農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 34 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/01/28
会議録
○委員長(河口陽一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 このたび私、農林水産委員長に選任されました。はなはだ微力でございますが、理事並びに委員の皆さまの御支援、御協力を得まして、この重責を果たしたいと存じております。何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手) 園田前委員長から発言を求められております。
○園田清充君 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 この一年間、大過なく委員長の重責を果たしましたこと、ひとえに皆さま方の御支援、御協力のたまものと、心から感謝いたしております。厚くお礼を申し上げます。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。(拍手) —————————————
○委員長(河口陽一君) 委員の異動について報告いたします。 去る五日、北村暢君及び武内五郎君が委員を辞任され、その補欠として杉原一雄君及び矢山有作君が選任されました。 また去る十二日、矢山有作君が委員を辞任され、その補欠として北村暢君が選任されました。 また去る二十六日、田口長治郎君及び若林正武君が委員を辞任され、その補欠として増田盛君及び菅野儀作君が選任されました。 また昨二十七日、増田盛君が委員を辞任され、その補欠として高橋衛君が選任されました。 また本日、宮崎正義君、鈴木省吾君が委員を辞任され、その補欠として小平芳平君、高田浩運君が選任されました。 —————————————
○委員長(河口陽一君) 理事の辞任及び補欠選任についておはかりいたします。 高橋雄之助君及び達田龍彦君から文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河口陽一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、欠員二名の理事の補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河口陽一君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に園田清充君及び杉原一雄君を指名いたします。 —————————————
○委員長(河口陽一君) 農林水産政策に関する調査を議題とし、マグロの水銀汚染問題に関する件の質疑を行ないます。 質疑のある方は御発言を願います。
○小平芳平君 通常国会開会間もないこの時期に、国会のルールの上からいろいろ問題もあったということを伺っておりますが、本日マグロ水銀汚染問題を議題としていただきましたことを深く感謝いたします。 このマグロ水銀汚染問題は、昨年十二月からすでに問題になっておるのですが、業界並びに一般市民に与える影響もきわめて大きいものがあると思います。その間、政府がどのようにアメリカあるいは西ドイツ等の情報をキャッチし、そうして政府がどのような対策をとってこられたか、概略かいつまんで簡単にお答えを願いたい。
○政府委員(大和田啓気君) アメリカにおけるマグロの水銀問題は、御指摘のように、十二月の初めに問題が起こりまして、十二月の十五日にFDA長官の新聞記者会見がございまして、そこでマグロのかん詰めを検査したところ、〇・五PPMという基準をこえるものが三三%あるというお話がありまして、多少鎮静の方向に事態は好転をしてきたと思いますが、ことしに入りまして、一月の六日に再びFDAの幹部の新聞記者会見がございまして、そこでは輸入マグロかん詰めの検査の結果、千数百のかん詰めの検査をしたわけでございますけれども、おおむね二%程度のものが〇.五PPMをこえるだけで、まずそう心配なことはないではないかという趣旨の新聞記者会見があったわけでございます。 私ども、この問題が起こりました当初から厚生省とよく連絡をとりまして、厚生省のほうでも昨年の九月に魚における水銀の問題についての所見の御発表がありまして、マグロについて一PPM前後の水銀が認められるけれども、それは人体に全然関係がないといいますか、無害であるという趣旨の御見解の発表がありましたこともありまして、絶えず厚生省と連絡をとっておったわけですが、〇・五PPMの基準についてはいろいろ問題がございますけれども、われわれとしては二つ大きな力点がございまして、一つは、この問題によるビンナガの取引が一時、十二月に停止した事態がございますが、その問題をどう処理するかということと、日本における水銀の研究は相当高い水準にあるわけでございますから、これも厚生省と水産庁と共同で、アメリカに対して事情をよく述べて、アメリカ側に再考を求めるという、そういうことでございます。 それで、厚生省が中心になりまして、ことしの一月に入りまして早々、水銀関係の学者——これは水産関係の人も参加をいたしておるわけでありますが、そこで事態の研究をいたしまして、実は当時、一月の二十三日にFDAの食品部の次長コルビーという人がこの問題で日本に来て厚生省その他関係当局と十分話し合いをしたいというお話がありましたので、コルビー氏を迎えてこちら側で十分な資料を整えて水銀問題について解明をするということの準備をいたしたわけでございます。 それからもう一つのマグロの取引の問題につきましては、日鰹連というカツオ・マグロの船主の協同組合の全国組織がございますけれども、そこで事態がほうっておけないことでございますので、買い出動をいたしまして、全然取引が当初なかったようなビンナガにつきまして、約八百トンを少しこえる程度の買い付けをいたしたわけで、その点についての金融を中金についてお話し合いをするということもあったわけでございます。 ところで、現在の時点についてこの問題を申し上げますと、一つはビンナガの取引は、多少アメリカ側の事情が好転をいたしたということもございましょうが、私は必ずしも楽観はいたしておりませんけれども、アメリカ側の事情が好転をしたということでビンナガの取引がぼつぼつ行なわれておるわけです。 それからアメリカからコルビー氏が一月二十三日に来るということは先方の都合で取りやめになりまして、三月にならなければ係官の派遣ができないということでございますので、三月まで事態を遷延するわけにもまいりませんので、私ども厚生省と相談をいたしまして、水銀関係の専門家、それに行政官をつけまして、二月の初旬から中旬にかけて十分な資料を持ってアメリカに行き、FDAの当局とこの問題についてじっくり相談をして善処方を促すという、そういうことで現在やっておるわけでございます。
○小平芳平君 このマグロの水銀は自然のものであるか、それとも工場排水等によるそういう人為的な汚染なのか。そういう点について私たちはいままで上田喜一教授等の分析結果あるいは研究結果をいろいろ聞いてきておりますが、どうも一般市民の間には、最近海が工場排水でよごれてきたから汚染されてきたのじゃないかというふうな単純な受け取り方をしている向きが現在非常に多い。そういう点についてどのように考えておられるか。その点が一つ。 それからもう一つは、アメリカでも西ドイツでも〇・五PPM以上のものは販売禁止という措置をとっているのに対して、この〇・五PPMが総水銀の規制なのか、それともメチル水銀の規制なのか。 それから特にアメリカ、西ドイツ等がこういうふうな〇・五PPM以上のものは販売禁止の手を打ってきているのに対して、日本の厚生省は、一PPM程度は無害であるということを発表しているという点、そういう食い違いについてはいかがですか。
○政府委員(浦田純一君) マグロ類の水銀が人為的なものか、あるいは自然的なものかというお尋ねにつきましては、厚生省は食品衛生調査会の委員及び水俣病の研究者、また毒性の専門学者などの意見を徴しまして、その結果、マグロに含まれている水銀は人為的な汚染ではなくて、自然含有のものと考えるべきであるという結論を得ております。 また、水産庁その他でお調べになったところでは、昭和二十九年ですか、それから昭和三十七年と、時を置いてマグロの水銀量の測定をやっておられるわけでございますが、これらの点から見ましても、この水銀量は、以前から水銀は含有されておりまして、その量は以前とあまり変わりないといったようなことからも自然に含有されているものと結論すべきだと思っております。 また、アメリカあるいは西ドイツ等で〇・五PPMということで水銀の含有しておる食品の販売を禁止し、あるいは規制しておるという、その〇・五PPMの意義でございます。水銀のこの許容量のガイドラインとしてFDAが設定しておりますものはメチル水銀であるというふうに聞いております。しかしながら、現在実際にアメリカが測定しておる水銀の量は総水銀によっている模様でございます。 マグロの中におきまする総水銀とメチル水銀の比率でございますが、これは大体三〇%から七〇%の間といわれておりますので、総水銀量だけでかりに向こうが問題にしておるとすれば、これは適当ではないというふうに考えております。
○小平芳平君 もう一つ、一番大事な点は、アメリカ等で〇・五PPMとして規制しようというのに対して、日本の厚生省は一PPMまでは問題ないということを発表しているというその食い違い。これに対して、確かに日本の発表の一PPMがだいじょうぶなんだという具体的なそうした裏づけを持ってやっているのかどうか。まあ、そういう十分な資料を持ってアメリカへいくと先ほど御答弁がありましたが、一PPMまでは安全なんだ、アメリカや西ドイツが言っている〇・五PPMというほうがむしろおかしいということを十分説得できるような資料を持っているのかどうか。あるいはそうした魚の安全基準というものをどう受けとめておられるか、そういう点についてお尋ねをしておきたい。
○政府委員(浦田純一君) 失礼しました。〇・五PPMあるいは一PPM、その辺の食い違いについていかがかという点でございますが、実は、食品における水銀のいろいろな人体に及ぼす影響その他についての研究は、先ほど水産庁の長官のほうからもございましたが、私は、日本は決して劣ってない。むしろ世界水準以上にあるというふうに考えておるわけでございますが、現にWHOは食品中の水銀の含有量についてのいわゆる許容量の決定という作業を日本に依頼してきておるといったようなことでもある程度おわかりいただけるかと思います。 さて、どのような根拠から私どもは一PPMの含有量でもだいじょうぶだということを言っておるかと申しますと、私どもの手元にあります過去のいろいろな資料、経験から考えますと、水銀による中毒というものの発病量でございますが、これはおとなの場合、毎日二ミリグラム摂取するのが発病量であるというふうに言われております。ところで、その二ミリグラムという量でございますが、日本人並びにアメリカ人の食生活の構成というものを一方で考えてみますと、アメリカ人の一日の魚介類の摂取量は、アメリカで行なっております調査によりますと、一日約四十グラムということでございます。そのうちマグロは三グラムでございます。日本人はそれに比較してどうかと申しますと、日本人の魚介類の摂取量は毎日八十グラムでございます。これは日本における厚生省でやっております栄養調査によるものでございます。八十グラムでございまして、そのうちマグロは五グラムという数字が出ております。先ほど申しました二ミリグラムの毎日摂取量、これが発病量ということでございますが、これだけの量をただいまかりに〇・五PPMの水銀が含まれているマグロで摂取するといたしますと、四キログラムの大量を摂取しなくては二ミリグラムに達しないのでございます。また、かりに一PPM含有量というふうに仮定いたしますと、これは二キログラムを毎日摂取するということに相なるわけでございます。したがいまして、この数字からもわかりますように、一PPMとかりにいたしましても、毎日二キログラムのマグロを摂取するということでございますので、かりにほかのほうから、少しずつ水銀が他の食物を通じて入ってくるといたしましても、とうていそのような大量をとることは考えられませんし、現実の問題として平均五グラムということになりますと、ほかのほうの経路から水銀が入るといたしましてもとうてい発病量には達しないけた違いの少ない量で済むということが言えるわけでございます。その他実際に測定しましたいろいろな分析値、それから日本人全体の人体の水銀の残存量と申しますか、それらいろいろなデータを取りそろえまして、十分に相手が納得するように説得できるように努力してまいりたいと考えておるのでございます。
○小平芳平君 確かにマグロを一日二キログラム食べる人はまずなかろうと思います。問題は、ほかの食品からも入ってくるということが一つとそれから、水銀は体内に蓄積するという問題点がありますが、そこでお尋ねしますが、アメリカの場合はちょっと私たちわかりませんが、日本国じゅうで一番マグロをたくさん食べている人はどこにいると思われますか。また、どの程度食べると思いますか。
○政府委員(大和田啓気君) 日本人としてマグロをたくさん食べる人はマグロ船の乗り組み員であろうと思います。これは人によってどのくらいか違いますけれども、おそらく二、三百グラム以上は食べるのではないかというふうに思います。
○小平芳平君 そのとおりですね。マグロ船の乗り組み員の方は、船主が最初おかずはそんなに船に積み込んでいかないものだから、もうマグロを釣り始めるころからマグロ以外、あまりおかずがないということで、マグロだけをもっぱらおかずにしているということ、それから肉ばかりか、腹わたまで塩辛にして食べているということ、そういうような点を私たちも実際調査して聞いたわけです。そこで公明党としては、これらの一番マグロをたくさん食べると思われる人たちの毛髪、あるいは血液、こうしたものを分析いたしまして、はたしてどの程度血液の中に、あるいは毛髪の中に水銀が蓄積されているかということを分析したわけです。こういうことが必要じゃないですか。いかがですか。あるいは厚生省、やりましたか。
○政府委員(浦田純一君) 厚生省におきましても、一般的な人体の健康の問題といたしまして、日本人の体内に含まれておる水銀の量といったようなことについての調査研究はやっておるわけでございます。
○小平芳平君 いや、ですから、一般的にただ二キログラムもマグロを食べる人はいないから、それで安全なんだということだけで説得力があるかどうかというのですよ。私は、こうした一番マグロをたくさん食べる人たちの蓄積がどの程度かということも、大きな有力な一つの資料になり得るのじゃないか。 申し上げますと、この表は東京歯科大の上田研究室に依頼して分析していただいた結果で、九人の例を取りましたが総水銀で最高一九・六PPM、最低で七・〇PPM。毛髪です、毛髪の中に蓄積している総水銀、それが九人の中で最高が一九・六PPM、最低が七PPM。それからメチール水銀で最高が一一・四PPM、こういうものが毛髪から検出されております。ということは、本来人間のからだはこういう水銀が蓄積されるべきものではない、本来水銀というようなものが、あるいはメチール水銀というようなものが人間のからだに蓄積されるべきものではないという考えからすれば、むしろマグロは食べないほうがいいということになるのですが、かといって過去の水俣病の発病者、あるいは健康の人でその地域に住んでおられる方々、そういう人の毛髪や血液を検査した結果に比べれば、このマグロ船員の蓄積ははるかに少ないわけですね。その辺をどうとられますか。
○政府委員(浦田純一君) ただいま、マグロを多量に摂取しておられる方々の体内における水銀の量ということについては、水産庁にもお願いいたしましていろいろとデータを集めておるところでございます。お尋ねのマグロ漁船の乗り組み員の方の水銀の含有量でございますが、毛髪で、いまお聞きいたしました数字ですと日本人の普通の状態、おおむねその範囲内に入るのではなかろうかと思っております。御参考までに申し上げますと、水俣病の方の毛髪では二〇〇PPMといったような大量の水銀量が検出されておるわけであります。大体日本人の毛髪の水銀量が一けたの範囲内というふうで、一〇をこえていると普通平均より少し多いという数字かとこのように考えております。
○政府委員(大和田啓気君) いま貴重な調査のデータの御発表があったわけですが、私どもも、きわめて常識的な話で二十年も三十年もマグロ船に乗ってマグロを相当多量に食べている船員が水俣病的な水銀の中毒にかかったというふうな話はないわけなんでございます。それがきわめて常識的なあかしだと思いますが、水銀の専門家がアメリカへ行ってFDAの人々と話しをいたしますときの一つの有力な材料として、マグロ船の乗り組み員の手髪中に含まれる水銀のデータを現在相当広範に集めているわけであります。それを持って、一つの有力な資料としてアメリカに参るというふうに考えております。
○小平芳平君 それは集められているだけで、まだ結果は出ておりませんか。
○政府委員(大和田啓気君) 二、三件程度の所見はございますけれども、まだ相当数についての分析は済んでおりません。しかしアメリカに参ると.いたしましても二月の上旬でございますから、鋭意それに間に合わせるように現在研究室で分析をしている最中であります。
○小平芳平君 その結果どんな結果が出ておりますか。若干でも出ている結果は……。 それからもう一つはマグロそのものも分析をしておりますか。その結果はどんな結果が出ておりますか。
○政府委員(大和田啓気君) 毛髪の分析は二、三件でございますから、まだ学者としてはあまり外に発表するのを差し控えたいということでございますが、いま先生がお述べになりました最高一九・幾つというものに比べれば若干多いデータが出ているようでございます。 それからマグロにつきましての分析でございますが、これは厚生省のほうからお話しいただくほうがあるいはよかろうかと思いますが、便宜私のほうで申し上げますと、昨年の九月に厚生省のほうでマグロの分析をいたしましたときに水銀が大体、一弱から一・二PPM程度の中におさまっておったわけですけれども、私のほうで十六のマグロにつきまして相当こまかく背中あるいは中央部、腹の部分、そういうふうに分けて分析をいたしましたところ、最大が〇・六二で最低が〇・〇六という、背部とか中央部とか腹部によって多少の開きがございますけれども、そういうデータが一つございます。 それからさらに最近になりましてマグロの分析をいたしましたところ、いまアメリカで問題になっておりますビンナガあるいはキハダで申し上げますと、総水銀でビンナガについて最高が〇・四五、最低が〇・一二、平均〇・三一という数字が出ておりますけれども、まあアメリカで一月六日の記者会見で千七百点ほどのかん詰めを分析した結果、約二%程度が〇・五をこえるという、そういうこととやや平仄の合う数字であるかと思います。
○小平芳平君 この船員の人たちも行き先によりまして食べるマグロも違うと思うのですが、また、とるマグロの種類によって食べるマグロの種類も違ってくるわけですが、私たちは依頼してかん詰めを分析した結果では、ビンナガは低いんですが、これは差し上げているこれをごらんになると、ビンナガは〇・二〇ないし〇・五です。ですからメカジキに比べた場合、メカジキは〇・九〇と〇・九六PPMですから、メカジキに比べたらビンナガは低い。またこれだけのサンプルでありますが、とにかくかん詰めを分析した範囲においてはビンナガは低いという結果が出ているのに、先ほどの最初の水産庁の御報告だと、ビンナガは特に警戒されて買い手がない、そして八百何十トンを買い取って冷蔵庫に入れてあるということですが、むしろビンナガのほうが低いという結果が出ているんです。そういう点はいかがですか。いまの御答弁でもビンナガが平均〇・三一、そうなるとビンナガだけこんなに警戒される理由は全くないことになるわけですが、いかがですか。
○政府委員(大和田啓気君) 私どものデータでもビンナガは水銀の含有量が低く出ておるわけです。したがいましてビンナガがかん詰めのおもな材料でございますから、先ほど申し上げましたように、一月六日の記者会見では、かん詰めの中で〇・五をこえるものは二%にすぎないということになったことと私は照応いたしておると思っております。
○小平芳平君 そこで毛髪、あるいは血液のところへ戻りますが、毛髪で言えば、先ほど厚生省から御答弁がありましたように、水俣病の患者、実際水俣病にかかった方の毛髪の水銀蓄積量は最低で五六・八PPM、最高の人が五七〇PPM、そして大多数の人が二〇〇PPMをこえていると、そういう実際水俣病被害者の方の水銀蓄積量と比べた場合はこの船員の人たちのトータル水銀で一九・六ないし七・〇PPMというものははるかに低い。しかしまた、上田研究室の発表によりますと、東京近郊の一般人の平均が、そうした一般の人の平均がこれも一けたという先ほど御答弁がありましたが、大体五から六PPM、したがってこの船員の人たちの毛髪に蓄積されている水銀量というものは水俣病患者に比べればはるかに少ない十分の一、しかし一般人に比べれば四、五倍という結果が出ているわけです。ですからそういう点、もっと厚生省としても水産庁としてもより大幅に検査をする必要がある。そしてまた安全ということが確認されるならば、政府としては、マグロは安全だ、これだけ食べている人でも蓄積はこうであって、そしてこの水俣病のような病状が起きる危険はないとおそれはないということをアメリカに対してはもとより、日本国民に対しても明らかにすべきだと、このように思いますが、いかがですか。
○政府委員(浦田純一君) 現在までのデータでは、いま小平先生のほうから御発表になりましたマグロ漁船の乗り組み員の毛髪の中の水銀量というのは、いわば日本人のノルマルの限界に入ると申してよろしいかと思いますが、さらに詳しくは、同じような地域に住んでいるほかの方々との対照、つまりコントロール群を置いて少し疫学的にその辺のところを明らかにしていく必要があると思っております。また水銀は大体六十日でもって体外に排出されるということで、そこで一応平衡状態に達するということで、したがってマグロ漁船に乗り組んでおられるような方が長い間水銀の含有されましたマグロを食べるにいたしましても、いま測定されておる程度の微量でございますれば健康には影響はないものというふうに考えておりますが、さらに詳しくその辺のところを病理学的にも確かめまして、国民のいたずらなる不安並びに海外諸国のそれに対する無理解というものについて十分に啓蒙いたしておるところでございます。 さて、厚生省は昨年九月にすでにマグロ中の水銀含有量についての無害であるという見解を発表しておりますし、またことしに入りまして、一月の六日、七日に専門学者による検討会を開きました。その結論につきまして、関係の省庁にも御連絡申し上げ、また外務省を通じまして外国に同様の見解を通知していくという手続もとったところでございます。
○小平芳平君 疫学的な研究を始めるというんですが、これは少し早くやらないと、もう私たちは、十二月の臨時国会中にこの問題が起きたので、臨時国会終了後間もなく十二月二十五日に行ってそういう調査を開始しておるのですが、どうも政府のおやりになることは少しおそいもので困るわけですがね。ですから早くそれをやって、そしてマグロは安全だと、国外に対しても国内に対してもマグロは決してそういう危険はないということを十分な資料をそろえて発表すると、これはよろしゅうございますね、そういうふうに受け取って。 それからもう一つついでに水産庁にお尋ねいたしますが、とにかくアメリカあるいはヨーロッパ各国で〇・五PPM以上のマグロを完全に輸入をとめた場合、どういう影響が起きるか、それは韓国や台湾からアメリカや欧州へ出ておるものもある。そういうものが日本に逆に入ってくるんじゃないかというふうなおそれ、それからマグロかん詰め自体が自由化されておりますので、業界にそうした不安、それから十二月の事態からはだいぶ好転しているようでありますが、その当時の漁協ですか、漁協が買い入れている、それに対する財政的な援助——保管料とか、利子、そういうものに対する財政的な援助、そういう点についてのお考えがありましたらお聞かせを願いたい。
○政府委員(浦田純一君) マグロの水銀は現在の分析の結果で申しまして、それが人体に無害であるかどうかという点についての調査研究、ことに二月に水産庁と御一緒にFDAのほうにいろいろと説得に行く、そのときに携えていく資料、それらにつきまして、私どもは現在まで資料でもって十分に人体に対する影響はない、無害であるということは言い切れると思います。しかしながら、なお万全を期するために、今後ともこれらの点についてのいろいろな調査研究は進めていきたい。ことにWHOのほうから食品中の水銀の許容量についての作業を依頼されておるという事実もございますので、これらを合わせまして申し上げたわけでございまして、一言誤解のないようにつけ加えさせていただきたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 日本のマグロ及びマグロかん詰めの輸入がとまるという事態がくれば、これはたいへんでございますけれども、先ほど申し上げましたように、アメリカの事情も多少動いてきておりますし、それから二月の上旬に私のほうから人が行ってFDAと話をするということで、私はマグロ及びマグロのかん詰めが非常に大打撃を受けるようにはならないようにいたしたいというふうに思っております。 それから、一月及び十二月に委託あるいは買い付けで日鰹連が両方合わせますとおそらく千トン程度のビンナガを保管をいたしておるわけでございますが、現在かん詰め工場はミカンのかん詰めの製造をやっておるわけでございまして、通常の場合でもマグロのかん詰めの製造をやっておらない時期でございますから、アメリカの様子がだんだんにわかって輸出がまた再開をいたすにつれまして、私は日経連のほうの経理もそんなに大きな問題にはならないのではないかというふうに考えておるわけでございます。 いま一番大事なことは、とにかくアメリカのFDAを早期に説得をして、マグロ及びマグロかん詰めの輸出の障害をできるだけ早く除去するということに私どもはしぼってやっておるわけでございます。日鰹連の経理その他の問題につきましては、またその時点でひとつ十分検討をいたしたいというふうに考えております。
○小平芳平君 私の質問はこれで終わりますが、厚生省は現在の資料でアメリカを十分説得できると言われますが、上田教授は間もなくアメリカへ行かれますね。上田教授はアメリカに行くにあたって、この漁船員の毛髪と血液の検査、これはいままでなかった資料だと、そうしてもうずっと前からかねがね水銀の研究をしておられた上田教授としては、そういう大量にマグロを食べる漁船員の毛髪なり血液の蓄積量を検査したいと前々から言っておられたことが、いまここで実際に分析することができたわけです。ですからそう厚生省がこれで十分だなどと言っても、本人の、アメリカへ行く上田教授は、こういうものが大事だ、必要だ、必要だと言っていたものがやっとできて、これを持っていかれるわけですよ。そういう点、何もぼくは誤解なんかしていませんよ、厚生省の言われること。
○政府委員(浦田純一君) 失礼いたしました。いつの間にか先生の御提示になりました資料が、すでにもう動いているものというふうな錯覚におちいりまして、先生のほうで上田教授に御依頼されました資料につきましては、私のほうでも中身について多少承知もしておりましたので、錯覚を起こしてまことに失礼いたしました。それも含めまして、どうにか私どもとしては日本人の血液の水銀含有量その他のデータもございますので、何とかこれでもって上田教授に、FDAに対して、いろいろ御説得いただく資料がこれでもってそろっておるのではないかというふうに考えましたので申し上げた次第でございます。
○委員長(河口陽一君) 他に御発言もなければ、本件に関する調査は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午前十一時十五分散会