内閣委員会 第14号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/04/22
会議録
○委員長(田口長治郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動についてお知らせいたします。 本日、八田一郎君が辞任され、永野鎮雄君が選任されました。 —————————————
○委員長(田口長治郎君) 理事の補欠選任についておはかりいたします。 ただいま理事に一名の欠員を生じておりますので、直ちにその補欠選任を行ないたいと存じます。 先例により、選任は投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、さよう決することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田口長治郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、委員長から安田隆明君を理事に指名いたします。 —————————————
○委員長(田口長治郎君) 参考人の出席要求についておはかりいたします。 運輸省設置法の一部を改正する法律案審議のため、本日、参考人の出席を求めることとし、人選については委員長に御一任願いたいと存じますが、さよう決することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田口長治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(田口長治郎君) 連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨説明を聴取いたします。発議者参議院議員多田省吾君。
○多田省吾君 ただいま議題となりました連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。 連合国占領軍等の占領期間中における行為等により死亡し、負傷し、または疾病にかかった被害者に対しましては、昭和二十一年の閣議決定及び昭和二十七年の閣議了解により、行政措置として見舞い金が支給されたのでありますが、昭和三十六年には、政府の実態調査の結果にかんがみ、これら被害者に対する救済を立法措置によって講ずることとし、それぞれの被害の実情に合わせ、療養給付金、休業給付金、障害給付金、遺族給付金、葬祭給付金及び打ち切り給付金を支給することとしたのであります。 さらに、昭和四十二年にはその救済制度を厚くするため、特別給付金制度を設け、障害給付金または遺族給付金を受ける権利を有した者及び打ち切り給付金を受けた者に対し、新たに特別障害給付金、特別遺族給付金及び特別打ち切り給付金を支給する措置が講じられたのであります。しかしながら、この給付金及び特別給付金による措置も、最近の災害補償制度の進展及び社会情勢の変化等にかんがみ、被害者の救済措置としては必ずしも十分なものでなく、また被害者のお気の毒な生活状況等も考慮いたしまして、今回、新たに補完給付金制度を設け、救済措置の一そうの充実をはかりたいと存じ、本法律案を提出することとした次第であります。 次に、本法律案のおもな内容についてその概要を御説明申し上げます。 第一に、障害給付金または遺族給付金を受ける権利を有した者及び打ち切り給付金を受けた者のうち、本法律施行の日に日本国籍を有する者に対し、新たに補完障害給付金、補完遺族給付金及び補完打ち切り給付金を支給することであります。 第二に、被害者が本法律施行の日前に連合国占領軍等の行為等によらないで死亡した場合においても、その者の遺族に対しまして、補完障害給付金または補完打ち切り給付金の額に相当する金額の支給金を支給することとしております。 以上が本法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(田口長治郎君) 本案の審査は後日に譲りたいと存じます。 —————————————
○委員長(田口長治郎君) 建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○岩間正男君 この法案に対してはいろいろ問題点はありますが、一歩前進という立場で、これは賛成する立場から、以下諸点についてただしておきたいと思います。 第一に、新下水道整備五ヵ年計画についてでありますが、公害の問題の中で、最近ますます深刻化しつつある河川、湖沼、海域などの公共用水域の水質汚濁の防止は、いまや国民の切実な要望となっていることはもう明らかであります。当然、今度の新下水道整備五ヵ年計画は、これらの時代の要請にこたえるべきものでなくてはならない、こういうふうに思うわけですが、この内容は実際そうなっているでしょうか、いかがでしょう。
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のように最近における日本の都市化の急速なる進展、それと同時に、いままでの日本の生活に対する態度が急速に変わってきました。従来は屎尿等はいわば大地に還元して、肥料化してこれがいわば浄化される。そういうことはほとんど農村においてすらなくなった。したがいまして、工場排水のほかに人間の排出するいろいろの排せつ物等もやはり人工的に処理をしなきゃならない、これがたいへんおくれておるために非常な環境の汚濁ができておる。こういうところに、御指摘のように生活環境のうち、特に人間生活に一番大事な水の水質を改善し、きれいにしておくということが必要になってきましたので、この要望に対応するために、政府は今回第三次の下水道整備計画を策定し、これは経済企画庁の一応新しい社会経済発展計画のワクを実は越して私のほうでこの案を作成したのであります。幸い経済企画庁も、さらに財政当局もこれに賛意を表しまして、ここに総額二兆六千億、予備費一千億を含める、従来からすれば画期的な総投資額を持つ下水道計画を立てたのでございます。 この内容については、まず第一に、先般の公害国会で策定されました公害対策基本法に基づく水質基準、環境基準に関連するところの下水道を優先的に整備するということで、公共下水道等に約二兆三百億、それから新たに流域下水道なるものを制度化する。従来は事実上やっておりましたのを制度化して、これに三千六百億、それから都市下水路に約八百億、特定公共下水道三百億、こういうふうに配分を予定しまして実行しようとするものでございます。 御質問の、これによって十分かというような御質問であったと思いますが、現段階においては五ヵ年計画でこれくらいはぜひやらなければならぬ、ある意味においては少なくともこれぐらいはやらなければならないということで、理想的にいえば必ずしも十分とは言えないと思う次第でございます。しかしながら、先般来の各委員からの御指摘にもありましたように、まず第一に非常に大きな問題として技術者の不足がございます。予算をやっても、これがはたして有効適切にこれを処理し得るかどうかというところにかなり問題がありまするので、この程度ならば急速に技術者の養成もなして、しかもこれによって相当の改善がなされる、こういうふうに考えております。昭和五十年度までに経済企画庁が考えた三八%の普及率はこれで達成できると考えている次第でございます。
○岩間正男君 そういう御答弁ですが、実際予算はふやしても、技術者が不足でこなせないというようなことをお話しになったわけですが、しかし問題は、計画とこれに取り組む熱意の問題だと思う。政府で閣議決定した四十九水域の環境基準に必要な下水道関係費、これを見ますと、都市計画審議会答申では、これは三兆二千億必要だと、こういうふうに言っておるのですね。ところが政府の新五ヵ年計画を見ると、四十九水域の環境改善分は、この半分の一兆六千四百億円しか組んでない、こういうことになりますね。だから河川、海域の汚濁防止をほんとうに行なうそういう熱意が政府にあるなら、私はとりあえず三兆二千億、これを予算化して計画化する、そしてこれを遂行するという、その辺で政府の熱意というものを具体的に見せなければならぬと思うのですが、どうでしょう。
○国務大臣(根本龍太郎君) 実務に関することですから事務当局から詳細に説明いたさせますけれども、四十九水域は環境基準設定がなされましたけれども、これはいわば緩急それぞれ違うのでございます。これは工場等の排出物を規制することによって相当部分これができるところもございますし、あるいはまた、従来取り締まってないのを今度取り締まりを強化することでそれができるというものがいろいろあるようでございまして、大体いま第三次五ヵ年計画で予算化することを実施しますれば、現状かなり改善でき、かつ今後の全面的な水質の浄化に役立つというような考えでございまして、なお御承知のように、今度は都道府県知事がこの実質上の権限を持ちまして実施することになりますので、これに基づきまして地方自治体とも十分に連携をとりまして、弾力的に実行することでその効果をあげることができると考えている次第でございます。
○政府委員(吉兼三郎君) 補足してお答えを申し上げますが、仰せのとおり、昨年の九月にきめられました四十九水域の水質環境基準を五ヵ年間に完全に達成いたしますためには、三兆二千億程度の下水道関係の投資が要るわけでございます。私どもの新五ヵ年計画におきましては、このうち一兆六千億の環境基準対策というもので予定をいたしております。これは全体の五カ年計画の投資額との関係で、やむを得ずそういうような計画になったわけでございますが、一兆六千億をもちましてまいりますと、四十九水域に関しましては、大臣仰せのように、非常に大都市周辺の、しかも汚濁の程度の激しいようなそういう河川に重点を置きまして、しかも投資効率のあがるというふうな二十五水域につきましては、五ヵ年間で完全達成ができます。残りの二十四につきましては、この投資規模をもちましては、まあ五ヵ年も含めまして、少なくとも十年以内に環境基準を達することができる、こういう予定にいたしておるわけでございます。
○岩間正男君 まあいまの計画はありましたが、非常にやはり実情には沿わない面があると思うのですね。単に四十九水域だけじゃないでしょう。そのほかにもどんどんこれ追加されているでしょう。三十五水域についても答申が出され、近く類型指定される、こういうふうになっているでしょう。それからさきの六十四国会で下水道法改正で知事が指定することになる水域を含めますと約二百水域になる、こういうものはどうするのです。いまの四十九のうち二十五だけは五ヵ年で完成する、こういうことを言っているわけですけれども、結局公害対策というものはもう少し全般的にこれはやっぱり検討しなければならぬというのはここだと思うのですね。具体的にこれを実施するためには、この予算の度合いがどうかということで政府の熱意のバロメーターがはっきりするわけです。ところが、とにかく審議会の出したそういう案の半ばしか遂行されない。しかもほかに二百水域も追加される。こういうことになったら、これはどういうことになるのですか。公害はとてもこれで解決できないと思うのですが、どうなんですか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のように非常に重大な問題でございまして、これは予算面から見ればそういうふうにもっともっとたくさん出すべきだという議論はそのとおりだと思います。しかしながら、現状におきましては、最初申し上げましたように、全体の総投資額の中に占める下水道の割合は相当大幅にふやしておるということが一つ。それから、従来ややもすれば水の汚濁に関する国民意識や産業界の認識が非常に不足であった。そのためにみんなが加害者であることを忘れて被害者意識だけがもう出てきている。そしてすべてこれは政府がなせというようなことでは私は公害問題は解決つかない。そこでこれは下水道整備でやることと、その前にみんなが水をきれいにし、水を汚さないという国民運動が先行しなければ、幾ら金があってもこの問題はイタチごっこになります。その意味でわれわれとしては、幸い今回のこの益り上がる環境改善、人間尊重ということが国民運動的に高まってまいりましたので、それにまず重点を置きましてやっていきますれば相当程度のこれは改善ができる。たとえば従来は農業生産の生産力増強ということに重点を置いたために、農薬等がほとんど無制限に使われている。これの水に対する汚濁は非常に深刻なものがございます。これは都市といわず農村といわずこの被害が非常に大きかった。ところが、最近ではこの農薬の害を徹底的に排除するということで、薬害のない農薬あるいは天敵による代替、それから水資源の確保ということで、この水の農薬による汚濁というものが相当程度排除されるということが期待されます。それから、これは農業のみならず、林業についてもこれが徹底しておる。その次には、従来ややもすれば、水に流せば何でもきれいになる。日本には三尺流れて水清しというような思想があって、水にあらゆる汚物を流すことを何ら意としなかった。これが非常に大きな原因をなしております。これもいまだんだんこれが改善されております。 それに従来ほとんどたれ流しの状況でありました工場廃液、こういうものは厳重なる罰則をつけたところの規制がなされている。そしてなおかつ、都市生活から出てくる必然的な下水はいまのような措置をしていくということになりますれば、これは相当程度の改善ができるので、それに相当の期待をいたしておるのであります。しかし、現実にこの五カ年計画を実施した結果、どうしてもこのワク内でできないというときには、これはいま軽々に変更するとは約束できませんけれど、人間生活の最大の基本的条件である水をきれいにするためには、さらにこの五ヵ年計画の遂行中でも弾力的な改定をしなきゃならぬということも考えるのでありまして、まず現在のところは、これが最大のいま政府としてなし得る限度でございまして、これをいかに有効適切に遂行するかというところに問題がかかっていると考えておる次第でございます。
○岩間正男君 まあ国民運動もさることながら、何でも国民運動に戻しちゃまずいですね。実際政府が率先してやり、そして水質をきれいにすれば、国民の水に対する考えも変わってくるんで、その辺は国民運動を待たなきゃならぬというのは、これは百年河清を待つということになりかねない。一般論に戻らないような御論議をお願いしたいと思うのです。どうも一般にそういう傾向があります。 それから相当程度これ改善されるというんですが、実績見ればどうもない、少ししかないじゃないですか。いままでの五カ年計画では、昭和四十二年から四十五年までの四カ年間に下水道の一体普及率は何%高められたか、ここのところをちょっとはっきりさしてください。そうすればはっきりする問題です。抽象論議じゃしようがない。何%高められたか。時間を私あまり持っておりませんですから、的確な答弁でやってください。
○政府委員(吉兼三郎君) お尋ねの昭和四十一年度までの下水道の普及率が、私どもの調査では一九・九%、四十五年度までが二二・八%ということでございまして、新五カ年におきましては、これを五十年度までで三八%まで高めたいと思っております。
○岩間正男君 いま御答弁のように一九・九%から二二・八%、つまりこの四年間に二・九%ですね。そうでしょう。それだけしか高まっていない。要した費用は幾ら、どのぐらい使ってそうなんです。
○政府委員(吉兼三郎君) 第二次五カ年計画で四十二年から四十六年ということでございますが、これが八千七百億程度でございます。四十六年までそういう計画でございます。
○岩間正男君 よく聞いてください。四十二年から四十五年までですよ。それは四十六年まであなたいま言ったでしょう。四年間どうでしょう。パーセンテージあげたんだから、その裏づけとしての予算が幾らかと聞いている。
○政府委員(吉兼三郎君) 四十六年度分を引きまして四十五年度までの間の投資額は六千二百億程度でございます。
○岩間正男君 六千二百億で大体二・九%ですね。そうしたら一兆五千億ですか一兆六千億ですか——使ってどうなりますか。物価は上がるんだよ。何%一体出ていますか。これが相当程度の改善ということになりますか。だから数字でこれはやればはっきりしてるんですね、どうです。とにかく、物価はまだいまから見れば二〇%ぐらい安い時代、そういう時代で四年間かかって二・九%しか普及率は高まらない。それに要した費用が六千二百億。それで計算していったら、今度は物価は五ヵ年間にもっと上昇するでしょう、政府の統計だって当然。そうすると、一兆六千億が実質的には一兆二千億にもならないでしょう。これでかりに類推していったら、五年間で一〇%の計画が五、六%しか達成できないことになる。これで相当ということになりますか。これで公害の対策としてはほんとうに手を打ったということになりますか。数字が何よりも雄弁に語っておる。これはどうですか。
○政府委員(吉兼三郎君) 第二次五カ年計画の実績につきまして御指摘があったわけでございすが、確かにその普及率におきましての上昇は必ずしも当初予定したとおりまいっておりませんのは、第二次五カ年計画におきまして当初考えました普及率、つまり普及率といいますのは、市街地面積に対しまして下水道がどの程度整備されたかというその割合が普及率であらわされるわけでございますが、計画の当初に、五カ年間で市街地面積がこのぐらいになるであろうというふうに想定いたしましたその面積以上に都市化の集中と申しますか——が激しくて、面積が非常に実績の面で大きくあらわれて出てまいっております。したがって分母が大きくなった関係で普及率が下がったというようなことが一つと、それから御案内のとおり最近の下水道工事は、道路の下に埋設する工事のために、非常に交通量の増大等のために非常に下水道の工事費が当初予定いたしました以上に単価等の面において高くなってまいったというふうなことが、第二次計画に対しまして実績が思ったほど伸びなかったという原因じゃなかろうかと私どもは反省をいたしております。したがって、第三次五カ年計画はどうかということでございますが、むろんこの二兆六千億は四十五年度の価格でもって積算をいたしております。したがいまして、四十五年度価格ベースで二兆六千億相当の事業量を確保いたしますならば三八%の普及率を達成するということでございまして、その際におきまして、市街地面積の見込み方も、十分過去のそういう経験を反省いたしまして計画の策定をいたしております。それから工事実施上のいろいろ効率をあげますために、施工技術の開発でございますとか、あるいは道路事業との調整にはさらに配慮を加えることによりまして、実質普及率が三八%確保できるよう最善の努力をいたしてまいりたい、かように思っておる次第でございます。
○岩間正男君 どうも答弁それ自身の中に矛盾があるわけですね。都市面積がふえたから、したがって普及率もなかなかあがらなかったんだ、こういうことですが、新全総を考えているでしょう。だんだんふえるんじゃないか。もっとふえる、拡大されて。だからそういうようなことは全くこれは答弁にならぬのですよね。そういうことでしょう。そういう問題は何ら吸収しないで、そしていまのような答弁やっているわけですね。もっとふえるでしょう、都市面積は。だんだんふやすのが計画じゃないですか。新全総の計画はどうです。だからそういう方向から考えると、いまの答弁は、これは都市面積がふえたからだということは根拠にならぬのですよ、全然。歯どめがないのだ、いまのところ。そうでしょう。四年間で、いま申したようにわずか三%弱高めたにすぎないんですね。都市面積は速いテンポでもっともっと拡大する。今度の五カ年計画では、普及率を二二・八%から目標の三八%に高める、こういう計画なんですね。それはそうですね。
○政府委員(吉兼三郎君) はい。
○岩間正男君 それ、ちょっと速記に残しますから、言ってください。
○政府委員(吉兼三郎君) 御指摘のとおりでございます。
○岩間正男君 そうしますと、どうです。さっき私があげたが、物価がまだ安いときの四年間でこれは六千二百億使って二・九%、物価が高くなった時代に一〇%を五カ年間で一体あげれると思っていましたか。この点は予算は倍になったというが、これは実際は倍ぐらいでしょう。どういうことになります、これは。実際は、私はこの計画というやつは、いままでの実績の見通しの上に立って、そういうものの反省の上でぴちっとした計算ができた計画じゃなくて、どうもやっぱり一つのこういう何かな、まぼろしみたいに思うんだけれども、これは実行性がありますか、どうなんでしょう。
○政府委員(吉兼三郎君) 先ほどもお答え申し上げましたように、新五カ年計画は、他の長期計画とも同様でございますが、計画を策定するにあたりましては、発足年次の基準年次といたしまして、つまり四十五年度の価格でもって今後下水道を整備すべき事業量というものをあらわしておるわけでございます。でございますので、今後の物価の値上がりとか、そういうものは、五カ年計画の二兆六千億というものの中ではそれはあらわされていないわけでございます。つまり四十五年価格でもって三八%の普及率を達成するために必要な投資量を出しましたのが二兆六千億でございまして、したがって、これの実施にあたりましては、今後の物価の値上がりとか、あるいは労賃の値上がりとか、そういったような点も十分考慮いたしまして、十分実質の事業量が確保できるように努力をしてまいらなきゃならぬわけでございます。
○岩間正男君 それじゃ市街地はどうなんです。どれだけふえる計画です。市街地面積は、これは非常に拡大率を持っているんじゃないですか、どうです。五千九百四十五平方キロメートルから八千四百九十平方キロメートル、拡大率は四三%、そういうことになったら、普及率はずっと落ちるんじゃないですか、どうなるんです。こういうふうにこの辺で計算は非常に私は正確さを欠いている。物価の問題は一応おくとして、そこに物価の要因をちゃんと織り込まなきゃならぬでしょう。そうしたら、実際はこの計画というやつは非常にこれはずさんなものだということになるんじゃないですか。こういうもので科学的な計算と、そうしてほんとうにきちっとしたそういう計画ということは言えますか。私があげた、しろうとがいまあげた、思いついたそういう数字から推してみてもいまのような矛盾が出てくるわけです。三八%なんて出っこないじゃないですか。
○政府委員(吉兼三郎君) 三八%の普及率といいますのは、四十五年度の市街地面積が五千九百四十五平方キロでございます。それに対しまして排水面積が千三百五十四平方キロでございまして、その関係で普及率が二二・八%ということになるわけでございますが、五カ年計画で三八%と申しますのは、五十年末現在におきますところの市街地面積が、ただいま先生御指摘のような八千四百九十と私ども見ております。それに対しまして排水面積が三千二百二十平方キロを整備できるということになりますと、三八%の普及率を確保することができるということになるわけであります。
○岩間正男君 どうもあんたたちのは単純計算ですよ。科学的でない。これは数字をあげて、時間があればほんとうに数字突き合わしてみたら、あんたたち全くこれは根拠ないですよ。時間の関係でやれないけれども、あんたたちはこうですよ。いままで四年間に三%あがったから、費用を三倍にして、それから五カ年間にすれば一五%になるだろう、こういう単純な計算なんですよね。ところが、いま言ったように二つの要素がある。それは固定していればいい。物価が固定していればいい。もう一つは都市が拡大しなければいい。この二つの要因が動くんです。拡大するんです。そうしたらあんた、水で割るようなものじゃないですか。どこに科学的な根拠がありますか。こんなずさんなものに立ってやれるかどうかということですよ、これは。あかぬです。こういう形で、いかにもやりますやります——公害対策の正体というものはこういうものです、実態を見てみれば。どうなんです、こういうことは。
○国務大臣(根本龍太郎君) どうも事務当局の説明が十分じゃなかったようですが、これは御承知のように、従来は下水道が市町村の固有の事務のような形に非常に小範囲の市町村でやっておりました。そのためになかなか効果があがらない。そのために、今度流域下水道制度なるものを、実はこれは必要やむを得ずとしてやったことであります。これに幹線をつくりまして、あとは従来の市町村の下水道はその幹線に流し込んで終末処理すればいいということにしますれば、非常にこれは効率的になります。こういうような措置を講ずることによって予算の効率的な措置ができるということ、それから従来は産業排水なるものが一応相当整備されたはずですけれども、実質上それほどいっていない。そのためにこれの影響が非常に水質を汚濁しておる。そのために今度は個々の企業自身が排出そのものを非常に厳密に規制させられる。したがって、そこから出るところの排水も相当程度これが希釈されてくる。したがいまして、従来公共下水道でほとんど全部をやらなければならぬかったものが、もう第二次的な処理でいいのであって、第一次的な処理は産業自身においてこれは処理される、こういうことになるわけであります。 それからもう一つは、都市河川が、従来まああまり重点を置いていなかったけれども、この都市小河川がほとんど下水道的な役割りを演じてきているので、これらのものは河川対策との関係において整備しよう。あるいはまた、先ほど事務当局が御説明いたしましたように、下水道整備にあたっては用地費に非常に金がかかります。そういう関係で、都市計画を実施する場合において、道路計画と下水道工事とを相関連さしていくというようなこと等、十分にアレンジして配慮していきますれば、従来よりは非常に効率的に使える、そういうことも含んでいきますと、大体三八%までの普及率は達成できるであろう、また、そうしなきゃならぬということで、それを目標として今後努力していくと、こういうことでございます。
○岩間正男君 まあ説明のようにしか聞こえないですね。現実から相当これは離れていますよ。非常に希望的観測がまじっているわけですね。実際そういかぬのです。結局都市計画審議会が答申で出しているでしょう。水質基準の実施分と合わせて昭和五十年度までに八兆五千億円を必要と見ている。これに比較すると、この新五カ年計画というものは非常に規模が小さいのであります。これは争えない事実だと思います。まあこの問題はさらにいろいろな資料を対照したりして詳細に論議することになると思いますので、この程度にしておきます。 次に、公共下水道の補助率の問題をお聞きしたいんですが、現行の補助対象率、それから補助率はどうなっているんですか。
○政府委員(吉兼三郎君) 公共下水道で申し上げますならば、現行の補助率は十分の四でございます。補助対象率は、第三次五カ年計画におきましては、第二次の五四%に対しまして五七%の補助対象率を確保いたしております。
○岩間正男君 これは大都市と中小都市で違いますね、補助対象率はどういうふうに見ていますか。
○政府委員(吉兼三郎君) 三次の五カ年計画で申し上げますならば、五七%のうち、いわゆる指定都市と一般都市と分けておりますけれども、指定都市は約四二%、それから一般都市は七四%、こういうふうにいたしております。
○岩間正男君 補助率も大都市と中小都市の場合違いますね、これはどうですか。
○政府委員(吉兼三郎君) 補助率は変わりございません。
○岩間正男君 これは補助金が、どうですか、これは大臣も、現在の補助率でいまの地方財政の中でまかなっていけるという想定に立っているのですか。私はどうしてもいままで下水道が普及しなかったのは、やはり補助金が少なかった、そういうふうに思うのですがね、これはどうお考えになりますか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 補助率、補助対象率の上昇については、建設委員会等でも非常に御論議のあったところでございます。実は下水道の普及においてもう望むべきことは、事業主体においてはとにかく事業量を多くせい、それから補助対象率をアップせい、補助率をアップせいと、この三つの要求があったわけでございます。ところが、これを急激にやるとしてもなかなかできないということで、一昨年来、私は下水道を推進しておる都道府県知事並びに市長さんたちとお会いいたしまして、ざっくばらんに話し合いをいたしました。皆さん方の要求は、この三つを完全に実施せいということであろうが、なかなかこれはむずかしい。その場合にどっちを優先するか、一つの下水道事業を大幅に増進するための戦略的な体制はどうあるべきかということで御相談いたしたときに、いろいろ三つ要求したいところであるけれども、まず第一に事業量をふやしてほしい、その次に補助対象を大きくしていただき、それから補助率アップと、こういう要望の順序でございました。私も確かにこれが必要であると思いまして、そうした立場に立ちまして、実はこの五カ年計画策定にあたりまして、まず第一に事業量を多くするというところに重点を置いた次第であります。さらに補助対象率を、先ほど事務当局が説明いたしましたように約三%アップしていった。補助率は従前どおりになっておるのでありまして、今後事業の推進の過程において、また国の財政の充実の過程において、漸次今度は補助対象、補助率をアップするために努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○岩間正男君 補助とか何とか言っていますが、大体どうなんでしょうね。この下水の問題、水質汚染の問題がこう大きくなった根本原因は、言うまでもなく、これは人口の都市集中にあるわけでしょう。その根源は何かといったら、これを非常に過度にそういう現象を起こしたというのは、これはこの高度経済成長政策にあるわけですね。ちょうど私は同じようなことがいま子供の教育の問題に起こっていると思うのです。東京の衛星都市を見ますと、首都圏の都市を見ますと、みなプレハブ、たとえば浦和なんかを見ますと、人口が急増して百三十くらいプレハブがある。ところが、全部地方財政に対するそのための国の補助が少ない。それで追い込まれて、それで見ますというと、十分の四くらいは校舎の建築に追われている、教室に。これと同じようにこの下水の問題、これは道路とともに都市の基本施設なんですね。こういうものが非常に最近公害を引き起こしている根源というやつは、やはり高度経済成長政策にある。人口の都市集中がこんな過度な状態になった。それがさらに一方では政策の貧困、新全総なんかではもっとひどくなることは明らかですね。そうすると、基本的にやはりこれは私は国の責任だと思うのですね。ここのところをもっと打開するのだという、やはりそういう基本姿勢を持たなければ、何か当然地方自治体の仕事だと、これを補助してやるんだというそんなものではないと思うのですけれども、その点はどうお考えになりますか。基本姿勢について伺っておきたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) 基本姿勢について言うならば、私は高度成長が悪いということ自身がちょっと認識が違うと思うのです。この領土の狭いところで、資源の少ない日本が、高度成長しなかったら、敗戦のそのまま継続していいということにはならぬと思うのです。やはりこれは高度成長することが、日本の国民が希望を持てる豊かな生活になるということでございまして、そのことは私は悪くないと思うのです。高度成長の過程においていろいろなそのひずみをどう今後解決していくかというところに問題点があるのでありまして、私はその点においては岩間さんと必ずしも意見が一致いたしません。 それと同時に、従来公害というものに対する認識がわれわれも足らなかったことでありますし、これは共産党も足らなかったので、いまだかつて言っていない。そうでありますから、何でも政府が悪いというような論議では私は賛成できません。ただし、この公害が出てくるから、これに対してもりと積極的に取り組まなければならぬという提言には賛成なんです。そうしてこれは政府だけがやろうというところに問題があるのでございまして、一体この国家というものは、統治の任に当たっているあるいは総理大臣だけが政治をするのではなくて、これは国民が、主権者が国をどうするかということでありますから、そういう意味で、これは国民全体として考えることでありまして、政府もまたそのために重点施策をもっとアクセントを強くすべきだということについては賛成でございます。 したがって、高度成長が悪いから、この高度成長したものは何でも政府がやれというならば、やってもいいんですよ。やってもいいんですが、その場合には政府とは何ぞやといえば、タックスペイヤーです。税金をうんと出してもらえば補助もできますけれども、税金は取るな、そうしておいて国は金を出せということになると、これは私は健全な政治論にはならぬと思うのです。その意味で、これは理想的なことからいえば、もう人間社会始まって以来何万年になるかもしれませんけれども、いつでも満足することがなくて、次から次に矛盾ができてき、その矛盾をどう解決していくかというところに人類の歴史があり、私はそういう意味でこれは考えなければならぬと思いまして、その意味でいろいろ改善すべき点の御指摘には賛成でございますけれども、ただ、過去を振り返ってみて、欠点があったということ、これは事実です。だからどうしようかということでございまして、私は現在の段階ではこの五カ年計画がそれこそシビルミニマムではないけれども、ナショナルミニマムとしてこれは実施しなければならない、こういうふうに考えている次第でございます。
○岩間正男君 根本さんとここでやり出したら時間かかるのですが、いまの国家の財政経済政策をやり合ってみりゃわかるのです。それから、何もそれは、ある程度の産業の高度の発展は望ましいだろう。しかし、これは過度な高度経済成長、そういう政策をとったから今日、あなたたち内閣の運命にさえ関するような公害問題が起こったんじゃないですか。去年の暮れの公害国会というのはそうなんでしょょう。あなたたち多数を持っているからあそこのところ切り抜けたけれども、ほんとうはそんなことにはいきませんよ、多数でなかったら。根本からゆり動かす問題です。そうでしょう。それだから高度経済成長政策でこれはたいへんなひずみが起こっているわけです。いまの下水もその一つ、道路の問題、交通の問題しかり、教育の問題しかり。その責任に任ずる気持ちというものが政治姿勢として足らぬということを言っている。当然そこから起こっているわけですから、その第一義的な責任というものは全く政府にあるのだという立場に立つか、それとも、この責任はやはり国民にあるんだ——共産党まであなた出したね。共産党も認識不足だったというようなことを言っているが、それはとんでもない、返上します。 われわれいままでそういうふうに警告発してきたんだが、よく聞いてないのです。それで結局ここまで落ちてきて、それから今度はどうもならなくなってきて、公害の問題で行き詰まりになって、企業そのものの存立さえあやうくなった。そういう体制の中で非常に危機がきたんじゃないですか。だからそこの反省というのが出ていないのです。出ていない。はっきりその反省をなされていない。これは総理はじめそうです。ことばで書いただけ。福祉なくして成長なし——そうでしょう、ことばで書いただけ。しかも腹の底を聞いてみるとみな同じです。全部同じような考え方からいまのような答弁が出るのですが、それじゃ私はやはりまずいと思う。あなた、もうほんとうにこれはたいへんですよ。その負担がたいへんなんだから、地方自治体というやつは。だから、やっぱり当然国の責任においてやるんだという立場をとって——補助ということばさえおかしいと私は思っている。そこで、当然もっと高率補助をやるべきである。だから昨年の下水道法の改正の際に衆議院の建設委員会で附帯決議が出されていますね。補助率を四分の三に引き上げるべきだ、十分の四ではとても話にならぬ、こういう決議が出されていますが、これは決議のしっぱなしですか。そのときは善処いたしますと答えられたはずですね。これはどうなっているんです。
○国務大臣(根本龍太郎君) 先ほど申し上げましたように、この決議にも私は列席いたしまして賛成をいたしました。従来、予算の伴うこういうような決議は、国会ではほとんどまれでございます。ほとんどこういうことがなかったにもかかわらず、私もこれ了承してやらしたゆえんのものは、そういう方向に行くべきだという私の基本的考えがあったからでございます。与党内にもいろいろの、財政当局では若干の抵抗もあったけれども、あえて私はこれをやるべきだということをいたしたのでありまするが、その際に申し上げたように、まず第一に、事業量を拡大するということ、その次に、補助対象率を多くすること、そうしてそのあとで、漸次財政上の状況も見つつ補助金の補助率も高くする、こういう順序で努力いたしたい、こういうふうに申し上げ、これは委員会においても了承されて今日に至っているわけです。その一つとしてこの五カ年計画ができ、かつ、いまの補助対象率を、わずかながらでありますけれども三%上げたという状況でございまして、この決議は十分に尊重して、今後とも努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
○岩間正男君 時間がありませんから、次に、起債の利子の問題ですね、これをお聞きしたいんですが、四十四年度の実績では、全国の下水道をやっている団体の起債の償還額の総計がこれは三百三十三億ですか、これに対しまして下水道料金の収入が百八十八億円、こういうことになりますから、非常にこれは赤字が起こってくるわけですね。この中から支出する利息は五カ年計画で一そうふえる。ますます大きくなるということが明らかなんです。下水道料金値上げの問題が遠からず当然今後発生してきそうです。結局は大衆負担になるわけですね。こういう問題が先ほどの問題と関連して、結局は大衆負担というふうな形でそのしわが大衆に寄せられる。こういうことなんですから、私は当然この下水道の料金値上げをさせない、そのためにはどうしても補助金の増額が必要だと、そうしてまた、補助率をもっと上げることが先決だと、こういうふうに思うわけです。政府の言い分では、結局受益者負担というような原則を出してきて、そういうことをやるんだろうけれども、これはやはり問題は違いますな。自分の責任というやつがたな上げにされておって、そうして国民の協力がなしにはできないとか、もっと国民がこの問題を全体の運動として展開しなきゃならないというようなことは、全くこれは他を顧みてそうしてやることだと思う。そうしてほんとうに——鈴を盗んでなんというのがありますが、それと同じことですよ。もっと根源について、やっぱりもっと政治責任を明らかにする立場から私はこの点を御質問しているのでありますが、どうでしょうか。結局、償還利子の利子負担というものをもう少しこれはふやす。それから当然補助金をふやす、補助率をふやす、補助対象をふやす、こういう方向をとらなきゃならぬと思いますが、この点については大臣はどういうお考えを持っていらっしゃいますか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 先ほど申したとおりでございますが、私は都市生活の場合、そうしたことを全部政府がやらなきゃならぬというところに問題があると思うのです。やはり、こういうことまで政府がやるとするならば、地方自治体は何にも——とにかく戸籍事務ぐらいやればいいということであろうけれども、これでは地域団体のコミュニティとして市民生活に必要なることをやることが——そのために権限を与えられ、その財源を与えられておるのです。その足らざるものを政府が交付金等で処理していく、これは政治行政のたてまえでございます。その点を、何でも国がやれやれというならば、国が直営で何でもやっていいかというと、そうすると今度は自治の侵犯だと。そういうふうな理論ではなくして、自治体がほんとうに実施できない場合においてこれを国家がめんどうを見ていくということが、私は自治体の体制だと思います。そうして従来は自治体も、日本の慣習で、屎尿処理等は農家がむしろ料金を払ってまで肥料にするために持っていった。今度は逆になります。そこでいまバキュームカー等でやらなきゃならなくなった。その代替として今度は水洗便所にして下水道に持っていく。したがって負担が高くなったというよりも、むしろ転換したということでいくんですよ。だから、何でも国がやれ、国がやれと言って、しかも今度は税金は取るな、こういうふうな理論でいくと、選挙対策にはなるけれども、私はこれはほんとうの堅実なる行政ではないと思うのです。ところが、ややもすれば、そういうあなた方の議論に追従するというか、それが進歩的だと思うような議論がなきにしもあらずでありますけれども、私は行政、政治というものは、もっと現実に即していかなきゃならない、こういう立場において、私は決して補助をしないとかなんかということじゃない。やはりそれぞれの与えられた権限、与えられた義務を遂行して後、そのアンバランスをどうするかというところに国家の補助行政というものがございまして、それをただ国民の、一般市民の負担になるから、すぐに、直接に国が全部補助せい、こういうことは、どうも私は飛躍に過ぎるような気がするのでございます。御趣旨の点はよくわかりますけれども、そのまますぐにもう全部国が、下水道の事業は政府が全部国の経費でやらなきゃならぬという議論にはどうも賛成いたしかねる次第でございます。
○岩間正男君 選挙対策とかなんとか言わなければ黙っていようと思ったんだが、そう言われれば黙っていられませんね。いまの財政経済政策を見ればいいでしょう、全くそうじゃないですか。大資本本位の政策をやっている、そこに根源があるんですよ。設備投資というかっこうで一体どのぐらいの金が出ているんです。工業用水一つ見だってどうなんです、そうでしょう。大衆の使っている料金の十分の一ぐらいで工業用水がこれはどんどん出されたり、それから道路、港湾にしたって、一体どこにあれが行くんですか。この金が一体国家財政のどのぐらいを占めていますか。それから財政措置法で一体どのくらいの金を大資本に免除しているか。そういうものを計算した上に立って言っているんですよ。そういう立場から、ちゃんといま言ったような、当然高度経済成長政策によって起こったそのひずみについては、この大部分を第一義的な責任を持って政府がまかなうのはあたりまえだということをわれわれは主張してきている。そして当然国民は今日そのことを言っているわけじゃないですか、そうじゃないですか。それをまるで国民に全部責任を転嫁して、そしてこの大資本の利潤というのはどういうことになっているんです。こんなことだれだって知っているでしょう。だからいま言ったような選挙対策とかなんとか、くだらないことをこれは言われちゃいけませんよ。私も選挙対策とかなんとかばかなことを言われなければ黙っていようと思ったけれども、これは一言つけ加えないとおかしなことになりますから。まあしかしこの議論は時間をかけて何ぼでもやります。きょうはこれだけにしておきましょう。
○峯山昭範君 先日の委員会で特に私は港湾の汚染の中でもPCBの問題を取り上げてやりましたが、きょうは二点質問をしたいと思っております。そのまず第一点は、河川の汚濁対策の問題であります。それからもう一点は、港湾のヘドロの問題であります。この二点について質問したいと思います。 初めに、河川の汚濁対策の問題でありますが、今回の法案が制定されまして下水道部が設置され、これによって多少行政指導等も一歩前進するであろうということはわからぬでもないのでありますが、また今回の下水道整備五カ年計画が実施されることによりましても、相当前進するであろうということはよくわかりますが、その中でもこの河川の汚濁対策というのは非常に重要な私は問題であると思います。そこで、それを二、三質問したいのでありますが、都市河川といいますか、河川というのが一体どういうふうになっているのか、河川の定義といいますか、河川というのは大体こういうぐあいになっているということについて、河川法に基づく河川というのもいろいろありますが、一級河川、二級河川、また準用河川とあると思いますが、そういう問題について、大体日本全国でどういうふうな状態になっているかということについて初めにお伺いしたいと思います。
○政府委員(川崎精一君) お答え申し上げます。 ただいま先生のお話しのように、河川法の体系では一級河川、それから二級河川並びに準用河川と三つの分類に分かれておるわけでございます。現状ではいわゆる河川法に基づきます一級河川は全体で百二水系ございまして、これの個々の河川の名前をつけております河川数では一万一千四百五十余りございます。二級河川につきましては、二千二百九十六水系で、河川の数にいたしますと五千六百三十八になっております。で、これはそれぞれ河川法に基づきまして区域を告示をいたしまして、法河川として扱っておるわけでございます。 なお、実態といたしますと、水系を見ますと、その河川を指定されたいわゆる名前のついた河川にさらにつながっておる、まあ河川の機能は持っておりますけれども、名前のついてない河川、それから小水路等がたくさんこれに枝になってつながっているわけでございます。そういったものをわれわれは一応普通河川というふうに称しております。これらにつきましては、それぞれ地域的な事情に応じまして地方の公共団体で条例等をつくりまして管理を行なう、こういうことを指導しておる次第でございます。
○峯山昭範君 私は、いま局長おっしゃいました河川法にいう一級河川、二級河川または百条の準用河川とか、そういうようなものについては、これは相当突っ込んでいろいろやっていると思うんですが、いまおっしゃいました普通河川の問題ですね。これは相当いろいろ問題が私はあると思うんですが、いわゆる普通河川というのですかね。これは要するにたとえば用水路とか小さな河川ですね。そういうようなものの汚染という問題は、相当下水道の整備の問題と関連をしていろいろ問題があると思うんですが、いわゆる河川法に基づかない、河川法の四条とか五条とか百条でいわないところのいわゆる河川というのは、もっと端的にいいますと、河川法で認めてもらえない河川というのは、一体全国にどの程度あるのか、これはどうですか。
○政府委員(川崎精一君) 概念的にいわゆる河川法に入らないけれども河川だというようなものにつきまして、これは非常に本数がたくさんございまして、私どももなかなか実態が把握できないわけでございます。しかもそれぞれの種類も、いわゆる河川的な性格を持っておるものもございますし、それから本来農業水路からスタートいたしまして、いろいろ宅地開発等、地域の状況が変わりまして、まあいまや排水機能しか持っていない、むしろ下水路的な機能しか果たしてないというようなものとか、それから今度は次第にそういった過程で、従来の用排水の農業用水の機能と、それから一般都市排水とを兼ねておる、こういうようなものもございます。それからまた農業水路等では、はっきりと地方公共団体あるいは土地改良区、こういったものが管理をしておるものがございますし、すでに財政的にも、あるいは宅地化した実態からいって、そういった管理を放棄した状態で放置されておるのもあるわけでございます。したがいまして、ある程度まとまった流域でいわゆる洪水なり出水がございましてはんらんするおそれがあると、こういったようなものは、むしろ積極的に河川に取り込んでいきまして改修事業等を行なう、それから農業水路等と兼用のものにつきましては、これはできるだけ管理者同士が話し合って、今後のその水路の維持なり管理に当たる。それからむしろこれはいわゆる河川の本線その他にほとんど影響がなくて、排水機能だけだというようなものにつきましては、その地域の環境等を考えまして、むしろ下水路化していく方向で整備をしていく。こういうようなことで、農林関係並びに私どものほうでも、下水道の部門と都市河川の部門で、それは個々に協議をいたしまして、今後の都市計画の決定等の際に整備をして指導をしていくというような方針で現在当たっております。 で、全国にそういった河川がどのぐらいあるかということでございますが、全国で約八県ばかりモデル的にとりまして調べたわけでございます。そういたしますと、大体延長にしまして、いわゆる河川法の河川の倍ぐらいの毛細管的な枝の水路があるんじゃなかろうかということでございます。全国につきましては、ちょっと確たる資料を持っておりません。 以上でございます。
○峯山昭範君 私はいま局長がいろいろと三点に分けまして対策の問題についてもおっしゃいましたが、実際にこの問題については、これは非常に私は大事な問題だと思うのです。いわゆる下水路というのを幾ら整備しても、こういうふうな面でいわゆる何というか、放置されておりますと、これはかえってそういうような点での事故が至るところで現実に起きておりますね。また、新聞の報道によりましても、建設省の係官の発言しておる問題の中には、非常に何というか、そういう中小河川、いわゆる小河川ですね、いまおっしゃったいわゆる河川法に基づかない河川に対する取り組み方がまだ甘いんじゃないか。もっと全国的な調査も非常にむずかしい点はあるとは思いますが、これはやはりこういう点について全国的な調査をやって、それで何か私が聞いておるところでは、建設省では各都道府県から報告はさせたけれども、集計をやっていないというふうなことを発言した人もいるらしいのですが、これは事実なのかどうかわかりませんけれども、こういうふうないわゆる小河川については、これは積極的にもっと調査をやり、そうしてこの対策というものに本格的に取り組まないと、下水路の整備が非常におくれているわけですから、それと関連をして二重投資になる問題も出てまいります。たいへん問題が出てまいりますから、そういう点についても本格的にやってもらいたいということをしみじみと思うのです。東京都の場合でも、何か二十三区合わせると相当な下水、何というか、小河川というのですかになるのです。二千百キロにもなるというのですから、私たいへんなものだと思うのです。それでこれに対していま三点に分けておっしゃいましたが、この三点に分けたこの問題については、これは各都道府県に対してそういうぐあいにきちっと行政上の指導をしていらっしゃるのか、またはいまここで発言しただけなのか、そこらのところについてはこれはどうなんですか。
○政府委員(川崎精一君) 私どもは主として河川の管理の立場でございますが、そうした問題につきましては、いわゆる都市施設といたしまして河川も治水、利水上、並びに環境保全上、いろいろ都市の公共施設の中の機能の一環としてやはり整備さるべきものだというようなことで、市街化区域等につきましては、その整備の目標に河川も合わせるようにいたしまして、しかも特に下水道との関連の公共事業との調整等は十分心がけてやるようにというようなことで、それぞれ都市局、河川局で共同の通達を出し、また、それぞれの全国の担当者の会議を行ないまして、そういった施設はできるだけ徹底をはかるようにいたしておるわけでございます。
○峯山昭範君 これはこういうようなものは何と呼ぶのですか。
○政府委員(川崎精一君) 法律上の正式の呼称はございませんが、一般には普通河川というふうに称しております。
○峯山昭範君 そうすると局長のその発言の中には、やはりちょっと聞いていて、私たちは普通河川と呼ぶからには、これは当然河川局の私は担当だと思うのですよ。しかしそういうふうなどぶみたいな、こういうふうな河川法に基づかない河川なんだから、それは都市局のほうとも相談していろいろとあるわけです。私は当然そういうふうに相談してやるべきだとは思うのですが、私たちは、河川管理の立場ですから、ということは、普通河川はどうも自分のところに含まないんじゃないか、そういう感覚というのがやはりいろいろ感じられるわけですよ。これはやはり本格的にこういうような問題に取り組んで、私たちは、都市局と相談して都道府県に指導しているとおっしゃいましたが、これは具体的にどういうぐあいに指導していらっしゃるのか、また、この対策について建設省としてはどういうぐあいに考えていらっしゃるのか、これはやはりこれからの対策として重要な問題であると思うのです。 たまたまこの間から東京都で、四十三年からどぶですね。いわゆるそのどぶ川に坊やが転落してそれで非常に問題になった。それで東京都ではあわてて、各区の負担分と合わせて二十億近くかけて負担をしたり、ガードレールみたいなものをつけた。それに対して建設省の役人の皆さんがおっしゃっておることは、あれはいわゆる公害対策にも何にもならない。いわゆる下水道ということからすれば二重投資であるというような発言をどんどんしておるわけですね。都市局長さんのほうでもやっていらっしゃるわけです、そういう発言を。ということは、こういうようなことについて建設省としては逆にどういうふうな対策をいままで講じてこられたのか、これからどうしていかれようとするのか、この点どうですか。
○政府委員(川崎精一君) どうも河川の立場だけでちょっと割り切った話を申し上げまして、少しことばが足らなかったように存じますが、やはり総合的な都市の排水の機能とすれば、河川も都市の下水道も一体でございます。したがいまして、私どもの側から言いますれば、単に汚水の排水だけではなくて、ある程度流域のまとまったようなもので、下水道では始末のできないような規模なり、あるいは環境にあるようなものにつきましては、どしどし河川に取り込むなりいたします。ただ地域的にいろいろ事情がございますので、そういったものにつきましては、個々に下水道の担当部門と協議をして、境界と管理の分担をきめなさいというようなことでやっておるわけです。しかし概念的に河川じゃないような、しかし在来の農業の形態の残滓のような水路もございますし、家庭の表を通っているような小水路もあるわけでございます。そういったものまで全部河川に取り込むかということになりますと、なかなか規模なり範囲はきめにくいわけでございますけれども、いわゆる普通河川のようなものにつきましても、できるだけ実態をつかみたい。ただしこれは非常に地域性の強いものでございますので、なかなか全国的に、あるいは全国ベースで取り上げるということはむずかしいかもしれませんけれども、できるだけ実態を把握しまして、それによって各地方公共団体が環境的な配慮なり、あるいは治水上の配慮をしていただくように指導をしていく。なお、そういった普通河川がある程度資料がまとまりますれば、これは自治省においても交付税等の心配もする道も開けるのではないかというようなことで、自治省とも協議をしたりやっておる次第でございます。
○国務大臣(根本龍太郎君) 私に質問ありませんけれども、重大な問題だからちょっと申し上げます。 この問題は御指摘のように、従来河川というものを治水、利水の面から大河川、まあせいぜい中小河川までいったのですけれども、御指摘のように都市化現象に伴いまして、この小さないわゆる一般普通河川なんかは、非常に重大な社会的な関心を持ってき、国民生活に重要な関係を持ってきたわけであります。そこでまずとりあえず、都市河川というようなものを設定しましてこれやっておるのですけれども、必ずしもこれで十分じゃありません。そこで実は先般の河川審議会に私が出た際にこの問題を、いわゆる普通河川の所管並びにこれの対策はどうあるべきかということを根本的にこれは考え直す必要がある、事務当局にもその検討を命じまして、適当な時期において河川審議会にこれをひとつ諮問いたしまして、この管理をどうすべきか、これを都道府県にはっきりと委託して管理権を移譲するなり、あるいは権利を与えて措置するなり、また、これに対する指導方針を確立しておかないとこれはいけないんじゃないか、こう思っています。いま御指摘になりました点は非常に重大な問題でございまするので、今後省内はもとよりのこと、これは農林省関係、自治省関係、また財政当局としての大蔵省ともかなり関係がありますので、十分それらの関係省庁と連絡の上、これらに対する基本的な姿勢を確立した上、必要とあれば立法措置もしなければならないと考えておる次第でございます。
○峯山昭範君 まあ、大臣からいま答弁がありましたので、もうあまりこの問題については言いませんけれども、いずれにしても、下水道整備の中で、普通河川の問題は非常に大事な問題だと私は思うのです。そういう意味で建設省自体でも、またそれぞれまたがるとは思うのですが、そういうふうな実態というのは確かにつかみにくいし、たいへんな状態ではあろうと思うのです。しかしながら、実態がわからなければ対策も何も講じることができないわけですから、この整備五カ年計画とは別に、やはりこういうふうな公害という面からいいますと、こういうところから流れ出てきた汚物というか、たいへんなものです。こういうところから流れてきたものは、結局はPCBの問題とかいろんな問題を引き起こしておる可能性というのは非常に強いわけです。そういう問題については、やはりいま大臣からお話がありましたけれども、当然そういうふうな実態を調査して、将来の抜本的な長期見通しに立った対策というものを立てないといけないのじゃないか。また、現在の五カ年計画そのものが達成されたとしても、欧米の状況に追いつくのはまだまだでありますし、これはまだほかにやるべきことが一ぱいあるなんて言っておるのでは、それじゃ間に合いませんので、こういうふうな普通河川に対する対策も含めて長期的ないわゆる計画のもとにこの下水道対策というものをやっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいまぼくが申し上げましたとおりでございますので、いまの御趣旨に沿うていわゆる実態調査を進め、これに対する対策を今後積極的に検討してまいりたい。
○峯山昭範君 それではヘドロの問題をちょっといろいろと質問したかったのでありますが、一つは先般の委員会でも相当ヘドロの問題が出てまいりました。田子の浦のヘドロの問題につきましても、いよいよ本格的な投棄が始まったわけでありますけれども、二次公害という問題については公害は出さない。きょうは山中長官お見えになっておりませんけれども、大臣も二次公害の問題については、相当、同僚議員からもきびしく話がありました。しかし、現実には相当もうしょっぱなから——これは二次公害と言えるかどうかわかりません。しかしながら、みんなが心配していたことが結局現実に起きているわけですね。これはやっぱりこれからこういうふうな対策を講じていく上において私は相当重要な問題だと思うのです。これは大臣、どうでしょうか、この問題。
○国務大臣(根本龍太郎君) きょうの「朝日」に出ておる、ヘドロ投棄に伴うではないかという一つのクエスチョンマークをつけてあれが出ておるので、私も非常に心配しまして事務当局をして調べさせました。ところが、あれが原因であるという明確なあれがないということと、それから従来からもやっておるのですが、河川管理者として常に具体的な調査をしておるそうでありまするが、いままでのところ、そういうヘドロの投棄に伴うところの異常現象が出ておるという報告が出てないということでございます。しかしながら、ああいう記事が出た以上、さらに厳密に現地において調査の上、その報告に基づいて二次公害的現象があるならば、さっそくそれに対する対策をしてもらいまして善処したいと考えております。
○峯山昭範君 私は、大臣ね、これは富士川河川敷にヘドロ投棄を始めたために出てきたのであるかどうか、因果関係を追及して立証しようとしたら、これはたいへんなことだと思うのです、実際問題ね。しかしながら、風向きとか、いろいろな状況から見て、これは明らかにヘドロ投棄によるものではないか。私もクエスチョンマークをつけて言っておるのですが、「ではないか」という疑いは十分考えられるわけです。そういう点からいうと、そういう時期的に見てもいままでこういうものはなかったのだろうと私は思うのです。そういう点から見ても、とにかく行政当局としてはこれはたいへんなことだということで、さっそくこの問題についても本格的な調査はやっておると思うのですが、一時ヘドロ投棄を中止してでも調査するなり何なりの手は打たないといけないと思うのですが、どうですか、具体的に。
○政府委員(川崎精一君) ただいまの点につきまして私どものほうに入っておりますことをちょっとお伝えいたしたいと思いますが、この許可にあたりまして硫化水素等の臭気等に伴う対策というようなことで、いわゆる処理場に約七ヵ所ばかり検知器を置いております。それから田子の浦の港のほうに同じようなものを四ヵ所ばかり設置してございます。それぞれの場所における検知器にあらわれます硫化水素の濃度が一定以上になりますと作業を中止する、こういうようなことで、昨日は特に最初の日でございましたので、担当地方建設局の工事事務所の所長も現地に立ち会いまして、県と一緒にずっと監視をいたしておりましたが、それぞれ検知器にあらわれる数字はゼロでございまして、ほとんど硫化水素の発生がない、こういうようなことで、けさ私も新聞を見まして実は驚いたわけでございます。その原因なりあるいは検知器のチェック等も急いでやるようにということで指示をしてまいったわけでございまして、いままでのところでは、これが直接の原因ではないと思っておりますけれども、なお、その他詳細につきましては静岡県の公害課を中心にして調べるようにというようなことで調査をいたしておる次第でございます。
○峯山昭範君 私はそれが問題なんですよ。まず一つは、局長ね、あなたはこの生徒の皆さんが痛みや不快を覚えたというのは硫化水素によるものだという説明はないのです。一言も言っておりません、私も。そうでしょう。まず一つは、硫化水素によるものか何によるものかわからない場合があるわけですよ。ですから、まずそういうような硫化水素によるものだということが明確になっていないわけです。明確になっていない前に、硫化水素は全然出ていなかった、そういうことを言うのはいかぬわけですよ、実際問題として。 それからもう一つは、検知器を設置して一定以上のものが出ていない、だからそこと違うという理屈は成り立たぬ。まず一つは、生徒がおったところには検知器はなかったはずです。現実に学校の生徒が非常に不快を覚えた、こういう学校には検知器は備えつけていなかったでしょう、きっと。ですから、それは一がいにどうということは言えないのですね。逆に、検知器をつけた、だが一定以上のものは出ていない、だからそうでないとは言えないわけです。これは非常に公害の対策の上でも私は大事な問題だと実際思うのです。ですから、そういうような点で、これはヘドロですから、何が何だかわからぬわけです。もちろん硫化水素の問題については前々から問題になっております。現実にああいう、やった人たちが相当そういうような中毒を起こしたり問題を起こしておりますから、そうであろうということはわかりますけれども、そういう点についてはもっと、何というか、関係当局も真摯にこの問題に取り組んでもらわないといけない。本気になってこの問題に四つに取り組んで対策を講じてもらいたい、こう思うのです。どうですか。
○政府委員(川崎精一君) 先生のお話しのとおりでございまして、現在、まあ原因が何によるものか、それからどういう現象を起こしておるかというようなことにつきまして静岡県の公害課で——別に硫化水素にとらわれたわけではございませんけれども、その児童といいますか、中学生の目をやられたとかいったような症状に対する原因につきましても総合的に調べるように、私どものほうもできるだけ協力をして、やるように指導をいたしておる次第でございます。
○峯山昭範君 現実にこの生徒が百人以上もそういうふうな事故を起こしたというのは事実なんですか。
○政府委員(川崎精一君) 新聞のような事実があったというふうに聞いております。
○峯山昭範君 これは公害対策本部ですね、この問題については相当前々から私たちの委員会でも問題になったんですが、これはどう取り組んでますか。
○政府委員(城戸謙次君) 田子の浦の問題につきましては、特にいまやっと本格的作業が始まるという段階でございますので、いまのような二次公害が起こるおそれがないように万全の措置をとるよう県と連絡してるわけでございます。その南中学校の問題でございますが、この点、実はけさ再度確かめたわけでございますが、この南中学校自身に硫化水素につきましては測定点があると、観測点があると、こういうことでございまして、硫化水素に関します限りは検出されないか、あるいはトレース程度と、PPMでいいますと〇・PPM以下と、こういうふうな報告を受けてるわけでございます。ただ、いま先生御指摘のように、ほかの問題もあるいはあるのではないかというふうに考えられますので、いまのしゅんせつに伴いますもの、あるいはこれ以外の硫黄酸化物、こういういろいろの問題を含めまして、保健所を通して現在検討をいたしております。
○峯山昭範君 ということは、こういうふうな事故は、これはまあ原因の究明はこれからなされるとは思うんですが、やっぱりヘドロ投棄による二次公害で——いま城戸さん二次公害とおっしゃいましたが、この二次公害と考えていいんですね、こういうような問題は。
○政府委員(城戸謙次君) これは、私がい二次公害と申し上げましたのは、ヘドロ自身が一つの公害であると考えますれば、それを処理するための二次公害だと、こう申し上げたわけでありまして、ヘドロの処理に関連いたしますれば、当然それ自身が一つの公害であると、こう考えても差しつかえないと思います。
○峯山昭範君 それから、私は、こういうような問題については、これは非常にこれからますます出てくる可能性もあるわけです。現実にこのヘドロ投棄にあたって二次公害は絶対ないと、また人体に影響ないということは、相当突っ込んだ論議が行なわれた上で、その上での投棄が始まったわけです。そうしてここに出てきたということは非常に残念だと思うんです。 それからもう一つ、私は、この間の論議からもう一点確認しておきたいのですが、現実にこの田子の浦のヘドロの中にはカドミウムとか水銀というものが含まれておる、こういう話がある。そして、それが河川敷に捨てた場合に伏流水となって流れ出す可能性はない、こういうふうな答弁がこの間ありました。これは私はどういう実験をやって、どういうふうな調査をやって、そのカドミウムやまたは水銀等が伏流水となって流れ出す心配がないと、こうおっしゃっているのか、この点もう一回お伺いしておきたいんですが、いかがですか。
○政府委員(城戸謙次君) このろ過水につきましては、模型の実験槽をつくりまして、ろ過水の水質を測定いたしておりまして、その場合にアルキル水銀だとかあるいは水銀、トータル水銀、それからカドミウム、こういうものは検出されないという結果を県として得てるわけでございます。
○峯山昭範君 それはあれですか、田子の浦のヘドロを想定してやった実験なんですか。それでしかも、その伏流水等に私はまあいかなる条件のもとでもそういうふうなヘドロの中に含まれた水銀とか、まあ水銀にはいろいろありますが、総水銀として、それからカドミウムとか重金属等がその水の中に溶けて流れていく可能性はもう全然ないのか。もしその、そういうことについて実験やったとおっしゃいますが、私は、そういうことがこのあとで出てくる可能性があるわけですよ。現実にカドミウム公害見ても、いろいろなあれが伏流水に必ずなって出てきているのです。流れてこないというデータがあったら詳細にもらいたいです、全部。どういう実験をやって、どういう程度のカドミウムのもとにどういうふうな水を流し、またはヘドロを脱水して、そしてその後どういうふうに雨を降らした——雨といいますか、雨量というようなものを想定して、それでも伏流水となってそういうような重金属等が流れてこないのか、そこら辺のところは重要な問題だと思うのです、私は。それを全くないと、全くないという答弁でいま済んでいるわけです。現実にそれじゃそれが出てきたらどうなるのか、これはたいへんな問題ですよ、実際問題。そこら辺もやっぱり当然相当突っ込んでやっていると思うのですが、そこら辺のところはどうなっているのか、詳細に伺いたい。
○政府委員(城戸謙次君) この実験でございますが、これは当然田子の浦のヘドロを素材にいたしました実験であるということでございまして、その場合のろ過水の内容を検討いたしました結果、静岡県の研究機関におきましてはそういうふうな結果を得ている、こういうわけでございます。 この際、ちょっと申し上げておきたいのですが、いまの水銀にしましても、あるいはカドミウムにしましても、一定の試験方法のもとにおいて検出されるということでございますから、試験方法によりまして、それにかからない程度のごく微量なものがあるということは、試験方法を前提とする以上当然のことであります。ただ、いまここで手元にどういう試験方法でやったかというデータを持っておりませんので、後ほどその方法、それからその検出の限界、こういうものにつきましては御報告申し上げたいと思います。
○峯山昭範君 水の中にごく微量とおっしゃいますが、最近はPPBという単位が出てきている時代ですよ。そういう時代ですから、PPBの単位でいったら相当出てきていますよね、そういうようなことも考えられるわけです、現実に。ですから、これは相当慎重に対処すべきじゃないかと、そういうぐあいに思うのです。その点はこれからまたこの次の何かの機会に論争をやることにしたいと思います。 それから、きょうは運輸省の港湾局長お見えになっていますね。田子の浦の問題も非常に私は重要な問題であると思うのですが、ヘドロが相当湾内に堆積しているところというのは田子の浦だけではないと思うのです。日本全国——ヘドロそのものが堆積しているところはそんなにないかもしれませんが、相当あると私は見ています。現実にあちこち私たちも調べたけれども、相当出ています。そういうふうな関係から実際港湾局自体としてはいまどういうぐあいにそれをつかんでいらっしゃるのか、それは一体どういうぐあいに対処しようとしていらっしゃるか、この点お伺いしたいと思います。
○政府委員(栗栖義明君) 先生御指摘の第一点の問題でございますが、これは経済企画庁の調整費をいただきまして、昨年の秋から全国で、私のほうで企画庁と相談いたしまして、私のほうで四十四港、それから企画庁で八港、それから北海道開発庁で四港程度のと申しますか、机上で大体図面を見まして、先生御指摘のように、何か港の中にそういう危険物が堆積しているんじゃないかという疑問のある港を選びまして調査を始めたわけでございます。で、現在調査の中身はいろいろございますけれども、御承知かと思いますけれども、重金属のいろいろな検出の試験所の数が非常に少ないという関係もございましておくれておりますけれども、ぼつぼつ報告が出始めているという段階で、現在それを集めているという段階だというふうに御理解いただきたいと思います。それからなお、港と申しましてもいろいろな種類の港がありますし、広いところもございますけれども、生産工場があるとか、あるいはヘドロというと私どもちょっと混乱するのでございますが、そういうような汚泥の堆積しやすいような地形と申しますか、港の湾形がございますので、そういう点を中心に調べまして、結果が出れば、あらためてもう一度それ以外のところも調べなければいかぬし、さらに追加する港が出てこようかと思いますので、それも調べてまいりたいというふうなことを考えております。 次に、そういう堆積物の処理の問題でございますが、実は港の中で海底に堆積したどろがどういう状態であればどういうふうに人体に危険であるかということは、私ども専門でございませんので、いずれその基準が出ようかと思っておりますけれども、とにかくいわゆる危険物、たとえば奥洞海のような問題がございますので、そういう場合の処理対策というのは技術的にどうしたらいいかということでいろいろと検討しておるわけでございますけれども、現実にまだはっきりこうだという成案はございませんけれども、一般的に考えられますことは、なるべくたまったものを攪拌して散らしちゃいけないということで、港湾の利用上、機能上支障がなければ、何かその上にこうふたして押えちゃうというのも一つの方法かと思いますし、広がらないような方法でそれを吸い上げまして、囲いをつくって、それが外部に漏れない、外洋に出ないというふうな厳重な囲いの中に封じ込めてしまって埋め殺してしまうという方法もいいかと思いまして、いろんなそういうケースにつきまして検討は進めているのでございます。
○峯山昭範君 まず田子の浦でこれだけ問題になったわけですからね、去年から四十四ヵ所、八ヵ所、四ヵ所、合計五十六ヵ所ですか、調査をしていらっしゃるということですが、どうなんですか、いま出てきた結果というのは。どういうところがいま結果が出てきているのですか。そしてどういうところを——これは五十六ヵ所も言ってもらうのはたいへんですけれども、特に最近よごれている港というのはどういうところがよごれているのですか。
○政府委員(栗栖義明君) まだ各港、たとえば水質とかなんとかは出ておりますけれども、底質の調査につきましてはまだ私どもの手元には届いておりませんけれども、近く届くだろうということで督促しておる状態でございます。ただ、私どもが想像しておりますのは、さっきも申しましたような、たとえば奥洞海のような非常に奥まった入り込んだところ、そういうところじゃなかろうかということで想像して検討して調査するという手法をとっております。
○峯山昭範君 港湾局としても、届くであろうとおっしゃっておりますが、どこでやってもらっているのですか。どこから届くのですか、その結果なんていうのは。
○政府委員(栗栖義明君) これは国と港湾管理者とが国の調査費をもちまして、港湾管理者も調査費を持ちまして、共同してやっておりますが、国の機関として調査する機能はございませんので、各港によっていろいろございますけれども、たとえば港の近くの県の衛生試験所であるとか、あるいはそういうそれ以外の分析機関というものに依頼いたしまして分析を頼んでおるという状態でございます。
○峯山昭範君 どうも抽象的でだめなんですがね、まあ国として調査する機能がないということ自体も非常に私は遺憾だと思うのですがね。しかも、出てくるのをのんべんだらりと待っているということ自体もまた気の長い話で、これだけ問題になって、奥洞海もそうですし、海が汚染された話というのは相当あります。ただこのヘドロだけじゃなくて海そのものが汚染されている。これは要するに、たとえば大阪湾とか東京湾等も相当重金属とかまたは水銀とか、砒素とか、そういうようなものも相当問題になっています。そういうことについても、これは実際問題もっと積極的に取り組まなければいかぬと思うのですよ。みんなどこの省庁を呼んで話を聞いても、何というか、人まかせで、これじゃやっぱり私は、もっと積極的にもう資料も取り寄せ、そして本格的にこの対策に取り組まないと、これは何ともならないと思うのですよね。どうなんですか、ここら辺のところは。
○政府委員(栗栖義明君) 私どもが現在進めておる調査だけ申し上げたのでございますが、各都道府県でいろいろと、底質の調査というのはあまり資料がございませんけれども、たとえば東京湾とか大阪湾で湾内のよごれがひどいという資料は各府県なり何なりからも出ております。そういう資料は積極的に集めておりますし、それから余談でございますけれども、湾の中でどういうふうに流れが流れているかというデータも、私どもは海上保安庁の水路部で測量はやっていただいておりますけれども、今後は模型をつくりまして流してみてやるとか、そういう手段も準備して進めているという段階でございます。
○峯山昭範君 そういうようなことを言ったんじゃしようがないので、きょうは公害対策本部のほうに今度は質問のあれを変えますけれども、とにかくあまりあちこちやっていると、あまり抽象的になって困りますので端的に言いますが、たとえばこの間の予算委員会のときにもずいぶん話が出ましたけれども、たとえば東京湾なら東京湾にしぼりましょうね。東京湾の問題も相当いろんな問題が前々から出ています。これは東京湾がきれいになるかどうかということについて相当前から問題も出ておりますし、そこにも重金属等があるということも相当問題になっています。公害対策本部としては、まず、東京湾の至るところから重金属等も検出されております。また、東京湾に住む魚とか魚介類についても相当問題になっています。そういうような観点から考えてみて、いわゆる技術的に考えて、まず東京湾をきれいにすることは可能であるのかどうか、これはどうですか。
○政府委員(城戸謙次君) 港湾だとかあるいは漁場の汚染の状況でございますが、これはまあ非常に従来データはなかったわけでございます。したがって、対策本部としましては、去年の九月初めに緊急公害対策関係の経費を追加して大蔵で認めてもらいました際に、特にこの点には重点を置いたわけでございまして、いまお話がございました運輸省あるいは農林省あるいは経済企画庁、北海道開発庁、こういうところを含めまして約四千六百万円で調査をやってまいっております。ただ、それぞれのデータは、非常にむずかしいデータもございますので、まだ出そろう段階に至っておりませんが、できるだけ早くこの調査の結果を得ましてその後の対策を立てていきたい、こう思っているわけでございます。東京湾につきましては、その中で経済企画庁が調査をいたしておりまして、シアンだとかアルキル水銀等のいわゆる健康九項目、それから水素イオン、化学的酸素要求量、溶存酸素量、塩素イオン油分、それからどろの硫化物等につきまして現在調査を進めておりまして、その調査の結果を待って対策を立てる、こういうぐあいに考えておるわけでございます。 ただ、この際ちょっと申し上げておきたいと思いますが、従来はこういうような調査が非常に足りなかったということが第一点でございますが、同時に、もしかりにヘドロが問題があるとしました場合におきましても、どこがそのヘドロにつきまして処理をしていくかと、こういう問題、所管がはっきりしなかったわけでございます。この点につきましては、現在の国会に提案されております公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案の附則で、漁港法だとかあるいは港湾法だとか、こういうものを改正いたしまして、それぞれの事業の中にこういうような処理の事業が含まれるような措置をとっているわけでございまして、所管の問題につきましては、その点非常にはっきりしてくると思うわけでございます。したがって、そういう上に立ちまして、今後はその調査の結果を待って対策を立てていく。また、その事業を行ないますための公共的な事業を行ないます場合の費用の負担の関係だとか、あるいは国の補助率の問題、こういう点につきましてはそれぞれ関係法で措置がされておりますので、今後は相当その辺は事業として進めていくことはできるだろう、こう考えております。また、どういう場合にそれじゃヘドロの処理をする必要があるか、こういう判断基準でございますが、これにつきましても、できるだけ早くきめていきたいと思っております。そういうことでございますから、とにかく調査の結果が出るということが現段階では一番大事だろうと思っております。
○峯山昭範君 調査の結果が出るのを待つということでありますけれども、東京湾の問題等については、すでに相当日にちもたっているわけです。私はまず一番初めに、先ほども聞いたのでありますが、技術的には可能であるんですか。要するに、東京湾のヘドロをなくするということは、これは可能なんですか。要するに、東京湾からそういう危険なものを取り除く意思はあるんですか、これはどうですか。
○政府委員(城戸謙次君) これは東京湾に限らず、そういう港湾、あるいはもっと港湾の区域を越えるようなところの、ヘドロ自身を処理するということは技術的には非常に困難だと私聞いているわけでございます。したがって、たとえば洞海湾等につきましても、運輸省を中心に北九州港管理組合を含めまして、現在そういう技術的な面の調査をあわせてやっているわけでございまして、ただ単に、どういうようなヘドロがあり、どういう成分ということではなしに、具体的にその地域に応じまして対策を立てなければいかぬだろう。その場合、どういうところでは可能であり、どういうところでは不可能か、そういう点は今後全体を含めた調査の結果で判断するよりないと思います。
○峯山昭範君 あちこち言いますと話が進みませんから、東京湾の前々から問題になっているのはずいぶん出ているわけです。重金属とかカドミウムとか水銀とか、一ぱい出ています。現実にそういうふうなものを取り除く意思はあるのか、こう聞いているんですよ。どうなんですか。これは取り除いてきれいにする意思はあるのかというのです。
○政府委員(城戸謙次君) これは非常に重要な問題でございますから、私が答弁するのは適当かどうかわかりませんが、公害対策本部の立場では、できるだけきれいにしていくということは当然終着点であるわけでございますから、その意思があるかないかとおっしゃれば、当然あるわけでございます。ただ、これは技術的に可能であるかどうか、どのくらいの費用で可能であるかどうか、そういう具体的な問題がわかりませんと、何ともそれ以上申し上げられないというのが私の気持ちでございます。
○峯山昭範君 そうすると、技術的には可能なんですか。
○政府委員(栗栖義明君) 港湾のほうでいろいろと、いままでもしゅんせつなんかやってきた経験から申し上げますので、具体的に一口に技術的に可能かどうかという御質問に対してお答えになるかどうかわかりませんが、先ほどもちょっと申し上げましたように、物理的にはふたをして押え込んじゃうとか、あるいはさらうということで、さらったものをじゃあどういうふうに処理するかということになろうと思っておりますが、従来やってきておる方法は、囲いをつくりまして、たとえば東京の夢ノ島でじんかいの埋め立ての処理をやっておりますけれども、あれをそっくりまねするというわけじゃなくて、もう少し厳重なものが要ろうと思いますけれども、ただ単に掘って移すということは可能でございます。ただ、掘るときにどういうようにそういうものが拡散されるかという心配とか、あるいは運ぶ途中にそれがばらまかれた場合どうなるかという点につきましては自信がございません。
○峯山昭範君 これは城戸さん、さっきからあなたは、海洋をきれいにすることについて、所管もはっきりした、こうおっしゃっておりますけれども、まだ海をきれいにするということについての所管がはっきりしていないように思うのです、私は。みんな自分のところは、運輸省は船が通りさえすればいいというような感じがしますけれども、それぞれやはり、何というか、分かれていますよ、これは。どこかが責任を持ってやるという気持ちにならないといけないんです。何で私はこんなことを言うかというと、前回の委員会のときに、東京湾の問題で、東京湾の魚の中からPCBが相当検出されている。なまで一二〇PPMのPCBが検出されている、東京湾の魚の中から。またこういうことを言うと、東京湾のハゼの業者がおこるかもしれないが、現実にそういう危険なものが検出されている。東京湾の海が汚染されていると同時に、ヘドロの中に相当いろいろなものが蓄積されているということは明らかなんです。これに対して一体本格的にはどうするのだと、この間の予算委員会で対策本部の山中総務長官は、技術的に可能かどうか本格的に検討すると、こうおっしゃいました。その後何もやっていないんですよ、現実に。いま私は東京湾を例にあげて言っているだけなんです。海をきれいにするということは大事なことなんですよ。それにつけて現実にいま通った法律では何もできないんじゃないですか。すでによごれた海をきれいにするための法律というのはどこにあるんですか。
○政府委員(城戸謙次君) この点、先ほど申し上げましたように、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案、これは現在御審議いただいておる段階でございますが、ここの附則で漁港法だとか港湾法だとか、あるいは港湾整備緊急措置法でございますが、そういうものの法律の改正を行なっているのであります。港湾で申しますと、港湾事業という中で、「港湾における汚でいその他公害の原因となる物質のたい積の排除、汚濁水の浄化その他の公害防止のために行なうもの」、これを港湾工事として港湾管理者がやる。こういうたてまえになっているのであります。漁港法についても同様の措置がなされている。したがって、この法律が成立いたしますれば、当然、政府としてはそういうような法律上のたてまえを受けまして、今後そういう漁港とか港湾とか、そういうものをきれいにするための事業を積極的に進めるということができるのでありまして、現段階では、おっしゃるように、確かに所管がはっきりしていないという点がございますが、今後はさようなことがなくなるというのが私どもの考え方でございます。
○峯山昭範君 ということは、港湾局長さん、あなたのほうですか、これは。東京湾をきれいにするということは、あなたのほうですか。
○政府委員(栗栖義明君) いま対策本部から御説明がございましたように、港湾法を改正されますと、港湾の区域の中は私どものほうの責任でございます。ただ、東京湾全体で申しますと、港湾がつながっておりますが、東京湾全部が港湾の区域であるということでもございませんで、それ以外の区域もございます。
○峯山昭範君 そうすると、これはどことどこですか。いま私は、かりに東京湾と言っているだけです。東京湾一つでさえなかなか区分がはっきりしないんじゃないか。もっと本格的に取り組んでいかないと、何も取り組まないのと同じなんですよ、いま。現実にもっと本格的に海をきれいにするための対策をやらなければいけないと言うんです。この海があまりにもよごれ過ぎているんです。現実に造船所の船の塗料、あのはがしたやつ、あれをがさっと落としているんです、現実に。造船所のすぐ下に行ってごらんなさい、たいへんなヘドロがたまっております。そういうのははっきりわかっておりますね。けれども、わからないものが相当問題が残っている。あるところでは砒素とか相当現実に検出されているんですね。そういう問題が具体的にたくさんありますが、たとえば東京湾をいま言っているんです。東京湾一つにしても、一体どこが本気になって東京湾をきれいにするために取り組んでいくのか。現実にはそこに魚がたくさん泳いでいる。きょうは水産庁来ておりませんが、現実にそういうものについて人間の健康という点から考えて相当問題が出てくる。こういう問題についていまぼつぼつ資料を集めております。国として分析の装置がないから地方に頼んでおります。確かにそうせざるを得ませんけれども、もっと積極的に本格的にこういう問題に取り組まないといけない、こう言いたいんです。一体港湾局とどこが責任を持ってやるんですか。
○政府委員(城戸謙次君) 先ほどからお答えしていますように、港湾の区域あるいは漁港の区域、この二つが重複しないわけでございます。これにつきましては、港湾管理者なり漁港の管理者がそれぞれ担当してこういうような公害防止のための事業をやっていく、こういうことで整理しております。 ただ、いま運輸省のほうからもお答えがございましたように、港湾区域、漁港区域以外の海域もあるわけでございますが、これにつきましては、特に現在のところ法律的な体系もございませんし、その汚染の状況等による対策事業の規模に応じまして関係の都道府県あるいは市町村が担当するというような方角で検討してまいりたいと思っております。したがって、具体的にこの地域の問題をどう処理するかということが、そういう意味では一つの調整的な問題でございますので、現段階では、私ども公害対策本部でできるだけ問題があるところは調整してまいりたいと思っております。
○峯山昭範君 私は、現実の問題として、法律ができたって実際その対策には何にもならないと、そう思うのです。もっと本格的にその調査をやり、そしてどういうぐあいに処置をしていくか。たとえば田子の浦のヘドロを富士川の河原に捨てる。そのときには、この間の委員会でもお話しがありましたけれども、それこそ建設大臣の政治判断、それでやった、それしかないですよ。ほんとを言えば、もう本気になって政府自身がこのヘドロそのものを全部取り除いてしまう、また、そういうものを排出している公害源を徹底的に調査して、そうしてそういう排出源を徹底的に取り締まり、これ以上海をよごさないという積極的なその姿勢というものを示していかないと私はいけないと思うのです。そうやらないと、何をやっているかわからない。東京湾は、いまの調子だとますますまだよごれますよ。いまのままほっておけば海はますます私はよごれると思うのです。これ以上よごさないためにも、特に、たとえば港湾局自体も、港湾の中にヘドロとかいろいろなものを捨てている、流している工場等を徹底的に調べて、そしてそういうようなものを排出させないように——現実にもう幾つか調べていますか——そういうところを調べて、そしてそういう事故が起きないように、田子の浦だって、もっと早く気がついてやっていればこんなことにはならない。港湾管理者がもっと積極的にやっていればこういうことにならないのです。ですから、私は、そういうふうな意味で、こういうふうな公害対策については、それぞれの担当のいわゆる所管の場所できちっと本格的に取り組んでおれば、こういうたいへんなことにならないと思うのです。こういう点についてもっと積極的に取り組んでもらいたいと思うのですが、対策本部としてはどうですか。
○政府委員(城戸謙次君) 全く先生のおっしゃるとおり、私どもは非常に積極的に取り組みたいと、こう考えておるわけでございます。話が途中から、具体的な問題に入りましたので申し上げませんでしたが、経過的に申し上げますと、私どもはヘドロの問題が非常に重要だということで、昨年の公害対策基本法の改正の場合に「公害」の定義の中に、「水底の底質の悪化」ということを加えましたことは、先生御承知のとおりでございます。それをもとにしまして、各種の排出規制その他でそういうような状態を生じないように対策を立てられるような法的な基盤をつくってまいったわけでございます。 一つは、いま御指摘のような排出規制そのものでございまして、水質汚濁防止法を新しくつくりました際に、従来のような指定水域という考え方をやめまして、全国的に規制できるというたて、まえをとったわけでございます。それからまた、廃棄物の処理及び清掃に関する法律について申し上げますと、これで廃棄物の投棄を禁止をいたしますとともに、海洋汚染防止法と合わせまして海洋への廃棄物の投入処分等の排出を規制することにいたしたわけでございます。 これらの法律、基本法を除きまして、まだ施行になっておりませんが、施行になった場合には、各種の規制を通じましてできるだけ厳格にこれを施行いたし、ヘドロ等の問題は今後生じないようにやってまいるつもりでございます。 それから、いまの、すでに堆積したヘドロの処理につきましては、いま申し上げましたように、法律の体系としては所管の問題を整理するというのが一つでございます。それからまた、この事業を行なった場合の費用負担の関係、あるいはまた事業者の負担区域以外につきましての国の負担率のかさ上げをするということも必要でございまして、これらにつきまして法律的な手当てをいたしております。あるいは今国会に提案している段階でございます。 それからなお、法律だけではどうにもならぬのじゃないか、こういう御指摘でございますが、もちろん、法律だけではこれは完全な対策になるわけではございませんので、先ほどからお話しておりますように、十分なる調査をし、あるいは研究をする。それで技術上の問題を解決するということによって、全国的にこういうような問題を生じませんようにやると同時に、すでに生じているものについての対策を立てていく。こう思っておりますし、全く先生のお考えと同じように前向きにやる、積極的にやるという気持ちにおきましては変わりがないと思っております。
○峯山昭範君 二、三点でやめたいと思うのですがね。大阪の公害監視センターというのは私は相当優秀なものだと、こういうぐあいに聞いています。ところが、最近大阪の公害監視センターの部長さんが一人やめました。聞いていますか。その人の話がこの間から相当いま問題になっています。どういうことが問題になっているかといいますと、その部長さんの話からいろいろなことがわかってきました。いわゆる公害監視センターをつくったがために、公害監視センターが大きな公害絶滅のかくれみのとなっている。それでその部長さんは、これは技術屋さんで専門家です。亜硫酸ガスの排出量については、もう相当前からその着地濃度をなんぼにせにゃいかぬということを主張していた。ところが、その監視センター自体はもう企業とべったりで、企業がここまでしかできない、だから企業の公害対策に合わせて監視センターもその公害の規制をしておる。こんなことでは、大阪は、ぜんそくにしましても何にしましても、日本一確かに高い。こういうふうなことになっては、私はこれはたいへんだと思うのですよ、実際問題。これは事実かどうか知りませんけれども、しかし、こういうようなことが現実に言われています。本人の話によっても間違いないというのです。本人は、やめて、公害をなくするためにこれから全力を尽くしてやっていきたいと、こう言っているわけです。そういう点から考えると、ぼくは公害監視センターができたこと自体が、公害をなくするということについて、われわれが表面から見ていると、相当前向きに取り組んでいるようには見えますけれども、そのこと自体が、公害問題をうしろから引っぱっているという感じにしちゃまずいと思うのですね。ですから、現実にこの間の法案が十三本か何ぼか通って、公害問題は、通ったとたんにもう公害対策が終わったという感じになっちゃまずいわけですね。ですから、そういう点からも、当然この公害問題についてはもっと積極的に取り組んでもらいたいし、また、あの法律が通って公害問題は終わったんじゃなくて、あれからスタートなんですね。この点はよく心得て、公害対策本部としてもこれから対策に取り組んでもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(城戸謙次君) 大阪の件、私全然存じません。そういうことがないように祈るだけでございまして、私どもとしましては、全く公平な立場で監視測定その他をやりまして、その上に立って取り締まりをやっていくというのは当然のことだと思っております。 それからまた御指摘のように、法律が通ってすべて終わりだという感覚は全く持っておりません。これから公害対策が始まるということについては、先生のおっしゃるとおりでございます。 それからなお、先ほど答弁保留しました田子の浦の場合の検査の方法でございますが、これはカドミウム、水銀とも、原子吸光分析によっておりますので、検出限界はカドミウムが〇・〇一PPM、それから水銀の場合は〇・〇二PPM程度になるということでございます。
○峯山昭範君 私は、カドミウム、水銀等の分折は、それは原子吸光分析でやる、それは当然だと思うのです。私、そんなことを言っているのじゃなくて、実験そのものをどういうぐあいにしてやったのか、やっぱりそこら辺のところが大事だと思うのです。それを言っているのです。それは、もう時間もありませんから、あとで資料として出してください。 それからもう一点、行政管理庁さんお見えになっておりますので、ひとつだけお伺いしておきたいのでありますが、この今回の法案の中で下火道部が設置されるわけであります。これはいわゆる機構の充実といいますか、そういうことも言えると思いますね。しかし、私たちは前々から定員の問題並びに機構の問題等、両方分けていろいろと質問してきました。定員の問題についてはきょうはこれは別問題でありますから省きますが、機構の問題については、機構をこれから簡素化していくという意味から考えて、そのスクラップ・アンド・ビルドというのが機構改革の中心であるというふうに私たちは聞いてまいりました。今回はこの下水道部ができたということは私は賛成であります。これからの行政の上からも非常に重大でありますし、特に外国と比べて日本の下水道行政というのは非常におくれておる。そういうような面からも、直接手は下さないにしても、建設省の下水道部というのができるということは非常に賛成でありますが、行政管理庁としては、これは部をつくるということについては一体どういうぐあいに考えていらっしゃるのか。いつもの原則とはずいぶん違うわけです。ということは、国民の需要といいますか、そういうふうな必要があれば——必要があればですね——そのスクラップはなくてもちゃんとこういうぐあいにどんどんやっていく意思があるのか、ここら辺のところを一ぺん聞いておきたいと思います。
○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。 ただいまの御質問のスクラップ・アンド・ビルドの問題でございますが、私も理論的に考えますと、スクラップがなければビルドがないということは、理論的に必ずしも妥当しない場合があろうかと思っております。必要な場合にはこれは組織をつくる。また、不必要な組織はこれはやめていくということは当然だと思いまして、その間につながりがあるというふうに必ずしも考えておるわけではございません。ただ、御承知のように、いわゆるパーキンソンの法則というようなことも巷間にいわれておりまして、行政組織、行政のみならす、組織一般は往々にして拡張の、膨張の方向を必ずたどるということは、大体常識として私たち受け入れているわけでございまして、そういう膨張を防ぐ、そうして行政組織という点から見ますと、国民のためにできるだけ簡素で能率的な組織で行政を行なうという趣旨を達成いたすための実際的な手段といたしましては、新しく組織をつくる際には、その際、部内の組織を再検討していただいて、行政需要の消長に応じまして、これが行政需要の相対的に減ってきたもので整理できるものをなるべく整理していただく。結果としてスクラップ・アンド・ビルドになるという考え方で一貫しておる次第でございます。そういう次第でございますが、しかしながら、行政需要の強さ、あるいはそのとき、そのときの時世の要求、あるいはその消長、部内のいろいろなその他行政との関係という点から申しまして、きわめて重大かつ大きな業務が新しく出てきた場合には、これはやはりスクラップ・アンド・ビルドというものに必ずしもこだわりませんし、必要なものはこれを認めていくということは、これはあり得ることかと思います。ただ、あくまでも原則としましては従来どおりの方針でございまして、行政の簡素、能率化ということから申しまして、新しい組織をつくります際には、できるだけ行政需要の減った組織を整理していくという方針を堅持いたすべきだということは確信いたしておりますが、しかし、ケース・バイ・ケースによりまして、必ずしもその原則どおりにいかない場合もあり得るのではないかと思っておりますし、現在この下水道の場合はその一つかというふうに思っております。たとえば沖繩対策庁でございますとか環境庁でございますとか、そういうものにつきましても、同じような考え方で新しい組織ができているような次第でございます。
○峯山昭範君 私たちも、いま局長おっしゃったように考えておるわけです。実質上どうしても必要なところはこれはやるべきである。しかしながら、私はもう一つ聞いておきたいのですが、国民にサービスする、そういうふうな立場に立って、これは全部考えていかなければいけないと思うのです。国民の立場から考えて、どうしたほうが一番便利であり能率的であるか。ですから、名目上スクラップにして実体が残っておるというのがずいぶんあるわけです。ここら辺についてはどうお考えなんですか。
○政府委員(河合三良君) ただいまの点につきましては、私は名目、実質ともに伴ったスクラップであるべきだというふうに考えております。
○峯山昭範君 いまの答弁、私がっちり聞いておきますから、今度、名目並びに実質、もうがっちり整ったものでないといけない。まあそうであればけっこうです。それだけ私はお伺いして質問を終わりたいと思います。
○委員長(田口長治郎君) 本案に対する午前中の審査はこの程度にいたし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後一時六分休憩 —————・————— 午後一時五十二分開会
○委員長(田口長治郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 御質疑のある方は御発言を願います。
○足鹿覺君 例によりまして、たいへん失礼いたしますが、すわったままお許しをいただきたいと思います。したがいまして政府委員もすわったままでけっこうでございます。よろしくお願いいたします。 先日、建設省設置法の一部改正に関連をいたしまして、駿河湾のヘドロ問題に言及をいたし、漁業、漁場、漁民の問題に重大な影響を及ぼしている本問題について質問をいたしました。しかるに、まことに不誠意きわまる、あるいはまた不勉強きわまる無為無策の水産庁の対策にあ然といたしました。したがって、本日はあらためて水産庁長官の御出席を求め、伺いますが、農林省設置法の第七十三条はよく御存じですね。
○政府委員(大和田啓気君) 農林省設置法が手元にございませんけれども、設置法によって水産庁に要求されている事項につきましては、われわれ責任を持って行政を進めております。
○足鹿覺君 およそ水産庁長官たる者が「(水産庁の任務及び長)」の条項についてそらんじておられませんのは意外千万です。では申し上げましょう。七十三条は、「水産庁は、水産資源の保護培養、漁業調整、水産物の生産、流通及び消費の増進、改善及び調整その他水産業の発達改善に関する事務を行なうことを主たる任務とする。」、「水産庁の長は、水産庁長官とする。」とあります。第七十七条を見ますと、「漁政部においては、左の事務をつかさどる。」という規定に基づきまして、水産行政の企画を行なうこと、以下十七項目ありますが、特にその中で「沿岸漁業、沖合漁業及び内水面漁業について免許、許可その他指導監督を行なうこと。」、「沿岸漁業構造改善事業に関し指導及び助成を行なうこと。」、「水産増殖に関すること。」等、沿岸漁業に対して重大な責任を持っておられるにもかかわらず、駿河湾のヘドロ公害に対して、漁民や漁場や漁業が受けたことに対する調査資料も当日御提出にならなかった、調べておられなかった理由は何でありますか。
○政府委員(大和田啓気君) 先般の御質問に対しまして私どもの次長が伺ってお答えいたしたわけでございますが、おそらく田子の浦のヘドロ関係の漁業被害というものは、だれが考えてもあれだけヘドロの害が目に見えておるわけでございますから、漁業被害はございましょうけれども、しかし的確にそれを申し上げるわけにはまいらないということを申し上げただろうと思います。私ども、事実、田子の浦周辺でおもな水産物と申しますと、シラス、サクラエビ、カタクチイワシ等々でございまして、四十年に比べますれば、四十四年あるいは四十五年というのは相当な生産量の減を来たしておるわけでございます。また漁場も相当田子の浦から他の場所に移っておるわけでございますから、漁獲物の推移あるいは漁場の変化等からいたしまして、漁獲高、漁業被害がヘドロによってあるということは私は否定をいたすつもりはございません。しかし、たとえば冷水塊の存在によって生産が落ちるということもございますから、四十年に比べまして四十四年ないし四十五年の水産物の漁獲量の減少が直ちにそのままヘドロによる被害であるというふうに申し上げることも、これもまた正確ではないわけでございます。したがいまして私ども申し上げ得ますことは、また水産庁も県当局から資料をよく取ってございますから、シラス、サクラエビ、カタクチイワシ等のおもな漁種について、四十四年、四十五年は相当生産量の減があるという、また漁場が相当変化したということははっきり申し上げることができるだろうと思います。
○足鹿覺君 ただいま冷水塊の問題をおっしゃいましたが、冷水塊の影響というものがあるから判断が的確に言えないということは一体どういうわけですか。結局、死の海になっておるということは天下公知の事実でしょう。それを冷水塊というきわめて部分的な、また不定期的なものによる理由をあげて弁明をされることは、はなはだ専門家の官庁であるべき水産庁としては、あまりにも専門家過ぎて理由を他に転嫁をする、ヘドロ公害を主たる原因であるという断定ができないのでありますか。念のため伺っておきますが、冷水塊があるのでヘドロ公害ではないとおっしゃるのですか。
○政府委員(大和田啓気君) 私が申し上げておりますことは、漁獲量の減少あるいは漁場の変化ということがございますからヘドロによる被害があるというふうに申し上げておるわけでございます。ただ数量的に、漁業生産というのはよく御承知のとおり年々による変化がございますし、その変化は、水温でありますとかあるいは海流の変化でありますとか、そういうものによる漁獲量の変化がございますから、四十年に比べまして四十四年、四十五年にシラスあるいはサクラエビあるいはカタクチイワシ等々が減りましたものは、確かにヘドロの被害もあるけれども、その中でヘドロの被害がどの程度かということはなかなか確実に申し上げられません、そういうことを申し上げておるわけでございます。ヘドロの責任を別に転嫁いたしておるわけではございません。
○足鹿覺君 そのような御答弁を私は聞こうとは思いません。ヘドロの増大した地域では収獲が皆無になっておるという事実をお認めになるのですか、ならないのですか。
○政府委員(大和田啓気君) ヘドロによって非常に海が局地的によごれて、そこに魚も住まない、しかし昔はそこで魚もとった、そういう事態でございますれば、それは確かにヘドロの被害でございましょう。ただ田子の浦全体、田子の浦関係の漁協が、まあ大体由比から内浦にかけて五つ漁協があるわけでございますけれども、その沿岸地帯で申し上げますと、収獲が皆無になったということは必ずしもございません。たとえばシラスで申し上げますれば、四十年に千百トンほどでございましたが、四十五年に九百十トンほど、サクラエビで、四十年に三千トンほどでございましたが、それが四十五年には千五百六十トンほど、カタクチイワシが、一万六千トンほどが三千四百トンほどというふうに、五つの関係漁協の生産といたしましては別にゼロということではございませんから、田子の浦のヘドロによって海が非常によごれた、そこのところの漁獲量というのは、それは数量にいたしましておそらくそれほど大きなものではございますまい、田子の浦全体、田子の浦関係の五つの漁協全体といたしましては、減ったことは間違いございませんけれども。また、サクラエビで申し上げますれば、四十年の約半量、シラスで言いましても、千百トンが九百トンほどでございますから、まあ八、九割ほどということ・で、漁業は、多少漁場の変化を来たしながらなお続けられておるのが実情でございます。
○足鹿覺君 漁場の変化とおっしゃいますが、由比から、富士川の河口からいわゆる通称沼川あたり、それから内浦のハマチの養殖の被害というものは別な被害のようでありますが、いま漁獲高で御説明になりましたが、私の手元にあなた方のほうからお届けになったものによりますと、シラスイワシは四十年に千百四十四トンあった。それが五百七十五トンになった。サクラエビが、三千四十五トンであったものが四十四年に二千六百十七トン、四十三年は五千八百十八トン、四十二年は五千七百八十一トン、カタクチイワシは、四十年が一万六千八百九十ミトン、それが四十四年に四千七百五十トン、こういうことになっておる。これは漁場の拡大ということをいまおっしゃいましたが、漁船はですね、沖合へ漁場の進出をしなければそれだけの漁獲はないというわけです。あなた方は定点を定め、その定点における水質、海底の状態を調査して冷水塊による被害をお調べになっておりますか。また、いまおっしゃったように、被害がないとおっしゃいますが、それは何の根拠によってさようなことをおっしゃいますか。定点を定め、水質の検査をし、海底の状態を調査した上でおっしゃっておるんでしょうね。根拠を示しなさい。
○政府委員(大和田啓気君) 私は田子の浦のヘドロによる漁業被害がないということを申し上げておるのではございません。それは私どもが差し上げた資料によりましても、その後四十五年の新しい資料を私どもごく最近になって承知をいたしたわけでございますが、それによりましても、収量は減っておりますから、田子の浦のヘドロによる影響があるということは間違いないけれども、田子の浦のヘドロによる被害が一体どれだけだったかということを確定することはなかなかむずかしい。それは、漁業生産というのはいろいろな事情で毎年変動がございますが、たとえばその一つとして、冷水塊の問題もあるわけでございます。したがいまして、田子の浦のヘドロによる漁業被害がないということを申し上げておるんではないということを御了承いただきたいと思います。
○足鹿覺君 答弁になりません。だから何を根拠にしてそういう判断をお下しになったのですか。要するに漁場の拡大のために漁民は漁場を離れて遠く出漁する、そのことによって漁獲高はあまり変わっておらない。しかし、少なくともそのヘドロの中心地域においては、死の海になっておることは事実ではありませんか。それすらお認めにならないのです。一体、冷水塊ということをおっしゃいますが、漁場の面積の拡大範囲はどの程度まで拡大しており、また冷水塊による被害はどの定点において、どういう水温によって、水質によって海底の状況が変化をして、どのようになって影響があらわれたのか。少なくとも水産庁として、日本の最高の技術陣を備え、その専門の官庁として、根拠なくしてさようなばく然たる答弁を許しません。御答弁なさい。定点観測、その他いかような根拠によってそういうことが言われるのか、御答弁なさい。そういう抽象的な答弁ではいけません。
○政府委員(大和田啓気君) 私も正確に申し上げようとしておるわけでございまして……。
○足鹿覺君 正確ではないじゃありませんか。
○政府委員(大和田啓気君) 冷水塊による被害がどのくらいかということ、これも確定をいたすことができません、私どもの資料によりまして。したがいまして冷水塊による被害もあるでしょうと、あるいは冷水塊による被害はございませんでも、漁業生産というものは年々変動いたすわけでございますから、ただ四十年に比べて四十四年、四十五年の漁獲量が減ったからといって、直ちにその差だけがヘドロによる被害というわけには申し上げられない、そういうことだけを言っておるわけでございます。
○足鹿覺君 だから根拠を示しなさいと言うんですよ。あなたの想像力によって御答弁になっても、そういうようなことは信用できません。ですから、漁場がどこまで拡大しておるのか、もとの固定した地域内におけるサクラエビ、カタクチイワシ、シラスの減少はこうであるが、漁場の拡大によってこういうふうに漁獲高は減少しておらないのだと、根拠を明らかにしなさい。根拠は一体何ですか。
○政府委員(大和田啓気君) 漁場の変動を申し上げますと、吉原市の田子の浦港の付近で、イワシ、アジ、シラス、あるいは多少その沖にサクラエビ等の漁場がございましたし、それから内浦漁港の付近にイワシ、サバ、アジ等の漁場がございましたけれども、現在の漁場といたしましては、それが伊豆の西岸の戸田から安良里漁港にかけてシラス、イワシをとっておりますし、また清水港付近でイワシをとっておりますし、サクラエビは焼津付近でとっておりますし、さらに焼津と安良里の漁港とを結ぶ線でエビ、シラス、アジ、サバ等をとっておるということで、田子の浦付近における漁獲というのはこれは非常に減った、あるいは港の出口その他では皆無になったということは、これはそのとおりでございます。
○足鹿覺君 これは静岡水産試験場の漁場の変動を示すものが私の手元に資料としてありますが、先ほども言いましたように、富士市富士川の辺からかけまして大きくゆるいカーブでもって沼津市のやや西寄りのところにかけて、旧漁場のイワシ、アジ、シラス、サバは壊滅したといっております。そして焼津市沖合いから安倍川、これを長楕円形にサクラエビの新漁場が開発されておる。さらにエビ、アジ、サバ、シラス等ははるかに焼津市と田子漁港の中間あたりに新漁場ができておる。シラス、イワシは、内浦のハマチ養殖の被害があらわれたところがら西へ向かって突端があり、その突端から田子港、松崎あたりの沿岸に新しく漁場を求めた。明らかに漁場の拡大によるトータルであります。なぜこのような正確な資料に基づいて御答弁なさらないのか。
○政府委員(大和田啓気君) 私が申し上げましたのも静岡県の水産試験場の資料でございまして、先生が言われたことと全く同じでございます。
○足鹿覺君 なぜ最初からそうおっしゃらないのですか。あなたは被害はないとおっしゃったのじゃないですか。そう甚大な壊滅的な被害はないとおっしゃったじゃないですか。冷水塊だとおっしゃったが、冷水塊はどの定点において御調査になったのですか。はっきりおっしゃい。技術員もおるでしょうが。水産庁ともあろうものが、定点も定めず、その定点における水質、海底の状況も見、ずして、冷水塊のばく然たる被害とは何を根拠にしておっしゃるのか。根拠をおっしゃい、根拠を、技術的な。
○政府委員(大和田啓気君) 漁場に冷水塊があります場合に漁獲高が減るということは、これはきわめて明白なことであります。
○足鹿覺君 そんなしろうとに言うようなことを言うな。どういう方法でやったかというのだ。
○政府委員(大和田啓気君) したがって定点調査ということは私どもいたしておりません。したがいまして、冷水塊によってどれだけの被害があったということも申し上げておらないわけで、先ほどから言っておりますことは、田子の浦のヘドロで田子の浦付近の漁場は壊滅したけれども、しかし漁場は変化して、それによってかくかくの収量がある。四十年に比べまして四十四年ないし四十五年は相当の滅産でございますけれども、しかしそれにいたしましてもかなりの漁獲高がある。田子の浦のヘドロによる被害が、この四十年あるいは四十四年、四十五年との差のどの部分を占めるかということはなかなか申し上げられない、そういうことを申し上げておるわけでございます。
○足鹿覺君 いやしくも水産庁ともあろうものが、冷水塊による被害があるものだと断定はなさったのでしょう。だから冷水塊による被害ならば、その被害による推定はかくかくの根拠によってこの程度であろう、静岡水産試験場が言ったとおり全滅地域はある、漁場の拡大によって、漁民の努力、拡大によってかろうじて生計を維持しておると、なぜ正直に御答弁なさらないのか。先日の答弁といい、本日の答弁といい、冷水塊による被害だとあなた方は言うならば、冷水塊による推定漁獲高の減少率はどの程度とお認めになりますか。
○政府委員(大和田啓気君) 私が申し上げておりますことは、いまおっしゃったとおりのことを申し上げておるわけでございます。少しも違ったことを申し上げておるわけではございません。
○足鹿覺君 冷水塊による被害は何を根拠に言うのか。
○政府委員(大和田啓気君) 冷水塊による被害も、水産庁の技術者あるいは研究所の職員に冷水塊によるところの被害は何トンぐらいかということを調べさせましても、それは明快な回答はあるはずはございません。ただ、被害がそれによって相当あるかどうかという判断はいたすことができますけれども、数量的に何トンという判断はできません。これは冷水塊ばかりではございません。海流とかいろいろの要素によって漁場は変化いたしますから、一つだけの事実を抜き出してそれによる被害はどのくらいかという推定は、科学者といえどもなかなか発言ができないところであろうと思います。私が申し上げておりますことも、決して事実を隠しておるわけではございません。四十年に比べまして漁獲高が減ったということ、それからヘドロによって直接影響を受けている港の付近では漁獲がなくなったということ、これは全体として漁場が変化して、変化したけれどもある程度の生産が行なわれていること、いろいろな事情によって漁獲高というのは年々変動いたしますから、ヘドロによる被害がどのくらいかということは確定できません、そういうことを申し上げておるわけで、別に事実を隠しておるつもりもございません。
○足鹿覺君 いまあなたは、最初の答弁においては、冷水塊の被害もあるし、漁獲高もふえておるし、したがって明確なヘドロの被害は確定的に言えない、こうおっしゃったじゃないですか。だとするならば、冷水塊によるというはっきりとした原因を示されるならば、定点を定めて水質なり海底の状況というものを調査をして初めてそのことが言えるはずです。他の官庁ならいざ知らず、あなた方は水産庁でしょう。そういう調査なくしてばく然とさような御発言は無責任じゃありませんか。この間の次長の答弁と何ら変わるところがないじゃないですか。ないということはまことに不届きだと私は思いますが、この点をはっきり今後定めて、漁場を固定して御調査をなさい。拡大をされた漁場における現状の調査をなさい。冷水塊による調査をなさい。そして種類別の、漁場ごとの現状認識を早急にして、それに基づいてこそ初めて権威ある水産庁の発言だと私は認めます。何ですか。静岡の試験場の一片の資料をもっていかにも水産庁がやったかのごとく答弁するとは、無責任官庁のそしりを免れることはできません。将来漁場を固定して、定点の水質汚濁の状況、海底の変動の状況、潮流の状況、冷水塊の状況、そういうものを調査をし、研究をし、しかる後、先ほどの御答弁であるならば私は納得いたします。この間の次長の答弁にしんにゅうをかけた政治的答弁ではございませんか。誠意のほどを疑います。いま言ったことについて、はっきりやるかやらぬか。余分なことは要りません。定点を定め、その漁場を定め、種類別、原因別漁獲高の調査をするかしないか、それを御答弁なさい。
○政府委員(大和田啓気君) よけいなことを申し上げて恐縮でございますけれども、漁獲高がふえたというようなことは私申し上げておりません。
○足鹿覺君 言ったじゃないか、さっき。
○政府委員(大和田啓気君) これは申し上げておりません。四十年に比べて四十四年、四十五年が減っておるということを申し上げておるわけで、私は申し上げておりません。 それで、実は田子の浦のこの問題を契機にいたしまして、私ども事態がここまできますとなかなか問題がむずかしゅうございますので、全国の漁場で多少でも危惧の持てる漁場につきましては、去年の九月に漁場の一斉点検をやりまして、まだ十分結果は出ておりませんけれども、それによって各地の漁業公害について関係各省とも連絡をとりながら有効な策を講ずるつもりでございまして、前の委員会で次長が答弁いたしましたときに、水産庁としては漁業公害に対して何もやっておらぬではないかという御趣旨のおしかりがあったと聞いておりますけれども、それは私どもといたしましては、公害問題というのは沿岸漁業にとって非常に大きな問題でございますから、一生懸命公害問題に取り組んでいるということをこの機会に申し上げておきたいと思います。
○足鹿覺君 まことにのんびりした話であります。あなた方が出しておられる「漁業生産諸条件の変化」について、三十八年度の漁業白書、四十一年度の漁業白書、さらに四十五年度の白書においてようやく本格的に漁業条件の変化に対して調査を始めておる。四十一年までは軽く何らなすところがない。ただその二六ページに「都市下水等のために汚濁される度合いが強められており、一方埋立て等もすすめられている。四十年における工場、事業場等に関する被害は水産庁調査によれば、発生件数五百六、被害金額は七十四億円に達している。」云々と、わずか四、五行で終わらしておる。そうして四十五年白書において、初めて沿岸及び内水面漁業についての調査をし、公害が沿岸漁業に及ぼす影響の調査を始めたにすぎない。それまでは無為無策でおったにすぎないじゃないですか。沿岸漁業等振興法をつくったのはいまから約七年か八年前ですよ。私は当時衆議院でこの調査に当たり、現状をつぶさに調査し、よりよき沿岸漁業等振興法をつくるためにやりました。それに規定されておる事業については、少なくとも農業構造改善事業のいわゆる漁業版であり、それより常に二年ないし三年おくれておる。まことに手ぬるいじゃありませんか。しかも最近に至って、香川県、愛媛県の燧灘における製紙工場関係の被害は第二の駿河湾事件を起こそうとしておる。北海道においては苫小牧地区、白老町、青森県においては八戸宮城県においては石巻、福島県においては松川浦、富山県においては富山市、新湊市伏木港、高岡市、福井県の三国港、これらのものもすべて製紙工場関係の被害である。さらに高知県の浦戸湾、大分県の佐伯湾、熊本県の八代海、宮崎県の凡田浜、鹿児島湾等、すべて製紙企業による汚濁関係はすでに以前より明らかじゃありませんか。何をあなた方はなさっておるのですか。 沿岸漁業等振興法とは一体何をするものでありますか。漁民が非常な努力を払って生計を維持するために漁場をみずから開発したにすぎない。あなた方がそれに対して何らの指導も加えておらない。漁民は、漁業に生きる漁民として生計を維持するために涙をのんで自分で漁場の拡大をしたにすぎない。あなた方自身が何を一体漁民のためにやりましたか。やったら、具体的にそのことを示しなさい。何をやっておりますか、具体的に言いたまえ。
○政府委員(大和田啓気君) 公害問題に対する水産行政の取り組み方が従来不十分でありましたことは、私もそのとおりと思います。したがいまして、昨年の暮れに公害国会で公害諸法律ができましたし、私どもも今回御審議をわずらわしております海洋水産資源開発促進法で、沿岸の増養殖をはかるために開発区域を設定して、そこで他産業との調整をはかるという、そういう法制もつくっておるわけであります。ただ、いままで何もしていなかったではないかということにつきましては、私どもそう自慢することは決してございませんが、たとえば漁場の汚濁、汚染状態をいち早くキャッチするための自動観測装置、あるいは問題のある漁場についての環境保全基礎調査等々を四十三年度から始めておるわけでございます。それから、漁民に対して何を水産庁はやったかというおしかりでございますけれども、私ども、三十七年度から沿岸漁業構造改善事業を進めて、四十六年度で大体終わり、四十六年度から追っかけて相当大規模で第二次の事業を始めようとしておりますし、また沿岸漁民のための漁港整備というものにも、いままでも相当力を入れておりましたし、特に四十四年度から第四次計画で相当な力を入れております。そうしてこれを予算の面で申し上げますれば、大体水産庁の予算というのは沿岸漁業関係が大部分でございますけれども、従来ずっと長いこと二百億台でございましたのが、四十四年度において初めて三百三十三億になり、四十五年度に四百五億になり、四十六年度で初めて五百億の大台をこえて五百一億ということになりまして、私ども、沿岸漁業の振興のためには、財政的にもまた法制的にも、ここ二、三年大いにやろうという気組みで仕事を進めておるわけでございます。
○足鹿覺君 具体的に、ではこれだけの、いま私が指摘したように、すでに駿河湾の二の舞いを演じようという燧灘をはじめ、全国十数ヵ所においてその危険性のある地域漁民の保護なり今後の新しい漁場の確保なり、あるいは漁業センターの稚魚の養殖なり、かわるべき対策を、具体的に何をやっていますか。公害関係が依然として起き、起きんとしておるところに対して、漁業構造の改善事業について何をやっていますか、はっきり明示してください。そういう一般的な数字で事をごまかそうとしても許しません。
○政府委員(大和田啓気君) 具体的に漁場が公害で痛めつけられております場合に、まず県の水産試験場から農林省の関係水産試験研究所に相談がございまして、その原因の究明やら被害の実態やらを調べることが第一でございます。それから第一次の構造改善事業で、東北等にも相当養殖の施設をやっておるわけでございまして、大体十ヵ年間で四、五百億の事業費を投じて構造改善をやったわけで、第一次の事業といたしましては比較的流通加工関係に力が入っておって、増養殖関係ではそれほど大きな金を使っておりませんけれども、第二次構造改善事業におきましては、流通加工よりもむしろ生産に重点を置いて、増養殖あるいは漁場の改良復旧ということに重点を定めて事業を進めていくつもりであります。
○足鹿覺君 いま私が指摘した、現に起きておる駿河湾由比市を中心とする漁民の苦境、いまこれに準ずる大きな問題化しようとする燧灘その他十数県をあげた地域に対して、どのような対策を講じておられますか、また講じようとしておりますか、それを聞いておるのです。
○政府委員(大和田啓気君) 田子の浦の問題は、実は昨年から漁連その他漁民の問題といたしまして、まずヘドロの給源をとめてほしいということを第一に漁民の運動として言っておるわけでございます。私ども、なかなかむずかしい問題でございますけれども、総理府その他関係官庁ともその点についてお話し合いをして、それをまず重点といたしておるわけでございます。 それから、燧灘につきましては、先ほど申し上げましたように、昨年、漁場の一斉点検の一つとして取り上げまして、香川県と愛媛県とで相当見解が分かれておりますので、南西海区の水産研究所が仲に入りまして、現在事態の究明に当たっておるというのが現状でございます。すぐそれぞれの漁場について具体的に漁場復旧の仕事を進めるということをいままで着手しておるわけではございませんけれども、多少の予算は、四十六年度の予算といたしまして漁場復旧にも計上いたしておりますし、さらに昨年の十二月に通りました負担関係の法律に沿うて今後も漁場復旧の仕事を進めていきたいと、そういうふうに考えております。
○足鹿覺君 先般委員長が、具体的な私の質問に対して答弁かないために、委員長みずから——私は黙っておりましたが、委員長みずからがどうするのかと、具体的な政策を示せと御指摘になったことをあなたは報告を受けておりますか。本日出てくるからには、かくかくの調査の結果かくかくのことをやろうとしておるという程度の御答弁のない限り——きょうの御答弁は調査一点ばりで何ら具体策がない。——水産庁の存在理由なし。おやめなさい、そういうことなら。
○政府委員(大和田啓気君) 私が申し上げておりますのは、何としても調査が先行いたすわけで、漁場復旧事業を今後進めていくということを申しげておるわけであります。
○足鹿覺君 今後、現状を悪くしない対策は一体どうするのか、当面。あなたは漁民運動を指導するような意味のことをいま言いましたが、水産庁がこの問題をやったのではない。海洋投棄の問題が起きたときには、ここに山中長官もおいでになりますが、静岡県当局と山中長官との間にやむを得ずとして海洋投棄の問題が踏み切られた。その結果、漁民が、しかも大型な近海漁業でありますから、資力もあり能力もありますから、あれだけの抵抗運動をやった。あなた方の指導でも、あなた方の調査の結果でもありませんよ。漁民みずからの力によってやった。漁業団体みずからの力によってやったんだから。水産庁はそれに何をしたか。拱手傍観しておったじゃないですか。沿岸漁業に対して現状より悪くしないということについて、他の官庁はいざ知らず、災害本部長に聞けば、他官庁との関係があってなかなか容易に解決いたしませんと。もっともでしょう。公害対策本部長といえども、わずかな人数で、災害対策本部と同じように何ができますか。要は水産庁がどのような責任感を持ち、どのような漁民に対する愛情を持ち、どうしてその人々の生計と日本の沿岸漁業を守り抜くかという決意と具体策がないから、今日の始末を現出しているんじゃないですか。では伺いますが、あなた方が関係企業に対して申し入れをしたことがありますか。最小限度に食いとめるために水産庁として努力したと言うが、どういう努力をしましたか、具体的におっしゃい。
○政府委員(大和田啓気君) 先ほど申し上げました全国の漁場一斉点検も……。
○足鹿覺君 点検等は、そんなことは問題でないよ。
○政府委員(大和田啓気君) 漁場の状態がこれよりも悪くならないようにしようという趣旨でございます。田子の浦につきましても、当然ヘドロの堆積をうながすようなことをやめてほしいということで、各省関係にはずいぶん言っておりますことで、これは直接水産庁が企業に対してどうこう言うという筋でもございませんが、各省関係の会議におきましては、私どもこれ以上事態を悪化させないようにしてほしいと、またこれ以上事態を悪化させないことが一番最良の策でございますから、その線に沿うて各省関係の話を進めておるわけでございます。
○足鹿覺君 農林省設置法第七十三条によれば、水産庁の任務として、先ほど申し上げましたが、「水産資源の保護培養、漁業調整、水産物の生産、流通及び消費の増進、改善及び調整その他水産業の発達改善に関する事務を行なうことを主たる任務とする。」とありますが、何も具体的なことをやってない。ただ調査をして、それだけで、これだけの公害問題が起こっているときに事が済みますか。この本日発売された週刊誌の、由比の浜の漁民が真夜中に——赤くなっておりますのは、これは汚物であります。この中に死んだカタクチイワシが点々とあるにすぎない。これを解決するために、漁民はみずから船団を組んで漁場を拡大しておるではありませんか。あなた方はこの生業を奪われた漁民に対して低利融資でもしましたか。金利補給でも漁船建造に対してしましたか。何をやったと言うのですか。これは私は水産庁の怠慢であると言うのです。何をやろうとしているのですか。
○政府委員(大和田啓気君) 私は、田子の浦に限らず、類似の問題に対しましては、とにかく各省協力して、これ以上漁場を悪化することのないように、公害関係法案の適正な運用をするということ、さらに、水産庁の役割りとしてはなかなかむずかしい面もございますけれども、相当大がかりに漁場の復旧事業をやるということであろうと思います。そういうつもりで現在行政を進めておるわけで、四十六年度の予算においても若干の費用を計上いたしております。 それから田子の浦の問題に限定をいたしまして、別に私ども金融措置を講じておるわけではございませんけれども、沿岸漁民のために四十四年度から漁業近代化資金という制度を打ち出しまして、これは農業近代化資金と大体同じで、政府と県とで利子補給をして、六分で漁民に金を貸すということでございますが、四十四年度百億、四十五年度二百五十億、四十六年度三百五十億というふうに、相当大量な資金を漁民の経営安定のために使ってもらえるような措置を講じておるわけでございます。
○足鹿覺君 先日委員長は、具体的な事例をあげて、たとえば新しい漁場の開発のためには大型漁船を投入するとか、あるいは養殖漁業の開始をするための資金の融通とか、技術開発とか、具体的な政策を述べてしかるべきではないかと、あまりの答弁に委員長みずからが、漁業に精通しておられる関係上注意なすった。しかるにもかかわらず、本日の私の質問に対しても同じことを君は繰り返している。次長の答弁と同じである。長官がそういう考え方であるから、次長に至っては何ら能力がありません。本日の私が言っているように、漁場の、固定した漁場におけるそれぞれの水質、海底の状況等の状態を調べ、これに対して新しい漁場を開発し、そのための漁礁の設置、あるいはその他それに要する資金、技術の開発、その他具体的な対策を講じて、初めて水産庁の存在価値があるでしょう。調査に日が暮れておって、今日漁民の受けた被害は、漁民みずからがみずからの努力によって回復しておるにすぎない。水産庁は調査機構ではありますまい。事業実施庁でありましょう。しかるに、重点的な施策をも講ぜずに、ただ漁業近代化資金を増ワクしたとか、あるいは第二次構造改善事業を計画してとか、予算が少しふえたとか、そういうことでは答弁になりません。あなたは冷水塊の問題をみずから言いましたから言いますが、今後漁場の面積を拡大することに対し、定点を定めて水質の調査をし、海底の状態を調査して、そのときどきに即応する対策を講ずるかどうか。それに基づいて、いま指摘したような、最も適切妥当な新しい漁場の確保、漁民の生活保全のために従来欠くるところがあったと、今後努力をするという答弁のない限り、断固私は承服しません。いままでの答弁は抜け道ばかりであります。そういう抽象的なことでは、この公害問題に対して悩んでおる漁民の期待にこたえる水産庁でありません。遺憾であったと、今後はあらためて努力いたしますと、このような答弁のない限り断じて私は許しません。何ですか、この答弁は。
○政府委員(大和田啓気君) 田子の浦の問題を具体的に申し上げますと、まず公害の根元をとめるということは、漁民にとっても最大の課題でございます。とにかく漁場は変化をいたしておりますけれども、かなりの漁獲量もございますし、サクラエビ等は現実の問題として相当な値上がりをいたしているわけでございますから、私は、田子の浦関係の漁民のための振興策については今後十分研究をし、また実施に移すつもりでございますけれども、いままでのところ、漁民の関心としては、まず公害の根元を押えてくれということでございます。水産庁の予算も、先ほど申し上げましたように相当大規模のものになりまして、いろんな施策がわりあい潤沢にできるようになっておりますので、田子の浦の問題、その他具体的な問題につきまして十分検討し、漁民の期待にこたえるつもりでおります。
○足鹿覺君 過去を反省し、過去の対策が手抜かりであったことに対して反省し、遺憾の意を表明して、今後に備えるという御言明がない限り、私はいままでのを誠意ある答弁と認めません。
○政府委員(大和田啓気君) 私ども、公害対策といたしましては、昨年も公害関係法律が成立いたしましたときに、山中長官からもお話があったわけでございますけれども、その取り組み方が十分でなかったと思います。また、そのために、昨年成立いたしました公害法律あるいは現在国会で御審議をわずらわしております新しい法律制度によって、私どもは公害関係の問題に大いに真正面から取り組む覚悟をいたしておるわけであります。 ただ、田子の浦の問題につきましては、漁民の関心も、また漁民の要望も、水産庁に対してどういう振興策を講じてくれということではなくて、むしろ現在の公害の根をとめるようにしてくれということでございまして、私どもその線に沿うて十分の、十分といいますか、懸命の努力をいたしてきたわけでございます。田子の浦関係の漁民に対して沿岸漁業の振興策をどういうようにするかということは、今後漁民の意向あるいは希望等もあわせ考えて十分の措置を講ずるつもりでございます。
○足鹿覺君 私はただいまの答弁に満足いたしません。あなたは少なくとも長官とあれば政治家でしょう。ただ単なる一事務官僚ではないでしょう。率直に非は非として認め、今後に備えるなら備えるという勇気ある答弁をなさると私は期待しておりましたが、いまもってそれを拒否されるならば、それでよろしい。御退席願ってけっこうです。農林大臣にこの次聞きましょう。
○国務大臣(山中貞則君) 足鹿委員もこのままではあと味も悪いでしょうから、したがって、対策本部として、やはり水産動植物に対する公害対策という観点からの視野が今日までなかったという点が、私ども各省の公害行政を点検いたしまする際に遺憾といたしました一つでございます。そこで、今後水産動植物に与える影響というものを新しく公害政策の中の一つの問題点として提起いたしましたし、基本法においても、単なる水の状態ばかりでなくて、将来の予想される原子力発電所の温熱排水等にも事前に手を打つべく措置もいたしておりますので、今後、漁民にとっては直ちにその対策ができるかできないかは死活の問題でもありますから、でありますので、今後の水産行政が公害政策の上の盲点にならないように十分担当大臣としても各省と連絡し、ことに水産庁の行政について点検、督励をいたしてまいるつもりでございます。
○足鹿覺君 水産庁長官はお引き取りください。帰って調査なさい、一生懸命。 長官は時間がないようでありますので、急いでお尋ねをいたしますが、いまお聞きのような御答弁で、さすが黙っておれなくて、ただいま補足という形でありますが、所信を述べていただきましたので、また別の機会にこの漁業問題についてはさらに質問いたします。 けさの新聞紙によりますと、きのうですか、富士川河川敷に対するヘドロの埋め立てが開始された。企業者が約七億円、その他政府補助等八億二千万円で計画をされた。埋め立て住民との覚え書きは四月末日となっておると聞いておりますが、といたしますと、その目標の十分の一もやれないうちにすでに日子がたってしまった。伝え聞くところによりますと、地元は延長を認めない、かような態度であると聞いております。もともと、その第一何丸ですか、ヘドロ輸送船は、外洋投棄のために改造されたものだと聞いておる。それを固執されて、それで一たんヘドロをくみ上げて、これに対して輸送管をつけて富士川河口に捨てると、ところが竣工直後においてケーソンにぶち当てて大きな穴があいた。したがって、その修復に手間どった、こういうことが累積をして、結局今日の現状を招いた。これに対して、けさの新聞の伝えるところによれば、きのうはきわめて好天気であり、気温も本年最高であったと伝えており、ある新聞のごときは、付近に中学校がある。メタンガス等の発生のためでありましょうか、すでに生徒たちが、目が痛い、こういうことを言い出したと聞いております。なおこの上、五月にわたってもこのようなことを御継続になったならば、事態は気温の上昇とともにいかなる状態が起きるかが案ぜられます。一体、住民との覚え書きの期限更新の自信がありますか。地元は認めないと言っておる。県もお手あげの状態だ。総務長官も、先日竹山知事が何回も訪問されたけれども、会うことができなかった、こういう御答弁であります。いかように今後対処なさる御所存でありますか。 問題は、船に固執をされ、今日の事態を招来したことはもはや明瞭であろうと思います。一時これを打ち切り、新たなる構想に基づいてこれをやられることが一つ。いま一つは、先日の委員会でも申し上げましたように、昭和四十八年完工の岳南排水路を一年工期を繰り上げて完工し、そうしてどうにも始末がつかぬ地帯はシャットして、これ以上公害の拡散を防止する方法か——他に方法はないでありましょう。少なくとも七億の、企業者が金を出した中には中小企業も含まれておると聞いております。相当の負担であったと思う。それが当面の糊塗策として講じられたこの富士川河畔もこの始末であります。一体、一貫した抜本的対策がないからこういうことになるのではありませんか。その点をとくと御勘考の上、なお覚え書きの更新をして進められる御所存であるのか、この時点においては新しい立場に立ってこの問題を最小限度に食いとめる対策を持っておられるのか、お急ぎのようでありますので、一括して伺いますので、誠意ある、そして一つの信念に基づいた具体策を承りたい。
○国務大臣(山中貞則君) これはまず、国が直接実施する事業という形を最初からとっておりませんので、公害対策本部が発足いたしましてすぐ、まず典型的なケースとして田子の浦を処理しようということで、竹山知事に来てもらったわけであります。先ほど、何回も来られて私がお会いできなかったというのは、私が申し上げたのは、一回だけ、お出になったけれども、私として委員会のためにお会いできなかったことがある、最近のできごとでありますが、そう申し上げたわけでありますが、連絡を十分とっておりますけれども、まずこれは県のほうで、原則的に企業負担という財源措置においてやっていこう。今日までは田子の浦港の港湾に関する港湾工事附帯のしゅんせつでやってこられたので、何とか悪化をある程度鈍化せしめていたけれども、港湾の完成に伴ってしゅんせつそのものが単独の予算が必要になってきたということから、私どもが相談にあずかったわけであります。そのとき——知事が上京してまいりましたときに、すでに外洋投棄のための二隻の船舶についての改造を発注しておられた段階でございまして、私は当初から一貫して、水産動植物については、私自身も政治家としての姿勢においてそれを擁護する立場をいままで歩いておりますので、最初から反対でございましたので、地図を広げて陸上処理ということを強く主張したのでありますけれども、しかしながらその点は、県知事の方針ということに対して国には財源的な応援をしてほしいということでございましたので、しかし、それは企業負担が原則である、一方、県においては、一億二千万はある、残りについて何か措置できないかということでありましたから、今日までの財政法あるいは起債等の前例ではとても解釈できない、拡大解釈の特例として、県並びに富士市で転貸して民間企業の償還、こういう形において起債を起こすという措置をとったわけであります。そのために海洋投棄というものが、先ほどお話しの、水産庁長官との間になされましたように、漁民自体も全国的な規模において黒潮の及ぼす影響等から反対が高まりましたので、知事も断念をされまして、港内の貯木場等を中心とする港内移動という構想も持って来られました。これもしかしながら幾ばくもなしに地域住民の反対があって消えました。そうして最終的に、ただいま言われた富士川河川敷に建設省の許可を得た投棄処理をするという案に落ちついたわけであります。 その意味においては二転、三転したことも事実でありますし、またその処理のしかたについて、はたしてそれで三十万トンを処理してみても、残りはまだ六、七十万トンあるではないか、あるいは契約に四月一ぱいということで住民の了解を取りつけていて、それでいて処理できる量は、現実に今日の時点においてはごくわずかなものではないかというような、いつになったら見通しがつくのかという疑問がなおさらに現在でも残っていることを私も遺憾に思うわけであります。しかしながら、やはりこれは知事さんの、公害の問題に対する今後のやはり第一義的な権限も付与しましたし、知事の意向というものを最大限に尊重いたしてまいりたいと思いますが、現時点からの問題としては、田子の浦のヘドロを河川敷に捨てまする際の周辺の住民との話し合いの四月末というのは、県庁の意向によれば、何とか建設省の許可一ぱいの五月一ぱいぐらいにできるように交渉をしたいということを言っておられますので、本部が乗り出すようなことをしないというので、地域の方方の了解事項として私どもはその成功を待っておるということでありますが、けさの一部の新聞の報道による富士市立南中学校の生徒の百名余りが目やのどの痛みを訴えたという記事については、私もたいへん心配をいたしました。ただ、専門的に、これは静岡県のほうもそう申しておる者がおりますが、あれだけの距離のもとに、伝えられるような健康上の障害が起こったと仮定すれば、五〇PPMの硫化水素ガスというものがその現地に存在したことになる。しかしながら、現実には船の上で作業をしておる作業員の諸君は、〇・三PPMの段階においてこの作業は打ち切るという基準がありますが、何ら、そのような硫化水素ガスの発生というものによる異変なり何なりは、作業員についてはそういうことはなかった。ただ、静岡県の、まだ中間報告でありますが、これは亜硫酸ガスの影響ではなかろうかという一応の中間報告がまいっておりますから、これはもう少し検討をいたしますが、少なくともいまやっております二転三転したあとであっても、最終的と思われる手段が、地域住民に、先般も足鹿委員が警告されましたように二次公害を起こす、ましてや子供たちにそのようなことが起こったようなことが、これが富士川河川敷に第一次処理として集積されたものの蒸発によるものであるとするならば、これはやはり人の健康にかえられないことでありますから、直ちに再検討しなければならぬと思いますが、この点はきのうのきょうのことでありますので、具体的な事実としてもう少し客観的に調査した上で判断をいたしたいと思いますけれども、このような場合においては、これは国もおやめなさいということを言わざるを得ないと思いますが、しかし、先般報告いたしました大企業十九工場のうち、九工場というものが四月末までに公害防止の施設が完成するという報告にとどめたわけでありますが、その後さらに詳細詰めまして、残りの工場も六月三十日までには全部完成させるということが大体確定的に予想されるようであります。さらに、中小企業で百十一の工場と申しましたが、さらに県のほうで百四十工場の指導を、たとえば簡易貯水ろ過、そういうものを含めていたしておるようでございますので、大体ことしの六月ごろになりますか、六月末に製紙のSSについては全体として六六%排水そのものの中でカットされていく。さらに四十八年の四月、これは先ほどの岳南排水路の終末処理の完成時期との関連がありますので、これまでまいりますと八二%カットできるという見通しであります。 そこで、いまの岳南排水路の年次計画というものをもう少し短縮できないかという点については、幸いにして建設大臣と二度も一緒にすわって御意見を承っておるわけでございますから、この処理について今後よく相談をいたしまして、その処理能力が年度を短縮できて早目に完成できるものであるならば、先ほど来の漁民の諸君の願いである、まず発生源を押えてほしいという要望にも、ことに中小企業の集積する岳南排水路でありますから、沿い得る道も一つでございますので、十分検討いたしてまいりたいと考える次第でございます。
○足鹿覺君 もう一問だけ。今朝発売されました、これは権威ある週刊誌であります。それによりますと、こういう指摘があるのです。念のために申し上げる。長官もあとでお読みください。操短の問題なんですが、先日私が当委員会で指摘しました昨年九月九日の衆議院産業公害対策特別委員会において、大昭和製紙社長は参考人として、みずから二割ないし八割の操短または減産をいたしますと、こう言明しておるのですね。ところがこの週刊誌によりますと、「昨年八月、富士市公害対策市民協議会など十八団体は、ヘドロ公害で竹山祐太郎静岡県知事、斎藤了英大昭和製紙社長ら九人を告発していた。が、このヘドロ告発事件は、四月十二日、静岡地検で不起訴処分と決定した。公害という犯罪をあばくのは容易なことではない。」、次に、大事なところは、カッコして、「大昭和のある幹部が「駿河湾はいまさら、十八の生娘には戻らない」といった。これを聞いた漁師は歯ぎしりをして「そんなら、わしらがそいつの娘を犯しといて、生娘にゃあ戻らねえだといったらどうだ。わかりましたちゅって引下がるだか」といった」と、かような漁民の悲痛な叫びが載っております。 したがって、この雑誌も巷間にあるような一部のいかがわしいものと違いまして、われわれは信頼していいと思っておりますが、操短の問題について漁民と県のやりとりでは、「漁民 昨年の九月から、企業は二〇%操短しているというが、事実か。県 操短という意味だが、SS(浮遊物)を二〇〜三〇%カットしているということだ。」、こう逃げておる。「漁民 ということは、機械は止めていないという意味か。県 機械も一部止めている。漁民 昨年の八月以降、紙の生産高はふえている。機械を一部止めて、生産高がふえるのはどういうわけか。」と突っ込んでいます。「県 機械が一部止ったのは確認している。それにSSはカットされているし……。」とあとにごしている。漁民は突っ込んで「操短とは、百の生産高が八十になることだろう。それが百二十にふえている。機械を止めてなぜ紙がふえるのか。」と追求している。「県 ……もう一度当ってみないと、よくわからない……。漁民 無責任じゃないか。春漁場にエビがいないのは、汚水のためだとわれわれは考えている。県もそう発表すべきだ。県 十分調査しないと、うかつにはいえない。ことしは冷水塊の影響も考えられる。」と水産庁と同じことを言っている。全く「県庁のノラクラ説明に押問答」という見出しのとおりです。「漁民 冷水塊、冷水塊というが、われわれの長年の体験からいうと納得できない。もし冷水塊なら、エビはそれを避けて湾のどこかに密集しているはずだ。それなのにどこにもいない。県こちらのいっている冷水塊は、そういう意味ではない。遠州灘を中心とした冷水塊のため、湾の中の潮の流れが変った、という意味だ。」、こう言っておる。水産庁の長官にこの雑誌を読んでおけと私は言っておきましたが、読んでこなかったらしい。「漁民 われわれは水温を計っている。エビのいる大井川の方でも十四度、田子の沖でも同じ十四度だ。ニヤ潮のとき、由比港の前まで臭い水が来ている現実をどう見ているのか。それで冷水塊などと新聞発表する。圧力がかかっているとしか思えない。県圧力はかかっていない。」という押し問答が載っておるのですね。 そこで最後に、二〇%にしろ冷水塊にしろ、こういうことで漁民たちが納得するはずは私はないと思います。いつまでも静岡県、静岡県とおっしゃらないで、いま長官が決意の一端を述べられましたが、もっと政府の立場に立って、このわが国でも代表的なヘドロ公害、世界的にもヘドロヘドロで宣伝をされたこの汚名をすみやかに挽回するために、岳南排水路の早期完工のために十分検討するという御言明がありましたので、これ以上申し上げませんが、企業の、いやしくも衆議院産業公害対策特別委員会においてみずから二〇ないし八〇の操短または減産をすると言いながら、こういうことを言うことは許されません。要するに「市況をにらみながら、しばしば三台の機械のうち一台を止める。そういう企業側の事情による日常的な事態を、あたかも自己規制や大きな犠牲のように公言するのは、最も悪質な欺瞞である。」、かように漁民は言っております。この漁民の声は私は天の声だと思う。その自分たちの苦悩と生活の中からにじみ出た悲痛な声だと思う。この声にこたえるべく大昭和製紙の社長が昨年九月九日の産業公害対策特別委員会でみずから自発的に言ったことに対して、もっと政府は責任を持って追及をしていただきたい。それが少なくとも最小限度に被害を少なく食いとめることにほかならないと思います。このことについて御所見と御信念のほどを承りたい。
○国務大臣(山中貞則君) この間、私はそういう御意見を承りまして、足鹿委員は、速記録をごらんになっての発言であろうから間違いないことであろうということを申し上げたつもりでありますが、その後私のほうも速記録を調べましたところ、操短については二割ということは言っておりますが、八割というのはどこにも実は速記録としては出てきておりません。その意味で、国会において参考人として最高の立法府において証言に近い意見を述べたことを実行していないということとは、少しく事実関係において相違があるようでございます。しかしながら、少なくとも社会的に周辺地区の人たちと遊離して企業のみが存在できないということは当然のことでありますし、田子の浦でも企業側が誠意を見せないで推移するならば、おそらく漁民の人たちは排水口を直接自分たちの実力行使で封鎖するくらいのことをやるだけの追い詰められた気持ちに立っておった時期も私はあったと思いますし、これからもそういう不正な態度であれば、これは法治国家における限度もありましょうけれども、企業そのものが事実上操業できなくなる事態に、地域周辺社会の住民の生活権の立場から追い込まれていくであろうことは必至であろうと私は思うわけです。 そこで、どのような発言をしたかどうかの事実の問題は、これは論外のことでありますから、要するに一番の大手である大昭和製紙の社長のことば、あるいはその気持ちというものがその後、まあ適当にやっておけばいい、時がたてば何とかなるであろうという気持ちならば、これは政府のほうに法的な権限がなくとも、少なくとも通産行政なり公害行政の私たちの最高の立場の責任において、その企業に対してとるべき手段というものは、強硬な手段はほかにもあり得るものと考えます。命令による工場の操業停止とか何割操短とかいうことがかりにむずかしくとも、これはあらゆる行政上の問題として企業に対して八方からその自粛を促す道はあり得ると私は思うわけです。しかし、企業側においてこのような年次計画に基づいた一応の要求される基準を満たす工事は進めて、あるものは完成間近になっておるようでありますし、中小企業もまた岳南排水路にたれ流しだけではいかぬのだということで、簡易貯水あるいは沈でん、そういうものもやっておりますから、それらの中小企業を重点に私どもとしては財源的なめんどうもさらに必要ならば見たいと思います。しかし、私どもが最初措置いたしました予算の中で、その目的が達せられないままに、あるいは見方によれば、当初の外洋投棄の船舶使用ということにあるいはこだわって、そういうものが所期の効果をあげないでいくということは、これは金を最終的に負担される企業の側にとってもあるいは心外かもしれません。今後さらにまた負担が増加していくことは間違いのないことでありますから、そういうことも考えますときに、この田子の浦の問題は、私が政治家として責任ある地位についておりまして行ないました中で一つだけ、もし私が、もうすでに一年以上たっておりますが、一年が常識、一年で閣僚をやめていたとすれば、私にとって一番大きな政治的な失敗はこれだったなということを、公害対策本部の諸君と述懐をしたこともございます。しかし、これは私の政治家としてのマイナス、失敗ということで済む問題ではありませんので、やはり田子の浦の問題については、ただいまのようないろいろの点も念頭に置いて、さらに積極的に、ただ知事を飛び越して、もう知事は当てにならぬから、国が直接命令するということはやはり差し控えますが、知事さんともっときつい連絡をとりながら、姿勢をとり続けて、ただいまの御要望の線になるべく沿うように、そうして漁民の諸君の何といっても影響があるからこそいろんな変動が起こっておるわけでありますから、そういう原因のすみやかなる排除ということに全力を傾けていくつもりでございます。
○足鹿覺君 くどいようでありますが、先ほどの富士川河畔の覚え書きの問題について、児童の目が痛むとか、のどが痛いとか、新聞報道がありましたが、精査をしたいということで、もうその結果に基づいては覚え書きの更新ということにも関連をしてよく御検討になる、かように理解してよろしいのでありますか。
○国務大臣(山中貞則君) これは当然のことだと思います。ヘドロを処理しなければならない、港湾機能の回復あるいは二次的な漁業への影響というような問題よりも、さらに端的に人の生命、健康に対してその処理作業が影響があるという話、これはその手段がどうあと代替手段があるかないかの問題の前に、直ちにやめなければならないことであることは間違いないことでありますから、その事実を正確に調査をして、その因果関係を究明して措置をいたしたいと思います。
○足鹿覺君 建設大臣に一言だけ申し上げますが、建設省設置法の一部改正案そのものの課が部に昇格することについては、深く掘り下げて検討いたしませんでした。しかし、そのことそれ自体は私どもは異存はありません。問題は、いままでその問題にした大きな背景、課が部になったからと言って、この公害関係が解決をし、下水道関係が促進するものではありません。先日自治大臣と並んであなた方が所信を表明されましたように、下水道の建設費の三分の一ないし五分の一を受益者負担にすることについては、七年前の通達であり、現実の事態の、この緊急度合いに即応しておらない。十分検討して、その措置を講ずると、こういうことでございます。それらのことのすべて背景として、あなた方から御善処になるという御所信をあらためて御表明願えるならば、私はこの程度で質問を打ち切りたいと思いますが、最後にひとつ御所信を明らかにしていただきたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) 先日来いろいろの委員の方々の御質問に答えておりまするように、この下水道部を設けただけでこれはできないことは、御指摘のとおりでございます。したがいまして、これは財政上の裏づけも相当必要であることも事実でありまして、そのために補助率、補助対象の拡大等、今後鋭意努力しますと同時に、御指摘のように、いまの受益者負担の問題等も、現在やむを得ないところでございまするけれども、これにかわるべき、もっと合理的な制度、あるいはまた立法の措置が必要とあるならば、それをも含めて検討して、要するに地方自治体と国が一体となって、この環境のうち特に大事な水の汚濁を防止し、そうして、生活環境を向上せしめることに今後とも引き続いて努力をいたして、目的達成に近づきたいと考えておる次第でございます。
○委員長(田口長治郎君) 他に御質疑はありませんか。——別に御発言もないようでありますから、本案に対する質疑は終了したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。 なお、修正意見のある方は討論中にお述べを願います。
○安田隆明君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました建設省設置法の一部を改正する法律案について修正案を提出いたしたいと存じます。 修正案は、お手元にお配りしてございますので、それにて御承知を願うこととし、朗読は省略させていただきます。 修正の趣旨は、原案の施行期日である「四月一日」がすでに経過しておりますので、これを「公布の日」に改めようとするものであります。 右修正部分を除く原案に対しましては賛成するものでございます。
○委員長(田口長治郎君) ほかに御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決を行ないます。 まず、討論中に述べられました安田君提出の修正案を問題に供します。安田君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田口長治郎君) 全会一致と認めます。よって安田君提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されまして修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田口長治郎君) 全会一致と認めます。よって修正部分を除いた原案は可決され、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。 審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田口長治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○国務大臣(根本龍太郎君) どうもありがとうございました。長々お世話になりました。 —————————————
○委員長(田口長治郎君) 運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 参考人として、全日本航空事業連合会会長松尾静磨君、理事下村彌一君をお願いいたしております。 両参考人には御繁忙のところ、委員会に出席いただき、ありがとうございました。 それでは質疑に入りますので、よろしくお願いいたします。
○足鹿覺君 最初に参考人に伺いますが、運輸大臣もおいでになっておるようでありますので、よく私の質問をお聞きいただきまして、必要なときにはそれぞれ御所信をお述べいただきますように、あらかじめお願いをいたしておきます。 私は健康を著しく損じておりますので、すわったまま質問させていただきますが、お許しを皆さんにいただいてずっとやっておりますので、皆さんもすわったままでけっこうでありますので、どうぞ。 わが国の民間航空は最近著しくその業績をあげておることは、まことに御同慶に存ずる次第であります。しかしながら、私ども海外を旅行いたしまして、いろいろな飛行機に乗ってみまして、いろいろと感ずるところが多いのでありまして、あとで運輸大臣にお伺いをいたしますが、わが国の民間航空のあり方、また運輸省のこれに対する行政指導について伺ってみたいと思います。 私は抽象的なことは避けまして、具体的な事例について伺いますが、私は一乗客として最近非常に遺憾な事態に遭遇いたしました。すなわち、先月の三月二十七日、大阪発六時二十五分の東亜航空の一乗客としてカウンターにまいりました。ところが欠航だというのであります。「どうして欠航なんだ、欠航の原因は何か」と言っても、一向要領を得ない。責任者もおらない。十七、八歳か二十前後とおぼしき婦人が、二人カウンターにおって、「とにかくきょうはだめです」、こう言うんです。当日は大安吉日の日であったとみえまして、何十組とおぼしき新婚旅行の組がありました。わいわい言いますけれども、アナウンスもない。どういうわけで欠航になったかというアナウンスもない。また掲示、張り出し等の措置もない。何が何だかわからない。しかも、一般予約を受け付けているその婦人がこの問題に当たっておりますので、ちょっと手すきを見て、「どういうことなんだ」と言ったら、いかにもめんどうくさそうに、それはそうでしょう。一方ではわいわい予約の受け付けをやっておりますから、「エンジンの故障で欠航いたします」、「かわりの飛行機はないのか」、「ありません」、こういうことでありました。このような事態に遭遇いたしまして、天候異変でもあればわれわれもあきらめます。しかし、当日は無風快晴、何ら天候上支障はありません。他の民間航空はごう音を立てて出発しております。東亜航空に限ってこのような状態があり、しかも、乗客に対しては不親切きわまる。アナウンスもない、掲示もない、責任者が出て事情の説明もない。このような事態をどのように両御参考人は把握し、今後対処されようとお考えになっておりますか。当日の東亜航空欠航の原因、当日の私の言った取り扱いの適否等について御所見を承りたい。
○参考人(下村彌一君) 私、東亜航空の社長の下村でございます。 ただいま御指摘に相なりましたことは事実であったと思いますが、まことに不行き届きで申しわけない、深くおわび申し上げます。なお、今後こういう事態が起こりませんように、極力社員の教育、指導につとめたいと思います。
○足鹿覺君 私が述べたとおりであろうということでありますが、何か疑念があるのですか。
○参考人(下村彌一君) ございません。私、現場を見ておりませんですが、大体、いま営業部長も来ておりますが、先生のおっしゃるとおりと思って、まことに申しわけないと思っております。
○足鹿覺君 全日本航空事業連合会の松尾会長にお尋ねいたしますが、こういう状態のときに、かわりの飛行機もない、こういう状態で乗客に多大の迷惑を及ぼしたときの措置は、各社内規程によって処理されておるということでありますが、すなわち本人の意思を確かめて、旅行を取りやめて泊まる者は泊めさせる、あるいはその他本人の希望によるということのみだと聞いておりますが、お互いに相互間の民間航空で、たとえば東亜航空がそういう事態であるとするならば、全日空とか日航とかが、これにかわって運航をやる、こういうような、そういう連絡調整をやるための航空事業連合会だと私は思いますが、そのような機能はないのでありましょうか。それであってよろしいとお考えでございましょうか、伺いたい。
○参考人(松尾静磨君) 私どもはサービス業でございまして、私は数年前から連合会の会長の重責をになっておるわけでございますが、私は、この数年間、この連合会で非常に皆さんに強調してきたことは、まず、私どものサービス業として最も重大なることは、事故を起こさぬことだと、事故を、私どもは人命尊重という意味から絶対に起こさないように、お互いに技術的に協力していこうじゃないかというようなことを、数年前から私は強調を実はしてきたわけでありまして、その間この四、五年、幸いにもそういう事故は起きていない。わりあいにそういう点は皆さん業界に浸透してきたんではなかろうかと、こういうぐあいに実は思っております。 いま御指摘の、いわゆるお客さまに対するサービス、この点ではなかなか徹底していないと私自身思っております。サービスというものは、私どもは、ただ機内だけのサービスあるいはカウンターだけのサービスというだけに限定しては私は考えておりません。電話からすべて、やはりお客さまの身になってサービスをするという点を各業界、業界のまたその末端の各個人、これに徹底しないと、なかなかお客さまの御満足がいくようなサービスはできないのじゃないかというぐあいに考えるわけでございまして、しかもこのサービスが、ただ会社のいわゆるマニュアルといいますか、規程どおりにやりまして、それでお客さまが御満足なさるかというと、必ずしもそうではない。やはりそういう点では臨機応変なお客さまの身になったサービスをやる必要がある、こういうぐあいに私は考えております。そして、このサービスというものは、私は会社の自己満足は許されない。サービスのよしあしというものはお客さまが判断を下してくださるものだと、こういうぐあいな考えで私はやっておりますが、まだ、これは足鹿先生おっしゃるとおりに、なかなか徹底していないという気がいたしております。 なお、また、いま御指摘の、そういう故障で欠航した場合、各会社は予備機を大体は準備することになっておりまして、そういう予備機も、故障が一機、二機——一機でなくて二機になった場合にはないわけでありますが、そういう際、それじゃ、ほかの、私どもなり全日空が、飛行機があれば、貸してやるというようなことをやってないかというような御質問でございますが、そこまでは実は話し合いはしておりません。なお、私どもは、たとえば鳥取でございますと、飛行機自体がそういう小さいのがございませんですから……。
○足鹿覺君 伊丹からの話ですよ。
○参考人(松尾静磨君) 伊丹からどちらへですか。
○足鹿覺君 伊丹から米子へ行く途中ですよ。
○参考人(松尾静磨君) 米子においでになるときには、米子には私ども小さな飛行機はございません。
○足鹿覺君 大阪空港での話ですよ。
○参考人(松尾静磨君) ああそうですか。連合会では、そこまではまだ話し合いはしておりません。
○足鹿覺君 運輸省に伺いますが、一体、全日本航空事業連合会というものは、そういうお互いが、天候異変によらざる場合、乗客に多大の迷惑をかける、しかも、いま言ったようなサービス精神はみじんもない。そういうことに対して、どのように今後御指導なさり、そういう調整機能を果たすように対処される御所存であるか、明らかにしていただきたい。
○政府委員(内村信行君) ただいまの御質問でございますけれども、全航連というのは航空事業者の事業者団体でございます。したがいまして、お互いに同じ航空事業をやっておるものでございますから、当然、その中には連携協調ということをいたしまして、お互いに助け合っていく。片一方で欠けた点は片一方でカバーし合っていくのが当然であろうと思っております。したがいまして、私どもといたしましても、そういう方向で航空業界がやはり一つの打って一丸となっていくように指導をいたしておるわけでございます。 もう少し具体的に申しますと、先ほど民間航空のあり方と行政指導はどうかという御質問がございましたが、それに関連して御説明申し上げますが、今般、皆さん御存じのように、航空運送事業のいわゆる再編成というようなことをいたしたわけでございますが、この趣旨は、やはり非常に増してくる航空需要というものをどういうふうにしてさばいていかなければならないかということが基本でございまして、そこで、それに対応する供給力をまず増加しなければいけないわけでございます。先ほど先生おっしゃいましたように、いろいろな意味でサービスが悪い、あるいは機材が少ないというようなことも、やはり大きな需要に対して供給力が少ないということに根本的な原因があるのではなかろうかというような気もいたします。そういうことで再編成のまず第一点といたしましては、将来大きな供給力をつけるためには、やはり機材も大型化していかなければならない。そのためには大きな資金が要る。そうして、そのためにはやはり企業基盤というものを強化していかなければ安全性にもかかわってくるというようなことから、従来の会社を合併いたしまして、企業基盤を大きなしっかりしたものにしていくということが一つのねらいでございます。いまここにおられます東亜さんのほうも、現在はYSが十一機でございましたか、お持ちでございますけれども、このたびの先生に御迷惑をかけました事故におきましても、その十一機のうち、平生一機は予備にとっております。いざというときにはそれを出すようにいたしておりますが、それがあいにく事故であった。それから、もう一つ悪いことには、もう一機本来飛ぶべきものも事故であった。つまり落雷のためとかオイル漏れとか、そういうことのために事故であった。で、われわれは、最大のサービスは安全であるということを思っておりますので、絶対に安全の面から無理をしてはいけないということは常々言っております。そういうふうな安全に念を入れるのはけっこうですけれども、しかし、かといって、そのために乗客の方に迷惑をかけるのはいけないことでございまして、なぜ迷惑をかけるかといいますと、先ほど言いましたように、やはり機材の数も少ない、したがって二機だめになったらほかに出す飛行機がないというようなところにも根本的な原因がございますので、そういう点は再編成によりまして、今度はいま国内航空と東亜とは合併ということで進捗しておるわけでございますが、そういたしますと、機材の数もふえますし、パイロットの数もふえてまいる。いざというときには繰り回しがきいてまいるというふうなことから、こういった方向でもってまずサービスを上げていったらいかがだろうということが一つ。それからもう一つ、需要の多いところにつきましては、二社を競合させていったらどうだろうか。いままでは比較的需要も少ないもので、これに対して一路線一社というふうなことが大体原則になっておりました。これは幹線では別でございますけれども、そういうことでやってまいりましたので、ややもすれば独占の弊に流れて、旅客に対するサービスに欠ける点がないでもないという感じも率直に申してしておったわけでございます。したがいまして、そういう点をなくすために、合併をいたしまして、企業基盤を強化すると同時に、非常に需要の多い路線についてはダブルトラッキング、二社を入れていく、それによって適正なサービスの強化をはかっていくというふうなことをしてまいりたいというふうなことも考えておるわけでございます。 そのほかに政府のいたしますことといたしましては、空港を整備してまいりますとか、あるいは保安体制の整備をしてまいりますとか、あるいは乗員の体制を整備するとか、いろいろやらなければならぬことはございますけれども、こういったことと相まってやはりサービスというものは、一つにおきましては精神的な面も必要でございますが、サービスをしなくちゃいけないような客観的体制をつくり上げるということも必要でございますので、いま申し上げたようなことを考えながら、航空事業というもののサービスが、安全でありかつお客さまの皆さまに御納得いただけるようなサービスをしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○足鹿覺君 松尾会長にお伺いいたしますが、当日の実情は、安全第一ということをあなたはおっしゃいますが、快晴無風なんです。それを飛ばなかったんです。すべては会社側の責任なんです。たまたま私はオーバーも着ておりますし、バッジが見えておりません。また私は一乗客でありますから、何も国会議員風を吹かすことなど私は大きらいであります。したがって空港長にも会見を求めませんし、また東亜航空の責任者にも会いません。たいていの場合は、空港長なりその会社の営業所長なりの出席を求めてしかりつける、そういう人も中にはあるでしょうが、私はあまりそういうことはやりません。 一乗客として、どういう措置をなさったか、以下申し上げますが、その長い時間、約四、五十分間待たされました。何の報告もない、責任者が出て説明もしない、アナウンスもない。いよいよしびれを切らしてみんながわいわい言うから、私も前に出て、「一体どうしてくれるんだ」と、「お泊まりになりますか」、「いや、帰るんだ」、「お帰りになるならば自動車でお送りいたしましょう」、「あ、そう、自動車で米子まで帰るには約五、六時間かかると思うが、今夜の七時過ぎの会合に間に合うべく飛行機に乗る予定を立てていたんだ、全然間に合わない」と、こういう事情を言っても、責任者に何ら報告する気配もない。そのうちに、いろいろな仕事を仰せつかっておりますから、てんで手はない。そこでしびれを切らして、「一体何時間待てばいいのか」と言ったら、「四人そろうまでお待ちください」、こういうこと。四人とは一台の車に四人乗せるということです。あなた常識で判断できますか。サービスなどというものではないではありませんか。当時の東亜航空の状況は、女子職員は過労でグロッキーの状態でした、もうわいわい言われて。詰めかけて、こっちからは文句を言われ、空港長も出てこない、責任者は顔一つ見せない。こういう状態の中に私の感じたことは、一体空港長とは何をするのか、また、時の状況を判断し、いろいろ事故のあったときに乗客に説明する責任を、カウンターにおる一予約掛にまかせていいのか悪いのか、勤務体制の適否について民航のあり方を伺いたい。いまのような体制でおやりになりますかどうか。
○参考人(松尾静磨君) 足鹿先生のおっしゃるとおりでありまして、そういう際は当然支店長、責任者が出ましてお客さまに満足のいくような御意見を聞いて処置をすべきであると思います。おっしゃるとおりでございます。東亜航空の大阪でのやり方というものはサービスに非常に私は違反していると、こういうふうに感じます。
○足鹿覺君 運輸省に伺いますが、空港長はそういう場合に報告を受けないんですか。空港長というのは何をするものですか。伊丹空港はりっぱになりました。しかし、中身がなってないじゃないですか。何をあなた方は行政指導しているんですか。
○政府委員(内村信行君) 空港長と申しますのは、伊丹の場合でございますけれども、伊丹の空港全体の長といたしまして、滑走路の維持、補修でありますとか、あるいは航空管制でありますとかということについての政府のやるべきことについて、それを監督しておるというのがおもな仕事でございます。ただ、先生おっしゃいましたように、いまのような航空会社のトラブル、これについての直接の責任はございません。直接の責任は、これは航空会社の支店長とか、そういった方が客扱いその他についての問題をやるわけでございますが、しかし、かといって空港長も飛行場全体についても見ておるというふうな立場にございますので、場合によりましては、非常に空港混乱が大きいというふうなときには、これもまたそういった場面に出まして、適切な指導をするということが望ましいというふうに存じております。
○足鹿覺君 私は黙って御措置を待ったわけです。一言も抗議めいたことも言いません。待っておれと言うから待っておりました。問題は、能動的にあなた方が適切な、乗客に迷惑をかけてすみませんという一言もない、こういう原因だという掲示もない、アナウンスもない。そういうことは、一企業体の責任のみならず、空港長の訓練、指導、報告等がなってないからじゃないですか。空港長はただ単に空港の管理だけをやっていればよろしいんですか。旅客の保護、安全、その他すべて旅客あっての空港でありませんか。いまの航空局長の御答弁はあまりにも事務的であり、さような御答弁では私は満足できません。いやしくも空港長とあるからには、乗客に対するいわゆる大きな責任を負っておると思う。それは直接ではないでしょう。もう少し今後この点については御検討になる御所存がありますかどうか、明らかにしていただきたい。
○政府委員(内村信行君) 先ほど申し上げましたように、空港長というものは政府の職員でございまして、空港全体の管理に当たるというふうなものでございますから、あらゆる場合の旅客のトラブルについてこれが介入せよということではないと思います。しかし、先生おっしゃいましたように、全体の当然旅客が空港を使っておられるわけでありますから、こういった旅客の間に混乱が起こるというふうな場合には空港長も出て、しかるべき適切なアドバイスをされるということが必要だろうと思います。そういった意味で、先生の御指摘のような検討はしていると思っております。
○足鹿覺君 東亜航空の下村さんに伺いますが、当日の責任者が一ぺんも顔を見せなかった、みんなぶつぶつぶつぶつ言っておる。だれからも進んでかけ合うという者もいない。私も、私が何かいろいろなことを言えば、私の身元がわかって、私だけが何か優遇を受けるようなことは元来好みません。よほどのことがない限り身分をあかして抗議を申し込んだり、特別の待遇を受けるようなことがあっては誤解を招きますので、そういうことは自粛しております。そういう謙虚な気持ちでやっております。いわんや一般の乗客は、花嫁さんは一ぺんも飛行機に乗ったことがない、せめて飛行機に乗りたい。何たることか。これでは、いまになってどこへ行くわけにもいかない。大安吉日、旅館は満員だ。一体どういう状態であったか、当日の混雑はあなた方の御想像を絶します。そのような状態で、何かドアをあけて入っていて、そうしてやがて一時間近く待った上で、「こちらへ来い」と言う。ようやく三人までは、私と花嫁——新婚夫婦と三人であったが、「もう一人待て」と言う。やっと貿易会社の社員が松江まで行くと言う。そこでそれは女性でありましたから、私は助手台に乗り、新婚さんを正常な座席に乗せ、新婦と貿易会社の、商社の女性とを並べて、そうして相当歩いたところで何とかというタクシーに乗せられました。そうして目的地の米子市に着いたのはおよそ五時間余りたった真夜中であります。途中運転手は、国道九号線の地理に全く不案内です。私がガイドをし、「そっちへ行っちゃいかん、こっちへ行け」と、いよいよ行ったら、皆生温泉に一泊すると言う、その新婚さんは。「皆生温泉に行く道はどちらでしょう」と言うから、「こっちへ行け、」とんでもないところへ行こうとしたから、こっちへ行くのだと一々道路の案内をして、途中でのどがかわく、おなかは減る。普通の民航に乗っても湯茶くらいの接待はあるでしょう。何の用意もなしにぶち込んで、そうして旅館の案内も私はいたしました。モーテルかどっかに寄って何か飲んだらどうかと運転手は言いますけれども、早く帰らなければなりません。「あなた方も早く帰りたいでしょう」、それはそう言われれば二の句もない。そこでようやくにして皆生温泉の某旅館を私よく知っておりましたので、そこまで行きました。そうしたら貿易会社の社員は、「私は松江の大橋の下のなにわ旅館にとってある。至急に届けなければならない重大な書類があるので、どうしても行かなければならない、いい人にぶつかった」と言うから、それではこの自動車の運転手におれが行かしてやる、行くべきが当然だ、こんな時間まで遅延さしたからと、ずいぶん説得したけれども、「チケットは目的地まででございますので行けません」と言う。それで飲まず食わずで旅館に着いて、私が交渉して地元の懇意なタクシーを世話をして、そして松江へ送り届けてあげました。 一体真夜中に、しかも若い女性を途中で米子まで送ればよいという訓練をなさっておるのですか。そういう臨機応変の措置は当然あなた方の東亜航空の責任者がとるべきではありませんか。チケットを、メーターを見てみますと二万円ははるかにこえておりました。とにかく五千円か五千円余りの料金で四人詰め込めて、ぎりぎりになる計算なんですね。営利事業といえどもあるときには玉をふんどしにかえてということわざがありますが、出血をしてもサービスするのがほんとうのサービスじゃないですか。幸いにして私は国道九号線に精通しておったから早い近道を通り着いたが、おそらくあっちに迷い、こっちに迷いして行ったら夜明けまでかかったでしょう。そういう不届き千万な、誠意の一端もうかがう余地のないあり方で、いまのあなた方の社内体制はよろしいとお考えになっておりますか。そういう規程でありますか。深夜に目的地まで自動車で送ればいいと、そういう御態度でありましょうか。社内規程はどういう規定でありますか、伺いたい。
○参考人(下村彌一君) 社内におきましてもできるだけサービスをするということになっておりますけれども、そういう臨機の処置をとるということにつきましては従来指導に欠けておった、今後先生のいまのお話を承りまして、そういう非常のときには、タクシーは私の会社のものではございませんが、融通をきかしてお客さんのサービスにつとめるということで今後指導につとめたいと思います。そういういろいろなケースがありまして、そういうお客さんに迷惑をかけた場合に、タクシーでは、たとえば時間がかかっても、その料金は払うからお客さんを自宅まで送り届けるとか、目的地まで送り届けるとか、そういう臨機の処置までの指導が従来足りなかったと思います。先生の非常な詳しい御指導、御指摘がありまして、今後われわれがそういう臨機の処置、流動的な指導をするということにたいへん参考になりました。非常に御迷惑をかけましたが、今後そういうようないろいろの場合を考えまして、こまかな指導をやっていきたいと思います。先生にたいへん御迷惑をかけて申しわけありませんが……。
○足鹿覺君 私だけじゃないですよ、乗客に迷惑をかけたとおっしゃい。
○参考人(下村彌一君) 御指摘をいただきまして、たいへんその点はありがたく思っております。今後そういうこまかな点まで十分ひとつ注意したいと思います。よろしくお願いいたしたいと思います。
○上田哲君 関連。いまのお話を聞いておりまして、私はちょっと念のために伺っておきたいと思います。 そういう基準がないのかどうか。これは私は別に発言の気持ちはなかったんですけれども、具体例を申し上げておきます。いま足鹿先生がおっしゃったように、最近非常にその声が多いのです。飛行機が落ちてはたいへんだからそれが最大のサービスと言われれば、たいていのことはがまんしようということになりますが、しかし飛行機に乗るときには、ある程度電車やバスに乗るよりはサービスを受けておるという感じが最近の平均値ではありますけれども、わりとこもっておるのですが、幾つかの声がございます。私もたまたま、これは全日空でありました。ちょっと前ですが、大阪から松江へ飛んだときに米子でおろされました。米子でおろされたときにはエンジンから油が漏れている。これはたいへんなことです。大阪から危険だったけれども、やっぱりここまで来てだめだったということである。これはやっぱりかなりの時間がたってから説明がありました。おりるときには何の説明もないのですね。おりまして私どもが受けましたのは、たいへん説明が足りなかった上に、どういう措置かというと、米子からあと飛べなくなって、松江までの料金を払い戻すという、九百円くらいですか、これを払い戻すというのですよ。いま聞いてみるとびっくりするんですが、千円ばかりそこで払い戻されたって、どう考えたって間尺に合わない。それならそれで別の行き方があるわけですよ。 私はその場に出ませんでしたけれども、たまたまそのときに有名な女性流行歌手がおりましたが、公演があるのをどうしてくれるんだということを、たいへん大きな声でやったのがきっかけになって、そうしたら車が出ることになりました、流行歌手に。おこりましたね、乗客は。そんなばかなことがあるかということになったら、初めてタクシーが何台か呼ばれて、たいした距離じゃありませんから、一時間半くらいだったかと覚えているんですが、米子から松江にタクシーが幾つか班をつくりまして送ってもらいました。その金は航空会社が払われた。私は思うのですけれども、いまのお話を聞いてみてちょっとふしぎだなあと思うのですけれども、基準はないのかどうか。もし、あのとき黙っておれば千円足らずの払い戻し——これはどうも私は意味が違うと思うのですよ。その払い戻しを受けてあとは自分のお金でどうでもしなさい——ということは聞きませんでしたけれども、——ということになってしまう。いま、自宅までお送りするということをおっしゃるけれども、その場合に何か基準があるかどうかということを一ぺん聞いておきたいと思います。 ついでにひとつ、かなりそういうサービスの面でいろんな不満がありますから、一つ二つだけ申し上げておきます。今度は公平を期するためにJALの場合を言いますと、私が北海道から帰ってくるときに、羽田の上空で小一時間、下に羽田を見ながら、霧がかかっていたんですけれども、ぐるぐる回っているんです。これは不安なものです。それに全然説明がないのです。これは機内ですから一声しゃべれば何でもないんで、普通このごろは大阪まで飛ぶのでも必ず機長が「皆さんこんにちは」とあいさつされる。これはいいことだと思う。ところが、そういうときにあいさつがあってしかるべきだと思うが、説明が全然ない。私のそばにすわっていた人がスチュワーデスに聞きました、「これはどういうことだ」と。「そんなことはわかりませんよ」と言って突っ放しまして、そうしたら子供かなんかおもちゃを落としたら、そのおもちゃをけっ飛ばしまして——そうするとこういうスチュワーデスが、日ごろ非常におとなしいことになっているスチュワーデスがこういう精神状態だということは、よほどこれは危険なことになっておるのじゃないかというので、機内がしいんとしましたよ。こういうような事態もある。 ついでに申し上げれば、このごろの羽田は実にわからぬですね。これは空港長は責任ないとおっしゃるが、空港長の問題ではありませんが、羽田はわからぬですわ。待ち合い所がいろいろあったり、途中工事をやっていたからよけいだということはわかります。国際線のほうはわかりやすくなったけれども、国内線のほうはとにかく受付のカウンターがわからない。これは日本航空も全日空もそうです。私は何回かやってみたけれども、まず自分のところにお客がきたら、あっちだという言い方をする人は少ないですね。これはちょっと教えてもらわないと、時間ぎりぎり飛び込むことが多いので、ぜひひとつその辺はわかりやすくしていただきたい。そうでなければ、もっとしっかりした標識を立ててもらわないと困るだろう。 それから、日ごろふしぎでしょうがないので、もう少しついでにお伺いしておきますけれども、私どもはいつも待っていますね。何時というのが出て、どうぞということになりますと、その受付が始まる前に——東京ではわりに少ないけれども、伊丹なんというところは特に多いのですが、突如として制服を着た人がすいすいと案内して、受付が始まる前にすいっと通って行く人がある。著名な人には見えないし、外国大使というような人種ではない。何か特別なそういう連絡がついているのか、特別扱いを受けるのか。飛行機というものはどうせすわれるからそれほどトラブルが起きないけれども、国鉄で待っているという感じからいうと、ああいうのは……。新婚さんとかお子さんは前にいらっしゃいとか、病人は前にいらっしゃいということは、たいへんいいことだからけっこうだと思うのですが、屈強な人が先に行かれるようなことがある。これは意外に……。これが間もなく四千万人乗降なんという数字が出てくるということになりますと、かなりデイリーな交通機関になってくるということもある。これは参考人がお帰りになる前に関連しないと一ついでに乗せていただいたような質問なんですけれども、私なんか二、三回ぶつかった例でもそういうことがありますね。わりにそういうことがある。基準がどうなっているかなどなど、その辺を少し御説明いただきたい。
○参考人(松尾静磨君) 基準は各社できめておるのでございまして、いま基準は統一されていないと思います。私どもの日本航空での基準は、天候の場合は別でございますけれども——これは不可抗力という見方をしておりますけれども、機械の故障で目的地までお客さんをお送りすることができなかった場合は、たとえば新幹線が非常に便利な場合は新幹線の切符をお買いしてお送りする。自動車の場合には自動車代を会社で負担してお送りする。あるいは一泊どこかに泊まってあるいは翌日でよろしいとおっしゃるお客さまには泊まっていただく宿泊料を出しておる、こういうことで、私どもの会社はそういう規程でやっております。 それから羽田の上空で一時間ぐらい待たされたというお話でございますが、そのときアナウンスがなかった、これは非常な間違いでございまして、当然アナウンスをお客さまに、あるいは管制上待つということをやるべきでありまして、これは普通やっておるはずでございますが、これは非常に大きな間違いであると思います。 それからまた、スチュワーデスが妙なことばづかいをしたことも、これは非常にいけないと思います。こういう点はなお厳重にひとつ指示をしたいと思っております。 それから羽田の国内線が非常に行く道がわかりにくいというお話でございますが、御承知のとおり、あそこのビルは次々に建て増しでございまして、お説のとおり、私どももちょっとわかりにくいようになっております。非常に御迷惑をかけておると存じますが、私どもの社員のものにも、できるだけお客さまに、ひとつ指示をするなり、あるいはお間違いないような、何か標示をするなりいたしたいと存じます。そうしてまた私どもは、非常に最近お客さまを、国民の生活に密着したといいますか、非常に大衆的にだんだんなってまいりましたので、サービスはぜひ公平にやりたいと心がけておりますが、これからもそういう点には十分気をつけてサービスをいたしたい、かように考えております。
○上田哲君 紙が座席に置いてあるのがありますね、予約席というのが。値段は変わらないわけですな、国内線の場合のやつは全部。予約席というのはどういうわけですか。
○参考人(松尾静磨君) 非常に御老体で、あるいは病気の人とか、そういう際は特別に席をとってあげる……。
○上田哲君 国内航空にもVIPがあるわけですか。
○参考人(松尾静磨君) まあ若干なきにしもあらずでございます。その点はこれから十分気をつけたいと思います。どうぞあしからず。
○政府委員(内村信行君) 先ほど御指摘ございました羽田が非常に混雑してわからないというお話でございました。ただいま松尾会長からも御説明ございましたけれども、私どもといたしましても十分気をつけまして、あそこは整理その他は大体空港ビルのほうでやることになっておりますが、空港長にも話をいたしまして、ビルのほうにも連絡をとらして、十分今後改善するような方向へ持ってまいりたいと、こういうふうに考えます。
○足鹿覺君 私は別に国鉄をおだてるわけでも賛美するわけでもありませんが、私はよく国鉄を利用します。最近は東京−米子間を月に多いときは二、三回全日空を利用しております。以前は本日の天候、高度、航路アナウンスを正確に、そして天候表を図示したものを機長から、ずっと回してきました。最近は何にもありません。何をアナウンスしているか、ただ機械的にぐじゃぐじゃしゃべっておるだけで、何だかわからない。きわめて形式的で、乗客に対するサービス精神なんかみじんもありません。黙ってあめ玉を出す。どうぞとも言わない。黙ってにゅっと出す。一体ですね、サービスをモットーとするとおっしゃいますが、いまの民航の機内放送といい、いろいろなものをサービスとお心得になっておりますか、あなた方は。私どもは身分は同等でありますから、ちっとも特別な取り扱いをしていただきたいとも思っておりませんし、通常の旅客と同じように私は乗っております、いつも。昨夜説明にきたいということで、宿舎までおいでになりました、東亜航空の幹部の人が。説明を聞く必要はない。説明に来るということです。何を説明を私ども聞く必要がありますか。私は明日委員会においてお尋ねをし、注意を促し、今後の改善の実績を見ればよろしいと思っております。しかし、せっかくお見えになりましたのでお会いいたしました。先生がお乗りになりましたことに対してまことに申しわけありません、かようなごあいさつです。私は肩書きは国会に席がありますから国会議員でありますが、国会議員と搭乗券には書いてありません。一乗客です。したがって、特別のサービスを求めたりなどは絶対いたしたことはありません。 国鉄の場合は、行き違い列車が山陰線はたびたびあります、単線でありますから。そういたしますと、行き違い列車が三分か五分でもおくれれば、行き違い列車遅延のために三分ないし五分停車をいたします、「お急ぎのところまことに御迷惑でありますが、しばらくお待ちください」と、車内アナウンスをいたします、明確に。運行停止なり、あるいは到着が遅延したときには、急行列車は二時間以上の場合は全額急行料金その他を払い戻す。私は国鉄がいろいろな批判を受けておりますが、私どもの見た国鉄のサービス精神はかなり私は徹底しておると思う。それに比較して、この間のようなああいう態度が随時あると思う。何かトラブルが起きたら大騒動になりますよ。きかぬ気の者がおって声をあげれば大混乱が起きますよ。そういうときは空港長は、こういうことでいま東亜航空は欠航していると、これに対してかわりの飛行機もないと、この程度の報告はしてしかるべきだと思う。ただぼんやりとして、いすにすわっているのが空港長の任務ではありますまい。かくかくしかじかの理由によって第何便は欠航となれば、現場へ出て直接指揮なり指導をするのが私はあたりまえだと思う。そうではありませんか。ただ空港の管理をしていればいいのだと、それでは済みますまい。 いずれにせよ今後このようなことがあってはならぬと思いますが、私に対して説明なりおわびにお見えになったおつもりのようでありますが、あの際に一般乗客に、私のほかに十数台自動車を出されたそうでありますが、また航路を変更された方もあるし、宿泊をした方もあるようでありますが、その人々に対する乗客名簿はおそろえになり、迷惑をかけたことに対して何らかのごあいさつをなさいましたか。
○参考人(下村彌一君) 従来までのやり方は、御迷惑をかけたというあいさつ状は出していないわけでございます。今後そういう点もひとつ十分考えて、あいさつ状をやはり出すべきだと考えております。
○足鹿覺君 松尾会長に伺いますが、民航全体として、不可抗力による場合は、天候その他の場合は、安全を旨としなければなりませんから、あえて私はそこまでおやりになる必要はない。自社の責任において機体の整備、故障等を定時までに整備を怠ってできなかったということは、明らかにあなた方の責任です。ただ送り届ければいい、こういうことでは私は済まぬはずだと思う。そういうときには乗客名簿をくって、乗客に対して陳謝の意を表明に行くぐらいの良識があって私はしかるべきだと思う。私も全日空で鳥取空港の空で待った。東京から乗って鳥取に用事があった。去年の七月のことで、降りられない。米子まで行った。また上空を回って降りられない。伊丹まで引き返した。そうして払い戻しをするからということでありました。払い戻しを若干もらいましたが、自動車はふくそうして、全然使いものにならない。とうとう汽車に乗りおくれました。やむを得ませんから一泊をいたしました。もよりの宿舎に泊まりました。そうして翌日帰りました。そういうことはしばしばありますが、これは天候のことであるからと、私は一度も文句を言ったことはありません。いろいろ世間では批判がありますが、乗車拒否だとか、あるいは国鉄がサービスが悪いとか、いろいろと新聞は書き立てられますが、航空会社に対する批判らしいものはあまりありません。私はこの機会にしかと民航のあり方に対して運輸大臣は責任を持ってこのような事態が再び発生せざるがごとく、さらに国鉄のサービスをよくし、さらに民航に対して厳重な行政指導をおやりになるか、どのように今後対処なさるか、この機会において、いままでの経過をお聞きになったわけでありますから、明らかにしていただきたい。
○国務大臣(橋本登美三郎君) だんだんのお話を聞いておりまして、最初に監督の立場にある運輸省、その責任者である私としては、まことに相済まぬ事情であると考えまして心からおわびを申し上げます。お話しのように、このような事態に対して従来運輸省もあるいは各企業も十分な対策を考えておらなかったと思います。もちろんこれにはいろいろの事情がありますけれども、一つには、いまの企業体のあり方が、御承知のように、国際航空の場合はかなりまあ各国の競争がありますし、したがってサービスの点においても十分に気をつけなければならぬという企業精神が働いておるわけであります。ところが国内航空につきましては、これは一種の日本の幾つかの、いまのところ四つの飛行会社がまあ独占事業である。しかも最近の情勢は、御承知のように、まあどちらかといえばサービスをせぬでもお客さんが集まってくるような状態、こういうことが企業側にとっていわゆる企業精神の根本であるサービス精神に欠くるような結果を自然に生じてきておるのではないだろうかと、この点は、これはまあ当然企業会社としては考えなければならぬ問題であります。 同時にまた制度の問題として、先ほど航空局長から説明いたしましたように、私がいわゆる航空再編成ということを今回実行いたしました大きな理由は、そういう国内企業の上において一種の少数独占化、こういうことにおけるところの乗客の安全あるいはまた企業のサービス精神の低下、こういうことを来たしつつあることを私はつとに感じておりまして、いまの事態においてこれを改善し、また、積極的にいわゆる企業の体質の強化をはかる必要があろうと、こういうことからしていわゆる航空再編成の問題、すなわち国内において主要幹線は三社とも行なえると、またローカル線につきましてもダブルトラック、いわゆる二社が競争してやることができるようにしていこうと。こういうことによって、乗客のほうから見れば需給のアンバランスが調整される、同時にまた、企業会社にとってもサービス精神を今度は十分に考えなければならぬ、こういう結果になり、かつまた企業体自体の強化をはかっていくと。先ほど足鹿さんもおっしゃったように、伊丹において東亜航空が予備機が故障になっておったと、それに対してそれ以上の余裕がないために……。その他のサービス問題など、たいへんありました。その点はもうこれは論外でありますから、申しわけないということだけでおわびする以外に道はありませんが、その場合に、もう一つ飛行機の予備を出し得なかったということが、もしあそこがダブルトラック——他の航空会社が動いておればすぐ切りかえもつくわけであります。ところがまあ独占になっておりますから、しかもおそらくいまの航空法——私もこまかい法律の理屈はわかりませんが、東亜航空が全日空の飛行機、YSならYS、あそこがYS程度のものでなければ着けませんから、ジェット機を持っていけませんから、したがってそういうYSの全日空が持っておるものを東亜航空がチャーターをして出し得る制度ができておるのかどうか。あるいは飛行機だけをちょっと借りて、こっちの東亜航空の人がちょっと乗ってやるということにはこれは実はいくまいと思います。そういう制度上の問題もありますので、先ほど足鹿さんからして松尾会長に対して、そういう場合に航空会社は協力できないのかと、こういうお話がありましたが、これはまあ絶対にできぬということではありますまい。ただ、技術的な問題として、いわゆるなれない飛行士、すなわちあそこは東亜航空の飛行士だけが行っているのでしょうからして、あれ以外の航空会社の飛行機が、たとえ同じような飛行機であっても、安全に飛べるかどうかという問題が一つあると思います。 それからもう一つは、そういう場合において臨時に路線の資格といいますか、たとえばあそこは東亜航空が路線を持っているわけですから、それを今度国内航空の飛行機を飛ばすということは、いまのきっと、いわゆる航空局における規則ではちょっとむずかしい問題があるのではないかと思います。そういう点等も、しかしながらまあきょうお話があった問題点で、今後も起こり得る問題でありますからして、そういう場合に、もし航空局内の規則において支障があるならば、もし改正ができるならば改正をしていく、あるいはまた、その方面は話し合いができるが、航空会社として他の航空会社の飛行機を臨時にそこを飛んでもらうということが企業関係でできるかどうか、それらを考えて、そういう問題に対処する必要はあろうと思います。 そういう基本的な問題でありますから、それらはお話をだんだんと承っておりまして、航空局長及び関係者も十分にこれに対処するような考え方、制度の変更等については善処してまいりたいと思っておりますが、それ以外のいわゆるサービス精神の問題、これはもうごもっともでありまして、あえて弁解する余地はないのでありまして、いま日本の飛行機は、国際航空に従事しておるのはJALでありますけれども、国際航空においては比較的JALのサービス精神はいいと言われておるのであります。最高かどうか別といたしまして、他の航空会社に比較して大体いいところにいっておるというにかかわらず、国内のサービスというのは十分にお互いに注意しなければならぬ、その点運輸省航空局における指導体制も十分であるとは言いかねると思います。そういうことに対しましては、きょう御指摘になりましただんだんの問題、それらを十分に航空会社に対して徹底せしめて、今後さようなことのないように、かつまたサービス精神というものが、先ほどお話がありましたように、自分のいわゆる過失もしくは都合によって相手に迷惑がかかった場合には、それが同額でもっていわゆる償うものじゃないのでありまして、当然それ以上のものをプラスアルファして初めてこれはサービス精神と言えるわけでございます。そういう点は下村社長も十分に反省をしておるようであります。これはまあその他の航空会社もありますからして、運輸省としましては、きょうのお話等を十分に検討して、関係会社に対しては徹底した指導を行なって、今後このような問題が起きないよう十分な配慮をいたしたいと、かように考えております。
○委員長(田口長治郎君) 両参考人におかれましては長時間にわたる御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。 それでは本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。 本日はこれにて散会いたします。午後四時二十九分散会 —————・—————