みませんから、適当な機会には、国鉄の料金は他の物価に比して安いのでありますから引き上げも考えざるを得ないが、しかしその前提としては国鉄自身がやっぱりみずからえりを正すと言いますか、合理化、近代化を行なう。政府もまたできるだけの範囲内において財政措置をしてやると、こういう前提があってはじめて料金の値上げを国民に訴える、こういうことができるのでありますから、まあいろいろな問題がからみ合っておりまするが、それだけに複雑多岐ではありましても、もうここ両三年の間に徹底的な対策を行なわなければ、いわゆる救うことのできない状態になるであろうと、これを心配いたしておるわけであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 まだ合理化の話までいってないのです。合理化について私は全面的にただ反対、反対じゃありません。ただ私が聞いているのは国鉄は赤字で崩壊寸前だとおっしゃる、その赤字の原因は何ですかと聞いたわけです。大蔵大臣に質問いたします。国鉄の赤字の原因は何でしょう。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは世の中が非常に変わってきまして、たとえば道路ですね。自動車の運搬する貨物輸送力、これが国鉄を食う。こういうようなことですね。時代の変化ということが国鉄赤字の最大の原因である。そういうふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この前からしょっちゅうそういうことを聞きますけれども、それは広い大臣の目で見られますと交通体系の変化と映るでしょうけれども、国鉄オンリーで見ますと、ちっとも変わっておらぬのです。客車も貨車もフル運転しているわけです。人間もフル運転しているわけです。国鉄自体から見ますとちっとも交通事情は変わっておらぬのです。それで年々赤字が累積していくのです。そこに問題がありますから、それを解決しなければならぬのです。総理大臣いかがでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いまのあり方の運賃制度そのものにこれどうも実情に合わないものがある。やっぱり送れば送るほど損がかさむ、こういうものもございます。また基本的にはあるいは公社をつくったときの資本構成からさかのぼって考えなきゃならないようなそういうものもあろうと、かように私は思います。とにかく国鉄の中身というものはずいぶんわかりかねているものがありますからそういうものが国民に納得がいくように説明してもらいたい、かように思います。いまだいぶ直してきたと思いますが、それにしてもたとえば定期券、これなぞはまだ採算のとれるような状態じゃないのではないですか。だから採算がとれないものだと、したがって、そういうような状態のお客さんはたくさん送ってもこれじゃプラスにならないわけですね。たくさん送れば送るだけマイナスがふえるのです。そのための車両も要るし、施設も客不相応のものをつくらなければならない。だからやはり運賃の適正化というものも一つの問題だと思います。だけれども、これはなかなかいままでの経過がございますから、一朝一夕にそこまでには手をくだせない。これはもういままでも運賃改正と取り組んだ際に、この前の改正だけでこれで終わりではありません、あとまだ二回ばかりやらなければなりませんということを申し上げたつもりであります。そういうようなことが計画されておると、そういうことを踏まえて、初めて考えていかなきゃならぬ。それはそれ、また先ほど来触れましたように、その次に私も言うつもりだと言われるが、やっぱり合理化の必要もございます。増収計画と合わせて合理化の必要がある。かような点を指摘しておきます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 来年度の予算を見ましても収入が一兆一千六百億円ですね。それで経営そのものは二千二百くらいは黒字です。いままでの借金払いとか、たとえば公共負担が五百億、山陽新幹線はまだ営業もせぬのに二百七十二億の利子を払わなければならぬ、あるいは市町村の納付金が百十四億、こういうような実際の業務で、収入支出ではなくて累積の長い間の歴史の日本国有鉄道、その財産の投資したもの、そういうものの利払いをいまやっているのでしょう。運賃の問題じゃございませんですよ。まあそういうことはあとでまた最後の問題ですから、時間がありませんですから、ここで詳しく討論できませんけれども、したがって、私は山陽新幹線の建設もありまして、片一方ではAB線、CD線を建設しておる。片一方では口ぐせに言う合理化でしょう。納得できないですよ。国民も納得できないが職員自体も納得できない。ここの線は建設しているが、次の線では廃線、廃線ですね。したがって、あとまだ具体的にありますけれども、磯崎総裁に国鉄のやっている新線建設の実態について御説明を願います。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 現在国鉄がやっております新線建設は主として新幹線、あとは現在線の改良工事等でございまして、いわゆるABCD線はこれは全部建設公団がやっているわけでございまして、私のほうは山陽新幹線を現在建設中でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 鉄建公団の総裁に、現在の鉄道建設線の現状、それから貸し付け線の運営の実態及び竣工間近になって竣工できないような実態について御説明願います。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○参考人(篠原武司君) ただいま国鉄総裁から御答弁申し上げましたように、山陽新幹線以外鉄道公団で建設をいたしております。そのうち、地方の開発に資する線をAB線と言っておりますが、C線は交通の幹線に当たるものをやりますし、それからD線と言っておりますのは、東京の外環状線とかあるいは湖西線というようなもりでございまして、国鉄のほうから見ますと、このD線をなるべくすみやかにやってくれという御要望が非常に強いのでございます。AB線につきましては、できますとこれを国鉄に無償で貸す。したがいまして、利子のつく金は使えないという形になっておりまして、政府出資または国鉄出資をこれに投入いたしまして建設しまして、完成した場合には国鉄に使っていただいているわけでございます。それからC線、D線は利子のつく金を使います関係で、これを償還しなければなりませんので、したがいまして、二十五年間の均等償還という形にしまして国鉄から使用料をいただいております。  そういうような形で、実際国鉄に与える影響と申しますと、無償の金を使っている線区については、わりあいに赤字の額が少ないのでございます。世の中で一応言われておりますような形にはなっておらないというふうに私は信じております。それから現在まで開業しております線区は三百三十八キロ開業いたしまして国鉄に使っていただいておるわけでございまして、そのうちAB線に関する国鉄に対する赤字額というものは約三億未満でございます。これは一応四十四年度末でございます。それで、念のために申し上げておきますけれども、一キロ当たりの赤字額というものが一番問題になるのじゃないかと思います。営業係数ということでなくて、一キロ当たりの赤字額ということになりますと、AB線につきましては二百万円ぐらいでございます。それからいわゆる国鉄全体のいわゆる黒字線を除いた赤字額を一キロ当たりに換算いたしますと、一千三百万円というような形になりますので、当公団としましては、AB線がそれほど——赤字が出ることはまずいのでございますけれども、いままでのいきさつ、また公共的な立場で建設しておりますので、その程度のあれはまあしかたがないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは具体的な問題ですけれども、せっかくけさの毎日新聞に出ておりますから。油須原線は竣工寸前で、工費十九億円を使ったこの線が開通できないのですけれども、どういう事情でしょうか。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○参考人(篠原武司君) 油須原線は、油須原−漆生間二十七キロございます。これは四十一年の三月に一部、つまり漆生から豊前川崎までの十七キロが開業いたしたわけでございますが、現在残っております豊前川崎と油須原間の約十キロでございますが、そのうちの大任−油須原間付近を除きまして路盤工事は大体完成しております。本線は、当初筑豊炭田の石炭を苅田港に短絡輸送するということで、石炭輸送のコストを引き下げるという意味で出発したのでございます。しかし、エネルギー革命によりまして、筑豊地区の炭鉱がだんだんに閉鎖してまいりまして、貨物輸送を主眼とするのは適当じゃないのじゃないかということで、産炭地振興もからみまして旅客輸送に切りかえたらどうかということで線路匂配、それから田川線との取りつけの変更、そういうようなものを検討いたしまして開業設備を進めたいということでやっているのでございますが、こういうような検討につきまして、国鉄としていまいろいろお考え中だというふうに聞いておりますので、私どもとしましては、なるべく早くこういうような問題も処理したいというように考えているわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国鉄総裁には、廃止線の方向ですけれども、八十三線区の廃止がきまりまして、幸袋線が第一番に廃止された。ところが一部文句があるようですけれども、これは小さい問題ですが、それでも地元にとっては市議会の問題になっておりますから、いま篠原総裁の話では、もう竣工寸前で、国鉄のほうでいろいろ——これはできたら赤字になりますから、国鉄としてはそれをやれぬでしょう。そういう点をひとつ事情を説明してください。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) ただいまお話しのいわゆる現在運営しております赤字線の問題でございますが、おととしでございますか、八十三線区、約二千六百キロを廃止すべきだという諮問委員会の勧告を受けまして、その後各地でいろいろ御折衝申しておりますけれども、残念ながら現在まで実現いたしましたのはわずか二線でございます。これにはいろいろ理由がございますが、一つには、先生が先ほどおっしゃいましたように、片っ方でAB線、いわゆる当然赤字になるということがわかっておるものをつくりながら片っ方で廃止するのはおかしいと、非常に素朴な感覚での議論が非常に強いわけでございます。私どもといたしましては、何もABC線が全部要らないとは申しておりません。しかし、すでに数年前にきまった、この非常に環境の変化の著しい数年前にきまった、いや、もう十年以上前にきまりましたABC線をこのまま建設することがはたして妥当かどうかということは、もう一ぺんこの段階で考えてみる必要があるということを私確信いたしております。したがって政府におかれても、ABC線は再検討するということをはっきり閣議決定できめてくださっておりますので、私は、ぜひABC線を再検討して、ほんとうに二十一世紀に必要なものはつくる。しかしつくってもどうせたとえばいまの油須原線ですと、旅客が約二百人でございますが、二百人のお客さんを送る、しかも並行にりっぱな道路がございますので、二百人の人を送るために鉄道をつくる、そうしてばく大な赤字を出す——あれは大体百円の収入をあげるのに千円かかる線でございます。これが結局国民の負担になっておる。こういうものをはたして全部現在手をつけておる五十何線をやるべきかどうか、これが非常に私は問題だと思うのでございます。したがって、私は、一国鉄の立場というよりも、むしろ交通機関を預かる一人といたしまして、ぜひ現在建設中のABC線はここで再検討して、ほんとうに来世紀に対して必要なものはつくる、そうでないものはやめるという英断を、ぜひ私は政府にとっていただきたい。それが総合交通体系だと思っております。とかく総合交通体系と申しますと、飛行機と新幹線、あるいは長距離有料道路というふうな非常にはでな、いわゆる青い鳥的なお話が多いのでございますが、いま私がぜひお願いしたいいわゆる総合交通体系と申しますのは、地方交通あるいはローカル、過疎地域における交通を一体鉄道と道路でどうやっていくのかというこのどろまみれの総合交通体系を私はぜひ救っていただきたい。これが第一の仕事だというふうに私は思います。したがって、いまの油須原線の問題にいたしましてもあるいはほかの線の問題にいたしましても、今後ぜひそういう総合的な交通体系、地域交通の総合的な交通体系の中でこの問題をきめるべきである。一地域一地域の問題、たいした額じゃないから、赤字でもやれというふうな議論には納得できないというのが私の立場でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もう一問国鉄総裁に質問いたしますが、八十三線区のいま廃止がきまっております。その廃止の進捗状況、地方自治体などとの話し合いの状況、それから具体的に例が出ました八十三線区のトップに福岡県の幸袋線が廃止になりました。そこで某党の代議士まで加わりまして、引き込み線を一つ残したから市議会で問題になったということまで書いてありますが、そんなことあってなりませんが、聞きますと、線路をやめるかわりにその路線にバスを確保するという約束があったと、ところがまだバスもないいと、こういうことを地元では、市議会でも言っているようですが、こういうもの、いままでの八十三線の廃止線の話の進捗状況とこの問題について御答弁願います。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 先ほど申しましたとおり、八十三線区のうちで現実に廃止いたしたものはわずか二線でございます。おのおの条件が違っておりまして、たとえば幸袋線の場合には廃止、結局線路が都市交通のじゃまになるということでやめてほしいというふうな積極的な意見も出た面もございます。したがって、私どもといたしましては、その線路敷に市に払い下げいたしまして、そしてこれは市の道路交通として確保すると、こういう約束になっております。すでにこれは払い下げを完了いたしております。それから北海道でいたしました根北線、これはずっと北のほうでございますが、これは地元からは、いろいろ私のほうでできるものの御要求がございます。これは全部やったつもりでございますが、ただ一つ並行道路の舗装をぜひしてほしいと、それに国鉄が協力してくれというお話がございましたので、私ども、大蔵省なり建設省に伺いましていろいろお願いいたしまして、幸いに並行道路の舗装をしてやるということになりまして、これも話がついております。そのほか場所場所によりまして現在話の進行しておりますある地域では、いま先生のおっしゃったように、ぜひ国鉄バスを動かせと、しかしそういたしますと、また今度地元バスとのいろいろ競合問題がございまして、必ずしも地元バスが納得しないというふうな問題などもございますが、ケース・バイ・ケースで非常に地元から出てくる条件が違っております。もちろん廃止の権限は私のほうに、国鉄総裁にございますけれども、これには運輸大臣の御承認がなければ廃止できません。現在の慣例といたしまして、運輸大臣が廃止の承認をされる場合には地元市町村の同意書を必要といたしております。したがって、私どもといたしましては、幾ら廃止いたしたくても地元市町村が同意書を、形式的なきちっと形のまとまった同意書をくださらない限り廃止できないというのが現状でございまして、残念ながら今日までわずか二線の廃止がきまったというだけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 幸袋線。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 幸袋線につきましては、先ほど申しましたとおり、地元との話し合いでは、線路敷を道路にほしいということだけでございまして、それにバスを走らせるお約束はいたしておりません。一部のそういう御要求もございましたけれども、地元のバスで十分足りるということで線路をひっぱがして、そしてその線路を道路敷にすると、現在並行の道路がございますので、並行道路と一緒に道路敷にするということでもって地元とお話がついております。そして条件といたしまして国鉄バスを走らせるというお約束はいたしておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま、この新聞に書いてあるようなこと、あるいはその他調査中でありますから、別の機会に最後の問題は論議いたしますが、廃止線の間に建設線があるのが二十七ございます。そういうものを運輸大臣は——廃止する権限も建設する権限も運輸大臣にあるんでありますが、いかがお考えでございますか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 二つの事柄があると思いますが、いま廃止につきましても地元のいわゆる同意書がなくちゃできないということもありますし、それから新線建設、なるほど形の上では一方を廃止しようという予定線のまた延長工事をしておるということでは、国民感情から見て変な感じを抱くことはおっしゃるとおりであります。この問題については、これは当然磯崎総裁が言いますように、根本的に検討し直す必要があろうと思います。ただ問題は、地域住民のいわゆる交通——足を奪うことでありますから、長い間かかっていわゆる新線の建設にとりかかって、まだ開通しないのからやめるということになると、なかなか地域住民の理解を得るのにむずかしい問題がありますけれども、一応この交通総合体系、こういう事柄が問題となり、そのもとにおいて国鉄のあるべき地位及び地方交通線のあり方等が検討されます段階においては当然この問題は考えていかなければならぬと存じて、いわゆるこの準備調査といいますか、それらの調査は国鉄を中心にして進めておる状態であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理大臣に、ただいまの運輸大臣の話によりますと、建設線ABCについては再検討しなければならぬとおっしゃっております。その地図にありますように、この廃止がきまりました両方の赤字線の間に建設線が進んで譲るわけです。もう全くこれは時代の、何といいますか、ナンセンスですね、いまのことばで言いますと。そういうことが堂々とまかり通っておるところに交通政策の混乱があるのではないか。もう出先機関、輸送第一線では、職員は疲労こんぱいしております。朝から晩まで、いわゆる合理化、そしてもう隣のほうでは建設線が進むかと思うと、こちらのほうでは廃止、無人駅がたくさんできつつある。私どもの地元、荒木大臣の地元でも、久大線、鹿児島本線に最近たくさん無人駅ができました。たとえば幹線は国鉄でやって、地方線は地域にまかすにいたしましても、人がおらなければ運転できないのです、営業できないのです、鉄道は。電話も電気も中央から末端まで開通しております。どこをぶった切ってもそれはもうその独自の営業しかできないでしょう。そういうような特殊な組織にあるものを、ただ机の上で、あめ細工みたいに予算の都合だけで考えては私はできないと思うが、いかがでしょうか。総理大臣の答弁をお願いします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま小柳君から地図を見せられました。これは国鉄労働組合でつくられた地図です。間違いはない。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それは別に言わぬでいいです。きまったものです。国家できめたものです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま赤あるいは青としていろいろお話がありました。先ほど運輸大臣がお答えいたしましたように、これらのことを研究すると、こういうことでございますから、そのとおり研究を待って、その上で判断をするつもりです。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、いま末端で血みどろで対決をしながら、地域とも対決をしながら進んでおりまするこの無人駅とかあるいは合理化とか、そういうものも新線建設も、しばらく計画ができるまでは小休止すべきだと思うが、いかがでしょうか、運輸大臣。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) お話は、無人駅とか貨物駅の集中化は、いまのAB線等の新線建設の整理がつくまではやめてはどうかというお話ですか。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうです。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) これはちょっと話がわかりにくいんですがね。無人駅をつくること、これは要するになるべくよけいな人を集中的に使いたいという、いわゆる労働力省力化ですね。でありますから、これは労働強化にはなりませんよ、無人駅ができたからといって。かつまた、ことにこの貨物駅の集中化は、労働力をある程度一カ所に集中して、そうして能率的にやろうというんですから、どうもその話とはちょっとかみ合わぬような気がいたします。ことに最近、この無人駅についてはかなり地域でもだいぶ了解が得られてまいりまして、これは、いわゆる反対はありますけれども、当初よりは理解が進んできておる。同時にまた、私は、地方交通線といいますか、交通線、通勤線につきましては、あるいは従来のこの五キロ、六キロという幅をもっと短くして、たとえ三百人、五百人の人でも人を使わないのであるなれば、これは金がかからぬわけですから、そこで、ある意味においては、通勤通学の必要のある線は区間を短くして無人駅化を行なうということも一つの方法であろうと思う。これは収入の増にもなるわけであります。そういう意味におきまして、国鉄が一生懸命に近代化をはかっておるのは、むだな労力を——むだなところで従業員を疲らせないようにしたい。こういう配慮も含まれておるのでありますから、したがって無人駅化をここでとめる考えは持ってはおりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 単に小さく、無人駅という狭義に考えないで、いま申し上げるように、線路を廃止するにしてもあなたの決定、新線建設はあなたの決定だ。しかもそれは矛盾だらけでしょう。いまの地図にあるとおりですね。そうしますと、たとえば駅を一町に一駅ぐらい置いてくれというのがいま地域の自治体の要望ですよ。ここに温泉がございますと、お客が来ます。そこは一人かもしれぬ。そのお客が温泉をたずねてだれが一体案内しましょうか。駅はもうぼろぼろ、一年たったらほとんど使いものにならぬでしょう、駅舎は。国の損害じゃございませんか。そういうところがいまばらばら起こりつつある。それは合理化のために合理化をやらなきゃならぬ、人間が直っていきます。しかしそれが今度は幹線を国鉄がやって、支線を地域に移譲したときにはどうなりましょう。またやはり人を入れなきゃ営業にならぬのです。二年たつか三年たつかわかりませんけれども、目の前に見えているでしょう。いま総合交通政策をつくると言ったでしょう。総合交通政策をつくらなければ、国鉄は崩壊ですよ。これは交通事情の変化は皆さん非常によく知っている。したがって、いまはもう夏ぐらいにはつくるとおっしゃるから、少なくともそれまで血みどろの、いま職員が疲労こんぱいをして、昔はその上長と会ったって笑顔であいさつをしておったのが、もういまはそれどころじゃありません。朝から晩まて合理化合理化で追いまくられて、疲労こんぱいですよ。そういうような実態を、私どもはこの日本の国の動脈を守っている立場から、もっと真剣に考えて、そして少なくともいまやっているような姿ではなくて、もう少し待てと。そのときに建設線はどうする、あるいは廃止線はどうすると、最終的にきめて、それから配置転換をやってもおそくはないんじゃないでしょうか。そのことを言っているわけです。小さい一つの無人駅だけじゃありません。いかがでしょう。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 私が答えるよりは、国鉄の計画でありますから、国鉄総裁からあとで具体的な御説明があると思いますけれども、私は無人化駅をつくった、貨物集中駅を行なったから、いわゆる縦業員が疲労こんぱいに達しておるという議論にはどうも賛成しかねる。国鉄がこのような措置をとりましたのは、限りある人員を集中的に使うほうが効率的であり、また労働生産性も上がる。それだけに疲労の度も少なくなる。こういう合理化というのは人の首を切るということじゃありません。数人でやるところを十人にする、あるいはなくてもいいところは無人化にする、こういう考えでありますからして、どうも小柳さんとは考え方を私は異にいたしますので、無人化駅並びに貨物駅の集中化は当然進めていくべきものである、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは運輸大臣、この建設公団の、少なくともA、B線は、できてもこれは赤字でありましょうと言っておられる。できても国鉄はやれぬと言っておられるから、A、B線の建設は中止しますか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 先ほど申しましたように、やはりA、B線の現在やっているものについては、これは将来総合交通体系の中で検討はしますけれども、なおA、B線建設の必要はあるということを篠原公団総裁も言うております。これはまあこれから新しい地域に大規模の工業地帯あるいは中規模の流通港湾、こういうようなものがだんだん全国的に開発をされていくのですから、国鉄の使命というものはもうかるところだけやることではないというのが、小柳さんの御意見でもありましょう。でありますから、そういう将来性のあるところは、当分の間、それが営業係数の上から悪くても当然将来の全国開発の面から見るならば、やっていくことはやっていきたい。これは国鉄総裁も変わりはないと思います。ただ、その間に起こる赤字をどうすべきか、こういう問題です。その間における赤字をどういう形でこれが財政資金を入れるか、あるいは利子補給を行なうか。こういう問題でありまして、しかしながら国鉄がやらなくても済む全く純然たる地方交通線、こういうものについてはひとつ地方公共団体も考えてもらいたい。こういうことを言っておるわけでありまして、したがってA、B線をやめるのと、無人化駅を続けるのとは全然これは別な問題でありますから、したがってA、B線と、いわゆる無人化駅をこの際は延期して総合交通体系のできるまで待てという議論にはどうも賛成いたしかねる、かように考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ちょっと関連。これは総理も運輸大臣も国鉄当局も、ひとつ聞いていただきたいことがあるのです。それは合理化の問題ですが、合理化は私は否定いたしません。しかし、実はゴードンというアメリカの未来予測学者が——ちょっと関連質問がいささか横にそれますが、お許しをいただきたい。この人は、一九九六年、いまから二十五年先にアメリカには暴動が起こるであろう。これは社会主義者の暴動じゃないのです。われら人類に職を与えよと。オートメ機械、ロボット機械をぶっこわせ。われら人類に職を与えよという暴動が起こるであろう。五、六時間働いて一、二時間遊ぶのはレジャーである。しかし、一、二時間働いて五、六時間遊ぶのはもてあます時間である。やがてそのうちに職はなくなるであろう。これはコンピューターではじいたものですから、当たるか当たらぬかわかりません。そういうことになるだろう。それは別として、合理化はいいのですけれども、たとえば私、けさ五時五十五分に乗って十二時に着きました。四十年前にはもっと早く——私の郷里の線ですが、四十年前の私鉄の時代にはもっと早かった。四十年たったらはるかにおそくなった。しかも満員ですよ、朝。それでローカル線、これの赤字路線、それを地方公共団体も考えろというのは、私は特定の線の名前はあげませんが、これは別にいま問題の対象になっているわけじゃない。しかし、そういうようなことは、一体困っておる過疎地帯の地方公共団体が——地方公共団体もそれについて考えたらどうか。考えようによっては残してやる。この過疎地帯でどうにもならない、地域開発をどうするかという地方公共団体が、赤字路線で地元負担をしたならば残してやるなんということにたえられますか。そんなことはあり得ざることです。ですから私は、無条件にどこまでも合理化はいけないなんて、そんなばかなことは言いません。合理化は必要な点については、これは当然これを認める。しかし、その限界をどこに置くか。そんな四十年前にもっと早く着いたところを——私はけさ急行に乗ったから十分ぐらい早かった、四十年前よりも。鈍行で、通勤通学者ははるかにおそい。いまこんな目に出会っておるわけです。しかも、満員電車ですよ。そんながらがら電車じゃございません。こんなのが、ローカル線が赤字だなんていって問題の対象に、いま私が言っておる線は特定の名前をあげませんが、問題の対象になっているわけじゃないけれども、しかし、ほんとうに考えると、そんなものを残しておくことは笑い話で、そういうような線は格別として、それでなければ一体国鉄の公共性とは一体何だと痛切に私は考えさせられる。まじめな話ですよ。これで過疎地帯の住民は、一体どうして将来の開発に、自分たちの希望を託することができるのか、行ってごらんなさい、山の中へ。ここらは過疎で、そんな新しいものは何も興こることはない。そこの地方自治体に、負担を考えたらあと国鉄としても何とかしてやるということは、そんなことは問題にならないのですよ。だから、問題にならないような地域まで、私は何でもかんでも合理化反対というわけじゃありません。しかし、その限界はどこに置くかというのは重要な問題だと思います。人間尊重とか、ほんとうに生きがいのある生活ということを、もう政府が言うならば、私はその限界に十分な配慮が必要であろうということを申し上げておる。具体的なことはまたいずれ分科会で私、詳細にお話ししたいと思う。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) いま羽生さんのおっしゃったのは、満員の汽車でありますから、廃止の対象にならない。そのとおりであります。赤字がひどくないところは何も廃止の対象にいたしませんし、満員になるということは、地方交通線といいましても、それはやっぱり中央に直結をしておる線であり、重要な国鉄の線であります。ですから、私が言っております地方交通線といえども、それが国家的な役割り、また幹線との役割りの重要なものは、たとえ赤字であっても残すべきであろう。しかしながら、もう純然たる地方交通線であって、しかも、それが道路に変え得るような線、または変えなくても、どうしても純粋に地方として必要であるという線であるなれば、それは国と公共団体が考えてやってはどうであろうか。しかし、私が地方公共団体と言っているのには、市町村におまかせすると言っているのじゃありません。まあこういうことを言うのは大蔵大臣にしかられるかもしらんが、たとえば交付税にいたしましても、道路等はその対象に、積算の基礎になっております。なぜ地方交通線の交通というものが、そういう基礎にならないのでありましょう。やっぱり人が歩くか、あるいは歩くかわりに乗るかの違いでありますからして、当然新しい見解から言うなれば、地方交通線等はいわゆる地方交付税の積算の根拠になってよろしいのじゃないか。まあ羽生さんは有名な財政家でありますからして、したがって、交付税というものがそういう従来の考え方から一歩飛躍し、国もまた、中央と地方との財政的な是正を考えるために交付税制度があるんでありますから、その面において当然考慮されてよろしいのではないか。単に私は市町村が負担せいと言っているのではありません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そこで運輸大臣、それではここに、新聞に出ております福岡の油須原線はもう完成間近、予算もついています。これを進行させるのかさせぬのか、いかがですか。大臣の責任ですよ。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 四十六年度以降におきまして、これが完成を目途にいたしたら、用途ですね、従来貨物線として使っておったものを、これをひとつ今度は通勤線なり、いわゆる旅客線として考えていく必要があろうと思いますが、もちろんこれは完成させる意図で考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣、用途は地域の皆さんがきめます。大臣がきめたって使わぬときは使わぬですよ。ただ、四十六年度に完成させると約束されたんですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 油須原線の工事の変更の点がございますので、これは工事実施計画の変更につきまして公団が案をつくり、そして国鉄と協議の上、運輸大臣に変更の申請がございまして、それによりまして事を決定してまいる、こういう段階でございます。現段階では公団と国鉄側の話し合いがまだ十分についておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 公団と国鉄のお話し合いよりも、この建設線を中止するのか、あるいは完成するのかは運輸大臣の責任ですよ。運輸大臣がきめることですから、運輸大臣に聞いているわけです。いかがですか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) ですから、先ほど申し上げましたように、完成させる方針であると、ただ四十六年度かどうかということは、いま将来の運営等の問題がありますから、それはお答えができないと、こう申し上げておるのであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 工費十九億円も使いまして、何十年の間地元の人は待っております。もちろん私は、この間、陳情団、副知事以下市長、議長見えましたときに、おそらく国鉄は反対でしょうと、地元で負担するぐらいの決意がないとだめでしょうと言いましたけれども、最終的には運輸大臣の責任ですね、これは。それはしかし、完成したらちゃんと経営するようにしなければなりませんですね。早急の問題です。もう目の前に見えていますからね。こんなのがまだほかにもあります。別途の機会にまた論議いたします。  総理大臣に質問いたしますが、私は、運輸大臣だけの責任じゃないと思います。やっぱり内閣の責任だと思うんですよ。全般的にこれだけ総合交通体系というのは、運輸行政だけではこれはもう何ともならぬ問題じゃないか。しかも総裁は幸いなるかな国鉄出身で手にとるようにわかっているはずですから、したがって、リーダーシップをとって廃止線にするのか、開通するのか、やらなきゃならぬと思うんです。特に、この海運七社には最近利益も出ておるのに一千億ぐらいの投資、そして百六十億円の利子補給、そういうような補助をやっておる。それはまあ、私は国鉄出身であるから言うんじゃなくて、その累積赤字の償還こそが国鉄の危機でしょう。毎日の営業はとんとんでやっているわけですから、そういうものを考えて、何も交通事情が変わったんじゃない。大蔵大臣、国鉄自体がもう満ぱいやって、フル運転やっているわけですよ。それはもう十年来やっているわけです。終戦のときも、日本国民が混乱して逃げまどうときに国鉄はとまらなかったでしょう。そうして連綿としてちっとも変わっていない。あるもの全部フル運転しているわけですよ。そしてことしは二四%増収を見込んでおります、この予算では。そういう事情でありますから、根本的に財政的にこれを考えて、そうして総合対策を早急に実施されませんと、輸送第一線はたまらぬと、私はそれだけ申し上げたいが、総理の見解を聞いておきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来運輸大臣並びに国鉄総裁も来ております。ただいまもお説のように合理化に反対じゃないと言っておられるし、国鉄総裁自身はその経営の責任というか、それを担当している、そのほうから必要だという合理化計画を従業員にも示しておる、かように思います。そのほうが専門家なので、私はかつての鉄道出身であります。当時は相当のところまでいっておりますから、その当時なら私の責任のものがございますけれども、ただいま公社になって総裁にまかしてある。総裁がただいまの基本的な運営をきめていくと、そうして政府にその適否を判断してもらうと、これがただいまの状態じゃないかと思っております。したがって、ただいま聞いておるところでは、合理化を積極的に進める、そうして線区の、あるいは無人駅その他のものでやはり地域の地方住民にはあまり迷惑を与えないように、交通の便益だけは残していくと、こういうような努力もされておるように聞いております。具体的な問題としてやはりただいまのような合理化の線に取り組んでいかないと、一般的な話ではどうも話にならないというか、話が食い合わないように思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理、それは答弁にならぬですよ。もっと責任を持って指導して、総合交通体系網は、ちゃんとその各担当大臣で早急にやるというような決意を披瀝してください。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま申し上げましたとおり、総裁もまた大臣もやると言っていますから、その上で私が十分判断します。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 また細部の問題は一般質問でやります。  次は、航空企業の再々編成問題について質問いたします。  まず、現在の日本航空、国内航空、全日空、東亜航空の資本、株主及び経営実態について運輸大臣から説明を求めます。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 数字の問題ですから、政府委員から答えます。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 御説明申し上げます。  日本航空のまず資本金から申し上げますと、日本航空が三百八十七億四千三百万円、それから全日空が九十三億、それから日本国内航空が五十二億二千万円、それから東亜航空が十六億でございます。その中のおもな株主を申し上げますと、日本航空は政府五〇%、そのほか大株主はあまりございませんで、たとえば東京海上火災が一八%、以下それ以下のようなものであります。それから全日本空輸の場合は名古屋鉄道が一〇・三%、日本航空が七・六%、それから三井物産が六・九%、東京急行電鉄が五・四%となっております。それから日本国内航空のおもなものを申し上げますと、東京急行電鉄が三八・一%、近畿日本鉄道が一二・六%、京阪神急行電鉄が九・三%、産業経済新聞社が六・九%、日本航空が五・七%。それから東亜航空についておもなものを申し上げますと、不二サッシ工業が二二・一%、大和銀行が一〇%、それから東京生命保険が一〇%、不二サッシ販売が五・六%、こういうふうになっております。  それから経営状況でございますけれども、経営状況につきましては、四十年度から大体申し上げますと、四十年度、四十一年度、この二カ年につきましては相当航空事業にとっては暗い年でございました。したがいまして、経営状況につきましても、日本航空が若干の黒、それから全日空が若干の黒でございましたが、日本国内航空及び東亜航空については相当な赤字でございます。それから四十一年度は最もひどい年でございまして、日本航空を除きまして、全日空、それから日本国内航空、東亜航空、軒並み赤字でございました。その後四十二年度ぐらいから若干好転いたしまして、四十三年度、四十四年度と、逐次収益は増加しております。そこで、四十四年度の経常利益、これについて申し上げますと、日本航空が約二百三十一億ほど、そのうち百億が国内線、それから百三十億が国際線でございます。それから全日空が大体三十億程度、それから日本国内航空が二十九億程度、それから東亜航空が約十億、こういったようなのが四十四年度の、その年度の経常利益でございます。  以上、大体御説明申し上げました。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 再々編成の方針について大臣の御説明を求めます。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 航空企業の再編成につきましては、一つは昭和六十年度といいますか、長期展望の上に立って考えますというと、大体昭和四十五岸の大勢から見て、十五年先には国内旅客の数で十三倍か十四倍ですか、たいへんな激増をする。それから国際航空におきましても旅客数は十倍になるだろう、こういう計算が、中山伊知郎会長のもとで答申があったわけであります。そこで、従来の考え方とは今度は根本的に考え方を変えましたのは、そういう大きな情勢をどうさばくべきかということになりますというと、一つは、やっぱり航空企業の整備を行なう必要があるということがある。したがって飛行場には限りがありますから、従来の中型、小型の飛行機を大型に化していく必要がある。そのためにはやはり企業力というもの、企業の基盤を強化しなければならぬ、これが一つの理由であります。同時にまた、全体的に見て、最近、航空の安全ということがやかましくいわれておりますからして、したがって閣議了解を求めましたのは、そういう企業の再編成とともに、航空安全あるいは空港整備及び乗員養成、これら幾つかの問題を加えまして、そうして御決定を願って、そのもとにおいて企業の再編成をやっていこう。要するに、飛行場並びに航空界の近代化に沿うような再編成というのが一つの大きな目的であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 昭和四十一年当時は国内航空は破産状態にあった。そして日航と合併するということで助けた。合併の方針が打ち出されなければ国内航空は破産したと思うが、いかがですか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 確かにお尋ねのとおりに昭和四十年から四十一年にかけて非常に先ほど御説明いたしましたように、航空界の情勢は先行き暗くなっておりました。特に国内航空は相当な赤字を出しておりました。したがいまして、その際、もし日航と合併しなかったら破産ということもあり得たと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 さっきの御説明によりますと、国内航空の大株主は東急でありますが、もし破産したら東急は大きな打撃を受けた、損害を受けたと考えますが、これは当然ですね、大臣。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) あのまま進んでおったら国内航空は破産しただろうかということでありますが、この問題は、これは私はその後における航空事情の非常な変化ですね、お客さんがふえてきた、こういう状態が、ある程度これは大きくプラスをして考えていってもいいんじゃないか。ちょうど四十一年のころは御承知のように航空事業はお客さんの非常に少ないときでありました。そこへ大型機を無理して入れざるを得なかったということが一つの原因でありますから、その状態がそのまま続いていけば、今日といえども日航もその他の飛行機会社も苦しい状態であったのでありましょうが、その後の情勢の変化が出てきた。要するに、お客さんが非常に激増してきた。たとえば東京−札幌のお客さんはその直通の機関を比べますというと、二七%が鉄道で来て、あとの七十数%というものはいわゆる飛行機で行っております。福岡におきましても、あのような特急といいますか、相当交通の便利なところでありましても、約三十数%が飛行機であって、六十数%が汽車である、こう情勢が変わってきたんですね、最近は。要するに、お客さんが飛行機を利用する数がふえてきた。そういう状況を勘案して考えたときに、はたしてあのままいったら国内航空がだめになるかどうかという議論は必ずしも言えない、こう考える次第であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 さっきの局長の答弁もちょっとありましたけれども、四十年二十六億、四十一年二十六億の赤字ですね。そのころの、じゃ東急の持ち株と債務保証の額は幾らですか。局長からでもいいですから答弁してください。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 四十一年当時でございますか——その当時につきましては現在資料を持っておりませんので、後ほど提出させていただきます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 あとで資料出していただきますけれども、その当時、もし日航のほうで合併しなければ巨額の損失を東急は受けておるわけです。その助けたかわりに国内航空の経営権を日航に渡した、これは助けてもらった以上当然でありましょうが、ところが今回の航空企業の再々編成を中心とする新航空政策は、政策に名をかりて東急に国内航空の経営権をやる。新航空政策と言いながら、前の再編のときと同様に東急という一私企業を援助するものではないかと考えますが、いかがですか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 私、企業内の株の持ち方はどのくらいになっているかよく承知しませんけれども、しかしながら、そのような考え方でいやしくも人命尊重の重要な国際場裏に立つ航空企業の再編成というものはできるものじゃありません。御承知のように、飛行機は大型ジェット機にいたしましても金額はばく大であり、同時にまたその運ぶ人は一機について百名とか百五十名、これからはもっと大きくなりましょう。そういう重大な航空企業に対して一企業会社を助ける助けない、さような観点からいわゆる政策は立案すべきものでなければ、また、さような意図はちっともない、私においてはないということを言明いたします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私もそう思います。そうあってはならぬと思います。したがって、また質問を続けます。日航は国内航空を救済するかわりに、その経営権を取得することになっておったが、ローカル線は将来収益の増加が見込まれるが、日航が新航空政策によって国内航空の経営権を手放すことは背任ではないかと思うわけです。日航の大株主である政府は、今回の政策で損するのではないかと考えますが、いかがですか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) いまの経営権の問題につきましては、ちょっといささか御趣旨がわかりかねましたけれども、御質問の御趣旨はこういうふうに解釈いたしますと、つまり、日航と国内航空が合併するはずだったのである、しかるに今度日航と国内航空が合併しなくなった、そうすると端的に言うと、それはある意味では食い逃げみたいな形になって、そこで日航としては損するではないか、こういう御趣旨ではないかというふうに考えます。しかし、私ども考えまするところによりましては、当時確かに国内航空のローカルが非常に赤字でありましたために、日航と国内航空と合併することによって、もちろんこれは特定資本という意味じゃなくて、当該公共的な性格を有するローカル路線というものを維持するためにそういう方法をとったわけでございます。その後、先ほどおっしゃいましたけれども、非常に航空需要が増加してまいりましたし、特にローカルの航空需要も多くなってまいりましたというふうなことから、この際、必ずしも日航と合併しなくても、ローカル自体として成り立ち行く道があるのではないかというふうなことになりましたので、そこでいままでの方針を変えまして、日航とは必ずしも合併をさせない。そこで、ローカル同士の会社を合併させて、一つの企業基盤を大きくしてまいるというふうな方策をとったわけでございまして、その限りにおきましては、日航は、従来若干の援助をしましたけれども、それはあらためて清算することにしております。したがいまして、そういうことによって日航が損をするというふうなことはない。したがって背任ということはあり得ないというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 で、さっき一番に話しいたしましたように、東急が四十一年度の再編成によって七十億円ばかり得したように、われわれの計算ではですよ、もうけて、今回の政策でまた経営権を取り戻して、これから数十億の利益を期待することができるんでありますから、したがって、これまでの航空政策というものが、国内航空を助けるための航空政策ではなかったのでしょうかと、そういう疑問を国民として持つが、いかがでしょうかということです。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 経営権をどうのこうのと、ちょっと私にはわからないのですが……。企業のほうには暗いものですから。ただ、四十一年の協定では、御承知のように幹線の航空ですね、これを日航にやってもらう、やるということで、持っておったジェット機及び航空機を日航に移譲、移したといいますかね、そういうことであって、経営権の問題とは関係がないと思います。要するに、まだ合併は完成しておらなかったわけでありますから。しかしながら、いずれにせよ、それらの問題を別にいたしましても、いわゆる一企業を助ける考えは毛頭ない。したがって、当時の契約においてどういうような契約ができておりますかは、詳しくは政府委員からお聞き願いたいのですが、それに対しては、あくまで厳正に、それらの処置は厳正公平にこれは処理する。これは会計検査院があり、及び国の金を使っておることでもありますからして、一厘たりといえども不正なことのないようにということは、厳重に言い渡してあります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 日航が国内航空を吸収するようなことで、特別にめんどう見てきておる、そのために破産を免れて今日に至っておる。そして今度新政策が出たわけですね、再編成の。そこで今回の政策は、国内航空と日航の合併を御破算にして、第三の会社をつくるということであるが、第三の会社の設立の理由は、航空需要の激増という情勢変化であるなら、既定方針である日航と国内航空の合併はそのまま進めた上で新会社をつくればよいものを、なぜ百八十度転換して、別会社にこの国内航空を持っていくのか、東急の国内航空の経営権を復活させる、極端に言うなら陰謀の政策ではないかと考えるが、いかがですか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 私は航空界の方々にはほとんど個人的には知り合いはありませんからして、まあ松尾君なり、これはまあ運輸省出身でありますから知っておりますが、その他の方にはあまり知り合いがありませんが、しかし、それは別にいたしまして、こういう企業再編成をやりましたのは、当初申しましたように、いわゆる情勢が、非常な勢いで航空企業というものが大きくなってまいったと。それで、ジェット機一つ——これからジャンボなどを入れるにしても、将来、もう三、四年のうちにはエアバスといいますか、ジャンボ型のエアバスを入れることになりましょうが、これを一機入れるにしても六十億前後の金を要するわけであります。したがって、企業内容がいわゆる確実といいますか、強力になりませんと、こうしたお客さんの激増にたえ得るような運輸行政、航空行政というものはできてこない。こういう意味でもってやったことがまず第一の理由であります。  それから、国内航空と日航との合併がそういう意味においてこれは切り離すことになりましたけれども、大体、由来、日航というものは主として国際線を中心にやっておるわけであります。で、国内においては幹線航空路をこれはやっておる、日本航空がですね。したがって、これがローカル線というものまでやることがはたしていいだろうかどうだろうかという議論は、当時もあったように聞いております。したがって、これから日本航空というものは、日本の、経済大国といいますか、地位から見ましても、ことに将来の東南アジア、極東情勢を考えましても、日本の国際空港というものは非常に重要な地位になる、こういう意味からいっても、日本航空のやるべき任務というものは、主たる任務というものは、これは明瞭であろうと思います。そこで、国内航空というものを、それならば全日空一社でいいだろうか、まかなえるだろうかということになると、まあ全日空であるとか、東亜航空ですが、なかなか先ほど申したように、将来、国内幹線なり、あるいはビームラインをやることになれば、一機六十億円のものを買わなくちゃならぬ。しかし、あれは一機だけじゃいかぬそうであります。二機もしくは三機ですかね。三機ぐらいないと、一コースがとれない。こうなりますと、三機一そろえということになりますと、それだけでも百数十億円という金が要る。こうなると、やはり企業力を強化しなければ、ほんとうに人間を安全に、しかも大量に輸送することができない、こういう大所高所に立って、いわゆる運輸政策審議会の答申がありまして、このようないわゆる基本的政策に立つべきである、こういう答申を受けて、運輸省はそれを検討した上、このような処置をとったわけであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 週刊誌や雑誌によりますと、東急側の発言として、四十一年の再編成当時、もともと日航と合併する意思はなく、日航という病院に入れて、よくなれば退院させるつもりであったという記事が出ておる。発言の真偽は、これはわかりませんけれども、事態はそのことばどおりに進んでいる。この事実を見て、新航空政策というのは、東急の作戦どおり動いておると言われてもしかたがないではないかと思いますが、いかがですか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 運輸政策審議会に運輸省から諮問をいたしましたのは、今後のあるべき航空政策ということで審議をいたしたんでありますが、その事前に、いわゆる私及び運輸省当局も日航あるいはその他の航空会社に前もって打診もしたこともありませんから、さようなことは全然われわれは考えておりません。  ただ、日本の将来の近代的な輸送機関としての航空界がどうあるべきか。しかも、懇談会においては、十数年後には十数倍の旅客を迎える、これに対する現在の体制でよろしいか、こういうことで、運輸政策審議会が運輸省に対してこうあるべきであるというその答申に基づいて決定したのがこの再編成案であります。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 関連して。  運輸大臣にお伺いしますがね、これは四十一年の航空再編成のときには、御承知のように、航空審議会の答申が出たわけです。で、その答申の柱は、国際線一社、これはもう当然日航が経営する。それから国内線は二社と。そうして幹線については日航ですね。それからローカル線については全日空、こういう柱が出まして、種々当時から議論をいたしておった問題であります。当時の運輸委員会でも、私どもいろいろ議論したわけでありますがね。その答申に基づいて当時再編成を行なった。再編成を行なったときには、ですから国際線は日航。国内二社というのは、日航が幹線、つまり極端に申し上げますと、東京ー札幌、東京ー福岡、こういう幹線輸送をやる。その他は全日空。そのためには、大臣が申されたように、国際競争力の基盤をつくらなければならぬというたてまえから、全日空には——当時ローカルのそれぞれの幾つかの航空会社がございました。東亜航空あるいは藤田航空等々の幾つかの会社がありましたが、それを合併させる、こういう動きがあった。ところが、当時のたしか運輸大臣は中村寅太さんだったと私は記憶しておりますが、政府がいろいろその政策を具体的に施策として出す場合に、いま小柳先生がおっしゃったような動きが出てまいりまして、ほんとうは、国内航空は日本航空の系列下に入るということは好んでいなかったのです。それはなぜかというと、御承知のように、日本航空というものは国策会社ですから、資本のたしか五三%強が政府出資でしょう。その他が民間資本になっている。言ってみれば国策会社ですよ。それから当時の国内航空が七十数億の赤字を出しておったのでありますが、その議論は別として、国内航空のつまり株の状態を見てまいりますと、民間資本とそれから地方公共自治団体、あるいは個々人の人々が多数株を持っている。そういう事柄がございまして、できるならば、民間出資をされた純然たる民間会社の全日空と合併をしたいというきわめて強い要望があった。にもかかわらず、日本航空にくっつけるという一つの動きがありまして今日的になっている。ただし、そのときは昭和四十六年に、いま小柳議員も言ったように、赤字をできるだけ解消してそうして日本航空に吸収をする。したがって依然としてその段階は、国際線は日本航空、ローカル線については全日空、そうして幹線輸送は、国内二社の一つの日航が幹線をやる、こういうことで第二次の再編成というのはなされた経緯があるのです。それがその間——あまり長くなると、私関連ですから、申し上げませんが、株の切り下げを行なったのですよ。ですから、大臣が言ったように、確かに航空人口が増大をしてきたことについても私は否定しません。そのことによって経営の内容がよくなったことも否定しません。ですけれども、根本的にはその段階、二回にわたって株の切り下げをしたのですよ、三分の一、三分の一ぐらいをしましたからね。ですから、当時の株主というのはたいへんな犠牲を負ったことになります。そのことも手伝っているのです、今日やや黒字の方向に傾向として出てまいりましたのはね。これから小柳質問の本論だと思いますが。したがって、これからどうするのだと、こういうことになりましたら、どこが中心になるかは別として、別なものをつくると、こういうことですから、そうしますと、問題は、当時の航空審議会できめた、つまりこの国内二社、その一社は日本航空が幹線やる、国際線日本航空でやる、このことと、つまり政策的には質的に変わっているのじゃないか、こういうことの意味が私は含まれているような感じがするのです。この点を明確に解明すれば、この質問は前に進むと思いますので、お答えを願いたいと思います。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) まことに恐縮でありますが、当時のいきさつ、私十分承知しておりませんので、必要があれば政府委員から答弁させますが、ただ、私は当時のいわゆる四十一年ですか、そのときの航空再編成は、いまおっしゃったように国内の航空が二社ということじゃなく、日航にまあ形式上合併されますからね、四十六年の、ことしの秋でしたかね、目標は。そうすると、国内航空は日航に吸収されますね。そうなると、当然国内航空の持っているローカル線も日航がやるということになるのじゃないですか。それとも国際線だけやって、あと国内線のローカル線は全日空といいますか、全日空と、それから東亜航空ですか、あれが一緒になる、そのほうに分けることになっておったのじゃないでしょう、そうではないと思いますが……。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 それは、大臣の発言中ですが、当時はつまり国際一社、国内二社、一社は日本航空、それは幹線だけだと、それからローカルは全日空、したがって、昭和四十六年に国内航空が全日空に吸収されるという方針ですから、当時の答申は。吸収された段階はあくまでも日本航空に吸収されるわけですから、したがって幹線だけやる。国内航空が持っておったローカルについては逐次全日空に統合するということで、全日空はそれぞれ会社を統合して、それから国内航空もたしか二つ、三つの会社が基盤を強めるということでそのときに合併をしていた、こういうものです。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 私はそう聞いておりませんが、この問題はここでやっておっても時間のむだですから、いずれ委員会でもってこまかい点についてのお話を承った上で、関係当局からも答弁させようと思いますが、私はそのようにも聞いてもおりませんし、当時の状況を私よく知っておりません。もし必要があれば、政府委員がおりますから答弁させますが、時間的にもったいないでしょうから、運輸委員会でもってひとつゆっくりと答弁をすることにいたしましょう。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) いささか長くなるかもしれませんが、御説明申し上げます。  元来日本の中の国内線でございますが、これは相当多くの会社がございまして、日航のほかに全日本空輸、それから藤田航空、あるいは中日本航空、長崎航空というふうなものがございました。それからあとは北日本航空、富士航空、日東航空、こういったような会社があったわけでございます。その中で、先生がおっしゃいました藤田航空というのは、全日空と昭和三十七年でございますか、合併いたしまして、三十八年以降は全日空の名において運営しております。それから次に、中日本航空、長崎航空と、この二つでございますが、これも全日空に統合するというような方針でもって進みました結果、中日本航空は四十一年度まで中日本航空、四十二年度から全日空に合併されてやっております。それから長崎航空はその後、四十二年度に合併されまして、四十三年度からは全日空と一本になっております。それから一方、日本国内航空の系統でございますが、先ほど申しました北日本航空、富士航空、それから日東航空、この三社が昭和三十九年に合併いたしまして日本国内航空ということに相なりました。  そこで、日本国内航空としてそれ以後運営を続けておったわけでございますけれども、そこで先ほどの、前の航空審議会の答申でございますが、これは正確に申し上げますと昭和四十年の十二月二十七日に答申があったわけでございます、そこで、先ほど先生のおっしゃいましたような国際一社、国内二社というふうなことになりました。それからその後閣議了解も得まして、昭和四十一年に新しい——その当時の第一次再編成の方針が出たわけでございますけれども、この際は、やはり日本航空と国内航空が将来合併することを前提として運営の一体化をはかる、それから、ローカル線運営企業の幹線運営企業への統合を促進するというふうなことがおもな点でございました。そこで、お尋ねの日本国内航空は日本航空と合併いたしますことを前提として一体化をはかるわけでございますが、その際合併されるといかなる姿になりますかと申し上げますと、日本航空に吸収合併されるわけでございまして、その際に日本航空は国際線と国内幹線と従来国内航空のやっておりました国内ローカル線、この三つを一本にして行なうというふうなかっこうになることが想定されておったわけでございます、当時そういうふうなことで私は聞いております。そこで、先ほど大臣からも御説明ございましたけれども、なぜそういうふうなことが行なわれたかと申しますと、初めは国内航空というものが相当大赤字を出してまいりまして、どうしても幹線に入れる以外にローカル路線の安定というものをはかる法はないではないか、というふうなことが初めあった議論でございます。そこで、国内航空に幹線運営をやらしたわけでございますけれども、その結果、非常に日航及び全日空が当時幹線をやっておりまして企業格差が大きかったわけでございます。そこで、国内航空としてはまた赤字が出た、そういうふうなことからどうしてもこれを、ローカル路線を維持するためには、日本航空と合併せざるを得ないというふうなことで日本航空との合併に踏み切った。この際全日空に合併するということがあるかと思いますが、それをいたしますと、日本の国内航空が、ことにローカル線は全日空一本の独占になってしまう。そういうふうなことは必ずしも望ましくないということで、やはり二つの系統に分けるべきだということから、ローカルを日航に合併させるという方針をとったというふうに私は聞いております。そういうことがこの経過でございます。  したがいまして、その当時の情勢からは、日本航空と国内航空と合併いたしまして日本航空がローカル航空をもやらざるを得ないというのが当時の情勢でございましたけれども、その後、大臣からも御説明がございましたように、非常に需要がふえてまいりました。したがいまして、そういうふうな国際及び幹線及び国内ローカル、こういうものを一本で経営するというふうな形をとらなくても国内ローカルというものは維持できるというふうに客観情勢が変わってきたというふうなことが、今度の再編成の認識でございます。したがいまして、そういう客観情勢によりまして、ローカル会社である東亜とそれから国内航空とが合併して企業基盤の確立をはかるというのが今度のことであります。確かに、先生がおっしゃいましたように、そのころ東亜航空はやはり全日空との合併をすべきであるというふうな方針で進められておりました。ところが、その後東亜航空と全日空との合併が思うままに進みませんで、会社同士がうまくいかないというふうなことがございましたので、これはやはり一つの結婚みたいなものでございますので、会社の意思も尊重いたしまして、会社からはむしろ国内航空と東亜が合併したいというふうな意向を漏らしてまいりました。そこで、新しい希望とそれから新しい客観情勢を把握いたしまして、その上で東亜航空と国内航空とが合併するというふうなことを、今度の方針として打ち出したわけでございます。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 いまの航空局長のお答えは、当時の国会での答弁とは若干食い違っております。ですから、ここで私は関連ですから議論しようとは思いません。あとあと分科会等でお伺いしますが、しかし、当時はそういうことではなかったんですよ。そうして全日空にはやがてこの東南アジア等々についてのノンヤーター運行等の条件を全日空に認めさしていくという動きがありまして、これが非常に問題になって、当時の全日空の社長はたしか岡崎さんだったと思いますが、いろいろな動きがありまして、あえて前任の当時の大臣の名前を申し上げませんが、それが人事に介入したとかしないとかいろいろな問題があったが、結果的には岡崎さんおやめになって、そうしてそのあとたしか日航から社長さんが輸入されていったという経緯があるわけです。ですからそれをいま答えを求めようとしませんが、当時、君も局長じゃなかったのですからね。ですから当時の記録をずっと顧みますと、その答えはちょっと小柳委員に対する答えということになりませんから、これはあらためて質問します。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの吉田議員が言ったとおりです。東亜航空も再三にわたって全日空と合併することを意思表示しながら、ごねて——ことばはきついかもしれませんけれども、ごねてその時期を延ばしてきた。今回の新航空政策は、破産しかかって救済してもらった会社と、ごね得の会社の居直りを認めたものである。運輸大臣は、新しい会社は、広く民間資本を集めて、国民の利益に奉仕するという内容の発言をしておるが、事実は国内航空と東亜航空を主体としたものであって、その証拠に新会社は東亜国内航空という名前になると報じられておる。両者は当初の決定をくつがえしてそれぞれ代表権を持った役員を送り込むと報じられておるが、この事態を黙認しておる政府の姿勢に対して疑問があるので、運輸大臣に釈明を求めます。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) ぼろ会社を救済する措置ではないかというお話でありますが、まあしかし、どちらも会社としては必ずしもぼろ会社ではなかったと思います。まあそれは別としまして、そういう会社をつくって、役人を送り込むために新会社をつくったという考えはもちろん持っておりません。ただ航空再編成の中でも、新会社をつくり、広く一般といいますか、公の資金といいますか、一般民間資金を入れる、この方針は今後とも貫く方針であります。ただ私あまり会社合併とか企業の合同とかいうことを知りませんけれども、認可事業でありますために、直ちにみなばらばらになっちゃうわけにもいかぬようであります、形式上から言うと。そこでとりあえずはああいう形で合併して新会社をつくることになるわけですが、もちろん、あれだけの資本でこれからの新しい事業が進んでいくことは困難でありますから、当然まだ資金の拡大を考えざるを得ないでありましょうが、その場合にはやはり当然広く一般の資金を吸収して体質の強化をはかる、これが大きな目的でありますから、その方針で厳正なる態度で臨んでいく、かような方針でおりますので、御理解を願います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま大臣が言われたとおり、答申もそう書いてありますから、そのようにやっていただきたい。そこで新航空会社に対しては、特定企業の支配があってはならぬと思うのです。そこで新会社に対する、東急や不二サッシ、さっき持ち株の比率がありましたけれども、少なくともこれは数%、多くとも一〇%以内くらいにとどめないと、私はさっき言ったような疑惑が出ますが、大臣の御見解はいかがですか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) この日本国内航空と東亜航空の合併、これにつきましては、いま合併委員会が再々開かれておりまして、大体五月の半ばごろを合併期日を目標といたしまして進めているわけでございます。そこで、現在国内航空の資本金は先ほど申し上げましたように、五十二億二千万、それから東亜航空のほうが十六億でございますが、これが合併いたしますときの条件といたしまして、日本国内航空は四分の一を増資いたします。それから日本航空から特別割り当てとして三億円出資いたします。それからなお、東亜航空のほうは二分の一増資いたしまして、そのほかに日本航空及び全日空から特別割り当てを合計三億円というふうなかっこうになっておりまして、これが実現いたしますと、合併後は九十五億二千五百万円の資本金の会社になるわけであります。その際、大体これはいろんな会社がございまして、その系統がどれがどの系統に入るかわかりませんので、はっきりしたことは申しかねますが、大体ばく然と言いまして、東急系が二八、九%ぐらいではないか。これも、いま申し上げましたように、どの会社がどの系列に入るかわかりませんので、はっきりした数字ではございません。それから不二サッシ系統が一五%前後、それから日航が九%前後、このぐらいになるのではないかというふうに、これは非常に概括的な見方でございますが、考えられます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣、いま局長の答弁では、新会社、東急が二八%、不二サッシが一五%、日航九%ということでありますが、私の提案は、少なくとも東急や不二サッシは、私がいままで言ってきたようなことを、国民の疑惑を解くためには一〇%以内にすべきであると思うが、いかがですか。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 大体この航空企業というのは、いまはなかなか人気者になりましたがね。十年あるいはもっと前は飛行機をやろうと言っても、あまり、だれもなかなか金は出さなかったものです。そういう時代にこれを押してやってきたのでありますから、もちろん問題は、持ち株が持ち株の五〇%をこえる、一会社なり個人がですね、これはしようがない。しかし、いまでは外国人が日本で企業をやる場合においても、五〇%をこえなければいいと、最大限の場合はあるようなこともありますから、ことに航空企業のように、かつて苦労してまいったもの、先ほどお話があったように、まあ吉田さんの話ですか、なんか資本の切り捨てまでやったというような苦労を重ねてきておるのですから、それを一〇%で押えるとか何とかということも、あるいは必ずしも好ましいものではないんじゃなかろうか。しかし、その一企業がその航空企業内でもって独占的ないわゆる支配権を持つということは、厳に慎まなければなりませんからして、その限度はいずれかということについては、適正な措置を講じてまいりたい、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 たいへん私は具体的に提案しているわけですね、いままでずっと合併のいきさつを申し上げまして。吉田君も言ったように、四十一年当時の編成方針から今度の再々編成方針が変わってまいりましたから。したがって、東急、不二サッシを助けるのではないかという国民の疑惑を解くためには、持ち株は一〇%以内に押えて広く民間に資本を求めるべきである。そのときに、初めて運輸省や日航やあるいは全日航がこれをひとつ同業者として援助してもらいたい、そういうことを申し上げておるわけです。具体的に提案しているわけですよ。もう一回、見解聞きます。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 問題は、御心配は要するに一企業といいますか、一会社がその中で支配権を持たないようにということが一つと、もう一つは、疑惑を受けちゃいかぬというごもっともな御意見であります。ただ、問題はこれは民間の仕事でありますからして、おまえこれだけ持てといって他のいわゆる広い意味での一般の資金を持っておる人に持たせるということもむずかしいでありましょう。しかし、心がまえとしては私は一〇%とか、十何%にこだわりませんけれども、せっかくの御提案でありまするが、それにこだわるわけにはまいりませんが、できるだけそのような弊害の及ぼさないように、かつまたそういうような、たとえば二〇%ないし三〇%のものは持っても、それらがいわゆる大株主としていばらないように、これは航空行政としても指導していきたい。ただ、おっしゃるような一〇%で押えろということはやはり民間企業の問題でもありますので、そこまで立ち入ることはどうかと、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ちょうど四十一年航空再編成、今度の新航空政策を見ますと、帝人事件というふうなものが過去にございまして、そういうものを連想するわけです。つぶれかかった会社をめんどう見ておいて今度うまくなったらわが道を行くというような、しかもそれは、日航がめんどう見てまいったでしょう。日航には国の財産が多数入っています。したがって、言うならば、今回の新航空政策が破算寸前を助けてもらった会社の経営権の奪還を正当づけるものであったり、ごね得の会社の居直りを正当づけるものであってはおかしい。これでは国民を愚弄することになりますから、ひとつ日本航空が国内航空に与えた援助はきれいに清算する、これはさっき御答弁がありました。局長も答弁されました。運輸大臣が衆議院の予算委員会でも答弁しておられるようであります。したがって、いろいろ巷間では、国内航空側は、特に東急は、もうあれはそのときに済んでいるんだというようなことも言っておられるように聞くけれども、それでは国民が納得いたしません。この点の、過去の四十一年からの破算寸前のとき日航がめんどうをみた、これをきれいに清算しなければならぬ、そして再出発、こういう点についての大臣の御見解を聞いておきたいのです。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) 当然、これは日航が取得すべきものは厳正にこれは清算をさせます。したがって、一般から……、もちろんこれは会計検査院の検査も要りますから、疑惑のないような措置は必ず十分にできますから、その点は御安心を願いたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、航空再編成の問題は以上にいたしまして、また、具体的な問題は一般質問なり運輸委員会で聞くことにいたします。  時間がわずかしかございませんが、通告をいたしておきました問題を質問をいたしていきたいと思います。厚生大臣に質問いたしますが、この前の補正予算のときの質問の詰めが足りません、時間が足らぬで詰めが足りませんでしたので、ちょうどこれは総括に総理大臣の前で話しておかなければならぬことがありますから、きょう取り上げた問題です。年金の問題と社会保障制度前進の問題ですね。  まず第一は、年金が諸外国に比べて十五年なり二十年おくれております、率直に言いまして。これは昭和三十六年に国民皆保険ができまして、日本は歴史が新しいからやむを得ぬ点もございますから、しかし、それはやむを得ぬといってほおっておくわけにもまいりませんね。かけ足で追っつかなければなりませんが、年金は大体厚生省が九割でありますから、まず、厚生大臣の御見解を聞いて、あと、これは金の問題ですから大蔵大臣の御決意を聞いておきたいと思うのです。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 社会保障の中におけるわが国の年金の地位というものは、先発諸国に比べてかなり低い状態にありますことはお説のとおりでございます。しかしその原因は、小柳さんもよく御承知のとおり、またただいまお話もございましたように、年金制度が出発しましてからまだ年限が短いために、完全な姿における年金の受給者・というものがほとんどない。ほとんどないと申しますのは、厚生年金は一部しかないし、国民年金はことしからようやくと、こういうことでございますので、そういう関係で成熟してないという点がおもでございますので、これから十年、十五年の後には、これが先進国に追いつくくらいに大きくなってまいると、私が考えますことが第一点。しかし私は、いろいろ調べてみますると、それだけではなしに、やはり日本の年金というものは、金額におきましても、あるいは夫婦の年金制などにおきましても、諸外国よりもおくれている点なしとせずと言わざるを得ませんので、そういう点につきましても十分補完をいたしてまいりまして、今後の生活の保障の制度としてこれを重視してまいりたいと厚生省は考えております。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 厚生大臣からお答え申し上げたことにつけ加えることはあまりありませんが、年金制度は、わが国では採用されたのが非常に立ちおくれた、そこに問題があるように見ております。たとえば、厚生年金、二万円年金と、こういうふうにいいまするけれども、実際は、そのスタートがおそい関係上、この支払いが一万四、五千円ですか、そんな程度にとどまっていると、こういうような状態です。まあこの給付の年金額が多ければ多いほどこれはいいわけですが、それを支払う財源を一体どうするかと、こういう問題がいつもつきまといまして、なかなか前進をはばんでおるわけでありますが、とにかく形は整った、内容をこれから整備する段階に入ったわが国の年金制度を早く先進国並みのものにいたしたいと、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 公的年金の総合調整でこの前総務長官に言いましたけれども、これは審議室長が議長でありますから、審議室長にひとつ説明を求めましょう。これもう大体ことしぐらいにはできておらなければならぬのができてない。ひとつ審議室長から。

青鹿明司内閣官房内閣審議室長兼内閣総理大臣官房審議室長

○政府委員(青鹿明司君) それでは公的年金制度調整連絡会議の審議の経過と概要を御報告いたします。  この会議は、社会保障制度審議会のお申し入れもございまして、各種の公的年金に共通する観念を見出しまして、物価、生活水準等の変動に対応して年全額の改定について共通の基準なり方式が適用可能であるかどうかということを検討する目的のために、四十二年の七月に次官会議の申し合わせでもって設置されたものでございます。以来、総会六回、幹事会十回、小委員会十一回、その他非公式の個別の交渉も含めまして各角度から検討してまいったわけでございますが、これを便宜項目別に整理いたしまして、事項ごとに概要を御報告いたします。  まず第一は、改定の対象となる給付をいかに考えたらよろしいかという点でございますが、そもそも公的年金が共通する目的として持っておりますことは、長期的な所得の喪失に対しまして年金を支給することにより国民の生活の安定をはかるものでございます。したがいまして、物価、生活水準等の変動によりまして改定すべき年金はすべての制度において必要であると、それから遺族給付、老齢給付のほかに障害給付等についても調整の対象にすべきであるという点について各委員の意見の一致を見たわけでございます。ただ問題は、これを具体的にどう実行するかという点でございまして、その第一の問題は、改定の対象となる部分は一体どう考えたらよろしいかという点でございます。これについて一部の委員から、各年金が生活保障的機能を有するものでございますので、その部分を最重点に考えるべきではないか。具体的に申し上げますと、被用者年金の中核でございます厚年の定額部分、これを共通な基準として考えるべきことが適当であるというような意見が一部の委員から述べられたわけでございます。これに対しまして、観念的にはともかく、共済組合には具体的に定額部分に該当するものがないという意見、それからさらに年金額を二つの部分に分けてその取り扱いを異にするのは適当ではないという反対の意見もあったわけでございます。  それから三番目の問題は、改定の対象となるものをどう考えるかという点でございますが、これにつきましては、他に収入のない、稼得活動から離れた一定年齢以上の老齢者を優先的に考えるべきではないかという意見が一部の委員からございまして、これに対しましては、公務員年金等については制度本来の趣旨に照らしまして、年齢によって取り扱いを異にするのは適当ではないという意見が述べられたわけでございます。  それから事項の第四は、改定にあたってどういう指標を求めたらよろしいかという点でございますが、これにつきましては、消費者物価が一番重要な指標になろうという点については各委員の意見がおおむね一致を見たわけでございます。ただ、消費者物価指数は、そのウェートのとり方から見まして、必ずしも年金受給者の消費生活に適合するものであるかどうかという意見もございます。それからまた、公務員年金につきましては給与を基本的な要因として考えるべきではないかという意見も述べられております。  それから問題点の第五でございますが、一番重要な問題でございますけれども、年金の改定の時期並びに方式をどうしたらよろしいかという点でございます。これについては、御承知のとおり、いわゆる自動改定方式というのがございまして、一定の指標が変動した場合に、その指標の変動をスケールとして年金給付額を改定するという方式でございますが、わが国の制度では、これを適用すべきであるという意見は委員の間からございませんでした。第二の方式として、いわゆる半自動改定方式というのがございます。これは一定の指標が一定の幅で変動した場合に改定をする、ただし、その内容は、その時の情勢によって政策的に判断を加えて改定を実施すべきであるということでございまして、一部の委員の意見から、わが国の公的年金につきましては、この半自動改定方式をとるべきであるという御意見が出たわけでございます。これに対しまして、年金額の改定と申しましても、これはある意味では、経済成長の成果を年金受給者にどう及ぼしたがいいかという側面を持つものでございますので、やはりその制度の特質なり、沿革等にかんがみながら、国民生活の状態、物価給与水準等を総合的に勘案して政策的に判断すべきである、いわゆる政策的な改定方式をとるべきであるという意見が述べられて結論が得られなかったわけでございます。  それから最後の問題でございますが、現実的には一番重要な問題でございますけれども、財源をどうするかという点でございまして、これについては、そもそもこの議論をする前に、財源負担の方式をどうするかということを先決しないと議論が進まないだろうというような意見もございました。それからまた、具体的な負担の方式につきましては、各制度の本来の負担の原則、いわゆる三者負担でもってこの費用をまかなうべきであるという意見、これに対しまして、公的年金制度の使命からして、国としても相当の責任を持つべきである、その意味で、財源については国庫負担を十分に考慮すべきであろうという意見も述べられまして、結局は結論が得られなかったわけでございます。そこで、ただいままで申し上げましたように、各項目につきまして、各委員の意見がなかなか一致を見がたいということで、実は今後この連絡会議をいかに取り進めたらよろしいか、先般総会を開いて、各委員の意見を求めるかたがた協議したわけでございます。その結果、従来のようにその共通する改定の基準なり、方式なりを直ちに求めるという考え方ではちょっとこれ以上進展が望めないのではないかということになりまして、そのため、公的年金をその目的なり、沿革なり、背景なりから類似性のあるものをグループ別に整理いたしまして、そのグループごとに適用すべき基準なり、方式なりを考えることが最も現実的ではなかろうかというような委員の意見が一致を見たわけでございます。具体的に申し上げますと、グループといたしまして、民間グループに入りますものは厚生年金、船員保険、国民年金、それから公務員グループといたしまして、国家公務員、地方公務員、公共企業体職員共済、これらを公務員グループにいたしまして、それからその中間にございます私学職員と、それから農林漁業団体の職員のグループを一つ、まあこの三つのグループに分けましたほか、あと一つは災害補償がございまして、これは当初は、この調整会議の対象にしないということでおったんでございますが、いま申し上げましたように、いろいろグループごとに検討するということになったものでございますから、この機会にあらためて災害補償も調整会議の議題に加えて別途検討をしようということで、大体各省の意見の一致を見たわけでございます。まあ会議といたしましても、今後各グループごとの検討状況を見守りながらなるべく早く結論が得られるように、また各グループ間の意見の間に矛盾撞着することがないように十分配意して運営をしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 わかりました。また前進するように協議してもらいたいと思いますが、大蔵大臣に質問いたします。  いまお話のように原資の問題が問題でありましょうし、そのために、たとえば恩給などは物価とか給与とかいうことばはきれいですけれども、その半分しか今度も上がってないわけですよ。これが今度は基礎になりますから、それが年金に一切右へならえです。だからあとでまた問題にしますけれども、年金の積み立て金などは五兆円もあることでありますから、まあ年金の調整の金は政府がめんどうを見るという原則はやっぱり政府が立てるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いまのお話は、物価が変動した場合にどういうふうに調整するか、こういうことかと思います。これには物価の変動がありましたら一定の指数をつくっておいてそれでスライドしたらどうだ、こういう意見がある。先ほどお話がありましたようでありますが、しかし、これは非常に問題がありますので、私は採用いたしたくない。ただ、年金というのは経済の変動、特に物価の変動に伴いまして実質価値が減る、これはそのとおりなんでありますから、それはよく認識しなければならぬ。その実質価値をどうやって維持するかということにつきましては、これも最大の努力を払わなければならぬ問題である、そういうように考えておるんです。そこで、毎年毎年の予算等におきましても、政府の関係するものにつきましては政府のほうでも介入いたしまして、そういう調整措置を講じておるということが現状であります。スライド制はとりませんけれども、実質的な年金価値はこれを維持していく、こういう方針でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これは総理大臣に質問いたしたいんですが、年金が急速度に諸外国に追いついていく一つの方法に、六十五歳までは労働省が雇用促進、就職促進という体系をとりつつある、これは私反対ですけれども。六十六歳以上は、厚生省というのがいまの政府の分担ですよ。そこで、私ももっとこの定年から言いますけれども、六十六歳以上の御老人の恩給、年金は少なくともいまの生活保護基準を上回る程度に一切の年金を底上げしなければ御老人は生活不安であるし、調整が間に合わない。さっき公的年金の総合調整の話を聞きましたけれども、なかなかこれは言うはやすく行なうは難しです。だから具体的に手っとり早くいまの日本の年金をよくして——よくといいますか、これもびほう策でございますけれども、御老人の年金、恩給で暮しておる方たちの生活を安心せしめる一つの方法は、少なくとも六十六歳以上の方は、いまの一級地の生活保護基準の方よりもそんな少ない年金、恩給はないんだと、こういう体制まで早急に持っていきたいと思うがいかがでしょう。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 先般の補正のときに小柳さんから、生活保護よりか底い恩給、年金受給者がいるという例をあげてお話しになりました。そこで私も、常識上、そして社会通念上やはり問題でありますから、調べてみたのですが、なかなかわかりにくいし、つかみにくいわけです。そこで、逆に厚生省のほうの資料を調べてみましたところ、三十八年の——たいへん古い資料でございますが、これからさらに問題点として新しい資料をつくりたいと思いますが、三十八年調べによる資料によりますと、確かに恩給その他公的共済給付金その他の受給者であって逆に生活保護を受けている件数というものがわかったわけです。いわゆる年金、恩給等の受給者であって生活保護を受けておる事実の数ですね、これが一万一千五百十六件ございます。これは明らかに先生御指摘の点がこれで数字的に、三十八年度ですけれども、証明されたということであります。そこで、これはいろいろ分類のしかたによって、はたしてそれは年金だけでもって生活を余儀なくされている人なのか、あるいは扶養家族その他がおるのか。しかし、生活保護というものを受ける以上は各種生活保護給付の前提条件は満たしているはずでございますから、これはやはり大きな問題となる数字だと私思いまして、したがって、これらの数字をもとにして今後検討いたしまする制度の中でも、それぞれ国家公務員、地方公務員、大蔵、自治あるいは公企体とか恩給そのものとか、いろいろと分かれておりますけれども、それを審議室で預かって審議いたしまする場合のいま一つの問題点として、さしあたりただいま御提案の、賛否は別にして、せめて六十六歳以上の方々で、そして公的年金を受けておりながら生活保護を受けなければならないという状態をなくするということの保障はできないかという、この議論は大いにあり得ると思うのです。しかしながら、軍人恩給等の中では、戦時加算等によって勤務年限が非常に短くて、そのために恩給の資格はあるけれども、給付の実額は少ないという件数等も相当ございました。これらの分類等を正確にやりまして、しかる後に社会的な通念上問題とされる点については、今後具体的な措置を関係各省大臣と相談をして詰めてまいりたいと思っておるところでございます。まあ補正の議論の続きとして、私のほうから逆に御報告、ついでに意見を申し上げた次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ただいま長官があげられましたように、一万一千の数字はよくよくのことです。恩給等もらっている方は、ほんとうに民生委員に保護を訴えることはしないですね。そこでもう困窮して、せめて年金、恩給と老齢福祉年金の併給でもしてくれないかというささやかな願い、それすら現在は通ってないでしょう。だから私はそのことを申し上げているわけですから、いま長官の非常に前向きの発言でありまするが、総理大臣、そういうひとつ見解をお聞かせ願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そういう一般論があり得るわけであります。ただ、生活保護ですね、これは国民の中の最低生活を保障しようという制度的発足、そういうふうにいまなっておるのです。年金のほうは老後と、あるいは何らかの支障のあった際に生活の向上というようなことを実現をしようということで、発足の沿革なり、考え方というものが違うのです。でございますから、これを生活保護まで理論的に年金の額がいかなければならぬということはありませんと思いますが、しかし、なるべく年金額も高いほうがいいわけでありますから、財源、その財源負担の問題、これがむずかしい問題ですが、そういうものを検討いたしまして、なるべくそういう一般的常識論に通ずるような制度に持っていきたい、かように考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 わかりました。  それからあとは、さっきの年金が、厚生年金も国民年金もどんどん金がたまってまいります。その年金を還元融資するわけです。それが国民生活の福祉のほうに直接——なるべく直接国民生活の福祉の方向に還元してもらいたいというのが私どもの願いですね。現在は二五%です。それをせめて三分の一、三三%ぐらいは直接国民生活の福祉の方向に還元してくれないかという願いですけれども、いかがでしょう、大蔵大臣。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 厚生年金でありますとか、国民年金ですね、これは資金運用部資金に統合いたしまして、そして国家資金としてこれが運用をやっておるわけです。しかし、厚生年金とそれから国民年金につきましては、その発足の特殊な事情というものを考慮いたしまして、現在二五%はいわゆる還元融資をやっておる。しかし、この膨大な四兆何千億という規模の資金運用部資金、財投ですね、これはそのほとんどというか、八四、五%までがまあいわゆるわれわれの生活に関連する投資に与えておるんです。この十年ぐらい前、これを振り返りますると、企業投資とか、そういうものがずいぶんありましたが、昨今におきましてはそういうものが激減をしてまいりまして、ほとんど、御主張になられる還元融資的な方面に活用されておる。そういうことで、もう実害というか、実益が還元融資してもないくらいまでこの運用の方向というものが変化をしてきておる。  それからもう一つの問題は、まあとにかく財投というものは非常に大きな役割りをいたしておるわけでありまするが、それをまた目的を設定して、膠着させるというようなことになりまると、またこれが、景気が浮き沈みをするというような際の弾力的運用というか、それにも支障を生ずると、そういうように考えますので、二五%を三五%に繰り上げるという考え方は、私はいまここでは賛成いたしかねますが、しかし気持ちはよくわかりますので、そういう方向でやってまいりたいと、かように存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 で、こういう意見がこの融資を運営する委員会に反映できますように、いまの委員会の中にたとえば労働組合代表とか、あるいは民主団体というとおかしいですけれども、農民代表とか、そういう関係団体の人を、代表を入れるような仕組みをお考えになったことはございませんか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま、この資金運用につきましては、七人の委員——会長、副会長、それから委員が五名であります。それでその運用の方針を御審議し、決定してくださっておりますが、これはもう全部が学識経験者なんです。いま労組、農業協同組合の代表なんかを入れたらどうだろう、こういう御提言でございますが、社会保障審議会あるいは米価審議会、ああいうところで見られるように、どうも利害関係人が入るという審議会の行き方じゃこの資金運用部資金の運営なんかは非常に円滑を欠くのじゃないか、そういうような感じがいたしておるのです。そうしてしかも、その七人の委員というものは、御承知のとおり、たいへん中立的なりっぱな幅の広い見識を持っておられるお方でございますので、現在何か支障があるかというと、私はいかなる方面から見ましても支障らしいものが看取できない、こういうような状態であります。なお今後とも、しかし、運用につきましては、十分気をつけてまいりたいと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これはひとつまた各党の国対や議運に頼みまして、少しまたやってみましょう。  次は、最後は、社会保障制度の、この間の話の足らぬところを質問いたしますが、まず、日本では社会保障制度とは何かという定義がないわけですね。学者はいろいろありますけれども、この本にもたくさん書いてありますけれども、社会保障制度とは一体何かというがっちりした政府の定義がないわけです。そこで、いろいろ論議する場合に、統計が多かったり、少なかったりしまして論議がかみ合わぬ面がありますが、厚生大臣、社会保障制度とは何か、いまの内閣、政府の定義をひとつ教えてもらいたいのです。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) 小柳さんからかねてそういうお話もございますので、いろいろ調べてみました。と申しますのは、まず憲法の第二十五条に社会保障なり社会福祉ということばを使っておりますが、憲法では社会福祉、社会保障というのを分けて使っております。言いかえますと、社会保障というものを非常に狭く解釈して、いわば社会保険を中心とする施策みたいなものを社会保障と言い、社会福祉は、たとえば老人対策にいたしましても、身体障害者等々の対策にいたしましても別にいたしておるのが、これが一番狭い解釈のようでございます。  しかし、社会保障制度審議会が社会保障を充実せよ、と。あるいはみずからの審議会の名前である社会保障制度というようなことについて考えておるところをいろいろ取りまとめてみますると、ここでは憲法のように社会福祉と社会保障を分けないで、むしろ社会保障というのは社会福祉なりあるいは公衆衛生なり、あるいは公的扶助、いろいろな国民生活のために計らう施策を取りまとめて社会保障制度といっているようでございます。  同じ考え方を日本の予算——これは大蔵省が予算の区分、予算の説明等で出しているところでも、社会保障というのは社会福祉も入れば生活保護も入る、あるいはまた医療保険——けさほどの医療保険のようなああいう制度、あるいはまた、さらに公費医療などをも含む保健衛生対策、さらに労働省所管の失業対策などをも入れまして、それをひっくるめて社会保障ということばを使っておりますし、また国際的な機関であるILOでも、やはり社会保障というのは医療からあるいは医療保険における傷病手当、失業給付、老齢給付あるいは業務上の災害等々、そういう社会福祉あるいは国民保険施策、その他今日の複雑な社会制度の中において勤労者のためにするようなもの一切を含めて社会保障制度といっているようでございますので、私はやはり社会保障というのは、それらを含めた広い観念でやらしていただいたほうが、私どもとしては、これは何も予算の見せかけを大きくするということではございませんが、社会福祉や、あるいは医療保険と対立した別のものとして取り上げないほうがいいと思います。また、国の法律に社会福祉事業法というのがございますが、これでも社会保障の定義はいたしておりません。また、こういうことは時代とともに変わっていくものでもありますので、私どもはそれを社会福祉と言い、あるいは社会保障と言い、あるいは社会保険と言いましても、そういう面を実質的に充足していきまして、ことばの定着は時代にまかしておこうと、こういうようないままでは気持ちでやってまいりました。いろいろ御教示を得たいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 なかなかむずかしい問題でありましょうから——ですけれども、いまのでは答弁になりませんですね。いろいろ、たとえば総理の演説などでも社会福祉前進とか何とかおっしゃる。社会福祉とは一体何か。そういうことで、やはり社会保障というものをちゃんと定義しながら論議いたしませんと、こういういろいろな論議が合わないわけです。したがって、それは、きょうはもう前もって通告しておいたけれども、文書でないようですから、ひとつまたの機会にお聞きいたしたいと思います。  それから、四十六年度から住宅、港湾、それから空港、下水道それから——五つの五カ年計画が発足いたしますが、残念ながら社会保障五カ年計画などというのはないですね、なぜ出ないのです。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(内田常雄君) これは二つの点から申し上げ得ると思いますが、一つは、昨年発足いたしました経済社会発展計画、あの中における社会保障給付費の割合というものにつきましては六カ年計画というものが概定されております。もっともその中で老人対策に幾ら、身体障害者対策に幾ら、児童あるいは母子福祉に幾らということはございませんけれども、いまの六カ年計画の中では概定されておりますので、私どもはそれをさらに分析発展させまして、中身につきましてもいろいろな計画を六カ年の中で発展させようと思っておりますことが一つと、また、いまの社会保障ということばを広義にとります場合には、当然社会福祉のいろいろな施設、保育所でありますとか、あるいはまた身体障害者の育成施設でありますとか、老人ホームとかというようなものが入るわけでありますが、そういう社会福祉施設の整備につきましては、実はこれはたいへんおくれている事情にもかんがみまして、昭和四十六年から五十年までの間の五カ年計画というものを私どものほうでは立てております。もっとも、これは法律で、たとえば同じ私どものほうでやっております清掃施設などのように、清掃施設緊急整備法というようなものに基づく計画ではございませんけれども、私どものほうの予算上、作業上の計画といたしまして、社会福祉施設の緊急整備計画を立てておるわけでございますので、両方あわせて考えてみますると、全然ないということではございません。これは道路とか、いまの下水道とか、あるいは私どもがやっております水道、あるいは清掃施設のように、物的のものではなしに、社会経済状況というものが種々変わってまいりまして、ことに核家族の発展とか、あるいは扶養意識が変わってまいりますので、今日の親子関係のもとにおいて、私は必ずしも立てられない。もっと親子関係、あるいは地域福祉の関係というようなものがかなり変わった姿になっていくことをも、もう少し見定めてからでないと、うかつに小さいものをつくれないと、こういうふうな気持ちも正直のところいたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 最後の質問でございますから、総理大臣に御答弁願いたいのですが、年々予算が膨張いたしますから、その率では社会保障関係費も膨張いたしております。ところが、この年々、全体の予算に対する社会保障費関係を見ますと、実は変わっていないのです。だから防衛予算などについては年々増加いたしますね、率が。そういうことでございますから、もう言うならば、いまこそ社会保障制度をちゃんと年次計画を立てまして、予算を組んで、そして見通しを立てて、先進諸国に追いついていく体制をとらなければならぬのではないかと思うんです。だから、社会保障費がふえると経済発展に足を引っぱるなどという暴論もありますけれども、私はそうは思いませんです。  そこで、人間尊重を標榜しておられる総理が——少なくともいま厚生大臣は、腹の中では五カ年計画があるんだ、ただ表面に、予算面に出てないんだとおっしゃいますけれども、早急に五カ年計画なり十カ年計画を立てて、先進諸国に、少なくとも総予算の中で社会保障費がふえて追いついていきますような体制をとっていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いままでのところ、厚生大臣やまた大蔵大臣からもそれぞれお答えをいたしましたので、小柳君から別に誤解されてはいないだろうと思います。また、現在の社会保障制度、その中身、社会福祉の中身等が、先進工業国に比べてわが国はたいへん見劣りがする、こういうような点も、わが国の制度の発足がおくれていただけにそういうものが目につく、かように私思います。したがって、そういう意味ではできるだけ中身を充実さしていくという、そういうことを努力しなきゃならぬこと、これはもうおそらくそういう意味で年度長期計画を立てろ、こういうこをおっしゃるんだろうと思いますが、私どももそうあってほしいと思います。今度は御審議をいただきまして、ようやく児童手当制度、これが発足しようという、しかしもう児童手当にいたしましても、その中身が、あるいはとやかく言われるが、少なくとも手をつけたというだけで、これから中身は充実していくのだと、かように御理解をいただければいいと思います。そこらあたりは長期計画があるわけですから。しかし片一方で、先ほど来いろいろ六十六歳以上老人手当を何とかしろというようなお話が出ております。今度は老人の方に向かって福祉の手を差し伸べる時期ではないだろうか、かように思います。これが厚生省として持ってはおりますがという中の一つではないかと思うのであります。  実は私いま老人の問題に特に触れましたのは、ある中学校の社会科でいろいろの問題を研究した、どうも老人に対する手厚い福祉政策が何ら行なわれておらない、これを一体総理はどういうふうに考えるか、こういう実は質問を受けました。しかしこれは質問と言うが、同時に鞭撻をされた、こういうような感じもいたしますので、この機会に国民の皆さん方もやはり老人に対しては一体どうしてくれるのか、先ほど来言われるように、どうも老人に対する手当てが不十分じゃないか、別に生活保護、そういうような家庭、そういうものはあるけれども、どうも寝たきり老人あるいは一人暮らし、そういう老人に対してのあたたかいものがない、こういうことがどうも指摘されやすいのであります。私はそういう点もこれから発足していくだろうと思いますが、もちろんその年金制度はありますけれども、年金制度のないところの面に対しましても、国からの年金制度がほしいというような気持ちも出ているんじゃないか、そういうものは一体どういうように取り組んだらいいか、これから検討するというような状態ではないだろうか、かように思うのであります。  ただいまわれわれが福祉なくして成長なし、こういう標語めいたことを申しておりますのも、経済成長は、言うまでもなくこれは手段なんだ、お互いがしあわせにならない限りどうも経済だけ大きくなったからといってそれは意味をなさない、そこに気がついて、おそまきながら福祉なくして成長なし、こういう言い方をしておるのであります。ただいまの各般の施策にいたしましても、そういう観点に立って中身を盛っていく、そうして先進国と同様なものに取り上げたい。まあ片一方でしばしば言うことですが、高福祉高負担、こういう言い方もしております。どうもやることが負担のほうだけ先行して福祉のほうがおくれるんじゃないか、こういうことで高福祉高負担ということばのほうがどうも正確に御理解いただけない面もあるようであります。しかしながら、ただいま言うような社会福祉計画、これを充実さしていく、こういう面をこういうところから取り上げていけば、必ず高福祉高負担ということも御理解がいただけるような方向で取り上げざるを得ないんじゃないだろうか。しかし私は最近の経済成長等から見まして、国民の総体の生活水準も高まり、また負担力もだんだんふえてきたように思います。そこで最後のところは、やはり福祉社会の建設というものはその方向に向かって進むべきじゃないだろうか、かように思ってこの問題を取り上げたいと、かように思っておりますが、ただこの機会に、いついつ佐藤総理はこれこれの約束をしたじゃないかと、こう言ってあと攻められることはどうかと思いますけれども、いま総体的な、原則的な観点に立ってものを申し上げ、ただいまのような御協力を得たい、かように思いますから、これから取り上げるべき、まず先に取り上げるべき問題は何かと、そういうような選択もあるだろうと思います。もう相当多方面にわたって取り上げられてはおりますけれども、今度は中身を充実さしていくとか、あるいは新しく取り上げるのは一体何かと、こういうようなこともまたお知恵を拝借したいと、かように思います。  以上お答えいたします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 質問を終わります。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 委員長、ちょっと関連して。  かねがね少しおかしいと思っていたら、いまちょうど総理からそのことばが出ましたんですが、非常にお好きでこのごろお使いになる福祉なくして成長なしということばですけれども、これ聞いておりまして、いま総理は福祉が目的だとおっしゃったんですけれども、私の知っている日本語では、このことばは福祉が手段で成長が目的のように聞こえるのですが、その点いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私の話がそうとれましたか。いままではしばしば成長なくして福祉なし、こういう言い方をしてまいったように思います。しかし私はそれを入れかえて、福祉なくして成長なし、かように考えております。経済成長、それは申すまでもなく社会福祉をもたらすための手段だと、かように思いますので、目標はどこまでもお互いがしあわせになること、そこにあるのだ、これが私が申し上げたいことであります。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 関連質問で、あまり長くなっちゃいけませんけれども、いま総理のおっしゃること、逆なんですよ。福祉のほうが目的ならば成長なくして福祉なしということばになると思うのです、私は、日本語は。福祉なくして成長なしとおっしゃると、どうしても成長のほうが目的で福祉のほうが手段だというように聞こえてしまうのです。そこのところは、それは総理が、こういうつもりでおっしゃっておるのだからそう聞いてくれとおっしゃればそう聞きます。そう聞きますけれども、普通の日本語じゃ、どうも逆のようにとれるので私はかねがねおかしいと思っていたので一言申し上げたのですが、もし、もっとはっきりいいことばがあったら考えていただきたい。これで私はおしまいに……。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 以上をもって小柳君の質疑は終了いたしました。  明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時三十五分散会

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