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65回国会参議院1971/04/14

内閣委員会 第13号

発言数
134
登壇者
14
会派数
3
開催日
1971/04/14

会議録

田口長治郎自由民主党

○委員長(田口長治郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  参考人の出席要求についておはかりいたします。  建設省設置法の一部を改正する法律案審査のため、本日、日本道路公団及び首都高速道路公団の役職員を参考人として出席を求めることとし、その人選は委員長に御一任願いたいと存じますが、さよう決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田口長治郎自由民主党

○委員長(田口長治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

田口長治郎自由民主党

○委員長(田口長治郎君) 建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑の方は順次御発言を願います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 昨日に続きまして、建設省設置法の一部を改正する法律案そのものにつきましては、都市局に下水道部をつくるという点だけでございますから、そう問題はないと私は思うのですが、下水道行政そのものに関連をいたしまして、特に公害、ヘドロ等いろいろな問題が出てきておりますので、そういう観点からきのうに続いて質問をしたいと思います。  昨日、私はPCBの問題につきまして種々質問をしたのでありますが、満足な御答弁がなかったもんですから、きょうあらためてPCBの問題から質問に入りたいと思います。  初めに、このPCBの問題につきましては、三月の二十日、参議院の予算委員会におきましてわが党の藤原委員より種々質問をいたしました。しかしながら、その時点におきましては、PCBというものが日本の近海の、特に港湾をはじめ近海の日本周辺のいわゆるヘドロといいますか、海水の中にこんなにもたくさんPCBが含まれているなんということはわかりませんでした。しかし、その後四月の七日前後からの新聞報道等によりましても、また、その当時開かれました学会、海洋学会におきましてもPCBの問題が大きく取り上げられております。私たちはこのデータを、実はきのう質問するときにはこのデータが手元になかったのでありますが、きのうの質問の際、資料要求をいたしまして、いま私の手元に届いてまいりました。この資料を私は見ましても、ほんとうに現在日本の周囲がこういうふうなPCBによって相当汚染をされているということが明らかであります。これは従来重金属の公害が相当問題になってまいりました。カドミウムとか水銀等々、相当ありますが、   〔委員長退席、理事塚田十一郎君着席〕 これは第三の公害のもとになるんじゃないか。これから、いままで農薬等でDDTとか、いろいろなものが取り上げられましたけれども、そういうようなものにまさるとも劣らないということを昨日も局長のほうから答弁がございましたが、ほんとうにこれは第三の公害物質としてこれは重要視していかなければいけない、私はこういうぐあいに思うわけです。  そこで、とりあえず初めに、現在相当注目されておりますが、いろいろとこの問題は世界じゅうでいま話題になっております。そういうような意味からも、現在までの経過について、初めに厚生省の環境衛生局長から概略説明をお願いしたいと思います。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) PCBの環境汚染の問題は比較的近年になって気づかれたものでございます。PCBそのものの利用と申しますのは、今世紀、戦前から行なわれているようでございますが、それが実際環境汚染の問題として聞きましたのは、欧米におきましても数年前からのことでございます。わが国におきましては、いわゆるカネミオイルの事件といたしまして、塩化ビフェニールによる急性の中毒というような不幸な事件が発生いたしまして、塩化ビフェニールの毒性というものが急性面において初めて問題になったのは御案内のとおりであります。しかしながら、残念ながら環境汚染に対する意義はその当時はまだ十分につかめていなかったわけでございますが、先ほど御指摘のように、昨年、二年にわたりまして愛媛大学の立川助教授が初めて一研究室の不十分な体制でありながら、各地にわたりまして広く調査をされまして、そして初めてここにPCBの環境汚染の問題が提起されたということでございます。そのデータにつきましては、すでに参議院におきまする藤原先生の御質問に答えまして、一部私のほうからも発表したところでございますが、詳細につきましては、昨日先生のお手元に提出いたしました資料によりまして御承知のところだと思います。  すでに日本におきましても東京湾あるいは瀬戸内海、あるいは四国の高知沖といったような各地でもって生物の中から――魚介類でございますが、魚介類の中からPCBが相当濃度に発見されている。あるいは底質中、あるいは海水中からも相当濃度に発見されているということでございます。また一部、京都市の衛生研究所の調査によりますと、琵琶湖の魚介類からもPCBが発見されておるといったような状況でございまして、これらの研究者の方々に対しましては、問題を提起されたということにつきまして、私どもとしては、この席をかりて深く敬意を表したいと思っております。  以上でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私もこのPCBというものがどの程度危険なものか、どういうようなものか、実際問題これはこれからもまた究明していかなければならない問題ではあると思うのですが、PCBというものは一体どういうようなものなのか、たとえば固体も液体もいろいろあるそうですが、体内に入った場合にどういうふうな危険性があるのか、この点についてお伺いしたいと思います。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) PCBと申しますのは、ポリ塩化ビフェニールの頭文字を取った略称でございまして、実際には数種類ございます。異性体も入れますと数百種類ということになろうかと思いますが、その本体はベンゼン核が二つ並んだもの、あるいは場合によりましては三つ並んだものに塩素が一個ないし十五個ついたといったようなことで、詳細申しますと、化合物の個々の数といたしましては、基本として二十五種類、その異性体というものまで考えますと約七百種類という大きに達するものでございます。  これらのいろいろな性質につきましては、あるいは通産省のほうからお答えいただくほうがよろしいかと思いますが、そのPCBの人体に及ぼす影響あるいは毒性ということにつきましては、実はこの問題については非常に最近に注目されたことでございまして、今後の解明に待たなくてはならない点が多いのでございますが、いままで知られました知見によりますと、たとえばワシなどの大胸筋、あるいはカラスなどのもも、そういったような組織にかなり選択的に沈着されると、それから遺伝、あるいは貝への影響はいまのところ認められておりません。しかしながら、これらのPCBの摂取及び排せつ、あるいは蓄積、特に人体におきまするそれにつきましては詳しいところがわかっておりませんが、もう一つ魚の産卵、ことにからの形成に悪影響があるのではないかといったようなことが一部言われているようでございます。急性毒性につきましては、すでに一つの典型的なものといたしましてはカネミオイルの事件がございますので、詳細については省略させていただきます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 慢性の毒性についてはいま局長さんがおっしゃるとおりだと私は思うのですが、これから研究しなければならない問題だと思うのですが、いまおっしゃいましたように、急性中毒という面から考えますと、カネミ中毒事件で現実にもうはっきりしているわけですね。私もデータを取り寄せまして、写真等もずいぶん見ました。カネミ中毒事件の第一報、第二報等、カラー写真等でずいぶん出ておりますが、ほんとうにいままでの公害病の中でも、特に皮膚がやられる面からいきますと、確かにひどい病気だと私は思うのですね。そういう点からいくと、これはほんとうにこういうふうな物質が熱にもやられない、熱に強いとか、また体内に入ってそれがなかなか排せつされないとか、いろいろあると思うのですが、そういうような問題についてもやはりこれは慎重に研究をして、その上でこれは工業化なり何なりをしていかなければいけないんじゃないかということを私はしみじみと思うわけです。  そこでまず、きのう私はデータをいただいたわけでありますが、これを見てみますと、ほんとうにびっくりすることが多いわけです。特に私は、ほんとうにきょうは水産庁長官に来ていただいて、魚介類の問題についても聞きたかったのでありますが、きょうは次長さんお見えになっていますので、次長さんにお伺いしたいのですが、まず、水産庁としては、これは立川助教授は昨年から数回にわたってPCBの問題について発表しております。この発表の内容を見ますと特に魚介類が多いわけですね。これに対して水産庁はどういうぐあいに対処していらっしゃるのか、初めにお伺いしたいと思います。

藤村弘毅首都高速道路公団理事長

○政府委員(藤村弘毅君) 水産庁では従来から県水試と協力いたしまして、環境汚染についての調査をいたしておりますが、いままでは特にPCBというものについて、特にその点についてやっておりません。今後はPCBを含めまして毒性の蓄積を南海水研、淡水研等の研究所を中心にいたしまして、研究をいたしたいというふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ぼくは、これは去年から相当問題になっておりながら、水産庁は資料を持っておるのですか。データはあるのですか。このデータはどうですか、あなた見たことはあるのですか。水産庁にこのデータはあるのですか。取り寄せようという努力はしたのですか。相当問題になっていますね。いま特に魚介類という問題になってくると、これはほんとうにまともにあなたのほうの担当でしょう。あなたのほうはこれは、こういうデータとか、こういうふうなものを取り寄せようという努力はしたんですか、どうですか。

藤村弘毅首都高速道路公団理事長

○政府委員(藤村弘毅君) 私のほうは直接はやっておりませんが、水産研究所でこういうデータを、すべてのデータではございませんが、データの一部を取り寄せて研究いたしております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ほんとうに水産研究所から取り寄せておりますか。一ぺん電話して、すぐ……。

藤村弘毅首都高速道路公団理事長

○政府委員(藤村弘毅君) 東海水研で立川助教授からそのデータについて伺っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 東海水研からはあなたのほうに連絡をしてきておるのですか。

藤村弘毅首都高速道路公団理事長

○政府委員(藤村弘毅君) 詳細についてその立川助教授の研究結果の連絡は、私ども直接受けておりませんが、東海水研で検討していただいておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 とにかく水産庁にはきていないでしょう。私はけさ聞いたんです。

藤村弘毅首都高速道路公団理事長

○政府委員(藤村弘毅君) 水産庁としてはまだいただいておりません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 あなた、そんな状態で、東海水研にまかしておるとか、県水試とか、うまく答弁してごまかしてやろうと思ってもだめですよ。とにかくきのうから足鹿先生の質問からあなたの答弁を何回も聞いておりましたけれども、確かに、ほんとうに本気で国民の、住民の生活を守るという点からやってもらわなければ困ると思うのです。なぜかならば、これは研究の一部を何のかんのと言っておりますけれども、研究の成果として出てきておるのは結局これだけでしょう。数枚のものですね。これはこの一枚目から重要な問題ですよ。知らないあなたに何ぼ言ってもしようがないですけれども、立川助教授の分析によりますと、東京湾ですよ。この第一ページに出てきておるのは東京湾です。東京湾のセイゴとかカレイとかハゼ、こういうふうなものから最高一二〇PPMのPCBが検出されておるんです。なまの組織中のPCBが一二〇PPMも検出されているんです。これはどういうことですか。普通重金属でいうならば――これはなまで二一〇です。重金属の場合はなまで一二〇なんていったら灰の量に直したら一〇、〇〇〇PPM以上になりますよ。問題の中村登子さんという方がじん臓から二二、四〇〇PPMのカドミウムが出てきたという場合に、あのカドミウムをなまに直したら二四〇PPMです。そういう点から考えてみると、こういうふうなものからこんなにたくさんのPCBが検出されている。しかも、そのものを体内から排出することはほとんど不可能であるということになってくると、これはたいへんな問題ですよ。それだけじゃない。そのほかに一ぱいあるんですよ、これ。こういうふうなデータは、これは水産庁としては――これはみんなここに出てくる、瀬戸内海のボラとかハマチとかアナゴとか、ウルメイワシとかサバとかアサリとか、全部そうです。しかも、日本近海のこれはほとんどですよ。ほとんどがこういうぐあいに汚染されているというんです。もっと真剣に取り上げないといけないんじゃないですか。どう考えているんですか、水産庁。

藤村弘毅首都高速道路公団理事長

○政府委員(藤村弘毅君) ただいま先生の御指摘の資料は、私も東京湾のセイゴ、カレイ、サバの資料は見ております。そこで、先ほど申し上げましたように、南西海区水研、淡水区水研を中心にこういう問題を研究さしてもらいたいというふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 あなたね、いいかげんのことを言ったらいけませんよ。私は絶対にそんなことでごまかされませんよ。東京湾のセイゴ、カレイ、サバといまおっしゃいましたね。この資料にはサバはありませんよ。あなたの資料には東京湾のサバの資料があるんですか。一ぺん言うてみてください。

藤村弘毅首都高速道路公団理事長

○政府委員(藤村弘毅君) 東京湾の資料は間違いでございまして、セイゴ、カレイでございます。セイゴ、カレイの背肉、腹肉、肝臓、脂肪というものを分析してある資料でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私はことばじりをとらえるわけじゃありませんけれども、   〔理事塚田十一郎君退席、委員長着席〕 とにかくもう少し水産庁としても本気になってこういうふうな問題と取り組んでもらいたい。そして取り組むにあたって水産庁としてはどういうふうな問題が問題なのか、その点をはっきりしてくださいよ。やっぱり取り組むべき問題だと私は思うんです。本気になって取り組むにあたって、水産庁はたとえばPCBの分析の方法がわからないとか、まだそういう分析する装置が少ないとか、そういう問題も私はあるんだろうと思うんです。そういうふうな点はどうなんですか。

藤村弘毅首都高速道路公団理事長

○政府委員(藤村弘毅君) 私、不勉強でたいへん申しわけないんですが、今後ただいま申し上げましたような、水研を動員いたしまして、真剣にそういう先生御指摘の問題を取り上げて検討してまいりたいというふうに思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 水研を動員してやるとおっしゃっておりますが、水研というのは日本全国に幾つあるんですか。

藤村弘毅首都高速道路公団理事長

○政府委員(藤村弘毅君) 八つでございまして、北海道に北海道区水研、東北に東北区水研、東京に東海区水研、東京に同じく淡水区水産研究所、広島に南西海区水産研究所、長崎に西海区水産研究所、清水に遠洋水産研究所、八つございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 もうちょっと突っ込んで聞いておきたいのですが、この八つの水研は、PCBを分析するだけの機械と能力はあるのですか。

藤村弘毅首都高速道路公団理事長

○政府委員(藤村弘毅君) 現在のところ、その水研にPCBの分析の装置はございません。これから必要に応じて準備していかなければならぬ、かように考えます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そんなねえ、水研に一生懸命やらすと言っていて、分析する装置もないなんて、そんなあかんじゃないですか、これは。実際それじゃ、このPCBを分析するガスクロマトグラフィーですか、幾らするか知っているのですか。実は次長さん、私きのうから見ていて、あなたがかわいそうになってくるので、これ以上言うのもやめますけれども、ほんとうに水産試験所にも私も聞きました。そういうような分析の機械等もない。実際都道府県の衛研に依頼せざるを得ない。そういう点もあるとは思うのですけれども、いずれにしても水産庁自身が、こういうふうな公害というものはこれからどんどん出てくると思うのです、私は。ほんとうはきょう公害対策本部長さんかだれかおって、公害対策本部来ていますか。公害対策本部もこういうふうな問題、相当これは問題になっております。特に魚介類を担当している水産庁には、これは分析する能力がないというのですよ。これはやっぱり、あなたはきょうは大臣のかわりにきておるわけですから、こういう点にも力を入れてあげて、そうしてほんとうに本気でそういうふうなものがぱちっと対策を組めるようにしないと、もう全然私はおくれてしまう。こういうふうな魚介類は、食べてしまえば、食べるしりからその人の体内に蓄積されていくわけです。急性の毒性というものは、カネミオイル事件で相当たいへんだということがわかっているわけです。しかしながら、慢性の毒性というのは、厚生省自身も、いまこれから国立衛研で研究しようという段階です。しかしながら、危険であるということは大体わかっているわけです。そうすると直接口に入ってくる、これは水俣病だとか、ああいうようなものとまた同じようになってきますよ。目の前にそういうふうなたいへんな状況の方がぽんとこないとやらないというのじゃ私はいけないと思うのです。もういまの段階で必死になって取り組まないと、日本じゅうがたいへんなことになってからではおそいですよ。しかも、この分析の結果から見ても、東京湾だけじゃなくて、瀬戸内海から一ぱい日本じゅう取り巻いているわけですから、一ぺんこの慢性毒性患者が出だしたら、一斉にばあっと出てくることは間違いないです。そういう点からも、特に水産庁自身は力を入れないといけないと思うのです。ですから分析装置なんかについても、公害対策本部としても、これは抜本的に検討しないといけないと思うのですが、いかがですか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) いまお話を聞いておりまして、確かに政府部内全体としてこの問題に対する取り組み方が不十分であると思います。そこで公害対策本部、七月から環境庁になるわけでございます。さっそく関係各省と協議をいたしまして、今後どういうぐあいに取り組むか、いま公害対策本部といたしましては、自分自身の予算があるわけではございませんから、結局各省と協議をして、各省とそれぞれの分担をきめて、問題に取り組む以外にないわけでございますけれども、いまの御趣旨を体しまして、さっそく各省と協議をして、どういう態勢で取り組んでいくか、仕組みを固めたいというように思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それではこの問題はあれしまして、次に厚生省のほうかと私は思うのですが、これだけ現実に立川助教授が真剣に取り組んでいらっしゃるわけです。公害というのは大体そうですね。いつもだれか一人が必死になって取り組んでいる。イタイイタイ病の場合だってそうです。一学者が必死になって取り組んで、そして俎上にのせられてくる。そういう場合は、私は厚生省としても、その人の意見というものを真剣に取り上げてあげるということが大事だと私は思います。そこで私はこのデータ等を見ましても、相当いろいろの問題がありますが、こういうふうな特に東京湾をはじめ、それぞれのあれは、どういうふうな汚染経路によって魚の中に、または貝の中にそういうふうなPCBが蓄積されていったのかということについては、これはどういうぐあいにお考えですか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) その経路につきましては、これは推測でございますけれども、いわゆる食物連鎖ということで、いろいろな用途に使われましたPCBが廃棄されまして、それが土壌あるいは究極には河川あるいは海に流れ込みまして、そこでプランクトンに食われる、プランクトンから小さい魚に食われる、小さい魚からそれを食べておる大きな魚あるいは海のけもの、あるいは水鳥、こういったようなものに食われる。そして生物の体内である程度の濃縮が起こっておるのではないかというふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ということは、人間の体内に入っても、その他の重金属と同じように濃縮すると私は思いますが、そこで特に問題なのは、もう一点これはありますが、経済企画庁来ていますか。まだ局長さんお見えになっていないようですね。  経済企画庁に私ちょっとお伺いをしたいのですが、PCBの問題で、特に京都市の衛研の調査で、琵琶湖と宇治川の魚からもPCBは検出されているという点が問題になっておりますが、特に琵琶湖の汚染ということについては、これは前々から琵琶湖の場合は悪臭の問題とか、いろいろなことがそのたびに問題になっております。この問題について京都の衛研の資料もすでに取り寄せて検討していると思いますが、これは特に近畿地方の皆さんの大部分の水というのは琵琶湖から取っているわけですね。そういうことも含めて、これは経企庁としても相当真剣に取り組まなければいけない問題だと思いますが、これはどうですか。

山中正美経済企画庁国民生活局水質調査課長

○説明員(山中正美君) お答えいたします。  琵琶湖の重要性は私ども前々から認識しておるところでありまして、水質調査は一昨年、昨年と続いてやっております。現在水質基準、環境基準とあわせつくろうという考えできております。御承知のように公害国会で水質汚濁防止法が成立されまして、新しい排出基準はむずかしい、いわゆる新法に違反するものは県のほうに委託することになりましたので、一応私どものほうのデータを県にゆだねまして、早急に琵琶湖の水質保全につとめたい、こういうふうに考えております。  それからPCBの問題につきましては、京都の衛研の報告が私どもの手元にありまして、それを現在参考にしまして、立川先生の報告とあわせまして、現在PCBについての環境基準を検討の段階でございます。  以上でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、こういうふうな琵琶湖の問題はこれからいろいろやっていきたいと思うのですが、ただ単に、もっと、何というか、琵琶湖の水がどうして汚染されたのか、これはやはり真剣に取り組まないといけないと思うのです。経企庁のいまの調査といいますか、推定といいますか、そういうものによっては、琵琶湖のこういうふうな魚の中からこういうふうなものが検出されたというゆえんは一体何ですか。

山中正美経済企画庁国民生活局水質調査課長

○説明員(山中正美君) お答えいたします。  PCBの問題につきましては、御承知のとおりPCBは感圧紙とか、あるいはトランス等から出てくるわけでございまして、直接は排水規制に非常になじみにくいものでございます。そういう意味で、琵琶湖周辺のいろんな、たとえば都市じんかいなり、あるいは産業廃棄物からおそらく出てきておるんじゃないか、こういうふうに一応は推定しております。ただ、PCB自体を排出する工場というのはあまりないんじゃないか、こういうふうに一応考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それではその点はそこまでにしておきまして、次に通産省にお伺いしたいのですが、ほんとうにPCBの使用については現在こういうように問題になっているわけでありますが、通産省としては、きのうちょっとお伺いしたのですが、まず基本的なことを先にお伺いして、あと詰めていきたいと思うのですが、PCBを製造しているメーカー、それから生産量、使用状況、それから、現在までPCB全体としてどのくらい生産され、そうして輸入されたものはどれくらいで、現在までにすでにどのくらいの量が使用されているのか。もう一つ、昭和何年ごろからPCBは日本において使われているのか。この点をお伺いしたい。

山下英明通商産業省化学工業局長

○政府委員(山下英明君) 数字をお答えいたします前に、通産省は現在PCBの製造、使用に関しまして真剣に取り組んでおりますが、そもそもが御承知の四十三年ごろにカネミの不祥事件が出ましてからこの問題を取り上げてまいったわけですが、その間、九州大学の油症治療班の報告によりまして、感圧紙関係の弊害もわかりましたし、また倉恒教授の報告もございまして、本年に入りましてから、先ほどの立川助教授の報告もございまして、現在真剣に取り組んでおるところでございます。特に外国の例につきましては諸文献を取り寄せておりますが、大体昭和四十二年ごろから方々の海域の弊害が出ておるので、特にナツールその他の雑誌が継続的にこれを報告しておりますので、環境汚染の実態を早くつかみたいと思っておったところでございますが、そこに先ほどの立川助教授の報告が出まして、日本海域の汚染状況が初歩的にわかってきたという段階でございますので、まずもってこれに取り組まなければならぬと感じておる現状でございます。  御質問の数量を申し上げますと、わが国がPCBをつくっております会社は二社ございまして、その一社は早く昭和二十九年ごろから生産をしておりましたが、当時は年間百トン、二百トンという数字でございまして、だんだん需要がふえるに従って生産量をふやして願いりまして、現在では能力としては、そのA社は一万トンに及んでおります。それから第二のB社は外国との合弁会社でございますが、昭和四十四年から生産を開始しまして、現在の生産能力は四千五百トンでございます。ただし、四十五年に両社合わせてどれだけできたかというと一万一千トンの実績でございます。長く時系列でとって総生産量がどうかということでございますが、古くからあるA社の場合ですと、現在までの総生産量が四万五千トン、それから二年前にできましたB社の場合には総生産量が千二百トン、したがいまして、その合計が日本で生産された数量でございます。  それから輸入のお尋ねがございましたが、このPCBというのは戦前から輸入されておりまして、統計上化学品の細分類がございませんので、実態はつかめません。ただしこのA社が生産を開始し、かつ最近B社が開始しまして、現在では輸入はほとんど国産に代替されております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 PCBの問題については、最近非常に危険であるということが問題になってきたわけでありますが、通産省の場合、先ほどまあ厚生省の局長にお尋ねしたときにも、PCBというのはどういうものかということについては通産省のほうから説明があるというお話がちょっとありました。そのほうが適当かもわからないという話がありましたけれども、これは要するに通産省でそういうふうな指導でつくっているPCB自体が危険であるかどうかということについて、こういうことの研究とかいうものは、これは行なわれていないわけですか。要するに、これは最近になって危険であるということがわかってきたわけでありますけれども、確かにこういうふうなものが危険あるんじゃないか。工業的にはいいけれども、実際にこれは人体にどういう影響を及ぼすか、そういうことについての研究は通産省ではやってきたんですか。

山下英明通商産業省化学工業局長

○政府委員(山下英明君) 人体への危険につきましては、私どもはやっておりません。むしろ厚生省その他関係機関の報告を待って判断する立場にございますが、現在では外国の諸文献その他も参考にしまして、これは工業的にはきわめてすぐれた性質のものであるが、反面それが人体には害のあるものだ、こう仮説的にも考えまして対策を立てておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それじゃ対策を立てていらっしゃるということでありますが、カネミ、四十三年に事件が起きて、その後この問題について考えていらっしゃるということでありますから。ということは、対策を考えるということは、対策の結論が出るまでは一私は何らかのある程度処置をしなきゃいけないと私は思うんです。そこで、まず第一点としては、PCBにかわるものですね、これはないのかどうか。そういう点は考えていらっしゃらないのか、またはPCBの何というか、製造といいますか、PCBを製造して販売することについて、PCBの安全が確保というか、確認されるまではある程度操業ストップするとか、そこまで強制的にできないにしても、何らかの処置はできないものか、この辺のことについてはどういうぐあいにお考えですか。

山下英明通商産業省化学工業局長

○政府委員(山下英明君) 企業が先ほど申し上げましたように二社ありまして、比較的大きな企業でございますので、私どもとして行政指導のやりやすい分野でございますが、まずやりましたことが、カネミ事件が起きましたので、PCBを食品関係の工場に販売することは一切停止いたしました。それから、ことしに入りましてからですが、九大の研究を詳細に拝見しまして、やはり感圧紙、つまりコピーをとる用紙でございますが、この感圧紙にPCBを使いますことは直接開放性の需要でございまして、その紙を使う人間の指につくおそれがありますので、この感圧紙にPCBを使うこともやめまして、現在回収中でございます。代替品につきましては鋭意研究を進めてもらっておりますが、一つは先ほど浦田局長から御説明ありましたように、二つのベンゼン核に塩素がついておるわけでございますが、その塩素が通常の場合四塩素から十塩素に及びまして、塩素量の多いほど結晶固体型になっておる現状ですが、四塩素以上が安定性が強いかわりに人体に有害であるというので、三塩素以下のPCBの開発に努力しているのが一点でございます。もう一つは、塩素を全く使いませんで、同じベンゼン核にエチル基の、たとえばC3H7というような塩素の代替物をつけまして、同じような製品をつくることがほぼ完成して、一部実用に供しておる段階でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そうすると、私はきのう私は質問の途中でおたくの課長さんからPCBの、特に絶縁油やコンデンサー油にPCBを使った場合に、その古くなった場合は、そういうふうな古くなった油は責任を持って回収をする。そういうぐあいに指導しているという話がちょっと話の中に出てきました。この点についてはどうですか。

山下英明通商産業省化学工業局長

○政府委員(山下英明君) 言い忘れましたが、それも現在徹底をしておる点でございまして、御承知のように総需要の五〇%以上がコンデンサーもしくはトランスという電気器械の絶縁体に使われておりますが、これは先ほど御説明しましたが、開放性需要と違いまして密閉されて使われますので、直接使用中に人体に触れませんで、安全ではございますが、問題はその絶縁油が長期間に少しずつ代替を必要といたします。その場合は二社のメーカーが電気会社にきわめて詳しい注意書きを配って関係メーカーに御連絡いただいて、そして新品と取りかえる、こういう仕組みにいたしております。で、回収いたしまして、回収したものはメーカーの手で無毒化処分をいたしておる次第であります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは局長ね、確かにコンデンサー油とか絶縁油に使っておるPCBというのは、総需要の五〇%とかいうことをいまおっしゃいましたけれども、これはほんとうに大事な問題で、これは責任を持って回収するとはいいながらも、たとえば琵琶湖の汚染の原因も、結局は琵琶湖周辺に大小の電気工場ががさっとあるわけですよ。現実にそういうところから流れ出た工場廃液によって琵琶湖が汚染されたという可能性が相当強いわけです。そういう点からいきますと、ただ単にそういうふうな指導だけじゃなくして、もっと抜本的に私は考えないといけない段階にきていると思うのです。なぜかなれば、先ほどから言っておりますように、琵琶湖というのは上水道の水源地でありますし、こういうふうなものが工場排水なんかとともに流れ出ることは私はないとは思うのですが、やはり現実にこれだけの電気工場が相当あり、可能性というのはずいぶんあるわけですね。そういう点からはこれは相当慎重に取り組んでもらわなければならないと、こう思っておるのですが、これはどうですか。

山下英明通商産業省化学工業局長

○政府委員(山下英明君) 回収、代替につきましては、鋭意、先ほどの御説明のとおり指導しておりますが、これも正直に申しまして、最近この毒性ということを前提に取り組み出した措置でございまして、昔は比較的ルーズでございましたことと、またいま一つ私どもとしても考えねばならぬのは、コンデンサーなりトランスが、その器械そのものが廃品になりまして、あるいはメーカーが廃品として回収したものを、つまり器械そのものは捨てていいわけなんですが、その中に入っておったPCBは一体いままでどうしておったか。先ほどの回収は新品製造の代替でございますので、廃品の場合も徹底せねばならないということで、これも現在関係者と話し合い中でございます。私どもとしては、琵琶湖周辺にその種電気メーカーが実在することでもございますので、因果関係をいち早く突きとめたいと、かつ、突きとめた上でそれを防止したいと、こう存じております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、その因果関係を突きとめるというのは非常にむずかしいことで、そんな簡単にばんとできるわけはないのですね。けれども、PCBを使っているところはどこどことはっきりしているわけですから、そういう点でのやっぱり因果関係まで言い出すと、公害ということはなかなかうまくチェックできないと私は思うのですよ。ですから、現実にそういうようなものを扱っておる工場に対して、もっと適切な指導をすべきじゃないかという点に私は注目していかなければいけないと思うのです。  そこで、PCBの問題をもうちょっとやりたいのですが、厚生省として、PCBこれだけ問題になっているわけでありますし、たまたま京都と立川助教授がやられたわけでありますが、これは、全体的な調査というのは早急にやらなけりゃいけない段階にきていると私は思うのですが、この点はどうですか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○政府委員(浦田純一君) このPCBの総体的な調査でございますが、厚生省といたしましては、さきに藤原先生のほうからも御指摘がございまして直後、省内にこれに取り組むいわゆるプロジェクトチームを発足させまして、いろいろと具体的な調査研究について検討中でございます。まず専門家といたしまして、東京歯科大学の上田在一先生、あるいは神戸大学の喜田村先生等を中心といたしまして、すでに数回の打ち合わせば行なっておるところでございます。また、その実施のスタートは五月からということを予定しております。  なお、毒性の問題でございますが、これはまあ四十三年のカネミオイル油症事件という非常に不幸なできごとをスタートといたしまして、国立衛生試験所である程度の研究は進んでおるところでございます。また、九大の樋口教授を中心とする油症研究班のいろいろな報告もすでに出ているところでございますが、たとえば鶏あるいはマウスを使いましての慢性毒性の研究もある程度の結果は出ております。しかしながら、御案内のとおり、PCBは非常に多種多様でございますので、それら一々についての研究ということについてはまだ未知の分野が多く残っておりますし、また総体的にPCB全体としてどのように意義づけしていくか、あるいはその分析方法をどういうふうにしていくかといったような技術的問題が残されておりますが、いままで見ましたところでは、慢性の毒性というものはやはりあると、それから塩素が多いほどその辺のところの影響は強い。また非常に薬剤によって体外への排せつということがむずかしいと、なお、塩素の多いほどそういったような抵抗性が強いといったような知見は得られているところでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それじゃ、この問題についてはもう一問質問して、同僚議員がお待ちでございますので譲りますが、先ほどから総務長官お見えになりましたので、公害対策本部長さんとしてお伺いしたいのでありますが、すでにPCBの問題については報告を受けて聞いていらっしゃると思いますが、先ほどから、特に水産庁でありますが、日本近海のいろんな魚ですね、相当これは問題になっております。実際問題として、水産庁の次長さんきょうお見えになっておりますけれども、この問題について私はあまり真剣に取り組んでないのじゃないかと、こういうぐあいに、実際上資料もあまり取り寄せていらっしゃるふうでもないし、いろいろ先ほどから問題になりました、しかもいろいろ聞いてみると、水産庁自身の研究も水研に、県の水産研究所にずっとやらせているといいながら、水産研究所では分析の方法等、またそういう機械等もない。非常にそういうふうなことでありまして、こういうようなことで、私は実際上これは庶民が食べる魚ですね、が非常に多いわけです。ハマチとかサバとか、アサリとか、イワシとか、そういうようなものからこういうふうなものが検出されているということ自体たいへんだと私は思うのです。そういうような観点からも、公害対策本部としてはこのPCBの問題について早急に対策を立て、また、分析方法等についても、私はきょうは詳細にやりたかったのですけれども、分析方法自体もいまだに確定した方法がないそうであります。そういう点から考えても早急にこれは本格的に、これはカドミウムとか水銀とか、いろいろ問題になってきておりますが、これからやっぱりこの問題も私は第三の公害のもととしてこれは重大になってくる可能性がもう多々あります。そういうような点でも、公害対策本部長としてPCBに対する今後の対策といいますか、所見といいますか、そういうようなことについてお伺いしたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) カネミオイルの急性毒性の問題については、その分析その他を厚生省において進めておるところであり、一応の結論も得られておると思うのでありますが、ただいま問題になっております慢性毒性、ことに生鮮魚介類等を媒体として人間の健康にどのような影響を与えるのかという問題等については、まだ全く未知に近い分野だと思います。したがって、それらの研究測定の方法等も確定しておらない。これはある意味においては現状ではやむを得ない段階だろうと私も思うのですけれども、水産庁の試験場における研究並びに厚生省のチームを編成した慢性毒性への分析、そういうような問題等を対策本部で総合的に取りまとめて、これらの日常国民の食する生鮮魚介類に蓄積されていくPCBの人体に及ぼす影響というものをすみやかに解明をしたいというつもりでございまして、これらについてのなすべき順序、手段というものはいろいろあると思いますので、各省がばらばらでないように統一してまいりたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 すわったままで失礼いたしますが、昨日来お尋ねを申し上げておりますことについて、公害対策副本部長であります山中総務長官に、直面しておる問題について二、三お伺いしたいと思うのです。と申しますのは、富士川のヘドロ投棄と岳南排水処理問題であります。これが一点。第二点は、河川敷地の占用に関する河川管理者の権原問題、つまり三十万トンのヘドロの富士川河川敷への投棄を建設大臣が認可されたことについてであります。  昨年の八月十八日及び十一月十一日、本院建設委員会において、田子の浦の汚染をめぐって岳南排水による処理場の建設を本年度から実施するという政府答弁があったように思いますが、本問題に対しどのような特定公共下水道計画を持ち、本年度予算で幾ら計上し、何年かかってこれを完遂され、ヘドロ問題を最終的に解消する見通しはいかがになっておるのでありますか。  この点をできる限り短縮することがまず当面の問題であろうと思います。当初の岳南排水路は終末処理場を持たない工場廃液をそのまま駿河湾に流すものであり、これが元凶であります。その当時最終処理場を計画しておったならば、このような事態はなかったはずであります。したがって、いまさら岳南排水路のとかくの論議を私はいたそうとは思いません。問題は、最終処理によってきれいな水にしていくということが一点。またいま一つは、工場そのものが工場の責任において、企業責任において排水の浄化をみずからやって、最小限度のものが排水路を通り処理場へ入る、そこでさらに完全浄化されて初めてこの岳南排水路の問題による駿河湾の汚濁は解消する、かように思います。  昨日の答弁によりますと、昭和四十八年までかかるやの御答弁でございましたが、これはきわめて事務的な答弁であり、少なくとも環境庁という法律の提案理由を昨日長官が説明をされ、大臣を一名増員して本格的にこれと取り組もうという現時点において、このようなゆうちょうなことは私は許されないと思うのでありますが、この点についての政治家としての決断を持った対策を明らかにしていただきたい。どのように処理されますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これはお話のありましたように、当初終末処理場を持たないで、中小企業が主として共同排水するためにつくられたものであります。そのときは確かにそういうことで合理化されたように見えたのでありますけれども、現在のようなSSの堆積していく問題等についての具体的な計画として取り組んではいなかったと思われるわけであります。この工事そのものも普遍的な工事ではなくて、静岡県において特例として行なわれた工事であったことは間違いないのでありますけれども、しかし終末処理場がなければ、今日の状態ではどうにもならないエンドレスな堆積が続いていく。ちょっとやそっとの堆積のヘドロの処理をやってみたところで、それが循環して終わるところを知らないという状況になる可能性がありますので、計画はきのう説明したと思いますが、一応四十六年の四月から終末処理場の着手をいたしました。そうして一応四十八年三月というめどにやっておるわけであります。もちろんこれが三年越しの工事になるわけでありますから、ゆうちょうといえばゆうちょうでありますけれども、しかしやはり九十億も投じて、国が四分の一、企業者が四分の一並びに県、市がそれぞれ四分の一ずつ持って行なう工事でありますので、そう一年間で突貫工事でできるというようなものでもないと思いますので、これらの工事が完成いたしますと、現在の岳南排水路の汚染度の八割がカットされますので、どうしても緊急必要であることは間違いありませんので、予定はいま申しましたとおり四十八年の三月未完成でございますけれども、これについてはでき得る限り工事の現実において消化ができるならば、予算上においては最大の配慮をして時間短縮につとめる必要があろうと考えるわけであります。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 先ほども申し上げましたように、この岳南排水路は工場排水を専門に流す下水道であって、すでにその工事が始まってから二十年を経過しております。その総工費は四十億円と聞いておりますが、完成をいたしましと、一日当たり二百五十万トンの汚水を直接駿河湾に吐き出すという計画のものであり、それが今日の事態を招来しておるのであります。私はこの問題は、漁業と地域住民に及ぼす影響はもちろん、この種の公害の絶滅についての喫緊の解決事件であろうと思います。  まことに恐縮でありますが、最近天皇家は明治以来の沼津の御用邸を廃し、そして新たに下田に御用邸をつくっておられます。これは御用邸が駿河湾の奥から伊豆の太平洋岸に移転したということであり、駿河湾の汚染の現状と将来を天皇家の行動を通じて象徴的に示しておるものだと私は思います。しかし、駿河湾沿岸の住民は簡単に引っ起すわけにはまいらないのであります。天皇家のように簡単に引っ起すわけにはまいらないのであります。したがって、大臣はでき得る限りすみやかにやりたいと言われますが、先ほども申し上げましたように九十六億円、四十六年が二十億円ということであり、三カ年計画をお立てになったことはおそきに失しておるのでありまして、これを突貫工事をなさいと言っておるのではありません。完全な浄化装置をこれによってやられて八〇%、同時に汚水源である企業責任者が自分の工場内において最小限度にこれを押えていく措置に対してはいかなる指導をなさっておるのでありますか。それを伴わないで四十八年三月まで便々と待つわけにはまいりますまい。公害対策本部長としてはその措置を、一方においてこの公害問題がやかましいときにお講じになってしかるべきではないか。どのような措置を指導し、また現にその措置によって流出するヘドロの公害が軽減した事実が立証されますかどうか、その点を明らかにしていただきたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これはもう原則論としては、企業が排出する工場排水というものが汚染に貢献しないものでなければならない、そういう原則だと思うんです。現在では岳南排水路の汚染の度合いも考慮しながら、大手等において相当な進捗度をもって工場ごとの排出規制基準に合うような設備が行なわれておりますが、現時点でも大体昨年の問題が提起されて議論いたしましたころに比べて五〇%ぐらいは減少しておる。したがって、月間三万トンぐらいの排出に結果的にはなるであろう。要するに総排水量の中に占めるウェートは大手が圧倒的に多いわけでありますから、この大手のほうの資金力その他から見ても、緊急な課題としてのそういう企業の中における排出量の規制、排出物質の減少に対して全力をあげさしておるわけであります。岳南排水路は、御承知のように中小企業が主として利用いたしておりますので、これらの問題はまず終末処理場の建設を急ぎますとともに、原則としてはそれぞれの企業において資金手当てその他をいたしながら、岳南排水路に出る工場の排水、公害を出すもの、工場排水というものが岳南排水路に入るときに汚染されていない、汚染のおそれのない状態になるというのが原則だと思いますので、これらの点は資金のあっせんその他も考えながら、やはり原則論は原則論として、中小企業といえども守っていただくという方法をとってまいりたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 昨日も下水道整備五カ年計画について経済企画庁との間に大きな開きがあることを指摘いたしました。多くを繰り返すことは省略いたしますが、下水道整備計画、建設省によれば二兆六千億、経済社会発展計画に基づく経済企画庁の試算は二兆三千億、この中で私が問題にいたしておりましたのは特定都市下水道、すなわち企業責任によるものが三分の一であります。大体三百億の予算が建設省には組んでありますが、経済社会発展計画の中になかったんです。これは総ワクの新全総その他によって五十五兆円あるから、それには予備費が一兆円あるので、操作は自由であるという意味で、きわめて具体性に乏しい御答がありました。いわゆる特定都市下水道、つまり企業責任によるものについては、ただいま長官はいろいろと努力もしているから効果は徐々にあがりつつあるということでありますが、大手その他の企業責任による廃液のたれ流しを最小限度に処理する施設についてどのような経費がつぎ込まれ、どのような施設が具体的に講ぜられておりますか。公害対策本部としては御調査になり、あるいは不徹底なものに対してはいかなる措置をもって指導し、その責任を追及しておられますか。ただいまの御答弁では私は不十分だと思いますから、さらに一歩踏み込んだ御答弁をわずらわしたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 国の基本的な姿勢としては、たとえば夏場の有毒なガスの発生する時期等においては工場に一斉に操業停止を命じたいというくらい考えて、各種の根拠法規をさがしてみたのでありますけれども、そういう私企業に対して停止を命ずる根拠がございませんでしたので、そのような基本姿勢の強硬手段をとり得ずにおったわけでありますが、しかし、その考え方は、やはり企業というものが恣意に地域住民あるいは陸上、海上を問わず汚染することは許されない環境ということを自覚してもらいたいという精神で進んでおります。したがって、現在の工場側の施設の推移の状況でありますが、大手の十九工場のうち、大体三月までには七工場ほどが基準に合致するような設備を完成するようであります。また、県のほうで、中小百十一工場については三月中に計画をすでに決定をさせたようでございますので、これが六月までに全部完成されますと、七月から予定される規制基準には達するものということを一応の報告として受けておるわけでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 昨年の九月九日開かれました衆議院産業公害対策特別委員会においては、公害責任をめぐって地元県知事に対する告発、大昭和製紙など地元大手企業の自主操短提案等で深刻な事態を招いておる静岡県の田子の浦ヘドロ公害をモデルケースに公害論議がかわされました。竹山知事、渡辺富士市長、斉藤大昭和製紙社長、佐野富男県紙業協会副会長の四民を参考人として出席を求め、ヘドロたれ流しに対する企業責任と、それを放任していた政治責任について、加害者側からの意見陳述を聞いたあと責任追及がありました。その結果、富士市の大手十五社を代表し、おわびをするという斉藤大昭和製紙社長の意見陳述がございました。岳南排水事業で解決すると思ったことなどに甘さがあった。汚水対策には恒久的に製紙企業全体で七十億円以上の予算を組んでおる、緊急措置として十五社で三億数千万円を出し、とりあえずのことをやるつもり、ヘドロを減らすため二ないし八割に及ぶ操短、減産をやるつもりだと述べております。これはいやしくも衆議院産業公害対策特別委員会における公式の発言でありますが、ただいま大臣は操短、減産をやるということは無理があるのではないかという意味のことでありますが、この論議を受けて公式の場において金も組んだ、緊急措置として三億数千万円出す、ヘドロを減らすために二ないし八割に及ぶ操短、減産をやるつもりだと言っておりますが、操短、減産はやらないのでありますか、やっておるのでありますか、実績はどういう実績になっておるのでありますか。地元静岡県知事との間にどのような連絡を受けておられますか。みずからやると言っておるのでありますから、やらせればいいではありませんか。あまりにも温情に過ぎますと、政府の公害に対する政治姿勢を疑われる結果になると私は思いますが、いかがでありますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 私の言いましたのは、操業停止を命ずるということが法的にむずかしいということを申し上げたわけです。したがって、操短その他の自粛措置というものは大いにやってほしいということを言っておるわけでありますし、仲に入られまして県知事もその意を体して、富士市等と相談をしながら、操短は事実昨年も行なわれたわけでございます。ただ、それが何割に達したかどうかについては、具体的な数字は事務当局からお答えさせたいと思います。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) これは岳南水域の水質調査を毎月やっておるわけでございます。それを通じまして企業の全体のSSの負荷量がどういうように変化しておるかということを調査いたしております。これによりますと、先ほど大臣からお答えございましたように、七月には一日で千百六十一トンあったのでございます。これは正確に申しますと、駿河湾の十七地点において調査したものでございますが、千百六十一トンあったのでございますが、それが去年の十二月九日の調査では五百四十四トンということになっております。途中これは、たとえば八月には九百八十五トン、九月にはこれが五百七十四トン、十月は七百二十トンというように、若干調査の時点において上下がございますけれども、全体として低減しておることは確かだと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 それはよろしいですがね。その資料は、あなた方が現地においでになって御調査になったのでありますか。静岡県知事からの報告をうのみにされたのでありますか。少なくとも自主的に二割ないし八割の操短、減産をするつもりだと、こういう公約を産業公害特別委員会でやっておる。しかりとするならば、その実績を、少なくとも大庭が現地を――日帰りもできるわけであります。自動車を飛ばせばきわめて簡単に行けるわけです。御調査になって私はしかるべきだと思う。少なくとも終末処理場のできるまではこの問題は解決しない。したがって、企業のほうでもそういう態度であり、私は停止をせよということを申しておるのではありません。この公的な衆議院産業公害特別委員会において自発的に述べられたことが着実に守られておるかどうかということを、やはりこれは公害対策本部の最高責任者としてみずから御調査になり、不十分な点はこれに対してきびしくこの公約を実行してもらうべきだと私は思いますが、そのような措置をお講じになる必要はありませんか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 現地には私も、おっしゃるとおり自動車で参りまして視察をいたしました。あえて私のほうで調査と申し上げませんのは、事務当局を連れていっておりませんので、だれにも知らさずにこっそり行ってみたわけであります。したがって、私は測定能力を持っておりませんでしたから、調査ということばを使えないわけでありますが、しかし事務当局あるいは各省のそれぞれの測定能力その他あるわけでありますから、直接国がやりますることも必要でありましょうが、やはり公害の各種規制権限というものを地方庁に大幅に依存をした法律の趣旨からいって、どうしてもやはり県と市においてやってもらいたい、ことに県知事さんが仲に立ってそういうことをやってほしいという姿勢をとっておりますので、どうしても県のやっておりますことがうまくいかないという場合においては、あらためて私と知事さんとの会談もやり、あるいは共同で技術陣を引き連れての現地調査も必要な事態がくるのではないかと思っておりますが、現在のところは、知事と私どもの意見が一致した方針に従って処理される方策というものを見守っていくということに一応は尽きるのではないかと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 おいでになったのはいつですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) はっきり年月日は記憶いたしておりませんが、昨年の十――ことしの一月十日でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 先ほど事務当局から資料を朗読になりましたが、それは操短、減産に基づく廃液流下量の減少と私は受けとめますが、現地についてあなた方はお調べになったのですか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 先ほどの調査は、富士と富士宮両市の調査でございます。  それからこのSSの負荷量が減少した原因は何であるかという点でございますが、そのうちには操短もございますし、それから先ほど大臣がお答えになりました各種の施設でございます。この排水処理施設が順次でき上がっていっておりますから、それによる影響ももちろんございます。両方が合わさった総合的な結果でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 そうしますと、あなた方は現地に一ぺんも――大臣はおいでになったが、あなた方は公式にも非公式にも現地の実情を把握してないということですね。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) これは各省それぞれの所管の問題を持ちまして何度も現地に行っております。私ももちろん参っております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 それはおかしいではないですか、長官みずからは公式ではなくとも非公式においでになっておる。その関心の高さというものに対しては一応敬意を表しますが、総合調整をして、いかに公害を最小限度に食いとめ、末は最も早期に公害をなくする。そのための公害対策本部ではなかったわけですか、何のための公害対策本部です。現地に事務当局がただの一回も出ない、それで確認ということになりますか、大臣を補佐する公害対策本部は、その程度の両市の報告で満足されて、この委員会に御報告になるだけの確信がありますか、何の保証があります。あなた方が確認をしたものについて責任を持って御答弁をなさい。少なくとも両市の市長について最近の状況を求め、あるいは大臣においても、この昨年九月九日に行なわれた自発的な企業者の態度、それが実施されておるやいなや、これはこれだけやかましい代表的なヘドロ公害の問題でありますから、正式に静岡県知事と会談をきれ、その後の状況をつぶさに調査され、足らざるところはこれをさらに進めていく、補っていく、そして地元住民に最小限度の被害で食いとめていく、このような措置があってしかるべきだと思いますが、いかがですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 事務当局が行っていないとは申し上げておりません。先ほど植松次席のお話で、私たちも何回も参りましたと言っておりますし、通産、厚生、それぞれ行っておるわけであります。建設省も行ってもらったと思いますが、それらについては本部において絶えずその報告、実情等掌握しておりますし、あるいは誤解になったのは、ただいまの排水総量の測定結果というものが、その測定したものがだれかということで、富士市と富士宮市という御報告をいたしましたので、地元まかせというふうにとられたのではないかと思います。私どものほうも直接事務当局が参りまして、相当現地で技術的な問題等も意見を交換し、あるいはまた討論を交換して帰ってきておるという実情でございます。なお一昨日竹山知事が上京されて、私のところにたずねられたのでありますが、たまたま私が大臣室におりませんでしたから、お会いできないままお帰りになりまして、たいへん残念でありましたが、なるべくひんぱんにお会いしたいと考えております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 時間の関係もありますから、少なくとも私は、昨年の九月九日の衆議院産業公害対策特別委員会における製紙企業全体が自主的に申し述べたことに対して、それが的確に行なわれているかどうか、この点の詰めが足りないように思います。これは国会でそのようなことを言っても、政府としての責任ではないとおっしゃるかもしれませんが、国会における国民関心のこの問題に対する自主的な企業体の、誠実であるかいなか、責任を感じておるかいなかということはきわめて重大であります。したがって製紙業全体で七十億円以上の予算を組んでおり、緊急措置として十五社で三億数千万を出し、とりあえずやるつもりである。ヘドロを減らすために二割ないし八割に及ぶ操短、減産をやるつもりである。その実態を明らかにする対策を早急に講じてもらいたいと思いますが、講じていただけますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 私はその参考人の意見、陳情を聞いておりませんが、速記録からのお話でありましょうから、そういう発言があったことは間違いないと思いますが、しかしその後その陳述をされた方の会社を含めて、そのような姿勢で推移しているように若干思われない節があることは、率直にいって認めざるを得ないと思うのです。そういうふうには思われない節があります。八割操短というのは明確にわかるわけですけれども、その意味ではたとえば一日全部休んだというようなことが週二日あれば、それが何割に相当するかという計算は別に立ちましょうけれども、少なくとも八割までの操短というのは非常に大きな、操業率二〇%ということでありますから、そういうようなふうなことが良心的に実行されておるとは見られない節があります。したがって今後港湾機能の回復、あるいはまた暑い時期を迎えての硫化水素等の影響等考えますときに、それらの国会における公的な場において製紙業界を代表して発言されたことでありますから、当然その用意はあって発言されたものと思いますが、実行が必要な場合には二割ないし八割の操短を強制されてもしかたない、強要されてもしかたないということは当然考えておられると思いますが、そのことは私も十分胸におさめて、今後の推移を見守っていきたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 要するに善処するということですね。そういう実行がされておるかどうかということについての詰めを行なうということですね。さように理解してよろしいですね。  それではこの問題はこの程度にいたしまして、富士川河川敷へのヘドロ投棄の問題について主として昨日は根本建設大臣にお尋ねをいたしました。所管が建設省ではありますが、公害対策の本部長という立場において総合的、かつ諸官庁を総合した御見解を承りたいと思いますが、田子の浦ヘドロは百万トンといわれておりますが、昨日もこれは大体当局も認められました。そのうち三十万トンを富士川河川敷に一時的にもせよ、投棄することを認可した建設大臣は、河川という公共用物並びに河川流水の清潔という観点から、ヘドロの処理方法についてどのような見識と対策を持っておられるかということをただしたわけであります。特にあとで水産庁長官にも伺いますが、三十万トンのヘドロを静岡県知事から河川法二十四条、二十六条、二十七条、二十九条に基づいて申請があり、三月六日に建設大臣は許可されております。昨日の質問において厚生省、通産省とも、カドミウム、水銀を含んでおるということは言明がありました。そのようなものを三十万トン投棄堆積させることは地下水の影響も考えられる。また、これから梅雨期に向かって河川洪水が発生した場合、堤防の決壊というような不測の事態もあり得ると思う。そういう場合にはこのヘドロが第二次公害をもたらすことはあまりにも明確であります。したがって富士川河川敷に投棄することによって発生し得ないと言えない、発生する場合がたぶんにありと思われるこれらの措置、責任について、公害対策本部長の御所見を承りたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) この富士川の河川敷使用の問題については、河川法上の許認可の問題等もありましょうが、高度の建設大臣の政治判断によって処理していただいたものでございます。地下水等については、これは静岡県の調査、地元の飲料水その他の使用状況の実態の調査等から、水脈その他の調査を経てだいじょうぶだということに一応なっておるわけでありますが、私と建設大臣とは並列の対等の大臣でありますので、お願いをするしようはたいへん公文書上はむずかしかったのでありますが、こういうようなことをいたして、建設大臣の政治判断をいただいたわけであります。私のほうから公害対策本部副本部長、公害担当大臣としての総理府総務長官から建設大臣殿あての文書として、「田子の浦港の汚泥処理について」、四十六年の三月六日でございます。「田子の浦港の公害問題については、昨年末当本部を中心として、その総合的処理に関し検討が進められてきたところであるが、特に緊急を要する沈澱汚泥の処理については、静岡県当局が富士川河川敷における処理案を策定し、所要の調査を行ない、地元民の了解もとりつけたうえで当本部に説明が行なわれた。現在の段階において、緊急処理案として地元に他の成案がない以上、当本部としても本案を推進することに賛成であるので、実施の前提となる富士川河川敷使用許可については、早急な処理方ご配慮願いたい。なお水産関係への影響の問題については、水産庁においてすでに検討ずみである。」ということで、各省の利害を持ちます、ことに水産動植物の影響等も水産庁と私どもの本部において十分打ち合わせをした上、このような公文書をもって建設大臣の決断をお願いしたわけであります。  したがって、河川法の第何条という根拠も当然断を下す以上は必要になってまいりますが、これは政府が一体として、典型的な製紙かすによる港湾機能の麻痺にまで至った状態、あるいはほうっておけば駿河湾一体の水産動植物に対する影響から漁民に対するはかり知れない影響等も起こり得る問題として、国が積極的に取り組む一つのケースだとして取り上げて、政治課題としてこのような措置をもって決断を願ったわけでありますから、この措置は河川法に従って当然行なわれるべき認可行為であったとばかりは思えないと私は思うのです。したがって、各省の所管のことでありましても、対策本部においてそれらを相談をいたしながら、必要ならばこのような公文書等でもお願いをしながら、今後特例をもってしてでもこのような問題の緊急処理については、政府の各省の総力をあげて当たりたいというあらわれの一つだと考えるわけであります。  建設省においては、しかし、ただいまの御指摘の御懸念を心配されまして、予想される出水期以前、すなわち五月末までの使用を認める、さしあたりそういうことにしてございますので、地元民との約束は四月一ぱいであるかと思いますが、それらの了解中にはどうしても三十万トンの処理はできないと思いますので、静岡県の知事さんもそういうことの御相談に来られたのではなかったかと思うのでございますが、静岡県当局において、関係地区民の方々と御相談になって、あらためて五月末の許可期限一ぱいに処理をしてもらって、できれば目標の三十万トン処理というものを達成してもらう。そして出水期には、かような洪水によって第二次の公害を起こすようなことのない、きれいになった状態において、建設省の要望にもちゃんと沿ったものにして、三十万トンを目的どおり処理してもらいたいということをいま願っておるわけでございます。要するにそのような各方面に対する第二次的な影響、公害のさらに派生するということを避けるためにも十分の検討はいたしておるつもりでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 私は昨日も建設大臣に河川管理上の基本姿勢について伺ったわけであります。河川法上から見た企業汚濁物に対する許可責任についてであります。河川法第二十四条及び昭和四十年の建設事務次官通達、「河川敷地の占用許可について」の河川敷地占用許可準則、河川法第二十九条「河川の流水等について河川管理上支障を及ぼすおそれのある行為の禁止、制限又は許可」であります。及び、同法施行令第十六条の四、「河川の流水等について河川管理上支障を及ぼすおそれのある行為の禁止」、同第十六条の八、「河川の流水等について河川管理上支障を及ぼすおそれのある行為の許可」、いずれの規定された条文から見ましても、企業の生産活動に伴い、しかもたれ流しによる汚濁廃棄物たるものを公共用物たる河川敷地に許可してもよいという規定はございません。しかるに、このことをるるお話しをし、質疑応答の中で、建設大臣は最終的に、この質問に対し高度の政治判断によるものである、かような――きわめて困った結果、やむを得ないものである、その根拠については明確にせずして、自分の高度の政治判断としてやった、こういうことであります。ところが、横合いから河川局長がいろいろなへ理屈を進言した結果もあろうと思いますが、河川法第二十四条に基づく昭和四十五年八月七日公布、政令第二百三十五号に基づいて、河川法施行令の一部を改正する政令、これの十六条の四及び十六条の八、その他によってやったんだ、こういうことであります。  今朝も私の部屋へこの資料を要求によって届けられた。そこで、またいろいろ説明をされますから、私は、公的な場において大臣が当初高度の政治判断に基づいてやむを得ずやったんだと――私はその限りにおいて納得するものではありませんが、その気持ちはわからないではない。きわめて率直な御答弁として受け取めて、それで打ち切ろうとしたんです。ところが、十六条の入を見ますと、「次の各号の一に掲げる行為をしようとする者は、建設省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、日常生活のために必要な行為、農業若しくは漁業を営むために通常行なわれる行為又は営業等のためにやむを得ないものとして河川管理者が指定した行為については、この限りでない。」というので二つ規定しております。一つは、「河川区域内の土地において土、汚物、染料その他の河川の流水を汚濁するおそれのあるものが付着した物件を洗浄すること。」、「付着した物件を洗浄すること」まで禁止しております。この条項は、「河川区域内の土地において土石、竹木その他の物件を堆積し、又は設置すること。」、こういう「その他」に該当する解釈のようであります。したがって、法律違反ではない。このように建設大臣は前言をひるがえされました。高度の政治判断によってと、いやしくも大臣が言明したことを、前言をひるがえすということは、私ははなはだ遺憾に思います。「その他」の中には有毒物質を含む、廃棄物を含むのかどうか。ヘドロを含むという解釈で合法性があるとお考えになったのでありますか。次官通達によれば、汚物の投棄は許可してならないと出しておるではありませんか。三百代言みたいなような河川局長の昨日の答弁といい、態度といい、大臣が少なくとも高度の政治判断によって決定したのである、自分の責任においてやったのであるということに対して、このようなあいまいな「その他」というようなものに依拠しておるようでありますが、このようなことは私はあってはならないと思います。薄弱であります。こじつけであります。これを合法としても、合法としないとしても、もし第二次公害のとき、被害が生じた場合は、政府にその責任があり、政府の責任において処理することが当然だと私は思いますが、両大臣の御所見をこの際あらためて伺っておきたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) きのう以来明確に私は答弁したのでありまするが、足鹿さんは少し主観が強過ぎるじゃないかと思う。私は前言をひるがえしたりなどしていない。私は、これは高度の政治判断によって許可をしました。これは言っています。しかし、これは法に基づかずして恣意でやったことではない。これは事務当局からも説明したように、この前あなたが盛んに言われたことは、企業の廃棄物の投棄を、企業から許可の申請があって許可するような受け取り方をしておられますが、そうじゃない。これは原因は企業がたれ流したこともあるかもしれませんけれども、長年にわたってそうしたヘドロが堆積いたしまして、田子の浦の港湾の機能が非常に阻害されておる。さらに漁業、こちらの方面にも大きな被害が出てきておる。一般住民にも迷靖がかかっておる。であるから、これをどうかして処理しなければならない。そこでいろいろの方策を考えられたが、まず海洋投棄、これがだめなんだ。陸上で処理することもできない。そうしていろいろやった結果、これは関係各省でいろいろ知恵をしぼってやったけれども、結局はあそこに田子の浦のあれを持ってきて、一時的にそこに暫定的に堆積して処理する以外に、それ以上の方法はない。であるから、先ほども総務長官が言われたように、公害対策担当の国務大臣としても、ぜひこの際第二次公害がほとんどないように処理した結果、これを使わしてほしいというような形でわれわれのほうにも公文書がまいった。こういう観点からして、これは通常の河川管理上、一般国民がここを使わしてほしいとかなんとかということとは違うことである。しかも、河川法上はあすこのところに物を堆積したり、あるいは土砂をそこから取り去るとか、いろいろの条件が必要になってくる。そういうことの行為は、これは河川法上の権限によって建設大臣に与えられている。そういう意味でこれは河川法上建設大臣が許可するにあたってはその条文によっておる。ただし、あなたが御指摘しているように、通常の河川管理上これは望ましいことではないということは、私が言ったとおりです。しかしながら、河川法上の建設大臣に与えられた権限でこれは許可の行政行為をとったと、こういうことでございまして、私が権限のないことをやったということではございません。権限は河川法上与えられておるのです。しかし、通常の場合における判定の基準と、今度こういう行為をしたときにあたっての基準は違っている。それは高度の政治的判断に基づいてこれは許可をした、こういうことでございます。したがいまして、前言を取り消したとか、あるいは言いかえたということではないのです。その点は御理解していただきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 私から付言することもないかと思いますが、河川法並びにその政令の趣旨は一貫して、河川に廃棄物や、あるいは鳥獣の死骸をみだりに投棄してはならないという姿勢をもって貫いておるわけでありますから、今回のヘドロを処理するために工作物を設けて一定期間使用を許可するということは全くの例外だと思うのです。しかしながら、例外と言っても法律にないものを許可することはできないわけでありますから、所管大臣といえども法の違反行為はできない厳然たる事実があるわけでありますから、それを違反の範囲でない、しかし、そのようなことはみだりに許可すべきものではない。したがって、建設省としてはなかなかこの許可を渋られたのは当然のことだと思うのです。そこで、先ほど読み上げましたような公害対策本部としての考え方からのお願いを建設大臣にいたす行為をとることによって、しかも、公文書でこれを行なうことによって、建設省としては全く河川法の精神に若干この点は違反――違背といいますか、精神には逆行することになるけれども、この際、国の重大な施策の結果として、そこまで地元の要望に沿わざるを得なければ解決ができないというならばやむを得なかろうという意味の御決断を願ったということでありますから、その意味において建設大臣の御答弁、昨日は聞いておりませんけれども、私との間に意見の食い違いはないものと考えておる次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 いずれにいたしましても、十六条の四並びに十六条の八、その他のもので根拠を求められておることは疑いのない事実であろうと思います。次官通達においては汚物の投棄を許可してはならないとなっている。では、ヘドロは汚物であるか、汚物でないか。私は汚物以上のこれは第二次公害を誘発する危険きわまる廃棄汚物である。このようなものに拡大解釈をいたしますならば、今後生ずるであろう第二次公害の被害が不幸にして出た場合は、すべて政府は責任を問われる結果になることを御覚悟願いたい。  いまの根本建設大臣の御答弁は、速記録をごらんになりましても、私が主観にとらわれておるとおっしゃいましたが、そうではありません。当初は、いわゆる法的な問題はともかくとして、高度の政治判断による以外にはなかったと、こういうあなたは御答弁になりましたので、私はそれで質疑を打ち切ろうとした。ところが、河川局長がこそこそと言って、このものをあなたに示されたときから、法的な根拠があるんだと、こういうふうに答弁の内容が変わりましたことを私はあらためて申し上げておきます。私が主観にとらわれて申し上げておるのではありません。少なくとも山中総務長官が言われたごとく、法は不備である、すべてのものをさばくことはできますまい、規定づけることはできますまい。しかし、このたびの場合は、流水を汚濁するおそれのあるものが付着した物件を洗うことまで禁止しておる政令ですよ。それを「土石、竹木その他」で片をつけるなどというような、河川局長は三百代言にひとしい進言を上司に向かってすることは不謹慎である。あえて弁明は求めませんが、そのような日本における最大の注目を浴びておる公害問題、世界的にも大きな成り行きを見守っておる公害問題を合法化していくために、流水を汚濁するおそれのある付着したものすら洗っていけないというものに、これを埋めさせるということについては、投棄することについては高度の政治判断による以外にはない。私もその気持ちはわからぬではありません。あれこれと事務屋の狭い視野から立ってこの問題を処理されることは厳に慎んでいただきたい。  ただいまの山中総務長官の御答弁によって私は一応この問題は打ち切りますが、いずれが是か非か、第二次公害が発生いたしました場合、その被害を生じた場合は、高度の政治判断に基づいてやられた責任は政府にある。したがって、その責任の処理は明確にされることを強く指摘し、今後の情勢を見守りたいと思います。

田口長治郎自由民主党

○委員長(田口長治郎君) 本案に対する午前中の審査はこの程度にいたし、午後二時迄休憩いたします。    午後一時九分休憩      ―――――・―――――    午後二時十九分開会

田口長治郎自由民主党

○委員長(田口長治郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑の方は順次発言を願います。  なお、参考人として、日本道路公団尾之内副総裁、三野理事及び首都高速道路公団林理事長、原山理事が出席されております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 建設大臣も、道路公団、首都高速道路公団の責任者の方々もすでに御理解のことだと思いますけれども、高速道路が非常に評判が悪いのですね。これは高速ではないではないか、せっかく道を急ぐから金を払って車に乗るのに、乗るとうしろへ行けませんから、ほんとうににっちもさっちもいかない中で、かえって時間がおくれてしまうというようなことがある。こういう問題をひとついろいろ掘り下げて御見解や対策を承りたいと思います。いまの状態は、完全に当初の目的とは違って、舗装された都会の迷路になったということも言えるんではないか。特にいま私が問題といたしますのは、三月二十一日から首都高速の六号線、七号線が開通をした、これからほんとうにどうにもならない状態に入っている。いまその数字が大体大まかにつかめる段階にきたので、この点からひとつ具体的に伺っていきたいと思います。  簡単に言えば、六号線、七号線が動き出してからこの渋滞が決定的になって、回数で言えばざっと四〇%も渋滞が多くなってきた。いろいろ数字があると思いますけれども、とりあえず、こういう状態についてどういうふうにお考えになるか、冒頭にまず大臣から伺っておきたいと思うんです。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま上田さんから御指摘いただいたとおり、まことにこれは非常な渋滞状況で、非常に私も頭を痛めておりますが、これの一つの大きな原因は、大体当初この首都高速が発足してからずうっと、車の増加の状況について甘い観測があったということ。それからもう一つは、実は東京都内に入ってくる車の約三分の一は、これは通過する、いわば東京都自身に用事があるのでなくて、ここを経て東北に行く、北陸に行く、あるいは関西に行くというもので、経過交通量が非常に増大しておる。これに対しては、実は建設省としましては、関係都府県と連絡をして、一つは湾岸道路を整備することによって、いまの東海道方面に逃がす、これを計画しておったのが、なかなかこれが地元のいろいろな関係で進捗していない。それから御承知の外郭環状線とも申すべき千葉、それから埼玉、それから東京と、こう大きくやっておるのがありますが、この千葉、埼玉のほうは計画が大体できて、土地買収等も進んでいっておりますが、東京側のほうがもう全然計画決定ができない、そういうものが全部中に入ってきておる。それから内環状線、これまた都市計画決定のほうがなかなか東京との間で合意ができないために、それが停滞しておる。そうしたものが全部今度は高速ができたからそれ行けということできたために、たいへんな状況でございます。  そこで、できるだけいま込んでおるところのものをバイパスさせる計画を強力に進めております。で、まず第一に湾岸道路、これはいま沈埋工事は進んでおりまするが、これに引き続いて、相当金がかかりますけれども、これは思い切ってひとつ進めてまいりたい。それからもう一つは、九号をできるだけ早く整備することによって、この湾岸道路と接続させることによってその点を救済していく。それからもう一つ、高速自動車道については、特に渋滞しておるところの拡幅工事をいま進めております。これは具体的なことは事務当局に説明させます。それからもう一つは、やはり出口をもう少しつけてやらないといかないと思いますので、これも事務的に検討させて、そうしてとにかく長い間にっちもさっちもいかないことでははなはだおかしいから、とにかくおりるところをもう少し場所を多くしてやるということ。それからもう一つは、コンピューター等によって限られたスペースをいかに時間的にかつ有効にスムーズに流れるかということを検討をさせまして、まず一応そういうことはやっている。しかし基本的には、先ほど申したような思い切った東京都内並びに外郭の環状線等を整備しなければならない。これには予算も準備しておりますけれども、問題は、何しろ土地の収用の問題ということがありまするので、非常に私も頭を悩ましておりまするが、最近東京都自体におきましても、事の重要性にかんがみまして、だいぶ今度熱心にやってくださるというような傾向にありまするので、相ともに携えて基本的な対策を進めてまいりたいと思っておる次第でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 御答弁の内容をひとつこまかくこれからいろいろ伺っていきたいと思いますが、何といっても、まず現在の渋滞の状況というのを的確に把握をしていただかなければならない。まあ三月の二十一日の六号、七号の開通というのがある。これがもう何といっても決定的なきっかけになって、渋滞の回数なり、あるいは入路閉鎖状況なりがぐんぐん上がっている。さっき非常に大ざっぱなことを申し上げたけれども、公団の資料によっても、まず四〇%増ということなんですね。この中で注目をしなければならぬと思うのは、渋滞原因ですね、渋滞の原因が、事故によるもの、それから自然渋滞、こう二つに分けられるようですけれども、決定的に自然渋滞が多い。八九%から九〇%という数字。あの中で事故が起きないというのもふしぎなぐらいな気がしますけれども、しかしそれにしても九〇%が自然渋滞だということは、これはもう目先のテクニカルな問題ではなくて、基本的な計画立案、あるいは道路行政の基本の問題に触れているだろうと思うんですね。  そこで、公団側からひとつ具体的に数字も伺っていきたいと思うんですけれども、大臣からの大まかな御答弁はありましたけれども、このデータによりますと、六号、七号が動く前とあとで話を進めていくと、渋滞発生回数が、その前の一週間で四十七回が、始まってからは六十六回、それからその次の週がまた六十九回と、こういう目立ったふえ方になっている。それから入路閉鎖というのは、これはもう対症療法としては一番乱暴なやり方でありまして、対策とは言えないと思うけれども、もっと悪くしないためにというだけのことですね。これでも大体六カ所ないし八カ所ぐらいの閉鎖の名所がもうできていますね。銀座、京橋、本町、代官町、神田橋、江戸橋などなど。銀座などでも六号、七号の前は一週間に五回だったのが、始まってからは十三回、その次の週が十四回、こういうようになっている。特にひどいのは江戸橋で、それまでは一週間で一回だったのが十四回、さらにその次は十七回ですか、たいへんなこれは、つまり車で高速道路に入ることもできなくなる回数が実に十四倍、十七倍、こういうことになっていますね。こういう数字はもう少し詳しくひとつ説明をしていただきたいことと、一体これでは高速道路の意味がないではないかという非常に都民の声が起きている。首都高速道路公団の責任者はどういうふうにお考えですか。

林修三首都高速道路公団理事長

○参考人(林修三君) ただいま御質問のことでございますが、確かに最近の高速道路は通行台数が非常に増加を示しておりまして、はなはだ遺憾なことでございますが、いわゆる渋滞現象が、少なくとも平日においては毎日のように実は起こっておるわけであります。この現象は実はもう一両年前から起こってきておるわけでありますが、いまおっしゃったように、三月の二十一日の六、七号線の開通ということが一つのまたそれをふやす要因になっていることは、これはまた事実でございます。ただ、いまおっしゃいましたようなことが決定的な要因だとおっしゃいましたが、この点はわれわれは多少見方を異にしております。確かにその前後で交通がふえていることは事実で、いまおっしゃいましたように、大体渋滞が、それまでの平均では一日七回、平均して七回ぐらいなのが十回ぐらいにふえたという点はございます。  そこで、これについて原因は何かということでございますが、これは結局道路容量、道路にはやはり道路容量というものがございまして、一定時間内に通行し得る限度というものがあるわけであります。これに対して、その容量を越える実は交通需要が起きた場合には、どうしても渋滞という現象がそこに起こってくるわけであります。そこで、結局その渋滞をなくす方法は、長期的には、先ほど建設大臣からもお答えいたしましたとおりに、道路容量をふやす以外に方法はございません。道路容量をふやす方法としては、長期的に考えれば湾岸道路、これはいまわれわれのほうも予算をいただいて、東京の一番むずかしいところの東京港口の沈埋トンネルの工事をやっております。その前後の取りつけ道路も早急にこしらえなければならないと思っております。一部予算化しているところもございます。それから中央環状線とわれわれ呼んでおりますが、その湾岸道路の途中から分かれまして、大体いまのところの予定では、都道の環状六号線に沿って東京の南から西に、さらに北のほうに、東京の周囲を取り巻くこれらの開発が急務だと思っています。こういうものを至急に開発しまして、都心を通過してよそからよそに、東京の外から外に出ていく、こういう通行車両をそっちのほうに回すということがぜひとも必要だと思っているわけであります。  それから、ただ、これは非常にわれわれのほうも、大体開通している道路が約九十キロでございますが、ここ十年ぐらいの間にそれを二百数十キロまで延ばしたいという計画でやっておりますが、ただ、昨今の交通需要調査を見ますと、それだけつくってもなお高速道路に対する需要は容量をオーバーするという見方が出ております。それだけ、二百数十キロ開発してもなおかつ高速道路に対する道路需要は、道路容量より二、三割オーバーするという見込みが出ておりまして、これじゃなお足りないという問題があるわけであります。  それで、これは相当長期のいま路線の開発を申しましたが、短期的に申せば、一つは既存路線の拡幅の問題でございます。既存路線の拡幅は、技術的には非常にむずかしい点があるわけでございますが、その技術的な点をある程度克服して、ただいま一号線の浜崎インターチェンジと汐留の間の上下一車線ずつの拡幅工事をやっております。明年ぐらいまでにはでき上がるつもりでいまやっておるわけでございます。これによって、いま交通が非常に混雑をしている、一番の難所である汐留-浜崎インターチェンジ間、この間の多少の緩和に資したいということでやっておるわけであります。  それからほんとうの目先のことといたしましては、先ほど申しましたように、交通需要と交通容量とを合わせる方法としては、やはりその中が一ぱいであるというようなときにはその表示をいたしまして、外部に表示をして、乗っていただくことを御遠慮願う以外に方法がないわけであります。無制限に入ってきても、交通容量をオーバーする車両はいかなる道路でも通行できないわけであります。それをある程度制限するほかに方法がないわけであります。これは鉄道と違いまして、自分でダイヤを組んで一定の車両を運行しておるのではございませんで、一定の道路をつくって、そこを選択によって通るという性質のものでございますので、やはりいま一ぱいである、渋滞をしておるということを一般の通行車両になるべく広く知らせて、そこで選択をしていただくという以外に、交通容量をオーバーする通行台数を制限する方法はないわけでございます。その方法としては、いま言ったように、外部にそれを表示する方法と、それから万やむを得ないときに一部の入路を閉鎖するという方法をやっております。これはやはり高速道路上に乗っている車両はなるべく早期に目的地に行っていただくことが必要なわけで、そういう意味においては、はなはだサービスとしては申しわけないことではございますけれども、新しく入ってくる車両は若干中がオーバーしているときには御遠慮していただく以外に方法がない、現実の状況としてはそういうことでございまして、入路の閉鎖をやっております。入路の閉鎖の状況が六、七号線の開通以来ふえたことも御指摘のとおり事実でございます。なるべくこれは短くしたいわけでございますが、いま申しましたような、どうしても交通容量をオーバーする交通需要がある場合には、どこかでやはりそれを制限する以外には、一定の限られた道路を通行する車両数には限度がある、それをオーバーするのはどっかでやはり制限する以外に方法がないわけであります。やむを得ずそういうことをやっておるわけであります。  昨今の交通渋滞のパターンを見ますと、毎日こういう渋滞状況が起こっておりますのは、大体午前の十時ないし十一時半くらいと、午後は大体二時から四時くらいの時間でございまして、いわゆる通勤時間というものにはあまり渋滞現象は起こっておりません。これは特に六、七号が開通して以来のそういう顕著な状況でございますが、これはやはり業務交通が非常に多いということを私は示しておるものと思っております。それで、業務交通に対処する新しい計画なり、新規の路線の開発がいよいよ急務になってきたというふうに考えております。先ほど申しました湾岸道路とか、あるいは中央環状道路の建設は非常に急務でございますが、予算はある程度予算化はしておるわけでございますが、都市計画がなかなかきまらない。これはいろいろな事情できまらないという状況がございまして、私どもとしては東京都に強くお願いして、それを早く実現してもらうようにお願いをしておるわけでございます。大体そういうような状況でございます。  それから、先ほどおっしゃいました渋滞の原因でございますが、これは昨今の平均を見ますと、確かに自然渋滞が多いわけでございますが、自然渋滞は大体七六%くらいでございまして、事故、故障によるものがそれ以外の比率でございます。自然渋滞は、ある程度流入量を制限すれば、これはとまっておるわけでございませんから、のろのろでも運転して、比較的早く解消するという状況でございます。事故のほうは、なるべく事故のあとの検証等を早くやっていただいて、早く自然に復するように努力をしておりますが、いろいろ民事上、刑事上の問題もございまして、やはり平均時間が一時間くらいかかっております。これはなるべく早くするように警視庁とも協力してやっていきたいと考えておるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 つまり、お話を聞いておると、まるっきりお手上げだということなんですね。ずいぶん長い間答弁だったけれども、お手上げだ、お手上げだということを私はいろいろなことばで差しかえとりかえ聞いたように思います。対策は何だというと、いつできるかわからない大きな道路をいっか通そうじゃないか。これは御答弁の中にあったように、先行きがどうなるかよく見通しがつかぬということなんです。ところが走っているのは毎日なんですよ。私はこれは基本的に反省が足りないと思うのです。ことばじりをとらえるつもりはありませんけれども、おっしゃることは、なるべく中へ乗せないようにして、乗ったらゆっくり走れ、言っていることはこれだけじゃないですか。高速道路は金もかかって、乗る人は高いですから、二百円というのは生活実感としては。しかし急ぎなければならぬから乗っているのでありまして、これに対して乗る人をなるべく少なくして、乗ったらわりにゆっくり走ってもらうというようなことが、これがやはり高速道路の行政の基本にあるというふうに受け取らざるを得ないような御答弁では、私は非常に問題があると思うのです。具体的に言って何が自然渋滞が七十何%ですか。大臣.それを計算してごらんなさい。たとえば六、七号の開通する前、自然渋滞は四十二で事故渋滞が五つじゃありませんか。六、七号ができてきた今日は、全部で六十六のうち五十九じゃないですか、自然渋滞が。これはまさしく八九・九%じゃないですか。先週もまさに六十九のうち六十三じゃないですか。何が七十何%ですか。最高責任者がそういう答弁をしているから問題が起こるわけです。一〇%や一五%のところは、小学生のような計算間違いであれば問題はこまかくは申し上げないけれども、少なくとも乗っている人間の感覚からすると、最高責任者がそのくらいの感覚でしかない、全然痛みを感じていない。百五十メートルくらい前から渋滞とか閉鎖というのは目に見えるようになっているんですよ。私も調べた。しかし、一キロも二キロも前から見えるわけじゃないんです。ラジオを車の中でかけるいるのは、上からヘリコプターで見て、どっちがどうということを先に知って、入ろうと思ったとこうが入れなかったらたいへんだから、それをあらかじめ知っておこうというのですよ。やっとたどりついて入れなかったらどうしようもない。そういう利用者はどうなのかということ、私はこれからの抜本的な対策をどうするかという問題は、これは建設大臣の御意見を交えながら、ひとつまとめてゆっくりあとで伺いたいと思うのです。何としても今日の渋滞の中身をやはりもう少し正確に御報告もいただき、そして利用者に対して相すまぬ、こういうことが出てこないと、これは東京都民はやはりおこりますよ。そこのところをひとつ、いまの数字の御訂正も含めてきちんと御報告をいただきたい。

林修三首都高速道路公団理事長

○参考人(林修三君) 先ほど自然渋滞及びその他の事故渋滞の数字を申し上げましたのは、四十五年度全体の数字でございまして、三月末までの数字でございます。平均して申しました。したがいまして、三月の末一週間だけの、たとえば先ほどおっしゃいましたように、三月の末の一週間の数字では、渋滞数が一週間で六十六回、そのうち自然渋滞が五十九回、その他が七回ということにこの一週間ではなっております。私は一年度間の数字で申し上げました。

上田哲日本社会党

○上田哲君 一年間、渋滞にならなかった前の、三百六十五日前までさかのぼって平均値をとることがどうして大事ですか。現実は六、七号が開通をされて、そして起こっている渋滞を問題にしているから私はいま取り上げている。半年前のは取り上げていないんですよ。今日ただいま六、七号が開通したことによって起きている事態が問題なんですよ。だから今日、ただいまのあなたのほうの数字に基づいて話をしているのです。いまの一週間ではというのは、これは一週間じゃない、二週間だ。これ以上の新しい数字はない。これから先はこれが数字になっていくんですよ、具体的に。それを平均値をとってどうだこうだと言うことは、あなた行政官ですか。私はもっと都民の立場に立って、生活実感の上に乗った話をしているんですから、もう少しまともに話をしてください。

林修三首都高速道路公団理事長

○参考人(林修三君) いまの開通後の渋滞の原因別の数字は、いまお話がございましたとおり、私が申し上げますとおり、最初の一週間は六十六回で五十九対七、その次の一週間は六十九回で六十三対六という数字でございます。先ほど申しましたのは一年度間、この最後の一週間も含まれているわけでございますが、一年度間の平均を申し上げました。それはちょっと御質問の趣旨と違ってはなはだ失礼をいたしたわけでございます。そこで、もちろんわれわれはこの自然渋滞をなくすべく大いに全力をあげて努力をしておるわけでございまして、結局私どもといたしましては、やはりどんどん乗ってきていただくことはいいのでございますが、乗った車が全部渋滞というのでのろのろ運転ではまことに申しわけございません。したがいまして、乗っていただいた車は、やはり一定のスピードをもって一定の目的地に到達するというサービスを確保しなければならないと思っております。その面で努力をいたしておるわけでございまして、その場合に、先ほど申しましたように、道路容量を越える車が乗ったのでは、これは全部が実は共倒れになることでございまして、やはり乗っていただいたものの到達を確保しなければならない、優先的に確保しなければならないわけでございまして、当面の問題としては、これはやむを得ないことでございますが、いまの渋滞状況を一般によく認識していただいて、現実にその時間にはやはりほかの道路を選択していただく、乗る前において選択をしていただくという方法をどうもとらざるを得ないと思うわけでございまして、これは私どもの決して本意ではございませんけれども、そういう状況に対処する当面の方法としてはどうもそれ以外にない。そういう状況までなぜ新しい道路の開発をおくらしたかというおしかりがあれば、これは私ども甘んじて受けるわけでございますけれども、現実の状況といたしましては、いま言ったような状況ではやはり優先的に高速道路に入った自動車の通行を確保するということは、われわれはやはり第一にそれを考えなくちゃいけないというように考えて努力をしておるわけでございます。したがって、その自然渋滞の状況を把握する方法といたしましては、私どもはいろいろエレクトロ-電子計算機等の技術を使いまして、あるいは工業用テレビを使いまして、常に状況の把握をやっております。それによって、道路の渋滞状況を外部に知らせる。それで、万やむを得ない場合には入路の閉鎖をするということを早期に対応してやっておるわけでございます。で、このいわゆる渋滞状況を一般にお知らせする設備が、いまおっしゃったように、高速道路の付近にしかないじゃないか、もう少し遠くからわかるようにしたらいいじゃないかという御意見もこれはあると思います。われわれもそれは痛感しておるわけでございます。痛感しておりますが、何分にも一般の道路にそういう標識をつくるにつきましては、いろいろな行政上の障害がございまして、漸次そういうことをやっていくことにいたしておりますが、私どもだけでできない面もあるわけで、関係当局の御協力を得て漸次これをやっていきたい、かように考えております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 標識をどうしようとか、エレクトロはどうしようということはちょっとやめましょうよ。どうせ末梢的な対症療法なんだから、それはどうなるわけじゃない。もっと基礎的な現実の渋滞状況についてのきちっとした見解を求めたいのです。  そこでお伺いをするのだけれども、くどいようだけれども、高速道路、特に首都高速道路というものは生活道路なんですよ。いろいろな表現はあるでしょうけれども、つまり毎日の、デイリーな道路なんです。一年の平均値を幾ら数字をひっさげてもらっても意味がない。そこの数字を出してくるところに問題がある。今日私が質問しておる趣旨は、まぎれもなく、道路公団は都会の交通量をさばくために道路の長さを延ばしていくでしょう。その方向はそれでいいでしょう、一般的に。そのことによって実は渋滞が深まっていく。この基本的な問題の上に立って、あなた方はどういうふうに現状を分析され、将来をどう展望されるかということをきちっと伺っておきたいと言うのです。だから標識がどうだという話はもっと小さい話だから、それを混同しないでいただきたい。そこをてきぱきとお答えいただきたいのだけれども、念のために、いまお答えになった、質問の趣旨はどうかなんて問題ではなくて、現実はどうかということで言えば、私のいまの質問のポイントは、延ばすことはいいことなんだけれども、六号、七号が開通した時点からまさしく大きな切れ目となって、つまり、いまなんですよ。いま基本的にあなたのおっしゃる過去一年間とは違った様相になってきてる、そこが問題なんだと。確かにこの一、二週間をとらえればそうでありますがなんて、そんな三百代言は要らないんで、何らかの方策によって――テレクトロニクスがどうだのこうだのなんていいです。それらを全部含めてあなたは、過去一年間の平均値にこの一、二週間――六号、七号開通以後の数字が戻るということが言えるんですか。明確にそこをひとつお尋ねをする。言えないのならば、六号、七号が開通したことから起きている状態をこれから先どのように展望するかという問題になってくるんです。それはあとに譲りますけれども、そこのところはどうか現状認識をしっかりしていただきたい。  それからもう一つ、いままでのお話の中で気になることは、通勤時、退勤時にはほとんど波がこないと。私どもはそう見ておりません。そうでない数字によって質問してるんだけれども、数字的に一体ほんとうにそういう波が――それは江戸橋や汐留や浜崎のところがどうだっていう話は別ですよ、こんなものは際限ないんだから。一般的にもっと基本的にながめて、通勤時、退勤時に波がこない――波はもう少しありますけどね。波がこないなんてのは、乗ってる人の感覚とはこれは違う。それは数字的に御説明になるならきちっと御説明いただきたいし、その理由は何だということもあわせてお答えいただきたい。

林修三首都高速道路公団理事長

○参考人(林修三君) 先ほど申しました渋滞の時間が一番顕著なもので、あるいは入路の閉鎖等をやっております時間は、先ほど申しましたように平日においては大体午前十時から十一時半ぐらい、午後は二時ごろから四時、あるいは五時ぐらいまでになることもございますが、そういう時間でございます。で、それ以外の時間に、まあ事故とか、あるいは若干のインターチェンジにおける渋滞あるいは料金所における渋滞があることは、これは事実でございまして、時間は比較的短い時間でございますが、ときどき起こってることはこれはやはり事実でございます。しかし最も顕著な時間は、先ほど申したようなことでございます。  そこで、この六、七号が開通いたしましての通行量の増加は、大体一日五万台程度でございます。それまでの平日に比べて大体五万台程度の自動車交通量がふえております。その中には実は都心環状線に影響を及ぼさない交通量もございますけれども、やはり交通量がそれだけふえたことは事実でございます。これは、時間帯のばらつきは若干都心環状線と六、七号線ではパターンが違っておりまして、一時に競合しないような点もございますけれども、確かにこの六、七号線で五万台ふえたということが、先ほど申しましたような渋滞現象を多くしたことの原因であることは間違いございません。これはまあわれわれとしても開通前から予測をいたしまして、その対策はいろいろ考えておるわけでございますが、先ほど申しましたように、いわゆる道路容量と申しますか、一定の地点を自動車が通過できる容量は、大体一車線一時間二千四百台ないし三千台と言われております。二千四百台であれば、普通の時間、普通のスピードでこれは通れる。多少スピードがゆるむというようなことを考えれば、三千台までは通過できます。しかし、ある一定の時間をとりました場合に、それをオーバーする車両が入ってきた場合には、これはいかなる道路であっても実はここを通り抜けることができないわけで、やはり渋滞現象がどうしても起こるわけです。これをなるべく起こさないようにするためには、やはり一つには、基本的に考えれば――基本的な方策はいま要らぬとおっしゃいますから申し上げませんけれども、基本的には道路容量をふやす以外にはない。与えられた道路容量のもとにおいてそういう渋滞現象をなくすためには、先ほど申しましたようにやはりある程度の通行量の制限を、まあこれは、私のほうは鉄道と違いまして、自分で車両を運転するわけでございませんから、自分で適確なことはできませんけれども、一般の方に周知して、協力していただいて、適正な交通量にこれを落とすように努力する、当面の方法としては実はそれ以外にないわけです。それを適確にやるためにいろいろな機材を駆使して、あるいは人員を動員して交通を確保するということを努力しているわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ひとつ簡潔に、それからきちんと問いに誓えてくださいよ。同じことを三回聞かなければならないのは困るんですね。あなたは一年間の平均を言われたけれども、問題はこの一、二週間に起きている状況が首都高速道路の実態なんです。つまり、遠回しにおっしゃるのか、言いたくないのか知りませんけれども、旧の状態に返ることがないでしょう。その見通しや方策があるのですか。抜本的な方策は言うなと言っているのではない。現実の問題はあした、あさってにできる問題ではない。そうすると、これはたとえば江戸橋で言うならば、それまでは一日一回しか入路閉鎖がなかったのが十四回、十七回になっている、こういう状況というものはもとの一回に戻るということはないでしょう。そうしてあなたのおっしゃるのは、路面に対して走る車が多くなれば入路制限があたりまえだ、やむを得ずそうなるのだということで、ことばの問題は問わないにしても、入路制限の回数をふやしていくのだということでは道路対策にならないでしょう、交通政策にならないでしょう。そこのところを一言できちんと答えてください。いまは完全に飽和状態、完全に半身不随と、こういう状況になっている。この実態の認識をきちんとお聞かせ願わぬことには先に進めぬのです。

林修三首都高速道路公団理事長

○参考人(林修三君) 先ほども申しましたように、時間帯的にはもちろんまだ余裕がある時間もありますれば、飽和状態の時間もございます。飽和状態の時間帯は、大体先ほど申しましたような時間帯が一番顕著に出ておるわけです。これを六、七号が開通して大体五万台くらい実は平日交通量がふえている、これがそう簡単に減るとは考えられません。むしろ若干ずつでも全体の通行量は、平均通行量でございますが、伸びていくであろうと思っております。これに対する対策は当然それを前提として立てなくちゃならないわけです。その対策といたしましては、先ほど申しましたような、やはりまず乗っていただいた車を優先的に、適確な時間で運ぶということを第一のわれわれとしてはサービスと考えておりまして、それから入路を閉鎖するとか、あるいは渋滞があるということを外部にお知らせするのは、われわれまことに本意ではありません。本意ではありませんが、しかし実態はこういう状況で、やはり道路をスムーズに通行していただくためにはこうせざるを得ないのだということを一般の方にも御了解を願って、それにある程度応じていただくという方法を当面の問題としてはとらざるを得ない。はなはだ本意ではありませんけれども、そういうことをせざるを得ない。別途、先ほど申しましたような路線の拡幅とか路線の新設ということをなるべく早くやっていく。それから、いまの交通管理の状況についてもさらにくふうを重ねて、もう少し一定時間内の車両を円滑に動かす方法ももちろん考えなくちゃなりませんから、そういうことをやっていきたい、かように考えておるわけであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 本意ではないけれどもやむを得ないというのが唯一出てきたことばなんで、込んでいるときもあればすいているときもあるからなんていう話は、これはもう都民――利用者を愚弄することですよ。私たちは、だれがやったっていまの過密都市の交通状況が水が流れるようにすいすいいくなんて思っていないのだし、私は重箱のすみをつついて文句を言おうと思ってもいない。だから、基本的に迷惑をかけている、そこのところをしっかり答えてくれなければ、これは二百円払う立場というものはたまったものではない。政治はまるきり真空ですよ。私は都会の舗装された迷路になったと、数字の上で私は言っているのだから、何を言っているのかわからないじゃなくて、数字の上で答えていただいて、実態をごまかしたんでは話にならぬのです。  問題は建設大臣、私はそのような実態をきちんと見て、これはほんとうに何といいますか、行き詰まりのところにきているわけですね。この実態を直視したいと思うのですよ。入路制限なんていうのは、これは目の前にめしを置いて食うなというような、政策以前ですからね。言ってみれば政策の挫折ですから、意味がないと思うけれども、しかし、それでも半分認めなければならぬと思うのは、急ぎの人を乗せちまって、もっとおくらせるよりいいじゃないかという三善の処置ですよ。そこらのところは、基本的に高速道路というものが、当初都心へのすみやかな乗り入れという目的であったのが、いわば大都会の、大都市の幹線交通路としての意味に変わってきつつ、つながってきたりして、そういうことの切りかえがやはり十分な政策的な、まさに政策の段階に広げることができなかったということもあるんだろうと思うのです。まあそういうことに入っていく前に、この状況をひとつ大臣にお話しをして見解を、見方をひとつ伺っておきたいわけだけれども、いま申し上げたように、問題は自然渋滞が六号、七号で九〇%になっているという非常に基本的な問題がここにある。事故というのはアクシデントですから。そして簡単に言いますと、たとえば渋滞の延べ時間が六号、七号、前のときには一回当たり二時間十二分だった。いま三時間ちょうどになっているわけですね。渋滞の距離が一回当たり二・五キロだったのが、いま三・五キロになっているわけです。それから入路閉鎖で言えば、さっき申し上げたように、銀座あたりでも五回が十三回になっておる。これは三倍近いですね。一番難所は江戸橋になっている。これは十四倍、十七倍、これはどんなに強弁してもちょっと簡単にもとへ戻りませんよ。幅員広げていることはわかります。わかりますけれども、そういうことがある。そして入路閉鎖の時間がこれは非常に問題だと思うのです。二十五時間三十三分から百十三時間五十七分、百四十五時間二十分と、これだけ広がっちゃって、たいへんな数字になっている。つまり入れないということですよ、簡単に言えば。で、大ざっぱに言えば一日平均でまあ四割増し、この数字だけは私はさっき認めていいと言うのは、大体七回が十回になったということだけれども、四割増しになってきて、まあ比喩的に言えば、ほぼこれまでの二倍の渋滞時間にざえぎられて二・五倍の距離の足どめを受けて、それから主要道路の六ないし八では五倍の入路制限を受ける。つまり大体一日三回ぐらいぶつかっていくという形になるわけです。まあ運の悪いところは、ぐるぐる回って、高速道路の入り口をぐるぐる回ってまるきり入れないなんていうことを、もし数字の計算で言えばもう惹起せしめているところにきている。私は完全に飽和状態であり、すいている時間がたまにはあるからということでは、政治の姿勢としては許されない問題になってきているのではないか。こういう状態を大臣はどうお考えになるかを伺っておきたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおり、まことに高速道路としての機能はまさに麻痺せんとしている状況です。そこで、実は数日前も、これは公団に言う前に建設省の次官を中心とする幹部で再検討せいということを実は私は指令しておりました。ということは、高速自動車道路の計画は一応長期に二百七十九キロとありますけれども、それをフォローしていっても、現実にこういう状況では意味をなさないんじゃないか、しかも、それはどこに責任があるかということをここでいま言ったってしようがないけれども、当初考えた、一番最初に申し上げたように、外郭環状線とか湾岸道路とか、それから九号とか、こういう都市計画と合わせていった道路計画だったのです。ところが肝心の土台のほうの都市計画のほうが都との関係でできない。それでいまこうきた。にもかかわらず、高速自動車道路だけは既定のとおり延長していった。これは麻痺するのはあたりまえなんです。だからむしろ私は延長を考えるよりも、現状をいかにして打開するかに方策転換すべきである。その解決するまでの間は、やむを得ないから入路制限もやるけれども、これはほんのびほう的な当面の策がわりであって、それよりも、いま技術的にむずかしい問題であるけれども、できるだけ出口をふやすとか、拡幅できるところは拡幅する、あるいはインターチェンジのつけかえの研究もしなければならぬだろう、むずかしい問題だけれども。そうして延長を延ばすということはしばらく中止したらどうかというくらいに、実は私は数日前に事務次官でひとつ検討してみい、それから従来は、たとえば京葉道路と結びつけるとか、あるいは東名と結びつける中央道、これもおかしいぞ、そうするともう都心に来て全然動けなくなっちゃって、とんでもないことになるじゃないか、やはりそれはいまの段階でやむを得ないから、東名は東名で切って、そこで散らばるようないろいろのあれに配分する。中央道もある地点からは行くけれども、すぐ都心に乗り入れるということを、早く到着するということだけで、その間に起こるところのいろいろな矛盾を分析してみないといけないぞということを実は指示しました。これは首都高速と道路公団と道路局、それから都市計画局、ここで都市における交通網の再検討、これはスケジュールをもう少し総合的に判断してみなければ、せっかくの善意をもってやったことが、いかにも間抜けたことをやって、みなから不満を受ける。そうしてすべては建設省がなっちょらぬということになって、これはくだらんぞということで、実は数日前に志村次官を招いて、ひとつ検討してみい、その上に道路公団並びに高速自動車のほうとこれは話していかないと、私も実は数回もうひどい目にあって、用事があって全然動けなくなって、これはいかぬなあと思って、他の道路ならばまだ逃げ道がありますけれども、高速道路になるとどうにもならない。もう全くこれは運命とあきらめるほかはない。こんなことでは精神衛生上もはなはだいかぬと思いますね。ほんとうなんですよ。ときどきやっちゃうので、私もそういう状況で、そういうふうに考えなければいかぬ。単にまあ高速、いまの林理事長は何とかそこを、自分の計画もやりつつ現状で何とかしなければならぬということでああいうこと説明しているけれども、理事長として、これはいままでの計画をたとえ変更してもとは、なかなか言えないだろうと思うけれども、これは私はやるべきだ。政治的な決断をする事態ではないか。そうしていろいろの方法を講じて、今度あるいは少し延ばしても、十分に非常に満足とは言わなくても、とにかく高速自動車道路の機能はこれで一応全うするというなら延ばしてもいいけれども、そうじゃなくて、延ばしたために結局麻痺したら何にもならないというような感じで、これからは一つのプロジェクトチームで検討させたい、こう思っている次第であります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 非常にいい御意見を伺ったと思います。大臣が渋滞に遭遇されたというのは、たいへんいいことでありまして、その体験を具体的に利用者の気持ちに沿って生かしていただくということは、私はたいへんいいと思います。まあ高速道路が私は完全に麻痺状態だと思うけれども、大臣の表現は麻痺状態寸前と、こういうことでありまして、その辺の誤差くらいはよしとして、その上に立って、まあ貫くべき前の計画決定もあるわけだから、それをあえて変更をするというようなことは残念ですよね。残念だし、また本来の方針とはもとるけれども、しかし、そういうことを考えなければならないのが決断だと言われることは、今日の都市政策のどれだけ基本的な解決策になるかどうかはしばらくおくとしても、私は政治の判断だと思う。その点は非常に評価をしたいと思うのです。  そこでお伺いするのですけれども、具体的にいま私は六号、七号の話をしましたけれども、現実に神奈川のほうへ延びた、四十三年度、あすこからまたかくんと多くなっているのですね。だから、まさにそういういま御指摘のようなつながり、もっと大きなところの都市間交通と都市内交通とのつながりということが、これから非常に大きな問題、検討になるだろうということは、私もそうだと思います。問題は、また今年の十二月に三号線と東名がまたぶつかったりするわけです。この辺でまたぐっとふえるということは、ほぼ計算、数字も出ているわけですね。この数字はまた一緒に御説明いただきたいけれども、そういうものを数日前基本的なプロジェクトまでつくっておやりになるということですから、その辺を全部含んでおそらくひとつ根本的な検討をなさるということですね。  それから、それいつごろまでに、何かある種の青写真といいますかね、考え方というのが政治判断として出るのだろうか、大臣の御答弁――東名などなどの問題を含んで、どんな形になるだろうかということを、できればもう一歩踏み込んで御説明いただければありがたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) これは、私はただ私の一つの政治的な感覚でそう検討せいと言っただけで、まだ具体的などういうむずかしい問題があるかわかりませんからあれですけれども、少なくとも私は、来年度予算編成にこれは反映させなければ何にもならない。したがって、少なくとも七月中に一応のその方向づけができて、八月にはこれに対する一応の道路局、都市局、それから公団、公社ですか、首都高速道路と、こういうところで合意ができるようなものはつくりたいと思います。そうじゃないと、これはあんまり、何と申しますか、緻密なゆっくりした検討ではいかぬと、もう政治的な決断をもって一つの方向づけをするときだから、そういうことをやらなきゃいかぬじゃないかと、それから今度は財政当局とこれ折衝ですから、かなりむずかしい問題があると思うんです。というのは、もうもともといまの首都高速道路の企画そのものが、いまから見ればはなはだ実は容量の少ないものですから、その土台の上に今度拡幅したり、あるいはまたインターチェンジをつくったり、あるいはいろいろの措置をするということになると、延びれば銭がもらえるけれども、ただ改良するだけでは、銭はかかるけれども料金はもらえないということで、かなり抵抗もあると思いますけれども、しかしそんなこと言っておれる時代じゃないじゃないか。だからここは政治的な決断をしていかざるを得ない。それと同時に、やはり私は、これは高速道路公団だけが責任じゃない、建設省、みんな責任者であるから、同時に東京都もやっぱり前向きにやって、それはおれのほうには関係ない、おまえのほうなんだといって、土地の収用の問題とか、いろいろの問題に協力してもらわなければこれはなかなかいけないから、そうしたものを含めて、大体の合意は七月中までには何とかしたい、こう考えております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 けっこうです。問題は、本来ならそれはパイプはどんどんつながっていくということであるでしょうけれども、おっしゃることは、おそらくそういうこれまでのビジョンというんですか、常識というものをある程度押えても、いま一番過密の、渋滞の中心になっている東京都内を優先させて、その交通量をさばくために、個々の要素を見た場合に、東京都優先、東京都の交通事情の優先ということですね。それと、お尋ねするんだけれども、もうここまできてはいますが、ことしの十二月に予定されている三号と東名ですね、ここらあたりも検討の対象になるわけですね。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 東名と接続するのはいま工事中ですから、あれをそのまま途中でやめるということには、これはできないと思います。そこで、あと入れた場合にどういう事態が起こるか、それに対応する対応策があるか、そのためにはあるいはいまのおり口をもう少しふやすとかなんかの方法がありはせぬかと、こういうことを考えてみたい。ただし、今後中央道とこれと結びつけるとか、あるいはさらに成田と一緒に結びつけるかというようなことは、これは相当問題だと思うんですよ。成田からまっすぐに今度いまの高速道路にきたら、これは麻痺状態になりはしないか、だからやはりこれは何らかのその道を考えないとこれはいかぬのじゃないかという気がするのですよ。結局そういうことを考えずにやってしまうと、金をかけた上に動かなくって、恨みを買って、そうして政治不信なんと言われたら、これほど愚かなことはないというような気がするのです、私はね。だからそういう意味で、これはだれの責任なんということじゃなくて、こういう事実、どこかのそごがあれば、こういう事実になってきたから、それをやっぱり状況に応じて変更していくということが、これが政治だと、こう考えるのでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ひとつ七月というタイム・リミットを明示されましたから、政治の勇断をもって青写真をしっかり書いていただく。地元のほうもしっしかりしてもらわなければ困ることですから、三百六十万の知事にも期待することにいたしまして、そこで、時間があまりなくなっちゃって困っていますが、そこでそういう方向でやっていただくということで、もう本来わかっているいろいろな計画路線の問題やなんかは省くことにしますから、現状からやっぱり出発するとしますと、幾つかの問題が出てきているわけです。で、省きながら一つ取り上げておきますけれども、この首都高速の、これも六号、七号以降ですけれどもね。これは公団のほうですけれども、車の数はどんどんふえる、渋滞もふえる、事故ももちろんふえていく、五倍くらいですね、そういうことの中でいろいろな波及因子があったようですけれども、労使関係にもたいへん問題が起きているようですね。私は、公団の高速道路に入るときに、高速道路の料金のところの人が、「御苦労さん」とか「ありがとう」とか言いますよ。これは私は昨今珍しい関所だと思っている。あれでまあ声が一声かかるものだから、交通事故が幾らか減っていますよ。これは非常に気持ちのいいことで御苦労さんだと思うんですけれども、中身に入ってみると、労使関係というのはたいへんむずかしくて、何かここのところずっと二十四時間ストライキ、七十二時間ストライキというのが続いたようですね。これが六号、七号ができて以来きびすを接してそういうことが起こっている。聞くところによりますと、特に道路管理部門で争議が起きている。で、例の。パトロールですね、機動班というのが五班十名で編成、つまり五十名で編成されているようですけれども、この人たちがもう六号、七号の。パトロール拒否ということになっておる。事故が起きたらどうするのか、あるいは渋滞をさばくためには非常に支障が起きるんじゃないかとわれわれ憂慮するのですけれども、これはどうしてこうなっているのですか。

林修三首都高速道路公団理事長

○参考人(林修三君) 六、七号開通の前後で若干のストライキがございましたが、これはいまおっしゃったような交通管理部門だけの実はストライキでございまして、これについては、まあ交通管理要員を、六、七号が開通することによって若干当然ふやさなければならない、また、ふやしたわけでございますが、それの勤務体制と申しますか、勤務時間等に変更があるわけではございませんが、勤務体制等につきまして労使間になかなか調整ができない、そういうわけで意見が対立して、いま言ったような事態が起こっている、これは鋭意解決する方向でいまわれわれも努力しておるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 鋭意解決すると言うけれども、六、七号が開通してから組合が団交を申し入れても、全部あなたのほうは拒否している。これじゃ解決にならぬじゃないですか。

林修三首都高速道路公団理事長

○参考人(林修三君) 団交拒否していることは私はないと存じます。で、いろいろこれはほかの問題もございまして、事務的な打ち合わせもやり、必要に応じて団交はやっていることと私は存じております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 最高責任者がそんなことを言っているから困るのですよ。団交は行なわれてないでずよ。六号、七号が開通して、事故がふえて、入路制限が十数倍になって、都民がよけいいらいらしているときに、一番大事にしてもらわなければならないのに、いわゆる交通管理部門だけですと言われるのですが、そこが一番われわれにとっては大事なんですから、そこが若干のストライキと言われるけれども、二十四時間、七十二時間のストライキがあるんですよ。この人たちが事故があっても飛んで行かないということになっている。団交が行なわれているようですと言うけれども、じゃあ一緒にいらっしゃった方に聞いてごらんなさい。事務折衝は行なわれているけれども、団交はまさにきびすを接して六号、七号が開通して以来行なわれていないのです。これはイエスかノーかはっきりしてください。

林修三首都高速道路公団理事長

○参考人(林修三君) 実はきょう担当の者が来ておりませんので、団交の開催等については、私は実は手元に資料を持っておりませんけれども、いまの六、七号の交通。パトロールの問題について労使間に意見の相違があり、これの調整を努力していることは聞違いのないことでございまして、事務折衝をある程度遂げた上で団交に持っていきたいと、かように考えておるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 一番大事なその動脈が麻痺あるいは麻痺寸前というところになっているときに。パトロールが拒否されていると、行なわれていないという状況であることについて、団交が行なわれているか行なわれていないか知らないなんて、そんなことでいいですか。これでは問題は深いですよ。片耳の資料だから私はたくさんは言えないけれども、いま問題になっている争点は、団交が行なわれているかいないかわからないから教えてあげるんだけれども、いまの争点は、大体キロ一人なんですね。今度は十八キロふえるんだから二十人、十八人くらいふえればいい。この増員要求なんですよ。ところが、これはだめだと。そして話し合いは行なわれていない。十人一組五班を十一人にしてくれればもう一台出すということを話し合いの対象にしていると聞く。ところが、この増員も認めない。一部差し引きずると三、四人ふえたところがあるようですけれどもね。  こういう形になって、たとえばきょうは担当者が来ないとおっしゃるけれども、公団の労務課長は、このままいくと賃金カットをするぞ、四名の交通管理司令は、事故があっても労災を適用しないぞと言っておられる。固有名詞なんか、ここで個人の名前なんか出す気がないんだけれども、そういうことばなどがあって、容易ならざる事態ですよ、事故があったら行かないんだから。知りませんか、総裁は。それから、事故があったらだれが行くんですか。警視庁の。パトロールカーがかわりに行ってるんですよ。あなたのところの職員は行ってないんですよ、いま。これがいま袋小路の公団の増幅したたいへんな交通量になっているところの実態なんですよ。私は、このところで道路走れなくなっちゃうじゃないですか。

林修三首都高速道路公団理事長

○参考人(林修三君) 六、七号のパトロール問題について労使間の意見の一致を見てないことは、はなはだ遺憾でございまして、これは鋭意調整をすべく事務的な折衝を行なっております。いまのパトロールの拒否問題は夜間の問題でございまして、昼間はやってもらっておるわけでございますが、この夜間についてのローテーションの問題等について意見がまだ合致しない点がありまして、この点を鋭意早く進めるべくやっておるわけでございます。現在交通事故についてはそれぞれやむを得なければ管理要員が参りますとか、あるいは警察がやると、こういうことでやっておるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 大臣、こういうのは早く解決してもらわないと、これはもう労使の問題以上に、毎日これはたいへんな数が走っているわけですから、これはぜひ解決をしてもらわなければならぬと思うんです。こういう事態を直接には御存じないと思うけれども、しょせん都市交通の問題のひとつ出てきたうみでもあるし、路線が広がれば広がるほどこういう問題が起きてくるということがあるわけですね。これはぜひ解決をひとつ急いでいただきたいんですが、いかがでしょうか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 首都高速当局も鋭意やっているようでありますし、これはいま御指摘のようなことに基づくところの社会的な影響を考えて、急速に話し合いをして労使の合意を求めるように、私のほうからも要請したいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 公団のほうにお伺いするのですが、これは労使関係の問題ではなくて、走っている人の問題だから――昼間パトロールやっているよと言ったって、昼間は渋滞で歩けやしない、夜やることになっている。そんな言いわけじゃなくて、パトロールやってもらいたい。ぜひそういうことは国民の足のために御努力を願いたい。賃金カットしちゃうよとか、あるいは事故が起きても補償しないよなんということは、これは当然ないと思いますが、団交が行なわれていると言われるなら、それでけっこう。私どもはないというふうに聞いているからお伺いするのだが、団交をもし行なわれていないならば、総裁みずからひとつその話し合いを急速に煮詰めて、団交を開いていただく、この三点いかがですか。

林修三首都高速道路公団理事長

○参考人(林修三君) おっしゃるとおりでございまして、なるべく早く解決するように、事務折衝を続けて、団交をまとめる方向に持っていきたいと存じております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ぜひひとつ努力をしてください。  数分でやめるようにいたします。もうどんどんはしょって質問をいたしますが、そこで先ほど来問題にしてきました基本的な対策ですね。その基本的な対策、いま事業費が一億円ほどついて中央環状とか、いろいろおやりになっておられる。しかし、これは非常に問題があるんですよ。縮めて言っちまいますから、簡単に言いますけれども、やはり人間がたくさんあって、そこで身動きがならないから高速道路をつくった、これが一ぱいになったということから、そこへ新しい道路をつくるということは、たいへんなんだということは簡単に理解できるわけですが、住民の意思というものを大事にしながら、ということを重大な前提にしつつ、何らかの方策を考えていかなければならないということで言うと、こういう道をつければいいのだというお話が先ほど来ありましたけれども、この道をどうやってつけるのだ、見通しはどうなんだ――またつけ足していただけるなら、五十四年完成というようなことも聞いておるわけです、計画としては。そのときは交通状況はどうなんだというようなところまで概略御説明いただければありがたいと思います。

林修三首都高速道路公団理事長

○参考人(林修三君) 中央環状線の建設は、私どもとしても一番重点を置いて考えております。これは予算は四十五年度から入りまして、本年はぜひ、ほんとうは昨年、四十五年度中に東京都の都市計画決定をしていただくつもりでございましたけれども、いろいろの関係でそれがおくれまして、地方選挙が終わりましたので、さっそくこれをやっていただきたいというようにわれわれは東京都に交渉をいたしております。それで、これはいまのところ予算化しておりますのは、品川から新宿まででございますが、さらにこれは池袋のほうまでふやす。さらに都の周辺を一巡するような方向で、この都市計画決定をしてもらいたいと考えております。東京都のほうでも事務的には、この際都市計画をするなら、そういう方向で考えようということで、事務当局とはいろいろ折衝しているわけでございます。これが計画決定をいたしますれば、いまおっしゃったように、昨今の状況でございますから、用地買収とか何かには非常ないろいろな問題があると思います。これはわれわれとしても鋭意努力をして、この完成目標の年次までには完成していきたいと、かように考えておるわけであります。で、一番初めに申しましたけれども、実はこの道路だけではございませんが、私ども東京都ともいろいろ共同いたしまして、数年前に二百二十キロ程度の計画をしたことがございます。現在これでは足りないということで、ざらにそれをもう少し追加したものを考えようというわけで、いまわれわれとしても案をつくりつつあるわけでございますが、先ほど申しましたように、二百数十キロのものにおきましても、十年後の数字を見ると、この交通容量に対して交通需要はやはり数十%オーバーするというような、これはあくまで予測の数字でございますが、四十三年、四年、現在の予測でございますが、そういう数字も出ております。したがいまして、やはりそれでは足りないのじゃないか。これは実は高速道路だけの問題ではございませんで、東京都のすべての道路の問題を込めて、そういうことについてのもう少し的確な検討が必要ではないかと考えております。これは実は私どもだけではなくて、建設省、東京都を含めての考え方が必要であろうとまあ考えておるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 東京都とは去年の夏ごろから話し合いを始めておるわけですね。五十四年完成というようなことは大まかにあるのですけれども、きわめてもう大筋のところでけっこうですから、さっきの、まあ一番初めの御答弁の中にも車の数がふえるものだからというお話があった。適正な車の通行量とか、それを基礎にしての車がふえていく見通しとか、この予測なくっちゃ道路をつくるということは意味がない。大体四車線ということの破綻ということはここにはっきりきておるわけですから、そういうものを六車線なら六車線ということだって非常に大きな計算の中から出てくることでしょうし、それらを全部収斂させて、概略でけっこうですが、全長幾ら、総工費幾ら、そして完成年次どうだということを公式の場で、きちっとひとつ読んでくだすってけっこうだから出してください。

林修三首都高速道路公団理事長

○参考人(林修三君) この中央環状高速の御質問と存じますが、中央環状でただいま私のほうで予算化しておりまするのは、まだ都市計画がきまっておりません。きまっておりませんが、予算化しておりますのは、品川の大井の湾岸道路の付近から出まして、これは都市計画がきまっておりませんから、路線の通過地点はまだ申し上げる段階でございませんが、大体のところは目黒川あるいは都道の環状六号線に沿って、ただいま予算化しておりますのは、新宿区の淀橋付近まで、柏木付近までということでございます。十四キロぐらいだったと思います。そういうことで、実は一応の計画を予算では計上いたしております。それを都市計画に具体化していただいて、五十四年程度までに実はやっていきたいというのがいまのところでございますが、しかしこれはやはり柏木だけでは足りませんので、さしあたりはどうしても池袋まで伸ばして、五号線にやはりくっつけることがどうしても必要である。あれからさらに埼玉県方面に通過する交通は、そちらに流すということは必要であろうと思いまして、これはさらに四十七年度予算等においてはそういう問題も取り上げていきたい、かように考えておるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 計画決定はいつごろまででなければいけないと考えていますか、それが一つ。  それからやはり場所は東京都ですから、何としても地方自治体との問題が出てくる。そこを出発点とする都市計画論というものとしっかりした接着が必要になってくるだろう。それなしには計画決定というものも出てこないだろうと思いますが、そういう面で中央官庁の申し子のような計画がぐんぐんと地方自治の上に線を伸ばしていくというような形では、これはどのみちもう伸びていかない時代になっておるわけですから、その辺をどういうお心がまえで計画決定の次元を定め、話し合いをされていくかということをきちんと御見解を承りたいのです。

吉兼三郎建設省都市局長

○政府委員(吉兼三郎君) 都市計画の問題でございますから私からお答え申し上げます。  確かに中央環状線は、本来ならば都市計画がきまって、それから予算化されるべき筋合いのものが、逆になっておるのでございます。これは非常にこの路線が緊急路線であるということで、さきに予算路線として採択され、すみやかに都市計画決定をするということで、それが決定にならずに今日に延びておるわけでございます。したがいまして、いつごろといいましても、これはすみやかに、――ほんとうにすみやかに都市計画決定をしていただきたいということで、私どもは東京都に強く要請をいたしております。したがいまして、選挙も終わりましたし、新しい体制のもとですみやかに都市計画審議会を開いていただきまして、この問題を取り上げていただくということで、促進をはかってまいりたいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ぜひひとつ都市計画ということを地方自治ということから出発していただいて、選挙が終わったということが先ほどから二、三回出ておりますが、三百六十万の美濃部知事が出現をしたわけでありますから、われわれのほうもひとつそういう立場から皆さん方に、中央官庁に御要望もするけれども、ぜひひとつ住民福祉あるいは都市交通の基本的な哲学の上に、この問題が円満に進めていかれるような努力をしていただきたい。  それからちょっと小さなことですけれども、八重洲口前で工事を進めている四号線が東京高速道路株式会社と接続をする。これが開通をした場合に、一号線のバイパスを利用することになる車が料金を二回取られるのじゃないかという問題があると思うのです。こういうことは非常にまずいと思う。そもそもこの特殊な道路は、前々から芳しからざるうわさがいろいろあるわけですから、これを一体買い取ることになるのか、買い取らないという方針ならば、この辺の料金形態はどうなるのか、伺っておきたいと思います。

林修三首都高速道路公団理事長

○参考人(林修三君) これは御承知のように、たとえば四号線――四号線は本線というのが実は八重洲口のところでやっておる路線でございまして、これは都市計画であれを四号線を東京高速道路株式会社の路線につないで、さらに新橋までこれまいりまして、いまの都心環状線の一号線のバイパス的に使いたいと思っております。その場合にいまの体制でまいりますと、これは料金が二重に取られるようなことになりますので、ぜひそういうことにならないようにする必要があることはおっしゃるとおりでございまして、大体私のほうのいまの八重洲口前の工事が完成するのは明年途中と考えております。それまでに東京都、建設省、運輸省及び東京高速道路株式会社の間と折衝いたしまして、そういうことにならないような方策をとっていきたい、かように考えております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 最後に道路公団に伺います。  いろいろな問題がありますけれども、一つ抜き出して、中央高速の世田谷の北烏山地区の問題を象徴的に取り上げて御意見を伺っておきたい。  この地区で中央高速道路の延長路線が住宅団地の中央部を横断して通る。すでに計画決定、事業認定がなされておる、工事もすぐ近くまで進んでおります。ここにあるのが東京都住宅供給公社北烏山住宅になるわけですが、この住民が非常に何といいましょうか、住民が、非常に九〇%をこえるような人たちの運動が起きている。千戸ぐらいですけれども、住民の意識としていえば、子供の広場をとられるのは困るとか、軒先十メートル、あるいはもっと近いところもあるようですけれども、一・四メートルというところもあるのですが、こういうところを道路が通り、車に走られては、とてもたまらぬ、こういう反対運動になっております。私もあの現場を見てきたのですけれども、ひどいところは一・四メートル、ビジネスのビルディングならあるいは別の見方があるかもしれないけれども、全く住宅の、しかも団地の軒先一・四メートルのところをどんどん通る。公団の説明は十メートルだと言われているが、その辺の広場なんかでも十分に話し合いが詰まっていない。このあたりには烏山北住宅のほかに百メートル足らずに接して都営住宅とか公社の団地があるわけで、ざっと、千戸ではなくて二千戸と見るのが正しいと思うのですけれども、ここをたとえば高架の高さを高くするとか、あるいは暗渠にするとか、いろいろな話があるようですけれども、どうもこれだという話になっていない。ここら辺の住民の希望をどういうふうに受けとめておるか、またどういうふうに対応策を考えておられるか。

尾之内由紀夫日本道路公団副総裁

○参考人(尾之内由紀夫君) 中央道のことにつきましていろいろ御心配をいただきまして、たいへん恐縮でございます。ただいま先生御指摘のとおり、烏山の住宅供給公社の地区におきまして、私どもの道路と、それから両側に都道といいますか、都市計画街路がございます。これを含めまして総幅が百三十六メートルくらいになろうかと思います。これは都市計画決定されまして、いまお話のように計画決定、事業認定されておるわけでございます。私のほうの道路はそのまん中に高架で十九メートルの幅で中央道を高井戸まで持っていく、こういうことになっております。いまお話の一メートル云々というのは、いわゆる街路幅を含めての話だろうと思います。そこでこの問題が起こりましたとき、私どももちろん用地を買収いたしまして、都道を含めまして用地を買収いたしまして、昨年七月から工事に着手したいということで、地元の方々に工事の概要を説明し、御相談に入ったわけであります。ところが、そのときに供給公社の住宅に入っておられる方々は、こういう道路がここを通るということを、その方々が入る前に知らされなかったという点が一つ、それからいまお話ししましたように高速道路の両わきに街路がある、街路はいまのように非常に接近しておるわけであります。そこをかなりの自動車が通る。それに対してのいろいろな被害というものを将来心配するというようなことがございまして、したがいまして、私どもと東京都、それから住宅供給公社はもちろん、この計画がきまる際にもう承知しておったわけであります。供給公社と三者でいろいろ相談いたしまして、住民の御要望等を聞きまして、再三お話し合いをしておるわけであります。昨年十一月に私のほうの具体的な案もお示しいたしましたが、着工については御納得いただけなかったのでありますけれども、その後引き続き三者でよりより相談をし、また本年になりましても一月、二月、対策協議会の方々とお話を進めております。まあ問題は、路線があそこを通るということはおそらく皆さんある程度承知をしておられると思いますけれども、やはり騒音を主とした公害につきましてたいへん御心配になっております。環境基準などもいろいろ出ておりますので、私どもはできるだけこれは納得といいますか、話し合いをした上で、できれば早い機会に着工したいと、こういうことで鋭意努力をいたしております。都、道路公団、供給公社三者一体になりまして、いまいろいろと折衝をいたしております。近々と思っておりますが、なるべく近い機会にまた話し合いを続けたい、かように思っております。どうぞひとつよろしく。

上田哲日本社会党

○上田哲君 環境基準というお話がありましたけれども、最近地元で道路の専門家を呼んで、スピーカーを持ってきて、公団のほうの言われる条件のとおりの自動車騒音というものをスピーカーから出したところが、住民が何事が起こったかと飛び出してきた、これじゃたまらぬということになったというのですね。なるほど基本計画の決定が昭和三十七年だし、都市計画審議会で四十二年に事業認定が出ている。手落ちはないのですよ。公団のほうの手落ちはないのだけれども、しかし、理屈は、おれのほうは先に道路を通すことにしておいたんだ、先に道路ができたのなら問題はないのです。住宅ができちゃったから問題が起きたんだと、こういう大義名分なんです。これはやっぱり政治ではないと私は思うのですよ。現実にうちが建った、それも立ちのき補償を目当てにバラック小屋を建てたのとは違って、れっきとした公的住宅が二千戸近くも建っているわけです。そういうことになりますと、これはやはり政治ということがそこになされなければならぬ。そういう点でさっきの環境基準のことで言うと、私どもが言っているんじゃなくて、厚生省の生活環境審議会が去年の十二月二十六日に、この北烏山の問題を、議題になかったものを取り上げて、環境基準から見てこんなむちゃくちゃな計画はない、こういうことも言っているわけです。  そこで伺いたいのは、こういうようなことは、あなた方のお耳に届いているかどうか、申し入れなり何なりの形でということ。それから着工をできるだけ急ぎたいということがありましたけれども、着工というのは、いまどれくらいのめどを立てておられるか。それから、しかるべき時期に話し合いをしたいということばもありましたけれども、それはどういう形でいつごろおやりになるか。この三点をお伺いします。

尾之内由紀夫日本道路公団副総裁

○参考人(尾之内由紀夫君) 第一点につきましては、私ども十分承知をいたしております。騒音の問題につきましては、すでにいろいろ前例もございますし、それから理論的な式もつくられておりまして、そういうことからこまかい計算をいろいろいたしております。そこで、それはもちろん道路用地は確保いたしましたけれども、住宅のほうは実際は先にできております。この決定は、住宅の決定と道路の決定は一緒になされておりますから、同時だと考えてよろしいと思いますが、決して先に道路を計画したのだから、あとのことはしようがないという考えではございません。私どもは、これは同時計画として、十分にこの基準を中心にして対策を立てたいと、かように思っております。  それから第二点は、着工時期でございます。着工の時期につきましては、これは一応四十六年度末ということになっております。ただ御承知のように、この問題だけではなくて、隣接した用地で取得できないところがございます、未着工1まだ未開通区間で。大体用地は九十数%買えていると思いますが、まだそういうことで、この問題のみならず、他の事情もございますから、そういう問題も含めまして、できるだけ早くというつもりでございます。  それから最後に御質問でございましたいつごろ話し合うかということでございます。これは私たちは来月に入りましたら、また協議会の方々といま言いました私ども関係機関において、お話しをしたいと、かように思っております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 一つは大上段に振りかぶって、計画変更の考えはないかということを聞きます。これはひとつ、しっかり答えていただきたい。  それから二つ目に、地元の人たちは、何が何でも反対とは言っていないんですから、計画の根本的検討と言っているわけです。道路というものは必要だということは頭から否定している話とは違う。だからこの場合、通し方というのがあるのじゃないか。あるいは路線の変更だとか、あるいは工法を変えるとか、地下道にするなりですね、それから超高架にするとか、道路におおいをかけるトンネル方式とか、技術的なくふうというものもいろいろあるのじゃないか。私はいま特に北鳥山を取り上げておりますけれども、こういう問題はこれからどんどん起きると思うのです。そういうもののパターンの一つとして、こういうことをひとつ考えてみたらどうか。  さっきちょっと聞き漏らしたかもしれませんが、そういう申し入れですね、生活環境審議会の。それがあったかどうか。もし私が聞き落としたのなら、あわせてお伺いしておきます。

尾之内由紀夫日本道路公団副総裁

○参考人(尾之内由紀夫君) 計画の変更という意味は路線の変更かと思いますが、路線につきましては、もうああいう地区でございますし、よそへ持っていっていい場所があるわけでございませんし、これはそういう意味においては変更の意思はございません。計画といいましても、これは設計面になりますと、いろいろこれから考える余地はございますし、また具体的にいまお示しのように、どの程度の高さにするとか、あるいは主として防音でございますけれども、そういうような防音対策を具体的にどうするかということがあり得ます。主としてそういうようなことを中心に私どもは進めていきたいと思います。それから環境審議会のほうから、特にこの問題について私どもに御指示はなかったと記憶いたしております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 何らかのくふうを考えてみる――それから都議会ということばがありましたけれども、地元はお役所の手が届かないという不安がやはり何分の一かしているわけですから、地元と積極的に話し合いをしてもらいたいということで、この二つはいいですか。

尾之内由紀夫日本道路公団副総裁

○参考人(尾之内由紀夫君) 都議会とは申しておりません。都市計画道路をやります都と私どもと住宅供給公社ということでございますから、都議会とは関係はございません。もちろん相手方は地元を代表される協議会の方々ですから、その三者と地元の方々と十分話し合いをしていただきたいということでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 技術論としては。

尾之内由紀夫日本道路公団副総裁

○参考人(尾之内由紀夫君) それでもちろんいろいろ対策でございますから、何か具体的にされなければならないと思っております。で、あらゆる可能性を考えまして、地元の方々の御納得をいただくような対策を立てる、そういう意味でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 くふうをするということ……。

尾之内由紀夫日本道路公団副総裁

○参考人(尾之内由紀夫君) そうです。

上田哲日本社会党

○上田哲君 最後に大臣にひとつ締めくくりにお伺いしますけれども、やはり私どもは、都市問題の中心が交通問題になってきているし、そうしてそれは東京に集約されているということで、この問題を取り上げてみたわけです。現にもう大臣自身も御指摘のように麻痺寸前、私は麻痺そのものというふうに思いますけれども、五十歩百歩、どっちみち同じような、このままではどうにもならないような状況にきている。ここでやはり道路をつくるということの考え方を根本的に変えていかなくては、人が通るから道をつくる、道を通すということではないだろうということがあると思うんですね。で、六〇年代の考え方というのは、日本は道路面積が少ない、自動車一台当たりの道路率も低い、とにかく道路をつくれと、しかし、これから自動車が千七百万台、一日一万台ふえていくわけだから、さっきの公団のほうの御答弁のように、思いもかけずたくさんふえてしまったんだということをあとで言ったんでは、これは政策がなかったんだということを告白するだけだと思いますから、排気ガスだけでもいまの一・八倍になるということになると、もうこれは道路というものがふえていく車を乗せるんだという考え方だけではないだろう。ニューヨークでは自動車に乗らずに自転車に乗ろうという運動が起きているというが、まさにいまの文化に対する痛烈な皮肉みたいなものも出てきている。ということになると、道をつくるということと何を乗せるかということとの関係、あるいは特に、当然住宅地域が含まれてくるわけですから、生活環境保全と道路の便利さという効用とのかね合いの問題、こういうところが大げさに言えば哲学の転換がなければならぬのじゃないか。その基本的な哲学の転換に至らなければ、びぼう策――単なるさっきのネオンサインをどうしようかというような、百五十メートル見えるのを二百メートル見えるようにしようというようなびほう策ではなくて、少なくとも中間論として、さっき大臣言われたように、本来なら、これまでの考え方ならば、太い路線と環状線を結びつけて便利にするんだということであったんですが、便利にするということが不便になるという回路からすると、途中で切断をするということが正しいんだということになるだろう。こういう中間哲学と最終哲学というようなことを、どういうようにからみ合わせるかということが問題だろうと思う。たまたま東京都というところを取り上げて、にっちもさっちもいかなくなっている首都高速を問題にしたんですけれども、これは首都高速が解決できなければ道路政策は解決できないと思うんですが、そういうところを起点として、私の言う中間哲学と最終哲学をひとつ最終的にお伺いしたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) たいへんこれは基本的な問題でして、私は端的に言えば、従来の十八世紀、十九世紀的な価値判断がもう変わってきたと思う。その一つのあらわれは、いままでは都市集中、そして都市の改造のために、公共投資をすれば改善できるという、一つのメリットに非常な過信を持ち過ぎておった。これは住民も幸福にならなければ、自治体としてもその機能は必ずしも適当にいっていない。経済的なメリットもない。ましてコミュニティーとしての機能が失なわれておるということに、ただ従来の考え方にこう、ずっと追随していくということじゃほんとうじゃないんじゃないか。その意味において、やはりこれはある意味においては住民の生活尊重ということもからみ合ってきますけれども、われわれ並びに役所が、こうなったら便利であろう、望ましいであろうということをかってに想像してやっても、かえってこれは反発を受けるというようなことが相当出てくるというような気がします。その意味で、私はまず地方自治体がどういうふうにその地域を改造あるいは環境保全をするかという基本的な構想をつくらして、それに対して国はいかなる助成をするかということをやっていかないと、もう国と地方自治体がしょっちゅうけんかしなければならぬということで、おかしなことだというふうな、実は私は率直にそういう感じを持っています。で、地方自治体が構想を持たずして、国がやることに対して反対しさえすれば、ソフトムードだとか、やれ住民尊重だといわれたら、これはとんでもなくなると思うんですね。自分の主体的な構想は全然なくして、政府のやることにさえ反対しておれば何か進歩的だということなら、こんなおかしなことはないと思うんですよ。だからそういう意味で、私はもうできるだけ地方自治体で一つの都市機能を充足させるためには、どういう自分の主体的な考え方があるか、それをつくるためには住民の意思も十分尊重してやっていこう、それに対して国がいかなる助成をするかというふうな、少しワンクッション置たい考え方のほうがむしろいいじゃないかとすらこのごろ考えております。私率直なことを申し上げます。  それと同時にですね、やはり私はいままでですね、近代経済学者と称する諸君、それからいわゆる都市学者と称する諸君が、人口集中、都市化が人類の必然だ、歴史の必然だという考えに対しては私は批判的です。それは黙っておればいまの利潤追求と、それから一つの経済的な目前のメリットからすれば、どうもそういうふうになる傾向性があることは事実ですけれども、それではいかぬというところに私は一つの新しい、いまあなたが言われる価値の転換が出てくる。そういう点からすれば、むしろ私は日本では公共投資をさえすれば、いま過疎化しつつあるところだってりっぱにこれは都市機能を持ち、自然の恵まれたる環境があるということで、よほどこれは研究し直さないといけないじゃないかという気がしております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 どうです、美濃部さんと話し合いませんか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) それはいつでも話し合います。来てくれさえすればいつでも話し合います。ぼくはその意味では、京都の蜷川知事も私の同窓でお互いに知っておりまして、いつでも相談に応ずるというときにはなかなか来ない。だから私はもう少しほんとうに端的にフリーにやって、そうしてそこで見解の相違が出たら、公に政策論争をしてもよし、あるいはまたそこに別に高い次元の話し合いの場もあると私は思うのです。そういう意味で、私は東京都なんかはいまの災害対策にしろ、それから住宅問題にしろ、いろいろあるんですよ。  そこで、実は昨日も足鹿さんの線引きに関連して土地問題を出したのもそうなんです。いまは私は何としてもこの都市改造をやる場合においても、一番先決問題は土地問題だ。ところが、いままでこれはみなある意味においては選挙にじゃまになる。あるいはまた金がかかるということで、みなここを人の責任にして、そうして逃げてやろうとするから問題だ。だからこの問題を、これこそ私は国民の代表としての国会議員が、党派を越えてこの問題はお互いに話し合うべきだ。そうして新しい立法のもとに、この市街化計画の土地は国並びに地方自治体、先買い権を与える。それに対してはこれは特例としていまの交付公債を発行して、所有権を優先的に買い上げる。そうして緑のある、それから都市計画もできるというふうにしてやらないと、幾ら美濃部知事が三百万票の支持があったんだって、これはできやせぬですよ。それと同じことですからね。私はこのときにむしろあなた方は、新しい、それこそ、しかも哲学を持っておる社会党の人方も私の構想に協力してもらえば、これはできると私は思います。大いに今後、ほんとうに私は虚心たんかいなんです。私ははったりも何もなく、もういろいろやってみて、それより方法がないような気がする。これをやれば、どなたが知事になっても、あるいは市町村長になっても、これはやれる。そうでないと――こういうことを実は衆議院でもこれを出した。そういう意味で私はこれは国会がやるべきだ、国会でやるべきだ。行政官庁でやるとどうしても、まあよく批判されるけれども、官僚的な、いわゆる非常に事務的な案になっちゃって、やれないけれども、この前の国有農地のあの問題をひとつ私は一つの非常にいいチャンスだったと思う。これについてはぜひやりますよ。これについてはぜひやるけれども、とにかく、あの収拾にあたって与野党一緒になって、行政や政府ペースでできないことをやったということが、私は非常に大きな七〇年代初頭の日本のこの民主国会の一つの大きな私は業績だと思う。そうしたものを今後お互いに国会でやるということのほうが、どうも意義があることのようだと思います。ひたすらそれを念願しておるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 地方自治構想を前提として優先させて、ひとつ新しい都市計画を勇断をもって進めていただくことを要望して終わります。

田口長治郎自由民主党

○委員長(田口長治郎君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時散会

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