P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
65回国会参議院1971/04/27

地方行政委員会 第15号

発言数
204
登壇者
16
会派数
3
開催日
1971/04/27

会議録

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) ただいまから地方行政委員を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨二十六日、加瀬完君が委員を辞任され、その補欠として森中守義君が選任されました。     —————————————

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) 理事の補欠選任についておはかりいたします。  去る十九日、増田盛君の委員異動に伴い、理事に欠員が生じましたので、この際、その補欠選任を行ないたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に増田盛君を指名いたします。     —————————————

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) 公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案を議題とし、趣旨説明を聴取いたします。秋田自治大臣。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  公害対策の推進は現下の急務でありますが、その施策は広範かつ多岐にわたり、そのほとんどが地方団体によって実施されております。特に、公害対策基本法第十九条に基づき内閣総理大臣の承認を受けて公害防止計画を作成した地方団体においては、この計画に基づき公害防止対策事業を集中的、総合的に実施する必要があります。  本法律案は、このような事態に対処し、公害対策の推進に関する国の財政責任を明らかにし、もって公害対策の一そうの推進をはかるため、公害防止計画作成地域を主たる適用地域として公害防止対策事業に対する国庫補助負担割合の特例その他国の財政上の特別措置を定めようとするものであります。  次に、法律案の内容についてその概略を御説明申し上げます。  第一に、この法律は、公害防止計画を作成した地域において同計画に基づき実施する公害防止対策事業について、国の補助負担率の特例を定めることとしております。  国の特例補助負担率の適用対象事業は、特定公共下水道、公害物質の排除の目的をあわせ有する都市下水路及び終末処理場の設置改築事業、緩衝緑地等の設置事業、廃棄物処理施設の設置卒業、公立義務教育諸学校の移転及び施設整備事業、河川、港湾等の浄化事業、汚染農用地等の土地改良事業、公害監視測定施設設備の整備事業その他政令で定める事業であります。  なお、国の特例補助負担率は、二分の一とすることを基本とし、公立義務教育諸学校の移転及び施設整備事業、汚染農用地等の土地改良事業については二分の一以上三分の二以内の範囲で政令で定めることとしております。  第二に、公害防止計画作成地域以外の地域についても、河川、港湾等の浄化事業、汚染農用地等の土地改良事業、公害監視測定施設設備の整備事業で、緊急に実施する必要があると認めて自治大臣が主務大臣及び環境庁長官と協議の上指定するものについては、この法律による国の特例補助負担率を適用することとしております。  第三に、特例補助負担率の適用事業及び公害防止計画に基づいて実施する下水道の設置改築事業にかかる起債充当については、政府資金をもって引き受けるよう特別の配慮をすることとするとともに、これらの事業にかかる地方債で自治大臣が指定したものに関しては、その元利償還に要する経費の二分の一について地方交付税の基準財政需要額に算入することとしております。  第四に、この法律は、昭和五十五年度までの十年間の時限法といたすこととしております。  このほか、公害防止事業団及び港務局への適用、地方交付税法その他関係法律の改正等について所要の定めをしております。  以上がこの法律案の提案理由及び概要であります。何とぞ慎重に御審議の上すみやかに御可決くださるようお願いいたします。

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) これより質疑に入ります。  御質疑のある方は順次御発言願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まず最初に、この特別措置に関する法律案が、昭和四十六年度から十カ年というふうな時限立法になっているわけですが、この十年間という根拠は一体何なのか。十年間たてば一応いまいわれている公害というものは解消してしまう、こういうふうな考え方から、この十年間というものを出したのか。何か十年たてば公害というものはなくなっちゃうというような感じを国民に与えるのではなかろうかと思うのですが、この十年間の根拠というものを明確にしておいていただきたいと思います。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) この法律の十年間という有効期間にいたしましたのは、今後国及び地方団体におきまして積極的に公害対策を展開するということによりまして、現在問題とされておりますところの公害の地域におきまして公害問題が起きているわけですが、これの一応の解決をぜひ十年間くらいの間に解決をしたいという一つの期待を持っているわけでございます。公害防止計画区域の追加指定もこれから逐次行なっていくことになる予定でございますし、そういう計画を中心にして公害対策が推進される。そうして公害問題の解決に資していきたい、こういうことでございます。もちろん十年間で必ず公害がすべて解消されるということまではっきりと保証がつけられるというわけではないと思いますけれども、やはりそのくらいのところまでの間にはぜひとも解決をはかるように、一応のめどを立てて推進をしていくというひとつの問題のそういう取り上げ方をすべきではないかというようなことを含めまして、十年間という有効期間がついておるわけでございます。なお、十年の時点でもし解決されないというときには、あらためて期限を延長するその他の措置は、当然とらなければならないというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、一応十年間で公害を解消するということを期待しているということで、将来は当然これが持続して期限を延長することがあり得るというふうに確認をするわけですが、大体それじゃ、この十年間に公害防止計画によってカバーする地域というのは一体どのくらい考えておられるのか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 公害防止計画を策定する地域でございますけれども、十年間にどれだけの地域を指定するかという詳細な計画までいま定められておるわけではございません。それは、何ぶんに十年間といいますと、現在の日本経済の成長をもっていたしますと、三倍くらいのスケールになるわけでございまして、その間、各地域ごとの産業の動向あるいは公害の状況は相当やはり変わる面があろうかと思います。その辺を踏まえながら、その時点で必要な地域を指定しなければならないわけでございますから、詳細なところまでいまきまっておるわけではございません。現在までにすでに基本方針の調査が終わっているもの、あるいは公害防止計画そのものの内閣総理大臣の承認を終わっておるもの、それからほとんど基本方針の指示のために必要な事前調査が完了しておるもの、これらを合わせましていま十一地域ございます。それから今後指定しようと思っております地域につきましては、たとえば四十六年度予算におきましては、いま申しました十一地域に加えて五地域を予定されておるわけでございます。その後になりますと、まだ具体的な地点はきめておらないわけでございますが、まああれやこれや現在各地の状況をながめてみますと、やはり四十を下らない地域を指定しなければならないのではないかと思っております。ただし、もちろんこれは一応の現在の目の子の計画でございまして、やはり具体的に指定する段階においては、各種のデータをそろえまして指定しなければなりませんので、いま具体的にどの程度の数ということはちょっと申し上げにくいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、四十を下らない地域がこの十年間に計画によってカバーされる地域だということでありますね。具体的には、四十を下らないということでありますから、四十から五十の間というふうに理解できるのですが、それ以上だったら五十を下らない地域とおっしゃるにきまっているのですが、そうすると、大体、さっき言った十年間で四十から五十の地域を指定するということになると、一体公害というものは解消すると考えていいのですか、どうですか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 申し上げるまでもなく、現在の公害規制立法、これはおもなるものとして大気汚染防止法とか水質汚濁防止法がございます。これらの法律につきましては、前回の公害国会におきまして、地域指定制というのが撤廃されまして、全国どこの地域にあるものもいわゆるナショナルミニマムとして規制を受けるということになっております。したがいまして、公害対策というものは日本全土にわたって展開されるわけでございますから、あえて公害防止計画地域ということに限らないわけでございます。その中で特にいわば臨床診断を要するような、総合対策を立てなければならないような地域が十九条で公害防止計画地域として指定されるわけであります。したがいまして、いま四十を下らない地域ということで申し上げたのでございますが、まだその地域以外の地域につきましても規制法はかぶるわけでありますから、それからさらにまた、それに必要な問題は予算措置でございますが、予算措置につきましても、ことしの予算は相当な金額を計上することができたわけでございまして、何とか公害計画は、法制面でもあるいは予算の面でも、緒につき始めたということではないかと思います。したがいまして、それらを着実に推進することによって、公害防止の実をあげていかなければならない。また、あげ得るのじゃないかというふうに思っております。ことに総合対策を定めなければならないところを公害防止計画という形で、さらに、いわばシラミつぶしに当たっていくという考え方でございます。もちろん十年以内にはそれらの地域はすべて指定をしなければならないし、またそうしたいと考えておりますが、これらの施策が進められることによって、公害防止の実を十年間の間においてもちろん顕著にあげていきたいというふうには考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 都市計画をつくって財政上の特例措置をする地域というのは、これは一応現実に工場、事業場があるところとか、近いうちに工場、事業場が進出する地域というふうに、非常に抽象的に規定されていると思うのでありますが、具体的に、そういう地域を指定するもう少し具体的な何か基準といいますか、これはこういう地域だから、この地域にはひとつ公害防止計画をつくり、対象地域としてやっていくとか、こういうものが、私は当然もう少し詳しいものが何かあると思いますが、そういう基準というものを具体的にお示しいただかないと、この計画というものが、ただ単に市町村だけでつくるものでもなければ、内閣総理大臣の承認を得るという問題でもありますし、またおそらくこの計画そのものについては各省間の調整というものもあるだろうし、それから、大体いままで出ているのは、県単位で問題を考えておりますし、また知事が当然この計画を具体的に作成する責任を持っているということになりますと、各市町村との関係というものも当然出てくるということになりますと、公害防止計画をつくるための地域というのは具体的にどういう地域なんですか。ある程度の指標というものですか、そういうものがなければ、これは防止計画をつくる立場にある都道府県にいたしましても、あるいはその計画の中に盛り込まれるところの市町村の側といたしましても、この点は明確さを欠いてくるということになりますと、計画そのものの作成においても明確さを欠くために、調整に時間を要するとかいろいろな問題がここに出てくると思います。具体的にカバーする地域というものをきめていく具体的な基準というものはおありですか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) おっしゃるとおり、確かに今後各地域の指定が進んでまいりますと、ある程度具体的な基準をきめなければならないのじゃないかというようにいま考えております。ただし現在までの段階におきましては、去年の暮れに内閣総理大臣が承認いたしましたのは、四日市、それから千葉・市原、水島でございます。これにつきましては、日本の代表的なコンビナート地域でございまして、四日市はいわゆる四日市ぜんそくといわれる公害病の最も古くから発生した地帯でございますし、千葉・市原は新興のコンビナート地域として今後工場の著しい拡張が見込まれる地域でございます。水島はちょうどその中間にあるという地域でございまして、それで、その三地域を取り上げることについては大かたの異論もなかったわけでございます。それに次ぎまして、さらにいわゆるビッグ・スリーと申しますか、東京、横浜、大阪という地域が取り上げられておるわけでございまして、この辺につきましては異論のないところではないかというように思います。そこで、さらにこまかな地域が今後指定されてまいるということになりますと、おっしゃるとおり各地の指標をとらえまして相互に比較検討して、特に優先度の高いものから指定していかなければならないという事態も起こるのではないかというように考えるわけでございますが、現在までのところおおむね一般に異論のない地域ということは、それを選ぶことにそれほど困難はございません。ただし、もちろんその間におきまして、これは予算の査定を受けましてこの防止地域をきめるということになっておりますから、大気汚染の状況、あるいはその地域における産業の動向、それから大気汚染の経年変化、あるいは水質汚濁防止につきましても、それぞれの各水域の同じような状況を把握いたしまして、相互判断をしていくという形でございまして、特に数字的にどういう基準があるかと申しますと、いままでのところそこまでは持ち合わせがございませんが、今後こまかな地域を指定するような段階になりますと、おっしゃるような必要性が生まれてくるのではないかというように感じます。その場合には、それに備えたやはり基準、もちろん単純に数字だけで押すわけにはまいらないと思います。しかしそういうものも今後はだんだん用意していかなければならないのではないかと思っておりますが、現在はそういう段階でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いま植松さんのお話を聞いていますと、何か悪いところだけ、こう薬ばりにやっていくというような感じを私非常に強く受けたわけでございますが、実は既存の公害を防ぐ、解消をするというだけじゃなくて、やはりこれから起こり得る公害というものも未然に防ぐということが特に私は大切であろうと思う。特にこれから起きるであろうという地域の場合には、防止事業も実はやりいいわけですね。たとえば京浜のように、もう工場と住宅とが密着してしまって、そこでどうにもならないという場合は、これはどうにもしようがない。金がかかってしようがない。また住民自体も、なかなか新しい計画に、金がかかってまいりますから乗りにくいということで、こういう地域というのはいろいろな調整に時間が手間どると思うのですよ。しかし新しい地域というのは、比較的そういうものがまだ少ないわけです。そういう地域は、防止事業というものはむしろやりいい地域だ。たとえば千葉の市原に緩衝地帯をつくった、緩衝緑地をつくった、この場合には、確かにその埋め立て地と既存の住宅地の間へつくるわけですから若干の余裕がある。こういうところには、緩衝緑地なら緩衝緑地は非常につくりいいと思うのですよ。そうしますと、千葉県の計画でも、千葉と市原の二つの市を対象地域に指定して、それが実際に袖ケ浦地域にもかなりの埋め立てが進んでいるわけです。あそこに出てくる工場というものもある程度わかっている。それから木更津、あるいは君津地域なんというのは、これは公害で新聞に何回か書かれてきた地域であります。木更津ぜんそくではないかとすらいわれている地域だと思うのですよ。そうしますと、どうもいまのお話を聞いてますと、こう薬ばり的な、いままでの公害防止の対策というものもあと追い的な形のものが非常に多かったわけであります。大気汚染にしても水質汚濁の防止にいたしましても、まあその他の問題にしても大体そうだと思うのですけれども、いまのお考え方でいくと、どうも計画を実施する地域というものを拡大するんじゃなくて、未然に防止するという考え方というものが非常に薄い。ひどい地域をこう薬ばり的に何とかいいかげんな手を打って、それでごまかしていく。そういうことを言っちゃ悪いかもしれないが、実際的にはごまかし政策というふうにしかあなたの答弁では、私、とれないわけですが、こういう点をもう少しはっきりしていただかないと、せっかくいままできれいなところがむしろ汚染されてしまう、こういう可能性がかなり私は強いんではないか。それはもちろん工場、事業場等については排出基準だとか工場の立地制限だとか、いろんなものがあるにいたしましても、一般の人口増加によるところの公害というものも現実にあるわけですね、家庭から出る排水というようなものによってよごされていくというものもあるわけですがね。そういう点では非常に対象地域というものを拡大するという意欲というものがどうも薄いんじゃないかと思うのですが、その辺のお考え方は具体的にどうなのか。いまのお話を聞いてみても、みんなが納得する地域というふうにしか実際は聞こえないわけですね。未然に防止するという考え方、こうしたものが非常に少ないと思うのですが、どうもその辺が私ちょっと理解に苦しむ。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) いま先生おっしゃいますように、確かにこの公害防止に関しては先手先手を打つということがきわめて重要でございます。その意味におきまして、いまこれから基本方を示す段階に入ってまいりますところの東京や大阪というものは、確かに住工混在地帯の都市改造というものは非常に新しいむずかしい問題をかかえております。したがいまして、その前にちゃんとしたレイアウトをして、公害をそもそも未然に防止するような立地規制あるいは各種の未然防止対策というものが必要であるということは、まさにおっしゃるとおりだと思います。  そこで、前回の国会におきまして、いままでの公害行政がやはり後手後手になりがちであった、いわば公害が相当著しくなった地域を規制地域として指定をしていくという形であったものですから、例のたとえば田子の浦でさえも、あの公害騒ぎが起こるまで規制地域に指定されておらなかったというような状況があったわけでございますが、今後は新立法によりまして全国にナショナルミニマムの綱がかぶってくる。また地方団体の長である知事が、それについて必要に応じてさらにその基準を強化するということができるというようなことになるわけでございます。また一方、そういう法律規制だけでは十分でございませんから、いわゆる事前総合調査というのを政府としては実施いたしておりまして、今後工場の集積あるいは人口の集中が著しい地域につきましては、相当緻密な、学者の協力を得まして今後どういう形で工場地帯をその地域にレイアウトすればいいのかというようなことにつきましては、事前調査を大規模に実施していくという形の試みをいたしておるわけでございます。  それからさらに今後の、たとえばむつ・小川原というような大規模工業地帯につきましては、さらにこれは政府の大きな方針として、この公害発生については、従来のたとえば鹿島といったような地帯と比べましても、特に入念の事前対策を講じていかなければならないという気持ちを持っております。  そこで、具体的には今後環境庁によりまして公害の行政が一元化されるわけでございますが、環境庁におきましては、そういう工業地域の開発あるいはいわゆる工場の立地規制につきまして、各省大臣に対して環境庁としての立場を主張する。そうして全体の総合調整の、環境保全という観点から、必要な総合調整も環境庁に与えるといったようなことで、事前にその点は十分締めていくということにしなければならないし、そういう仕組みに法規制は向かっておるわけでございます。ただし、現在どの地域を公害防止地域として指定するかということになりますと、これはやはり緩急の順序がございまして、現に公害に悩んでいる住民が多数いらっしゃる地域は、これはやはり優先的に指定すべきではないか。現に、現在公害対策基本法の十九条には、現に公害が著しい地域、それから今後公害が著しくなるおそれのある地域というふうに分けてあるわけでありまして、現在のところ、やはり公害が現に著しい、そこには具体的な総合対策という臨床診断が必要であるし、こういうところから指定をしていかなければならないのではないかというように考えております。したがいまして、全体としての公害行政が後手後手にならないように網の目をかぶせまして、さらにまた各種の事前調査その他の行政面の手も打ちましてやっていく。そして指定もさらに、公害のいわば過密地域の指定が終わりましたら、順次そういうところも必要に応じて十九条の指定もいたしていくわけでございますが、全体としてはそんなような方針でやっていくのが現段階においては合理的ではないだろうかというように考えておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 何かあなたのおっしゃっていることを聞いていますと、防止事業を実施していくこととそれからその区域として計画をまず立てていくことと、これが何かあまりはっきりしていないような感じを私はいまのあなたの御答弁で受けたわけなんですが、具体的に、計画地域でも、内閣総理大臣の承認を得ても、その実施の時期というものとそれを計画をかぶしていくということとは私は必ずしも同じじゃないと思うのです。その市町村の財政事情にもよるでしょうし、それから実際の公害を他の方法によって規制をしていく、まあ具体的に言えば、排出するその個所で規制をしていくことによってやはりそういうこともできるわけですから、計画をするということと事業を実施するということは私は必ずしも時期的には一緒でなくてもいい。しかしその地域を計画地域にカバーさせるということは、やはり公害に対するそこの市町村なり都道府県なりの公害に対する姿勢、政治の姿勢というものを明確にしていく上では、計画というものは私は相当先行しなければいけないし、その計画地域にカバーをしていくということ自体がやはりそこの住民の中にあるところの公害防止の意識というものを高めていく、まあこういうことになろうと思うのです。で、具体的な計画が出る出ないということもあろうと思うのですが、おおよそこの地域は計画を立てるべき地域である、したがって一つの県、市町村あるいは住民、企業、こういうものが相互にそのための意見調整をすべきである、こういうことも計画を樹立する上においては私はかなり必要なことであろうと思う。ただ市町村だけが計画をするのじゃなくて、企業もこういう計画についてはどのくらい協力できるのか、あるいはどれだけ費用を負担できるのか、あるいは工場自体としての防止事業はどのくらいやるのか、住民としてはそれに対応して町の区画整理事業もあるでしょうしあるいは再開発の事業もあると思います。こういうものもその準備期間というものは私は相当の時間を要するものだと思う。そういう意味では、計画地域というものをやはり早くきめていくということが私はどうも必要じゃないかと、こういうふうに思うのですが、いまあなたのお話を聞いていますと、どうもひどいところだけを先にやる。事業はそうでしょう。それはひどくて人の健康に被害が出るというところでは、これは何とか具体的な事業を先にやっていかざるを得ないでしょう。しかし将来起こるであろうという地域については、少なくとも計画を進めていくという段階というものを、基本方針を政府のほうから私は指示をしていくべきだと、こう思うのですが、どうですか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 公害防止計画地域に指定しようと現在考えておる地域で、すでに地方団体に通知をして、地方団体もそのつもりで準備をいたしておる地域が現に十三地域ございます。したがいまして、おっしゃるように確かに計画には時間がかかるわけでございますから、できるだけ早目に前広に指定をしてその準備をしてもらうということは必要だと思います。しかし現に十三地域それぞれの地域において準備が進められておるという状況でございます。また、この公害防止事業と申しますのは、計画がなければできないというわけのものではもちろんございません。最も公共事業として金目のかかるもの、また各地方から要求が強いものとして下水道の事業があるわけでございますが、下水道につきましては別途二兆六千億という御承知の五カ年計画の事業費がきめられておりまして、これは公害防止計画地域に限らず、全国必要な地域について実施をしていくという体制でございますから、したがって、計画地域にならないと事業が停滞する、事業が進まないというわけのものでは必ずしもございません。もちろん総合計画を立てることに越したことはございませんけれども、そういう一方において、一般的な法律なり予算に基づく措置は措置として進められるわけでございますし、で、公害防止計画地域としましては、いま申し上げましたように、あらかじめ相当計画をつくり上げますのに時間がかかるわけでございますから、できるだけ早くその地方には通知をするということにはしなければならないと思っております。そういうようなことでいま進んでおるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうもその辺が、おっしゃっておる地域の広さに、十三地域といっても、地域のきめ方にもありますね。東北地方というきめ方もあるでしょうし、関東地方という地域のきめ方もあるのですけれども、常識的にいままで出てきている三つの計画地から見ますと、そんな大きな地域ではない。その十三地域にいたしましても、大体市を二つか三つくらい合わした単位のところもあるだろうし、あるいは市を五つくらい合わしたところもあるだろうし、それは各種各様でしょうけれども、おそらくこの十三地域も、全県をカバーしておるという地域もあるかもしれませんけれども、東京とか大阪なんというのはおそらく全都の地域あるいは府の地域を全部カバーするようなことにならざるを得ないだろうと思いますけれども、その他の地域では、私は県を全部カバーするというような大きな地域にはおそらくなっていないだろう、こういうように常識的に考えられるわけですが、具体的にそういう地域が、先ほど四十を下らない地域というのですが、その具体的に四十を下らない地域というのが現実的にはどんなふうな状況になっておりますか。たとえば先ほどの三つの地域は、すでに昨年ですか、内閣総理大臣によって承認された地域でありましょうし、あるいは現実にまだ承認はされないけれども審議中というものもあるでしょうし、あるいは基本方針を指示して、府県市町村で調整して作成中のものもあるだろう。あるいは作成にはいかないけれども、事前調査をしている地域もある。あるいは全然そういうことにまだ関連していない地域もあるだろうと思うのです。まあ分け方は、私の分け方が適当であるかどうかわかりませんけれども、そういう形で四十を下らない地域の具体的ないまの動きといいますか、大別してどんなふうな状況になっておりますか、教えていただきたい。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 確かに広域的に計画を立てる地域といたしましては、御指摘のように、東京、大阪それから神奈川、これが一番その代表的な例でございます。この地域におきましては、いまのところ、神奈川県は西部のほうはだいぶ様相が違いますけれども、たとえば相模川以東の地域であるとか、東京、大阪でございますと、いわゆる市街化調整区域というのはちょっと特殊でございます。東京都内にも過疎地域がございますから、そういう意味で特殊でございますけれども、まあおおむね全都府県カバーされるということになろうかと思います。また、たとえば、現在調査をしてほぼ結論が出かかっておる地域の中に名古屋がございます。名古屋につきましても、名古屋とか東海市を中心といたしまして相当広い範囲にわたらなければならないだろうと思います。それからまたさらに、実はそれだけでは十分ではございませんで、東京の水質汚濁対策を講ずるためには、当然のことながら、埼玉県も千葉の整備もやらなければなりませんし、大阪の場合ですと、京都、奈良、淀川とか、大和川の浄化対策のためには、隣接府県との関係の広域防止計画を立てなければなりません。そこでそういうところにつきましては、単に、私いまそのことは勘定に入れないで四十を下らざる地域といって申し上げたのでございますけれども、東京の場合には当然隣接府県も考えなければならないということになるわけでございます。そういう広域的な防止計画を立てるという方向では、当然地域地域の特殊性に応じてそういう考慮を払わなければならないだろうというように考えております。  それからそれ以外の地域につきましては、たとえば北九州というような地域につきましては、相当やはり広範な広域的な計画を立てなければならないのではないかと思いますが、あとはやはりコンビナートが比較的多いのではないかというように思います。その例といたしましては、鹿島であるとか、あるいは大分であるとか、あるいは姫路地区であるとか、あるいは岩国であるとか、各地にございます。そういう地域地域によりまして相当広範囲な広域的な計画を立てるところと、それから比較的地域にまとまりがございまして、その一定の地域を押えればおおむね目的が達成されると思われるところとあるわけでございます。  いま十三地域あると申し上げたのでございますが、その中に大きなところの地域は、東京、大阪、神奈川、それからさらに名古屋、あるいは尼崎を中心とする兵庫県の県東と申しますか、大阪府と隣接する地域、そういうところは当然カバーしなければならないと思っております。またそれのさらに隣接府県についても同様に広域的な計画を立てなければならないというように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 後半の答弁がされてないのですがね。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) いま十三地域と申し上げたところにつきましては、いまのところを中心にして、あとは各地のコンビナート地域、いま具体的に申し上げますと、富士とか、大牟田とか、姫路市近辺、大竹、岩国、それから鹿島、名古屋、尼崎、北九州、大分、それから先ほど来話が出ておりますところの東京、神奈川、大阪と、こういう地域を現在ほとんど調査が完了し、あるいはこれから調査に取りかかるということで、すでに各地方とも承知をしておるところでございます。  それ以外の地域につきましては、まだ具体的な細目まで定められておりません。当然今度の予算編成時期までにはさらに対象をしぼってきめなければならない地域でございますが、あとはかなり比較的地域的にはまとまりのある地域が多いと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 十三地域のお話じゃなくて、具体的に防止計画が全国的にどんな進捗状況を示しているのか、その進捗の段階ですね。たとえばさっき申しましたように、具体的に三つの地域では承認が終わっているわけでしょう。あるいは案がすでに政府のほうに届いて、政府自体でそれをある程度審議をしているという段階のものもあるでしょう。あるいは県段階で政府部内の各省との連携をはかりながら、まだ計画ができ上がっていないようなものもあるだろう。まだ全然そこまでいかないで、事前調査の段階のものもある。そういう防止計画が、去年全国的にあれだけ騒がれているわけですから、政府のほうとしても、あるいは都道府県、市町村としても、公害防止については認識を新たにしているところだと私は思います。ですから、その計画が具体的にどの辺までいま進みつつあるのか。これは、とにかくその三地域の場合には、公害国会以前からその計画というものが立てられているわけですね、現実には。そういう意味では何もここ三カ月、四カ月の問題では私はなかろう、こう思うのです。だから進捗の内容が一体どういうような内容なのか、どのくらいの進み方をしているのかということが私どもとしては興味のあるところであるし、それを早くやってもらわなくちゃ困るわけなんです。そういう内容が具体的にどうなのかということをいま後半でお聞きしたつもりですが、あなたの答弁は十三地域の御説明だったような点で、私の問いとあなたの答えとだいぶ食い違ったようなわけであります。その進捗状況が一体具体的にどういう状況になっているか、その辺をお示し願いたい。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 失礼いたしました。  御承知のように千葉・市原、四日市、水島、これは去年の十二月の初めに内閣総理大臣の正式な承認が出ているわけでございます。それから、それに続く三地域の東京、神奈川、大阪につきましては、われわれは九九%もうできておると思います。したがいまして、少なくともここ一月以内には基本方針の指示をいたしたいと、こういうように考えております。  で、これにつきましてはいろいろな事情が実はあったわけでございます。確かにおっしゃいますように、ある程度時間をかけて地方団体とわれわれの間の話し合いはずっと続けられてきたわけでございまして、地方団体もおおむね了承を得ておる基本方針の内容になっておるとわれわれ考えております。ところが、問題になりました最初の点は、先ほどちょっと説明をいたしましたように、広域的な防止計画をこの際立てないと、単に東京都、大阪府だけでは片手落ちではないかという論議が当然のことながら出てきたわけでございます。そこで、われわれのほうといたしまして、神奈川と千葉、それから京都、奈良、こういうところに声をかけまして、それらについてもそれぞれ東京と大阪と協議をしながら総括的な計画を立ててもらうように、こういう要請をいたしたわけでございます。ところが、それぞれの県といたしますと、やはりそういう防止計画を立てるということを実はあまり具体的に考えていなかった面がございまして、だいぶその辺について時間がかかっかわけでございます。しかし、現在非公式ながら、それぞれの県とも水質汚濁防止についての計画を、少なくとも県際河川と申しますか、都道府県を貫流しておる水域についての汚濁防止計画は同時に立てるべきであるという気持ちが固まりまして、ごく最近のことでございますが、一緒にひとつやってみようということになっております。そこでわれわれもまたそれぞれの隣接府県向けの防止計画の基本方針をつくりまして、それについてほぼ協議を終わっておる段階でございます。  それから、さらに九九%だと申し上げて一〇〇%と申し上げられなかったのは、例の大阪で知事選挙の結果、知事さんがかわられてしまったわけでございまして、まあ基本方針でございますから、われわれそれほど大きな変化はないと思います。いままで県の副知事以下のスタッフの方とは十分協議をしておったのでございますけれども、大阪府のほうから、何分に知事の交代という大きなできごとがあったので、その辺もう少し時間をかしてほしいという要請がここ一週間くらい前にございまして、それで、しかしそのためにほかの地域を待っておれませんので、それでは大阪のほうで態度をきめてこちらに意思表示してもらいたいということを申しまして、暫時待っておるという段階でございます。その辺がどういうことになりますか、あまりそれがおくれるようなことになりますと、切り離してほかの二地域は指示しなければならないというように考えておるわけでございます。できれば三地域一緒にやりたいということで、大阪の回答を待っておる段階でございます。  それから、その次の鹿島、名古屋、尼崎、北九州、大分の五地域につきましては、これは実は環境庁ができますと、環境庁で一貫して公害防止計画に関する事業をやるわけでございますけれども、現在はまず厚生省が原案をつくるというような仕組みになっておりまして、厚生省でこの防止計画のための学者を入れた研究会がございまして、その研究会でおおむね結論に近づいておるという段階でございます。環境庁発足までに、できればわれわれ公害対策本部の手でまとめたいと思っておるわけでございますけれども、ちょっとその辺はいまのところはっきり申し上げかねる状況でございます。しかし、これも基本方針の指示に関する限りにおいては、骨格はほぼでき上がりつつあるということでございます。あとは各省との協議がございますから、若干時間がかかると思いますけれども、もちろんことしのそうおそくならない時期には基本方針の指示をしなければならないと思っております。  それから、その他の五地域につきましては、予算で地域がきまったという段階でございまして、具体的な調査はこれからというところでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いま、東京、大阪、神奈川については、大阪が一%ほどきまらないということで、神奈川はきまったと、こういうお話なんですが、実は私、きのう神奈川県へ行って担当者に会って聞いたわけですけれども、この前一応案を出したそうですね、政府に。それについて何ともかんとも話がない。いままで、厚生省中心に計画を立てていたときは、非常に厚生省からもいろいろな改善意見というようなものが具体的に出された、かなり思い切った意見も実はいただいたんだと。ところが、中央公害対策本部ができてからどうもそういう話し合いはほとんどない。だから、神奈川県自体といたしまして、すでに出した計画がこれで通るのか通らないのか、かなり大幅な改正があるのかどうなのか、こういうふうなことも現実には担当者としてまだ見きわめがつかない、こういう状態なんですが、あなたのいまおっしゃる点では、一〇〇%神奈川県はいい、一%悪いのは大阪の府知事の交代だけだ、こう言う。どうも私はそう思わないんですが、これは神奈川県が間違っているんですか、あなたの言い方が間違っているのか、その辺明確にしてもらわないと困ります。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 神奈川県の言明ははなはだ奇怪でございます。私自身、神奈川県に最近参りまして、実際に公害防止計画地域については詳しく実情も見てまいったわけでございますし、また、内容の話し合いも何度もやっております。それで、われわれはもう指示する原案を神奈川県にも見せておりまして、神奈川のほうも——まだ正式な文書ではかわしておりません、かわしておりませんけれども、われわれはセットしている、ほとんど九九%以上のセットをしているというように考えておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 実はその辺が問題だと思うんですね。実はあなたのほうはもう具体的にこれはほぼ一〇〇%完成だと思っている。それを受ける県のほうは、実際にはこれがいいのか悪いのか暗中模索をしておる。そういうことであるということは、おそらくこの計画というものが一体本気で考えられているのかどうなのか。急がなければならないものが、片一方では、あなたのほうでは十分やっている、受けるほうはまだ何とも暗中模索の状態だと、私どもの出した案がいいのか悪いのか、それについてすら確信を持っていない、こういう状態です。こういうことだったら私は困ると思うんですね。これからどんどん進めていかなければならない計画の初めの段階、しかも公害がかなり多い地域、さっそくやらなければならないという地域でこういう形であるということは、私非常に残念だと思うんです。もう少しこの辺は相互の連絡——実際の計画担当者、そういう者とあなた方の意思疎通というものがどうも不十分のようだ。神奈川県は大阪と違って革新知事じゃございませんので、その辺はすでにいままで十分に連絡がとれているはずだと私は思って、実はきのう聞きに行った。担当者としてそういうふうに言っているわけです。その辺、もう少し連絡を密にしてもらわなけりゃ私困ると思うんですが、どうなんですか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 神奈川県の公害課長が公害対策本部に来て話をしてまだ十日にもならないと思います。したがいまして、いま本部がナシのつぶてで、さっぱり連絡がないというのは私全く理解できません。それ以外にも、もちろん公害防止計画の基本方針につきまして、具体的な文書でここにもでき上がっておるわけでございますけれども、それについて具体的に意見交換をし、神奈川県の言い分でお直しするところはお直しいたしておるのでありまして、われわれは正式にそれを今後文書で地方団体の意見を求めるという形をとれば、もうそれでセットできるんではないかというふうに思っておるわけでございまして、連絡がうまくいってないというのは、ちょっと私理解できないのでございますが……−。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私も担当者に会って直接聞いたわけですからね。あなたと向こうの担当者と対決してもらわなくちゃ、実際どっちが正しいのか、私は判断がつかないわけなんです。だから、これをいまここで解決できない状態で、まあ私は間に入って聞いているだけなんで、ここで議論をしているのもおかしいんですが、もう少しその辺を明確にしてもらわないと実際困るのじゃないかと私は思うんです。何か御意見があったら……−。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) いま自治省から伺いました話によりますと、あるいは県はこういうことを言っておるのかもしれないのです。われわれがいま九九%セットしておると申しますのは、基本方針でございます。それに基づいて具体的な公害防止計画を立てるわけでございます。それに対しまして県のほうが別途独自の計画を立てて、その計画についてまだ具体的に応答がないというようなことではないかと、いま自治省が申しておるわけでございます。あるいはその基本方針というのと、それからその具体的な計画との間の、頭に描いているものとの間の食い違いがあるのかもしれないと思います。われわれがいま作業を急いでおりますのは、基本方針のほうの策定の関係でございまして、それについて県との間の意思の疎通が十分でないとか、あるいは県との間の連絡が十分でないというようなことは私はないというように考えているわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その辺が公害行政の私は一番ポイントじゃないかと思うんですよ。国のほうの考え方と県自体の考え方、その辺がやはり調整されていなければいけないんじゃないかと、こう思うんですが、問題をちょっと前に戻しますと、たとえば神奈川県の場合には、相模川以東が計画対象地域になっている、こうおっしゃっておる。しかし実際は、酒匂川水域ですね、この地域はおそらく京浜地帯の今後の上水道の水源にもなる地域であるし、さらに酒匂川水系の両脇に対する工場の進出というものは最近はかなり目ざましいものがあるわけですね。当然あそこについては、県としては流域下水道をつくらなければ酒匂川自体がよごれてしまう、こういうことで、あそこにも酒匂川流域下水道の計画というものがあるわけなんですけれども、その点は別として、これは神奈川県も私はその点は問題があると思うのです。相模川以東だけを計画対象区域にすればそれでいいんだということには私はならぬと思うんですよ。さっきの未然防止という立場でいきますと、小田原を中心としたあの酒匂川水域にはかなり私は問題があると思う。そういう地域をあえて入れないという理由というものが実際話されておるのかどうなのか。あの地域はあなたがさっきおっしゃったように、将来発生する地域だから、いまはそんな計画の中に入れなくてもいい、こういうふうにおっしゃるのか。これはほかにもこういう例はあると思うのですが、ほかの地域の実情というのは私詳しく知りませんから言わないだけでありますが、おそらくほかにだってそういう地域があると思うんですね。瀬戸内海の沿岸の県におきましても、その県の西と東において公害地帯が出ておる。片方はもうかなりよごれている、片方はまだそれほどでもないというような地域も瀬戸内海沿岸には私はあるように思うのです。そういたしますと、この神奈川県の例を一つとってみても、どうもあなたのほうは対象区域を積極的に広げて公害を未然に防止するというような態度に欠けているんじゃないか、私はこう思うんですがね。そういう点で、いま具体的に例としては神奈川県の例を出したわけでありますが、その地域をこの際抜かしていいというような、比較的軽いから抜かしていいというようなことはどうも理解に苦しむわけです。どうなんですか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) どの地域を指定するかということにつきましては、確かにそれぞれの立場の相違によりましてある程度意見が分かれる面もあろうかと思います。ただし、先ほど申しました相模川以東の地域を公害防止計画区域として立てるということは、これは県当局と十分話し合って、地元も納得した地域でございます。これは私自身神奈川県に行って話をして、それでけっこうであるという話を得ておる地域でございます。で、現在、いま先生おっしゃいました小田原の酒匂川地域でございますが、これにつきましては、国の法律がかぶらないんで、県が独自の規制をしておる地域でございます。もちろん今後そこが水質汚濁がはなはだしくなるというおそれがないとは言えないと思います。言えないと思いますけれども、現段階におきましては県が独自の規制をしておるという地域でございまして、それでもちろん、先ほど来申し上げておりますように、公害防止計画地域に取り上げられないからといって公害対策が全然進まないわけでは本来ないわけでございます。そこで、どこで線を引くかといういま問題でございますが、現状では、全般的に申しまして神奈川県の西部のほうはむしろ自然環境の保護という観点に力を入れたいと、私どももそういうことを申しておるわけでございます。それでいまのところ、全国的なこのベースというものを考えて指定する場合には相模川以東地域が適当ではないかというので、政府とそれから県当局との間で合意をした線としてわれわれ考えておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうもその辺がちょっと先ほど私が言いましたように何かこう薬ばりである。たとえば自然環境の保護というのは、ほうっておけばいいという問題ではないと私は思う。むしろ自然環境の保護というのは実際は金がかかるものであるということだと思う。そういうものに対応して、それじゃあそういうような周辺の市町村というのは一体それだけの能力があるかどうか、財政的な能力があるかどうかといいますと、財政的な能力があるところもあるし、ないところもある。そういたしますと、そこがぽかっと穴があいていくような感じを私は受けるわけです。それをはたして県が全部かぶってくれるかというと、必ずしも私はそういう状況じゃないと思う。これはひとつ大臣にお伺いしたいんですが、どうもそういう感じが、私はこの法律を見て、受けてしようがないんですよね。どうも未然に防ぐということじゃなくて、もうこわれてしまったところをこう薬ばり的にやっていくという、その公害対策基本法ができる以前の考え方が、やっぱりここにもそういう思想が出ているようにも思うんですけれども、そういうものはむしろ未然に防ぐ、いい環境はいい環境として事前に守っていくと、こわれてからそれを元へ返すということは非常に困難で、金もかかることです。だからそういう点で、そうした地域をいまの内閣として私はもう少し考え直してもらわなくちゃいけない、こういうふうに思うんですが、ひとつ大臣としては一体どうなんですか。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 基本的な御趣旨につきましては竹田委員と同感でございます。ただし実施の段階におきまして、その原則の適用等につきましては、関係省と地方庁との間の具体的交渉によりまして、十分意思疎通の上、決定をされるべきものでありまして、具体的事例につきましては神奈川県と了解をつけておるようでございます。しかし、こういう点につきましては、将来やはり御趣旨のような考え方を十分取り入れて当たるべきものかと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そういう点、私もそのとおりだと思うんです。ただ、この中に出ている、いままで答弁をした思想の中に、必ずしもまだそういう思想が入っていないように思うんですよね。千葉県だって同じですよ。君津、木更津地域あるいは袖ケ浦地域というのは一体どうするのか、こういうのも実は入っている。そう考えてみますと、どうもさっきの対象地域というものが四十地域を下らざる範囲という範囲が、非常に私は限定されているように思うんです。公害というのはただそこだけ、既存のところだけで起きる問題ではないと思うんです。だから全国的に問題になったのだし、大気汚染にしても水質汚濁にしても、規制の地域を全国に広げていったという理由のものは私はそこにあると思うんですよ。そう考えてみますと、まあ大臣の考え方はそれでいいと思うんです。具体的にそれを進めていくところの関係各省の各部局の思想というものを私はもう少し変えてもらわなければ困ると思うんですがね。これは、そういう点では調整役にある中央対策本部が一番最初に思想を変えてもらわなければ、ほかのほうも変えようがございませんから、その辺をもう少しはっきりさしてもらいたい。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 私の説明が不十分でございまして、別にそううしろ向きという形でわれわれ考えているわけではございません。先生のおっしゃることに全体として特に異議を申し立てているというわけではもちろんございません。ただ、現在十九条の指定がまだ始まったばかりでございますので、最初はこう薬ばりだということの御批判を受けたわけでございますけれども、特に公害の激しい地域からやはり指定していく必要があるだろう、そういうことを申し上げただけでございまして、全体の公害防止計画地域を策定する場合の考え方におきましても、やはり公害防止に必要な自然保護という関係は入れなければならないだろうというようなことも基本方針に実はうたってございますし、それから今後指定が進んでまいりますと、さらに前向きの公害の予防という観点も入れて地域指定をしていかなければならない、そういうことにならなければならないだろうというふうに考えているわけでございまして、特にそう先生のおっしゃっていることに対してわれわれ公害対策本部の考え方が違っているということではないのじゃないかというふうに考えているわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ことばの上じゃなるほどそういたふうに私は言わざるを得ないだろうと思うんですが、ただ、私は四十地域を下らざる範囲というこの四十地域というのが非常に気になるわけです。まあ沖繩がこの十年間に返ってくると、四十七都道府県ということになります。そうすると、少なくともいまの状態では、平均して一県に一地域ではないと思うんですがね。二地域あるところも三地域あるところも将来私はこの十年間に出てくると思うのですね。そうすると、四十を下らざるという、四十を下らざるですから、百になるか百五十になるか、それは論理的には、観念的にはそういうことが言えると思うんですけれども、具体的に四十を下らないということを言えば、四十から五十と普通は考えると思うんです。そういう点で、どうも非常に対象区域を、私はその数字を聞きまして縮小していると、広げることをむしろ望んでいないと、こういう感じを特に受けましたからいまそういう議論をしたわけですけれども、これはいまあなたが、それじゃ百を下らざるというようなことにすぐ直るわけではないと思いますから、その点ではひとつ私の意見に反対ではないようでございますから、そういう点を考慮するということをひとつお願いをしたいと思うんです。  その次に問題を移してまいりますけれども、それでは、この十年間の企業の負担する分が相当あると思いますけれども、企業の負担を除いて、総事業費としては大体幾らくらいと推定されるわけですか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 四十を下らざる地域というのは、先ほども私お断わりしたつもりであったのですが、もとよりそれに固執するという数字ではもちろんないわけでございまして、いま、ただ目の子で問題になりそうな地域を数えてみて、四十を下らざると申し上げたわけでございまして、それにこだわる意味、それで制約する意味では毛頭ございません。そこで事業費でございますが、事業費は相当詳細な計算をしなければならないわけでございます。三地域につきましては、五年間で千四百億という数字が公共事業として出ておるわけでございます。それが東京、大阪、神奈川となりますと、いわゆるビッグスリーになりますと、東京が例の防衛計画というのをつくっておりますので、これで十年間でございますが、二兆八百億という数字を申しておるわけでございます。したがいまして、まだ実は大阪、神奈川のほうの具体的に東京ほどまとまった計画はわれわれ拝見いたしておりません。まだ鋭意立てられておる段階だと思います。そこで、そういう状況でございまして、まだ全体どの地域を指定するのか、また指定するまでには各地域の情勢も相当大きく変化することでございますので、全体として、たとえば下水道につきましては二兆六千億というふうな計画がございますから、ある程度具体的な当てはめがございますけれども、全体にしていま十年間にどの程度の事業を予定するのかということは、ちょっといま推算はむずかしい状況でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 十年間むずかしいという、事業も始まったばかりであるから、それはある程度わかるのですけれども、他の部局ではいろいろな五カ年計画というものを次から次へ立てておるわけですね。そうすると、大体十年間はむずかしいにしても、前期の五カ年計画の総事業費は幾らぐらいに大体なるか、国の財政の伸びから見て大体総額どのくらいのものがこれに割り振らなければならないのか、こういうことが大体私は見当つくんじゃないかと思うのですがね。一つ一つの各府県のそうした公害防止対策事業を積み上げなくても、おおよそいままでの社会資本のおくれを取り戻していくのには、大体五年間で財政の伸びはどのくらいある、したがって公害対策には大体どのくらいのものが国としてつぎ込めるのか。そうなってくれば、地方財政の面でも大体どのくらいつぎ込んでいけるのかという目安もできてくる。言うなれば、少なくとも十年間はむずかしいとしても、私は五年間くらいのそうした事業費の総額というのは、もちろん正確なものじゃないと思いますが、おおむねこれくらいはつぎ込まなくちゃならぬというものが出てくると思うのですがね。道路にしても、あるいは下水道にしても、ごみにしても、その他の問題についても、少なくともいま五カ年計画くらいは出しているわけですね。そうすれば、五年間くらいのものは、私は公害防止事業の五カ年計画の事業費というものはおおむね見当がつく。もちろんそれはその年その年によっての状況もあることでしょうし、公害の発生の度合いにも関連してくるだろうと思いますが、大体五年間くらいのものは出るんじゃないですか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 現在策定されました三地域、これは千四百億ということを申し上げたわけなんですが、その中で実は八〇%が下水道の事業費でございます。で、下水道につきましては二兆六千億という五カ年計画がございまして、いま鋭意各地域の当てはめをやっておるわけでございますから、それをある地域についてどの程度予定してあるかということを拾えば、いますぐはできませんけれども、今度の予算編成時期までにはおおむねその辺の当てはめを終わらなければなりませんから、ある程度の計算はできるかと思います。それからあと廃棄物処理施設でございますが、一般のゴミ焼却施設につきましては、これもやはりことしの夏くらいまでには五カ年計画を固めなければならないという段階になっております。ただし、産業廃棄物処理施設につきましては、御承知のように、廃棄物処理法がこの前の公害国会で制定されたばかりでございまして、具体的な例として、いま大阪で用地の取得をしておるという程度でございまして、まだこれにつきましては、率直に申しまして、まだ全国でどの程度の計画になるのか十分な試算ができておりません。で、あとこの廃油処理施設等々につきましては、これはまたある程度具体的な計画がございますから、廃油処理施設等につきましても計算をいたせばできないわけではないと思います。しかし、全体の大宗をなすものは何といっても下水道でございまして、その辺につきましては建設省の専門家も参っておりますが、地域地域に計算を出せば、ある程度の計算はできないことではないと思いますが、いまちょっとその用意はいたしておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 財政局長、地方財政の立場から、都道府県あるいは市町村、そういうものが今後五カ年くらいに地方財政の面から公害防止に一体どれくらいを割り振るのか。こういうことは自治省のほうでは全然計算しておりませんか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) いま植松審議官のほうからお話がございましたのと大体私ども同じでございます。具体的にこの五カ年なり十カ年で大体どれくらいの事業ならばこなせるということを計算するのはかなりむずかしいわけでございます。と申しますことは、公害防止対策事業というものの中身は、いまの下水道が大きなウエートを占めておりますけれども、それが普通の公共事業の中で、あるいは都市的な施設の整備事業の中に公害防止に役立つ関係の事業というものが入ってくるわけでございますから、そういう面で非常にむずかしい。それを取り出して考えていくということにいたしますためには、やはり公害防止についての計画ができ上がりまして、それによって見通しをつけるということが必要だと思います。下水道について申しますと、この二兆六千億というのはたしか全体としての計算になっているわけでございますが、それでも毎年たしか三〇%以上伸ばしていかなければならない。この二兆六千億を消化いたしますために、平均でございますが、三〇%以上伸ばしていかなければならないように私、記憶しております。したがいまして、下水道事業の実行を確保するということだけを取り上げましても相当努力を要するわけでございます。これにつきましては、しかし私どもとしては五カ年計画が十分達成できるような用意はぜひいたさなければならないということでいろいろ検討いたしておりまして、それを中心にいたしまして清掃施設整備の五カ年計画、あるいはほかの公害対策関係の事業経費というようなものは、これは少なくともそういう計画を立てていきます限り、総額のめどはまだはっきりつきませんけれども、これは当然こなしていくように自治省も努力していかなければならないというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 自治省のおやりになることはこの地域だけのことではないと思いますがね。実際問題は計画地域もあるし、計画外地域もあるわけですな、実際問題としては。そうすると、いままでの地域の社会資本のおくれということは、地方財政白書なんかでも、あるいはその他の政府の発行するいろいろな白書類でも、そうしたことは常に言われていたことです、ここ五、六年ね。社会資本の充実をしなくちゃいかぬというふうなことが言われてきたわけです。そうしますと、自治省あたりでは将来の地方財政の内容として、公害防止に対して一体どれくらいの費用を地方財政の中で割り振っていかなければいけないのか。これは今後の都道府県、市町村に対する私は大きな指針になるはずだと思うのです。私は、少なくとも、十年という見通しはっけにくいにしても、五年くらいというものはつけられると思うのですね。それは公害防止計画があるなしにかかわらず、当然そのくらいのものはそうあるべきだというものは出てくるんじゃないかと思うのですが、そういうものはやはり防止計画が次から次に出てこなければ、自治省の財政当局としてはできないというのか。あるいはある程度そういうものをやってみる−いまはやっておらないようですけれども、やってみるつもりがあるのか。どうですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) いま申し上げましたのは、お話がございましたように、私どもとして公害防止計画策定地域だけの問題ではございませんけれども、結局公共事業費の一部、相当な部分になるかもしれませんが、そういうものの内容が公害防止事業になるということでございます。したがいまして具体的な数字というか、公害防止対策事業だけを取り上げた数字というものがまだはっきりつかめないということを申し上げたんでございますが、全体としての公共施設整備に対する必要な経費、もちろんその中の一部になるに相違ないわけでございまして、その点では、たとえば下水道につきましては、五カ年整備いたしますと、いまの普及率二二%ぐらいのものが三八%になる、こういう関係の点については当然に消化できるように考えていかなきゃなりませんし、私どもの考えておりますところのいわゆる長期ビジョン、今後十年間の計画では、公共施設の整備に必要な経費として百十一兆円というものが必要だという一応の見込みを立てております。それだけのものを確保できるためには相当の努力が必要でございますし、いろいろ考え方の基礎を変えてもらわなきゃならない問題もありますが、この中にも当然含まってしまうというふうに私ども考えております。それだけのことができれば問題の事態は相当以上に改善されると思いますが、そういう面で、当然私どもとして公害防止事業さえも消化できないということを申し上げているわけじゃありません。それは公共事業とか公共施設整備の一部でございますから、当然消化してしまわなきゃならないわけでございますけれども、現実に具体的に公害防止関係の事業費としてどの程度の額というものを想定するかということははっきりしないということを申し上げたんでございまして、今後そういうものをやはりどの程度のものという一応の見込みを立てて考えていくべきじゃないかというお話でございます。私どもぜひそのようにいたしたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その辺が今度の地方選挙の中にも私はある程度、全部とは言いませんけれども、ある程度市民の意思というものは私は表明されていると思うわけですね。だから公害がひどい地域においては、それは革新であれ保守であれ、そういう点についての市民の批判というものは私は出ていると思うんです。そういう点で、やはりそういうものを積極的にやるという市町村もあるでしょうし、あるいはそういうことはあまり手をつけない、実際に公害が出ても具体的には手をつけないという市町村も私はあると思うんですね。そういう意味ではある程度国のほうでは、それは強制するわけではないにいたしましても、私は大体この五カ年間で都道府県・市町村の財政の中で、このくらいの割合は当然とるべきであるというものをやはり早い時期に示していくことが、公害国会を成立させた国民の要望でもあるでしょうし、こういう法案をつくらざるを得ないという国民の要望でもあると思います。自治省としても、実際公害防止の具体的な事業者というのは国じゃなくて市町村・都道府県の場合が多いわけなんですから、私はぜひそういうものを早い時期にひとつ計画をおたくのほうで立てて、まあ一年ぐらいあれば、いまはコンピューター時代ですから、そんなものは立てられると思うんですが、どうですか、一年ぐらいの間にそういうものおつくりになってもいいんじゃないでしょうか。どうですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) お話しの御意見につきましては、私ども全くそのとおりに考えております。この関係の事業につきましては、そう言うとあれですが、実際問題として非常に新しい行政でございまして、その施策がまだ十分整っていないという段階でもあるわけでございますから、見当がなかなかつけがたかったわけでございます。今後そういう意味での計画もだんだん進んでまいるわけでございますから、私どもなるべく早く、もちろん一年ぐらいの間には見当がつけられそうなものだというお話でございました。私どももなるべく、一年と言わず早ければ早いほどいいと思っておりますが、そういうような大体の大まかなことになるかもしれませんけれども、大体この程度のものをそういう公害防止関係の経費あるいは財源として考えていくべきだというようなものを打ち出してまいりたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 企画庁お見えでございますか。——今度水質汚濁防止で、いままでは地域指定ですか、そういう形で、全水系、一つの水系の全部にわたってそういう基準をきめてなかったと思うんですね。ここからここまではこれは工業用水に使うのだからこのぐらいでいい、ここからここまではこれは上水道に使うからこのくらいというようなことできめておられたわけですが、今度の場合には、それを全体的にきめていかなければやはり先ほどの計画との関係が具体的に私は出てこないんではなかろうか、こういうふうに思うんですが、そういう環境基準の張りつけが終わっている水系というのは何水系ぐらいあるわけですか。

西川喬経済企画庁審議官

○政府委員(西川喬君) 私どもで環境基準の当てはめを終わりました水系、これは水系でございませんで水域でいっておりますものですから、ちょっと水系の数とは狂ってまいりますが、一応いままで正式に閣議決定をいたしましたのは四十九水域でございます。それで、すでに審議会におきまして審議を終了いたしまして近く——実は諸般の事情がございまして閣議決定が延びているわけでございますが、これが三十一水域ございます。合わせまして、一応ただいままでの作業といたしまして八十水域というものにつきましての環境基準の当てはめが実質的に完了いたしたという状況でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これはどうなんですか。今後やはりいままでのような水域主義でずっと押して、そして一つの水系の全体をカバーしていく、こういう考え方なんですか。このほうはいままでどおり計画に入る地域だけ、そういう指定水域といいますか、そういう形で進めていくのかどうなのか。この辺が将来、計画についても、下水道整備ということについても、これはかなり問題が私は出てくると思うわけですね。そういうことがない地域、特に中小河川ではそういうものがされていない場合がかなりあるんじゃないですか。どうなんですか。

西川喬経済企画庁審議官

○政府委員(西川喬君) その点でございますが、先般の臨時国会で成立いたしました水質汚濁防止法、これによりまして排水基準のほうは一応ナショナルミニマムとして全国一律にかけておるということにいたしておりますが、環境基準につきましては、これはそれぞれの水域の特性があるわけでございまして、一つ一つこれはどの類型に当てはめるということを決定いたしませんと、実際にはっきりしないということがございます。ですから、やはり当てはめということは残るということになっておるわけでございますが、いままでのような行き方で国が一つ一つ当てはめを行なっていくということでは、これは非常に時間の問題もございます。そのようなわけで、前国会におきまして公害対策基本法の環境基準のほうの改正によりまして、これを県知事へ委任することができるということが法律の改正で入ったわけでございます。それで、現在そのほうの委任する方法につきまして関係各省と詰めているわけでございますが、大体方向といたしましては、非常に二府県以上の利害関係が問題となりそうな県際河川、物理的な県際河川ではございませんが、実際に上下流あるいは対岸同士で利害が相反して、その調整を必要としそうな限られた県際水域なり県際海域、これにつきましては国に残しておきまして、その他の水域につきましては全部この当てはめのあれを県のほうへ委任するという方向で現在手続を進めておるところでございます。そういたしましすと、今後県知事さんのほうにおきましてその実際の実情に応じましてどんどん環境基準をきめていっていただきたい。これは、当然水質汚濁防止法におきまして全国一律基準がきまるわけでございますが、さらにこの一律基準に上乗せ基準をつくろうというときには、いわゆる環境基準の達成を目標として、よりきびしい基準を設定するということになりますから、環境基準が定められておりませんと、上乗せ基準の根拠がないということになりますものですから、県のほうでこの上乗せ基準をつくるというときには、必ず県知事さんのほうにおきましては環境基準をその水域についてつくらなければいけない、こういうことになります。そのような方向で今後は、公害問題としての重要な地元の問題でございますので、県のほうにおきまして大いに推進してもらいたい、このように考えておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 知事のほうに委任して上乗せをしていくことはけっこうでございますけれども、しかし基本になる企画庁のほうのそうしたものが明確になってないと、委任しても県としてやりにくいんじゃないですか。そういうものなしでも、基準になるものなしでも、それは県としては自由にどんどんやっていっていいんですか。どうなんですか。

西川喬経済企画庁審議官

○政府委員(西川喬君) 環境基準の基本方針につきましては、すでに御承知かと思いますが、河川につきまして六類型、湖沼につきまして四類型、それから海域について三類型という類型で基準値をきめておるわけでございます。しかも、それぞれの類型に該当いたします利用目的の適用性——そこの水域にどういうような利用があったならば少なくともこのくらいの、これ以上の類型のあれは確保していかなければいけないというようなものを基本的にきめているわけでございます。それに従いまして当てはめを行なうわけでありまして、従来すでに当てはめを行ないました八十水域におきまして県のほうとも十分協議いたしておりますから、県といたしましてもその考え方というものはもうすでに浸透しているかと思いますが、われわれといたしましては、今後は実際にその当てはめを行ないますときには、事前に経済企画庁のほうに通知をいたしてもらうことにいたしております。その通知によりまして十分行政指導を行ないたい、このように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いまおっしゃたようなそういう点が、いままでそういう点を企画庁のほうがおやりになってきたというようなことで、まあ企画庁のほうが県を指導してきたということだろうと思うんですが、そういう点で、県自体がそういうものをやっていくということについて、各都道府県——まあ先進的なところはとんとやっていけると思うんですが、おくれているところではそういうものをやっていくのにかなり勉強しなくちゃやっていけないという実情が私はあるんじゃないかと思うんですがね、その辺の何といいますか、都道府県のそういう担当者に対する連絡というものもまだ十分行なわれていないんじゃないか。そういう人たちの研修というものも十分済んでいないんじゃないか。そういう面がかなり進ませなければならないにもかかわらず、あまり進ませていないというような感じを私は持つわけですがね。そういうことについては今後どういうふうにしておやりになるつもりですか。ただ一ぺん連絡があればやっていくという形なのか。ある点では担当者も集めてその辺の問題をはっきりさせていくということなしには、どうもそういう点が進まないんじゃないかという気がするんですが、どうですか。

西川喬経済企画庁審議官

○政府委員(西川喬君) 従来水質保全に関しましては、実は非常に国の直轄的色彩が強かったということでございます。指定水域も全部国が行ないます、それぞれの基準も全部国がつくる、調査費も全部国が委託費として予算を確保するというような形でございました。現在企画庁におきましては、スタッフが水質専門ばかりのスタッフといたしまして二十数名おるわけでありますが、このスタッフが従来は全部直轄的な仕事にかかっておったという状況でございました。そのような観点で、先生がただいまおっしゃいましたように、いわゆる先進県はともかくといたしまして、まだ公害問題がそれほど大きくない後進県におきましては、確かに直ちにいまいろいろな権限を委任されましても能力的に問題がある点もあることは事実でございます。それに対しましては、従来とも、私ども一応この水質に関します研修会と申しますのは一年に一ぺん開いておったわけでございますけれども、今後はこの研修会というものをもっと強化していかなければいけないだろうというふうに考えて、その方法を検討いたしております。それからさらに、現在、その直轄的な仕事をいたしておりましたメンバーが今後は全部行政指導のほうに回せるわけでございます。それで、実際自分たちで基準を設定し、調査もしなければいけなかったというような努力を、今後そのようなおくれておりますところの県のほうへの指導というものに大半の力を注いで、できる限り早くこのレベルが一般の先進県並みのレベルに上がるように指導してまいりたい、このように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その辺が進まないと、計画もできないし、下水道の計画もまたおくれてしまうということになると思うのですがね。これは建設省のほうはどうなんですか。そういう点はただ下水道の問題だけでおやりになっていて、そのほかとの関連というのは、これは下水道をつくるほうの立場からも進めていかないと、なかなか川が浄化されていくとか、あるいは海域が浄化されていくというようなことがなくなるのじゃないですか。建設省のほうはその辺はどういうふうにお考えですか。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) 建設省のほうでは、水質汚濁防止をする作業の一部を下水道対策という上で受け持つわけでございますが、水質汚濁防止をはかるには下水道以外の対策も必要でございますし、先生御指摘のように、そのためには一つの水質の目標、行政目標であるところの環境基準というものが先にきまりまして、これに伴って個別の排水規制の対策なり、あるいは市街地部分における下水道の対策というものが生まれてまいりまして、それらが総合化された水質汚濁対策と、こういうふうに理解をいたしておりますので、環境基準が定められた水域、もしくは定められようとしている水域、それらにつきましては、流域全体をとらまえた流域別の下水道整備総合計画というものを府県の知事さんに策定していただきまして、その総合計画のもとに個別の事業計画が動いていけるように、先般の下水道法の一部改正でそのようにいたしたわけでございますが、今年度から争ういう調査がしやすいように、国の助成も——調査ではございますけれども国の助成をして、事業計画の立案をする、こういうふうに考えているところでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあ当面のかなり重要な点になっている点はそういう点にあると思いますが、これは自治省としてもそれはひとつ便宜をはかってもらわなければ因ると思います。ひとつその点は、企画庁のそういうものを中心にして行政指導を積極的に進めていかなければ、計画のほうも実際には進まない、こういうことに私はなると思うのです。そうした面での技術者養成という問題については、格段のひとつ努力を払っていただきたい。これは自治省も協力してもらわないと困りますから、協力していただきます。  それから今度の法案の中で、公共下水道の幹線管渠ですね。これをはずした理由というのは一体どういうことなのか。この三地区の問題を見ましても、かなり下水道を——先ほども公害防止の事業の中で八割というものは下水道というお話があったわけですけれども、その幹線管渠というのは私一番金がかかると思うのですが、それが進まなければ、幾ら終末処理場に金を出しても、これは終末処理場、何にも働きをしない終末処理場ができてもしようがないと思うんです。そういう意味では、幹線管渠というものについてもっと進めていかなければあまり意味がないと私は思うんですけれども、幹線管渠をはずした理由というのはどういうことですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 下水道の問題につきましては、御指摘のような御意見も確かにあるわけでございます。結局下水道が水質汚濁の関係では一番まあ大切な事業ということになりますが、同時に下水道につきましては、現在、公害防止の事業という観点だけでなくて、全国的に都市に共通した、一日も早くその整備がされることが急がれている事業でございます。今回第三次の下水道の五カ年計画ができ上りましたのも、そういう観点からはかられていると思うわけであります。したがいまして、そういうことでございますから、事業量の確保ということが非常に問題だという見解でございます。そういうことと、まあ公害防止計画を策定いたしました区域における公共下水道をどうするかという問題、二つの問題をどう調整するかということになっておるわけでございますが、その場合に、全体の事業量の確保の問題ということと、水質の汚濁防止に直接寄与するという観点というものを考えまして、終末処理場が直接寄与するものであるから、これについては特別に補助率のかさ上げの対象にするというようなことに一応調節がされておるわけでございます。結局これは事業量全体を確保するという問題との関連でございますが、同時にまあそれだけでは不十分だという点もあるわけでございますので、公害防止計画区域におきますところの公共下水道事業につきましては、起債の充当につきましても政府資金を優先的に充当いたしますとか、あるいはまた、その起こしました起債の元利償還につきましては、管渠部分、流域下水道部分を含めまして、交付税の元利償還の対象にしようというようなことで、公害防止計画区域におけるところの下水道事業の実施の確保ということには万全を期したい。しかし同時に、全国的な都市の基本的施設として整備を急がれておりますところの下水道全体の事業量の確保という問題との関連で、補助率かさ上げの対象にいたしますものは終末処理場に限ったと、こういうことでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それはなるほど、水質を向上させていくという意味の直接的な役割りは、それは確かに終末処理施設が一番大きいと思う。しかし、それが集まっていって初めてそこのところでその効果をあげるわけでしょう。集まらないで横へ流されたら——終末処理場でなくて横へ流されたら、これは河川がきれいになるとか湖沼、港湾がきれいになるということにはならぬのじゃないですか。しかもいまあなたは、まあ起債である程度見て、あるいはその元利償還で交付税によって二分の一を見ていくという話ですが、大体このいまの三地域でも交付税をもらっている市町村は幾らもないわけですよ。ほとんどないと言ってもいいんじゃないですか。そうすると交付税——法文上じゃなるほどみごとに起債の元利償還の半分は見てあげますよって、いかにもたいへんな金をもらってるようだけれども、実際には幾らももらわないし、もらってるところでもこの起債部分というのは全体から見りゃごくわずか。こうして見てきますとね、たいして——それはことばの上ではたいへん恩恵を与えているようでも、実際の金額で行く部分というものになるとごくわずかじゃないですか。ですからそういう点では、私は今度のこれで、とにかく幹線管渠をはずしたという理由は——先ほどの議論に返るわけですけと、それは法文上で何とか援助をしているという姿だけ見せて、実際上はたいしてめんどう見ない、こういうことになるのじゃないですか。この辺は考え直す余地はないですかな。これは大臣にもぜひお伺いしたいのですが、こんなことじゃとても名前だけであって全然実現をされない。幾らつくったってだめでしょうが、終末処理場をつくったってそこへ行く緯線管渠がなければ。また終末処理場をつくるということになっても、その能力というものを十分に発揮することはできないわけです。ちょっとその辺矛盾がないですか、どうなんですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 先ほど申し上げましたように、下水道の整備というものは、いわゆる二兆六千億につきましては、全国の主要な都市について一斉に整備をしていくということで考えられているわけでございまして、自治省といたしましても、その四十六年度分の職業実施のために、地方財政計画の策定の上におきましても、地方債とか交付税を通じて、四十六年度の事業が全国主要都市においては十分執行できるというふうな財源手当てをいたしているわけでございます。したがいまして、そういう中での公害防止計画区域においての問題をどう扱うかということでございます。つまり、申しておりますことは、かさ上げの対象にもならない地域についても下水道事業というものは十分確保するような手当てを私どもいたしておるわけでございます。ただ、公害防止計画区域におきましては、さらに集中的に公害防止対策事業をやっていかなければならないという点、それから、いわゆる水質汚濁に直接寄与するという点では終末処理場がそういう需要度が高いということ、そういうことに着目をいたしましてかさ上げの対象にいたした、こういうことでございまして、まあそういう意味では全体としても、下水道は補助率のかさ上げの対象にならない都市においても十分執行できるような財源措置をいたしたつもりでございますけれども、公害防止計画区域におきましては特にそういう公害防止対策上の効果の問題に着目をしてかさ上げをした。もちろんおっしゃいますように、管渠部分その他についてもそういう措置をするということが加わればさらにいいではないかというお話もあると思いますけれども、それは確かにそのとおりだと思いますが、まあ全体との関連を考えました場合には、こういう措置によって十分執行を確保するということでやっていくことが考えられていいのではないかということでございます。お話にございましたように、不交付団体が現在の三地区はほとんど全部とおっしゃいましたが、全部不交付団体であります。したがいまして、交付税の元利償還の点につきましては十分なことにならない、ほとんど考えられないという御指摘は、そのとおりでございます。したがいまして、この不交付団体につきましては、私どもも起債の充当率を補助事業につきまして引き上げてまいりたいというようなことで、公共下水道事業整備を実際上やりやすくいたしてまいりたいと思いますし、また、同時に全体の財政状況等を勘案をいたしまして、不交付団体についての措置が十分でない場合には、弾力的に財政状況全体を見ながら措置をいたしてまいりたいというような考え方をいたしております。しかし、御指摘ではございませんけれども、もう御承知のように、指定都市などは全部交付団体でございますから、やはり今後の公害防止対策事業におけるところの計画区域の下水道整備という問題を考えますと、いまのこの特例法に規定しております部分がただ見せかけということでなくて、私ども相当な寄与をいたすものだというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも局長の言うのは言いのがれだと思うのですよ。六大都市なんていうのは、これはこのほかにも公害防止のやらなくちゃならぬものは多いわけですよ、うんと。実際問題として、だからそこに少しばかりやるから六大都市も恩恵があるからというのは、これは私は観念的な詭弁だと思いますよ。どうしても私はその辺が納得できないのですよ。これだけどうして——一番金がかかるのでしょう。いままでの防止計画の中でも一番主要なものでしょう。三地域の問題から見ましても、大体こういうことになるだろうという標本が出ているのですから、一番重要な事業である。それに対して、とにかくいままで四割ですよね、今度のかさ上げはたったその一割上げるだけでしょう。だから、私はそれは当然入れるべきだと思うのですね。入れれば、終末処理だってこれは完全に能力を発揮するし、公害防止の基本的な方針というものに私は役立つ、こう思うのですよね。どうも抜かした理由というのは、いまの話じょよくわからぬ。全体との関連でとかいうのは、抽象的なことばでおっしゃっているのですけれども、これはよくわからぬ。これは大臣、どうですか。これだけ抜かしたという根拠というのはどういうところにあるのですか。はっきりその点おっしゃっていただかないと困ると思うのですよ。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) われわれといたしましても、下水道事業が公害防止対策事業として重要であり、また大部分を占めることをよく認識をいたしております。これが補助率の引き上げはもとより望むところでございます。実際上もそういう主張をいたしておるわけでございます。しかし、何さま、全体といたしまして事業進捗率がおくれておること御承知のとおりでございまして、ただいま局長からもお話を申し上げましたとおり、総事業量を上げて普及率を上げたいと存じてもおりますし、またそのことが緊急の要請であることも事実でございます。それならば、補助率も上げ、総事業量も上ぐべく総力をあぐべきではないか。当然理屈の上ではそうでございます。しかしまた、いままでのいきさつ、財政上の事情等々もございまして、一挙になかなかそういかない点もございまして、御承知のような今回提案のような措置になったわけでございまして、総事業量をまず確保しながらいくと、こういうことから、ただいまのようなことになっておるわけでございます。この点につきましては今後さらに努力を重ねたいと存じております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、自治省は、あと十分の一分だけこれにもつけたいと、こう考えて、最初はそういうつもりだった。それが大蔵省あたりで削られたというのか。どうなんですか、それは。自治省と大蔵省との間で話がまとまらないで、とにかく十分の四の、いままでの下水道法に基づく財政負担しかできなかったと、こういうことなんでしょうか。どうなんですか。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) いろいろわれわれの希望は、ただいま私が申し上げたとおりでございます。それが実際上の交渉過程において具体的になっていったかと申しますと、必ずしも明確でない点はございます。しかし全体としてわれわれはそういう希望を持つ。しかし、総事業量を確保しようではないかという点につきまして、特定の下水路あるいは特例の終末処理場等についてまず確保する、こういうようなことになったわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 総事業量を確保するというのですが、これは十分の一余分に出すよりも出さないほうが総事業量が確保されるのですか。どうなんですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 結局、総事業量を確保するといいますか、ほかの都市でもやはり緊急に整備を必要とするものがあるということと、その総事業量の確保というものとが一緒になって考えられるという問題があるわけでございます。基本には、やはり下水道の施設というのは都市の基本的な施設である。したがって、都市としてその整備をするということについての責任といいますか、そういうものも当然あるわけでございます。それが現在の、私どもあまり高いとは思いませんけれども、補助率というものに一応なっているわけでございます。それを前提にして、総事業量を確保していく、二兆六千億というものを確保して緊急に実施をしていくという考え方。それから、公害防止について非常に有効な働きをするがゆえに、したがって公害防止計画を策定する地域の公共下水道については補助率を当然高めるべきだという考え方。二通りの考え方がいろいろ論議をされたわけでございますが、結局、現実の問題として中間をとったということではないと思いますけれども、直接公害防止に寄与する施設というものはその中では終末処理施設だというような点に着目をして、その部分の補助対象のかさ上げということを行なうことによって、公害防止地域におけるところの、まあ一定の期間に非常に事業の実施が多方面にわたるわけでございますから、そういうところにおけるところの下水道整備事業も十分行なえるようにいたしてまいりたい。こういうことで調節を見たということでございます。これはそういう意味で、先ほど大臣もお話がございましたが、結局、総事業量を確保するという考え方と、それから公害防止対策としての面を強調して補助率かさ上げをいたしたいという考え方との二つを調節をしたというのが現在の御提案申し上げている内容だというふうに了解をいただきたいと思うのでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、他の地域の下水道事業に費用が回せないから、そちらのほうの事業をやっていくために、これをとにかく十分の一削ったということですよね。そうすると、計画はかぶせられる。計画にかぶして、内閣総理大臣の許可を得て国から補助が行く。こういう事業だけは、これは必然的に早くやらざるを得ないということになってくると思うのですよね。そうすると、ほかの事業——今度は市町村の内部あるいは都道府県の内部から考えると、むしろほかの事業を縮小せざるを得ないというような、金の配分の問題がおそらく出てくると思いますよね。いままでそうですよね。たとえば、大きな道路には国の補助がつく。そうすれば、大きな道路だけどうしたってつくる。小さな道路については配意をしないというようなことが現実に起きているわけですよね。そうすると、どうもその辺が、計画はかぶせられて義務だけは負うけれども、ほんとうに市民が望んでおるところはちっとも進んでいかない、こういう事象というものがこれによって起きてくると私は思うのですよ。具体的に、十分の一これに対する補助を削るということによって、一体どのくらいの額になるのですか。そういうものが計算されているから、十分の五でなくて十分の四にしているわけでしょう。ただ観念的にやっているだけじゃないと私は思うのです。いまおっしゃられたことでは、たとえば十分の一を削ったということによって総事業費の伸びがどのくらい伸びるかというものがなければ、これは削った根拠にならないでしょう。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 十分の五になるのを一割削ったというお話でございますけれども……。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ほかは全部二分の一じゃないですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) これはいろいろな考え方があるわけでございまして、私どもは、公共下水道事業からいいますと、終末処理については少なくともかさ上げをした、つまり四割のものを五割にした、こういうことでございますので、一割分だけをプラスした、こういうふうにお考え願いたいと思うのでございます。決してほかの部分を十分の一削ったということではないわけでございまして、現行の制度は公共下水道全般につきまして四割補助でございますけれども、公害防止計画区域内におきますところの終末処理場については五割補助にするということでございますから、そのとおりに受け取っていただききまして、終末処理事業については一割ふやしたんだ、まず、そういうふうにお考え願わぬといかぬだろうと思います。またそういうふうに受け取っていただくのがきわめて常識的ではないかと思うわけでございます。そこで、それを削ったことによって事業量を確保したということじゃなくて、むしろふやしたわけでございますが、それがふやし足りるか足りないかという問題として私どもは考えていくべきだという点では、検討をいたしまして、それにつきましては、具体的な事業といたしましては、現在の三地区が問題になるわけでございますから、三地区につきまして、その程度のことで一体どういう形になるかということでございますが、先ほど申し上げましたような特別措置等によりまして、大体六億円くらいの増加に相なっております。それから地方債の先ほど申し上げました充当率のかさ上げ等におきまして、十六億円くらいのかさ上げによる一般財源の負担軽減といいますか、そういう問題も出てくるわけでございまして、一般財源等におきましては、全体として二十二億円程度の軽減になるわけでございます。したがいまして、下水道事業を行ないます場合に、たとえば市原市にありましては、普通でございますというと一般財源の負担が、この関係では二・二%から三・四%に上がることになるわけでございますけれども、いまのような措置によりまして二・七%程度にとどめることができる、あるいは倉敷におきましては、二・〇六%の一般財源の負担が総額でございますが、二・九%程度に上げるわけでございますが、それが二・一%程度に下がってしまうという一応の見通しをつけております。この程度の範囲に多少負担の割合を改善することもできるような見込みもつきますので、十分だとは申せませんけれども、そこでそれらの地域におけるところの公共下水道の整備ということもまずまず他の関係にしわ寄せをしないでもやっていける。私どもは楽々やっていけるとは申しませんが、実際多少の奮発をしてもらわなければいけないと思いますが、ほかの事業を削るというようなところまでいかないで、公害防止事業計画に載っております公害防止事業も実行ができるというふうな見通しをつけているわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もうやめますが、終末処理場について上げているのですが、ほかは、大体おたくのほうからいただいた資料ですが、ほかのこれに対する一号事業、二号事業、三号事業、四号事業、その他を見ても全部二分の一以上です、ここに掲げられたものは。その一番重要な一号事業の公共下水道の管渠というのは一番重要な仕事でしょう。終末処理場だけを上げたのじゃないでしょう。ほかも上げたでしょう、三分の一を二分の一に上げるとか、みんな上げているわけでしょう。あなたのいまのお話だと、終末処理場だけを十分の四を十分の一だけ上げたというふうな感じですね。ほかも全部上がっているんじゃないですか、ここにあがっているのは。しかも一番重要な事業でしょう。私はそれじゃちょっと承認できませんよ、そんなことでは。まあ国の、大蔵省が強く言うのでどうにもその点で妥協せざるを得ないというならば、そういう政治情勢もあると思いますが、自治省自体が初めからそれを抜いていたのじゃ困る。どうですか。そこをはっきりしてください。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 私がいま申し上げましたのは、あるいはことばが足りませんで申しわけなかったかと思いますが、公共下水道事業だけ横に見て先ほどは申し上げたわけです。公共下水道事業は全国の都市におきまして全部四割の補助になっているわけです、補助対象事業が。その中で終未処理につきましては、公害防止計画を策定する終末処理場については五割に上げる、こういうことを申し上げたわけであります。公害防止対策事業としてここに御提案申し上げております今回の法律の中では、これはたいていの事業については原則として二分の一、そうしてそれ以上のものは三分の二まで上げる。これは公害防止対策事業としてはそうでありますが、下水道事業を横にながめました場合には、他の都市におきましては四割補助でありますけれども、この地域の終末処理場については一割をプラスして五割に上げたということを申し上げたのであります。なぜ終末処理場だけに限ったのか、管渠部分を認めなかったのかということ、これは先ほど申し上げましたように、そもそも下水道事業というのは公害防止計画区域をつくる都市だけの問題ではない、全部の都市の問題である。したがって全部の都市との均衡において考える。あるいは都市の基本的施設としての下水道事業を急速に整備していかなければならない。そういう点において、公害防止計画区域における都市においても当然これの実施が急がれるというわけでありますから、その点において、終末処理については特別に公害防止に寄与するという観点にかんがみて、若干の補助を上げようということにいたしたのでありますが、しかしそれが適当であるかどうかということは御指摘のとおりいろいろ議論があると思います。私どもはそういう意味で、補助率の高いことを決して悪いと申しているのじゃなくて、むしろ望ましいと私自身は思っておりますが、自治省としては、現状においては、こういうことで調整をされた結果御提案を申し上げているということであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 わからぬね。

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) 暫時休憩いたします。    午後零時四十九分休憩      —————・—————    午後二時一分開会

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) 地方行政委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行ないます。  御質疑のある方は順次御発言願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 下水道課長にちょっとお聞きしますけれども、四十六年度の公害防止の対策費として九百二十三億が組まれました。その中で六百二十億ですか、これは下水道の整備補助金ということになっておると思いますが、あれは流域下水道あるいは公共下水道が補助対象になっているのではなかろうかと思うんです。その場合には、具体的に補助率というのはどういう形になっておりますか。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) 下水道事業費の中が下水道の種目ごとに分かれておりますので、補助率もそれについて申し上げますと、流域下水道につきましては、補助率が二分の一、十分の五でございます。それから公共下水道につきましては十分の四、それから雨水排除を主にします都市下水路につきましては三分の一です。それから特定公共下水道というのがございますが、これは四分の一でございます。その四種類になっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これはこの六百二十億のいま言われたこのたとえば流域下水道、金額で幾ら、そういうのをちょっとおっしゃっていただきたいことと、それからもう一つは、この防止計画地域に入っているもの、あるいは近い将来に入ることが間違いのないものというのはそのうちどのくらいあるでしょう。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) 下水道事業にかかわる総国費は、四十六年度につきましては六百四十七億四千五百万、ちょっと端数がつきますけれども、そういう数字になっております。そのうち公共下水道は、下水道事業費全体で六百四十七億四千五百万、公共下水道につきましては四百七十八億九千六百万でございます。それから流域下水道は百二十二億六千八百万、都市下水路が三十八億、特定公共下水道が七億八千一百万でございます。  それから、先生ただいま御指摘の公害防止地域の三地域の計画でございますが、三地域の分につきましては、ただいまここに資料を持ってまいりませんでしたけれども、千葉県の一部と、それから岡山県、三重県でございますが、これは全体としては現状ではきわめてわずかな数字になっております。  以上でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この下水道整備費補助が国の場合においても公害対策の一部としてそれが考えられていると、こういうふうにいたしますと、なおさら先ほどの幹線管渠に対するものは流域下水道で、いまのお話でも、十分の五だということであるならば、私はこれは少くとも公害を防止する、先ほども中央対策本部の方からお話のあった特にひどい地域、こういうものから優先的に手をつけていくという立場であるならば、他の地域の広域下水道とはやはり違った態度をとっていかないと私いけないと思うのですし、去年の公害国会で政府の統一見解として、公害防止の財政上の負担ということについては国が第一義的責任を負うのだ、こういうことを明確にされておるわけです。そういう観点からいきますと、今度の三地域の問題、今後の公害防止計画の内容でも一番大きい割合を占めておるところの下水道の費用に対して、それが国が第一義的な、しかも公害防止について国が責任を負うというこの態度というものがないのじゃないですか。その関係は一体どう考えたらいいのですか。この補助率がもっと高いというならばこれはわかりますよ。しかし、公害防止事業の一番大きい分野を占める公共下水道だけを落としているということは、国が公害防止について第一義的な責任をとる、国のほうが財政的に責任をとるということについての関係で理解ができないわけですね。半分ぐらい出してくれれば、まだそれに幾らかひっかかるぐらいの点では、国が責任をとるという統一見解があるわけです。それが十分の四だということになりますと、国が責任をとるという統一見解に違反していると思うのですが、これは大臣どうですか。この点はせっかくあのときあれだけもんで統一見解が連合審査会で出たわけですね。それとの関連はどう思いますか。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 先ほども申し上げましたとおり、多きに越したことはないわけでございますが、同時に国が第一義的な責任をとるという観点からのまた御所論でございます。そこで、下水道につきましてはいろいろ考え方もありまして、主要な公害に直接関連するところの特別の公共下水道及び特定の都市下水路及び終末処理というものを引き出しまして、これに対する二分の一を下らざる特別の補助をしたいということで、公害に関する部分は十分措置がされているじゃないかという所論もございまして、とこらの点につき、われわれはそれ以外についてもやはり下水道につきましては考うべき点があるのじゃなかろうかということを考えておるわけでございますが、いろいろそこらの所論がありまして、少くとも典型的なものについては抽出をして特別の措置をしたい。この意味におきまして、国の第一義的責任という点については、あるいは御議論もございましょうけれども、少くとも最少限度の措置はされておるものと、その趣旨は十分くみ取っているものと、こう考えておるような次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大臣ね。なるほどこのいただいた資料をずっと上から下まで数字だけをこの紙の上だけでながめてみると、なるほど二分の一、二分の一、二分の一と、こう並んでおりますからね。私はそういうふうに紙だけ見れば、確かにそう思うのです。実質的には一番公害防止の大きな事業の公共下水道の管渠に対して、この地域については除かれているということだと、私はいま大臣が言ったようなことにはならぬと思うのですが、なるほど、その他の緩衝緑地とか屎尿処理施設だとか、産業廃棄物の処理施設だとか、そういう点では、二分の一ですから、まあまあぎりぎりのところでそういうことができると思うのですが、一番大きな事業の公共下水道でそれが四割ということじゃ、どうもいまの大臣の答弁あまり何といいますか、ちょっとそれているように私は思うのですけれども、どうですか。もう一回聞いておきたい。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 重ねて申し上げますが、下水道関係の中でもここに抽出いたしましたように、特定の下水、公共下水道及び特別の都市下水路及び終末処理というものを抽出してまいりまして、それに二分の一という補助率を特記いたしたわけでございまして、十分そこいらを見ていただきますと、もちろん竹田先生御指摘のように、さらにそれ以外にもすべしという議論も成り立ちますし、また、これが望ましいことは私も同意見でありますが、少なくとも、ただいまの処置がされている点におきまして、国の責任というものについては最小限度少なくとも考えられておると、こう私どもは考えておる次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 たいへん遺憾でございますけれども、大臣のいまのことばはそのままそっくり私はお返しをしておきたいと思います。私はそういうことを聞く耳を現在のところ持っておりませんので、そのままお返しをしておきたいと思います。いつまでもこの議論をやっていてもしようがないですから、非常に自治省が本来の立場を私はほんとうに守っているというふうには考えられないということを申し上げておきたいと思います。  次に、下水道課長にお聞きしたいのですが、この地域内においても、今後受益者負担ということで住民から負担金を徴収していくというあり方は、これはこの地域においても、いままでのように三分の一ないし五分の一という形でこれはやっていくおつもりですか、どうなんですか。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) 公共下水道事業を実施していく場合に、公共下水道事業の整備区域が、一つの行政区域の中で整備区域が非常に特定をされるわけでございますが、その特定されたる区域の中の土地の所有者、主として所有者になりますが、それらの方々が下水道の整備をされることによって受益がある、こういうふうに判定をされる場合には、市の条例でもって、根拠法は都市計画法を運用いたしておりますが、市の条例で受益者負担金の条例を制定している都市が多数ございます。この三地域の中でも、たしか岡山県の倉敷市とか、そういうところでは受益者負担金の条例をつくっているかと思いますので、その条例が存する限りその条例に基づいて適切な運用をされることになると思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いままでにあるところは、これは実際既定事実で、取っているところはなかなか一挙に廃止するというわけには公平の原則から言ってもできないと思いますが、これからのところは、これから下水道を設置していくというところにおいては、少なくともそういう形で、税金の二重取りと言って私はよかろうと思うのですけれども、そういうものは私は廃止していかないと、下水道事業は、世界各国から見ても、GNPが自由世界で第二位という、こう言っているところで、せいぜい都市で二五%になるかならないかというような実情だと思うのですよ。そうしてそれが今日公害につながっているということを考えてみますれば、当然私はこういう受益者負担という制度そのものについても、下水道を整備し、公害をなくしていくという上では、やめるのが適当ではないかと私は思うのです。特にこれが大きな都市においてはほとんどやられていないわけなんですね。横浜でも川崎でも、あるいは東京都でもやられていないわけです。それで、ここに住んでいた人たちが実際はここを逃げ出して、その近郊に行くわけですね。そこで下水道の負担金を取られるということになりますと、これは私はかなり抵抗を感ずると思うのですよ。先ほどの計画をつくる上においても、こういう負担金を取るのか取らないかということは、やはりその計画の中に重要な意味を私は持ってくると思うのです。そういうように考えるならば、この受益者負担条例によって税金の二重取りをやっていく、このことは私はかなり問題があるだろう。しかもその取り方にも、たとえば高層建築のところから取る金額も、あるいは平家建てのところから取る金額も、同じこの床面積で取っていく、地積で取っていく、こういうことになると、実際の下水道の施設に対する利用率といいますか、そういう基本的なものにおいてもこれは変わってくるわけですね。そういう意味において私はこれは廃止すべきだと思うのですが、どうですか。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) 受益者負担金の問題を含めまして、公共下水道の財源をどういうようにしていったらいいだろうか、こういう問題につきましては、国の財源なりあるいは地方の財源を総括して下水道の建設費が出てくるわけでございますが、その中で明らかに受益があるというように市民の皆さんもお考えになるところでは、先ほど申しましたように、都市計画法の運用によりまして条例をつくっておるわけでございますが、そういうような条例をつくるときにいろいろな議論がございます。もちろん先生ただいま御指摘のように、土地の面積だけに応じて受益をはかるということが適切であるかどうか、あるいは建物の高さ、あるいは平家建てのところ、あるいは二階建てのところ、いろいろな土地の形態がございますので、それらの状態を踏まえてどういうようなやり方をしたらいいのかということは、条例できめることでございまして、住民の意思によって一つの合意に達したやり方を運用しているのが実態でございます。これは国の事業ではございませんので、国のほうでそのような仕組みをとるということではなくて、市議会で条例をきめて、それを運用するということになっておるわけでございます。  それからその次に、今後そのようなことに対する方針いかんという問題でございますが、これにつきましては、先般下水道法の一部改正、第六十四国会でございます、その一部改正法を国会で御議論いただいたときに、国会審議の過程で衆議院及び参議院の建設委員会におきましても、それらの問題についてかなり突っ込んだ議論がなされました。結果としては、附帯決議がついていることは先生御承知のとおりでございます。この附帯決議におきましても、この受益者負担金の問題について、将来、国の補助率なりあるいは国が補助対象事業にする範囲というものを拡大をしていくことを前提にして、その過程において検討をすべしという趣旨の附帯決議がついておるわけでございまして、建設大臣も、その附帯決議を尊重して、将来そういう受益者負担金に見合う何らかの財源を含めて検討するということで答弁をしておるわけでございまして、私どももそういう趣旨に沿って考えていこうということでございますが、現状直ちにこれを、ほかの財源を見つけられない現状でこれを直ちに廃止するということは困難であろうというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、ひとつ確認しておきたいのですが、たとえばそういう条例ができなかった場合、その場合には国のほうは補助金は出しますか、出しませんか。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) 現在国の補助金は、たとえば先生御指摘の東京、横浜はじめ大都市はそういう制度を条例に基づいてとっておりませんけれども、現実に補助金は出しております。全国で一番大きな補助金を受けているのは東京都の下水道局でありまして、現実に出しておりますから、将来ともその条例がつくられないからといって補助金を直ちにやめる、そういうようなことは毛頭考えておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、建設省のほうでは下水道をある地域へつくっていくという場合に、負担金をとるような指導、こういうことは一切しませんね。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) これは先ほど来申し上げておりますように、市議会で条例をきめることでございまして、下水道事業を実施していく現在の財源構成の中で、国の補助金も私ども必ずしも十分だとは思っておりませんが、国の補助金が現状のままで、あるいは国からの財源の付与が現状のままで不十分であって、やはり受益があると、こういうふうに判定をされて条例をつくられるということにつきましては、公共団体の意思でございますから、それに対してどうこうというふうには考えておりません。  それからなお、公共下水道事業は、先生御指摘のように終末処理場もございますし、あるいは太い幹線もありますし、それから住民の方々のちょうど台所の先のほうまで入っていくような枝線等もございます。それら全体を含めまして公共下水道が機能をするわけでございます。現状では、国の助成は全施設に対して国の助成を行なっているわけではなくて、たとえば終末処理場であるとかあるいは幹線もしくは幹線に準ずるようなもの、これに対して国が助成をしておるわけでございます。枝線はこれは単独事業ということになっております。しかしながら、その単独事業を実施する過程で、一部受益者負担金もその中に充当されて幹線と枝線があわせて整備される。しかもなお枝線のほうに受益者負担金が充当される、こういうような運用をされているのが実態でございまして、そういうような枝線の整備の費用を住民の方々の受益者負担金その他含めてされている場合には、その枝線の整備に見合う幹線なり終末処理場の整備をいたしませんと全体として機能いたしませんので、国のほうでは、そのような幹線あるいは終末処理場の整備には、やはりそれに適応する助成策をとらざるを得ないのではないだろうか、かように考えているところでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 こまかい点に触れたくないわけですが、その枝線というのは、大体常識的に言って径何ミリぐらいのやつを枝線というのですか。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) これは処理区域の大きさなりあるいは排水面積の大きさによって異なると思いますが、非常に大ざっぱに平均的に言いますと、パイプの内径でたとえば四百ミリ以下ぐらいのところが一般の状況であろうと思います。これはもちろん排水区域あるいはその排水の面積によってパイプの大きさが変わりますけれども、非常に平均的に言えばそのくらいであろうと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 時間がありませんので次に移るわけでありますが、この二条三項の各号の事業の中に流域下水道を含めなかった理由。それから地盤沈下対策としての工業用水道あるいは河川の汚濁によって上水にいままでの井戸水が使えなくなった、あるいは水位の低下によって井戸水が使えなくなったという場合に上水道を布設しなくちゃならないのですが、そういうものに対して、この中では抜けているわけでありますけれども、どうしてそういうものを抜かしたのか。地盤沈下というのはこれは公害の定義の中に入っていると思うのですが、そういうものを抜いた理由というのはどういうわけですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 地盤沈下対策事業として公害防止関係の事業というのが当然考えられるということは御説のとおりだと思いますが、地盤沈下対策としておもな事業といいますのは、いわゆる高潮の対策事業でありますとか、あるいは地盤沈下のための工業用水道事業、それから地下水のくみ上げを制限をするというようなことになるわけであります。高潮対策等の事業につきましては、どちらかと申しますと災害復旧的な事業として従来から取り上げられておる、あるいは災害防除的な事業として取り上げられている、こういうかっこうでありますので、対象事業から一応はずしているわけであります。それから、工業用水道事業についてもお話のような点は確かにあるわけでございますが、これは現在の補助率につきましても、地盤沈下の場合には多少普通の工業用水道事業より補助率がいいわけですけれども、それ以上の点につきましては、やはりこれは一般的には事業者の費用負担によってまかなわれるべきもの、つまりそれは使用料と申しますか、そういうものでまかなわれるべきものと考えられますので、そういう面で今回の公害防止対策事業の中に取り入れなかったのでございます。それから、水道事業につきましてもお話のような点は出てくるかと思いますけれども、現在のところまだそういう地盤沈下対策のために水道事業をやるというような具体の例にも接しておりませんので、いまのところはこの対象として取り上げるということをいたしておりません。  それから流域下水道でございますが、流域下水道につきましては、これも補助率が高ければ高いに越したことはないわけですが、これはすでに現在二分の一という補助率を持っておりますので、これは一応対象からはずしておると、こういうことでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 財政局長、あなたの御認識では、地盤沈下というのは海岸の高潮対策で、その地域においてのみ地盤沈下ということが起きているのだというふうに大体お考えだから、そういう高潮対策があるから要らないのだ、こういうふうに私は受け取れるわけなんですが、今日工場が内陸地域にどんどん入っていくわけです。そういう地域に新しい工場ができて、そこでまあ工業用水がないから地下水をどんどんくみ上げている。しかしこれが、いまあなたは、それは企業が工業用水を引くためにその負担に応ずべきだと、こういうふうにおっしゃったんです。実際、どこの企業が地下水をくみ上げて、どれだけくみ上げているから地盤沈下がこういう形で起きたということは、測定にどのくらいかかると思いますか、それがわかるのに。あなた自身すぐわかると思いますか、そういうこと。どういうように思っておりますか。そんなに簡単に、AならAという企業が地下水をくみ上げているからそれによって地盤沈下が起きたと、そんなに簡単にわかるものですか。どのくらいかかるとお思いですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 専門的な事柄でございますので、私どもはまあでき上がりました結果についての問題としていま申し上げておるわけでございまして、その工業用水道をつくらなければ地下水のくみ上げによる地盤沈下というものを防ぐことができないという状態の認定ができるということになりますためには、やはりそれは相当な時間的な経過がありましょうし……。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 何年くらいかかると思いますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) また同時に、あるところの地下水のくみ上げによってそれがそうなったと、直ちに因果関係がはっきりするかということは、よくわかりませんけれども、まあ結局そういう疑いのある場合に、行政措置なり法律措置としてどういうふうに地下水のくみ上げを規制していくか。地下水のくみ上げを規制していった結果、そのかわりとして工業用水道事業というものが出てくる、こういうふうに私どもはなるんだろうと思います。したがって、まあそういう場合には現在工業用水道事業の補助率も、地盤沈下対策のための場合には通常の補助率よりもたしか一〇%補助率を上げているのが状況でございます。そういうことで、それ以上の負担については、これは下水道の使用料によって負担をしていくべきものだと、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 植松さん、あなたどのくらい、地盤沈下の現象が起きて、それがどこどこの工場がくみ上げて地盤沈下が起きたということを決定できるまでにどのくらいかかると思いますか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) おっしゃるとおり、実際の原因結果を突きとめるというのは非常にむずかしいと思います。実は、例の事業者の費用負担法の審議の際にもその点が問題になったわけでございます。そこで、私、どの程度かかるかということを正確にいま技術的に申し上げるだけの用意がございませんけれども、いま財政局長のほうが答えておりましたのは、この原因者、つまり地盤沈下の原因者に費用を負担させるという意味ではなくて、工業用水道が布設された場合には、その工業用水道を利用する利用者というものは特定するわけでございます。そこで、その特定した利用者から工業用水道の水道料金という形で相当の事業費が回収できるという意味だと思います。それで、先ほど申し上げました事業費事業者負担法の場合におきましても、理論的には、その原因結果が突きとめられた場合には、それに初度投資の費用負担をかけることも可能であろうけれども、実際問題には非常にむずかしい。そこで、さらに現在の工業用水道の布設の実態を申しますと、非常に先行投資的なものが多いわけでございます。そこで、特に原因者に対して建設費を負担させるということはむずかしいけれども、先行投資をいたしまして、それで将来その工業用水道を利用する者から水道料金という形で漸次建設費を償還していくと、こういう考え方であるかと思います。したがいまして、その原因結果を突きとめることがむずかしいけれども、しかしこの工業用水道料金という形でもって相当の償還を期待できるということは、これまた事実ではないかと、こういうように思うわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも非常にのんびりした話ばかりされていて、実はこれは困るのですね。実際内陸部門において、地盤沈下で実際問題は家がひっかたいで、そこには現実に住めないというようなものが幾らも出ているのですよ。ごくこのくらいのたんぼにいたしましても、地盤沈下によって、その中にさらにあぜを幾つかつくらないと水が保持できないというような事態は幾らでも起きているのですよ。そうして、さらにそれじゃどこが水をくみ上げ過ぎているかということを調べる方法って現在ないのですよ。たとえば具体的にここは工業用水道を引く地域だというふうに地域指定されれば、それは、その工場へ行って検査することできますよ。毎分何リッターくみ上げているかということは調べることはできますよ。しかしそうした地域でないところは、立ち入って調べる権限がないのですよ。せいぜいある意味で無理をすれば保健所が水質の実態を検査しよう。行ってせいぜい入るだけであって、水量を検査するということは、立ち入り検査はできないですよ。断わられるのですよ。そういう状態で、家はひっかたがるし、基礎は割れてしまうし、そういう事態が内陸地帯ではどんどん起きているのですよ。それを調べるのに、あちらこちらに井戸を掘って水位を調べて、結論を出すというのは五年以上かかるのですよ。どうですか、そういうものをそのままに放置しておいていいんですか。私はかなりこれは手を入れなければいけない問題だと思うのですよ。どうですか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) それはまさにおっしゃるとおりであると思います。それで、この工業用水法というのが御承知のようにあるわけでございます。それで、先ほど申されました立ち入り検査権は、これは工業用水法に定められているわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 地域でなければはいれないでしょう。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) それで、現在立ち入り検査はあるわけでございますけれども、問題は、確かに厳密な困果関係を突きとめることはむずかしい。そこでやはり地盤沈下の現に著しい地域について、しかもその周辺の工場の地下水の採取状況等から見て、やはり大きな原因が工業用水採取にあるというふうに認める場合には、そこに地域指定を、いまおっしゃいましたように、いたしまして、そこで先行的に工業用水道を布設すると、これは確かに、たとえば大阪のように、相当の工業用水道布設によって相当顕著に地盤沈下防止対策という上において効果のあった地域もございますし、相当工業用水道を布設いたしましても、まだ他の原因がある、十分にその原因とマッチしておらない結果だと思うのでございますけれども、必ずしもその地盤沈下が食いとめられていないというところもあるわけでございます。しかし、確かに地盤沈下、おっしゃいますように非常に重要な、今後に残されたあるいは現在われわれが直面しておる公害の中の重要な項目であることは十分自覚しておるわけでございます。たとえば今度の環境庁設置法におきましても、そのための、従来この工業用水道の布設に関しましては、地盤沈下対策審議会というのが企画庁にございまして、それで各省が寄り集まって、そこで審議をするというような仕組みであったのですが、環境庁で特別の担当の課を設けまして、本格的にこれは取り組まなければならないというふうに考えておるわけでございます。その重要性は決してわれわれ認識していないわけじゃないのでございますけれども、従来の対策が十分であったということはこれは確かにおっしゃるように申せないと思いますが、現在のような状況、いま申しましたようなことで考えておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その重要性がそれだけわかっているのならば、こういう地域の工業用水道を引くという問題についても、国の補助率を私は引き上げるべきであるし、これは実際問題、おっしゃられたように実際どの企業がどれだけくんでいるからこうなっているかというところは実際わからないのですよ。しかも、そういう地域が将来工業用水をどれだけ必要とするかということだってそれはなかなかわからないのですよ。そういう地域こそやはり地方自治体が責任を持ってそうした措置を私はやっていかなくちゃいかぬと思うのですよ。どうですか、財政局長。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 地盤沈下対策事業について、お話のように、非常にいろいろな措置についての十分でない面がある、これをしっかり整備しろという御意見でございます。私どもそのこと自体について、そういう措置なり対策事業なりというものが明確になってくるということはぜひとも必要であろうと思いますが、現在のところそういう点についての諸事業というものの整備というものが現実にはまだ十分なところまでいっていないということも一つあろうかと思います。したがいまして、現在のところは、先ほど申し上げましたように、地盤沈下対策事業としてのいわゆる防潮堤等のような事業等を中心にして考えられているものと、それから工業用水道のようなものとがあって、それらの点については、むしろ先ほど申し上げましたような観点で、災害復旧なりあるいは事業者負担なりで措置をしているというかっこうでありますので、いまこの補助負担率の特例法のほうにこれを取り入れることをいたさなかった、こういうことであります。今後の検討によってそれらの事業についての対策措置等がとられるようなはっきりした明確な措置になってまいりましたならば、私どもとしてもこれは当然検討しなければならぬだろうと思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そういう地盤沈下の場合、家がかたいだ、危険でしようがないという場合に、住居の移転をせざるを得ないわけですね。そういう場合には、国ではこういう公害によってそうぜざるを得ないという場合には、何か住居の移転費について助成をするということは考えておられるのですか、どうですか。それは政令か何かでおきめになるのですか、どうですか。その辺。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 公害防止事業として住居移転という事業がどういうふうに位置づけられるかということでございますが、たしか事業者の費用負担の関係では、ほんとうは事業者が原因者であるということがはっきりいたしました場合には、これは当然事業者が負担するというのがたてまえであるということになるわけでございまして、しかし、その点は負担法の政令等によってその範囲等の問題等がこれから明確になるということのようでございますが、公害の一つのあらわれ方として、住宅をどうしても移転する必要があるというような問題は今後も出てまいるわけでございます。そういう意味で私どもは、現在のところこの法制の中に入れておりませんけれども、公害防止事業としてそういう必要が出てまいることも当然予想されますので、今後政令等で具体的に事業を指定する必要が起きました場合には追加していくということの一つの検討問題として考えておるところでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それはひとつ考えてもらわないと、五年もひっかたいだ家に住んでおるわけにはいかないですよ、現実問題としてね。危険この上もないわけです。しかし、それじゃ、その原因者がある特定の企業であるということを知るまでには五年も六年もかかるわけです。そんな長い期間とてもできないので、これはやはり政令事項の中に私そういう地域を入れてもらわないと困ると思うのですがね。そこを売ってほかに出ようとしたって、もうそんなところを買う人はありませんからね。土地としたって安くなっちゃうし、はっきり入れてもらいたいと思うのですが、どうですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 現在の三地区の関係を中心にして、具体的な事業と対策というものが出てまいっているものを中心にしていま整理しているわけでございます。この関係では、三地区にはいまその問題が出ていないのでございますが、先ほど申し上げましたように、原因についていろいろな差もありますし、地盤沈下というものにおけるところの住宅移転事業というような問題は、これはやはり先ほど申し上げましたように今後の検討事項として私どもは考えていかなければならないと思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 学校移転の問題はこの四号事業の中にあるわけですが、病院とか福祉施設ですね、保育園もあるでしょうし、あるいは老人の施設もあるでしょうし、そういうものは一体どういうふうに考えておりますか。やはりその他の政令で定める事項の中に入るわけですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) これもいま申し上げましたと同じでございまして、現在、三地区を中心にして考えております場合には、義務教育の諸学校の移転事業というものが具体的にあるわけでございます。したがいまして、この法律を整理いたします際にその点は一つ規定として加えているわけでございますが、防衛施設の周辺整備でございますとか、あるいは空港の周辺整備というような特別の法律におきましては、お話がございましたように、他の学校でありますとか病院その他の施設の移転という考え方もあるようでございます。で、これはやはり防衛施設等の特殊性、国際空港等の特殊性というものを考えられながらでき上がったとも思われますが、今後公害防止事業として、そういう病院とかその他のものについての移転の必要が出てまいらないという保証はないわけでございますから、これらの点につきましては、先ほどの問題と同じように、今後そういう問題が出てまいります際には、政令指定について検討いたしてまいりたいと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この三地域の計画を見ましても、都市の土地利用問題、特に再開発の問題、あるいは区画整理の問題、こういうものが公害防止との関係でやはりかなり大きなウエートを占めているわけでありますが、既存の工業地域においては、現実的にここに触れられている緩衝緑地というようなものはこれはなかなか実際問題できないんじゃないかと思うのですけれども、大体既存の工業地域というものは工場と住宅地域が密着している。せいぜいわずかな幅の道路を隔てて工場地域と住居地域がくっついているというようなことでありますが、私は、こういう地域については当然都市再開発の形で、たとえばどうしても緑地ができないというような場合には、工場があり、その次にはあるいは事務所、倉庫の群というものをつくり、そうしてそのあとに住宅というふうな、そうした措置によって、一応緩衝地帯的な——緑地ではないけれども、緩衝地帯的な都市再開発ということをやることによって、大気汚染からの影響を緩和をしていくというようなことが必要だと思うのですが、そういう再開発とか区画整理事業、そうしたものの事業というものはこの中に含まれているのですか、含まれていないのですか。含まれていないようなんですが、それはどういうことでございますか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) いまお話がございました市街地再開発事業というようなものになりますと、これは都市計画事業そのものという考え方になろうかと思うわけでございます。そういう意味では当然都市の基本的な事業、都市施設整備の基本的な事業でございます。それは、たとえば街路整備事業等がいまそういう再開発事業として行なわれて、そしてその上でそういう遮断緑地等の問題を考えていくということになるのかもしれませんが、いまの街路整備事業と申しますものは補助事業として相当高い補助率でありますことでもございますし、また先ほど申し上げましたように、これは都市計画事業として都市本来の整備事業でございますので、その公害防止対策事業の中には含めておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは再開発の事業にいたしましても、区画整理の事業にしても、かなり金がかかることですね。必然的に、そういうところにできる住宅というのは、おそらくいままでのような住宅じゃなくて、比較的高層な住宅というようなものに変わっていくと思うのですね。必然的にその間だけ事務所や倉庫を取られるといたしますれば、そうすると、いままでよりもそこへ入るにはたいへんなお金を負担しなければならないというようなことになると思うのですがね。それがただ、いままでの再開発の問題だけでなくて、公害防止の対策としてそういうことをやっていくというふうにすれば、やはりそれは二分の一程度じゃなくてさらに大きな補助を私はさして、緩衝地帯的な役割りをそういう形で補うべきだと思うのですが、これは建設省のほうではそういう場合にどういうふうに指導されているのですか。やっぱりそこに緩衝緑地をつくれという指導をされているのですか、あるいはそういうところは、いま私の言ったような、一つの案だろうと思うのですが、そういう形にしろというふうに指導されているのですか、どうなんですか。

重元良夫建設省都市局都市再開発課長

○説明員(重元良夫君) ただいま先生のおっしゃいましたような緩衝緑地自体を現在までやっております市街化再開発事業の中で直接取り上げてまいったというふうには、まだ現実にはいたしておりませんが、たとえば今後東京・江東地区等では、大地震等の対策の一つとして、かなり大規模な防災設備の再開発プロジェクトを実施いたしたいと思っております。そういう場合には当然防災拠点の役割りが、避難場所及び避難路を最低限度どうしても確保したいということでございますので、各拠点には相当大規模な避難場所、すなわち緑地ないし公園といったものを確保するという計画をいたしております。このような計画が今後いろいろな形で進められていくことになるといたしますと、当然緑地等も相当取り入れた形の市街地の再開発というものを考えていくということになろというふうに考えます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それは、一般的な市街地の再開発じゃなくて、そうした公害地域の再開発もやはり同じような考え方で、そこらに緑地をつくっていくと、そういう形ですか。

重元良夫建設省都市局都市再開発課長

○説明員(重元良夫君) 現在の再開発の事業の制度でございますが、これは土地の所有者あるいは建物の所有者等、非常に権利の、利害関係の調整が非常にむずかしい事業でございまして、再開発をやるという場合に、これが相当な規模であればあるほど、地元の再開発に対する取り組み方といいますか、盛り上がりといいますか、これが相当高まりませんと、現実にはなかなか事業のベースに乗ってこないというのが再開発の一つの特徴であろうかと思います。したがいましてそういうふうなことで、やはり公害対策としてまあ土地利用の用途純化をはかる、環境を改善するというようなことで、再開発に対する気運がそういう地区等で相当盛り上がってくるということになりますと、国のほうとしてもできる限りこれは当然に積極的に推進するというふうにしてまいりたいというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうもぴんとした御答弁をいただかないのですがね。先ほど局長、そういう場合の、さっき言ったように、二分の一の補助があるからいい、特に考える必要がないと、こういうことなのですか。何か公害防止という立場で、そういう、さっき言ったような再開発、あるいは緑地でもいいと思うのですが、実際には緑地もできないと思います。そういう形で再開発をやる場合には、やはり二分の一程度でいいわけですか。何かその上にかさ上げするというふうなことはないのですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) まあ住宅地域と工場地域とが密着しているというような場合に、それを、間を何らかの形で遮蔽するというようなことのために土地再開発事業が行なわれるということになりますと、そういう場合に、一番多くの場合は街路とかそういうものが通ずるようなことを考えるようなことになるのだろうと思いますが、そういう場合の街路整備事業というものは、都市計画法に基づいて行なわれます場合には、現在三分の二の補助率になっておるわけでございまして、まあそういう街路ができました上に、いわゆる緩衝緑地のようなそういう緑地帯とかグリーンベルトというようなものをつくっていくというようなことができます場合には、緩衝緑地等の事業の対象にも入れていくこともできるだろうと思うわけでございまして、したがいまして現行法との関連では、街路等の整備が行なわれた上に緑地帯の整備というようなものをつくるというようなことであれば、現在の特例法がその際に適用ができるというふうに私ども考えます。しかし根本の問題は、そういうような市街地再開発事業として先ほどからお話がありますような、再開発によって非常に緩衝緑地とかそういう施設をある程度中心に置いて考えていくような再開発事業ができてくるというようなことになります場合には、当然この公害防止事業の一つの問題にもなっていくわけでございましょうから、そういう場合のこととしては、さらに積極的に、そういう事態になってくればそれを受け入れて事業の実施を円滑に推進するために検討してまいるということは起きてまいろうかと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 何か、街路をつくればそれによって公害が避けられるというような感じを受けるのですがね。あとは何ですか、つけたりに緑の木を少し植えておくと、そういうことで大気汚染の公害、あるいは騒音も含まれると思うのですが、遮断できるのですか。これは、緩衝緑地だってかなりの幅の緑地を取っているのでしょう、奥行きは。少なくともその緑地だけで五十メートルくらいのものがなければ緑地としての役割りは果たせないのじゃないですか。それを五十メートルなら五十メートルの幅で取って、そしてさらにそれに街路をつけると、こういう考え方ですか、どうなんですか。そんなことはできないでしょう。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) まあその辺になりますと、私もちょっと詳しいことはわかりませんけれども、緩衝緑地の整備事業の中には、お話のように相当幅を取っているものもあるように聞いております。中にはリクリエーションといいますか、運動場施設までも中に入っている、言ってみれば横幅の幅広い、あるいは帯状の公園緑地的な、そういう相当大きな規模の地帯の整備をされているというような場合もあるようでありますが、現実にそういう問題についてどういうふうにこの特例法が動いてまいるかという問題でありますが、一つは、基本的にはこういう公害防止対策事業として、都市再開発事業を前提に、事業の執行を前提にしなければならぬかと思いますけれども、そういうもので非常に大きな緩衝緑地帯の整備をしていくというようなことが具体的な計画の中に盛られてまいりますならば、私どもはこのいまの御提案申し上げておりますところの法律によるところの緑地帯の整備事業というのは直接適用になるだろうと思います。しかしその前に、まず工場と住宅地を、その空間をあけていくというような再開発、それが必要なわけですから、それはいまのところは都市計画事業そのものとして考えられていくんじゃないだろうか、こういうことでもって、その後に緑地整備という問題が出てくるんじゃないかというふうに考えておりますが、これは具体の計画との関連で考えてまいらなければならぬだろうと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ひとつその点は、私は緑地だけに何かとらわれているような気がするのです。緑地だけが唯一のそういう緩衝地帯をつくるもので私はないと思う。確かに健康なおとなの働く場所と、老人や子供の二十四時間居住する地域とは、その地域というのは当然違っているはずなんです。だから、労働時間は大体ある程度制限されるし、住居にいる者は一日二十四時間いるというところから、大気汚染によるところの健康への被害の問題、そういう関係が出てくると思うのです。だからこういう緑地だけを唯一の緩衝地帯というふうに私は考えていないのですがね。これはちょっといろいろな方法が、私は緩衝地帯をつくる方法はあるのだ、こういうふうに思うのですがね。それをただ緑地だけにこういう特例を設けるという形はどうも感心しないと思うのです。街路についてはおっしゃるとおりです。それはわかります。しかしその他の住居のあれですね、高層化あるいは事務所の建設、そういうような問題がそれに付随して当然くるわけです。そういうものもこの特例に考えてもらわなければ私はいかぬと思うのですがね。どうでしょう、植松さん。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) ちょっといま財政局長の申しましたものに補足さしていただきたいと思いますが、確かにいわゆる緩衝緑地、狭義の緩衝緑地だけではございませんで、現在この三地域で実施されておりますものにつきましても、俗に言えば、大体緩衝街路だとか、あるいは緩衝水路というものもございまして、岡山の例でございますと、呼松水路というものがございます。その両側に緑地をしつらえる。それからまた百メートル道路をつくりまして、左右五十メートルに達するくらいの緑地をその両側につくるというようなやり方もございます。しかし、これはコンビナートでございますから、比較的そういう設計がしやすい面もあろうかと思います。そこで既存の住工、混在地帯におきましては、これはやはり住宅移転というものが先行しなければなりません。ところがこの住宅移転というのが、事柄の性質上もちろん強制的な要素を加えることはできないわけでございますから、どうしても息の長い、相当長期にわたった計画をなければならない。  そこで四日市の例で申し上げますと、市当局並びに県の当局は、周辺に団地をつくりまして、その団地に優先的に、公害で苦しんでおる住民の移転を勧奨する、その人たちに優先してその土地を分譲するというような仕組みをいたしておりまして、現在市営住宅の約四割があいたままになっているわけであります。これはもう少し時間がかかるわけでありますから、それが全部あきますと、その市営住宅を取っ払って団地を緑地化するというような計画でございます。  また東京、大阪で最近基本計画策定に伴いまして、私も現地を見て回ったのですが、最近までは非常に残念なことに、土地が足りないために、せっかく工場が移転した残りのところをまた住宅公団がアパートを建てるというようなところがございます。これは東京、大阪も今後はできるだけやりたくない、できるだけ緑地を確保するということでいきたい。それで、整然たる都市計画というのはなかなかめんどうな、むずかしいわけでございますけれども、いろいろな機会を利用して、いまおっしゃるような緑地を適宜設定していくというようなことで、各地方団体とも努力しておるという現状でございます。  その場合に、費用負担でございますが、もちろんその場合に原因者たる事業者が判明している場合には、事業者の費用負担法によりまして、そういう場合にもすべて費用負担の対象になるというふうに費用負担法の政令で明確にいたしたいと考えております。それから公共負担でございますけれども、公共負担につきましては、いま財政局長が答弁いたしましたように、街路につきましては都市計画事業としての補助がもちろんございます。それからさらに、先ほど申しました緩衝水路とか緩衝街路とかというものにつきましては、これは緑地部門をとらえて、一種の緩衝緑地という考え方で考えていったらいいんじゃないかというふうに対策本部としては考えております。あと住宅の高層化とか、周辺の住宅団地に移転する場合でございますが、これはどうしても起債でもってまずファイナンスをして用地を確保し、あるいはそこに住宅を建て、これを一般の住民に売却するという形になるわけでございますから、その間におきましては、やはり一種の通常の取引が行なわれるという形になるのではないかと思うわけでございます。もし土地の値下がりその他による損失、移転に伴ういろいろな損失等があった場合には、これは事業者が明らかな場合には事業者負担になるわけでございますけれども、通常の場合には、一般の資産の売買という形になるのではないかというふうに思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 非常にその点簡単にお考えになっておるような気が私はするわけです。もう少しその辺を、既存の工業地帯についてはひとつ実態をもう少し見ていただかないと、私はそう簡単にいかぬと思うのですよ。たとえば大気汚染の公害にしても、企業を確定するということは私は非常にむずかしかろうと思うのです。いろいろな企業が複合公害を起こしておるような場合が多いのです。たとえば四日市なんか、比較的工場の数が少ないところでは、私はわりあい公害を起こしている原因者というものを突きとめやすいと思うのです。京浜地帯とか、あるいは阪神地帯ということになりますと、具体的にどの工場がどういう公害を起こしているかということは必ずしも言えないと思うのですよ。一つの工場から出ている廃棄物と他の工場から出ている廃棄物がそこで化学反応を起こして特殊な公害を起こすこともあるのですから、片方が出していなければ片方は実は公害にならないという例も私はあり得ると思うのです。そういう意味で、大都市、大工業地帯の緩衝地帯というものを考えるときには、ただ単にそういう形の緑地だけを頭に置くということは、これから工業地帯のそういう緩衝地というものは考えないんだ、こういうふうに言ってよろしいと思う。どうもそういう緑地にばかり固執されている気がするのですが、もう少し緩衝地帯というような形で大きくとらえてもらう必要があるし、それから簡単に売買されてそれは買うのだと言うのですけれども、これはたいへんな額になりますよ。そういう地域に住んでいる人が一体そういう新しい住宅をつくってもらってそれが買える状態にあるのか、もし買える状態ならどっかに引っ越していますよ。買えるような状態でないから、空気が悪くてもそこに住んでいざるを得ないということだと思う。比較的低所得層の人が多いと思うのです。そういう点は緩衝緑地、緑がなければだめだ、何でもかんでもそこに緑を入れなければだめだという考え方だけで進んでいくことは、私はやはり公害防止という本来の大きな目的をそこで忘れてしまう結果になるのではないかと思うのですが、その点どうですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 私がいま申し上げることは、先生のお話に当たっているかどうかちょっとわかりませんが、もちろん緩衝緑地だけでない方法として、つまり市街地再開発、大きくひっくるめれば全部市街地再開発事業とこう言えるかもしれませんけれども、その中にはいろいろな手法がある。いろいろな手法を使ってそれぞれの実態に適したやり方ができるはずで、緑地だけではない、もちろんそのとおりだと思います。したがって、お話のように、事務所をつくるとかあるいは倉庫をつくることによって遮断をするという方法もあるではないかと言えばまさにそのとおりだろうと思います。したがって、それは個々の都市の再開発事業の具体的な計画の中でどういうふうにそれを措置していくかという問題だと思います。で、そのような広範な事業について、どこまで公害防止対策事業として考えていくかということになるわけですが、現実には、この法律で御提案申し上げておるものは、お話がございましたが、私どもそういう趣旨での再開発事業としては大いにあると思いますけれども、現実にここに並べておりますのは、いまの公害防止計画を策定しております地域がむしろまあどちらかと言えば新しいコンビナート地域であるからかもしれませんけれども、いわゆる緩衝緑地あるいは遮断緑地と言いますか、そういうのに類した事業を行なうというかっこうで進んでおる。それに多少引きずられたと言ってはあれでございますけれども、そういうかっこうでものごとが考えられている。今後それが再開発事業なり何なりがどういうふうに進展していくかということとの関連で、やはり問題を検討していくということになるのではないかと思います。しかし現在ではどうなるかと言えば、それはやはり都市再開発事業としてやっていくということになるので、直ちにこの法律が適用されるというかっこうでは、この法律ではこの緑地をとらまえておりますから、あるいはその他それに類する施設の設置ということで、どこまでそれを実態に合わして考えていくことができるかという問題でございますが、現在はまあ緑地的なものを頭に描いて考えているということでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 財政局長ね、先ほど中央公害対策本部からも言われたのですが、東京、大阪、神奈川はもう一〇〇%、そのほとんどが計画よろしいと言っているのですよ。そういう目前に来ているわけです。しかも、この地域は既存の工業地域です。全く公害を出す工場と住宅が密着している、密接にまじり合っている地域です。目の前にあるのです。将来の、遠い百年先、十年先のことではないのです。おそらくそういう問題が新しい計画の中に私は実際は話し合いがつけば盛り込まれるものだ、話し合いがつかなければもう緑地だけに限定せざるを得ないと思うのです。そういうものも考えていけば、現実に緑地はもちろん必要だと思うのですけれども、緑地をつくるに至らなくても、私はそういう緩衝地帯というものは設けられていく可能性はあると思うのです。それによって公害を防ぐことは私はできると思うのです。なぜそういうことをお考えいただかないのか。私は非常に残念だと思うのです。早急に考えて法律を変えていただく意思があるならばけっこうなのですが、どうですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) これは具体的な計画によってどういう事業が取り上げられますか、そういうものとの関連で、さらにまた検討さしていただきたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 山中大臣、何かお忙しいようですから、中途ですが私から基本的な問題について伺いたいと思います。  この法律の名前からいきますと、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置とあるのですが、地方行政委員会でやっているのですが、国の財政ということになれば、あなたのほうの関係だと思うのですが、違いますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは公害全体の私が担当大臣でございますから、私のほうでないということも言えませんし、私のほうで提出してもよかったとも思います。しかし、これは地方財政というものの上に配慮をいたしまして、そうして公害防止という特別な国家的な緊急事態に対応する事業をやってもらう場合に、国がやはり一義的な責任というものを示す必要がある。そのためにまた地方財政の無用の圧迫ということを避けなければならないという配慮をいたしましたため、自治省のほうにわずらわしたわけでございますが、あえて自治省でなければならなかったのだというふうにこだわって考えているわけではございません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そこであなたに来てもらいたいという要求をしたのですが、時間の制限があるということで、実は非常に私は不満であります。お忙しいのはだれも大臣は忙しいのですね。やはりこういう重要な問題があるときに、あなたの担当であれば快く来ていただきたい。わしは三時十五分から十五分しか行かないのだと、こういう回答を聞いたのですが、それはほんとうにいやみではないのです。法律がそうなっておりますから、そういう意味でちょっと質問いたします。  そこで、これはあなたに来てもらったのは、基本的な問題だけに限定いたしますが、いろいろたくさんありますが、そこでこの法律全体を見ますると、まあ財源的に言うと、地方財政といいましても国のほうから出るのですから、一貫すれば国の財政の特別措置になりますが、この中でいわゆる地方財政もこれに対して支出する、負担するということになっているのですが、基本的な考え方は、法律論からいくと国の財政ですべて特別措置をやるべきだというきわめて常識的な判断をするのですが、その考え方はどうでしょうか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 私も先ほどのいまの御意見、いやがらせとは受け取っておりませんが、私も沖繩委員会と大蔵委員会と出まして、いま三つ目の委員会でございまして、別段そういう——委員会にはむしろ私はどこにでも出るほうでございますから、時間のやりくりの問題だけでございます。決してそういうつもりではございませんので、御了承願いたいと思いますが、余談はさておきまして、ただいまのお考え方については、まず公害防止事業費事業者負担法というものは、まず公害発生源者たる企業が一義的に負担をすべきである、このことを明確にいたしているわけでありますし、これが国のまず公害対策の姿勢の大前提となるところであります。しかしながら、それについて国の行政が、公共事業等を行ないまする場合に、やはり普通の事業でも補助をいたすわけでございますから、それに対応する国の姿勢というものが普通の姿勢であってはなるまい。でありませんと、まず企業が負担する分というものが先にきまりましても、残りの負担の分割について特例を認めなければ地方自治体がやらなければならないことであるという、地域住民の要請にこたえるため、不当と申しますか、地方財政の運用上は予期せざる支出を必要とすることになるおそれがございますので、そこで、まず基本的な企業負担の第一義の原則を踏まえた上で、そうしてその事業の実施については一義的に国が財政上等の特例をとることによってその姿勢を明らかにしようという意味をここに特例として具体化したものでありますから、まず第一義的には発生源負担、それからその次に国、そして残りを地方で見てください、その地方についても、特別な出費を伴うものでありますから、交付税等においての格別の配慮をいたしましょうという四段がまえの考え方をいたしておるつもりでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それで、そういう論議をしていると時間がかかりますから言いませんが、現在既存のいま言われた事業者負担の総額ですね、いわゆる公害の元締めをやっているあなたとして、現在、事業者負担も入れて、一体公害を防止するために、いま直ちにではないのですが、幾らぐらいの費用が要るとお考えでしょうか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これはちょっと即座に推察の数字でも申し上げかねる点がございますが、たとえば下水道整備五カ年計画というものをことしから出発をさせますが、しかしそのときにおいては、下水道整備について、終末処理部門といえどもあるいはそれの前提となる全体の下水道といえども、公害対策というものを全般的に全国的に展開していきながら、そして周密的に公害防止計画の策定されたところをやっていくという、両者満足させなければならない国の五カ年計画としては、十分でない点があったわけであります。建設大臣とも内々相談をいたしておりますが、これらの点を踏まえて、やはり下水道五カ年計画総額あるいはその計画、そういうものももう一ぺん再検討しようじゃないかという話もしておるわけであります。まあそのように、今後私どもは公害を発生させないということをまず技術的にも政策的にも行政的にもできると思いますので、それに向かっては全力を傾注しなければなりませんし、あとは国際的に日本がどのような環境保護という地位を確保し得たか、公害を克服した経済成長国としての姿を保ち続け得るかどうか、こういう問題につながっていかなければならぬと思います。したがって予算上の、昭和四十六年度予算というものからだけの推計でもって今後の公害防止を完全に行なうための費用が幾らかかるかという点については、積算をして見通しを立ててできないことはありませんが、直ちにいまここでどれくらいで済むだろうという数字的な御答弁を申し上げかねる次第でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それじゃ通産省に聞きますが、公共的な施設、まあ国とか地方公共団体が行なうべき部門も公害防止の費用としてあると思います、確かに大臣言われるとおり。事業者が負担する、現在事業者が出しておるいわゆる公害発生源におけるその発生源を防止する費用としてどれくらいのものが概算要るという——通産省は工場等産業政策を担当しておられますが、そういうものはどう踏まえておられますか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 現在通商産業省所管の業種の公害防止に関します投資額は、大体全投資額の約五%前後であるというのが現状でございます。この投資額は毎年高まってきておりまして、実は前年度にいたしましたときにはこれは四%程度ということであったわけでございますが、最近の公害の状態から、毎年この投資割合は高まってきております。私どもはこの割合が、やはりここ数年のうちには五%から大体七ないし八%にまで上昇するのではないかというように思っております。五%と申し上げましたが、これは全体としてのならした数字でございますので、たとえば石油精製業のように公害に関係の深い業種におきましては、全設備投資の大体一〇%以上十数%が公害防止投資に振り向けられておるというのが現状でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 四十六年度の設備投資総額は幾らですか、見込みは。五%は幾らに当たるのですか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 約一千数百億に当たるというように考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 四十六年度の設備投資の五%が一千億、その程度ですか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) ちょっと、申し上げました一千数百億という数字について訂正申し上げます。四十四年度について申し上げますと、全調査産業につきまして、四十四年度の実績は千六十六億九千四百万円でございます。それから四十五年の、これは見通しでございますが、千三百四十二億三千六百万円でございます。これは実は調査をいたしました企業についてのみ申し上げましたので、全体の数字について申し上げたわけではございません。調査をいたしました企業につきまして、公害の投資額が五%であるというように申し上げたわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そうすると、年間設備投資に対しての五%でなくて、公害発生源を持つ企業の設備投資の五%、こういう理解ですか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 調査いたしましたのは、火力発電、紙パルプ等の公害型業種のみではなく、機械、化学繊維等の公害型業種でない業種も含んでおりますが、五%と申し上げましたのは、調査票を回収いたしました企業の全設備投資において公害防止投資額の占める割合でございます。公害型業種におきましては大体七・五%、先ほどの五%の占める数字で対応して申し上げますと、約七・五%というのが投資比率になっております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それは学者の資料もありますから、そういう論議はきょうは省きますけれども、そういうことでは私は今日の公害発生源の企業の公害防止の設備はとてもそれは問題にならぬと私は見ております。しかしその論議はきょうはやりません。  そこで山中長官にお聞きしますが、十四の公害立法はこの前の公害国会でできたのですが、その中の、実は調べますると現象面から立法されているわけでございますね。公害の現象面から見ると、大気汚染、水質汚濁、海洋汚染、騒音、土壌汚染とか産業廃棄物等やっていますが、やはり私は公害絶滅ということはまだなかなか今日言うべきでないと思いますがね。私は発生源、いま通産省のされた発生源企業のいわゆる調査も一応克明にする必要があるのじゃないか。まあ調査はどういう方法でやられたか知りませんが、そこまで徹底しなければ、この公害対策というものはほんとうに出てこないのではないかと私思うのですがね。なるほど現象面から見ると、大気汚染と言いましても、発電所のいわゆるばい煙もありましょうし、これはまあ企業から出ることはわかりますが、また自動車の排気ガスもありましょうし、いろいろあると思うのですね。そういうものもひとつ企業面、発生源の企業別に調査をして、克明に実は費用の算定もしておかなくちゃ、根本的な公害対策のあやまちと申しますか、やってみてもこの程度かということを言われますので、いままで下水の問題はよくわかります。これは下水に対しては私必要性はわかりますけれども、それ以外のそういう問題について、環境庁はできるようでありますけれども、公害対策本部ではそういう試みもされておるのか、またその必要があるかないか、その点どうですか、長官。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 必要は私は当然あると思います。その考え方の問題ですが、これも全く同感でございまして、まず企業がその事業場、工場等よりそのような排出をしないということが前提でございますから、したがって今回大幅に権限を地方自治体に委譲いたしました規制基準その他についても、地域の実情等を加味して相当きびしいものになりますし、今後環境庁等でさらに新しい環境基準等に適応する規制基準を設定していく作業を続けていきたいと思います。その場合において、企業においてはやはりそれに対応する設備をいたさなければなりませんので、機械の開発、そのようなものも逐次進んでまいっておりますけれども、こういうものについて、やはり利益を生まない、利潤を生まない部門の投資でございますから、ともすればそれを怠ろうとする心理は否定できませんので、やはり国のほうで、事業団融資等をはじめ畜産公害等についての農林漁業金融公庫のワクを設ける等こまかい配慮もいたしておりますし、さらに半面においては、税制の面においても、公害防止施設に対する投資については特別償却を初年度二分の一、三分の一を特例として引き上げよう。さらに五千万以下の資本金の中小企業については、それでもなおきついであろうから、三年間三〇%ずつ償却を終わるという、三〇%三年償却という特例等も開きまして、なるべくこれらのものが中小企業にしわ寄せがいったり、あるいはまた企業が社会の要請にこたえるために、それをやり得ないために、なおかつ社会からいわゆる好ましくない隣人としての排斥を受けるようなことがあってはならないという配慮は一応いたしておるわけであります。その前提としては、やはり通産行政等の実情、産業実情をよく把握しております省の協力を得て、やはり詳細な調査が必要であることは同感でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 私の考え方としては、国の財政のここに特別措置となっておりますが、国の財政とか地方財政をぼくはどれほど動員したって、ほんの一時的な施策になるかしれないが、根本的なものにならないという私の考え方なんです。そこでいま申したんですが、山中大臣はそうおっしゃるんですが、いまの産業機構というものはなかなか強力ですからね。政府が言ったからといってすぐそういうことを聞くとか聞かぬかということは問題ですが、これからできるものについては相当きつい、通産省では工場を建てる場合にいわゆる規制措置をやるようでありますが、既存のものについてはなかなかそうはいかないと思います。中小企業に対する対策はわかりました。この法律にも載っておりますが、中小企業もそうでありますが、大企業に対しては相当強制力のある措置が法律上指導されているようでありますが、はっきりした強制力が実はあるのかどうか、そう簡単にはいかない問題ですが、この点どうですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは企業に対して、今度は常時小さな、と申しては語弊がありますが、広域自治体の範囲の中において、その責任者たる都道府県知事というものが、その傘下に数千名の国の財源的な配慮を得た立ち入り検査権を持った職員を駆使いたしながら、これを常時、地域住民の声等を聞いたら直ちにそれらの調査等も行ない、また立ち入り検査その他もいたしますし、改善命令や、あるいは場合によって緊急措置等も要請することになっておりますが、これらの問題は今後は法律の実行の問題であって、いままでの観念的な議論におちいりやすかった現象的な問題から、今度は公害行政の質の問題、あるいはその実態がどのようにあらわれていくかという問題につながりますので、そこらの点は、法律の権限の大幅な委譲、行政機関の確立ということを前提にして、さらに企業者の自覚というものもこれに対応して、完ぺきな公害行政というものを日常監視測定、そうしてそれの防止への勧告、そうして実施ということをはかってまいりたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 まだ実は法もできて間もないし、基準がまだ十分な設定がないから、地方に行っても、保健所の係員が工場に行って警告を発してもなかなかそう簡単にいかない実情らしいです。これは、らしいというふうにしておきますが、きつい罰則もないし、したがってこの点は今後の問題として政府に私は要請しておきたいのです。もう一つ、逆に、私は大阪出身ですが、大阪の財界方面の意向を聞きますと、非常にこれが厳格にやられると、日本の産業に重大な影響があるということも聞いております。これは率直な意見だと思います。もし完全に公害の発生源をとめるような装置を直ちにそれを実施すれば、相当多くの生産にも影響する。したがって、適宜にこの点についてはやらざるを得ないという意見もあるのですが、通産省あたりではそういう問題の受けとめ方、どう行なわれておりますか、通産省としては。こういう問題を改めろということを言ったら直ちに企業が受け入れる態度であるかどうか、これは事実すぐわかるのですから、率直にその点は聞いておきます。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 昨年末改正されましみ公害関係法律によりまして、本年度中には新しい法律で直罰規定が企業にかかることになるわけであります。現在具体的な基準の設定等が急がれておりますが、これが設定されました場合には、従来にないようなきびしい規制が企業側にかかるわけでございます。そういうような面から、企業側は当然公害の防止をするための必要な投資をいたし、公害の発生をしないようにつとめなければならないというようなこととなるわけでございます。確かに先生がおっしゃいましたように、新しい基準の設定によりまして企業側に相当の負担がかかるというように予想されます。私どもが現在いろいろ作業をいたしておりますところでも、一部の産業につきましては確かに相当の負担がかかる、はたしてこの負担に耐えていけるだろうかというような業種もございます。ただ公害の防止ということは、これは現下の至上命題でございますので、私どもとしては、やはりきめられた基準に企業側が対応して公害防止を行なえるように指導していきたいと思っております。ただ山中長官もおっしゃいましたように、私どもといたしましては、やはり公害投資を企業側がしなければいけないということはこれは当然のことでございますが、なし得る限りやはり国の側におきましても、必要な資金を政府資金として準備をしておいて、企業側のそういう努力に側面から援助をいたしたいというように考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 私の質問にはちょっとそれているのですが、もしそういう発生源があるということが明らかになった——中小企業の場合には、一応大阪市あたりでは補助をいたしておりますが、しかし大企業で、これはいかぬから直せと言ってすぐにそれに取りつける状態にあるかどうか、この点はどうですか。

森口八郎通商産業省公害保安局公害部長

○政府委員(森口八郎君) 現在問題になっております田子の浦でございますが、田子の浦につきましては、現在、とりあえずSS規制をしようということで、SS規制をいたしておりますが、これに対する企業側の投資は、SS規制だけで約七十五億というように算定をされておりますが、現在田子の浦地区におきます紙パルプの各社におきましては、七十五億の負担をするという前提のもとに、SS規制に違反をしないような設備をするということで現在工事をいたしておるのが現状でございます。まあ、このような事例は、今後新しい基準が設定されますと、各地に起こることと存じますが、私のほうとしては、やはり業界をできるだけ指導いたしまして、こういうような規制に十分たえ得るような設備投資ないしは公害防止の努力をやらせることにいたしたいというように考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それは聞いておきましょう。なかなかそうは簡単に、政府が言ったからといって、応じるようないまの態勢じゃないと見ております。戦後ずっと二十数年間経済成長を続けてきたんですからね。それを直ちに全く公害のないような工場に設備をかえるということは、われわれが責めるだけであって、現実の問題としてはそうはいかないことは私は知りつつやっておるわけなんですね。それは、ここであんたが、できないというようなことを言うと、あんたの首が飛ぶかわからぬから言わないけれども、私は十分察しられます。なかなかそうは簡単にいきません。  そこで、もう一問だけ、もう時間ございませんから。経済企画庁来ておられますか。——経済企画庁に聞きますけれどもね、日本の経済は戦後成長しておることは、これはもう私、いまさら言うまでもないのですが、大体当時の設備投資なり、その他産業投資特別会計から見ましてもね、相当な金がつぎ込まれてますからね。それはほとんど重化学工業ですね。計数管理、そういう場合に、もしこの公害という問題がそこに入ってきたときに、日本経済の成長に対して何らかの支障——と言うことはどうかと思いますが、何かそこに一つの要素というものが入ってくるような気がするのですが、経済成長については影響ないと企画庁は見ておられますか。

内野達郎経済企画庁調査局内国調査課長

○説明員(内野達郎君) いま先生のおっしゃった点につきましては、三つほどのケースの態様があると思います。一つは合理化によって吸収していく方法でございまして、これがまあ一番いい方法でございますけれども、第二番目の方法は、公害投資、公害費用を負担することによって利潤が減る場合でございます。第三番目のケースが、公害費用の負担が価格にはね返る場合でございます。  このあとの二つについて申し上げますと、企業の利潤が減った場合には投資は減らざるを得ないという、そういう逆の作用がございます。また、価格が上がった場合には需要が抑制されるという、そういうふうな作用がございます。長期的に少しく長い目で見ますと、おそらく第一のケースで問題が解決されていくことは、非常に企業がまだ大きい経済であろうと思いますけれども、と申しますことは、いままでの技術体系から、さらに公害を克服していけるような技術体系あるいは経済構造がこれからの公害克服の試練の中で生れてくるという、そういう方向での問題感覚でございます。そういう面に対して期待する学者もわりあい多うございますけれども、しかし、目先、すぐこういう効果が出てくるということもあまり強く期待でさるわけでもございません。ということになりますと、二、三のケースで申しますと、やはり若干成長が公害の克服のために落ちざるを得ないという、そういう関係が当面ありそうに思えるわけでございます。かりにわれわれのほうの計算で申しますと、設備投資のうち公害の投資が五%であるものが一〇%になったといたしますと、それだけで経済成長率が、一%も落ちませんけれども、〇・七%くらい落ちる勘定になるわけでございます。いずれにいたしましても、現在の至上命題から申しますというと、多少成長がスローダウンすることがあっても公害克服を優先させるべきである、そういうふうに考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 あとのことは大臣に聞きたかったのですけれども、それは経済成長も必要でしょう。私はあながち経済成長ということを否定しておりません。高度経済成長による派生的な問題があまりあるから問題はありますけれども、やはり人間社会は経済成長していかなければならない。これは当然でありますけれども、いま言われましたように、やはり経済成長をとるか、公害防止によって人間の生活を美しくする、健康的にするかという二者択一になれば、やはり後者のほうが必要だと思うのですが、その点をお伺いしたい。  もう一つは自治大臣として……。時間がありませんから、山中大臣、その点だけ意見を聞きまして、今度の公害防止関係事業にかかる国の財政上の問題につきましては、この基本法十九条による指定地域に一応限定されたような形ですね。これは若干のものはそれ以外にも適用されることはわかっておりますが、しかし、ぼくは考え方として自治大臣に聞きたいのですが、公害の現在あるのを防ぐということよりも、公害対策ということですね、いまだ公害によってよごされていない地域に対してもやはり対策を講ずる必要があるのではないかと、こう思うのです。したがって、その考え方からいくと、今度の特別措置——特別措置ですから、どこまでも特別措置でしょうけれども、それ以外の地域に対しても適当なやはり施策は必要でないかと思うのですが、この点についてはどういうお考え方ですか。この点、ちょっと両大臣にお聞きいたします。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 両方とも私答えてもよろしいのですが、あとは自治大臣ということでございますから、まず私どもの、もちろん健康優先という結論は私も同感です。先ほど経企庁から、いわゆる経済理論としての因果関係ということで説明がありましたのも、そのとおり私もそうだと思います。一方において、国際環境を見ました場合に、輸出でもって生活している国としての日本を各国が見る目が、単にアメリカばかりでなくて、日本の急速な経済成長、世界市場への進出という裏には、国民の生命や健康というものを犠牲にした、いわゆる公害に投資しなければならない部分を、そのままコストの部門で、安いコストでダンピングしているのではないかという、あるいはそうであるという批判めいたことばがやや公然とアメリカからヨーロッパまで伝染しつつあるように思われます。今後、国際会議の重要な議題が私はここらにあると思うわけでありますけれども、これらの誤解を解くためにも企業はきちんとしませんと、輸出市場というものを失なっていく。日本産業というものは経済成長率どころじゃなくて、日本経済全体の破壊につながるということでありますから、やらざるを得ないということでありますし、さらにまた、そういうことを怠っておりますと、企業立地というものは困難になってくる。いわゆる新しい立地を求めようとしてもそれがなかなか認められないし、認められる場合も、企業が欲すると欲せざるとにかかわらず、きびしい、法律に関係なく、条例に関係なく、申し合わせ的な紳士協定を結ばなければ立地でさない、こういう例はずいぶんたくさん出てまいりました。やはり地域住民の協力なくして企業は存在しないということでありましようし、さらに、イメージの問題として、公害対策を怠って人の健康や生命に被害を与え続けておる、あるいはまた、その減少に対してかたくなな姿勢を変えようとしないような企業については、いわゆる反社会的な企業、場合によっては殺人企業というような極端なことば等によって象徴されるイメージを社会的に受けるおそれがあることは、新しい新入社員をどうしてもほしいと募集しても、それに対して、会社の名前はあげませんけれども、公害企業の典型的なものであるということであったらしいのでありますけれども、どうも志望者がさっぱり集まらないというようなことで、いわゆる企業の存立そのものが、既存工場であっても、やっていけなくなるということ等の現象から見ますれば、これは利潤をあげ得ない、あるいは利潤と関係のない部門の投資である公害防止施設というものをやらなければ企業自体が長期的にやっていけない時代がきているんだという自覚を各企業者は十分に持っていることと思いますし、通産省もそれらの大局的な見地からの指導を今後もきびしくやってほしいものと願う次第であります。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 第二点については、もちろん先ほど竹田先生からもお話がございました、いまだ汚染されてない地域の保全確保その他、そういう状態の確保、健康の保全、あるいは善良な環境の保全に尽くすべきは当然でございまして、この特例法はいわば汚染地域に対する公害対策事業に対するいろいろ財政上の措置を講じておりますが、今後そういう状態を生じないように公害立法が全般的に対策を講じておりますが、将来そういう点につきましても、企業配置等につきましてはいろいろ考慮すべきものがありましょう。そういう点については環境庁においてそれぞれまた今後検討もされましょうし、われわれもまた御協力を申し上げたいと思っております。もちろん、地方行政、財政の中心点は、今後財政の充実、しかも、その中で公害対策にありますから、先生のおっしゃったような点について十分配慮してまいりたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 財政局長に聞いておきますがね、公害対策に対する地方基準財政需要額は、元利償還の問題もありますが、これによって地方財政の現在のバランスには影響ないのですか。というのは、指定地域に対して財政需要、財政が少し片寄ってしまうということですね。これは四十七年度でやるんでしょう、財源の実際の措置は。四十六年度の予算にはこれは見てないんでしょう。地方財政の問題については四十七年度からやるのでしょう、実際の。実際の支出は、基準財政需要額はもう四十六年度は済んでおるのだから、この法律はあとからできたのだから、それはもうすでに本年度の基準財政需要額には盛ってあるんですか。その点ちょっと。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 今回の特例措置によりますところのいわゆる補助率のかさ上げに対応する措置は、これはこの法案がまとまりましたのが四十六年度予算編成後でございましたので、この関係のかさ上げに相当する補助率アップについての財源は来年度の予算から措置する、こういうことにいたしております。  それから交付税なり地方債の措置でございますが、これは全般的に公害対策というものを一つの重点にして考えてまいっておりますから、たとえば単独事業といたしましても、来年度交付税におきましては、人の関係の増員も相当見込んで財政計画を立てております。そういう点につきましては、全体として百六十一億ばかりの、これは主として単独事業になりますが、措置もいたしておりますが、それから地方債につきましても、先ほど来お話がございました四十六年度の下水道整備事業を中心にいたしましては地方債の措置もいたしておりますけれども、公害防止対策事業が実際に実施に移されます際におきまして、なお資金的な措置が必要でありますものも出てまいるかと思いますが、これにつきましては弾力的に資金手当も今後続けてまいりたい、こういうふうに考えております。そういうことで、全体として、しからばこういう公害防止地域に多少片寄り過ぎるというようなことにならないかという御指摘がございましたけれども、この点につきましては、いまの国の特例措置、それからいまの起債充当等とにらみ合わせまして、そういう片寄りのないような措置をして、今後も引き続き実行できるようにいたしてまいりたい。しかし、今後多くの地域が公害防止地域として指定をされるようにだんだんなってまいります。そういう場合の見当として、いまから十分見通しが立ち得るかという問題になりますと、その点につきましては今後の推移も考えてまいらなきゃならないと思いますけれども、いまのところ、私どもとしては全体のバランスをとりながら、したがいまして、地方財源の充実をはかりながらこの措置がうまくセットされるようにしてまいりたいと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この三地域の計画を見ますと、総事業費は、特例対象事業だけでも二百七十六億、補助対象事業が百八十八億、こうなっているわけでありますけれども、補助対象事業というのは、先ほどの問題に関連をしてまいりますけれども、非常に補助対象事業として取り上げるというのは、もう少し取り上げてもいいんじゃないか。それと同時に、各地方自治体においては、これ以外にもかなりそれに付随する事業というのが行なわれてくるであろう。先ほどの緩衝緑地の問題にいたしましても、それは純粋な緑地だけではなしに、それに遊歩道路をつけるところもあるだろうし、その中に公園的な要素を含めるということもあるでしょうし、あるいはグランドをつけるということもあるでしょうし、その他いろいろな施策をそういうものと総合的につくろうというようなことも当然あり得ると思いますね。おそらくそういう事業の中には、補助対象の中に入るのもあるでしょうし、入らないのもかなり多い。そういうことになってまいりますと、町村の財政負担というのが、ここの特例措置だけのものでなくて、ほかのものもたくさん加わってくるわけですね。そうなってまいりますと、地方財政の健全な維持、運営ということが非常に困難になってくる可能性が私は出てくるんじゃないか。まあ広義の意味で超過負担的なものになってくる可能性があるのではないか。たとえば私の知っている地域でも、公害のため——あるいは基地というものもあるかもしれない、基地のところがあるわけです——そのためにベンチレーター——空気清浄機ですか、まあこういうものを入れる。入れるけれども、実際にはそれを回す費用といろものをちっとも見てくれない。そうなってくると、電気料がたいへんかさむ。現実に、夏になってしまえば、教室に子供が一ぱい入っていて、ただ普通の空気だけを送ってくるだけでは、とても耐えられない。結局、二重窓にしてもらっても二重窓をあけ放してしまう。そうなれば必然的にクーラー、冷たい空気を送る装置というものも入れなくちゃいかぬ。こういうふうに実はなってくると思います。そうしますと、この特例だけではとてもやっていけない。その他の付加的な、それに付随する事業費というものも一緒にかかってくる。こういうふうになってくれば、たいへんその点では市町村の財政というようなものが今後逼迫してくるのではないか。こういうことはどうだろうかと私は思う。もう少し補助対象事業というようなものを多目に見ていかないと、そういう点で市町村の財政というものがますます苦しくなるのじゃないだろうか。そういう点は財政局長はどういうふうにお考えですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 私どもも、全般的にはいまお話のありましたような点についての問題があると考えております。で、お配りいたしましたこの千葉等三県の公害防止計画の表を見ていただきましてもおわかりいただけますように、たとえばこの公害防止事業として「特例対象事業」という欄がございますが、その中に総事業費は二百七十六億ということになっております。ところが、その中で補助対象事業費は百八十八億、ここに一つ問題が私はあると思っております。つまり補助の採択について、やはり同じような事業で補助採択基準というものが一体実態に合っているのかいないのか。この点は、なおこれは各団体からの積み上げ予測でございますから正確なことは必ずしも申しかねるわけでございますけれども、やはりこのような補助特例対象事業の中でも補助の採択になる部分というものが案外に少ないというような感じも持つわけです。私どもは関係各省、公害対策本部を中心にいたしまして、補助採択を実情に即した面でぜひやっていただきたいということを強く今後ともお願いをしていかなければならないと思います。  それからもう一つは、特例対象外の事業が相当な額ある。それからさらには、お話がございましたように、その次のページにあります都市施設整備事業八百七十五億、これは純粋にすべて関連をしているとは必ずしも申せませんけれども、やはりそういうことが、公害防止対策事業のみならず、公害防止計画区域内におきますところの関連する諸施設の整備ということが出てまいると思います。そうしますと、いまの相当な額になってくるわけでございます。これが、先ほど来お話がありましたように、これで全部合計いたしまして千四百億ぐらいのことになっておる。この千四百億ぐらいの中で、補助対象事業になっておりますものは、特例対象事業になりますと百八十八億——二百億足らずということに実はなる現状でございます。この点は、私どもも今後ひとつ関係各省に対しましても十分実態に即した採択をぜひしていただくようにお願いをしなければならない。また、そういうことで事業の実施というものの実効を確保いたしませんと、現実問題として非常に無理が生ずるだろうというふうに思っております。そういうこともございますし、それからなおまた、これは、これからの仕事——と言いますと少し語弊がございますけれども、何さま新しい行政措置でございますので、今後とも十分検討いたしながら実態に即するように改善をはかってまいります余地が相当あると思っております。  ただ、現状におきまして、まあ三地区のみで考えますと、三地区のこの公害防止計画の中に盛られております事業を実施いたします上で、私どもの見通しにもいろいろこれは見方もございますけれども、決して楽とは申しませんけれども、いまの状況の中で、まあ経済成長その他の問題、景気変動の問題等もありますから必ずしも断言はできませんけれども、これらの事業を少なくとも実行をするということが一応は可能であるという見通しは実は持っております。しかし、これも計画がこのとおりいくというわけでございません。なおまたこの計画に、変更をいたしましたりあるいは追加するものも出てまいるかと思いますし、いろいろな実態もございますから、まず対象事業の範囲を拡大をしてもらう、それから事業の実態に即したさらに検討をいたしまして、この事業が円滑に実施されまして公害防止の実があげられますように私どもとしても努力をしてまいらなければならない。それから、個々の団体は、先ほども申し上げましたように不交付団体でございますから、交付税上のいろいろな元利償還の措置というものも直接にはここに働いてまいりません。したがいまして、そういう点もありますので、個々の団体の毎年毎年の財政状況等と見合いながら私どもも弾力的に対処してまいるということもぜひいたしまして、この実効を確保してまいりたい。しかし、何さま新しい行政でございますので、そういう面での改善、改良と申しますか、実態に即するようなくふうもぜひ続けてまいらなければなりませんし、公害防止対策本部を中心にいたしまして、ぜひそういうくふう、努力をお願いをしなければならぬと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そういう趣旨は私もそのとおりだと思うのです。それには、スタートをそのつもりになってやらないと、やはりそういうまずい結果というものを招いてしまうということになると思うのですよ。そういう意味で、私も先ほど強く幹線管渠をあげろと、あるいは二分の一じゃなくてもっと高い補助率にしなければ、せっかく片方ではいままで超過負担解消の長期計画をつくってそれをやっている。片方ではまたその超過負担というふうな形のものが次から次へ出てしまう、こういうことでは全く悪循環が進むだけであって、これは地方財政にとってはプラスにはならない。かえってほかのほうにひずみが出てしまうということも考えられますので、財政局長のその趣旨は私も了とするわけですけれども、特に地方財政も最近ようやく赤字団体が黒字団体に転化をしてきたという時期だけに、ここで心をゆるめるということになりますれば地方財政の危機というのは再び出てくると思うものですから、これは特段のひとつ配慮を政府にももう少し強く要求してもらわなければならない。今度のこの特例だって、先ほどの自治大臣のお話ですと、内心はもっと強い要求をしたいようでありますけれども、どこでけられたか知りませんけれども、あるいは自治省が断念したのかどうか知りませんけれども、そういう姿勢では私は困ると、こういうふうに思いますが、これはひとつ特段の配慮をしていただきたいと思います。  それから、この際ちょっと聞いておきたいのですが、この法律の二条三項ですか、二条三項の計画地域外での防止事業に対しては五号から七号の適用がありますけれども、地域外では四号の適用というのはないわけですね。たとえばこういう問題がかなりあると思うのですが、そういう地域で鉄道やあるいは高速道路の間にはさまれてしまって移転をしなければならないというような学校、そういうものは私はかなりあると思うのですよ。新幹線の沿線の学校で非常にそういう点で列車公害に悩んでいるというところもあると私は聞いておりますけれども、そういうものについては公害防止対策事業として認められないというふうに解釈されるのか。そういうのは公害防止対策事業ではないけれども、どっかで同じ高い補助率で認められるということが、五号から七号に限定した理由、特にいまのような問題については一体どうなのか、この点を伺っておきたい。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 結論から申し上げますと、この学校移転の関係等におきましては、いまの騒音の関係のお話があったわけでございますが、騒音関係でございますと、原則として新幹線等の騒音、それから航空機等の騒音、これは別個の措置を考えておるわけでございまして、この公害関係の騒音と申しますのは、工場の騒音、それから建築工事場の騒音、あるいは自動車等の交通の上での騒音を考え、それ以外のところにつきましては、航空機とか新幹線等につきましては、別個の措置でこの学校移転等の必要があります場合等の対策が講ぜられるようにいたしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 前段の五号から七号に限定した理由というのはどういうことなんですか。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 五号から七号までの関係は、公害防止計画区域でございますと、総合的に公害防止事業を計画的に実施していくということでございますが、五号から七号等の問題になりますというと、やはり問題の性質上、たとえば河川とか港湾の汚濁と申しますか、それから土壌の汚染というようなものになりますと、これは公害防止計画区域のみならず、人の健康なり生活の上で放置することのできない害をもたらす、あるいはもたらすおそれがあるわけでございますから、そういうものにつきましては、やはり緊急に措置をするという意味におきまして、公害の防止計画区域外におきましても取り上げていくような道を開く。それから、公害の監視測定の設備、施設の整備という問題は、公害防止対策を打ち出しますための前提ともなるべき必要な施設整備でございますので、これも公害防止計画区域だけの問題として考えるのでは実態に合わないというようなことで、こういうものは計画区域外でもできるようにしていく必要があるということで取り出しておるわけでございます。まあそれ以外の問題は総合的に公害対策を計画的に実施していくような公害防止計画区域の事業として考えてまいりたい、こういうことでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 たとえば、どうして一号の終末処理場とか、そういうようなものを実際には適用からはずして、これは普通は十分の四ですか、ということになりますね。終末処理場なんか考えると、ある一つの地域にかなりの団地が過去からあった。そういう家庭排水が川をよごしてしまって、川を非常にきたなくしてしまったという地域もあるわけですね、場所によっては。そういうところは、当然その河川をきれいにしていくという立場から、そういう終末処理場をそこにつくらせる。それについては特例補助をやっていくということが私は必要だろうと思うんですがね。たとえば先ほどの神奈川県の例でいいますと、相模川以西においてそういう地域がないとは言えないわけですね。具体的にはあるわけですからね。それも酒匂川とかあるいは相模川ということになれば、これは流域下水道との関係も出てくるでしょうけれども、そういう地域でなくて、小河川でそういう場合はあり得るわけですね。そういうものをはずしてしまっているという点なんか、私よくわからないんですけれども、現実には公害が発生している。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) 公害防止計画区域におきましては、総合的に各種の公害防止事業を行なっていく必要があるというような点での事情に着目いたしまして財政上の特別措置をするということになるわけでございますが、いまのようなお話の場合もありますけれども、それは下水道の施設整備ということを行なって、それから、まあ河川なりなんなりのもし必要であるならば、しゅんせつその他の事業を行なっていくという二つの事業に力を注ぐということの必要はございますが、そういうことになるわけでございますから、そういう点では下水道の施設整備については、他の団体、一般の例と同じかっこうで問題は扱っていっておる。それが不十分じゃないかというまあ御議論になるわけでございますが、これは一つの考え方でございます。これは先ほどのまたお話に舞い戻るようなかっこうになるかと思いますけれども、結局、総合的にやる場合の特別な措置をこれで考える。そして、あくまでも地域外のものは例外的に考えるが、例外的に考えるものの中で、人の生活なり健康の維持上放置することのできない事情に限ってはやはりかさ上げの措置をとった。それ以上の関連におきますところの問題、確かにあります。そういう場合の、たとえばいまお話のございました公共下水道の整備、あるいは終末処理場の整備というものは通常の補助率ということで整備をしてもらう、こういうことにいたしておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もう時間が、あとの人に御迷惑かけてはいけないからやめたいと思いますが、これも私は実はおかしいと思うのです。そういう地域というのは、大体市町村の財政上の能力というもののそうある地域じゃないわけですね。どちらかというと、交付税をもらうほうの団体にそういうところは多いわけですよ。ですから、その辺も、これは将来、いますぐということでないけれども、将来は考慮してもらわないと、何か都市的な人たちについてはあまり考慮をされない、農民的な立場には非常に考慮を払うというふうな感じを、ひが目かもしれませんが、そういう感じを現実に受けるわけですね。そういう意味で、この点を、先ほどの諸問題と同じようにひとつ考えていただかなければいけないと思います。  そこで、最後になりますが、これはこの事業そのものとしてではないのですが、まあ、これは確かに公害基本法でいう公害ではございませんけれども、特に運輸省の方にお聞きしておきたいと思うのですが、港湾の近代化というのがものすごく激しい勢いでいま行なわれてきているわけですね。そうしてシーランドとかなんとかという形で定期的にコンテナ船がアメリカ大陸と日本の大陸をピストン輸送して往復する。そういうコンテナを積んだトレーラーというものが既成市街地に入ってくるわけです。従来の港湾地域というものは、これは非常に狭い地域に限られている。そういうことで、港湾の対象事業としてそういうものがあまりやられていない。まあ、具体的に横浜あたりへ行きますと、本牧埠頭、山下埠頭から桜木町の駅の管区というようなものはまったくの混雑ですね、朝晩。どうにもならぬわけです。しかも、トラックも非常に大きな車種である。むしろこれも私は一つの大きな意味で、排ガスだけでなくて、そうして混雑して、バスは通れない。人は横断できない。タクシーを拾おうと思ったってタクシーも来やしない。こういうのも私は一つの交通公害だと思うのですよ。片方は港湾の近代化だけを運輸省は進めておるけれども、一体そういう面に対する配慮というのは港湾局としては全然考えていないのじゃないかというふうに私は思うのです。そういう広い意味での交通混雑による交通公害というものをなくしていかなければ、これは沿線のものはたまったものじゃない。これはただ単なる交通規制、あるいは自動車のエンジンによる規制というだけでは私は済まされないと思うのです。しかも、そうしたトレーラーというのはかなり内陸地帯までそれが進んでいくわけであります。私なんかは、港湾地帯というものと、そういう市街地をはずして専用道路というものを将来つくっていくべきじゃないか。港湾地域という考え方も、いままでのほんとうの水ぎわに面したごくわずかの地域だけを港湾地域というような形で考える考え方をやめて、港湾関係の考え方というものも、もっとたとえば内陸にデポをつくり、そこへ港湾から専用の道路を持っていくという形で既成市街地の交通混雑というものを私は緩和するように考えてもらわなければいけないと思います。これはただ建設省の道路局で考えるべき問題ではなしに、私はむしろ運輸省の港湾局で考えるべき問題だ、こういうふうに思うのです。そういう考え方というのは一体港湾局あたりでは考えておられるのかどうか。これからおそらく、東京湾の貨物一つとってみても、おそらくいまの三倍近く、あるいは四倍ぐらいになると思うのです、十年か十五年の間になると。これが入ってきたら処置なしと、こういうふうに思うのですけれども、その辺の解決策というものは何かお考えですか、どうですか。

大久保喜市運輸省港湾局計画課長

○説明員(大久保喜市君) ただいま先生の御指摘のとおり、最近港湾の取り扱い貨物量が非常に大量化してまいりまして、それと同時に、輸送の近代化と申しますか、コンテナ輸送とか、それから港湾に出入りする貨物そのものも、トラックそのものも大型化してきておる。こういうような事情でございます。それで、現実の横浜市内のその海岸に近い地域、まあ横浜市で申しますと中心部でございますが、そういうところの道路の混雑状況、御指摘のとおりでございます。それで、私ども、実はこれは先生もよく御存じだと思いますが、港湾法という法律に基づきまして、港湾の開発、管理、運営のルールがきまっておるわけでございまして、港湾管理者は、地方公共団体が主体となりました管理者が行なっているわけでございまして、私どもといたしましては、港湾管理者の立てた計画あるいは港湾管理者がやろうといたします整備事業、これを指導し助成するという姿勢をとっておるわけでございます。  それで、ことに横浜の場合には、わが国でも代表的な外国貿易の港湾でございまして、そういうことからいたしまして、私どもも非常に気をつけて港湾の計画を進めてまいったわけでございますが、また、港湾管理者といたしましても、港湾管理者のいわゆる港湾法に基づいての管轄区域といいますかその管理区域というものは、港湾区域とそれから臨港地区と、先生御指摘のように、きわめて限られた区域でございますが、横浜の場合には市が港湾管理者になっておりまして、しかも、その市といたしましては、横浜は港湾都市である、港都であるということで、横浜の港都としての都市計画をその港湾との関連において立てておるわけでございます。それにもかかわらず御指摘のような状況にあるということは、私どもも非常に残念に思っているわけでございますが、私どもといたし悪しては、重要港湾につきましては、港湾法四十八条に基づきまして、港湾の計画を港湾管理者から提出を求めまして、港湾審議会にはかり、その検討をやるようにいたしております。  それで、この港湾審議会には建設省はじめ関係各省の次官クラスの方にその委員となって加わっていただいて、港湾の計画が、御指摘のような都市、その地域全体に非常に影響を及ぼすものでございますので、関係各方面とのその整合性のとれた計画をいたすように配慮いたしておるわけでございます。しかし、そうは申しましても、現実には、何ぶんにも最近の経済成長に伴いまして港湾の取り扱い貨物量の伸びがきわめて急速に伸びてきておる。それに対しまして、港湾の施設の近代化というものも、コンテナリゼーションあるいはカーフェリーとか、急速に質そのものも変わってきておりまして、一方、港湾は貨物流通の拠点でございますが、貨物流通の拠点として考えますと、当然背後の道路の機能が確保されませんと、道路が確保されませんと、港湾の機能も果たされないということでございますが、現実には、港湾のすぐ周辺の地域は、古くから都市が発達して人口棚密になり、道路を通すにも空間がきわめて少ないという現実がございます。そういう点でなかなか計画の面では苦慮いたしているわけでございます。それで、私どもといたしましては、先ほど申しましたような形で、港湾管理者といたしましては極力その道路関係の方々と計画上の折衝を十分重ね、都市計画との整合性、道路計画との整合性、そういうものを保つように努力いたしております。また、運輸省港湾局といたしましても、地方段階で解決いたしがたいものにつきましては、建設省御当局ともよく折衝いたしましてその改善に努力いたしておるわけでございます。  それで、ただ、先ほど申しましたような、その道路用地の確保が非常に困難をきわめているという事実から、私ども、東京湾区域を例にとってみますというと、昭和四十二年に個々の港湾の計画を審議いたしておりましても、その道路網との整合性、陸上交通網との関係の確保が非常にむずかしいということがはっきりしておりますので、東京湾全体についての東京湾の港湾整備の基本構想というのを港湾審議会に一応事務当局の案を御説明いたしまして御了承をいただいたわけでございますが、その中において、港湾の貨物量の見通しからしますと、陸上の道路あるいは鉄道というものが、現在持たれている計画では足りないということで、港湾のサイドから見ると港湾にこういう道路が必要だと、たとえば湾岸道路、東京湾横断道路とか、そういうような構想を打ち出しまして、それで関係方面の御理解をいただくようにつとめたわけでございます。ところが、四十二年の時点では、コンテナリゼーションが、うわさは出ておりましたけれども、まだその緒についたばかりでございまして、御指摘のようなシーランド方式のような、コンテナが、トレーラでもってずっと奥地にシャシーで運んでいくという、そんなスタイルがどうもまだぴんときておりませんでした。そういうことで、最近急速に湾岸道路を回しまして、湾岸道路から、わりあいと道路の通しやすいところを市街地をぶち抜いて奥地のほうに持っていく、そういうような輸送方式を考えるべきではないかというような御指摘もいただいておりますし、私ども自体も、計画の手法としてはそういうことを考えなければならないと思っております。ただ、現在の法律の体系から申しますと、港湾法の適用される区域は港湾区域と臨港地区に限られておりますので、私どもといたしましては、現時点におきましては、その道路所管の建設省方面によく実情を御説明し御理解をいただくように努力をいたしまして、港湾サイドからこういうような道路が要るんだということで御説明いたしまして、道路網計画の手直しもお願いをいたすようにつとめているわけでございます。  それで、一応横浜港につきましても、計画としては道路網計画に見合ったような形で港湾計画をいたしておるつもりでございますけれども、その計画が現実の需要に見合うようなテンポで実現していないという事実がございますために御指摘のようなことが各所に起こっていることは、私どもとしては非常に遺憾に思っております。私どもといたしましてもできるだけ、たとえば湾岸道路によって、とにかくハイクラスの道路を確保するということのための道路用地は、港湾区域内の埋め立て地の中に道路用地を、建設省方面とも御相談の上、これを確保するように港湾管理者を指導いたしております。そういうような状況にございますので、私どもといたしましては今後とも御指摘のような線で前向きに努力いたしてまいりたいと思いますが、ただ御指摘のような専用道路、インランド・デポの専用道路を港湾の事業としてやるということにつきましては、やはりいろいろとまだ問題があろうかと思います。少なくともその計画の面では、こういうような需要が出ているということを関係方面に深く御理解いただくように私ども極力努力いたしまして、結果的には、御指摘のようなそのインランド・デポと港湾を結ぶハイクラスの道路の確保、そういうようなことにつとめたいと思います。そういたしませんというと、街路の混雑、いろいろな交通事故の発生等の危険も予想されますので、われわれといたしましては極力努力いたしたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 実際、これは日本の港湾管理者というものは大体力が弱いのです。それにまかしておくだけで、あとの海上輸送とかあるいは港湾の建設等についてはどんどんどんどん進められていく。世界的な近代化の波が港湾には押し寄せているわけですよ。それを、こうやって、道路の部面だから建設省に頼むと言ったって、建設省はほかにやらなくちゃならぬ仕事がうんとあるわけです。そういう点で港湾区域そのものの考え方というものをもっと広げてもらわなければ、もう非常に急速に貨物量はふえるわけですから、もうぜひともインランド・デポと結ぶ専用道路というものをつくって、とにかく港湾の貨物と一般の貨物というものをはっきりと区別していく。そういうふうにしていかないと、今後これは東京湾にしても大阪湾にしても、あるいは伊勢湾にしても同じだと思いますけれども、その周辺道路も交通麻痺を起こしている。一種の公害に将来なっていく。そういう点は十分検討していただきたいということを強く要望して、私の質問はこれで終わります。たいへん長く、失礼しました。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 だいぶ時間もおそくなりましたので、二、三に問題しぼりましてお聞きしたいと思いますが、本日は公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案でございますが、午前中からいろいろな角度から条文につきましては質疑がありましたので、この法案そのものの以前に、公害に対する考え方といいますか、基本的な問題について二、三総理府  ほんとうはこれは長官にお聞きしなければならないことかもしれませんが、お聞きしたいと思います。  最初に、現在起きている公害についてどう対処するかということについては、昨年の末十四の法律をつくりまして、いろいろこれから対処することになっておりますが、先ほどもちょっと山本委員等からお話がございましたが、公害に対する積極的な取り組みというこういう観点から、公害の総点検というものをして、それに対する積極的な姿勢というものがぜひとも必要であろう、こう思うわけであります。わが党といたしましても、昨年これをやってまいりましたが、政府が今日まで考えている公害総点検について、お考えまた今後の計画等ございましたらお伺いしたいと思います。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 公害の問題が、ことに昨年の後半から最も大きな社会的な政治的な問題になったわけでございます。そこで公害対策本部が昨年の七月三十一日に発足したのでございまして、それまで各省ばらばら行政という批判を受けておったわけでございますが、公害対策本部といたしましては、できるだけその設置の目的に沿うべく努力をしなきゃならない。そこで昨年早速取り組みましたのは、まさにいまおっしゃいました公害総点検ということでございまして、緊急予備費と申しますか、実際には調整費を使った部分が多いのでございますけれども、まず予備費を取りまとめまして、それで厚省生、農林省、通産省等々所管の官庁にこれを配賦いたしたわけでございます。それに基づきまして、最近のたとえばカドミウムの点検の結果の調査の結果が発表されておるわけでございますが、その他全国各地にわたりまして主要な海域、河川等について点検をいたしておるわけでございます。それからさらに今年度に入りましても、たとえば最近の問題といたしましては、例のPCB汚染というのが強く指摘されておるわけでございまして、これもごく最近、関係の各省に集まってもらいまして、それの対処方について、さらに相当の実態調査につきまして至急措置すべく、これも科学技術庁を入れまして近々に着手をいたしたいというような態勢になっておるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この公害が及ぼす影響というものは、これは非常に広範囲にわたっております。特に人体に及ぼす影響も、これはもう見過すことのできない重大問題でございます。さらに漁場の汚染という、こういう点では、直接漁業者の被害というものが出ているわけであります。こういうことからいたしまして、現在の被害状況といいますか、こういう実態というものは早急に把握しなければならないし、それに対する対策というものをこれは講じなければならない、こう思うのであります。まあこの法律は公害対策基本法をもとにして、その十九条の二項によって公害防止計画、それに基づくものに対するかさ上げということでございますが、現実はどんどん日進月歩公害が進んでいるというこういう現況からしまして、実態の掌握、そしてそれに対する対策、このことからいたしまして、公害の総点検は是が非でも早急に進めなければならないことだと思います。漁業被害につきましても水産庁でも過日中間報告しておりましたが、こういう点につきまして公害に対する取り組み方というものがやや消極的であり、より積極的でなければならないという、こういう考え方を私は持っているわけですが、その点についてはいかがでしょうか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) いま御指摘のとおりだと思います。で、昨年は、先ほど御説明いたしましたように、緊急予備費というようなことで、とりあえず必要な個所の点検は各省それぞれ予算をつけまして実施をいたしたわけでございます。ことしに入りましても先ほど申しましたような措置を講じておるわけでございますけれども、もとよりこれでは十分ではございません。それで、今度環境庁というのが設置されるように法案を提案いたしておるわけでございますが、環境庁ができますれば、すべての対策はそこで一元化されるということになるわけでございます。従来しばしば消極的な権限争議と申しますか、たとえばヘドロの問題でございますと、場所によってはどこの省が所轄するのかよくわからぬというような場合もなきにしもあらずであったわけでございますが、それらはすべて環境庁では、たとえばヘドロでございますと、水質保全局というところで一括して所掌できるようなことになるわけでございます。その他、たとえば最近の安中のカドミウムの問題等につきましては、企画調整局——これは仮称でございますけれども、公害保健課というようなものを設けまして、そこで全国の重要な公害の個所についての点検を常に怠りなくやっていこうというような組織の整備、これを環境庁設置の際にも重要な項目として考えておるわけでございます。そういうように、確かにこれは行政官庁の組織とそれから予算というものが確保されなければならないわけでございますけれども、おっしゃるような点が重要であること、それからまた、しばしばそれが後手後手になりがちであったということは御指摘のとおりでございまして、今後十分この問題に取り組んでまいりたいと考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 これからの取り組み方については積極的に進めていただきたいと思うのでありますが、さて、この公害のことにつきまして去年十四の法律が出ました。いろいろ審議されましたそのときに数多くの問題が提起されたわけでありますが、公害対策に対する国の責任という、こういう問題でいろいろ議論がございました。これに対して政府の統一見解が出されたわけでありますが、しかしながら、当時は、この問題につきましてはいろいろ議論がございまして、まあ政府も公害に対しては積極的な姿勢というものが示されておりますが、しかしながら事業者の無過失賠償責任、これらにつきましても現在まだ法律として出すと言いながらきまっていないという現況、こういうことから見まして、ほんとうに公害に対する積極的な姿勢というものを、現在なおこの姿勢を持ち続けているのかどうかという、こういう非常に疑問といいますか、もっともっと強い姿勢で臨まにゃならないと思うわけでありますが、その点につきましてはどうお考えか、ちょっとお聞きしたいと思うのであります。特に事業者の無過失賠償責任のことについては、現在どこまで進んでおるか、この点ちょっとお聞きしたい。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 昨年の公害国会におきまして十四法案が制定されたのでございます。それで、それに基づく政令につきましては、すでに一政令が施行になりまして、さらに費用負担法につきましては来月の中旬までには制定できる見込みでございます。そのほか、五月から六月にかけて原則として全部政令を施行するということで、いませっかく努力をいたしております。  それからまた、それに続きますところの昭和四十六年度の予算の編成におきましては、御承知のように、公害関係の予算九百三十億、財政投融資千七百億、それぞれ四〇%ないし五〇%の対前年度の伸びでございます。まだ十分な金額ではもちろんございませんけれども、一つの公害予算というものが緒についてきたのではないかというように考えております。  それから、いま御指摘の無過失賠償の問題でございますが、これは確かに残された大きな制度上の問題でございます。で、民法の原則に対する大きな例外であるということで、法務省も相当慎重にかまえておるわけでございます。そこで、現段階は公害対策本部が中心になりまして、各省と相当数多くの会合を持っております。と申しますのは、やはり問題は、一口に無過失賠償と申しましても、公害にはいろいろな態様がございますので、どういう態様について無過失賠償を認めるのが一番適当であるかということの検討、そのために各省との協議、それから地方団体を通ずる相当広範囲な実態調査をいたしております。それから、あとは司法秩序との調和ということが重要でございますから、法務省との協議でございまして、これもここ一カ月くらいの間に五回ばかり会合を持って、相当立ち入った調査をいたしておるつもりでございます。  そこで、政府部内におきましては、まあ大体において成案を得ておるということでございまして、できるだけ山中長官も今国会に提案したいということを言明をいたしておりますので、その方向でわれわれも間に合わせたいということで、せっかく努力いたしておる段階でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 次に、公害対策に対する国の責任に対するこの問題については、政府の統一見解が出たわけでありますが、これについてお伺いしたいと思うのですが、「国は公害の防止に関する基本的かつ総合的な施策の策定及び実施の責任を持つこと、」、と、こういうふうに言われておるわけですが、具体的にはどういうことを進めていくのかということ、こういう基本的な考え方、そうしてまた、現在こういうことについて具体的な何かがございましたらお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) この総合的な施策策定と申しますと、たとえば制度上の整備という問題がやはり必要だと思います。それは十四法案に続きまして、今国会においては悪臭防止法、それからさらに企業の公害防止体制の整備、さらにはいわゆる地方財政上のかさ上げ法案もその一つでございますが、そういう十四法律の成立に続きまして、政府としても必要な法案を国会に提出して御審議願っておるわけでございます。それからさらに、やはり何といっても予算措置ということが重要であろうかと思います。先ほど申しましたように、まだまだ不十分でございますけれども、従来と比べますと格段の増額計上ができたというように思っておるわけでございます。それから、あとは実施面であろうかと思います。その実施面につきましては、公害問題は、昨年の法律改正によりまして原則的には地方団体に権限が委譲されておるわけでございます。そこで、それが十分に地方団体として執行できるような体制を考えなければならない。そのために、たとえば自治省の地方交付税の算定におきましては、公害担当職員について千八十四名でございますか、増員を来年度は見込むというような措置が自治省においてもとられておるわけでございます。その他地方団体についての各種の行政指導という問題がございまして、これは現在各省に分かれておるわけでございますが、それぞれ研修等の措置がとられておるわけでございます。要するに、国といたしましては、制度上のあるいは予算上の仕組みをつくっていく、そうして基本的な問題について実施の責任を担当するところの地方団体に対する援助、指導、こういうことにつとめていくというように理解しておるわけでございまして、そういう方向で努力をいたしておるつもりでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 国がその制度上の整備または予算上の問題について、地方団体に対してもいろんなバックアップをする、こういうように受け取ったわけでありますが、これは午前中からいろいろ審議がございましたように、多様化する公害、そうしてまた、非常に規模が大きく、日進月歩、この大きな経済成長の中で、地方自治体のその負担というものはたいへんなものである、こういうことからいたしまして、このたびのこの法律で一応かさ上げということで、それはそれなりの役割りはあろうかと思うのでありますけれども、積極的な地域住民の健康を守るという観点からの施策として、予算措置としてまだまだ不十分の点は多々あろうかと、こう考えるわけであります。  国が積極的に公害対策に対して責任を持つと言うからには、さらにもっときめのこまかい施策、さらにまた予算上の措置がなされなければならないと思うわけでありますが、その具体的な問題といたしまして、現在田子の浦のことが非常に新聞をにぎわしておりますので、このことについて三、三お聞きしたいと思うのでありますが、田子の浦が、去年国といたしましても非常に積極的な解決に乗り出すということでございましたが、現状はあまり芳しくないように受け取っておるわけでありますが、この田子の浦のヘドロの処理の問題につきまして、現況をあらましお伺いしたいと思うのですが。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 田子の浦の問題につきましては、御指摘のとおり昨年国が県の要請を受けまして、この解決方に乗り出したわけでございますけれども、その後非常にいろいろの紆余曲折があったわけでございます。当初は外洋投棄ということで、黒潮の軸流の外側に投棄するということで諸般の準備を進めておったわけでございますが、非常に大きな反対にあいまして、結局地元といたしましては、その方法はあきらめたということであったわけでございます。その後いろいろ県当局を中心に検討いたしました結果、富士川にこれを投棄するという案が現状においては最も妥当ではないかということになったわけでございます。現在田子の浦港内に約九十五万トンのヘドロの堆積がございます。そのうち三十二万トンを富士川の川原に投棄をする。ここで一種の天日乾燥をいたしまして、現在九〇%ぐらいの含水量を持っておるヘドロでございますが、これを七〇ないし八〇ぐらいの含水率にする。そういたしますと、容量にいたしますと三分の一に減るわけでございます。そこで、それを今度はたとえば将来埋め立て等に使うべく一時県有地等にそれを蔵置をしておくというようなことで当面処理していこうということでございます。これは、しかし現在あるヘドロの、しかも、三分の一程度の処理にしかすぎないわけでございます。  そこで、より基本的な対策といたしましては、何と言っても発生源対策と申しますか、この田子の浦周辺に所在する百五十余りの製紙工場等を中心とした工場の発生源の対策が重要でございます。そこで、昨年の十月に経済企画庁におきまして、いわゆる水質基準の設定をしております。この水質基準は相当きびしいものでございまして、ことしの七月から——もうあと数カ月でございますが、七月から発効するということになっております。そこで、先ほど通産省からも説明がありましたように、相当巨額の投資をいたしまして、企業は七月一日のその規制の日に間に合わすべく各種の排水処理施設の設置に努力をいたしております。他面、中小企業につきましては、岳南排水路というのを設けまして、そこで受け入れて処理をするということで、これは建設省が中心に、その岳南排水路、終末処理場の建設のための各種の準備、設計、用地の確保等について努力をいたしておる段階でございます。それで、昨年以来それにつきましては相当の効果がございまして、いっとき、去年のたとえば八月と比べますと、全体のSS——浮遊物質量は半分くらいに減っているというような状況になっておるわけでございます。  それからさらに、現に港湾内にあるヘドロは、先ほど申しましたように、三十二万トンばかり富士川原で処理する計画でございますけれども、その三分の一の処理ではございますけれども、重点的に、この港湾機能の維持回復という観点から、枢要な個所についてしゅんせつをするということにいたしますと、現在いろいろ障害を受けておる港湾機能はおおむね回復するというように考えております。それで、しかしまだ相当のヘドロが残るわけでございますが、これは夏場にかけましては、硫化水素の発生によりまして十分な対策に実は手がつけ得ない状況でございます。そこで、秋口になりましてから残りのさらに処理を考えていかなければならない。しかし、その間に発生源対策は完全に効果を生じてまいりますから、現在のような泥沼状態にあったヘドロ問題につきましても何とかひとつ解決のきざしがつかめつつあるのではないかというように考えておるのが現状でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 確かに去年、ヘドロの処理につきまして知恵をしぼって何とか対策を講じようということで、いまいろいろお話がありましたとおり進んできたことは事実でございます。これにもいろいろ問題がありますが、時間もございませんし、また本日の趣旨でもございませんので、詳細のことについては後日に譲りたいと思いますが、現在公害防止をするにあたって、国の財政上の特別措置は、公害を除去するために多額な経費がかかる、それをどうするかということでございまして、幾らお金がかかってもとにかく公害が除去されればいいのだということではなくして、おのずとその区分がございますし、幾らお金がかかってもいいということでは決してないわけでございます。現在約百万トンですか、ヘドロが滞留しておると、こう言われておりますし、また毎日二千トン近いヘドロが流れておると、こう言われておるわけでありますが、昨年相当なお金をかけて処理したその処理量というものは、非常に少ない。コストといいますか、経費と除去したヘドロの相対的な関係を見ますと、あまりにも経費がかかり過ぎておるという、こういう面が大きく指摘されると思うのです。こういう点から、いろいろなヘドロ除去のための対策、処置としまして手違いがあった。いろいろなことについては聞き及んでおるのでありますけれども、こういう経過からいたしまして、非常に政府の取り組み方というものが、何とかしなきゃならないということではありますけれども、有効適切ではなかったというふうに考えられるわけでありますし、これは集中的に県の要請によって国が対策に乗り出したわけでありますが、普通ならば、こういうことはとてもでき得ないたいへんな経費のかかった事業であった。また、いままでもそうでありましたし、これからも実際軌道に乗ってヘドロが除去されるには相当に金額がかかるだろう、こう考えるわけであります。これについてはどのようにお考えであり、またどのように対策を考えていらっしゃるのか、経費の面からしてお伺いしたいと思うのです。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 御指摘のように、昨年度この百万トンのヘドロの処理のために準備いたしました金は八億二千万円でございまして、そのうち七億が企業負担、一億二千万は県費ということになっているわけでございます。ところが、この積算の根拠になりましたのは、当初、黒潮の軸流の外側に捨てるという外洋投棄を考えておったわけでございますが、それが御承知のような事情で外洋投棄が中止になりまして、急拠、富士川原に投棄するという案に変わったわけでございます。確かにその意味で申しますとコスト高になっているということは否定できないかと思うわけでございます。つまり外洋投棄のために船の改装をするというようなことをいたしたわけでありまして、そのために金がかかっている。もっとも改装いたしました船はそれだけむだになったわけでございませんで、硫化水素の発生する海中のヘドロでございますから、それを富士川原に運搬するためにその船がそのまま使えるというようなメリットはもちろんあったわけでございます。それにいたしましても、ジグザグコースをたどったがゆえに、確かに処理量に比べて金がかかっているということは事実でございます。  今後、残ったヘドロをどういう形で処理するか、これはまだ実のところ県当局でも十分な成案を得るに至っておりません。先ほど申しましたように、この夏場にかけましてはヘドロのしゅんせつということは実際問題困難でございます。その間、十分にこれまでの失敗のあとを踏まえて、これまでの経験を生かして最も合理的な方法というものを考えなければならない。その場合に、いまこれは一つの案でございまして、まだ十分に練れたものではございませんけれども、やはり脱水機等を使用して、現在のヘドロを先ほど申しましたように含水率七〇%程度に脱水する。そうしますと、容量は三分の一になりますから、それは田子の浦周辺にある県有地においても管理できないではないくらいの容量になるわけでございます。そこで、そういうような脱水機によってこれを陸上処理していくというような案も一つの方法ではないかというように考えているわけでございます。しかし、これにつきましては、脱水機の腐食の問題等がございます。また、どういう機種を使うのがいいのかという技術的な検討の問題もございます。また、どこでそういう作業をするのかという問題もございます。これらにつきましては鋭意詰めなければなりません。また、そのために全体のコストを考えなければなりません。しかし、これまでの経験を踏んまえながら最も適切な方法を今後考えていきたい。とりあえず港湾機能を阻害するような状態を一日も早く除去するために富士川原で処理して、時間をかせいで、それからそういう方策を検討していきたい、こういうことを考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この港湾の機能整備、こういう点も一つございますが、もう一つは、駿河湾の漁場が破壊された、サクラエビ等の漁場が。これが一つ大きな問題であったと思います。こういう緊急な課題もございまして、にわかに大きな問題となってクローズアップされたわけでございますが、この浮遊物の排出基準につきましては、先ほどお話がございましたように、いろいろきびしい基準をきめられたようでございますが、それがいかに有効に効果があがってくるか、これが一つ心配されるところでございますし、また企業が自主的に操短するということでございますが、聞くところによりますと、実際に生産実績が上がっているということからいたしまして、いままでと変わらないやはりたれ流しがあるのではないか、こういうことを考えますと、決して先ほどお話のあったように事態は急激に好転するとは考えられない、私はこう思うのです。それから、確かにいままでは紆余曲折がありまして、八億もお金がかかったわけでありますが、この八億何千万円というお金を使って、ヘドロの処理ができたのはわずかに五万トン内外というふうに聞いておりますが、こういうことからいたしまして、今後、湾湾の機能が整備される、それからまた漁民の方々が、先ほど言いましたこの漁場を回復する、これらこういうような当初の問題が解決されるには、相当な経費がさらにこれから上積みされるだろう、こう考えるわけであります。  ここで私はこの詳細のこまごましい問題については、これはまた後日機会がありましたらいろいろ見解をただしたいと、こう思うのでありますが、最初に申し上げました公害対策に対する国の責任というこの見解の中での第一義的責任という、「国は公害の防止に関する基本的かつ総合的な施策の策定及び実施の責任を持っているので、この意味で、」「第一義的な責任を有するものである。」この「第一義的な責任」ということは一体具体的には何をあらわすのかという、この当面したこの問題を、国は第一義的責任として何をどうするのか、どう対処するのか、財政上、特にきょうは財政問題が中心なんでありますが、そういう問題を中心にして、この問題につきましてどのようにお考えか、見解をまずお聞きしたいと思います。  県として一億二千万、企業として七億、こういう多額なお金を使って、およそ五万トン内外しかヘドロの処理ができなかった。これはいろいろな事情があったけれども、これからはこれらを踏まえてより効率的なヘドロの処理をするということでありますが、しかし問題があまりにも大きい、そしてまた多額な費用のかかる現時点におきまして、国として相当な責任ある立場としてこの問題に取り組んでいくべきである、こういう観点からお聞きするわけでありますが、いかがですか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 確かに、先ほど申しましたように、十分効率的な金の使い方でなかったということは御指摘のとおりだと思います。しかし五万トンじゃありませんで、いま三十二万トンの処理を予定をいたしておるわけでございます。まだ富士川原投棄は進行中でございまして、はたして所期どおりの目的を達成できるかどうか、これはまだ確実ではございませんが、そういう計画でやっておるわけでございます。  それから、先ほどの企業の操短等のお話がございましたから、ちょっと念のために数字を御紹介しておきますと、去年の七月にいわゆるSSの、浮遊物質の負荷量は一日当たり千百六十一トンであったのでございますが、それが約五割と先ほど申し上げましたが、五百四十四トンぐらいに去年の暮れの数字でなっておるわけでございます。それから企業のほうも、最近の不況がこれは加わったわけではございますけれども、田子の浦地域における紙、板紙、ちり紙の生産は、去年の八月と比べまして最近大体九〇%ちょっとくらいの生産量になっております。そこで全体といたしまして、田子の浦に対するSSの浮遊物質の堆積量は、去年と比べますと相当大幅に減っているというのが実情でございます。  そこで、今度はその財政上の問題でございますけれども、これにつきましては、基本的にはこれは事業者負担ということになるわけでございます。ただし事業者負担と申しましても、七億の金をにわかに事業者が用意できるわけのものじゃございません。そこで、昨年は特別にこれは転貸債という形で、国の資金運用部を中心とする金を、財政資金を出しまして、県、市、事業者という形の転貸の方式によってその資金繰りをつけたわけでございます。  それから、先ほど申されました第一義的な責任という問題でございますが、これはまあやはり公害現象というのは地方の現象でございますから、もちろん地域における住民福祉について責任を持つ地方団体がその解決に当たることは、これは当然でございます。その場合に財政上の措置として、地方団体の財政に余るというような場合には、国は当然各種の方面からそれについてめんどうを見なければならない。この財政特例もその一つでございますし、さらに具体的に田子の浦につきまして先ほど申しましたような各種の財政上の援助をするというようなこともその一つの例、具体的な例だったと思うのでございますけれども、そんなようなことであろうかと考えるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 まあ実際今回の法律で特別措置が受けられるのは、基本法の十九条の二項によって公害防止計画を立て、その所要手続を経たところに限るわけであります。まあこのほか二、三ないところもございますが、非常に限られた範囲内である。この田子の浦のこういう非常に重要な問題をかかえながら、実際そういう手続を経なければこの特例が認められないという、現在日本列島にはいろいろな公害に悩むところがございます。田子の浦だけではございませんで、実際この法の定めるところによって特別措置が講ぜられるところというのは、非常に限定され、非常に時間的な経過も必要である、こういうことからいたしまして、一つ考えられることは、国の第一義的な責任という、こういうことが言われているわけでありますけれども、この責任の取り方といいますか、非常に緩慢な感じがするわけであります。こういうことでもっと地域住民の立場に立った考え方が必要ではないか、こういう気がするわけであります。  つきましては、田子の浦、いまいろいろ問題がございますが、最近新聞に報じられております二次公害といいますか、河川敷に投棄したそのために、地域の学校の生徒がたいへん迷惑を受けておる、こういうことが報じられておりますけれども、これも因果関係というものがまだはっきりしないようでありますが、これはもちろん判明すれば、こういう問題については何らかの形で処理するようになると思うのでありますが、この点についてはいかがですか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) 一部の新聞に御指摘のような点が伝えられたわけでございます。ただし、その南中学校というところの生徒がのどの痛みを訴えたというようなことでございますが、この南中学校は、まさに県が今回の富士川投棄に当たって監視測定網を張っておるところでございまして、そこでは硫化水素は実は検出されておらないのでございます。また、硫化水素について新聞で報道されておるような現象が生ずるためには、おおむね五〇PPMくらいの濃度のものがそこに存在しなければならないということでございまして、どうもこれはこの測定結果と合わないのではないかというように考えております。他面、現地で実際にこの富士川へ投棄の作業をいたしておる作業員でございますが、これは現在われわれと県のほうで協議をして、〇・三PPMが数時間続くような状況にもしなければ、作業は中止するというようなことになっておるのでございますけれども、どぶくさいにおいはいたしましても、特に硫化水素特有のにおいはなかったというような報告を受けておるわけでございます。したがいまして、まだ南中学校におけるところの原因が何であるかということにつきまして、県当局にその調査を依頼をいたしておるわけでございますけれども、たとえば亜硫酸ガスの被害というようなことも考えられるのではないかというようなことを申しております。いずれにいたしましても、その因果関係はきわめて重要でございますから、十分納得のいく原因の突きとめをいたしたいと考えております。また、田子の浦及び富士川原の双方にわたって、その二次公害あるいは作業の過程におけるところの公害ということが発生しないように、それについての十分な測定網を張るというような体制を講じておるところでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この田子の浦のことに関連しまして、去年問題になりましたのは宮城県の塩釜のあの水産加工団地の問題で、たいへん地域の方々の問題になったのでありますが、これは公害防止事業団の仕事が所期の目的を果たせなかったということ、これは設計のミスだと言われておりますが、そういうことであとの対策をどうするか、費用をどう負担するかということがたいへんに地元では問題になりまして、議会等におきましても議論を呼んだのでありますが、こういうこれは特殊な問題であると言えばそれまででありますけれども、そういう問題が起きたときに、どこまで国、県、市で財政的な負担をするのかという、これが現在定まっていないだけに話し合いがなかなかつかない。こういうことで昨年の春たいへん問題になりまして、秋に至ってようよう話がついたのでありますが、こういうことなんかについては、政府としてはどうお考えなんでしょうか。

植松守雄内閣審議官

○説明員(植松守雄君) ちょっと私、塩釜の具体的な例がどういう形であったか、確かに事業団の設計ミスがあったということは伺っております。伺っておりますが、それがどういう形で、いまどういう段階であるのか、あるいはどういう方向で解決されそうになっているか、十分承知いたしておりませんので、さっそく調べまして、後刻お答えいたしたいと思います。

長野士郎自治省財政局長

○政府委員(長野士郎君) お示しの具体の例につきましては、私どもも詳細を承知をいたしておりませんので、調べましてあとで御連絡、御報告を申し上げたいと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 いずれにいたしましても、地方自治体の限られた財政内のことでございまして、公害を防止しようという積極的な姿勢で水産加工団地をつくった。また各地方自治体ではそれ相応の対策を講じておるわけでございますが、いかんせん公害防止にはたいへん多額な費用、経費を必要とするということで、ひとつ失敗し、または順調にものが運ばないということになると、これはえらい財政負担になりまして、問題を惹起するという、こういうことで、なかなかその話し合い、折り合いがつかなかった、こういうことがあったわけでありますが、終始一貫私がここで申し述べたいことは、たいへんに公害対策というのは費用のかさむものでございまして、現在これを二分の一にかさ上げをするということでございますが、本来この公害防止というものにつきましては、もっと手厚い——野党三党でこれは昨年の暮れ、法案を提出しまして以来、四分の三ということを主張したわけでありますが、四分の三程度の国の援助がなければ、これはもう地方自治体としては十分な対策は講じられない。これはいろいろな具体例の中からそういう点がはっきりしてきておる、こう思うのであります。そういう点につきまして、今回のこの法律案におきましては確かに一歩の前進ではあろうかと思いますけれども、公害除去というこの目的のために、幅広いといいますか、より積極的な日本列島を包む公害の総点検という観点と、もう一つは地方に大きく権限を委譲した、それに対応する財政的な裏づけにつきましても十分の措置が講ぜられなければならない、こういう点を強く感ずるわけであります。この点につきまして大臣に御所信をお伺いして、終わりたいと思います。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) 先生が公害問題につきまして、ことに総点検という点を中心に、熱心にいろいろ御論議を願っておる点につきまして深く感謝をいたす次第でございます。総点検につきましては、自治省といたしましても先般各地方公共団体に当たりまして調査をいたし、ごく簡単なものでありますが、公害全国地図のようなものを発表したわけであります。今後は、おそらく創設されるでありましょう環境庁におきましても、ただいま審議官からもお話がありましたが、この点さらに作業を進展させ、精密を期せられると思いますが、自治省といたしましても、その責任範囲におきまして、この作業をさらに徹底をして、公害対策の推進に資したいと考えております。  公害防止事業推進に要する財政上のいろいろ負担、ことに地方公共団体の負担に対する国の第一義的責任からする財政援助につきまして、今回提案のような内容を盛った法律案をつくったわけでありまして、この点につきましては午前中からいろいろ御論議がございまして、私どもも十分御趣旨を体しまして、今後補助対象事業なり、その補助率なり、あるいは詳細な対象事業内容、それから起債の充当率、ないしはこれに対するいろいろ不交付団体との措置の関係改善を要する点を感じております。  七〇年代は内政充実の年代であり、かつその中心の課題の一つとして、公害対策問題が大きくクローズアップをした。住民の健康を保持し、かつ善良な環境保全につとめることは、この内政充実の時代であると言われた今日におきまして、地方行財政を運用する者に課せられた大きな責任であると感じております。この点につきましては先ほど山本先生から山中総務長官に御質問もありました。それに対する山中君のお答え、私も同様に考えておるのでありまして、さればこの財政負担の点につきまして、国の援助につきましては、さらにひとつ検討いたしまして、御趣旨の点につき、これがなるべく実現できますように、いま直ちにお約束はできませんが、われわれとしても誠意をもって検討に当たりたいと思って、公害対策事業の積極的推進はもちろん、いまだに公害に汚染されていない地域、あるいはそういう状態の確保及び万全を期する点につきまして一そうの努力を尽くしたいと考えております。

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となっております公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案について反対の意見を申し述べます。  反対理由の第一は、国が公害防止に対する財政負担の第一義的な責任をとるという、昨年末の公害国会における内閣の統一見解があったわけでありますが、本法律案の国庫補助負担率は、この統一見解に違反しております。公害をなくせという国民の声に全くこたえているものではないのであります。公害は、今後いかなる種類のものが表面化してくるか、だれもわからないのであります。今日問題化されているものについてはすみやかに解消すべきであります。  本法律案は、以下さらに述べる諸点を見ても、真剣に公害除去の態度を示しているものでなく、ただ単にややこしい法律文を並べるだけで、公害をなくせという国民の期待を裏切るものであります。負担率を大幅に引き上げ、事業費の四分の三に引き上げるべきであります。  第二の反対理由は、公共下水道の幹線管渠について負担の特例を認めようとしない点であります。国の四十六年度の公害防止対策費についても、下水道整備事業が主要な部分を占めており、すでに政府の承認を得た三地域の公害防止計画においても、下水道事業が大部分を占めております。公共下水道事業の主たる部分である幹線管渠設置事業についての特例を除いた点、政府の公害に対する態度を示していると思われます。すみやかに特例措置に含めるようにすべきであります。  第三に、公害債の元利償還について、その額の二分の一を地方交付税法による基準財政需要に算入するということでありますが、公害発生地域の地方自治体はその大部分が不交付団体になっている結果、その実際の利益を受けることにはならないのであります。同時に、二分の一算入という低率では許されないのでありまして、少なくとも八〇%を算入されるようにすべきであると考えます。  第四には、特例の対象となる事業の種類がきわめて少ないのであります。住居、病院、社会福祉施設等についても、地盤沈下防止対策としての上水道、工業用水道についてもその対象にすべきであり、緩衝緑地のみに限られるべきではないと存じます。公害防止事業をもっと広く考えるべきであると思います。  第五に、補助対象事業としての採択基準が低く、地方自治体側としては、対象事業だけでなく、いかなる公害であれ、その措置をとらなければならないし、財政需要も今後ますます多くなってくることが予想され、地方自治体の広義の超過負担を多くするでありましょう。これでは健全な地方財政の維持運営をすることは困難になるでありましょう。再び地方財政の危機を招きかねないことを危惧するものであります。  以上、主要な点についてだけ理由を述べ、反対の討論といたします。  なお、この際、公害防止計画の策定を促進するとともに、実質的に公害を解消する措置をすみやかに執行するためにも、公害諸法の中に規定されている政令を早く出すべきことを希望して、終わります。

熊谷太三郎自由民主党

○熊谷太三郎君 私は、自由民主党を代表し、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案に対し賛意を表するものであります。  さきの臨時国会におきまして公害関係の諸法が制定され、公害対策の推進、地方への権限の委譲等を中心とする公害行政体制を整備する措置が講じられ、また、公害防止対策事業費の費用負担につきましては、公害防止事業費事業者負担法によって事業者の負担責任が明確にされることとなったのでありますが、本法律案は、公害防止対策事業費についての公費の負担関係について政府の財政責任を明確にし、公害対策の一そうの推進をはかろうとするものであります。  すなわち、公害防止計画の作成された地域を中心とし、特定都市下水道や終末処理施設の設置改築事業、緩衝緑地等の設置事業、廃棄物処理施設の設置事業、公立義務教育諸学校の移転及び施設整備事業、河川・港湾等の浄化事業、汚染農用地等の土壌改良事業、公害監視測定施設等の整備事業などについて国庫補助負担率の引き上げ等を行ない、また、計画地域外に対しても、河川等の浄化事業、土地改良事業、公害監視測定施設の整備事業で緊急を要するものについて、自治大臣が指定して同様の国庫補助負担の特例措置を適用することにしております。  さらに、これらの公害防止対策事業及び下水道事業については、地方債に対する政府資金の優先充当、元利償還金の地方交付税への算入等、地方団体に対する財政措置を講ずることにしておるのでありまして、公害対策の推進上、適切な措置であると考えます。  以上の理由から、私は本法律案に賛成いたすものでありますが、公害対策の推進は、住民の健康や生活を守り、福祉を向上するために緊急を要することでありますので、公害防止対策事業費の充実強化がはかられるよう、本法律の適切な運用を期待いたすものであります。  以上をもって私の賛成討論を終わります。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 私は、公明党を代表し、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案に反対の討論を行なうものであります。  今日、公害は、複合公害といえる都市公害をはじめ、大気、水質及び土壌の汚染、騒音、振動、悪臭、地盤沈下等、全国の随所に発生し、このままでは、やがて「公害列島」の汚名を冠せられることになります。これもGNP至上主義、企業優先の政府の無策が招いたゆゆしい問題と断ぜざるを得ないのであります。  わが党は、公害防止のための諸施策が地方団体を主体として実施されており、しかも一刻も看過できない実情であることにかんがみ、地方団体が実施する公害防止対策事業に対する国の財政上の責任を早急に確立すべきであるとの立場に立ち、日本社会党、民社党と共同して、公害防止事業の実施を促進するための地方公共団体に対する財政上の特別措置に関する法律案をさきに衆議院に提出し、政府が一義的な責任を果たす積極的な措置を要求してまいったのであります。しかるに、ただいま議題となっております政府案は、この野党共同提案の意図するところから著しく後退したものであり、政府の公害防止対策に取り組む基本姿勢を疑わざるを得ないのであります。  まずその第一は、国庫補助負担率のかさ上げの対象が、公害対策基本法第十九条第二項の公害防止計画に基づく公害防止対策事業に限定されている点であります。ただ例外として、計画地域以外の公共用水域の浄化事業や重金属汚染による土壌対策、監視測定施設の整備等について自治大臣が指定し、限定的にかさ上げの特例措置を適用することとしているにすぎないのであります。公害防止対策事業の根幹ともいえる下水道事業を取り上げてみましても、特定公共下水道、都市下水道の一部及び終末処理場の設置または改築を対象としているのみで、まことに不備であります。地方公共団体が公害防止に関する施策を講ずる費用について国が必要な財政上の措置を講ずるという基本法第二十三条の規定に基づいて検討し直す必要があると考えます。  第二は、国庫補助負担率のかさ上げが、ほとんど二分の一にすぎず、事業者負担分を除いて、国と地方が費用を折半するという形をとっている点であります。これでは膨大な公害防止対策事業を消化しなければならない地方団体の財政に多大な負担をしいることとなるのは明らかなことであります。私どもは、国が一義的な責任を果たす上からも、補助負担率の特例は四分の三とすることを要求するものであります。  第三は、地方債の元利償還について、基準財政需要額への算入が五〇%にすぎない点であります。辺地債や同和対策事業債と同様にランクし、算入率を八〇%とすべきであると考えます。  第四は、地盤沈下対策が全く度外視されている点であります。東京湾岸等に見られる地盤沈下は、単に高潮対策事業等の施策で解決される問題ではありません。公害対策として基本的な施策を講ずる措置のないのは、まことに遺憾なことと言わざるを得ないのであります。  以上、本案に反対する理由として数点を指摘いたしましたが、本案に示された政府の財政措置はその基本的態度に問題があるとともに、個々の施策についてもきわめて不十分なものと言わざるを得ないのであります。  これをもって私の反対討論を終わります。

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。

増田盛自由民主党

○増田盛君 私は、ただいま可決されました公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案に対しまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び第二院クラブの各派共同による附帯決議案を提出いたします。案文を朗読いたします。    公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、わが国の公害発生の実情にかんがみ、すみやかに公害対策基本法第十九条に基づく公害防止計画の策定を指示するとともに、地方公共団体における公害防止事業費の急激な増加に伴う財政負担を軽減するため、左記事項について検討すべきである。 一、地方公共団体における公害防止施策の実施状況等にかんがみ、補助対象事業の範囲拡大に努めるとともに、その特例補助率、補助採択率、補助基本額及び地方債充当率を引き上げる等の特別措置の充実に努めること。   なお、不交付団体については、地方債等について適切な財政措置を行ならよら配慮すること。 二、公害防止計画が定められていない地域において実施される公害防止事業についても、その適用事業の範囲の拡大に努めるとともに、当該地域における公害防止対策事業の指定に当つては、都道府県知事及び関係市町村長の意見を十分反映せしめること。 三、公共下水道の管渠部分についても、特例補助対象に含めるよう努めること。  右決議する。  以上でございます。何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) ただいま増田盛君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) 全会一致と認めます。よって、増田盛君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、秋田自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。秋田自治大臣。

秋田大助自由民主党自治大臣

○国務大臣(秋田大助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、今後善処いたしたいと存じます。

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) なお、審査報告書の作成にりきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

若林正武自由民主党

○委員長(若林正武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十二分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗