商工委員会 第11号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/05/13
会議録
○委員長(川上為治君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 三月二十九日、剱木亨弘君、山崎竜男君、高田浩運君、安田隆明君が委員を辞任され、その補欠として赤間文三君、井川伊平君、八木一郎君、近藤英一郎君が選任されました。 四月十二日、永野鎮雄君、山下春江君が委員を辞任され、その補欠として村上春藏君、西田信一君が選任されました。 四月十七日、矢野登君が委員を辞任され、その補欠として迫水久常君が選任されました。 四月二十七日、迫水久常君が委員を辞任され、その補欠として平井太郎君が選任されました。 五月四日、西田信一君が委員を辞任され、その補欠として青田源太郎君が選任されました。 五月十日、藤原道子君が委員を辞任され、その補欠として佐野芳雄君が選任されました。 五月十一日、青田源太郎君が委員を辞任され、その補欠として和田鶴一君が選任されました。 昨十二日、村上春藏君、田渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として矢野登君、中沢伊登子君が選任されました。 —————————————
○委員長(川上為治君) 理事矢野登君が委員を一たん辞任されたため、理事に一名の欠員が生じておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川上為治君) 御異議ないと認めます。 それでは理事に矢野登君を指名いたします。 —————————————
○委員長(川上為治君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大矢正君 私は日米間の繊維問題について、特に去る三月の八日と記憶いたしますが、わが国繊維業界の対米繊維輸出に関する自主的な規制に関する宣言にからんで、若干の質問をいたしたいと思うのであります。 わが国繊維業界におきましては、ただいま申し上げましたとおり、三月八日に自主規制宣言を行ない、同時に、その時点で政府間における日米繊維交渉は実質的にとまりまして、今後の日米間の繊維問題の解決は、一にかかってわが国の自主規制をアメリカ側がどのように受けとめるか、どのように判断をするかということにかかっておると思うわけでありますが、その後わが国の繊維業者の団体は、それぞれの立場から自主規制の内容の検討を進め、最近はほぼこまかい部分を除いては、大筋においてその全貌が明らかになったように承っておりますが、今日の時点におけるわが国繊維業界の対米輸出に関する自主規制は、内容的にどういうものであるのか、この際、承りたいと思うのであります。
○国務大臣(宮澤喜一君) 三月八日に、御指摘のように自主規制に関する宣言が出されますと同時に、私に対しまして要望書の提示がございました。その内容は、規制を効果的に実施することについての法制面での配慮、次に補償及び救済措置について等々にわたるものでございました。なお同時に、繊維産業連盟におきまして申し合わせ事項として、繊維規制に関する規制運営委員会、次に補償・救済に関する補償・救済委員会、この二つが設けられたわけでございます。私どもはその後業界とも求めに応じまして密接に連絡をとりつつ、今日まで規制の態様について並びに救済・補償の問題について、この両面に関して業界の求めに応じて協力をしてまいったところでございます。で、規制の態様につきましてもある程度の具体的な方策が成案を得つつございますし、補償・救済につきましては一応財政当局と私どもとの間の最終的な交渉を迎えようとしているわけでございます。詳細につきましては政府委員から御説明を申し上げます。
○政府委員(楠岡豪君) ただいま業界が考えております自主規制の内容につきまして概要を御説明申し上げます。 自主規制のたてまえは、綿製品、毛製品、化合繊製品、これは糸を除く全品目でございますが、これを包括して規制するというのがたてまえでございますが、規制の便宜上、暫定的に綿、毛、化合繊のそれぞれの織物、それに二次製品、四つのグループに分けまして、昨年の四月から本年の三月までの輸出数量の五%を基準としまして規制を行ないたいというのが第一年目でございます。第二年目はこれのワクの六%増し、第三年目は六%増しということで、七月一日から初年度を発足させたいという考えでございます。規制の趣旨は市場の実情に沿いました円滑な規制を行ないたいということでございますので、ただいま申し上げましたワクは暫定ワクでございまして、そのうちからある一定量を保留分として取りまして、その後の市場の変動に備えておるわけでございます。なお、このワクにつきましてはおおむね半年経過後見直しを行ないまして、そのときどきの事情に応じた調整を行なっていくということがこの規制の大筋でございます。それで、ただいま業界で連日検討しておりますのは、これらの四つのグループの中の規制の問題でございまして、これは基本的な考えは、いずれの部分におきましても、輸出が非常に伸びて急激に増加することが期待されるようなものを除きましては、できるだけ包括的な方式で規制をしたいということでございます。それからもう一点は、生産業者と輸出業者と、生産業者の中には糸の製造業者も入るわけでございますけれども、この三者の中の利害の調整をとりまして、できるだけ、たとえば中小企業にしてみますと、自主規制が中小企業の立場を不利にしないようにというような配慮をそれぞれの段階で行なう、こういったような考え方でいま最終的な詰めを行なっている次第でございます。
○大矢正君 先般の業界の自主規制の内容は、いま御報告があったとおりでありますが、これは非常に対米繊維の輸出が落ち込んだ昨年から本年の三月までの輸出数量に対して、初年度すなわちこれが今日考えられているとおりのかりに七月実施といたしますと、明年六月までの間の一年間における輸出数量のワクは、いま申し上げた基準に基づく五%増という内容であります。これは内容的に非常にきびしいものであると私は思うのであります。にもかかわらず、業界は思い切って日米間の貿易あるいは経済の関係、あるいは自由貿易を守り抜かなければならぬという立場から、みずからもまたこういうきびしいものにあえて踏み切ったと解釈をするわけでありますが、通産大臣は、いま業界が自主的に規制しようとしているこの内容に対して、どのような御判断をお持ちか、お尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 三月八日に日本繊維産業連盟が自主規制に関する宣言をいたしました際、政府といたしましては、現状にかんがみて次善の策である、業界がこのような決心をしたことについてその意のあるところを多とし、政府としても積極的に協力をいたしたい、こういう官房長官談話を発表いたしました。それが私どものこの規制に対する基本的な態度であります。 で、規制の内容及び被害の救済等につきまして、先刻も申し上げましたように、できるだけ政府としても協力をするということで、業界の求めに応じまして一緒に援助しながら作業をしてまいりました。申すまでもないことながら、私どもとしては、みずから規制をするというそのワクの中において、できるだけ、ことに中小零細なものの輸出が大きく妨げられないように、どうしてもしわが寄るとすればそれは負担力のある大きなところでできるだけしんぼうをしてもらいたいということ、並びに一つの商品が急激な増加をして、いわば市場かく乱を起こすというようなことは好ましくないので、そういうことが起こらないようにしてほしいといったようなことを中心に、業界と協力をして規制体制をつくることにつきまして、今日まで力をかしてきたと、このような立場でございます。
○大矢正君 大臣、私がお尋ねをしておるのは、行政府としてどういう協力をしてきたかということを伺っておるのじゃなくて、業界が自主的にきめました基準としての四十五年の四月から本年三月までの輸出数量、そうして初年度はそれに対して、すなわち本年度はそれに対して五%増しかみずからワクを設定しなかった、ワクの総量を設定しなかったという、こういう考え方について、あなたとしては、業界は非常に日米関係をおもんぱかってみずからの犠牲もある程度覚悟の上で、日米間の将来にかんがみて重大な決意をされた、こういうようにお考えになっておられるのか、それとも、これはもちろん自主規制ではあるけれども、とうていアメリカ側は納得のするような内容のものではなかろう、あなた自身も、同じ自主規制をするにしても、もっと自主規制を強化すべきではなかったのかというような考え方があるのかないのか、そこら辺をお答えいただきたいと思って実は質問しておるわけであります。
○国務大臣(宮澤喜一君) その点は先ほど官房長官談話を御紹介して申し上げましたように、政府の態度、私ももとよりその一員でございますが、ただいま大矢委員の御指摘になりました二つのうちの前者でございます。
○大矢正君 そこで、わが国繊維業界の自主規制宣言、そうしてそれに基づく具体的な内容、いまだ実行には移されておりませんが、こういうものをめぐりましてアメリカの態度というものは、たとえば商務省にいたしましても、その他それを取り巻く議会の情勢等をながめてみましても、もちろんアメリカの繊維業界もそうでありますが、必ずしもこれに対して好意をもって迎えておるというようには感じとれないのではないかと思うのであります。そこで私は、通産大臣として、アメリカはわが国の自主規制にどのような判断を持ち、そうしてまた将来どうしようとなさっておられるのか、理解をされておるといたしますれば、この際、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) アメリカ国内にもいろいろの反応があるようでございまして、これはすでに大矢委員もあるいは御承知のことではなかろうかとは存じますけれども、大統領自身は、日米両国間の交渉を差しおいてこのような自主規制の宣言が出たということに、これは正統的なやり方ではない、オーソドックスなやり方ではないという批判を持っておられるようであります。その立場は今日まで変わっていないように見受けるわけでございます。しかしながら同時に、このような大統領の声明がなされましたあと、米国の国内の一般世論と申しますか、それは、しばしばホワイトハウスに対する投書等々の形で語られる場合が多いわけでございますけれども、それによりますと、大統領のそのような発言に対しては、一般世論というものは必ずしも同意ではない、どっちかと申しますと、わが国の業界のこの宣言について、これを評価すべきではないかという世論の反応のほうが多かった、それもかなり多かったというふうに非公式に聞かされておるわけでございます。他方で、繊維問題に関心のございます国会議員等は、もともとアメリカの繊維業界は立法を希望しておったわけでございますから、このような自主規制宣言はいわば一種のまやかしであるというような表現を用いまして、立法をしようという努力を今日まで続けておるというふうに承知をいたしております。次に下院のミルズ歳入委員長は、日本の繊維産業業界がこのように決心をして、自主規制宣言をした以上、その自主規制について少なくともこれを実際にやらしてみる、そうしてそれが文字どおり誠実に行なわれるかどうかということは、これをテストするだけの時間というものは与えるべきである。自分の知っている限り日本の業界は約束をしたことは忠実に守るというふうに自分は判断をしているので、それに対していわばトライアルの期間は与えるべきである、もしそれがそのとおり行なわれない、誠実さを欠いておったというのであれば、その段階における立法もやむを得ないであろうが、現在の段階はこれについてまずトライアルをさしてみるべきである、こういう態度で今日に及んでおる、こういうふうに承知をいたしております。 そこで、以上のようなことから、米国内にもこの宣言の一つの条件になっております極東の他の主要輸出国についての働きかけという問題があるわけでございますけれども、大統領の正式の声明がそのようになっておりますために、たとい個人的な意見はどうであれ、米国政府としては現在まで公にその点について何らかの動きをしたということは、私ども知っております限りまだないように存じております。
○大矢正君 大臣、私は過去のことでありますが、この際、将来のためにお伺いをしておきたいのでありますが、この日米の繊維問題についての政府間交渉というものは、今日どういう形になっていると解釈すべきものなんでしょうか。たとえば日米間が合意に達して業界が自主規制をするというのだから、そいつを当分見守ろうではないかという、こういう、合意に達して日米繊維交渉が終わったということではないことははっきりしておるわけですね。それからそれじゃ他にどういう形で繊維交渉というものが今日、適切な表現はありませんが、中断ないしは停滞というか、とまっているということになっておるのかということになりますと、アメリカ側からは交渉をさらに継続するという意思があっても、わが国がそれを受ける意思がないという形で今日置かれておるのか、そうしてまたそういうことだとすれば、近い将来にさらに積極的にアメリカ側から、特に自主規制の内容が明確になった段階で、これでは不満足だからもう一回政府間交渉をやりたいと主張されたときにどうするのかというような問題もあるわけですね。ですから根本問題は、先般中断されたというのか、一方的に拒否をしているというのか何かわかりませんが、とにかく日米繊維交渉は終結を見たわけでもないようだし、終結もしたようだし、これはどうわれわれはとらえればいいのか、これをひとつあなたにお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは正確には外務当局からお答えをすべきことだと存じますけれども、私の理解をしております限り次のようでございます。 わが国といたしましては、当時の官房長官声明にもございますように、業界としてよくこのような決心をしてくれたという評価でございますので、これ以上は業界に望むことがおそらく無理であろうという基本的な判断をいたしております。したがいまして政府間交渉をいたしましてこれ以上のものを協議の対象にいたしましても、わが国業界が譲り得る最大限というものがすでにこういう形で出ておると考えなければなりません以上、そのような交渉をいたしましても、わが国の業界がこれを受け入れるという可能性がございませんから、したがって、わが国の側から見れば、交渉そのものの客体というものがすでにこういう形で解決した。それ以上の解決を望むことは、業界に対して政府が法的な強制手段を持たない以上は無意味である、こういう解釈に立っておると存じます。また、そのことはすでに米国側にも伝えてあるわけでございます。これに対して米国側は、このような解決のしかたははなはだオーソドックスなものでないので、米国としてはさらに政府間交渉が続けられるのであれば、そのほうをもとより希望するというような表現が用いられておりますけれども、その表現そのものの中には、しかしそれは実際問題としてはむずかしいことであろうというような含意がある、そのような大統領の声明であったと考えております。したがいまして、わが国の立場は先ほど申し上げたようなことでありますし、米国としては何か局面が変わってさらにまた交渉ができれば、それは最も望ましいと考えつつも、しかしそのようなことは現実的にはなかなか困難なことであろう、かように考えておるのではないか。そういう形で交渉は——ここは何という表現をいたしてよろしいのか——自然に、次の段階を迎えることなく、第十何回目でとだえたと、こういうことであろうと考えるわけでございます。
○大矢正君 そうすると、外交上からいいますと、こういうことになるわけですか、その日米政府間の繊維交渉というもの、繊維の話し合いというものは、どちらから言うともなしに議題から消えてなくなった、交渉の案件から消えてなくなったと、こういう解釈になるわけですか。そこの一番最後のところが問題なんで、それを私も知りたいんですよ。これは非常に大事だと思われますことは、蛇足になると思いますけれども、アメリカも、ある意味で日本が自主規制をやるというのだから、どんなものを持ってくるか、あるいはどういう内容でやるか見てやれと。しかし、それが実際に出てきて明らかになってきて、アメリカにとって不満足なものであれば、これはまた交渉案件として、あるいは議題としてある限りは、政府間でこんなものではだめだからやろうという根拠になるわけで、はっきりと日本は自主規制をするのだから、だからもう日米間の外交問題としては繊維交渉それ自身はあり得ないんだというように、はっきりしているわけでもないのですね。はっきりしているならけっこうなんです。その辺のあなたの明快な御答弁をいただきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は私も外交上のプロトコルを詳しく存じませんが、しかし、いまのお尋ねはなかなか大切なお尋ねでございますから、要すれば外務当局からきちんとした見解をお求めいただきたいと思いますけれども、私は私なりの非常に実際的な解釈からいたしますと、日本側の立場が、業界がともかく不承不承でも了承しないことではやれない、法的に規制する方法はないということは、すでにアメリカの交渉担当者はよく知っておるわけであります。それで、このような宣言が出て、これが最大限であろうということも、これもまず常識的にわかることでございますから、その上にさらに交渉をやろうと日本側に言ってみたところで、これは日本側として受け入れられる見込みのない交渉を両者間でやるということはできないことだということを、先方の交渉担当者並びに関係の多くの人は実は事実上知っておるというふうに私は判断をいたします。ただ大統領自身がどういう理由であるか、このようなやり方はオーソドックスでないというかなりきびしい批判をしていることもありますので、そういうことにかんがみて、交渉というものはもう客体を失ったというようなわれわれの主張に、すなおに同意を表明するということを交渉関係者はためらっておるのではないか。私どももまたそれを追及してみましたところで、別段いまの段階で意味のないことでございますから、まあ両方でしばらくこれで一応次回の会談というものもないなというようなことで別れておる。こういうふうな、これははなはだ厳密でない表現で恐縮でございますけれども、実態はそういうことじゃないかと私は考えております。
○大矢正君 それじゃ玄関のほうから行かないで裏のほうからひとつお尋ねいたしますが、業界の自主規制宣言というものの内容は、もちろん量的にどういう規制をするかということもありますが、同時に、いま一つありますことは、自主規制というものは、単にわが国だけがやっても効果がない、わが国だけでやるというものでもない。すなわち米国の繊維製品の輸入の相当部分を占める他の諸国が、日本の国と似たようなことを、すなわち規制をやった場合に、日本は他の国の規制を実施する日の翌月から始める。もっとわかりやすく端的に言うならば、アメリカに繊維もしくは繊維製品を輸出している日本以外の国——韓国あるいは台湾あるいは香港というような国が、現にそれぞれ自主規制を宣言するかどうかは別としても、実施をしたその次の月からでなければ日本の国はこの内容のものといえども自主規制は実施に移さないということがあるわけですね。これはどういうことになりますか、いまの問題とも多分に関連のあるところでありますが、アメリカは大統領をはじめとして、もちろん大統領がそうだから当然でありますが、何も自主規制をしてくれとアメリカ自身が頼んでいるわけではない、かってに日本がやると言っている、外交交渉は受けないと日本は言っている。さすれば、他の繊維輸出国が自主規制するかしないか、あるいは実施させる方法というものは具体的にどういう形のものがあるのかという疑問が出てくるわけですね。おわかりいただけますか、私の言わんとする意味を。これをひとつお答えいただきたいと思います。よもや、相手も認めていないし外交交渉も受けない、こう言っているのに、あえてアメリカが他の三国に対して日本と同じようにおまえの国も自主規制をやりなさいということは言うはずがない。常識的に考えるとそう考えざるを得ない。しかし、それを言わないのに台湾なり韓国なり香港なんかが日本と同じように自主規制をやるかどうかということは大きな疑問がある、どこからも頼まないでやるわけですから。かりに日本が頼んだとしても、アメリカ自身が頼まないことをやるとは考えられない。輸入する側の国が頼みもしないことをやるはずがない、その辺どういうふうに進行させていくのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) この自主規制の宣言そのものが、米国に対して相当の繊維輸入をしている国が、その国情に応じて類似の規制を実施するということを前提に考えられているわけでございます。また業界がそのような前提に立って考えましたことにも、それなりの経緯もあったようでございます。したがって、論理的に考えますと、業界としてはそのような他の輸出国が類似の措置をとることを期待し、かつ、これを前提にしてこの規制というものの宣言をした、そこまではまず間違いのないところでございます。で、政府といたしましては、わが国も業界と同様に、もともとアメリカ側がことに極東の各国からの繊維の規制を望んでおったのでありますから、また、現におるのでありますから、アメリカ政府自身が他の極東の輸出国に対して働きかけをすることを業界としても期待をしておりましょうし、政府として、私ども現に期待をいたしております。しかし今日までのところ、そのような目立った動きが公には少なくともないことは、まことに残念なことでありますが、認めざるを得ません。そこで、おそらくこれから残された日子の間にそのような努力がアメリカ側から極東の他の輸出国に向けて行なわれるであろうということを私どもは希望もいたし、また期待もいたしておる、こういう現状であります。
○大矢正君 理屈に合わないじゃないかと思うのですよ、あなたのおっしゃることは。あなたのお話を承ると、アメリカのほうは、こういう自主規制の宣言によって行なう、言ってみればアメリカへの繊維製品の輸入増加を押える方法は賛成できないということは、はっきりしておるわけでしょう、大統領の声明によって。その国が何のために、日本はこういう自主規制をしているんだから、それと類似の自主規制を韓国さん、台湾さん香港さん、やってくれと言うでしょうかね。私はそんなことは考えられないんですがね。あなたは実際にそういうことが理屈の上でもあり得るとお考えですか。アメリカは日本の自主規制は受け入れられないと、こう言っているのですね。受け入れられないのに、その受け入れられないものを香港、台湾、韓国に示して、日本がこういうことをやるんだからおまえさん方もやってくれと、どうして言えるのですか。その辺が言えるとされるあなたの考えが常識的に私にはどうしても理解ができない。いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) もともと極東の諸国からの繊維の自主規制を希望したのはアメリカの大統領自身であります。そこで、私は、ただいま他国の元首について批判がましいことを申すことを避けなければならないと考えておりますので、それを避けまして、そのようなこの自主規制宣言に対する大統領の声明というものについて、米国の国内にもいろいろな議論があるという形で御紹介をいたしたのでございますけれども、もし大統領が規制を実際に望んでおられるならば、それはわが国に対してだけ望んでおられるのではないのでありますから、わが国の業界がこのような宣言に出たということを踏んまえて他の主要輸出国に対しても何らかの働きかけを行なわれるであろう。そう考えることが、むしろ私は論理的ではなかろうか。何となれば、もともとそれらの国の規制を希望されたのは大統領自身でございますし、わが国の業界は他の国が同様の歩調をとるならばわれわれとしてもこういう措置をいたしましょうということを約束したのでございますから、それならば他の国に対しても働きかけをしてみようと、こう期待することのほうが私は論理の筋道としては合っておる、こういまなお考えておるわけでございます。
○大矢正君 そうすると、あなたの考え方は、たとえばニクソンが受け入れられないというような意思表示をしているという意味は、規制の内容的に問題があるということではなしに、外交上の手続が結局不明確なままにこういうものが一方的に行なわれることが気に食わないということだけなんでしょうか。そういうことだとするならば、あなたの言うことはよく私はわかるのですよ。ニクソンがこれを拒否しているというか、まあ拒否ということばが強ければ歓迎をしていないということの態度は、あくまでも外交技術上、たとえば日米繊維の規制問題は両政府間において話し合いをしてやっていたものを、ぴょんと横のほうで業界だけが自主規制をするというその手続上に不満があるからだから受け入れられないと、こう言っているのならば、あなたの言うことは私はわかるのですよ。しかし、そうじゃないのじゃないですか。それももちろん根本的にあるでしょうが、もう一つの問題は中身の問題もやっぱりあるから受け入れがたいと、こう言っているんじゃないでしょうか。だとすれば、両方受け入れがたいものを、何のために日本の自主規制を中心にして、相手方、台湾や韓国にも、あなた方も日本と同様の自主規制をしてくれと言うでしょうか。そこなんです私が理解に苦しむのは。
○国務大臣(宮澤喜一君) そこで、それから次を申し上げることになるわけでありますけれども、大統領自身は、日本政府がその意思を法的に業界に強制する方法はないということについては、おそらく理解をしておられるというふうに考えます。そういたしますと、この業界の自主規制の内容そのものが不満であるとお考えであれば、しかも自分の意思を実現しようとされるならば、立法に訴える以外に方法がなかろうと考えられるのでありますけれども、私ども事情に明るくはございませんが、なかなかそのような立法は成立しにくいのではないかというふうに、ただいまの段階では見ております。この見方に間違いがないとかりにいたしますと、大統領としてはやむを得ずこの事態をそのまま放置せられるか、あるいは少なくとも日本の業界がこれだけの宣言をしたのであるから、その前提の要件になっておる他の国に対しても働きかけをする、これはかねての大統領の公約に合うわけでございますから、そういうふうにお考えになるのではなかろうか、そう考えることが論理的ではないか、立法が別途できるということであれば、これはまた別のことになるわけでございますが、どうもそれはむずかしかろうという私の観測が合っているとすれば、先ほどから申し上げましたような方法に出られるか、あるいはもう自分のかねての希望は希望ながら、どうも希望が達成される方法がないので、この事態はもうそのままほうっておくのだ、こういうふうにお考えになるか、そのいずれかでなければ論理が合わないであろうというのが私の考えているところでございます。
○大矢正君 どうもあなたと私とは話のすれ違いなんですよ。私はこう思うのですよ。アメリカが韓国や台湾その他に対して、日本とまるっきり同じとは申しませんとしても、似たような自主規制を、日本がやるんだからという前提で、かりに他の諸国に対して言うという場合には、内容的にもある程度まあもちろん不満足であろうことははっきりしておりますけれども、不満足ながらもまあこれが限界だなと、この程度が、まあ日本が業界の意思というものを受け入れた形において自主規制をするとすればこれが限界だなと、もちろん自主規制というのは業界自身でやることでありますが、それに対して多少政府も時局の重大さというか、国際情勢のきびしさというものをよく説得をしてやったとしても、これが限界だなという大統領のかりに気持ちがある場合に限って、大統領なりあるいは政府機関というものが、他の三国に対して、まあ言い方はいろいろあるでしょうが、日本よりもっと強い自主規制をしてくれぬかというそういう話が私は出てくるんじゃないかと思うのですよ。そういたしますと、結局アメリカの大統領なり政府機関というものが、今日日本の業界が自主規制をしようとしている内容を受け入れる、消極的にでもいたしかたない、それから繊維業界の自主的な協力なくして日米の繊維の問題の解決はできないということをアメリカの大統領それ自身が考え、かつ日本の業界自身が今日行なおうとしている自主規制の内容をアメリカ大統領自身がやむを得ないという気持ちになるか、まあこれが当然であるとは当然思わないだろうが、しかたがないという気持ちがあるならば、日米繊維交渉の政府間交渉でなぜ一体この話はまとまらなかったのかということになるんじゃないでしょうか。あなたの話を聞くと、何かアメリカの大統領なりその他のところで、日本の今日のこの態度に対して理解を持っておる、理解を持っておるから、よって、それこそアメリカが自主的に他の三国、四国に対して日本と類似の自主規制をせよというふうに言うであろうということも期待しているわけですね、あなたは。そういう期待をあなた自身が抱くということは、アメリカ自身が——また繰り返して言うけれども——この内容というものをある程度はやむを得ないものだと思っているんだと思います。だとすれば、日米繊維政府間交渉で、なぜこれがこういう内容でまとまらなかったのか。もっと具体的に言えば、それでは今日出してきている業界の自主規制内容というものは、実はもうあとから態度が急変したのであって、日米政府間交渉の時代にはもっともっと日本に有利な案しかなかった、その時点だから話はこわれたというか、成立をしなかった。しかし、業界自身からそれよりもっともっと譲歩した形で今日自主規制が出てきたから、よってアメリカは好意的にというか、裏面にあらわす、あらわさないは別として、まあまあという形でこの自主規制を認めるという方向になっているという解釈しか生まれてこないわけですが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは多少のそんたくが入りますが、おそらく間違っていないと考えつつ申し上げますが、このような案が日米の交渉の場で日本側からかりに出されたといたしますと、おそらくニクソン大統領としてはこの案には満足でない、こういう考えであったろうと私は推察をいたします。もっと強い規制案を希望しておられたであろう。しかし、わが国としては、それはたびたびの国会の御決議にもありますとおり、業界の受け入れられないものは政府として強制することはできないのでありますから、そのような交渉を妥結させるわけにはいかない、そういうことで交渉が膠着状態に入ったことまでは、おそらく大統領は知っておられるわけであります。そういたしますと、先刻申し上げましたように、立法という方法は容易なことでない、これはまずそう考えてしるかべきでありますから、それならば、さてどうするかというときに、こういう自主規制案が出てまいった。そこで、当時私どもとしては、これはしごく常識的な判断になりますが、これでもベター・ザン・ナッシングであろうという表現を使って申しております。アメリカでは、「半分のパンは全然ないよりもましだ」という表現でいわれておったと思いますが、そういうごく常識的な判断から申しますと、そういう判断につくことがこの環境のもとでは当然考えられることではなかろうかというのが私が実は申し上げておることでございます。
○大矢正君 そうすると、結局最終的にはアメリカ側は満足しているわけではないが、次善の案というか、そういう意味においてゼロよりはいいという判断をしているだけだという解釈になれば、私がおそれることは、さっきの、交渉の終段か、あるいは終了か何かわかりませんが、そのことと結びつけて考えると、また新たな問題として、政府間において日米の繊維問題の話し合いをせいというようなことを、何らかの力の背景、あるいは何らかの経済上のものを背景として提起される心配があるのではないかという感じがいたしますので、先ほど来、いろんな角度からお尋ねをいたしたわけであります。 時間もありませんので、引き続いて伺いますが、日米繊維交渉、それから自主規制宣言、自主規制と、こういうふうに変化を遂げていく過程の中で、相当長期にわたり日本の繊維業界には非常に重大な影響があらわれてきております。そこに今日の経済の停滞、それから先般も議論をされました特恵関税の実施というような背景によって、今日の繊維業界はあらゆる分野にわたってたいへん重大な危機を招いているわけであります。そこで、承るところによりますと、政府は対米繊維輸出の自主規制に関連をして、この際、それぞれの業界に対し補償もしくは救済の措置を講じなければならないとお考えのようでありまして、承るところによりますと、一つには織機あるいは編み立て機の買い上げ廃棄、それから融資の制度というようなものを実施に移したいというお考えのようでありますが、もちろん今日の段階でまだ財政当局であります大蔵省との間の最終的な一致を見るまでには至ってないように聞き及んでおりますが、通産省は今日どういう内容をもってこれら繊維業界の救済もしくは補償をしようとしておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(楠岡豪君) おおよその考え方といたしましては、対米規制によりまして第一番に業界の設備が過剰になることが考えられるわけでございます。織機、これには綿、毛、化合繊が含まれるのでございますが、織機、それからメリヤス編み立て機等の設備の過剰をこの際解消したいというのが第一点でございます。これは設備買い上げの方法によって、買い上げた設備を破砕いたしまして過剰の設備をなくすという考え方でございます。 それから第二点は、規制に伴いまして運転資金に業界が困るわけでありますが、この運転資金を長期低利という条件で配慮したいというのが第二点でございます。 それから第三点は、ただいますぐということではございませんけれども、これまでやっておりました構造改善、さらに進みまして輸出の伸び悩みという事態、それにただいま先生のおっしゃいました特恵問題あるいは一般的な後進国の追い上げといったような状況に対処する必要があると考えられます。それで、一口に言えば構造改善の一そうの推進ということになるのでございますが、この三本の柱、特に前二者を対象といたしまして、ただいま大蔵省と折衝中でございます。
○大矢正君 織布業者だけではなくて、二次製品の業界、染色業界、それからまたメリヤスその他の業界等といろいろ分かれておりますから、その全部の具体的な内容を申し上げるということは時間的な余裕がございませんので、とりあえず織布なら織布に限って私は検討してみると、非常に多くの問題があるんではないかと思われます。で、ただいまから具体的に申し上げますので、ひとつお答えを賜わりたいと思います。 まず第一に、織布業者というのは、従来構造改善その他でいわれておるような、いわゆる織機だけを廃棄すれば事が足りるという問題ではなくて、たとえば織機を減らすに際しましては、それに相応して、たとえばのりつけ機械であるとか、あるいはまた仕上げ機械であるとか、幅出しの機械であるとかいうような付随する機械、付属設備というものがあるわけですね、織機だけは買い上げてやるが、従来そういうものは買い上げておらぬわけでありますが、この問題を一体どうするのか、まあ二つあると思いますね。たとえば百台織機を持っておるのを二十台減らして八十台にする。その際において付属設備をどうするかという問題もありますし、まるまる転廃業をしていこうという場合には、織機だけ買ってもらったってしようがない話で、それに付属する機械を全部買ってもらわなければ転廃業できないということでありますから、その問題をどうお考えになっているか、まず根本的な問題を……。 それから第二の問題は、従来平均をすれば十万円程度で上のせ廃棄をいたしてきておりますが、十万円程度ではなかなか廃棄をしようとする意欲がわかないわけですね、転廃業ももちろんでありますが。したがって、思い切って一台当たりの単価を引き上げなければならぬと思うのでありますが、それはいまの通産省案としてどの程度まで引き上げようとお考えになっておられるのか、この点お答えをいただきたいと思うわけであります。 それから金融に関する問題でありますが、現に構造改善が進められて多額の借金をかかえ、現実問題として苦しんでおるわけでありますから、金を貸してくれると、こう申しましても、従来のような担保あるいは保証人が必要だという前提においての金を借りる道というのは現実に閉ざされるわけでありますね。従来の中小企業金融公庫であるとか、あるいは市中金融機関にいたしましても、信用保証協会の保証を得るという場合におきましては、それ相応の、業務方法書に基づく担保の提供なり、保証人の設定ということが必要になるわけでありますから、それを変えないことには、幾ら、たとえば政府が織機業者の転廃業ないしは質的な転換に向かっていく際における金融の道を講じたと、こう申しましても、実際には金を借りられないということになるわけですが、これを一体どうされようとなさっておられるのか。これは絹織業を専門にやっておる場合にはまだしも、七割近くまでも、たとえば糸買いあるいは布買いというようなところに関しては、一そう糸を買うだけの、やはり資金的な余裕も必要だ、もちろん、これはまあ商工中金その他の金融機関はあるにいたしましても、そのこととそれから金を借りるにあたっての近代化その他についての保証、担保という問題になってくると、なかなかそういうものは見当たらない。したがって、こういう日米繊維問題の解決のためにかなり大幅な犠牲を受け、さらに特恵関税の実施に伴って開発途上国からの追い上げが激しくなっているという二重の国家の政策上における問題といいますか、国際間における関係においての結果として派生してきた問題でありますから、政府が同じ金を貸すにいたしましても、長期低利の融資ということを考えてみましても、実際に金をまず借りることそれ自身ができないという問題がありますね、これをどうするのか。それから、現に多額の借金をかかえておるわけでありますが、そういうものはある程度安い金利の方向に乗りかえさせるというようなことも方法として考えられてしかるべきではないか。 ともあれ、やはり過剰織機が今日存在をし、しかもこれからの自主規制ないしは開発途上国からの追い上げ等によって、かなりの織布業者は織機を廃棄しなければならぬという現実にも直面をいたしておるわけでありますからして、具体的なそういう政策面における配慮が私はぜひ必要だと思うのでありますが、まとめて申し上げましたから、ひとつまとめてお答えをいただきたい。
○政府委員(楠岡豪君) 御質問の第一点の、買い上げの対象となる機械でございますが、織布業者に限って申し上げれば、私ども織機だけを考えております。先生のおっしゃるように、企業としてはそのほかの付属設備等がございましてワンセットになるわけでございまして、設備買い上げの趣旨を徹底すれば、こういうものを全部買い上げないと完全ではないということになるかと思われますけれども、一方から申しまして、廃棄するということで買い上げました設備が、またあとになりまして復活するようではぐあいが悪いわけでございまして、あとで復活をしてこないような歯どめのできる範囲で買い上げるということになりますと、やはり織機が対象になるかと思います。ただし、その場合、買い上げます単価につきましては、従来の十万円程度では、廃棄に応じてきます台数が非常に制限されてまいりますし、こういった事態に対しまして、特に廃業しようというような方々に対しましては、十分な手当てということができませんので、この十万円という金額が大幅に増加いたしますよう、ただいま折衝しておる次第でございます。 それから金融の問題でございますが、確かにワクをつくりましても、それが実際に業者、特に中小零細業者に流れませんと、実効があがらないのでございまして、そのための手段としまして、信用保証協会のワクの拡大等は当然でございますが、この年度末のいわば業界の救済融資を行ないました際に、各県の御協力を得まして、その実績を見ますと、零細業者にもかなり商中等からの貸し出しが円滑に行なわれたという経緯もございますので、現地の都道府県の御協力も得、かつ金融機関の御協力も得まして、実際上この金融が円滑にいきますよう、できるだけの配慮を行なってまいりたいと存じます。 それからなおその場合に、既存債務の借りかえという問題も当然出てまいると思いますので、こういうものをも対象といたしますように、大蔵当局と折衝してまいりたいと存じております。
○大矢正君 第一の問題は、先ほど来申し上げておりますように、織機だけを幾ら買い上げて、つぶしてみたところで、それに付帯する設備というものを買い上げるという方向も同時にとらなければ、この際、転廃業を積極的に進めようとする際に障害になる。だから私は、先ほど申し上げましたとおりに、自分の手持ちの織機の部分を買い上げる場合と異なって、転廃業の際には、ある程度織機以外の付属設備を買い上げるというようなことを考えてやらないと、転廃業者は出てこないという心配があるので、せっかくの政府の好意なり努力なり政策なりというものが生きてこないんではないかという心配があるから申し上げているのでありまして、政府もやはりもっと積極的にひとつ考えてもらいたいと思うのです。 それからもう一点は、たとえば上のせ廃棄の場合は、受益者負担というか、言うならば、残った人たちが負担する部分がありますね、これは五〇%という見当ですが、かりに今度織機を一台三十万円で買うということになりますと、その比率でいけば、今度は業者自身が、五〇%というと十五万円負担しなければならないということになって、いまの五万円でさえ負担するのがだんだん数が少なくなっていくのでたいへんなのに、そこに十五万円負担するということになれば、これはとてもじゃないが、現にこれは幾らつくってみたってできないわけですから、ですから、受益者負担といいましょうか、業者それ自身の負担というものは、ある程度軽減をしてやらないと現実に廃棄が進んでいかないという問題がありますから、この点はひとつ十分留意をしてもらいたい。 それからもう一つは、先ほどこの融資の問題で、あなたは保証協会のワクをふやせばいいというようなお話がございましたが、これは幾ら保証協会のワクをふやしても、たとえばこの部分は繊維の業界にだけ限って貸し付けるんだということを幾らきめても、現実に条件が問題なんだから、条件が。それの担保を提供したり保証人を有力な者を立てて金を借りられるような条件にないわけだ。その条件が問題なんですから、保証協会のワクを幾らふくらましてみたところで、これは話にならぬわけですね。だから、そうではなくて、この部分に限っては特別のひとつ配慮をして金の貸し方を、将来返さなくてもいいとは言えないけれども、条件をゆるやかにしてやって、もしそこから出てくる貸し倒れその他が出た場合には、これは保険公庫なら公庫が持つと、持たせるというような意味において、保険公庫等に特別そういう指示をし、そういう具体的な措置を講じつつこの融資条件を緩和するのなら話はわかるけれども、ただ幾らワクをふくらましたって、こんなものは全然今日の繊維業界にとっては、力のある者ほど金借りられるけど、力のない者ほど金借りられないということになるわけですから、そこをひとつ十分考えてこの保証と救済措置を講じてもらわなきゃならぬと思います。 時間がまいりましたので、以上をもちまして私の質問を終わりますが、最後の点は要望でございますから、あえてここでは御答弁いただかないつもりでおります。
○上林繁次郎君 私は、水産物の輸入と、それから航空機産業の将来といいますか、そういった点についてお尋ねしてみたいと思います。最初に水産物関係についてお尋ねをしてみたいと思います。 昭和四十五年度の全国水産物輸入用外貨割り当て、これが通産省は上半期五百五十万ドル、そして下半期にも同額の五百五十万ドル、合計で一千百万ドルの割り当てを行なったわけです。これまでの輸入実績から見て、これはあまりにも多額ではないか、こういうふうに感じられるわけです。実際こんなたくさんの割り当てを受けた商社は非常に困惑をしておる、こういう声を聞くわけですけれども、こういった点は通産行政に対するずさんさといいますか、そういう批判が非常に強くなされているように感じられるんですが、この点どうでしょう。
○説明員(佐々木敏君) お答えいたします。 ただいまの先生の御質問は、韓国産水産物の割り当てについての御質問と存じますが、実は水産物の割り当てにつきましては、昨年の六月に物価対策閣僚協議会の御決定によりまして、割り当て対象物資につきましてはすべて国内消費量の二%を最低限度といたして割り当てることという御決定を見ておりまして、したがいまして韓国産水産物につきましてもそれぞれ水産物の国内消費量の二%を限度にして割り当てたというような実情であります。したがいまして、一昨年は韓国産水産物は三百三十万ドルの割り当て限度でございましたけれども、昨年度は上期下期合計いたしまして千百万ドル、そのほかにするめを若干割り当てるというような実態であります。
○上林繁次郎君 いまのあなたの話を聞いていると、物価対策閣僚協議会、これには大臣が出ておられたと思いますが、そこでいわゆる全消費量の二%の輸入と、こういうことにきまったからやったんだと、こういうことなんですな。そこで、そこはわかりますけれども、そういうふうに閣僚協議会できまったからそういうふうに決定されておる、こういうこと、それはわかる。だけれども、それには理由がなければならぬと思うので、その点、大臣は御出席になっておったわけで、なぜそういう多額のものを割り当てなければならなかったかというその理由ですね、それについてひとつ御説明願いたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) 理由は二つございまして、一つは、わが国の消費者一般の利益から申しまして、なるべくたくさん海外のそういう安い食料その他を輸入をしたいということでございます。 第二点は、しばしば行なわれております日韓閣僚会議におきまして、韓国からは海産物等を中心にわが国にもっと買ってほしいというしばしばの要望があるわけでございまして、私ども日本の水産業等のことも考えまして、野方図にもできないということで、そのつど説明をいたしておるのでありますけれども、ふやしてやりますことが先方の希望でもあったわけであります。その両方の観点からその二%の決定をいたしました。
○上林繁次郎君 そうしますと、それでは現在では——四十五年度ですね、この割り当ては——それがどういうふうに消化されてきているのか、その実情についてひとつ。
○説明員(佐々木敏君) ただいままでの韓国産水産物の輸入状況につきまして申し上げますと、割り当てました時期が昨年九月に五百五十万ドル、十一月に五百五十万ドル、合計千百万ドルでございますが、そのほかに同じく十一月に二千五百トンのするめを別ワクで割り当てをいたしておりますが、元来輸入割り当てをいたしまして、物が実際に入ってくるまでの間が大体水産物につきましてはほぼ十カ月から十一カ月までの間に逐次入ってくるというような状況でございます。したがいまして、まだ現状におきましては消化量というものは非常に少ないわけであります。実はこの割り当てしたその外貨でもってどの程度入ったというようなことは、的確に通関統計上はつかめないのでありますけれども、たとえば昨年一年間の輸入量は四百九十八万ドルであります。またこの一月、二月までの通関統計は百九十万ドルでございます。
○上林繁次郎君 大体、私の聞くところによりますと、割り当て額の五分の一くらいということですね、四十五年度は。実際問題こんな多額のものを振り当てたからといって、実際にこれが消費者にどのような影響を与えるのか。実績があがらないという問題があるわけですね。先ほど大臣からもお答え願ったわけだけれども、どうしてもその理由に当てはまらないじゃないか、実際現実には。たとえば五分の一しか消化されてないというその状態では。その辺をどういうふうにとらえているのですか。
○説明員(佐々木敏君) だたいま御指摘ございましたように、通関統計上は明確に消化状況がはっきりいたしませんけれども、業界統計等を見ますと、昨年二回の割り当てのうちで、するめにつきましては昨年十二月と本年一月におきまして全量が通関されておるようであります。なお、するめ以外の魚につきましては、先生御指摘のように、ほぼ五分の一程度しか入っておりません。しかし韓国水産物につきましては、一、二、三あたりは非常に例年的に漁獲が少ないわけでありまして、六月以降になりますと夏ブリが相当とれる。また秋以降になりますと寒ブリがとれるというような状況のようであります。したがいまして、先ほど申し上げましたように、輸入割り当ての有効期間中には相当程度消化されるであろう、かように考えております。
○上林繁次郎君 まあ突っ込んでいくと、その辺のところがただ漠然として……。いま私が取り上げている問題は、千百万ドルの外貨割り当てしたわけですよね。それが四十五年ですね、五分の一程度しか消化されてないわけです。そうでしょう。その振り当てられたのは四十五年度なんです。それは長い期間たてば、それはだんだん、だんだんと減っていくかもしれませんよ。だけども四十五年度、私が問題にしているのは、四十五年度に千百万ドルということで、たとえば四十二年度は八十万ドル、四十三年度は六十五万ドル、それから四十四年度が八十万ドルですか、それから四十四年度の十月には百万ドル、四十五年度の二月には百五十万ドル。ですからこれを合わせても四十四年度は三百三十万ドルくらいですか、この程度までしかきてないんですよね。それが急激にこういうふうにふえてきたということ。これは私どう考えても納得できないわけですよ。ずさんという以外ないじゃないかと思う。その辺をはっきりしてもらいたい。それは、私がずさんじゃないかと言っても、それはずさんじゃありませんと言うかもしれぬけれども、しかし、どう考えても、いままで年度を追って御説明申し上げたように、これしか割り当てしてないんですから、急激にそんな多額のものを割り当てたからといって、それじゃ韓国の水産物の生産状況からいって、はたしてそういったものが消化できるかどうか、輸入できるのかどうか、そういう市場の検討といいますかね、そういったものをなされてきたわけですか。たとえば、いいですか、この年からアジとサバ、これは言うならばいままでは輸入ができなかった、それを輸入できるようにしたわけですよ。こういうところまで広げたわけだ。広げたけれども、いいですか、広げたけれども、これは韓国のアジ、サバの市況というものは日本のものよりも上回っているんですよ。実際は上回っているものを、これをいままで輸入できなかった。輸入を解いたからといって、これを輸入するわけにいきますか。これをどんどん輸入すれば商社はぶっつぶれちゃうかもしれない、極端な言い方をすれば。当然こんなものは輸入できないでしょう、日本のものが安いんだから。そういった考え方、私から言わせればそういった考え方をもとにして、いわゆるそういう市場というものの調査、そういうものを何もなされないで、それで、ただ感じだけみたいなことで千百万ドルが割り当てられたんだと、こういうふうにしか感じられないわけですね。この辺、どういうふうにお考えになりますか。そのサバやアジは向こうのほうが高いのですよ。高いものこっちへ入れるんですか。だからずさんと言う以外ないじゃないかと、こういうわけなんですがね。どうしても納得できない、この点は。
○国務大臣(宮澤喜一君) 別にずさんだというふうには考えません。国内の消費者から申しますと、韓国の安いいい海産物をなるべく輸入をして嬉しいというのが一応消費者の声でありますし、韓国側もできるだけ日本に買ってもらいたいという一般的な要望もありますが、ただそこで、そうしますと日本の水産業者がどうなるかということで、外貨割り当てというものが従来行なわれてきておるわけでございます。私ども一般にどういうふうにいたしておりますかと申しますと、さしつかえないものは自由化をしたいと考えておるわけでありますが、だんだん外貨割り当てをふやしてまいりまして、そうして日本の業界もそれになれてくる。そうして最後に自由化するというのが従来一般的なやり方でございますが、今回も二%ということで、外貨割り当てをふやしてまいります。そういたしますと、いわゆる未達がかりに出たといたします。そういたしますと、割り当てをしておるから入らないというわけではない、これは消費者にもわかってもらえますし、韓国側にもわかってもらえるわけです。また日本の生産者といたしましては、なるほどたっぷり割り当てたがこのくらいしか現実には入ってこないのかということであれば、それならば自由化してもらっても別段差しつかえありませんと、そういうふうにいくわけでございますから、こういうことは従来一般にやられていることで、私は非常にいい方法であろうと思います。私どもはそのサバを幾らで買えという単価を指定したりすることはもちろんいたさないのでありますから、もし韓国の市況のほうが高ければ、それは自由化いたしましても日本にまいりませんでございましょう。しかし日本の需要がさらに高まれば、こちら側の買い取り価格がさらに高くなるわけでございますから、そうすれば日本に入ってくるに違いない。そこは自由経済になるわけでございます。なるべくそちらのほうに持っていくということが消費者の立場から見ましても先方の立場から見ましても、また急速な自由化を心配する業界の立場から見ましても、どの立場から見ても一番いい方法であるというふうに考えるのであります。
○上林繁次郎君 大臣から言わせれば非常にいい方法であると、こういうわけですね。それじゃ商社はこれだけの外貨割り当てを受けまして、それでこの消化にあたって何ら支障を来たしていない、困っていないということですか。非常にその辺のところは潤滑にいっているんだ、こういうことですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 商社に割り当てるわけではありませんので、要らないものを商社にこの外貨を買えというようなことを言っているわけではございません。政府としては千百万ドルの外貨をこのために用意いたしますと、これを使って輸入したい方は何でも輸入なさい、こう申しておるのでございますから、商社がその輸入はできない、あるいはその輸入は不利であると考えれば、この外貨は使われずに、いわゆる未達として残る、こういうことでございます。
○上林繁次郎君 その辺の大臣の話はわかります。わかりますけれども一千百万ドルというその外貨割り当てをやったわけでしょう。ほんとうに一千百万ドルというものは、言うならば、あなたがさっきから言っているように消費者のためということを主体にものを考えている場合に、それが入ってこなかったら何にもならないじゃありませんか、その辺をさっきから言っているわけです。一千百万ドル割り当てしたけれども入らない、五分の一しか消化できていないということは、どれほどの消費者に利益を与えてきているのか。そうだとすれば無謀な割り当て、いわゆる予算のぶんどりといいますか、無謀な割り当てという以外にない。この一千百万ドルというのは私はこんな感じがするんです。大臣の言っていることは、話としてはわからないことはないですよ、だけれども実態はどうだといったら五分の一しか消化されていない。多過ぎないかと言うのです。なぜそんなに四十五年度に一千百万ドルも割り当てなければならなかったのかということなんです。需給のバランスという問題、需要が少ければしょうがない、高ければ輸入しないこともある。それじゃ全然計画性というものがないじゃないですか。少なくとも千百万ドルを掲げたということは、一つのねらいがあったはずだ。それを達成するために千百万ドルのいわゆる外貨割り当てというものがなされたと私は思う。その点どうなんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 韓国の海産物に千百万ドルを割り当てるくらいならば、もっとほかに適当なしかるべきところにこの外貨を割り当てたらどうであったか、外貨も非常に窮屈であるからというお話ならわかるわけでありますけれども、外貨は窮屈でないのでありますから、いわば自由化の状態をお考えいただければわかることであって、ここにこれだけの品物がある、お買いなさい、自由でございますという状態に近づいてきたと、こうお考えくださればよろしいわけで、この外貨は使われたわけではございませんが、割り当てとしてそこに置いてみただけで、それが使われなかったという状態になるかもしれないというわけでございます。
○上林繁次郎君 大臣の話はわかるのですよ。その辺のところがちょっとかみ合わないのですけれども、大臣の言うことはわからないわけじゃない。いままで、四十四年度は三百三十万ドルですよ、一応。こういうことになっているでしょう、割り当て額が。四十五年度はいま言ったように千百万ドル、言うならば、平均しますと、大体五十万ドルから九十万ドルのところじゃないですか。そうすると十分の一くらいのあれが一ぺんにはね上がったというわけですね、割り当てが。そこら辺のところにこちらは疑義をちょっと感じるのです。そこにインチキ性があるとかなんとかいう問題を言っているのじゃなくて、そこら辺のところはもっと的確に外貨割り当てをすべきじゃないかということを言っているのです。余っているからうんとやっていけばいいのだという、いまのお話ですとそんな感じだと思うのです。そういうことを私は言っている。余っているからうんとやっていけばいい、その中で自由にやっていけばいいのだという、そういうものの考え方は、これはずさんという以外にないのじゃないかということをさっきから言っているわけです。大臣の言うことは私もわからないわけじゃないのですけれども、私はそう思うのです。ですから、ここのところを幾ら話し合っていてもちょっとはっきりした結論が出ないような感じがしますが、この点は私はそういう感じがする。もっと的確に、四十四年度までの外貨割り当て額からいって、四十五年はなぜそんなにいままでの平均したものから十倍も上げなければならなかったのかという、そんな多額のものをどうして割り当てなければならなかったかということを、そのほんとうの意味を聞いているわけなんですよ。ただ外貨がうんと余っているからそういうふうにたくさん割り当てたのだというだけでは、これは私たちとしては納得できない、こう申し上げておきたいのです。 そこで、きょうの新聞を見ますと、水産庁の魚の市況が、非常に何といいますか、当たらないですね、ごらんになったかと思いますが、昨年から比べますと、水産庁が毎月市況を出しているのですね。これから言いますと、大体値下がりしていなければならぬのですよ。ところが昨年の同期といまと比べると大体三〇%から四〇%くらい上がっているのですね。水産庁の市況で言えば当然下がってなければならない、あるいは横ばいくらいである、こう考えられるわけです。これがまるっきり下がるどころじゃない、横ばいどころじゃない、三〇%から四〇%くらい上がっている。その見通しの甘さ。そういうことなんです。どういうことなんでしょうかね。
○説明員(田中慶二君) 水産物のいわゆる価格につきましては、ただいまお話のように、かなりの値上がりを示しておるわけでございます。水産庁が発表いたしております価格予想は、市場関係の業者、それから生産の見通し等を基礎にいたしまして作成をいたして発表をしておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、まず生産の面で申しますれば、水産物はいわゆる水ものでございまして、なかなか漁獲が予定したとおりにあがらないというふうな問題もございます。一方におきまして、価格の面におきましても、最近の流通段階においては、いろいろの問題をかかえておるわけでございますが、一つには、やはり何と申しましても現在の流通機構のもとにおきましては、いろいろ関係の流通コストが値上がりをしているというふうな現状がございまして、そういう点の、やはりわれわれの期待しておるところの見通しと現実の値上がりというものに格差が生じてきているというような点もあるわけであります。それから最近の消費の実態等から見ましても、いわゆる冷凍その他の設備が充実いたしまして、そういう面において予期以上に生鮮度の高い魚がいっているということで、それにはそれなりのコストがかかっているというふうな点もございます。しかも、また、最近におきましては、どうも安い魚よりも高い魚を流通関係者としては扱いたがるというふうな点等もございまして、そういう面での流通経費の上昇がどうもやはりわれわれの期待以上にかかっているというふうに考えられるわけでございます。
○上林繁次郎君 特にアジとかイカというような大衆魚ですね、これが特に値上がりがひどい、こういうことなんで、たとえば前年同月に比べると四四%、これはアジですね。イカのほうは三三%、サバにしても一五%ぐらい、そういうふうにみんな上がっているわけです。いまその理由についてお話があったわけですけれども、やはりいまのような御説明、それが一応なされるならば、もう少しやはり的確な——的確というところまでいかないかもしれないけれども、弱含みというのですか、弱含み、横ばい、弱含み、横ばいと言いながらこういうふうに上がってきちゃった。これは消費者を愚弄しているという以外ないじゃないか、こういうように言えると思うのです。その辺、少し水産庁としても何らかはっきりしたものを、何と言いますかね、その辺をはっきりさせなければいかぬ、こういうように私は思います。そこで、こういう問題があるのですね。物価輸入政策、こういうことで韓国からするめを緊急に買い入れた。輸入した。ところが、このするめが下関の太洋漁業の冷蔵庫に死蔵されておる。こういうことが記事に掲げられました。こういった、言うならばばかばかしい話です。何のための物価輸入政策なのか。何のためにそれじゃ緊急輸入されたか、死蔵されるくらいならば。その辺の実態をひとつ御説明願いたいと思います。
○説明員(田中慶二君) 韓国産の干しするめにつきましては、先ほどお話がございましたように、昨年の十一月に二千五百トンの輸入割り当てをいたしたわけでございます。それによりまして、十二月に輸入をいたしまして、年内に半量の——これは数字にいたしまして四万ピクルでございますが——二万ピクルがこれは市場に出回ったわけでございます。そうしてあとの半量はこれは私どもの聞いておるところによりますと、加工業者等のいろいろ資金手当て等がございまして、二万ピクルにつきまして、倉荷証券を銀行に担保に入れまして融資を受けておったようでございます。そのために、いまお話のように倉庫に寝ておったというふうなことがあるようでございますが、これも現在ではこの手形の支払いが済んだようでございまして、いつでも流通し得るというふうな状況にございます。しかし最近、一般に国内の干しするめもそうでございましたが、正月を過ぎましてから荷動きが非常に悪うございまして、業者のほうでも積極的に買い意欲を示さなかった、また一面において市況等もやはり六百円前後で横ばいの状況であったというふうに聞いておる次第でございます。
○上林繁次郎君 いまあなたがおっしゃったように、昨年の十二月、一月ごろですか、緊急に韓国から買い入れることになった。それは当然常識的に考えて、暮れだとか年始に、こういったものがその時期を迎えて値上がりするであろうということが予測される、そのことによってこれは緊急に輸入された、そうして物価の安定をはかっていこうというのがねらいだったと思う。にもかかわらず、いわゆる二万ピクルは出されたけれども、しかし、それは値上がりのほうはどうかといえば、六、七百円から九百円、千円台にはね上がってきているわけです。何のために緊急にこれを輸入したのかという問題、そうしておきながらあとの二万ピクルは冷蔵庫の中で死蔵されておる、こういうことでは、いわゆるやっている行政といいますか、それが疑われてもしかたないじゃないか、こういう不手ぎわなことをやっていたのでは。問題はその辺です。緊急に買い入れたのは何を意味しているのですか。
○説明員(田中慶二君) 昨年の十一月に輸入割り当てをいたしました四万ピクル、二千四百トンでございますが、これは先ほど通産省のほうからお話がございましたように、全体の韓国の水産物の輸入量を多くするという趣旨の点で、これは前年は一千トンでございまして、それの倍ということで輸入割り当てをしたわけでございます。したがいまして、国内の市況が非常に暴騰したから緊急にこれを市中に出さなければならぬという趣旨のものではないように聞いております。したがいまして、私どもとしましてはそういう趣旨、いずれにいたしましても、国内におきましては大体干しするめの価格はおおむね横ばいで安定をしておりましたけれども、こういうものが円滑に流通するということはけっこうなことでございますから、別に私どものほうからはとやかくは申さなかったわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、業界としましてはやや荷もたれというふうな状態で今日に至ったというふうに聞いておる次第でございます。
○上林繁次郎君 ですから、いま私は時期的な問題を指摘したのですけれども、別にそういったことではなかったようであるということだと、それじゃ何も緊急にこれを輸入しなければならぬという問題ではないのじゃないか。私から言わせれば、その辺のところがはっきりしない、逃げ口上みたいなことを言っておるような感じがするわけです。 そこで問題は、外貨割り当てをやる、これのたとえば荷主の問題ですね。これはたとえば全国スルメ加工協同組合あるいは全漁連、全国佃煮協同組合、全国珍味工業会、この四団体が荷主になっておるわけですね。そこで問題は、割り当てはこっちでやるけれどもその現品についてはこちらは何も関与しない、そういういわゆる姿勢が、この計画は了としても、実態にさっぱりそぐわない。言うならば、こういう声もある、これらの四団体が二万ピクルを死蔵さしたような形になって、それはいわゆる値上がりを待っているのであろうというようなこともいわれている、こういった点をどういうふうに考えられるわけですか。こういうことだったら、幾ら政府がいい手を打ったとしても、それからあとの機構というか、そういうものが非常に不手ぎわ、まずい。したがってこういった問題が発生しているのではないか、こういうような感じもするわけです。その点どういうふうに考えますか。
○説明員(田中慶二君) いまお話のございましたような四団体が主としてこれを配分を受けまして消化をしておるわけでございますが、何かこういう連中が値上がりを待っているというふうな疑惑が生ずるのではないかというふうなお話でございます。私どもそういう点については十分注意をいたしまして、そういうことで疑惑を受けるようなことでは困るということで、一般の干しするめの国内産もあわせまして、そういうものの動きあるいは価格の上昇等には常々注意をいたしておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、ここのところはやや荷もたれという状況で動きが非常に少なかったということもございます。 それからまた、先ほどの四団体、これはそれぞれ自分のところで消化、いわゆる珍味類に加工をするわけでございます。いわゆる転売をしてもうけるというふうなことにつきましては、私はそういうふうなことはやっていないと思いますけれども、そういう点につきましても十分今後注意してまいるつもりでございます。
○上林繁次郎君 要は、これは先ほどから言ってきておる。大臣にも御答弁をわずらわしたり、いろいろしてきておるわけでありますけれども、結論的に言えば、政府のやっておることが予想もできないような、とっぴもない外貨割り当てをしてみたり、あるいはまた緊急といって輸入したものがどうなっているかというと、半分は市場に出されない、こういうようなことが行なわれておるという、そういう行政のあり方といいますか、そういったことでは、ねらいとしては、いわゆる国民にどれだけか安いものを買ってもらおうという、そういうねらいなんだけれども、さっぱりねらいと現実というものは全部逆になっておるわけです。いわゆる行政の甘さと申しますか、そういうものを強く感ずるわけです。いままで取り上げた問題は、その辺のずさんさ、そういったものを指摘をしてきた、こういうことです。ですからその辺は、私はこの場でもっていろいろとつじつまを合わすということは、これはできることだと思いますが、しかし現実の問題はどうだというと、話のようにはなってないということです。非常に矛盾がある。その点を私は大いに反省すべきじゃないか、こう思います。 次に、航空機産業についてひとつお尋ねしたいと思います。 航空機産業の防衛依存ということについては好ましくない、当然です、こういうふうにいわれてきているわけですけれども、そこで、通産省は航空機産業と防衛産業の育成について、どういう方向に今後行政指導しようとするか、こういう点ですね、ひとつお答え願いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 防衛産業につきましては、わが国の防衛に必要な機材、装備等はできるだけ国産でやっていきたい、国産化率を高めるという方向で指導をいたしております。航空機産業につきましては、これが総合的なしかも付加価値の高い産業であることにかんがみまして、できるだけこれを育成強化いたしてまいりたい、かように考えております。
○上林繁次郎君 ですから、そこで最初にお話したように、いわゆる航空機産業というものが防衛依存という、そういう形になってはまずいわけです。そこで、いわゆるその辺の歯どめをどういうふうにやっていくのかということが私はお話し願いたい、こう思うわけですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) 第一の原則に即して申しますならば、わが国の防衛に必要な航空機もまたできるだけ国産でつくる、これが本則であります。したがって、防衛において入り用な航空機というものはできるだけこれはわが国でつくってまいりたいと思います。ただ航空機自身の立場から申しますと、防衛だけではとうていそう大きな需要でございません、したがって民間の航空機あるいは輸出というようなことも考えてまいりませんと、防衛だけにたよっておっては航空機産業というものは大きくは伸びない、こう考えておるわけでございます。
○上林繁次郎君 その辺のところですね、私が言っているのは、航空機産業——大臣が言っているのはわかるのですよ、わかるのです。日本の手でこれを育成していきたいということですよね。これはわかるのです。そしてそれがひいては海外にも手を伸ばしていこうという、日本の航空機を海外に伸ばして送り出していこう、そのねらい、それはわかる。ただ私が言っているのは、航空機産業というものはあくまでもいわゆる防衛依存という、まあ極端な言い方をすれば、軍備につながるみたいなそういう形になったんではうまくないのじゃないか、それはみんな危惧されておると思うのです。その辺の分離といいますか、そういったものをそういうふうにならないようにはっきりとしなきゃならぬ、そういう姿勢が通産省にあるのかないのかということです。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは最初に申し上げましたように、わが国の防衛に必要な装備、機材というものはできるだけ国産をしたいというのでございますから、特定の航空機が防衛に必要でありましたら、それはもうできるだけ国産をいたしたいと考えておるのであります。で、どのような機材、装備をわが国が防衛上持っていいか悪いかということは、これは防衛政策の面で決定せらるべきものでありまして、いやしくもわが国の防衛が持っていいという機材、装備でありましたら、もう極力国産をする、航空機もその例外ではございません。
○上林繁次郎君 あれですね、まあ航空機といえば、日本の立場とすれば当然民需でありますか、そういう面に私は力を入れていくべきではないかと思います。防衛産業、そちらのほうも大臣の話では、あれですね、日本で十分まかなえるだけの技術を備えて、またそういうものを開発していきたいと考えている、こういうことなんですが、航空機といえば日本の立場とすれば民間航空という、こういう立場に主体を置くべきではないか、こういうことであります。そういう意味から、私は、その辺の分離といいますか、一緒になってはうまくない、その辺の分離、どういわゆる考えているのかということを聞いているわけであります。その点については、どうもかみ合わないような感じがするのですが……。そこで、それでは、特に民需を中心としたわが国の航空機産業、これの世界市場の拡大ということについてはどのような考え方を持ってこれから進めていこうという考えをお持ちでしょうか。
○政府委員(赤澤璋一君) ただいまお示しのように、やはり航空機工業というものは、今後とも私どもといたしましては大いに育成強化をしていかなければならぬ産業分野の一つだと考えております。特にその中でも民間用の旅客機あるいは貨物機、こういったような民間用の航空機につきましては、世界的に見ましてもまた日本国内の需要から見ましても、今後その増大ということは明らかな趨勢でございます。せっかく日本には戦前はもちろんでございますが、戦後も営々として技術の開発をしてまいりました航空機工業というものがあるわけでございますから、私どもとしてはこういった世界的にもまた国内においても激増していくであろう民間用の航空機というものを国産でもって開発をしていくということが、これまた航空機工業政策としては非常に重要な課題であろうと思います。そういったような関連からいたしますと同時に、世界的に見てまいりますと、やはり航空機需要というものがおのずからパターンがございまして、ある程度の規模のものというのが次次と需要されてまいります。こういったものを世界の各航空機メーカーあるいは各国が競ってつくるということになりますと、市場的にもやはり激烈な競争が起こりまして、いわゆる利益のない航空機工業ということになってまいりますし、また、今後航空機というものが漸次大型化をしてまいりますので、当然その開発費というものは膨大になってまいります。こういったような膨大な開発費をかけ、かつ競争ということになりますと、非常に問題がございます。こういったことから、実は欧米においてはすでに数年前から各国各企業が共同してある種の航空機を開発しようという動きが現実に行なわれております。わが国の場合におきましても、やはり今後予想されます大型の民間航空機につきましては、こういったような世界的な趨勢にのっとりまして、やはり共同でこれを開発し、量産していくという体制が望ましいのではなかろうか、こう考えております。いま具体的な問題といたしましては、今後予想されます、YXと言っておりますが、こういったような航空機につきましては、いま言ったような方向に沿いながら、世界の動向も十分見きわめた上で開発を促進していきたい、こう考えておる次第でございます。
○上林繁次郎君 いまYXの話が出ましたけれども、この開発の見通しということについてはどういうふうに見通されておりますか。
○政府委員(赤澤璋一君) YXにつきましては、すでに数年前からこれの市場調査、いわゆるORと言っておりますが、そういうものが行なわれまして、過去におきましては四十四年の七月に一応次期輸送機として百十六人乗りというものを基礎にした一案が提示をされました。その後、各方面からこれの検討が引き続き行なわれました結果、昨年の七月に至りましてその検討、研究の結果といたしましては、一応百五十人から百八十人乗りクラスのもの、それから二百人から二百五十人クラスのもの、二つぐらいな規模のものが適当ではないかという案が出され、かつ結論としては、開発能力あるいは経済性といったようなことから、百五十人——百八十人乗り程度の規模のものが適当であろうということが、各方面からの検討の結果出てまいった結論でございます。 ところが、その後こういった規模の航空機の開発について鋭意検討いたしましたが、ちょうどこれに見合うだけのエンジンの入手というものが非常にむずかしいというような事情が一方で出てまいりました。反面、今度はアメリカの航空機会社から二百人から二百二十人乗りといった程度の規模のジェット輸送機について、共同で開発をしたいという申し入れが出てまいりました。これにつきましても、やはりエンジンの問題等がこれから先あるわけでございますが、その後におきまして、御承知のようにイギリスのロールスロイス社が倒産いたしました。これは世界有数のエンジンメーカーでございますが、こういったような事態、またアメリカにおきましては、ボーイングが試作をする予定になっておりましたSSTの計画の中止といったような事態が出てまいりまして、世界の航空機工業界というものは、いまきわめて流動的な状態にあるわけでございます。 こういったような事態を踏まえまして、私どもとしては、従来から航空機工業審議会の中に小委員会を設けまして、こういった事態に対処しながら、今後YXというものを開発していくための基本的な条件は何であるか、またそれを遂行するに必要な政府の助成政策はどうあるべきかというような検討をしてまいりました。今月の下旬には、ほぼそれについての審議会の答申が出される予定でございます。一方、こういったようなことも踏まえて、今月の末もしくは来月上旬になるかもしれませんが、世界の航空機工業の実態と、また欧米の各企業が、今後民間のこういったジェット旅客機につきましてどういうような意図を持っておるか、また共同開発をするとした場合に、どういう共同開発の内容を企図しておるのかといったようなことを調査をいたしますために、学識経験者等からなる調査団を派遣いたしまして、慎重にその辺のところを十分検討の上、今後の計画を進めてまいりたい。こういうふうに考えておる次第でございます。
○上林繁次郎君 そうしますと、YXについてはいま調査段階であると。いつごろこれが開発され、そしていつごろには飛べるようになるのかというような見通しというものはつけてないのですか。
○政府委員(赤澤璋一君) ただいまも申し上げましたように、いわば現在の作業段階は、一つのフレームワークの作成段階でございまするし、また、基本的には欧米の会社との共同開発でこれを進めていくのがよろしいのではないかという基本的な考え方を持っております。こういった点からいたしますと、私どもとしては予算の時期と申しますか、そういうものが毎年あるわけでございますので、いまの私どもの段取りから申しますと、本年度は、御承知のように昨年度以来繰り越しました調査研究のための開発予算が、大ざっぱにいいまして七、八億まだ使い切ってないものがございます。これをもって本年度はまず対処できると思いますが、来年度以降の問題になってまいりますと、いま申し上げましたような調査団の調査結果も待ち、かつ、その結果によりまして、具体的な共同開発の相手方と、その後数カ月にわたりましてきわめて詳細な、いわばフィージビリティと申しますか、経済的、技術的、両面からする本計画の可能性の追求をいたしまして、それが向こうとの折衝の結果、うまくまとまるということであれば、おそらく来年度からそういった問題も具体化していくことと思います。 しかしながら、そういった点につきましては、いま申し上げましたように、世界の航空機業界の情勢というものがきわめて流動的な情勢にありますので、私どもとしては、何ぶんにもきわめて大きな計画でもございますし、また財政的な負担も非常に膨大なものがございまするので、十分その辺は慎重に見きわめたい、こう思います。おそらく、いままでの計画等から勘案をいたしますると、計画の開始をいたしましてから量産が開始されるまでの期間は、ほぼ四年半ないし五年というふうに考えております。したがいまして、いまのような段取りで考えてまいりますならば、早くても昭和五十一年あるいは二年、こういった時期に、うまくいけば、いま申し上げたようなYXと申しますか、ジェット旅客機が実際実用機として空を飛ぶ、こういうようなことになってまいるのではないかと思っております。
○上林繁次郎君 そこで先ほどからお話があるように、民間航空機についても大いに力を入れていきたいのだ、こういうこと、そのあらわれがこのYXの開発というところにつながっている、こういうふうにも言えると思います。 そこで、いまのお話によりますと、大体これが飛べるようになる時期は、五十一年、五十二年ごろではないか、こういうお話でした。そうしますと、YS11がもう四十六年度でこれはおそらく打ち切りである。そうしますと、YXは、これはごく早い機会にできたとしても五十一年、五十二年、YS11のほうは、エンジン会社の倒産等で、また赤字をかかえているというような、いろいろな問題から、これはいわゆる生産がとまってしまう。打ち切りになってしまう。そうすると、その間の日本の民間の航空機産業というのは、どういうふうになっていくのか。そちらでは、今後一生懸命で民間航空機についても開発をしていくのだということなんだけれども、YXにしても、めどがまだついてない。それからYS11については、いま申し上げたような事情である。その間どうなっていくのだということが非常に心配である。その点、どういうふうにとらえていますか。
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御指摘のようにYS11につきましては、一応四十七年度前半ぐらいで量産がおしまいになると思います。いま、るる申し上げましたようなことで、YXの開発の事業というものが、順調にまいりましても、いま申し上げたような時期でございますから、その数年間は、実際YS並みのいわゆる量産事業というものはなくなるわけであります、民間の航空機につきましては。ただ、私どもがいま考えられますことといたしましては、もし順調にその間YX計画が推移をするといたしますと、当然YXの開発業務につきましては量産準備の段階に入ってまいる、こういうことだろうと思います。それからもう一つやはり忘れてなりませんことは、これは日本も今後十分考えていかなければならない面でございますが、現在でもMU2でありますとか、F200でありますとかいうような小型機が開発されて、量産をされております。さらにこれは四十六年度の予算でも一部技術開発の補助をしたいと思っておりますが、さらにF300という、これも小型機でありますが、こういったような開発が現に進行中であります。こういったことも考えまして、私どもその間のブランクをなるべく短くすることがやはり航空機工業にとって重要なことだと思いますが、これは開発との、何といいますか、ギャップが出る。これはある程度しかたないことでもございますので、そういった期間におきましては、いま申し上げましたように小型機の量産、開発、こういったことを進めてまいると同時に、できるだけいま申し上げましたような次期のジェット旅客機というものの計画をできるだけいい形に、また日本が自主性をもってやれるように、できるだけ早く詰めていくということが航空機工業にとっては望ましい事態である、こう考えております。
○上林繁次郎君 いまのお話を伺っていると、たとえばその間の空白みたいなものですね、それは小型機の量産ということで埋めていくんだという、こういう御答弁だったと思いますが、先ほどもお尋ねしたようにこの日本の航空機のいわゆる世界市場の拡大、こういう点についてちょっとお尋ねしたわけですけれども、いわゆる小型機の量産というものはそういうものにつながるのかどうか。少なくともYXというものはそれにつながっていく、それからまたYS11というものもいままでそれにつながっておった、そういう見地からいって、そういう考え方はどうです。
○政府委員(赤澤璋一君) その間、いまのようにギャップの出ます間を、小型機で埋めていくという考え方でございますが、必ずしも小型機だけで十分でないことは御指摘のとおりであります。ただ、おそらくその間そういったもので民間用のものの技術をやはり継続していくと申しますか、こういったものをやりながら航空機工業の穴を埋めていくということしかいまのところでは考えようがなかろうと、こういうことであります。この小型機の市場につきましては、現在でもすでにMU2は相当程度アメリカ等にも売れておりますが、またF200というものは四人乗りでございますが、この小型機も豪州にすでに輸出をされ、また最近ではヨーロッパからも相当程度の引き合いがまいっております。こういったことから、やはり私どもとしてはできるだけこういった小型機の世界市場への輸出につきまして、通産省としてもできるだけいま申しましたような事情もございますので、力を入れてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○上林繁次郎君 時間もなくなりましたので、もう一点だけお尋ねをしておきたいと思います。YXは先の見通しがまだ十分つかぬという段階ですから、言うならばそれまでのつなぎといいますか、そのためにYS11のジェット化ということがいままでいわれているわけです。こういったYS11のジェット化ということについての考え方、これはどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(赤澤璋一君) YS11をジェットのエンジンに換装をしたらどうかという計画が研究をされております。これはまだまだほんとうの検討段階でございまして、私どもの承知しております限りでは、技術的に見ても何か相当問題があるというふうに聞いておりまするし、また実際問題として、かりにこういうものをやった場合、収支がはたして償うかどうか、こういう方面についての検討がまだ十分行なわれておりませんようであります。現段階で申しますと、これに要する開発費と、それから実際これが何機売れるかということについては、まだ確たる自信がある段階に至っておりません。しかしながら、この案は一つの案でもございますから、それについて、もう少し突っ込んだ検討もしてまいりたいと思っております。ただ技術的な面その他から言いますと、なかなかこれは当初考えておったようにうまくいきそうにない面が、むしろ強い意見として出されております。一案ではございますので、放棄することなく、なお検討はしてみたい、こう思っております。
○上林繁次郎君 いままでいろいろお尋ねしたわけですけれども、要するにYS11は御承知のようにああいう問題があったわけです。大きな赤字をかかえた。YXについてもこの二の舞いを踏んではならぬと私は思います。また、あなたもおっしゃったように航空機産業というのは日進月歩である、非常に流動的である。したがってこのYXというものを考えられていても、これが五年先、十年先どういうふうになるか、また、それ以外にすぐれたものが開発されるかわからない、そういうものに乗りおくれないようなやはり考え方というものが私は必要だろうと、こう思います。 そういった点を申し上げ、はなはだ時間が超過いたしましたけれども、おわびいたしまして終わりたいと思います。
○委員長(川上為治君) 他に御発言がなければ、本日の質疑はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(川上為治君) 委員の異動について報告いたします。 本日、山本敬三郎君、中沢伊登子君が委員を辞任され、その補欠として横山フク君、田渕哲也君が選任されました。 次回は五月二十日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十六分散会 —————・—————