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65回国会参議院1971/05/19

本会議 第13号

発言数
75
登壇者
21
会派数
3
開催日
1971/05/19

会議録

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      —————・—————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、国務大臣の報告に関する件(沿岸漁業等振興法に基づく昭和四十五年度年次報告及び昭和四十六年度沿岸漁業等の施策並びに林業基本法に基づく昭和四十五年度年次報告(及び昭和四十六年度林業施策について)。  農林大臣から発言を求められております。発言を許します。倉石農林大臣。    〔国務大臣倉石忠雄君登壇、拍手〕

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 昭和四十五年度漁業の動向に関する年次報告及び昭和四十六年度において沿岸漁業等について講じようとする施策につきまして、その概要を御説明申し上げます。  わが国の漁業生産は、四十四年には八百六十一万トンで、前年とほぼ同水準にとどまり、国民生活の向上に伴い高度化、多様化しつつ堅調に推移している水産物の需要に十分対応するまでに至らず、水産物の価格の上昇はかなり大きくなっております。また、海洋の水産資源の一般的な状況は必ずしも楽観を許さないものがあります。  漁業経営体数は約二十三万二千で、近年微増しておりますが、これは動力船経営体及び浅海養殖経営体の増加によるもので、無動力船経営体は減少しております。また、就業者数は五十七万二千人で、近年減少傾向にあり、女子化、高齢化が進んでおります。  沿岸漁業の平均漁家所得は百四十三万三千円で、農家及び都市勤労者世帯の平均を上回っておりますが、世帯員一人当たりでは、都市勤労者世帯の九割程度となっております。中小漁業経営では、生産は停滞しておりますが、一部の業種を除き収益性は好転いたしました。  最近におけるわが国の漁業をめぐる内外の諸情勢は、公害による漁場環境の悪化、国際規制の強化等きわめてきびしいものがありますが、水産物の安定的供給を確保するため、水産資源の開発等により生産の増強につとめるとともに、あわせて漁業所得の増大をはからなければならないと考えております。  次に、沿岸漁業等について講じた施策は、四十四年度及び四十五年度において、沿岸漁業及び中小漁業について講じた施策を明らかにしたものであります。  最後に、昭和四十六年度において沿岸漁業等について講じようとする施策について申し上げます。  ただいま御説明いたしました漁業の動向に対処するために、政府といたしましては、沿岸漁業等振興法の定めるところに従い、四十六年度におきましては、沿岸漁業構造改善事業の推進、水産資源の開発等による水産資源の維持増大、漁港等漁業の生産基盤の整備、沿岸漁業及び中小漁業の近代化、水産物の流通加工の合理化に重点を置いて諸施策の推進をはかることといたしております。  以上、その概要について御説明した次第であります。  次に、昭和四十五年度林業の動向に関する年次報告及び昭和四十六年度において講じようとする林業施策につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一は、昭和四十五年度林業の動向に関する年次報告についてであります。  まず、国民生活における森林の役割りについてでありますが、近年、経済社会の高密度化、所得水準の向上等に伴い、森林の持つ公益的機能に対する国民の要請が増大しており、これらの機能の充実発揮を積極的にはかっていくことがますます重要となっております。  次に、木材需給の動向を見ますと、その需要は年々増大を続け、昭和四十四年には約九千八百万立方メートルに達しましたが、国産材の供給は、前年に引き続き減少を示し、一方、外材の輸入は逐年増加し、昭和四十四年にはわが国の用材総需給量の五割をこえるに至っております。  他方、最近木材価格の上昇率の低下が目立っており、林家の山林保有規模の零細性、林業労働力の減少等と相まって、昭和四十四年の素材生産活動や林業所得は、前年に比べ停滞ないし減少しております。しかし、昭和三十六年度をピークとして毎年減少しておりました人工造林面積は、昭和四十四年度には八年ぶりに増加に転じております。  なお、国有林野事業につきましては、最初に述べました森林に対する国民生活からの強い要請を踏まえまして、国有林野が国民経済上及び国民生活上占める役割りを十分に果たすため、その管理経営全般にわたって改善をはかることが重要な課題となっております。  以上が第一部の概要であります。  次に、第二部におきましては、昭和四十四年度及び昭和四十五年度において林業に関して講じた施策につき、昭和四十四年度を中心といたしまして記述しております。  第二は、昭和四十六年度において講じようとする林業施策についてであります。  ただいま御説明申し上げました林業の動向に対処するため、政府といたしましては、昭和四十六年度におきまして、国土の保全と森林の公益的機能の強化をはかるための施策を推進するほか、林道網の整備、拡大造林の推進等の林業生産基盤の整備開発、林業構造の改善等を進めるとともに、林産物の生産、流通対策を拡充することといたしております。  以上、昭和四十五年度林業の動向に関する年次報告及び昭和四十六年度において講じようとする林業施策につき、その概要を御説明申し上げました次第であります。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。北村暢君。    〔北村暢君登壇、拍手〕

北村暢日本社会党

○北村暢君 私は、日本社会党を代表して、ただいま説明のありました昭和四十五年度の林業白書について質問をいたします。  一九六五年のFAOの統計によれば、日本の用材生産はソ連、アメリカ、カナダに次いで第四位であり、世界有数の林業国であります。しかるに、最近における木材の需要は年々増加を続けていますが、国産材の生産は引き続き減少を示し、外材依存度は高まる一方で、昭和四十四年にはついに国内供給量を上回るに至りました。一方、山村の動向を見ますと、人口流出は依然として続き、林業従事者の量的不足と質的低下は、今後の林業発展のため憂うべき事態であります。また、零細経営の不利は改善されず、生産活動や林業所得は減少している現状であります。林業基本法が制定されて七年目を迎え、基本法の政策目標は何一つ実現するどころか、他産業との格差は拡大する一方で、まさに林業の危機と言わざるを得ません。政府の基本法林政は完全に行き詰まり、根本的に再検討すべき段階にあると考えますが、総理は、この林業の危機打開のためいかなる方策を講じようとするのか、所信を明らかにしていただきたいのであります。  政府は、基本法第十条に基づき、昭和四十一年四月、「木材需給の長期見通し」を公表しましたが、翌年早くもこの見通しがくずれ、政府の無責任ぶりが指摘されました。昭和四十四年九月、林政審議会は、とりあえず昭和五十年までの需給の見通しの改定を農林大臣に建議しました。したがって、政府は当然基本法第十二条二項に基づき、使いものにならなくなった長期見通しをすみやかに改定すべきであるにもかかわらず、いまだに公表されていないことは怠慢もはなはだしいと言わなければなりません。農林大臣はいつごろ公表するつもりか、その時期を明らかにしていただきたいのであります。  外材の輸入は、さきに述べましたように急速に増加し、林政審議会の建議では、林業の施策が現状程度に推移するならば、昭和五十年には外材の供給期待量は六千七百万ないし七千四百万立方メートルになると見通しております。しかし、外材をめぐる輸入相手国の情勢は、南方材の国際競争の激化、米材の輸出規制法の成立、ソ連材の取引契約の規制など、いずれも楽観を許さない状況であります。しかるに、昨年の衆議院本会議において、総理は、国内森林資源保護のため、外材依存はむしろ歓迎すべきである旨の答弁をされております。また、佐藤経企長官は、国内生産対策の推進、新建材の進出などで外材が急激にふえることはない、いずれにしても、国際収支の現状から何ら心配することはないと楽観的な答弁をしております。しかし、国内的にも外材の市場支配のため、木材価格は低迷し、林業所得の減少、木材生産活動の停滞などに拍車をかけている現状であります。外材をめぐる内外の情勢から、安易な外材依存主義は巌に慎むべきであると考えますが、総理並びに経企長官の所信を承ります。  政府は、国内需要の過半を占め、当面さらに累増する傾向にある外材の進出に対し、長期的な観点から外材輸入の適正な調整措置を講ずるとともに、外材に対する輸入課徴金制度を検討し、国内林業生産の振興と木材の自給率向上のためあらゆる努力をすべきであると考えますが、経企長官並びに農林大臣の所信を承りたい。  次に、林業生産の動向について伺います。  その一は、林業の生産基盤である林道の開設は順調な伸びを示したと報告しておりますが、林道開設長期計画の総延長量を毎年均等に実施するものと仮定した場合、民有林は六〇%、国有林は八二%程度の実行比率に終わっており、林道開設の立ちおくれは明らかであります。したがって、地元住民の意向を尊重し、計画的林道の整備を急ぐとともに、公共性の大きい林道は、高率国庫負担をするよう林道制度の充実を期することが緊急の課題であると思うが、農林大臣の意見をお聞かせ願いたい。  その二は、人工造林面積は昭和三十六年をピークに年々減少し、昭和四十四年度は八年ぶりに増加に転じたと報告しておりますが、民有林の造林長期計画に対する実績は、再造林は五〇%に落ち込み、拡大造林は八五%に終わっております。この造林の不振の現状を克服するためには、公有林野及び中小林家所有の私有林の高度利用を目的とした、国が行なう民有林野の分収造林等に関する制度的措置を検討し、その実現につとめることが最も適切な方策であると確信しますが、農林大臣の所信をお尋ねいたします。  その三は、林野火災についてお尋ねいたします。  まず、過般の呉市の林野火災で殉職された十八名の消防職員の霊に対し心から弔意をささげます。  本院災害対策特別委員会はさっそく委員派遣を行ない調査した結果、幾つかの問題点が報告されました。これに関連してお尋ねいたします。  最近、奥地の道路開発が進み、人為的出火原因の機会が非常に多くなったことに対し、どのような予防措置をとっておられるのか。また、消火の方法は、刈り払いなど原始的なやり方であったようですが、空中消火等の近代的な消火方法の採用が必要であると思いますが、政府の対策はどうなっておりますか、総理にお尋ねいたします。  次に、殉職者に対する補償措置は手厚くしていただきたいと思いますが、どのような措置がなされたか、お尋ねをいたします。  また、林野火災のとき、営林署は地元住民の協力者には八時間以上の場合、わずか五百五十円のいわゆるかけつけ手当を支給するだけで、もしものことがあっても何ら補償の方法がないようであります。今回の殉職者は消防職員で、地方公務員災害補償法による遺族年金のほかに賞じゅつ金が支給されているようでありますが、もし営林署の職員が殉職した場合にはこのような制度がありません。同じ消火に当たっても、身分の違いによってこのように災害補償、その他の措置に大きな差があります。政府は、この際、犠牲者の災害補償制度について総合的、抜本的に再検討すべきであると思いますが、その御意思がおありになるかどうか、総理並びに人事院総裁にお尋ねいたします。  山村人口の流出に伴い林業労働者の量的、質的低下が目立ち、林業発展に支障を来たすおそれがあることを指摘いたしております。したがって、林業労働力の確保のため、雇用の安定、他産業従事者と均衡する賃金水準の確保、労働条件の改善、労働基準法の適用並びに労働災害及び職業病の絶滅を期することが緊要であると考えますが、労働大臣は、これら一連の労働対策についていかなる措置をとられようとするのか、所信のほどをお伺いいたします。  次に、農林大臣に国有林の定員外職員の問題についてお尋ねいたします。国有林野事業の基幹要員である常用作業員、定期作業員は臨時職員として前時代的な身分的差別を受けたまま放置されていることは許しがたいことであります。農林大臣は、一日も早く関係省庁との意見を調整し、常勤性付与の実現のために努力していただきたいと思いますが、誠意ある御答弁をお願いいたします。  次に、国有林労働者の公務災害が多発していることはまことに遺憾であります。特に殉職者の場合、遺族年金の額が低く、最低生活保障の趣旨に見合うものとはなっておりません。また、この年金以外には何らの救済手段もありませんが、民間の場合、企業独自の法定外一時金の支給、先ほどの消防職員の賞じゅつ金の支給などの例と比較し、あまりにも矛盾しております。国家公務員災害補償法並びに表彰制度についてぜひ検討していただきたいと思いますが、人事院総裁の所見をお伺いいたします。  最後に、国有林野特別会計についてお伺いいたします。国有林野特別会計は昭和二十二年に創設以来、三回の赤字年以外は黒字を続け、昭和四十四年度末で約一千四十億円の剰余金を出し、そのうち林政協力費として合計約四百二十三億円を一般会計へ繰り入れるほどの余裕を持つに至ったのであります。国有林は約七百万ヘクタールの林地を持っておりますが、そのうち経済林は半分以下の約三百万ヘクタールで、その他は国土保全などの施業制限林地であり、その管理のため多大の経費をかけております。それなのになぜ特別会計は黒字を出したのでしょうか。それは、外材が多量に輸入されるまでは木材価格の異常なる値上がりに助けられたことは事実でありますが、一つは、林野庁の前時代的な労務管理によって、国有林労働者の賃金、労働条件が低く押えられてきたこと、林力増強計画のもとに将来増加するであろう期待成長量を先食いし、現実成長量の二倍近いものを標準伐採量と設定し、乱伐、過伐を実行したことが有力な原因であったことは疑う余地がないと思います。  このような独占資本本位の官僚独善的な国有林の管理、経営にもようやく行き詰まりがあらわれております。外材の著増による木材価格の低迷、乱伐、過伐の行き詰まりによる減産、公益的機能の維持の要請など、国有林野を取り巻く情勢はまことにきびしく、ついに本年度、国有林野特別会計は五十億円の赤字予算に転落したのであります。この傾向は今後相当期間続くものと推定されます。しかし、林政協力費、保安林買い上げなど、当然一般会計が負担すべきものが合計二百三十億円程度も含まれていると思われます。したがって、国有林野事業の公益的、経済的使命の十全を期するため、一般会計から国有林野特別会計への繰り入れ、その他予算的資金的な措置の拡充を期することは不可欠の問題であると考えますが、総理並びに農林大臣の率直な意見をお伺いいたします。  以上をもって私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 北村君にお答えいたします。  林政の基本的方向は、森林の持つ林産物生産等の経済的機能と国土の保全等、森林の公益的機能の調和を考慮しながら、林業総生産の増大と生産性の向上を目途として林業の安定的な発展をはかり、あわせて林業従事者の所得を増大して、その経済的、社会的地位の向上に資することにあると考えます。そのような意味で、基本法林政は今後も林業政策の柱とすべきものと考えますが、今回の白書も指摘しているように、日本林業は大きな転換期に際会しております。すなわち、外材がついに二分の一をこえ、また、材木供給源としての森林に対して、さらに国民活力供給源としての使命が強く課せられるようになってまいりました。このような情勢に対処すべき具体的な林政の展開は、本日提出した「昭和四十六年度において講じようとする林業施策」において明らかなとおりでありますが、常に時代の推移に適切に対処しつつ、これら諸施策をさらに強力に推進してまいる所存であります。  次に、木材の輸入が輸出国の実情などから見て必ずしも楽観を許さないことは、北村君御指摘のとおりであります。そのような観点からも、国産材の供給体制を強化するための林業振興の必要性が痛感されるのであります。しかしながら、現実の問題として、今後引き続き増大する木材需要を、限りある国内資源でまかなうことは至難のことと考えます。問題は、秩序ある輸入によって国内市場に混乱を引き起こさないようにすることにあると考えます。今後ともこの点につき十分留意してまいります。  なお、輸入材について課徴金制度を設けることは、国際的にも、また物価政策上の観点からも問題があるように思います。国内林業の振興は、その問題としてより、より積極的に取り組んでまいります。  次に、レクリエーションの普及によって山火事がしばしば起こり、特に消火に当たった多くの人命を失うという事件まで発生したことは、まことに残念に思います。火災が起きやすい時期における巡視の徹底や、御提案のあった空中消火体制の整備については十分留意してまいりますが、やはり何と申しましても、レクリエーションに参加される国民一人一人の自覚が何よりも大切であります。真に自然に親しみ、国土を愛する心があれば、自然をそこね、あるいは山火事を引き起こすようなことはあり得ないはずであります。政府として、消火の近代化についての責任のがれをするものでは決してありませんが、以上のこともあえて申し上げておきたいと思います。  最後に、補償問題でありますが、防災に従事し不幸にして倒れられた方々に対する遺族補償、あるいは医療、休業補償については逐次改善を見てきたところでありますが、率直に申しまして、私も十分であるとは考えておりません。今後ともその改善について配意してまいりたいと考えます。また、消防担当者以外の方についての賞じゅつ金、あるいは正確には見舞い金というべき性格のものかもしれませんが、これについてはさらに検討を続け、実情に即した処遇を与えたいと思います。  なお、最後に、国有林野特別会計についてのお尋ねがございましたが、これは他の問題とあわせて農林大臣からお答えいたさせます。(拍手)    〔国務大臣倉石忠雄君登壇、拍手〕

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) お答えを申し上げます。  長期の見通しについてお話がございましたが、森林資源に関する基本計画並びに重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通しを出しておりますが、これらの策定をいたしました時期以降の情勢の変化を考えまして、改定いたします方向で、ただいま検討を進めておりますので、なるべく早期に改定を行ないたいと考えております。  それから外材のことにお触れいただきましたが、わが国の木材輸入は今後引き続いて増大するものと見られますが、資源的制約等もありまして、当面、国内の生産の大幅な増加は見込めないので、輸入木材に依存することはやむを得ないと考えられますが、しかし、この場合におきましても、無秩序な輸入によりまして、国内市場の混乱を招くことのないように、適正かつ安定的な輸入が行なわれるように、ただいま指導をいたしておるところであります。なお、輸入材につきましての課徴金制度のことにつきましては、総理大臣からお答えがございました。  林道のことについてお話がございました。林道は、森林政策の中で最も重要な部分であることは御指摘のとおりでありますが、林道の長期計画は年次別の計画となっておりませんために、その実行率を直接比較することは、なかなかむずかしいのでありますが、林道の重要性にかんがみまして、一そうその整備を促進することが必要であると考えまして、予算編成等においても特に力を入れておるところでございます。  また、林道の開設にあたりましては、国土保全、自然保護等の面で問題を生じないように、設計あるいは工事の実行方法等に配慮を加えておる次第でありますが、今後さらにこの面の措置を一そう強化してまいりたいと思っております。  それから、幹線的な林道につきましては、お話のございました比較的高率の補助によって実施いたしておるわけでありますが、今後もこのような重要な林道につきましては、極力優先実施する等、事業の適切な推進をいたしてまいりたいと思っております。  それから造林のことでお話がございました。御報告申し上げました中に、造林面積は八年ぶりに増加いたしたと私のほうから御報告いたしておりますが、造林事業につきましては、その重要性にかんがみまして、従来から林政上の重要施策として積極的に推進してまいったのでありますが、特にお話のございました民有林の造林事業につきましては、今後は森林所有者及びその協同組織による事業を助長することを基本といたしまして、造林公社、それから森林開発公団等の公的機関による分収造林方式等を含めまして、施策の充実を期していく必要があろうと考えております。お話のございました国が民有林の造林事業を直接行なうことにつきましては、以上私が申し上げました方式との関連において、これは慎重に検討いたさなければならないと思っております。  それから呉の山火事のことをはじめ、山火事の消防についてお話がございましたが、御指摘のように、先般の十七名の方の犠牲については、つつしんで哀悼の意を表する次第でありますが、総理大臣の御答弁にもございましたように、こういう山火の消防に協力した者が死亡あるいは負傷等をいたしました場合には、通常の火災の場合と同様に、消防法に基づき補償の措置がとられることとなっておりますが、その他につきまして、総理大臣からもお答えがありましたように、なおいろいろ賞じゅつ等について検討してまいりたいと思っております。  それから私どものところの林野の勤務員のことについてお話がございましたが、目下基幹的な作業員の処遇のあり方につきましては、労働力の適正配置等による生産性の向上に配意いたしながら真剣に検討いたしておる次第であります。  職員が殉職いたしました場合のことにつきましてお触れになりましたが、これは人事院総裁のあるいはお答えがあるかもしれませんが、国有林関係職員が殉職いたしました場合の補償につきましては、国家公務員災害補償法に基づいて実施いたしておる次第でありますが、賞じゅつ金制度については、消防関係職員等の場合と同様、殉職の態様が異なること及び国家公務員全体の補償制度にかかる問題でございますので、先ほど申し上げましたように、関係機関と十分協議をいたし、対処してまいるつもりであります。  それから、最後に国有林経営についてお話がございました。御指摘のように、国有林野事業の使命は、国有林野について、森林の持つ公益的機能、経済的機能を総合的かつ最高度に発揮し、現在及び将来にわたり国民の福祉増進に寄与することにあると考えております。そこで、経済的機能のほかに、近年、国有林野の持つ公益的機能の発揮に対する国民的要請も著しく高まっておりますので、この要請に即した森林施業体系の確立につとめますとともに、国有林野の立地条件、自然条件等を生かして、国民の保健、休養の場の提供に努力いたしてまいりたいと思っておりますが、一方において国有林野事業の財政状態は、御存じのように、最近の木材価格の動向、人件費の大幅な増加傾向等によりまして、このまま推移いたすことは楽観を許さない状態になっておりますことは御指摘のとおりであります。私どもは事業の合理化、新技術の開発、導入等を積極的に推進いたしますとともに、経営全般について抜本的な改善をはかる決意で、ただいま勉強しておる最中であります。  以上お答えいたします。(拍手)    〔国務大臣佐藤一郎君登壇、拍手〕

佐藤一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(佐藤一郎君) お答えいたします。  木材の需要供給が逼迫しておりまして、今後ますますある程度輸入がふえてくる、これは、私は見込みとしてはやむを得ない目下の情勢であろうかと考えております。ただ、四十二、三年のように、前の年の三割前後も急激にふえるというような情勢は徐々に鈍化していくであろう、こう思っておりますが、輸入依存度は、いずれにしても少しずつ高くなってまいる、これは、資源的な制約が日本にはどうしてもございますから、私はしばらくやむを得ない。基本的には、もちろんこの代替財の開発でありますとか、利用の合理化でありますとか、あるいはまた国内生産体制の強化、こういうようなことを今後長期的につとめてまいらなければなりませんが、いずれにしても、過渡的に、しばらく輸入依存度が高まっていく、これはやむを得ない状況であろうと、こういうふうに考えております。ただ、それに関連いたしまして、国内林業に対する影響とか、市場の混乱を避けながら、秩序のある輸入をもちろんしていかなきゃならぬわけですが、その際、輸入課徴金制度ということを取り上げる、これについては私は非常に慎重にしなきゃならぬと思っております。何といいましたも、国際経済に大きな影響を与えます。また、特に物価政策上は、これは非常に大きな問題がございますので、私ども慎重に扱いたい、こう考えております。(拍手)    〔国務大臣野原正勝君登壇、拍手〕

野原正勝自由民主党労働大臣

○国務大臣(野原正勝君) お答えいたします。  林業労働者の確保のためには、まず、その雇用の安定をはかることが肝要なのでありまして、農林省が実施している林業労働力対策に沿って、同省と緊密な連絡をとりながら、その通年雇用の促進等、雇用の安定化に努力してまいりたいと思います。  林業労働者の労働条件は、近年改善を見つつあるが、御指摘のように、依然として労働災害が多く、労働関係の近代化もおくれがちでありまして、このため、労働省としましては、かねてから労働災害の防止、労務管理の近代化等を中心として、重点的に監督指導につとめてまいりたいと考えております。  林業労働者の安全と衛生の確保につきましては、毎年作成する労働災害防止実施計画において林業を重点業種として取り上げまして、機械集運材装置等の安全確保、作業方法の安全化、安全衛生教育の徹底等について監督指導を強化するとともに、林業労働災害防止協会の活動の強化につとめているところでございます。  また、労災保険の保険給付につきましては、昨年、その内容の改善をはかったところでありますが、林業における特殊性をも考慮しまして、被災労働者の保護に遺憾なきようつとめているところでございます。  以上お答え申し上げます。(拍手)    〔政府委員佐藤達夫君登壇、拍手〕

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 公務災害補償についてお尋ねでございますが、公務員の災害補償につきましては、御承知のように、労災保険法との均衡をはかるということがたてまえとはなっておりますけれども、私ども人事院といたしましては、お話にも出ましたように、民間におけるいわゆる法定外給付というようなものの存在することにも留意をいたしまして、労災保険法よりも、場合によっては上回る改善をも加えてまいっておるわけでございます。なお、今後も、そういう面をも含めまして、公務災害補償全体の改善向上に努力をしてまいりたいと思います。  公務災害補償に関連いたしましては、先ほど来、各大臣のおことばにもありましたように、やはり私どもとしては、公務災害の起こらないように、これを事前に防止することが一番大事であるという点を、人事院としても強く認識しておりまして、そのほうにも努力を傾けておることを御了承を願いたいと思います。  次に、賞じゅつ金についてのお尋ねでございましたけれども、賞じゅつ金にも二色ございまして、一つは、いわゆる表彰の一環としての賞じゅつ金ということがございます。これは、実は総理府のおもな所管でございますけれども、もう一面の災害補償に関連する面、これは御質疑のとおりでございます。これは私どもとして、かねて重大なるやはり関心を払いまして検討を重ねてまいっておるところでございます。今後とも関係各省と緊密なる連携をとりまして、その実現に万全を期してまいりたい、その努力を重ねてまいる所存でございます。  以上お答えいたします。(拍手)     —————————————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 川村清一君。    〔川村清一君登壇、拍手〕

川村清一日本社会党

○川村清一君 私は、日本社会党を代表して、昭和四十五年度の漁業白書について、佐藤総理並びに関係各大臣に質問いたします。  まず第一に、佐藤総理に、漁業政策の基本方針について伺いたいと思います。  総理が誇るわが国経済の高度成長の中で、国民の食生活も高度化し、水産たん白質の需要が年々拡大しているのでありますが、これに対し供給する水産業は、他の成長産業の谷間にあって、生産の伸びは鈍化し、横ばい状態にあるのは御承知のとおりであります。したがって、わが国における水産物の需給ギャップはますます拡大しようとしているのであります。こうしたきびしい日本漁業の現状を総理はどのように考えておられるのか、漁業生産向上のための基本方針を明らかにしていただきたいと思います。  次にお伺いいたしたいのは、国際漁業問題についてであります。さきに外務大臣は、領海の幅を十二海里とするようなお考えがあると報道されましたが、総理の領海、漁業専管水域、大陸だなに関する御見解をぜひお伺いしたいのであります。  また、日ソ漁業交渉における交渉経過は、従来と変わることなく、難航の繰り返しであり、本年の交渉においては、出漁漁民に大きな怒りを与え、特にニシン漁業者並びに加工業者に対しては、生活保護世帯に追いやるような結果を招来し、水産王国を誘るわが国の漁業政策がいかに貧困であるか、その実態を国民の前に明らかにしたのであります。こうした事実を踏まえ、総理は、来年度以降、いかなる決意のもとに日ソ漁業交渉を進めようとするのか、条約を改めようとする意思がないのか。特にニシン交渉については来年度以降の見通しはどうであるのか、お聞かせ願いたいのであります。  なお、昨十八日のニシン漁業の強行出漁は回避されましたが、政府の長期対策について、漁民側は強い不安と不信感を持っているのであります。政府は、強行出漁の場合には、「漁業法令に基づき必要な取り締まりを実施し、また、さきに決定した救済金の交付も取りやめざるを得ない」との強い姿勢を示したという報道もありますが、真実でありましょうか。  また、ニシン漁業者、ニシン加工業者の救済措置とともに、特に転換漁業についての見通しをお伺いしたいのであります。  なお、この点について外務大臣にお伺いしますが、日ソ漁業交渉が毎年難航を続けている背景には、日ソ間にいまだ平和条約が締結されていない点に問題があるのではないかと思いますが、どうでしょうか。早急に日ソ平和条約を締結し、日ソ友好関係を深める中で、安全操業も含めて漁業問題の抜本的解決をはかるべきではないかと思いますが、外務大臣の御見解を明らかにしていただきたいと思います。  次に、農林大臣にお伺いいたします。  本年の漁業白書はきわめて不完全なものであると言わざるを得ません。沿岸及び中小漁業に関する分析の平板さ、公害問題の当たらずさわらずの態度等、報告の柱ともなるべき事柄の記述が、前年までの白書と比較しても、また農業、林業等類似の白書と比較しても、かなりおざなりな点が目につくのであります。漁業においては社会経済的研究の蓄積が乏しく、その面からの制約を受けることは認めるにいたしましても、かりにそうであるなら、早急に研究を進めるための体制を整備すべきであります。農林大臣は、本報告の作成にあたっていかなる点に留意されたか、お尋ねいたします。  さらに最近における漁業政策についてお尋ねいたします。近年需要の増大に対する意味からか、漁業政策は、生産力の高い中小漁業のうち上層以上の振興に重点が置かれているように思われます。たとえば中小漁業経営改善資金制度の創設、日本開発銀行融資の特ワクの設定、海洋水産資源開発センターの設置、漁協組合員の法人資格の緩和等の一連の施策がわずか三年、四年の間に次々と実施されたこと、また、中小漁業では上層ほど政府関係資金の融資比率が高くなっている事実などがこの推測を裏づけておるのであります。私は、こうした漁獲量増大政策は、金さえつぎ込んで漁船、漁具を大型化、能率化すれば漁獲は増大するのだという安易な目先だけの考えにおちいりやすい危険性を持っていることを指摘せざるを得ません。資源の再生産力と省力化等、その近代化に対する力の入れ方が問題であります。漁船、漁具の大型化は乗り組み員の労働環境の改善に結びつくよりも、航海日数の増加と労働強化につながりやすいのが漁業の特徴であり、実態なのであります。近年多発化している労働災害、漁船遭難事故に加えて、身分保障の不備、そして他産業との賃金格差等によって、中小漁業は若年労働力を引きつけるに足るだけの魅力ある職場にはなっておりません。このため乗り組み員不足による出漁不能船の増加が経営の安定や漁獲量増大政策にかえって好ましからざる影響を及ぼしているのであります。農林大臣は、漁獲量が思うように増大せず、しかも漁業就業者が減少し続けている最大の原因は何であるとお考えでしょうか。また、漁獲努力と資源の関係はいかにあるべきだと考えておられるのでありましょうか、明らかにしていただきたいと思うのであります。  さらに、沿振法制定以来八年を経過して、なおその目的が達せられていない原因はどこにあるとお考えでしょうか、お伺いいたします。  なお、労働大臣は沿岸漁民と漁船乗り組み員の労働条件及び労働環境の改善、整備、労働災害の減少等のためにいかなる措置を講じてこられたか、さらに、今後はいかなる努力を払われるおつもりか、お尋ねいたします。  次に、沿岸漁業問題についてお尋ねいたしますが、近年、沿岸漁業は、構造改善事業の実施もあって、漁船漁家の上層移行と養殖漁家への転換が進み、一応望ましい方向をたどってまいりました。しかし、最近では、漁船漁家の資本装備が向上しているにもかかわらず、公害や資源の制約により、物的生産性は低下しております。魚価の上昇に依存する脆弱な体質、五トン未満経営の漁業依存度の低下傾向、世帯員一人当たりの漁家所得は、都市勤労者はおろか、農家に比べてもなお低い現実等を考え合わせると、今後、沿岸漁船漁業が他産業に伍して、独立した産業として存続し得るかどうかといった疑問すらわいてまいるのであります。もしも事態を打開する方法があるといたしましたならば、それは、栽培漁業の技術が沿岸漁船漁業と有機的に結合し、育ててとる漁業が確立したときでありましょう。なお、養殖漁業においても、少数の魚種に漁家が集中して生産に従事している結果、真珠をはじめとして過剰生産傾向がかなり目立つようになっているなど、ここにも問題があるのであります。そこで、農林大臣は、今後、日本の漁業の中で、沿岸漁業をどのように位置づけていかれるのか。第二次構造改善事業等の施策によって、沿岸漁業者の所得を他産業並みに引き上げるのはいつごろまでを目途としておられるのか、お伺いいたします。  最後に、重ねて佐藤総理大臣に、漁場汚染問題についてお尋ねいたします。  田子の浦港に典型的な例を見ることのできるように、経済の高度成長政策の実施以降、政府並びに地方公共団体のGNP優先と、それに便乗し、かつ産業間の調和ということばで正当化された企業の無責任きわまる産業廃棄物の排出、無秩序な埋め立て等によって、わが国の沿岸海域は広範囲にわたって汚染され、漁場価値の低下ないし喪失を招いております。この結果、沿岸漁業においては壊滅的打撃を受けたり、そこまでいかない場合でも、漁獲量の激減や経営の不安定化が急増しています。しかも、いまや沿岸海域は、ひとり漁業だけでなく、人類の生存のために必要とされる自然環境の保全という高い視点に立って汚染を防止しなければならない段階に立ち至っていることが、海洋学者をはじめ、広く各界から指摘されているのであります。また、汚染の防止だけでなく、さらに進んで、すでに汚染されてしまった海域を、魚の住むことのできる、もとのようなきれいな状態に復元するための努力が積極的に払われる必要がありますし、むしろ不可欠になっていると言っても過言ではありません。歴代自民党政府の経済政策のもとで、沿岸海域の汚染をここまで放置し、沿岸漁業者の死活の問題にまで発展しているこの事実に対し、総理はどのような形で責任をとられるのか、また、汚染海域や漁場の再開発についていかなる方策を持っておられるのか、誠意ある所信を表明されることを期待し、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 川村君にお答えいたします。  まず、今後の漁業政策の基本方針でありますが、本日提出した漁業白書あるいは今後講じようとする施策において詳細に明らかにしたところでありますので詳しくは申し上げません。漁業は、私が申し上げるまでもなく、国民の動物性たん白質食糧の重要な供給源として今後ますます高度化し、多様化していく需要に十分対応しなければならないという国民経済上の使命をになっていることは、あらためて申すまでもなく、漁業を取り巻く数々のきびしい環境に適切に対処していく必要があります。そのような意味で、資源の涵養と開発、生産基盤の整備、沿岸・中小漁業の近代化のための諸施策を総合的に推進してまいる決意であります。  次に、領海あるいは漁業専管水域その他について、最近の日ソ漁業交渉から関連して考えられる諸問題について触れられました。詳しくは外務大臣からお答えすることだと思いますが、私は三海里説を従来からとっておる日本の領海説、これは当然改めるべきだろう、かように考えて、外務当局にもいろいろ検討を命じておったところであります。また、漁業専管水域の問題も他国と問題を引き起こしやすい国際的な問題でありますので、すでにつくっている漁業専管水域、そこに入漁している日本の漁業を守ると同時に、新たな問題としてこれは検討しなければならない。また、今日は海洋開発の時代でありますので、そういう意味から大陸だな資源等、いろいろ海洋の問題については検討すべき基本的な問題があると思っております。  ところで、今回の日ソ漁業交渉、これは新聞その他の報道ですでに御承知のように、赤城特使を派遣せざるを得ないような状況になりました。赤城君が出かけてようやく解決を見た。そしてカニだとか、サケ・マスだとか等々の大企業の漁業がいろいろ困難を来たしておりましたが、問題の中心課題は中小企業の業者が関与しているニシン漁業にあった。しかも、その抱卵ニシンの漁獲の問題にあったと、こういうことが最後になりまして明らかになったようであります。私はたいへんこの点は遺憾に思い、過日もタス通信の社長が私をたずねてきました際に、どうも日ソ間の問題はたいへんうまくいっているようだが、どうもことしの漁業交渉に関する限りたいへん問題があったように思う。ことに中小企業の業界については非常な理解があると思ったソ連自身、かような全面禁漁という、そういうことが突然提案されることは、まことに私は遺憾に思うと、強い話をしたような次第であります。私はもちろん、抱卵ニシン、こういうものが資源維持のため乱獲されては困ると、かように思いますが、突然全面禁漁というような措置をとること、これは関係業者にたいへんな迷惑を与えるものだと、かように思っております。したがいまして、政府自身もこの問題にはもちろん責任があるのでございすまけれども、相手方においても、それらの急激な変化を与えないようなくふうがあってしかるべきではないか、かように思ったような次第であります。  そこで、関係業者の強行出漁の問題が新聞で報ぜられております。政府といたしましては、日ソ間で話のついた事柄、それをあえてぶちこわすような強行出漁などはやめてほしい、また、そういう意味の救済はあらゆる面で努力しよう、こういうことで、ニシンの出漁者に対しましての事後の措置ではありますが、いろいろ話し合って救済措置を講じたような次第であります。また、加工業者の救済等につきましても意を用いております。もちろん、オホーツク海の抱卵ニシンはこれは全面禁漁でありますが、国際的に広く、他の北海方面にやはり抱卵ニシンもいることでありますので、加工業者等はいわゆるこのカズノコ、そういうものの加工も可能ではないのか、かように思っておりますので、ただいまそういう手当てをしておるような次第であります。  私はこういう関係から今後の日ソ漁業交渉にあたりましては、十分わがほうももっと用意をいたしまして、そうして交渉に臨む、ことしのようなことのないように、この上とも努力したい、かように考えております。ただいまの状況で、直ちに日ソ漁業交渉の基本的な態度である交渉を変えるという、そこまでの考え方は持っておりませんが、十分実情についての認識をソ連側にも求める、十分認識してほしい。同時にまた、資源そのものについても日ソ共同して基本的な調査をしよう。そうして、いかにしてこの資源を保存あるいは拡大することができるか等についても検討しよう、かように考えております。  そうして、お話がありましたように、両国の間に平和条約のないこと、これがかような問題が起こるゆえんだろう、かように御指摘になりましたこともそのとおりであります。私もタス通信の社長に、両国の間に平和条約ができてない、まことに残念である、これは両国がまじめに取り上げるべきだ、かように私も指摘したところであります。その際に相手方から言われますのに、どうして平和条約ができないのか、こういう逆質問がございました。私は明らかに申しましたが、両国の国境がきまってないから平和条約ができてないんだ。こういうことで、この話はまだ一致は見ておりませんが、ただいま言われますように、平和条約がないというそういうことでいろいろ交渉は困難だ。しかしながら、平和条約こそまだできておりませんけれども、両国の間で漁業に関してただいま折衝できる、あるいは日ソ航空条約ができているとか、シベリアの上空を日本機が飛ぶとか、こういうように、その他の面はたいへんうまく円満にいっているのでありますから、今後起こるであろうシベリア開発その他の問題等についても、わが国が積極的に平和を愛好し、その意味においての協力を惜しまないものだということをよく相手方にも理解してもらう、そういう意味でソ連側も日本についての理解を深める、これを一そう要望したいものだ、かように思っております。  次に、公害問題についてお尋ねでありましたが、私は都市や産業からの排水や廃棄物によって漁業が被害を受けたり、漁場の汚染化現象が最近かなり顕著に見受けられます。このような傾向は、水産資源を保護し、漁業者の経営の安定をはかる見地からも、また海や河川の自然環境を美しく保全するためにもきわめて遺憾なことであり、強い姿勢で事態の改善につとめる必要があると考えます。海は広く、膨大な浄化機能を持っているといっても、その能力には限度があります。無限ではありません。昨年来の臨時国会で成立を見ました一連の公害関係法を厳格に運用して、水質汚濁の進行を防止し、漁場環境の維持改善につとめてまいる決意でございます。  以上私からお答え申し上げます。その他の問題については関係大臣からお答えいたします。(拍手)    〔国務大臣愛知揆一君登壇、拍手〕

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) まず第一に、領海、専管水域、大陸だな等の問題でございますが、ただいま総理からお示しのありました基本方針に基づきまして、大体領海六海里、専管水域六海里、合わせて十二海里という説を政府としてとることが適当ではなかろうかと考えまして、その線に沿いまして国際的な合意ができるように、あらためて大いに努力をいたしたいと考えております。ただ問題は、この種の問題については、国際的合意とこれを順守する誠意とが絶対に必要でございますので、各国が一たんきめましたならば、それ以上に沿岸国としての、いわば風鈴つきのような権利の主張というようなことはぜひ慎まなければならないということを強く要請して合意を求めるべき問題である。そういう点に重点を置いて努力を新たにいたしたいと考えております。  大陸だなにつきましては、これは日本がまだ大陸だな条約に入っておらないわけでございますが、おりませんのには、それなりに日本の国益からいって重大な問題があるからでございます。この点につきましては、なお真剣に慎重に検討を続けたいと思います。  それから次に、日ソ漁業条約の問題でございます。この条約は、昭和三十一年に締結され、そして十年を経過したあとは、締約国の一方が一年の猶予をもって廃棄の通告をしない限りは有効に存続するということになっておりまして、現在がその状況にあるわけでございます。現在まで、日ソ両方ともこれを続けるということでずっとやってまいりました。こういう状態であり、最近の日ソ交渉等の実情に顧みまして、ただいま御意見にもございましたかと思いますけれども、条約自体を改定したらどうかという意見も一部には出ておりますことは事実でございます。  しかし、条約自体を変えるということにつきましては、その利害得失について十分検討しなければなりませんし、また、相手国の考え方や態度もあることでございますから、この条約自体を改定する云々ということについては、十分関係方面と検討はいたしたいと思いますけれども、ただいま、改定が適当であるというふうに申し上げるまでには至っておりません。  同時に、これもただいま総理大臣からもお触れになりましたが、今回の交渉の経緯にもかんがみまして、交渉のやり方自体にもっとくふうはないであろうか。この点につきましては、十分謙虚に考え直していくべきではないかというふうに存じております。  第三の問題は、これは総理からお話がございましたから、きわめて簡単に申し上げますが、やはり何と申しましても、北方領土問題が解決がしてない、平和条約ができていないというようなことが、何らかの影をさすということは否定することはできないと思いますから、領土問題の解決について、また、平和条約の締結について、なお一そうの国民的な努力が絶対に必要である、かように考える次第であります。  しかしながら、それはそれといたしまして、現実の当面の問題については、日ソ両国間の平和的な話し合いによって積み上げていかなければならない。その積み上げの現状から申しますれば、この今回の交渉は、非常に私どもも遺憾であり、申しわけがなかったと思いますが、また、他の方面を見てみますと、きわめて最近に、新しい五カ年間の日ソ間の貿易支払い協定の話し合いがまとまりまして、きわめて近く調印の運びになっております。また、新潟とハバロフスクとの間の新たな航空路線が設定されることにもなりました。こういうことは、よいほうの例であると思います。こういった具体的な問題について、平和裏にソ連との間の話し合いをどんどん進める、そうして積み上げていくということについては、当然のことではございますが、努力を続けてまいりたい、かように存じておる次第でございます。(拍手)    〔国務大臣倉石忠雄君登壇、拍手〕

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) お答えいたします。  本年度の白書につきまして御批判がございましたが、新たに主要魚種の資源動向を取り扱うなど、内容の充実にはつとめてまいっておりますが、今後とも資料面の充実等について努力をいたしてまいりたいと思っております。  それから、近年の漁業政策は漁獲量の増加を重視し過ぎるのではないかというお話でございましたが、国といたしましては、近年の水産物需要の増大に対応いたしまして、未利用資源の開発等につとめておることは御存じのとおりでありますが、すでに利用されておる資源につきましては、それぞれの持続的生産量の水準が最大に維持されますように、漁獲努力の過度の増加を抑制するために漁業許可等の面で配慮をいたしておるわけでありますが、それと同時に、国の水産研究所を中心として資源の組織的な調査研究を続けておるわけであります。なお、沿岸海域では、需要の強い高級魚介類を中心といたしまして資源を培養するために、栽培漁業の推進につとめておる次第であります。  いま申し上げましたように、漁獲につきましては十分ただいま御指摘のようなことのないようにつとめておるわけでございますが、昨日発表いたしました農林省の統計調査で、お手元に届いておると思いますが、四十五年度の漁獲高は九百二十七万トンになりまして、昨年に比べて六十六万トン、八%の増加であります。これは御存じのように、北洋の母船式底びき網によるスケトウダラ等の漁獲が非常に多かったこと、北太平洋の大、中型のまき網のサバ類の漁獲が好況であったこと、沖合い底びき等の好況がこういうことになった次第でありますが、九百万トン台というのはわが国初めてのことでございます。  そこで、沿岸漁業の位置づけにつきましてお話がございましたが、沿岸漁業は国民に対しまして新鮮でバラエティーに富んだ魚介類を供給する源でございまして、また、多数の沿岸漁家の経営のよりどころでもございますので、政府としてはこれを積極的に振興いたすことにつとめておるわけであります。今後の振興の方針といたしましては、第二次沿岸漁業構造改善事業を通じまして生産性の高い漁業経営を育て上げてまいりますとともに、漁港の整備、増養殖事業の推進等を計画的に進めてまいりたいと思っております。なおまた、公害による漁場環境の悪化に対処いたしまして、公害関係法律の適正な運用と相まちまして、漁場の改良復旧、オイルフェンスの設置等の事業を実施してまいりたいと思っております。  それから、本年の漁業交渉についてお話がございましたが、モスクワのカニ交渉も、東京の日ソ漁業委員会、サケ・マス、ニシンも、資源状態についての見解が相互に対立をいたしまして、法的な立場の相違などからいずれも難航いたしましたが、最終的には赤城特使を派遣して妥結を見た次第でありますが、本年の交渉の結果は、サケ・マスの漁獲量は九万五千トン、それからカニは漁獲量がやや削減されましたものの、西カムチャツカ・タラバ母船以外は減船することなく済んだわけでありますが、ニシンについては、先ほど総理大臣からお話もございましたように、ソ連側の強い要望もありまして、将来の資源増大に期待する意味でオホーツク産卵ニシンの禁漁措置をとることとなりました。もちろん、両国とも引き続いて資源調査に最善の努力をいたすことになっておりまして、それは現在すでに続行中であります。で、その結果、オホーツク産卵ニシン漁業に従事しておりました漁船二百五十一隻が、四月一日から六月二十五日までの間、従来の操業場所を失うということになりまして、出漁準備に要しました経費等の損失は相当の金額に達することを考慮いたしまして、政府としては四十一億九千万円の国費をもって救済措置を講ずることといたしたことは御存じのとおりでありますが、必要に応じてほかの漁業への転換について、都道府県知事の協力を得ながら、できるだけ努力をいたすということで解決をいたした次第でございますが、これの解決につきまして、政府が申しましたことについてお触れになりましたが、御存じのように、私どもといたしましては、ニシンの全面禁漁ということは、内容については不満でありますが、事情やむを得ざるものとして二国間で国際協定を結んだ次第でありますので、このことについては両国ともこの協定を尊重せざるを得ないのは当然でございますので、そういう両国間の条約及び協定に基づいて話し合いがついたのに、わが国の漁民が無断で出漁するということは困るので、それはやめてもらいたい。  それから先ほどの四十一億九千万円の救済措置を講じましたのは、本年出漁しないということの救済のために出す資金でありますので、それを犯して無断で出漁されるような方には、救済金は差し上げることができません。当然なことであります。  もう一つは、出漁いたしますためには、新たに農林大臣の許可が必要でございます。当方は、その許可をいたすわけにいきませんので、許可証を持たずに出漁された者につきましては、これは諸外国を相手にしておることでありますので、いかなる事態が起きるかはかり知れないのであるから、自重していただきたいと、こういうことを私が申し添えたと、こういう次第でございます。(拍手)    〔国務大臣野原正勝君登壇、拍手〕

野原正勝自由民主党労働大臣

○国務大臣(野原正勝君) 御指摘のとおり、漁業は天候等の自然条件によって制約される面が非常に多く、また、労働慣行の面におきましても特殊性がありまして、一般的にいって労働関係の近代化がおくれておることも事実でございます。労働省といたしましては、運輸省、水産庁等の関係行政機関とも連絡をとりながら、労務管理の改善をはかるため、賃金形態の改善、労働災害の減少などに重点を置きまして、今後とも行政指導につとめてまいる所存でございます。(拍手)     —————————————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 藤原房雄君。    〔藤原房雄君登壇、拍手〕

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま報告のありました昭和四十五年度林業白書並びに漁業白書につきまして、若干の質問を総理並びに関係大臣に行なうものであります。    〔議長退席、副議長着席〕  最初に、林業の問題であります。自然破壊、人間疎外の叫ばれる今日、国民の間に自然の保護を求める声が高まっております。林業白書も、この点について、例年になく取り上げておりますが、その説くところは、きわめて観念的であります。今日の林業基本法は、林業の近代化、つまり林業の経済性の確立を目的とした法律であります。従来の林政も、山がよくなることは、森林の経済機能と治山治水、自然保護等の公益的機能との二つを同時に満たすことができるという前提に立っていました。今日の基本法林政もこの姿勢を踏襲しております。しかし、今日ではこのようなあり方ではならないと思うのであります。最近の森林の乱伐による後退は、観光地、都市近郊に端的にあらわれ、さらに日本全土に波及していることは御存じのとおりであります。このような森林管理の無定見に対して、自然保護の世論が高まっているのであります。このような状態を冷静に見るとき、いままでのように、森林を維持、存続させるための費用を森林所有者だけに負担させる林政は、根本的に再検討しなければならないと思うのであります。また、しばしば問題になっている国有林も自然保護に本格的に取り組む体制をつくるべきであります。自然保護に十分対応できる林政の確立について、総理の姿勢並びに農林大臣の所見を伺いたいのであります。  続いて造林対策であります。現在の造林政策はまことに複雑であり、公社造林、公団造林、団地造林、里山開発などが錯綜しております。したがって、造林の一そうの伸展をはかるためには、造林政策を抜本的に改善すべきと思うのでありますが、その考えがあるかどうか、あるとすれば、どのような具体策を考えているのか、お答えをいただきたいのであります。  次に、漁業問題につきまして伺います。漁業白書によれば、四十四年度の漁業総生産数量は八百六十一万トンと、前年並みにとどまっております。また、総生産金額から見ますと、八千四百八十八億円という過去五年間で最高の伸びを示しておりますが、これは価格の値上がりによるものであります。このような現象は、漁業者としてほんとうに喜ばしいことでありましょうか。一方の消費者は高い魚に泣かされているのであります。国民に対するたん白供給源としての水産物がますます需要が多くなるのに、それに十分対応できるだけの漁業資源の確保は、最も深刻な問題であり、わが国の水産界の将来は、ますますきびしい状況に向かうものと思うのでありますが、総理の基本的施策を明らかにしていただきたいのであります。  第二に、わが国の大幅な譲歩によってようやく妥結を見ました日ソ漁業交渉について、総理並びに農林大臣に伺います。  交渉を終えた赤城特使は、帰国の際、記者会見で、「来年からまず政治折衝を行なってから具体的に進めるべきで、そのため閣僚級の代表が訪ソすべきである」と言い、また、「包括交渉は望ましいが、望みは少ない」と述べているのでありますが、農林大臣は訪ソの意思をお持ちかどうか、また、今後の交渉の際、わが国はどのような態度で望むのか、お伺いしたいのであります。  これまでの交渉で、日本側は、資源の減少についてそれほど深刻であるとは考えられないと主張し、ソ連側は、極端にわが国の乱獲のため減少していることを主張しておりますが、いずれにせよ、ソ連の河川への産卵にのぼるサケ・マスの増減状態や、ニシンやカニが減少傾向にあるという主張にしましても、わが国では証明されていないのであります。一体ほんとうに根拠は何なのか、はたして減少しているのかどうか、その根拠を示してほしい。さらに、水産資源減少に対する施策及び人工増殖措置をソ連側に呼びかけ、両国で取り組むような交渉でなければ少しも両国の利益にならないと思うのであります。いずれにせよ、三−五年間の安定した漁獲量を取りきめて、計画生産のできる体制をとってほしいというのが現地漁民の声であります。これらの対策について、政府はどのように考えているか、お伺いしたいのであります。  ただいまも答弁がございましたが、次にオホーツクの産卵ニシンの全面禁漁に対してお伺いいたします。農林大臣は、昨日、長期対策について含みのある態度を表明されましたけれども、ニシン漁業者並びに加工業者についての今後の対策、それから来年以降のニシン交渉のお考えについて、基本的な対策については総理、また、その具体策については農林大臣にお伺いしたいのであります。  第三番目は、沿岸漁場の公害問題であります。まず、私が去る三月二十日の予算委員会におきまして、全国の漁場総点検の中間報告を水産庁にお伺いいたしました。その総点検の最終結果を明らかにしていただきたいと思うのであります。中間報告によりますと、最近一年間の被害額が約百五十億にのぼると報告がありましたが、これらの補償問題についてはどう対処されるか。漁業交渉の行き詰まりの打開策として、また、水産資源確保の上からも、主要河川や内水面の汚濁対策は強力に講ずべきであると思うのであります。さらに、今国会に提出された海洋水産資源開発促進法にしましても、沿岸漁場では増・養殖事業の振興、さらに栽培漁業を積極的に行なっていこうとするものでありますが、これらは沿岸における水質汚濁の防止等を前提としない限り全く不可能なことであります。今後の沿岸漁場環境の公害防止対策、汚染漁場の再開発、そのための予算措置等についてどのように対処するのか。さらに、最近ひんぱんに有害物質に汚染された魚類が発見されており、食品衛生上も重大な問題となっております。これらに対する対策をどのように進めるお考えか、お伺いしたいのであります。  第四に、海難事故防止についてであります。毎年痛ましい犠牲者が続いております。しかもその大半が、無理な操業をしなければ経営を維持することすらできない中小漁業者であります。漁業生産の健全な発展を推進するためにも、このような漁船遭難対策が円滑に実施されなければなりません。また、北洋漁場等における海難救助には新鋭巡視船艇の増強が必要であります。さらに、遠距離救難業務として大型飛行機等の増強が望まれております。これら救助施設の整備及び海難防止と技術開発の確立を早急に充実させるべきであります。運輸大臣並びに農林大臣の所信をお伺いしたいのであります。  最後に、漁業就業者の問題であります。昭和四十四年の漁業就業者数は五十七万二千人となり、前年に比べて三・七%と近年にない大幅な減少を示しております。特に、沿岸漁業における老齢化の進行と婦人就業者の増加問題は、海上というきびしい自然条件下での作業であるため、特別な保護対策が不可欠であるにもかかわらず、何ら対策がなされていない現状であります。また沖合い遠洋漁業にあっては、どうしても若いエネルギーが必要でありますが、労働条件、労働環境等の不備が若年労働者をして漁業への就業を忌避させているのであります。これらの諸問題につきまして、労働大臣、農林大臣の具体的対策をお尋ねいたします。  以上、林業、漁業に関し当面する問題につきまして、総理並びに関係各大臣の誠意ある御答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 藤原君にお答えをいたします。  今後の林政の基本方針につきましては、さきに社会党の北村君にるるお答えしたとおりであります。従来の林業基本法が経済的機能中心であったとは必ずしも考えませんが、いずれにいたしましても、森林の持つ公益的な機能と経済的な機能との調和をぎりぎりのところまで詰めることが今後の林政の大きな課題であると私は考えます。特に森林は、その性格上、一たび破壊されると、その回復には多大の時間と経費を要するだけでなく、破壊の連鎖反応にははかり知れないものがあります。林野行政の推進にあたりましては、緑の保護者としての自覚を新たにして、自然保護を重視してまいりたいと、かように考えております。  第二に、漁業についてでありますが、その基本姿勢についても、これまたたいへん藤原君には申しわけのないことですが、社会党の川村君から先ほどお尋ねがありまして、これに答えたばかりでありますので多くは申し上げません。私は、先ほどの林野、森林あるいは山についてと同様に、人間性回復の場を海洋レクリエーションに求めるという国民的願望が最近とみに強く、そのような意味で漁業とレクリエーションの調和も今後の一つの課題であると、かように考えておりますので、特にこの点には留意をしてまいる決意でございます。  次に、日ソ漁業交渉の今後の進め方についてのお尋ねがありましたが、先般の交渉の経緯も考慮し、関係当局の間で十分検討させることとして、今後、ことしのような轍を二度と踏まないように、十分これと真剣に取り組み、いろいろな問題が起こらないように、国内的にも国際的にも円満な妥結ができるように、この上とも努力をしたい、かように考えております。  オホーツク海産卵ニシンの問題、あるいはまた沿岸の漁業、ことに公害にさらされている沿岸漁業等の問題については、後ほど倉石君からお答えいたさせます。  私からは、以上、二三の点についてお答えいたしました。(拍手)    〔国務大臣倉石忠雄君登壇、拍手〕

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) お答え申し上げます。  森林の持つ経済、公益両機能を高度に発揮することは、わが国の森林及び林業に課せられました大きな使命であることは、先ほど来申し上げておるところであります。そこで政府といたしましても、森林施業の計画化、林業基盤の整備等の各般の施策を通じて、このねらいの達成につとめてまいったわけでありますが、林業基本法がその目的としておる林業の発展、林業従事者の地位の向上は、森林資源を充実し、その機能の高度発揮を期するためにきわめて重要でありますし、また、基本法は公益的機能の確保を考慮をいたしまして各般の施策を講ずべきものとしておりますので、今後ともこの基本法の趣旨に即して、かつ、森林の公益的機能に対する要請の高まり等の情勢の変化をも十分勘案しつつ、適切な施策をやってまいりたいと思っております。  そこで、過疎化の進展等のための造林の促進の阻害についてお話がございました。造林事業は、これは森林政策上非常に大事な仕事でございますが、木材資源の培養、水資源のかん養、国土の保全等の面できわめて重要でありますから、従来とも林政上の重点施策としてその積極的な推進につとめてまいった次第でございます。近時、経済社会の発展とともに、山村労働力の流出、低質材処分の困難化等、造林事業を取り巻く諸情勢がきわめて悪化いたしつつある情勢にかんがみまして、今後、森林所有者及びその協同組織による事業を助長することを基本として施策の拡充強化につとめてまいりたいと存じます。  そこで、林業をめぐる諸情勢は、御存じのようにたいへん変化しておりますが、この計画策定におきまして、私どもは木材需要の増大、林業生産活動の停滞、外材輸入量の増大、森林の公益的機能に対する社会的要請の増加等、多くの面で著しく変化いたしてきておりますので、これらを踏まえまして、先ほどお答えいたしましたように、森林資源基本計画は改定する方向で鋭意検討を進めている次第でございます。  漁業についてのお話がございました。これは総理大臣からもお話がございましたが、今後の日ソ漁業交渉の進め方につきましては、本年の交渉の経緯をも考慮いたしまして、関係省の間で十分検討してまいりたいと考えております。したがって、お話のように、ただいま私が訪ソするかどうかというふうなことは考えておりません。  それからニシン漁業者、加工業者に対する補償につきましては、先ほど詳しくお答えいたしましたとおりでございますが、加工業者等についても、できるだけわれわれは金融措置その他でごめんどうを見てあげたいと考えている次第であります。  それから、日ソ間において、双方とも御存じのように調査船を出しまして、オホーツクニシンの資源状態を調査するようになっていると、先ほどお答えいたしたとおりでありまして、資源論について双方の科学者の間に意見の一致を見ておらないわけでありますから、こういう点について、私どもさらに資源調査に努力をしてまいりたい。そこで、来年につきましては、私どもは可能な限り復活し得るように最善の努力を払って交渉をいたしてまいるつもりであります。  それから漁場総点検の最終結果による漁場汚染の進行状況についてお話がございましたが、農林省が四十五年度に実施いたしました漁場総点検の調査につきましては、現在、委託先の各都道府県からの報告を分析取りまとめ中の段階でございますが、総体的な判断を下すには、なおしばらく時間が必要でありますけれども、これまでに判明いたしたところでも、漁場の汚染はかなり進んでおる模様でありますので、公害関係諸法律を厳正に運用して、工場排水や廃棄物の規制を強めてまいりますとともに、監視体制の強化、漁場復旧事業、オイルフェンスの新しい設置等の防止対策を積極的に講じてまいりたい。また、必要な漁場を確保し、水産資源の維持、増大をはかることも大切でありますので、魚礁の設置であるとか、あるいは稚魚の育成放流等の事業を拡充してまいりたいと思っております。  それから、公害による漁業被害の補償につきましては、公害紛争処理法の適正な運用をはかるとともに、被害実態の把握、紛争の公正かつ迅速な調整等につき、地方公共団体と協力をいたしまして、所期の目的が達成されるようにいたしてまいりたいと思っております。  それから、沖合い等を含めました漁業労働従事者の労働条件についてのお話がございましたが、漁業従事者の労働条件、それから労働環境の改善につきましては、賃金体系の合理化を重点といたしまして指導を強化いたしますとともに、船員設備基準の順守、漁業労働の軽減等をはかるための省力技術の開発等をつとめてまいりたいと考えております。  また、漁村の生活環境の改善につきましても、生活改善普及事業を通じまして施策を進めてまいっておりますのは、四十六年度予算でも御理解がいただけることだと思っておりますが、こういう点については、さらに私どもも努力を続けてまいる考えであります。(拍手)    〔国務大臣橋本登美三郎君登壇、拍手〕

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(橋本登美三郎君) お答え申し上げます。  沿岸海難事故が相当の数にのぼっておることは、まことに残念であります。またお話しの北洋海域を中心としました海難事故を調べてみますと、過去三年間で千百十六件にのぼっております。これに伴う人身事故は三百八十二名でありまして、まことに遺憾でありまして、この点大いに反省をし、全体の措置をとっておるわけであります。これは御承知のように、藤原さんも北海道御出身でありますから、私もあちらにおったことがありまするが、非常に気象、海象の状況が、秋から冬にかけてはたいへん異常なものがあります。流氷状況等につきましても、海上保安庁は各関係方面と十分連絡をとって、放送その他の手段によりまして周知徹底をはかっておるわけでありまするが、なかなかこの点につきましても十分とは申し上げにくいのであります。しかし問題は、やはり救難体制でありますからして、本年度におきましても巡視船艇の増強、あるいは大型飛行機YS11もこの十一月にはもう一機増強することになっておりますが、このような大型救助体制の整備によって、この種の海難事故をできるだけ少なくすると同時に、総合的な施策、すなわち気象状況あるいは海象状況、あるいは使用者のまあ良識といいましょうか、運航規制、こういうものによって海難事故を未然にまず防ぐという予防体制、もし起きました場合においては、大型救難体制によってこれはやっていかなければなりませんので、本年度予算におきましても巡視船艇の増強等——ただ財政上の関係がありまして、お話しのように十分なる措置ができてはおりませんけれども、逐次この問題につきましては全力を尽くして、まあ大型救難体制といいますか、救助体制をしいてまいりたいと思っております。この点につきましては、大型ヘリコプター等も考慮に入れまして、大蔵省当局とも今後とも折衝を続けて、万全を期したいと考えておる次第であります。(拍手)    〔国務大臣野原正勝君登壇、拍手〕

野原正勝自由民主党労働大臣

○国務大臣(野原正勝君) お答えいたします。  漁業は天候等の自然的条件に制約される面が多いので、一般産業に比べて労働面においても特殊性があり、また、労働問題の近代化がおくれておる向きも存在いたします。労働省としましては、漁業の経営基盤の強化対策と並行して、賃金制度の改善等、労務管理の近代化のための指導、労働災害防止を重点とした監督指導を実施するとともに、災害補償の面でも労災保険への加入促進を行なうなど、労働者の福祉の向上をはかってまいりたいと考えております。(拍手)

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 日程第二、昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)。  日程第三、昭和四十四年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)。  日程第四、昭和四十四年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び経費増額調書。  日程第五、昭和四十四年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)。  日程第六、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)。  日程第七、昭和四十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)。  日程第八、昭和四十五年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)。   (いずれも衆議院送付)  日程第九、昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書。  日程第十、昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)。  日程第十一、昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十三年度政府関係機関決算書。  日程第十二、昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算書。  日程第十三、昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書。  以上十二件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。決算委員長森元治郎君。    〔森元治郎君登壇、拍手〕

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 ただいま議題となりました昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求めるの件及び昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書、昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)につきまして、決算委員会における審査の経過並びに結果について御報告いたします。  当委員会におきましては、以上九件につきまして、去る三月二十六日、大蔵当局から説明を受けた後、質疑に入りました。その詳細は会議録で御承知願いたいと存じます。  五月十七日、質疑を終了し、採決の結果、予備費七件に関しましては多数をもって承諾を与うべきものと決し、国庫債務負担行為二件につきましても多数をもって異議がないと議決されました。  次に、昭和四十三年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  本決算は、昭和四十五年一月十四日国会に提出、同三月四日、当委員会に付託され、国有財産関係二件につきましては、昭和四十五年一月三十日、国会に提出され、同日委員会に付託されました。  当委員会は、決算外二件の審査にあたり、国民の税金を財源とする国家財政の執行が真に適正かつ効果的に行なわれているかどうか、国有財産の管理が国民の納得のいくような方法でなされているかどうかといった点を主眼として審査を行なってきたのであります。  この間、委員会を開くこと二十五回、委員各位の熱心な審査が重ねられましたが、別に述べるような警告内容のほか、国有林境界線をめぐる問題、帝国ホテルをめぐる登記問題、国有財産払い下げ問題、一部高級公務員の各種天下りについての問題、税関職員の待遇問題、水先案内料の値上げをめぐる問題、その他数々の重要問題について論議がなされましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  かくて、委員会は五月十七日、質疑を終了し、直ちに討論に入り、まず、決算の議決案について討論を行ないました。その議決案の第一は、本件決算の是認、第二は、内閣に対する八項目の警告であります。討論におきましては、社会党、公明党及び共産党を代表した委員からは、本件決算は是認できないが、内閣に対する警告には賛成であるとの意思表示がなされ、自民党及び民社党の委員からは、本件決算を是認するとともに、内閣に対する警告にも賛成である旨が述べられました。  討論を終わり、採決の結果、本件決算は多数をもって是認すべきものと議決され、次いで、内閣に対する警告については、全会一致をもって警告すべきものと議決された次第であります。  内閣に対する警告の概要は次のとおりであります。  一、農林省所管国庫補助事業の実施に関し、補助の趣旨が生かされていない事例があるのは遺憾である。政府は、一そう監督を厳にし、このような事案の再発を防止すべきである。  二、富士銀行における十九億円余の不正融資事件、その他類似の金融機関における不祥事件はきわめて遺憾である。政府は、銀行監査機能を一そう充実強化すべきである。  三、日本航空機製造株式会社が、YS11型航空機及びその部品の輸出にあたり、十億円余の不当な手数料を支払ったことは遺憾である。   政府は、指導監督に努力すべきである。  四、近年、国鉄、私鉄の列車事故のため乗客などに多数の死傷者が出ていることは遺憾にたえない。政府は、実効ある指導監督を行ない、この種事故未然防止に万全を期すべきである。  五、郵政省関係の記念郵便切手発行業務が、健全な趣味の段階を逸脱し、投機的傾向を助長していると思われる事例があることは遺憾である。政府は、その運営の適正をはかるべきである。  六、残留農薬、ベンジジンなどのもたらす有害物質が、国民の健康生命に深刻な被害を及ぼす事実にかんがみ、政府は、その被害の絶滅を期すべきである。  七、公害防止事業団のつくった施設の中には実効のあがらないものがあるので、政府は、指導監督につとめるべきである。  八、雇用促進事業団の移転就職者用宿舎の用地買収並びに管理運営には適切でないものがあるので、政府は、指導監督につとめるべきである。  以上であります。  次に、国有財産関係二件につきましても、採決の結果、昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算書については多数をもって、また、昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書については全会一致をもって異議がないと議決された次第であります。  内閣に対する警告につきましては、関係各国務大臣から、その趣旨を体して努力する旨の発言がありましたが、これらの警告の趣旨が、国政万般に遺憾なく具現されることを要望して、私の報告を終わります。(拍手)

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  まず、日程第二より第八までの予備費使用総調書等七件について採決をいたします。  七件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、七件は承諾することに決しました。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 次に、昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書及び昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)について採決をいたします。  両件は委員長報告のとおり異議がないと決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、両件は委員長報告のとおり異議がないと決しました。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 次に、昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十三年度政府関係機関決算書について採決をいたします。  本件の委員長報告は本件決算を是認すること及び内閣に対し警告することからなっております。  まず、本件決算を委員長報告のとおり是認することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本件決算は委員長報告のとおり是認することに決しました。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 次に、委員長報告のとおり内閣に対し警告することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、全会一致をもって委員長報告のとおり内閣に対し警告することに決しました。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 次に、昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算書について採決をいたします。  本件は委員長報告のとおり異議がないと決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本件は委員長報告のとおり異議がないと決しました。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 次に、昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書について採決をいたします。  本件は委員長報告のとおり異議がないと決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本件は全会一致をもって委員長報告のとおり異議がないと決しました。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 日程第十四、第四次国際すず協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。  まず委員長の報告を求めます。外務委員長松平勇雄君。    〔松平勇雄君登壇、拍手〕

松平勇雄自由民主党

○松平勇雄君 ただいま議題となりました第四次国際すず協定につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告申し上げます。  この協定は、現行の第三次協定にかわるものでありまして、現行協定と同様、緩衝在庫による売買操作及び輸出統制の制度の運用によって需給を調整し、価格の安定をはかるとともに、開発途上にあるすず生産国の経済発展に資することを目的とするものであります。  委員会における審議の詳細は会議録によって御承知願います。  昨十八日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本件を問題に供します。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 日程第十五、労働組合法の一部を改正する法律案(衆議院提出)。  日程第十六、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)。  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長林虎雄君。     ━━━━━━━━━━━━━     —————————————    〔林虎雄君登壇、拍手〕

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 議題となりました両法律案のうち、労働組合法の一部を改正する法律案は、中央労働委員会の労・使・公益、各委員の定数を一名ずつ増員して各八人に改めるものであります。  委員会は、五月十一日付託を受け、五月十三日採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。     —————————————  次に、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案は、中高年齢者向きの適職の研究、職業紹介施設の整備、雇用率の設定等、広く中高年齢者について雇用促進措置を講ずるほか、特に就職困難な中高年齢失業者に対しては、特別の指導、訓練を行ない、さらに、雇用機会の乏しい地域については雇用促進計画を作成し、特定地域開発就労事業への吸収をはかる等の措置を講ずることを内容とする法律であります。  なお、現行の緊急失業対策法は、現に失対事業に就労している者についてのみ効力を有することとするものであります。  衆議院におきまして、この緊急失業対策法の効力を有する期間について、期限を特に定めないこと、失対事業就労者に対する臨時の賃金の支払いを従前どおり行なうこと等を内容とする修正が加えられてまいりました。  委員会は五月十一日付託を受け、審議の結果、五月十八日、全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決しました。  なお、小柳勇委員提出にかかる附帯決議案を、全会一致をもって、本法案に対する附帯決議とすることに決しました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決せられました。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 日程第十七、道路交通法の一部を改正する法律案。  日程第十八、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案。   (いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長若林正武君。    〔若林正武君登壇、拍手〕

若林正武自由民主党

○若林正武君 ただいま議題となりました二法律案について、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  まず、道路交通法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近における道路交通の実情にかんがみ、交通事故を防止し、その他交通の安全と円滑をはかり、及び道路の交通に起因する障害の防止に資するため、歩行者用道路に関する規定を設ける等、歩行者の安全をはかるための規定を整備し、路線バス等の優先通行の確保等、都市交通対策のための規定を整備し、その他交通方法に関する規定を合理化するとともに、道路を通行する者に正しい交通方法を理解させるための教則の作成及び運転者等に対する講習について規定を整備すること等をおもな内容とするものであります。  委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対し、政府は、交通事故防止の徹底をはかるため、交通安全施設等の整備拡充、都市交通対策の推進及び運転者の資質の向上等の諸点について、より強力な対策を講ずべきである旨の附帯決議を付することに決定いたしました。     —————————————  次に、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、昭和四十五年度に実施した地方公務員共済組合の年金の額の改定につき、恩給法等の改正内容に準じて所要の措置を講ずるとともに、地方団体関係団体職員共済組合が支給する年金の額を地方公務員共済組合が支給する年金の額の改定措置に準じて改定するほか、遺族年金の受給資格者たる遺族の範囲の拡大、退職年金等の最低保障額の引き上げ等を内容とするものであり、衆議院において地方住宅供給公社及び地方道路公社の職員についても、団体共済組合制度を適用すること等の修正を行なったものであります。  委員会における質疑の詳細は、会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対しても、政府は、スライド基準の早期設定、短期給付にかかる国庫負担の導入、年金制度施行前の職員期間の算入措置等を検討し、実現をはかるべきである旨の附帯決議を付することに決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手)

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決せられました。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 日程第十九、豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長北村暢君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔北村暢君登壇、拍手〕

北村暢日本社会党

○北村暢君 ただいま議題となりました豪雪地帯特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、災害対策特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  本案は、衆議院災害対策特別委員長提出にかかるものであり、その内容は、豪雪地帯の住民の生活水準の維持改善をはかるため、昭和四十七年度から昭和五十六年度までの十カ年間に限り、基幹的な市町村道の整備に対する特例並びに特別豪雪地帯における公立の小学校及び中学校の施設等に対する国の負担割合の特例を講じたことであります。  委員会における質疑の内容は会議録に譲りたいと存じます。質疑を終了、別に討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法案に対し、自民、社会、公明、民社、共産の各党共同提案にかかる特別豪雪地帯の住民の安全と福祉の向上をはかるため、十一項目にわたる附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 日程第二十、昭和四十四年度及び昭和四十五年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員会理事亀井善彰君。    〔亀井善彰君登壇、拍手〕

亀井善彰自由民主党

○亀井善彰君 ただいま議題となりました農林年金改定法案につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法案は、農林漁業団体役職員の年金につき、国家公務員共済組合制度等に準じて、既裁定年金の額を改定するとともに、年金の最低保障額の引き上げ、標準給与月額の改正及び遺族年金の受給者の範囲の拡大等、所要の改善をしようとするものであります。  委員会におきましては、既裁定年金の改定方法及び最低保障、年金の財政と国庫補助の充実、農林漁業団体職員の給与、労働条件等にわたって質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わり、別に討論もなく、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、全会一致をもって三項目の附帯決議を行ないました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 日程第二十一、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。文教委員長高橋文五郎君。    〔高橋文五郎君登壇、拍手〕

高橋文五郎自由民主党

○高橋文五郎君 ただいま議題となりました法律案について、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、勤労青少年教育の一そうの振興をはかるため、定時制及び通信制高校の校長及び教員の定時制通信教育手当の支給率を引き上げようとするものであります。  委員会におきましては、定時制及び通信制教育の今後のあり方とその整備充実策、技能連携教育の現状と問題点、定時制高校への就学奨励策の確立とその卒業生の就職差別の撤廃の問題などについて熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終わり、次いで、安永委員より各党を代表して、施行期日についての修正案が提出されました。  討論もなく、直ちに採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案は、いずれも全会一致をもって可決せられ、よって、本法律案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。  次いで、定時制及び通信制高校の教職員の定数及び待遇の改善に努力すべき旨の附帯決議案が提出され、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。以上御報告申し上げます。(拍手)

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案の委員長報告は修正議決報告でございます。  本案全部を問題に供します。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって委員会修正どおり議決せられました。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 日程第二十二、宅地建物取引業法の一部を改正する法律案。  日程第二十三、積立式宅地建物販売業法案。   (いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。建設委員長田中一君。    〔田中一君登壇、拍手〕

田中一日本社会党

○田中一君 ただいま議題となりました二法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  まず、宅地建物取引業法の一部を改正する法律案は、宅地建物取引業の適正な運営と取引の公正を確保して、購入者等の利益の保護をはかるため、宅地建物取引業者の免許基準の整備、契約内容の適正化、前金の保全等の措置を講ずるもので、そのおもな内容は、第一に、免許の取り消し等を受けてから三年の間新たに免許を受けることができないこと。第二に、名義貸しを禁止するとともに、取引主任者について新たに登録制度を実施すること。第三に、損害賠償額の予定の制限、瑕疵担保責任についての特約の制限、割賦販売の契約解除の制限、所有権留保の禁止等、契約内容に関する規定を整備すること。第四に、宅地建物の青田売りについて、金融機関、指定保証機関の保証または保険会社の保証保険のいずれかの前金保全措置を講じなければ前金を受領してはならないこと等であります。     —————————————  次に、積立式宅地建物販売業法案は、民間住宅建設に重要な役割りを果たしてまいりました積立式宅地建物販売業について、許可制度を実施し、積み立て金の保全等、購入者の利益を保護するため必要な措置を講ずるもので、そのおもな内容は、第一に、積立式宅地建物販売業を営もうとする者は、建設大臣または都道府県知事の許可を受けなければならないこと。第二に、積立式宅地建物販売業者は、積み立て金等の三分の一に相当する額につき、営業保証金の供託または特定金融機関との間に営業保証金委託契約の締結の措置を講じなければならないこと。第三に、契約締結前における積み立て条件の説明義務、損害賠償額の制限等に関する規定を設けること等であります。  本委員会は、両案を一括して審査し、参考人の出席を求め、質疑を行ないましたが、その詳細は会議録で御承知願います。  質疑を終了、別に討論もなく、採決の結果、両案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、宅地建物取引業法の一部を改正する法律案につきまして、宅地建物取引損害てん補制度を検討し、実現に努めること等、三項目の各派共同提案にかかる附帯決議を全会一致をもって付することに決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決せられました。      —————・—————

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 日程第二十四、公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長横川正市君。    〔横川正市君登壇、拍手〕

横川正市日本社会党

○横川正市君 ただいま議題となりました公衆電気通信法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法律案の内容につきましては、さきに趣旨説明を聴取しておりますので、簡単にその要旨を申し上げます。  改正の第一点は、電報事業の健全化に資するため、電報の料金及び利用制度を改定すること、改正の第二点は、最近における生活圏、経済圏の拡大と情報化社会の進展に即応する通話制度を確立するため、単位料金区域内はすべて三分までごとに七円にする広域時分制を採用するとともに、近距離通話の料金を引き下げるなど、通話料体系を整備すること、改正の第三点は、加入電話の大幅増設の費用の一部に充てるため、設備料を単独電話については五万円に改めること、改正の第四点は、データ通信に対する社会的要請の増大にかんがみ、これに対する制度を創設しようとするもので、民間企業などが日本電信電話公社または国際電信電話株式会社の通信回線を利用する制度を新設するとともに、電電公社または国際電電会社が行なうデータ通信サービスを法定すること等であります。  逓信委員会におきましては、政府並びに電電公社当局に対し、情報基本法の制定、情報の秘密保護に関する法制の整備、データ通信のための公衆通信網開放をめぐる諸問題、現在の物価情勢下における公共料金引き上げの妥当性、広域時分制の可否、加入電話の積滞解消、電報事業の今後の見通しと慶弔電報の存続等について質疑を重ねたほか、参考人の意見を聴取するなど、慎重な審議が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党の鈴木委員より反対、自由民主党の長田委員より賛成、公明党の塩出委員より反対、民社党の村尾委員より反対の旨の発言があり、採決の結果、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次いで、日本社会党の永岡委員から、情報産業に関する総合的な基本法制の整備など五項目を内容とする四党共同提案にかかる附帯決議案が提出され、採決いたしました結果、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。鈴木強君。    〔鈴木強君登壇、拍手〕

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私は、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、ただいま議題となりました公衆電気通信法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行なわんとするものであります。  以下、順次、その理由を申し上げます。  第一は、データ通信回線使用契約制度の新設についてであります。需気通信回線の開放は情報化社会への第一歩を踏み出すものでありまして、政治、経済、社会に与える影響はきわめて大きく、その及ぶところははかり知れないものがあります。したがいまして、情報化を今後進めるに当たりましては、まず、その基本原則たる平和利用と国民生活の向上、民主的な管理運営及び基本的人権とプライバシーの保護の三原則を明確にした情報化に関する基本法を制定し、その上に立って基本的政策を定めるべきであるとするのが、私どものかねてからの主張であります。とのことにつきましては、すでに昨年五月の衆参両院においても、情報処理振興事業協会等に関する法律案の採決の際、全会一致をもって附帯決議が付され、政府もその趣旨に沿って善処する旨約束をしているのであります。しかるに、今回もまたこの約束を無視して、基本法の制定を見ないまま、通信回線の開放のみを先行させることは、まことに遺憾なことでありまして、将来に大きな禍根を残すものであることを深く憂うるものであります。特に情報の秘密保護については、今後情報化の進展によって企業や組織等の情報のほかに、国民の個人情報も大量に蓄積されるようになると思われるのでありますが、もしこれが悪用されますれば、基本的人権とプライバシーの侵害という重大な問題を惹起するおそれがあります。しかも、現在、情報の秘密保護については、法律上その対象とされておらず、また、すでに磁気テープの盗難という具体的犯罪事件が発生しておりまして、単に企業機密にとどまらず、個人のプライバシーの保護を含めた対策が望まれているのであります。この問題は、データ通信のための通信回線開放以前に解決しておくべき重要問題であると思うのであります。  さらに、改正案によれば、データ通信のための回線開放により民間企業等にも公衆電気通信回線の大幅使用が認められることになり、電報、電話などの一般公衆通信の疎通や機能が阻害されるおそれもあるのでありまして、安易な回線開放はきわめて問題であります。大企業のために、こうした優先的な措置をとることは、公共施設である公衆通信回線網を私するものであり、また、データ通信のため公衆通信回線の利用に関連して、市内通話の三分制が採用されることになりますが、これによって生ずる料金負担の増大も、大企業のために一般電話の加入者を犠牲にするものであると言わざるを得ないのであります。  また、この法律案は、電電公社の行なうデータ通信サービスの提供を本来業務として法的に裏づけようといたしております。しかし、わが国の公衆電気通信業務を専掌する公共企業体たる公社の第一義的責務は、現在なお申し込んでもつかない三百万になんなんとする電話の積滞を、一日も早く一掃することにあると思うのでございます。データ通信業務の実施よりも、積滞電話の解消こそ先決問題であると思うのであります。  また、情報化産業に対する貿易と資本の自由化対策について見ますれば、コンピューターのハードウエアとソフトウエアの両面とも、現在はいまだ自由化されておりませんが、近ごろの新聞にも報道されておりますように、近い将来必ず問題となることは明らかであります。資本的にも技術的にも格段優位に立つ米国の情報産業は、わが国を絶好な市場としてねらっていることは事実だと思います。米国資本にじゅうりんされた西ヨーロッパ諸国の二の舞いを、わが国において再び演ずることは絶対に許されません。したがいまして、この面に対する何らの配慮もなく、ただ通信回線の開放を行なうことは、外国系大型コンピューターやソフトウエアの進出を容易にするものでありまして、わが国情報産業の現在と将来のためにも、とるべき道ではないと信ずるものであります。  このほか、データ通信に関しては、労働者に対する大きな影響や情報化のもたらす人間疎外の問題、情報の独占的管理の強化など種々の問題が伴なってくるのでありまして、私どもは、データ通信の健全な発展をいささかも否定するものではありませんが、政府がこれらの問題に対する回答を見出せないまま、財界の圧力に屈して公衆電気通信回線を開放して、データ通信を民間社会にも行なわせようとすることに対しては、反対せざるを得ないのであります。  第二は、電話料金体系について広域時分制を採用する問題であります。提案によりますと、全国五百六十二の単位料金区域を最低通話料金区域として、通話料を三分七円にしようとするものでありまして、まさに重大な改悪というべきであります。この方法は、従来の市内・市外の料金格差を縮めて、負担の均衡をはかろうとする意味においては、一歩前進であることは認めるものでありますが、現在の単位料金区域そのものが、必ずしも合理的であるとは言えないばかりか、隣接区域内通話との料金格差も大幅なものがあります。したがって、私どもがかねてから提唱しているいわゆるグループ料金制とはきわめてほど遠いものとなっております。また従来、通話時間に制限のない市内電話の度数制を一挙に三分単位の時分制に変更することは、通話料の実質的値上げになるのであって、国民大衆は全く納得しかねるのであります。このことは、大企業に奉仕するデータ通信のための通信回線の開放によって、そのしわ寄せが一般国民に押しつけられるものであります。のみならず、広域時分制の採用によって、大半の単位料金区域においては電話基本料の引き上げを伴うこととなるのでありますが、単位料金区域の規模、特に一加入回線に七つも八つも加入者が接続されている地域集団電話の多い区域等においては、この基本料が一挙に二段階も引き上げられることとなるのでありまして、たいへん不合理になるのでございます。  第三は、設備料の値上げについてでありますが、御承知のとおり、設備料は昭和四十三年に単独電話の場合一万円から三万円に引き上げられたばかりであり、今回はこれをさらに五万円に引き上げようとするのでありまして、わずか三年間に一万円から五万円にという大幅な値上げが行なわれることになるのであります。政府は、この設備料値上げについて、加入電話の増設のため必要な措置であると説明しているのでありますが、特に公社の都合により、二年も三年も、長きは五年も待たされた電話申し込み者は、設備料の一方的引き上げを押しつけられることになり、大きな損害をこうむるのでございます。政府は電話架設のためには、思い切って財政投融資資金等を増額投入する等、公社の建設資金調達に最大限の協力をすべきでありまして、今回のような安易な申し込み者への加重負担となる設備料の値上げは避けるべきものと思うのであります。  第四に、電報事業の近代化とこれに関連する問題についてであります。政府と公社は電報料金値上げの理由として、昭和二十八年以来、料金が据え置かれたため、あらゆる経営合理化の努力にもかかわらず、電報の収支率は実に七二〇%と最悪の状態になっており、また、過去の累積赤字は約四千百億円にも達していることをあげております。これは電報事業の公共性が強く主張されて、採算性が無視された結果生じたことには間違いがありません。電報事業といえども、原価主義による独立採算を経営の基本原則とすべきことは言うまでもないところであります。にもかかわらず、長期間にわたり、電報の赤字は電話収入で補てんするという安易な態度に終始して、その基本となっている公共性と採算性について真剣な対策がなされなかったため今日の状態を招来し、一挙に大幅値上げを実施せざるを得なくなったと思うのでありまして、その責任は重大と言わなければなりません。  しかも今回の値上げや利用制度の改善等、一連の近代化施策を実施しても、その収支差額はなお相当な額に達するのでありまして、事業の将来に光明を見出すことは不可能であります。したがいまして、電報事業については、電話や加入電話、データ通信その他近代的電気通信手段が急速に発展する中にあって、そのあり方、電気通信手段全体の中における位置づけについて、長期的展望を明らかにするとともに、その上に立って抜本的対策を樹立すべきであります。しかし、そのことがなされておりません。その場合、大量の電報要員の他部門への流動が予想されるのでありますが、その対策については、十分、労働者の納得が得られるよう、電報要員の士気高揚施策とあわせて、特に格段の配意が必要であります。労働者の犠牲の上に立った合理化には絶対に反対であることを表明せざるを得ないのであります。  次に、今回の電報の利用制度の近代化に関連して、慶弔電報の制度を廃止することとしているのでありますが、慶弔電報はすでに国民生活の中に定着しております。その利用は、今後ますます増加する傾向にあることが予想されているのでありますから、国民感情としても、むしろこの制度は存続するのが適当であると考えるのでありまして、この点についての再考を強く要請するものであります。  最後に、以上の電話料、設備料、電報料金等の一連の値上げについて総括いたしますと、これらはいずれも利用者に多額の負担を強いるものであり、これら公共料金の値上げは、最近における異常な消費者物価の上昇にさらに拍車をかけることは明らかでありますので、今回の改正は絶対に避くべきものであったと思うのであります。さきに郵便料金の値上げが行なわれ、いままた電報電話料金の引き上げが行なわれるのでありますが、このような政府主導型の物価上昇施策に対して、私どもは一億国民とともに強く反対するものでございます。  以上をもって討論を終わります。(拍手)

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙自由民主党副議長

○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十七分散会

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