大蔵委員会 第23号
- 発言数
- 180 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/05/24
会議録
○委員長(柴田栄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 五月二十二日、長田裕二君及び高田浩運君が委員を辞任され、その補欠として岩動道行君及び小林章君が選任されました。 また、本日、田渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として向井長年君が選任されました。 —————————————
○委員長(柴田栄君) それでは、自動車重量税法案、日本万国博覧会記念協会法案及び厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。 前回に引き続き質疑を行ないます。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○大竹平八郎君 私は自動車重量税につきまして主として御質問を申し上げたいと思うのでありますが、だいぶ各委員から微細にわたって質問があり、御答弁もされておりますので、あるいは重複する点があると思いまするが、時間の関係上、そういう場合は、きわめて簡単に御答弁いただいてけっこうでございます。 一昨年八月に提案せられましたいわゆる新聞でいうところの田中構想でございますが、これが非常に大きな波紋を投げかけましたことは、御承知のとおりでございます。特に、昨年の予算要求の過程におきましては、関係各省庁、各界から、自動車に新たな税負担を求める諸提案がなされていたのでございます。たとえば、トラック税として物品税のかかっていないトラックに課税する案、それから保有税である自動車税の引き上げ、それから道路損壊の度合いに応じて課税する車軸税案、あるいは現行ガソリン税などの引き上げと新税の抱き合わせ、さらに新税案とは別に現行税額の引き上げ、課税強化をはかる等、案が示されていたことは、御承知のとおりであります。そういう中で、特に現在提案になっているような課税方法がとられた合理的な理由というものはどこにあるか、また、他の課税方式をとり得なかった理由ということについて、まず政府当局にお尋ねをいたしたい。
○政府委員(細見卓君) 第一の、トラック税を、物品税の拡充あるいは物品税と離れてトラック税を設けるべきではないかという案でありますが、これにつきましては、トラックが一方におきまして社会で有用な運送機関をなしておる、あるいは道路の混雑というのはあにトラックだけの問題ではないというような、あるいは財源をトラックのみに求めるときには非常に重い税にならざるを得ない、かなり多額の財源を要するわけでありますから、そういう意味でトラックは必ずしも適当でない。あるいは、現行の自動車税等を引き上げてこの財源に充てるべきだという議論があるわけでありますが、これにつきましては、それらがそれぞれ府県あるいは市町村の財源としていわばきめられておって、これを現在第六次道路整備五カ年計画で主として不足するといわれる国の財源とすることについては、いろいろ税制として調整を要する困難な問題があるということで、この案はなかなか早急にこれを実現するというのは困難であろう。あるいはまた、その自動車税というものは、固定資産税の系統に属する一種の財産税でございますので、自動車にだけ特別な重課をするということについては、やはり税体系上問題があろうかということを考えたわけであります。また、車軸税、つまり自動車の重量に応じて道路の損傷を中心にその課税を考えたらどうかという考え方がございますが、この考え方によりますと、一方におきまして、今日の必要というのは、道路混雑に伴います総合的な社会負担ということを考えますと、ただ単に道路損傷的な車軸税にこれを求めるというのも必ずしも適当でない。さらにまた、欧米諸国におきましては、自動車の重量と道路損傷との周におきまして科学的な検討がなされまして、それが世の中に受け入れられておる。もちろん、わが国におきましても、建設省その他においていろいろな検討はなされておるわけでありますが、これが一般に受け入れられて、そういう車軸の重量あるいは車の重さというものに比例して課税するということについて、まだやはり世人の納得を得るのにはいま少しの検討期間が要ろうかというようなことを考えまして、この際、自動車の増加に伴いまする道路混雑で、あるいは道路の建設が必要になる、あるいは交通安全の施設が要るとか、あるいは交通渋滞に伴っていろいろな社会的な緊張が生じておるというようなことを考えまして、この際は広く自動車に最低限度の負担を求める国としての一般税がよかろうということに検討の結果落ちついたわけでございます。
○大竹平八郎君 これは各委員からだいぶ質問が集中されたのでございますが、自動車新税の今回の特徴の問題についてお尋ねをしたいのでありますが、第一に、現行のたびたび御発言ございました八種類にわたりまする自動車関係諸税にない重積に応じた課税である。第二は、目的税ではなく、一般財源であるが、使途を道路その他の社会資本の充実に充てるとしておるのであります。第三に、自家用・営業用の区別をしていないこと等があげられておりますが、すでにこの八種類にもなっておりまする自動車関係税にあえて別途にこの重量税を加えた、また、その既存の税の税率の変更によって増収の増大をはからなかった理由というのはどこにあるのか、この点も伺いたいと思います。
○政府委員(細見卓君) 既存の税の増収によることにいたしますと、先ほども申し上げましたように、物品税でありますと、たとえばそれは便益品課税というような別の観点があって、自動車だけを取り上げるというわけにはまいらない。あるいは、自動車税、軽自動車税といったような税を増徴いたすといたしますと、これはそれぞれが地方団体の府県及び市町村の財源になっておって、これを国の財源として別個に増徴することについてはいろいろの調整が必要であるというようなこと。あるいはまた、燃料課税にいたしましても、使用いたします燃料が車の種類によりまして違っておる。したがって、軽油を引き上げた場合には、たとえばガソリン車にはその負担は及ばない。あるいは、ガソリン車をさらに引き上げた場合には、軽油を使用する自動車との間に負担の不公平がある。つまり、一般的には揮発油のほうが現在でも重いといわれておるものがさらに重くなる。しかも軽油は地方財源であるといったような、どれかの現行の税をとりまして、それで今回の提案いたしておりまするような第六次道路整備五カ年計画の財源にするのには、俗に申します帯に短したすきに長し、あるいはその税金の帰属いたしまする団体がばらばらであるというようなことで、やはり新しい税を設けて、むしろその整理統合は今後の課題にしたほうがよかろうというふうになったわけでございます。
○大竹平八郎君 税制調査会の審議の過程におきまして、四十六年度からの実施は必ずしも明確でなかったと思われる点が多々あるのであります。新聞報道等によりますと、十一月の総会では、新税創設の大前提として、総合交通政策のビジョン確立が必要であるとの意見の統一がなされたように聞いておるのでございます。その後の審議の過程でどのように変化をされたか、また、最終答申に至ったか、税制調査会の審議の経過を御説明願いたいと思います。
○政府委員(細見卓君) 自動車につきまして新たな課税の問題は、先ほど御指摘がございましたように、各省あるいは各方面でいろいろな案があったわけであります。したがいまして、世の中にこういう案がたくさん出ておるというこれを税制調査会におはかりするのは当然でございますので、その意味で、夏ごろから御検討を願っておったわけであります。この場合に、自動車に新たに税を設け道路整備に充てるということでありますと、わりあい、何といいますか、応益関係がすっきりする感じになるわけでありますが、それ以外にもいろいろな案がありましたので、それらにつきまして税制調査会の中におきましてもいろいろな意見があったわけであります。先般も申し上げましたように、鉄道その他に財源を持っていくのは困難ではないかというような意見があり、あるいはまた、逆に、そういうところへ持っていかなければ交通関係は完全な体系的な整備ができないんだ、しかしそれには総合交通体系があるべきではないかというような議論がいろいろございましたが、しかし、現実の問題として、第六次整備計画の財源が不足する、明年度予算の編成にあたってはそれらの財源調達も現実の問題として必要だという明年の税制の改革案を御答申願う段階におきましては、「第六次道路整備五カ年計画を主とする交通政策上の所要の施策のための財源事情を勘案しつつ、必要最小限度の負担を広く自動車の利用者に求める税制上の措置を講ずるよう政府において検討すべきである。」と、こういうふうに思想が統一されまして、その具体案は政府で考えろと。しかし、必要最小限の広い自動車税を設けるのが筋であろうというような答申をいただいたわけでございます。
○大竹平八郎君 政府は、この自動車重量税を第六次道路整備五カ年計画の財源調達として発足したと説明しております。これは衆議院の本会議における大蔵大臣の言明にはっきりしておるのでありますが、たとえば財源措置については、一部には、一兆円不足するとか、あるいは「新経済社会発展計画」の自動車の伸びが控室目に過ぎるとか、諸説があるようでありますが、大蔵当局はどのようにこれを見通しておられるか。 それから道路計画と関連をいたしまして発足したというならば、目的税としてその使途を明確にすべきではなかったのか。 それから総合交通体系が確立をいたしまするならば、それに従って、目的税とするなり、あるいは特別会計を設置して、別途経理を明らかにするものと理解してよろしいのか、この点を伺いたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 第六次五カ年計画の財源不足一兆円ということは、これは財政投融資のほうが七千億円ぐらい足りないんじゃないかというその財政投融資を含めましての話なんです。つまり、投融資でない財政財源ということになりますると三千億円、これは明確になっておる次第でございます。 それからこれをしからば特定財源というふうにしなかったのはどういうわけか、あるいは特別会計というような思想に持っていかなかったのはどういうわけかということでございますが、しばしば申し上げておりまするとおり、政府におきましては、交通総合体系の樹立ということを考えておるのであります。この総合交通体系の樹立された場合におきまして、一体、総合交通体系に要する財源をどういうふうにするかという今度の新税の収入を含めての配分問題があるわけでございます。そういう総合体系というものがまだできておらないそういう段階で、ある使途にこの収入を特定するということが困難な状態があったわけであります。したがって、四十六年度の措置といたしましてはこれを一般財源として受け入れる、こういうふうにいたしたわけでございますが、さて、総合体系ができました上におきまして、これを特定財源にいたしますか、あるいはさらに一歩進んで特別会計を設置するというような措置をとるか、これは四十七年度予算の課題にいたしたい、かように考えております。
○大竹平八郎君 それから本税は納税義務者がだれであるか、これは税法上きわめて不明瞭のように感ずるのでありますが、だれが担税者であるかは必ずしも明確ではないのであります。そこで、新たに国民に税負担を求めるのにあたりまして、担税者を明らかにしなければ、国民間の税負担関係がどのような変化を来たすか、正しく把握できないのでございます。政府は、本税の最終的負担者はだれであると考えておるのか、また、本税の法的性格はどのようなものと考えたらよろしいのか、税制上の分類においてはどのような区分に入れるのか、その点を御説明願いたい。
○政府委員(細見卓君) 自動車重量税法の納税義務者は第四条に記載されておるわけでありますが、第四条は「自動車検査証の交付等を受ける者及び車両番号の指定を受ける者は、当該検査自動車及び届出軽自動車につき、自動車重量税を納める義務がある。」となっておりまして、その自動車検査証の交付を受ける者というのはどういうものかということになりますと、これは道路運送車両法の五十八条におきまして、「自動車は、この章に定めるところにより、運輸大臣の行う検査を受け、有効な自動車検査証の交付を受けているものでなければ、これを運行の用に供してはならない。」とありまして、五十九条におきまして、「登録を受けていない自動車又は次条第一項の規定による車両番号の指定を受けていない二輪の小型自動車を運行の用に供しようとするときは、当該自動車の使用者は、当該自動車を提示して、運輸大臣の行なう新規検査を受けなければならない。」ということになりまして、この両法律によりまして、まず普通の自動車でありますと、検査を受けなければ走ってはならない。その検査は使用する者でなければならない。その使用する者とは、検査証におきまして所有者と並びまして使用者として明記されておる。その使用者が納税義務者になりまして、特別の場合の使用者と所有者が違っておる場合には、所有者が連帯納税義務者になる。ただし、割賦販売の場合の所有権留保の場合は例外とする、こういうふうになっております。
○大竹平八郎君 次に、これはぜひ大臣からお答えをいただきたいのでありますが、衆議院でもだいぶ問題になりました物価への影響の問題でございますが、新税がトラックの貨物輸送あるいはバス、タクシー等の乗客輸送に対しましてコスト増しになりますることは、これは否定できない事実でございます。これが料金の値上げに発展し、さらに物価騰貴につながることがわれわれといたしましては非常に憂慮されておるのでございますが、私も、初代物価特別委員長といたしまして、その経験から物価問題については特に関心を持っておるのであります。これを抑制する具体策を一体政府としては用意されておるのか、この見通しと、それから今後の具体案等がございましたらば、ぜひこれは大臣からお開きをしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 本税と物価との関係につきましては、いろいろ御議論を伺いましたが、これは新しい税でございますが、乗用車につきましては平均五千円、また、トラックにつきましても平均一万円、こういう軽微な税でございますので、これが産業のコストのほうにさしたる影響を及ぼすというふうには考えておりません。ただ、逆に、この税が創設されるということによりまして道路が十分整うということになりますると、これはコストの軽減というようなことがかなり実現できるのではあるまいか、そういうふうに見ております。私は、この税ができた、税がかかったということを総合的に観察してみますると、物価政策といたしましてはいい効果を持つであろう、こういうふうに見ております。
○大竹平八郎君 これも大臣にお伺いしたいのですが、いわゆる新税の財源の分配問題でございますが、臨時総合交通問題閣僚協議会が発足をされておりまするが、具体的には作業は現在どのように進んでおるのか、また、運輸省におきましても運輸省政策審議会においてこの総合交通体系の確立に急いでおるように聞いておるのでございますが、それとの調整はどのように進めるおつもりであるか、この際伺っておきたいのであります。
○国務大臣(福田赳夫君) お話しの閣僚協議会は、これは四月初めに発足をいたしました。いよいよ各省ごとにその作業を始めるわけです。まだこれを持ち寄るという段階まで来ておらないのでありますが、これは昭和四十七年度の予算の編成に間に合うように結論を得たいと、こういうふうに考えております。運輸省の運輸政策審議会、これはどういう関係になるかといいますと、運輸大臣が、この閣僚会議に運輸省の考え方というものを披露する、その披露をされる際の重要参考資料になるだろう、かように考えます。
○大竹平八郎君 これは政府当局にお尋ねをするのですが、国際条約によりまして大公使の車はたしか非課税だと思うのでありますが、この非課税の大公使館の単というものは、現在日本にどのくらいあるか、それからまた、自衛隊の一部におきましても非課税の車が相当あると思うのでありますが、現在計算いたしまして非課税になる車というものがどのくらいあるのか、参考にお教えいただきたい。
○説明員(高橋元君) 外交関係に関するウィーン条約によりまして非課税になっております外国公館及び外交官の所有する自動車は、四十四年度末で千百九十一台、それから自衛隊の一部車両で車検を受けておりません自動車が約四万一千台でございます。
○大竹平八郎君 これは、直接自動車問題に関係はございませんが、関連がございますのでぜひ大臣にお答えを願いたいと思うのでありますが、先般成瀬委員からも指摘をせられた問題でございますが、最近の傾向といたしまして、外交関係の行き詰まりといっては言い過ぎだろうと思うのでありまするが、まあ万策尽きてのことかと思うのでございまするが、繊維問題、あるいは日ソ漁業関係の問題等々の行き詰まりにおきまして、これを政府が補償しなければならぬという問題がだいぶ出ておるわけです。私も自民党の最高機関の一つとしての総務会の総務でございまして、たびたびこの問題が取り上げられておるのでございます。これはもう万策尽きて行き詰まったのでありまするから、業者に対する補償ということはせなければならぬことは当然とは思うのでございまするが、私は、何かその前に一つ政府として大きな作業をする必要があるのではないか、こういう考える持っております。たまたま、福田大蔵大臣が、あるいは閣議の席か、あるいは記者会見の席か知りませんが、たとえばいまの日ソの問題、今度のニシンの禁漁の問題等に関連をいたしまして、対ソ関係のこういった経済関係というものは、単に漁業だけであってはならない。いわゆる大きな目で見るところの経済全般に関しての交渉というものを含んでやらなければならぬということを何か私は新聞で見たのでありますが、その点は私どもは非常に賛成をいたすわけでございますので、この際に、私は、特にできるだけそういう処置をとってもらいたいということを要望すると同時に、大蔵大臣の所信のほどを説明をしていただきたいと思うのであります。 これで私の質問は終了いたします。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま、わが国は、GNPにおいて、アメリカ、ソビエトに次ぐ巨大な経済国になってきたわけでございます。そこで、世界じゅうからわが国の経済に対する姿勢というものが批判をされる。そういうような状態のもとにおいて、わが国がどういう世界経済の中における姿勢をとるかということは、これは国政の中で一番大きな問題になってきていると言っても過言でないと思うのであります。そういうことを踏まえますと、いまソビエトの話がありましたが、ソビエトばかりじゃなく、どこの国に対しましても、あるいは繊維交渉という繊維だけの資格において交渉する、そうすると、これは非常に決着を間違うことになってくるのじゃないか、そういうような感じがするんです。現に、繊維交渉なんかも、自主規制ということになりましたが、これはほんとにおさまったかというと、まだおさまっておらない。いま特にソビエトの関係のお話しでございますが、ニシンの交渉であるとか、あるいはカニの交渉であるとか、あるいはサケ・マスの交渉であるとか、そういうばらばらの交渉をすべきでなくて、もう一段高いところでソビエトとわが国との経済の調整、そういう中の一こまとしてこれらの漁業問題も解決するという仕組みを考えたらどうだろうかと、こういうふうに存じまして、これは総理にもそういう進言をしたのですが、総理は、ひとつ関係各大臣とよく相談をしてみてくれ、こういうことになっております。いまソビエト問題のお話しですが、これは、そういう全世界に向かってのわが国の対応のしかた、その一環としてソビエトにつきましては特に考え直さなければならぬだろう、こういうふうに考え、具体的に一体どうするか、こういうことについていま検討いたしておるところである、かように御了承を願います。
○木村禧八郎君 四十六年度予算の編成にあたりまして、この自動車重量税法案によりましていわゆる自動車新税が決定されたわけです。この決定に至る経過におきましても、また、その内容におきましても、きわめて多くの問題が伏在しているわけです。したがって、賛成反対にかかわらず、この法案につきましては慎重審議しなければならないはずだと思うんです。衆議院では三十四時間ぐらい審議しております。ところが、参議院に回ってきましてまだ二、三時間ぐらいしか——一日でしょう、審議したのは。それできょう上げろと、こんな不見識はないと思うんですよ。それで、私に割り当てられた時間は、社会党九十分で、私は六十分です。これ全体は、初年度で四百三億、平年度千二百五十一億、これだけの増税法案ですよ。これまで、税金が重いといわれ、また、不公平であるといわれて、毎年ずっと減税をやってきているんですよね。四十六年度に、いままでの減税やってきたのを、いよいよ増税に踏み切るわけです。増税段階に入る。ですから、これは、いままでの税体制からいっても、それからまた、財政支出の問題からいきまして、目的税とかいろいろいわれておりますが、今後の税制あるいは財政上に非常に大きな変化をもたらしますし、非常に重要な問題ですよ。問題意識からいっても非常に重要ですよ。それをこんな短時間で、どういう裏で話し合いがあったか知りませんけれども、賛成反対にかかわらず——私は反対でありますけれども、しかし、こんなずさんな審議をして、一体いいのかどうか。参議院は良識の府といわれますが、一体、良識の府と言えますか、こんな審議をやっていて。ただ通せばいいという問題ではないと思うんです。しかも、これは十二月一日からの実施なんですよ。だから、時間は間に合うんですよ。参議院選挙が終わってからでも間に合わないことはありませんよ、手続上。なぜこんなに早くこれを上げなければならないのですか、私は判断に苦しむわけです。ですから、慎重審議しなきゃならないのに、こんないいかげんな時間で一体質疑できるかどうか。しかも、他党のことを見ましても、他党のことを言う必要はないんですけれども、たった十五分の質疑の時間しかない人もいる。こんなことは非常識きわまると思うのです。「読賣新聞」に参議院のことが出ておりましたけれども、私もずいぶん長い間やりましたけれどは、とにかくこんなお粗末な審議のしかたで、私も、賛成反対にかかわらず、衆議院とまた違う参議院の特色は、十分に問題の本質なり内容を掘り下げてやっていくところに問題があると思うんですよ。会期の最後で重要法案についてこういうふうな審議のしかたで幕切れになるなんて、実に私は残念だと思うのです。しかし、審議せざるを得ませんから、わずか一時間程度の割り当て時間ですが、その範囲内において私は質疑をしたいと思います。 まず、第一に伺いたいことは、税制及び財政上の関係なんです。この自動車重量税の位置づけなんですが、四十六年度で減税をやりましたね、千六百六十六億の所得減税を。ところが、他方でこういうように増税をしてしまうと、減税効果がこれで失われる。しかも、これだけではないんですね、減税効果を失わしめるものは。自動車重量税だけではなくて、郵便料金の引き上げもありますし、健保のほうの改正は一応流れましたけれども、あるいはまた電話料金の引き上げというものがあります。その他、物価の値上がりもあるわけです。消費者物価値上がりは不公平なる増税であるといわれておりますよね。これも一種の増税ですよ。ニクソンもそう言ってますよ、はっきりね。物価の値上がりは不公平なる増税であると。それはそうですね。同じ物価値上がりでも、五億円の収入の松下幸之助さんに対する大根の三割の値上がりと、日雇いのおばさんに対する大根三割の値上がりと、非常に違いますから、非常に不公平ですよ。そういう状況にあるわけです。物価値上がりに続いての税負担の不均衡がある。そういう状況のもとでこういう重量税が実施される。これは、結局、消費者負担になるわけでしょう、最後には消費者負担に。そういうのをこの時期になぜ採用したか、この時点におきまして。それからこれは今後の財政支出とも関連があるんです。これはまたあとで伺いますが、まず第一に、この時点でなぜこういう重量税というものを増税を取り上げたか。 それから先ほどもちょっと御答弁があったようですが、第五次道路整備五カ年計画で三千億財源不足だというお話、それはどういう根拠に基づいて不足になるのか、そうしてまた、三千億の第五次の道路整備五カ年計画の財源不足を補うためのこの法案なのかどうか、そこのところも明らかでないんですよ。これで三千億の赤字を埋めることが一体できるのかできないのか。三千億の赤字の根拠もよくわからないですね。それからこの提案理由を見ると、そういうふうに書いてないです。第六次道路整備計画の財源対策もありというふうに書いてあるんですね。その辺が何だか非常に明らかでないし、その他この経過を見まして非常に疑問点がたくさんあるわけですよ。今後これは特別会計に移すとか移さぬとかということも、田中幹事長と福田大蔵大臣の間で何か話し合って、その前提のもとにまずとりあえず一般会計ですね、一般財源としてこれを出してきた、こういうふうにいわれています。 ですから、ここでざっくばらんにこの経過についてもっと納得のいくようにお話ししていただき、いま私が御質問したことについてまず一応御答弁していただいて、それからまた次の質問に移りたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) まず、なぜこういう物価情勢のときにこういう物価に影響のある施策を取り上げたかと、こういうお話でございます。いま、道路事情というものが非常な立ちおくれをしておる、これは木村さんといえども御否定なさるまいと、こういうふうに存ずるわけであります。このおくれを取り戻すために、昭和四十五年度におきまして、道路新五カ年計画——第六次五カ年計画と言っておりますが、これを策定いたしたわけでありますが、この計画によりますると、総額五カ年間に十兆三千五百億円、この総支出に対しまして財源は主としてガソリン税になります。このガソリン税の伸びを見る、これは「経済社会発展計画」の線に沿って見るわけでございます。それと同時に、一般財源がどのくらい、つまり租税財源がどれくらい投入できるか、こういうことを考えたわけですが、今後の見通しで一〇%ぐらいずつ毎年ふやし得るであろう、こういうふうに考え、そうすると、この一般の財源において不足する額が三千億になるわけなんです。その三千億円の不足があるままに道路五カ年計画というものが策定された。そこで、昨年の国会におきまして、皆さんのほうから、この不足をどうするんだどうするんだという追及を受けまして、私から、この不足する額は四十五年度においては問題はないわけなんでありますので、四十六年度の予算の編成の際にこれを明らかにいたしますと、こういう御答弁を申し上げ、御了承を願ったわけでありますが、さて、政府といたしますと、そういう国会における厳粛なる私どものお約束でございまするから、これを実現しないわけにはいかぬ。で、あれやこれやと考えたわけでございまするが、結局、これは自動車トン税というものを創設するというようなことになり、まあトン税というのも名前がいかにもその響きがどうもぐあいが悪いじゃないかというような説もありまして、今日のような重量税というふうにこれを改めたわけであります。 これが策定されるまでの間には、いろいろ議論がありました。それは目的税にしたらどうだろうというような話もあり、また、特別会計を設定したらどうだろうという話もあり、そういう話につきましては昭和四十七年度の予算の編成の際に検討しようと、こういうふうにいたしておきましたが、とにかくその新税収入をどこに充当するのか、実質的にそういう充当の議論がありまして、そして、道路と相補完をする関係、あるいは相殺する関係、そういう密接なる関係に立つところの国鉄新幹線、あるいは国鉄の改善に、あるいは都市交通の中核をなす地下鉄に、そういう方向へも考えたらどうだろうかというような意見もあり、その辺が、どこに幾らと、こう確定できない状態であったわけであります。それは、結局、総合の交通体系というものがなかったという関係に基づくものでありまするが、とにかくこれを特別財源に、あるいは特別会計にするという段階まで検討が進まなかった。しかし、国会に対する厳粛なるお約束はこれは果たさなきゃならない。また、同時に、道路の問題は一日もこれをゆるがせにしておくわけにはいかぬということで、新税をお願いをすると、こういうことになった次第でございます。
○木村禧八郎君 そうしますと、これは、税制調査会の答申も、あるいはまた提案理由も、第五次五カ年計画……
○国務大臣(福田赳夫君) 第六次です。
○木村禧八郎君 六次ですか、そうなっているんです。結局、三千億不足する、それは充当するためこの新税を設けるということですね。三千億不足するというんでしょう、財源が。
○国務大臣(福田赳夫君) そういう三千億不足するということからこの新税を考えるに至ったわけでありまするが、実際のこの税による収入は三千七百億円になるわけであります。したがいまして、道路の財源欠陥に三千億充てたほか、七百億円ばかりの剰余を生ずると、こういう関係になります。
○木村禧八郎君 わかりました。 そこで、問題は、その財源不足を何で補うかということですね。それをこういう自動車重量税という形で補うということにしたわけでしょう。そうすると、これは目的税なんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 目的税ではございません。
○木村禧八郎君 目的税ではないというなら、他に財源を求めてもいいわけでしょう。そうですね。他に財源を求めないでなぜ自動車重量税というところに財源を求めてきたか。私は、ほかに財源を求めようといえば、まだたくさんあると思うんですよ。あるいはまた、歳出面においてもいろいろ検討を加えれば、まだそこに財源の余裕も出てくるのじゃないかと思うんです。 私は端的に申し上げますが、一番疑問に思うのは、道路財源の不足を補うために自動車重量税を出してきたのじゃないと思うのです。それももちろんありますが、それに便乗して、来年から第四次防衛計画が発足するでしょう。——いや、笑っていますけれども、大蔵大臣にあとで聞いてみますが、五兆八千億というのはいよいよ防衛庁は案をきめたでしょう。予算の審議段階では、いや防衛庁のまだ試算であるとかなんとか言っていましたが、防衛庁は、庁の案、防衛庁案としてきめたわけです。それをまかなうために、来年度になれば九百三十八億でしょう。これは相当の財源ですよ。ところが、来年増税をやると、防衛力を強化するために増税されたという印象を受けちゃいけないから、あらかじめ、自動車重量税という道路整備の財源である、そういうたてまえにしておいて、これを増税すれば、軍国主義復活ということがいわれておりますが、そういう中で再軍備強化のための増税という印象を与えない、むしろそういうことのほうに重点を置かれて、今後の第四次防衛計画の財源対策として考えられているのじゃないか。そうじゃないんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) この自動車重量税と防衛費との関連、これは私はゆめゆめ考えておりませんです。これはまあいちずに道路を整備したい、世界じゅう一番悪いというような道路事情を一刻も早く改善したい、そういう一念からでありまして、防衛費との関係のごときは、いまお話しがありましたが、私は、ほんとに木村さんはずいぶん先の先まで考える人だなあという感を深うするのみでございます。
○木村禧八郎君 私、新聞報道されているのを読みましょうか。これは昨年十一月十一日の「朝日新聞」です。「財界「四次防」推進へ」という見出しで、次のように報道しています。 そこで、財界首脳部としては、長期財政計画の戦略目標を自主防衛力の強化におき、それに基づいて、予算を編成すべきだと考えるようになった。その具体的なやり方については、一挙に防衛費をふやして、世論を刺激するようなことは避け、差当り来年度予算では——これは四十六年度予算です。——税の自然増収を目いっぱい見込み、さらに国債減額も見送って積極、大型予算を組む。そして、道路港湾の整備など社会資本の充実や住宅建設、公害対策など社会開発に力を入れる。さらに第二段階として、こうした〃傾斜投資〃が一応功を奏した段階では、その余裕財源を自主防衛力の強化に振向けよう、という作戦。ただ、このやり方だけでは余裕財源に限度があり、防衛費の大幅増加は期待できないので、四次防計画の実施に伴って急増する防衛費の財源確保を目ざして、将来、自動車新税や付加価値税の新設など新規財源の開拓に踏切るべきだとしている。そうして、財政制度審議会の会長、これは小林中氏ですね、アラビア石油の社長、この財界代表と大蔵大臣と話し合ってこういう措置を講じたのではないかといわれております。大蔵大臣はそんなことは全然関係ないと言っても、もし大蔵大世がこういう私が指摘したようなことを考えていないとしたら、それは非常にうかつではないか。それで、財源というのは、もう私が言うまでもなく、大蔵大臣は大蔵省はえ抜きですから一番よく知っているんですが、一つにプールされるものなんでしょう。道路財源、あるいは防衛費の財源、そんな区別があるものじゃないんですよ。ですから、防衛費にたくさんお金を使えば、どうしたって道路財源に不足を生ずる。その不足を自動車重量税でまかなうということは、他方において防衛費にたくさんお金を食うからです。もしこれを増税しなければ、防衛費のほうへ予算が向けられて、道路費が不足を告げるでしょう。ですから、予算というのは、総合的に全体に考えるべきですよ、財源措置は。それで、目的税じゃないと言うのですから目的税じゃないのでありまして、だから、したがって、これはほかに財源求めていいわけですよ。それなら、防衛費のほうを削ればいいんですよ、そんなにふやさなくたって。そうすれば、道路財源のほうに財源が浮いてきますよ。ですから、そういうふうに考えなきゃいけない。たとえば五兆八千億が五カ年計画とすれば、もう来年は一兆一千六百億じゃありませんか。本年度の防衛費は六千七百九億でしょう。一挙にものすごく防衛費がふくれる。その財源措置をどうするかですよ。大蔵大臣、どうするんです、これは。それにつきましては年次計画が立っていないというなら、おおよその防衛費に対する財源措置というものを明らかにしていただかないと、いま私が言ったように、今度の自動車重量税はやはり再軍備の財源対策であるということをはっきり否定できないと思うんですよ。
○国務大臣(福田赳夫君) いまどこかの新聞の記事を読み上げられましたが、私は木村さんよりはよけいに財界と接触しておりますが、財界でそういう考え方を持っている方は寡聞にして私は承知いたしません。 また、財政制度審議会会長の小林中さんは、財政については非常にきびしい考え方を持っております。ただいまお読み上げのような傲慢な考え方はいささかもありませんから、その辺はひとつ御安心を願います。 それから防衛費につきましては、防衛庁の原案がまとまりまして、大蔵省にも提出されたようです。主計官がぼつぼつ説明を聞いておる段階じゃないかというふうにも思いますが、私は、防衛費というものは、これはあくまでも国力国情に応じたものでなければならぬ、それから他の諸施策特に社会保障諸施策と姿のいい均衡のとれたものでなければならぬ、こういうふうに考えております。防衛庁がきめたんだからそれをうのみにするんだという考え方は持っておりませんから、これも御安心を願います。
○木村禧八郎君 たとえば増税とか減税ですね、そういう財源措置を考えるときに、これは短期だけでなく、やはり長期的な財政の見通しというものを立てながら一応やらなきゃならぬと思うんですよ。ところが、いよいよ来年は第四次防衛計画が発足するでしょう。そういう場合に、いま大蔵大臣が言われましたが、もう来年なんですから、そこで、今後の財源というものと防衛費との関係、いま社会保障とかその他言われましたが、それは一体どういうふうに考えられていますか。私は、本年度の自動車重量税、これだけをとらえて議論すべきじゃないと思うんですよ。これは、平年度になりますと、九百三十八億になるでしょう、国の一般のほうは。地方への譲与税を入れますと、千二百五十一億ですがね。とにかく、たいへんな増税ですよ、これは。四十六年だけですと、たいしたことはないです、四百三億です。来年になると千二百五十一億円、たいへんな増税ですよ。したがって、これは、今後の税制なり、特に来年から五カ年計画で五兆八千億円、一カ年平均すれば一兆一千六百億円ですから、もしそういうことを大蔵大臣は全然考えていないというならば、一兆一千六百億円について大き過ぎるとか、あるいはまた、一兆一千六百億円にしましても、こうこうこういうふうに財源があるんだからとか、あるいは公債を発行すれば簡単かもしれませんけれどもね。じゃ、公債でも発行するんですか。小林中さんがきびしいと言いますけれども、きびしいから増税をやるんです。公債発行じゃなくて、きびしいから、増税によって、大衆の税金によって防衛費をまかなう。それが、形だけ見ると、道路費をまかなうように見えるんですよ。ところが、実際は、財源というものは、そんなに目的税じゃないですから、しるしがついているわけじゃありませんから。全体を統合すれば、結局、来年から、あるいは来年だけじゃありません、五カ年、ものすごい防衛費がふくらんでくるんですよ、これまでの分に比べると。倍以上ですよね。そうでしょう。それとの関連において考えていかなければ、ただ表面だけこれを見るとたいしたことはないようですけれども、そうじゃないと思うんですよ。 それからそのほかにも、たとえば健康保険の改正の問題とか、あるいは郵便料金の値上げとか、あるいは電信電話料金の値上げとか、みんな来年から始まる第四次防衛五カ年計画の財源対策ですよ。そっちのほうにうんと財源が要るから、そこで、あらかじめ——防衛計画が出てきてからやると、国民から非常に批判を受ける。再軍備のためにこんなに増税をやる、こんなに料金を上げると言われるので、四十六年度にそういう措置をしておこう、そういう魂胆ではないかと思いますが、魂胆と言っちゃ悪いけれども、そういう作戦じゃないかと思いますが、どうなんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私が伺っていますと、全く奇想天外の発想であります。私どもは、この新税と防衛費、これはいささかもからめて考えておるわけじゃございませんです。その証拠には、来年度の予算というものがもう数カ月たつと始まるその際には、道路費がいままでこの新税がないような形においてこのくらい充当されるべきであろうという額に、きちんとこの新税による収入の増加額、これをのっけます。これは事実をもって証明いたしますから、御安心願います。
○木村禧八郎君 大蔵大臣は、はぐらかしているんですよね。もうわかっているくせに、はぐらかしているんですよ。財源というのは固定しているものじゃないでしょう。財源はプールですからね。防衛費のほうによけい使えば、道路費のほうが少なくなるでしょう。そこで、防衛費のほうがふえていくので、道路費のほうに、もしこの増税をしなければ、不足を生ずるというんです、三千億。そこで、道路費の財源不足を補うためにこれを増税をやるんだというけれども、それは、他方において、防衛費がうんとふくらんでいって、そしてそっちのほうに財源を使えば道路費が不足するから、そこで増税するんだということは、今度ことばを変えて言えば、第四次防衛計画の財源対策として実はこの自動車重量税を新設するんだとも言えるんですよ、そうでしょう。財源というものは固定しているんじゃないですから、プールして一本なんですから、それは目的税じゃないというんですから、そういうふうに解釈できる、また、解釈しなければならない。そうしなければごまかしですよ。大蔵大臣は知っていながら奇想天外なんということばを使っているけれども、もしそういうふうに理解しなかったら、財政学のイロハを知らないと言ってもいいですよ。実際は子そうなんだから。社会保障費だ、道路費だ、あるいは教育予算だ、それは主要使途別に分類しても、財源は一つでしょう、公債をも含めて。それは一つの財源で、どこにどれだけ配分するか。片一方にうんと配分すれば、片一方は少ない。だから、そういう説明もできるわけですよ。また、実際そうなると思うんですがね。ですから、そこで心配するわけなんですよね。 それでは、大蔵大臣、さっき言った第四次防衛計画五兆八千億円ですね、これについて、これまでいくら質問しても、のれんに腕押しみたいに、わからぬわからぬという形で、いよいよもうこの八月になれば概算要求を出さなきゃいけないでしょう。それをいつまでもわからぬわからぬと言っておるわけにいきませんし、それから沖繩返還との関連においてやはり防衛計画を明らかにしなければアメリカさんに対して相すまぬでしょう。ですから、一兆一千六百億円といいますが、大き過ぎるのか、大体これくらいなのか、それをまかなう財源は一体どうするのか、公債でやっていくのか公債でやらないのか、公債でやらなければどうするのか、その辺がもうそろそろ——私は、ほんとうは、四十六年度の予算編成のときにもっとこれを詰めて質問しようと思ったんですけれども、その時間がなかったもんですから、もう最後の終幕のときですから、一応この点について伺っておきたい。
○国務大臣(福田赳夫君) 木村さん、誤解があるようですが、何次になりますか、四次ですね、第四次防衛計画は、これは平均して年次年次に支出が行なわれるのじゃないのです。昭和四十七年度に一兆一千億円要ると、こういうお話ですが、そういうことはありません。これはもうどんな天変地異がありましても防衛費が昭和四十七年度において一兆円になるようなことはありませんから。一兆円どころじゃない。一兆円に近い額になるなんということは絶対ありませんから、この点をひとつ誤解ないように御了承願いたいと思います。 どうも、木村さんと私は意見が食い違う。食い違うゆえんは、木村さんのおっしゃる腹の中は、自動車新税なんかやめなさい、防衛費を削ればいくらでも財源は出てくるじゃありませんか、こういうことじゃないかと思いますが……
○木村禧八郎君 それだけじゃない。
○国務大臣(福田赳夫君) そこら辺が私どもは考え方が違うのです。これは国力国情に応じて防衛費は増強しなければならない。いままでは米軍がわが国に駐留いたしましてわが国の防衛に当たっておる。こういうような状態は私は早く解消したいと思う。それにはそれだけの備えをしなければならぬ。そうすると、やはり国力に応じた防衛力の整備もしなければならぬ、そういうふうに考えております。そこは根本的に木村さんと違うので、いくらこれは話し合っても、どうも結着点というものは出てこない問題じゃないか、そんな感じがいたしますが、はっきり申し上げますがこの自動車重量税は防衛費とはいささかの関係もない、考え方といたしましても実際上の運営といたしましても関係のないことであるということだけは、これは確言をいたします。
○木村禧八郎君 私は、防衛費だけ削ればいいというんじゃなくて、ほかに財源対策は、たとえば交際費は、四十六年度九千百億円でしょう、大蔵省の資料に。大体二割しか税金をかけていないから、八割は全然引かれていない、金額にして、資料がありますがね。 それから租税特別措置だってそうでしょう。たとえば利子・配当に対する特別措置等につきましても、これは非常に不公平ですよね、あの課税のあり方がね。ですから、財源をそれを求めようとすれば、何も防衛費を削るだけが能ではないと思う、そこにも問題があろうと思うのですがね。ですから、そういう自動車重量税というものに財源を求めなくても財源があると、こう思っておる。防衛費を削るだけではないのです。ですから、かりに私が財政を担当していれば、総洗いしてみます。歳出につきましても、たとえば公共事業費なんかでも、一割節約すれば相当財源が浮くんですから、公共事業費が。一兆円以上でしょう。だから、一割節約すれば一千億円につきますね。ですから、いままでそういう積み上げ方式で前年度の予算に対して何%積み上げていくというような予算の編成のしかたなんかいろいろ根本的にやれば、私は財源はあると思うのですが、それは意見の違いになりますから、次に質問を移します。 物価に対する影響、国民生活に対する影響、これにつきましては、私は、やはりこれは相当負担になるのじゃないか、こう思うんですよ。というのは、これはすでに戸田さんが質問されたと思うんですが、通産省の重工業局の自動車課から出されている資料ですが、これを読みますと、「自動車ユーザーの一台当り納税額」という調べがあるんですね。たとえば、一〇〇〇から一五〇〇CCの五十万円の乗用車で、月間走行が一六〇〇キロメートルとして、これが五年間で自賠償費を含めて五十三万八千七百五十円になるんですね。これにこういう状態のもとでまた税金がかかる。それで、御承知のように、過密過疎がひどくなり、かなり遠くから通っているような人は、いま自動車を持つことはぜいたくというような状態じゃないと思うんですよ。もう必要になってくる。これがかかりますと、かなり大きな負担になるのじゃないかと思うんですね。とにかくこれがトラックなんかにかかりますと、これは料金の引き上げというような形になって物価にはね返ってくるのじゃないかと思うんですね。ですから、これだけの消費者物価に対する影響が、これだけ見ればそうたいしたことはないかもしれませんけれども、それがまた波及効果もありますし、全体の物価が上がっているもとでまたこういう増税が行なわれますと、それは消費者物価になりますから家計を圧迫する。長期的に見れば、道路が完備することによって輸送を効率化するから、これはコストを下げて物価を引き下げるのに役立っていきますけれども、これまでずっと見ておりまして、そういうコストが下がっても、管理価格等において下がらないんですよ、なかなか、鉄鋼なんか見たって。ですから、そういうものは、コストが下がったからすぐ物価が下がるというふうにはストレートにはいかないのです、いまの現状は。ですから、そういうことを考えると、やはり、物価に与える影響、それからユーザー、特に大衆に与える影響——大衆課税ですよね。低所得といってもこのごろ自動車を持っている人が相当いますから、そういうサラリーマン、あるいは最近では大企業で働いている労働者の人、工員の人たちも相当持っていますから、かなりの大衆課税になると思う。その点はどうですか、お尋ねします。
○国務大臣(福田赳夫君) これは間接税でございますから、それだけユーザーには負担はかかります。それはそのとおりです。しかし、そのかかり方が、とにかく、乗用車につきましては五千円だと、トラックにつきましても一万円だという程度の軽微なものでありますので、これがコストに及ぼす影響、こういうことは私はネグリジブルなものじゃあるまいかと、こういうふうに考えます。他面におきまして、この財源が整備されまして道路五カ年計画が円滑に遂行されるということになれば、自動車のユーザーは、いままで二時間かかったのが今度は五十分でいけるのだということになる、これはもう自動車の効率発揮というようなことからいえば甚大なものがあるだろう。また、いままででこぼこの道が、なめらかになって損傷の度合いというものが軽減される、これも効果非常に大きいものであろう、こういうふうに思うのです。そういうことを彼此勘案いたしますと、私は、自動車重量税の創設が国民経済に悪影響を及ぼすかというと、さにあらず、これはかえって大きなプラス要因になる、こういうふうに考えております。
○木村禧八郎君 それは、さっき申し上げた前提があるのであって、これで道路がよくなり、そうして輸送の効率が上がって、企業のコストを下げる、それが物価に直接ストレートに反映すれば、それはそのとおりですよ。しかし、いま大臣も言われましたように、これは消費税で結局はユーザーの負担になる。しかし、当面としてはユーザーの負担になるのですけれども、道路が完成して効率化されるまではかなりタイムラグもありますし、それは効率化されてすぐにストレートに価格の引き下げというふうに役立つかどうか、私はそれは保証できないと思うのです。しかも、特に私は問題にするのは、これだけが負担になるのでしたらまあそうたいしたものじゃないんですけれども、全体のいろいろな負担が大きくなっているんです。そういう中でこういうものがまた上がってくると、政府の物価対策と矛盾すると私は思うのですけれどもね。その点は、道路の効率がよくなるからといっても、タイムラグがあることは御承知でしょう。五カ年計画で五年後ですね。では当面はどうするのですか。そういう負担は税制の面で減税の面で見るとかいろいろあるとおっしゃるけれども、減税をしたところで、これだけ増税になっていけば減税効果を失わせる。それから最近、物価値上がりによって、所得税なんか累進課税ですが、累進効果なんか薄れてきちゃうと思うんですよ、こんな物価の値上がりで。それから所得税を納めることのできないような人も、物価値上がりによって税金を納めざるを得ないわけです。ですから、そういう面からもっと物価対策については真剣に考えなきゃならないのに、この程度なら軽微であろうなんといってこういうものを政府は出してくる。物価対策は総合対策だからあらゆる面で手を打たなければならぬと言いながら、これはたいしたことはない、あれはたいしたことはないと。ですから、真剣に物価対策を考えているとは思えないですね、これは。そう思うんです。物価対策からいってもこれは大衆課税だ。どうも、大蔵大臣のいまの話では説得性はありませんですね。もう一度お伺いいたします。
○国務大臣(福田赳夫君) 物価対策は、もう木村大先生に申し上げるまでもありません、これは需給の問題とコストの問題と両方があるわけなんですね。ですから、需給の問題なんか、たとえば生鮮食品というような問題は、需給を改善すれば速効が生じます。しかし、コストの問題は、そうその簡単な問題じゃない。私どもは、低生産性部門の生産性の向上、これが物価問題の根本だというのでこれに取り組んでおりますが、これは時間がかかる。しかし、時間がかかるからといってそれをほうっておいていいかというと、ほうっておいたらこれは物価対策は根本的な方向に進まないのです。いま道路事情が悪い、これをほうっておいて物価対策だと、こう言っておったら、物価対策はもういつまでたっても解決できない。そういうようなことを考えまして、まあ軽微な負担をユーザーにお願いをいたしまして道路事情を徹底的に改善をしようと、こういうのですから、これは物価対策の面からいえば非常に有効な手段であると、こういうふうに考えております。
○木村禧八郎君 いや、それは何ら保証がない。たってみればわかるのであってね。いままでの経過もそうですよ。着実に佐藤内閣になってから物価は上がっておりますからね。しかも、四十五年度は七・三でしょう。これまでの記録的な値上がりですよ。だから、物価問題についてはもう資格がありませんね、佐藤内閣がどんなに弁明したって。物価を安定させる安定させると言いながら、逆に着実に上がっているのですから、どんな弁明をしたって資格はありませんよ。いま大蔵大臣が言うのだって、保証がないでしょう。管理価格の存在というものがある。それは需給関係ばかりではいかないんです。コストが下がるといったって、コストが反映しないんですよ、価格に。 それから一番長期的な基本的な物価対策は、とにかく資源配分を思い切って転換しなければ、たとえば低生産性部門に物なり金なり労働力なり徹底的に——いままでの基準じゃだめだと思う。重化学工業にばかり重点的につぎ込んでおったから、これを大きく転換しなきゃいけないですね。佐藤企画庁長官は、構想は転換しているんですよ。経済企画庁長官の演説を見ると、あの中で、構想は転換しているけれども、構想をいくら転換したって、実際に政策的転換じゃない。これからは、最大の政策の重点、特に財政経済の重点は、資源の配分をいままで重化学工業のほうにどんどんつぎ込んでいたのを、今度は低生産性部門のほうにつぎ込む。それから社会資本のほうにつぎ込む必要がありますよ。これを大臣は必要だと言うかもしれないが、社会資本だっていわゆる大資本の重化学工業のほうのお役に立つような産業道路の開発ばかりやっておったんじゃ、これはもうだめだと思うんですよ。そこがやはり基本だと思うんですよ。ちっともそういう方向に向いていない。逆の方向に向いている。この前から私は指摘してきたんですけれども、構想ばかり転換していたんじゃだめですよ。その過程においてマクロ的態度が欠けている。佐藤内閣の一番欠陥ですよ。ミクロばっかり押えている、そこが間違っていると思うんですね。物価対策といいながら、こういうふうな物価を引き上げるような政策をとっている、それが私は間違いだと思うんですよ。これは議論になりますから、ここでやめます。 いままでで大臣に質問してまだ御答弁されていない点がありますから、それを再確認して最後の質問に移りたいと思います。それは、一つは、特別会計——さっき言いましたね、特別会計に移行するのかしないのかということ、今後その点はどうなんですか。それから私はこれは第四次防衛計画の財源確保の一環として受け取っているのですけれども、このほかに付加価値税がずいぶん問題になったんですよ。この際、やはり念を押しておきたい。付加価値税は、おそらく大蔵大臣が楽観しているのは、第四次の財源としてこれは二年ぐらいかかると。四十八年ごろからやれば、付加価値税をやるから財源は心配ないというようなことを考えているんじゃないかと思うのです。付加価値税のほうはどうなんですか。この二つです。
○国務大臣(福田赳夫君) 本税による収入を、特定財源にするか、さらに特別会計を設けてそれに収納するかというお話ですが、私は、国会における論議を通じまして、どうも木村さんがおっしゃるようなこれが防衛費の財源になるんだというようなお考えを持つ人があると、はなはだ私どもの考え方と違うことなんです。そういうようなことを考えますと、これは特定財源にしたほうがいいんじゃないかと、こんな感じがします。しかし、さらに進んで特別会計にするかどうか。特定財源にした上さらに特別会計まで設置してそれに収納することを可とするかどうか。これは財政技術上の問題でありますので、はっきりした考え方をここで申し上げかねます。よく検討いたしまして、その必要があるというならば、特別会計にすることもまたやぶさかでない、かように考えておるわけであります。 それから付加価値税との問題でありますが、付加価値税は、御承知のように、EEC諸国が決議をいたしましてこれを採用した、その上さらに最近は英米におきましても検討を始めておるという状況にかんがみまして、わが国におきましてもこれは検討をとにかくしておいたほうがよかろう、こういうふうに考えまして、財政制度審議会にも御検討をお願いしたいと思っております。しかし、これは物価問題と非常に深い関係がありまするし、また、わが国の税制としても基本的な改革になりますので、これを採用するかしないか、これはそう簡単に結論の出る問題じゃない。なお十分検討したその結論を見て、さらに財政諸問題を多角的総合的に勘案いたしまして、これの受け答えというものをきめたいと思いますが、いずれにいたしましても、これは一年、二年、三年という間に実施されるというような性格のものじゃありません。かなり長期的な展望の問題として考うべき問題である、こういうふうに考えております。 また、したがって、今度の新税と付加価値税との関係はどうなるかというお話でございますが、これは何らの関係もございません。私どもとして気を使っておりますのは、しかし、付加価値税問題というのが世界的にそういう風潮になっておるそういう際に、付加価値税の創設を阻害するような税制はこの段階ではよろしくない、こういう考え方を持っておりますが、とにかく全然引っからめての考え方というものを持っておりませんから、そういうふうに御了承を願いたいと思います。
○木村禧八郎君 この際、財源問題に関連して、公債政策については今後大蔵大臣はどうお考えですか、公債についてはですね。
○国務大臣(福田赳夫君) 公債につきましては、私は木村先生とたいへん考え方が似ておるような考え方を持っております。社会資本の充実をしなければならぬ。しかし、公債というものは、これをみだりに発行いたしますると乱に流れる傾向がある、これは非常に気をつけなければならぬというふうに考えておりますが、社会資本の充実という要請にわが国は迫られておるわけで、ですから、非常に臨時的に考えて、景気がデフレ的な傾向である、これは財政によって景気の持ち上げをしなきゃならぬというような必要がある、そういう際におきましては、公債を発行して社会資本のおくれを取り戻す一助とする、これは私は考えていい問題である、そういうふうに考えております。
○木村禧八郎君 そうしますと、いま一番下限というのですか、四千五百億くらいですね、これを全然なくしてしまう、情勢によってはですね。そしてまた、必要のときは発行すると、そういうお考えなんですか、それとも、前には火種は消さないほうがいいというような何かそんなようなお考えがあったようですけれども。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、公債を二、三千億出しておるという状態、これはもう全然苦にしません。ですから、公債発行を全然やめてしまえというような議論もありますが、そういう議論に対しましては、公債というものを二、三千億出しておってどこが悪いのですかと、こう言いたいのです。つまり、公債政策というものは、やめてしまってそうしてこれを新たにやろうという際にはなかなかむずかしい。そういうことを考えまするときに、二、三千億円くらいでも公債が発行されておるというと、それを火種といいますか基礎といたしましてこれが拡大運用ということも順調にいくと、こういうような意味なんです。まあ、二、三千億程度をもって公債発行政策をとっていると、こういうふうには申し上げない、こういうことなんです。
○木村禧八郎君 もう五分しかありませんので、最後にいたしますが、この重量税を実施するには根本的な総合的な交通政策が前提となっている。ところが、それが明らかにされていない。そういうもとでこれを実施することについては問題があります。しかも、八月ごろこれは何か答申があるんですか、総合政策……
○国務大臣(福田赳夫君) それは運輸審議会の話じゃないですか。その運輸審議会の答申がありましたらば、おそらくそれをもとにいたしまして運輸大臣が運輸省としての見解を固められると思います。そして、それを運輸大臣として閣僚会議に持ってこられる。それをまた各省からいろいろ意見が出ますから、総合調整をしよう、こういうことなんです。
○木村禧八郎君 それはいつごろ大体……。
○国務大臣(福田赳夫君) 総合調整が終わるのは、昭和四十七年度予算の編成の前、おそくとも、そういうふうにしたい、かように考えております。
○委員長(柴田栄君) ちょっと速記をとめて。 〔午後五時三十二分速記中止〕 〔午後五時五十二分速記開始〕
○委員長(柴田栄君) 速記を起こして。
○木村禧八郎君 先ほど最後に一つだけ残っている問題について、それはこの自動車重量税を実施するにあたっては総合交通体系というものが前提になっていて、その総合交通体系をつくるには運輸審議会の答申があって、それを待って各省のほうで総合交通体系をまとめる作業をすると、こういうことになっているようですが、その時期をさっき伺ったんですが、大体いつごろそれができ上がる予定なんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十七年度の予算の編成に間に合うように最後の締めくくりをいたします。
○木村禧八郎君 四十七年度予算編成は、概算要求はもう八月から始まるわけですね。ですから、その前に、七月ですか、大体まとめなきゃならぬわけですね。
○国務大臣(福田赳夫君) 予算がまとまるのはおそらく十二月の末かと思いますが、おそくともそれまでには総合交通体系というものを取りまとめたい、かように考えております。
○木村禧八郎君 少なくとも、私は、運輸審議会の答申があれば、それを前提として取りまとめるわけですから、それを待って政府の大まかな考え方を明らかにして、そしてこれをかりに実施しても——私は反対ですけれども、時間的には間に合うのじゃないか。間に合うのじゃないかというより、むしろそうしなければ、国民に対して総合交通体系を全然明らかにしないで、そしてこういう非常な——平年度化すれば千二百億以上の増になるわけですから、こういうものを実施するということは、私は当を得ないのではないかと思うんです。なぜそれを待てないのか、どうも理解に苦しむ、なぜそんなに急ぐのか。ですから、それは、いまこれをやっておかないと来年度の予算編成には防衛費等があるからじゃないかと、こういうふうにわれわれは考えるのですがね。
○国務大臣(福田赳夫君) 今度の税と防衛費といささかも関係のないことは、詳しく申し上げたとおりであります。この税は、総合交通体系というものがあればほんとによかったと思います。そして、あるいは使途なんかにつきましても十分これを明らかにするということができたというふうに思いますが、総合交通体系というと、なかなかこれはむずかしい問題でありまして、そう簡単にきまらない。しかし、精一ぱい努力をいたしまして、まあ年末にきまる予算、それまでには間に合わせたいと、こういうふうに考えておりますが、しかし、道路の整備は、総合交通体系があろうがなかろうが、とにかく一刻も待つわけにいかぬということで新税のお願いをいたしておるわけなんですが、この新税は十二月一日から実施です。ところが、準備ですね、徴税機構をどうするかとか、あるいはいろいろこまかい徴税細目というものをどうするかと、いろいろ準備があります。そういうようなことで、この国会でお願いしなきゃならぬと、こういうふうに考えているのでありまして、いずれ十月下旬ごろには沖繩国会が開かれることになろうかと思いますが、それじゃ間に合わないんです。まあこの国会でひとつおきめ願っておきたいと、そうして万全の準備を整えた上、遺漏なくこの新税を執行したい、かように考えているわけであります。
○木村禧八郎君 十兆幾らかの第六次五カ年計画、その中で三千億の財源不足があると。それは何もいますぐ措置しなくても、総合交通体系ができてから措置しても、財源的に別に困ることはないのじゃないですかね。なぜ、そういうふうにやらないで、こんなに急ぐのか、そこがわからないんです。たとえば来年度予算に出してきてもいいわけなんでしょう。間に合うと思うんですけれどもね、五カ年計画なんですから。三千億の財源不足を一挙に四十七年度で措置しちゃうわけじゃないんですから。十兆何千億の中で三千億でししょう。そうすれば、何もいまこんなに急がなくてもいいのじゃないか。もっと十分に総合交通体系を国民に明らかにして、使途も明らかにして、こうこうこういうわけなんだから必要なんだということをもっと十分に納得さした上で措置されるほうが私は正しいのではないかと思うんですけれども、なぜ十分なそういう措置を講じないで急ぐか、どうしても理解ができないんですけれどもね。
○国務大臣(福田赳夫君) これは、この三千億の財源を先にいって使うというわけにいかないんです。もう五カ年計画は一年余過ぎていますから、三年半の間に分けてこれを使わなきゃいけない。これを二、三年先にいってある年だけぼこんと三千億円だけよけい道路事業を進めますというわけにもまいりませんし、同時に、もう道路事情というものは一刻もこれを猶予することはできないというくらいいまおくれているんです。また、同時に、昨年の国会におきまして、皆さんにも、財源不足の状況にどういうふうに対処するかということを明らかにいたしますと、こういうお約束もしておる。そういうことを総合的に考えますと、どうしてもこの国会においてお願いしなきゃならぬ、こういう結論に相なる次第であります。
○木村禧八郎君 これで終わりますが、いままで質問してまいったんですけれども、こんなに重要な法案に対しまして、質疑がきのう一日ちょっとやっただけで、きょうまたわずかの時間質疑して、それでこれを成立させるということにつきましては、そうした審議のやり方にも非常に不満であります、内容についてはもちろんですが、さっきから質問してまいりましたように、物価に対する影響とか、あるいはまた、総合交通体系が明らかにされないままこれを実施するということは国民に対して非常に不誠実でありますし、私はどうしても賛成できないわけなんです。しかし、時間がまいりましたから、これで質問を終わります。
○松井誠君 いま木村委員からいろいろな疑問が出されましたけれども、私も大臣の言われる奇想天外の疑問を持っている者の一人なんです。なぜ一体いまの時期にいわゆる見切り発車のようなことをやらなきゃならなかったのか、その理由がまだわからない。この税の、何というか、特異さというのは、一体これがこのあとどうなるのか、ニワトリになるものやらカエルになるものやらわからぬというところにある。ですから、いまこれがオタマジャクシなのかタマゴなのかその正体がわからぬというところにあるわけですよ。それは、この税が生まれてきた経過というものがよくわからぬというところに一つは由来をしておると思うのです。先ほど第六次の道路整備五カ年計画で五年間で一般財源の不足が三千億だと言われたその説明の中で、ガソリン税その他特定財源の伸びを一応見ている。にもかかわらず、一般財源の不足がこれだけになるという話がある。それの具体的な数字を、それは大まかでけっこうですけれども、特定財源というものをどれだけ見て、それから一般財源からの繰り入れをどれだけ見て、したがって三千億が足りないというおおよその計算の根拠というものをまずお聞きをしたい。
○政府委員(竹内道雄君) 十兆三千五百億円の五カ年計画を達成いたしますために必要な国費でございますが、私ども、大体四兆八百億円というふうに見込んでおります。四兆八百億円に対しまして、従来の特定財源の系統でございますガソリン税と石油ガス税でございますが、これの五ヵ年計画期間中の収入見込みを三兆三千七百億というふうに見込んでおります。したがいまして、その七千億余りのお金が五カ年計画達成のために必要である、一般財源から投入しなければならぬということになるわけでございますが、その一般財源につきまして、従来道路特別会計に投入されておりました一般財源をどれくらいこの五カ年計画中に投入できるかということでございますが、期間中の総計といたしまして一〇%くらいの毎年の伸び率というもので計算いたしますと、約四千億余りのお金が従来の一般財源の傾向から投入できるという計算になりますので、いまのところ差引約三千億円の資金が不足するという計算を国費についていたしております。 同様な計算を地方費についてもいたしますと、おおむね千億ないし千二百億の資金が不足するというふうに計算できるわけでございます。
○松井誠君 一般財源からの持ち出しを約一〇%増と見た、これの根拠というのはどういうことですか。
○政府委員(竹内道雄君) 特別な根拠をということもございませんが、一〇%ぐらいの増は見込めるのではないかというふうに考えたわけでございます。
○松井誠君 それはいままでの伸び率の引き伸ばしなんですか。そうじゃなくて、いままでの伸び率よりも多少上回る伸び率を見たのですか。
○政府委員(竹内道雄君) まあ年度のとり方にもよりまするけれども、過去七、八年の平均伸び率というのは大体一〇%程度でございます。
○松井誠君 大臣の言われるように、道路の整備というのが非常に重要な問題、緊急な問題だということになれば、いままでと同じような伸び率で一般財源からの繰り入れを見るということ自体が初めからおかしいのじゃないですか。その伸び率をもっとふやせば、三千億という一般財源からの不足という事態だって解消し得る——どれくらいの伸び率にすれば三千億なくなるかわかりませんが、そういうこともあり得るんじゃないですか。いままでの伸び率の延長で考えるとそうだというだけであって、先ほどの木村委員のお話じゃありませんけれども、そういう意味で固定をして考える必要はないので、全体の財政運用の中からどうすべきかという問題でありましょうし、しかも、道路整備の問題というのは緊急で非常に重大な問題だということになれば、伸び率を伸ばしてやっても私は差しつかえないと思う。そういう政策の転換というものは一切行なわないで、いきなり税金というところに持ってくるということがよくわからない。
○国務大臣(福田赳夫君) 政府のやることは、道路ばかりではないんです。社会資本につきましても、あるいは上水道、下水道、住宅、港湾だ、航空だと、いろいろなことがある。そのほかに、社会保障の整備を急がなければならぬ。文教も整備しなければならぬ。農山漁村のこともやらなければならぬ。いろいろあるわけなんです。ですから、いままでの配分、それでどのくらい道路にさき得るかということを考えてみまして、どういう額が五カ年計画遂行上不足するかということを考えますのが、これはまことにすなおな考え方ではあるまいか、そういうふうに思うわけであります。
○松井誠君 道路だけではないことは私も知らないわけではない。しかし、こういう税金を新しく取るというときに、相当大きな政策的な決意というものが当然要ると思うのですね。それなのに、いままでどおりの伸び率の延長だという。計算とも言えないような、見通しとも言えないような、そういう計算の上で年間千二百億という税金を取る。どうも私は依然としてわからない。もしほんとうに大臣が言われたように道路整備というものがそれだけ緊急な問題だとすれば、ほかのものに手をつけてはいけないという別に限界があるわけではないのでありますから、そこで一ぺん三千億という問題そのものを洗い直してみるということも必要でありましょうし、そういう問題がはっきりしないままにことし発足しなければならないという理由にはならないのではないか。道路整備五カ年計画というのは、四十五年から始まって、およその年次計画というものはできているのですか。
○政府委員(竹内道雄君) 総ワクだけでございまして、毎年の年次計画というのは特にございません。
○松井誠君 そうしますと、なおさら四十六年度の予算で四百億という、これはまあ一般財源ですから、それだけことしの道路財源の一般財源からの不足が生ずるという意味ではないかもしれませんが、それではたとえばことし四十六年度の道路整備計画で一般財源からの繰り入れというものはどれぐらい見ておりますか。
○国務大臣(福田赳夫君) これはたしか四十五年度は六百九十億、約七百億なんです。それに対しまして、今度新税というものが出てきますから、そこでそのうち三百億円を——そのうちというのですか、三百億円を乗っけまして、約一千億円という一般財源からの繰り入れにする、こういうふうにいたしたわけであります。
○松井誠君 国税で約三百億というものを本年度の道路整備の一般財源からよけい入れる、いままでよりも余分に入れるということでしょう。しかし、それだけの余分はこの税金を発足しなければできないということが、繰り返しになりますけれども、よくわからない。なるほどあとの三年間で三千億というのは五カ年計画全体のたてまえから言えばおかしいかもしれませんけれども、しかし、その三千億というのも、繰り返しますけれども、あくまでも一つの政策というものを前提にした数字である。その政策というものを変えることによってその三千億というものが動く。したがって、五カ年計画はあとの三カ年で一般財源からの繰り入れを考えたって、全体の財政の運営の上からいって決して不可能ではないし、おかしくないと思う。そういうことがなぜできなかったのか。 そこで、具体的にお伺いをしますけれども、先ほどの話では、例の総合交通体系というのは四十七年度予算には間に合わせる、これはわかりました。 もう一つ、この税の性格というものをそのときにははっきりさせるということでしょう。目的税であるのかどうかということもはっきりさせるのか、あるいは、特別会計という形式をとるかとらないかということもはっきりさせるのかどうか、その点はいかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) その二つの問題につきましては、総合交通体系を立てた上で結論を出したいというふうに考えておりますが、第一の目的税にするかどうか、これにつきましては、国会の御論議等を見ておりますと、どうも私は少なくともこの税はこういうふうに金額的に使われておるんだということが明らかになるという形が好ましいんじゃあるまいかというふうな感じがしておるわけです。 特別会計にいたしますかどうか、これは、目的税主義をとりますれば、特別会計にする趣旨の大半が達成されるわけであります。あと残るのは財政の運営の技術上の問題でありますが、この問題はまだそこまで考え方がいかないんです。よくこれは考え、検討してみたい、かように考えております。
○松井誠君 私は、目的税にするかどうかということよりも、目的税にするかしないかということを予算編成のときまでにはきめるかどうか。私の印象では、大臣は目的税というものをあまり本来賛成ではなかったような感じがしている。それが、この税金に限っては目的税のほうがよさそうだと言うのは、四次防との関係でわれわれがこういうことを言うからですか。別にそうじゃないんでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) 一般財源にすれば、財政論としては弾力的な運営ができていいわけなんですが、皆さんから、どうも、税収入は目的をはっきりせいと、こうおっしゃいます。そうおっしゃいます方がかなり多いわけでありますので、そういうことを考えますと、ここでふん切って、目的税というか、あるいは使途を明確にするとか、そういう措置をとったらどうだろうかというような感じがいましておるわけです。
○松井誠君 それは、われわれがそういう疑問を持つのは、提案理由の説明の中でもきわめてその点があいまいだからなんですね。一般財源であるかのごとく、目的税であるかのごとく、書き方がどっちにでもとれるような書き方になって、結論は一般財源になっている。道路その他のそういう社会資本の充実が大事であることにもかんがみというようなことばで、二つの関連があるかのごとくないかのごとく書いてあるから、やっぱり聞かざるを得ない。これはやっぱりこの税金というものが生まれてきた氏素性がはっきりしないんですよね。どだい氏素性がはっきりしない。ですから、さっきもちょっと木村委員が聞かれましたけれども、この税調の答申というのは実に奇怪だと思うんです。もしこれがほんとうに四十六年度からやれという税調の意見であったとすれば、もっと具体的ないろんな数字をまじえたそういう答申になるのが普通なんですね。ところが、これは一番最後の末尾に取ってくっつけたように数行書いてあるだけで、しかも、その内容というのは、まさに政府のしょっちゅう言っていることと同じように、その道路整備五カ年計画の財源事情を勘案しつつという、こういう関係になっている。ここでも、一体、目的税を創設しろというのか、そうでないのか、それもどだいはっきりしない。そういうところからわれわれがこういう疑問を出してくるんです、本来の根本的には。ですから、大臣の言うこの税金に限ってわれわれが目的税にしろというような意味で言っている人もおるかもしれませんが、私の聞いているのはそういう意味でないんです。ですから、こういうことを顧慮して目的税にするというのじゃなくて、むしろ、もしそうすることができれば、ほんとうにこれは——四次防との関係は奇想天外じゃないでしょう。財政は全部一本なんでしょうから奇想天外ではありませんけれども、そういう意味でのわれわれの疑問の一つというものはあるいはなくなるかもしれない、そういう意味で言っているわけですね。こういう疑問そのものは、私はいわば当然のことだと思うんです。 そこで、私の聞きたいのは、とにかくことしじゅうに、予算編成前に、特別会計のことはまあけっこうですけれども、目的税であるかどうかというそういう性格だけは、閣僚懇談会ですかの結論が出たあと、四十七年度の予算編成のときまでにははっきりさせる——どっちにしろという意味ではありません。はっきりさせる、これは間違いありませんね。
○国務大臣(福田赳夫君) 本税による収入の使途については、金額的にこれを明らかにいたします。
○松井誠君 ちょっといま言われた趣旨がよくわからなかったんですが、金額的に明らかにするというのは、つまり金額的に特定の目的のためにはこれだけ使うというそういうことは明らかにするという意味ですか。
○国務大臣(福田赳夫君) たとえば、具体的に申し上げますと、道路に幾ら、あるいは交通安全施設に幾ら、それからまあ新幹線という問題取り上げられるかどうか、取り上げられますれば新幹線に幾らと、こういうふうなことは少なくともこれは明らかにいたしたい、こういうふうに考えます。
○松井誠君 特別会計にしても同じような問題がやっぱり残ると思いますけれども、特別会計にしなければなおさら、この税金をこれに幾らこれに幾ら使いますと言ったところで、それこそ色がついているわけでも何でもありませんから、それだけではわれわれの疑問に対する根本的な解消にはやっぱりならない。先ほどのお話では、特別会計にするかどうかは、必ずしも四十七年度の予算編成のときにはっきりするとは限らないということですか。
○国務大臣(福田赳夫君) これは、特別会計にする必要があるのかどうか、また、特別会計にした場合の利害得失、そういうものをよく検討してみましてこれをきめたいと、こういうふうに思います。特別会計にするかしないかというのは、これは手続論、形式論なんです。実体論といたしましては、この金がかくかくに使われます、それ以外には使われません、これを明らかにいたします。
○松井誠君 その点はまだ疑問があると思いますけれども、私は、もう一つ、これも木村委員の言われたことなんですけれども、付加価値税との関係ですね。これはやっぱりそういう考え方が相当広く行なわれておることは間違いがない。これがいわば付加価値税のはしりではないかと。最初の構想のように、何兆円というようなものを構想しておったとき、そういうときなら別ですけれども、今度のこの乗用車であろうと営業用のトラックであろうと一律に全部にかけるという形になってくるというと、付加価値税を将来とるときの一つに組み込むような前提があるのではないか。先ほど大臣はいみじくも言われましたけれども、付加価値税の実施を阻害するような形での新税というものはつくらないと、こう言われましたが、それを裏返して逆に勘ぐれば、これが付加価値税へのいわばはしりになるというように私はとりたい。大臣のそういうことばをそういう意味で翻訳したい。これは間違いですかね。
○国務大臣(福田赳夫君) それはどうも思い過ぎのように思います。私は付加価値税と今度の新税とを連想して考えておりませんのです。ただ、付加価値税論議というのがあります際ですから、それを妨げるような税はこの際考えたくないと、こういうふうにいま考えているまででございます。
○松井誠君 最後に、一点明らかにしておきたいんですが、これは事務当局にもお願いをしてあるんですけれども、これの税金の大衆課税的な性格というものを私ははっきりさせたいと思うんです。所得階層別の乗用者の保有状況というものの資料というのはよく出てくるんですけれども、しかし、それはたとえば三十万円未満の所得者の中で乗用者を持っている世帯は全世帯の一・七%、こういう数字はありますけれども、具体的に三十万円未満の世帯がどれだけあって、持っておる自動車の保有数が幾らであって、したがって、所得階層別に見て乗用車の全体の何十%くらいがどの階層の所有になっておるかということははっきりしないわけですね。これはそういう資料はございませんか。
○政府委員(細見卓君) 残念ながら、現在までのところ、そういう資料はございません。八千世帯ばかりにつきましてサンプル調査をしたものがございますが、あまりにもサンプルの数が小さいものですから、これを全体に拡大するのは無理ではないかと、かように思っております。
○松井誠君 そういうことでありますので、私のほうで実は苦心をしてその試算をしてもらいました。これは全世帯数がわかっておる。それからその世帯の中で保有をしておる世帯数のパーセンテージもわかっておる。これは少ないサンプル調査でありますけれども、それを全部引き伸ばしてみますと、私はおよその見当はつくだろうと思いますね。それによりますと、所得階層別の乗用車の保有状況で、三十万円未満の階層の乗用車というのは、全体の乗用車の約三・五%くらい、三十万円から六十万円の所得階層が一九・九%くらい、六十万円から九十万円が約三〇・九%くらい、九十万円から百二十万円の世帯が二三・七%くらい、百二十万円から百五十万円の世帯が一一・三%、あとは省略をしますけれども、この九十万円から百二十万円という世帯、それ以下の所得階層、これが全体の乗用車の中の七割ぐらいを占めておるですね。おおよそその見当として私は間違いないと思うんです。ですから、年間九十万円ないし百二十万円というそれ以下の階層というのが納める税金というのが乗用車の七割くらいを納める。これは私は相当な大衆課税だと思うのです。その大衆課税的な性格を持っておるこの税金というのは、それだけに付加価値税というものに転化をしやすい性格を本来持っておる、そういうやはり疑問がある。私たちがこういうことをいろいろ言うのも、初めから生まれてきたいきさつというのがはっきりしないというところに問題がある。そういうことからわれわれはこういうことを言っておるわけで、何もいわれがなく四次防としゃにむに結びつけようという意味ではもちろんない。しかし、付加価値税そのものも、私は、やはり四次防の財源難というものに対処する一つの方法ではないか、そういうように基本的にやはり考える。それとこれとが結びつき得るということになりますと、その面からももう一ぺん疑わざるを得ないというのがわれわれの考え方であります。御意見があれば伺って、これで私の持ち時間は終わりましたから、終わりたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 私も、自動車がもう国民大衆にすみずみまで普及しておる、そういう意味におきまして、今回の新税は大衆に対する課税である。ユーザーという大衆に対する課税であると、そういうふうには思います。しかし、大衆課税大衆課税と、こういう熟語になりますと、一つの色合いというか、ニュアンスが出てくるわけですが、そういうふうには考えていないのです。どこまでもユーザーが道路の損傷等に及ぼす社会的負担、また、公害とかそういうものに対する社会的負担、それから道路整備によって受ける便益、そういうものから考慮いたしまして、その方々に負担を求める、こういう考え方をとったわけであります。
○吉田忠三郎君 私は社会党の一番しんがりを承りまして質問をするわけでございますが、いままでに、成瀬理事、あるいは木村委員、戸田委員、そうしてまた松井委員から、社会党といたしますればかなり細部にわたって質問をいたしておりますから、できるだけ重複を避けて、しかも与えられた時間は私は十分でございますから、その限度で伺ってみたいと思います。 大蔵大臣に第一番に聞きますことは、どんな税金でも、新しく創設をする場合は、これは当然なことであるけれども、慎重な配慮というものがなければならないと思うのです。特に今度のこの新税と称せられるものの制定にあたってはこのことが必要だと思うのです。その意味は何かというと、申し上げるまでもなく、国民的なやはり合意、納得というものが必要ではないか、こう思うのですが、そういう点は残念ながら私どもの理解ではなされていない。特にこれはちょっとその表現が悪いかもわかりませんが、今年度の予算編成にあたりまして、政府のほうは、これは新聞紙上でも明らかでもございますが、予算の復活要求段階で財源を求めるその一つの手段としてやったというようなことがいわれていますが、こういう点で、私から言わしむれば、政府のほうの御都合主義になっておる。そういう御都合主義の中から生まれたからこそ、いままで各質問者からそれぞれの疑問点が出されていると思うわけです。 そこで、具体的に聞きたいと思いますが、この税金をかりにここできまりまして徴収をするという場合に、トラックとかバスの場合は御承知のように車検が一年限りですね。一年ごとに車検が繰り返されますから、その段階で課税されるわけです。ところが、乗用車の場合は二年になっていますね。ですから、乗用車の場合は二年ごとに課税をされる、こういうことになるわけです。ですから、税体制上、片や同じ自動車でも一年ごとに課税される、片や乗用車の場合にはこれは二年ごとに課税されるといった場合に、そういった体系が一体今日まで日本にあったかどうかということですね。それから諸外国で一体そういう税の体制があるのかどうか、この点も非常に疑問だし、ここに同じ税金を納める場合でも矛盾を感ずるのであります。それが一つです。 それから時間がありませんから一緒に申しますが、二つ目は、不動産の場合、これは登録税がございまして、それぞれ不動産はAからBにその所有権が移転されると同時に登記して税金が課税されますね。自動車の場合も、これは不動産と言いませんけれども、財産ですね。印紙税をかけていることはその証拠だと思いますが、その場合に、たとえば私が柴田委員長に車を持っておったのを譲渡した、この場合はこの税制では税金がかからないことになっていますね。こうしたものの関連性ですね、この点は一体どうなるのか、聞かせていただきたいと思う。
○国務大臣(福田赳夫君) 政府委員から……。
○政府委員(細見卓君) 第一の、二年目と一年目という問題は、この税が車検制度に乗っかりまして、その車検の交付を受ける、あるいは届け出をするという段階において、そのことを課税の原因といたしておるわけでありますので、自動車につきまして、将来、自家用車・営業車が同様な年数ごとに車検を受けるということになれば、同じことになるわけでありますが、現存、この税だけのために特別な手続をわずらわすのはいかがなものかということで、車検の期間に合わせたわけでありますが、負担額は、二年の負担額は一年もののの倍になると、金額としては同じことになっております。 それから不動産譲与の場合、第二点の問題でございますが、これは、こういう車検税を払っておられる方は、そういう車検税を払った価格の償却——端的に申せば、償却未済分を含めてお売りになる。具体的に申せば、五千円が二年分であるものであるとすれば、一年たって売られるときは、これは車検分二千五百円はおまえのために立てかえておるから、車代の上に二千五百円を足せと、こういう形で売買が行なわれることになろうかと、こう思っておるわけであります。
○吉田忠三郎君 それは、主税局長、あなたの解釈であって、一般商取引の場合はなかなかそうはいきませんよ。特に中古車で売買する場合にですね。これは時間がありませんから私は多く言いませんが、こんなにどんどんメーカーが新しい新車を売り込んでくるという段階では、そういかないと思うんですよ。ところが、不動産の場合は、これは所有権を移転した場合は所得税がかかりますね、それぞれの税率によって。ここのところがやっぱり私は納得しないと思うんですよ。もう少しそこのところは詳しく聞かしてください。
○政府委員(細見卓君) 不動産を移転いたしました場合には、新しく買った人が自分の財産として権利を保護されるために登録をして、その際に登録税を払うわけです。この自動車の重量税は、たとえば、自家用車で二年の有効期間の車検を受けた人といたしますと、この人は、一万円——先ほどは五千円と申しましたが、今度は現実的に一万円なら一万円といたしまして、一年までに売った場合には、その方は一年間は車検を受けなくていいわけでございます。つまり、車検証二年の有効期間のうち、一年間は前の持ち主が使ったと。あとの持ち主は、もし不動産のようにいたしますと新しく買ったときにもう一ぺん登録を受けなきゃいかぬのですが、この自動車の場合は、新しく買った人は車検を受けなくていい。したがって、その人は、車検を受けるとすれば、一万円の半分五千円をおそらく払わなきゃならないものを、払わなくて済むわけですから、相対の話として、五千円はあなたの車検代がこの中に入っておると。ただ、おっしゃるように、現実に中古車がどんどんはんらんしておりますから、いろいろ値切られるとかなんとかいう話が起きますが、それは車体自身を値切られるのであって、税は、そういう意味で、一年分残っておる限り、たてまえとして請求できるものであろうと、こう思っておるわけであります。
○吉田忠三郎君 あなたと議論をいつまでもする気はないんですが、これはやっぱり制限条項はどこにもありませんし、チェックするあれがないですから、そういう矛盾は起きてくると思うんですよ。 それで、いま申し上げたように議論する気はありませんから、次に進みますが、大臣、それからもう一つ伺っておきますが、いままで大蔵大臣は、各それぞれの質問者に、大衆課税じゃないと、こう答えているんですよ、大衆課税じゃないと。私もこれはたくさん理屈がありますから、一々大衆課税であるという理屈は申し上げませんよ、皆さんがおっしゃったから。私も大衆課税だろうと、こう思っているわけですよ。ところが、大蔵大臣は、大衆課税ではないと。ない理由は、選択権を認めている、こう言っているんですよね。つまり、国民の側からすれば、車を購入するとかしないとかというこの選択権を与えているのであって、ですから大衆課税じゃない、こうおっしゃっているわけなんですよ。そこで、私は、最近非常に疑問に思うことは、いままでの政府の経済政策といいますか、長い間の高長政策をとってきた関係で、過密と過疎の現象というものはもう御承知のとおりたいへんなものですね。そうしますと、過疎地域におられる人々というものは、いやおうなしに、自分の勤務の関係、あるいは住宅の関係等々で、どうしても自動車というのは生活に必要であるということで、そういう問題が起きてくるんですよ。このことと選択権の関係は、大臣、どうなんでしょうか。そういう人々は、必要欠くべからざる生活のための自動車である、こういうふうに私は理解するんですがね。 それから二つ目ですね、税目について。いままで八つあったわけですね。ですから、いろんな方々が、この新税によって税体制が非常に混乱したと、こういうような意味のことを言っておったわけなんですが、これをしさいに検討してみますと、国税が、四つ、今度の新税プラス一で五ですね。それから地方税の場合は、これまた四プラス一で五になる。合計十になるわけですね、税目が。この場合、先刻以来、たしか戸田君の質問に対する答弁だと思いましたが、大臣は税制調査会にこのことをはかると、こうおっしゃいました。そこで、税制調査会にはかるからという抽象的な答弁では私はわからぬわけですよ。さて、税制調査会にかけた場合に、その後一体こうしたものはどういう姿になるのか、この委員会で明らかにしてもらいたいと思うんですよ。 この二つをとりあえず……。
○国務大臣(福田赳夫君) 私が、大衆課税ではありませんと、こう言うわけは、これはユーザー大衆に対して課税される税ではありまするけれども、砂糖消費税というような一律にかかるわけじゃないんです。この税は目的を持っておる。つまり、道路の整備、そうしてユーザーは道路が整備されますれば便益を受けるわけなんです。それから同時に、あるいは道路を損壊するとか、あるいは排気ガスを出すとか、いろいろ社会的コスト、負担を及ぼしておるわけなんですから、そういう方に対しまして道路整備の財源として負担を求める、こういう趣旨の税であるので、いわゆる大衆課税ではない、こういうふうに申し上げておるわけです。 それから税目がたくさん同じ自動車に対して課せられていると。これは今度で九つになるわけでありまして、そういうことから見ると、納税者のほうは国民一人一人だということになりますると、これはどうも複雑多岐な感じを与えるのじゃないだろうか。つまり、税としてなかなかわかりにくいというような感じになってくるのじゃないかというふうに考えます。そこで、いまの既存の八つの税、今度の新税を加えて九つになりますが……
○吉田忠三郎君 十ですよ、地方税が一つあるから。
○国務大臣(福田赳夫君) これができたいろいろないきさつというものがあるんです。それぞれのまた理由もあるわけなんです。しかし、この際、これをもう少し国民にわかりいいような形にできないものかなということを私は考えておるのでありまして、そういう趣旨を税制調査会に申し上げまして、税制調査会の御検討をお願いしたい、こういうふうに考えています。ただ、これは地方税がひっからまってくる問題でありますので、地方財政当局との間の意見の調整、これはなかなか容易なことじゃなかろうと思いますが、とにかく御理解を願って何とかわかりいい税にしたい、こういうふうに考えておるわけであります。そのことを申し上げた上、税制調査会の御検討をお願いする、こういうことを申し上げたわけなんです。
○吉田忠三郎君 大臣からそれぞれ答えられましたが、大衆課税であるとかないとかという議論は、これまたせんじ詰めてここで議論していきますと、つまり、おまえと、ものの見方、考え方が違うからと、こういう先ほど木村委員に答えたような結果になりかねないと思うんです。だからぼくはやりませんが、大臣、確かに、道路を整備した場合に、自動車の所有者、保有者というものは利益をこうむることになりますけれども、一面、また、交通公害であるとかその他の問題で非常に被害をこうむっている現状もあると思うんですよ。ですから、一面的なことだけとらえて、受益者負担の原則をそのままずばり単純的に貫いているところに問題がありはせぬかという気がするんですよ。私は、ですから、これはまあ考え方の違いであるといえばそれまでですから、これは申し上げません。 それから税調にはかる点は、国民にできるだけわかりやすいようにいたすためだと、そう言っていますね。ここのところが大切なんですが、これまた理屈になるかもしれませんが、各それぞれの税金を賦課されて納入する場合に、国民は税金の仕組みがわかりにくいと言いますね。ですから、こういう点は、せっかくいま大臣がわかりやすいようにするということの答弁であるとするならば、その他の税金についても、もっともっと徴収事務等については簡素化をして、国民に理解のできるようなわかりやすいような方向で検討する問題が幾つだってあると思うんですが、これも私はあえて答弁を求めようとしませんが、そういう努力を積極的にとっていただきたいと思うのであります。 時間がありませんから、私の意見といいますか考え方をこれから申し述べて、大臣の批判なり意見を私は賜わりたいと思います。それは、木村委員からもあるいは松井委員からも申されましたけれども、財源の求め方に問題がある、こう思うのであります。確かに、いままでの大臣の答弁では、それなりの理由をつけていますけれども、これは非常に正当性に欠けているんじゃないか。だから、それぞれの質問者も疑問であるし納得がいかないと、こう言っているわけですね。私も同じであります、その点では。それは、検討された段階のあらゆる過程で政府の態度というのは不十分である、ある意味においては不誠意きわまりないと私は思っているくらいなんです。なぜかというと、考え方によっては、やり方によっては、財源を求めようとすれば求められる手段が今日の税制の中に幾つでもある。これはいままで税調でも問題になっている。あるいは、各種選挙を通して与党もそういうことを言っているし、われわれ野党も常にこのことを指摘をしてきたところでありますけれども、私はそういう意味での政策転換を求めるという考え方に立って若干申し上げてみたいと思うのです。 一つの例は、これは松井委員も申されましたけれども、一般会計の歳入予算と これは大臣は専門でございましてすべて頭に入っておられるわけでございますが、決算額と比較をしてみますると、昭和四十一年度以降、これはあなた方が出している資料にあやまちがないとすれば、私のいまから言うことは間違いないと思うんですけれども、とにもかくにも各年度ごとに二千億から二千八百億ぐらいの余剰金を出しているでしょう。余剰金を出していますね。こういう点だって、やはり新しい財源として求められる。どうですか、ものになりませんか。 それから二つ目には、これも大臣がしばしば本院において申されて、あるいは質問に対する答弁をいたしているのでありますが、貿易収支の関係であります。これとても、世界最高の黒字であるということで大臣がいつも胸を張っています。そうして、外貨準備高についても六十五億をこえている。これも先般のマルクの変動の問題でこの委員会で大臣は答弁していますよね。マルクまで私は言及しようと思いませんけれども、大臣は、円の切り上げについて、ここではしないというような答弁をしておりましたが、そう言ってみても、国際的な国際社会の中では、やはり円の切り上げをやったらどうか、安過ぎるじゃないかというのがきのうあたり英国あたりで議論したことが報じられているわけですよね。ですから、そういう動向が国際的にあって、かような時期においてなおかつわが国では輸出優先の優遇の税制をとっているのは、私が言うまでもなく、大蔵大臣御承知おきのとおりだと思う。ですから、私は、そこに財源を求めるとして、大幅にこの改廃をする必要があるのじゃないかと思うんですよ、私の申し上げたくだりの関係で。いいですか。だからといって、私は、海外市場であるとかあるいは資源開発準備金制度等々に手をつけてよろしいとは言っていない。そこまで手をつけなくったって、この関係では優に少なくとも五百七十二億ぐらいの財源というものは確保できるというふうに私は試算をしております。これは数字的に多少の狂いはあるかもわかりませんよ。私どもは大蔵省の役人じゃありませんから、専門でないところで試算しているわけですから、狂いがあるかもしれませんが、そういう五百七十二億というものが出てくる。 それから三番目には、これは木村委員からも指摘をされたところでありますけれども、今日いまなおたいへん悪名高い交際費の関係がございます。この関係だって、たとえて申し上げますと、基礎控除定額をたとえば現行の四百万円という定額というものを引き下げる。全くゼロにするということはたいへんだと考えられますから、かりに半額の二百万円にしたって、かなりの財源が出てくることは、これはいままで何回も指摘されたところです。それから法定の控除額等についても、これは超過分について損金不算入割合というものがいま七〇%になっていますね。主税局長、そうでしょう。これなどだって、八〇%に上げてごらんなさい、たちどころに五百億くらいの財源というものは出てきます。 第四には、法人の税率の問題であるけれども、昭和三十九年度当時に戻す措置をとったならば、これだって私どもの試算では九百七十七億という金が出てくる。財源があるんですよ。ないわけじゃない。 それからこれも問題になっていますけれども、金融機関に対する貸し倒れ引き当て金、これだって、いまの現行積み立て率というのは千分の十五でしょう。これを改定して千分の七・五、半分にしてごらんなさい。そうしますと、初年度でたちどころに一千五百億という財源が出てくるじゃないですか。 等々、まだありますけれども、この辺は私が例をとって五つの問題を提起いたしましたが、トータルいたしますと、五千五百四十九億という財源が生まれてくる。これは、一にかかって、政府、特に大蔵大臣の決意によってきまることなんですよ。決意によってきまります。そうしますと、今度の新税で三千億というわけでしょう。なおかつ、この財源を充当して、大臣がここに言われる道路であるとかあるいは社会資本を充実していくのであるということであるなら、おつりが来るのじゃないでしょうか。この点はどうでしょう、将来ともおまえの考え方は違うからこれは検討に値しない、値打ちのないものだというふうに大臣は考えますか、この答えを求めて、私は質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) まず、過去数年間における自然増収ですね。この問題は、過去数年間は御承知のような超高度成長の時期であった。そこで、経済の見通しよりも実績が常にこれを上回るというような状態にありました。したがいまして、そこに自然増収が出てくるわけでありますが、いつも自然増収というわけではないので、昭和四十年のごときは相当額の自然減収があったわけです。また、四十六年、ことしという年が一体どういう年になるかというと、いまふところぐあいが寒々としておる、こういうような状態でございまして、これは自然増収がある年とない年とあるわけです。ある年をとりましても、これが残っているわけじゃないのです。これは半分は国債整理のために充てられる、残りの半分は翌々年度の財源に充当されて支払いの財源になっておる、こういう状態でありますので、その辺は私はそういう御指摘を受けなければならぬとは考えておりません。 ところが、そのほかの、輸出控除の問題、交際費の問題、あるいは金融機関に対する貸し倒れ引き当て金の問題、いろいろお話がありましたが、そういう諸問題につきましては、これは私はこれからもつぶさに検討していきたい。すでに、輸出減税の問題なんか、検討してみるようにと主税局長に申しておるわけなんであります。しかし、そういうものを検討いたしましても、一体それで道路整備計画の財源まで浮くかと、こういうと、私どもは、社会保障もしなければならぬ、あるいは道路以外の社会資本の充実もしなければならぬ、いろいろな施策があるし、常々申し上げておりまするように、財源があれば所得税の減税もしたいと、こういうふうに申し上げておりますので、そういう検討の結果どういう財源が出てくるか、まだ未必でございますけれども、それらの検討の結果もし財源が浮くというようなことがありますれば、私は、他の社会保障費でありますとか、所得税減税とか、そういうものに回してみたいというふうに考えておるわけであります。検討はしてみまするけれども、だからといって、自動車新税は取りやめると、こういうわけにはまいらぬというふうにお答えいたさざるを得ないのであります。
○吉田忠三郎君 もう一問だけ。大臣は、検討してみますけれども、自動車新税はやめないと、こういうことですか。ここのところはこれ以上申し上げても前に進まぬと思うし、委員長のほうから時間がないと注意されていますからよしますが、最後に、一つだけ、逆に要望になりますけれども、中小零細企業ですね、これは特に運送業者でも言えると思いますが、この決算状態を見ますと、いま六〇%から七五%ぐらい赤字です。これに今度はこの新税を課せられた場合に、私はたいへんな状態になると思うのです。そうじゃなくても倒産件数がふえておりますね。そういう状況の中で、これは重税ではないと言うけれども、こういう人々に対しては重税だと、こう言えると思うので、こういう方々については特別の措置ができないものか、特別な措置をしてやるべきではないかと、こういう私の考え方です。
○国務大臣(福田赳夫君) この税は、ユーザー一般に対しまして課税するものでありまして、あれはこういう事情があるから特別だというような考え方をとったら、この税は成り立ちにくいと、こういうふうに思います。私も、いま、タクシー業界、あるいは中小のトラック業界、そういうところが収益が非常に悪化しておるということは、よく承知をいたしております。でありまするから、四十五年度の年度末でも、特別融資をする、財政投融資を放出する、こういうような措置までとった次第でございますが、これは一番大きな問題は、景気の問題、それから料金の問題、そういう問題にあるだろう、こういうふうに思います。特に景気が回復するということがかなり大きな影響を持つのではあるまいか、そういうふうに考えますが、税のほうはこれはぜひ一律でお願いをいたしたい、そういう業界の対策は業界の対策として別個に考えていく面があると、かように考えます。
○鈴木一弘君 新税をつくるということでありますから、これは相当慎重な論議とか配慮というものがなければならなかったと思いますけれども、最初に一つ伺っておきたいのは、先ほどの御答弁で、収入に対する使途については金額的に明示をしたいと、そういうような答弁があったわけであります。それが、道路と、交通安全施設と、新幹線のような国鉄と、この三つというように大臣は答弁になったのですが、いま金額的に明示ができるのか、それとも、できなければ、どのくらいのパーセンテージで分けるようになるのか、大体の見込みだけでもいいですから、お答えいただきたい。
○国務大臣(福田赳夫君) これはいま明示するというわけにもいかないのです。それからこの税を使う交通社会資本、これの種目も、ただいまお話しのようなものばかりじゃない。あるいは地下鉄という問題が出てくるかもしれません。あるいは国鉄にいたしましても、改良というような問題が出てくるかもしれません。あるいは道路に関連する安全諸施設という問題が出てくる、こういうふうに考えておるわけでありますが、それらは一体どのくらいの規模のことをしなければならぬか、それには財源がどのくらい要るか、その財源を他の財源でどのくらい充当できるか、そういうようなことを勘案いたしまして新税の振り分けをきめていきたいと、かように考えておるわけでありまして、これは四十七年度においてはきっちりと明らかにしたいと、かような考えであります。
○鈴木一弘君 そうすると、今年度の見込み三百二億円という自動車重量税については、全然お考えになっていないというわけじゃないだろうと思いますけれども、その辺はどうなっていましょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) これは一般財源でありますから、幾らこれに充当したというふうに申し上げかねるのです。ただ、しかし、この税がかりに成立しなかったという場合には、道路費がかなり削減を受けるということになると思いますが、その他、新幹練が、あるいは国鉄の改良が、あるいは道路標識などの安全諸施設が影響を若干受けるということに相なるであろう、こういうふうに思います。
○鈴木一弘君 この新税をつくるについての大きな論議は、前回もここで例の運賃値上げの法律案のときに、さんざん国鉄の問題が論議されたわけです。そうして、国鉄にあのような大きな赤字ができるということは、言いかえれば、競争条件としての貨物運送において、一方は、施設から信号灯から安全施設からすべてを用意しなければならない。ところが、一方は、国でつくった道路なり地方でつくった道路の上をただ走るだけである。そういうところでどうしても国鉄の赤字ができるというようなことが論議されたわけです。これは、大臣がいまも国鉄の改良であるとか新幹線あるいは地下鉄というようなことを言われましたから、そういう点では、これが四十七年度になってはっきりと金額的に使途が明示されるというふうになりましても、一方で国鉄なら国鉄に対しての事業内容というものの改善、こういうものをほんとうにはからせなければいけないんじゃないか。そういう基本的なことが大蔵省のほうでも論議をされ、また、運輸省なり国鉄に強力に言っていくのでなければならぬのじゃないかと思うんです。ことしの一月に国鉄から通知が出ておりますけれども、国有鉄道法施行令が改正となって、投資のできる業務として、旅客駅の建設管理とか、旅客の利便を確保するために必要な駅内の食事施設とか宿泊施設等の運営を行なう事業とか、国鉄と他の交通機関とを連絡するために必要なバスターミナル、駐車場等の運営を行なう事業とか、国鉄の駅業務を委託する業務、そういう関連事業に投資できるように改正せられる運びになったということが各方面に出されておりますが、これだけではちょっと国鉄のほんとうの対策はできないんじゃないか。せっかくこのように自動車重量税という新税をつくるとなれば、国鉄に対しても事業内容の拡大ということをほんとうにやらせなければいけない。そういう感覚は持っておられるかどうか。たとえば、一つは、いま言ったような小さい事業じゃなくて、今回も東京から宮崎までのフェリーボートが出た、こういうことになりますと、当然これは競争路線として国鉄は衰微せざるを得なくなります。あるいは航空輸送事業もやっていない。こういうようなことも、やはり国鉄への影響が大きいことは御承知のとおりです。そうすると、国有鉄道法というものそれ自体を改めさせることを考えていって、そうして陸海空にわたる輸送というものまで手を伸ばさせなければ、あの根本的な赤字は解消ができない。それができないうちは、たとえ新税をつくってその財源の中から配分をするということになりましても、焼け石に水で、さらにさらに追加をしなければならないとか、いろんなことが起きてくるのではないかと思うんですが、そういう基本的な考え方というものは大蔵省はお持ちになっておって今回の新税というものが出てきたのか、そういうことの配慮なしで、ただ何でもいいから取れるところから取れという形で出てきたのか、これは非常に大きな問題だと思いますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 国鉄が非常に苦しい状態にあることは申し上げるまでもないところでありますが、これをどうするか非常にむずかしい問題なんです。そこで、四十六年度の予算編成の段階では、根本的な対策というものは実はできなかったので、これはつなぎという程度にとどまらざるを得なかったわけです。いま鈴木さんは拡大のことばかりお話しでございますが、拡大の面ばかりというわけにはいくまいと思うんです。やはり時勢の変化で国鉄が不要になるという部面もあるわけです。そういう積極、消極の両面にわたっての配慮が必要であろうというふうに思いますが、まあ申し上げておりまするとおり、総合交通体系の中で一番むずかしいのは国鉄の問題でございます。今度の四十七年度の予算では、他の交通機関との関係等も十分配慮いたしまして、国鉄の問題につきましても何とかひとつ筋の通った解決をしてみたい、かように考えております。
○鈴木一弘君 いまの大臣の答弁で、今年度は根本的なところまでいかなかったと。私は積極的な面ばかり言いましたけれども、消極的な面で、赤字路線の問題とか、いろいろあるわけです。あるいは事業として分離をしておいたほうがいいのではないかという事業も国鉄の中にはあるだろうと思います。それはわかります。しかし、一方で収益をあげるようなことを考えることをはっきりさせないと、せっかく税金をつくってそこに投入をしようといっても、何だか知らないけれども、底なしの沼にお金をほうり込むようなことになりかねない。そういう点は、いま大臣ははっきり約束をしていただけなかったのですが、総合交通体系ができるまでにというと、これからあと一年間ございますけれども、その総合交通体系ができるまでにはその点ははっきりとめどがつけられるという保証でこの新税というものはできたわけですか。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ、その程度の問題ですがね。総合交通体系といっても、非常にこまかいことまでやるわけじゃない。大体のスケールというか、各交通手段の位置づけということが主体になるだろうと、こういうふうに思いますが、国鉄がそういう中においてどういう位置づけを与えられるか、その辺を十分踏まえまして、そうしてこの国鉄の財政をどうするかと、こういう問題に移っていくと思います。それらの問題につきましては、四十七年度予算では大体の見当をつけましてまた御審議を願いたいと、かようなことを申し上げておるわけであります。
○鈴木一弘君 よくわかりました。それで、その国鉄の位置づけの場合に、ただ鉄道なのか、それとも、いま私が申し上げましたように、陸海空までにわたる運送業務というものを考えるというような腹があるのか、どちらでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) その辺が総合交通体系の問題なんですけれども、空まで国鉄がやるというのは、いままでの議論の中に出ておりません。フェリーだとか、そういうような問題ですね、これは議論が起こってくる問題かと思いますが、陸海という程度で、空まではなかなかむずかしいのじゃないか、これは私の率直な感想でございます。
○鈴木一弘君 ところで、第六次道路整備五カ年計画において一般財源として三千億円不足してくる、こういうようなことがいわれて、種々検討の結果、今回の自動車重量税の創設だ、こういうふうにいままで答弁があったわけですけれども、この三千億円というその不足の数字というのは、現在のところは間違いないかもしれませんけれども、将来まで予測されて三千億円でよろしいと思っていらっしゃるか、あるいは、はっきりと申し上げると、道路整備五カ年計画にしても、第六次が半ばまでいかないうちに第七次になってしまうということが予想されるわけです。そうすると、これはかなり大きく広がって拡大してくることは目に見えているわけです。そういう点で、先日も、質問の中で、みだりに税率の変更あるいはふやしていくということは、予見し得る範囲内においてはないということを大臣は答弁されたのですが、そういう心配が私は出てくるわけです。ですから、この辺の数字というものは、確定されてずっと動かないというものじゃないでしょうから、その点の見通しといいますか、そういうものまではどういうふうにお考えになっていらっしゃるかですね、それをお伺いいたしたい。
○国務大臣(福田赳夫君) 道路五カ年計画十兆三千五百億円、これは一応の計画です。これが完全に実施できるかできないか。なるべくこれを完全実施というふうにいたしたいと思いますけれども、将来の経済情勢、それに伴う財政状況によりましては、あるいは実現できないということにもなりましょうし、あるいは交通事情等でもっとこの規模を拡大しなければならぬというようなことにもなりましょうが、ただいまの見通しといたしましてまずこの辺であろうかというのがこの第六次五カ年計画なんです。しかし、鈴木さんの御心配は、事情の変化に応じてこの税がこれを基盤にいたしまして拡大をされるおそれはないかということでございますが、ただいまそういう考えは持っておりません。
○鈴木一弘君 これは確かにただいまお持ちでないことはわかるんです。しかし、先日の答弁でも、予見し得る範囲内においてはとあったんですけれども、特別な事情というよりも、いままで見ておりますと、実際に道路を完全に整備しようとすれば、十兆じゃ足らないわけです。十五兆とか二十兆とかいわれております。計算の基礎はいろいろありましょうけれども。そうなると、ある程度の財源ができれば、それならば完全なものを望んでいくというのが人情でもありましょうし、当然のことだと思うのです。そういう点で、これは大臣の答弁を信用して、これから先急激な増加ということは当分の間してもらいたくない、これだけはお願いしておきます。 その次に伺っておきたいんですけれども、先ほどもお話が出ておりましたが、私もこれはぜひ触れたいと思ったんですが、われわれ自動車がすでに生活必需品になっているという認識をしている。しかし、いままでの御答弁から見ますというと、そういうような立場ではなくて、いわゆる公害であるとか道路を損傷するとかいう社会へのそういう社会的な損害をかけていることに対しての負担であるとか、それは当然道路を利用している便益者が負担すべきであるとか、つまり自動車を便益品という考え方を持っているようでありますけれども、これは東京に住んでいればそういうことはないと思いますが、ローカルな地方へ行けば行くほど、たとえば通勤の場合も車がなければやれない。これは私も前に所得税のときに申し上げたことがありますけれども、どの工場に行きましても自動車通勤のための大きなモータープールがなければ工場自身がもう建設ができないという状態でありますし、いますでにそうなっている。それからまた、地方へ行けば、生活必需品を買うためにどうしても奥さん方が持たなければやれないという状態のところもあります。そういう点を見ると、どうしても生活必需品としか私は見られないわけなんです。それはまあ無理な御答弁かもしれませんけれども、ユーザーとして当然負担すべきものである、便益品であるというような考え方は、どうにも納得がいかないわけなんです。そういう点で、都会においては便利ですから必要がないかもしれないけれども、田舎に行けば行くほど、これは必要な生活必需品になってくる。そうすると、富の集中が都市にされて地方のほうは富が次から次へと失われてきている。その失われているところにさらにこれが来ると、いわゆる貧すれば鈍するという状態にこの税金が過重になるのじゃないかということが考えられるわけですが、そういう点の御配慮はなかったものなんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) これは一般の消費税とは違いまして、この税のねらいどころは道路を整備するというところにあるわけなんです。道路を整備する、その財源ということになりますると、道路整備によって便益を受けるユーザー、あるいは道路を使用することによっていろいろ社会的負担をかけるところのユーザーである、こういう考え方なんです。私は何も自動車がもう必需品の段階になってきているということを否定するわけではないんですよ。もう大衆の必需品であるというふうに考えまするけれども、この税自体はいわゆる大衆課税というべきものではない、そういうことを申し上げているわけであります。
○鈴木一弘君 私は非常に疑問に思うのは、道路整備のためということになりますと、税率のあり方、税金の金額のあり方が、はたして道路を損壊させるところのいわゆる加害者と言うとおかしいですけれども、そういう損壊率といいましょうか、それに比例していないのじゃないかというような感じを受けるのですけれども、その点は、一体、一トンの車なら十トンの車に比べてどのくらい損壊が少ないのか、一トン車に対して十トン車は何倍の損壊をするのかというようなことはおわかりになっていますか。
○政府委員(細見卓君) 外国にはアアシヨテストというようなものがご、さいまして、そういうのを統計的に調べたものがございますが、日本と外国との間には、御承知のように、気候も違いますし、湿度も違いますし、そういうものの違いというのも相当あるわけでございまして、運輸省におきましてもそれらの点を検討されておって、ただ、私どもが常識的に言えることは、自動車の重量そのものの比例よりも若干重量にウエートをかけて、つまり、重いものは単なる倍数以上の損壊度を与えておるであろうということぐらいが現在常識的に言える程度でございますので、今回の税は、そういう背景も考えまして、重量比例ということにしたわけでありますが、ただ、この場合に、私どもが考えております損壊度というのは、社会的費用ということで、道路がこわれるということだけじゃなくて、道路の渋滞を来たすとか、あるいは交通事故が起こるとか、いろいろな安全施設をつくらなければならないということをあわせ考えておるものですから、その場合、重量で考えたほうが、単なる排気量よりもより適正な負担を求めることになろうかというので重量としたわけでございます。
○鈴木一弘君 それは、排気量ということになれば、COの量であるとかそういうことですから、ガス排気量そのほかの公害というのが基準でもっての税金になるわけでしょう。しかし、先ほどの御答弁の中でも、道路整備というのが一つの大きなウエートになっているわけですよ。となれば、当然、科学的な根拠を言えば、小さい一トン以内というような車とそれから二十トンというような大きい車と、その場合の損壊率が違うわけですよ。いまトンでもってやったんだということが一つの根拠になっておりますけれども、そのトンでやっている根拠がはっきりしていない。道路を損壊させる率でいくならば科学的な根拠だ。だれもが納得できるかもしれない。だけれども、どう見てもぼくらようわからないですね、これは。言っていることがどうも違うみたいな感じがする。
○政府委員(細見卓君) たびたび同じことを申し上げているので恐縮なんですが、道路を損壊するという要素と同様に、自動車がふえて新しい道路をつくらなければならない。スペースが足らない。道路面積が足らないから、道路をつくらなければならない。あるいは、自動車が走るから、交通安全のいろいろな施設をしなければならない。これは重量に比例するわけじゃございません。そういうようなもので考えた総合的な自動車の走行に伴う社会的負担を考えているわけでございますので、そういう意味でとりあえず重量になっているということでございます。
○鈴木一弘君 混雑を来たしているのは、それでは——税率のほうはずっとここに出ておりますからわかりますけれども、小型から乗用車とかいろいろありますが、一体どれが交通混雑を起こす最大のものなんですか。
○政府委員(細見卓君) 大なり小なりみんなであろうと思います。
○鈴木一弘君 どうも、答弁があいまいでわからない。混雑を起こすそういう度合いも考え、また、道路損壊の度合いも考えて税に段階がございますというふうに聞こえたのですけれども、いまのお話だと、混雑は全部だと、大なり小なり全部だと、大も小もということでしょう。そうすると、混雑の比率ではできないわけですよね。そうすると、道路損壊の比率以外にないじゃないですか。CCで考えないということは、公害じゃないということですよ。そうすると、道路損壊の比率ということになれば、それがある程度科学的な根拠がなければおかしいわけです。ほかの国でやっている例をあげてみてください、どういうふうになっているか。
○政府委員(細見卓君) 外国では、日本のようなやり方ではなくて、重量税という形で、つまり重い自動車というものにかける。自動車重量税ではなくて、重量自動車税というようなかけ方をしているわけでありますが、そういうものになりますと、車軸によって道路損壊の度も違ってくるというわけで、その重量税、トラック税ということで車軸税の思想を取り入れているのが、米国とかフランスとかあるいはドイツというようなところにございます。
○鈴木一弘君 そのフランスとかドイツとかあるということでありますが、その場合調べたのでは、一体、一トン車の場合と十トン車の場合、こうありますが、損壊の比率というのはどういうふうになっているのですか。
○政府委員(細見卓君) 米国では十一・八トン以上、それからフランスではたとえば十六トン以上というような車につきましては、重量の四乗というようなことで道路の損壊が出てくるという考え方を背景にいたしておりますし、それ以下の車につきましては、大体重量に比例したような損壊度というふうな考えでございます。
○鈴木一弘君 そうすると、アメリカとかフランスでは、重量の四乗に比例して十一トンとか十六トン以上の車は道路を破損する、それ以下は重量に比例して破損するという考え方ですね。日本の場合は、重量に比例してとかあるいは四乗に比例してとかということで破損をしないということが根拠になっているわけですか。
○政府委員(細見卓君) 逆でございまして、たとえばフランスのように重量の四乗に比例するというまだ社会的な認識というのは確立しておらない、こういうわけでございます。
○鈴木一弘君 そうすると、はっきり申し上げて、わが国で調査し、この税をつくるときに、一体、何トン車ならどのぐらい破損をするというような、いわゆる単位トン数に対する比例の度合いですね、そういうものは全然調べないで、目の子で大体こんなでいいのではないかという、そういう算定をされたということですか。
○政府委員(細見卓君) 重量だけで考えますと、いま鈴木委員のおっしゃるような議論になるわけでありますが、私ども、たびたび申し上げておりますように、道路の損壊ということだけでなくて、新しい道路をつくらなきゃならないとか、あるいは交通渋滞によっていろいろな社会的な緊張あるいは経済的な不利益をもたらしておるとか、あるいは交通災害を起こしておるとか、そういうものを全部見まして、一方、道路損壊というところから見れば、大体重量に応じたものになろうと思いますし、従来、先ほど来御指摘がありましたように、自動車にはいろいろな税がかかっておるわけでありまして、物品税のように若干便益性というものを重視するものにつきましては、御承知のように、車の大きさ、これが奢侈度といいますか、そういうものをあらわすものとして、大きいものほど重課するというやり方になっております。一方、トラックというものは全然かかっておらないわけです。そういうことも考えれば、トラックにも薄く負担を求めるという意味におきましては、重量に比例した税というのがいままでの日本にはない税体系であろう、そういうことで、しかも、一方、外国におきましては、重量に比例じゃなくて、重量の何乗かに比例するような税制すらあるわけでありますから、日本において重量に比例した税体系を導入するのは適当であろうと、新しい税として考える場合には適当であろうと考えたわけであります。
○鈴木一弘君 いまの答弁から、大臣、私は思ったんですが、先ほどからずっと聞いていて、道路整備のため、あるいは道路を損壊したり公害をまき散らしたり、そういうことから毛当然便益負担というものをすべきであるというのがおもなる主張で自動車重量税法案が出ているわけですけれども、それならそれで、実際の破壊をする度合いに応ずるとか、そういうことを正確にある程度出さなければならぬ。四乗に比例とか五乗に比例するということはできないとは思いますけれども、少なくもこれ以上差がついてもいいんじゃないかということを感ずるわけですが、そういう点の精密な調査といいましょうか、科学的な根拠というものがこれからはなければならない時代だと思うのですけれども、そういう点、いかがお考えですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 税は、何といっても、簡素であって、そして国民にわかりいいという形が好ましいのではないか、そういうふうに思います。鈴木さんのお話を承っておりまして、私もそういう御意見も立ち得るというふうに思いますが、とにかく、大かた、重量に比例して損壊度というようなことが大ざっぱに把握できるのじゃあるまいか、また、重さに比例してユーザーとしての便益も享受しておるのじゃないか、そういうふうに考えるわけです。非常に精密な考え方をすれば、できないわけではございません。しかし、大体、国民が、重量に比例するというところで御納得がいけるのではあるまいか、そんな感じがいたしております。
○鈴木一弘君 私は、その点が逆に納得できないのじゃないかと思って伺ったのですけれども、この第六次道路整備五カ年計画が、はっきり申し上げて、三千億円程度の財源不足があるだろうということでこういう新税となって出てきたのですけれども、私は考えるのに、計画があって、それから財源が足らないということで、税の財源はどう考えるかというのはどうもおかしい。はっきり申し上げて、予算の立て方からいえば、金がない計画なんというものはちょっとおかしいわけです。きちっと財政に合わせて計画というものを考えるのがほんとだと思うのですけれども、逆に、計画に合わせて財源を考えるというふうな、どろぼうを見てから縄をなうみたいな感じで、どう見ても私はその点がわからないわけですが、これは予算あるいは財政運営の行き方としては一番感心できないケースじゃないか、明敏な大臣がこんなことをするのはどういうわけだろうという感じがしているのですが、その点はいかがでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) これは、昨年、道路五カ年計画を発足するときに、あわせて新税もお願いするということにすれば、御指摘のようなおしかりを受けないで済んだかもしれませんけれども、とにかく計画は発足しよう、財源はどうしてもこれはもう充足する措置をとらなきやならぬという決意のもとに計画を先行させた、こういうことでございます。
○鈴木一弘君 いずれにしても、私は、そういうふうな行き方は、考えてもらわなきゃいけないと思うんです、これから先は。 それから今年度は、初年度が先ほどのように重量税譲与税を合わせまして四百三億というものが見込まれておりますけれども、ことしの景気の動向、こういうものを見ると、下期で景気が回復するといっておりますけれども、現実には、はっきり申し上げて、設備投資の落ち込み等で、通常考えている以上に深刻というのがどうも一般の様子のように私は受け取れてならないのですけれども、そういう点から見ると、はたして四百三億という初年度の税収見込みというものはそのとおり徴税できるかどうかということは心配だと思っているのですが、そういう点の見通し、景気の動向とか、自然増の関係とか、いろいろありますけれども、そういう点について伺っておきたいと思います。
○政府委員(細見卓君) 現在までのところの出荷の状況とか、あるいはその他を見ますと、御承知のように、これは、軽自動車は出荷でありますが、それ以外のものは保有でございますので、そう大きくは動かないのではないか。いままでのところの出荷の状況その他を見ますれば、大体この程度の税収は確保できるのではないか。ただ 鈴木委員も御存じのとおり、十二月から税がかかるということになりますれば、たとえば軽自車のようなものは前に買っておこうというような問題が起こるかもしれませんが、車検のほうになりますと、これは期限の利益を放棄することのマイナスのほうが大きいと思いますので、そう大きくは動かないのじゃないかと考えております。
○鈴木一弘君 その点、大臣、これは全体を通じてなんですが、これからの景気の見通しは、私は悪くなると思っています。それと税の自然増との問題、税収の問題ですね、そういうものについて、税収のほうが見込みより落ちてくるというような危険性はいまのところは考えられないのかどうか、その点を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 税につきましては、三月期の法人決算が非常に悪いんです。これは思ったよりも悪い。そういうようなことから、三月期決算の法人税収入というものは、見通しよりは落ちるかと思います。しかし、今後の景気の動向といたしましては、私は、もう今日が底だ、これからつま先上がりに上がってくると、こういうふうに見ております。また、それがそういうふうな状況でなければ、そういうふうにするために財政金融措置をとるつもりでおります。私は、景気の前途につきましては、そう心配はしておりません。そういうことを総合いたしまして、まあそう税収に狂いはなかろうと思いますが、従来の年と違いまして、ふえるのでなくして、逆に自然減収が出ないかどうかということを、ひやひやしながらいま見守っておるという状態でございます。
○向井長年君 この法案は、本院においては、御承知のごとく、短時間でこれを議了するというような方向でございますが、大蔵大臣としては私たちはこの問題については必ずしもそう急がなくてもいいんじゃないかという考え方を持っておるのですけれども、それくらい重要な歳入法案ですか。どうしてもこの国会でやらなければならぬというような、そんな重要な歳入法案ですか。
○国務大臣(福田赳夫君) この税によって得られる収入は、四十六年度予算に一般財源として予定しておるわけなんです。そして、その前提として、この税は十二月一日から実施というふうに考えておるのですが、ただいまのこれからの政治日程というものを見てみますると、どうも、沖繩国会が十月下旬には開かれるかと思います。しかし、その時期になりますと、十二月執行というのがもう間に合わない。そういうことを考えまするときに、どうしてもこの国会で御議決を願わなければならぬ、こういうふうに思います。 御指摘のように、参議院に回ってから日が少ない。私もこの点は非常に遺憾に存じますが、ひとつ、せっかく御勉励の上、御可決あらんことを、切にお願いを申し上げます。
○向井長年君 いま大蔵大臣の答弁によりますと、まことに重要な歳入法案であると、こう解釈しますが、それでいいんですね。− 委員長ね、いま大蔵大臣から非常に重要な発言がされましたから、私は委員長に聞きたいのだが、重要な歳入法案というものは、国会法の第五十一条で公聴会を開かなければならぬという規定があるんですよ。あなたは重大なミスをおかしているんじゃないですか。重要な歳入法案については公聴会を開かなければならぬという規定があるんです。これを、あなたはミスをおかしているのじゃないですか。その点についてお聞きしたい。
○委員長(柴田栄君) いや、お話しのことも理事会で検討いたしましたが、差し迫った事情でございまして、やむを得ないということで省略させていただきました。御了承を得たいと思います。
○向井長年君 省略は、運営上、私も理解いたしますよ。しかし、国会法に違反しているということはあなた認めますか。五十一条の第二項に、「総予算及び重要な歳入法案については、前項の公聴会を開かなければならない。」と、ちゃんと規定してあるんです。この点についてどう答弁されますか。
○委員長(柴田栄君) 「重要な」という解釈の問題もございますし、時間的な問題もございまして、特に議長裁定という問題を基礎として各党で御相談をいただきまして、期日的に公聴会を開いておるという余裕がないということで、御相談をいただいて運営を運ばせていただいた次第でございます。御了承をいただきます。
○向井長年君 委員長のいま言われた答弁は、運営上の問題ですね。これは理事会なりでいろいろ御検討になったことはわかる。しかし、国会法のこの規定に対しては、一応こういうことは認められますわね。したがって、重大なミスをしておる、国会法の違反をしておるということは言えるでしょう。言えませんか。いま、大蔵大臣は、重要な歳入法案だということを答弁されたんですよ。
○委員長(柴田栄君) 違反ではないと思っております。
○向井長年君 開かなければならぬと書いてあるんですよ。それを開かないということは、違反じゃないですか。
○委員長(柴田栄君) 「重要」という程度の解釈だと思います。
○向井長年君 重要じゃないですか、それを私は委員長に聞きたい。これは明確にしていただきたいと思います。運営上のことはわかります。それはわかります。しかし、この問題だけは明確にして私は次の本論に入りたいと思う。
○委員長(柴田栄君) 御指摘の点もわからぬわけではございませんが、議長裁定に基づいて運営を御相談いただきまして、期日的にも公聴会を開く余裕がございませんでしたので、運び方として御相談をいたしましたので、御了承をいただきます。
○向井長年君 いやいや、了承よりも何よりも、いま、大蔵大臣は、どうしても今国会で通してもらわなければならぬ重要な歳入法案だと言われた。そうなれば、この五十一条の規定から言うならば、開かなければならぬということになっている以上は、運営上の問題はそうなったことは事実ですからこれは認めますけれども、この五十一条には違反しておると言わざるを得ないのですよ、開かぬ以上は。理事会の中でも開けという意見があったことを私は聞いております。しかし、日程上の都合で開かれないという形になって今日進んでおりますけれども、しかしながら、開かなければならぬという規定がある以上は、これは大きなミスである、こう言わざるを得ない。この点について明確に違反しましたと言われたら、違反したと言われたでけっこうですよ。
○委員長(柴田栄君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(柴田栄君) 速記を起こしてください。 この問題については、いろいろ御論議がございましたが、「重要」という判断自身が問題になるわけでございます。経過は御承知のとおりでございますので、御要望のようなことに対する答弁はいたしません。続いて審議を行ないます。
○向井長年君 重要じゃないというふうなことばは、これは委員長が判断される問題ですか。大蔵のほうでは今国会で通してもらわなければならぬ重要な歳入法案だと言われておるんですよ。それを委員長がはっきり重要じゃないということが言えますか。
○委員長(柴田栄君) 重要でないということを申し上げているわけじゃございません。
○向井長年君 国会ではこれは重要法案じゃないと自民党は言われますか。あなたたちがそう言うんだったら、国会では重要法案ではないということを言いますか。(「軽い法律案とは思っていない」と呼ぶ者あり)政府は、重要歳入法案やと、したがって何とか通してほしいと、御協力を願いたいということを大蔵大臣は言われている。それが重要だという問題について、自民党のほうは重要ではないというふうに考えているのですか、委員長は。(「必要な法律案だ」と呼ぶ者あり)
○委員長(柴田栄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(柴田栄君) 速記を起こして。 質疑を願います。(「休憩」「質問続行」と呼ぶ者あり)
○向井長年君 休憩してからその問題を明確にしなければ質疑に入れない。委員長、ちょっと休憩したらどうですか。十分ほど休憩したらどうですか。(「向井君、簡単におりちゃいかんぞ」と呼ぶ者あり)ちょっと休憩……。(「続行」と呼ぶ者あり)
○委員長(柴田栄君) ひとつ進めてください。法律違反だとおっしゃいますが——速記をとめて。 〔午後七時四十九分速記中止〕 〔午後十時十五分速記開始〕
○委員長(柴田栄君) 速記を起こして。 委員の異動について報告いたします。 ただいま、小林章君及び栗原祐幸君が委員を辞任され、その補欠として星野重次君及び和田鶴一君が選任されました。 —————————————
○委員長(柴田栄君) 質疑をお願いいたします。——ほかに御発言もないようでございますが、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより三法案のうち自動車重量税法案の討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○戸田菊雄君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となっております自動車重量税法案につきまして反対の意見を表明するものであります。 まず、反対理由の第一は、この自動車新税が、高福祉を犠牲にして、高負担のみを国民大衆に強要し、税負担の不公平をますます拡大する代表的な施策である点であります。新しい税負担を国民に求める場合、現在の歳入歳出面の合理化を徹底すべきであり、昭和四十六年度予算税制改正においてその努力が見られず、全く安易な財源対策と言わざるを得ません。 すなわち、歳入面においては、租税特別措置において四十六年度を拡大しております。先般発表になりました長者番付においても、億万長者が、地価対策の名をかりて、土地成金の税金を大幅に軽減しております。また、歳出面においても、防衛費予算を昨年よりも一千二百億円も急増させ、第四次防衛力整備計画では五兆八千億円、国民一人当たり約六万円の負担を四十七年以降予定されております。自動車新税は、急増する防衛費の財源確保を目指した財源対策と断ぜざるを得ません。 第一に、現在自動車には八種類にも及ぶ課税がなされており、同一の納税者にさらに重課することは、課税公平の大原則に反するものと考えます。今日必要なことは、この八種類の多きにわたる税目を、中央・地方を通じ、保有と消費の両面にわたって交通整理を行ない、より簡素化と明快な税体系に整理すべきであります。 第二に、新税の目的がはっきりしていない点であります。地方譲与分は道路整備財源としておりますけれども、残りは一般財源とされていることであります。大蔵大臣から、質問の中で、国鉄再建への配分の考慮のある旨の回答が行なわれましたが、今日、自動車関係諸税の税収額は、国・地方を合わせて一兆二千億円の巨額に達しており、道路建設資金の大体全額を自動車関係者が負担していることであります。もしそれ以上の財源を求めようとするならば、一般財源に求めるべきであり、道路財源の一般財源に占める割合を欧米並みに引き上げることを考えるべきであります。 第三に、新税の創設が間接税増徴への端緒になることであります。現在、バスの年間旅客輸送は、全交通機関の輸送量の約二〇%、トラック輸送量は、消費物資、原材料輸送の約四〇%に達しております。したがって、この新税は、運賃や消費物資、原材料の価格引き上げの要因となって、結局、一般国民の負担に転嫁されること必定であります。まさに大衆犠牲において高負担を進めようといたしておるのであります。 以上の理由から、反対の意思を表明し、討論を終わります。
○多田省吾君 私は、公明党を代表して、ただいま議題になっております自動車重量税法案に対し、反対の意見を表するものであります。 その前に、私は本法案が参議院に来たのは会期終了四日前であり、十分な会期を与えられずに終わったことを非常に遺憾とするものであります。 私は、本法案に反対の理由を四つに分けて申し上げます。 まず、第一の理由は、新税創設の目的、その使途ともに、はなはだ不明確であり、税の性格がきわめてあいまいであるということであります。また、この新税創設に際しまして、まず総合交通対策の確立が前提とされなければならないのに、その対策の確立なくして本法案が提出されたことを非常に残念に思います。 第二の理由は、税制全般の見直しを怠った安易な新税の創設であります。今回の自動車重量税はもとより大反対でありますが、百歩譲って考えましても、このような新税を創設する前に、まず財政収支の適正合理化をはかり、現行税制の不合理、不平等を改革し、今日の税体系の矛盾を十分に洗い直し、しかる上の納税者の納得、理解できる税の創設でなければならぬと思うのであります。このようなきわめて基本的な問題が何ら手を触れられずしての安易なる新税創設は全く容認できないものであります。 第三には、自動車は今日では生活必需品であり、所有者はすでに八税目にも及ぶ過重な税負担をしいられており、これ以上新税を創設する余地は全くないのであります。しかも、現行税法では、国税・地方税合わせて八種目にも及ぶ過重な税負担をしいられ、加えて、自動車を保有する勤労者の七五%は年収百五十万円以下の人々であり、さらに、この上に重量税の課税は、まさに過重負担であります。 第四の理由は、新税創設は、自動車輸送業界、中小零細企業に重大な影響を及ぼし、しかも、その結果として、物価上昇に一そうの拍車がかかるということであります。それが価格高騰となり、さらに交通事故激増の原因ともなり、国民生活に−しわ寄せされることは、政府の弁解をまつまでもなく、火を見るよりも明らかであります。 私は、以上の理由をもって、新税創設に対する反対の討論といたします。
○渡辺武君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました自動車重量税法案に対して反対いたすものであります。 討論に先立って、本日の当委員会の運営について委員長に厳重に抗議したいと思います。本日の委員会におきまして、民社党の委員より議事運営−についての意見がありました。その内容は、すでに皆さんも御存じのとおり、委員長の今回の議事運営が国会法五十一条に違反する疑いがあるという点でございました。私ども共産党は、この問題は民社党の委員の意見に道理があり、したがって、また、この問題が正当に解決することを望んでおりました。特にこの意見が議事運営に関する意見である以上、この問題が正当に解決することが私ども共産党が質問に入る前提条件である、したがって公正に解決すべきであるという旨を委員長に党として正式に申し入れました。ところが、この点について何らの報告もなくして、突如として委員会を開き、共産党の参加なく、したがって、また、質疑なくして、討論に入ったわけであります。共産党は、委員長のこの不当な態度によって、ついに質問の機会を奪われたのであります。 私どもは、このような不当な議事運営に対して、委員長に厳重に抗議するものであります。 さて、この重量税法案に対する反対の第一の理由は、この自動車重量税が、自動車所有者に対して重税となり、また、大衆課税の性格を持つものであるのみならず、営業車の料金値上げその他を通ずて国民大衆に転嫁され、国民生活にきわめて大きい悪影響を与えるものであるからであります。 現在、自動車は、年所得百二十万円以下の所得階層が全乗用車の六割も保有していると推定される事実からも明らかなように、地価の高騰、住宅難による遠隔地からの通勤を余儀なくされている結果、勤労者も自動車を保有せざるを得なくさせられており、また、中小企業者、農民にとっては、営業上、必需品化しております。しかも、自動車にはすでに八種類からの税金が課せられており、自動車所有者には現在ですら重い税負担がかかっているのにもかかわらず、さらに今回自動車重量税を課すのは、重税をさらに重一くし、ますます大衆課税を強めるものであります。 さらに、バス、トラック、タクシーに課せられる自動車重量税は、料金引き上げなどによって、結局は国民大衆に転嫁されることは明らかであります。現化の貨物及び人員の輸送量に占めるバス、トラック、タクシーの比重の大きさから見るならば、これらの料金価上げが国民生活に与える悪影響はきわめて大きいといわなければならず、かかる意味で、n動車重量税は国民収奪の悪税であります。 反対の第二の理由は、自動車重量税が租税体系をゆがめ、また、応能主義の租税原則を踏みにじるものであるからであります。 政府は、自動車重量税は、自動車そのものへの課税であり、自動車が道路を走る権利を得るための登録税的流通税と説明しておりますが、委員会の質疑を通じても、この税の性格はきわめてあいまいなものであり、税制研究家にも疑義を表明する人が多い現状であります。特に、この自動車重量税は、勤労者にも、大会社、大資産家にも、同額の課税を行なうもので、税制における応能負担の原則をなしくずし的に踏みにじり、税法の中に受益者負担の思想を導入させるなど、政府による租税原則の恣意的な破壊を一そう進めるものと言わなければなりません。 さらに、この自動車重量税は、本委員会の質疑の中でも明らかになったように、事実上付加価値税制導入の地ならしの役割りを果たしていることからいっても、絶対に認めることはできないのであります。 反対の第三の理由は、自動車重量税の使い道についても、政府の第六次道路整備五カ年計画に示されているように、幹線道路を軸とした道路交通網の整備によって自動車交通量を増加させるところに目的があり、自動車とその関連メーカー、セメント、鉄、大建設会社などを大もうけさせるものであり、また、この反面、国民が切実に要求している生活圏を基点とする生活道路、地方道路の充実などは、二の次、三の次とされているからであります。 政府の幹線道路を軸とする道路整備計画が完成されるならば、国民の生活圏への自動車の侵入が一そう激しくなり、交通事故、交通公害、交通渋滞が激増することは明らかであり、また、国民が安心して利用できるようにしなければならない公共交通機関を衰微させることになります。このような性格を持つ政府の道路整備計画に自動車重量税によって国民から徴収した税金を使うことに反対するのは当然であります。 わが党は、国民の命と暮しを守り、また、安全で便利な国民の交通を確保するために、生活道路と公共交通機関の充実強化を主とする国民のための道路整備計画を政府がつくるとともに、その財源として自動車重量税のような大衆課税は取りやめて、租税特別措置その他による大企業、大資産家への税の特別の減免制度を廃止して、これを正当に取り立てるべきことを主張してまいりましたが、本法案は以上のようなわが党の主張と相反する内容となっておりますので、反対するものであります。
○委員長(柴田栄君) 他に御発言もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 自動車重量税法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(柴田栄君) 多数と認めます。よって、本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、先ほど中断いたしました日本万国博覧会記念協会法案及び厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案の両案を一括して討論に入ります。別に御発言もないようでございますので、これより両案の採決に入ります。 日本万国博覧会記念協会法案及び厚生年金特別会計法の一部を改正する法律案の両案を一括して問題に供します。両案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(柴田栄君) 全会一致と認めます。よって、両案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、ただいまの報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(柴田栄君) 次に、請願の審査を行ないます。 第一〇号納税貯蓄組合補助金の増額に関する請願外百三件の請願を一括して議題といたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(柴田栄君) 速記を始めて。 ただいま御審議願いました百四件の請願のうち、第一〇号納税貯蓄組合補助金の増額に関する請願、国民金融公庫の融資取扱い窓口の拡大に関する請願第二六九九号外一件及び第二九二八号肉用牛販売にかかる所得税及び住民税の免税措置の期間延長に関する請願、以上四件の請願は、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(柴田栄君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。 租税及び金融等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後十時三十五分散会