大蔵委員会 第13号
- 発言数
- 187 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/03/16
会議録
○委員長(柴田栄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 関税定率法の一部を改正する法律案、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、以上四法案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(柴田栄君) 次に、入場税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。藤田大蔵政務次官。
○政府委員(藤田正明君) ただいま議題となりました入場税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、今次の税制改正の一環として、最近における入場税負担の現状に顧み、入場税の免税点の引き上げを行なうほか、所要の規定の整備をはかるため、ここにこの法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。 第一に、映画、演劇等の一般の興行場への入場について、その免税点を引き上げることとしております。 すなわち、現行三十円の一般免税点は、昭和三十七年に設定されたものでありますが、その後における入場料金の推移及び最近における入場税負担の状況にかんがみ、競馬場、競輪場等を除く映画、演劇、音楽等の一般の興行場への入場について、その免税点を百円に引き上げることとしております。 第二に、学校の教員の引率による生徒等の団体の入場について、入場税を課さないこととしております。 すなわち、現行では、教員の引率する中学校、小学校、幼稚園等の生徒、児童または幼児の団体の入場については、五十円の免税点を設けておりますが、学校における視聴覚教材の利用の重要性等を考慮し、その範囲に高等学校の生徒を加えるとともに、入場税を課さないこととしております。 以上のほか、興行場経営者の事務負担を軽減するため、免税点以下の入場券及び無料入場券の交付義務を廃止し、入場券制度の簡素化をはかる等、所要の規定の整備を行なうこととしております。 以上、入場税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。 なにとぞ、御審議の上、すみやかに御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
○委員長(柴田栄君) 引き続き、補足説明を聴取いたします。吉田審議官。
○政府委員(吉田太郎一君) 入場税法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。 今回の入場税法の改正は、最近における入場税負担の状況等に顧み、免税点の引き上げを行なうとともに、所要の規定の整備をはかることをその内容といたしております。 第一は、免税点を引き上げることであります。 一般の入場に対する現行三十円の免税点は、昭和三十七年に、それまで仮設の興行場等に限って認められていた免税点を、零細な催し物に対する配慮から一般的な免税点として設定されたものでありますが、その後における入場料金の推移や最近における入場税負担の状況等に顧み、競馬場、競輪場等のいわゆるギャンブル場を除き、映画、演劇、演芸、音楽等一般の興行場への入場については、その免税点を百円に引き上げることとしております。 第二は、教員の引率による小、中学校等の生徒、児童等の団体入場を非課税とすることであります。 これらにつきましては、現行法では、一般の免税点とは別に五十円の免税点を設けておりますが、学校において生徒、児童等にすぐれた芸術を観賞させる場合等、視聴覚教材の利用による教育の重要性を考慮し、入場料金の金額のいかんにかかわらず入場税を課税しないこととするとともに、最近における高等学校の教育の実情等を考慮し、新たにその範囲を高等学校の生徒まで拡大することとしております。 第三は、入場券制度の簡素化をはかることであります。 現行法では、免税点をこえる入場料金を定めている興行場においては、割引または招待等により、一部の入場者を免税点以下の入場料金または無料で入場させる場合であっても、原則として、すべて税務署長から交付を受けた官給入場券または検印を受けた無料入場券を交付しなければならないこととしておりますが、興行場経営者の入場券にかかわる事務負担を軽減し、入場券制度の簡素化をはかるため、免税点以下の入場券及び無料入場券の交付義務をすべて廃止することとする等、所要の規定の整備をはかることとしております。 以上、入場税法の一部を改正する法律案の提案理由を補足して説明いたした次第であります。 —————————————
○委員長(柴田栄君) この際、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法による貸付金の利息の特例等に関する法律案及び相続税法の一部を改正する法律案を議題とし、先ほどの法案とあわせ、四案を便宜一括して質疑を行ないます。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○松井誠君 四つの法律案が出ておるわけでありますが、最初に、税法関係の二つの法律案について簡単にお尋ねをいたしたいと思います。 最初に、相続税法の改正案ですが、配偶者の優遇措置というのは、言うまでもなく、配偶者であるというそういうことを前提にしての優遇であるわけですが、逆に配偶者であることをやめる——離婚ですね、離婚の際の財産分与という制度があるわけですけれども、この財産分与の場合には、その配偶者の優遇という措置は適用にはならないわけですか。
○政府委員(吉田太郎一君) 現在の相続税法のもとにおきまして、離婚におきます場合の財産分与につきましては、これを贈与とみなさないということにいたしております。したがいまして、贈与税の対象にはなっていない、こういうことでございます。
○松井誠君 そうしますと、たとえば所得税の対象とか、そういう取り扱いはどうなるのですか。
○政府委員(吉田太郎一君) これは非課税になっております。
○松井誠君 非課税というのは、どういう意味なんでしょうか。
○政府委員(吉田太郎一君) 所得税法によりまして、保険金と同様、要するに、心身に対して加えられた損害あるいは慰謝料につきましては非課税という規定がございまするので、その規定から課税しないということになっておるわけでございます。
○松井誠君 財産分与というのは、これは、御承知のように、慰謝料ではないわけですね。慰謝料という制度はずっと前からあるわけでありますけれども、財産分与というのはいわば新しい民法ができてからの初めての制度ですから、それは損害を補てんするというそういう観念では元来ない。だから、慰謝料というのとも違う。だから、理屈から言えば、財産分与と慰謝料と両方請求できることもあるわけですね。そういう意味では、いまの御答弁はちょっと納得がいかないんですが、損害の補てんといわばみなすということですか。
○政府委員(吉田太郎一君) 確かに、いまのお答えは多少不十分なことがございまして、松井先生にはいわゆる釈迦に説法の面があるわけでございますが、財産の分与につきましては、幾つかの面があろうかと思います。一つは、夫婦生活中の財産の清算という問題、それからその後の生活の保障という面、あるいは先ほど申しました損害、慰謝料的な面。で、これをどのように見るかということにつきましては、現在のところ必ずしも通説というものはないように存じております。ただ、非常に強くあらわれておる面は、夫婦生活の財産の清算という面と、あるいは心身に加えられた損害に対する補償という面等もございまして現在課税していないと、かように考えられます。
○松井誠君 課税されないということについて私は別に異議があるわけではありませんから、理由づけはどっちでもいいんですけれども、実は、その理由づけのいかんによると、この贈与の場合の配偶者の優遇というもののあり方にも何か影響があるんじゃないかという気がするわけです。現実に財産分与を計算するときに、いま言われたように、妻なら妻がその財産の増加あるいは減少にどれだけの寄与をしたかしなかったか、将来の保障の状況はどうかというようなことを考慮するわけですから、私は、そういう理由がもし非課税の理由にそれがなり得るものならば、それでけっこうだと思うんです。しかし、そういうようにその結婚生活の中において財産の増加に妻が寄与したからということがもし優遇の理由であるとすると、その贈与の場合の、いま夫婦間の贈与の場合、優遇とはいうものの、こういう課税措置をとっておることと、はたして均衡の点でどうだろうかという気がする。 そういう点で、そういう観点からちょっとお尋ねをしたいんですが、今度この婚姻の期間というのを二十五年から二十年に短縮をする。二十五年とか二十年とかというのにおそらくは別に科学的な根拠があるわけではないでありましょうけれども、そういう財産の増加に寄与したというようなことが、特別に措置をする一つのもし理由になっておるとすると、二十年とか二十五年とかという期間をただ一つだけ設けるのではなくて、たとえば十年以上の場合にはどれだけ非課税とか、十五年以上の場合にはどれだけというように段階をつけるわけにはいかないものかどうか。
○政府委員(吉田太郎一君) 確かに、先生の御意見は、私どもとしても今後検討に値する問題だろうと思います。ただ、現在、贈与税、これは申すまでもなく相続税の補完というたてえまをとっておりまして、基本的にはやはり長年にわたってその夫婦が相協力してまいりまして、ただ、今日のように、核家族といわれておりますような風潮、あるいは居住用の財産についてこれを妻には譲っていきたいというようなそういう背景からいたしました場合に、基本的には、妻がその老後の生活を保障するというたてまえから居住用の財産を譲りたいといった場合に、それについてまあいま平均的な財産であるならば、これを課税の対象外に置くという発想から実はできておりまして、多分にその二十五年と申しますのも沿革的なことからきめられておるものだと思います。そういう点からいたしまして、結局、居住用の財産をつくるにふさわしい年月、これは個人的にはいろいろな事情はあろうかと思いますが、今日の状況でございますと、五十前後になったときに初めてそういう実情が生ずるのではなかろうか、かようなところから、二十五年を二十年にしたということでございます。もちろん、たとえば十年において、二十年の四百万円にバランスをとった形でたとえば二百万円ということも考えられないわけではないかと思いますが、ただ、今日、居住用財産を取得する常識的な価額と申しますと、最少限四百万円という感じで、控除を、しかも一回限りでございますので、税務の執行上の観点から申しまして、二十年で区切ったというのが適当ではないかと現状では判断したわけでございます。
○松井誠君 確かに、いま言われたように、沿革的に言えば、居住用の財産ぐらいは確保してやりたいというそういう発想から出たのかもしれませんけれども、しかし、これを全部の税体系の中で正しい位置を与えようというようなことになりますと、必ずしもそういう沿革だけにこだわっているわけにはいかぬ場合もあるだろうと思うのですね。いま、贈与税というのは相続税の補完だというお話がありましたが、補完というものの意味がよくわかりませんけれども、たとえば贈与税というのは相続税の前取りみたいなものだという意味だとするとちょっと違うと思うのですね。相続税は、まあ言ってみれば親のすねをかじって、すねのかじりっぱなしみたいなのが相続税の相続人になることを考えてもわかるように、財産の増加に寄与したかどうかということとは本来関係がないわけです。したがって、そういう場合に、妻が相続人であるということも、子供が相続人であるということと同じ理屈に考えていいかどうかよくわかりませんけれども、もし同列に考えるべきものとすれば、財産の増加に寄与したかどうかということは相続税を合理化する理由には何もならぬのですね。だとすると、それと同じような理由で贈与税を合理化するわけにもいかなくなるかもしれない。私は、やっぱり妻の贈与、妻の財産分与、そしておそらくは妻の相続までも含めて、やはり婚姻生活における財産の増加というものがその最大の根拠ではないかと実は思う。そういうこともありまして、この二十五年、二十年という期間が一律的過ぎるということを考えるわけですが、それとも関連をするんですけれども、いま言われた居住用の贈与というものに限定をしたことも、確かに沿革的には意味はわかりますけれども、これも私はちょっと納得ができない。たとえば、夫婦が借家なら借家を持っておる。その借家を妻に贈与をする。しかし、その借家を贈与しただけではこれの優遇措置にはならないので、翌年の三月以後にですか、それまでにその家を明け渡してそこに住むという形をとらなきやならないんでしょう。
○政府委員(吉田太郎一君) かなり客観的にそれに居住をしておられるという事実がないと、この要件には当てはまらないわけでございます。
○松井誠君 そういう場合に、借家を何軒か持っていて、その借家の一軒を女房がもらう。しかし、そこには借家人が入っているという場合には、全然この優遇措置にはならない。かりにその借家を明けてもらっても、女房一人がそこに住んだ場合ですね。おやじはもともと別の家におる。もともと同居をしておったその家におる。夫婦が別々に一軒一軒住んでおる場合に、その居住用の不動産——「その」というのはもらうほうのという意味だと思いますけれども、その居住用の不動産としてその借家はこの優遇措置の対象になるのですか。
○政府委員(吉田太郎一君) もちろん御主人と一緒に住んでおられる場合にはいいわけですが、人に貸しておられるといった場合には、もともとこの配偶者に対する居住用財産を優遇するという趣旨が、老後非常に不安定なために、住む家をなくした場合に、せめて住む家については配偶者の控除をお認めしようと、かような趣旨でございますので、基本的にはやはり一般の相続税なり贈与税の考えておりますところがある程度の富の集中というものを排除しようというところである以上は、自分が住むだけの家、これだけはひとつ配偶者としての当然の権利であるから控除しようという趣旨でございますので、それ以外のいわば一般的な財産ということである場合には、それが家屋であろうと、土地であろうと、あるいは有価証券、動産であろうと、やはり同様に考えるべきではないかというのが今日の趣旨でございます。
○松井誠君 沿革から来ておる居住用の不動産ということばに私はやっぱりこだわり過ぎるのじゃないかと思うんですね。居住用の不動産以外に妻の将来の生活を保障する財産を分ける方法は幾らでもあるでしょうし、現に、私がいま申し上げましたように、借家を贈与する、しかしその借家人はいますぐ出ていくわけにいかぬけれども、将来はいずれは出るだろう、そういう意味で、それが夫の死後のいわば居住用の不動産になるであろうということがわかっておるような場合でも、この居住用の不動産というのが一つしかだめだというような議論に縛られて、配偶者の優遇措置というのが宙に浮いてしまうというのも変な話だと思う。夫婦は確かに同居する義務があるわけでありますけれども、居住用の不動産というのは一つに限るのですか。
○政府委員(吉田太郎一君) まず、最初に、沿革的と申し上げましたのは、私は、年限を二十五年あるいは二十年にしておること、あるいは、二十年一本にかっきり区切っておるのが、多分に沿革的な意味があろうかと申し上げたわけでございまして、居住用財産の贈与について控除を認めるということについては、もちろん一つの制度でございますから、沿革的なことはあろうかと思いますが、考え方の基本といたしましては、先生いまおっしゃいましたように、夫婦協力してつくってきた財産が、それが居住用財産になった場合に、これを当然妻に譲ってやろうというのは、これは一般の通念としてもう定着しつつある状況でございますから、それに着目して、自分の住む家ぐらいは残してやろうと、かような趣旨だろうと思います。したがいまして、その趣旨に即して考えるということからいたしますと、ほかにたとえば借家があるという場合には、これは一般の贈与税の原則で考えるべきではなかろうかと、かように存じております。
○松井誠君 どうも御答弁の限りでは、私はよく理由がわからないですね。この居住用の不動産というのが結婚の間にふえてくる唯一の財産だという保証はもちろんなんにもないわけですし、財産全体がふえたことに対していわば一種の持ち分みたいのものを持っていると考えたほうがいいわけですから、特定の財産にだけ財産増加の寄与の効力を認めるというのも変な話だと思うのですね。特に、いま私が言いましたように、妻と夫との間で将来の生活を保障するために何が一番いい方法かということは、いろいろその財産状態によって違い得るわけですし、そういうものを何か税法で干渉をして、ほかのものをやったのではだめだぞと、居住用の不動産、いえば夫婦が現にいま住んでおるその所有の家しかだめなんだぞというのは、何か無用な干渉のような気もする。ですから、もし配偶者の優遇というのを財産を増加させたというそういう協力ということに最大の理由を置くとすれば、もっと考え方を整理をして、いろいろな方法を考えたほうがいいのではないか。なまじっかこういう政府自身が一つの考え方を持っておって、それを押しつけて、それのルールにはずれるのはだめだというような考え方では、せっかくのこの優遇措置が、まああだにはならぬでしょうけれども、十分の実を結ばないのじゃないかという気がする。そういう点の御配慮をもう一ぺんお願いしたい。
○政府委員(吉田太郎一君) 松井先生に非常に専門的なことを私から申し上げるのもはなはだ恐縮でございますが、現在の相続税のたてまえは、やはり夫婦財産制度に基本を置いておるというのが原則だろうと思います。その夫婦財産制度はわが国の民法の夫婦別産制ということを基本のルールにしておるわけでございまして、御指摘の今回の配偶者に対する優遇措置というのも、その基本原則の中で行ない得るいわば最大限の措置ではなかろうかと、かように考えておるわけでございます。したがいまして、夫婦生活の間に形成されたそれぞれの持ち分をいかように税制が考えるかということについては、先生の御指摘のように、私どもとしてはできるだけこれを厳格と申しますか、やはり社会通念があらわれておるものとしての民法のたてまえのもとで考えていくべきではなかろうか。ただ、妻の座を優遇するということとして、たとえば、今日まで、配偶者控除、あるいは法定相続分であってそれが三千万の中であればこれを非課税にしておるというような、税制としてなし得る最大限の優遇措置の一環として、夫婦間の贈与のうち、その妻の居住用財産に限ってはこの程度の優遇をし得ることが民法の今日の姿に対してなし得る最大限ではなかろうかと、かように考えて御提案をしておるわけでございます。
○松井誠君 私も外国の例なんか知りませんけれども、夫婦財産制のあり方と夫婦の間の税法のあり方とは、必ずしも致しないというようなことも聞いておるのですね。ですから、夫婦財産制の現在の別産というのですか、そういうことを基礎にしてだけ、それだけが理由でやれるとも実は私は考えないんですが、いまの話に関連をして、同じ家族で実質的に財産の増加に協力をした、しかし、名義の上では別になっておるというふうな例として、よくあるんですけれども、農家で、父親はもうすっかり老齢で働くことができない。長男が一切取り仕切って農業経営の主人になっておる。しかし、それを正式に贈与した場合には、農業後継者の特例があるわけですから、それなりに救われるわけですけれども、しかし、寝込んでおる父親は、必ずしも財産をつけかえるということはいさぎよしとしない、死ぬまでやっぱり握っておりたいという、そういう場合には、せがれは事実上は農業経営の主体だけれども、しかし、実際の田の所有者は父親である。そういう場合に、新しくたんぼを買ってそのたんぼをもしせがれの名義にするというと贈与税が来るというような例を私は聞いておったんですが、やっぱりそういうようにならざるを現在は得ないわけですか。
○政府委員(吉田太郎一君) これは多分に税の執行上の問題もございますので、具体的なことになりますと、あるいは国税庁からお答え申し上げたほうがいいかと思いますが、税法の原則論から申し上げますと、いまのような例でございますと、そのむすこさんが農業経営の主体になっておられる、かつ、実際に自分がその所得を得ておられるといった場合に、その農地の買い入れ資金を自分が出されておるものであれば、贈与税は課税されることはございません。ただ、こういう場合でなくて、お父さまがその家得者である、あるいはその資金の出し手であるという場合には、その名義をむすこさんにされる場合には贈与税が課せられると、かような問題が起こります。やはり具体的なケースで判定をすることになろうかと思います。
○松井誠君 多くの場合は、その田の所有者が父親であれば、供出の名義も父親になるのがまあ普通です。供出を父親の名義でやれば、供出代金というのが農協へ入ってきますけれども、それは父親の名義になってくるわけです。しかし、実際はその金を使ってたんぼを買うんですね。ですから、名義的には形式的には父親の金で買ったように見えるけれども、実際は、その実質は、長男なら長男のものであるというような場合に一番矛盾ができるわけです。そういう場合に、何か便法で供出そのものを子供の名義で供出をして、したがって、供出代金も子供に来るというようなことをやっておるところもあるようですけれども、それをスムーズに税務署が認めておるかどうか、その辺のことも私は詳しく存じません。そういう方法でやればそれでいいのかどうか、ついでにお伺いしたいと思います。
○説明員(大石幸一君) 具体的な例で実際の場合を想定いたしませんとあれでございますけれども、いま先生の御指摘のように、親が名義人になっておる、供出のほうも親の名義になっておる、その場合に、その親が実際農耕に従事しておるかどうか。親が農耕に従事しており、子も実際に従事しておる、その場合に、子供がもう相当の年齢に達しておって、生計を主宰する程度に達しておる、かような場合は、子供が実質的に所得を得ておるというように考えていいと思います。
○松井誠君 それならわかりました。それに関連をするんですが、また最初の話に戻りますけれども、離婚の際の財産分与ですね。何か、聞きますと、財産の分与のしかたが非常に多い場合には、何かその婚姻中の財産の増加分を上回るような場合には、上回った分については贈与税を取る——贈与税ですか何ですか、とにかく税金を取る、そういう取り扱いだというふうに聞いたんですが、そういうことなんですか。
○政府委員(吉田太郎一君) 大体、いま先生のおっしゃったとおりでございます。その具体的な事情によりまして判定をせざるを得ないだろうと思いますが、まあ一切その辺の事情を勘案いたしまして過当であると認められる場合には、贈与税を課税するというたてまえになっております。
○松井誠君 過当であるというのは、その結婚中に妻の協力で増加をしたと思われる分をこえておる、そういう意味ですね。
○政府委員(吉田太郎一君) おっしゃるとおりでございまして、婚姻生活中の夫婦の協力によって得た財産の額と思われるものということでございます。その他それに多少関連する事情も考慮することではございますが、原則としてはそういうことでございます。
○松井誠君 その関連する事情というのは、先ほどあなたが言われたように、将来の生活の保障とか、そういういわば要素も加味をして、なおかつ過大であると認められる、そういうことを言うわけですね。そういうように、その財産分与の場合はある程度の限度まで区分けをしてやるというようなことは、実際しょっちゅう行なわれておるんですか。
○説明員(大石幸一君) ただいま私が知っておる範囲では——調べてみないとわかりませんけれども、具体的にはあまりそういう問題になった例はないようでございます。
○松井誠君 評価そのものも非常にめんどうですし、過当であるという考え方がどうも私にはよくわからないですね。しかし、それにしても、それをこえた分が贈与であるということになると、これはもちろん非常に形式的な理屈になりますけれども、配偶者同士の贈与というのが特別の優偶措置があるわけですが、いま言ったように、財産分与というのも、形式的に言えば、離婚届を出す前に財産分与をやって——財産分与と離婚届というのは同時であるとは限りませんからね。そういう意味で、財産分与を先にやって、離婚はあとになる、そういう場合に、はみ出した分の贈与というものが配偶者の優偶措置というものに引っかけられるものか、引っかけられないものかですね。
○政府委員(吉田太郎一君) それは、御質問の趣旨は、財産分与の場合は贈与とみなさないということでやっておりますので、配偶者控除というようなことの優遇は受けられないと存じますが。
○松井誠君 いまの過当であるということでですね、無税の部分というのがあるけれども、それをはみ出した分は贈与税がかかると言ったでしょう。そのかかる部分の話です。
○政府委員(吉田太郎一君) まあ観念的に申しますと、おそらく、過当であるというようなことを執行上たてまえとしておりますのは、いま非常に例は少ないとは思いますが、やはり租税回避のための仮装離婚というようなこともあり得るようなことで、それ以外には、おそらく離婚をなさる場合に、それ相応の財産を分けられるには、それだけの理屈が——私どもは大部分はやっぱり家裁で協議の場合がむしろ多かろうとは思いますが、そういうケースである場合には、おそらく過当であるというような判定はする根拠もないものではなかろうかと思います。ただ、これは、どの程度が過当かということは、個別のケースによってのみ判定できることでございますので、一がいには申せませんが、おそらくそういう過当だということをめぐって問題が起こるケースはきわめてまれではないかと、かように考えております。
○松井誠君 まれであるにしたところで、特に昨今のように、ウーマンリブですか、そういうことで、われわれから見れば過当だと思われるような財産分与が出てくる機会が多いかもしれませんからね。ですから、理屈の上では私は必ずしもわからぬことはないけれども、どこまでが相当の分与で、それ以上が過当だというような判断を税務署がするというのは一体どうなんだろうかという疑問があるんです。しかし、それは疑問にとどめておきます。 入場税のことで一点お伺いをしたいのですが、それは、例の労音とか労演とかといわれる団体とのトラブルの問題なんです。聞くところによりますと、全国的に幾つか判決も出たようでありますけれども、その労演なり労音なりが、入場税を、最近はどうかわかりませんけれども、少し前までは納入を拒否しておった理由はいろいろあるようですが、権利能力なき社団であるかどうか、あるいはそういうものに納税義務があるかどうか、そういうことも確かに私は一つの大きな問題だと思うんですが、それよりも、もっと私が疑問に思うのは、あの労演なり労音なりのとっておる会費というのが入場の対価であるんだろうかどうだろうかということですね。あるいは、そういう会費を納める人がこの入場税に言ういわゆる入場者であるのかどうかということ、そういう点について私はここで大きな疑問がまた残るんです。各地のいろんな仕組み全部同じではおそらくはないでありましょうけれども、私がちょっと聞きましたたとえば新潟あたりのそういう例によりますと、この会員はもちろん必ずしも入場者になるわけではない。それからまた、払う会費というのは、単なる入場だけの対価ではなくて、いろんな労演なり労音なりの会の運営の費用の一部にもなっておる。そういうことを考えると、入場税法が予想をしておったそういう典型的なタイプでは少なくともない。そして、こういうものから税金を取るというようなことを一体予想しておったような仕組みなんだろうかどうなんだろうか。労演や労音の運営というものの実際を見ると、やっぱり大きな疑問があるわけです。 ついでに申しますと、よく、判決なんかに、入場するときには座席券がなければ入場できない。その座席券というのは、事実上入場券の役割りを果たしているじゃないか。会員券がなくたって、座席券があればはいれるし、座席券というんですか、整理券といいますか、そういうことで、事実上入場券の役割りを果たしておるのがその整理券とか座席券とかいうものの正体なんだという判断があるんですが、私の知っている例は必ずしもそうではないですね。たとえば新潟なんかでは、座席の指定券というのを出すわけです。座席の指定券というのは、座席番号がちゃんと書いてあるわけですね。それを出すのは、たとえば、労働組合によって、しょっちゅうおそくでなければその会場に来れないというようなそういう組合員のために、座席の公平を確保しようと、そういうことで座席の指定券というものを出しておる。したがって、それは、その入場の条件、それがなければ入場できないというものではない。どこでもいい、座席にすわれさえすればいいんだという人のためには、会員券がありさえすれば入場できるというそういう仕組みです。そうなりますと、この座席の指定券というのは、いわゆる入場券の役割りを果たしておるわけではなくて、あくまでも会員券というものが主体ではない。そういう運営の実体を持っておるところもあるわけですね。お調べになっておるかどうかわかりませんけれども、もしそういう形で運営をされておるとすると、いままで幾つかの判決の中で言っておるようなそういう整理券ないし座席券というものが入場券の実体を持っておるということとは多少違ってくるんじゃないか。したがって、入ってくる人は、入場者という観念ではなくて、会員が入ってくるという、そういうように考えるわけにはいかないですか。どうでしょう。
○説明員(村山正祐君) ただいままで私どもが知り得ておる範囲でお答えいたします。 新潟労演の場合ですが、先生御指摘のとおり、ただいままで判決にあらわれている方法と若干違っております。先ほど御指摘がありましたように、座席指定券、これについてはっきり判決がございますが、新潟労演の場合には、座席指定券を持ってこなかった場合、あるいは紛失したとか忘れたとか、そういった場合にも、会員証でもっていいと、この点が違うわけでございます。ただし、この会員券の中に、私ども知り得た範囲で申しますと、会員券の中に、会費を領収したことを証明する欄が一月から十二月までございまして、それの証明がない限りはいれないと、こういうことで、これをいままで出ました判決で言いますと、青森地裁で出ておる整理券、これに該当するのではないか、若干違いますが、整理券と同種の性格を持つものであるという、こういうような判断をいたしております。したがいまして、いろいろの、何といいますか、いままでと同じような扱いをしておるわけでございます。
○松井誠君 その会員券に会費を納めたかどうかということが明らかになるようにしてあるのは、御承知のように、会費を納めなければ会員ではないという取り扱いをするわけですから、したがって、その興行——その興行といいますか、その音楽会なり演劇なりに入場をする資格という意味ではなくて、会員であるかどうかということをあらわすためには、その金を納めておるかどうかということが必要になる。ですから、必ずしも入場料相当のものを払っておるというそういうあかしのためというわけでもないと、そのようには考えられませんか。
○説明員(村山正祐君) 御指摘のように、確かに、会員であることを証明すると同時に、また、一方、何月から何月までは会費を納めている、それを各例会の入場料と対応させて考えることも可能ではないかと思います。
○松井誠君 それは、会費が同時に入場料になっておる実体なんですから、会費を入場料と見ると言ってしまえば、これは、何といいますか、あなたのような理屈も成り立つでしょうけれども、それは会費が入場料になっておるところからくるいわば当然の結論であって、入場料を会費というカムフラージュするというものとは本来はやっぱり違う。しかし、これはいまおそらくは係争中でありましょうし、具体的な事例について私は詳しいことをお聞きするつもりはこれ以上ございませんけれども、こういうこと一つを考えてみても、これは全国的にトラブルが非常に多い。一体、こういうものからしゃにむに入場料というものを取らなきゃいけないものなんだろうか。もっとさかのぼって言えば、入場税というのがどういう意図を持っておるのかよくわかりませんけれども、文化政策という大上段に振りかぶった理屈を言わなくても、たとえば国民がこれからいろいろの時間をレジャーに使う。そのレジャーの一つ一つを追っかけてそういう入場税だとか娯楽施設税だとかというものを一体取らなきゃならないんだろうかという根本的な疑問が出てくる。財政上の比重からいっても、あまり大したことがなくなったこの税金にどうして固執をしておるのだろうか。これをひとつほんとうに思い切って全廃をするというそういうことぐらいもうそろそろ考えてもいいいわば経済規模にわが国はなってきておるんじゃないでしょうかね。
○政府委員(吉田太郎一君) 確かに、入場税、あるいは入場税に類するその他の娯楽、あるいはそれに関係するサービス等に対する消費をどう考えていくかということは、これからの税制の一つの基本的な問題だろうと思います。一つは、こういう消費が非常に高度化多様化していく社会生活の中で、その担税力をどういうふうに求めていくかという基本的な問題の考え方にあるわけですが、基本的には、個人の担税力を所得の稼得だけに求めていいか、あるいはそれを消費する段階で担税力を求めるかという問題が今後の税制の課題だろうと思います。そうした場合に、これを個別のそういう消費税一つ一つの形態に即して考えていくことがいいのか、あるいは、それを一般的な消費というものの考え方の上にそれぞれの方位に担税力を見出していくかという問題だろうと思います。ただ、入場税が文化的なことであるからどうかという問題とは別に、入場税というものの求めておるサービス——娯楽あるいは文化的芸術性のあるものも含めまして、そういうサービスに対して課税を排除するということについては、私ども、現在の税体系の中においてこれを特に排除するということについては、非常に消極的に考えておるわけでございます。むしろ、やはり一般的な娯楽あるいはそれに類するものに支出する、その消費支出の能力に応じて税を負担していただくべきではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
○木村禧八郎君 関連してちょっと伺いたいんですが、やっぱりここで、いまなぜ課税するかということにつきまして、入場税を最初課税するようになった歴史的経過から見て、非常にいろいろな情勢が変わってきていると思うんですよ。諸外国の例の参考資料もありますけれども、たとえば諸外国で音楽に課税しているところはほとんどないですよ。音楽にしているところはありませんよ、この例では。ただ、イタリアが、「映画館その他の公衆娯楽場、競馬及びスポーツ関係からの総収入金額」となっていて、音楽が含まれるのかもしれない。一体、入場税の対象となるのが、ぜいたくであるというような考えから、奢侈的というように考えて課税するのか、そこのところはどうもあいまいです。それから担税力ということになると、これはまた非常に問題でしてね。それじゃ、いまの所得税が担税力に応じて課税されているかどうかも問題ですし、それからたとえば文化性のある映画、演劇ですね、それから演芸、音楽、こういうものに文化的なものだから特に課税しないというような措置についてはどうかと思うというお話ですがね。しかし、観点を変えて、租税特別措置というものがありますわね。あれは、政策目的からそういう特別措置もとり得るわけなんですよ。いわゆる文化政策という政策目的に沿うために税制上考慮することも可能なわけでしょう。だから、租税特別措置というものがあるんです、いろいろな政策に。そういう点から考えて、入場税というものは、まあこうした競馬・競輪等の入場税については、いますぐに撤廃することについては問題があるかもしれませんが、情勢が非常に変わっちゃっているんで、いまのような論拠で存続していくこともどうも納得できません。それから全体の税収入から見ても、これはまあとるに足らないというのは変ですけれども、全体で百三十八億ぐらいですわね、四十六年度で。ですから、そういうことからいってここで再検討する必要がありますし、それからもう一つ、大蔵大臣が私にこれは約束しているんですよ、前に。ほんとうは前の国会あたりでこういう措置を講ずべきであった。もう二年ぐらい前の大蔵委員会で、はっきり大蔵大臣は私に約束しているんですよ、かなり前向きのね。それで、この前は、内面的なことを言っちゃ悪いかもしれませんが、この前大蔵大臣が公約しているので何とかしたいんだけれども待ってくれというので、この前待ったんですよ。だから、今度はかなり前向きに出してきたかと思ったら、三十円を百円でしょう。それから衆議院のほうでは免税点千円という修正案を聞いていますが、常識からしていまの料理飲食税のほうの免税点はどのくらいですかね。千円くらいじゃないですか。そういう点からいっても、大蔵大臣はかなり前向きに考えておるのに、事務当局がどうもちびっているような、なぜそんなにこだわるのか、おかしいと思うんですよ、私は。どうなんですか。
○政府委員(藤田正明君) 大蔵大臣が、確かに、前国会でありましたか……
○木村禧八郎君 前々国会です。
○政府委員(藤田正明君) 前々国会でしたか、そういうことを申し上げておるのは確かであります。ちょうど、衆議院選挙が終わった直後であったのではないかと思います。その際は、物品税その他との関連もこれあって、倉皇の間にこれらをやるべきでない、もう一年待っていただきたいというふうな答弁をしたかと思っております。それがまた今回に至ってこういうことに相なったのはなぜかと、こういう御質問だろうと思うのでありますが、今回は別な理由でございまして、木村先生御存じのとおりに、いろいろな現在のような直間の比率が悪い影響を及ぼしておる、間接税のウエートをもう少し高めたらいいではないか、それに関連いたしまして付加価値税の問題その他も研究すべきであるというふうな趨勢になってきております。物品税のことに関しましても、そういう意味でもう少し物品税の手直しも待ったらどうかというふうなことにも今回はなってきておりますので、この入場税に関しましても、消費税全般の体系の中の一環として考えざるを得ない。ですから、大幅な手直しというのではなくて、あるいは全廃ということではなくて、三十七年以来この入場税はいじっておりませんので、ここで、現実に即したような、三十円を百円まで免税点を引き上げた、いわば小幅な手直しをしたということでございます。
○木村禧八郎君 そうなると、これは非常に問題が大きくなってきたわけですがね。直間比率をこれから間接税をウエートを高めていくほうに転換をしていくそのために——そうでなければもっと免税点を引き上げてよかったかもしれないけれども、全体として直間比率で間接税のウエートを上げていこうというときに、こういう間接税をあまり免税点をなにするのはバランスがとれない、逆行するようなことになるという、そういうことですと、これは非常に問題が大きくなってくる。それじゃ、この入場税以外に、間接税としてどういうものをこれから上げていこうというのか。いま二、三年あとと言っていますけれども、付加価値税も問題になっていますわな。付加価値税ついてもついでに伺っておきますが、これは、二、三年あとにやるという方向で二、三年と言っているのか、あるいは、検討するために二、三年のあれが必要になっているのか。私は大蔵省の資料で見たんですけれども、水田政務調査会長が諸外国をずっと回ってきて報告してあるですね。それで、諸外国でみんな実施している、日本でも実施すべきであると思うと。そうして、あの報告では、はっきり言って、フランス方式とか何とかそういうものがもしやるとすればかなり参考になるんじゃないかというようなことがあって、そうして、これを実施するには非常に手数がかかると。その前提として税務機構を一本化する、国税と地方税を一本化すると。そうして、今度は、住民税を所得税の付加税とすると。それによって手がすくからそこで付加価値税を実施するんだと。そうすると、付加価値税を実施することが前提になっている。いまのお話で、直間比率を変えていく第一歩としてまずそのしわ寄せを受けたのが入場税であって、もしそうでなければ、入場税をもっと免税点を引き上げたり、あるいは撤廃、ことに文化関係では撤廃の意向もあったのかもしれませんが、直間比率を転換させていくというそういう方針からこれがしわ寄せを受けて、そうして三十円をわずか百円ぐらいに免税点を引き上げている。そういうことになると、これは非常に問題が大きくなるのであって、直間比率をどの程度にこれから間接税のウエートを置いていくのか。それからいまの付加価値税は当然やるものとして前提としていま進めているのか。それから付加価値税以外に間接税としてどういうものを考えて、直間の比率をもっと間接税にウエートを大きく置いてこれを転換させていくのか。その辺、いま作業中かもしれませんが、ざっくばらんにひとつその点を話してください。これは今後重要な租税政策のかなめになっていくわけですからね。ですから、そういうことになると、ここで今度の税制改正の全体として非常に重大な問題が基本にあるわけですから、そこのところをひとつ明らかにしてください。今後の直間の問題ですね、もう少し詳しく話していただきたい。
○政府委員(藤田正明君) 私が申し上げましたのは、消費税全体の体系の中においてこの入場税も当然考えるべき問題であると。その消費税全体の体系ということになりますと、直間比率ともやはり影響があるではないかということを申し上げたわけで、直間比率の問題がどうのこうのだから今回このぐらいの手直しでやめておいて、お茶を濁したと申しますか、若干の手をつけられたという意味合いではないのであります。そういう関連はございますということを申し上げたわけです。 それから付加価値税に関しましては、これは検討をいたしておる段階でございます。 なお、これは、主税局のほうからできるだけのお話を申し上げることにいたします。
○政府委員(吉田太郎一君) 直間比率の問題は、もう木村先生に申し上げるまでもないことですが、それ自身としての数字がそれほど意味があるものとは考えておりません。ただ、わが国税制のあり方というのが、大体二十年ぐらいを一つのきっかけとして常に見直してくるようなことでございました。それで、国会などの論議を通じましても、わが国の七〇年代以後の税制をどうしていくかということをこの際基本的にやはり見直すべき時期にきておるというように、そういう考え方がむしろ一般的になってきておるこの際、ひとつ税体系、あるいは税の負担、あるいは直接税・間接税のあり方を総合的に検討していこうということで、ことしの八月をめどといたしまして、そういう基本的な税制の見直しの作業を税制調査会で御審議を願っておるわけでございます。したがいまして、この消費税のあり方、あるいは、さらには先生の御指摘の付加価値税の問題、その他所得税、法人税も含めまして検討していかなくてはならないというのが今日の私どもの基本的な姿勢でございます。そういう意味からいたしますと、まず結論が先にあって、これをどうしていくかということではなくて、むしろきわめて客観的に諸外国の制度を研究していくということを同時に私どももいたしておるわけでございます。自由民主党におきましても、そういう趣旨かどうかは私どもは必ずしもはっきりは承知いたしておりませんが、視察団が御視察になった報告については私どももこれを非常に参考に供さしていただきたいとは思っておりますが、今日のところ、その付加価値税を、まずそれを取り入れるべきであるという前提で作業をいたしておることはございません。むしろ、この国会——もう間もなくこの四月あるいは五月ぐらいからそういう基本問題についての審議を白紙の段階でこれから進めていく。いままでむしろ中間報告ということで基本問題小委員会が中間報告をまとめ、これをあるいはお手元にもお届けさしていただいているかと存じますが、中間報告をまとめた段階でございまして、これについては将来の方向ということは一切出しておりません。ただ、消費税あるいは間接税のあり方ということが問題意識であるという指摘がされておるという段階でございます。
○木村禧八郎君 それがもう少しはっきりさせるべきだと思うんですけどね。実際はもう実施することを前提でやっているにもかかわらず、何かまだやるかやらぬかわからぬけれど研究の過程でというようなお話ですけれどもね。しかし、いま実施がおくれているのは、技術的にいま困難であるということなんですよね。そこなんですよ。だから、技術的に可能ならしめるには、とにかく徴税機構を一本化したり、それから所得税に対する付加税ですか、住民税を、それがすぐできれば実施したいというようなことになっていると思うんですよ、実際は。そうでなきゃ、来年から始まる第四次防衛計画の五兆八千億の防衛費ですね、そういうものをそうした増税体系に持っていかなかったら、まかなえっこないですよ。だから、そういうことが前提になっていながら、いかにも慎重審議で税制調査会の答申を聞いてからなんて、税制調査会はいつも大蔵省の諮問どおりに答申するんですから、最近ではね。そこをもう少し——選挙もあるから付加価値税なんというものは困るというようなそういう考慮があるのかもしらぬけれども、何か実際を隠しているように思うんですよ。もっとざっくばらんにはっきり言うべきじゃないかと思うんですが、どうなんですか。
○政府委員(藤田正明君) 自民党の内部におきましてはそういうふうな付加価値税云々と前向きの姿勢があることは、確かであります。しかし、大蔵省におきましては、ただいま吉田審議官が申し上げましたように、一応検討はする、白紙の段階において検討を始めるということでございます。
○松井誠君 いまの直間比率の話、確かに、審議官が言われるように、その数字そのものに本来意味があるわけはないと思うのですね。そうじゃなくて、直接税なら直接税が一体どういう構造を持っているか、累進的な構造を持っているかどうか、どの程度持っているかというそういうことがむしろ問題なのであって、直間比率がどうなったからどうしなきゃならぬというような理屈は本来出てくるはずはないと思うんですね。ところが、あなたはそう言われましたけれども、さっきの政務次官も、ついと言っちゃ悪いけれども出ましたし、いつでも直間比率というようなことがまず表面に出るんですよ。それが何か間接税増徴の理由であるかのような、それがあたかも大義名分であるかのような理屈がまず出るんですよね。まあそうでないということをお認めになりましたから、それはそれでけっこうですが、そうなりますと、つまり間接税の比率を上げるために入場税があるんだということでないんだとすると、一体どうしてこんなものを残しておくんだろうか。先ほど木村委員からもお話がありましたけれども、これはまあ茶飲み話の冗談ですけれども、大蔵省が入場税というものにこだわっておるのは労演とか労音があるからじゃないかと、そういううわさもあるわけです。どうも、われわれには、これだけのものにしがみついていなきゃならぬような合理的な理由というものが考えられない。それは、競馬や競輪などというものは、これは入場税の問題とは別に、かりに入場税をただにしたところで、あるいは入場税をただにしたところで、あがってくる売り上げから何がしかというものを納めさせればそれでいいわけですから、何も入場税の問題として考える必要もないわけでして、われわれこの入場税というようなものが、会場を使うとか何を使うとかというようなことの社会的なロスがあるんだから税金をかけるみたいな話を聞きますけれども、社会的なロスなんというものは、人間朝から晩まで必ずどこかの何かのお世話になっているわけで、そういうことを言ったら、税金は朝から晩まで全部かからなきゃならぬ。そういう社会的なロスの中でどれに一体課税をするかというのが、先ほどのお話じゃありませんけれども、やっぱり政策の問題なんですね。政策の問題の中に、ほんとうに庶民のささやかなレジャーというようなものにまで税金をかけなきゃならぬというその租税の目的というものを、政務次官にお伺いをしたんですけれども、やっぱりわれわれにはわからない。いわんや、それがほんとうに文化的な仕事に携わっておる人たちがしょっちゅう問題にしておる税金であるだけに、なおさら、一体税金の焦点はどこにあるのかわからなくなってしまう。もし、さっき次官が言われたように、これは中間的な手直しであって、いわば全廃ということをも含めての検討というものはこのあとにあるんだということがほんとうならば、そのときにもう一ぺん姿勢を改めて考え直していただくというわけにはいかないものでしょうか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(藤田正明君) 入場税がなぜあるのかというふうな御質問であるし、そうしてまた、その次に、考えられる余地があるかどうかということだと思いますが、娯楽施設利用税だとか、料理飲食等の消費税、通行税というふうな、同種のサービス課税と申しますか、そういうものの存廃にもこれはつながる問題だろうと思うのであります。全廃ということに関しましては、非常に慎重に、消費税全体の体系を見直した上で考えるべきものであろうと、かように思います。
○木村禧八郎君 ちょっともう一つ。この大蔵委員会調査室の資料ですけれども、「入場税の免税点の変遷」という資料があるんですよ。これで、「昭和二十二年四月、一円未満、一般に適用」「二十二年十二月、三円未満、一般に適用」とあるんですが、この昭和二十二年から貨幣価値がどのくらい下がっているか。二十二年を一としてどのぐらい物価が上がっているか。この間、二十三年にものすごいインフレがあるわけですがね。大体、いま、どのぐらいですかね。四百倍ぐらいですか。四百倍とすると、少なくとも、三円だと、三、四、千二百円ぐらいにしないといけませんわね、非常に単純な計算ですけれども。どうなんですかね。四百倍か、あるいは四百五十倍ぐらいでしょうね。
○政府委員(吉田太郎一君) 二十二年の十二月から試算をいたしますと、これを消費者物価指数に換算いたしますと、当時の一般免税点が三円でございまして、五・四八倍というところでございます。
○木村禧八郎君 消費者物価指数ですよ。昭和二十三年のものすごいインフレがあるんですよ、その間に。そんなもんじゃないですよ。
○政府委員(吉田太郎一君) 先生のお話しの六百倍は、昭和九年から十一年を一といたしました場合、六百倍近くになっておるわけでございます、六百十一倍でございますか。ところが、昭和二十二年では、九八・七四、約一〇〇に近いわけでございますので、それからいたしますと、むしろ六倍というところではなかろうかと思われます。
○木村禧八郎君 昭和二十二年の四月があるわけですが、四月を見てください。もう二十二年十二月はインフレが相当進行した段階ですわね。もう少し前からとらないとね。
○政府委員(吉田太郎一君) はなはだ申しわけございませんが、月で実はやっておりませんので、ちょっと……。いずれ後ほどまた調べまして御報告さしていただきたいと思います。
○木村禧八郎君 さっき私が四百五十倍とかなんとか言ったのは、昭和九年−十一年です。ですから、あなたの言われるのが正しいと思うんです。昭和九年−十一年を一とすれば、あのインフレ期を控えて、大体六百倍になるかもしれませんですから、二十二年四月が、もう少し前を見ると、あのころがものすごく上がっているんですよ。二十一年ごろからかな。そういうところから見ると、もっと、三百倍から四百倍ぐらいになるのじゃないかと思うんですがね。
○政府委員(吉田太郎一君) 消費者物価指数を基準にとりますと、昭和九年から十一年を一といたしまして、急激に上がりましたのが実は昭和二十一年でございまして、このときに約四十六倍、四十五・九二倍ということになっておるわけでございましてそういう意味からいたしますと、いまの先生の御指摘の二十二年四月の前の二十一年の四五をとりますと、ちょっと暗算で計算いたしますと、約十二倍ぐらいになるかと思います。
○松井誠君 じゃ、税金のことはそれだけにしまして、経済協力の問題でお尋ねをしたいんですが、この間お願いをしました調査団の報告書やあるいは経済協力の統計の数字をいただいたんですが、主としてインドネシアに対する経済協力の問題で、このいただいた統計によりますと、インドネシアの場合ですが、「協力意図表明済みであるが、供与取極の締結に至らないもの」、そういう供与締結に至らないものについて、たとえば円借款の場合に「含まない。」というようになっていますね。それで、ずっと含まないのかと思っら、そうじゃなくて、一番最後の「年度別援助取極状況」にはそれも「含む。」と書いてあるわけですが、これは、去年の六月ですか、インドネシアとの間の経済協力のいろいろな約束ができて、それに基づくものも、これは何枚目になるんですかね、このインドネシアに関する分の(8)というところがありますね、昭和四十五年にKR援助とか円借款とかいろいろありますけれども、注によれば、供与とりきめ締結に至らないものも含んでおるということになるんですけれども、これはそのように理解していいのかどうか。あるいは、一九七〇年にインドネシアとの間にいろいろな経済協力のとりきめができましたけれども、その大体の概略、これはいろいろなものに出ておりますから、詳しいことは要りませんけれども、大体の概略はどういうものか。それと、いま言いました「取極状況」と書いてある一覧表との関係、そういうものをお伺いしたい。
○政府委員(沢木正男君) 昨年度インドネシアにいわゆる援助を供与することを約束しましたのが、合計一億四千万ドルでございます。その中で、年度中に支払いが行なわれるものというものが、いわゆるBE援助、最近はDK援助と申しておりますが、それが五千五百万ドル、それからケネディラウンドの食糧援助が一千万ドル、それからプロジェクト援助で四千五百万ドル、そのほかにプロジェクトもしくは日本米の延べ払い輸出でやってよろしいという分が約二千万ドルございます。そこで、いまここの表で、「援助取極」と、それから「供与取極の締結に至らない」というのは、「意図表明」と申しますのは、それだけ将来援助をあげますという意味のコミットメントでございます。それから「供与取極」は、それが具体的にローンアグリーメントとして結ばれまして、支出をするということを経済協力基金なりあるいは米の延べ払いの輸出の場合には食糧庁との契約ができた段階で供与取り決めが締結されたというふうに言っておるわけでございます。したがって、その差は、主としてプロジェクトエードで出てくるということでございます。
○松井誠君 去年の新しい援助の約束というのが、あれですか、そうしますと、合計幾らですか。
○政府委員(沢木正男君) 一億四千万ドルでございます。
○松井誠君 そのうちに、BE援助というのが、DK援助ですか、というのが……。
○政府委員(沢木正男君) 五千五百万ドルでございます。
○松井誠君 この一覧表の、そうしますと、「円借款」の三百六十億、これは全部この協定に基づく商品援助ですか。
○政府委員(沢木正男君) その中で、プロジェクト援助が四千五百万ドル、それから商品援助が五千五百万ドル支出されるという意味でございます。
○松井誠君 全体の数字がよくわからないのですが、そういう千四百万ドルですか、それのいわば新規援助のほかに、前年度あるいは前々年度の協力の約束に基づくものを七〇年度以降具体的にどうしようという、そういう約束も去年の協定の中にはあったんじゃないですか。
○政府委員(沢木正男君) プロジェクト援助の供与分四千五百万ドルのうちには、六八年度で約束しましたプロジェクト援助の額、それから六九年度で約束しました。プロジェクト援助の額、それから七〇年度にコミットしましたプロジェクト援助から支出される分と、その三つが入っておるわけでございます。
○松井誠君 ああ、そうですか。それで一億四千万ドル。その一億四千万ドルは、繰り返してお尋ねをしますけれども、これの「取極状況」の四十五年度という分には、全部がそれの一部になるのですか。それは、そうじゃなくて、また別の取りきめの履行の部分になるのですか。その下の注の「供与取極の締結に至らないものを含む。」というのは、具体的にどういうものですか。
○政府委員(沢木正男君) ただいま御説明しましたように、昨年度供与を約束しました一億四千万ドルのうち、プロジェクト援助につきましては、そのコミットした分だけが必ずその年度に支出されるということじゃなくて、将来内容が固まってからローンアグリーメントを締結して支出を認めるという部分が含まれておるわけでございます。
○松井誠君 ですから、私の聞いておるのは、これは、そうすると、この注の「協定総額には……供与取極の締結に至らないものを含む。」というのは、ここに書いてあるのは、協定総額ということではなくて、取りきめの実施状況ですか。
○政府委員(沢木正男君) インドネシア側に将来も含めてこれだけ出しますと約束した額は一億四千万ドルでございます。しかし、七〇会計年度に一億四千万ドル全部支出することを約束したわけではないと、そういう意味でございます。
○松井誠君 そうしますと、その前の「円借款」の欄のところに、「供与取極の締結に至らないものは含まない。」と書いてありますけれども、いま言った一億四千万ドルというのは、そのうちどれだけの円借款かわかりませんけれども、それも、たとえば、その円借款の中には、ここには書いてないけれども、そういうものが将来あり得ると、こういう意味ですね。
○政府委員(沢木正男君) 一億四千万ドルの中には、二千万ドルを限度としました日本米の延べ払い輸出の額も入っておるわけでございます。それ以外は、大体円借款になります。
○松井誠君 いままでいろいろな意味でインドネシアに対する経済援助というような問題があったわけでありますが、政権が変わって何度か経済協力の約束をし、昨年は締めて一億四千万ドルという約束をしておるわけですね。これの具体的な条件というものを見てみますと、経済協力基金が多いようでありますけれども、これも年三分で約二十年です。ですから、援助で有償だという形ではありますけれども、実際上はもう無償に近いようなそういう援助です。一億四千万ドルといえば、先ほどこまかい税金の話が出ましたけれども、ああいうほうへ税金を納めている人にとってみれば、たいへんな数字だと思うのですね。それだけに、われわれは、一つでも神経をとがらさざるを得ないのでありますけれども、このいただいたインドネシアの北島ミッションの調査報告書、これはわりあい楽観的な報告書になっておるわけですが、その一年か二年前に小倉武一さんが外務省の依頼で調査に行かれたことがあって、それの報告もあるんじゃないですか。
○政府委員(沢木正男君) 私、ちょっとただいま記憶いたしておりませんが、その前に、アジア経済研究所に岸さんというインドネシアに非常に詳しい方がおられまして、それに調査を依頼したことはございます。
○松井誠君 私の間違いでした。小倉さんではなくて、いま言った岸さんら四人が、主としてアジア経済研究所から行かれたんですね。それの報告書の要旨というのが新聞に載っておるんですけれども、それの一部にこういうことが書いてあるわけですよ。「経済協力の仲介役をする日本商社は、プラントの現地売り込みで自社の利益を図ると同時に、政治献金までねん出しようとする傾向がある。」と、これはもう四十二年ごろの話でありますけれども、そういうことが、報告書を見ないからわかりませんけれども、、新聞の要旨の中には堂々と出ておる。先ほど一九六八年の経済協力の協定か何かのことがちょっと出ましたけれども、そのときのことを言うのかどうかわかりませんけれども、ちょうど昭和四十三年の夏ごろの新聞にも、商品援助だけではなくて、プラント輸出もあるようですけれども、一億一千万ドルのインドネシアに対する援助がきまって、もう商社は目の色を変えてもうけ口の確保に狂奔をしておるというようなニュースがある。インドネシアというのは、賠償のとき以来、何か汚職の代名詞だといわれるくらいに非常に黒い影というのがつきまとってきておるわけですね。そういう中でこの一億四千万ドルという約束をし、ちょうどわれわれがいまスカルノ政権の債権のリファイナンスの審議をしておるわけですが、そういうようにまたぞろならないという一体保証があるんだろうか、そういう疑惑を持たざるを得ないわけです。ただ、われわれ残念ながら具体的にこの資料をつかんでおりませんから、こういう点がこうで、だから具体的にはおかしいじゃないかという指摘ができないのが実はきわめて残念ですけれども、しかし、そういう疑惑というものにしょっちゅう取り巻かおれてる。それだけに、いわばスカルノ時代の債権債務の関係にしても、この問いろいろお聞きをしましたけれども、どうもやっぱり向こうとこちらの数字が五十万ドル違う。五十万ドルというと、一億幾ら、二億くらいになりますかね。われわれとしてはたいへんな数です。その五十万ドルがどこでどう消えたのか消えないのかわかりませんけれども、とにかくそれくらいの金が食い違うという、そういう非常にずさんなやり方のしりぬぐいをわれわれはいま審議をしておるだけに、何としてもその後のインドネシアに対する依然たる経済協力というのがどれくらい姿勢を正してやっておるのかという疑問を持たざるを得ないんです。 しかし、それはいわば疑問を表明するだけなんですが、ちょっとお伺いをしたいのは、先ほどもちょっと出ましたけれども、KR援助の食糧の援助ですね。その食糧の援助と最近の余剰米の処理という形での日本米の延べ払い輸出、これはどういう関係になっておりますか。
○政府委員(沢木正男君) 先ほど御説明申し上げましたように、一億四千万ドルのうち、ケネディラウンドの食糧援助でお米をともかく一千万ドル分をKRの食糧援助のほうの予算から出すというコミットメントをしておるわけでございます。ところが、インドネシアのほうは、それ以上にお米が足りないという状況がございますので、合計二千万ドルに達するまでプロジェクトあるいは日本からのお米の供給に応ずるというコミットメントが一億四千万ドルの中に含まれておったわけでございます。それで、一千万ドルのケネディラウンド食糧援助につきましては、三百万ドルを日本米の送り出しに使いまして、七百万ドルをタイ米を買いつけてインドネシアに持っていくと、それから一方、二千万ドルまでの額と申しました日本米の延べ払い輸出は、実際問題として承認ベーシスで七百四十万ドルの日本米の延べ払い輸出が契約されてインドネシアに出ていっております。そのうちの三百万ドルがケネディラウンドの食糧援助費でまかなわれ、千四百四十万ドルが延べ払い輸出の形でインドネシアに送り届けられると、こういうことになっております。
○松井誠君 そうしますと、先ほどタイ米という話がありましたね。これは年度はいつなんですか、去年ですか。
○政府委員(沢木正男君) 昭和四十五会計年度でございます。具体的には昨年の七月か八月ごろであったかと思います。
○松井誠君 四十五年といえば、いわば政府米の過剰が騒がれておるころだったんですが、そういうときに、KRの援助の一部としてであろうと、タイ米をやるというのは、どういうことですか。
○政府委員(沢木正男君) タイと日本との間には、貿易のアンバランスが非常に大きいわけでございまして、たしか、四十四年度の差額が二億八千万ドル、昨年度はそれが少し減りまして、私の記憶では二億三千万ドルか四千万ドルぐらいになったかと思います。ところが、タイのほうは、タイの輸出の中でお米が占めます割合が非常に大きいわけです。一時、戦後、日本はタイから四十五万トン米を買ったこともございます。そこで、タイといたしましては、日本が余剰米をさばくことによってタイが伝統的に保持しておる市場を日本によってつぶされるということに対しまして非常に強い不満を持っております。したがいまして、一部タイ米を買ってインドネシアに供給しまして、タイを助けると同時に、インドネシアのほうの需要も充足さした。それからインドネシア側としましても、お米が不足しますと、米価が上がって国内のインフレを増長するという問題がございます。タイ米の場合はトン当たり大体九十ドルぐらいで供給できるわけでございますが、日本米の場合は百四十ドル程度になります。したがいまして、そういうインドネシアに与える物価面の考慮と、タイとの貿易アンバランスでタイが日本に持っておる不満を解消すると、この二つの意味のかね合いをかねましてそういう措置をとった次第でございます。
○松井誠君 そうしますと、タイの側のそういう条件がなくならない限りは、少なくともKR援助ではやっぱりタイ米を一部買ってやらざるを得ないと、こういうことになりますか。
○政府委員(沢木正男君) われわれの考え方としましては、タイとの貿易アンバランスの解消ということが一面において非常に大きな問題としてあるわけでございますが、急速にこれを解決する方策は、いろいろな面で技術協力その他を拡大いたしておりますが、なかなか見つかりませんので、当分の間、そういう事態はある程度やむを得ないんじゃないかというふうに考えております。
○木村禧八郎君 二つ伺っておきたい。 一つは、これは時間がございませんから、概略の説明を聞いて、それから資料を出してもらってまたあとで質問したいと思います。それは、リファイナンスの問題ですね。前に、私、焦げつき債権の処理について質問したことがあります。このリファイナンスは、その後どうなっているか。結局、リファイナンスは、輸出入銀行から向こうに貸してやるんですよね。貸してやって、商社の焦げつき債権を返してやるわけですね、日本の商社に。それは、結局、輸出保険によって返してやるわけです。そうですね、輸出保険によって返してやる。その金は、結局、一般会計から入れるわけですよね。国民の税金なんですよ。国民の税金が回り回って、結局輸出保険に行って、それで焦げつき債権を処理してやる。その焦げつき債権を処理したあとは、商社はその債権の回収につとめなきゃならぬということになっております。その後どうなっているか。その焦げつき債権を輸出保険で処理してやりまして、それでどれだけの商社にどれだけの保険金を払って、どれだけの商社がどれだけ損害を受けて焦げついて、輸出保険でどれだけ払ったか。その後回収につとめたかどうか。その状況を資料として出してもらいたい。——わかりますか。
○政府委員(稲村光一君) ただいまの問題でございますが、商社といたしましては、延べ払い輸出につきまして、輸出保険をかけて延べ払い輸出をいたします。それで、それが期限どおりに輸出代金が受け取れないということになりますと、輸出保険特別会計からいわば保険金の補てんを受けます。そういたしますと、それに対しまして輸出保険特別会計としましてはインドネシアに対しましていわば代理の求償権を得るというかっこうになるかと思います。したがいまして、商社のほうといたしましては、それで一応いわば保険による損失の補てんというのを受けるわけでございます。これはまあ保険の当然の結果で、何も繰り返し申し上げるあれもないと思います。それに対しまして、今度は、政府ベースの問題といたしまして、インドネシアに対する、まあ政府と申しますか、インドネシア政府に対する援助といたしまして、そういうものに基づきます日本の債権を若干繰り延べてやろう、こういうのが前回の繰り延べの趣旨でございます。これを、現実問題といたしましては、輸銀がインドネシアの中央銀行に対してその資金を供与いたしまして、それで繰り延べをしてやる。これは、三回にわたりまして、総額五千八百八十万ドルの繰り延べ——三年間にわたりましたが、取りきめをいたしたわけでございます。そういう状況であったわけでございまして、それに対しまして、そういうような繰り延べの措置、これはまあ日本の政府の対インドネシア政府、具体的には中央銀行になりますが、それに対する援助というかっこうでございます。それに対しまして、インドネシアの経済がその後各国のそういうような援助の効果も次第に出てきた。あるいはインドネシアの政情が安定をしてきたということもあったかと思いますが、その後、インフレの高進にいたしましても、インドネシアの財政の状況にいたしましても、次第に好転はいたしてきているわけでございますが、しかし、これはまだひとり立ちできるという情勢では全くないということでございまして、これに対しまして、各国債権国が寄り合いまして、現在の再建のきざしを見せかけているインドネシアの経済をさらに安定的に将来ほんとうに自立できるようにというところまで持っていくためには、スカルノ時代の旧債権は、みんな寄り合って、ひとつもっとソフトな条件に延ばしてやろうと、こういうことをしないと、せっかく再建のきざしを見せてまいりましたインドネシアのほんとうにその再建が実現するためにむずかしいであろうということで、スカルノ時代の債権を今回ソフトな条件で繰り延べをさらにしてやろうということを国際的にそういう合意ができたわけでございまして、今回のはその分でございます。
○木村禧八郎君 その御説明はけっこうです。そういうことを聞いているんじゃないんですよ。この前問題にして、いきさつはよく知っているわけですよ。ですから、焦げつき債権の問題を聞いているんですよ、商社の焦げつき債権ね、インドネシアの。その焦げつき債権の処理としまして数字を要求しているんですよ。結局、一般会計から輸出入銀行にどれだけ入れたか。それはリファイナンスで、向こうの中央銀行に貸すんですよね。中央銀行が、結局、今度は商社に払う——いや、そうじゃないか。商社のほうは輸出保険によってそれを受けるわけです。ですから、それは、結局、一般会計から輸銀に行って、それが向こうの中央銀行に行って、それが商社の焦げつき債権のほうに回り回っていくというそういう経路ですよね。それを、数字的に、一般会計からどれだけ輸銀に行って、それがつまりリファイナンスでしょう。リファイナンスというのは、中央銀行に肩がわりしてやるわけですよね。肩がわりということですね、リファイナンスということはね、金融の。それがその後どうなったかということを聞いているんですよ。それで、輸出保険法によりますと、結局、その後回収につとめて、それでこれを納付しなきゃならぬことになっているんです。それが一つ——とそれは数字的に出してくださいよ。それは理屈を聞いているんじゃないですよ。その計数はどうなったか。それで、あれは、東洋棉花とか、日綿とか、岩井産業とか、前に資料を出してもらいました。その商社がみんな献金していることを献金の額も出してもらったことがあるんですよ。その献金と、輸出保険で焦げつき債権を返してもらった関係を、前に国会で問題にしたことがあるんです。ただ、その後の処理がどうなったかというんです。輸出保険法によると、回収につとめてこれを納付しなきゃならぬことになっているんですよ。輸出保険の関係、それが一つと、もう一つは、当時も問題にしたんですけれども、その後どう処理されているか。輸出保険法によると、「輸出保険の保険契約の保険料率は、この法律による政府の保険事業の収入が支出を償うように、政令で定める。」と。その後焦げつき債権が相当できまして、それで保険会計からこれを返してやったんです。焦げつき債権を肩がわりして返してやったんですね。したがって、この保険会計は、保険料を引き上げて償うようにしなきゃならない。その後、保険料の改訂をやったかどうかこの点ですよ。そうしませんと、これは——輸出保険法の第一条の四「(保険料率)」というところがあるんです。当時も問題にしたんですよね。当然これは保険料を引き上げて収支償わなきゃならない。ところが、実際は、この保険会計は、政府のほうからの一般会計から国民の税金で保険のほうに出資をして、そしてそれによって焦げつき債権が支払われていますね。本来は、保険料を引き上げなきゃいけないんですけれども、保険料が引き上げられていないんですよ。その二点を伺って、それで資料を出していただいたら、それをもとにして御質問したいんです。それを出していただけるかどうか。
○説明員(山口衛一君) ただいまの木村委員の御要求に対しまして、まず第一に、資料のほうは、できるだけ出すようにこまかく調べます。 それからいまのお話でございますが、保険会計といたしましては、昭和四十一年の一月、一九六六年の一月からでございますが、それから昨年の暮れまで、四十五年末までの合計で、支払いました保険金の総額は、邦貨にいたしまして百五十九億六千三百万円ということになります。四千四百三十万ドルでございます。これに対しまして、同じ期間に四十五年末までに回収いたしました金額は、百四十三億二百万円でございます。すなわち、三千九百七十万ドルとなります。こういうふうに回収いたしまして、その大部分は、御指摘のような輸銀のリファイナンスによっているというような計算に現在なっております。その商社の概要につきましては、後刻また資料として差し上げます。
○木村禧八郎君 そうしますと、十六億六千三百万円がまだ回収されていないということになるわけですね。
○説明員(山口衛一君) そのとおりでございます。
○木村禧八郎君 そうすると、私の質問の趣旨はわかりましたね。さっき言いました一般会計から輸銀に出して、輸銀が、向こうの中央銀行ですか、リファイナンス契約で向こうに援助して、それでそれが結局保険の支払いになったということです。そうすると、いや、保険料の改定というのはやらないでいいわけなんですか。いまのあれですと、大体十六億。ですから、商社は回収して返すわけでしょう。納付するんですね、政府に。それが順調にいっていると。十六億六千三百万円がまだ未回収であるけれども、それは今後順調に回収される見込みなのか見込みでないのか、それは商社別に資料を出してもらいたい。
○説明員(山口衛一君) ただいま御指摘の十六億円につきましては、その大部分が昨年一年間におきまして出たものがかなりの部分を占めております。この点につきましては、リファイナンスによる回収を一応予定はしております。したがいまして、保険料の引き上げとかいうことは現在考えておりません。
○木村禧八郎君 それはどういうことなんですか。保険料を引き上げなくても、リファイナンスによってまかなうということなんですか。
○説明員(山口衛一君) 従来のような形式によりまして、そのように期待しております。
○木村禧八郎君 何だかよくわからないですね。おそれ入りますが、もう一度答弁していただけますか。
○説明員(山口衛一君) ただいまの御説明をもう一ぺん申し上げます。 十六億円余の差額につきましては、その大部分が昨年の一月から十二月までの間に支払われております保険金の額に当たります。全部ではございません。この回収につきましては、現在御審議があります輸銀の今後の支出、リファイナンスによりまして私どもとしてはそれが入ることによって保険金が回収されるというふうに考えておるわけでございます。つまり、それ以前の金額がリファイナンスによりまして保険金が回収されましたと同様の形によりまして回収をされるというふうに考えておるわけでございます。
○木村禧八郎君 わかりました。そうしますと、百五十九億六千三百万円ですね、これだけが焦げつき債権で、それに対してこれまで百五十九億六千三百万円リファイナンスされたということなんですかね。そこのところがよくわからないんですよ。リファイナンス、リファイナンスと言っているけれども、それはどういうことなんですか。さっき昭和四十五年末で百四十三億二千万円ですか、これだけが——百五十九億六千三百万円保険金が支払われて、そのうち百四十三億二千万円がリファイナンスされたということなんですか。私が聞いているのは、焦げつき債権をこの保険金から払って、もう商社との間には焦げつき債権のあれはもう払われちゃったんでしょう。焦げつき債権は払われちゃった。問題は、この保険法によると、その後この保険法によって債権を回収された場合は、その商社がこの回収につとめなきゃならぬ。債権の回収につとめて、返ってきた分は納付しなきゃならぬ。政府に返さなきゃならぬ。その関係を聞いているんですよ。ですから、いまのあなたのお話は、政府のほうの一般会計から輸銀に出資されて、それが結局この輸出保険特別会計に払われて、それによってリファイナンスされたということを言っているんでしょう。ですから、それはこの保険会計で収支を償うということじゃないと言うんですよ。この保険会計では、そういう損害が生じた場合には、保険料を引き上げて、保険料によって収支を償わなきゃならぬということになっているんですよ。保険料で償わないで、そうして政府のほうの出資で収支を償っているから、この法律に違反すると言うんですよ。これは第一条の四に、「輸出保険の保険契約の保険料率は、この法律による政府の保険事業の収入が支出を償うように、政令で定める。」と。そうすると、保険事業の収入というのですから、政府からの出資によって償うということは書いてないんですよ。ですから、この前も問題にしたんです。焦げつき債権の処理については、この保険会計で保険料率を上げるようにしなきゃいけないのを、一般会計から輸銀に出し、輸銀から保険特別会計に行くんですよ。それで処理しているんですよ。それをもっと計数的に出してください。一般会計から輸銀にどれだけ出て、輸銀からこの特別会計ですか、輸出保険特別会計にどれだけ出て、それが今度は商社に、どういう商社にどれだけ保険金としてこれが支払われたか。商社別にですよ。前に出してもらったことが一回あるんですから、調べればすぐわかりますよ。それがどれだけ商社が努力して、その後回収に努力して、どれだけ政府に納付したかというんですよ。そうでないと、結局、国民の税金で焦げつき債権を処理したことになるんですよ。だから、この法律では、その後、焦げつき債権を国民の金で処理してもらったから、その後は回収に努力して——回収されなくちゃしようがありませんけれどもね、保険ですから。努力して回収された分があったら政府に納付すべきだというのがこの法律のたてまえなんですよ。それをどうして処理されたか。だから、資料として、商社別にどれだけ保険金を払って、そうしてそれがその後どれだけ商社が回収に努力したかしないかということですね。それと関連して、保険料率の改定をやったかやらないかということですよ。 それから時間がありませんからもう一つ聞いておきますが、さっき言いましたように、インドネシアの債権につきましては、ソフトな条件で債権処理ができるようにしてやるというんでしょう。ところが、ソフトの条件というのはかなり政治的なものですわね。コンマーシャル・ベースじゃないでしょう。コンマーシャル・ベースじゃないということは、輸出入銀行のベースに乗らないんです。これは海外協力基金のベースですよね、ほんとうは。前に法律を改正したでしょう。輸出入銀行法を改正して、そうしてソフトローンみたいな政治的なものは海外経済協力基金でやるというふうに改正したはずですよ。それをまた輸銀でやるというのはどうもおかしい。本来なら、そうしたいわゆる政治的なソフトローンみたいなものは海外経済協力基金でまかなうということに前に法律改正をしたように私は記憶しているんです。だから、海外経済協力基金法に基づいて基金ができたんでしょう。そういう経過になっているんですよ。それを依然として輸出入銀行でやるというのは、どうもたてまえが何か混乱しているように思うんですがね。
○政府委員(稲村光一君) ただいま御指摘の点に関しまして、二点お答え申し上げたいと思います。 第一点は、保険との関係でございまして、先ほど私が保険のほうで代用すると申し上げましたが、これは技術的に申しますと誤りでございまして、訂正をいたしますが、実際的にはそういうことでございますけれども、法律的にはそうではないようでございますので、これは、御指摘のとおり、保険の支払いを受けました者が回収をする義務を負うということでございますが、これにつきましては、輸銀のリファイナインスによりましてインドネシアの中央銀行に金が参りますから、それが商社に戻りまして、そしてそれによって会計としては回収を受けるということできれいになる、こういうかっこうになります。この点、若干補足して御説明をいま申し上げたわけでございます。 それから資料につきましては、先ほど通産省のほうから申し上げましたとおり、通産省のほうで調製をいたしてできる限りのところで提出をいたせようと存じます。 それから次の、ただいまの今回の措置につきまして、なぜ輸銀でやらせるということにして基金ではないかと。確かに、御指摘のとおり、今回の債務救済措置は、無利子、三十年という非常なソフトな条件でございますが、しかし、これを輸銀でリファイナンスということでいたしましたのは、今回のはスカルノ時代の債務に関するものでございまして、総額で大体九千三百七十万ドルぐらいになるわけでございますけれども、そのうちの五千八百八十万ドル、これに利子を加えました分、これは、先ほど申し上げましたとおり、三回にわたりまして輸銀がリファイナンスを行なった分でございます。そのほかに、まだデューの来ておりません分で商社の分、それが千六百九十万ドルございます。全部合わせまして九千三百七十万ドルに相なるわけでございますが、それは、ただいま申し上げましたとおり、スカルノ時代の延べ払い、直接まだリファイナンスになっておりません分につきましても、これは商社が輸銀の貸し付けを受けまして行なっております分でございます。したがって、リファイナンスの分、それから今後デューが来ましてできます分を入れまして、ほとんど全部が輸銀関係の債権ということでございますので、これをやはり債権管理その他の面でやはり今回のこの債務救済措置につきましては輸銀の債務救済措置ということで処理いたすのが最も適当ではないか、こういうふうに考えまして、御提案を申し上げている次第でございます。新規のインドネシアに対する援助につきましては、これは、先ほど先生御指摘のとおり、ソフトな条件の借款の供与を要しますので、それは基金、先般法律改正を行ないまして可能にしていただきました法に基づきまして、新規の援助につきましては基金をもってインドネシアに対する援助を行なう、こういうことにいたしておりますが、今回の分につきましては、ただいま申し上げましたとおり、そのほとんど全部が輸銀関係でございますので、したがいまして、債権管理の都合その他を考えますと、やはり特殊なものとして輸銀が担当するのが適当ではないか、こういうふうに考えた次第でございます。
○木村禧八郎君 じゃ、あとで資料を出してください。結局、こういうことになるんでしょう。政府から国民の税金から輸銀に金を貸して、輸銀が向こうの中央銀行に貸して、向こうの中央銀行が今度は商社の焦げつき債権を返すわけですね。そして、手続としては、今度は商社が、向こうの中央銀行が、ああそうだ、商社に返す。結局、回り回って国民の税金で焦げつき債権を処理して、結局、今度は、その回収は具体的には輸銀になるわけなんですね。輸銀が向こうの債権を持つ、それだけね。それは回収されていないわけです。だから、されてないから、また今度貸すということでしょう。そういうことですよね。国民の税金できれいに商社には払っちゃった。焦げつき債権はない。国民の税金で処理してやったということになるんですよ。それで、輸銀が今度は債権を持って、その債権まで回収されないということですね、結局は。
○政府委員(稲村光一君) 輸銀に対しまする従来の債務救済につきまして、これは一般会計の関係はございませんで、輸銀に対しましては産投特別会計からの出資のみでございますから、そういう意味では間接的と申しますかのあれはございますが、この今回の分につきましては、これは一般会計から無利子の貸し付けということで処理をいたしたい、こういうふうに考えておりますが、これは確かにそういう意味で一般会計のまあ輸銀に対する貸し付け金ではございます。したがいまして、将来、これがとりきめに基づきまして、まあ三十年に延びますけれども、これによってインドネシア側から三十年にわたって返済が毎年毎年ございますが、それに基づきまして輸銀はそれを一般会計に返していく、こういうかっこうで処理をいたしますので、国民の税金に関係がないとは申しませんが、そういう意味で法律案を御提案いたしまして御承認をお願いしているわけでございます。
○木村禧八郎君 その資料を出してください。国民の税金に関係ないなんていうそんな認識じゃ困りますよ。一般会計から輸出入銀行にこれまでどれだけ出されて、それが向こうの中央銀行にリファイナンスされてどれだけ輸入したか。みんな国民の税金なんですよ、回り回って。あなた、関係がないことはないなんて、そうなんですよ、結局。それで国民が商社の焦げつき債権を返してやったということになっているんです、結局。そして、輸出入銀行がインドネシアに対して債権を持つということになっているわけですよ。肩がわりしたわけですよ。国民が税金で商社の焦げつき債権の肩がわりをしているということです。だから、商社が政治献金しているんですよ。そういう関係がちゃんとある。ですから、税金に関係ないかもしれませんがなんというものではないのであって、そういう関係をはっきりさせなきゃいけないんですよ。だから、資料として回り回ってどうなったということをよく説明しないと、国民にはわからぬですよ。非常にややこしくなっている。それで、みんな交換公文でやったんでしょう、リファイナンスのね。だから、国民にわかるように、どういう経路でこうなったということをわかるようにひとつ資料を出してくださいよ。それで、わかるように図式的に、こうこうこうなって、そしてこの輸出保険特別会計に入って、そして結局保険料を引き上げないで、こういう操作によって焦げつき債権を処理したんだということを図解でわかるようにしてくださいよ。資料をひとつ研究して出してください。
○政府委員(藤田正明君) 御要望の資料を提出いたします。 〔委員長退席、理事玉置猛夫君着席〕
○松井誠君 いまの輸出保険のことなんですが、私もこの間輸出保険会計全体の帳じりをちょっと見たんです。いま手元にありませんけれども、それによりますと、納めた保険料よりも、支払った保険金額のほうが確かに上回っておるですね。しかし、回収金というのがあって、その回収金というのを差し引きますと、払った保険料のほうが、支払った保険金よりも多いと、そういうようにあの表を見ていいのかどうかわかりませんけれども、私はそう思った。それならまあいいなと思ったんですけれども、なるほど、いま聞いてみれば、回収したことになっておっても、それはどれがしかの金額は国の一般会計から入った金がリファイナンスという形で回収したという形になっているだけ。だとすると、ほんとうに収支全体を合わせるというと、保険料と保険金額、その回収を含めて、どうなるかということがやっぱり問題になるんじゃないか、こう思うんですが、そういう理解でいいんですかな。それは、先ほど木村委員から保険料率のきめ方について話がありましたが、もしそれが輸出保険会計全体の収支について保険料率をそういうことで考慮しろという趣旨でもしあるとすれば、保険会計全体の帳じりも合わして資料としてほしいと思うんです。
○説明員(山口衛一君) いまの御質問でございますけれども、保険会計全般は、現在、七種類、非常に種類が多うございますけれども、リファイナンスその他の形式は別にしまして、保険会計そのものにつきましては健全かつ順調な運営をさしていただいております。したがいまして、料率につきましても、特別に上下させるということは現段階では特に考えておりません。御指摘の資料につきましては、御理解できる範囲の資料をできるだけつくって差し上げたいと思います、保険会計全体につきましての資料であれば。それでよろしゅうございますか。
○松井誠君 ですから、輸出保険の会計を見るときに、一般会計からそういう金がもし入ってこなかったとすれば、あの回収金というものはもっとよほど減っておったんではないか。そうすると、その保険料で保険金をまかなうというそういうことが一体どういう形になるのか。もしそういう関連があるとすれば、リファイナンスすることによって保険金が回収をされたことになるわけでしょう。回収されたことになるわけだけれども、しかし、自力で回収したのではなしに、いわば一般会計からそれこそ税金で回収した形になるだけ。だとすると、保険料の範囲内で保険金をまかなっておるというような形とは違って、いわば税金の助けをかりてどうにかまかなっているということになるわけですから、ですから、回収金というものの中に、いわばリファイナンスによって回収された形になっているものがどれだけかというものも考えなければならないだろうと思う。もしそういう理解が間違いないとすれば、そういう輸出保険会計全体の資料、帳じりだけですが、それもほしいという意味なんです。
○説明員(山口衛一君) ただいまの資料をできるだけ準備いたして差し上げるようにいたします。 一言付言さしていただきますと、輸出保険会計全体の資金が非常に種類が多いのに、一応全部一種のどんぶり勘定で収支がまかなわれております。したがいまして、現在までのところでは、これに基づきまして、もとになります資金もそれほどほかの国の保険等に比べますと十分な金があるわけではございませんので、これまでのところでは、商社の回収努力、それからまた、ただいま御指摘がありましたような特殊のこういうリファイナンス方式というものによりまして、一応順調な経過をたどっております。いまの御指摘の、リファイナンス等がないというような形の仮定でございますけれども、計算は一応できます。そういう点の御理解ができるような資料をつくってみたいと思います。よろしゅうございましょうか。
○松井誠君 経済協力を終わりにしたいと思うものですから、もう一つだけお聞きしたいんですが、それは、南ベトナムのことなんです。けさ、南ベトナムの調査団の報告書の「要旨」というものをもらいました。二、三分で読める、ほんとうに新聞の片すみに載っておる記事程度のものですね。要旨の名に値しないで、具体的な事実としては何一つ載っていないような要旨なんです。しかし、これは現在非常に重要な時期でもありますのでお伺いをしたいのですが、最初に、いただいたこの資料ですね、この資料には南ベトナムの賠償の問題は載っておりませんけれども、これは私の要求したのは四十年からのものであって、賠償は四十年には終わっておるというそういう関係で載っていないのだろうと思いますが、その賠償の大部分というのは、あのダニムダムの建設に使われたわけですね。
○政府委員(沢木正男君) 大部分がダニムダムに使われたものでございます。
○松井誠君 ことしのこの予算を見ますと、大蔵省の所管の経済協力費の中に、ダニムダム修復特別援助費というのがあって、これは六億八千七百万ですかあるわけですね。 〔理事玉置猛夫君退席、委員長着席〕 これは、賠償の大部分が行ったダニムダムが戦争でこわされた、それの修復としてという意味なんでしょうけれども、これは修復としては初めてなんですか、何度目ですか。
○政府委員(沢木正男君) ダニムダムが完成いたしまして、サイゴンに対する電力供給を開始しておったわけでございますが、戦乱によりましてペンストックが破壊されまして、かつ、サイゴンに対する送電線が寸断された状況になっております。そこで、ベトナム側はそれを改修してほしいという要望がございまして、そこで、本来、賠償でやりましたものでございますので、予算でもってそれを修復してやるということをきめたものでございます。
○松井誠君 ですから、ことしのダニムダム修復というのは、修復としては初めてか、あるいは、その前ぐらい、いつごろから始まったのかということです。
○政府委員(沢木正男君) 四十五年度予算に計上いたしましたのが初めてでございます。
○松井誠君 そうして、ダニムグムを修復をする一方で、このいただいた資料によりますと、ベトナムに対する円借款の中でディーゼル発電機というのがありますね。これはまあこれからあと供与をするというのでありましょうけれども、ディーゼル発電機という資料もありますし、ディーゼル発電所という資料もありますが、どっちなんですか。これは発電所全体のプロジェクトなんですか。
○政府委員(沢木正男君) これは、サイゴンに難民が非常にたくさん流入いたしまして、サイゴンの電力が非常に不足しておるという状況でありまして、それに対してディーゼル発電機を供給した分についての金融でございます。
○松井誠君 ダニムダムにしても、この円借款でやろうとするディーゼル発電機、これもやはりサイゴンだそうでありますが、サイゴンというのが、ほんとうに戦火がおさまって安定をしたという見通しは別にないわけでしょう。いまこそ小康状態を保っておるとは言うものの、この調査団の要旨の中からもうかがえますけれども、将来について必ずしも保証がない。そういうときに、全くむだになってしまったダニムダムをもう一ぺん修復をする。そのほかに、新しく発電所をつくっていく。こういうことがまたもとのもくあみになってしまわないという保証がないという現在の段階、南ベトナムに対する経済協力の基本的な姿勢というものが、この調査の報告書では、もちろんこれは調査団の報告書でありますからよくわかりませんが、一体どういう姿勢でやろうとするのかですね。この調査団の報告書では、これは原文ではどういうようになっておるか知りませんけれども一番最後のほうに、「治安その他の考慮からも問題のないものに対する経済協力を検討する」と。「治安その他」ということばがどういう含みなのかよくわかりませんけれども、とにかく現に内戦あるいは侵略戦争というものが行なわれておる段階に対する経済援助でありますから、いろいろな意味で問題があるわけです。次官にお伺いをしたいんですけれども、普通のいわゆる開発途上国に対する経済援助とは性質が違う。そういうときに、どういう基本的な姿勢でやるおつもりなのか。
○政府委員(藤田正明君) 現在の南ベトナムの状況についてはいろいろな見方があると思いますが、大体において戦闘は縮小してきたというふうな見方ができると思うのであります。戦闘の縮小に伴いまして、民生の安定と申しますか、そういうことを第一義といたしまして、民生の安定ということに対する援助をやっていくというふうな姿勢であります。
○松井誠君 民生安定という抽象的なことばだけでは、具体的なことがよくわかりません。夜まっ暗だから電気をつけてやるのもそれは民生安定でありましょうし、あるいは、足りない食糧を補給してやるのも民生安定でありましょうけれども、少なくとも経済ということよりも、とりあえず民生安定ということになるのは当然ではあろうとは思うのですね。しかし、こういうことを私がお尋ねしますのは、御承知のように、ここ一、二日に出ておる新聞のニュースによりますと、何かバス二千両と何とかというものの経済協力の要請があったという話でありますけれども、これは、軍事力——直接的に、あるいは間接的にはもちろんでありますけれども、直接的にも、そういう軍事力の増強というものにおそらくはつながる。そういうものに対する政府の姿勢ですね。たとえば弾だとか鉄砲だとかというそういうものだけではなくて、少なくとも戦場で直接役に立つそういう物資の援助、これは明らかに軍事援助ですね。バスというのは、それはいろいろな使いようがありましょうけれども、二千台というのは膨大な数字ですけれども、しかし、ともかく、これが、いまの状況から考えれば、軍事援助そのものであるか、それに非常に近いものになる。そういう援助についての政府の基本的な姿勢というのはどういうことなんですか。
○政府委員(沢木正男君) 新聞に出ておりましたバス二千台その他の援助につきましては、先週、サイゴンにおきまして、ベトナム政府からそういう要望がわが国の現地大使にあったわけでございまして、それについて現在簡単な電報の報告があったのみでございます。したがいまして、いずれ書類が参りましてから検討を加えるということで、援助の具体的な内容、あるいは目的その他については、判明いたしておりません。
○松井誠君 具体的にこの問題にどういう答えを出すかということのいわば前提として、軍事力の増強に直接つながるようなそういう援助について政府はどういう姿勢をとるかということです。
○政府委員(藤田正明君) 軍事力の増強につながるとかつながらないとかということは、なかなか判定が困難な問題であろうかと思うのです。たとえば、ただいまのようなバス二千台ということになれば話は別でありますけれども、バス二台、三台においても、あるいは医療品を積んでいったトラックも、それがどのようにあと使われるか、軍事力の増強につながっていると言われれば、これはもう何とも言いようのないことでございまして、その辺の見解はなかなかむずかしいと思いますが、政府といたしましては、民生の安定を第一義といたしまして、難民の救済なり孤児の収容なり、救済、あるいは電力の供給なり、直前いま困っているものに対する手当てを主としておるわけであります。軍事力につながるつながらぬというのは、なかなかむずかしい問題でございますが、一切軍事力につながるような援助はいたしたくない、この姿勢ははっきりいたしております。
○成瀬幡治君 ちょっと関連して。これは意見なんですが、チンコム協定なりココムの協定を日本が結んでおりますね。それをアメリカとの間に結び、それを実施しておるわけです。それは何かというと、民生ではないんだ、これは軍事品ですよということの基準を日本政府は海外に示しております。だから、基準はあるんです。それは、バスは入りませんですよ。だから私は、日本の基準はあると思う。あなたはバスがないと、こうおっしゃるけれども、日本はそういうものを示しておるというふうに理解をしております。それが違っておるというなら、じゃチンコム協定やココム協定はどうなんだということをもう一ぺん政府は明らかにしなければならぬと思います。
○政府委員(藤田正明君) ただいまのおことばでありますが、チンコムにもココムにもバスは入っておりません。制限の中に入っておりません。それからまた、南ベトナムにまだバスを出したということはございません。いまそういう話があるということでございます。
○鈴木一弘君 最初に、海外経済協力の関係で、インドネシアのDK制度、この商品援助のことでリストをいただきました。これを見て若干聞きたいことがございますが、DK援助によって輸入できる品目は、A類つまり最重要品目とB類つまり重要品目である。C類、D類という重要性の少ないものについては、一般の輸入制度による輸入が認められるのみであると。そうすると、私が前回質問しましたのは、冷蔵庫であるとかルームクーラーであるというような大衆製品でないようなものがインドネシアの商品に統制がある。この問題は、いまの一般輸入ということで入ってきたと、こう理解してよろしゅうございますか。
○説明員(川口嘉一君) おっしゃいますとおりでございまして、通関統計等によりますと、そういう御指摘の品目も入っておりますが、これは、説明にも書きましたように、商品援助の対象品目にはなっておりませんので、一般輸入という形で入ったものと了解いたしております。
○鈴木一弘君 もう一つ、その問題はよくわかりましたですが、インドネシアの最近の発表では、大蔵省——インドネシアの大蔵省ですが、そういうところから、日本の商社に対してのいわゆる商社活動に対しての規制として、再登録を実施させ、事業所を国内に一カ所しか設けてはいけないとか——事務所ですか、あるいは、税制等についても、本国からの運転資金を送金してきたときはその金額の二〇%に課税をするとか、そういうようなことが発表されたり言われているわけでありますが、きょうもずっと輸銀の審議がされたわけでありますけれども、かなり手厚いものをわが国は考えているのに、一方でこういうふうにだんだん投資であるとかこういうことが一段と規制がきびしくなっていく。これは、私どもとしては、政府のほうでは手厚くしているのに、向こうからは手きびしくたたかれていくというような感じを受けてならないわけですが、その点についてどういうふうになっているのか、ちょっと伺っておきたい。
○政府委員(沢木正男君) インドネシアにおきましては、経済の回復と同時に、ことし総選挙の関係もございまして、だんだんナショナリズムが再び強くなる傾向が認められます。その第一の段階といたしましては、外資を導入する導入品種につきまして業種をある程度しぼりたい。それで、ある種の企業につきましては外資の導入を認めず、インドネシアの住民に対してのみの業種を認めるという考え方、それから諸外国の商社の活動に対しまして課税をするという考え方、そういうものがぼつぼつ打診の程度で現在出てきておりますが、まだ実施される段階には至っていないものもございます。しかしながら、そういうふうな傾向につきましては、日本だけが差別的に取り扱われるということでありますれば非常に問題でございますが、必ずしも日本だけを差別的に扱っている問題でもございませんので、ほかの援助供与国とも意見を交換しつつ、現在、注意深くその対策を考えておるという段階でございます。
○鈴木一弘君 昨年末に、インドネシアの商務省ですか、規制を発表しているわけですけれども、その内容と、それからこれから予想される内容ですね、これがだいぶ課税等がきびしくなったり、免税期間がなくなってくるとか、いろいろなことが出てくるようでございますし、外国からの投資についての規制というものもかなりきびしくなってくる。いま対策を考えたいということがございましたが、インドネシアでこのところで一段ときびしくなった外資の投資に対しての規制と、今後予想される大体の方向、それに対応していま考えたいと言われましたので、どういうふうに考えているかということをお伺いしたい。
○政府委員(沢木正男君) これは、課税問題なんかでは、今後日本の商社あるいは事業会社がインドネシアと国内とで二重課税になるというような点は、ほかの国につきましては二重課税防止条約その他をつくりまして二重課税にならないようにいたしておりますし、かつ課税の基準あるいは方法につきましてきわめて経済原則からはずれるというような問題が生じました場合には、二国間交渉をすることもあり得ようかと思います。ただ、投資の分野の規制につきましては、きわめて高い技術を必要とせず、国内の事業者にまかされるような問題、たとえば最近一件起こりました問題は、靴をインドネシアで製造するというのに対して合弁申請しましたところ、靴の、製造ということはインドネシア人に限って行ないたいということでこれが不許可になった例もございます。そういうような問題につきましては、ある程度インドネシアのナショナリスティックな——ナショナリスティックと言っては語弊がありますが、国内産業保護という立場も十分尊重してかかる必要もございますので、目下そういう点の出方を注意深く見ておるという段階でございます。
○鈴木一弘君 先ほど申し上げたような、現在まで向こうで発表された規制と、これからの大体どんなことを向こうは考えておるかということを、リストにしていただきたいと思います。
○政府委員(沢木正男君) 先方が発表しました規制の内容は直ちに提出できますが、われわれのほうがどういう政策をとるかということは、まだ全般的に出そろっていない問題もございますので、政府としてもまだ関係各省協議して意見がまとまっておるわけではございません。したがいまして、対策のほうは御容赦願いたいと思います。
○鈴木一弘君 じゃ、対策のほうは別として、こっちのほうはよろしくお願いしたいと思います。 それからこれは発展途上国に対してわが国がいろいろやっていく。特に海外の資源開発ということの計画があるわけで、そういう問題ということが、援助と資源開発、これがその関連がどうなっていくかということはこれからの大きな問題になろうということがよくわかるわけであります。大蔵大臣の答弁を聞いていましても、資源確保ということを優先にしているのではない、あくまでも相手国に対する経済繁栄というか援助というのが第一義であると、こういうふうに言われているわけでありますけれども、それでは、じゃ、わが国の資源対策と経済外交の問題と、こういうのがぶつかり合っていったんではならない。逆になってしまっても困る。特に、開発途上国というのは、資源を保有している国が多いわけでありますから、相手の主権をそこねるようでもいけないし、相手の政策をひん曲げてしまうわけにもいかないであろう。こう考えると、これから個々にやり方が非常にむずかしくなるだろうと思うのです。そういう基本的なことをちょっと聞きたい。
○政府委員(沢木正男君) 従来、日本の援助が輸出振興のための援助であるというように非難を招いた例もございまして、また、資源確保は日本の経済の将来にとってきわめて大切なことでございますが、資源確保のために援助を与えているということになりますと、またまた日本の援助は資源確保のためであるということを非難されることをわれわれは非常におそれておるわけでございます。資源確保の重要なることは申すまでもございませんが、これと経済協力との関係におきましては、理想の姿として、日本が常時そういう後進国に対して経済協力を十分やっておりまして、資源確保の問題が起きたときにきわめて良好な両国の関係が基礎的に存在するということが一番願わしいわけでございます。したがいまして、政策の目標としてはそういう点に焦点を置いて考えていきたいということが現在の政府の考え方であるかと存じますが、資源のあります後進国ににおきましては、日本が資源だけをとっていって、その国に対して雇用の増大あるいは利益をもたらさないという点についての反感というものも相当ございますので、そういう点を考慮しながら、経済協力とわが国に重要な資源を確保するという目的とを整合させて展開していくべきであるというのが現在の政府の考え方であると承知いたしております。
○鈴木一弘君 これは、私は、二つの問題があると思う。一つは、確保できる資源というものが国内にある場合、これはそれを優先的に確保することを積極的にやらなきゃならない。その上で海外に求めるということでしょうし、それからもう一つは、海外に求めたときには、先日もこの委員会で質問したんですが、付加価値額をつけた上でなければ取得をしないということを考えなければいけないのではないか。そういう問題があるのですが、その前段の問題で特に尖閣列島の問題について私ははっきりして伺っておきたいのです。これは石油の問題に関係しているわけですけれども、この尖閣列島については、台湾政府が自分のところの領土であると言ってみたり、ガルフ石油に開発権を与えるとか、あるいは、中共も主権を主張するとか、あるいは、佐藤総理大臣は、わが国の領土であることは間違いないけれども、大陸だなにあるから国際法上その辺がはっきりしない、よく関係国と話合いたいと、ずいぶんあいまいな態度である。われわれ、そうとらざるを得ないわけです。それで、実際この列島の海域というのは、もうすでにアメリカの企業等は真剣にやっているし、わが国も石油資源の開発のことで探査はやっているわけです。その結論として出てきていることは、とにかく世界一の油田であろうということは間違いない、そういうことが言われている。少なくもルイジアナの油田に匹敵するということは、もうすでにこれは周知の事実になりつつある。ところが、石油開発についても、領土問題がちょこっとあったということで、手を引くという。わが国内にあるところの資源の確保もろくにやらないで、外国にばかり資源の確保を求めるのは無理ではないか。スマトラでしたか、カリマンタンでしたか、わが国の石油開発が乗り込んでいってやったけれども、二、三本の試掘でやめて帰ってきたあとをアメリカが掘ったら出てきたということもございます。その点では、資力等に差があるでしょうけれども、まず、尖閣列島問題については、はっきりとした態度と、それから政府としても、石油採掘は一本について二十億円かかるわけです、ボーリングが。そのくらいかかるところでありますけれども、しかし、二十本に一本は当たるといわれているわけです。そのくらいのことは覚悟の上で、リスクをおかしてもやらなければならないのじゃないか。自分のところの資源確保もやらないで、海外資源確保なんということばかりやれば、これは非常な反感を招くということは間違いないだろうということを考えざるを得ないわけです。そういう点について、まずこの問題の一つは、今後の解決の見通しはどんなふうであるかということ、これを一つ伺いたいし、また、それに対して中途半端な開発計画であるとか、あるいは領有の主張であるなんというわけにいかないだろうと思いますので、その点はどういうふうに考えているかということ、この二つをはっきり伺いたいわけです。
○政府委員(沢木正男君) 尖閣列島の問題は、私、主管いたしておりませんので、いろいろ国際法上の問題もあるやにわれわれ部内では聞いております。ただ、基本的には、先生のお説のように、国内のものをまず十分開発して、それから外に向かうべきであるということはは当然でございますので、尖閣列島の問題につきましては条約局長が担当いたしておりますので、それから御答弁申し上げるようにいたしたいと思います。
○政府委員(藤田正明君) 資源確保の問題でありますが、おっしゃるとおりに、重要な現在の日本の課題であろうかと思います。大蔵省におきましても、大臣から、資源確保に対する税制上の問題、それからまた、助成の問題も討検するようにという命令を受けております。また、きのうでしたか、おとといでしたか、大蔵大臣と通産大臣がこの問題について協議をしたはずであります。その協議の結果はまだ聞き及んでおりませんが、非常に前向きの姿勢でこの資源確保のほうには進む状態にございます。
○鈴木一弘君 条約上の問題そのほかのことがあるので、きょうは十分な答弁が得られないのはわかっておりますが、これは大蔵大臣がそこまで相談をしているとなれば、この次に見えられたときには突っ込んで聞きたいと思っておりますので、これはこの程度にしておきます。 その次は、先ほど話がありましたベトナムの問題でありますけれども、例の南ベトナム沖の石油開発という問題が起きてきております。それに対して、ちょっと事実であるかどうかわかりませんけれども、先ほど話があったバス二千台、YS11型の十一機の贈与と、こういう問題とからみ合って、南ベトナム沖の石油開発について、米国のガルフとわが国の石油開発公団及び石油関係の事業と共同で開発をするというふうになったんではないかというようなことを聞くわけなんですけれども、これは事実かどうか。
○政府委員(沢木正男君) ベトナムの各都市においてバスが不足しておるという話は、ちらほらと昨年の七月ごろからいろいろうわさとしては流れております。しかし、具体的に日本に援助を要請してまいったのは、今回が初めてでございます。一方、ベトナムの石油の話につきましては、寡聞にして外務省筋ではほとんどいままで知っておりませんでしたのが、この問新聞に出たというようなことで、われわれの解釈といたしましては、この二つの問題には関連がないというふうに考えております。
○鈴木一弘君 それで、ベトナム戦争を遂行しているときに、こういうような南ベトナムの石油の開発をする、それに対して加わるということは、中国やソ連というような共産圏こういう諸国に対しての疑い——向こうから見れば、米国の肩がわりと言われるし、あるいは日本がアメリカに肩がわりして東南アジアへのそういう進出をしているというような変な印象というもののいろいろな論説等にも出てきているわけでありますけれども、そういう点についてはどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(沢木正男君) これは、肩がわりということばの意味でございますが、われわれ実際の関係といたしましても、アメリカ側から日本側に、自分のところはできないから、この分をやってほしいという意味の要請を受けたことは、事務的にも政治的にもほとんどないのではないかというふうに考えております。ただ、日本の経済力が上がってまいりまするにつれて、東南アジアの諸国におきまして、日本の援助を期待する期待というものは非常に上がってきております。一方、米国におきましては、いろいろ国際収支上の困難その他で援助能力が落ちてきておることもまた事実であります。したがいまして、後進国の日本に対する要望にこたえてわれわれが経済協力額を増加いたしますと、それが結果的には援助の肩がわりという非難をされるわけでありますが、実施いたしますわれわれのほうの考え方といたしましても、要求をいたします向こう側の考え方といたしましても、米国の分を肩がわりして日本に持ってくれという式の話し合いは、ほとんど実際問題としてないのが現状でございます。
○鈴木一弘君 表にはそういうことは私は出てこないだろうとは思うんですね。 それからもう一ぺん飛行機のあれに戻りますけれども、バス二千台、YSHの贈与ということになった場合には、これはいま検討中であると外務大臣は答弁してきているわけですが、どういう名目による——経済協力基金ということになるのか、どこから出るというふうになっているわけですか。
○政府委員(沢木正男君) これは簡単な現地大使からの報告があったのみでございまして、委細は向こう側から出られた文書を送付するからということになっておりますので、外務省といたしましては、いまだ関係各省にも要望を伝えておらない状況でございますので、政府といたしましては何ら検討をいまだ加えておらない段階でございますので、ただいまの御質問に関しましてはちょっと御答弁しかねるかと思います。
○鈴木一弘君 もしなった場合はどういうふうになるということもできないわけですか、答弁が。
○政府委員(沢木正男君) 贈与を行ないます場合には、予算上そういうお金がなければできないことは当然のことでございまして、現在御審議をいただいております昭和四十六年度の予算の中にも、そういう意味のお金は含まれておらないというふうにわれわれは理解しております。
○鈴木一弘君 経済協力の問題になって、資源確保ということが一面ではどうしても出てくるわけですけれども、現在のニッケルにしても、銅にしても、海外資源というものは、石油にいたしましても、ほとんどが例の、はっきり申し上げれば、寡占体制ということになっております。国際資本による寡占状態。ニッケルがカナダの会社が六〇%、銅について大手十グループで六七%というような比率を占められている。こういう状態を脱出しなければほんとうの確保はできないだろうと思うんですが、ここで基本的な姿勢は、そういう国際資本との協調でいくのか、それとも、わが国は独自でそういういわゆる国際資本というものとのコントロールから脱する意味での開発というほうに力をかけていくのか、これは非常に大きな問題になるだろうと思うんですが、その辺のことはどうなのか。はっきり申し上げれば、コントロールから脱したほうがいいという声が非常に強いわけでありますが、そういう点についてはどう考えているかということと、それに対しての計画はあるかないか。
○政府委員(藤田正明君) 国際資本との協調、あるいは独自でやるかというお問いのようでありますが、独自でそれが可能ならば、それにこしたことはない。しかし、これは現実の問題としてはなかなかむずかしい問題であろうかと思います。私は、国際資本との協調もやり、そしてまた、独自の開発の努力もいたすべきだ、そういうふうに考えております。
○鈴木一弘君 日本の場合と中国の場合とはだいぶ違っていると思うんですけれども、中国では海外援助に八原則というものをつくっている。これが、低開発国といいますか発展途上国が援助を受けるのにいい基準になり、受けやすいという状況をつくっておるわけです。わが国の場合には、そういう点がはっきりしていないのではないか。そういう何か原則的なもの、安心して開発途上国側がわが国への援助というものを要請できるような状態にしていかなければいけないのではないか。貿易高だけ異常にふえても、かえって反感を招いていく、対日不信感をあおるということではならないと思うので、そういう点、わが国のいわゆる資源政策とかあるいは対外援助政策というものについては、一つの何ぼかの原則というものをはっきりきめる必要がある。先ほどの話のように、資源開発よりも相手側の経済の開発であるとか、民生安定が優先するというだけのことでは、やはりノンルールと言わざるを得ませんので、そういう点は根本的なルールというものをつくっていく必要があるのじゃないかと思いますけれども、どうでしょうか。
○政府委員(沢木正男君) 確かに、お説のとおりでございまして、そういうルールなり原則なりというものができればこれにこしたことはないと思いますが、実際の問題といたしましては、日本の援助の理念の確立ということが一番大切であろうかと存じます。それにつきましては、従来、援助は輸出振興につながるとか、あるいは、輸入原材料の確保になるとか、あるいは、アメリカなんかで申しますように、安全保障上の考慮だとか、いろいろなことが言われてきたわけでございますが、残念ながら日本については国民一般の認識を得ましたそういう理念というものが確立されておらないことは事実でございます。したがいまして、われわれといたしましても、国会の論議あるいは新聞紙上での論議その他を通じて、広い世論の支持の上に立ったりっぱな援助をやっていくことによってそういうものが確立されるようにしたいということを念願して努力している次第でございます。
○鈴木一弘君 そこで、はっきり申し上げて、私は、非常にエコノミック・アニマル的な海外援助になっているんじゃないかということを心配するわけです。アフリカという大きい発展途上国の集団、があるわけでありますけれども、そのアフリカ諸国に対してのわが国の海外援助の状態はどうなっていますか。
○政府委員(沢木正男君) アフリカに対しましては、円借款を現在出しておりますのが、ケニア、タンザニア、ウガンダ、それからナイジェリアに出しております。それから一方、投資の面におきましては、南アフリカ、ローデシアを除きますあらゆる国について何がしかの投資案件も存在いたしております。しかしながら、これらの円借款のうちには、ほとんど使い切りまして、次にまた円借款を出してほしいという要望もございますし、技術協力面につきましては、第一次産品開発調査、それからセンターといたしましては、ケニア、ウガンダ、ガーナに対して技術協力センターを現在建てております。それ以外の研修員の受け入れ、専門家の派遣につきましても、ほとんどの国にやっておりますし、青年協力隊がタンザニア、ケニア、それからモロッコに派遣されておりまして、これは非常にいい評判を受けておるわけでございます。ただ、援助全体のシェアといたしましては、アフリカはきわめていまだ少ないわけでございまして、今後わが国がGNPにおきましては世界の自由圏の第二位というような立場から、アジアよりほかの地域に対して援助をもっと拡大してほしいという要望もございますので、そういう点にも考慮を払いつつ援助を強化していく。かつ、資源開発関係につきましては、非常に大きな銅の投資もコンゴに行っておりますし、今後そういうふうな大型の資源開発投資というような面につきましては、ただいまの先生のお説のとおり、十分経済協力をからみ合わせた考慮が払われるべきであるという考え方で進んでおります。
○鈴木一弘君 とにかく、アフリカについて見れば、中国のタンザニアの鉄道であるとか、共産圏でももう相当ものすごい大きな力を注いでいる。欧州あるいはアメリカの国々でも、アフリカ諸国への鉄道であるとか、港湾であるとか、道路、橋梁、大学、病院というに至るまで、協力の実績というものは、わが国もやらないわけじゃないでしょうけれども、比較にならないほどです。少なくともいままでとは考え方を変えて、相当大きな援助協力というものをしなきゃならないだろうということは予想にかたくないわけです。そういうことは、これは実情からいってもそうだと思います。そこで、過去のことは過去のことにして、今後これは大きく広げていくということがどうしても必要だろう。それについての、いま若干今後力を入れたいという答弁があったのでありますけれども、それでは今後の計画というものはどういうふうに拡大をされていくのか、その点について伺いたい。
○政府委員(沢木正男君) これは、まだ、政府各省を通じてどういう点でどうやるという具体策がいまだできておるわけではございませんけれども、従来円借款を出しておりました国につきましては、それを使い切ればまたほしいという意向が非常に強うございますし、ガーナに対しましても債権繰り延べ問題がございますし、いろいろな関係が従来からの経緯として残っておりますので、そういう点についてできるだけ前向きで対処したいという程度のコンセンサスは関係各省にも存在しておるかと考えておる次第でございます。
○鈴木一弘君 経済協力のほうはそのくらいにしまして、ちょっと相続税のことで伺いたいんですが、妻が相続放棄をしたというのは、どのくらいケースがございますか。
○政府委員(吉田太郎一君) 妻が相続を放棄をした場合の計数については、国税庁でもちょっと統計をとっていないようでございますので、お答えいたしかねます。
○鈴木一弘君 これは、じゃ、あとでどのぐらいあるか教えていただきたいと思います。大体、農業の場合が非常に多いんじゃないか。つまり、母親よりも働き手というのでしょうか、そういうようなことから、長男に扶養してもらうのだからというふうなそういうケースがあるのではないだろうかと思いますが、その点のことでちょっと伺いたいものですから、これは考えていただきたいと思うわけです。その点、お願いいたします。よろしいですか。
○政府委員(吉田太郎一君) 正確には裁判所で調べる以外には方法がないということのようでございますので、一応国税庁においてその努力をいたしてみたいと思います。その後またあるいはそれができないということになるかもしれませんが、一応研究してみたいと思います。
○鈴木一弘君 相続税と関連して資産所得についてちょっと伺いたいんですが、現在の所得税法の中の第四章の第一節「世帯員が資産所得を有する場合の税額の計算の特例」に、資産所得については、第九十七条等で資産所得合算方式ということになっているわけです。資産所得や利子配当あるいは不動産の所得を通じて、合算対象の世帯員として、「夫と妻」「父又は母とその子」あるいは、「祖父又は祖母とその孫」というふうに、非常にこまかく規定をされておるわけでありますが、どうしてこういうふうになったかという点をまず聞きたい。
○政府委員(吉田太郎一君) この制度は、経済的に独立をしていない子女が得た所得について、これをどのような税率をもって課税をするかという考え方からできた制度でございます。したがいまして、たとえばもうお嫁に行っていながら世帯主と一緒に住んでおる場合、あるいは独立いたしまして給与所得を得ておる子供等については、これを適用していないわけでございます。また、その得た所得を世帯主のものとしてしまうという制度ではございませんで、むしろそういうそれぞれの所得を同一の世帯でその適正な税負担をどの程度に求めるべきかという税率の計算をこれで行なっておるということでございます。
○鈴木一弘君 資産の所得でありますから、これを分割すると、表面上擬装で所得税が軽くなると、こういうことから合算ということになったんだろうと思うのですけれども、諸外国の例を見ると、アメリカ合衆国では、夫婦所得合算してその後二分二乗方式であるとか、子女の所得については親の所得と合算をしない。イギリスにおいても同じであり、西ドイツでも同様です。フランスも、子供の所得は二十一歳未満だけを認めるというふうになってきております。いずれにしても、はっきり申し上げて、西ドイツ等では、子女のいわゆる合算課税ということが憲法違反ではないかということで、違憲ということでこれがはずれてきた。私どもが考えても、夫婦については、民法の上でも共有財産とかいろんな制度がございますし、現在のように核家族化してくれば当然のこと夫婦についてはこれはまた合算でもわかると思うのですけれども、合算二分二乗をやろうと合算しようとかまいませんけれども、はっきり申し上げて、子女についてこれを一緒にするというのは、憲法の上でいえば、第十三条あるいは第十四条、法のもとに平等であるとか、国民は個人として尊重されるということで立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とするという、憲法の個人の尊重という点から考えると、どうも子女まで合算するという方式というのは違憲ではないかという感じがするわけでありますけれども、その点、どう思いますか。
○政府委員(吉田太郎一君) 西独において違憲の判決があったという先生のお話でございますが、私どももまだその情報あるいはデータを入手いたしておりません。至急調べまして、どういう趣旨でそういう判決が出たのか、ひとつ研究さしていただきたいと思います。 わが国において現在の資産合算の制度が違憲なりやいなやというお説でございますが、これは基本的にはやはりわが国が総合課税の制度をとっております。あるいは、実質課税の原則という考え方で所得税の基本ができておるわけでございまして、同一世帯において、しかも経済的に独立していない幼小の子供たちが、たとえその名で稼得する財産について、どのような負担を求めることが公平の原則から申しまして適当であるかという判断で、その税率を上積み税率として計算しておるということでございますので、決して憲法に違反するような形で財産制度なり財産権を解釈しておるというものではないと考えております。
○鈴木一弘君 いずれにしても、私は見るのに、九十七条では、「生計を一にする次の各号の一に掲げる視族」と、こういうふうに出て、「夫と妻」「父又は母とその子」あるいは「祖父又は祖母とその孫」というように、合算世帯というものがはっきり出てきている。先ほどあったように、個人としての所得ではなくて、いわゆる資産の所得に対しての合算の規定でございます。資産ということになっている点から見ても、これははっきり分けたほうがいいのではないか。夫婦というのが現在核家族化しているし、一つの消費の単位になってきている。そういうふうに見てきたときに、やはり、イギリスのように、満二十歳つまり未成年という場合は合算するけれども、それ以上になれば分けるとか、何かしらのことを考える必要があるのじゃないだろうか。そういうふうにしていかなければだんだん家族の構成が変わってきているのに、税法だけがおそいということになるのじゃないかという感じがあるんですけれども、どうなんでしょうか。
○政府委員(吉田太郎一君) お話が、一つは相続税関係の財産課税の問題と、一つは所得税などの所得課税についての問題と、非常に基本的な問題だろうと思います。その稼得に対して所得税を課するという問題についての課税単位をどうしていくかということは、確かに、先生のお話のように、今後の経済上、社会の変動に適応する形で今後考えていかなければならない問題でございまして、現に二分二乗というような主張がなされておるのも、そういうところから来ておるのではないかと考えておるわけでございます。この辺のところは、今後の研究課題といたしましてやはり私どもも研究していかなければならないと考えております。 ただ、もう一つは、財産課税と申しますか、相続税あるいは贈与税にかかわりますところのものの考え方につきましては、確かに、こういうわが国の三十年代以降の非常に変動といいますか変化の激しい社会において、固定的な考え方をもって家族財産制度を考えていくことは非常にむずかしい問題があることは、よく承知しておるわけでございます。それだけに、妻と夫の関係を中心といたしましていろいろ論議が起こっておるわけでございますが、基本的には、それをどう税制の上で考えていくかということについては、やはりその基本になる社会通念というものが定着しておることが大事でございまして、その社会通念が定着したものを何に求めるかと申しますと、私どもはやはり民法の制度にこれを求める以外には最終的にはよりどころはなかろうと、かように考えておるわけでございます。現に、現在法務省において法制審議会で夫婦財産制度についても審議が行なわれるように承知いたしておりますので、その辺のところと相まって今後研究していきたいと思います。ただ、現在の夫婦別産制のもとにおける夫と妻との関係に関しましては、先ほども御答弁申しましたように、現在の制度の中で最大限の優遇制度ということを考えたのが現在提案しておる趣旨でございます。
○鈴木一弘君 これは根本的な違憲問題そのほかをからめているような問題でありますので、私はここで早急に結論を聞きたいというわけではありません。この点は諸外国の例から見てもすでに考えなきゃならないところへ来ているのではないかという点で、十分に検討研究を今後進めてもらいたいと思うのです。必ずだんだん核家族化が進んでくる、そういうことになってきて、夫婦間の問題、これが財産の問題にいたしましても、あるいは財産の扱いとか、いろいろな問題で出てくると思いますので、それだけに、はっきりした法的な整備というものを、民法によってきめられるという先ほどの話があった、また、民法を基準として考えたいという話があったんですけれども、税法上は民法より一歩先に進んでもいいのではないかという感じもするわけですから、その辺まで度胸を持ってやるというふうに考えてもらいたいと思うのですけれども、そういう意味での検討というものはするかどうかですね。
○政府委員(吉田太郎一君) 確かに、私ども、検討いたす余地がございませんと申し上げるべき筋合いのものではございません。ただ、その検討をいたしました場合に、最終的によりどころになる、あるいは国民みんなが納得するその落ちつき先は何であろうかと考えました場合に、やはり民法制度としてそれをめぐっていろいろな経済活動なりが取り行なわれておる、そういうところのものにいかざるを得ないのではないかと私どもは考えておるわけでございまして、民法制度以外には考えられないというわけではございませんが、結局、行き着く先は、そこが、まあ国会の御判断の問題ではございますが、国民の納得するところ、あるいは社会通念として落ちつくところではなかろうかと、かように考えておるわけでございます。
○鈴木一弘君 贈与の問題で、夫婦問贈与というのは、四十四年度にどのくらいあったでしょうか。
○説明員(平尾照夫君) こまかい資料の問題で、数字の問題でございますから、私からお答えいたさせていただきます。 一番新しい実績は昭和四十四年でございますが、四十四年には夫婦間の贈与は千五百十七件でございます。これは、贈与税の配偶者控除の申請のありました件数でございます。
○鈴木一弘君 ちょっとここで、時間がだいぶおそいので、入場税について質疑をしてきょうはおわりたいと思いますが、入場税は消費税である、これはわかっております。それがだんだん文化政策という観点から変わってきて、現在商業的なものに対しての税というような感じになっているわけでありますけれども、文化政策の上から見ると、現在今回の提案による百円という免税点、これは少し低すぎるのではないか。私どもは三百円ぐらいには上げるのが当然ではないかという考えを持っておりますし、また、文化ということは芸術性の問題と商業ベースの問題とは非常にからみがむずかしい問題でもある。それだけに、むしろ、それならば、むずかしいなら、三百円ぐらいなり五百円ぐらいに免税点を一ぺんに引き上げるということのほうが大事ではないかと思うのですが、そういう点はどうお考えですか。
○政府委員(吉田太郎一君) 文化政策という意味は、先生いま御指摘のように、非常に広範、かつ、人によって非常に違うところがあろうかと思います。要するに、広い意味で気晴らしその他を自由にする、そういうことまで含めて文化政策と、そういうことについてあまり厳格な税制を適用するのはいかがかというような御趣旨まで含めて、それの免税点をどうするかという問題だろうと思うわけでございますが、この免税点制度そのものが、やはりこれも沿革から来るところもございますし、一番基本的な考え方は、零細な催しもの、零細な料金をとっておるものに対して、これを入場税という形で執行していくことを省略していくという考え方から免税点ができておるわけでございまして、入場税を払うべき、その対価を受けるべき内容のいかんをもって判定していくというたてまえを実はとっていない次第でございまして、そういう意味からいたしますと、三十円の免税点を百円にするということが、いろいろなことを考えますと、最も適当ではなかろうか。免税点制度でございますので、先生すでに御存じのように、免税点を上げれば上げるほど、入場料金の価格断層というような問題も起こりますし、むしろ零細な催しものに対する執行を省いていくということの考え方から、三十円を百円にしたわけでございます。
○鈴木一弘君 万博が開かれたときの催しものは非課税だったと思います。そういう点から見て、あれがどういう意味か、一つは、国家行事的なものであるということと、もう一つは、海外からの芸術、そういう文化というものを広く知らせるという意味もあったろう。博覧会であるという面もこれはあったとは思いますけれども、そういうような感覚から見ると、諸外国からのわが国での催しの集団がいろいろな形で参りますけれども、そういうのについては、万博の催しものについての非課税の措置ということから考えると、これは特別に何か考えるのは当然ではないかという感じがするわけでありますが、その点はいかがですか。
○政府委員(吉田太郎一君) 非常にごもっともに思うわけでございます。ただ、万博の場合になぜ非課税にしたかと申しますと、一つは、これは展覧会あるいは博覧会というものが沿革的に非課税扱いをしておったわけでございます。その理由は、いろいろこれが産業の振興あるいは教育政策上必要だと。しかも、比較的低廉であるというようなところからされたのだろうと思うわけでございますが、それ以外の催しものについては、基本的には、先ほど申しましたように、その内容を税務の執行上可否を判断していくということはできるだけ避ける、厳格に避ける姿勢をとってまいったわけでございます。ただ、法律的と申しますか、国が明らかにこれを保証しておるようなもの、たとえば文化財に基づく古典芸能、そういうものが非常に厳格に把握し得る要件を備えておる場合にはこれを除いていくというようなところで、最小限の文化政策との調和をはかっておるわけでございます。そういう意味からいたしますと、万博の場合の中の催しものについてこれを課税をするか非課税にするかといった場合に、その不公平の波及と申しますものが厳格に保証し得るというようなこともあり、その中での催しものを非課税にした理由だろうと考えております。 ただ、それでは、ほかの外国からの芸術性の高いものを、どの程度それじゃ免かれるといいますか、非課税にし得るかとなりますと、これは基本的には国税庁なり大蔵省が判断をする形にならざるを得ない。それはやはり種々むしろ芸術政策そのものとしても問題があることではなかろうかと考えておるわけでございます。
○鈴木一弘君 芸術性を大蔵省なり国税庁が判断をするという、文部省みたいなことをおやりになるわけで、たいへんだとは思いますけれども、それだけに、芸術性なのか商業性なのかということの判断が非常に困難である。大体の基準はあるんですか。
○政府委員(吉田太郎一君) 先ほど申しましたように、全然ございません。したがいまして、むしろ法律に基づいて文化財保護法のような形で明らかに確保し得るというきわめて例外的なもの以外は、そういう扱いはしないということにしておるわけでございます。
○鈴木一弘君 そうすると、私は、矛盾があるのは、海外からの日本への公演の場合と万博の催しもの、これはもう明らかに矛盾をしてくるわけですね。一方は課税であり、一方は非課税であった。そういうところがよくわからないわけですね、どうも。何だか姿勢が一貫されていない。博覧会であったというけれども、あれだけ大きいと、博覧会でもあるけれども、一方では興行的なものにも考えられるような場合も出てくるだろうと思うのですが、そういう点でいけば、本来ならば、特別なるバレー団であるとか、国がこれは当然国民も見るべきであろうと思うような紹介さるべき芸術というようなものについては、これは非課税という対象にするのは当然じゃないか。たとえ文化財保護法やなんかによって有形無形の文化財であるとされていなくても、非課税にすべきではないかと思うのですが、その辺はどうなんですか。
○政府委員(吉田太郎一君) お答えいたします前に、先ほどの万博の問題についてちょっと補足させていただきます。 万博の催しものについては、国際慣行上、どこの国もかようなものについては同様の税はやはり免除しておるということも一つの理由であったようでございます。 それからいまの御質問の、国民がかようなものはぜひ見るべきだと、推奨すべきだという、その判断を一体だれがすべきか、その辺のところが解決されれば、あるいは問題も研究の余地はあろうかと。ただ、先生も非常に疑問をお持ちでございますように、大蔵省なりあるいはもっと広く政府がそういうことを判断していいかどうかという問題もあろうかと思います。したがいまして、あるいは国民の世論という形で法律という形になった場合に、そういうもしも文化政策上の配慮から規定された場合は、これはやはり現在の文化財保護法に基づくものと同じ扱いにはすべきではなかろうか、かように考えるわけでございます。
○鈴木一弘君 どうも、ぴんとよくわからないんですが、文化庁あたりで何かの判断の基準を出せばよろしいというように考えるというわけにはいかないですか。
○政府委員(吉田太郎一君) これは一がいに文化庁ならいいというわけにもいくまいと思いますが、今後のやはり研究の問題ではあろうと思いますので、文化庁ともなおかつ研究は続けてみたいと思います。ただ、非常にむずかしい、問題が非常にデリケートな問題でございますだけに、私どもとしてはできるだけ慎重に扱っていきたいと考えております。
○鈴木一弘君 その点はよくわからないんですけれどもそのままにしておきますが、消費税が大体一〇%程度——物品税では二〇%、二五%というものもございますけれども、料飲税あるいは娯楽施設利用税、通行税等は大体一〇%程度、それと同じように入場税を考えるということが、先ほども質問があったんですけれども、娯楽趣味という意味でもないと思いますけれども、入場税を、これから先だんだんだんだんレクリエーションの場もふえてくる、週二日制の休日をとる企業もふえてくる、そうなってまいりますと、国民にいこいの場を与えるということを考えれば、これを同一に見て同じ一〇%にしておくというのはどうか。むしろ半分の五%にするとか、特別に高いものとか——まあ競輪、競馬は別問題で、そういうものについてはこれは税率を高くしてもいいと思うんですけれども、そういうふうに入場税自体をほかの消費税体系とは切り離してものを考えるというわけにもいかないものかどうか。
○政府委員(吉田太郎一君) 原則的に申しますと、そういうサービスなり、もののなにに対する同種の税率は、同様であることが税負担の公平ということからも望ましいと申せるわけでございます。結局、そういう税負担が非常に過重であるかどうかという問題が一つ確かに考えなくちゃいけない問題でございますが、今日の総理府のたとえば家計調査で見ましても、そういう入場料金と申しますか、入場税がかかっておるものに対する消費支出の割合は、全体の支出の割合のきわめて微々たるものでございまして、おそらく一%以下というのが支出の実態のようでございます。そういう意味からいたしますと、今日程度の税負担というのがやはり適当なところではなかろうかと考えておるわけでございます。
○鈴木一弘君 一応これで質問はきょうはとめておきますけれども、入場税について国税庁から滞納とかそういうことでもって扱っている件数と金額と、それがわかったらちょっと年度別にいただきたいと思います。
○説明員(村山正祐君) ただいま手元にございませんので、後ほどまたお届けしたいと思います。
○委員長(柴田栄君) 四案に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十五分散会 —————・—————