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65回国会参議院1971/03/18

商工委員会 第8号

発言数
170
登壇者
11
会派数
4
開催日
1971/03/18

会議録

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案を便宜一括議題とし、通商産業大臣からそれぞれ趣旨説明を聴取いたします。通産大臣。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  中小企業信用補完制度は、創設以来一貫して発展を遂げ、現在では一兆円を上回る保険、保証規模に達し、中小企業者に対する事業資金の融通を円滑にする上で大きな役割りを果たしてまいっております。  しかしながら、中小企業を取り巻く諸環境は、現在急速に変化しつつあり、それに伴い、信用補完制度においても中小企業の現実の資金需要に十分対応できない面が出てまいっております。  すなわち、まず第一に、最近の中小企業の資金需要の一つの傾向として、公害防止関係費用の顕著な増大が見られます。しかも公害問題がますます深刻なものとなっていることを考えれば、この費用は今後増加の一途をたどるものと推定され、信用補完制度の面でも十分な配慮が必要とされるところであります。  次に、近年の経済規模の拡大と経済環境の変化等に伴い、中小企業者の資金需要の大口化傾向が見られ、これに対処するためにも、現行の信用補完制度を一そう拡充強化することが必要となってきております。  このような趣旨に基づき、今回、中小企業信用保険法の一部を改正しようとするものでありますが、その概要は次のとおりであります。  第一は、公害防止保険の創設であります。すなわち、中小企業者の公害防止関係の資金需要の増加に対処して、中小企業信用保険制度に普通保険等とは別ワクの新たな種類の保険を創設しようとするものであります。  この保険の中小企業者一人当たりの限度額は、二千万円、組合の場合は四千万円としており、中小企業者の公害防止施設の設置、公害防止のための移転等に要する資金の融通の円滑化に資するものと考えます。  第二は、保険限度額の引き上げであります。最近の中小企業者の資金需要の大口化傾向に対処して、この際、普通保険の中小企業者一人当たり限度額を現行の一千五百万円、組合の場合は三千万円から二千五百万円、組合の場合は、五千万円に引き上げようとするものであります。  また、特別小口保険につきましても、現行の五十万円から八十万円に引き上げることとしており、中小企業のうちの小零細層の資金確保の円滑化に資するものと考えます。  その他、保険制度の対象となる金融機関につきましても、従来は、法律において一々限定的に定めていたやり方を改めて、政令で必要に応じ追加指定できることといたしております。  これが、この法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。     —————————————  次に、産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  本法律案は三つの部分に分かれており、第一に産炭地域振興臨時措置法の一部改正、第二に電力用炭販売株式会社法の一部改正、第三に通商産業省設置法の一部改正がその内容であります。いずれも石炭対策を目的とする法律、制度で、その有効期間等の終期が本年中に到来するものにつき、これを所要の期間延長することを内容とするものであります。  まず、産炭地域振興臨時措置法の一部改正でございますが、同法は、石炭鉱業の不況の進行がもたらす産炭地域の経済的、社会的疲弊を回復するため、同地域における鉱工業等の急速かつ計画的な発展等をはかることを目的として、昭和三十六年十一月に制定されたものであり、その後、昭和四十一年に五年間の期間延長が行なわれ、現在、昭和四十六年十一月十二日をもってその効力を失うこととなっております。産炭地域につきましては、政府及び地方公共団体において、本法を基礎として産業基盤の整備、企業の誘致、地方財政の援助等、各般にわたる施策を展開しており、同地域の経済的、社会的回復に成果をあげておりますが、石炭鉱業を取り巻く情勢の進展に伴い、産炭地域の疲弊の状態は、一部の地域を除いて、全体としてなお著しいものがあり、本法に基づく産炭地域振興の諸施策については、今後なお相当の間これを継続することを必要とする状況にあります。     —————————————  次に、電力用炭販売株式会社法の一部改正でありますが、同法は、昭和三十八年七月に制定された電力用炭代金精算株式会社法をその前身としており、同法について昭和四十年に改正が行なわれ、今日の形となっているものであります。同法は、電力用炭販売株式会社の業務を通じて、電力用炭の価格の安定、石炭の供給の円滑化及び流通の合理化に重要な役割りを果たしておりますが、同法の成立当時においては、電力用炭の長期引き取り体制の確保について昭和四十五年度を一応の目途としていたことから、同年度末をもってその廃止期限としております。しかしながら、石炭特に一般炭需要の大宗を占める電力用炭の価格と引き取りの安定をはかる等の必要性は、石炭鉱業の現状にかんがみれば、今後なお継続するものであり、このための法の延長が石炭対策上重要となっております。     —————————————  最後に、通商産業省設置法の一部改正でありますが、その内容の一つは、最初に申し上げました産炭地域振興臨時措置法の有効期間の延長に合わせて、産炭地域振興審議会の存置期限の延長を行なうことであり、他の一つは、九州地方の産炭地域において生ずる石炭問題に関する対策の迅速かつ適確な実施を推進する機関として、通商産業省本省の付属機関として福岡市に置かれている臨時石炭対策本部について、その存置期限の延長を行なうことであります。臨時石炭対策本部は、昭和三十八年度に設置され、その後、昭和四十三年の法改正により、当時行なわれていたいわゆる第三次石炭対策の目標年度に合わせて、昭和四十五年度までがその存置期限となっておりますが、産炭地域における石炭対策の実施に関し、同本部の果たす役割りが大なることにかんがみ、引き続き同本部の存置期限を延長することが、この際、必要であると考えております。  本法律案は、以上のような考え方に基づき、産炭地域振興臨時措置法の有効期間並びにこれに付随して同法に基づく地方債の利子補給の期間及び産炭地域振興審議会の存置期限を、それぞれ十年延長するとともに、電力用炭販売株式会社法の廃止期限及び臨時石炭対策本部の存置期限を、現在政府が実施しているいわゆる第四次石炭対策の計画期限たる昭和四十八年度末まで延長することをその内容とするものであります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださるようお願い申し上げます。

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 次に、補足説明を聴取いたします。吉光中小企業庁長官。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。  現在、全国で五十一の信用保証協会が、中小企業者の金融機関からの借り入れ債務を保証することにより、担保力に恵まれない中小企業者の信用力の補完に大きな役割りを果たしております。中小企業信用保険制度は、この信用保証協会の行なう保証について中小企業信用保険公庫が保険を引き受けることにより、その推進をはかろうとする制度であります。  この中小企業信用保険制度は、昭和二十五年に創設されて以来、一貫して発展を遂げ、中小企業者に対する事業資金の融通を円滑にする上でめざましい実績をあげてまいっております。ちなみに昭和四十五年度の保険引き受け額は一兆三千億円程度に達する見込みであり、保険利用件数も年間百万件近くに達し、中小企業金融をささえる大きな柱となってきております。しかしながら、中小企業の最近の資金需要の動向を見ますと、この重要な信用補完制度について、一段と制度の充実、強化をはかることが必要となってまいっております。その第一は公害防止関係費用の顕著な増大傾向に対処することであります。公害問題の深刻化に伴い、中小企業者の公害防止関係費用は増加の一途をたどっておりますが、これらの費用は大口かつ長期にわたるものが多く、また、その性格上直接収益を生まないものであることから、中小企業者の負担は大きなものがあります。したがって、中小企業信用補完制度の面でも、この点に着目し、十分な配慮が必要とされるところであります。  第二に最近の中小企業者の資金需要の大口化傾向に対処することであります。近年の中小企業を取り巻く諸環境の急速な変化に対応するため、中小企業者は、現在、構造改善の推進、設備の近代化、合理化等、従来に増して努力を行なうことが要請されており、その必要資金はますます増大いたしております。したがいまして、中小企業信用補完制度の面でも、保険限度額の引き上げを行ない、こうした情勢に対処することが必要となってまいっております。  本改正法案は、以上御説明申し上げた考えに基づき提案いたしたものでありますが、次にその概要を補足して御説明いたします。  第一は、中小企業者の公害防止関係の資金需要の増加に対処するため、中小企業信用保険制度に公害防止保険を創設することであります。現在、保険の種類としては、普通保険、無担保保険、特別小口保険及び近代化保険の四種類がありますが、公害防止保険は、これらとは別ワクの新たな種類の保険といたしております。この保険の中小企業者一人当たりの限度額は、最近における中小企業者の公害防止投資の実績等を勘案し、二千万円、組合の場合は四千万円としており、またてん補率は七〇%、保険料率は、公害問題の特殊性にかんがみ低料率とする予定であります。なお、本保険の対象資金については、通商産業省令で定めることといたしておりますが、公害防止施設の設置費、公害防止のための移転費等を定めることとしております。  第二は、最近の中小企業者の資金需要の大口化傾向に対処するため、保険限度額を引き上げることであります。また、信用保険制度の基本である普通保険につきましては、昭和四十二年に一千万円から一千五百万円に引き上げられておりますが、今回、中小企業者一人当たりの限度額を二千五百万円、組合の場合は五千万円に引き上げ、中小企業者の資金需要の大口化傾向にこたえようとするものであります。  また零細中小企業者向けの特別小口保険につきましても、現行の五十万円を八十万円に引き上げることといたしております。その他保険制度の対象となる金融機関につきましても、従来は法律において一々限定的に定めていたやり方を改めて、政令で必要に応じ追加指定できることといたしております。さしあたって追加するものとしては、信用協同組合連合会を考えておりますが、中小企業者の金融機関の利用状況に応じ、必要なものは逐次追加をしてまいりたいと考えております。  以上この法案につきまして、簡単でございますが補足説明をいたしました。  何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 以上で説明の聴取は終わりました。  この際、おはかりいたします。  産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案につきましては、便宜石炭対策に関する小委員会において審査をいたすことにしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  暫時休憩いたします。    午前十時二十一分休憩      —————・—————    午後一時十二分開会

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、参考人として日本貿易振興会理事島添達夫君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 午前に引き続き、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私は、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に対して若干の質問をいたしますが、その前に一点お尋ねしておきたいことがございますので、ひとつお尋ねいたします。本来ならば大臣ですが、大臣はきょうは都合が悪いようでございますから、中小企業庁長官でけっこうでございます。  いろいろと三、四月の危機がささやかれております中で、いよいよ中小企業はまさにやみの谷間にさまようというふうな状況でございます。スタミナの弱い中小企業を得意先としておりまする相互銀行や信用金庫、この筋では、一部には三、四月の危機は史上空前のものである、やはり三、四月には企業倒産がぐっと増大するであろう、こういうことで警戒警報が発せられておるやに聞いております。まことにこれは不気味なことだと思います。一方消費者はといえば、この消費者を取り巻く環境、すなわち物価の値上がりというものは、非常にその後も慢性的値上がりというふうな結果を続けておる。消費者にとっては春の空を見るということはまことに今日では困難なことだと思います。特に流通部門に携わっておる商工業者、これは非常に大きな影響があるのではなかろうかと思うのです。いまに下がるであろうと思っておっても、なかなか物価の値下がりは見えない、上がる一方でございますから、非常に商工業者にとっては、これまた暗雲低迷という状況であろうと思います。特にこういう中で、私の郷里の新聞を見ますと、一宮、尾西方面の出機業者、これはすでに転廃業が続出しておる。そうしてそれぞれの職業安定所には転廃の相談に出かけておるというふうな現状でございますし、さらに津島市内におきましては、四月一日から騒音規制法が適用されますので、これまた津島地方の出機の関係ではまことに困った問題である。いわゆる騒音防止のたてまえ、いわゆる騒音公害でございますが、こういう状況で津島地方におきましても、これは騒音防止だけでなく、やはり繊維の規制問題とからみまして、昨年来非常に生産が落ちてきておる、こういうふうな傾向でございまするから、これはダブルパンチを食ったような結果でございます。この津島地方におけるこの騒音防止によって、もう機屋が近所からいろいろと言われますし、今度は正式に市から規制がされますので、騒音公害の立場からも、もうどうしても自分の家で出機をやるわけにはいかない。だからもうこれはやめなければいかぬだろう、こういうところも出てきておるというふうな状況でございます。こういう三、四月の危機に対して、中小企業庁としてどのように一体対処されていかれるのか、そのお考えをひとつ聞かしていただきたいのであります。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) お示しのように、現在の中小企業をめぐります経済環境、非常にきびしいものがあるというふうに考えております。いま具体的に一宮、尾西方面あるいはまた津島地区というふうな例をとられて御指摘を受けたわけでございますけれども、確かにこの地区にとどまらず、全国的な問題といたしまして、いろいろな面でいろいろの作用が出ておるわけでございまして、御承知のように、昨年の十月に金融引き締めの緩和の方向に一応のかじとりが行なわれておりますけれども、金融機関の貸し出し余力というものは相当低下しておりまして、したがいまして、中小企業関係にこの金融緩和の影響というものが出てまいりますのには、まだ相当の月日がかかるというふうな状況であるわけであります。また、いろいろ手形サイトから見ましても、あるいはまた現金収入の関係の割合等から見ましても、あるいはまた販売代金の回収期間というふうな面から見ましても、依然として好転しておるような指標は見当たりないわけでありまして、それだけに、やはり中小企業者の金融に対する資金繰りというものは非常に逼迫いたしておるというふうに考えるわけでございまして、具体的にそこらの金融逼迫というふうなことから、現象的な問題といたしましては、政府関係三機関に対します、特に運転資金需要というものが非常に増加いたしております。いまお示しの繊維関係のみならず、繊維も相当大きゅうございますが、あるいは家電関係の下請でございますとか、あるいはまたモザイクタイルその他の陶磁器関係のものでありますとか、金属洋食器、合板というふうに、相当の業種にわたりまして滞貨資金の大口の借り入れ申し込みというのが出ておるのが現状であります。またお話の中にもありましたように、企業倒産の件数につきましては、例年十二月−一月というのは、好況時におきましても不況時におきましても倒産件数のわりあい低い月であるのでございますけれども、ことしの場合はむしろ異例とも言えるほど十二月にも相当高い件数でございました。一月もそうでございました。また二月におきましても前年同月に比べまして二四%増というふうな高い水準を依然として保持しておるというふうな状況であるわけでございます。そういうふうなことを前提に置きまして、実はこれは政府としては異例の措置であったわけでございますけれども、いわゆる年度末金融対策というものを講ずることにいたしたわけでございます。例年でございますれば、いわゆる年末追加財投というふうなことで、年末に下期全体分の見直しを行なってみるというふうなことで済ましていたわけでございますけれども、ことしは御指摘のようないろいろの原因が複合して出てまいっております。と同時に、景気の沈滞化というのが非常に強いというふうなところから、むしろこの三月及び四月をどうしのいでいくかというふうなことが非常に重要な問題になってまいったわけでございます。そういう意味から、年度末金融対策というふうなものをやることにいたしたわけでございます。その概要でございますけれども、三機関に対します貸し出しワク、これはワクといたしまして百九十五億円程度拡大するということにいたしたわけでございますが、こうすることによりまして全体の資金需要として約三百億程度のものにはこたえ得るというふうな想定に立っておるわけでございます。さらにまた中小企業金融公庫におきます運転資金の貸し付けにつきまして特例を設けまして、向こう六カ月間、三月一日から六カ月間の間に限りまして、運転資金の代理貸しの貸し付け限度額を一千万円から二千万円まで上げるということで、迅速、簡素な手続で貸し付けが行なわれる、主としてこれは運転資金に回ると思うわけでございますけれども、こういうふうな制度を創設いたしました。また同時に、信用保険公庫関係信用保証業務につきましても相当繁忙をきわめておるようでございます。したがいまして、これはもうさらに五百七十三億円程度の保証引き受けワクにつきまして増ワクをいたしたところでございます。と同時に、いまもお話ございましたように、一定の地域あるいは一定の業種につきまして、特に共通的な問題が出ておるというふうなものがあるわけでございますので、そういう場合に地元の他の金融機関も政府関係金融機関と相協力して、そういう産地産業問題その他に対処するというふうなことで、これは大蔵省の銀行局を通じまして銀行局のほうから全国に手配をいたしておるところでございますけれども、そういう政府三機関のみならず地方金融機関も含めまして、そういう産地産業問題等に対処してまいるというふうな基本方針をきめたわけでございます。と同時に、こういう時期でございますので、政府関係三機関のいわゆる貸し付け条件につきましてこれを緩和するという措置もとるように、これは私のほうから三機関のほうに指示をいたしたわけでございます。たとえば弁済期はまだきていないけれども、しかしいますぐに支払いが非常にむずかしいというふうな企業に対しましては、支払いの猶予をやるとか、あるいはまた割賦弁済いたしております場合には、弁済額につきまして減額措置をとっていく、好況になってからさらにそれに積み増しをしていただくとかいう弾力的措置をとるように十分配慮をするよう三機関に対しても指示をいたしたところでございます。現在私どものほうの通産局単位で逐次そういう地方での金融機関あるいは大蔵省の出先機関、日銀の出先機関等と特に主要な問題となっております業種の関係の方と、逐次懇談会を催しながら現実を打開していくという方向での御相談をいたしておるところでございます。すでに終わったところもございますし、逐次そういうふうな形で現地で問題を解決していくというふうな方向で各機関協力し合ってこの事態を乗り切ろうというふうな方向に踏み出しておるのでございます。と同時に、これはさしあたり三月一ぱいの計画でございます。したがいまして、四月になりますれば、現在御審議いただいております予算、財投等を通じまして、新しい計画ワクが組まれるわけでございますけれども、やはり何と申しましてもいまの事態を前提に置きまして、たとえば三機関の貸し出し計画にいたしましても、上期特に四、五、六というふうなところに相当集中配分をして、この事態を克服するということを考えざるを得ないのではないかというふうに思っておるわけでございます。もちろんそれで足りない部分につきましては、毎年お願いいたしております年末追加財投等によってカバーしていくというふうなことにいたしまして、さしあたりこの三、四月あるいは五月と続くかもしれないわけでございますけれども、そこらの景気問題等に金融的な角度からてこ入れをしてまいりたいというふうに考えておるのが現状でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私がいまお尋ねしましたのはほんの一部分でございまして、このほかいろいろと問題はあります。しかし、これがきょうの本論ではないので、私は多くは申しませんが、やはりいろいろと政府の政策の失敗といいますか、誤りといいますか、そういう点から影響して倒産が危惧される点が多くあると思うんです。この前の委員会で私も申しましたように、いわゆる政府の米価政策での減反によって、佐藤造機なんという農業機械の大メーカーなんですが、あれが倒産して、これに関連する相当の中小企業が倒産するだろうということが報じられておりますし、さらに昨年来の家庭電機関係で弱電関係も相当大きな影響をいま受けておる。特にいま愛知県でもいわれております世界的に有名な一つのメーカーでございますが、年商五、六億の取引をしておる、その弱電関係もいま倒産するんではないか、こういうことがいわれておりますし、自動車が自由化になれば、やはり自動車の下請の関係が狂うということで、工業全体については、やはりいろいろ中小企業がいま危機に到達しておる、一方におきましては消費物価がどんどんと値上がりを続けておる。これは商人は高い高いといって売っておればよろしいのでございますけれども、それの加工業者が非常にいま暗礁に乗り上げておるというふうな状況もございます。これはやはり消費物を製造する加工業者、これらも非常にいま苦境に達しておる、こういう関係を考えあわせますれば、従来問題になりました、われわれの言う工業関係でない商品部門に関する、食料部門に関する工業加工業者、こういうところまで現在もう影響がきておるという状況でございますが、こういう点について、中小企業庁として全般的に把握しておられるとは私は思いませんけれども、やはり全般的な立場からいろいろと金融面においても今後相当逼迫してくるという状況がある。いま長官がそれぞれの産地の中小企業を相手とする金融関係にも協力願ってと、こう言われるけれども、あぶないと思うとやはり金融機関はなるべく遠ざかろうとしておるのが現状でございまするから、やはり何といっても最後にたよるところは政府機関の金融関係に融資をたよろうとするわけでございますが、それもなかなかうまくいかぬというふうな状況もございまするから、やはり今度の中小企業保険法の改正に伴って、若干のいま関連した問題でお尋ねしたわけでございます。  そこで、本題の信用保険制度の問題でございますが、やはりわが国の保険制度と、それから信用保証制度というものが制定されまして、非常に中小企業に対しまする補完制度、これが年々いろいろと効果をあげてきておりまして、これについては中小企業も非常に私は喜んでおるとも思うし、また、わが国の中小企業振興に対して寄与してきたその力というもの、これは私も認めるわけでございます。しかし、何といいましても中小企業がそういうところにたよらなくても独自に金融ができるというのが私は理想的なあり方だと、こう思うけれども、それができないから現在のような制度にたよっていかなければならぬ。私は、本来、やはりこういう制度というものはなくなっていくというのがたてまえじゃないかと思うのです。やはり中小企業は独自の、自主的に金融措置ができるような、そういう制度というもの、これが私は望ましいと思うのですが、その点いかがですか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 確かにお示しのように、信用保証にたよっておるようなそういう事態というものが健全であるというふうには考えられないわけでございます。ただ、現実の問題といたしまして、大企業でございますれば、独自に金融力がつくような担保力その他の信用力等を持っておりますけれども、一般的に中小企業関係ではそういう意味での担保力、信用力が乏しいというふうな、そういうことから、しかも普通の金融機関に借入に参りましても、借入条件が悪いというふうな、そういう事態が現実の事態であろうかと思うわけでございます。したがいまして、一方におきましては、政府三機関その他の中小企業向きの、たとえば振興事業団でも融資いたしておりますし、あるいは近代化促進に関連する助成措置、機械貸与、いろいろな制度を通じながら国の積極的な助成策というふうなことでカバーしていく面も非常に多かろうと思うわけでございます。と同時に、しかし何と申しましても、やはり国のそういう積極的な施策面だけでは不十分だという面もあるわけでございますので、したがいまして、こういう信用を補完するという制度の運用をも並行的にやりまして、まさに車の両輪のごとく運営のよろしきを得てまいりたいというふうな意味でございまして、御指摘の方向そのものにつきましては、私も全く同感でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 保険公庫の保険準備基金でございますが、これは四十二年から四十四年度にかけまして大幅な赤字が出ていた。ところが、あなたのほうからいただきました書類を見ますると、本年度は五億円の黒字が推定されておる。これは何か黒字になるということじゃないそうでございますけれども、文書にはそういうことになっておるわけでございますが、わずか一年間で大幅な赤字というやつが、逆転して五億の黒字になるということは、どうも私どもとして割り切れないものがあるのですが、どうしてこういうふうな結果になったのか、この点、数字的に御説明を願いたいと思います。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 実は、現在までに累積いたしております赤字でございますけれども、大体赤字が発生いたしました一番大きい年が四十二年であったわけでございます。これは実は四十年、四十一年の初めにかけまして金融がいささか緩慢であった時期がございました。そこで金融機関が積極的に中小企業者のほうに貸し出しを勧める、あるいは借入を勧めるというふうな、そういう客観的な情勢があったようでございまして、したがいまして、そこらの関係のしわが実は四十二年以降に出てまいっておるというふうに考えるわけでございます。御承知のように四十二年におきましては四十三億六千万の赤字、さらに四十三年で五十九億、四十四年で三十四億、四十三年をピークにいたしまして、御承知のとおり代弁によるこういう保険金の支払いにつきましては、原因が起こりましてから二、三年たってからずっと保険公庫の支払い増という形であらわれてまいりますので、ピークが四十三年というところにあらわれておるのでございます。実はそこらの点につきまして回収が促進され、その他のいろいろの適正代弁あるいは適正保証というふうなことによりまして、逐次赤字が減ってまいったわけでございます。四十四年度におきましては、大体七億八千万円程度というふうに推定をいたしておるわけでございまして、大体これで一応落ちつくのではないであろうかというふうなことで考えておるのでございます。四十六年度、実はこれは五億円だけここに計上してございますけれども、これは実はこの五億というのは、公庫の責任準備基金の中に積み立ててまいるというふうなことにいたしておるわけでございます。過去におきまして、実は三十七年、三十八年、三十九年、それから四十年まで、四十一年も一部ございますけれども、毎年この責任準備基金を積み立てておったわけでございまして、過去の最高の時点におきましては、約一年間に十二億というものを積み立てた時点もございます。それを四十二年度以降の赤字に転化いたしましたときに、まず責任準備基金を取りくずし、さらにそれでも足りないところを政府出資の形で保険準備基金として政府が逐年四十三年以降準備基金を出資するということで現在までカバーいたしておるわけでございまして、結局過去の累積赤字がだんだんとそれが鎮静化してまいりまして、こういうふうなところまで現在やっと至ったというのが現状でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 これは保険準備基金ということで五億円が推定されておるわけでございますね、いまの御答弁からいきますと。しかし、中小企業者からこれを簡単に見ますると、保証協会の自主的改善措置という名のもとに、いわゆる厳重な選別をやっておるんじゃないか、その選別保証がこういう結果になってあらわれてきているのではないかと、こういうふうにも勘ぐって考える向きがあろうと思うのですが、その点はどうでしょうか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) この赤字がピークでございました四十三年、四十四年当時におきましては、一部行き過ぎの問題も、いま御指摘のように全然なかったとは私は申し切れないと思うのでございます。ただ現実にやっております措置そのものは、実は金融機関が自分の金融量の情勢に基づきまして金を貸し、同時に保証協会から保証を取るというような、そういうふうな運用等が行なわれた時期もあるようです。あるいはまた金融機関自身で、中小企業者のほうのいろいろの条件等を無視いたしまして、早目に代理弁済を請求してまいる。そういうふうな事態もあったようでございます。そこらの姿勢を正してまいるということがまず必要ではないだろうかというふうなことから、適正保証の問題でございますとか、あるいは適正代弁の問題でございますとかいうふうなことについて、金融機関あるいは保証協会のほうに協力方を依頼いたしておったわけでありますけれども、昨今の状況から判断いたしますと、たとえばこの保証の伸びにつきまして、四十五年度、本年度につきましては、昨年の二七%くらいの上昇がすでに見込まれておるわけでございます。同時に昨年の下期以降どんどんこの保証の伸びはふえてまいっております。そういうふうな状況から見ますと、特に選別して押えておるというところまではすでにきていないのではないであろうか。むしろ正しい方向で、だんだんと、しかも資金需要がふえつつある、こういう状況ではないかというふうに判断いたしております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 公庫の努力によって赤字が黒字に転換されるということになれば、これはまあけっこうな話でございますし、われわれも歓迎すべきだと思うのですけれども、そういうことでございますならば、やはりこれは一刻も早く中小企業のために保険料率というものを引き下げていく、こういうことを考えなければならないと私は思うのですが、この点はいかがですか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) お示しのとおり、長期的に考えました場合には全くそのとおりであるというふうに考えるわけでございます。で、御承知のように、申し上げるまでもないわけでございますけれども、保険料率を一応算定いたします場合、大体十二年くらいの長期にわたって保険料がこれでいいかどうかというふうな検討の上で保険料率がきめられておるわけでございます。過去におきましても保険料の引き下げということを行なった時期もございます。たまたま、先ほど来のような、四十二年以降の相当な赤字というふうなことになりました関係で、したがって、むしろ保険公庫財政の立て直しというようなところに主たる意を用いておりました関係上、保険料率そのものについて検討するというふうなところまできめ得なかったわけでございますが、さらにいろいろ諸情勢を判断いたしながら保険料率そのものの基本的な問題についても十分検討いたしていかなければならないと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 保証協会は、保険金の支払いを受けた債権について、これは回収のあった場合に、その一定割合というものを公庫に納付することになっていますね。このために保証協会から、管理回収費用の一部を、受益者である保険公庫においても当然負担すべきであるとの要望があるわけでございます。そこで、信用保証協会の求償権管理といいますか、回収事務の一そうの充実をはかっていくためには、やはり還付金制度というふうなものを考えるべきじゃないかと思うのですが、この点はいかがですか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 私どもも基本的には御趣旨のとおりだというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、予算折衝その他を通じまして、そういう還付金制度の創設というふうなことについて努力をいたしておるわけでございますけれども、いまだ残念ながらその実現を見ていないのが現状でございます。しかしながら、基本的な方向としてはまさに御指摘のとおりであろうかと思うわけでございます。そういう意味で、実は便法といたしまして、ささいな措置でございますけれども、これは四十四年度から行ないましたけれども、融資基金の一部を、こういう還付金制度に対する報償というふうな意味で活用さしていただいておるわけでございます。四十四年度においては十五億円をこれに充当いたしております、それから四十五年度におきましては二十億円というものを充当いたしておるわけでございます。長期的な問題としまして、基本的にはいまの御指摘のとおりだと、こういうふうに考えております、

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 保証協会は現在全国に五十一ございますね。地域ごとに内容も差があることも御承知のとおりだと思うのです。こうしたアンバランスをなくしていくために、たとえば保証料が一・一〇のところ、それから一・五三%のところ、これはアンバランスになっておる。要するに、これはその地域地域によって違うわけでございまするが、しかしこれは各県の中小企業者から考えてみますると、何か統一したものであるならば、なお便利だが、という声もあるわけでございますが、この地域差のない形にはなかなかできないものかどうか。また、そういうことについてあなたのほうで何らか考えを持っておられるのかどうか、そういうことについてちょっとお尋ねしておきます。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) すでに申し上げるまでもないと思うわけでございますけれども、現在、先ほどのお示しの五十一協会ができましたその歴史と申しましょうか、非常に古くからできているところのものと、まだ成立後それほど期間がたっていないというふうなもの等がございまして、そういう関係で、あるいはまたこれが地方自治体の持っておりますいろいろの行政という問題ともからみ合っておりまして、協会によりましてその基盤、あるいは都道府県の応援のしかた、その他等でいろいろまちまちでございます。そういう関係から、協会ごとのいろいろの差というふうなものが出ているわけでございまして、決してこれが好ましいことだというふうには考えていないわけであります。やはりこういう中小企業者に対する一つの措置でございますので、できる限りこれが平準化されてまいるということが望ましいことであるというふうに考えているわけでございます。いっときに比べまして、この協会間の格差というものは、御承知のようにだんだんとその幅は少なくなっておりまして、現状におきましては大半の協会が一・二七%、これは日歩三厘五毛に相当するわけでございますけれども、それから一・四六%、四厘に相当いたします。三厘五毛から四厘の間に大半の協会が現在入っているというふうな状況で、平準化の方向には向かっているわけでございます。これは信用保険公庫との関連におきまして、実は保険公庫の融資金も、融資いたします場合に特に保証料率の高いところを、これを低いほうに持っていきますよう、融資基金の配分にあたりまして、料率の高いところを低くするという意味でいろいろと努力いたしておるところでございますし、また、これは将来とも積極的にやらなければならない問題である、こういうふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 このことは前の改正のときにも私はそういうことをお尋ねしておりまして、何とか当局も考えていこうということでございましたが、一向まだ改正をされておりません。  次に、今度の改正で公害関係ができたわけでございます。公害関係の保証については、すでにもう三十二の協会において実際行なっております。そこで、今回の改正によりまして、公害防止保険が創設されると、具体的に一体どれだけの保証限度額の引き上げということになるか。また、保証料の引き下げとなるか、そのことについてどういうふうに進行しておるのか。この点はいかがですか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 従来保証協会で、御指摘のように、たしか三十二協会がこういうふうな制度を独自に持っているものがあるわけでございますけれども、保険公庫との保険関係におきましては、普通保険として保険関係が契約されておるという状況になっているわけでございます。  したがいまして、この制度が創設されることによります効果でございますけれども、まず第一は、別ワクといたしまして二千万円、これは普通の保険とは別ワクで二千万円、組合の場合にありましては四千万円という限度まで保険が活用できるというふうなことになりまして、これは別ワクであるというところに第一点の意味があろうかと思うわけであります。  それから第二点でございますけれども、この公害防止保険につきましては、保険料率につきましては、普通の保険料率よりもより安く——大体普通の保険料率は御承知のように日歩二厘一毛でございますけれども——大体一厘八毛程度くらいまで、これはまだ決着を見ておりませんけれども、できるだけ安い保険料率をきめたいというふうに考えておるところでございます。したがって保険公庫と保証協会との間の保険料率が、そう安くなりますれば、自然これは中小企業者のほうに対する保証料率の引き下げというふうなことにも効果が出てまいるというふうに考えております。  それから、現在やっております三十二協会のやっております公害防止保険の制度の内容を見てみますと、大体五百万円程度のものが中心でございまして、高くても一千万円というふうな状況であるわけでございますので、したがいまして、保証協会側にとりましても、また中小企業者側にとりましても、この限度二千万円というのは、やはり効果があるのではないであろうか、このように考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 個人で今度は二千万円、それから組合で四千万円と、こういうことですが、たとえばこれが協同組合で一つの共同した公害防止をつくろうというときには、各個人が二千万円ずつの融資を受け、その上、組合が四千万円受ける、組合員五人ならばしたがって一億四千万円と、こういうことになるわけでございますね。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 個人が借り、また組合が借りるというふうなことでこういう保証を受けたいということであれば、いま御指摘のとおりのことになります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 特に公害防止ということになりますると、この投資は非生産的なところに投資するわけでございまするから、資金の回収には私相当期間を必要とするんじゃないかと思うんです。協会の保証なり保険も、したがって長期であることが私は必要でなかろうかというふうに考えるわけであります。通産省では、この期間というものをどれぐらいの年限が適当であろうと考えておられるのか、この点はいかがですか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 確かに公害防止投資につきましては、その施設が大口化し、また長期にわたって借用するというようなものが多いと思うわけでございます。したがいまして、この公害防止関係の保証の期間というものにつきましては、できるだけ長期になるということを前提に置いてこのいろんな保証関係を考えていかなければならないというふうな考え方でおるわけでございます。現実に保証期間は——金融機関から金を借ります場合、これは金融機関側のビヘービアにもよるわけでございますけれども——こういう設備資金についてできるだけ長期の融資をしてもらいたい、こういうふうに私ども期待をいたし、同時にまた大蔵省を通じまして金融機関にもそういう要請をいたしたいと思うわけでございます。で、金融機関のほうでそういう意味での長期、たとえば三年、五年、あるいは五年をこえるものというふうなところの融資というふうなことになれば、当然に保証期間もそれに伴って長くなってまいるということになるわけでございます。したがいまして、私どもはやはりこういう投資の重要性あるいは持っております問題等にかんがみまして、一般金融機関サイドに対しまして長期の融資をするということを特にこの際期待をいたしたいと思っておるところでございます。一般的な問題といたしまして、現在、保証協会の保証内容の中で、設備資金の割合がだんだんといまふえつつございます。その中で特に長期保証のことについて見ますと、これは全体のシェアでございますけれども、三十九年度で三年超の長期保証のシェアが四・八%、四十年度で五・七%というふうなシェアでございましたけれども、これが四十四年度には一四・四%、それから四十五年度、これは上期の集計でございますけれども、一六・九%というふうに、数倍にこの長期保証のシェアがふえておりますことは、結局従来いずれかといえば運転資金について保証を求めておったところから、むしろ設備資金について、これは当然に保証期間を長期化するものだと思うわけでございますけれども、長期三年超のシェアがだんだんふえてまいってきておる、こういう状況でございます。もちろん長期保証というふうなものにつきまして、ただそれぞれの信用保証協会の力だけにまかしておくということでは、なかなか促進できないわけでございますので、したがいまして、保険公庫の融資金の運用につきまして、その中に長期保証促進特別貸し付け、こういう制度を設けておるわけでございます。これは本年度約五十億円というものをこれに充当いたしております。こういうふうな融資金の分配につきまして、やはり長期保証が可能になるよう、信用保証協会のほうにも積極的に融資金の分配等を通じて助長をはかってまいるということが必要であろうかと思っております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 フランスの信用補完制度というものは、日本のような短期運転資金の保証と違いまして、やはり中期の信用保証が主となっておりますし、また今後は、わが国におきましては非生産的な公害防止だとか、それから高度化資金だとかいうふうなものは、やはり長期にはかっていく必要があると私思いますからしていまのような質問をしたわけであります。最近、経済活動が組合化されまして、業種につきましても、いわゆるレジャー産業だとか、またデザイナー産業とか、いろいろな業種、形態というものが非常に利用さるようになってきた。特に農業でも、畜産だとか養鶏だとか、こういうことに対しましても、やはり現在適用しておる、こういうことになりますれば、やはり保険の対象業種というものも、新しい業種に対して、何といいますか、これを適用していく、こういうことに即応していくと、こういうことにならなければならぬと私思うのですが、その点について何か検討されたことございますか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 確かにお示しのように、だんだんと新しい産業分野が発生しつつございます。特に農村の近代化その他と関連して、新しい産業部門というふうなものもまた出ております。あるいはレジャー部門その他等についても新しい産業形態が出ておるわけでございまして、現行の保険対象の業種につきましては、だいぶ前にきめられてからまだ再検討が加えられたことがないようでございます。したがいまして、この信用保険法の改正を機会にいたしまして、この対象業種につきまして、全面的な洗い直しをしてみたい、これは追加する方向で洗い直してみたいというふうなことから、地方公共団体、信用保証協会あるいはその他関係の業界等につきまして、積極的にいま意見の聴取を行なっているところでございまして、いまの時代にふさわしい新しい業種がどんどん出ておりますことを前提に置きまして、この対象業種、これは政令でございますので、積極的な見直しを行ないたいというふうに、いま現在準備を進めておるところでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私、この前もこの点についてはいろいろとお尋ねしましたから、あまりくどくど申しませんが、最後に、保証協会の業務の全国的統一というふうなことですね、さっきも料率の問題を言いましたが、全国的な業務の統一をはかっていって、そうしてもっと簡素化していくというふうなことを考えていかなければならぬと私は思うのですが、それから保証料率につきましても、先ほども申しましたように、引き下げの方向へ推進していくと、こういうことで今後中小企業庁としても十分配慮していかなきゃならぬ。それでなければ、私はこの制度というものがいつまでたっても何か若干中小企業がとまどうようなことになるんじゃないかと思いますので、なるべく簡素化していく、こういう方向へひとつ持っていかれるのが私は適当じゃないかと思うんですが、この点はいかがですか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) お話のとおりだと思うわけでございます。私どももいま保証協会の業務問題につきまして、さしあたり昨年から経理基準についての統一をはかったわけでございます。しかし、手続面その他につきましてもまだまだ簡素化し、同時にまた全国的に同じルールでやっていくということ等、必要なものが多く残っておろうかと思います。御趣旨を体しまして、積極的にそういう方向へ一歩でも前進をいたしてまいりたいと考えます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 これも、やはり先ほど言いましたように、各地において比較的簡潔に手続ができるところと、なかなかむずかしいところとあるように私聞いておるんですが、これもあなたのほうで統一的な方向で指導していく、こういうことでひとつ今後やっていただきたい、こう私お願いしまして、この点については私の質問を終わります。  それから、これは先ほど私冒頭申しましたように、物価が値上りをずっと続けておる。こういう中で食料品の加工業者がやはりそのあおりを食って非常に困っておる。そこで私は具体的にきょう水産庁にお尋ねしたいことは、私ちょうど四十二年の十二月にも水産庁にお尋ねしたわけでございますが、コンブの問題でございます。これはコンブの取り扱い業並びに加工業者の実態について若干お尋ねするわけであります。いま申しましたように、本委員会で私が昭和四十二年にお尋ねした。そのとき当時の漁政部長だった岩本さんは、これは至急一ぺん調査します、こういうことでございましたが、それからもう四年目を迎えるわけでございますが、加工業者それから取り扱い業者の実態というものについて御説明が願いたいのであります。というのは、やはり調査するという岩本部長の答弁がございましたから、その点をまずお尋ねいたします。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) 水産庁におきましては、コンブの加工業につきまして組織的な調査をやろうということで心がけてまいったわけでございますが、先生御承知のように、コンブの加工業者約八百ほどございますが、これがいずれも中小企業というよりも零細企業でございます。しかも、またその製品が多種多様にわたっておりまして、非常に複雑多岐な様相をしております。ことに一方におきまして、やはり農産物、特に豆類を原料とするつくだ煮を兼業にしているそういう企業がございまして、なかなかうまい調査の方法等ができませんで、また随時聞き取り調査によって実態をフォローしていこうというふうなことでやってまいった次第でございます。十分な調査ができておりませんことをおわびを申し上げる次第でございます。  まあ最近におきまして調べましたものは昭和四十五年末で、これはコンブ加工業の中で一番主要なつくだ煮製造業でございますけれども、これにつきまして調査を行ないましたが、やはり昭和四十年に粗利益が約二〇%ほどありましたのが昭和四十五年には約一〇%にダウンをしているというふうな実態になっております。また小売り価格は昭和四十年を一〇〇といたしますと、昭和四十五年には一五八・九%というかなりの値上がりを示している次第でございます。これは人件費、資材費等の上昇によるものもございます。また製品原料のコンブの購入価格が上昇をしているというところが原因でないかというふうに考えられるわけでございます。しかし、こういう加工業の中におきましては、そういう実態もございまして、たとえばコンブ以外にスルメ、豆類、シイタケ、ノリ、小魚類などのつくだ煮などの兼業が進んでおるというふうな実態のように聞いている次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 いま部長が言われましたように、加工業は非常にいま経営が苦しくなってきておるその原因というものは、やはりコンブの生産の激減ということが大きな一つの影響をしているというふうに受け取らざるを得ませんし、このことは、やはり生産者とそれから卸売り屋と、それから加工業者、この辺が一体となってうまく操作をしていかないと、やはりどちらもみな苦しいというふうな結果を私は招くと思うのですが、その生産が滅ってきたということは一体どこに原因があるのか、この点御説明願います。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) コンブの生産でございますが、大体最近におきましては北海道を中心といたしまして三万トン前後の生産があるわけでございます。ところが昨年におきましては、道東のほう、あるいは利尻、礼文のほう等におきまして、流氷によります影響等がございまして、この生産がまだはっきりした集計ができておりませんけれども、大体二万トン前後になるのではないかというふうに見込まれておる次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 コンブ業界の経営難を救う方法の一つといたしまして、コンブの取り扱い量なり原料を大量に供給する、こういうことが一番適当であろうと思うのです。ところがもうコンブの生産というものは依然として、いまも御説明がございましたように横ばいを続けておるし、四十五年度なんかはうんと減って二万トンちょっと出るくらいなものである。こういうことになりますと、その不足分をどう補っていくか、これは前回も部長も言っておられましたが、養殖の近代化ということを中心にして、五年後すなわち四十七年には生産を四万トンくらいにはひとつ確保して、そしてこの加工需要の三万四、五千トンには十分間に合わせるだけの、満たすだけの自信があるのだ、こういうふうに本委員会で答弁をされておるが、しかし、依然として今日これの取り扱い者、特に加工業者としては、これを満たすわけにはいっていない。そこで、加工業者は先ほど部長も言われましたように、他のつくだ煮等によってこれを補っておる、こういう状況でございますが、一体コンブの生産というものが実際確保できるかどうか。戦前にはこれは六万トンから八万トンありました。それは樺太の半分がわが国の領土でございました関係もございますが、それがいま半分ですね。この半分を確保することがむずかしい。この十年間の統計をずっと見ましても、これほとんど三万トン内外ですね。多いときには三万七千トン、これが昭和四十年来一番多い、その次が三万一千トンが二番目で、あとは三万トン切れておるというような状況もあるわけなんでございます。一体いつになったら実際これ需要に応じるだけの供給ができるかどうか、この見通しはいかがですか。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) コンブの需給関係について見てまいりますと、いまお話もございましたように、大体四十一年から四十四年まで三万トン、多いときで三万五千トン近くまでの生産があったわけでございますが、この間、価格は大体おおむね安定していたと、こう見ることができるのではないか。たとえば日銀の卸売り物価指数で見ましても、四十一年を一〇〇といたしますと、四十四年は一一一という程度でございます。したがいまして、まあこの程度の供給があれば、多少の需要の伸びを見込みましても、需給は安定をするのではないかというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては少なくとも四万トン程度の生産を国内で確保いたしたいということで、養殖を中心といたしましてそれの生産増強につとめておるわけでございます。実は先ほどお話がございましたように、五年後に四万トン以上確保すると前に申し上げたのでございますけれども、当時北海道におきます道庁の関係の皆さま、あるいはまた生産者の熱意から見まして、当時といたしましてはその程度は達成ができるのではないかというふうなことから、そのように申し上げたのでございますが、いかんせん現実の問題といたしましては、本年度は災害もございましたけれども、半分の二万トンを少しこえるというふうな実態に終わりましたことは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。しかしながら、その後さらに私どもといたしましては計画を詰めまして、現在の生産計画を立てておりますところによりますと、五十年におきまして北海道で三万五千五百トン、このうち天然のものが三万一千トン、養殖四千五百トン、そして東北その他を含めまして全国でおおむね三万七、八千トンを確保するというふうなことで、どうにか需要を満たすようにしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 いまもずっと申しましたように、昭和三十年から四十四年まで、この十五年間のこの統計を五年ごとに計算いたしますると、三十年から三十四年まで、これは二万八千八百九十三トン、それから三十五年から三十九年まで、これが二万七千四百十四トン、それから四十四年までが二万七千六百三十七トンと、こういうふうな統計になっておりまして、平均を見ましてもこれは二万八千二百六十三トンというふうに、非常に低いですね。で、この養殖事業をやって満たす、こういうことでございましたけれども、これも養殖の改善事業というものは非常にむずかしくて、これはなかなか当初の計画どおりできていない。それからまたこの養殖に対する国庫補助も相当出ておりますし、やはりいろいろと苦労しておられることは私もよく認めるわけであります。しかし、この当初の生産計画というものが、養殖では七百トンから、本年度の計画を見ますと四百四十一トンと、こういうふうに改定されております。これはずっと減らしておる。ところがこの四百四十一トンもこの四十五年度の養殖ではむずかしい、私が調べたところによるとまあ百トンがせいぜいであろう、こういうことでございまするから、養殖のこの実績というものは、私はこれは信用できないのじゃないかというふうに思うのですが、この点はいかがですか。養殖の実態について。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) コンブの養殖につきましては、北海道におきまして、四十年ごろから試験的に開始をされたような次第でございます。そして国が積極的にあるいは計画的に助成を開始しましたのは、実はこの四十五年度以降でございます。そして現在の四十五年から四十八年度までの計画を立てまして、少なくとも養殖では、そういう養殖施設を敷設いたしまして、二年たちませんとコンブができませんので、結局五十年にその成果があらわれるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、四千五百トン程度の生産は確保いたしたいというふうに考えておるような次第でございます。なお四十五年度の養殖実績は、ただいま先生のお話がございましたように、遺憾ながら四百四十一トンというふうな計画でございましたけれども、まだ最終的にはわかっておりませんが、百トン程度の実績になるのではないか、計画よりかなり大幅に下回るのではないかというふうに憂慮しておるわけではございますが、これは四十五年の一月の暴風雨により施設が損壊をいたしましたこと、それからまた本年度におきましてコケムシといいますものが寄生いたしまして、これの病害等、特異な現象に遭遇したのでございます。そういうことが重なりましてこういう結果になりまして、はなはだ遺憾に存じておるわけでございます。なおコケムシにつきましては、今後十分に早急に研究をいたしまして、これの防除の体制を確立をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 いま御答弁ありましにように、最終年度を昭和五十年度に置いておられるわけでございますが、ちょうど当初から計画変更しなければならぬということであるし、またその予想どおりいかないというふうなことになりますと、私は最終年度の四千五百トンというものは、非常にあやぶまれるということを、いまから私は危惧するわけなんですが、といいますのは、やはりこれには国と道と、それから生産者ですか、これがそれぞれ三分の一ずつ持ち出して、一億から二億くらいまで費用をこれに使うわけですね、養殖に。そしてこれが失敗する、こういうふうなことになりますれば、また途中で計画変更して縮小しなければならぬ、こういうふうなことが予想されるわけですが、そういうふうに途中で——今度はもうこれが最終の最小の計画なんだから——これは絶対変えることはないんだ、計画変更なんかあり得ないんだと、こういうふうな自信をあなたのほうでは持っておられるのかどうか、この点いかがですか。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) この養殖施設の奨励につきましては、先ほどもお話を申し上げましたように、四十五年までいろいろ国のほうでも検討いたしまして、これでいけるという自信を持ちまして、結局四十六年、四十七年、四十八年の三カ年の計画をもちまして最終的に四千五百トンの生産をはかっていきたいというふうに定めたものでございます。いろいろ前途には問題があろうかと思いますけれども、水産庁といたしましては、この追い詰められております沿岸の漁業対策といたしまして、ぜひともこれを実行してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 沿岸の漁業対策で非常に苦慮しておられることは私もよく知っておりますし、沿岸の採取業者がうまくいけるように何とか一体的にコンブの増産というものはできないものだろうか、そしてコンブの業界の安定というものをはかっていくべきじゃないか、こういう私は考えを持っておるのです。そこで、いまも御説明がございましたが、水産庁の計画どおり生産が上がったといたしましても、これ、依然として需要の四万トンに対して供給が不足する、こういう状況に私は相なろうかと思うのですが、供給が不足するということは、先ほども私が中小企業庁に言いましたように、物価が上がっておる現状として、小売りが上がっていくというふうにも考えるわけです。やはりコンブの小売り値段というものは上がっていく、上げざるを得ない。こういう状況に私なろうかと思うのです。そして上がらなければいいけれども、加工業者としては非常に営業がやりにくい状況に追い込まれるわけです。そしてかつては一番上等の白口元揃といいますか、これの値段というものは、昭和四十二年には四万六千円から六万円くらいしておった。それが現在では三割も値上がりしておる。十年前に比較いたしますと、ほとんど軒並みにコンブの値段というものは三・五倍くらい上がってきておる。こういうことでは、私は、水産庁としてもこれをどう指導していったらいいか、いわゆる生産についての指導、そして業界の安定をどうはかっていくか、こういうことを私非常に心配するわけですが、この点はいかがですか。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) ただいまお話しのように、いわゆるコンブの問屋取引におきます価格は、かなりの上昇をしておるわけでございます。特に上質のコンブについてその上昇率が高いというふうなことがいわれるわけでございます。そういう上質コンブの需要量も、このところ微増というような形でございますけれども、相当の程度伸びていくのではないかというふうに思われるわけでございますが、こういう上質コンブを、いわゆる築磯事業等によります天然増殖で増殖をいたしまするとともに、特に養殖によりまして上質のコンブをねらいまして、これを確保していきたいということで考えておるわけでございますが、私どものほうの計画といたしまして、こういう上質コンブの需要量は、四十五年におきましては六千百トンくらいではないか、それが五十年におきまして八千トンと見込みまして、これを現在におきましては、ことしは減産をいたしましたけれども、これが天然増殖等によりますものが五千三百トン、養殖が三百八十一トンというふうな計画をしておったわけでございますが、これを五十年におきましては、やはり天然のものは五千三百トンで押えましても、全然増加をしないで押えましても、先ほど申し上げました養殖施設を増加することによりまして四千五百トンを確保いたしますと、そのうち少なくとも三千八百トン以上くらいの上質コンブが採取できるのではないか、したがいまして、そういう需要にどうにか見合っていくというふうに考えておるような次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 特に昨年コケムシですか、あれがつきまして四十五年度は非常に生産がにぶっておる。したがって、今年になってから価格が約二倍にはね上がったと私聞いております。やはりこれはどうしても原料が少なければそういう結果を生じるでございましょう。そして飼料はぐっと高くなってきておる。その高いものを加工業者は問屋から仕入れなければならぬと、こういうことになりますし、コンブのわが国における生産が何年たっても絶対量を満たすわけにいかないということになってきますると、私が昭和四十二年のときにも質問いたしましたように、需要を何とか満たすだけの処置を政府としては考えていかなければならぬのではないか。ところがいま国内では、いま御答弁がありましたような情勢で、なかなかそう絶対量を満たすだけの採取ができない。こういうことになれば、やはり業界がしばしば水産庁に陳情しておられるように、輸入を考えていかなければならぬのじゃないかというふうに私は思うのです。特にコンブ業界の方々は、もう長い間ずっと毎年水産庁にソ連コンブを輸入したらどうだ、足らず前だけでも輸入したらどうか、こういうことで毎年陳情しておられるわけです。昨年の陳情書もここにあるわけでございますが、そういうふうに陳情をしておられるけれども、水産庁としては、やはり沿岸漁民、零細漁民の保護というたてまえから、それはできないのだ。こういうことを先回も、四十二年のときも言っておられます。二万四千戸世帯の採取業者がおるんだから、これらの問題を考えていかなければならぬ。私もこのことは痛切に思っております。やはりこの採取業者の立場、これは私はこの前もしばしば申しましたように、少ないところで大ぜいの人が取らなければならぬということになると、ますます苦しいのじゃないか。そうすれば、これはもうどうしてもないものを満たすということになれば、輸入にこれはいくしかしようがない。こういうふうにしろうと考えでございますけれども思いますが、あなたのほうの御説明を聞きますると、そうしてソ連コンブを輸入すると、やはりソ連のほうは、今度は、あなたのほうで無理して取らなくても、おれのほうで取って輸出してやるから、もう無理に取るなと、こういうふうなことで、日本の採取業者の方が取れなくなるような危険性があるから、これはなかなかおいそれとは輸入できないと、こういうふうなことをこの前も御答弁されたわけでございますが、今日のあなたの考え方はいかがですか。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) 従来の経緯につきましては、先生の申されるとおりでございまして、水産庁といたしましても、その従来どおりの考え方を現在においてはまだ変えておらない次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私昨日三越に行ってあの塩コンブをずっと調べてきましたが、薄っぺらい、昔はくずのようなコンブがいま百グラム二百円ですよ。前ならあんなコンブ食べないんです。ところが、そのコンブがいま二百円しておるんです。なぜそういうふうにコンブが高くなってきておるかというと、やはりこれは加工業者を満たすだけのコンブがない、ないからこういうふうになってきておると私はまあ見てきたわけでございます。一握りが二百円なんですね、あの薄っぺらのコンブ。昔なら使いものにならぬようなコンブですよ。私きちんと手に取って買ってきたんだから間違いないんだがね。やはりそういういまの政府の一つの重要課題である物価対策上からいっても、私は、この輸入というものが問題になり、話題になってくるんじゃないかと、こういうふうに私考えるわけですが、なかなかこの問題は、この前の答弁を見ますると、領土上の問題やらいろいろあるんだと、こういう御答弁をされておるわけでございます。やはり私は、どうしても日本の業者が魅力を持っておるのは、前の樺太、いまのサハリン産のコンブが分厚くていいコンブである、だからこれにどうしても魅力を持って、まあ昔の夢が忘れられぬということもあるでしょう。だから業界はどうしてもこのサハリン系のコンブがほしいということで、毎年、毎年でなくて毎月ぐらい代表の方があなた方のほうへ行っていろいろとお願いをしておるそうでございまするけれども、やはりこれは私がここでくどくど言わなくても、あなたのほうはそれはよくおわかりだと思います。それで、こういう業界の切なる陳情から、あなた方のほうでは、樺太でコンブが取れるなら韓国でもあるんじゃないかということで、何か韓国のほうをおさがしになった。そうしたら何か韓国に二十トンくらいあるということで、あなたのほうで韓国へ行ってこいと、こういうことだったそうでございまするから、昨年の十二月にわざわざ業界の人が韓国へ行った。韓国へ行ってみましたところが、韓国のコンブというものは、もうこれはコンブじゃないんだ、これはワカメにひとしいようなもので、これは全然使いものにならないコンブだ。これではもうしょうがないからということで、せっかく行ったけれども、見ただけで帰ってきた。もうそれも数量もわずか二十トンだけで、二十トンだけでも何とかひとついいものならほしいということで、出かけられたわけなんですね。あなたのほうでは、どういうコンブが韓国にあるのか、それもよく調査せずに、さあ行ってこい、見てこいだけで、業界の人は喜んで行ったけれども、それがワカメみたいなコンブで、全然これは使いものにならなかったということだったそうでございます。だから、私は何もあるところへ持ってこいと言うんじゃなくて、いま絶対量だがどうしても不足して、どんどんと値上がりをしてきておる、こういうときでございまするから、試験的にでも若干千トンか二千トンぐらいは入れたらどうか。こういうふうに考えるけれども、私はこれ何回言ったって、あなたのほうのお考えは同じだろうと思います。しかし、私がそこで考えていただきたいのは、やはりそうであれば、一応あなたの水産庁のほうと生産者と取り扱い業者と十分話し合って、どうこれを切り抜けていくか。いまこういう生産が不足して原料高になってきておるとき、それについては私は十分三者で話し合ったらいいと思ううのですね。ただ日本のコンブ業界だけでなくて、各地の、特に私のほうの中部から関西にかけましては加工業者が一番いま苦しんでいるわけですが、加工業者を交えて、四者で十分この点を話し合って、どうして現化のこの窮状を打開するか、こういうことを私は一ぺん御相談なさったらいいんじゃないか。そうすれば、漁業者の諸君も納得するのじゃないか。現状では、業者の人は輸入せい輸入せいと言っているし、生産者のほうではそれを輸入されたら困るからこれに反対だということで、両方が賛成だ反対だと言って、ただ論争しておるだけであって、それじゃ一つの進歩も見られないと思う。だから、水産庁でこういう関係の方々を一ぺん集められて、そうして十分懇談されて、この打開策というものを私は考えてもらいたい、こういうふうに思うのですが、あなたのほうはそういう考えについてどうですか。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) ただいま先生からいい御示唆をいただきましたので、そういう方向で検討してみたいと思います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 これは四十二年のときにちょうど私が日ソの中小企業の貿易促進のためにソ連に行ったときの話で、私質問したのですが、当時はナホトカに二千トンのコンブが倉庫にあるんだ、日本側が要るということになればすぐにでもうちのほうから輸出はできるというんですね。ソ連の漁業相ですか、貿易相と私が話をした問題なんですがね。その後はどうしておるかというと、やはりソ連は国内需要というものがありませんから、もう採取せずにそのままになっておる。昨年ですか、万博になんか見本を持ってきて、こういうコンブがソ連では取れるのだぞと言ったところが、業者はそれを見て、それはいい昔のコンブと同じだ、こういうのが入ればわれわれも何も悩むことがないのだということで、万博の見本を見て一そうソ連からの輸入に対しては熱意を持たれたわけですね。そういうものに対してもやはりあなたのほうは十分説明をしてやらなければ私は不親切だと思うのです。その点どうでしょうか。

田中慶二水産庁漁政部長

○説明員(田中慶二君) ただいまお話がございましたように、私どもといたしましても、流通の問題、消費の問題、そういう点については十分に配慮してまいらなければならぬところでございます。したがいまして、今後そういう点につきましては十分配慮してまいるつもりでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私が特に注文しておきたいことは、あなたは行政指導をする立場でしょう。ただ両方を論争させていつまでもほうっておくということじゃいかぬ、不親切だと私は思うのですよ。これは私が言う前に、あなたのほうが行政指導をやらなければならぬ問題だと思うのです。ソ連では取ろうと思えば幾らでも取れる。そうすると、あなたのほうで心配され、また生産者のほうで心配されることは、いま色丹、国後から、もしソ連のコンブを輸入しようとすれば、日本でそれだけ必要ならば、北海道の人がこっちに来なくても、おれのほうで取ってやるからもう来なくてもいい、こういうことでシャットアウトされると、生産者の零細漁民の方がお困りになる。だから、あなたのほうの理由は、ただそれだけであなたのほうは輸入はできないというふうな立場なんですね。私はそうだと思うのですよ。あなた方ははっきり言わぬけれども、私はそうだと思う。特に自由化で何もかも全部どんどんと輸入で入ってくるという現状で、一方そういうことがやられておるということは、私は水産庁としてちょっと怠っているんじゃないかと思うので、その点をもっとあなたのほうで真剣に、生産者も取り扱い者も加工者も全部が納得するような指導を十分にする、こういうことを、まあ、あなたでは責任持てぬかもしれませんけれども、本来ならば私はきょうは水産庁の長官に来ていただいて、いろいろ長官から説明を聞きたいと思いましたが、この前も水産庁の長官は出てこない。長官はもうこのことから何か逃げておるような私は気持ちがしてしょうがないのです。本来ならば長官が出てきて、かくかくの事情でこうだと。全体的にはこうしたいんだというようなことを十分私は答弁されるべきだと思うんです。この前のときも長官は出てこなかった。今回も長官は出てこない。私は長官が何か逃げているような感じがしてしょうがない。それも、きのうきょう私が出てこいと言ったわけじゃない。前もってもう通告して、きょうになったらあなたが来て、きょうは週末の何とかかんとかという話だ。そんなばかなことはないと思うんだ、私は。その点ひとつ長官によく言っておいていただきたいと思う。以上をもって私終わります。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 私は、時間の関係もございますし、それから、きょうは本論に入る前に、中小企業の貿易振興に関して若干伺います。  御承知のように、けさほどの新聞報道、これによって明らかなんですけれども、ジェトロの問題、いわゆる通産省の直轄の機関であるそういう機関の中で起きた問題として、それに社会問題としてとらえられて、大きく報道されておる。こういう立場から言うならば、やはりこれは一応国会の場で明らかにする必要もあるんじゃないか、こういう立場から二、三お尋ねしてみたい、こう思います。その質問に入る前に、きょうは日本貿易振興会のほうからはどなたかいらっしゃっておりますか。

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 島添参考人が来ております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 きょう私は理事長をお願いしたわけですけれども、どういう理由でお出になれないのですか。

島添達夫日本貿易振興会理事

○参考人(島添達夫君) 実は大事なアポイントメントがございまして、余儀なく私が参ったわけでございますので、御了承願いたいと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 副理事長もいらっしゃると思うんですけれども、その点についてはいいです、御答弁なくても。  で、問題は、こういう問題が起きてきて、長年の間にそれが明らかになった。当然責任者としてこの席に出て、そしてその実情というものを明らかにする。そして国民にわかってもらうということは、責任者として当然の姿だと、こう思います。理事長も副理事長もいながら、いまの話じゃ、近藤先生の話じゃないけれども、この問題から逃避しているような姿勢というものはよくない。そこで、私はそうした姿勢を改めないと、また第二の問題、第三の問題が起きないとも限らない.こういう心配をするわけです。そこで、出られないのはやむを得ないとして、十分にひとつその旨をお伝えをいただきたいと思うのです。  で、七一、二年の海外市場白書が出ております。これを通して今後の中小企業製品の輸出振興の問題、これをどう促進していくかという問題があろうと思いますがね、この点についてひとつお話を聞かしていただきたい。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) ジェトロでは毎年海外市場白書というものをつくりまして、そうして世界各国の市場の状況を明らかにして、今後のわが国の貿易振興に資する手助けといたしております。御承知のようにジェトロはほとんどが国の予算によって設立されておる特殊法人でございまして、あらゆる国の施策に沿って貿易の振興の問題、さらに最近、特に世界情勢の急激な変化に伴いまして、単なる貿易振興一点ばりということだけじゃなしに、もっと多角的な国際経済情勢に即応いたしました、たとえば海外投資の問題、あるいは発展途上国との経済協力の問題、そういった面に漸次ジェトロとしての——従来は輸出振興一点ばりだった方向から——態勢を変換いたしつつある次第でございます。この海外市場白書というものの持っております意義は、そういった世界各国のあらゆる地域における市場の分析、動向等をでき得る限りの手段を尽くしましてこれを解明いたし、これを発表し、特に自分自身の力ではマーケットリサーチのできないそういった一般の業界、中小企業を主としたそういったところに知らせる、こういった意味を持っておるものでございまして、毎年これを刊行いたしておる次第でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 話はわかりますが、その目的とするところは非常にけっこうだと思いますがね、その間には、ただいまいろいろな問題の点が現在ずいぶんあると思います。その点については次の機会として、きょうはその点には触れません。  そこで、問題に入りたいと思うのだけれども、ジェトロの職員の不祥事件でございますが、これが起きた。これについて警察庁のほうから経過についてひとつお話を願いたいと思います。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) お尋ねの事件は、最初に警察に届け出がありましたのは昨年の十一月二十五日でございます。あとでいろいろ調べてみますと、四十四年の十月下旬から七件ばかり放火事件があったわけでございます。それで、十一月二十五日からことしの三月の十日にかけまして三回にわたってぼやではありますけれども総務部企画課のロッカーとかあるいは書だなに放火されたというふうな事件がございました。それで、所轄の赤坂警察署で捜査をいたしておりましたところ、三月の十七日になりまして、これは日本貿易振興会の内部の職員の犯行であるということが大体判明いたしました。容疑者を取り調べいたしましたところ犯行を自供いたしましたので、現在建造物放火罪ということで緊急逮捕して、いま取り調べておるところでございます。現在まで七件のうち五件は本人が自分がやった行為であるというふうに認めております。残り二件は、四十四年十月と十二月の事件は、まだそこまで申しておりませんが、手口が大体同様でありますし、大体本人の犯行ではないかということで目下取り調べを進めておるという段階でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうしますと、犯人ですね、これは新聞にも報道されているわけですが、学歴がないということで上司から軽視されておる、こういうようなこと、あるいはそういう一つのひがみから職場を騒がしてやろう、こういうようなことでこういった問題を起こしたということを自供しておるわけですね。これらの内容については誤りはございませんか。そのとおりですか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 昨日逮捕したばかりで、まだ調べが十分に進んでいるとは申せないところもございます。しかし、本日までの調べによりますと、自分が高校卒のために外国へ行くというふうな機会にもなかなか恵まれない、あるいは庶務というふうな仕事で日の当たる仕事にはなかなか配置してもらえない、そういう不満が一つあった。もう一つは、この前の犯行のときにも同僚のロッカーの中から小切手を一枚盗んでいる事実があるわけですが、そういうふうなこととか、多少窃盗の気持ちもあったような自供を、現在やっておるように報告を受けております。しかし、先ほど申し上げましたように、まだきのうのきょうでございまして、完全にいろいろ調べが進んでいるというところまではいっておりません。現在のところそういうふうなことを申している、こういう状態でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 警察庁のほうはありがとうございました。そのジェトロの職員に対する労務管理のミスというか、そういう問題がぼくはあろうと思います。またもう一面では、学歴偏重主義といいますか、そういった問題になるわけですけれども、そういった傾向の中で生まれてきた事件ではないか、こういうふうに考えられるわけですけれども、この点どうですか。

島添達夫日本貿易振興会理事

○参考人(島添達夫君) ただいま先生から御質問ございました点についてお答え申し上げます。  ジェトロにおきましては、現在、国内、海外入れまして職員が総計八百二十七名おりまして、そのうち国内に大卒が四百四十一名、高卒が百三十名、合計五百七十一名でございます。海外駐在員といたしまして総計二百五十六名、そのうち大卒が二百四十九名、高卒が七名でございます。女子職員は海外にはおりませんで、国内で百三十二名でございます。男子職員のみをとりますと、総計六百九十五名おりますが、そのうち国内で大卒が四百一名、高卒が三十八名でございますが、そのうち現在海外赴任の経験を持っている者は一名ございます。それから海外におきましては二百五十六名のうち大卒が二百四十九名、高卒が七名でございます。したがいまして、比率から申しますと高卒を必ずしも冷遇しておりますとか差別しておりますとか、そういうことはわれわれとしてはないというふうに考えております。ただ、たまたまポストその他につきまして不満を持っておったという事実はあるいはあったかと存じますけれども、高卒を特に冷遇しておるとか、そういうことはございませんで、今回の事件につきましても、本人の年齢その他から考えまして、大体三十前後の者を派遣するという原則にいたしておりますので、本人はまだ二十七歳でございますので、将来においてそういう機会もあるというふうにわれわれは考えておりましたので、特に本人を冷遇しておったと、そういうことは私どもとしてはないと、ただ本人が非常に思い過ごしをいたしまして、差別を受けていると、そういう感じをあるいは持ったかと存じますが、その点につきましては、われわれが本人とよく話し合うとか、そういうことが足りなかったんではないかと、そういう点について深く反省しておるところでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そこまでお答えがありますと質問が続けにくいのですが、一応いまのお話によると、労務管理にはミスがないと思うと、また大学偏重というような面もないと、こういうふうに聞こえるわけです。なければけっこうだと思うのですが、しかし、こういう問題が発生しておるということは、これはもう現実の問題です。幾らあなた方が管理にミスはない、それから大学偏重ではない、こう言っても、現実に問題が起きておる。本人の口からこうだと言っておる。こういうことは問題じゃないか、管理上のミスという問題にもなってくる、こう私は思います。この点、もう一度その点を認めるのか認めないのか、どういうことですか。私はそう思いますよ。現実にこういう問題が起きておる。これは管理上のミスではない、大学偏重ではないと、こうは言い切れない。この点をもう一度、どう考えるのか。

島添達夫日本貿易振興会理事

○参考人(島添達夫君) ただいまの御指摘の点でございますが、管理上ミスがあったかないかということでございますが、私どもといたしましては、そういうことがないように十分に注意してやっておったのでございますけれども、たまたま本人がそういうふうに考えたかどうかという点につきまして、われわれの指導が足りなかったという点あるいは上司の監督が行き届かなかったかどうかという点につきまして、深く反省をいたしておるところでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そのものずばりで答えてもらいたかった。非常にこれだけの問題があった。あったからいま質問をしておるわけです。だからこれからあってはいけない。それを何かこの辺のところが行き届かなかったのかもしれないというような、もたついたようなことではなくて、この辺に手の打ち方が足りなかった、現実に問題が起きておるから、その点についてはこういった点で確かに足らなかった、これからはその点も十分反省していくんだと、はっきりした姿勢がないと、私は次の問題がまたそういうあいまいな姿勢では起きるんじゃないかということを憂えるわけです。だからそれを明らかにしたほうがいいと、こういうわけです。少し答弁が私には気に入らないのですけれども、問題はそういうことです。  それでは警察庁、先ほど初めて届け出があったのはいつとおっしゃいましたか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 昨年の十一月二十五日の事件について届け出を受けました。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 昨年でございますね、四十五年の……。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) はい、十一月二十五日でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 わかりました。そういたしますと、実際に届け出たのはそういうことですね。実際に事件が起きているのは四十四年十一月に第一回が起きているというように私は把握しておるのですが、この点はどうですか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 最初の日にちはちょっとはっきりしないのでございますが、四十四年の十月の下旬ごろ、それから十二月十一日、四十五年四月四日、四月二十八日、それからその次が届け出を受けました十一月二十五日、それから十二月十二日、それから本年の三月十日と、こういう順序になっております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうしますと、いま申し上げたように、私は四十四年十一月に第一回の放火があったと、こういうふうに把握しておるわけです。そうなりますと、届け出が昨年で、言うならば一年のズレがある、第一回の事件後。この点、協会のほうではなぜ一年もズレがあるのかということ、これはどういうわけですか。

島添達夫日本貿易振興会理事

○参考人(島添達夫君) ただいまの御質問にお答え申し上げます。  従来、これまで起こりました火災について申し上げますと、第一回は四十四年のおそらく十一月であろうという推定をいたしておりますが、これは燃えておる現場を見つけたのではございませんで、たまたま朝、清掃員が入りましたときに、段ボールの箱の中に、紙くずかごの中の紙が燃えたあとを発見いたしまして、いつ燃えたかはわかりませんので、その中に入っておりました新聞紙の日付けから、おそらく十月以降にやったのではないかということでございました。それから第二回は、四十四年十二月十一日ごろでございますが、これも日付ははっきりいたしません。これは翌朝と申しますか、朝九時四十分ごろ清掃員がトイレの掃除をいたしておりますときに、便つぼの中に新聞紙、トイレットペーパーの燃えがらがあったという事件がございまして、これにつきましては、あるいはたばこの吸いがらその他の不始末ではないかということを想像いたしまして、火の用心等厳重に注意をいたしまして処置をしたわけでございます。第三回が四十五年四月四日でございます。これはスチール製のくず入れの中の紙くず、課長席と課長代理席の机の中間にございましたものが燃えておりまして、これも翌朝清掃員が発見いたしました。この時点におきまして連発いたしますので、振興会といたしましては、会館の管理をやっております共同通信会館の管理部長に連絡いたしまして、かつまた担当部長その他が協議いたしまして、これは故意に行なったのではないかという想定のもとに、警察に一応届けたほうがよいのではないかという結論になりまして、その現場から赤坂警察署に届けたわけでございます。その際、赤坂署の捜査係の鈴木刑事及び森刑事、そのお二人がお出でになりまして、この概容を聴取されまして捜査をするということになったわけでございます。それからその次に四月二十八日、十七時十五分、これは時間もはっきりいたしておりますが、六階の資料センターの閲覧室のカタログコーナーというのがございますが、そこに段ボールに詰めてあったカタログをファイルするための用紙が燃え上がっておりまして、これも出火後間もなく職員が発見して消したわけでございます。もう一つございます。五回目はしばらく間を置きまして、四十五年十一月二十五日、二十時四十五分でございます。その際、残業をしておりました職員がちょっと席をはずして戻ってまいりましたときに、近くに置いてあった段ボールの箱の中の新聞紙が燃え上がっておったということで、これは五、六分の間でございますが、戻った職員がすぐ発見いたしましてこれを消し止めた、そういう事実がございます。そこで、これを届け出ると同時に、厳重な警戒体制を引きまして、資料センターにつきましては入口のかぎをつけかえるとか、いろいろなことをいたしまして、警戒をしておったわけでございます。その後、資料センターでは火事がとだえておったわけでございますが、それからしばらくおきまして、十二月十二日、零時七分、今度は八階のロッカー室から出火いたしまして、ロッカー三十四個、天井二十平米、壁その他が燃えたわけでございます。これは火災警報のベルが鳴りまして、警備員が直ちにかけつけ、また消防車が出動いたしましてこれを消したわけでございます。このときは直ちに警視庁から赤坂署、消防庁、消防署が合同検証をされまして捜査をされたわけでございます。その次が今度の事件でございます。事情の経過はそういうことになっておりますので、第一回、第二回はただいま申し上げましたように、単なる過失であるか放火であるかということがはっきりいたしませんでしたので、非常に警備に厳重に注意いたしまして、そのままにしておったという事情がございますので、この点、多少不注意であったというふうに存じております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そこが私は問題だと思うんですよ。いま警察庁の報告では、初めて届け出があったのは四十五年であると。実際に起きているのは四十四年に起きている。それから四十四年には十一月、十二月と続けて起きているんです。それがあなた方のかってな判断でそれが全部片づけられておる。その時点でそんなに不審な火が協会の中では起きる可能性があるんですか。ないはずですよ。それが何が燃えたか知らぬけれども、燃えておるということ、そういうあとがあるということ、これは当然慎重にその責任者として検討されなければならない問題です。しかも二回も続いておる。二回とも自分たちのかってな判断でもって、もみ消しておる。悪いことばで言うならば。その時点で、もし届け出がなされているとするならば、これらの問題も未然に防げた、こう言っていいんじゃないですか。そうすると、これほど世間を騒がさなくたって問題が済むんじゃないですか。これは私から言わせれば、あなた方が、いわゆる協会の責任者たちが、その事件の発覚をおそれてそうしてもみ消したんだと、もみ消そうとしたんだと、それがいまのような大きな問題になってきたんだと、こう言わざるを得ない。この点はどうなんですか。発覚をおそれたんじゃないですか。それでないとするならば、当然公の機関の責任者としてこれは当然届け出るべきじゃないですか。四十四年十一月、十二月と続いているじゃないですか。これはほんとうにふしぎだ、これは届け出なければならぬというそういう姿勢を持たない。それが私はおかしいと思う。これは発覚をおそれたという以外にないんじゃないですか。こう思うんですがその点どうですか。

島添達夫日本貿易振興会理事

○参考人(島添達夫君) ただいま御指摘の点はまことにごもっともでございまして、その点はいま考えてみますと非常に至らなかったということで、申しわけなく思っております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ほんとうは私も追い打ちはかけたくない。申しわけないじゃ、あなた済まぬ。あなた方責任者なんです。理事長も副理事長もさっきから言っているように来ていない。ああした事件は、言うならば、私が言っているようにそれは世間から見ればもみ消しだ、政府機関何やっているんだ、こうなりますよ。これは問題ですよ、ここのところは。これ以上どうこう言おうとは思いません。  そこで、この問題について貿易振興局長この責任どう感じておりますか。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) ただいま島添参考人から申し上げましたとおり、第一回、第二回の事故は、これはいずれもスチール製のくず入れの中の新聞紙が燃えた。二回目は便つぼの中の新聞紙とトイレットペーパーが燃えた。こういうことですが、私ども聞いたのは第三回以降について届け出を受けたわけであります。つまり昭和四十五年の四月四日以降についての届け出を受けたわけでありますが、直ちに私どもといたしまして、これは失火であるのか、それとも不注意によるそういったものであるのかということは、ジェトロの責任者に対して十分に今後とも注意するように指示を発し、またジェトロ内におきましてもそういった措置をとったわけであります。その後引き続きましてこういった事件が起こったということにつきましては、ジェトロとしては十分注意はいたしてまいったわけでありますが、先ほどの参考人のあれにありますように、至らざる点は十分に反省をいたしておられると存じます。また、私どもも直接監督の衝に当たる者といたしまして、こういったあるいは職員に対する指導、管理の面について行き届かなかった、不足であった点等につきましては、今後さらに理事者を通じ、さらにまた私どもとしても監督を十分にいたしまして、再びこういった事件が起こらないように今後注意をいたしてまいりたい、かように考えております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 言いたくないんだけれども、そんな長たらしいことを聞いているのじゃない。一番のあなた方、もととして、その責任者として、どう感じているんだと、この問題について。長々説明をしてくれということを言っているのじゃなくして、ほんとうにこういうことを起こして申しわけなかったなら申しわけなかったと一言言ったらいいじゃないですか。長々言う必要はないですよ。その点どうだと言っているのですよ。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) 監督の不十分に行き届かなかった点につきましては深く反省をいたしまして、今後再びこういうことが起こらないように十分に注意をいたしたいと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 申しわけないと思っているのかどうかということを聞いているんです。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) 特殊法人の監督の直接の衝に当たる者としてこういう点は非常に遺憾に存じております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 とにかくあなたはひねくれている。幾ら言っても遺憾だとか注意をしていくとか。何だその答弁は。こういう問題を起こして、言うなれば管理の不行き届きじゃないか。申しわけないと言うのがあたりまえじゃないか。それを言わないで、ああでもないこうでもないとにごしている。そういう姿勢が私は気にいらぬ。そういう姿勢だから問題が起きるんだということをさっきから言っているんじゃないですか。私は感情で言っているんじゃない。こういう問題を二度と起こして、もう世間ざたになって、そしていわゆる国民の人たちにもいろいろと迷惑をかけるという、そういう事件を起こしたくないから言っているんですよ、これは。しつっこいようだけれども、その点、何回押しても同じだけれども、もう一回答弁してください。

後藤正記通商産業省貿易振興局長

○政府委員(後藤正記君) まことに申しわけないと存じております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 初めからそう言えばいいんですよ。  次の問題に移ります。これでジェトロの関係は終わりましたので、どうもありがとうございました。  今度は法案のほうに入りたいと思いまするけれども、先ほどもちょっと近藤先生のほうからお話があったのですけれども、信用保証協会の保証料の問題です。この保証料の問題は、先ほども率を述べられました。そこで、そういう率が地域的に違うわけですね、地域的に違うとしても、そういういま現在の率が定められた根拠というものはなきゃならぬと思うのです、保証料の根拠。保証料が一%ないし一%から何%というその根拠、これがきめられた根拠、これがなきゃならぬ、その根拠はどういうところに置いておりますか。     —————————————

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) この際、委員の異動について報告いたします。  本日、村上春藏君が委員を辞任され、その補欠として津島文治君が選任されました。     —————————————

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 先生御承知のように、この保証協会出発の歴史その他等がいろいろ異なっております。早いものになりますと戦前からすでにあるもの、また戦後だいぶたってからできたもの、いろいろとございます。したがいまして、この保証料につきましては、これは信用保証協会が中小企業者を相手に保証いたしておるわけでございますけれども、その保証協会の事務運営費、たとえば人件費でございますとかその他のいろいろな経費、そういう経費と、それからそういう保証をやってまいる保証料収益、これがバランスとれるよう、それぞれの保証協会がきめておるわけでございますが、ただ、これを保証料だけでまかなってまいりますと、やはり相当高いコストにつくことになるわけでございます。そこで各都道府県も、あるいは市にある場合には市を含めまして、それぞれ出捐をいたすというふうなこと、あるいは金融機関も相応の負担金等を持つというふうなことによりまして、そこらの保証料引き下げということをはかれるような体制をつくっておるわけでございます。そういう意味で、保証規模あるいは都道府県その他の出捐料というふうなものとの見合いで法定されるということが実情でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうしますと、このいわゆる保証協会の陣容といいますかね、いまのお話からいって、これはどのくらいになるのですか、五十一協会ございますけれども、全体でけっこうです。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 現在保証協会全体で五十一ございます。これらの支所が百十二、それから出張所等が百五十五ございまして、役職員全部含めまして、これは昨年の十二月末現在の数字でございますが、三千六百三十八名となっております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうしますと、この保証協会の保証額は幾らになっておりますか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 昭和四十四年度、これは実績の出ている最近の年度でございますけれども、年度におきます保証承諾金額は一兆六百八十七億でございます。それから本年度の見込みでございますが、これは一兆三千五百七十億ということになっております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうしますと、まあことしは一兆三千億ぐらい見込んでおると、こういうことですが、そうすると、その保証料というのが一%から一・何%、こういうことですね。まあ一%としましても、これはたいへんな金額になりますね、一兆ですから。一兆三千億、それの一%と、もう最小限にしぼってあれしてもたいへんな金額になると思うのですね。その辺はどうでしょうか、一%として百三十億ですか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) これは昨年、四十五年三月三十一日決算のときでございますけれども、保証料収入が百三十三億七千八百万円となっております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうしますと、私、こまかい計算していないのですが、百数十億という保証料があるということですね。そうすると、人件費とかなんとかいうことをいま長官おっしゃったわけですが、そういうものを、百三十億というたいへんな保証料でこの五十一のそういう長官のおっしゃったような人件費等を一切をまかなっていけないのかという疑問があるのですね、百三十億で。この点どうですか。この収支を出すということになると、ちょっといまお出しが願えないと思いますがね、ざっと考えたところで。詳しく私も突っ込んでその点計算しておりませんけれども、ざっと考えたところいま五十一協会だ、それで百三十億からの。当然これはおつりがくるのじゃないかと、こういうふうに思うのですが、そうだとすれば、この保証率というものはいま即座に下げることができるのじゃないか、まあこれは私の計算でございますがね。こまかい計算じゃございませんが、そういうふうに感ずるのでございますが、この点どういうふうにお考えですか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 実は御承知のようにこの保証料の中から保険公庫との保険関係に関連します保証料というものを払ってまいるわけでございます。これは保証協会が保険公庫に対しまして払う保険料でございまして、これは先ほどの四十五年の三月末の収支計算書によりますと、この保険料関係の支払いが四十八億二千二百万円、こうなっております。それから信用保証協会もいろいろと保険事故というふうなものを中心にいたしまして自分の常に持っておかなければならない責任準備金というふうなものが要るわけでございますが、これは経営基盤の安定という意味から責任準備金を積んでおるわけでございますけれども、これが同じ時点におきまして百二億二千九百万円というふうな形になっておるわけでございます。もちろんその他さらに引き当てなければならない支出があるわけでございまして、百三十三億の保証料収入があるから即それは全部保証料の料金の引き下げのほうに回るというふうなわけにもいかない要素があるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 その点わかりました。  そこで、やはり中小企業というのは非常に零細なものもあるわけでして、こういう金を利用したいということで、これは中小企業保護の一環として打たれる対策であると、そういう趣旨から言うならば、当然そういう詰められるところは公の機関で詰めていく、そうして少しでも中小企業に負担をかけさせないようにしてあげる、そういう姿勢で臨むことが大事じゃないか、そういう意味からいけば、この率というものはもっともっと下げていくべきじゃないか、こういうふうに考えるわけです。そういう意味からお話をしたわけです。これは御答弁要りません。  そこで、信用保証協会の保証のついた貸し付けについて、拘束預金というものをさせられるというケースは、どうですか、ございますか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) たてまえとしてはあってはならないことだと思っております。もう御説明するまでもないと思いますけれども、保証協会が保証を付した貸し付けというふうなものにつきましては、銀行側には全然危険負担が発生しないわけでございまして、全額弁済を受け得るという立場になっておるわけでございますので、したがいまして、たてまえとしてはこれはそういうことがあればきわめて不当なものであるというふうに考えるわけでございます。大蔵省のほうでもそういう意味での監督をしていただいておるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 あってはならないというのがいわゆる原則ですね。あるのかないのか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) ただいま中小企業庁長官からのお答えのように、あってはならないものでございます。私どもも銀行検査を通じまして、そういう点は重々注意をいたしておるつもりでございますけれども、そういうことが、たまたまあってはならないものがありました場合には、厳重に注意をいたしまして、即刻是正されるようにいたしておるものでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 もう少し詰めてみたいんですが、即刻是正されたのかどうかという問題があるわけですね。それは私の次の質問の時間の関係があるんで、ここのところをもう少し突っ込みたいんですけれども、これはまた次の機会にしましよう。あってはならないと思います。保証のついた金に、これに拘束預金がつくというようなことは、これは絶対許すべきことではない。その点はますますきびしい指導をしなければならぬと、こう思います。いまお話を伺っていても絶対にないとは、こうは断言できない、そういうニュアンスです。ですからこれはあると、こう見ていいんじゃないか。ですから、これは十分に今後もそういうことのないように……。結局こんな法律をつくったって何にもならぬ、こういうことになりますよ。  そこで、こういう歩積みの問題について関連をしてお尋ねをしてみたいと思うんですけれども、この歩積みという問題については、いままでに多くの人たちがこの中小企業を守るという立場から、いろいろな角度で問題にしてきた。しかし、現在の時点で、現状はそういうものはなくなった、こうも言い切れない。そこで、最近のいわゆる歩積み両建て、また拘束預金というか、これの現状といいますかね、これについてひとつ報告といいますか、していただきたい、こう思います。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 金融機関の歩積み両建ての問題でございますが、これはかねて過当な歩積み両建てを自粛するというたてまえから、昭和三十九年、四十一年、四十四年と、たび重なっていろいろ具体的な指導をしてまいっております。そういう措置の一つといたしまして、毎年五月及び十一月に全部の金融機関につきまして、また全部の債務者について、一体そういった歩積み両建ての状況がどうなっておるかという報告をとっております。それによりますと、一番最近の調査でございますが、たとえば都銀でございますと、いわゆる歩積み両建ての拘束性預金がどのくらい貸し出しに対してあるのかという、その比率でございますけれども、そういったものは四・三%ということになっております。あるいは地方銀行で申しますと七・七%、相互銀行で申しますと一七・一%、信用金庫で申しますと二三・九%という状況を示しております。この数字を前の調査の四十四年十一月と比べますと、若干の改善を示しておるということになっております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それは歩積みの率ですか、拘束性預金の金を、たとえば百万円なら百万円借りたということに対する率が四%とか五%、そういうことをおっしゃっておるんですか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) この率は、都銀全体の貸し出しにおきます拘束性預金でございますので、いわば総体の、平均の率というふうにお感じ取りいただきたいと思います。個々の債務者についてそれが一体どういうふうになっておるかということは、あるいはこれと違った幅の広いものを示すかと思いますけれども、総体の率といたしますと、先ほど申しましたように都銀の四・三%であるとか相互銀行の一七・一というパーセンテージになります。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 私が感じておるというか、握っておる範囲では、非常にそちらのほうでとらえておる率とは違う。非常にあなたのほうのは低いという感じがしますね。これはここで言ってみても結論が出ないと思いますが、率が低いと思います。もう少し正確に把握する必要があるというふうに思います。  それでは、拘束性預金というのはこれは違法か合法かという、こういうことばが適当か、あるいはまたこれが適、不適ということになるのか、その点はどうですか、どういうふうにとらえておりますか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 債務者が金融機関から融資を受けます場合には、先ほども保証協会の保証というのがございましたけれども、それにかわりますようないろいろな担保を提供するのが通例でございます。それで、担保といたしましては、もちろんこれは不動産とか有価証券とか、いろいろなものがございます。あるいは保証人の保証というものがこれにかわる場合もございますが、そういう適当な担保がない場合もございますので、そういう場合には、やはり一番手っとり早い預金というものが担保になるということが想定されるわけでございます。そういうことを考えますと、必ずしもいわゆる拘束性預金が違法であるというものではありません。むしろそれによりまして容易に金融機関から融資を受け得るという道が開かれる中小企業もかなりあるわけであります。しかし、それがそういう適当な度合いを越えまして、過当に拘束性預金を積まされますと、それが単にむしろ債務者側の便宜というよりは、金融機関の業務量を拡大するためにやられておるという、その当、不当の問題で私どもは判断いたしております。過当な歩積み両建て預金は自粛するようにということで従来指導いたしてまいったわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうしますと、無担保である、したがってその歩積みさせることが担保になる、こういうお話ですね。そうしますと、その手形割り引きなどの場合、この場合には当然この手形というものは私は担保になると思うんです。そこで率の高いいわゆる拘束預金というものが行なわれているとすれば、それはどうなりますか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 手形を割り引きいたします場合に、その手形がはたして確実に落ちるか落ちないか、不渡りの場合も想定されるわけでございますので、手形を割り引いておって、手形を手元に置いておるからそれで担保は十分であるとは考えられないと思います。その手形の信用度というものが非常に問題になりますから、それと勘案をいたしまして、拘束預金が取られるという場合もあり得るかと考えます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それはわかる。そこで手形が割り引かれる。これが一流メーカーの手形である、落ちることは間違いない、それでも用心はするのだという考え方も一応成り立ちます。だけれどもそこまで確実な手形に対して、いわゆる歩積みの問題、あなたは率を非常に低いものに言ったけれども、これが二〇%、二五%というような高率な歩積みがされておるとするならば、それはどうですか、好ましい状態ですか、どうですか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 先ほどもお答え申し上げましたように、私が先ほど申しましたのは全体の平均率でございますから、個々の個別の企業が融資を受けます場合のそういった率が、必ずしも先ほど申しました線にあるというわけではございません。その個々の企業が個別的に金融機関から融資を受けます場合の拘束性預金の比率というのは、やはりその企業なり、先ほどお示しのような手形なり、信用度の個別性を判断いたさなければなりませんので、一律にどれがどの線がいいのかというわけにはまいりませんけれども、概して大体の線としてはこのくらいがよかろうというわけで、二割とか三割とか、かつて指導したこともございますけれども、それもあまり画一的に過ぎるということで、やはり常識的な判断としまして適当な線というところで判断をいたしておるというわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 私は、いまあなたがお答えしたようなことを聞いているんじゃないんですよ、そのものずばりで答えてくれればいい。担保のない人についてはわかります。一流手形を割り引く場合、これは落ちることはわかっている、それがわかっていながら割り引く場合に、何十日かの利息も八%くらいで取って、なおいわゆる二〇%、二五%というような高いいわゆる拘束預金をさせられるということが好ましいか好ましくないかということを聞いているんです。そこが肝心なところですよ。それだけぱっと答えてくれればいいんですよ。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 一流の企業でも、かりに金融機関から融資を受けます場合には、かなり担保を出しておるわけでございますので、すべて一流企業の手形であるから担保が要らないというわけにはまいらないと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ふざけたことを、あなたそんなことを私は言っているんじゃないんですよ。あなたの言うことはわからないわけじゃないんだ、私の聞いているのは、無担保の場合には歩積みをして、それがいわゆる担保になるんだ、これはわかるんですよ。だけれども一流会社の手形を割り引く場合には、これが担保になるんだろうと言うんですよ。その点はあなたも認めるでしょう。その点はそれ自体は必ず金は落ちるんですから。そうでしょう。そういう場合に、なおいわゆる二〇%とか二五%とかいう高い率の拘束預金をしなければ割り引きをしないというその姿が正常な状態であるかどうかということを私は聞いているんですよ。わからないですか、ぼくの言っていることが。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 私は先ほど一流企業の融資の問題……。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そんなことを聞いたんじゃない、ぼくの聞いたことを言えばいいんです。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) それは一流企業といえども必ずしも信用が、無担保でもいいからということでは金融機関が貸せない状態を申したわけでございまするから、それと同じことがこの場合にも言えるわけであります。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ちょっと委員長、私の聞いていることについて、そのものずばりでひとつも答えてくれない。同じことを繰り返している。これじゃ時間が一時間なんて言ったって何時間あったってこれは足りません。答弁するほうが、こっちは端的にぱかぱか聞いているのに、ああでもないこうでもないと、これじゃ幾ら時間があっても足りません。その点をひとつ認めていただきたい。  幾ら言ってもそのものずばりで答えてこないんだけれども、それじゃこれもまあ答えにならぬでしょうけれども——それじゃそのものずばりでいきましょう、具体例をあげますから。  まあ大蔵省としてはこういう問題についてきびしい指導をしてきたと思う。思うけれども、まだまだいろいろな問題が発生をしておる。そこで、都内のある銀行では大蔵省の監査があるということで、いままで拘束預金をさせておったその拘束預金を、解約してくれと言って業者に回って歩いている。そういう事実がある。なぜそういうことをしなければならないのかということです、問題は。どうですか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) いま御指摘のような事実がかりにあるとしますれば、おそらくそれは先ほども申しましたような五月、十一月にいろいろ悉皆調査をやりまして私ども調査をいたしております。それからそれに基づきますような数字そのものも個別の金融検査でもって検査をいたしますから、それをいわば糊塗しようということで、だぶんそういうことをやったのではないかというふうに推定されます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 私もそのとおりだと思います。ということは、そういったこの銀行の歩積みというものが、大蔵省の指導のとおりに正常な状態で行なわれていないという証拠になりますね。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 私どもも先ほど申しました数字そのものに満足しておるわけでもございませんし、また、その数字がお示しのような事態ででき上がってきておるということであれば非常に遺憾に存じますし、そういう点については十分今後も注意しなければならぬと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 またあなたの答弁はこっちのほうですよ。私の言っていることは、こういう操作をしなければならぬということは、あなたも言ったように何かを糊塗しようとしたんだろう、こういうことです。ということは、こういう拘束預金というものは、銀行に限ってこれは大蔵省が指導したとおりいっていない、いわゆる正常なものではないということを裏書きしているんだなということを聞いたんですよ。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) それはそういうふうに思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 何だ、あなた簡単に答えるけれども、たいへんなことなんだよ、このことは。それでこの契約を解除した、解約したわけですよ、迫られたからそれで解約をしたんだ。そうしたそれを使った人がいる。解約したからあたりまえでしょう、自分の金だから使うのは。そうしたら、いわゆる当座か何かしらぬが切っていって赤字になっちゃう。しかし定期が解約されているという頭がありますから、本人は自分の金ですからね、それを切っていった。そうしたら銀行のほうからストップされた。どういうわけだ、赤字じゃないか、業者のほうは、とんでもない、解約したじゃないか、こういうことですよ。そうしたら銀行いわく、何を言うんだあれは二週間の期限つきだ。そんなのがあるんですかね。二週間の期限つきだと言う。二週間たったら監査も終わるだろうから、そうしたらまたもとのいわゆる定期に戻すんだ。こういうわけですよね。これは正常ですか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 正常ではございません。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そこで、そういう問題からいろいろと発生してくる問題があるのですね、派生的な問題が。その場合、たとえば二週間の期限つきでもって解決をした、こう言っているわけです。それで、監査が終わったころにはまた元へ戻すのだと。解約をしたんだから、当然本人にこの解約した金は返らなければならぬでしょう。あたりまえですね、だれが考えても。それが本人の当座にも普通預金にもどこにも入らない。どこにも入らないということは、幾らのいわゆる解約がなされたか知らないけれども、その金はどうなっちゃっていると思うんですか。大蔵省のほうはどういうふうに——私はしろうとだからわからないのです。その点ひとつ、それはこういうことですということをひとつ説明してくださいよ。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) ただいま解約とおっしゃいました、おそらくお話から伺っておりますと、拘束を解いたというお話ではないかと思いますが、二週間拘束を解いて、その間にどこへいったかといわれましても、ちょっと私どもどういうふうになったかお答えできません。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 指導する大蔵省の一番大もとがわからないことをやっているということはどうなんですか。こんなばかげた話がありますか。金融機関で大蔵省が判断のつかないようなことをやっているんだと、銀行で。これはどういうことになるのですか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) お示しの点は、まさに脱法行為的にやっておりまするので、私どももそういう事態をよく認識しておればその点についての指導も十分やらなければならぬと思いますが、いまおっしゃいました点で、十分事態を知らぬではないかというふうにおしかりを受けるのはもっともでございますけれども、知っておれば、また十分そのことを指導いたして、やらせないようにいたしたいわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ぼけた話をしてはいけないですよ。知っておれば——あたりまえじゃないですか。そんなこと、知っておればするのはあたりまえです。こういう問題が起きているんだということを私はいま提起をしているわけです。知っていたらそんなことをさせぬのはあたりまえのことです。そういうとぼけた答弁をするから私はおこるのです。知っていたらだれがそんなことをさせますか。こういうことが事実起きているんだよ。しかもそれを大蔵省がどういうものだかわからないと言う。これだって、たとえば二週間解約なんだということで、期限つきのいわゆる解約であると。そうすると、その二週間どうなっちゃっているんだよ、その金は。どうなっているか大蔵省はわからない。銀行には預金の方法というものがあるはずでしょう。法律で、どういう法律があるか知らない。そこまで調べていないからわからぬけれども、あるはずです、きちんとしたものは。それに何にも当てはまらない、かってなことをやるということは、これは銀行の横暴という以外にないです。そうでしょう。大蔵省が判断のつかないようなことをやっているということは、業者を無視した銀行の一方的なやり方である、こう言う以外にないだろうと私は思うわけです。あなたはどうも気にいらないような顔をしているけれども、顔でとやかく言うわけじゃないけれども、そういうことになるじゃないかと言うのです。その辺はすなおに認めたほうがいいんじゃないかと思うのですよ。  そこで、大蔵省のひざ元でこういう問題が実際に起きているということは事実なんです。だから、私はあえて銀行の名前を言えば、一番非常にはでなんですね、いいのです。ところが、銀行の名前を言っては金融機関の全体の問題もあろうし、いろいろあると思うから、いま伏せてあるわけですよ。だけれども、私の言っているのを、それを伏せてあるからといって、それはたぶん憶測だろうみたいなとり方をされたのでは、これは問題だということです。大蔵省のひざ元でこういう問題が起きている。この法律だって資金に乏しい中小企業を守ってやろうという法律じゃありませんか。そういう中で、いわゆる中小企業はそういう金融機関の横暴、言うなれば悪質です、これは悪質と言う以外にない。そんなことは許されていいはずはないのです。いままで大蔵省はいろいろこういう問題について追及をされて、そのつど上っつらの答弁をしてきたかもしれないけれども、きょうはそういうわけにいかない。こういう問題が起きているのだから、ほんとうにえりを正して、その金融機関を総括する大蔵省は、えりを正してこれを聞いて、そういう問題があったのか、それじゃその点についてもっともっと合理的な指導をしていかなければならぬ、そして、いわゆる国民に迷惑をかけるようなことがあってはならぬという姿勢で臨まなければならぬと思うのです。ですから、こういった今度のこういう事実、これは私は一つの例を取り上げているのだけれども、もっと持って来いと言うなら持ってきますよ。そういうことが行なわれている。それから通産省にしたって、通産省はもっともらしくこんな法律をつくっているけれども、中小企業はそんなことで苦しめられているのですよ。で、通産省も大蔵省も、こういったことをどうお考えですか。そうして、いままでこういうことが起きているということに対して、その責任をどう感じていますか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 私どもも年二回のいろいろな報告を取り、また、個別の金融検査でもって歩積み両建ての問題をやってきたつもりでございますけれども、そういういまお示しのような、その検査をくぐるような脱法的な行為を初めて知ったわけでございます。こういうことは絶対許せませんので、厳に今後もそういったことがあり得るということを注意をしながら検査し、あるいは調査を続けてまいりたいと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 通産省。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) ただいま銀行局の審議官のほうからお答えがあったとおりでございまして、こういう、あってはならないことが現実にあるという御指摘をいただいたんだと思います。よく銀行局とも御相談申し上げまして、そういう事実のないよう私どもも側面的に御協力申し上げたいと存じます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 最後に一つ言いたいことは、こういう法律によって中小企業を守るというその趣旨はけっこう。ところが、法律の目の届かないところでいろいろな問題が起きているのです。これが問題なんです。そこをほんとうにがっちり踏まえた上でやらないと、これからも国のほうでどんなに中小企業を守ろうとしても、結局は大事なところで国の親心は一つも中小企業には届かないのです。それがもとで結局政治のゆがみであるということで批判されるもとになる。十分この点については今後もっともっとしっかりとした姿勢で指導に臨んでもらいたい、こう私は要望いたします。  そこで、時間もまいりましたので、ほんとうは、こういう、のらりくらりの答弁では、私の時間は一時間ですから……。あなたのほうの答弁はあまりにも回り道過ぎます。不満であるけれども議事進行という立場から協力する意味で、これでやめさせてもらいます。また次の機会にお聞きいたします。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私は、いま審議されています中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の内容をよく検討いたしました。その結果、私たちの考えでいくならば、まだ不十分な点がたくさんあると思いますが、一応中小企業に対する金融のワクが広げられるという点で、私はこの法案には賛成するという立場をとっているのです。その立場において少し質問をしてまいりたいと思います。  まず最初は特別小口保険ですね、この問題について質問いたしますが、改正案では限度額が五十万円を八十万円に引き上げることになっておる。引き上げることは必要なことですが、引き上げ幅に問題がまだ私はあると思うのです。もっと引き上げたらなおよかろうと思うのですが、なぜ八十万円にしたのかということですね。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 仰せのように、これは八十万円で満足すべきものというふうには考えていないわけでございます。やはり、もっと高くできればそのほうがいいというふうな感じでいたわけでございます。したがいまして、実はこれをどうきめるかという点につきましていろいろといろいろの数値を比較対照してみました。現在の利用から見ました場合に、大体四十万円程度——まあ上限が五十万だからそうだということになれば、そうなるわけですけれども、大体現在利用されているのは平均四十万円でございます。それからさらに国民金融公庫でやっております貸し付けの中で、特に国民金融公庫において四人以下の層に対しまして貸し付けておりますものにつきまして、どれくらいの平均値で貸し付けられているかということを調べたのでございますけれども、大体六十万円程度というのが国民金融公庫のほうの小規模層に対する融資の実績として出ているわけでございます。そういうふうな点を判断いたしまして、現行の五十万を八十万に引き上げるということに最終的に決定いたしたわけでございます。何ぶんにも、小規模零細層の方々のいろいろな資金状況等を判断いたしますと、少なくとも八十万円までは早急に引き上げる必要がある、こういうふうな決心をいたしたわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 地方自治体によりましては無担保、無保証、貸し付け額を五十万円にとどめないで、相当引き上げておるように私は聞いておるのですが、政府のほうでどういうふうにこの点を見ているか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 現在の基準でございます五十万円をこえて保証をいたしておりますものが全部で九つあるわけでございます。最高は京都府の百五十万円でございます。それから東京都、大阪府、大阪市、横浜市、川崎市、滋賀県、これが百万円でございます。それから兵庫県、岐阜市、これが八十万円でございます。あわせまして九協会が現在五十万円をこえておるということになっております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 国が五十万円しかやっていないときに地方自治体が、乏しい財政の中からこれだけのことをやっているということは、これはやはり政府としても一応考えていかなければならぬ点だと思うのですね。五十万を八十万にしたから、もう御の字だということには、中小企業のほうではならないと思うのですね。私のほうも調べました。あなたがおっしゃったように京都は百五十万現在やっておりますね。東京都は百万円ですね。しかし私たちのほうでは、無担保、無保証融資を当面百五十万円から二百万円に引き上げることを主張しておるわけです。地方自治体の京都では今度蜷川知事は、現在の百五十万を二百万に増額しようという意見を述べておられるわけです。こういうふうに地方自治体もどんどんと引き上げていくという方向にあるのですが、これに比べまして国の対策は少しおくれているのじゃないか、こういうふうに私たちは考えます。保険の限度額も政策的に進んでいる自治体に見合って引き上げる。あるいは百五十万を二百万に引き上げることが必要ではないか、こういうふうに私は考えておりますが、政府はその点についてどういうふうに見ますか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 確かに御指摘のような面があるわけであります。先ほど来のお答えの中でもお答え申し上げたわけでございますけれども、各都道府県あるいは市に置かれております保証協会の成立の時点がずいぶん違っておりまして、したがいまして、それだけにまた、都道府県その他の出捐金の、応援のしかたと申しますか、そういうことも県によってまちまちになっておるわけであります。したがいまして、これを一律全部にというふうなことになりますと、都道府県によりましてはやはり負担力の限界というふうな問題が出てくることも予想されるわけでございます。したがいまして、現在の五十一協会中の九協会が八十万以上と、こういうことになっているわけでございますので、今度国のほうで八十万というふうなことにいたしますれば、おそらく現在措置をとっていない残りの、五十万円を限度にいたしておりますところも、おそらく国並みの八十万まで上げると、こういうことになってまいるだろうと思うのでございます。一挙に非常に高額の線にそろえますと、そういう意味で信用保証協会それ自身の地盤がそれぞれ違っております関係上、なかなか困難な問題もあるということでございます。  それからもう一つ、現在五十万をこえておりますところの超過しておる部分についてでございますけれども、国の保険との関係では、この部分につきましてはおそらく無担保保険というふうなことで保険の付保を行なっているのじゃないかというふうに考えるわけでございまして、保険公庫の無担保保険というところでやはり保険的にはこれもその範疇の中で付保されておる、そういう体制になっているものと考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 あなた、さっき、国民金融公庫の無担保貸し付けが一口平均六十万そこそこだと、こういうふうにおっしゃいましたが、実際に借りる額が小さい、だから八十万でけっこうじゃないかという考え方がおそらく政府にはあるのだろうと思うのですが、しかし実際に借りる額が幾らかということと、制度的に限度額を引き上げておくということと、私は別の問題だと思うのですね。特にこれから非常に困難な時代が来るということを考えれば、やはり天井を高くしておくということ、それだけで中小業者が利用しやすくなるという利点が大きくなってくると思うのですね。そういう点でやはり小企業者が不景気や金融引き締めの影響を強く受ける弱い立場におりますから、できるだけ金融の道を開いて、融資を受けやすくすることが私は重要ではないかと、こういうふうに思いますよ。小企業者に対する特別小口保険は、さらに限度額を引き上げるなど、政治的配慮が必要だと思いますが、そういう点を考慮するという気持ちは、政府にはないのかあるのか、その点ひとつ聞いておきたいと思います。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 小規模零細層に対します金融問題については相当慎重に配慮してまいらなければならないということは、お話のとおりだと思っております。したがいまして、実は長年の懸案でございました特別小口の限度引き上げに踏み切ったわけでございます。問題は、引き上げ幅がこれでは少な過ぎるというおしかりを受けておるわけでございます。私ども、できるだけ多いに越したことはないのでございますけれども、先ほどもお答え申し上げましたように、いろいろな資料または九協会を除きました他の協会のほうの財政状況その他をもはやり勘案して上げてまいるということが必要になってまいりますので、したがいまして、現在の最高のほうのレベルにすぐに合わせるという点につきましては、やはりいろいろと困難な事情があったということでございまして、したがいまして、まずさしあたり五十万から八十万まで一歩前進をさしていただいたというふうなことで御了解いただければと思うわけでございまして、八十万あればあとは全然動かすことはないんだというふうな、そういう感じでこの問題を処理しておるわけではございません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 特別小口保険の対象が省令要件を備えた小企業者というようにされておると思いますが、省令要件というのは一体内容はどういうことか伺っておきたい。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 現在、御承知のとおり居住要件と納税要件とその二つの点の要件を兼ね備えているものというふうなことになっておるわけでございまして、居住要件につきましては、同一の都道府県内におきまして一年以上引き続き同一の事業を営んでいることというのが居住要件でございます。御承知のようにこれは過去は同一市町村ということになっておりましたけれども、同一市町村では狭きに失するということで、同一都道府県内においてというふうに居住の地域範囲を広げてまいったわけでございます。  それから第二の納税要件でございますけれども、これは過去一年内におきまして、所得税か法人税か事業税かあるいは住民税の所得割りかのいずれかがありまして、これを完納しておるというふうなことが納税要件というふうなことになっておるわけでございます。この関係の要件につきましては、四十三年の三月から身体障害者、それから老年者、寡婦につきまして、これは特別控除によりまして所得税割りがなくなった場合には均等割りでもいいというふうなことに、この条件の緩和措置を講じ、自後今日に至っておるというのが現状でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると納税要件は所得税、事業税、または均等割り住民税のいずれか一つを完納しているということですね。  それから同一府県で一年以上営業しておるということになりますが、納税要件——所得税、事業税または住民税のいずれか一つを完納しておればよいということでありますから、住民税は納めたが、所得税、事業税は事業不振などで納められないという場合でもかまわないというふうになるわけですね。何かどっちか一つやっておればいいということですね。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) そのとおりでございます。いずれか一つを納めておればよろしいということでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 省令要件があるために、今度はまじめに営業してしかも一番事業資金のほしい人が特別小口保険を利用できずに困っている場合が起こっておるわけなんですね。どうしたら特別小口保険が利用できるか、政府の考え方を伺いたいと思うのです。それはこういう場合です。私、例を申しますが、新規開業の場合なんです。たとえましたら新たに独立して開業したとか、郊外の団地の周辺に開業した場合、居住要件もないわけですね。新しく開業するんですから、納税要件も、まだ納めてないから、ないわけですね。しかし、経営を軌道に乗せるために必死の努力をしておる人があるわけです。事業資金を最も必要とする人たちだと思うのです。こういう人は、場合によっては高利の金を高利貸しから借りなければならぬ、こういう苦しい立場に置かれておる。この人たちが特別小口保険を利用できる道はないのか、どうすれば借りられるか、こういう点をひとつ教えていただきたいと思います。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 実はこういうふうな意味で省令で居住要件、納税要件等について規定いたしておりますのは、特別小口保険制度の利用者がそういう小規模零細層であるということと同時に、これは事務手続をきわめて簡素にして迅速に保証制度を活用していただくというふうなことが必要になってくるわけでございまして、個別的に、他の保証のように、一件々々それぞれの内容について審査云々というふうなことをやっておりますと、どうしても手続期間が長くかかるというふうなことで、やはり簡易、迅速性ということを中心にして現在まで運用いたしてきておるところでございます。したがいまして、いまお示しのような新規開業というふうなことになりますと、実はこの特別小口保険を利用するということは、現行制度ではできないというふうなことになっておるわけでございまして、むしろ昨今でも相当多くなっておりますけれども、国民金融公庫の御承知の無担保貸し付け、これが三百万円までは担保なしで貸し付けをする、こういう制度がございまして、最近この金融公庫の無担保貸し付けが新規開業者に非常に利用されておる、こういう状況でございまして、そちらのほうで金融上の補足を行なっておる、こういう状況でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、そういう場合は、いまここできめられた省令要件ですね、居住と納税のそういう要件が満たされていなくても、無担保、無保証でその金は借りられるのですか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 無担保でございます。担保なしでという意味でございます。特別小口でございますと、これはまさに無担保、無保証人でございますけれども、担保は要らないというふうに、要件が緩和されております。と同時に、こちらのほうで要件をつけておりますところの居住要件、納税要件、こういうものは国民金融公庫のほうにはないわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 ところが実際はそういうふうに簡単になかなか借りられないのですね。金融公庫へ行けば保証人という問題があるのですね。保証人も二人くらいじゃないですか。ところがなかなかその保証人がたいへんなんでね。もうさあというときに間に合わないのです。その保証人をさがしていろいろやっている間に右往左往してずっと時間がかかってしまって、なかなかいい機会が見つからないというのが私は今日の国民金融公庫の一番欠点だと、そういうふうに私は実は聞いておりますね。ほんとうに小企業者がそういうふうにうまく国民金融公庫の金を楽々と借りるということは非常な困難があるということを聞いておるのですがね。だからその点意見も伺いたいし、むしろ利用者がまっとうに営業しておるということがはっきりわかれば、特別小口保険を利用できるように、省令の中に明らかに書いておいたほうが、私は、ほんとうに中小企業を助けるという面から言ったら、より完全なものではなかろうかと思うのですが、その二点、もう一ぺん伺っておきましよう。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 国民金融公庫の貸し付けについてでございますけれども、大体、現在国民金融公庫のほうの申し込みと、そして貸し付けとの関係の実績でございますけれども、件数比におきましても、金額比におきましても、大体おおむね七五%から八〇%の間というふうな状況で充足をいたしております。新規開業者にとりまして国民金融公庫が相当活発に利用されておるという意味の報告を実は私受けておったのでございますけれども、本日資料を持ち合わしておりませんけれども、特に新規開業者にとりましては国民金融公庫は相当利用、活用されておるというふうな状況ではないかと思っております。もちろん国民金融公庫は、御承知のとおり審査手続はきわめて簡便にやっておりますので、大体普通申し込みから貸し付けまで普通のペースでございますと一週間から十日というのが普通のペースでございます。もちろん金融逼迫その他によりまして、ちょっととどこおっておるというふうな月もあったかと思いますけれども、通常のペースでまいりますと一週間から十日というのが申し込みから貸し付け決定までというふうな手続になっておりますので、特別に国民金融公庫に申し込んだがゆえに阻害されるというふうなことには、私、一般的にはなっていないかと思います。個別的ケースによりましては、御指摘のような問題もあるいはあろうかとも思いますけれども、一般的には便利な金融機関として活用されているのではないかと、こう考えるわけでございます。  それから、第二のほうの特別小口保険からこれらの要件を全部はずしたらどうだという御指摘でございます。できればこれらの要件というものはできるだけ簡素化いたしたいわけでございます。ところが、それらを完全に基準なしと申しましょうか、要件なしにいたしますと、これが無担保であり無保証人である制度であるだけに、逆に今度は乱用されると申しましょうか、要するに居所を転々と変えながら、そこで保証をもらって金を借りては居所を変えていくというふうな意味で、これが逆に乱用されてまいるという問題も一方に頭に描いておかなければならないんじゃないかと思うわけでございます。したがいまして、現在の要件というのは制定以来だんだんと簡素化されまして、相当もう骨格だけが残っているような感じになっておるわけでございますけれども、まあこれが絶対要件であって全然検討し直すような余地はないというふうに言い切るほどのものでもまた私はないと思います。現在の私どもの知恵の中で乱用を防ぎながら、しかし同時にこういう零細層の企業の方に迅速に活用をしていただく、両方の面を合わせ考えますと、いまの段階ではこういう線で妥当ではないだろうかというふうに考えておりますけれども、もちろんいろいろと情勢の変化その他によりまして、もっといい画一的な基準ができるならば、これは検討するにやぶさかではない、こういう態度でいるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 いま、国民金融公庫について、まあ七五%ぐらいはあまり問題なくずっと一週間なり十日なりで問題は解決していると、こうおっしゃった。それほど小口のところに問題がなければ、よけいにこの特別小口保険にそういう人たちがそれを簡単に、というとおかしいですが、手軽に利用できるように、これはやっぱり省令にその点を明らかにして、国民金融公庫にたよらなくてもこちらもできるんだというふうにしておかれたほうが、より一そう便利ではなかろうかと、こう私たちは思います。まあいますぐ困難ならば、やはりそういう点も私は検討をしていってもらいたい、こういうふうに思うんですが、意見を伺って次の質問に入ります。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 先ほどもお答え申し上げましたように、国民金融公庫の場合にはこういう保証は要らないわけでございます。これは先生御承知のとおりでございます。いまの御指摘は、この特別小口保険の二つの要件についてもっと簡素化しろと、こういう御指摘だろうと思います。これも先ほどお答え申し上げましたように、一方におきましてこれを簡素化し過ぎますと、かえって逆用されて、先ほどちょっとお答え申し上げましたように、借りては居所を変えるというふうなことで——これはまじめな人ではございません。そうでない人が出てまいるわけでございます。そういう人にもどんどん使われるというふうな面も出てまいります。したがいまして、簡素化にもやはり一応の限界があるんだというふうに考えるわけでございます。そういう意味から、この制度ができましてから、要件につきまして逐次緩和が行なわれながら今日まで至っておるというふうな状況でございまして、現状で考えますと、現行制度というのがぎりぎりのところかなというふうに感じておりますけれども、しかし、これは何も絶対不可欠、変えてはならないという筋合いのものでもございません。そういう意味で、もっといい制度ができるようでございますれば、これは小規模零細層の方に喜ばれる制度でございますので、したがいまして、そういう点についてさらに検討を加えていくということにつきましては、やぶさかではないつもりでおります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 くどいようですけれども、新開地へ行って営業しようというまじめな意図を持った人、これは居住条件が省令に合わぬわけです。一年間居住しなければならぬということに。そうすると、さあといったときにもうできないのですね。そうすると、高利貸しの金を借りて、とりあえずというようなことになって、非常な生活の困難が伴ったりするような場合がありますので、ほんとうに事業者がまじめな、まっとうな営業をしておるということがわかるならば、そういうことをなすったらどうだ、一年間というような居住条件を満たさなくても、省令にそういう意味のことを明記されたらどうだろうというのが私たちの意見なんです。これは意見として述べておきます。  それからその特別小口保険を利用して融資を受ける場合、事業者は五十万円借りたいのだが、銀行が納税証明を見て、二十万円にしなさいと、こう言って、事業者は自分は五十万円借りたいが、その意に反して低い額しか借りられないというケースが往々にしてあると私は聞いておるわけなんですが、その点、政府はどういうふうにお考えになりますか。できるだけ事業者の希望を満たすようにすべきではないかと思うのですが、こういうことに対する政府の意見はどうですか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 信用保証協会のほうで五十万というふうなことで信用保証をいたしておりますれば、これは銀行がその五十万の保証を持っているものについて、これを二十万に下げろと言うふうなことは、少し銀行側のほうの行き過ぎではないか、信用保証協会のほうで五十万のすでに保証をいたしておるわけでございます。したがいまして、銀行としては、事故が起こりましても、信用保証協会のほうで全部代位弁済をするということになるわけでございますので、保証協会のほうの保証が先行いたしております場合には、そういうことは起こり得ないのではないかと思うわけでございます。おそらく御指摘の問題は、保証協会の保証をとる前の銀行との交渉でどれぐらい借りたいというときに、銀行のほうで五十万ではいままでの事業から見て弁済困難であるから、二十万ぐらいにしたらどうかという意味での、保証の前にそういう話を金融機関がしておるというふうな事例ではないかと思うわけでございます。で、保証のほうの制度といたしましては、保証協会で五十万保証すれば、これはもう五十万は保証されておる、銀行の損失にはならないわけでございますのでおそらく銀行がお断わりしているというふうなことはないのではないかというふうに考えます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、保証協会が五十万というちゃんと証明さえあれば、銀行がとやかく言うべきでなく五十万出すべきだ、もしそれを二十万なりに値切るならば、それは銀行が違法だと、こういうことですね。銀行が違法だというふうに理解していいわけですね。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 違法と申しますよりは、そういうことはしないであろう、銀行の損になることにならないわけでございますから、保証協会は五十万の保証を現にしておるということでございますれば、よしんばその事業者が何らかの事情によって弁済ができなくても、保証協会のほうで代位弁済をするというのが保証の仕組みでございますので、したがいましてそういうことは銀行としてはやらないはずではないだろうかと、こういうふうに思っておるわけでございますし、また、銀行がそこで何らかのものを押えてみましても、銀行側自身にとりまして、何らプラスにもならないというふうな制度でございますので、起こり得ないのではないかと思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私もそう思うのですがね、そういうことがあるということを聞いているものですから、これはもう銀行が非常な間違ったことじゃないか、こう思って質問したわけです。  それじゃ次に、公害防止保険について少し質問をいたしたいのですが、この保険の新設は、中小企業の公害防止施設の設置が緊急に必要である、こういう社会的要請にこたえるものであると思いますが、政府のお考えを伺っておきたいと思います。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) この保険の対象となっております公害について、何が公害であるかという点につきましては、あえてこの保険法では定義を設けなかったわけでございます。これは公害対策対本法に盛られております、すべての公害がすべてここで言う公害保険の対象になる公害防止施設であるというふうに、いろいろの公害源があって、それに対応していろいろの公害防止施設が出てまいりますので、そういう意味から、きわめて流動的な問題でございますので、あえてここで固定的に定義をするということを避けたわけでございまして、あらゆる公害防止のための公害対策基本法に基づきまして、いろいろの防止義務が課せられておる防止施設があるわけでございまして、そういうふうな防止施設につきましては、これは幅広くこの保険の対象にいたしたいというふうに考えておるわけでございます。と同時に、これは防止施設に対する問題でございますけれども、また企業によりましては、やはり公害防止のために積極的にある過密地域からそうでない地域に移転をするという、それが一つの公害防止の対策にもなるというふうな場合もあろうかと思います。そういう意味でそういうある特定の計画地域から他に移転する、それに要する移転費というふうなものもこの保証の対象にいたしたいと考えておるところでございます。それから第三の関係でございますけれども、先般の臨時国会で通りました例の費用負担法の関係に基づきまして、中小企業者も費用を一部負担するということが将来出てまいるわけでございますけれども、そういう場合の負担金等につきましても、やはりこの保証の対象に含めたいということで、以上三つの項目につきましてこの保証の対象に考えたい、このように思っているわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 政府の公害対策としてこの保険を重視しておるのだろうと思いますが、ところがそれが保険限度額や料率、てん補率に、重視しておるという点がもう少し具体的にはっきりとあらわれてこなければならないと私は思うのですが、まずこの料率は一体幾らになっておりますか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 保険料率につきましては、実はまだ大蔵省と完全に意見が一致するというところまでいっていないわけでございますけれども、大体の考え方でございますが、現在御承知のとおり一般の普通保険の場合におきましては、保険料率は日歩で二厘一毛、現在それをパーセンテージに換算いたしておりますけれども、この場合におきましてはやはり公害防止のためにというふうなことでございますし、同時にまたこの保険料率は保証料率にも響いてまいるというふうなことにもなりますので、したがいまして現状では、普通の場合におきましては二厘一毛でございますけれども、一応一厘八毛程度というくらいの線でまとめてはどうであろうかというふうな考えでいるわけでございます。この保険料率を低くきめますことによりまして、さらに保証協会が中小企業者に対します場合の、この公害保険につきましての保証料率もおのずからそれに従いましてまた引き下げられるということを期待いたしておるところでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 てん補率は幾らですか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) てん補率は七〇%を考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 中小企業信用保険法に定められたところの別ワクの特別保険は、倒産防止関連保証、激甚災関係保証、産炭地域関係保証の三つがあると思います。さらに、中小企業特恵対策臨時措置法案によりまして特恵転換特例が新設されようとしているということを私は聞いています。これらはいずれも限度額は通常と同額の別ワク、すなわち、今回、普通保険の限度上げで二千五百万円、料率は通常の三分の二、てん補率は八〇%、こういうようになっております。ところが公害防止保険は別ワクで二千万円、てん補率が七〇%、料率はいまあなたがおっしゃったようにまだ未定だと、こうおっしゃるわけですが、他の別ワクの保険と比べまして公害防止保険は条件が悪いように思うんです。政府は、公害はたいへんだというんで非常にこの公害防止保険を重視しておるとおっしゃるけれども、ほかの保険に比べて条件が悪い。これではどうして公害を重視しておると言えるかという点なんですが、今回新設が予定されております特恵転換特例と比べて限度額で五百万円、てん補率で一〇%、この差をつけられた理由は一体何かということです。公害を重視するとおっしゃるならば、限度額、料率、てん補率などの面で思い切って優遇条件を打ち出すことが私はむしろ必要だと思うのです。少なくとも他の別ワクの保険と同等であるべきだ、こういうふうに思います。ところが公害防止保険が一番条件が悪いというのは、ちょっと私は理解ができません。ここにも公害重視と言いながら実際には十分な対策を打とうとしない政府の姿勢があらわれておる、こういうふうに私は理解しておるんですが、この点どういうふうにお考えになりますか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) これはもうすでに先生御承知のように、てん補率というのは保険公庫と保証協会との間のてん補の比率でございます。したがいまして、これは金を借りる中小企業者自身の問題ではないわけでございます。これは保証料率のほうが中小企業者と保証協会の問題でございます。これは御承知のとおりでございます。現在、いまもおあげになりましたように、産炭地特例でございますとか、あるいは災害対策、あるいは近くつくろうとしております特恵関連でございますとか、こういうふうなものにつきましては、てん補率を八〇%にし、また八〇%でお願いしょうとしておるものでございますけれども、御承知のように、これらはすべて実は一時的な現象に対応する措置でございます。一時的に災害が起こります、それに対してそれを復旧するために要する、あるいは産炭地の場合もそうでございます。あるいは特恵の場合もそうでございますが、要するにその措置が、実はそれぞれの事業者の責めに帰せない他の事由によりましてある一定の措置をしなければならない災害がございます、あるいは炭鉱が閉鎖になります、あるいはまた、親会社の、あるいは納入企業について倒産が起こりますとかいうふうな、自分の問題でないところにいろいろな原因がございまして、それを防ぐというふうな意味合いを持っておるわけでございまして、そういう意味では実は今度の公害防止保険につきましててん補率を八〇%にしようという考えも当初は持っておったわけでございますけれども、既存のいろいろの制度と比較照合いたしました場合に、実はそういう意味で既存の制度とちょっと異質のものであるというふうな、そういう分類に入ったわけでございます。と同時に、やはり公害防止施設は企業が自分の責任において恒久的に処理しなければならないそういう施設でございます。そういう意味から信用保証協会に対するてん補率を重視するよりか、むしろ保険料率、それがひいては中小企業者の保証料率に響く問題でございますので、そちらのほうをより重要に考えたほうがいいんではなかろうか、こういう判断をいたしておるのでございます。公害防止施設を設ける企業に特に危険が多いというふうな事情であってはならない、そういう性格のものではないだろうか、こういう判断をいたしたわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 公害に対する少し考え方が違うように思うんですね。確かに公害に対する対策は企業の責任においてなすべきものです。しかし、公害は企業だけのあれじゃない。公害についてわれわれは非常に被害者なんです、国民が被害者なんです。だから、国民の立場に立つならば、できるだけ早く公害をなくすということですね。だから企業の責任は、もちろんそうですよ、企業の責任ですけれども、企業が大企業ならともかく、中小企業の公害は、金がないために国民は早くなくせという要求をしておっても、中小企業は金がないためにできない、こういう問題が起こってくるわけです。そのくらいはやはり国民の立場に立って、早く政府が有利な条件で金を貸してやって、一日も早く公害をなくすということをまず第一義的に考えていけと、これが国民の言い分だと思うんです。私はそう思います。もちろん企業の責任ではあるけれども、その企業が中小企業の場合は特に金がなくて困難があるから、困難だといっていつまでもほうって置くと国民が迷惑するんですから、いい条件で、有利な条件で金を中小企業に融資して、そうして一日も早く公害をなくすようにせい、こういう態度であるべきだと思うんです、政府は。ところが、いまは意見がどうも私たちの考えと少し違っているように思います。どうですか。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 公害に対する基本的な観念というふうなものにつきましては、私も基本的に変わっておるというふうには思わないわけでございますけれども、実はいま私が御説明申し上げましたのは、てん補率というのが信用保証協会と保険公庫との関係でございまして、金を借りる中小企業者は保証協会と結びついてまいるわけでございます。てん補率を七〇にするか八〇にするかというその問題は、直接中小企業者との間の関連の問題ではないわけでございます。そういう意味で、私のほうでも法令により八〇%にいたしておりますものと、この公害保険との仕組みの差について実は申し上げたわけでございまして、したがいまして、あるいはその御説明の中で申し上げた数字は、これは他の保証協会と保険公庫との間でてん補率を八〇にしておりますものの仕組みと、そして公害防止保険の仕組みについて申し上げただけでございまして、公害防止で、特に零細企業の公害防止施設のために国が積極的に助成をしていかなければならない、こういう気持ちにおきましては、決して先生と意見を異にしておるというわけのものではないわけでございまして、私どもも積極的にやってまいりたいと思っておるところでございます。  それから、先ほど御質問の中にございました限度額二千万円につきまして、お答えをまだ申し上げておりませんので、ちょっとここでお答えさしていただきたいと思うわけでございます。この二千万円にすることにつきましても、いろいろと各種の資料を求めまして、どれくらいのところを限度額にすればいいかというようなことを検討いたしたわけでございます。実際にいままでいろいろの調査が行なわれておるわけでございますけれども、昨年東京商工会議所で、東京商工会議所管内におきます事業につきまして、過去にどれくらいの事業が、どれくらいの公害防止施設費を負担したかというふうな実態調査、また近くどれくらいの施設について投資しようとしておるかというふうな意味での調査を行なったわけでございます。それによりますと、これはすでに投資いたしました額の一企業平均が六百十三万円、これは過去の問題でございますので、六百十三万という非常に小さい数字が出ております。ところが今度投資を予定しておりますその投資予定額の平均でございますけれども、これは千三百十三万円ということで、これは過去の投資の約倍くらいの数字になっております。千三百万円程度というふうな予定をいたしております。それからまた、中小企業庁でもアンケート調査、中小企業の各層にわたりましてあるいは各業種分類にわたりましてどのくらいの投資予定をしておるかということを調査いたしまして、大体いまの投資予定といたしましては商工会議所の調査と同じくらいの数字、ほぼ同じくらいの結果が出ております。それから現在中小企業金融公庫で公害融資を特別ワクでやっておりますけれども、ここでどのように活用されているかということを調べたわけでございますけれども、これは大体中小企業の中でも少ないほうかと思いますけれども、大体千七百万円程度、事業によりましては二千万円というのもございますが、平均いたしまして千七百万円程度というふうな投資が行なわれておるということが判明いたしたわけでございます。それらの要素を勘案いたしましたことがまず第一に大きな要件でございますけれども、さらに現在三十二の保証協会で独自のこういう公害関係保証を行なっております。そこらがどのくらいのことについてやっているかということを調べてまいりましたところが、大体一件当たりの保証金額の平均額が約五百万円でございます。また、限度額を調べてまいりますと、おおむね一千万円、千五百万のところもございますが、しかし大体一千万円程度ということになっておるわけでございます。そういう両面の要素を勘案いたしまして、限度額を二千万円というものを別ワクとして設けておく、これは別ワクでございますので、二十万円を別ワクとして設定しておけばこれで足りるのではないか、こういうふうな判断をいたしておるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 これも特別小口と同じことが言えるが、やはり天井を高くしたほうが、インフレーションで金の価値がだんだん下がってきているんですから、いまこうきめても、これがすぐ間に合わないところがこないとも限らないし、やはり天井を高くしておけば都合がよくないか、こう思います。それから、てん補率は七〇%より八〇%のほうが、それは金を貸す人、金融機関が出しよいですよ、そういうようにしたほうが。それはそうじゃないですか、金を貸すほうにしては、てん補率の大きいほうが貸すのに安心じゃないですか。だからやはりほかのものと同じようにてん補率を八〇%にして、そして限度額をほかと同じように二千五百万円か何かにしたほうが、中小企業の公害防止対策としては私は非常に有利じゃないか、こういうふうに思いますが、どうですか。検討に値するのじゃないか、そのことは公害という問題について……。

吉光久中小企業庁長官

○政府委員(吉光久君) 確かにてん補率が高いほうが金融機関と申しますよりか保証協会が保証しやすくなる、こういうふうな点は出てまいろうかと思います。これは否定するわけにはいかない点ではないかと思います。ただ、七〇%にさしあたりきめましたのは、先ほどお答え申し上げたような線からでございますけれども、もちろんこれは七〇がいいか八〇がいいかということは、実はてん補の度合いというのは実際の危険がどう起こるか、要するに貸し倒れがどう起こるかによって決定さるべき筋のものでございます。したがいまして、公害防止保険について特に貸し倒れが多くなるかどうかというふうな点につきましては、実はこの制度を出発させていただきまして、いろいろの問題、そこでデータが出てまいると思います。そしてほんとうに危険度が高いというふうなことであれば、これはまたてん補率の問題につきましても将来さらに検討しなければならない時期も全然こないとは言い切れない。そういうふうな状況ではないかと思うわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 意見になるかわかりませんが、私は最後に、最初申し上げたように、てん補率なり限度額をなぜほかの倒産防止関連保証とか激甚災害関係保証、こういうものとの間にこの差をつけたかということに対して、あなたは先ほど、要するに公害は企業の責任によってやるべきだというふうな意見でしたね。しかし、それはもちろんそのとおりだと思う。私は、さっき言ったことを繰り返すようになりますけれども、そのとおりではありますけれども、公害でわれわれが非常な被害を受けている立場から言うならば、もっと公害防止対策を中小企業がやりやすいように、限度額も上げればいいし、補てん率も上げて大きくして、そうして中小企業が金が借りやすくなるように、ということは、公害対策がしやすくなるように、公害対策がしやすくなって、国民が中小企業の公害から一日も早く救われるように、国民が被害を受けないでいいようになるという立場に立って私はいま意見を申し述べたのです。その点になると政府の考え方と私たちの考え方の間には少し違いがあるように思うのですね。私たちは公害というものは国民の立場に立って論じている。あなたは企業の立場に立って言っているように思いますので、その点が少し違いがあるように思いますが、これ以上私は言う必要はないと思いますから、これで質問は終わります。

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 他に御発言がなければ、本日はこの程度といたしまして、次回は三月二十三日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十一分散会      —————・—————

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