大蔵委員会 第2号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1971/02/04
会議録
○委員長(柴田栄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 私、このたび、当委員会の委員長に選任せられました。まことに微力でございますが、皆さま方の御協力、御支援を期待いたしまして、円滑公平な運営をモットーとして努力いたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。(拍手) なお、引き続いて栗原前委員長からごあいさつがある予定でございましたが、所用のため出席いたしかねるということで、私から委員の皆さま方によろしくお伝えくださいとの御連絡がございましたので、御了承を願います。 —————————————
○委員長(柴田栄君) それでは、委員の異動について御報告いたします。 去る一月五日、横川正市君及び松本賢一君が委員を辞任され、その補欠として北村暢君及び吉田忠三郎君が、また、一月十二日、北村暢君が委員を辞任され、その補欠として鶴園哲夫君が、また、一月二十六日、鬼丸勝之君が委員を辞任され、その補欠として柴田栄が、また、一月二十七日、矢野登君が委員を辞任され、その補欠として玉置猛夫君が、それぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(柴田栄君) 次に、理事の辞任についておはかりいたします。 小林章君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(柴田栄君) この際、理事の補欠選任についておはかりいたします。 松下正寿君の委員異動に伴います欠員一名、沢田一精君が退職者となったための欠員一名、及びただいまの小林章君の理事辞任のための欠員一名、計三名の理事が現在欠員となっておりますので、その補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に、玉置猛夫君、大竹平八郎君及び中山太郎君をそれぞれ指名いたします。 —————————————
○委員長(柴田栄君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題といたします。 当面の財政及び金融問題等について福田大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福田大蔵大臣。
○国務大臣(福田赳夫君) 通常国会が開かれまして、政府提案諸案件の御審議をお願いするわけでございますが、それに先立ちまして、一言、ごあいさつ並びに最近の財政金融事情につきまして私の考え方を申し上げさしていただきます。その概要につきましては、お手元に印刷物を配付してあります。この印刷物は、過日の本会議における説明と大体同じでございます。したがいまして、これが朗読は省略さしていただきまして、特に私がいま感じておる二、三の点につきまして申し上げさしていただきます。 一つは、日本の経済をどういうふうに運営していくかという私の考え方についてであります。私は、日本の経済が数年来いわば超高度成長という形になりましたことにつきまして、実はたいへん心配をいたしておったわけであります。佐藤内閣ができましてから経済成長の高さはすばらしいものでありましたが、それがだんだんと加速化してきまして、一昨年あたりの状態をほうっておきますと、どうも、一三%成長、これが一四%成長にもはね上がりそうな傾向である。この傾向をほうっておきますと、とにかく、五年間で、わずか五年の間で、日本のこの四つの島の上における生産が倍になる。つまり、総生産が倍になるという傾向、これは実に偉大なことであるに違いございませんけれども、しかし、そういうことはとうていでき得ない。これには成長を制約する幾多の要因というものがあるのでありまして、何といいましても第一は資源であります。今日でも資源の確保には非常に窮屈な状態にあるわけでありまして、昨今もうすでに油の問題があることは皆さん御承知のとおりであります。あるいは鉄鉱石、こういうようなものにつきましても、五年の後に倍の鉄鉱石が入手できるか、なかなかたいへんなことだろうと思いますし、すでにもう粘結炭につきましては困難な事態に当面しているわけなんであります。私は調べてみたのですが、わが国は、何といっても、第一等の経済大国であるアメリカ、あるいは第二等のソビエト、これに比べますと、根本的な欠陥を持っておる。それは、資源が国内にないということです。その状態を非常に端的にあらわす数字があります。資源を外国から日本は運んできますが、たとえば石油につきましては、いま、太平洋、大西洋、インド洋をたくさんな船が行き来しておりますが、トンキロで計算いたしますと、実に二〇%がわが日本で需要する原油であります。あるいはこれを鉄鉱石について見ますと、実に五〇%が日本向けである。また、粘結炭、製鉄用原料炭になりますと、七〇%がわが日本の需要に充てられるものである。そういう極端な数字も出ますが、それほどさように、資源の輸送という問題も、五年後に倍の資源を輸送するとなった場合に、一体応じ得るかと、こういう問題があるわけであります。 さらに、国内にその資源を運び得たと仮定する。それで、それを製品化する場合に、その製品を末端消費者に届けなければならぬ。その届けるためには、何といっても、国内の輸送力というものが必要であります。しかるに、国鉄の輸送力は倍にならぬし、道路の輸送力は倍にはならぬ。五年間で倍になりません。そういうような問題がある。 一番の問題は、何といっても労働力です。企業の近代化、合理化が進む。でありますから、五年の後に生産が倍になるという場合におきまして、倍の人的労働力はこれは必要ないかもしらぬけれども、倍に近い労働力が要る。この労働力が確保できるかというと、非常に困難であります。そうしますと、人手の取り合い競争となり、賃金の引き上げ競争となり、また、そういう加速度的な賃金の引き上げというものはどうしたって物価に響かないではいない。やはり物価と賃金との間にスパイラルが起こる。そこで、インフレ、これも悪性インフレというものに当面せざるを得ないと思うのです。 そういうことを考えますと、一四%、一五%というような高い成長を続けますと、五年で倍になるという計算にはなりまするけれども、実は倍にならないで、もう一、二年で壁に突き当たる。突き当たって鼻血を出す程度じゃなく、脳天を打ち割るというような事態になる、こういうことがおそれられるわけなんであります。そういうふうにしては絶対に相ならぬと考えまして、一昨年から御承知のように景気抑制政策をとってきたわけでありますが、だんだんその抑制政策、その主軸として金融引き締めをやったのですが、この効果が出てまいりまして、昨年の秋ごろには鎮静化の傾向が見られるようになってきたわけです。そこで、金融引き締め政策を緩和するという方針を打ち出し、今日に至っておるわけでございますが、だんだんと鎮静化の趨勢というものが進みつつあるやに見られる。私は、大きな大局から見ると、これはいいことである、こういうふうに思うのです。思うのですけれども、現在の時点に立って今後の施策を考える場合におきまして、どうも静鎮化が場合によると進み過ぎるのではないか、こういうことが心配されるのであります。私は、前々から、日本の経済は十三、四%成長するのはどうしても高過ぎる、それではどういう程度がいいかという御質問がありますので、当面一〇%成長、この辺でやってみて、これが低過ぎるのか高過ぎるのか様子を見る、一〇%という見当の政策運営をすべきじゃないかというお答えを申し上げたわけでありますが、いまかなり一〇%を割っておるという状態かと思うのです。そういう時点におきまして、私は、今後の日本の経済は約一〇%がらみの経済の成長が望ましいと、こういうふうに考えまして、今後もし過熱がぶり返すというようなことがあれば、これはもとより押えなければならぬけれども、むしろいまこの時点に立ちましては景気がかなり落ち込むおそれを感ずるわけであります。落ち込んでもまた困る。一億国民の士気が非常に阻喪するわけであります。そういうことでも困りますので、四十六年度というこの年は、これは何といいましても超高度成長から政策的に安定成長へと政策運営をやっておりますその過程の四十六年度である、そういうことを考えますときに、四十六年度という年はきわめて重要な意義を持つ年である、こういうふうに理解をいたし、最大の注意を払い、最大の努力を傾けてまいらなければならぬと、こういうふうに考えておるわけであります。 四十六年度の予算の編成にあたりまして、中立機動型という性格づけをしたのですが、中立という意味は、過熱にもしない、しかし非常な落ち込みにもしない、中道を行く経済、それに財政に一つの役割りを演じさせたい、こういうふうに考える、そういう趣旨であります。それから機動型と申しますのは、そういう過渡期の流動期の日本経済でありますので、いろいろな変化が起きてくるだろうと思うのです。そのいろいろな変化に機動的に妥当に対応し得るかまえ、これは財政においても金融においてもしかり、かように考えておるわけであります。さような財政、金融を縦横機動的に駆使いたしまして、日本の経済をそういう中庸型のまた安定型の成長路線に乗っける。その上に立って、はじめて、公害問題、あるいは社会福祉問題、また物価の問題というものの基礎づけができるんだ、こういうふうに考えておる次第であります。 それから第二に私が非常に心配しております問題は、国際社会の中におけるわが日本の姿勢という問題であります。いま、何といいましても、わが日本は、世界の経済の中では非常にずば抜けてすばらしい状態にあると言って差しつかえないと思います。いまスタグフレーションということばが新しくできておるのですが、まさにそういう状態であるのが、アメリカであり、またヨーロッパ諸国である。つまり、不況の中の物価高、こういうわけであります。そういう状態に欧米諸国が置かれておる。アメリカが一番顕著なわけでありますが、昨年はGNPがマイナスになるというような不況であります。四・五%の失業率をこえると社会不安をかもすというので、これが危機ラインだというふうに長い間呼ばれてきた。その危機ラインが軽く突破されまして、今日失業率は六%というような状態です。そういう状態であれば必ず物価が下がるものでありますが、逆に物価がはね上がっておる。しかも、消費者物価と同時に卸売り物価もまた上がるという状態であります。まさにスタグフレーションである。その同じ状態が、大体においてヨーロッパの先進諸国の中にあらわれてきているわけなんです。わが日本は、そこへいきますと、とにかく、いまこの時点では多少下がっておるかもしれませんけれども、一〇%がらみの成長路線に乗っておる、これはたいへんな成長速度であります。そこへもっていって、消費者物価は先進国並みに上がっておりまするけれども、わが日本においては卸売り物価が安定して微動だもしない。こういう状態がまたほかの先進諸国と違う第二点です。 第三点は、欧米諸国は不況である。不況でありますれば必ず国際収支はよくなる、これは古今の通則だったわけなんです。ところが、今日の欧米におきましては、不況であるにかかわらず、国際収支が一向に改善されないという状態であります。わが日本はその逆でありまして、好況が続いてきた。好況が続いてくれば国際収支が悪くなる、これが通則でありましたが、わが日本はその通則の逆を行っているわけなんであります。好況でありながら国際収支もまたいい、そういうようなことで、日本の世界経済の中における立場というもの、地位というものが、世界がそういうスタグフレーションの中にあるだけに、非常に注目されるわけであります。そういう相対的に見るとすばらしい姿の日本経済というものが世界じゅうからいま注目をされている。注目がまたいろいろな批判というふうになり、場合によりますると、日本経済に対する圧迫だとか、あるいは日本経済に関連しながら世界に保護貿易主義というようなものが起こってくるという可能性もなしとしない。わが日本の世界経済に臨む姿勢というものは非常に影響が多い。と同時に、また、諸外国から着目される立場にある。そういうようなことを考えまするときに、国際社会においてわが日本の占めるシェアというものは非常に大きいので、わが日本の経済政策というものが世界の繁栄に与える影響というものは非常に大きい。そういう世界の中における役割りという点に十分着目をし、また、同時に、諸外国から批判を受けるようなマナーというものにつきましては、そういう地位に置かれておる日本だけに、この際気をつけていかなければならないかなと、かように考えておるわけであります。 いずれにいたしましても、非常に大事な年でありまして、さような内外の情勢下において最善の努力をして、日本経済の安定的成長発展が息長く続くように誤りなきを期していかなければならぬかと、かように考えておる次第であります。 今国会におきましては、十九の法律案、また、一つの議決案件、それらの御審議をお願いするわけでございますが、何とぞひとつ御協力のほどを心からお願い申し上げまして、ごあいさつ並びに私の考え方を述べさせていただいた、かように御了承願います。(拍手)
○委員長(柴田栄君) 本件に対する質疑は、これを後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十五分散会 —————・—————