商工委員会 第5号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/03/02
会議録
○委員長(川上為治君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 去る二十五日、渡辺一太郎君が委員を辞任され、その補欠として近藤英一郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(川上為治君) 理事矢野登君が委員を一たん辞任され、理事に一名の欠員が生じておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川上為治君) 御異議ないと認めます。 それでは理事に矢野登君を指名いたします。 —————————————
○委員長(川上為治君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大矢正君 政府のエネルギー政策、特に一次エネルギーとしての油の問題を中心にして若干の質問をいたしたいと思います。 今日、油の問題は、御存じのとおりよい質のものが安い価格で、しかも安定的に供給をされなければならないという立場から、政府としても積極的に取り組んでおられることと思うのでありますが、先日の当委員会においても質問がありましたとおり、最近のメジャー側のわが国精製業者に対する値上げの通告等もあり、これからのわが国のエネルギー資源確保のためには重要な問題が発生をしてきておるわけでありまして、新聞等においていろいろと最近の政府のエネルギー政策を見ておりますが、この機会に、短期、長期を含めて政府が現在のところどういうエネルギー確保の手段、政策をお持ちなのか、油の問題を重点的にひとつお答えをいただきたいと、こう思います。
○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように、日本の一次エネルギーの主力は、すでに六十数%が石油エネルギーに依存しているという状況でございまして、長期見通しにおきましても、今後原子力の増加を期待いたしましても、やはり七〇%程度は、ここ十年前後におきましては石油エネルギーに依存せざるを得ない状況でございます。したがいまして御指摘のように石油エネルギーについての低廉、安定的供給の確保がきわめて重要でございます。そういう意味で従来とも石油資源につきまして、その安定、低廉な供給の確保というものを、石油の政策の重点といたしてまいっておりましたが、必ずしも実効のあがるに至らない前に今回の事件が出てまいったということでございます。したがいまして、今後の石油資源確保につきましては、やはり長期的に考えますと、石油のわが国による開発の促進というのが基本的になろうと思います。その際、四十二年の総合エネルギー調査会からの報告で指摘されておりますように、供給源について分散化が必要であるということでございまして、そういう意味で従来九〇%前後を中東に依存しているという状況では、供給源の分散にならないので、できるだけ供給源を分散するということが必要になっております。そういう意味で東南アジア、ことに最近におきましては日本周辺の大陸だなの開発も含めまして、供給源を分散しつつ開発を進めていくことが基本的に重要であろうと存じます。しかしながら中東地区の石油資源の賦存状況というものは、わが国との関係におきましてはきわめて高いウエートを占めておりますから、やはり中東地区におきましても、先ほど御指摘のありましたように、質のよい低硫黄原油の開発については、やはりこれを推進することが必要だというふうに考えておりまして、この自主開発の推進につきましては、石油開発公団を三年前に発足いたしまして、これによって資金的にこれを助成していくという体制をとっておりますが、今後石油開発公団の業務の拡充強化も含めまして、また資金の確保も含めまして、石油開発公団を中心に民間の活力を利用して石油の開発を強力に推進していくということが必要であろうと思います。それから短期的には、この石油の開発につきまして、資源に関連する情報の収集が必ずしも十分でないということでございますので、四十六年度から石油開発公団におきます海外の駐在員の増加をはかりたい、と同時に、ジェトロにおきまして、資源状況に関する情報の収集体制というものを整備するということと相待って、情報収集の整備をはかりたいというふうに考えておる次第であります。 なお、ことに今度の値上げとの関連におきましては、この値上げにつきまして、先般、大臣からも御答弁申し上げましたが、できるだけ産油会社との間、メジャーとの間で、値ぎめにおきまして分担を産油会社のほうに持たすという交渉を、強力に進めるということが必要であるというふうに考えておる次第であります。
○大矢正君 いまあなたが述べられた当面する、あるいは長期にわたってのエネルギー資源、石油エネルギーの確保についてのお話がございましたが、1政府の資料によりますると、昭和四十四年度の供給別原油輸入実績を見ますると、わが国がアラビア石油、また少量でありますが北スマトラ石油、すなわち自主開発によってわが国に輸入している油というものは、おおむね一〇%程度の状況にあります。これを将来にわたって考えてみますると、現在のような石油開発公団、それからまた石油開発公団により投資されるそれぞれの企業の現状等をもってしては、この一割程度の自主的な開発による石油エネルギーの供給というものは、そう大きな変化が出てこないのではないか。あなたのほうは、いま、将来長期の展望で見ると、極力自主開発を目標にして進みたいというお説でありますが、御存じのとおり、これはわずかばかりの資金をもってしてはできない問題でありますから、政府も相当思い切った判断をもって取り組まないと、とうていこの比率を上げることは私は困難じゃないかと思います。そこで、かけ声としては、いま言われたような自主開発に取り組んでいくということでありますが、現実にどういう形でそれに取り組んでいこうとおっしゃるのか、それに、自主開発は、おおむねパーセンテージで言うと、どの程度までこれを確保しようというようなものがあるのかどうか。 それから、 つけ加えてお尋ねをいたしますれば、抽象的に、こういう政策、あるいはこういう政策というようなものももちろん必要でありますが、今日わが国の一次エネルギーの必要量、その中における石油エネルギーの重要性等から考えますれば、計画性のある、言うならば政策と申しましょうか、それは、あなたが先ほど述べられたような内容を含んだ、言うならば計画性のあるものでなければならない。五年、十年先を予測しての具体的な対処のしかたの計画、需要の想定だけではなしに、自主開発という面から見た対応策というものを政府としては早急に樹立する必要性があるのじゃないか。これは通産省の問題ばかりじゃなく、外交の問題からいえば外務省、資金の面からいえば大蔵省等々いろいろあるわけでありますが、通産省としては、やはり私はどのようにして一割程度しかない自主開発の石油エネルギーの供給を高めていくかということについて、明確なひとつ態度表明を願いたいと、こう思うわけでありますが、お答えを願いたいと思います。
○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように、現在は千八百万キロリットル程度の開発原油の輸入でございまして、一〇%程度の輸入に相なっております。自主開発の目標といたしましては、四十二年の総合エネルギー調査会の答申におきましては、昭和六十年度におきまして三〇%の自主開発の原油を確保すべきであるというふうに、目標につきましての報告を受けておるわけであります。そうして三割目標の自主開発を進めようという努力をいたしてまいっているわけでありますが、石油開発が何しろ容易なものではないということ等から見まして、現在のところ一〇%程度にとどまっているという状況でございます。したがいまして、御指摘のように将来この総合エネルギー調査会の報告にある三〇%程度の自主開発原油を確保するということにいたしますと二億キロ余りの自主開発が必要になり、現在の輸入の十倍が必要だと考えられるわけでありまして、これはきわめてむずかしい問題であるというふうに考えますが、できるだけこの目標達成に努力することが必要であると考えるわけであります。そういう意味で、特に危険の高い石油の探鉱につきましては、資金の調達、あるいはこれに対する国家資金の確保というものがきわめて重要でございますので、今後この確保につきましては、新しい年度の予算を組む際に特に強力な予算の考え方で資金の確保を考えたいと思います。その際、従来は、話のあるプロジェクトごとにどの程度の金が要るかというふうに積み上げてまいっておったわけでありますが、御承知のように石油の資源の見通しというのは非常に複雑な事情のもとでいろいろ実現してまいるものでございますので、プロジェクトごとの積み上げということは、なかなか資金の総額において十分な金額を予算化することができないという事情がございます。したがいまして、今後はまとめた金額を石油資源のために用意するという姿勢の予算の組み方が必要であるというふうに考えているわけでございます。 それから今後の自主開発について、やはり開発計画のようなものを設定すべきではないかという御指摘でございますが、いま申し上げましたように、三〇%の開発原油を確保するという目標をもちまして今後の政策を進めるということでまいりたいというふうに考えるわけでございますが、実は利権の確保というものがきわめて見通しのむずかしいものでございます。幾ら開発の利権を確保しても、どうするということにはなかなかまいらぬわけでございますので、今後といたしましては、先ほども申し上げましたように供給源の分散化をはかりつつ、しかも今後経済性のある開発ということになりますと、相当まとまった大きなプロジェクトでなければ経済性の確保もむずかしいという点もございますので、国際入札その他いろいろな点で出される大きなプロジェクトにつきまして、これを確保する方向で努力してまいるということにいたしたいと考えておる次第でございます。
○委員長(川上為治君) 委員の異動について報告いたします。 本日、赤間文三君が委員を辞任され、その補欠として高田浩運が選任されました。
○大矢正君 局長にお尋ねをしますが、供給源の分散というお話がありました。一つは自主開発、一つは供給源の分散、すなわち世界各地から供給を求めるような態勢にしようとする基本的な考え方、このこと自身は私もけっこうなことで、わが国のエネルギーの安定的な確保という意味では必要なことだと思うのでありますが、事実上の問題として、それはできるんですか。そういうことが可能なんですか。たとえば現在のメジャーの力等々から考えてみまして、はたしてそういうことが可能なのかどうか。たとえば一つの例を申し上げますと、そのメジャーを飛びこえて、産油国と・日本が直接利権についての話し合いが行なわれるというようなこと、あるいはまた、この七つない・しは八つの巨大な国際石油資本を向こうに回して、供給先を分散化するなぞということは、全体としてできることなんですか。お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(本田早苗君) 供給源の分散化として考えられます点は、一つは御指摘のように、最近の状況からいきまして、産油国が直接合弁事業その他で開発をしたいという考え方がだんだん強くなってまいっておりますので、こういうケースにつきましては、経済協力という意味も持つ原油の開発という形で、産油国との話し合いの場は出てまいりつつあるということでございます。それからもう一つは、メジャーとの関係でございますが、世界の各地でメジャーが利権を持っておりまして、そしてその開発につきましては、通常他の石油会社と共同で開発するというリスク分散の開発態勢をとっております。その意味で、メジャーが各地に持っておる利権について共同開発の形で参加いたしまして、そして参加比率によって原油を持ってくると、こういう方法も可能でございまして、現に数例そういう例が出つつあるわけでございます。したがいまして、産油国との話し合いによる方法、またメジャーが世界の各地で開発する際に共同開発という形で分担分を原油で持ち帰るという形で供給源を分散化していくという方法が考えられておるわけでございます。
○大矢正君 関連のある問題でありますが、現在のわが国の原油の備蓄量、製品の備蓄量というものは、平均をして計算をするとどういう数字になるのか。それから、これはあくまでも平均値でありますから、その油種によっては上下大きな幅があるものと思われますので、資料がありましたならば、この際、御説明していただきたいと思います。
○政府委員(本田早苗君) お答えいたします。 全体の数字で申し上げますと、原油が十二月末で四十五日強に相なっております。これは内訳といたしましては、原油で約十八日分、それから燃料油で二十日弱でございます。それから半製品として七日余りという形で、合計で四十五日強になっております。燃料油等の油種別の資料はいま手元にございませんので、後ほど資料で御報告をさしていただきたいと思います。
○大矢正君 わが国が長期にたえ得る備蓄の設備もしくは能力等を持つべきであるという議論は、私もあえて反対するものではありませんが、もとより原油の備蓄、そうして製品別の備蓄等といろいろございますが、これには御存じのとおりに膨大な資金がかかる、もしわが国がそういう、たとえば三カ月とかあるいは極端な場合には六カ月とかいうような膨大な備蓄をせずとも、安定的に原油が供給をされ、製品が供給をされるということは、とりもなおさずそれだけの資金を開発その他に振り向けていけるということになるわけで、備蓄量の多いこと必ずしも国の経済にとってプラスになると私は考えないわけです。むしろ第一にねらうべきことは安定供給であり、安定供給のための具体的な方策を樹立することが大事なのではないか、私はこう思うわけであります。少なくとも現在の四十五日程度の備蓄を、これをかりに倍にするというならば、三カ月程度にするということになれば、相当の資金が現実に寝ることになるわけであります。その意味でも石油政策というものはあらゆる角度から検討されなければならぬ問題だと思うわけです。そこで、先ほどあなたが自主開発の比率を高めていくと、ひものつかない原油の供給をふやしていくというお説でありましたが、それには抽象的にあるいはこういうことがよかろう、あるいはこういうことがよかろうというような段階でありまして、やはり私は八年、十年先というものまで申し上げるつもりはないのでありますが、せめてここ三年くらいの間には、どの程度の資金投下によって、これはまあ政府の資金、民間の資金合わせて、どの程度の資金投下によって、どの程度までひものつかない自主原油の開発をするというような計画を私は立てるべきではないかと、繰り返して申し上げますが、重ねて申しわけございませんが、ひとつお答えいただきたいと思うわけです。
○政府委員(本田早苗君) 原油備蓄につきましては、まさに御指摘のとおりでございまして、かりに一千万キロリットルの原油の備蓄をしようといたしますと、通常ございます十万キロリットルのタンクが百要るわけでありますが、大体一キロリットル一億といわれておりますから、土地も含めてでございますが、一千億のタンク建設資金が要る、そうしてその中に一千キロリットル入れますと、また数百億円の資金がその中で寝るということに相なるわけですから、千数百億円が一千万キロリットルの備蓄のために資金として必要になる、こういうことになるわけでありますので、確かに御指摘のようにわれわれといたしましても、ここでタンクスペースを確保して、非常に広い大きなタンクを増設して、これを備蓄に充てるのがいいのか、あるいはタンカーの建設を行なって、そうして緊急のときにもあちこちから油を持ってこれるという態勢がいいのか、あるいはいま御指摘のありましたように、これを開発資金として投入して開発効果によって原油を確保するということがいいのかという選択の問題が出てまいると思いますので、その点につきましては省内におきましても意見がございまして、よく検討いたしたいというふうに考えておる次第でございます。そこで、千数百億要る備蓄資金と開発資金との関係について、むしろ開発についての資金との比較考量をよくすべきではないかという御指摘でございますが、われわれとしてはその点よく検討さしていただきたいと思います。先般開発関係の業界の方々の意見を求めましたところ、大体三千億円程度を十年間に少なくとも確保する必要があると。そのうち七割程度は今後は国が持つということを考慮してもらわなければ、なかなか資金調達が十分いかないであろうというような御指摘がございまして、これでまいりますと年間三百億ですから、特に大きな金額というわけではございませんが、少なくとも現在の開発のテンポ等からいくと、その程度のものを確保する必要がある。ただその際、これで幾らの原油が確保できるかということは、これはまさに掘ってみなければわからないという状況でございますので、できるだけ大きなプロジェクトを選択して、それによってできるだけの油を確保するという考え方でございます。いま御指摘がございましたが、開発原油の確保計画について、これを作成して今後の開発の具体的な計画をつくることが必要ではないかという御指摘でございますが、なかなかその石油の探鉱につきましては、あると思ったところが当たらなかったり、十数本掘ってあきらめかけたときに当たるというような状況もございまして、なかなか開発原油の確保の見通しを具体的に立てるというのは非常に困難でございますので、できるだけ大きなプロジェクトを確保して、これを積極的にどんどん探鉱を進め、試掘が当たれば開発にどんどん金を投じていくという体制を整備いたしたいというふうに考えるわけでございます。
○大矢正君 将来を展望する際に、自主開発の原油を多くふやしていく、あるいはひものつかない原油の供給量をふやしていくというような点から考えますと、いまのようなわが国の行政のあり方で、はたしてよいのかどうかという疑問点が私自身も出ますし、これは原油をはじめとするエネルギー供給に関心を持っておる人々もそう思っておると思うのでありますが、直接の精製、販売、それに石油開発公団等を通しての海外原油の開発に対する協力、これは通産省にあると思いますが、しかし、これからわが国の石油業界というものが海外において利権を確保する、あるいは合弁事業によってひものなるべくつかない形での原油の供給を求めるというようなことになってまいりますると、これは外交上も非常に関連の深い問題であります。そうなってまいりますると、これは外務省等が情報の収集その他も含めて積極的な海外におけるエネルギー確保の使命を果たさなければならぬという問題があります。それから特に開発途上国に対しては、わが国からの経済協力、援助等々とも結びつかなければ、今日なかなかその利権の確保が困難だともいわれておるわけでありますからして、そういう総合的な、かつ組織的な海外におけるエネルギー確保の手段について、通産省としては特別のものがおありなのかどうか。ばらばらにそれぞれが別々な情報機関を持つとか、あるいはまた話し合いをするというようなことではなしに、そういう総合的な情報の収集それから経済の協力、それから開発資金の投下、外国との間における外交関係における話し合いというものを総合的にやる方法等について、何か今日のこの問題が発生してから新たなお考えがあるかどうかお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(本田早苗君) 御指摘の石油資源の確保といいますか、取得、あるいはさらに進んで合弁事業に参加するというような問題の底には、御指摘のような政府ベースの話し合いというものがどうしても入ってまいります。しかも、そのこと自身が経済協力の意味を持つものでございますし、あるいは開発事業と直接結びつかなくとも、別途これと並行的に経済協力を進めるという体制の中で、そうした開発の利権が得られるという事態もあるわけでございます。そこで、従来も、御指摘がございましたが、公団というものは大体資金的援助をするということで発足してまいった機関でございます。したがって、民間の方々が開発問題にからんでいろいろ努力される、そして話がまとまったところで公団が資金的な援助をして探鉱を推進してまいる、こういう形であったわけでございますが、御指摘のように、最近の情勢からまいりますと、経済協力的な考え方に基づいて、政府ベースの話し合いというものが底流にあって具体化してくるということでございますので、われわれのほうといたしましては、経済協力を担当しております貿易振興局のほうと密接に連絡をとる態勢をとりまして、今後の海外利権の取得等について強力に進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 —————————————
○委員長(川上為治君) この際、委員の異動について報告いたします。 本日、近藤英一郎君が委員を辞任され、その補欠として長屋茂君が選任されました。 —————————————
○大矢正君 現在、わが国から海外の石油開発事業に乗り出している企業の数は、私の調べている限りにおいては十四社というふうに思いますが、そのように判断してよろしゅうございますか。
○政府委員(本田早苗君) お答えいたします。 昨年の後半にかなりふえまして、現在二十社になっておる次第でございます。
○大矢正君 私は先ほど来議論をいたしておりますように、海外において石油開発事業を行なうについて、まことにリスクの多い事業であり、それからまた多額の資金を必要とする事業でありますことは、もう申すまでもないところでありますが、現在の資本金の多い少ないによってだけ判断をするわけではもちろんありませんが、このように、ごく最近になってからさらに急増して二十社もの企業が海外で探鉱開発に従事をするということは、はたして国が総力をあげて取り組もうとする海外における石油開発事業のあり方として妥当なものかどうなのか。たとえば資本金の例で申しますと、ごく最近もらった資料等を見ましても、資本金わずか二千万円などという企業体もあり、四億あるいは八億程度の資本金、もちろんこれは現在の資本金の額でありますから、ある程度試掘の段階でめどがつけば、もっとふえるということが言い得るでありましょうけれども、しかし、それにしてもこれだけの多数の企業というものがひしめきあって、海外で原油の開発に参加をするということは、私は好ましいことではないんではないか、むしろ政府がこの際思い切って石油開発公団あるいは開発銀行等々を通じて、あるいはまた経済協力基金等を通じて、このエネルギーの安定確保の見地から大きなウエートを置いて取り組もうとするならば、むしろ私は数を制限をして、制限をするというよりも個々の企業の力をつけて、このような資金の多額に必要な事業でありますから、今後運営すべきものではないのかというように私自身考えるのでありますが、海外における石油開発事業については、わが国の石油業法の範囲以外のものでありますから、海外においての開発事業を認める、認めない——設備の増設と違いますから——そういうような法律上の問題もあるでしょうけれども、しかし政府の指導する行政の方向というものは、この際明らかになさってもいいのではないかという感じがするのでありますが、いかがでしょう。
○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように、この二十社が二十四のプロジェクトを実はいま手がけようとしておるわけでございます。言いますれば、一つのプロジェクトを一社でやるという平均的な形になっております。このことは、御指摘のように一社の力としては非常に弱くなる、技術陣としても必ずしも十分でないし、資金の調達力としても十分でない、あるいは対外折衝する力としても十分でないというようなことが指摘されるわけでございまして、今後われわれといたしましては、これをできるだけ集約化していくことが必要だというふうに考えておるわけでございまして、今後の方向としては、御指摘のような方向でやってまいりたいと強く考えておる次第でございます。
○大矢正君 私が申し上げたい点は、こういう事柄を法律において規制をするということは好ましいことではないけれども、政府が海外の石油開発の事業に積極的に資金面においてもその他の面におきましても協力態勢をしいていこうとされるならば、そのことがより効果的に、効率的に行なわれるためにも、法律上の措置が必要ではないのか、このように、このまま放置すれば三十二になるか五十になるかわかりません。そういうことではますますリスクが大きくなってまいりまするし、そしてまたいずれも中途はんぱな投資しかできない、外交交渉ももちろん力がございませんからできない、こういうことになるわけでございまして、法律上、ある程度、この程度の規模、この程度のたとえば利権を持つものでなければ、それは石油開発事業には参加をすることはできないんだというようなことが私はぜひ必要だと、こう思うのであります。でありますから、繰り返し申し上げますが、地域的にも、あるいは個所的にも、より多くの地域やより多くの個所を持つことによって、その試掘開発を行なうことによってリスクがかなり分散されると思うのでありまして、そういう意味でも、当面行政に携わっておる政府として、そういう考え方がないかどうか、重ねてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(本田早苗君) できるだけ強力な態勢で石油の開発に進むことが必要だという点では全く異論がないところでございます。ただ、利権取得その他につきましては、非常に長い時間と特殊な関係を用いて実現していくという経緯がございますので、これを法律で規制してしまうことが適当かどうかという点については、よく検討を要すると思いますが、御指摘のように、現在でも原則として五〇%の政府資金を投融資するということでございますし、今後は、場合によっては五〇%以上の政府資金を投入しようということを考えているわけでございますので、この政府資金の効率的利用という観点から、御指摘のような方向でできるだけ集約化した形で石油の開発が推進されるという態勢に持っていくことを検討さしていただきたいと存じます。
○大矢正君 次に価格に関連をして、一、二点お伺いをいたしますが、私の手元には四十四年度までの輸入原油価格の推移という資料がありますが、これは平均単価で示されて、FOB、CIF両方に分かれておりますが、四十四年度まではありますが、四十五年度の上と下、それから年度間の平均でFOB価格でけっこうでございますから、どういう数字になっているかお答えを願いたいと思います。
○政府委員(本田早苗君) いま上、下の平均の価格を手元に持っておりませんので、後刻整理をして報告さしていただきたいと思います。
○大矢正君 私は非常に奇妙に感ずる点があるのでありますが、いま申し上げた輸入原油価格の平均単価の推移をずっと見てまいりますと、FOBの場合を見ましても、それからまた日本到着時点における価格の面を見ましても、大体四十二年ごろからわずかずつではありますが価格が下がっておるわけですね。その点は数字が明らかに政府の資料の中に出ておることでありますから間違いはないと思いますが、このようにして原油価格が下がっているにもかかわらず実際の需要家の求める価格というものが上昇をするというのはどこに原因があるのか。
○政府委員(本田早苗君) 日銀のあの石油の卸売り価格の推移を見てまいりますと、四十五年に入りまして春以降フレイトの値上がりというのがおいおい出てまいっております。そのために製品価格の値上がりが若干出てまいっておりますが、特に御指摘のような傾向が出ておりますのはガソリン、灯油等でございますが、この点につきましては末端の人件費の値上がりその他が反映をしてまいっておるというふうに考えをべきではなかろうかと思います。
○大矢正君 私は最近の原油の引き上げ問題にからんで考えてみますると、もちろんメジャーが一方的に、わが国に事前に何らの相談もなく、力にまかせて価格の引き上げをするというやり方は商慣習上問題があるという先般の大臣の答弁を私はすなおに受け取りますけれども、全くそのとおりだと思うのであります。しかし、それはそれとして別に考えても、たとえば二十八セントかりに原油価格が上がって、FOB価格プラス四十四年度の価格に上乗せをしてみたところで、昭和四十二年ないしは三年の上期あたりの時点にFOB価格というものが近づくだけでありまして、世の中がびっくりするような数字にはならないはずなんです。ところがそれをなぜ一〇〇%いまの石油業界というものが需要者側に負わせなければならぬとするのか。そこがちょっと意味のわからないところなんです。だから私は、時間もありませんから、もっと具体的に申し上げますと、結局こういうことになるのではないか。それは石油精製業者、元売り、これは同一の場合ももちろんありますが、あるいは特約店、そして一番末端における小売り商、こういう段階においての問題があるから、結局このように二十八セント原油価格が引き上げられれば、直ちにそれをまるごと今度は需要者に転嫁しなければならぬなどというような議論がまかり通るのではないかと思うのであります。それは、やはり精製の段階で見ましても特約店の段階で見ましても、それから小売りの段階で見ましても、これは明らかに過当競争というか、特に精製の場合なんかで見ましても、非常に零細な精製業者というものがどんどんと認可をされて割り込んでくる。そういうところにも価格が上昇する原因があるのであって、根本的に先般の二十八セントだけが問題になるのではない。こういう構造的なものがあるとすればメジャーが値上げを要求する、しないにかかわらず、日本の現在のそういう精製業者あるいは流通機構が、外国の圧力が何らない状態でも、最終需要者が価格の引き上げをされるというような事態が起こり得る、私はそう考えざるを得ないのでありますが、局長はどのようにそれをお考えになりますか。
○政府委員(本田早苗君) 石油業界の現状が、競争がきわめて激しいということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、大幅な原油の値上げをそのまま業界内部で吸収し得ない状況に相なっておることも、これも私は事実であろうと思います。ただその際に、過当競争を招来した原因として、経済規模に達しない精製業者等の新たなる認可によって、利潤の薄い企業にならざるを得ないのではないかという御指摘でございますが、かねてから、従来の設備認可におきまして、きわめてわずかの数量の許可をするということに伴って、経済性の実現しがたい製油所の出現がございまして、その点、各方面から、できるだけまとまった単位の設備の許可をすることを指摘されておりまして、ここ二年来は、小さい量の割り当てというのもやっておりますが、これは設備の余力につきまして許可をするということに伴って小さい容量の設備を許可いたしておりますが、できるだけ、少なくともきわめて経済性が低いという形で許可をしてまいるということは避けてまいっておる次第でございます。ただ、それにしても新しい発電所あるいは石油化学等のコンビナートというような形で認める際に、コンビナートの需要者側の設備の拡充計画とも見合って、あまりにも過大な精製所を認めるというわけにもまいらぬというわけで、両者の均衡を見つつ設備の許可をいたしておるために、当然二十万であるべきものが十万であるというような形はございますが、これはコンビナートとの関係等を見て、逐次フルの姿に直していくという考え方であるわけであります。
○大矢正君 時間がありませんから最後に申し上げておきたいと思うのでありますが、メジャーがわが国の精製業者あるいは元売り等に対して値上げの要求を一方的にすることはまことにけしからぬと私は思いますが、問題はそれだけでどうこうするということではなしに、先ほど来議論をいたしておりますとおりに、海外における石油の開発事業、それ自身に問題がないかどうか。それから政府の対外政策を進める上においての各省の協力体制、機構等において欠陥がないかどうか。あるいはまた、メジャーその他の少々の値上げ要求があったとしても、それを直ちにまるごとに需要家に転嫁をするような形にならないように、今日の石油業界、特に精製あるいは販売業界のあり方の編成がえの問題、こういう問題まで通産省としては取り組んで、少々のことであわてふためいて日本の経済が混乱におちいるのではないかというような危惧の念を一般国民や産業界に与えないような政府側の努力を、この際強く私は希望しておきたいと思います。
○政府委員(本田早苗君) 先ほど来の御質問で、いろいろ御指摘を受けている点につきましては、今後の態勢を検討する際に十分考慮させていただきたいと存じます。
○上林繁次郎君 私は、きょうは繊維問題について何点かお尋ねをしてみたいと、こう思います。 過去三年にわたって日米繊維交渉が行なわれてきたわけですけれども、一時は日米経済戦争であると、こんなこともいわれて、先行きが非常にきびしいものだということは、これはいなめないわけです。ところが今回のように、いわゆる急遽業界が独自の見切り発車というか、自主規制に踏み切ったという、この理由ですね。その点についてひとつ通産、外務のほうからお聞かせ願いたいと、こう思います。
○政府委員(楠岡豪君) 御承知のように、日米間の繊維交渉は昨年の十二月の半ばごろで政府ベースの交渉は行き詰まりの状態になった次第でございますが、その後、業界といたしましてはアメリカの国内の状況あるいは日本側の状況等も検討しておったわけでございます。たまたま新聞等で伝えられますように、ミルズ委員長の示唆というものが日本側に伝わってまいりまして、それを検討しておりました結果、これを業界といたしましては積極的に検討してみようということになったわけでございます。その理由をそんたくいたしますと、これは業界としては当初より輸出の秩序を維持するということ自体は決して否定していたわけではございませんし、何とかこの事態を収拾いたしまして、安定した輸出をはかろうという気持ちはあったわけでございます。と同時に、輸出を規制いたしますにあたりましては、あまりきびしい個々の品目についてのワクを設けますと、輸出が全体としまして非常に阻害されるということになるわけで、この点を業界は一番心配していたところでございますが、たまたまミルズ案というものはそういうこまかいワクをつけて規制するということはございませんし、そういった点も考慮して検討に踏み切ったかと考えております。
○上林繁次郎君 それでは繊維業界が独自の立場で自主規制をするというその以前に、牛場大使から外務省あるいは通産省のほうに公電が入っておりますね、その日時、それからその公電の内容、これをひとつ御発表願いたい。
○政府委員(楠岡豪君) 牛場大使はミルズ委員長とは——失礼いたしました、フラニガン大統領補佐官とは折りに触れて会っておられますし、公電はいろいろきておりますが、先生のおっしゃいます公電というのはどういう性質のものでございましょうか。
○上林繁次郎君 あのね、どういう公電とわかっていたら聞かないんです。だから、いわゆる業界が自主規制をするという、これは言うならば独自の立場でやったということでしょう。それ以前に、それを、言うならば見切り発車したという以前に、牛場大使から外務省ないし通産省に電報が、公電が入っているでしょう、こういうわけです。入ってないなら入ってないでいいんですよ。その内容がわかりたい、それいつなんだということです。わかっていたら聞きませんよ。
○政府委員(楠岡豪君) 失礼いたしました。牛場大使からは何回か電報が入っております。ただしミルズ案につきましての電報は、むしろ先々週くらいでございますか、こういった内容のものであるということがきておりますが、それ以外に、特にこの件に関しましての電報というものはきておりませんようです。
○上林繁次郎君 外務はどうですか。
○政府委員(平原毅君) ただいま通産省の楠岡局長からお答えになったとおりでございます。
○上林繁次郎君 二月五日の午後に入っていませんか。
○政府委員(楠岡豪君) 入ってないと思います。
○上林繁次郎君 外務はなかったですか。
○政府委員(平原毅君) 私も一々どの電報がいっきたという記録をここに持っておりませんので、はっきりと自信を持ってお答えいたしかねます。しかし二月五日、きょうが三月二日、もっとあとだと記憶しております。
○上林繁次郎君 そうすると全然そういう電報、いわゆる見切り発車を業界がするような、そういう内容が含まれた電報は、いままでに全然なかった、こういうことですか。
○政府委員(楠岡豪君) この件につきましては業界が頼んでおりますロビストのダニエルズという人が二月の初めだったと思いますが、参りまして日本の業界に伝えたものでございまして、それが初めての接触でございます。
○上林繁次郎君 接触の話をしたんじゃないんで、いま申し上げたようなことで、それに、いわゆる見切り発車をするという、そういったものに対する内容を含めた電報、公電はいままでなかったんだと、こういうふうにおっしゃるのかということなんです。全然そういうことがなかったということですか。
○政府委員(楠岡豪君) 見切り発車をしたらどうかというような意味の公電はございませんでした。
○上林繁次郎君 これは全然ないとなると私の質問は……。いずれにしましても、私は二月の五日の午後に、あなたは繊維局長ですね、あなた自身には二月五日午後に牛場大使からミルズ案の内容を公電として受け取っていないということですか、あなた自身が。しつこいようですが……。
○政府委員(楠岡豪君) さようでございます。
○上林繁次郎君 そうすると、全然そういうものがないということであると、また話は別ですけれども、しかし、これがもしあったと仮定する、そうなりますと、いわゆるこの業界が見切り発車をする前にそれらしき公電が牛場大使から入ってきたということになりますと、これは私は問題だろうと思う。そうだとするならば、なぜ業界だけが見切り発車をしなければならぬのか、こういうことになると思うのですね。ですから、その点が全然そういう電報はなかったということになりますと、そういう私の懸念というものはなくなるわけです。しかし、なぜ私がこういうことを言うかというと、何らかの公電が二月五日にきたということ——あなたはないと言う。しかし、私のほうは、その中にいわゆる見切り発車の内容、ミルズ案の内容、そういうものが含まれた公電であるというふうに受け取っているわけです。ですからこういう話をしているわけです。で、それを前提にして、その公的機関のほうが先に知っていたにもかかわらず業界だけが見切り発車をしたということは、ちょっとおかしいのじゃないか、こういうことです。何らかの圧力がかかったのではないか、こういう心配があるわけです。だからこういうことを言っているわけです。その辺の事実関係を明らかにして、その上で質問を続けていこう、こういう考え方。そこで、そういう疑いが、きょうの朝日新聞なんかにもちょっと出ておりますけれども、宮崎化繊協会会長がこういうことを言っていますね。「自主規制に応じないと、政府が被害救済などの面倒をみない印象を受けた」と言っているのですね、おかしいじゃないですかね、こういうふうに言っているんです。ということは、だれが読んでもだれが見ても、この宮崎化繊協会会長のこの発言というものは、これはだれが見ても何らかの、どこかから圧力があったのじゃないかという疑いを生ずるような発言です。だから、私の言っている公電という問題とこれとは関連性が出てくるわけです。この点はどうなんですか。私は、じゃ公電はなかったとするけれども、何らかの圧力がかかったという考え方、見方、そういう見方をされてもしようがないじゃなかろうかと思うのですが、この点どうですか、圧力がかかってなかったかどうか。
○政府委員(楠岡豪君) 先ほど申しましたように、このいわゆるミルズ案なるものはダニエルズという業界の頼んでおりますロビストを通じて業界にもたらされたものでございまして、ダニエルズと業界の首脳との間に話し合いがございました結果、ダニエルズが帰るにあたって、業界としてもこの案をもう少し検討しましょうということで、当人は帰ったように聞いておりまして、私どもが知っております限りは、公電で話がまいりまして、それをもとにして、たとえば政府がこういう案があるからこれをひとつのんだらどうだといったような話を業界にしたことはございません。
○上林繁次郎君 そうしますと、念を押しますけれども、そういう公電をもとにして圧力をかけたというようなことは絶対なかった、こういうことですね。そうすると、いま私のお話した問題点は、宮崎会長のこの発言は、われわれとして考えれば、どうしても何らかの圧力があったようないわゆる発言じゃないかと、こういうわけなんですが、この点についてはどう考えますか。
○政府委員(楠岡豪君) 私もここしばらく宮崎さんとはお会いしておりませんし、宮崎さんがどうしてそういうことをおっしゃるのか実はよくわからないわけでございます。
○上林繁次郎君 まことに申しわけがないんですけれども、議運の関係がございまして、時間がとれると思っておりましたら、ちょうどかち合いましたので、あとの質問は次回にひとつお願いいたしたいと思います。
○委員長(川上為治君) 他に御発言がなければ、本日の質疑はこの程度にとどめたいと思います。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十二分散会