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65回国会参議院1971/03/03

予算委員会 第6号

発言数
481
登壇者
27
会派数
2
開催日
1971/03/03

会議録

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十六年度一般会計予算、昭和四十六年度特別会計予算、昭和四十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括議題といたします。  この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  三案審査のため、本日、新東京国際空港公団総裁今井榮文君を参考人として出席を求め、意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 昨日に引き続き、鈴木力君の質疑を行ないます。  この際、政府委員より発言を求められておりますので、これを許します。田代防衛庁経理局長。

田代一正防衛庁経理局長

○政府委員(田代一正君) 昨日、鈴木委員の御質問に対しまして、若干不明確な答弁もございましたので、補足して説明さしていただきたいと思います。  昨日の御質問の要旨は、防衛庁の弾薬購入費の国庫債務負担行為でありまして、国庫債務負担行為の限度額が七十八億三百万でございます。これに対しまして四十六年度の支払いが二百三十九万三千円、四十七年度以降が七十八億という金額であります。これはどういうわけだという御指摘だったと思います。  弾薬につきましては、昨日もいろいろ申し上げましたが、防衛庁といたしましては、従来から当年度の歳出のみでもって購入する分、それから国庫債務負担行為によって取得する分、二通りございます。そのうちの国庫債務負担行為に該当する事項が御指摘の事項であります。このうち、なぜわずか四十六年度に二百三十九万三千円しか払わないかということかと存じますが、従来防衛庁といたしましては、国庫債務負担行為でたまを取得する際には、ほとんどが翌年度の負担ということでやってまいったわけでございますが、たまたま四十六年度に調達いたしますたまの中には米国政府からFMSということで購入するたまもございました。そのたまが前金を一部要するということで四十六年度に二百三十九万三千円があがっているわけでございます。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 鈴木力君。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 いまの説明でその予算の仕組みはわかるのです。そこで私は新しく疑問を持ちますのは、この国庫債務負担行為のうちの本年度分は二百三十九万円ですね。これは来年度使用分だと、四十七年度使用分だと、それは間違いありませんか。

田代一正防衛庁経理局長

○政府委員(田代一正君) 御指摘のように、四十六年度で国庫債務負担行為をいたします。現物は四十七年度に入ってくるわけでございます。二百三十九万と申しますのはその前金でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 第三次防衛計画の完結するのは何年度ですか、防衛庁長官。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 昭和四十六年でございます。いまそれで経理局長が御説明申し上げましたのは、FMSと申しますのは、アメリカからの有償援助でございますが、米軍が買う品物を日本も使うという場合に、一括して米軍に発注しているわけです。その場合に、いまお尋ねの問題はターターの弾丸でございますが、一割のダウンペイメントー前払いをしておいて、そしてあとの九割は入ってくるところから払っていく、そういう意味できのうお尋ねのような比率が出てきたわけでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 その弾薬の使い道、中身はあとに回しまして、私は四十六年度で第三次防衛計画が完了する。四十七年度からは第四次防衛計画に移るわけです。そういたしますと、いまここに出ておる弾薬は第四次防衛計画の中身の審議にならなければわからぬわけです。そうしますと、私はこれに対する審議をするためには、第四次防衛計画の説明がなければ審議ができないと思うが、いかがですか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 四十六年度予算に計上しておりますものは、第三次防衛計画の最終年度の業務でございまして、第三次防衛計画のワク内に入っている仕事なのでございます。それでこれが調達されて初めて第三次防衛計画は完了するわけです。しかし、物ができるまでには三年とか四年とかかかりますから、ことしお金を出してもできてくるのは三年後、四年後で、支払いは三年後、四年後になりますから、支払いの金額のワクは次の計画のワク内に入りますけれども、業務としては三次防の業務なのであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 さっきの政府委員の説明とは違うんです。さっきの政府委員の説明は、ここに出ておる四十六年度の二百三十九万三千円は来年度分の前払いだと言っておる。一割を前払いしておって使うのは四十七年度に使う弾薬だ。そうすると、四十六年度に第三次防が完結するわけですから、四十六年度使用分は別途の予算に組んである。これは来年度分予算なんです。第四次防衛計画の予算を——いまこれを予算の先取りを審議しようとこう言っておる。これは予算審議では無理だと思うのです。大蔵大臣、どうですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 四十七年度以降にも支払いがありますが、三次防の中の必要なものは契約をしておく、こういうことでございます。四次防を拘束するものじゃない、こういう理解であります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 ことばのごまかしなんです。四十七年度から使うのを発注して前払いをするというんです。四十六年度分は別途予算で払ってある。私の質問の趣旨とは違うんです、答弁が。

田代一正防衛庁経理局長

○政府委員(田代一正君) お答えいたします。  先ほど長官並びに大蔵大臣から答弁いたしましたように、防衛力整備計画を考えます場合に、事業という問題事業計画ですね。それと資金ベ−スと二つ問題があると思います。で、先ほどからお話しいたしておるように、弾薬に例をとりますというと、四十六年度で国庫債務負担行為をする、現物は四十七年度に入ってくるということになりましても、その計画自体は四十六年度の計画でございます。これはあたかも四十六年度に別に継続費で護衛艦何隻かお願いしておりますが、これは出てまいりますのは五年後でございます、船が出てまいりますのは。しかし、計画といたしましては四十六年度の計画にしておるということでございます。そういう点から申しますというと、私どもの申し上げていることは十分御理解できるんじゃないかというぐあいに考えます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私はこれは理解できないんです。もしいまのような説明だと、四十六年度の計画で四十七年度から何十年後までも、その計画を立ててこれを第三次防計画だと言えばそれでも言えるような理屈になる。そういうことではなくて、第四次防というのは四十七年度からの防衛計画がずっと出てこなければいけないわけです。それが出てきたところで弾薬が幾ら要るのか、あるいは飛行機が幾ら要るのか、軍艦が幾ら要るのか、その予算を審議をしないと、どういう計画で防衛費がふくらまっていくのか全然わかってこない。そちらのほうは隠しておいて、今年度に出した予算は今年度の計画だというこの理屈の食い違いというのは、これは国民も私も納得できないんです。したがって、私はここで第四次防衛計画のでき上がっているものがあればそれでもよろしいし、でき上がっていなければ防衛庁の内部のものであっても、それでもよろしいから、それを説明してもらわないと、この予算の審議はどうしても私にはできない。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 先ほど来申し上げますように、一次防、二次防、三次防、四次防と、こう継続してまいっておりますけれども、二次防にせよ、三次防にせよ、その期間内にその仕事をその期間の仕事として計画して発注したものが、完成して入ってくるのは次期防のときに入ってくるわけです。そこでいまの駆逐艦、護衛艦あるいはその他にしても、できるときは三年、五年かかるわけでありますから、しかし、業務というものはその前の防衛計画の業務としてあるわけです。現在でもいま海上自衛隊で十三万トンぐらい持っておりますけれども、三次防——ことし完成するという計画は約十八万トンぐらいになっておるわけです。それはまだ三年、五年かかって続々入ってきて、そうして次の計画のある過程で初めて三次防の総量というものが完結するというわけになっておるわけです。これは前回からずっとずれ込んできておるわけです。なぜならば、これは艦艇ができるのは時間がかかる、そういう特殊的な事情に基づくものなのであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 いま使うべきものを来年度に越して支払うと、その関係はよくわかるんです。このここの予算に関する限りは四十七年度以降の予算なんですからね。その四十七年度以降の予算で、その計画が出ていないで予算だけをここできめろ、こういう言い方、これはどうも予算のきめ方として私は適当でないと、こういうことを言っておるんです。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 次の新防衛計画、いわゆる四次防につきましては、いま防衛庁内部において、何を何トン、何を何機、戦車は何台、そういうふうに具体的に積み上げていまやっておりましてほぼできておる。いよいよ大蔵省とこれからその話を始めるという段階で、もし御要望がございますればわがほうの大体の計画をあとで資料として提出いたします。これが次の五カ年計画の内容でございますが、支払いベースというものは、三次防で現在やっているものの支払いがその中に含まれて出てきている、そういう形になるわけでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 それではいまの点は、いま大臣から資料をあとでくださるそうですから、その資料をちょうだいしたあとでまた御質問申し上げることにいたしますが、もう一つだけ私はここで伺っておきたいのは、サンプルとしていま弾薬を言いましたけれども、特に来年度の予算で、そのあとの航空機もありますわね、ファントム四十八機も買う、こういうこともある。これを特にことしいまここで予算を取っておかなければならない緊急性といいますか、来年度回しではできないのか、四十八機なら四十八機でも、あるいはこの国庫債務負担行為の全部のうちのせめて半分ぐらいは来年度からスタートさせたらどういうことになるのか、なぜことしでなければできないのかという理由をお聞かせいただきたいと思う。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) たとえばいま使っておりますF104戦闘機には耐用年数がございます。使用し始めましてから何年くらい使えるという、その使えるときには次の機種が出てこなければならないわけであります。そういう現在使っているものとの交代期間というものを計算いたしまして逐次それを代替していくという計画に基づいて今日それ自体が三次防の中の計画に入っているわけでございますが、全部そういうふうに調整して計画ができているわけであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 関連。中曾根防衛庁長官から四次防全体について後ほど資料を提出して説明をしましょう、こういうお話がありました。昨日の木村委員の質問に対しても、防衛力整備計画全体について時間をいただければ説明をしましょうというくだりがありました。実際に防衛庁長官の御説明はほんの二、三分の、いってみれば防衛白書の初めのくだりの一部分という程度のことであります。私どもはそういう形ではもう少し中身に踏み込んだ具体的な審議がしにくいと思います。そこで、資料を提出されるということでもありますので、この際明らかにしていただきたいのでありますが、今後のいわゆる防衛問題あるいは防衛予算の問題を審議するについて、さきの委員会でも中曾根長官から、一定限度以上のことは言えない、委員会の席上で言えることと言えないことがあるという趣旨の御発言がありましたし、昨日の総理の発言の中にも出せる資料は云々ということがありました。一体国政調査権との関係において防衛力整備計画の中身がどの程度までここで御開陳いただけるのか、具体的に明らかにしていただきたいのは、たとえば財政配分の問題あるいは戦略解析の問題あるいは兵器体系及び兵器の性能の内容の問題、かりにおおむねこの三つに分けた場合に、防衛庁当局から、政府から発表される資料の内容の範囲、答弁される範囲、おおむねこのように分けた場合に、どこまで及ぶのか、あるいは及べない部分があるのか、明確にしていただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆる秘密書類として扱われる部面については、これはそのつど点検をして差しつかえないものについては提出いたします。しかし、国の利益を守るために秘密を守らなければならぬという点については、出すことははばからざるを得ないと思います。  それから先ほど鈴木委員が申されました四次防の大まかな概要をちょっとここで申し上げて、あと精細なことは資料で御提出申し上げたいと思いますが、大体第四次防、いわゆる新防衛計画におきましては、陸上自衛官十八万、予備自衛官が六万、それから五方面十三個師団、そのほかにホーク、これは防空関係のミサイルでございますが、これを八隊、それからヘリコプターを三百八十機整備する。そのほか戦車、それから対戦車ミサイル、それから自走火砲、こういうふうなものを整備するのが主でございます。それから海上自衛隊は総計約二十四万トン整備しよう、航空機は二百五十機でございますか、そのほか高速ミサイル艇十四隻、潜水艦十八隻、対潜ヘリコプター約九十機、それから航空機が航空自衛隊でございますが、九百機、F4戦闘隊が六隊、F104が四隊、ナイキが七隊、それからF4EJ戦闘機、いわゆるファントム百五十八機調達——これはまだ少しふえるかもしれません、沖繩関係も出てまいりましたので。そのほか研究開発費としてこれは三次防の三・五倍に当たります千七百億円、思い切って研究開発のほうに回す。それで人員の増強は、三自衛隊を通じまして大体八千五百人くらいをふやす。金額にいたしまして、まだ大蔵省とも相談いたしておりませんが、五兆七、八千億、これはベースアップを含めましてでして、ぺースアップを含めませんと、ネットでは五兆二千億円くらいという見当でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 中曾根さん全然答えてないですよ。はっきりしていただきたいのは、具体的に言って、あなたはいま秘密にかかわる分とおっしゃった。一体国会で具体的に予算の総額が出ていてわれわれが審議をする場合に、どういう秘密があるのかということは非常に重要な問題です。そこで私がいま具体的に項目をおおむね分けた。一体ここで議論ができるのは、財政配分の問題、あるいは基本的な戦略解析の問題、兵器体系の配備あるいは性能の問題、こういう三つに分けた場合に、この三つすべてにわたり得るのか、あるいはそのうちどれかが削られることになるのか、このことをはっきりして具体的にひとつお答えをいただきたい。  それからいま、あなたのおことばの中に、秘密にわたる事項はとおっしゃった。それならば、秘密というものは項目でけっこうですから、どれとどれとが秘密に当たるのかということを、私が分けた分類が当たらないのなら、あなたの分類によって何が秘密の項に当たるのかということをお答え願いたい。  もう一つ、国益ということばがあったが、この際、国益ということはその中で、どういう部分に当たるのかひとつ明析にお答えいただきたいと思う。今後の防衛問題を議論をする場合に、その辺の前提条件をはっきりしておかないと審議が進まないことになります。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) ただいま最初の三点は、いずれも答弁の対象で当然あるべきでありまして、われわれは、できるだけ精細に御答弁申し上げたいと思います。  それから秘密は何であるかということは、これは抽象的に非常に申しにくいのでございまして、兵器の性能であるとかあるいはわれわれの防衛戦略体系について非常に機微な面がございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 性能は三点目に入りますよ。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) いや、兵器の性能につきましても、ある点以上どうしても言えないというものがございます。あるいは米軍から供与しておる兵器等につきましては、言ってはならぬと約束しておるものもございます。そういう部面は、申し上げることはできないと思います。  それから何が秘密であるかど、そういう点につきましては、これは抽象的には申しにくいのでございまして、日本の防衛を維持していくために、これは外国その他に聞こえてはまずい、部内限りにしておく必要があるというものについて、これはやはり秘密にしておかなければならぬと思います。しかし、それは具体的にはその場その場で御質問いただけば、もしそういう秘密にわたる部分についてここまでは申し上げられますけれども、これ以上はごかんべんくださいと、具体的に申し上げるより以外にはないと思います。しかし、要するにここは国会でございますから、できるだけ国民の代表である皆さま方に防衛の内容をお知らせする必要があると思いますので、私もできるだけの努力をして、これは最大限に御報告申し上げたいと思う心がまえであります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ちょっと、関連、簡単に。機密を、軍機を保護するための法律を制定するような意思はありませんか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆる軍機保護法とか秘密保護法というものをつくる意思はございません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ちょっともう一点。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) ちょっとお待ちください。——上田君。

上田哲日本社会党

○上田哲君 もう一問だけということでありますから。  中曾根長官の御説明はたいへん抽象的で、今後の審議を進めるための具体的な条件設定にならないという不安を持ちます。しかし、あと一問だけということでありますからひとつ具体的にお伺いをします。  具体的な例としてあげたいのは、この際ナパーム弾であります。先般の委員会答弁の中で、総理の御答弁は、ナパーム弾を相手に使われたときにどう対応するかを研究するために必要なんだと、こういうことでありました。防衛庁長官の御答弁は、相手が上陸してきたときに使う可能性をこちら側も持っていたい。もちろんこれは防御用であるがということになっております。この答弁はたいへん根本的なところで食い違っております。総理の御答弁は、相手が使われるときを考えて研究のためにやっておくのだから、つまりこれは使わないことが前提だということです。防衛庁長官のお答えは、防御用ではあるけれども、ということがついておりますが、それはすなわち、それは使うか使わないかということで言うならば、防御用に限っては使うのだということであります。元来、私どもはナパーム弾というのは使わないものであるべきだと思っています。一体天ケ森云々の御答弁がありましたけれども、私どもは違った立場でのいろいろな資料を持っておりますから、この具体的な追及は後に留保いたしますけれども、ひとつこの点、今後の具体的な防衛論議を進めていくための具体的な例としてひとつお答えをしっかりしていただきたいと思うんですが、私どもの見解では、総理答弁と防衛庁長官答弁とはこの点についてきわめて一点、ナパーム弾は今後自衛隊は使うのか使わないのかという点では百八十度違っていると思います。使うのですか、使わないのですか、ひとつ長官及び総理からしっかりした統一見解をお伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 使うということは総理大臣の命令です。しかし、防衛庁といたしましては使う可能性をやはり留保しておくと。

上田哲日本社会党

○上田哲君 総理は使わないと言っているのです。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) しかし、使うか使わないか、それは総理大臣の命令できまるので、総理大臣が使わないと言われればわれわれは総理大臣の命令に従って使わないということです。しかし、われわれのほうとしては展示演習その他もございまして、そういう使う可能性だけは留保しておく。要するに、そのとき使うか使わないかということは最高指揮権者である総理大臣の命令できまることであります。総理大臣がそう言われればそう従います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま中曾根長官から明確にお答えしたと思います。これを使うか使わないか、私に権限がある、そういう立場でございますから、私は使いたくないと、はっきり申し上げておきます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 第四次防計画をあとで資料として出してくださるそうですから、私はこの後年度払いの、いわゆる国庫債務負担行為と、第四次防衛計画との関係につきましては、今回は保留をしておきまして、あとに回させていただきたいと思います。  そこで、いろいろいままでに伺いましたけれども、どう考えてみても、私は今度の予算は、さきに総理大臣がおっしゃったような、決して均衡のとれた予算とはどうしても見えない。防衛予算だという印象をどうしても受ける。大蔵大臣がはしなくもおっしゃったように、たとえば物価や公害ということしの重要政策は、気持ちの上では重要政策だ、予算の面では重要政策にはなっていない、あるいは予算の読みようによっては総理大臣が言う、平和に徹するというのも気持ちの上としかどうしても読み取れない、中身についてはまた違う、そういうような形になっておることを、これをどうも国民は納得しないだろうと思うのです。私はこの際、総理大臣にあるいは大蔵大臣にお伺いしたいのです。この予算編成過程においてもう少し、たとえば公害病で寝たきりの老人がいる、この老人の看護手当を厚生省は一万円から一万二千円にしてくれと言った、これは切られた。そういうことが報ぜられておる。あるいはきのう以来言われた教育予算にいたしましても、児童手当にいたしましてもきわめて不十分だ。この場合に、後年度払いの予算もこれほど多く、どこまでふくらむかわからぬような防衛予算もあるのに、たとえばその何分の一かをこちらに回しても、そういういま底辺でうごめいている人を救うというような、予算の編成段階でそういう配慮ができないかどうかということを伺いたいのです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 予算の編成にあたりましては、非常にバランスということを考えるんです。ことしの予算ではとにかく社会資本、額としてはそうです。それから次いで社会保障、社会保障の問題につきましていまお話しですが、これも、その中身につきましては、厚生大臣ととくと相談いたしまして、その一兆三千億円という社会保障費の中で、どういう優先順序をつけるか。これは精細な打ち合わせをいたしておるわけなんです。まあとにかく防衛費は六千七百億円になっておる。社会保障費の大体半分でございます。大体、いままでの趨勢、四十五年度を見ましても、そのくらいなバランスになっておる。しかもいまわが国はこれだけの経済力である。しかるにもかかわらず、米軍がわが国に駐屯をしておる。こういう状態は、私は、一刻も早く解消したらどうだ。こういうふうに思うのです。それには自衛力を漸増しなきゃならぬ。漸増の方針だ。その漸増と言っても、これが、施策の中でバランスを失うような勢いではいかぬ。まあ大体社会保障費の半分という程度の額、これを目標にいたしまして、これが整備に当たる。私はずいぶん考えた末の結論である。さように考えております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 考えたということはわかっておるんです。しかし、この予算編成をされたそのあとの十二月三十一日の新聞の見出しなんかを見ても「新予算、庶民に肩すかし」というのが大見出しです。「″人間優先″の看板が泣く」「家計ますます圧迫」「ちょっぴり善政負担はきつく」というので、福祉、すべてがこういう形で表現をされておりますが、これはまさに国民感情ぴったりあらわしたものと思うのです。私は、均衡がとれたと、こう総理大臣はおっしゃいますけれども、たとえば予算の編成の過程で、最初に大蔵省から各省に示しているのは、前年度予算に各省とも一律に何%増で予算を要求せよ。そういう指示をしておるのでしょう。いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そのとおりの指示をいたしております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そこで、総理の施政演説の原稿はいつできるのですか。これは官房長官に伺えばいいのですか。総理大臣の施政方針演説の原稿はいつつくるかということを聞いておる。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(保利茂君) ずいぶん長くかかりますけれども、でき上がりは国会が開かれるまでにということです。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私はそのことを聞いておるんです。さか立ちじゃないか。施政方針ができて、それから予算の編成方針ができて、公害なり物価なりが重点ならそちらのほうは。パーセンテージを多くさせるような、そういう指示のもとに各省が予算編成に当たる。そういけば施政方針と予算がぴったり合うと思う。施政方針があとから出てくるところに予算の不均衡がある。こう思うのですが、いかがです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 編成方針は、予算の編成の前にきめます。その編成方針に従いまして各省と大蔵省との折衝が行なわれる。それで具体的な予算というものがきまるのです。それを踏んまえて演説の草稿が起草される。こういうことになるので、まあこれ以外に別に名案もないのじゃないか。さような感じがいたします。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 出た結果がぴっしゃり合っていれば、それ以外に名案がないと思う。私はきのう以来申し上げておることは、言うことと出ているこの予算とは違うから言っているのです。いかがです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 予算編成方針で物価、公害、これに重点を置く、それから量的な問題としては社会資本、社会保障その他まあたくさんありますけれども、特にその二つに重点を置く、こういうことを言っておるわけでありまして、そのとおり予算編成をいたしておるわけであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 それは気持ちの上でという、きのう以来の総理大臣の気持ちはよくわかるのです。  それからもう一つ伺いたい。これは十二月の二十日付の「毎日」に出た記事ですが、大蔵大臣は大蔵省の案を決定いたしますときに、総理大臣に報告する前に経団連の首脳と会談をしたという記事が出ておりますが、これは事実ですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 例年経団連とは会います。そして経済界としてはどういう希望を持っているか、それを聞いておくわけです。別に拘束はされません。  それからついでだから申し上げますが、私は各界からは話を聞いているのです。各政党からも聞いております。政党からは特に時間を十分とりまして、事こまかに各党の予算編成に対する考え方、これは伺っておる。つけ加えておきます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 政党からは申し入れがあったときに官房長官を通して聞くということだけで、大蔵大臣が主宰で各政党を呼んで予算編成に意見を聞いたということがありますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、特に各党の幹事長、書記長ですかに連絡しまして、政審会長等から意見を聞いております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 出た結果がどう出るかによって判断がされるのでありますが、私は、そういういままでいろいろ弁解もなさるけれども、どうしてもこの予算が硬直をしていくというのか。従来のほんとうの重点を置いたものが予算に反映をしない、あるいは重点を置いているのは防衛だと言うのかもしれまんけれどもね。国民が期待するものが予算が出てくるたびに裏切られているという感じはどうしてもぬぐえない。そのぬぐえないという一つの理由は、まず総理大臣に行く前に経団連と会ってやるというような財界のほうを向いているという向きが少し多過ぎる、そういう印象をわれわれは受ける、受けている。それからまた、編成過程において国会の審議権と編成権とか、いろいろ議論はあるけれども、きょうはその議論をするつもりはありませんけれども、少なくともわれわれが見ている限りは、また与党の議員と官僚との間にいろいろと編成の作業がもう行なわれている。どこまでが編成する役所側の仕事で、どこまでが議員の仕事なのか、その区別がつかないような現象も、たまたま外から見ていると、そう見える節もある。したがって、私はここで提案申し上げたいのは、この予算の編成の仕組みについて検討してみる必要がないかということなんです。何年も前から同じしきたりをこう繰り返している限り、いつでも同じようなことになってきはしまいか。まず私はもう少し、予算の編成方針を出す前に、来年度の政治課題は何かということをもう少し詰めてもらって、それから予算に取りかかるとか、あるいは各省ごとに予算を割り当ててやってくるものですから、省と他の省との関係のところが調整がつかない仕組みだ。それが省をこえても調整ができるような、そういう道はやっぱり検討してみるべきではないか、こう思うのですけれども、これは総理大臣の御見解を承りたいと思うのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 予算編成についていろいろ問題のあること、これは私も考えます。したがいまして、いままでの新聞に出たところの記事は、先ほど読まれるような記事が出ております。それ以外に政府は何にもしないのか、そうじゃございません。私と大蔵大臣との間はたいへん緊密でございますから、一々私のところに来て報告はしております。それは一々新聞には出ておらない。だから、いまのような誤解があります。閣内において予算編成権は政府にあると、かように申しますが、この政府にある予算編成権、これは大蔵省だけでかってにやるわけじゃありません。事柄の性質によりましては、やっぱり私のところへちゃんと相談に来て、その方向でいけとか、あるいは私のほうから今度はこの問題が大事だから、こういう方向でいけとか、こういうような話はしております。そういうことは一々出ておらない。そのためにいろいろと誤解を受ける。また、先ほど来言われたように、各党の幹事長、書記長等の意見も聞いております。また、与党の代議士が直接出かけるということ、これはあるだろうと思います。また、野党の代議士諸君もこれは来られる方もあると私は思います。それはそれでいいんじゃないかと思うが、ルートとしての考え方は、やはり幹事長であり、書記長であり、また政審会長である、かように私考えておりますので、そこらは別に問題はないように思います。  また、来年度は一体どういうような問題に特に力を入れるか、こういうことになりますと、ことしなどは、私は内政の年だ、こういうことを申しましたので、特にそういう意味で予算編成にも当たっております。  また、皆さんの御協力を得て、臨時国会で公害法案をつくりました。やっぱり公害の関係は、そういう意味で法律を整備するだけじゃないんだ、そういうものの裏づけはしていく、これは中央の政府の予算は計上が少ない、地方自治体の負担が非常に大きいということ、これは性格上そういうようなものだと思います。けれど、とにかく、どういうところにポイントを置くかということ、それはそのつど指示し、またそういうことは閣議でもきまっておるわけであります。だが一々そういうものが新聞に出ない、こういうことでとやかく言われても困ります。しかし、皆さんのところは、新聞以外にも情報はずいぶん密接にとっていらっしゃるだろうと思いますから、新聞だけで議論はなさらないだろう、私は新聞だけで議論なさるなら、私ども責任を持たないことをはっきり申し上げておきます。新聞にお尋ねをいただきたいことだ、以上のような所感を率直に私申し上げておきます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私は、新聞に聞けと言われた御答弁には不満なんです。新聞に出ておる表現は、私のずっといままで言ってきた気持ちと同じだと、こう申し上げておるはずだ。何も新聞に聞けとか、そういうことを言っておるのじゃない。しかし、きのう以来申し上げましたように、またるる申されるけれども、われわれも中身はある程度知っているつもりです。政党政治である限り自民党関与するなと決して言うつもりはありません。しかし、あまりにも行き過ぎたり、そういう現象も見えないわけじゃない。おのずからそれは野党だって陳情もいたしますけれども、やっぱり審議の任にある者と、編成の任にある者とのこの区別といいますか、自分の立場というものはもっと厳格にすべきである、こういう気持ちで申し上げておる。だから財界の気持ちも同様ですよ、各界とも。だがどうしても、私はいままでいろいろ伺いましたけれども、財界あるいは自民党あるいは政府の中の一部、政府の中というと、これはことばが悪いから取り消しておきますが、一応政治家と財界とか業界との間に結びついた政治なり、そういうものを通して、わがもの顔にしておるというものが相当あるように思う。これはどうです。これは肯定なさいますか、否定なさいますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 現在までのあり方で誤解を招くような事柄があると思います。私どもそれを極力誤解を受けないような措置をとりたいと思います。申すまでもなく、最も明らかなものが圧力団体だ、こういうことで予算が編成されるといわれております。私は吉田内閣当時からずっといろいろ予算編成について経験を経ておりますが、吉田さんは、特に圧力団体というか、陳情予算編成が大きらいでございました。陳情があったらそれは取り上げるなとまで極端な議論をされました。しかし、私はさようには思わない。いまの民主主義の時代ですから、できるだけあらゆる方面の意見は聞きなさいと、しかし、ただいま言われるような、圧力に屈して予算を編成すると、そういうようなことがあってはならない。政府は政府の責任において、窓口は広く、材料は取り入れるが、そのうちから政府の確信の持てるものをひとつ取り上げて、それで予算を編成しろと、かように私は申しております。この点は御了承がいただければ、たいへんけっこうだ、そういう意味で、ことに、いま言われるような諸点は、今後も注意をしていくつもりでございますし、また、そういう意味で皆さんから御叱正を受けること、これもたいへん御親切なことだと思いますので、これはよろしくお願いをいたします。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 きのうも、植木委員からも発言がありましたように、われわれは、やっぱりこの際、政治姿勢ということが非常に重要だと思う。そして、同時に政治に対する不信感を取り除くということも非常に重要な段階だと思うんです。それは、どこからきているかというと、やっぱり私がさっき申し上げましたような、何となしに、政治に関与する者が、国民の目から見ると、不明朗に見えたり、そういうところからきている。こういう点は、私はこの際全力をあげても取り払うべきだ、こういう気持ちでいま申し上げたんであります。  そこで、いろいろ誤解のあるようなものがたくさんあるんですけれども、一つだけ私は伺っておきたいのは、これは東京FM放送ですか、これなんです。この東京FM放送というのはどういういきさつでできたのか、郵政大臣からその経緯を伺いたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 御案内のとおり、FM放送は電波の性質から申しまして、音楽放送等にたいへん適切なものでございます。したがいまして、国民の要求もたいへん熾烈なものがあるわけでありますが、まあ東京とか、大阪、名古屋、福岡といったような聴取者の多いところを優先的に認可をしておるというような状態でございます。  東京FM放送については、たいへん希望者が多かった関係もあり、これを調整するのに少し手間はとれましたけれども、しかし、所定の手続を経まして、昭和四十四年の暮れごろにとりあえず仮免許をし、翌年本免許を与えたと、こういうことでございまして、その後の運営も順調に行なわれておる、かように承知をしております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 この調整に手間がかかったという御説明ですけれども、だれが、どういう仕組みで、いつごろから、どういう形で調整をなさいましたのか、その経過を伺いたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) たいへんたくさんな数でありまして、これをどういうふうに一本化するかという問題につきましては、たしか東京の場合は、商工会議所の会頭の足立正さんをわずらわしまして、足立さんを中心に一本化の調整が進められたわけでございます。その間には少し手間どれるというようないきさつはありましたものの、それぞれ出願をした人々の了解が取りまとめられまして、そうして、いま先ほど申し上げましたような経緯を経て、それぞれ免許が与えられた、こういうことであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 足立さんに依頼したのは、どなたですか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 一昨年のことでございますから、私もそうつまびらかではありませんけれども、おそらく当時の郵政大臣、そしてまた、直接所管をする電波監理局長、こういうそれぞれの機関が調整をわずらわした、こういうことに承知をしております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そこで、調整の間に、郵政局の職員の方々がそれぞれ申請を出しておる会社を回って、取り下げをするようにと言って歩いた、こういうことがあると聞いておりますけれども、それは事実ですか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 郵政省の職員が積極的にそれをやったということではないと思うんであります。おそらく役所の関係で御相談には乗ったと、そういう程度で、郵政省がこれは自主的にやるべきものではございませんから、あるいは足立さんの御委嘱があって、そうして何がしかのお手伝いをしたという程度のことではなかろうか、さように承知をしております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 郵政省が自主的にやるべき事柄ではないということは、はっきり確認なさいますね。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 調整をおまかせしたのでございますから、その調整者の御趣旨に基づいていたした、こういうことでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 その辺がどうも事実と違うようなところがたくさんあるんですね。  たとえば、取り下げ届けを出した、郵政省も若干あるかもしれないと言うけれども、私どもの聞いているところでは、全部が郵政省の職員が歩いておる、そういうふうに聞いておる。したがって、郵政省の中には、取り下げ届けをいつ受け取ったかということがあるはずなんです。その取り下げ届けを受理したという役所の手続上の日ではなしに、受け取った日は一体いつごろなんですか。それはわかりますか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 私の知る範囲では、昭和四十四年の十二月の十七日でございますか、書類が役所に受理されておるようであります。もし、何か詳細をお問いでございますならば、事務当局を呼んで申し上げてけっこうでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 これは去年の七月十日の衆議院の逓信委員会では、三月中に二十七社を受け取ったと、こう書いてある、こう答弁をされている。速記録を読めばいいんですけれども、時間の関係上省略しますがね。そうして、三社のうち、あとの三社は十二月中に取った、こう答弁をされておるんです。そうすると、さっき郵政大臣がおっしゃった、郵政省も頼まれて、あっちこっちやったかもしれないというのと違うわけですね。したがって、この間の経緯をはっきりするようなものは、これはもうはっきり出していただきたいと思います。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 関連。いまの鈴木委員の衆議院の速記録についての質問について関連いたします。  郵政大臣は、衆議院の逓信委員会におきまして、いまの質問とあわせまして、それぞれの衆議院で指摘をされましたことについて、事実があるならば、強制的な一本化についてはたいへんな問題だと、したがいまして遺憾であります。そのようなやり方については、私も省みて十分検討をしてまいらなければなりません、こういう答え方をひとつ会議録では、なっているんであります。  それから、四十五年六月十日でありますが、これも衆議院の法務委員会でありますが、問題を総ざらいをして、適切な措置を講じたい、十分念を入れて検討中でありますと、こう答えております。それから五月の六日の、これまた逓信委員会でありますが、こうした問題が多岐にわたって出ておりますが、指摘された事項については、十分課題になり得る値打ちのあるものであると思うのでございますと、こう答えております。でありますから、この三つの答えがどのようにその後検討されて、どの点が検討し得るに足る値のある内容であるかということをつけ加えてお答え願いたいと思います。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) いま吉田さん、昨年の衆議院における委員会の模様を御指摘になりました。そこで、その二度か三度にわたって私お答えをしてあるんでありますが、それをずっとその後トレースをいたしまして、そうして検討を加えたわけでございますが、郵政省に関する限りは、それらは適法に処理をされておると、こういうことでございまして、先般衆議院においても予算委員会に同様の御質問が出ました。そこで、以上のようお答えをしたわけであります。  それで、さっきも申し上げましたように、ともかく非常に多数の申請があるわけでありますから、それをことごとく取り上げるというわけにはいきません。どうしてもその出願をした人々の間で話し合いがうまくついて一本化ができますることが私どもの望ましいところでありますし、また現にそういう電波行政をずっとしておるようでございます。そういう次第で、いまのFM東京に関しまする限りは、いろいろといきさつがございましたが、最終的には一本化して、そしてすでに現在波を出しておるわけであります。そこで、その間その措置を不満とされる人々もあるわけでございまして、電波監理審議会に提訴もありました。しかし、われわれとしましては、そのことは適法に処理をされておるということで却下をした次第でございまして、なおそのことを不満として現在行政訴訟に持ち込んでおるようであります。したがいまして、先般衆議院のほうの最終的なお答えは、そういうことにも相わたっておりますから、その結果を見て、裁判にもなっていますから、その上でひとつ私どものほうは、その結果いかんによってまた対処をするということで、とりあえずはピリオドを打っていただいておるということでございます。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 もう一つ関連。  郵政大臣、衆議院であなたは直接これは答えられたものですね。ですからこれは間違いないと思うんですよ。私がいま三つ読み上げた事実について、あなたが十分検討課題として足り得る価値のあるものだと、こう言っているんです。それは何かということを聞いたら答えていませんよね、いま、これが一つ。それからただいまのお答えでは、郵政省に関する限りはそのようなことがなかったと、こういう意味のことを申されましたが、あなたここでかような事実はかりにあったとするならば、免許取り消しをも含めて十分検討いたすことを申し上げますと、こう答えています。どの程度検討したかということも具体的にまだ出ていませんね。  私は関連ですからあまり申し上げませんが、これは佐藤総理、総理の名前も出ていますから、総理知っているかどうか。これは先ほどのお答えのように、新聞とか雑誌の記事はあまりそれをもって議論するなら議論しませんと何か答えたようですが、私はまあそのほうの関係で、これは「中央公論」の一月号ですが、一月号の一八〇ページに、「情報化社会と政治権力」というタイトルで小笠原竜三さんという方、朝日新聞の編集委員の方です、この方が論評している中で、ちょっと国民の側として見れば多少問題になるような点が指摘をされております。そのところを読み上げてみますが、「政府や自民党がどうしてこうも規制に固執するのか。ラジオやテレビ局の免許をめぐる、あのもの凄い争奪戦、そしてその中でうごめく国会議員たちの役割をみれば、理由は一目瞭然だろう。四十五年春開局したFM東京の場合は、政治家や官僚出身者が自分たちだけで電波を食いものにしてしまった一つの見本である。仲間うちでの角突き合いもすさまじいもので「八十を過ぎ功成り名遂げた老人どもが、つかみ合いに等しいケンカをするのだから、見ちゃおれなかった」と、まとめ役の財界人を嘆息させた。」この下のくだりに佐藤総理の名前が出ている。この問題に「佐藤首相までが争いの渦に巻き込まれる始末だった。」と、こう断定語を使っている。これは総理大臣お読みになったかどうか。  それから井出郵政大臣は、郵政省にはあまり関係がなかったというようなことなんで、表面上はそういうことになるのかも私は知りません。ですけれども、そのあとのくだりに、「代表取締役・会長=林屋亀次郎(元参議院議員)、同・社長=大野勝三(元郵政次官)、代表取締役=松前重義(元逓信院総裁)、梶井剛(元電電公社総裁)、大友六郎(前田久吉元参議院議員の女婿)とカッコして書いてありますが、それから取締役=石川義憲(元郵政省郵務局次長)、秋山竜、もと逓信省で運輸行政も担当していた、これもカッコされています。前田久吉(元参議院議員)、小金義照(元郵政相)、監査役=中山次郎(元逓信省電務局長)等等であります。いかにどんな名分であったにせよないにせよ、免許とか許可といった類の規制措置が落ちつく行き先は往々こんな程度だという論評がありますから、ごらんになりましたか。——なっていないとすれば、これをちょっと読んでください。いとも簡単な文章でございますから。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 井出郵政大臣。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 ちょっと待ってください、まだあるのですから。新聞とか雑誌を相手にしないと、こう言っているので、これはちょっと……。これは郵政大臣も知っているかどうか。これは郵政大臣の名前も出ておりますが、それから四十四年の五月の十日です。「放送ジャーナル」という本がございますが、「FMのすべて」というところで、この内容がよく出ております。「″社長人事″で五月へ持越し」「当局の荒ワザに抵抗も」こういうタイトルで「大雪の除幕」という項がございます。ここの中にやはり佐藤総理大臣の名前が載ってまいりまするので、私どもは非常にこれは関心の深い問題だと、こう実は思っているわけであります。この欄では当時の次官だと思いますけれども、「浅野次官ははじめて、東京にFM民放局を免許したいとの構想を明かし、「ついては財界の協力をお願いしたい」」これに対してただいま鈴木委員の質問に対しても郵政大臣からお答えとして出てまいりました「足立正氏が財界を代表して協力を約束し同時に経団連会長の植村甲午郎氏と二人で調整人になることをも了承した」。ですから先ほど読み上げました雑誌の調整役というのが大体この足立さん、植村さんじゃないかと思うのですがね、その嘆いた、嘆息したというのは。こういうことになっているのであります。「実はこの日」ここが大切なところですよ、郵政大臣、「郵政当局から招かれた財界人は」と、こう書いてある、郵政省が招いたと言うのです。それで郵政省が関係していたのか、いないのかということがはっきりしてくるのですが、「郵政当局から招かれた財界人は、全部で十四名だったが、相にくの大雪だったことや、ほかの用事で六人が欠席、実際に集まったのが八人だったといわれる。」読み上げますとたいへん時間が食いますから、あとは申し上げませんが、等々列記をされまして、最後に「問題の林屋氏自身がそれほど社長のポストに執着しているのかどうかという点については、「オレは政治をやりたい」と語ったという説もあるが、逆に、彼の政治生命はすでに終ったとみる向きもある。いずれにしても、東京地区のFM競願調整は、一個の最高責任者たる首相自分からの手で、政治介入の見にくい一面を露呈した形となり、免許事業に対する国家施策への疑問をあらためてみせつけられたといえよう。」こう書いてある。ここにも佐藤総理の名前が出ている。これは御存知ですか。なければあとで差し上げます、ちょっと見てください。  それからから当時の「朝日」の切り抜きを持っているのですが、四十五年の七月の二十六日の朝日新聞でありますが、「電波行政の矛盾露呈」こういうことで新聞に出ております。この中にも「たった一つの電波の割当て問題で足立正(前日商会頭)、植村甲午郎(経団連会長)、藤井丙午(新日鉄副社長)の各氏ら、財界の大立者がとりまとめに走り回り、佐藤首相までが一枚かんでいたとうわさされるほど、ややこしい曲折をたどった。」こういうような記事が載っている、これはお読みになりましたか。なっていません。これもあとでごらんください。等々当時は、報道関係にこれは報道されたんでありますが、見ていないということでありますから、これに、ここに書かれておられますように、総理大臣は関係したかどうかということが一つと、それから郵政大臣は、郵政省を調べましたけれども、郵政省に関する限りかようなことはありませんといま答えたんですがね。これを見ますると、郵政当局の招請により、よりですよ、財界人が十数人お集まり願ったと、こうなっておるんです。その場所はホテルオークラですよ。郵政大臣お答えください。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 先ほど郵政省に関する限りと申し上げました意味は、委員会で質問が出ました私の答えに責任を感じまして、そしてずっと調べをいたしましたところ、それは適法であったと、こういうことをお答え申し上げたつもりであります。  それから財界人というようなお話も出てまいりましたが、足立正さんは郵政審議会の会長などもしていただいておるというふうなこともございますし、まあ郵政省としては一番この方にお願いするのが適当であろう、こういう措置から出たものだと思うのでございます。そういう次第で、この問題については、国会でも御論議はあったわけでありますが、私も書類等にわたって当時の予備免許の実情なども調べてみました。そうした結果一つの基準に照らしてこれは違法ではなかった、こういう結果は判明をしておる次等でございます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いまの私の名前も出ていること、これは当時FM放送、この免許をめぐりましてたいへんな問題で、いま言われるように三十数社出ていた、なかなかその調整がとりにくい、こういうことで財界人の方にもあっせんを願ったのであります。FM放送の免許をめぐってたいへんな問題でありますから私の耳にももちろん入ります。これは私が何だかこの読み方によっては、だれか特別な人と関係があって、それを特に推しているかのような表現であるかのように読まれましたけれども、そうではない、一枚かんでいると、そういうことはございません。ございませんが、FM放送のこの免許はたいへんな問題であった、これは一郵政省だけでなかなか片づかないような、そういう問題だったから、財界の巨頭足立さんに頼んで調整をはかってもらった、そういう意味で私の耳にも入っております。そのことがこれにただいまのような形で出ておると、私かように思っております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 いま郵政大臣のお答えで郵政省に関する限りは適法であった、この適法であったか適法でなかったかはいまも訴訟をしておる。それからわれわれのほうにも、どうも適法に持ち込むために適当な細工をしたというような、それもありますけれども、これはまずあと回しにいたしまして、私はもっぱら政治、それから行政と、こういう一つの解釈、これらについての姿勢がどうかということのそれからいま聞いておるのです。  そこでまず一つ、この会社の役員に、かつて郵政省におった方が何人入っておるか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) これは政府委員のほうから……。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 委員長、答弁していないよ、ぼくに。この記事ではあなた郵政省関係していないと言うんだが、郵政当局の招請により集まったと書いておるのだから、ここに。これはそういう事実はあるのかどうか……。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 先ほどの質問のあれで、政府委員の……。

藤木栄郵政省電波監理局長

○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。  役員二十三名のうちに郵政省の前職員であった者自体は四名でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 いまの四名の役職と、前の職名を言ってください。

藤木栄郵政省電波監理局長

○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。  大野勝三さんは、前郵政省の事務次官でございました。それから梶井剛さんは、これは昔の逓信省のときの工務局長でございます。それから松前さんは、やはり昔の逓信省のときの工務局長であり、また逓信院総裁ということでございます。それから石川義憲さんは、先ほども出ましたけれども、郵務局次長、そういうことでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 この大野勝三さんは社長でしょう。それから梶井さんという人が代表取締役です。郵政省の次官、それから郵政省の工務局長ですか、この人たちが、もうその主要なポストに入っておる。しかも、これからいろいろと伺いますけれども、設立の過程、一社にしぼるといいますか、この過程で非常に不明朗なものがある。できた会社は郵政省の分家みたいなものだ。これではやっぱり行政とこういう業界の関係について、よかったと言えると思いますか。これは総理大臣に聞きたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いまのような郵政省云云というよりも、そこらが問題の、いわゆる仲裁人で問題をきめられたということじゃないかと思います。大野君は国際電電の社長から、ちょうどやめたばかりの状態で、ひまである。あるいはまた、梶井さんは、これはまあ大先輩だし、そういうところで入ってきたんじゃないだろうか。その関係で、この二人を郵政省出身、郵政省代表と、かように言うのは郵政省に気の毒だと、かように思います。おそらく、私は裁定人と言うか、仲裁人が色のついてない方をというので、そこらの人が選ばれたのではないかと、かように私は思います。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 関連して。  総理ね、まあその関係は総理の答えたことなのかしれませんよ。ですがね、もう一つこでで関連して聞いておきたいことは、ただいまのその質問あるいはお答えの中にも出てまいりました梶井剛さんが当時のこの役員をきめるにあたって、この「放送ジャーナル」では、こう書いているのですね。事実上の調停役というのは梶井剛氏、また大野氏については足立正さんがそれぞれ強力にバックアップをしておるとも言われておる。「この二人は、ともに梶井氏が代表となっている中央FM音楽放送の発起人であり、浅野次官としても佐藤首相の押す″林屋社長″との間で板ばさみの格好となっているようである。これについて、調停役の梶井剛氏は「林屋氏の社長は佐藤総理からの話でもあり、佐藤総理があきらめるのならともかく、いまの情勢ではちょっとむずかしい」、こう語っていることがこの記事に載っているのですね。そうすると、総理はそこでにやにやいま笑っていますが、佐藤総理が林屋亀次郎氏を強く推しているということを梶井氏が言っているし、それから当時の現職次官であります浅野という次官がそういう関係にあったと、こういうことがそのことからうかがわれる。この点はどうなんですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) その点は私どものタッチすることではございません。どういう関係があるか、それはまた別です。私も林屋君を知らないとは申しません。知ってはおりますよ。わが党の参議院議員で、つい最近までいたんですから、これはよく知っております。けど、私が特にどうこうしたと、こういうものでないことははっきり申し上げておきます。ただいまの、さっきの、そういう方が出られたのはと、こういうのは私の推測です。たぶん、そういうところで色のつかない人というような意味で出されたのではないかと、これは私の推測です。御了承いただきます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 いまの色のつかない人という総理の御答弁がありましたけれども、これはあとでまた、もう少しお伺いしたいこともあります。  一応郵政大臣にお伺いいたしますが、足立さんを依頼した。足立さんがこの設立有志会をつくって、そこでいろいろ活動したと思うのですが、これは御存じですか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) どうも、その辺のことは私もつまびらかでないのですが、足立さんをわずらわしたのは、さっきも申し上げましたように、郵政審議会に関係がお深い方でありますから、そういう意図に出ていたものであろうと、こう思っております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 ここが重要なところですからね。大臣は、当時は関係者でなかったから、はっきり知らないと、そうおっしゃることはわかるけれども、これは郵政省の立場から明らかにしてもらいたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 有志会というようなおことばが出たんでありますが、これは表面に浮かび上がっているものではなさそうでございます。おそらく、その調整過程において、まあときおりは会合も持たれたろうかと、こういうように察するわけでございますが、いずれにもせよ、三十何社それぞれが一応一本化に協力をして逐次申請を取り下げたと、こういう過程からいたしまして、最終的にまとまりましたものは、私どもとしては、有効適法であると、こう考えておるものでございまして、それに異論を差しはさむ向きがございまして、電波監理審議会に提訴するとか、ただいま行政裁判に持ち込んでおるとか、こういう事態はございますことは、さっき申し上げたとおりであります。いずれにもせよ、こういうトラブルがあとに残るということではまことにまずいわけでありますから、私といたしましては、衆議院で御答弁申し上げました以来、電波行政のあり方というものをやはり慎重にしなきゃいかぬ、疑惑を招くようなことがあっては相ならぬということで今日指導をしておるのが実情でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 有志会が陰のものだとおっしゃるけれども、有志会決議書というのが郵政省に出されてあるでしょう。

藤木栄郵政省電波監理局長

○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。  郵政省には有志会の決議書というものは、私どもは受け取っておりません。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 昭和四十五年の十二月十六日の衆議院決算委員会で、藤木さんですか、この局長さんは、有志会決議書が事務次官のところに届いておりますと、ちゃんと答弁しておるのです。ほんとにないのですか。

藤木栄郵政省電波監理局長

○政府委員(藤木栄君) 私ども、そのときにそういうふうにお答え申し上げましたけれども、あとで調べましたところ、そういったものは正式には届いていない、そういうことでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そうすると、決算委員会で答弁をしたのは、いつ取り消しますか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) いま電波監理局長が申し上げました点が食い違っておるという御指摘でございますが、これは、私もあとでよく取り調べまして、しかるべき方途を通じてこの問題は明確にしておきたい、かように存じます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私はここが問題だと思うのですよ。さっき、有志会というものは正式なものではないが陰のものとして足立さんがつくって苦労したのだろうと答えられておる。それからいまの有志会の決議書はここにありますけれども、これは次官のところに届いておると、こう書いある。これはは衆議院の決算委員会で答弁をしておるのです。いわゆる陰のもの、私的なものとして、郵政省の次官以下、この設立のために動いておったということが、いまの大臣の御答弁から、そう言えるのじゃありませんか。どうですか。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) その辺、私もいま、お手元にある文書を見たことがないのでありますし、はたしておっしゃるようなものであるかどうか、この辺は少し調査をさせていただきたい、かように存じます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 これは、有志会につきましては、有志会のできた経緯、それからそれのメンバー、それからその有志会がやった議事の様子、それから有志会を選んだ人がだれか、それらについての資料を出してもらわないと、これ以上ちょっと質問が続かないのですが。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 有志会のことについて、関連して私は総理大臣にひとつ伺っておきますが、四十四年の十一月の十二日、要望書ということで、東京地区FM放送設立有志会——つまり、鈴木委員がいま質問いたしております有志会、代表足立正、同じく植村甲午郎、内閣総理大臣佐藤榮作殿ということで要望書を出している。これ、ごらんになっているかどうか。同時に、この要望書は、当時の郵政大臣の河本敏夫殿ということでも同時に出ているのですが、この点をあわせてお答え願いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私に関することですが、あるいはそういう要望書が出ているかしりませんが、いま記憶はございません。いろいろ出てきますから、一々覚えていないということです。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) いま事務当局と調べてみたのですが、事務局のほうへはいまの要望書は届いておらない、こういうことであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 これは非常に重要なことなんです。そこで何をやっているのかということを、これを隠すためには、いまのような答弁をせざるを得ないわけです。ここが、このFM放送の問題になっているところだと私は思うのです。  若干御披露申し上げますが、どういうことをやっておるのかというと、人の名前はなるべく出しませんが、「ままでは波は全部自民党が取ってきたわけです。まあいい悪いは別ですがね。自民党で確保してきておるように」——これからずっといろいろなことが出ておる。あるいはもう一カ所、そこの点を申し上げますと、「私はそうなんで、いささかも自民党内閣の何か出るということを恐れているんです。私も自民党ばかりで、ここ何十年一緒にやってきた仲ですからね。特に他党、社会党にしても、民社党にしても、公明党にしても、電波は全部、民放は自民党に独占されていることに対して、非常に何かのすきがあればということを待っておるわけです。」——これからすきを出しちゃいけないというびほう工作をやっておる。共同謀議をやっておるわけですよ、いろいろな人たちが集まって。これが有志会の正体であり、設立委員会である。この真否を調べてここに出してもらわないと、この問題の解明はできない。これは調べてください。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) いまお読みになりました発言が、どなたがなされておるかということも、実はわざわざおっしゃらなかったのかもしれませんが、そこで、たとえば電波は自民党が独占しておる云々というふうなお話でありますけれども、たとえば、さっき話題になりました松前さんのお立場などは、これは必ずしも自民党ということではなかろうと、こう思うのでございます。  そこで、いまの鈴木さんの御要求は、その文書がもし郵政省にあるならばこれを示せ、こういう意味でございましょうか。もう一ぺんそこを確認したいのです。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そうじゃなしに、たとえば、この有志会の集まりに郵政省の次官が出席して集まりをやっていることもある。決議書は次官のところへ届いたと言っておる。これは公式のものでないといって出さないでいて、いまのような会議が行なわれておるから、少なくとも郵政省の職員の関係した限りにおいては全貌を出せ、そうして、この会議には郵政省の職員が出席しているから、したがって、知らないとは言わせない、こういうことです。調べて出してもらわないと、この会議はできないということを言っている。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 関連して。  郵政大臣ね、これはうそ隠ししているのはいかぬことですよ。鈴木委員は、当時の有志会なるものの会議録を読み上げて、こういう場所ですから、あえて名前を言わないわけです。あなたは聞きたいというなら、ここに録音がありますから、かけますか、委員長。  それで、あなた郵政省は関与してないと言うけれども、これを調べてください。そうしてこれをひとつ資料として私要求しておきますが、昭和四十四年三月十二日、場所はホテルオークラ、開かれた会議の広間、会議室、会議した場所ですね、ホテルオークラの「末広の間」。郵政省の大臣官房秘書課、加納という人、おったか、おらないか、私存じ上げませんが、その人が、当時のかかった経費二万九千四百三十五円支払っているじゃないですか。これもあわせて答えてくださいよ。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) まあ、きょうの御質問、いまここですぐ資料というものに整えて差し上げまするのには少し時間がかかるのではなかろうか、こう思いますので、先ほどのお示しの点を十分に調べました上で、後刻そういう資料を調製したいと、かように考えますから、さよう御了承を願います。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 ちょっと議事進行。  いまの答弁では、鈴木委員のほうは了承できないと思う。このまま審議を進めるというわけにはまいらぬと思う。同時に、あえて鈴木委員はこの名前を言っていません。いませんが、この会議録の内容に全部列記されていると思うんですよ、私は。ここで録音かけますか、委員長。かけたら全部出てきますよ。その録音テープの中には、佐藤総理の名前が何回も乗ってくるんですよ。ですから、あえてこれは鈴木委員は言っていないと思う。だから、これは一たん休憩して、そうして理事会でこの録音を披露しますよ。それからにしましようや。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) それでは、午後の会議は十二時四十五分から再開することといたしまして、この際、暫時休憩いたします。    午前十一時四十四分休憩      —————・—————    午後零時五十五分開会

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) これより委員会を再開いたします。  鈴木君の午前中の質疑につきましては、資料の提出を待って行なっていただくこととし、引き続き鈴木力君の質疑を行ないます。鈴木君。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 午前中の質問につきましては、いまの取り扱いで了承いたしますが、はっきりしませんでしたので、ついでに資料要求をちょっとさせていただきたいと思います。この申請者の取り下げ届け出を全部、それから四十四年三月十二日と十二月三日の有志会の議事録、議決事項書、同じ十二月十九日のFM放送予備免許にかかわる電波監理審議会の議事録、関係資料、免許対象となった三十一社全部の申請書、それからFM東京が予備免許をとったときの申請書、それから有志会が四十四年三月十八日に株割り当ての通知をしておるはずでありますが、そのときの配分案一覧、これらについて、あとで理事会でおはかりの上に御善処願いたいと思います。私はこれを要求しておきます。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 承知しました。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 それであと質問に入らせていただきます。  学術会議についてお伺いいたします。これは総務長官にお伺いするのがいいと思いますが、いまの学術会議の科学技術振興についての位置づけといいますか、評価をまず承りたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 総理からお答えいただくのが理想的だと思うのでありますが、学術会議は、やはり日本における法的根拠を持った唯一最高の学者の集団として国際的にも高く評価されておるものであると考えます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そこで伺いますけれども、この学術会議に対する政府の諮問は、設立当時から今日までどういう状況になっていますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 昭和二十四年から申し上げますと、逐年、順を追って件数だけ申し上げていきます。  十一件、十一件、五件、六件、四件、六件、二件、六件、六件、四件、五件、三件、三件、三件、二件、三件、四件、三件、三件、二件、二件で、昭和四十五年三件と、こういうふうになっております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 この数字だけでも年々減っているのですが、政府としては学術会議に諮問する意図がない、あるいは諮問する必要をもう認めなくなっておるのかどうか、その減っている事情を伺いたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これはやはり当初多かったのは、戦後の新しい新生日本のために、各種の議題というものを学術会議に御意見を伺いながらやっていく事柄が多かったということだと思うのです。最近十年間をとりますと、四件というのが一回だけでありまして、あとは三件がほとんどで、本年も三件でありますが、二件という年もございます。これらは、やはり現在の事態から学術会議に諮問をして御意見を伺わないと、やはりぐあいの悪いと申しますか、御意見を伺ってやるべきことが至当であると考えられる件数がそれほど多くなくなってきているということを示すものだと考えます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 内閣総理大臣が諮問した最後の年は何年ですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 各省大臣がそれぞれ諮問をいたしますが、総理大臣の名によって諮問いたしました最後の年は三十年でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私はいまのような状況でこれを見ますと、おそらく昭和三十七年からあとは文部省以外の諮問はないと、こう見ますけれども、それはそのとおりですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 三十七年からあとは、大体毎年、文部大臣でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 この文部大臣から諮問されたものは内容は何ですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 昭和三十七年文部省、昭和三十七年度文部省予算中、科学研究の振興に必要な経費の配分に関する基本方針について。同じ三十七年で、文部大臣より、昭和三十七年度民間学術研究機関補助金の交付について。三十八年、文部省大学学術局長の名において、昭和三十八年度文部省予算中、科学研究の振興に必要な経費の配分に関する基本方針について。三十九年文部大臣、昭和三十九年度民間学術研究機関補助金の交付について。四十年、同じく……。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 同じものは毎年読まなくていいから、まとめて答えてもらいたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 読まなくてもいいですか。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 一年ごとに読まぬでもいいから、違ったものがあったら読んでください。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 大体あとは文部大臣の諮問は民間学術研究機関補助金の交付についてでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私がこれを伺いましたのは、文部大臣が諮問したのは法律に基づいているわけですね。文部省の民間学術研究機関の助成に関する法律、この法律には、いまの部分は学術会議に諮問しなければいけないという法律がある。この法律によるものだけが諮問をされておって、それ以外のものは各省からも総理大臣からも、ここほとんど十年近い間は諮問が全然ないのです。私はこの学術会議というのは、さきに総務長官がおっしゃったような重要な機関であり、日本の学術界の代表機関であると、こう言いながら、十年間もこれ以外の諮問がなかったということはどうも納得ができないのですが、いかがですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは私が諮問せよという立場にあるわけではなくて、私のところで、一応、学術会議の事務当局を預かっておりますが、その庶務は科学技術庁で行なっておるわけでありまして、それらの事柄が、法律で義務づけられておるもの以外になぜ諮問がされなかったかという詳細については私存じておりません。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 処理の窓口である科学技術庁長官にお伺いいたします。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 諮問の回数は御指摘のとおり若干減少しておりますが、初期の当時、諮問という形をとりましたものが照会という形に変わったものも相当あるようでございます。必ずしも諮問という形をとらなかったという、数字だけで比較はできないのじゃないかと考えております。十分このようないろいろな適当な形式をもって学術会議の意見を聞いて、これを各省庁が参考にしておるということだと思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私はやはりいまの御答弁でははっきりわからないのです。政府はここ十年間、諮問機関である学術会議は全然無視している、こういうふうに見ざるを得ないのですが、諮問機関としての学術会議をいま政府はどう考えておるのですか、これは総務長官から伺いたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 諮問機関としては、ただいま言われたような形式的な件数の問題があるかもしれません。しかし一方、学術会議というものは国際交流というようなものが非常に役に立つわけでありますから、国際交流等のことも考えておりますし、私がなりましてから、本年度予算で、多年の懸案であった西ドイツの科学者の招待という予算も新規に獲得いたしましたし、来年度の四十六年度予算ではフランスの学者を招待するというような経費等もそれぞれ新規に盛り込みまして、国際交流が日本側からも外国側からも活発に行なわれて、日本の学術というものが国際的なレベルのアップに役に立つように、あるいはまた親善その他を通じて日本の学術的な地位も高められるように配慮はいたしておるつもりでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 諮問機関としては値打ちがないから国際交流機関として生かしていく、そういう意味ですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) ものは言いようですから、そういうふうにおとりになれば、それはそうでないとも言えませんが、そういうふうには考えておりません。でありますから、中身はりっぱな人たちばかりですから、建物なども最近りっぱにでき上がりまして、日本の学術会議の殿堂、学術の殿堂たるにふさわしいりっぱなものができ上がったわけでありますから、これからは、建物も中身もりっぱであれば、それらの人たちを活用するために必要なことは、どしどしやはり諮問して御意見を聞くべきであると考えております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 これ以上は言いませんけれども、いまの御答弁のように、どっちみちこの学術会議というものは、諮問機関としては事実としてはもう完全に使っていない。  それでもう一つ聞きますけれども、勧告はやっておるわけですね。この学術会議の勧告を受けた政府側がどのように処理していますか。この処理状況について伺いたいと思います。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 学術会議から勧告が出されますと、私のほうが窓口としてこれを受け取っています。そして学術会議からの説明を十分聞きました上で、各省の連絡会というものを開きまして、そこで協議をいたしまして、そして処理担当省庁を決定いたします。それがきまりますと、各省庁に対しまして私どものほうから文書でこの実施方を通知する、依頼をすると申しますか。そしてその旨を、どこの省庁にこれを移したということを学術会議に連絡をいたしております。  で、勧告の実施の状況についてお尋ねがありましたが、ここ十年間の勧告は百四件かと思います。年に大体十件強になると思いますが、これに対しましては、各省庁の協力を得ましてこの把握につとめておりますが、その結果は科学技術会議に報告をいたしまして、この勧告を生かすように努力をしております。百四件のうち大体七割以上はすでに実施に移されておる。若干検討中のものもございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 この勧告処理の窓口というのはどこがほんとうなんですか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 科学技術庁が窓口になっています。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 科学技術会議の担当はどこですか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 科学技術庁でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 科学技術会議も窓口を持っておる。科学技術庁の計画局も窓口を持っておる。そこで、その窓口を持っておるそこでの勧告の処理は、交通整理はしておるけれども追跡調査はしていない。いま何%とかおっしゃいましたけれども、幾ら頼んでもその追跡調査をした状況は科学技術庁からももらえない。この追跡調査をしてどのようにやっているかを調べる、調べるといいますか、推進をする責任の所管はどこですか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 科学技術庁がこれの窓口になっておりまするその立場は、この学術会議から受けます勧告等が、その性格上科学的あるいは専門事項にわたるものでございますが、その中でも自然科学に関するものが非常に多うございます。そういう意味から、これをばらばらに受けるよりは、科学技術を担当しておりまする科学技術庁が一括して受けて、そして各省に移し、その結果を追跡いたしまして学術会議に連絡するということが適当であろう、こういう判断に立っておるわけでございます。科学技術庁といたしましては、各省庁につきましてその実施の状況を把握いたしまして、学術会議に連絡をいたしておるわけであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 科学技術庁で追跡して、把握して連絡した資料がありますか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 政府委員から答弁させます。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○政府委員(楢林愛朗君) お答えいたします。  いま長官からも申し上げましたとおり、科学技術庁といたしましては、学術会議の勧告の処理状況につきまして、極力この実態を把握するように各省庁と緊密な連絡を行なって、それで処理案件についての現状を聞いてございます。勧告の案件につきましては、内容によっていろいろなものがございますので、これは常にチェックする場合とケース・バイ・ケースで現状の把握を極力進めております。それにつきましては学術会議のほうに十分な緊密の連絡をとるように努力しております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 十分な状況連絡をしておるということですけれども、それではその資料がありますか。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○政府委員(楢林愛朗君) 中間段階ではございますけれども、わかった範囲のものを資料としてつくりまして、それで学術会議のほうにお渡ししてございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 学術会議ができてから今日まで二十数年もたっておるのに、いま中間段階だというこの意図はよくわからない。どういう意味ですか。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○政府委員(楢林愛朗君) 先ほど申し上げましたように、案件につきましては長期的にわたるものもございますので、その案件の実施状況を見るということで中間的な処理というものがございますので、中間にまとめたものをなるべくよく連絡しておくという趣旨でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 これは私のほうから提案をしますがね。毎年毎年この実施状況を追跡調査をしまして、そしてその処理については、やはり政府がどこか窓口を一本にして把握をしておくべきだと、こう思うのですが、これは担当はどこになればいいかと思うと、私はやっぱり総務長官だと思いますが、いかがです。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 一説には掃除府という名前ももらっているぐらいでありますから、いろいろとたくさんかかえておりますが、しかし、専門の分野のことが非常に多うございますから、やはり科学技術庁長官の言われたような、そういう専門家の人たちが追跡していって、そして必要があるならば、調整するならば総理府もそれに、御相談に乗っていくといういまの形のほうが私はよろしいのではないかと思うのです。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 科学技術庁長官は人文科学を扱いますか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 人文科学は直接扱いませんけれども、科学に関する勧告でございますから、それを受けまして、それを適当の省庁に通知をする、こういう能力は持っておると思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 それはわかる。通知はだれでもできる。私が聞いているのは、追跡調査のことを聞いているのです。いかがです。それはできますか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) これは受けました各省庁がそれぞれ責任をもってこの実施をするわけでございますから、その結果を受けて科学技術会議に連絡することは可能であると思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私はもう時間があまりありませんから申し上げませんけれども、この科学技術会議については、窓口もどこかわからない、追跡調査をしておるものもない。さっきの総務長官の御答弁に私は不満なんです。総務長官は学術会議の事務局なんです。学術会議の事務局が自分が勧告をしたものがどうなっておるのか、むしろ能動的に、自分のほうでこれを進めていくことこそ事務局の任務だと、そういう意味で総務長官の任務じゃないかと、こう聞いているのです。掃除府なんというのは学術会議とは関係ない。どうです。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) まあそのとおりでございますから、私どものほうも学術会議とは関係ないとは申しておらないわけです。しかし、人文科学方面であれば、これはやはり経企庁の窓口から文部省のほうを中心におろしていただければ、それで文部省もやっておるわけでありますから、それ以上の調整が必要であるという場合においては、私ども総理府が行なうことは当然のことであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 調整でなしに、勧告をしたものがそれぞれ仕分けをされて各省にいっておる。それが眠っておるのか動いておるのかを調査しなければ意味がない。それは学術会議の事務局を担当する総理府がやるべきではないかと、こう聞いておるのです。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 私もやるべきでないとは言っていないわけです。現在、科学技術庁がやってくれておりますから、科学技術庁で処理でさるもの、並びに人文関係については文部省等において処理してもらうわけですから、そういう仕組みでもよろしいのではないか、それでいけない場合は、私のほうがまたあらためて考えることもあろうと申し上げているわけであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 科学技術庁のほうに何べん私のほうから照会しても、処理状況は、交通整理しているだけで、あとは内部資料はあるが整理したものはないという答えだから、私はどこが窓口かということを聞いておるのです。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 窓口は私のほうでございまして、私のほうでは追跡をしてその結果を把握して、学術会議に連絡をいたしておりまするから、その内部資料はもちろん持っております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 きちっとしたものができていない、中間的だと、こう言っているでしょう。それならば、そのできたものを出してください。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○政府委員(楢林愛朗君) 先ほど私から中間報告的な内部資料と申し上げました。これは勧告の案件につきましては、その年度年度においての各省庁が努力いたしました成果を盛り込みながらつけ加えていくものですから、全部完了したものにつきましては完了ということになりますけれども、実施段階のものにつきましては、実施状況をわれわれ把握いたしまして、それをさらにつけ加えていくということで、完全に整備したものにはなっておりませんので、しかし、状況は常に各省庁にもわれわれは連絡するというのが一つの仕事だと思っておりますので、資料として現在つくっておるということを申し上げたわけでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私はこの予算の問題もありますし、いまの問題も納得できないのですけれども、これは時間がありませんから、あとの機会にさらに詳細にデータ等ももらって質問いたします。  なお、防衛庁長官から資料をちょうだいすることになっております。その時間のためも必要がありまして、これで質問を打ち切らしてもらいます。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 以上をもちまして鈴木君の本日の質疑は終了いたしました。     —————————————

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 次に、岩動道行君の質疑を行ないます。岩動道行君。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 私は本日は主として憲法について、またエネルギー政策について、この二本の柱を主にしてお尋ねをいたしたいと思いまするが、その前に、新聞紙上で私ども承知をいたしておりまするのは、今年の秋に、天皇、皇后両陛下がヨーロッパ諸国をご訪問になられるということを新聞紙上で見ておるわけでございまするが、そのことは、はたしてどのように決定をされておりまするか、また、その時期、訪問先、目的等についてお伺いをいたしたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 宮内庁を所管いたしておりまするので、私のほうから申し上げます。  閣議の決定をいたしましたのが二月の二十三日でございます。これは、一応、閣議決定の文章を読みますと、「このたび、ベルギー国皇帝陛下、英国女王陛下及びドイツ連邦共和国大統領閣下から、天皇皇后両陛下に対しそれぞれ各国を御訪問になるよう招請があったが、わが国とこれら各国との伝統的友好関係にかんがみ、本年秋、両陛下に三国を公式に御訪問願うことといたしたい。なお、この機会に、デンマーク及びオランダ両国にもお立寄り願うことといたしたい。御日程の概要は、御休養地を含め別紙のとおりである。」。  九月二十七日に東京をお立ちになり、同月二十八日、二十九日にデンマークにお立ち寄りになります。さらに二十九日から十月の二日までベルギー御訪問でございます。同じく二日から五日までパリに御滞在、五日から八日まで英国を御訪問、八日から十日までオランダにお立ち寄り、十日より十一日までジュネーブ近郊に御滞在、十一日より十三日までドイツ御訪問、十四日東京に御帰着になる。  概略以上のような日程でございます。その詳細はいま検討中でございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 その場合、たいへん私は喜ぶべきことで、ぜひりっぱな御旅行ができるように心から政府側において準備をお進めいただきたいと思うのでありまするが、この場合、天皇陛下はどのようなお立場でおいでになるか、つまり、国の元首とか、そういったようなお立場はどういうことに相なるのか伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これは私が申し上げるまでもなく、日本国民の象徴たる天皇陛下と、そういう御資格でございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 象徴というおことばで、これはもちろん現行憲法そのとおりだろうと思うのでありまするが、やはり日本国を代表しておられるお立場であるかどうか、ここは憲法の解釈上一つ問題になろうかと思いますが、いかがでございますか。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 便宜私から補足して申し上げたいと思いますが、ただいま総理大臣が言われましたように、これまた御承知のように、天皇は憲法一条によって、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴である。この象徴としての公的な立場でおいでになる、そういうことで十分であろうと思いますが、あえて代表ということばを用いなくとも、そこに日本国があり、そこに日本国民統合の姿があるという、そういう形、そういう姿でおいでになるということでございます。まさに憲法そのものを申し上げているだけでございますが、なお、御質疑があればお答え申し上げます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 天皇陛下お留守中の国事行為についてはどのようなことに相なりますか。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) これもかつて国会で御制定をいただきました国事行為の臨時代行に関する法律という規定の適用が今回初めて行なわれることになると思いますが、それによって代行をしていただくということになります。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 そうなりますると、実はまだいろいろ伺ってまいりたい点もございまするが、これは仮定の事実になりますので省略をいたしたいと存じます。  そこで、私は先ほど総務長官に申し上げたのでありまするが、一国の象徴が外国にお出かけになられますので、どうしてもいろいろな法律上、予算上の問題が出てまいろうかと思いますが、これらにつきまして、あるいはまた陛下御自身の、あるいは皇后陛下を含めまして、御健康の点につきましても、お身回りにつきましても、十分に万遺憾のないような、法律的にもあるいはまた予算的にも、さらにまた、そのような御身辺についても特別に十分な御配慮をされてしかるべきではないか、かように存じまするが、総理のお考えを伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 天皇陛下、皇后陛下おそろいで外国にお出かけになるという、これは日本としては初めてのことでございます。したがいまして、私はただいまいろいろ心配、あるいは御注意申し上げるような点、それらの点について万遺漏なきを期し、両陛下の本来の目的が国際親善、それを深めるという、そこにあるのでございまするから、その目的を達成されるのに遺憾なきを期したい、これは政府のつとめだと、かように思っておりますので、ただいま御指摘になりましたような点は、もちろん十二分に配慮してまいるつもりでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 それでは本題に入りまして、まず憲法問題について伺いたいのでありまするが、われわれ自由民主党の中におきましても、最近、憲法調査会である作業を進めてまいりたいというような話し合いも出てまいってきておるわけでございまするが、この機会にこれらの憲法問題の基本的なことを多少お尋ね申し上げていきたい。その前に、まず内閣に昭和三十一年に設けられました憲法調査会、これができました経緯、それからその後の活動、そして最終的に三十九年に報告書が出されておりまするが、それらのおもな点について伺っておきたいと思います。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) お話のように、あまり詳しくお話ししては時間をとるばかりだと思いますが、ごく概要だけ申し上げます。  日本国憲法再検討の問題というのが、実は憲法が施行されてから五年ほどたちましたときに平和条約が締結されたわけですが、その前後から独立後の重要な政治的課題として各方面で論議され始めたことがございました。そのような情勢を背景としながら、多少の経緯はございますけれども、それをすべて省略をいたしますと、三十一年の二月に議員提案で憲法調査会法案が国会に提出されまして、同年の五月に成立を見て設置されることになったわけでありますが、実際の発足は委員の任命等の関係でやはり一年余りおくれまして、三十二年七月から実は実際に発足をいたしました。この調査会の審議の柱といたしましては、かなり活発な運営がなされておりましたが、三十二年八月から三十九年の七月まで満七年間、その柱としてあげられますのは三つでございますが、日本国憲法の制定の経過についての調査、それから日本国憲法の運用の実際についての調査、それから主要な問題点の決定、及びこの問題点についての憲法改正の要否、憲法の運用の改善の要否等の審議が行なわれたわけであります。そのほか諸外国における憲法運用の実際等についての海外調査や、例の公聴会の開催による国民一般の憲法問題に対する意見の聴取も非常に広範に行なわれたわけであります。そういう経過を経まして、三十九年の七月に内閣及び国会にこの憲法調査会の報告書が提出されましたが、その報告書は、すべての委員の意見を実は改正論、改正不要論等の別なく、その論拠とともに報告しまして、内閣、国会及び国民の判断に役立たせることを基本方針として作成されまして、憲法調査会として憲法改正の要否を決定するということは行なわれていなかったのであります。  この報告書の中心的部分が憲法調査会における諸見解でございますが、諸見解によりますと、憲法改正論が客観的事実として多数の見解でありますが、少数の見解はむろん、憲法改正不要論を唱えております。改正論を唱える委員の意見も実は必ずしも同じではございませんで、改正の範囲、改正の時期、方法等については必ずしも一様ではありませんが、改正論の基本的立場として、ごく概括的に、どういうふうであったか、かいつまんで申しますと、現行憲法が日本国民の自由な意思に基づいて制定されたとは認められないこと、及び現行憲法の不備欠陥はもはや解釈運用によっては措置し得ないという認識に立って、わが国の国情に沿うような内容に改めることが改正論としては主張されております。が、ごく大ざっぱに申しまして、そのような内容を持った報告書が、三十九年の七月に国会にも、また内閣にも提出されておるわけでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 中身は非常に膨大でありまするから、いまのお話だけではようわからぬのですが、これは私のほうでも勉強しておりますので、これ以上のことは伺いませんが、現行憲法がすでに長きにわたって、施行されて、その結果、民主主義平和主義あるいは人権の尊重と、そういったような観点から、国民の間には相当定着をしつつあるやにも思うのでありまするが、今日までこれらの現行憲法を国民に理解をさせるためにとられてきたいろいろな手段、方法、これをまず伺っておきたいと思います。  第一は、学校教育の面においてはどのようにこれが取り扱われていたか。第二は、一般国民に対する広報活動としてどうであったか。これは総務長官のほうにお伺いいたします。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 小・中・高等学校におきます日本国憲法についての指導は、従来から社会科を中心に、人権尊重、国民主権、平和主義などの憲法の基本的精神を児童生徒の発展段階に応じまして理解させることに主眼を置いてまいりました。今回改定されました学習指導要領におきましても、憲法については、たとえば、小学校社会科の第六学年におきまして、日本国憲法が国家の理想、天皇の地位、国の政治の仕組み、国民としての大切な権利義務などを定めていることを理解させるようにしております。中学校社会科の第三学年におきましては、日本国憲法の基本的原則、人権の尊重と法の支配、議会制と権力分立、選挙と政党、国際政治と平和についての指導を通して、憲法の基本的な精神が十分理解できるように配慮をしております。また、高等学校におきましては、必修科目の政治経済におきまして、日本国憲法の基本的性格、基本的人権の保障、政治機構と政治の運営などの指導を通して日本国憲法のもとにおける民主政治について理解を深め、特に基本的人権と議会制民主主義を尊重することの意義を十分認識させて、民主政治のよりよい実現のために努力しようとする態度を養うようにしておる次第でございます。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 総理府の広報室では、憲法調査会の要求で、毎年意識調査的な形で調査を実施いたしております。三十九年の九月に憲法調査会が廃止されました。内閣法制局に憲法資料調査室というものができまして、それの依頼によって、昭和四十三年までは同じような調査を続けてまいりましたが、先ほど岩動委員も言われたように、大体、憲法に対する国民の意識はもう定着をしておるという傾向が歴年変わりませんので、したがって今後は、人権問題等の関連する調査は行ないますが、憲法そのものに対する調査は五年おきぐらいでいいのではないだろうかと考えまして、四十三年から今日までは行なっていないわけでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 文部大臣に伺いますが、大学におきましては憲法が必須科目になっているかどうか。経済学部等におきましては、どうもこれが必ずしも必須科目になっていない。法学一般という中で扱われている。これではどうも、学生が憲法は九条だけしか知らぬような学生であったり、そういう社会人が出てくる。したがって、総務長官も五年おきにやっていいのだとおっしゃいますが、もう少し私は国民全体に憲法全体の姿がひとつわかるように努力をしていただきたいと思いますが、まず大学のほうについてはどうお考えですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 大学のほうにおきましては、一般的には、一般教養の中において多くの大学でこれをやる。しかし、そのやり方といたしましては、たとえば京都大学においては、憲法というような形で教えておる、教育をしておるというところもございますが、一般の大学におきましては、法学とか、あるいは法学概論というような形で教育をしておる実態でございます。しかしながら、御指摘のとおりに、必ずもこれは必須というところには至っておらないわけでございます。しかし、たとえば小・中・高等学校の先生になる方は、これは免許状の関係がございまして、必ずこれを修得しなくちゃならないということで、憲法はちゃんと教えておると、こういうことでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 続いて伺いますが、これが選択科目であることがはなはだ私には不満足と申しまするか、社会人として大学を卒業した者が憲法全体を、条章も知らないで世の中に出ていくということは、はなはだどうも非常識な人間をつくってしまうんじゃないでしょうか。そういう意味で、選択科目でなくて、これは必修科目にまで持っていくようなお考えはないか、これをひとつ伺っておきたい。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 日本国の憲法というものを日本国民が知るということは、もう大事なことでございますから、実は小学校、中学校、高等学校で、一応これは完結した職員としてこれを修得しておるものという考え方が一つあるわけでございます。それから専門的なやり方として、これから大学でやるということでございまして、必ずしも必須ではない。しかしながら、多くの大学におきまして、その憲法というものを、やはりあの時期の学生に修得をさせて世の中に出すということは、非常にきわめて大事なことであるということでやっておるわけでございますが、私ども文部省といたしましては、大学それ自身が必須に近いような形に、現実的にこれを法学及び法学概論あるいは憲法といういろいろの形で学習をするということを期待する、こういうふうに考えておる次第でございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 重ねて伺いますが、期待をする程度で、私はどうも弱いような感じがするので、十分にこれは前向きに検討をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 前向きに検討もいたしますが、今度の大学改革の一つの考え方としまして、一般教育と、専門教育とについてのこの間改革が行なわれたわけでございますが、その中におきまして、自然、人文、社会という三学問系列におきまして、かなり幅を持って、そしてその充実した教育を受ける、そういうことが望ましいという一つの考え方に立っておるわけでございます。おっしゃるようなことはございますけれども、これを必ずしも必須にすることがいいかどうかという点につきましては、よく検討いたしてみたいというふうに思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 憲法についていい憲法だ、悪い憲法だ、一がいには言えない、憲法については全く知らない、こういう分類で調査をしてみますと、三五、六%が、毎年調査の結果は、憲法については全く知らないという回答がきているんです。その点、私も少し疑問に思いますので、やはり憲法というものを正確に国民に知らせる広報というものもあるべきだなという気持ちがいたしておりますから、今後よく検討いたします。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 そういったようなことで、国民全体がまだ十分に平和憲法といわれる憲法に対する認識あるいは学習が必ずしも十分でない、年々よくはなってきているかもしれぬけれども、なお努力は政府としてもしなければならない面が多分にあるかと思うのでありまして、この点は総理はどのようにお考えですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私も別に変わった意見があるわけではございません。ただいま総務長官が説明したように、また、文部大臣からお答えしたように、同じような考え方でございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 そこで、最近三島事件が起こりましたが、これに対して、その事件当時のいろいろな所感を総理あるいは防衛庁長官、述べておられまするが、その後、私の持っております資料によりますと、最近佐藤首相は、この変化、世の中が少し、これも三島事件に対する波紋が非常に広がってまいってきたというようなことから、われわれは三島の動機を尊重しなければならないと議会で述べたという資料がございます。また、中曾根長官も調子を変えて、この文学者の死は、日本の精神思想を革新する一里づかになるかもしれないと語ったというような資料がありまするが、現在どのようにこれを評価しておられますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は生前、三島君と個人的にもつき合いがある、そういう意味でことばをかわしたこともあります。したがって、三島君の突然の死、また、市ケ谷におけるかようなしかたでの死を選んだ、それはどうもまとものことに思えない。何かある、たいへんなショックであった。したがって、何かしておるじゃないだろうか、どこか気でも狂ったのじゃないだろうか、かように当時漏らしたことがございます。しかしながら、だんだんその後の状況になりますと、三島君が死を選んだこと、これについてはわれわれは考えさせられる問題がずいぶんあるようです。私があの死の直後に率直に受け取った感じとは違うものがある。ことに、これがいま批判されておる軍国主義化への道であるとか、こういうようなこともあるようでございますし、また、特別にクーデターなども考えていたようでもございますし、そういうような点は批判されてしかるべきだと思います。したがって、国民にもそういう実情について、われわれがただ単にこれは言うだけでは済まされないような状況になっておる、そのことを私はいま感じておるわけであります。また、彼があのような死の道を選んだそのこと自身につきまして、われわれも反省すべきものがうちにもあるわけでございます。それらの点も率直にかもし出されたこの波紋の中から受けとめなければならないと、かように思っております。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、当時政府の一員といたしまして、大局的見地に立ってああいう発言をいたしましたが、あの発言は間違っておるとは思いません。しかし、この事件の成り行きをじっと深く研究いたしまして、個人としてはまた別の感情も持っております。しかし、それを公の公人として言うことははばかるべきであります。そういう考えを持ちまして「文勢春秋」に「三島事件・二つの記録」という文章を私書きました。それは個人として書いたものであります。  その中に、三島事件というものは日本思想史上の一つの一里づかになるかもしれない、そういう意味のことを書いたわけであります。で、三島事件を詳細に研究してみますと、あれは文学者の審美的事件でもなければ、芸術的昇華というようか芸術上の問題ではない。むしろあれは思想史的事件であると、私はそうとらえたわけであります。それで、三島君には三島君の彼なりに崇高な動機を持っておやりになったことで、この死は痛ましいことであると思います。しかし、あの道を日本国民が全部でとったらいいかどうかといいますと、あの内容はしさいに分析して、われわれがくみ取るべきことと、くみ取るべからざることと、やはり厳然とあるように思うのです。  そこで、私は、くみ取るべからざるものという点を自分で考えてみますと、三島君は非常に武士道あるいは神風連というものにあこがれていたようでございますけれども、あの武士道ができ、神風連が生まれた当座と今日の現代日本というものは、非常に本質的と言っていいくらい条件が変わっているということを知らなければならない。武士道はおそらく封建時代の一国を維持するという関係から、儒学と申しますか、それが基礎にできたものでありましょうが、日本本来流れる古代精神というか、日本精神は何であるかということを考えると、それ以前に万葉とか、あるいはこの前から和とか大和とかいう精神、あるいは仁という精神がございます。聖徳太子が教えた以来の大きな教えがございます。ああいうおおらかな精神があったから、外国文明を受容してこれだけ大発展したんだろうと思いますが、私はそちらのほうが日本に非常にとうといのではないか。  それから、三島君は神風連のことを書いていますが、神風連は明治の洋化政策に反対して散った人たちです。ある意味において三島君も戦後の洋化政策みたいなものに憤死したという感じがいたします。しかし、今日は、あの明治ですらも徳川時代と違って、国際関係が生まれて、国際関係をうまく処理しなければ日本は明治の大発展もできなかった。巧みに取り入れたから、明治天皇の指導のもとにあれだけの大事業を日本人はやったと思います。今日はある意味においては外来文明の消化期ではないか、そういう意味で、しかも国際関係はもっと大きく出てきて、日本は国際関係を離れては生存し得ないというくらいに経済国にもなりましたし、複雑な問題になってきておる。そういう条件を無視して、主観的な国粋的な考えだけで日本が大きく伸びていけるだろうか。もう一つは、核兵器というものが出てまいりまして、みんなこれは人類の生存本能から抑制して、絶滅を防ぐために米ソも努力しているところだと思います。そういう核兵器を抑制して生きていくという世界は、あぶら汗が流れるような隠忍の世界である。しかし、この灰色の世界を耐え抜いて日本民族は生き抜いていかなければならぬ。そういう複雑な精神構造の世界に今日の日本はなっておるのであって、一元的に割り切ることはできない。そういう複雑な、しかも新しい時代が現出しておるということを、国民の皆さまによく知っていただいて、その中にたくましく生き抜いていく日本民族の精神構造を考えなければならぬ。  それで、個人的構想といたしましても、私は、「菜根譚」に書いてありますが、「操守は厳明なるべく、しかも激烈なるべからず」——操を守るということは厳格で明らかである必要はあるけれども、激烈であってはならない。過激であってはならない。「操守は厳明なるべく、激烈なるべからず」、そういう考え方が私はとうといのではないか。自衛隊にもそういうふうに教えております。しかし、三島君のやったことというものは、日本思想史上の非常に大きな事件の一つであって、それはずっと尾を引くべきものである、われわれはこの中のいいと思う点を摂取していくべきである、こういうように思います。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 三島君を指導したノーベル賞受賞者である川端康成氏は、最初は、事件の直後には、何とむだなことをと、こういうことを申しておられましたが、最近に至って、三島さんは多くの人々の心と歴史の中に生きていると、こういうことを語っておるわけであります。防衛庁長官がお話しになったように、三島事件はきわめて多面性を持った事件であったと、私も理解いたしております。この中でとるべからざるもの、とるべきもの、これは私も私なりに考えておるわけでありまするが、特に軍国主義的な方向への一つの面が多分にあったのではないか。これは当然否定さるべきでありまするし、あの市ケ谷事件それ自体が完全に否定し去られなければならないものとは思っております。しかし、彼の死の波紋、それは深く静かに広がりつつあるやに私は見受けるのであります。それは、日本の歴史と伝統の美しさが破壊されつつあるという風潮というものに対しては、三島の死というものは何らかの大きな影響を与えているのではないだろうかと、かように思うのでございます。これは私所見でありまするから、これ以上は申し上げません。  さて、今日は情報化社会、脱工業化社会へと急激な変化を遂げつつあるのがわが日本であると申しても差しつかえないでありましょう。アメリカの未来学者でありますトフラーによりますれば、アメリカよりももっと速いスピードで未来に向かって疾走している国、それが日本だと、こう申しております。変化に対する人間の適応の実際を知るには、日本は生きた実験室と見られている。私どもの現実の生活の場では、変化の波が大きな音を立てて押し寄せてきていると言わざるを得ません。七〇年代の変化の流れは強烈であります。社会構造をくつがえし、価値観をかえ、生活の信条まで破壊していくようなおそろしさであります。変化とは未来がわれわれの生活に入り込んでくる過程のことでありましょう。あまりにも短い期間に、あまりにも多くの変化を受けて、どうしてよいかわからなくなった人間の状態、トフラーはこれを未来の衝撃——フューチャーショックという表現をいたしたのでありまするが、われわれ政治家は、この加速度的に推進される未来の衝撃に挑戦し、適応し、国家国民のため新たな秩序を創造していく責務を負うものと確信をいたすのであります。  以上のような意味におきまして、私は国家の基本法である日本国憲法についても新たな角度から、二十一世紀的なあり方を検討することを提案したいと思うのであります。憲法改正はいまや第二ラウンドに入ったのではないだろうかと思うのであります。憲法調査会の報告書が出されてからすでに六年余に相なるわけであります。この間、政府はほとんど何ら憲法の改正問題については触れておられません。また、総理も、憲法については改正をしないということをたびたび明言しておることも、私は十分に承知をいたしております。先般の総理の施政方針演説の中に、日本は壮年期に入ったと言われました。マッカサーは、占領時代に、日本は十二歳の少年であるということを申しました。これはたとえではありまするが、そのような表現でとらえられる日本というものは、少年期から壮年期に入ったとすれば、少年のときに着た洋服が壮年のおとなになったからだに、はたして合っておるだろうか、これは検討を要する必要があるのではないでしょうか。  そこで、検討すべき事項については後ほど申し上げますが、わが党におきましても、政務調査会に所属する正式の機関である憲法調査会におきまして、先日、会長副会長会議を開きまして、この際、四十六年の十二月末、つまり本年末を一つの目途として憲法改正要綱案をまとめてみたいという申し合わせをいたしたのであります。  さて、このような動きがわが党にありまするが、私は、憲法改正の問題を検討する場合の基本的な姿勢をまず述べまして、後ほど総理から御所見を承りたいと思います。私は、現行憲法は、先ほど申したように、国民によく定着しつつある、不十分ながらもそのような方向に向かいつつあると、天皇制のもとに議会制民主主議、平和主義、基本的人権の尊重など、重要な原則はさらに堅持されていくべきものであると思います。  第二に、現行憲法は、占領下の押しつけられた翻訳憲法であるという評価もありまするが、一がいにそれでこの憲法はいけないということは、いささか感情に過ぎるのではないかと思うのでありまするが、また、憲法改正にあたって、検討をするにあたって、明治憲法の郷愁を持ち、明治憲法に復帰すると、そのような考え方を基本に持つことは、絶対に持つべきではないと思うのであります。もっとも、この憲法が、私も当時内閣の法制局におったのでありまするが、いまの佐藤人事院総裁が第一部長で、マッカーサーの英文憲法原案、草案というものを松本国務相、そして吉田茂外務大臣に手交をされました。そして直ちにその後、それが二十一年の二月十三日でございました。それが三月四日には、日本政府の憲法改正草案としてGHQの係官のところで、当時の佐藤第一部長は徹夜で英文からこれをまた日本語に翻釈するというような作業をいたし、翌五日には早くも閣議決定になり、天皇の裁可を得て、六日には憲法改正草案要綱として発表をされている。このように、きわめて短時日の間に作文され、ほとんど日本側の要望が入っていなかった。これは法律技術的にも非常に問題が今日まで残されておるわけでありまするが、そうして同年の十一月には公布されたというような、きわめてあわただしい中にこの憲法が制定されたということも、われわれは事実として認めざるを得ないわけでございます。  以上の経緯から見ましても、条文上条理を欠いたり、あるいは不合理であったり、不備の点も少なくありません。しかし、われわれ与党、政府、あるいは国会の立場におきまして、問題が起こりまするならば、そのつどこれを弾力的に解釈し、あるいは運用を行なって、幅のある憲法として運用される。それがある程度の評価をされておるというふうにも思われるわけであります。しかし、憲法調査会の報告をもととして現行憲法の基本的な諸原則を取り入れつつ新たな発想で新憲法を検討することは、必要ではないかと思うのであります。  そこで、具体的に二、三の問題について申し上げてみたいと思うのでありまするが、まず憲法調査会が三十一年に設けられた経緯については、本来ならば国会の中に設けたいということでありましたが、それができなくて内閣に置かれました。しかし私は、今日あらためて国会の中に与野党一体となって、超党派的に日本国憲法の新しい姿はいかにあるべきかを検討する、そのような正式の機関を国会の中に設けることはどうであろうか、このことをまた提案をしてみたいと思うのであります。憲法は一党のみによって改正されるべきものではないと私は確信をいたすのであります。好ましいことではございません。したがいまして、そのような与野党が一体となってお互いに意見をかわす土俵、場所というものが必要ではないか。その中から生まれてきた、憲法改正を必要とするならばその改正を必要とする点について提案があれば、総理はこれをどう受けとめられるか、この点をまず伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) まあ、憲法に関する問題これは簡単な問題じゃございません。基本的な問題でございます。いわゆる洋服——成長する人の洋服、そのように考えられてはこれは困る。そんな、十二歳の子供の洋服が壮年期に来ているからと、こういうようなことで憲法に取り組まれるその姿勢は私は間違いじゃないか、それじゃ私ども国民は納得しないと思います。政党の中に、そういう問題について絶えず検討されること、これは政党の当然の役目ですから、これはやられてけっこうだと思います。私はまあ総裁としてその点をとやかくは申しません。また、ただいまもお話しになりましたが、制定当時の事情については岩動君もよく御承知のとおりでございます。それについて異を唱えるものではございません。しかし、岩動君も言われるように、もう現行憲法は実施されてずいぶん長くなる。国民の血となり肉となっておる。そういうこともございますから、こういう点は十分生かしていくべきだろうと思います。私は、いま問題を提起されました、もちろんこの問題は超党派的というか、あるいは必要があればこれは国民とともに憲法の問題は取り組むべき筋のものでございますから、私は超党派的にそういうことで意見の一致を見ること、これは望ましいことだと思いますが、しかし、ただいまのところ、わが党自身、この問題をいかに扱うかということも、一党ですからまだきまっていないはずであります。したがって、まだその超党派で国会に調査会を設けようという御提案をなさいましても、これからはたしてそういうことに皆さん賛成してくださるかどうか、その辺をまず考えなければならないことで、ただいまのように先走った話を続けてお尋ねになり、また私がお答えする、こういうことはできないように思います。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 当然のお答えで、私もそのようなことになろうかと思っておったのでありますが、わが党の憲法調査会は、むしろ自主憲法を持つ持つと言っておりながら、具体的にどこをどうするのだということが明示されておりません。それが問題なのです。われわれは決して軍国主義復活するものでもないし、先ほども申しましたような基本的な姿勢で、この問題を検討したい、かように考えておるわけであります。さような観点から、具体的に検討をしなければならない重要な事項を私ながらに二、三あげてみたいと思いますが、一つは天皇の地位、これは先ほど外国旅行の件について触れたわけでありまするが、国の代表者としての明確性に欠けていないかどうか。ある場合には天皇陛下でありある場合には総理大臣であるといったような見解を示す学者もございます。このようなことはやはり明確にしておく必要があるかどうか検討に値する事項ではないか、かように思うのであります。あるいはまた、憲法改正といえば九条が直ちに出てまいるわけでありまするが、この点についてまず防衛庁長官に伺いますが、自衛権というものは一体これは法的な根源はどこにあるとお考えになりますか。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 憲法第九条に基づきまして、国家が急迫不正の侵害を受けましたときには、これに対してみずからを防護するということは自衛権であるといわれ、それは憲法においても認められておるところであると思います。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 憲法上は明確な表現で自衛権ということは出てまいりません。いろいろな側面的な解釈からこのようなものが出てくる。あるいは自然発生的な自然法的な自衛権であるのかどうかという問題が法理的に一つ出てくると思います。そういう意味において、私は、この問題も、やはり自衛権があるならあるということを憲法に明記すべきかどうかを検討する必要があるのではないか。そこで一つ伺いたいのでありますが、自衛権は行政権のうちに入るかどうか、これを伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 法律の専門家の法制局長官にお願いいたしたいと思います。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 念のために、ここで、自衛権は行政権に入るかということでございますか。——のように承りましたが自衛権そのものはこの国家存立に関する本来的な権能でございますから、それが行政権に入るかどうかというのはあまりぴんとこない感じでございますが、おそらくお尋ねの趣旨は、自衛権の行使の問題かと思います。で、自衛権の行使の問題でありますれば、これはいわゆる立法でないことも明白ですし、司法でないことも明白である。まあ、行政の中に入るというのが正しい答えであろうと思います。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 それでは、自衛権というのはいわば俗語であって、これは行政権のうちに入る一つの政府の行為を意味するもの、こう解釈してよろしいのですか。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 自衛権というのは、いま申しましたように、国家の存立に関する基本権であるという意味で、自衛権が立法、司法、行政のいずれに入るかという問いといいますか、それに対する答えを申しますか、それが必ずしも的確に申せないような気がいたします。自衛権の行使、つまりそれは武力の行使、つまり、外敵に対して国家を守るというその当該行為そのものは何に入るかといえば、それは広い意味の行政に入るであろうということを申し上げたわけです。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 そういたしますると、行政の中に入ると、そこで初めて私はシビリアン・コントロールという問題が結びついてくる。自衛隊法で総理大臣が最高指揮権を持っておられる、憲法においては国務大臣は文民でなければならぬ、そして内閣はこの国務大臣をもって構成される、そして行政権は内閣に帰属する、こういうような論理を展開して初めてシビリアン・コントロールというものが法律的には堅持されている。私は、かような意味においてなかなかわかりにくいシビリアン・コントロールではないか、かような意味においてシビリアン・コントロールの問題を憲法の条章の中に取り入れていくことを検討してみたらどうだろうかということも一つの問題点として考えておるわけであります。  また、私どもは、軍国主義ということでよく自民党が非難され、あるいは中国から佐藤総理もいろいろな、非難を受けておられるわけでありまするが、軍国主義でないということを何か憲法に規定する必要もあるのではないだろうか、単に国会の答弁だけで済む問題ではない、かようにも考えられるわけでありまするが、これも意見として申し上げるだけにとどめます。  なおまた、憲法改正といえば徴兵制度だということもよくいわれまするが、これまた、私は何ら法律上、現行憲法にも、あるいはその他の法律にも明記されたものはございません。それが一つの誤解を招いてまいる。この点についても何らかの方法でこれを明確にしていくべきではないだろうか。これはあるいは憲法の問題ではなくて法律でもできる問題ではないかと思いまするが、この点についてはどのようにお考えでございますか。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 一般に、軍国主義でないということを抽象的な憲法の規定に書くというのはどういうものかと思いますが、しかし、おっしゃいますように、いろいろな面における問題というのがございますし、また、現在の憲法を平和主義に徹している憲法だというようなことから見ますと、日本の憲法が軍国主義を否定するものであるということは十分に説明ができますけれども、なお、おっしゃいますように、いろんな諸問題について憲法の上に明記したらいいではないかという御意見は、御意見としてりっぱなものだと敬意を表するわけでございまして、憲法に書くかあるいは法律に書くか、それはものの軽重によると思いますが、むろん徴兵の問題について法律に書くこともこれまた可能だと思いますが、ただ、いままでよくいわれておりますように、徴兵制度は憲法のもとではどうかと。確かにそれを表から書いてございませんから、いろいろ私どもも質疑を受けますが、これはやはり憲法の解釈からいって、ある具体的な結論に到達することもまたできるわけで、これも私の口から申しておりますが、しかし、そういうものを明記すべきであるという御意見は、いまも申し上げましたが、憲法であれ、法律であれ、立法的な解決方法を講ずるということについてはいずれにしても可能であろうと思います。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 九条問題はこの程度にとどめますが、なお、われわれの関心の深いのは、国会の両院制度の問題でありまするとかあるいは八十六条の予算に関する条項なども法律技術的にはいささかおかしいような感じもいたします。憲法八十六条では、内閣は予算を国会に提出する——予算案ではないんです。でありまするから、ただいま私どもが審議をいたしておりまするのでは、予算の案ではなくて予算そのものを審議している。これは一体、法律は法律「案」でありまするが、この点はどのように解釈をしておいてよろしいのか、この機会に伺っておきたい。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) どうも、十分御承知の上かとも思いますので御答弁がつらいわけでありますが、法律案は法律となるという考え方を憲法はとっておるわけですね。国会の議決によって法律案は法律となる。で、予算のほうは確かにそういう考え方によるやり方というのもございましょう。したがって、予算として成立するまでは予算案としてやっていくという考え方もありましょうが、予算は議決をして執行されるというような考え方をとっておるわけですね。国費を支出するには国会の議決が必要である。その議決の材料といいますか、それが予算、したがって予算が成立しなきゃ、つまり予算が議決されないと、いわゆるその支出権が獲得できませんで執行ができないという仕組みになっておるわけで、予算案という名前にしないからおかしいということには必ずしもならぬと思いますが、それもしかし、そういう方法をとることができないというわけではございません。まあ、説明になったかならないかよくわかりませんが、それだけ申し上げます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 もう一つ、憲法の条章でいささか私どもも苦しい、あるいはこれは政府も苦しい立場で行なっていると思うのでありまするが、私学やその他のものについての助成について、これは公の支配があれば助成はできるけれども、ないものについてはできないということが書いてあるわけです。ところが、現在の私学、私立学校法では、公の支配があるということを前提にしていろいろな助成措置が講ぜられていると、このように・解釈してよろしいのでございますか。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 憲法八十九条の御指摘でございますが、憲法八十九条の問題は、確かに率直に言って実は弱る規定であります。憲法調査会でも、あまり政治的でない、まあ実務的な、あるいは国情に合った憲法の規定を考えるという意味合いにおいて憲法改正論を考えます場合に、一番最初に出てくるのが八十九条であると言ってもいいぐらいに八十九条は問題だと私も思います。  いまのお尋ねはその解釈問題に関連してでありますが、確かに日本のような国において慈善、博愛、教育の問題について、国費が公の支配に属していないものには出せない。逆に言えば、公の支配に属させることによって国費が出せるというふうにも解される憲法の規定が、規定の真の精神がそこにあるかどうかはわかりませんけれども、実際の日本の国情に合わすようなことをするにはやはりそういう解釈もやむを得ないのではないかというようなふうに考えまして、いまの私立学校法あるいは学校教育法その他の規定には、そういう補助と監督の相関関係を規定したものがございます。まあ、そういうことで始末をしておるわけでありますけれども、国会でもそういう法律を御制定になっていただいておりますから、そういう解釈がいまや公定的に是認されていると思いますけれども、正直に憲法の規定に立ち返ってみますと、その辺はやや問題があるように思います。そういう意味で、ごく事務的に考えて、つまり政治的でなしに考えて、八十九条のような規定はやはり問題点の一つであろうと、正直に言って、そう思います。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 時間もありませんので最後に総理に再びお尋ねいたしますが、総理は憲法問題については深い理解を持っておられると私は思うのであります。ただ、問題はもちろんきわめて慎重にこれを取り扱っていかなければならないというお立場であることも十分に承知をいたしております。しかしながら、先ほど申したように、まず総理も私に対してたしなめるようなおことばを申されたわけでありまするが、国会の場に持ち出す前にまず自分の党で考えてみなきゃいかぬじゃないかというような趣旨を申されたわけでありまするが、私どももこの点については、先ほど申したように、党内の正式の機関で憲法改正の問題点の検討を始める。それはいたずらに改悪だとか、再軍備だとか、徴兵だとか、軍国主義だとか、こういったようなことが絶えず流布されております。これは私どもはなはだ迷惑をしておるところでございまするので、むしろそのような声が出ないように、そのような基本的な理念をむしろ示すというところから進まなければならないわけでございまするが、したがって党でそのような基本的な要綱ができた場合には、総裁としてはやはりこれを慎重に検討をしていただきたいと、かように存じまするが、いかがでございましょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 憲法問題はもちろん各政党とも絶えずいかにあるべきかということをいろいろ検討しておられることだと思います。私は、わが党はわが党なりにやはりこれと取り組んでおると、これがいまの現状だろうと思います。したがって、いまやっていることをおやめなさいということは申さない。しかし、国民の理解なくしてこれが実を結ばないことは、これはよくお考えをいただきたい。ただそういう意味で、国民にいかに説明するか、またいかに訴えるか、そういう国民の共感を得るような方法でなければ、これは実を結ばないということが私としては申し上げたいのです。また、いま言われることもそういう点にあるだろうと思います。改正と言えば必ず軍国主義化するんだと、その方向の改正のみが議論になると、しかしさような点ではないのだ、そういう点は触れませんとか、あるいはこの点について、いま言われた、たとえば私立学校——私学に対する補助だってできないじゃないですか——そういうものは思い切ってこの際やりたいとか、そういうような点がもっと、現在の現行憲法がかかえておるいろいろの問題がある。そういう問題に対して国民に訴えて、国民の納得がいって、国民も了承されて、そのときに初めて改正に取りかかると、こういうことが問題だろうと思います。利は、いまは問題を指摘する段階だと、その指摘が十分できておらないうちに直ちに改正案と、こうなるとそこにギャップが出る。それがどうも理解されない、こういうことで問題であろうと思います。  以上のような点で、いまやっておられることをおよしなさいとは申しません。これはぜひとももっと成熟するようにその検討は続けていただきたいし、国民にほんとに共感を得るように、また国民の支持を得るように、そういう方向で検討は進めていただきたいと、かように思います。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 もちろん私どもは国民に向かって理解を得られるような、そういう検討をし、そして案もつくってまいりたい。その手がかりとして今度やってみようかと、こういう話になっておりますから、その点は十分に御理解を賜わりたい、かように思います。  さて、私は先日来OPECの諸国が、原油の値上げを契機として、いわゆる世界における石油戦争、これが起こったという現実に直面をして、エネルギー政策について若干お尋ねをいたしておきたいと思いますが、まず、当面はたして値上げの交渉が日本側において、消費国として全面的にこれを受けるようなことがあってはならない。したがって、政府もこの点についてはいろいろ苦慮しておられると思いまするが、これらの見通し並びに今後の対策、そしてそれが物価に及ぼす影響はどのようになるか、この辺をまず伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 今回のようなことが十年この方実はございませんでしたために、消費国は一様に戸惑っておるのが現状であると思います。しかし、事の根本を考えてみますと、産油国とメージャーとがきめましたことを、そのまま消費国がかぶらなければならないという理屈は本来あってしかるべきでないと考えておりますので、国内の業界、精製業界に対して私どもとしては安易にこれを受けることがあってはならない、また安易に需要家に、ユーザーに転嫁できるという前提のもとに考えてはならないということを申しました。そういう立場からメージャーに対して話をするように申しております。同時に、それに対しては政府としてあらゆる支援を惜しまないということを申しておりますような次第であります。  しかし、いずれにいたしましてもメージャーの立場、ことに再開発のための投資というようなことを考えますと、このたびのような引き上げを承諾せざるを得なかった、供給が断たれるという、いわばおどしの前にこのたびのような引き上げを受けざるを得なかったという背景そのものは全く理解できないというわけのものでもございませんし、またその幅というものも非常に大きなものでございますから、われわれとしては最善の努力をする。しかし、決してその結果というものは楽観していいものではない。いずれにいたしましても相当大きな影響のあるできごとであろうというように考えております。ただ、ただいまの段階ではわれわれがそのような最善の努力をいたしておるところでございますから、国内の各製品にどのような影響を与えるかというようなことについて申し上げ得る段階ではございませんし、また申し上げることが必ずしも適当ではない、このように考えております。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 メージャーの言うとおりにかりに値上げになったとすれば、どの程度の負担を日本としてはしなければならないのか。そうして五年先までの話でありまするから、五年先にはどのようになるか。また、これに対して外貨はどのように使われるか、外貨の状況等についても伺っておきたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 仮定の問題として単純に計算をいたしますと、昨年秋から十一月ごろにかけてございました第一回の値上げ分が十一セントぐらいと考えられると思います。このたびのものを二十八セント程度と考えて計算をいたしますと、二千億程度の影響があるはずでございます。  それから今後五年間のあの方式を計算してまいりますと、年ごとにそれがそれだけ加算されていくということになるわけでございますが、外貨といたしましては、それでございますから、まず六億ドルを中心に上下というふうに考えられるのではないか。これはしかしただ単純に計算をいたしただけのことで、われわれがそれを受け入れるといったような前提で申し上げておるわけではございません。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 大蔵大臣に伺いますが、いま単純に仮定の計算をいたしましても、年間六億ドルは上積みとして外貨を使うと、そういたしますると、外貨が五十億ドルをこしたとか何とかいっておっても実質的にはまた減っていく傾向になるんじゃないか。そういう意味からも、私は昨日木村委員の質問等で、円の切り上げの問題等がいろいろ議論されて、大いに防衛あるいはその説得をすると、切り上げはしないんだということですが、これも一つの大きな要素になるんではないかと思いまするが、しかも五年先には石油の輸入量は、やはり現在の二億キロリットルからおおよそ三億キロリットルになろうということになりまするから、外貨負担はさらに大きくなるのじゃないか、これらの点について伺いたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 御指摘のようにこのOPEC問題はかなりわが国の国際収支に影響がある、いま通産大臣が六億ドルと、こういうふうに申し上げましたが、これをなるべく減らすように通産大臣が努力を、全力をあげて努力をしてもらいたい、こういうふうに思いますが、いずれにいたしましても外貨上のかなりの負担になる。しかしまあそれがわが国の国際収支全体にどういうふうに影響してくるかとこういうことになりますと、いまかなりゆとりのある国際収支の状態でありますので、まあ不安というような状態はございません。ただこの先の資源問題、あるいは鉄鋼石もあります、原料炭もあります、その他のもろもろの資源を海外に依存をしておると、こういう問題の最も重大な石油資源、こういう問題としてどういう対処の方策をとるか、これが非常に重大な問題になってきておるという認識で、むしろ国際収支というよりは私の頭はそっちのほうに動いておるとかように御了承願います。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 先ほど仮定の問題ではありまするがすでに、物価全体については仮定の問題になろうかと思いまするが、ガソリンについてはもうすでに一日から上げたという話になっておりますが、この辺はどうなっておりますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 従来からスタンドの売り値というのはレギュラーもハイオクタンもかなりまちまちなことは御承知のとおりでございますので、はっきり全体的に上げたというようなことは私ども受け取っておりません。またそういう状態としては把握しておりませんが、一部昨年の値上げ分を三月あたりから実施しようかというそういう相談が特約店との間で一部にあるというような報道を聞いております。今回の問題はまだ未決着でございますので、それを理由にして値上げを早々とするというようなことはこれはきわめて不適当なことで、そういう事実は私どもまだ存じませんけれども、もしそういう相談でもありましたならばこれは警告を発しなければならないことと考えております。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 警告を発するだけではたして値下げは行なわれますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これはこのたびの問題を全体をどう処置するかということがわかりませんと、実はガソリンだけに追っかけるというようなことも理屈としては合わないはずでありますし、ガソリンスタンドはどちらかと言えばこれはもう明らかに国内でセラースマーケットでございますから、そういうことから考えますと単純にそういうことが起こり得るとは私ども考えないわけでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 今度の問題につきましては、情報がきわめて不足しておったというようなことがよく言われるのでありますが、今後このような問題を、石油はもちろんのこと、その他の海外資源についての情報をシステマティックに集めて、そして対応していかなければならないと、この点についての政府側の関係機関の御答弁を伺いたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これははなはだしくその点を痛感いたしておりまして、在来はすわっておりますと安いものを売りに来たような状態でございました。いわばバイヤーズマーケットでございましたが、そうでなくなるきざしがもうかなりはっきりしておりますので、情報網というものをよほど強化しないといけない。私ども石油開発公団もあるいは金属探鉱公団も御承知のように外国に何人かの情報官を出しておるにはおるのでございますが、はなはだ実は数が少のうございまして、四十六年度でも少しそれを増員したいということを考えておった矢先でございます。しかしそれにいたしましても全部集めまして十人には達しない、十カ所に達しないのでございますから非常に心もとのうございます。それで当面の処置といたしまして、これは先般来外務大臣にもお願いを申し上げまして、各在外公館でも非常にこの問題に着目をしていただくことになりましたし、また私どもはさしずめジェトロではかなりの全世界に網を持っておりますから、しろうとではあっても資源の問題、ことに石油の問題については自分の仕事であると考えて、いわば情報の収集につとめてくれるようにということを先般通達をいたしたようなわけであります。これはいずれにしてもしかししろうとの情報になりますが、地図を読むということになりますと、これはほんとうに専門家でなければどっちみちできないことでございますから、情報の端緒をキャッチするということはやはり非常に必要なことだろうと考えておるわけでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 そこでまた消費国と産油国、そしてメージャーという第三帝国みたいなものがあるわけですが、これらで話し合いをすれば、これを国連の中に持つか、あるいは別の機構として考えるか、これらは外務省としてはどのようにお考えになっていますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 現在までのところ石油についての国際会議あるいは常設の委員会といったようなものは全然ございません。そこで先ほど来の御質疑や御意見に関連してでありますけれども、日本の立場というのが非常に独得な立場であるわけであります。つまり最大の輸入国と言えるかと思いますけれども、その立場であると、そして従来はメージャーとの関係はないわけですから、構成員じゃないわけですから、それから別に OPEC諸国との間にも相当な経済協力関係を持っているわけですから、できるならばそういった諸国に対しまして日本として自主的な資源の開発をやりたい、これはいろいろの努力をすでにしておるわけでございます。こういう立場におりますからやはりこういう問題が起きたからといって、こういうことばを使うわけでは決してないのですけれども、やはり外交という立場から言っても、資源外交とでも申しますような立場で、日本独得の立場で国益をはかっていくということをしっかりしたいものだと、かように考えまして、いま通産大臣からも御説明がありましたが、通産省と外務省とも緊密な連携をとりまして、従来もいろいろやってきたつもりでありますけれども、この際この機会に一般と、石油だけではなくて、これから木材にしても、非鉄金属にしても、その他たくさんの問題が予想されるわけですから、こういう点に着目をいたしまして大いに資源外交の実を上げていきたい。こういうふうに考えております。もちろん国際会議等で招請されればこれに加わることはもちろんでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 通産大臣、割当制度をおやりになるとか標準価格制度をおやりになるとかということが伝えられておりますが、これはどのようにお考えになっていますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど申し上げましたように今回の値上げの波をもろに受けるということははなはだ理屈の乏しいことであると考えますので、それがそうならないために私どもとしてはあらゆる方法を考えてみる——実は私が事務当局に出しました研究課題の一つでございます。これが実現いたしますと、最も有効に割り当てられた外貨を使う、こういうことになりますので、安いものを探して買うということに一番簡単になるわけでございますけれども、それはそれなりにまたそこから生まれ、派生するいろいろな問題もございましょうと考えますから、ひとつ研究をしてみるようにということを実は申しました。それから標準価格の問題は従来いわゆる乱売、設備の乱設の結果を防ぐ意味で使われたことが一度かございましたけれども、このような実態に対処して考えたわけではない制度でございます。したがって、これが適切に動くかどうかということに問題がございますけれども、これはひとつ研究はしてみるようにと申してございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 中期的な対策として、あるいは長期的な対策として自主開発の問題はどのように進められますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは昨年来資源のことはいろいろに申しておりましたけれども、石油というものがこのようにセラースマーケットになるきざしが出てまいりましたのはきわめて最近でございますから、私どもこの問題についてはいままで考えておりましたことを少し根本から考え直してみなければならないということになってまいったと思います。そこで今年明けますと同時に、この八月ごろを目途にいたしまして、全面的に各要素を検討してみるようにということをまあ私どもも役所としては、いま一番大切な問題として全省をあげて研究をいたしております。その一つは、ただいま御指摘のように、われわれがこれからどうやって自分の石油資源を開発していくかという問題でございます。で、先ほど外務大臣も言われましたが、産油国とわれわれとが基本的に対立をしなければならない理由はないわけでありまして、これは産油国のたとえばイランのパーレビ国王などもしばしば言っておられるとおりでございます。しかもそれらの国は、私どもと彼らの欲するような経済協力との関連において一緒に仕事をしていくということを決して拒否するような姿ではない、むしろ歓迎するというようなふうにも見られます。そういうことについて、われわれがどれだけのことをなし得るかが一つのテーマであります。で、それをどれだけの長期の財源を確保し、どういう仕組みでやっていくかというのがただいま私が省内あげて検討しております一つの大きな課題でございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 備蓄の強化も必要であろうかと思いますが、この点についてはどのように考えておられますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 現在われわれの持っております備蓄が大体四十五日と一般には言われておるわけでございます。これは船の上に載っておりますものはそのほかでございますけれども。で、新しい設備増設を許しますときに、大体備蓄能力を六十日持つようにという行政指導はすでにいたしております。現実にはしかし、ものとしては四十五日ということになっておるわけであります。そこで、これから先備蓄をしていくという問題は確かに御指摘のようにあるわけでございますが、相当大きな財源の要ることでありますし、それを国及び企業のどのような負担においてやっていくかという問題、それから一定の財源をこの問題に充てるというときに、タンクをつくって備蓄をするのがいいのか、あるいはむしろタンカーをたくさんつくるということのほうが有効であるのか、どちらが財源の有効な使い方であるかというような問題もあろうと思います。そういったような問題をひっくるめて、ただいまこれも八月までには結果を出したい検討の課題の一つでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 先ほど伺うのを忘れておりましたが、沖縄に進出をしておる会社に対して、何か今回の値下げについてのアクションおとりになったかどうか、そこを伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 沖縄に進出しよう、あるいは進出いたしました会社については、どうもかけ込みではないかという問題のある会社がございまして、これは総務長官ともつとに御相談の上で、沖縄とわれわれとが一緒になりましても、その会社は当然日本の石油政策の適用を受けるということと、それによって従来内地で行なわれておった石油の需給あるいは精製関係との影響は調整を当然するということは以前から申しておることでございます。したがってその政策に変更を加えるつもりはございません。ただ、沖縄となりますと、相当大量の原油を一度に輸送し得るような状態にあるわけでございますから、それについてはある程度の事実上の値引きを申しますか、コストが違うわけでございますから、そのことは考えてしかるべきではないかということは、実は申してやっておるところでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 きのうの日中コミュニケの発表において、浅海海域における企業については非常な侵犯であるというような内容があったのでありますが、これについてはどのようなふうに外務省はお考えになっておられますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 昨日のコミュニケの問題というよりも、大陸資源の関係につきましては、実はこれは領土主権の問題とは別な問題ですから、よく領土主権の問題と混淆されるおそれがございますけれども、同時に、しかし大陸資源につきましても、これはいずれの国におきましても大きな関心を持ち、また国際通念上からいいましても権利権原を主張し得る立場にあるわけです。ところが、非常に広範にわたって海底の資源というものがある種類の問題ですから、そういう問題についてはやはり友好国間で十分相談し合って、そして新しい資源の開発をすべきものであると、これが政府の基本的の態度でございます。したがいまして、沿岸国と申しましょうか、国々との間で十分協議をいたしまして結論を出して、そしてそれによって資源の開発を協力してやるという態度で関係国との間にあるいは協議をし、あるいは抗議を申し入れ、あるいはその他外交折衝しておるというのが現状でございます。今後もそうしてまいりたいと思っております。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 時間がないので問題点を省略してまいりますが、石油が日本のエネルギーの大部分を占めておる現状でありますが、こういう事態を考えますると、それの代替のエネルギー、まあ原子力等があるわけですが、これをどのように考え、どのように展開し、どのように推進していくか、これについてのお考えを伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 石油がわが国のエネルギーの七〇%——一次エネルギーの七〇%というシェアを持っておりますが、その状態はおそらく今後十年ぐらいはやはり続くのではないだろうかと想定をいたしております。その間に石炭と原子力との位置の入れかえがあるというふうに、大まかに申しますとそのような想定をするわけですが、昭和六十年ごろには大体原子力を、かつては三千万キロワットぐらいと考えておったのでございます。昭和四十二年ごろのエネルギー調査会の長期需給ではそう考えておりましたが、まあ六千万キロワットぐらいは持ちたい。そこで、それをただいま原子力部会で具体的にどのように、申してみれば、立地するかということを具体的な研究をいたしております。幸いにして現在までのところわが国の原子力発電は比較的順調に進んでおります。これで安全性が操業によって立証されてまいりますと、各地で比較的抵抗なく、準備さえよければ受け入れてもらえるのではないかとも思われますので、従来の計画をほぼ倍ぐらいに、昭和六十年を目途にして考えたいと思っておるところでございまして、大体六千万キロワットを考えております。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 同じ問題について、科学技術庁長官。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 将来の日本のエネルギー源としましての原子力発電につきましては、ただいま通産大臣のお答えになりましたとおり、所期の計画を上回って現在進捗いたしております。昭和六十年ごろには六千万キロワットくらいに到達するものと考えております。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 新しい原子炉の開発等についてはどのようにお考えになっておりますか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 現在の原子炉は軽水炉中心でございますが、燃料の効率をあげるために将来新型転換炉あるいは高速増殖炉、これらにつきまして鋭意開発を進めておるところであります。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 以上、いろいろな問題について触れたわけでありまするが、エネルギーの自主開発、そして先ほど大蔵大臣も言われましたが、外貨の問題よりもむしろ海外資源の確保の問題、こういうことに重点を置いて、今後財政当局もお進みになるということで、はなはだ心強い御答弁をいただいたわけでありまするが、どうかこの海外資源の確保、そしてそれは経済協力にも新しい分野で新しい方法も考えながらやっていかなければならない、かように思うのでありまするが、これらの点について大蔵大臣の財政的な立場から、どのようにこれをさらに進められるか、具体的に。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 昨日、社会党の木村議員との応答にも申し述べたわけですが、どうもこれから資源問題というものがわが国経済の成長を制約すると、そういう大きな要因になりかねないと、かように見ておるのです。そこで、資源問題というもの、また労働力問題と相並んでこれからの経済政策の二大課題と、支柱とでも申しましょうか、そういうふうに私は見ておるのです。そういう角度から、いま大蔵省当局にもいままでのいろんな考え方もある、しかし、もういままでの考え方にとらわれないで、この二つの問題で取り組むと、どういう構想ができるかということをいま検討もさしておると、こういう段階でございます。いずれにいたしましても、資源問題、これは非常な大事な問題です。私はこの間事務当局に試算をしてもらいますと、わが国の資源を確保しておるその地域が非常にいま遠いんです。そういうような関係でまた資源の輸送の問題というのが問題になってくるわけです。原油につきますると、トンキロ計算で言うと、実に二〇%、鉄鉱石は五〇%、原料炭は七〇%、太平洋、大西洋、インド洋、たくさんの船が往来しておりますが、それらの船がそういう比率においてわが国に向かっておると、こういう状態です。輸送の問題も含めまして、何とか画期的な対策をとらなけりゃならぬ、またとりたい、かように考えております。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 総理、いまのように関係大臣からそれぞれ前向きに今回のOPECの石油戦争を契機として対策を考えておられますが、総理としてはこの日本のエネルギー政策あるいは資源政策、これについての基本的なお考えをこの際伺っておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 日本の産業を考えてみて、原材料は大部分外国に依存している。ただいまのそのうちでも原油は最も依存度の強いものでございます。ほとんど一九八〇年代になれば、一〇〇%に近いものが外国に依存するんじゃないのか。現在でも九九%の一わが国の国産で出ているものはコンマ幾らかという非常に少量でございます。さらに鉄、銅あるいは石炭、これは粘結炭ですが、原料炭、あるいは原毛、木材、すべてが外国に依存しなければ日本経済は立ち行かないんです。しかもすべての原材料を外国に求めて、それを国内で生産、製品化し、それを外国に輸出して、そして日本の経済をささえておるというのが現状でございます。したがいまして、わが国にとっては外国資源の原材料を確保するという、これはたいへんな問題だと、最後に大蔵大臣が申しましたように、輸送の面でもわが国の船の積み取り比率、これは五〇%を切っておる。他は外国船によらざるを得ないと、こういうような状況でございますから、わが国の行き方として、しかも自由を守り平和に徹すると、その理解のもとに十分に開発途上国等の協力も得られると思っております。何よりもこの資源を確保するという、それが力でなしに、ただいま申し上げるような新しい行き方のもとに外国の協力を得るのですから、そこに問題があるわけです。したがって、それが経済協力あるいは資源開発、発展途上国に対する援助と、こういうような形でようやくわが国の姿を理解してもらい、新しい協力関係を打ち立てられると、こういうことでございますので、私どもいま悩みに思うもの、ひとりOPECだけの、石油だけの問題ではありません。すべてにあたって、これがうまく確保されない限り、日本の経済は立ち行かないのだ、そこに思いをいたしながら、日本の進むべき道は各国に理解してもらうことだ。それがやはりどこまでも自由を守り平和に徹する、そういう国柄だけに。したがって、幸いにしてただいま外貨も相当持っておる。そういうものが発展途上国に役立つような方向で使われることを実は願っておるわけであります。もちろん日本自身の姿勢を正すことが第一でありますけれども、同時に、発展途上国に対する援助は一対一の関係でなしに、多数国と発展途上国との関係、その多数国の一員である日本と発展途上国との関係と、こういうような形においてもやはり協力援助、これが最も大事なことではないだろうか、かように私は思っておる次第でございます。ありがとうございました。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 四十六年度の予算税制においてもかなり前向きの措置はとられておりまするが、なお一そう今後御努力をお願い申し上げておきます。  終わりに、核防条約の調印を昨年いたしたわけでありまするが、その後査察の状況についてIAEAとの交渉の状況、そしてその内容等、詳細にお答えをいただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 核防条約、それからIAEAの査察問題につきましては、かねがね岩動委員が非常な御熱意を傾けられて、政府といたしましても非常に感謝しております。  この平和利用の査察問題は非常に専門的になりますから、私で御説明しきれないと思いますけれども、概略を申しますと、御承知のように日本としてはヨーロッパ並みといいますか、他国と同等の程度の合理的で、そうして簡素な査察でなければいけないということを大原則にして、そうしてIAEAの専門家会議に臨みました結論として、まず所期の目的は達せられつつあるというふうに判断いたしておりますが、その効力が発生するのはまだ数カ月あとになると思いますけれども、しかし、この査察の問題はそういった原則がもちろん大事ですけれども、同時に実際のその査察を受ける立場に立ってみて、十分その理解と納得が得られるものでなければならないと私はかねがね考えておるわけでございます。従来日本の受けておりましたIAEAの査察というものは、もうきわめてめんどうで、きわめて複雑で、こんなにまでする必要があるかと、まあ率直なことばで言えば——そういうことで関係の企業などもずいぶんとこれには閉口しておられたわけですから、そういう実態の上に立ちまして、簡素で合理的なやり方で、かつヨーロッパ並みということが確保できるように、この上とも細心の注意を払っていきたいと、そういうふうに考えておるわけでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 具体的に。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 大要は外務大臣からお答えになったところでございますが、補足して申し上げます。  核兵器不拡散条約に基づくところの保障措置のあり方につきましては、昨年の六月以来IAEAの保障措置委員会というものができまして、その場において各国参加の上に熱心な審議が続けられてまいりましたが、わが国が主張してまいりました最も大事な点は、保障措置の簡素化、合理化をはかるということでございますが、この方向で保障措置協定の大体の骨組みは一応でき上がったと、かように認識をいたしております。  そこで、産業界が一番心配をされております点は、言うまでもなく、商業機密の漏洩、あるいはまた産業活動の阻害、こういうことでございますが、ただいままとまりつつありまするところの協定によりますれば、査察員は——もちろんこの査察員はIAEAがちゃんと機密保持の義務づけをいたしておりまするけれども、なおこの協定案に取り入れられましたところの内容によりまするというと、査察員の立ち入りの特定個所への制限をするということもございますし、それから査察業務量を限定をする、こういうような点がその内容に取り上げられておりまするので、こういうような協定が実現をいたしました場合におきましては、商業機密の保持上有効に働くものであると考えております。それからなお外務大臣からお話がありましたように、査察を受けるという立場に立ちまして、われわれといたしましても保障措置の改善、合理化につきましては、国内の核物質管理制度の充実をはかる、あるいはまた保障措置技術の開発を積極的に進めるというようなことをいたしまして、産業活動が阻害されることのないように十分これからも配慮してまいるつもりでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 立ち入り検査の実際にはどのようなところまで話ができているのですか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(西田信一君) 専門的なことでございますから、政府委員から答弁させます。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○政府委員(梅澤邦臣君) お答え申し上げます。  現在の査察におきましては、立ち入りにつきましてはどこでもはいれる形になっております。今度はその立ち入りにつきましては特定の場所をきめまして、その場所しか入らないという形、やむを得ず何かがございまして、もしも入るという場合には、同意をしなければ入れないという形になるのが一つでございます。  それから数につきましては、向こうから日本に査察に来ます制限でございますが、これにつきましては大体一つの炉に対しましてマキシマムどのくらい入るかということが数できめられまして、それにつきましては日本の何といいますか、制度がよくできていると、そういうような信頼度でその数を減らしていくという立場がとられることになっております。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 この調印から批准へは直ちにつながらないということは、昨年のこの予算委員会でも政府側から確認を得ておったわけでありまするが、どうか、これはきわめて大きな国益につながる問題でございまするから、さらにわが国益の立場から、そうして原子力の平和利用、そうしてエネルギーの代替物としてきわめて大きな役割りを果たす二十一世紀へ向かっての事業でありまするから、この上とも慎重にこれらの問題に取り組んでいただきたい、かように思いまするが、最後にこの点について総理から……。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) できるだけ早く批准の手続をとれるような、そういう状態になることを私も心から希望しております。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 以上をもって岩動君の質疑は終了いたしました。     —————————————

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 次に、達田龍彦君の質疑を行ないます。達田龍彦君。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 まず私は沖縄問題について御質問いたしたいと思うのであります。  いま沖縄の当面する問題といたしましては、たとえば毒ガスの問題あるいは捜査権、裁判権の問題あるいは実弾射撃等の問題等ございますけれども、私は本日の質問の中で、当面する最大の課題である沖縄返還協定について、中心をここに求めて質問をいたしたいと思うのであります。  そこで、報道されるところによりますと、沖縄返還協定交渉が第一次案においてすでにアメリカと合意に達しておるということが言われております。また、アメリカ側もスナイダー駐日公使がこれを持って二月五日に帰国して、米側との首脳間での最終協議がなされておると聞くのでありますが今日までこの沖縄返還協定並びにその関連法律案についてどういう交渉の経過をたどっておるのか、御説明いただきたいと思うのであります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 返還協定の作業はずっと続けておりまして、アメリカ側としても非常に一生懸命にこの作業に熱意を傾けてくれております。そこで現在の時点で見通しを申し上げますと、どんなにおそくとも夏までには話がまとまると思っております。よく四月説とか五月説とか伝えられておりますけれども、まだ協定の調印の時期というものが見通せるところまではいっておりません。それからただいまも具体的な人名などもあげて御質疑がございましたけれども、非常にやはり先方としても大切な問題でございますから、いろいろ随時係官等の往復がございますことは当然だと思いますが、今回、第一回の草案が煮詰まったからそれをワシントンに持って帰って、というところまで話はまだ進んでおりません。この協定案のドラフトあるいは文言といったようなものがまだ私の手元で先方の交渉当事者である駐日大使のマイヤー氏との間でワーディングなどの相談には入っておりません。実態を煮詰めるところに焦点を当てておる次第でございます。  それから中身がどういうことかとおっしゃいましたわけですが、これはいまもおあげになりましたような、たとえば裁判権を引き継ぐということなども、これはやはりテクニカルには非常な専門家同士の研究が必要でございまして、こういう点は協定それ自身の内容の問題になると思います。それから資産の引き継ぎでございまして、いわゆるパブリック・ユーティリティー等の従来米側がつくりましたそういう施設等を引き継ぐという問題これも相当なむずかしい問題でございます。それから各種のいわゆる対米請求といわれておりますが、これらの扱い方についての交渉、これも主要な事項の一つでございます。  その他いろいろございますけれども、こういうものを各項目ごとに鋭意煮詰めまして、双方の合意点を発見することに現在努力を集中しておるわけでございまして、それらが一連それぞれの話の進行状況を見まして、それから協定案文づくりということに進む予定にいたしておるわけでございます。  それから関連の国内立法につきましては、これは山中総務長官が総さいはいを振っていただいて、これはまた数百件にも上ろうというものでございますから、別に政府部内の取りまとめ作業を鋭意進行していただいておるわけでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 先日私は沖縄に行ってまいりましたけれども、その中で、この返還交渉の取りきめについてたいへん沖縄の県民は不安と不満を持っておるのであります。たとえば、基地の縮小整理がどうなるのか、あるいは、米国の施政権下において県民がこうむった損害請求権はどうなるのか、こういう問題が非常に県民にとって不安であり、また不満であるのであります。しかも、交渉の内容が一切明らかにされない。こういうことは沖縄県民にとってはどうしても耐えられないことではないかと思うのでありまして、この点に対して、たとえば、この返還協定だとか関連取りきめの法律について沖縄県民の意思を問うような気持ちが政府にあるのかどうか、総理にお尋ねをしたいと思うのであります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) いまお話し申しましたような経過でございますし、いずれ今年後半には批准国会もやっていただいて十分この御審議を願いたいと思っておるわけでございますが、現在、この内容がまだ合意に至るところまでいっておりませんから、自然、お話しすべき材料に乏しい。そういうことから御不満や不安をお持ちになるのも私は無理からぬところであると思いますけれども、こうして国会でいろいろと御質疑をいただきそれにお答えをするというようなことによりまして、漸次、事柄の内容というものが明らかにされていく、また、そういうようにしたいものだと私は感じております。ことに、国政参加はもうすでにできましたし、また、私どもとしても、琉政はもちろんですが、琉球立法院ともきわめて密接な連携をとっておるつもりでございまして、つい最近も、よく御承知のとおり、内容五項目からなっております、また前文が非常に大切な点を触れておられますが、超党派の琉球立法院の沖縄返還についての御要請もいただき、御説明も代表の方々から詳細に伺い、また、詳細に政府の現状における状況も御説明をしているような次第でございますから、漸次、私は県民の方々にもおわかりいただけるものと、かように考えておる次第であります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 さらに、憲法の第九十五条では、二の地方公共団体のみに適用される特別法は、「その地方公共団体の住民の投票においてこの過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」という定めがあるわけであります。そこで、私は、この今回の返還協定並びにこの関連法律につきましては沖縄県民の意思をまずただすと、こういう意味において、政府は、国会承認の以前に、いわゆる住民投票という形をとってはどうかと思うのであります。過去の状況から見て、沖縄の、琉球処分というようなことが言われておるのでありますけれども、ぜひ私はそういう方法をとって、沖縄県民の民意を問うた上で問題の解決をはかる必要があるのではないか、こう思いますが、これに対する御見解をただしておきたいと思うのであります。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 憲法第九十五条は、沖縄県を本土の各府県と違った県にするというような法律をつくって、沖縄県の位置づけを根本的に他の府県と変えまする場合、この場合においては確かにそういう手続をとらなくてはならぬと思います。しかし、この場合でも、このような法律が出されました後に、議会において、この法律案件を公布するに先立って、住民投票に付すべき旨の定めに従って、議長なり、あるいは参議院の緊急集会においては参議院議長から総理に申し出られて、自治法の定めに従ってこのような行為がとられるわけでありますから、事前に行なわれることはないわけであります。これは法律論でありますが、しかしながら、今回沖縄に対して各種特例、特別措置法をとりたいといっておりますものは、二十数年に及ぶ異民族支配の中の各種行政形態、税法から各種の生活権に至るまで、いろいろと本土と違った制度のほうがかえって多いという現状でありますので、これを本土並みにするのに一挙にやったならば、急激な変化、それが沖縄県民のためにマイナスになる変化を生ずるおそれがあると判断をいたしましたものについて、沖縄の方々に対して激変緩和のため、すなわち、目的は本土各府県と同じ地方自治体になられるための措置を経過的に講じようというものでありますから、法律論的にも、実体的にも、憲法九十五条の指摘するところの対象にならないものと判断をいたしておるわけでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 では次に、私は協定の具体的の内容を明らかにしていきたいと思うのであります。  いま、外務大臣からも、国会の答弁の中でつまびらかにしていきたいということでありますので、お伺いいたしたいのでありますが、まず地位協定の具体的な移行の内容についてであります。今回の締結されるであろう協定の中に、米軍の基地についての地位協定により、個々の地主と日本政府とが契約を結び、それによって日本政府が施設区域として米軍に提供する形というものをとっていくのかどうか、この点についてどうですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 日米間の条約関係は本土並みでございますから、安保条約、それから関連取りきめがそのまま何らの変更なしに沖縄に適用されるわけでございます。したがいまして、返還の日を期して提供せらるべき施設区域は、日本政府が米側とよく協議をして合意されたもの、これは安保条約の目的、使命に照らして提供されるわけでございますが、施設区域が提供される、その場合、日本政府がその返還の日以降においては、民有地であります場合には、地主さんとの間に契約をしてそうして提供する、こういう成り行きになるわけでございます。したがいまして、現在におきましては、そうした話し合いというものが十分円滑に理解され、納得されて行なわれて無事に施設区域の提供ができるようになっていきたいものであるということを考えつつ、事にあたっておる次第でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 いまの御回答で、若干あいまいな点があるわけです。安保条約及びその関連取りきめが何らの修正もなく適用される、これは従来までの政府の見解であり態度でありますが、今回の沖縄返還についても、地位協定にのっとって、個個の地主と日本政府とがまず契約を結び、そうして日本政府が米軍に施設区域として提供するという形をとると、こういう理解でいいのですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 地位協定、その他全部本土並みに適用されるわけですから、そういう筋書き、そういうワク組みで施設区域が提供される、こういうわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 ところが、奄美の返還協定、それから小笠原の返還協定は、いま私が申し述べたような手続きが間に合わなかったのでありまして、その場合は、その手続きが完了するまで米軍は従来使用していた用地をそのまま引き続いて使用できるというような形になったと私は考えておるのでありますが、沖縄の場合にもこのようなことがあり得るとお考えであるのかどうか、基本的にはどういうお考えで対処されようとしておるのか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 率直に申しまして、私はスムーズに、かつ返還の日を期しましてきちっとした姿にいたしたいということで、先ほども申しましたように、事に当たっているわけでございます。しかしそれならば、小笠原あるいは奄美のときのような、もしそれまでに準備が整わなかった、あるいは話し合いがうまくいかなかったという場合にどうなるかということも考慮しないで済ませるわけには、これは観念的、理論的にはいかないことであろうかと思います。なるべくそういうふうにはしたくないけれども、あるいは場合によってはそういうこととか、あるいは国内的な立法の必要とかいうことがあり得るかもしれません。これはかかって具体的なこれからの作業と申しますか、話し合いの成り行きいかんによることであると、かように考えております。まあお断わりいたしますが、ただいまのところは観念的というか、そういう前提でいまお話をいたしましたわけで、どうするかという具体的なこまかい点については、まだ意見を申し上げるまでに至っておりません。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 私は、これは奄美返還や小笠原返還とは非常に違った立場が沖縄の場合にはあるわけでありますから、この点についてはいまの外務大臣の答弁では、必ずしも基本的な立場が貫かれるとは理解できない回答でありますけれども、ぜひひとつその問題については十分対処をしてもらわなければならぬと思っておるのであります。  そこで協定の中に、さらに申し上げますと、沖縄県民で最も望んでおるところの基地の縮小の問題それから整理の問題、こういう問題は、一体協定上でどのような形で取り扱われようとしているのか、その点をお伺いしておきたいのであります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 正確に申しますと、返還後は、提供する施設、区域の問題になるわけです。で、その施設、区域は安保条約の目的に照らして、日米双方が必要と合意したものということになりますから、現にアメリカが、自分で施政権を持って米本国と同様に使用しているいわゆる基地とは全く性格が変わるわけでございます。同時に、そういう性格の相違が出てくるわけですから、安保条約の目的に沿うようにこれは提供されなければなりませんから、現在の基地よりもその数が減るということは、これは自然の成り行きだと思います。  それからもう一つの原則といたしまして、沖縄県民の方々の立場に立ってみて、返還の時期に、あるいはその後においてはもちろんでございますけれども、沖繩県経済の発展等のために、このところは非常に大切なところだというふうに考えられる場所は提供するものからははずしたいと、これをもう一つの原則にいたしておりまして、現在いろいろと話し合いをもうすでに始めているわけでございますけれども、これにつきましても、一体どことどこがそれでは返還になるんだということは、地元の方々としてはもう至大なる関心がおありなことはよくよくわかりますけれども、これは米側との合意が、先ほども申しましたように、かなり詳細な共同研究に入り込んでおりますけれども、まだその場所等について、具体的に明らかにすることはもう少し先にならざるを得ない。まあその事情は御理解をいただきたいと思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 沖繩の場合は核とか、毒ガスの問題もさることながら、私は最も重要なことは沖繩県全体に占める基地の密度の大きさが一つだと思うんです。また、最も重要なところをすべて米軍が押えているという事実であります。この事実を抜きにして単なる本土並みということでは、県民の意思を踏みにじるものもはなはだしいと私は思うのでありまして、少なくとも協定において、住民に返還される基地を明記すべきだと私は考えるのでありますが、外務大臣の御答弁もそうではないかという受け取り方ができるような回答でありましたけれども、その点、政府の見解を明らかにしてもらいたいと思うんであります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 提供する施設、区域を返還協定の中に入れるかどうかということにおきましては、その点はまだ私どもとしてもはっきりお答えをする段階に至っておりませんが。というのは、一切のいままでの取りきめ、地位協定等は、そのままずばりとかぶるわけでございますから、そういう点も十分前提としてお考えいただきたいと思います。しかし、いずれにいたしましても、基本的な考え方、それから漸次話が煮詰まるに従って、時期を経過するに従いまして明らかにできることは、できるだけ国民の皆さまにお知らせするようにいたしたい、こういうふうに考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 でありますから、この返還される基地は、少なくとも協定の中において明記するようにする姿勢なのかどうか、方針を伺っておきたいんであります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) そのお気持ち、御質疑の要点は私、よく理解できるのでありまして、それなのに直接お答えをしないようで恐縮でございますけれども、日本の本土の安保条約の状況をごらんいただきますと、たとえば一九六〇年に改定されまして以来、あるいはこの二、三年間の間を見ていただきましても、安保条約のワク組みの中で、日米合同委員会の相談によりましてどんどんどんどん基地が縮小されている。これが本土の実例でございますね。ですからこういう実情のやり方というものも私は参考にしていいのではないか、かえって逆に縛られてしまうこともどうであろうかということも考えなければなるまいかと思います。要は沖繩の方々のお立場に立って、そしてその願望が十分協定の運営によって実効が期し得るようにいたしたい。最善の努力によって最善の方法を発見いたしたい、かように考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 端的に言って、いま再度繰り返しますが、協定上に基地を明記するのかどうか。する、しないということをはっきり言ってもらいたいと思うんです。どうですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これはイエス、ノーをただいま申し上げることは、先ほど来申しておりますように、問題としてお考えになっておる趣旨はよくわかりますけれども、協定に書くか書かないかということについて、イエス・オア・ノーをいま申し上げる段階ではございません。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 では、交渉の基本的な姿勢として書くという姿勢で対処されておるのか、それとも書かないという姿勢で対処されておるのか、どうですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) こちらから提供する施設、区域のことですから、これは多いよりは少ないほうがよろしいわけで、それがまた沖繩の方々のお気持ちに合うゆえんだろうと思いますから、その実効があがり得るようにしたい、こういうふうな考え方が基本的な姿勢でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 どうもそのものずばりの御回答をいただけないんでありますが、時間がたちますから次に進みたいと思います。  次に、地主に返還される軍用地については、当然私は復元補償の問題が生ずると思うんであります。これはアメリカの責任において補償するのか、それとも日本政府の責任において補償するのか、その責任の所在を明確にしてもらいたいと思うんです。どうですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 従来もしばしば委員会等でも御質疑のあった点ですが、私自分で各種の請求問題を分類してみたんですが、大ワクで分けてみてもちょうど十種類ございます。で、いまおあげになりましたのはまさにその一つの種類になります。そしてその一つ一つについて細部にわたって実態を掌握し、そして過去の経過をよくわきまえ、法律論を十分煮詰めまして、対米請求十分の理由のあるものをえり分けて交渉をいたしております。  それから同時に、これは私だけで申し上げるその守備範囲外のことになりますけれども、それ以外、対米請求がどうも合理的には十分な根拠がないというものについてはいかがいたすかということは国内的な問題としても考えていかなければならぬ問題ではないかと思いますが、このいわゆる請求の問題についてはそういう態度でアメリカ側と折衝いたしております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そこで、その補償は協定上は明記されますか、それとも政府の特別立法に行なわれますか、どうですか、これは。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) いまの請求の問題とそれから資産の引き継ぎの問題とございますが、資産の引き継ぎのほうは、やはり国家間の約定の上に、もし引き継ぎの場合に何がしかの支払いをしなければなるまいと考えられるんですけれども、そういう場合はやっぱり国家間の約定として協定の中に書かなければなるまいと思います。  それから請求権のほうもまず取り上げるのが普通ではないかと思いますけれども、この点については先ほど来申しておりますように、実態についてもまだ十分の話し合いの煮詰まりが行なわれておりませんし、また国内的な措置の問題につきましてもこれから別途検討する必要がございますので、どういう形にしてこれを取りまとめたらよろしいか、まだ私自身にもはっきりした腹案を持っておりません。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 まあ、私はいままでの政府の答弁を聞いておりまして、検討中であるとか、まだ不明であるとか、必ずしもきちんとした答弁をいただいてないんです。おそらく実態はきちんとした方針に基づいて相当進んだ交渉が私はなされ、もう煮詰まっている段階だろうと思うんでありますが、たいへんその回答について不満でありますが、さらにお尋ねをしておきたいのは、政府はこの返還に当たって個々の地主との契約の話し合いがこじれた場合を想定して、軍用地地主連合会と一括で話し合いを行なうとか、あるいは土地収用に関する安保特例法の適用とかを考えられておるということが伝えられておるのでありますが、私は地位協定を適用するに当たっては、あくまでも県民の意思を最優先に尊重すべきだという考えから、これらの点をまず政府の見解を明らかにしてもらいたいと思うんであります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) この点は先ほどかなり私率直にお答えしておるつもりなんですけれども、地位協定をずばり何らの変更なしに適用する、そしてこれだけの大事業でございますけれども、県民の方々の御意図を十分に体して、円滑に支障なく、返還の日にはきれいにいきたいものであると念願いたしておるわけでございます。したがって、地主さんたちと日本政府との契約関係についても十分双方の理解と納得の上に立って円満に話し合いが進められることを心から望んでおるわけでございます。いまのお尋ねは、おまえはそう言うけれども、そういかなかった場合どうするかというお尋ねになるわけですが、私はそういうことになることを希望しないのです。ですから希望しないことをいま申し上げるのはいささか私も、何と申しますか、あまり気が乗りませんけれども、しかしそう言うていても願望は願望に終わるかもしれません。終わりました場合はいかんながら何らかの措置をしなければこのことが実らないわけでございますから、その場合には何らかの措置ということを考えざるを得まいと、まあそういう気持ちでおるわけでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 次に、沖繩県民の対米請求権の問題についてお尋ねをしておきたい。これは外務大臣も過去衆議院の予算委員会等でこれに対する質問の回答を出されておるようでありますが、私はこの中で先ほどお触れになりましたように、広い意味の請求権は大別して十項目程度あるということを言われておるのでありますが、そこでまずこの十項目の内訳をここで明確にしてもらいたいと思うのです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) お答えいたしますが、先ほど申し上げましたように、これは私が便宜上、常識的に分けたものでありまして、法律的、条約的な検討をしたものではございませんので、その点前提として御了解願っておきたいと思いますし、それからこれが全部、対米請求の根拠として理のあるものとは、率直に申しまして考えておりません。この、これから申し上げます十項目は琉球政府それから立法院それから地主会その他公私の団体その他から沖繩の方々の御意向としてちょうだいしております一切の請求問題というものを便宜上分類したものでございます。  一は、講和前補償のうち人身損害に関するものの補償漏れに対する補償です。それから二が軍用地復元補償です。三が米軍の演習等による漁業補償、四が軍用地の接収によって生ずる通損補償、五が軍用地借賃増額請求、六が軍用地立ち入り制限に伴う入り会い制限による損失補償、七が講和後の人身損害に関する補償、八がつぶれ地に関する補償、九が滅失地に関する補償、十が基地公害に関する補償。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 同時に外務大臣は、対米請求権については、沖縄から各種の要請を把握して、把握の趣旨に沿えるよう検討中とも答えられておるのであります。そこで、この把握はいつごろまでかかるのか、すでにもう把握されてしまっておるのか、その内容が具体的に出ておれば御説明いただきたいと思うのであります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) その内容ですね、御要請があった陳情書とか要請書とか、それを単純にごらんに入れることはできると思いますけれども、それ以後の検討その他現に作業しております最中でございますから、その分についてはちょっと御説明いたしかねるかと思います。しかし、もしなんでございましたら政府委員から御答弁させてもよろしゅうございます。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 外務大臣が外務省の中で仕分けされただけでも十種類ございます。これは滅失地とつぶれ地というのは一つに数えてもいいというケースのものもありますが、要するにこれらの実態が明らかでないケースがございます。そこで、四十六年度予算では、琉球政府のほうに、つぶれ地等の調査を中心にして予算をつけて、すみやかにこれらの調査を終えて、具体的に権利あるいはそれらの権利にかかわる面積や所有権の問題その他調査を済ませてほしいということで予算化もいたしておりますが、外務省としては、それぞれの個々の問題として提供されて陳情要請がありますものを一括していまやっておられるわけでありますから、私は、沖繩県民復帰に伴って外務省のルートで措置されるべきもの、そして措置してほしいもの等については外務省に要請し、そして、それが措置されないものについては、本土政府としてどのような措置が講ぜられるかについて、私が責任者の立場で今後努力をしていかなければならないものが多数あると考えておる次第でございますが、いまここで琉球政府自体もすべての事柄について明確にしていないという事点があるのはまことに残念な点でございますけれども、事実でございます。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) いま山中長官からも答弁がありましたような次第ですから、いまの段階でこれらの中身を全部お出しするということは、私はいま十項目に分類したことを申し上げるのも、非常に率直な、至らない資料でございますけれども、それを申し上げたくらいでございますから、ただいまの段階でこれ以上のところはどうも無理のようでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 これは、昨年の参議院の沖繩特別委員会でも、請求権の実態を把握することが必要であるから鋭意努力をするということを政府は答弁をいたしておるのであります。しかも、今日の状況では、夏ごろには協定が調印されると、こういう状況にあるにもかかわらず、その実態が完全に把握されていないということは、私はあり得ないし、また、あるとすれば非常に怠慢ではないかと思うのであります。特に県民の請求権の実態について、私は、政府は早く把握をしてこれを公表すべきであると思うのであります。それは、協定が調印をされてしまって、県民の請求権がどうだこうだと言われることになると、請求権の放棄という問題が出てまいるわけでありまして、そういう点については沖繩県民はたいへん不安と不満を持っておるのでありますから、この考え方に対して公表を協定以前にする考えがあるのかないのか、あるとすればいつごろの公表になるのか、明確にしてもらいたいと思うのであります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは、少なくとも、沖繩批准国会ですね、いま通称言われている、その国会のときには、もう一切のことを詳しく御説明をしなければ御納得を得られることができないと思いますから、そのときには、ただいまの問題も含めまして、一切詳細に御説明をいたすことにしていきたいと思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それではまずいと私は言っているわけです。これは県民の請求権ですからね。協約ができてしまって、それでもってこれで納得をしなさいと言ったんでは、県民としては納得しないんですよ。ですから、県民の請求権が放棄されないようなことをやはり県民としては考えるわけでありますから、当然またそうしなければならぬと私は思うのでありまして、その意味からも、請求権についてはまず実態を把握したならば、こういうものが請求権であるということを明確に公表すべきであると思うのでありますが、これは、どうですか、この国会会期中に公表することを約束できませんか。どうですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ちょっと私言い足りなかったようですが、先ほど来御説明いたしておりますように、請求というのは各種の請求がございまして、アメリカに対して請求する十分の根拠のあるものもございましょうし、しからざるものもあるということは観念的に考えられるところでございまして、アメリカとの関係において結着のつくものは協定が調印されたときにこれはこうなりますよということは申し上げられると思いますが、それ以外、今度は日本の国内的にどういうふうな措置をするかということを詳細にあれしますのは、いわゆる批准国会のときになるのではないだろうか、こういうことを申し上げたわけであります。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) ただいま外務大臣の言われたようなものについては、琉球政府をわずらわせまして逐次資料が整いつつありますが、たとえば講和前の人身事故に対する補償の補償漏れ件数、その金額等について、昨年の国会で、なるべくすみやかに明らかにしたい。ついては、いま私どもが手に持っておるのは、外務省も総理府も、そういう講和前人身事故補償の連盟という形の民間の資料しか持っておらないというので、琉球政府に、権威ある琉球政府の公文書として出してほしいというお願いをいたしました。それが、ことしの二月のたしか十日でありますか、やっと参りました、そういう講和前補償の関係者の方々の連合会の調べられました件数よりもさらに若干ふえまして三百三十四件、金額六十万ドルというふうに、そういうものは明らかになっておりますから、直ちに外務省においても公文書として受け取って、それらのものはアメリカが一義的に返還協定の中で補償する旨を明記する対象にするのかしないのか、そういう議論をいましてもらっておるわけでございまして、明確になり次第逐次明らかにすることを決して隠しておるわけではございませんし、また、それが間に合わなかったために、外務省が、資料さえあれば返還協定に盛り込めた、あるいは対米の補償交渉に持ち込めたものが持ち込めなかったというようなことのないようにはいたしたいと存じます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そうなりますと、県民の請求権が取り上げられた、あるいはこれは放棄されたということを、県民に、いつ、どういう方法で公表しますか、周知しますか、これはどうお考えになっていますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 沖繩県民の希望とその実態について、外務省に私が取り次いで外交折衝をお願いいたしておりますから、外交折衝の過程において煮詰まったものがありますれば、それは公表して差しつかえいな限りにおいて、県民の関係の方々がまず第一に知らなければならない権利の問題でございますので、そういう問題について逐次明らかにいたしてまいりたいと思いまするし、それらの返還協定がおおむね締結をいたされましたときには、返還協定に関する問題としては国内措置は別にして、これを広く県民に公にする、もちろん国民も含めてでありますが、そういう措置はとらなければならぬと考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 その方法はどういう方法で公にするんですか。もちろんこれは協定締結以前にしなければならぬと思うんですが、その以前に、しかもどういう方法でやられるのか、具体的に御説明願いたいと思うのです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) この協定といいますか協定文がどういうふうにつくれるかということは、先ほど申しましたように、まだ不明確ですけれども、いずれにしても、日米間が合意されて、きちっとした話し合いがついて、協定等の形になりますまでは、ぎりぎりのところまでこれは実は私どもとしても大いに努力をしなければならないところでございますから、その合意ができるまで事前にその内容、話し合いの内容というふうなものを発表するということは、これはできません。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 時間がございませんから次に進みますが、次に、米の資産の買い取り問題について若干お尋ねをしておきたいのであります。  この買い取り問題がいまいろいろ新聞でも出ておるようでありまして、政府はこれを買い取りではなくて有償引き取りというようなことにしたいということを言っておるようでありますが、この買い取りは、買い取り協定という協定の形をおとりになるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 買い取りという観念は政府として持っておりません。たとえば三公社のようないわゆるパブリック・ユーティリティーで、この後も末長く沖繩県民のお役に立つようなもので米側が施設をつくっておったものを、全部何でもかんでもただで置いていけというのは、どうも少しどうであろうかと。したがって、今後ともに沖繩県民の方々のお役に立つようなものである場合に、それに対して若干の何らかの支払いをするということが政府としての態度として妥当であろうというのが政府の基本的な立場でございます。この点は、先ほども申しましたように、話がまとまれば、両国間の合意としてこれは協定ということにしたほうがいいのではないかと私はそう思っておりますが、何ぶんにもその中身等について実は大蔵省の専門家にお願いをしていろいろと研究をしていただいておる最中でございます。それで、何といいましょうか、その話し合いがまとまるに従って、私のところでやっておりまする駐日大使との間の話にだんだんまとめていきたいと思っておりますが、まだそこまで本件は話し合いが進んでおりません。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それでは、これは協定でやられるようでありますが、一体、米資産の評価をどういう方法でやられるのか、お尋ねをしておきたいと思います。かつて韓国との取引の中では、金・大平方式というどんぶり勘定で解決したようでありますが、今回はどういう方法でやられるのか、お尋ねをしておきたいと思うのであります。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いまどういう資産を引き継ぐかという話し合いをしておる段階で、その評価をどうするかというところまでまだ来ておらないのです。学問的にはいろいろ資産の評価方法というのはありますけれども、まだ日米間の話し合いの段階には乗ってこないと、そういう段階でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 しかし、日本自体が評価をする場合の評価の基準あるいは積算の根拠というのは、明確にあるはずであります。日米間の話し合いがまだ今日ついていないとしても、日本それ自体の考え方はきちんと私はあると思うのです。したがって、その考え方に基づいて、どういう評価でどういう積算の根拠を持っておるのか、しかも、その額は幾らになるのか、お答えをいただきたいと思うのです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだその額の問題まで話が進んでおらぬと、こういうことを申し上げているのです。資産の評価につきましては、あるいは還元法でありますとか、あるいは取引の実態に基づく方法でありますとか、いろいろあります。ありますが、どういう評価をすると、まだこの問題は数字、金額の問題まで進んでおらぬと、こういうことを申し上げておるわけです。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それはいつごろ明らかになりますか、それからそれが明らかにならない理由は何ですか、明確にしてもらいたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 引き継ぎの対象をどうするかというところで話がいま停滞をしていると、こういう状態なんです。したがって、それをどう評価するか。もちろん、これは外務大臣から申し上げましたように、買い取りじゃございませんけれども、一応のめどはつけなければならぬ。評価問題が来ますが、そこまで話が進んでおらないわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 めどを置いて作業を進められていると思うのでありますが、政府のこれを明確にするめどをいつに置いているのですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは外務大臣がやっておる返還協定、これの進捗と歩調を合わせると、そういうところにめどを置いております。返還協定自体ともこの評価自体もからまる問題であります。そういうようなことで、外務省のほうの交渉と歩調を合わせながら進捗させたいと、かように考えております。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私のほうは、冒頭にお尋ねがございましたのにお答えをしたとおりでございまして、夏までにはおそくとも協定へこぎつけたいと、こういうふうに考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そこで、これは大蔵大臣も外務大臣も非常に慎重な発言として、買い取りということではなくて有償で引き取るという表現をいたしておりますが、これは条約上の問題としてそういう表現をしなければ影響があるのか、何か意味があってのそういう表現の違いなんですか、それとも、単なる表現の違いなんですか。どうですか、その点は。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 買い取り買い取りと言いますと、沖縄をいかにも買い取ったような印象になる。それはまずいじゃないか、沖繩県民の感情にも合わないじゃないかと、そういうふうに考えまして、アメリカの残す資産は引き継ぎましょうと。しかし、それに関連して、ただで引き継いだというのもちょっとがめつい。そこで、何がしかの支払いを行なおうと、そういう関連にいたしたいと、かようなことであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 買い取りと有償引き取りというのは、日米間でそういう合意に達しているのですか。日本政府の考えが有償引き取りであって、米国のほうは買い取りでけっこうだという考え方なのか、その辺の一致はあるんですか。——だから、そういうふうに厳格に取り扱わなければならぬという意味合いが背景にあるのですか。どうですか、それは。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) おそらく、まだアメリカ側でそういう私が申し上げたような考え方に落ちついたというふうには聞いておりません。おりませんが、わがほうとしてはそういうふうにいたしたい、アメリカ側もきっとこれを合意するであろうと、こういうふうに見通しております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そこで、引き継がれた資産ですね、これは所有権は日本政府に帰属するのですか、それとも、沖繩県に帰属するのですか、その主たる資産について政府の方針を明らかにしてもらいたいと思います。主たる資産というのは、たとえば三公社や琉球銀行等ありますね、こういうものについての政府の方針を明らかにしてもらいたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだきめておるわけじゃございませんけれども、一応、筋道は、日本政府のものになるのです。それを、沖繩県に移すか、あるいは特殊な団体に移すか、それはこれから沖縄県民の感情等も考慮してきめたいと、かように考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 ですと、これは沖繩県民の感情をいれてということでありますが、政府としての基本的な姿勢はどうなんですか。いまおっしゃられたように、本来は日本政府のものなんだけれども、沖繩に帰属することもあり得るというふうに理解していいわけですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 一応トンネルといたしまして日本政府に来るんです。しかし、沖繩県民の希望、そういうものも考える、そういうときに、沖繩県民に持たせると、こういうようなことも考えなければならぬと、かように考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ちょっと関連。いまの遠田委員の質問の計算とは別に、一部の新聞に、アメリカが別途沖繩返還に関して五億ドルないし六億ドルの対日支払いを求めるのではないかという報道がありますが、そういうことは考えられるんですか。それからそれは絶対に返還協定まで起こらないということが確約できますかどうか、この点をお伺いいたします。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 前々から申し上げて、報道関係の方にはたいへん失礼な言い分なんですけれども、今日、沖繩の問題について返還協定がすでに案文ができているといって報道されたり、それからただいま御指摘がございました、五億ドルないし六億ドル云々というような、これは政府は全然関知しないところでございます。つまりそういうことで日米間話し合いをしておりません。どうか御了承いただきたいと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 そういうことが起こるということは絶対にないということは保証できるのですね。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私は、ずっとこのお答えしておりますような基本的な態度でいっておりますから、その辺御了解をいただけると思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 次に、私は、復帰準備の進め方についてお尋ねをしておきたいのであります。これは昨年、政府は十一月に復帰対策要綱第一次分を閣議決定し、その後復帰対策の準備が進められておると思うんでありますが、この対策はどのように今日進んでおりますか、お伺いしておきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 現在、本日の時点で申しますと、知念副主席、瀬長復帰対策室長二人がこちらに来ていただいておりまして、私のところの対策庁の首脳部と一日じゅう会議をやってもらっております。その前には、当方の長官に次ぐ責任者の田辺調整部長を現地に派遣いたしまして、おおむねのこちら側との意見の疎通をはかっておるわけでありますが、要するに、琉球政府側と十分の意見調整をいたしましたものを第二次要綱として閣議決定をいたしたい、その目づもりは大体三月の中旬になるであろうと考えておる次第でございます。当初上旬のつもりでおりましたが、琉球政府側のほうの御意向等もございまして、いま少しく慎重な意見交換の必要な部分がございますので、そのために若干一週間程度おくれるという感じでございますが、さらに第二次についても、基本的な構想等についてなお賛否両論もしくは意見の一致しかねる、あるいは琉球政府側が最終的に決断のいたしかねる問題等がございました場合、これらの問題はやむを得ず第三次要綱に移しても私どもの作業には支障はないと考えておりますので、無理をしないように合意に達するための努力を行なってまいりたいと存じます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 これも沖縄県民は非常に不安を持っておるんであります。この閣議決定後の復帰対策準備というのがきわめて秘密裏に行なわれておって、しかも政府はこれまで数項目の要綱を発表したのみで、その他一切秘密だと、こういう状況であるのでありまして、県民は非常に不満を持っておるのであります。それで、私は、国会を通じてこれらの問題を具体的に内容を明らかにすべきであると考えるのでありまして、いまのような回答ではなしに、もう少し項目別に具体的に、詳細に御報告をいただきたいと思うんであります。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは特別秘密に私どもがしなければならない何もございませんが、しかし本土政府のほうで一方的にこういうことを考えておるということを公にした後に琉球政府側と話し合いをすることは、やはり一種の押しつけと受け取られかねません。したがって、その点は非常に用心深くやっておるわけですが、琉球政府側もまた本土政府に対して第二次要綱に盛り込んでもらいたいという各項目について、一部、二部、三部に分かれた膨大なこまかなものまで含めた要請書を提出しておられますので、これらの問題も両者それらについて意見を交換する。でありますから、琉球政府側の要請してまいりました第二次要綱に入れてもらいたい一部、二部、三部の各項目について、琉球政府の要望をされたものをたたき台としていま議論をしておるということでありまして、特別にそう秘密をどこに対して守らなければならないかという私たちは立場にございませんので、きまっていないものを発表して沖繩県民の人々の無用な不安、動揺あるいは反感等を買うことは、合意し得るものであると私は確信しておりますから、避けておるということでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そうしますと、第二次の復帰対策要綱、第三次の復帰対策要綱というものをお考えになって、それは長期、短期の施策をこの中に十分盛り込んで進められておるわけでしょうけれども、その場合、どの程度それが進んでいるんですか。それから県民にはどういう形でこれが公表され周知されようとしているんですか、はっきり答弁してください。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 私たちも沖繩に事務局という出先を持っておりますが、これは琉球政府側のむしろ作業のお手伝いとか、意思の疎通をはかるという仕事のほうに重点を置いておりますので、私どものほうから発表するよりも、やはり合意に達した場合は琉球政府側も県民に対して琉球政府として発表をしていく。そうして閣議決定事項でありますから、私たちは、沖繩県民も含む国民に対して公表をしていくという形をとることになると考えます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そこで、これに関連してお尋ねをしておきたいのは、政府は、協定を国会に提出することになると思うんでありますが、この場合、復帰のための特別措置法案を一括国会に出すお考えがあるかどうか、それとも個々の法案については協定締結から復帰の実現までの間に漸次処理していこうというお考えなのかどうか、この方針を明らかにしてもらいたいと思うんです。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これはやはり返還協定と一緒に国内措置について審議してもらうのが最もよろしいと考えます。もっとも、返還協定は別である、国内特別措置法は別であるという最終的な国会の意思なりあるいは政府側の意思がそういう分かれ方をすれば別でありますが、いまのところの方向は、大体返還協定と沖繩の復帰に至った後の特別措置等については国内法とあわせて一緒に国会で御審議を願うことにしたいということで進めておりますので、返還協定がかりに夏に調印をされましても、私どもの作業は八月一ぱいかかりますので、それだけから申しますとタイムリミットは八月一ぱいでございますから、九月に国会が開かれたならば提案ができるということでありますが、これまた陛下御外遊なりその他の政府の閣僚のほうで外務大臣等の随行等が——これは私も閣議の決定として知らされておるわけじゃありませんが、行なわれますといたしますと、返還協定の審議をいたしまする場合に非常な不便を来たすわけでありますし、そういう形態ではちょっと国会が開けない状態になると思いますから、実際上は陛下の御外遊がお済みになったあと具体的になるのが現実的な問題だろうと考えます。しかし私は担当大臣でありますので、なるべく早く、しかもこれが円満な合意に達するような、膨大なものであっても国内法の整備に遺憾のなきを期したいというだけでございまして、そのあとの心積もり、算段なり等は、これは総理の御意思によって決定されることであると考えておる次第でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 総理、どうですか。——それでね、これはいまの説明で若干説明不足でありますが、これは復帰までの特別措置法案を協定と同時に一括提出する方針なのか、それとも協定が国会承認がかりにできたとしたあとに、復帰実現までの間に個々の法律を出して、そうして復帰対策の準備をしていくのか、その点どうですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これはまあ御相談ごとでもありましょうが、沖繩県民のためを考えますと、やはり返還協定と国内特例法その他の措置は一緒に合わせて審議を願うべきものではなかろうか。したがって、外務省のルートでもって対米交渉等において果たせなかった問題ついて、本土政府側として何かを措置をすることがあれば、当然その措置もあわせてその中に盛り込まれてくるわけでありますから、両々相待って一緒に審議するほうがよりよろしいのではないかと考えておりますし、外務大臣も、ただいまそういう方法がよろしいということを言っておられますので、意見の相違はないものと考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 では、確認をしておきますが、そういう方針で進むと、こういうふうに理解していいですね。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) そのとおりと御了解願ってけっこうでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そこで、私は、この復帰準備の問題についてもう一点ただしておきたいのは、いまこの復帰準備のためにいろいろ進められておりますけれども、県民は非常に不満と不安を抱いておるのであります。その一つは、ほとんどのことが県民に知らされないという事情があるからであります。たとえば、米軍の基地の縮小が全く明らかにされていない、あるいはそういう段階でいち早く自衛隊の配備計画だけが進められる、あるいは県民の強い反対にもかかわらず教育委員の任命制度移行だけが前面に押し出される、そういう端的な例が出ておるわけであります。  そこで、私は、この法案を最終的に固める前、これまた県民に、たとえば代表、学者や学識経験者その他を含む審議会等を設けて、ここで法案全体の総ざらいをして、その上に立って最終的に法案をまとめると、こういう態度が私はほしいわけでありますが、この点についてどうですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 返還協定の問題あるいはまた安保条約適用の問題等については、私の所管外でもありますし、私も沖繩で漫画に、予算の話しかしない男ってひやかされたわけでありますけれども、私としては、やはり国内の問題、県庁の福祉の問題等が中心でございます。ただ、沖繩政府という厳然たる選挙民の選んだ、公選された主席のもとの政府が存在をいたしておりますので、やはり沖繩の主席が任命されました県民会議というものの構成を見ますと、各階各層のりっぱな方々がそれぞれ県民の各階各層の要望を持ち寄って、主席の選挙をどうするかとか、あるいは復帰の時点におけるあり方をどのような手段ならばいいかとかいう議論等を含めて議論して、その結果を逐次正式な機関である立法院、そして琉球政府というものに連絡をして、そういうことが私どものほうに上がってきておりますので、その意味では、私どもが選びましてもとても公平な人選はできかねると思いまするし、琉球政府がお選びになったそういう県民会議という、立法院のほかに大衆の意思をくむと、各階各層の意思をさらに広くくむという、そういうものをスクリーンしてこられたものを受け取れば、沖繩県民の御希望というものをくみ得るのではないかと考えておるわけでありますが、それは私の所管の範囲についてのことでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 所管はだれか——外務大臣、どうですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 外国との条約関係でございますから、政府といたしましても、十分念を入れてやってまいりたいと思いますが、特にそのために何か会をつくるというようなことは考えておりません。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それでね、先ほどの質問にもう一回関連する問題でありますが、この返還請求の場合に、財産とかあるいは人身の損害等の請求権が協定の中に盛り込まれなかった場合に、政府は、これを補償し責任を持つのか、この点どうですかね。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほどお答えいたしましたように、対米請求として処理されるものについては協定の上に掲げるのが通例の考え方であろうとかように考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 ですから、掲げられなかった場合に、政府がそれを補償し責任を持つのかと聞いているのです。どうですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) それについては、先ほど来山中長官からもお答えしているとおり、あるいは大蔵大臣もちょっと触れられたわけでございます。それから、これは御承知のことと思いますけれども、サンフランシスコ平和条約第十九条の関係がございますから、対米的に請求ができるというものについては、十分その点も配慮いたしまして、根処のあるものということにならざるを得ないわけでございますから、先ほど私もくどいように念を押したつもりですが、十に私が分類して申し上げましたけれども、これが全部対米請求の問題であると、こういうふうにお考えにならないでいただきたいと思うのです。一切の——一切のというか、それ以外にもあるようでございますけれども、私の手元にちょうだいした公私の団体その他個人的な要請、陳情等を取りまとめて十に分類してみたわけでございますけれども、これが全部対米請求の問題だというふうに私は言っているわけではございません点を念のためもう一度申し上げておきます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それから、現在沖繩に適用されている行政命令、それから布令あるいは布告、これはまあ返還後完全に消滅するのであろうと思うのでありますが、それにかわる特別の法律が沖縄に適用されるようになるのかどうか、その点どうですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 前段に仰せになりました民政府あるいはその他のかっこうで出ております一切の布告、命令、行政命令等は復帰の日を期して全部無効になるわけでございます。そしてそれにかわる法律は、これは山中長官からお答えする分野ですけれども、一切の日本の法律が——完全に主権が日本に戻るわけですから、何もしなければ一切日本の法律、政令が適用になる。しかし、それでは先ほど御説明がありましたように、沖繩の方々にいわば復帰ショックを与えるおそれのあるようなものについて特別立法を用意しなければなるまいというのが政府の考え方でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 沖繩問題の最後に、総理にお尋ねをいたしておきますが、いま、私は、約二十数分にわたりまして沖繩返還協定についてと、それから復帰準備の進め方についていろいろ質問をいたしました。政府もそれぞれその態度、方針を明確にいたしておりますが、この二つの問題に対して、総括して総理から、政府の方針、考え方を明確にお答えをいただきたいと思うのであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 占領されていた沖繩、これはぜひともニクソン大統領と私との共同コミュニケで発表いたしましたような基本路線、それをできるだけ早急に実現したいものと、かように考えております。ただいまそれぞれの担当部門で円滑に、しかも県民の感情その他をそこなうことなく、ぜひとも円満に話が妥結するように、こういうことで各省大臣が努力している最中でございます。  私は、ただいまの状態、これは大体の見当はついておるが、できるだけ早目にその返還協定、これを皆さま方に御審議をいただくようにいたしたいものだと思いますが、またその最終的な取りきめをするまでに、それぞれの沖繩県民の感情なり意向なりがこの問題に反映されるように、この上とも努力していくつもりでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 次に、今度は農業問題についてお伺いをいたしたいのであります。  まず、私は、農業問題の中でお伺いをいたしたいのは、生産調整の問題でありますが、来年度の生産調整二百三十万トンの算出根拠をまず明らかにしてもらいたいと思うのであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 四十六年度の米の需要につきまして、政府買い入れを五百八十万トンと見まして、自主流通を百八十万トン、それから農家消費を四百五万トン、計千百六十五万トンと見込んだわけであります。  一方、生産量につきましては、四十四年の水田面積を基準といたしまして、その後の改廃開田面積を加減いたしました面積に四十二年度以降の最高位に安定いたしました十アール当たりの実収量から推定いたしました四十六年度の収量を乗じまして、これに陸稲の生産見込みを加えまして千三百九十五万トンと見込んだわけであります。で、こういう生産の過剰状態を是正いたしますために、米の需給の均衡をはかることといたして、四十六年度に生産調整二百三十万トン、こういう計算をいたしたわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 算出根拠はわかりましたけれども、私は非常に農林省の今回の算出は、需給見通しが非常に甘いんではないかという考え方を持っています。昨年の例から見てもそうでありますし、また米の需要が非常に減っておるという実情にもございますし、生産調整をやってみても年間千四百万。ペースというのは変わっていないんであります。そういう意味で、私はこの千三百九十五万トンの総生産に対して総需要量が千百六十五万トンというこの見通しは、非常に甘いんではないかと思うんでありますが、その点、政府は確信を持ってこれでいけるというお考えであるかどうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 御存じのように近年、毎年十万トンないし十五万トン需要量は減っております。それに加うるに、最近は生産が御存じのように大体安定いたしてまいっておりますので、政府といたしましても、そういうことを計算に入れまして、先ほど申しましたように二百三十万トンの生産調整ということで需給の均衡がとれるんではないかと、こういうふうに計算をいたしておるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 この二百三十万トンの生産調整数量でありますが、これは御承知のとおり、まあ補助金というあめを与え、そしてこの買い入れ制限というむちでもって二百三十万トンをぜひ調整をしたいという、こういうやり方であります。そこで、私は二百三十万トンというのは、まあ約昨年の二倍になるわけでありますが、これを完全に私は実施し得る確信があるのかどうか、非常に疑問を持つのであります。すでに生産調整に対して、全国で多くの農業団体や農民の皆さんが拒否する、協力できないという立場をとっておるのでありますが、これに対して確信があるのかどうか、まず伺っておきたいと思うのであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 御存じのように、私ども四十六年度の生産調整につきまして、農業団体等と話し合いを始めました当時は、先方からも生産調整の必要量につきまして試算が出てまいりました。それ等と打ち合わせてみましても、やはりいずれも米のことで農林省側もわかっておりますし、先方も大体よくわかっていらっしゃるのでありますから、話を詰めるように最善の努力をいたしましたが、そういうことの結果、私どもといたしましては、生産者団体と協力を願うために——引き続いて御協力をお願いしてまいった。それで、御存じのように去る十六日に生産対策協議会というものをつくりまして、幸いに全部の農業団体それから県知事会、その他二十数団体に参加していただきまして、四十六年度以降の生産対策にしっかり取り組んでいただくということになったわけでございますが、各県でそれぞれのいろいろ特殊な事情はあるかもしれませんが、今日までの報告によりますと、三十七道府県が、末端までの、いわく限度数量をおろし、それから生産調整の数をおろしておりますので、三月上旬中にはほとんどの都府県が完了するものと見通され、目下のところ円満に進められておると見ております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それから今年度の生産調整は昨年度のような農地の他用途への転用ですね、他用途への転用分は考えられていないのかどうか、その点どうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) これにつきましては、御存じのように昨農地転用についての次官通牒を地方に出しまして、いろいろ地方の御要望もございますので、農地転用の規制について緩和をする通達をいたしましたが、さらにその後の状況を見ますと、農協法を改正して農協が土地取得ができるように法律等の改正も行なわれ、それからまたいろいろな施策が進められてまいりましたので、これは特に措置をいたすということではなくて、やはりかなりの改廃が出てくるのではないか。例年は御存じのように一万六千ヘクタールないし二万ヘクタールというところでありますが、ことしはさらにそれが多くなるものと見ておりますし、私のほうでもさらにまた農転の緩和措置等も講じておるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 次に、今回この事前売り渡し申し込み限度数量ということをおきめになったわけでありますが、この事前売り渡し申し込み数量のきめ方はどういう方式によっておきめになったのか、御説明願いたいのであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 詳しくはあるいは御必要あれば事務当局から申し上げさせますが、私どものほうではそれぞれ県の担当者を招致いたしまして、それにそれぞれの県の生産調整をしていただくべき——失礼、限度数量及びその生産調整をしていただく量を指示いたしまして、それを持ち帰ってやっていただくと、こういうことで事務的には進めておるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 これは七百六十万トンだと思うのでありますが、この七百六十万トンは今日県別に割当てられて生産調整が進められておると思うのでありますが、もう少し詳しく生産調整の実施状況と見通しを、この際、明らかにしてもらいたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) いま申し上げました下部におろしましたのについて、地方の各県でどういうふうに行き渡っておるかという資料がございますので、一応それをちょっと申し上げます。

太田康二農林大臣官房長

○政府委員(太田康二君) 先ほど大臣から御答弁なさったわけでございますが、私のほうで二百三十万トンを各県別に配分をいたしたわけでございますが、これにつきましては先ほど大臣の答弁にもございましたように、すでに三十七道府県におきまして市町村までおろしておりまして、市町村からさらに各個別農家におろすという段階まできておるわけでございます。三月の上旬までには大部分の県で割り当てが終わるであろう、こう考えておるわけでございます。  それからお尋ねの食糧庁関係の限度数量の問題でございますが、これは過去三カ年の政府買い入れ実績から今年度の二百三十万トンを差し引きました七百六十万トンというものを各県別に割り当てたわけでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そこで、この割り当てられた平年収量の千三百九十五万トン、これは四十二年から四十四年の政府買い入れ量の平均収量でありますが、この過去の実績によって将来の年間の収量をきめるというのは、私はきわめて不適当ではないかと思うんでありますが、この点どういうお考えになっておるのかお伺いをしておきたいと思うんです。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) お答え申し上げます。七百六十万トンを決定いたしましたのは、四十四年の平年反収をもとにした——四十四年の面積をもとにしまして平年反収の見込みの生産量を想定をいたし、それから生産調整を二百三十万トンやる。その結果政府の買い入れ限度数量は七百六十万トンときめたわけでございますが、この買い入れ限度数量の配分にあたりましては、ただいま官房長が御説明をいたしましたように、過去三カ年の四十二年、四十三年の三カ年の各県の販売実績から生産調整の数量を引いたもので割り振るということにいたしております。その間の違いはどうかということかと思いますが、全体の需要量は、これは七百六十万トンということでございます。ただ、その配分にあたりまして過去の販売実績をとりましたのは、厳密に申せば、あるいは生産量から保有量を引くというふうな理論的な方法も考えられるわけでございますが、これを県段階まではまだいいとしても、郡段階、市町村段階、個人段階まで非常にこまかな操作をするということは不可能でございますので、私どもとしましては過去における販売力、各町村なり農家なりの販売力を端的に示すのであろうという指標としまして、四十二、四十三、四十四の販売実績を販売可能量と見て、それから生産調整を引いて、この数字を基礎にして割り振ったということでございます。したがって、これはある意味においては案分比率の基礎となるべきものであります。総量といたしましては、あくまで七百六十万トンという数字でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 その七百六十万トンの予約限度数量をこえた米についてどういう方針ですか、農林大臣。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 予約限度数量をこえました米につきましては、農業団体等、いま御存じのように自分のほうで全力をあげて売るということを当初から言っておいでになります。したがって私どもといたしましては、この予約限度数量をこえる米がありましたならば、これはやはり、いわゆるやみ米では困るんでありますから、普通の規制のもとに農協が売っていただくと、こういうことを期待いたしておるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そこがたいへん重要なところですが、その場合、農協保管になるのか、それとも政府がこれを自主流通米と同様に買い上げるという考え方なのか、この点どうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 自主流通は百八十万トンときめておりますので、ただいまのは農協が保管をして売ってもらうと、こういうことであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そうしますと、七百六十万トンをこえて、言うなれば予約限度数量をこえた米については一切政府は買い上げないと、こういう方針ですね。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては七百六十万トンに、それから農家保有米の四百五万トン、それから二百三十万トンの生産調整が行なわれますというと、先ほど御説明ありましたように過去三年間の平均の収量等計算してみますと、余らない計算でありますので、そういうただいまお話のありましたようなことを、実はあの当時も生産者団体と話ししておりましたけれども、そういう話はなかったわけでありますが、だんだん研究してみますと、おてんとうさま相手のことでありますから、たいへんに天候に恵まれて、どういうことにならぬとも限らぬと、そういうようなときは、われわれといたしましては生産調整をして、単年度需給均衡をはかるというこの目的が前提でございますので、そういうようなことを原則として念頭に置いて、やはり御存知のように一年半ぐらい先の話でありますから、そのときはまたひとつ生産者の意見も聞いてみて措置をするつもりでありますが、ただいまのところはそのことについては余らないつもりであると、何しろ処理を一生懸命でやってくれと、こういうことになっておるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それはそういう解釈は困るんでして、たてまえと法律論の上でどうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ですから私どもはたてまえとしては先ほど申し上げましたように、一定の規制のもとに農業団体がこれを処分されるものであると、こういうたてまえであります。ところがどういうことがあるかわかりませんので、そういうときはひとつ生産調整というものを念頭に置きながら、まあそのときひとつその状況に応じて生産者等のお話を聞きながら措置するという、そういう考え方で、いま具体的にどうということを考えておるわけではないわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 食管法の法律論のたてまえ上、限度数量をこえたものについての考え方はどうですかと、こう言っておるのですよ。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 限度数量をこえた米は、たてまえとしては政府は買わないというたてまえであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 その法律根拠はどこに求めておるのですか。具体的に説明願いたい。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 予約限度数量内の米は食管法第三条によって買い入れることにいたしております。予約限度数量外の米につきましては食管法第九条に基づく政令によって流通規制をいたすつもりでおります。この第九条につきましては先般改正を行ないまして、米穀の生産者は政府に売る場合、農林大臣の指定する場合を除いて農協その他集荷業者に委託をして売らなければならないというふうに、食管法第九条で一般的に米のルートを三つ規制をしてございます。政府に売る場合はこれは論外でございますが、農協その他に売る場合というのは通常の自主流通米を想定をいたしておるわけでございます。予約限度数量外の米が生産された場合の扱いにつきましては、その中の農林大臣の指定する場合として取り扱う考えでございます。この農林大臣の指定に関するものはいずれ省令もしくは告示をもって指定するということに相なろうかと思いますが、この考え方は、政府では買い入れない。農協が、あるいは指定集荷業者が、集荷の委託を受けておおむね自主流通米と同じルートによって販売すべしということを農林大臣の指定で入れるつもりでございます。したがって考え方といたしましては、本来の自主流米と大体同じルートで流通規制を行なうと、かように考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 いまの食管法の解釈について法制局長官どうですか。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 私としてもいまの農林省の説明で差しつかえないものだと思っております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 従来まで食管法は全量買い上げがたてまえになっているわけですね。したがって食管法の根幹であるところの全量買い上げを施行令の改正や政令の改正でもってやるというのは、私は食管法の精神に反するものだという解釈をとるものであります。農林大臣、明らかに私はそう思いますが、もう一回明確にこの点に対し態度を明らかにしてもらいたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 食管法は、申すまでもなく法律が示しておりますように、国民食糧の確保及び国民経済の安定をはかるため主要食糧の需給及び価格の調整並びに配給の統制を行なうことを目的とすると、こういうふうに示しております。したがって、政府はこれに基づいて買い入れるわけでありますが、この法律の目的を達成するために、政府が買い入れて管理する必要のある数量の米を買い入れればよいという、そういうふうにわれわれは理解いたしております。法第三条の規定に基づきまして、生産者にその場合売り渡し義務を課して、一定量米を買い入れることといたしておりますが、この食管法の目的を達成するために、政府が買い入れて管理する必要のある数量の買い入れを確保するものである、こういうふうに存じておりますので、先ほど事務当局から申し上げましたことは、私どもも法の解釈上それで当然なことだと、このように考えておるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 この法の解釈論は私はこれは絶対に納得できません。しかし、時間もありますから次に進みますが、この予約限度数量を越えた米、農業団体が保管、販売するということを大臣は言っておるのでありますが、この場合の価格はどうなるんですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) これは先ほども食糧庁長官が申し上げましたように、自主流通米に準じて取り扱うということをいたすわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そうすると、従来までの百八十万トンの自主流通米と、それから限度数量を越えた自主流通米というものが出るわけですね。これは同一の価格、あるいは流通機構を通じて取り扱うのですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 御存じのように、百八十万トンの自主流通につきましては、国が助成をいたしておることは御存じのとおりでありますが、ただいまのいわゆる余り米といわれます限度数量を越えた米については、そういう助成はいま考えておりません。したがって、その範囲においては、やはり売る場合の価格は当然違ってくるのではないかと思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 だけども、現実に出ることがあり得るわけです。しかもそれにこたえて、農業団体が保管したものに対してどうするかということに対して、あなたは宮脇全国農協会長に対して一つの統一見解なる文書を出されているわけです。したがって、そういうことは起こり得るわけでありますが、その場合、一体政府は最終的にいま申し上げたような、どういう価格でどういうルートを通じてこれを取り扱おうとするのか。それと同時に、また宮脇さんに出されているこの文書の内容というのはどういうことを意味するのか明確にしてもらいたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 四十六年度予算編成にあたりまして、米の取り扱いについては、もう十数回農業団体の方々と私とは会見いたして、一緒に心配し合ったわけでありますが、ただいまお話の文書というのはこれは誤りがありまして、私から宮脇さんにそういうものを差し上げてはありません。で、私が申しましたことを書き取って、それをだれかが宮脇さんにお示ししたいという話は聞きましたけれども、私じかに渡した、渡さないはもうどうでもいい話でありまして、先ほどここでお答えいたしました趣旨は、いわゆる私が宮脇さんに渡したといわれておるものと同趣旨でありますことは、先ほど遠田さん、そこで聞いていらっしゃったとおりでありますから、その内容を否定するわけではありません。それはさっき申しましたように、生産調整二百三十万トンがうまくいきさえすれば余るはずがないんだという点においては一致しているわけであります、どなたも。しかし、どういうことがないとも限らぬではないかと、そのときどうしてくれるということで、農業団体と申しましてもまあ幾つかございます、申し上げるまでもなく。米の販売については全販がおやりになるわけでありますが、そのとき冗談で国際価格だとか、半額だとか、いろんなことを私のおる前でいろんな方がいろんな話をしていましたけれども、私どもとしてはそういうことを別にその当時何も確かめたことではありませんが……。ですから、さっき申し上げましたように、生産調整はひとつうんとやってもらわないとたいへんなことになるから、何しろ生産調整はお願いしますよと、そこで農業団体のほうでは、まあそのときのおことばでは、売って売って売りまくるんだというふうなことを言っていらっしゃいました。それやこれやの話をしてみますというと、それでも何かあったときには、不測の事態で若干余ったようにときには、これは農業団体と私どものことであり、生産者と私どものことでありますので、そのときには、原則として生産調整が行なわれるということがたてまえで、そういうことを頭におきながらひとつそのときにどうして出たかという、その事情等を農業団体からお聞きをして政府として措置したいと、こう言っているんでありまして、これはどういうふうな措置をどのようにするとかという、具体的に何も考えているわけでもありませんし、話したわけでもありません。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そこが問題なんでして、一体その具体的な時点で検討すると、これは一体買い上げるのかしないのか、これが問題なんですよ。ですからどうなんですか、その場合の買い上げるのか買い上げないのか、その点はいずれにしても決着をつけなきゃならぬ、そういう事態が出ると。ですから、そこをどうなんだと、こう言っていることで、農業団体もあるいは生産者も消費者もたいへんこれについて疑問を持っているんです。この際、国会で明確にしてもらいたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもはさっき申しましたように、今日のような需給の緩和状態では、やはり真剣になって生産調整をせざるを得ないのであります。もしよけいに余ってくるというふうなことになりますというと、農政全体にとってたいへんなことになることは、達田さんよく御存じのとおりでございます。でありますからして、生産調整というものがはたしてどういう角度でできたであろうかというようなことを十分勘案いたしまして、もし一万トンでも二万トンでも余ったようなときには、それはそのときに生産調整を前提としてひとつまあ考えて措置せざるを得ないだろうと、こう思っているだけでありまして、そのことについていま買い上げるとか、買い上げないとか、第一これから植えつけが始まるわけでありますので、皆さんがせっかく、先ほど申しましたように、すでに三十二道府県も下へおろして、三月上旬中には全部下におりていくというときでありますので、そのときに、余ったらどうするかというようなことは、やっぱり四十五年には御存じのように一四〇%もやっていただいたわけでありますから、そういう最中でありますので、いまそういうことをわれわれが考えたり何かしないほうがいいんではないかと思っておりますし、また、現実にそういう点について何も考えておらないわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 全くあいまいな回答でしてね。それでは、こういう場合はどうなんですか、これは自然条件ですからね、豊作または政府のいわゆる見通しですね、需給状況の見通しが甘かった場合から出てくる余剰米ですね、これはあり得ることですよ。そういう場合に、予約限度数量を越えることがあり得るわけです。そういう形になった場合は、一体政府はどうするんですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) それはそういうふうに余ってくる前に、さっきお話しいたしましたように、自主流通に準じて取り扱うのでありますから、かなりやはりはけるものと思っております。それでなおかつ余ったということでありましょう。それは米穀年度が変わってからのことでありますから、御存じのように来年の秋の話でございます。したがって、私どもはそのときの状況に応じてひとつ生産者のお話も聞いて措置をしよう、こう考えているわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 どうも農林大臣のお話を聞いておりますと、たとえば、その生産調整という政府の方針に協力した農業団体あるいは地域に対しては余った場合は買うけれども、そうでない場合、たとえば政府の方針に非協力の場合等がございますから、そういう場合については買ってやらないぞというにらみをきかした何か意地の悪い背景を持った回答に聞こえるのであります。私は、この際この点は明確にすべきだ、年度が変わろうと変わるまいと、方針は明確でなければならないと思うのであります。そのことが農業に対する農林省の一つの基本的な姿勢でなけりゃならぬと私は思うのでありまして、そういう点を不明確のまま生産調整に協力させるということはひきょうだと私は思います。どうですか、この点。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) それはあれじゃないですかな、さっきも申し上げましたように、非協力というところはもうほとんどございませんで、事情によっては若干苦労していらっしゃるところがあるかもしれませんけれども、大体いくと思っております。そこで、私どもとしてはそういう事態、いま申しましたように、百万トンお願いしたのが百三十七万トンも出た方々でありますので、御信頼申し上げて、ことしも——去年はことに転作等に対しても休耕に対しても、単年度の方針で一年だけ報償金を上げましたが、今度は長期の計画を立てて報償金を差し上げるというような制度をとったり、転作についても、すでに転作だけで御審議を願っております予算で四百億あまりの金を組んだりいたしておることを農村の人々はよく承知しておりますので、私は、私どもに協力していただけると思っておりますが、しかし農業団体との話のときには、先ほど申し上げましたような考え方でお話をいたしたと、こういうことでありまして、それ以外のことはいま考えておりません。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 では、農作または政府の見通しが誤っておっても、その結果出てくる限度数量を越えた余剰米についても、政府はいまの時点ではたてまえは買上げない。しかしその実情によってはその時点で検討する。その検討は買い上げるか買い上げないか明確でないと、こういう理解でいいのですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) あんまりいま詰めちまわないほうがほんとうはいいのじゃないかと思うのですけれども、その辺のところは、農業団体とさっきから申し上げておるように十数回話し合っておるわけでありまして、たてまえとしては私どもは限度数量以外のものは買いたくないのであります。したがって、なおその限度数量外に出たものは、先ほど申し上げましたように、農業団体は一生懸命でこれを保管し売却すると言っておるわけでありますから、そういうことを御信頼申し上げてまずやってもらう、こういうことであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 では、ちょっと説明いただきますが、四十四年度の自主流通米の売り上げ実績、四十五年度の自主流通米の売り上げ実績、計画と実績の違いを明確に説明してください。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 数字の前に、達田さんよく御存じのように、初めて百七十万トンということをやりましたときには、不なれでありますし、十分な準備もありませんでしたから、若干計画にそごを生じたようでありますが、最近は、非常に自主流通米が売れ行きがよくなっておることは御存じのとおりでありますので、私はことしの百八十万トンというのは優にいけるものだと、これは全販連にお聞きになればよくわかることであります。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 四十四年産米に関する計画は百七十万トンでございまして、実績は、初年度の関係もございまして八十六万トンでございます。四十五米穀年度におきましては、おおむね予定の百七十万トンを消化できる見込みであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 では、八月から十二月までの四十五年度の実績は何万トンになっておりますか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 自主流通米、四十五年産の計画百七十万トンのうち、七十万トンは酒米、モチ米でございまして、これはほとんど計画どおり達成する見込みでありますが、主食用の百万トンにつきまして、ただいま手持ちの四十五年の八月から一月までの進捗状況を申し上げますと、認可数量に対する進捗率は、四十六年一月末で七六・七%、主食用のウルチ米が七六・七%でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 私が聞いているのは、四十五年度の百七十万トンに対して、八月から十二月の実績は何トンかと、こう言っておるのですよ。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 酒米、モチ米七十万トンにつきましては、おおむね計画どおり進捗いたすと思いますが、ウルチ米の主食用につきましては、数量で申し上げますと、四十五年八月から四十六年一月までの合計が三十九万六千トン、約四十万トンでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 これにもはっきりしておりますように、四十四年度は百七十万トンに対して八十六万トンの実績ですよ。四十五年度は、いま百七十万トンの予定に対して四十万トンですよ。こういう状況でございますから、自主流通米が売れ残ることだけは私は実績の上からも、現実の消費の減退の上から考えても間違いないと見ているのです。そこで、今回の第二自主流通米が農家に保管された場合に一体これが売れる見通しがあるのかどうか。私はないと思うのだけれども、農林大臣はどうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) これは、先ほど来申し上げておりますように、農業団体は全力をあげて処理すると言っておるのでありますから、私は、それを期待いたしておるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 これはきわめてむちゃくちゃな論議でしてね。実績において二年間にわたって売れ残っておるわけですからね。これはきわめて私は農林省の計画というのはあいまいきわまると思います。  そこで、今回の第二自主流通米の問題についていろいろ問題があるわけでありますが、これは一体価格保証もないわけです。それからこの径路ですね、農業団体が保管した場合の今回の自主流通米の径路、流れる径路はどういうふうになるのですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) これは普通の径路を経て売却いたしておるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そうしますと、これは昨年までの自主流通米、いわゆる七百六十万トン以内の百八十万トンの自主流通米は、これは価格保証、政府が買い上げるから価格保証があるわけですね。ところが、今回それ以上の自主流通米については価格保証がないのであります。にもかかわらず、これは従来どおり流通の規制になるわけでありますが、これは一体そういうことが憲法のたてまえ上からも、あるいはその他の法令のたてまえ上からも、あるいは営業の自由の規定からも、私はたいへん疑問のあるところだと思うのでありますが、この点、どうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ちょっといまの、聞き漏らしましたのですが、政府委員からお答えさせます。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 本来の自主流通米百八十万トンと、これは七百六十万トンの国が必要とする量に入るべきものでございます。それ以外の、同じようなルートを通って流れる、いわゆる余った米、予約限度外の米との問題でございますが、本来七百六十万トンのワク内に入る自主流通米に関しましては、従来とも、もしそれが予定どおり売れなかった場合には政府において買い上げる——われわれUターンと呼んでおりますが、そういう制度がございます。四十六年産米に関しまして、私どもは、従来の実績から見まして、この百八十万トンは完全に消化できるという確信を持っておるわけでございます。  先ほどちょっと私の説明がまずかったのかもしれませんが、自主流通米のウルチを、百万トンに対して、八月から一月までに四十万トン売れておるということでございまして、四十四年には同じ期間に十七万トンしか売れておらなかった。かように、本年度の売れ行きも非常に良好であります。また、このほかに、酒米四十二万トン、モチ米九万五千トンが八月から一月までの間に売れておりますので、かような観点から、四十五年の百七十万トンの計画は実績どおり行くであろうと、かように考えております。  四十六年産は、わずかこれより十万トン多いだけでありますから、政府に還流をするという制度はありましても、還流をするということでは、まずなかろうというふうに考えております。ただ、制度としてその還流制度を残すかどうかという問題でございますが、私どもは、基本的に、必要量のワク内の米については還流制度を残すべきであろうと考えております。実際問題その必要があるかどうかは別であります。それから、予約限度外の米、はみ出した米につきましては、これは国が要らない米でございますから、還流制度は考えておりません。  以上でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 その場合に、限度量をこえた場合の米の流通というのは、自主流通米の場合は、これは政府が買い上げるわけですから、価格保障があるわけですね。ところが、価格保障のないものに対していろいろな制限が流通上出来てくるわけです。これは一体、食管法上のたてまえ、あるいは営業の自由のたてまえからいって、私は違法だと思うのですが、その点、どうですか。それとも、別途これは流通を変える方法を考えておるのですか、どうですか。——大臣やりなさいよ。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 予約限度数量をこえる米が発生いたしました場合は、その流通を全く自由とすることは、さっき私がお答えいたしましたように、これはやみでありますから、そういうことは許されません。そこで、配給秩序の維持等の見地から、そういうことは不適当でございますので、一定の規制のもとに農協等の集荷業者が保管をして、そして生産者から委託を受けて販売するということにいたしたい。これはさっきお答えいたしたとおりであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 これはやみ米として流すのですか、それとも自主流通米と同じルートで流すのですか。どうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) それは、いま申しましたように、やみはもう絶対にいけないのでありますから、それは自主流通と同じルートで流すわけで、つまり一定の規制と申し上げておるのは、そのことであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 片手落ちじゃないですか。買い上げもしないという米を政府は管理をして、そうしてそれでもって流通機構だけは政府がきめた流通機構でなければ流せない、これは私は片手落ちだと思うのです。だから何らかの方法を——これをそのまま限度数量以上の米はどうにもなりませんというのであれば、これは、それ以外のルート、たとえばやみ米ルートでも一つのルートでしょう。そういうものを考えてしかるべきだと思いますが、その点どうかと言っているのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) それは、さっきお答えいたしましたように、集荷業者が、つまり、農業団体であります、農業団体に一定の規制のもとに売りさばいてもらう、こういうことを言っているのでありますから、それでまた、団体も、それはぜひうんと売りまくるのだ、こういうことを言っているのでありますから、同等な、そういう一つの同じルートを通っていくのだという点においては変わりはございません。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そうしますと、農業団体が自主流通米を売らないで、余剰、いわゆる限度数量以上の米を先に売っちゃって、そして自主流通米だけが残ったということで政府に買い入れを迫ることがあり得ると私は思いますが、そういう場合のチェックする方法を考えていますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) そういうことはあり得ると思います。つまり、もし限度数量から余った米を一生懸命で売っても、なかなかむずかしいというときには、ただいまお話しのようなことが起こり得るかもしれません。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 ですから、それをどういうふうにして見分け、どういうふうに仕分けしていくのですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) これはやはり、私ども、農業団体としましても農政なり生産調整に御協力をいただく意味で、本来の自主流通米を先に売っていただき、しかる後に余剰の米を売っていただくというのが、本来御協力していただく姿であろうと思います。しかし、片一方に還流の制度があり、片一方に還流の制度がないということで、いま御指摘のようなことであれば、私どもとしては、非常にことばは悪うございますけれども、制度を逆用されたというような感じもいたすわけでありまして、実際の私ども取り扱いとしては目下検討中でございますので、決定的なことは申し上げられませんが、先に売れたほうが本来の自主流通米としてみなすべきであろう、かように考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それはきわめてあいまいですよ。そこに、農林大臣のさっきからのことばと一致するものがあるのですよ。私は、これはどこかにそういうチェックするもの、それを追跡できるような、流れをきちんととらえることができるような、これは自主流通米だ、これは限度数量をこえた米なんだ、しかも、自主流通米が先に売られるのだ、こういうことが政府の監視のもとにきちんと監査監督できるような機構、体制というものがなければ、この問題に解決しないと思うのです。どうですか、内閣総理大臣。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) いまの私どもとしては、先ほど、最初に御説明申し上げましたように、生産調整が行なわれ、そして自主流通、それから五百七十万トン、これが正規の一定の規制のもとに、一定のルートで売却されることを好ましく思うわけであります。ところが、いろいろ先ほど来お話のございましたようなこと、これはやはり、ただいまの制度のもとではなかなか救済しがたい点もあるわけであります。そういうことにつきましては、これから十分検討してやってまいるつもりであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 私は、そういう説明では納得いきません。したがって、これは早急に、政府のこれに対するきちんとした方針を明確にして、回答左いただきたいと思うのです。いいですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) きわめて明確だと思うのですがね。つまり、あなたのおっしゃることで、生産調整が行なわれても、最後に余った米はどうするかという一点だと思うのです。それは先ほどお答えいたしました。あとは正規のルートで販売をしてもらう、こういうことを言っているのでありますから、政府の考え方はきわめて明白だと思うのであります。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 関連。  いまの達田委員の質問の中でありますが、世間では第二自主流通米と、こう言っているわけですから、そういう表現のしかたをいたしましょう。そこで、第二自主流通米の余った分はどうなるかということなんですが、これは、農林大臣は農業団体がどんどん売りまくると言っているからだいじょうぶだというお説なんですけれども、達田委員の想定するように、必ずしもそういかないだろう。なかんずく、米は天然自然を相手にしているものでございますから、いかに政府の意図がそこにあろうとも、結果的には、農民の良心的な努力によって、いわゆる豊穣、いわゆるどんどん米がとれるということはあり得るわけでありますから、そこで、いま伺いたいのは、その場合に、農協が——主として農協が扱うわけでしょうが、農協からどういうルートを経て、最終的には消費者の口に入るわけですから、その辺のルートを、幾つかの類型別に分けていただきたい。想定していただければできると思います。その間、ぼくらが一番憂慮するのは、いわゆる紀州のミカン売りのような、間に商社商人等が入って、いわゆる利潤を追求する形の中で混乱を起こすような事態はないだろうかと思いますので、農林省が考える流れ方、いわゆる余った米の流れ方、どんどん売るという流れ方について明確にしてほしい。  同時にまた、第二点として、その間に起こる価格がどういう形で形成されてくるか、この点を農林省で十分検討されていると思いますから、価格形成の具体的な姿、想定されたものを、いま達田委員が要求していることをあわせて、統一した、しっかりとしたものを提出していただくことを希望いたします。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 速記を起こして。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 私から二、三説明をさせていただきたいと思います。  一番最後に御質問のございました限度数量外の米、いわゆる余り米とか、あるいは第二自主流通米といわれる米のルートでございますが、これは、生産者は農協もしくは指定集荷業者に委託をいたします。その委託を受けた農協は米の卸売り業者に販売をいたします。卸売り業者は小売り販売業者に販売をし、消費者に渡すという従来の本来の自主流通米と同じルートに規定をするつもりでおります。したがって、御指摘の、新たなものが入るという事態はあまり予想できないことでございます。  それから第二の価格の点でございますが、本来の自主流通米に関しましては還流という制度があり、いわゆる予約限度外の米については還流という制度はございませんので、その点で、実際上価格の開きが出てくるということがあり得るということは、先ほど大臣がお答えになったとおりでございます。  それから第三の、達田先生の、先に限度外のほうの余り米を農協が売って、本来の自主流通米が余ったといって持ってくれば、還流制度の恩典を受けることになって、結局政府は買い上げることになるのではないかというお話でございますが、私どもは、これはもちろん、そういう余り米が発生しないということは希望はいたしておりますけれども、制度といたしまして、万一発生した場合の扱いといたしましては、それは制度のむしろ逆用であるというふうに考えております。したがいまして、いま仮定の数字で申し上げますと、ある村で百俵、これは本来の自主流通米、七百六十万トンのワク内に入る予約限度内の自主流通米が百俵ある、そのほかに、いわゆる余り米が五十俵生産されたといたします。その村のいわゆる農協が扱う米は、百五十俵になるわけであります。いまこれを九十俵売ったといたします。その場合に、六十俵売れ残りが出る。その際に、私どもは、やはり先に売れたものが本来の自主流通米である、これは政府が必要な米として予約限度数量の中に入れ、国民食糧確保上必要なる七百六十万トンの内数のものが先に売れるはずであるという考えで、まず六十俵のうち十俵は、これは本来の自主流通米のワク内のものである、五十俵は、これは余り米である、かような扱いをいたしたいと考えております。したがいまして、十俵は、本来の百俵が売れ残ったものであるから、これは政府に対して還流を認める、五十俵は、これは本来余り米のはずである、したがいまして、この五十俵を買うか買わないかということは、先ほど来大臣がお答え申し上げております余り米の取り扱いに関する問題であるというふうに考えております。  以上でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そうしますと、管理米と余り米との見分けは、どういう組織で、どういう形でするのですか。監視体制。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) もちろん、米は必ずしも米に差異があるとは言いがたいと思います。もちろん、政府へ売る米、本来の自主流通の米、あるいは余剰の米の間に必ずしも一定した傾向がないという場合もあります。したがいまして、私どもとしては、政府へ来るものは、これは政府で購入するから、はっきりいたします。検査を受けます。検査を受ける際に、まず七百六十万トンに相当する米が全部検査を受けてしまった。その後に出るものが余剰の米である、かように考えております。そこで、もちろんその際に、いろいろ赤札とか青札とかつけることは不可能ではありません。しかしながら、もし余り米にいろいろ札をつけますと、これは農家の立場から見ますと、むしろ買いたたかれる対象などになってはまことにお気の毒であるというふうに私ども考えておりまして、むしろその点は札はつけない。これはむしろ数量上の扱いとして考えていきたいと、かように考えております。また、実際に農協の売る便宜から申しましても、札で区分をされると、実際上の操作が非常にやりにくかろう、これは実務上の問題として考えております。でありますから、政府へ還流する際の措置としては、あくまで先ほど申し上げたような区分として扱っていきたい、かように考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 ですから、込みでした場合に、これは限度数量内、これは限度数外だということが、どういう形で政府が認定できるかと言っているんです。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) ある農協が自主的に、いまの例で申せば、百五十俵保管をいたしております。そのうち百俵は本来の自主流通米であり、五十俵は余剰の米である、かように考えます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 その実際の米の取り扱いの中で、それがきちんと、政府で管理して、これは自主流通米、これは余剰米ということがわかりますか、その具体的なことを説明しなさいと言っているんです。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 農産物は、販売をする場合にはすべて検査をすることになっております。したがって、検査の窓口を通るときに、最初の七百六十万トンに見合う予約限度の数量にいつ達したかということは、はっきりいたすわけであります。それ以後、農協の本来保管する——先ほどの例によりますれば、この百俵の米と五十俵の米とどう区分するのかという問題でありますが、私どもは、これは農協の農家に対する生産方式として区分されれば十分であると、かように考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それが問題なんですよ。これは、根本的には、先ほど私が指摘しているように、最終的に限度数量をこえた余剰米をどうするかということに対して農林大臣があいまいな回答をしているところに問題があるわけです。ですから、結果として買い上げできるような方法をとらざるを得ないということに追い込まれるわけですよ。ですから、私はこの際、いずれにしても、この基本的な問題について、たてまえはそうだけれども、結果として出てきたものをどうするかということについてあいまいな態度をとっているところに問題があるわけですから、この点について農林大臣の明確な態度を出さない限り、この米の中で、これは自主流通米、これは余剰米だということで反分けすることはきわめて事務的にも実際上でも困難ですよ。ここに問題があるわけですから、この点をもう少し明確にしてもらいたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) どうも、あなたのおっしゃること、よくわからないのですが……。事務的には少しも困難ではありません。最初出してくるのを、これ、自主流通と言ってこられれば、それは自主流通としての扱いをいたすでありましょう。そういうことについては先ほど説明があったとおりであります。それから限度数量をこえて生産調整をやったが、なおかつ余ったというものについて、ただいまあまりはっきりしたことを私どもも考えてもおりませんし、それからまた、それは農業団体も十分お考えおきのことでありますので、それは先ほど私が申し上げましたようなことのほうがいいんではないかと、こういうふうに考えているわけでありまして、事務的な取り扱いにつきましては少しも支障を生じませんことはさっき事務当局から申し上げましたとおりであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 先ほど私が触れましたけれども、なおあいまいでありますから、最終的に限度数量をこえた米が農協に保管され、それが売れ残った場合に、その時点であなたは検討し結論を出すと言っておりますが、この場合、先ほどから私が言っているように、政府の見通しが甘かった、あるいは豊作によったという場合を例にとった場合、一体そういう場合でも、買い上げするということはないのですか、どうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 大事なことは、農政全体の上で、私どもは、米の生産調整がことしはぜひ二百三十万トン必要である、もしこれがくずれてきたらたいへんなことになるということは生産者団体もよく覚悟していらっしゃいますし、心配していらっしゃることであり、私どももそうなんであります。したがって、ことし、まあ四十五年度には一四〇%近くもやっていただいた農家のことでありますので、われわれは、必ずわれわれが御期待申し上げておる成果をあげていただくと思いますが、ただいま達田さん御指摘のように、天候がよ過ぎたということもあるでしょう。いろいろな事情があるでしょう。そういう場合には、やはり、いま申し上げました、くどく申し上げました生産調整ということを前提にしながら、農業団体等の御意見を聞いて、そのときに措置いたしたいと、この範囲を越えることは、いまは困難であります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 では、仮定の問題でけっこうですがね。最終的に、そういう場合に買い上げるということもあり得るということが含まれた回答ですか、それは。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) どうしてそんなにおっしゃるのですかな。私は買い入れるとか買い入れないとかということ、いま限度数量というものを示し、そして百八十万トンの自主流通のほかに、保有米は四百万トン、それぞれ生産者団体と十分話し合いで、そういうことはわかっているわけであります。そこで、余らないようにするためには生産者団体は全力をあげるんだと、いま全販連などがそういうことについて全国に手配をして、非常な努力をしていらっしゃることは御存じのとおりだと思いますので、私はそういうものはないと思いますが、いま買い入れるのか買い上げないのかということを、ここでどうしても答弁しろと言われますというと、買い上げないというのがたてまえでありますから、限度数量を示すんでありますから。しかし、そんなことを言ったって、人間が一年半も先のことをいま想像することは困難でありますので、そのときの状況に応じて生産者団体と十分話しをして措置すると、こう言っているのでありますから、その辺のところは、そのほうがいいのじゃないかと思います。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 速記をちょっととめて。   〔速記中止〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 速記を起こして。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 先ほどの食糧庁長官が、農協から指定卸し売り業者、消費者と、そういうルートであると明確に答弁されたわけですね。それはそれで好ましいことなんだけれども、昨年、一昨年等から食糧問題がこういう形になった状況の中で、いろいろな商社が農村回りをしたり、それぞれ農協をたたいたりしている事実等がないかどうか、その辺のところを——ことしはわかりません。去年、おととしの実例等があれば、まずお聞きしたいし、ことしの行政のたてまえとしては、そうした躍動を——いま達田君が一番心配していることは、そういう躍動を阻止する、チェックする、どういう形でやるのだということだと思うのです。もう一つは、やはり一千三百九十五万トンという政府が想定しているこの数量でありますが、この数量につきましても。総理大臣がことしの一月幾日かに伊勢神宮にお参りになって、おそらく五穀豊穣を祈ってきたと思うのです。ことしは五穀豊穣になるわけなんです。総理大臣が行ってきている限りはね。そういうことになってくると、この予想が上回ることになる。しかもそれは農民が悪いことをしているのじゃない。つまり二百三十万トンを割り当てられる。引き受けた。結果的にはこれは団地田畑のいわゆる一割にするか、二割にするか反別できまるわけでしょう、結論は、最後は。反別できまったら、その反別の中で、私も百姓でありましたし、いま周辺に農民がたくさんおりますが、農民はその与えられた反別の中で生産性を向上するために全力を傾けるのは当然じゃありませんか。そうなれば一千三百九十五万トンなどという数字ははるかに上回っていく、大臣がいかにそれが米が、需給状態がこうなんだから、そこで生産調整その他に協力していただきたいと言ったって、農民は自分の所得を増すために努力するのは、これは当然だし、農民は犯罪者じゃありませんよ。政府に非協力者じゃありません。減反は協力する。しかし、つくるためには一生懸命にやる。これは当然のことでしょう。その辺のところ、食糧庁長官の答弁にまだ不十分な点がありますから、お答えいただきたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 長官がお答えいたしましたことについてのお尋ねも中にございましたから、その点は長官からお答えいたさせますが、業者がやみ的に躍動するおそれがある。これいまお話し一つございました。これはしかしもう御存じと思いますが、残念ながら、まあいまこういうふうに緩和されてきておりますので、われわれが取り締まっても、若干はあるかもしれませんけれども、ただいまはやみのほうが安くなってきております。御存じのとおりであります。そしてまた、先ほど来達田さんにお答え申し上げておりますように、農協団体は、ただいまもしことしの生産調整がうまくいかなければこれからどうなるであろうかということに一番危機感を持っていらっしゃるのが生産者団体でございますことは、われわれが身にしみてよく承知いたしておるわけでありますので、そういうことについては、御指摘もございましたので、私ども出先の官庁に命じてそういうことはないように十分注意をいたさせますが、農業団体は、人に扱われれば全販連はそれだけ自分の扱い量が減るわけでありますので、これは全販のほうでも一生懸命におやりになります。そういう点は御注意もございましたので、十分にいたしましたいと思っております。それからお話しのように、確かに私ども五穀豊穣は念願しております。つまり十アール当たりの収量が多くなって農家の所得がふえるということ自体はできるだけそういうふうに願わなければなりませんし、そのような指導をいたしますが、国全体から見て生産調整は必要でありますので、植え付けをいたしました田についての五穀の豊穣は願いますが、なるべく計画的にひとつやっていただきたいということでお願いをいたしておりますかわりに、予算でも御存じのように、休耕についてはともかくも三年間一番安いので三万円、それから転作については五年間めんどうを見て、しかも永年作物については四万五千円というふうに逐次見てあげておるわけでありますので、したがって、現実に農家の方々がどういうことを考えていらっしゃるかということは、私ども常々地方の状況も観察いたしてやっております。で、先ほど来御心配の御議論がございましたことは、私どもも内心よく承知いたしておるわけでございますので、どうぞひとつその点は御安心いただきまして、さらに一そうひとつ御鞭撻賜わりますようにお願いいたしたいと思います。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 達田さん、いま農林大臣からああいうふうな心情を吐露して、あなたの御注意をよく念頭に置いて今後万遺憾ないような対策を講ずるために努力しようと、こういうふうな信念の発表がありましたが、いかがでしょうか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) いま御質問は二点かと思いますが、第一の商社等が暗躍をしておる、その取り締まりをどうするのかという御質問でございますが、現在の、率直に申しまして食管法の施行状況というのは必ずしも完ぺきなものではございません。ただ、現在のような需給事情のもとで国民感情にも受け入れられるような、私ども取り締まりの方法を考えていきたいと思っております。いままででもやはり大口の営利をむさぼるような行為につきましては、それぞれ警察当局等の御協力を得て取り締まりをいたしておりますし、十分警察当局と連絡をとりながら、新しく政令も変わった点もございますけれども、従来の食管法の取り締まり全体とにらみ合わせながら、御指摘のようなことのないように努力をしてまいりたいと思います。  それから第二の点、私ちょっと聞き漏らしましたが、いろいろ残ったたんぼで増産をしたらどうなるのかとか、生産調整をやっても必ずしもそのとおりいかないということが必ずしもないと言いがたい場合にどうするかという問題でございまして、昨年もある地方では、ことわざのように、一割減反二割増産などということばが使われた地域もあるようでありますが、私どもといたしましては、やはり生産調整の実効をあげる、片方でまた食糧管理の適正を期するという観点で、今回予約限度数量というものを設けたわけでございますから、あくまでも政府の買い入れはこの限度数量内に生産をとどめていただく、生産調整もそれに沿って御協力をいただくということで、残りのたんぼで意識的に増産をはかるということはできるだけ差し控えていただきたいと、かように考えておる次第でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 まあ、大臣の御回答に私は納得はできませんが、さらに今後予算委員会を通じてきめこまかく問題の鮮明をしていき、政府の姿勢、態度をただしていきたいと思います。まだたくさん質問の内容がございますから、一応そういうことで次に進めていきたいと思うのであります。  次は消費者米価に対する物統令適用除外に関する問題でありますが、今回、消費者米価に対する物統令の適用を除外するということに政府は方針をきめたようでありますが、私はこれは米の値上げに必ず響いてくるというふうに考えているのであります。いま消費者物価指数の占める米の役割りというのは、統計によりますと一万分の七百四十六でありまして、消費者物価指数構成品目の中では最大のウエートを占めていると言われておるのであります。したがって、米が上がる、物価が上がる、これは私は大きな問題ですし、また、公共料金の抑制という政府の方針からも逆行する措置であろうと考えるのでありまして、この点に対して一体政府はどのような対策を用意されておられるのかがお伺いをしておきたいのであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまのお話しでございますが、実はこのことは四十六年度予算案の決定のときに表に発表されましたものですから、突如やったように誤り伝えられたわけでありますが、私どもといたしましては、この物統令の適用廃止は前々から研究しておったわけでありますけれども、四十六年度産米が出回るころまでにそういう措置を講ずるわけでございますので、それまでの間に私どもとしては、できるだけただいま御心配いただきましたような案件について、そういうとこのないように最善の措置をいたさなければならぬ。つまりいまのように七百万トン近くの余剰米を持っておるようなときであればこそちょうどいい時期だと思うのであります。そこでまず私どもがいたしたいと思っておりますのは、ときどき問題になります配給制度等について、これは競争原理を取り入れるといいますか、最近農林省では、急激に人口のふえました地域については、スーパーだとかそういうところに小売りの販売許可を認めてきておりますが、そういうような競争原理を採用することによって小売り業者に競争してもらうようにいたす。同時にまた、大阪なんかは非常にうまくやっておりますけれども、大口精米が大阪は各地にございます。したがって、そういうところでは、小口の販売をいたしますために、もう袋入れで銘柄がそのままにずっと小売りの段階まで行っておりますが、大体いまほど便利になりました世の中で、国民の主食である米について、消費者である自分が食べるべき米の品質の選択ができないというのはおかしいじゃないかと、これはだれしも考えていることでございます。よく農業団体の方々、東北の方々など私のところへ遊びにいらしても、おれら先祖代々うまい米をつくっているのだけれども、これをちっとも認めてくれないのだというふうな御不満をよくおっしゃる方であります。そういう銘柄について、ほしいと言われる方々の希望をかなえるようにいたしますためには、やっぱりこれからだんだんと銘柄格差というふうなものが採用されて、そして良質でおいしい米はそれだけ消費者が喜んでいただくというふうなことをするのが消費者のためになるのではないだろうか。また同時に、米の消費量もそれでふえていくのではないだろうか。こういうようなことをさまざま考えまして、私どもは、値上がりというふうな物価関係のことの心配については、農林省といたしましては、実施までの間にできるだけの措置をやることにいま努力いたしておる最中でありまして、そのようにした適用を廃止したいところ思っているわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 いまの政府の施策は、私は非常に大きな問題と疑問をたくさん持っております。時間があればこの問題ももう少し詰めて論議をしたいのでありますが、これは一応の方針をただすことにとどめたいと思います。  そこで、米価の決定でありますが、ことしはどういう米価の決定をされるのか。今日、三十五年以来採用しておるところの生産費及び所得補償方式は、もうどういう算出をしようともこれはつじつまが合わなくなっておるのでありますが、一体ことしは、生産者米価の決定において、政府どういう現段階における方針をお持ちになっておるのか、お伺いをしたいと思うのであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 算定方式につきましては、いまいろいろ研究いたしておるところでございまして、いまこれといってきまった考え持っておるわけではありませんが、米審に相談をいたしまして米価はきめるわけでありますが、そのころまでには十分研究いたして方式を考えたいと、こう思っております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 ただ一点はっきりしておきたいのは、生産費及び所得補償方式というのは採用をしないのか、するのか。その点についてもまだ方針がはっきりしておりませんか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 御存知のような米の需給事情を勘案いたしますというと、生産費及び所得補償方式というものについては数多く問題がございますことは、昨年の米審のときもすでに米審の多くの委員さんたちから御意見が出たところでございまして、したがって、そういうことをも加味いたしまして研究をいたしたいと、こう思っております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それから、生産調整で、いま政府の方針では五年間で生産調整を打ち切ると、こういうことを言っておるのであります。五年間の中で、稲作から他の作物に転換すべきものは転換し、総合農政への移行準備を完了していきたいということをいっておるのでありますが、こういう具体的なスケジュールですね。そういうものを持って進められておると思いますが、この具体的なプログラムは設定されておるのかどうか具体的に説明ができれば説明してもらいたいと思うんです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほどもちょっと申し上げたと思いますが、四十五年度は単年度だけでありましたが、四十六年度の予算編成にあたりましては、休耕についてはとりあえず三年間めんどうを見ると。それから永久作物の転換につきまして、さっき四万五千と私申したと思いますが、あれは訂正いたしまして、四万円でございます。それで、五年間の間に逐次、大体五十一万九千ヘクタールか何かだと思いますが、そういうものの転換をするという計画のもとに、作目についてもおよその方針をきめております。したがって、その間にできるだけ定着させてしまおうという方向でございますが、数字がございますのでちょっと事務当局から御報告いたさせます。

太田康二農林大臣官房長

○政府委員(太田康二君) 昭和四十六年には大体生産調整の対象になる面積が五十万強でございますが、そのうちの約三分の一、十五万ヘクタールぐらいを転作の対象に取り上げたいと考えております。内訳を申し上げますと、われわれが考えておりますのは、飼料作物が四万五千、永年性作物が九千、大豆等の豆類が四万五千、野菜が四万、その他作物が一万一千、合わせて十五万ヘクタール。それ以外に造林を一万一千ヘクタール考えております。それから五十年の数字でございますが、私たち五十年の見通しをまだしっかり立てたわけではございませんが、これは将来、農地の壊廃等がどれだけ進むかというようなことの関係もございまして、これの見方によりましてどのくらい生産調整の数量をきめるかということにもなるわけでございまして、いまの段階では、単年度ごとの需給均衡ということで年々生産調整の数量をはじくことにいたしておりますので考えておりませんが、おおむねの検討といたしまして、大体六十万ヘクタールくらいが過剰になるのではないか、したがいまして、これに対しましてできる限り転作でいくということにいたしておりまして、飼料作物を五十年には二十万ヘクタール、永年性作物を三万四千、大豆等の豆類を十八万、野菜を千、その他作物を三万、造林の四万を加えまして五万六約五十四万ヘクタールくらいをこれらの転作ないし造林によりまして埋めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そうしますと、それは今度農林省が発表しました例のこの農業新地図の中にはこれは織り込まれておりますか。

太田康二農林大臣官房長

○政府委員(太田康二君) 先般公表いたしました農業生産の地域指標の試案におきましては五十二年の数字を公表いたしておりますが、あの中にいま申し上げたような数値を織り込んでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 次に今度は、過剰米の処理についてお尋ねをしておきたいのであります。この過剰米処理に対する検討会の報告がなされておりますが、この検討会の内容によりますと、今後四年間でもってこれを解消するという方法になっておるのでありますが、この内容について若干御説明をいただきたいと思うんです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 専門家たちにお願いしまして、御報告が出ておりますが、四十六年三月末の推定過剰米は年間約二百万トンずつ四カ年の計画で処理いたしたいと。その用途別の内訳といたしましては、飼料用に百四十万トン、それから輸出用に四十万トン一般原材料に二十万トン、そういう予定であります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そこでこの二百万トンを四十六年においては処理するということでありますが、この損失千八百七億について一般会計から食管会計の国内米勘定へ繰り入れて補てんし、残りの千四百八十億円は損失の繰り延べによって償還していくことになっておるようでありますが、このようなことが会計法上できるのですかどうですか。これ大蔵大臣どうですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 食糧証券を発行いたしましてつなぐ、こういう方式で処置したい、かように考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 これは私は会計法上、食管特別会計では赤字が生じた場合は通常調整勘定へ移して処理することになっておるんではないかと思うんですが、その点どうですかね。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 従来とも年度をわたる食管の食糧証券の発行をやっております。つまり借りかえ、借りかえで処置する。まああまり大量になりますから目立ちますが、従来ともそういうことはやっているわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 これはあの食管特別会計の改正をしなくても、そのままでできるという解釈ですね。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) できるという解釈をとっております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 違うんだろう。(「おかしいんだよ、それは」と呼ぶ者あり)

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま思い違いをいたしましたが、法律改正をいたすそうであります。両論がありまして、ちょっと私は改正しないほうのことを申し上げました。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 最後に私は、この農政に対する姿勢についてお伺いしておきますが、この米の過剰あるいは総合農政の展開あるいは農産物の自由化、こういうことを考えていきますと、一体日本のいまの農業政策というのはどういう形で位置付けようとしておるのか、私は非常に大きな疑問があるところであります。農林予算を見てみても、さほど農政に対して重点的な、しかも前向きの姿勢を示しているわけでもないんでありますが、この際総理から日本農業に対する基本的な考え方、政治姿勢というものについて、その所信を伺っておきたいと思うんであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 日本農業のあり方、これはもう一口に申せば、もっと生産性をあげて近代的農産物、いわゆる総合農産物の獲得に展開すべきだ、かように私は考えます。これはもう一言で尽きることばでありますが、しかし、段階においては、いろいろの問題がございます。今日まで主食米自身にたいへんだよっていた。だけど、米は残っておるが、同じ農産物でも米以外はたいへん不足しておる、こういう状態でございます。ことに畜産あるいは果樹等になりますと、その不足が非常に目立っております。したがって、まあ米麦という言い方がいままでされておりますが、麦自身がもう不足である、米だけは残っておる。そういうような片寄った農産物ではなくて、均衡のとれた総合農政を展開していって、そしてそれは生産性の高いものである、近代農業だ、こういうものに育成強化をしていかなければならないとただいま取り組んでおるのがそういう姿勢であります。私はどうも工業先進国には日本農業に見るような今日のような問題があるのではないだろうか。ドイツあるいはイギリス等においてもどうも食糧国民の主食、そういうものを外国から輸入せざるを得ない、こういうような状況があります。しかし、日本の場合でも米は残っておるが主食全体の自給度は八〇%ときに割ることがある。したがって、何とかして八〇%程度にぜひとも自給度を確保したいと、こういうような方向でただいま各種の施策を進めておるわけでございます。あんまり専門でございませんので、あるいは私の言っていることが理解しにくい点がおありなら、また重ねてお尋ねをいただきたいと思いますが、ただいまさような点でこの問題と取り組んでおります。  なお、一言つけ加えておきますが、農産物等の問題でも、貿易の点、自由化の問題がやはり押し寄せております。したがって、農産物に限り、ただいま総合農政を展開している最初でありますから、その最初の出ばなをくじかないように貿易の自由化等については適当な抑制もせざるを得ないと、かように思いますが、本来のあり方から申せば、農産物といえどもやはり自由化の方向に進むべきだと、かように思いますので、その生産性をあげること、これについては一そう速度を速めていかないと、その貿易等の点で外国との競争にもおくれると、こういうことになるのではないかと、かように思っておる次第でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 次に、私日中の漁業問題についてお尋ねをしておきたいのであります。  まず、今日の日中の漁業関係は一体どのように取り扱われておりますか、大臣のほうから御説明いただきたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 日中はただいまのような両国の関係にございますので、漁業協定は、昭和三十年四月十五日、日中双方の民間団体の間におきまして締結されまして以来、三十三年六月から三十八年十一月までの期間を除きまして、更新継続されてきて現在に至っております。最近の更新は昨年六月二十日に行なわれましたが、同年十二月双方の話し合いによりまして、従来の規制のほかに、まき網漁業の操業に関する規制措置がつけ加えられました。  それから協定のおもな内容は、底引き網漁業につきましては立ち入り禁止区域の設定、特定区域内における特定期間の操業隻数の制限、網目の規制、操業秩序維持——標識等の問題も含まっております。それから緊急避難、資料交換等でありまして、まき網漁業につきましては、さらにこのほか集魚灯——夜魚を集めるランプでありますが、集魚灯の光力制限等が加わっております。本協定は民間協定でございますが、政府としては業界に対しまして、同協定の内容を順守いたすことについて積極的な指導を行なっておる次第であります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 いま大臣の御説明のように、この日中漁業協定というのは民間協定でありまして、今日まで政府間の国交がないために、政府間における話し合いが全然なされてないという状況にあるわけであります。そこで、私は、国家間の問題というのは国交のあるなしにかかわらず、政府が責任を持って解決すべきことは言うまでもないことであろうと思うんであります。いま漁民は、いつも政治的な背景でもってこれが不安定な状態であるということに対して、非常に不安と不満を持っておるのであります。そこで、私は、二十数年にわたって民間協定にたよるというこの日中漁業のあり方はきわめて遺憾だと思うんでありますが、今日の段階において、私は、日中間の国交回復という悲願のあることだし、その機運がある意味では熟しつつあるのではないかと思うんでありますが、いきなり、国交回復をして、そして日中間の漁業交渉をするということは確かに困難ではございましょうけれども、何らかの、政府が介入する形でこの問題を前進させるというお気持ちがあるのかどうかお伺いをしておきたいと思うんです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 漁業関係についてはいま農林大臣からお話があったとおりでございますが、国交のない国との間におきましても、こういう形で両方の漁業のために便宜な措置がとられておるということは、政府としてもけっこうなことだと思っておりますし、それからなおさらに一そうこの関係を改善する方法があればもちろん考えてみたいと思います。  ただ、政府と政府との条約交渉ということになりますと、これは国交のない場合におきましてはできませんから、やはりいまの形を、何らかの形で民間実務者間の約束という形にせざるを得ないと思います、国交が回復できるまでは。しかし、何らかの改善策があれば、もちろんこれを支持し、検討いたしたいと思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 どうでしょうね。政府がこの漁業交渉に対して、まあ全然いまの状態、介入をしない状態にありますけれども、私は、政府として漁業交渉に乗り出す何らかの方法をこの際考えるべきだと思うのです。そうしないと、いま申し上げたように、非常に不安な状態が続いておりますから、この点について総理大臣どうでしょう、この漁業交渉についてこういうお気持ちはございませんか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 漁業に関するだけではございませんで、郵便とか気象とかいうようなものにつきましても、実務者間の、何と申しましょうか、協定といいますか、こういうものは行なわれておるし、またこういう問題について、さらによりよき改善策があれば、政府としてもお手伝いをするという気持ちは持っておりますことは従来からも申しておるとおりでございます。  ただ、くどいようでございますけれども、政府間の話し合いということになりますと、現に御承知のように、一般的に政府間の対話をいたしたいということを政府としても表明しておりますけれども、なかなかこれが実現できない状況にございます。こういう環境におきまして、相手のあることでもございますから、いま直ちに政府間のように協定にするべく、政府間の接触を漁業についてだけではあってもやれと、こういう御提案に対しては、にわかにこれは、できますという姿勢をお示しするわけにはいかぬのではないだろうか、かように考える次第であります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 外務大臣、それでね、この海里、領海の問題についてですね、最近ソ連や韓国の漁船が日本沿岸に来て操業いたしておりますね。沿岸漁民は非常にそれで資源の保護という立場も考えて心配をいたしておりますが、なおかつ日本の方針としては、三海里を固執して、変更するお考えございませんか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) そうではございませんで、政府の態度といたしましては、領海問題というのは国際的な約定できめなければならないものでありますし、またそれをきめた以上は参加国が忠実にこれを守らなければならない問題でございます。したがって、国際間のコンセンサスができるように、そしてその内容は、たとえば十二海里というようなことでございますならば、これに対して積極的に参加いたしたいという姿勢でございます。  で、実は少し間がございますけれども、七三年、明後年に、国連を中心にする国際法関係の、海洋法の関係の会議がございますが、ここでおそらく相当の各国間の話し合いが前進できるのではなかろうかということを期待いたしております。御承知のように、これは日本の近海だけでなく、最近の各国の状況は、一方的に領海——極端に言えば何百海里説というものを一方的に宣言するような傾向が相当多数の国から出てまいりまして、これでは国際的に無秩序、無法状態になります。非常にこれは憂慮すべき状態でございますので、何とかして国際間の約定というものが大多数の国において——特に日本としては漁業その他の関係で関係の深い国々との間にこうしたコンセンサスができるようにこれから積極的な努力を展開いたしたいと考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 時間がありませんから、最後に海洋開発の問題についてお尋ねをしておきますが、これは通産大臣、海洋開発は、いまどういう段階で、どういうところでおやりになっておるのか、説明をいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 海洋開発の問題はいろんな観点から取り組まれておるわけでございますけれども、主としていま産業界では、民間の造船所あるいは陸上の機械のメーカー等々が海洋開発関係の機器の開発をいたしておるところでございます。それから一般的に工業技術院、政府のほうの関係におきましては、たとえば大深度の掘さく装置というようなものをプロジェクトでやっておりますわけでございます。政府全体として、海洋開発はいかにあるべきかというようなことはいろいろなところで議論になっておりますけれども、まだ総合的なこういうプランといったようなものは出ておりませんで、民間の研究なり機器製作のほうがかなり進んでおるというのが現状でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 私がたいへん心配することは、海底資源の開発についてはかなり熱心でありますけれども、水産資源開発というものがおくれておるような気がいたすのであります。そこで私は、もし海底資源の開発の中で起こった事故のために海洋汚染等が出た場合についての対策はどうお持ちになっておるのか、お聞きをしておきたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この点は従来から農林省、ことに水産庁といろいろ討議と申しますか、相談をしておるところでありまして、鉱物資源等々開発に熱心なあまり、水産資源を棄損する、あるいは海洋そのものの汚染を起こすことがあってはならないということで、従来いろいろ相談をいたしておりますけれども、実のところ、まだ海洋開発がそこまで問題を具体的に生じておりません。おりませんけれども、そういう問題に発展いたしますので、十分その点についても取りきめをしておかなければならない、こう両省とも考えておるわけでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 最後に、最近、韓国が大陸だなの鉱区の開発を行なっておりますが、日本と競合しておる点があるのでありますが、この点に対して、外務大臣、韓国の政府と交渉されたことがございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 大陸だな資源の問題は、なかなかこれはむずかしい問題でございまして、条約的に申しますれば、いかなる国も一方的に海洋の資源に対して開発の権限を独占するということはできないたてまえになっておるわけです。そこで、いま問題の韓国との間もそうでございますけれども、大陸だな資源の開発をやる場合には、少なくとも日本と韓国とが話し合って、その協議の結果によって共同開発をするなり、あるいは調査をするなり、あるいはまた話し合いの結果、どちらかが、これを担当するということにならなければならないはずの問題でございます。したがいまして、正確な月日はいま政府委員から御説明させますけれども、昨年の初めから政府として韓国にさような動きがあることを察知いたしましたので、正式に抗議を申し入れました。それからさらに昨年の八月の日韓閣僚会議がソウルで行なわれましたときにも、この問題に対する韓国政府の注意を喚起いたしました。ところが、その後また韓国側の動きがさらに積極的になりましたので、あらためて抗議を申し入れ、そして本件についての両国政府の代表者間で話し合いを持ちまして、こういうわけで、今後におきましても両者が円満に話し合って、大陸だなの資源の開発についての計画を進めることにいたしたいと、こう考えておりまして、ただいまの韓国政府の態度を容認しているわけでは絶対にございません。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 以上をもちまして達田君の質疑は終了いたしました。     —————————————

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) この際おはかりいたします。  本日、午前決定されました参考人につきましては、議事の都合により明日出席を求めることといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  明日は午前十時開会することとし、本日はこれをもって散会いたします。    午後六時十二分散会

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