予算委員会 第7号
- 発言数
- 387 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/03/04
会議録
○委員長(古池信三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 昭和四十六年度一般会計予算、昭和四十六年度特別会計予算、昭和四十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 前回に引き続き質疑を行ないます。八田一朗君。
○八田一朗君 まず、成田空港の問題からお聞きしたいと思うのでありますが、成田空港をどうしてもつくらなければならぬものであるかどうかをお願いいたします。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 御承知のように、最近における航空旅客の増大は非常な勢いで伸びてまいりまして、羽田飛行場はもうすぐにパンクの状態にありまして、四十五年、昨年におきましても十二便の減便を行なって、かろうじて羽田の空港の機能をやっておる状態であります。したがって、最近の三〇%前後ずつ伸びていく国内、国外の旅客を吸収するためにはどうしても第二の国際飛行場が必要である。こういうことからして成田飛行場の建設に取りかかったわけでありますが、できれば全工事の完了は、四十八年度を目ざしておりますが、現在のところでは、全工事を四十八年度に完了することはむずかしいと思いますけれども、第一期工事、いわゆる現在やっておりまする第一期工事は四千メーターの滑走路を主軸にしたものでありますが、これはぜひとも四十六年度中には完成したいと、かように考えておる次第であります。
○八田一朗君 よくわかりました。 ただいま新聞を見ますると、よく代執行ということを書いておるのですが、代執行ということはどういうことか御説明願いたいと存じます。
○参考人(今井栄文君) 代執行というのは、本来、土地所有者が明け渡すべき物件等につきまして明け渡さない場合に、県知事がかわってその明け渡しを執行するということでございまして、今回の代執行につきましては、空港公団は昨年の三月三日に、四千メーター滑走路の北部の谷地田部分に存在する六カ所の裁決申請を千葉の土地収用委員会に提出いたしまして、昨年の十二月の二十六日に収用委員会から、本年の一月三十一日までに明け渡すようにという裁決が出たわけでございます。しかしながら、その六カ所、これは全部一坪運動でございますが、六カ所につきましては三十一日に明け渡しがなされないということで、空港公団は直ちに県知事に対しまして代執行の請求を二月一日に行ないました。これによりまして知事は代執行の戒告を行ない、さらに代執行当日というものを二月の十六日に各関係者に出しまして、御承知のように、二月の二十二日から三週間ということで知事が執行権者として現在私どもの申請した六カ所の代執行を施行中であると、こういうことでございます。
○八田一朗君 いま一坪運動ということを言われたのですが、一坪運動というのは何ですか。
○参考人(今井栄文君) 簡単に申し上げますと、一坪運動というのは、本来の生活の根拠となる農地ではございませんので、一般的にいいますと、空港建設に反対するという意図のもとに大ぜいの方々がわずかな土地を共有しておるという状態が一坪運動というふうに一般的に言われておるわけでございます。
○八田一朗君 代執行の実施の状況をちょっと御説明願いたいと存じます。
○参考人(今井栄文君) 先ほどお答えいたしましたように、代執行は二月の二十二日より開始いたしたのでございますけれども、先週の週末当時は、何とかして農民の方々との交渉ができないかということで、県知事のほうから若干時間をかしていただきたいということで三日間と半日執行を休止いたしまして、今週に入りまして一昨日、昨日と実施をいたしておる状況でございます。で、もちろん、その間に多くの支援団体の方々が中に入りまして、投石であるとか、あるいはその他の妨害行為が相当ございまして、私どもの職員、あるいは県の職員、また警察官の方々等に若干の負傷者が出ておる。もちろん反対同盟のほうにも、あるいは負傷された方々がおられるかとも思いますけれども、これについては詳細な資料は持っておりません。
○八田一朗君 きのうのテレビを見ますると、木が一本切れぬからうまくいかなかったということを言っておりますし、また、木に登っておる者もおるのですが、なぜ木が切れないのでしょうか。
○参考人(今井栄文君) 昨日は六ヶ所のうちの第二番目の、私どもは二番地点と申しておりますが、谷地田の傾斜地部分にある、いわゆる一坪運動地でございますが、すでに第一番地は先方の横穴、縦穴、その他の妨害施設がございませんので、先週のうちに一応代執行を完了いたしまして、昨日は二番目の代執行地に対して執行をいたしたわけでございますが、ほとんど大部分の施設は撤去いたしましたが、木に一人の方が登っておられるということで、この木も、再三にわたってその方を移して、木を伐採するつもりでおったのでございますが、学生の投石が非常に激しくて、木に、実は相当高いはしご等も用意したのでございますけれども、身体その他に危険があるというふうなことで、その投石を避ける意味でやむなく昨日は木を一本残した、こういうことになっております。
○八田一朗君 その木の持ち主というのはどなたですか。
○参考人(今井栄文君) 昨日残った木は、モミの木と聞いておりますが、その所有者につきましては、実はまだ、数百本の木につきましてそれぞれ立ち木所有の明認をいたしておるわけでございますけれども、その木の明認所有者がだれであるかということは現在手元に資料がございませんので、さっそく調べてあれしたいと思います。
○八田一朗君 それから反対運動の構成をひとつ聞かせてください。どういう人が反対しておるのですか。
○参考人(今井栄文君) 先ほど一本残った木がモミの木と申しましたが、あれは小説の題名でございまして、ナラの木であるそうでございますので、訂正させていただきます。 反対同盟の構成員でございますが、現在、三里塚・芝山連合空港反対同盟というのが反対同盟の正式な呼称でございますが、この反対同盟の内訳は、主としてまだ敷地内に残っておる反対派の方々、大体四十数戸だろうと思いますが、これは第二期工事のほうの農家の方々でございます。それから大多数は空港予定地の南側の山武郡芝山町の騒音区域の方々が主力でございます。しかし、これは農民の方々のいわゆる同盟への加盟者でございまして、実際に現在成田で反対運動を行なっておられる方々の内訳を見ますと、この二十二日から始めました代執行の経過で、反対同盟所属の農家の方々は大体において百九十名から三百数十名というような程度で前後いたしておるようでございます。で、主としてこれらはもちろん現在の六カ所の代執行対象地の所有者ではございません。それで、こういう方々と一緒に学生、それから反戦青年委員会、あるいは労組員、ベ平連というようなところを合算いたしまして、大体千百五十名から二千数百名というのが毎日来ておるということで、実際に反対同盟に参加しておられる農家の方々よりは、そういうような支援団体のほうが圧倒的に多いというのが実情でございます。
○八田一朗君 その反対同盟の中にも一坪地主、それから一坪、一木を持っている人が入っているのですか。
○参考人(今井栄文君) 一坪運動の地主は、一カ所について五十名であるとか、七十名であるとか、百数十名であるとかいうように所有者が非常にたくさん大ぜいでございますが、その中には農家の方々も、それからあるいは労組の方々も、あるいはその他の方々もいろいろな、要するに空港を建設することに反対であるというような方々が共有している、こういうことでございます。
○八田一朗君 その反対運動の中に小中学生が入っておるのですが、あれはどういう理由でございましょう。
○国務大臣(坂田道太君) 去る二月二十二日から始まりました空港建設収用にかかる代執行に反対をいたしまして、成田市及び芝山町管内の小中学校の児童生徒が連日おおむね百人以上欠席をいたしております。さらにその一部が阻止闘争に参加しております。二月二十四日には二名の負傷者を出すという不祥事が発生をいたしておりまして、まことに遺憾なことであると私は思っております。児童生徒がこのような理由で欠席をし、授業を放棄するということは、これは許されないことであるのみならず、児童生徒を反対運動の実戦にまで参加させるということは、その心身の発展段階から見まして教育上望ましくないことは申すまでもないことでございます。さらに児童生徒をして危険の予想される闘争の前面に立たせるということは、身体の安全の確保という面からも憂慮すべきことであると考えまして、文部省といたしましては、児童生徒が学校を欠席し、反対運動に参加することのないように、再三千葉県教育委員会を通じまして強力な指導を続けておるところでございます。千葉県教育委員会におきましては、関係出張所、関係市町村教育委員会、関係学校長等に対しまして、数次にわたって指導通達を発し、校長を中心に全教員が一致協力いたしまして、生徒の指導に当たることを要請するとともに、教育長、小中学校、あるいは関係者による対策協議会等を開きまして、対策の推進につとめてきたのでございます。また、県の教育委員会首脳部は反対同盟の委員長と面会をいたしまして、直接、児童生徒を反対運動に巻き込まないような申し入れをいたしておりますけれども、実際のところこれがなかなか実現するに至っていないわけでございます。しかしながら、実情を聞きますと、親も非常に困っておるわけでございまして、学生たちが、農家に泊り込んでおる。同居しておる。したがって、学生たちが結局児童生徒を引き込んでおる、こういうような状況になっておるようでございます。そういうわけで、関係小中学校におきましては家庭訪問をいたしまして、その説得につとめておるわけでございますが、去る二月二十六日には中学校長六名が直接現地におもむきまして、生徒児童に対して学校に復帰するように、登校するように呼びかけたわけでございます。しかしながら、二十七日から三月一日まで代執行が中止されました間は、ほとんどの生徒児童が登校いたしました。まあ十名程度は欠席をいたしましたけれども、ほかは全部登校して授業を受けております。また、高等学校の試験等についても試験を履行しておるような状況でございます。しかしながら、代執行がまた再開されますと、やはり百七名程度の児童生徒が、これは三月二日でございますけれども、欠席をしてそれに参加しておるということでございます。こういうことはまことに遺憾なことでございまして、きょうからでも――きょうは三名が欠席をしておる。中止でございますから登校していると思いますが、とにかく再開されましても生徒児童だけは参加しないように、私からもここを通じましてもお願いをいたしたいと思っております。また、私ども文部省といたしましても緊密な連絡のもとに、県教育委員会あるいは現地の小学校、地方教育委員会等を通じまして指導を続けてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○八田一朗君 代執行の結果、負傷者が両方に出ているように先ほどおっしゃいましたが、負傷者の数をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(今井栄文君) 現在までの私どものほうの負傷者について、調べた点を御説明申し上げますが、昨日の分は必ずしもまだ人数全体を正確に把握しておりませんので、概数を申し上げたいと思います。 現在までで、二十二日から始めまして、けが人は大体二十三日ごろから若干ずつ出ておりますが、公団職員で現在までのところでけがをいたしました者は十三名、県の職員でけがをいたしました者が五名、それから私どもが雇っておるガードマンで負傷いたしました者が二十八名、それからまた作業を請け負わせておる作業員でけがをいたした者が二名ございまして、それ以外に警察官が相当数けがをいたしておるようでございます。これは私どものほうで正確な数字は把握いたしておりませんが、やはり百名以上の方がけがをしておられるという状況で、現在でけが人の数は、警察官も含めて百四、五十名くらいではないかというふうに、概数として推定されます。
○八田一朗君 けがをするのは石でおもにけがをするのですか。何か棒のようなものも持って、テレビで見ますと、やりみたいに見えるものもあるんですが、おもに何でございますか。
○参考人(今井栄文君) けが人でございますが、実は昨日私、現地へ行ってまいったのでございますけれども、実際にけがをした職員等にも会っていろいろ話を聞いたのでございますけれども、主として投石によるけがが非常に多いようでございます。したがって、けがの大多数は主として支援団体である学生の投げた石によってけがをしたというふうに判断いたしております。
○八田一朗君 こういう事態は暴力行為だろうと私は思うのでありますが、学生もその中に入って暴力をふるっておりますが、こういうことはどういうぐあいにお考えでございますか。公安委員長、お尋ねいたします。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 概略を御説明申し上げます。新東京国際空港建設に伴う代執行がさきに収用裁決のありました千葉県成田市駒井野の六件六筆に対して二月二十二日から千葉県及び空港公団より始められましたが、これに反対する地元の三里塚・芝山連合空港反対同盟と、これを支援する極左暴力集団等が昨日までの約十日間に毎日約千人ないし千五百人を動員して代執行予定地に地下壕やバリケードを構築して、これを拠点に徹底抗戦を叫んで連日激しい妨害行動を続けております。 以上のような反対行動に対して警察としましては、代執行に反対して発生する違法行為の取り締まり及び危険防止のため、二月二十二日以降三月三日までの間、一万一千五百人、うち県外応援が五千六百七十人でありますが、この警察部隊を現場周辺に出動させて警戒警備に当たってきておりますが、この間、極左暴力集団等は連日現地動員を行ない、竹やりでの突撃訓練や代執行班及び警察部隊に対し投石や竹やり等で激しく抵抗するなどの不法行為を敢行し、ついには警察部隊に対してクロルピクリンと思われる農薬までも投げつけるといった暴挙に出ております。このため三月三日までに、凶器準備集合罪、公務執行妨害罪及び威力業務妨害罪等の容疑で百七十四人、うち女が十一人でありますが、これを現行犯逮捕し、うち百四十二人をすでに身柄つきで送検しております。このほかに極左暴力学生集団や地元小中学生から成る少年行動隊による空港公団分室の金網フェンスの破壊事案、公団分室に行っている電話線の切断事件及び空港建設工事用ブルドーザーに対し火炎びん投てき事件など、きわめて悪質な事件が発生しております。また、現在までに極左暴力集団等が所持または準備しておった竹やり、竹ざお三百五十六本、角材、丸太三十四本、鉄パイプ七本、火炎びん七本、石塊-石のかたまりでございますが、約一・五トンを押収しておりますが、これらの凶器使用により警察官百七十九人、代執行関係者三十三人、報道関係者八人が負傷しております。今後も引き続き代執行が行なわれるものと考えられますが、警察としては、彼我双方及び第三者にけが人を出さないことを警備の基本方針として慎重に対処してまいる所存でありますが、違法行為に対しては厳重な取り締まり態度で臨む方針であります。
○八田一朗君 この違法行為を未然に防ぐ方法はないものでありますか。起こってからつかまえておるようでありますが、起こらぬ前につかまえる方法はないものでございましょうか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申します。未然に防止する方法としましては、暴力学生集団が竹やり等を持って集合します場合に、凶器準備集合罪等で規制をいたしております。何ぶんにも広い場所でございますし、事態をなるべく穏便に取り扱うというたてまえでおりますから、なかなか事前の規制も思うにまかせない状態であります。
○八田一朗君 穏便穏便といって結局かえって大きくなるように感じますが、いかがでございますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申します。穏便にと申しますのは、農民集団等に対してのことでありまして、暴力学生集団に対しましては厳然たる態度で臨んでおります。
○八田一朗君 先ほどモミの木のお話をなさいましたが、ただいまの騒いでおるところに、やっぱり立ち木があるんですが、私は、だれが持っておられるか、それをはっきり聞きたいんです。それで話がつかなきゃ、私自身が行ってその所有者と話してみたいというぐあいに思っております。
○参考人(今井栄文君) 立ち木につきましては、数百本の木が、それぞれの所有者の明認をいたしておるわけでございまして、非常にたくさん数がございますので、それぞれの木について全部名前をここで申し上げることは非常に困難だろうと思いますが、もし御必要とあれば、それぞれの木について、どういう方が所有しておられるかという資料を提出いたしたいと、かように考えております。
○八田一朗君 それでは、全部おっしゃるのはたいへんでしょうが、国会議員が何か持っておるという話も聞いたんですが、ちょっと、もし国会議員が特っておられるなら、聞かしてください。
○参考人(今井栄文君) 立ち木について、国会議員の方、または以前国会議員であられた方の持っておられる木も若干ございますが、その六ヵ所のうちでも一カ所について数本については、そういうふうな木もございます。それからまた、第二回以後に、私どもが今後裁決をお願いし、代執行をお願いする地点にも若干そういうものはございます。
○八田一朗君 総裁、あなたはなぜはっきり言わぬのです。そういうことをはっきりせぬから、こういう事態が起こっておるんです。あなた、総裁やめて、かわった人になっていただくようにやっていただかないと、うまくいかぬじゃないですか。
○参考人(今井栄文君) それでは、現在、六ヵ所について現在私どもが代執行をいたしております地点において国会議員の方で持っておられるのは、現在の方は二名、それからまた、前に国会議員であられた方が一名ということになっておりますが……。
○八田一朗君 名前を言っていただきたい。
○参考人(今井栄文君) 名前は、前に衆議院におられました京都の岡本先生、それから現在衆議院におられる北山愛郎先生、それからまた、神奈川の御選出の平林剛先生、現在六ヵ所のうちで、そういう名前になっておるのは、この御三人の方でございます。
○八田一朗君 それから一坪地主全員で何名でありますか。そして、その中に国会議員もおられるように話を聞いておりますが、これは超党派で全部はっきりしてください。
○参考人(今井栄文君) まず、一坪地主全体の数について申し上げますが、先ほど申し上げましたように、現在やっております六カ所と、それからさらに特別措置法によって緊急裁決をお願いいたしております第二次から第五次までの分について共有者の数を申し上げますと、第一次六カ所は、全体で、共有者並びに関係人を含めまして、権利者は百十一名でございます。それから第二次、第三次、第四次、第五次を全体を合わせますと、面積的にはごくわずかでございますけれども、共有者の人数は二千二百四十七名ということになっております。
○八田一朗君 国会議員の名前おっしゃいましたか。なぜ言わぬのですか。私は総裁に聞いているんです。
○国務大臣(橋本登美三郎君) この成田空港の設置の必要は、先ほど申し上げましたが、ただ残念ながら、一部の農民の理解も得られない、四十九名ほどでありますが。同時にまた、反対同盟の委員長の戸村さんという人は、農地を持っておるわけではない。聞けば、職業は農機具の商売だという話であります。また、事務局長の北原さんという人は呉服商である。どうも私は、もちろん、農民が農地を愛し、そうして農地に執着を持つという感情に対しては十分なる理解を持っております。しかしながら、これ自体は国の要請であり、日本民族が将来発展するためには、お互いが公共の利益に奉仕するという精神はなければならぬと思っております。その意味において、一部の国会議員の方がそうした反対と思われるような行動をしておられることも、残念ではありまするが、しかし、話をすればわかるのではないだろうか。われわれは、この問題は国の要請であり、かつまた、日本民族が伸びるためには必要なる措置であることは、再三私は当該委員会を通じて関係者にも話をいたしております。したがって、単なるイデオロギーで、反対せんがための反対、そういう考え方でこれを処しておったのでは解決はつきません。したがって、私は必要があるなれば――その空港を初めからつくることに反対だ、こういう状態で話し合いをすることはできないのでありまするが、ただ、県当局も非常に心配をせられ、また、空港公団においても最善を尽くして理解を求めよう、こういう努力を三年以上にわたってわれわれは努力をしてまいったのであります。しかるにもかかわらず、今日に至っても、なおかつこの理解を得られないことは、あるいはわれわれの努力が足らぬこともありましょうけれども、とにかく、今日の社会においてお互いが理解のもとに政治を行なう、その観点がなければ、いわゆる何事もできないのであります。先ほどのお話にございました、学生諸君が全く破壊せんがための破壊的行動、いわゆる竹やりを持ち、あるいは投石を行なう、このような諸事が法治国家において行なわれておるということは、まことに残念千万であり、われわれはこういうことに屈するわけにはいかない。したがって、代執行は、われわれは予定どおりこれを進めてまいる所存であり、同時に、少なくとも、もちろんけが人は出したくはない、出さないように万全の措置は講じます。しかしながら、いわゆる反対せんがための反対、法の秩序を乱し、法治国家の面目を傷つける行動に対しては、絶対われわれはこれを認めるわけにはいかないのであります。ただ、先ほど国会議員の名前をおっしゃいましたけれども、おそらく、その方々もこの必要性は十分理解せられておるでありましょうし、われわれの精神に対しては、誠意に対しては、私は理解をされたことであろうと信じてやまないのであります。この意味におきまして、いま、もちろんこれは隠すべき問題ではございませんけれども、この際は、ひとつこれらの名前を出すことを遠慮さしてもらいたい、かように考えて、私がいわゆる答弁の衝に当たったわけであります。
○八田一朗君 いや、そんななまぬるいことをおっしゃるからできないのです。ちゃんと出されたらどうですか。これは与党議員全部賛成だろうと思うのですが、もし与党議員全部が反対なら、私は下がります。
○参考人(今井栄文君) 現在空港敷地内で一カ所、これはターミナルビルと貨物ターミナルの中間のエプロンの地点でありますが、坪数は約三百坪程度でございますけれども、国会議員の方々が五十数名の方が共有いたしておる土地がございます。で、現在の衆議院の方が十二名、前に衆議院議員であられた方が十五名、それからさらに、現在参議院の先生方が二十八名ということで、合計五十数名になるわけでございますけれども、名簿は現在私持っております。できれば資料として後ほど提出さしていただきたい、かように考えております。
○八田一朗君 そういうあいまいな態度でやっておられるからいけないので、公団としては、やはり約束は守る、こういうことははっきりさせないと、何のためにこういう予算委員会を開いているかわからぬのです。おっしゃい。
○参考人(今井栄文君) 申し上げます。 人数がわりあい多いものですから、これ全部読み上げるとたいへんだとは思いますけれども、共有者の名簿でございますが、これは登記役場へ行けば、すぐあるわけでございます。私から一応読み上げますが、名字だけ読み上げさしていただきます。 衆議院、阿部昭吾先生、井岡大治先生、井上普方先生、大出俊先生、勝間田清一先生、久保三郎先生、黒田寿男先生、田中武夫先生、内藤良平先生、成田知巳先生、古川喜一先生、山口鶴男先生、これが現在衆議院議員の方でございます。 それから元衆議院の方は十五名でございまして、赤路友藏先生、淡谷悠蔵先生、井上泉先生、板川正吾先生、稻村隆一先生、故小川三男先生、太田一夫先生、唐橋東先生、栗林三郎先生、神門至馬夫先生、實川清之先生、柴田健治先生、穂積七郎先生、山内広先生、山花秀雄先生、この十五名の方が元衆議院議員の方でございます。 それから参議院議員の方は全部で二十八名でございまして、阿具根登先生、大橋和孝先生、加瀬完先生、加藤シヅエ先生、木村美智男先生、久保等先生、小林武先生、小柳勇先生、鈴木強先生、鈴木力先生、竹田現照先生、千葉千代世先生、鶴園哲夫先生、戸田菊雄先生、中村波男先生、中村英男先生、永岡光治先生、成瀬幡治先生、西村関一先生、野上元先生、藤原道子先生、前川旦先生、松井誠先生、森中守義先生、矢山有作先生、大和与一先生、横川正市先生、吉田忠三郎先生、以上でございます。
○八田一朗君 まあ、いまの先生方は、みんな私が尊敬している先生方ばかりなんでありますが、こういう先生方に直投お話しなすって解決するようにつとめられたことがあるのですか。
○吉田忠三郎君 関連。
○委員長(古池信三君) 吉田君。
○八田一朗君 聞いてからにしてください。
○委員長(古池信三君) ちょっと待ってください。橋本運輸大臣。
○国務大臣(橋本登美三郎君) ただいまの八田さんの御質問でありますが、私は直接話し合いをすることはやっておりません。御承知のように、この問題はすでに四年前に決定をいたしまして、そこで、用地の取得につきましては県知事が責任を持ってこれに協力したいと、かような方針のもとに進んでまいっております。で、もちろん私は、木原さんから昨年の話があった際に、話し会う機会をつくってくださるならば私は喜んで話し合いに応じます、しかし、空港建設は絶対ここへつくらせないという前提では話し合いにならないのではないかと、したがって、こういう条件を満たしてくれるならばそれは必ずしも反対ではないと、こういうことであるなればもちろん喜んで私は話し合いに応ずる、かような話し合いで、木原さんにもお願いをいたしましたが、木原さんもいろいろ努力をされましたけれども、結果的にはその機会を得ることができなかった。したがって、私が在任いたしました期間においては、その機会を得なかったのであります。ただ、御了承願いたいのは、代執行というのはきのうきょう急に突然に始まったものではありません。あらゆる機会を通じて説得に説得を重ね、したがって、四十九名以外の非常にたくさんの方々は当局の立場を理解し、そうして条件等についていろいろ話し合った結果、大部分の人は賛成されて今日空港建設が進められておるわけであります。その四十九名の中にも、私は、農地を離れたくないという農民の気持ちは、もちろんこれは理解するにやぶさかではありません。けれども、いま、先ほど申しましたように、このような事態は何としても日本国家として、日本民族として希望するところであり、しなければならぬところでありますからして、それに営農をしたい方に対しては最善の措置をとりましょう、土地改良事業につきましても県当局が全面的に、これも金を出して、りっぱな農地をつくって、これを代替地として与えましょう、その他、土地の買い上げにつきましても、従来の例を破って、いわゆるほとんど従来の規定を破っての、ある程度の値段でこれを買い上げたのでありますからして、われわれとしては最善の措置を講じてまいったが、ただ単に、先ほど申し上げましたように、イデオロギーで反対されたのでは、これは話になりません。いわゆる話し合いの余地がない。どうしてもつくらせないという、そういう絶対的な反対の立場でいわゆる私と話し合えといっても、これは話す余地がありませんが、われわれは、今後の処置につきましても、いつでも話し合いに応ずる考えはあります。しかし、その前提は、あくまで空港建設にはいわゆる理解を示してもらう、しかし、その他の問題、代替地の問題騒音対策あるいは防音装置、こういうものについて最善の措置をとれとか、あるいは県体的にどういう措置をとるのだ、こういう話し合いであるなれば、私は喜んで話し合いに応ずる決意でありますけれども、残念ながら、いまの委員長及び事務局長は、ここにいわゆる建設することは反対なんだ、絶対に反対なんだ、こういうことでは話し合いの余地ができない、これは私はまことに残念に心得ております。
○八田一朗君 いまの委員長と言われたのは、だれのことを言われたのですか。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 反対同盟の委員長戸村という人でありますが、この人は、そこに農地を持っておりません。いわゆる反対同盟の委員長でありまして、この人は農地は持っておらない。そこで、この人のいわゆる意向を聞きますというと、反対、絶対ここにつくることはできないのだ、つくらせないのだ、こういう考えのように聞いております。
○八田一朗君 その反対同盟との話し合いですが、いま国会議員の先生方も持っておられるという、その国会議員の方にまず話を進めて、そうしてそこから全部こういくんなら、もっと話が早くいくんじゃないですか。どうも、成田委員長も入っておられるようですが、成田さん、名前が同じだからあそこを買われたというのでもなかろうと思いますが、その点をよく御検討願って、ひとつ。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 私が先ほど申し上げました前提のもとに話し合いをいたそうということでありますなれば、私は喜んで、成田委員長のみならず、全体の方々とも話し合う、喜んで話し合いに応じます。ただ、その点につきましては、私に対して木原さんからは何らの返答がありません。
○八田一朗君 話し合いはやってないということが、あっちのほうから聞こえるんですが、いかがなんですか。待ってやるよりも……。
○国務大臣(橋本登美三郎君) ただいま申しましたように、いわゆる空港を絶対につくらせないという前提でないのでありますなれば、もちろん喜んで話し合いに応じますが、その点について、また関係者のいわゆる意向をわれわれは聞いておりませんし、また、そのような意味においての話し合いに応ずるかどうかは、いまのところ、私としても判断に苦しんでおります。
○八田一朗君 いろいろ質問をいたしまして、大体見当はついたんでありますが、これはやっぱり当局がしっかりした腹をもって、断固として、必要だと言うなら、やらなきゃならぬのです。それを、ふらふらしておられるから、うまくいかぬというぐあいに私は感じます。 それから、この治安当局ですか、これは、けがのないようにやられるのもいいんでありますが、そこを何とかうまく早くやっていただく必要があると思うんです。日本は法治国家であります。あれの様子を見ておりますと、まるで無法地帯であります。このよって来たるところは教育にあるかと思うんです。教育が悪いからああいうことになるというぐあいになります。これは文部省の責任にもなると思うんでありますが、なぜ教育をもっとうまくおやりにならぬか。すべて教育にあると、私は存じます。 そこで、多少我田引水になりますけれども、もう少しスポーツを盛んにして、青少年をもっと正しい方向に教育をされたらよかろうかと存じます。そこで文部大臣、教育についてお聞きしたいんでありますが、その順法精神を教育するとか、あるいは修身教育とかいうものはただいまあるんでありますか。
○国務大臣(坂田道太君) 教育の中におきます道徳教育というものは、きわめて大事なことである。ところが、この二十五年間、ともいたしますと、知的教育ということに重点が置かれて、道徳教育というものを軽んじられてきたという傾向はいなめないと思います。もちろん、道徳の時間等がございまして、小学校、中学校、高等学校、それぞれの段階において心身の発展段階に応じてこれをやっておるわけでございます。特に、この順法精神――あるいは暴力に小学校、中学校の子供たちが加わるとか、あるいはこの成田の闘争に、最高学府に学んでおる学生が参加をして、石を投げたり竹やりをしたりするようなことでこの執行をはばもうとすることは言語道断だと私は考えております。今日大学紛争もようやく収拾に向かいましたけれども、しかし同時に、一部の過激派は街頭に出まして、そうして極端な過激活動を始めておるわけでございます。残念ながら、しかしながら、学校当局それ自身が、この学生たちが自分の学校の学生であるということが把握できないわけでございます。捕えられましても、黙秘権を行使いたしましてなかなかあかさない。しかし、はっきりいたしました者につきましては、これを追跡いたしまして、当該学校当局に対しまして厳重な警告を発し、指導をしてもらうようにつとめておるところでございます。 またこういうようなことにつきまして、やはり私は、健全なるスポーツというものを、小・中・高・大学のこの段階におきましてやるということはきわめて大事なことである。スポーツマンというものは、それがほんとうに身につきますならば、こういう暴力行動とかということには走らない。あるいは、みずから精神的な自分をきたえるというようなことにもつながっていくかと思うのでございまして、ますます、学校におきましても、また社会教育の上におきましても、このスポーツの奨励、社会体育の面につきましてことしから充実をしてまいりたい。本年度は総合センター等も新たに設けられましたし、また、体育団体に対しましてのかねてからの懸案でございました免税措置もとられたわけでございまして、一そうこのスポーツの奨励につきましては力を入れてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○八田一朗君 順法精神――法治国家では順法精神というのが一番大切だと思うのであります。ところが、順法精神というものが守られぬためにいろいろ問題が起こっておるというぐあいに私は解釈しますし、皆さん方も同じだろう、同じ考えをお持ちだろうと思うのであります。 そこで、この成田空港のいろいろの問題を見ますると、順法精神が徹底してない。それで、集団で暴力をやれば非常に軽く見られる。一つの責任が、千人でやれば個人には千分の一しかこないというような感じでおるのでありますが、集団暴力は個人の暴力よりも重く罰する必要があると思うのであります。集団暴力をやれば何でもかんべんしてもらえる、わけはわからぬということでは困るのでありますが、その点、総理にお尋ねしたいのであります。政治姿勢としてこの点はぜひ明確にしていただきたいと存じます。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私が申し上げるまでもなく、ただいまのわが国は民主国家でございます。自由を守り、平和に徹する、そういう国柄であります。その民主国家で最も大事なことは法秩序の維持にある、かように私は信じております。したがいまして、国民の皆さま方も最終的には法の秩序を守る、法に従う、それが本来の姿でなければただいまの民主国家は成立しない、繁栄しないと、かように私は思うのであります。この点は、幾ら申しましても、野党の諸君といえどもこれは御賛成だろうと思います。どこまでも法律を守らなければならない。そのことはもうきちんとしております。したがいまして、先ほど来のいろいろのお話についても、いろいろの個々の御意見はおありでございましょう。しかしながら、長い間の論争の問題、しかも社会問題であり、政治問題である。そうして、政府は法の命ずるとこによって所定の手続でただいま代執行を行なっておる、こういう事件を十分御勘案いただくならば、どうもやむを得ないと言って協力してもらうという以外には方法はないんではないだろうか。先ほど来、運輸大臣から国際空港の必要性を特に説明しております。私どもも近代国家としてこれからどうしても国際空港を整備する要があるのでございます。その土地がいまの三里塚になっておる、成田空港、かように呼ばれておるものであります。したがいまして国家的な要請である。これについてお気の毒な方も出てまいります。自分の父祖伝来の土地だ、かように言ってそれをどこまでも守ろうと、かように言われるのも、これは私、私情として理解できないことはございません。しかしながら、やはり国家的要請にこたえていただくということが、私は何よりも必要なことではないだろうかと思います。民主国家の当然のあり方だろうと思います。私は先ほど来の話を聞きながら、その土地に対する権利者、いわゆる所有権者、それだけならば比較的話はスムーズに、また衝突がありましても解決の方法はあるだろうと思います。しかしながら、この場所でいわゆる学生運動が展開される。ことに気の毒なのは、小、中学のいたいけな児童、生徒が動員されて第一線に立つ、私はまことにこれは人道上から見ましても許せない行為だと実は思うのであります。その点でただいま言われるように、政府の扱い方がなまぬるいと、かような御批判もあろうかと思います。また同時に、政府のやり方については、片一方で、何だ一体、政府は力にたよって乱暴するのかと、こういう批判もあるだろうと思います。私はそれらの点を勘案しながら、国家公安委員長の答弁にありましたように、問題を悪化させないようにあらゆる注意を払っておるという、これは政府としても当然のことだろうと思います。ことにまた私どももそういう立場でいわゆる所有権者に死傷、まあからだにけがをするとか、こういうような負傷者を生じないようなあらゆる注意を払っております。ただいま投石をしておる連中というのは、これは成田空港の建設にことかりて問題を提起しておる諸君だと思います。これこそは警察が近づけないように処置をとるのが当然だろうと私は思います。したがいまして、本来の権利者と、あるいは代執行するにしても、その範囲が限られるならば、私はたいへん平穏にやられることだろうと思います。しかしながら、権利者外、そういう者が出てきていろいろ問題を紛糾さしておる、そういう点はこれはやはり政府自身の責任だろうと思います。よって来たるところ、先ほどは教育の問題ではないかと、かように言われますが、教育までさかのぼらなくても、現在の問題として私ども政治を担当する者の責任だ、かように政府自身を御叱正賜わるのが私は本来の筋だろうと思います。私は、教育者自身が本来間違った筋をただいまやっておるとは思いません。戦後の教育から最近の教育はよほど変わっております。先ほども言われるように、小、中学の生徒を第一線から差し引き――引っ込ますために校長さんが四人も五人も出かけて、そうして子供らを直接説得されたという、そういうように教育者としてはあらゆる努力をしておられます。そのもとが千葉県教育委員会の問題であろうが、あるいは文部省の問題であろうが、その姿勢は私、正しいだろうと思います。しかし、私はこういう事柄にいろいろの名目をつけ、ただいまいろいろ外部からの力でいろいろの問題をかもし出しておる、そういうのは純然たる一治安問題だとかように考え、その治安問題と代執行の問題を混同しないようにして、いかにして治安、秩序を維持するか、これは国家、警察の役目でありますから、そういう意味で荒木君のところでも十分対策を立てておられようと――ただ問題は非常に八田君はお急ぎのようでございますが、私はやつぱりただいまの民主国家の、また民主主義のあり方といたしましては、もう少しよく理解ができるようにあらゆる努力を続けることが望ましいことではないだろうか、あまり結論を急ぐよりも、ただいま申し上げるような民主主義のもとにおける各種の問題、地域住民の十分な協力を得るような努力が必要だろう、かように私思います。
○八田一朗君 いまのお話、よくわかるのでありますが、集団暴力と個人の暴力についてのことをちょっとはっきり言っていただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 集団暴力、個人の暴力、これはもちろんその態様によりましてそれぞれの法適用も違っておるようでございますので、現在の法律は別に不備ではないだろうと、かように思っております。もちろん集団暴力に対しては集団暴力に対応する組織がありますし、また法もさような意味で整備されておる、かように私考えております。
○八田一朗君 成田空港、とにかく早くつくっていただいて、安心してわれわれが海外旅行できるようにしていただきたいというぐあいに思うのであります。これはみんな、皆さんも一緒です、皆さんも一緒にやっていただくように。そこで、いろいろお話、承ったのでありますが、結局、これは断固たる決意を持って、そうして話し合いを十分につけていただいてやっていただく。これは成田さんも関係しておられるようですから、成田さんにもよくお話しを願って、これは党首会談でひとつやっていただくことで、成田空港もうまくいくだろうというぐあいに存じます。これで成田空港の話は、一応質問を終わります。どうもありがとうございました。 それから国防問題で質問したいと存じますが、中曾根防衛庁長官はいずれ総理大臣になられる方だと思うのでありますが、核三原則について伺いたいのであります。佐藤内閣は非核三原則でありますが、防衛庁長官になられる前は、核を持ってもいいように言っておられたように存じます。私自身も核は持っていなければならぬと思うのでありますが、その点について御見解をひとつお願いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛庁長官になる前に核をもっていいということは言っておりません。私が申しましたのは、核拡散防止条約について慎重な態度をとる必要がある。当時は沖繩交渉の前でございまして、核拡散防止条約が沖繩交渉の取引になってはいけない。それから西ドイツの態度を見守る必要がある。そうして特に日本としては、大国が核を抑制するのにどういう誠意を示すかということと、それから原子力平和利用に関する査察についてヨーロッパ諸国と不平等な取り扱いを受けないということが非常に必要である。そういう点をよく見きわめた上でわれわれはこの問題を取り扱わなければならない、そういうことを実は言ってきたのであります。それで沖繩交渉にもこの問題は取引にもなりませんし、ドイツが非常に急変しまして、ブラントが政権をとってから調印に踏み切りました。そこで各国が続々調印に踏み切っていまのままにすると、成立すると。しからば、外にいたほうがいいか、調印をして、中でその平和査察の問題、日本の発言権を取り入れさしたほうが得かということを比べてみて、入ったほうが得である。内部で平等な査察を実限するように努力したほうが賢明であるという、そういう判断に基づいて調印に賛成いたしました。 核の問題は非常に重要な問題で、世界戦略というだけでなく、人類の運命に関するような、二十世紀後半の全人類的課題であると私は思うのであります。単にこれを軍事上の問題だけでとらうべきでなくして、もっと大きな人間の運命とか世界文化の面からもとらえなければならぬ問題で、核の軍事的機能というものを、いままでの火薬の兵器と同じような程度で考えたり、その延長線で考えることは間違いであります。もっと大きな非常に広い視野からものを考える運命に来ていると思いますので、この問題は私は慎重に行なうべきであり、単に軍事的考慮だけでこの問題を扱ってはならないし、世界自体がいまそのような情勢で動いていると私は思うのでありまして、日本として現在とっておる政策は賢明であると思います。
○八田一朗君 昭和四十六年度第三次防衛整備計画の最終年度に当たるのですが、計画に対する実績達成状況はどうなっておりましょうか。また、この計画が終了した段階における防衛能力はどう評価しておられますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 本年度の予算が御承認いただきますならば、大体達成率は九七・五%程度にいくだろうと思います。それで、具体的に申し上げますと、陸上自衛隊におきましては自衛官十八万体制というのが十七万九千人が達成されます。予備自衛官三万九千人、基幹部隊五方面十三個師団、ホーク部隊四、これは予定どおり実現いたします。海上自衛隊は自衛艦二百隻、約十四万トン、これは達成される見込みです。航空機は二百四十機整備されますが、目標は二百二十機でございました。基幹部隊については護衛隊群四、掃海隊群二、潜水隊群二、航空群五、地方隊五、これは達成される見込みです。航空自衛隊につきましては、航空機約九百二十機が整備されますが、目標は八百八十機でございました。基幹部隊は飛行部隊十七、ナイキ部隊四、これは目標どおり達成されます。大体この程度のものが達成されますと、陸上自衛隊の関係はあと機動力、火力、そういうものを増強すればいいのではないか。人員の増強の必要はない。海上自衛隊は基幹部隊がようやくできたという程度でございまして、これは護衛艦関係、それから潜水部隊、それから高速ミサイル艇、沿岸警備あるいは海峡管制、そういう面においてまだ足りない部面が非常にございます。それから航空自衛隊は将来の問題といたしましても、防空体制がまだ不十分でございまして、ナイキ等を私は次の防衛計画、その次の防衛計画等に応じてふやしていく必要があるであろう。それと同時に、航空自衛隊においては機種を更新して、大体機数は千機ぐらいでいいのでありますけれども、機能をもっと充実させるという必要があるように思います。 以上でございます。
○八田一朗君 政府は、第三次防衛力整備計画に引き続き新たな防衛力整備計画の策定を予定していると聞きますが、その必要性、策定の理由をお伺いいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛力は一朝一夕にできるものではございませんので、恒常不変の努力で蓄積をしていく必要がございます。それと同時に、周辺の国際環境の変化、科学技術の変化等も見合いまして、また国力国情に応じてバランスをとっていく必要もございます。それで、現在、国際情勢を見ますと、顕在的な脅威はございません。しかし、脅威というのが、意思と能力が結びついたときに脅威は発生いたします。これは国際関係によっていつどういうふうに変化するかわからない要素がございます。そういう面から考えまして、本土を防衛するに必要な範囲、私はこれを日本列島守備隊と申していますが、その範囲に必要な分だけはわれわれの力で年々整備しておく必要がある。そういう基本的観点に立ちます。もちろん核の問題は、われわれはアメリカの抑止力に依存して、日本はこれを行なわない。それ以外、日本列島を襲撃しようとするものがあれば、これを撃攘する。そうして、もしそういうことがあった場合には、被害のほうが多くて、そろばんが合わないということを相手に思い知らせるだけの力を保持しておくことが必要です。これが戦争を起こさせない力にもなります。そういう考えに立って、その限度で、そして、しかも、外国に脅威を与えるような攻撃的兵器は持たずに、いわゆる日本守備隊としての体系を完成させ、その運用方略も完成してまいりたいと思っているわけでございますが、次の新防衛力整備計画、すなわち四次防の計画におきましては、きのうの御質問もございまして、追って資料で内容を提出いたします。それができますと、ある程度の概成ができると思います。しかし、それでも、まだ足りないのは、海上兵力でございます。それから航空力の一部と、防空兵力であります。これらは、次の防衛計画ができても、まだ不十分であると思います。それらも次の防衛計画の進行状況に応じ、かつ科学技術や国際環境の変化を見合いながら、適時修正し、あるいは増加を企てていく、そういう考えに立って、国民世論を見ながら、われわれは政策を進めていくつもりでございます。
○八田一朗君 わが国の防衛を考える場合、日米安保体制の存在というものはきわめて重要であると思います。その意味で、最近における米国の対外政策、特に最近発表された米軍の整理縮小は、わが防衛政策にもかなりの影響を及ぼすものと考えられますが、この問題に関連して、まず、最近におけるアジア地域からの米軍の撤退状況を御説明願います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 各国の米軍の撤退の状況を御説明申し上げますと、大体ニクソンドクトリンの実施に伴いまして、南ベトナムにおきましては、七一年四月までに二十六万人が撤退する予定、計画完了時の兵力は二十八万四千人になる予定です。タイはすでに六千人撤退を完了し、さらに七一年六月末までに九千八百人が撤退して、計画完了時の兵力は、タイにおいては三万二千人ぐらいになる予定です。フィリピンにおきましては、七一年六月までに六千人が撤退し、計画完了時の兵力は一万八千四百人程度になる予定です。それから韓国におきましては、すでに一万余人が撤退した模様でございますが、最近の米韓交渉によりすでに撤退したものまで含めまして、ことし六月末までに一個師団二万人が削減されることに合意したと伝えられておりまして、計画完了時の兵力は四万四千人となる予定であります。台湾においては、ベトナム戦争の推移等から、将来削減の動きが起こるものと思われます、ベトナム戦争にもかかってくると思います。在日米軍につきましては、主要な対空航空部隊が七一年六月末までに韓国、沖繩、米国等へ移駐して、計画完了時の兵力は二万七千人程度になる予定でございます。
○八田一朗君 在日米軍が引き揚げますと、どういう影響を日本に与えますでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本に関します限りは、今回の移動は、アメリカの防衛戦略体系の範囲内における移動でございまして、たとえば日本におけるファントムが移動する場所は、大部分は韓国とか、沖繩でございます。したがって、極東地域の内部における移動ということでございますから、それほど大きな変化があるとは思いません。ただ日本の場合は、偵察能力というものが、ハワイそのほかに米軍が撤退いたしますので、この点は、日本としてはある程度周辺の偵察について力を入れなければならぬのではないかと思います。それからもう一つは、やはり施設の共用という部面につきまして、ある程度共同使用というものを円滑にいくように、われわれは常時心がけて協力体制をつくっておく必要があると思います。これらの点をわれわれが円滑にやれば、それほど力が減るとか、バランスがくずれるということはございません。アメリカの第七艦隊が極東水域におるということは戦争抑止の上において非常に重要な機能を果たしておりますが、第七艦隊の機能についてはそれほどの変化もございませんようです、極東地域全般を考えますと。そういう意味におきまして、われわれの方針はそれほど影響を受けるとは思いません。
○八田一朗君 そういうような状況で、次期の防衛計画について御説明願いたいと存じます。
○国務大臣(中曽根康弘君) いまよく聞こえなかったのでございますが、何という御質問……。
○八田一朗君 そういう状態で、次の防衛計画をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 次の新防衛力整備計画、いわゆる四次防と申しますのは、きのうも御説明申し上げましたように、明年から五ヵ年計画で始める予定でございますが、大体陸上自衛隊等々考えてみますと、一方面に対して相手が相当量の兵力をもって侵攻してきて上陸を企てる、そういう場合に、ある一方面に対してそこの所在する部隊並びに救援部隊等をもってしてこれを撃攘する、そうして上陸を許さない、そういうことを陸海空を通じて全力をふるって完了するという体系をつくりつつあるわけです。そういう方向に向かって兵力を集中できるように機動力を持たせる、あるいは北海道のものを九州に移動させるとか、九州のものを北海道に移動させるとか、間髪を入れず通信その他によって移動を完了させるというような機動的運用ということを心がけておるわけです。次の防衛計画にはそういう点をかなり力を入れるということ、それから日本海沿岸やあるいは沿海につきまして常時警戒体制を強くする必要がある。そういう意味で、高速ロケット艇をある程度整備する。いままでこれはまだ非常に微弱でございます。それで、たとえば北鮮のほうから高速艇が日本海に来て、日本の地点に上がったとかなんとかいう新聞記事等が出ておりますけれども、そういう場合に、たとえば護衛艦等で追跡するという場合になると、過剰防衛の危険性も出てまいります。ですから、高速艇については高速艇くらいで対抗して、そういうことを起こさせないというほうが均衡がとれている。そういう意味で、大体日本海沿岸方面については高速ロケット艇を相当配備するという考えを持っておりますし、それから海峡の管制ということも必要でございます。 そういうことを中心にいたしまして、それからナイキ、ホークの防空網がまだ欠除している部面が相当ございます。政経中枢と、それから工業中心地帯をカバーするようにいま網を張っておりますけれども、それでも、反対地域やなんかがありまして、できないところもございます。それだけでも、しかし、日本の中枢部分を全部カバーするところまで、まだいっておりません。ですから、防空につきましては、次の防衛計画におきましても力を入れていく必要があると思っております。
○八田一朗君 防空に対しては、これはだんだん整備されるでありましょうが、ロケットに対する防御法はあるのでありますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) ロケットにもいろいろございますが、もしICBMというようなことを御想定なさるならば、ICBMの場合はほとんど核弾頭が使われる見込みでございます。その場合には防御方法はございません。これにつきましては、やはり世界政局の問題としてとらえなければならぬ相手であると思うのです。ですから、われわれは日米安全保障条約によりましてアメリカの核抑止力をそういう場合には期待をしておる。その抑止力と抑止力をもって、そういう事態が起きないように、われわれは一方においてやると同時に、外交の力を通じまして、世界的にそういう大きな破局が来ないように私たちは全力を注ぐ必要があると思っております。ICBMのような、そういう核につきましては、安保条約以外には、いま対抗する方法はございません。
○八田一朗君 最近における自衛官の充足状況をひとつ。 それと、予備自衛官の状況をお知らせ願いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 去年一年を見ますと、おととしより若干低下しております。これは、青少年労働人口が非常に減少してきていることと、それから高校進学率が非常にふえてまいりました。それから大学進学率もふえてきた結果にもよります。数字を申し上げますと、昭和四十三年から申し上げますと、陸上自衛隊の実績が九一・七%、四十四年が八八・六%、四十五年の計画が八九・五%、海上自衛隊が、四十三年が九八・九%実績、四十四年が九六・九%実績、四十五年の計画が九七・八%になっております。航空自衛隊が、四十三年が九八・一%実績、四十四年度が九七・九%実績、そうして四十五年が九八・六%計画。ですけれども、陸上自衛隊が大体九〇%弱――八八・何%くらいだと思います。それから海上自衛隊が九五%程度、航空自衛隊が九五・五%くらい。で、昨年から見ますと約一%くらいずつ落ちている。それで、去年の暮れから非常に力を入れまして、大体一、二月くらいになりますと、そのひずみを是正して、またバランスを回復してまいりました。大いに懸命に努力しているところでございます。 予備自衛官につきましては、少し予定より欠除していますが、これらは大体年度末までに定員どおり充足する予定でございます。
○八田一朗君 予備自衛官の定員をお聞きしたいのです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 予備自衛官の員数は、陸上自衛隊にあって三万六千人、海上自衛隊が三百人、計三万六千三百人でございますが、四十六年度においては、さらに陸上自衛隊で三千人、海上自衛隊で三百人、それぞれ増員する予定でございます。
○八田一朗君 私の考えでは、予備自衛官が少し少ないように思うのでありますが、特に海上自衛隊については少ないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 同感でございます。それで、次の新防衛力整備計画においては、海空ともそれぞれ増員することにしております。
○八田一朗君 自衛隊における医官が非常に不足しているように聞いておりますが、その状況をお知らせいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 医官は、病院におきましては大体七〇%程度の充足率で、部隊におきましては二〇%程度の充足率で、著しく不足しております。
○八田一朗君 防衛医科大学を設置するという話を聞いておりますが、おやりになりますか、いかがでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは次の防衛計画の中におきまして、ぜひ実現したいと思っております。でき得べくんば、四十八年から開校する段取りでやっていきたいと思います。目下のところ、募集人員は一年生につきまして六十人、そういう予定でございます。
○八田一朗君 世界の主要国の国防費と国民総生産との割合をお聞かせ願いたいと存じます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国民総生産に対して防衛費が一番多いのは中共でございまして、約九%でございます。それからアメリカとソ連が、アメリカが八・六%、ソ連が八・五%、中共は九%、その次がポーランド五%、東ドイツ五・九%、チェコスロバキア五・六%、英国五・一%。つまり、東欧圏及び共産圏の国が圧倒的に防衛力が多いのであります。それからフランスが四・四%、西ドイツが三・五%、イタリアが二・九%、カナダが二・五%、日本はぐっと落ちまして、〇・八%ということでございます。
○八田一朗君 返還米軍施設のうち自衛隊が取得するのはどのくらいの率でございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 昭和四十四年以降現在までに全部または一部返還された米軍施設は、二十八施設、約六千三十八万平方メートルでございますが、そのうち五施設、約五千六百十一万平方メートルは、元来自衛隊施設であったものを、地位協定第二条4項(b)により米軍に一時使用を認めていたもので、これを除きますと、他の二十三施設、約四百二十七万平方メートルのうち現在自衛隊が使用しているものは、五施設、約百四万平方メートルでございます。したがって、返還米軍施設の約七五%に及ぶその他の十八施設については民間において使用される予定でございます。 なお、講和発効以降、返還施設を見ますと、約二千数百施設でございますが、そのうち自衛隊が使用しているものは約三六%、民間等が使用している施設は約六四%でございます。
○八田一朗君 在日米軍基地の整理に伴いまして、駐留軍の従業員が離職をいたしますが、その整理、それからその就職先、いろいろあると思いますが、その状況をお知らせ願いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の整理で約八千数百人が整理されることになっておりますが、その問題につきまして一番頭を痛めているところであります。今度の議会におきましても、いろいろ特別給付金等の御審議をわずらわしておりまして、これらの人々に対して、いままでよりも増額した給付金を、退職金のほかに、さらに差し上げたい、こういう手段を講じ、それからいろいろな職業補導施設につきましても、防衛庁は労働省と連絡をとり、それから地元の神奈川県そのほかの各府県とも連絡をとりまして、再就職のあっせんを一生懸命努力しておるところでございます。しかし、それにしましても、こういう状況で、必ずしも適職を得る方が一〇〇%出ると限りませんので、この問題につきましては、いま防衛庁一丸といたしまして懸命の努力をしているところでございます。
○八田一朗君 先ほど防衛庁長官は、偵察を大いに力を入れなければいかぬということをおっしゃっておられたのですが、S2F対潜機という飛行機ございます、御存じですか。それが徳島で使わずに遊ばしてあるということを聞くのでありますが、事実でございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 一部そういう事実はございます。さびどめをいたしまして、ビニールで包んでおきまして、そして常に代替してそれを回転して使っているわけでございます。それは、しかし、よけいに取り過ぎたというものではなくして、一定量確保しておいて、そして消耗に応じて代替していく、そしてモスボールをして、モスボールする期間は新しい飛行機を使わなければできませんものですから、そういう用意にも、ここでたくわえてあるわけでございます。詳細は政府委員から答弁せしめます。
○政府委員(久保卓也君) S2Fは、米側からMAPで供与を受けたものでありますが、当初私どもが見込んでおりました消耗度よりも少なく消耗しております。したがいまして、予算上は当初の消耗度合に応じて予算をもらっております。そしてまた、パイロットその他の人員整備、それらもそれに応じたものを準備しております。したがって、消耗度が少ないと、機数がその分だけ余りますので、一応モスボールを約二十機ばかりしております。これは、S2Fが今後消耗をしていく度合いに応じまして、また復元をいたしまして四次防期間中も使う予定であります。
○八田一朗君 日本原の射撃場でいろいろ問題があったときに私参りましたが、あそこ、ジープで視察して歩くということはほとんど不可能であります。そこでどこかへもぐっておる反対党の人がおるのを引っぱり出すのには、どうしてもジープじゃ行かれない場所におるのです。そこで、私はいつも言うのですが、自衛隊が演習場の管理に馬を使われたらどうかということを言っております。油も値段が高くなりまして、また保有量も少ないことでありますから、そういうところへ新しい考えをお持ちになったらいかがかと思うのでありますが、いかがでございますか。それから、馬を自衛隊が持てば、先ほど充足率が少ないとおっしゃったが、こういうのも相当、馬が好きだから自衛隊に入ろうという人も出てくるというぐあいに考えております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 八田先生からそういう御意見を承りまして、非常に広大な演習場の場合には、なるほど、ジープよりも馬が適当であるという考えを持ちまして、目下検討しておる最中でございます。
○八田一朗君 防衛庁はそれで終わります。 この間の東京オリンピック、非常にうまくいったのでありますが、これはまあ防衛庁にもいろいろお世話になって東京オリンピックがうまくまいりましたが、北海道開発庁にも関係がございますので、ちょっとお尋ねしたいと思います。明年のオリンピックはうまくまいるでありましょうか、それは文部大臣にも関係あるのですが。
○国務大臣(西田信一君) オリンピックの準備は順調に進んでおりまして、競技場等はほとんど建設が終了いたしまして、過般行ないましたプレオリンピックにおいて、ほとんどこれはテストができました。道路その他の関連施設も、これまた予定どおり進んでおりまして、オリンピック開会時までには全部完了するつもりでございます。過般のプレオリンピックにおきましても、予定をこえました各国の参加がございまして、競技場その他につきましても、かなり好評を受けておりまするし、また、来年のオリンピックに対する参加国、参加選手等も、いまの予想では、過去のオリンピックにおきまするよりも、これを上回る見込みでございまして、運営等におきましても自信がございまするし、これから万般の準備を進めてまいりまするが、いまのところ、私どもは、いままで過去に開かれたオリンピックよりも、規模においても、参加国数、参加選手等におきましても、これを上回るところのりっぱなオリンピックができるものと確信をいたしております。
○八田一朗君 オリンピックはそれで安心いたしましたが、北海道の開発についてはいかがでございますか。国庫負担その他、ちゃんと措置ができておりますかどうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(西田信一君) 戦後、北海道開発法に基づきまして実施してまいりました総合開発計画も、本年度、つまり四十五年度をもって第二次計画を終わるわけでありますが、これはほぼ所期の目的を達成して完了するものと思います。今日、わが国の経済社会の実情と将来の展望に立って考えてみまするときに、広大な地積と、また、多くの資源を持っておりまして、国内において最も大きな開発の可能性を有する北海道の開発は、国土利用の再編成、こういう立場から見ましても、その実現のかなめとなるものであると考えるものでございまして、重要な国家的課題であると存じております。こういう観点からいたしまして、新たな構想のもとに第三期北海道総合開発計画を樹立いたしまして、明年度からこのスタートを切ろうとしておるわけでございます。そこで、いまお尋ねのございました、今回予定しておりますところの北海道におきます公共事業にかかわる国庫負担率ないしは補助率の調整、合理化ということは、従来全額国費で実施してまいりました事業に若干の地方負担を導入しようとするものでございます。これは、単なる国費から地方費への肩がわり、こういうことを意味するものではなくて、新たな道負担が事業費の増大につながり、そうして北海道開発の促進に資する趣旨もあわせて考慮いたした措置でありまして、このような措置によりまして、開発事業について道の積極的な財政的寄与も得まして事業の拡大をはかって、第三期北海道総合開発計画を強力に進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○八田一朗君 文部大臣にお聞きしたいのでありますが、先ほど社会体育に力を入れるとおっしゃっておりましたが、その社会体育につきまして具体的にいろいろお聞きしたいんでありますが、社会体育をさせようといたしますると、そこまで、運動の施設に通ってくるまでの間に交通事故にあうとか、いろいろあるので、親が安心して出せないというようなことがございまして、何か保険をつけろとか、いろいろ問題があるようでありますが、そういうことにつきまして詳しく御説明願いたいと存じます。
○国務大臣(坂田道太君) 八田先生御承知のとおりに、この児童、生徒等の学校管理下の災害につきましては、体育活動中の傷害を含めまして、昭和三十五年度から日本学校安全会が災害共済給付を行なっております。しかし、大学生とか、あるいは一般成人をはじめ、学校管理下以外の児童、生徒等のスポーツ、レクリエーション活動、その他社会教育活動に伴う災害を補償する措置につきましては、一部の団体が行なっている傷害保険への加入、あるいは共済による見舞い金の支給のほか、必ずしも十分な方法はとられておりませんでした。このために、スポーツ選手の強化運動や、あるいは日常のスポーツクラブの展開等にも支障があるといわれてきたのでございますが、このほど日本体育協会が中心となりまして、スポーツ団体、社会教育関係団体が大同団結をいたしまして、これらを会員として、スポーツ及び社会教育の振興を目的とした財団法人スポーツ安全協会が設立され、この協会がその事業の一つとして国内の全損害保険会社と提携をいたしまして、協会の登録会員のためにスポーツ安全協会傷害保険の一括契約を行なうこととなり、今年の三月一日より各団体からの加入を受け付けるなど、保障事業を開始したわけでございます。このスポーツ安全協会傷害保険は、スポーツ活動のみならず、広く社会教育活動に伴う傷害を保障することとし、簡単な手続と低廉な掛け金で加入ができる仕組みになっております。文部省といたしましては、日本学校安全会の共済給付のほか、スポーツ団体等によるこの保障事業によりまして、学校教育はもとより、あらゆるスポーツ活動や社会教育活動の組織下にクラブづくりが促進されまして、スポーツ社会教育の振興に寄与し得るものと考えておる次第でございます。
○八田一朗君 都心は過密でありまして、いまから体育館を建てようとか、いろいろ考えましても、建てる場所がございません。そこで、高層建築を建てるときに、その上にワンフロアを体育館にする、しかし、建築主にはそういう余分な負担がかからぬ、持たせるわけにはまいりませんので、これを政府に持たせるとか、補助するとか、何かうまい方法がなかろうかと思うのでありますが、川口市ではそういうことをやっておるということを聞いておりますが、何かいいお考えございませんでしょうか。
○国務大臣(坂田道太君) 最近、やはり高層建築ができまして、そのワンフロア、あるいは幾つかのフロアを体育の施設に供するということは非常に私は好ましいことではないかというふうに思います。これは、ある各種学校でございますけれども、電子工学院だったと思いますが、ここを見に参りましたら、一つのフロアを運動のできるような非常な設備を整えて、学生たちが喜々として運動をやっておりました。また、一つのフロアは非常な低廉な価格でボーリングをやらせておる。こういうようなことも考える。また、それをどういうふうにして、これから学校あるいは社会教育の中で取り上げていくか、それに対して財政的措置をどうするかということについては、これからひとつ検討してみたいというふうに考えます。
○八田一朗君 それから都内の学校でいろいろ学校体育設備を持っておるんでありますが、それを一般の人に利用させる方法もよかろうかと思うんでありますが、学校の設備を一般に利用させるということはむずかしいんでありますか。
○国務大臣(坂田道太君) 本年度、去年から始まったわけでございますけれども、学校開放と申しますか、運動場並びに学校の体育施設というものを開放する、また、それのための予算措置もいたしておるわけでございまして、非常にこれは好評でございますから、漸次拡大してまいりたいというふうに考えているわけでございます。詳細は体育局長から御説明を申し上げたいと思います。
○政府委員(木田宏君) 本年度の予算で、学校に部外の者が体育施設を使いやすいようなクラブハウスをつくるという予算も新規に計上いたしました。また、学校の施設は一応利用できるような状態にもなっておるわけでございますが、個々人では利用が困難でございますので、集団で学校の利用がうまくいきますように、スポーツ教室等の開設を、当局あるいはしかるべき体育関係団体が行なうことによりまして、そうした市民と学校施設との結びつきを広げていく、そういう意味合いから、スポーツ教室の開設等を、体育団体あるいは市町村を通じて、思い切って拡大をするという予算を本年度も計上をいたしまして、御指摘のような機運を助長してまいりたいと考えておるところでございます。
○八田一朗君 大体私の質問はこれで終わるんでありますが、時間を一ぱいにやれというお話もありますが、連日でお疲れでしょうから、これで、なるべく早くやめることにいたしますが、大体きょうの私の質問の趣旨は、成田空港などは、法を守らぬからああいうことになるんだということであります。それから、それには教育の問題でありますが、教育は文部大臣だけではない、総理大臣がおっしゃったんでありますが、結局、総理大臣に責任があるんだろうと思うんであります。そこで、これをうまくやるには、これは私はスポーツをやるものですから我田引水になりまするが、スポーツを盛んにして、青少年の育成を正しくする、私自身は、かつてたいへんな不良で、警察にもやっかいになったことも、若い時分にはあるんです。これの直ったのは、私は柔道を一生懸命でやったために直ったんであります。私うっかりやったところが、非常に強い柔道家が――強くないような人だったのでありますが、これにぶん投げられて、これはたいへんだと思って、うっかりしたことはできぬということから、私は正しい人間になりまして、こういうところへ来るようになったんであります。ひとつ、そういう意味で、文部大臣も今後の教育にうんと力を入れていただきたいと存じます。それから、国家公安委員長には断固たる態度でやっていただかぬと、うまくいかぬと思います。防衛庁長官には、ひとつ、われわれが安心して寝られるように、大いに自衛隊の育成強化をやっていただきたいと存じます。 これをもちまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○委員長(古池信三君) 以上をもって八田君の質疑は終了いたしました。 午後の委員会は午後一時開会することとし、それまで暫時休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ―――――・――――― 午後一時七分開会
○委員長(古池信三君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、質疑を行ないます。黒柳明君。
○黒柳明君 けさほど、山梨の富士急行で、また列車の事故がありました。運輸大臣、何か報告でも入ってたらお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 私のほうからさっそく御報告すべきものを御注意いただきまして、ありがとうございます。きょうの午前八時三十分、富士急行の大月線の暮地駅と三つ峠駅の間におきまして列車脱線事故がありまして、死者九名、重軽傷者約六十名という多数を出しましたことは、まことに遺憾に存じまして、死亡されました方々に対して心からお悔やみ申し上げるとともに、けがをされました方々にも深く御同情申し上げます。 この事故は、富士急行河口湖発大月行き二両編成の電車が月江寺駅と下吉田駅間の緑ヶ丘第二踏切道、この踏切道は遮断機つきであります。大体七メートル程度の比較的広い踏切でありますが、遮断機つきの踏切でありまして、その踏切に小型トラックが横断しようとして衝突したものでありまして、その際に、おそらく、電車のブレーキに故障を生じましたために、この電車が約四キロメートル逸走いたしまして脱線をし、そして転覆しましたために、このような多数の死者を出したものであります。 なお、詳細につきましては不明でありますので、東京陸運局から担当専門官を直ちに現地に派遣して、目下調査を進めておる次第であります。まことに多数の死傷者を出しまして、心から相すまない次第と思っております。
○黒柳明君 ATSの設置基準はどうなっていますかね。政府委員のほうから……。
○政府委員(山口真弘君) お答え申し上げます。 ATSは、前方に列車があるような場合に自動的にブレーキがかかるというような装置でございます。これは、主要線区につきまして、列車回数等によりまして設置の基準を定めております。本線区は比較的列車回数が少ないために、ATSの設置基準には該当いたしませんで、この線区のATSはついておりません。
○黒柳明君 基準の四項目があるでしょう、それを言ってもらいたい。
○政府委員(山口真弘君) ATSにつきましては、第一番に列車の回数ということが第一の基準でございます。さらに、列車のスピードというものをやはり基準といたしまして、そのほか、当該線区の列車に異種のスピードの列車が走るか走らないかというふうなことも基準といたしておる次第でございます。
○黒柳明君 その他、その「安全を保っために必要に応じて」という項目、ないですか。
○政府委員(山口真弘君) お答え申し上げます。 当該線区は、列車の回数も非常に少ない線区でございますので、ATSの設置の必要は私どもないと考えております。
○黒柳明君 そうでなくて、ATSの設置基準です。当該の基準は……。基準は、必要に応じてやるべきだという項目があるんじゃないですか。
○政府委員(山口真弘君) ATSの設置につきましては、もちろん、各線区の実情に応じまして必要に応じて設置をするということでございますが、当該線区の列車回数等からいきまして、その必要がないということで、つけておりません。
○黒柳明君 その「必要に応じて」ということですけれども、それには勾配は入っておりませんね。
○政府委員(山口真弘君) お答え申し上げます。 基準として勾配というものは入っておりませんが、ただ、ATSが最もねらっておりまするところは、追突の事故防止ということでございます。したがいまして、この線区におきましては、単線区間でございますから、単線区間は別個の閉塞方式によるところのファームというものが保たれて、列車の追突あるいは正面衝突ということを避けるという意味で、本線区にはATSの設置をいたしておりません。
○黒柳明君 どうですか、電気ブレーキは、まだきいていないようですか、どうですか。そのあたりは、まだはっきりしませんか。
○政府委員(山口真弘君) 現在、東京陸運局からその専門の担当官を派遣いたしまして、原因の詳細を調べておりますので、まだ報告がまいっておりませんが、電気ブレーキはおそらくきいていないんではないかと思います。さいていなかったのではないかと思います。その点はまだはっきりいたしておりません。
○黒柳明君 それから、四キロも突っ走って、四つの駅を走っちゃったわけですが、それは当然勾配によることであると、こう判断されます。 それからもう一つは、二十八歳ということで、経験はあっても、四、五年ですか、何か適切な処置を誤ったのではなかろうか、こんな推測ができるのですが、その点はどうでしょうか。まあ調査に待つよりほかありませんが……。
○政府委員(山口真弘君) まだ現地から調査の報告が届いておりませんので、何とも申し上げかねるわけでございますが、まず、この踏切は一種踏切でございますから、通常正常に作動をしておりますれば、当然、その警笛、チンチンが鳴っておりまして、それからしばらくして遮断機がおりるという構造であろうと思うわけでございますので、したがいまして、その事故に対しましては、考えられますことは、自動車が警報を無視したか、あるいは警報は鳴っていないで、そこの踏切に入っていたんだけれども、何らかの事情によって自動車がそこで線路内でもたもたしておったかというような、いろんなケースが考えられるわけでございますが、その点につきましては、まだ何とも報告がございませんので、申し上げかねます。
○黒柳明君 先般、飲酒事故で国鉄も大事故がありましたが、あのあとは、どのようなことになりましたでしょうか。
○政府委員(山口真弘君) 先般、国鉄が飲酒事故によりまして、まことに申しわけない事故を起こしたわけでございますが、これにつきましては、政府といたしましても、国鉄に対しまして厳重に戒告をいたしまして、運輸大臣から国鉄総裁に直接に警告を発し、そうして、国鉄もまた、これに対応いたしまして、実際の行為者あるいはこれに対する監督者等につきまして十分の処置をとりますとともに、部内のこの種の事故に対しまして将来発生しないような通達をとる、それからイマージェンシー・ブレーキと称しまして、運転士が心身が、たとえば病気等のために倒れたというような場合でもブレーキがかかるような装置というようなものも取りつけるというようなことを促進するという措置をとりました。自後、この種の事故が再発しないようにつとめるというふうにつとめているわけでございます。
○黒柳明君 すみません。いまの事故の問題は終わります。 中国問題ですが、総理、今回の日中の交渉ないしは前からそういう中国側の態度はありましたけれども、佐藤政府は、一つの中国・一つの台湾、あるいは二つの中国、これを認める陰謀だなんということばも使われておりますけれども、そういう、向こうの、まあ非難に対して、どのような御見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、かねてから、一つの中国、これが本筋だと、こういうことを申しておりますので、北京政府が何と言おうと、私の主張には変わりはないのでございます。ただ、それに対しまして、どうも佐藤政府は反動政府である、二つの中国の陰謀、あるいは一つの中国・一つの台湾、その陰謀に加担しているとか、いろんな批判を受けておる、こういう状態でございます。私は、正しくぜひとも日本の状態を知っていただきたいし、私の主張も十分耳を傾けてもらいたい、かように念願しております。
○黒柳明君 確かに、私も、全面的に中国の発言が是とはしませんけれども、その理解をさせるならさせるだけの、こちらの努力もあわせて必要じゃなかろうか、こういう御努力を、はたしてしているのかしていないのかというところに、失礼ですが、佐藤内閣に対する国民のクレームが、批判が出ているのじゃないか、こういう点、どうでしょうか。誤解を改めさすための努力をしているのか、その上に、しかもそういうような発言をされるのか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま、あらゆる機会と申しました。ことに、日本の国会において、その本会議場、あるいは委員会の席上、これあたりは最も公式の場でございます。こういう事柄は中国も当然聞き、また、報道されておるだろうと、かように私は思います。また、わが国は、あらゆる機会に、いつでも、どこでも、大使級の会談をして差しつかえないと、また、それに応ずると、こういうオープンの態度を、いま、しておりますので、中共側も、あまりかたくなに一方を批判するだけでなしに、やっぱり話はお互いに近寄るというか、歩み寄って話をつけるようにしたいものだ、それには、何といっても相互理解がその根幹をなす、基礎をなす、かように思いますので、人的交流はもっと盛んにあってしかるべきだと、かように私は思っております。
○黒柳明君 本日、中国の人工衛星の第二回目の打ち上げ成功が報道されておりますが、従来から、ICBMの実戦配置が七二年・三年と、こう言われてきましたけれども、いよいよそれも近いのじゃないかと、こう思いますが、この本日の人工衛星打ち上げ成功は、中国国内の、非常に外交的に柔軟外交を示しているのじゃないかというような、こういう見方もありますけれども、まだ日本は、そういうときにあたっても、いわゆる核抑止力というのが、中国がバランス、均衡がとれますから、そうなりますと、今度は、外交的にどんどん国際社会の仲間に入る、そういう方向に行くのではなかろうかと、こう見たいのですが、その点、どう判断しますでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど、きょうの夕刊、それを見ましたし、その前にも、人工衛星打ち上げに成功したという、そういう内報を聞いておりました。これはたいへんけっこうなことだと、かように思いますが、私は、核について、日本はもう非核三原則を持っている、中国の場合は私どもと異なっておりまして、核兵器を持つという、まずそれを開発するという、そういう立場でございます。しかし、中国、北京政府自身が申しておりますように、他国に先んじて核兵器を使う、さようなことはしない、かように申しておりますから、日本のように核武装しておらない国は、まさか核兵器で攻撃されるというようなことはないだろうと、かように私は思っておりますが、それぞれ国によっては国情も違っておりますし、その行き方はそれぞれの国が特殊の道を歩んでおる、それはそれとして、お互いがそれぞれの国のあり方をありのままに理解していけば、将来それはもっとつき合いも始まる、こういうようなことに道が開けるのじゃないだろうか、かように思います。ただいまの国際連合への加盟というような問題も、ただいま言われますような状態においてこれが納得されることが望ましいのではないか、かように私は思っております。
○黒柳明君 先般のニクソン米大統領の外交教書、この中では、相当はっきり二つの中国、こういうことを打ち出しておるわけでありますが、アメリカに近い政策をとられる佐藤内閣として、このアメリカの外交教書に述べられた二つの中国政策、これ、どうおとりになるんでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 外交は、やはり現実の姿のままで、現実を見きわめて取り組むのが本来の姿ではないかと思います。ニクソン教書も、そういうような意味で外交教書を評価してしかるべきだろうと思います。また、私が過日中国問題に触れた点も、現実の問題として私は取り上げておる状態でございます。この点では、別にアメリカに追随したわけではありませんが、たまたま意見を一にしておると、かように私思いますけれども、やはり現実の問題と取り組まないことには、原則論だけで外交を進めるわけにはいかぬ、かように私は思っております。
○黒柳明君 アメリカの二つの中国政策は現実に沿った見方であると、こういう判断ですか。すみません、念のために。
○国務大臣(佐藤榮作君) いま中国大陸を支配しているものが北京政府であり、また、台湾を支配しているものが国民政府だと、こういう二つの政府のあること、これはどうも認めざるを得ない、これが現実ではないだろうかと思います。しかし、本来は中国は一つであるべきものだ、そういう見方、これも私は当然だろうと、かように思っております。だから、現実を見ての議論と、本来の姿はいかにあるべきかという問題、これはやはり区別して取り組むのが外交としては適当な姿勢ではないかと、かように思っております。
○黒柳明君 すみません、もう一回ですけれども、総理は先ほど、前々の答弁で、外交というのは現実を見なければならない、そういう面で、アメリカの今度の外交教書は非常に合っている、妥当である、こうおっしゃったから、それでは私は、現実的なものですか、総理の判断では、このアメリカが今度打ち出した二つの中国政策は、――こういう質問なんですが、すみません、もう一回。
○国務大臣(佐藤榮作君) 外交政策は現実的なものだと。ただ、そこで誤解をされないようにするのは、いま、ニクソン大統領にいたしましても、二つの中国論、そういう考え方であろうとは私も思いません。また、私自身も、今日の現実、これは、台湾にある国民政府が中国大陸を領有していないことも、また、北京政府が台湾に何らの支配を及ぼしていないことも、これは現実の問題として認めざるを得ない、かように実は申しておるのでございまして、正しいとか正しくないとかいうことでなしに、現在の姿がそういう状態だと、また、そのもとにおいてわれわれはどういうような外交を展開していくかということではないだろうかと、かように思います。
○黒柳明君 先日、NHKの「総理と語る」ですか、総理のおっしゃったことは、二つの中国論を北京政府は気に食わないというが、中国を承認している英国は国連では台湾と席を同じくしていると。これは切り紋を取って言うわけじゃないですけれども、当然、英国と日本ではいろいろな情勢が違いますけれども、何か、このおことばは、私は、いまのアメリカの政策――総理と私の考え、ちょっとずれているので、答弁がなかなか核心に触れないので申しわけないのですが、一つの中国、これはいいのですよ。ところが、それは台湾だけで、北京政府は認めない一つの中国である。ところが、ニクソンの外交教書では、二つの中国ということに政策の変更があるのじゃないかと、こういうことなんです。ところが、総理も同じようなニュアンスの発言をしていらっしゃる。だから、いまの一つの中国というのは、二つの中国、いわゆる、先ほども言いましたように、アメリカと非常に政策的に似通った佐藤内閣の姿勢としては、一つの中国から二つの中国に移行しているのじゃなかろうかな、総理にあるいはそういうお気持ちがあるのではなかろうかなと、これも、NHKの「総理と語る」の話の中で、そういうニュアンスが出ているように私は受けるのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) いま言われることで私にもようやくわかりました。どこが違うのかと、ちょっと私もわかりかねていたのですが、いま御指摘になりますように、私どもも一つの中国は言っておる。同時にまた、私どもの過去のいきさつから申しまして、日華平和条約を結んだその相手国が現存する限り、それはやはりただいま無視できない。それを抹殺するような考え方は持てない。だから、一つの中国を主張する限りにおいて、日本から見た中国といえば、日華平和条約、そのもとにある国民政府、かように断ぜざるを得ないと思います。しかしながら、国民政府の支配権、領有権は中国大陸には及んでおりませんから、そういう意味で、一つの中国論は、これは原則論ではあっても、ただいまのような実情には合わないのじゃないのかと、そういうことをただいま申し上げておる。したがって、私ども一つの中国論という原則論に立って、もうこれで何にもすることはないと、かように実は申すわけじゃないんだ、台湾とつき合っておること、それは、過去の歴史から見ましてこれは当然のことだと、そこに日本が、国際的信義のある国だと、かようには言われるだろうと。そこで、たいへんしあわせなことだが、中国大陸に対してはこの講和条約だけではどうしようもない状況だと、中国大陸とのつき合いもしたいし、貿易もしたいし、仲よくもしたい、こういうことで、いま変則的な形でそれを行なわれているというのが日本の場合の状況であります。アメリカの場合はそれと違うことであるかもわかりませんけれども、私は、おそらくアメリカとしても、同じように、むしろ日本に学ぶほうがこの点では多いのじゃないだろうかと、かようにも思います。
○黒柳明君 昨年の国連総会以後、アルバニア方式の賛成が多くなったと、こういうことで、ことしの秋の十月の国連総会には、何かこう、現在の中国政策の変更を迫られるのではなかろうか、こういうことがもっぱらの話題だったわけでありますけれども、アメリカも、さきに外交教書で二つの中国、秋には国連総会には二つの中国論を打ち出すのではないか、こういうふうに思われる。どうですか、総理、そこらあたりの御見解は。
○国務大臣(佐藤榮作君) どうも、国際連合に関する限り、国際連合憲章の定むるところで運営されるだろうと。しかし、この国際連合憲章そのものについても、私どもはこれを修正しろということをしばしば申しております。こういうものが修正されるということになると、安保理事国、その常任理事国、それなどはいろいろ考えが変わってくるかもわかりません。しかしながら、国連においての国連の創設的な役割りを果たしたものが国民政府であること、これは過去の歴史がはっきり説明しておりますので、そう簡単なものではないだろうと、かように思います。ただ、いま国連に北京政府の国連加盟の問題をめぐっていろいろむずかしい問題が起きておる。ただいまのアルバニア案がその一つのいい例だと思っております。そういう点で、日本がいままでの主張は変わった方向に行かざるを得ないか、あるいは在来どおりの方向で行くのか、とにかく、いまいろいろ外交交渉の手段等についても検討しておる段階でございます。したがいまして、いまどの方式がいいと、こういうことは申し上げかねておりますが、いまの国連そのもののたてまえ、国連憲章のたてまえから見ると、そう簡単な問題ではないように私は理解しております。
○黒柳明君 そうすると、先のことになりまして申しわけありませんが、今秋の国連総会には、何らかのやはり日本政府としても態度の変更を迫られている。そういう案を、態度を示さざるを得ないと、こういうことを含めての検討かと、こう受け取ってよろしいでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) あらゆる場合を考えながら検討していると、かように御理解いただきます。
○黒柳明君 中国あるいは朝鮮、ドイツなどの分裂国家を一括して国連で処理しようと、こういうことが日米の間で話されているというのは、これはうわさ――韓国では事実こういうことがあると言っておりますけれども、こういう考えについてはいかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 日米間で話されていると、かようには私はまだ理解しておりません。しかし、私が昨年の国連の二十五周年記念総会に出まして、そうして指摘いたしましたのは、四つの分裂国家の姿であります。ことに、欧州におけるドイツ問題、これは非常な問題であるし、また、中国と台湾との関係も、これまた非常に深刻な問題でありますから、それらの点を含めて国連で訴えたこと、これは事実であります。そのときに、やはり私は、何と申しましても超大国の責任が重いのじゃないか、こういうことまで実は触れて説明をいたし、各国に訴えたつもりでございます。
○黒柳明君 今回の日中交渉で周恩来首相が、日中のこの友好締結の条件として、台湾問題、内政不干渉、日華条約の破棄、平和五原則を打ち出していますけれども、台湾問題はさておいて、平和五原則、これを前提としての友好と、総理はこの平和五原則についてはどうですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 平和五原則は別に問題はないと思いますが、その前に、相互に内政不干渉ということ、これはもうぜひ必要なことだと思います。これが十分守られないと、ただいまのように、日華条約を無効にしろとか、あるいは日米安保条約を破棄しろとか、こういうような議論になりますから、これあたりはやはり第一の基本的原則、それが守られることが必要だと、かように思っております。
○黒柳明君 そうすると、相互にという、向こうに対するクレームと同じように、佐藤・ニクソン協同声明、台湾の安全は日本の安全重大だと、これは内政干渉だとは思いませんか。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは私は別に問題ではないと思っております。いま、インドシナ半島における紛争が中国にとって非常に重大なる問題だと、かように北京政府が申しても、これはその紛争に自分で介入する意思のない限り、ほんとうに現実の問題としてさように思うだろう。私どもも、やっぱり台湾海峡に事柄が起こり、そこで大陸との間に武力が使用されるということ、これはたいへんな問題だと、かように私思いますから、率直に自分たちが感じたその感じを説明した、かように私は思っております。
○黒柳明君 こちらのことは感情を率直に説明したということであって、向こうに対してはクレームをつける、ここが問題なんですよ、総理。これを何とかやはり前向きに改善する姿勢がないと、うまくないと、こういわれているわけであります。 まあ、これを繰り返しても話が進みませんものですから、日華平和条約の交換公文の第一号、これはもうたびたび問題にされる点でありますけれども、「中華民国政府の支配下に現にあり、又は今後入るすべての領域に適用がある」――「今後」ということでありますけれども、いまの中国大陸がはたしていまの台湾の政府の統治下に入る可能性があると、こうお思いになるでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 可能性があるかどうか、こういう問題をお尋ねになりましたが、それだけ答えればいいので、私にはわからないと申し上げる以外にございませんが、それじゃ現実は一体どうなのか。現実は、先ほど来申し上げますように、中国大陸に対して施政権は及んでおらない、これはもうはっきりしておる。
○黒柳明君 まあ、当然可能性は非常にわかりません。しかしながら、中国大陸が国府の支配下にもし入る可能性を待って、それでこの日華条約が本土まで適用される、それまでこの友好を結ばないとなると、これはもう不可能に近いのじゃないか、こう思うのですけれども、これはいかがでしょうか。ということは、もう極端な言い方をして申しわけありません、佐藤内閣がいるうちは日中正常化はもう不可能だ、こう断定をせざるを得ないのじゃないか。いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは、ぜひ聞いていただきたいし、私どもも説明をしたい点でございます。 私は、申し上げるまでもなく、さきの戦争――戦争で負けましたが、この戦争をしたのは一体だれと戦争したか、だれのもとで負けたのか。これは、申し上げるまでもなく、蒋政権と戦争し、そして蒋政権のもとで負けた。サンフランシスコ講和条約の後にだれを選ぶかといえば、やはり、蒋介石政権がある限り、それと平和条約を結ばざるを得ない。ここに私は問題があるだろうと思います。それは、そこに蒋介石政権がなければ、これは問題ございません。しかし、蒋介石政権は厳然としてある。その姿だと、やはりこれを相手にして講和条約を締結する、その講和条約は、やはり第一条に書かれておるように限定されたものである、このことは承知の上でわれわれは講和条約を締結した、こういうように理解していただいていいんじゃないか。その状態が続いてきている、今日まで。その状態をまた変えるそれでは何かの筋があるかというと、いままでのところ、われわれが台湾にある中華民国に対して国際信義を尽くすならば、これを変えるわけにいかない。国際信義をわれわれはまず第一に大事なことだと考える。だから、これを尊重していく。それで今日の状況は続いておるわけであります。それがやはり、日本の国益というものも、信義を基礎にして、はじめてその国益、これが評価されるのではないだろうかと私は思うのであります。こちらのほうが都合がいいから、もうこの辺でやめておけというものではない。ここにむずかしさがあります。それを私どもはいままで繰り返し繰り返し申し上げておるのであります。私はそういうことをこの機会にはっきり申し上げておきたいと思います。
○黒柳明君 日華平和条約は、先ほど申しました平和五原則の内政干渉にはならない、こういうことですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 日華平和条約が内政干渉になるか、こういうお話ですか。私は、ならないと考えております。
○黒柳明君 たびたびこれも指摘されるのですけれども、少なくとも、それじゃ台湾に対する――台湾が非常に問題になるわけですね、絶えず。――オーバーコミットをもうちょっとセーブしたらどうか、その一つに、日華経済協力委員会の言動ないしは借款、こういう問題をあげられるわけです。昨年の国連総会の後は、木村副官房長官が非常に前向きな発言をしていらっしゃいました。たしか、そういう問題ではオーバーコミットをセーブすべきだと。総理はどうですかね、この点は。少なくともそれじゃ、大陸との、中華人民共和国との正常化が非常にいろいろな問題で、むずかしい。であるならば、台湾のほうに対する深入りを、もうちょっと何とかできないか、こういう点はいかがでしょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、台湾との関係をオーバーコミットする、これはいかぬとおっしゃいますが、施政演説でもはっきり申し上げておりますように、台湾との関係、国民政府との間では私ども親交は深まっております。これはもう、そのままちょうだいして、またそのまま理解していただきたいことばでございます。一体、オーバーコミットというのはどういう点を言われるのか、私は、先ほど申しましたように、日本と国民政府との関係、これはそのまま現実の問題として認めていただくことが何よりも必要なことではないか、これから先それがどう変化していくか、それは中国の国内問題ではないかと、かように思います。どうも北京政府が、日華平和条約、これを大事にしている日本は片手落ちだ、かようなことこそが内政干渉じゃないかと私は申すのです。日本の内政に対する干渉が行なわれておるんじゃないか。私は、日華条約を守ることは別に北京政府の内政にわれわれが干渉しておる、かような状態であるとは思いません、かように申したわけです。
○黒柳明君 毛沢東と総理と討論さしたらおもしろいと思うのですけれどもね、もうちょっと、話がそこまでいきますと。 それから吉田書簡ですね。これは第一号の、吉田総理であったときにダレスさんに与えた書簡ですね。「私は日本政府が中国の共産政権と二カ国間条約を締結する意図を有しないことを確信することができます。」と、これは、いまいわれる輸銀の使用についての政府側の答弁、これは私書である、政府の関与しないところだと、こういうこと、これは違う第一号のやつですが、これにまだ総理は拘束されると思いますでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは、吉田さんがダレスさんに出した手紙、講和条約を、相手としてだれを選ぶか、これは国民政府だと、こういうことで、もう歴史的な書簡だと、かように評価していただいてけっこうです。私は、先ほど来申し上げているように、戦争した国、また日本が敗れた国、そういう場合に、自分たちが講和条約を締結する相手とすれば、それこそ蒋介石政権じゃないかと、かように申したのも、この書簡が端的に表現しておると、かように思っております。
○黒柳明君 ひとまず外交問題をおきまして、私はこれから、千葉の成田と同じようなウエートを持って行なわれている茨城県の鹿島の臨海工業地帯の開発についての種々の問題をここで取り上げてみたいと思いますが、経企庁長官、この鹿島臨海工業地帯の開発規模、内容、事業費あるいは国費がどのくらい出ているか、概要について御報告いただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤一郎君) 大体、総事業費二千億足らずの規模で計画がなされております。四分の一ぐらいが、いわゆる国費の支出でございます。その他、公社、公団、あるいは地元の負担等によって、これがまかなわれております。そして、御存じのように、いわゆる鉄鋼、石油化学、石油精製、そうしたいわゆる大コンビナート基地をそこに築き、なおその周辺に機械工業等を興そう、こういう目的で、大体昭和五十年度ぐらいまでを目途にして連設されています。
○黒柳明君 非常に関連産業あるいは計画関連事業費あるいは面積等膨大なものである。私も行ってきまして、非常に着実に進んでおります。そこで、こういう国庫負担が相当入っているこういうところにつきましての種々の問題を私は取り上げたいのです。 まず、農林大臣、こまかいことで、初歩的な問題で申しわけございませんが、私、たまに聞くのです。あるいは相当いなかに行くと数が多いのですが、農地の上に国民の皆さんが家を建てる、そのときは建てられない、こういうことで非常に多くの訴えを聞くのですが、これはどういうわけで建てられないのでしょうか。これは非常に初歩的なことで申しわけありませんが、農林大臣。
○国務大臣(倉石忠雄君) 御存じのように、農地は、家を建てる場合には転用の許可をとってからではないとできません。
○黒柳明君 そうすると、転用許可をとらないうちに農地の上に工場、会社、住宅を建てると、これは農地法違反になると、こう理解してよろしいわけですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 一般論としては、そのとおりでございます。
○黒柳明君 と、それは何の目的でそういう法律があるのでしょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 御存じのように、農地法は、農地法で農業を保護するために存在しておるわけでありますから、その他の目的に使用する場合には、転用のそれぞれの許可を必要といたします。
○黒柳明君 農地保全のために、当然きびしい農地法がある。旧地主に対する国有農地の売り戻し、これでいま非常に問題になっていることは、私が申すまでもない事実でありますけれども、そこで、これは一つ一つ問題点をあげていくのですが、農林大臣、まことに申しわけありません、ここに登記があるのです。これは農地法違反の事実かどうか、ちょっとお調べいただきたい。
○政府委員(岩本道夫君) ただいま拝見しました登記の書類でございますが、一件は建物の登記でございまして、直接農地とは関係がないのじゃないかと思いますが、一件につきましては畑でございまして、所有権移転の登記がなされておりますが、この登記の前提として農地法の許可が問題になるはずでございますので、登記されておるということは、前提として許可があったものと考えられるわけでございます。
○黒柳明君 同じものですよ。地番は同じですよ。
○政府委員(岩本道夫君) お答え申し上げます。 畑を所有権移転しまして、その上に建物を建てたものと思われます。したがいまして、先ほどお答えいたしましたように、登記をしておるということは、その前提として農地転用の許可が行なわれておるというふうに考えられます。
○黒柳明君 これは、ひとつ、もう一回よく見てくださいよ。これは一つは畑ですよ。同じ上に、地番に建物があるのですよ。畑が、農地転用してないから畑になったのじゃないですか。これはうまくないですね。登記の見方を御存じないのですか。すみません、失礼なことを言って申しわけありません。登記簿をよく見てください。現在畑ですよ。現在畑の上に建物が建っているんですから。畑の上に建物が建っている。――弱ったなあ、登記簿の見方わからなくて。
○政府委員(岩本道夫君) 畑の上に家を建てる目的で所有権の移転をしておるわけでございますので、おそらく地目変更の手続が要るはずでございますが、それがこの書面では明確でございませんので、はたしてそれが実際に行なわれておるかどうかという点は、調査をしてみませんと、いまこの場で何とも申し上げかねますが、そういうことであろうかと思います。
○黒柳明君 これ、地目変更の届け出が出ているかどうかを調査してみたいというのですか。もう一回、すみません。
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま事務当局がお答えいたしましたようなことであるならば、当然、もう一ぺん調査してみなければいけないと思います。
○黒柳明君 法務大臣、すみません。御足労かけて申しわけありませんが、これは第三者的にきちんとした事実関係を明確にする登記謄本だと、こう思うのですが、ちょっとすみませんがね、法務大臣、申しわけありません、どうも。
○政府委員(川島一郎君) お答えいたします。 登記の上では、確かに仰せのとおり畑の上に建物が建っている、まあこういう形になっておりますが、まあ、実際には、畑の上に建物を建てるという場合には、農地法による転用の許可を受けまして、しかるのちその建物を建てると、まあ、こういうことになるわけでございます。登記の手続といたしましては、転用の許可を取りましても、当然には土地の地目を変更されませんので、あるいはその地目変更の手続がおくれているのではないかとも考えられますが、これは実態をよく調べて見ませんと、いずれであるかははっきりいたしません。
○黒柳明君 どうもすみません。 そこで、これから私のこの問題は始まっていくのですが、実態がわからないと。私は実態を知っている。で、これすぐ茨城県の開発組合――これは前から質問通告してありましたから、すぐ実態を調べてください。届け、出しているのか、していないのか。もう無数にあるのです、これは。すぐ調べていただけますか。電話一本入れればすぐわかりますから。
○政府委員(岩本道夫君) 関係する面積が非常に広大なものでございますし、それぞれの転用なり何なりの件数は非常に膨大なものにのぼっておりますので、調査してみないと、はっきりは言えないと存じます。
○黒柳明君 これは地番がはっきりして、開発組合の所有となっていますから。これは茨城県の管理者ですよ。電話かければすぐわかりますよ。そんな、すぐわかります、これ。これを登記所にいって調べるのがそんなに時間がかかりますか。すぐですよ、そんな。すぐ電話入れてください。だめですよ、そんなことじゃ。
○政府委員(岩本道夫君) 調べてみます。
○黒柳明君 すぐやってください。もうすでに質問通告も出してありますし、農林省とはもう何回も、大臣、接触してあるわけであります。ですから、当然そういうことは調べなきゃ怠慢なわけですよ。もう相当前から私は農地課長さんと、何回も御足労いただいて話をし合って、現地の茨城県のほうの開発組合、これから話が触れていきますけれども、出ているんです、その前にですね。それで意思も疎通しています。これをいまごろ調べてないなんていうのは、これ自体怠慢、まずこの怠慢ということをひとつ指摘しておきたいと、こう思いまして、すぐ電話入れれば、これは届けているかどうかということはわかります。すぐ電話入れてください。届けていやしないですよ。だから問題。第一、畑の上に家が建っているんじゃないですか。現在畑ですよ。その上に家が建っているんですよ。先ほど農林大臣がおっしゃったように、これは明らかに農地法違反である、こうおっしゃったじゃないですか。じゃ、届け、出してあって、それがおくれているのか、おくれてないか。それじゃ届け、出してあるかどうか調べてもらいたい、こういうことです、理論はですね。ですから、大至急その返事をもらいたい。届け出なんかしておりません。 ところで、建設大臣ですけれどもね、こう農地の上に、もう住宅が建っていたいま一つの例です。まだまだここにいっぱいありますけれどもね。すると、これは基準法か何かに違反するわけでありましょうか、こういうことが事実とすれば。いま返事来ます。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答え申し上げます。 建築基準法には違反しておりません。建築基準法は、その建物が基準法に違反しているかいなかを確認して、その確認のことでありまして、許可とか何かには直接関係ございません。ただし、そういうことが以前に間々ありましたので、住宅局長から農地局長に対して、そういうことのないように連絡をして遺漏ないように指導をさしてはおるはずでございます。
○黒柳明君 農林大臣ですね、これはもし農地法違反となれば、いま調べて返事来ますから、すると、これは罰則規定が当然あると思うのです。これはどういう規定になっていますか。
○政府委員(岩本道夫君) 農地法の違反につきましては罰則の規定がございまして、三年以下の懲役、十万円以下の罰金という規定がございますが、したがいまして、その事案の実態によりまして、これを告発いたしますかどうかは、十分現地の実態に徴して検討をしてまいる必要があろうかと存じます。
○黒柳明君 さて、ここでいまのこの返事が来ませんと審議が進まないのですけれどもね。前から、そのために質問通告してお調べ願いたいと、こういうふうにもう督促したわけでありますが、それが、これほど、こちらが現地の見取り図とか写真とかあるいは契約書とかこれから出そうというのに、その一点が調べてないというと、これはもう初歩的な怠慢なんですけれどもね。困ったもんですね、早くこの返答が来ませんと。電話入れりゃ簡単ですよ。開発組合に電話入れりゃ、すぐですよ。電話という便利なものがあるのですから――電話入れているその間というので、これは困ったですけれども。 そうすると、同じくこれは鹿島の神栖町に宇部の生コンの工場があるのです。この事実は、もうちゃんとお調べになっている事実であります。農林大臣、また局長の答弁かと思うのですけれども、これはもう明らかに農地法違反ですね。
○国務大臣(倉石忠雄君) そのほうは調べておりますから、先ほどのほうは、事前にそれほど早くお話承っておらなかったようで、いま問い合わしておりますが、鹿島宇部コンクリート工業株式会社が神栖町知手において農地転用の許可を受けることなく生コンクリート工場を建設いたしましたことは農地法に違反しているものでありまして、まことに遺憾なことであります。本件につきましては、これまでの経緯、本工場の操業による周辺農地に与える影響等について、十分検討の上適切な措置をとるよう茨城県当局を指導してまいりたいと考えております。こういう地域につきましては、これは県段階で農転の許可ができるようになっておるものですから、したがって、当方におきましては、御指摘のありましたようなことについては当局を指導してやってまいりたいと、こう思っております。
○黒柳明君 これは農林大臣、ここにまだこれだけ登記あります。まだうんとあるんですけれども、持ってきても同じですから。例が同じですよ。先ほどお見せしたのも、これも、片一方は土地登記、片一方は当地番の建物の登記、はっきりこれ登記してないわけです。これはもう農地法違反ですね。農地法違反でこれは県を指導してと、こうおっしゃいますけれども、これは開発組合、このこともあとで触れますけれども、もう県の段階でこれは済ましているから、あるいは農林省の指導監督不十分と、こういうことにもなるかと思いますけれども、これだけ三十九年から二千億もの金をつぎ込んで、そうして臨海工業団地をつくろうという、こういう開発事業に対して、この宇部生コンクリートというのはこれは公害企業なんです。その公害企業が堂々と農地法を無視して、それで許可もなく工場を建て、しかも、これは公害をどんどんまき散らしている。こういう例、先ほどからずっと続きますと一貫してわかりよかったのです。残念ながら若干これ逆になりましたけれども、これをただ単に県に指導してと、こんな単純なもので済まされますか。というのは、類似例が一ぱいある。ちょっと逆になっちゃいまして、これを最後にやろう、あとでやろうと思っていたんですけれども、どうですか。すぐ現地にいって、あるいは農地法違反とわかったならば、罰則規定があるのですから、その規定を適用する。何とかこういう措置を講じざるを得ないのじゃないか。片一方では国有農地の旧地主に対しての売り戻し、農地法というものがもう非常に、二円五十三銭で売り戻すという大前提になっているわけですね。ところが、片一方には農地法というものがでたらめに運用されておる。これはいま言いましたように、いまのことが先に出れば全部そうなんです、これは。鹿島臨海工業の開発に、その地域に建ってる企業、住宅全部、これが農地法を無視したこういう建て方なんです。何回も言いますよ。いまのから続いてないからこの一つだけになりますけれども、これはなぜあげたかというと、公害企業だからあげたのです、特に。どうですかね、農林大臣。
○国務大臣(倉石忠雄君) いま一つの例でございましたが、鹿島臨海工業都市というのは、もう申し上げるまでもなく、御存じのように茨城県当局が非常な創意くふうで工業地帯をつくろうということで始まったわけでありますので、その宇部コンクリートもそのあるいは一環かもしれませんが、すでにこういうようなふうに事業が運営されているという段階、現実を見て、ひとつどのようにやるべきであるかということをもちろん県当局に十分相談をさせまして、指導をいたしてまいりたい、こう思っておるわけであります。
○黒柳明君 農林大臣はこの公害の状態というものを知っていらっしゃいますか。まあ御存じないのじゃないですか。あれほどこちらが通告してお調べ願いたいと言ったのだけれども、そこまで公害の実態というものを知っていらっしゃるかどうか。どうでしょうかね。
○国務大臣(倉石忠雄君) 一般論から申しますと、セメント工場というのは、そのまま放置すればいろいろ公害の問題は出てくるでありましょう。ことに私どもの関係の漁業などにつきましては、ほかの地域ではやはり公害問題が騒がれている地域もあるわけであります。
○黒柳明君 これ、あまり持ってくると荷物になりますものですから。最近の国会、小道具がはやっておりますけれども、またすみません、どうも。いま農林大臣がおっしゃいましたように、これを放置しておけば当然これは公害発生が考えられる、こういうことであります。これは一面で言いますと、この臨海工業地帯というのはこれからですね。ですから、企業が全部そろって操業開始しているという面でもないです。ですから、当然公害問題ではこれから政府のほうで手を打ってもらわなければならない、こういう面かと思います。反面、現にもう企業が来てまして操業している。その例がいまの宇部生コンの例でありますけれども、この宇部生コンの洗った水、これは全部そのままになっているわけです、いま農林大臣おっしゃったように。畑に、道に、たんぼにまき散らし、それが地下水に入りまして、井戸の中。これ二日です。その宇部生コンの近くの井戸水。これ二日でこういうふうなセメントがへばりっいちゃうのです。どうですか、総理大臣。二日です、これ。かすがたまっちゃう。手で取れない。これ、どうしてもだめなんです、がちゃがちゃやりましても。お米も黄色くなっちゃう。いま御足労いただきまして閣僚に見ていただいたわけでありますが、これはなべ、かま、ひどいのはおふろ、このガスの穴が詰まっちゃう、セメントで。それである大手の建設会社じゃガスがまが破裂しちゃって、こういうようなことがありました。固まっちゃうわけですよ、地下水にしみ込みまして。非常に陳情も来てます。県や何かにもいってます。その記録もここにございます。これやりますとまた時間が長くなっちゃいましてあれですけれども、公害企業の届けもちゃんと出てます。ですけど、この防除施設が完備してない。これはほんの一つの例でありますから、ひとつこの鹿島臨海工業地帯の、幸いといいますか、全企業誘致されて、全操業が開始しているわけじゃありません。当然これからの公害問題が起こるところであります。しかも私が言っているのは、その前に農地法を無視していると、こういうことであります。これに対して農地法のことは、これは農林大臣のほうで、それからこういう公害企業がしかも建設許可なくて建っている、こういうこと、まずこの第一点、総理大臣、最後に総理大臣、まとめてお答え願いますから、これをよろしくお願いしたいと思いますかね。 それから第二点は、まだ返事きませんか。
○政府委員(岩本道夫君) たいへん失礼をいたしました。この書類をよく拝見をいたしますと、この土地は鹿島開発組合が取得をして、その上に建物を建てておるわけでございまして、鹿島開発組合や都道府県が構成員になっております一部事務組合でございまして、これは地方自治法の解釈上、都道府県と同列に解されます。農地法におきましては、国または都道府県が転用目的として農地を取得する場合、あるいはその農地を他の目的に転用いたします場合には、農地法の許可は要らないという扱いになっておりますので、この場合には許可なくしてこういうふうな措置ができるわけでございます。
○黒柳明君 農林大臣ですね、都道府県知事の許可が要るんですね、農地転用の場合には。そうすると自治大臣の認可を得た一部事務組合というものは、この都道府県知事の認可と同等の扱いをされますか。
○政府委員(岩本道夫君) 都道府県と市町村で組織されました一部事務組合につきましては、地方自治法第二百九十二条の規定に基づきまして農地法第四条第一項または第三号、または第五条第一項第一号の規定、つまりただいま問題になっております転用関係の規定の適用につきましては、都道府県の規定が準用されるものと解し、そういう趣旨で実態が運用されておるところでございます。
○黒柳明君 いや、実態はそう運用されているんです、実態は。だけど、一部事務組合は都道府県知事の認可と同じ認可、茨城のその組合の管理者、茨城県知事ですよ。その管理者がどこからも認可を受けなくてもいいですか。
○政府委員(岩本道夫君) ただいま御説明しましたところによりまして、一部事務組合である開発組合が農地を取得し、及びその上に建物を建てます場合には農地法の許可は不要であるということに相なっております。
○黒柳明君 組合が農業団地として開発したものですよ。その中に建っているのですよ。農業団地として開発したのですよ。その中に建っているのですよ。農業団地ですよ、農業団地。
○政府委員(岩本道夫君) この開発組合が農地を取得いたします場合には、許可は要らないわけでございますが、その上に宅地に造成して建物を建てる場合にも許可不要の扱いをいたしております。
○黒柳明君 あのね、農業団地として造成したものの中に、これを全部宅地化して、それじゃ何のために農業団地として造成する必要があるのですか。おかしなことを言わないでくださいよ。私はあれですよ、おとなしい性格ですけれども、だんだんことばがエスカレートしてきますよ。そんなおかしなことをいっちゃだめですよ。私はでっかい声出ないのですから。
○政府委員(岩本道夫君) 先ほどから申し上げておりますように、この開発組合が農地を取得しまして、それを宅地に造成して建物を建てます場合には許可不要の扱いをしておりますが、その現況が農地であります場合には許可が要るというふうに解されるわけでございます。
○黒柳明君 これはどうしようもないですね。これはどうしようもない。はい、農林大臣、この地図、これを見てくださいよ。ここですよ。これ、この青いのは何か見てくださいよ。青、何か。これだけ登記がそろって、図面がそろって、これだけそろっていて、どうしようもないじゃないですか。茨城県に聞いてごらんなさいよ、実情を。ここでごまかしたってだめですよ。あとが問題になりますよ。茨城県では困っているのですから、いまこれで。変な返答をするとさらにどんどん出しますよ、証拠を。ここら辺ではっきりしないと出しますよ、もう一つ。それじゃ、はっきりしないと、ここら辺で……。
○政府委員(岩本道夫君) 先ほどから申し上げておりますとおり、開発組合や都道府県を構成員とします一部事務組合でございまして、農地法の運用にあたりまして、これは都道府県と同じ取り扱いをいたしておりますので、したがいまして、この組合が農地を取得し、それを造成して建物を建てるにつきましては、農地法上の許可は要らないということを申し上げているわけでございます。
○黒柳明君 前の段階よ。時間もったいないから、ぼく立たないですよ。そんなことは、前の段階ですよ、その答弁は。新たな段階へ進んでいるのですよ、もう。農業団地を造成しているのですよ、これだけ、六百三十二ヘクタール。じゃ、総理、この写真ね、私これ時間のほかですよ。これ全部農業団地、全部住宅地、一つだけ持ってきましたけどね。これが農業団地、これ住宅です、全部。もっと一ぱいありますよ。いいんですか、農業団地造成したものを、住宅こんなに建てちゃって。
○委員長(古池信三君) 農林大臣に申し上げますが、農林当局として統一した明確なる答弁を、この際なされたいと思います。
○黒柳明君 これ、あとからあとからどんどん出て、答弁がおかしくなりますよ、この辺でしっかりしないと。
○政府委員(岩本道夫君) 農業団地をどう扱うかということが問題でございますが、農業団地は、一定の率で買収して、超過買収をした方々に対して代地を提供するために一つの団地を造成する目的でございまして、主として農家が農業を営むことを主たる目的にしておりますが、その団地の中は、現況は農地もあり林地もあり、宅地もあるということでございまして、これを造成いたしまして、一部は農家の宅地に配分をし、圃場に配分するという状況でございまして、この団地の内容をしさいに検討いたしませんと、その権利関係を一がいにきめつけるわけにはまいらないわけでございます。
○黒柳明君 開発組合の造成した土地には、だれが何を建ててもいいですか。
○政府委員(岩本道夫君) 開発組合が行ないますこの農業団地の造成事業につきましては、一定の計画のもとにこの土地の利用をやるわけでございます。で、その場合に、先ほど来お答えいたしましておりますように、農地を開発組合が取得して、それを造成をいたしまして、宅地にして家を建てることについては許可は要りません。ただ、この農地の上に建物を建てることになりますと、これは許可が要るということになります。
○黒柳明君 最後のもう一回はっきり、最後の答弁。いまの最後の部分だけもうちょっとはっきり。耳が悪くなった、最近。
○政府委員(岩本道夫君) 開発組合が土地を取得しまして、農地を取得しまして、これを宅地に造成して、家を建てる分には許可不要でございます。農地のままでその上に建物を建てることにつきましては許可が必要でございます。
○黒柳明君 それは初めの質問じゃないですか、ですから……。農地のままに宅地になっているんじゃないですか。工場になっているんじゃないですか。農業団地というのは、その目的で造成したのじゃないですか。そこにこれだけのうちがずらっと建っているんじゃないですか。すぐ茨城県に行って、これで見てきてもらわなければ、これは質疑できないですね、これは。困っちゃうですね。そのために茨城県にも来てもらっていろいろなことを知ったわけじゃないですか、事実関係を。だめですよ、そんなでたらめは。
○政府委員(岩本道夫君) 開発組合が農地を取得しまして、これを造成して家を建てるなら建てるということに相なろうかと思います。それが一般のケースでございますから、この場合には許可は必要でない。で、農業団地の中は全部が農地になるわけではございません。これは農家が入りますから、宅地も要りますし、いろいろな敷地が要るわけでございます。で、そういうものを造成してやる分について許可は要りませんが、農地のままでこれをその上に建物を建てるということについて許可が要るわけでございます。
○黒柳明君 話が進まないですね、総理。これ石油会社、ガソリンスタンド、食堂、農地じゃない、全部これ。わずかのこれは写真の一面です、これは。農家でも何でもないですよ。ガソリンスタンドが建っている、工場が建っている、食堂が建っている。――農業団地、一部じゃないですよ、全部なんですよ。この中には農家が一つぼつっとあるんじゃないんですよ。全部この登記、そうですから。こっちのほうがすごいや、これのほうが。農林大臣、これは工場です。
○委員長(古池信三君) 委員長から農林当局に申し上げますが、質疑者の質疑の趣旨をよく分析されて、その趣旨に即応したような答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(岩本道夫君) 私の理解が不十分で、いろいろ御迷惑をかけまして申しわけございません。ただいまの御質問の件でございますが、開発組合の所有する農地を第三者に賃貸したり、または売り渡したりしまして、その上に建物を建てます場合には農地法の許可が必要でございますので、御指摘の件についてはそういう問題であろうかと存じますが、その場合には農地法の違反に相なるわけでございます。
○黒柳明君 そこでこれが生きてくるんですよ、これ全部、農林大臣……。まだ一ぱいあるんですよ、こんなに。これはまたあとでごゆっくり見ていただきたいと思いますけれどもね、全部そうです、これ。要するにここは無法地帯なんですよ。まあ無法地帯ということばは行き過ぎかもわかりませんけれどもね。農地転用許可がないうちにどんどん建っちゃっているんです。あるいは推測しますとね、要するに宅地化して一括職権で農地転用しちゃおうと、こういう気持ちでいるかもわかりませんよ。そこまで何も私たちは譲歩する必要はない。現状はともかく農地、先ほどおっしゃったでしょう、農林大臣が。現状が農地の上に建てたら違反だ。農業団地じゃないですか、現状は。その上にこういうふうにずらっと建てて、第三者がですよ。これは明らかに農地法違反、こういうことじゃないですかね。
○政府委員(岩本道夫君) ただいま御答弁申し上げましたように、開発組合の所有する農地を第三者に賃貸または売買をいたしまして建物を建てます場合に、許可を受けずにやれば農地法違反になりますし、許可を受けてやれば農地法違反になりません。で許可を受けて第三者に賃貸または売買をいたしまして、建物を建てている場合もかなりあろうかと存じます。
○黒柳明君 これは許可を受けている例ですか、この登記上。許可を受けていますか、受けていませんか、この登記の上の建物は。もう、たつの、もったいないですよ、時間が。許可を得ていますか。この登記上、得ていないじゃないですか、許可……。(「委員長、休憩して理事会にして、農林省、政府当局との間に統一見解を出しなさいよ、一ぺん休憩をして」と呼ぶ者あり)その間に来るでしょう、電話が、開発組合の。そのうち開発組合の、来ますよ。
○委員長(古池信三君) この際、このままの姿で十分間休憩をいたします。 午後二時四十分休憩 ―――――・――――― 午後二時五十八分開会
○委員長(古池信三君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。黒柳君。
○黒柳明君 ごたごたしてすみません。 先ほど最後に言った答弁、第三者が開発組合の土地を占有すれば、これはまあ明らかに農地法違反であるという最後の答弁がありましたね。そのことを、もう一回しっかりして言っていただきたいんですけれどもね。
○政府委員(岩本道夫君) 先ほど御答弁申し上げましたように、開発組合が所有しております農地を第三者に賃貸したり、第三者に売り渡しまして、第三者が農地法上の許可を受けずにその上に建物を建てます場合には、農地法違反になります。
○黒柳明君 そこで、この土地が、念書や配分書ということのいわゆる鹿島方式、こういうものの方式があるということ、これは局長さん、そちらから説明していただけますか。念書、配分書。第三者に土地がころころころがって、どんどん投機の対象になっている、こういうことになっております。
○政府委員(岩本道夫君) 鹿島臨海工業地帯開発組合が、鹿島臨海工業地帯開発のために必要な土地の買収を行なっておりますが、この買収にあたりまして、工業港の開発に使用いたします一定の地域内の土地所有者から一定の率で土地を買収いたしております。したがいまして、この一定の率をこえて土地を買収した人に対しましては、その工業港の地帯の外辺部で代地を提供するということにいたしておりまして、超過して買収した土地の代替地を開発組合から後日売却するという仕組みを採用しております。これがいわゆる鹿島方式と呼ばれる方式でございます。この代替地を売却いたしますために必要な売買契約を後日締結をするという趣旨のもとに、これを文書にいたしましたものが、いわゆるこの念書でございまして、念書に記載された地積の土地の仮配分が決定されると考えられます。で、その仮配分につきましては、配分通知書によりまして大体どの団地のどの辺ということで記載をされておりまして、この念書と配分通知書が転々と売買をされる実情にございます。
○黒柳明君 念書と配分書、これが土地が非常に投機の対象になっていますね、農林大臣。それで、念書の段階、すなわち、まだ造成し切れない農業団地の、大体この神栖団地とか南部団地とか、こういう団地ぐらいきまると、これは念書。その神栖団地の地番、これがきまると配分書。念書の段階ですと、私ここに持ってます、代替地を一万二、三千円。配分書の段階にいきますと、これはもう占有ができる段階ですね。坪四万円ぐらいです。こういうふうに農地が投機の対象になっている。東京の不動産屋が、まあ特定の名前をあげるのは、これは私は控えますけれども、不動産業者が現地へ乗り込みまして、こういう農地を含んでいるところを、念書ないし配分書でどんどんころがして、投機の対象になっている。こういう段階で、これ、農地法で取り締まれないですかね。
○国務大臣(倉石忠雄君) お答え申し上げます。 農地法第三条の許可を取らずに鹿島臨海工業地帯開発組合が念書または配分通知書の名義人に対して同組合が所有する農地を使用収益することを認め、その名義人がその農地を使用収益していることがあれば、その場合には農地法に違反すると考えられます。また、念書または配分通知書の売買の当事者が同組合の所有する農地を転用している場合も、農地法に違反する行為に当たります。農地法に違反している行為がどの程度ありますのか、その実態が明らかではございませんが、違法状態にあるものがその状態を持続することは好ましいことではございませんので、茨城県当局に対しまして、その実態を十分調査の上で、できる限りすみやかに適切な措置を講ずるように、十分に指導してまいらなければならないと思っております。
○黒柳明君 総理、ぜひですね、これが念書、これが神栖団地の団地ときまっただけです。まだ地番はきまってません。これで二千五百七十八平方メートル、一千万、これで不動産屋へ持っていくと一千万。これが今度は、配分通知、これは四千三百二十三平方メートル、これだと大体坪四万、これで四千万です。これが四千万。これが一千万。わずか、この紙きれ一枚ですよ。わずかこれだけのものですよ。こういうべらぼうな農地が投機の対象になっている。まあ、確かにこれは、この間でころがされている間は、占有しないうちは農地法で取り締まれない。だけど、こんなに農地が投機の対象になって、それで悪徳不動産屋に食いものにされているこの実態は好ましくあるかどうか。どうですか、農林大臣、農地が投機の対象になっている実態ということは。
○国務大臣(倉石忠雄君) 自分が違う職業に転職したいというふうな離職希望の人たちは、あるいは自分の農地を手放すために売却するというふうなことはあり得ると思いますけれども、やはり農地としてわれわれがいままでも考えておりますような地域が、お説のように投機の対象になるというようなことにつきましては、まあ、これはいまの状態でいろいろあるかもしれませんが、私どもといたしましては、農地を農地として使っていただくことを希望いたしておるわけであります。
○黒柳明君 すみませんね、重ねて。これは、こういう状態、好ましくありませんですね。
○国務大臣(倉石忠雄君) それぞれの場所によっていろいろ判断が違うかと思いますけれども、やはり、ただいまのような事態で、お説のようなことがもしありとすれば、私どもとしては、安定した農業が営めるようにぜひ御努力を願いたい、こう思っております。
○黒柳明君 ちょっと――それで、すみません、ここの段階で、もう一つ総理に。これは転売されて第三者が建てた土地だというので、これ、登記です。この土地登記は開発組合のものです。その上物は、これは第三者のものです。その中間に、こういう配分書、念書でころがしているわけであります。こういうわけですよ。これは絶対好ましくない、また、これは農地法違反である、こういうふうに私はもう断定したい。そのためにこれだけのものを持ってきたわけであります。総理は、こういういまの質疑応答をお聞きになって……。まだまだ、これから五十年に対して、まだ開発の余地があります。私は何もあの開発を妨げるなんていうのはさらさらありません。ただ、これほど、私先ほど言いましたように、きびしい運用をされている農地法であります。旧地主に対しての国有農地払い下げ、これは農地法で二円五十三銭でもう法律的には間違いない。それじゃ、その法律的に間違いない農地法を、なぜ、この鹿島ではきびしい運用がされてないか。開発組合の土地でも、第三者が建てれば、これは農地の地目変換の許可がなければならない。これは当然ですよ。いま、これは無法状態にひとしいのです。こういう事実関係というものを、総理は――まだ一弾だ、まだありますよ。どういうふうにお感じになるか、ひとつ、中間ですけれども、御答弁願いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来農林省等からいろいろお答えをしている。また、黒柳君からいろいろの材料を示しながらお尋ねになっている。どうも私には、だいぶ専門的なものがあるようだし、わからない点が相当ございます。ただ、大まかに申しまして、農地法が十分守られておらないのではないか、この点は一点御指摘にあったように思います。もう一つは、開発組合というものが、本来の組合のできた目的をはたして正確に果たしておるのかどうなのか、開発組合というものが、どうしても投機の対象のお手伝いをしている、こういうような事態があるのではないかと、かように、しろうとはしろうとなりに、実は感じたのであります。本来、開発組合がけしからぬというものでもないだろうと思いますから、おそらく、できたその趣旨に沿って活動され、また、農地法に違反するようなことがなくて、厳正に守られていくならば、これはやはり、それぞれが正しく自分たちの利益を守るということにも役立つのだろう、かように思いますので、それらの点が、どうも先ほど来のやりとりでは、不十分で、私には理解できないのです。そこで、私も黒柳君と同じようなじれったさを感じますけれども、どうか、この開発組合というものが、最初できた本来の使命、その目標を達成するように活動されることを期待するものでございます。
○黒柳明君 もう総理の答弁が初めにあれば、こんな時間のロスはなかったわけであります。そのとおり、おっしゃるとおりであります。農地法が非常にここはルーズであります。農地法違反であります。無法地帯であります。しかも、開発組合のこの事務手続というものが非常にルーズ、ここで法務省が出てまいります。法務大臣ですね。この開発組合の建物の中に法務省で借りておりますね、契約していますね、建物の一部を。
○国務大臣(植木庚子郎君) 政府委員をして答弁させます。
○政府委員(伊藤榮樹君) 御指摘の庁舎でございますが、茨城県の所有の建物の一部を借りております。
○黒柳明君 ここに、その水戸地方法務局長と、いま言った開発組合の管理人岩上二郎……、これは無償ですね。使用料は免除する。これ、いいですか、地方財政法で、法務省が、政府が地方公共団体のものを無償で借りるということは、これはいいですか。地方財政法上。
○国務大臣(植木庚子郎君) その点につきましては、県の機関でありますところの茨城県鹿島総合庁舎ですか、この建物の一部を借り受けておるのでありますが、これは使用料は免除をされております。したがって、無償で借りておることになります。この問題につきましては、全国各地にわたりまして、法務省はたくさんのいわゆる登記所、法務局出張所を持っておりますが、千七百になんなんとするたくさんの数でありますが、そのうち、全国で六カ所ばかり無償で地方公共団体から借り受けておるものがございます。
○黒柳明君 だから、それが地方財政法上合法でしょうか、どうでしょうかと聞いているわけです。
○国務大臣(植木庚子郎君) それは、公共団体と国との間でそうした契約のもとにあるし……。なお、一応お答えしまして、またいたしますが、そういう実例がございまして、それが適当かどうかにつきましては、これは私は適当と思いません。したがって、これは長い間におきまして昔からいろいろ沿革がございます。各地とも、当該市町村、当該地域等々におきまして、おれのほうでこういう庁舎なり何なりを貸すから、だから、ぜひここに置いてくれとか、ぜひここが住民全般のために非常に必要な場所なんだというようなときがございまして、ときに便宜それを臨時的に借りている、それが今度長くなっている場合が実はあるのであります。これは必ずしもいいことじゃございませんから、だんだんとこれが少なくなってまいりまして、国みずからが庁舎を建てて、そしてなるべく早く地方のお世話にならぬようにつとめている実情でありますが、なお、ただいま申し上げた数だけが残っていることは遺憾でございます。
○黒柳明君 自治大臣、もうちょっとはっきり言ってくださいよ。これは地方財政法違反であるかどうか。
○国務大臣(秋田大助君) 地方財政法の第二十四条に、「国が地方公共団体の財産又は公の施設を使用するときは、当該地方公共団体の定めるところにより、国においてその使用料を負担しなければならない。但し、当該地方公共団体の議会の同意があったときは、この限りでない。」という明瞭な規定がございますので、議会の同意がない場合には、もちろん好ましくございませんし、この法規の違反でございます。 なお、つけ加えますが、こういう状態はなるべく早く、いきさつ上ありますが、解消すべく指導してまいりたいと思っております。
○黒柳明君 きょうの政府答弁は、どうも自治大臣みたいに、総理大臣みたいに明確にお答えいただけばいいんですけれども。 そこで、私は、なぜ法務省の……。まあ建物の借りている面積にしては大した面積じゃないですよ。一九三・八一平米です。別の図面どおりですから……。これはうまくない。ところが、なぜ指摘するかというと、先ほど言ったように、登記事務の問題なんです。先ほど総理大臣がおっしゃったです、開発組合の要するに事務機能のあり方本来の目的からはずれているんじゃないか。茨城県の事務員が法務省の登記事務なんか手伝っちゃっているわけですよ。同居しているのですから、組合と。こういう事実、個人名もあげる――ここまでは私は言いたくありません。ですから、きょうは差し控えますけれども、そういう事実が、無償だからといって、何も、国が四千万の予算を組んでいますね、払えばいいじゃないですか、国のお金ですもの。国民の税金ですもの。払うことが必要であると定められているのですから、法的に。払わないで、なぜここに同居しているかというと、勘ぐる。私は勘ぐりたくないですよ。こういうでたらめが、農地法を片方では旧農地に対してはもうきびしく運用する、国有地の払い下げ。しかも、この鹿島臨海のこういう開発に対しては農地法がもうでたらめである。この陰には、こういうほんとのささいなことのようですけれども、地方財政法上違反の事実を法務省がしている、このこと、開発組合の中に同居しているから、県の職員がこの登記事務を手伝っておる、こういうばかなことが現実なんですよ、法務大臣。まあ、いま自治大臣がはっきり、また法務大臣がはっきり、うまくない、改善するとおっしゃった。私はそれ以上追い打ちをかけたくありませんけれども、早く――まあ最後に総理大臣に総括的にお伺いしますけれども、これを当然、地方財政法上のっとった合法的な処置をとるとともに、それだけの処置をとるのじゃなくて、こういう農地法が非常に紊乱されているその裏には、こういうささいなことから登記事務が乱れているという現状です、これは。これはここで言っても、私は知って、皆さん方はもうお知りにならないから、これはもう並行線になりますけれども、こういうことも至急調査しまして、これを改善してもらいたい。どうですか、法務大臣。
○国務大臣(植木庚子郎君) ただいま御指摘の件につきましては、好ましい状態じゃないのでございますから、なるべく早くこうした事態が皆無になるようにつとめたいと思います。なお、これにはいろいろ問題が、類似の問題を私もちょっと耳にしたことがございますが、一つには、定員増加の問題が非常に最近御承知のとおり、そのために骨折っております。(「それは私は知らない」と呼ぶ者あり)いや、これがやはり関係があるんでございます。これについても、やはりもっと定員を必要なものを置くとか、臨時に雇い入れができるように措置をする必要があることを認めておりますが、なお不十分な点がございますから、今後とも努力をいたします。
○黒柳明君 非常に時間を使いまして、また、この次の沖縄の問題がありますので、最後に、総理大臣、すみません、また御足労願いますが、いまも総理が、先ほど御指摘したとおりのことでありますけれども、またここで法務省が加わったわけでありますね。ですから、農林省、法務省、農地法で、何回も言うようですけれども、あれほどいま野党超党派でこれを何とかしたいと努力をしておる最中でありますよ。しかも、片方では、これだけの国策的な大事業が、農地法の運用というものが適切でないために紊乱している、しかも、法務省までも、断定したくないけれども、そういう疑惑を持たざるを得ない、登記の、事務的に、手続上。むしろ開発組合を加担している、こうした状態だ。これは、関係各省庁が寄って、徹底的にやっぱり改善のためのメスを入れなければならない。そのためには、やっぱり最高責任者である総理がこの際勇断をもって、この鹿島臨海工業地帯に対しての、まず――まだまだ三年あります。私はもう何とかして、ここをいい方向に持っていきたい、これはもうだれだって心情的に変わりありません。そのためにも、ひとつ総理大臣がここでもって勇断をもって、各省庁に対して徹底的に不備は改善し、そしていいほうに進めていく、そういう悪質不動産が入って農地をころがすようなことはもうやらせない、こういうことでひとつ厳命を各省庁に発していただきたいと、こう思うのでございますけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) 鹿島臨工法問題で政府を叱正、同時に御鞭撻賜わりましたことをお礼を申し上げておきます。私は、けさほども成田の空港の問題で、法を守らなければ民主主義はないのだと、民主主義は育たないと、こういうことを強く申したものでございます。政府みずからが、ただいま御指摘になったように、幾多、みずから法を守らないという、そういうような状態をつくっていては国民に対しても申しわけのない次第だと、かように思いますので、この点は、御鞭撻賜わりましたように、また御叱正をいただいたように、それらの点について姿勢も正してまいる決意でございます。御協力をお願いいたします。
○黒柳明君 わかりました。けっこうでございます。 問題を変えます。総務長官、沖繩の返還の第二次のこの返還暫定法案をつくるための細目は、何か、きのうの報道ですと、中旬ごろになるのではないかと。いつごろになるか、あるいは、その盛られる項目、若干新聞報道でも承知しておりますけれども、もう一回、ひとつ御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 当初、来月の上旬の閣議決定のつもりで進めておりましたが、琉球政府と、当方からも責任者が参りましたし、きのう来、副主席、復帰対策室長等に上京してもらいまして、いろいろと検討しておりますが、なかなか根本問題で意見の一致しない点がございますので、これらを勘案をいたしまして、中旬ということで閣議決定を延ばしておるわけでございます。第二次大綱の要綱の中の一番基本は、税制の各般のこまかい問題、国、県、地方税、それぞれ、新設する県民税や、あるいは現在町村税になっております事業税や、不動産取得税を県税に移すとか、そういうような基本的な、県民にとっては、いままでなかった県民税ができたり、あるいは電気ガス税が新しく賦課されるという、県民生活に重大な影響のある問題でございます。これらの点を中心に作業を進めてはまいりましたけれども、非常に現地の琉球政府側の代表との間に意見の調整が難航いたしております。一言で申し上げますと、現在の琉球政府のとっております、現在内地が外国という形になっておりまする税の形を当分の間そのままにしてほしいという姿勢の御要望をどこまで取り入れることができるかという問題でたいへん苦心いたしております。でありますので、場合によっては、第二次大綱要綱を決定いたしますときに大きな柱である税制は、三次に見送らざるを得ないであろうかという気持ちで、いま合意を得べく努力をいたしております。
○黒柳明君 いろいろ苦心のほどはわかるつもりでありますが、返還協定も目の前ですし、沖繩臨時国会も十月には開会される、こういうことで、暫定法案の作成も急ピッチでやらなければならない、こう思うのですけれども、国有財産なんかどうですか、見通しは。二次には入らない、そうすると三次になる、どうでしょう。
○国務大臣(山中貞則君) これも、ものによっては、たとえば現在の軍用道路あるいは琉球政府道、こういうものをどこまで国道に取り入れるか等については、入れようと思えば入れることは可能でございますが、ところが、市町村道も含めて全道路について、つぶれ地の補償その他について全額国が補償しなければ受け取れないという御要望等もございますので、そこらのところでたいへん苦労いたしておりますが、前半の旧国有地の問題等については、大体昭和十七年の三月の報告が最後でございまして、それからは戦乱の中で今日まで国有財産報告がなされておりませんが、大体三百七十平方キロメートルぐらいのものでございますし、その九十数%は旧国有林でございます。これらについてはもう帳簿もございますので、これらは沖繩県の、新生沖繩の経済の開発のために、復興のために必要な利用について十分に国側としては、時に法律が必要ならば法律の特例法をもってしてでも沖繩の民生の安定、経済の発展のために利用できるところについては、こだわりなく協力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○黒柳明君 いまの国有財産、なかんずく国有地の問題ですが、これはやっぱり暫定法案をつくるために、地元の使用状況もいろいろまちまちだと思います。当然これは本土の国有財産法を適用されるわけじゃございません、暫定特別立法をつくる必要があると思うのですが、これはやはり急務を要するものだと思うのですが、いかがでしょう。
○国務大臣(山中貞則君) 大体アメリカの民政府が一ぺん接収と申しますか、台帳をそのまま民政府有にして、そうして管理を琉球政府におおむね委託しております。民政府が直接管理をいたしておりますものは率にいたしましてもごくわずかですし、個所についても明確でございますから、この三百七十八平方キロメートルについては明確でありますが、その他今後調査を急がなければならないものに、戦争中に旧日本軍によって旧軍の財産として供出と申しますか、提供を命じて飛行場にしたりなどいたしまして、いまは黙認耕作地みたいになっておるようなところとか、こういうものが国有財産台帳には載っておりませんので、ここらの点を地元あるいは政府、それからその実態、その当時の支払った対価等のあり方等について十分詳細を把握したいと考えて、この点は現在調査中でございます。
○黒柳明君 大蔵大臣、現在その国有財産、どういう項目のものがどのぐらいあるか、ひとつお教えいただきたいのですが。
○国務大臣(福田赳夫君) 三億七千八百万平米あります。これは米軍が直接管理しているものもありますし、また琉球政府に委託をして管理しているものと両者があるわけであります。
○黒柳明君 そのうちのいま総務長官おっしゃった九十何%は林野の分ですが、その分はどのぐらいあって、差し引きどのぐらいになりますか。
○国務大臣(山中貞則君) 大蔵大臣が平米で申されましたので、そちらに直して申しますと、総理府が四千平方メートル、それから法務省が十万九千平方メートル、大蔵省が八千平方メートル、厚生省が十万八千平方メートル、農林省が……。
○黒柳明君 合計でけっこうです。
○国務大臣(山中貞則君) 合計は三億七千八百四十一万四千平方メートル。そのうちの三億七千七百九十一万平方メートル、大多数が国有林野でございます。
○黒柳明君 そうするといまの三億七千八百四十一万から三億七千七百九十一万、これは林野の持っている分です。それを除くと五十一ヘクタールと、こういう数字が出てきます。五十一万平方メートル、こういうわけです。これをいま調査を急いでいらっしゃる、こういうわけでありますけれども、その調査を急いでいるというこの程度ですね、これはどの程度なんでしょう。
○国務大臣(山中貞則君) いまの読み上げたのは全部わかっているのです。私がいま調査を急いでいると申しましたのは、戦争中に旧軍等が――日本軍です、日本軍が飛行場その他において接収もしくは買収、ある意味の強制でありましょうが、そういうもので国有財産台帳に載っていなくて旧軍の土地台帳に載っている、こういうもの等の経過その他についておおむねわかっておりますけれども、さらに詳細に調査しておるということでございます。
○黒柳明君 そのおおむねのわかっている範囲で教えていただきたいのですけれども、那覇市にある、要するに全体の林野を引いた五十一ヘクタールですけれども、その内容、これ全然度外視してもけっこうです。那覇市にある大蔵省所管の国有地、これどのぐらいありますでしょう。
○国務大臣(山中貞則君) 那覇市という区分はちょっとしておりませんが、日本政府公用地、沖繩・北方対策庁沖繩事務局庁舎、宿舎用地、琉球政府公用地、民間貸し付け地、米軍用地その他道路、河川等の公共用地、こういうものが民政府管理ですから、この建物その他の大部分は那覇市だと思ってよろしいと思うのです。
○黒柳明君 そうするとその大部分那覇市だということは、全体の土地から林野の分を引いた、その五十一万平方米が那覇のものである、こういうこと、私はいままでそういうふうに認識してきたわけでありますが、その那覇市のものの五十一万平方米というもの、はたしてそれは正しいか正しくないか。さっき総務長官もおっしゃったように戦時中軍用地として徴収した、そういうものがあるのだろうと、当然そういうふうに思うのですが、その実態はどうなんですか、まだわかってないのですか。
○政府委員(相澤英之君) 先ほど総務長官から答弁がございました三億七千八百四十一万四千平方メートルと申しますのは、昭和十七年におきまして、国有財産の増減報告書におきまして報告申しました数でありまして、その報告におきまして農林省が所管になっておるものが三億七千七百九十一万平方メートルでございます。そこで、この那覇市にある数量につきましては――いまお尋ねは農林省分を除いたのは全部那覇市かというふうにお聞きいたしますが、那覇市にあるものが多いと思いますけれども、その実態はまだよくわかりません。
○黒柳明君 琉球政府なり那覇市長なりにその実態把握というものを依頼しておりますですか。あるいは全然つかんでないかどうか。
○政府委員(相澤英之君) 沖繩の国有財産の調査には、まず昨年の十二月の九日から十五日までの一週間、国有財産三課長外二名が行って調査いたしておりますが、何ぶん台帳その他が現状では不十分でございますので、なお引き続いて三月にも調査に行く予定でございます。
○黒柳明君 総務長官、また済みません、たびたび行ったり来たり申しわけございませんが、これちょっとごらんください。――どういうことですか、それは。その合計の数字をちょっと見てください、一番端にある合計数字。二百万平方米ぐらいですよ。
○政府委員(相澤英之君) 先ほど申し上げました数字は昭和十七年の国有財産台帳に登載された数字でございます。その後終戦までに特に沖繩決戦に備えまして旧軍が買いました土地等が相当ございます。したがいましてあの数量よりも国有財産としては多かったということは推定がつくわけであります。したがいまして、那覇市のその数量は那覇市が調査したんだと思いますけれども、その数量はおそらく一九五一年に土地の一応確認をやっておりますのが、そのときの数字ではないかというふうに考えております。
○黒柳明君 それを言っているんじゃないんですよ、ぼくが言っているのは。総務長官、私いまそのことを言っているんじゃないですよ。そこにあるのは那覇市の調査でしょう。私たちは野党でしょう。野党の公明党が国有財産のことをこれだけ握っているのになぜ政府が握れないかということを言いたいわけですよ。その差は確かにこの資料は昭和十八年ですから確かに軍用地で接収したのがあるでしょう。暫定法案をつくるためには実情――まだまだいっぱいあります、ここに、細目に入りますます大前提、こんなに食い違いがあるんです。那覇市が、ここに行きますと――五十一万平方米ですよ、二百万平方米も那覇市では国有財産握っているわけです。なぜこういうものを那覇市に接触して政府・自民党のほうでこの実態把握しないのか、できないのか、もうここまで緊急な段階にきているのに。このことを私言いたい。どうですか、これ。
○政府委員(相澤英之君) 昨年参りました調査でもある程度一筆ごとに戦前の国有財産台帳を基準にいたしましてUSCARの持っている資料その他等と突き合わせをやりました。しかしながら戦後相当地形の変更その他ございまして、また現在そのUSCAR等の持っている資料は先ほど申し上げました一九五一年の土地所有権証明等によりまして記載したものでございますので、突き合わない部分が相当多いわけであります。したがいまして、まだ現在の段階ではこれが国有財産の現状であるというはっきりした形で申し上げられないわけでございます。
○黒柳明君 政府にはないんです、公明党にしかないんです。 私の言いたいのは、暫定法案作成、第二次を発表するんでしょう。十月下旬には臨時国会ですよ、沖繩の。来年には返還協定ですよ。こういう実情を知らないで、一回行かれたんでしょう、その前に政府調査団、大々的に行かれましたでしょう。何も知らないんですよ、総理大臣。何回私督促したかわからないんです。出てきたのが昭和十八年の資料だけ、これだけ。これでは何をやってんのかというんですよ。だから私が国有財産のことについては急務を要するでしょう、当然そうです。十八年の資料で論議するような、そういう、済みませんけれども沖繩の人たちに対しては、いろいろなことで忙しいんでしょうけれども、こういう雑な仕事じゃ困るんじゃないか。野党の公明党だってちゃんと――政府の持っておる資料では国有財産、林野を除いた分ですよ、これが五十一万平米しかない。公明党では二百万、こういう資料を持っておるということです。一生懸命調べた、どうですかこの点、総理大臣。まだまだあと出ますよ。さっきの鹿島と同じですけれども、一つ一つ入っていきます。これでは暫定法案何のためにつくるんですか。すみませんけれども、忙がしいと思いますけれどもどうですか。なぜ握らなかったんですか、何回も督促したんですよ、私は。ない、ない、――それで出てきたのが昭和十八年の資料だけ。これじゃ何をやっておるのかな、ほんとうにつかめないのかな。何もこれは琉球政府のだ、那覇市のだといえばそれまで。これからいろいろのことも出てくるんじゃないですか。
○政府委員(相澤英之君) 私どももUSCARの資料等とそれから戦前の国有財産台帳との突き合わせもある程度やっております。したがいましてUSCARの資料も……。
○黒柳明君 それはありますか。
○政府委員(相澤英之君) 那覇市のものは私いま手元に持っておりませんけれども、しかしながらUSCARの資料等も私のほうに渡っております。しかしながら昭和十七年の国有財産台帳との食い違いが非常に大きいものでございますので、先生から資料のお求めがありましたときにも、そういう不確かな資料を渡しては恐縮だということで一番確かな昭和十七年の資料だけお渡ししたというふうに承知しております。
○黒柳明君 そっちが確かでこっちが不確かじゃ困っちゃうな。
○政府委員(相澤英之君) それは一九五一年の土地所有証明に基づきまして一応所有権の証明をしたわけでございますが、それは土地を所有しておるという人の申請に基づいてこの台帳を作成したわけでございます。したがいまして、記憶の違いその他いろいろの事情がありまして、非常にこれは昭和十七年の台帳との不突合が多いわけでございます。その所有権の申請をいたします場合に、隣りの二人の証明をあわせてつくるとかいろいろな手はずをいたしたわけでございますけれども、何ぶんにも土地台帳が焼失しておるものでございますから、これはこの数字のみを正確なものとして取り扱うわけにいかないのでございます。
○黒柳明君 それではその不確かな材料でちょっと言ってくれませんか、どんなものがあるか。
○政府委員(相澤英之君) まだ、これから全体の調査が始まるわけでございまして、現在の段階でUSCAR等の資料のみで、これが国有財産の正確な数量であるということを申し上げる段階に至っておりませんので、遺憾ながらお話し申し上げる段階ではございません。
○黒柳明君 最終段階ではなくて現段階で、要するに総務長官、こんなことはやる気がなかったんじゃないですか、那覇市から資料要求してというようなことは。どうなんですか。不確かでもけっこうですけれども、現段階でもけっこうですけれども、どうなんですか、これは。
○国務大臣(山中貞則君) これは戦中、戦後の特殊な環境の中で、ただいまも理財局長が申しましたように、そのような主張をなされておられる向きもありますけれども、やはり国有財産というものはきちんと確認をいたさなければなりませんし、たいへん沖繩の土地の事情は混乱しております。そこで、やはり国有と明定するについても、あるいはそうでないと明定するについても、相当なしっかりした台帳の整備と実地の調査が行なわれなければなりませんので、私どもの出先の沖繩事務局並びに国有財産の所管の大蔵省というものが一体となって現在調査を急いでおりますので、ここで最終的に旧国有財産が現在どうなっておるかという総量について最終確定を申し上げられないということで、サボっているわけではありません。
○黒柳明君 サボっているわけじゃないんですけれども、私たちが一生懸命この沖繩のことどうなっているか、どうなっているかと言っても、何にもないないと言って、いま言ったように十八年しか出さないから、こちらが手を尽くして調べたわけですよ、ここに注釈して書いてありますように。この食い違いたるやものすごい食い違いがあるわけです。これは総務長官おっしゃったように、軍用地や何かの問題が当然あるから、これはこれから調べる問題でしょうけれども、こういうしっかりした台帳があるんじゃないですか。それとも、いやこんなものは全然当てにならないと、こう言うのですか。
○国務大臣(山中貞則君) 当てにならないとは申しませんが、その公明党のお調べになりました……。
○黒柳明君 いや、那覇市が。
○国務大臣(山中貞則君) そうですが。那覇市が調べて公明党にお出しになりました数字そのものが、国有財産台帳であると確定できるかどうか、現時点では私自信がございませんので、やはり調査というものをきちんとして確定しなければならぬと思います。それから、那覇市の資料としては、私どももいただかなければならない資料であると思います。
○政府委員(相澤英之君) 那覇市の資料は私どもも那覇市から参考のためにいただいております。
○黒柳明君 それじゃ、それすぐ見せてもらいましょう。 それから、その次に、総務長官、使用目的がはっきりしているところはいいんですよ。ところが、はっきりしてないところがあるんです。これは米じるしのところですけれども、これは民政府と――要するに向こうの施政権下ですからね、アメリカの。民政府と個人との契約であります。この契約の概況はどうなっているかですね。
○国務大臣(山中貞則君) 旧国有財産で、日本の国有財産で、民政府が自分たちがそれを管理しているためにアメリカの商社その他に貸しておるという、那覇市の泊浄水場の近く、上之屋住宅街のそばに近接した建物等がありますことも知っておりますが、それに類似したケースが民政府の段階において行なわれていることは承知しております。
○黒柳明君 その賃貸契約の大体の概況、民政府と民間の。だってそのために特別立法するんですからね。概況でけっこうですよ。
○政府委員(相澤英之君) 昨年の暮れに調査に参りました際に、大蔵省の係官が現地も見ておりますが、これは道路等の敷地あるいは民間の住宅貸し付け、赤十字病院、衛生研究所、保健所等に貸しているというふうになっておりますし、そういう状況でございますが、何ぶんその実際に貸し付けておりますと称される坪数と台帳の数字とが突合いたしません。そういった状況でございます。
○黒柳明君 ちょっとどういう答弁しているかはっきりわかりませんけれども、民政府と個人との契約、これは当然そのまま返還時において適用されるわけじゃありません。当然特別立法を立てる必要があるわけです。そのための調査、暫定立法と、こうなるわけでありますが、現況は、契約があります民政府と個人との契約、いろんな問題がありますけれども、まあ安いですね。安いのはいざ知らず、短期契約になっているんです。恒久的な建物を建てちゃいけないとなっています。ところが、全部恒久建物が建っている。牧志町一丁目七百七十の二、百十一・三八坪、三階建てのビルです。しかも、これがサロン、バー、パチンコ、こういう遊興施設が相当ある。このためにもやはり早くこういうことを調査して――現状に対してみんな心配しているわけです。沖繩の人は、どうなるのかしらと、返還されるとどういう私たちは処置を受けるのかと、こういうわけです。ですから、現在は契約が通用している。こういうことはどういうふうに考えられますか、総務長官。
○国務大臣(山中貞則君) 現在契約がなされておる点については、琉球政府も抗議できませんし、私どもも干渉できない。米軍の支配下において財産を管理しておる民政府の立場が、いまはおそらく日本人が使っている土地の例をあげられただろうと思うのですが、厄介なケースは、アメリカの会社、アメリカの個人等に民政府が契約、しかも長期の契約をしているもの等がだいぶ問題があると思います。これらの点はやはり詳細に、もちろん契約内容、文書等も必要でありますから、事務当局にあると思いますが、これらのものについて今後さらに詳細な検討をして、沖繩県の県政発展のために必要なものというものは仕分けをして考えたいと思っております。
○黒柳明君 それでですね。事務当局がどういう調べ、どういう資料をお持ちになるのか、これはもう私のところは全然出てこないわけです。何回も催促して。それでしょうがないということで、那覇市のほう、そして私たちの力で調べたわけです。現実に、本来なら民政府と個人との契約、これはいま言われたように国有地にみんな施設が建っている。はたしてこういうことが返還時においてどういう特別立法が適用されるのか、あるいはいま言いましたように、全体的に安い、これはどうなるのか、あるいは恒久的な建築物がいけないというのに実際に建っている。これはどうなるのか、非常に心配しているわけです。ですから当然そのために調査をやっておられる、これは私ども認めます。しかしながら、もう調査という段階ではないのではないかと思うのです。もう相当なものが出てきて、私たちが資料を要求すれば、こうなってますよというものが、十八年のものではなくて、一九七〇年ですから、せめてそれくらいのものがある程度出てくるような調査の進み方でなければうまくないのではなかろうか、私はこう断定したい。どうですか、総務長官。
○国務大臣(山中貞則君) もちろんおっしゃるとおりでございますから、大蔵省も三月中にもさらに詳細な実態究明のための調査団を派遣すると申しておりますので、私どもの出先の沖繩事務局と一体となって確認を急がなければならないことだと思います。
○黒柳明君 済みません、問題また変わりまして、防衛庁長官でありますけれども、先日ですね、非公式に発表されたということですが、各紙一斉に載りました沖繩基地の総点検、これをやられるという考えが出ておりましたけれども、これは防衛庁長官の個人的な見解あるいは個人的な見解でも、どのくらいの断定した発言であるのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは私の個人的な考えで、まだ政府の方針ではございませんが、私はぜひ実現したいと思っておるのであります。と申しますのは、沖繩にいままで大きな問題であったものは、核の存在の問題と、毒ガスの存在の問題でございました。本土と沖繩の事情が違いますのは、本土には核はなかった、またガスもなかった、しかし、沖繩にはメースBがあったり、またガスがあったりということは厳然たる事実です。したがいまして、返還したあとにそういうものが残ってやしないかということは、沖繩の人たちは非常に心配しておられるだろうと思って、本土と沖繩と非常に違う条件がそこにあります。そういう面から本土の政治家といたしましては、沖繩の人々のために特別のいたわりの気持ちを持って周到な政治的配慮をするということは私は必要だと思うのです。たまたま、たとえば核であるかないかわかりませんけれども、ナイキの基地を自衛隊が引き継ぎます。引き継ぐということになれば当然点検しなきゃならぬということになります。またガスの問題にいたしましても、全部約束どおり撤去すれば、これはおそらく沖繩の政府の方々が、あるいは引き継ぎ後日本側がそこを見ることはできるでしょう。またアメリカ側もそれぐらいの雅量はあるでしょう。そういう意味において、沖繩のこのガスと核の問題というものは、沖繩の人々の気持ちを察して、われわれとしては、特別の政治的配慮をすべきものである、それにはアメリカと合意が必要です。返還されれば日米安保条約は当然通用されますから、随時協議その他によって友好親善の基礎に立って相談すべきものでもあります。そういう面からいたしまして、具体的にどういうふうにするか、これは技術的にしさいに検討して用意する必要もあります。私は、防衛当局に命じまして、われわれでできる限りのそういう技術的な準備をひとつ検討させてみまして、それがある程度めどがつきましたら、総務長官や外務大臣にも相談をいたしましてやりたいし、またマイヤー大使やその他とよく会っておりますから、だんだんじわじわとこの話をして、向こうに応諾させるように努力していきたい、そう思っているわけであります。
○黒柳明君 非常にけっこうだと思いますけれども、いま御指摘があった――総務長官、どうですか、そして外務大臣どうでしょう、まず総務長官から。基地の総点検、核があるか、ガスがあるか。
○国務大臣(山中貞則君) できればたいへんけっこうでありまするし、そうしてほしいと思いますし、私も賛成であります。しかし、はたしてアメリカのマクマホン法、その他、米側が、中曾根長官の前提も同意が必要であると申しました線に乗ってきてくれるのか、こないのか。ここらのところは、外務省を通じて、あるいは日米防衛協議会等の場所を通じて、ぜひそういうふうに了解を取りつけてほしいと私は念願をしておるわけでございます。
○国務大臣(愛知揆一君) いままでしばしば政府として言明いたしておりますように、返還問題は、一昨年の共同声明で核心が非常にはっきり約定をされておりますから、その線で御心配はない、そういう性格の問題であるわけでございます。しかし、同時に、いま防衛庁長官からもお話がありましたように、たとえば毒ガスの問題の撤去にいたしましても、沖繩の方々のお気持ちを十分体し、また、われわれとしても、その立場に立って、たとえば専門家の立ち会いというようなことも、本土政府としても協力をできるだけいたしたわけでありますから、こういう方法によって事実上確認がだんだんできるようになる。また、自衛隊が自衛隊の立場に立って沖繩に展開すると申しますか、それに関連いたしまして、私どものそういう気持ちというものは漸次具体的に具現されると思います。したがいまして、いま両大臣等から言われたと同じ気持ちの上に立って、私としても、できるだけのことをやってまいりたいと思います。
○黒柳明君 総理大臣は、かねてから、やっぱり私を信頼してもらいたいということ、いろんなそういう意味の発言をしてきましたですね。こちらは、信頼できない、何か裏づけがほしいと、こういうことも言って、議論は平行線だったんですけれども、どうですか、核が残っているか、毒ガスが残っているか、これを総点検するという問題でありますけれども、やっぱり非常に困難が伴うと思いますけれども、ぜひやらなきゃならない、やりたいと、こういう発言でありますが、いかがでございましょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来各大臣からお答えしておりますような、その立場で十分私も取り組んでみたいと思います。
○黒柳明君 で、防衛庁長官、むずかしい問題があると、また総務長官も、原子力法云々ということをおっしゃいましたけれども、いままでやられたことはないわけですね。本土の安保、そういう適用の基地において。当然、沖繩は本土の安保が適用されるわけでありますが、いままでやられたことがないことが、はたして――当然米側の合意が必要なわけでありますが、その可能性はどうでしょうか。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほどちょっと総務長官からのお答えの中にございましたが、マクマホン法等アメリカの原子力関係の法律その他につきましては、政府といたしましても非常な関心をもっているわけですが、これはあくまでも国内法であって、このマクマホン法があることによって日本との間の関係等に心配を持つ必要はないということを確認いたしております。
○黒柳明君 ということは、いままで本土の安保、安保条約のもとにおける本土の基地、エンタープライズが来た、原子力潜水艦が来た、あるいは一部では横田に核があるとかなんとか騒がれたとき一も全然立ち入り検査しなかった。できなかったのか、しなかったのか、意思がなかったのか、できるけれどもしなかったのか、その点、わかりません。だけれども、私たちの少なくとも知っている範囲では、これはもうアメリカがないと言うんだから信用しなさいと、こういうふうに言われてきたわけであります。ところが、沖繩の場合には、本土の安保条約はそのまま適用されるわけでしょう。すると、いままでそれじゃ本土はなぜそれをやらなかったのか、これはどうですか。あるいは原子力潜水艦でも、そういう考えで私たちが非常に心配したわけです。海水が汚染されるとかなんとか、これをなぜやらなかったのか。沖繩だけが特別な――確かに特殊状態でありますけれども、特別じゃないですよ、核のことについては。いままで何回こういうことがありました。それはいかがでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私がそういうことを申し上げましたのは、本土並みということが頭にあるからでありまして、たとえば、エンタープライズが入るとか、潜水艦が入るというのは、寄港ということで定着しているわけじゃないわけです。しかし、沖繩の場合には、メースBがずっとあったとか、ガスがずっとあったということで、生活地域内に現存しておったという可能性があるわけです。ですから、沖繩が本土に復帰したあとにおきましては、いまのように、寄港するというような場合については本土並みでいいじゃないか、相手をいままでどおりに信用してきて、向こうが約束したとおりのことでやればいいじゃないか、いままで懸案になっているいまの二つのポイントについては、沖繩の民衆の気持ちを考えて、われわれも配慮すべきである、私はそう考えているわけです。
○国務大臣(愛知揆一君) 特に私から申し上げることもございませんけれども、従来は、御承知のようなやり方でやっておって、私がいま念のために確認を申し上げたとおりに、一部には、本土の場合においても、マクマホン法というようなものもあるから事前協議というようなことが実際にはできにくいんではないかという疑いを持たれる方も従来もございましたから、さようなことがないことを、ひとつ念のために申し上げておいたわけでございます。 それから沖繩につきましては、ただいまの防衛庁長官の話と全く同じで、完全本土並みでございますから、核抜きであり、持ち込みはないのでありますけれども、できるだけさらに沖繩の方々に、従来の関係もございますから、御安心を願うのには、何かさらによい方法はないであろうか、そういう点について、私といたしましても十分心がけてまいりたい、こういう私の気持ちを申し上げたわけでございます。
○黒柳明君 これは一部の報道ですけれども、外務省筋は核は大統領の専管事項であるから返還協定には核抜きは明記できない、こういうようなことを伝えられておりますが、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(愛知揆一君) まず、その点はマクマホン法というようなものがよく話題になりまして、これは外国に対するコミットメントからいってもアメリカ政府は縛られているのではないかということを心配される向きもありますが、さようなことはございませんということを、先ほど念のために確認して申し上げたわけでございます。そういうわけでございますから、日本に限らず、他の友好国との間にも、そういう観点に立ってアメリカとしてはコミットメントをいろいろやれると思います。そういう扱いでございます。 それから、返還協定にこの点をどう書くかというお尋ねですけれども、これは、一番大切なことは本土と全く同じで何らの変更なしに適用されて、関連取りきめもそのとおりであるというところで完全な安保のワク組みができるわけでございますから、それを中心の考え方として協定づくりのほうに作業を進めてまいりたい、かように存じておりますが、文言をどういうふうにするかということは、昨日もだいぶこまかく御質疑をいただきましたが、まだ文言づくりまでは作業が入っておりませんので、その点は御了解いただきたいと思います。
○黒柳明君 原子力法はアメリカ国内のものであって、日本は拘束されないと、こういうことでありますが、まあ沖繩に核を再持ち込みするような場合、あるいは何らかの核使用のような場合、はたしてこの原子力協定、要するに原子力――いま非核利用に対しての協定がありますね。今度は、原子兵器、これを使用するための何か協定、あるいはそういうものを結んでないうちに、アメリカから大統領ないしは原子力委員会ですか、大統領を補佐する、それが日本に通知するという可能性はありますか、沖繩に核をもう一回持ち込むというような場合には。
○国務大臣(愛知揆一君) お答えいたしますが、そういう場合は全く予想しておりませんけれども、観念的に考えても、そういう簡単な問題ではもう絶対にあるはずはないので、観念的にもそういうやり方は考えられない、こういうふうに思います。
○黒柳明君 総理大臣、事前協議について、まあ核の持ち込みイエス・ノー、それすらも公表することはできないというような御答弁もありましたけれども、万が一、沖繩に対して核再持ち込みという憂いが非常にまだあるわけでありますけれども、これがアメリカの国内法である原子力法に縛られて、それで大統領の専管事項である核に対するこちらに対しての持ち込みの報告は、これはもう日米間で核兵器に対する協定はないわけですから、これはこちらに対して通知してこないんじゃないですか。どうでしょうか。
○国務大臣(愛知揆一君) 総理からお答えがございます前に、念のためでございますけれども、安保条約で、御承知の、そして重要な装備の変更については事前協議を必要とするということが完全に合意されておりまして、重要なる装備の変更という中に、いわゆる核が入っているわけでございますから、両国間でこういうふうに、先ほども私御説明いたしましたように、コミットメントと申しますか、これは最高の条約の形式になっているわけでございますから、アメリカとしてはその義務を条約によって負っているわけですから、かりに観念的にも核の持ち込みということを先方が考える場合には、条約上の義務によって、国内法はいろいろ向こうにもありましょうけれども、条約の拘束によって、アメリカ政府としては日本政府に事前協議をかけなければならない、こういう義務を背負っているわけでございますから、その条約にかかわらずに何にも内緒でやるというようなことは全く考えられもしないことであると、かように御理解をいただきたいと思います。
○黒柳明君 ですけど、この原子力法ですね、これを見ますと、百四十四条のa、これは非核利用ですね、平和利用。bとcが、要するに兵器に対する利用。これはあくまでも、こういうものを通知したり、持ち込んだり、使用したり、あるいは機密文書を流したりする場合には百二十三条の条項に沿ってやらなきゃならない。要するに、協力協定案をつくらなきゃならない。いま非核協力で協定案をつくっていますね。結んでいますね。それと同じものを日米政府で結ばなければだめなんだと、こういうことをここに述べてあるんじゃないですか。これはどうでしょう。
○国務大臣(愛知揆一君) いまおあげになりましたように、米原子力法としては百二十三条にさような規定がございますが、これはいわゆる技術情報に適用されるものであるということが米側の確定的な解釈でございます。米国は、したがって、核兵器としての核の持ち込みや存否について外国政府に通報するというようなことを拘束されるものではないと、これがこの条項の確定解釈である、これは確認いたしております。
○黒柳明君 そうすると、これは技術的な機密、その場合にはこういう協定を結ぶ、あとは持ち込みとか何かについてはこういうものは必要ない、要するに協定を結ぶ必要はない、こういうことですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 日本との場合におきましては、先ほど申しましたように、日米安保条約がその一番大事な両国間を拘束する約定になっておりますから、持ち込みについては事前協議の対象になる。つまり、そういうもう条約ができているわけでございまして、この国内法、そういうこととは何にも関係がない。そこで、この原子力法の百二十三条というものは技術情報に限った考え方である、これが米国としての確定解釈であるということを政府として確認をいたしております。
○黒柳明君 ちょっと私の理解はそれと違うのですけれどもね。ここを読んでいただきたいのですけれども、これは技術だけですか。もっと綿密なことが書いてありますよ。しかも、これはきびしい罰則規定までありますよ、この機密漏洩に対して。いまの安保ないし刑特法でそういうこれに準ずるような罰則規定なんかないですよ。
○国務大臣(愛知揆一君) いま申しましたことでおわかりいただけると思うのですけれども、日米間で大切なことは、核兵器の持ち込みを許すまじというこのことが日米間で条約で約定されていることが大切であって、そうしてその条約の実施なりあるいは効果なりは、このアメリカの国内法である原子力法によって拘束されるものではない、ここが大切なところであると思います。
○黒柳明君 沖繩問題の最後ですけれども、けさもフリーダム・ボールト作戦、要するに、アメリカから沖繩を通って韓国への輸送、これが行なわれておる。沖繩からたっております。また、先回も言ったように、SR71偵察機が中国本土沿岸を、こう、行っているわけですね。もう返還間近なのに。こういうことが日米間の折衝で何かセーブできないか、どうでしょうか。
○国務大臣(愛知揆一君) まことにごもっともな御意見であると思います。もうしかし、だんだん返還の時期も近づいてまいりますですから、こういう情勢は基本的に転回してくるものと思います。
○黒柳明君 最後に、通産大臣――すみません。おやすみのところを申しわけありません。 けさ、一斉に石油の値上げが出ておりましたが、消費者団体あるいは産業界から非常にクレームが出ておりますけれども、どのようにお考えでしょうか。出光会長を呼んで非常にきびしく指導したとおっしゃいますが、どうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年の秋から十一月ごろにかけて、最初の値上げが産油国のほうであったわけでございますが、それがぼつぼつ反映されてくる時期であることは予想されるわけでございます。今回の分につきましては、まだ、先般来申し上げておりますように、話を押し返しておるような段階でございます。 それで、今朝あたり出ておりますのは、まあそこらの、今回のこともやや踏まえたというようなことで、製油会社のうち幾つかのものが、元売りが特約店に対して、それもガソリンでございますけれども、についてこれ程度のことをしたいという折衝を始めたというのが事実のようでございまして、これはまあ特約店との力関係等々いろいろございますので、これがすぐガソリンスタンドに響くというものではありませんで、時間的にもそういう折衝はかなり長いこといつもかかっておりますから、そういうことを始めた向きがある、こういうことのように報告を聞いております。
○黒柳明君 私は、警告もけっこうですけれども、警告ぐらいじゃだめだと思うのです。業界の体質自体にメスを入れて、そうして自由競争が行なわれるような、そういう指導をすべきだと、こう思うのですが、いかがでしょう。
○国務大臣(宮澤喜一君) その自由競争という点になりますと、たとえば精製設備を自由にするというようなことになりますと、これはむしろ、結果としては逆になるおそれもございます。業法である程度の管理をしておるわけでございますが、一般的に申しまして、しかし、その管理の結果は、今日わが国内部では需給関係は大体バイヤーズのほうのマーケットになっておる。つまり買い手市場になっておりまして、多少供給のほうが余りぎみと申しますか、過剰と申しますか、幾らかそういう状態に、やや意識して置いてある点もございます。そういうことでございますから、その間に、つまり買い手のほうが多少強い立場になっておりますから、今回のような場合でも、売り手がいたけだかになるような立場というのはとりにくい。現在そのような力関係に、これは各段階においてなっておると考えております。
○黒柳明君 価格の維持ばかり走って、要するに自由競争を押えていると、こう私は思うんですけれどもね。今度の一斉値上げ、これは公取委員長は呼んでなかった――いらっしゃいませんかね。一斉値上げは、これは独禁法違反じゃないですかね。末端へいきますと、これは灯油でもガソリンでも、全部一律ですよ。どうですかね。いらっしゃらなかったら、総理大臣、ひとつ、これはどうお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ガソリンスタンドの末端で一律に値上げになっておると言われますのは、私の知っております限り、そうではございませんように思いますので……。 黒柳明君 いやいや、現在……。
○国務大臣(宮澤喜一君) かなり現状そのものがばらばらでございます。現状そのものが、スタンドによりまして、レギュラーガソリンにしても、プレミアムガソリンにしても、その値段が違っておりますことは、もう御承知のとおりでございます。今回の値上げについて、もし供給者側が一度に相談をして同じ幅で値上げをする、その間に共同行為でもございますと、これはもう非常に問題になるわけでございますが、ただいままでのところ、まだそういう事実を知っておりません。
○黒柳明君 最後になりますけれども、農林大臣、また御足労願いまして。いま超党派で農地法の問題を一生懸命手直ししようとしておりますけれども、公共用地目的へ転用するということについては、どう思いますか、これを明文化するということ。
○国務大臣(倉石忠雄君) この問題につきましては、政府の見解を発表いたしておりますので、私どもまあ政府の一員でございますので、法制局の意見に従うわけでありますが、しかし、この問題処理のために、ただいま四党で鋭意御検討をいただいておるわけであります。したがって、その御結論が出れば、それを尊重することは当然でございます。
○黒柳明君 まだ結論は出ませんし、きょうの報道ですと、ちょっと出かねるんじゃなかろうかという食い違いがありましてね。出地主に時価で売り戻す、こういうのはどうでしょう、農林大臣。
○国務大臣(倉石忠雄君) 法律解釈は、法制局長官もおりますけれども、法律解釈は、もういままで何べんか説明いたしておるわけでありますが、これはまだ四党でいま鋭意調整中のようでありますので、そういうことに御期待申し上げておるわけであります。
○黒柳明君 そうすると、もう一本の柱ですね。短期譲渡に対する税を上げる、これも御期待申すという答えでしょうか。もう一本、柱がありますね、いま四党で一生懸命やっているのに。
○国務大臣(倉石忠雄君) 毎日参議院の予算委員会に来ておりますので、時間がありませんで、党のほうの御調整は担当者に御一任してありまして、内容をまだ聞いておりませんですが。
○黒柳明君 超党派でいま一生懸命がんばっているわけで、総理はもうお忙しくても一生懸命お越しだと思いますけれども、若干食い違いが激しいわけで、うまくなかろうと、こういう雰囲気でありますけれども、ひとつ超党派での動きでありますから、総理大臣がこれに対して何らかの意味での御協力、御援助をいただければ、もうちょっとスムーズにいくんではなかろうか。参議院の予算委員会で忙しいという農林大臣のお話ですけれども、いかがでしょうか、総理大臣。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの問題は、過日、衆議院段階で、私、何かいい案があれば皆さんもひとつ考えてください、こういう発言をした。それが一つの動機になりまして、各党でひとつ話し合ってつくろうと、こういうことではなかったろうか、かように思います。したがいまして、現段階におきまして、私自身実はこれこれの案があるということを実は申したわけでもありませんし、また、その案があれば、政府はみずからの力で皆さん方に御批判をいただくような案をつくりますけれども、ただ各党で納得のいくようなことはないでしょうかと、そういう意味において、私はそれを取り上げることにおいてやぶさかではありません。そういうのを四党でひとつ、つくろうという話に向いている際でございます。私が、この段階で発言することは、まとめる方向でなくって、ぶちこわしになりやしないかと、かようにも心配いたしますから、十分私も慎重にただいまの話の進行ぐあいを見守っておる次第であります。
○黒柳明君 けっこうです。
○委員長(古池信三君) 以上をもちまして黒柳君の質疑は終了いたしました。
○委員長(古池信三君) 次に、松本賢一君の質疑を行ないます。松本賢一君。
○松本賢一君 では、質問に先立ちまして総理にお願いがあるのです。それは、きのうあなたこの席で鈴木議員におっしゃったことばがあるんですが、新聞や雑誌からとった質問には答弁できない、といったようなふうに私には聞えたのです。で、そういうことをおっしゃったんだとしたら、それを取り消していただかないと困るということなんです。それは、民主主義政治家と自負をなさる佐藤総理にとって、そういうことばが出てくるというのは、どうも不本意に思う。と同時に、私がこれから質問しようとしております内容は、新聞記事からとったことがたくさんございますので、そうなりますと、あなたから答弁がしてもらえないということになりますと、たいへん困ることになりますので、ひとつ、何とかそこの辺でよろしくお願いをいたしたいと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 新聞に出た記事を私の責任であるようにお話しになると、私は責任を持ちませんと、かように申しただけで、それにお答えいたさないと、こういうわけではございません。
○松本賢一君 答えてくださる――それじゃ、これから質問を申し上げようと思いますが、まず、政治資金規正法の関係につきまして御質問申し上げたいのですが、それよりも前に、総理、こういうことばがあるのを御存じでしょうか。議会というところは守るにやすく攻めるに難いと、そういうところだということばがあるのを御存じでございますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) そのことばは私存じません。何か、攻めるにやすく守るに難しと、かように思っておるのです。
○松本賢一君 そうお考えですか。このことばはですね、あなたのほかに博学な人がたくさんおられるんでしょうけれども、御存じの方ありませんか、大臣の皆さんの中で。――ありませんようでしたら、私、これ昔読んだことのあることばですが、これは佐藤総理の大先輩である濱口雄幸さんのことばなんです。で、当時私はもちろん青年でありましたし、議会なんかに関係はなかったんですけれども、ははあ、議会というところはそういうところかなと思ったことがありますが、議会へ来てみて、やっぱりそうじゃないかというような気もするんですが、そういうことを話のついでに申し上げておいて質問に入りたいと思います。 で、政治資金規正法について私質問しますのはこれで三回目です。総理、御記憶かどうか知りませんが、なるべく思い出していただくように、きのう総理府の方に頼んでおいたんですけれども、四十二年の七月三十一日の本会議の代表質問におきまして質問いたしました。四十二年七月三十一日といえば、あの法案が流れて非常にかっこうの悪かったときでございます。そのときと、それから二回目はそのあくる年にもう一ぺん。青天井ということを言われた、あの法案を出されたときの本会議の質問のときに質問申し上げました。今度で三度目でございます。三度目の正直とか申しますので、きょうは本会議じゃありませんので、いろいろとお尋ねしてみたいとも思いますし、ざっくばらんにお答えを願いたいと思うんです。 そこで、まずお尋ねしたいのは、私が前の二回目の質問をやりましてから三年近くたっております。その三年後になりましても、まだ政治資金規正法というものはできていない、改正ができていない。その今日この際における総理の御感想をお漏らしいただきたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) いま松本君からお尋ねのように、私過去二回において質問を受けております。その材料も手元にちゃんと秘書官からそろえてくれておりますので、読み直しておったわけでございます。申すまでもなく、政治資金の問題は政治、また選挙、これを正すという上におきましてぜひ必要だと、いまなおその事情は変わってはおりません。ことに、政治に金はつきものだと、かようには申しますけれども、どうも金のかからない政治が国民からは望まれておる、選挙においてもまたしかり、かように私もいまなお感じております。ただ、私にとりましては、これは過去の苦い思い出がある。何回法案を出しましても、それがそのつど廃案になったと、これは皆さんに責任があると、かように申すわけじゃございませんよ。そこだけははっきりしておきますが、とにかく法律が成案を得ておらない、こういうことでございますので、今度出す際は、ぜひとも御協力を得るように、成案を得るというその見込みが立って初めて出すべきだと、ただいろいろ責められるから出すということではいけないと、実はかように思っておるわけであります。まあ選挙制度審議会に対しましても、いろいろの御意見を伺っております。それは、やっぱりその基本におきましては、ただいま申し上げる政治、清潔な政治、同時にまた金のかからない選挙、こういうものを強く要望しておる、このことには変わりは今日もございませんから、そういう意味で私は絶えず検討はいたしておりますが、まだ成案を得る段階ではない、かような状態でございます。
○松本賢一君 私、いまの総理の御感想を聞いていて非常に不満な点もあるんですけれども、過去二回総理から低姿勢で遺憾の意を表するといったようなおことばもいただいたことがあるし、いまここで総理の責任を追及するとかなんとかいうことでなく申し上げたいんですが、鉄は熱いうちに打てということをいいますけれども、やっぱりあのときに思い切ってやっておられたら、それこそ蛮勇を出しておやりになったら、おそらくできていたと思うんです。それをあなたがおやりにならなかったから、今日時がたつに従ってだんだんやりにくくなってきているのじゃなかろうかと、こう私は思うんです。政治にはやっぱりそのときの山といいますか、流行といいますか、たとえば四十二年が政治資金だとすれば、四十三年には大学あるいは四十四年には沖繩、四十五年は博覧会から公害問題というように、政治のやっぱり山がいろいろ変わってくるわけですから、そういうときに、一番人がやんやん言う、そういうことをそのときにやってしまわないとなかなかやりにくい。政府が責任追及を一番されているときが一番やりやすいのじゃなかろうかと、私はまあ思うんです。これは余談ですけれども、いま公害問題非常にわき上っております。こういう際に、公害を思い切って解決なさるということが一番やりやすい時期だと思いますので、これもぜひやっていただきたいと思うんです。で、野党の言うこともよく聞いていただきたい。野党に点を取られるといったようなことを新聞に書かれたりするのもいやかもしれませんけれども、そんなことじゃなくて、幾ら点を取られたって、国民の幸福のためでしたら、それは結局回り回って佐藤総理の功績ということになるわけなんですから、ひとつ、ぜひそういうこともやっていただきたいと思うんです。 私は流行に乗らないたちといいますか、この間、総理、テレビでネクタイの話をしておられましたけれども、ここのところ毎日何かすばらしいネクタイをしてきておられる。私はもう十年一日のごとくこんなネクタイをやっております。こういうたちの男ですから、少し流行おくれかもしれませんけれども、政治資金規正法の問題をここでもう一ぺん取り上げてみようと思ったわけなんです。 これはもうこのごろじゃ人がやかましく言いません、一ころのようには。言いませんけれども、これをあなたがおやりにならなかったということによって、これはまあ国民の政治不信の念というものを非常に高めたことだけはもう動かせない事実だと思うんです。国民は――まあこれだけの問題じゃなかったでしょうけれども、これも非常に大きな一つの要素として考えられるんでこういう国民の現在の政治に対する不信というものを私どもはどうしてもぬぐっていかなきゃならぬ責任が政治家としてあると思うんです。そうしなけりゃ、どうしても国民の不幸だということになりますから、で、きょうはこの問題を取り上げましたから、この問題の視野から国民の政治不信というものをどうしたらぬぐうことができるかということをひとつじっくり御相談申し上げて、そうして今後とるべき最善の道を探ってみたいと、私自身も思っておるわけなんです。 実は、先日、私、あなたから第七次選挙制度審議会の委員に任命するというお墨付きをもらっております。このお墨付きをちょうだいいたしますと、今後はあなたから選挙制度のことを考えてくれと頼まれた形にもなるわけですから、そういう意味におきまして今後私がそれを考えるよすがにも、ひとつきょうはこの政治資金規正法の過去の足どりといいますか、ひとつ反省なり、あるいはまた復習なりということもしてみたいと思うわけなんです。あんまり古いことは申し上げませんけれども、昭和四十一年ごろからのことをひとつ一応お互いに振り返ってみたいと思います。ちょうどその当時の福田幹事長もおられますし、愛知官房長官も、橋本さんもおられますので、そういう点、ひとつほかの方からも補足しながらお話をいただきたいと思うんです。要するにこの問題が大きく浮かび上がってきましたのは昭和四十一年の秋以後のことだと思います。例の共和製糖事件というものをはじめとしての黒い霧が政界をおおってきたというときからの問題でございます。それで総理がこの問題について、私、まあ何もかも知っているわけじゃございませんし、先ほど申し上げましたように新聞を読んだ知識が大方でございますから、中には間違いもあるかもしれませんが、これをひとつ申し上げてみたいと思うんですが、四十一年の十一月六日の日に札幌で一日内閣をなさいました。このときに、総理は金のかからない選挙、金のかからない政治というものが必要だと、で、まあ審議会の答申が出れば十分尊重する、これだけは皆さんにお約束をしますということをおっしゃったわけです。まあ政治資金規制ということをはっきりはおっしゃらなかったんですが、そのとき、政治資金規制というものに対してどういうふうにお考えになったんでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど冒頭に申しましたように、清潔な政治、金のかからない選挙、これは一つのスローガンと申してもいいが、スローガンというと何だか非常に低い程度のようですけれども、われわれの政治のあり方としてそこをねらわないといけない、われわれの政治の目標、かように考えております。それで、ただいまの札幌の一日内閣で私の発言したことは、そういう点を含んでおると、かように御了承いただきたいと思います。
○松本賢一君 そこで、それから間もなく十一月の十七日に第五次の選挙制度審議会というものが発足しております。これはどういう目的でおつくりになったのか、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまのような政治資金規制が一つの眼目ではございます。また同時に、いつものことですが、定数是正の問題、そういうようなものが問題だと思います。また選挙の運動展開、いかなる方法がいいか、適当か、そういうような点がいつも問題になっておると思います。
○松本賢一君 ちょっと勉強してみたんですけれども、いまおっしゃったこと、はっきりわからなかったんですけれども、このときの諮問は三十六年の池田さんがなすった諮問をそのまま受け継いでおられるわけです。そうなんですか。どなたか詳しい方おられたら説明していただきたいんですが。
○政府委員(中村啓一君) 三十六年に第一次審議会が発足をいたしました。池田内閣の当時でございました。当時、選挙の公明化のためにどうしたらいいか、具体的な方策を示されたいという諮問をされまして、自来引き続きその諮問に基づいて審議が行なわれたところでございます。
○松本賢一君 ちょっと諮問の文章をはっきり読んでみていただけませんか。
○政府委員(中村啓一君) 第一次選挙制度審議会に、先ほども申し上げましたように、選挙の公明化のための方策を示されたいという諮問をいたしまして、それに基づいて一次、二次と審議が行なわれました。そこで第三次審議会の開催にあたりまして、それまでの審議の経過もかんがみまして、選挙区制度その他選挙制度の改善についての具体策を示されたいという趣旨の第三次審議会における諮問が発せられたところでございまして、それに基づいて三次、四次、五次と審議が重ねられた経緯がございます。
○松本賢一君 どうも諮問の文章をお持ちでないようですから、私ここに写してきたのがあるんですけれども、これは読みますまい。大体意味は同じようなことです。それで、そのときに総理は第一回の総会へお出になって、答申が出たら勇断をもってやりますと、こうおっしゃったわけですが、この政治資金規正法というものが、この第五次の審議会が発足した段階では、特別なものとして取り上げられたかっこうにはなっていないわけです。全体的なものとして取り上げているわけなんです。ところが第二回の総会のころから政治資金規正法というものを中心にしたいわゆる当面緊急を要する事項ということで、この政治資金規制とそれから連座制の強化ということが取り上げられてきておるんです。で、これが私速記録や資料をいろいろ勉強したんですけれども、そういうものは一体だれが言い出してどこからこれが始まったのかということがどうもはっきりしない。それで、これも新聞記事ですけれども、どこかで読んだ新聞記事を思い出すんですけれどもね、これはやっぱり総理大臣がおっしゃったんだと、それは表じゃないけれども総理大臣が働きかけられたんだということで、しかも総理大臣がそう働きかけられるためには、愛知官房長官やあるいは橋本さんなどの知恵者の方が総理に進言をなさったんだと、それがそもそもの起こりなんだと、そういうふうに私新聞で読んだことがあるんですけれども、で、その辺のところをひとつ、これは私のこれからものを考える上に非常に大事だと思うんで、機密事項じゃないと思いますので、ひとつお話をいただきたいと思います。いいことをおやりになったわけなんですから。
○国務大臣(愛知揆一君) 私の名前をおあげになりましたけれども、ずいぶん前のことでもございますし、私にはっきりした記憶はございません。
○国務大臣(橋本登美三郎君) せっかくの御指名でありますけれども、当時のことは私ほとんど記憶がありませんので……。
○松本賢一君 総理どうですか。総理もそれはお忘れになったと言えばお忘れになったということなんですけれども、しかしこういう重要なことはやっぱり総理から出てきたことだと思うと、これは非常に大きな意味があると思うし、それは非常にけっこうなことだと思うんで、そういうことがあったかどうか、ひとつお伺いしたいと思う。
○国務大臣(佐藤榮作君) 当時一番問題になっておりましたのは、この政党のお金の使い方、同時にまた選挙に際しての選挙のあり方、これが実は二つとも問題でございました。どう選挙に少し金がかかり過ぎる、また先ほど御指摘になりましたような政界に黒い霧が流れ込むと、こういうようなことで、いろいろ国民からも政治不信を招いておる、そういう事態に対処するのには、これはもちろん政治家がみずからを清潔に保つということ、これはもうまず第一しなければならないことだが、しかし、どうも選挙そのものがそう簡単にもいかないようだ、ことに、政党の活動ということを考えると、これはどうも際限のないもので何と何の活動は許されるが、これこれはやってはいかぬ、こういうものも実はないようだ、御承知のように、各政党のやり方にそれぞれの行き方がございますので、党活動というものはなかなか広い範囲でございます。しかし、これを何かやはり一つのワクに入れないとたいへんな不公平、不幸を生ずるのではないだろうか、こういうことを実は私どもがだれ言うとなしに話をしたと、これがどうも起こりであったように思います。それは一つは、ただいまの黒い霧問題が一つの動機であった、このことはいなめないとかように思います。
○松本賢一君 それで、私いろいろ調べてみたのですけれどもね、あのとき野党が全部欠席した国会で所信表明をおやりになった、臨時国会で。そのときに、選挙制度審議会に政治資金規正のことは頼んであるのだということが速記録に載っているのです。私は欠席をしておりましたから聞いておりませんが……。そのときに、自民党だけの前でそういうことをおっしゃったときに、拍手と書いてあるのですね。この拍手というのは私非常に大きな意味があると思うのです。ということは、そのときの自民党の皆さんが、その総理の政治資金規正ということに対して歓迎の意を表されたということになると思うので、これは私は相当おもしろいことだと思うわけなんです。そういうふうにして、まあこの規正法というものが審議会に正式に取り上げられて特別委員会がつくられたということになるわけなんですが、それから間もなく総選挙がありまして、総選挙の結果、黒い霧選挙と言われましたけれども、案外自民党は成績が悪くなかった。まあ一名しか減らなかった、社会党も一名減ったというぐらいのことで、お互いさまというようなことで選挙が済んだということなんで、その済んだころから、自民党内の空気が少しおかしくなってきたんじゃなかろうか、ということは、政治資金規正というものをそんなに拍手までしたんだけれども、しかし、選挙が済んでみればやっぱりまあまあといったような機運が出てきたというようなところはありませんでしたか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、さような考え方はないと思います。先ほど松本君からどうもいま政治資金についてはあまり議論は活発ではないけれども、その結果、政治不信を招いているような現象もあるんですよという御注意がございました。私は、そういう点に思いをいたさなければならないと思うのです。いまなるほど政治資金の問題はあまり各党でやかましい議論は展開されておりません。しかし、国民にはやはり今日なお政治というものはこういう姿でよろしいのかと、そういう問題があるに違いないと思います。何よりもこわいのは国民の政治不信、さようなものを招いてはこれはたいへんだと私は思います。まあそのことはともかくとして、ただいまお尋ねになりましたように、問題は、それから出てきた場合に、ずいぶん議論されましたのは選挙区制の問題、定員是正の問題とやはり資金の問題、これは関連しているのじゃないかという、これはいわゆる車の両輪論というのが私どものところではずいぶんやかましかった。また、おそらく皆さんのところでも同じような議論があったのではないかと思います。なかなかこういうきめ方はむずかしい。もう一つ、最近になりまして議論が強く台頭しておりますのは、個人の選挙に出さないで、やはり政党本位に選挙が行なわれること、それが望ましいのではないか、こういうところが新しい議論としていま台頭しつつある。ことに、最近の国勢調査を元にしてただいま言うような個人本位の選挙というところからやっぱり政党をどの程度とり入れられるか、加味しての選挙という方向に移行すべきじゃないかと、そうして同時に政治資金と合わせてそういうものを考えるべきじゃないか。どうも一方だけでものごとをきめるわけにはいかないようないまの状況ではないか、かように私は見ているわけであります。
○松本賢一君 いま私何といいますか、成り行きをひとつ反省してみているときなんで、現在どうしたらいいというようなお考えはまたあとで伺いたいと思います。 それで、答申案というものが四十二年の四月の七日にでき上がったわけです、審議会の答申案というものが。で、まああなたが九日の日に博多の帝国ホテルで答申を尊重して勇断をもって望むのだ、こういうふうな非常に有名な記者会見をなさったわけなんですが、まああのころの新聞記事をいろいろ読んでみますと、非常に自民党の方々の中に反対が強くて、まだ車の両輪論なんというようなものはあらわれてきてないわけなんです、そのころは。要するに、審議会の答申に対する反対の空気、答申を出すことに反対だというような空気が生まれてきておった。まあこれは答弁いただかなくてもいいかもしれませんけれども、しかし、やはりそういう空気があったかどうかということを一応確認したいと思いますので、総理から御答弁いただけるか、あるいは当時の福田幹事長からでも答弁いただければけっこうだと思うのですが。
○国務大臣(福田赳夫君) 私がお話のように当時自民党の幹事長としてこの問題の党内のとりまとめに当たったわけですが、いま思い起こしますと、当時の自民党の空気は、政党活動に金が要る、これは政治教育だと、こういうことで、そう制限すべきじゃないのじゃないかと、こういう空気が圧倒的なんです。それからいま総理からお話がありましたが、両輪論、選挙制度の改正、つまり個人に金がかかる、その根源を突かなければならぬ、政党のほうは金がかかるのはこれはやむを得ぬが、個人の金、これはかかり過ぎるという認識です。その根源を突く、それは何かというと選挙制度だ。政党対政党の選挙制度に制度自体を変えなければならぬのではないか、こういう二点にあったと、こういうふうに思うのです。まあそういう状態でありまするが、しかし、世論というものもある。そういうものも考慮いたしまして、当時皆さんにごらんに入れたような自民党案というものができたと、こういういきさつでございます。
○松本賢一君 そういうふうに自民党の内部というものには、政治資金規正法の答申そのものには反対の空気が非常に強かったということは言えると思うのですが、にもかかわらず、総理はあらゆる機会に非常にいろいろと強いことをおっしゃっているわけなんで、たとえば、五月四日の参議院の予算委員会で、これは政治資金の改正は国民の至上命令だというようなこともおっしゃっているわけなんです。一方、いま、当時の福田幹事長がおっしゃったように、自民党の中の空気はそういうふうなことになってきている。どうもそこらのところが私どもあとから考えてみておかしいように思えるのです。御記憶だろうと思いますが、五月九日から福田幹事長は、この問題は主として地域別の議員懇談会というものを開いておられるわけです。その懇談会の中での空気といいますか、それはどうだったんでございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 確かにこの問題は地域別の懇談会を開きまして、一人一人の意見を聞いたのです。その一人一人の意見を伺ったその大勢を集約すると、ただいま申し上げているようなわけだったのです。しかし、審議会の答申もある、また世論の動きもある、そういうものとの調整もしなきゃならぬ。地域別懇談会、この結論というものは政治活動――これは国民の政治教育というものに大きく貢献をしている、これをつめるというのはどうだろう。しかし、個人に金がかかるということは、これはためなければならぬ。その根源をつく必要がある。そこで、選挙制度を政党対政党の選挙制度に直す必要がある。つまり、両輪論ですね、これが大勢なんですから、ただいま申し上げましたような審議会の答申、これにも沿わなければならぬ、また、世論というものも考えなければならぬ。そういう自民党の大勢とそういう客観情勢との調整、それをはかったのが政府から提案いたしました政治資金規正法案なんです。つまり、自民党ではたいへんな抵抗がありましたけれども、総理のお立場というようなものを考慮いたしまして、そういう調整を行なった、かようなことであります。
○松本賢一君 そうすると、福田さんはもともと小選区論の方だと伺っておるのですが、そうですが。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、日本の政治をすっきりする、そういう上からは、小選挙区論と言いません。選挙制度というものは、各政党の共通の広場である、つまり、相撲でいえば土俵なんです。一方的にこれを押しつけることがあってはならぬ、そういうふうに考えます。したがって、政党対政党ということにつきましては、私は野党の皆さんも御賛同くださると思っています。その政党対政党のやり方の問題だ。そういうところがら考えますと、私自身は単純小選挙区、これがいいと思うのでありますが、少数党のお立場等も考えると、これに比例制を加味するとか、あるいは二人制、三人制というような例外を設けるとか、そういうような寛容な態度を多数党は持って、共通の土俵にふさわしい場をつくらなければならぬ、そういうふうにただいまでも考えております。
○松本賢一君 この両輪論、いまあなたのおっしゃいました両輪論というものと、当時よく聞いた両輪論というものと、ちょっと違うのですがね。当時の選挙区制の改正、つまり、小選挙区制のことが両輪論の片一方の輪だといわれたので、政党政治というようなことは当時あまり出てきていなかったのですが、その点はどうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 当時から政党対政党です。単純小選挙区、これを少数党に押しつける、これはよろしくない。これは政党対政党という選挙制度の考え方のもとに少数党の立場も考慮したもの、つまり、比例代表制を加味するとか、あるいは二人制、三人制という例外を設けるとか、そういう考え方も多分に取り入れなければならぬ。当時からそういう考え方だったのでございます。
○松本賢一君 どうも私が理解しておるのと違うのですがね。そういう論は、比例代表制を加味するというような論は、これは選挙制度審議会の中で出てきた論であって、むしろ自民党の内部は単純小選挙区論が一番多数を占めておったというように私は理解しておるのですが、総理、その点いかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 単純小選挙区、これを希望する人は多かったのです。しかし、私どもがいろいろ申し上げて、これはもう選挙制度というものは、これは相撲でいえば土俵なんだ、これを自由民主党だけの考え方で押しつけることはよろしくない、こういうことで、結論といたしましては政党対政党ということでまとまったわけであります。
○松本賢一君 そこで、総理は非常に積極的に国会で答弁もなさるし、記者会見等でもそうやって勇断をもってやるとか、国民の至上命令だとかいうようなことで総理は進んでおられる。一方、自民党の内部には反対論が非常にたくさんあって、いまの車の両輪論ということになるわけですが、そういう論があって、そうして結局、あの自治省の原案というものが非常に答申に忠実に近い案であったというようなことから、その自治省のいわゆる自治省案というものに対して非常な反対論が党内で出まして、で、そのでき上がった政府案というものはいわゆる骨抜き案だといわれておるものができ上がったわけなんです。で、総理は、例の六月の十三日ですかの国会で、小骨一本抜くことをしませんという有名なことばをはかれたわけですが、総理がそういう強いことばを一方ではきながら、一番賛成してもらわなければならぬあなたの自民党の内部がそういう状態になっておったわけで、そうしてしかも法案が出されたということになってからの行き方というものは、どうも、どう反省してみてもふに落ちないというか、納得がいかないというか、いうようなことがあるわけなんです。で、私は、総理は本気でやる気になっておられたと思うのです、少なくとも答申が出たときには。私はそう信じております。しかし、それが結局できなかったということは、結局これは、法案というものはたいてい野党の反対でできなくなるのですけれども、これははっきり私は与党の反対でできなかったと思うのですが、その点総理どういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 法案は野党が出された法案ではございません。政府が出した案でございます。もちろん与党と一応は相談づくでこれを出したのでございますから、与党の反対でというのも少し言い過ぎではないかと思います。とにかく各党からずいぶん批判を受けておりますので、与党と政府が相談して一案をつくって提案したものがどうも成案を得るに至らない、こういうことで、私自身がそれはまことに残念に考えておると何度も国会等で申し上げておる。したがって、今度出すときは十分成立の見込みのあるものを出そうと、こういうことを先ほど来申しておるような次第でございます。
○松本賢一君 しかし、とにかく与党と相談の上で法案がつくられて、骨抜き案にしろ何にしろ法案がつくられて、そうしてそれを国会に出されたわけなんです。出されたからには、これは通さなければならぬということにもなるし、また、あなた、これは、やるのは義務だと選挙制度審議会でもおっしゃっておるわけなんですから、これをどうしても通さなきゃならぬものであったわけなんですけれども、その法案が出されたのが六月の二十二日です。六月の二十二日に法案が出されて、そして、国会が済んだのが七月の二十一日ですから約一カ月あるわけです、その間に。その一ヵ月の間というものに、どこをどう調べてみても総理が努力をなさったあとが一つもないんです。私は、それがどうしても納得がいかない。なぜ総理はその法案を通すために努力をなさらなかったかということなんです。で、これはまあ四年近く前のことですから、よく覚えてないとおっしゃればそれまでのものですけれども、しかし、それは覚えていていただかなくちゃ困る重大な問題だと思いますから、ひとつそれを、そのときになぜそういう努力を払われなかったか、お聞かせをいただきたいと思うんですが。
○国務大臣(佐藤榮作君) 努力のあとが松本さんに評価されないこと、私まことに残念に思います。とにかく法案が成立しなかった。それだけははっきりいたしております。したがって、努力しなかったんだ、かような御叱正を受けてもしかたありませんが、総裁として提案した法律案、それはできなくていいというような、また努力をしないというようなことは、これはどうかと思います。さようなことはないと私は申し上げておきます。
○松本賢一君 しかし、あれだけ小骨一本抜かぬだとか、至上命令だとか、強いことを何回かおっしゃって、そうして、どたんばになって、とにかく法案を通すために、衆議院の公選特別委員会というものにも、これは当然総理が出なきゃならないと思うんです、ああいう重要法案が出たときには。それを一回も出ておられない。それから、また、自民党の総務会やあるいは選挙制度調査会というような機関が自民党にあるそうですが、こういうものにも出られたなにがない。ということは、まあ陰のことは知りませんよ、知りませんけれども、そういうことじゃどうしても総理が努力をなさったということにはならぬと思うのです。これはやっぱり一回も公選特別委員会とかあるいは総務会、選挙制度調査会とかに出られなかったことは事実なんでございますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) とにかく私、提案した法律案ができなかった、そういうことでいまのようなおしかりを受ける、あるいはいまのような御批判を受ける、これはもうやむを得ないと心得ております。
○松本賢一君 むしろあの当時は、野党のほうが心配をして、継続審議にしようじゃないかといったような申し入れをしたということを私は聞いておるのですけれども、そういうことがございましたか。
○国務大臣(福田赳夫君) 古い話なんで覚えておりませんです。
○松本賢一君 いま理事からちょっと聞いたのですけれども、時間の関係であしたにしてくれということですから、私それでけっこうですから――そのほうがいいです、まだ、ほかにもあるし。
○委員長(古池信三君) 途中でやめてよろしいですか。
○松本賢一君 はい。
○委員長(古池信三君) 松本君の質疑の途中でありますが、本日はこの程度にとどめ、明日は午前十時開会いたします。 これにて本日は散会いたします。 午後五時六分散会