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65回国会参議院1971/02/23

商工委員会 第4号

発言数
106
登壇者
11
会派数
3
開催日
1971/02/23

会議録

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) ただいまから商工委員会を開催いたします。  委員の異動について報告いたします。  去る十九日、山崎竜男君、平島敏夫君、木島義夫君が委員を辞任され、その補欠として、赤間文三君、井川伊平君、平泉渉君が選任されました。     —————————————

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 理事の矢野登君が委員を一たん辞任され、理事に一名の欠員を生じておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 御異議ないと認めます。  それでは理事に矢野登君を指名いたします。     —————————————

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 大臣が一時半に御出席されるようでありまするから、また大臣からも御答弁を願うことになろうかと思いますが、私は、特にきょうお尋ね申し上げたいことは、中小企業の倒産とそれに対する金融問題について若干お尋ね申し上げたいと思います。  最近、非常に新聞等の報道によりましても、この中小企業の倒産という問題が取り上げられまして、だんだん、だんだんときびしくなってくるんじゃないか。そして一月の統計によりますると、名古屋あたりの統計は、やはり昨年からの最高を示しておるというふうにも報じられておりまするから、このままで推移していきますれば、一体、この三月の決済期を迎えてさらに倒産状況というものが増大してくるんじゃないかというふうな見通しが立てられると私は思います。特に昨年来繊維の規制問題を中心といたしまして繊維関係だとか、また弱電関係の中小企業に対するきびしい問題が起こっておる。これは輸出に関連した産業の中小企業が主でございまするけれども、やはりこうしたものが日本の中小企業全体に与える影響というものは、私は非常に大きいと思っております。さらに、名古屋地方におきましてはモザイクタイルがカルテル行為を結んで、そうしてこれに対しましてはお互いに業界同士が助け合っていこうというふうなことでございますが、このようにずっと中小企業全般が進行していきますならば、やはり停滞状況というものはどういうふうなところまで続くのか、どの辺まで続いていくのか、これの見通し等についてまずお尋ねいたします。

外山弘中小企業庁次長

○政府委員(外山弘君) 企業倒産の状況は、先生の御指摘のとおりでございまして、実は昨年の十二月に非常に高くなりまして、さらに、一月は本来ですと若干下がりぎみになるはずのところが八百一件、非常に高い数字を示しております。御指摘のようにいつもは三月がわりあい高うございますから、したがいまして、このままの状況でいきますと三月あたりが非常に心配であるという状況を非常に注視していかなければいけないということは、私どもも痛感している次第でございます。  それから第二に、繊維、弱電等に特に影響が輸出と関連して大きいのではないかという御指摘でございますが、その辺を反映いたしまして、過去二回の公定歩合の引き下げにもかかわりませず、こういった業種を中心といたしましたうしろ向き資金需要というものがかなり多く出ております。したがいまして、公定歩合の引き下げにもかかわらず手持ちの資金繰りのほうは一向に楽になっていない。うしろ向きの資金需要のほうがかえってふえているというふうな状態でございます。そういった点に先生のおっしゃっている点があらわれているのではないだろうか。さらにはモザイクタイルにしましても、御指摘のように現在相当の操短をしながら値上がりの状態を待っているというふうなことで、輸出の停滞に伴う影響が深刻なわけでございます。  そのような状態がだんだんそのままの推移でいきますと非常に心配でございます。私どもといたしましては、当面できるだけその状況の推移につきまして慎重に見守ると同時に、年度がかわりましてからいろいろな点で需要の回復、あるいは私どもがいままでもやっておりますし、今後も状況の推移に応じての資金手当て等によりまして、できるだけの手当てを講ずる、いろんなことによりまして、少しでも明るいきざしが早くできるようにしたい。そういうことで、今後とも状況を見守りつつ努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 日銀の公定歩合が二回引き下げられておりまして、この影響を直接受けるはずの大企業ですら、この年度の決済期には相当資金繰りがむずかしくなってくるのではないかというふうに思います。そのために、やはり企業間の信用の膨張だとか、また下請の大幅な支払いの遅延というふうな状況がそこに出てくるんじゃないかというふうにも心配されるわけでありますが、中小企業はこうした親企業からの圧迫もあるし、支払いの遅延等もありますれば、これはますます倒産への道というものが私は早くなってくるんじゃないか、こういうふうに思いますし、やはりそういう中小企業は非常に弱小の企業が多いという関係で、一つ間違えば、これはずっと連鎖反応といいますか、そういう状況で倒産の数というものはふえてくることも、これは当然だと私は思います。やはり中小企業というものはそういう弱みを持っておりますし、他方におきましては、景気が悪くなってまいりますると、やはり金融の問題がたちまち行き詰まってくる。特に不況状況になってまいりますると、金融関係が一番きびしく中小企業へ当たることになっておる。弱いものは、特に金融の面で圧迫を受けますると、ますます倒産への道というものを早めるということに相なるわけだと私思いますが、こういうことについての具体的な金融対策でございますが、これは通産省としてどういうふうな対策を持っておられるのか、この点をひとつお尋ねいたします。

外山弘中小企業庁次長

○政府委員(外山弘君) 公定歩合の引き下げにもかかわりませず、大企業には、一応ある程度、従来から見るとよくなったかもしれませんが、確かに御指摘のように中小企業への回りが非常におそい。中小の専門の金融機関等の伸びがむしろ伸び悩んでおりまして、その影響もございまして、御指摘のような事態が生じておる。それから下請代金の受け取り条件につきましても、先生御指摘のとおりでございまして、なかなか回復よりもむしろ若干悪化しているような感じがございます。これは昨年の初めと終わりとを比較いたしましても若干悪化しておる、そんなこともありまして、それから倒産の先ほどの件数の中でも連鎖倒産というふうな件数もかなりのウェートを占めております。一々先生御指摘のとおりでございまして、その辺を考えまして、御承知のように昨年の十一月に、これは毎年やるわけでございますが、ことしは特にいつもよりも少し額も漸増いたしまして千五百九十億という年末財投を行なったわけでございます。これだけでもしかし十分にはいけないのではないかという点が、最近の事態で心配されるわけでございまして、したがいまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、今後の推移によりまして貸し出しワクの増加、政府系三機関におきます貸し出しワクの増加といった点につきまして、さらに努力をしてみたい、財務当局とも早急に話し合いをしてみたい、こう思っておるわけでございます。それからさらに当面の措置といたしまして、一つの倒産が他の倒産に波及することをできるだけ防ぎたい、こういうことで中小企業信用保険法上の例の倒産関連防止措置の指定を行なっておりますが、これも昨年の秋以来要件を満たすものはどんどん指定をいたしまして、できるだけ当面の対応策を講じておる、こういう次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 経済企画庁から出しておりまする月例経済報告書、二月十二日のあれですが、見てみますると、企業倒産という項目がございましてこれを見ますると、やはり東京商工興信所の調査でございますが、昭和四十五年の一月で五百八十五件、そうして今年の一月、同じ一月でございますが、これは八百一件ということになっております。十二月はずっとふえて九百六十四件になりましたが、いつも十二月に一応倒産するのは倒産しますから、一月はほんとうは少ないはずなんです。ところが今年の一月のほうを見ますると八百一件ということに相なっておるわけで、この状況からいきますると、三月には相当数の倒産というものが見込まれるんじゃないかと思うのです。昨年の統計を見ますると、一月が五百八十五件、二月五百九十二件、三月になりますと一挙に八百三十五件というふうに増大しておるわけなんです。特に昨年の一月ころと、ことしの一月、これは状況は昨年よりもことしのほうが私は悪化しておると思うのですが、そういう状況から見まするならば、私はこの三月というものは非常に大きな倒産が見込まれるのじゃないかと思うのです。しかもこの統計は資本金一千万円以上の統計でございまするから、資本金一千万円以下の弱小の中小企業の面はさらに増大してくるのじゃないかというふうにも思うのですが、この見通しはいかがですか。

外山弘中小企業庁次長

○政府委員(外山弘君) 先ほど若干御指摘の点に触れたかと思いますが、確かに一月時点にこのような数字を示しておりますと、例年ふえる三月の数字が非常に懸念されるわけでございます。で、ただいま御指摘のように、これは東京商工興信所の調査でございまして、一定の規模以上の負債総額があるものにつきましての統計でございまして、御指摘のように、そのほかに小口倒産といったようなものはまだまだたくさんあるわけでございますが、これは御承知のように、これを全国的に調べていない関係もございまして、正確な数字は掌握しておりません。しかし銀行の取引停止処分という数字がございますが、これで見ましても、まあこの約一〇倍に当たる数字が常に報告をされているわけでございます。小口倒産につきましては、私どもといたしましては、若干の都市につきまして、いま予算をもらいまして調査をしておるところでございますが、大体先生の御指摘のような傾向を示していくのではないかということで懸念をしておるわけでございます。したがいまして、先ほどのように、今後応急と申しますか、その状況の推移を見通して、できるだけ早い機会に、少なくとも政府系三機関の貸し出しワクにつきましては配慮を加えたい、こう考えている次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 今回の不況によりまして、中小企業の倒産が激増してくるであろうという見通しは私は当然だと思うのですが、特に私がお尋ねしたいことは、昨年の下半期——ことしのまだ統計は十分でないと思いますが——倒産いたしました業種というものは、一体どの業種が一番多いか、ひとつわかりましたら若干の業種別をお聞かせ願いたいと思います。

外山弘中小企業庁次長

○政府委員(外山弘君) 七月以降の状態で、ごくあらましを申し上げますと、全体の件数の中で占めております業種別の状態は、一番件数として多いのは商業でございます。それからあと製造業、これは総括いたしまして、この中では大体繊維とか金属、機械といったようなものが多うございます。そのほかの分類といたしまして建設業というのがかなりの数を占めております。大体の十二月時点の数字で申しますと、商業が九百六十四件のうちの四百六件でございます。それから製造業が全部で二百四十四件、このうち繊維が三十一件、金属が四十四件、機械が三十八件、さらに建設業は全体で二百三十一件、こんな状態になっておりまして、これが大体昨年の下半期の推移を示している数字かと思います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 いまお答えがございましたように、繊維、機械、金属がずっとありますし、その他いろいろな製造業が中心なんですが、やはりこういうふうに倒産の業種別が区分されまして、いまお聞かせがあったわけですが、これらの倒産いたしました原因というものはどこにあったか、いわゆる金繰りが苦しくて倒産したのか、また設備の過大によって倒産したのか、いろいろと倒産するには原因があると思うのです。それともまた親企業の関連で倒産したのか、いろいろな原因があると思いますが、その原因がおわかりでございましたならばお知らせ願いたいと思います。

外山弘中小企業庁次長

○政府委員(外山弘君) これも先ほどの九百六十四件の内訳として東京商工興信所が原因別に分けた表でお話し申し上げますと、これによりますと、一番多いのが販売不振という項目でございまして、これが二百三十一件ございます。それから放漫経宮という項目に分類されておりますのが二百二十六件。それからもう一つ、連鎖倒産ということで分類されておりますのが百十一件。で、あとは二けたになりますが、設備投資の過大という分類になっておりますのが九十七件。それから過小資本ということで分類されますのが八十四件。それからしわ寄せと申しますか、従来からのしわ寄せというふうな項目になっておりまして、中身がちょっと正確でございませんが、九十一件。あとは信用の低下とか在庫状態の悪化とか、競争からの落伍、そういったものはほとんど微々たる件数でございます。大体いまのような原因に分けた分類でございますけれども、先ほどの十二月の倒産件数については、原因別の分類としてそういうふりな分け方が出ております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 ただいまの御説明をお聞きいたしますと、やはり最近の倒産の特徴というものは、特に卸売り業だとか小売り業だとか商業部門といりものが一番多いようでございますし、やはり販売業者というものは非常に、何といいますか、売りかけ金の回収ができないとか、またいろいろな原因があろうかと思います。しかし設備投資等にいきますると、無理して過熱した投資をやったと、こういうこともございますし、これはいろいろと原因がこまかく区分されていくわけでございますか、しかし中小企業全般のこういう倒産から見まして、やはり考えなきゃならぬことは、倒産が出てから、ああ、あすこも倒れた、この販売所も倒れたということでなく、やはり倒産を未然に防ぐというふうな対策というものが一体立てられられないものかどうか。私は、中小企業庁としてはそういう点の万全な対策を立てなければ中小企業対策の基本というものはないと思うので……。その府はいかがですか。

外山弘中小企業庁次長

○政府委員(外山弘君) 倒産防止対策ということは、基本的には中小企業の近代化、合理化を促進することによりまして企業の体質自体を改善する、それによりまして経済の環境の変化の中で中小企業がその適応能力を高めていく、そして適応能力も一段と向上した中でそういった環境変化に対応していく、こういうことが基本だろうと思います。したがいまして、こういう観点から、従来から金融、税制、指導といったような点につきまして中小企業の体質改善につとめる諸施策を講じてまいってきておるわけでございますが、やはり基本的にはこういった中小企業としての充実をはかっていくということが倒産防止対策の基本になると、こういうふうに考える次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 従来、政府がとってまいりました中小企業の倒産防止対策というものは、私は非常に甘かったのじゃないかというように思います。それと申しまするのは、たとえば対米輸出の不振、こういう問題が出てきたり、また発展途上国からの追い詰め、これは日本の中小企業貿易が両者から追い込まれて、はさみ打ちのような形で非常に苦悩におちいっているということもこれ事実だと思います。中小企業がやはり不振におちいったときに、先ほども申し上げましたように、市中銀行はもちろんのこと、政府系の金融機関ですらこれに対してはいろいろと融資の問題は渋る傾向があるわけです。少なくとも中小企業の方々は、市中銀行では、相互銀行あり、いろいろとございますけれども、最後にたよるところはやはり政府系の中小企業公庫、これをたよって、何とかここで切り抜けようと考えまするけれども、これに対してはその政府系の金融機関すらも冷たい目で、なかなか金融がむずかしいという状況が今日の状況じゃないかと私思います。せめてこういう政府系の金融機関ぐらいは、この弱小の中小企業に対して、もう少しあたたかみというものを持って倒産を防止する、こういうふうなことが私はできないものであろうか、また、そういう点に中小企業庁としてももう少し配慮をすべきじゃないか、こういうふうに私思うのですが、この点はいかがですか。

外山弘中小企業庁次長

○政府委員(外山弘君) 政府系の中小企業向け三機関の運用が中小企業の資金需要に十分対処していかなければならないという点は、御指摘のとおりだと思います。しかしながら同時に、まあ政府系金融機関としては、金融ベースと申しますか、金融機関である以上、貸し出し先の企業の経営につきまして一つの考え方をもちまして金融ベースに乗る範囲で融資をしていくということとがたてまえでございますし、したがいまして、そういった点に非常に問題があれば、勢い消極的になる場合もあるかと思います。しかしながら私どもといたしましては、政府系三機関の運用が他の市中の金融機関と全く同じになるというふうなことでは、これは何にもならない。やはり中小企業者の立場に立ちまして政府系機関としてのできるだけあたたかい配慮をするということ、こういうことが大事だと思います。したがいまして、御指摘のような御趣旨は十分今後の指導にも生かしてまいりたい、こういうふうに考える次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 いま次長から御説明がございましたが、私一つの例をあげてみますると、たとえば通産省の御指導によってできましたバナナの輸入組合がありますが、これは御承知のように昨年非常に赤字欠損というものが続いたわけなんですね。しかもそれが七月の下旬から十二月の中旬までずっと赤字が続いたわけです。これは業界全体がそうなんですが、そうしてこれが倒産寸前というところに追い込まれまして、いろいろと苦境に立ったわけですが、今年になりましてから若干これは持ちこたえができて、だんだんともとに回復してくるだろうというふうに私思うのですが、しかし、それでも資金的には非常に困っているわけですね。昨年の赤字が続いたことによって資金的には非常に困っておる。で、何とかこれに対して資金繰りをしようということで、そうして融資をお願いにいく。そうすると、これは銀行はもちろん、政府系の金融機関も非常に態度が冷たい。ここで何とか融資ができればこの苦境を切り抜けることができるという自信を持ってそういう申し入れをするわけですけれども、それに対してまことに冷たい関係があります。やはりこういうふうなものに対しても、あなたのほうとしても何とか配慮をして、そうして少しでもめんどうを見てやるような方法というものを講じていかなければならぬと私は思います。そういうことについてはいかがですか。

外山弘中小企業庁次長

○政府委員(外山弘君) 御指摘の問題は、おそらく運転資金の問題だろうと思います。運転資金ですと、御承知のように普通の中小公庫では本来設備資金が主でございますので、設備資金に関連した増加運転資金ということが直接融資の対象になっておりますし、あるいは代理貸しでございますと一千万程度のワク内にとどめるというような制約がございます。一方、商工中金はかなりの運転資金を出しておりますが、これはわりあいに長期短期含めまして中小企業の実情に沿うよう運用されているというふうに考えておる次第でございます。いま御指摘の点がどういう事情でうまく進まないのか、その点はさらに調べてみないと私もちょっとわかりませんけれども、先ほど申しましたような趣旨で、私どもとしましてはできるだけ中小企業者の立場に立って配慮をするように指導してまいりたい、こう考える次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 大蔵省の中橋審議官が出席されておりますから、二点ほど私お尋ねして、帰っていただいてもけっこうだと思うのですが、いま私が中小企業に対する金融面で非常に苦しくなって、特に倒産寸前にある業界に対する金融関係が非常に冷たいという点を質問申し上げておりましたが、特に外国為替銀行ですか、外為銀行を兼任しております都市銀行ですね、この都市銀行なんかは特に冷たい状況じゃないかと思うのです。昨年あなたも御承知のようにバナナ業界が七月以降ずっと十二月まで赤字赤字で、入れば、そこでもう一かごに対して五百円なり、ひどいときには八百円という欠損なんです。原価より卸を安く売らなければならないという状況で、欠損がずっと続いてきておる。そういうときにあたりまして、特に都市銀行は、うわさがずっと新聞なんかで出ますと、もうとたんにきびしくなってくる。これはそういううわさが出れば、金融面でぐっと締められるとますますこれ倒産というのが早まる危険性があると思うのですが、この点、あなたも十分御承知だと思います。しかし他方におきまして、総合商社だとかそういう大企業に対しましては、これ比較的金融引き締めだといいましても、余裕を持って融資をするというのが今日の私は都市銀行としての方針じゃないかというふうに思うのですが、私は、やはり日本産業全体からいきまして、大企業はみずからの資金でも、これなんとかやり繰りすることもできますし、そういうものには幾らでも銀行は貸すけれども、中小企業に対しては、一つ何かマスコミなんかで報道されると、すぐ金融関係は中小企業に対してきびしくなってくる、ここに私は一つの矛盾があるのじゃないかと思うのですが、苦しければそれを助けるということがやはり倒産を防ぐことになる。しかし金融業者は、これは業でございますから、あぶないやつには貸さないというのがたてまえかもしれません。しかしそんなことをしておりますれば、私は中小企業はますます生き伸びていくということがむずかしくなってくると思うのですが、この点、私は金融についてはしろうとでございまするからお尋ねするのですが、大企業と中小企業との融資の比率といいますか、歩合といいますか、非常に私は矛盾があると思うのですが、この点はどうしてこういう矛盾があるか、ひとつ教えていただきたいと思ってきょうは質問しているわけですが、御答弁をお願いします。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 中小企業に対する金融が円滑でないのではないかという御指摘でございますが、いま日本の金融機関全体の貸し出しの中で、中小企業に対しまして約四七%くらいのシェアでもって貸し出しが行なわれておるのが概況でございます。その中で、もちろん先ほど中小企業の次長のほうからお話がございましたように、いわゆる中小企業の三機関と申しますか、国民、中小、商中というようなものもかなりのウエートを占めております。しかしまた、一般の金融機関、都銀以下各種の金融機関がございますけれども、それが中小企業に対しまして貸し出しをしておる金額は、総体的には非常に多い額にのぼっております。かてて加えまして最近の傾向を申し上げますと、この十年間を振り返ってみますと、実は先ほど御指摘のような都銀の預金のシェアというものがかなり落ちてきております。それを補ってどこがふえてきておるかと申しますと、信用金庫とかあるいは相互銀行、郵便貯金その他のところがその分を埋めておるという形でございます。特にその中でも信用金庫、相互銀行等のいわゆる中小企業への金融を本務としております金融機関の資金量というものが最近非常にふえてきておることは御承知のとおりでございます。そういったところがらもかなり中小企業に対しましての融通ということが行なわれておる。反面申せば、最近資金が偏在であるといわれておりますのは、都銀筋におきまして最近十年間に約一〇ポイントぐらい資金量のシェアが落ちておるわけでございます。いわゆる大企業に資金供給をいたさなければならないといわれております都銀筋において資金がかなり落ちてきているということは、反面非常に中小金融を旨とする先ほど申しましたようなところにかなり資金が流れてきておるということでございます。それから都銀の中におきまして、それでは非常に大企業偏重ではないかという御批判、これは確かにございます。ただいま御指摘のこれらの業界におきまして、私つまびらかにいたしておりませんけれども、大企業、中小企業といわず金融の調整下にございまして、どこの企業でも金詰まり金詰まりという声が強かったわけでございます。必ずしも中小企業だけに金融が片寄って窮屈であるという事情ではなかったかと思いますけれども、おっしゃるように、やはり何といいましても個々の金融機関が企業に対しまして融資をいたします場合には、従来からの取引関係だとかあるいは企業の信用力というものを個別に判断いたしましてコマーシャルベースでやるのが常でございますがおっしゃるような点、中小企業を忘れておるんではないかという点は、常々私ども心に刻みながら金融機関に対する指導をやっておるわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 もう一つお尋ねしたいことは、大企業に対してはいま申しましたように非常に潤沢に融資いたしますね。ところが中小企業になりますと担保設定が非常にやかましい。で、また十分に担保を設定しなければなかなか融資を受けるわけにいかない。担保というものは一体基準があるのかどうか。いわゆるこの限度ならこのくらいとか、ある銀行によってはもう融資をする何倍かの担保を入れなきゃならぬというふうなことも私しばしば聞くわけなんですが、もしそういう担保設定にあたって担保の基準というふうなものが明確にあるのかどうか、そういう点、ひとつ御説明していただけませんか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 銀行その他の金融機関が融資をいたします場合に、元本の保証といいますか、そういうもののために担保を取ることは御指摘のとおりでございます。その担保をいかように取っておるかというのは、まさに個々の金融機関と一つ一つの取引先の交渉でございまして、金融機関といたしますと、実はいまお尋ねのような明確な基準というようなものは持っておりません。個々の取引先の信用状況によりましてどの程度の人的な保証を取ったり、あるいは物的な担保を取ったりすればいいかという判断をいたすわけでございます。もちろんその物的な担保を取る場合におきましては、掛け目というものがございますから、時価と思われるものに比較いたしましてここに若干のアローアンスを取るということ、これは大体どこの金融機関もやることでございますし、税金の徴収面におきましての担保というものはやはり七割とか八割とか、その辺に少し変動がございますけれども、そういう掛け目というところにおきましては大体そういう一般的な余裕を設けるということはたしかでございますが、具体的に個々の金融機関におきましてどの程度の担保をどんな形で取ったらいいかということは、全く個別の判断で動いておるようであります。  最後に、御指摘のように何倍も担保を取っておる例でございますけれども、実はそんなものはあまりないのではないかと思っております。もちろん貸越契約なり根抵当を設定いたしますれば、現在の貸し出し金額に比べてかなり多いと一見思われるような担保を取っておることはございましょうけれども、そういうものを除けば、たとえ相手が非常に信用力が薄いというところにおきましても、貸し付けております元本なりそれから派生いたします利子なりを償うに足るものの担保は取るものでございまして、また、そうなくてはなりませんから、私どものほうで個別の金融機関を検査いたします際に、そんなむちゃな担保を取っておるというものがございますれば、もちろん指摘をいたします。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 次に、バナナ輸入組合の問題についてお尋ねいたします。  かつては、バノコンといえばもうもうかる親玉みたいにいわれておりましたが、昨年八月以来、やればやるほど欠損するというのがバナナ業界の状況でございました。これは安くなることはいまの物価対策上から言えば非常にけっこうなことだと私は思いますが、物がすべてどんどん高くなるのにバナナがどんどん安くなるということは、片方が高くなるのに片方が安くなるということは、需要者にとって非常にけっこうなことだと思います。しかし、業界が大きな赤字を抱えながらやりたくなくともやらなきゃならないという矛盾があるわけです。これは輸入割り当てでどうしても入ってきたらこれを取らなければならないというところがある。しかも、これはかつては自由化になったわけでございますけれども、輸入秩序が乱れるということで通産省の御指導によって輸入組合というものがつくられたわけなんです。そうしてこの輸入組合がつくられました当時には七百ぐらいの業者が加盟しておりまして、それでもいけないというのでさらにこれが二百何十社に整理されました。それでも中ではまだ混乱が続いておるしかも、昨年は御承知のようにいわゆる原価の半額でおろさなければならないというふうな結果が出てきたわけなんであります。そこで、一体なぜこういうことが起こったのか、これは輸入過剰ということになりますけれども、これは順調にこなかったから、それから八月からしわ寄せがきたということも原因でございましょうけれども、それだけでは私はないと思う。こういう業界に混乱が起こって、バナナ専業者はもう倒産するのではないか、いまか、いまかといってびくびくしながら業務を行なっていくという状態が私は続いたのではないかと思います。一体ああいう混乱の一番大きな原因というものはどこにあったのか、この点まずお尋ねいたします。

佐々木敏通商産業省通商局次長

○説明員(佐々木敏君) ただいま先生からお話しございましたように、バナナの輸入業界が昨年七月以降非常に過剰輸入をいたしまして、その結果年末ごろにおきまして非常な赤字を発生したわけでありますが、お尋ねの、最大の原因はどこであるかということでございますけれども、まず一般的にはここ数年来バナナの仕入れ先が台湾以外、中南米、フィリッピンその他非常に分散化といいますか、多様化いたしまして、それぞれ供給圧力が非常にふえてきたということが一般的にはまず言えるかと思います。それともう一つ、先生のお話にもございましたように、輸入業者の数が一時ほどではございませんけれども、依然としてまだ相当多数存在いたしまして、やはり輸入業者のある程度の思感的取引というものも現在いなめない事実でございます。それともう一つは、バナナの需要が、申し上げるまでもなく国内果樹との競合等がございまして、なかなか正確な需給見通しがつかめない、業界全体におきましても、また個々の輸入業者におきましても、そういった需給見通しの策定がなかなかむずかしいということで、時には見通しがはずれるというようなことが一般的にはあろうかと思います。しかし今回、昨年後半の過剰輸入につきましては、そのほかに特に一昨年の台湾におきまして九月と十月に台風がございまして、その打撃で、台湾のバナナの輸出最盛期が、申し上げるまでもなく例年四月——六月でありますけれども、非常に昨年四月−六月の台湾の輸出余力が壊滅に瀕しまして、それが七月以降回復して日本に輸入されてまいったわけでありますけれども、その最盛期の出荷のズレといいますか、ズレの見通しにつきまして、業界筋におきましては、七月以降台湾から相当入ってくるというような見通しが十分立てられなかった。そのために七月以降につきましては、中南米からも非常に大量に契約を結びまして、中南米からも大量に入ってきたというようなことがある。しかし、現実には台湾も七月以降回復しまして相当入ったわけでありますけれども、その両地区からの輸入数量がダブりまして、昨年八月以降十一月ごろまで、前年の七割ぐらいの輸入量の増加であったわけであります。その結果、過剰輸入として価格低落というものが特に昨年は大きな原因として存在した、かように考えている次第であります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 いま御答弁ございましたけれども、私はもっと原因があるんじゃないかと思うのです。通産省で輸入秩序が乱れるからというて、台湾の輸入に対しまして、自由化になったやつをもう一ぺん組合をつくって、そして割り当て制度をとられたわけなんですね。他方、南米、中南米バナナはどうかというと、これは自由化で放任されているわけなんです。台湾から入るのだけでございますならば、私は今度だってあんなに混乱は起こらないと思うんだけれども、やはり一方、割り当てのない南米バナナ、エクアドル、どんどんどんどん入ってくる、そこに私は問題があると思うのです。これは私が昭和四十三年に本委員会でやはりこの問題を取り上げまして、なぜこの台湾だけが割り当てで南米のほうが自由化されておるか。やがては全般的な自由化ということを見通して南米を無理して入れておるというのが当時の現状であろうと思うのです。これは南米をやっておるのは特に日本の総合商社、いわゆる貿易関係では大企業のほうが中心でこれをやっておった、それあなた御存じでしょう。特にこの中心になっておりますのは、その後いわゆる極東フルーツ株式会社を法人組織で日本につくった。これにはアメリカで、いや世界で一番の業者であるユナイテッドフルーツ、これと日本の三井、三菱、兼松江商、東食、丸紅飯田、これらが組んで極東フルーツ株式会社を日本に設立しておる。これは直接輸入でなくして、いわゆるユナイテッド株式会社は日本に会社を持っておりまして、それに輸入してこれらにまた売ると、こういう仕組みで、いわゆるユナイテッドだけがもうけておるというような大企業中心で南米のほうから輸入しておる。もう一つは、伊藤忠とそれからスタンダードフルーツ株式会社ですね、これとが長期契約をいたしまして、これまた日本にどんどん、どんどんと輸入してくる。さらにスタンダードと伊藤忠は、フィリピンのミンダナオに大きな農場を設けた。昭和四十三年のときには、まず苗床を確保して、苗を植えつけたということを私聞いておりましたから、当時私は、こういう状況でいくならば、やがて南米バナナはどんどん、どんどん輸入される。そうすれば国内の輸入秩序というものは当然混乱してくるのではないか、だから放任すべきではない。やはりこの輸入組合は、台湾の輸入を割り当て制度にしておるこれと同じような取り扱いをしなければ大きな混乱が起きてくるのではないか。こういうことを私当時質問いたしました。前任者の楠岡次長はそのときに、まあそんなにたいしたことないでしょうと、こう言っておりました。しかし、この表を見れば、四十三年以後というものはずっとふえてきておるのです。南米それからフィリピンもふえてきている。どんどんどんどん、現実に量産ができ輸入は増大し、それが昨年台湾バナナの輸入の期間がずれたといたしましても——ずれなくても、私はこういう混乱が起こったと思うのですが、あなたそのことをいま言われなかったので、これは意識的かもしれませんけれども、私は、最も大きな原因というものはここにあるのではないかと思うのですが、あなたはどうお考えになりますか。

佐々木敏通商産業省通商局次長

○説明員(佐々木敏君) 先生の御意見の御要旨は二つあろうかと思います。一つは、大手の輸入商社、総合商社等が各地区の産地に進出いたしまして、台湾以外のを非常に大きな比率で今後自由に輸入してくる。それが国内の需給を乱すであろうという御趣旨。もう一つは、台湾だけにつきまして割り当てをしており、一応これは両国業者の協定でありますから、一応取りきめいたしました数量は大体そのまま引き取っておるというのが現状でありますが、一方は自由にし、一方は引き取る義務でもありませんが、お約束どおり引き取っておるというようなことにおいてまた国内の需給を乱すと、二点あろうかと存じますが、まず第一の大手の商社、お話のごとくここ数年、中南米とかあるいは特にフィリピンとか、いろいろと大手商社が、最近における国際的なバナナの生産、販売取引というような傾向に沿いまして進出し、場合によっては合弁会社をつくって輸入をやっておるわけでありますが、まだ実は現在までのところ、その大手の比率はそれほど大きくはございません。正確な集計ではありませんけれども、まず台湾は、現在御承知のように二百四十八社組合に入っておりまして、取り引きをやっておるわけでありますが、そのうちの大手十社、上位の十社を集計いたしますと四十四年で全取引の二二、三%というような数字になっております。また中南米のうち特にエクアドルにつきましては、御承知のように九団体、九グループが取引をいたしておるのでありますけれども、そのうちで大手の総合商社を中心にいたしますグループ四つございますが、その四つの取引は、昨年におきまして合計で五一%であります、しかし、その中心になっている大手のグループのうちには、それぞれ中小の輸入業者が参加いたしております。したがいまして大手だけ、四社だけで考えますと二一%というような数字になっております。もちろんそのほかにチキータ関係あるいはフィリピン関係は先生おっしゃるようにすべて大手が取引をいたしております。しかしまだチキータ、フィリピンの比率は昨年におきましてはそれほど大きくないというのが現状であります。なお、国内の大手の商社が参画いたしまして国内の価格形成等に、そういった面で考えますと、申し上げるまでもなく同じ品質につきましてはすべて浜相場で統一的に価格が形成されますから、大手の価格支配力というものはなかろうかとかように考えます。それともう一つ、台湾だけに輸入規制をやっている、他の地域は自由であるという問題でありますけれども、この点につきましては、台湾の取引はトータルの数量を制限するものではなくて、それぞれ輸入業者、個々の輸入業者のいわば輸入秩序維持という観点であります。したがいまして、先生がおっしゃるように他の地域が自由であり、台湾だけを規制しておる、その関係から合わさって国内需給を乱すというようなことはなかろうかと私考えておる次第でございます、

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 この表を見ますと、四十三年以来——四十三年はフィリピンはこれはわずか五千五百十五箱と、非常に少なかりた。しかしエクアドルはその当時五十四万五千二百で非常に率としては当時少なかったんですが、四十四年、四十五年とこうなってまいりますると、昨年などは特に台湾が四百七十一万ですね、これはキロ数が違います、南米のほうは十二キロ、台湾が十五キロですからキロ数が違いますけれども、四百七十一万箱。いまかごじゃなく箱ですね。一方エクアドルの輸入量を見ますと千三十二万箱、さらにチキータは二百三十五万、フィリピンはそんなことはないと楠岡前次長が言われましたけれども、昨年は百二十万箱以上になっているんですよ。台湾と比較しますと昨年はうんと多いんじゃないですか、南米その他が。それで、いまあなた言われましたとおりなんですよね。じゃ南米全部を大企業がやっているかというと、そうじゃない。しかし、大企業がなぜこの南米に目をつけて最初やり出したか。大企業がやり出したから輸入組合のほうに加入しておる業者も無理して南米から輸入をしたというふうなことが起こってきた。これがどんどんといけば、やがては昨年のような状況で業界が赤字赤字で成り立っていかない。専業業者はこれしかたよるところがないから、これに一生懸命にしがみついてやらなきゃならぬ。ところが大企業は、他にいろいろ持っておりますから、バナナは一部分としてやっておるわけなんですね。しかし自由化になればそれまでにもう小さいのはつぶれていくだろう。そうすると、あとは自分らの独占場になるという一つの展望の上に立ってこの南米バナナの輸入ということに拍車をかけていると私たちは思うのですね。といたしますれば、やはり今後も私はこのままで放任していけば南米バナナはどんどんと入ってくる。特に昨年の四月からことしの二月までのこれを見ますると、すごい、毎日何ばいかの船が南米から続々入ってくるわけですね。そこで、やはり入るたびに業界は赤字を覚悟でみんな営業していかなければならぬ。こういうところにいま追い込まれているわけなんです。やはりその点、輸入組合をせっかくあなた方の御指導でつくられて、そしてその輸入組合がいま倒産の危機に立たされておる、こういう状況なんです。あなたのほうの御指導というものが私は何だかおかしいのじゃないかと思うのですが……。まだ私詳しくほんとうは申し上げたいんですが、時間がだんだんきますから、あまり詳しく申し上げられませんが、やはりそこに私は通産省のバナナ業界に対する指導というものが欠けておる、こういうふうに思うのです。が、この点どうですか。

佐々木敏通商産業省通商局次長

○説明員(佐々木敏君) 先ほども申し上げましたように、今回の過剰輸入は、一般的にはバナナにつきましては、ある程度ある現象でありますが、特に昨年におきましては、先ほど申し上げましたようなきわめて異常な状態であったのであります。特に台湾産の輸入が一昨年までは五〇%以上であったのが昨年は二五%程度というふうに、極端に小さな数字になってしまったのでありますが、ただ今後は、一昨年のような台風等の極端な異常事態がなければ、私どもの一般的見通しでは、台湾産のシェアはやはり四〇%程度で落ちついていくであろう、ここ当分はそのように考えておるわけであります。したがいまして、やはりバナナ輸入組合の本来の目的であります輸入秩序の維持というような方向につきましては、今後とも私ども極力行政指導をしてまいりたい、かように考えます。なお、台湾以外の自由な地域につきましての輸入につきましても、業界の自主的な努力によりまして秩序ある輸入ができますよう、いろいろとその行政面におきまして指導してまいりたいと思います。具体的には、通産省といたしましては、現在産業構造審議会、このうちに輸入動向委員会を置きまして、バナナにつきましても長期的、短期的のこの需給見通しを分析検討をいたしております。また、関係業界とも数次にわたりまして、現在正確な需給見通しなり国内の流通対策なり等につきまして、通産省並びに農林省が御一緒に現在検討し、指導しておる次第であります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 やはり通産省の御指導でこの輸入組合ができた。その輸入組合がいま金融で非常に行き詰まっておる。それは昨年の赤字営業でありまするから、これは金融に行き詰まっているのは当然でございます。しかもこの業界全体が昨年関税を払ったのは三百十一億という関税を払っているわけなんですね。そうして一方、金繰りに因って当座の問題を何とか切り抜けようということでいろいろと四苦八苦しておられる。そこで、先ほど私が中小企業庁のほうに御質問したように、金融の道が非常に狭められてきた。そこで、最後にもうたよるところは政府系の金融機関であると、こういうことで、それに対して設備をしたやつがあるものだから、設備資金ということで、それで借り入れの融資の申し入れをやった。申し入れしたときには、前にもそういう取引がありまするから、ええよろしいと、こう言っておられたけれども、昨年の業界が非常に悪いということで、これは業界が営業面であまりいまよくないから、しばらくお貸しすることはできませんと、こういうふうな冷たい態度に出られる。こうなると、一体輸入組合の業者たちはどこをたよりにしたらいいかということになってくるんですよ。そうでしょう。通産省が指導してつくられた輸入組合でございますし、それが金融上で困っておるときに、政府系の金融機関に頼みに行けばそこで断わられる。一体どこをたよりにしたらいいかということで、非常にいま業界全体が困っておられるんだから、これらに対する金融の指導というものを一体どういうふうにあなたのほうは考えておられるか、この点お尋ねいたします。

外山弘中小企業庁次長

○政府委員(外山弘君) このバナナ輸入組合の件でございますので、その実情につきましては通商局からもよく聞きたいと思います。それからまた、それがどういうふうな理由で金融機関の窓口で問題を起こしておるのか、その辺もよく確かめてみた上で、私どもとしてもしかるべく適切な指導をしてまいりたい、こう思います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 やはり次長さんに私お願いしておきたいことは、輸入組合の業界のほとんど全部が困っておるんですよ、金融の面で。だから、そういう点をもう少しあなたのほうで、せっかく通産省の御指導でつくられた組合の方が倒産寸前にあるというときに、そしてここでこの窮場をしのげば、また立ち上がりができるという状況にあるんだから、そういう点をひとつ十分に考えてやっていただきたいと私注文しておきます。  時間がございませんから、最後に通産大臣に。これは最初お尋ねするところでございますが、先ほどちょっと申し上げましたけれども、最近になって日銀の公定歩合を引き下げたといいましても、一昨年の九月以来政府のとってまいりました一連の金融引き締め政策によりまして、現在のような長期にわたる景気停滞というものが続きますならば、やはり弱小の中小企業というものは相当数の倒産が出てくるんじゃないか。昨年の一月とことしの一月を比較いたしてみましても、相当ことしのほうが多い。で、一番倒産のあぶない時期というものは、あなた自身もよく知っておられるように、十一月、十二月で、その月によくつぶれる。そうして一月は少ないわけですね。先ほどの経済企画庁の統計を見ますと、昨年五百何件といりのが、ことし八百何件というような件数にのぼっておるわけです。そうして三月というものは決済期でございますから、三月にもう一ぺん波がさますね。これは毎年の例でございます。そうすると三月にもう一ぺん波がくる。三月はもう来月なんですね。一体こういう状態というものがいつまで続くのか。三月、四月、五月、これは毎年あぶない時期なんです。私は、ことしは昨年よりもっときびしい倒産状況というものが出てくるのじゃないかと思っておるのです。通産省は、いつも中小企業が倒産してからわいわいと、あれは中小企業のやり方が悪かったとかなんとか、こういりふうなことをいつも言われるけれども、私は、やはり倒産してから対策を立てるのじゃなくて、倒産を防止するために対策というものが必要じゃないか、こういうふうに思うのです。で、一体景気立ち直りの見通しというものはあるのかどうか。そうして、もしそういう倒産状況が出てきた場合に、通産省はそれに対して倒産を防止するために一体どのように対策を立てていくか。そういう面のひとつ大臣からはっきりした見通しをお聞かせ願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年、昭和四十五年の当初におきまして、大体景気の動向がわかっておりましたので、こういうときには、ともすれば下請あるいは中小へ金融のしわが寄りやすいということを考えまして、ちょうどいまごろでございましたかと思いますが、産業構造審議会で各企業の改備投資動向をとりましてチェックをいたします。てのときに、特に資金源について十分に聴取をして確かめておくようにということを申しました。と申しますのは、しばしば銀行借り入れというよりなことを申しておきながら、それがそのとおりいきませんと、下請なりなんなりにおっつけてまいりますから、そういうことを防ごうと考えたわけでございます。ある程度その配慮は効を奏したと思っておりますけれども、何ぶんにも金融引き締めがかなり長うございましたので、ただいま近藤委員の言われますようなことが、ほんとうに昨年の夏以降、秋ごろから顕著になってまいっておると思います。ただいまもまだそれが続いておるというふうに私どもも考えておるわけでございます。  そこで、昨年の十月でございましたか十一月でございましたか、年末から年度末にかけましての三公庫の金融につきましては、特にかなりの割り増しをいたしまして対処をいたしました。そういう準備は、したがって、ただいま態勢としてはできておるわけでございます。何ぶんにも金融引き締めが長うございましたので、一月にも御指摘のようなことがあらわれまして、まことに遺憾なことと思っております。  それで、どういう見通しかと言われますが、三月末というのは私どもの資金手当てとしてはまずまず通常以上のことができておると考えておりまして、四月になりますと、本年は公共投資、公共事業のスタートを比較的早くさせたいと考えまして、すでに政府部内でも準備をいたしておりますので、まず年度がわりあたりからは多少公共投資あるいは財政のほうから落ち込みを是正するような形でいけるのではないだろうか。かたがた公定歩合を引き下げまして、日銀で窓口指導を、ポジション指導をやめましてから、まあ初夏にはほぼ半年になりますから、通例の経験で申しますと、そのころにはまず末端までほぼ金融の正常化が及ぶ、そういうことであろうかと思いますので、この三月を越せましたら、四、五、六と、まあぼつぼつ正常な状態に戻れる。今年一ぱいの景気動向ははっきり読み取れないところでございますけれども、少なくとも上のほうの金詰まりが企業間信用等々で末端を苦しめるという現象は、もう一、二カ月で大体終止符を打つことになるのではないかと思って見ております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 最後にお尋ねいたしますが、昨年来の繊維の規制問題では大臣も相当苦労されております。そこで、やはりあの問題で特に私どもは郷里が産地でもございますし、機屋も相当数ございまして、もういまひっそりしたような形で、産地では、一体どうなるだろうかというような心配と、それからもう機屋もそれから産地も羊毛関係でも、相当手控えてやっておる。それともう一つは弱電メーカーですね、これもいろいろと昨年はああいう問題が出てまいりまして、特にカラーテレビの問題等から発しまして、もう工場を閉鎖したという工場もございますし、また公害問題で弱小の小さな経営者は、もう自分のところの公害を防止する方法は自分のいまの資金力ではできないのだというようなことで自殺までした例が岐阜でもございました。こういうことで、中小企業は現在非常に苦悩しておるのですね。いろいろな面から圧迫され、そして自立ができないというようなことで非常にいま困っておる。特に名古屋周辺のモザイクタイルでも、先ほど申しましたように休業しておるというふうな状況もあるし、私は中小企業がやはり今年相当大きな被害を受けると思うんですが、やはり私は中小企業が倒産してからではおそいと思いまするから、景気の回復を待つということもあれですけれども、やはりそれまでの間に、中小企業を倒産させない、それを防止する、こういうことにひとつ重点を置いて少し考えていただきたい、私はこう思うんです。以上で私は質問を終わりますが、その点よろしく御配慮を願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 十分配慮をいたしてまいりたいと思います。     —————————————

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 委員の異動について報告いたします。  本日、近藤英一郎君が委員を辞任され、その補欠として渡辺一太郎君が選任されました。     —————————————

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 きょう大臣にいろいろとお尋ねをしたかったんですけれども、時間の関係で間引き質問みたいな形になりますかもしれませんけれども、したがって、関連性を欠く面が出てくるかもしれませんが、その点はひとつあしからず御了承願いたいと思います。と同時に、時間がありませんので端的にお尋ねいたしますので、また端的にお答え願いたい、そうしてしかも明快に。まず最初にお願いをしておきます。  いまの大きな問題として原油問題が取り上げられてきておりますけれども、国際石油資本とわが国の石油業界の間で原油価格交渉が行なわれているわけですね。で、それに対する現状それから経過、こういったものについてひとつお答えをいただきたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 先般産油国であるOPECと産油会社との間で、アラビア湾岸六カ国の間で価格の妥結がきまりました。その妥結に基づきましてアラビア湾岸で産油をしておる会社から日本の石油会社のほうに値上げについての甲し入れがぼつぼつ参っております。これに対しまして、御承知のように値上げ幅が非常に大きいと、したがって、それぞれの石油精製会社としてのこれを受ける力がないという事情とからみまして、現在石油精製会社は窓口を一本化しまして国際石油会社のほうに対して価格についての再考慮を求めておる段階でございまして、昨日始めたばかりでございまして、まだ返事は参っておりません。かような段階でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 このメージャーズの通告によりまして二月十五日にさかのぼって一バーレル二十八セントの値上げ、こういうふうに言ってきているわけでございますけれども、これは不当な価格と私は言う以外にはないと思うのですけれども、この値上げは。で、これに対する大臣のお考えはいかがですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 従来わが国は比較的じょうずな石油の買い方をいたしておったと思うのでございますが、したがって、値下げといったようなこともございました。昨年の暮れには値上げもございましたけれども。そこで、そんなこともありまして、いわゆるメージャーズとわが国の精製業者との間の価格のやりとりというものが非常に厳格な意味での契約のような形に必ずしもなっておりませんで、いままでですとそれでもたいした支障もなかったわけでございましょうが、ここでいろいろ基調的にマーケットが変わってくるということになりますと、いやしくも消費者の都合を考えずにかってに値段をきめて、それをそのまま押しつけてくるというようなことは、私は常識に合わない、いままでの常識には合っておったかもしれませんけれども。これから基調が変わるとなれば、こういうことを当然だと考えてもらっては困るということが私がメージャーズに申したい点でございまして、そういう意味で、ただいま局長が申し上げましたような交渉を政府としてもできる限り支援をしたいと思っておるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうしますと、いま大臣がおっしゃったように、メージャーズに対してそういった姿勢を今後通産省としては、政府としては、明らかにしていくということでございますね。それと同時に、この価格については不当であると、したがって、今後政府自体がこの問題解決に乗り出していくんだと、こういうふうに解釈していいですね。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いままでの慣習、それから現実の力関係等々の問題が、ございますから、結末というものはなかなか容易ならぬことと思いますが、このような方式が今後続いていくことは、世界第一の輸入国としては少なくとも文句があるということを、この際メージャーズのほうに、はっきり申しておきたい、こう考えております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ちょっとここ大事なところだと私は思うのですね。私は、大臣がそういうふうにお答えになる、いわゆる政府の干渉といいますか——これは語弊があるかもしれない、干渉と言うと——メージャーズまかせでなくて、今後は政府がこのメージャーズに対してもその価格の引き上げの率ですね、あるいは上げさせないという、そういう方向に政府が積極的に、ことばの上でこういうふうに言ったというだけのことでなくて、実際にそういう姿勢を明らかにしていくんだという、こういうことなのかどうかということなんです、私の聞きたいことは。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日も精製業界とメージャーズの代表との話があったわけでございますけれども、そのときに私どもは精製業界を通じて、日本政府としてはガルフとの協定をそのまま日本に押しつけてくるというような態度は賛成でないということを表明をしてもらっておるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 その辺のところはわかるのです。私のお聞きしているのは、ですから、いままでは元売りまかせであった。元売りとメージャーズとの関係でこういった問題を解決していたんだということですね。だが、それじゃ解決しようがない。まあ、あとからいろいろ出てきますけれども。そこで、やはり政府のそういう姿勢は、極端な言い方をすれば誤っておる。政府がみずから乗り出して、それでこの問題解決に積極的に取り組むんだ、こういう姿勢を今後示していくのかどうかということを私はお尋ねをしたいわけなんですよ。そこのところを、先ほども申し上げたように、ひとつ端的に明快に。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまのところ政府が直接に乗り出そうという考えはございません。ただ、こういう交渉について、できる限り支援をしていこうという態勢でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうしますと、いままでのメージャーズとわが国の元売りの間でいろいろな契約が結ばれてきた、そういった点について通産省はどの程度把握してきているんですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) われわれとしては契約の基本的な問題で、原油の買い取りについて価格がコンペティティブリーであるとか、あるいはどういう相手との取引をしておるというふうな、きわめて基本的なことは承知いたしております。しかしながら、油種別にどういう価格を立てて、油種別の購入をどうするというようなこまかい具体的な点については、われわれはいま現在は承知いたしておりません。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうしますと、原油の購入契約が、いままで企業機密であるとかなんとかいわれてきておりますけれども、行政官庁の通産省がそういった点を握っていなければ、私はいろいろと問題が起きてくると思うのですね。そこで、これは私はかえって行政の怠慢じゃないか、そこのところを握っていかなければ……。この点をどうお考えですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 具体的な油種別の価格、あるいはその取引の時期、入着の時期というふうなこまかい点についてとらなくとも、総体としていつの月に幾らの原油が入って幾らの処理ができるということを承知いたしますれば、需給の実態に即した生産ができるかどうか、そして需給に逼迫は生じないかどうか、供給過剰にならないかどうかという点は判断できるわけでございますので、現在の石油の行政のやり方といたしましては、その程度基本的なものを見まして入着の総体を承知しておるということでやってまいれたわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 まあどの程度輸入を行なえば国内の石油事情がどうであるとかこうであるとかということ、それはわかると思いますよ。だけれども、たとえば契約の実態、たとえば二十八セントの値上げという、それがどういう内容であるかということは皆さん御承知のとおりだと思います。そこで、そういう、言うならば不当な契約内容、そういったことについて、じゃどうやってそういう点を、結論的に言うならばチェックするか。そしてチェックすることによって是正ができるわけですから、そういったことはわれわれは全然わからないものだという、いままでのお話だと、姿勢だというのですね。そこで、いま言ったように、二十八セントの通告はこれは不当であると私は申し上げたい。その点については大臣もある程度認めていらっしゃると思うのです、先ほどの答弁でそこで、これはイギリスとの通商条約でございますけれども、これによりますと、こういうふうにありますね。「相互の貿易及び通商関係を一層円滑にし、かつ、拡大することを希望し、並びにそれぞれの国民及び公社が公正かつ衡平な待遇を引き続き享受することを認めることを希望して」云云、こうあるわけですよ。ということは、先ほどから言っているように、メージャーズが一方的か通告をしてくる、その内容は、まるっきりいわゆるわが国の元売りのほうにその負担をかけてくるということで、この条約にも反することですよ。そういう問題を、それではあなた方はどうやってチェックしていくのですか。この辺の関係はどらなりますか。わからないということは……。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 先にお断わりしておきたいと思いますが、二十八セントというのは総量で二十八セントという申し出があったということで、まだ二十八セントの内容について正式の文書による申し出がございませんので、石油会社もこの内容については承知していないというのが現段階の実情でございます。  それから条約の問題につきましては外務省か広も来ておられますので、そちらのほうから御見解をいただけたら適当だというふうに考える次第でございます。

小山田隆外務省経済局外務参事官

○説明員(小山田隆君) お答え申し上げます。  いま先生おっしゃいましたのは、日英の通商航海条約の前文でございまして、これは確かに「相互の貿易及び通商関係を一層円滑にし、かつ、拡大することを希望し」云々として、いろいろと想定してございます。この日英通商航海条約もそうでございますけれども、むしろ具体的に問題にできるとすれば、日米の通商航海条約の十八条という規定がございます。この十八条につきましては、これはいわゆるカルテル行為、制限的な商慣行についての規定なんでございますけれども、この趣旨は、競争を制限し、市場への参加を制限し、または独占的な支配を助長するような制限的な商慣行を放置しておいた場合には両国間の通商貿易の発展を阻害するような事態が起こり得るということを日米それぞれ相互に認め合いまして、そういった事態が生じた場合には、いずれか一方の国から申し出があった場合には、相手の国は協議に応じ、通商貿易の発展が阻害されることがないように適当な措置をとるという約束をしておる次第でございます。そこで、現在国内の石油業界と石油を供給している会社との間にいろいろ交渉が行なわれておりまして、事態はまだ流動的に動いておりますのでいまこの時点でもってこれが日英あるいは日米の通商航海条約違反であるということは言えない。現時点では言えないと思います。しかし、日本の石油業界と石油を供給する側との間に原油購入の契約がございまして、その契約の内容が石油を供給する会社側、いわゆるメージャーズのそれぞれの会社の側に有利であるというふうな内容になった場合には、そのことだけでは、この通商航海条約の十八条にございます両国間の通商に有害な影響を与えるということになるかどうか、これはそれだけでは即座には結論がつきませんので、この点につきましてはさらにいろいろなこと、つまり、石油を供給する会社の側で、はっきりとカルテル行為のようなものがあったかどうか、その辺も十分勘案しつつ検討する必要があると思っております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それで、あなたの話を聞いていると、いま私が言ったことは、そういったことは何ら関係のないような話のように受けとられますね。問題は、このいま申し上げた条約の内容、これはお互いに両国の問でどっちが損だとか、どっちが得だとか、そういう不公平のない均衡のとれた通商というものが行なわれる、そういった保障のためにこのようなものがあるんだと私は考えられるんですよ。そういう意味から言えば、いわゆる今度の、たとえば向こうでは二十八セントはきまったわけじゃないとかなんとか言うけれども、だけれども、ただそういった二十八セントという、言うならば押しつけみたいなもの、これがどういう内容になっておるのか、あなたは知った上でそう言っているわけですね。二十八セントというものが、その内容が、元売りだけで負担するのか、あるいはメージャーズも負担するのか、そういった内容がおわかりになっていらっしやるのですね。

小山田隆外務省経済局外務参事官

○説明員(小山田隆君) 私がいま御説明いたしましたのは、通商航海条約に違反するかどうかということでございまして、その関連でもって具体的に十八条との関係を御説明いたしましたので、もちろん日本とアメリカ、あるいは日本とイギリス、その他の国との間に通商を拡大するという方向でもって友好関係、協力関係を結んでいくべきであるということは当然であると思っております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ですから私が言っていることは、内容をよく検討すれば、これは一方的な押しつけという以外にないじゃないか、そういうことであるならば、これはああでもない、こうでもないと言ってみても、通商協定というものがどういう目的のもとにできているかという根本精神からいって、これは違反であるというふうに考えざるを得ないじゃないですか。その点はどうですか。一方的にこちらのほうに負担がかかってきてメージャズのほうは全然かからないという行き方は不均衡じゃありませんか。

小山田隆外務省経済局外務参事官

○説明員(小山田隆君) 通産大臣、本田局長からもお話がありましたように、いまこの問題につきましてはいろいろと話をやっている段階でございまして、通産省もそれから外務省もその話し合いの内容を注意深く見守っている状況でございまして、もちろん、われわれといたしましては、両国間の通商航海に関する利益がそれぞれ守られて通商が拡大するということを希望する、そういう線でもっていまの交渉を見守っているということでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それじゃ時間がありませんので、もう少しいろいろとその辺のところを詰めていきたいわけなんですけれども、時間の関係で次に移ります。  私は盛んに二十八セント二十八セントと言うわけです。通産省のほうではきまったわけじゃない、こう言うわけですけれども、とにかく一応私は二十八セントと言っているわけです。そこで、これがそれだけ値上げされた場合に、各種の油がどの程度上がるのかということを私は自分なりに試算してみたんですよ。それを一応申し上げてみますので、それに対する大臣としてのお考えをひとつお答え願いたいと思います。  まずガソリンについて、これはキロリッター当たり私の試算からいうと九百四十円ぐらい、それからナフサが五百十一円ぐらい、それからジェットが七百八十三円ぐらい、それから灯油が八百九十八円、軽油が七百七十五円、それからA重油が七百五十円ぐらい、B重油については五百四十四円ぐらい、C重油については四百八十六円。私が試算をした結果、この程度ではないか。平均すると六百三十四円ぐらい、こういうふうに結果を一応自分なりにいたしてみたんですけれども、これについてひとつ大臣いかがですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 各油に原油の負担がどうかかるかという計算であろうと思いますが、そのことと、今後どういうふうに振りかけるのがいいかという問題とか、いろいろ問題もあろうと思います。したがいまして、先生の御試算も一つの試算の方法によったものであるというふうに考える次第でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 あなたの言っていることも一つの案だろうという、そんなことをお答え願うために私はいま自分でわざわざ試算したわけじゃないんですよ。通産省はこうだと、それじゃ通産省はそういったことに対して——この原油問題が非常にいま紛糺をしておる中で、これが上がればどのくらい諸物価に影響してくるか、国民生活にどういう影響があるか、重大な問題じゃありませんかその肝心かなめの通産省がそのくらいのことを試算してあたりまえだと思う。自分たちの試算した結果と私が申し上げたことと合わせてどうだというぐらいの御答弁があってもいいんじゃないですか。どうですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いま私は精製業者に、そういう一方的な話は引き受けるなということをお話していますし、国内需要各層に対しては、こんな話には聞き耳を持ちなさんな、徹底的に話が出てきたなら抵抗なさいというふうに申し上げておるのでございますから、事務当局はきっといろいろ勉強はしておると思いますけれども、一切そういうことは申してはならぬということを私から申しておるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それじゃ、一切申してはならぬということは、こういう公の席では言えないということであると同時に、一応そういった試算をしてあるかしてないかわからないけれども、してあるとすればないしょでもってそういうものいただけますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いや、ないしょでもどうも差し上げるわけにもまいりませんが、いま局長が一つの御試算ではないかというふうにお答えいたしましたのは、これはさすがにお詳しい方の一つの御計算であろうという趣旨のことを申し上げたんだろうと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それじゃ一応通産省の試案はあるんだ、この辺のところはいいでしょう。どうでしょう。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いや、それは試案ではないのでございます。つまり、どの業界にどのくらいの負担能力があるであろうかないであろうかということを試算をやれば、いろんな試算ができますと、試算という意味で申し上げました。試案ではございません。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 きのうの日本工業新聞によりますと、石油連盟の営業委員会、ここでもって製品別の値上げを発表しているわけですね。これは高過ぎるんじゃないかと思うんです。この点も結局結論出ずに終わるだろうとは思いますけれども、一応こういったものを感ずるので、それでお話をする——これはまあ話の内容で笑う面もあるかもしれないけれども——これは国民がこぞって重大な問題として関心を持っているだけに、私はそういった点をきびしく申し上げているわけです。当然国民のそういう不安感に対して、これを解消するためには、やはりその担当の通産省がしかるべきそういう不安を抱かせないいわゆる姿勢というものを示していくべきである、こういう意味で私はいままで申し上げてきているんです。  そこで、話は途中になったけれども、この工業新聞の営業委員会で出た製品別の値上げの状態を見ますと、ガソリン、キロリットル当たりが二千円から三千円だというんですよ。灯油が二千円、ナフサが八百円、軽油が千五百円から二千円、A重油が千五百円、Bが千円、Cが九百円、平均千二百円、こういうふうになっているわけですよ。これは高いと思うんですよ。この辺は高いとも安いともお答えできませんか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いろいろ計算ができないわけではございませんけれども、とにかく一方的な値上げ通告をそのままのむということは、どうも私はおもしろくありませんし、その結果またここがこれだけ上がるだろうというようなことを申せば、精製業者は幾らかのんでもいいのかというふうな話にもなりますから、これひとつ需要家もみんな大いに抵抗してがんばりましょう、こういうことを申しておるので、したがって、ただいまのようなことをこの際申し上げることがどうも適当ではないのではないかと思っておるわけでございます。事態を楽観しておるわけでは決してございません。容易ならぬ事態だとは思っておりますのですけれども、ただいまのような意味合いから、申し上げずにおるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それで、先ほどお答えがあったんですがね、時間がないので、はしょりながらやっているわけで、非常に関連性がないかもしれませんけれども、先ほどはそういう値上げがきまったわけではないと、それはそのとおりですよ。わかります。で、いろいろ今後国としても努力をしていこうというお話もありました。絶対にそんなものはのんではならぬということも言ってあると。まあいろいろとお話がいまありましたけれども、今度値上げされることは間違いないであろう。そこで、今度のいわゆる値上げについて、こちらの元売りのほうから値上げについて通達が出ているんですね。三月一日から値上げということですか、いわゆる二月の時点で、もうそういうものが出ている。これは独禁法の違反ということになりませんか。

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 速記をやめて。   〔速記中止〕

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 速記をつけて。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) 何か独禁法のお話でございますから、私がとりあえずお答えをいたしますが、いかなる内容のいかなるものが出ておるか私は存じておりませんが、ただ、どういう通達が出ておるかによっての話であろうかと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ここに一通の元売りから特約店あてのガソリン仕切り価格値上げについてという文書が出ているわけです。それで、もしほかのいわゆる元売り、これらも一斉にこういう姿勢であったとするならば、どういうことになりますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) おっしゃっていることは、おそらく見込まれるであろう値上げについて、どうもやらなければならなくなれば三月一日から上げることになるぞということをAならAという元売りがその系列店に流していると、そういうことであろうかと思いますが、そういうことでございますか。よそのところもまた同じようなことを言っているという場合があったらという仮定のお話でございますか。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そういうことですね。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) その場合には、三月一日とよそのほうも同じように書いている。それからどのくらい上げるというふうなことも同じように書いていると、いまの通達には。同じように書いているのでございますか。ちょっと事情がはっきりわかりませんし、そういうことでお互いに競争を制限するという実体を持ってやっておるかどうかという実体を見ないことには、私としてもちょっと何とも申し上げられないと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ですから、これがいまあなたのおっしゃったように、一斉に三月一日値上げというようなことであれば、ほかの元売りのほうからも関係の店、そういった特約店あるいはまた販売店にそういった通知があるとすれば、これはどういうことなのかということなんですね。そういうケースの場合には。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) 内容によっては事前のいわば連絡という程度のものかもしれませんし、内容のいかんによっては値上げ幅から値上げの時期までを一斉にお互いに通報し合ってやっているということなのかもしれません。そこはまだ何ともわからないと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それじゃそういったことについて、少なくともこういう通達がきているということは事実だと、私は証拠を持っている。こういうことによって、いわゆる調査を進めていかなければならないという考え方はあるでしょうね、お持ちなんでしょうね。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) こういうというのが実はよくわからないのでございますが、事前の単なる通報程度あるいはそういう心がまえをしておいてくれという程度以上の何かがあり、かつまたそういうことが同じように他の社によってもやられるであろうということが客観的に予想されるような場合には、私どものほうとしては、事前にそういうことのないように、よく業界にも御注意申し上げ、また行政官庁であるところの通産省にもお願いしたいと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 私はそれはあなたのお話がわからないじゃない。よくわかりますよ。だけれどもいまどうなるかわからぬのですよ。さっきから答えているように。そうでしょう、どうなるかわからぬとあなたは言った。どうなるかわからないのに、値上げを示唆するような文書を何も出す必要はないでしょう。いまの段階としてはそうじゃないですか。そういうことだと私は思うのですよ。こんなまぎらわしい文書をなぜ出さなければならないか、いま盛んにどうするかということで元売りと、メージャーズと交渉している。それを、三月一日から値上げというようなものを、なぜ出さなければならぬのかということ。私はこれは問題だと思う。言うなれば、その担当の通産省は、こういったことに対して、やはり何らかの行政措置をしなければならぬと思うのですよ。いま交渉中じゃ、あなたもそういったばかりでしょう、そのときにどうなるかわからぬのに、そんな文書を特約店あるいはまた販売店に出す必要がないのです、いまの段階では。その点おかしいと思わないんですか、

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) お手元の通達、私のほうでまだ承知いたしておりませんが、至急に調べて御注意のような点を内容とするものであれば指導いたしたいと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 あっちこっち飛んじゃいまして……。それじゃ続いてお尋ねしますが、ガソリン及び灯油の値上げについて昨年九月二十一日と十月一日の二回にわたってガソリン及び灯油がリッター当たり一円ないし二円値上げをしたわけですね。これについては末端の販売店に対して公取のほうは盛んに協定があるという、価格協定があるというようなことでやったようですけれども、こういう文書は一つの私は証拠だと思うんだけれども、こういった一斉にやはり昨年の九月と十月に一円ないし二円のものが上がっているわけです。こういったものについて、これは独禁法違反ということにはなりませんか。その辺の証拠がつかめてないから結局はこうだというふうにお答えになるかもしれませんけれども、その点どのようにとらえておりますか。私から言えば、いわゆる販売店じゃないんだと、こう言いたいんです。もっと元があるんだと、こう言いたいんです。この点どこまでどういうふうにとらえているか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) おっしゃるとおり去年もそうでございましたし、またその前からございましたけれども、私どものほうで、かなり多くいわゆる販売価格の協定をしているのに対して排除措置を講じてきたものには、おっしゃる意味での末端の石油の小売り業の方々、あるいはLPガスの小売りの方々の組合がやっている行為が多うございます。確かにそこで競争が現実に激しゅうございます。その激しい競争の中で元売りから値上げがくるものですから苦しいと思うのです。また協定へ走りたがるという傾向がございます。しかし、そこで協定に走っちゃいけないんで、それをこらえていただいて、末端の激しい競争が結局また元売りにはね返るようになって初めて全体としての価格のメカニズムが動くんだという考え方のもとに、ある意味ではお気の毒だったと思いますけれども、やはり末端の方々の協定行為については発見次第排除措置をとってまいりました。しかるところ、やはり問題は元のほうにあるとおっしゃられるお気持ちもよくわかります。また私どもといたしましても、そこがもっといわゆる系列をそれぞれつくって、系列間の競争が激しいわけでございますけれども、やはり大手同士の問題でございますので、いま御指摘があったように、なかなかそこにおいて、私どもが言う意味での行動、行為とか、あるいは団体としての一つの規制というものを発見することはなかなかむずかしゅうございます。そういう意味で、昨年の秋のときも私どもとしてはその事業者、いわゆる元売りと申しますか、あるいは精製業者の段階における行動について非常に注意をして見守り、また、ときに業界の関係あたりからもいろいろ事情聴取をいたしましたけれども、その間にそれぞれが自主的に行動をとっているのであって、お互いに共同謀議といったようなものがあるのではないかと推測されるだけの十分な資料というものを得るに至らなかったわけです。しかし、そういう前例もございますので、まあこれは仮定の問題でありますから、いまそうことを言うことはないのでありますけれども、今後の動き等についても、私どもとしては十分措置してまいりたいと思っております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 今後とも調査を進めていきたい、こういうことでございます。そこで念のために、共同謀議、そういう、言うならば疑い、それをこの現実の面から一応証拠づけてみたい、こう思うのです。たとえばあるA社では九月の二十一日から値上げですか、これは昭和石油がガソリンをリッター当たり三十八円から三十九円。それから灯油については十円から十一円。それから日石、あるいは出光、三菱、東亜、こういうところはガソリンをリッター当たり三十九円から四十円。灯油がこれは同じく十円から十一円、こういうふうになっておる、二十一日の時点では。十月一日の時点では昭和石油が三十九円から四十円。それから灯油については十一円から十二円五十銭。それから日石、出光、三菱東亜は、この関係は四十円から四十一円。それから灯油については十一円から十二円五十銭。なお、このB社ではシェルがガソリンをリッターあたり四十一円から四十二円。灯油が十一円五十銭から十二円。それから十二月一日にはシェルの場合には十二円から十二円五十銭、こういうふうに値上げをしておるわけですよ。大手ですこれは、全部一斉ですよ。そうすると、こういういわゆる実体を把握していけば、そこに何があるかということは、私は一応これはだれしもが疑えるところではないか。だからこういう実体を通して、私はいま申し上げた疑いがあるのじゃいないかということを言ってきているわけです。その辺については、これはやはり公取とても、これは雲の上の存在ではない、やはり国民の生活を安定させていく、物価のいろいろなひずみ、いろいろな欠陥、そういったものを是正していく、そういう立場にあると思う。やはり国民の生活を守るという立場から、こういった問題についてはやはり敏感でなければいけないと思います。そういう意味で私は申し上げているわけです。で、この書類にしても、この書類にしても、こういう書類があるのだという提起をしている。ああでもないこうでもないのじゃない、非常に疑いが濃い、こういう現実からいっても。ですから、こういった問題についてはどうだということをお尋ねしているわけであって、私から言わせれば、何も企業擁護の立場の答弁みたいな、そういうふうにだれしもが聞いてもそういうような感じのする答弁というものは慎んだほうがいい。もっと前向きの、そういうものがあれば見せてもらいたい、事実そうだという疑いがあるならば積極的に取り組んでいこうという、そういう私は答弁がほしいと思う。もっと積極的でなかったら、そんなあなた、裏のことを簡単につかめるものじゃありませんよ、と私は思うのです。その点どうですか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) 別に企業の立場を擁護するというようなことでなくて、やはり私どもの仕事のやり方としては、場合によれば積極的に出ることもございますし、場合によってはそれが出過ぎになることもございます。そういうような意味で、法律の執行にあたっては常に厳正にしていくということでいま申し上げたわけでございますが幸いもしそちらにそういう何か疑いに足るような資料があるのでございますならば、それは、実はさっき申し上げようと思ったのですけれどもちょっと遠慮したのでございますが、あとで見さしていただき、コピーでもいただければ幸いかと存じます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そこで、この書類もさることながら、いま現実の問題を各社別に申し上げたわけです。だから、今度はその点だけでひとつお答えくださいよね。そういうふうに各社が一斉に上げている、その系統販売店が一斉に上げているということは、それは非常に疑いの目をもって見なければいけないということが言えると思うのです。こういうふうに非常に疑点が多い。これはやっぱり徹底的に調査を進めていかなければならない問題であると、私はこう思うのですよ。その点についてどういう姿勢を持っていますか、いま現実の問題を取り上げたのですけれども。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) 私は、今回の段階においていまそういう姿にあるとは実は思っておりませんが、もし過去の、まあ去年の場合について公取はどうであったのかと言えば、もちろん横っちょ向いていたわけではないので、一応もちろん目は向けて注意したわけでございますけれども、いわゆる事件として立ち入り検査などして、たとえば帳簿書類その他を押収して、ちゃんとした事件として立てて処理するというところまで踏み込むまでには至らなかった、かように申し上げておるわけでございます。実はいろいろな問題で、よく言えば一生懸命やったのですが、認められなかった悪く言えば苦杯をなめたと申しますか、そういうことが多うございまして、たとえばたった一冊のメモ手帳をつかまえてきまして、そのメモ手帳から類推して、状況証拠だとして取り上げてみましても、なかなかそれだけで一つのいわば事件を構成させるということは、現実に言えば私どもの事件の、何と申しますか、処理の活動方法としてもむずかしい点がございます。一種の犯罪捜査に似たような点がございますので、それだけに、なかなか証拠物件を手に入れるということはむずかしいのでございまして、それをちょっとした疑いだけで何でもいいから踏み込んでしまえということになりますと、これはまた行政権のいわば法治国家における乱用ということにもなりますので、その点は、私どもは実態に合わして間違いのないようにやってまいりたい。決して消極的であり、うしろ向きであるということではありません。事室によっては立件し、ちゃんと立ち入り検査もし、帳簿書類も押収し、捜索もやると、そういうことは当然やるべき問題だと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 あとまだ少し時間があるようですが、そうしますと、私わかりますよ、その何でもかんでも立ち入りはできないのだと、こういうことですね、それはわかります。それじゃ、今回私がいま示した問題も一つの事実の上からお話を申し上げておる。それは確かに疑いがあると、だけれども証拠がない、証拠がないからどうにもからぬと、証拠をつかまなきゃならないという動きが必要になってくるわけでしょう。そこで、そのいわゆる証拠をつかむだけの公取にはその態勢ができていなければならない。予算関係も考えなきゃいけない。いろいろとあると思うのですよ。そういった点が完璧と言えるのですか。そういったものをぱっと握ってこれを糾弾をしていくという、そういう態勢はできていると、こう考えていいですか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) それは程度問題だと思います。現在でも、私どもやる分についてはかなりやっておるつもりでございますが、多々ますます弁ずで、もっとやれるようになればそれにこしたことはないと思いますが、むしろ問題のむずかしさは、予算、人員等によって制約されているといることよりも、もう一つ別の、いわば経済社会の条件が競争政策をむずかしくしている、別のことはで言いますならば、企業の協調的行動をたやすくさしていると、そういう経済社会になってきておるというところが私どもにとっては問題である。たとえば情報化社会といわれますけれども、市場の状況なり何なりを一々お互いに手さぐりしていてはわからぬから、顔を見合わせて話し合いしてみようと、そういう事態じゃなくして、もう少し科学的に、何と申しますか、高度になってしまったというふうなことが、いわば私どもの経済事犯——というとことばは悪うございますが——そういうものを実際にやってまいります上にむずかしい問題を持っているというふうに私は感じるのでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 よくわかります。だから、そういうむずかしい時代に突入しているんだからといりあなたのお話ですと、今後ますますそういった問題は公取のうしろのほうで大手を振って歩くよりな形になるのじゃないか。それに対応するだけの態勢があるのかないのかということを私聞いておる。また、それについてそのむずかしい時代にあたって、公取はこういう姿勢でやる、こういったことも考えているという、そういう一つの構想かあったら、また、なくちゃならぬと思うので、その点をひとつお話をしていただきたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) 私は、この問題は、一つはいわゆるそういうような高度に発展した経済社会の中におけるいわば市場管理技術の問題に対して、自由かつ公正な競争を維持しようという立場にある私どもがどういうふうに挑戦できるかといり問題であると思います。それからもう一つは、現在の独禁法の運用のやり方それ自身について、何かもうちょっと従来とは違ったやり方が考えられぬかという問題だと思います。で、第一の問題は、俗によくいわれている寡占価格対策とか、あるいは管理価格対策とかいうふうな問題に連なるものがあるかと思いますし、第二の問題は、これは天機漏らすべからずで、どういう手を考えているかということをいま言ってしまいますと困りますので、いま内部でいろいろと何とかそういう事態に対処できる道はないかということを言っておりますが、これはちょっといま言わないほうがいいんじゃないかと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 なかなかの名答弁であったと思いますが、それでは最後に、パイプラインのことについてちょっとお尋ねをしておきたいと思うのですが、関東を中心としたY型及びH型のパイプライン計画、これの現状について通産、運輸からひとつ御説明を願いたい。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) パイプラインにつきましては、従来日本は海岸線が長いものですから、大体石油の需要地が海岸線にあるということで、タンカー輸送で製品を供給できるという態勢にあったわけです。ところが、だんだん内陸部の発展に伴いまして、内陸部の需要が増加する。そういたしますと、部分的にはやはりパイプラインで送るくらいの量の需要が出てまいるということと、それから陸上交通がだんだんふくそうしてまいりまして、いまのままでは輸送が困難になると、こういう状況とからみまして、今後の内陸部への石油製品の輸送についてはパイプラインによってコストの引き下げをはかる、これによって安全にかつ大量に、しかも安く供給できるということでございまして、この点、両省とも同じ考えでございます。具体的にやる際に、これが長期の施設で、しかもすぐ他のものと代替するというわけにもまいらぬという点とからみまして、最も合理的な経済的なパイプラインの建設が必要だということでございまして、その点について現在両省で話をし合って調整を急いでおるという現状でございます。

大久保一男運輸大臣官房政策計画官

○説明員(大久保一男君) 基本的な考え方につきましては、ただいま鉱山石炭局長が申し上げました点と全く同様でございます。ただ、その短期的な問題といたしまして、先生も御承知のように、京浜地区におきます貨物輸送力というものが非常に逼迫してまいっておりますので、それを緩和するために国鉄では数年前からパイプラインの計画を立てまして、いろいろと調査研究あるいは外国への調査団派遣といったようなことをやってまいっておったわけでございますけれども、いま本田局長からお話がございましたように、特に関東内陸部は非常に石油輸送の大きなところでございますし、それにつきましてもコストの関係、安全性の関係から、国鉄の輸送がほとんどでございます。そういうわけでございますので、先ほど申し上げましたように京浜地区の輸送力がもう非常に逼迫しておりまして、ダイヤ改正の際に旅客の電車を削ったというような事例もございまして、いろいろやりくりをして貨物輸送をやっておったわけでございますが、特に油につきましては、この地区からの貨物輸送量の四割以上を占めておるということでもございますので、線路を増設いたしますよりは、近代的な輸送手段でございますパイプラインを線路用地に建設することを計画いたしておりまして、予算措置その他を講じてまいっておるわけでございます。ところが石油パイプライン会社というものが昨年の秋にできまして、先ほど先生のおっしゃったY型というのに当たるかと思いますけれども、そういうものが急に出てまいりましたので、競合関係が出てまいったという事情が生じてまいったわけでございまして、現在関係の向きとの問でこの同の調整に鋭意当たっておる、こういう状況でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 まあこれは交通事情、それからまた今度の原油値上げの問題とか、これが値上がりすれば非常に消費者に、国民に迷惑をかけることは当然です。で、パイプラインというのは当然コストも安くなる、こういうことで当然大きな問題として考えていかなければならぬ問題だと思う。いまお二人の話を聞いていると仲よくやっているような感じですね。ところが私の聞くところでは通産、運輸がおのおのの立場を主張して一歩も譲らないというような姿勢でこの大きな重要な問題に取り組んでおる、いわゆる、言うならばなわ張り争いみたいな姿勢でこの問題に取り組んでおるということを聞くのですけれども、先ほど通産省のほうから聞くと、お互いに話し合いながらやっておりますと、こういうわけです。じゃどのサイドで、どの程度の話し合いを、どのくらいやってきたのか、この点どうですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) どの程度かとおっしゃられると、なんでございますが、昨年来引き続いてやっておりまして、本日もやることになっておるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 いや、ほんとうにこれは冗談じゃないんです。あなたが、通産省と運輸省で両方仲よく検討してきておる、大きな問題として、また国民の期待にもこたえなければならぬという立場から、お互いが話し合ってやってきているのだ、こういうお話をなさるものですから、私の聞いているのはそうじゃない、両方がなわ張り争いをやっている、こういうふうに聞いている。だからどのくらい話し合いをしているのか。きょうもやっている、ずっとやってきていると、そういう抽象的な御答弁では私は納得できない。冗談ごとじゃない重要な問題で、これがおくれればおくれるほど日本の将来に大きな損失である、こういう立場から私は論じているわけですから、その辺のところを、仲が悪かったら仲よく、もっと国家的な見地、大きな立場から、そういうなわ張り的な狭い考え方というものは捨てて、大きな立場に立って進めていかなければならぬので、その点を調整するために私は言っているのですから、意地悪い質問のようだけれども、その点をひとつ明らかにしてください、どのくらいやったのか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) まさにわれわれも御指摘のように、今後の石油輸送について最も合理的で安全で、しかも低廉な方法でやるべきだ、その方法として技術的に両案が出ておりますが、この同案について技術的な点あるいは今後のコストの点等についても、あるいは通油量の問題につきましても、お互いに話を詰めて、どのラインで行くときにどれくらいの通油量があってどういうふうにいけるかという、こういうふうな技術的な問題もたくさん含んでおりますので、現在その点をさらに詳しく詰めているという段階であります。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 私はそういうことを聞いておるのではないのですよ。あなたが大事な問題だから話し合っているというから、どのくらい話し合ってきたのか、しつこいようだけれどもその辺を。私がそのまま引き下がれば終わってしまいますよ。しかし私は仲が悪いということを聞いているのです。じゃ仲が悪くないということなんですね。今後両省が力を合わせて、そして通産省の技術というか運輸省の技術というか、また通産省としてのあらゆる条件、運輸省としてのあらゆる条件、それをすべてを加味して、両方が話し合い、仲よく話し合って、一日も早くこの実現に努力していくという、こういうことですか。絶対にいままでは仲が悪くなくて、いままでもそういう方向で進めてきた、今後もますますその指摘されたことによって強力にそういう誤解のないような姿勢で今後この問題に取り組んでいくと、こういうふうに解釈していいわけですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 意見の調整をつけるという意味で話し合うということにつきましては、御指摘のように、それぞれの意見の中で食い合わない点があるわけでありますが、その食い合わない点につきましては、技術的に検討して、いずれかをとるという態度で結論を求めておるわけであります。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 最後に、まあそういったことで一日も早く実現をするということに努力していかなければならぬ、こう思います。少なくともこれだけの重大な問題、これを世間から、国民の間から、この問題についてはいわゆる通産省、運輸省けんかしながらやっているのだ、いつのことかわからぬというような批判を受けないような、そういういわゆる行政姿勢でなければいかぬ、こういうふうに私は思います。その点を今後明らかにして、そして国民に誤解を与えないような姿勢でいくのだという、その決意をひとつ……。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(本田早苗君) 御指摘の点につきましては、当初から権限争いとかなんとかいうことでなくて、従来も今後の石油供給が最も合理的な態勢で供給できる結論を求めるという姿勢でまいったわけでございまして、御指摘の線に沿うて今後ともやることにいたしたいと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 運輸省どうですか。

大久保一男運輸大臣官房政策計画官

○説明員(大久保一男君) 先生の御指摘になりました線に沿いまして、通産省その他関係各省とも早急に話を進めまして御期待にこたえたいと思います。

川上為治自由民主党

○委員長(川上為治君) 他に御発言がなければ、本日の質疑はこの程度にとどめたいと思います。  次回の委員会は三月二日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十八分散会

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