商工委員会 第9号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/03/23
会議録
○委員長(川上為治君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 本日、近藤英一郎君、村上春藏君、赤間文三君、稲嶺一郎君、井川伊平君が委員を辞任され、その補欠として、亀井善彰君、二木謙吾君、星野重次君、鈴木省吾君、木村睦男君が選任されました。 —————————————
○委員長(川上為治君) 理事矢野登君が委員を一たん辞任されたため理事に一名の欠員を生じておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川上為治君) 御異議ないと認めます。 それでは理事に矢野登君を指名いたします。 —————————————
○委員長(川上為治君) 産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、大矢石炭対策に関する小委員長から、小委員会における審査の経過について御報告をお願いいたします。
○大矢正君 ただいま議題となっております法案について、石炭対策小委員会における審議の経過を報告いたします。 小委員会は、十八日、本委員会における提案理由説明聴取の後、直ちに開会し、補足説明を聞いた後、質疑に入りました。 質疑は通産大臣及び政府委員に対して、日炭高松炭鉱及び常盤炭礦の閉山問題住友石炭の経営の現状、炭価引き上げ、国内エネルギー資源の利用等石炭をめぐる諸問題をはじめ、産炭地域振興の現状と今後の見通し等、各般にわたって行なわれ、本日午前中で小委員会の審議を終了いたしました。 質疑の詳細は会議録で御承知いただきたいと存じます。 以上報告を終わります。
○委員長(川上為治君) 以上で小委員長の報告は終わりました。 本案に対し質疑のある方は御発言願います。——別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川上為治君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようですが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川上為治君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。 産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手をお願いします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(川上為治君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川上為治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(川上為治君) 特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大矢正君 ただいまの法案に関連をして、特許問題を含むわが国の技術の開発等について一、二お尋ねをいたしたいと存じます。 新聞等の報ずるところによりますと、先般IBMがわが国において特許を公開するというようなことが報じられておりました。また、先般日本の大きな企業の一つが、数多くある特許を公開しようというような動きもあるようであります。特に電子あるいは機械等の先端技術については、極力これを公開することによって重複した研究開発や投資を避けて、集中的にこの種の技術の進歩と発展をはかっていくということは当面必要なことであろうと私も存ずるのであります。よって、従来に引き続いてこの種の法律が提案をされておるものと思うのでありますが、承るところによりますると、通産省としては、特に電子あるいは機械等を中心として業種別に技術の集合体をつくって、集中的に先端技術の開発や研究につとめていこうというような動きがあるように聞いておりますが、今日の段階で政府が考えております技術振興の方向、指導、そういうものについて、いま出されております法律以外に、どういうものを当面考えておられるか、この際お答えを願いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) わが国も戦後いわゆる技術革新といわれる時代を通じまして主として諸外国から技術導入をいたしまして、今日のところに達したわけでございますが、まだまだ学ぶところはたくさんございますけれども、しかし概して申しまして、これからはわれわれ自身が新しい自分の技術を開発していかなければならない、そういう点に到達した、あるいは到達しつつあるというふうに考えます。したがいまして、そういう段階において、われわれが、先ほど御指摘もありましたが、われわれ自身の技術開発をしていくためにどういう体制がいいか。御指摘のように、このことは特許の公開等とも関係があるわけでございますが、そういう体制をとりつつ、他方で、御承知のように在来いわゆる大型プロジェクトと称せられるものが進行いたしておりまして、ただいまの時点で私どもは数個のプロジェクトを、あるものはもうすでに数年、あるものは昭和四十六年度からというふうに開発をいたしつつございます。また、そのうち若干のものは実用段階に入ろうといたしております。そのような大型プロジェクト、これは国の持っております技術的な知能及び民間が持っておりますこのような知能を結合する形で進めてまいっておるものでございますけれども、これを今後とも進めてまいるということが一つの課題であろうと存じます。また大型プロジェクトを組むというところまで至りませんでも、重要技術につきましては、その研究の補助金を国として出しまして、そういう研究が進むことを助成をしてまいる、大体こういう体制で今後とも進んでまいりたいと考えております。ただいま新しくそれらのために立法をさらに必要とする分野があるかどうかということでございますけれども、法律によることが必要だと考える部面がございましたら、また新しいものを御審議いただきたいと存じますが、ただいまのところはこういう体制で進めてまいれるものというふうに考えております。
○大矢正君 これは先般の委員会でも若干質問として出されたことでありますが、今日の先端技術の集約体ともいうべき電子計算機というのは、今日の技術開発の面では切っても切り離せない問題であろうと存じます。よって、この法律の意図するところも多分にその種の内容のものが含まれていると解釈をいたすわけでありますが、そこで大臣にお尋ねをいたしたいのは、いま物の面におきましても、あるいは金の面におきましても、自由化が積極的に進められておるのでありますが、電子計算機等については、物自体の面においても、またそれを製作する上においての金の面におきましても、きびしくこれを制限をしているのが事実でありますが、いつまでも国内の電算機並びにそのメーカーを保護していくということは、国際的にも許されない時期がくるものと思われるのであります。もちろんこの法律のねらいとするところも、将来のそういう事態に備えて提出をされておられることはよく存じておるところでありますが、ただ私どもが感じますことは、具体的な将来に対する展望ないしは計画、こういうものがない形の中で、いずれそのうちにはわが国の電算機における本体、機体それ自身も、またソフトウエアの面におきましても、十分に太刀打ちできるような態勢のめどがないということは、自由化を要求する諸外国から非難を受けないとも限らない問題であろうと思います。そこで、一体技術の最先端の集合体ともいうべき電算機等に対して、通産省としてどのような方針を持っておられるのか、この際お答えを願いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 実はこの問題を、間もなく実施いたさなければなりません第四次の自由化との関連でどう考えるべきかを、私も以前から思い迷っているところでございますが、背景を申しますと、今日わが国の電算機の保有はおそらく八千台くらいに達したかと考えておりますが、その点で国産化率は五〇%を幾らかこえておるかと存じます。これはアメリカ以外の諸外国に比べますと、わが国の著しい特色でありまして、そこまで国産化率を保有しておる国というのは、わが国以外に——アメリカは別でございますが——ないというような状況でございます。今後の世の中の進展を考えてまいりますと、いわゆる情報化時代ということが申されますように、本体でありますところのハードウエア、それと切り離せないところのソフトウエアというものは、何とかしてわれわれ自身のものを作動さしていきたいというふうに、私はやはり展望として考えるわけでございますけれども、何ぶんにもこの分野におきましてはアメリカが非常にある段階ではほとんど独走的に進んでおりまして、ことにソフトウエアの分野においてさようでございます、と申しますのは、やはりスタートが早かったということのほかに、軍事面あるいは宇宙開発の面で国費がふんだんに使えたということ、今日でもさようでございますが、そういうところから人材の開発ということが非常に進んだ、これがやはり今日アメリカがハードウエアでもしかりでございますが、ソフトウエアの分野において特にぬきんでておる一番の理由ではないかと考えます。そういたしますと、私どもアメリカにどうやって追いついていくかということになるわけでございますが、ハードウエアの分野におきましても実は容易ではございません、ことに、第四世代の電子計算機というものがいわれ、またそのための大きなスケールのLSIといったようなものが開発されてまいります、なかなかハードウエアの距離も縮められませんが、ことにソフトウエアの距離は結局教育ということにかかりますので、これを短時間に仕上げてしまうという方法はなかなかございません、というようなことをとつおいつ考えてまいりますと、小型の電子計算機ならばいいであろうというようなことは俗にいわれますが、小型、大型の区別は何であるのか、電卓というものならともかくでございますけれども、それを越えた小型、大型の区別はむつかしゅうございますし、いわんやソフトウエアは切り離せない、こういうことになってまいります。しかも冒頭に申し上げましたように、何とかしてこの分野でわれわれはひとつ独自のものを開発していきたい、こう考えておりますので、さきの国会で通過をお認めいただきました情報処理振興事業協会等に関する法律などもそういう目的を持ったものでございます。そういったようなことが背景になっておるわけでございます。したがいまして、やがて行なわなければならない第四次自由化に際して、この問題をどう処置するか、それにはやはりラージスケールのインテグレーションも当然密接に関連をしてまいる問題ではなかろうか、こういうことで、政府全体としての意思はもとよりとして、実は私自身も腹をきめかねておるというのが実情でございます。しばらくの間民間のそういう関連の方々の間に、もう少し議論を詰めていただくことが前提になろうと思っておりまして、それをもうしばらく見たい。なお、第四次というものが一応最終的な資本自由化のプログラムになっておりますが、かりに全部のものが第四次で処置できなかったときに、あとをどうするかという問題も、そうなりますと関連して起こってまいるはずでございます。それらのことをもう少し総合的に考えまして、なおしばらく時間がございますから、最終的に考え方をきめてまいりたい。ただいままだ腹をきめかねておるというのが率直なところでございます。
○大矢正君 わが国の対外取引の上におきましては、物の面で考えますると、逐年機械類あるいは電子機器等が全体に占める比率の中で上昇をいたしております。そういう情勢が一つありまするし、あわせて、もちろんこれは私自身考えて、技術的な面におけるレベルの問題、あるいはまた需要の内容的な問題、それから機械それ自身が持つ性能上の問題等々から考えてみましても、比較にはならないと思いますが、けさの新聞等の報ずるところによりますると、わが国の卓上計算機というものがアメリカにおいて非常に向こうさんに言わせると脅威になると、年々売り込みが激しくなってアメリカの国内における電子機器、卓上計算機の全体のシェアの中においてもわが国の製品がかなりの地位を占めるような面から、結局ダンピングの疑いありというようなことがあって、わが国自身がこの分野におきましては価格の協定、すなわち安売りをやめるための協定をしなきゃならぬ、それに対して通産省も協力をしようではないかというような話の内容が出ておりますが、もとより、繰り返し申し上げますように、技術的な内容、もちろんその機械の持つ性能の問題や使用の限定等において全然これは、まあ異質なものとは申しませんが、かなりの違いのあるものではありますが、現にわが国から輸出されるものはそういう事態に立ち至っている。一方わが国は、電子計算機それ自身、本体もそうでありますが、それを製作する上における資本あるいは技術の面においての内容等においても、きびしくこれを制限をしていくというのは、今日ではもう情勢的に国内の業界にどういう希望があり、どういう置かれた環境があるかはもちろん私知らぬわけではありませんが、拒否をしていくわけにはいかぬのじゃないかというように、国際的な情勢なりわが国の全体をながめた場合における技術の一般的な水準等から考えて、心配をされる面なんでありますが、いま大臣は電子計算機の本体それ自身がわが国に入ってくるということとあわせて、資本が入ってくるということと両面において、当分いつごろまでには、ある意味において外国と申しましてもこれはIBMでしょうけれども、互角とは言えないまでも日本の市場が席巻されることのないような形において開放体制に移行するというように考えられるのか。それは機構それ自身もそうだが、やはり私は金の面において、いわゆる資本の面においての考え方と二つに分けてやはり今日考えてしかるべきではないかと思うのでありますが、同時に、あわせて質問をさしていただければ、いまのような大臣の判断で、業界ができる限り早く話し合いをして、みずからがいつごろには自由化に踏み切れるんだという結論を出してくれるのが望ましいというようなことでは、とうてい今日ほかの国を納得させるような根拠には私はならぬと思うので、くどいようでありますが、やはりある程度の計画を立てて、その計画に向かってそれぞれの技術水準の向上のために、またソフトウエアも含めたそういう技術の開発の面に努力をすべきではなかろうか、その時点になってそれが国際水準にほど遠いものであったとすれば、あらためて計画を練り直し、見直しをするということはいたし方のなかったことではあったとしても、今日これほど世界貿易の分野において力を持っているわが国が、何ら具体的なものを示さないままでシャットアウトできるとは私は思われぬので、重ねてひとつお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に、いわゆる電卓といわれるものでございますけれども、わが国でも普通の、大きくない普通のインチグレート・サーキットはずいぶん利用されておりますので、それを利用いたしましてわが国独自の製品が各社によって開発をされまして、まあそれが相当輸出されつつある現状でございます。で、これはいかにも日本人がじょうずにつくりそうな種類のものでございますだけに、先方の輸入が急増いたしますと問題を起こしやすいかと考えます。この点は業界でもいろいろ——私どもも注意をいたし独自の考え方を研究しておるようでありますが、もし必要でございましたら私ども輸出につきまして何かの法的措置を講ずる、これは法律的には可能でございます。そういうことを待つまでもなく業界の体制が自主的にとれることを希望いたしておるわけでございます。それから、いわゆるそれ以外の大きな電子計算機につきまして冒頭に申し上げましたことは、資本の自由化の関連を主として申し上げましたが、商品、品物の自由化につきましても同じような考え方がやはり通じるものであるというふうに考えておりますので、両面にわたりまして慎重に考えなければならない、また、考えつつあるわけでございます。しかしながら、いかに大切なものでありましても、いつまでも無計画にほうっておくわけにはいかぬではないかと言われますことは仰せのとおりだと思います。まあ私どもにとって他のものと違いまして幾らか救いになりますのは、とにかくIBMが世界的に指導的な立場に立っておりますわけで、そのIBMとわが国の国内メーカー、あるいはそう申しますよりはむしろIBMとわが国経済全体と申し上げたほうがよろしいのかもしれませんが、過去長い間の沿革から、両者がまずじょうずに協調をしておる関係にございますから、飛び抜けて第一のメーカーであるところのIBMから、ただいまおっしゃいますような直接の圧力と申しますか、強い要望と申しますか、というものは比較的かかってまいっておりません。それからその他のメーカーとわが国のメーカーとがいろんな意味で提携関係にあるということも御承知のとおりでありまして、したがいまして、他の産業におけるような圧力を直接にただいま私どもあまり感じてはおらないのが実情でございます。またしかし、そうでありますがゆえに、逆にわが国にあります幾つかのメーカー、それらの間で何かの形での企業間の集約化といったようなことは、逆に、親元がいるというだけまた今度は別のむずかしさを持っておりますわけでございます。いずれにいたしましても。御指摘になりましたこと自身にはもうまことに間違いがないし、そのとおりでございますから、むずかしいことではありますが、一体どの時点でどういうふうに考えるかということは、もう少ししっかりしたものを業界からも出してもらいたいし、また、私どもも一緒になってそういう、多少とも計画的なスケジュールというものをやはり考えなければならないのではないだろうか、そういう問題の意識は私どもも御指摘のように持っております。
○大矢正君 大臣、この法律の目的というものが第一条に書かれているのでありますが、私は考えてみまして、この中の一部にあります「生産技術の向上及び生産の合理化を促進すること」ということが主眼であったといたしますれば、これは先端技術の開発にとどまらず、全体の問題が私は含まれてしかるべきだと思うのであります。この中で特に取り上げられたものは何かと言えば、私はそれはわが国の技術の水準なり、それからそこから生まれてくるであろう製品なり、その製品の能力なり、あるいはその製品の持つ特色なりというものがまだまだ諸外国に比較して技術的に低い水準にあるんだと、全体を含めて。だからこういうことをやって先端技術の開発に取り組んでいかなければならないんだと、特に技術や品質については、ライフサイクルというものが非常に短くなってくるから、なおさらそういうことをやらなければならぬのだと、こういうことの目的が本来的にこの法律にあるのではないだろうか。ところがこの法律のどこにも、たとえばかつては貿易の自由化あるいは資本の自由化、すなわち経済の国際的な開放体制の中にあって、技術面においてもそれに耐え得ることを目的とするというようなことがしばしばいままではうたわれているわけだ。ところがこの中にはそれが一つも入ってこない。国民経済に寄与する云々、国民経済に寄与するということになれば、まだまだ幅の広い問題であって、この種のようなふうに限定さるべき内容のものではない。これは特定のことですから、字句に書いてあるとおり特定の電子工業、機械工業ですから、特定するとすれば何があるかということになれば、結局のところ諸外国との比較において技術水準がまだまだ劣っているとか、いろんな問題が私はあると思うんです。そこら辺がこの法律の目的にあらわれていないということはまことに遺憾であって、もしそれを書けば、電算機のようなものについてはある程度年次別な計画をつくって、いつごろまでには技術水準が国際水準に達すると、よってその時期にはある程度自由化、これは物の面においても資本の面においても、自由化をしなければならぬというふうに、こう議論を展開していくとそういうようになるから、あえてこの中でうたわなかったんではないかというような、私自身実はそういう解釈をするのでありますが、これはお尋ねをしますが、この中における特定という意味はどういう意味なのか。たとえば前に法律があった。それには、ただ電子工業あるいは機械工業の振興と、こう書いてあった。それの範囲をただ単に狭めるだけだから特定としたのか、ほかに何か目的があって特定としたのか、この際ひとつお答えをいただきたいと思うのです。
○政府委員(赤澤璋一君) 法律の条文に関係をいたしますので私からまずお答えを申し上げたいと思います。 従来続けてまいりました、いわゆる電振法並びに機振法両法によりまして、過去十数年にわたりまして機械工業並びに電子工業の生産の合理化、それから技術の向上が非常に力強く行なわれてまいったのでございます。私ども考えまするに、やっぱり従来行なわれてきましたのと比べて、今後の電子工業、今後の機械工業というものの進むべき道は、従来と違って、実質的に非常に変わったものになるのではないか、こういうことが、先般ここでまた御質疑に応じてお答え申し上げましたような産業構造審議会の答申にも強くあらわれております。こういうような機械工業を取り巻きますいろいろな環境並びに機械工業に対する経済、社会全般の需要、ニーズといいますか、そういったものの変化に対応できるような機械工業、電子工業でなければならない。こういった意味から考えてまいりますと、ただ品種とか機種とかというものを狭めていくといいますか、しぼりをかけるという意味もございますけれども、それからさらに一歩を出まして、いわゆる機電一体のもの、あるいは機械工業それ自身におきましても、需要のほうから、必要性のほうからきます特別な角度から判定をする機械、たとえばこの第三条にも書いてありますような安全問題あるいは公害の問題等々、新しい角度から機械というものがその需要に応ずるような体制を整えていかなければならない。そういった意味で特定をする。こういうのがこの趣旨でございます。電子につきましても従来行なってまいりましたような研究開発あるいは生産の合理化以上に、今度は機械と一つのシステムを組んだ電子工業にも着目をしてまいらなければならないわけでございまして、そういった意味で、私どもは従来の機械工業、電子工業、この全体の基盤を高めるという事柄をも踏まえながらですが、いま申し上げましたような新しいニーズに応じ、新しい世界の進展に応じ、また国民生活の向上からくる必要性に応じて、機械工業、電子工業の中でも特に必要なるものを抜き出して、今後の施策の重点としてまいりたい。こういう意味で「特定」ということばを第一条でも使い、また法案の表題にも書いてある、こういう趣旨でございます。
○大矢正君 だいぶ考え方が違いますが、議論をしてもしかたがないことでありますし、時間が三十分と限定されておりますから、最後にお尋ねをいたしますが、従来の法律は電振法であり機振法である。今度はそれを一本にした。一本にした理由の一つは、機電一体化ということが現実の問題となり課題となっているがゆえに、これは別個の法律よりは一本のほうがいいということもあるでありましょうし、まあ差し示す方向がそれぞれ似ているという面があるというような、いろいろの面があると思うのでありますが、この特定ということをつけられた限りは、従来の機振法あるいは電振法に比較をして、政令で指定される業種なりあるいは機種なりというものが、かなりしぼられて数の上において少なくなる。こういう解釈をして差しつかえございませんか。
○政府委員(赤澤璋一君) 現実の問題といたしましては、私は数の上では少し少なくなるだろうと思います。ただ考え方としましては、従来の両方の運用によりまして、ある程度その成果をあげたもの、こういったものについては、これはやはり今後は指定をしないということになると思います。と同時に、新しくまたこれから先生まれてこようとしておるもの、いま申し上げましたような安全、公害あるいは機電一体的なもの、こういったものを新たに追加をしてまいりたいと思います。そういう面で数の上で必ずしも大幅に減るという感じはございませんが、いわば大幅に見直しをし、組みかえてまいりたい。その結果、数としては若干減少を予想されるのではないか、こういうような考え方をいま持っております。
○大矢正君 私は過日の委員会におきまして、この種の業種ないしは機種の選定にあたっては、極力これを縮小すべきであるという主張を申し上げました。それの理由とするところは、この法律の中にもありまするとおりに、指示カルテルを行なうということが気になるからであります。すなわちその指示カルテルなるものは、ある意味においては合理化を促進する面も持っておりますが、反面において合理化を阻害する要因になる場合も往々にしてあるわけであります。だからこそ中小企業庁等においても、最近はカルテルを漸次縮小しなきゃいかぬ、数を減らさにゃいかぬという考え方が出ておるわけだけれども、その意味においては、私はこれはもちろん新しく指定をされるもの、増加をされるもの、あるいはまた逆に指定を取り消されるもの等があってしかるべきだとは思いますが、ただこの法律の項目の一つにあります税制面あるいは金融面からの助成ということになりますると、これからはずされた業種なり機種を製作するそれらの企業なり工場等におきましては、結局のところ税制上、金融上の有利な立場というものがなくなるわけですね、政令指定から取り消されることによって。そのことがそれらの業種なりあるいは企業なりに多大の影響を及ぼすということは、これは好ましいことではないのではないか。したがってそういう面においては、なるほどこの法律は、特定されたものがその種の政策的な恩恵に浴すべきではもちろんあるけれども、そういう除外された、あるいは指定を取り消された、あるいは今度新しく指定されない業種なり機種に影響を与えないように、最善の税制上、金融上の措置を別途私は行政的に考慮すべきではないかということを強く希望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(川上為治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川上為治君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですから、討論はないものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川上為治君) 御異議ないものと認めます。 それではこれより採決に入ります。 特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手をお願いいたします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(川上為治君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川上為治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(川上為治君) 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大矢正君 中小企業庁の長官にお尋ねをいたしますが、中小企業が金融を受ける際に、先に保証協会から保証を取りつけておいて、みずからそれぞれの金融機関を歩いて金を借りるというやり方と、それからそうではなくて、自分は保証協会にあとでいくが、あなたのところで金を貸してくれるかくれないかということをまず確認して、それから保証協会に行って保証してもらう方法、いろいろあると思うのですが、そこで私がいろいろ話を聞いてみますると、現実には保証協会から保証は受けておるのだが、実際に窓口をあけてくれる金融機関がないと。こういうことはあり得ないことですか、どうでしょうか。
○政府委員(吉光久君) 普通に考えますればあり得ないことであろうと思うわけでございます。理由は、お話し申し上げるまでもないと思うわけでございますけれども、銀行にリスクが起こりましても、そのリスクは一〇〇%保証協会が引き受けということでございます。銀行は何にも要するに損にはならないわけでございますので、あり得ないわけだと思うわけでございます。ただ、資金需給が極度に逼迫しておる、その他の事情によって、要するに、相手を選別すると申しますよりは、需給逼迫が極度にあるというふうな段階におきましては、あるいは起こり得る場合もあり得る、銀行のリスクの問題を離れまして起こり得る問題もあり得る、こういうように考えます。
○大矢正君 全くあなたの言われるとおりでありまして、この法律がねらっている、そういうリスクをどうやって国とあるいは地方自治体も参加をし、保証協会を通して保証をしてやるかということがねらいでありますから、その意味ではあなたのおっしゃるとおり。ところが現実には、保証協会から先に保証を取りつけてきても、金融面から押えられるという現象がしばしばあるのですよ、これは残念ながら。ですから、もう一歩突き進んで、これは根本問題にも触れることであって、中小企業に対する金融政策をどうするかという基本問題にも触れるのでありますが、私は、まずそういう面における配慮をやはり今後とも積極的に行なってもらいたいということを一つまず希望いたしたいと思います。 それから次に、私が三年ほど前に一回お尋ねをして、資料として提出をしてもらったものでありますが、私の手元に昭和四十三年の三月一日現在における保証料率が五十一の協会全部についてございます。そのときの内容から見ますると、四厘未満の保証料の協会が十四、それから四厘から四厘五毛までのが三十三、それから四厘五毛から四厘九毛までが四協会、合わせて五十一協会、こういうふうになっておりましたが、当時から保証料の問題につきましては、極力これを引き下げるように、そしてまた、ある程度平準化できるように、中小企業庁としても積極的に指導すべきじゃないかということを言ったつもりでありますが、現状は具体的にどうなっているかお答えを願いたい。
○政府委員(吉光久君) 四十六年二月一日現在につきまして、いまの協会数でまずお答え申し上げたいと思います。現在四厘五毛という協会はゼロでございます。先ほど四十三年、四という数字を指摘されましたが、現在四厘五毛というのはゼロでございます。現在の最高は四厘二毛七糸でございます。それから四厘ちょうどというのが十ございます。それから四厘をこえまして最高四厘二毛七糸までのものが六、合わせまして十六でございます。それから四厘未満のものが現在三十五でございまして、合わせて五十一協会でございます。
○大矢正君 幸いにして保証料率が逐次引き下げられておりますことはけっこうなことでありますが、なお一そうのひとつ努力を願いたいと思います。 それから次に、ごく最近これは新聞に出たことであります。これは東京都と千葉県、埼玉県、神奈川県、一都三県の代位弁済の状況が先日新聞に載っておりました。これによりますと、昨年の後半と申しまするか、下半期から本年にかけて非常に不景気で、本来的には代位弁済が増加をしてもふしぎではないにもかかわらず、むしろ代位弁済は減少しておる。これは私は大蔵省が見るとまことにいいことだと思うのでありますが、しかし実際に中小企業の政策をあずかる通産省としては、必ずしもいいと言って喜んでおられないことがあるのではなかろうかという感じがするわけであります。むしろ私は今日のような不景気の状態の中におきましては、代位弁済の金額がふえる、昨年に比較をして比率がふえることのほうが中小企業の救済に役立っている、役立つのではなかろうかと、私はこう思うのでありますが、どうもそういう東京周辺の一部分の内容でありますが、保証協会の保証を中小企業庁あたりが、あるいは保険公庫も含めてでしょうが、きびしく選択をして、比較的その貸し倒れのないような優良な中小企業にしか保証を与えないというようなことが現に行なわれているのではないかと、この結果から見るとそういう気がしてならないのでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(吉光久君) すでに御承知のとおり昭和四十一年ごろに付保いたしましたものにつきまして、四十二年、四十三年と——四十三年がピークでありますけれども——代弁が非常にふえまして、保険準備基金が大きく赤字になったわけでございます。したがいまして、この四十二年、四十三年当時の付保案件につきまして、特にこういう赤字財政を生じました関係上、いわゆる適正保証あるいは適正代弁というふうなことが一部動きとしてあったわけでございます。これはたとえば銀行が自分ですぐにもう中小企業者のほうからは取れないものというふうにきめてしまいまして、安易に保証協会のほうに代弁を要求する、むしろ中小企業の実情に応じて返済猶予その他の措置をとれないかと、これが実は適正代弁についての指導であったわけでございますけれども——というような指導あるいはまた銀行サイドから当時、四十年の暮れから四十一年にかけ、いささか金融が緩慢であったという時期に、積極的にむしろ保証をつけた上で借りないかというふうな動きも当時あったやに聞いております。そこらのしわが四十二年をはしりにいたしまして四十三年をピークとする保険財政の大幅な赤字になったというふうなことはございました。そういうふうな赤字財政を前提にいたしまして、あるいは当時そういうふうな意味で、私ども適正保証、適正代弁というふうなことで指導をいたしておりましたものに一部行き過ぎがあったという面、これは私も否定できないのではないであろうかと思うわけでございますけれども、現在代弁率で出ておりますのは、御承知のように、これは付保いたしましてから二年ないし三年後に代弁率が出てまいるわけでございます。したがいまして、当時の付保もの、契約されたものについてそういうふうな具体的な数字が出ておるのであろうかと思うわけでございますけれども、特に最近におきます保証協会の付保状況を見てまいりますと、実は非常に伸び率が高うございます。特に昨年の秋から非常に保証の伸び率が高うございます。おそらくこの三月ぐらいになりますと前年同期に比べまして三割以上の伸びというふうな実績になるのではないかと思っておるわけでございますが、いまの代弁率だけから申上しげますと、いまのお尋ねのような問題が現実に最近の事態で出ておる場合もあるというふうに私どもも申し上げざるを得ないと思いますけれども、いまの保証の伸び率というふうな点から見ますと選別が現在特にきびしくなっておるというようには判断をいたしていないわけでございます。特に選別をきびしくするというふうなことがあるとすれば、実は御指摘にもございましたように、この制度の趣旨にも反するというふうなことにもなるわけでございますので、よくよく注意をいたしてまいりたいと思っております。
○大矢正君 与党の理事から質問を早くやめろとさつきから催促があるから、端的にお尋ねしますが、通産大臣、いま私がこれから聞こうと思うことの半分ぐらいしゃべっちゃったのでだいぶ長くなったようだけれども、公庫の資本金の推移をずっと見ますると、たとえば四十二年度でいけば、決算において四十三億六千万円の赤が出ているんですね。それから四十三年度は五十九億の赤が出ている。四十四年度は三十四億七千万円の赤が出ている。四十五年度は七億八千万円の赤で済んでいるわけです。ところが四十六年度は五億の黒字になってあらわれているわけです。これは一体何を意味しているかと言えば、結局のところ、どんどんどんどん保証する際にきびしく査定をして、貸倒れの危険性のあるものは極力貸さないように、保証しないようにやってきた結果がこうなっているわけですよ。一年間に五十億や六十億程度中小企業のために貸し倒れになることは、私は今日の国の財政から見たらいたし方のないことじゃないかと思う。それを、だれが指導しているか知らぬが、四十六年度は、とにかく五十億も赤が出ていたのを、これを逆に五億の黒字にしようというのでありますから、これからの保証というものはますますきびしさが加わってくるのじゃないかと思いますけれども、大臣の見解を承っておきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど来中小企業庁長官がお答え申し上げましたことは決して間違いではございませんのですけれども、大矢委員の言われましたようなことも実は私自身が過去何年かの間に一度ならず経験いたしております。やはり先ほど長官が御説明申し上げましたように、四十二年ころの保険準備金の損失というのを相当関係者が深刻な事態に考え、そして四十三年にもそれは増大し、四十四年にもまだ三十億台の赤字でございますので、これをまあ何とかして信用を回復しなければならないということから、一般会計も二十五億、四十億、四十億、四十六年度も四十億でございますが、そういう金をつぎ込んでいった、それで、まずいっときございました信用の危機というものを乗り切った。これはまあこういう制度としては私はその面から見ればいたし方のないことであったろうとは思いますものの、そのときに世の中が受けました印象というものは、実際なかなか直りません。代位弁済もスムーズにいきませんと、窓口の金融機関も、かりにたとえ保証はありましても、その金をすぐ払ってもらえないということになれば貸し渋るということにも自然なるわけでございまして、そういうことが過去何年か、私比較的最近までやっぱり地方によってはあったということは、理由のいかんを問わず、これは事実であったろうと思います。私自身もそういうことを個人的に体験をいたしておりますが、ここにまいりまして、これは先日も、中小企業庁長官ばかりでなく、財政当局の政府委員もどこかでお答えをいたしておりましたが、いまそういう問題はなくなりまして、四十二年ころの危機は解消したというふうに考えますということを申し上げておりましたから、ここで運営がもう一度正常な姿に返る、もう返ってもだいじょうぶだという信頼を回復したものと考えております。 なお、この四十六年度の五億の黒字、これは責任準備金に入れるための黒字だそうでございまして、こういう制度というもので政府がもうけるというようなことはもとよりもってのほかでございます。それから非常に大きな赤字を出すということも制度の将来のためにこれは考えなければならぬことでございますけれども、どちらかといえば、御指摘のように、この会計の健全を第一に考えるということよりは、それも大事でございますけれども、こういう制度が経済としての金融を補完するということばかりではなく、社会全体の安全弁として働いておる、また活用すれば非常に働き得る制度でございますから、その制度の本来の趣旨というものをやはり第一に考えて運用をしていくべきではないかというのが私の考えでございます。
○大矢正君 中小企業金融公庫とかあるいは国民金融公庫あるいは商工中金、そして開発銀行も、ゼロとは申しませんが、これらの金融機関というものがあり、その中で金を借りるということはもちろんこれは行なわれていることでありますが、さらに大きな規模において中小企業に資金を融通するという道は、この信用保証制度というもの、すなわちこの信用補完制度というものが存在することだと思うのであります。したがって、そういう面においてはひとつ政府も積極的に取り組んでもらいたいと思うのであります。私は、宮澤大臣が大蔵省出身だから、大臣が通産大臣になられたらもっと楽にいくのではないか、うまくいくじゃないかと思ったら、ますます締めつけられて信用の保証が得られなくなるというようなことでは非常に遺憾なので、ひとつぜひ考えてもらいたいと思います。 最後に、いま御存じのとおりに、五十一の協会があるといいますことは、裏を返して言いますと、都道府県のほかに、別個に市において市独自の保証協会があるということであります。これはこちらからいけば、たとえば神奈川県という保証協会があって、横浜があり、川崎がある、あるいは愛知県保証協会があって名古屋の保証協会がある、あるいは岐阜県があって、あそこにまた保証協会が市としてあるというふうに、県と市がそれぞれ別個に保証協会を持っておるということ自身が、いろいろな意味で私はマイナス要因になるのではないかという感じがいたしますが、上において行政上統合させるような——もちろんそれぞれの自主性を持って発足した歴史がありますから簡単にはいかぬと思いますが、統合するような考え方があるかどうかということが第一点。 第二点は、これは保証協会というものは、本来的に地方の自治体が主体となって法律に基づいて設立をされるわけでありますが、しかし、よく考えてみますと、この種の内容というものは地方自治体がそのかなりの部分の責任を負う、もちろん七割なり八割のてん補率で再保険されるわけでありますから、それが国の関連をする保険公庫に結びついてはまいりますけれども、どうも考えてみまして、私は保証協会のようなものは本来的に、たとえばいまあるものといたしますれば、信用保証の公庫自身がこの種の問題を扱うべきものではなかろうかという実は感じがしてならないのです。片一方で保証料率、片一方で保険料率というような、重複した形における機構なりその運用状況というものは、必ずしも中小企業にとってプラスになっていないのではないかという感じがするので、この種のものは国の一つの機関に統合するほうが、いま直ちにじゃなくても、将来的には好ましいのではないかと思うのでありますが、それに対する考え方、二点をお伺いをして私の質問を終わります。
○政府委員(吉光久君) まず第一に、市と県と重複してございますところが御指摘のようにございます。御承知のように、信用保証協会は非常に歴史的にいろいろの事情をもって生まれておりまして、一番古いもので東京都が昭和十二年、あるいは続いて京都府が昭和十三年、さらに大阪市が昭和十七年というふうに、それぞれの地方の状況によりまして設立され、そうしてまた戦後いろいろと設立されてまいったわけでございまして、そういう意味から、実は最初に信用保証協会法が成立いたしました段階におきまして、先ほどおあげになりました五つの市につきましてすでに信用保証協会が成立いたしておったわけでございます。したがいまして、その市の保証協会と県の保証協会の関係が、たとえばそれが規模の利益を追求するためでも、非常に不合理であるというふうな御指摘であろうかと思うわけでございますけれども、現実での動きを見てまいっておりますと、大体市と県と両保証協会は足並みをそろえると申しましょうか、保証料率は、いまおあげになりました五つの市というのはいずれも四厘以下でございます。三厘八毛程度のところが最高かと思いますけれども、そういう意味でお互いにそこらあたりにつきましての相談をしながら、現実の問題としては保証事務を処理いたしておるようでございます。何ぶん長年の歴史と伝統を持ってまいっておりますだけに、これをいますぐに一本化するというふうなことは非常むずかしい事情があろうかと思うわけでございます。現実に地元の中小企業者の話を聞きましても、二つあるから困るというふうな意見は私どものほうの耳には入っていないわけでございます。そういう意味で実は長い将来の問題といたしまして、ここらがどうあったらいいかという問題につきましてはさらに別途検討いたしますといたしましても、現状におきましていま直ちに具体的にこういう弊害があるからどうというふうな問題も起こっておらないわけでございますので、むしろ積極的に、同じ県に二つあります場合には、その二つの力を合わせてどう積極的に保証の努力をしていくかという方向に具体的な指導をさしていただきたいと思うわけでございます。 それからもう一つ、いまの保証協会がやはり地方自治との関係でいろいろと運営がまちまちになっている点がある。むしろ保険公庫を核として保証協会の運営というものについて全国的に統一した方向で、機構面を含めて積極的な考え方ができないか、こういう御指摘であろうかと思うわけでございますけれども、これも先ほどお答え申し上げましたような地方自治との関連というふうな問題がございまして、そこらが実は保証協会の経営基盤その他につきまして、一部まちまちの段階に置いているというふうな状況でございます。実は基本的にはいま御指摘の線、各保証協会の体質を積極的に均一化し、そうして保証料率その他につきましても、どの地域に住んでいる中小企業者でも同じ料率の保証料率で同じ恩典が受けられるというような方向で処理すべきことは、いまさらお答え申し上げるまでもない自明のことであろうかと思うわけでございます。そういう意味で、実はいま全国的に基準の統一できるような要素のものにつきましては、たとえば統一経理基準でございますが、従来、実は各保証協会ごとに経理基準が異なっておりました。これを全国的に統一経理基準の中で損益の計算をするという意味で全国的統一経理基準をつくったわけでございますけれども、そういう問題でございますとか、あるいは定款その他等につきまして統一できるものについては統一する方向で全国的の指導をやっているわけでございます。さらに保証料率につきましても、特に経営基盤の弱体な保証協会につきましては、保険公庫の融資基金を積極的に活用いたしまして料率の引き下げにつとめているところでございます。したがいまして、機構面の問題といたしましては、これはいますぐに保険公庫を核とした保証協会というふうな、そういうふうな全国統一的な運用ということは、現状におきましてはちょっとまだ困難でございますけれども、実質をそれに近い形に一歩一歩近づけてまいりたい、このように考えているところでございます。
○上林繁次郎君 大臣の許された時間、もう幾らもないようですから急いで二、三お伺いしたいと思います。 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、これの一つの大きなねらいは公害防止保険の創設、こういうことになると思うのです。そこで、こういう法律をつくってというか、改正をして、中小企業の公害防止対策を進めていこう、容易にしていこうというねらいでこうしたものができた。そうすると、これはやはり法律的にこれが利用されなければならない、こう思うのです。そういう立場から、たとえば保証協会の体制の問題、こういう問題があると思うのです。ということは、たとえばいまもお話がありましたように、各県には保証協会というのがございます。そこで私は公害の問題にだけ一応限ってまいりますけれども、公害に対して防止対策を中小企業がやらなければならない。そこで、現在住んでいる県から他県にまたがって移転をする場合がある。こういう場合に、それではどの県でこの保証はなされるのか、こういう問題が残ってくる、残ってくるというよりも、今後そういう問題が発生していくと思うのですね。それらについてはどういうふうに考えているのか。これはいままであまりなかった問題じゃないか、こういった問題が今後起きてくると思いますので、大臣から。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうケースは確かに今後起きてくることが想像されますので、これは各県の保証協会の間で、そういう場合、なるべく保証を受ける側にも便利を計らう方法がないか、お互いに協議をさせているところでございまして、中小企業庁が指導いたしまして、できる限り、全然もとからもう一ぺんやり直すようなことになりませんように、協議体制もつくってまいりたいと思っています。
○上林繁次郎君 それならけっこうだと思いますが、これはやっぱり効果をあげるためには、広域的な保証体制というものが必要だと思います。その点十分検討されて、適切なひとつ処置をとっていただきたい、こう思います。 それから先ごろ共同証券財団というのができました。これが九十五億円くらいを信用保証協会に貸し付けるというようなことになっていますね。これ自体はけっこうだと思うんですが、これは一時的な措置ということなのか、それとも長くこの資金を利用していくということなのか。また、していけるんだという見通しの上に立って、今回こういうようなことになったのか、その点ひとつお話していただきたい。
○政府委員(吉光久君) 実は今般、日本共同証券株式会社が解散をいたしまして、その残余財産をどう分配するかというときの御相談にあずかったわけでございますが、したがいまして、これは残余財産の一時的な運用の問題でございまして、それを共同証券財団で残余財産を引き受けまして、その引き受けましたもののおおむね半額に相当いたします九十五億円を中小企業者の融資を応援するために、各都道府県にございます保証協会のほうに融資しようという、こういう話になったわけでございます。したがいまして、これだけの大がかりの融資につきましては、今回限りであるというふうに了解をいたしておりますが、ただ、さらにこれがまた果実を生むわけでございますから、したがいまして、そこらの果実の運用につきましては、またさらに保証協会のほうに運用してもらう、こういうふうな考え方で現在進めておるところでございます。
○上林繁次郎君 わかりました。 そこで、今度は中小企業の担保力の問題ですね。この中小企業の担保については、保証協会、銀行にしてもそうですけれども、非常に低く計算をするといういま傾向にあるんですね。そうすると、信用保証協会は、その趣旨から言っても、これはいわゆる時価といいますか、そういった見方で担保というものを考えていかなきゃならぬ、中小企業に対する担保を考えていかなきゃならぬ、こういうふうに思うんです。それがいま逆行しているような傾向にある。中小企業の担保はどうしても低く見られてしまう。この点についてどういうふうにお考えになっておられるのかですね。
○政府委員(吉光久君) 確かに御指摘のように中小企業者は一般的に担保力が弱いということでございます。したがいまして、この保証の制度におきましても、御承知のように、特別小口というふうな、担保も要らなければ保証人も要らない、こういう特別小口の制度、あるいは無担保制度、担保なしという制度も併用しておるところでございます。と同時に、特に担保を要します普通保証の場合にいたしましても、やはり中小企業者は担保力に弱いということを前提に置きますと、この保証制度が運用されなければならないこと、御指摘のとおりだと思うわけでございます。現実の問題といたしましても、たとえば担保の評価の面におきましても、その評価額を十分に見るというふうなことと。これが普通の金融機関と異なっておる点であろうかと思うわけでございます。あるいはまた高順位抵当等につきましても、それについての担保設定を認めるというふうな、そういう点につきましては、一般の金融機関以上に、むしろ保証協会を設立いたしました意図に沿って、担保についての運用もなされており、またそうなされるべきであるというふうに考えております。
○上林繁次郎君 ですから、いま私が申し上げたのは、そういう担保力が非常に低く評価される。これが問題であるということなんです。ですからその点を是正していかないと、せっかく法律があっても、その恩恵をこうむる中小企業はごく少部分に限られてしまう。ただでさえ中小企業の担保力というものはないわけですから、乏しいんですから、ですからその辺のところを十分に指導する側が見ていかなければ、この法律の実をあげることができないんじゃないか、こういう心配のもとにお尋ねしているわけです。その点、十分にひとつ適切な指導を行なっていただきたいと思います。 最後に、先ほどから大矢委員のほうからもいろいろと話がございましたけれども、金融機関が信用保証協会の保証があるにかかわらず、なかなか金を貸さぬ、こういうお話がございました。その点については私もそういうものを感じております。そこで、この金融機関の指定ということについては政令で定めるようになっておりますね、なりますね。そうしますと、その辺のところが私、問題じゃないかと思う。もともとこの法律自体が中小企業を守るという、そして法の力によって中小企業を守り、発展させていくというねらいがあるわけですから、にもかかわらず、金融機関で政府のそういう意図が挫折されるような行為をとられた場合には、これは何の実も上がってこない、こういうことが言えるわけですね、極端に言えば。ですから政令で指定するという金融機関、これはほよど吟味してかからなければならないと思うんです。また基準を設けて、この基準に当てはめるというような行き方、また、そういういままで話があったような、矛盾した、法律に逆行するような金融機関があった場合には、その金融機関に対してはどうするというようなところまでいかないと、ほんとうの実は私はあがらないのじゃないか、こういうように思うんですけれど、その点どうお考えですか。
○政府委員(吉光久君) 現在、法律におきまして限定列挙をされておったわけでございますけれども、中小企業者が金を借ります金融機関の範囲がだんだんと動いておるわけでございます。したがいまして、そういう動きに迅速に対応いたしたいという意味で政令指定をお願いしたわけでございます。したがいまして、現在指定されております金融機関につきましては、これはすべてそのとおり指定するつもりでございますけれども、さしあたりの問題といたしまして、実は御承知の信用組合というのがあるわけでございますが、信用組合の全国連合会から中小企業者が金を借りるという場合もふえてまいっております。したがいまして、政令で指定いたします最もいま確実なのは、この信用組合連合会を指定さしていただきたいと思っておるところでございます。なお、これは一般的なたとえば銀行でございますれば、銀行法上の銀行というふうに指定のしかたをいたすわけでございまして、個別的に具体的な名前のつきました何銀行、何銀行というふうなことは、政令では指定いたさないつもりでおります。したがいまして、指定基準はそういう意味で中小企業者が利用する金融機関をできるだけ範囲広くこれで拾ってまいりたい、こういう考え方に立っているわけでございます。したがいまして具体的な問題につきまして、その銀行に非違があるというふうな状況のようなものでございますれば、私どももよく銀行局と相談いたしまして、銀行法上の監督処分あるいは行政措置、そういうふうな体系の中で、銀行局とよく相談しました上で処理していただく、こういう考え方でおるわけでございます。
○上林繁次郎君 けっこうです。
○委員長(川上為治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川上為治君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようですが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川上為治君) 御異議ないものと認めます。 それではこれより採決に入ります。 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手をお願いします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(川上為治君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川上為治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 次回は、三月二十六日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十一分散会