大蔵委員会 第18号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/05/11
会議録
○委員長(柴田栄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る三月二十九日、矢野登君が委員を辞任され、その補欠として今春聴君が選任されました。 また、昨十日、向井長年君が委員を辞任され、その補欠として片山武夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(柴田栄君) 次に、理事の補欠選任についておはかりいたします。 委員の異動に伴いまして現在理事が二名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に、中山太郎君及び多田省吾君を指名いたします。 —————————————
○委員長(柴田栄君) 次に、コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。藤田大蔵政務次官。
○政府委員(藤田正明君) ただいま議題となりましたコンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を申し上げます。 政府は、最近におけるコンテナーによる貨物の国際運送の実情にかんがみ、コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約に加入することとして、両条約の締結につきその承認を求めるため、別途御審議をお願いしておりますが、両条約を実施するため、関脱法及び関税定率法の特例その他必要な事項を国内法で定める必要がありますので、この法律案を提出することとした次第であります。 以下、この法律案の概要を御説明申し上げます。 第一に、コンテナーに関する通関条約の規定により免税輸入しようとするコンテナー及びコンテナー修理用の部分品について、輸入の際、必要に応じて関税の担保を提供させることができることといたしております。 第二に、免税輸入したコンテナーが、本来の用途以外に使用されることを防止するため、使用状況の記帳義務、管理者が変わる場合の通知義務等を課すること、用途外使用を行なう場合には税関長の承認を受けなければならないこと、所定の再輸出期間内に再輸出されなかった場合には関税を徴収すること等を定めております。 第三に、国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約に基づき国際道路運送手帳を発給する保証団体になるためには、大蔵大臣の認可を要するものとするほか、その認可に関する手続、業務に関する大蔵大臣への報告義務等について規定を設けております。 以上のほか、両条約の適用を受けることができるコンテナーの型式承認の手続を定める等、所要の規定の整備を行なうことといたしております。 なお、この法律の実施は、両条約がわが国について効力を生ずる日といたしております。 以上、この法律案につきまして、提案の理由及びその概要を申し述べました。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
○委員長(柴田栄君) 引き続き、補足説明を聴取いたします。谷川関税局長。
○政府委員(谷川寛三君) それでは、コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案につきまして、その内容を補足して御説明申し上げます。 最初に、条約の概要について申し上げます。 まず、コンテナーに関する通関条約は、一九五六年に国連欧州経済委員会において採択されたものであり、現在、EEC諸国、イギリス、アメリカ等三十五カ国が加入しております。そのおもな内容は、締約国が、コンテナーに対し再輸出を条件とする免税輸入を認めることにより、コンテナーの国際流通を円滑化しようとするものであります。 次に、国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)は、一九五九年に同じく国連欧州経済委員会において採択されたものであり、現在、EEC諸国、イギリス、アメリカ等二十七カ国が加入しております。そのおもな内容は、数カ国を経由してコンテナーによって運送される貨物に対し、所定の条件が満たされる場合に、経由国において関税の担保提供の省略及び税関検査の免除等を認めることにより、コンテナーの内容貨物の国際運送を円滑化しようとするものであります。 両条約に加入する趣旨は、本年中に、欧州向けのコンテナー専用船が就航することに伴い、欧州大陸の数カ国経由のコンテナー輸送が行なわれることになりますので、欧州諸国を加盟国とする両条約の適用を受けることによってこれらのコンテナー及び内容貨物の通関を容易にしようとするものであります。 次に、法律案の概要について申し上げます。 第一は、免税コンテナー等について、輸入の際に関税の担保を提供させることができることとしていることであります。 コンテナー及びその修理用部分品の輸入については、コンテナーに関する通関条約の規定により、原則として三カ月以内に再輸出することを条件として関税が免除されることとなりますが、この免税一時輸入の際、関税の担保を提供させることができることといたしたものであります。 第二は、免税を受けて輸入されたコンテナー等が国内で本来の用途以外に使用されるのを防止するため、種々の規制を設けたことであります。 規制の内容としましては、免税コンテナー等を国際運送以外の用途に供しようとする場合には、税関長の承認を受けなければならないこととし、国際運送以外の用途に供されたとき、または所定の再輸出期間内に再輸出がされなかったときは、関税を徴収することとしております。また、この用途規制を確実に行なうため、免税コンテナー等の管理者には、その使用状況等についての記帳義務、報告義務、管理者変更の場合の通知義務等を課することとしております。 第三は、国際道路運送手帳を発給することのできる保証団体についての規定を設けたことであります。 TIR条約では、承認を受けたコンテナーに詰められ、税関の封印を施された貨物等を国際道路運送手帳の担保の下で国際運送する場合に限り、経由国での関税の担保提供の省略、税関検査の免除等が認められることとなっておりますが、この国際道路運送手帳の発給を行なうことができる者となるためには、大蔵大臣の認可を要することとして、その認可手続を定めるとともに、その業務につき所要の監督を行なうため、報告の徴取及び立入検査等についての規定を設けることとしております。第四は、コンテナーの承認についての規定を設けたことであります。 コンテナーによる貨物の国際運送の際、経由国において税関検査の免除を受けるには、そのコンテナーが、条約で定めている規格上の要件に合致するものとして税関長の承認を受けていなければならないことになっておりますので、その承認申請手続、承認方法等を定めております。 このほか、わが国におけるコンテナーの通関の簡易化をはかる見地から、コンテナーに関する通関条約の締約国以外の国から輸入されるコンテナについても、原則として、締約国から輸入されるものとみなして、この条約の便益を及ぼし得ることとするほか、両条約の実施のため所要の規定を設けることとしております。 なお、この法律の施行日は、条約の効力発生の日(加入書寄託後九十日目)としております。 以上でコンテナー関係条約の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案についての補足説明を終わります。
○委員長(柴田栄君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○成瀬幡治君 これは運輸なりあるいは外務等でいろいろ審議がなされておるかと思いますが、それはそれとして、一点だけと申しますか、これに関連をして若干お尋ねしておきたいと思います。 十一条で「(保証団体の認可等)」というところがございますが、保証を認可されると申しますか、あるいは申請をしてくるであろうと予想されておる団体は、大体どういうようなところがあるものなのかをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(谷川寛三君) ただいま御質問がございました十一条の保証団体でございますが、ただいまのところ、どういう団体が手をあげてまいりますかわかりませんが、私どもといたしましては、第三項にございますような特定の条件を満たしております場合におきましては、いろいろ内容を審査いたしまして御認可を申し上げるように考えておりますが、ただいま関係者の間で寄り寄り検討されておるようでございまして、もちろんこの法律案が通過をさせていただきまして実施の運びになった段階におきましては、今度のコンテナー輸送に間に合いますように相談をしてやってまいりたいと思っております。 なお、この十一条の認可の要件の中に、国際団体に加入しておらなければならないというのがございます。この国際団体には、御案内と存じますが、ただいま三つございます。IRU、それからFIA、AITと、こういう三つの団体がございまして、わが国では、このIRUには日本トラック協会が加入しておりますし、FIAそれからAITには日本自動車連盟というのがそれぞれ加入しております。それからそのほかにコンテナ協会というのがございます。 御参考までに申し上げたのでございますが、そういう関係のところで寄り寄り研究をされておるようでございますが、どういう団体が最終的に手をあげてまいるかは、先ほど申しましたように、予想がつきません。
○成瀬幡治君 国際団体に加盟をしておる法人であるということ、それが一緒になって何か連絡をとって一つで来ると予測されておるのか。たとえば、トラック、あるいは自動車、あるいは商船関係、そういうふうに個々ばらばらにいろいろと出てくることも予想されると思うのですけれども、あるいは国際団体へ今後加盟手続をとってそして資格を得てやってくる、いろいろな場合が予想されると思います。そういうふうに、いろいろたくさんになってもいいものなのか、何かあなたのほうとして内面指導的にいろいろと考えておられることがあるものなのか、全く白紙で条件を満たしたものが手をあげてくればこれを全部許可していく方針なのか、その辺のところを……。
○政府委員(谷川寛三君) 政府のほうでは、別に内面指導はいたしておりません。 それからまた、いまお話しのように、先ほど御参考までに申し上げました各種の団体がそれぞれ手をあげて参るのか、一本になって参るのか、これもわかりません。私どものほうでは、十一条の第三項に書いてありますような条件さえ満たされておりますならば、それを基礎にして判断をして御認可を申し上げる。ですから、必ずしも一本でなくともけっこうだと思っております、信用のある団体でございますならば。二団体でも三団体でもけっこうでございます。また、各国の例を見ましても、アメリカは一団体でございますが、イギリスとか西独などは三団体あるようでございますし、それからフランスなどは四団体もあるようでございますし、各国でもそういうことでございます。いま申しましたように、重ねて申しますと、団体の数は別に一つでなくてもいいと思います。
○吉田忠三郎君 ちょっと関連して伺いますが、コンテナー輸送というのは専用船でしょう。ですから、これは運輸でわれわれやってきたのですが、日本の場合でも、専用船ですから、特殊な船をつくらなきゃいかぬわけですね。そのために、船会社も幾つか出資をしながら新しいものをつくって、いまシーランドと日本がやっているわけですね、アメリカとの関係で。これはアメリカも出資しておりますね。そういうことで、いまのこの条約に事実上該当する団体というのは、大体、日本の場合も、コンテナ協会というものを一つにしてそこでやろう、こういう動きがあるようにわれわれは聞いてもいるし、そういう状況も察知しておりますが、あなたの答えでは、二つあってもいいし、三つあってもいい、こう言っておりますけれども、わが国の海運の現状から見て、そういうコンテナーという専用船の造船のこと等を考えると、二つも三つもというわけにいかないような気がするんですが、この点はどうなんですか。
○政府委員(谷川寛三君) 私が申し上げましたのは、条件が満たされておる非常に確実な団体でありますれば必ずしも一本でなくてもいいということを申し上げたのでございまして、実際どういうかっこうで参りますか、いま先生のお話しのように、コンテナ協会を中心にしてほかの二団体が一緒になって参るかもしれませんので、またその段階で御相談に応じようと思っております。 なお、御参考までに申し上げますが、条約のほうでは、必ず保証団体の中には運輸関係の業界というものが入っていなければならぬというあれが入っております。
○吉田忠三郎君 ですから、局長、あなたのおっしゃっておるのは条約上の原則論ですね。実態からすると、特殊な運送ですから、できないということですよ。ですから、アメリカだって、われわれもアメリカからその参考人がちょうど来ておりますからおいで願っていろいろ聞きますと、実態論としては一つであるということが最も合理的であるということですね。だから、日本の場合だって、そうなんじゃないか。そのために、コンテナ協会というものを各船会社が集まってアメリカと提携してつくっているんじゃないかという気がするんですが、そういう感じはしませんか。
○政府委員(谷川寛三君) 私はいま原則論を申し上げましたが、またいま先生からお話がありましたようなこともよく勉強いたしまして、実際認可いたします際にどうしたらいいかを検討さしていただきたいと思います。
○成瀬幡治君 これは、そうすると、いつから発効することになりますか。ここの附則に出ておりますけれども、予定はいつにしておりますか。もしかりにこの国会でこれが通ったとすると、いつからこれは発効することになりますか。
○政府委員(谷川寛三君) 先ほど申し上げましたように、また附則に書いてございますように、条約の加入書寄託後九十日日に発効することになっております。したがいまして、法律の施行もその日ということに考えております。ですから、この法律が通りましたら、外務省のほうでさっそくに条約加入書を寄託していただくことに手はずを整えております。
○成瀬幡治君 ぼくも大体九十日という話は承知しておりますが、いま実態論的な話が出てまいりました。原則論は、われわれもこれよく見ればわかりますね。ですが、実際問題として、もうあと九十日しかないというなら、もう相当な動きがあってしかるべきだと思うのです。そうすると、ある程度の動きがあって、もうあなたのほうには情報が入っておられる。そいつを原則論だけで話されるものだから、それじゃおかしいじゃないかというのでお尋ねしておるわけです。あくまでも手をあげてくるところがあれば、それでいいですとおっしゃる、それはそれでいいんです。原則論はそのとおりだと思う。とすれば、どんな団体がございましょうか、予測されるところはどこですかというと、あなたは三つあげられました。あるいは、そうじゃなくて、これから加盟手続をとろうとしておるところがあるかもしれない、ないかもしれない。そういうようなところをお聞きしたいわけです。
○政府委員(谷川寛三君) まだ、私のほうには、いま運輸省のほうに伺いましたが、業界から保証団体につきましての御相談が参っておりません。法律案の御審議を願っている段階でございますから、動きを役所のほうに知らせてこないのだろうと思います。法律案が通りましたら、なおまた具体的なお話が出てまいるだろうかと思っております。いまこの条件に合いそうだと思うものを先ほど三つ申し上げたのでございまして、先ほど申し上げましたように、その三つが参りますのか、一つにまとまって参りますのか、予測がつきませんが、法律案が通りましたらいずれ動きが活発になってくると思います。
○成瀬幡治君 まあ、それはそれでいいですわ。そういうことでいいと思います。ただ、一つにしたと。そして、半官半民ということはないと思いますけれども、たとえば、運輸省からこれに天下って——これは民間団体ですからね、あくまでも。で、そこに運輸省出身の者が行くとか、あるいは関税の問題があるから大蔵省が行くとかして、そして一団体をつくってくる。そして、今度は他でこの条件を満たす者が申請をした、ところがそれは認めませんよというような構想というものが将来あるとするなら、先取りになっちゃってたいへんなことになると思いますから、そこで、民間団体がそういうことをやるわけですから、それには運輸省も大蔵省もその他関係のものはそういうものに対しては天下りに人は送りませんよということは、ここで約束できますか。
○政府委員(藤田正明君) 天下りの人事とか、そうしてまた、役所の縄張り根性を起こしてこの際そういう保証団体をつくるということは、毛頭考えておりません。
○成瀬幡治君 そうすると、御答弁にありましたように、あくまでも法律の原則を守ってそれでやっていくんだと、こういうふうに了解してよろしゅうございますですね。
○政府委員(谷川寛三君) そのとおりでございます。
○鈴木一弘君 このコンテナーの法律案でちょっとお伺いしておきますが、第三条で、免税にかかる関税額に相当する担保を提供させることができるということがございますが、その担保というのはどういう形でとるつもりなのかですね。
○政府委員(谷川寛三君) おそらく銀行保証ということになろうかと思います。
○鈴木一弘君 四条、五条、六条、七条と、用途外使用等の場合のことが出ております。使用制限であるとか、いろいろございますけれども、その場合、いわゆる再輸出期間ですね、原則として三カ月ということがありますけれども、その期間内に輸出されなかったときには関税の徴収等の規定が働いてくるわけですけれども、そういうのはどういうふうになっていきますか。
○政府委員(谷川寛三君) どういうふうになっていくかという御質問の御趣旨でございますが……
○鈴木一弘君 内容です。
○政府委員(谷川寛三君) ああ、そうでございますか。この条項は、一般の条件免税の場合に関税定率法でもとっているやり方をそのままとっておるわけでございますが、趣旨は、とにかく再輸出ということで免税を認めるわけでございますので、それが用途外使用されます場合には——まあ、これも、一がいにすべて用途外使用を認めないというわけじゃございません。特定の場合、緊急にコンテナーが国内で使われなければならない、たくさん要るというような場合で万やむを得ないという場合には、税関長の承認を受けてそれを認める場合もあるわけでございますが、それらの場合には、ここに書いてありますように、関税を納めてもらう。それによりまして、この簡易な再輸出免税の措置が乱用されないようにしたいというふうに考えておるわけでございます。その場合のやり方といたしましては、関税定率法の一般の規定によりまして関税を徴収する。それから用途外使用の承認を受けないでやった場合には、一番あとの「(罰則)」のところに書いてございますが、「二十万円以下の罰金に処する。」ということにしておる次第でございます。
○吉田忠三郎君 関連して。用途外に使用されたり転用されたりしていくような想定されるものは何ですか。あなた方は、用途外に使用された場合には、免税の措置をとらぬ、税金をかけるわけでしょう、この法律で。ですから、用途外に転用されたり使用されたりするような危険性のあるようなものがありますか、具体的に。
○政府委員(谷川寛三君) ちょっと、どういう場合があるか、私も想像できませんが、御案内のとおり、何しろ大きな入れものでございますから、それからたとえば生鮮食料、肉類等を入れますものにつきましては、コンテナーの埠頭に大きなコンセントもついておりまして、冷蔵庫がわりに使えるようにもなっておるわけでございますから、用途外使用と申しますと、そういった冷蔵庫がわりに使うとか、それからちょっとした小屋ぐらいになりますから、倉庫の代用というようなことが考えられますが、まあそういうようなことじゃないかと思っております。
○吉田忠三郎君 あのね、局長、このコンテナーというのをあなたはごらんになったことがございますか。ないでしょう。
○政府委員(谷川寛三君) もちろんございます。しょっちゅう行きまして……。
○吉田忠三郎君 これは、運送あるいは輸送して、はじめて活用できる特殊なものなんですよ。ですから、船も特殊なものですよ。専用船といって、普通の船では積めないのです、これは。ですから、かりに四条によって輸入されて、それがほんとうの機能を発揮するということは、輸送が伴わなければ、運送が伴わなければ、その意味のないことであって、ですから、それがいまあなたのおっしゃったような冷蔵庫がわりに使うと。冷蔵庫に使うといったって、別な電源装置をしてやらなければ使えないのですよ。それから向こうのフランジと日本のフランジと違うのですから、こっちへきて輸送する場合にも、わが国の軌道レールに合うようにやらなければ、転用できないし、使用できないものなんですよ。ですから、あとで、運輸省に、この点はどういう点を設備改善あるいは車両改善しておるか伺ってみようかと思っておったのはそこにあるのですが、そう簡単に転用とか他に用いるということはあまり効率の高いものではないのですが、そんな程度でこの四条を規定しているということになれば、何か勉強不足のような気がするのですがね。
○政府委員(谷川寛三君) お話しのように、この条約によりますところのコンテナー免税は、とにかくコンテナーによる貨物の国際運送の円滑化ということでございますから、私も、どういうふうに転用されるか、なかなか思いつきませんが、いま言いましたように、埠頭にも特殊な電源装置もございますから、まあそんなことをすることは万々ないとは思いますけれども、場合によったら冷蔵庫がわりに使ったり、倉庫がわりに使ったりすることもあろうかと。まあ法律でございますから、先ほど申しました趣旨でつくられたこの条約が乱用されてもいかぬということで規定をしておる次第でございます。
○吉田忠三郎君 これは法律だから、ぼくは決してけちをつけようという気で言っているんじゃないですよ。ただ、大蔵省としても、関税の関係でこういう法律をつくるということになったら、もうちょっと勉強したらいいと思うんですよ。港だってきまっているんですよ。いまあるのは——わが国ではまだできていない。そのために、外貿埠頭公団というものをつくって、その専用の港をいま二つ三つやろうとしているわけでしょう。まだでき上がっていませんわね、実際に。アメリカだって、シアトルとサンフランシスコよりないんですよ、これを扱う港というのは、御承知のとおり。ですから、コンテナーの運送というのはきまっているんです。わが国はまだないんですよ。ただいま横浜と大阪と神戸で建設しているだけですよ、専用の埠頭を。ないんですよ。ですから、どこかへ持っていこうといったって。日本の場合はトラック以外にないでしょう。これはゲージが合わないんですから。日本の鉄道に乗っかって引っ張っていくというわけにいかないでしょう。それを運送する車両がないんですよ、いまだに国鉄といえども。それはかなり大きなものであるからといったって、いまわが国でやろうとしているのは十五トンぐらいのものじゃないですか、これは運輸省が関連して答えてけっこうですがね。十五トンのものが、倉庫になってみたり、冷蔵庫になってみたり、そんなものはそう効率が高まったりするものじゃありませんよ。ですから、これはぼくは大蔵省らしい条項だと思っていますが、それはそれとして、何も反対しているわけではないですよ。それは安全面を考えてこういうことを考えたらいいと思いますが、そういうものなんですよ、コンテナーというのは。
○政府委員(谷川寛三君) よくわかりました。 それからコンテナーは、大きいものもございますが、条約にあります条件さえ満たしておりましたら免税コンテナーとして認められるわけでございますので、ゲージの合うものにつきましては、先ほど申し落としましたけれども、持ってきたコンテナーにいろいろ物を詰めて国内輸送に転用する場合もなきにしもあらずで、それも用途外使用でございますから、そういう場合もいろいろ予想いたしまして規定をした次第でございます。
○鈴木一弘君 いまも吉田委員の質疑の中に出てきたんですけれども、これはコンテナーがかなりの大きいコンテナー・サイズのものでありますから、それをトレーラーで運ぶということ——これは特に運輸省のほうに聞きたいんですが、一体そのコンテナーをどう置くかというと、港湾の場合もこれはかなりの面積をとるでありましょうし、国内輸送した場合の交通の混雑等の問題、当然交通規制の問題もあると思いますし、国内運送についても第八条でも規定がございます。これで再び三カ月以内に目的地まで行って荷主に渡したら戻ってくるわけですけれども、そうなったときなんかを考えますと、かなりの交通混乱、あるいは収容地等の問題が起きるだろう。そういう点についての道路計画や何かが伴わなければ、せっかくの条約であっても役に立たなくなっちゃうような気がしますけれども、この法律も何のためだかわからなくなってしまいますが、そういう点の計画等はだいじょうぶなんでしょうか、その点の内容をちょっと詳しく説明してほしい。
○説明員(山地進君) わが国の道路は、特にアメリカ等に比較いたしまして、構造上も完全ではない道路が非常に多いということから、道路法に基づきまして車両制限令というのがございます。それは、長さが十二メートル、幅が二・五メートル、高さが三・五メートル、重量は二十トンというのがつい最近までの制限重量並びに長さ、幅の制限があったわけでございますが、建設省、運輸省その他関係の官庁間でいろいろ御相談した結果、長さにつきましては十二メートルでございますが、高さは三・八メートル、それから重量につきましては二十七トンまで車両制限令の制限を緩和する。つまり、いままでのコンテナーというのは、四十三年から日本に入ってきたわけでございますけれども、それ以後も特別に認可をしてコンテナーを通してきたわけでございますが、その経験から言いまして、コンテナーの通る道路というものについては、それぐらいのリミットを広げるということはだいじょうぶだろうという判断に立ちまして、車両制限令を緩和したわけでございます。その結果、いま申し上げました高さ並びに重量というのは、八フィート・八フィート・二十フィートというのが日本を中心とする航路では一番多いコンテナーのサイズでございますが、それにつきましては、何ら特別の許可等を要せず日本の国内を走れるということになったわけでございます。ただ、今後の問題といたしましては、八フィート・八フィート・二十フィート以上のコンテナーというものが、諸外国並びに日本でも四十フィートというような大幅な大型のものが出てくるわけでございますが、それについては、依然として道路管理者の認可をもらって通るということになるわけでございますが、それにつきましても、ほとんどのそういう大型のコンテナーの通る道というのは特定しているわけでございまして、それらにつきましては、そういう道路管理者の許可をもらって通れるというのが実情だろうと思います。 なお、先生が御指摘の、そういうものが道路の混雑というものを助長し、かつ通れなくなるのではないかということにつきましては、日本の道路の混雑度というのはやはり相当激しいものがございますので、そういうものにいろいろと問題をつけていくであろうということは御指摘のとおりだろうと思いますが、それらにつきましては、今後道路の改善につきましてよく建設省とも御相談しながらやっていきたいと考えております。
○鈴木一弘君 そうすると、八フィート・八フィート・二十フィートのコンテナーを運ぶについては、道路も、ある程度は、この道路はよろしいという指定がされる。つまり、幹線道路等においては支障がない、昔の基本道ですね、そういうふうに考えてよろしいですか。
○説明員(山地進君) 八フィート・八フィート・二十フィートについては、何ら制限なく通れるということでございます。八フィート・八フィート・二十フィート以上になりますと、おそらく重量が二十七トンでは足りませんで、それをオーバーしますと、別の、個々にはございません、包括的な六カ月なら六カ月というようなことで見ていくということになると思います。
○鈴木一弘君 先ほどちょっと伺った、港湾に陸揚げされたときのコンテナーの置き場所が問題になるわけでありますけれども、そういった港湾について、将来どんどんコンテナーはふえてくるであろう。コンテナー専用船がふえてきておりますから、そういう場合を十分考えなければならぬ。日本の港湾の設備はどういうふうな計画になっているのでしょうか。
○説明員(山地進君) コンテナーというのはどういうふうに今後運営されていくかということにつきましては、コンテナーのメリットは、船が速いことターンラウンドするということが必要でございまして、そのためには、昔の定期船でございますと十とか二十とか非常に多くの港を回ってくるということになっておったわけでございますが、コンテナーの輸送のメリットというのは、より少ない港湾をより少ない時間で回ってきて、船舶の回転率を高めるという必要があるわけでございます。片や、日本の輸出港並びに輸入港の現状から申しますと、大部分は関西並びに京浜地区でございまして、その間、中京地区にも若干入るというのが実情でございます。 そういった実情から考えまして、運輸省といたしましては、海運造船合理化審議会の海上コンテナー小委員会というところから御答申をいただいて、外貿埠頭公団というものをつくりまして、京浜と阪神につくったわけでございますが、その京浜の埠頭公団は東京と横浜でございます。それから阪神のほうは神戸と大阪でございますが、そういうところにコンテナーの埠頭を建設したわけでございます。それから中京地区につきましては、名古屋それから四日市というような伊勢湾地区でございますが、名古屋につきましては株式会社方式でコンテナー・ターミナルというものをつくったわけでございます。海運造船合理化審議会の海上コンテナー小委員会の御答申によりますと、京浜に十七でございますか、それから阪神のほうにはたしか十六のコンテナー埠頭をつくると。すでに現在計画を発表いたしまして、そのうち申請を受け付け、きまっておりますものが、関東で十一でございますか、それから関西でも十一だったと記憶しておりますが、それくらいの埠頭は実際に申請者もきまり、使用者もきまっておりまして、いま建設中でございます。これらは、ヨーロッパ航路あるいはニューヨーク航路の就航に間に合うように、先ほど先生御指摘の、単に揚げるだけではございません、そのまわりのコンテナー・ヤードというコンテナーの箱を置く施設等も十分まかなえるほどの広さをつくったターミナル、特別のコンテナー用のターミナルというものをつくり、それからそれを使う人にも、受益者負担原則でそれ相当の使用料を取るという制度のもとに、これらのコンテナー輸送が十分メリットを発揮できるような制度というものを建設中であるわけでございます。
○鈴木一弘君 それは、関税局長、国内に入ったコンテナーがリースされる場合、あるいは権利を譲渡したと言うとおかしいですが、そういう権利が移動したと、そういうことが業者間で行なわれた場合、その関税の負担割合というのはどうなるんでしょうか。
○政府委員(谷川寛三君) そういう場合も、私のほうでは、これは条約の趣旨にもあるわけでございますが、特に関税を取るということはいたしません。三カ月以内に再輸出をされるという場合でございましたら、すべて免税の取り扱いをいたします。ですから、管理者が変わりました場合には、この法律にありますように、税関のほうでチェックをいたしまして、常にどこのだれが管理者であるかということだけを確認をしておきまして、あとは条件さえかなうならば免税を認めるということにいたしております。税金は取りません。
○鈴木一弘君 先ほど成瀬委員のほうから保証団体のことでいろいろ質問があったようでありますが、私も、この点で、保証団体をこれからきめるということになりますので、いまも天下り云々とという話がありまして、そういうことがないようにということでありますけれども、そういう保証団体と国との関係、そういった行政指導の問題というものがこれからものすごく大きくなるだろうというふうな感じを受けるわけです。特に荷主との問題であるとか、いろいろなことがからみ合ってまいりますので、そういった点の行政指導としてはどういうふうに行なっていこうと考えておるのか、その点をまず大まかでけっこうですから伺っておきたいと思います。
○政府委員(谷川寛三君) 先ほど申しましたように、十一条で、とにかくこれだけの要件は満たしていただきたいというなにを規定いたしております。それからいよいよできましたあとにおきましては、違反がありました場合は運送者にかわって税金を納めてもらう、それから場合によっては罰金もこの団体がかわって納める、それから国際的な加入団体の発行したTIR手帳による輸送につきましては外国の運送業者の分もかわって納めるという、いろいろ責任を課するわけでございますので、いまお話がございましたように、関係各省で共同いたしまして指導しなければならぬわけでございますが、資力の面とか、それから管理者のいろいろな面とか、それからいろいろ技術的な問題、つまりいろいろ法律も改正される場合もありますし、国際団体で話し合いが行なわれる場合もありますから、そういった場合の周知徹底とか、あまり差し出がましいことにならない範囲でりっぱな保証ができるようにいろいろ指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○鈴木一弘君 これが、機構というか、どういうふうになっていくのか、それだけ伺っておきたいんですが、外国の保証団体のカルネを持っているのが日本へ来て、何かのことでどうしても三カ月をこえた場合、そのほかあった場合に、関税を支払わなければならない。そういうときには、支払い命令はどこから——税関長から出るわけですけれども、国内のいわゆる保証団体のほうへ行くのか、外国のカルネを持っているところに行くのか、どうなんでしょう。
○政府委員(谷川寛三君) 国内の系統の保証団体にまず参りまして、その保証団体のほうから当該国の保証団体のほうに求償をするということになります。
○鈴木一弘君 国内の保障団体に税関が支払い命令を出して、それからそこが支払う、そうするとそれが外国のいわゆるカルネを持っている保証団体に求償請求をすると。そこは、そうすると、そのままということなんですか、船会社との関係そのほかどうなりますか。
○政府委員(谷川寛三君) もちろん、当該外国の保証団体は、カルネの発給を受けた輸送者に最終的な求償をしてまいるわけであります。
○吉田忠三郎君 コンテナーの輸入あるいは部分品の輸入ですね、三カ月の制限が明記してありますね、ここで。三カ月というのは、国際的な慣例ですか。
○政府委員(谷川寛三君) 条約の三条に「三箇月以内」というふうに規定してございます。
○吉田忠三郎君 それから最後に、この二つの条約の実施のために所要の規定を設けることといたしておりますと言っていますが、これは、一般論として、省令あるいは政令を意味しているわけですか。
○政府委員(谷川寛三君) さようでございます。政令に委任をしてございます、十七条でございますか。大体もうこの法律で権利義務に関することはすべて法律に書きまして、委任します場合に各条項で規定をしてございますので、まずそのほかにはないと思いますけれども、そういう事態が生じましたときに政令でやれるように十七条に規定をした次第でございます。
○吉田忠三郎君 そうしますと、これも、保証団体と同じようにまだ煮詰まったものはないにしても、先ほど来の質疑応答を聞いておりますと、三カ月後くらいにこれが実施しなければならないという状況だとすれば、大蔵省としても当然これは政令なりあるいは省令というものをどことどの程度のことは何かということを想定して考えられていると思うんですよ。概略でもけっこうですけれども、ここで説明してくれませんか。
○政府委員(谷川寛三君) これはついでに各条項の政令事項についても申し上げますが、大体、申請書の手続とか、いろいろな書類の書き方とか、そういう問題でございます。十七条でこういうこともこれに書こうかなといま予想しておりますのは、とりあえずは、封印のいろいろなやり方等を、これは通達で書いてもいいかなという気もいたしますが、やっぱり十七条の委任を受けて政令で書いたほうが適切かというふうに考えております。大体、手続でございます。
○吉田忠三郎君 そうしますと、はっきりしませんけれども、この法律も一般の法律と同じように法律を立案していく体裁上、いま答えられたような程度のものでしかないとすれば、ある意味においては軽い意味だと、そういう理解でいいですか。
○政府委員(谷川寛三君) さようでございます。ほかの条約の実施法にも例がございますが、大体この法律で十分であろうと思いますが、そういう状態の生ずる場合を予想いたしまして置いている規定でございます。
○吉田忠三郎君 運輸省に聞きますが、東京、横浜、大阪、神戸で外貿埠頭公団でやっていますね、どの程度進んでいるんですか。
○説明員(山地進君) どの程度——進捗状況でございますか。
○吉田忠三郎君 ええ。
○説明員(山地進君) ただいま、横浜におきましては、三埠頭がもうすでにでき上がっておりまして、実際に使われております。——それからちょっと申し上げますと、現在申請を受けておりますのが東京の大井埠頭というのが八埠頭ございまして、この借り受けの開始の時期というのが、早いものがことしの十一月、おそいので四十八年の四月でございます。それからすでに使用中のものが横浜に三埠頭ございまして、これらは四十四年九月から去年の七月の間にできまして、さらに一埠頭が四十八年の四月にできます。合計、東京、横浜には十二埠頭ができるわけでございます。 それから阪神でございますけれども、神戸ポートアイランドでございますが、ここにすでに二つの埠頭が使用に供されておりまして、そのほか六埠頭というのがことしの十一月から四十八年の四月までの間に完成する。それから大阪でございますけれども、大阪にはすでに二つの埠頭が完成しておりまして、そのあと四十八年並びに七年に一つずつ四つできるということでございます。それからあとはまだ申請公募しておりませんけれども、先ほど申し上げました十六並びに十七埠頭になるように逐次完成していきたい、こういうふうな計画でございます。
○吉田忠三郎君 設備がなければそれは当然コンテナー船が入ってこないわけですから、おそらく設備にあわせてそういう計画のもとにやっていると思うのですが、いまの進捗状態でコンテナー輸送が十分間に合っているのですか。
○説明員(山地進君) ただいま申し上げましたのは、外貿埠頭公団のいわゆる出資を受け、船会社からもある程度出資を、受け、それから年間の貸し付け料も一バース三億円くらいの貸し付け料で貸すという制度のもとのターミナルでございますけれども、従来ございました公共ターミナルをコンテナーの埠頭に臨時的に貸し付けているという埠頭が、神戸では摩耶埠頭、東京では品川埠頭というところがございまして、これはそういった本来専用埠頭ではないけれどもこういった公団の埠頭ができるまで貸すという考え方から日本船並びに外国船に貸し付けており、一部不便な点がございますけれども、いままでの主として対米航路並びにオーストラリア航路というところに使用されている間はまあ当場はしのげているというようなことでございます。
○吉田忠三郎君 その次に、コンテナー埠頭の管理は、港湾管理者になっているのか、あるいは、新たに外貿埠頭公団でやりました埠頭ですから、管理者別にしているのですかですね、この辺はどうなっているんですか。
○説明員(山地進君) 私、正確なところはあるいはちょっと間違うかもしれませんですけれども、外貿埠頭公団が建設したターミナルにつきましては、外貿埠頭公団が管理しているということになっております。
○吉田忠三郎君 そうしますと、一般の港湾埠頭と違いますから、そこには何か境界線がつくとか、さくか何かしてあるわけですか。
○説明員(山地進君) 当然、そのコンテナーターミナルの中には、先ほどいろいろ関税局長から御説明がございましたけれども、コンテナーのバンを置くという施設がございますので、あのさくは公団のさくかあるいはその借り受け人のさくかは私もちょっと不分明でございますけれども、そういった財貨の保護という意味から金網が張ってあるというのが現実でございます。
○吉田忠三郎君 そうしますと、それと、荷役を行なう場合、あるいは到着した場合の仕分けですが、当然これは港湾労働者がやるわけですね。いまあなたの答えられたようなさくを金網を張るというんですが、そういう場合に、片や従来の港湾の管理者がやっておる、コンテナーについては外貿埠頭公団でやる、こうなっていますね。この間の港湾労働者はどうなっているんですか。
○説明員(山地進君) 先生も御承知のとおり、コンテナーターミナルといいますのは、コンテナーフレートステーションといって、持ってきたものを仕分けするとか、あるいはそこへ運ばれたものを詰めるというような特別の作業場がターミナルの中にあるわけであります。したがって、港湾労働者が入ってくるのは、そこに入ってくるということはございますけれども、ほかのところと一緒に使うということは別にないわけでございまして、したがって、いまのバースがあると申しましたのも、そういうことが原則であって、ないところももちろんあるわけでございますけれども、それと港湾労働者の出入並びに作業ということとは私は直接的な関係はないような感じがいたしますのでございますけれども、あるいはその実情をよく知らないのでそういうふうに申し上げておるのかもしれませんが、私の知っている限りではそういうふうな現状だと思います。
○吉田忠三郎君 これは、課長ね、問題があるんですよ。あなたはフェンスを張るのが原則だと言うけれども、法律上そうやることになっている。外貿埠頭公団法をよく読んでくださいよ。そこで問題になるのは、いままだそうした施設の建設中であるからそうなっている。おそらく暫定的だと思うんですよ。完成した場合には、完全にそうなる、法律上。国際的な荷物を扱うのですから、問題が発生する場合のことを懸念してそういう法律の内容にしたものなんですね。ですから、原則じゃなくて、そうなる。なった場合の港湾労働者、その港の中における港湾労働者も含めまして、それを管理していくその責任は、従来だったら港湾管理者ですわね。たとえば横浜であったら、横浜市長ですね、管理者は。それが、今度、さくを張って、そこの埠頭だけは外貿埠頭公団のだれがやるのか、おそらくまあ総裁ですかね、それが管理者ということになる、責任上はね。その場合に、港湾労働者が、これは労働者のほうの団体は一つですね、御承知のようにね。そうすると、そこの出入は、何か門かなんかあって、そこから入っていく。そういう場合にいろいろな起きた問題についてどうするんだということがいろいろ問題になるんですよ。問題になるのでいまちょっと聞いてみたのですがね、もうすでに幾つかできて運用開始しているわけですから。そういうことがあったのかなかったのかという意味のことを聞いてみようと思ったんですが、これは問題があるんですよ。
○説明員(山地進君) どうも、不勉強で、教えていただいて申しわけございませんけれども、港湾管理者というものと、それから埠頭の管理ということの関連でございますけれども、港湾全体の管理というのは港湾管理者がやっているわけでございます。いわゆる港全体のその機能というものを守るというような立場からは、港湾管理者がやっている。ただ、先ほどのターミナル自体の管理はだれがやっているかというと、これは所有者としての公団、それからその次は、借りた人が、その地域を自分の借りたものとして守るという意味の管理はやっておるわけでございます。 それから港湾管理者のフェンス等の出入りの点は、私もよく研究してからお答えしなければあるいは間違っているのかもしれませんけれども、港湾のいわゆる運営をやっている借り主が、港湾労働者との雇用契約という関係で、あるいはその港湾の労働者を扱っている港湾運送事業者との契約に基づいて作業しているということで、先ほどちょっと申し上げましたのですが、フェンスとその辺のいかなるトラブルが起こっているか、どうも私は不勉強ですからあるいは間違っているかもしれませんけれども、そういうふうなことだろうと思っております。
○吉田忠三郎君 課長ね、これは運輸の問題ですから、追ってそういうところで問題になると思いますがね。ですから、ここで議論する気はないのです。ないのですが、当初から論争になったのは、いま私とあなたがやりとりしているようなことなんですよ。一体、外貿埠頭公団というのは何かということなんです。これは、新たに国際的なコンテナー輸送というのが出てきた。そのために、わが国にそういう施設がない。ないので、たいへんな金がかかるものですから、それで国家的な施設として外貿埠頭公団というものをつくって建設していこう。だから、外貿埠頭公団の任務というのは、建設だけなんですよ。しかも、横浜なら横浜の一つの埠頭だけですからね。したがって、完成した場合には、当然港湾全体の管理者というのは港湾管理者じゃないのか、法律的に、こういうことなんですよ。それをあえて今度はさくを設けてやることにしていますから、したがって、わがほうでつくったものはわがほうの所有であるから、外貿埠頭公団が管理者にならなければならぬというところにたいへんな問題がいまあるんですよ。だから、これはあとあと港全体の運用上どうするかということは、これから先の問題で、きょうのこの法律とは関係がありませんから、私は別な機会にそれをやりますが、たいへんな問題があるんですよ。本来的に言えば、外貿埠頭公団というのは、その埠頭だけ建設することが任務なんです。任務なんであって、あまりよけいなことをすべきものではない。先ほど成瀬先生から質問して、これに関するあるいは運輸省やあるいは大蔵省からこの団体に役人の古手が行くのじゃないかと言ったことについて、藤田政務次官が答えられましたからなんですが、外貿埠頭公団というのは、完全に運輸省が出先として天下り式で行っているでしょう。そうして、自分たちがつくったんだから、それはおれたちに所有権があるから、したがって、さくをして、一切それは従来の港湾管理者と関係ない、われわれが管理するんだ——これは先の問題ですが、そういう問題があるので、いままだ建設中ですからあまりどうこう言わなかったのですが、すべてのいまの計画が完成された場合に必ずこういう問題が起きてくるというようなことで、特にそこで働いておりまする港湾労働者との問題もたくさんあるんです。ですから、陸のほうの運送事業を行なっている者とのトラブルもある。従来にない形の変わったトラブルが存在をしていることをおそらく課長は知っていると思うのです。ですから、そういう点は、きょうの問題とは別問題ですから私はこれで質問をやめますけれども、これとは直接関係がありませんからここで検討するとかなんとかいうことはおこがましいから申し上げませんが、運輸省とすれば、そういうものは将来の課題として残っているということだけは、あなたは担当の課長ですから認識しておいたほうがいいのじゃないかというような気がしますがね。
○委員長(柴田栄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(柴田栄君) 速記を起こして。 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認め御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(柴田栄君) 全会一致と認めます。よって、本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(柴田栄君) 次に、租税及び金融等に関する調査中、当面の財政及び金融等に関する件を議題といたします。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○松井誠君 最近の国際通貨不安のことについてお尋ねをいたしたいと思います。 これは、マルクを暫定的であるにしろ変動相場制をとるようになった、そのほかEEC諸国やその他の諸国が平価を切り上げたりあるいは変動相場制をとるようになった、そのこと自体も重要でありますけれども、しかし、そのことよりももっと重要だと思いますのは、十日に取引が再開されても、なおかつこのマルクに対する投機の気配というものが鎮静をするというような気配が必ずしもない。そういう意味で、通貨に対する先行き不安が相当深刻だと思うんです。何年前でありましたか、金の二重価格制をとったときに、根本的な問題の解決にはならないにしても、ともかくそれ以来少なくも表面の上では一時小康を保ってきた状態が、ここでこういう形になってきた直接の動機あるいは間接的な原因、そういうものをまずお聞きをしたい。時間があまりありませんので、ひとつできるだけ大臣からお願いしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 今回の通貨不安の直接のきっかけは、去る五月三日に、ドイツの五大経済研究所が連名で当局に対しまして変動為替制を採用したらどうだという意見具申をした。それに対する政府側の対応が非常にはっきりしない。そこで、思惑が起こってきて、マルク買いが起こったと、こういうことのようであります。 もっとも、その背景があると思うんですが、一つは、アメリカが非常な低金利をやっておる。四・七五%という公定歩合で、ヨーロッパ大陸の水準とかなりの格差がある。その問題と、もう一つは、アメリカとヨーロッパの経済情勢のすれ違いという問題があるようであります。世界じゅうがいまスタグフレーションだと、こういう状態でございますが、その程度がアメリカは非常にひどいわけであります。アメリカの経済がいま非常な落ち込み状態で、失業率は六%だと、こういうような状態であるにもかかわらず、物価、賃金が鎮静をしない。どういうふうにこれをするか。アメリカ当局が一番頭にあるのは失業問題だと思うのですが、失業を緩和するというためには景気政策をとらなきゃならぬ。とり出したが、一方その景気のほうがはずまない、こういう状態があり、経済の動きがアメリカ合衆国とヨーロッパ大陸の間に格差がある。そういう背景のあるところへ、きっかけが与えられたということで、マルク買いがにわかに殺到するというようなことになりました。 それは三日のことでございますが、翌々五日になりますと、為替市場が開かれると、三、四十分の間に数億ドルのマルク買いが行なわれるというようなことになって、為替市場を閉鎖すると、こういう措置をドイツ当局はとったわけであります。それに連動いたしまして一部の国が為替市場を閉鎖する、こういうことになり、ここに非常な混乱が起こってくる、こういうことになったんですが、その事態を収拾するためにEEC蔵相会議が開かれました。なぜEEC蔵相会議が開かれたかというと、ちょうどEEC諸国は通貨統合を進めたいという動きがありまして、その一こまとして、為替相場を、今日の動きとは逆なんです、もっと窮屈にしよう。為替変動幅がEEC諸国では〇・七五%、それをさらに窮屈にして、変動幅を〇・六%にしよう、こういうことを申し合わせまして六月半ばころから実施しよう、そういう過程にあったそのやさきにそういう混乱が起こりましたので、EEC蔵相会議がにわかに開催されるということになりましたが、EEC蔵相会議は実に二十四時間に及ぶ大会議となって、その徹夜の会議で結論が得られたわけでありますが、これは各国の意見の妥協案だというようなことで、第一項目は、現行の為替相場はこれを変更しない、こういうことです。第二項目は、変動為替制はこれは弊害がある。弊害があるが、いまの短期資本の移動を阻止するためには、短期資本の流入の非常に多い国にとってこれを採用することはやむを得ない場合がある。それから第三の項目としては、短期資本の移動を制限するための措置、つまり為替管理等です、これをとる必要がある。こういう三点の結論を得たわけであります。 その結論に従いまして、ドイツ政府は、一昨日閣議を開きまして、変動為替制を一定期間を限ってまた限度を限りまして採用するという決定を行ないまして、なお、この決定に付随しまして、金融措置——この金融措置というのはどういう措置かまだはっきりしておりませんが、必要なる金融措置を講ずる。それから予算できめられた公債の発行予定を縮減する。また、歳出の削減を行なう。こういう一連のデフレ財政措置をきめる、こういうことになり、一応この措置はドイツ政府としては決定し、これをIMF当局に申し入れたわけであります。IMF当局はドイツの措置を必要やむを得ざる措置として黙認をするということになって今日に至っておるわけでありますが、その後の情勢を聞いてみると、かなり鎮静はしておるものの、多少マルク買いの動きがまだある、こういうような話でございますが、まあそういう多少の動き、いろいろな動きを経ながら、どういうふうにとられた措置が固まっていきますか、その辺を注視したいと、こういうふうに思っております。 そこで、わが国といたしましては、マルク買いが始まったその当初の時期におきまして、国内にあるドル資金ですね、これは為替銀行が持っておるわけですが、それを政府に売るというような動きがありました。これはしょっちゅう為替銀行は商売のためにドルを持っておるんです。商事会社が決済のために借り入れを求めるというような用意のために外貨を持っておるわけですが、それを持ち過ぎた場合には政府に売る、足らないときには政府から買うと、こういうようなことをやっておるのですが、その通常のベースよりは多額に三億をこえる額が政府に持ち込まれる——もっとも、その為替銀行の手持ち外貨というのは、四億二、三千万ドルぐらいしかないのですから、まあ限度があるのですが、そういう動きがあった。これは、通常のものがその中でどのくらいあるのか、あるいはドイツの事態に刺激されたものがどのくらいあるのか、これはちょっとはっきりしませんけれども、その他にはこれという動きはなかったわけであります。 それで、今回の事態はなぜ起こったかと、こういいますと、短期資本がただいま申し上げましたような背景のもとに急激に多量に移動を始めたということが原因なんです。ところが、わが国におきましては、そういうおそれがない。ないのは、従来とも短期資本につきまして厳重な為替管理等をしているのです。動く余地がわが日本にはないんです。わが日本のそういう措置は世界においてきわめて異例な立場にあったわけなんでありますが、日本のように短期資本はこれを規制するという考え方、これは今後考えていかなきゃならぬだろうというような空気がEEC蔵相会議なんかにも出てきておるのでありまして、そういうようなことで、日本のように、長期資本は自由化の方向だと、しかし短期資本は管理の方向だという線が新しく芽ばえているのではあるまいか。これは日本が従来とっておった姿勢でございます。 そういうような状態で、わが国としては、こういう事態に対しましてはわりあいに気楽な立場にあるわけでございまするが、問題は、外貨が蓄積されるその根源は何かというと、貿易バランスが非常にいいわけなんであります。これは、いま、貿易だけのバランスからいうと、おそらく今日わが国が世界一だろう。そういう好調の貿易バランス、この貿易自体が世界各国の注目の的になっておるわけです。この貿易のやり方につきまして世界各国から批判を受けるという余地があるかないか、これが問題点であります。日本の対外為替レート、こういうような問題について、いわゆる外圧というものはないのです。ないのですが、トレードの面で外圧というものが何かないか、これが問題点だろうと思います。そういうことをつとに私は憂えまして、政府部内において意見の統一を見つつあるのでありますが、どうしても輸入制限は各国から批判をされている状態でありますから、これを撤廃しなければいけない。なるべく早く輸入制限体制を解く。日本は世界じゅうに物を売る、逆に外国からの輸入を阻止する、そういうそしりを解消しなければならぬ。そこで、定められておる輸入自由化の日程を着実に行なう。なお、余力があれば、これをさらに日程にないものまでも検討するというくらいの体制をとる必要があります。 それからもう一つは、資本の自由化の問題です。これもスケジュールをもって進めておりますが、この七月に予定されておる外資審議会の答申を得て、次の最後のステップをとるわけですが、この最後のステップもかなり実質的に大幅なものにしなければならない、そういうふうに考えておるわけであります。 それから関税は、ケネディ・ラウンドをわが国は忠実に実行したわけでありますが、なお関税を引き下げて世界通商を拡大をするということはわが国の国益である。つまり、日本は、とにかくアメリカ、ソビエトとは違いまして、資原を国に持ちませんものですから、海外から資源を求める。求めた資源に、われわれの頭脳、われわれの労働力を加えまして商品にして売る、こういう立場にある日本とすれば、どうしてもフリートレード、これこそがわが国の経済の至上政策でなければならない。そういうことを考えますと、関税障壁または非関税障壁、これの撤廃に今後日本が世界に向かって主導的な役割りを演ずる、これが必要じゃないか。 それからさらに、もう一つの問題は、これは対外経済協力という問題なんです。これも新たなる構想のもとにこれを考えなければならない。 さらにまた、わが国の繊維輸出やら、あるいは食器の輸出だ、あるいははきものだ、いろいろな輸出に見られるように、海外からのわが国の輸出の姿勢に対する批判が多い。私は輸出体制をディスカレッジするという考えはない。輸出は日本の命である。これは進めなきゃならんが、そのやり方が海外の産業界に対しましてはからざる障害を与えるという形において行なわれるというようなことがありますると、これはまたいろいろの問題を起こして、日本の商品の輸入を阻止するというような動きを誘発するおそれがある。そういうようなことで、輸出の秩序化、オーダリング・マーケット、こういう考え方を思い切って行なわなきゃならぬのじゃないか。 そういうふうに考えておるわけですが、そういう考え方の諸施策が着実に実行されるならば、円の問題につきましてはいささかも心配する必要はない、その備えは十分である、かように考えておる次第であります。
○松井誠君 たいへん親切な御教示をいただきましたけれども、現象としては私どもわからぬわけじゃないんです。おまけにいま円の問題までお話しになりましたが、私は、円の問題を問題にするより前に、ドルをもっと問題にしなきゃならぬのじゃないかと実は思う。いまドイツの民間の経済研究所が変動相場制をとるということを言ったということがきっかけになったというのですが、直接のきっかけはあるいはそういうことになるかもしれませんけれども、しかし、その底には、やはりマルクに対する外圧を何とかしようと。マルクがドルに対して強いというのは、世界の大部分の通貨に対して強いということでありますが、まあ言ってみればドルが弱い、ドルが過剰である。その問題を避けて通って、日本の円にすぐ問題を持ってくるということがやはり問題ではないか。いま、アメリカは、確かにそれは国内の景気政策も関係があって金利が安い。そういう金利を求めて動くというそういう通貨の常態というものはありますけれども、しかし、それだけではなしに、よく言われておるように、ベトナム戦争一つをとってみても、あるいはアメリカがキーカレンシーと言っておりながら、それにふさわしい節度をとらない。最近は、御承知のように、黒字がたまる国のほうが悪いのじゃないかというような、それこそ居直った言い方をするようになってきている。そのようなドルの態度がそのままでいいのか、ドル過剰に対する基本的な態度というものを一体どうするのかということをはっきりさせないで、そういうそのときそのときの手当てだけでいいのかということ——時間がありませんから直截にお尋ねしますけれども、いつかフランスが金価格の切り上げということを提唱しましたね。それの裏としてのドルの切り下げ、そういうものについてはお考えになるのかならないのか、あるいはそういうことについてはどういうようにお考えになるのか、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(福田赳夫君) ドルの切り下げということになりますと、ドルは基軸通貨でありますから、もうほとんど世界じゅうが連動してこれにならうというような空気になると思うのです。一部それは例外もあります。ありましょうが、まあ世界が大かた連動する、こういうことになるんで、これは私はそう実質的な意味がないと思うのですね。問題は、いまドルが基軸通貨になっておる、その基軸通貨にしっかりしてもらわなきゃならぬということだろうと思うのですね。私は、いま、アメリカ経済は、アメリカ近世史上最大の苦脳時代だ、こういうふうに思うのですが、なぜかと、こういいますと、やはりベトナム戦争の重圧というものがあるわけですね。昨年はベトナム戦争に二百八十億ドルの金を使った、こういわれる。そのうち、かなりの部分が対外外貨払いになっているんだろうと思います。これがどういうふうになっていくのか。ことしは、まあ撤兵だというようなことで、撤兵計画が着実に行なわれておる。そういうような関係でその二百八十億ドルが大体半分くらいの百四十億ドル前後になるだろうという見方が多いわけでありますが、さあ来年になってさらに撤兵が続くのでどういうふうになっていきますか、その辺がドルの問題に一番大きく響く問題じゃないか。そういうことで、ベトナム戦争の帰趨というものが世界の通貨情勢に大きく影響しておる問題だと、こういうふうに考えます。というふうなことで、いま幸いにそういうことにつきましてはベトナム戦はとにかくアメリカの撤兵という計画が着実に行なわれているという段階でありますので、私どもはそういう計画の将来に期待したいし、また、それに伴ってアメリカの経済がここでまたちゃんとキーカレンシー国としての立場、姿勢をきちっと整える。そうして、結論的には、これはアメリカの国際収支です。昨年は、そういう背景のもとに、百億ドルの赤字を出した。それじゃドルはどうも各国から非常に不安に思われます。そういうようなことでなくて、国際収支がここでちゃんと安定するというようなアメリカ経済になること、これが非常に大事なことじゃあるまいか。そういう方向にアメリカも努力をしておりますので、その成り行きを大いに期待したい、かように考えております。 —————————————
○委員長(柴田栄君) 委員の異動について御報告いたします。 ただいま、津島文治君が委員を辞任され、その補欠として高橋雄之助君が選任されました。 —————————————
○松井誠君 確かに、そういう国際均衡というものをもっとアメリカが大事にしてくれなければ、キーカレンシーだといばっている資格は私はないと思うのです。だけど、ちょっとさっき言いましたように、黒字国が悪いんだみたいな開き直った言い方に対して、たとえば日本の政府が文句を言ったということを私は聞いたことがない。その辺をやはりはっきりさせるべきだと思うのです。 もう一つ聞きたいのは、今度こういうことになって、単にマルク一国だけの問題でなくて、相当影響が大きいもんですから、いわゆる固定相場制そのものに対する批判というか反省というか、そういうものが出ているという話を聞いているわけです。固定相場制というのは、確かに、貿易の安定ということにはプラスに違いないんですけれども、しかし、均等発展の中で通貨の政策がいつもバランスがとられているという保証はないわけですから、固定相場制をとることによってかえって非常にドラマチックな形でこういう問題が出てくる。そうすると、やはり一利一害あろうかと思うのですね。そういう点については、何かお考えになっていますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 数年前から為替相場には論議がありまして、そして、極端な意見は、クローリングペッグ——変動為替ですね、それからフローティングレート——実勢まかせにしたらどうだという意見だとか、いろいろ出ております。出ておりますが、さて真剣にこれを検討するという場になりますると、そういう極端な意見はだんだん影をひそめております。 いま一つ残されておる議論が一部にある。これはIMFの中にもごく少数意見としてあります。また、アメリカあたりにもあります。それは、いまの上下一%という変動幅を、二%にするとか、三%に拡大をしたらいいじゃないかという、こういうまあ非常に現実的な意見ではありますが、そういう意見が一部にあるんです。しかし、わが日本は、フランスなんかも同様であり、当面イギリスもそうでありますが、固定制が一番いい。しかも、一%という上下幅、これはIMF協定で協定としてきめられておるわけなんですが、これを堅持すべきである、こういう意見を継承しておるのでありますが、その理由は、一つは、いま松井さんも御指摘のように、通商に非常に幅の狭い固定制が一番いい。それからもう一つは、あるいは二%にするにしても、これを変えるということ自体が、IMF協定の改定になるわけです。そうしますと、これは加盟諸国みんなが一斉にそれぞれの国会の承認を得なければならぬ。そういう承認を得るような過程において、各国においていろいろの議論が出てくるだろう。そういうような過程において、またいろいろな思惑が出てくるだろう。結局、その改定しようという動き自体がまた混乱の根源になると、こういうおそれが十分ある。そういうようなことから、わが国としては、固定制を動かしちゃいかぬと、こういう主張をしておるわけですが、このわが国の主張はかなり国際通貨社会においては説得力を持っておる意見なんです。ですから、これは大筋において尊重されておると、こういうふうに思いますが、一部にごく実際的な考え方と申せるのでありますが、変動幅を拡大する、現行の一%という上下幅を少し拡大したらどうだという意見もある、こういう状態でございます。しかし、わが国は、どこまでもいまの現行の為替上下幅を基本にした制度、これを堅持する、こういう主張を国際社会においては引き続いて展開をいたしていく、これが世界のためであり、またわが日本のためでもある、こういうふうに考えております。
○鈴木一弘君 今回の欧州における通貨の大変動ということで、ヨーロッパの市場でも円の投機が多少活発になるのじゃないかということが考えられるわけですけれども、それについてどういうふうに考えていらっしゃるのか。 それから大蔵大臣は、いままで、円の切り上げは私の頭の中のどこにもございませんということを繰り返し言ってこられたわけです。ところが、政府あるいは日限、こういうもののやり方を見ていますと、できる範囲で外貨準備高を減らそうと言っているし、さらに、民間等でも、いわゆる延べ払い輸出契約についても円建てをとっているところがふえてきていたり、あるいは貿易商社等でも輸出入のバランスを考えて円切り上げのときの為替損、そういうものを防ごうというような空気があるわけです。これはみな町での話でありますけれども、西ドイツでは十三回とか十七回国会で絶対マルクの切り上げをやらないと言っておってやった。それに対して、大蔵大臣は七回しか言っていないから、あと多少余裕があるであろうというようなことまでがいわれて、これは、大企業もそうかもしれませんが、中小企業からありとあらゆるところにわたって、異常な不安というものを現在持っておりますが、そういうふうに現実問題としてはそういう円切り上げの際の為替損を防ごうという動きがある。官民一体となってそういうような動きになっているということが感じられるわけです。外貨準備高の行き先から見ても、このような外圧もあるかもしれませんが、内圧的なものも考えられる。先ほどの大臣のお話の中で、切り上げをやる前に、それを解消するために、いわゆる経済協力であるとか、輸入制限の撤廃であるとか、資本自由化、ケネディ・ラウンドの問題とか、いろいろ言われたわけであります、自由化問題を。確かに、それもあると思いますけれども、しかし、実際問題として、日本のいままでの企業、あるいは日本の産業の姿というのは、保護的であるし、また、そういう点では統制的といいましょうか、そういう感じがある。大臣はいま活発な御意見を言われたのですけれども、私はそういうことを実際悲観的に考えざるを得ない、急激にはできないんじゃないかと。そうなると、どうしても円切り上げというのは現実の問題になってくるんじゃないかということを思わざるを得ないわけでありますが、それについてまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 私が第七回目の——八回目になりますか、八回目の発言をすることになりますが、しかし、鈴木さんのような影響力のある方がそう悲観的な考え方を持ってもらうということは、私はたいへん残念に思います。私どもは、わが国の国益、つまり、わが国は、いま資産超過の国であります。しかも、その外貨資産の大部分をドルという形で保有している、そういう国なんです。かりに平価の切り上げが行なわれるということになると、これはたいへんな国損になるわけです。一人一人の人について見ますれば、外国から借金をしているそういうような人は、これは切り上げられただけ負担が軽減されるわけでございますから、それはそうかもしれませんけれども、しかし、国全体とすると、たいへんなマイナスになる。それから何といっても輸出によって国を立てておる日本経済、その輸出にたいへんな打撃が起こってくる、こういうことです。そういうようなことを考えると、これは軽々にするというわけにいかない。ドイツのことを引き合いでございますが、ドイツはまる裸で強がりを言っておったんです。わが日本は、そうじゃない、完全武装してちゃんと言っておるのですから、ドイツの大蔵大臣と日本の大蔵大臣、これは厳重に区別してお考えをいただきたい、(笑声)それをお願いしておきます。
○鈴木一弘君 私はそういう厳重な区別はしますけれども、町にはそういう声がだいぶありますから、それだけに不安を一掃するなら一掃するなりのはっきりした手を打つべきだ。言われた、資本の自由化であるとか、貿易の自由化であるとか、あるいは関税の一括引き下げのさらに促進とか、こういったことは、これはほんとうに積極的に行なうという決意がないと、やはりどこまでいっても不安はつきまとっていくであろう。その点はあらためて御決意を伺いたい。 いま一つは、前に大蔵大臣が言っておられました外貨準備高は大体六十億ドルあればという話だったのですけれども、適正外貨準備高にほぼ近くなっている。一体、現状では、それは当時の発言でありますから、もう適正なる外貨準備高というものについての考え方は変わってきているんではないか。輸入の総金額の三分の一とかあるいは半分とかいろいろ言われておりますが、そうなると、七十億ドルとか百億ドルとかというランクに上がってくるわけでありますが、そういうような外貨準備高に対しての考え方はどうか、これが第二点です。 時間がありませんから、もう一つ伺っておきたいのですが、それはいろいろな批判があります。批判がありますけれども、しかし、先ほどの松井委員からの質問に対しては、IMFのいわゆる固定為替レートですか、これをとっていくという話であったのですが、現在〇・七五%くらいが変動幅であろうと思うのです、日本の場合は。それを若干広げて様子を見るというような考え方は全然持っていないかどうかですね、その点も伺ってみたいと思います。 その三点をお願いいたしておきます。
○国務大臣(福田赳夫君) まず、第一に、妥当な外貨保有高ということでありますが、私が六十億というようなことを言ったというようにお話しでございますが、はっきりそんなことを私は申したという記憶はございませんし、また、そういうことを言ったはずがない、こういうふうに考えますが、それはまあそれといたしまして、大体、国際社会では、輸入の三分の一、これは持っておくべきだなあというような空気ですね、これが常識的になっておるのです。そういうことになりますと、わが国の今日の実勢、これは大体三分の一に来ておるわけですが、問題は、その外貨保有高の額の問題じゃない、こういうふうに思います。その質の問題である。ドイツは、どのくらいになっておりますか、最近の変動でかなりふえておると思います。百七、八十億ドルくらいいっているのじゃないかと思います。しかし、ドイツの大部分は短期資金です。これはまたドイツが低金利でアメリカが高金利だというような金利情勢の逆転でもありますれば、今度はどっとアメリカのほうに返っていく。そういうような性格であってはならぬ、こういうふうに思いますが、とにかく、わが国のいまの状態は、ドイツのような短期資金が多いと、こういうのではなくして、実質的な外貨手持ちは輸入の三分の一くらいに来ておる、こういうような状態です。今日まあ六十三億ドルくらいまで来ておりますか、この数日間のマルクの為替銀行手持ちを政府に移したという関係が響いておるわけですが、とにかく国際社会ではそう言っておる、三分の一くらい持っておることが理想だなあと。その理想の線には来ておるわけなんです。しかし、そのときの客観情勢でまあいろいろ数字は動いていくと思いますが、とにかく持っているべきという線に日本の外貨保有高が到達したということは、たいへんけっこうなことだと、こういうふうに思いますが、これがまた非常な勢いで急増いたしまして、その急増の原因が、世界の経済を荒らし回ってためられたんだということになると、いろいろ批判も受け、また、批判に対して弁解の余地は少ないと、こういうようなことになりますので、その辺さえ気をつけておりますれば、私は多少外貨がふえるというようなことでありましても、そのこと自体につきましては諸外国から批判を受けるというようなことはなかろうと、こういうふうに思いますが、とにかく、日本の外貨がふえるということは、どこかの国で外貨が減ると、こういうことであります。どこかの国はそのために多少不都合が生じてくるわけでありますが、急増につきましては、できる限りそういう事態がないようにいろいろのまた努力をしなけりゃならぬ問題がある、そういうふうに考えております。
○鈴木一弘君 大臣、二番目の変動幅の問題について……。
○国務大臣(福田赳夫君) いま、わが国では、IMF協定では上下変動幅一%というふうになっておりますが、諸外国とも話し合いまして、そのうちで内ワクをつくりまして〇・七五%ということにいたしておりますが、この〇・七五%を当面堅持していくという姿勢をとることが妥当である、こういう見解であります。
○委員長(柴田栄君) 本件に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。本日はこれにて散会いたします。 午後零時十分散会 —————・—————