農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 186 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/03/11
会議録
○委員長(河口陽一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。倉石農林大臣。
○国務大臣(倉石忠雄君) 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 畜産の振興をはかるためには、家畜衛生、特に家畜の伝染性疾病の発生を予防し、蔓延を防止することが基本的条件でありますので、法律の定めるところにより、家畜の伝染性疾病の防圧に日ごろ絶えざる努力を払ってきているところであります。 現行の家畜伝染病予防法は、昭和二十六年に、旧家畜伝染病予防法を全面的に改正いたしまして制定されて以来、大幅な改正を経ることなく今日に至っているのでありますが、この間において、獣医技術は著しく進歩し、家畜防疫も質的に大きく変化を遂げてきております。また、最近における家畜の価格の高騰等もあり、この法律の運用に際しましても、必ずしも実情に即しない点が生じてまいりました。 このため、主として家畜衛生上の技術的な見地から現行制度を整備し、家畜防疫の適正な運営をはかることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、家畜伝染病として取り扱う伝染性疾病について、若干の加除を行なうこととしております。 家畜の伝染性疾病のうち現在二十八種類を家畜伝染病として第二条に列挙しているのでありますが、このうち、トリパノゾーマ病、トリコモナス病、馬パラチフス、仮性皮疽、羊痘及びかいせんにつきましては、もはや法に基づく強力な措置を講ずるまでもなく防疫が可能となりましたので、これらを削除することとし、反面、新たにヨーネ病及びアフリカ豚コレラを加えることといたしました。また、家禽の家畜伝染病に重要な関連のある七面鳥とウズラを家禽の家畜伝染病の対象家畜に加えることといたしました。 第二は、国際貿易の進展につれて、家畜等の輸入が今後ますます増大することが考えられますので、所定の動物を輸入しようとするときは、その種類及び数量、輸入の時期及び場所等について、あらかじめ動物検疫所に届け出ることとし、動物検疫所の施設の効率的利用と係留検査の円滑な実施をはかることといたしますとともに、海外から悪性伝染病が侵入いたしましたよらな場合等には迅速果敢な防疫措置を講ずる必要がありますので、都道府県相互間における家畜防疫の協力体制を整備することといたしました。 第三は、家畜が、家畜伝染病にかかり、またはかかった疑いがある等のため家畜を殺しまたは殺すべき旨を命じられた場合に国が家畜の所有者に対し交付する手当金につきましては、家畜の種類ごとに、最高限度額を法律で規定してありますが、家畜価額の高騰等もありまして必ずしも実情に即しない点も生じてきておりますので、家畜価格の推移に応じて弾力的に対処できるよう政令で評価額の最高限度額を定めることといたしました。 第四は、国及び地方公共団体の助言及び指導のもとに、家畜の所有者が、家畜の伝染性疾病の予防のため必要な自主的措置を適切に実施するようつとめるべき旨の規定を新たに設けることといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決いただきますようお願いいします。
○委員長(河口陽一君) 次に、補足説明及び資料の説明を聴取いたします。増田畜産局長。
○政府委員(増田久君) 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。 本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので以下その内容について御説明申し上げます。 第一は、現行第二条において家畜伝染病として規定されております二十八種類の家畜の伝染性疾病のうち六種類を削除するとともに、二種類を新たに加えることといたしております。削除いたします疾病のうちトリパノゾーマ病、仮性皮疽及び馬パラチフスは、馬の伝染性疾病でありますが、前二者はすでに長期間にわたりまして国内での発生がなく、媒介昆虫または病因菌の分布及び病性等からして国内における発生、流行の可能性が著しく薄らいできており、また、馬。パラチフスは、ワクチンの改良により予防が効果的に行ない得るようになりまして、今後これら疾病を家畜伝染病から除外いたしましても、防疫上支障はないと判断されます。羊痘及びかいせんは、綿羊の疾病でありますが、獣医技術的に見ましてそれらの発生、流行の危険が著しく減少し、蔓延のおそれも全くなくなったものと考えております。またトリコモナス病は、牛の流産と不受胎の原因となるものでありますが、人工授精の普及と種畜検査によりまして発生の報告もなくなり、今後の大流行を想定する必要はないものと判断したものであります。 次に、新たに加えることとしましたヨーネ病とアフリカ豚コレラでありますが、前者は、牛の下痢を主徴とする慢性病で潜伏期も長く、一たび牛群に侵入いたしますと知らず知らずのうちに蔓延し、経済的に重大な被害を与えるものでありますし、後者は、アフリカ、ヨーロッパの一部に流行しております豚の急性伝染病で伝染力が強い上に死亡率もきわめて高く、今のところ有効な予防手段が全くなく、一たん国内に侵入した場合にはばく大な被害をこうむるものと思われますので、今回新たに家畜伝染病に加えることとしたわけであります。 さらにアフリカ豚コレラにつきましては、その病性から牛疫、口蹄疫と同様に最も悪性な伝染病として取り扱うこととし、第十六条を改正いたしましてその患畜及び疑似患畜について屠殺の義務を課することといたしたのであります。 第二は、現行法第四条では、家畜が疾病のため死亡したときその所有者は、その旨を市町村長に届け出なければならないこととしておりますが、家畜が死亡した時点で行政庁がこれを察知するのでは防疫の万全を期しがたいので、今回の改正により家畜が家畜伝染病以外の重要な伝染性疾病にかかり、またはかかっている疑いがあることを発見したときは、当該家畜を診断しまたはその死体を検案した獣医師が遅滞なく、その旨を市町村長に届け出なければならないことといたし、初期防疫に遺憾のないようにいたしました。 第三は、家畜伝染病の蔓延を防止するため必要があるときは、都道府県知事は、第十七条の規定により家畜伝染病の患畜または疑似患畜について、これらの家畜を殺すべき旨を家畜の所有者に命ずることができることとなっておりますが、豚コレラ、ニューカッスル病等につきましては、国内での発生状況及び清浄化の過程において今後一そう強力な防疫手段を必要とすることになりますので、これら疾病の疑似患畜につきましても、都道府県知事が必要と認めますときには殺すべき旨を命ずることができることといたしたのであります。 第四は、第三十六条の改正であります。現在海外からの伝染性疾病のわが国への侵入を防止するため、病性の激しい伝染性疾病の発生している地域からの畜産物等の輸入は原則として禁止しておりますが、進展する畜産に対応して広く畜産技術の進歩に資する必要がありますので、家畜の品種改良のような特別な事情がある場合においても、農林大臣の許可を受けて輸入し得ることといたしたわけであります。 第五は、動物の輸入に関する届け出等についての第三十八条の二の規定の新設であります。家畜等の輸入の増大に対処して効率的な動物検疫の実施をはかるため指定検疫物たる動物で農林大臣の指定するものを輸入しようとする者は、動物の種類及び数量、輸入の時期及び場所等について、あらかじめ動物検疫所に届け出なければならないことといたしますとともに、動物検疫所長は、輸入検査を円滑に実施するため特に必要があると認めるときは、届け出にかかる輸入の時期または場所を変更すべきことを指示することができることといたしました。 第六は、都道府県相互間における家畜防疫員の応援派遣の要請に関する第四十八条の二の規定の新設でありますが、海外から悪性伝染病が侵入した場合等家畜防疫上緊急の必要があるときは、都道府県知事は他の都道府県知事に家畜防疫員の派遣を要請できることといたしております。 第七は、殺処分手当金に関する第五十八条の改正であります。現在、第十六条または第十七条の規定により患畜または疑以患畜を殺し、または殺すべき旨を命じられた場合におきましては、国は第五十八条第一項各号の規定によりまして、当該家畜の所有者に対し、家畜の評価額の三分の一あるいは五分の四の手当金を交付することとしております。このうち患畜に対する手当金につきましては、家畜の種類ごとに最高限度額を法律で規定しておりますが、今回これを改正いたしまして、家畜価格の推移に応じて弾力的に対処できるよう家畜の評価額の最高限度額を政令で定めることとしたものであります。 第八は、家畜の伝染性疾病の予防のための自主的措置に関する第六十二条の二の規定の新設でありますが、家畜の所有者は、家畜の伝染性疾病の予防のために必要な消毒その他の措置をみずから適切に実施するようつとめるべき旨を明らかにするとともに国及び地方公共団体は、家畜の所有者またはその組織する団体に対し、必要な助言と指導を行なうこととしたものであります。 以上をもちまして家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案についての補足説明を終わります。
○委員長(河口陽一君) 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 —————————————
○委員長(河口陽一君) 次に、農林水産政策に関する調査を議題とし、昭和四十六年度農林省関係の施策及び予算に関する件について調査を行ないます。 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○北村暢君 まず、冒頭に、佐藤造機の倒産に伴います全購連に関連する問題について、その状況と対策について御説明を願います。
○国務大臣(倉石忠雄君) まだ倒産しておるわけではございませんが、佐藤造機はわが国における有力な農機具メーカーの一つでございまして、年間百八十億円程度の販売を行なっておりますが、最近同社が開発いたしましたバインダーに欠陥がありまして、そのためクレームが発生いたしまして、その補修等に思わぬ経計がかかったということ、それからまた、最近農機具の売れ行きが不振であること等の事情によりまして、四十五年十月期の決算において約七億円の欠損を生ずるに至りました。同社としては自力再建の方向で検討を続けてまいりましたが、同社の負債は四十六年一月末で約百九十億円にのぼりまして、また相当多額の含み損のあることも判明いたしました。自力再建は、不可能との判断から、三月五日に松江地方裁判所に会社更生法に基づく更生手続開始の申し立てを行なったものであります。なお、昨日全購連は更生計画の樹立、支援——その他会社更生のため必要な支援を行なう方針と、理事会において決定いたしたと聞いております。
○北村暢君 この佐藤造機に対する一つの商習慣的なことで前渡金を出しておる。それが十一月以降三月まで約三十一億くらい前渡金の支払いをやっておるようでございますが、それは佐藤造機の経営について相当経営内容が悪化しているということで、全購連の幹部を同社の社長に派遣して経営改善につとめる、そういうことをやっておる中で、なおかつこの前渡金を出した、また出さなければ経営がうまくいかなかったといういきさつもあるのだろうけれども、これに対してだいぶあちこちから批判が出ておりますね。そういう点からいっていま大臣からの説明でも、再建について全購連が積極的に協力するということのようですが、佐藤造機と全購連との関係というものは、そういう非常に親密な関係があるようですが、農機具のメーカーとしては久保田だとか井関の、まだメーカーがそれぞれあるわけですけれども、一体全購連が他の農機具メーカーに対してもこういうような前渡金を相当出してやっているのか、特別に佐藤造機にだけ出ておったのか、そこら辺のところはどのようになっておりますか。
○政府委員(中野和仁君) ただいまのお尋ねでございますが、この前渡金はメーカーに対しまして普通、生産計画を立てた場合に、ある程度の前渡金を渡し、それから具体的に製品の受注をいたしましたときに、また若干追加する習慣でやっております。われわれ承知しておりますところによりますと、佐藤造機だけこういうことをやったのではありませんで、たとえば久保田鉄工、井関農機、ヤンマー農機、おもな農機具会社には大体前渡金が出ておるようでございます。
○北村暢君 大体農機具の面においても佐藤造機の場合、その製品の約八〇%というものは全購連であるということからすれば、これは圧倒的なシェアを持っておるわけですから、そういう前渡金等が支払われるということにもなっておるのだろうと思うのですが、他のメーカーとの間についても前渡金は支払われておる、これは商習慣から見てということのようですが、それは前渡金ですから製品が出てくればこれは回収つくわけですから、相殺されるわけですが、これはそれなりの何も不正だということではもちろんないと思うのですけれども、問題は十一月、十二月、一月、二月、三月に至るまで約三十一億に及ぶ前渡金を出しておったということが、うすうす佐藤造機の経営が行き詰まりつつあるということはわかっておったようですね。ついに投げ出さざるを得なくて、会社更生法の申請をする、こういう結果になったようですが、どうもそこら辺の解明がちょっとなされていないのじゃないかというふうに思われるので、結局前渡金というもので、——佐藤造機に対するそういう前渡金を出しておるということも経営内容を改善するというつもりでやっておるのでしょうけれども、それが大臣も言われるように、バインダーのいわゆる欠陥問題等が出て、そういうものに対してまで前渡金が支払われておるということになれば、結局は農民にそういう欠陥のあるバインダーを押しつける結果にもなるのじゃないかというふうに思われるのですね。ですから、欠陥のあるバインダーに対しても前渡金が支払われておったということになれば、これは若干問題があるのじゃないかと思うのですね。そこら辺のところはどうなっておるのですか。
○政府委員(中野和仁君) バインダーの欠陥が出ましたのは、たしか、われわれが聞いておるところによりますと昭和四十四年でございます。四十四年にそういうことがありまして、かなり返品等があったようでございまして、これに対する修理やその他アフターサービスといいましょうか、そういうことでかなりの人員等を要したようであります。そのために前渡金を出したというふうにはわれわれ聞いておりませんけれども、かなりそれが経営に大きな影響を及ぼしたということになっておるわけでございます。
○北村暢君 問題は、どうも前渡金を出すということと、全購連が会社の再建に対して積極的に乗り出すということになりますと、これはやはり経営の内容にまで触れていくのだろうと、こう思うのですね。したがってこれは農業協同組合がそういう関連産業に直接乗り出す。えさ、その他について、そのほかでも加工面あるいは資材等について積極的に乗り出していくというような傾向が相当出てきておりますね。これは生産から末端流通に至るまで、農業協同組合が担当していくというような思想が流れているようですけれども、そういう意味において、佐藤造機と特別な関係があって、将来全購連が引き受けてこの会社経営をしていくというところまで考えておるように受けとれるわけなんですが、これは農林省の指導としては、一体そういう面について相談にあずかっておるのかどうなのか、指導の面についてはどのように考えておるか、この点ひとつお伺いしておきます。
○政府委員(中野和仁君) ただいまお話の佐藤造機と全購連の関係でございますが、これは昭和二十七年以降系統協力の機関メーカーとして全購連と関係が非常にできてまいりまして、三十四年以降は全購連で佐藤造機の製品に組合のマークを張らせるということで、全購連と非常な関係のある会社になっておったようでございます。ずっと業績は順調であったわけでございますが、先ほど大臣からも御答弁ありましたように、いろいろな理由からこういう事態になったわけでございますが、こういう点について、あらかじめそれじゃ農林省に、佐藤造機とこういう関係になるがいいか、こういうような問い合わせあるいは御相談というようなものは別にございません。ただいま北村先生御指摘のように、それ以外にも肥料なり、えさなり、かなり全購連は関連会社との関係が非常に深いわけであります。現に全購連でも関連事業室というものを特別に置きまして、そしてそこで関連会社との関係をいろいろと統制といいますか、調整をするといいましょうか、そういうことを現にやっておるという状況でございまして、農林省がこの中に入り込みましてどうしろああしろということは指示はいたしておりません。
○北村暢君 それは農協といっても民間団体なんですから、一々農林省がああしろこうしろという押しつけがましいことはもちろんすべきでもないし、やる権限もないだろうと思うのですけれどもね。ただ全購連というのは、農林省が経理の検査をやっている。権限だけは持っているわけですね。ですから、そういう面からいって、一応全購連については、農民の組織している団体なんでありますから、そういう意味において、まあ全購連事件というのは前にもあって、ゆるい監督だけれども監督しているわけですね。そういう意味において、今度の場合においても何か経理の定期検査をやるということのようですが、それとの関連で一切指導したことがない。そしてまた全購連がそういうような方向にいま向かっておるし、将来全販とも合併の問題も出てきておりますし、さらにこれが合併しますというと、日本で第三番目の巨大な商社になるというくらい大きなシェアを占めている。ですから、もはやそういうことになってくるというと、この全購連、全販というものの性格が非常に独立した自由な商社的な性格を持ってくるというふうに思われますから、そういう面において農林省は、先ほどのどうこうするという指導というような面についてあまり差し出がましい口を出すということはやるべきでないと思うのですけれども、指導の面としてはどのように考えておるのですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私ども今度の佐藤造機でこういうようなことになりましたことに関連いたしまして、ただいまお話のようなことについてこれは十分農林省、政府側としても考えてみる問題がかなりあると思うのでありますが、先ほど御説明申し上げましたように、この会社はバインダーの欠陥ということで部分品を取りかえたり、いろいろなことをいたしましたために、たいへんそういう点で経済的にロスがあったことと、仙台に新しい工場をつくりまして、そのほうがうまくいかないというふうな事柄で今回のようになってきたものと思われております。それからまた売れ行きがやや下降状態であるということ。ところで、とりあえず会社更生法の適用を受けるように相なったようでありますが、御存じのように、全購連が非常に影響力を持っておるところでありますが、株主関係など調べてみますというと、経済界においてなかなか有力な大会社たちが大きな株を保有いたしておるようでありますし、いままでかなりじみにりっぱにやっていました会社でございますので、全購連がこれを研究した結果、さらに肩入れをすれば立ち直り得るという見込みをつけたのではないかと思っておりますが、いまそういう最中でありますので、私のほうとしてはあまり差し出がましいことを申さずにおりますけれども、このために検査を始めたわけではございませんで、ちょうど検査をする時期でありまして、常例検査が二月十二日から三月二十七日までの予定で、農林省は現在検査を行なっておるところであります。したがって、こういう検査によってさらにまた全購連等の考え方もよくわかるのでありましょうし、そういう結果、ひとつ、ただいまお話のございましたように、多くの農村の方々に一番関係のあります巨大な団体でありますので、そういう意味において実情が判明いたしましたならば、それによって指導と必要な措置を講じてまいりたい、このように思っておるわけであります。
○北村暢君 きょうの新聞を見ますと、全国農協中央会がやはりこの問題について論議をしておるようですが、その際に農協の運動の原則に立ち返れという意味で、委託に基づく購買、予約に基づく販売、こういうことでもって農協運動の原則に立ち返ってやっていくんだというような点を論議されているようですね。だから、私は先ほど来お伺いしているのは、そういう委託に基づく購買または予約に基づく販売ということに立ち返ってやるということになれば、農機具の生産まで全購連が大きく乗り出していくというような点について、どうも、再建に当たってつなぎ融資もしていくし、そして何とかして再建を全購連が全責任を持ったような形でやるという形で佐藤造機の経営に立ち入っていく。——まあ八〇%のものが農協のマークがついて、全購連が生産したようなかっこうで出ているわけですね。ですから、そういうような形で経営にまで入っていくという意思を持っているようですけれども、その再建に当たってそういうふうなところまでいくという意思があるのかどうなのかということを先ほど来聞いているわけなんですが、そういうことはやるべきでないということで、委託に基づく購買、予約に基づく販売、この農協運動の原則に立ち返ってやるべきだ、こういう考え方と、そうじゃなしに、もう農機具の生産でも何でも、やれるものはやるのだというところまでいく、こういう方向なのかどうなのか。この再建論議と関連してそこら辺のところはどうなんでしょうか、こう聞いているわけなんですよ。
○政府委員(中野和仁君) ただいまのお話でございますが、やはり農協でございますから、本来、農家のために販売あるいは購買事業をやるのがたてまえでございますが、全購連自体があらゆる生産に乗り出すということは、それが原則だということはわれわれも決して考えておりません。ただ今回の場合は、過去に先ほど申し上げましたような関係がございますし、すでにそういう関係で農家に売りました農機具が八百億ないし一千億ある、ここでこれをとめてしまいますと、農家の買ったもののアフターサービスも何もできないということで、やはりこの場合は農家のためにも何らかの自主再建、更生法下におきます再建の方向を見つけ出しまして、生産を継続しながら、そうしてやはり農家との間の関係を断ち切らないようにしてやらなければならないものだろうかというふうに私どもも考えるわけでございます。昨日私どもも全購連の首脳と話し合いをいたしました際にも、全購連自体がこの会社を経営するというのではなくて、やはり先ほど大臣が御答弁になりましたように、最大の支援をするというかっこうをとっておるわけでございます。その他の大口債権その他もございますけれども、そういうような関係で、全購連が中心といいましょうか、主になって再建に協力をしていくわけでございますが、それと同時にやはりきのうも各全購連の支所長その他を集めまして、そういう佐藤造機の農機具と末端の農家のつながり、サービスその他が断ち切れないように、早急に手を打つという手も一方では打っておるようなわけでございます。したがいまして、一般的な原則論と、そういうことでほかの肥料あるいは農薬その他すべていろいろなことにまで乗り出すということがいいかということになりますと、やはりこれはよく検討してみなければならぬと考えております。
○北村暢君 大体このくらいでやめますけれども、この問題は私も、佐藤造機が再建されなければ農民に相当大きな被害が出てきますから、そういう意味において、この再建に積極的に当たるということは、これは当然のことであって、私それが悪いと言っておるわけではないのですけれども、どうも佐藤造機の問題については、全購連が深入りし過ぎたような感じを持っておる。他の農機具製造の企業とはちょっと変わった特別な関係にあるものですから、深入りしたために、しかも天下の全購連がそういうふうにやっておって、その一番関係の深い佐藤造機がどうも経営不振になったというところに私はどうも割り切れないものがある。一般の農機具の売れ行き不振だとかというような問題については、他のメーカーだって同じだと思うのです。しかももう全体八〇%のシェアを持って全購連が前渡金を支払ってやる、こんな安全な商売ないですよ。そういうメーカーが経営不振になったということ、行き詰まったということは、先ほど来、バインダーの問題もあったようですが、仙台工場をつくってそれがうまくいかないとかという面もあるでしょうけれども、どうもそこら辺が全購連にたより過ぎて、殿様商売で経営不振になったと、こういう批判が出ておるわけです。そこに私は非常に大きな疑問を持っている。ですから、他の農機具メーカーと、一番全購連と関係を持っている佐藤造機と比較してみて、その一番関連の持っている佐藤造機が経営不振になったというところに私はどうも安易なところがあったのじゃないかというふうに思うわけです。そういう面について、やはり今日の農協というものが非常に、農民の利益ということに立たなければならない農協が非常に官僚化してきているという面を感ずるのです。そういうふうなことで殿さま商売的な感覚が佐藤造機の倒産になった、こういう面で全購連自体も私は大いに反省すべきだと思うのですよね。そういう意味において、農林省等も定期検査をやるのでありますから、私はそういう意味における指導というものがあっていいのではないかというふうに思っているのですが、農林大臣の所感をひとつ聞いておきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) お話のように、農業団体は全国の農業者の団体でありますので、これの消長についてはこれは一にその団体だけでなく、傘下の何十万、何百万という人たちの利害に共通する問題でありますし、また農業というものそれ自体がいろいろ変化を生じておる、このような社会に、ただいまお話のございました、農協で委託を中心にしてものを考えるお話があったようでありますが、私はまだつまびらかにいたしておりませんが、要するに農業団体というものがこれからどういうような形に変化して生き続けていくべきであるかということはわれわれ農政当局者にとっても大きな課題であると思います。大事な問題であると思います。いわんや、農協をはじめその他の団体の方々もそういうことについていろいろ目ざめていかれると思います。今回の佐藤造機のこういうこともございますし、たまたま、先ほど申し上げましたように、検査をいたしておるところでございますので、それらの結果によりましては、いろいろ私ども、ただいま御指摘のように、農業団体のあり方等について私どもとしてさらに研究する必要があるのではないか。広く学識経験者その他多くの方々の御意向も承って、農業団体のあり方についてともどもにひとつ検討してまいりたい、このように思っておるわけでございます。
○北村暢君 次に四十六年度の米の生産調整の問題についてお伺いいたしますが、まず農政面からする今度の生産調整に至った経緯についてひとつ御説明願いたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 四十六年度の米の需要につきましては、政府買い入れ五百八十万トン、それから自主流通が百八十万トン、農家手持ちが四百五万トン、合計して千百六十五万トンと見込んだわけであります。片方、生産量につきましては、四十四年の水田面積を基準にいたしまして、その後の壊廃田、開田面積を加減いたしました面積に四十二年度以降の高位に安定いたしました実収量から推定いたしました四十六年度の十アール当たり収量を乗じまして、これに陸稲の生産見込み量を加えまして千三百九十五万トンと見込んだわけであります。このような生産の状態を是正いたしまして、米の需給の均衡をはかることといたしまして、四十六年度の生産調整目標数量を二百三十万トンときめたわけであります。
○北村暢君 いまの御説明のありました四十四年の生産されたものについての基礎、その後における農地の壊廃等を考慮してというのですが、そこのところをちょっともう少し具体的に数字的に説明していただきたい。
○政府委員(太田康二君) ただいま大臣が、生産量についての推定といたしまして、四十四年度の水田面積を基準としてその後の壊廃、開田面積を加減した面積とおっしゃったわけでございますが、四十四年の水稲の作付面積が三百十七万三千ヘクタールでございます。その後、四十五年、四十六年の壊廃面積が作付面積に換算いたしますと七万九千ヘクタール、こういうことに相なっております。それから逆に、四十五年、四十六年の開田面積が作付面積に換算いたしまして一万八千ヘクタール、したがいましてこれらを加減いたしますと推定の四十六年の水稲の作付面積は三百十一万二千ヘクタールということに相なるわけでございます。この三百十一万二千ヘクタールに、これも大臣からお答えのございました、四十六年度の反収の四百四十三キロを乗じますと千三百七十八万六千トン、こういうことに相なるわけでございます。これが水稲の生産量でございますので、これに陸稲の十六万四千トン加えまして、千三百九十五万トンと、こういうことに推定をいたしたわけでございます。
○北村暢君 千三百九十五万トン生産の推定というのは大体わかりましたが、それに需要量千百六十五万トンを見込んで生産調整数量二百三十万トンと、こういうことなんですが、いまの壊廃の状況を見まして、四十三年、四十四年、これ、ずっと作付面積、四十三年で三百十七万ヘクタールですね、四十四年で三百十七万三千ヘクタール、若干ふえているですね、それが、四十五年を見て、四十五年もこれはおそらく作付面積はふえている、開田を壊廃の関係からいって、壊廃の相殺したものが、水田面積は若干ふえているように受け取られましたが、そういう傾向にあるのじゃないですか。それで、四十六年を三百十一万二千ヘクタールですか、というふうに換算すればなるのだということのようですが、これは四十五年度までと四十六年の見通しとは、若干減るような計算になっているようですが、ここら辺は確実な数字なのかどうなのか。四十五年度までの傾向と四十六年の見通しとは若干食い違いがあるのじゃないかというふうに私は感ずるのですが、どうなんでしょう。
○政府委員(太田康二君) 実面積で申し上げますと、御承知のとおり昭和四十五年度の壊廃でございますが、これは統計調査部の昨年の八月末の調査によりますと約三万六千ヘクタールになっております。そのときの拡張面積でございます開田が、一万九千ということに相なっております。したがって差し引きマイナスが一万七千ヘクタール、こういうことになっております。それから御承知のとおり、開田につきましては施策開田というのは極端に抑制をいたしておりまして、今後、たしか五十年までに七千ヘクタールぐらいしか施策開田はいたさないということにいたしておりまして、われわれの見通しでは四十六年度は一千ヘクタール、こういうふうに見ております。これに対しまして、壊廃につきましては、これまだ現在検討中でございますが、農地の転用基準等の緩和をさらに進めるというようなこともあわせ考えまして、昭和四十六年度はこれを五万ヘクタールと見ております。したがいまして、四十六年度に関する限りマイナスが四万九千、こういうことに相なるわけでございまして、これを先ほど申し上げましたように、二カ年を足しまして、作付面積に換算いたしまして、先ほど申し上げたような結果になる、こういう試算をいたしておるのでございます。
○北村暢君 壊廃の面積ですが、昨年度の減産対策について、生産調整が一三九%で、生産調整のほうはうまくいったのですけれども、政府が見込んでおりました五十万トン、壊廃面積十一万七千ヘクタール、これを見込んだわけですね。これが、結果的には三万六千で終わった、こういうことです。そこで、非常な施策をとったはずですね、これは。公共用地の取得のための地方債のワク外での問題であるとか、そういうふうな、利子補給までやって奨励して、壊廃、農地の転用についてだいぶ積極的な施策をとった。 私はこの前の、去年のいまごろの質問では、これはいかないだろうと言ったところが、大臣は、いや積極的にいま地方公共団体にもお願いをしているのだから、できるように協力願っているのだから——その作付けをする、いまもう三月、四月といっているときに、そういうふうに大臣はがんばっておった。結果的に、できないだろうと言ったら、できなかった。農民の一三九%の積極的な生産調整協力を得られたから、ようやくと百五十万トンの生産調整にやや近いものになっただけで、あれは一三九%の生産調整の協力がなかったならば、これは政府の見込みというのは、とんでもない食い違うことにまたなったのですね。だから、今度の五万ヘクタールというのは、去年の十一万八千から見れば半分以下ですから、とてもそれはいかないというので引き下げたのだろうと思うのですが、堅実なところを見ているというふうに思われますから、ここら辺の点、これも見込みですね。 それからこの二百三十万トンというのは、一時は二百六十万トンぐらい見ておったようですね、農林省の試算では。であったのが二百三十万トンになったのですが、生産調整をやるときには、決していいところはやらない。反収の低いようなところをやっておるのです。昨年のこの一三九%の達成率で百三十九万トン、これの調整面積が三十三万八千ヘクタール、そうすると、十アール当たりでいくと四百十一キロぐらいのようですね。いまのこの、基礎になっておる反収は、四百四十三キロということではじいておるわけですね。そういう点からいって反収の悪いところを調整するものですから、平均反収は若干上がってくるのじゃないかという気がするのです。ということは、生産の悪いところから調整しますから。四百四十三というのが、四十三年ではこれがもっとおそらく高かったようですね、四百四十八キロ。これは「長期需給見通し」のところで四十三年は四百四十八キロであったということのようです。そういうようなことで、この二百三十万トンの調整というのはあくまでもこれは見込みであるわけです。 そういうような点からいって、二百三十万トン生産調整すれば、大臣は、余らないことになっております、こういうことですね。余らないことになっておる。で、ちょっとこの二百三十万トンそのものもが甘いような感じがするのです。二百三十万トン見込めば絶対に余らないはずである、こういうことのようですが、これに確信があるのか、ないのか。だいぶ無理してはじいたのではないかというような感じがするのですけれども、どうでしょう。
○国務大臣(倉石忠雄君) 今回の想定が、さっき政府委員のほうから申し上げましたようなことで二百三十万トン出たわけでございますが、まことにありがたいことで、先月、生産対策協議会が開かれまして、そこには、この前と同じように全国のいろいろな団体の方々がお集まりになって、これからの生産対策について御協議を願っておるわけです、そういうところで。それからいま、全国の四十一か二道府県には末端までこれがおりてきておりますので、十分御協力を願っておるわけでありますから、私どもとしては二百三十万トンの調整はいけるんではないかと、こういうふうに思いますし、また、これからもさらに御協力を願うように努力を続けてまいりたいと、こういうことで督励いたしておるわけであります。
○北村暢君 時間もあれですから進めますがね。私は、今度の生産調整、まあ四十五年度の実績を見て生産調整をやらなければならない、二百三十万トンやらなければならないということは、それなりに政府としては対策を立てなければならないところに追い込まれて、生産調整を二百三十万トンやろうということのようですが、これは四十三年に「農産物の需給と生産の長期見通し」というものが出てるんですよね。四十三年に立てて、そしてこのデータが四十一年当時のデータを使ってますから、見通しがまあ狂ったといえば狂ったんでしょうけれども、この四十三年に立てた「需給の見通し」でいくというと、これは需要の面で千二百万トン以上ですね。五十二年でさえ千二百四十四万トンと、こう見通してるわけです、五十二年ですね。それが、四十六年で需要の見通しは千百六十五万トンというふうに、もう需要見通しが約百万トン狂って見通されてるのですね。全くこれは権威のないものだと私は思うのです。生産面においても、水稲で、これは面積的にいきましても、五十二年で二百七十六万六千ヘクタール。これで四十一年で三百十二万九千ヘクタール、こういうふうに見積もってるのですね。それが若干減るといってるのですが、今度の生産調整をやるというと、約五十万ヘクタールちょっとになるわけですね。そうすると、この五十二年の見通した作付面積からいっても、生産量からいっても、これをはるかに下回ることになる。五十二年で米の生産が千二百四十四万二千トン、こういう「生産の長期見通し」というものを、もう変更しなけりゃならなくなってきている状態ですね。 一体、この見通しに基づいて大体総合農政の基本的な考え方ができてるわけでしょう。そういうものも、この一年の生産調整で、見通しがもう全く狂ってきている。こういうのは一体だれの責任なんだろうね、これ。これはもう黙っておくわけにいかないと思うんだ、これ。高い金かけてこんな作業をやってね、人件費使ってね、一年にして使えないようなもの出すんだったら、こんな見通しなんかやめたほうがいい。公表されているのです、これがね。しかも総合農政というものがこれによってできているのです。これに対して一体どういう責任を感じてるんでしょうかね。生産調整のお願いをしてうまくいきますような話しておったって、どこにあなた方は農政というものに自信を持ってこれから農民を指導していくのか。私はその生産調整の協力を願うなんということではなしに、もう少しそこら辺でよほどあやまってもらわなければ——あやまったって済まない問題だと思うのですね。どういうふうに感じているのですか、これは。この辺のところをひとつ明らかにしていただきたい。
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり昭和四十三年の十一月に「農産物の需要と生産の長期見通し」を公表いたしたわけでございます。その際、米の見通しにつきましては昭和五十二年における一人当たり消費量が九十一・六キログラム、需要量として千二百四十四万二千トンと先生のおっしゃったことはお説のとおりでございます。たまたま御承知のとおり、昨年「農業生産の地域指標の試案」を公表いたしました際に、実は米につきましては昭和四十四年の数字がはっきりいたしまして、需要量が千二百万トンを切ったわけでございます。御承知のとおり千百九十七万トン。そこで米につきましては「需要と生産の長期見通し」の改定をせざるを得ないだろうということで千百六万三千トンということで、実は「農業生産の地域指標の試案」では昭和五十二年における需要と生産量を改定いたしたのでございます。 そういうふうに実際に需要の数字なり生産の数字、非常に動かすのはけしからぬではないかというお話、確かにあるわけでございます。米につきましては御承知のとおり最近におきましては需要が年々、まあ大ざっぱに申し上げますと二十万トンくらいずつ減るというような傾向にもあるわけでございまして、こういった特に最近の傾向を反映いたしまして、四十四年の数字も明らかになったことでございますから、これに基づきまして「農業生産の地域指標の試案」につきましては、五十二年の数字を先ほど来申し上げておりますように、千百六万三千トンというふうに改定いたしまして、これらをベースにいたしまして、今後の生産調整の数量等も実は単年度需給均衡というようなたてまえから推算をいたしておるというような経緯でございまして、確かにわずかの間に数字を動かしたのはけしからぬというおしかりを言われればそのとおりでございますが、いま申し上げましたように、近年におきますところの米の消費が、われわれが予想した以上に急激に減っておるというようなこともあるのでございまして、最近の数字が明らかになりました時点におきまして改定をいたしたと、こういう経過でございます。
○北村暢君 農林省は、四十四年の数字が明らかになったから改定しましたで済むかもしれませんけれども、いいかげんなものだということになってしまうのですね。ですから農林省の見通しであまりそのとおりいったことはない。これは見通しですから狂うのは狂っても狂わなくてもしかたがないといえばしかたがないようなものですけれども、常に狂っておるというのでは信用の問題になる。 そこでそういう調整をするというのはいいのですが、そういうふうなことの調整をしますというと、これは今度の作付転換をする問題についての四十六年度の作付転換の内容ですね、十八万八千ヘクタールについてこの飼料作物あるいは永年作物あるいは大豆、こういうようなものを見ましても特に大豆等の豆類にこれは作付転換をするというのですが、この「長期見通し」によるというと大豆は作付による面積においても生産量においても減ることになっていますがね。いま作付面積で十六万九千というのが八万三千の半分に大豆の作付面積は減るということになっている。ところがもう作付転換のほうでは豆類では大豆が作付をふやしていこうということですよね。ですからこの「長期見通し」そのものを米のところだけを調整するんじゃなくて、全体これやり直さなければならない問題です。こういう点について。……。しかも総合農政というのはこれによってできているんでしょう、「長期見通し」に基づいて。そうじゃないですか。 そういう点から言って、これは指導方針について私はやはりもう一ぺん練り直さなければならないというふうに思うのです。そういう点は今後どうなんでしょうか、五年後には。いまは休耕、普通転作、その他でやっていきますがね、五年後には完全に転作されてないうとまた米が余ることになるわけですからね。指導していくわけでしょう。したがって大臣は四百何億かの作付転換のための施策を講じていくんでしょう、こういうふうな予算をかけてやるんですから。五年後にはこれは作付転換やって減反するだろう、水田は減るだろう、こういうことを積極的にやろうとしているわけですね。やろうとしていることがどうもこの総合農政の基本になっている「農産物の需給と生産の見通し」というものをまず改定をしてかからないというと私はこれはいけないんじゃないか、こういうふうに思うのですが、そういうような点についてこれはやるんですか、やらないのですか。
○政府委員(太田康二君) 実は先生のお手元にもおそらくお届けしたと思いますが、「農業生産の地域指標の試案」というのを昨年の十二月十二日に公表いたしたわけですが、それの印刷物の一ページにも書いてございますように、「作成の前提となる全国ベースの農産物の需要ないし生産の見通しについては、例の四十三年に公表いたしました「長期見通し」を最近の実情を踏まえて検討した結果、米、麦類及び豆類を除いてはおおむね妥当と考えられるので原則として「長期見通し」によることとした。ただし、米の需要と生産及び麦類豆類の生産についてはまあ米の場合は「長期見通し」公表後の米の消費の減反が予想以上に急速であるので、新たに見通しを行ない」——これは私が先ほど千二百四十四万二千トンを千百六万三千トンに変えましたというところでございます。「また後者については米の生産調整に伴う転作を織り込む必要があるので新たに見通しを行ない、それぞれを前提とした」と、こういうことでございまして、先生お尋ねの豆類につきましても四十四年の作付面積が十万三千ヘクタールをこれが五十二年では二十四万ヘクタールというふうに実は改定をすでにいたしております。
○北村暢君 それじゃいまの改定をされたものについて、今度の府県別の生産調整の割り当て——限度数量の割り当てというものはこれからいけばそう激しい差というものが出てないのじゃないかと思うのですね。ということは、単作地帯である、米地帯である秋田、山形、新潟、こういうようなところも今度の生産調整、平均してこれ二三%くらいの減反をやらなければならないのでしょう。それに対して、もうほとんど大差なく平均的に割り当てられているような感じがしますがね。これはどういう配慮がなされましたか。
○政府委員(太田康二君) 二百三十万トンの割り当てにつきましては過去の政府の買い入れの実績数量それから当該府県におきますところの平均収量それと、私のほうで昨年の十二月十二日に公表いたしました「農業生産の地域指標の試案」に基づきますところの五十二年におきます要減産数量があるわけでございますから、これらをそれぞれ三分の一ずつのウエートをつけまして配分をいたしたというのが原則でございます。 御承知のとおり、昨年はこの「地域指標」がまだできておりませんので、転作の難易度いわゆるPQ指数というものを用いまして配分をいたしたわけでございますが、この際は確かに先生の御指摘のような、やや一律配分に近い形の配分が行なわれたわけでございますが、今回は「地域指標」も反映させるということで、やはり都市近郊地帯がかなり大きくかぶるというようなかっこうに割り当てはなっておるわけでございます。将来の方向としてもできるだけこの「地域指標の試案」に示された方向に農業生産を誘導したいというのがわれわれの考えでございますから、配分にあたりましてはこれらのウエートを高めていくというのが将来の方向ではないかというふうに考えておる次第でございます。
○北村暢君 次に、それで府県に限度数量を割り当てたわけですがね、それについて予約限度数量そのものが、生産調整二百三十万トンというものに協力を願うというたてまえに立って限度数量というものが割り当てられておるのですね。ところが生産調整はこれは強制力がなくて、あくまでも御協力を願う、こういうことですね。先ほど大臣も言われておるように、二百三十万トンの生産調整は非常によく御協力願って実現する見通しである、こういうことを言われておるのですけれども、生産対策協議会等の大臣のところへいっている報告は非常にスムーズにいっているように大臣のいまの答弁では受け取れる。ところが、この生産調整二百三十万トンが協力を願わないというと限度数量がくずれることになるのですが、この限度数量についてはこれは法令ですから強制力があるわけです。しかし強制力はあるのですけれども、その基礎には二百三十万トンの生産調整というものの協力がなければできないことになっていますね。 ところがこの二百三十万トンの生産調整は各県は生産対策協議会で市町村長に集まってもらって協議をしたところもあるようですし、そのときにとても責任を持てないということで、それでも上からきたんだからやらざるを得ないというので、とにかく市町村の割り当ては郵送して割り当てた。市町村長はこれから生産者に割り当てをするわけでありますけれども、その市町村長もごく機械的にやらざるを得ないということでしょうか。ほんとうにそれに対する農民の理解を得て、生産調整が非常にうまくいくという話でしたけれども、なかなかそこら辺のところは私は簡単ではないのではないか。ということは、昨年一三九%を達成したというのは、もう私が言うまでもなく、食糧管理制度の根幹は維持する、そのために生産調整に協力してください、こういうことで農民は協力して生産調整一三九%の達成をしたわけです。ところが今度はもう五年後には減反をするんだということがはっきりしておりますから、しかもこの強制的な予約限度数量というもので、これは政令でもって強制力があるということで、明らかにこれは買い入れ制限である、そのために食管法の精神からいって農民の実感として、これは食管制度というものはくずれたんだと、農林省はくずそうとしているんだと、こういう感覚を持っている。 したがって中央における農業団体は、今度の限度数量問題については積極的に協力するという態度はとっておらぬ。それで、やるならやってください、これは私の責任ではございません、市町村長の責任で限度数量割り当ててください、こういって農業協同組合も末端においては協力するところもあるし、協力しないところもある、こういう実情のようですね。ですからそういう面について生産調整というものは、これはあくまでも強制力はなく、協力を願うというもので、達成できるかできないかというのは、それは知事、市町村の努力いかんにもよるのでしょうけれども、非常にむずかしいようですね。そういう点について自信がおありになるのかどうか。 それから今度の生産調整については、個々の農家に割り当てた限度数量以下に生産調整に協力する、ことしのように一三九%生産調整に協力するというようなことが出た場合に、奨励金というのですかをこれは去年と同じように補正予算に組んでまで出す、そういうことになってもいいのですか。二百三十万トンか三百万トン、生産調整に協力される、まあそういうことがあるかないかわからないのですが、それでもなおかつ奨励金は出すということになるのですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 生産調整はいま一番末端までおりているところでありますし、私どもはいろいろ団体の動き等を見ておりましてたいへん御苦労なことだとお察し申し上げておりますけれども、全国の情報によりますと必ずいけるものである、こういうふうに確信を持っているわけであります。 それから生産調整の奨励金のことでありますが、これはいま国の方針としてやっていることでありますので、財政当局とも相談をいたしまして、これは本年は御存じのように、オーバーしたものにも同じように扱いました。これらの点についてはそういうふうにやれるようにひとつできるだけ力を入れてまいりたいと、こう思っております。
○北村暢君 これはやはり予約限度数量というものが、今度は協力願うだけではなくて、買い上げるほうは限度数量を示すわけですね。その場合に個々の農家に割り当てる際にこの限度数量というものが、町村の段階においてゆとりを持って、一個の農家では全部休耕してしまう、この前はそういうことができたわけですね、去年は。今回は、ことしはこの限度数量との関係で、生産調整は個個の農家の限度数量の割り当て以上に個々の農家が融通をして、市町村の段階において割り当ての市町村の限度数量を越えなければ、市町村が生産調整というものを個々の農家においてゆとりを持って操作をしていいのかどうか。どうも割り当てのほうからいくと、それはどうもむずかしいように受け取れるのですが、そこら辺のところの関係をわかりやすく説明してもらいたい。
○政府委員(太田康二君) 確かに本年度の生産調整につきましては予約限度数量というものを設けますので、その基礎には生産調整の数量があるわけでございますので、昨年のごとく町村段階でいろいろ何と申しますか話し合いでやるというようなことがむずかしかろうという事情はよくわかるわけでございますが、私どもといたしましては市町村長の確認のもとにそういうことが行なわれた場合にはそれはそれなりに認めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○北村暢君 そうすると、たとえば北海道等において水田をやめて酪農に切りかえるということで、永年転換ということで四万円の奨励金が五年間は出る、こういうことは可能であるということですね。それで一つわかりました。 そこで、個々の農家の限度数量というものがそのように市町村長の段階で調整をしますから、したがって個々の農家は従来どおり一〇〇%できたものは全部予約をするという場合でも、これは受け付けられますね。したがって、市町村長の裁量で市町村に割り当てられた限度数量の範囲内であれば、個々の農家では一〇〇%——ややっこしいですが、前の算定方式で、前年度に予約した、何というのですか、生産が見込まれるものについては——こえて買ってもらう、予約限度数量こえても、いまの一般の基準よりこえても受け付けると、こういうことになりますか。そう理解して差しつかえございませんか。
○政府委員(亀長友義君) 個々の農家につきましては、もちろんかりに町なら町、村なら村を単位にとりまして、そこで生産調整もある程度集団的にやる、そこで予約限度数量もその予定された限度をこえないという形で市町村長は個々に割り振るという場合に、一人一人の人をとってみれば、片一方で非常に生産調整をやった人には、村長は予約限度数量を少ししか与えなくて済むわけですから、片一方のほうで、かなりたくさんつくった人は予約限度数量を十分にもらえるという場合はあると思います。いずれにしましても、私どものほうとしては、村なら村で予約限度数量をこえない範囲内で売り渡すように市町村長が配分をしてもらえるならば、個々の人について特にどうこうというつもりはございません、ちょっと御質問の趣旨がわかりかねるのですが。
○高橋雄之助君 関連してお聞きしたいと思います。 いま、生産調整の関係で市町村におりているわけです。一番いま生産者が不安で心配をしておることは、北村先生がいまいろいろと質問しておりまする内容なんでございます。米を減らすという方針ですから、だから限度数量が割り当てになって、その市町村長がたとえば十万トンなら十万トンというものに対して、全体が協力して十二万トン、結局生産調整で減らすということになった場合には、それに対してもやはり奨励金はもらえるのですかと、こういうことなんです、それが一点。 それからもう一つは、政府がしょっちゅう言っているけれども、年々非常に変わるじゃないかという問題。非常に不安に思っておることは、一般休耕が三万円、あるいは寄託休耕、合理化法人への賃貸、普通転作が三万五千円、特別転作として集団あるいは永年転作については四万円を三年、五年と——まあことしはいいが、一体来年もいま言ったような五年間もらえるのですかと、あるいは三年間実際にもらえるのですかと、この点が明らかでないということを非常に不安に思っておるんですが、これもひとつ明らかにしてもらえれば、下へ下がっていっても、そのことは間違いないということになれば、国に協力するという生産者も多くあると思うんですが、その辺がどうも不安に思っておる現状でございます。これに対して、この点を明らかにしてもらいたいと思う。確認の意味で言うことですが、その点ひとつお答え願いたい。
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、全体として生産調整の奨励補助金は千六百九十六億あるわけでございますが、これは一応面積としては五十一万四千ヘクタールを考えておるわけでございまして、先ほど、大臣のお答えにもございましたように、それで全部おさまれば、それで一番けっこうなわけでございますけれども、もし二百三十万トン以上おやりになるということが全国集計した結果出てくる場合もあるわけでございますから、その場合にはわれわれといたしましては、本年度の例に準じて補正等で措置をするという努力をいたしたいと考えております。 それから、転作の奨励金と休耕の奨励金の交付期間の問題でございますが、この点につきましても、閣議ではっきりと了解いたしましたように、転作の場合には五年間、休耕の場合には三年間継続して補助するということを明らかにいたしておるのでございます。
○北村暢君 先ほど亀長長官の答弁ですと、市町村長は、予約限度数量というものが県から割り当てられる。その範囲内であったならば、個々の農家では、片一方はゼロで、片一方は一二〇%でも、市町村長が割り振る際には、それはあって差しつかえない。ただし、それは市町村の割り当て限度数量内であればよろしい、こういうことですね。
○政府委員(亀長友義君) もちろん市町村長がおやりになるんで、あまり不合理だとか不公平だとかいうことではなくて、生産調整の実施状況ともにらみ合わせて合理的に考えると、そういうふうになったということであるならば、私どもとしては御趣旨のとおりでございます。市町村の総量をこえていないということであれば、けっこうでございます。
○北村暢君 これは衆議院の質問でもややこしいんで、かりに限度数量が百俵であったと、市町村が個々の農家に割り当てたんであるから、これは普通であれば百俵供出するところを八十俵ということに割り当てる。その場合、申し込みが百俵であったならば、これは受け付けない。申し込みそのものを受け付けないという答弁をしているんですね。ですから、その場合は、確定した数字として市町村長が割り当てたものであれば、これはそういうものを認めるときはオーバーするにきまっているから、それでいけないと、こういうことであって、これから集団化なり転作なりでやって、農業の経営の切れ目というんですから、そういう場合には、一戸の農家で全部転換するということはあり得るわけですね。だから、この点がどうもできないようなふうに受け取れるわけです。これはいまの食糧庁の説明では、官房長の説明と食い違ってないようですが、この点は衆議院段階の答弁では、そこのところはっきりしておったんですか。そういうところでよろしいですか。
○政府委員(亀長友義君) 衆議院農林委の段階では、予約限度数量というものを一たん設定した後に、各人について市町村長が、あなたは百俵ですよということを一たんきめた後に、百二十俵政府へ予約の申し込みをしても、それは有効とは認められませんと、無効ですと、しかし、扱いとしては、有効なのは百俵だけだということに実務上は処理をしていきたい、百二十俵は効果がない、こういうお答えをしただけでございます。 きょう御質問の点は新しい点でございまして、村全体と各人間の調整、それから生産調整を集団的にやった場合に、予約限度数量のほうは、今度は逆にあるほうへ固まるということになるが、それはそれでもいいかという御質問で、そういう質問は衆議院ではございませんでした。それで先ほどからお答えをしておるのでございますが、一律一定の規則、機械的計算でくれば、その人には本来百俵くるはずである、ところが、片一方で生産調整をやる人がいたので、長としては、その人には百二十俵予約限度数量を割り当てることができるようになったという場合には、町長の、村長の予約限度数量の設定は百二十俵でまいりますから、その場合には、もちろん国は百二十俵でも受け付けるということであります。
○北村暢君 それは明らかになりましたからいいんですが、それでは次に、衆議院での問題になった、調整の最後の限度数量を割り当てられた者の救済措置ですね。どう考えてみてもこの町村長の各農家に割り当てた数量が不服であるという場合——これを不服であるということは、実情に合わない、二割、二三%平均ぐらいのものでいくべきものがもっとよけいきたという場合に、救済の措置というものはあるのですか、ないのですか。どうもこの異議の申し立てとか何か一切聞かないようですが、そういう点はこの政令改正の点からいって、救済措置というものはないようですが、その点はどうなっていますか。
○政府委員(亀長友義君) この限度数量の割り当ては、生産調整の事情を考えながらやるということで、全体的には生産調整と平仄をとってやっておるわけでございますが、そして県、町村と割り振る段階でもいろいろ面積の変動、それから人口の変動、諸般の事情を考慮してきめるようにできるだけの配慮はいたします。ただ、まあ最終的に割り当てを受けた人が、自分の予約限度数量の設定には不服であるということについての救済はどうかという御質問だろうと思うのでございますが、それにつきましては、政令の上では特に救済を認めていないわけでございます。と申しますのは、これは非常に法律論になるのでございますけれども、予約限度数量を設けるということは、これは国としてはこれ以上買わないということでございまして、食管法の第三条の規定からいきますと、それはある意味、結局その限度の範囲内において国が命令をかけて売れというのが、今度限度内で申し込みがあればと変わっていくわけでございますから、自分の義務をふやしてくれというのが、はたして救済になるかどうかという問題があるわけでございます。全くの法律上の問題でございます。 そこで私ども政令を改定する段階では、予約限度数量が少ないからふやせということは、自分の義務をふやせということは、本来法律上の救済対象となり得ない、こういう法律上の問題がございまして、この食管法に基づく政令ではそういう規定は設けていないわけでございます。ただ食管法以外に、一般の行政不服審査法等の対象になるかどうかという問題は依然として残っております。私どものほう、まだ法制局と十分詰めておりませんけれども、まあ行政不服審査法は一般的に行政処分によって権利、利益を侵害ざれた者を対象にしておりますから、おそらくこれは対象になるのじゃないかと思うのでありますけれども、との点はまだ私どもだけでは明確にできないような状況でございます。
○北村暢君 もう時間がないからこれで終わりますが、そういうふうに割り当てたが、いつも予算委員会等でも押し問答をやっておりました余り米の問題ですがね、これは現実に余り米が出るか出ないかというのは、現在でもやみ米ないとは言えない。政府はどの程度把握しているかしれませんけれども、やみ米というものはありますわね。したがってこれは余り米については、大臣の答弁によるというと、政府の買い上げ五百八十万トンですか、それに自主流通米百八十万トン、それ以外のものが天候その他によってできた場合には自主流通米と同じ流通の経路を通って農協で管理をしてもらう、そういうことのようですが、自主流通米はこれはもし残れば政府が買い上げるという保証がある。第二の自主流通米というのは、これは限度数量をきめている限りにおいて政府は買い上げしない。まあたてまえはそうなんでしょう。しかしそれがいよいよのときには協議をするのだからそれ以上詰めないでくれと言われておったのですが、だいぶ押し問答やっておったようですね。ところがこれはやっぱり達田君が言うように、農民は売れるのだか売れないのだかわからないような余り米を手持ちにして腐らすなんという、国であれば平気でえさにしたり腐らせたりしているけれども、農民はそういうことしませんよ。農民はこれやっぱり一番いい値でもうかるように処理する、こういうように思う。 ただここで問題になるのは、農林省は今度検査規格を改定しますわね。来年度から米の規格というのですか、何か等級の改定をやりますわね。それで等外米——この規格の検査を厳正にやって政府の買い上げの対象にならない米というのが出てくるわけですね。そうすると、これはいままでは大体あまりうまくない米は政府に売って、農家は自分のうちではうまい米を食べた。これは昔とは逆なんで、いまそういうふうになっておる。ところが今度は農家はもう売りようのない規格外の米を、食べるような形になるかどうかしりませんが、それでなおかつ余る米というのは、そういう規格の改定をやって政府の買い上げない米ができる。それは農民が消化したとしても、これは余り米というのは、いい米はそれは腐るまでは農民はほうっておかない。事実問題として堂々と業者が農協に一元集荷するというようなことを言っておるけれども、指導するが業者はもうすでにいい米はどんどん買いつけて、そして堂々とやみ米をやみ米でなしに自由米ということで登録の米屋さん以外に流通をする。これは最近の新聞にも出ておるわけなんです。食糧庁では非常に困った問題だ。市町村なり何なりの監督からいっても、大体物価統制令は廃止して価格が自由になるのですから、そういう点からいって、またその米屋さん自体が、これは不正行為をやっているとかやっていないとか、私知りませんけれども、まあそんなようなことが書いてある。そっちのほうの取り締まりはさっぱりできないで、やみ米の取り締まりというのはけしからぬといって談じ込まられたら、何もやっていないのですから、監督だの何だの食管法はあるけれども、末端のところまでは監督できないですから、それでねじ込まれて結局うやむやになってやみ米業者がもらすでに自由にやりつつある、こういう状態ですね。 これはいまの食糧管理制度、米の管理というものは国でやっているわけですけれども、すでにこの米の管理というものは、私は今度の予約限度数量をきめたことによって、買い入れ制限をやることによって、予約限度数量内のものは政府が管理できるが、それ以外は自由米、自由化してしまうというふうになるんではなかろうか、実質的には、というふうに思うのですけれどもね。政府は一体これらの問題について、食糧管理法というのは一部の米の管理であって、他は自由化していくんだと、こういう基本的な考え方を持っておるのじゃないかと思うのですがね。この点は一体農耕大臣はどのように考えておられますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) これは私はものの言い方あんまりじょうずじゃないものですから、総理大臣がこの間の参議院の本会議で非常に簡明答えておりますので、それがたいへんよく言っっておりますから……。「食糧管理制度が戦後の日本経済の再建にあたって果たした役割りと、この間の農民諸君の御苦労に対しては、森君と同様の立場において、心から敬意を表するものであります。私はそれだけに食管制度に対しては一種の愛着を覚えるものであり、その改善の方向を検討するためには、慎重の上にも慎重に対処してまいりたいと考えます。」、こういうふうに答えておりますが、いま御指摘のようなことは、私どもといたしましては研究課題ではあります。その他いろいろあると思いますが、いま北村さんのおっしゃいましたようなふうにはまだ考えておりません。これから本年の生産調整にいま一生懸命でやっていただくわけでありますから、そういうような経過を見ながらひとつ慎重に検討いたさなければならぬではないか、こう思っております。
○北村暢君 そうすると、これはいまやみ米だなんていうのは取り締まりだなんてだれも気にしている者もいないわけですね。だけれども、食糧管理のたてまえからいうと、まあ農林大臣は苦しまぎれかどうか知りませんけれども、余った米については農協に集荷をして、その取り扱いについては今後検討さしていただきますと、こういうことのようですがね。そんなことを農林大臣が言われたからといって農民がそのとおりにやるとは限らないですね。やるとは限らないものについて——農民が一部にあるのですよ、そういうことが。たとえば生産調整なんていう、そんなものはどうでもいい、わしらはどこにも負けない米をつくる、品質のいいものを、そして政府が買い上げてくれようがくれなかろうがどんどん売るんだと、これはもう農民自体のほうが、食管制度を守れという農民自体がくずしているということに結果的になるのですけれども、だけれどもいまのたてまえからいえばそれはぐあいが悪いわけでしょう。だからそういう面について一体どう指導なり監督なりをするのか。 いまの法律のたてまえからいえば監督せざるを得ない。だから管理といえば、米の管理というのはどこまで管理するのか。いまの食管法に基づいてどこまで管理するのか。生産調整がうまくいけば余り米なんというものはないのだから、その心配はないのですけれども、そうじゃないのですよ。現在でもやみ米というのは流通していることはこれは公然の秘密でしょう。ないとは言えない。そういうものについて監督なり指導なりというものはどうするのですかと、こう聞いているのです。
○国務大臣(倉石忠雄君) 食管制度が末端においてだいぶくずれておりますことはすでに御指摘のとおりであります。これは私どもといたしましては法律が存在する限りは、やはりできるだけ当局と相談をいたしまして取り締まるべきは取り締まらなければなりませんが、大体法がくずれてまいりますということは、そのときの実情に合わない場合、非常に多いように見受けられます。したがってそういうようなことを勘案しながら、やはり根本的に私どもは再検討しなければならないと思っております。 そこで米の生産者たちがいまあなたの御指摘のようなことをどんどんやっていくということは、とりもなおさず食管法及び制度をみずからの手でくずすことになることは御指摘のとおりであります。そこでそういうような混乱した状態になるということは、われわれとしては管理の制度が現在あるのでありますからそういうことから見て困ったことでありますので、そういうことについてはそういうもろもろの情勢を材料にいたしまして、この制度を根本的に一ぺん勉強し直さなければならないのではないか、このように思っているわけでありますが、とにかくいまさっきお話のありましたように限度数量があるのでありますので、それと、生産調整と農家保有米と合計いたしまして、しかも平年度の作柄であるということになれば、やはり一応ルートは守られるわけであります。したがって私どもは農業団体等にもそういうようなことでいけるようにひとつ指導してもらいたい、こういうことを言っているのでありますから、その経過によっては御指摘のようにいろんな問題があろうかと思いますので、そういう場合には十分に検討してみたいと思っております。
○沢田実君 私は当委員会において大臣が所信表明をなさいましたその幾つかの問題について質問をしたいと思います。 まず第一に、国民が必要とする良質の食料を安定的に供給するという基本的なことをおっしゃっておりますが、米は余っております、野菜は足りませんというようなことで、安定的な供給ということは非常にむずかしいものだと思いますが、大臣はこれを基本的にどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 食料は私どもの生存にとりまして欠くべからざるものでございますから、従来からその安定的供給、これは御存じのように法律等にもそういうことばを使っておりますが、現実にもやはり安定的供給を確保することは農政の重要な基本目標でなければならないと思うわけでありますが、今後も不断に高度化しながら増大いたします農産物の需要の動向に対応し得る農業の生産や集出荷流通体制の確立を通じて、食料の安定的供給を確保してまいりたいと考えておるわけであります。 そこで、いまお話のございましたように、いろいろ国民の嗜好も変わってまいります。その対策としては好ましい農業生産構成、及び地域の特性に応じました農業生産への誘導をはかってまいることとしまして、五カ年にわたる米の生産調整と転作の推進、それから畜産、園芸等計画的振興をはかる必要があると存じます。それからまた生産のにない手であります近代的農業経営の育成や流通機構の体制の整備等必要な諸施策を講じてまいる所存でございます。そういう諸施策を講じながら、安定的な食料の供給をはかってまいりたい、こういう趣旨でございます。
○沢田実君 そこで具体的に一つの例をあげて、その安定的供給ということについてお尋ねをしたいと思うのですが、いま一番問題になっております野菜なら野菜、その中の大根なら大根というものを取り上げてお尋ねをしたいわけですけれども、需要に応じた生産をしなければ安定的供給ができないわけですけれども、東京なら東京というところで、四十六年の一月なら一月に大根がどれだけ需要量があるという、そういう調査は——大根はどれだけあるいは白菜はどれだけあるいはニンジンはどれだけというような需要量の調査はできておるのでしょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 野菜全体としてのそういう何といいますか、予測及び計画的生産というものは、いままでも努力をいたしておるところでありますが、いまお話のように、一つの野菜についての需要量はなかなか把握することはむずかしいのでありますし、また御存じのように、生産者というものは自分が食べるために生産しているものもあるかもしれませんが、そうでなくて、また自分で食べるためにつくっておるような人でも、値段がよくなれば売ってしまいまして、そうして安いものを買って食うという産地が東京近辺にはたくさんあることは御承知のとおりであります。 したがってただいまのような自由経済のもとにおいて、私どもがすべて命令のもとに、何をどれくらいというふうなわけにもまいりません。またことし一つの野菜が暴落すれば、来年はそれをつくりませんからして、その野菜は来年は必ず暴騰いたします。そういうことで、なかなかむずかしいことはありますけれども、御存じのように、ただいま農林省は全国にいままで五主要消費地、今度二つ追加して七カ所、大体そういうようなところに、需給のバランスがとれるような考え方を基礎にいたしながら、生産地と消費地をつなぐ計画はいたしておるわけでありますが、何といたしましても、やっぱりそのときどきの消費者が、御自分の考え方で需要をきめられるものですから、その点においてはむずかしいと思いますが、できるだけ計画的な、消費と生産がバランスのとれるような産地の指導をいたしてまいりたい、こういうことでございます。
○沢田実君 いささか具体的な問題になりますので、答弁は大臣でなくてけっこうでございますけれども、いまおっしゃるように、計画生産はできないと、自由主義経済下なんだからやむを得ないとおっしゃればそれまでですけれども、私は資本主義社会の中においても、いまおっしゃっているように安定的供給をするための努力も必要でしょうし、その方向で努力していらっしゃるわけですから、そうしてみれば、その需要に応じた生産という第一前提としてはこの需要量の測定ということになるのじゃないか。需要量が全然測定されていないで、どうしてその需要に応じた生産ができるかということを私は言いたいわけですけれども、荒々このくらいという見通しはないのですか。野菜関係の局長さんはいらっしゃらないのですか——。
○国務大臣(倉石忠雄君) それはあとにしてください。
○沢田実君 それではあとにいたしまして、農業従事者が他産業に劣らない所得を得るようにしたいという、そういう一つの目標を出していらっしゃるわけですが、生産は調整され、しかも適当な転作がない、生産者米価は上がらないというような中で、どうして他産業に劣らない農業従事者の収入を増加させるのか。基本的な考え方でけっこうですから、大臣にお願いします。
○国務大臣(倉石忠雄君) これは時間的に測定いたしますというとかなりいろいろな問題はあると思いますが、農業それ自体というものは、やはり農業従事者が他産業従事者に劣らない所得を得られるようにということを、まあ私どもは農政の一つの基本目標といたしておるわけでありますが、今後もいまお話しのように、米の過剰問題を解決して、強力に総合農政を展開して、農業で自立しようとする農家については、米作その他の経営形態に応じて、それぞれの基盤整備、生産性の向上、それから経営規模の拡大につとめるなどいたしまして、農業構造政策の推進を基本として農業所得を増大させる。それ以外に、農家につきましては、安定的な兼業機会をつくり出す、安定的なそういう兼業所得の増大を通じ、農外所得の安定、増大等を確立することによりまして、他産業従事者と均衡のとれた所得を確保するように努力いたしたいのでありますが、農業と申しましてもやっぱり私どもここで農業が他産業と比較してという考え方の一つの基礎になるものは、やはり農業というものの体質を改善して、農業それ自体の年間所得が、他産業に比べて劣らない所得の確保できるような農業の体質を改善いたしたい、こういう考え方でございますので、農業を専門にいたさない兼業というふうな方々にとりましては、農外所得、つまり兼業のほうとあわせて他産業と比較して所得の劣らないようなものをつくり上げるようにいたしたいというふうな、いろいろな考え方があるわけでありますが、総じてただいまお話のありましたように、生産調整等が行なわれ、それから米価の据え置きというふうなことを考えてみますと、部分的に、またある一定の期間においては、これはなかなかむずかしい問題でありますが、私どもがねらっておりますのは、いま申し上げましたようなことでございます。
○沢田実君 これは四十六年度の大臣の所信表明ですからお尋ねをしたのですが、長い目で見てそういうことだと、四十六年当面には非常にむずかしいということで理解をいたします。 時間もありませんから、そのことを議論しておりますとなくなってしまいますので次に参りますが、これは予算委員会でもだいぶん議論をされたことなんですが、消費者米価については物統令の適用を廃止するということなんですが、それで、物統令を廃止した場合に、消費者米価が上がるのか上がらないのかということでたいへん議論をされておりますけれども、それについては、結論でけっこうですが、上がるとか上がらないとか、その点の結論はどんなふうにお考えなのか。予算委員会でどういうふうに御答弁になっていらっしゃるのか、まず大臣から……。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私は物統令の適用を廃止いたしましても米価は上がらないと。第一、上がるとか上がらないとかという基準をどこに置くか、いろいろな御議論があるようでありますけれども、一般的に申しまして、私どもとしてはそういうことのないように最善の努力をいたしますが、またそういう上がるであろうという心配はいたしておりません。
○沢田実君 これも具体的な問題になりますから、食糧庁長官にお尋ねをしたいわけですが、東京都内のいわゆる米を販売している業者の一軒当たりの一カ月の取り扱い量はどんなものでしょうか。
○政府委員(亀長友義君) 東京都内の一カ月の取り扱い量は大体十六トンであるという資料、これは私どものほうで米穀の小売り販売業者の現況調査というのをいたしております。その調査で四十年の四月から六月現在の時点を調査いたしたものが最近のものでございまして、それによりますと十六トン、かように相なっております。
○沢田実君 その販売業者の販売手数料は幾らになっておりますか。
○政府委員(亀長友義君) 一俵当たり五百四十七円二十六銭という、一俵当たりの手数料になっております。
○沢田実君 私の調査では十四トンでございますので若干違いがありますが、まあ長官のおっしゃる十六トンで、その販売手数料では荒利益何ぼになりますか。
○政府委員(亀長友義君) 粗収入額という資料を私持っておるわけでございますけれども、おそらく荒利益ということばに合致するんだろうと思いますが、十四万三千三百八十二円というのが現況調査の結果の資料によりますとそのように相なっております。
○沢田実君 その商売を営むためにどれだけの必要経費を見ておりますか。
○政府委員(亀長友義君) この小売りマージンの計算の基礎といたしまして、人件費につきましては玄米一俵当たり四百四十一円五十銭を見込んでおります。従業員につきましては国家公務員の五等級十号相当の金額、また賞与等も計算をして見込んでおります。従業員数は店主一人、従業員二・〇八人でございますが、米屋さんの場合はかなり他の兼業が多うございますので、米は一般的に七七%ぐらいの取り扱い、営業全体の中に占める比率であるという七七%を掛けて人件費等を計算いたしております。事業費につきましては五十五円五十四銭、これは運搬具費、金利その他とこまかい要素から成り立っております。そのほか、事務費としまして五十円二十二銭、これは厚生費、旅費・交通費、通信費等でございます。以上のような関係で小売りマージンの計算をいたしておるようなわけでございます。
○沢田実君 それで十六トンを売った場合に、十四万三千三百八十二円という売買の差が出るわけですが、その利益を得るためにいろんな、いまおっしゃる経費が要るわけです。ですからそういう商売を営んでいる米屋さんは、そこから何万円の経費を引いて、実際米屋さんの収入というものは十万になるのか、九万になるのか、八万円になるのか、その計算を伺っているわけです。
○政府委員(亀長友義君) この粗収入額の見込みの中から純利益という計算はいたしておりませんが、このマージンの計算の中に人件費というのを見て織り込んでございます。この人件費が十四万三千三百八十二円のうち十一万五千七百九円が人件費ということになりまして、これが利益といえば言えるわけでございますが、その中に従業員の人件費、これが先ほど申し上げましたように、国家公務員の五の十の従業員に見ております。店主につきましては、全国平均でこれも公務員ベースで見ておりますが、店主七万七千四百八十五円というのをこの中に見込んでおりまして、それが利益と申しましても、結局は人件費、給与といろ形でこの中に入っておる、かように考えております。
○沢田実君 ですからそういう経費で引いた金額は幾らになるか、いまちょっと計算はできないでしょうけれども、そういうことで車も要るでしょうし、従業員も要るでしょうし、一カ月二百五十俵なり三百俵なりを販売するには相当の手間がかかるわけです。それでこれだけの収入しかないわけですから、これでは東京で米屋さんとして生活できるとお思いになりますか。
○政府委員(亀長友義君) もちろん、米屋さんは米だけ売っておるという縛りも何もしてございませんし、いろいろなものを売って生活をしておられるわけでございまして、米の部分だけ取り上げればこういうことでございまして、店主の取得として平均的に見て七万七千四百八十五円を店主の取得として見ておるわけでございますので、まあそのほかに従業員、人件費を含めますと、十一万五千七百円というものを平均的なものについても織り込んでおる。もちろん、これより兼業率の高い、兼業の多い店もたくさんあるわけでございますし、それから俵数のもっと取り扱いの多い店もたくさんございますので、全体の平均から見て、私ども、これは現在大体国が見る形としては妥当なものであろう、かように考えております。
○沢田実君 ではもう一面、別なほうからお尋ねしますが、卸屋から小売り屋さんへ米が配給になります。そのお米のうち、きまった千五百二十円なり、あるいは徳用上米の千二百五十円で売られている比率は何割ぐらいになりますか。
○政府委員(亀長友義君) 私どもの政府から売りました米は、千五百二十円で売られるのが正当な、これは当然食管法のたてまえからいえばそうでございますけれども、必ずしもそのとおり売られてないという実態も率直に認めざるを得ないと思います。その数字の積算につきましては、いろいろ私どもも正確につかみ得る資料がございませんので、あまり確定的なことを申し上げかねますけれども、総理府の家計調査によりますと、まあ地域によりますけれども、東京の場合ですと、配給が六割で非配給が四割ということになっておりまして、その非配給がいわゆる純然たるやみ、農家の段階から出たやみであるというふうには必ずしも言い切れない。全体の推計から見ましても、配給段階で非配給という形になるかと、すなわち、千五百二十円で売られるべき米が千五百二十円でこなかったという意味での数量が非配給の中に含まれているのじゃないか、かように考えますが、計数的に明らかにすることはちょっと正確にはできない状態でございます。
○沢田実君 要するに、食糧庁ではそういう統計はないということですよね。そこで要するに配給を受けたもの、千五百二十円で売らなくちゃならないものを格上げして売っているわけですよ。そういう米屋が価格の心配がなくなれば当然上がるんじゃないですか。ですから、大臣、さっき上がらないとおっしゃいましたけれども、一つは米屋さんが正規の配給のものを正規の六・何%なり、七%の手数料で販売しておったんじゃ生活できないですよ。それでいまどうしているかといえば、一定の量は千五百二十円で売っているかもしれませんけれども、それ以外はもっと白くして、もっと高い米にして売っているわけですよ。それが実態でしょう。その実態でこれをはずせば、最低の線がなくなるのですから、自然と高くなるのは当然でしょう。物統令をはずすことはけっこうですけれども、消費者米価が上がらないということを保証されるならばけっこうなんですよ。 私はこういういろんな点から考えて、消費者米価は上がると思うのですよ。上がるか、上がらないかということはいろいろなことあると思います。自由競争の状態では上がらないと私は思いますけれども、そこでお聞きをしたいのは、要するに東京なら東京じゅうの米屋どこへいきましても、物統令をはずしたあとですが、徳用上米の千二百五十円の米がほしいという人にはちゃんと供給できるだけの体制が確保できるかどうか。千二百五十円の米をほしいといったときに一もちろんそれよりも高い米はあるでしょうけれども、千二百五十円の米がほしいという、いままでの値段と同じで米がほしいという人にそれだけの供給ができるという根拠なりあるいは政策なりあるいはこういうわけだからそれはだいじょうぶなんだというのがあれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(亀長友義君) 上がるか上がらないかという議論は非常にむずかしい議論でございますけれども、いままで実際に千二百五十円の非配給のほうにかわりましてもうすでに消費者に高く売っているのだからはずれても結局これを踏襲していれば従来どおりのもうけがあるというような議論もあるわけでございますから、非常に上がる上がらないという水準の問題も、大臣からお話あったように、何を比較して言うのかという問題もきわめてむずかしい問題でございます。 ただ御指摘のように千二百五十円の米は今後もあるのかということでございまするが、私ども現在の米の需給関係から見まして政府の売り値につきましても四月一日からは六十五円引いて売るというふうなことを考えておりますので、そういう点から考えましても実際上米価の水準がそう上がるということは私どもは考えられないのでございますが、千二百五十円の米が具体的にあるかどうかということになりますと、これは結局現在のような画一的な品質のものがある程度上下に分かれて値段が形成されると、さような観点からいいましても、千二百五十円、現在程度の水準の米がなくなるというふうには私どもは考えておりません。
○沢田実君 それは何か法律的な根拠があるわけですか。自由にしても競争に従ってそういうふうになるだろうという、ただ見通しですか。
○政府委員(亀長友義君) 物統令を撤廃いたしますので、法律上の根拠があるということではございません。実際問題の米価の需給なりの趨勢から見てそのような上がるというようなことはないだろうということを経済論としてお答えいたしておるわけでございます。
○沢田実君 戦前の米屋さんの販売手数料というのがどのくらいだか御存じですか。——資料がなければぼくが言いますよ。
○政府委員(亀長友義君) 一つ、二つの事例集はございますが、あまり広範な調査は私ども持っておりません。
○沢田実君 私が調べましたのでは大体一二%で、税務署が米屋さんに課税している収入のパーセントは何ぼにしているか御存じですか。これも一二%。ですから手数料はほんとうは六・七%になっているわけですね。六・七%の手数料で働いておる米屋さんに一二%課税しているのですよ。戦前は一二%。それくらいなくちゃ米屋さんやっていけない。そういうことを考えますと、あなた、余っているから安くなるなんと言うけれども、ぼくは出てくる元がはっきりしているわけですから、もっと高くならざるを得ないのではないかと思うんです。大臣、そういうわけで、千二百五十円程度のものは——要するに高くてもおいしいものを食べたい人はいいのですが、生活がぎりぎりで千二百五十円の米しか食えない人たちがその米がほしいというときには保障されるようなことでなければぼくは、おいしい米は高くまずい米は安くなるとかなんとか言っておりますけれども、そういうことが確保されなければ、これは消費の問題として大問題じゃないか、こう思うわけですが、大臣はそういういまの長官のような考え方と同じですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 徳用は御存じのようにいままで外米が多く用いられたのでございますが、それはいまのような状態でそういうことはできなくなります。したがっていろいろな問題はあると思いますけれども、私ども四十六年産米が出回る秋ごろまでにはこういうことについて十分に検討をいたして処置をいたしてまいりたいと、こういうことでいま鋭意研究をいたしておる最中でございます。
○沢田実君 というわけですから、長官ひとつ研究してくだざい。徳用米、これは外米ですから丸いでしょうが、徳用上米の私は千二百五十円程度のものは、やはりそういうものを食べなくちゃ生活が困難だという人のための米というのは確保しなければいかぬと思うのです。ですから、大体こういうふうになって、千五百円くらいに皆なってしまったのじゃ、千二百五十円の米を買っていた人には供給できないわけですよ。そういうところを十分ひとつ考えてやっていただきたいと思います。 それから野菜のほうはいいですか。——こういうことなんです。要するに大臣の所信表明ではいろいろなものを安定的に供給をしたい、こういうふうな基本のことをおっしゃっているわけです。それで農業生産の誘導ということをまず考えていらっしゃる。需要に応じた作目構成と地域の特性に応じた地域分化をはかっていくのだ、誘導していくのだ、こういうような基本的なことをおっしゃっていますので、安定的供給をするには需要に応じた生産というのが必要ではないか。だから基本的な大臣のおっしゃることはわかりましたけれども、それなら東京なら東京で四十六年の一月なら一月、三月なら三月でけっこうですけれども、そのきまった時期一年間でもけっこうですよ、だけれども一ヵ月、一ヵ月ののが必要になるわけですが、東京なら東京で四十六年の一月には大根はとれだけ要るのだという需要の総量がおわかりになりますかということなんです。
○説明員(大場敏彦君) 先生御指摘のとおり、需要に見合った計画的な生産出荷というのが必要なことは申すまでもございません。当然のことでございますが、全国的な野菜の需要の見通しにつきましては、ただいま御指摘にもありましたように、長期見通しというものを立てております。またその生産のにない方としては、地域的な指標ということで色分けをしているわけでございます。 それからなお指定野菜につきましては、野菜生産出荷安定法がございますが、その野菜生産出荷安定法に基づきまして指定消費地域ごと、たとえば東京なら東京というぐあいに指定消費地域ごとに、あるいは野菜の種別ごとに、また野菜も単にキュウリならキュウリということだけではございません。野菜のキュウリならキュウリでも夏とかいろいろございますから、そういった出荷時期別におよそ五年後の需要の見通しというものを作成して、これはすでに公表してございます。こういったものに基づきまして指定産地の指定をしてしっかりした産地づくりをして、そういった産地から指定消費地に対して計画的な出荷を誘導している、こういった実情でございます。 なお、短期的な問題でございますけれども、それぞれの指定野菜につきましては出荷時期別に、あるいはその作付前あるいは出荷前にそれぞれの地域ごとに統計組織を含みました国の担当者なりあるいは県の担当者なり生産者の代表者、産地の代表者あるいは地元関係者等で構成いたします出荷協議会というものをそのつど、そのつど開いておりまして、具体的なそのつどの指標に的確に反映をいたさせましてそれに基づいて出荷をしている、こういった状況でございます。随時東京の大根が何月はどのくらいというような需要は、それぞれ出荷協議会というような組織で産地の情報交換あるいは消費地の情報交換という組織をつくって計画的な出荷をしていきたい、かように思っております。
○沢田実君 それで大根の一カ月の需要量は何ぼですか。
○説明員(大場敏彦君) ある東京なら東京というぐあいに具体的な数字は持ってきておりませんので、具体的な数字をあれでしたら、後ほどまた……。
○沢田実君 要するになぜ価格が安定しないかということになりますと、需要に応じた生産がなされていないから、そこで価格の変動があるわけです。先ほど大臣は、ことしがよけいとれて安いと来年はつくらないとおっしゃっていましたが、それを続けますと、いつまでたっても価格の安定はできないわけですよ。ですから、需要に応じた生産をどれだけやっているのかということを私は聞きたいわけです。ですから、まず需要が一月なら一月は大根は何万トンということになりますと、それだけの生産を一体どこでやっているのか、どれだけの作付をしているのか、その作付のための指導を一体やったのか。指定産地とあなたはおっしゃいますけれども、それだけの産地を指定しているのかどうかというところまで詰めませんとわからないのですよ。そのために来ていただいたのですけれども、資料はございませんか。
○説明員(大場敏彦君) 具体的な月別の出荷幾ら、物別に東京地方は幾ら、そうしてこれをになう産地では大体どのぐらいの出荷余力があるか、こういったような御指摘かと思いますが、ただいまその地域、地域に属します物別の具体的な数字は持っておりませんので、御必要があれば後ほど提出いたしたいと思います。
○沢田実君 そんなら、要するに、これだけの需要がある、その需要に応じた反別の作付の指導していますか。
○説明員(大場敏彦君) 先ほど申し上げましたように、ロングランとしては長期見通しがありますし、指定野菜につきましては出荷安定法に基づきました指定消費地域ごとの需要見通しがあり、そういうものからスタートいたしまして指定産地の指定をし、生産を進めている、こういった状態でございます。
○沢田実君 そんなことはわかっているんだよ。あなたそうおっしゃっているけれども、方程式はわかっているんだよ。百つくるためには百の作付をしなきゃいかぬのです。あなたその指定している指定産地は需要量の何%つくるだけの地域指定をしていますか。
○説明員(大場敏彦君) 四十五年までの指定産地の数は四十四年十一月現在で五百九十一、そういう指定産地がすでに指定されておりますが、その指定産地から出荷されまするおもな指定野菜の占めるウエート、指定消費地に対するウエートでございますけれども、それは四十五年の数字で申し上げますると、約五百九十一産地から出荷される数字は約七七%ということになっております。 なお、参考までに数年前、四十二年におきましては、指定産地の数は四百四十でございましたが、その当時は五五%という出荷割合でございましたが、それが最近におきましては七七先くらいに高まってきております。
○沢田実君 それでは東京の大根の指定産地は、いま言った出荷量の何%になっていますか。
○説明員(大場敏彦君) 東京といろ具体的な地域に対して大根という具体的な品目、数字をいま手元に持っておりませんので、資料は後ほど提出さしていただきます。
○沢田実君 私が聞いた範囲では、あなた七七%とおっしゃるけれども、実際問題は作物によっては二〇%くらいしか指定していない。多くても五〇%というようなことで、需要量だけ生産する地域の指定はやってないわけですよ。それの価格保障の問題いろいろございますけれども、きょうは時間ございませんから、またの機会にしますけれども、そういうふうに大臣が所信表明で、需要に応じた生産をすると言っていながら、野菜なら野菜の例一つ見ても、需要に応じた生産というものはやってない。どこにそんなつながりがないかというと、これだけ大体必要らしい、あなた先ほどおっしゃったように、五年後なら五年後にこういう作物別でこれだけ必要だということは一応算定なさるんです。それが農協なら農協、実際に作物をつくる農家のその作づけにつながってないですよ、全然。そうじゃありませんか。農家の作付は、先ほど大臣おっしゃったように、ことしは高かった、だから来年つくろうというふうな判断をするわけですよ。ことしは安いから、失敗したから来年はつくらぬぞという判断は農家の個々が判断しているのですよ。国全体の需要に応じた生産をしようなんということにつながっていないのです。そこ、つながっているとお思いですか。
○説明員(大場敏彦君) 先ほども申し上げましたように、産地ごとにやはり需要に見合った生産並びに出荷というものが大事でございますから、農林省といたしましても、従来から指定産地ごとに指導員というものを設置いたしまして、これに対しての助成もいたしております。また同時に、相当強力な普及組織というものも持っておりますから、それをフルに使いながら農民指導をしていきたいというふうに思っております。
○沢田実君 二〇%なり三〇%、そうしているかもしれませんけれども、二〇%、三〇%つくったって安くならぬじゃないですか。それならもう少し具体的に——この間高くなった三浦大根はなぜ高かったと思っていらっしゃいますか。
○説明員(大場敏彦君) まあいろいろ気象等の事情もございますが、基本的には近郊都市地帯における野菜の生産産地がやはり次第に基礎がゆらいできているという事情もあるわけでございまして、いろいろ労働不足その他の事情もございますが、そういったところにも問題がある。それにいろいろ気象的な要因が重なって、まあいろいろ消費者には御迷惑をかけたというような事態になったと思います。
○沢田実君 ですから、そういうことでしょうけれども、それをどうしたら防いでいくかということについては抽象的なお話だけでは私はだめだと申し上げているのですよ。三浦大根と同じものは、四十六年の一月にどこかもっと産地があるのかないのか、あれと同じ大根できるところどこかありますか。
○説明員(大場敏彦君) 近郊都市野菜産地は次第にいろいろな都市化の波に洗われてだんだん産地移動が行なわれております。中間地帯からあるいは遠隔範帯に、また中間地帯を飛びこして遠隔地帯にいくというようなケースもあります。そういった傾向を踏まえながら都市化の影響を受けてなかなか生産も増強は困難な、野菜の産地にかわるべき健全なしっかりした産地づくりをしていきたいということが今後の政策なり方策の基本であると思いますが、そういった基調でものを進めていきたいと思います。
○沢田実君 私が申し上げたことに対する答弁ではないので、よく話も合いませんけれども、要するに特定の時期に特定の品種を必要なだけつくるという産地がないという問題もあるでしょう。それにかわるべき大根をそんならどこでつくるかという研究がなくちゃいけないわけです。ですから、作目別に要するに時期別にどれだけの需要があるのかと、それに対する生産は一体確保できるのかというところまでやらなくちゃ私は需要に応じた生産はできないと思いますよ。大臣の基本方針けっこうなんですけれども、そろいうふうに非常にむずかしい問題がありますが、これ大臣にお尋ねしたいのですが、要するに需要を、需要に応じた作付までですね、基本的に。いまの指定産地だけというのじゃなしに、主要農産物については、米なんかは需要に応じた作付面積というものを生産調整しながら何かやっておるわけですよ。それと同じうに基本的な需要に応じた作付まで何とかやろうじゃないかという方針がおありになるかですね。これはもう自由経済でしょうがないのだと、農家が判断するしかないのだといういままでのままでお行きになるか。いままで農家が全部判断しておりまして、判断間違った危険負担は全部農家なんですよ。ですから、ちょっとよけいつくると豊作貧乏になるわけですよ。ですから、なるべくうまくつくらないでそらして高く売ったほうが農家はかえって収入いいということになります。非常に危険なわけです。そういう危険負担なしに農家が安心して野菜なら野菜をつくることができて、安定した供給ができるという体制にしないことには私は物価の問題は解決しないし、おっしゃる需要に応じた生産ということはできないわけです。そこがちょうど生産の農家と大きな目標、その次の地域指標なんかありまして、地方別におろしましたけれども、地方別の目標から農協なら農協の目標というのはつながっていないわけですよ、米のようには。私はそこに野菜の物価の問題もあると思うのです。そこまで前進させるお考えがあるかどうか、大臣に承りたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 大体この野菜につきましては、いまのお話のように、まあ政府は一生懸命で指定産地を指定して、それにいろいろな価格保障等についての施策をやっておりますが、そこで稲作転換のためにこれも野菜の面積を当初考えておりましたより一万五、六千ヘクタールふやしておるというふうなことで、長期的計画はそういうことでありますけれども、とにかく最近のこの野菜につきましてはもう現在は安定した価格で推移しておりますけれども、私はやはりもう少し生産をふやすことを誘導していくことが必要ではないか。そのためにはやはりいざというときに安心してもらえるような施策をできるだけしていかなければいけないのではないかと思っておりますが、大体消費者がそのときそのときに毎日毎日ごくわずかな金額をお買いになる、しかも百メーターから一千メーター以内のところ、しかも野菜屋さんというのはもう非常に多くある、そういうところで、一方においては商売になるように小売り店もやらなくちゃならない、かたがたいろんなことを考えてみますというと、何かわれわれが理屈どおりにいろいろ計画してもうまくこれに合うようには動きませんけれども、要は、先ほどお話のありましたように、需要と供給とのアンバランスをどういうふうに調整し得るかということに力を入れなければならぬと思っておりますので、なお私どもといたしましては、野菜についていまさっきからいろいろ質疑応答があります面を考えてみましても、やはりできるだけ計画性を持った生産を助長してまいるということが必要ではないか。したがってそういうことについては、たとえば指定産地はその二分の一を指定されたところに出す必要があるとか、三分の二は共同出荷でなければならぬとか、いろいろ私どものほうも計画的に動けるように指導はいたしておるわけでありますが、なお、私どもとしては、先般野菜のいわゆるばか高値がありましたころから、専門的に研究していらっしゃる方々にお願いをして調査もいたしましたし、また十数品目について追跡調査をいたした実験等もありますので、ことしはひとつそういうものを参考にいたしまして、需給調整のバランスのとれるようにさらに努力をいたしてまいりたい、こう思っているわけであります。
○沢田実君 それで、まず差しあたってできることは、私は指定産地から出荷量が一〇〇%出るよな方向に指定地域をふやすこと、それから安定法による保証の価格ですね、これは現在のようなことではもうどうしようもないと思います。きょうは価格の算定の方法等についてはやりませんけれども、非常に安い値段であり、算定方法についても私はいろいろな議論があると思いますので、指定産地をふやすこととそうして保証する価格をふやすという方向に御検討いただきたいと思います。ですから、やっぱり生産の指導のところまで私は資本主義社会でもできると思うのです。必要なだけの生産を指導していこう、そのかわりつくったものに対するある程度の価格も保証していこうという基本的な方法をとれば、安定した価格で消費ができるのじゃないか。施設園芸で出ていますキュウリとかトマトその他の高級な野菜は、大体東京の相場を見ても安定しています。そういう安定した生産ができれば価格も安定したことになりますので、遠く運ぶことのできない大根とか白菜、そういうものについては、やっぱり指定を一〇〇%して、価格をもっと保証するということに御努力願いたいと思います。時間の関係もありますから、その点はそれだけにしておきます。 それから最後に、常々大臣もおっしゃっております農村地帯に工業の導入ということがありますが、それで先ほど社会党の先生から佐藤造機の七話がありましたが、私のほうでは三月七日の日に私のほうの塩出議員がさっそく現地に行きましていろいろ調査をしてまいりました。ここの社員は全購連から来ておりますけれども、全く東京にだけおって、現地にはちっとも行っていらっしゃらないような社長のようであります。現地は混乱しておるようでありますけれども、わがほうの議員がさっそく走っていったという中でも、社長は一度も現地に行っていないような状況です。私はそういうところにこの会社のまずい点があるのじゃないかと思います。全購連が相当のお金を出すということになりますと、農民のお金でもございますし、農林省としても監督指導ということが大事じゃないかということが一点。 それからもう一つは、たくさんの下請企業があります。四百社くらいあるように、私のほうの塩出議員の調査では、私聞いておりますが、それかけの下請企業、これも農村の中にある大事な企業じゃないかと、こう思います。そういう点で、特に全購連に関係した企業等については政府が指導監督するということが必要じゃないかと思いますが、先ほど質問もございましたけれども、その点二、三点、特におっしゃらなかった点をつけ加えまして、大臣の答弁を承って私の質問を終わります。
○国務大臣(倉石忠雄君) 佐藤造機の下請企業はおもなものは大体百社ほどで、製品の販売店は約百五十社であると聞いておりますが、これらの中には、今回の問題によりまして経営が悪化する企業が出るのではないかと考えております。農林省といたしましては、通産省、中小企業庁とも密接な連絡をとりながら実情を調査の上、これらの企業の救済に万全を期したいと考えております。
○委員長(河口陽一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後三時まで休憩いたします。 午後一時十六分休憩 —————・————— 午後三時十分開会
○委員長(河口陽一君) それではただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和四十六年度農林省関係の施策及び予算に関する件について質疑を行ないます。質疑のある方は順次発言を願います。
○杉原一雄君 十二月の臨時国会で審議された公害関係諸立法のうち、特に農業関係の二法についてその後の作業の実態、また、その間つなぎとして農政上どのような指導をなさっているかということなどについて最初に質問をしたいと思います。 まず、予算面で具体的に三十三億、去年から見れば一・六倍という一つの前進を見ているわけでありますが、この面から見て公害対策、農業公害対策として重点的なものを大まかにひとつ説明方をお願いしたいと思います。
○政府委員(太田康二君) 先生御指摘のとおり、昭和四十六年度におきますわが省の公害対策関係の予算は、前年度二十一億に対しまして三十三億ということでございます。そこで実施いたします問題は、水質汚濁による農水産業の被害防止に関する各種の調査並びに農業用水の水質障害対策事業及び漁業の公害除去対策等の拡充実施ということが一つございます。それから先ほどお尋ねのございました第六十四国会において成立いたしました農用地の土壌の汚染防止等に関する法律の円滑な施行を軸といたしまして、土壌汚染防止対策調査の拡充並びに公害防除の特別土地改良事業の実施をはかるということにいたしております。それから畜産の公害防止のための施策といたしまして、畜舎排水の排水基準策定にかかる調査という調査事業がございますし、さらに新規の事業といたしましては、家畜の死体等処理施設の設置事業、これは実験事業でございますが、こういったことを実施すると、それから四十五年度から新規に始めましたところの畜産団地の造成事業でございますが、これは畜産経営の適地移転による経営合理化をはかるとともに、環境汚染防止にも資するための団地造成でございまして、これはかなり思い切って予算を拡充いたしております。さらに、これに伴いますところの畜産経営の移転施設資金の農林漁業金融公庫の融資ワクの拡大ということもいたしております。それから農薬公害の防止につきましては、第六十四国会においてこれまた成立を見ましたところの農薬取締法の一部改正に基づきまして、農薬の品質の適正化及び安全使用の確保をはかるとともに、農薬の残留対策を拡充するということにいたしております。それ以外に、農林水産生物の生育環境保全に関する試験、研究を強力に推進する、さらに農林関連企業の公害に対処するため、関係工場の排水の実態調査並びに関連企業の公害防止措置についての普及指導等を行なうことにいたしております。なお、公害関連事業といたしまして新潟の天然ガスの採取に伴いますところの地盤沈下による農業用排水施設の効用低下の復旧事業というものを継続実施することにいたしておりまして、これらの経費を合わせまして、先ほど申し上げましたように、予算ワクとして三十二億一千四百万、融資ワクといたしまして十八億ということが今回の公害対策のおもな内容になっておる次第でございます。
○杉原一雄君 いま御説明あった中で、去年はゼロ、ことしはゼロでないということで相当多額の費用を見ているものが幾つかあるわけですが、たとえば漁業の問題、土地改良、それから畜舎排水の問題、死体処理の問題というようなことがあるわけですけれども、大体あとほどの三つはわかるのですが、漁業に対する公害対策をゼロから飛躍的な金額を見てあるわけですが、これは内容的にはどういうことをするのか、いまの説明でも私わからなかったものですから、簡単に説明をしてください。
○政府委員(太田康二君) 漁業公害対策は、総額で確かに先生のおっしゃいますように、前年度ゼロであったものが新規に九千六百三十一万六千円ついております。これは公害に伴いますところの漁業被害の発生時における調査体制を整備するとともに、いわゆるオイルフェンスでございますが、油の出てくるのを防ぐさくでございます。オイルフェンスの設置に対する助成、あるいは産業廃棄物等の海洋投棄による漁場環境への影響を調査するための経費、それから公害によりまして生産性の低下している漁場を復旧するための事業を行なら経費でございまして、これらを合わせまして総額で九千六百三十一万六千円、こういうことに相なっております。
○杉原一雄君 具体的な例をあげますが、これは農林省の仕事か、通産省の仕事か、あるいは建設省の仕事か、私よくわかりかねているわけですが、一月の中ごろに愛媛県の伊予三島に行ってまいりましたが、あすこには大王製紙というパルプ工場がございますが、流れている川はきわめて狭い川ですけれども、たいへんなヘドロが出ているわけで、このヘドロが瀬戸内海にもろに流れ込んでいるわけです。ただ、処置としては企業と漁民との関係において損害補償が納得のいく線で折り合いがついているわけですから、漁民にしては一応自分の生きる生業が断たれたけれども、かっぱがおかに上がってその日暮らしをしているという状態にいまなっているので、漁民の不満はある意味では解消されたと思いますが、問題は、そのまま瀬戸内海に流れ込んでおりますので、沿岸の魚はもとより、長い月日がたてば瀬戸内海全体が、そこだけでありませんから、非常な汚染度が高まっていくおそれ、きわめて大だと私は推定いたしますが、その場合に大王に対して勧告したり、三島の市長に対して指導したりするのはどこでやりますか。なかなかその点、環境庁ができれば環境庁になるのかもしれませんが、いま申し上げたように、漁民公害の問題でございますから、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(太田康二君) ただいま先生御指摘の大王製紙の問題につきましては、まだ法律が一本になって施行されておりませんので、水質基準法に基づきまして水質基準を設定いたしまして、いま先生のおっしゃったような公害に対する何と申しますか、予防措置というものを講じたような次第でございます。
○杉原一雄君 そうしますと、六月ごろになるわけですね、施行は。それまで待てと、たれ流しオーケーということになりますね。そういうふうに理解していいですか。
○政府委員(太田康二君) そうではなしに、現在ございますところの水質保全法に基づきまして水質基準の設定をすでにいたしたと、こういうことでございます。
○杉原一雄君 いま申し上げたように、現状はそのような現状なんですが、設定をしたり、どうした、何をしたと言っても、現状の改善は行なわれていないわけですから、だから六月以前にすでに現行法等で処理されるべき筋合いのものでありますが、一切それは処理されておりません。また、単に、関係のないことですが、水だけではありません。空気もあるわけなんです。人家の松の木などは枯れておりますし、原因・結果はきわめて明瞭なんでございますが、そんなことはこの席でただすべき筋合いのものではございませんから……。ただ、いま赤黒い水が瀬戸内海にどんどん流れ込んでおって、漁師がおかに上がって小さなプールのようなものをつくって魚を養殖をして、いささか昔からの生業に対する里心を満足させている程度でございますから、それの実態ということで、これが一体どうなのか、私ら国民からすればだれに対して文句を言い、だれに対して要求をしたらいいかという現実の問題です。だから、六月の問題ではない。
○政府委員(太田康二君) 先生のおっしゃるとおり、確かに二つの法律を一本の法律にして規制するということに相なっているわけでございますが、いま申し上げましたように、水質保全法に基づきまして水質基準の設定をいたすと同時に、工場排水法に基づきまして排水基準の設定をいたしておりますので、これらによりまして、先生御心配のようなことをできる限りないように、防止してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○杉原一雄君 それでは、次に二つの法律の農用地の土壌汚染の防止についての法律案でございますが、施行日が大体いまの見通しではいつになるかということと、あわせてあの臨時国会で問題になりました政令・省令にほとんどがゆだねられている本法の形式に対して、連合審査会その他を通じて政令・省令の制定にあたりまして、できるだけ国会に関係の委員会を通じて御相談をしたいということで私は約束をとっているわけです、山中長官と。そういう点について、いま、その約束ごとを必ずここで守って、この場で出せというわけにはいきませんが、政・省令の作業状況並びに施行日の予定はどうなりますか、土壌汚染の……。
○政府委員(中野和仁君) 農用地の土壌汚染防止の法律の施行の関係でございますが、ただいま政・省令の規定の内容をそれをどう運用していくかということにつきまして部内で検討を進めておるところでございます。ただいまの予定といたしましては、五月の上旬、中旬ごろには法律と、それから、あの法律には土壌審議会というのがございますが、その審議会令を施行いたしまして、そをして事務当局のほうで用意いたしましたその政令の内容等をその審議会におはかりいたしました上で、六月中旬ごろを目途として正式に施行をしたいということを考えております。 政令の内容につきましては、すでに御承知のように、あの法律では特定有害物質として何を指定するかということでございます。これは、当時国会でも申し上げましたように、さしあたり緊急に問題になっておりますカドミウムをまずしておきたいと考えております。それから、そのカドミウムをもし指定するといたしますれば、そのカドミウムに関するいろいろな対策もこれからとるわけでございますので、その対策地域の指定の要件をどういうふうにするかということを現在検討しておるところでございます。
○杉原一雄君 施行が大体六月中という意味か、中旬という意味か、はっきりしなかったのですが、それをちょっとお願いします。
○政府委員(中野和仁君) 六月の中旬というふうに申し上げました。
○杉原一雄君 中旬ですね。 それから、いまの説明の中で特定有害物質についてはカドミウムは間違いない。銅とか、亜鉛とか、鉛とか、砒素とか、そういったような問題は当面いわゆる政令の中に載ってこないんですね。それはいいですか、そういうふうに理解して。
○政府委員(中野和仁君) ただいま申し上げました六月中旬ごろ正式に指定いたします際には当面カドミウムということを考えております。したがいまして、銅、亜鉛等につきましてはただいま農林省の試験場等も動員いたしまして指定をするための具体的なデータを集めておりますので、そういうものが集まり次第追加をして指定をするという順序になるというふうに考えております。
○杉原一雄君 ちょっと作業の中身にふれるかもしれませんが、土壌汚染をなくしていく、排除すると、いろいろな計画があると思いますが、いま省内で御検討をしておられるところの、どういう方法で汚染土壌を開拓するなりあるいはあきらめてそのままにするなりいろいろあると思いますが、そういうことについての検討並びにそれに要する費用というのがありますね。これは公害防止事業何とかというような法律が、負担法がありますから、それに準ずるわけでしょうけれども、ここではやはり御検討は省令として独立して出てくると思いますから、その辺のところはどういうふうな検討内容になっておりますかね。
○政府委員(中野和仁君) これからの具体的な進め方に関連してくるわけでございますが、物質の指定をいたしましたあと、先ほど申し上げましたように、地域指定の基準をつくります。それによりまして都道府県知事が、具体的に調査に基づきまして地域の指定をやるわけでございます。指定がございますとそこで対策計画を立てるわけでございますが、その対策計画の中身につきましては地域の実態によってかなり違いがあるんじゃないかというふうに考えております。 しかし一般的に申し上げますれば、まずその地域の農用地をどういうふうに利用したら一番いいのかという農用地利用の基本方針を立てまして、そうしてそれに対応した事業を考えるわけでございますが、その一つといたしましては、これ以上もう汚染をしないように水田を転換いたしますようなかんがい排水事業、それからもう一つは、もうすでに汚染されております土壌につきましてはその汚染された土壌を廃土いたしまして容土をいたします事業、それからまた水田を畑に変えるとかあるいは宅地に変えるとか、地目変換の事業、そういうことを全体として実施します前提といたしまして、あるいは実施中でもそうでございますが、汚染状況の調査測定を続けるというような計画を立てていくわけでございます。それに対します費用につきましてはこの土壌汚染防止法の政・省令でそういう負担費用の割合がきまるわけではございませんで、先ほど御指摘がございましたように、公害防止法の費用負担法の政令で具体的にきまってくる、こういうことでございます。
○杉原一雄君 これは磐梯町ですが、土壌汚染がたいへんなことになって野菜の出荷もできないし、農民が土地を離れて従来の二倍にものぼるぐらいな出かせぎに出ているという報道があって、たいへん農民の苦しんでいる実態が報告されているわけですが、このことについてお答えを求める必要はありませんが、非常にそうしたことが磐梯町だけではありませんで、事カドミ汚染に関しては全国相当数の汚染状況が出てまいっております。しかしそれでいま農民として一番迷うのは、これはあきらめるべきか、さもなければ種もみの準備をして苗代をつくって田を植えるか、この辺の問題ですね。私ども農業を五年前までやっておりましたから、去年の秋からすでにことしの米の作付けの予定をして準備をしているわけですから、ここらのカドミに汚染されたところの所有者の農民が、おれのたんぼをどうするのか、ことしつくるかつくらぬかということが切実な悩みであり、訴えである。 私は富山県ですから、特にそういう農民に接する機会は非常に多いわけでありますが、ある一地域、ことに黒部三日市製錬所の七十ヘクタールの付近の地域では、あのところでは会社の発生源がはっきりしておりますから会社は責任をとると、どうぞつくってくださいと、結果によって米にカドミが一・〇以上出ればわしのところで全額、米一石幾らという計算で買収します。廃棄しようが何しようが会社のかってだ。そういうことで会社が全責任をもって処理するということを言明していますから、確たる私は確信を持って言えませんが、大体つくる方向で農民は準備をしていると思います。 ここらあたり、このこと事態にも私大きな問題があると思うのです。たとえばいまつくってみたって、米にやはりカドミが入ることは間違いないわけで、どれだけのカドミになるかは出たとこ勝負である。だから非常にむだな労働を投入して、最終的には皆さんがやっかい者扱いまではしておられないかもしれませんが、過剰米の系列の中に入ってくるわけですね。そういうことになるとこれは国策的な面から見ても問題だと思うのです。これは非常にむずかしい問題です。そこでやはり私一つの例をあげただけでありますから、あるいは小松市の問題なりあるいは群馬の安中にしろ、先ほどの福島の磐梯じゃなくていわき市周辺の問題、大分の問題、愛知の問題京都、東京にもあるわけです。ずいぶんたくさんあるわけですよ。そこでいまこれはどういうふうに農民と発生源者との間に話し合いが進んでいるか、どういうパターンがあって、しかもまた発生源者がきわめて不明確な複合汚染の場合には、市なり都なり県がいろいろ当面のめんどうを見るということで話し合いを進めていると思いますが、どんなケースがあってどういう解決をしているか、しようとしているか。それに対して農林省は、この手でいきなさい、これはひとつ待て、六月中旬に法ができてから、その時点で土壌等の審議会にかけて一切あとのめんどうを見てやっていくというようなやはり誘導なり指導行政の手だてがあると思うのですよ。そういった点についてこまかい研究をなされておればお聞きしたいと思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(中野和仁君) 御指摘のように、汚染の原因と申しましょうか、それにいろいろな類型がありまして、あるものは排水あるものは排煙、これがまた複合されておるということで、原因者が非常に明確な場合とそれから複合された場合といろいろあるわけでございますが、確かに先ほど申し上げましたように、この法律の施行は大体六月中旬ということを考えております。じゃただいまのところどうするかということになりますといろいろ問題があります。杉原先生御指摘になりました富山のケースは私も伺いましたが、黒部の市長さんは一応植えさせてみるのだということを言っておられるようでありますが、一般論として申し上げますと、一PPMをこえるような米が出るというような田につきましては、それは食品衛生法上買ってもらえないということになるわけでございますので、これは作付をしない。したがいまして企業の補償をもらうというのが原則ではないかというふうに考えております。ただそれ以下になりますと、かなり実際問題としまして農家が迷っているという面もあります。これも原則論でございますが、一PPM以下は人の健康をそこなうおそれがあるというふうに厚生省は断定をしておりませんので、原則論としてはこれは作付をして差しつかえないのではないかというふうに私たちは考えております。しかし感情としまして農家にいろいろな動揺があるようでございます。その点につきましては県知事なり町村当局がいろいろ心配をいたしまして、あらかじめ企業側と話し合いをするなり何なりやっておるわけでございますが、それを全国的にどういうふうに持っていくかということはやはり農林省といたしましては、この法律の施行と同時にこの地域指定というものとからめまして的確な指導をしたいというふうに考えております。
○杉原一雄君 これはいまおっしゃった黒部の問題なんですけれども、四十六年度の産米で一番カドミの汚染された地域でも米をつくる、しかし少なくとも一アールに対して二百五十キロ分は補償をする、二十アールの分を補償するといったような点等についての企業との話し合いは実は聞いているわけですが、ただ、ここでこういうことを言っても始まりませんが、去年の場合、一アール当たり八万何千円もらったのですよ。そうして休耕の場合は三万、富山あたりは四万近いと思いますが、そういったようなことなどあるわけですが、結果的に税金かかってきたわけですよね。大蔵委員会で私の同僚の成瀬理事にお願いしていろいろ聞いたわけですが、結果的にはやはり最終的にはどうしてもかけなければならぬということで、三万幾らかに対しての、つまり一般の付近の農家が取る農収にかけられる程度の税金がかかってきて、それ以上にもらっておりますから、果樹等の関係で、そんなことに落ちついたようでありますが、しかし一部弁護士等の見解では、これは違反だと、そういう補償に税金をかけるのは違反だというような主張をしておりますので、もし関係者のほうから訴訟提起の願いがあれば、弁護団は直ちに立ち上がる準備を実はしておるわけです。これはただそうしたことがあるということで、農林省側にも御検討をいただいてほしいと、いま皆さん方に答弁を求めることはやぼでありますから申し上げません。これからもカドミの問題がどこでどういう形でふき出すか知りませんが、農林省も法案の施行も待たず、また全国的な情報網を持って対処して、農民の不安を一日も早く解消していくような努力を特にお願いをしたいと思います。 その次に、同時に成立しました農薬取締法の問題でございますが、先ほど同様に、政・省令の作業段階にお入りになっておると思いますし、またわれわれが附帯決議等もつけておるわけですが、そうした点についての現時点における一応の作業状況はどうなんですか。
○政府委員(中野和仁君) 農薬取締法につきましては去る一月の十四日に法律の一部を施行いたしました。これは内容といたしましては、従来は薬効その他の書類だけつけてまいりまして登録の申請をすればよかったわけでございますが、今後は、毒性、残留性についての試験成績書をつけてこいということにしております。その場合に、あの改正法にございますように、毒性、残留性の強いもので農林大臣が定める基準に合わないもの、これは登録を保留するということになっております。それの保留基準についての告示はすでに出しております。それ以外の取締法の改正につきましては、現在四月の上旬を目途にして施行するように準備を進めております。 その内容といたしましては、あの法律にもありましたように、農作物あるいは土壌に残留するもの、あるいは水質汚濁を防止するために必要な場合、これらをそれぞれ指定農薬としまして指定するということでございますが、その指定をどういうふうな農薬にするかということを現在検討しておりまして、ごく最近農業資材審議会の農薬部会の御意見を拝聴した上でそれをきめたいということを考えております。それと同時に、指定農薬がきまりますと、その農薬の使用基準というのを農林省令で出すことになっております。その指定農薬の使用基準についての省令もその審議会にかけ、御意見を伺った上で、四月上旬に間に合わせるように目下鋭意努力しておるところでございます。
○杉原一雄君 局長、それよりも、その間のつなぎの通達として一月の二十七日に「有機塩素系殺虫剤の使用および使用不能農薬の処分について」という通達を、農政、畜産、蚕糸園芸、林野という形で通達をお出しになっている。これは私一つの大きな、タイミングとしては適切な通達だと思いますが、ただ内容的にかなり批判が出ているわけですね。御承知だと思います。私もその辺のところを十分理解しなかったものだから、なるほどその批判ももっともだと実は思っておったわけです。たとえば豚や牛の口に入るような野菜とか、草とかいうものにはBHCを使用してはならぬと、ところが林業、森林等の殺虫には使うことはよろしいと、人間さまが食べる野菜なら使ってもいいように受け取れるように書いてあります。私の誤解かどうかしりませんが、その辺のところをひとつ明確に国民なりわれわれがわかるように、この通達の意図するところ——私は意図するところは大きくは、先ほどおっしゃった四月の上旬に法が施行される以前のつなぎの通達という意味を持っていると、事人命に関するから非常にお急ぎになっておつくりになったという意味ではきわめてタイミングのいい通達だと思いますが、内容に私らしろうとにはややわかりかねる点がございますから、その辺のところを明確に説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(中野和仁君) 先般二月二十七日に出しました「有機塩素系殺虫剤の使用および使用不能農薬の処分について」という通達の趣旨は杉原先生御指摘のとおり、われわれといたしましても先ほど申し上げました四月上旬の施行を待っておったのでは、それからあとすぐに罰則のかかるような内容の使用基準ということになるものですから、事前に農家までいろいろな考え方が徹底するようにという意味で出したわけでございます。 そこでただいま御指摘がありました野菜との関係でございますが、この通達にもありますように、野菜くず、いもづる等を乳牛等家畜の飼料とする場合は、野菜、いも類等について有機塩素系殺虫剤を使わない。またそういう薬を使った野菜等は家畜の飼料に供しないと、こういうふうに明確にいたしたわけでございます。これを反対解釈されますと、それじゃ乳牛に食べさせない野菜なら使っていいのか、こういう論理飛躍になるわけでございます。その点はまさにそういうことでございますが。と申しますのは、厚生省の許容基準がそれぞれ九農薬十四作物はいまきまっておりますが、その大部分は野菜でございます。ただいままで野菜そのものにつきまして厚生省の許容量を越えてBHC等が出てきたことはございません。その限りにおきましては私もこれで正しいと思っておるわけでございますが、一面酪農、牛乳の問題等の関連が出てまいりますと、そういうところで一部使っているんではやはりまた人の口に入るかもしらぬじゃないかという御心配が非常にあるのでございます。そこで当面はこれ行政措置でございますので、それ以上のことはできなかったという面もございまして、こういう点についてでございますが、ただいまわれわれ検討しておりますのは、できますればもう食品に関係のあるものについては有機塩素系の殺虫剤は使わないほうがいいんじゃないかということまでいま検討をしておるわけでございます。 それから林業の問題につきましてもこれは林野庁とただいま相談をしておるわけでございまして、どう取り扱うかはこれからいろいろ検討した結果、指定農薬としてどのように取り扱うかを考えるわけでございます。ただそれまでの間でも林地なり果樹園にこういうものを使う場合には薬剤が飛び散りまして、そういう家畜の飼料となる作物を汚染しないように十分注意しろということをとりあえず農家に徹底するようにということにいたしたわけでございます。
○杉原一雄君 私はしろうとですから思い切った提案をしますが、全面禁止というわけにはいかぬですか、悪いものは悪いということで。その辺はできませんか。
○政府委員(中野和仁君) お話としては私もよくわかるわけでございます。やはり農業資材審議会にこれをかけます場合に、具体的なデータでもってこれは人体なり、あるいは牛乳に悪いという具体的なデータを出さなければならないわけです。すでに稲につきましてはそういうデータを集めました上ですでにもう昨年、行政指導でございますけれども、使わないようにしたわけです。いま果樹それから野菜それから林業については緊急にいろいろな調査をし、過去のデータ等も集めていまやっているわけでございます。やはりそういう具体的な科学的な根拠を持ちました上でわれわれは措置すべきではないかというふうに考えております。
○杉原一雄君 ただ聞くところによると、森林や——まあ木についている虫などでBHCでないと成仏できないという話も聞いているわけですが、そういうことはかなりこれから科学の力で解明すべき分野だと思いますが、まあそういった問題も内面的にはあるのじゃないかと実は思いながら局長の意見、お話を聞いているわけですが、そこでこのことは同時に厚生省が三月四日に都道府県の市長や知事に「牛乳中の農薬残留の減少対策の強化について」と環境衛生局長から通達を出しているわけです。非常にきつい通達でございますから、たとえば「牛乳検査の強化」、つまりこの酪農業者から牛乳を集めて、今度はまた販売する、そこへきて検査をするのかどうか知りませんが、検査を強化しろ、またその次には自主検査をやりなさいということなどきつい通達が農林省のあと追っかけて実は出ているわけですからこのとおりまともに県知事が真剣に取り組むといろいろな問題が起こるだろうし、同時にまた二つの通達を通じて国民がそういうおそろしいことがあったのかということに気がついたと思います。私らも気がつきました。BHCというのがわらにかかってそのわらを食べた牛が出した乳がこういう結果になるのだということはぼくらもまあ初めてわかった。 これはたいへんだと、こういうことになって、まあよくマスコミ公害といわれますけれども、マスコミ等についてはかなりこれは命にかかわる問題ですから取り上げるのは当然だ。しかしそのことは結果的にはお互いに飲み物——牛乳等についての不安が増大をしてくるというようなところなどありますから私らもいま局長の説明で初めてわかったこともあるわけですからそうしたこと等について、やはり農林省の立場、特に厚生省と十分話し合って、これについては森林にはどうしてもBHCが必要なんだ、何とかという虫がおってどうにもならぬ。あるいは野菜とかそういうものはあまり人体に影響もしないのだ。——どこまでこれ信用していいか知りませんが、そんなようなことなどわかるようなPRをやはりしていただかないと業者もたいへんだと思うのです。非常に敏感ですから、いま大衆は、食品公害ということにつきましては。 そういう点でやはり行政を進められる場合に総合農政でないけれども、総合的判断と総合的施策がこの際必要であると思われるわけです。業者の中ではだから農林大臣名なんかでひとつだいじょうぶなんだ、こういう手を打てばだいじょうぶなんだということを、いわゆる安全宣言を出してもらいたいという要望が私らのところへ上がってきているわけですが、その辺のところ、できるものでしょうか、できないものでしょうか。できなければそれにかわるべき何らかの宣伝、周知徹底方をお願いできないものかということなんですね。それはいかがでしょうか。
○政府委員(中野和仁君) ただいまの、牛乳が安全だという宣言というふうにお聞きしたわけでございますが、そのことをやること自体は、事務的に考えますれば農政局と畜産局といろいろ御相談して、大臣にいろいろ御相談ということになるわけでございますが、やはりその前提といたしましては、BHC等の農薬の使い方は今後はこうする。したがってこういうふうになるのだと。それから一方、そういうことに農薬がなってまいりますと牛乳の中に入っておりますBHCがどんどんまあ過去からは減ってきておるわけでございます。そういう減ってきた状況等を見ながらある時期にそういう宣言というのがよろしいかあるいはそれ以外の方法で、今後はこうだからこういうことになるということは農林省といたしまして厚生省ともよく相談をした上で消費者がいたずらにというと非常におかしいわけでございますが、そういう不安のないような手は当然われわれとしては打つべきだと考えます。
○杉原一雄君 それで、厚生省の通達では「自主検査」ということをうたっているわけですよ。これ簡単に機械で検査できるのですか。相当高額なもののようにも承っておるわけですが、現場指導をなさっている人たちがここにおいでになればおわかりだと思いますが、どういうことなんでしょうね。五十万も六十万もかかるような話なんですが、どうですか。
○政府委員(増田久君) ガスクロマトグラフィーとかいう、何か私も非常に弱いのでよく正式な名前も申し上げられないのですが、二百万くらいだというふうに聞いておるわけでございます。それでただこれを一人前にこなすためには相当高度の技術が要るということで、少なくとも半年なり一年の訓練をしないと非常にブレが大きい結果が出るというふうに聞いております。そういうことでおのずとやはり限界というものはきまってまいります。そういう意味でわれわれはたとえば家畜の試験場等にこれを設置して、県の指導でそういう検査をするということで、そういう方向で指導をしたいと思っているわけでございます。
○杉原一雄君 いま生産、生産と言っちゃおかしいですけれども、牛のおるところは全県的に散在しておるわけですから、これは自主検査やるのは容易じゃないと思いますが、通達も一月に何回と指示されているようですが、県がこれをやるにしてもいまおっしゃられたように、二百万円もすると、金額が高いわけですから、その辺の配慮は政府当局としても必要だと思います。 私、いま鹿児島の酪農協同組合ですか、酪農業協同組合長さんの誓約書を持っているわけですが、かなり自主的に、あるいはBHCに汚染された稲わらを使わないとか、米ぬかや野菜くずなど汚染の疑いのあるものは飼料として使わないとか、そんなことを組合員の中で相互に約束を取りかわしながら良心的な努力をしているわけです。そのことは私は非常にすぐれたことであると思いますし、この上望むらくは、農林省なり厚生省が一体になって、適切なる、しかも迅速な指導とそれに伴う財政的な配慮をしてやるのが親心ではないだろうかというふうに実は感じているわけです。その辺はどうでございましょうか。
○政府委員(増田久君) 先生のおっしゃいますとおりでございまして、われわれといたしましても厚生省と協力をいたしまして、その自主的検査体制といいましても県の協力を得たという意味でございますけれども、体制の整備につきまして、せっかく努力をしているわけでございますから、——ただ蛇足になりますが、先ほど安全宣言の問題ともからみまして、われわれも苦慮しておりまして、いま実験中の問題を申し上げますと、牛の体内残留がどうであるのかという問題、それから土壌にどれくらい残っているのかという問題につきまして、われわれとしてもこれは的確なデータを持たないわけにいかない。特にただわれわれの最近のデータで、体内残留の問題を検討しておりますが、これは一月ぐらいできれいなえささえ食わせれば、非常にきれいになってくる、一月くらいできれいになるというデータが出てきておりますので、先ほど農政局長のような方向で今後BHCの使用というものが制限されるということになりますれば、非常に急速にBHCの問題は解決のめどがついていく、かように期待をしておるわけでございます。
○杉原一雄君 それではきわめて小さい問題ですが、実は通告してなかったかもしれないけれども、園芸関係の方おられますか。 実はきのう朝日の夕刊に「土に帰る安値野菜」という、こういう写真が出ているわけですね。これは私たち農政を担当している者はいつもこういうことを心配するわけです。しかし、歯どめといいますか、生産補償といいますか、そういう意味では野菜法が実はあるわけですが、しかしながら、何があってもこういう実態になったときには、法は効力を発揮してないわけです。「土に帰る安値野菜」、二百円の大根で羽ぶりをきかしたこともあったんですが、きょうこのごろ、これは埼玉県ですね、埼玉県の野菜ですが、ブルドーザー、耕うん機で引っくり返しているわけですね。これを見て、やはり消費者の側もたいへんだし、生産者の側にとってもこれはたいへんな事態をあらわしているわけです。農政上これをどう理解しているか、法にはどこか穴があいているんじゃないか、行政に欠陥がないのかということなど、われわれ自身も大いに反省すべきだと思いますが、農林省当局もこのことを十分御承知だと思う。また予想されたことだと思いますが、その辺はどうでございましょうか。この法に基づいて四十五年度は相当のお金を突っ込んで価格保障なり生産補償をしておられる、新聞等の論調によれば、三十億は水のあわかと、こういうきびしい批判も実はしているわけですが、その辺のところを含めて農林省はどう理解し、今後こうした問題にどう対処して、法の欠陥があってざるならばざるにならない法に変える。私はあまり詳しくわかりませんが、これから勉強しようと思うのです。ただ取りあえず、いま起こっている問題ですから、非常になまなましい農民の訴えであり、消費者のいわゆる疑問でしょう、疑惑だと思います。それにこたえるような答弁をひとつしていただきたいと思います。
○政府委員(荒勝巖君) ただいま御指摘の新聞の話でございますが、これは大体関東の近県地区で特に最近ホーレンソウにその例が出ておりますが、これは大体冬野菜のほぼ収穫を終えまして、これからいわゆる春の農作業に移り変わりの時期でございまして、最後の日焼けしたものとか、あるいは霜焼けしたものというふうな最後の残滓、商品価値になりにくいものを、主として最近関東の一部、ぼつぼつ農作業として最後の耕うん機といいますか何といいますか、写真ではブルドーザーになっておりますが、そういうような形で廃棄というのもおかしいですが、事実上残りものの、商品価値のないものをほとんどつぶしてしまっているというのが実情じゃないか。ただ非常にそれが市場価格が高いときには商品価値にならないようなものでも特に場合によってはまとめて出るときもありますけれども、最近の野菜の状況が比較的安定的に推移しているものですから、商品価値の悪いものは市場にやはり出さないという形で、そろいう形で最後の堀り取りが行なわれているのではなかろうかと思います。これにつきまして、野菜はこのたった二カ月、三カ月の間に非常な高値から逐次下がってきて、いわゆる暴騰暴落の繰り返しというような形でございますので、われわれといたしましては、ただいまこの野菜の生産安定あるいは出荷の安定、さらにはそれに基く価格の安定ということが野菜行政の本来の姿勢でございますので、農林省におきましてもなお今後稲作転換等に伴いまして野菜作付の転換も多少ふえると思いますので、われわれとしましては価格安定につきましてなお今後よく検討いたしまして、また来年度予算でいろいろ新しい改善した姿で検討してみたい、こういうふうに思っております。
○杉原一雄君 次は基本的な大きな問題、農政上の問題は予算委員会の一般質問は多分私十六日になると思いますが、大臣との間でやりとりすると思いますが、その前に、きょう私の机の上にきた要望書といいますか、それは、都道府県農業会議会長会議ですか、そこから農村地域工業導入促進法案に対する要望で、それは明らかにこの法律を早く出して通してくれというのが中心で、ただそれなりにまた三項にわたる要望がくっついているわけですが、これについて予算委員会等でこまかい質問はできませんから簡単に三問についてそれぞれお答えをいただきたいと思うのです。 第一問は、「新産業都市等の指定を受けたところであっても、農業振興地域および同予定地域等は極力法案の対象に含めるよう弾力的に措置すること。これらの市町村には純農村地帯もかなり広範に包含されており、農業の構造改善と結びつけた工業導入を強く望んでいるのが実態である。」、こういう要望の第一点がついているわけですが、これだけお聞きになって即答では気の毒でありますが、十分検討なさったことでございますから検針済みだと思いますので、回答をいただきます。
○政府委員(中野和仁君) ただいまのお話でございますが、国会に提案するまでの間にいろいろ検討したわけでございます。農村地域というのを一体どういうところにするかということでございますが、この法律にもございますように、農業振興地域整備法の振興地域、それの予定地、それからはみ出しております振興山村区域と過疎地域というのを入れたわけでございます。ところが一方では都市周辺を初めといたしましてすでに既存の法律によります工業導入がはかられております。こういう中で、いま御指摘の新産都市、工業整備特別法に基づきます工業整備特別地域、それからもう一つは、近畿圏、中部圏あるいは首都圏の都市近郊整備地帯、こういうところをどうするかという問題等があるわけでございます。 そこでわれわれといたしましては、なかなか普通の点では農村に工業が入っていかないようなところに工場を入れると同時に、それにあわせまして就業改善あるいは農業構造改善というものをやろうということでございますので、あまりにも都市的なところはこの法律から除外をしようということにしたわけでございます。ただいま御指摘の新産都市につきましては、新産都市の指定の、たとえば富山なんかも私もそういうふうに思うわけでございますが、富山の西半分くらいはほとんどみんな新産都市になっております。新産都市で都市計画をつくっておりません村がたしか二つか三つだったと思います。その場合に、その都市計画をつくっておりません村について農村工業を導入するということはさしつかえないわけでございますが、都市計画をつくっておるところではすでに新産都市計画というのがありまして具体的に進められておるものですから、やはりそういう既存の法律との調整上これは原則的にそういう地域は除くべきではないかという考え方をとったわけでございます。それについてもう少しその辺を弾力的にしようということの全国農業会議所の決議ではないかと思うわけでございますが、私たちの考えました趣旨は先ほど申し上げたとおりでございます。
○杉原一雄君 第二項は、私も直ちに即答できるよらなきわめてはっきりしているのですが、「工業の導入に伴って発生するおそれがある公害の防止については、影響する範囲が広域になるので、都道府県知事または市町村長が定める実施計画の中に、指定地域をこえる広域の農業者団体等と企業側との間に公害防止協定並びに補償措置が講ぜられるよう特別の配慮をすること。」、これは自主的な場合と指導行政の場合と両方あると思いますが、これを簡単にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(中野和仁君) あの法律の中の公害防止の事項というのは、実施計画を立てることになっておりますので、具体的に工場が入ってきました場合に、その工場から出得る公害についてはあらかじめ防止計画を立てきせる。そういう計画でなければ工業導入としての計画は承認しないことにいたしたいと思っておりますので、いまお話がありました点は、そのとおりわれわれもできると思っております。
○杉原一雄君 第三点は、いろいろ計画の中に農業会議等を位置づけてくれという要望ですから、これは私はここで取り上げて議論する必要はないと思います。ただ、こうしたことを議論する中で、三月九日の「日本農業新聞」に、はからずも農林省の中で研究グループがあっていろいろ検討されているということなんですが、「現代社会と農業に関する研究会」というものはこれは月給をもらっている人の仕事なんですか、それともそういう篤志家のグループなんですか。権威はどうなのか、位置づけの問題ですね。この議論されている中身は要らないから、どういうことなんですか、位置づけは。
○政府委員(太田康二君) 農業というものを国民経済の中でどう位置づけるかという経済的な研究はいろいろできているわけでございますが、最近公害等の問題にからみまして農業の持つ自然環境保護の機能というものをどう評価するかというような意味の立場から農業の、何と申しますかあり方の研究ということで、私のほうの官房の企画室がお世話役を買って出まして学識経験の方にお集まりいただいて、いま先生の御指摘のような研究をいたしておる、こういうことでございます。
○杉原一雄君 非常に積極的ないい研究グループだと思いますので、これはこの形で進めていただきたいと思いますが、ただ、結論は六月ごろに出るように書いてありますし、ただ、いま政府が進めようとする農村工業導入のほうとの関係はかなりある意味では不安な点が出てくるような論法なんですが、逆に私は期待しているわけなんですが、工業進出についてもこの間宮澤通産大臣とやりとりしたくらいですから、かなり問題を持っていると思いますから、ただそんなことと関係なしに農村はどらあるべきか、公害との関係もあり、自然環境保全の問題もありますから、これはいまの時点で非常に適切な研究会でありますし大いに進めていただきたいということなんですが、はからずもぼくは青年時代に農村工業化ということで議論したことがありますので、いまさらこういう問題が出たのではなくて昔から出ているのであります。不景気のときに必ず出る問題です。そういう点で非常に私は注目をしているわけです。 ただ、きょうの午前の予算委員会の公聴会で埼玉大学の秦さん、と言うと皆さんすぐピンとくるでしょうけれども、そんなにピンとこないでも受けるものは受けていただきたいと思いますが、特に農村工業の問題では秦さんはこういうことを言うわけですね。これはいままで政府が進めてきた特に農業基本法によって二ヘクタール以上の農家を育成する、大型化するというのがねらいであったわけです。そういうことと農村に工業が進出するということとは、意図と具体的な進め方とは食い違ってくるのじゃないか、秦さんに言わせればオール兼業だ、兼業化してしまう、このことによって。つまり進出してくる工業というのは労働力、つまりいままで内職していたおかみさんたち、農閑期のそのおかみさんたちの労働力を吸収する、言うならば定着さしていくわけですし、企業にしてみれば社宅も要らなければ交通費も要らないというように、企業にとってはかなりその面ではコストを非常に安くしていくことのできる可能性もあるわけです。ただ政府、農林省が描いている今日までの農業の姿がこのことによって大きく変わるのじゃないか、政府が言っていることと違った方向へいくのじゃないか、時代が変わるわけですから変わっていいのですけれども、そういうような先生の説明を、学説を述べていかれたわけですが、私は一面肯定し、一面考えさせられているわけです。その点は十分御検討なさっていると思いますが、この法案を審議する過程で私十分また意見を述べ意見を聞きたいと思っておりますが、とりあえず秦さんのそうした考え方にはあなた方はどう考えられますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもは農業という立場から考えますと、やはり農基法が示しております方向、それからそれを受けて政府が言っております「総合農政の推進について」で言っております方向、これはやはり農業という一つの産業を考えましたときに規模を拡大していくという方針は変えるべきではないと思っております。しかしそういうことを申しましてそれに力を入れましても、現在すでに農業者の八割余りが兼業農家でわが国の産業構造、労働力の配置の状況等を見まして、この兼業というものについてこれを効率的に運営して現金所得を得ざせるということは私は必要なことではないか、そうでないからしてそういう傾向をとりませんというと、だんだんだんだん過疎地帯がふえてくるわけでございまして、これちょっと統計がどうか知りませんけれども、「農業・農民」という、杉原さんも御存じだと思いますが、これにでもいまの過疎地帯というものが七百七十六カ村、いまもっとふえているようであります。こういう状況でありますので、われわれとしては、これはやっぱり日本という国は太平洋ベルト地帯というようなところにやがて総人口の七〇%も集中される傾向であるといわれておるのは好ましい傾向ではないと思います。 したがって、皆さん方のほらの御研究のところにも産業の地方分散ということが書いてございますけれども、私はやっぱり産業の地方分散というのは必要なことではないだろうか。同時に、そうでありませんというと、やっぱり地方の余っておる労働力というものは出かせぎというような形でどうしても出て、そしてさらに所得を取られることをお考えになるでありましょう。で、この間も地域の農業の人たちにいろいろ意識調査をいたしましたけれども、やはりこのままでひとつ農村で働きたいと、こう希望を訴えておられる方がかなりいらっしゃいます。そういうことを考えますというと、われわれは農業というものそれ自体を国際競争力のある、いわゆる他産業に比べても所得の劣らないという、そういう方向で強くしていきたいと思う。ごく少数の農家、自立経営の農家を育成して、農業それ自体としては体質のしっかりしたものをつくるという方向は変えるべきではないと思いますが、しかし零細農家がかなりございます。しかも兼業農家の方がおいでになります。 それやこれやを考えてみますと、やはり農業振興地域に指定されております地域で広域営農を考えておりますような、そういう広域農業と、地方に分散される産業とがうまく調整ができて、そして地方にあります労働力を吸収することができれば、前提には公害除去ということももちろん先ほど来お話しのこともありますが、そういうようなことになることがむしろ私は全体の産業構造の中で必要なことではないだろうかと、こういうことを考えておりますので、私はやっぱり地方に産業を分散するという方式というものは、従来農林省が唱えてまいりました農業基本法に基づく規模拡大をねらうということとは少しも矛盾することではないと、こういうふうに考えておるわけであります。
○杉原一雄君 それでわかりました。そこで、はからずも農林省の「農業者転職対策推進調査結果」、その中の農業を今後ともやりたいというのは六〇%というふうに記しておる。この調査には、非常に今後の農業を考える場合にぼくらにもたいへん参考になる結果が出てきているわけで、お調べになった局は農政局ですが、これを資料にして局内でかなり議論されて、やはり日本の農業の今後のビジョンを考える場合に、この要素はこういうふうに生かしていきたいといったような、何か前向きの形でこれを考えておられ、集約され、討論帰結が出ているとすれば、その討論の集約の帰結を聞かしていただければ、私らも農政を考える場合に非常にこれが一つの手がかりになると思うのです。六〇%——いま大臣がおっしゃったように、農業を引き続きやりたいといっているわけですが、そうでない四〇%はさまざまな要求を持っているわけですね。この辺のところを分析検討されたとすれば、局長からでもようございます。検討の内容をお聞かせしていただきたいと思います。
○政府委員(中野和仁君) 昨年の七月現在でこれを調査いたしまして、このほどやっと取りまとめたわけでございます。その中にわれわれちょっと見ましてもいろいろ考えさせられる面が多いわけでございます。たとえば、先ほどもお話がありましたが、調べますと農業従事者が百八十六万おるわけでございますが、そのうちの専業で農業をやっておる方は八五%までは農業をそのまま続けたいということを言っておられるわけであります。したがいまして、これはまだ先ほど御指摘になりましたように、これをもとにして農林省としてどう考えるかというところまで詰めておりませんけれども、お尋ねでございますので申し上げますと、こういう農家の中から相当な自立経営農家が出てくるんではないかとわれわれ期待を持っておるわけでございます。現にこの調査でも、一割以上の農家は自立経営に向かって規模拡大をいたしたいということを言っております。その反面、先ほど秦先生のお話がございましたけれども、全部が全部、自立経営的な農家にいくということはこれはもう困難なことは先生御承知のとおりでございます。その場合に、農業をやめてでも他の方向へひとつ行ってみよ、もしいいところがあれば行ってみようという農家といいますか、農業従事者が一四%ぐらいあるということでございます。それに対しまして先ほど大臣からもるるお話がございましたが、農村地域に工業を入れて、そういう農家でいい働き口があればそこへ移っていく。しかし、そのまま単にいままでの農村に企業を誘致するということだけではいけないということもこの調査にも出てまいっておりまして、農業振興と両立する限りは工業導入には賛成であるというのが六割を占めているということでございますので、その他いろいろあるわけでございますが、われわれとしましては、こういう具体的な農家のなまの声をもとにしまして今後の農政の進め方に反映さしていきたいと考えております。
○杉原一雄君 次に午前中の質疑の中にもあったかと思いますが、米価決定についての問題で、北村委員のほうからも質問があったのですが、いつ米審をお聞きになるのか、ちょっとそれをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) まだ予算も成立いたしませんし、たいへん私どもも忙しくやっておりますので、いまいつごろやるかというようなことについて全然考えておりませんが、ぼつぼつ検討しなければいけないかなと思っております。
○杉原一雄君 伝えられるところによると四月下旬というふうに言っておるわけですが、ただ私は国民の一人として非常に不思議に思うのは、大蔵省も生産者米価凍結ということで打ち出しておるし、政府予算の最終決定段階ですから十二月下旬ですが——には米価は据え置きだと、こう言っておられるわけですから、食管法が、第三条がどうあろうとも米価は据え置きだと、国民はそういうふうに受け取ってしまっていると思うんです。しかし、それに対して農民は不満であるし、また米審の機会にいろいろな形で要望が出てくると思いますが、しかし流れている思想といいますか、風潮は、これは生産者米価据え置きだから、米審などというものは型のごときものだというふうに取られがちになるんじゃないかというふうに私自身思います。 そうしてまたおもしろいのは、算定方式の問題になってきますが、生産費所得補償方式というところまで生産者も政府も共通の理解にきたのが二、三年前だと思うんです。それまではいろいろパリティだとか何だとか、むずかしい舌の曲がるような方式をたくさん使われたのですが、何とか第三条の精神に従って生産費所得補償方式というところまで、名前だけは一応共通の理解に到達している。中身はいろいろ算定方式が五人か、三十人か、百人かというところで労働賃金の平均を出すところでごたついたのですが、今度はそういうごたつきは出てこない。頭からきまってしまっている。何かそういう矛盾を農民はみな持っていると思うのですが、大臣は、そうじゃないのだ、希望は持っている、また米審にかけて期待されるような米価をきめるぞという腹が、余裕があるのですか、その辺、大臣お聞かせください。
○国務大臣(倉石忠雄君) 価格は米審に意見を聞いた上できめることになっているわけでありますが、いまお話しの、米審をいつやるか、まだ全然そこまで考えておりませんが、算定方式につきましては、ただいまのような需給の緩和しておる状況のもとで生産費所得補償方式というものを考えますときにいろいろ問題もあるようであります。したがってそういうようなことも引き続いて私どもとしてはぼつぼつ検討していかなければなるまいと、このように思っているわけであります。
○杉原一雄君 これは非常に新聞の隅っこに出たことを申し上げて失礼でありますが、農林省の中にもかなり全学連みたいなのがおって内ゲバが始まっているそうでありますが、(笑声)その真相をひとつお聞かせください。というのは、それぞれ局のセクトがあって、それぞれの立場で努力しておると思いますが、マスコミに載るとすれば内ゲバになるわけですが、大豆、油かす輸出をめぐって農林省内で内ゲバという報道が出ているわけです。かなり詳細に出ております。でございますので、それは農林経済局の次長あるいは畜産局の次長、接点がないのかどらか、そういったようなことについて新聞報道に対する実情をひとつ披露していただいて、われわれは農民のためにがんばっているんだという結論が出ればすばらしいことなんだが、この記事を見る限りはそういう結論は出てこないということですから、国民に対する疑惑をひとつ解いてください。これひとつ……。
○国務大臣(倉石忠雄君) たてまえとして私どもは貿易はできるだけ自由にするというたてまえでありますが、そういうたてまえの中でも農業者の立場を十分考えて判断していかなければなりません。新聞にどのようなことが書いてありましたか私ちょっと拝見しておりませんが、本年の四月末日までに大豆、油かすの輸入は自由化することとなっております。他方、大豆、油かすの輸出につきましては、現在輸出貿易管理令による承認制のもとにございます。国内の製油業者は大豆、油かすの自由化に伴い、輸出も自由に行なえるように要望いたしております。これは間違っている主張では私はないと思いますが、これをどのように取り扱うかを目下農林省内で検討いたしておるわけでありまして、輸入自由化を迎える製油企業に対する配慮と、国内供給のみでは需要が充足されないで、外国産の大豆、油かすを輸入して使用しなければならないわが国の畜産農家への配慮をあわせて慎重に比較考慮しながらその結論を出さなければなりません。私こういう農林省としての結論を出します前には、それぞれの所管の立場で各局内に十分な意見の討議が行なわれることは当然でありまして、内ゲバでも何でもありませんで、年じゅうやっておるわけで、むしろやらないようなものは不勉強だと、こういうけっこうなことだと思いますが、最終的に決定をいたすのは農林大臣でございます。
○杉原一雄君 まあ荒木公安委員長に機動隊の出動をお願いしようと思ったのですが、まあ取り消しいたします。(笑声) もう一点だけ。お疲れであると思いますのでこれで終わりますから……。牛乳と豚肉の価格の決定について内部検討なさっていると思います。とりわけ九日の日に農協中央会が加工乳では六・六一円、豚肉は大体三百八十円というような要求額を決定しておられるようであります。なおかつ国際的な情勢から言えば、いままで日本では米が余った、牛乳が余ったというふうに言われておったのですが、近ごろの報道では国際的にだんだん足りなくなってきたという逆の現象が出てきております。飲用の飲むものは値上がりの傾向が国際的には出てきた。いわゆる過剰気味から一転して不足の方向に進んでいるといろ情報等があるわけですが、この国際的な情報の把握の問題と、いま農協中央会が要求しているこの金額については直ちにオーケーというわけにいかぬでしょう。いかぬでしょうけれども、農林省はいまどの程度の御検討をなさっているのか。予測されるものでは、日本の中ではだぶついているけれども、値上げの機会があるというのは、これは朝日あたりが宣伝してくれているわけですが、その辺のところをどういうふうに内部検討しておいでなのか。若干の示唆だけ与えていただければよいと思います。きょうはこれで終わります、たいへんお疲れでしょうから。
○政府委員(増田久君) 御承知のとおり豚肉なり牛乳の価格は本月の末に畜産物価格審議会の議を経まして決定されることになっておりますので、ただいま私のほうで鋭意検討中でございます。そういう中で当然現在の需給事情とか、国際の需給の動向とか生産費の動向とかいろいろ諸般の経済事情がその間で参照されるわけでございまして、その結果についてはいましばらくお待ち願いたいと思うわけでございます。またいろいろの報道があることは事実でございますが、それは率直に申し上げてわれわれは何ら結論を現在の段階では得ていないというのが事実でございます。
○河田賢治君 時間が何なんで、できるだけ簡単に質問したいと思います。昨年の生産調整では政府の一応予想あるいはそれ以上にされたわけですが、しかしその内容に相当私は問題があると思うのです。第一は、各県あるいは農政局あたりがかなり強制的な措置をとった。これは私が言うのでなくて現実に農政評論家なり学者なりが集まって書いたこんな本の中にちゃんと書いてあるわけですね。たとえば二、三例を申しますが、あまりたくさん例は出しません、たくさんありますから。代表的なものだけちょっと出します。 山形県の櫛引町で基盤整備の事業をやっている。これを実施しているのですが、これを農政局が通年施行にやらなければだめだということを言っているのですね。そういう強制をしている。これは農政局とありますからおそらく東北だと思います。それからまた山形県の知事も、調整に協力しないもの、あるいはするもの等があるけれども、行政の公平から言うと、調整に協力したものと同じ扱いをすることは協力をしないものには取り扱えない、つまり差別的な措置をとるということが言われているわけですね。これは山形県知事です。かなり農業のことは専門家の方だと思うのですが、そういう事例がある。あるいはまた県の農林部です。ここでもやはり幹部がどんどんと現地に行ってそして泊り込みで叱咤激励している。市町村を徹底的におどして、そして職員をずっと村の有力者ボスなどに回らせておる。そして田植をやっているところに行って、スピーカーでもってがんがんがなり立てて、減反に協力しろということを言って、きながら選挙中のようだということも書かれている。まあ宮城県でもざっと自治体に対してこういう押え方をしている。それからまあほかにもありますけれども、今度は部落の中で生産協同組合があればこれが減反するもの、しないものがあるとぐあいが悪い、そういう場合には機械の償却代とかあるいは利用料金、こういうものの割り当てが不公平になるから、強制的にこれはやってもらわなければ困るというような、これは部落でも強制しているわけですね。 それから滋賀県あたりになりますと、これも新聞に出ておりましたが、御承知のように、滋賀県あたりでは農協の組合長——野洲という町ですね、ここの農協の組合長が、減反割り当てが難航して、町への報告が間近に迫ったけれどもうまくできないので、六月末自殺に追い込まれたということがあるんです。これは自殺までしているんですよ、いいですか。農協の組合長です。それでこの滋賀県でもずっと町の幹部が部落を歩いて、目標達成しないと道路の改修費も出さぬとかこういうおどかしもすると、あるいはまた協力農家に対して生産調整の協力田という三角旗というものを配って、それを立てろと言って、立てないところに対してはじゃんじゃんと攻撃をかけると、こういうこともやっているわけですね。 だから減反の政府の割り当てを受けた地方自治体ではいろいろこういう点で困難を感じたに違いない。しかし強制ということでもないわけです。大臣がいつも言われているように協力を願っているわけだから、納得の上の協力ということでなくちゃならない。納得がいかぬものだから、今度は不正常な方法でしかも自殺者まで出るというようなやり方が行なわれておりますね。一体この問題について昨年来こういうことがあったということをおそらく大臣も報告は受けるであろうと思いますが、こういう点についてのことしこれからいろいろと問題が進むわけですけれども、こういう一つのあり方というものについて一体どうお考えでしょうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもは四十五年の産米についての生産調整はたいへんな御協力を願ってほんとうに感謝いたしておるわけであります。立場を変えて私どもが米の生産者であるといたしますならば、やはり将来の自分たちの問題でありますので、どんなにか御心配のことであろうと思いますので、四十六年度にはさらに大きな生産調整をお願いするにつけても、将来の見通しを立てて、そして休耕は三年間、転作は五年間めんどうを見ると、その間に逐次永年作物に転換してま…るようにというようなことを講じながら生産調教をやっておるわけでありますが、私どもは決して御存じのように強制などはしてもおりませんし、そういうことを望んでもおりませんが、私の郷中などに帰って農村の方々のお話を聞いてみますと、日本人のよさと申しましょうか、大体村で部落的にみんなが集まる会堂がありますから、そういうところでいろいろ御相談をして、そして自主的にやっていらっしゃる傾向があります。したがって、いろいろやり方があると思いますけれども、私どもは、ただいま県知事それから市町村長、地方の農業団体等の御協力によりまして末端まで生産調整のお願いをする量が下がっておりすすので、これはもう二回目の大きな調整でありますし、またもしこれが行なわれなければわが国の農業がどらなるかということについては、東京で洋服着ている人よりは現実に米をつくっていらっしゃる農家の方々が御自分のはだ身に感じてよく御存じのことでございます。この間も十八、九歳から二十歳そこそこの若い農業青年会議所の方々が東京にお集まりになって、その人たちの御意見を聞く機会を得ましたけれども、私はほんとうにありがたいことだとその人たちの話を聞いていて痛感いたしたので、したがって日本の方々の英知と良識に御期待を申し上げ、今日以後の日本の農政について皆さん方に明るいビジョンを出していただいて、それに応じた調整ができますようにできるだけ私どもとしても御援助いたしながら御期待を申し上げておると、これがほんとうのところであります。
○河田賢治君 長野県は文化的な水準が非常に高いところですから、非常に民主的に運営されていると思うんですけれども、さっき私があげましたように、かなりの府県でこういう実情があるということは十分やはり農林当局として考えなきゃならぬ問題だと私は思うんです。 さらにもう一つの去年の方向としましては、政府の奨励金に対して、まあ下のほうからは低いという声があり、したがって、ところによりまして、私、農林省からももしも全体の報告ができておれば伺いたいと思いますけれども、なければけっこうですが、たとえば秋田県あたりでは十アール当たり五千円の上積みをしておる。これは県がやっておるんですね。それから愛知県でも休耕の場合は一千円の上積みをして、これは現物で支給をする。転作については二千五百円の上積みをする、こういうことをやっておるわけですね。こういうふうに、かなり県自体がこういうふうにして上積みをしなければ、十分農民の方に農林省独自の考えというものが、あるいは政策というものが十分下に受け入れられなかった。したがってこういう措置をとったんだと思うんですが、県だけでなく、また部落へ行きますと、やはり市町村なんかでこういう問題が起こります。あるところでは一万円の上積みをしておる、十アール所得、これを補償する、これは三重県あたりですね、こういうようなことをやっております。佐賀県でも五千円、これは県全体でしょうが、五千円の上積みをしておる。十アール当たり五百円の基金を集めさすというようなことをやっておるわけですね。で、各部落によってはいろいろ奨励金が少ないというのでいろいろな関係を考えてそして上積みをするというような問題が起こっておるわけです。こういうところを考えますと、農林省のおやりになった昨年の奨励金というものがほんとうに農民の心をまだ十分つかまえるほどではなかったということが反省されるんではないかと思うんですが、こういう点はいかがですか。
○政府委員(中野和仁君) 昨年の生産調整の中で、いま御指摘のように生産調整奨励金を国が出しましたほかに、地方公共団体等で、県によりましては集団転作を促進するための飼料費を補助したり、特別そういうようなことでかなり出しておるところもございます。 それからそれにつきましてわれわれどの程度まとまっておるかというお話でございますが、若干の県の報告は聞いておりますと同時に、市町村でもそういうことをやっておりますが、これは昨年アンケート調査を市町村に対してやりましたところによりますと、市町村で何らかの助成を行なったものは、農業団体が助成をやった場合も含めまして約二割程度ございます。それの金額は大体千円から二千円ぐらいだという——これは平均でございますが、そういうことになっております。 それから生産調整を行なわなかった者からは拠出金をとりまして、それから行なった者に金を出しておるという例、先ほど御指摘がありましたが、われわれのところに届いております調査結果では、そういうことをやりましたところが約七十ぐらいありまして、平均約四百四十円徴収しまして生産調整をやりました者に五千円程度交付しておる、こういう実態もございます。そういうようなことでございますが、これは先ほどからもお話がございましたけれども、やはり生産調整にそれぞれ県の段階あるいは村の段階といたしましてそれぞれ実情に応じてこれを円滑に推進するために地方公共団体がとりました一つの対応策ではないかというふうにわれわれ判断いたしておるわけであります。
○河田賢治君 ちょっと金額の問題は別としまして、こういうところができたということですね、現実に。こういう点で農林大臣はどうなんですか。奨励金を出さなければらまく調整ができなかった。一方ではおどかす、他方の県では少しいろいろな金をつぎ込んである程度納得をさせながらこれをやっていく、こういう二つの両極面を見れば、こういう分類ができるわけですね。そうすると農林省としては昨年の奨励金というものは大体あれで正しかったと、ことしはこれが減っておりますから、他のいろいろな名目で出ることにはなっておりますけれども、これは全般にはわたるものじゃないですね。こういう点はいかがでしょう。簡単にお願いします、時間がないんですから。
○国務大臣(倉石忠雄君) 簡単にやりましょう。 それは、私どもといたしましては、それぞれ地方によって事情が違うと思います。たとえば北海道あたりではそういうことをやりませんでも、非常にたくさんの調整ができました。それぞれ県知事さん方も自分の所管の県でもし生産調整が行なわれないというふうなことになれば、将来の農業がどらなるかということについてもたいへん気をつかっていらっしゃることが多いと思います。したがって、それぞれの地域でそういうことをおやりになって、生産調整というものがいかに大切であるかということで御協力を願ったものと、このように理解をいたしております。
○河田賢治君 そこで、私はやはりこういう問題を一応総括しながら、ことしの農林行政に資することが大事だと思うんです。大臣は強制的なことはしないとおっしゃいましたけれども、やはりこれはまたあるかもしれません、これから下のほらでなかなかうまくいかなければ。そういう場合に十分納得するだけの能力を地方自治体の長は持たなきゃならぬし、農協やその他の人もこれが妥当であれば喜んで受け入れるということもできるでしょうから、しかし、あくまでもこういうおどかしや他の費目をおまえのところは渡さぬというような、こういうけちなことを言っておどかすようなやり方は、地方自治体の長官としてはこれは私はあまり適したことではないと思います。そういう点で農林行政の今後の指導ですね、やはり納得とお互いに了解する上でどういう処置をとるかということはやらしてもらいたいと思うわけです。 御承知のとおり、盛んに今度の政府の買い入れ制限ができまして、不作といいますか、時に豊作になったりした場合には、第三の何といいますか、第二次自主米ですか、そういう名前で言われているんですが、こういうこともあり得るわけですね。必ずきちんといかぬと、足らぬところもあるかもしれません。この点は議会でも食糧庁長官は認めておられるようなんですが、これについてこれまで、政府は買い上げるけれども、農協がこういうものを買い上げてこれを売り渡すというようなことはあり得るということにはお考えになったことありますか。ちょっと……。
○政府委員(亀長友義君) 予約限度外に米ができるということは希望はいたしませんけれども、そういうものが万一出た場合に、農協等の集荷業者がそれを集荷をして、米の卸、小売りに売るような流通の規制を食管法の第九条によってやる方針であるということで御説明いたしたわけであります。
○河田賢治君 この場合に、普通の自主流通米は御承知のとおり、これはもう政府が全然関与しないというので金は渡さぬということになっていたんですが、たしか去年でしたか、米が売れなかったりして倉庫代とか何とか少し受け持って若干の金を出したように聞いておるんですが、これはどのくらい出ておりますか。
○政府委員(亀長友義君) 四十五年産米につきましても、いわゆる自主流通米、これは百七十万トン計画いたしております。それに関しましては、配給上必要な米であるというふうにわれわれ考えておりますから、この百七十万トンにつきましては、最終的に売れなかった場合には政府でも引き取る、さらにできるだけ売ってもらうために金利、保管料の助成をするという措置をとって助成いたしております。しかし、これはもちろんこの百七十万トンは国民食糧上必要なる米であるということでやっておるわけでございます。金額は四十四年産米につきましては五億四千六百万交付しております。四十五年産米につきましては、ちょっといま資料が明瞭でございませんが、一応十五億程度を私ども予定をいたしておりますが、詳細調べまして、あとでお答えします。
○河田賢治君 これも仮定の問題ですけれども、農業新聞あたりでも、山形その他のいろいろなところで、第二次自主米ですか、こういうことを書いているわけなんですが、あえて京都だけでないので、ほかのほうでもこういう割り当て量以上に万一できた場合ということがここで言われて書いているわけです。この場合には倉敷料とかいうようなもの、つまり普通の自主流通米なんかに対する補助と同じようなことをおやりになるんですか。その点についてちょっと聞いておきたい。
○政府委員(亀長友義君) 四十六年産米につきましては、御承知のように予約限度数量の割り当てというのを設けることにいたしまして、これをほんとうに政府が買い入れる五百八十万トンと、それから自主流通米で配給上必要と考えられる百八十万トンを足して七百六十万トンまでを予約限度数量にいたしております。そこでそれをこえる米ということになりますと、これは配給上は要らない米であるというふうに、量的には必要でない量ということになりますので、私どもとしてはこれはそういう米については、農協等が自主的に販売をするという以上に、現在特別の助成をするという考えはいまのところはございません。
○河田賢治君 それではこの稲作転換の推進のためにだいぶことしは予算も組まれたわけなんですが、これで転換作物なんかに対する——これはいろいろ作物の関係上きちんとしたことは出ないと思うんですが、ことしの支出で大体転換等々で指導して、水田ならどのくらいの量がこれによって新しい施策のもとでできるかという問題ですね、休耕で三年、あるいはそうでないものは五年ということになりますが、ここでいろいろな費目が、新しい転換促進の条件整備をやるとこういう整備によってことしの予算で大体何%ぐらいいく予定なのかということをお聞きしたいと思います。
○政府委員(太田康二君) 実は今回の生産調整に伴いまして休耕よりも転作に重点を置きまして、できれば転作を重点に進めまして日本農業の再編成を行ないたいということでおるわけでございまして、昭和五十年度までに作物転換を五十万ヘクタールぐらい、ほかに造林を四万ヘクタールぐらい考えておるわけでございます。その第一年度といたしましての昭和四十六年度におきましては全体で十五万ヘクタール、ほかに造林が一万一千ヘクタール、こら考えております。その内訳を申し上げますと、飼料作物が四万五千ヘクタール、永年性作物が九千ヘクタール、大豆等の豆類が四万五千ヘクタール、野菜が四万ヘクタール、その他もろもろの作物があるわけでございますが、これが一万一千ヘクタール、合わせまして十五万ヘクタール、ほかに裏作の麦といたしまして二万七千ヘクタール、造林を入れまして合計十八万八千ヘクタールというものを私たちといたしましては転作の対象作物ということで計画いたしておるわけでございします。
○河田賢治君 大体わかりました。 ところが現在、自主流通米は大体出初めは非常に悪かったというんですが、最近はなかなか自主流通米を山形なり宮城というところからいろいろな銘柄米を集めるのは相当競争もあり、やっているわけですが、最近この自主流通米はどのくらいまで予定でいっているのですか、去年の予定に比べて。
○政府委員(亀長友義君) 四十五年産米につきましては、私どもは自主流通米はほとんど完全に近く達成できるというふうに考えております。四十四年産につきましては、全体の百七十万トンの計画、これはモチ米、酒米入れまして百七十万トンの計画に対しまして八十六万トンくらいでございまして、モチ米、酒米はかなり一〇〇%に近くなっておりますが、主食用に関しましてはまことに不十分であったという結果に終わったのであります。 四十五年産につきましては非常に順調でございまして、百七十万トンの計画のうち、酒米につきましては五十万トンの計画で、現在五十五万一千トンの認可数量をいたしておりますが、これが一月末ですでに四十二万七千トン売却の実績がございます。八、九月から売り出しますので、さらに今後ことしの七月くらいまでかかって売るというたてまえのものが四十二万七千トンで、ほとんど八、九割近く達成されておる。それからモチ米につきましては二十万トンの計画でございますが、政府の認可数量が二十二万二千トン、これに対しまして一月末で九万五千トンでございます。とれも大体半分程度進捗をいたしております。主食用につきましては百万トンの計画でございます。政府の認可数量が百十四万二千トンでございます。これに対しまして八月から一月末までの実績が三十九万五千トン、約四十万トンでございます。おそらく本米穀年度末までにはこの百万トンの水準近く達成されると、かように考えております。 なお、時期的には本年の米穀年度の始まります昨年の十月ころには多少東京近郊あるいは都市近郊の未検査もの等が出回りまして出庫の促進等が阻害されるきらいがございましたが、現在のところそういうものは昨年の十月末以来姿を消しておりまして、出荷米の売れ行きはおおむね本年に関しては当初の計画どおり、あるいは少なくとも主食用については九五%、酒米、モチ米についてはほとんど一〇〇%達成できると、かように確信いたしております。 それから先ほど申し上げました四十五年産米の自主流通促進販売対策費の予定は二十六億八千七百万でございます。
○河田賢治君 との銘柄米というのがことしも私たちも新聞でしか見てないんですけれども、非常にやはり商社も入り込んで買い集めると、だから、幾らでもつくれということを言って、県経済連あたりでも、新聞では庄内の経済連あたりは自主流通米をらんとつくれと、農民も、こういう自分のところのいい米あるいはうまい米はつくればつくっても売れるんだと、こういうことを盛んに言っているわけですね。こういうような実情のもとで今度は生産整理、減反を、さらに昨年以上に上回るのですが、こういう銘柄によって、地域地域によって銘柄米をつくるところと、そうでないところとはかなり影響が違うと思うのですね、受けとめ方にしましても。こういうところに対してはどんな行政措置、同じようにやはり減反しろというふうに、あるいは農民が幾らでもつくっていいという考えを持っていれば、それはやむをえぬというようなことに終わるのですか、その辺ちょっと聞いておきたいのです。
○政府委員(亀長友義君) これは生産調整をどういうふうな考え方で割り振るかということからすず始まるわけでございます。それで先ほど官房長のほらから御説明があったかと思いますけれども、生産調整を割り振る際に、その中にいままでの政府の買い入れ数量、これは主として当然これは米産地から多く買い入れをいたしておるという実績が織り込まれておるわけでございます。それからざらに地域分担、本年度従来のPQ指数から地域分担というものに変わりまして、これも三分の一ほど入っております。したがいまして、米産地という要素は生産調整の割り当ての中にもかなりな程度に反映されておると私は考えます。そういうふうな割り当てでつくられた生産調整でございますから、買い入れ限度数量のほらも必然的にそういう生産調整のほうと見合ってきめているものでございますから、米産地という要素は結果的にかなり反映されているというふうに考えます。 ただ御指摘のように、特定の地区では自分の米に自信がある、だから買い入れ限度数量なんか無視して大いにつくって売りたいという気持ちなところもあるし、事実、特定の地域ではそういう銘柄米をつくっても売れるかもしれませんが、全体的な米の流通量、消費量という点、あるいは全体の食糧管理という点から申しますと、量的にはそういうものは必要でない米ということになりますし、またそういうものが全体の食糧管理のあり方というものを混乱におとしいれるという危険性もないではない、こういうような観点で私どもはやはり割り当てられた生産調整はぜひとも特定地帯についても達成していただきたい、かように考えております。
○河田賢治君 従来政府では、特に農林省では自立農家を育成するというのが方針だったのですね。ところが今度の、昨年から始まりましてまたことしさらに加わりました減反によって、かなり自立農家といわれるような比較的大規模農家でも今日ではどんどん兼業に出なければならぬというような事態が起こっておる。農林省がだいぶ金を出しました滋賀県の大中の湖ですか、開拓団ですね。あそこは四ヘクタール一人がずっともらっておるわけですね。そこでも三割くらいはどんどん兼業へ出だしているというような事態が起こっているわけですね。普通日本の水田で四ヘクタール持っておれば比較的上層農家に、また自立農家の大体上のほうにいくわけですね。八郎潟は十ヘクタールですけれども、こういうところも農業をやってもうまくいかぬ、借金はたくさんかさんでくる、それで兼業に出る。それでいろいろ方策を講じて、経営を委託する。委託を受けたものが十アール、あるいは何アールか減反するというようなこともやっておるようですが、いま政府のやっておられる減反政策、特に個人割り当てを中心にしてやっておられるものと、従来目ざしてこられた自立経営農家の育成、これは農林省がだいぶ声を大にして今日までやってこられたわけなんですが、こういうものとの関係はだいぶこういう問題では崩壊しつつあるのではないかと思うのですがね。こういう点についてはどういう御見解を持っておられるか、ひとつ聞いておきたいと思うのです。
○政府委員(太田康二君) 先生御指摘のとおり、米の生産調整に伴いまして一部の地帯におきましてかなり上層農家までが兼業に出るというような形が出ていることはわれわれも承知をいたしておりますし、近く公表いたします「昭和四十五年度の農業の動向に関する年次報告」にもそういったことの記述をされているわけでございます。確かにそういった意味におきまして自立経営農家の足取りを見てまいりますと、四十四年度では若干われわれがいっておりますところの自立経営農家の戸数及び農業生産の割合が四十三年に比較をいたしますと落ちております。特に稲作の単一経営の占める割合が落ちまして、むしろ稲作以外の作物、特に野菜、果樹、養鶏等でふえている。また複合経営等では大体横ばい、その分だけ稲作の農家の単一経営が減っているというようなかっこうになっているのが事実でございます。 しかしわれわれ、先ほどの大臣の御説明にもございましたように、できる限り自立経営農家を数多く育成し、これらの農家によりまして農業の相当部分を背負っていただくということを農政の大きな目標にいたしておるわけでございますので、もちろん稲作の転換に伴いましてこういった方々の稲作だけの所得というものは確かにそれだけ減ずるということもあるわけでございますが、一方におきまして、先ほども申し上げましたように、転換に伴います他作物への転換に基本を置いて今後進めてまいるわけでございますので、これらの作目の中には、いずれも将来需要の伸びが期待される作目がございますし、経営の内容いかんによりましては、これらを通ずる所得の増ということも期待をできるわけでございますので、両々相まちまして、われわれはこれらの農家が自立経営に育っていくというような形に持ってまいりたいということで、生産奨励補助金もことしは相当多額に計上いたしましたし、なお、転作等の促進のために前年度に比べまして飛躍的に増額をいたしまして、四百二億というような予算も計上したような次第でございますので、これらの施策を通じまして自立経営農家の育成がはかられるようなふうに持ってまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○河田賢治君 自立経営農家を目ざすとおっしゃるのですが、実は、米の生産が比較的他の作物よりは有利だということで、米がどこからも望まれ、また農家自身もそれに精出しておる。それによって一定の蓄積ができて、そして他の果樹だとか、あるいは畜産とか、こういうほうへだんだん、転用作物と申しますか、そういうように移っているわけですね。ところが、その大もとである蓄積の条件というものがくずれてきているわけですね、いまだんだん減反等々で、あるいは米価の据え置きで。そうすると、これまでようやく米の収穫と米の売り値によって資本が蓄積されて、新しい畜産とか果樹とかにこれは入っていったのですから、今度はもとになる米のほうがすっかり停滞すれば、これはなかなかほかへ今度いこうとしましても、もちろん政府のいろんな行政指導はありますけれども、個人個人の農家にとっての蓄積条件というものは非常に落ちるわけですね。そうなりますと、なかなか転用、転用と申しましても、いろいろ他に労働を換算しまして有利ではないわけですから、ほかの作物では。そうなりますと、いまおっしゃいましたように、自立経営農家がどんどん、他の産業部門で農業部門を受け持ってもやっていけるというようなことはなかなか困難ではないか、こういうふうに思うわけですがね。この点はいかがですか。
○政府委員(太田康二君) 確かに、御指摘のように、従来のわが国の農業の中心が米にありましたし、米を通ずる所得の増を通じて、米プラスアルファという形で他の部門を拡充していったという傾向があることは、われわれもよく承知しております。今回の米生産調整の影響をわれわれ測定いたしたわけでございますが、これによりますと、全国のマクロの数字で、一応の試算でございますから——米による所得の減が、二百三十万トンやった場合に、四十四年産の四十五年度政府買い入れ価格というようなことで計算をいたしますと、二一千八十三億ということに相なります。これに対しまして、生産調整奨励補助金で千六百九十六億出る。他方、転作によりまして、先ほど申し上げましたように十五万ヘクタールの転作も行なわれるわけでございますので、これらによる所得も当然考えられるわけでございまして、全国ベースで見ますと、確かに面積にして五十万ヘクタール強、水稲の作付面積にして一七%というよらな規模の生産調整でございますから、これが農家経済に与える影響はかなり大きいというふうなことも考えられるわけでございますが、一方におきまして、いま申し上げたように、生産調整奨励補助金の交付もございますし、また、転作による所得というようなこともございますので、これらの施策によりまして、その穴埋めはできるのではないかといろふうに考えておる次第でございます。もちろん、これを個別農家の場合に適用した場合に、いろいろ具体的なケースによりまして、確かに、先ほどの傾向でもわかりますように、米単作だけの方々の自立経済農家のシェアが減る、全体の中に占めるウエートが減るというようなことはあろうかと思いますが、やはり転作等を通ずる所得の増大等によりまして、その面はカバーしてまいるということによりまして、今後進めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○河田賢治君 ひとつ米の価格の問題について大臣に伺いたいと思うのです。 いま、米価審議会を開いてこれは諮問されるわけですが、やはり米というものは、主として資材、労力、その労力をどの程度に見るか、若干の相違はありますけれども、都市労働者と農村労働.者等々ありますが、やはり物価が上がり、労働者が賃上げをやる、そうすると、やはり農家の労働力の価値もこれに比例して上げなければ再生産の労働ということにはならぬわけですが、こういう基本的な考えを持てば、やはりそれに応じた米の価格、生産者価格というものは私は上げなきゃならぬと思うのです。いま、上げる上げぬの問題じゃないですが、基本的には、つまり農業労働に対する、これは雇用、雇い人を使ってやる場合と、本人が労働する場合と若干相違があるでしょうけれども、雇い人にしましても、一般労賃が上がれば、農業労働者を雇う場合にこれは上がりますから、したがって、農家が自分の所得を減らしてまで他人に給与を高くするということもなかなか困難でしょうけれども、一般にそういう労働費が中心になってやはり再生産というものができるということは御確認になりますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 四十六年度予算編成にあたりまして、四十六年産米はその米価の水準を据え置くと、こういう方針にいたしたことは御承知のとおりでございますので、具体的な価格につきましては、先ほどお答えいたしましたように、米審の意見を聞いて決定をいたすと、こういうわけであります。
○河田賢治君 かつて、二年ばかり前でしたか、たしか経済団体同友会でしたか、いま、日本の米が高いので、二割ぐらい減らせということを言ったことがあるんですね。それ以後、一回上がりましたか、あとは大体据え置きということになっているわけなんですが、よく日本の米は外国米に比べれば大体倍高い。だから国際競争力に打ち勝つためには、どうしても米の値段を引き下げなきゃならぬ、米は高い、高いということがよく資本家からも言われるわけですね。ところが、このとり方が私は少しおかしいのじゃないかと思うのですよ。なるほど、工業ですと、いろいろ生産の条件というものはそう変わっちゃおりません。農業は御承知のとおり、もう三百キロぐらいしかとれぬところから、あるいは七、八百キロまでとれるところがあります。いろんな条件があるわけですね。その中で平均出してやるわけですけれども、外国と競争して、日本の米をどんどん外国へ出すというならこれは輸出競争にたえなきゃならぬですけれども、国内で消費する場合はそうはならなくともいいわけなんですね。 ところが、通産省でしたか——これは同じ政府機関ですよ、通産省が、日本の物価水準というものを調べて、つい最近ですわ、ずっと出しているわけですね。そうすると、米の値段について、ちょっと二、三拾って読みますが、たとえば日本ではうるち米これは完全精米ですね、一キログラムが百五十二円となっているんですね。一番いつも問題になりますアメリカ、これは何米かわかりませんけれども、アメリカは百七十九円。日本より高いですよ。確かに卸売りで買うときはアメリカのほらが安いでしょうけれども、小売りになりますと、日本のほうがずっと安いわけなんですよね。われわれ、お互いに働く者から見れば、消費者物価が一番大事なんであって——そうでしょう、卸売り物価が高かろうが、低かろうが——これはまあ影響はするでしょうけれどもそう問題ではない。アメリカでは日本の米よりもずっと、半分近く卸は安いけれども、小売りになると日本より高くなる。まあこういう流通費の中で相当そういうところがとれるようになっているらしいですね。こうなりますと、米が高い高いと言いましても、アメリカから比べればやはり日本のほうがいま安く売られているわけですね。現に、これはあなた、通産省が発表しているのですから間違いないと思うのですよ。そうだとすれば、あんまり米が高い高いということは、これは言えないと思うんですね。それはたしか、今日、自主流通米でなくて、いわゆるやみ米といわれる、いわゆる自由米ですね、これなんかも、約二百万トン近いものが小売りの中で操作されて、そうして格上げされてこれが売られているわけですね。そうして高く売られている。これはだれがもうけているかというと、生産者はもうけていない。同じですよ、政府の買い入れ値段きまっていますから。ところがみんなそういうものは中間で取っているわけですね、格上げをして卸なり小売りなんかで。ですから、税務署もわりあいに高かくかけるということを言われているほど今日、米屋のそういう自由米というものが非常な操作をされているわけなんです。だから、これがこういう状況になってきますと、日本の米がこのとおりアメリカあたりから比べますと、消費者価格では日本の米は実際は安い。 ですから、こういうところを私たちはもうちょっと、米が高い高いということに踊らされずに、やはり生産者には再生産に必要な米価も補償しなくちゃならない、それから生産性がおくれておれば、ネックを高めるにはどこを早くやったら農民も得をし、また消費者も楽になるかというところを農政当局は考えなきゃならない。土地の基盤整備するばっかりで決して農産物の収入がどんどんふえるわけのものじゃないんです。多少かんがいをやり、排水をすれば便利にはなりますよ。しかし、一番どこにネックがあるかということを考えて、そして合理的に両方に利益のあるような措置を講じなきゃならぬ。だから、さっき農林大臣おっしゃいましたけれども、米の問題はそれを据え置きということを皆さん思っておられますけれども、しかしこういうふうに消費者価格では日本のほうが安いんだ、外国から買えば卸売りでは向こうのほうが安い、こういうところに問題があるわけですから、だからこういうところは今後の農政の、米の生産者米価をきめる場合、また農政の指導でもこういう点は十分私は考えていただかなければならぬと思うのです。 よく物価の比較をされますので、とにかく日本では高いものもありますけれども、こういうふうに主食である米については日本のほらがアメリカよりも安く売られている、こういうことですね。この点について私はいま即答は求めませんけれども、とにかく農政のあり方というものをもうちょっと基本的な考えをやるべきだと。そう当面のあすあさっての問題だけでなく、長期にわたって日本の農業のあり方というものも考え、そして農民も利益を得、消費者も利益を得るという、こういう施策をもうちょっとゆっくり考えていただきたい、こう思います。この点最後に申し述べまして、時間が参りましたのでやめたいと思います。
○委員長(河口陽一君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十二分散会 —————・—————