農林水産委員会 第6号
- 発言数
- 21 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/03/23
会議録
○委員長(河口陽一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は御発言を願います。
○北村暢君 前のに続きまして先週保留しておりました原料乳保証価格の問題についてまずお伺いいたしますが、二十七日に畜産振興審議会を開きまして、そこに四十六年度の価格について諮問する予定になっているようでありますが、この価格の具体的な数字についてはもうすでに部内においては検討済みのことと思うのですが、従来国会で審議する際になかなかこの数字というものを示さない、審議会にはかるまでは国会には数字は出さない、まあこういうことできているようです。したがって、一般的な抽象論はいたしますけれども、なかなか具体的な数字についての審議というものができない、なかなか資料についても出さない、こういうことのようでありますが、一体二十七日の審議会にかける案についてここで説明することができるのかどうなのか、私は説明をしていただきたいと思うんですが、まずその点、意思があるかないか、お答え願います。
○国務大臣(倉石忠雄君) お話のございました加工原料乳の保証価格、それから豚肉の安定基準価格につきましては、御承知のように、毎年度畜産振興審議会の意見を聞いて定めることになっておりまして、ただいまそのために鋭意検討中でございまして、まだお話し申し上げるところまできておりません。
○北村暢君 非常に日本語は便利で、検討中というのは非常に便利だという御説明がありましたけれども、しかし形式的にそういう答弁をされても私も了解はいたしませんが、国会で審議するのに対して、内部できまっておっても国会には出さないというふうに受け取れるおそらくそういうことなんです。そこで、これは押し問答やってもしようがございませんから、検討中でまだ結論が出ていないというのですから、もちろん発表できない。しかしながら、全国農協中央会からの要請は皆さんも御存じだろうと思う。で、原料乳価格の問題については、農協中央会は価格において現行価格の最低限一キロ当たり六円六十一銭引き上げてくれ、保証価格をですね、という要求があるわけです。これは昨年の要求価格が五十八円六十七銭、ことしの要求価格が六十五円二十八銭、その差額六円六十一銭引き上げてくれという、こういう要求なんです。ところがこれは、農協中央会の要求は、昨年の農協の算定の価格についての値上がり分六円六十一銭ということなんです。ところが、昨年は、御存じのとおり、引き上げた価格がわずかに二十一銭引き上げて、四十三円七十三銭ですか、昨年の価格がですね。それとの差額を要求しているんじゃないのですよ。農協は非常につつましかやで、六円六十一銭引き上げてくれということは、ほんとうは要求価格の算定はキロ当り六十五円二十八銭になるんですよ。それを要求すべきなんですが、農協の計算における昨年からの値上がり分だけを引き上げてくれ、したがって、これからいくと言うと、四十三円七十三銭に六円六十一銭ですから五十円三十四銭にしてくれというような要求になっておるようです。しかし、農民自体から言わせれば、これは算定がはっきりしているのであって、データに基づいて要求しているわけですが、六十五円二十八銭にしてもらいたい、これが農民の偽わらざる要求であると、そういうことなので、とても農民の要求まではおそらく農林省としてこたえるということにはならないでしょう。ことしの場合、値上がり分の要素を考えましても、保証価格を引き下げるという要素はほとんどない、みんな上がる要素ばかりです。畜産局長に、昨年と比べて値下げをしなければならないという要素があったら、ひとつお知らせ願いたい。
○政府委員(増田久君) おっしゃいますとおり、飼料費あるいは人件費等の値上がりがございます。しかし、同時にこの一年間におきます家畜頭数の伸び、それによります管理労働時間の短縮あるいは飼料作物をつくる時間の短縮、そういったものがありますので、それが相当の形で相殺されることは十分考えられることでございます。
○北村暢君 相殺されるといいますが、労働生産性が畜産部門においても上がっていくということはこれは当然期待していいことです。いいことですが、しかし、それほど、期待するほど労働生産性が上がっていくよりは、私は労賃なり飼料の値上がりというもののほうがはるかに大きいと思いますよ。ですから、そういうものを相殺するような、技術的につくれば別ですけれどもね、つくれば別ですが、昨年よりもこの飼料費というのが相当上がっています。農協の要求にしても、これ約一〇%値上がりしていますね。したがってこれはキロ当たりにすれば飼料費が約一円何がし上がっております。飼料費だけ見ましても、私はこれはもう当然二けたでない、三けたの値上がり、畜産関係はこの農林省の計算、全くみみっちいんで、二十一銭だの何だのという計算になっていますね。二十一銭なんというお金はいまないですよ。大体、二十一銭上げましたなんといって上げて、これは据え置きよりもまだまだひどい。二十一銭上げて、上げましたなんていうことは、どういう単位でものを計算しているのかわからないけれども、とにかくえさの分だけでもキロ当たり一円くらい上がっています。だから一円以下の値上げだなんということはまず考えられない。それで値上がり分だけ見て六円六十一銭上げてくれと、こういうことなんですね。おそらく農林省はまたこれ一円までいかないでしょう。上げる上げるといっても、きょうの新聞でも大幅値上げをするというが、一体何十銭上げるのですか。一円上げないでしょう。
○国務大臣(倉石忠雄君) お話よくわかりましたし、また私どもといたしましても、先ほど畜産局長からもお答えいたしましたように、いろいろな条件を考慮いたしまして、いまその計数の整理をいたしているところであります。
○北村暢君 まあ、その具体的な数字は言えないでしょうけれども、これは、ほんとは相殺するというのだから、それじゃ相殺する内容を具体的にここで言って、どういうふうに相殺するのですか、労働生産性が上がってマイナス分もある、労働賃金、それからえさ等の値上がり分がある、それは幾らですかと詰めていけば、ひとりでに数字が出てくるのですよ。ただ抽象的に、相殺されることがありますというだけで言っているだけじゃないですか。それじゃ一体、この具体的数字、労働賃金は幾ら上がりましたか、それからえさの代は幾ら上がりましたか、これ、具体的に聞いていって答えていったら、だんだん数字がはっきりしちゃう。それは、それまで言ったってしゃべらないから、私は聞かないだけの話ですがね。しかし、一般の情勢として、これは農民は決してそれで満足しておりません。満足しておりません。非常に不満ですよ、実際に。この何十銭上げたなんというのは、まあ下げたというわけにいかないが、据え置くのもぐあいが悪い。若干上げた、上げたということで、上げたという証拠のために、何十銭上げたということのようですね、全く。これは据え置きと同じです。ですから、あなた方は科学的データに基づいて理論的に引き上げ、あるいは据え置くということを証明しなければならぬ。それは役人ですから、幾らでもこれは数字の魔術でできるのですよ。非常にじょうずなんです。そういう点は。しかし、そういうことを農民は決して信頼しておりません。信頼しておりません。 そういう意味において、私は政府の物価政策でも、もう四十六年度は五・五%値上がりするというのは閣議の方針としてきまっているのですね。五・五%、私は物価対策上からいえば、これは上がり過ぎるからもっと低くすべきだという意見を持っております。しかしながら、総体的にいって、政府が公共料金なり何なりを一切ストップする、そのために原料乳の価格も据え置く、米価も据え置く、郵便料金も据え置くというなら、その方針ならその方針でいいですよ。ところが、もう政府は五・五%引き上げるということは、これははっきり予定してするのです。予定しておる。そうしてまた郵便料金の値上げは、もう国会に出ている。こういう中で米価を据え置く、乳価を据え置くということでは、これは農民は納得しません。そういう意味において、数字は言えないとしても、この乳価なり、豚肉価格なりについて、農林省の物価政策上において、何らかの方針というものが、政治的な判断というものがなされてしかるべきだと思いますね。それでなければ農民は納得しないのです。そういう点で、大臣は検討中だから何だからということじゃなくて、実際にいま生産調整をやって、米から畜産に転換しようというのに、いままでの状態でいったら畜産は伸びませんよ。これは伸びないです。畜産関係に関する価格政策というものが、やはり農林省としては今後どういうふうにやっていくかということを、私は明らかにしていただきたいと思う。そういう意味で私は大臣に、そういう立場に立った政治的な答弁をひとつお願いしたいと思います。検討中ということじゃなしに。
○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほどちょっとお話がありました政府が五・五%、これはなるべく物価の上昇は押えたいのであるが、いろいろ研究してみると、やはり若干上がらざるを得ない、そこで五・五%程度にとどめたいと、こういうのでありまして、そこまで上げるという方針ではないわけであります。 私どもといたしましては、そのことは別にいたしましても、原料乳、肉、これはいまお話しのように、われわれとしては稲作転換についても大事な仕事でありますし、それからまた、国民保健上からもなるべく牛乳を消費をふやしていかなければならない、いろいろなそういう事情も勘案いたしておるわけでありますが、ともかく審議会にいろいろな資料を出しますその資料がまだ整備しておりませんので、まあ役人は計数の魔術がじょうずだというお話でございましたが、北村さんはそういうほうの御経験者かもしれませんが、私はその経験がありませんので、別段そこまで考えちゃおりませんで、もうほかからも、団体からも、いろいろな数字を基礎にして希望が出ておりますので、それらはみな事務当局のほうに渡してありまして、そういうこともいろいろ考慮いたしまして、いま一生懸命でやっておるところであります。きょうはまあ二十三日だから、まだ一生懸命でやっておる最中、こういうことであります。
○北村暢君 いろいろな要求もきておるし、何もきておると言うけれども、あまりにも要求に対して政府側の答えがかけ離れているのですよ。賃金要求だって、一万円要求して九千円になる、八千円になるというなら、まだ何%までいったということになるけれども、ところが乳価の場合は、六円六十一銭上げてくれというのに、一円上がらないのです。あまりにもかけ離れている。これはどんなに弁解しようと、どんなにしても納得しないというのは、そこにあるのです。やや要求額が、物価政策上からいっても何からいっても、なるべく低く押えなければならない、したがってこれだけでがまんしてくれというなら、そういうこともあるかもしれない。しかし、零にひとしいものをやっておいて、それで納得せいといっても、納得するわけがない。しかも、基準取引価格等について、これは製品価格から乳業メーカーの製造経費、これを引いたものがいわゆる基準取引価格という形になっておるのですね。この場合だって、乳業メーカーの製造工程における経費というものは、大体言うとおりに認めておるのです。認めておる。ところが、農民のほうの、生産費のほうに至っては全く零にひとしいくらい認めてない。これはどうも片手落ちだけというふうに私は思うのです。 そういう意味で、この乳価に対する農民の不信感というものは、ぬぐいされないものがある。そういう点からいって、ひとつ畜産をこれから伸ばすという上において、これは豚肉価格も同じですけれども、どうも最近のえさの値上り傾向、豚肉にしても価格に占めるえさ代というものはもう非常に大きいものです。これは。そういう意味においても、私は、えさの値上りという問題については直ちに価格に影響してくる、こういう結果になっているのですから。私は、これは農林省に対して、この際、畜産農民の立場に立ったところの勇断をもって、畜産政策上からの価格、畜産振興の意味における価格というものをひとつ慎重に検討していただいて、幸い、まだ検討中で結論が出ていないですから、ひとつ大臣のリーダーシップでぜひ農民の期待にこたえる価格というものをきめられますように要望して私の質問を終わります。所見を承ります。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私どものほうも、ただいま北村さんおっしゃいましたようなことと全く同じ考えで、大事な問題でありますので、再生産ができるようにするということは、私どものとるべき立場でありますので、できるだけひとつ、最善の努力をいたしてまいりたい、こう思っております。
○委員長(河口陽一君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河口陽一君) 御異議なしと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。−別に御発言もないようですので、討論はないものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河口陽一君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(河口陽一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 杉原一雄君から発言を求められておりますので、これを許します。杉原一雄君。
○杉原一雄君 私はただいま可決されました家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案に対しまして、自由民主党、日本社会党、公明党、三党共同の附帯決議を提案いたします。案文を朗読いたします。 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、米の生産調整、畜産物の輸入の増大等に対処するため、畜産物及び飼料の価格の安定、畜産物の消費の拡大及び生産対策の強化等畜産政策の拡充を期するとともに、本法の施行にあたっては左記事項の実現に努めるべきである。 記 一、自衛防疫の推進を図るため、その体制の育成強化について必要な財政援助を行なうこと。 二、最近における海外からの悪性伝染病のわが国への侵入の危険性の増大に対処して、検疫施設を整備充実し、動物検疫に万全を期すること。 三、殺処分手当金の最高限度額は実勢価格の推移に即応して適正なものとすること。 四、最近における畜産経営の規模拡大に伴い、家畜の伝染性疾病が複雑かつ多様化しつつある現状にかんがみ、その防疫対策に万全を期するとともに試験研究の拡充強化を図ること。 五、豚及び鶏等の共済制度を速かに確立すること。 六、獣医師の家畜の伝染性疾病予防に果す役割の重要性にかんがみ、特にその農村定着化と待遇の改善に努めること。 七、家畜伝染病以外の伝染性疾病の発生の状況の把握に万全を期するため、家畜保健衛生所の機能の充実を図り、あわせてその発生の届出が円滑に行なわれうる措置を検討すること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(河口陽一君) おはかりいたします。 杉原君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(河口陽一君) 全会一致と認めます。よって、杉原君提出の附帯決議は全会一致をもって本委員会の決議をすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、倉石農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。倉石農林大臣。
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま御決定になりました附帯決議につきましては、慎重に検討の上、御趣旨に沿うように努力をいたしてまいりたいと存じます。
○委員長(河口陽一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河口陽一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午前十時三十八分散会 —————・—————