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65回国会参議院1971/05/11

文教委員会 第13号

発言数
177
登壇者
11
会派数
4
開催日
1971/05/11

会議録

高橋文五郎自由民主党

○委員長(高橋文五郎君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  去る四月二十八日、中山太郎君が委員を辞任され、その補欠として植竹春彦君が選任されました。  五月六日、植竹春彦君が委員を辞任され、その補欠として矢野登君が、また昨十日、秋山長造君が委員を辞任され、その補欠として千葉千代世君がそれぞれ選任されました。     —————————————

高橋文五郎自由民主党

○委員長(高橋文五郎君) へき地教育振興法の一部を改正する法律案(参第一八号)を議題といたします。  発議者から本法律案の趣旨説明を聴取いたします。鈴木君。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 ただいま議題となりましたへき地教育振興法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由と内容の概略を御説明申し上げます。  わが国には、山間地、離島その他の地域にあって、交通条件及び自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれない、いわゆる僻地が散在しております。この僻地に、昭和四十五年五月の調査によりますと、五千三百五十四校の小学校及び千八百九十七校の中学校があり、全国の公立小、中学校のうち、僻地小学校は二一・六%、僻地中学校は一七.二%の割合を占め、その児童生徒数は小学校四十万六千余人、中学校十九万四千余人であります。これらの僻地学校には小学校二万九千四百六十九人、中学校一万五千四百二十五人の教員が勤務しているのであります。ところが、僻地学校は一般的にいって小規模学校が多いこと、学校の施設、設備が貧弱であること、要保護、準要保護の児童生徒が多いこと、保健衛生の状況が悪いこと、教員の配置に困難が伴うこと等、その教育条件はきわめて劣悪であります。このような劣悪な教育条件のもとにある僻地学校に対しては、教育の機会均等の理念に基づき、平地学校以上のきめこまかい行財政上の配慮が必要であります。  以上のような理由から、昭和二十九年の第十九回国会においてへき地教育振興法が制定され、さらに第二十八回国会には同法の一部改正が行なわれ、僻地教育の改善充実は着々と進められてまいりました。しかしながら、僻地の一部は交通機関の発達により、交通条件等に多少の緩和が見られますものの、なお全体的にみれば、その生活文化水準は他に比べて一そう格差を生じつつあるのが現状であります。またここに、最近におけるわが国の経済社会の急速な発展は、人口、産業の急激な都市集中をもたらし、地域社会の基盤に大きな変動を起こしております。これがため、僻地にも大きな影響を与え、随所に過疎現象が生じており、小学校においても、ここ五年の間に五百九十八校、十四万一千人の児童が減少している状況であります。なおまた、都市における労働力の不足、賃金の上昇に伴い、従来は一家の主人だけの季節的な出かせぎであったのが夫婦で出かせぎをし、老人と子供だけを残してほとんど帰郷せず、送金だけを行なうという傾向が非常に多くなってまいりました。  ついては、これらの現状にあわせて僻地教育の振興策に特段の考慮を払い、徹底させる必要があると信ずるものであり、ここに本改正案を提出した次第であります。  次に、改正案の内容のおもな点について申し上げます。  まず第一点は、僻地学校の定義についてであります。すなわち、現行法におきましては、「交通条件及び自然的、経済的、文化的条件に恵まれない山間地、離島その他の地域に所在する公立の小学校及び中学校をいう。」とありますが、今回これを「交通条件及び自然的、経済的、文化的条件に恵まれず、他の地域に比較して住民の生活水準が著しく低い山間地、離島」云々と改めたことであります。近年における交通機関の発達と、テレビ、ラジオの普及等は、僻地の状況に多少の変化を与えておりますが、僻地における地域住民の生活、文化水準は依然として低く、その上産業開発のおくれと人口の漸減等の理由により、僻地市町村財政の悪化も加わり、平地との生活文化水準の格差は一そう開いております。これが学校教育の面に対しても大きな影響を与えていることは当然であります。したがって、僻地学校の定義を「その地域住民の生活文化水準の低い山間地、離島その他の地域に所在する小、中学校」と改めたものであります。  第二点は、市町村の任務として、学校給食に関する規定及び新しい構想の宿舎設置に関する規定並びに児童生徒の通学を容易にするための措置等について規定いたしました。  学校教育の一環としての給食を特に必要とする僻地学校における給食の実施状況は、高度僻地の特別対策として、パン、ミルク給食対策を行なった結果、その実施率は相当に上昇いたしましたが、完全給食については、全国平均で小学校では八二・五%に比し、六七%といまだに低い現状にあります。申すまでもなく、僻地における給食の普及率の低いことは市町村財政の貧弱と地域住民の貧困がおもな原因であります。それゆえに、僻地における学校給食の実施についての規定を定め、大幅な国庫補助により完全給食をはかろうとするものであります。なお、その実施にあたっては、年次計画をもって逐次整備実施するものといたしております。  また、本法により新たに設けようとする宿舎につきましては、前述のような両親の長期的な出かせぎに対応して家庭にかわる宿舎を設置しようとするものであります。すなわち、この宿舎における職員については学校教育法に定める学校関係職員以外の職員を配置し、両親にかわって家庭的な雰囲気のうちにおいて、児童、生徒の世話ができるよう、宿舎の設備とあわせて配慮いたす考えであります。この設置の計画といたしましては、年次計画をもって実施し、なお、従前の寄宿舎にあってもこれが適用されるよう配慮いたしております。なお、僻地における通学条件を改善するための一つとして、バス・ボートの整備が必要であることは御承知のとおりでありますが、その運営費も年間相当額にのぼり、財政力の貧弱な市町村にとっては、過重な負担となっておりますので、これを国庫補助の対象とするよう改めております。  第三点は、僻地学校においては無医村が多く、児童、生徒の保健指導及び健康管理のためには、特に養護教諭の設置が必要でありますので、できる限りこれを置くようにすることに定めました。  また、両親の不在世帯の多いことなど、僻地教育の困難性にかんがみ児童、生徒に対してもっぱら生活指導に従事する教諭の設置を定めたことであります。  第四点は、僻地学校の級別指定の基準を定める場合に僻地条件の程度とともに市町村の財政状況をも考慮することといたしたことであります。僻地学校の級別指定の基準には、立地条件の程度によって級別指定が行なわれることは当然のことでありますが、当該市町村の財政力の貧弱度が学校の施設、設備その他の面においておくれを招き、ひいては学校教育の大きな困難をもたらすことを考慮して、これを特に級別指定の要素とするように措置したものであります。  また、僻地に勤務する教職員の僻地手当の支給については、準僻地を一級地とし、なお支給割合を最低二%から最高五%まで引き上げるとともに、特に僻地性の高い五級地については保健、医療その他の衛生に関する環境の程度に応じて一種から三種までに分け、これらの級地別の最低保障額を設けようとするものであります。これにより教職員の待遇改善、人事の異動を円滑にし、有能な教職員を配置したいと考えております。  第五点は、市町村が行なう事務に要する経費のうち国の補助率を現行の二分の一から十分の八に引き上げております。  僻地の市町村は財政力が貧弱であり、昭和四十四年度の調査によれば、僻地を持っている千五百九市町村中その財政力指数二〇%未満が三百八十六団体、二〇%以上四〇%未満が七百六十団体であって、実に七五%以上の市町村の財政力指数が四〇%以下となっている現状であり、これがため積極的に僻地教育振興のための諸施策を促進させるには、国の二分の一の補助をもってしては実効をあげ得ない現状でありますので、補助率を大幅に引き上げて僻地における教育の充実向上をはかりたいと考えております。  なお、附則におきまして、施行期日を昭和四十七年四月一日とし、定義の改正及び僻地手当並びに最低保障額に関する規定は昭和四十六年十月一日から適用することといたしております。  また、昭和四十六年度以前の予算にかかる国庫補助金については、従前の例によることといたしております。  以上がこの法案の提案理由及び内容の概要でございます。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

高橋文五郎自由民主党

○委員長(高橋文五郎君) 本法律案に対する質疑は後日に行ないたいと存じます。     —————————————

高橋文五郎自由民主党

○委員長(高橋文五郎君) 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案(閣法第二七号)(衆議院送付)を議題といたします。  本法律案に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 私は前の委員会におきまして定時制教育の問題について質問したのでありますが、その際、確かに定時制教育に携わる先生方に定通手当を三%引き上げるというこの法律案については、基本的には賛成でありますけれども、またこれはむしろおそいというふうな気もするわけでありますが、ただ大臣もこの前答弁をされておりましたように、ただ単に定通手当を三%引き上げるだけで、この定通教育はたくさんな問題をかかえておりますし、改善すべき点がたくさんあるわけでありますが、これはいわば一環として行なわれたわけでありますから、この際定通教育の振興について基本的に押えておかなければならない点について質問をさらに続けてしたいと思います。  そこで、生徒の生活実態を考慮しながら、そして技能教育施設との連携教育あるいは定時制と通信制の併習あるいは昼夜の二部制、三部制授業、こういう教育の形態が非常に複雑化をしておる、言いかえますと先生が非常に忙しくなっておる、だから三%上がるのだということを提案理由にあげられておりますけれども、私はその忙しくなっておる、あるいは多様になっておる、こういう内容それ自体に大きな問題があるのであって、一二%引き上げだけでこの問題は解決しないということを私も言ったし、大臣も認められたわけでありますが、その中で、この定時制に通う生徒の、なぜ自分は定時制に通って勉強するのかという意識調査を中心にして私は質問をしたいのでありますが、この点については、現在の定時制に行っておる大多数の生徒の定時制に学ぶ意識というのは、やはり何といっても社会に役立つ知識あるいは教養を身につけるというしごく健全な意識を持っているということはお互いに認めたところでありますけれども、私はさらに突っ込んで、この定時制に生徒がなぜ入ったのかという調査について、結果を申し上げてみたいと思うのですが、これについて文部省のほうでその調査があればさらに出していただきたいと思いますが、まず経済的な理由でどうしても定時制に入らなければならなかった、できれば全日制に入りたかったけれども、これは経済的な理由でどうしても定時制にこざるを得ない、こういう理由のものが、三八・七%あると私は見ております。さらに中学を卒業して、とにかく働きたかったというふうなものが二九・三%、それから全日制に行きたいけれども、いわゆる試験に通りそうもないし、学力不足が理由で私は定時制にきたのだという生徒の調査によりますと、これが三二%あるということであります。これは全国的にとりましても、この数からあまり変わらないと思います。地域的には多少違ったところがあるかもしれませんが、大体私は全国的なレベルをとったつもりであります。そこで私が申し上げたいのは、この問題の三二%の生徒が定時制に入っておるということなんです。これは文部省のほうでどう把握されているか知りませんが、現在の高等学校の教育の多様化あるいは中学校から高等学校に入れる場合の差別選別、こういった方式が現在横行しておるわけでありますが、こういったのが私は一番大きな原因じゃなかろうかと思うのです。私は高等学校の多様化の問題についてはまた別な機会に質問をしたい。しかしこれが一番基本になっておることは間違いないことでありますけれども、時間の関係もありますので、高等学校の多様化の問題についてここで質問をし問題を明らかにするという時間もありませんが、この働く青少年、まじめにこの定時制で勉強しようという意識の者が非常に多い中で、ひずんだ定時制の教育になってきておるのはこの三二%が私は問題だと思うのであります。これはとにかく高等学校の全日制を受けようと思っても通らない、だから受け持ちの先生あたりが定時制に行けと、こういうふうな形で行っておりますから、この三二%を除いた七〇%近くの者は、自分で働いて自分で授業料をかせぎ、生活費までかせいでまじめに勉強しているという中で、生活的には恵まれても、ただ高等学校に行けなかったから、全日制に行けなかったから定時制に来ておるというこの三二%の生徒の日常の定時制における学習態度、こういったものについてはずいぶん開きがあると思うし、本来の定時制教育をゆがめておるのはこういったところにあるのではないかというふうに私は考えるわけであります。長くなりましたが、私はそういう意味で、高等学校に、全日制なら全日制に行きたいという子供については、これはだれでも入れてやるという、いわゆる高等学校の全入もしくは義務制化、こういったものを当然やらないと、こういったしわ寄せといいますか、定時制本来の教育がゆがめられるという立場が出ると思う。長くなりますが、去年、岡山県の農業高校を参議院の立場で調査に行ったことがあります。そこの校長以下全職員こぞって——あそこは二〇%程度が、農業もしないし、卒業しても農業をやろうという気はない、いわゆる選別されて、おまえは農業高校に行けと言われた生徒。全日制、他の普通高校には入れないから農業高校に入れという、そういった形で来た子供が二〇%。この二〇%の子供が農業高校で将来の農業をどう発展させるか、あるいは自分の家の農業経営というものをどういうふうに発展させていくかというふうな農業教育本来の目的というものを何ら感じないで、とにかく高等学校程度の学校を出ればよろしい、しかも全日制に入るためには点数が足らない、こういった形で来ておるのとよく似ておると思う。特に私は、農業高校よりも定時制というところが、本来青少年が働きながらここで勉強していくという、そういった意欲に燃えた学校になさねばならないという立場でありますが、次官、この問題について私が言った、直ちに義務制に切りかえるという問題はいろいろな障害があると思うのですけれども、少なくともこういった高等学校の全日制に行きたいという子供については全部収容するという、そういった方向に私は当然いかなければならないと思う。この点についての次官の見解をお聞きしたい。

西岡武夫自由民主党文部政務次官

○政府委員(西岡武夫君) お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘のとおり、定時制における教育が、学力不足のそういう生徒が行っている三二%という先生のいまの御調査の数字でございますが、そういったことが定時制教育本来の目的そのものをゆがめているという点は、確かに御指摘の面があろうかと思います。そこで、全日制に全員入学、希望する者はすべて就学させるという方向でございますが、現在中教審においても、今月末を目ざして学校教育の今後のあり方についての答申が出されようとしているわけでございますが、やはり高等学校に進学いたしております進学率が八二%をこえている現状を考えますと、確かに高等学校の義務化という問題は、今後の大きな考えなければならない課題であろうかと思うわけでございます。また一方では全入の問題よりも、高等学校における教育そのものを多様化していくということが大切ではないか、そういった中で、学びたい生徒たちに学ぶ機会を与えていくという多様化の中で、その問題を解決すべきではないかという考え方も一面打ち出されているわけでございまして、十分私どもとしては今後の緊急に答えを出さなければいけない問題として検討してまいりたいと考えているところでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 いま多様化の問題をおっしゃったから、先ほどは別の機会にお聞きするということにいたしておりましたが、多様化という方向を目ざしながら全入の方向をたどっているという方向は、私は、中教審でもそうずばり出していないと思うし、私その点ちょっと気がかりだからお聞きしますが、多様化という問題で袋小路に追い込まれた形が定時制の三二%であり、先ほど申しました農業高校に、目的のないのにただ高等学校という形で二〇%のものが入っているというのが、多様化のすでに弊害の出ているところです。これが多様化といえば、それぞれの生徒の将来の希望、こういったものを達成できるという、そういった意味に多様化というものを置いて、しかも多様化の中で、高等教育、あるいは前期の高等教育、後期の高等教育、こういったものの中で、やはり社会的に有能な知識あるいは社会人としての教養豊かな人間というものを土台に置きながら、しかも進む将来の職業的な方向をこれは指向しなければならない。ここらあたりはしっかり踏まえておかないと、ただ多様化をどんどんやっていく、その多様化のためにはいろいろ、極端に言えば単科の高等学校とか大学をどんどんつくっていく、その結果全員入れるじゃないかというような甘い多様化の方向は私は危険だと思います。これ以上申しませんけれども、私はあえて定時制この三二%と高等学校の、たとえば高松農業高校の二〇%、こういったものは、多様化の結果振り落とされて袋小路に入った人間だと思うし、多様化の方向を持ち続けながらも弊害がすでに出ているということを指摘したわけです。やはり父兄も本人も、あるいは社会全体の望む方向というものについては、やはり全員が入学できるような方向で検討を進めてもらいたいというふうに私は希望をしておきたいと思います。  それでは、これは文部省にお聞きしますけれども、働きながら定時制に通っておる生徒は、各職場においてどれくらいの大体賃金をもらっておるとお考えですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) まことに恐縮ですが、ただいま資料を持ち合わせませんので、後ほど調べまして御返事いたしたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これはこの前も言っておいたじゃないですか、やはり文部省のほうで、私学の実態あるいは定時制、通信制、こういったものの実態というのはよく調査をされないと、この間の大臣の答弁では、将来の方向として振興策をある程度述べられたけれども、振興策は立とうはずはないという気がするのです。把握が非常にないのでありますが、私の調査したところでは、大体十五歳から十七歳、これは二万円から二万五千円程度、総額です。それから十八歳から十九歳、こういったところで二万五千円から三万、ほとんど年齢によって定時制に通っておる生徒のもらっておる賃金ではあまり差はない。非常に低額だということが言えると思います。そして私はさらに調査をやりましたが、この少ない金額の中から結局約半数ぐらいは大体五千円以上、高いので一万円、これを親元のところに仕送りをしておるという結果が出ております。これは私のデータでありますけれども、文部省として真剣にここらあたりは調査を願いたいと思うんです。これは今後の定時制、特に定時制に通う生徒の教育を振興していく、改善していくという場合に、こういった基礎のデータというものをしっかり握っておかないと、どのくらい取っておるのかわからぬし、大体どういう生活様式をとっているのかわからないと、私はこの問題は解決しないと思う。  そこで、この定時制に通っておりながら、しかもわずかな賃金を取っていて、五千円も、あるいは多いところでは一万円も親元に仕送りをするというふうな生活の中で、これはとってあると思うんですけれども、この定時制の生徒が一月に学校に納めておる金額というのは大体どれくらいのものか、これをお聞かせ願いたいと思う。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 学校への納付金は年間一人三千六百円でございます。月に割りますと、約三百円が、学校納付金でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 三百円ですか。二万五千円から三万円取りながら五千円を仕送りして、そして三百円程度納める。その定時制高等学校の生徒が、三百円納めるというそれぐらいでやっているとお思いですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 学校への納付金を申し上げました。学校へ行くためには生活費も要ります。そういうものは別として、学校へ直接どれだけ金を納めるかという平均は年額先ほど申した金額でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 学校へ納付するというのは、授業料を納めるだけで、高等学校定時制についてはあとは一切学校に納付していませんか。三百円納めて、それ以外は定時制というのは他の国の補助なり県の補助があって、一切とにかく学校に納入しないでよろしいですか。そんなことであなた方いままで優遇したことありますか。三百円程度月に納めれば、高等学校の定時制に通っておる生徒は、他のほうは納めないでいいというふうに思っていらっしゃるのですか。どうなんです。普通の高等学校、定時制以外の高等学校だって、小学校にしても、中学校にしても、授業料はないけれども、納めていますよ、納付金を。学校に納めている納付金についてそういう認識を持っていらっしゃるとするならば、定時制の生徒がかわいそうですよ。また、それだけの手だてをしておって三百円だけだというならいいんですけれどもね。認識がとにかくおかしいですよ。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 恐縮でございますが、御質問の趣旨がどうもわかったようでわからないんでございますが、定時制に通う子供が学校に行っておるがゆえに幾ら金がかかるかという御質問と、一人の子供が学校へ行く、行かぬは別として、十五歳なり十七歳の子供が生活するのに、一人で月にどれだけ要るかというようなお尋ねを含めてでございましょうか。まことに恐縮でございますが。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 普通、文教委員会で大学の問題にしたって何にしたって、納付金ということばを使ったときには、授業料以外いろいろなものを含めて、生徒自身が、あるいは父兄がその当該の学校にどれだけ納めているか、どういう項目で納めているかということをお聞きするのですよ、あなたのほうに。学校に行かない労働者の子供がどんな生活をしておるのかというのは、これは労働省のほうにお聞きします。文部省らしいお答えを願います。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 学校に行こうと行くまいと、一人の子供が生活する経費は除きまして、生活費は別といたしまして、特に学校に行っておるから幾らプラスして要るかという意味で申し上げます。  先ほど申し上げましたのは訂正させていただきます。先ほどのは授業料の平均でございます。  そこで、あらためて申し上げますが、授業料にプラスした学校納付金は、一人平均いたしまして年額六千五百十五円でございます。大体授業料に相当する部分が先ほど申しました年額三千六百円でございます。授業料以外に、学校が実験等をするための経費とか、あるいはガリ版刷りその他いろいろ教材等で紙代を徴収するとか、そういいましたことがいろいろございますが、直接学校へ納付いたします授業料を含めましての年間平均は六千五百十五円、こういう調査になっております。これは昭和四十三会計年度で文部省が行ないました地方教育費の調査報告書によるものでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 年間で六千円というそういったものでは現在ないわけです。たとえば一つの例をあげますと、授業料は三百円、給食費が千二十円、PTA会費が百五十円、生徒会費が百円、施設拡充費二百八十円、補助費が二十円、実験実習費二十円、保健体育費四十円、その他二十円、合計千九百五十円というのが一カ月の納入になっておるわけであります。今後の定通教育振興のためにもぜひ全国の実態調査をしてほしい。四十三年のその調査ではこれは実態に合わない、このように思います。特に給食費が非常に多いのですが、これはあとで質問いたします。  そこで、問題はPTAであります。PTAの調査によりますと、入会金が二千円、あるいは二千五百円、五千円、こういうところがあります。そうして、いま申しましたように毎月毎月百五十円、こういうのが入っております。このPTAのPというのは本来父兄なんですけれども、ここらに通っている生徒というのは父兄兼生徒なんです。自分でかせいで自分でPTA会費を納め、入会金も納めているというのが先ほどの三二%なんですよ。これは父兄即生徒なんです。先ほど言ったように、二万五千円から多い者で三万円。その中で、一万円から五千円の仕送りをしながら、そうして学校のほうに納めるのは月に二千円。その中でPTAの会費、入会金まで自分自身で払っておる。たとえばこういったPTAの会費、この問題についてはどう思われますか。この入会金あるいは会費の徴収、こういったものは県とかいろいろな問題に直接いくかもしれませんけれども、文部省としてはこういった傾向についてはどうお考えですか。

西岡武夫自由民主党文部政務次官

○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。  PTA会費のあり方につきましては、これは定時制高校だけの問題ではなくて、先生御承知のとおり、いろいろ根本的な問題があるわけでございます。特に定時制高校のPTAのあり方という問題については、全日制の場合とは、ただいま先生御指摘のとおり、相当実態そのものが異なっていると考えますし、そういう形で勤労青少年、勤労学生の経済的な負担という問題になりますと、これは好ましいことではない、かように考えております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 一緒に聞けばよかったんですが、いまはっきりしました。PTAの問題については、これはやっぱり全般的な問題であるけれども、取りあえず定時制に通う者に入会金から月々のPTAの会費まで取るというのはこれはいけないと思う。いま原則的な態度をお聞きしましたから、私はそういった指導は行なっていただきたいというふうに要望いたしておきます。  次に問題になりますのは、施設拡充費という点です。金額としてはこれは大学あたりに比べると非常に少額でありますけれども、二百八十円取っておるという実態がありますけれども、私はいまの大学入試の問題で、大体大学の試験を受けて通ったという場合に、この大学の施設拡充費というのはずいぶん大きく取られておりますね。特に医科あたりでは取られておる。これはいま非常に問題になっておるわけですが、私はこれこそやはり寄付金とか施設費、こういった金額も非常に高額で臨時に取られることもあるということであります。月々この学校の施設拡充費二百八十円を出しながら、やはり一挙に施設を拡充するといったような場合には、名前はPTAのほうにということで五千円あるいは一万五千円、非常に高額なものを出せ、こういったこともあるそうであります。これはまあ本来、県なりあるいは国が学ぶ環境をつくってやる、施設を拡充するというのに、これは先ほどのPTAと同じように、PTAに依存したりあるいは有志の寄付金にたよったりするということにいろいろ教育のひずみも出てきておるわけですが、特に働きながら勉強しておるというその生徒自身に施設の拡充費を取っていくというのはもってのほかじゃないか。これは県なり文部省がそれ相当な施設をやはり必要であればやってやるということこそ私は必要じゃないかと思うのですが、これは私は納得できない。一緒に質問すればよかったんでありますが、これについては直ちに各県に対する文部省の指導があってしかるべきだ、ちょうどいまごろがこの話になってきておるところであります。定時制の施設の拡充費、これについては一切取らない、こういった点についての指導なり、その前に一応お考えをお聞きしたいと思います。

西岡武夫自由民主党文部政務次官

○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。  先生御指摘のとおりでございまして、ただいまの二百八十円という金額が実際問題としてどういう形で一般的に取られているかどうかという点は確かではございませんけれども、本来施設整備費につきまして、学ぶ生徒に負担をさせるということはあるべき姿でないと文部省としては考えておるわけでございまして、そのような事実について早急に実態を調べまして、都道府県の教育委員会とも十分連絡をとって、そのような事態が起こらないよう十分今後指導をしてまいりたいと考えております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 次に、同じく生徒の問題でありますけれども、就職について差別をされるという、こういうことが非常に多いのであります。いわゆる全日制高校卒業生との就職時における就職差別というのが多い。極端に言うならば、就職試験を受ける機会というものを初めから奪われておる。あるいはまたやっと就職をしても、その入ったところの就職先で、定時制を出ておるということによって一般的な差別を受けておる、こういう実態が非常に各所に行って訴えられるわけです。これは人権問題であるわけであります。この問題については文部省としても十分取り組んでおられると思うのですけれども、特に銀行、証券、保険、こういう金融機関、こういうところはもうほとんど定時制の卒業生に就職の門戸を閉ざしておる、こういうことを聞くわけです。あるいはまた職場についたこともない新卒者に限定をする、そして二十歳以上は採用しない。ですから、定時制の卒業生等で二十歳以上の人は、非常にまじめに勉強をして就職したいという人も多いわけでありますが、これを実質的に差別をしておる企業もある。これは例を出せと言われれば私は一、二の例ははっきり出してもいいと思うのでありますが、これについて差別の実態というものはどうなのかということを文部省としては把握をされたことがあるかどうか、そしてこの差別撤廃について今日まで文部省のほうとしてどういう努力をされてきたのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) いまのお尋ねの件、私どももまことに遺憾なことだと思っております。この問題につきましては、経緯を申し上げますと、定時制の子供、生徒というのは一般に勤労をしつつ学校に通っておる、職業を持っておる子供が相当ある。さらに年齢が十五歳から十八歳といった、大体全日制に通う子供よりも年齢が多い子供が多うございます。そういった面からくる、定時制なるがゆえにということではなくて、どこかの職場における者はとか、あるいは年齢がいまおっしゃいましたように、一定の年齢以上の者はといったような点で制限される面が相当あるようでございますが、それを除きましても、高等学校卒業を就職試験の受験資格としております場合も定時制は除くといったようなことをやっておる企業がございます。この問題は昭和三十八年に、当時から非常にそういう点で、私ども文部省としてはもちろんでございますが、先生がおっしゃいましたような声も強うございまして、日経連、商工会議所、こういったところとかねてから話し合いをいたしておりましたが、昭和三十八年に次官通達も出しましたし、さらに日経連等へは依頼のお願いを正式にもいたしました。それ以後年々、若干ずつ定時制の卒業生に就職の受験機会を与える企業はふえてまいっておりますが、しかし、まだ一〇〇%に至るにはほど遠いようでございます。たとえばこれは日経連の調査でございますが、私のほうは毎年日経連のほうにお願いし、また教育長等を通じて地方の企業にもお願いいたしておるところでありますが、日経連の調査によりますと昭和三十八年の調査では、定時制の卒業生に就職のための受験機会を与える民間企業の比率は三四、五%でございます。それが四十四年では、六〇%近くになっております。しかし、それにしましてもまだ一〇〇%にはほど遠い数字でございます。ただ、国、県、さらに公社、公団、こういったようなところでは、少なくとも絶対にそのような扱いはしないという現状には至っております。  なお、これはよけいなことかもしれませんが、文部省などでは、定時制の卒業生、夜間大学の卒業生で公務員試験に受かった者は優先的に、よその者が採用してくれなければせめて文部省が率先してといったようなことで、これは歴代人事課長もそういう面でやっておることは申し上げさしていただきます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 私の調査では、公社——少なくとも半官半氏といいますか、こういったところは、いま文部省がとらなければと言っておりますけれども、この点定時制の高等学校——いまは大学が多いだろうと思いますけれども、高等学校出で、地方公務員とかこういったものの試験をみごとにやっぱり通ってこういった公社あたりで押えられる、こういった例はあるんですよ。文部省のほうだけ自分の近くだけやられないで、もう少し各都道府県関係あたりも、定時制を出たがゆえに、そして資格もちゃんと持っているのに差別をするという実態があるわけでありますから、いま日経連その他のほうにいろいろ今後も努力をしてもらわなければならぬし、特に日経連に属さないところあたりのほうが定時制が多いのです、中小企業とか。こういったところあたりもうまくやらないと、日経連は非常に政治的なことでやってくるわけですから、これはきめのこまかい——文部省対日経連ということでやっていかれれば政治的な渦の中に入っていく。きめのこまかい指導はなかなか行なわれないわけですから。就職は求人難ということでパーセンテージはむしろ上がっておりますが、本質的にはやはり解決されていない、差別があるということを私は認めますので、この点今後とも通達の出しっ放しということでなくて、都道府県なり小さな企業その他についても、やはり漏れなく指導を行なってもらいたいと思います。時間もありませんからこの点は要望を申し上げておきます。  次に、今度提案をされております定通手当の問題について、提案理由はるる述べられております。しかしこれをせんじ詰めて言えば、結局教育事務その他の業務が一そう複雑、困難性を増してきているというところからこの三%の引き上げを提案するのだという趣旨に私はとります。要するにこの定時制教員の諸君、あるいは全日制の教員の諸君、こういったものを比較して、複雑、困難、こういったところから支給されるというふうに考えるわけであります。  そこで定通高校の例をとりますと、この定通高校の先生だけではなくて、同一職場に勤務する事務職員あるいは用務員、こういった現業職員、あるいは実習助手、これにも当然定通手当を私は支給すべきである。その提案の理由からしてもこれを別ワクに置いて除外をするという理由が全く認められない、こう私は思うんですけれども、これに事務職員、用務員その他の現業職員、助手、こういう人たちになぜ今度の定通手当を支給しないのか。これについて提案理由に誤まりがあり、つけ加えることがあるならどういうところがあるのか。提案理由をそのまま読めばこれは当然支給をしなければならないというふうに考えますが、この点どうですか。

西岡武夫自由民主党文部政務次官

○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。  定時制通信教育手当につきましては、この手当そのものの目的と申しますか、支給をいたします理由が、勤労青少年の教育自体が複雑、困難であるということで、そこに着目をして支給をしている手当でございまして、その観点から申しますと、定時制の場合の事務職員もまた全日制の事務職員も、事務そのものについては何ら変わるところがないというふうに考えるわけでございまして、そういう意味において、現時点で事務職員また現業の用務員についてその手当を支給するということは困難ではなかろうか、かように考えるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これは、全日制の事務職員と定時制の事務職員とのそこに差がないという奇妙な理屈をつけられたものだと私は思うのです。そうなれば、定時制の先生と全日制の教職員とここにことさら差がありません。昼と夜という差をつけられたわけですか。私は全く差がない。にもかかわらず特にこの定時制の先生だけがこれをもらう、上げるというのには私は理屈が立たないような気がするんです。私は結局、定時制の教育といったものは非常に複雑化しておる、先生御苦労だろうというところに先生だけに差し上げるという理屈はないような気がするんです。事務職員あるいは実習助手、用務員、こういった人たちも一緒にやって定時制というものは運営されていっておるんじゃないですか。極端に言うなら、事務職員といったものの存在があってこそ私は教職員というのが定時制の教育に一斉にとにかく全力をあげてやっていけるような、いわゆる別個のものじゃなくて一体になって運営せられておるというふうに思われる。これは全日制も同じだと私は思いますけれども、特に定時制ということでとらえた場合に、特に定時制の事務職員と全日制の事務職員と、先生の差があるとするならば、これは事務職員にも当然差が出てくる。複雑さ、繁雑さというものは昼と夜とで違う、教職員の場合はそうとってある。そうすると事務職員の場合だって私はそうでなければならぬ。理屈は合わないんじゃないですか。なぜ私はそんなふうに切って捨てるのか、事務職員あるいは現業職員を。もう少し詳しく……。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 先生のおっしゃいますのは確かに一つの御意見と思うのでございますが、まことに基本的に対立するような考え方で恐縮でございますが、確かに先生のおっしゃいますのは御意見ですが、ただ、従来から定通の先生方に定通手当を差し上げておりますのは、昼であるから夜であるからというよりも、定時制にも昼の定時制がございますが、昼とか夜とかいうことではなくて、そこに来る子供が全日制と相当違う。相当年齢がいっておる子供もおりますが、多くは職業を持った勤労青年でございます。さらに、先ほど御指摘にもなられましたが、そのことがよいとか悪いとかいう意味ではございませんが、実情は、全日制の子供と比べまして相対的に中学校での学習の修得度合等が不十分でございます。ことばをかえて申しますれば、あまりいいことばじゃないかもしれませんが、能力なり適性なり、さらには進路といったようなものが全日制の子供と比べまして相対的に相当違いがあり、またそれだけにそういう子供を対象に教育される先生方には御苦労が多い、教育をつかさどる先生方は非常に御苦労が多いと思いますが、とりわけ全日制と比べると定時制の先生方の教育というものには御苦労が多い。そういう点に着目してこの手当てを出しておるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 それでは事務職員と現業職員をはずした理由にはならないのですよ。依然としてやはり全日制の先生と定時制の先生の比較をおっしゃっておるわけです。  そこで、私はいまいろいろ勤労青年を対象としておる。あるいは極端に言うなら中学校のいわゆる扱いにくい子供、勉強のできない子供、こういった者を取り扱っておるから特にと、こうおっしゃるならば、事務職員になればさらに、実態をお調べですか、ここのところ。昼の事務職員というのは、私は仕事は軽いとは思いません。これは非常に重い。重いけれども、たとえば、先ほども申しましたように、PTAの会費を何日までに持ってきなさい、授業料を何日までに持ってきなさい、すなおに持ってくるわけですよ、全日制の場合は。定時制の事務職員がどれだけ昼と違ってやっているかというのは御存じですか。給料不払いの起こったときには会社まで行って社長にかけ合ってまで賃金を出させて、そうして学校に納めさせる、こういう努力もしているのですよ。ちょっと全日制の事務職員の方と違った努力も、いまさきの教職員が対象にされておるのと同じように困難度があるのですよ。特に夜と昼との関係はあまり考えておりません。なるほど、昼の定時制もあります。あるいは通信制のほうは昼です。ですけれども、これに分け隔てをする理由は一つもないと思う。実際に夜の定時制におられる事務職員の先生の業務というものを見たことありますか。昼の先生方のように事務室にすわっていて、そして昼の全日制の事務職員と同じようなことを夜やっておれば事が済むと思えば大間違いですよ。先ほども言いましたように、教職員が非常に全日制と違った意味の生徒を対象に教育をしていると同じように、事務系統につきましても同じように違った困難度というものが事務職員と実習助手、用務員にもあるのですよ。その点、ひとつよく調べてもらわなきゃならぬと思う。昼の先生と何ら勤務の態様は変わったことはないのだというような言い方は、これは教職員に対しての三%値上げの理由と切り離すことはできない。この点、私は、いま言ったような突き離し方は酷だと思う。この点については、夜なら対象が勤労青年、あるいはあなたの言うようなことは不満であるけれども、多少はやはり全日制に行けないような、いわゆる学習の低い子供を対象にしているという場合に、それが事務系統あるいは実習助手にどういうようにして出てくるかということをよく考えないと、同じ職場の中で教職員だけ三%上がってこちらのほうは上がってない。しかし全体的に一緒に一体となって定時制教育というものを一つの校舎の中でやっておるというその中で、この学校の運営というものは実際できますか。あなたたちは何も関係ないけれども、先生だけが……。私は、やっぱりこれは定時制の教育にとって大きなマイナスが出てくる、亀裂が出てくると思うのです。これはこの法律案が終わったあと教特法の問題が出てくると思いますけれども、こんな机の上で考えたようなことではなくて、実際、あなた方、東京都内でも幾らでも定時制あるのだから、定時制の中へ飛び込んで事務の先生方がどれだけ苦労しているか、実習助手の人が昼に比べてどういう特別なことがあるのだということをお調べにならなきゃならぬと思う。昼と夜と、実習助手とか用務員とか事務職員というものは全日制と定時制とあまり変わりはないのだ、こういう突き離し方というものはない。少なくともこういうことについては努力をするなり、あるいは今後についても、あるいは来年にも、こういうものについても別の手当を考えるべきです。そういったことをしないから、東京都とか大阪、埼玉、こういったところについてはこれに見合うように県費で支給するところがあるのです。実際にあるのです、知っておりますか。この実態を各都道府県で、そういったところで、文部省としては差をはっきりつける、教職員だけというふうにつける。しかし実際に目に見ている県教委とかこういったところ、県とか、こういうところから見れば、それじゃどうしても学校の運営はできないということで、何とかやりくりして独自で県費をつけておる、こういったところがあるのですよ。こういうことは望ましいことではない。ある県とない県とがあっては困る。こういった点についての見解をもう一回お聞きしたい。あくまでももう切って捨てる、法律案どおりだと、あとはどうにもしようがないのだ、法のたてまえとか何とかあれば別ですよ。これは。たてまえ論をとるならば、たてまえ論を言ってもらいたいと思うけれども、どうもいまの提案理由なりあるいはいまの説明ではたてまえ論もあまりはっきりしないような気がする。こういった点、どうですか、これは次官から聞きたいと思う。

西岡武夫自由民主党文部政務次官

○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。  先生お話しのように、実態として、教職員と事務職員とが同じ職場の中で、一方が手当が上がって一方は忘れられているということの与える非常な悪影響というものが実態としてあるということは私どもも十分理解をするところでございます。ただ、現在のところのこの種の給与、諸手当のあり方というものが、先生御指摘の事務職員も教職員と同じであるという形になっていないということもございまして、今後私どもはただいま先生の御指摘の実態を踏まえまして十分検討しなければならない問題ではなかろうか、かように考えるわけでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 ちょっと関連して。  いま議論されました問題で、私は非常に重要な問題が一つあると思うのですよ。何か初中局長の答弁を聞きますと、この学校という職員の機能が、それぞれの分野でみんなおるけれども別々だという考え方が一つありそうな気がしてならない。これはいまの定時制なり通信制なりあるいは小学校でも中学校でも同じ。どうもそういう考えがあるから、いまの学校の職員定数が非常にアンバランスだ。たとえば文部省が学校の職員定数を議論する場合には、費用の負担区分によって教職員をやりますね。ところが、用務員さんがいない学校で先生がどんなに苦労しておるかとか、あるいは給食従事員が定数が足りないで先生たちがどんなに苦労しているか、そういう面についての配慮というものが非常に欠けておるわけです。そこに学校という基本的な考え方が違うのじゃないかという気がするのです。だから、私はここで四の五のあまり関連ですから言いもしませんけれども、ここで確認をしておきたいことは、少なくとも初等、中等教育程度のところの学校というものの機能は、教師だけあっても教育というものはできないのだ、あるいはその他の職種だけあっても教育ができないのですね。いまいる職種というものが全部そろったときに初めて学校というところが教育的な機能を果たすのだ、この確認をぴちっとしておかなければいけないと思うのですね。それだから、教育が複雑だから、それにこたえるためにということで先生たちに手当を出すが、事務職員は別だという考え方はやっぱりそこにあると、基本的な考え方の把握が違う。一つの機械でいうならば、歯車とネジとの関係のように、どの部分品が欠けても学校というのは教育機能を果たさないんだ、そういう考え方で学校行政をやらないと教育行政にはならないということなんです。いまの小、中学校を見ても高校を見てもそういう面での行政的な配慮というのは非常に片ちんばで非常に大きな欠陥があると思うんです。そのために学校がぎくしゃくしているという点がある。いつか私が指摘いたしましたように、たとえば学校薬剤師という話をしたことがあります。この委員会で。平均日数六・三日しか出勤していないし、手当てが二千何百円という平均、それをそのまま放置しておる。学校薬剤師というのは必要だから皆さん法律をきめたんです。きめたら薬剤師がどういう役割りでどう回っておるかということまでやらないと、ほんとうの行政にはならない。皆さん法律をつくるときに、教師に対する手当てというときはそこだけしか見ていない、また別の職種のときにはそこだけしか見ていない。だからぼくは教育行政と言わないで文部行政ということで悪口を言っておる、そういうものなんです。教育は生きているのだ、この考え方だけは文部省もきちっと確認をして、そして今後いまの学校でどういう職種がどう働いておって、それにどういう待遇でどうこたえるかということは基本的にきちっとしたものを持たなきゃいけないと思うんです。いかがですか。

西岡武夫自由民主党文部政務次官

○政府委員(西岡武夫君) 文部省といたしましても基本的な考え方はもちろん先生から御指摘されました学校というものが全体として動いているということについては何ら認識の異なるところはないわけでございますが、給与の体系、給与のあり方、そういった点を非常に事務的に申しますと、事務職員と学校の教職員との給与のあり方自体は違うという点を特に申し上げたので、そのような誤解を招くようなことになったのではないかと思いますが、十分今後、ただいま先生御指摘の線に沿って文部省としても学校運営が全体としてほんとうに正しく円滑に運営されて初めて学校教育というものがその所期の目的を果たすのであるという観点を十分踏まえて今後検討をしていく所存でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 もう一つだけ。そこで給与の体系が違うと言うけれども違っていないでしょう。皆さんは事務的に、役人的に第何表、第何表というところから違うと、こういうだけの話なんです。いまの給与体系というのは本質的にみんな同じですよ。表が違うだけだ、数字がちょっと違うだけですよ。しかもこの法律はそれぞれの給与の七%を一〇%にするというだけの話でしょう。体系的な違いは何もない。もし違いがあるとすれば文部省の認識が違うというだけの話なんですよ。だから安永委員がさっき質問したような問題もあるし、その埋め合わせを地方でやっているというような現実が出てくるんですから、それをつべこべ弁解をしないで、もう少し検討してみて謙虚に学校の真摯に教育をしておる者にこたえるものを出さなければ、これは働いている皆さんは納得しないと思いますよ。これだけ申し上げておきます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 いま局長のほうで定通手当の問題については昼夜というような関係は考えていないのだ、昼夜の別は考えていないのだ、こういうことでありますから、私は次に夜間の勤務をされておる定時制は非常に多いわけでありますが、この先生方に対しての特別な手当というものをやはりここでもう一つプラス考えなければならぬのではないかというふうに考えます。いわゆる定通という手当てはこれは昼夜の関係はないという観点で今度三%値上げをされるということでありますが、私はやはり今度は夜間課程に勤務する先生方の勤務の実態というのは、今度三%値上げをされる定通手当を三%上げる以上にまた大きな意味を持っておるし、これはいままで放置されておると私は思います。この昼間に勤務されておる人に比べて、本人はもとよりその家族を含めて、肉体的にも精神的にも苦痛あるいは疲労は非常に多いわけであります。帰宅も毎晩とにかくおそい、食事も一日四回ほとんどとられております。それから家族と一緒に食べるというようなことはほとんどない、そうして深夜帰宅による交通費、これあたりは、ある人によっては車がないからほとんどハイヤーこういうものに乗って帰らなければならない、これは夜間で特別な出費がかかるわけであります。あるいは家庭における光熱料、こういったもので夜勤務するということは昼間に比べていま私があげただけでもこれは勤務の状態というものが非常に違うわけであります。そこでやはり私はここで定通手当以外に夜間に勤務しておる先生に特別に夜間勤務手当、こういった制度というものをやはりここで同時に提案すべきでなかったかというふうに考えます。これはもう従前から長い間夜間に勤務する先生、他の労働者の場合でありましたらすべて夜間勤務という問題については何らかの措置が賃金の中にあらわれてきておるわけです。定通手当はこれは何もその差はないということでありますならば、私は同時にやっぱり夜間に勤務する先生に何らかの形で、たとえば夜間勤務手当というような制度というものをやはりつくらなければならないのではないか。労働省をきょう呼ばなかったのであれですけれども、これは他の企業、産業種別に考えてみても夜間に勤務する特別な手当て的なもの、これは本俸なり賃金に入ってみたり、手当てになってみたり、何らかの形で措置されておる。されていないのは公務員の中でもはっきりしておるのはここだけではないですか、定時制あたりの夜間に勤務しておる先生、他はそうないじゃないですか、これはそういった関係で落ちておると思う、これを制度化する考えはないのかどうか。

西岡武夫自由民主党文部政務次官

○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。  先生御承知のとおり国家公務員の場合の給与制度におきましては、夜勤手当は午後十時以降の勤務に対して支払われるという形になっておるわけでございます。そこで現在大学の夜間学部の教員、事務職員等につきましては、ただいま先生のお話しのような措置は行なわれていないわけでございます。国の場合、午後十時以前の夜間勤務に対する手当てというものが出されていない実態からいたしまして、現在直ちに定通関係の先生、事務職員についてだけ夜勤手当を支給するということはちょっと困難ではなかろうか 今後しかしその実態に合わせて検討を要する問題ではなかろうかと思いますが、いま直ちにこれを制度化するということは、他の国家公務員との関係もございます、国の立場としては問題があるのではなかろうか、かように考えるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 先ほどの定通手当の問題について、事務職員、実習助手等を含めた現業、こういったものについても次官としてはこれは検討事項なので研究を要するというお答えでありましたけれども、今度の私が申し上げておる夜間勤務手当の制度化という問題は他とのつながりはあるとしても、他といいましても当然政府の身近かなところでこういった事態が行なわれておるんです。これはおざなりのとにかくいつも検討というとなかなか長くなるんですけれども、私は実際は時期を聞きたいわけですけれども、これは調査にかかったりそして国のほうでどうするというふうな意図というものはここで言えませんか。今度の定通手当の問題についての検討、これについての検討と、こう言われますが、これは長い間かかった問題であり、ようやく今度三%の値上げの問題が国会に提案されたから、定通の問題とかこういう問題がこの国会で問題に上がってきたのであって、底流としてはずっと要求し続け、文部省等もいろんな方面から御要望もあったわけですけれども、表向きに国会で論議されるというのは久しぶりの話なんですけれども、そこでまた検討事項ということになると長くなると思いますので、この問題についてある程度の目安がつきませんか。

西岡武夫自由民主党文部政務次官

○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。  現在全国で北海道はじめ十県あまりで夜勤手当に類するものが支給をされているという実態もあるわけでございまして、文部省としては当然この問題は前向きで早急に検討をいたさなければならないと考えるところでございますが、給与全体の問題、ほかとのかね合いもございまして、これは人事院の関係もあることでございますので、いま直ちにいつから実施するということは私どもの立場としてはいまこの場でお答え申し上げることは残念ながらできないわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これ以上は申しませんけれども、とにかく早急に実現するような努力をお願いしたいと思います。  それから、これはちょっと別の観点からでありますけれども、育英会の関係であります。日本育英会の高等学校の奨学金の貸与者数、その中の定時制の生徒がどれくらい貸与の恩恵にあずかっているか、こういった状況についてわかっておればお知らせ願いたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○政府委員(村山松雄君) 昭和四十五年度の育英会の調べによりますと、高等学校生徒の貸与人員は九万六千四百四十七人でありまして、そのうちで定時制課程に在学する者が二千六百三十七人といわれております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 定時制の生徒でこれの恩恵を受けているという数が非常に少ない、いまのことから申しましても非常に少ない。これはどういうところに原因があるわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○政府委員(村山松雄君) その点につきまして実は育英会でも突っ込んだ調査はございませんが、一応その高等学校の奨学事務を扱っております都道府県の支部の意見という形で調べたところによりますと、やはり定時制課程の在学者は一応職を持っておる、職を持っておると収入もあるわけでございます。そういうことがやはり奨学生を希望する者の少ない理由だというつかまえ方をいたしております。そういうつかまえ方の妥当性につきましては、おそらく御指摘があるんではないかと思いますけれども、一応職があって収入がある。育英会の奨学生になるためには学力基準であるとか、あるいは手続であるとか、そういう制約がある、そのわりに貸与額は一般でございますと月額千五百円でございますけれども、そういうめんどうな手続あるいは学力基準といったようなワクをこえて出願するのは何と申しますか、めんどうだというようなことから、育英会の奨学生を希望するものが必ずしも多くないということになるのではないかというのが、これが一応の都道府県支部を通じました育英会の意見でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 直接育英会のことはわかりませんからこれ以上のこまかいことは出てこないと思います。  それでは、めんどうだからそういう制度を使いたくないというふうなことですけれども、どれくらい出しているんですか、定時制には。それはわかりませんか。

村山松雄文部省大学学術局長

○政府委員(村山松雄君) 貸与額につきましては、現在定時制と全日制とで区別しておりませんので、一般貸与の分は月額千五百円でございますし、特別貸与の場合ですと三千円ということで、同様でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 私が言っているのは定時制の生徒、これは申請という手続をとるらしいんです。その申請者がどれだけで、そのうちどれだけ落ちていてというのは出ますか。

村山松雄文部省大学学術局長

○政府委員(村山松雄君) 実は御質問があるということで、育英会を通じて調べてみたわけでありますけれども、高等学校につきましては先ほど申し上げましたように都道府県支部段階で具体的な事務を処理しておりまして、日本育英会には採用された者だけが上がってきておりまして、どれだけ出願してどれだけが採用されたかというようなこまかい点は本部においては承知しておりませんでしたから御説明申し上げる材料はただいま持ち合わせておりません。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 中央の日本育英会本部ではわからない、結果だけ出しますからね。だから軽々に私は、自分で働いておるし、収入もあるし、だから奨学金をもらわないでもいいんだ、制度はあるけれども、こういうのではないと思う。これは認識が逆だと思う。収入といったって、先ほど私がるる申し上げましたように、二万から最高で三万、ここらあたりで仕送りもするし、先ほどべらぼうに学校の設備費まで取られる、こういった形でとにかく苦しいんですよ。金持ちじゃないわけです。普通の全日制の生徒というのはこれは親がかりでありますから、アルバイトをしておる者もおりますけれども、仕送りまでする必要がない生活と見ていい。だから奨学金の支給はむしろ定時制のそういった働きながら、苦しい生活をしながらその中でも学校に通って勉強しよう、大学の夜間まで行きたいのだ、こういった意欲に燃えた子供にこそ私は奨学金制度というものは支給してやらなければならない。むしろ推奨をしてやらなければならないと思う。私はそういうものだと思うのですね、育英会のあれは。育英会の立場から言えば、自分も金を取っているんだ、こんなはした金もらわぬでもいいんだと思っているんじゃないかというふうな推測は私は間違いだと思う。そういった意味で、収入も少ない、こういうことですから、奨学金の問題については特別これを考えてやらなければならぬというふうにも考えます。これは育英会のほうに正式に文部省が指導されて、実際の各都道府県の定時制の生徒の、奨学金を受けたいというのがどれくらいあるか。これは詳細な数字をやっぱりとるべきだと思うのです。結果だけで、入った者は何人ですじゃなくて、希望してきた者は何人だというところまで取って、その数字をやっぱり確かめてもらいたいと、私はそう思います。  それからいま学業成績という問題がありましたが、これは確かにやはり働きながら勉強しているわけですし、勉強の時間もあれだし、局長に言わせれば中学校であまり——程度の悪いのがこっちに入ってきているということもおっしゃったのですが、反面そういうところもあるような気もしますけれども、しかしやっぱり教育を一生懸命受けようという学習の意欲に燃えているわけですから、この点等は確かに学業成績は悪い、全日制に比べて。大学に入るために毎日勉強勉強やっているのと、働きながら寸暇を惜しんで勉強している者との間には学力の差というものは確かに出てくるだろうと思う。思うけれども育英会の趣旨から言って、私は先ほど言ったように働きながら夜間の大学までもやりたいという、こういった子供、青年に対しては、推奨しながらむしろ私は奨学金を与える機会を多くしてやらなければならぬのじゃないかというふうに考えるわけです。したがって私は提案をしたいと思うのですけれども、この点について私は育英会の貸し付け金のワク、こういったものをたとえば定時制の高校の生徒については何割ということを初めから別ワクを設けて、その範囲でやっていったらいいんじゃないか。あながち成績主義でやっていくと、これで定時制が落ちていく、こういう気がするのですけれども、その考え方は文部省として指導する考え方はありませんか。

村山松雄文部省大学学術局長

○政府委員(村山松雄君) 育英会の貸与の基準の基本は、先ほども申し上げましたように、生徒並びにその家族の経済的困難度、家計の状況、それから本人の成績という二点でございますが、その成績の問題につきましては、御指摘のように、特別に困難にうちかって勉学をしておる定時制課程について若干特別の配慮をしてしかるべきではないかという点については、これは検討に値すべき問題を含んでおると思いますので、育英会とも連絡いたしまして検討さしていただきたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 次に、定時制教育の進学の保証という問題について質問をいたします。  これは六十三回国会で勤労青少年福祉法が成立をいたしまして、その十二条におきまして、「事業主は、その雇用する勤労青少年が職業訓練法第八条第一項に規定する法定職業訓練又は学校教育法第四条に規定する高等学校の定時制の課程若しくは通信制の課程等で行なう教育を受ける場合は、当該勤労青少年が当該職業訓練又は教育を受けるために必要な時間を確保することができるような配慮をするように努めなければならない。」、こういう規定ができております。しかしこの規定は、残念ながら訓示規定みたいなものでありまして、罰則の定めもない。ところが、現在の各事業所等においては事業主が進学をしぶるというふうな傾向が確かにあることは問違いないわけです。そこで、現在そういった進学を保証するというふうな実態についての全国的な状況把握というのがありましたら、お知らせを願いたいと思います。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) いまお尋ねの勤労青少年福祉法でございますが、昨年五月に公布、施行になっております。これを受けまして、いまの十二条の問題については私ども十分御相談申し上げましたが、直接には労働省のほうから昨年の六月に各企業等への周知徹底をはかるべく通達を出していただいております。それには結局、その法律の規定の実効を期するためには事業主に周知徹底をはかるということが一番大事である。さらに、教育訓練施設の整備、運営の改善、これをはかる必要がある。そういうことで関係機関、さらに団体等との連携を密にして、協力して、地域の実情に応じて効果的な施策を実施するようにしていただきたいという旨のお願いを出していただいております。それから労働省では、労働省の出先でございます各県の婦人少年室、さらに知事部局の労働部を通じまして、各末端の事業所への周知徹底をはかっていただいております。さらに私どものほうといたしましては、教育委員会等にその旨を申しております。何ぶん昨年五月の法律施行でございまして、まだその趣旨の徹底の度合いというものが、一年もたちませんので、十分な把握ができておりません。さらに労働省の出先の婦人少年室では、各地の高等学校定時制に学ぶ青少年に対する事業所の配慮ということで実態調査を実施していただいております。そういうことで、まだ十分なそういったことの分析をするには日が浅うございますので、一応私どもといたしましては、いま安永先生の御趣旨は異論ございません。ただ、昨年五月から急遽そのようなことをいたしておりますので、それを早急に結果も見ましてさらに何か具体的になすべきこと、企業に対しての規制、いろいろ必要なことがあれば続けてやりたい。ともかくいまはそういうことで趣旨の普及をはかり、さらに実情の調査をいたしておりますので、御趣旨に沿って十二条の趣旨の実現に努力していきたいという覚悟のほどを申し上げる以上に、具体的にこうということはちょっとしばらく検討させていただきたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 現行法の中で訓示的な規定であるけれども、その中で一ぱい一ぱいやってみようという、私はそれは確かに必要だと思います。当然やっていかなければならないと思います。  次官にお聞きするのですけれども、私はやはりその範囲内で努力をしてみても限度があるような気がするのです。やってみなければわかりませんけれども、訓示規定だけでは漏れていく、私はざる法みたいな気がするのですけれども、私はここで進学を義務づける規制措置というものが一ぺん要るのではないか。それと同時に私は、そのざるになっていっているというのは事業主の経済的なやはり損失あたりもあるところに障害があるのじゃないか、これについての税制上の減免措置というものもこれはつけなければ実効が上がらないと思いますけれども、規制措置をするかわりに今度はやはり事業主に対する減免措置、こういったものとあわせて政府のほうで考え方をまとめて実施するというようなお考えはないかどうか。これは長い間事業主に対する減免措置とかいうものは話に出たわけです。特に文教委員会でなくて、むしろ大蔵あたりでずいぶん減税問題とかいうことで出てきた問題ですが、しかし直接この問題を担当するのは私は文部省だと思うのです。文部省のほうからこれは税制の問題も持ち出さなければ実現しないのです。ただ減税のときだけちらっとこういう進学の問題についての規制と同時に減免が出てくるわけですけれども、この点文部省から堂々とひとつ政府当局の方針として出すようなことをやらないと私はなかなか実現できないような気がするのです。どうでしょう。

西岡武夫自由民主党文部政務次官

○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。  この問題につきましては、ただいま先生から御指摘がありましたとおりでございまして、具体的な問題として事業主に私どもが希望するようなことで実際に実行してもらえるかと申しますと、なかなか簡単ではないと考えておりますので、当然ただいまの税制の問題も含めて、規制と同時にそのかわり別の援助も与えるという形の総合的な対策というものを文部省として早急に打ち立てるべきであろうと考えますので、この問題は具体的にどのような案になりますか、早急に検討を進めていきたいと考えております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 時間もありませんから、定通の問題についてお尋ねをいたします。  定時制高校の分校の校数というのは、現在どのくらいになっておりますか。統廃合の問題。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 定時制の分校でございますが、公立が四百二十校、私立が二校、合計四百二十二校が定時制の分校でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これは提案理由の説明のときにもお聞きしたんですけれども、どんどんとにかく定時制が減っていっておるという中で、特に過疎地域における分校の統廃合、これは非常に各地で問題になっているわけですが、これはどんないなかに行っても、やはり高等学校の学校教育を受けたいという子供はどこにでもおるわけですね。これは一つの設置基準があるからということでありますけれども、やはり定時制の統廃合については、できるだけ残して、そしてその地域の高等学校の教育が受けられるような配慮というものが十分考えられていかなければならぬと思うんですけれども、統廃合についての文部省の見解、方針、こういったものはどういうところに置いてあるんですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 従来分校と申しますのが百人くらいを——別に法律に書いておるわけでも何でもございませんが、一つの標準的な規模であろうというふうに考えておりましたが、御順摘のように、最近では非常に生徒数が過疎地域では減少してまいりました。これは過疎地域に限りません。東京都などでも非常に定時制の分校というよりも本校自身が希望者が少なくなってきております。したがいまして、最近非常に分校さらに本校を合わせまして統廃合が行なわれておりますが、私ども従来のように百人程度が標準だからそれより下がってきたらすぐ統廃合するようにという考え方は持っておりません。統廃合をいたします場合も、最近は交通の便利がだんだんとよくなりつつございますから、交通上統廃合をしても現実に子供が行っても地域が遠くならない場所に統廃合できるか、あるいは本校と一緒になれるか、そういうことを十分勘案して、ただ人数が減ったからということで直ちに統廃合といったようなことは行なわないようにという指導もいたしております。ただ個々の具体的な問題につきまして、実は衆議院文教のほうでもそういったお尋ねがございまして、各地の実情を調べて御質問がございましたので、直接あげられた個所等調べてみましたが、それぞれ理由があるようでございまして、交通が好転したので本校へ通学させることが可能であるとか、あるいは定時制分校を全日制の分校へ転換させるとか、いろいろな事情がございまして、ただ非常に地域によりまして希望者が一年の入学者が十名に満たない、ごく数名というところがございます。これは、いま申しましたように、交通の事情とかいろいろで、その近所へ通わせるといっても相当遠くなるので、通信制でその数名の子供に通信を併修するようにといったような指導をやったところがあるようでございますが、機械的に統廃合していくという傾向は、少なくとも今日の各県にはないようでございますし、私どももそのようにすべきである、あくまでも子供の教育を受ける、機会均等という立場から、ただ生徒数が減ったから統廃合ということはやらないように、厳重に県にも指導しておりますし、県も大体そういうことでやっておるようでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 確認いたしますが、実際、統廃合の問題は、町村の問題とか、あるいは県の問題とか、実際そこのところに行きますけれども、ぜひひとついまの方針を貫いていただいて、やはり機会均等で、いなかに一人でも二人でもおれば、そうしてそれが勉強したいという意欲があればそれをやっぱり救っていく、切り捨てごめんではいけないので、その方針私も全く賛成なんで、ぜひひとつそういう指導を、県あたりから相談にくると思いますが、私どもが聞いたのは逆でありまして、残したいけれども、文部省のほうで切って捨てるという態度だから私どもなかなかぐあいが悪いという話を地域で聞くわけであります。全く逆な話なんです。その点は、いまの方針を承りましたので、各県の指導、あるいは各県が相談にきたときには、そういった方向で話にのってやっていただきたいと思います。  そこで、いまの小規模の、たとえば分校あたりの問題でありますが、ここでは非常に生徒数が少ないということでありますが、現在の定時制の高校、特に分校を中心としたところでけっこうですけれども、どういう教員配当をとっておるのか、定通法の基準はどうなっておるのか、特に、全部じゃありません、分校あたりに考えられるところの生徒数、ここらあたりでどう先生を配当しておるのか、お聞きしたいと思います。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 基準のこまかい説明は省略いたしまして、その基準に基づいて具体的にどうなっておるかという実態で申し上げますと、百人以下の分校に例をとりますと、九十九人から九十二人までの分校ですと、これは教員の定数をはじきます場合の基礎数がございまして、基礎数は六人ですが、それに二名を加算いたしておりますので、九十九名から九十二名までの生徒がおる学校は、八名の教師が定数上数えられております。それから九十二名から七十五名までの生徒数の学校は七人の教師、七十四名から五十六名までの分校では教師数は六名、五十五名から三十八名ですと、教員数は五名ということで、生徒が五人とか十人とかといったようなところではこれは十八人以下ということになりますが、定数上は一名ということですが、それに二名の加算をいたしますので、十八人以下、一人でも二人でも分校だということであれば三名の教師が定数上計算されるということでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 私はその掛ける定数の内容、これが非常に問題だと思うのですが、実際いま五名とか、七名とか、八名とかといっておる小規模学校で、教員が一人で教科を相当持っているという実態があるわけです。その実態、調査されたことがありますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 非常に小さい学校で、たとえば先ほど申しましたような五十人前後ですと学校の教師は五名ということになります。そこで九教科でございますから平均しますれば二教科を一人の先生が持つという計算になるわけでございますが、そういったようなことで一人の先生が何教科を持っておるかという調査はいたしてないんですが、四十三年十月にいたしました調査ではむしろ何教科というよりも、たとえば国語の免許状を持っておる先生が国語の担任でない。社会科の免許状の先生が国語を持っておるというようなことで、免許外教科担任という調査をいたしておりますが、それでは五十人以下で、国語で例をとりますと八三%の人はその国語の免許状を持った先生がやっておる。ですから逆に言えば一七%の先生方が国語でない免許状の先生が国語を教えておるといったようなことでございまして、各教科とも大体五十人以下のところでは免許外教科の先生がほぼ同じように八〇%台でございます。御質問に十分お答えできませんが、大体そういう傾向でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 免許状以外の教科を教えている先生の統計をとっておられるわけですから、これは私はよく検討してもらいたいと思う。と申しますのは、いまの概数、机の上で考えていきますと結局八教科ということで五人おれば云々ということも出てきます。平均すれば二教科から持っておるんじゃないかというふうなことは出てきますけれども、これは一応机上の計算でありまして、実際人事をやる場合に、採用する場合にそういう配慮が、もちろん教科の配慮はしましょうが、なかなかその先生がいない。こういった点とか全日制との人事異動とかいろんな関係で、必ずしもそうは言っても、ひどい人は五教科から七教科持っておる人もいるわけです。これは私のほうで調査していますが、たとえば一人で日本史、世界史、倫理、政経、これを教えながら試験のときには七種目の試験問題をつくらなければならない。英語の免許状を持っておるが国語を教えている。数学と工業の免許を持っている教員が計算実習を教えている。これは例をあげればたくさんありますが、これが全部とは私は申しませんけれども、とにかく机上で八教科というのを置いておいて数で割ればそうたいした教科を持たないだろうというこの考え方は、また逆に間違いであります。しかし、いずれにせよ免許外をとにかく持ってやっているんですから、ちょうど中学校の小規模学校と同じなんです。この場合実際調査されましたか。免許状以外の教科を教える場合の免許法との関係で正式な各手続とっていますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 都道府県教育委員会の承認を得ればできるようになっておりますが、お尋ねの点は、はたして正式に教育委員会の承認をとっておるかどうか、その手続についてやっていないものとやったものと、その調査をやったかというお尋ねであろうかと思いますが、たてまえが免許外教科を担当する場合は承認をとるのをたてまえとしておりますので、そういう調査はいたしておりません。いたしましても全部承認をとっておるというデータになってくるんじゃないかと思いますが、調査はいたしておりません。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 私はその点を何も言っているわけじゃないけれども、中学校でも小規模学校、定時制の分校、そこらあたりではそうあなたが言うように、とっておりますと言わざるを得ぬくらいに学校の中で持ちつ持たれつやっておるということなんです。また、免許法どおりにいけば県の承認云々といいますけれども、免許法からいけば正式の手続は臨免なり、あるいは仮免なり何らかの手続をしなきゃならぬ。承認だけではない。そこで、私は厳格に言っているわけではない、厳格に言えないほどとにかく持ちつ持たれつ持っていっているということです。これではやっぱりほんとうの教育はできない、といって小さな学校にとにかく教科だけそろえるということになってくると、それはまたちょっと勤務時間等の関係からいっても許されないことも、これはあり得る。そのかね合いは非常にむずかしいわけですが、現在も、先ほど言われた率をかける、加算をするというこの係数を、いずれにせよ考えていかなければならない時期ではないかと思うのです。来年からたしか定数のあれは切りかえになるのですが、その点あたりはどうですかね、小・中学校のような考え方を加味して、学級数というものを一応考えてこの基礎数を出すような仕組みにしてやったらどうなんですか。とにかく増さなければ、いままでのところ、専門教科以外には自信がないわけですよ、実際のところ。その自信がないというのをあえて押しつけられた形でやっているから情熱も出てこない。とにかくこれはいけないことだ、法的からいいましても違法とは言わないけれどもすれすれのところです。これはあえてさせてはならないと私は思うので、直ちにいま切りかえろという言い方もありますけれども、来年のこの定数法の改正のときにはぜひともここは考えておかなければならない点ではないか、もう時期的に合わないですよ。数はどんどん減っていく、ほとんどのところが全部少数の学校で、生徒は欠けになっていますから、だからもうとにかく五人や七人、八人くらいのところで全教科こなすということはとてもできないことなんです。そこに学級数というふうな考え方、係数を、とにかく有利にみるような係数をかけていく、こういった配慮は当然しなければならないと思うのですがね、この点についての、現状を踏まえての文部省の来年の定数法の改正をめがけて腹案があったらお聞かせ願いたい。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 四十二年から五年計画で第二次の教員定数の充実計画を進行いたしまして、四十六年度でありますが、一応第二次の五年目でございます。したがいまして、四十七年度から来年の予算要求につきましては、国会が終わればさっそくそういう作業に取りかかりたいと思っておりますが、御指摘のように、最近、過疎地域に限りませんが、とりわけ過疎地域ではまあ高等学校の複式ということはちょっと考えられませんので、定数が大体一学級定数、定時制ですと四十人ということで計算しております。しかし、これは四十人ということで、小、中のように四十人一クラスで、クラス担任一人という計算はしてない。四十人来るということで、二十人に対して一人の先生とかいったいろんな数字を出すための四十人でございますので、小、中のような一クラス四十五か四十かで非常に変わってくるというものではございません。しかし、いまおっしゃいます学級を加味するということになりますかどうですか、とにかく最低の、教員数の最低保障と申しますか、そういう考え方をやっぱりとる必要があるのじゃないか、それで一学級四十人というものですから、生徒が四十人来るという前提ですが、しかし十人くらいでも一学級にせざるを得ない。その場合は定員までいっていないけれども、四十人あるものとして十人しか一年生いなくても積算するとか、まあいろいろいま考え中でございますが、何ぶんこれは大蔵省等とも十分相談しなければなりませんので、先生のおっしゃいます点、ここで反発したり、先生のおっしゃるのは基本的に間違いでございますという考えは毛頭私のほうはございません。しかし具体的に、だからどうしますということは、やはり十分検討さしていただきますので、御趣旨の点をも十分勘案しまして、ともかく最低保障するとか、定員に満たなくても定員だけはあるという前提で計算していくとか、いろいろな方法で対処していかなければいけないのではないかという心づもりは持っておりますので、その程度で御了承いただければ幸いと思います。今後一生懸命努力いたしたいと思っております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 それでは要するに来年の定数法の改正のときには、少なくとも現行の配当数よりも、弱小の分校あたりの定数というものは上向きになることは間違いない、いわゆる率、係数その他が現行法よりも変化することは間違いない、上向きの姿勢で変化するということは間違いないという約束はできたと思いますが、その方法についてはいろいろあります、私は必ずしも学級方法を押しつけるつもりはありませんけれども、一つの考え方として私は述べたわけです。あなたもそれについての腹案をある程度ちらっと出されましたのでこれ以上は言いませんけれども、やはり高等学校の特色として四十人おったって四学年あるわけだから、一つの学年には十人、こういうふうに考えていきましても、十人おりましても四十人おりましても同じことだから、それに率を掛けていくというような方法も私は当然とらなければ、ほかに理屈は立たないのではないかと思います。最低基準といっても、そこらあたりが基準の基礎にならなければならないと思いますので、ぜひそういった来年の定数法の提案のときにはみごとな提案をひとつしていただきますように期待をいたします。  それと同時に、通信教育の問題についての定数問題でございますが、これについての定数のはじき方について現行の場合を説明願いたいと思います。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 通信の場合の教員定数の算定でございますが、現在の定数法では通信制の生徒数、規模の段階ごとに、これから御説明いたしますような形で算定いたしておりますが、これは四十二年の法律改正前、いわゆる第一次五年計画のときに比べまして二〇%程度の改善が行なわれておりますが、やり方としましては、多少こまかくなって恐縮ですが、まず生徒数六百人以下の学校ではそれを六十で割る、その前は七十五で割っておったというようなこと、さらに六百人以上千二百人までは九十で割って教員数を出す、改正前は百で割っておりました。こういう割り方は、これは実は通信の場合基礎になりますのは、子供が毎日学校に行きませんので、まず面接と添削指導ということでよりこまかい計算をするわけでございます。で、面接の場合はたとえば通信生が年間取得平均科目数は二科目と見ております。実際は平均しますと一・六ぐらいになりますが二科目。一科目を四単位としますと、二科目で八単位でございます。そのためには一単位を五時間の面接としますと四十時間ですから、一人の生徒の年間面接時間数を四十時間と見る、さらに添削指導では、生徒一人が年間二十四回解答を出して添削指導をしてもらう、その一回の添削指導に二十五分かかるといったような非常にこまかい計算がございまして、生徒一人の年間添削指導に教師が十時間必要であるといったような、非常にわかりにくうございますが、こまかい計算で、さっきの六十で割るとかいったような数字はそういう基礎を積み上げにやっておるわけであります。ところでわかりよく申し上げますと、今度通信で私どもが多少どうかと思っておりますのは、添削指導、実は一人の生徒が年間二十四回手紙で解答を送ってきて添削指導を受けるというこの数字が、実情はもう少し最近はふえております。そこでこれもこれから大蔵省とも相談したいのですが、年間二十四回では少ないので、これはこの場だけのといった程度であまり根拠ございませんが、三十回くらいは、実態に合うためには添削をしておるというような計算で先生の添削に要する時間数を積算すべきであろう、したがってさっき六百人以下は六十で割るとか言いました、その六十で割るか、今後は五十で割るか、その辺の数字はいま申しましたような面接時間数とか添削指導の時間数とか、こういったような数字を改正していきたい、こういう考え方でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 時間もありませんから急ぎますが、この通信教育の定数についてはもう局長の、六十で割ったり九十で割ったりするのは現状からいったら合わないというふうに私は受けとったわけです。実際私のほうで調査をしても、これで割っていったら大体現状からいったら大体定通の生徒が十年くらいかかって卒業するという算定の基礎になる、逆算すると。やってごらんなさい。定通の生徒は大体十年がかりで卒業するということに逆算すればなります。せめてこれは通信では五年なり六年、ここらあたりでぴしゃっと卒業できるように係数を逆算してやっていかなければ、いまの実態に合わないのですよ。これは逆算していったら十年かかります、いまの実情からいったらかかる。だからこの係数が変化していかなければならないことは間違いないので、これもいまのお話で、来年の定数法の改正のときには、これは先ほどの定時制の分校あたりの問題と同じくこれは変化もするし、上向きの姿勢でこの問題については提案をなされるものと期待してよろしいですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 結論はともかく、先ほど申しましたように、前向きに十分改正したいのですが、先生のいまの計算で、十年かからないと生徒に添削指導がたまって回答しないので、生徒は順番待っておると十年かかるだろうという意味と思いますが、そういう積算では決してないと思いますので、実態は二十四回ではないのです。実情を平均してみますと、ここ一年の間にふえまして、平均しまして三十通くらいになっているわけです。もちろん卒業をする通信制の子供は四年後に卒業するのは一割、まあそこに問題があるのですけれども、一応まじめな計算をしておりますので、先ほど来私が申しておるような積算で十年もかかるわけではございませんことだけを御了承いただきたい。ただ実情はいまの積算よりももっと改善しなければ実情に合わないということは、私ども痛感いたしておりますから、実情に合うように改正していきたい、そういうことでございます。  それからなお、これは先ほど来先生が、定通手当で実習助手は手当がないような意味で事務職員と同じだというふうにおっしゃっておられたように聞きますが、実習助手には一般教諭と同じように手当がいきますから、その点は誤解のないようにしていただきたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 きょうのところはこれで終わります。

高橋文五郎自由民主党

○委員長(高橋文五郎君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十分休憩      —————・—————    午後二時五分開会   〔理事二木謙吾君委員長席に着く〕

二木謙吾自由民主党

○理事(二木謙吾君) ただいまから文教委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案(閣法第二七号)(衆議院送付)を議題といたします。  本法律案に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。

内田善利公明党

○内田善利君 この定通法につきましては、いろいろいままで論議されてきておりますが、私も特に定時制教育の現況について質問したいと思います。  その要点は、いままでいろいろ論議されておりますが、まず第一は、定時制振興のためにもう少し全日制並みにでも施設設備の補助その他をしていただきたい、そうすべきであるということを中心に。その次には、生徒のための教育の門戸をもっと開いていただきたいということ、開くべきである。もう一つは、昭和三十六年でしたか、連携教育が学校教育法の一部改正によって認められたわけですが、この連携教育がだんだんだんだん趣旨に反してゆがめられて、現在は企業のための連携教育になっているように思いますが、こういったことを中心にして、これじゃ困るということを中心にして質問していきたいと思います。  まず最初に、先ほどからいろいろお話をやっておりますように、定時制の教職員——先生方だけじゃなくて、教職員の皆さんが職務の複雑性、困難性から非常に苦労されて、定時制の生徒を卒業させておられるということから、定時制の生徒が社会でそのまま高校卒として受け入れられていない、そういう状況にあるわけです。特に先ほどもありましたように、就職の求人案内等でも、もうすでに全日制に限るというような求人案内等が出て、門戸をシャットアウトしている、そういう状況にありますが、こういったことについて、その理由は何なのか、またこれに対して文部省当局はどのように考えておられるのか、まずその点からお聞きしたいと思います。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 御質問が非常にたくさんございましたので、施設設備の問題、技能連携の問題、さらに就職の問題等いろいろございましたが、定時制高等学校の施設設備につきましては、施設関係では一般の全日制と同じでございますが、特に定時制課程の建物につきましては、勤労青少年教育振興対策の一環として新増築まで補助対象としているわけでございまして、この点は一般の全日制以上の措置がなされていると考えていいと思います。さらに、技能連携の問題でございますが、技能連携制度では連携をしております高等学校は定時制が四十八校、通信制が二十五校、定通併修が二校、計七十五の学校が技能連携をいたしております。連携施設は三百二十八でございます。この点につきましては、いま先生のおっしゃいましたように、技能連携が企業に奉仕しておるんではないかという御質問が衆議院でもございましたが、私どもは後期中等教育の中心でございます高等学校につきましては、全日制の高等学校にいろんな勤労青年としては全日制の高等学校には行きにくい昼間職業を持っておる人々、あるいは農業なんかに従事して定期的に忙しい農業の仕事に従事するそういったような人々が夜なり、あるいは昼間の間定時的な日になら教育ができるという子供のために定時制ができておるわけです。定時制にもいろんな事情で行けないという子供のためには通信制でと、あるいは通信と定時制を併修するといったようなことから子供たちに後期中等教育の機会を与える手段方法といたしまして、その一環として技能連携施設という制度も三十六年に学校教育法の改正が行なわれましてできたわけでございます。もちろんこの技能連携施設と高等学校との関係では、大体企業に働いて、企業が定時制なり通信制の学校に集団的に入学させるといったようなものもございますけれども、あくまでも子供たちの教育の機会をできる限り広げていきたいという観点からいたしておるわけでございまして、企業に都合のよいようにということが主眼ではございません。したがいまして、御指摘のようなそういう趣旨でできておっても、結果的には、あるいは現状が企業に振り回されておるんではないかというようなことがございますれば、従来からも気をつけてそうでないようにつとめておりますが、十分戒心をしていかなければいけないと思っております。個々の具体的なそれぞれの子供たちにとりましてはいろんな事情があろうかと思いますけれども、総じてそういう趣旨で行なっておる次第でございます。  さらに卒業後の就職等の条件でございますが、これは実はこの定時制の子供たちも、数年前までは就職率が多少低く、具体的な例を申しますと、昭和二十七年には就職率が全日制は四五%、定時制は八七%でございました。ところが、四十四年の調査では、定時制は九二%余りの者が就職しているということでこの定時制に行きながら就職をしているところを卒業後も就職をしている子供もおりますし、卒業して職場を変えて就職した者もおりますが、込めまして九二%の者が就職いたしております。しかしながら、それにしても午前中安永先生の御質問にもございましたが、私どもの気持ちは定時制にしろ、全日制にせよ、後期中等教育としての高等学校の制度でございます。何ら変わったものではございません。ところが、どうもわが国では古い昔から非常に学歴を尊重する、さらに学歴の中でもとかく夜間の学校は十分な勉強をしていないといったようなことから敬遠される、理由のないそういう悪い慣習がございます。したがいまして、午前中申し上げましたように、数年前までは公平にやっている企業が三〇数%あった。最近は六〇%ぐらいになっておりますものの、まだまだ何らそういう差別を受けるべきでない子供たちが、定時制の子供は就職の場合に差別を受けている。まことに悲しいことで、遺憾なことでございます。今後ともその点につきましては、企業等にも十分御理解を得るように、進めていきたいと思っております。ただ、これは言いわけではございませんが、企業といたしましては、午前中申しましたが、一定の年齢というものにこだわったり、さらに全然就職をしていないフレッシュマンを採用したいという企業が相当ございまして、この点等につきましても、ただ企業への趣旨の徹底ということだけでなくて、午前中安永先生の御指摘もございましたが、たとえば企業主に対しての、在学中も十分企業に対して税制上の問題を考えるといったようなことのほかに、ただ企業に押しつけるということじゃなくて、もっとほかに何か就職の機会を均等にするために定時制の卒業生の子供たちにしてやれることがあればしてやりたいということで、種々検討も重ねておりますが、先生方のお教えもいただきまして、御指摘のような点はぜひ改めていきたい、こういうふうに考えております。いろいろ質問がたくさんあったようでございますので、いま三点ばかりお答えしましたが、漏れておりますれば、また補充さしていただきます。

内田善利公明党

○内田善利君 それぞれ具体的に質問していきたいと思います。  それで、制度の拡充に対する門戸を開くという意味におきまして、あるいは就職についても、広く門戸を開くという意味で、私は同じ高校卒業生である以上は、定時制ができたときにも、卒業証書をたしか高等学校卒業生ということで、就職等も全日制、定時制の区別をしないということであったと思うのですけれども、結局同じ高校卒業でありながら、全日制であり、あるいは定時制であるということから、企業も求人案内に全日制に限るというような、そういった差別をしないように、もっと広く同じ高校卒であり、また、こういう若い時代にそういう差別を私はすべきではないと、かように思うわけです。むしろ、働きながら、まじめに勉強している生徒のほうがすぐれた人格者であり、社会の求める人格者として、これは平等に就職も求人もしていくべきではないかと、かように思うのですが、そういうことについて、文部省当局として、そういった求人側に対して、そういうような指導をすべきではないかと思いますが、この点はいかがですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 文部省といたしましては、午前中もお答えいたしましたが、日経連等——日経連だけを問題にするわけではございませんが、大体全国的に大きな企業の集まりとしては、やはり組織を対象にして、そこで趣旨の普及をはかるのが一つの有力な方法であろうと思いまして、日経連とか経団連、商工会議所、まあこういったようなところに、これは大学の夜間学部を含めまして、いろいろお願いいたしておるところでございますが、さらに具体的な経営者、全国の主要な事業主等に対しましては、毎年初中局長名で、就職の機会供与に当たっては公平に、差別をしないように扱っていただきたいということをお願いもいたしておりますし、さらに府県では教育委員会が私どもの意を受けて、それぞれの地域のそういった企業とも懇談を重ねてもらっておるということで、毎年いたしておりますが、逐次徐々にはよい方向に向かっておりますが、十分でございませんので、いま申しましたようなことをもっと徹底するようにつとめていきたいと、こういうふうに考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 定時制はほとんど現況は全日制と併設されているように思うんですが、独立校は何校ありますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 定時制の学校は、公立では千六百七十五校ございますが、そのうち独立校が五百八十五、併置校が千九十でございます。私立は、百六十七校のうち独立校が二十六校でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 先ほど全日制の施設と同じぐらいに定時制のほうも施設の補助を出しておるということですが、併設校の場合、全日制と同じような設備がなされているわけですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 建物につきましては、一般の全日制高等学校と同じなのは危険改築の補助でございますが、全日制にはございません新増築費は定時制課程の建物につきましては見ております。したがいまして建物関係では全日よりもより一そう施設費の補助をしておるということが、言えようかと思いますが、設備のほうは一般教科設備と理科教育設備について補助を行なっております。ところが一般教科設備のほうは全日制高校には補助をいたしておりません。定時制高校についてだけ一般教科設備の補助をいたしております。そういうことで、もちろん十分ではございませんが、全日と定時制と比べますれば、施設、設備の国の補助という面につきましては、全日よりも定時制のほうにより一そう補助をしておるということが言えようかと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 まあ、実情は併設校の場合には図書の貸し出しにしましても、あるいは運動用具の使用にしましても、なかなか窮屈な思いをしているわけですね。まあ県費の関係になるかと思いますけれども、夜、学校にやって来て、バスケットしたいとか、あるいはバレーをしたいとかいう場合に、定時制専用のボールというのがほとんどないわけです。まあ、あっても少しですね。足らない。そういうように、全日制のほうのを借りたいわけですけれども、もうかぎがかかってなかなか借りられないという実情。まあ図書にしてもそうなんですね。そういうことを考えました場合に、私はできましたら定時制教育の振興という面から独立校がいいんじゃないか。また独立校ができない場合は、やはり独立した予算でもっと定時制関係の先生はもちろん生徒が喜んで安心して使えるような、そういう施設をもっと設備していくべきじゃないか。そういうふうに思うわけですが、この点はどのようにお考えですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) もちろん定時制課程と全日制課程が併設されておる学校が現在非常に多うございます。しかしながら先生の御指摘のような面もございまして、独立校で十分全日、定時制がたとえば施設、設備を共用するということ、これは私どもはいい面もあると思うのですけれども、御指摘のように併用だととかく全日のほうが優先するといったようなこともございますので、もし許せば独立校が実際問題としてはより一そう子供たちのためにはぐあいがよいであろうということで、昭和四十二年度から文部省といたしましても独立の定時制と通信制の併置校をモデル校としまして、一般の高校とは違いまして特段の補助金を出して、毎年この独立校の設置の推進をいたしております。こういう考えから申しますれば、独立校ができればよいと思いますが、しかし何と申しましても日本国土のあらゆる地域に子供たちの教育の機会均等という面から分校までつくっていくというようなときに、独立校だけということよりも、やはり併置校でできる限り併用しつつということのほうが、国の財政上の問題等からも、まあよりすみやかにできるということで併置校等が多いわけですが、趣旨といたしましては一定の生徒数がございまするところはできるかぎり独立校にしたほうがよい。その御意見には反対ではございません。

内田善利公明党

○内田善利君 まあ併置校の場合、先ほど言ったようなことがあるわけですが、もう少し、安心して定時制の生徒が道具を使い、あるいは図書をひもとけるような、そういうふうな雰囲気にしていっていただきたい。そういうことで何とかして国でこういった設備のほうを、設備費をもっと補助率をふやしていくということは考えられておりますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 設備の補助率をもっとよくすべきではないかという御質問のように承りましたが、現在教科設備は三分の一、理科設備は二分の一補助でございます。教科設備につきまして三分の一を二分の一にせよというあるいは御質問かとも思いますが、私どもも、趣旨として、それが二分の一であってはいけないというふうには毛頭考えませんが、三分の一でもっと充実した教科設備の内容、基準といったようなものを直していくとか、要するに、予算の増額につとめていくというほうが先決ではないか。補助率を、三分の一を二分の一にいたしましても、国の補助額が伸びませんと、結局、補助金が均てんしないで、ごくわずかなところにしかいきませんので、できる限り希望者には全部いけるような形で、まず補助額を伸ばしていく。しかる後に、補助率の問題も考えていくべきではないか。しいて位づけをつければ、いま直ちに三分の一の補助率を二分の一にするというよりも、三分の一でもっともっと補助額をふやしていきたい、こういう考え方で進んでおります。

内田善利公明党

○内田善利君 補助額も、ひとつふやしていく方向にお願いしたいと思います。  それからもう一つは、先生方の身分の問題ですけれども、特に、人事交流——定時制から全日制に異動希望がある場合に、なかなかこれができないような状況にあります。十年来、全日制のほうに直りたいと言っている先生がありますけれども、なかなか行けないという状況ですね。定時制になりまして以来、子供と夜団らんのときもない、そういったこと等、あるいは全日制になかなか行く手だてがないというようなことで、非常に困っておる先生が多いわけですが、人事交流をもっと全日制、定時制ですべきではないかと思いますが、この点はどのように考えられておりますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 四十五年度の調査で申し上げますと、全日制から定時制へ移られた先生は千六人でございます。ところが、逆に定時制から全日制のほうへ移られた先生は千二百八十六名でございます。そのほか、全日制から通信制へは七十八人、定時制から通信制は十六人、通信制から全日制へは六十五人とか、いろいろございますが、全日制から定時制へ変わって行った先生よりも、定時制から全日制へ移って行った先生のほうが四十五年度全国調査では多うございます。そういうことで、定時制に行ったらとても全日制に行けないんだということは、少なくとも、この数字からだけはすべては推せませんが、そういうことになっております。  それに、私ども、無理かもしれませんが、教師が定時制からともかく何か機会があれば全日制へ移りたいという、これは人情としてはやむを得ないのかもしれませんけれども、注文は酷かもしれませんが、定時制の教師が機会さえあれば全日制へ移ってやるという心がけは、少し、こう言いにくいんですけれども、生徒は全日制へすきあらば移ろうという気持ちはないんで、定時制の子供は定時制でということですから、やはり、私がこんなことを申し上げるのは非常に失礼ですけれども、まあそういうお気持ちも持っていただきたい。しかし、それをしいるわけじゃございませんから、先ほどの数字のように、定時制から全日に変わって行っておる先生のほうが数字が多いということで、今後も努力いたしますが、先生方にも、もう少し生徒の身になって、もっとやっていただければ非常に幸いだと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 私は交流を自由にすべきであると、こういったことで言ったわけで、それは全日制、定時制、学校数から比較してみても、もう絶対数が違うわけですから、一がいに定時制から全日制に行った数が多いからということで結論づけはできないと思うのです。それは生徒数にしてもいま非常に減っている。東京都内でも募集定員が八十名のところが入学志願者が六名、四十名の募集定員のところが一名、あるいは五名とか、こういった実情にあるわけですから、定時制の先生が全日制のほうの教師として行かれるのは当然なことだと私は思うわけです。しかしながらこの交流がなかなかなされていないということなんですから、ひとつこういった面についても人事交流がスムーズにいけるようなそういう職場にしてもらいたい、こういうふうに言っておるわけでございます。そういった点ひとつよろしく配慮し対策を練っていただきたいと、このように思います。  それからもう一つ、卒業生のことですけれども、定時制の卒業生の中で国家公務員あるいは地方公務員として行っている卒業生がどのような状況であるか、全日制に対しての比率、あるいは卒業生全体からどれくらい公務員として行っておるか、データがあればお示しになっていただきたい。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 恐縮でございますが、資料を持ち合わせませんので、さっそく調査いたしてみまして、そういう資料が人事院のほうなりにございますればお届けいたしたいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 それでは後ほどそのデータをいただきたいと思います。  次に、この間安永委員から質問がありましたときに、公立の定時制、通信制教員が二万八千百九十九人ですか、あると、ところがこの法律によって手当を受ける先生方が二万三千九百十八人だと、そうしますと差し引き四千二百八十一名は該当しないということになりますが、これはどういう理由でしょうか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) その数字の違いは休職中のもの、あるいは長期にわたって研修、出張中のものといったようなもの、さらに実習助手につきましてはほとんどが、九〇%あまりの実習助手の方が対象になるのですけれども、実習助手は政令に資格要件がございまして、高等学校を卒業しておるとかといったようなことで、高等学校を卒業していないで実習助手をやっておられる方は、高等学校の生徒に、実習にしても、教師として教育するのには資格要件が足りないといったような方が一割ぐらいおられます。そういったような方々で、いま先生が申されました本務者とこの手当の受給者との間に若干の開きが出ておるわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 先ほどもこれが論点になったわけですが、定通手当というのは、私は資格というよりも、やはり定時制教育に携わっているものということでやはり実習助手はもちろん、事務職員に対してもこの定通手当は私は差し上げるべきではないか、このように思うのですが、ここでも事務職員の方については、先ほど答弁があったわけですけれども、実習助手も資格がないということで手当がいただけないと、同じ職場にあって一方はもらっている、一方はもらわない、そういうことは教育の場としてはあるべき姿ではないと、このように思うわけですが、この点はいかがでございますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 私どもこれはけさほど安永先生の御意見にもございましたのですが、一つの学校という組織で働かれる方が、小使さんであろうと校長さんであろうと仕事に上下はないと思うのです。仕事そのものを小使さんはたいした仕事をしていないとかしなくていいとか、そういう意味で言っているわけでは毛頭ないわけなんです。しかしながら、学校の先生は免許状を必要とされる、こういう資格がないと教師にはしないといったような資格要件というものがございます。したがって、教育公務員特例法は、これは教員を中心に書かれております。事務職員のことは特例法の対象になっていない。だからといって、教育公務員特例法の適用範囲に事務職員が入っていないから、事務職員を軽視しておるのだという意味では毛頭ないわけなんです。ただ、子供の教育を直接つかさどる、その教師という点に焦点を合わして特例法ができておる。そのことは、何も事務の人はたいした仕事じゃないのだという意味では毛頭ございません。そういう考えで実習助手につきましても、これは特例法の対象にもなっておるわけです。教育という面にウェートがかかっているわけです。したがいまして、だれでもよいのだ、だれでも実習助手になれるのだということでは、やはりこれは教員ほど免許状を必要としていませんけれども、やはりその資格要件は要るのではないか。数年前までは短大卒ということでございましたが、高校卒以上というふうに、だいぶ資格要件が緩和されたようでございます。さればといって、高等学校に行っている者は賢くて、高等学校に行っていない者はだめなんだという意味では毛頭ないので、やはりある職について形式的な資格要件というものが原則としてあるということは、やはりあらゆる制度を根本的に洗い直してやるというのも一つの手でございましょうが、少なくとも現状ではそういったことで実習助手の方々にはそういった資格要件ができておるわけでございます。だからといって、その資格要件を持たないで実習助手になっておられる方が役に立たないとか、仕事ができないのだということを申しておるのでは毛頭ございません。その点どうも説明が苦しゅうございますが、御了解賜りたいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 あげ足をとるわけじゃありませんけれども、資格という面からいきますと、たとえば産振手当——産業高校の水産高校とか農業高校とかあるいは商業高校の先生方には手当がありますね、産振手当ですか。そういう産振手当が出ている。同じ化学なら化学の先生が大学卒業して、一人は工業高校の化学の先生に、一人は普通高校の化学の先生になった。同じ資格、同じ力、同じ教育をやっていると私は思うのです。そういう先生が、一方は産振手当をいただく、一方は同じ教育をしながら、普通高校に行ったばかりに手当はつかない、こういう矛盾も私はあると思うのですね。こういったことに対してはまたいろいろ御答弁があるかと思いますが、私はこれを云々するわけじゃありませんけれども、やはり同じ職場で同じ定時制の生徒、勤労青年を教育する場にある方は、先ほどから論議ありますけれども、事務職員の方々もやはり同じような苦労をしているのじゃないか。また、実習助手の方々も同じ苦労をしていると私は思うのですね。そういう場にある先生方に対してはやはり、同じ手当を、率はまた考えることもあるかもしれませんけれども、やはり手当は出すべきじゃないか。普通高校と工業高校のような、そういった例を考えてみましても、同じ職場の先生には手当を出すべきじゃないか、再度、このように思うのですが、この点どのようにお考えですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 産振手当のほうも事務職員にはいっていないわけでございますが、同じ職場で働くのだから、そんなにある人にいって、ある人にはいかないということをするなというのは、確かに一つの御意見でございますが、しかし、私どもは、教師というものは余人をもってかえがたい。先生方の仕事というものを非常に高く評価するわけなんです。専門職なんです。余人をもってかえがたいりっぱな先生を得て、りっぱな教育をしていただきたい。そういうことで、同じ学校に働くなら教師ばかりりっぱな方じゃなくて、事務職員だって全部りっぱでなければいかんじゃないかという一つの御意見ですが、しかし、特に力を入れて先生方はという気持ち、これはそういうことであらゆる考え方で手当等もいっておりますので、事務職員にはまた別の面で考えても、直接子供の教育に携わる先生方に御苦労が多いという点に着目をしているわけでございます。ですから、その他の事務職員の処遇改善ということは、これは本俸でもできましょうし、いろいろ他の方法で考えられるのではないか。少なくとも現在までの制度はそういう考え方できております。しかし、それに対しまして、そうは言っても、同じ学校で同じように働くのではないか、という点の御意見、決して否定はいたしませんが、将来の検討課題として十分検討はさしていただきますが、少なくとも今日お出しいたしておりますこの定通手当につきましては、今日まで先ほど来申しておるような考えに立っておるわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 よろしく善処をお願いしたいと思います。  次に、定時制あるいは通信教育関係に非常に中退者が多い、こういうことですが、その実態、原因、対策はどのようになっておりますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) これは脱落率——脱落ということばもいろいろございますが、ともかく、ことし入学すれば、全日制なら三年後には一応卒業するということを本体として、そうでない者という意味で、それを脱落というふうにとりますと、全日制では三・三%の者が入学後三年後に卒業いたしておりません。それに対しまして定時制のほうは二八・五%の者が四年後に卒業いたしておりません。そこで、確かに全日制のほうがほとんどの者が三年たてば卒業してまいりますし、定時制の者は三〇%近くの者が四年後に卒業していっていない。これにはいろいろ原因があろうと思います。特に定時制では勤労青少年が大半を占めております。働きながら勉強するということは、口ではやさしいと思いますが、本人にとってみればたいへんな負担であろうと思います。そういうようなことから、比較的全日制に通って職業を持たないで学校にいくことを本体としておる子供と働きながら学ぶ子供、これにはお気の毒ですけれどもハンディキャップがあろうと思います。そういうことが一つの大きな原因ではないか。まあこういうようなことで最近定時制を四年は長いので三年にしたらどうかというような御意見もあるわけですが、そうすれば、はたして四年でも脱落するのに三年にしたらなお生徒に負担が過重になってくるんではないかというような面もございまして、私どもにわかに原則として三年にしますというようなことがなかなか言いにくいんですが、したがいまして、そうはいうものの、定時制でもう三年でも十分卒業できるような時間のゆとりがある子供もあろうかと思います。今後五日制に企業等がなっていきますれば土曜、日曜日は休みであるといったようなことで、まあ非常に余暇ができ、勉強の機会もできますので、そういう面もございますが、ともかく定時制に通う子供の生活実態というものは全日制に通う子供よりも非常にバラエティーに富んでおる。とりわけ職業を持っておる、それから経済的に苦しいという点、それがまあ脱落、いわゆる脱落の原因であろうと思います。したがいましてそういう面に焦点を当てて今後——実は来年から全国三十校を研究指定校にお願いいたしまして、一人一人の子供のあらゆることを調査してみたいというふうに思っております。したがいまして三十校ばかりでは全体を推すのには数が少のうございますが、そういった意味で研究指定校を設けまして子供たちの一人一人の個票をとるぐらいの調査をして、いま先生がおっしゃいましたような点の改善等についても検討をしてみたいというふうに考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 こういった非常にまあ経済的にも、あるいは時間的にも生活の上からも制約のある生徒たちに対する教育ですが、まあ定時制教育にしてもあるいは通信教育にしても今後はやはり高度な、能率の高い授業内容が求められてくると思うんですが、情報化社会に適応するためにもテレビあるいはVTRとかあるいはそういった視聴覚機械の設備、こういうことも非常に定時制教育には必要ではないかと思うわけですが、こういったことに対してはどのように計画をしていらっしゃるか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 全日制、通信制、定時制等を含めまして、十六ミリ映写機、スライド映写機、オーバーヘッド投影機、テレビ等の助成を公立私立通じまして三分の一の補助を行なっております。四十六年度は一億円の予算でございますが、先生の御質問は全日制に比べて特に定時制、通信制に視聴覚設備をより優先してやるべきであるという御質問でございますれば、全部総じてやっておりますが、運用にあたりましてそういう点は今後気をつけていきたいと思いますが、予算的には高等学校全体合わせましてそういったものを補助いたしておりますし、また毎年この予算の増額をはかっております。今後ともそういう点につきましては努力していきたいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 定時制が主ですけれども、定時制に出ている生徒の日常活動というのはもう会社に行って非常にいろいろ種類はあるかと思いますけれども、労働をして、そしてそのあとで学校に行っており、夜おそくまで勉強するということで健康管理という面が非常に大事だと、かように思うわけですが、そういった意味でも養護教諭を定時制には全校配置すべきであると、このように思いますが、この現状と、これに対する対策はどのように考えておられますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 現在の標準法、午前中にも安永先生から御質問がございましたが、四十二年から始めました第二次五カ年計画、四十六年度をもって完成する予定で進めております、その標準法では、養護教諭につきましても従来はたとえば全日制と定時制を込めて養護教諭の算定をいたしておりましたのを、それでは定時制が全日制の中にかすんでしまいますので、定時制と全日制を別々にいたしまして、また生徒数が六百一人以上のときには一人、それから二千四百人以上は二人というふうになっておりましたのを改善いたしまして、六百一人以上一人というのを四百五人以上に対して一人の養護教諭を置く。それから二千四百一人以上二人とありましたのを二千百六十一人以上二人というふうに直しました。もちろんこれでも十分ではございません。これは小、中通じて養護教諭の必置制はよく先生方からもおしかりを受けるところでございますが、今後の目標といたしましてはどんなに小さな学校にも必ず一人行けるように来年以降の定数設定につきましては十分そういう点を考えまして努力いたしたいということでいま前向きに検討いたしておるところでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 それから給食ですが、まあ、全校いま給食が行なわれておるわけですけれども、この給食調理人の実態ですね、これは生徒の負担によってまかなわれておる実態ということですが、それを明らかにしていただきたいと思います。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) ちょっと所管が違いまして、恐縮ですが、体育局、午前中来ておりましたがいま見渡して、おりませんので私から不十分ですがかわってちょっとお答えいたします。  調理人につきましては、一校いままで一人でございましたが、今後二人ということで交付税上の積算をして改善したようでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 これで定時制関係の質問を終わりますけれども、結論としまして、定時制教育振興のためにもっと全日制並みの補助をすべきであるということと、より生徒のための就職あるいは学問のチャンスを開いていただきたいと、こういうことを要望しまして次の問題に入りたいと思いますが、これも定時制教育と関係があるわけですが、定時制を卒業して大学に行きたいというものが相当あるわけですけれども、この場合に、やはり定時制を出た以上はやはり定時制の大学に入りたいというのが、またそれがノルマルないき方だと思うんですけれども、先ほども夜間の大学云々ということばが出ましたが、やっぱり国立の大学に定時制をつくるべきじゃないかと思うんですが、この国立大学に定時制が置いてない理由は何なのか、夜間の私立大学に現在はまかせっぱなしでありますが、この理由を聞きたい。

村山松雄文部省大学学術局長

○政府委員(村山松雄君) 国立大学にかかわらず、大学は現在のところ定時制という考え方は学校教育法上ございませんで、夜間の学部を持つことができる。それから通信による教育を行なうことができるということになっております。そこで、夜間の学部について申し上げますと、現在国立大学といたしましては、夜間の課程を持ちますものが大学の数にいたしまして九つ、学部の数にいたしますと十二ございます。入学定員は全部で千百七十名ということになっております。必ずしも多くございませんけれども、国立大学でも勤労青年教育のために門戸を開くべきだという考え方で、今日までに以上申し上げました九つの大学に夜間の課程を置いておるのが現況でございます。   〔理事二木謙吾君退席、委員長着席〕

内田善利公明党

○内田善利君 国立の夜間大学ですね、定時制を卒業した学生はどうしてもやはり夜間大学ということが望ましいわけですが、やはり私立の夜間大学では授業料も高いし、何といっても国立の夜間大学をもっともっと広げていただいて、定時制卒業生が夜間大学に入れるような方向へ進んでいただきたいと、このように思いますが、この点いかがですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○政府委員(村山松雄君) 文部省としましては、勤労青年に対しましても大学教育の機会を広げるという趣旨で国立大学に対しましても夜間の学部の設置はこれを奨励いたしております。まあそれによりましてたいへん数は少のうございますが、現在までに九大学できたわけであります。また短期大学の相当課程といたしましては現在二十ほどございまして、入学定員にいたしまして三千人程度の規模になっております。ただ、問題といたしましては、最近この勤労青年教育という趣旨に照らしますと、夜間の学部についてはいろいろな問題が出てまいっております。特に勤労青年でないもの、つまり昼間に入りたいけれども昼間に入れないためにやむを得ず夜間に来るというものがふえております。ある大学ではむしろ有職者よりも無職者のほうが多いというようなことになっておりまして、現在のように入学志願者を特に限定しない限りにおいては、こういう傾向がむしろ増大するように感ぜられます。また大学としてはやはりどういたしましても学力の高いものを採りたがるという傾向がございます。勤労青年でありますと、学力の点から申せば、たいへん遺憾ではありますけれども、必ずしも高くないというようなことから、現実の問題としてはなかなか入れないということもございます。また大学においてはやはり夜間の学部を置くことはそれなりに教官の負担も高くなることでございます。そういうことからいたしまして、文部省としては奨励いたしておるわけでありますけれども、夜間部設置ということは大学側で必ずしも活発に取り上げるところに相ならないというのが現況でございますが、文部省といたしましてはなお努力いたしたいと考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 これはちょっと法案と関係が遠いかもしれませんが、夜間中学の実態はどうなっておりますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) その夜間中学のことをお答えします前に、先ほど給食の調理人のことで他局のことで重大な間違いを申しましたのでちょっと訂正さしていただきます。  二、三年前に一人から二人になったようでございますが、特にこのたびから二人の積算が賃金であったのが、一人が給与費に切りかえられたということでございましたので、とんでもないことを申しましたので訂正さしていただきます。  夜間中学の実態と言われますと、いろいろ実態があるのでございますが、現在四十五年度まで六つの都府県に二十校ございます。それから、ことしの四月から東京に一校ふえましたので現在では二十一校でございますが、昨年までの二十校で申しますと、在籍者が七百二十六名でございます。そのうち十五歳以下のいわゆる学齢生徒は八・八%で一割にも満ちておりません。年齢構成は非常にバラエティーに富んでおりまして、五十歳以上の方が六%、ほぼ学齢の子供と、四十六歳以上が一〇%でございますので、学齢の子供は一〇%に満ちませんし、四十六歳以上の方は一〇%おられるということで非常にバラエティーに富んでおります。一番多い年齢は十六歳から二十五歳ぐらいまでの間に、四十数%の子供は十六歳から二十五歳ぐらいまででございます。そういうふうに生徒の年齢別構成は非常に多様でございます。  それから、こういう方々は九十一、二%の方が学齢を過ぎた方々ですが、なぜこれらの方々は中学校へ行かなかったといったような観点から調査をいたした資料がございますが、それによりますと、やはり経済的に困る、家庭が貧しかったという方が三三%ぐらいおられます。そのほか保護者が無理解であったとか、あるいは片親であったとか、両親いなかったとかいったような本人の責というよりも家庭の事情というものが五七%でございます。それ以外の本人が病弱であったとか学校ぎらいであったとかいったような本人の責に期すべき理由で中学へ行かなかったという方が二五%ぐらい、その他外国から引き揚げたとかいろいろございますが、そういうことで六〇%近くの方が家庭が貧しかったのだということのようでございます。それから、そういう方が学齢が過ぎますと、いまの制度ではもう一度義務教育を受けなければならないということにはなっておりませんが、学齢を過ぎてなぜ夜間中学へ入ってきたのかということで見てみますと、その後高等学校へ入りたいという人が約一八%ございます。そのほかいろいろ細かい資料取っておりますが、そういうことでなく、ともかく中学校教育ぐらいは終了しておきたいとか、教養を身につけておきたいといった、自分自身を磨きたいのだという方が六四%、あとは非常に数字が小さくなりますが、看護婦になるための資格要件が要るとか美容師、理容師、調理師、あんま、マッサージ師、こういったそれぞれの職業につくための受験資格といったようなことで中卒の資格が要るんだというような方々、合わせまして六%くらいの方々が直接そういった職業上の資格がほしいんだということのようでございます。そのほか実態と申しますといろいろございますので、具体的にお尋ねの点で御説明してまいりたいと思いますが。

内田善利公明党

○内田善利君 夜間中学というのは学校教育法にも認められておりませんし、小、中学校に夜間課程というのは認められていないと思うのですが、こういった方々のために中学校卒業資格を与えられていると思うのですけれども、それはそれでいいわけですね。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 恐縮ですが、もう一回……。

内田善利公明党

○内田善利君 夜間中学というのは学校教育法にないわけですね。小、中学校に夜間課程というのは認められていないわけです。ところが、こういって卒業した方々には中学校卒業資格を与えて高校入学の希望を与えているわけですが、そういった中学校卒業資格は与えられているわけですね。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 実は私どもとして非常に形式的には痛いところを御質問いただきましてまことに恐縮なんですが、御承知のように、行政管理庁のほうから、夜間中学校は廃止の方向に進めという勧告をいただいておりまして、片やそうはいっても夜間中学からは目をそらすなという叱吃激励もこういうところでは受けますし、まことに困るのですが、そういうことで、いまの御質問も確かに夜間中学というのは法制上認められておりません。高等学校は全日制に対しまして定時制等夜間課程が置けますし、大学も夜間が置けますが、小、中学校には夜間課程が置けるということが書いてありませんので、したがって夜間課程はいけないということでございます。しかし私どもは、先ほど申しましたように、七百何名のうちの一割近くの方は学齢の十五歳以下の子供さんです。これらの人々が夜間中学へくるということは、これは絶対にそういうことでなく、昼間の中学にいけるように、いかすようにこれは努力したい。したがって学齢生徒のために夜間中学は絶対に置きたくない、これは行管のおっしゃるとおりでございます。しかしながらそうはいっても、法律上義務ではなくても、先ほど言いましたようないろいろな理由から教育を受けたいんだという方々があるのに、形式論を振りかざしてそういうものは認めないんだ、国は知らぬのだというようなかたくななやり方がはたして行政であろうかというような反省から、私どもはっきりしないのですけれども、学齢を過ぎた方々のこういうことはあるいは学校教育でない社会教育的な観点からやっていくのがいいのかもしれませんが、そういう理屈は別として、行管がおっしゃるようにすぐやめる気にならないわけなんです。そういうことでいまの御質問にお答えしにくいのですけれども、これはやはり中学卒業の資格は差し上げております。

内田善利公明党

○内田善利君 学校教育法を改正する考えはありますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 学齢の十五歳以下の子供のための夜間課程という意味で、学校教育法を直すべきではなかろうと思います。行管の勧告にありますように、十五歳以下の子供のために夜間課程を置きますれば、これは昼行かないで夜のほうへと、本人の理由もありましょうけれども、そうでない家庭等の事情で夜間を認めれば夜間に流れていきますので、これは子供のためにならない。そういう意味におきましては直すつもりはございません。しかし学齢を過ぎた方々が、いろんな理由があるのですけれども、しかもこの夜間中学の在籍者というのは非常に波があるのですが、最近またふえたのですが、一とき非常に少なかったのです。これは韓国から引き揚げた方が入っておるとか、そういう言い方をなさる方もあるのですが、どういうことか波がございまして、したがいましてそういう方々のために、学齢を過ぎた人のために夜間課程を置くといったようなことであればこれは検討課題にはなろうかと思いますが、学齢の子供のために夜間課程を置くような意味での法律改正をする気持ちはございません。

内田善利公明党

○内田善利君 現在の夜間中学校の先生方の待遇はどうなっていますか、実態は。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) これも認めてない学校、表向き認められていない学校でございますので、いろいろ手当を出せとかいわれるのでございますけれども、これも正直に申しまして、あまり形式的にはよくないかもしれませんが、定数法上私どもは見ております。夜間だとか何とかいわないで中学校の先生ということで県から申請がありますので、私どもはそれが夜間の先生かどうかわかりません。中学校は昼間だろうと思って定数を措置しておる、しかし実際には夜間を教えておられるというようなことでまことにすっきりいたしませんが、そういうことでございますので昼間の先生と多くの方が同じでございます。ところが県によりましては県単の措置をなさっておられる県もあるようでございます。したがいまして給与はどうかと言われれば昼間の先生方とほぼ——ほぼといいますか、全く同じであるといえると思います。しかし先ほど来その夜間の勤務者には夜間手当を出すべきだといったような意味で昼間以上に優遇すべきだということでありますれば、これは県によってやっておられるところもあるようでございますが、私どもとしてはそれに対して奨励するという態度はいままでとってきておりません。

内田善利公明党

○内田善利君 それでは最後に、連携校のことについてお聞きしたいと思いますが、先ほど連携教育について若干お答えがあったわけですが、この連携教育の実態は、企業内の、企業の教育施設に定時制高校の先生が出かけていって出張授業で定時制通学あるいは通信制スクーリングにかえておるというような実態で、実際は定時制高校には通学しないまま企業内で卒業資格を取っている、こういう実態にありますが、この点はどのように対策を講じられる予定ですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 連携施設と連携を保っておる高等学校とございます場合に、その高等学校の先生が連携施設の教室に行って教えるという場合にこれは原則としては高等学校に生徒が来るのが原則でございましょうが、それから言えば例外であり必ずしも奨励すべきことではございませんが、しかし子供の教育という面からしますれば数十人の子供が何時間あるいは一時間なりかかって高等学校へ行く前に、先生がその施設に出かけていって、五時なら五時に教えるということは、これはあまり乱に流れてはいけませんけれども、場合によっては必要なことであろうというふうに私どもは考えております。したがいまして、絶対にいけないというようなことで、厳にそれを禁止するという態度はとっておりません。そのように指導いたしております。しかし、企業へ行って先生が教えるべきだというような指導をしているわけでは毛頭ございません。

内田善利公明党

○内田善利君 それと、もう一つ問題点は、直接企業の手で設立した技能教育施設が広域通信制、通信教育と連携を行なった場合に、だんだん企業への集団入学が行なわれると同時に、このことで、定時制高校に通学可能な者までも通信制との連携教育のために定時制に行かない、むしろ定時制高校に通学したほうがいいのに定時制のほうには通学しないで通信教育のほうをやっている、そういう施設が二つぐらいあるわけですね。こういったことについてはどのように考えておられますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 御質問の御趣旨はわからないでもないんでございますが、私ども、全日制に行けない子供は次は定時制に行ったほうがいい、定時制に行けない子供は次は通信制に行ったほうがいいといったプライオリティーはつけたくない。通信には通信としての意味があり、定時制には定時制としての意味があり、またその子供らの考えあるいは環境といったようなことからでございますので、先生のおっしゃるお気持ちは十分わかるんでございますけれども、定時制に行けるのに、通信に行っておるのはいけないということも一がいに言えないのじゃないか、やはり通信には通信としてよい面がございます。申すまでもなく、たとえば、企業が四時半か五時ぐらいまであって、定時制が五時から始まるというときには、子供は食事もしないで学校へ走っていかなきゃいかぬ。それよりも、通信で勉強したいんだという子供は通信でやってもよいわけでございます。ただ、その企業が定時制に行かしたら二時間か三時間かかる、そしてもう五時にはきちんとやめなきゃいかぬ、通信だったら、六時、七時まで残業さしてもよいといったような安易な考えで通信を選べというようなことで通信に集団入学をしておるということでございますれば、私どもも十分企業主の御理解を得るように指導いたしたいと存じますが、一がいに、定時制のほうがよいんだから、通信はその次だという考えでの指導はちょっとしにくいんではないかというふうに考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 今度は生徒の側から考えますと、生徒は就職する場合には、集団就職でもいいんですが、高校に行かせる、高校に行けるんだという希望を持って会社に、企業に入るわけですが、ところが企業内だけで、学校に行くわけでなし、そういった通信教育で卒業資格を取ることになるわけですが、やはり子供たちにとっては、高校に行けるんだという希望を持って企業に入ったけれども、何もそういうことはなかったというような考え方を持っている生徒が相当あるわけですが、そういった意味で、やはり企業のための定時制教育、通信教育ではなしに、子供たちの希望をかなえてやるような高校教育というふうな教育がなされていくべきじゃないか、通信教育の発足あるいは定時制教育の発足当初とはだいぶゆがめられてきて、企業のための高校教育がなされているように私は思うんですけれども、どのようにお考えですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 企業が子供たちに自分の会社、事業所へ来れば全日制なり定時制の高等学校へ行かしてやるというふうに言いながら、子供が就職すればそうじゃなくて通信制に行かした、子供たちの夢をそこでこわしたというようなことでございますれば、申し上げるまでもなくこれは企業としてとるべき態度ではなかろうと思います。そういうことで、まあ私どももそういうことを一、二従来聞きまして、これはちょうど私立大学の入学金と同じですが、就職した後の事実をはっきり子供たちに納得さしてやってもらいたい、通信制と定時制に差等を設けるわけじゃないですけれども、高等学校といえば全日か定時ぐらいに子供たちが思うのが常識だと思います。したがって、子供の夢を破ることのないように、従来からも府県を通じて事業所等へそういう趣旨徹底をやってまいっておりますが、そういうことのないようにその点は十分留意したいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 ある本に書いてあるんですが、昭和四十五年の十一月に大阪府のある紡績労働組合が公立定時制高校進学保証という労働協約を確立したということなんです。この問題は、労働組合の教育要求としては非常に注目すべきものであるというふうに書いてあるんですけれども、この紡績工場には、毎年沖繩から二十名ないし三十名が集団就職しているわけなんですね。その募集にあたっては、紡績協会が経営している私立高校分校であるB学園に入学できるというパンフレットが配られているわけです。ところが、この生徒たちが就職してみましたら、B学園というのは通信制だった。しかも校舎は工場内の仮校舎、教師は十四名中五名は近くの府立高校の非常勤講師、労務担当職員を含む残り九人は高校教諭の免許状を持たなかった、中には高校を出ただけで職員になっていた人もおるということで、しかも年間二十日間のスクーリングも仕事のために受けられなかった。そうして落胆した少女たちは退職し、帰郷が相次いだと、こういう記事なんですけれども、こういうことはそう例がないことかとも思いますけれども、こういったことが行なわれていくんでは、先ほどから申しますように通信制教育あるいは定時制教育の本来の姿から相当ゆがめられているんじゃないかと、こういうふうに思うわけです。このようなことでは、せっかく中学を卒業してその私立高校分校B学園に入学できるということを楽しみにしてきた生徒たちが落胆するのは当然だと、こういうふうに思うわけですが、こういった企業のためのこういう定時制高校あるいは通信制高校との連携ということは、ひとつよく実態を調査して対策を講じていただきたいと、このように思うわけですが、いかがでしょう。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) いま御指摘の点は私どもも新聞で拝見しました。そこでさっそく、大阪だったと思いますが、大阪府の教育委員会のほうにその真相を調べさせました。確かにその企業の就職の募集要綱がはっきりしてなかったようでございます。そういうことで通信の関係で、通信が悪いというのじゃなくて、通信なら通信だということをはっきり子供たちに趣旨の徹底をしなさいということで府教委に連絡をとり、府教委のほうは知事部局と相談をして、その企業主にも来てもらって、今後そのようなことのないようにするということでございました。それからなお、資格がある教師云々という点につきましては、これは新聞のほうが報道が多少行き過ぎたようでございまして、子供たちの自学自習の相手をするといったようなことで、そういう職員がいるようでございます。したがって、その職員が教えたのが単位になるというものじゃないので、通信で勉強しておる、その勉強を親や兄弟や家庭教師が見る式の自学自習の援助をする、そういう職員がいるということでございましたので、これは学校の教員とか単位を与える技能連携施設の関係でございませんで、その点は多少新聞にもちょっと事実と反することがあったようでございますが、いずれにしましても子供たちの期待に沿わない、企業のために子供をつったように言われてもしようがないような形でございましたので、厳重に注意はいたしまして、今後そういうことがないようにということで企業主のほうへも申しておったというふうに記憶いたしております。

内田善利公明党

○内田善利君 最後に要望申し上げたいと思いますが、やはり働く青少年教育のための教育であってほしい、企業のための教育では困るということと、もっと働く青少年のために、教育、学問また就職の門戸を広く開いていくべきであるということと、もう一つは、定時制教育振興のために、通信教育振興のために全日制並みの予算の補助額をあげるべきである、この三つを要望して私の質問を終わりますが、最後に政務次官にこのことについて御所見をお伺いして質問を終わりたいと思います。

西岡武夫自由民主党文部政務次官

○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。  ただいま先生からるる定時制教育、通信教育の充実についての御意見があったわけでございますが、文部省といたしましても、今度青少年が勉学の意欲に燃えている。その意思を十分生かせるように諸般の施策を充実していかなければいけない、その責任を痛感するものでございまして、今後大いに施策の充実のために努力いたしますことをお誓いをするものでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 午前中安永委員から、また内田委員から定時制高校あるいは通信制高校の実態の上に立っていろいろな御質問があり、また御提案があったわけでございますが、私も全く同感でございます。教育の機会均等の立場からのいろいろな問題、あるいはまた弱い者や貧しい者に冷たいという状態が非常に浮きぼりにされたようでございます。いまさらのように遺憾にたえないと私はしみじみと考えたわけでございますが、時間のつごうもございますので、重複を避けながら質問をしてまいりたいと存じます。  定時制高校の在学者数が激減をしておるのに対し、通信制高校の在学者数は増加の傾向にあると聞いておりますにもかかわりませず、通信制高校についてはいままであまり配慮がなかったように思われますので、私は、きょうは通信教育の振興の立場からお尋ねをいたしたいと存じます。  まず、全日制高校と定時制高校に通う学生を除いた当該年齢の青少年の数は幾らくらいございますでしょうか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 十五歳から十七歳までの総人口が、四十四年度でございますが、五百五十三万一千四百八十八人でございます。そのうち全日制に三百九十二万三千三百八十三、定時制に三十万五千百七十九、通信に五万六千八百二十四名、別科に二千二百五十一名、高等専門学校に二万八千二百六十六名行っております。したがいまして、残り約百三十万人ということになります。ちょっと先生の御質問の意味がよくわかりませんでしたが……。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 よくわかるように私質問したはずでございますが、全日制高校と定時制高校に通う学生を除いた当該年齢の青少年の数、こういうことをお聞きしたはずでございます。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 十五歳から十七歳までの総人口が五百五十三万でございます。全日制と定時制に行っておる子供が四百二十三万でございます。したがいまして、十五歳から十七歳までで、定時制と全日制の高等学校に行っておる子供以外の子供は百三十万人ということになります。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 その中で何%が通信制高校に学んでいるわけでございますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 百三十万人に対しまして、通信制高校へ行っておるものが五万六千八百二十四でございますので、割り算いたしますと約四・八%に当たろうかと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 たいへんいろいろ計算をさせまして申しわけございません。  そこで、まず通信制高校生が増加するということでございますが、どういう理由によってこの通信制高校生が増加するのでございましょうか。その増加の理由についてお尋ねをいたしたいと存じます。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 通信制高校の生徒が、いま申しました四十四年度の数字よりも四十五年度がもっと多いというふうに、非常に最近ふえてまいっております。何がゆえにふえるかという科学的な調査は十分できませんが、考えますに、ここ最近、NHKをはじめといたしまして、四つ、五つの、これは私立の高等学校でございますが、全国的な、その県内の子供ということでなくて、全国を対象にしたような広域の通信制の教育をする学校がここ数年五校ほどふえてまいりました。したがいまして、それが一つの大きな理由ではなかろうかと思いますが、そういう面とは別に考えますと、いろいろ通信教育を受けておられる方々、受けるようになられた方々が、従来なかったその生活時間の中で勉強ができるような生活時間ができたとか、いろいろ想像でございまして科学的に調査した結果ではございませんのではっきりしたお答えはできませんが、学校がふえたこと、さらに本人の環境がよくなったこと、まあこういうことが通信制の生徒がふえた原因ではなかろうかと思っております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 過去五年間における通信教育の受講生の状況についてお伺いをいたしたいと存じます。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 昭和四十年が十二万三千六十八人の在籍者でございます。四十一年が十二万七百五十六、四十二年が十三万六千二百九十九、四十三年度が十四万六千七百十九、四十四年度が十五万一千五百三十二、四十五年度が十五万六千五百九十九名、こういう傾向になっております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そのうちで、卒業をいたしましたのはどれくらいございますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) これ、四十年の三月に卒業しました者が二千九百九十九名です。四十一年三月に卒業しました者が五千七百十一、そういった意味で四十二年は一万三百七十二、四十三年はほぼ同数で一万三百六十五、四十四年は一万三百九十四、四十五年は目下調査中でございます。  以上のような数字になっております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 その卒業生の中で大学に進学したのはどれくらいございますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 通信制の高等学校の生徒ということで、その後の大学進学さらには卒業といったような調査はいたしておりません。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 まあ、そういうことも一応お調べをいただいておいたほうがよろしいんじゃございませんか。そしてまた、それが定時制高校との関連も一応お調べいただいたほうがよろしいかというふうに考えるわけでございます。  卒業率というのが非常に悪いわけでございますが、時間がございませんからこれはお聞きすることをやめたいと思います。  そこで、現在における通信教育の問題点について文部省はどのように把握をされておりますのか承りたいと存じます。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) いま申し上げました数字でおわかりかと思いますが、通信教育の在籍者の数は多いわけでございますが、卒業をしていく者が非常に少のうございます。特に通信教育も高等学校ですので、全日制と同じように四年で卒業いたしますが、四年ないし五年で卒業できる子供が約一二%ぐらい、一割前後しか四年、五年の間に卒業いたしておりません。そういうようなことから、これは通信教育を受けます方の中にはあるいは高等学校卒業の資格をとるというのじゃなくて、幾つかの科目を勉強したいとかいった特殊な方がおられますけれども、やはり学校をつくりました以上、科目をつまみ食い的に覆修するというのじゃなくて、やはり四年の通信課程を終了してもらいたいという気持ちを私どもも持ちます。そういう意味から申しますと、この中途脱落者が非常に多いということが何ものにも優先して一番問題点であろうと思います。まあ脱落いたしますのも、これもなかなか的確な調査ができませんが、やはりこの通信教育を受けます方々は主婦の方々のような方もおられますが、職業を他に持っておられるという方で、ただ通信教育を受けるだけに専念しておるという人はほとんど病気をしておられるといったような方以外には皆無であろうと思います。そういうような点で、なかなか脱落する理由も雑多でございますが、大体本人が中途で熱意を失う、根気が続かないあるいは勤務先の事情で勉強ができなくなるとか、家庭の事情とか、いろいろ考えられると思いますが、ともかく脱落を減少させていきたいというふうに考えております。そのためには無理のないような、学習ができるようなカリキュラム編成上のくふうを講ずる必要があるのじゃないか。さらにはこれは通信制の子供は在籍者として何千人、何万人でございますが、それぞれの生徒は一人一人でございまして、友だちとのつき合い等もあまりない、言うならば孤独であるというようなことから、根気もなくなるわけでしょうから、そういった意味におきましてはなかなかむずかしゅうございますが、スクーリング、面接という点も、これは一面では面接の時間をあまりふやしますと、通信制はむずかしゅうなりますが、しかし、ただ一人で勉強しておるというのも問題がございまして、そういう点を勘案してのスクーリング、さらに午前中の御質問にもございましたが、添削指導等にもっときめこまかい添削指導で本人を励ますようなこと、あるいは放送の利用、こういったような点についてももっともっとくふうをしていかなけりやいかんのじゃないかといったようなことでございますが、さらにこれは現在も細々と講じておる措置でございますが、通信制のある一定、所定単位をとった子供には二年次から学習書をただでやるといったようなことをしておりますが、もっともっとこういう制度も拡充していく必要があるのではないか。いろんなことを考えられますが、要は脱落をいかにして防ぎ、卒業率をいかにして増していくかということが一番大きい問題であろうと思っております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 やっぱり脱落の理由、先ほどもおっしゃいましたけれども、活字教材の内容の理解が非常に困難であるということも言えるのではないかと思いますし、先ほどのお話しのように、自分一人で学習するための孤独感というようなものもあろうかと思います。スクーリングの困難点というようなものもございましょうし、あるいはまた雇用者の無理解というようなものもあろうかと思います。そういったいろいろな問題が一緒になってと申しますか、そういうもので脱落者が多くなっていくのではないか。こういうことも考えられますので、そういった脱落をする原因について十分きめこまかくお考えをいただいて、それに対処するような方法をお考え願いたいものと思います。  そこで、この教科用図書についての特別の配慮ということがうたわれているわけでございますけれども、どういうような教科用図書についての配慮がなされておるのか承りたいと思います。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 通信課程の二年次に進んだ子供が一年次のときに十四単位以上修得をした者、それから三年次に進んだ子供が二年次までに二十八単位以上修得した者、こういう者に対しまして、次の年度に残ったこれから覆修しようとする者の教科書、学習書を無償給与するというような措置を講じております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 局長さんは私がお尋ねしていることとちょっと違うようなんです、お答えが。私は無償とか、そういうことをお尋ねしているのではなくて、いわゆる高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の中の四条に「通信教育に関する教科用図書の編集、検定及び発行に関しては、その特殊性にかんがみ、特別の措置が講ぜられなければならない。」こういうことが書いてあるわけでございますね。そこで、いわゆる教科用図書の編集とか検定とかいうことについて、どのような配慮がなされておりますのか、それをお尋ねしているわけでございます。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) この教科書は一般の高等学校と同じでございますが、それに基づいて教科書と学習書がセットになって子供の勉強に役立つわけでございます。そういった意味で学習書のほうは数が少のうございまして、採算ベースに乗りませんので、文部省のほうでつくったものがほとんどでございます。その場合に、特にどういう点と申しましても、教科書につきましていろいろ教師が板書をしながら教えるわけじゃございませんから、そういった点を含めて学習書をつくるとか、いろいろ子供が教科書と学習書を読むことによって学校で教師から授業を受けると同じような効果があがるような配慮で学習書を編さんしておるということであろうと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 たとえば同じことを教えるにしましても、先ほど局長もおっしゃいましたし、私も申し上げたのですけれども、活字教材の内容の理解が非常に困難であるとか、そういったような事情のために、たいへん脱落者も出てくると、こういうことになりますと、いわゆる同じ教材を扱っても、たとえば通信制の教科書についてはこういうような編集がなされているのだ、こういうところが非常に特別の配慮をしたところだと、こういうところを具体的に一、二カ所私は御指示をいただきたいと、こういうふうに考えるわけでございます。

西崎清久文部省初等中等教育局高等学校教育課長

○説明員(西崎清久君) ただいま先生御質問の点は、教科書と学習書の問題でございますが、教科書につきましては、通信制といえども高等学校でございますから、一般的に全日制、定時制で使われる教科書と同じものを通信制でも使うわけでございます。ただ、先ほど局長から御説明いたしましたように、通信制の場合には教科書だけでは生徒の自学自習においては非常に困難があるという意味で、学習書というものにウエートが非常に高くなるわけでございます。そういう意味では、先ほど先生おっしゃいました通信制高校におけるいろいろな教科書、学習書に関する編集その他について国が配慮すべきだという点については、特に学習書等については非常に重きを持つものと思います。そういう意味で、私どもといたしましては、一般の市販にかかるものについては、一般教科は非常にこれは対象が多うございますから、これは別といたしまして、特に職業教育に関する科目を通信教育の制度がとっている場合もあるわけでございます。これは非常に採算ベースに乗りにくうございますので、従来から文部省が保育、作物、畜産とか園芸、農業一般等につきましては昭和三十四年度以来、文部省自体が編集をいたしまして、学習書を発行するというふうなことでやっておるわけでございます。  先生のお尋ねの点は、しからば学習書の編集においてどの点に力を置いてやったかというふうな点での御質問が焦点かと思うわけでございます。私たいへん申しわけないのでございますが、それぞれ園芸なり作物なりの個々の教科の編集の個々具体のこまかいことまで承知しておりませんが、その一般的方針といたしましては教科書を見、そうして学習書を見れば、ある程度の理解ができるというところで、学習書を編集するというのが基本方針でございまして、その点に沿って学習書を編集しておるというのが実情でございます。たいへん不十分でございますが以上でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 一度通信制高校の人たちの教科書といったようなものを十分ごらんいただきまして、そしてこれであったらほんとうに楽しく勉強を続けようという意欲が起きるかどうか、そういうことを十分私は見ていただかなければならないのではないだろうかというふうに考えるわけでございます。そこで先ほど採算の問題というのがたいへん出たわけでございますけれども、本年度編集及び発行について、どれほどの予算を計上されたのでございましょうか。

西崎清久文部省初等中等教育局高等学校教育課長

○説明員(西崎清久君) 昭和四十六年度の通信教育に関する予算について申し上げますと、高等学校の通信教育教科書の学習書の給与費というまず予算がございますが、ちょっと御質問にはございませんでしたが、この学習書の給与費に関する予算が三千七百三十八万六千円というふうな予算になっておるわけでございます。これが先ほど局長が申し上げました学習書の無償給与にかかる予算でございます。  それから二番目の問題として高等学校の通信教育に関する運営費の補助というのがございまして、これが八百五十万円の補助ということに相なっております。  教科書の編集その他に関する予算といたしましては、一般的な予算といたしまして計上いたしておりますので、特に具体的に幾らというふうなことで申し上げることはちょっと困難でございますが、大体三科目ないし四科目ということの予算を計上いたしておりますが、実態としてどういうふうにそれを執行するかについては現在検討中でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 通信教育の中で非常に重要な役割りを果たすスクーリングについてお尋ねをするわけでございます。午前中安永委員の御質問にもございましたが、一人について四十時間、この状況についてお尋ねいたしたいと考えるわけでございます。  まず出欠の状況はどのようになっておりますでしょうか、まずその出欠の状況からお尋ねいたしたいと存じます。

西崎清久文部省初等中等教育局高等学校教育課長

○説明員(西崎清久君) 特にこまかい資料現在持ち合わせておりませんが、午前中に局長からお答えいたしましたように、大体通信教育の場合には添削指導と面接指導というものがございます。面接指導が先生のおっしゃいますスクーリングでございまして、学習指導要領に年間二十日の出席が義務づけられております。その二十日の出席におきまして、一科目平均五単位、時間をとるというようなことに相なっております。したがいまして、出席いたします日においては、大体、午前から午後二時か三時まで五時限か六時限の授業を受けるというふうに相なっております。  それから、添削につきましては、特に御質疑ございませんでしたが、四十時間の積算基礎といたしましては、大体二十五分というふうな積算でございますが、具体的には一科目の科目によりましては十五分である場合もありますし、三十五分である場合もあろうかと思いますが、そういう意味での平均で二十五分というふうな積算をいたしております。  スクーリングの出席の問題につきましては、年間二十日の出席のデータというものを特に持ち合わせておりませんけれども、卒業率というものが大体一割に満たないということをお考えあわせいただきますならば、卒業の要件でありますスクーリングの出席率も非常に低いというふうな実態にあるといわざるを得ないかと考えるわけでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 どれだけ出席しているかという資料を持ち合わせていない、しかし一割しか卒業していないのだから、大体それから想像しろと、こういう御答弁でございますけれども、これは非常に不親切な御答弁だと考えます。もう少しほんとうに出席はこれぐらいしかしていないんだということをはっきりしていただくと、それじゃなぜこんなに欠席が多いのかということの御検討がいただけるんじゃないでしょうか。私はいま何時間ということは、先ほど安永先生のほうに御答弁ございましたから、それをお尋ねしたのではなくて、出席の状況がどうなっているのか、そして次には欠席の多い理由がどこにあるのか、それを私はまず聞きたいと思って質問しておるわけなんです。それをどうぞひとつお願いしたいと思います。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) 個々の学校につきまして、年間スクーリングを何日やっておるかという調査はいたしておりますが、それは在籍者の何名が出席したかという調査をいたしておりません。したがいまして、来年度からさっそくその調査をいたしたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 局長さん、私の伺いたいようなことをみんなしておりません、しておりませんとおっしゃるわけですけれどもね、これではほんとうに通信制高校というものを文部省がどのように考えていらっしゃるのか、私わからないと思うんですよ。だから、そういう点はもう少し考えていただかなければならないと思います。  まあ先ほど御説明のように、通信教育には幾多の難点がある。卒業率も一割に満たない状態で、通信教育の限界を私は感じさせられておったわけでございますけれども、最近では、ラジオとかテレビなどマスメディアの発達によりまして、先ほどおっしゃいました広域通信高校が誕生いたしました。そこで、その広域通信制高校というものの現状と今後の展望についてお伺いをいたしたいと思います。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) いわゆる日本放送協会学園高等学校というNHKでやっております通信高校がございます。昭和三十七年十月に認可いたしております。それが現在、普通科でございますが、二万人の定員でございます。それから、科学技術学園工業高等学校、三十九年に認可いたしておりまして、機械科六千人、電気科四千人の定員でございます。ちなみにNHKのほうは二万人の定員に対して在籍者は一万七千人でございます。それから、いまの科学技術学園は機械科、電気科合わせまして一万人の定員に対しまして、一万一千四百八十七名でございます。玉川学園富士高等学校、三十九年に認可いたしまして、普通科でございますが、定員が二千人で、在籍が四百人でございます。大阪の向陽台高等学校、三十九年に認可いたしております。普通科、家政科、被服科、工業化学科でございます。これは定員が、普通科が四千八百、家政科二千、被服科八百、工業化学科四百。で、八千人の定員でございますが、在籍はそれより多うございます。それから、九州商業高校、四十三年六月に認可いたしておりますが、定員が、商業科定員六千人で、在籍は現在少のうございまして、千五百という数字になっております。  なお、これらについて、今後の展望はどうかということでございますが、いま申しましたところでもおわかりのように、定員に対して、定員をオーバーしておりますのは、科学技術学園と向陽台高校で、あとは在籍が定員に満ちておりません。そういうような関係もございまして、最近、こういう広域の代表的な五校ができましたために、通信制の在籍生徒数がふえたわけでございますが、今後この調子でどんどんふえていくというふうには私ども考えておりません。と申しますのは、やはり通信制高校には、先ほど来申し上げておりますように、また資料が不十分だとおしかりも受けましたが、脱落というものが非常に大きい問題になっております。したがいまして、ただ在籍だけしても卒業していかない。ただ在籍だけするためにどんどん数がふえていくということも予想できません。したがいまして、今後の展望といたしましては、生徒がどんどんふえてくるというふうには考えませんので、せっかくできましたこれらの広域高校がもっと実をあげて、定員よりも在籍がふえるということは、これは一般の私立大学等好ましいことではございませんけれども、こういう通信制の学校でせっかく定員制を設けても、在籍がそれに満たないということではぐあいが悪うございます。したがいまして、今後は、せっかくできたこういう五校がもっともっと実をあげていくように、そっちの努力を私どももしていくべきであろうというふうに考えております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 それじゃお尋ねいたしますけれども、普通の通信制高校の場合は卒業率が一割に満たない。ところで広域通信制の場合は、卒業率はどれくらいになっておりますか承りたいと思います。

西崎清久文部省初等中等教育局高等学校教育課長

○説明員(西崎清久君) いま先生お尋ねの、広域通信制にかかる卒業率でございます。的確な数字というふうにちょっと御理解いただけない数字かとも思いますが、申し上げますと、四十四年度、たとえば日本放送協会学園につきまして申し上げますと、一万七千二百四人という在籍生徒数につきまして、四十四年度間の卒業者数が千六百十二人でございます。そういたしますと、在籍者が一万七千二百人おるということでこれを四年間で割ってみますと、大体四千人程度というふうなのが一年度間の入学者に相なろうかと思います。四千人の入学者が千六百人卒業しているというふうに理解いたしますれば、これは四割近くの卒業者ではないかと考えるわけでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そうしますと、この広域通信制の場合は、非常にその卒業率が高いということになるわけでございますね、一般の通信教育より非常にまあ卒業率が高い。このように効果をあげております通信制高校ですけれども、私立の場合の運営はまことにきびしいということを聞いているわけでございますけれども、その実態についてお伺いをいたしたいと存じます。

西崎清久文部省初等中等教育局高等学校教育課長

○説明員(西崎清久君) 私立の広域通信制高校につきましては、ただいま問題になっておりますのは、衆議院の際にも御議論がございましたが、私学に対する援助というものについて、これは高等学校につきましては特に国の予算的な形での補助はないわけでございます。しかし、広域通信制については、特に地方において地方公共団体からの援助が行なわれていない、私立の単独の通信制高校等については各都道府県で補助が行なわれるけれども、広域の通信制については在学者が当該都道府県にとどまらないわけでございまして、当該都道府県だけで財政援助するわけにはいかないというふうな問題点が一つございます。そういう意味で、私どもといたしましては地方交付税の問題といたしまして都道府県に対する財政措置というものを通信制一般について考慮いたしまして、そうしてそれに対する都道府県の配慮というものが行なわれるような形に持っていってはどうかという形で現在自治省と鋭意交渉中でございます。ただ、先生の御質問の要点は、財政状況というものがどうであるかという点が御質問の要点であったかと思います。この財政状況はどうかということは、実は現在地方交付税の積算の問題とからめまして私どものほうといたしましては広域通信制五校といま相談中でございます。資料をいただいて、そしてそれを地方交付税との関係でどういうふうに処理するかという形で処理を進めたいというふうに考えているわけでございます。その五校の中には非常に財政状況がいいのもございまして、補助などは必要でないという法人もあるわけでございます。一方には、非常に財政措置が必要であるという広域通信制の学校もあるわけでございます。その辺については、個々の学校から資料を取りました上でその内容を分析して今後の財政措置の問題の検討の資料にいたしたい、いま現在作業中でございますので御了承いただきたいと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そうしましたら、そういう資料ができましたらさっそくちょうだいいたしたいと存じます。  次に、放送を視聴することが学習の基調となっておりますところの広域通信制高校と、従来の活字教材を中心とした通信制高校とは異質の面が多いと思うわけでございます。ところが添削指導のためのレポートを例にとりますというと、両者は同じ形式でまた同じ回数になっていると思うわけでございますけれども、これではお互いの特質を考慮していることになっていないと考えるわけでございますが、その点はいかがでございましょうか。

西崎清久文部省初等中等教育局高等学校教育課長

○説明員(西崎清久君) 通信教育に関しまして先生ただいま御質問のございましたようなラジオなりテレビを利用した場合の面接なり添削指導の免除の問題でございますが、現行指導要領におきまして、テレビ放送につきましては二分の一の時間が免除されます。それからラジオにつきましては三分の一でございましたが、先般の学習指導要領の改正でラジオにつきましても二分の一というふうにスクーリングの免除についての内容を改めて、両者について生徒の負担を軽減するというふうな措置をとった次第でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 それはスクーリングの例でございますね。レポートにつきましては同じことになっていると思うわけでございますが、その点はいかがでございますか。

西崎清久文部省初等中等教育局高等学校教育課長

○説明員(西崎清久君) 先生御指摘のとおりでございまして添削指導のほうにつきましては現行指導要領と改定指導要領につきましては特に差等を設けておりません。従来どおりでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 それもやはり考えていただかなければならない面ではないだろうかというふうに思うわけでございますね。時間がございませんから急ぎます。  このたびの郵便法の改正によりまして郵便料金の値上げがございましたが、この通信教育の生徒の受ける負担増はどのくらいになっておりますでしょうか。従来四円であったのが六円になりましたので、五〇%の大幅値上になっているわけでございます。NHK学園の場合でも年間五百万円が増になってこれが生徒負担になるということでございますけれども、こういうことについて文部省はどういうふうにお考えでしょうか。この問題について特に通信制に学ぶ子供のために郵政省とこういう問題についてお話し合いになったことがございますでしょうか、承りたいと思います。

西崎清久文部省初等中等教育局高等学校教育課長

○説明員(西崎清久君) 先生御指摘の通信教育に関する郵便料金の問題でございますが、ただいまちょっと資料持ち合わせておりませんが、先般郵便料金の値上げが話題になりましたときに、従来はここ十数年間通信教育の添削指導のレポートに関しての郵送料金はずっと過去据え置きになってまいったわけでございます。ところがこのたびの郵便料金の改定においては、他との均衡その他によって郵政御当局としてはその値上げをはからねばならないというふうなお気持ちがございまして、そして私どもといたしましては特に通信教育生徒の負担の問題その他を考慮して、この点だけは従来どおりの据え置きという方向で御配慮願いたいという線で郵政当局と交渉、協議を重ねたわけでございます。しかしながら過去非常に長い期間据え置かれたということと、それから他の学術雑誌その他の郵送料金との均衡の問題として、このたびは郵政当局としても通信教育のレポートについては若干の値上げをせざるを得ないというふうな強い御意見もありまして、いろいろ協議の結果、その点はいかんともしがたいということに相なっております。そういう意味ではたいへん遺憾ではございますが、その協議の際に私どもとしましてはその全体のレポートの数と料金値上げにつきましての金額の計算をいたしました上で郵政当局と折衝を重ねたわけでございます。たいへん申しわけございませんが、そのときの資料をちょっとただいま持ち合わせておりませんが、経過といたしましては以上のとおりでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 多少の値上げとおっしゃいますけれども、五〇%の値上げというのは私はやはり大きいのじゃないかと考えるわけでございますね。ほんとうに学ぶ青少年の意欲というものを考えましたときに、これはやはりもう少しあたたかい配慮があってよろしかったのではございませんでしたでしょうか。きょうは郵政の方においでいただいておりませんので、そういうことについてお願いをすることができませんけれども、これは私といたしましては非常に残念だということを申し添えておきたいと思います。  次いで運輸省の方においでいただいておりますので、学割のことについてお尋ねをいたしたいと存じます。  学割を使用できます範囲が、本校でスクーリングを受ける場合に限られておりまして、協力校に出校する者には認められていないわけでございますね、その理由を承りたいと存じます。

秋富公正運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(秋富公正君) お答えいたします。  生徒につきましては、いわゆる通信教育の特殊性にかんがみまして、一般の学生、生徒のような定期券が要るということは不適当でございますので、一般の普通割引券を五割引きいたしまして、さらに通常の有効期間を三カ月でございますが、これを六カ月にいたして適用いたしておるわけでございます。しかし、いま先生から御指摘のように、これはいわゆる指定校、いわゆる実施校だけにつきまして、協力校については現在適用していないわけでございます。これは四十一年にこの制度をつくったわけでございますが、これは実施校七十五校に対しまして、協力校は大体五百校ぐらいでございまして、おおむね一般に協力校までの通学距離というのは、実施校に比べて平均的に短いのじゃないかということと、それから協力校の決定は、実施校が指定いたしているわけでございまして、これは国鉄のほうは把握しておりませんので、実際の実施する場合につきましても、どこに協力校があるかということを承知していないということもございます。  それから、これは国鉄の独立採算制のたてまえからいたしまして、いわゆる公共割引ということによる国鉄の負担増ということをできるだけ避けたい、以上の点からいわゆる協力校についての適用ということは行なわないできた次第でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 いまいろいろ理由をおっしゃっていただいたわけでございますけれども、高校の通信制課程の生徒は毎月一、二回程度スクーリングを受けるということになっているわけでございますね。それで先ほどおっしゃいましたように、協力校の数が約五百校、そこで勉強する、そこへ来てスクーリングを受ける子供も大体二万名近くいる、こういうわけでございます。広域の通信制課程では、学ぶ生徒の大部分は協力校でスクーリングを受ける、こういうことになっているわけでございますね。ところが彼らは、協力校であるというためにその恩恵に浴することができない。こういうことは教育の機会均等の立場から、私は問題があるのではないだろうか。近いんだとおっしゃいますけれども、私がこの間NHK学園高校に参りましたときに、これはぜひともそういうふうにやってもらいたいと、こういうお話が出たわけでございます。わずかなことだとは言いながら、やっぱり月に一、二回ずつ行くということになりますと、やはりそういった恩典があるということでも、ここに学ぶ子供たちの気持ちの上からいったら、みんながあたたかく見てくれているということで、非常にその意欲も出てくるというふうに私は考えられると、こういうふうに思うわけでございますね。ですから、これを全部協力校に学割を認めるといたしますと、どれくらい予算が要ると推定していらっしゃるわけでございましょうか。

秋富公正運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(秋富公正君) いま私も、協力校に月に通う生徒の数がどのくらいかという点が、実ははっきりわからないわけでございます。あくまでも試算でございますが、かりにこれは十五万人の方がいわゆる協力校に月二回通うとした場合の試算でございます。それからその場合の距離を大体五十キロと見たわけでございます。それから国鉄を利用する方が十五万と想定したわけでございますが、その中の大体四割が国鉄を利用すると仮定したわけでございます。そういたしまして、一年のうちに十カ月は通うということでいたしまして、これが割引が五五%割り引いておるわけでございます。そういたしますと、一年間に二億五千万円、これは試算でございますが、そういったことであるわけであります。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そういたしますと、ずいぶんたくさんになるということでございますけれども、これはまあ私がもう少し協力校に対しまして、はっきりした、大体どれくらいの子供がどのくらいの距離で通うかということをしっかり調査いたしましてから運輸省のほうにお願いするのが筋かと思います。しかしそういったものを私も押えておりません。しかしこの問題について、運輸省といたしましては、今後どのようにこの子供たちに対して対処していただくおつもりなのか、ひとつお考えを承っておきたいと存じます。

秋富公正運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(秋富公正君) いまいろいろと承っておりますと、まことに青少年の通信教育という問題は大事な問題だということは、私もよくいろいろと承っておりまして、またかねて承知しているわけでございますが、実は国鉄の財政状況が、御承知かと思いますが、三十九年からいわゆる赤字に転化したわけでございます。そのときはまだ償却後の赤字でございましたのですが、四十六年、今年度からはいわゆる償却前の赤字というものが想定されておるわけでございまして、御承知のようにいろいろと不用財産といいますか、不急財産と申しますか、それも六十億ばかりことしは償却するわけでございます。それから収入の増加につきましても、これは全職員あげてやっているわけでございますし、同時に経費の節減についてもつとめてまいったわけでございます。それで、現在旅客関係だけで、いわゆる通勤通学あるいは学生の割引、その他の割り引いておりますのが、大体四十五年度で三百六十六億でございます。貨物のほうもいわゆるいろんな割引制度がございまして、これを合わせますと大体四十五年度で五百億の割引をしているわけでございます。それに比べますと、二億ぐらいと言われるかもしれませんけれども、私たちといたしましては、国鉄がいまそういった不急財産まで償却、売り払いまして、死にもの狂いでやっている際でございまして、これ以上にいわゆる厚生省関係におきましても、いわゆる身体障害者の割引を拡大してきている問題とかあるいは内部疾患のほうにも適用するとか、いろんな要望があるわけでございます。が、こういったいろんなもの、これは国家的、社会的、あるいは文教政策上からの問題はいろいろあると、十分承知しておりますが、それを独立採算制で、しかも本年度は、いわゆる損益勘定から資本勘定へは一円も繰り越しができない。四十五年度におきましては八百五十億ばかり損益勘定から資本勘定に繰り入れたわけでございますが、四十六年度はこれはゼロでございます。こういった国鉄の財政状況はきわめて悪化しておりますときに、これ以上国鉄にそういった公共的な負担を負わせるということは実際上できかねると私は思うんでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 いろいろ御説明を承ったわけでございますけれども、高等学校に通う子供にも学割は認められている。普通の全日制高校の場合にはそれが認められている。そしてまた同じスクーリングを受けるにしましても、実施校へ行く子供にはそれが認められている。にもかかわらず、協力校に行く子供だけ認められないということは、私はやはりこれはたいへんな差別じゃないだろうかというふうに考えるわけでございますね。なぜだろうという気持ちをこの子供たちが持つことは当然ではないかしらという感じがいたします。まあ国鉄さんのお家の事情というものも私はわからないではございませんけれども、しかし、こういうところからその差別というものをまず私は取っていただかなけりゃならぬ。全日制の子供の学割が認められるのになぜ通信制高校のわずか一、二回のこういったことさえも認められないのか。これはやっぱり社会全般が弱い者や貧しい者にほんとうに冷たいということが如実に出ているような感じがするわけでございます。何とかこの問題につきましてはもう少し私はお考えをいただきたいと考えるわけでございますが、もう一ぺんどうぞひとつ御答弁をちょうだいしたいと思うわけでございます。

秋富公正運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(秋富公正君) いまの通信教育の学生生徒に対しましてもいわゆる学生割引ということの適用は一般の学生と同じにやっておるわけでございます。いまの御指摘の問題は、いわゆる指定校だけのものをどうして協力校まで拡大できないかという御指摘でございますが、これは全く私たちといたしましても、そういった差別をするということは好ましいこととは考えておりません。しかし、いまほかのいろんな割引問題につきまして、たとえて申しますと、身体障害者が単独で行く場合は百キロ以上の場合だけでございます。それを百キロ以内の場合でも身体障害者が一人で行く場合も割引できないかと、こういう要望もありましたし、あるいはいわゆる身体障害者につきまして内部疾患の方につきましては適用がないわけでございますが、そういった要望もいろいろあるわけでございまして、それぞれごもっともな点があるわけでございますが、そういった要望、いろいろとあるわけでございますが、これを国鉄の負担においてこれ以上やっていくということができるかどうか。実は四十一年にいまの通信教育に対する割引をいたしましたのが割引の制度としては最後でございまして、それ以後は一切していない実情でございますので、私たちとしましても御指摘の点はよくわかるわけでございますが、国鉄の財政が極度に悪化いたしました今日においてこれ以上いたすことはなかなかむずかしい問題ではないかと考えております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 もう時間がまいりましたのでこれ以上お願いできないかもしれませんけれども、しかし私は最後まで、この問題はもう一回お考えをいただきたいということを強く要望いたしておきたいと存じます。知識、技術というものが耐久消費財ではなくて、技術革新の時代におきましてはたえず陳腐化していくものでございます。学習は青少年期だけでなく生涯を通じてなされなければならないと考えます。NHK学園の場合も当初十七歳、十八歳の青少年の入学を予想していたにもかかわらず、二十五歳以上の人が約半数を占め、高年齢者がかなり多く学んでおるということを承ったわけでございます。そこで生涯教育の機関として放送を利用することは非常に優れた方法だと思いますけれども、放送大学の放送とともに放送制高校というものをおつくりになるお気持ちはございませんか。最後にこの問題を一点、お聞きしておきたいと思います。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) まあいろいろお考えもございますが、NHKがやっておりますのは、いわば一種の放送制の高等学校とも言うべきものであろうと思います。これは通信制高校と言っておりますけれども、一種の放送高校で先生のおっしゃいますNHKの通信制高校とそうでない放送制高校、先生の御意図として何か違った面でこういう放送高校というお考えがございましたらお聞かせいただいてお答えさせていただきたいと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 やはりこれから生涯教育ということがやかましく言われているときでございますね、ですからこれからの放送制高校と私が申しましたのは、いわゆるマスメディアを媒体とした高校ということになるわけでございますけれども、そういったような名前をまあ銘打ってと申しましょうか、通信制高校というのではなくて、いわゆる生涯教育の一環としてやっぱり放送制高校という名前でひとつそういうものをおつくりになるお気持ちがおありではございませんかと、こういうことをお尋ねしているわけなんです。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○政府委員(宮地茂君) NHKがやっております通信制高校、実態は一般の通信制高校と違って相当放送を取り入れておりますし、相当というよりもむしろ放送を中心といった形になっておりますが、いま先生のおっしゃいますのは、ただ名称だけでなくていろんなマスメディア利用ということでもございますので、将来の問題として検討させていただきたいと思いますが、通信高校という名称の実質放送高校というふうに私ども感じておりますので、特に名称の点でいま直ちに直すという考えはございませんが、もっと放送その他いろいろマスメディアの発達によりますそういうものも利用してという点も頭に置きまして、いまの通信教育がこれでもう理想だと思っておりませんので、そういう意味におきまして今後十分検討はさせていただきたいと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 いま私は通信制高校の問題についていろいろとお尋ねをしてまいりました。しかしどの御答弁をお聞きいたしましても、通信制高校の受講生のためにほんとうに考えられているという御答弁があんまり返ってきませんでした、正直に申しまして。これでは私は教育の機会均等ということからも、あるいはほんとうに学ぼうとしている青少年の問題からも、いろいろな問題点があるのではないだろうか。特にたびたび繰り返して申しますけれども、ほんとうに貧しい者や弱い者が見捨てられているような形になっているのではないか、こういう感じを私は非常に強く持ったわけでございます。こういう点に十分御配慮いただきまして、定時制高校の問題、あるいは通信制高校の問題につきまして、ほんとうにあたたかい御配慮がいただけて、勤労青少年たちも、そしてまたより高い年齢にある人たちも、こういうところで喜んで学べるような、意欲を持って学べるような状態にまで持っていっていただきますことを強く要望いたしまして質問を終わりたいと存じます。ありがとうございました。

高橋文五郎自由民主党

○委員長(高橋文五郎君) 他に御発言もなければ、本法律案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十八分散会      —————・—————

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