法務委員会 第2号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/02/23
会議録
○委員長(阿部憲一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る一月五日、小林武君が委員を辞任され、その補欠として田中寿美子君が、同月二十六日、小林国司君が委員を辞任され、その補欠として藤田正明君が、翌二十七日、河口陽一君が委員を辞任され、その補欠として佐藤一郎君が、翌二十八日、佐藤一郎君が委員を辞任され、その補欠として鈴木省吾君が、また二月三日、堀本宜実君が委員を辞任され、その補欠として菅野儀作君が、同月十二日、藤田正明君及び浅井亨君が委員を辞任され、その補欠として田中茂穂君及び中尾辰義君が、同月十九日菅野儀作君及び山崎竜男君が委員を辞任され、その補欠として、小林武治君及び西田信一君がそれぞれ選任されました。また本日、松澤兼人君が委員を辞任され、その補欠として安永英雄君が選任されました。 —————————————
○委員長(阿部憲一君) 理事の補欠選任についておはかりいたします。委員の異動に伴い、理事が二名欠員となっておりますので、この際補欠選任を行ないたいと存じます。選任につきましては先例により、委員長にこれを一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿部憲一君) 御異議ないと認めます。それでは理事に鈴木省吾君及び中尾辰義君を指名いたします。 —————————————
○委員長(阿部憲一君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。 法務行政について植木法務大臣から発言を求められておりますので、この際これを許可いたします。植木法務大臣。
○国務大臣(植木庚子郎君) 私は、先般、はからずも法務大臣に就任いたしました。かりて法務大臣としてつとめたこともあります関係上、法務委員会の委員の各位におかれましては、日ごろ法務行政の諸問題につきまして、いろいろと御尽力いただいておりますことを十分承知しておるところであります。この際、この機会に深く感謝の意を表する次第でございます。 本日は、法務大臣に就任いたしまして、初めて法務委員会に出席いたしましたので、御審議に先立ちまして所懐の一端を申し上げてみたいと思います。 私は法秩序の維持、確保と、国民の権利の保全、擁護は法務行政の使命と考えておるものでありまして、したがって、私自身は率先躬行、法務行政の最高責任者たる責めを果たしたいと考えておりますので、よろしく御協力を賜わりますよう、お願いを申し上げます。 以下、当面、重要と考えております二、三の点について申し述べてみたいと思います。 第一は、治安対策についてであります。 昨年は、過激派集団による暴力活動が懸念されたのでありますが、憂慮されていたほどのことはなく、また、ここ数年来相次いで発生いたしました一部学生らによりますところの大規模な集団的暴力活動等も、鎮静化の傾向を公し、治安情勢はおおむね平穏に推移しているものと認められるのであります。しかしながら、過激派集団の活動は、来年の沖繩返還時期に向かって、活発化することも予想せられます。今後の情勢には、なお警戒すべきものがあると存じますので、法務当局といたしましては、過激派集団の動向を慎重に見守りまして、社会秩序を破壊するような過激な違法行為に対しましては、従来同様、厳正な態度をもってこれに対処し、治安維持に万全を期する所存であります。 第二は、公害対策についてであります。 近年問題となっている公害につきましては、関係各省が協力し、総合的な施策のもと強力にこれを推進して、公害を克服する必要があると考えるのであります。法務省におきましても、前国会において各位の御協力により成立し、本年七月一日施行が予定されている人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律の適正な運用をはかるなど、所管行政を通じて現下の重要課題である公害の防止に寄与する施策を進めてまいりたいと考えます。 第三は、法務行政の充実についてであります。 法務省が所管いたしております民事、刑事、矯正、保護、人権擁護、出入国管理、訟務その他の事務は、いずれも国民の権利義務に直接にかかわる事項でありますので、これら行政が的確かつ迅速に実施されるよう、一そうの充実をはかる所存でございます。 特に、近時の著しい経済成長に伴い登記事件その他の民事行政需要が飛躍的に増加している情勢にかんがみ、国民の権利の保全、円滑な経済活動等に支障を生ずることがないよう、効率的事務処理がなし得る施策を講じ国民の期待にこたえたいと存じております。 また、所管各庁の老朽庁舎等の改築、職員の待遇改善等につきましても十分に留意し、法務省関係職員の士気の高揚につとめたい所存でございます。 最後に、法務行政の適正な遂行をはかるよう、予算の確保につきましては、でき得る限りの措置を講じますとともに、当面必要な諸法律の改正をはかりたいと考えておりますので、これらの諸点につきましても何とぞよろしくお願いを申し上げます。 以上、はなはだ簡単ではございますが、私の所懐の一端を申し上げまして、委員の皆さまの各段なる御協力を心からお願い申し上げる次第でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。 —————————————
○委員長(阿部憲一君) 次に、昭和四十六年度法務省並びに裁判所関係予算及び今期国会における法務省関係提出予定法案について、順次説明を聴取いたします。最高裁判所大内経理局長。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 昭和四十六年度裁判所所管予定経費要求額について、説明申し上げます。 昭和四十六年度裁判所所管予定経費要求額の総額は、五百八十九億九千七百七十七万円でありまして、これを前年度予算額四百八十八億九千四百八十一万円に比較いたしますと、差し引き百一億二百九十六万円の増加となっております。 これは、人件費において七十九億一千四百六十八万九千円、裁判費において二億七千百四十六万二千円、最高裁判所庁舎新営費において十三億七千八百六十三万一千円、下級裁判所営繕費において二億七千五百四十二万七千円、 その他司法行政事務を行なうために必要な旅費、庁費等において二億九千二百七十五万一千円が増加した結果であります。 次に、昭和四十六年度予定経費要求額のうちおもな事項について御説明申し上げます。 まず、最高裁判所庁舎の新営に必要な経費であります。 最高裁判所庁舎を東京都千代田区隼町十三番の一に、工事費総額百十九億九千四百四十七万三千円、工期三年で新営する初年度の工事費及び事務費として十四億五千八百七万円を計上しております。 なお、この歳出予算額のほかに、国庫債務負担行為として二十六億五千三百八十二万一千円を計上しております。 次は、人的機構の充実のための経費であります。 特殊損害賠償事件等の処理をはかるため、判事補十二人、裁判所書記官十二人、裁判所事務官二十四人の増員に要する人件費として三千五百七十八万三千円、簡易裁判所の交通事件(刑事関係)の適正迅速な処理をはかるため、簡易裁判所判事二人、裁判所書記官二人、裁判所事務官十人の増員に要する人件費として九百八万七千円、家庭裁判所の資質検査の強化をはかるため、家裁調査官三十六人の増員に要する人件費として三千四百一万一千円、執行官法所定の金銭の保管及び予納事務を取り扱うため、裁判所事務官(歳入歳出外現金出納官吏補助職員)二十人の増員に要する人件費として八百七十万五千円、家庭裁判所を充実、強化するため、専任の家庭裁判所長を置く庁の増設二庁に要する経費として二百五十四万九千円、合計九千十三万五千円を計上しております。 次は、裁判運営の能率化および近代化に必要な経費であります。 裁判官の執務環境の改善をはかるため、下級裁判所裁判官研究庁費一億七千五百六万五千円、資料室図書、図書館図書の充実をはかる等のため、裁判資料の整備に要する経費一億三千七百十四万円、裁判事務の能率化をはかるため、検証用器具等の整備に要する経費八千五十八万九千円、電子計算機による事務機械化の調査研究のため、研究開発に要する経費一千百六十八万一千円、調停制度を審議するため、臨時調停制度審議会(仮称)の設置に要する経費七十六万九千円、合計四億五百二十四万四千円を計上しております。 次は、公害訴訟の処理に必要な経費であります。公害訴訟を適正迅速に処理するため、協議会を開催する等に必要な経費四千百四十七万五千円を計上しております。 次は、下級裁判所の営繕に必要な経費であります。下級裁判所庁舎の新営、増築等に要する経費として裁判所庁舎等の継続工事十六カ所、新規工事十七カ所、増築工事二カ所の工事費及びその事務費等四十億二千二百二十万三千円を計上しております。 次は、裁判費であります。国選弁護士の報酬及び日当を増額するに必要な経費として四千百八十六万一千円、調停委員等の日当を増額するに必要な経費として三千七百四万六千円、証人等の日当を増額するに必要な経費として四百八十四万円、合計八千三百七十四万七千円を計上しております。 最後に、沖繩の本土復帰に伴う沖繩裁判所の受入準備に必要な経費であります。 沖繩司法制度の調査研究に必要な経費二百八十九万七千円、職員の任命がえ等人事関係に必要な経費七百八十万三千円、合計一千七十万円を計上しております。 以上が昭和四十六年度裁判所所管予定経費要求額の大要であります。
○委員長(阿部憲一君) 次に、法務大臣官房伊藤会計課長。
○政府委員(伊藤榮樹君) 昭和四十六年度法務省所管予算の内容について、概要を御説明申し上げます。 昭和四十六年度の予定経費要求額は千七十一億六千六百十四万三千円でありまして、これを前年度予算額九百四十九億七千二百七十八万五千円に比較いたしますと、百二十一億九千三百三十五万八千円の増額となっております。 増額分の内訳を大別いたしますと、人件費百三億四千四百二十五万二千円、一般事務費十四億九千五百二十二万八千円、営繕施設費三億五千三百八十七万八千円となっております。まず、増員について申し上げますと、第一に、検察庁において八十八人が増員となっております。まず、自動車等による業務上過失致死傷事件の増加に対処し、事件処理の円滑適正化をはかるため、副検事三十六人、検察事務官三十六人が増員となっております。また、産業犯罪事件の増加に対処するため検察事務官十人、公判審理を迅速に処理するため検察事務官六人が増員となっております。 第二に、法務局において事務官二百人が増員となっております。まず、登記事務の激増に対処し、その迅速適正化をはかるため、百九十人が増員となっております。また、国の利害に関係のある民事、税務等の争訟事件の処理を充実するため八人、人権侵犯事件等の増加に対処するため二人が増員となっております。 第三に、刑務所における職員の勤務条件を改善するため、看守が婦人補導院からの振りかえ増十九人を含めて百人の増員となっております。 第四に、非行青少年対策を充実するため、関係職員四十三人が増員となっております。 その内容は、少年院の職業補導の充実のため教官十九人、少年鑑別所の観護活動の充実のため教官十一人、保護観察所の面接処遇の強化のため保護観察官十三人でありまして、犯罪を犯した青少年の健全な社会復帰を強力に推進しようとするためのものであります。 第五に、国際交流の活発化に伴い増加している出入国審査業務の適正迅速化及び在留外国人の資格審査の充実をはかるため、地方入国管理官署において入国審査官三十人、入国警備官三人が増員となっております。 第六に、公安調査庁における破壊活動調査機能を充実するため、公安調査官二十人が増員となっております。 増員の内容は以上のとおりでありますが、御承知のとおり、昭和四十三年八月の閣議決定に基づく定員削減計画による昭和四十六年度削減分として四百十八人が減員されることになりますので、所管全体といたしましては、差し引き四十七人の定員増加となるわけであります。次に、一般事務費について御説明申し上げますと、前年度に比し、旅費類が一億八千八百九十三万七千円、庁費類が八億六千百二十六万二千円、被収容者食糧費、弁償金等のその他の類が四億四千五百二万九千円増額となっております。 法務省におきましては、昭和四十六年度予算案の主要事項を治安対策の充実強化、国民の権利保全の強化、非行青少年対策の充実強化、矯正施設収容者処遇の改善、出入国管理業務の充実等に取りまとめておりますので、これらの主要事項を中心に御説明申し上げます。 第一の治安対策の充実強化につきましては、さきに申し上げました交通事件担当の副検事三十六人を含む合計二百三十二人の増員経費及び関係組織の人件費を含めて六百七十四億八千万円を計上し、前年度に比して七十六億九千百万円の増額となっております、これにより検察機能、矯正機能及び破壊活動調査機能の充実をはかるほか、保護観察機能を強化して罪を犯した者の更生と再犯の防止をはかり、もって法秩序の維持に万全を期することといたしております。 その増額分について申し上げますと、まず、検察庁関係としては、二十七億一千七百万円が増額されておりますが、その中には、関係職員の人件費のほか、直接検察活動に必要な検察費四千二百万円、公害犯罪事件処理の適正をはかるための経費一千百万円、捜査用器材費等一千五百万円が含まれております。 次に、矯正関係としては、四十億九千四百万円が増額されておりますが、この中には、関係職員の人件費のほか、職員の待遇改善経費二億九千五百万円が含まれております。 次に、公安調査庁関係としては、四億五千七百万円が増額されておりますが、その中には、関係職員の人件費のほか、調査活動費四千六百万円が含まれております。 次に、保護関係としては、四億二千三百万円が増額されておりますが、その中には、関係職員の人件費のほか、保護司等との連絡通信費、事務能率器具等庁費千五百万円、定期駐在実施旅費四百万円、保護司実費弁償金一億四千三百万円、更生保護委託費千四百万円が含まれております。 第二に、国民の権利保全の強化につきましては、まず登記事務処理の適正化に関する経費として、さきに申し上げました事務官百九十人の増員経費及び関係職員の人件費を含めて百十億四千三百万円を計上し、十七億二千五百万円の増額となっております。これにより経済の発展、公共事業の活発化等に伴う登記事件の増加に対処して、事務処理の適正、迅速化につき一そうの改善をはかることとしております。その増額のおもなものは、事務処理の能率化をはかるための全自動謄本作成機等庁費三千七百万円、謄抄本作成事務の一部を請負により処理するための庁費四千四百万円、不動産登記簿の粗悪用紙改製に要する旅費、庁費二千二百万円、公共事業関係登記事件の処理に伴う応援等の旅費、庁費一千六百万円であります。 次に、人権擁護活動の充実に関する経費として、関係職員の人件費を含めて四千百万円の増額となっております。そのおもなものは、同和事件等を含む人権侵犯事件調査の強化をはかるための旅費、庁費四百万円、人権擁護委員の活動強化をはかるための実費弁償金六百万円であります。 第三に、非行青少年対策の充実強化につきましては、治安対策関係と重複しておりますが、さきに申し上げました少年院教官等四十三人の増員及び関係職員の人件費並びに収容関係諸費を含めて百二億五千二百万円が計上され、前年度に比して九億七千七百万円の増額となっております。これにより、粗暴化、兇悪化の傾向にある青少年犯罪に対処する検察体制の充実をはかるとともに、少年院、少年鑑別所の機能を整備し、同時に青少年に対する保護観察機能を強化して罪を犯した青少年の更生と再犯の防止をはかることといたしております。 その増額分について申し上げますと、まず、検察庁関係としては、千六百万円が増額されておりますが、これは検察取り締まり経費であります。 次に、少年院関係としては、四億九千万円が増額されておりますが、その中には、関係職員の人件費のほか、教育、生活用備品七百万円、食糧費千六百万円が含まれております。 次に、少年鑑別所関係としては、二億三千八百万円が増額されておりますが、その中には、関係職員の人件費のほか、鑑別観護用備品二百万円、食糧費四百万円が含まれております。 次に、保護観察所関係としては、さきに申し上げました保護観察官十三人の増員及び担当職員の人件費並びに補導援護経費を含めて三億二千五百万円が増額となっております。 第四に、矯正施設収容者処遇の改善につきましては、四百万円の増額となっております。これは、作業賞与金の支給計算高を一五%引き上げるための所要経費八百万円、生活用備品、日用品等の収容諸費七千七百万円、被収容者食糧費の菜代の単価を九・二%引き上げる等の内容改善経費一億三千三百万円等が増額となりましたが、収容人員を七千三百六十人減じたため差し引きわずかの増額となったものであります。 第五に、出入国管理業務の充実についてでありますが、さきに申し上げました入国審査官等の増員及び関係職員の人件費を含めて五億一千七百万円の増額となっております。その中には、近時増加する出入国審査事務及び在留資格審査事務を充実するための臨船審査等旅費二百万円、携帯無線機購入費等出入国審査費五百万円、舟艇建造費等機動力充実経費千三百万円が含まれております。また、港出張所を北海道苫小牧港等四カ所に新設し、審査業務等の迅速適正な処理をはかることにしております。 次に、その他の事項経費のうち増額となったおもなものについて申し上げますと、 1 訟務費につきましては、弁護士等謝金二千六百万円、訟務旅費四百万円、庁費類五百万円、調査委託費百万円、計三千六百万円が増額となっております。 2 外国人登録事務費につきましては、一億三千六百万円が増額となっておりますが、そのおもなものは、昭和四十六年度が、外国人登録法に基づく在日外国人の登録証明書の大量切りかえを行なう年度にあたりますので、これに要する経費として登録諸用紙印刷費等庁費三千三百万円、外国人登録事務委託費八千万円、計一億一千三百万円が新たに計上されたものであります。 3 昭和四十六年度から法務省に電子計算機を導入するための経費として一億七千四百万円が計上されておりますが、そのおもなものは、電算機借料一億百万円の国庫債務負担行為の歳出化分のほか、カードせん孔委託費二千四百万円であります。 4 本年四月及び六月に実施される予定の地方統一選挙及び参議院議員通常選挙に際し、適正な検察権を行なう必要がありますので、これに要する経費として旅費、庁費合わせて九千五百万円が計上されております。 5 刑務所作業費につきましては、原材料費が相当額増額されましたほか、金属・印刷等の作業を充実するための機械器具の更新費、安全管理のための寒冷地の工場暖房費、作業付帯経費等合わせて九千六百万円が増額となっております。 以上が一般事務費関係で増額となったおもなものであります。 次に施設の整備につきましては、三億五千四百万円の増額となっております。これは検察庁、法務局等庁舎の新営整備経費が四億七千七百万円の増額となりましたが、刑務所、少年院等の収容施設の新営整備経費が一億二千八百万円減額となり、差し引き三億四千九百万円の増額となったことと、営繕付帯事務費におきまして五百万円の増額があったためであります。なお、年次計画に基づく法務局出張所の整備として四十五庁の新営が認められております。このほか法務本省庁舎及び東京検察総合庁舎の冷暖房設備費として建設省所管の官庁営繕費に三億五千七百万円が計上されており、さらに特定国有財産整備特別会計に松山刑務所等十七施設の施設整備費として三十三億三千八百万円が計上されております。 以上が法務省所管歳出予算予定経費要求の概要であります。 終わりに、当省主管歳入予算について御説明いたします。 昭和四十六年度法務省主管歳入予算額は三百九億九千九百八十三万二千円でありまして、前年度予算額二百九十四億二千百二十七万二千円に比較いたしますと十五億七千八百五十六万円の増額となっております。これは過去の実績等を基礎として算出されたものでありまして、その増額のおもなものは罰金及び科料と刑務作業収入であります。 以上をもって法務省関係昭和四十六年度予算案についての説明を終わります。
○委員長(阿部憲一君) 次に、法務大臣官房安原官房長。
○政府委員(安原美穂君) 今国会に法務省が提出を予定し、また、すでに提出いたしました法案につきまして、内容を簡単に御説明申し上げたいと存じます。 お手元に「第六十五回国会提出予定法案」というリストが差し上げてございますので、この順序に従いまして御説明をいたしたいと存じます。 法務省がすでに提出した法案並びに予定をいたしておりまする法案は全部で十三件でございまして、それに米印が二件ございますが、これは予算関係法案ということでございます。その他の法案が十一件ということに相なります。 最初は、法務省設置法の一部を改正する法律案でございます。要旨は、羽田入国管理事務所を廃止し、成田入国管理事務所を設置すること。これは現在羽田にあります東京国際空港において行なわれております出入国管理業務は、成田市に設置されます新東京国際空港の新設に伴いまして、同新空港において行なうことになりますので、これを実施するため羽田入国管理事務所を廃止いたしまして、成田入国管理事務所を設置するということであります。 第二点は、苫小牧市等に入国管理事務所の出張所を置くこと。苫小牧市所在の苫小牧港、相生市にあります相生港、因島市にあります土生港、鹿児島県の揖宿郡の喜入町にあります喜入港、これら四港におきます出入国者数の増加に対処いたしまして、出入国管理の事務を一そう有効適切に行なうため、この四カ所に入国管理事務所の出張所を新設しようとする内容であります。 第三番目は、市町村の配置分合等に伴い官署の位置等の表示を改めること。これは市町村の配置分合に伴いまして、札幌法務局の管轄区域内の行政区画等の名称の一部を改め、愛光女子学園、岡山少年院及び広島入国管理事務所尾道港出張所の位置の表示をそれぞれ改める内容であります。 以上が設置法の一部を改正する法律案の内容でございまして、すでに二月の四日、衆議院内閣委員会に提出済みでございます。 それからその次に、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案でございまして、内容は判事補の員数を十二人、簡易裁判所判事の員数を二人、裁判官以外の裁判所職員の員数を十九人それぞれ増加することを内容とするものであります。この判事補の員数十二人の増員は、公害事件その他特殊損害賠償事件の裁判事務の迅速化と充実をはかるためのものでございます。これもすでに衆議院の法務委員会に二月三日に提出、現に審議中でございます。 三番目は、旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律の一部を改正する法律案でございます。 内容は簡単でございまして、一般の公務員の恩給の増額に伴いまして、執行官の恩給の年額も改定されることとする措置を講ずるという内容でございます。特に、詳しく申し上げる必要もないと存じます。 その次は、民事訴訟費用等に関する法律案、刑事訴訟費用等に関する法律案、それからさらに民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟費用等に関する法律施行法案、こう三つでございますが、この三つは互いに密接に関連いたしますので、一括して御説明申し上げます。 要旨は、ここに書いてございますが、これを要しまするに、現在多くの規定上の不備のあります民事訴訟費用及び刑事訴訟費用に関する各法規を体系的に整備、明確化いたしまして、いわば訴訟費用に関する基本法を制定しようとするものでございます。 なお、この際、当事者間の費用償還請求権の対象となる費用につきまして、その範囲を制限列挙的に明確にするとか、あるいは手数料が過大に納められた場合におきまして、裁判所が納付者に対し超過金額を金銭で還付する道を開くということ、あるいは証人、鑑定人等に対しまして、出頭当日について日当を支給するほか、新たに出頭のための旅行に要した日についても日当を支給するものとすること、あるいは証人、鑑定人等の旅費の種目として新たに航空機を利用した場合を加えるというようなことの改善をはかりたいと考えておる次第でございます。 次に、民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟費用等に関する法律の施行法案は、要するに、現行の民事訴訟費用法、刑事訴訟費用法、民事訴訟用印紙法、商事非訟事件印紙法及び訴訟費用臨時措置法は、いずれもこれを廃止することといたしますので、廃止に伴う経過措置及び新法制定に伴う関係法律の整理をすることを内容とするものでございます。 次は、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案であります。これは、市町村の廃置分合等に伴いまして、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表に所要の改正を加えるものでありまして、同法律の別表に百カ所ほど、かような整理をする必要がありますのでこの法案を提出するものであります。内容は、簡単と存じます。 その次は、民法の一部を改正する法律案であります。 根抵当権の意義及び効力等について新たに規定を設け、不動産登記法その他の関係法令に所要の改正を加えることという要旨でありますが、要しまするに、根抵当は、御案内のとおり、銀行と取引先、商社と取引先などの間において、反復継続して生じます多数の債権を一定の極度額において担保する抵当権といたしまして、民法上明文の規定がないまま、明治以来、判例、学説によりまして、その有効性が承認され、経済取引におきまして重要な役割を果たしてきたのでございますが、この法律案は、明文の規定がないために生じます複雑、困難な問題を解消いたしますため、従来の慣行を基礎としつつ、根抵当をめぐる法律関係を明確化、合理化し、根抵当取引を安定したレールの上に乗せようとする内容のものであります。 要点といたしましては、根抵当権を設定するには、極度額のほか、一定の担保すべき債権の範囲を定めるべきものとするとともに、その変更もできるものとする、あるいは根抵当権の優先弁済権の範囲を明確にする、あるいは根抵当権者または債務者に相続・合併がありました場合の法律関係を明確にする、根抵当権の譲渡、その他の処分をめぐる法律関係を明文化する等の内容のものでございます。 次は、商法の一部を改正する法律案であります。 ここに書いてございますように、要旨は、監査役の職務及び権限を拡張し、決算について公認会計士の監査を受けなければならないものとすること及び累積投票制度、転換社債の発行、準備金の資本組み入れによる抱き合わせ増資等について所要の改正を加えるものであります。要旨は、株式会社の監査役は、会計監査だけではなく、業務監査をすることとし、そのために必要な権限を与えますとともに、適正な監査が行なわれるよう、任期を一年から三年に延ばすなど、独立性の確保、地位の安定等のための措置を講ずるというのが第一点。 第二点は、株式会社は、決算について、定時総会前に公認会計士の監査を受けなければならないものとし、株主、取引先、下請企業者、従業員等関係者の保護をはかるということ、それから、一年決算の会社について中間配当の制度を認め株主の便をはかる、あるいは取締役の選任につきまして、定款でいわゆる累積投票の制度を完全に排除することができることとして経営の安定をはかる、あるいは転換社債は新株と同様取締役会の決議で発行できることとし、また、法定準備金の資本組み入れによる有償、無償の抱き合わせ増資を認め資金調達の便をはかる、廃業した休眠会社の整理を行なうという内容のものでございます。 その下にあります株式会社の監査の特例に関する法律案は、一定規模の株式会社の監査について監査役の権限等の特例に関する法律を制定するものでありまして、先ほど申し上げましたような内容の監査役の権限強化あるいは決算定時総会前の公認会計士の監査を、資本金一億円未満の会社については、これを除外するというようなことを内容とする特例法でございます。 その次は、民事訴訟法等の一部を改正する法律案であります。 裁判書、調書等の署名押印方式の合理化を図り、即決和解に関する請求異議の訴え等の事物管轄に所要の改正を加える内容であります。さらに詳しく申し上げますと、即決和解等に関する請求異議の訴え等の事物管轄の改正と申しますのは、簡易裁判所におきまして成立した訴訟上の和解調停に関する請求異議の訴え等は、現在、すべて簡易裁判所の専属管轄とされておりますが、請求の価額が三十万円をこえます場合は、これらの訴えの管轄裁判所を地方裁判所に改めようとするものでありまして、これは裁判所法の一部改正法の審議の際における衆議院法務委員会の附帯決議の内容を実現しようとするものであります。 もう一つの裁判書、調書等の署名押印方式の改正と申しますのは、これは民事裁判手続の合理化、能率化をはかりますため、判決書以外の裁判書、調書、訴状等におきます現在の裁判官等の署名捺印を、刑事訴訟法と同じように記名捺印または認印で足りるものとするというのが改正の内容でございます。 その次は、刑事施設法案でございます。これは現行の監獄法をより積極的に、被収容者の基本的人権の保障と受刑者に対する効果的な矯正処遇、社会復帰の促進をはかる観点から全面改正しようとするものでありまして、御案内のとおり、監獄法は明治四十一年の制定公布にかかるものでございまして、現在に至るまで、一部の改正を除きましては、制定当初のままで推移してきたものでございますが、その後の行刑の発達、特に、日本国憲法の施行後二十年あまりの間におきます人権思想の推移、世界行刑思潮の進展あるいは一九五五年の国際連合決議にかかる「被拘禁者処遇最低基準規則」等に照らしますとき、現行監獄法を全面的に改正すべき時期にきていると存ずるのでございます。 本省におきましては、全面改正を目途といたしまして鋭意作業を続けてまいりました。最近に至りまして、主管局であります矯正局におきまして刑事施設法案を確定するに至ったのでありますが、この原案は何分にも百六十条あまりの大部のものであり、なおこれから省内の関係部局等あるいは関係省庁等との意見調整あるいは法制審議会による審議を行なう必要がございますので、この法案につきまして国会提出には、いましばらくの日時を要するものと考えております。 最後は、出入国管理法案でございまして、ポツダム政令であります出入国管理令を廃止いたしまして、新たにすべての人の出入国の公正な管理等に関する法律を制定しようとする内容のものであります。ポツダム政令である出入国管理令を廃止いたしまして出入国管理法を制定する。それから、その他の改正のおもな点といたしましては、第一に、出入国者の数の激増に対処いたしますため、在留期間の短い外国人等に対しまして、入国手続の簡素合理化をはかる。たとえば観光、スポーツ、会議参加、業務連絡等の入国目的を包括いたします短期滞在者という在留資格を設けるとか、査証なしでも一時的な上陸が許される者の対象の範囲を拡大するというようなものであります。 次に改正のおもな点といたしましては、外国人の在留管理の合理化をはかる。特定の者、たとえば在留資格者——教授、商用活動者、留学生、技術研修生、興行活動者、熟練特殊労働者等の在留資格のある者は、必要に応じまして在留を許され、活動の種類や場所を指定できるようにする。そして活動の指定に違反した外国人または一定の政治活動をした外国人等に対しましては、その行為の中止または同種行為の反復の禁止を命令することができるようにいたしました。その命令に違反した場合は処罰ないし強制退去の対象とするというようなこと、あるいは重要な犯罪人につきましては、暫時出国手続を留保できることとして、その重要犯罪人の国外逃亡の防止をはかるというようなことであります。 最後にそのほかの出入国管理事務の改善をはかるために、容疑者を収容しないでも、退去強制手続を進め得ることとし、また収容できる期間を従来よりも短かくする。退去強制令書が発付された者に対しては、本人が希望すれば自費により本人の希望する国へ退去できるようにする。あるいは出国者に対する再入国許可の有効期間の廷長を認めるというようなことが内容であります。 以上が法務省が今国会に提出をしたあるいは提出を予定しております法案の内容でございます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。
○委員長(阿部憲一君) 以上で説明は終了いたしました。本件に関する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時二分散会 —————・—————