地方行政委員会 第11号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/03/16
会議録
○委員長(若林正武君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についておはかりいたします。 去る十一日、藤原房雄君の委員の異動に伴い、理事に欠員が生じましたので、この際、その補欠選任を行ないたいと思います。 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林正武君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に藤原房雄君を指名いたします。 —————————————
○委員長(若林正武君) 地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑を行ないます。 御質疑のある方は順次御発言願います。
○和田静夫君 大臣、次官が席をはずしていらっしゃいますから、原則的なことを少しあと回しにしまして、具体的な問題から入りたいと思いますが、まず、昨年の本委員会の附帯決議に関連をして二、三お聞きをいたします。 最初に、自動車のコーレス燃料の問題でありますが、この問題については社会党の竹田委員や山本委員が前の国会で質問をして、議論は出尽くしている感があります。そこで、私のきょうお聞きしたいのは、さきの国会で、「公害対策の見地から、自動車の有害排気ガスの防止に関し、税制上適切な措置を講ずるよう検討すること。」、こういう附帯決議がついたわけです。それから先日の今国会における衆議院地方行政委員会でも、この税法改正案に同様の決議をつけていますが、昨年の附帯決議以来、この問題について一体どのような取り扱いをされたのか、たいへん疑問なんで、まず、そのことについてお尋ねいたします。
○政府委員(鎌田要人君) 前回の、昨年の参議院の当委員会におきまして、「公害対策の見地から、自動車の有害排気ガスの防止に関し、税制上適切な措置を講ずるよう検討すること。」という附帯決議をいただいておったわけであります。で、たまたまコーレス燃料につきまして、この燃料が公害防止上有益であるから、税制上何らかの配慮を加えてほしいという意見が非常に強くございました。そこで、私ども率直に申しまして自治省はそういう化学的な、あるいは各般の公害対策的な試験研究設備も持っておらないわけでございますので、私どものほうから厚生省、通産省及び運輸省に対しまして公文をもって照会をいたしたわけでございます。このいわゆる通常コーレス燃料といわれておりますところの燃料について、公害対策上有益なものかどうか、先般の附帯決議の趣旨もこれあり、ひとつ明確な技術的な回答をお願いいたしたいということで依頼をいたしたわけでございます。それに対しまして、厚生省からは、結論だけ申し上げますと、現段階においては公害防止上有益であるかどうかを判断することはきわめて困難である、こういう趣旨でございました。通産省からは、このコーレス燃料につきましての若干の実験例をお示しになりまして、公害対策上有益であるという明確な断定は避けておられるわけであります。運輸省も同様でございまして、ただ当方で実験をした実験のデータはそのとおりであるというだけでございまして、公害対策上有益かどうかという点につきましての何らのコメントもなされておらなかったわけでございます。 そこで、私どもといたしましては、このコーレス燃料というものにつきまして、公害対策上有益であるという客観的な科学的な心証というものを得るに至りませんでしたので、さらにこの点につきましては引き続き検討をするということでございまして、衆議院におきましてもまた前回の参議院の当委員会と同趣旨の附帯決議を付されたわけでございますが、その間におきまして、やはり私どものこれまでの経過というものを資料としていただいて、附帯決議で処理をしていただいたと、こういうふうに考えておる次第でございます。 一応の概略の経過は以上のとおりでございます。
○和田静夫君 いま言われたような形で、科学的な検査の結果を単に検査結果として出されてきているというものは、与党の永山衆議院議員が求めた資料の中でずっと見ることができるのですね。ところが、その問題はこのコーレス燃料が現在よりも公害の要因が少ない。少ない条件をつくるためには自動車の構造などについて手だてをしなきゃならない。自動車そのもののいわゆるエンジン構造等を直さなきゃならない。そうすると自動車の大きなメーカーたちが困る。自動車メーカー等の圧力によってコーレス燃料化をしないという方向というものもまたいろいろの資料の中からうかがい知ることができる、こういうことになるのですね。その辺のところはどうですか、自治省立ち入って調べられたことがありますか。
○政府委員(鎌田要人君) 実はコーレス燃料の問題につきましては、まあ私も実はあまり専門的な知識を持たないわけでございますが、要するにこのコーレス燃料と申しますのはいわゆる商品名でございまして、成分といたしましてはトルエンのいわゆる単一の炭化水素物である、こういうふうに理解をしておるわけでございますが、これ自身が公害がないというのではなくて、これを気化して自動車を走らせるために特定の機械装置というものがある。この機械装置というものを私ども通称アダプターと申しておるわけでございますが、この機械装置というものを用いますというと、実験結果におきましては、ガソリンにたとえばアダプターをつける、それからトルエンにいまのアダプターをつける、これをいたしますというと、COでございますとかあるいはHCでございますとかあるいは窒素酸化物でございますとか、こういったものの何と申しますか検出量と申しますか、そういうものはガソリンのほうがむしろ少なく出る、こういった結果も出ておるわけでございまして、そういった面から見ますというと、公害対策上真に役立つというのは、燃料ではなくてむしろその燃料に装着される装置であるというふうに実は考えるわけでございまして、そういった意味合いにおきましては、実は油というよりはそういった装置について、考えるとすれば何らか真にそれが公害対策上有益であるとするならば、他の金融上あるいは税制上の措置というものが考えられてしかるべきではないかという認識を私ども持っている次第でございます。
○和田静夫君 言われるとおり、いわゆる装置が問題のようですね、私しろうとですけれども。そこで、そういう装置をつけて実際問題としては実験をされる。検査をされる燃料そのものだけの成分を通産省などが分析をしてみたところで始まらないのだと思うのですね。そういうところまでお求めにならなかったわけでしょう、実験は。
○政府委員(鎌田要人君) 実験はいまのアダプターをガソリンとトルエンと両方に適用しました場合と、それからガソリンについては裸で、トルエンについてだけアダプターを装着した場合、こういう実験データというものはわかっております。ただ、これは釈迦に説法かも知れませんけれども、こういう実験と申しますのは、やはり光化学スモッグの例でもわかりますように、大気ののたとえば気象条件とか、あるいは自動車の混みぐあい、あるいはそのほかのもろもろの物理的あるいは社会的条件というものが集まっていろんな結果が出てまいるわけでございますから、相当長期間に、かつたくさんの事例について実験をしたその結果から帰納されてくるということでありませんというと、ちょっといまのそれぞれの関係各省の実験担当者の方々も自信を持って断定はできないということではなかろうかという気がするわけでございます。
○和田静夫君 先ほど私が申しましたように、自動車メーカー等が新しくそういう装置をつけることをこばむ、まあたいへん自動車が売れ残っていると言いますから、そういうことが原因になって、少しでも公害除去のためにプラスになるものを使わせない。税制的な措置も、そういうところからの、まあ悪いことばで言えば圧力によって検討が進まない、そういうことはありませんか。
○政府委員(鎌田要人君) 結論的に申しまして、そういうことは断じてございません。 なお若干補足して申し上げますと、このコーレス燃料につきましては、御案内のとおり芳香族なものでございますから、例の通産省の産業構造審議会の公害関係の分科会におきましても、やはり芳香族系のものについてはこれが光化学スモッグというものを促進する効果があるので注意するようにという趣旨もございまして、そういう要するに結論的にこれが公害対策上いいんだという客観的な科学的判断をくだすまでの資料というものはそろっておらない。それだけが原因でございます。
○和田静夫君 ちょっと私はこういう経過はもっと突っ込んであれしてみないとあれですが、概括的に言ってちょっと心配になるのは、自治省にはどうも公害対策なら公害対策という政策目的というのはそれとして追求すればいい、税制は税制として追求すればいい、そういうお考え方がどうもあるのではないだろうかという感じがするのです。たとえば土地税制にあらわれていますように、今後この政策的目的に税制が動員されていくという事態がますます出てくるわけでしょう。もちろんそれが税制に大混乱をもたらすというのであれば別ですが、自動車のコーレス燃料税をLPガス税並みにすることはたいへん税制上どうもいろいろ考えても問題がないように思うのですが、何か問題がありますか。
○政府委員(鎌田要人君) おことばを返すようでございますが、公害対策と税制という関係につきましては私どもも十分配慮いたしておるつもりでございます。現に御審議をお願いいたしておりまするこの地方税法の改正案におきましても、大気汚染でございますとか、あるいは汚水処理でございますとか、あるいは工場排水、産業廃棄物、こういったものにつきましての固定資産税の非課税、あるいは課税標準の特例措置、こういったものを拡大をいたしておるところでございまして、税制の面からも、公害対策は今日最も大きな全国民的な課題でございますので、それにつきましてはいわゆる税制の誘因的あるいは抑止的な効果というものを一〇〇%フルに動員して国民の期待にこたえるべきだという気持ちは、私どもの役所といたしまして全体みじんのそごもないつもりでおります。ただ、このコーレス燃料につきましては、他方におきましてこれが御案内のとおり軽油引取税との負担の不均衡、結局税金がかからないままで車が走っているわけでございますので、その不均衡を是正するということから、昨年の国会におきましてこの改正を加えまして軽油引取税の課税対象になった、こういう経過のように私ども承知をいたしておるわけでございます。そこで問題は、このコーレス燃料について軽減措置を講ずる必要があるとするならば、公害対策上それが有益であるかどうかというその一点に結局しぼられてくるのではないだろうか。その点について明確な科学的、客観的な判断が得られない以上は見送らざるを得ないのではないだろうか。こういうある意味におきましては非常に簡明な筋を実は追っておるつもりでございます。なお、石油ガスとの関係でございますが、これはコーレス燃料というのがいわゆる軽油の中に実は加えておるわけでございますので、これを石油ガス税と同じ税率にするということは、結局そのものについてだけ軽油引取税の税率を下げるということになるわけでございますから、ただいま申し上げました考え方からしていかがであろうかという気持ちがございます。なお御参考までに申し上げますというと、この軽油が現在一リットル当たり十五円の税をしょっておる、御存じのとおりでございます。一リットル当たり、これはタクシーで調べたわけでございますが、九キロ走るわけでございます。したがいまして走行キロ一キロ当たりの税負担は一円六十銭、LPGは九円八十銭一リットル当たり税金を負っております。一リットル当たりで六キロでございますので、同じく走行キロ一キロ当たり税負担は一円六十銭。コーレスでございますというと、これは私どものほうの資料ではございませんで、コーレス燃料の宣伝パンフレットによりまするものと、コーレス協会の資料によりますものとで二通り数字が出ておるわけでございます。それによりますと、走行キロ一キロ当たり税負担は一円二十五銭から一円六十銭という結果になっておりまして、走行キロ一キロ当たりの税負担というものから見るならば、LPGとコーレスというものとはこれは均衡がとれておると、こういうふうに存じております。
○和田静夫君 これは与党の中でも参議院から税法を衆議院に差し戻してくれぬかという意見もこの部分についてはあるぐらいですからね。したがって、問題は、いま言われたように、公害について客観的な結論が出た場合には善処をするというふうに承っておいていいわけですか。
○政府委員(鎌田要人君) ただいま仰せのように、これが公害対策上真に有益であるという客観的、科学的な判断というものが、これは私ども専門官庁でございませんので、それぞれの専門官庁における試験研究の結果、明確に立証せられましたならば、そのような措置を講ずることにやぶさかでございません。
○和田静夫君 次に、地方税法の条文というのは一体全部で何条ありますか。
○政府委員(鎌田要人君) 正確に記憶いたしておりませんが、たしか千条をちょっとこえると思います。
○和田静夫君 税務局長、正確に言ってくれませんか。
○政府委員(鎌田要人君) 実は私自身数えたことがあるのでございますが、もの覚えが悪くて、ちょっと正確にいまここで、枝番もございますので、いま数えよとおっしゃいましても、ちょっと時間がかかりますので、たしか千三十四条という記憶はうっすらとあるのですけれども、恐縮でございますが、その辺のところでお許しいただきたいと思います。
○和田静夫君 あなたほど頭がよくてもその状態でしょう。われわれはとてもよう覚えていないのですがね。まあこういう質問をしたのは、言われたとおり枝番が一ぱいありますし、あるいは本法の附則という存在も見のがすことができませんし、本文の条文を見てもカッコがやたらにあって、カッコの中にまたカッコがあって、他の条文が引用されて、その条文でまた他の法律の条文が引用されたり読みかえられたり、当該だとかその他だとかいうようなさし方が随所にあったりしていますから、これが差し示すものというものを真剣にこの税法を読むときに考えてみなければならぬと思うのです。税制の簡素化についてはたびたびずっといわれてきているのですが、一向にそういう意味で実が上がったとは思われないのですが、この辺は大臣に聞くのが一番いいのかもしれませんが、このままでやっぱりいかれるつもりですか。
○政府委員(鎌田要人君) この税法それ自身の条文が非常に複雑、難解、多岐多端というおことばが示すように、これはある意味におきまして、国税、地方税両方を通ずる、ある意味におきましては宿命だとも思うわけでございますが、特に地方税法につきましては、これは率直に申しまして現行の地方税法を作成いたしましたときに、これはああいう非常に特殊な政治情勢のもとにおいてつくられた法律でございますだけに、当時のやはりGHQの担当官の好みと申しますか、主観というものが入りまして、非常に法律の構成それ自身が特異な構成、ある意味におきましては同じような条文というものが各税目ごとに必ず顔を出してくる、こういったような実は地方税法独特のスタイルの問題がございます。それに加えまして、月並みな表現でございますが、社会経済の進展につれまして、税法というものが対象とする課税現象と申しますかというものが非常にこれまた簡単でなくなってきておる、そういうものをできるだけ公正にとらまえて、かつ納税者と課税団体との間の紛議というものをなくするようにするということになりますというと、勢い税法というのは精緻にもなり多岐にもなる、こういうことがございます。他方におきまして納税者のほうからすれば、一条読んだだけでは何が書いてあるのかさっぱりわからぬというような非常にわかりにくい条文というものにつきまして、これをわかりやすくするという努力というものは怠るべきでないと思うわけであります。条文の問題につきまして、これはできるだけわかりやすい条文にするということにつきましては、私どもも努力を重ねてまいらなければならない。また、かつて私ども税をやっておりました時代におきまして、思い切って算式でできるものは算式にしたらどうだ、あるいは表にできるものは思い切って表にしたらどうだ、こういったような意見もございました。ある意味におきまして、そういった方向というものも勇敢に取り入れてみていいのではないだろうか。まあささやかな試みでございますけれども、今度の御審議をお願いいたしておりまする地方税法の例の農地の固定資産税の規定でございますが、これは負担の調整のところは、あまり条文がごたごたするものでありますから、表に備考というものを加えまして、備考でそこで用いられていることばの注釈を加える、こういったような形でいささかの苦心は払ったつもりでおりますけれども、なかなかむずかしいことでございまして、続けてそういう形での努力はいたしたい。ただ、税法の簡素化といわれまする場合に、条文の問題もさることでございますけれども、納税者にとってできるだけ申告の手続を簡単にするとか、あるいは納税者の手続を簡単にするとか、そういった面につきましては、私どもも年々努力を重ねてきておるつもりでございまして、たとえば、住民税と事業税につきまして個人所得税の確定申告というものが行なわれましたならば、あらためて住民税、事業税について申告をしなくても、申告があったものとみなす、いわゆる共同申告制度を導入しますとか、あるいは課税標準でございまする所得は、所得税や法人税の所得を住民税、事業税において原則として用いるとか、そういった意味での努力はかなり行なってまいっておりますし、引き続いてまたそういう努力は継続いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○和田静夫君 そこで、北海道の空知郡中富良野村長、いわゆるサラリーマン減税事件ですが、これは旭川地裁では一審が無罪、それから札幌高裁で二審は有罪判決だったようでありますが、この両判決も、いま私が指摘したように、共通に租税法規のむずかしさというものをやっぱり指摘しているんですね。そして札幌高裁の判決というのは、そう言いながらも結局有罪の宣告をした、そうして次のようなことばで結んであるわけですね。「本件はわが国税制とその運用のあり方、地方自治体における自治権の範囲等の諸問題につき、あらためて関係者の再考を促す契機となるものでなくてはならない。」、この判決を受けて、自治省は今後どのように対策をされ、対処されますか。
○説明員(首藤堯君) ただいまの御指摘のございました空知郡の事件及びその経過はよく存じ上げております。御指摘のように、税法の解釈が非常にむずかしいという問題もございますし、なお地方の税制におきます自主性のあり方という問題も非常に問題点であると、このように考えておるわけでございます。たとえば今後も、たとえばの例でございますが、住民税等におきましてこれの税制の簡素化というものを主眼に置いて、これを国税の付加税にしてしまえといったような議論もございますし、いや、そうではなくて、地方の自主性というものを十分尊重して、その範囲内で簡素化というものを考えていくべきだというような議論もあるところでございまして、そういった重大な問題点を指摘をしていらっしゃる、このように感じておる次第でございます。
○和田静夫君 どうも判決の中からあなた方教訓を得ていないように思うんですね、いまの答弁では。付加税の問題は、あとから私、論議をします、本会議でやった続きを。自治大臣の答弁は非常に不満ですから。私はそこにじっくりきょう時間かけさせてもらいますが、たとえば地方自治体における自治権の範囲等の問題につき、先ほど言ったとおり結語的に指摘をしている、それから何を学ばれて、どうされるかと私は聞いている。
○説明員(首藤堯君) 自治権の範囲という問題でございますが、たとえば現在の地方税法そのものが、御案内のように地方税法で税額、税率と申しますか、そういうものをぴしりときめておるわけでございませんで、いわゆる標準税率制度を設け、その間において地方の自主性を尊重する、こういうたてまえでできておりますのは御案内のとおりでございます。そのような運営をいたしておるわけでございますが、当該事件のような、その自主的な運用の範囲を、他の団体との均衡の問題あるいは地方財政全般の公平化の問題、こういうようなものとからめてどの程度まで運用に発揮すべきであるかといったような点についてたいへんな問題が存在をしておると、このように私ども考えておる次第でございまして、私どもの立場といたしましては、できるだけ地方の自主性を尊重をしていく立場を貫きながら、地方財政全般としての、やはりこれも近郊の団体との均衡問題そのほかの問題もございますので、そこの調和を保つことがわれわれの使命ではないかと、このように考えておる次第でございます。
○和田静夫君 そうしますと、ずばりと聞いて、自治省はこの中富良野の村長に対する旭川地裁の判決のほうが、いわゆる自治省の意見としては、そのほうの判決のほうがやはり自治省の意見らしいと。自治省は、尊重するとすると、そこに依拠するほうが今後よろしいと、こういうふうに考えられるのですか。
○説明員(首藤堯君) これはもう判決の問題でございますので、一審二審だんだん上がってまいるわけだと思いますが、その判決には当然に従わなければならないものと考えておるわけでございます。ただいま申し上げましたことは、その高裁の判決の中にもお示しのように、こういったような問題点が伏在をしておるといった点につきましては、地方の自主性とそれから今後そういった点の調和というものは十分保っていくべきではないかと、このような感じを持っておるということを申し上げたわけでございます。
○和田静夫君 その調和を保たれるということは、具体的にはどういうことをお考えになりますか、この判決の中で。
○説明員(首藤堯君) たとえば、また例を引きまして恐縮でございますが、ただいまたとえば住民税におきます標準税率、超過税率の問題、こういったものがかなり問題になっておりまして、徹底的な議論をなさいます。超過課税否定論者のほうから申しますと、このようなものは国民全般として考えて存在をすべきものではない、住民税としては全部、どこに住もうと、同じ税率、同じ課税標準でなければならぬ、こういう論者もあるわけでございます。私どもは、標準税率というものが設けられております地方税法の精神というものは、決してやはり超過課税の存在そのものを否定するものではない、特に何か特別の仕事をする、そういった場合に、住民の合意を得て特に一時的に多額の負担を忍んでいただく、こういうような事態があれば、それも地方の自主性のゆえんではないか、こう考えておるわけでございます。しかし漫然と超過課税をやるという点については、やはり国民的な点から問題があろうかと考えまして、漫然と行なっております超過課税の解消については、できるだけこれを進めまして、財源補てんもしていく、しかし超過課税制度そのものは、地方の自主制の立場から否定すべきではない、このように考えておるわけでございまして、一例として申し上げた次第でございます。
○和田静夫君 後ほどいまの答弁との関連で付加税の論議をいたしますが、その前に、ちょっと昭和四十六年度の「地方税に関する参考計数資料」の二八ページ二九ページ、この表を見て少なくともわかることは、昭和四十年度は都道府県税が一〇%、市町村税が一一%という逆転はありましたものの、ここ十数年概して税収の伸びは、府県税が市町村税を上回ってきた、市町村の税収の伸びが国税や府県税に比べて鈍化のしっぱなしで、歳入中に占めるウェートがどんどん減ってきたということは、シャウプ税制の当初の意図とは明らかに異なるわけであります。そこら辺を一体自治省はどのように判断をされ、どのように対処をされてきたのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(鎌田要人君) 御指摘のように、府県税に対しまして市町村税のほうの伸びが少ない、これはもうまことに明瞭な事実でございまして、しかもその原因も非常に明白でございます。要するに市町村税の、その一ページ前でございますが、四十四年度の決算で市町村税の三六%を占めておりますところの固定資産税、これの特に土地、家屋、これの伸びが非常に小さいということがこの一番の大きな原因で、他方におきまして府県税の場合でございますというと、この四二%を法人事業税が占めておるわけでございますし、住民税で法人分が七%を占めておるわけでございますが、これが景気に応じて非常に伸びてまいっておる、いわゆる伸長性の強い税だ。結局シャウプ勧告の考え方というものは、私は基本的には間違っておらないと思うわけでございます。基本的には間違っておらないと申しますのは、市町村は基礎的な自治団体であるから、いわゆる住民税を右の柱にし固定資産税を左の柱にする、この二つで、住民が直接負担をする税というもので市町村税というものをつくってまいる、府県は間接的な地方団体という表現をいたしておったと記憶いたしておりますが、という意味から、いわゆる付加価値税、見方によっては間接税ともいわれる付加価値税、これを中心にして、それに入場あるいは遊興飲食税、こういったもので税制を組み立てる、国は直接税を中心として間接税で、補完をする、こういういわゆるシャウプ勧告の基本をなしておりますところの国、府県、市町村のそれぞれの役割りに応じた税源の分離という考え方は、やはり一つの価値のある考え方だというふうに私どもは認識をいたしておるわけでございます。ただ、遺憾ながらこの固定資産税、どうしても伸長性を欠くわけでございまして、特に土地の課税というものが伸長性が鈍いということから、固定資産税に何らかのやはり改善というものを加える必要がある。と同時に、市町村に対しましてもやはり伸長性に富む税という意味合いにおきまして、この所得課税、特に法人所得課税というものを付加してまいる、あるいは道路財源の充実という意味で自動車課税なりあるいは燃料課税というものを付与していく、こういうことを私ども基本的なねらいとして現在進んでまいっておるわけでございます。昨年、法人税の税率の引き上げに伴いまする法人税割りの増徴分をすべて市町村に付与をした、これもそのあらわれでございますし、またことし、事はなりませんでしたけれども、市町村の道路財源の充実のために自動車税あるいは軽自動車税の臨時増徴を行なってこれを市町村に付与しよう、それも実はそういうねらいでございました。そういった基本的な方向で改善を加えながら、市町村の税源の充実をはかってまいりたいというふうに考えております。
○和田静夫君 ところで、この昭和四十六年度の地方財政計画によりますと、府県税の対前年度伸び率は一七・八%、市町村税のそれは二三・一%、こういうことになって、これまでの傾向と明らかに逆転現象。この現象は一体何に基因をしていますか。
○政府委員(鎌田要人君) 景気の動向に伴いまして、府県税のただいま申しました大宗をなしておりますところの法人税割りあるいは法人事業税、これが御案内のとおり前年に比べまして、大体法人税割りでございますと一七・四%、法人事業税で一七%、こういうことでございまして、いままでにない率の落ち込みを示しておるわけでございます。他方、市町村税のほうにおきましては、法人課税の占めるウエートがまあ比較的少ないものでありますから、他方、所得割りの伸びの大きさあるいは固定資産税の伸び、こういったものにささえられまして、市町村税の伸びのほうが府県税の伸びを上回ったと、まさに景気の動向というものがここにからんでこういう結果になっておるというふうに理解いたしております。
○和田静夫君 この現象を不況下の一時的なものとせずに、それが関連をしてこうなってるというふうな形だけで片づけずに、これを契機に市町村財政を相対的にも絶対的にも充実をしていく、そういうふうにしていかなければならないということについて、自治省だって私は異論がないところだろうと思うんですが、しからば具体的にどういうような策を今日お考えになっているのか、これは次官、もしお答え願えるならば。
○政府委員(大石八治君) いま局長から申し上げましたとおり、市町村の税源について、まあことしは形が変わって自動車重量譲与税という形になったわけですが、そういう点の税源配賦をしたい、また、この前には自動車取得税の三分の二を市町村に——県税としたとったものを三分の二を市町村にやるというような方向でやろうとしたわけでありますし、いまも、法人割りの問題についても市町村に少しおろし得るところを考えたいというふうに考えております。ただ、固定資産税と住民税が大宗をなしておるという点から、実は固定資産税のうちの土地に関しまして大部分、いわゆる三十八年以来これが政策的にストップを実はさせているわけでございます。これらの点が、私は一番おもなものが三十八年からは全く動かないという点に大きな問題が実はあるのではないかというふうに思いますけれども、その他いわゆる米に対する全体政策もあるものですから、簡単に手はつきませんけれども、ここらも一つの財政的見地からいえば一考を要するところではないかというふうに考えております。
○和田静夫君 私たちは都市税源充実の観点から市町村民税の法人税割りの引き上げを御存じのとおり主張し続けてきた。私はそれを法人の税負担への転嫁、国、府県からの課税権の一部の移譲、この二つの併用で若干ずつでも実現していくべきだ、そういうふうに考えているのですが、いかがです。
○政府委員(大石八治君) 御指摘のとおりに、私どもも御意見のとおりに考えております。今後もその点の努力を続けたいと思っておるわけです。すなわち、国と地方との関係の税制のいわゆる多少の——全面的ではありませんけれども再分割、及び都道府県と市町村との関係の再調整と、二つの面にかけて努力をいたしたいと考えております。
○和田静夫君 法人の地方税の均等割りの税率の引き上げですね、これは局長考えられませんか。
○政府委員(鎌田要人君) 法人住民税の均等割りの引き上げにつきましては、たしか昭和四十二年に均等割りの引き上げをはかったところでございます。均等割りの引き上げの前に、実はこれはまだ私どもの内部で検討を加えなければならないと思っておりますけれども、地方制度調査会なりあるいは税制調査会なりの答申にございますところの、いわゆる特に大都市における法人の地方分散と申しますかというものを一つのねらいとする事務所、事業所に対するいわゆる課徴金もしくは税金、これの問題を先に実は私どもとしては考えてまいりたい。均等割りにつきましては、個人のほうが全然実は動かしておらないものでございますから、個人と法人との関係というものも考えながら、四十二年に続いてこの一両年にやるかどうかという点につきましてはいましばらく慎重に検討いたしたいというふうに考えております。
○和田静夫君 いま都道府県民税、市町村民税それぞれの法人の均等割りの税額は幾らですか。
○政府委員(鎌田要人君) 資本金額、出資金額で分けておりまして、一千万円をこえる法人につきましては年千円でございます。それからその他の分が六百円でございます。これが県民税でございまして、それから市町村民税が四千円、ただいまの区分に従いまして四千円と二千四百円でございます。でございますから、両方合わせまして五千円と三千円ということに相なります。
○和田静夫君 この法人の均等割りの存在の趣旨は何なんですか。
○政府委員(鎌田要人君) これはまあ法人、個人を通じていわゆる負担分任ということで、昔の古い表現でございますと負担分任の精神を税制の上に顕現するという表現を用いておるわけでございますが、そういう趣旨によって設けられた税であるというふうに理解いたしております。
○和田静夫君 そこで、法人といえども均等割りというのは、私は法人割りとはおのずから性格を異にしている。地方自治への参加費でありましょう。たとえば新日本製鉄などのような大企業が公害その他地域に多大な迷惑を及ぼしているわけですね。これは北海道なんかへいけば紙の関係の大きな企業なども同様ですね。それが地域に参加していくにあたって、その参加費が、都道府県民税分、市町村民税分を合わせても、いま言われたように年間五千円程度というのは、これは庶民感情としてどうしても納得できないというのがあたりまえじゃないでしょうかね。そういうものが一方にあるから、先ほど取り上げた中富良野のような形のものもやっぱり出てくる。そういうふうに考えるのですが、いかがです。
○政府委員(鎌田要人君) 仰せの点は確かに私どもも理由があると思います。ただ問題は、先ほども申し上げましたように、この資本金額あるいは出資金額一千万というところで線を引いておるのでありますから、ここをあまり大きく上げますと、中小企業も結局これにひっかかってくるということがございます。かたがた住民税負担と申します場合に、均等割りと法人税割り、これを合わせた負担というもので考えてまいるということが至当ではなかろうか。赤字企業の場合は結局公害を出しっぱなしで収益が上がらないから法人税割りは全然払わない、こういう状態になりますというと、ちょっと説明に窮するわけでございますけれども、やはりある長期間をおきまして、やはり法人税割りと均等割りというものを総合した負担というものを考えるべきではないだろうかというふうに考えております。
○和田静夫君 いまの考えるべきではないかということを考えているというところですね。それは一定の、次年度までにはそれらを、考えているべきではないかということを考えてしまうということを意味しますか。
○政府委員(鎌田要人君) どうも不明確な答弁で恐縮でございますが、いまの均等割りというものに、実は住民税の中で均等割りというものにどれだけのウエートを置いて考えるべきか、これはいま先生の御質問は法人に限定されるわけでございますが、かつそれは公害等の問題を含んでの視野からの御質問でございますけれども、実は個人の均等割りという問題が、私どもが非常に解決に頭を悩ましておる問題でございます。個人の均等割りというと、御案内のとおり県の段階では百円、市町村の段階でも一番多いところで六百円でございますから、この辺の、法人の均等割りを上げるというときには個人の均等割りの問題というものをあわせて考えなければならないということになりますというと、ある意味におきまして、やはり大衆課税というものを強化するという形になるものでありますから、そことのからみ合いで私どもが思案をつけかねておるということが一つございます。 もう一つは、法人の問題として考えます場合に、いまの均等割りと法人税割り、それから先ほど落としましたけれども、いわゆる事業税というものがあるわけでございますので、この三税というものの負担というものと関係地方団体との受益関係というもの等を見きわめながら、均等割りにどれだけの役割りを持たせるか、ウエートを置くかということについて、もう少し考えて検討してみたいと、こういうことをいま申し上げたわけであります。
○和田静夫君 考えて検討されるというのですから、考えて検討してもらえばいいんですが、法人というのは、いってみれば大きな個人である。内部にいる個人の総合体というような概念ではなくて、企業体なり事業体なりそのものを個人と見たてた概念でしょう。そうでなければ法人の均等割りなどというものは生じなかったでしょうから。そうすると、ある地域においては今後の住民自治に対して企業というのは非常に大きな圧力なんですね。その力というものはたいへん圧倒的なものであるということが言えると思います。したがって、私はその大きな個人と小なる個々人との関連というものは、よく考えてみれば、き然として一線を引きながら税対策を行なうことができる、そういうふうに考えられますね。特に最近、職住乖離などの状況を考えた場合、そのことが言えるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(鎌田要人君) ことばが適切かどうかわかりませんが、法人重課ということにつきましては、私のほうも市町村、特に市町村の税源の中で法人の占める割合というものをもう少し上げてまいりたい、これは先ほど政務次官もお答え申し上げましたように、私どものある意味におきまして一貫した悲願でございます。それを均等割りの形でいくのか、あるいは法人割りの形でいくのか、あるいは法人そのほかに、いわゆる職住分離といういまお話がございました、いわゆる地方制度調査会なりあるいは税制調査会あたりで申しておりますところの大都市における事務所等に特別課徴という形でいくのか、あるいはもう一つ新しい考え方といたしまして、格別新しくないのかもしれませんが、四十三年の税制調査会の答申にございますいわゆる事業税に付加価値要素というものを導入する、こういう形で考えるのか、あるいはそれのそれぞれの組み合わせ、いろいろな方法が考えられると思うのでございます。で、いずれにいたしましても、この地方税制、特に市町村税制の将来の大きな目標と申しますか、といたしましては、法人課税のウエートを高める、そのために努力をしなければならないというふうに考えておるところでございます。
○和田静夫君 去る十日の本会議で、私は住民税の付加税化論について総理、大蔵大臣、自治大臣に質問いたしました。これに対して大蔵大臣の答弁はかなりの決意に満ちたものだと受けとめました。衆議院の本会議における答弁よりも少し軟化をしておるようには受け取りましたが、その基本を流れるものはあまり変わってないように受け取れました。そこで、これは次官にお聞きをしたいのですが、大蔵大臣にああいう形のことを言わせっぱなしにしておいていいのかどうかということ。自治大臣としてはどういう決意をもってこれに対処をされていくのか、この機会にお聞きをしたいのですが。
○政府委員(大石八治君) 聞こえ方で、大蔵大臣の場合はまあ付加税的な考え方に聞こえるような段階が一時あったと思うんですけれども、真意はそこまで言っているんではないというふうに私どもも理解しております。いわゆる付加税的な役割りという問題につきましては、私どもはあくまでいわゆる地方公共団体の自主性という問題から、これはもう排除して、いわゆる自主的にやらなければならない、ただ素資料の使い方という問題について、複雑になってくる問題いわゆる別々に申告するようなことは、もう課税対象の資料というものは一本でいくというやり方がこれは合理的だと思うんです。現実にそういうふうなやり方をやっているわけであります。そういう点のくふうは私どもさらに伸ばしていくというふうにすべきだろうというふうに考えておりますが、これは自治大臣自身も衆議院の本会議で申し上げておりますとおり、その自主性を失わない点で貫く決意だということを申し上げておりますので、さような考え方で私ども進みたいと思っております。
○和田静夫君 参議院本会議の場合は、総理の答弁というのは大蔵大臣寄りなんですね。そこで自治大臣にかなりの決意をしてもらわないと、私は、それは大蔵大臣衆議院のときよりも軟化をしまして、慎重に考えて対処していくんだというふうに答弁は軟化をしていますけれども、そのように感じました。これはもう十分検討していただきたいと思いますが、この問題が出てきた発端を考えてみますと、いわゆる徴税コストの問題から出発をしているように思います。自治省も首藤さんあたりは、住民税の現年課税化論やあるいは所得税と住民税の課税最低限を一致させようという議論と結びつけてこの問題を考えていらっしゃるようにいろいろなものを読んで——あとから少し引用させてもらいますが、そう思います。私はこれには若干の読み込み過ぎがあるというふうに思います。まさに徴税コストの問題を発端としてこの問題があるというところにポイントがあるわけです。だからこそこの付加税化はそこにとどまらないということだろうと思うのです。必ず徴税一元化につながらざるを得ないだろうと私は思うんです。大蔵大臣は法人税付加税の採用をもって法律論は終わった、私の質問に対して本会議でこう言われている。私は法律論も終わっていないと思う。ここはどうですか。
○政府委員(鎌田要人君) 実はいまの法律論は終わったというそこのところがよく私理解ができないのでございますが、私どもの基本的な考え方は、この住民税と所得税、同じ所得税を標準としておるんだから、両税を付加税の関係においたらいいじゃないか、あるいは徴税を一本化したらいいじゃないかという考え方に対しまして、かなりの事実に対する誤解、誤認というものがあるのではないだろうかという気がいたします。現在、たとえば住民税と所得税というものを徴収を一本化してどこが一体楽になるか、あまり楽にならないという感じがするわけでございます。住民税を現年課税にいたしまして、それで源泉徴収の際にたとえば二八%なら二八%を住民税として取るという、そういうことになりますというと、源泉徴収義務者は、今度は自分の会社なら会社の全従業員につきまして、住所地の市町村ごとに仕分けをして計算をして送らなければならないという事務が新しくふえるわけであります。いままででございますと、市町村長さんから、おまえさんのところの職員のこれこれはこれだけのものをこれだけ毎月納めてくれ、こういう通知書で、それを見ながら納めればそれで事務が済む。何にも手間が要らない。ところが今度は、特別徴収義務者は所得税の源泉徴収の計算をいたします際に、あわせて住民税の計算をして、なおかつそれを住所地の市町村ごとに振り分けていかなければならないわけであります。それだけの事務というのはたいへんな事務であります。現在の徴収事務だけでも、あれだけの手間をかけるのは憲法違反じゃないかということで訴訟問題が起こっておりますときに、それだけのものを新しく付加しようということは、これはとてもできるものじゃない。そうなりますと、それならそれは一本でいい、税務署に出してもらえばいい、税務署で仕分けして送る。こういうことになりますと、おそらく税務署の増員問題ということになりまして、いよいよ国民の同意というものは得られない。そこも避けようということになりますというと、税務署で一本で納めたものを特定の基準で市町村に配分をする、府県に配分をする譲与税に住民税をしなければその問題というのは片づかない。そういう形になった住民税、住民税を譲与税化しようということが、いわゆる地方自治、地方税、こういった考え方というものと矛盾、扞格はないものかどうか、私どもは非常な疑問を感ずる次第でございまして、いまの大蔵大臣のおっしゃいましたことをめぐってのお答えにはならなかったかと思いますけれども、とても簡単なものではない、重大な問題であるという認識だけは私ども持っておることをはっきり申し上げておきたいと思う次第でございます。
○和田静夫君 住民税の所得税の付加税化の問題というのは、これは私は地方自治体の課税権にかかわる問題だ。これは本会議でも明確に述べました。住民税の課税最低限と所得税のそれと一致させる問題とは全く別の次元の問題である。何も付加税化をしなくても課税最低限を一致させることはできるはずでしょう。住民税の課税最低限が所得税のそれに比して著しく低いことについても、自治省関係者の論調にはここ一、二年の間に若干の変化が見られるように思うのです。したがって私はこれを取り上げたんですがね。初めあなた方は、それをまっこうから、さっきも言われましたが負担分任論をもって説明しようとされました。しかし、それは均等割り存在の説明としては適切であっても、所得割りの課税最低限の低さを説明する議論とはなり得なかったと思うのです。少なくとも課税最低限設定のモメントには社会政策的観点があるということを認めざるを得なかったと思うのです。そこで、今度は負担分任的側面などと言い出されていますね。ところが、ことしあたりの論調では、これを説明するのに負担分任ということばすら出てこないようになっているような感じがいたします。まあ不勉強だからそうなのかもしれませんがね、自治省の考え方がこれは変わってきたと見ていいんですか、全然変わらないんですか。この辺はどうなんですか。
○政府委員(鎌田要人君) 先ほど均等割りのところで負担分任ということばを申し上げたわけでございますけれども、住民税それ自身が負担分任というものを基調にしておるということにつきましては、私どもの主張は全然変わっておりません。 それから、いまの課税最低限を所得税と住民税を合わせるということ、それから住民税を現年課税にすること、これと付加税の問題というものは全く一環をなす問題だというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○和田静夫君 たとえば例年雑誌「地方税」一月号で皆さん方やっていらっしゃる——皆さん方と言っては語弊があるかもしれませんが、税務局関係の人がやっていらっしゃる「地方税制の回顧と展望」ですね、ここで高橋市町村税課長はこう言われているでしょう。「所得税と比べて七割がよいんだ、八割がよいんだということではなしに、何をめどにしてお前たちは課税最低限というものを決めているのかということになろうかと思いますけれども、これはやはり住民税の性格から出てきますところの、住民税の納税義務者はどのくらいであったらいいのだろうかというふうな問題やら、それから国民の生活の水準というものから考えて、住民負担というものはどれくらいにならなくてはいけないのかというふうなこと、それから地方財政の情況、こういうものから考えて、この辺が最も妥当である、こういうことで決められていくのが住民税の課税最低限ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけです。」で、これは現行の課税最低限のきめられ方を述べたにすぎないんですね。課税最低限というのは何かという問題は、これは回避をされているわけです。私たちは課税最低限とは何かという議論の上に立って、つまり所得税の課税最低限も住民税のそれも、税制面への社会政策的観点の導入、すなわち課税しない最低生活者の設定であるという立場から、両者が違うのはおかしいと言っているわけですよ。で、しからばあなた方は課税最低限とは何であると考えて両者の差を合理化をするのですか。まあたいへんプリミティブな質問で恐縮なんですが、課税最低限とは何ですか。
○政府委員(鎌田要人君) 一般的には、この課税最低限ということばの意味しますのは、結局それから下は取らないということでございますから、ある意味におきまして、一定限度以下の所得階層の、したがって一定限度以下の生活費というものには食い込まない、こういうことが考え方の基本にあるのだろうと思います。かつては、いわゆる基礎控除という議論をいたします場合に、最低生活費免税の原則と、こういうことを言ったことがございます。ただ、まあこれは主観の問題になろうかと思いますが、現在の所得税の課税最低限というのは、いわゆる最低生活費というものよりはやや上回ったところになっておるのではないだろうかというふうに考えます。 それから、実はここからはおそらく非常に微妙な問題でもあり、あるいは大議論にもなると思うんですが、私どもは住民税所得割りで課税最低限の議論を所得税と同じベースでやることは間違いだという考え方を実は持っております。と申しますのは、所得割りと所得税というものが根本的に違うということの考え方があるからでございます。御案内のとおり、所得税は、これはもうまさに人税の根幹でございまして、その人に帰属するすべての所得というものを総合して課税をする、こういうものでございます。で、所得割りは、私どもの認識におきましては、これはかつての住民税戸数割りからの明治初年からの沿革を持っておる税、これの系統に属する税だというふうに考えております。昔の戸数割りでございますというと、均等割り、見立て割り、資産割り、こういうもので、門がまえとか屋敷のつくりとか、そういうものが最初は見立ての基本になっておったわけであります。それが順次純化されたと申しますか、ということで、最終段階におきましては、均等割りと所得割りと資産割り、こういうもので構成をされておりまして、したがいまして、こまかい表現にこだわるようでございますが、住民税所得割りというのは、私どもはいわゆる所得税と同じような趣旨の所得課税というふうに考えるのではなくて、住民に負担を分任させる。負担を分任させる場合に二つのカテゴリーというものがある。一つが頭割りで、これはいわゆる均等割り、もう一つはその人間の能力割りである。能力割りでありますから、能力を最も具現するのが所得だ。したがって所得割り——所得税ではありませんで、所得割りだというところに私どもは意味があると思うのであります。所得に応じて割り付ける所得というものが負担分任のものさしになっておるんだというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、所得税の場合でございますというと所得再分配の効果もございますし、あるいは景気調整の役割りというものもございます。住民税所得割りにおきましては、そういう役割りではなくて、いかに広く薄く文字どおり負担を分任してもらうか。そういうことから考えますというと、所得税と所得割りの課税最低限というものが違ってちっとも、おかしくないし、あるいはまた税率についてむしろフラットの税率のほうがいいというぐらいの議論もあるわけでございまして、やはり住民税と所得税との性格の相違、それから発するところのもろもろの相違というものにつきましては、これははっきり一線を画して考えるべきではないだろうかというふうに存じておる次第でございます。
○和田静夫君 ちょっとすみませんがシャウプ勧告は住民税所得割り部分についてどういうことを言っておりますか。
○政府委員(鎌田要人君) 的確な表現は私、記憶いたしておりませんが、御案内のとおり、シャウプ勧告におきましては、所得割りにつきまして、所得税の一定率を取る方法、それから総所得金額から各種控除を行なった、いわゆる現在の用語で申しますと、課税総所得金額に課税する方法、それから総所得金額から所得税額を控除した額に課税する方法、この三つの課税方式というものを定めまして、それを市町村の自由選択にゆだねたわけであります。この考え方の基本にありますのは、やはり所得を割り付ける場合のものさしとして、ある市町村においては、所得税の何%というやり方でいったほうがいいというところはその方式でおやりなさい。それでは十分な住民の負担の分任というものが得られないという場合においては、課税総所得金額で課税するというやり方でおやりなさい。これのほうがいわゆる課税最低限は低くなるわけであります。あるいはまた課税総所得金額から所得税額を差し引いた額でやりなさい。というのは、可処分所得の大小に応じて住民税の負担を求めなさい。こういうふうに、いわゆる自由選択制にして、まさに地方公共団体の自治というものにゆだねておったというふうに理解をいたしております。
○和田静夫君 シャウプ勧告はまずこう言っていますね。市町村が均等割りによるもの以外の住民税額の部分を割り当てるにあって、基準として用いられるのは所得だけに限定する。そうしてさらに、住民税中の所得的部分は国税たる所得税に対する地方的付加の形とする。これを読みますと、いま問題になった付加税方式が合理化をされているように思われますが、私たちが現行のもとで付加税方式の採用に反対をするのは、そこから自治体の課税権侵害へと進む必然性を読み取るからです。このことは本会議でもすでに申し述べたのですが、いま言われてきている付加税方式が、住民税を市町村税のみに限定をして徴収の具体的方法についてもこまかく勧告しているシャウプ勧告の趣旨とは全く違うことは明らかであります。ただ、住民税の性格として、これが所得税の分身であるという性格は、いろいろ論議はありますが、ぬぐい得ないと思うのです。むしろ自治省がそのことを十分自覚をしていたならば、徴税コストの問題に端を発した付加税方式の提案に対しても、まさに自治体の課税権の侵害の問題としてもっときっぱりした態度がとれたと思うのです。課税最低限の差異を合理化したいあまりに、シャウプ勧告の時代にはすでに前提であった住民税所得割りの所得税の分身としての性格を忘れたがゆえに、自治省は、課税最低限を一致させる必要がある、そのために付加税方式にいきそうだみたいな便宜的な態度になっているのではないかということをたいへん心配するのですけれども、いかがですか。
○政府委員(鎌田要人君) 結論的に申しますと、所得税と住民税の課税最低限を一致させておったならばとっくに付加税化の道をたどらざるを得なかったのではないかと、逆に私はそういう感じがいたします。 と申しますのは、いまのシャウプ勧告では三つの方式でございましたが、その後におきまして、いわゆる大多数の市町村におきましては、いまの三つの方式ではとうてい負担の分任が得られないということで、非常に強い要望がございまして、昭和二十九年の税制改正でそれぞれ但し書き方式というものを導入いたしまして、これによる課税市町村が非常に多かった事実が、やはりいまの所得税と課税最低限を同じにする、いわゆる所得税に対する付加的な形で所得割りの負担を求めていくということではとうてい住民税としての本質というのが維持できなかった。換言するならば、納税義務者が激減をし、税収入も得られない、そういう弊害のほうが先に出てきたんだろうと思います。
○和田静夫君 さっき読んだののあとですね、首藤参事官も高橋市町村税課長のことばを確認されて、「所得税の課税最低限と住民税の課税最低限はおのずから違うんだ、しかしいまおっしゃったようにやはりそれが生活最低限というものを割っては困るのであるから第一には国民生活水準なり所得の水準、第二には市町村における納税義務者の数、それから三つには地方財政の情況なりという点から決めるべきである」、まあ、こう言っている。 それならお聞きしますが、この三つの要因から、先ほどの局長の答弁を類推をしながらですね、住民税の現行課税最低限の合理性について説明をしてもらいたいと思うんですよ。 たとえば計数資料の三〇ページですが、これは個人住民税の納税義務者の推移が載っているでしょう。これが二千万人をこえた三十九年当時たいへんな議論になりました。ところが、間もなく三千万人をこそうとさえしているではありませんか。あなた方は一体納税義務者が何人くらいが妥当と考えて、そして課税最低限をきめているのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(鎌田要人君) この所得割りの課税最低限、所得税の課税最低限におきましても、いわゆる大前提がございまして、その大前提からしてかくかくのごとしと、こういう幾何学の証明式のような形での根拠というものはおそらくないと思います。結局幾つかの制度創設、あるいはその後の段階において定められた基礎控除なり、あるいは扶養控除なり、配偶者控除なり、あるいはサラリーマンの場合でございますと給与所得控除なり、そういうものがそのときの減税の規模なり、あるいは消費者物価の下昇ぐあいなり、こういったようなものを勘案しながら基礎控除をたとえば一万円上げる、あるいは扶養者控除を妻の座を重視するということから二万円上げる、こういったようなやはりその年々における政策的な判断というものも加えながらきめているということでございますから、いわば大前提から小前提に向かってかくかくのごとしという証明のやり方ではなくて、結論的にこういった形で課税最低限というものがある間は合理性を維持できるものではないだろうか、こういう形——ながめ直す形になるのじゃないかという気がするわけでございます。そういった意味合いで申し上げますというと、一つは、いまの所得割りの納税者は四十六年改正におきましては二千九百万になっておるわけでございますが、この年々の課税最低限の引き上げというものによりまして、実は市町村ごとで見てまいりますというと、納税義務者の数で前年と同数あるいは増加をしておりまする市町村、それから納税義務者の数がむしろ減っておる市町村、こういうものを比較をしてまいりますというと、実は四十五年——去年でございますが、去年の税制改正の結果によりまして、全市町村の大体二割弱でございますが、五百九十九の市町村はこの課税最低限の引き上げによりまして納税義務者が減ってきておる、こういう市町村というものがあるわけでございます。特に町村でございますけれども。そういうものをひとつ私どもとしては頭に置いて考えたい。 それから、この市町村人口に占める所得割りの納税者の割合というものを見てまいりました場合に、所得割りの全納税義務者が大体国民全体につきまして二九%——一億としますと二九%ということになるわけでございますが、市町村におきましては、納税者というものが人口の中で占める割合というものが一〇%以下のものがすでに三百四十六市町村出てまいっておるわけでございます。あるいは一〇%から二〇%というところが千四百二十四市町村あるわけであります。かなりの市町村におきまして、負担分任という観点からいたしまして、二〇%——全人口の中の二割程度の者が納めておる、こういうところがやはり一つの目安として考えられるのではないだろうか。 それから、もう一つのサイドといたしましてはその年々の自然増収の中でどの程度のものを減税に充て、どの程度のものを行政需要の増加に充てるかという配分の問題があろうかと思います。大体四十六年度の場合でございますというと、市町村民税の自然増収の十二月計算のベースを申し上げますというと、三二%弱のものを減税に振り向け、残りの六八%のものを行政需要の増加に振り向ける、こういう配分にいたしておる。 それから、なおこまかい点といたしましては、たとえば生活保護基準、こういったようなものがいわば下を押える場合の一つの基準として相なろうかというふうに考える次第でございます。
○和田静夫君 私なりにあなたのほうの作業過程をお聞きしながら想像しているのですが、まず、あなた方の頭の中に地方財政を勘案をして減税額をきめることが、言ってみれば何としても抜け切れないのでしょう。その次に、その減税額を一体どういう税目に振りつけるか、こうきめる。そして、住民税所得割りの減税ということで、まずその総額をきめるのですが。そうして、その総額をそれぞれ控除額の設定——言ってみれば課税最低限の設定を通じて実現をする。ともあれ、それじゃあ今度の一万円なり二万円の控除額が結論されるまでの経緯を克明に示してほしいと思います。経緯と同時にその根拠を示してもらいたいと思います。いかがですか。
○政府委員(鎌田要人君) 当然これはどの税でもそうでございますけれども、一方におきましては納税者の状況というものももちろんございます。他方におきまして団体の財政状況というものもございます。大体、従来の経緯から申し上げますというと、住民税の所得割りの場合でございますと、課税最低限をほぼ十万円程度ずつ引き上げる、こういうことが過去数年来行なわれてきておるところでございます。大体十万円引き上げるということになりますと、所得割りの減税規模というものがおのずからきまってまいるわけでございます。ことしの例で申し上げますと、十万円上げるということになりますと、大体基礎控除一万円、それから配偶者控除一万円、扶養控除二万円、こういうところになるわけでございます。それに対しまして内部の経過でございますけれども、できるだけ住民税の負担——地方財政は決して大幅な減税をやるほど余裕があるわけでないことは、これは申し上げるまでもないところでございますけれども、そういう中で住民税の課税最低限というものを十二万円弱引き上げる、こういうことで配偶者控除を二万円引き上げる。それから扶養者控除を二万円引き上げる、こういうことにいたしたわけでございます。そのような形で、これはその経過を時間の経過を追って逐一表現するということになりますとなかなか微に入り細にわたるわけでございますけれども、結論的にはやはり現在の住民負担の状況、あるいは消費者物価の上昇ぐあい——まあ、消費者物価の上昇ぐあいということになりますというと、率直に申しますと七・七%というものが一つの要素に入るわけでございますが、それでございますと、まさに物価調整減税しかできないわけでございまして、その上に幾らのものを積むかということが、いま申し上げましたような経過で議論をしながら詰められていった、こういうことでございます。
○和田静夫君 もっと具体的なあれを克明に示してもらわないと、一がいに結論的には言えませんが、どうも私は納税義務者の数であるとか、あるいは最低生活費などに対する配慮というものが、やはりないというふうに思うのですが、そういう意味では、北海道の中富良野の場合の村長のやった、いわゆる最低生活というものとの関係において、税の減免などというような行政執行者の措置ということは、言ってみればある一定の政治的権威を持っておるということも、逆の意味では言えるような感じがいたしますので、その辺のことはどうお考えになりますか。
○政府委員(鎌田要人君) この課税最低限というものにつきまして、いわゆる最低生活費との関係ということになりますと、やはり生活保護基準というものが一つの目安になるだろうと思います。この生活保護基準というものに対しまして住民税の課税最低限というものがいずれもかなり大幅に上回っておることは御案内のとおりでございます。私ども、やはり住民税の課税最低限というものを考えます場合に、各種の控除というものの引き上げをどの程度にすればいいのか。結局、繰り返しになりますが、所得税の場合でございますと日本全国、大都市から寒村までひっくるめての納税者というものを対象にして、いわば日本全体を対象としてこの課税を求めている。それによって再分配機能というものを果たしてまいる、こういうことでございますから、まさにナショナルな規模で考えられる。住民税の場合でございますと、大都市、中都市あるいは過疎町村、それぞれがそれぞれの課税権を持って、課税団体として課税するわけでございますから、それらのいわば最大公約数と申しますか、といったような形で税制というものを付与してまいるということになりますというと、おのずからこの課税最低限というもののきめ方というものにつきましても所得税のそれと異ならざるを得ないということに相なろうと思うわけでございます。
○和田静夫君 附則二十九条の四の立法趣旨を御説明願います。
○政府委員(鎌田要人君) この市街化区域農地を、先般提案理由並びに補足説明で申し上げましたように、A、B、Cの三つのグループに分けるわけでございます。この中でいわゆるBグループ及びCグループにつきましては、かなり市街化に特にCグループの場合でございますというと、期間がかかることが予想されるわけでございます。そういった中で、いわゆる宅地に準じた負担というものを求めるということになりますというと、固定資産税及び都市計画税の合算額が小作料というものを小作地につきましてはこえることが予想されます。そういう場合におきましては、この小作料をこえる額を限度といたしまして、本人の申し出を前提にいたしまして徴収猶予をする。B農地及びC農地に限って徴収猶予をするこういう考え方でございます。
○和田静夫君 そこで、A農地を除外した理由は。
○政府委員(鎌田要人君) A農地でございますというと、その市町村の市街化区域の平均価格が宅地の平均価格を上回る、あるいは絶対額におきまして五万円を上回るような土地でございますね。そういう土地でございますというとかなり市街化も進んでおる、そういった意味合いにおきまして、固定資産税の負担というものをまるまる求めてもいいのではないだろうか、そういう前提に立って除外をいたしておるわけでございます。
○和田静夫君 減免措置ではなくて徴収猶予とされた理由は何ですか。
○政府委員(鎌田要人君) これは御案内のとおり、小作地でありますので、小作契約というものがございまして、小作料というものをなかなか上げにくい、あるいは小作契約の解除というものもなかなかむずかしかろう、こういうことでこの徴収猶予をいたしたわけでございます。したがって、この減免ということになりますというと、租税力はある。あるけれども、いま一ぺんに小作料を上回る負担というものを求めるということについては気の毒であるということから、徴収猶予ということにいたしておるわけでございます。
○和田静夫君 そうすると、自治省令で定める一定の期間というのは。
○政府委員(鎌田要人君) B農地でございますというと、昭和五十二年三月末日まで、すなわち五十一年度末ということでございます。C農地でございますと、昭和五十六年三月末日まで、すなわち五十五年度末までということでございます。
○和田静夫君 昭和四十五年の法律第五十六号農地法の一部を改正する法律、この農地法改正法の附則八項ですね。そのまま変更なされないで長期にわたって小作権が設定されている場合は、解約はすぐできないわけでしょう。その場合、結局小作料を上げざるを得なくなって、政策目的は実現できないのではないですか。
○政府委員(鎌田要人君) いまの昭和五十一年度末なり、あるいは五十五年度末という段階になりますと、B農地、C農地の所在するところも市街化が進んでまいる、市街化が進んでまいるということになりますと、当然その土地というものは負担に応じ切れないと言いますか、という状況になりますというと、宅地として転用をされる、こういうことに相なろうかと思います。
○和田静夫君 そこで私が申し上げたいのは、四十五年の法律第五十六号の関係でいけば、附則第八項はそのまま変更されないわけでございまして、そうすると小作権が長期に設定をされている場合に、一体あなたが言われるような形で解約はすぐできませんからね。できませんからそう簡単にいかないんじゃないですか。
○政府委員(鎌田要人君) この制度全体の基本的な考え方でございますけれども、やはりこれによりまして、市街化区域内の農地というものが宅地として供給をされていくということを一つの立法政策的なねらいとしておるわけでございます。したがいまして、私ども考え方といたしましては、市街化ができる時期というものにおきましては、その小作地というものも宅地として転用をせられるであろう、またそういう方向にこの課税の結果はなっていくであろう、こういうことを考えている次第でございます。
○和田静夫君 いや、お考えになっているのはかってです。かってですけれども、昭和四十五年の法律第五十六号との関係では、いかにお考えになっておったって、長期小作権契約が行なわれている場合において、設定をされている場合において、そう簡単に解約はできませんと私は少なくとも思うんですが、この辺の検討は終わっているんですかね。
○説明員(山下稔君) 仰せのように、小作権はそう簡単に解約できないことは事実でございますが、ただ、市街地等におきまして、相当な事由があるということである場合においては、申し出をすることができることになります。そして知事の許可があれば解約できるということになります。したがって、市街化区域のように市街化が進められるべき地域であって、周辺が市街化されてきたという段階になった場合におきましては、すっかり周辺が宅地化されてきた場合において、その農地を宅地に転用するということも相当の事由に当たるという事態になってくると思いますので、そういう場合に地主から申し出をした場合には、比較的他の地域に比べまして宅地に転用する許可、したがって解約ができるという状態が起こり得るのではないか、そういう観点から、周辺が大体市街化される時期においては、解約のほうも一般よりはやりやすくなるのではないかというふうに考えます。
○和田静夫君 ちょっと具体的に聞きますが、たしか昭和五十五年九月三十日までこれはまあ効力を有するんですから、想像で言われたってどうしようもないわけですが、この主張は成り立つわけでしょう。成り立った場合に、それではあなた方は成田みたいなことをやるわけですか、こういうことで。
○説明員(山下稔君) 小作権の解約には知事の許可を必要といたしますが、先ほど申しましたように、その知事の許可を受けられる場合の一つといたしまして、農地または採草放牧地を農地または採草放牧地以外のものにすることを相当とする場合という条項がございます。この相当とする場合という中には、先ほど私が申し上げましたように、周辺がすっかり宅地化されてしまった場合には、それを宅地に転用するということが相当と認められるということになるのではないかというふうに考えるわけでございます。
○和田静夫君 なかなか、なりますとは言われないのですが、なるのではないかというふうに考えるということです。したがって、どうも私の主張のほうが正当性を持っているから、あなたのほうもやっぱりあまり自信がないんだと思うんですがね。その辺はやっぱり検討されなければならないところだと思う。その辺は私の言いたいのは、こういうような農地については、三百六十七条による、言ってみれば税の減免措置をとることができると思うんですが、これはどうなんですか。とれないんですか。
○政府委員(鎌田要人君) 小作料の額を上げるか、あるいは解約をするか、いずれかによるべきであろうと思います。減免の措置をとるという場合は、御案内のとおり、生活のため公私の扶助を受けるとか、あるいは災害にあいましたとか、そういうやはり特定の減免の事由によるべきものでありまして、こういう場合におきましては、私どもは減免の事由には当たらない、解約の事由になる、いま固定資産税課長が申しましたようなふうに考えております。 なお、この点につきましては、この農地を所管しております農林省とは完全な合意済みの規定でございます。
○和田静夫君 どうもその辺ちょっとぼくは納得できませんがね。小作料を上げざるを得なくなったら政策目的にはそぐわないことになるわけですよね。それはお認めになったのです。そうすれば三百六十七条、「その他特別の事情がある」というところに該当させれば、税の減免措置ということになる。これは大体与党の方々も共感を持ってちゃんと私の質問を聞いていらっしゃると思う。それぞれの地元でいろいろ起こって、青森でリンゴがあればあるいはあっちで蔬菜があるなどというところが一ぱいあるわけですからね。
○政府委員(鎌田要人君) いまのお尋ねの前提といたしましては、市街化区域内において農業を継続するかどうかという問題があるだろうと思います。御案内のとおり、都市計画法の立法の趣旨といたしましては、市街化区域というものはむしろ十年間に計画的に都市化というものをはかっていく。農業を継続しておやりになられる方につきましては、市街化調整区域において農業を継続される、こういうことを前提にしてこの立法ができておるように理解をいたしておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この市街化区域におきましては、あくまでも、小作の形態であれあるいは自作の形態であれ、農業を継続せられるという場合でございますれば、やはりその地域は将来見直しの機会に市街化調整区域に入れる、あるいはある程度集団化されて農業を継続されるということになれば、その地域は市街化調整区域に編入がえをする、こういうようなことを建設省としても予定をいたしておるわけでございまして、農業を継続される、こういうことを前提としての問題でございますというと、それなりに私どもといたしましても解決の方法というものを考えておるわけでございます。ただ、そこがあくまでも市街化区域として残る、こういう前提であり、かつ周辺が市街化をしてまいったと、こういうことでありますと、ただいま私どもが繰り返し申し上げておるような形で解決せざるを得ないのではないだろうか。なお、その周辺というものが、C農地の場合でございますけれども、とても将来とも市街化の見込みがないという場合に、先生のお尋ねの減免の規定の発動を促すという規定は、その次の二十九条の五にあるわけでございます。
○和田静夫君 あなたの言うことはわかっておるのですが、私の言っておる趣旨と違いますから、三百六十七条、「その他特別の事情がある場合において固定資産税の減免を必要とすると認める」これに私は該当すると思うのですね。それは農地法の改正法案で附則第八項がそのまま変更せずにいくのですから、長期にわたる小作権を無理やり機動隊を入れて取り上げて市街化するというわけにはいきませんからね。ここのところの答弁はどうも理解できないですがな。これはほんとうに検討済みですか、農林省との関係。
○説明員(山下稔君) 農耕を続けております限り、農耕によります収益というものは、小作地のみならず自作地の場合もおのずから限定があると思います。そういう意味で、農耕を続けております限り、この固定資産税負担というものが小作料なりあるいは自作の場合の収入なりでは非常に負担が重くなってくるという現象は同じでございまして、結局、先ほど局長がお答えいたしましたような、農業を継続するかどうかという基本的な問題になってくるわけでございますが、いずれにいたしましても、農耕を続けております限りにおきましては、小作料につきましては、お話しもございましたように、標準小作料があり、かつ四十五年以前に契約しているものについては統制小作料が十年間継続するわけでございますから、上げることはできないわけでございますが、その点は自作地においてもやはり農耕を続けます限り、特別の農耕による飛躍的な増収を期待するということはやはり困難であるという点は同じではないか、根本は、やはり農耕を続けるかどうかという基本問題に返ってくるのではないかというふうに思います。
○和田静夫君 もちろん農耕を続けることを前提に言っているわけです、一つは。この辺は、あと、もう一ぺん、時間もたつから説明してください。——いいですか。
○説明員(山下稔君) 端的に申しまして、結局、自作地の場合でも小作地の場合でも、やはり農耕だけで負担できるかどうかという問題になるわけでございまして、いわば小作地の場合でございますと、小作料でかりに負担できない場合は地主自身が負担をするということになろうかと思います。この点は自作地の場合でも同様でございます。
○和田静夫君 どうも、私の質問があれで、この辺はどっちみち大臣に対する質問が残っていますから、そのときまた整理いたします。
○政府委員(鎌田要人君) 市街化区域内におきまして農業を引き続き継続してやりたい、こういう方に対する措置という基本的な問題に関連をいたしておりますので、御説明申し上げますというと、私ども、この場合におきまして、本来ならば市街化区域内というものにつきましては農業の経営ということは基本的には行なわれないということを前提としておるわけでございますけれども、現実におきましては、農業を継続したい、またいまから他に転業をしようとしても転業の機会がない、こういったような方がおられるわけでございます。そこで、そういった方に対する処置といたしまして、まず第一は、この都市計画法の規定によりまして五年以内に計画地域の見面しをすることになっております。その際に、線引きの見直しをいたします際に、そういう地域というものを市街化調整区域に編入がえをする、これがまず第一でございます。それから第二は、十ヘクタール以上の集団農地ということでこのまとまりができ、かつ将来とも相当長期間にわたって農業を継続するという場合におきましては、その地域をいわば水玉模様と申しておりますけれども、水玉模様で市街化調整区域に編入をする。それから三番目の措置といたしましては、いわゆる都市計画法上の公園緑地というものの指定を受ける。そうしますというと、その上にあります建築制限というものがかかりますけれども、それにつきましては相当長期間に農業を放棄しないという確証が得られるものにつきましては、それを都市計画法上の施設緑地という形で市街化区域の中からはずしてまいる、こういうことを考えておるわけでございます。このような措置を講ずることによって、農業を継続したいと考えられる方々にとっては手当てができるのではないだろうかというふうに考えております。
○和田静夫君 こういうものは、どっちみち大臣とのやりとりの機会が若干法律が上がるまでにありますから、もう一ぺん突っ込んで質問します。 そこで最後ですが、附則十九条の二の関係ですがね。この第一項のカッコ内で除外される農地については政令で定めることにされていますね。で、例示されているもの以外にどのようなものがありますか。
○政府委員(鎌田要人君) 例示をいたしておりますのがただいま申し上げたものでございますが、そのほかに、例の古都保存法の規定によります歴史的風土特別保存地区区域内の農地、それから首都圏近郊緑地保全法あるいは近畿圏の保全区域の整備に関する法律によりまするいわゆる近郊緑地特別保全地区の区域内の農地、それから文化財保護法の規定によりまする史跡、名勝または天然記念物である農地、それから固定資産税の非課税農地と、こういうものを考えております。
○和田静夫君 それで、例示されている「知事の指定」というのは当然知事の裁量による幅があるわけでしょう。ありませんか。
○説明員(山下稔君) 都市計画法上の手法といたしまして、公園緑地というものは都市計画法の手法によって都市計画審議会の議を経まして都市計画として決定いたします。そして五十五条の指定と申しますのは、その指定を受けました地域の中で特に建築制限を強化するという地域を別途指定する手法がとられております。その建築制限を特に強くする区域という指定は知事が指定をするということになっております。
○和田静夫君 これとの関連で、いわゆる運用によって営農希望者の期待に沿うように実施をするということが望ましいと考えられますがね。これは次官、どうですか、この辺は大臣に聞きたいところなんですが、政治的に考えてみて。
○政府委員(大石八治君) 具体的なお答えにならないと思うのですけれども、実はその都市計画法の市街化区域内の問題というものは、もう原則的にここは市街化にするところだという、十年以内に前提としてあるのだというのがまず先にあると思うのでございます。したがって、希望をすればそれをやってやると、農業を続けたいという人があればそれをしてやるというのがその原則に実はなるわけではないと思う。で、先ほどの御質問のところで、長年にわたる小作契約がある場合という問題はどうだというのですけれども、私自身の考え方を申し上げれば、今度の都市計画法で市街化区域に決定しているところの中に、当然長年にわたる小作契約を結んでいるところがもうあるにきまっていると思うのです。その間にきまっているところは市街化区域からはずしますよと、その中ではずしますよということが前提になっているとは思わないわけです。それは結局市街化の進展状況によって、その何といいますか、事実上の問題として話し合いをするとか、どういうふうにするとかいうことは別として、やっぱり市街化区域の形成に参加していくようになるということだと思うんです。その小作契約があればそれはもう当然農地として残してしまうんだという前提が初めからあるんでは実はないと思うんです。当然そういうところが今度の市街化区域であることを前提として市街化を進めていくべきだと思うんです。それがいわゆる個人の小作権の長い契約であるからそれは自動的に残っちゃうんだということでは私はないと思うんです。そのときの処理のしかたというのは、結局現実的にその市街化区域内の都市化の進捗状況その他と比べて、いわゆる当事者間において話し合いをしていくという形の問題というように解釈していいのではないかと思います。
○和田静夫君 その辺はひとつ議論をこの次まで残しておきます。
○委員長(若林正武君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時四十一分散会 —————・—————