文教委員会 第18号
- 発言数
- 424 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/05/21
会議録
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法案(閣法第六三号)(衆議院送付)を議題といたします。 本法案に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。
○加瀬完君 質問に入る前に、事実確認を若干いたしたいと思いますので、最初に、昨日、政務次官からいわゆる時間外勤務あるいは休日勤務の範囲について御説明があったわけでございますが、文書で提出をしていただきたいという要請をしておりましたが、文書はできておりましょうか。
○政府委員(西岡武夫君) 用意してございます。直ちにお手元に差し上げます。
○委員長(高橋文五郎君) 全員に配布していただきます。
○加瀬完君 ただいまいただきました「教員に対し時間外勤務を命ずる場合(試案)」、この質問をする前に、昨日、政府委員等から御答弁のありました点で、さらに確認をいたしますが、初中局長に伺いますが、小学校の勤務時間の調査では、一週間四十時間をこえるものは二五・二%、平均をとると三十一・五時間、中学校の二十四時間から二十九時間のも一のは二六・三%、三十時間から三十四時間のものは二八・八%、二つを合わせますと五五%、高等学校は二十時間から二十四時間のものが三七・九%、二十五時間から二十九時間のものが一八・九%、合わせて五六・八%、平均は二十二・一時間、国立学校は、小学校は十八時間から二十五時間で、平均が二十四・二時間、中学は十七時間から二十二時間で、平均は十九・九時間、こういう御報告がございましたが、このとおり確認してよろしゅうございますね。
○政府委員(宮地茂君) そのとおりと存じます。
○加瀬完君 そういたしますと、きのう私が指摘をしたのでございますが、平均三十一・五時間のものを基準にいたしますと、これも政府委員の御説明のように、二十六時間授業で一時間当たり 〇・五時間ずつ準備をするといたしますと十三時間、休憩時間等を入れると五十時間をこえておる、こういう先生方がおるということは認めてよろしゅうございますね。
○政府委員(宮地茂君) そういう先生方もおられるであろうということは想像できます。
○加瀬完君 おたくの調査でございますから、想像ではなくて、こういう先生方がいる事実というものは御確認をいただけるでしょう。
○政府委員(宮地茂君) おられると考えます。
○加瀬完君 なかなかむずかしい日本語をお使いになりますけれども、大臣に伺いますが、大臣は昨日、子供を教えることで勤務の態様がきまると、それは授業並びに研修が当然必要となってくると、したがって、外見から見ると自由な時間が必要とされる、こういう教育職員の仕事である、しかもそれは精神的なものであると、こういう御説明ございましたが、このまま受け取ってよろしゅうございますね。
○国務大臣(秋田大助君) 私は、そのようにお受け取り願いましてけっこうでございます。
○加瀬完君 これは人事院の総裁にもあわせて伺いますが、したがって、そういう職務の性格上夏休み等は自由研修の時間と見、これが教員の職責上は必要なことである、こういう意味の御説明がございましたが、大臣も総裁もこれもこのまま受け取ってよろしゅうございますね。
○政府委員(佐藤達夫君) できるだけ自由研修の時間をお与えいただきたいものだと思っております。
○国務大臣(秋田大助君) われわれといたしましては人事院の御意見を尊重してまいりたいと思いますし、私自身としても、またそういうことは必要なことであると考えております。
○加瀬完君 次に、精神的なものであるから、勤務時間というよりは勤務時間の内外を通してその自発性、創造性に期待すると、こういう職種の性格だと受け取ってよろしゅうございますね。
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもの説明書にもうたい、また昨日も御説明申したとおりであります。
○加瀬完君 自発性、創造性というのは、教師の自主的判断で働くものだと了解しますが、総裁はどうですか。
○政府委員(佐藤達夫君) 自発性、創造性ということばからも当然そういうことは出てくると、含まれておると思います。
○加瀬完君 それならば、教師の自発性、創造性を時間外勤務という形を課して強制的に働かせるということはそれこそ教師の職務の性格にはなじまないことだということにはなりませんか。
○政府委員(佐藤達夫君) 強制的にものをやっていただくということは、自発性、創造性とはこれはもう概念上矛盾することでございます。自発性、創造性ということば自体を論ずる場合においてはその強制的要素はないわけです。
○加瀬完君 そこで政務次官に伺いますが、ただいまお配りをいただきました「教員に対し時間外勤務を命ずる場合」という文書が配られましたので、重ねてあるいはおつけ加えいただく点がございましたらそれも加えていただいて御説明をもう一度いただきます。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 昨日、安永先生からの御質問に対しまして私がお答えを申し上げました、教職員に対して時間外勤務を命ずる場合のその範囲について、文部省の原案と申しましょうか、人事院に御相談を申し上げる前の段階の案を申し上げたわけでございまして、先生からのお話は、あらためて列挙して御説明申し上げるという御質問の趣旨でございましょうか。
○加瀬完君 きのうの御説明にあらためて何かおつけ加えいただくことがございましたらお話を承りたいと、そういう意味です。
○政府委員(西岡武夫君) との前提の問題として若干御説明を申し上げたいことがございます。 先ほどからも御議論がございますように、文部省といたしましてもできるだけこの教職員の方々に対して勤務時間の割り振りというものを適切に時間内で行なっていただいて、そして命令によるところの時間外勤務の必要をなくしていくということを、これを前提として、もちろんみだりに超過勤務の命令を出すべきではないという基本的な考え方に立っているわけでございます。その上でしかも校務上必要があるとき、臨時または緊急の必要があるとき、健康及び福祉を害しないよう考慮しなければならないとき、それにまた加えまして、勤務の実情について十分な配慮を行なうといういろいろな前提の上に立って、それでは命じ得る範囲はどの程度であろうかという点を具体的に列挙したわけでございます。きのう、私が一つ一つあげて具体的な事例を申し上げましたのは、すでにお手元に配付をいたしましたこの九つの分け方そのものにも若干問題がございますが、この整理のしかたはまた別に検討を要すると思いますけれども、これ以外の点で、文部省としても、この点はどうであろうかということで現在検討をしている点が一点ございます。それは研修の問題でございますが、研修の問題については、研修をすることを命令をしてまで研修をするということが実際問題としてどうであろうかということもございましたので、昨日の段階で私は、あえて具体的な事例として文部省が考えている範囲の中に加えてございませんが、一つの議論としては残っているということを加えて御説明を申し上げたいと思います。その他、特に御説明を申し上げる点はございませんが、昨日、私が最後に、非常災害の場合にということで御説明を申し上げましたのと、ただいまお手元に配付をいたしております文句が、私の申し上げました昨日のことばとは若干違っておりますのは、「非常災害等やむを得ない場合に必要な業務」という表現になってございます。昨日、私はこの点を、非常災害の場合に必要な業務ということで御説明を申し上げました。これは労働基準法の三十三条に、「災害その他避けることのできない事由によって、」という表現がございますが、この「非常災害等」というのは、いわゆる一般的な「等」ではなくて、非常災害に類するという意味でお手元に配付をいたしましたこの印刷物の中にはきのう申し上げませんでした「等」が入っておりますが、そういうふうに「等」というものを御理解いただきまして御了承をいただきたいと思います。以上でございます。
○安永英雄君 関連して……。 数点にわたって質問をいたしますが、まず一点は、いま九項目の種類を述べられましたけれども、これについての限度の問題について明確にさしていただきたいと思うんですが、どうですか。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 限度につきましては、これは必要やむを得ない場合に限るというふうにお考えをいただきたいと思います。
○安永英雄君 そうなってくると、いまから質問で一項一項これはやってまいりたいと思いますが、まず原則的なことをお聞きしたいと思うんですが、そこで、中基審の答申を得て、それから労働大臣のほうが閣議にこれを持ち込んでいっておりますが、中基審の答申は二つあるわけです。一つは、「労働基準法が他の法律によって安易にその適用が除外されるようなことは適当でないので、そのような場合においては、労働大臣は、本審議会の意向をきくよう努められたい。」、こう申し入れたこの項目については衆議院から今日までの審議を通じておっしゃることは、教職員の健康と福祉を害することにならないようというのに勤務の実情についてというのをつけたことによってこの意向はこの法案に生かされておるというのが答弁の終始した内容であります。そこで勤務の実情について詳細に検討したところ九項目というものが命じ得るものだというふうにいま見解が述べられたわけでありますが、二項目の文部大臣が人事院と協議して超過勤務を命ずる場合を定めるときは、命じる職務の内容及びその限度については、関係労働者の意向が反映されるよう適切な措置がとられるようつとめられたい、この項目について私は人事院に直ちにもう一回お聞きしたいのですけれども、あとでお聞きしますが、この九項目について大臣と人事院と打ち合わせがあったと、人事院との間に行なわれるわけです。そこで二項目のこの教職員の意向というものを文部省としては、これを人事院に持っていく前に、この九項目について教員の代表と十分これについての協議をするのかどうか、いままでの答弁としては、六十万の教師一人一人に文部大臣が全国行脚するようなことも答弁の中にあったようでありますが、およそこれは不可能であります。労働基準法の精神からいけば、これは労働団体としてのこの代表と十分その意向を協議し、私どもとしてはこれは協定を結んだ上で、それから人事院と話し合わなければならぬというふうに考えておるわけです。そこで文部省としてはこの九項目の今後の取り扱いの問題については、そういった職員団体と十分にこの問題について話し合う機構なり、どんな仕組みで話し合うのか、具体的にどんなふうにしてこの協議をするのか、この点についてまずお答えを願いたいと思います。
○政府委員(西岡武夫君) お答え申し上げます。 ただいま先生のお話がございましたように、この九項目について人事院と協議をいたします前の段階において、文部省といたしましては十分教職員団体と話し合いをしてその意見を十分聞くという考え方に立っております。その仕組みどういう形でということにつきましては、まだそこまでは考えてございませんが、十分全国の教職員の方々の意見が反映される、そういう前提に立ちまして教職員団体のその意見を聞くということは積極的にやっていく考え方でございます。
○安永英雄君 あとでこの問題については逐一ただしてまいりたいと思いますが、人事院総裁にお尋ねをいたします。 これも衆議院あるいは今日までの参議院の文教委員会の中で、総裁としてはこの文部大臣と人事院と協議してきめるという問題については、文部省のほうからこれが提示があった場合に、これについてチェックするのと、あなたのことばでいえば査定ということばを使われましたが、査定をするのは自分のところはこういう内容については考えていない。文部省からいずれこれについては提示があるであろう。そのときに人事院総裁としては労働者の立場として中立厳正を守るけれども、たとえば人事院あるいは全国の人事委員会等の提訴の問題等についても十件ほどあるけれども、九件は労働者の立場を十分にくんだ、決して労働者の立場、教員の立場というものを絶対に忘れない私は気魄を持ってチェックをしていく、こういうことを再三強調されましたけれども、いずれにしてもまだこちらのほうに来ないので、来てからの話だということをおっしゃいましたが、現にいま九項目の提示がこの委員会で行なわれた。私は、ここで人事院総裁の査定の結果をひとつお聞きしたい。ここでひとつ査定をやってもらいたい。あとから逐一聞きますけれども、きのう出ましたけれども、一晩ありましたからひとつここで査定を行なっていただきたい。この九項目についての人事院の態度、立場というものについてお答え願いたい。
○政府委員(佐藤達夫君) この委員会でこの九項目が議決になるのであれば、これはこの際私どもも黙っちゃおれないわけですけれども、いまのお尋ねなり、あるいは文部政務次官のお答えからいいますと、やはり関係者の、たとえば先生方の意見なども十分これから聞きたいというお話じゃなかったかと私、横で伺っておったのです。したがいまして、私どもは、そういう手順を踏んだあとでおそらく文部大臣から私のほうにくるでしょう。私どものところにくる間には、これは新聞にも出ました、夕べの夕刊か、けさですか、そうすれば世間の反響というものは当然出てまいります。それからまた、教員団体あるいは教員の方々からも私どものほうへもおそらく直接いろいろな御意見をお寄せになる。私のほうからもまた聞きたいところがあるわけです。そういう手順を踏まずにここで私が賛成いたします、御可決を願いますというようなことにいく性格のものではないんじゃないかというふうに考えております。
○安永英雄君 すでにそういった方向で私は逃げられると思いませんけれども、それではひとつあれしまして、たとえばの話には応じられないということですけれども、これだけ具体的に出てきているわけですから、うんとかすんとか言うてもらわなければ困る。あなたは、いままで全然言わなかったから、すべてこれはきまりましてから待ちかまえております、それから査定をします、と言うけれども、これだけ具体的なものが出てきている。だから仮定の問題とはいっても、職員団体と文部省との間でたとえばこういう話に落ちついた、こういった場合にはどうですか、きのうあたりはもう非常災害とか修学旅行のところまでいっているんですけれども、これは全くそういった答えはこの場では出ないということになれば、私はここが一番重要なんだから、この審議は新しい段階に入ってくるんですよ。いままでそれが出ないから堂々めぐりばかりをやってきたのだけれども、ここからいよいよ新しい、特にこの法案の中心の七条の問題について私ども審議しているのだから、もう少しこの問題については人事院の逃げ腰ではなくて、これについての厳然たる態度、こういったものを出してもらわなければ審議にならない。労働省が来ているようだから労働省のほうについでに言っておくけれども、これだけ明らかになったのだから、あなたはすぐに帰って中基審の開催を直ちにやらなければ、いま盲での中基審のこの問題についての質問に対する答弁、労働大臣も、あるいは中基審の会長、副会長も、この国会の審議を見守っております、こう言っておる。静観しております、と言ってみたり、監視しておりますと、こう言っておりますが、これが出ないからそういうことが言えるのだけれども、厳然とこれだけの内容が三十六条、三十七条を他の法律に持っていってこれを適用除外をするというふうな大きな問題について、私は監視しておりますという議論。具体的にこの九項目の歯どめになっているのかどうか、この九項目が三十六条、三十七条のかわりになるものかどうかという問題については、具体的に出たのだから、私ども審議しているきょうじゅうにでも中基審を開いて、そうして静観しておって、その結果として具体的に出たのだから、二度目の建議を取りまとめて直ちに申し入れをしなければならぬという立場に私はあると思うのです。この点について私はあなたに言っておくけれども、これは直ちに帰って会長にも申し上げる。新聞を見ているはずです。いつまで静観するつもりか、具体的にこれだけ出たらどうやるのかという結論を出さない限り、この委員会私は進行できない、このように思います。そこで文部省の答弁を願います。
○政府委員(西岡武夫君) お答えをいたします。 ただいま安永先生の御意見でございますが、文部省といたしましては、昨日安永先生から、文部省は一体どう考えているのか、これが具体的に文部省の考え方が示されなければ、非常に、どの程度の範囲で超過勤務の命令が出されるという、そこが肝心なことであるからということでお話がございましたので、私、文部省といたしまして、人事院に御協議申し上げる一つの原案という意味でお話を申し上げたわけでございます。その前の段階に、私どもは教職員団体の意見も十分聞いた上で、この原案を持っていて、その上で教職員団体の意見も聞き、またそれぞれ教育関係者の意見も聞きながら最終的に人事院と御相談を申し上げる案をこれからつくるわけでございます。そういう意味におきまして、昨日御提示申し上げました九項目についてはまだ最終的に人事院と御相談を申し上げる意味での最終的な案ではないというふうに御理解をいただかないといけないのではないかと思います。御了承いただきたいと思います。
○説明員(吉本実君) ただいまのお話でございますが、先ほど来文部省の政務次官のお話ししているような前提の問題と御理解いたしますので、もちろんこの内容につきましては十分会長へもお伝えをしております。
○安永英雄君 労働大臣と中基審の会長、会長がおらなければ副会長、それから基準局長、直ちに出席を要求します。そうしないと審議されぬです。
○政府委員(西岡武夫君) ただいま安永先生からお話がございましたが、文部省として考えておりますのは、労働基準審議会から意見が出されましたのは、文部省として十分超勤を命じ得る範囲を人事院と協議して定める場合には、労働、教育関係者の意見を十分聞くようにという意味での御建議があったというふうに私どもは理解をしているわけでございます。したがいまして、その御建議に従ってこの文部省が考えております原案を持って教職員団体の方々の意見を十分取り入れていきたい、その中で御建議を生かしていきたい、かように考えているわけでございます。
○安永英雄君 そのことはわかっている。そのことはわかっているけれども、中基審の経過からいきまして、それはあなたと関係ないのです。中基審の関係はどうこういう項目について——これがあなた一つとおっしゃるけれども、二つあるのですよ、内容は。労働基準法の三十六条と三十七条、これが一応適用除外になるとするならば、歯どめはどこなんだというのが、この歯どめの内容が出てきておるのですから、私はこの歯どめの問題について、ばくとしたことじゃなくて、もうこの健康と福祉を守って具体的にその勤務の実態に即してというところ、その内容が出てきたから、私は中基審としてはこの際これについての見解を述べてもらいたいということなんです。それは次官のほうは心配——言ったことによって労働省のほうにえらいことを言ったというふうなことは私は考えていない。労働省は労働省として、中基審は中基審として当然これは聞かなければならぬ問題なんだ、これが出ようと出まいと、そういうことで出て来いということですから。いま質問者のほうから、それはいまの時点では了解を得て出てこないということで、わかりましたから、これははっきり約束の時間のときにはぴしっと出てくるように要望して、私は関連ですからここで終わります。
○小林武君 ちょっと関連して。政務次官、私はここで確かめておきたいことは、労働者というか職員団体の意見を聞くという、この意見を聞くというのはどういうことですか。たとえばそれは具体的な事項に関してあなたたちの考え方はどうですか述べなさい、その述べたやつを聞いてあなたのほうで取るものは取り、それから聞くべきでないと思うことは聞かないと、この程度のことなのか。私が考えているのは、あなたのいままでの答弁を聞いておっては、少なくとも職員団体は、団体の代表者であるその代表者と文部省が話し合いをするというときは少なくともその両者の間の関係は対等であるという、しかも両者の場合はお互いがそれについて了解をするという、そういう条件がその中になければ、聞きおく程度の話ならば私は非常にこれは問題だと思う、意味がないと思う、こう思うのですが、あなたのおっしゃるのは、聴取するということは、先ほど申して私が問題があると言ったような点なのか、あるいは私が満足するような、あとで言ったようないわゆる労働組合とか職員組合とかの法にきめられた形のそういう内容を含んだものなのか、明らかにしていただきたい。
○政府委員(西岡武夫君) お答えをいたします。 中央労働基準審議会からの御建議にもございますように、「関係労働者の意向が反映されるよう適切な措置がとられるよう」にすべきであるとあるわけでございまして、単に意見を聞きおくということではもちろんないと思います。十分この問題については率直に文部省としての考えも申し上げながら御意見を聞いていく、そうして現実的な問題として、これは教育の現場でございますので、やはり十分納得をしていただくという形でなければ教育の現場というものがスムーズに運営されるものではないと私どもは認識をいたしておりますので、ただ、先生が対等の立場にあってこれは両方がほんとうに一〇〇%満足をしなければならないとという、そう固く先生の御指摘のように表現をいたしますと、そこまでは私はいまはっきり申し上げることはできませんけれども、先生の御趣旨に沿って十分教職員の意向が反映される中身につくり上げていきたいという基本的な姿勢を持っているわけでございます。
○小林武君 それはまあこれから議論がいろいろされることですから深いことを申し上げませんが、ただ、一〇〇%労働者の側が相手方と交渉する場合に認めさせるなんて、そんなことないのですよ。今度の私鉄、国鉄のストライキを見ても一〇〇%なんということは絶対ない、いままでだってそうでしょう、だからそうじゃなしに少なくとも対等の立場に立って相手方の意見、両方の意見を交換し合ってどこに落ちつかせるかというそのくらいの含みを持っておらないとだめだというふうに私は考えている。大体その線に政務次官お考えのようですから、これはほかの人の質問にまちます。 ひとつ労働省にお伺いしたいんです。あなたのほうは反映させるとか何とかということを文章に書かれたのはどういうことを意味しているんですか、労働省としては。
○説明員(吉本実君) 建議の二項にございます「関係労働者の意向が反映されるよう適切な措置がとられるよう努められたい。」といってございますのは、少なくとも三十六条協定との関連におきまして、その裏側として考えるという意味で関係労働者の意向が十分反映されなければいかぬと解釈するものでございまして、その形が適切に、いろんなやり方はあろうかと思いますが、十分その意向が反映されることを期待しておる、こういう趣旨でございます。
○安永英雄君 関連。文部省とそれからいまの話ですね、対等の立場に立って、そして話し合いを進めていくということですが、いま労働省のほうの見解として三十六条の精神に基づいて三十六条を適用除外すると、こういう立場で一応裏返したそれと同じ効力を持つ、いわゆる十分意向を尊重してというふうに置きかえたという精神に基づいてこの建議がなされておるということでありますから、三十六条のあの精神、いわゆるこれは必ずしも使う者と使われる者との間に、これは合意に達していなければ超勤などということは命じられないんですね。協定を結ばなければならない、こういう精神に基づいてこの職員団体と話し合いを具体的にするというんですが、そこのところの、三十六条の精神というのは、当然、次官の考え方については入っておるというふうに解釈してよろしいですか。
○政府委員(西岡武夫君) お答えをいたします。 非常に微妙なところだと思いますが、私どもはあくまでも教育の現場というものが現実的にうまく運営をされるということを考えるならば、この種の問題は対立がある中でうまくいくはずはない種類の問題でございますので、そういう意味においては、ただいま先生のおっしゃった線というものを踏まえて考えていかなければいけないと考えております。
○加瀬完君 いまいろいろ法理的な、根本的な問題が出たわけでございますが、具体的にそれぞれ関係省に伺いますが、いま政務次官もうまく運営されることを御希望なさっていらっしゃいますね。しかし、きのうからの事実確認の上ではこういうことになってはいませんか。もう一度確認をしていただきますが、みだりに超勤の命令を出すべきではない、実態は小学校などは平均が三十一・五時間、一週間の勤務時間四十時間をこえているものも相当あるということは好ましくない、それから超勤の限度というものはやむを得ない場合に限る、こういうこともおっしゃられておったわけですね。これはよろしゅうございますね。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 そのとおりでございます。
○加瀬完君 そういたしますと、いまあなたがあげられたこの九項目——時間外勤務を命ずる範囲というもののほかに、それではうまく運営されておらない過重勤務に対する配慮がどういう点に対して行なわれたわけですか。もう一度申し上げますと、この九項目のほかに、時間外勤務や休日勤務をさせないような範囲として文部省が配慮したものは何ですか。これは初中局長でもいいですよ。質問はくどいけれども、もう一回、じゃあ申し上げますよ。非常に過重労働になっておって、少なくも一週五十時間以上の勤務をしているということが明瞭になったわけです。それなら、そんなに勤務をさせないように正規の時間内で勤務が済むような配慮というものが当然行なわれなければならないわけでしょう。しかし超勤をさせる。それならばこれだけはどうしても正規の時間の中で済ませて超勤はさせないという配慮はどういう点において行なわれたか、こういうことです。
○政府委員(宮地茂君) 極端な例でございましたが、昨日申し上げましたように、四十時間以上も授業をやっておられる。これは私も、これこそそういう方を一人一人調査というよりも、事実だれかを行かせてみて、どういう勤務をしておられるのか、ぜひ調べたいというくらいな気持ちでおります。したがいまして、政務次官が先ほど来九項目と言っておられますその中では教科科目、道徳といった、先生方が昨日から授業、授業と言っておられるようなものは除いてあります。したがいまして、少なくとも昨日お読みいたしました教員調査で、四十何時間も授業をやっておるというような人は、超勤をしない限りは四十四時間ですから四十四時間。四十時間以上の中にはごく数人でも四十四時間以上の授業を持ったということになるのじゃないかと思います。そういうことで、少なくともいわゆる俗称授業、教科科目、道徳等の指導というものは除かれますから、今後それでも四十数時間も授業を持ったというようなことはおそらく出てこないというふうに考えますが、さらにまあ私どもは今後の努力ですけれども、昨日来申し上げておりますように、結局は教員定数をふやしていくということが、突き詰めると、もうそのことが何よりも先決問題というふうに、これは思い詰めるぐらい思っておるわけでございます。まあ、その他にもいろいろございますが、いろいろ理屈を言うよりも、ともかく定数をふやしていくということに全力をあげていきたいということでございます。
○加瀬完君 あとのほうは反対をする理由はありませんよ。だけれども、質問をよく聞いてください。一番初めに確認を求めたとき、人によっては五十時間をこえるような勤務が行なわれておる。これはお認めいただいた。五十時間も勤務しておる実態というものは、相当超勤をしておる実態ですよね。だから超勤は一切させないというワクをきびしくしなければ、この人たちの労働条件というものは緩和をされない。それをこの九項目にわたって、さらに命令をすることができるということになったら、一体勤務条件の調整と言おうか、緩和と言おうか、そういうものは行なわれないということになりはしないか。そこで、命令をする範囲はきめたけれども、命令をしてはならない範囲として取り上げたものは何かないか、こういうことを伺っておるのです。ほとんどの学校で現在、あるいは職務命令として——あとで申し上げますが、適当ではない、あるいは違法だと思われるようなことまでも学校の先生方はおやりになっておるのですね。あるいはやらされておるわけですね。それを今度は幾らでも命令をしていいという形にさせたら、労働条件はどうなりますか。これは人事院にも御見解を承りたい。人事院の総裁は極端に言うならば、原則的として超勤はやらせない、命令を出させないという基本的な姿勢だとおっしゃる。ところが九項目は、時間外でも休日でも勤務をさせるということになったら、あった歯どめもはずしたということになるのじゃないですか。この点どこが歯どめということになりますか。これが労働対策として、これは労働省に聞くけれども、労働基本法にははるかにはずれることになるのではないですか。その限界は、松永委員の指摘するとおり、午後の再開のときにあらためて伺いますけれども、おっしゃっていることとおやりになっていることとまるきり違うでしょう。超勤をさせないということを原則とすると、こう言っている。ただしこれだけは超勤をさせるのだ。命令を出せるのだ。命令の出せないものは何もないじゃないですか、これだけのことを学校の先生にやらせるということになれば。それで歯どめでございますと言えますか。無制限な時間外勤務に服さなければならないということになるでしょう。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 先ほど先生からも御確認がございましたように、この前提はみだりに出さない、また必要やむを得ない場合に限るという前提に立って、この範囲を定めているわけでございます。この範囲を定めたからといって、この九項目にわたってとにかくじゃんじゃん超過勤務命令を出すのだという考え方には毛頭立っていないということをまず御認識をただきたいと思います。また、御質問のはずした点でございますが、もちろんこれは申すまでもございませんが、授業時間、教科科目についてはもちろん超過勤務命令は出せない。そのうちに入っておりませんが、また職員会議ということを九項目の中に入れてございますけれども、その他のいろいろな先生方の会議、こういったものは対象からはずしてございます。また、家庭訪問とか教育相談等のことについても超勤を命じてまでこれをやっていただくという種類のものではないであろう。そういうふうなことを一つ一つこまかくあげていきますと、とにかくこの九項目はかなり具体的でございますので、概念としてはとらえてございませんので、これ以外は入っていないということでございます。
○加瀬完君 みだりに出さない、やむを得ない場合に限ると、その判断をする者は命令権者でしょう。みだりじゃないと、やむを得ない場合じゃないのだと、こういう判定を下して命令を出された場合は、取り締まりようがないでしょう。それにブレーキをかける法的な根拠はどこにもないでしょう。これは意見になって恐縮ですが、超勤はさせないと、こういう大原則を立てて、しかしこれとこれとは例外だということならはっきりしている。そうではないでしょう。なぜ私どもがそういう質問をするかと申しますと、職務命令というものはあいまいですよ。鈴木委員に対して文部省のお出しになったものを一つ一つ、ひとつ確認をさしていただきます。「職務命令について」という文書をいただきました。「職務命令とは、公務員の職務に関して上司の発する職務上の命令である。」、これはよろしゅうございますね。 次に移ります。「公務員の職務は、法令、条例、規則、規定等により一般的に定められている。」、これはよろしゆうございますね。
○政府委員(宮地茂君) けっこうでございます。ここに書いてあるとおりでございます。
○加瀬完君 それでは、条例、規則、規程は、法令に反するものは当然無効だという解釈をしてよろしゅうございますね。
○政府委員(宮地茂君) 法令、条例、規則、規程等で定めていないものをやれということは違法でございますし、適切でございません。
○加瀬完君 いや、そうじやないですよ。法律というのが基本でしょう。法律にはずれた条例や規則、規程というものは無効でしょう、とこう聞いている。
○政府委員(宮地茂君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 四番目に、「教諭の職務は、学校教育法第二十八条第四項に「教諭は、児童の教育を掌る。」と規定されている。」、こう御説明がありますとおり、教諭の職務は児童生徒の教育をつかさどることが本務だということは、そのとおりでよろしゅうございますね。そうすると、先ほど次官から御説明のあった、こういう職務命令によって勤務をしなければならないという内容が、この本務に支障を来たすような職務命令でありました場合は、その職務命令はどういうことになりますか。わかりますか、質問が。
○政府委員(宮地茂君) 先生の御質問は、私聞きながらこのように感ずるのです。教諭の職務は児童生徒の教育をつかさどる。教育ということは、授業をすることが、これは前にも申しましたが、主たる業務でございますが、しかし、子供を教えるためには、直接子供が目の前におりませんが、間接的なこととして、あす子供に教えるための教案を作成していくといったような間接的な、子供のためではありますが、間接的に教案を作成したり答案を採点したり、いろいろそういう仕事がございます。さらに、子供の教育を適切に行なうためには、子供が勉強する学校の運営というものをよくしていかなければいけない。そのためには職員会議等も行なわれるということは、これは教師の主たる仕事ではございませんが、主たる仕事を十分に行なうための従たる仕事として当然のことでございます。したがいまして、そのように私は教諭の職務を考えますので、そういうふうに考えて、それにはみ出ることを命令するということは違法であり不適切だと、そういう意味でこの職務命令のところの一、二、三、四、五というのは書いてございます。
○加瀬完君 その五項に、「校務とは」という説明がありますね。「学校の運営に必要な校舎等の物的施設、教員等の人的要素及び教育の実施の三つの事項につき、その任務を完遂するために要求される諸般の事務を指すものと考える。」。そうすると、学校教育法二十八条の四項の内容と、いまこの五で説明している、いわゆる校務とが競合する場合はどうなりますか。
○政府委員(宮地茂君) 直接子供の教育、まあわかりよく言えば授業でございましょうが、私どもそれが一番優先すると思います。
○加瀬完君 これは試案でありますが、次官の御説明になりました「教員に対し時間外勤務を命ずる場合」の内容というものは、全部が主たる任務とばかりは限りませんね。従たる任務の場合も多いですね。だから、主たる任務を遂行しているときに、校長からは従たる任務に類するものが命令をされる、こういう競合が起きる。いまあなたがおっしゃるように、その場合は主たる任務でやればいいのだ、従たる任務は排除されるのだということになりますが、従たる任務を発令した者は、命令権者は上司ですよね。そうなってまいりますと、昨日から人事院の説明しているように、教師の自発性や創造性というものだけを十分に働かせるというわけにはいかなくなる。そういう配慮が一体あるのかということが一点。 それから競合が起こった場合、あなたのおっしゃるように、教員の側の主張が正しいとしたところで、命令権者を処罰したり、命令権者の命令を排除したりする手続というものは、何もないじゃないですか。そういうあいまいな職務命令ということで、時間外勤務が命ぜられるということでは、どうにもならない。だから、この職務命令というものは、もっと厳格に規定をしなければならないものです。そうじゃありませんか。職務命令というのは、当然、命令を出し得る権利者が、命令を受けて、その仕事をしなければならない事務者に対して行なわれるものでしょう。ところが、この場合は、本務を一生懸命やっておるときに、本務でないような命令がくる。事実上これは上司からくるものですから、排除できませんよ。そうすると、自発性でも創造性でもない、使用者と使用される者の間に取りかわされる超過勤務という形にならざるを得ないじゃないですか。そうではない、そういうことはさせないという保障はどこにもないでしょう。私は具体的に伺っているのですから、具体的に答えてください。
○政府委員(宮地茂君) これは昨日でございましたか、昭和二十四年の次官通達というのを他の先生からお読みになられましたが、私どもは、教員に、超過勤務は現在のところはできる限りさせるなというのじゃなくて、絶対に超過勤務はさせてはいけないという指導をいたしております。しかし、まあ先生方は、命令はしないのですけれども、非常に教育に御熱心なあまり、超過勤務をなさっておられる実態があるということでございますが、それと同時に、超勤は命じないようにせよ、そして、それでも超過勤務を命じなければならないようなときには、時間の割り振りをして、一週間で超勤にならないように割り振りをやりなさいということも、二十四年の通達のときに言っております。これは人事院のほうで、今回、この意見書を出されました後に、その確認も求められましたが、私どもは、そのときの趣旨をまげて考えておるつもりはございませんということを、政府部内でも話し合っておりますが、そういうことで、割り振りということは今後活用していかなければいけませんし、要は、その職務命令を出される校長さんの良識で運用の妙というものが、この職務命令について書けと言われました中身は、全般的に、運用者の運用が適切でなければならないということは書いておりませんが、当然の前提として、それが必要でございます。 さらに、それでも職務命令を出されたときは、拒む手はないではないか。この点は、これも先日人事院総裁から、ただ超勤命令を出す出すという、そこばかりを見ないで、措置要求、これは国家公務員法、地方公務員法にございますが、地公法は四十六条でございましたか、勤務条件について上司がむちゃなことをしたときは、その措置要求がが出せる。措置要求を出そうとしたときに、それを妨害した上司がいるときは、その上司に対しては三年以下の懲役、十万円以下の罰金でしたか、相当重い罰則がある。その両方をあわせて見る必要があるということを総裁がおっしゃいましたが、そういう規定もございますので、それらをやはり全体を見てこのことを判断をしていただけば、おわかりになるのじゃないかと思います。
○加瀬完君 全体を見て私は質問しているのです。あなたのおっしゃることも、端的にいえば、文句があるなら裁判にかけろということでしょう。裁判にかけて負けたって平気でしょう。これは要らないことですけれども。そういうことではなくて、裁判にかけて問題が起こるようなことを事前に防ぐ。それが行政官のたてまえでしょう。超勤が行なわれていることは事実だ。しかしあなたは、絶対に超勤はさせないようにする——絶対に超勤をさせないように指導するなら、何でこんなものが要るのか。九つも、何でも超勤は命令することができますよという、範囲をきめる必要がないじゃないか。超勤は命令してはならないということをなぜきめないか。それで、どうしてもという場合は、ただし書きをつければいいじゃないか。そういう方法をとらないで、いろんなことを言ったってだめですよ。だから、いま時間だそうですから、もう一回、これはひとつきちんとした御意見を御見解を、午後の冒頭におっしゃってください。裁判にかけてきめればいいなんていう、そういう御答弁では承服できません。
○委員長(高橋文五郎君) 午後二時三十分まで休憩いたします。 午後一時三十六分休憩 —————・————— 午後二時四十二分開会
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法案(閣法第六三号)(衆議院送付)を議題といたします。 本法案に対し質議のある方は、順次御発言を願います。
○加瀬完君 午前中の続きになりますが、職務命令の受責義務といいましょうか、当然職務命令を受けなければならないところの義務、この条件は何ですか。
○政府委員(宮地茂君) 教職員の職務であって、臨時緊急に必要やむを得ないと認められる事項で、さらに一定の、この法律が通りますれば、人事院と協議して定められる範囲内のものというふうに解されます。
○加瀬完君 非常に法的には不明快な御答弁ですね。午前中にも指摘をしましたが、法律命令に入らないそういう命令は無効ですね。といいますのは、本日お配りいただきました職務命令を発し得る範囲等の文書によりますと、教育活動以外の職務に対しても職務命令を発し得る。教育活動以外の職務責任というものは一体あるんでしょうか。あなた方のほうでは公務ということで言っておる。しかしその公務たりとも二十八条の四項にはずれるような教育活動に無縁なものが、たとえば事務を担当するとか校舎の営繕をやるとかこういうものが校務という名前で教員の職務の範囲という見解は成り立ないと思うんです。この点どうでしょうか。
○政府委員(宮地茂君) そのとおりと存じます。
○加瀬完君 そういう点がいままで不明確ですね。校長という命令権者を想定して、その命令権者から出されたものはみんなこれは職務命令だという扱いをいたしておりますね。今度もそういう点で限界点といいますか、その範囲というものを明瞭にして職務命令を出すという配慮はないように思われます。 具体的に伺いますが、「具体的な学校の諸条件その他の要素との関連において、いかにして児童生徒の教育を適正に行ない学校の管理運営を円滑に行なうかという観点に立って判断すべきもの」だと、それが個々の教員に対する職務命令の限界だと、これは画一的に判断するものではなくて、いま言ったような二つの条件で判断するものだと、こう言っている。児童生徒の教育を適正に行なうことと学校の管理運営を円滑に行なうことが必ずしも同一ということにはならない場合がありますね。たとえば校長の恣意によって管理運営を進めているような場合は、教師の側から見れば、児童生徒の教育を適正に行なっている指示であるとはこれは受け取れない、また受け取ってはならない場合もある。しかしそれに対して教員の側から、そういう職務命令は受けなくてもよろしいと、こういう教員の立場を保護する条項なりあるいは法令なりというものはどこにもありませんね。それで、加えてあなた方のほうは、その際、教員の自主性、創造性を十分に尊重すると言う。教員の自主性、創造性を尊重するというならば、教員の判断を主にして考えるということにも受け取れる。しかしそういう判断で教員の児童生徒の教育を適正に行なう意思というものは具体的に進められるかというと、進められない場合が多い、こういう関係をどう……。今度は職務命令を無条件に出していいということになるんですから、まあ形式的には。その場合、どこでどうチェックすするのか。お渡しをいただきました「職務命令について」という内容では、そこが不明確ですね。この点どうでしょうか。
○政府委員(宮地茂君) 午前中にもお答えいたしましたが、結局この職務命令を出される校長、運用に当たられる校長自身に人を得なければ、本来職務命令として出すべきでないものまで間違った校長であれば出すということも一応考えられます。したがいまして、結局この法の運用につきましては、お出しいたしました文書には、運用者の適切な運用ということをお書きいたしておりませんが、命令権者として当然守らなければならない規範であろうかと思います。したがいまして、教師の側から見られても違法な、それは校長が命令するのが無理だというようなときには、一応そういうことを教師のほうからもおっしゃっていただけばよいと思いますが、確かにそういう法の運用に当たる方の規制ということはなかなか書きにくいわけでございますが、そういう点は私ども従来からもいたしておりますが、なお不十分な点がございますれば、超勤というものは元来教師には命ずべきでない、命ずべきときには、人事院と協議して定めたその範囲内に限るけれども、必要やむを得ないもの以外には命じてはいけないとか、あるいは時間の割り振りをして極力教師が正規の勤務時間以上に働かないで済むように時間の割り振りのくふうをこらすとか、さらにそれでも超勤命令をしなければならないときには、健康や福祉を害しないように、ほんとうに教師の立場になって校長が考えていくとか、そういう点については今後行政指導において十分、命令権者の校長に、法の運用を誤らないようにという指導をしていくべきものと心得ておりますし、そのようにいたしたいと存じております。
○加瀬完君 これは午前中の繰り返しになって恐縮ですが、あらためてはっきり御答弁いただきますが、時間外勤務を強制することができるのかできないのか。
○政府委員(宮地茂君) これはそのために、今度法律で、命令をする場合はこういう場合に限るということでございますから、先ほど申しましたようなことで、やむを得ない場合については命令することができる、ということになります。
○加瀬完君 絶対に命じない、という御説明がありましたね。絶対に命じないという行政態度ならば、時間外勤務は強制できないという、そういう条文にしなければおかしいじゃないですか。あなた方はさっきから何回も、絶対に命じない、絶対に命じないと、こうおっしゃる。絶対に命じないという態度ならば、強制的にはできないのだという、そういうワクをはっきりとつくるべきじゃないですか。絶対に命じません、しかし場合によっては命ずることもできますと、一体どっちなんだと疑わざるを得なくなりますよ。絶対に命じないものなら強制的にやるなんていうことはおかしいじゃないですか。
○政府委員(宮地茂君) 今日まで教師には超過勤務を命じないようにしなさいという指導はしてまいりました。それから、そういう超過勤務のようなことになるような場合には、時間の割り振りを考えるとかして、超過勤務を命じないようにしなさいという指導はいたしてまいりました。しかしながら、それでもなおかつ、実態としては、正規の勤務時間以上にこれは働いておられるという事実もありますと。したがいまして、今後その、命じないようにという、できる限り命じないようにという趣旨は変えるものではございませんけれども、従来からも、それでもなおかつ勤務時間外勤務をしておられるようなこともあるし、まあそういうようなことで、必要やむを得ない場合には法律根拠として命ずることもできるということを法的に根拠を持たしただけでございまして、だからといって、いままでは命じないようにせよと言ったのを、今後は大いに命じなさいという意味じゃなくて、命じないようにするのだけれども、やむを得ない場合には命ずることができます、という法律根拠を置いたということで、実質的には従来のように超勤を命じないように時間の割り振りをして適正にやりなさいという指導も変えるつもりはございませんし、また現場でも、この法律が出たために、いままでは命じてはいけなかったが今度命じられるのだからといって、校長などがそういう考えを持っておるとすれば、それはいけないのだからという行政指導は十分にしていきたい、こういうことでございます。
○松永忠二君 さっき加瀬委員から出たことで、いまお話にあったことで、超勤は命じないということを原則として堅持していく。やむを得ないとき、みだりにはやらないのだというそのことを、どこを根拠にしてそういうことを表現することができるのですか、どこを根拠にして。これだけのものではみだりに、やむを得ないと言ってみたところが、みだりであるか、やむを得ないか、それをどこで判定をするのですか。私は判定をするならば、たとえば合意に達したときにそれをやるというなら、これはみだりに、やむを得ない、それがはっきりしているわけです。みだりに、やむを得ない場合——やむを得ない場合にやるのだ、そうなればそれはつまり合意に基づいてやるのだという表現があれば、それはみだりに、やむを得ない場合にやるのだということが具体的にわかる。あるいは大体の限界をきめて、この程度のことを基本にしてということになれば、そこのところは一つあるからやむを得ない、みだりにということの押えができる。しかし、この時間外勤務を命ずるとこういって、これだけあげて、みだりに、やむを得ない場合にやるのだと言ってみたって、これは判断をするのは学校長であり、それがみだりに、やむを得ないかどうかということを判断をする根拠をどこに求めるかと、これを聞いているのです。どこに求めるのですか。お話の趣旨はわかりますよ。やむを得ない場合、みだりにやらないのだ、そしてやむを得ずやるときにはこうだというふうに、そのみだりに、やむを得ないという判断をする根拠をどこに求めるのかということをお答えください。私は具体的に言えば、合意に達してやるのだ、納得を得てやるのだということになれば、納得しない限りそこに歯どめがあるから、やむを得ない、みだりにということが生かされる。あるいは時間的な一つの何かめどがあって、それを頭に置いていれば、あるいは表現するなら、これはもうそれ以上、それとはなはだしくかけ離れたものをやれば、これはみだりに、やむを得ないということが、判断が誤りがあるということがわかる。率直に言って、私がこの九つの項目を見たのでは、これじゃあ全く野放しになっちゃう。現実的にいままでこれをみんな勤務時間にやってきたのですよ、運動会、遠足、学芸会、文化祭というようにやれば。それをあなたの言う振りかえでやってきた。今度はこういうふうなものを表現をしている場合には振りかえはやらないで、命ずればいいのですからね。しかし、やむを得ずやったといったって、どこにそのやむを得ない根拠があるかといったって、それは何も規制するものがないのです。だからそういうことをどういうふうに表現をするとか、どういうふうに一体それをつくるのか、時間的なめどを置くのか。あるいは協定と盛んに言っている。労働基準法三十六条の「協定」の意味を裏返ししたような表現というものをここに持ってくるとか、そうでなければさっきから、やむを得ない、みだりにといったって、全然どこを判断にしてやむを得ないのか、みだりにということがわからない。これをしない限りは、これじゃあもう全然だめじゃないかと、これ見たらびっくりしちゃうのじゃないですかね、みんな。これじゃあ全く野放しになっちゃう。これはどんどんもう超勤はふえてしまうという感じがするのです。私の言うことは間違いであるのかどうか。私はその根拠をつくるべきだと、つくらない限りこれをこのままにしておけば野放しになってしまうと思うが、そういう点はこういうふうにしますから安心ですということであれば、そのお答えをいただきたい。どうしてもそれはやらなければいけないことだと思うのですがね。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 先ほどからたびたびお答えを申し上げておりますように、今回のこの措置につきましては、前提として超勤はみだりに命じないのである、これが大前提でございます。そして、命ずる場合、これは超過勤務を大いに命じようということではなくて、必要やむを得ない場合に、これは一種の、そういうケースはあまりないのだけれども余地を残しておくというふうに、私どもはその程度に考えているわけでございますけれども、これはやはり教育の場というものが、国民全体に対して責任を負ってこれは行なわれなければいけないという、そこの最低のところを保障する措置として残しておくというにすぎないわけでございまして、私どもは、先生御指摘の御心配については、これは基本的に文部省としても、いままでの文教行政の中で、たとえば教職員団体と文部省との信頼関係がはたしてあるのかとか、そういう基本的な文教行政の基本の問題について、やはりある面では反省もしていかなければならない。やはり教育の現場というものが、円滑にこれが行なわれるためには、教職員団体、全国の先生方と、もちろんこれは校長との関係もそうでございますけれども、文教行政の責任を負っている文部省との関係においても、信頼関係があるという前提が私は必要であると思いますし、文部省も今後その信頼関係をまず確立するための努力を大いにやりたい。その一環として、とにかく教職員の先生方の待遇の改善をはかっていかなければいけないという、そういう基本的な姿勢に立って、今回のこの問題を御提案申し上げ、御審議をいただいているわけでございまして、先生のいろいろな御心配は、過去の信頼関係があまり存在をしていないという、そういう背景もあっての御質問であろうと思います。その点は、文部省の現時点における考え方というものを御理解をいただきたいと思うわけでございます。また具体的には、これはたびたび御答弁申し上げておりまして、繰り返しになって恐縮でございますけれども、歯どめとしては、臨時または緊急の必要があること、きわめて抽象的というおしかりを受けておりますけれども「健康及び福祉を害しないように考慮しなければならない」その場合には、勤務の実情について十分配慮すべきであるということで、現実的な処理の問題として、私は問題が起こらないように十分行政的にも指導していくことができるであろうと、かように考えているわけでございます。
○松永忠二君 あなたのおっしゃった、御心配の点というか、そういう前提の上で心配しているのだろうということのお話ですが、かつてそういうことがあったし、またいまも続いているという点についての認識については、別に私は間違いがないと思う。私がいま言っているのは、そういう善意に基づいてという、善意というか、あなたの言ったことが表現をされなければわからぬじゃないか。何も、そう言っている場合に、ただ法律だけ読んでみたって、それはわからないですよ。だから、あなたの言ったそのことが、それじゃあその場合にきちっと表現をされて、確保されているということでなければできないだろうと思う。私たちはそういう善意に基づいてやるのでありまして、原則的に、原則というか、条件は出さないという方針で、ただ必要やむを得ない場合に出すのですと、そういうようなことが明確にわからなければ、これだけの項目をあげてみたってわからないということが一つ。必要やむを得ないということを強調するけれども、必要やむを得ないということを客観的に判断するものとして何があるのかということを言っているのだが、いや私たちは善意でやっている、そんなことはないんだ、ただそれだけじゃ不十分なんです。ただ福祉と健康に害がないという程度のことでは、これはばく然としたものだ。いま言われたようなことをつまり明確にしておく必要があるということを言っているわけです。そのことを明確にするにどうするかということを具体的に聞いているのです。幾ら速記録であなたがそういうことを言ったっても、それが一年二年三年たつうちに、それがそのまま守られていくという、それほど世の中というのはうまいぐあいにいかない。だから、それを明確にしておかなければいけないということを一つは言っているわけです。 それからまた、こんなたくさんなものでなくて、必要やむを得ないという場合には、かつて文部省が必要やむを得ないものの項目としてあげたものがあるでしょう。宿直、日直、入学試験、身体検査、学位論文審査、これはやむを得ない。原則は超勤はやらない。やらないが、これだけはやるといった、宿直、日直、入学試験、身体検査、学位論文審査。出しているのです。そういうものをしぼったらどうだ。しぼるべきじゃないか。こんなことをこのまま出せば、いままでは勤務時間にやっていたものを、どんどん勤務時間以外にやれる根拠をむしろつくってしまう。逆ですよ、善意とは。それほど、前から言っているように職場は忙しいし、人の数は足りないし、だから、できるだけそういう方向へ持っていく。これからは文化祭は日曜にやればいいのだ。なにもわざわざ授業を振りかえたり、そんなややこしいことせんでもいいと、これは。それはけしからん、それはだめだといえるのは、この法律の中に健康と福祉に害がある——だれがそんな証明できますか。一日日曜を選んだからといって、健康と福祉に害があると証明はできない。それよりは、このもの自体の中にそういうものを明確にしていくのか、範囲を明確にしていくのか、そういうことをやるべきだ。そうしてさっきから、これは人事院の勧告の中にある、一番しまいに出ている特殊な勤務をするようなこういう、特殊勤務手当の問題が出ているわけです。長時間でどうしてもというようなものを、超勤を明確にし、なお長時間であるから手当を出していく。こういう形で押えていくべきものであって、こんなものを出したらたいへんなことになってしまうのじゃないか、率直にいって。私は、これじゃ無定量だといってみなが非難するのはあたりまえになってしまうのじゃないかと思うのです。 いろいろ言いましたけれども、結論は一つ。一体あなたの言ったそのことを、根拠をどこへ一体するのか。善意でやります、そういうものは命じませんじゃあだめなんで、やむを得ない、みだりにやったかどうかということを判定する根拠をどこに一体求めるのですか、ということが一つ。かつて文部省が、必要やむを得ないものとして、やらせないことを原則に守ってきておる中で、どうしてもこれはやらなければできぬと認めたものがこれにあるのに、なぜその程度にとどめないか。なぜこんなに拡大するか。そういうほうは、人事院総裁が盛んに言っている自発性、創造性に基づいてやってもらえばいいのだ。そんなものを入れてしまうから、これが今度拡大されてくることになる。私の言っているのがよほど現実的だと私は思うんですよ。こんなことに賛成する人はないと私は思いますね、率直に言って。お尋ねしたところを答えてください。
○政府委員(西岡武夫君) 先生のおことばでございますが、私どもがいまこの時点で九項目のこの命じ得る範囲について出しましたのは、これはあくまでも、いまから教職員団体の方々の御意見も十分聞きながら、最終的な文部省の案をつくって、それをさらに人事院の、先ほど御査定ということばがございましたけれども、そう意味も含めて御協議をいただく、そういう段階を経るわけでございます。もちろんその場合に、先生御指摘のとおりこの九項目、あまりにも多いじゃないか、これは文部省が原案を出す段階でももっと考えて、しぼって出すべきではないかという先生の御意見ももちろん私どもは承らなきゃいけないわけでございますが、昨日安永先生から文部省はどういうことを考えているんだという御質問に対して、私どもは現時点でこの程度のことを原案の原案と申しますか、考えているということを申し上げたわけでございます。もちろんこれが最終的に行なわれるということであれば、先生からのきつい御指摘についてはそれをそのまま御批判を受けなければいけないわけでございますけれども、そういうふうに昨日私がお示しいたしました原案については御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○松永忠二君 そうすると、この項目をしぼるということと、もう一つは、やむを得ない、みだりに、という判断の根拠をどっかで表現するというわけですね。そこはいいんでしょう、あとのところ、その判断の根拠。
○政府委員(西岡武夫君) その点につきましても、人事院と御相談を申し上げる段階の中でいろいろ私ども考えていかなければいけない問題であろうと思っております。
○加瀬完君 きのうからそういう御答弁があるのではないかと思って、審議の前提条件をやかましく繰り返したわけですよ。教員の勤務の実態は週四十四時間制におさまらない状態でしょう。変形八時間と言ったって、当然これ超勤をせざるを得ないような状態になっているわけですね。だから、この現状の超勤をせざるを得ないような実態の勤務というものを、どう勤務条件を緩和するかということを先に考えなけりゃならないような実態になっている。そうなってまいりますれば、いままでは超勤をさせてはならないということでありましたから、表向き超勤という命令が出せなかったのでこれの程度におさまったということにもなる。それが今度は超勤をさせてもよろしいということになったらね、そうでなくても超勤をせざるを得ないような勤務の状態というものはもっと拡大するということになるでしょう。そういう状態にはならない、させないということで、人事院の総裁は原則としては超勤はさせないんだという御見解であった。それと同じ考えに文部省が立つならば、松永委員の指摘するように、こういうやむを得ず命ずることもぎりぎりの線に固めなきやならないはずだ。これがいままで超勤をやっていること、それから正規の勤務時間の中でやっていることを超勤に移していくという範囲が非常に多い。そこで、同じことを繰り返してもしかたがありませんから、私どもの指摘をするのは、命令権者が間違ってもこういうことは命令できないんだという歯どめをきちんとつけてもらいたいということなんですよ。 そこでもう一回確認をいたしますが、やむを得ない場合に限って超勤をさせるということで、原則としては超勤をさせないのだというように了解してよろしいか、そうであるならば、超勤命令のワクというものを、これはあなたのおっしゃるように素案なんだから、教員組合と十分協議をして、現場の声というものも聞いて納得するような内容のものにつくり上げるというお約束がいただけるかどうですか。まずこの二点。
○政府委員(西岡武夫君) 第一点につきましては、先生の御指摘のとおりでございます。第二点の問題につきましては、私どもは先般もお答え申し上げましたとおり、十分教職員団体の意向が反映されるように、これを取り扱っていきたいと考えております。
○加瀬完君 反映されるようにということは、直接話し合いの場を持って、話し合いをして結論を出すというふうに受け取ってよろしゅうございますね。
○政府委員(西岡武夫君) お答えをいたします。 もちろん直接教職員団体の意見を聞く場というものはきちっと設ける考えでございます。
○加瀬完君 人事院総裁に伺いますがね、あなたのきのうおっしゃったような御見解には、これではなりませんね。協議をされた場合は、あなたほどういう御所見をこのままの協議をかけられたらおっしゃいますか。
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど申し上げましたような趣旨でございまして、私どもはいまこれをなるべく見ないように努力をしているわけでございます。これは先入観というものがやはりこわいですから、何か字が書いてある。一度見ました。見ましたけれども、もう二度三度は、見たくてしょうがないけれども見ない。やはり先入観にとらわれるのがおそろしい。そこで、むしろここで各委員方が、さらにあらゆる面から御追及いただいている、今後私どもは、今度は文部省に当たらにゃならぬ立場にいるわけですから、その参考に一生懸命お聞き取りしているわけであります。それは見ないことにしてあります。
○加瀬完君 見ないでけっこうです。私が申し上げますから聞いてください。 「教員に対し時間外勤務を命ずる場合(試案) 1、児童または生徒の実習に関する業務 2、修学旅行、遠足、運動会、学芸会、文化祭 等の学校行事に関する業務 3、学生の教育実習の指導に関する業務 4、教職員会議に関する業務 5、身体検査に関する業務 6、入学試験に関する業務 7、学校が計画し実施するクラブ活動に関する 業務 8、学校図書館に関する業務 9、非常災害等やむを得ない場合に必要な業 務」、 こういうことでどうですかと御相談がありましたときは、あなたはどういう御見解をおとりになりますか。
○政府委員(佐藤達夫君) その際の見解は、これから先十分、これは先ほど申し上げたとおりです。ここでの御議論も十分に聞き、それから文部省でこれからまた関係者の御意見もお聞きになり、それから、それでおしまいじゃないんです。私どもに来られても、私どもが独善的にこれに結論を与えるつもりはありません。それから、さらにまた私ども独自のいろいろの意見聴取をやって、そのうちにはまた世論の反響というものも出てくるでしょう。これをじっくり聞き取った上で、これは軽々しくこれだけの重大なものをここでいいとか、悪いとか申し上げる気は毛頭ありません。いまお読みになったこともいろいろあるなという感じで受け取っております。
○加瀬完君 きのうあなたのおっしゃった御見解とは、これは違いますね。たとえば、あなたは原則として超勤をやらせない、しかも修学旅行等のような場合は特別手当の形で二本立てで考えていると、こういう御構想であった。そのお考えとは、これはだいぶ違いますね。きのうおっしゃったことだから、違うか違わないか、それは世論を聞いてということじゃないでしょうな。
○政府委員(佐藤達夫君) それははっきり申し上げられます。これは昨晩るる申し上げましたように、私どもは先生方の勤務は、時間計測にはなじまぬという鉄則を立てている。しかし、勤務の性格上、非常な御努力、非常な御苦労をわずらわす勤務はあるわけですよ、時間にかかわらず。それらに対してこの原則どおりの調整額だけで済ませておけるかどうか、やはりそうもいくまいと、それはそれとして別途考えましょうということを申し上げておりました。しかし、これもまだこれから御相談の問題で、われわれが独善的にきめようとするものではございません。この説明書に書いてあることは絶対に反対すると抗議文まで私どものところにいただいておりますから、説明書に対する抗議をいただいちゃこれはうっかり乗り出せなくなるという気持ちは持っておりますが、これはもっと謙虚な態度で、いろいろの御要望も承わって、なるほどと思うものがあれば、この特殊勤務手当の形で持っていきたい。ですから、これとは全然別の問題ですから、はっきり申し上げられます。
○鈴木力君 関連して一つ。文部省に伺いますが、さっき西岡次官が申されました中に、過去における教員に対するさまざまな行政のあり方に反省をしなければならない。これは今後反省をするというようにも聞こえて、どうも私はふに落ちないんです。関連だから一つだけ具体的に事実だけを指摘しますが、ある県で職員会議を午後五時からやっておるという実例がある。このことは私がいま初めて指摘することじゃないんで、かつてこの文教委員会でいつかも指摘をしたことがある。文部省の見解としては、それは好ましいことではないという、多分そういう御答弁もいただいたはずなんです。しかし、それから何年たってもそこのところにはそのような指導はされていないんです。そういう指導はされていない。まあ具体的にどこ県のどこかと言われれば、それ言ってもいいけれども、私はどこ県のどこということを言うのが目的じゃなくて、たとえばいま申し上げたように、何べんか指摘したにもかかわらず文部省の指導はなされていない。そういう学校側にとっては、あるいは学校長なり教育委員会にとっては、この法律はわが意を得たりということになるということははっきりしているんですよ。だから少なくともそういう疑いのある法律を出すという場合には、そういう疑いがあるものをすべて整理をして、そうして、主体的ということばをきらうという方があるそうですから、主体的ということばは使わぬでもよろしいが、自主的ということばは文部省が使っているからそれでもよろしいですが、自主的なそういう法案の趣旨に合うような条件を整備して、初めてこの法律を出してくるというならまだわかるんです。法律を出しておいて、そして現状でいまやっておるものをさらに拡大するようなものを出してきて、そうしてわがほうを信頼してくださいというような言い方では、これは説得はできない。だから私は、それに見合うような具体的な指導をどうしてやるのか。いま加瀬委員からなり、あるいは松永委員から指摘をされた現場の実態、あるいはそれぞれの法律との矛盾、人事院総裁の意見書と、それとの実態の矛盾というものがずっとここでもはっきりしたはずだ。これに対する対処をどうするかという具体的なものが出てこないと、この法律の精神と実態とは生きてこないわけです。今後反省しますとかあるいはこれからは何とかしなければいけませんとか、十分でないと思っているので努力をしますとかいうことは、養護教諭なり事務職員なり定数なりで何べん聞いたことかわからない。私が議員になってから期間は短いんだけれども、それでも同じことばを何十回聞いたかわからない。しかしそれが条件改善はほとんどできていないわけですから、〇・何ぼふえたから進歩しましたなんてうそぶいているような、そういう行政が続いている限り、この法律は法律の趣旨が生かされてこないわけです。だから繰り返して申し上げますけれども、先ほど以来はっきりしたような矛盾点を、いわば現場の実態をこの法律が適用できるような条件に切りかえる手だてが何かあるかということを合わせて示さないと、この法案の趣旨は生きてこないわけです。そこで、私はいま職員会議の例を一つ出しましたよ。午後五時からやっているというところがある。それはあたりまえだと思っておる。命令をするわけですね。その根拠は何かというと、この前も私の質問で指摘をいたしましたような職務命令というのは、法令の根拠がないでもやれるという文部省の指導がその根拠になっておる。しかしそれは好ましくないということがはっきりしているわけですから、それは具体的に取りやめさせるという手だてをしてみて、それから職員会議を個々にやりますということならまだ話はわかる。何もやってはいない。ごく最近私は調べてみたら依然としてやっておる。そういう現状がずうっとあることだから、現状を法的に拡大をしてこれを合理化しようとする法律案にしか見えないわけです。その具体的な手だてをどうするかもひとつ説明していただきたい。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 ただいま先生の御指摘の具体的な例があるといたしますれば、直ちにこれは指導して取りやめさせる方向で具体的な処置を直ちにいたしますことをお約束いたします。
○安永英雄君 労働大臣お見えになりましたから、時間も限られておるようでありますから、私から関連の形で質問をいたします。いままでのこの参議院の本案についての審議に、いままで加わっていられませんから、私はもう少し丁寧に質問申し上げてみたいと思います。 二月の十三日に中央労働基準審議会、ここで一つの結論が出まして、あなたに次のような建議が行なわれております。それは「労働基準法が他の法律によって安易にその適用が除外されるようなことは適当でないので、そのような場合においては、労働大臣は、本審議会の意向をきくよう努められたい。」 二番目に「文部大臣が人事院と協議して超過勤務を命じうる場合を定めるときは、命じうる職務の内容及びその限度について関係労働者の意向が反映されるよう適切な措置がとられるよう努められたい。」 これが二月十三日にあなたに出された建議であります。 そこであなたはそれを受けて、同じく二月の十三日に文部大臣に対しまして通知されております。「標記に関し、中央労働基準審議会から、別添のとおり建議があったので、当該法律案を作成するに当たっては、その趣旨を十分に尊重されるよう要望する。」というこの要請が文部大臣に行なわれたわけであります。 この間、衆議院の文教委員会の審議の中でも、あなたはこの建議を受けて、文部大臣に対して申し入れもするし、閣議でこの趣旨に沿って十分な意見を、実現するように発言をするという答弁が行なわれておるのであります。そこでその結果、閣議によりましてこの本法案が正式に決定され提案をされて、いま審議をしているわけであります。そこでこの建議に基づいて大臣が閣議でもがんばられたでしょう。しかし結果としてはこの法案になっておる。したがってこの法案の中でこの審議会なり労働大臣のこの意見というものが、この法律案にどう生かされておるのか。全然意見としては取り上げられなかったのか。取り上げられたとするならば、どこの個所にこの法案の中に取り上げられたとお考えになるのか、お伺いします。
○国務大臣(野原正勝君) まあ労働大臣の意向というか、中央労働審議会の建議の趣旨を文部大臣にお伝えいたしまして、そうして御検討いただきました結果、第七条にはっきりと「教育職員の健康と福祉を害することとならないよう勤務の実情について充分な配慮がされなければならない。」というようなことでうたっております。しかし具体的な問題につきましては、これはこれから定められるところであろうと、その趣旨を十分に考えていろいろな決定がなさるべきものであるというふうに考えております。
○安永英雄君 そうしますと第七条の中で初めの文部省の原案としては「教育職員の健康と福祉を害することとならないよう」「充分な配慮」というところが、あなたの建議を受けての意見で、「勤務の実情について」という項目が入ったというふうにいま説明になったように私は受け取りますが、そうですか。
○国務大臣(野原正勝君) そういうふうに考えております。
○安永英雄君 このわずかな文言を入れて、そしてこれが中基審の意見、いわゆる労働者の立場をうたっている貴重な、労働者の憲法とも言われる労働基準法、その中の三十六条、三十七条が他の法律で、ここにも書いてあるように、ゆえなく、私から言えばゆえなく適用除外をされるというような重要なこの法律案に対してわずかな「勤務の実情について」ということが入ったとして、労働大臣としてはこれで事足りると思いますか。
○国務大臣(野原正勝君) 第七条の規定は、ただ大きく見た際において、健康と福祉を害することのないよう勤務の実情について十分な配慮がなされるということを求めたものと思いますが、しかし、労働基準審議会の建議によりますと、これは法律でそうした問題を一々規定するかいなかということは触れていないわけでございます。それは建議の「2」にありますように、「文部大臣が人事院と協議して超過勤務を命じうる場合を定めるときは、命じうる職務の内容及びその限度について関係労働者の意向が反映されるよう適切な措置がとられるよう努められたい。」ということでございまして、こうした職務の内容及びその限度、また関係労働者の意向が反映されるように適切な措置をとる、そのことをうたったも一のでありまして、おそらくその内容等につきましては、文部省において十分御検討いただいて、そしてこのことについては、やはり労働基準審議会の御意見を尊重された形でそれができたものであればこれを承認するということになろうかと思います。
○安永英雄君 いま来られたからおわかりにならないと思いますけれども、そういった立場でいま文部省としてはこれは最終案とは言わないけれども、一項から九項目、これがあなたが一番、心配されておる問題が具体的に出てきたも一のであります。この点について御見解を承りたい。
○国務大臣(野原正勝君) 審議会の建議は全会一致でまとめられたものと伺っております。その第二項では「関係労働者の意向が反映されるよう適切な措置がとられるよう努められたい。」ということでございまして、文部省は時間外勤務を命ずる場合についての一応の試案を出しておるわけでございますが、これにつきましては建議の趣旨を十分尊重して関係労働者の意向を十分に反映させると申しておりますので、私としましては、その経過を見守ってまいりたいというふうに考えておおります。
○安永英雄君 経過を見守っておりましても、この法律案ができてしまえば話にならないんです。だから、私は質問をしておるわけですが、まあいま文部省としては関係団体と対等の立場で三十六条の精神に基づいて話し合いをしているということを表明された。それを受けてそれでいいじゃないかという立場を労働大臣はとられたと思うんです。聞かれてなかったけれども、そうだろうと思う。しかし、私は別個の問題として、労働者としての立場を私は聞いておるわけで、この九項目というのは、これは学校の先生方、先ほどから論議をしておりますけれども、質問をしていますけれども、これは現在の現行法における三十六条、三十七条が適用される教員だってびた一文超勤制度に基づく超勤手当をもらっていない。そして非常に時間外勤務が多い、計数的にいっても、現実にこれはもうとうていできない、こういった文部省自身も一調査をして、現実に超過勤務があるというこの実態の把握をしている、そういう中で一から九まで、こういった仕事が命令できるということになれば、あなたはこれでよろしいと思われるかどうかということであって、これをあなたがこれでけっこうだと言えば三十六条、三十七条を削除して、教育労働者にはこれを抹殺をして、そうしてこの法律によっていまから超勤の問題が解決されていくわけでありますが、それで労働大臣としてはけっこうかという私は質問をしているわけであります。この点は先ほど次官のほうから聞いていますから、その意思を汲み上げていくという問題については、まだ文部省としての意見はずいぶんたくさんありますが、労働省としてはこのことについてどう思うかという点をお聞きしているわけです。これは時間がありませんから、関連ですからお聞きしますが、中基審の立場は何回聞きましても、これについては静観をしている、どういう方法、仕事の範囲を示すのか、それがわからぬ限り、私どもとしては運用の面で信用するとかそういうこと以外にありません。しかし、この国会の審議を見守りたい、副会長のごときは監視したいということばをわざわざ使われたわけです。しかし、こんなふうに現実に出てきた場合には、中基審は当然その問題について審議をしなければならぬと思うが、あわせて労働大臣としてこれを中基審に諮問する考え方はないのか、この点をお伺いします。
○国務大臣(野原正勝君) 文部省から何か時間外勤務に対する試案が出ているということでありますが、試案の内容はよく拝見しておりませんが、しかし関係労働者の意向を十分に反映させるということを申しておりますので、その関係労働者の意向を十分反映させるという点で、しかも私ども一は無制限な時間外労働というふうなもあがあってはならないというふうに考えておりますので、おそらく十分その辺を配慮してこの意見がまとめられるものというふうに考えておりますが、ただいまの御質問については今後も十分ひとつ文部省の態度を厳正に見守ってまいるということでいきたいと思います。
○安永英雄君 とにかく、どんなふうに厳正に見守っていくのか、私はああと言っている間に衆議院ではこれは強行採決でこっちに回ってきた。とにかく審議の期日はない。ここで労働大臣がこの建議を受けて閣議に乗り込んだときのような気持と一緒に、こういつた具体的な問題についてはここでおこらなければ労働大臣いつおこるのです。また中基審の問題について聞きますが、どうなんですか、諮問する考えがありますかどうか、直ちに。
○国務大臣(野原正勝君) 中基審をいま直ちに開く考えはございません。
○安永英雄君 ないですか。なぜですか。
○国務大臣(野原正勝君) 中基審からはすでにもう建議が出ております。私どもは建議を尊重して、そのことをとくと文部大臣に伝えて、文部大臣も一それを十分尊重してこたえるということになっておりますので、おそらく中基審の建議は十分に反映しておるというふうに考えております。
○安永英雄君 それはあなたの越権ですよ。中基審の意向を十分反映されておるなんていうことあなたの口から聞こうとは思わない。反映されていないか、いるか、その点について具体的に出たから中基審にもう一回はかるべきではないかということを言っているのでr。
○国務大臣(野原正勝君) 文部省から出ました「時間外勤務を命ずる場合」というのは単なる試案でございます。試案であって何もこれは決定的なものではないのでありまして、これを十分にこの法律に基づいて適正なるやいなやというのはこれから御検討願えばよろしいのであって、このために特に中基審を開いてこれを検討するという必要はないと考えます。
○安永英雄君 これは中基審の会長のことばがはっきり、衆議院の議事録見てごらんなさい、これが人事院の意見書が出たときにそれを受けて建議が行なわれておるわけで、したがってこのとき法律案としてこれが出てきた場合にはその間見守っておいて、そして中基審としては将来とにかくこれが終わったあとにまで静観をしていくんだという考え方が一部言われたけれども、これは静観というのは労働大臣だけであって、中差審のほうはこういう具体的なものが出てくれば当然審議をしなきゃならぬという雰囲気にあるということは、あの当時の答弁からいって私は察することができるわけです。そういうことを踏まえて言っているわけです。しかし労働大臣は諮問しないということであればまた別の意味で私は聞きたいと思う。しかしこの点はそこに基準局長がおりますから、基準局長からひとつ意見を承りたい。あなたは二月十五日、この日に文部省の初中局長とあなたとここで約束をされておる。第六十五回国会に提案される国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法案に関しまして、文部省と労働省は左記のとおり了解し、文部省はその趣旨の実現にっとめるものとするということで、一は文部省は教育職員の勤務ができるだけ正規の勤務時間内に行なわれるように配置すること。二番目は文部大臣が人事院と協議して時間外勤務を命じ得る場合を定めたときは命じ得る職務についてやむを得ないも一のに限ること。なお、この場合において関係教育職員の意向を反映すること等により勤務の実情について十分配慮するという約束ごとが取りかわされておりますね。そこで具体的にここに九項目が出ておりますが、これは大臣答弁じゃなくて、局長としてこれについてこの中で正規の勤務時間に行なわれるように配慮されておるかどうか、やむを得ないものに限るというが、これはやむを得ないものかどうか、おそらく文部省の局長はそう言いましょうが、基準局長はどう思うか、この点お答え願いたい。
○政府委員(岡部實夫君) ただいま御指摘の文部省と事務的に私どもは今後この問題の運営について労働省あるいは中基審の意向を踏まえての労働省の立場を十分尊重して実施していただくという趣旨でこの了解事項を約束したわけでございます。そこでこの趣旨は超過勤務はあくまでやむを得ない場合に例外的に行なうという趣旨を貫いてもらいたいという趣旨でございます。そこでいま御指摘の具体的な試案につきましては逐一これが真にやむを得ないものかどうかの判断をここでにわかにくだすことも適当でないと思われますが、これを人事院と協議する過程におきまして、私どもとしてはいま申しました約束が十分果たされるという方向で、私ども今後さらに事務的にも人事院にも文部省にもその実施を強く要請してまいる、こういうことです。
○安永英雄君 それではおそいというのです。そんなのんびりしたことじゃなくて、文部省だってこの一応の考え方を出さなければここの審議ができないのですよ。できないから出したのです。私はそう思う、明らかにこれは。あなたは局長でしょう。局長と局長で実際こまかいことについては取りかわしをしているのです。だからこれを出すときには、あなたのほうもこれについて局長は少なくとも一項目一項目について検討をして、そしてこの約束ごとに行っているのかどうか、これはあなたはあとからよく検討して出しましょうとか、人事院と打ち合わせの段階で意見は双方に言いましょうとか、そういう立場のものではない。あなたはこの中に入っているのだよ、話の中に。大臣はいまさっきの答弁で、私は中基審は開きませんと、それまでだけれども、局長は許されないのだよ。もう局長ははっきりこれについて見解を、時間が要ればあすこに局長がおるからもう少し内部について聞きなさい。そうしないと審議進まない。中基審はここにいない。労働大臣はそういうふうにして言う。少なくともあなたはこの問題については相手方があるのだから、この内容をよく言って、この申し合わせ事項どおりにいっているのかどうか、局長時点における回答をしなければ審議は進みませんよ。別室ででもおやりなさいよ。
○政府委員(岡部實夫君) 御指摘の点はよくわかりますが、私も強弁するつもりではございませんが、審議会の建議はこの基準を定める場合に関係労働者の意向が反映されるということを建議しております。そこで私どものほうも具体的にはこの基準を定める場合にはやむを得ないものに限るということを事務的には一歩進めると同時に、関係労働者の意向を反映させるということにいたしておるわけでございます。そこでこの試案はいま試案という形で出されておりますが、具体的にはこれは法律の手続に基づきまして、法律の施行の段階において人事院と正式に協議して、そしてきめられる、こういうことになろうと思いますので、その段階において十分私どもの意向が反映されるということを期待しておくということで手続的にはいいのではないかと考えております。
○安永英雄君 それでは労働大臣も基準局長も要するに労働省の立場としては中基審の意見、非常に貴重な二つの項目の意見があるけれども、それをひっさげてとにかく試案作成の段階では努力をした。そしていまみたいな形で勤務のこの実情についてという十字ばかりの字句が入り、非常に抽象的なものであったけれども入った。これで満足で、あとは言っただけの話で、あとはとにかく文部省と人事院と、こういったところでおきめになるだろう、あとは静かに見ております、こういう立場でありますから私はそれを許せないと思うけれども、関連のあれで、私の質問時間のときには本格的に質問しますから、どうかいま言ったこれについての態度、あるいは中基審のこれをめぐっての論議、これを早急にやるかどうか、はっきり態度をきめておいていただきたいと思います。
○加瀬完君 労働省はこの教特法に限っては政府できまったことだからその内容について労働基準法的な立場で抗議をしないという打ち合わせができていると巷間伝えられておりますが、そういうことはございませんか。
○政府委員(岡部實夫君) そういうことはございません。
○加瀬完君 それならいま安永委員の指摘した教員に対し時間外勤務を命ずる場合という、この九つの条項、これをごらんをいただいておるようでございますので、専門家でございますから、これを一見しましてこれはけしからぬという御見解があろうかと思いますので、ひとつ賛成のことでもけっこうです、そこでお述べください。
○政府委員(岡部實夫君) 私もこれを試案として文部省がこの委員会に提出される前に私は見ておりませんので、昨日拝見いたしまして、具体的にまだ見解をということにならないかもしれませんけれども、全体の印象といたしましては項目が相当多過ぎるように思います。ただ、私どもは基準法のたてまえと具体的に教職員の職務の中身については私どもが特別に責任をもってスクリーンする立場にございません。したがいまして、責任をもってここで一々仕事が現実に行なわれる課程において私どもと文部省と話をつけております。この精神が生かされるのかどうかということとの関連でしか私ども考えられませんので、この個々の項目について適正かどうかということを労働省の基準局長の責任においてスクリーンすることはいま直ちにここでは無理かと思います。
○加瀬完君 しかし、労働省としては労働基準法が守られるかそこなわれるかということについては大きな責任もあるし、御見解もなければならないと思うのです。それでこの九項目について労働基準法上、先ほども御説明がありましたが、現状において教職員は労働過重で超過勤務をせざるを得ないようになっている。その上に加えて無制限に超過勤務の命令を出し得ると、出し得る範囲はこうだということでございます。そうなってまいりますと、他の一般公務員と比べても非常に勤務条件のアンバランスが出るわけですね。あるいは労働基準法の内容からいっても、健康も福祉もさっぱり顧みられないという問題も生じてまいりますね、そういうことが懸念されませんか。
○政府委員(岡部實夫君) 実は中基審のときにも具体的に職務の内容についてどうするかという議論も出たわけです。その場合に、やはり最終的にその職務の中身を一々取り上げて審議することはできない。そこでその場合には関係労働者の意向が反映される形でその基準がつくられるということを私どもの立場から十分文部省に申し入れると、これが限度ではないかということになったわけでございます。これは審議会の経緯でございます。私どもも実はちょっと非常に無責任な発言でございますが、少し多過ぎるような感じがすると申しましたのは、この覚え書きによりましてできるだけ私どもの立場からは超過勤務を命じ得る職務の中身をおそらく相当制限されるだろうと、それからそういう命じ得る場合のたとえば時間も実質的には非常に短くされるというか、制限されるであろうという、中身と時間と、要するにやり方の問題を含めて非常に限られた範囲でどうしてもやむを得ない場合にということが具体的に確保できるかどうかということが非常に問題であろうと思いますので、その点をあわせてこれが具体的にどうされるかということを私どもとしては非常に関心を持つわけでございます。現実にいまの項目につきまして、この項目と同時にやり方の問題も一様にからまるわけでございます。非常にそういう角度から今後十分関心を持っていきたい、こういうことでございます。
○加瀬完君 それではせっかく労働大臣おいででもございますから労働大臣に御見解を承りたいと思いますが、繰り返して恐縮ですが、文部省のほうでこういう点はお認めになりました。小学校の一週間の平均の勤務時間三十一・五時間、その他の勤務を入れますと五十時間をこえる、こういう者が大勢いる。そうしてそういう先生方に対していま問題になっているこういう職務命令が出し得るということになるわけです。で、この職務命令にはいま局長もおっしゃるように、範囲の制限も時間の制限も現在においてはございません。そういう形で報酬の対象の支払いのない超過勤務が命ぜられるということをどうお考えになりますか。御判断をなさいますか。好ましいこととお考えになりますか。これは労働省として腰を入れてひとつ管掌しなければならないことだとはお考えになりませんか。
○国務大臣(野原正勝君) 無制限に超過勤務があるということは決して好ましいことではないと思いますが、もともとこれは労働基準法の中でいくには、いささか教職員の方には事情も違っておりますので、人事院がいろいろ御苦労されたようでありますが、積極的に基準法適用除外なんということを考えたわけではございませんので、まあ学校の教職員の場合やむを得ないのではないかということで、ある程度賛成というか、承知をすることにしようというわけでありますから、積極的にいまの行政面に対する対策というのは労働省自身が考えたわけではないのでございまして、学校の先生方に対する一つの特別な対策ではないだろうかというふうに考えております。
○加瀬完君 特別な対策といったってお金が一つも出ないんでしょう。四%は出ますが、あとは無制限で勤務をさせられます、特別な待遇はお断わりしますということになりますね。もう一度申し上げます。五十時間以上一週間の勤務時間あるんですよ。その上に何も歯どめのない超過勤務を反対給付のない形で命ぜられるわけですね。これも学校の先生でありますからしかたがございませんというのは、なぜ学校の先生はしかたがないということになるのですか。私は、労働基準法というものを見守っている労働大臣として、労働基準法的な見解でこういう過重労働、過重勤務をどう御判断なさいますかと伺っているのです。なぜ学校の先生五十時間やって、あと十時間も十五時間も勤務しなければならない理由があるのですか、お聞かせいただきましょう。
○国務大臣(野原正勝君) 私は、一般の勤労者以上に無制限な勤労をしいるようなものであってはならないというふうに考えておりますから、もともとがそうした御指摘のような五十一時間以上も勤務を願っておるというのであればこれはたいへんなことであろうと思います。したがって、超過勤務の問題については相当の歯どめをしなければいけないということを感じます。ただ、現在の御指摘になりました学校の先生方の勤務の姿というものは、ほかの一般の工場労働者なんかと違いますので、おそらくその時間といってもなかなか他と比較するのはむずかしい問題であろうというふうに考えますので、その点は事情が多少違っているであろうと思いますが、いずれにせよ、そうした歯どめなしに過重な超過勤務をお願いするということは、これは考えものだというふうに考えております。
○加瀬完君 局長でもけっこうです。地方公務員について超過勤務はどういうふうにきめられておりますか。
○政府委員(岡部實夫君) 一般の地方公務員につきましては基準法の規定の適用を受けることになりますが、したがいましてその超過勤務に関する基準法の規定を適用して、ただし人事委員会がその監督に当たるということでございますので、諸規定の実施は人事委員会が責任をもって当たっている、こういうことになっております。
○加瀬完君 それでは人事院に伺いますが、地公法の五十八条の三項をどうお受け取りになっておりますか。
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもは国家公務員のほうの所管でございまして、地方公務員のほうについては権威ある意見を申し上げるべき立場にございません。
○加瀬完君 どういう御見解をお持ちですかというのです。責任があるかないか聞いているのじゃない。それがわからなくては国家公務員のほうもわからないということになります。文部省でもけっこうです。労働大臣でもけっこうです。私の伺っているのは、結局超勤の関係がどういうふうにきめられておるかということを伺っているのです。
○政府委員(荒井勇君) 地方公務員法の第五十八条の第三項で地方公務員の超過勤務についてどのように制度づけられておるかということのお尋ねでございましたが、この第三項におきましては、労働基準法のうちの一定の条項の適用除外というものを書いております。ただし現在のこの五十八条第三項の規定の中には労働時間、休日、あるいはその定められた所定の労働時間、休日の時間外勤務ということについての関係規定の適用除外はされておりません。 ただ、その次に五十八条第四項というところで、労働基準法とこれに基く「命令の規定中前項の規定により職員」地方公務員「に関して適用されるものを適用する場合における職員の勤務条件に関する労働基準監督機関の職権は、地方公共団体の行う労働基準法第八条第一号から第十号まで及び第十三号から第十五号までに掲げる事業に従事する職員の場合を除き、人事委員会又はその委任を受けた人事委員会の委員が行うものとする。」こういう趣旨のことが定められているわけでございます。
○加瀬完君 そうするとこの三十六条は適用されることになりますね。この前の初中局長の説明では、三十七条がなくなれば三十六条も自動的に無効になるような御説明が衆議院でなされたように承っておりますが、三十六条は生きているでしょう。
○政府委員(荒井勇君) これは労働基準法の第四章の規定の解釈の問題になろうかと思います。で、労働基準法では、その三十二条、三十五条あるいは四十条というような条項におきまして労働時間、休日の定めをしておりますが、諸種の理由から所定の労働時間を延長し、あるいは休日において勤務をさせなければならない場合も生ずるわけでございます。このような例外の場合の措置の定め方については、理論的に考えますと大別して二通りあるというふうに考えられるわけで、その一つは硬式の時間制といいますか、非常にハードな形でその法律自身で時間外勤務が命じ得る場合を法定するといいますか、たとえば災害等避けることのできない業務の必要というような法定された事由がある場合にのみ、そういう場合においては時間外勤務を認めるというようなそういう方式が第一でございます。 第二の方式としては、それに対して軟式労働時間制といいますか、ソフトな形の時間外労働のきめ方のやり方でございまして、そういう場合割り増し賃金の支給は条件としますけれども、法律で時間外勤務をさせ得る要件というものは何も書いてないというような形で、その事由のいかんを問わずとにかく時間外労働は命じ得る、それでそれに対しては過半数の労働者の代表の同意を条件とするというような仕組みでございます。 ところでこの労働基準法の第三十三条の規定を見ますと、これはそういうハードな形の労働時間制の考え方に準拠して設けられた法律規定であるというふうに解されるわけでございます。その第一項を見ますと「災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合においては」というふうに、その時間外勤務を命ずる場合はかくのごとき場合だという要件を法定しておるわけでございます。で、このような場合、その「避けることのできない事由によって、臨時の必要がある」ということですから、ソフトな形の場合のような、事由のいかんを問わず命ずるのではないということでもありますし……。
○加瀬完君 あとは質問しますからそこまででいい。
○政府委員(荒井勇君) その場合に労働者の代表の同意を条件とするというのは適当でないとこの第三十三条第一項は考えまして、そこは「行政官庁の許可を受けて」ということを定めておるわけでございますが、三十三条第一項の場合には……。
○加瀬完君 聞いていないこと言わなくてもいいんだよ。あとで聞きますから。そこのところ聞いていないんだから……。 現行法では教員の超勤が適用されない理由はありませんね。
○政府委員(荒井勇君) 教員の超勤が適用されないわけはないと仰せられましたのはそのとおりでございます。超過勤務は命じ得るわけでございます。
○加瀬完君 教特法でいま御説明になりました三十三条の三項の十六号を十二号に読みかえていますね。これは基準監督局長に伺いたいのですが、読みかえなんかによって労基法の大切な点をこわすというやり方を、法体系なり法運営の上から、好ましいことだとお感じになりますか。労基法の基本的な姿勢としてきめられている内容を、三十三条の三項の十六号を十二号に読みかえることによって抹殺しているのですね。こういうやり方をあなたはお認めになりますか。お認めになるとすれば、労基法の根本的な観念を破壊するような読みかえというふうなことを許したら、法律の存在がありますか。
○政府委員(岡部實夫君) 御指摘の点は、立法技術として好ましいかどうかという点がございましょうが、これにつきましては、私どもは、法律を政府といたしまして提出するときに、文部省ともいろいろ話をいたしました。これは、一つは実体的にまずどうするかということが前提にございまして、それをどう法律として書くかということになってまいったときに、現在、実は基準法の規定が地方公務員に適用されるしかたが、地方公務員法の五十八条の規定に基づいている。しかも、適用される規定の実施権限は、あげて人事委員会に属しているというようなことがございますので、基準法の立場からいいますと、実は非常に変則的な適用のされ方がされている。そこで今回の場合にも、変則的というのはおかしいのですが、そういう規定の根拠が五八条にございますので、五十八条の中の修正ということにいたしたわけでございますので、立法技術的には、あるいはすっきりしないという御批判はあろうかと思いますが、いままでの規定の立て方、それを法律的にいじるという形にいたしたものでございますので、いま提出したような形に相なったわけでございます。
○加瀬完君 教特法ができても、三十六条はそのまま残りますね。
○政府委員(岡部實夫君) 三十六条は、はずしておりません。
○加瀬完君 初中局長は、はずしたという御見解じゃないですか。この前、そういうことをおっしゃっていませんか。
○政府委員(宮地茂君) 三十六条は、形式論としては削られておりませんから残りますが、労基法の三十三条三項職員のようになりますので、したがいまして、三十六条は現実の問題として適用の余地がなくなる。実質的には三十六条は動かないであろう。しかし法律論として、形式論としては三十六条ははずれてはいないと思います。そういう趣旨のことを衆議院のときに、私その後速記録を見ていないのですが、あるいはことばが十分でなかったんじゃないかという反省はいたしておりますが、一応いま申したように考えております。
○加瀬完君 十分でなかったじゃなくて、間違っている。三六協定の相手方は市町村だと、文部省はいままで御見解をお出しですね。これは間違いありませんね。
○政府委員(宮地茂君) 三六協定の労働者に対する相手方として、文部省が特に市町村だといったような具体的な指導は、特にはしていないようですけれども、市町村であり、現実には当該事業所でございますので、学校長というふうに理解されると思いますけれども、先生がお尋ねのように、特に指導しているという過去の、今日までの経緯はないようでございます。
○加瀬完君 ここは大事なところですからね。これから協定を結んでいく上に、相手が不明確では臨めませんからね。市町村ですか。校長ですか。校長にそんな権限がありますか。あるとすればその根拠。
○政府委員(宮地茂君) 三十六条は、事業所ごとに「当該事業場に云々」という規定がございますので、校長に特に権限があるかないかという問題はございますけれども、その勤務時間等につきまして、勤務条件につきまして、当該事業所といえば一応学校長に、超勤命令を出す場合に学校長として出せますから、事業場という場合の長は校長であるというふうに、まあそれの権限関係の委任と申しましょうか、そういったようなことを前提として、すなおに解釈すれば、校長と解釈してよいのではないかという解釈でございます。
○加瀬完君 そうすると、校長と職員の間でいま御指摘のような内容のものを取りきめても、一向さしつかえない、こういうことになりますね。
○政府委員(宮地茂君) 労基法の十条には「この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。」という規定がございますが、それとの関連におきまして「当該事業場に云々」という規定になっておると思います。一応、私どもは以上のように解しておりますが、公的な見解としまして、所管庁が労働基準法は労働省でございますので、基準局のほうから公的な解釈をお聞きいただきたいと思います。
○加瀬完君 いや、これは行政の指導監督の官庁は文部省ですから、文部省にはっきりまず伺います。校長と労働協約をそれぞれの職場が結んでもよろしいのですね。この超過勤務などの点についても、校長と職員の間で結べば、それは有効ですね。そういうことでしょう、いまの説明は。都合の悪いところだけだめだと言わないでくださいよ。
○政府委員(宮地茂君) 三六協定に関しましては、そのとおりだと思います。ただ先生、もちろん現時点においてのお尋ねだと思いますが、先ほど申しましたように、この法律が施行されますと、実際問題としては、三六協定の三十六条は適用の余地がなくなると考えます。
○加瀬完君 三十六条は生きておりますと、労働省もお答えになったでしょう。生きているものが適用できないと言う。どういうことですか、それは。適用できないと解釈しているのはあなたのほうだけだ。生きているものは適用できる。当然じゃないですか。
○政府委員(宮地茂君) ちょっとこの法律、いま御審議いただいております法律が可決成立しました後と、それまでの現時点との間では、相違があろうかと思います。したがいまして、この法律がまだ可決になっておりませんから、現時点におきましては、三十六条の三六協定では、先ほど申したとおりで、先生のおっしゃいますとおりでございます。ところが、この法律が公布施行されますと、先ほど申しました地方の先生は、いま三十三条の三項職員には現時点ではなっておりません。しかし、法律が公布されますと、労基法の三十三条三項職員、一般の地方公務員と同じような扱いになりますから、したがいまして公布施行後は三十六条は削ってはおりませんから、形式的には生きておりますが、実際問題としては適用の余地がなくなる、そのように考えておるわけでございます。
○加瀬完君 三十三条の三項十二号には教員がはっきりきめられておるでしょう。そうですね。それを今度、この十二号を十六号に読みかえようというのでしょう。十二号をはずそうというのでしょう。はずすことは好ましいことではない、こういう御見解は出されておりますね、労働省から。実際には地方の教職員は、地方教育行政法によると、四十二条で勤務条件は都道府県の条例の分もありますね。それから、いま言ったように、三六協定ということになりますと市町村の分も出てまいりますね。この点が非常にあいまいなんですよね。もとの議論に帰って恐縮ですけれども、筋としては超勤は命ずることもできれば、超勤も支払わなければならないことにもなっている。それをことさらにはずして、もって回ってやりますから、そちらこちらいろいろな矛盾ができるということになるわけです。法体系から言えばめちゃくちゃですよ。政府のやり方はね、教特法というような政策を先にきめて、法律をこれにあてはめるようなやり方をするから、法体系から言えば矛盾だらけということになる。労働基準法というものを尊重されたやり方というにはどうしたって受け取れない。意見がましくなりますが、私どもはそう判断をしているわけです。教育職員としての勤務条件を守る条項というものをみんな削られてきているじゃないですか。労働基準法なら勤務条件をだんだんだんだん守っていく条項というのが深まるはずでありますのに、逆ですよね。こういう勤務条件を改善することが一つのねらいだとするならば、教特法というものは勤務条件を守るいろいろの法律には非常にうらはらな形で出ている。それで教育職員を優遇するとか、地位の向上とか、いろいろのことを言ったって、それはうなずけません。しかし、それは議論がましくなりますから、先へ進みます。 そこで具体的に教特法の第七条で説明を求めますけれども、ここで言う両者の協議できめられたものは、教育職員の正規外の勤務の最大限をきめたものと思う。すなわち労働基準法による労働条件としては最低のものだと、こういう受け取り方をしてよろしいですね。文部省。
○政府委員(宮地茂君) 大体そのとおりだと思います。
○加瀬完君 どうも大体ということがちょっと困るんですよ。都合が悪くなると、大体のほうが変わってくるといけませんから。そうですか、そうではありませんか。
○政府委員(宮地茂君) そのとおりだと思います。
○加瀬完君 文部省が教育関係法規をつくる基本原理としては、法律主義、民主主義、地方分権主義、一般法規よりの分離独立主義、教育の自主尊重主義、こういうものが基本だと言われておりますが、これはこのまま認めてよろしゅうございますね。
○政府委員(宮地茂君) よろしいと思います。
○加瀬完君 地方分権主義というのは、大きな一つの柱であると考えてよろしいですね。
○政府委員(宮地茂君) そのとおりと思います。
○加瀬完君 そうすると、第七条の「国立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間をこえて勤務させる場合は、文部大臣が人事院と協議して定める場合に限るものとする。この場合においては、教育職員の健康と福祉を害することとならないよう勤務の実情について充分な配慮がされなければならない。」ということは、地方教職員においては、都道府県の教委なり、あるいは対象によっては市町村教委なりと交渉してとりきめる内容ということになりますか。
○政府委員(宮地茂君) その点は、第七条は国立関係でございますが、公立につきましては第十一条で「国立の義務教育諸学校等の教育職員について定められた例を基準として条例で定める場合に限るものとする。」というふうに言っておりますので、人事院と協議して定めたもの、これはおそらく文部大臣告示で形式的には出すようになろうかと思いますが、そうして出されましたもの、それを、その例を「基準として条例で定めた場合に限る。」文字どおりこのようになります。
○加瀬完君 基準はよくわかりました。しかし、その基準が有効ではなくて、基準に基づいてつくられたものが有効ということになりましょう。そうすると、その基準は最低ということならば、それより教育職員に有利な条件でそれぞれの教委と、あるいは人事委員会と取り結ぶことはけっこうなことですね。
○政府委員(宮地茂君) 文部大臣が、例をとれば、先ほど政務次官が出されました九項目でございますが、九項目はまだ試案でございますので、これが何項目になりますか、とにかく最終的に決定される。それがまあ四つとか、五つとか、あるいは九つかになります。それが要するに例でございますが、それを基準として定めるということでございますので、そのとおりで必ずしもなくてもよい。そのためには先生がいまおっしゃいますように、見方によっては少なくなることが教師に有利だという解釈にすれば、先生のおっしゃいましたような有利ということになりましようが、要するに私どもはその例が、法律が要求しているのは、文部大臣が定めた例、それはともかく基準としてということですから、若干の幅はあると、それは地方での自主的におやりになることである。しかし、あくまでその例とあまり違ったのでは基準にしたということにならないのではないかと思いますが、ともかく幅はあると思っております。
○加瀬完君 地方は気候風土も違えば、経済的条件、社会的条件全部違うわけですよ。したがって、健康と福祉を配慮しなければならないということになれば、地域によって若干の健康の考え方、福祉の増進のしかたというものは変わってきて、いわゆるまたより健康であり、より福祉的にと進めることにブレーキをかける必要はない。だからこれは法律に基づいて人事院と文部省の間にきめられる協議事項は一番の下限だと、それより上回ればいいということになっていいじゃないですか。なぜかならば、条例をつくる権限は文部省にはないわけです。茨城県なら茨城県、神奈川県なら神奈川県にあるわけです。また千葉県がどういう条例をつくろうが、この趣旨が生かされればけっこうな話じゃないですか。それを何か持って回ったように基準、基準と、そういう一律性を押しつけることは地方分権を尊重するということになりません。趣旨が生かされるならばいいじゃないですか。これは政務次官のほうが話がわかると思いますから、ひとつ政務次官に聞きます。
○政府委員(西岡武夫君) お答えします。 ただいま初中局長から御答弁申し上げましたように、私どもは国の基準に基づいて、まあそれに近い線で地方の条例で定められるということを期待していると申しますか、そういう意味で申し上げたわけでございまして、もちろんそれぞれの地方の実態に合わせて、それぞれの条例で定められるということは、若干の幅があるということは私どもも考えているところでございます。
○加瀬完君 昨日から教員の特殊性ということが問題にされておりますので人事院に伺いますが、その特殊性を生かして直接教育に当たる者は校長だとお考えになりますか。一般の教師だとお考えになりますか、教諭と言ってもいい。直接子供や学科を担任する教師が教育の主役だとお考えになりますか。それを管理、監督をする校長だとお考えになりますか。
○政府委員(佐藤達夫君) あまりやさしいお尋ねなので、ちょっと気味が悪くなりましたですけれども、私どもがすなおに考えておりますところは、直接生徒、児童にお当たりになる大きな責任は、これは教諭の方々、しかしそれらの一種の組織の中核としてお世話をされる、あるいは税務全体を指揮されるというのが校長さん。これらの組織体が一体になって今度は教育全体の向上に努力をされると、そういう仕組みであろうと思います。
○加瀬完君 前段の御説明の、教師が教育を行なう主役であるとすれば、現状の給与体系はこの教師が尊重されておるようにできておりますか。どう御判断なさいますか。
○政府委員(佐藤達夫君) これをもって理想の水準であるとは考えておりません。少しでもよく向上する方向へ水準を上げていきたい。今回の案もそれに連なるわけでございます。
○加瀬完君 もう一度おそれ入りますがお答えいただけませんか。大事な点ですから、お考えを重ねて承ります。
○政府委員(佐藤達夫君) とにかく先生のお仕事の重要さということに比べて、現在の給与水準は満足すべきものであるかどうかという、そういうお尋ねだと思ってお答えすればいいんじゃありませんか。それでよろしゅうございますか。
○加瀬完君 校長よりは、比較をした場合、むしろ教師が教育の主体だとすれば、現在の給与体系はこの教師を主体に生かされておらないではないかと。私のこれは意見になりますけれども、総裁はどうお考えになりますか。このお考えを聞かせていただきたい。
○政府委員(佐藤達夫君) わかりました。校長と教員の方々とを比べた場合のお話でございますね。
○加瀬完君 はい。
○政府委員(佐藤達夫君) これはもう、それぞれ職務の責任が違うわけで、それぞれ重要なお仕事をなすっていらっしゃるわけですから、大体いまの制度のたてまえということで、これはよろしくはないかと思っております。しかし、これについて御批判があれば、われわれまた大いに反省して、制度は制度として改めてまいりたいという気持ちでおります。
○加瀬完君 よそを比較するのは当を得ないかもしれませんが、大学あるいは旧制の専門学校というものであれば教授というものがその教育の主体として扱われておったわけですね。これは高等学校でも小・中学校でも同じだと思うんですね。生徒、児童を直接担任する者か教科を担任している者が教育の主体。しかし、その主体は教育の主体としての尊敬を払われ、待遇を与えられているという形に高等学校や義務制はなりませんよね。なっていませんと私は思うのです。そこで私が伺いたいのは、あなた方は昨日から教師の創造性、自発性を尊重するということをおっしゃっておる。創造性、自発性を尊重することで教師全体を引き上げるのだとおっしゃっておる。それなら特別手当にしろ待遇全体にしろ、一番子供に影響のある担任の教師というものの給与をどう上げるかということを考えなければおかしいではないか。そういう配慮を今度の教特法が扱われておったかということを問題にしているわけです。なぜならば、あとで伺いますが、校長に対しましてはよく理解に苦しむ増俸をつけております。教頭の取り扱いも伺わなければまだすっきりしません。時間数が非常に多くて自発性も創造性も発揮できないような状態に勤務条件を置きながら、この解決は一つもしない。それでいままでは超勤をさせないというしきたりであったものを、超勤をさせるという、一部分はいままで超勤は出されておりましたのを、今度は出さないという。新しい命令をする超勤の分に対しては給付はないという。そうするとですね、一体一番自発性、創造性を期待する教師に対する待遇の根本的な改善というものは、まだ一つ残されておるんじゃないか。そういう疑いがありますので、文部省はいままでこの職務、職階制の給与体系をとっております。人事院も同じような考え方、これはなるんじゃないですか、こう思いますので伺っておる。
○政府委員(佐藤達夫君) 今回の案はそういう点にはあまり触れておらないと思います。むしろ平等的に主眼を置いてできておると思いますけれども、しかし現行の給与体系というものから考えますと、いろいろなそれは御批判があります。したがいまして、またこの夏勧告をすることにもなりますし、いろいろそういう際の参考のために御意見を承って、その際大いに考慮いたしたいと思います。
○加瀬完君 文部省に伺いますがね、教員の特殊性というものを考えて、この新学制直後は一般の公務員に比べて何号か上げた。それからですね、何回か手直しみたいなことをやりましたけれども、新しい制度になってから今日までどういう変化をしましたかね。何回かもくろまれましたことが御期待のとおりに実現しておりますか。教員の待遇ということについて。
○政府委員(宮地茂君) 昭和二十二、三年でございましたか、一番当初の問題としてはたしかいまの号俸でたとえれば二号俸程度というものを教師に高くして、したがって超勤手当は払わないといったようなまあ考え方で進んでまいりましたが、しかし、その後、お尋ねのようなことで答えさせていただくとしますと、私どもが教師の処遇改善と心に思っておりますものからしますと、不十分な不満な現状であると思っております。
○加瀬完君 私はこういう表をつくったのですけれども、こういうものありますかね。表でひとつ説明してください。一般公務員と校長の一等級でもいいです。はだかりが大きくなっていませんか、このごろは。自治大臣でもいいですよ、それならわかるだろう。概数でけっこうですよ。
○政府委員(宮地茂君) まことに恐縮ですが、ちょっと資料さがしますのでちょっとお待ち願いたいと思います。
○加瀬完君 資料の提示を求めているんじゃないんです。あなた方の予期したのと反して学校の教職員のほうが伸びが鈍くて一般公務員のほうのカーブが上がってはだかりがだんだん大きくなってきているんじゃないか。そうかそうでないか、これだけでいいですよ。あなたの俸給と比べればすぐわかる。
○政府委員(宮地茂君) 一口で申しますればお尋ねのとおりでございます。
○加瀬完君 これは一口で答えられる問題です。 で、人事院に伺いますが、そういったはだかりが四%で解決できるという問題じゃないですね。だから四%だいぶ意気込んでいますけれども、四%といっちゃ悪いが、教特法。教特法はほんのごく一部分のそれは手直しになるかもしれんけれども、根本的に教員の待遇、給与というものについては人事院が再検討して勧告してもらわなければどうにもならない問題だと思いますが、これはどうでしょうか。総裁に答えてもらいたい。
○政府委員(尾崎朝夷君) ただいま教員給与の昭和二十三年以来のいきさつから現在どうなっているかというお話がございましたのですけれども、昭和二十三年当時におきまして一般の行政職員とは勤務態様が違うということで超過勤務手当は支給しないかわりに勤務時間が長いものとして有利に切りかえるということをしたわけでございます。その際の有利性というのが、まあ当時におきましての号俸として二号俸、——先ほど現在の号俸で二号俸と仰せられましたけれども、そうじやないんでございまして、当時における二号俸ということでございます。それは、当時は六カ月ごとの昇給でございましたから二号俸、現在は一年ごとの昇給でございますから一号俸という形になっておるわけでございます。そういう関係で当時の有利性が現在どうなっているかということでございますけれども、当時は前のほうもうしろのほうもそういう有利性はほぼ同じ四%程度の形でできておったのでございますけれども、現在の場合にはその有利性が前のほうに非常に厚くうしろのほうにやや薄くという形に変化してきていることは事実でございます。しかし平均的には従前の有利性が特に少なくなっているということはない。われわれのほうは平均的にはそういうふうに考えておる。で、今回の場合にはその上にさらにほぼ同様な考え方の上に、勤務時間内外を再評価をして基本給をさらに四%加えるということでございますので、これは改善であるというふうに考えております。
○加瀬完君 それでは人事院に伺いますが、教育基本法第六条、これをあなた方は今度の教特法でどういうふうに踏まえて計画をお進めになりましたか。——じゃ文部省に伺ってもいいですよ。文部省の政府委員、この二つ伺います。教育基本法の第六条、これについて、これは御存じのように教員の待遇に関することも書かれておりますね。当時の初中局長でありましたか、文部大臣になっておりましたか、田中耕太郎さんが教育基本法の理論という中でこの点を指摘しておるのですが、御存じですか。教員はいままでどうであったと、どうでなければならないとその当時の文部省当局は教員の待遇について見解をお持ちでありましたか。これはいまのあなた方にとっても重要なことですからひとつ御説明ください。こちらのほうに聞かせてあげてください。
○政府委員(宮地茂君) 基本法六条二項に「このためには、教員の身分は尊重され、その待遇の適正が、期せられなければならない。」ということで処遇の適正ということがうたわれております。 いまおっしゃいました田中耕太郎先生がどうというそのことは私よく存じませんが、かねてから、文部省といたしましてはそのころから、戦前に比べて戦後の教員の給与が低くなった、文部省の理想としては少なくとも大学の先生は裁判官並みの給与がほしいものだというのは文部省のこれは戦後一貫しての目標であると思っております。小中学校の先生と大学の先生はおのずからまあいろいろ理由もございましょうが、そのよしあしは別として、少なくとも大学の先生は裁判官並みと、それは戦前との関係から、といったようなことが大体文部省の考え方だと思っております。
○加瀬完君 大学の先生と小・中学校の先生とよしあしは別としても、そういうものの考え方が——あなた方小児科の医者とおとなの医者と、これ医者に払う支払いが違いますか。小児科の医者だから半分にまけてくれったって、ふざけるなとしかられますよ。教える対象が違うにすぎないでしょう。小学校の先生だから知識がなくてよい。月給安くてよい。大学の先生は知識が高くなければならないということはないでしょう。それぞれ専門知識の違いだけでしょう。田中耕太郎さんはこう言っているんですよ。「戦前において教育者は、一般的には、法的、経済的、社会的にはなはだ恵まれない立場にあった。」「小・中学校の教育者は、国の官吏として観念され、待遇官吏として取り扱われてきたが、実際においては一般官吏よりも低い官等や処遇に甘んじさせられており、地方の行政官僚の支配を受け、老校長が若輩の学務課長の鼻息をうかがい、また地方ボスの圧迫を受けるという状態であった。教育者は忍従を強いられ、卑屈に堕する傾向が見受けられた。また中央においては、文部省は、大学や専門学校に対し、上級官庁が下級官庁に対するような監督的態度をもつて臨んでいた。これでは人間を育成するはつらつな教育は期待できず、また教育畑に人材を招致することは困難であった。」そこで学制改革の昭和二十二年の際、教育刷新委員会というものから教員の身分待遇及び職能団体に関する建議というものが出ているはずでしょう。この建議によって教育公務員特例法というのが出されたわけですけれども、この教育公務員特例法は待遇の面というものをさっぱり考えられておらないのが欠陥だと言われている。こういうものを踏まえて教特法が立案をされるということでなければ本末転倒ですよ。こういう教員の待遇に関する変遷あるいは行政的な指向の方向というものを人事院は十二分にしんしゃくをいたしましてこの教特法というものをお考えになったのですか。
○政府委員(佐藤達夫君) この教特法は、俸給の切り下げを意図しておるわけではありませんので、調整額として四%プラス、これを上げようという趣旨でございます。したがいまして、これはいまお述べになりましたような理想のほうへ近づきつつある措置であるというふうに考えまして、これは前回も申しましたように、われわれはこれを一つの基盤としてさらにこの上に積み上げる努力をしてまいりたい、そういう気持ちでおります。
○加瀬完君 これを基盤として出発させようとすること、それから人事院がこの教職員の待遇を何とかしょうという配慮に基づいてこういう計画を進められたという善意をわれわれは否定しはしません。しかし考え方がきまっていないと思うのですよ。初め教育職員の時間外勤務について人事院は超勤の肩がわりとして考えておったのじゃないですか。いまじゃないですよ、前回は。今度はそういう考えじゃなくなった。違いますか。
○政府委員(佐藤達夫君) それはとんでもない誤解でございまして、四十三年かに文部省案というものが出ましたですね。それはまさにおっしゃるとおりの形で、われわれはそれに対する批判的な立場をずっと貫いてきた。それで今回独自の案を提案したということでございます。
○加瀬完君 それならば、あなた方のおっしゃる自発性、創造性に基づく勤務というものを充実するとおっしゃるならば、現状で自発性、創造性が十分に発揮されるような条件環境になっておるか。どこをどう変えれば自発性、創造性を期待する教員の勤務状態が現出するか、こういう検討がつぶさに説明されなければ納得ができません。端的に伺いますが、自発性、創造性を期待することが、先ほど政務次官のほうから出されたような、無定量の勤務をすべきであると、そういう理屈が成り立ちますか。
○政府委員(佐藤達夫君) 自発性、創造性と無定量の勤務が結びつくということはちょっと理解に苦しむわけでございますが、どういうことでございましょうか。結びつくはずがないと思います。しかし、今回の案は、たとえば昨晩も申し上げましたように、勤務時間の管理というようなところ、これは給与に全然関係のないことでありますけれども、そっちのほうの面から、いわゆる自発性、創造性の、われわれとしては趣旨をうたい上げておるというような面から、とにかくこの意見書の提出を機会として自発性、創造性ということをひとつしっかりと先生に認識をしていただいて、そして一般の行政職とははっきり違うのだ、その使命の重要性はありますが、それは別として、そのほかにもなおこういう特殊性があるということを基盤にここで打ち立てることは先生方のために決してこれは損になるどころじゃない、将来の向上のためには、あるいは待遇の向上のためには、これは大きないしずえになる、そういう意味で大きな声で私も申し上げておるわけです。
○加瀬完君 受け取る教職員の側にしてみれば、自発性、創造性に期待するというならば、思い切って自発性、創造性を生み出せるような時間というものを欲するのは当然ですね。また、それが与えられると期待するのも当然でしょう。ところが無制限、無定量の超過勤務が、場合によっては命じられるということになっては、勤務条件がますます過酷になって、どこに一体創造性をたくましゅうし、自発性を発揮する余裕と時間ができてまいりますか。そう言うと、あなた方は、そういうことはないと、われわれは協議の結果歯どめをすると、とう言う。しかしあなた、こうおっしゃっているでしょう。衆議院文教委員会の四十六年四月十四日の速記から写してきましたので、間違っていたら御指摘いただきます。佐藤人事院総裁。「われわれが所管するのは大体何時間以上働いてもらっては困る、たとえば普通の超過勤務命令の場合においても、職員の健康、福祉を害しないようにしろ、これは一種の歯どめでございますから、これは人事院規則に出ております。それが時間計測になじまないというのですから、大体どういう場合には教育上の要請に基づいて命ずるか、どういう場合には命じないかという、これはまさに文部行政の分野であります。われわれはそこまで立ち入って、この場合はいかぬぞ、この場合はいいぞということを言ったら、文部行政に対する侵害行為にすらなる。中立機関というそこの分をわきまえなければならぬ。しかし、ほってはおけないということがみそでして、やはり協議はしていただかなければならないというのがほんとうのところです。」協議したところで、文部省が聞かなければそれまでのところです。協議者能力はないですね。人事院には協議者能力はないでしょう。だから歯どめにならぬ、あなたがどんなりっぱなことを言っても。
○政府委員(佐藤達夫君) とんでもないお話ばかり承って、ちょっと驚きますけれども、それはそのとおりですよ。それはそのとおり申し上げました。おそらく初めから人事院規則でやったらどうかというお話があって、そうでしょう、それに対してのお答えではないかと思うのですけれども、いま御紹介になったとおりです。私の考え方はそのとおりです。しかし文部大臣だけということでは、まあことばは悪いですから、それから先は申しませんけれども、やはり人事院が乗り出して、そこにくさびを打ち込まなければなるまいということで、今度の意見書を出しているわけです。いわば人事院のくさびがここに入っている。その人事院が賛成と言わなければこれはできない。いま何だか人事院がうやむや言うても、文部大臣だけできまってしまうようなお話ですが、これはとんでもないことです。私どもがうんと言わなければこれは成立いたしません。だからこそさっきからたくさん書いてあるものを私は見たくないと言っているのはそれだからです。
○加瀬完君 それはあなたの御見解だ、個人的な。人事院にそういう権能はありますか、この問題で、文部省からきたものを人事院がオーケー出さなければ文部省は施行できないという、そういう法的根拠はどこにありますか。中立機関でしょう。ただ文部省の政治的な善意なり約束なりで政治的に可能ですということはわかりますけれども、法的には何もあなた方は協議者能力ありませんよ。協議者能力がないものがえらいこと言ってもだめだ。
○政府委員(佐藤達夫君) そんなこと言ってこの法律を成立さしても何の歯どめになりますか、われわれの申し上げていることは、法律の条文の中に盛り込まれるわけですよ。そこで有力な法律のくさびになるわけです。それはいまのようなことで、そのまま成立したらたいへんなことです。これはぜひひとつお考え直しをいただかないと、われわれの運命にもかかわるとんでもないことです。
○加瀬完君 法律にきめられていることをたびたび人事院が勧告しても、このごろは守られるけれども、いままでは守られなかった。十何年守られなかった。それだけの悪いけれども権能しか人事院というのはないのですよ、いい機関ですけれども。あなた方の期待するように、われわれの期待するように動いていない。政府も動かせない。だから政府の動かし方によっては、人事院がまた泣きの涙を見なければならないことになりかねない。そうではございませんということはどこにありますか。
○政府委員(佐藤達夫君) そうではございませんで、勧告の場合は、もう去年はおかげさまで完全実施になりまして、ですから今度の案も完全実施していただければ、ますますわれわれの権威は高まるわけです。それはそれとしてお願いしておきますが、いまの点は、これは協議ということばと勧告ということばの違いをまず御認識いただきたい。協議という場合は、両者の意見が一致しなければ成立し得ない場合にしか使わないことばです。したがって、いまお示しのように、昔そういうケースがありまして、相手側はうんと言わなくとも成立させるというような条文の書き方はないかという議論が出まして、協議だと両者が一致しないと成立しないから、それじゃ「議し」と、協議の字をやめて、ただ「議し」とだけやったらどうだ、それなら片方がいやだと言っても成立するから、そこまで政治的には、法律用語としては苦労してこれはできているのです。それをひとつここでしっかりとのみ込んでいただかないことには、それはえらいことになりますですよ、それは。
○加瀬完君 えらいことになるから聞いているのです。
○政府委員(佐藤達夫君) えらいことです。
○加瀬完君 えらいことです。それじゃ、こう了解します。とにかく変なものができたら、その変なものにあなた方は協議にオーケーを与えたんだということで人事院のほうに抗議を申し入れると、こういたします。それでいいですね。 それから協議をしなければいまのように発効をしないとおっしゃる、国立学校の場合は。地方の学校の教職員の場合はどういうことになりますか。先ほどこの点は確認されましたね。府県教委なり都道府県の人事委員会なりいずれにしてもこの協約を結ぶのと、職員団体がいまのおっしゃる協議をする、協議をさせると、それはいいですね。それでその協議が国できめた基準の精神をはずれては困りますよ。精神に即して地域の状態をより有効に生かされたものだということがありましたら、それに文句をつけるということはないでしょうな。
○政府委員(宮地茂君) 文句をつけることはございません。こういった基準として云々というのは、教員の給与につきましては、国の国立の教員の給与の種類と額を基準として条例で定めるという法律的には給与に前例がございます。その場合に、たとえば東京都などは国よりも三号俸ぐらい高うございます。しかし県によりましては、二号まで低いところはございませんが、一号ないし一号半ぐらい低いところがございます。したがって私ども三号高いのがはたしてそれを基準としたと言えるんであろうかといったようなことで、大蔵省などからはいろいろ言われておりますが、そういう意味で先ほど来幅があると申し上げました。先生の御質問には文句をつけるつもりはございません、お尋ねの点につきましては。
○加瀬完君 これは地方行政へ行ってあとでまた秋田さんに伺いますけれどもね、でこぼこが多いのですよ、同じような仕事をしておって。そのでこぼこをやはり調整しなければならない問題だと思います、文部省も自治省も一緒になって。 一応休憩の時間がきたそうですから、人事院と文部省が納得のいくような協議をして結論を出すということはわかった。組合と当局の間で形式的に話を聞きますとか、文書で意見を提出してくださいということで、御破算だというようなことはないでしょうな。やはり納得いくまで話を積むということになるでしょうな。さっき政務次官がおっしゃるように、これはお互いが誠意を尽くし合うという形で協議が運ばれると了解してよろしゅうございますね。
○政府委員(西岡武夫君) 文部省といたしましてはその方針で臨む考えでございます。
○委員長(高橋文五郎君) 午後六時三十分まで休憩いたします。 午後五時四分休憩 —————・————— 午後六時三十九分開会
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 委員の異動について報告いたします。 本日、林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として山崎五郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(高橋文五郎君) 休憩前に引き続き、国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法案(閣法第六三号)(衆議院送付)を議題といたします。 本法律案に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。
○加瀬完君 人事院総裁に伺いますが、いままでは超過勤務を命じない、こういうことでありましたのを、今後は命じられることになるわけです。そうなりますと健康と福祉の保障というものが問題になるわけですが、先ほどの御説明のとおり勤務条件あるいは健康と福祉その他の事情の勘案は人事院が確実に保障をする、こう了解してよろしゅうございますね。
○政府委員(佐藤達夫君) 現在でも私どものおあずかりしております国立の先生方の関係は昭和二十三年以来労働基準法の適用を離れてわれわれがその保護機関としてお世話をしてきたわけでございます。今後も同じような立場でそのほうに努力をしてまいりたいと思います。
○加瀬完君 政務次官に伺いますが、超勤を命ずることは最小限度にするといいますか、きびしい条件で超勤を命ずる形にするということでありますから一週四十四時間という勤務時間というものはこれを基本に守っていく。それから先ほど未解決の問題は超勤の限度といいますか、時間、これらについても確実に人事院と協議の上支障のないようにしていくと解してよろしゅうございますね。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 その点につきましても人事院と十分協議をして進めたいと考えております。
○加瀬完君 国立学校はそれで済みますけれども、都道府県教委と都道府県教職員の関係においてはそれぞれの自治体の条例できまるということになろうかと思いますので、その条例の制度についても先ほども御注文を申し上げましたがいまのような点人事院の趣旨が十分生かされるように行政指導が行なわれると考えてよろしゅうございますね。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 そのとおりでございます。
○加瀬完君 人事院総裁にもう一度伺います。文部省のほうにもお答えをいただきたいと思いますが、いままでは休日に勤務があれば代休があったわけでございますが、今後も一週一日の休日というものは確実に確保されると、そのように行政指導が行なわれるものと考えてよろしゅうございますね。両方答えてください。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 従来どおりにやっていきたいと考えています。
○政府委員(尾崎朝夷君) 国立学校につきましては一週に一日の勤務を要しない日が定められておりまして、そのようなたてまえは今後も当然続けていくことになります。
○加瀬完君 くどいようですけれども、日曜に出勤して、休日に出勤するようなことがあれば近いかわりの日に休日の代行をさせると、こういうように地方にも行政指導を確実にしていくということでいいですね。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 そのとおりでございます。
○加瀬完君 人事院総裁に伺いますが、きのうの御説明によりますと、教特法ということだけで教職員の給与の改善が完全ということではない、そこで特殊勤務手当制度を勧告する考えがあるような御説明がございました。すなわちはっきりした超勤のような形を命じるようなものは特別あるいは特殊勤務手当制度というものを創設すると、創設すべく考慮をするということは認めてよろしゅうございますね。
○政府委員(佐藤達夫君) 昨日申しましたのはその勤務のさらに特殊性、たとえば天災地変等における場合、これは説明書にもはっきりうたっております。平常の、通常の勤務とは違った特異な勤務の場合はそれ相当の手当を必要とするであろうということからきているのでございまして、勤務時間外にそれがかかろうと時間内でとどまろうとこれは差し上げる。したがって超過勤務手当とは性格が全然違うわけだ。ただしこれは四%の調整額と完全に抱き合わせになっておりますから、そこだけつまみ食いというわけにはいかないようになっております。
○加瀬完君 抱き合わせになっているからそこだけつまみ食いって一つまみ食いしようという気もありませんが、それはどういうことですか。
○政府委員(佐藤達夫君) たとえばその分だけことしの八月勧告で先にやったらどうかという話が必ずこれは出ると思うのです、邪推するわけじゃありませんけれども。それはそういうわけにはまいりません。これが実施に移ってそれと同時に並行して動くべきものである、それだけのことです。
○加瀬完君 ですから、いわゆる教特法でいう特別手当というのが支給されて、その次に今度特殊勤務手当といったような制度を勧告する考えがあるというように了解していいですね。
○政府委員(佐藤達夫君) この特殊勤務手当のほうは実は私ども限りの権限でできるわけです。ですから勧告にも及ばぬことで、われわれが腹をきめればこれやれることですということが一つあります。 そこで先ほど申しましたように、今回の案はこの調整手当というものとそういった意味の特殊勤務手当というものと、われわれは二元的にこれを考えている。したがって、調整手当の実施とともにもう一つの特殊勤務のほうも検討を要するものがあれば、また、それは支給してよろしいものがあれば、それは支給する用意がある。災害の場合だけはもうはっきり腹をきめておりますからここに書いたのであります。
○加瀬完君 最初に初中局長から小・中学校あるいは高等学校の教職員の勤務についてもっと定員をふやして勤務条件を緩和するという根本策も考えなければならないというような意味の御発言がございましたが、現在小学校でも中学校でも小規模学校が大きな規模の学校に比べまして非常に教職員の勤務が過酷になっておりますね。これはまあ持ち時間が多いとか養護教諭がいないとか事務職員がおらないというようなアンバランスが非常にございます。こういう点もあわせて将来勤務の格差がないように是正をしていくお考えだと考えてよろしゅうございますね。
○政府委員(宮地茂君) 教職員の定数の改善につきましては、いま先生がおっしゃいましたようなことを含めまして、そのほかにも定数増はぜひやりたいという心がまえで検討を進めております。
○加瀬完君 それからこれは文部省政務次官でもけっこうです、お答えをいただきたいと思いますが、何かこの教特法の途中で中間管理職制度や管理職の手当みたいなものが議論をされましたけれども、そういうことをおやりになる意思はございませんね。
○安永英雄君 関連。今度、人事院から意見書が出された当日、文部大臣談話として発表になりましたが、その中で「今回の人事院の意見は、従来から問題とされていた教員の超勤問題に関する給与改善が中心となっており、文部省がかねてから要望していた校長の指定号俸や中間管理職に対する給与改善措置等について触れられていないなど不満な点がある。」こういうふうに言われたことといまの質問とは関連するわけであります。したがって、時間もあまりありませんから、私関連ですからあとで私の時間に十分質問したいと思いますけれども、この点は人事院総裁に会ったときに私話したこともありますが、ここではっきりこういう申し入れがあったのかどうか、人事院に。さらにこれについて中間管理職、こういったもので今後人事院が申し出か勧告か知りませんけれども、こういったような問題についてこれは議会なり、あるいは文部省に対してのこの申し出なりの意思があるやなしや、この点だけをお聞きしたい。
○政府委員(佐藤達夫君) 管理職手当の拡大とか、いろんな御要望はありましたが、御無理もないと思いますが、それは今回はだめですよということで、ですから非常に不満の意を表明されているわけでございます。
○安永英雄君 私の言っているのは、そういった中間管理職とか、いま申し上げたような点を、これを勧告なり、あるいは申出、こういう形で今後やられる考え方がありますかということです。
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもとしては、今回のわれわれの意見の申し出にはそれはなじまぬ問題だということで全然問題の外においておりますから、一般の問題としては、これはもうおそらく文部省から持ち出されるかもしれない、それはあるかもしれません。しかしそのときはそのときでわれわれは厳正な態度でこれに臨む。今回の勧告には、意見書の申し出には完全にこれはなじまぬということでそれははっきり退けて、退けてということばはちょっと悪いですけれども、お断わりしたということであります。
○加瀬完君 労働省に伺いますが、労働条件の原則あるいは労働条件の決定は変更さるべきものではないと確認してよろしゅうございますね。そこで、今度の教特法あるいは教特法に基づく人事院と文部省の協議内容にもこういった労働条件の原則というのが十分生かさるべきものだ、またそのように労働省は話し合いの場においては主張をなされていただくものと了解してよろしいですね。
○政府委員(岡部實夫君) 私どもといたしましては、教職員の方の労働条件が適正に確保されるということが基本的な考えでなきやならぬ。そこで、今度の制度を実施するにあたりましても、労働条件がいささかもそれによって不当に改悪されるということがないように十分配意すべきだと、こういうふうに考えております。
○加瀬完君 昨日も問題になりましたが、文部省の指定統計による職員の勤務時数のとらえ方、それから昭和四十年五月の二十三日に全日本中学校長会の中学校教員勤務量調査報告というものがございます。それから、千葉県人事委員会が教職員の勤務についての判定書を出しております。それらによりますと、いわゆる時間外勤務というものの内容が詳細に述べられておりますが、三者いずれもそれぞれの相違がございます。こういう点も文部省として、文部省の調査が正しいのなら正しい、千葉県人事委員会の調査がうなずけるならうなずける、あるいは全国中学校教員勤務量の調査が正しいということならそれをお認めになる、こういうことで、これらを勘案して統一的見解を文部省としておつくりになった資料を御提出をいただきたいと思います。これを一々また数字を伺っておりますと時間がかかりますので、その資料が提出されましてから私はさらに質問を続けたいと思います。一応保留をいたします。
○委員長(高橋文五郎君) 資料の提出、よろしゅうございますか。
○政府委員(宮地茂君) 資料はもちろん、文部省の調査した資料、全日中が調査した資料、それからいまの千葉県とおっしゃるのは、昭和三十六年六月二十三日の教員の時間外勤務についての関係であろうと思いますが、それを資料として出すことは後刻お出しをいたします。ただ、それについて統一見解を出せというお話でございましたが、それはどういう意味でございましょうか。三つの資料はお出しいたしますが。
○加瀬完君 文部省の見解を出してくれりゃいいです。
○政府委員(宮地茂君) できる限り御趣旨に沿うような資料をお出しいたします。
○委員長(高橋文五郎君) 全員にお配り願います。
○内田善利君 ただいままでこの教特法について種々質疑が行なわれてきたわけですが、まあ私は重複しないように質問をしていきたいと思います。 この間、大臣からはこの法案の目的をお聞きしたわけですけれども、その法律の中には趣旨ということで目的がないわけですが、大臣の目的は、まあ要約すれば、この法案によって、教育は重要だから人材を集めて、その先生方が安んじて教職につくようにしていきたいという意味が含まれておったと思いますが、この法案が成立したならばほんとうに人材が集まり、先生方が安んじて職務に精励できるようになるとほんとうに思っていらっしゃるのかどうか。いままでの質疑の内容から、昭和四十一年度の文部省の実態調査を通してそれを基本にしてこの法案ができ上がっておる、まあそのように私は思うわけです。ほんとうに現場の先生方の実情を把握した上でこの法案が作成されたのかどうか、非常にこの委員会にすわっておりまして疑義を持ってきたわけですが、この点をまず解明していただきたいと、このように思います。
○国務大臣(秋田大助君) これだけで全部現場の先生方の待遇が改善されまして安んじて教職についていただけるとは考えておりません。その方向への一歩前進にはなる。今後さらに根本的待遇改善その他諸条件の改善に資してまいりたいと考えております。 なお、この提案をいたしました根拠につきまして、実情を十分把握すべきが当然でございます。その間にいろいろ審議の過程において統計資料等、必ずしも最新のものでないといううらみは禁じ得ないものがございまするけれども、役所として利用できる可能な資料によったのでありまして、しかもそれは最新のものではないけれどもほぼ妥当なものであろうという考えのもとに、それらを根拠に立案をいたした点をひとつ御了承いただきたいと思います。
○内田善利君 まあ現場の実態はほぼ妥当なものであるかどうか、この辺はいまから質疑をしながらお聞きしていきたいと思いますけれども、ほんとうに先生方がこの法案ができて安んじて仕事ができるようになるのかどうかですね、質問を通して最後までこのことについてはお聞きしていきたいと、このように思います。 まず最初に、先ほども加瀬委員から、あるいは安永委員から質問が出ておりましたが、この法案の要点は、まず第一には、労働基準法の法律が少し踏みにじられておるように思うわけです。労働基準法の三十六条あるいは三十七条の「割増賃金を支払わなければならない。」と、それを受けて給与法の十六条あるいは十七条があるにもかかわらず、この法律案の三条三項では適用しない、このようになっているわけですけれども、憲法の二十七条には「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。」と、こうあるわけですね。憲法の二十七条にあるこの法律というのは、これは労働基準法のことなんですね。
○政府委員(岡部實夫君) ただいま御指摘の憲法にあります労働条件の法定の規定というものにつきましては、一般のいわゆる労働者につきましては労働基準法が基本的な法律になっております。そのほか、いわゆる労働条件あるいは勤務時間を規定したいろいろな法律がございます。それらはすべてそういう意味の法律ということに相なると存じます。
○内田善利君 その憲法二十七条にうたってあるこの法律は、労働関係法律と、こういうことになりますね。その法律に基づいてできた、その中の労働基準法がこういった特別措置法によって適用除外にされることは憲法違反にならないのかどうか。先ほどから質問を聞いておって感じたわけですけれども、この点はいかがでしょうか、人事院総裁。
○政府委員(佐藤達夫君) 憲法の法律と申しますのは、別に基準法だけをさしているわけではございませんで、国民の代表機関であり、国権の最高機関である国会の制定される、そのような慎重な手続を経て制定される法律できめなければいかぬぞということをうたっているわけで、したがいまして、私どものほうの関係からいえば、国家公務員法あるいは一般職の給与に関する法律、これも国会の御審議を経たその法律の中にうたい込んであるわけでございます。そういう意味では少しも憲法に違反することにはなりませんし、今回の特例法も、これはただいま御審議を仰いでおりますように、国会の御制定をいただくわけでございます。憲法にはいささかも矛盾をいたしませんというふうに考えております。
○内田善利君 これは先へ進まないと出てこないと思いますけれども、結果としては超勤を認めるわけですね、超勤を命ずるわけですから。そして四%の調整額を支給するというわけですが、この給与法の十六条、十七条の二項の規定は適用しないということは、労働基準法の三十二条、これは「四十八時間を超えて労働させてはならない。」ということなんですけれども、これは除外はしないのですね。
○政府委員(佐藤達夫君) 労働基準法にあります四十八時間は国家公務員のほうでいいますというと、一般職の給与に関する法律でやはり四十八時間、そしてその範囲内で人事院規則で定めるというふうに法律が委任していただいておりますから、私どもは、それに基づいて法律の限度は四十八時間でありますけれども、人事院規則でさらにそれを短くして四十四時間という原則をきめておるわけであります。
○内田善利君 この法律では除外されないわけですか。超過勤務は四十八時間以上になるわけですね。現に四十八時間以上の労働をしているわけですが、これも適用除外しないと私はここで違反になりはしないかと、矛盾を生じはしないかと、こう思うのですが。
○政府委員(尾崎朝夷君) 今回の場合には勤務時間は特にいじっておりませんので、従前どおり勤務時間制度というのはそのままにしてございます。したがいまして、超過勤務というのはあり得るということになるわけでございます。しかしながら、この超過勤務があり得るわけでございますけれども、先生方の勤務のやり方が自発性、創造性という点がございますことにウエートがございますので、その管理がなかなかむずかしいということで、その一時間一時間について手当を支給するという制度がなじまない。したがって、そういう勤務時間がございますから、超過勤務ということはあり得るわけでございますけれども、その手当のほう、給与のほうにつきましては、勤務時間の内外を通じて包括的に評価しまして、基本給で措置をするという形になっておるわけなんです。
○内田善利君 私は法律のこと詳しくありませんので、専門でないのでわかりにくいのですが、労働基準法をこのようにして適用除外、適用除外でいったら骨抜きになるんじゃないか、どうして一緒に労働基準法も改正しないのか、教育職についてのですね。特別措置法を提出するならば労働基準法も一緒に改正すべきじゃないか、このように思うのですが、これはしろうと考えで、とんでもないことなんでしょうか。どうでしょうか。
○政府委員(佐藤達夫君) これは国家公務員の場合と地方公務員の場合とで違いますけれども、私どもは国家公務員をおあずかりしておりますので、そのほうから申しますと、先ほど来申し上げておりますように、国家公務員のほうの関係では、昭和二十三年にすでに労働基準法で全面的に適用しないという形にして今日まで二十年たっておるわけでございます。そういう意味でございまして、これは決して憲法違反でもなければ、不当なものでもない。と申しますのは、その労働基準法のねらっております公務員、従業者の保護ということは、独立機関である、また中立機関である人事院という特別の機関を設けまして、それで人事院がそれらのことについて、中立の立場から労働者保護、公務員保護の立場から、そのほうの保障に当たるというたてまえでございますから、これは筋としてはりっぱに整っておるというように考えてまいっておるわけでございます。
○内田善利君 よくわかりませんが、その次に、先ほどもお話があったわけですが、中基審からの建議の二ですけれども、「文部大臣が人事院と協議して超過勤務を命じうる場合を定めるときは、命じうる職務の内容及びその限度について関係労働者の意向が反映されるよう適切な措置がとられるよう努められたい。」、この「適切な措置」ということについて、もう一度お伺いしたいと思います。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 文部省といたしましては、先ほどお示し申し上げました九項目にわたる、教職員に対し時間外勤務を命じ得る範囲につきまして、これを教職員団体の意見を十分お聞きをいたしまして、その上で人事院と協議をして定めるという措置をとっていくわけでございますので、中央労働基準審議会の建議の御意向に沿って、十分その趣旨を生かしていけるものと考えているわけでございます。
○内田善利君 その超過勤務を命ずることですが、いままでは超過勤務は絶対にやってはならないと、命じないできたわけですね。今度は命ずるわけですが、いままで命ずることがなかったのに、今度は命ずる。実際現場においては、先ほど九項目出されましたけれども、九項目については、いま現に行なわれていることなんですね。しかも中にはPTAとか、あるいはその他からいろいろな手当が考えられて、あるいは支給されている、そういう実態にあるわけですけれども、いままでは命じられないで、人事院から言われているように、教員の自発性、創造性ということから行なわれてきているわけですね。自発性、創造性ということを非常に人事院総裁は強調されておるわけですけれども、そのような自発性、創造性を命ずることによって、今度はせっかくの先生方の自発性、創造性を封じ込めてしまって、せっかくの先生方に与えられた自発性、創造性がなくなって、命ぜられるままに、わずかの時間をどのように価値的に仕事をやっていこうかと忙しい中から考えていらっしゃる先生方もあると思いますが、そこへもってきて命ずるということになれば、画一的になったりして、非常に先生方の自発性いわゆる創造性、そういったものがなくなって、かえって混乱するのではないかと、このように思うわけですが、いままでは命じなかった、今度は命ずる。この命じないことと命ずることの間のメリットというのはもうなくなってしまうんじゃないか。せっかくの特徴のある先生方の職場が窮屈になるんじゃないか、そのように思うわけですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 今回御審議いただいております法律の趣旨は、超過勤務を命ずるということを積極的に言っているのではないわけでございまして、前提として、必要やむを得ない場合に限って命ずることができるという余地を残していると申しますか、ということでございまして、しかも公務上の必要があるとき、臨時または緊急の必要があるときという場合に限定をしているわけでございます。そういう意味におきましては、いままでの、命じないということを前提にしてきたということと全く同じ考え方に立っているわけでございますが、必要やむを得ない場合に限って命じ得るという余地を残した。そのかわりに教職調整額というものを支給する、そういうたてまえになっておるわけでございます。したがいまして、先生の御心配なさいますようなことは起こり得ないと私どもは考えております。
○内田善利君 まあ現に九項目はどの学校でも行なわれているわけですね。行なわれていないということは一つもないと思うんです。全部行なわれております。生徒の実習に関する業務、あるいは遠足にしても運動会にしても学芸会にしても文化祭にしても、学校行事としてこれ以外にたくさん行なわれている。そのようにみんな行なわれて、学校で職員会議等を通してみんなでこうやっていこうと話し合って行なわれている。これに対して命ぜられなくてもやっている。これにわざわざこうして命ずるということになると、どうも先生方の、いわゆる皆さんのおっしゃる自主性、創造性というすばらしい環境がなくなってくるんじゃないか、このように思うんですが、どうですか。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 私どもは昨日お示し申し上げました九項目につきましても、原則としてはこれは勤務時間の割り振りを適切に行なって、勤務時間内で処理をする。しかし必要やむを得ない場合が起こったときには、これは勤務時間外において行なえる、そういう余地を残しておくという、その程度の意味を持っていると私どもは考えているわけでございます。
○内田善利君 必要やむを得ない場合というのは、どういう場合が考えられるわけですか。
○政府委員(西岡武夫君) お答え申し上げます。 これは具体的にどういうケースがあるかという御質問にお答え申し上げるのは非常に困難でございますが、これはそれぞれのケースの中で具体的に出て、その場面になりませんと具体的なことは申し上げかねるわけでございますけれども、前提として超過勤務は命じない、しかしやむを得ない場合に限って命ずるのであるという基本的な考え方に立っている、これを十分御理解をいただきたいと思うわけでございます。そのために勤務時間内においてどうしても処理できなかったという場合には、しかも必要やむを得ない場合に限ってこの超過勤務命令を出すことができるという形で、教育の場が国民全体に対して責任を果たすという意味で教育の目的を達成する、本来の教育の趣旨を生かしていく道がそこに出てくる、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。
○内田善利君 教育という立場から見て、はたしてそういう場合が起こり得るのかどうかと考えるわけですが、だんだん政務次官の話を聞いていますと、ストライキを起こした場合に、たとえば入学試験をやっていると、何かの関係でもうあしたやめたと、こういった場合に、必要やむを得ない場合として命令を出す、まあ私はいまこのようなふうにとったんですけれども、必要やむを得ない場合に限るという、この想定ですね、現にこういうことが学校ではもうスムーズに校長から命ぜられなくてもほとんど行なっているわけですね。それをことさらにここでこうして命ずるということを出さなきゃならない理由が、根底がよくわからないんです。いまどうしても聞いておりますと、まあそういうことしか考えられないなと思うんですがね。運動会かなんかやっていて、もう必要やむを得ない場合に限って命令をする。いま現にどの学校でもスムーズに行なわれていることだと思うのです。行なわれていないことがあるんでしょうか。その点よくわからないんですが、どういう想定のもとにこういうことが出てきたのかですね。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 具体的な問題として、これは仮定の問題でございますが、本来ならば教育の場というものは命令によってこれを行なうというよりは、やはり教職員の方々の自発性、創造性に基づいて教育の現場が運営されるのが望ましい、これがたてまえでございます。しかしかりに非常に具体的な例をあえてあげますと、運動会にいたしましても時間内にきちっとおさまってしまわない場合も、いろいろな事情でやむを得ない場合に起こったと、それでそういうことは、具体的な例として先生御指摘のとおり現実問題として起こり得ないと私どもも思うわけですけれども、もしもどうしても時間外だからということで、運動会が行なわれておるのに途中でやめてしまうというようなことをかりに一部の先生方がおっしゃった、これは仮定の問題で、あえて先生から御質問がございましたので申し上げるわけでございますけれども、その場合にはやはりやむなく命令を出してもこれは終わらせていく、これは具体的なたとえばの話でございます。私どもは必要やむを得ない場合に限って出すという、そういうたてまえをとっているわけでございますから、先生御指摘のとおり現実に教育の現場というものが命令を出さなくても円滑に行なわれ得るものである、これが前提にあると思うわけでございます。ただその保障と申しますか、それを残しておくという意味においてこのような措置をとる。運動会は必ずしも適切な例でなかったわけですけれども、先生からのたっての御質問でございましたので申し上げたわけでございます。
○内田善利君 大臣、この法案は給与改善が目的ですか、それとも先生方の超勤をよくしてあげようということが目的ですか、どっちが目的でしょう。
○国務大臣(秋田大助君) 超勤のことも問題になり、それをよくするということも、全体の勤務ということと超勤ということが包括的に考えられるべき職務の特性を持っている。そこでこれらを一体にして考える、両方にらまえて考えておる。
○内田善利君 そうすると、私はこの命ずる項は労働基準法も適用除外をしているわけですね、こういう命令を出すということは、ちょっと不適当だ、このように思うのですが、どうですか。
○政府委員(西岡武夫君) ただいままで再三お答え申し上げておりますように、超過勤務の命令はできるなら出さないのだ、出したくないのであるという考え方に立っているのでございますので、これは必要やむを得ない場合に限って命令を出す、その余地を残しておくというふうに御理解をいただきたいと思います。
○内田善利君 先ほど次官は信頼が第一だ、やはり確かに信頼することが根本だ、このようにおっしゃったのですが、いまのおことばは信頼してない立場から出ることばじゃないかと思う。失礼ですけれども、そのように感ずるわけですね。これは必要でない。先生方の自主性、創造性、そういうことをもっともっと育てていく方向に、もっと先生方に自由に教育の問題を論じ、そして実践していただく方向にもう時代はやってきているのじゃないか、このように思うのですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 先生のただいまのお話は私も同感でございます。ただ制度といたしまして、現時点ではそのような制度としてこれは残しておく必要があると私どもは考えているわけでございます。しかし、教育の現場の理想から申しまして、先生御指摘のような実際問題としての教育の現場をそのように持っていくということについては、私も全く同感でございます。
○内田善利君 それじゃ、この項目をとっていただけますか。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 ただいまお答え申し上げましたように、現時点ではその制度を残しておく必要があると考えております。
○内田善利君 それと第七条の「教育職員の健康と福祉を害することとならないよう勤務の実情について充分な配慮がなされなければならない。」、このようになっていますが、どの程度、四十一年度限りかどうか知りませんが、教育職員の健康ということについて掌握しておられるのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(木田宏君) 席をはずしておりましてたいへん失礼いたしました。 教員の健康状況につきましては、一応休職あるいは長期疾患等につきまして逐年のデータは一応とっておるわけでございます。教員の中で一番多いのがやはり結核の罹患率でございます。千人に〇・一八という罹患率でございまして、千人につきまして大体二人というような、総体で八千四百人ほどの関係になっておりますが、そのほか多いのが精神障害が千人に一人くらいの割りで多い。これが他の一般の職種なり職員と比べてとういうふうな状況であるかという点につきましては、職種別に適切な比較データを持っておりませんので、これが教職員が他の一般の公務員あるいは他の類似職種の勤務者と比べまして、特に健康状態が悪いかどうかという点につきましての的確なお答えは、現在のところそういたしかねる状態にもございます。ただ逐年、四十一年から四十四年までのこうした疾病の動向を見てまいりますと、確実に総体で見ましてもあるいは特定の種目につきまして見ましても、逐次少しでも数は減ってきておる四十一年のときに休職者の数が〇・八七%でありましたものが、四十四年には休職者の数が〇・六七というふうに下がっております。その意味では健康状態が悪化の方向にあるように考えておらないわけでございます。
○内田善利君 教職員の健康と福祉を害することにならないようと、こういうことばなんですけれども、非常にこれは抽象的なことばで、一体どういうことなのか、これを認めるのは校長だという先日も答弁になっておりましたが、この校長の独断によって無制限に解釈されるようなことはないかどうか、歯どめはどこにあるのかどうかですね。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 今日の一般的な社会の趨勢等も考えますと、教育の現場におきまして、校長先生がただいま先生の御心配のような非常識な超勤命令を出すという現実が起こるとは私どもは予想しないわけでございます。
○内田善利君 文部省の教職員の健康対策ですね。これは具体的にどのようにしておられるのですか。休職者だけのパーセントが少し減ってきたのでたいしたことはないというお答えでしたけれども、文部省当局の教職員に対する健康対策ですね。どのところまで健康と福祉を害さないようにという歯どめがあるのか、ちょっと疑問に思うのですけれども、文部省としてはどのような教職員の健康調査あるいは対策を講じておられるのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(木田宏君) 学校保健法の規定によりまして、教職員につきましても定期の健康診断を実施することにいたしておるわけでございます。その具体的な実施の責任は市町村の教育委員会当局というふうにされております。ただ、従来、歴史的に見まして、教職員の中に結核の罹患者が非常に多かったということの関係から、結核の健康診断につきましては、特に都道府県のほうが積極的に健康診断あるいは事後の指導等の措置をとるという態勢をとりました。また、結核によります教師の休職につきましては、積極的に給与の全額を二年あるいは必要によって三年間見て、十分な療養を行なわせる、こういうような施策をとってまいっておるわけでございます。で、現在の規定のたてまえからいたしますれば、一応各所管の教育委員会当局におきまして、それぞれの教職員の健康状況を定期の健康診断、必要な場合の臨時の健康診断によって把握するということ等がございます。現在多少関係省の中で問題にいたしておりますのは精神障害関係の事例が目立ってきておるということがございまして、教師の中の精神疾患の人たちをどういうふうに今後指導するかというのが当面の課題でございます。
○内田善利君 先ほどは、結核による休職者が減ってきたということですけれども、これは医学の技術の進歩によるものもあると思うのですが、いまは精神的な面のお話がありましたが、先日、四月の二十八日に東京都がアンケート調査をしておりますが、その結果についてどのように把握しておられるか。
○政府委員(木田宏君) 新聞にも報道されたところでございまして、見出しにもございますように、三割の教師がいらいらしておるというような見出しがついております。これは東京都の教育委員会と公立学校共済組合の東京都支部が共同で、教職員の健康管理を一そう充実するための資料として、昨年の六月、七月の間に調査をされたものでございまして、都の公立学校の教職員、小・中・高等学校等約六万人の悉皆調査でございまして、その中から項目によりまして、いろいろと自覚症状が訴えられておるようなわけでございますが、新聞にも報道されておりますように、都市的な要因からくると思われる、あるいは最近の何といいますか、ストレスの増大というものを若干反映しておるのではないかというようなコメントが報道にもついておりますし、配りました調査表に対して三割近い人が何らかの自覚症状を訴えておるという点につきましては、いまの職場というものにつきまして関係者が、学校の教師が職場の中でいろんな身体上の問題を感じておるということが表明されておるかと思うのでございます。ただこれが類似の調査が他にございませんために、これが教師だけが特にこういう状況であるのかどうかという点についてまだ的確な比較判断ができない状況にございます。
○内田善利君 治療を受けている先生が三四・八%、これは国民一般の五倍に当たるわけですね。このことはどう考えられますか。
○政府委員(木田宏君) 確かにいま御指摘のように、治療を受けている比率が非常に高いというふうに指摘されておるわけでございますが、一面では職場教師の人たちの自覚的な症状が高く出ておるということと、まあそれに対して現在治療を受け得るような態勢も一面できておるということを感じるわけでございますが、これが実際に他の職種との比較が一般の国民全体の罹患率と申しますか、そういうものとの比較だけでなくって、もう少し類似の事例との比較によって、私どもももう少しよく検討してみたいと思います。
○内田善利君 これは東京都がやったことで、ひとつ文部省としてもこういった教職員の健康と福祉を害することとならないように超過勤務を命ずるわけですから、健康状況の調査はがっちりやっていただきたいと、このように思うわけですが、その中で女教師の一七%が流産、早産、死産の経験があるという事実、これはどのようにお考えですか。
○政府委員(木田宏君) やはり妊娠後の女教師の勤務というものがそうした事例に影響しておるものと考えております。
○内田善利君 いま問題になっております育児休暇法案等も真剣にひとつ検討していただきたいと、このように思います。 それともう一つは、一般職員に比べて管理職にある校長、教頭は高年齢にもかかわらずそういう不調を訴える人がわずかであった。こういう事実が新聞に載っておりますが、こういった点についてはどのようにお考えか。この二点。
○政府委員(木田宏君) まあ、いろいろの見方があろうかと思いますけれども、何というのですか、自覚症状というのはやはり主観的に他のいろんな当面しております仕事の状況との相対的なものとして出てまいりますので、あることに集中いたしますと他の面をその間忘れてしまっておるといったような面もあるのじゃなかろうかというように考えております。
○内田善利君 いずれにしても、この調査で教員の職務が非常に激務である、このように感じられますし、また先ほどの九項目を考えてみましても自分の授業時間以外にする仕事として、なるほどたいへんだなと、このように思うわけです。そういったことなどを考えましたときにも、この法案の七条の「健康と福祉を害することとならないよう」勤務を命ずると、こういうことですけれども、このように現実には三割以上は自覚症状を訴えているわけですから、この点も十分に考慮に入れていただきたいと思いますが、こういった健康調査を踏まえて、やはりこの法案は提出すべきではないか。先ほど以来いろんな調査の質問があったわけですけれども、健康調査自体も、そのような調査がなされていないと、一般の職場との比較もしなきゃならないということですけれども、そういう比較をした上でこういう大事な法案は提出すべきではないか。このように思うんですけれども、大臣、人事院総裁いかがですか。
○国務大臣(秋田大助君) 何といいましても、人間健康が第一でございまして、ことにこの教職員、ただいま先生がおっしゃったとおり激職でございますから、これらの健康管理、人事管理、それらの点の諸規則、諸法令等の制定にあたりましては、その基本的条件として健康の調査、管理、これらを十分にすべきことは当然なことでありまして、今後もその点についてさらに注意をいたしてまいりたいと存じます。
○政府委員(佐藤達夫君) 私ども立場が違いますけれども、いまの点は、文部大臣と全く御同感であり、同様の心がまえで臨んでおります。
○内田善利君 先生方の激務の一つとして、いままでいろんな時間数とか、健康上とか話題になったわけですが、もう一つ校務分掌ですね、校務分掌にはどういうのがあるのか、授業時数以外に、あるいはこの九項目以外にどういう校務分掌が考えられるのか、この点をお聞きしたいと思います。 〔委員長退席、理事船田譲君着席〕
○政府委員(宮地茂君) これは他の委員の先生方の御質疑等の中にも出てまいりましたが、一つの学校で、学校としての時間割り、日課表あるいは週間、月間の計画、生徒の教育を中心としての計画表をつくりますが、そういったいわゆる教育課程を編成する主任のような方を任命したりする場合、やはり校務分掌としては、あなたは全体のそういう教育課程編成の、全体の時間割りのまとめをしてくださいといったようなことで、一つの校務分掌というものもできましょうし、また、学校図書館などがございますときに、図書館事務を、これはまあ小学校等では、どなたも先生方が当たられるわけでしょうが、どなたもお当たりになりますけれども、特にその総まとめとして主任的な業務をしていただきたいとか、あるいは主任でなくても図書館事務を他の先生と協力して中心的にやってもらいたいというようなことで、またそういう校務分掌もございましょうし、これは給食などでも全員が学校の先生はお当たりになりますが、しかし、やはり中心的な方あるいは中心的な方のスタッフとして何名かの方がそういう給食事務のまとめに当たられる、そういうときにはそういう校務分掌、主として学校の先生が教室で子供に教えられる場合は別でございますが、その他のいろいろないま申し上げましたようなのは幾つかの例にすぎませんが、そういった校務分掌が現実にございます。
○内田善利君 鈴木委員だったと思いますが、学校はよろず引き受け所だというお話がありましたが、全くそのとおりだと思うのですね。学校の校務分掌も全くよろず機関がありまして、学校の運営委員会あるいは人事委員会その他の会合ですね、さらにいろいろないまおっしゃったような校務分掌等があるわけですが、私はその中で時間割りの先生とか、あるいはクラブ活動の先生、顧問とか、あるいは部長とかいう名前がついていると思いますが、野球部の顧問の先生とか、いろいろバレー部の顧問の先生とか、これは高等学校の場合ですが、なお職業指導の係の先生、職業指導主事という名前もあるようですが、そういった係の先生等も非常に自分の授業時間以外にそれこそたいへんな思いをして自主性、創造性に基づいて命ぜられない超過勤務をやっているわけです。どこの学校でもそういった先生方の実情をほんとうに知っていらっしゃるのかどうか、その上でこの法案ができたのかどうかお聞きしたいと思います。
○政府委員(宮地茂君) 先ほど来の先生の御質疑の校務分掌がございまして、たとえば先生方の主たる仕事は生徒に対する直接的ないわゆる授業でございますけれども、たとえば、これは福島市立松陵中学校の教育計画表ですが、見ますと、事務部、管理部、生活指導部、こういうのがございまして、またその下に管理部委員会、生活指導委員会、その中で生活指導委員会ですと学級活動、生徒会活動、遺失物までございまして、それぞれその下に担当の先生の名前が全部張りつけてございます。そういったようなことで、皆さん学校の先生方が教室で授業をされる以外にいろいろなお仕事がある。またそのために四十四時間以上実質的に勤務をしておられる。これは四十一年度の調査でもそういう実態も出ておりますし、他の先生方の御質疑で十分その点は私どもとして承知しております。そういう承知しておる前提でこの法律案はもちろん提案されておるわけでございます。
○内田善利君 時間割りの編成等はそれこそ三十人なりあるいは四十人なりあるいは七、八十名の先生方の時間割りを作成していくわけですが、やはり十日間あるいは二十日間もかかって作成しております。ところが作成したと思ったら先生の事故が起きたとか、あるいは健康上の問題あるいはいろいろな注文があるわけですね。そういったことによってまたつくり直さなきゃならない。また相当数の日数を要するというようなことでは、これは超過勤務をそれこそかつてやっておられる、どこの学校も実情でしょう。それからクラブ活動にしても、御承知のとおり、高等学校における運動部のクラブ活動あるいはいろいろな文芸部のクラブ活動にしても、命ぜられない超過勤務をそれこそ自主性、創造性に基づいて真剣にやっておられるわけですね。これなども、いまそういった実情を御承知の上でつくったんだということですから、それならばそれ相応の対策を講じていっていただきたい、このように思うわけですね。 それからもう一つは職業指導の係の先生あるいは大学受験の進路指導の先生等もよく御承知とは思いますけれども、たいへんな思いをしてやっておられるわけです。そういう実情を知った上でこの法案ができたということであるならば、私はほんとうに思いやりのない法案だ、このように思うわけですけれども、人事院総裁はこれはすばらしい法律だということですけれども、それは一歩前進をした前向きの法案ですから、それは私も納得しますけれども、その点は納得しますけれども、この法案に対してそういった現実の先生方のほんとうの悩み、あるいは健康上の問題、そういうものの問題は解決できていないじゃないか、このように思うわけですね。私の知っている同僚の先生ですけれども、この先生は野球部の顧問でした。そうしてそれこそ授業が終わったらすぐ運動場に出ていって六時、七時、八時、九時ごろまで生徒と一緒に毎日毎日練習をやっておられました、コーチ監督も兼ねてですね。ついに胸をわずらって休職になって三年間病院におられたわけですけれども、こういった先生に対する補償等は何にもないわけですね。ただ、もうそのまま病院にいって休職をして帰ってこられる、帰ってこられる場合にも、職場がない場合もある。そういったことでたいへんな思いをしておられる先生を私はつぶさに見ておりまして、こういった先生方に対する思いやりの法案であってほしい、このように思うわけですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(佐藤達夫君) 全く御同感であり、またごもっともと思います。私どもはたまたまいまのおことばの中に、勤務時間をこえてもというお話がございましたけれども、たびたび申し上げますように、私どもは今回勤務時間の内外を通じて、先生方の職務の再評価をするという立場に立っておりますから、勤務時間外ということにはとらわれません。勤務時間内であっても、普通の先生方とはまた異なる大きな仕事をしょっておられるという場合については、先ほどちょっと特殊勤務手当の片りんを申し上げましたけれども、しかし、そういう面からやはり御趣旨なども十分体しまして、実情をよく踏まえた上でいかんなきを期していこう、そういうような意味で、これがまた一つの出発点になるものと考えておるわけでございます。
○内田善利君 それから先ほどからずっと話題になっておるわけですが、超過勤務手当制度は教職員にはなじまないということばですね、それから教員の勤務を時間で計測できない、そういうことなんですね。こういったことは、私はもう前近代的なことばじゃないか、そのように思うわけです。それならばほかの職業の労働は時間で計測できるのか、そういう反問もしたいわけです。なじまないと言っておりながら、時間外勤務あるいは休日勤務を一方的に命じようとしておる、そこに私は矛盾を感ずるんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもは、前近代というおことばでございましたけれども、近代国家におきましての、たとえば外国の一般に先進国といわれておる国のそういう実情を調べてみますというと、それは授業時間というものは一応きっかりきめておりますけれども、それ以外の場面についてはやはり自発性、創造性に基づいて、万事時間計測的なものは使っておらないということでございます。したがいましてわれわれも、本来やはり諸国を通じてのこれは一つの通則となっておるのではないか。先生のお仕事は時間計測にはなじまない。言いかえれば時間的管理にはなじまないということでございまして、それをすべての出発点にしておる、こういうわけでございます。
○内田善利君 なじまないとしておりながら、命ずるわけでしょう。
○政府委員(佐藤達夫君) 外国もまあそうでございますね。もちろん命ずる場合がありますけれども超過勤務手当は支給しないという形になっておりますから、このなじまないというのは、要するに命じようと命じまいと先生のお仕事自身、たとえばたびたび夏休みの例などで夏休みの定義を問い詰められたりしておりますけれども、そういう場面のこと等を考えますというと、厳格な時間的管理に服していただくというのが不自然じゃないか。これはもう常識上当然じゃないかと思うのです。そういう面に着目した場合には、この行き方で行くほうが万事すっきりした形でいくんじゃないか。したがいまして、先ほどの特殊勤務手当の話を申し上げるについても、時間をはみ出した分だからこれだけ差し上げますというような、そんな根性じゃないわけです。勤務時間内の勤務であっても差し上げましょうという性格のものになってくるというふうに考えます。
○内田善利君 そのことはもうそれで終わります。 この第二条で、「この法律において、「義務教育諸学校」とは、学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校又は盲学校、聾学校若しくは養護学校の小学部、中学部若しくは高等部をいう。」これが対象になる学校なわけですが、この養護学校の幼稚部をどうして入れなかったのか、お聞きしたい。
○政府委員(尾崎朝夷君) 今回の措置といたしましては小学校、中学校、高等学校の先生方の問題がやはり当面問題になっているわけでございまして、幼稚園につきましては、実態はいろいろ調査をしてございますけれども、若干違うところがないわけではないということで、これ以外にもしたがいまして当面この問題の処理といたしましては、小学校、中学校、高等学校を中心として措置をいたす、そうして今後幼稚園の問題あるいは高等専門学校等につきましても、さらにそれとの関係を検討するというふうなことにいたしているわけでございます。
○内田善利君 この養護学校で幼稚部を除くということは、同じ学校で働いている先生の中から、幼稚部の担当の先生は除くわけですね。私はこれは何といいますか、残酷だと思うのですね。この間、産業教育手当のことで文部省のほうへ質問したのですけれども、同じ工業高校に働いている先生で工業化学科の先生には産業教育手当が出て、同じ学校で働いている化学の先生には産業教育手当は出ないわけです。やはりこの不平等は学校内において非常によくないですね。よくない空気を持ってきます。どういうわけで同じ学校で働く、工業高校に働く先生方は、同じ生徒を、産業に役立つ生徒を育成していく上においては変わりない。同じ大学の工業化学科を出て、同じ学校に就職して、一方の先生は工業化学科の先生として実習に携わり、一方の先生は普通科の化学の先生として同じ学校で実験をしながら生徒に指導していく。その仕事の内容はほとんど変わりない。いろいろ相談をしながらやっていっているわけですけれども、そのように差別があるということをいまここで私は感ずるわけですけれども、同じ養護学校で働いている先生が、幼稚部ということでなぜ除いたのか、ここなんです。
○政府委員(尾崎朝夷君) 産業教育手当におきましての実習教官と化学、理科の教官との関係につきましても問題があるという問題意識を持っているという点につきましては、私たちもそのとおりでございます。で、当面の問題は、いま申し上げましたようにやはり従前から高等学校及び中・小学校の問題が中心になっておるわけでございまして、幼稚園につきましてはやはり一般的に言って少し状況が違うという点がございます。しかしながら、私も養護学校、盲、ろうあ学校等につきまして、特殊学校につきまして直接調査をしてございますけれども、特にそういうところでは中・小学校、幼稚園とが連続した形でやっておるという点がございまして非常に問題だというふうに考えております。したがいまして、この問題、当面の問題につきましては、引き続いて高等専門学校等ともあわせまして検討をするというつもりでございます。 〔理事船田譲君退席、委員長着席〕
○内田善利君 そのような不備のままこういう法案を提示された理由が私は納得できないんですね。先ほどから、いろんな調査も私は十分とは言えないと思うんです。健康上の調査あるいはその他先日来からの調査等非常に不備だと思うんですね。またいまのこの問題にしましても、そういった同一学校で調整額支給になる先生とならない先生とがあるわけです。その資格その他云々されるかもしれませんけれども、私は同一学校で働いて、しかもかわいそうな子供たちを取り扱って、しかも幼稚部の先生ほどこの養護学校でたいへんな先生はないんじゃないかと私は想像します。そういった先生をどういうわけで除いたのか。これはもう不備です。そういった不備のままこの法案を急いだ理由は何なんでしょう。
○政府委員(尾崎朝夷君) 何度も申し上げておりますけれども、やはり当面の問題といたしまして超勤問題というのは何と申しましても高等学校から中・小学校についての問題となって問題が提起されておるわけでございます。したがいまして、そういう関係を中心としまして当面の措置ということで検討をいたしたわけでございまして、それに関連する問題は引き続いて検討するということでございます。
○内田善利君 私学についてはどうされる予定なのかですね、助成措置を講ずるのか。いまもお話ししましたように、同じ学校で調整額が支給になるのとならないのがこれではたいへんな差が出てくる、六%はね返るわけですから。給料の面においてもいろんな面で、同じ学校におりながら幼稚部の先生と中・小の先生とはあらゆる面ではね返るわけですから差が出てくる。非常に重要な法案だと思うんですね。そういったものからまた私学についてもアンバランスができてくることは間違いない。そういった点の対策はどのように講じられる予定かお聞きしたいと思います。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 私立学校につきましては、四十六年度の予算の中で経常費補助として交付税九十億を予算計上をいたしております。
○内田善利君 全国でこの法案の対象になる先生はどのような実態でしょうか、この法案の対象になる先生。
○政府委員(宮地茂君) 国立、公立を合わせまして、国立、公立の小・中・高全部合わせまして七十五万五千八百五十七名でございます。
○内田善利君 小学校、中学校、高等学校、また盲学校、ろう学校、養護学校、このように分けてわかりますか。
○政府委員(宮地茂君) 小・中学校の義務制、高校で申し上げます。 公立では小・中学校の対象人員が五十八万六千二百九十名、国立では小・中学校の義務制が三千八百六十七人、合計いたしまして国・公立の小・中学校義務制が五十九万百五十七名、高等学校は公立が十六万五千百三十七名、国立が五百六十三名、国立、公立の高等学校の合計が十六万五千七百名。したがいまして、義務制の公立、国立合わせた五十九万百五十七名と国立、公立合わせました高等学校の十六万五千七百名を合わせまして、総計七十五万五千八百五十七名でございます。
○内田善利君 人事院総裁にお聞きしますが、制定についての意見の申し出に関する説明ですが、この最後に、「その他」のところで、「特殊な勤務に対する給与措置」として、「特殊勤務手当を支給することとし、その他特殊な勤務に対する手当を支給することについて、別途、検討することとする。」と、このようにありますが、これは何か腹案がありますか。
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもが二元論と称して御説明申し上げてきた、それに当たるわけでして、調整額と合わせまして、他面先ほど来お話に出ておりますような、特別のまた普通の場合、あるいは普通の先生方よりまた特別に重い仕事を負担されるというような場面については、それ相応の手当をお出ししていいのではないかという問題があって、たしか説明書には天災地変等の場合における児童の保護ということがございます。これははっきりきめております。お出しすることにしております。そこでうたいました。なお今後さらに検討を進めながら、それに相応するものがあれば、やはりそっちのほうで相当のカバーをしていかなければならぬのじゃないか。この間ちょっと触れましたけれども、修学旅行の引率なんかも考えてもいいじゃないかなあという気持ちも持っておりますけれども、これは先生方からもいろいろ御意見もあると思いますけれども、そういうことを十分承った上で、適切な措置をとっていきたい。ただし、たびたび申し上げますように、私どもは勤務時間の内外を問わず、時間計測になじまぬという鉄則をとっておりますから、必ずしも勤務時間をこえた分だけについての時間分はさし上げるという形にはならない。先ほど申しましたように、勤務時間の中でのものに対しても差し上げることになるというふうに、時間計測とほとんど別個の観点から手当を考えたいという気持ちでおります。
○内田善利君 この修学旅行手当というものはどの程度考えられておりますか。
○政府委員(佐藤達夫君) あまり深入りしたことをまだお約束するまでいっていないので、私どもはそんなものなんか差し上げてもいいのじゃないかと思っているので、これまたしかられるようでしたら撤回いたしますけれども。
○内田善利君 現在教職員に特殊勤務手当というのが出されておりますね。この実態を教えていただきたいと思います。
○政府委員(宮地茂君) 文部省関係で僻地の小規模学校ですが、多学年学級担当手当が典型的な特殊手当でございます。
○内田善利君 それだけですか。
○政府委員(尾崎朝夷君) 国立学校につきましては、いま文部省からございました多学年の学級担当手当、それに教育実習指導手当がございます。
○内田善利君 その手当は幾らですか。
○政府委員(尾崎朝夷君) 多学年の学級担当手当といたしましては、全学年の児童で編制した学級の授業または指導につきましては一日百七十円、一月には四千二百円くらいになります。それから三学年以上を担当するという場合には一日百三十円、月に直して三千二百円くらいになります。それから二学年を担当する場合には一日百十円でございまして、月に直して二千七百円ほどになります。それから教育実習授業手当につきましては一日について九十円でございます。
○内田善利君 実に私はこれがほんとうに教育職員に対する手当なのかと、このように思うのですが、教育実習指導手当が教諭または養護教諭の児童の教育実習の指導に従事した日一日九十円ですね。多学年の学級担当手当がいま一、二、三と分けてありましたが、二学年の児童を担当した場合に七十五円一日に。それから三つ以上の学年の児童を担当した場合に九十円、一年から六年までの児童の場合が百二十円、一日に、それを一月に計算しておっしゃいましたけれども、一日こういう仕事をして九十円とか、七十五円とかいう手当が現実にいまの先生方に支給されておる、そういう実情ですね、大臣、どのようにお考えですか。
○政府委員(尾崎朝夷君) ただいま多学年の担当手当につきましておっしゃられましたけれども、いまおっしゃられた額を本年度から、四月から改定をして、私が先ほど申し上げた額になっておるわけでございます。増額をいたしまして、いま申し上げましたように、全学年の場合には、一日百七十円、月に直して四千二百円、三学年の場合には一日百三十円で、月に直しまして三千二百円、二学年の場合には一日、先ほど七十五円とおっしゃられましたけれども、これを百十円に改めまして、月に直して二千七百円というふうに、今年の四月から増額してございます。
○内田善利君 教育実習指導手当は……。
○政府委員(尾崎朝夷君) 教育実習指導手当につきましては、従来一日九十円でございましたけれども、今回百三十円に改めてございまして、月に直しまして三千二百円ということでございます。
○内田善利君 まあいずれにしましても、こういう金額がいままで、四月まで支払われておって、今回初めて一日九十円であつたものが百三十円になったわけです。私は一時間と思ってみたのですけれども、一日に九十円、これが百三十円になったわけですけれども、こういう手当が支給されておるという現実はやはり大臣もお考えになっていただきたいと思うのですが、どのようにお考えですか。
○国務大臣(秋田大助君) 社会通念上から署しく他の職種と比較いたしましてバランスを失しておるということは言えると思います。したがって、これが改定につきましては今後積極的に前向きに検討したいと考えております。
○内田善利君 調整額についてお聞きしたいと思いますが、この調整額は超過勤務を含んでおるのか。給与なのか。まずこの点から。
○政府委員(佐藤達夫君) 調整額というのは相当われわれとしては思い切った措置でございまして、四%というのは本俸そのものが四%ふえたというふうに御理解いただければいい。本俸そのものが四%ふえますから、今度はそれがほかのいろいろな手当がございます、その手当に、みんなそれが基礎になって入ってまいります。したがいまして、そういうはね返りを含めますと実質的には六%の引き上げということになります。そのほかに、さらに退職の際の退職手当というのがございます。退職手当にまでこれが及びますから、平均で退職手当が二十五万円ふえるという勘定になります。それからまた、そのほか年金ですね、そのほうにもずっと響きますから、これはわれわれとしては相当思い切った優遇である。それで、まあ、前から非常に自信を持って御説明申し上げているわけでございます。
○内田善利君 この調整額は四%になっているわけですが、これは調査の結果四%にしたということですが、その中から、調査の結果、超勤が実態として出てきた、このような答弁があったわけですが、この超過した時間は超過勤務時間として把握されたわけですか、そういう超過した時間が出てきたということですけれども。
○政府委員(佐藤達夫君) そうではございませんので、これは勤務時間の内及び外を通じての先生方の勤務の実態を再評価いたしまして、そうしてそれを一括して調整額四%に相当させる。また超過勤務手当ということについて申しますというと、これもこの間申し上げましたけれども、たくさんいままで公立の先生方から超過勤務の訴訟をお出しになっているわけです。大体その訴訟でお勝ちになっていらっしゃるでしょう。その訴訟にお勝ちになって幾ら獲得されたかと申しますと、これはほんとうに涙ぐましげなんですけれどもね。一カ月百円とか八十円とか、もちろん人によっては千円こす方もございます。私どもそれをつぶさに調べましたが、超過勤務手当の面から申しますと、そういう先例等を考慮いたしますと、とてもこれはこっちのほうがよ過ぎるということになります。そういうことをすべて放てきして、いまおことばにありますように、そういうことは超越して内外を通じての作業ということが一番りっぱなことであろうということで打って出たわけであります。
○内田善利君 先日の答弁で、実態調査をした超過した時間を教えていただいたわけです。その超過した時間をとらえておりながら、教職員の勤務時間を計測するわけにはいかないと、こういうことですけれども、これは矛盾しているのじゃないかと思いますが、この考え方、とらえ方。
○政府委員(尾崎朝夷君) 超過した時間につきましては、文部省で教員の方々の申告に基づきまして調査したものはございます。たとえば小学校の場合には公立の場合に一時間二十分、国立の場合には二時間五十八分という調査がございます。しかしながら私どもは、国立学校につきまして教員の個々につきまして面接をしていろいろ調査をしてみますと、やはりその超過時間というのはどこまでが勤務であり、どこからが勤務でないかという点のけじめというのが非常にむずかしい。つまりそういう超過時間というものを客観的に、正確に把握するのは非常に困難だというふうに考えたわけでございます。したがいまして、実際の超過時間というのはなかなかつかみがたいというのが実態だと思います。で、私どもとしましては、やはり当面の問題として額を考えます場合に、裁判で認められました修学旅行とか、職員会議とか、そういう場合につきましてパーセンテージを見てみますと、たとえば〇・三%といったような数字もございます。しかしながら、文部省で調査されました四十一年の調査の結果につきましては、まあ四%という数字がございますので、それを尊重するということで、それを内外を通じて評価するという意味合いで、従前の文部省の調査の結果としての手当ではなくて、本俸で評価するという形で実質六%という形に今回考えたのでございます。
○内田善利君 あくまで調整額であって超過勤務ではないということであるならば、そういうふうに超過勤務をしない方向へ、命じない方向へ進むべきであると思うんですけれども、しかしながら超過勤務命令を出すことができると——また前に戻りますけれども、調整額というものがそういったたてまえであるならば、私は超勤をしない方向へ、外国と同じような方向へ進むべきじゃないかと、このように思うんですけれども、これはどうですか。
○政府委員(佐藤達夫君) これもたびたび申し上げてまいりましたように、私ども基本的には全くそのとおりの気持ちでおります。したがいまして、文部省から協議を受けます際にも、そういう気持ちをもってこれに臨みたいという心がまえでおるわけであります。
○内田善利君 いままでも問題になったわけですけれども、教員の職務と勤務の態様の特殊性、その特殊性というのは、いままでいろいろ話がありましたが、私は何も教員だけが特殊性を持っているのじゃない、やはり検事には検事としての特殊性がある。あるいは医師は医師としての特殊性がある、それぞれ特殊性というものは持っていると思うのですね。何も教職員だけ特殊性に応じたものをつくるということで超勤を云々するとか、そういうことでなしに、同じようにしていくべきじゃないか、時間の計測ができないということですけれども、私はできないことはないのじゃないかと、このように思うのですが、いかがでしょうか。教職員だけに特殊性というものを云々するということは、ほかの職場にも、やはりそれぞれの特殊性があるわけです。時間の計測が、教職員はできないということですけれども、それじゃほかの仕事の職場の時間の計測はできるのかどうか、この点です。
○政府委員(尾崎朝夷君) 教職員の場合には、非常に自発性、創造性のウエートのもとに仕事をなされますので、一般の行政職員のように、課長の前にすわらして見ておるというわけにはまいらないわけでございます。したがって、たとえば家庭訪問をなさるといったような場合に、まあ教育の仕事をどこまでやられて、どこからが普通の世間話になるのか、そういった点の管理ということが、時間的に把握が非常にむずかしいということだと思います。で、行政職員の場合には、ちゃんと上司がいわば見張ってやっておりますから、そういう点の管理というのが非常にがっちりしておるわけでございますから、その点がやはり勤務の態様という点が、管理のしかたといいますか、時間計測というものがなかなか困難か、困難でないかというところが非常に違うところだと思います。
○内田善利君 私はそういう考え方がやはり精神的な病の原因になったり、ノイローゼになったりするのじゃないかと思う。やはり職場においては何といいますか、もっとリラックスした姿でいったほうが仕事ははかどるんじゃないか、そのように思うのですね。まあそういったことは別としまして、いずれにしても特殊性というのはそれぞれの職場にあるわけですね。教職員の場合に限って労働基準法から適用除外にした。この辺がどうしても納得いかないんですが、その根拠は何でしょう。
○政府委員(佐藤達夫君) やっぱり自発性、創造性の問題につながってくると思うのですが、これもたびたび申し上げましたけれども、たとえば税務署の役人の場合、一人一人の税務職員が自発性、創造性を発揮してもらったらこれはたいへんなことになるだろうということを申し上げたわけであります。これは典型的な例でございますけれども、それと比べていただければ、先生の場合、また校長さんなり、何なりの前にずっと並ばされて一挙一動をながめられておるというのは先生の仕事になじまないと思うのです。きわめて卑近な例でございますけれども、それだけ大きな根本的な違いがある、性格上の違いがあるというふうに私は考えております。
○内田善利君 大臣いかがです。
○国務大臣(秋田大助君) 先般も申し上げましたが、私はやはり人事院総裁の言われましたように、教員の方々のお仕事はいわゆる創造性、自発性というものが、したがってしかもこれがいまいろいろおっしゃいますが、ほかの職種には要らないのかと申しますればもちろん要ると思う。しかしながら、教員の場合はお子さんを教育して人格の形成に助成をしていくということはやっぱり教員の方の人格をそこへ触れ合わせまして、教師の方とお子さんとやはりそこで一体となって一つの人格陶冶をされるという場合は、先生の自分でつくっていく創造性、自発性というものが非常に高く評価される。これはやっぱり時間によって長く働いたから君のはこれだけこれだけというような性格のものではない、それ事態は。したがって、そういうものでございますから、勤務した場合の態様として時間計測になじまない、こういうふうに考えております。
○内田善利君 時間の関係で急ぎますが、超過勤務を命ずるわけですが、この超勤を無制限に、無定量に超過勤務がなるということで私たちは心配しているわけですが、この超過勤務を無制限に拡大しないという法律的な裏づけがありますか。
○政府委員(佐藤達夫君) これもかねて御説明申し上げたところでございますけれども、この関係では前からある大きな歯どめと、今度法案に盛り込まれております歯どめと、ブレーキが二つできることになるわけでございます。前からございます歯どめというのは、国家公務員法で申しますと、地方公務員法にもありますけれども、国家公務員法で申しますというと八十六条で行政措置要求の道が設けられております。これはあらゆる勤務条件の関係で少しでも不満がある方は人事院に提訴していただく、そして人事院が実地の調査等を慎重に行ないまして、なるほど申し立てられたとおりであるという場合には、その管轄の所轄の長に対しましてぜひ改めていただきたいという勧告をする、あるいは判定文の中でそれを明らかにするという道がございます。残念ながらいままでこれがあまり活用されていない。われわれとしては非常にそれは重要な役割りだと思って張り切っておりますけれども、この制度が始まって以来まだ千件にはなりません。しかしこれが非常に効果を生じているものがございます。国立学校の先生の場合はそういう不服を申し出てこられたケースは全然ございません。全然ございませんけれども、たとえば岩手県の久慈の職業安定所がたいへん忙しくて忙しくてこれじゃ酷使されて過重労働である、何とかしてくれという訴えを人事院に出してこられた、その結果人事院は、これはごもろともである、何とかすべきだという判定を出しました。さっそく所轄省においては年末の窓口事務が非常に忙しいということで、そのほうの事務の整理をかたわらいたしまして、かたわら臨時職員を入れまして、そうしてその不満を解消した。勤務の過重の問題ではそういう例がございます。ただし国立学校の先生からは一つも不満の申し出はいままでありません、地方公務員の場合でも地方の人事委員会が相当活躍しておられます。これも相当ものをいっておりまして、人事委員会に——これは学校の先生の場合だと思います、公立学校の先生がやはり休憩あるいは休息時間の問題で来られました。そうしてまだ判定が下る前にその管理者側、学校当局におきましてはなるほどもっともだということで判定の下る前に措置されましたので判定は無意味——しかしその目的は達したというような例もございますから、今後こういう面も大いに活用していただいて、とにかくわれわれは大いに張り切ってお待ちしておるわけであります。それだけ有力な救済手段、チェックの手段がある。その上に今度さらに文部大臣が人事院に協議して基準をおきめになるというのでありますから、これほど大きな私は歯どめはないという自信を持っております。
○内田善利君 非常に教職員は先ほどからいろいろ論議のあったような姿で将来の人材育成に当たっておるわけですが、この超過勤務を命ずるという場合に無制限に無定量になされた場合、健康上の問題その他害するようなことがあった場合の罰則規定のようなものもこれはあってしかるべきではないか、このように思うんですけれども、この点はどうなんでしょうか。
○政府委員(佐藤達夫君) 国立学校の場合であれば、さっそく文部大臣のほうにその旨を強く申し入れまして善処を促す。したがいまして、そういう管理者に対する適当な措置をお願いするという趣旨になるかと思います。地方の場合はこれは私ども関係ありませんけれども、地方の人事委員会でどういう判定が下されたかということはわれわれとしても常にこれを関心を持って見ておりますから、それによってたとえばいまの文部大臣が人事院と協議して定める基準の問題に触れるようなことがあれば、これはこういうことが現実にあるのではないかというようなことで、またそこで一本釘をさすというひとつのデータにも私はなるということで非常に重大な関心を持っておるわけであります。
○内田善利君 最後に給与関係をお聞きしたいと思いますが、先ほどからこの法律案は非常に不備な面が多いと思うわけですね、またそのように認められておるわけですが、ほんとうに給与の面につきましても先日の質疑の中でも校長の最高給が行政職の三等級と大体同一額だ、こういうことをお聞きしてびっくりしたわけですが、こういった教職員の勤務の特殊性からも私は抜本的な給与の改正をすべきではないか、このように思いますが、この点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(秋田大助君) 先般もお答えを申し上げましたが、この点につきましては教員の方の待遇全般にわたりまして根本的に抜本的に改正する必要があろうと考えておりまして、関係方面ともいろいろ御協議の上、前向きに検討してみたいと考えております。
○内田善利君 教師の資格の問題ですけれども、これは給与と関係してくると思いますが、教師の資格は自動車のドライバーあるいは飛行機のパイロットとか、あるいは医者の資格とかと同じように資格というものが給与あるいは勤務の条件の一つになるわけです。この教師の資格というのは他の資格と違って根本的に私は違っていると、このように思うわけですけれども、この資格についても私たちは抜本的に考えていく必要があるんではないか、また給与の一つの条件となっておるようでありますので、この点も十分に考慮していかなければならない、私このように思いますが、この点はいかがでしょう。
○政府委員(宮地茂君) 教員の資格は現実には教員免許法の規定が資格要件を定めておりますが、御承知のように目下文部省では中央教育審議会におきまして学校教育全般について御検討いただいておりますが、その中で高等教育機関、さらに教員養成の問題等抜本的な御検討もいただいております。またそれを受けまして教員養成そのものについての審議会もございます。こういったようなことと相まちまして給与の抜本的改善をしたいと思っております。そういう関係で現在の教員免許法につきましてもいろんな問題につきまして私ども問題点を痛切に感じておるものもございます。したがいまして教師の資質向上ということと関連して教員の資格問題も当然前向きに検討していかなければいけないというふうに考えております。
○萩原幽香子君 教員の特殊性、無定量、無制限の勤務の歯どめの問題につきましてるる皆さんのほうから御意見が出ましたので、重複を避けながらお尋ねしてまいりたいと思います。まず人事院総裁並びに文部大臣にお尋ねをいたします。 昭和四十二年十一月にILO、ユネスコが共同で教員の地位に関する勧告が出されたわけであります。この勧告については十分御検討をいただいたわけでございますね。そうしますと、この勧告につきまして政府はどのようにこの趣旨をお考えになっておりますのか。まずその点からお尋ねをしてみたいと存じます。
○国務大臣(秋田大助君) わが国は、明治以来教育の発展に努力を払ってまいりましたが、現在わが国の教育は相当程度高い水準になりまして、教員の方の給与の体系及び身分上の保障につきましてもいろいろまだ問題は残してはおりますけれども、いろいろ特別な配慮が払われておるところでございます。したがいまして、わが国におきましては、一般的にこの勧告の示す目標に完全に到達しているとは言えませんけれども、おおむねしているのではなかろうかと考えますが、この勧告の中には法律及び経済的社会的諸条件を含めとなっているのですから、わが国の現行制度と異なる事項も含まれておるのでありますが、前文にも「諸国における教育の制度及び組織を決定づける法令及び慣習に大きな相違があることを考慮し、」云々とあるように、本勧告は各国の国情に従いまして適用されるべきものでありまして、この勧告が採択されたからと申しまして、直ちに制度改正を行なわなければならないということに直接につながるとは考えておらないのでございますが、教員の処遇を改善しその地位の向上をはかる見地から今後検討をひとつ続けてまいりたい、進めてまいりたいと考えております。
○政府委員(佐藤達夫君) 結論はいま文部大臣のおっしゃられましたとおりに私どもも考えておりますけれども、給与関係で、お尋ねでございますから申し上げますと、たとえば昇給の場合につきましては「同一等級内で定期的に(一年に一回であることが望ましい。)」と書いてございますけれども、わがほうも一年に一回、ちゃんとやっておりますので、そういう点はむしろ先回りしていると申し上げることもできます。 それから最低のところから最高に達する期間は十年から十五年までの期間をこえないものとする、と、これもいろいろ考えようがございますけれども、十五年で頭打ちということからいいますと、私どもはまだ三十何年までずっと上がれるようになっておりますから、それは見方の問題かもしれませんけれども、そう恥ずかしがるようなこともないであろう。しかし全体の趣旨は文部大臣がおっしゃいましたとおり、その趣旨に沿ってさらに改善を加えていこうというふうに考えております。
○萩原幽香子君 教員の地位に関する勧告について、政府は、その実施に関してはわが国の実情に照らしてなお問題があるのでさらに検討を加えることにしたいと述べておられるわけですけれども、勧告以来すでに三年半を経過しているわけでございますが、どのように検討をされましたのか、検討の結果を明らかにしていただきたいと思うわけでございます。つまりどの点が問題になったのか、また、どの点について実現に努力をしてきたのか、具体的にお示しをいただきたいと存じます。
○政府委員(宮地茂君) 問題、いろいろございますが、私どもこの問題につきましてはいろいろILOの勧告は趣旨におきましては何ら異存のない点もございますが、そういう面もございますが、国情の相異によりまして、またにわかにそのとおりにならないものもございます。したがいまして、そういうようなことから、国会でも資料を出して御検討もいただきましたが、なお続けていろいろな問題について検討を進めておるところでございます。
○萩原幽香子君 私はどの点が問題になったのか。そうしてどの点について実現に努力をしてきたのか、それを具体的にお示しをいただきたいとお願いをしているわけでございますね。いまの御答弁ではちっとも具体的なものが出ていないと思うんですよ。どうぞその点ひとつよろしくお願いします。
○政府委員(宮地茂君) これは先ほど総裁がおっしゃいましたような点もございますが、わが国におきましては相当部分この勧告にありますこと、まあ、見方の相違でございますけれども、勧告にあります以上の点もございますし、あるいはこの国会で最近問題になりましたものでは女教員の育児休暇に関する問題なんかは一番時節柄の問題でもございますが、まだそういう点が御報告したり、あるいは法案で提案したりする段階にはなっておりませんが、そういったような点は十分検討をしておる段階でございます。特にここまでこうなりましたという御報告をするほど熟した結論を得ておらないわけでございます。
○萩原幽香子君 局長さんね、もう三年半経過している。そしてわが国の実情に照らして検討をすると、こうおっしゃっているわけなんですから、半年ぐらいなら私もこういうことを申しませんけれども、三年半も経過しているのにその問題点がどこにあるかということがはっきりつかめていない。あるいはまた実現にどの点に努力してきたかということがおわかりいただけないということは、私としましてはまことに不満に考えるわけでございます。それではあとでひとつゆっくりとまたお聞かせいただくことにします。 そこで人事院の総裁にお尋ねをいたしますけれども、現行の教育職俸給表をおつくりになりましたときにどのような考え方で、またどのような方法でおつくりになられましたのか、承りたいと存じます。
○政府委員(尾崎朝夷君) 教育職俸給表につきましては、大学、高校、中・小校及び高専という形でまず職域差に応じまして俸給表の種類を異にするようにつくってございます。それからそれぞれの職域内におきましては職務と責任という点におきまして等級を設定をいたしまして、そうして等級内におきましては職員の初任給、資格要件という関係での初任給と、それから標準的な在等級年数と申しますか、何年ぐらい在職されるかという要件を考えまして、いわゆる耐用年数ということで号俸を設定をいたし、そうして金額につきましては従前からの行政職との関係、いきさつ等を踏まえまして、毎年の民間との関係で改定をしてきているということでございます。
○萩原幽香子君 先ほどのお尋ねもあったわけでございますけれども、教員給与の水準、格づけは、行政職(一)のどのような位置にありますか。このことにつきましては、先ほどの内田委員のお尋ねに対しましてもあったわけでございますし、十八日のときにもそういうお答えがあったわけでございますが、校長さんは本省の課長補佐と同位置のように承ったわけでございますけれども、非常に先生という、教員という仕事が大事である、大事であってほんとうにいい人材を集めるためには待遇をよくしなければならない、こういうお話と比べまして、これは一体どういうことになっているんでございましょうか。特にILO、ユネスコ勧告の百十四条では、「給与は、教員の地位に影響を及ぼす諸種の要素中特に重視されるものとする」と言っておるわけでございますけれども、このことについて文部省は現状のような教員給与のきめ方及び給与水準をどのようにお考えになっておりますのか、大臣から御意見を承りたいと存じます。
○国務大臣(秋田大助君) この点につきましては、先般来しばしば申し上げておりますが、教育効果をあげ、教員の方々に快適な職場をしつらえるために給与の改定というものが基本的に大事なことと考えております。しこうして現実に先生方の給与が他の公務員の方々、あるいは地方公務員の方々と比較いたしまして、やはりその点に改善を加うべき多くのものを持っておると考えております。一ぺんにはまいりませんが、ひとつこれらの点につきましても関係方面と協議を重ね、その理解を得、積極的にこれが全般の給与改善に努力を重ねてまいりたいと考えておる次第でございます。
○萩原幽香子君 それでは大臣は、こういう職員給与の、教員給与のきめ方は不満だとお考えになっておるわけでございますね。そういたしますならば具体的にどの点をどう是正したらよいとお考えでございましょうか、承りたいと存じます。
○政府委員(宮地茂君) これは文部省といたしましては人事院に御相談してお願いしなければならないところでございますが、私どもの気持ちといたしましては、総じていまの教員の給与水準は一口にいって低い。まあいろんな問題がございましょうけれども、まず第一に給与水準が低いということは一番大きい問題だと思います。さらに、そういうことから具体的な問題としてはいろいろございます。大学を卒業して当初の初任給がどうであるとか、あるいはいまの十五年ないし十七年たちますと、一般公務員よりもダウンした給与になるとか、まあいろんな点がございますが、ともかく総じて水準が低い。したがいまして教員の専門職たるにふさわしい給与が支給される必要がある。先生がおっしゃいましたILOの百十四には、要するに、この給与といったようなものはその社会的地位に応じてきめられるべきものだといった趣旨のことがございますが、まあいろいろ技術的な具体的な問題は人事院等とも御相談する必要がございますが、基本的な点、一般的な点は、いま申したような点でございます。
○萩原幽香子君 それでは人事院のほうにお尋ねをいたしますけれども、いま文部省のほうではああいうふうに非常に不満だと言っておられるわけでございますね。そうしますと、これを具体的にどの点をどう是正したらいいとお考えでございましょうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(尾崎朝夷君) 給与の問題はそれぞれの職種からいろいろ要望がございます。で、私どもとしましては、そういう関係の相互の均衡ということを考慮しつつ適正にきめていく必要があるというように考えております。で、当面の問題は文部省からいろいろ御要望もございますが、そのポイントはやはり教員団体の場合もそうでございますけれども、初任給をなるべく高め、総じて高学歴になりつつございますから、特に若い層、いわゆる高原型と申しますか、そういう若いところで早く昇給を多くするようにしてほしいと、そういう御要望が非常に強うございます。で、もう一つは、やはり行政職との関係から申しまして、まあ資格要件の上から、給与上の均衡を従来からとってまいっておりますけれども、教員の方々の資格が次第次第に高まってきているということもございます。そういう面で文部省の関係でおっしゃることをわれわれもいろいろ研究しまして、昨年の場合には行政職の従来の均衡の上に六百円さらに積み増すといったようなことをいたしてございますし、この数年間は初任給の上で行政職よりも割り増してきておるという点で、そういう方向で今後も対処したいというふうに考えております。
○萩原幽香子君 給与の問題につきましては、まだいろいろお尋ねしたいことがございますけれども、まあ時間の都合がございますので別の機会に譲りたいと思います。 そこで調整額の四%についてお尋ねをするわけでございますけれども、この調整額四%というものの性格がまことにあいまいもことしているような感じを私は受けるわけでございます。そこでこの四%の性格というものについてもう少し明確にお答えをいただきたいと存じます。
○政府委員(尾崎朝夷君) 一般の賃金体系、給与体系といたしましては、通常のいわゆる正規の勤務時間といいますか、八時間なら八時間労働をするということにいたしまして、そこで月給をきめるという形がたてまえでございます。そうしてそれからその時間を越えて一時間、勤務時間の中と同じような密度で一時間なり二時間なり超過勤務をさせるという場合には超過勤務手当を支給するという形になるわけでございますけれども、当面の先生方の勤務はやはりそういう点で非常に特殊性がある。したがいまして、その中身を申すまでもございませんけれども、授業時間につきましては非常に密度の高い勤務になっておりますし、授業時間を過ぎまして、授業準備あるいは自己研修、それから研究会といったような、そういう関係になりますと、授業時間に比べてやはり相対的に薄い勤務になってくる、そういう面がございまして、そういう点の勤務時間の中が同質的に管理される行政職、また一般の給与体系の場合とは非常に違うわけでございます。いわば授業時間が非常に密度が濃くて、そしてだんだん薄くなってきて、そして勤務時間が一応四十四時間ございますけれども、それからさらに外に対してもいわば自発性、創造性の関係でにじみ出ている、そういったような形じゃないかというふうに考えております。そうしますと、そういうにじみ出ているものをどういうふうに評価するかという場合に、やはり勤務時間の中と外という形で従来の賃金体系のように分けてみていくということは非常に困難でございますので、しかもにじみ出ているものそのものは教員の職務と責任の内容でございますから、やはりこれを基本給、全部合わせて基本給という形で評価するということがやはり教員のあり方に最もふさわしいのではなかろうかということで考えまして、しかし現在勤務時間というものを、その場合に勤務時間制度がどうかという問題にもなりますが、やはり勤務時間制度は一応維持していくということにいたしまして、現在の給与表は一応四十四時間に対応する額という形になっておりますので、全体として評価した中の、いわば四十四時間に対応するもの以内のものは基本給でございますけれども、その性格を持っておりますけれども、四十四時間以外、いわば給与表以外に調整額として給与表を調整する額という形で設定するというふうに概念構成をしたわけでございます。
○萩原幽香子君 一生懸命御説明いただいたんですけれども、私頭の悪いせいですか、もう一つすきっといたしません。ですけれども、いまのお話から聞いておりますというと、一部は俸給に見合ったもの、俸給の少しかさ上げをしますという性格のもの、それからもう一つは、そうは言いながらやっぱり超過勤務のようなものもあるんだから、それと一緒にしたようなものだと、そういうことでございましょうか。そういうことでございますならば、私は給与的な性格を含んでいるということならば、調整額というものを四%に押えられたその根拠というものを承りたいと存じます。
○政府委員(尾崎朝夷君) 結論から申しますと、文部省が調査をいたしました、四十一年に調査をいたしました四%の手当、これは時間外だけのことでございますけれども、手当について四%と調査をされました。それを尊重するということでございますけれども、私どもは時間外だけを考えておりませんので、包括的に評価して、本俸的な基本給だというふうに考えますので、それを手当でなくて調整額、本俸という形に性格づけをしたということでございます。
○萩原幽香子君 超勤的な性格だけのものとしても、これは私決して多い額だとは思わないわけですね。その俸給的なものを抜いて、これは多少超勤的な性格のものだとして私は考えてみても、これは決して多い額だとは言えない。と申しますのは、去る十八日に井上参考人が提出された資料によりますと、教員の平均年令三十七歳、そして本俸が七万二千円、それが措置法によりますというと、この人の月収増が大体三千九百八十三円になる。これを時間に直しますというと約一週間に一時間五十四分ということになるわけでございます。ところが実態は、文部省が調査されましたものによりましても、平均週大体三時間二十分の超勤をしているということになるわけでございます。そういたしますというと、これをお金に直しますならば六千六百円ということになるわけでございますね。そういたしますならば、まあ一週間当たり約一時間余りは切り捨てになっていると、こういうことが言えるのではないだろうかと思います。そういたしますと優に三〇%の超過実態の無視ということになるわけでございます。で、きのうから、夏休みや春休みや冬休みなどの長期の休暇が問題になっておりましたけれども、そうしたものを差し引いてもなお二〇%の無代価措置ということになるわけでございます。こういう点につきましてどのようにお考えになっておりますのか、私は承りたいと考えるわけなんでございます。
○政府委員(尾崎朝夷君) 端的に申しますと、勤務時間外でどれだけ勤務をしているかという点の調査といたしましては、客観的につかめないと思います、これは。で、文部省の調査の関係は、私どもは一応結果として尊重したわけでございますけれども、まあ教員の方々から自己申告をしていただきまして、そうしてその中でなおいわば調整をしておるということだと思います。その調整のやり方そのものはいろいろ問題があろうかと思いますけれども、やはり性格的にいって、どれだけの勤務時間が外に出ておるかという点が、まあ自発的なものが相当多いわけでございますから、実際なかなかつかみがたい。たとえば私どもが、何といいますか、裁判で教職員会議の場合につきまして、あるいは裁判であげられました修学旅行とかそういうかなり明確なものだけにつきまして、あれを評価計算してみますと、〇・三%といったような数字にもなるわけでございます。したがいましてこの関係はなかなか客観的につかみがたいということでございますけれども、一応文部省の調査の結果を尊重して、これを本俸的な性格づけをしたということでございます。
○萩原幽香子君 非常につかみにくいということをおっしゃっているわけでございますね。そうしてまあつかみにくいから超過勤務手当制度は教員になじまないというお考えも出てきたんだろうと思いますけれども、しかし現在超過勤務の訴訟を起こしている県が十六県ある。しかも先ほどのお話しのように、いままでは下級裁判所の判決が大体勝訴になっているということでございますならば、裁判所では超過勤務というものを認めている、つかめるものがあるということではございませんでしょうか。あるいはまた文部省でも四十一年の調査の上では超勤の実態がとにもかくにも出ているということでございますね。そこで私は先ほどからお話をしておられますように、非常につかみにくいものも確かにございます。しかしながらはっきりつかめるものもあるということを考えていただきたいと思うのです。そういたしますと、つかみにくいものは四%の中にまあまあ含めていただいてもよろしいといたしましても、はっきりと超過勤務であるというものがつかめるものについてはどういうふうにお考えでございましょうか、この点を承りたいと存じます。
○政府委員(尾崎朝夷君) 文部省の調査の中身としましてはいろいろにわたりまして、直接の教育活動、あるいは間接の活動、あるいは研修、事務活動、関連活動、そういう非常に広範にとらえておりまして、その中身はなかなか客観的に評価しがたいという面もあるわけでございますけれども、いま御指摘になりました、たとえば裁判で指摘されました、取り上げられました非常にはっきりした、修学旅行あるいは教職員会議、そういったような点につきまして文部省調査の関係で計算をしてみますと、先ほど申しましたように非常に少なくて〇・三という数字になってしまうわけでございます。やはりそういう非常に何といいますか、かたい感じのものにつきましては非常にやはり水準が少なくなるということになりますので、私どもとしましてはやはり文部省の調査の修正した結果を一応尊重するということが望ましい傾向だというふうに考えたのでございます。
○萩原幽香子君 先ほどこの〇・四%というのはいわゆる俸給的なものの上のせ、俸給的な給料的な要素というものが非常にあるわけでございますね。それにプラスして、はかれないような超勤のもの、そういうものを〇・四%と見るならば、はっきりわかっているという超勤のその実態については、これはやはり私は出してやっていただくということがほんとうじゃないだろうかという感じがするわけでございますね。はっきりわかっているものもなお出さないでおくというのは実態に少しそぐわないじゃないかしらと思うわけでございますけれども、これは総裁いかがでございましょうか。
○政府委員(佐藤達夫君) 私なりの考え方を申し上げ、間違っておったら給与局長に訂正させます。 私単純素朴にまず考えたところを申し上げてみますと、この問題は、計測できる超過勤務とできない超過勤務と、まずそういうふうに二つに分けて考えなければいけないと思うのです。そうしますというと、問題は超過勤務ですから、勤務時間の外の分だけが問題になるわけでございますね。そうしますと、一番いいのは、昭和四十三年に文部省案が出ました。これは四%ですけれども、これは勤務時間を出た分ですね、いわゆる超過勤務に当たる部分を包括的にもう四%ということで差し上げようという、超過勤務の包括払いみたいなものがかつて文部省案で出たわけです。ところがこの四%というのが、またこれはほんとうはいまの計測すべからざるものばかりかどうか、計測すべきもの、し得るものもほんとうは入っていたと思いますけれども、しかし、まあこの四%は一応計測できないものだと大目に見まして考えます。そうすると、これは今度の調整額とは違って普通の超過勤務と同じ性格のものでございますね。ですからこれはほかに全然はね返らない。退職手当なんかにも全然はね返らない四%、死んだ四%になる。しかし、そのほかに計測し得るものがあるじゃないか、プラスそれに計測を考えようじゃないかということになりますというと、まずわれわれのつかみ得るデータはいま御指摘のように、裁判中で、係属中のものがあるじゃないかというので、勝訴の基礎になったものとして、いまの職員会議だとか、修学旅行だとか、さらにだんだん幅が広くなってきております。広くなってきておりますけれども、そのパーセンテージでみますと先ほど局長が言いましたように大体〇・三%、先ほど来私が百円だとか八十円だとか涙ぐましいと申し上げているのはそこにくるわけです。そこでもう一つ最近の例といたしましては、京都の八幡町ですか、あすこで超勤訴訟の取り下げのための和解をいたしておりますね。和解をいたしておりますときのその和解で手打ちになった額というものを申しますというと、報償費という形で和解をしている。そして一人月額八十円という報償金です。パーセンテージにしますというと〇・〇九%とほんとうにこれは涙ぐましい私はパーセンテージだと思います。それからもう一つごく最近にこれが朝日に出ておりましたけれども、五月九日でございますね。五月九日にやはり八幡町と同じ行き方で京都の夜久野町でもやはり同じ形で和解が成立している。しかしこれもいまの〇・〇九か、 〇・一でしたかね、一くらいになったかもしれません、というようなことでありまして、それをかりに文部省案であった四%まるまる計測不能の分と見ましても、そういうデータからいいますというと、いまの夜久野町とか何かでいけば、四・まだゼロ幾つになりますけれども、そういうようなことからいきますというと、先生方のほんとうのしあわせのほうを念願しておりますから、損得のほうからだけ申しますというと、この本俸のほうへ調整額はこれだけ、そしていろんなものにはね返るというのと、ただの超勤の性格のものが四・何%といったようなことでは、私はたいへんな違いだろうと思います。そういう意味で前々から非常に私はハッスルしてここで申し上げておりますのは、それだけの自信を持っておりますからでありますということだけは、御了解ほんとうにいただきたいと思います。
○萩原幽香子君 総裁、私はよくそのお気持ちはわかります。しかし、私が先ほどから申しておりますように、先生の給与そのものが非常に低いんだ、ですから総裁は、少しでも先生の給与を高くしていくためにこれを出したんだと、そういうようなお考えが非常に強いといたしますならば、やっぱりはっきりわかっている超勤についてはこれはもうこういう四%ではなくて、これまた別個に考えていただくということが本筋になるのではないかと、こういうことを私は申し上げておりますので、その四%というものの性格を私がさきにお尋ねいたしましたゆえんのものはそういうところにあるわけなんでございますね。先生方はこの問題について、私はおそらく額ということよりもほんとうに自分たちが超勤をやっていることが認められるか認められないか、そこにも私は大きな問題点があるんではないだろうかというふうに考えるわけです。 そこであらためてお尋ねをいたしますけれども、そのはっきりわかっておりますものにつきましては、やっぱりこれは出してやることが望ましいというふうにお考えでしょうか、お考えでないでしょうか、それをはっきり私はお尋ねをいたしたいと存じます。
○政府委員(佐藤達夫君) 私たちは先生のお仕事の特殊性として、自発性、創造性ということを申しております。その考え方から申しますと、大体もう自発性、創造性の発揮によって超過勤務に当たるお仕事もこなしていただけるだろう、したがってまた、文部省の例の項目に対しても厳正なる態度で臨むということを申し上げておるわけでございますから、自発性、創造性というものを高く評価してこれに信頼をしますならば、それで何時間残ったからという計算の問題はごくもうこれは末の私は問題になると思います。そういうことを離れて、もっと勤務時間の内外を通じてのお仕事の再評価という堂々たる方面からこれをつかんで、そしてここで四%の調整額として差し上げる。しかし、これはその関係だけの手当でございますからして、たびたびおことばにありますように、私ども毎年八月にはまた勧告をいたします。そのたびごとに給与局長も努力をしていることを申し上げましたけれども、さらに私どもは文部省の意向もあるいは伺いますし、もう職員団体の方々の御意見ももうしょっちゅう伺っております。まだ御満足いくまでにはいっておりませんけれども。そこでのお話もございますし、そういう面の改善はこれはこれとは別の面でどんどんとまた——どんどんと言うとたいへんどうも思わせぶりの言い方になりますけれども、力を入れてまいります。そうしますとこの四%がさらにそれによって輪をかけていくわけですから、まあそういうふうな考え方でいくのもこれはいいじゃないかと私は思っておるわけでございます。いかがでございましょうか。
○萩原幽香子君 どうも総裁と私とちょっとこうかみ合わないところがあるようなんでございますね。私はやっぱりこれは労基法の問題に触れてまいると思いますけれども、その労基法の三十七条というものはやはり私は大事に考えているわけなんでございます。そういう点から額の多い、少ないよりもその基本的な権利の問題があるんではないかということを私は考えましたのでそういうお尋ねをしているわけでございます。いろいろお聞きしておりますとほかのことが聞けませんのでまたそれも後日に譲りますけれども、私はいまの総裁の御答弁で決して満足をいたしておるものではないということだけは申し添えておきたいと存じます。 昭和四十一年に文部省は教職員の勤務状況調査をされましたが、これらの勤務の中で教師本来の勤務とそうでない勤務が相当あったと思いますけれども、教師の本来の勤務とは一体何でございましょうか。その基本的な考え方がなければやっぱり事務職員や養護教員などの配置の必要性がほんとうはおわかりいただけないのではないだろうかと思います。したがいまして、いまの養護教員なり、あるいは事務職員の配置の関係をながめてみますというとまことに実情に合わない機械的なものが非常に多いのではないかということを考えるわけでございます。教育白書によりますというと、アメリカでは事務職員の数が本務職員百人に対して四十一人も置かれているということでございます。それに対しましてわが国では百人に対して二十三人しか置いてない。これは単なる財政上の問題ではないと私は考えるわけです。このほかにその先生たちの勤務に対する考え方というものが大きく支配しているのではないかと考えるわけでございますけれども、こういうことに対して文部大臣はどのようにお考えでございましょうか、承りたいと存じます。
○政府委員(宮地茂君) お答えいたします。 私どもが四十一年に調査しましたところで申しますと、教師一人当たりの週平均の時間数が小学校で四十七時間五分でございます。そのうち教員の主たる仕事、いわゆる子供の教育をつかさどる授業をやる、また授業のために教案を書く、教材研究をする、さらにいろんな研修をする、そういった子供への直接指導、さらに間接的な指導、こういったような面が四十七時間五分のうちの三十六時間五十九分でございます。その他がいろんな事務的な問題と社会教育関係の仕事までなさっておられます。したがいまして、わが国では学校の先生方が社会教育をやってくださることが非常にいいということもございますし、それも否定いたしませんが、しかし社会教育まで手を伸ばすということは非常に先生方の労働が過重になるという面からしますと、社会教育に先生方が手を出してはいけないというのではございませんが、労働過重という面では社会教育まで出されるのはどうかといったような面もございます。したがいまして、主たる仕事が多うはございますけれども、いまアメリカの例を引かれましたが、特に大学との比較、さらに国立の小・中学校等との比較におきましても、公立学校では事務職員が少ない。教員の給与がともかく水準が低いといったような感じと同じように、公立の学校では事務職員の数がとにかく少ない。もっと事務職員を置いて、教師の事務的な仕事を軽くしてあげるべきだ、そういう認識は十分持っております。ただ口では言ってもそのとおりになっていないというおしかりに対してはお答えしにくうございますが、そういう意味で定数法の改善に取っ組んでいきたい。十分ではございませんが、五年ずつ第三次五年計画まで進んでまいりましたために、目標といたしましては、ともかく次の年次計画は一校一人はぜひ置きたいということを一応目標に関係方面ともぜひ相談していきたい、こういう考え方でおります。
○萩原幽香子君 一校一人はぜひ置きたいと、これはぜひ実現をさせていただきたいと考えるわけでございますね。それでは、こういったような先生たちはいま非常に雑務に追われながら一生懸命に研修の時間も持てぬほどやっていてくださるわけでございますけれども、そういう先生方に対して世間一般の評価は私は冷たいと考えるわけでございます。たとえば昭和四十二年の二月NHKの国民世論調査の報告書によりまするというと、先生を尊敬できるかという問いに対しまして、尊敬できる先生が多いと答えたのはわずか二九%、尊敬できる先生が非常に少ないと答えたのが四三%ということになっているわけでございます。先生が尊敬されない、信頼されないということで、はたして教育というものが可能になるだろうかということを、私は非常に憂えるものでございます。そういう信頼される教師であるために、文部省は先生の自発性、創造性のためにどのような具体的な施策をお持ちになりましたのか、それを承わりたいと存じます。
○政府委員(宮地茂君) 社会から尊敬されるということと、教師の自発性、創造性ももちろん関連ございますが、特に社会から尊敬されるということを一応離れても、教師の自発性、創造性を生かす、そのための考えといたしましては、私どもこれは人事院の意見の御説明にもございますが、勤務時間内に研修にも承認をとって行かれますし、あるいは子供をつれて野外観察にも行かれます、そういう場合にも一々一般の公務員のように上司が監督をして、目を光らしてどうこうということじゃなくて、それこそ教師の自発性、創造性によって働いていただく、そういうふうな勤務時間管理を弾力的に行なう。こういうことが基本的に大事であろう。さらにこれは教育公務員特例法の十九条、二十条にもございますが、何といいましても教師の資質向上には教師の自発的な研修であろうと思います。命令されて研修に行くということも必要でございますが、自発的に研修をしていく。そのためには人事院の意見の説明にもございますが、できる限り教特法の二十条の研修の規定を活用していきたい。それに関連して、夏休み等はもちろんそうでございますが、そういったようなこと、さらに世間から、社会から尊敬を受けるということにはやはり尊敬を受けるだけの地位でなくちゃいけない。地位にはいろいろございましょうけれども、端的には給与が高くなければ、非常に給与が低くて尊敬を受けるといってもなかなかそうはいかぬと思います。尊敬と給与とは直接つながりませんが、やはり尊敬を受けるに値するだけの地位に報いる適切な給与、待遇改善、こういったようなことを総合的に進めていくべきだと考えます。
○萩原幽香子君 先生たちが尊敬をされるように、そういうようなことになるためには文部省としてもまだまだお考えいただかなければならない面がたくさんあるわけでございますね。特にいまのように金というものが非常に大きなウエートを占めて動いているような世の中にありましては、やはり先生の待遇ということは非常に私は直接つながらないとおっしゃっても、直接つながると思うわけなんですね。先生の給与がもうぼんと高くなったら、したがって先生たちのいい方もどんどん集まってきてくださるでしょうし、先生たちの評価も高くなる、私はこう考えているわけです。そこで文部大臣は昨日でございましたか、教職の特殊性について専門的な技術と自覚の重要をお述べになりました。そこで教員の自覚についてお尋ねをするわけでございますけれども、中学で免許状のない科目を担当している例もかなり多いと聞いておりますけれども、その実態について承りたいと考えるわけでございます。
○政府委員(宮地茂君) 中学校、高等学校で教員のいわゆる免許外教科を担当しておる例は遺憾ながら現在ございます。特に僻地等の小規模学校におきましては、教員の定数の関係もございまして、この免許外教科の担任教師が多うございますが、そういうことを前提にいたしまして、全般的な数字といたしましては、昭和四十四年度の免許教科外教科の担任状況は四十四年度で五万四千九百六十五件ございました。そして一人が一教科だけの免許外でなく、二教科、三教科というのがございますので、実人員はこれより少ないと思いますが、件数では五万四千九百六十五件でございます。うち僻地関係が一万一千百八十八件でございます。したがいまして、平均一人当たり免許外担任率は七割ということになります。高等学校では同年七千八百十一件ございまして、こちらのほうは教職員総数十五万人余りに対しまして、一人当たり免許外担任率はこれは非常に低うございまして、〇・〇五ということですが、中学校は遺憾ながら免許教科外教科の担任者が多うございます。
○萩原幽香子君 やはりこうしたことがすでに教師というものを専門職と見ていない証拠ではないかというふうに考えるわけなんですね。自分が実際に免許を持っていない教科を担任するということは、私も学校の教員だったからわかるのですけれども、これは先生方にとっては非常につらいはずだと思います。こういうことについて、今後どういうふうにされるおつもりなのか、承りたいと思います。
○政府委員(宮地茂君) これも結論は、教員定数が少ないことに帰されると思います。特に、先ほど申しましたように、僻地の小規模学校、これは四十四年の定数法の改正で、単級複式は四十八年度までに解消する。五個学年と六個学年、小学校で、そういう複式は廃止するという目標は立てましたけれども、まだ、さらばといって僻地で、中学校九教科ございますが、どんな小さい学校にも九人の先生配当というのはまだ実現されておりません。したがいまして、僻地の小さな学校でも最低教員を九人配当すれば、まあ相当むずかしいと思いますけれども、くふうをこらせば九人あればそれぞれの教科を一人が担当できるということになります。そういったようなことも、定数法の改正では念頭に置きまして、いまの御質問のことにこたえるためには定数改善ということに全力を置いて進めたいというふうに考えております。
○萩原幽香子君 お話を承っておりますと、やれはやれるようなことがいままではやられていなかったと、こういうことも言えるのじゃございませんでしょうか。私は、ほんとうに教育を愛し、そうしてその教育に携ってくださる先生方をほんとうに愛する気持ちが文部省にあるといたしましたならば、こういったことは私が指摘申し上げるまでもなく、これまでにいろいろと努力が重ねられておったはずではないだろうかというふうに考えるわけでございます。お尋ねをしてみますというと、いままで一生懸命やろうとすれば何とかやれるのだというようなお答えが返ってくる。それじゃ、こういうことを言うものがなければやっていただけないのだろうかというわびしさが私の胸を締めつけるわけであります。こういった面につきまして、ほんとうにやっていただかなければならない。たとえば養護教諭の問題にいたしましても、人数が少ないから養護教諭がいない、こういったような実情もたくさんございます。そういったような面については私は十分御配慮がいただきたいと、こういうことを心から念願するものでございます。 先ほど内田委員のほうからお尋ねがございましたけれども、いわゆるろうあ学校などでは幼児部を設けてある、こういうお話でございましたが、その人たちに対してはこの法律が適用されない、こういうわけでございますけれども、私は、特にこういった学校で、小学校、中学校の担当者は適用を受けて、全く同一資格で、かつ同一給与表でありながら幼児部を担当するということによってこの適用から除外されるということはまことに不合理きわまることだと考える次第でございます。こういう不合理を残しながら、この教特法を上げていくということは私は非常に不満です。特にこの種の学校では幼児教育が重視されて、国もこれを認めて、現に教員が配置されているということから考えましてもこの人たちの除外はまことに差別待遇と言わなければならないと思うわけなんです。この問題についてどういうふうにしてくださるおつもりなのか。あわせまして、先ほども出ておりましたが、私学に対しましてもこの人件費などの運営費の補助の道が四十五年から開かれたわけでございます。ところで教職調整額の本質が教職の自発性、創造性に着眼して出されるものであるとされるならば、当然私はこうした私学の先生方も対象になさるべきではないだろうかと考えるわけでございます。したがいまして、私学財団に対しても調整額とみなされるものを助成し、あるいは高校以下については地方交付税でこの分を加算すべきではないだろうかと考えるわけでございます。幸いにいたしまして文部大臣はそうした地方財政の大ベテランでございますので、この点についていかがお考えでございましょうか、承りたいと存じます。
○国務大臣(秋田大助君) その点につきましては、昭和四十五年度から私学振興の趣旨をもって大学とともに高校以下につきまして交付税で計上し、包括的に処置をすることにいたしました。四十五年は四十五億、本年度はその倍額九十億の処置をいたしておるのでありまして、今後その方針に従いまして漸次その額をふやしてまいりたいと考えております。
○萩原幽香子君 時間がまいりましたのでもうやめますけれども、私は幾つかの点で指摘しながら、この法案が非常に問題点が多過ぎるということを申してきたわけでございます。そこでこの法案をこれからどのようにお取り扱いになりますのか、これを最後に文部大臣に承って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(秋田大助君) この法案をいかに取り扱うかという御質問でございますが、もちろん御賛成を願い、通過を期するわけでございまして、しかし、これは教職員の方々の待遇改善の一歩前進と申しますか、序の口でありまして、いろいろとお尋ねのありました諸点に配意を進めて、今後教員の方々の待遇一般の改善につきましては特段の努力を重ねてまいりたいと考えております。
○小笠原貞子君 ただいま一斉にカメラがパッと向きましたが、いままだ九時半でございます。きょうは定例日ではない、委員長が職権でお開きになった委員会でございます。私たちはそれは不当だと言いながらも慎重に審議するという立場からきょうは参加しております。まだ十二時までは相当の時間がございますから、ゆっくり質問させていただきたいと存じます。 まず第一に、全体の基本的な問題になると思いますので、お伺いしたいと思います。戦前、明治憲法下における教師、そして戦後の新しい憲法、そのもとにおける、また教育基本法、そのもとにおける教師の身分、その制度の保障、身分制度の保障というものが基本的にどのように変わっているか、それは端的にお答えいただけると思います。そのことを人事院、そして文部大臣どうぞお答えをいただきたいと思うのであります。
○政府委員(佐藤達夫君) たとえば待遇の面について承知をしておるところを申し上げますと、先ほどどなたかのおことばにちょっと出ましたけれども、昔は待遇官吏でございまして、本物の、本物と言いますか、本官の扱いをされていなかった。今日その辺の身分関係は改善されておると思います。私がこの間ちょっと申し上げましたのは、自発性と創造性の点からいうと昔のほうが相当よかったんじゃないか、これは私の両親から聞いた昔話なんですが。いいところは昔のものをとってもちっともあれする必要はないというふうにも思いまして、きわめて直観的なお答えで恐縮でございますけれども、まずそんな感想を抱いております。
○国務大臣(秋田大助君) 戦後は、やはり民主的ということを中心に、社会万般の制度を考えておりますので、教員の地位につきましても、教員の待遇につきましても、先ほど来から申し上げております教員の勤務またその態様の特殊性に照らしまして、適正なる待遇、適正なる給与、また適正なるいろいろの環境の整備につきまして、誠意を持って——いまだ社会的に御満足を得る状態にまでは達しておりませんけれども、漸次努力を重ねてまいる所存でございます。
○小笠原貞子君 決意を聞いているんじゃないんです。どういうふうに変わったかというその重要な中身を聞いているんです。 ついでに労働省の立場として、労働者としての教師の地位ということから考えて、どういうふうに戦後と戦前は違うか、お答えいただきたい。
○政府委員(岡部實夫君) 私ども労働行政直接の立場からは、教師のそのもののいろんな問題について十分詳しい知識を持ち合わせておらぬ点もございますが、労働関係の面から見ました場合に、御承知のように、戦後具体的な労働立法ができまして、これによりましていろいろな勤労者としての生活あるいは労働条件、これの保護をはかるというたてまえで、わが省も戦後生まれたわけでございます。そういう意味でそれらの対象にはすべての勤労者が少なくとも何らかの形でその労働条件あるいは勤務条件についての保護を法律によって受け得るという形の態勢ができたと思っておりまして、教職員の方もその法体系の中でそれぞれの立場に立っての法的な保護を受けておるということに相なっておると思っております。
○小笠原貞子君 十分なお答えではなかったので、私のほうから整理して御確認をいただきたいと思います。明治憲法下における教師の地位というのは、その身分は全く保障されていませんでした。そうしてその労働条件として、労働の対価として与えられる賃金ではなくて、それは生活資糧として与えられるものであって、そして勅令によってしばられていたそういう教師であったということは、この間の参考人の愼枝氏からも言われたわけで、そうして戦後どういうふうに大きくその面が変わったかといえば、いま労働省の立場から言われたように、教師といえども労働者としての生活権を保障されると、それを保障しなければならないというところが大きな違いだと思うわけなんです。このことは確かに先ほどから言われているように、教師の仕事という、教職というものは特殊性があり、専門的な技術をみがかなければならない、自主性がなければならない、自発性がなければならない、創意性がなければならない。そういうふうな面はあるとしても、それだからといって、その自発性や創造性をつくり出す基礎であるところの、働く者としての、人間としてのその生活の基礎が奪われるということがあっては創造性も自発性もなくなってしまうと思う。だからはっきりここで確認していただきたいことは、いまの教職というものは、一面では、そういう専門的な高度な技術や、創意性や、自主性や自発性というものは持ちながらも、その他の側面においては、やはり労働者というものがあるのだという、この二つの面があるのであるということを確認していいと思うのです。つまり労働者というのはこれは労働力を売っているのであって、教職という名前のもとに、当然持たなければならない権利、市民的な権利までも売っているのではないということ、その点のところが私は戦前と、戦後の教師の身分保障に関して、非常に違った点だと、こういうふうに言ると思うのですが、いかがでございますか、御異議のある方だけ御発言いただきたい。御異議がなければ御賛成……。
○国務大臣(秋田大助君) 私の考えているところによりますと、単純に労働者、こういう表現はやはり教員の方の本質を表現するに適切でない。確かにそういう部面もあるかもしりませんが、やはり特殊な形態がございまして、精神的な労働と申しましても、いろいろ創造性、自発性を大いに要望されている専門職にふさわしい、そういう方としての、人間の生活を維持するに十分足り、かつ世間の尊敬を集むるに足るだけの待遇をされる人として遇されてきたという点に、確かに戦前と戦後の違いがあろうと思います。そういう考え方でわれわれは処してまいるというところにおきまして、われわれの考えておる教員の地位の変更、向上ということを御了承願いたいのでございます。
○小笠原貞子君 いま、いろいろおっしゃいましたけれども、要するに私が言うのは、それは専門職で特殊な職業であるということで、労働者ということばがおいやならそのことばはけっこうですけれども、働いて、生きて、そして生活して、教師として専門的に働けるいろいろな知識や技能をみがくための、また自主性、自発性を生み出すところのその基礎である生活の権利そのものは保障されているということでございましょう。
○国務大臣(秋田大助君) 保障すべきであると思います。
○小笠原貞子君 はい、わかりました。 じゃ、以上のことを踏まえて、これからの質問をいろいろと伺っていきたいと思います。 この法案の特徴は、前々から言われていましたように、三十六条、三十七条というものを抜かす。そして時間外手当は出さない。業務命令によって超過勤務を命ずることができると、わざわざ法的根拠をお与えになったわけです。先ほどからの答弁で、全然矛盾している、西岡さんも宮地さんも。原則として超過勤務を認めないというのなら、その原則をどう貫いて、どう行政指導していくかと言わなければならないのに、その原則はいまも変わりませんと言いながら、その原則を脅かすような超過勤務制度を認めるというところに根本的な法的根拠をつくられたということは、これはもう全然矛盾なんですよ。おたくの考え方のほうが狂っているんです。これまたあとで聞きますけれども、まずそのことが一番大きな心配で、全国からたくさんの先生たちが連日こうやって参観にも傍聴にも来ていらっしゃるし、いままでかつてないようにたくさんのはがきや電報などというのがきています。夜中にも電話がかかってくるわけです。それは何だといえば心配されるとおりやはり出てきたなというのが先ほどの示された九項目、あれではみんな入っちゃうわけです。それに法的根拠が与えられた。それはもう心配がほんとうのものになったと、いよいよそういうことになると思う。 まず一番初めに、歯どめの問題というのでおたくのほうは非常に自信を持っていままで言っていらっしゃいました。その歯どめは三つある。まず第一は、労働者の意向を反映して文部大臣とそれから人事院総裁とできめるのだから、だからこれは重要な歯どめだ、こういうふうに一番はおっしゃいました。二番目には、健康と福祉を害しないようにということがそれに加わっているのだから、これも歯どめであると言われた。そして三番目には、措置要求権、それがあるのだ。そして、これは取り消していただきたいと思うんですけれども、きのうですかおとといですか、ハッスルなすって、提訴されて、言うこと聞かなければ罰則規定もあるとおっしゃいました。罰則規定ないんですからね。これはあとから三番目としておたくとやりますけれども。こういうふうに三つ言われたわけですよ。だからその一点ずつから私は質問をしていきたいと思うのです。 まず、文相と人事院が協議する、その協議には労働者の意向を反映され、そうしてきょうの段階では、日教組という名前で反映させるために会うということを西岡さんさっきおっしゃいましたね。さっきおっしゃったじゃないですか。職員団体でしょう。職員団体には日教組入ってないんですか。入っていますでしょう。職員団体と会うということは、それでは日教組とも会うということでいいでしょう。
○政府委員(西岡武夫君) もちろん教職員団体に日教組入っているわけでございますから、日教組の意見を十分に聞く考えでございます。
○小笠原貞子君 聞く考えだけじゃだめだと言ったんですよ。いままでだって聞く考えですとか、これで反映させるからとか、歯どめとか言ってらっしゃるけれども、私この間から聞いてつくづく思ったんですね。反映させるというわけでしょう、文部省に、人事院に。両者の意向を反映させる、正しく反映される保証全然ないんですよ。たとえば私はカメラを考えたんです。きのう寝ながら全くしょうがないと考えていたらカメラを考えた。文部省のカメラはいいカメラだと思いますよ。ところが反映させようというのにピント合わせようとしてないですよ、文部省のカメラ。ピント合わせようとしない、反映させようとしない。いままでのずっと実績から見て、人事院のほうは一生懸命カメラでピント合わせようとしているが、こっちのはどうも性能の悪いカメラらしい。だからピントが合わないんですよ。だから反映させるなんて言ったって反映できない。いままで反映されてないじゃないですか。だから反映させるとなればそこに制度的なものがあって、大臣が幾ら全国行脚して聞いたってだめなんです。大臣が行ったときの給食はおいしいけれども、われわれが行ったときはまずい給食になるんだから。そういうようなところに行って特定の人と幾らやっても一人の大臣がお聞きになることでしょう。それよりもやはり国際的にも言われているように、たとえばイギリスでは教員団体の代表とそれを雇っている機関の代表とが教員の給与について協議、交渉する合理的な機構であるバーナム委員会というのがありますよ。御承知のように、イギリスでは労働三権持っている。それでもそういうバーナム委員会というものをつくって、そしていわゆる使用者側二十五人、教員側二十六人という委員会を持っておる。そうして制度的に話し合って聞くという、反映するということもできるわけですよ。ところが、たとえば教員団体と反映してもらうように話し合います、聞きますでしょう。目だけカメラをのぞいても、ピント合わせようとしない、ちゃんと反映しないから、これは全く反映できないわけですよ。だからもしもほんとうに反映させるとおっしゃるならば、反映できるような制度的な具体的なそういう機構というものが考えられなければ反映されないわけです。そういうものを考えていらっしゃいますか。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 ただいま先生からピントを合わせる気持ちがなくてというおことばがございましたが、今回この問題について文部省はピントを合わせて対処したいと考えております。
○小笠原貞子君 私がピント合ってないというのじゃないですよ。たとえばOECDの教育調査団報告というのがあるのは御承知のとおり、一九七〇年二月十八日から。ハリで開かれておりますよね、その中で出されているこの報告書、このOECDの教育調査団というのは、今度のおたくのほうで答申をお待ちになっている中教審、なかなかこれはいいという評価をしているところですよ。この調査団というのはその評価をしていないと言われるOECD教育調査団の報告の中にも、時間がないから読みませんけれども、ここにこういうことが書いてある。つまり文部省は不当の権力のかたまりであり、現在学校教員の意見や考えを聞こうとしないと、ほとんど例外なく教員が感じている。こう書いてあるわけですよ。だから私だけが感じたのではなく、国際的にも感じて、そうしてこういう報告書を出されているんだから、客観的に私はこのことについて、やっぱりそういう制度的なものがなければ保障されない、そう思うわけです。もう一度そういう制度的な保障というものを考えられてないのかどうか。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 制度的な保障という意味は、現在の時点では考えておりません。
○小笠原貞子君 そういうものが考えられていないということは、結局反映というものが制度的に保障されていない、だからこの第一の歯どめというのは、これはだめだという結果が出てくるわけですよ。私の論法はそうなんです。意見があったら言ってください。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 確かに先生御指摘のとおり、今日までの文部省と教職員団体、その中でも日教組との関係が信頼関係に立っていなかったということは御指摘のとおりだろうと思います。これは、やはりわが国の教育の今後の発展のことを考えますとまことに不幸なことでございまして、私どもは、今度このような法案の御審議をいただきましたのも、このことの解決を通じて新しい教育の現場をつくり上げていく、その基礎になる文部省とまた教職員団体との信頼関係も取り戻していく、そういう決意のもとに取り組んでいるわけでございます。
○小笠原貞子君 これ幾ら繰り返してもそういう御決意のほどしか伺えないと思います。私に言わせれば、何ら反映されるという保証はないという結果しか出ないと思います。 次の第二の歯どめについて、健康と福祉ということがいわれていますけれども、健康と福祉を害しないようにといったって、これまた非常に抽象的なんですね。私、これ出されたら校長先生どうなっちゃうんだろうと思ってきのう一生懸命考えてみた。健康を害しないよう勤務の実態について十分な配慮をというと、具体的にどういう基準で、健康を害しないようにというためには、その健康というものがどういう健康状態であるかという尺度が要るわけですよね。健康を害しないようにと、こういうことになるわけです。そこでお答えいただきたいのですけれども、たとえば男の人と女の人の男女差というのが体力的にもあるだろうし、二十歳代と四十歳代だってやっぱり体力に違いがあるだろうし、独身で楽な生活をしている人と、それから目方の重いのやら、それから体力の強い、これはいろいろ差が出てくると思うのです。そういう差というものをどういうふうに健康を害しないようにというときに考えてこのことばを想定なすったのでしょうか。また、遠距離から通ってきてくたびれて学校へ来る先生と、学校の近くにいる先生と、子供を持った母親の先生と、いろいろ健康の状態というのが違ってくるわけです。そのいろいろな差というものを考慮して健康を害しないようにと一括しておっしゃっていらっしゃるけれども、一体具体的に健康を害しないというのはどんなふうにだれが判断なさるのですか。二十歳代と四十歳代、どういうふうに、佐藤さん校長先生だったらどういうふうに考えて業務命令を出されますか。ちょっとひとつ、私もそう思って考えているのですが……。
○政府委員(佐藤達夫君) さっきのカメラの件は、人事院のカメラはりっぱなカメラだということにしておいていただきたいと思います。(笑声) それからいまの御質問ですけれども、これはもともと人事院規則にあったのを文部省で借用して法律の中に入れたのです。そういう点、人事院規則はどこにオリジンがあったかと申しますと、先ほどたびたび問題になった労働基準法の中にあるのです。「労働者の健康及び福祉を害しないものでなければならない。」という歯どめになっているのです。これは労働基準法にある歯どめですから、これほど頼もしいものはなかろうということからおそらく人事院規則に取り入れて、それをまた文部省が法案の中にお入れになったのだろうと思います。しかし、いまの年齢とか何とかの話になってまいりますと、これはかえってばく然としているほうが私は歯どめとして効力があるのじゃないか。ことにあとの福祉を害しないようにという、これはたいへんなことでございますよ。健康ですと、肺結核はどうのこうのということでだんだん範囲が煮詰まってまいりますけれども、結核にならなければいいんだろうという話になりますけれども、福祉の問題になりますと、福祉を害しているじゃないかと言われれば、言われたほうはぎょっといたします。そういう意味ではこれは歯どめとしては大きな歯どめじゃないか。そして現実問題としてはそれに当たるかどうか。たびたび申し上げるように、措置要求の場合に断固としてその基準に照らしてだめだというふうに言います。
○小笠原貞子君 文部省はどう考えられますか。この健康と福祉という抽象的な問題がほんとうに歯どめになるというふうに考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(秋田大助君) 大体いま人事院総裁がおっしゃったことと同じように考えておりますが、これは常識的にはかられて、しかしながら健康の度合い等をどういうふうに見ていくかということは、先ほども御質問がありましたとおり、今後科学的ないろいろな調査をいたしまして、いろいろの調査に基づくいろいろの基準等がだんだんと整備されていくものだろうと思います。そういう点を考慮をしながら、そのときそのときの健全な常識によって判断をされるべきものであると思います。
○小笠原貞子君 非常に善意で、そういうもうすばらしい校長先生のもとで先生たちがやられていたら、この問題そんなに心配してこんなにいじらないのですよ。たとえば、そこが実態調査していない弱みなんですね、おたくのほうの。実際に調査してごらんなさい。そんな神さまみたいな、健康と福祉を害しないためにはといって歯どめにぱっとなるような、そんなところ少ないですね。たとえばある県のある学校に行ってみますとこういうことがあるんですね、あした指導主事が来るということで、それで夜九時半から職員会議を招集されて、何と午前三時まで職員会議は開かれているんです。何でやられたかといったら、指導主事が来て養護教諭が学校保健の研究発表する内容を相談しなきゃならない、こういうことで午前三時までやられているわけですね。これはまた一つの面があると思うんです。何で指導主事があした来たらこんなに大騒ぎしなきゃならないかということですね。これは管理体制きっちりやって、上部下部のそういう統制するもとで、もら指導主事が来たら、きのうの話じゃないけれども、指導主事のほうはもうさまざまになってしまう。だから職安の人が学校に来たら百五十円のおすしで、指導主事が来たら五百円のおすしだということが出ておるんですね。これはまさに任命制教育委員以来の弊害がここに出ていると思うんです、こういうふうになってきますから。だから健康と福祉などという抽象的なことで歯どめになるという根拠は全然ないと言いたい。 次に福祉という問題、これまたちょっとたいへん膨大なんで考えていただきたいと思うんです。これは人事院総裁お答えいただきたいと思うんですが、福祉というのは一体どういうことを考えていらっしゃるか。福祉を侵さない、福祉というのは具体的にどういうものを考えていらっしゃるんですか。
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど触れましたのはそういう意味から申し上げたわけです。健康の例で申しましたのは、たまたま素朴に結核になるということを申し上げました。これを厳重にしぼってまいりますと、発熱何度が何日続いたというようなことでずっと表みたいなものをつくるということは考えられます。福祉についてもおそらく書きにくいでしょうけれども書けないことはないと思います。しかし、そういう機械的な基準でやるほうがいいのか、とりとめのないような形でも福祉を害したじゃないかといって、これを手がかりにして自分の主張をすることができる手がかりをつくっておくというほうが私は職員のためにはなるんじゃないかという気持ちがいたします。
○小笠原貞子君 私はですから健康の差というのはどのメートルではかるとか、福祉というのはこれこれだと言えと言っているんではないんです。こういう抽象的なものでやってこないで、もっと制度的な保障をやれということです。具体的にいえば三十六条、三十七条適用を除外するなんということ、そうして超過勤務をさせないというのが原則であるならばこれを貫いていただけばいいんです、そうでしょう。そこで福祉とは一体何だろうと考えたんです。先生方や私たちの立場で考える福祉といえば、たまにはいい音楽を聞いて文化的になりたい、家族で団らんしたいというのも福祉の一つだと思ったんです、まさにそうでしょう、これも一つの福祉だと思うんです。ところが、先生方に出てくるこの超過勤務というものの命令というのは突如出てくるわけです。これは民間の場合ではちゃんと協定を結んだりして事前に通告されておるし、いやだといったら断われるということですよ。ところが、業務命令というのは突然出されるわけです。そうして業務命令が出されれば、出なければ処分と、こうくるわけです。そうするとこれは出なければならないわけです。そうするとほんとうに奥さんがきょうはもうおとうちゃんと一緒に音楽会に行けるんだといってほんとうに子供と喜んでいるときに業務命令が出ると福祉はパーになるわけなんです。私はそう考えた、具体的に。 それからまた私は婦人の立場から考えれば、やっぱりいまも現場の先生方から育児休暇要求が切実に出ているように、子供を持った先生、おかあさんの先生が非常に多いわけです。そうするとその先生は母親なわけです。それで児童福祉法というものを見たわけです。児童福祉法第一条それから第六条、こういうものを見ると、子供は尊重されなければならない、よい環境におかなければならない、そうしてその子供の親権者は母親だ、こうなっておるわけです。そうするともう業務命令を出された、そうして毎晩おそくなる、子供は放ったらかされる、そうしてこれも全く児童福祉法違反ですよ、やられてくると。そうすると、少なくとも健康と福祉というそのことばでは抽象的な内容であって、具体的な歯どめにはなりませんという結論が出ざるを得ないと思うのです。いかがですか。
○政府委員(佐藤達夫君) 具体的でないところにかえって効用があるというふうに私は思っております。
○小笠原貞子君 それは佐藤哲学ですよ、あなたの主観です。客観的に見て、それは全く歯どめになっていないと断定せざるを得ません。 そこで、いま福祉の問題もちょっと言いましたけれども、少なくとも業務命令、超勤命令を出すというようなときに、突然その日に出されたら困っちゃうわけですわ。だから、少なくとも事前にそれを予告するということは必ずやらなければならないと思うのですけれども、その事前に予告するということは考えていただいているでしょうか。文部省のほうも考えてください。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 本来、この超勤命令を出す場合は、臨時的に、必要やむを得ない場合に限って出すわけでございますので、あらかじめ予告するということは、これは困難ではなかろうかと考えます。
○小笠原貞子君 それはたとえば、ほら地震だ、火事だというような災害だとか、そういうものもあると思いますよ。しかし、少なくとも職員会議をやりますとか、ここに書かれていますね、いろいろと。この非常災害、やむを得ない場合の以外のところは少なくとも予測できるわけでしょう。突然きょう遠足だと、ぱっと言ったりというようなことにしなくても、事前にこれをきめておけるわけでしょう。だから、当然その災害、非常災害、やむを得ない場合以外は事前に予告をするということが可能じゃないですか。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 たとえば職員会議にいたしましても、原則としてはできれば五時以内に終わってもらいたいというのが、勤務時間内に終わってもらいたいというのが考え方でございます。ただ職員会議を続行している中で、あとちょっと何分かすればすべてがまとまるという場合は、そういう場合がその場において起こった場合に、初めてそれがやむを得ないという場合に限って超勤命令が出せると、そういうふうに考えるわけでございますので、あらかじめ事前にというのはいささか無理ではないかと、かように考えております。
○小笠原貞子君 職員会議が三十分延びちゃったというような、そういうわずかな時間の延びというならいいですよ。だけど突然きょうやるんだと言われれば、三十分、十分で終わる職員会議ばかりではないでしょう。やはりある程度一定の時間というものが起こるわけでしょう。だから当然それは事前に予告をしてもらわなければならないと思うのです。そういう気持ちはありませんか。民間では予測してそしてやっているのですよ。なぜできないのですか。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 先生ただいまお話しのように、かりに予測することができるものがあればもちろんそれはする、すべきではないかと思います。(「おかしいぞ、そんな業務命令は出せぬ、さっき言ったのはおかしいじゃないか、臨時緊急に限るよ」と呼ぶ者あり)
○小笠原貞子君 関連して質問が出て。はいどうぞ。
○政府委員(西岡武夫君) 先ほどからるる申し上げておりますように、原則としては超過勤務命令は出さない。必要やむを得ない場合に限って超勤命令を出せるという余地を残しておくというのが前提でお話をいたしておるわけでございます。それを踏まえて先生からの御質問に、予告することができるのではないかという御質問がございましたので、さようにお答えいたした次第でございます。
○小笠原貞子君 それでは事前に予告はしないということですか。
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。 原則としてそうでございます。(「もういいよ」と呼ぶ者あり)
○小笠原貞子君 まだ十時ですよ……。
○田村賢作君 委員長……(発言する者多く、聴取不能)。
○委員長(高橋文五郎君) ……(発言する者多く、聴取不能)……多数……(聴取不能)……討論……(発言する者多く、聴取不能)……本案は可決されました。 審査報告書……(聴取不能)……委員長に御一任願います。 本日は、これをもって散会いたします。 午後十時一分散会 —————・—————