内閣委員会 第9号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/03/18
会議録
○委員長(田口長治郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 総理府設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 御質疑のある方は順次発言を願います。
○峯山昭範君 総理府設置法の審議にあたりまして、初めに海洋開発の問題から二、三質問したいと思います。きょうは幸いにして総務長官おいでになっておりますけれども、総務長官は公害のほうと沖繩のほうと、しかも総理府のほうと三点所轄しておられますので、初めに沖繩の問題をちょっとあわせてやります。 私は特に公害の中でも海が汚染するということは、非常に海洋国家日本にとりましては重要な問題だと思うんです。特に日本の近海の、近海というよりも、本土の場合は、東京湾とか大阪湾とか、それぞれの湾内がもう非常に汚染しておる。一回汚染した海をきれいにしようと思うと非常にたいへんな労力がかかると思います。そこで、先般から公害特別国会等も開かれまして、法案の整備も相当行なわれたわけでありますが、現実の問題として、一回汚染された海というのは、それをきれいにしようと思うと相当労力もかかるし、日にちもかかる、私はたいへんな問題だろうと思うんです。そのためにはよごさないための努力というものがこれは重要になってくると思うんです。そこで私はきょうは、確かに海というのは自然浄化作用というのは持っているとは思いますけれども、その中で、特に沖繩の問題で最近心配なことが一つありまして、先般から多少沖繩では問題になっている問題でありますが、沖繩の那覇市の問題でありますが、那覇市では一日に排出される屎尿が、私のところに来ておりますデータによりますと、千八百九十五石にのぼるというのですね。これらの処理を那覇市では一九七〇年から海洋投棄を実施したい、こういうぐあいに沖繩の気象庁あてに打診をしまして、そして現実に去年から海洋投棄を始めているわけです。 そこで私は具体的にいろいろお伺いしたいんですが、こういうぐあいに海洋投棄をやった場合、これはどういうぐあいになるのか、ちゃんと浄化されるものなのか、またその投棄場所というのは、旗でも立てているわけじゃ私はないと思うのですが、非常にむずかしいと思うんですね。たとえば海岸から何キロ先に捨てるときめたっても、実際問題、その船を監視できるかどうかということは非常にむずかしいと思うのです。特にそれが政府の機関なり公立の機関の人たちがそれを捨てに行くならまだしも、沖繩の場合には請負の方がやっているということになりますね。そうしますと、きまったところに捨てないで、近くに捨てなきゃならないこともあるらしいんですが、そういうような場合、非常に問題がいろいろな面から出てくるわけでありますが、屎尿のこういうふうな投棄については、沖繩の例を申し上げましたが、本土においても至るところでやっているそうでありますが、そこら辺の状況は一体どういうぐあいになっているのか、初めにお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) この屎尿の洋上投棄の問題については、現在の法律が非常に不備でございましたために、いまの時点で、現在とはちょっと時点がずれて正確ではありませんが、これまでの法律が、海岸地先二百メートル以上であったら捨ててよろしいという単純な、どこにでもいわば捨てられるような法律でありましたものを、御承知のような、昨年の公害国会において、海洋汚染防止法というもので、ただいまお話しになりましたような投棄する場所あるいは投棄のしかた、方法、その処理のしかた等について、一定の条件下でなければ投棄できないという原則になりました。でありますから今後これは本土においても海洋汚染防止法の法律が施行されまして、それが実行されるようになりますと、投棄場所等がそれぞれきまるわけでありますが、それでも、本土においても瀬戸内海あたりの屎尿投棄のあり方については、現在でも相当しぼって投棄場所が定めてあるように見えますけれども、なお法律上の拘束を受けていないということで問題地区の一つであります。 そういたしますと、現在沖繩においては、本土において昨年制定いたしました各種公害法のうちの海洋汚染防止法というものが現在ないわけでありますから、現実の問題として那覇市の屎尿に例をとるならば、那覇市の地先海面二百メートル以上ならばどこに捨ててもいいということにおそらくなっているのではなかろうかと思います。ただ沖繩においては、一番の美しい条件の一つに、やはりきれいな海ということが一つの条件にあげられるわけでありますから、少々のものならば自然の浄化作用の中で、場合によっては影響がなしに済むとしても、これがそのまま永続して行なわれるということは、とうてい許されないことでありますし、沖繩の未来のためにもたいへん惜しむべき文字どおり汚点になるおそれがありますので、これはやはり復帰を待つまでもなく、相談を受けましたならば、復帰の時点において対処できるような方法を考えなければならぬと思っているわけでありますが、単に那覇のみならず、北方の北谷等においても、やはり三カ村ぐらいの間にごたごたがあったり、米軍が中に入ったり、いろいろと問題があるようでございます。予算のたびごとに、それらの個所についてはなるべく処理できるような予算措置をいたしておりますが、まだ完全に私どもが満足すべき点に立ち至っていないということは本土と同様でございますし、場合によっては、本土よりも沖繩のほうがおくれているということだろうと思います。
○峯山昭範君 この問題につきましては、もう少し具体的に申し上げますと、すでに本土よりも進んでいるみたいな感じが私はするのですけれども、気象庁に問い合わせをいたしまして、気象庁から、ここへ捨てろという回答書がきているわけです。それによりますと、どういうぐあいになっているかと申しますと、北緯二十六度十七分、東経百二十七度十五分、そこが適当である。こういう答弁書なんですね。
○国務大臣(山中貞則君) 沖繩ですか。
○峯山昭範君 沖繩です。そういう気象庁から那覇市に対する答弁書がきているわけです。ところが、北緯二十六度十七分とか東経何ぼというのは、その船がちゃんと確認のしょうがないというのです、実際よく聞いてみると。大体ここら辺であろう、こう言って捨てているというのです。しかも、私が何でこんなことを言うかというと、沖繩の文化財保護委員会の方に先日お会いしたのです、沖繩へ参りまして。そうしたら、沖繩のひめゆりの塔とか、一ぱいある、あのみさきのほうに、最近いろいろなものが流れついてくるというのです、現在も。その流れついたものを私見せていただいたのですが、確かに屎尿の中に含まれているようなものであろうというようなものが一ぱいあるわけです。ずっとあるわけです。どうしてこういうぐあいになるのかといってずいぶん調べてみますと、ここに沖繩の海流の流れの表もあるのですけれども、沖繩の海流というのは、気象庁が指示したのはずいぶん、十キロほど離れたところなんですが、そこの海流に乗せると、屎尿は大体一方をぐるっと回って、東シナ海のほうに流れ出るようになっているのですが、その手前のほうに捨てると、そこの海流というのは沖繩をぐるっと回っているのです。その回っている海流のところへ捨てているのじゃないかというのです。そのことはほとんど間違いないというわけです。そのことにつきましては、気象庁のほうで非常に、沖繩の気象庁ですが、一たんここへ捨てたほうがいいということを言ったけれども、担当の人が個人的に言っているわけでありますが、非常に悩んでいるわけです。どうも近くに捨てているらしいというのです。 そういうようなわけで、いずれにしましても、沖繩の人たちにとっては、何が一番沖繩で魅力かというと、やはり海が魅力だと言う。このきれいな海がよごされてしまうと、私たちはもうほんとうに何も取り柄がない、こういうふうな話をしているわけです。そういうふうな意味でも、この問題については、那覇でも問題にはなっていると思うのですけれども、ぜひ今後適当な処置をとっていただきたい、こういうぐあいにお願いしておきたいと思うのですが、これはいかがですか。
○国務大臣(山中貞則君) 琉球気象台のそのような投棄場所の指定等がありましたことは、私自身いまだ承知しておりませんでした。しかしそれを、海上のことでもありますから、ブイ等でも置いてない限りはわからないというのはほんとうでありましょうし、置いてあっても、業者の良心が、そんな遠くまで油を使って行かなくてもということであれば、これは無視されるでありましょうから、そこらの点はよく今後調査させていただきたいと思います。
○峯山昭範君 いまの問題は、気象庁から那覇市長にあてての答弁書は、一九六九年四月三十日、琉気総第二〇八号というので出しておりますので、御検討いただきたいと思います。 それから次に、法案について二、三御質問したいと思いますが、初めに、今回総理府の付属機関としまして公文書館とか、また、そのほかにいろいろできるわけでありますが、初めに公文書館の問題について二、三質問したいと思います。 先日、提案理由の概略説明はありましたのですが、公文書館設立の理由について概略説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) これは日本学術会議から、日本も国立公文書館を設けるべきであるといろ、政府に対する勧告がございました。それを受けて逐年予算を、たしか三十九年から始まったと思いますが、本年度の予算をもって大体建物の完成をするというところまでまいりましたので、今回、設置法を提案して、内閣による公文書館というものを正式に発足させることにしたわけであります。 これまでは国の文書の、古文書を含めたある程度のきちんとした保管のされている場所といえば、せいぜい内閣文庫ぐらいでございましたので、歴史の古い国日本であって、まあしかし近代国家としては近々百年余りの日本であるという反面性を持っておりますけれども、そういう意味において、諸外国に比べてたいへん恥ずかしいということでございました。でありますので、たいへんおくれたということでございますが、しかしようやく、おくれてもまあまあ諸外国に比して、日本に来られた場合に、関係の学者なり公務員の皆さんが来られて、恥ずかしくないという程度の整備をしたいということで出発をするわけであります。あくまでもこれは国の行政分野の公文書、記録、資料といったようなものを中心といたしまして、それに歴史の歩み等の貴重な資料等を保存していきたいということがねらいでございます。
○峯山昭範君 大臣、何か時間を急ぐそうですから急いでやりますけれども、内閣委員会で、いつもこういうふうな新しい施設をつくり上げたりする場合、先国会でも、法務省の場合でも拘置所ができてから法案が出ているわけですね。それから今回の場合も、ほとんど建物ができているそうであります。また、そういうことが先般からずいぶんあるわけです。農林省の設置法では、農業者大学校ができてから、もうスタートしなくちゃならない段階になってから法案が出てくる。そういうことがたびたびあるわけですので、この点は大臣、どういうようにお考えですかね。できたらそういう問題については事前にわが内閣委員会にそういう問題を提起するというわけにはいかないですか。
○国務大臣(山中貞則君) これはやり方が二通りありまして、そういうものをつくることの是非というものを御相談申し上げ、結論を得てから予算化して建設をしていく方法も、ある意味の民主的な方法でありましょう。しかしまた、だれが見てもつくらなければならないものであって、学術会議等のそういう意見の表明があった場合においては、政府の責任においてつくらざるを得ないものである。また、つくらなければ、先ほど申しましたとおり、日本として恥ずかしいというようなこともありまして、これはもう既定のものとして建設を促進して、それが完成したときに設置法を出して、人員その他も御審議願うということに形式をとったわけであります。かと申しまして、そういうものは、ただいま例をあげられましたように、各省そういう例もとっておる一つのあり方であります。一方においては、同じ総理府でございますが、環境庁というようなものは、これは実は建物をどこにするかもきまってない段階において環境庁設置を予算の段階においてまずきめて、そして予算においては、とりあえず大臣とか政務次官とかいう程度の必要な予算だけを計上しておきまして、でき上がった後に建物をさがし、そして人員、予算等はその後に予算総則の定めによって移しかえるという緊急な場合を、私どもとしては今回は最善だと思ったわけではありませんが、必要なものはそういうふうにしてでもつくらなければならないと考えたわけでございまして、別段他意があってこれを、建物をつくったんだから、いまさら公文書館をつくらせぬとは言わせぬぞという審議をしてもらうつもりはございません。
○峯山昭範君 いずれにしましても、そういうふうな感じのところがいままで何回かあったわけですね。もう農業者大学校の場合でも、大学生が卒業する、卒業する段階になってぎりぎり法案が成立する、そういう問題がたびたびありましたので申し上げたわけであります。 それから現在、各省の公文書がたくさん、私はすでにばらばらになっているかもしれませんが、各省それぞれ保管されていると思うのですが、現在どの程度の数量があって、今後そのそれぞれの公文書が公文書館にどういうぐあいな方法で保管されていくのか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 当初は戦前の資料を主にして三カ年計画で収容するつもりでございました。一応それが終わりますと、年次別に各省庁と話をしながら逐次移していくわけでありますが、一応の現在の規模は、百万冊収容というつもりでおるわけでございます。
○峯山昭範君 そうしますと、それは内閣と各省庁の分だろうと私は思うのですが、たとえば会計検査院とか国会のものをつくっておるそうでありますが、そういうふうなところの分はどうなるのか。そういうところができたら一元的に保存する方法はあると思いますが、そこら辺の論争はちゃんと行なわれたと思いますが、そういう点はどういうふうになっているか、長官のお話を伺いたい。
○国務大臣(山中貞則君) 一つには一般行政文書という範囲で公文書をおさめようという気持ちでありますから、会計検査院、国会図書館がはずれたということであります、一方では。他方から言いますと、国会図書館はやはり今度は、各国いずれも国会図書館としてのりっぱな機能を国会に付属して持っておりますので、両方に分けて同じものを保管する必要はあるまいということで、もし国会図書館等においてほかに収容すべき場所がなかったから、保管していただいている文書で当方に保管していただくような行政分野にかかわる公文書がございましたら、話し合いの上で公文書館に移していただくつもりでございます。あくまでも独立性を持ってやっていただいたほうがよろしいと考えたわけでございます。
○峯山昭範君 今回の公文書館の規模は、何か地上四階、地下二階ということだそうですが、このうち文書庫は七千十平米ですか、こういうふうに聞いておるのですが、これで先ほど大臣が言われたその数量の公文書はどういうぐあいに保存されるのか。たとえば戦前の分を保存して、戦後の分を保存するようになると思うのですが、これだけでスペース足りるのですか、実際問題、その点が一つと、それから閲覧するところも何かつくってあるらしいのですが、閲覧するところは何か約四百坪近くと聞いておるのですが、実際問題、四百坪なんといいますと、何となく少ないような気がするのですが、ですからこういうふうな、たとえば建物ができてから法案を出すという先ほどの問題もありましたけれども、そういうぐあいにやはり、建物が小さいとか、もうちょっと大きくしたほうがいいのじゃないかとか、予算の問題もあると思うのですが、こういう問題もできたら事前にいろいろ検討したらいいんじゃないか、そういう考えでさっきも言ったわけですが、そういう点から考えてみますと、実際、現在の建物がこれで十分なのかどうか、この点はどうでしょうか。実際問題、いまこれからもし足りないとすれば、将来どういうぐあいに考えていらっしゃるのか。そこら辺のところはどうでしょうか。
○国務大臣(山中貞則君) 大体現在の、主として書架になると思いますが、そういう文書類を保管いたしますスペース、そういうものは、現在の見通しの作業でまいりますと、十年間ぐらいはだいじょうぶだというつもりでありますが、せっかくつくるのでありますから、永久にだいじょうぶだというのはどのくらいかということになりますと、これは見通しが立たないということになりますと、さしあたりは戦前の文書の完全収録をまず三年がかりでやりまして、それから逐次戦後の文書を収録してまいりますので、しばらくたちましたならば、あらためてそういう書庫についての増設ということを予定はいたしておるわけでございます。
○峯山昭範君 もう一点お伺いして、この点を終わりたいと思いますが、大体十年間はだいじょうぶということですが、戦前の分の収録は三年かかるということでありますが、その三年ということは、これは三年たって、それからまた戦後の分をやるわけですね。そうすると、大体この収録が終わるのは一体どのくらいになるのか、そこら辺のところをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 先ほど申しましたとおり、大体十年目ぐらいで百万冊ということを目標にしておりますから、これは諸外国の規模等もいろいろと参考にしておりまして、日本よりか大きな書庫を持っております国も多うございますし、また、日本よりか小さい国もまたいろいろあります。そこで十年目に達しない前に、これまた事前に相談してもいいかもしれませんが、新しい書庫をつくっていくということで、いつ終わるのかといえば、これは毎年毎年の公文書中、残しておくべきものを集めるわけですから、エンドレスであるということであろうと思います。
○峯山昭範君 次に、統計職員養成所の問題ですが、これも二、三質問しておきたいと思いますが、これは法案を読んだところでは、これは名前が変わるだけのようでありますが、この改組の趣旨ですね、これは一体どういうわけでしょうか。
○国務大臣(山中貞則君) これは名前が変わるだけではそんなばかなことをわざわざやる必要ありませんので、現在は統計職員だけを養成をいたしておりますので、これまでのような統計従事職員だけというような研修ではなくして、現在の情報化時代あるいはコンピューターを駆使するというような、単に統計だけの分野の職員たちだけでは有効に活用できない行政体系になってきつつあると思いますので、これに関連する一般の行政職員であっても、これを統計研修の立場から集めて研修して、統計職員の正規の事務というものが、それが実際上の行政に生かされていく、そういう方向に新しい役目を帯びさせる時代がきたということでございます。名前はしたがって職員養成所では少しそぐわないのではないかという、意味を変えただけでありまして、それに従って教授陣等の充実ということを当然はかっていかなければならぬわけでございます。
○峯山昭範君 いま大臣のおっしゃるような趣旨であれば私は賛成ですね。しかし、実際問題は、これはあれですか、現在までは、統計職員養成所の場合は、年間に二回、六カ月ずつですか、それで一回七十人という方々が研修を受けておったわけですね。というのは、いま大臣のおっしゃるような意味であれば、いわゆるこの研修をする相手も広くなるわけですね。ということは、人数もやっぱりそれに従ってふえるということでございましょうか。
○国務大臣(山中貞則君) 局長から……。
○政府委員(関戸嘉明君) ただいま先生のおっしゃいますように、確かに研修の対象範囲を広げましたので、できるだけ統計に関係する職員がたくさんそういう研修を受けていただきたいというふうには考えておりますが、何ぶんにも現在持っております研修施設等の関係からいたしまして、目下のところ研修生の増員ということはちょっと考えられませんので、将来、事情の許す限りこれを拡大していきたい、このように考えております。
○峯山昭範君 ということは、要するに、人数もふやさない、大体現状どおりでいくわけでしょう。ということは、私は名前が変わるだけのような気がするわけです。実際問題として。しかし、それだけでもいろいろな意味はあると思うのです。しかし、従来の場合、この統計研修所を出た人は、統計法第十条ですか——で規定された統計官なり統計主事という資格が与えられましたですね。したがって、その方々が、何といいますか、統計事務に携わっていままでやってきたわけでありますが、今度研修所を出た方々は、今度はそういうふうな資格を与えられるのかどうか、これはどうですか。
○政府委員(関戸嘉明君) 先生おっしゃいましたように、ただいま統計職員養成所は行政管理庁長官の指定を受けました統計研修実施機関ということになっております。今回名称変更をいたしましても、当然そういう意味合いの研修実施機関ということになるというふうに私ども考えておりますので、そこの修了生は従来とも統計官あるいは統計主事という任命を受けておりますが、この任命関係は、国にありましては各省庁の任命権者の推薦によって任命権者が行ない、それから各地方公共団体におきましては地方公共団体の長等が任命する、こういうふうになっておりますので、資格を取ることだけは間違いありませんが、必ず全部が統計官あるいは統計主事に任命されるかどうかという点につきましては、私どものほうとしては、できるだけそういう任命をもって統計を充実させてもらいたいという希望は持っておりますけれども、任命権がそれぞれ違っておりますので、そこまで強制するということはできないことかと考えております、
○峯山昭範君 ちょっと私は、いまのその意味はあまりわからないのですが、実際問題として、従来はここを出た人はほとんどの方がそういうふうなあれをもらっていたわけですね。実際問題、統計という問題は、これは大事な調査した資料を正確に、また何といっても統計そのものが正確であり、かつ真実性がある、そういうふうな点からいきますと、統計法に基づいた指定統計なり何なりをこういう方がやるということは、やっぱり、何というか、指定統計をやる人はこういう方に限るというふうに限定しておったという感じなんですね。ということは、私たちがこの統計を見る限りにおいては非常に厳格にその資格が書いている、きめられているというふうに、そういうふうに実際思うわけです。まあしかし、今度そういう方々は幅も広げられ、全体のレベルアップにはなるかもしれませんけれども、統計そのものについては、何というか、多少ゆるんでくる感じがするわけですね、統計そのものについては。いままでは統計の、その指定統計とか、そういうものに携わる者については、そこを出た人でなければいけないという感じでがっちりやって、きびしい条件といいますか、そういうものがついて統計が行なわれておったわけですね。ところが、今度は相当幅広くということになりますと、ちょっとやっぱりゆるんでくる感じもするわけですが、ここら辺のところは、この統計研修所という形になっても、従来からのその資格といいますか、そういうふうな研修の内容といいますか、そういうようなものは、そこを出た人は優秀であり、すぐれた技術といいますか、そういうものを身につけることができるのかどうか。私は、ただ単に名前だけ変わるなら、内容的にはちゃんとなると思うのですが、実際問題、幅が広げられて、レベルが低下することも考えられると思うのですが、ここらのところについてはどういうぐあいに判断しておられるのか、この点お伺いしておきたいと思います。
○政府委員(関戸嘉明君) 先生の御心配になられた第一点は、対象を広げたために、すべて統計官あるいは統計主事という資格をもらえるようになる。従来は指定統計等の従事者は厳格に統計官あるいは統計主事でなければならないというふうにしておるのが、野方図に卒業生全部が統計官あるいは統計主事になってしまうのじゃなかろうかという御疑問であろうと思います。その意味におきましては、各地方庁の長官あるいは各省におきましても、指定統計の従事者になる場合には、当然いま統計法に規定されておりますので、従事者になるかならないか、従事者にする場合には統計官の資格を持った者を充てるということになるのは当然であろうと思いますので、そういう意味合いでは指定統計の従事者が非常にルーズな人がなってくるということはないと考えられるのですが、第二点の、しかしながら、教科内容がいままでのような実務的な統計調査の実施に当たる、そういった面からの統計研修が主眼であったではないか、それには多少一般職員というものを含めるために、教科内容について少し水増しされたような教科をやるのではないか。そうするとそこでの資格を得た者が指定統計に携わると、レベルアップじゃなくてレベルダウンというような御心配であろうと思いますが、いささか詳細にわたるかもしれませんけれども、私どもいま研修科目内容を考えておりますのは、従来行なっておりました統計調査を実施するにあたりましての作成手法、そういったものが確かに中心ではございましたけれども、いわんや統計のでき上がりましたものの分析あるいは解析というようなことも統計職員、従事者自身も十分習得しなければならない、こういうような時代にきているのではないか。かてて加えまして、電子計算機というようなものもだんだん発達してまいってきておりますので、そういったものの知識というものも持ちながら統計調査に従事していただくという両面が必要であろうと、このように考えておりまして、両方の教科を十分果たし得るように、研修所になりました場合にそういうような教科科目を考えて研修を実施したい、このように考えております。
○峯山昭範君 そうすると、統計職員養成所の問題についてあと二、三点ほどお伺いしておきたいのですが、先ほどからのいろいろ説明で大体わかってきたのですが、この統計に従事している職員といいますか、そういう方々は、現在地方公共団体、国と、いろいろあるのですが、そういうような中で、この統計研修所を出られた方は、一体全体の何%ぐらいを占めておられるのか、その点はどういうふうになっているのかお伺いしたいと思います。 それからもう一点、民間にもこの統計の研修機関というのがいろいろ日本統計協会とか、または農林統計協会とか、いろいろ私はあると思うのですが、そういうふうな民間の統計機関との関連はどういうぐあいになっているのか。また、今後どういうぐあいに協力されていくのか。そこら辺の点について概略お伺いしたいと思うのです。
○政府委員(関戸嘉明君) 私ども統計職員養成所が戦後二十二年から発足いたしました。戦前は別といたしまして、戦後現在までに二千七百六名の修了者を出しております。そのうち国の機関に従事しておりました職員が千七百三十八名で、地方公共団体は九百二十四名、なお琉球政府から来ていただいておりました職員が四十四名というふうになっております。これが全地方公共団体あるいは国の機関における統計職員の何%かということは、ちょっと私ども計算しておりませんでわかりませんが、卒業生はそういう人員でございます。 第二点の、それぞれ民間で統計の、いま先生おっしゃいました日本統計協会でありますとか農林統計協会でありますとかいうところで、いろいろ統計に関しての事業を行なっているが、それらに対してどういうふうに関連づけられていくつもりか、こういう御質問だと思いますが、それぞれ、いま申されました協会等におきまして事業計画を持っておられまして、こういうような事業を行なう。一例をあげますれば、統計関係の図書の出版というようなことをやっておられると思うのでありますが、それらの場合、私どものほうでつくりました統計というものを当然資料として要求を受けますので、積極的にそういう意味合いの統計資料の提供ということもやっておりますし、ただ研修所で申しますと、民間人の研修ということは対象にしておりませんので、協会の方でありますとか、協会に従事している方々が研修所に入ってくるということはございません。ただ、それぞれの協会におきまして、その事業目的をいろいろ持っておられまして、理論的な研究をしたいとか、いろいろな計画を持っておられるようでございまして、内容的につまびらかにしておりませんが、それぞれそういう民間団体では、統計の思想の普及、発展ということで努力をされておりますので、それらからの要請に基づきまして、私ども資料的な提供、協力関係を結んでおる、こういう現状でございます。
○峯山昭範君 次に、海洋科学技術審議会の改組の問題について二、三お尋ねしたいと思いますが、初めに予算の問題でありますが、この審議会が四十三年十月二十九日に、「海洋開発のための科学技術に関する開発計画について」という答申が出ておりますが、この答申を受けまして、関係各省の官房長から成る海洋科学技術開発推進連絡会議というのができまして、第一次実行計画というのを策定したようでありますが、これに基づいて今後十年間にわたる海洋開発の方向を展望したもの、私こういうぐあいに思っておるわけでございますが、まず予算でありますが、四十六年度の予算として、これはどの程度海洋開発のための予算をとっていらっしゃるのか、まずそれが第一点。それから今後十年間予算をどのように組もうとしておられるのか、たとえば推計等でもけっこうでありますが、お伺いしたいと思うのであります。
○政府委員(石倉秀次君) ただいまのお尋ねでございますが、昭和四十六年度の科学技術庁、厚生省、農林省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省、以上の省庁が要求しております予算総額は六十六億六千七百万円ほどでございます。なお、先ほど海洋開発の第一次実行計画が今後十カ年というお話でございましたが、計画を立てます際に、内外の海洋開発の動向につきまして十カ年程度を見通しましたが、この実行計画をつくる段階におきましては、昭和四十五年度を起点としまして、おおむね五十年までの期間として設定しております。この実行計画の総額につきましては、詳しい積み上げは、計画としては組み上げてございますけれども、これに必要とします予算額につきましては、これまで詳しい推算はしたことはございません。ただ大づかみに見積りますと、大体四百億前後になるのではなかろうかというふうに考えております。三百八十億から四百億くらいになるのではなかろうかというふうに考えております。
○峯山昭範君 まず私はいま予算を聞いておりまして、非常に海洋開発のための予算というのが、農林省とか運輸省、文部省、もっと言われましたけれども、いろいろ分かれておるわけですね。これはやはり一つは、何といいますか、アメリカの場合でもポストアポロ、すなわち月の次は海洋開発と、そういうふうに言われておるわけでありますし、私たち日本の場合には、特に海洋開発のための経費というものは、やはり一元的に運用するということが望ましいと私は思うのです。そこで、いま予算のことを聞いておりましても、相当各省に分かれているようであります。 そこでちょっとお尋ねしたいのですが、まず動植物資源の調査ですか、これは水産庁がおやりになっておりますね。それから海洋気象の場合は、これは気象庁ですね。それから海底における地下資源、これは通産省ですか、それから海洋の学術的な研究というのは各大学が行なっていると私は思うのですが、こういうふうにいろいろ行なわれているわけでありますが、その現在の実情というのは大体どういうぐあいになっているのか、また、いま私が言ったとおりであるとすれば、これはどういうぐあいに有機的に、連絡会議といいますか、連絡をとっていくように考えていらっしゃるのか、そこら辺のところはどういうふうになっているのか、説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(石倉秀次君) 海洋に関係いたします調査でございますけれども、これは、ただいま御指摘のように、大きく分けますというと三つになります。一つは海底に賦存しております鉱物資源に関する調査でございます。この点につきましては、わが国の大陸だなの地形に関する調査をまずやることが必要でございます。主として水路部が中心となりまして、昭和四十二年度から十カ年の計画で、わが国周辺大陸だなの、海の基本図と申しておりますが、海底の地形図、それから海底地質構造図、それから地磁気全磁力図、それから重力異常図等を作成する予定でございます。これにつきましては、わが国周辺が全部で六十二の図になりますが、そのうちすでに六つの図が公刊されております。これは秋田沖から能登半島の東部にわたる部分でございます。 それから次に大陸だなの地質でございますが、これにつきましては、従来陸上の油田、炭田との関連において、ごく沿岸部に近いところは調査が行なわれてきております。昭和四十四年度からこれを本格的かつ系統的にすることにいたしておりまして、将来は縮尺百万分の一の海底基礎地質図ができる予定でございます。これは昭和五十年までにできる予定でございます。また、大陸だなに埋蔵が推定されております石油、天然ガス等の資源基礎調査が、これが昭和四十五年から昭和四十九年の間に完成するということに相なっております。 一方、水産資源の調査につきましては、水産庁が中心となりまして実施をいたしております。このほうの調査は、単にわが国の周辺ばかりでなく、わが国の水産業が世界の七つの海に展開しておりますことともからみまして、遠洋域を含めまして調査が行なわれております。この調査を強化するために、昭和四十六年度の予算といたしまして、農林省から海洋水産資源開発促進法という法律をつくり、その中で海洋水産資源開発センターというものをつくり、調査の中心にするということに相なっております。 一方、海洋気象——海象につきましては、従来気象庁及び水路部が中心となって調査を進めておりますが、これにつきましては、先ほど来話題になります第一次実行計画の中で、ブイロボット等の展開を含めまして強化をいたすということにいたしております。これをどのように総合化するかという問題でございますが、海洋のデータにつきましては、気象、海象を中心としまして、運輸省内に一つのデータセンターがございますし、それから水産資源につきましては、先ほど申しました新しくできますセンターが中心になり、また、地質その他につきましては、工業技術院内の地質調査所等が中心となって集積をしております。将来そのようなデータを一貫的に使いますには、そのようなデータの蓄積及び処理をどのように新しい情報科学技術を使って一体化するかということになるわけでございます。その点につきましても、この第一次実行計画の中で、そのようなシステムの研究をやるということに相なります。
○峯山昭範君 今度新しく設けられる審議会のメンバーは、これは現在のメンバーの人がそのままなるのですか、または新しく何らかの方法で選ぶんですか、そこのところはどうでしょうか。
○政府委員(石倉秀次君) これまでの海洋科学技術審議会は、海洋開発に必要な科学技術についての審議をすることになっておりまして、主として海洋学、海洋工学あるいは水産学等の学識経験者及び海洋資源の開発に従事する分野の方々に御委嘱申し上げておったのでございますけれども、今回御提案申し上げましておりますように、この審議会を海洋開発審議会というように改組をいたしますと、海洋開発に関します基本的かつ総合的な開発を進めるということに相なりますので、単にそのような科学技術的なあるいは産業的な知識ばかりでなく、制度の問題あるいは国際協力の問題等の分野からも御審議を願う問題が出てまいりますので、拡大改組を機に委員の方はかなり別途に委嘱をするということになろうかと思います。
○峯山昭範君 ということは、まだきまってないのですね。
○政府委員(石倉秀次君) まだきまっておりません。
○峯山昭範君 それからあと二、三お聞きしたいのですが、昨年来、宇宙、海洋、両ビッグサイエンスの両方を所轄する宇宙海洋局ですか、というのを要求したということを聞いているのですが、これはどういうふうになっておりますか。
○政府委員(石倉秀次君) 科学技術庁から宇宙及び海洋の開発の重要性にかんがみまして、当初の段階におきましては宇宙海洋局という構想もございました。省庁の機構問題につきましては、いろいろな客観条件もございますので、途中において一応見送ったような次第でございます。
○矢山有作君 関連。いま海洋開発審議会の委員のことが峯山さんからお話が出たわけですが、これに関連して一昨日私のほうからお尋ねしたのに対して、質問の焦点は、防衛庁の事務次官を入れるのか、防衛庁の事務次官を従来の海洋開発技術審議会に入れておったことは間違いではないかという質問だったわけですが、海洋開発審議会に事務次官を入れぬということはわかりました。ところが、事務的段階では多少防衛庁の関係者といえども海洋科学技術について協力を得ることがあろうかと思う、こういうような御答弁があったと思うのです。それはこの審議会の下に何らかの科学技術関係についての特別な機構を予定しておられるのかどうか、また、防衛庁の関係者をどういう形でどういうところに入れていこうというのか、これはこの間の質問でちょっとお聞きするのを落としておりましたので、この際御説明願いたいと思います。
○政府委員(石倉秀次君) 海洋開発審議会の下に専門部会をどのように設けるかということにつきましては、まだ十分な成案を得ておりませんが、海洋開発のために科学技術がきわめて重要であることは今後しばらく続きますので、海洋科学技術の専門部会を設けるという可能性はきわめて大きいかと存じます。このような審議会を開催してまいりますにあたりまして、委員の方々からいろいろな方面の資料の収集、提出を要求されることがございます。このような段階で、防衛庁の事務段階の方もこの審議会の幹事会の中に加わっておいていただきますというと、そのような資料の収集に便宜かと考えておりますので、そのような意味で御協力をお願いすることがあるであろうというように考えております。
○矢山有作君 そうすると、審議会の中に何か幹事制度というようなものをこしらえるのですか、それは下部制度になるのかどうか、審議会との関連をはっきりさしていただきたい。
○政府委員(石倉秀次君) ただいま幹事会と申しましたが、これは審議会のそのような資料整理とか、あるいはそのほかの事務的なお手伝いをするために設けるものでございまして、従来の海洋科学技術審議会におきましても、そのような幹事会がございます。
○矢山有作君 そうすると、こういうように解釈したらいいですか。その審議会の事務局みたいなものと解釈したらいいわけですね。そうすると事務局のようなものの中に防衛庁の関係者を入れる、こういうことなんですね。それが一つ。それから、先ほどの話では、まだ専門部会はどういうものを設置するかははっきりしておらぬというのですが、科学技術専門部会を設ける公算が多いということでございますが、その科学技術専門部会の中に防衛庁の関係者もやはり入れるのか入れないのか、その二点をはっきりしてください。
○政府委員(石倉秀次君) 最初の点でございますが、幹事会は審議会に対しての事務局的な役割りでございます。それから第二に、科学技術専門部会をつくった際に、防衛庁の事務担当者が入るか入らないかということでございますが、これは私の推測でございますが、おそらく科学技術の事項につきまして審議をする場合に必要とされます資料の中には、防衛庁の事務担当者がその面で専門的な知識を持っておられる方があろうかと思いますので、その際には資料の作成についてお手伝いを願うということがあろうかと思います。
○峯山昭範君 いまのことにも関係があるわけですけれども、海洋開発というのは、先般の委員会でもあったそうでありますが、軍事的に利用されやすいというのが、非常にこれはだれが考えてもすぐ考えつくところでありますけれども、この審議会のメンバーの中にそういうような防衛庁の次官が入っておるのは、私詳しく知らなかったわけですけれども、これはほんとうに問題だと思うのですね。しかし、これは今回新しく改組される海洋開発審議会は軍事的には一切そういうふうなものに協力はしないということは、これは重要だと思うのですね。当然、この審議会自体が自主的な運営というか運用をやっていくという考え方でないといかぬと思うのですが、これはやはり、きょうは長官お見えになっておりませんが、総務長官、これはやはりこういう点について科学技術庁と総務長官の所信も聞いておきたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) これはどうも私の所信では左右できないことでありまして、やはり科学技術庁長官の、総理の意を体した内閣の担当者としての責任を、やはり必要があるならば確かめられておかれるべき事柄だろうと思います。
○峯山昭範君 それじゃこの問題については、やはり長官がこの次の委員会なり何なりにちゃんと出ていただいて、それではっきりしてもらいたいと思います。 それから、いま国会に海洋科学技術センター法案というのが出ておりますね。この法案の問題でいろいろ質問したいのでありますが、このセンターというのは、何か経団連の海洋開発懇談会ですか、それと国が共同で設立する。そうして政府の深海潜水調査船ですか、その深海の基地にすると、それから海中居住実験システムとか、それから海底居住基地にしたい、こういうふうなことをいろいろ聞いておるわけでありますが、このセンターの概要をちょっと聞いておきたいと思います。
○政府委員(石倉秀次君) お尋ねの海洋科学技術センターにつきましては、国会におきましては科学技術特別委員会で詳細に御審議があるように承っておりますけれども、御質問でございますので、その概要をお答えさしていただきますというと、このセンターは、ただいま申しました海洋科学技術センター法に基づいて設置されるものでございます。このセンターは、この法律に基づきまして、海洋に関する科学技術について専門的な知識を持つ民間の方十五名以上が発起人となって設立されるものでございます。先ほど経団連の海洋開発懇談会云々というお話がございましたが、この海洋科学技術について専門的な知識を有する民間人の方がかなりその中に含まれておりますので、あるいはそのようにお取りになったかと思いますが、このセンターを開設する場合には、発起人という形で動かれることになるわけでございます。 それからこのセンターはどういうことをやるかということでございますが、ただいまの構想では、昭和四十六年度から大体五ヵ年ほどかけまして、最終的には二百名程度の所員を擁する海洋工学、海洋科学についての開発を進めるセンターにしてまいりたい。おもな業務は、潜水工学の関係、それから海洋工学の関係が中心になろうかと思います。そのほか海洋開発を科学及び技術の両面から進めていく場合に、先ほどお尋ねのありましたような海中作業基地とか、あるいは潜水シミュレーターとか、あるいは高圧実験水槽というように相当大規模な研究施設をもちまして、これを各方面の共用に供するというような業務をやってまいりたいというように考えております。
○峯山昭範君 ただいまの海洋科学技術センターの出資は、政府と民間の共同出資ですか、何か聞いているのですが、これは民間企業との出資の基準とか、そういうようなものについてはもうすでにちゃんときまっているのでしょうか。そこら辺のところはどうなっているのでしょうか。
○政府委員(石倉秀次君) ただいまのところ、資本金としましては、政府が十六億、それから民間が十二億を今後五ヵ年の間に出資することを予定いたしております。合計で二十八億でございます。
○峯山昭範君 それではこの問題はそのくらいでおきまして、総務長官にあと二点ほどお伺いしたいと思います。 これはちょっと今回のあれとは関係はありませんが、二、三質問したいのですが、まず一つは、総理府の機構の問題ですが、これは臨調答申以来、総務庁構想というのがあるわけでありますが、要するに現在の総理府本府の総合調整機能と、それから行政管理庁のいわゆる組織管理といいますか、行政監察の機能と、両方あわせて今度は総務庁を設ける、そういうような構想が、これはずっと臨調答申以来あるわけですが、現在までそれが実現していないわけでありますが、これはやはりいろいろ問題があるから実現されていないのであろうと私は思うのですが、これについては総務長官、どういうぐあいなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(山中貞則君) まず国民から見ましても、総理府というのはどういう役所なんだということがどうも、建設とか、農林とか、運輸とか、厚生とかいうふうな明確でない感じがあることは私は否定できないと思うのです。もっとも、内閣官房と一緒におった時代もございましたし、〇・五大臣と言われた時代も経過して今日に至って、いま〇・七、八くらいか知りませんが、要するに国民から見てどういうふうに見られておる役所であるかということを絶えず念頭に置いておるわけです。 そこで、私が所管大臣になりましてからの姿勢としては、総理府とは、各省庁の行政と別な次元に立って、すなわち、総理府の長は内閣総理大臣たる佐藤榮作ということで、私がその次に並んで総理府総務長官山中貞則となっておる特別な役所でございます。なぜそうなっておるかといえば、総理大臣として内閣法の定めに従って閣議を通じて各省庁の行なう専管の行政を指揮するのが総理でございますが、しかし日常の内政の諸般の調整を要する問題を一々閣議で調整するのにはあまりにも複雑多岐でございますので、ここに役所を独立せしめて、総理大臣を長としての総理府というものを置くことによって、そこに専任の総務長官を配置し、この総理府の打ち出す姿勢は、総理がその内閣の責任において、国民のために各省庁を通じて行なうべき姿勢を打ち出すべき役所である、かように考えまして、私としてはそのつもりで今日までやってまいったつもりでございます。しかし、今日までの惰性もございまして、各省庁間でどうも話が詰まらないで、かといって、相手の省に譲る気はしない。したがって、総理府ならば、なまあまあしかたがないから預けようかというものがずいぶんたくさんございます。したがって、総理府における審議会の数なんというようなものはたいへん膨大なものでございまして、一体どこまで総理府がその審議会について責任が持てるかといえば、庶務から始まって、一切の会合についてその所管大臣のところに実際は戻っておる。ただ、その所管大臣のところにおける審議会ということになると、ほかの関係ある省が反対をするので、総理府に置かれておるというようなものもあるわけです。そこで私は、審議会の大幅整理ということにも検討着手を命じておるわけでありますけれども、少なくとも公害対策本部等が、総理府と関係ない形で、総理府総務長官の私が副本部長として公害担当大臣の立場において処理してまいりましたような形も、強力に各省庁の行政を総理の意思を体して内閣の姿勢を打ち出していく役所にするということが必要だろうと思います。その場合において臨調の答申、あるいはなくなりました川島さんの構想、あるいは、たしかなくなりました河野さんの提唱でありました、これは行管長官の立場でありましたけれども、予算編成権を持たせようという構想、いろいろのものがあったわけでありますが、これらのものはいずれもある意味においては理想的な案でもありますし、ある意味において現実味の若干ない案でもございます。そこらの点から考えて、やはり総理府のあり方というものは、これからももう少し私ども自身も検討していかなければならない問題を含んでおりますし、そうして国民、国会から見ても、総理府という役所はいかにあるべきかという問題をやはり検討し、爼上に乗せていただくべき役所であるというふうに私も考えておるところでございます。
○峯山昭範君 もう一点お伺いしたいのですが、昨年の給与法の審議の際に、十二月の十七日だったと思いますが、第三次公務員制度審議会の発足のめどについてお伺いしたことがあるのですが、そのときにも総務長官は、労組の代表はわりあいに簡単に出てもらえるけれども、経営者の代表はなかなか出てもらえないという話がありましたのですが、その後新聞等でも、この公務員制度審議会が発足をしたという話を私聞かないのですが、その後どういうぐあいになっていらっしゃるか、その点ちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 使用者側代表のことだと思いますが、こちらのほうは何とかできると思いますが、中立委員の方々について、やはりいろいろとお願いをしなければなりませんし、経営者の代表として使用者側の代表としても、地方団体の代表等においては、やはり今回の統一地方選挙が済みませんと、やはり皆さんが、新しい知事さんなり、引き続きの知事さんなりがお集まりを願って、その代表を選任していただかなければならないというふうに思いまして、現在のところ、第三次公務員制度審議会というものの発足を見るに至っておりません。最近はやや労組代表のほうも混乱をし始めたようでありますので、そこらのところは自主的に選出せられる代表でございますから、スムーズに選出してもらいたいと願っておるわけでありますが、大体現在の見通しでは、地方選挙等も終わりまして、まあ参議院選挙等は直接この問題に関係がないにしましても、一段落いたしましたならば、第三次公務員制度審議会の会長の問題も含めて、これまた難物でございますので、発足をさせたいものだと思っておる次第でございます。
○松下正寿君 私は、もっぱら国立公文書館新設問題について山中長官にお伺いしたいと思います。 先刻、峯山委員の御質問に対する御答弁で一応の了解をいたしましたが、多少観点が違いますので、もう一ぺんその点をただしてみたいと思いますが、まあ例の、建物が先か法案が先かというこの問題でございます。長官の御答弁では、これは私どもの印象で、間違っておったかもわかりませんが、建物を建てたのだから押しつけると、そう思わぬでくれ、こういったような言い分があった。私は、押しつけられてもいいなんというと国会無視みたいになりますから、そうでもありませんが、そのくらいの意気込みで、いいものならどしどしと政府でやってもらいたいと思うのです。その点にはあまりこだわっておりませんが、それよりか、いろいろ調べてみますというと、四十三年の十月十六日に着工したわけです。それで詳しいことは私調べてまいりましたが、めんどうですから申し上げませんが、全部でもって三カ年間に八億二千万という金をかけて公文書館、建物ができたわけでありますが、私の考え方としては、この建物ができるときにやはり法案を出していただいたほうがよかったんじゃないか。というのは、いわばちょっと長官の言われることと逆になるわけですが、あまり物議をかもすものならば、その反対があってもいいかもしれませんが、物議をかもさないようなものでしたならば、建物を建ててしまうというと、それに対する反対側のいろいろな考え方、どんな考え方があっても制約されてしまう。ここに建物があるのだからどうもしようがない、全部こわしてしまうというわけにもいきませんから、ですから私はその時分議員じゃなかったわけですから問題がありませんが、私の考えとしては、今後はこういうように、どちらかというと国民全部が納得するような計画がある場合には、やはり建物を建てる計画と同じ時期に法案を提出していただければ、こういう委員会でもっとそれを完備したものにわれわれが協力できるというふうに考えておるわけであります。それについてちょっとさっきとダブるかもわかりませんが、とにかく別の観点から長官の御意見を伺いたい。
○国務大臣(山中貞則君) これは私は決してこだわって申し上げておるわけではないので、結果はそうなりました。これをおそらくお出ししましても、だれも反対をなさる方が、これは衆議院の体験からいえばないだろうという見通しを持っていたわけでありますから、たとえば学術会議から勧告を受けました三十四年、その年に決意が政府でついた、あるいは予算をつけることにした三十九年から決意がついたというなら、そのとき出しても決しておかしくはなかったと思います。ただしかし、法律の中には、やはり館長を置くとか、いろいろ書かなければならぬ部面がございます。そうすると、これはでき上がったときに置くのだということでありませんと、四、五年かかってでき上がるまで、その館長は月給をもらってずっと現場を見て歩くというわけにまいりませんし、どちらがいいかという議論よりも、今回はこういう方法をとりましたということでございまして、格別に事前事後の問題をあまり念頭に置いておりませんで、すでに昨年も四十五年度予算で大体完成する予算がとれたのですから、その予算の見通しに立って提案すれば、できないことはなかったわけですけれども、しかしやはり完全に完成予算がとれるかどうかは、昨年の十二月にならなければわからなかったということでございますので、今回はこういう手段をとりましたが、事柄によっては事前に国会、政府、みんなが合意してつくるようなものがありますけれども、特に今回のこういう国立公文書館等は、そのうちの最もふさわしい一つのケースでございましょうが、よく事前に話し合って、どのような規模にしたら是か、あるいは何年ごろくらいまでに、あるいは諸外国の例でどの国の線まで持っていったほうが日本としてふさわしいか、ふさわしくないかという議論は、防衛予算でさえも四次防がどうのこうの議論しておるくらいでございますから、あるいはそういう議論の対象にすべき事柄であったかもしれないと思っておりますが、これはそういう意味では率直な反省でございますが、今回のことについては、国会に事後承認を求めるというような気持ちで出したものではないということだけ御了承をいただきたいと思います。
○松下正寿君 この問題を私が峯山委員の御質問があったあと蒸し返してあえて申し上げることといたしましたのは、以下私がいろいろお伺いしたいことが万事これに関係するわけでして、いろいろ注文があるわけでありますが、もう建物ができちゃった以上、一つの空理空論になりはしないかということを非常におそれておるがゆえに、非常に重要な公文書なんというものが、私などから見ると非常に不満足なものになっている。しかし、それをどうしたらいいかということは、建物ができちゃっている以上は、どうにも手がつけられないということを考えておるわけでありますから、今後この点をひとつよろしく御検討願いたい。 次に、やや具体的な問題に入りたいと思いますが、先刻の御答弁で、大体百万冊ということを理想目標としておられるというように伺っておりますが、これは非常にばく然としておるわけで、この百万冊というものは、どういうような基準といいましょうか、どういう標準で選択なさるか、こういう根本の問題についてお伺いしたいのであります。というのは、この法律は総理府設置法の一部改正の法案でありますから、新しい法律の目的というものをこれに添えることは、これは技術上できないと思います。したがって、どういう目的でやられるかということがこの法律案改正でははっきりしないわけであります。これがはたして、つまり歴史的な研究をする、研究に貢献するためであるか、あるいは単に公文書というものを行政的な意味から尊重するという意味であるか、その点がはっきりしておらぬわけであります。その根本の問題について長官にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 現在は発足ということを第一義の目標にいたしておりますので、それらの集まりました古文書等から新しく研究その他をして、何かのものを生み出すというような運営まではまだ届きかねるだろうと思います。現在の段階では、一応まず当初三年がかりで戦前の古文書、概略二十三万ぐらいのものを収録することを急ごう。と申しますのは、このままでおきますと、戦争中、末期ごろの文書等が散逸をすることが、やがて日本の歴史を振り返ってみまする場合に、取り返しのつかない事態等になりますおそれもありますし、また、日本の近代国家の歩みとしての明治以来の集められる行政上の公文書というものが体系立って整理されていくことによって、日本の急速な近代国家への成長の足取り、あるいはそれによって、まあ表現は悪うございますが、踏みはずしたこともある足取り、そういうようなもの等が文書の上から、一部散逸したりいたしますと、非常に残念に思いますので、そういうことのないように、まず戦前の資料を、古文書、公文書を三カ年がかりで集めたいというのが第一の目標でございます。
○委員長(田口長治郎君) 暫時休憩いたします。 午後二時三十二分休憩 —————・————— 午後二時四十六分開会
○委員長(田口長治郎君) 休憩前に引き続き内閣委員会を再会いたします。 総理府設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 御質疑のある方は発言を願います。
○松下正寿君 休懇前の長官の御答弁によりますと、この公文書館設置のおもな目的というものは、近代日本の発展のあとづけという点にあるので、非常に私けっこうであると思いますが、そこで、あるとすれば、これまた死児のよわいを数えるような繰り言になりますが、実はもう少し大規模なものにしていただきたかったわけであります。これは議事録を調べておりませんが、長官が衆議院の内閣委員会で、大体日本の公文書の規模というものはオランダ並みであるとおっしゃったと聞いておりますが、参考までに諸外国のものを調べますというと、職員の点で、アメリカが三百七十八名、イギリスが三百二十人、フランスが二百五十六、西ドイツが三百十一、オランダが六十になっております。まあこの職員の数だけでもって公文書の価値を評価することはできませんが、おそらく六十人に比較的近いので、そうおっしゃったのじゃないかという気もいたします。しかし、別にあげ足をとるわけではありませんが、現在の実情から見て大体オランダ並みというのは、どういうような意味でおっしゃったかということをちょっとお伺したいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) これは結果論で、日本の今回つくる国立公文書館の規模を諸外国のいまある公文書館に比べたらどのあたりになるかということで、ほぼ相似たところとして、オランダ並みというのは、オランダの国立公文書館、オランダでは国立中央文書館といっておるようでありますが、そういうところにほぼ規模が似ております。こういうことを言っておるわけでありますが、人数ばかりでなく、そのつくり方にもいろいろやはり国によって特色があるようでございます。たとえば一九六九年の資料でございますが、大体八十二カ国に置かれて二千に及ぶそれぞれの似たようなものがある。たとえばアメリカは百六であって国立が一、州立が八十四、その他のものが若干ある。イギリスは百五十四ありまして、中央官庁は九、都市に二十四、地方に四十一、宗教関係が十一。あるいはフランスは四百三十館ありまして、国立が一、官庁が九十三。西ドイツは百五十八ありまして、連邦及び州立が三十六。オランダが先ほど出てまいりました。規模が似ておりますが、四十五の館からオランダは成り立っておる。こういうことでございまして、各国それぞれ特徴があるようでございます。あるいは沿革、歴史、そういうものによって各国のそれぞれの特色が出ておると思いますが、日本の場合は、将来の構想は別として、どうしても日本としては中央における国立公文書館というものの規模を必要に応じて広げながら、やはり一カ所に集中していくというような形のほうがよろしいのではなかろうかと考えておるわけでございます。
○松下正寿君 規模のことは、もうすでに大体ワクがきまっておるから、これはしかたがないと思いますが、一番気になりますのは、古文書で移管する手続ですが、この古文書もしくは公文書というのは一体何であるか、それからそこに移管するにはどういう手続でおやりになるか、その点をちょっと。
○説明員(柳川成顕君) 大体、公文書館に集める予定にしております公文書というのは、俗に決裁書とか稟議書とか申しておるものでございまして、印刷物ではございませんで、各省で決裁を受ける段階で作成している文書、これが公文書館に集める公文書の典型的なものでございます。それが大部分であるかと思います。 それから移管の手続でありますが、これは公文書館と各省とが協議いたしまして、どういう種類の文書を集めるか、これは各省によってもそれぞれ特徴が多少ございますので、ここらあたりは個別に折衝しながらこちらに移管を受けてまいりたい、かように考えております。
○松下正寿君 移管をする場合に、各省のほうではおそらく文書課長とか総務課長とかという人が責任を持たれるだろうと思いますが、その際に専門家、歴史学者だとか、そういう学者の意見を採用される、あるいはその意見を聞くような機会を設けるような御意思があるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) これは館の運営の問題にも関係があると思いますが、まず収録をいたしまする際の、各省とどのような文書、ただいま申しましたような一定の基準に従った文書を原則として国立公文書館に移しまする場合、こういう場合には、そういう事務的な仕事でございますので、たいして広く一般の知恵を借りるというような性格の内容でもないと思うのですが、これからの公文書館のあり方、これは公開でまいりますが、それを国立国会図書館法に定められているような二十歳以上の者として、館長の許可を受けた者だけはその年齢以下であってもいいというような運営でやっていいかどうか、いろいろな問題がありますし、先ほども御質問がありましたように、全部これを一応体裁をととのえて収録をしたというあとにおいて、どのようにこれが日本の政治、行政の上に活用されてしかるべきか、これらについては、恒久的な機関を置くほどのことはないにいたしましても、いろいろな各界各層のお知恵を借りる機会もあってよかろうではないかというぐあいに考えておるわけでございます。
○松下正寿君 その点は長官と必ずしも意見が一致しないわけでありますが、私はむしろ民間その他の専門家からなる委員会等を設けて、その権限等はこれは別でありますけれども、そういう方々から広く意見を求めて、この移管の場合にあまりに事務的でなく、やはりどういうことが重要であるかというようなことを学者の立場から十分に検討した後に移管をしていただくことを私としては非常に強く希望するわけであります。と申しますのは、後になりましてから、ああいうものを保存しておけばよかった、こういうようなことがよく出てくるわけであります。これは必ずしも量ではないと思うのであります。これは私自身が専門家でありませんが、あるいは専門家であるところの小西四郎さんが、この「茨城県史料」という雑誌に書いておりますが、これを見て私もびっくりしたわけでありますが、イギリスでは大体移管する場合にほとんど一%くらいしか移管していない、これは非常に少ないわけでございますね。これは一体どういうわけでこういうふうに非常に率が少ないか、移管する率が少ないかということでいろいろ研究してみたら、やはりこの内容によるんだ、だから公文書の量が非常に多いから非常に整備しているとは言えないわけであって、事務的には、あるいは行政的な必要から見れば非常に重要かもわからないが、学問的に見た場合にはそれほど価値がないという場合もあるし、またその逆の場合もあるのじゃないか、そういう点を考えますというと、やはり私は今度この新しい設備ができたのを機会に、どうしても百万冊がどうとかというような、あまり量にこだわるよりも、質的に学問的に価値のあるものを保存するという点に重点を置かれることを非常に強く希望するわけでありまして、そのためには、やはりあらゆる機会に専門家の意見を聞くように切望したいと思うわけであります。もう一ぺん長官のひとつ御意思を確かめたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 学術会議の歴史学会の和歌森太郎先生と私友人でございますし、個人的にもいろいろの意見をお教え願っております。また、歴史学会の先生方とも大臣室でお会いをいたしまして、いろいろ御意見を承りまして、そういうような方向で最初から出発したほうがいいという御意向のありますことも承知いたしております。ただ、今回一応集めます基準としては、大体、私が事務的なものと申しましたが、事の軽重の事務的と申し上げておるのではありませんで、その範疇の分け方の単純な範囲というような意味で申し上げたわけであります。 ちょっと申し上げてみますと、閣議、請議に関するものがまず第一であります。次に省令、訓令、それから通達、例規、内規、これらのうちで将来の参考となるもの、それから訴願、訴訟、採決、決裁に関するもの、国際条約、国際協定、国際会議に関するもの、それから国会に関する資料、ただし議事録は含まない、許可、認可、認定、承認に関するもの、各種審議会等に関するもの、予算、決算等会計に関するもので特に重要なもの、帳簿、帳票は含まない、その他歴史的資料と考えられるもの、これらが古文書の貴重なものと思うわけでありますが、ここらの分野で一応納めるわけでございますが、それぞれすでに国立国会図書館にも、あるいは現在の内閣文庫等にも古文書等においては非常に保存のしかた等が不十分であり、非近代的な保存のされ方等もいたしておりますが、まだ十分保存にたえるしかたで残っておりますので、こういうものを一応移すということでございます。 そこで、これらをどう利用するかについては、先ほど来申し上げますとおり、あるいは館長にかりにりっぱな人を得たにしても、あるいは補佐役にりっぱな人がおるにしても、役所だけでやっていけるかどうか、八条機関としてきちんと権威づけられておりますので、国立公文書館がひとり歩きをするわけではありませんが、それらのところは将来の問題として、よりよき保存とよりよき活用という面で今後検討課題になる、このように考えておる次第でございます。
○松下正寿君 現在の予定されておる人員は三十八名ということになっておるわけでありますが、それを内訳してみますというと、内閣文庫の職員が十七名、官房の総務課の職員が三人、そのほか管理要員が六人、これを振りかえて増員は全部でもって十二人、そのうち特に私の気になりますのは、専門的な知識が必要であると思うのでありますが、それがわずか十二人でこなせるかどうか、これもちょっと歴史が違いますから、そのまま参考になるかどうかわかりませんが、フランスでは二百五十六名の職員のうち、六十名というものが資料保存官で、全部専門家であります。私はその点についてもう少し専門職を何らかの形でふやすことが必要じゃないかどうかという点が一点と、それからもうちょっと将来のことを考えまして、御承知のとおり、フランスでも、またオランダでも文書管理官といいましょうか、資料官といいましょうか、そういう専門職の養成機関が公文書館に設けられておるわけでありますが、フランスなどは保存機関は、これは国立の大学よりももっと権威がある、水準が高いとされておるわけであります。 そこで私の質問は、これが私の最後の質問になるわけでありますが、十二名ではちょっと不足ではないか、これをもう少しふやすことができるかどうかという点が第一点と、それから、これは今回すぐというわけにもいかないと思いますが、将来を考えて、専門官の養成をするようなそういう機関を設ける意思がおありかどうか、こういう点をお尋ねして私の質問を終わります。
○国務大臣(山中貞則君) 確かに三十八名の定員で、館長以下、庶務課長、公文書課長、内閣文庫長という三本の柱でやります場合に、専門家と申しますか、専門職というものが、はたしてそれにたえ得るかどうか。現在の内容では専門職三名と、内閣文庫のほうに二名現在おりますので、五名で一応専門職として、それらの分類のしかた等について専門の分野からやっていくわけでありますが、さしあたりはそれで差しつかえなかろうという討議を重ねた結果、こういう結果に落ちついているわけであります。将来もっと専門職、あるいはまた部外の臨時的な方々の専門分野における御指導を仰いで、それぞれの専門職がその御意見に従って動くというようなことも必要な時代がくるかと思います。さらに、そういう公文書保存その他に関する専門職養成機関というようなことでございますが、そういうものは、たとえば国立国会図書館で司書でございますか、養成をいたしております。これは全国市町村に至るまで、そういうものの養成というものが、底辺がありますので、それに対する供給という役目も果たしておると考えておりますが、国立公文書館でそのようなものを養成いたします際の地方における需要というものが、実際上どのような状態であるか、あるいはこれからどのような需要が起こってくるかという問題等とも関連をいたしますので、将来そのような育成機関というようなものを考えるべき時代に日本もいかなければならないのかもしれないと考える次第でございます。ただ、いまここで直ちにそういたしますというところまで進んでおらないことを申しわけなく思う次第でございます。
○松下正寿君 もう一点、ちょっとこれは質問でないのですが、長官をつかまえて釈迦に説法する必要もないと思いますが、やはりライブラリアンとアーカイビストをはっきり分けてお考え願いませんと、非常に混同があるように思われるわけであります。長官はそういう点は決して混乱しておられないと思いますが、どうぞアーカイビストというものの特殊な性格というものをはっきり認識していただきまして、ライブラリアンのほうは十分にあるから、これで間に合うだろうというふうな誤解のないように切にお願いするわけでございます。
○国務大臣(山中貞則君) 一応国立の公文書に関するライブラリーとして出発をするということでございます。これからの運営のしかた等については、これはもう常置的な、しかも、先ほど申しました永続するものでございますので、絶えず国会等においても御意見を賜わる機会は年々あるわけでございますから、そういう意味では今後の運営に誤りのないようにしていきたいと考えます。
○岩間正男君 大体時間が四時までに限定されておりますから、要領よく質問しますから、簡潔にお答えいただきたいと思う。 総理府の広報活動についてお聞きしますが、これについてはいろいろ巷間問題が出ておると思います。最初にお聞きしたいのは、どんな目的でこの広報活動が行なわれているのですか。
○国務大臣(山中貞則君) いずれの国においても、その国の政治、行政というものの国民に対する正確な伝達ということは、これはやはり手段を持っておるものと思いまするし、わが国においても持たなければならないものであると思います。ただいまのは「今週の日本」のお尋ねでございましょうか。
○岩間正男君 いや、それはあとで聞きますから。
○国務大臣(山中貞則君) ということでなくて、広報全般の姿勢でございますね。という意味では、政府の直接の広報、あるいは政府の広報の部分的な民間委託、あるいはときによって政府が買い上げ等の措置を講ずることによって、それが広報の役目を果たす刊行物等についてやや幅広い広報活動というものをいたしておるわけでございます。
○岩間正男君 この広報室の仕事の内容ですね、これを概略説明してほしいのです。さらには、どういうふうな組織になっているか。それから人員の構成。こういうものを、もっとも時間の関係がありますから、資料で出していただいてもけっこうですけれども。
○政府委員(松本芳晴君) 広報室の広報活動を大略申し上げますと、大きく分けまして広報活動と公聴活動に分かれます。公聴活動というのは、世論調査、国政モニター制度、それから一日内閣と呼ばれる公聴会、これを総称してわれわれ公聴活動と申しております。広報のうち、直接われわれが企画編集してやっておる直接の広報、それから団体に委託してやっている広報と、この二つに分かれます。それから人員は、大体現在四十四名程度でございます。機構は、広報室長の下に参事官が五名おります。それが媒体別に担当をいたしております。
○岩間正男君 ついでに広報室の予算、総額は幾らになりますか。これは四十五年度、四十六年度のものを御説明してください。
○政府委員(松本芳晴君) 四十五年度は総額十六億千五百八十三万円、それから四十六年度は総額十八億二千九百八十万円。
○岩間正男君 そのうち出版諸費というのが計上されていますが、どのくらいですか。
○政府委員(松本芳晴君) 出版諸費は四十五年度七億六千六百四十八万円、それから四十六年度が八億六千四百六万円でございます。
○岩間正男君 その出版諸費のうち、いろいろ買い上げをやっているのがありますね。その経費はどのくらいになりますか。
○政府委員(松本芳晴君) 広報資料費とわれわれが呼んでいるものだと思いますが、大体これは資料買い上げ費と広告費と二つに分かれております。広告費を除いた分が広報資料費になるわけであります。
○岩間正男君 買い上げ費をちゃんと言ってください。誌種別に言ってください。
○政府委員(松本芳晴君) 広報関係資料費、四十五年度が二億八千五百四十一万五千円でございます。それから四十六年度がちょっと減りまして、二億一千四百四十一万五千円でございます。
○岩間正男君 雑誌の名前をあげて、たとえば「フォト」は幾ら、「今週の日本」は幾ら、その他幾ら、それでこの四十五年、四十六年、今年度予算を含めて、これはいかがですか。
○政府委員(松本芳晴君) 四十五年度は「時の動き」が三千十二万円、それから「フォト」が一億二千七百二十九万円、それから「今週の日本」が二億七千三百万円、それから四十六年度は「時の動き」が四千五百五十七万円、「フォト」が一億七千七百二十九万円、なお「今週の日本」は資料購入費から広告費のほうに移す予定でございます。
○岩間正男君 どのぐらいですか。
○政府委員(松本芳晴君) 紙面購入という形にいたしますから、一般の報道機関に対する広告と同じ形になります。
○岩間正男君 その資料わかりますか、「今週の日本」のやつ。
○政府委員(松本芳晴君) 「今週の日本」の四十五年度分買い上げ費でございますが、これは二億六千八百万円、それから四十六年度は広告費に回りまして二億一千六百万円でございます。
○岩間正男君 そうすると、資料買い上げ費、そのうちで「フォト」と「今週の日本」、とれが大部分を占めているわけですね。そこで、「フォト」についてお聞きしたいんですが、この「フォト」を企画し、さらに編集しているのは、これはどこですか。
○政府委員(松本芳晴君) 社団法人時事画報社です。
○岩間正男君 これは最近変わったんですか。ここに仕事のあらまし——「内閣総理大臣官房広報室四十五年度版」、これによりますと、広報室で企画、編集している出版物は、解説誌「時の動き——政府の窓——」、グラフ誌「フォト」、こういうふうになっておりますが、これはどうなんですか。
○政府委員(松本芳晴君) そのとおりです。
○岩間正男君 そうすると、企画、編集の責任はどこにあるんですか。
○政府委員(松本芳晴君) 大体、一応形式的に責任は広報室がとっておりますが、実質的には、発行にまで二カ月かかりますので、われわれの編集会議は大体二カ月前に行ないますので、最終のゲラを見るまでには至らないわけです。
○岩間正男君 形式的とか実質的な問題ありますけれども、しかし、これは仕事の内容にはっきり明記しているんですね。この最終的な責任ですよ、形式的な責任とか、そんなことじゃなくて。実際にはどこが責任を負うべきかということが私は非常に重要な問題だと思うんです。はっきり、これは広報室の責任ですな、どうですか。
○政府委員(松本芳晴君) 買い上げによって広報活動をしておりますから、私どもの責任だと思います。
○岩間正男君 これは人に委託しようが何しようが、企画し、さらに編集する、これはちゃんとあなたたちの仕事の内容に書いているんでしょう。そうすると、はっきりこれはあなたたちの責任だ。これは長官、確認されますね。言うまでもないことだ。
○政府委員(松本芳晴君) 実は「フォト」については、「フォト」というのはもと政府広報研究会というのがグラフ「政府の窓」というのを出しておりました。そこのスタップが全部時事画報社に移行しているものですから、それに伴って実務委託費を出しまして、したがって、その件からいえば私どもが編集実務を委託したという形になっておりますが、いま申し上げましたように、われわれは連絡会議によっていろいろな編集上の打ち合わせはいたしますが、最終的には時事画報社がとるという形になっております。
○岩間正男君 長官、そんなことでいいですか。ちゃんとここに書いてあるんですよ。仕事の内容として、「企画・編集して」と書いてある。したがって、この仕事の内容からいえば、当然これは広報室が責任を持っているということでしょう、企画、編集という。人にまかせたり、頼んだりするのは、それはあなたたち内部の問題だ。しかし、公然と、これは行政組織法によってきめられた一つの部局としてのそういう任務、そうしてその仕事の内容に明記されている。そうすると、企画、編集の責任の所在は明らかに広報室にある。したがって、これは総務長室が負い、総理大臣が最終的には負わなきゃならぬということになると思うんですが、どうですか。あなた、明確にしておかぬといかぬです、そういう個々の内容なんかじゃなくて。内容はどうだ、実質的にどうだと言ったって、われわれはそういうことは聞きたくない。聞いたってしょうがない。われわれがいま問題にしているのは、責任の所在はどこにあるかということなんです。これが明確にならない限りはこの広報の姿が明確にならぬ。そうでしょう。
○政府委員(松本芳晴君) 実は先ほど申し上げましたように、二カ月前の連絡会議で、なかなか最終的に編集責任をとれませんものですから、来年度はこれをはずしまして、買い上げ一本という形にする予定でございます。いままでは多少若干の問題、それによって問題が起きたわけであります。
○岩間正男君 そうすると、この出版物は何ですか、あんたたち、それじゃ、こういうものはごまかしじゃないですか。こういうものを出している。われわれはこれで仕事の内容というのを判断している。広報、資料の仕事のあらましとして、四十五年度ははっきりこれを出しておる。あなたたちの責任において出されておる。その中に、企画し、編集する、その中に「時の動き」、それから「フォト」と、二つ書いてあるんですね。こうなれば内容がどうだこうだというのはそちらのことですよ。そちらのことまではお聞きしていない。いま問題は、やはり政治的責任の所在はどこにあるかということが、広報問題の中で非常に私は重要だと考えるから、この点を明らかにする。そうすると、これはどうですか、山中長官、これは事理きわめて明瞭じゃないんですか、ここのところ。代理答弁じゃだめだ。
○国務大臣(山中貞則君) 代理答弁のつもりじゃないですが、どうもそこらのところは入り組んでおりますので、私も、「フォト」を全部政府広報室が完全に責任を持って出版する体制にない。しかしながら、その出版の一義的な責任は広報室にあるので、広報編集のための会議等については二カ月ほど前にやっておりますという報告を受けたわけであります。そこで、やはりこういうものは完全に民間に委託して、必要な部数を買い上げる方式というものがあってしかるべきではないかということで、来年度予算からはその形をきちんとしていこうということであります。したがって、買い上げた部数が多いとか少ないというような御批判は今後も残るとしても、今後の買い上げでありますから、その内容の編集その他については時事画報社というものの一次的責任ということに変わってくるということでございます。
○岩間正男君 来年の問題についていまお聞きしているのじゃなくて、現在どうかということをお聞きしておるんです。内容についてはあなたたち改善くふうをされるということはあり得るでしょう。なぜそういう問題を出しているかといいますと、これは一義的な責任はあるということを先ほど御答弁ありましたから、これは確認しておきたいと思いますが、とにかくこういうふうな広報がございます。これはわれわれに送られてきている。その送っている先はちゃんと書いてあるわけです、内閣総理大臣官房広報室と。あなたたちの責任において送っている。企画、編集してこれをつくらせ、そしてこれを買い取って、あなたたちの責任において配っているわけでしょう。当然あなたたちの責任というものは二重の責任です。企画、編集の責任がそうでしょう。同時に、これを頒布している責任がそうでしょう。しかも買い上げた費用は、これはあなたたちのポケットマネーじゃないでしょう。当然これは国費で買っているんでしょう。国費で買ってこれを配っている。だから配付の責任、編集の責任の二つははっきり広報室にあるんだ、したがって、総理府にあるんだ、最終的には総理大臣にあるんだということを、これは確認せざるを得ない。 さて、この「フォト」です。これの一月一日号、これはあなたたちごらんになったでしょう。「明治憲法、教育勅語の生みの親井上毅と元田永孚」、こういう写真が巻頭に出ております。それからその中身ですけれども、その中身に特に長谷川才次氏の文書が載っているわけですね。この文章をここで詳細にやる時間的余裕はございませんけれども、これはたいへんな問題だと思うんですね。これはごらんになっているでしょうか、どうです。
○国務大臣(山中貞則君) 見ました。
○岩間正男君 まあ読んだとすれば、くどく申し上げる必要はないと思いますけれども、この中で、どうなんですか、これはひどいのがありますわな。「大体占領軍が憲法まで書き改めるなどというのは、一九〇七年陸戦法規慣例に関する条約及び規則を無視した越権の沙汰。だから神川彦松博士は国際法違反だときめつけている。」、そういうところがある。それから「「平和憲法」などと崇め奉る諸君、おそらくこういう事情も、日本国憲法の正文もお読みになっていないのだろうとでも考えるほかはない。」、それから、「どうも日本国憲法は国体とか、歴史とか伝統とかを無視したまったくの舶来品。しかも一夜漬けのちゃんこ鍋憲法とあっては、この際どうしても真憲法の起草に着手するのでなければ、戦後紀元の幕はあかぬ」、「ちゃんこ鍋憲法」と言っているわけです。 そこで私はお聞きをしたいのであります。これはあなたたちがとにかく編集し、最終的な編集の責任を負い、そしてあなたたちの責任によって頒布したものでありますから、当然これはこれについて長官、どうなんですか、これは妥当だと思っておるのでしょうか。この点はどうです。
○国務大臣(山中貞則君) それを読みまして、しかも執筆者の氏名が書いてあるということは、文責を負うということでありましょう。しかしながら、刊行物としての性格は、現時点においては、先ほど申されましたように、政府刊行物という形に、間接的ではありますけれども一義的な責任のある刊行物に載せる文章であることについては、ふさわしくない点がございますし、さらに御質問があってから答えたほうがいいかと思いますが、国会において決議されて、戦後その後において公的に用いてならないはずの教育勅語も掲載してございます。それらの点については、私のほうで、どうしてこのようなことになったのかについてただしましたところ、先ほど来、広報室長が申しておりますように、二カ月前の会議ではそのようなものが載せられるような話は全くなくて、でき上がったものを見て自分もびっくりいたした次第でございますというようなことでございまして、今後はそのようなことの、政府の責任において刊行されるものでありながら、そういうことのないような状態にするのにはどうしたらいいかということで、来年度からは買い上げということにしたということでございます。
○岩間正男君 国会の問題になったのはたぶん一月の二十七日じゃなかったかと思いますね。で、これ、ちゃんと配っちゃったんでしょう。そのとき見なかったんですか。内容を見て、そして配ったんでしょう。だから、あとになってそういうふうな説明を受けたとしても了承できないですよ。 そこで、これは山中長官をわずらわすのもはなはだ恐縮なんですが、お聞きしますが、どうなんです。こういうものは、これ、憲法の精神ですね。それで、しかも現内閣というのは新憲法というものによってできた内閣です。その上に成立するんですよ。その上に「ちゃんこ鍋憲法」によった内閣ということなんですか。それから、あなたもそうなんだ。あなたも、これは総理府総務長官というものは憲法によってできているんです、新憲法。そうでしょう。それから憲法九十九条との関係はどうなりますか。当然、国務大臣は憲法を尊重し、しかも、あくまでこれを守らなければならない義務を負っているわけだ。こういうものを国家機関で、政府機関によってこういうものがやられているんですか。しかも、こういうものを国費をもって配布している、こういうことは許されると思いますか。それだから、いま言ったようなそういう弁解ぐらいのことでこれは済む問題であるとお考えになりますか。私は、よく広報そのものの性格をほんとうに明らかにするためには、こういう具体的な事例——そのほかにもたくさんありますけれども、そういうものでこれは明らかにしなければならぬと思っている。憲法との関連についてお聞きしたい、九十九条との関連。さらに、内閣そのものは新憲法によってこれははっきりその基礎においてできているはずです。大臣といえどもそうなんだ。それがこういう形で行なわれることについてどうお考えになるか、見解を承りたい。
○国務大臣(山中貞則君) もちろん、憲法九十九条は完全に私も拘束されておりますし、佐藤内閣そのものも拘束されるものであります。したがって、憲法そのものに対して否定するという記事が結果的にそういう形で出てしまいましたことについては、それは責任者の私の責任であると考えます。(矢山有作君「大臣、やめるかい」と述ぶ、国務大臣山中貞則君「やめてもいいです」と述ぶ、矢山有作君「やめてもいいだけの問題だな、ほんとうにこれは」と述ぶ、国務大臣山中貞則君「ええ」と述ぶ、岩間正男君「そうですよ、実際個人山中の問題にあらず、日本憲法全体の日本の政治のよって立つ基盤がどうなるかという重大な問題なんです」と述ぶ、矢山有作君「やめてもいいと言っているわけだから」と述ぶ、国務大臣山中貞則君「いいですよ」と述ぶ)
○岩間正男君 それで、その広報はどういうところに配られているんですか、それから何部買い上げているんですか。
○政府委員(松本芳晴君) 四十五年度は四万部、四十六年度は七万部の予定でございますが、途中、郵便料金の値上げがございまして、おそらく七万部は年間通して不可能かと思います。配付先は大体中央、地方の行政機関、それから議会、議員、それから学校の図書館、それから一般有識者等でございます。
○岩間正男君 二億からの金を出して、国民の血税ですよ、そうして憲法破壊に通ずるようなこういう文書が、公然と、しかもはっきり総理大臣官房広報室の名によって配られておるということは、これは許すことはできないわけですね、こういうことは。これについてやめてもいいといういま声明をされたんだから、これは確認しておきますよ。
○国務大臣(山中貞則君) 国務大臣総理府総務長官山中貞則は憲法九十九条に違反せり、もってその職を辞すべしという国会の御意思があれば従います。
○岩間正男君 国会を待たなくて自己判断だってこれはできるわけです。何もあなたのような明敏な頭脳を持った方がわざわざ国会を頼まなくてもいいわけだ。それくらいまで憲法を守るという決意がなければ今日守ることができないんですよ。もっと考えますか。
○国務大臣(山中貞則君) 私が閣僚としての辞表を出すかということでございますか。
○岩間正男君 そういうふうにあなた自身が言われたんですからね。
○国務大臣(山中貞則君) いえ、それくらいのことをしなければならないということでありますれば、私としては別段閣僚のいすに未練のあるものではありません。しかし、任命を受けたのは佐藤総理から任命を受けたのでありますから、総理に対しても相談をしないで、かってに私がやめるというわけにはまいらない次第であります。
○足鹿覺君 いま岩間委員の発言に対して長官は、やめてもいいという先ほど御言明になったわけですね。(国務大臣山中貞則君「不規則発言だったんです」と述ぶ)あとでいろいろやりとりがあったわけですが、事いやしくも憲法に関する重要な御発言でありますので、この問題については総理大臣の任命を受けたものであって云々という、いままたそういう御発言もありました。こういういやしくも公開の委員会においてそういう御発言をなさるということの真意は、この「フォト」の一月号の責任をもし総理がとれという、お伺いを立てるという意味ですか、そうして首相の指示を受けて態度をきめるという意味ですか。その辺が、もうはっきり最初やめてもいいと、こうおっしゃるから、非常に重大な発言になりますので、総理に報告をし、その指示を求めて責任上やめると、こういうふうにわれわれは聞いておって受けとめたのですが、総理に伺われるのですか。
○国務大臣(山中貞則君) 岩間委員においても、私をやめさせようと思って質問を始められたわけではないと思うのです。しかし、矢山委員の不規則発言に私が不規則的に答えたということから、正式な質問になりましたから正式な答弁をいたしたわけでございますから、私としては憲法を閣僚がみずからの行為によって否認する行為をしたということであれば、私はやめるにいささかもちゅうちょしない。しかし、この問題はいわゆる「フォト」の出版の責任はどこにあるか、その「フォト」の内容の問題が憲法の問題として議論されたわけでありますから、その意味において出版物の責任ということで、広報の、一応私のところで所管をしておることになっておりますから、その全体の責任が憲法九十九条に違反をした行為であるということであれば、これはやむを得ないことであろうと考えて先ほど来答弁をしておるわけでございます。
○矢山有作君 長官ね、たとえ不規則発言であろうと、大臣をやめてもよろしいよというのは、これはきわめて重大な発言なんですよね。しかも事柄の内容があなたの責任、私は総理府総務長官としての責任が今度の場合はまず当面する最高の責任者だろうと思いますが、その問題で論議をされておるときに、あなた自身も責任を感じていられたわけでしょう。それに対してこちらが、責任を感じたらどうするのか、やめるのかと言ったら、やめてもいいということになれば、あなたとしては少なくとも不規則発言であっても、ここは公式の委員会の席ですからね、そうすれば、相当な決意がなければ、そういうことは言えないわけなんですよね。私はあなたの発言を聞いておって、ああ、これはさすが山中総務長官だと、重大な責任を感じて、あなたみずから進退伺いを内閣総理大臣に出されるだろうと私は解釈しておる。それでなければ男と言えませんよ。その進退伺いをあなたが出して、辞表を出した上で、総理大臣がどういう処理をされるか。その処理のしかたによっては総理大臣のまた所信を聞かなければならぬということに発展をしていくわけです。私はあなたに勧告しますが、これはもう言った以上は、少なくとも山中総務長官ともなれば、佐藤内閣の中でのなかなかやり手の大臣だということになっているわけです。男だということになっている。ここで名誉を失墜したくなかったら、もうすぐに進退伺いをやったほうがいいですね。やりますか。やった上であとの処理をしなさい。そうせぬと、少なくともこの問題についての責任者としての処理にはなりませんよ、それは。
○国務大臣(山中貞則君) これは政府広報のあり方という問題で、現在の体制では「フォト」について政府が編集から責任を持つのだということをはっきり書いておりますから、その意味では、広報室の仕事でありましても、所管大臣たる私の責任でもあるということでございますから、その行為がすでに私が気がついて、こういう方式ではいけない、今後これは直せといって、来年度予算からはいままでの方式と変えようという行為をとっておるわけであります。そのとっておる行為も含めて、なおかつ、私が憲法九十九条に違反する行為を行なっておるということであれば、これは私としても自分自身の進退を決するにやぶさかではありません。
○矢山有作君 それではあなたらしくもない。というのは、この広報掲載の問題については、一たんこのものができて、そうして広報室長の先ほどのことばによれば、こういう不適当なというか、きわめて何というのか、いまの憲法を無視したような記事を載せたことを承知しておって、そうして配ったわけでしょう。それにはばく大な国費が使われている。そのことは知っているわけですよ。そうしてそれを配布させておいて、問題になりそうになったから、この問題については今後この扱い方を検討しようとしているんだと、それで総務長官逃げようというのは、あなたひきょうだ。少なくともこれはあなたに責任があるということははっきりしているのだから、私はあなたのことばじをとらえるわけじゃないけれども、少なくとも最近、委員会審議がたるんでいるということは事実だ。そのたるんでいる原因は、あなたのような軽率な発言にもあるということなんだ。私はやめてもいいですと言った以上は、やめてもいいですということを生かすために辞表を出しなさいよ、総理に。それで、総理が慰留したらそのときの話にしようじゃありませんか。われわれはそれでまた対処していきます。
○国務大臣(山中貞則君) それは委員会全体の御意思でそうおっしゃっておられるかどうかの問題もありましょうが、私としては、私はこの「フォト」が出版される前に目を通して、この内容でよろしいというようなことを言っておるわけでありませんし、広報室長が事前に印刷したものを見たのかどうか、これは私もよく知りませんが、私が見てからは、これはこういう内容ではよろしくないということをはっきり言っておるわけであります。しかも予算を編成いたしましたのは昨年でございますから、昨年のときに「フォト」のあり方について、私が改めようということで予算編成をやったわけでありますから、このような事態のできる前に、私としては政府広報のあり方について改めたいということでやっておるわけでありますから、私は逃げておるわけではありません。
○岩間正男君 とにかく、あなたは権限について注釈を加えておられますが、とにかくやめてもいいとあなたは言われた。これは私はりっぱだと思う。つまり憲法というものはそれだけの尊厳な存在ですよ。国家の基本的な根本原則をきめているものだ、それで、しかも憲法九十九条は今日ないがしろにされておる、そういう中で、あなたはこの問題というのはそれだけの、あなたの進退を決してもなおかつ足らないほどの重大な問題になっていることを認められた。そういう点は私ははっきり評価していいと思うのです。したがって、その行動をただ貫かなければだめだ。ことばだけで言ったのではまずいから、私は当委員会はこれでいいんじゃないか。結局はっきりその決意を——あなたの決意と行動を待って、それから当委員会を再開するのが当然だと私は思います。ここでそういう形でこの審議を続けてもしようがないんじゃないですか、どうです。私はそういう意味を持ったものだと思うんですな。
○委員長(田口長治郎君) 暫時休憩いたします。 午後三時四十一分休憩 —————・————— 午後六時三分開会
○委員長(田口長治郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 山中総理府総務長官より発言を求められております。これを許します。山中総理府総務長官。
○国務大臣(山中貞則君) 先ほど来の岩間委員並びに他の委員の質問に対する答弁中、私の進退問題について軽々に申しましたことは、まことに不穏当でありまして、その発言を取り消しますとともに、深く陳謝いたします。 さらに、私の進退について総理に伺いを立ててこれを決するの発言につきましても、これを取り消します。 総理府の広報のあり方について、一月一日付「フォト」に見るごとき憲法軽視の事実については深く反省し、再びこのような誤りを生じないよう、厳重に注意いたし、御指摘のような問題の生じないようにいたします。
○委員長(田口長治郎君) 本日はこれにて散会いたします。 午後六時四分散会 —————・—————