社会労働委員会 第12号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/05/06
会議録
○委員長(林虎雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、玉置和郎君、山本杉君が委員を辞任され、その補欠として山崎竜男君、星野重次君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(林虎雄君) 勤労者財産形成促進法案を議題といたします。 御質疑のある方は順次御発言を願います。 〔委員長退席、理事上原正吉君着席〕
○小柳勇君 この前佐野委員が質問いたしましたので、なるべく佐野委員の質問とダブらないように質問していきたいと思います。 まず第一点は、この制度がこれから発足するわけでありますが、この制度は、勤労者の有産化計画として、今後の労働行政の重点課題、重点的な柱であると考えてよろしいかどうか、大臣に御答弁願います。
○国務大臣(野原正勝君) この法案は、御質疑のとおり、まさしく勤労者の方々の財産を形成をしていくという制度で、勤労者の方々の豊かな生活の実現に向かって将来大きく役立つものであろうと、そう信じて提案したものでございます。
○小柳勇君 もう十数年前から、労働者の持ち家制度なり、財産形成の問題が論じられてまいりまして、今日まで日の目を見なかったのでありますが、今回いろいろ問題があったように聞いておりますが、労働省としてこれをこの国会に出されたその背景なり、今後いかような方針で勤労者の財産形成を進めていこうとされておるのか、大臣の見解をお聞きいたします。
○国務大臣(野原正勝君) この法案の提案に至る経緯は、十分御存じのとおりだと存じますが、勤労者の生活の安定をはかるために労働条件の改善、所得の向上、生活環境整備等、社会資本の拡充、社会保障の充実等の諸般の施策を総合的に実施してまいることが肝要であることは言うまでもないことでありますが、これらの基本的な施策の必要性をこの法案はいささかも否定しておるものではございません。ただ、勤労者の生活の安定、向上をはかるためには、これらの施策の充実と相まって、賃金の上昇の部分について、賃金水準の上昇が立ちおくれの著しい勤労者の資産の充実をはかることが必要であるということを考え、同時に、こうした観点から勤労者がみずからの努力によって資産を保有することを国が援助して、事業主の協力と相まって、より豊かな安定した勤労者生活の実現をはかっていこう、こういうものでございますので、これは勤労者の生活のために必ず役立つものではなかろうかと、このように考えております。
○小柳勇君 少しこまかい問題を御質問いたしますから、局長なり賃金部長から答弁してもらいましょう。 まず、勤労者ということばを使ってあります。以前は、十数年前、たとえば石田博英大臣などは、労働者の財産形成ということばを使っておりました。労働者にいたしましても勤労者にいたしましてもいいんですが、国の統計で労働人口というものがあります。この勤労者財産形成という、その勤労者ということばの中にはどういうものを考えておられるのか、階層なりあるいは生活の環境なりいろいろありましょう。勤労者というこの法律で言われておることばの含むものは、国民の中のどういうものであるかを御説明願います。
○政府委員(岡部實夫君) 御指摘の勤労者の定義でございますが、これは法律案の第二条に定義を置いてございまして、勤労者は「職業の種類を問わず、事業主に雇用される者」、したがいまして事業主との間に雇用関係のある者はすべてこの法律の対象として勤労者として取り上げてまいる。そこで、ことばとして勤労者ということばを使いましたのは、労働者ということばと内容的には異なるものではございませんけれども、私ども、労働者というと、とかくいわば筋肉労働者といいますか、生産労働者というものに限られるような印象を与える向きもございますので、むしろこの際ブルーカラーもホワイトカラーもすべて含めました広い形の、すべての労働者を含むんだという意味で勤労者ということばを使ったわけでございまして、したがいまして雇用関係にあるものはすべて勤労者としてこの法律の対象にしてまいりたい。したがいまして逆に申しますと、単なる家族労働者あるいは家事使用人というような形で雇用関係にないものは抜けてまいる、こういうことですべての雇用関係にある者を含めるということで考えておる次第でございます。
○小柳勇君 そういうところが問題ですが、たとえば大工の一人親方がおられる。その人が建設労働組合などの組織を結成して、そしてその組合がたとえば労働金庫に加入する。その建設労働組合の組合員というのが労働金庫の一員になったとする、そうするとその人は勤住協などを通じて自分の家を建てることができる、あるいは家内労働をしておる奥さんが——近い将来家内労働者の組合などをつくらなければならぬですね。そうして自分の生活を守る組織ができると、その人もその組合を通じて労働金庫に加入するとする、あるいは何らかの団体を組織してこの持ち家制度などをつくろうとする、その場合に、その人は雇用者ではないわけですね、雇われていませんね。自営業者の部類に入るが、そういう人も含むのかどうか。まずそれ一つお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(岡部實夫君) 先ほど申しましたように、勤労者は事業主に雇用されるという雇用関係を前提といたしておりますので、ただいま御指摘の雇用関係のない独立自営という方については、この法案は、直接対象に取り上げてはおらないわけでございます。そこで、そういう点につきまして、たとえばいま御指摘のようなことは、そういうようなものも現実に含ませて考えたらどうだという御趣旨と拝察するわけでございますが、実はその問題についていろいろこの過程におきまして討議をいたしましたが、この法律は、まず勤労者に対して一般の人と別な、特別な援助措置を考えていくというのを基本として考えておるわけでございまして、その意味で勤労者の範囲を明確にしていく必要がある、そういう意味で、勤労者は雇用関係にある者に限るのだということにいたしませんと、勤労者に対する特別な措置を講ずるということの性格があいまいになってまいることがございますので、このスタートにおきまして、その問題については、少なくとも明確に雇用関係にある者に限るということにしてこの特別措置を講じていくということにすることが特別措置を講ずる上においてもその対象なり、考え方がはっきりすると考えたわけでございまして、現在御提案申し上げているこの法案におきまして、そういう意味で、スタートにおきましては少なくとも雇用関係にある者と第一義的に取り上げていく、こういう関係に相なっておるわけでございます。 —————————————
○理事(上原正吉君) この際、委員の異動につきまして御報告いたします。 徳永正利君及び横山フク君が委員を辞任され、その補欠として上田稔君及び永野鎮雄君が選任されました。 —————————————
○小柳勇君 そこのところがすぐ問題になるわけですけれども、一人親方も事業主はあるわけですね、その建設業者から雇われるようになっておる一人親方も。だからいままで日雇い健保などが擬制適用をされたのもそういうところに根拠があるわけですね、まあ擬制適用はいまありませんけれども。また家内労働者なども、これはちゃんと委託する業者があるわけです。たとえばおもちゃならおもちゃをつくるといたしますと、その業者がパートタイマーの奥さんに事業を委託するわけですね。そういう人を勤労者の範疇から除くということは、今後具体的に困るのじゃないかと思うのです。確認いたしますが、この法案でいま勤労者というのには、明らかに事業主に雇われている労働者、いわゆる被用者ですね、だけしか含まれておらぬのかどうか、もう一回ひとつはっきりしてもらいたい。
○政府委員(岡部實夫君) 勤労者と申している中には、雇用関係のない方は入っておらないということになっております。それはこの法案の全体の立て方が、雇用関係にあって賃金、給料その他の報酬を得てそれで生活をしておるという方について、その賃金の一部を財産形成貯蓄をする場合の恩典ということに基本的な仕組みをいたしておりますので、したがいまして、いま御指摘の点につきましては、この法律の勤労者の中には、そういった者は含めておらないということになっておるわけでございます。
○小柳勇君 そうしますと、いま日本の統計の労働人口と、それからいまあなた方がこの法律で規定をしている勤労人口との比率はどのようになりますか。数字で御説明願いましょうか、概数でいいから。
○政府委員(藤繩正勝君) ただいま正確に手元に統計がございませんが、御承知のように、日本の就業者は大体五千万人くらいでございまして、そのうち雇用労働者が約三千万ちょっとこえていると思います。あとは自営業者でございますが、自営業の大部分は、農業に従事している方が非常に多うございまして、五千万のうち自営業が約一千万、家族従業者が約八百万、雇用労働者が三千二百万というくらいの割合になっておるわけでございます。
○小柳勇君 その雇用労働者三千二百万といまおっしゃいましたが、その方たちは、この法律の対象になりますか。
○政府委員(藤繩正勝君) この法律は、ごらんいただいておりますように、民間の労働者だけではございませんで、国家公務員、地方公務員すべて含んでおります。 そこで、原則としてこの三千二百万の雇用労働者は、全部この法案の対象になるということでございます。
○小柳勇君 その三千二百万の雇用労働者以外の、私がさっき申し上げましたような一人親方とかあるいはパートタイマーの奥さん方とか、そういう方がどのくらいあると推定していますか。
○政府委員(藤繩正勝君) 先生先ほど来御指摘の業種でございますが、たとえば一人親方の方は、一応類型として三千二百万の雇用労働者ではなくて、一千万の自営業種に分類されるわけでございます。しかし、先生先ほどお示しのように、そういった一人親方も時に応じては、自分の施設ではなくて建設現場等で雇用されることがあるわけでございます。そうすると、その時点では雇用労働者になる。したがって、統計をとります場合におきましては、統計調査の期間によりまして、主としてどちらの形態に属しているかということで分類されるわけでございますから、御指摘のように、一人親方につきましては両方の形態がある。そこで、雇用労働の関係に立つ限りにおいてはこの法案の対象になり得るわけでございます。 それから、いまおっしゃったパートタイマー、これは間違いなく雇用労働でございますので、当然この対象になる、かようなわけでございます。
○小柳勇君 パートタイマーなどは、この法案の対象になるということですね、局長が言われたのは少し違ったようだけれども。それは両方とも異議ございませんね。
○政府委員(岡部實夫君) 私のは説明が少し足りなかったかと思いますが、食い違いはございませんで、パートタイマーとしての雇用関係にある者は、それは含まれる。
○小柳勇君 わかりました。あとの金融機関などの問題につながりがあるから確認しておきました、早晩そういう問題が出てくると思いますから。 それから次は、これは抽象論になりますけれども、勤労者の生活安定というものは一体どういうものであろうかといろいろ考えてみまして、この法律で考えている勤労者の生活安定というのは一体どういうことを志向しておるか。たとえば財産の程度もありましょうし、生活の水準もありましょう。したがって、まず論議されたものがあれば一ぺん御説明を願います。
○政府委員(岡部實夫君) 生活安定と申しますものは非常に広範なものを含んでおりまして、もちろん直接にはそれをもって生活を主としておりまする賃金そのものが考えられる。賃金によって生活している勤労者でございますので、賃金が当然適正な形で支給されるべきである、それによって生活の安定が得られる。さらにそれを取り巻くいろんな問題、労働環境の問題あるいは老後等の社会保障の問題、あるいは災害その他におきまする災害補償の問題等々、非常に広範なものが考えられるわけでございます。 そこで、ただいまこの法案が対象といたしておりますのは、そういったような問題を直接ここで対象としておるわけでございませんで、勤労者の最近の生活の実態を見ました場合に、賃金その他が相当経済成長の過程の中で上昇を遂げてまいっておりますけれども、それと比較いたしまして、相対的に見劣りのしている面あるいは立ちおくれている面というのがいわゆる勤労者にとりまして財産の問題、この財産の問題はあるいは預貯金の問題という形でもありますし、さらには生活費そのものに密着いたしまする住宅の問題、特にこの資産及び住宅につきましては非常に立ちおくれが目立っているということでございますので、私どもとしては、そのほかの労働条件、賃金の上昇も当然今後とも経済の発展に応じて考えられなければならないけれども、それと同時に、いま立ちおくれている面について何らかの施策を講じなければならない、それが勤労者の生活安定をはかっていくゆえんであるということで、その意味の財産及びその中の住宅の面に焦点を当てまして、この財産形成促進法案におきましては、勤労者がみずからそういう財産を持とうとして努力をしている向きに対しましては、国が事業主に、あるいは地方団体等の協力も得ながら十分それに対して援助体制をとっていく、そういうことが生活の安定に資していくというふうに考えたわけでございます。
○小柳勇君 財産ですから、動産、不動産でしょうが、いま預貯金というのは動産、それから財産は不動産でありましょう。ほかにまだありますよ、着物の問題もありましょうし、食生活の問題もありますが、それは一応除いておきまして、預貯金などの現状ですね、勤労者財産形成をするといわれる、その現在の勤労者の預貯金の現状について御報告願います。
○政府委員(岡部實夫君) 総理府統計局の貯蓄動向調査によりますると、勤労者の世帯の貯蓄保有額が出ておりますが、これによりますと、昭和四十四年で、勤労者一世帯当たり貯蓄保有額が百十二万九千三百円ということに相なっておるわけでございます。
○小柳勇君 少し細かくなりますけれども、階層別に預貯金の状態なり財産の状態などを調査されたことがあるのか。また、将来、この財産形成促進法ができる以上、どのくらいにこの勤労者の財産が貯蓄されていくかという推移を国会にも報告しなければならぬと思うが、現状と将来の構想について報告を求めます。
○政府委員(藤繩正勝君) まず現状につきまして私から申し上げたいと思いますが、貯蓄の保有額につきましては、ただいま局長から申し上げましたように、貯蓄動向調査によりますれば、昭和四十四年には、勤労者一世帯当たり百十二万九千円の貯蓄がございますが、階層別にそういったものが出ているかということでございますが、同じく貯蓄動向調査によりますと、これを五分位の階層に分けましてやっております。そうすると一番低い階層に、第一五分位でございますが、この貯蓄保有高が四十七万一千円、それから一番高い第五分位のところでは二百十二万一千円というような、それぞれの五分位について数字が出ているわけでございます。それから同じく資産の中で、この法案は特に持ち家をあげているわけでございますが、勤労者世帯では、一般に比べまして持ち家の比率が低いわけでございまして、全体としては持ち家比率は四七%になっているわけでございますが、これも階層別に数字が出ておりまして、たとえば四万円未満の月収の階層では持ち家比率は四〇・七%になっている。ところが、ずっと高いところの十四万以上の月収のところは七三%程度になっている。以下、月収の階級別に持ち家率が出ております。細かくは、先生何でございましたら、資料で御報告を申し上げたいと思います。 なお、後段につきましては局長から……。
○政府委員(岡部實夫君) 後段の御質問の点でございますが、この法律の運用にあたりまして、私ども、第四条の「勤労者財産形成政策基本方針」、これをつくり、その方針に基づいて今後この政策を実行していこうということに相なっているのであります。 そこで、その基本方針の中身は、この四条の第二項に掲げてございますように、「勤労者の財産形成の動向に関する事項及び勤労者の財産形成を促進するために講じようとする施策」に関すること、大別してこの二つの事項を基本方針で明定をいたしまして、それに基づいてやっていく。この基本方針を定めるにあたっては、財産形成審議会の意見を聞いてやっていくということにいたしております。その基本方針の中に定められております財産形成の動向に関する事項、この中に、まさにただいま先生の御指摘の今後の勤労者の財産形成、すなわち貯蓄の今後の方向なり見通しなり、こういったものも当然この中に織り込んで検討をしてまいる、こういうことになると存じます。
○小柳勇君 少し議論が小さくなりますけれども、階級別に一ここに私も表を持っておりますが、五分位の階級がございますけれども、第一階級が年間七十五万円以下くらい、第二階級が七十五万から九十五万、第三階級が九十五万から百十六万、第四階級が百十六万から百四十九万、第五階級が百四十九万以上ということになっておりますが、この法案をつくるときに、一体労働省は、あるいは立案関係者は、どういう階層を中心にこの財産形成を考えておるのか、お聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(岡部實夫君) ただいまの五分位のそれぞれの階層別の貯蓄保有額につきましては、先生御指摘のとおりでございますが、貯蓄をする貯蓄率というような面から見ますると、この各分位につきまして、それぞれいろいろございますが、一番低い階層の分野におきましても約九七%くらいの率が出ております。全体で九九.七%の貯蓄率、それから一番低いところでたしか九七%、九八%近くになると思いますが、したがいまして、それぞれの階層でも九八、九%が貯蓄をしておる。ただ、そういうことでございますので、私ども、その階層のすべてにわたりまして、少なくとも貯蓄の額についてはいろいろ差がございますけれども、貯蓄努力に対しましては、すべての階層の人を対象に考えていくということにいたしておるわけでございます。
○小柳勇君 それでは、いまのような物価がどんどん上がりますときに、九七%くらいはみな貯金をしておる、しかも貯金を持っておるという判断でありますが、これからこの法案を通しまして五年先、十年先ですね、一体どういうふうにこの勤労者の貯金というものが、いわゆる貯蓄というものが前進すると考えておられるか、お聞きいたします。
○政府委員(岡部實夫君) 貯蓄の率の問題につきましては、実はこういう物価が上昇していく過程におきまする貯蓄は、当然その物価上昇に伴いまして減価を来たすわけでございますので、その意味で貯蓄に対する魅力が相当薄らいでいくのではないかという懸念もございます。しかしながら現在の貯蓄の状況を見ますると、経済企画庁で調べたところによりますると、四十年以降四十四年まで勤労者世帯の貯蓄率が漸次高まってきておる、もちろん急激に高まっているわけではございませんが、たとえば四十年に一七・二%でございましたのが四十四年には一九.二%というふうに、こういう物価が上昇している過程におきましても、貯蓄率といたしましては漸次上昇を続けておる。それから一方におきまして、賃金の上昇が相当な率でここ数年上昇してきておりまして、家計調査等を見ましても、貯蓄余力も相当程度上がってきている。いわゆる家計の黒字率も着実に四十年以降も、四十年が一五・三%でございましたのが四十五年には一八・三%というように上がってまいっておりますので、こういった動向全体を考えますると、やはり貯蓄意欲というものは今後も賃金の上昇、いまのような家計の状況を反映いたしまして着実にふえてまいるのではないか。ただ、御指摘のように、物価がそれ以上に高騰いたすというようなことになりますると、減価によりまして貯蓄の魅力が全くなくなるというようなことももちろんあるわけです。したがいまして、私どもは、今後の貯蓄につきましては、一方におきまして、貯蓄が十分個々の勤労者にとって魅力のあるものとして行なわれるような諸般の施策を当然同時に並行的に考えていくべきであろうと思います。そういう中においても個々の勤労者が貯蓄努力をしているという事実、これも十分認識いたしまして、その貯蓄が十分勤労者の生活安定のために資するような制度をとっていく必要がある。そういうことから、この法案もいろいろ御批判はあろうかと思いまするけれども、現に行なわれておりまする勤労者の貯蓄努力に対しまして、国がこの際一つの制度を確立いたしまして、それによって貯蓄に対するいろいろな援助措置を講じていく必要があろう。そういうことで貯蓄を将来にわたってやはり勤労者にとって十分魅力あるもの、価値あるものにしていくという一つの施策を考えておるわけでございます。
○小柳勇君 そこのところが一番大事な点だと思います、この法律の。そこのところをもう一回質問いたしますよ。この法律によりましてこれから貯金をする、現在の貯蓄率はこれだけありますからこの中の一部、あるいはこれにプラスして貯蓄をあなた方は奨励しようとしているであろう。その勤労者の生活安定というのは一体何かということですね。さっきから動産、不動産の話をいたしました。あと不動産の話は建設省に聞きますけれども、現在の基準では、さっきおっしゃいましたように、平均一世帯当たり百十二万貯金がありますね。勤労者の生活安定というのは一体何か、そこのところをひとつ説明を願います。
○政府委員(岡部實夫君) 先ほどもちょっと生活の問題につきまして概略の考え方を申し上げましたけれども、私ども、この法案でいろいろ考えております、あるいは提出するにいたしました背景となるものは、勤労者が生活を安定するために自主的にいろいろな努力をしている、これはその点に着目をいたしたわけでございます。その自主的な努力の一つの大きな中身は何かと申しますると、やはりこのインフレ的な傾向の中でも着実に貯金をしている、その貯蓄の動機といたしましては、たとえば不時の支出に備えるとか、あるいは老後の生活の安定に備えるとか、いろいろな動機がございますけれども、ともかくそういうものを含めまして、少なくとも現在の生活のほかに将来に向かって何らかの形で生活の安定のために自主的な努力をしようということになっております。そこで、私どもは、現在の、いまの賃金その他の上昇のほかに、そういう中から貯蓄をし将来の生活に備えていく、その面の生活安定というものをここで取り上げまして、それに対して国が援助をいたしまして効果あるものにしていこう、こういう趣旨で考えておるわけでございます。
○小柳勇君 具体的に国民、人間の生活の衣食住といいますか、着物についてはそれぞれの趣味もありましょうが、これも財産ですね。食は栄養失調にならないように、これもあります。この問題は、きょうの法律に直接関係ありませんから除いておきましょう、いま金の話をしておりますからね。現在、貯金をいたしましても、貯金の利率よりも物価上昇が大きいですね。物価がどんどん上がりますと、貯金をしたらかえって、もう四、五年したら金の値打ちというものは百万円のものが七十万円あるいは七十五万円にしかならない。五年ぐらいの間にそうなっちゃうでしょう。にもかかわりませず、この財産形成促進という法律が出る以上は、この法律ができたからどういう点で勤労者の気持ちを刺激をして、そして五年たったらこのくらいになりましょう、十年たったらこのくらいになりましょうというあなた方の一つの目標がなけりゃならぬと思う。そこで、もう少し具体的に言いますならば、西ドイツでもこの法律ができましたとおっしゃるから、西ドイツで法律ができましたときから今日までの間に、この十年の間に相当この法律の適用、いわゆる財産形成利用人員というものがふえておりますけれども、あなた方は、さっきおっしゃった勤労者三千二百万ぐらいの人の中の何人ぐらいがこれからこの法律を利用して金を貯蓄をし、持ち家をふやそうと考えるであろうかと考えておりますか。
○政府委員(岡部實夫君) 西ドイツの場合、これは日本の場合といろいろ事情が違うかと思いまするけれども、西ドイツの場合には、御承知のように、第一次の法律が一九六一年に制定されまして、それから第二次の改正が一九六五年、それから最近、一九七〇年に第三次の改正となって今日に至っている。その間、制度自体の普及についてある程度の理解が必要とされたと思いますが、一九六一年の施行当初においては、適用労働者は約五万人、それが六五年第二次改正後二百二十万、さらに一九六九年には五百万人、さらに一九七〇年の改正以後これは飛躍的に適用労働者が増大をいたしまして、千二百万というような数字が示されておるわけでございます。私どもは、この法律の施行によりまして新しい制度が確立される、これを利用するかしないかは勤労者の自主的な選択の問題でありますので、強制的にどうこうということではございません。したがいまして、いわば推定の数字になってまいるわけでございまするけれども、当初におきましては、いろいろな数値からはじきまして、大体初年度、四十七年度の初年度には五十万程度がこの法律の制度に乗りまして何らかの形で預貯金をするであろう、貯蓄をするであろう。その財産形成貯蓄の総額が百五十八億ぐらいの見当になるのではないかと、これはまあいろいろ推定でございますが、スタートは少なくともそういうことになって、さらに今後この制度の理解、普及が積み重なるに従いまして、五年間で約三千三百億程度の財産形成貯蓄ができるものというふうに、非常に大ざっぱでございますけれども、その程度の見通しのもとに考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 関連でお尋ねいたします。 いま、西ドイツの先例に学んだと、こうありますね。それが西ドイツの先例に学んだ点は何であるか、また違う点はどういう点であるか、それをお聞きしたいと思うのです。
○政府委員(岡部實夫君) 西ドイツの場合には、勤労者財産形成促進法というのがございまして、それで事業主と勤労者個人、個々の契約あるいは経営者協会と労働者団体との契約その他によりまして財産形成給付というものをした場合に、それに対して減税措置その他をやっていくということでございます。私ども、財産形成貯蓄というものを勤労者が行なった場合にそれに対して国が減税措置をとっていく、この点ではほぼ類似の制度をとっておるわけです。ただ、わが国の場合に西ドイツと違いますのは、この法案にもございますように、財産形成の中で西ドイツと違いまして日本ではやはり住宅が非常に大きなウエートを占めておるということでございますので、住宅建設につきましては積み上げられました財産形成貯蓄の一部を雇用促進事業団に還元をいたします、その資金を。それに対しまして政府が利子補給の金を投じて低利長期の勤労者の持ち家を建設するための融資をするという、新しい財産形成制度の一環として融資制度を考えております。西ドイツにはこの制度はございません。そこが違っております。 大体基本的にはいまのような点でございます。
○小柳勇君 五年先のこの加入人員といいましょうか、利用人員というものは発表なかったのですが、その人員と、それだけ前進させる、一九七六年には三千三百億円の財産形成ができるというまでには、何かいろいろ施策をやりませんと、ただ黙っておってはだれも賛成加入しませんね。現在もう社内預金やる者はやっておるし、個人預金やる者はやっておりますから、何かメリットがないと加入しませんね。この問題どう考えておりますか。まず予想数字の発表と、いまのような具体策について御説明願いたい。
○政府委員(藤繩正勝君) ただいま局長から申し上げました五年間の見通しでございますが、実はこの制度はわが国で初めてのケースでございまして、ただいま先生御指摘のような、現状でもいろんな預貯金の奨励策がある、あるいは社内預金というものがある、それとの関連において、こういう制度をつくって将来どの程度になるかという見通しは、実は率直に申し上げまして正確に見通しを立てることはたいへんむずかしいのでございますが、いま申し上げました数字は、一つの前提を置きまして、毎年五十万ぐらいずつ当分の間増加をしていくであろう、それから一人当たりの年間の平均貯蓄額がいまの動向から見まして大体六万三千円程度期待できるのではなかろうかというような前提を置きましての試算でございます。その点を御了解いただきたいと思います。 そこで、一体そういう皮算用をしても、ほんとうにそういうふうになるかというお尋ねでございます。この点につきましては、この制度のインセンティブ、つまり魅力をどういうことで与えていくかという点でございますが、一般国民の行ないます貯蓄につきまして、いわゆる少額貯蓄の奨励制度というものがありまして、現在、たとえば一人当たり百万円までの少額の貯蓄につきましてはその利子について課税をしないという制度がございますが、そういった国民一般を対象とする奨励制度のほかに、この勤労者財産形成制度におきましては、それとは別に勤労者がこの法律の定める手続に従いまして貯蓄を行ないました場合、さらにもう百万円別にその少額貯蓄利子の非課税の対象にいたそう、こういうわけでございます。そういうことで今後PRを続けまして、いま申し上げましたようなことで勤労者の貯蓄がふえていくということを期待いたしておるわけでございますが、問題は、先ほど来西ドイツとの比較が議論になっておりますけれども、その貯蓄に対する奨励のやり方につきましていろいろなやり方があるわけでございまして、今後さらに私どもとしては、この法律ができますならば、勤労者財産形成審議会というようなものにおきまして、将来の制度の拡充というふうなこともあわせて検討をしていただくというふうに思っておるわけでございます。
○小柳勇君 年間五十万人ずつの増加はわかりますが、それによって住宅建設、持ち家の増加というものはどのくらいに読んでおりますか。
○政府委員(藤繩正勝君) これも実は財産形成貯蓄というものが一般の金融機関に行なわれるわけでございますが、これを先ほど局長から申し上げましたように、一部雇用促進事業団に持ってきて、そうして持ち家建設に充てようというわけでございます。少し余談になりますが、いま勤労者の大部分は九九・七%までの世帯におきまして何らかの形で預貯金を行なっているわけでございますが、民間の都市銀行の例を申し上げますと、都市銀行に集まってきます預貯金、これはほとんど勤労者の貯金がその大宗を占めると思いますが、住宅ローンに還元されている割合は預貯金額のわずか一%程度でございます。そこで、私どもは、この制度をつくります場合、こういうふうに勤労者のしかも賃金からの貯蓄であるというものがはっきりいたしました貯蓄につきましては、財産形成のもう一つの重要な項目である持ち家建設にできるだけ還元させるような道を開きたいということで考えておりまして、この財産形成貯蓄を行ないます金融機関に対して雇用促進事業団から協力を求めまして、その資金をもってまいるという考えでおるわけでございます。それに政府が出資をいたしまして長期低利の融資をするということは、先ほど局長からお答えをしたとおりでございますが、そこで、これもまた一つの前提になりますけれども、財産形成貯蓄の総額の三分の一程度、期間平均十年くらいの元金均等償還で借入をするということをひとつ予想をいたしまして、そうして一戸当たり平均融資額を三百五十万、それから平均償還期間を二十五年、元金均等償還で融資をする、こういういろんな前提をおきまして試算をいたしますと、五年間で累計が約二万五千戸程度になるわけでございます。
○小柳勇君 富の分配の問題なども少しありますけれども、建設省が見えておりますから、住宅局長にお聞きいたしますが、現在のビルなどは少しくきょうはもう論議を省きまして、いわゆるいま論議しております勤労者の住宅の現状と、それからこれからの構想を御説明願いたいと思います。
○政府委員(多治見高雄君) 私どもの行なっております住宅対策でございますが、勤労者というワクで統計をとっておりませんので、勤労者の住宅の状況はどうかというと、ちょっと正確なお答えができませんけれども、住宅政策全般の問題といたしましては、やはり大半が勤労者のための住宅ということで考えておりまして、先ほどからの御議論の中で持ち家をどういうふうにするのだというお話でございますが、昭和四十二年の住宅統計調査、これを基礎にいたしまして、われわれ住宅調査を進めているわけでございますが、その中で新しく第二期計画を立てまして、それによって今後五ヵ年間住宅建設を進めるわけでございますが、持ち家と借家の比率を大体五五%と四五%というふうに考えております。そこで、その中で特に勤労者の方に供給する住宅ということで考えております公的資金によります住宅につきましては、借家を主体にして進めたいということで現在計画を立てているわけでございます。
○小柳勇君 持ち家制度によって勤労者の貯蓄意欲をふやそうというのがこの法案の一つのねらいではないかと思うわけです。そういう意味で、われわれも絶対反対だという立場でないのですけれども、もちろん建設省ですから公的な貸し家が主体ではございましょうけれども、いま論議されている住宅対策、持ち家対策ですね、そういうものに何か援助するような、ささえるような、これを促進せしめるような方向で建設省でお考えになっておる対策はないものであろうか、お聞きいたします。
○政府委員(多治見高雄君) 昭和四十五年に住宅需要の要望調査というのを私どものほうで実施いたしまして、その結果によりますと、持ち家希望というものが非常に率がふえておりました。ほとんどの方はやはり自分の家を持ちたいという——これは需要調査でございますので、客観的な条件は別にいたしまして、希望としてそういう性向が非常に強いということで、持ち家対策を推進すべきだということが結論として出るわけでございますが、先ほど申し上げましたように、公的資金によります住宅につきましては、借家に重点を置きたいということでやっておりますけれども、全体といたしましては、第一期の住宅建設五ヵ年計画では、持ち家と借家の比率を五〇対五〇ということで、半々という計画を立てたわけでございますが、その後のそういった経済条件の変化、それから需要の要望に対する対応のしかた等を考えまして、第二期計画では、持ち家五五%に対しまして借家四五%という、全体の数字ではそういう比率で計画を立てておるわけでございまして、今後とも勤労者の持ち家対策ということにつきましては、われわれといたしましても力を入れなければいけないという計画を持っております。したがいまして、これにつきましての対策といたしましてはいろいろございますが、まず地価なりあるいは建築費の安定なり、それに対する持ち家取得のための税制に対する措置等、あらゆる施策を講じまして持ち家の促進を講じてまいりたいということで第二期計画を立てております。
○小柳勇君 いまサラリーマンで一番困りますのは、土地の値段が高くてなかなか手に入らないことですね、どんどん値上がりいたします。持ち家制度を一つのねらいとするこの法律ができます以上、宅地対策というものががちっとしておりませんと、金は借りますけれども家はできぬのではないかという心配をするわけでありますが、労働省なり建設省、特に建設省が主管庁でありますから、建設省では、この勤労者の持ち家を進める上で、宅地政策に対して一体どのような積極的な政策をお持ちですか。
○政府委員(多治見高雄君) 私、いま住宅局長でございますけれども、地価問題は私の局の所管ではございませんが、これは建設省といたしましても一番重点として力を入れておる問題でございます。またわれわれの五ヵ年計画を達成いたしますためにも地価問題が一番重要であるということで、われわれの立場といたしましては、とにかく地価の安定をはかってまいりたいということで、地価を主管しております部門に強い要望を出しております。ただ非常にむずかしい問題でございまして、御承知のように、地価対策の閣僚協議会ができまして、そこで基本的な方針をおきめいただきまして、それに基づいて建設省としていろいろな施策を講じておる。特に地価の公示制度がようやく緒につきまして、これから実効をあらわしていく段階であるというふうにわれわれ考えておりますが、今後とも私のほうの住宅建設五ヵ年計画を達成するためには、この地価問題がやっぱり一番ポイントになるということで、われわれといたしましては地価の安定に大いに力を注いでいきたい、こういうふうに考えております。
○小柳勇君 労働大臣に、いまのこれは大きな問題ですから、閣僚としてお聞きするんですが、金を貯金いたしましても、御存じのように、物価上昇いたしますと土地や建物の値段が上がってきまして、三年貯金いたしまして三年先に一体家が建つかどうかという非常に大きな問題。それで、建て家の建築費の値上がりももちろんでありますが、これは物価値上がりを押えなきゃならぬ、これももとよりでありますが、宅地の問題、宅地を入手する問題と、それから宅地の値上がりがほかの物価に比べてひどいという問題と、こういう問題について、この法案を立案される場面でも非常に論議されたと思うんですけれども、宅地政策について大臣は一体どうしようとしておられるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(野原正勝君) 宅地の対策は非常にむずかしい問題ではございます。そこで、建設省が盛んにやっておりますのは、やはりそういった面でいわゆる開発地域をつくるとかいろいろな対策で、そこに適正な工場や住宅地を造成しようということに対して農地の転用等もできるだけ大幅にやっていこうというような政策を進めておるわけでございますが、私どもは、こうしたいままでのわが国の宅地が非常に高騰したという問題は、やはりこれはどうも根本的にかなりな問題があるように思います。この地価上昇という問題は、いままで土地所有者から土地を譲渡せしむるという政策一点ばりできたんですが、どうもそういう政策ではなかなか解決ができないというふうに考えております。そこで、先日来、建設大臣とも話しておったんでございますが、これはやはり土地を所有者から譲渡によらず、これを必要に応じて貸与を受ける、借してもらうという政策ができないものかどうかという点で、実は農業団体等とも話し合っておるわけですが、これは地価の上昇が必ずしも土地所有者にあまり喜ばれていないということもございます。というのは、地価があまりにも上がったためにその地価の上昇部分については、かえって何かとトラブルが起きておる。相続の問題であるとか、分配の問題等について家庭内に無用の摩擦が生じておるということもございますので、どうもあまりにも急激な上昇はかえってありがたくないということもございまして、やはりこれは安定した形で、これが長きにわたってほんとうに利用する方にお貸しすることができるならば、かえってそのほうがいいんではないかと、つまりこの場合において土地をお貸しする場合に、一たん貸した場合においては、それが一つの権利を生じて、そのために実際の物価、賃金の上昇等があっても地価だけはあくまでも据え置きをされる、またそれが権利として頑強に主張されるというふうなことになっても困る。その点において、適正な物価等の上昇に見合って、将来それがスライドされるということになるならば、あるいはまたそれに対する何らかの保証機関がそれに対して土地所有者に保証を与えるということができるならば、あえて必ずしも非常に高い価格で譲渡をしなきゃならぬというものではない、むしろ適正価格でお貸しするほうがかえって土地所有者の所得の安定のためにも好ましいことであるというような主張もございまして、この際ひとつ土地をすべて譲渡による不当な値上がりをかえって惹起するような姿ではなしに、実際にお使いになる方に対して、これを適正な価格でお貸しするというふうな政策がとれないものかどうかということで、至急に検討してもらおうという話で関係機関とも連絡をしております。幸いにしてそういうことができますならば、いまは総合農政の見地からも、農村地域等ではかなり大きな土地が実は住宅地等にも振り向けられることができるわけであります。そういう姿が好ましいのではないかという点で、ただ、それは大市街地あるいは過密地帯等においては、すでにもういまさらそれを言ってもしかたがないということで、これはむずかしいと思いますけれども、地方都市あるいは農村地域等、交通の状況が許すならば、住宅地としてふさわしいと思われるところはたくさんある、そういうものに対しては、かえってそういうような方式のほうがむしろいいんではないかというふうな議論も起こっておりますので、これからそういったものについて十分に検討をしていただこうというふうに考えております。
○小柳勇君 この法律をつくる以上、その金を貯金するだけではなくて、住宅、持ち家制度が前進するということが一つの大きな柱なんですね。それには貯金をさせるだけではなくて、家を建てられる、それにはちゃんと労働省も建設省も、この宅地については保証があるくらいなことを言わなければ貯金しませんですよ。この財産形成のこれは毎月貯金する人には、もう宅地はこれこれちゃんと予想しておりますと、これはありますよと、これはあまり宅地を値を上げませんで、ちゃんとありますよ、そのくらいのことをやらなければ、この持ち家制度の推進とかあるいは勤労者財産形成促進法などと言えないですよ。いまの大臣の答弁を聞いておりましてもぴんときません。賃金部長ひとつ御答弁願います。もう少し具体的に御説明願いたい。
○政府委員(岡部實夫君) 御指摘の点につきましては、この法案を作成するにあたりまして、私どもも非常に現実的な大きな課題として検討いたしまして、当初予算要求の際には、私ども、土地の先行取得を私どもの事業団において行なうということが非常に具体的かつ有効な施策であろうという案も考えておったわけでございます。それでいろいろ折衝をいたしたわけでございますが、まあ各省がそれぞれ土地の問題をいろいろ手当てをするために別個にいろいろの施策を講ずるということは、政府全体の住宅政策あるいは宅地政策との関連で必ずしも好ましくないということもございまして、その点につきましては、建設省におきまして従来にもさらに増していろいろ努力をしていただくということで、この法案におきましては、第四条で勤労者の財産形成政策の基本方針をつくるにあたりまして、勤労者の持ち家の取得にかかる問題につきましては、建設大臣がその主管の大臣となる。したがいまして、この全体には、労働大臣並びに一般貯蓄については大蔵大臣、したがいまして、労働大臣、大蔵大臣及び建設大臣がそれぞれ協力して、この基本方針を策定する責任の大臣となるということになって、具体的に基本方針を策定するにあたりまして、私どもとしては、建設省と十分連絡をとりながら、この財産形成制度の発展の段階に応じて適正な土地の手当てが十分行なわれるように、この基本方針の中にいろいろ織り込んで建設省の御協力を得たいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○政府委員(多治見高雄君) ただいま御答弁ございましたように、今後の住宅建設の計画といたしましては、われわれといたしましては、やはり宅地の供給、しかも安定した価格における供給ということが一番ポイントになるということで、五ヵ年計画の策定にあたりましては、住宅建設の裏づけとなる宅地の供給の計画を立てているわけでございます。それによりますと、われわれ五ヵ年間で九百五十万戸の住宅を建てたいという計画を立てているわけでございますが、それに必要な宅地の面積といたしましては七万五千ヘクタールということを予想しております。それに対しまして、これをどういうふうに供給していくかという問題でございますが、一番政府といたしまして強力に推進する必要がありますのは、公的な宅地開発による土地の供給ということで、これによりまして二万二千ヘクタール、民間の現在の企業の供給能力からいたしますと、これによりまして二万二千ヘクタールを供給するということで、そのほか区画整理事業等によりまして供給されます宅地を合わせまして、大体五ヵ年間に九百五十万戸の住宅を建てられるだけの宅地を十分供給できるという見通しを立てて計画を立てているわけでございまして、その価格につきましても、先ほど申し上げましたように、あらゆる施策を講じまして、安定的な価格で供給できるということを目途にしてこれから五年間努力するつもりでございますので、一応現在の段階ではそういった計画によって安定的な価格による土地の供給は可能であるというふうに考えておるわけでございます。
○小柳勇君 問題はたくさんございますけれども、時間が少ないものですから、要点だけいま質問しておりますけれども、物価の値上がりを押えませんと貯金するだけの意欲がわいてきません、貯金をしておっても貯金の利子よりも物価の値上がりが高いのだから。それと今度は特に土地、土地のほうがよけい値上がりいたします。だから土地の値段が上がって建物の値段がどんどん上がりますよ。貯金をしましてもばかばかしいから貯金しません。それはうまい説明をやっておりますけれども、簡単にそれはこの財産形成法の適用を利用するという気にならないですね。 そこで、もう少し具体的に言うならば、もうちゃんと五十万人がこれに加入したならば、その中の——さっき年間に二万五千戸の予定があるならば、それだけの土地は値上がりしない土地が確保できるくらいの施策をしなければならぬと思うのですよ、二万五千戸分はここ、ここですと。あるいは各地にいろいろ分散しましょうから、そのくらいのことをしなきゃならぬと思うのですね。 そこで、西ドイツのほうでは、持ち家制度については、特に国が財政的に援助しているというふうに聞いておりますが、この持ち家制度に対する西ドイツの今日までの財政援助などの措置、西ドイツの財産形成に対する中の持ち家制度に対する援助措置などについて説明を願います。
○政府委員(岡部實夫君) 西ドイツでは、特に住宅の問題に関連しての財産形成の制度は、御承知のように、勤労者財産形成促進法に基づきまして、いわゆる財産形成の給付というものが行なわれる、それが住宅建設割り増し金法に規定する住宅積み立てというものに回されましたときに、七〇年の改正の前は年三百十二マルクが限度でございましたが、七〇年に六百二十四マルクまでに倍にふやされましたが、それまでの貯蓄に対しまして割り増し金の二五%ないし三五%の割合で支給し、さらに勤労者に対しましては、それに対しまして三〇%ないし扶養の子供がある場合におきましては四〇%まで、これに割り増し金をさらに増額するというような制度になっております。いわば減税分と割り増し金との二本立てということになっておりまして、その全体の措置に関するそれぞれの負担額がどのようになっているかという御質問でございますが、手元にございます資料によりますると、一九七〇年の段階では、いわゆる勤労者財産形成促進法に基づきます減税措置として三億マルク、住宅建設の奨励措置といたしまして減税その他を含めて四十一億マルクというようなことになっておりまして、全体のいわゆる歳出総額、連邦州市町村の支出する歳出総額に対してこれらの負担は、大体減税で〇・二ないし〇・二五%、それから全体の総支出におきましては二%くらいの財政負担ということになっております。
○小柳勇君 西ドイツでそんなに援助しておりますから、日本でもやらなければならぬですね。この法案はいろいろ紆余曲折してきたと思います。話を聞いておりますが、この法案が通ったあとは、いまの西ドイツの考え方など織り込んで、なるべく早い機会に急速に持ち家制度が前進するように、法律を改正しながらスタートを進めてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(岡部實夫君) 御指摘の点につきましては、当初のいろいろな考え方から今日提出されました間にいろいろな出入りがございまして、今日のような段階になりまして、私どもも率直に申しまして、いまの社会経済の状況下において、このような制度が十分勤労者にとって魅力あるものであり、かつそれが予期したように活用されるものであるかどうか、この点につきましては、率直に言って、この施行の状況をある程度見てみないとわからない。私どもは、少なくとも現状においてもある程度いろいろな自主努力をやっておる、それに対して援助措置を講ずることによって、当然これが促進されるとは思いますけれども、それが予期したように十分活用されるかどうかということにつきましては、今後の施行の状況もある程度見なければならぬ。そこで御指摘のように、この施行にあたりましては、財産形成促進のための政策を審議するための審議会を設けまして、ここに関係者の皆さんにお集まりいただきまして、いろいろな御意見を承りながら実情に即して、かつほんとうに魅力あるものにしていくための努力を引き続きやってまいるつもりでおります。
○小柳勇君 いま財産の問題で動産、不動産の話が出ましたが、法案に関係のあるものをこれから簡潔に質問していきたいと思うんです、あと渋谷委員も待っておりますから。 それで、いままでのような話で、現在住宅生活協同組合も持ち家制度の一環の活動をしておるわけです。なぜ住宅生協を勤住協と同じように扱わなかったか、御説明願います。
○政府委員(岡部實夫君) この法律で、いま御指なかったか、御説明願います。
○政府委員(岡部實夫君) この法律で、いま御指摘のところは、雇用促進事業団から住宅建設のための資金を借り受け得る団体の対象のことであろうと思いますが、これにつきましては、ここにございますように、まず事業主あるいはその団体ということで、しかもそれらの団体は勤労者の持ち家取得あるいは持ち家の建設に対して、何らかの形の援助措置を講じているものということでしぼりまして、事業主及び事業主の団体をまず対象にする。それから、勤労者の団体でございまして、文字どおり勤労者のための住宅建設をやっている団体、これについては、本来の目的がそこにございまして、そのための特別な団体についてはこれを当然考えるべきだということで、法律に基づき特別につくられました勤労者住宅協会を対象に取り上げました。 そこで、御指摘の住宅生協について、なぜこれを入れなかったかと、これにつきましては、いろいろと私ども議論いたしたところでございますけれども、まず第一には、融資の財源といたしまして考えておりますのが、勤労者のいわゆる財産形成貯蓄を引き当てにする、これを引き当てにいたしましてやってまいるわけでございますので、一般の公的ファンドをもとにするわけではない。そこで、これらの資金について、まずどの程度できて、それが還元されるかということになりますもので、したがいまして、その当初からこの対象をいろいろふやしていくということについては問題があろうということで、できるだけ対象をまさにこの目的に十分密接に関連しながら、住宅建設に実効があがるであろうと思われるものに、まずスタートにおいてはこれに限りまして、それでスタートしていくということにするほうが有効な資金活用にもなるであろう。それから、もう一つは、これは非常に現実的な問題でございますけれども、御指摘の住宅生協は、現実には勤住協を通じてあるいはその委託を受けて住宅建設をやっておるという事実もございますので、そういう点につきましては、この法律で何ら禁止してございませんので、現実においては勤住協を通じまして勤労者の住宅建設のために従来どおりその一翼をになっていただくということで、現実には御協力いただけると、こういうふうに考えて法案の対象からはずしました。
○小柳勇君 第九条の第一項の「日本勤労者住宅協会に対し、」云々と書いてありますが、そのあとに、生活協同組合その他これに類する団体という修正はできませんか。
○政府委員(岡部實夫君) ただいま御説明申し上げましたように、この法案におきましては、この集まりました金をできるだけ有効に活用してまいる。そういう意味で、この対象は、この法律の目的にかなって有効に資金が活用されるものということで、その資金にも限りがございましょうから、そこでスタートにおきましては、少なくともできるだけ対象をしぼって、有効に進めていくことがむしろ適切な運営をはかれるゆえんであろうと、こういうことを考えておりますので、当初においては、原案によって進めてまいることが妥当であろうと思っております。
○小柳勇君 次には、共済組合——国家公務員あるいは公企体、あるいは地方公務員共済組合も同種の事業を行なっておりますが、その事業を勤住協に委託できるように、早急に関係規則や規定の整備をはかってもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(宮崎清文君) ただいまの御質問でございますが、まあたてまえといたしましては、公務員に関しましては、共済組合または共済組合連合会が分譲住宅をつくりまして、これを分譲するというたてまえになっております。しかしながら、今後、この実施の段階におきまして、それ以外の公的な機関にこれを委託して行なわせるというようなことも関係各省と協議しながら検討してまいりたい、このように考えております。
○小柳勇君 次に、公務員の賃金控除については、民間団体と同様な取り扱いがなされるように具体的な指導をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(宮崎清文君) 公務員の賃金控除につきましては、まあ経理と申しますか、給与担当者の事務の問題もございますので、今後、職員の意向も十分に反映させるように考えてまいりたい。繰り返しますと、給与事務の者との均衡を考えながら、職員の意向が十分反映されるように配慮してまいりたい、このように考えております。
○小柳勇君 一般的な賃金控除ですけれど、その事業主が被用者から賃金控除する場合は、労働基準法では団体協約によることになっておりますね。この法律では労働組合ということばを使っていないわけですよ。これだけの法律をつくるのに、労働組合その他団体と、なぜ労働組合というものを書かなかったのか、まず御説明願います。
○政府委員(岡部實夫君) この法律で掲げておりますのは、いわゆる財産形成の制度として財産形成貯蓄と、これについてどういう援護措置を講じていくか、その集まった貯蓄をどういうふうな形で持ち家建設の資金に運用していくか、この大きく二点でございまして、その前者につきましては、貯蓄は個々の勤労者がやる、自由に自主的にやっていくということのたてまえでございますので、この面については、労働組合は直接出てまいらぬわけでございます。そこで、賃金の控除をしていく、こういう制度を取り入れた場合に、基準法との関係が出てまいりますが、これは特にこの財産形成貯蓄をやる場合の控除について一般基準法の特例を設けるという趣旨ではございませんので、一般基準法の線に沿って、財産形成貯蓄のために天引きをするという場合には、一般の手続を当然踏むべきだということでございますので、そのほうは基準法の規定にそのまままかして適用されるということにしておりますので、ここでは労働組合がそういう意味で文言上出てまいる余地が実はなかったということに御了解いただければけっこうでございまして、特別に労働組合をどうこうという趣旨で排除したとかいう趣旨ではございません。
○小柳勇君 これは労働大臣にも確認をしておきたいんですが、労働大臣、この法律には労働者ということばとか労働組合ということばを故意に避けてあるような印象を受けるわけです、私読んでおって。いまから十数年前には、労働組合と勤労者というのをわけて使っておりました。いまはそうではありませんね。いまは自民党の諸君だって働く者、労働者と演説しておりますから、いまはちっとも関係がないのに、故意に勤労者ということで、労働組合なども使わないような配慮がなされたような気がしてならぬのでありますが、そんなことは全然ないと、そういうことを確認していいですね。
○国務大臣(野原正勝君) 勤労者という名前で全部しぼったというか、統一したというわけでございまして、特に労働組合とか労働者という名前は使っておりませんが、勤労者という名前でこれは統一したんだろうと考えております。ほかに何ら他意がないように考えております。
○小柳勇君 それは教職員特例法によりまして、その労働基準法の適用を除外しようというような考えも出てまいっておりますから。 この第十五条には国家公務員、地方公務員が含まれてあります。勤労者ですから当然なんですね。きょう、あるところから第十五条の削除を要求してくれという要求もありました。その要請が方々からあるのですよ。それは国家公務員や地方公務員、公企体の職員は共済組合でやっているからもうこの法律は必要ないんだという意見です。かえってこれがあると、現在やられておるのが足踏みするし、引っ張られるし、あるいはそれがあるためにということで、この法律ができたためにということで、こちらのほうのその資金がダウンされる危険性がある。逆にこっちから金がきまして、このほうの貯金を共済組合に持ってきてこれを利用する面もある。たとえば国鉄なら国鉄に例をとりますと、国鉄はいま金が足らぬから国鉄のほうの側が負担すべき金をこれで肩がわりするような危険性も出てきはせぬかという、そういう危険性もありまして、第十五条を削除せよという意見もありました。そのときに私が言ったのは、これは日本の労働者に適用する法律であるから、国家公務員であろうと地方公務員であろうと、共済組合の組合員であろうと、これは一般的に書いてあるのだ。それで納得はいたしましたけれども、いま申し上げましたようなことも気になりますからいま質問しました。 そこで、公務員の第十五条の関係ですね、公務員等に関する特例があります。ありますが、現在共済組合がやっている持ち家制度の推奨なりあるいは預貯金の方針その他については、これでは足を引っ張るようなことはないと、これを確認してほしいですね。
○政府委員(宮崎清文君) ただいま御指摘の一つの問題は、共済組合員の貯金経理との関係であろうと存ずるわけでございますが、組合員の貯金の受け入れと運用は国家公務員共済組合法の規定に基づきまして実施されているわけでございますが、その資金の運用につきましても、法令により規制されております。また資金の共済組合各経理間での貸し付けにつきましても、大蔵大臣の承認を必要とするという仕組みになっておりまして、共済組合の一般的な貯金経理は安全に運用されておるわけでございます。したがいまして、御懸念のようなことは万々ないと思いますが、また特に共済組合の貯金経理の改正につきましては、組合法の規定に基づきまして、各省共済組合の運営審議会の承認を必要とされております。御承知のように、この審議会の委員には組合の方も任命されておられますので、十分に組合員の意向はその点で反映される、このように考えております。 〔理事上原正吉君退席、委員長着席〕
○小柳勇君 民間と公務員との関係がアンバランスになりませんようにこれは扱ってもらわなければ困るのです。 そこで、もう一つは、具体的にはこの法案によりますと、政府が六億円、その内容は一般会計が一億、失業保険特別会計から五億を事業団に出資して住宅融資の際に利子補給することになっておりますが、この種の施策に一般会計から出資するのはうなずけるが、失業保険特別会計から出資することは、失業保険の本来の趣旨からいって筋が通らないということはいかがでございますか。
○政府委員(住榮作君) 失業保険制度は、もちろん失業という保険事項に対して保険金を給付しまして、失業者の生活の安定をはかる、これは最も大きな目的でございますが、同時に、失業者の再就職の促進とかあるいは被保険者の雇用の安定、あるいはまた被保険者であるとか被保険者であった者の福祉の増進をはかる、こういうことで各種の福祉施設をやっておるわけでございますが、この勤労者財産形成法の対象となる勤労者は、国家公務員、地方公務員等を除きまして、大体まあ失業保険の被保険者である。そういう被保険者の福祉の増進をはかるあるいは雇用の安定をはかるという観点から、失業保険から出資いたしまして、その運用収入をもって利子補給に充てる、こういう趣旨のものでございまして、私どもは、失業保険法の福祉施設としてこれを考えて出資をしたものでございます。
○小柳勇君 そうしますと、失業保険会計のほうの利益を考えて出資してあると、特別にこの法案と失業保険特別会計との結びつきじゃない、というならば他の共済組合、これを調べていきますと、他の共済組合にも失保から貸し付けなければならぬことになるから、とりあえずはこれだけに貸したと、それが失業保険特別会計の利益のためであると、このように考えていいのですか。
○政府委員(住榮作君) 私どもは、あくまでも大部分が失業保険の被保険者である、そういう観点から、被保険者の雇用の安定という観点から福祉施設として事業団に出資したと、こういうように考えております。
○小柳勇君 若干こうすきっとしませんけれども、一応聞いておくことといたしましょう。少しすっきりしませんですよ。ほかのほうにも同じようなことをやらなければなりませんからね、なぜこれに五億失保特会から出たかということは、これはもう少しがちっとした理論づけが必要じゃないかと思いますが、その問題はまた別途に聞きます。 そこで、次に公務員の問題でもう一つは、労働金庫を利用する場合に、この制度の運用で不利にならないようにしてもらいたいと思うのです。これは人事局長ですか、現在公務員も労働金庫を利用しているのですから、この制度の運用で不利にならないようにしてもらいたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(宮崎清文君) 公務員につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、共済組合及び連合会がその事業を行なうわけでございまして、その資金の調達は、直接共済組合等が勤労者財産形成貯蓄契約を締結いたしました金融機関等から融資を受けまして行なうことになっているわけでございます。 そこで、いま御指摘の共済組合が労働金庫から分譲住宅の資金を借りることにつきましては、一定の制約がございます。この点は、この制約と申しますのは、労働金庫の会員となるというようなことでございますが、この点につきましては、すべての共済組合に共通した問題でございますので、今後の具体的な運営状況等につきましては、なお検討を加えてまいりたい、このように考えております。
○小柳勇君 検討を加えるというと、どういうことですか。悪くなるように検討してもらっては困るのですよ、どういうことですか。この運用上不利にならないようにしてくれということですよ。
○政府委員(宮崎清文君) 御質問の御趣旨を十分体しまして検討を加えたいと思います。
○小柳勇君 次は、雇用促進事業団がこの事業をやろうとしておるが、雇用促進事業団本来の目的からはずれはしませんか。もっと別の団体をつくりましてやるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(岡部實夫君) 雇用促進事業団は、御承知のように、現在すでに勤労者のためのいわゆる雇用促進住宅の建設とかあるいは各企業がいわゆる福祉施設として行なう住宅のための融資等の仕事もやっておりまして、雇用促進事業団自身のこの勤労者財産形成につきましてそのような仕事が今度行なわれるということにつきまして、事業団にその趣旨の規程を置くことにいたしましたわけでございますが、こういったことが矛盾するかどうかということについては、冒頭申し上げましたように、現にやっておりまする事業団の活動と関連いたしまして、勤労者の福祉の増進その他あるいは雇用の安定ということを目的とする総合的な活動の一環として行なうことになるので、従来の仕事にさらにここに新しく同じような——同じようなと申しますのは、ただいま申しましたような趣旨のことがつけ加わるということに御理解をいただければよかろうと思います。
○小柳勇君 現状ではあるいはやむを得ないかと思いますので、この仕事の性質上、雇用促進事業団の本来の目的とは若干性質を異にすると思いますから、近い将来に、これは他の部門にするのか、別の機関をつくるのかということを考えなきゃならぬと思いますが、希望意見として申し述べておきます。一応いまの段階ではやむを得ないかもわかりません。 そこで、その勤労者の預金の総額の三分の一を住宅関係に運用する、あと三分の二は他のほうに回っていくんでありますが、さっき賃金部長の話では、現状は市中銀行にいきましたものの一%しか借り入れられませんと言われた。ですから三分の一でも多過ぎますというお考えかもわかりませんが、三分の一にしました理由は何ですか。
○政府委員(岡部實夫君) まあ最終的に三分の一と実はきめたわけではございませんが、少なくとも三分の一は確保したいということを考えておりますが、そういたしましたのは、実は、いわゆる財産形成貯蓄として銀行、金融機関、一般の金融機関に預貯金されますもの、これは法律のたてまえ上は、一応三年の継続的な契約によるものといっておりますが、一年をたちました暁には、これはいつでも引き出し得るということに相なっておるわけです。そこで、金融機関に集まる金につきましては、いわばそういう短期の貯金ということも考えられる。しかしながら、一方において雇用促進事業団が借り受けます場合には、この方式も、事業団債の発行の引き受けとかあるいは長期借り入れということになりましょうが、いずれにいたしましても、長期の借り入れということに相なるわけです。そこで、片一方は短期で引き出すこともあり得る、片一方は必ず長期にある程度資金を寝かすんだということになりますので、その間の資金減価の調整の問題もありましょう。それからもう一つは、この制度の創設によりまして財産形成貯蓄がなされるわけでございますが、その場合、この運用の実情をはっきりつかまないと何とも申し上げられませんが、いわば預貯金のシフトということで行なわれるということも考え得ると、そういうようなこともございまして、とりあえず少なくとも最低三分の一程度は勤労者の持ち家住宅の建設に還元するための協力を求めるということにいたしまして、今後の運用の実情によりまして、できるだけよけい還元されるように努力をすべきものと考えておりまして、そういった不確定ないろいろな要因がございますので、とりあえず三分の一は少なくともと、こういうつもりで言っておりますので、これもまだ最終的にきまったわけではございません。今後の貯蓄の状況等を見合わせながら、できるだけよけい持ち家住宅の建設のための資金に回るように努力をいたしてまいりたいと思います。
○小柳勇君 次には中小企業の優遇についてですけれども、この法案によりますと〇・五%の金利差をつけるということが一つの特徴になっておりますが、問題は、一つはこの中小企業というのは、いわゆる中小企業基本法に定義づけられる中小企業であるかどうかという点と、〇・五%の金利差だけの優遇では、大企業と中小企業とのバランスを考えた場合に、まだ中小企業優遇として不十分ではないかと思うが、いかがでございますか。
○政府委員(岡部實夫君) 中小企業に対する優遇措置でございますが、これも大企業に対する融資の場合と、少なくともその金利について格差を設ける、低利にしていくべきでございます。これらにつきましては、その格差を〇・五という御指摘もございましたが、これにつきましても、いまの各融資機関等の実情とも十分にらみ合わせながら、今後最終的に決定をしていきたいと、これも少なくとも〇・五%程度の差は設けるべきだと。さらに私ども、できますればその実情に沿うように、どこまで低利でできるか、これらは利子補給との関連もございますので、今後の運営の実情とあわせて考えてまいりたい。 それから中小企業につきましては、個々の事業主がこの住宅建設をすることよりも、むしろ現実の姿といたしましては、事業主が共同して持ち家住宅を建設するというような実例も非常に多いように聞いております。そこで、事業主の団体については、この事業主そのものについて、いろいろ協力をするように、十三条の規定を設けておりますのもそういう趣旨でございますし、いまの共同してやる場合に、その団体は通常の場合、協同組合法による協同組合等、既設の多目的のそういう団体が住宅問題を取り上げてやることも多かろうと思いますが、必ずしもそれにこだわりませず、現実に相協力して、その事業主の持ち家住宅を建設するための団体をつくって行なう場合にも、当然対象として考えてまいりたい。それがまた実情に即する措置であると考えております。
○小柳勇君 中小企業の親方さんのほうの援助と同時に、給料から貯金を差っ引かれるいわゆる勤労者、労働者の権利というものを考えておかなきゃならぬと思います。親方さんは、事業主のほうは、もう働く者が自分の店員が反対しておっても——いろいろの環境もありましょう、皆さんの推奨もありましょうが、強引に引く場面が出てきはせぬかということを心配するわけです。それは、社内預金と同じになってまいりますね。社内預金については相当問題がありましたから、再々チェックしておりますが、そのために、さっき労働組合ということばを使いましたけれども、その事業場に働く勤労者の承諾なくしては絶対やらないという保証を取りつけておかなきゃならぬ。だから、これは附帯決議でもいいんですけれども、これははっきり労働組合がないところは多数の団体ということになっております。法律にもなっておりますが、その職場の個人個人の意思を十分尊重して、その承諾なくしては一切チェックをしない、給料からその貯金は引かないということは、この際に言明をしておいてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(岡部實夫君) 貯蓄契約そのものは、勤労者の個人と預け入れる金融機関との間で行なう。それに基づいて事業主はむしろ給料から差し引いて勤労者にかわって預け入れの手伝いをやるのだ、こういう考え方に立っております。ただ現実の運用として、いま御懸念のようなことが指摘されたわけでございますが、これにつきましては、先ほど申しましたように、事業主が現実にチェックオフするという場合には基準法の二十四条の規定がかぶりますので、労使協定が前提となるということになっておりますので、労使協定がない場合にかってにチェックオフすることはできない、こういうたてまえになっております。したがって、いま御懸念のようなことは、この法律のたてまえ上は絶対にない。ただ運用については、またそういうことがないように当然考えておくべきだろう。両面相まちまして、御指摘のようなことがないように十分運営されるものと考えております。
○小柳勇君 あと物価値上がりと貯蓄率の問題とかあるいは民間企業の持ち家制度の実施状況とか、あるいは現在の通勤する人たちの持ち家と職場との距離などの問題、それから都市構造上の問題など、たくさん問題がありますが、私の質問時間が大体終わりました。 そこで大臣、最後に私は質問しておきたいのですが、この法律をいまずっと論議してきまして、結論的に言えることは、それは立法の過程でいろいろ各省との折衝なり、与党との折衝なりでこんなになってしまったと思いますけれども、一口に言うならば、現在貯金している労働者の貯蓄熱をもう少しあおっておいて、そして貯金をふやしていこう。それを事業主が銀行に預けていく。その銀行が雇用促進事業団に金を出して、そこで土地を買い、家をつくる。したがってその恩典に浴する者は一体どのくらいあるか。大企業のほうでは、まあ社内預金と同じに扱って、その金を持ってきてどんどん家をつくって、そしていまの労働力を定着させるためにそれを利用するかもしれない。ところが中小企業、零細企業の親方さんは、おそらくこれをさえ扱い切れないのじゃないか。だから全般から金を集めてきて、そして利用する者は大体中以上の者である。弱い者はこれをただ若干貯金するだけで、ほとんど恩典がないのではないかというのが率直な私のこの法案に対する気持ちです。だからこれを前進させるためには、これに加入した者は、とにかく土地も安く手に入る、頭金についても何らかの方法で貸してくれる、そしてあと月賦で生活をいためない程度に払ってさえいけば自分の家が持てる。しかもそれは若いうちに、うんと働けるうちに家が持てるという、そういう希望が、しかもその希望は国が財政的援助をして、そしてその希望を与えるものでなければほんとうの法律じゃないと思うのです。ただ持ち家が共済方式の、しかもそれは零細企業、中小企業に働く者にはちっとも恩典がこないというようなものでは、私はほんとうの法律の値打ちはないと思う。しかし折衝したあげく、これは一歩ここに踏み入れるのだという意味でわれわれはこれを了承したいと思うのですね。したがってこの法律が通りましたあとは、各界各層に対する指導ももちろんでありますけれども、早急にこれを前進せしめ、どんどん一年一年毎年予算を取り、法律を修正していく。そして私どもが念願しておるような持ち家制度ができる。しかもそれには各省の協力も必要でしょうけれども、こういうふうにしてもらわなければ、この法律を出してもあまり効果がないと思いますから、今後の大臣の決意を聞いておきたいと思うのです。 これで私の質問を終わります。
○国務大臣(野原正勝君) 勤労者財産形成促進法、これは私どもも、必ずしもこれで十分であると考えておりません。むしろこうした大きな政策を出す限りは、思い切って財政投資を十分行なって、必要な土地は先行投資もどんどんやる、同時にまた利子補給等も、さっき御指摘がございましたが、中小企業等に対しましては〇・五というふうな差では十分でないことはもちろんでございます。したがってその点も今後のこの勤労者財産形成促進法ができました暁におきましては、むしろ十分な利子補給を行なうような体制に持っていきたい。同時にまたこれが勤労者の皆さん方のほんとうに豊かな勤労者生活の実現に向かって効果あらしめるためには、やはりこれに対する単なる利子の非課税というふうなことでは、ほんとうは不十分でございます。これは税額控除として、思い切ってその税額控除の方策を行なわしめるというふうな対策ももとより必要でございます。これは当初からそういうふうな主張であったのでございますが、遺憾ながらこの当初においては利子の非課税ということに落ち着いたのでございますが、これは必ずしも当局側の要望が十分に生かされたとは思えない面がございます。こうしたことによって、同時にまた、これも雇用促進事業団の中に一応置くわけでございますが、これもやはり将来を考えてみますと、財産形成事業団というような別個の一つの機関が必要となってまいるときが必ずくるであろうと考えております。したがって、まあ出発は一応やむを得ずこの程度でいくのでございますが、一日も早く当初の予定しましたような方法で、これが勤労者のためにほんとうに喜んでもらえるような強力な機関となり、その政策が十分に勤労者の方々に御理解をいただいて、これが将来に大きな希望を持っていけるようなものにまでこれをぜひ発展させたいというふうに考えておりますので、まあその点は今後の方向として——西ドイツ等においても、すでに幾たびかの政策の改正を見たわけでございますが、これも必ずこのままで続けられるものではない。今後時世に応じ、これがますます拡充強化され、あるいは改正を見て、だんだんとそういう方向に近づいていくという努力をあくまでも続けていきたい、そういう考えでございます。
○渋谷邦彦君 最後の労働大臣の答弁によって締めくくりのような感じを受けるわけです。今後の展望を通じて、せっかく制定されようとしているこの制度を何とか希望あるものにしていきたいと、そうしていただかなければこの法律の精神にもとるということは言うまでもないわけであります。確かにこのアイデアと申しますか、西ドイツの先例にならったとはいうものの、非常に興味あるものであろうとは私も思います。しかし残念なことには、いままでの政府答弁をずっと伺ってみる限りにおいては、はたして勤労者の方々が、しめた、おれもいよいよ家を持つことができるかという、その希望まではとうてい近づけない、これが結論だろうと私思うのです。 この法律の骨格は、申すまでもなく二つです。利子に対する非課税、それから持ち家制度というものを何とか促進させる、この二つの柱がその骨格をなしているといっていいわけでありますが、先ほど来からこの二つに論議が集中されて、政府の今後に対する考え方というものを伺ってきたわけでありますが、とりわけ、この持ち家制度については、先ほど来からのお話を聞くまでもなく、非常に難解な問題が山積しているということは大臣も御承知のとおりであります。ただ、ここで五年間という一つの目標があるようでございます。五年間において、ともあれ、まず第一段階の着手目標として、持ち家というものを促進させる具体的な方途というものを現在検討もされ、それを進めていくんだ、先ほど住宅局長の説明を待つまでもなく、そういう結論であったように思うのであります。 そこで、若干重複する面もあろうかと思いますけれども、一つ一つ整理をしながらお尋ねをしてまいりたいと思うのですが、最初に住宅局長のほうへ伺ってみたい問題がございます。 先ほど五年間で七万五千ヘクタールの土地に九百五十万戸の住宅をつくる方針である、こういうお話でございましたが、具体的にはどういうふうに進めていかれるのですか。
○政府委員(多治見高雄君) 私どもで計画いたしております第二期五ヵ年計画で、住宅を九百五十万戸建てますという計画になっているわけでございますが、これに必要な宅地の問題でございますが、九百五十万戸のうちには、新しく宅地を求めなくても、建てかえ需要その他で宅地がなくても建つ住宅もございますので、そういったいろいろな要素を勘案いたしまして、この計画を実施いたしますには七万五千ヘクタールの宅地を新しく供給しなければいけない、新規に供給する宅地でございます。これに対する供給のしかたでございますが、これにつきましては住宅公団、それから住宅金融公庫の融資によります住宅供給公社、そういった地方公共団体等もあわせまして、公的な機関で宅地を供給する、供給する力があるということで策定いたしますと、大体二万二千ヘクタール五ヵ年間に供給できるということになっております。それから現在の民間のいわゆるデベロッパーが宅地を開発して供給するという事業を行なっておりますが、それによります供給の五ヵ年間の見通しが、大体三万九千ヘクタールというふうに考えております。このほかに区画整理事業で一万四千ヘクタール供給する。合わせまして七万五千ヘクタールの新しく必要とする宅地を供給すれば、全体として九百五十万戸の住宅が建つであろうという計画になっておるわけでございます。
○渋谷邦彦君 九百五十万戸と一口に申しましても、その中身はどうなんですか。
○政府委員(多治見高雄君) 中身と申しますといろいろございますけれども、一番大ざっばに申し上げますと、九百五十万戸のうち公的資金によります住宅が三百八十万、それから民間の資金によります住宅が五百七十万というふうになっておりますが、公的資金の中には、公営住宅で供給するもの、住宅金融公庫の融資によりまして供給する住宅、それから公団が建てます住宅、それぞれ内訳をきめてございまして、何らかの国の資金の関与する住宅を三百八十万戸というふうに想定いたしております。
○渋谷邦彦君 さらに家の構造でございますけれども、どんなふうになっておりますか。
○政府委員(多治見高雄君) 九百五十万戸は、先ほど御説明申し上げましたように、民間の、われわれ自力建設と申しておりますけれども、それが五百七十万戸でございます。公的資金によります住宅は三百八十万戸ということになっております。その中で、構造的にどうだという御質問でございますが、その中の公団が建てて貸しますあるいは分譲いたします住宅につきましては、これはもう耐火構造ということではっきりきまっております。それから公営住宅につきましても、ほとんど九五%以上耐火構造で、いわゆるコンクリートで建てる住宅を供給するということになっております。公庫の融資いたします住宅につきましては、構造上の制限がございませんので、できるだけ地方住宅供給公社等を活用いたしまして、耐火構造で建てる住宅をふやしたいということで努力いたしておりますが、個人の貸し付けにつきましては、木造につきましても融資の道が開かれておりますので、構造につきましては特定の制限はございませんので、どういう構造の家が建つかということは、計画でははっきりきめてございません。それから民間の自力建設の五百七十万戸につきましても構造上の制約がございませんので、どれくらいの構造の、耐火にするか、木造にするかということにつきましては、一応計画には策定いたしておりません。
○渋谷邦彦君 そうしますと、一戸という基準はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのですか。
○政府委員(多治見高雄君) 住宅政策上、居住水準が一番問題でございますので、第一期の五ヵ年計画におきましては、小人数の家族、三人までの家族につきましては九畳、それからそれ以上の、四人以上の家族につきましては十二畳ということで居住水準をきめておったのでございますが、今度策定いたしました五ヵ年計画におきましては、三人までは九畳、四人以上につきましては十二畳以上で、人数のふえるにしたがいまして一人当たり一・五畳という畳数を増す。したがって、要するに住宅の規模がふえるわけでございますが、そういった居住水準の向上をはかって建てていくという計算でございます。
○渋谷邦彦君 次に、七万五千ヘクタールの土地のあり方でありますが、態様でありますが、それは都心ですか。都心地域はどれくらいの割合であるのか、それから郊外地域がどれくらいあるのか。
○政府委員(多治見高雄君) 御承知のように、昨年都市計画法の改正が行なわれまして、新都市計画法の制定が行なわれたわけでございますが、それに従いまして市街化区域と調整区域というふうに分けてございますが、われわれの住宅建設計画では、この新都市計画法で定められました市街化区域の中ということで限定して考えております。
○渋谷邦彦君 市街化区域というふうに一言で片づけてしまえばそれまでかもしれませんけれども、従来、線引きで非常に問題になった経過があるわけですね。もう近年特にそのスプロール化現象が著しいというようなことは、どういうふうに整理されて、これから具体案を立てられるのですか。
○政府委員(多治見高雄君) 新都市計画法の規定によりまして、現在線引きが進行中でございまして、大体現在の時点で八五%程度線引きが完了しているというふうに聞いております。実は、私、所管でございませんので、はっきりしたことは申し上げられませんが、大体近い将来、その線引きが終了するということになっております。したがいまして、新都市計画法の規定によりますと、市街化区域内は十年以内に都市施設を整備するということを目標に実施されるわけでございますが、住宅建設もそれに合わせまして、市街化区域内で住宅を建設するというたてまえにいたしているわけでございます。
○渋谷邦彦君 従来、公営住宅の場合でもそうでございますけれども、住宅が建ちましてから道路が建設されるという逆の方向をいつもとっていらっしゃるんですね。これはもう最大の欠陥なんですよ。これは私が何も知ったかぶりして申し上げる必要ないんですけれども、アメリカに見るまでもなく、ヨーロッパに見るまでもなく、最初道路ができてから住宅が建つというのがこれは原則じゃないかと思うんですね、しろうと考えでいたしましても。それで、当然それには下水等も完備して初めてそこに住宅が建つと、そこまでのやはり構想を持たれた上に立って、先ほど申された五ヵ年間において七万五千ヘクタールの土地に九百六十万戸を建設されるという御方針なんでしょう。
○政府委員(多治見高雄君) ただいま御質問にありましたような現状でございまして、確かに日本の住宅建設、諸外国に比べまして、そういった環境施設の整備を待たずに住宅だけがぽかぽかと建つという感じで、いままで御批判を受けているわけでございます。それで、われわれといたしましても、できるだけそういった都市環境施設を整備して、それから住宅をそれに合わせて建てるというのが理想であるとは考えますが、実際問題といたしまして、いままでは、とにかく住宅建設に全力をあげにゃいかぬということで、そういった道路、下水等についての施設ができる前に住宅のほうが先に建ってしまって、入居者の方に御不便をおかけするのが現状であるということは、われわれも十分認識いたしております。したがいまして、そういった点についての調整を今後できるだけ力を入れていかなきゃいかぬということは、われわれも十分承知いたしておりますし、反省いたしております。今後ともそういった面には努力をするつもりでございますが、まあ現状を申し上げまして、御承知のように、なかなかうまくいかないというのが現状でございますが、大体、最近そういった面についても各担当部局、たとえば道路なら道路、下水道なら下水道という担当部局もだんだんに理解を深めまして、われわれの住宅建設とペースを合わせてそういった都市環境施設を整備していくということの必要性についての認識が深まったというふうに考えておりますので、今後は、もちろん相当の努力が必要でございますけれども、そういった方向で住宅の建設を進めたいというふうに考えておるわけでございます。
○渋谷邦彦君 先ほど来から住宅局長もお聞きのとおり、この制度が制定された暁には、魅力ある価値あるものにしていきたいということをしばしば言明されていらっしゃる。しかし、いま伺う限りにおいては、現状としては非常に困難だと、ただ、これから努力を重ねて少しでもそうした理想に近づけていきたいという御答弁。いままで私たちはそういう住宅に入っている人たちからいろんな不満を聞くんです。やっと自分の家に入れたと、しかし環境が——あるいは遠過ぎると、道路が悪いと、いろいろそういう不満があるんですね。おそらくその点については局長自身もよく御存じだろうと私思います。そうしますと、一体何が魅力があるのだ、何が価値あることになるんだと、こういう矛盾がまたぞろ出てきまして、せっかくこういう制度がつくられましても、常に相矛盾した方向というものを歩まねばならないのではないだろうかという心配があるわけです。そこで、きょうは大臣がいませんから責任ある御答弁は求められないかもしれませんけれども、いままで多年の経験を積まれてきた局長として、当然いま申し上げたことは、理想論じゃなくてこれを現実化していかなければならない。高度経済成長だなんて一方においてかっこうのいいことを言いましても、実際問題としてそういうところにいろんなひずみがあるわけですよ。その是正もなされないままに何が魅力あるものですかと、何が価値あるものだ、こういうまた抵抗が出てくることは必然だと私は思う。したがってそれを並行的に行なっていかれようとするのか、あるいはやはりいろんな環境整備というものと相まって住宅というものをこれからも基本的な考え方として進めていかれようとするのか。努力をされるということになれば、それで尽きちゃうんですけれども、何かそれについての今後の方途として具体策をお持ちじゃありませんか。
○政府委員(多治見高雄君) 先ほどお答え申し上げましたように、新都市計画法の考え方そのものが一応線引きということで、環境の整備を早くやるという区域と、まあそうでない区域と分けて、その区域の中では、要するに市街地の環境整備をしっかりやりたい、集中的に環境整備をやりたいという精神で新しい都市計画法ができているというふうにわれわれ考えておりますが、その中で住宅建設を進めます場合に、従来よりはずっと環境整備の施策が順調に行なわれて、環境整備がされるであろうという期待を持っているわけでございます。確かに一つの住宅を建てます場合に必ずしも——住宅ができたときにはもう道路もちゃんとできている、下水もちゃんとできている、その他の環境としても全部整備できているというのが理想ではございましょうが、なかなかそれはむずかしいということは御承知のとおりでございまして、ただできるだけそういった環境の整備ができた条件のもとで住宅の建設ができるようにということで、新都市計画法の精神もそういったことを一つ含めて考えられているというふうに理解しておりますので、従来よりはその点は改善される。したがって環境整備のできたところに住宅が次々できるという姿をわれわれは考えておるわけでございます。
○渋谷邦彦君 それから土地の問題については、まあ直接所管じゃないとおっしゃられればそれまでかもしれませんが、住宅を建設する立場の責任者であれば、当然土地の問題もお考えになっていらっしゃると思うのでお伺いするんですが、先ほど来から土地の暴騰等にからんで、土地の取得が非常にむずかしい、できることなら将来は先行取得をしていきたいというようなこともございました。どうですか、この土地の取得については、これからこれを容易ならしめる——勤労者がこういう地域について土地がほしいというときにたやすく入るというような今後の見通しありますか。
○政府委員(多治見高雄君) たいへん端的な御質問で、ほしいと思う土地がたやすく手に入るかと言われますと、非常にむずかしいというふうにお答えする以外にございませんけれども、ただ地価の問題につきましては、まあ閣僚協議会もできまして、この地価の安定策については政府をあげて努力しているというのが現段階でございますので、われわれといたしましては、現在の段階では、そういった施策が次々に効果をだんだんあげていくんじゃないかという希望を持っております。特に地価公示制度等も、相当な効果を近い将来あげていくんじゃないかという期待を持って実は建設計画を立てているわけでございますが、ただ、私、その土地問題の所管でございませんけれども、住宅を建てる側の立場といたしまして、やはり地価の安定ということは一番強く要望するわけでございますけれども、その中で先ほど申し上げましたような土地の需要、五ヵ年間に九百五十万戸の住宅を建てるための土地の必要面積、それから新都市計画によります市街化区域内におきますいわゆるさら地ですね、利用できる土地、これの物量的な比較を考えますと、通常常識的に考えられておりますのと違いまして、相当余裕があるというふうに見ているわけでございまして、土地に対する国民の飢餓感といいますか、土地がないないという感じでなしに、市街化区域内でも十分これだけの戸数を消化できる土地の余裕があるというふうに考えておりますので、あとは現在の地価対策が功を奏すれば安定した土地の供給が行なわれて、住宅の建設もスムーズにいくんじゃないかというふうに期待しているわけでございます。
○渋谷邦彦君 地価対策が効を奏してくれればということでありますが、そうした法律の網をくぐりまして、一般の不動産業者といいますか、不動産業者というよりも——全部を申し上げては非常に失礼かと思いますが、一部の悪徳不動産業者の手によって地価の操作というものがなされてどんどん高騰する、こういうこともわれわれとしては聞いているわけです。ですから、そういう一つの予防措置というような観点から、たとえば都心に民有地がある、それから郊外に国有地があるといった場合に、その交換といったことも住宅対策の一環としてお考えになっているんでしょうか。
○政府委員(多治見高雄君) 土地問題、所管違いでございますので、的確にお答えできませんが、私ども、住宅建設計画を立てます場合に、現在の国公有地を十全に活用しようということを一つの目標にしてございます。したがいまして、国有地なり公有地がありました場合に、これをどう活用すればいいかということについては、非常に調査も進めておりますし、その活用のしかたについても検討いたしておりますので、御質問のような交換云々という具体的例はわかりませんが、国公有地の活用につきましていい方策があれば、そういった方策を十分に活用したいというふうに考えるわけでございます。
○渋谷邦彦君 私は、なぜそんなことをお尋ねしたかといいますと、たとえば東京を例にとってみた場合、勤務地が東京都心という場合が非常に多いわけですね。それから通う場所を考えてみた場合に、先ほどの御説明にもありましたように、今後、市街化区域あたりを整備して住宅を建てる、そうすると、そういう遠方のところから都心まで来られるまでの交通費、あるいはそれに要するいろんな精神的な問題もありますよ。買物をするにしても、やはり都心に出たほうが安い。いろいろなそういう経済的な問題がまたからんでくるわけです。したがって、でき得ることならば、不便な郊外よりも都心にできるだけ勤労者の住宅を建てるような方策が必要ではないだろうかということで、交換が考えられないかというふうに申し上げたわけです。所管外であるそうでございますので、それはその程度にしてやめておきたいと思います。私は、住宅局長に対してはそれだけでけっこうです。 大臣、お聞きのとおりなんです。ただいま専門的な立場からいろいろ所管のことを伺ったわけですが、はたしておっしゃったとおりに意欲あるものになり得るだろうか。それは、これから年月をかければできないこともないでしょう、この法律を一つの突破口にして足がかりにして、これから努力をして改善していくということになれば。とにかく制度さえつくっておけばいいんだということでは、あまりにもやはり策がない話ではないだろうか、こういう感じを受けるわけですね。先般も私は御質問申し上げたように、当初の原案から全然まるきり後退しているわけですよ。当初立てられた原案のほうがまだましであったろうという私は印象を受けるわけです。そうしたいろいろな今日までのからみというものを考えてみた場合、はたして大臣が——まあこういうことを申し上げてはたいへん失礼かもしれませんけれども、おっしゃるとおりの方向に向かって改善がなされていくであろうかという疑問がぬぐい切れない、こういうわけであります。 そこで、この持ち家制度について、さらに労働省としての考え方というものをお尋ねしたいわけでありますけれども、先ほど来から質問を聞いておりまして、いま一体一番家をほしがっているのは——これは全部そうだろうと私は思うのですけれども、特にやはり私は低額所得階層の方々が一番切実な思いではないだろうか、こういうふうに判断するわけなんですね。しかし、これを見る限りにおいては、はたしてそういう恩恵というものが与えられるだろうかという感じがぬぐい切れないわけです。どこに一体恩恵があるのだろうか。 はたしてその預貯金にしても、先ほど来から総理府統計を通しましていろいろと個人の預金の平均値をお出しになっていらっしゃいました。あの金額というものはあくまでも平均値でありますが、しかし一人一人尋ねてみますと、とても預金ができるような状態ではありませんと、こういう声を私はずいぶん聞いております、実際問題として。そうした場合に、一体この法律というものがどういうふうに適用されていくのだろうかと。もし家がほしいと、この制度に加盟してやることによって、五年くらいの間にこれは家が持てそうだと、しかし、金を返すということの段取りになると、とてもいまの収入では払い切れないというような、いろいろなそういう問題が出てくるわけです。そういう点について、それをどういうふうに一体そういう方々に対して、いや、持ち家というものは必ず持てるようになりますよ、あなたの家が持てるようになりますよと説得力があるそういう啓蒙のしかたというものができるかどうかですね。非常に抽象的な言い方ですけれども、その点、大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(野原正勝君) なかなかむずかしい問題でございまして、渋谷さんの御質問、どうも的確にお答えは困難でございますが、そうかといって低所得の方々も、将来やはり財産形成のための貯蓄をすることによって道は開かれていると、所得が低いから貯蓄をしても意味がないというので貯蓄をしなかったら、いつまでたっても貯蓄はできないんであります。家もできません。そこで、やはり貯蓄というものは、それに対する勤労者の熱意、意欲で貯蓄を願うと、それに対して国がやはり大いにこたえてこれを援助するという政策を明らかにする。その援助のしかたが必ずしも十分でないといえば、これは十分ならしめるように努力する必要がございます。今回の財産形成促進法は、ある意味においては、どうも一つの突破口を開くというか、目標を与えるというか、どうも十分ではない、あらゆる面で不十分過ぎるぐらいでございますが、これもいたしかたないと。これは十分でないから、それじゃやめだと、意味がないと、そういうことになったんではどうもこれは困るわけで、十分ではないが、やはり何とかこれをよくしていこうという努力がこれから大事だと思います。 そういう点で、この法律だけではどうも必ずしも十分でないことはわかっておりますが、さればといって、これを十分でないからやめろと言われると、どうもこれは困るわけです。そういう意味で、これは少なくもわが国において豊かな勤労者生活の実現に向かって一歩を踏み出そうというところをひとつ買ってもらいたいと、そういう気持ちで、この法律が通るか通らぬかという段階で将来の改定論を言うわけにもまいりませんけれども、西独あたりでも幾たびか改正を加えられて今日のようになったということを聞いております。したがって、これはやはり先を考えて、やはり勤労者の方々のそうした御理解を願えるならば、そういった大衆が背景にある、その願望を実現するのだということにおいて、われわれは総力をあげてこれをよくしていくという努力を積み重ねていけば、必ずこれはある時期においては非常に大きな効果を発揮できるものというふうに考えます。 勤労者は、まあ私どもの身辺にもたくさんおりますけれども、やはり若いときからまじめに、わずかながらでも貯金をしたという人が、いまではやりくりして家をつくったというまじめな、奇特な青年を私も知っております。やはり出発点にあたって、そういうほんとうに意欲を持ってやるかどうかということだと思うんでございますが、この意欲を十分に政治が正しく考えて伸ばしてやるような政策を加えていくというところに努力目標というものがあると、これは今後大いに努力を要するものであると、その努力いかんによっては、これは必ず成功もするであろうし、またあくまでも成功させなきゃならないというような気持ちで考えておるわけでございます。その意味で、この法律については、これはひとり政府のみならず、この法案に対する御審議をわずらわした諸先生方にも特段の御協力を願って、りっぱなものにこれから進めていくということに御協力をいただきたいものと考えております。
○政府委員(岡部實夫君) お許しを得まして若干事務的に、補足的に説明をさしていただきたいと思いますが、御指摘のように、私どもも、この制度がはたしてほんとうに活用されて、現実に家が建つのかどうかということについては、まあ率直に言いまして、懸念しておるわけです。そこで、いままでいろいろな意味で、なぜ勤労者に持ち家住宅がなかなかできなかったのか。その一つは、個人的なローンという形でやるととてもできないということは、これは端的な事実であろうと、そこでやはり事業主の力をひとつここで引き出す、それと同時に、国と地方公共団体がこれに対していろいろな形の援助をやると、そういう総力をあげてやっと何とかなっていくんじゃなかろうかということになるのが実情ではないか。そこで、たとえば企業の規模別に見た持ち家援助実施の事業場等の割合を見てみますと、規模計で約五割の事業場が何らかの形で自己の従業員の持ち家援助制度を実施しております。そのうちで約五千人以上は九割二分、それから規模が小さくなるに従いましてその実施事業場のパーセントも減っております。たとえば千人から五千人未満、これは七六・九、五百人から九百九十九人、要するに千人未満五百人以上は約五一・五と、それから小さいところでは百人から二百九十九人が約二四%と、こういうようなことでございまして、一応いろんな形で援助制度が行なわれている、これも一つの事実でございます。そこで、この制度の一つの大きなのは、融資をする場合に、個人ではなかなか信用力もないし、担保力もない、そこで事業主を通じて低利長期の資金を借り受ける、いわば事業主が借りて、それを媒介として住宅資金のローンを間接的に受けるという形にするしかなかろうということで、事業主を融資対象にして、その場合にも、先ほども申しましたけれども、事業主が借りる場合に、何らかの形で住宅の持ち家援助制度をやっているものに限るんだということに融資対象をいたしまして、どんな事業主でもすべての事業主に貸すんじゃないんだということにくくりをつけましたのもそういう意味で、いろいろな計算のしかたはあると思いますけれども、たとえば持ち家の取得費を——これはいろいろのあれがありますが、五百万円ぐらいを一応のめどとして見る。その場合に、いろいろな積み立てその他で百五十万の自己資金というか、頭金程度のものを準備させる、あと三百五十万をこれは事業主が立てかえて返済するという形になると思いますけれども、そうした場合に三十年、年六分五厘ということで総計いたしまして、歩払いにしてまいると、第一回の支払い額は月額で二万九千円ぐらいで、あと漸次十年後には二万三千円、二十年後には一万六千円ということになってまいる。これを一般の市中の住宅ローンの利用ということにいたしますると、初回が同じような計算をいたしますと五万九千円、五年後に四万四千円というようなことになってまいる。そこで、もしこういう制度がなくて、一般の住宅ローンということにいたしまするならば、とうていこの歩払いのほうもなかなかうまくいかないし、そういうことに相なりまするので、これは比較論になろうかと思いますが、もしこの制度がそういう形で運用されるとなるならば、少くとも実現可能な範囲に入ってくるんではないか。その前提といたしましては、冒頭に申しましたように、事業主のもちろん協力、それからそれに対しまするまた国ないし地方公共団体のいろいろな援助、これはたとえば宅地の整備その他につきまして地方の住宅供給公社なりなんなり、そういったところが十分この制度の活用に協力できるような体制は、いろいろこちらからも要請をしたいと思いますが、そうしていくというような、総力をあげてやってまいりたいというふうに考えておりますので、強弁をするつもりではございませんが、一応そのようなことも頭に描きながらこの制度の実効を考えている次第でございます。
○渋谷邦彦君 そこで、先ほどもこれは問題になったのですけれども、大企業、いわゆる強力な事業体はそれでけっこうだと思います。私も愛知県の出身ですから、その周辺のいろいろな事業体は見ています。御存じのとおり、中小企業が圧倒的に多うございます。特に機屋なんというのは五人前後です。そうした場合に、事業主自身が一体融資を受ける場合に信用の対象になり得るだろうかどうかという問題も出てくるでしょうし、先ほど冒頭に申し上げましたように、一番私は念願しているのは、むしろ低額所得階層である。一刻も早くやはり自分の家に住んで、そしてまあ自分の家という安心感と、それから希望というものを織りまぜながら仕事に精が出ると、これはおそらく共通した念願であろうことは申すまでもないことだと思うのですね。したがって、そういった場合に一体どうなるんだろうと、はたしてそういう一つ一つ、こまごましたところまで融資の対象にこれからもしていくことができるのかどうなのか、それから実際にそこに従事している人たちの給与体系というものを考えてみた場合に、これは比ぶべくもないほど低い状況というものは、いまだに指摘されます。そうした場合に、返済能力が一体あるだろうかというようなことも考えられるのですね。そうしたことについても、一体この法律が準用された場合に疑問点があるということなんです。これはもう一ぺんひとつここで整理してまとめて答弁してください。
○政府委員(岡部實夫君) 御指摘の点、特に低額所得者にはたしてこの制度がうまく活用が乗ってくるかどうか、先生の愛知のお話もございましたけれども、実は先般、愛知の中川地区の中川鉄工協同組合という中小企業の協同組合、それに加盟しておる各事業場が二十五社ございますが、その二十五社の従業員の方の希望者について分譲住宅をつくって、百八戸完成をしたんでございますが、その様子を聞きまして、実は弥富町でございましたか、愛知の。そこの土地を町が非常に安く提供してくれた。そこで協同組合が年金福祉事業団から融資を受けまして百八戸を建てた。それは土地つきでございます。土地が約四十坪、四十五、六坪からまあそのくらいでございますが、建て屋が十五坪、これで一戸で三百万足らず、二百数十万。これが土地つきで各事業の従業員に分譲できるようになったということで、これは月々にいたしますと一万二千円で、各従業員からは月賦償還をするのだと、こういうような事例がございまして、それを聞かされたわけでございますが、この場合に、中小企業のそれぞれの方の賃金がどの程度かということまでちょっと私はわかりませんが、中小企業の従業員の方につきましても、特に協同組合の関係者の方が非常に御熱心であったということもありますし、また地元の弥富町のほうでも非常に好意的にいろいろ土地のあっせんもやった。それから、建てる業者の方も非常に薄利と申しますか、ということでいろいろやったというような、いろいろな事情があったようでございますけれども、ともかく一つの形といたしまして、中小企業の従業員がその中小企業の方々と協力して何とかその従業員のための持ち家ということに関して努力をいたしました場合、現実には実現可能になるのだということを言っておられましたけれども、そういうような事例に見られるように、私どもとしては、御説のように、本来ならば、特に低所得層に対しましては何らかの形の財政的な補助も、いわゆるプレミアムというような形でつける制度も織りまぜるとたいへんいいということで、当初はいろいろと計画をいたしておりましたけれども、この最終的な段階におきましては、なかなか減税と、プレミアムというような逆減税的なものが制度的に必ずしも税調その他でもいろいろ問題が提起されたりいたしまして、そこで、ともかく制度を発足さして、その限りにおいてできるだけの努力をしてみて、さらに現実にはっきりした姿がそこに出た場合に、それを基礎に今後さらに制度の改善をしていくということにするしかなかろうということで踏み切ったわけです。 ただ、先ほど例に引きましたような事例から見ましても、事主業が、特に中小企業の場合には協力して、従業員のための持ち家住宅を共同していろいろやっていくというところに、個々の企業ではできない、また個々の勤労者にはできない場合もある程度可能になっていくというようなこともございますので、特に法案の十三条で「(事業主の協力等)」ということで、その点を明記いたしましたのもそういうところにございまして、運用に当たりましてその辺の総合的な力をどう結集してこの制度が活用されるようにするか、その辺について十分具体的に有効な運用のしかたをまた考えて、先生御指摘のような点は重々懸念されますので、それが個々の何といいますか、疎外要因を除いてやっていくということに相なろうかと思いますので、御理解をいただきたいと思います。
○渋谷邦彦君 まあそれは今後にまたねばならないということになりますね。 次に、やはり貯金の問題なんですけれども、これも先ほど論議されたところでありますけれども、佐藤さんが総理大臣に就任して六年余、物価安定をはかると公約されておりながら、この六年余の間に、私の記憶に誤りがなければ、約七〇%近く消費者物価が上がっている。そうした点を考えてみた場合、先ほどの御答弁の中にありましたように、既存の制度あるいは政策というものがやはり並行的に実施されていかなければ、せっかくこういう制度ができても、それはもううまくいかない、こういうことであったように思います。しかし、一方において、政府自身も十分それをのみ込んでおられるように、片方ではどんどん物価が上昇する。いわゆる一つのインフレ傾向ですね。そうすると、先ほど減価とおっしゃった、答弁の中に。貨幣価値が下落します、どう考えてみても。この辺の一体これからの操作というものは、どう考えていかなければならないのか。せっかく意欲を持っていま大臣答弁にもありましたように、その意欲を助長させるために、政府としても国としても何とか助成してあげたいという気持ちは十分多といたしましても、はたしてその意欲を助長させるだけの現在の経済環境というものであろうか。これはだれが見ましてもそうではないと思うのです。早い話が、これはどこの新聞でございましたか、社説の中にもございましたが、若い人たちにアンケートを送った。あなた方貯金する目的は何だと聞いてみますと、家を建てたいとか何とかという答えは一つもないのですね。いざというときに備えて——いざというのは、病気にもなり、災害にもあわなければならぬということでございましょう。それに対する備蓄が一つ。それから第二点は、結婚資金、それから第三点はレジャー、こういうふうになっておりまして、とても現在の収入では、あるいは物価高では家を建てよう、家を持とうということは望むべくもない、望めないということを象徴的に物語っているようなアンケートの結果が出ているわけです。したがいまして、そうした点を考えてみましても、はたして貯蓄奨励というものが本人たちの意欲をさらに向上させて財産形成の一翼をになうものであるのだろうかというやはりまだ疑問というものが出てくる。大臣としては、そうした疑問を払拭していただくためにも、勤労者に対して、こうこうこういう観点から絶対その心配は御無用であるというような確信ある御答弁をいただきたいと思うのです。
○国務大臣(野原正勝君) どうも確信ある答弁というのはなかなかむずかしいのですが、これはやはり要は、ほんとうに財産形成によって明かるい生活——自分みずからその努力をするという意欲を持っていただく以外にない。さっき局長の答弁の中にありましたが、中川鉄工団地というのは、私も見ました。非常によくいっておりまして、これはやはりあそこの理事長の加藤さんという方がたいへん熱心でございまして、百八戸の勤労者住宅をつくる際に、いかにしてりっぱな家を安くつくるかということにたいへん努力されまして、たしか平均の建て坪は十五坪ですか、全部りっぱなかわらを敷いておりまして、建築もなかなかりっぱで、床の間もあるし、十五坪ですから、たしか六畳が二間に四畳半くらい、それにお勝手とトイレ、バスもある。みんな縁側まであって、たしか庭もある程度あるようなことで、四十坪から四十五坪くらいな家です、土地は。完全な下水施設なども用意しております。実にそういう努力をしましてやっておるが、家賃は一万五千円、これを十数年払っておれば自分のものになる。ただその家賃をそのまま自分たちのサラリーから払っているのじゃたいへんだから、百八戸の人たちがこれからどうして家賃分くらいかせぐかということで、いろいろくふうしまして、何でも私への説明では、あそこの鉄工団地の奥さん方が集まってひとつ内職をやろう、自分たちでできる仕事を。何か共同施設みたいなものをやりまして、そこで少なくとも一万五千円くらいのひとつ内職を始めるのだと言っておりました。内職の収入で家賃くらい全部払っちゃう。そうすればおやじさんのサラリーなんかにはあまり影響しないで、その努力でもって自分の家になるのだということも言っておりました。それからおもしろいことには、百八戸の方々の洗たくなどは共同施設をつくりまして、共同の洗たく所をつくった。そこで全部ただでやってしまう。たいへん安くやって、こういう費用も一般の洗たく屋に払わぬでも済むようにしたり、あらゆる面でそういう創意くふうがあるのですね。中小企業が、やはり組合長さんとか、そういう方の努力いかんによっては、いかにして組合員や勤労者の方々の負担を軽くして、ほんとうにりっぱな生活を送れるか、実にどうも行き届いたくふうをしておる、努力をしておるということで、実は感服したのですが、やはり勤労者住宅の問題は、単なる住宅の問題だけじゃない。住宅を取り巻くいろいろな環境を整備する、みんながやはり共同一致して自分たちの生活をより豊かにするという努力を積み重ねる。おのずからそこに生活の合理化なり、仕事に対する意欲を起こすという面が総合的に集中されてたいへんな効果をあげておる事実を見てまいりまして、ことごとく感服をしたわけですが、これからの中小企業の行き方に対しては、努力いかんによってはああいう道があるのだ。これは普通ならば、一戸建てのりっぱな家ですから四百万以上もかかるでしょう。それがたしか二百八十万以内でできておるというふうなことで、事実あれを見まして、これは勤労者財産形成の政策に最も参考になる問題じゃないかというふうにして見てまいったのですが、ああいった面を見るにつけて、どうもわれわれはもっときめこまかに、勤労者財産形成という政策を具体的に進めていくに際しては、いろいろな面でやはりこれから検討すべき問題があろうというふうに考えました。まあ御質問といささか違った面かと思いますが、幸いに渋谷先生お近くですから、ひとつとくとごらんいただきまして、ああいう事例もあるということをよく知ってもらって、ああいうようなものをこれから大いに育てる、守っていくということが勤労者財産形成に役立つのではないかというふうに感じたものですから、お答えにかえたわけですけれども、そういう気持ちで、この際みんながひとつ大いに勤労者の努力をそういった方向に向けていくというために推進を願うということが必要じゃないかというふうに思います。
○渋谷邦彦君 確かに大臣おっしゃったとおり、私の質問と全然すりかわって答弁していただいたものですから、たいへん面はゆい、しかも自分の地域のことですから。それは代表的な、理想的なものなんですよ。日本全国おしなべてそれを例にとられるとちょっと困るのですが、いま御答弁の中にも私の気がついた点が一つある。奥さん方が共同洗たく所をつくらなければならないとか、そういういろいろな派生的な問題が出てきていますよ。できることならば自分の家に洗たくするような場所もほしい、それは当然の望みですよ。足りないところは奥さんも内職をする。結局、なぜ内職をしなければいけないかという問題、まだそういうところに問題解決は残っているのですよ。だから私が申し上げておることは、諸般の政策というものがまだまだ未解決のものがたくさんあり過ぎる。そちらのほうを強力に解決の糸口を一刻も早く見出して処理していただかないことには、せっかくこういうものをつくっていただきましても死文化するおそれがあると思うのです。そのことを私は案じて申し上げておるのですよ。物価問題一つ取り上げてみたって、まだおさまっていないじゃありませんか。そして給料は安い、物価は高くなる。返済能力は一体どこから出てくるのか。だれが考えたってそれは考えられることだということで、大臣としては、一体将来を展望してどういう確信を持ってそういう点の解決をはかりながらせっかくつくったこの制度を生かしていくのだと、これを聞きたかったのですよ、ほんとうは。その辺でちょっとごまかされてしまいましたけれども、いずれにしても、これを政府としても生かしていただく以上は、いま私も御注文申し上げましたとおり、片手落ちにならないようにやってもらいたいですね。 それからもう一つ、考えようによっては、これは非常にうがったものの見方かもしれませんけれども、貯金をする場合も銀行と契約を結んでやるのでしょう。銀行はもうかりますね。何だか銀行をもうけさせるためにやっておるのじゃないか、こういう疑問に対してはどういうふうに弁明して説得しますか。
○政府委員(岡部實夫君) 実は、私ども当初考えましたのも、何か銀行にもうけさせるというのはおかしいのですが、有利に働かすことはないので、自分らの事業団でひとつもっぱらやったらどうだろうかという考え方でいろいろあれしたのでございますが、いろいろ検討を重ねていくにしたがいまして、非常な数にのぼる勤労者の個々の預貯金を管理していくという、いわゆる銀行業務といいますか、そういうことをやるといたしますと、相当な組織、人員、機械力その他を入れていかなければならぬというようなこともございますので、そうすれば、それのコストが一体どういうことになってくるかというようなこともいろいろしさいに検討しなければならぬということで、そういうことならば、むしろ、西ドイツでもそうでございますが、金融機関を十分活用していくしがなかろう。その場合には二つの条件がある。一つは財形貯蓄というはっきりした銘柄をつくる。これは一般の預金としてどこに入っていっちゃったかわからぬような形では困る。そこで財形貯蓄という銘柄をこれを取り扱う各金融機関は必ずつくる、そしてそういう形で預貯金をしていく。それからたまったものについては一定の割合を必ず勤労者の住宅建設のために回すのだ。この二つの条件が整うならば、ひとつ金融機関にそういう面の貯金の業務はやってもらおうじゃないか。こういうことで大蔵省銀行局ともいろいろ話をしまして、銘柄も設定しましょう、それから一定の割合についても御協力しましょう、こういうことになったわけでございます。 そこで、いま御指摘の、どの程度の協力が可能なのか、これによりまして、銀行が不当にコストの低い預貯金をうまいこととるのかどうかということになろうかと思います。そこで、三分の一ということが言われておりますが、これは先ほども申しましたように、腰だめでやるしかないものですから、いまどの程度の預金がたまるかということがはっきりいたしません。そこで、少なくとも最低三分の一を割るようなことがあっては困る。そのほか今後の預金の積み立てられてきます状況、それからそれにどういうような銀行側としてコストがどの程度かかっているかというようなことを十分検討しながら、できるだけ勤労者の積み立てた金を勤労者が持ち家をつくるための融資に回すんだという方向で、今後銀行への協力も求めるという基本姿勢でこれについては対処してまいりたい。こういったような点につきましては、この審議会を置くことになっておりますが、審議会にも金融機関のほうの代表の方も入ってもらって、その辺の協力についても十分取りつけるような体制をつくっていくとかいうようなことで、運営については、御指摘のように、金融機関が不当にこれによって利益を受けるというようなことがないように、原則として勤労者の積み立てた金は勤労者の福利のために還元されていくんだという基本の方針に立って運用をしてまいりたい、こう考えております。
○渋谷邦彦君 くどいようですけれども、確認しておきますが、一だんそうして預貯金されたものについては、銀行としてはかってに他に転用されるということが絶対にない、こう判断してよろしゅうございますか。
○政府委員(岡部實夫君) 銀行といたしましては、これは全体の貯金については、資金としてはいろいろな運用をするであろうと思います。それからまた預貯金にしても、先ほど申しましたように、一年たって引き出すものもございましょうし、いろいろなことがあろうかと思います。その辺の実情については金融機関等からも十分報告を求めて、それでたまった全体の資金がどう運用されていくのか、いろいろ金融機関として運用すると思います。しかしその運用の実情等、いわゆる預金コストあるいはそういった全体の計数をはじき出した上で、たとえば銀行から引き受ける場合の金利の問題もありましょう。そういったものも全部いろいろ調整した上で、私どものほうは、先ほど申しましたように、不当な利益にならぬということを保証してまいりたいということでございまして、金融機関が集まった金を全般的にいろいろな運用するということはあろうかと思いますが、そのためにいま申しましたようなことにならぬように、今後の運用について十分厳重な歯どめをしてやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○渋谷邦彦君 そうしますと、具体的な取りきめについては、これから細目をおきめになるわけですか。
○政府委員(岡部實夫君) さようでございます。
○渋谷邦彦君 それから、先ほどもちょっと出ました問題の中に、労使協約が結ばれなかった場合に、これはチェックオフはできませんね。そうした場合に対処する何か考え方はございますか。
○政府委員(岡部實夫君) 御指摘のように、基準法の二十四条がかぶりますので、チェックオフをする場合には当然その規定に従いまして、協定の規定に基づいて行なうということになります。そこでそういう事業主の協力義務がその場合に必要になるわけです。そういう財形貯蓄をやりたいという発意は勤労者から出るわけでございますので、そこで第七条に「事業主は、その雇用する勤労者が勤労者財産形成貯蓄契約を締結しようとする場合及びこれに基づいて預入等をする場合には、当該勤労者に対し、必要な協力をするとともに、当該契約の要件が遵守されるよう指導等に努めなければならない。」、こういうことを規定しておりまして、これについて、もちろん罰則でどうこうということではございませんけれども、勤労者がこの法律に基づいて財形貯蓄をやるという場合に、申し出た場合には、当然それに対する協力を行なうということになっております。そこで、おそらく二十四条の場合の労働組合といたしましては、当然勤労者がそういう希望がある場合にはこれに協力すると思います。問題は事業主のほうの協力であろうと思いますので、その点については罰則でどうこうということではございませんけれども、ここに事業主の協力義務をうたいまして、事業主もこの制度を十分理解して、具体的に協力して必要な手続をとるように規定をいたしたわけでございます。これによりまして事業主も十分協力をするものと考えます。そういうような指導をしてまいりたいと思います。
○渋谷邦彦君 この法律ができて、新しい制度が出発するわけですけれども、かねてから私は思うんですが、政府のこの種のPRについては、実に的を射ない場合のほうが多過ぎるのですが、浸透しないのですよね。したがってこれからいろんな形で啓蒙というものが行なわれていくのだろうと想像するのですけれども、具体的にはどういうふうないまPRのしかたを用意されているのですか。
○政府委員(岡部實夫君) 法律が通りました暁に、さっそく私どもとしては、審議会をできるだけ早く発足させたい、ここでいろいろな御意見を承りながら、まずスタートが非常に肝心でございますので、その辺の路線をひくことにしたいと思っております。 それから私どもの具体的なPRのしかたでございますが、これにはいろいろなことが考えられると思います。まず第一に、やはりこの制度で一つの大きなねらいは、事業主のほうの協力を求めるということでございますので、事業主側がこれにそっぽを向いてしまうということではどうにもならぬと思います。したがって、かつてもそうでございますが、事業主も含めた財産づくり懇談会というようなことをいたしましたけれども、この審議会の中にも使用者代表も入ってもらって事業主のほうの十分その意向も反映しながら、協力を求めながら進めていく。そういう意味で事業主に対するまず協力をこの事業主の代表機関を通じて取りつけていくということにしてまいる。それと、これに関連する団体それぞれございましょうが、そこいらにもそれぞれの角度からこの問題について協力をしていく、そのための体制を組むのだということをそれぞれの機関の代表を通じて組織的におろしてもらう。一般的なPRは、これはそれぞれの私どもの出先機関を通じまして事業主あるいは労働組合に呼びかけてまいる。こういうようなことで、まず基本的に各関係者の代表に十分理解させて、それからそれぞれの組織におろしていく、こういうことで進めてまいりたいと、こう思っております。
○渋谷邦彦君 大臣、いずれにしても、不満足ながらこの法律案というものが上程されたということを繰り返し述べられておりますように、確かにこれは満足すべきものじゃないということは衆目の一致するところであろうと思います。そこで、一体どういうこれから年間計画を立てられて、その長期展望に立って今後具体的に——いまここで唐突に何をどうするということをお尋ねいたしましても、それは御答弁をいただけないだろうと思います。しかし考え方として、ただ努力するだけでは、これは勤労者の方は了解しないと思います。どうせ政府のやることだ、どうということはないだろう、たいしたことはありゃしない、これでは何にもならないと思うのですね。したがって、やはり意のあるところを、一年後にはこうしたい、そのための予算の裏づけはこうもしていきたい、さらに五年あるいは十年間という長期的展望に立って見た場合にはこうもしていきたいというような抱負がおありになるのではないだろうかと思いますので、最後に締めくくりとして、いままでのことを整理して、そのことを伺って私は質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(野原正勝君) 財産形成につきましては、まず基本方針をつくりまして、これを審議会におはかりいたしまして、審議会の御審議をいただいたと同時に、これに対しては、おそらく年次計画等もつくる必要があると思いますが、問題は予算でございます。四十七年度予算の編成の要求を立案いたしまして、強力に政府をしてこの財産形成促進法が十分に実効を発揮できるような予算措置を講じたい。 同時に、将来に向かってこれを十分勤労者各位に御理解をいただくための十分なPRも必要である、あるいは今後これに対する利子補給その他、あるいは当初の案にございましたような持ち家の前提としての土地の先行取得、そういったものに対する対策を講じたい。これはできるならば四十七年度から相当の予算をもって土地の先行取得も行ないたいものだというふうに考えております。いずれにしましても、これは将来勤労者の皆さま方の御理解をいただくならば非常に大きなものに伸びていくと考えておりますので、いろいろ御意見もございましたが、将来、皆さま方のこの委員会において御指摘をいただきましたような種々の問題につきましては、今後積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
○佐野芳雄君 この前の委員会で、一応の政府側の考え方を聞きまして、あときょう詰めて御質問をいたしたいということで出てきましたが、そこで御承知のように、民社党の西村さんがなくなりまして、その党葬がございましたので、戦前からの交遊もございましたのでそのほうへ行っておりましておそくなりましたので、時間がだいぶたっているようでございますが、同僚議員からもあるいはいろいろ御質問があったと思うんですが、そのことを承知いたしておりませんので、また、あまりダブってもどうかと思いますから簡単に御質問を申し上げたいと思います。 特に今朝来、私のほうの小柳理事とこの法案の持っておる内容その他について、まことに不満足でありますので、そういう点についての究明と申しますか、分析を少しやりたいのですが、とてもきょうは、そういう意味からいきますと、打ち切りにはならぬと思うので、いろいろ無理を言っておりましたけれども、いまこちらへ参りますと、与野党の中でいろいろ私たちの思っておりました問題がある程度話し合いがついたようでございますので、そういう点も含めまして、あまり多くをしゃべらないことに実はいたしたいと思います。 そこで、この際明らかにひとつ大臣の見解を伺っておきたいと思うんですが、この間の委員会でも、私は、特にILOの労働者住宅の勧告についていろいろお尋ねをしたんですが、重ねてきょう確認の意味で言っておきたいんですが、このILO住宅勧告の「国の住宅政策の目的」というところで、「十分かつ適切な住宅については、その家賃又は購入代金のため、労働者がその所得の合理的な割合をこえる負担をしないことを目標とすべきである。」、国の政策目標を明らかに——ILO条約勧告の三五六ページです。そういう国の住宅政策に対する目的を明らかに示しておるんですが、この精神をあくまでやはり大臣は尊重する考え方を今後も持っていかれますかどうか、まずそれを聞いておきたい。
○国務大臣(野原正勝君) 御趣旨の点はまことに同感でございます。もとよりその点を十分考えまして、家賃または購入代金等のため、労働者がその所得の合理的な割合をこえるような負担は行なわないように努力いたしたいと考えております。
○佐野芳雄君 そこで引き続いて、この間も申し上げたんですが、きょういろいろ与野党の理事さんのほうで御配慮いただきまして御苦労願っておるようでございますので、これを追及するつもりはございませんが、やはりこの際確認をしておきたい。融資の項の十四「政府並びに使用者団体及び労働者団体は、協同組合及びこれに類する非営利の住宅協会を奨励すべきである。」と明らかに規定いたしているんですが、その点も大臣、十分その精神を今後も生かす決意をお持ちですかどうですか。
○国務大臣(野原正勝君) 十分その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
○佐野芳雄君 それからこの法案の中身についていろいろ検討いたしておりますときに、特に労働省のほうで、あるいは皆さん方のほうでもよく話に出るんですが、使用者の協力を求めなければならぬ。私、それはけっこうだと思うのです。しかし勧告の精神の中には、「使用者が提供する住宅」という一項を起こして、「使用者は、その労働者に対し自己の企業と関係のない公の機関又は協同組合その他の住宅協会のような独立の私的機関が公平の原則に基づき住宅を提供することの重要性を認識すべきである。」ということを明らかにしておる。ということは、結局、使用者も労働者団体も自主的に行なう勤労者のための住宅協同組合等については、十分奨励すべきだということを使用者にも要望をしておるわけです。その点も大臣認めますか。
○国務大臣(野原正勝君) その点は明確に尊重し、使用者の提供する住宅につきましても、われわれはその点を十分に、原則的に考えていきたいと考えております。
○佐野芳雄君 そこで大臣、聞きますと、いつも尊重するというんで、それはそれでいいんですが、過重な負担をかけてはいかぬ、できるだけ労働者の負担はその収入に見合って考えるべきだということになりますと、たとえば今度できまするこの財産形成法によりまして、この事業団の融資をする場合の金利について、一体どのように想定されておるのかということをまず聞いておきたいと思います。
○政府委員(岡部實夫君) いま御質問の点は、まだ最終的にきまっておりません。決定いたしておりませんが、類似の機関から同じような性格の融資制度が現にございますので、それらとの均衡を十分とりながら、この制度の生かされるような方向で進めたいと思っております。まだ現実に確定的にきめておるわけではございません。
○佐野芳雄君 いま言われた類似の機関とは、たとえば住宅金融公庫、たとえば厚生省が所管しておる年金事業団等をさされますかどうですか。
○政府委員(岡部實夫君) そういったような機関を考えておりますと同時に、そういったものの中で、特に融資などは、持ち家に対する融資というようなものが直接比較し得るものと考えておるわけでございます。
○佐野芳雄君 いま申し上げました公団、住宅金融公庫あるいは年金事業団、ともにこれは賃貸しもやっておりますけれども、大体がいわゆる分譲のための融資なんで、いわゆるあなた方の言われる持ち家のための融資、だからその金利があなた方の標準になりますねと聞いておるわけです。
○政府委員(岡部實夫君) 大体そういうことになると思います。
○佐野芳雄君 そうしますと、御承知のように、住宅金融公庫は年利五分五厘、年金事業団も五分五厘、労働者に対する融資については。それは御承知でしょう。
○政府委員(岡部實夫君) そういった特に低利の金利による融資であることは承知いたしております。ただ、全体的に事業主を通じて、特に大企業等の場合もありますが、そういったような場合には、またそれにふさわしい金利が考えられると思いますので、その辺を参考にして……。
○佐野芳雄君 それはたいへんですよ、そんな考え方は。この法律は使用者のためにつくるんじゃないでしょう。使用者のためにつくるんですか。そうじゃないんでしょう。使用者の便宜をはかることのためにつくるんですか。最近は社宅政策も変わってきた、ILOの勧告も出てきた、そういうことであるから、労働省としての立場から、そこに働いている勤労者のための住宅政策を考えるわけでしょう。何も使用者に気がねする必要はないじゃないですか。しかも、あなたが言われたところの類似の機関、政府の機関ですよ。住宅金融公庫、年金事業団、ともに勤労者のためには五分五厘で、その持ち家に対する資金を融資しているわけですよ。それをあんたは初めその類似の機関の標準を尊重してと言ったんですから、具体的に五分五厘ですかと言えば——五分五厘と言う必要はないでしょうけれども、それに合うように努力をしたいというなら別ですよ。しかしいまの答えは答弁にならぬですよ。
○政府委員(岡部實夫君) 私が申し上げましたのは、もちろんこの制度自体は、勤労者のための持ち家住宅建設の促進にあることは御指摘のとおりでございます。ただその手段方法といたしまして、事業主を通じて、事業主がその勤労者のためにいろいろ措置をする、それと総合的に考えておるわけでございまして、その場合に大企業でいろいろ現実に勤労者のための住宅をつくる場合に、比較的容易にできる場合と非常に困る場合と、いろいろあろうかと思いますので、その辺について今後十分適正な検討をしなければならない。その際、御指摘の住宅金融公庫の融資につきまして五分五厘という低利のあることも承知しておりますので、そういうものも十分参考にしながら、いろいろきめてまいりたいということでございますので、いまの御趣旨の点も十分踏まえまして、今後具体的に検討してまいる、こういうことでございます。
○佐野芳雄君 それは局長、答弁が食い違っていますよ、あなたの考え方も。使用者のためじゃないんですよ。しかもここできまりまする、この事業団のきめる金利は、使用者は関係ないんですよ。使用者が負担するんじゃないでしょう。事業団のほうがきめた金利で金を回収するんでしょう。だから使用者は関係ないですよ、大企業だろうと何、だろうと。 それからもう一つ、実際は住宅政策を円滑に運用するあるいは運営することが労働者を集めることに必要なんでしょう。だからいままでは社宅政策をやっておった、しかし社宅政策一本ではいかぬということで、こういうところに協力するようになってきているんでしょう。それはそれでいいと思うのですよ。だから使用者のほうでも、こういうふうな政策を遂行することのためには、労働省が考えようと考えまいと、家のほしい者に対してはもっと安い金利で貸しておるでしょう。資金出しおるんですよ。ある場合においては無利息で出しおるんですよ、長期無利息で。安いものについては二分、三分で出しおる。何もあんた、そんな気がねすることないでしょう。おかしいじゃないか。だから使用者に気がねして金利をきめるなんて、そんなばかなことないですよ。いま、しかし、労働省のほうでは具体的に金利をきめていない、いずれ検討いたしますと。その場合は、いまあなたが言われたような類似機関、たとえば住宅金融公庫、年金事業団等を参考にいたしたいと思っておりますというのなら、それはそれでいいと思うのです。その精神をほんとうに生かすつもりならば、何も使用者に——おかしいですよ。あるときは、これは労働者のためと言いながら使用者に気がねして、遠慮した一つの法律になっておるじゃないかというまた考え方が出てくるわけです。もう一ぺんはっきりしてください。
○政府委員(藤繩正勝君) 事務的に、制度の内容でございますので、ちょっと御説明を申し上げますと、この法律案の第九条に規定がございますように、雇用促進事業団は二つのルートを通じて融資をいたします。一つは、「事業主又は事業主で組織された法人で政令で定めるもの」、二は、「日本勤労者住宅協会」と、こうなっているわけでございます。しかも、一の場合は、その九条の二項にいきまして、いま先生御指摘のように、各企業ではすでに相当な持ち家援助を行なっておりますので、そういった援助を引き出すという意味で、必ず何らかのそういう援助をすることを条件に融資をするというふうになっておるわけでございます。 そこで問題は、金利といいました場合に、雇用促進事業団が事業主あるいは日本勤労者住宅協会に貸しますときの金利と、それから勤労者がそういったところから分譲を受けます場合に割賦償還をしていきます場合の金利と二つあるわけでございますが、いまお答えいたしておりますのは、雇用促進事業団から事業主あるいは勤住協に貸し付けをいたしましたときの金利でございまして、それは先生御指摘のように、住宅金融公庫あるいは年金福祉事業団等々がこういった形の融資をすでにやっておりますから、その前例に従って今後具体的にきめていきたい、局長がお答え申し上げたとおりでございます。なお、今度はそこから分譲を受けました勤労者個人がどういう条件で割賦償還をしていくかということが企業なり勤注協なりとの契約によってきまるわけでございますが、雇用促進事業団からの融資条件ということが一つの前提になりますことは当然でございます。ただ、でき得べくんば、さらに低い金利で割賦償還ができればいい。特に事業主の場合には実績もございますので、何らかのそういった援助をプラスすることを条件にいたしまして、実質的にもっと低い金利で償還が可能になるように、その援助を引き出すということでこういう融資条件になっておるわけでございます。
○佐野芳雄君 先ほどから言いますように、またいま部長も言われましたように、使用者のほうでは、住宅政策はある程度協力すること、援助することが自分のところの生産性の向上にプラスになるからやっておるわけなんです。しかも、その金利は五分も六分もとってはいませんよ。だから、一面においては、預金するものについては社内預金方式で高い金利をつける、家のほしいものについては、頭金必要ならば貸してやりましょう、あるいは三分でよろしい、二分でよろしい、無利息でよろしいとやっておるのだから、何もあなた方のほうは、そんな気がねすることはないのです。だから問題は、私たちのほうでは、この法律ができたときに受け取る労働者の立場からすれば、おれらは何ぼで貸してくれるのやということなんです。それはILOの勧告でも明らかになっておるように、あらためてあなた方が言うのやったら、たとえばこれが六分五厘になるので、使用者のほうはサービスをして五分五厘にしてやりなさいということになると、それは使用者に対してサービスの強要になるでしょう。ILO勧告の精神に違いますよ。監督官庁としての労働省からすれば、むしろ労働者に直接サービスすべきであって、何で使用者に協力を求めなければならんのか、そういう面において、そういう恩恵的な労働政策はこの際のけなきゃならんでしょう。いまあなたの言うことは、恩恵的労働政策を強要していますよ。使用者が自主的にサービスするならばけっこうです。しかし、恩恵的な作業をすることであろうことを前提にしてものを言うことは間違っていますよ、あなた。答弁してください。
○政府委員(岡部實夫君) ちょっと私の答弁が少し足りなかったのかと存じますが、この金利につきましては、ただいまの段階ではきめておりません。そこで、これをきめるにあたって、類似の機関の前例がございますので、それを参考にしてきめてまいりたい。そのときに、いま申しました五分五厘の低利のものもあり、それから、そうでないものも実はあるわけでございます、その各金融機関の場合に。そこで、この制度の運用に合わせて、その辺を十分検討をしてまいりたいと、こう言っておるわけでございます。
○佐野芳雄君 住宅建設というのは、類似の機関ならば住宅金融公庫と年金事業団じゃないですか。だから、私は、それに右へならえということでいま答えを聞こうと思ってやしませんよ。しかし、局長が初めに言ったように、類似の機関というのは何かと言ったらば、住宅金融公庫もしくは年金事業団だと、それじゃ五分五厘ですなと——それは別にいいですよ、よろしいわ。そういうふうな政府機関の行なっておる住宅建設については、今度事業団も可能な限りということをこえて、積極的にその標準に合わせたい、努力いたしますというんならそれでよろしい。大臣答えてください、責任ある問題だから。
○政府委員(岡部實夫君) いま最後に先生おっしゃったように、そういう機関で現在やっておりますものを参考にしながら、十分実効のあがるようにつとめてまいりたい。 そこで、ただはっきりいま申し上げられなかったのは、実は公的なファンドを積みまして、それから出すというのではございません。積み上がった原資をもとにして事業団で金利を、いわゆる利子補給の出資をもとにしてやりますものですから、その辺の全体の計算がございますので、いまの御指摘のようなものを参考にして、今後十分実効があがる方法を考えてまいりたい、こういうことを申し上げましたので、特別にただいまの先生最後の御指摘の点について反対の御答弁を申し上げているわけではございません。御了承願います。
○佐野芳雄君 私は、ですから、さいぜんから言っておりますように、労働省のほうでまだ詰めをしていないという点においては、五分五厘という表現を約束しますということを言わぬでも——そこまでこまかく言いたくない。しかし、少なくとも局長が言っておるように、類似の政府機関、住宅金融公庫もしくは年金事業団ということを言われた以上は、その融資の金利を一つの標準の努力目標にすることは、これは当然のことじゃないですか。大臣、どうですか。 それから、いま言われたことで、これはたいへんなことになると、私はうっかりして聞いておったけれども、局長ね、あなたの言うた、たとえば勤住協の場合六分五厘も七分も金利を取られるならば、私はお断わりしますという意見が出てくると思う。だって、住宅金融公庫の融資を受けて五分五厘でやってるんだから。ところが、年金事業団も最近は五分五厘になっているはずです。そういう五分五厘の金利で返済していく条件があるときに何で——今度は自分に責任が出てくるのですよ、預金をするという責任が、義務が。住宅金融公庫あるいは年金事業団、これは返済の条件さえ合ったら五分五厘で貸してくれるのですよ。今度は預金の義務がつくのですよ。預金の義務を負わされておって、そうして高い金利で返済しなければならぬ。だから、少なくともおっしゃるような今後いろいろ詰めをされる場合に、多少の問題があるかもわからぬでしょう。五分五厘とは言いませんけれども、少なくとも住宅金融公庫なり年金事業団なりから、別に義務を持たなくても、返済の条件さえ合えば融資してもらえる、条件が合えばいいと。それを預金の義務を持ちながら高い金利を払うということは、労働者が賛成しますか。使用者のほうは、場合によったら労務政策の形において、これだけ見てやったぞという形ができますから、それはいいでしょうけれども、それじゃ恩恵的な労務政策を推進することになる。その点ひとつ大臣はっきりしてください。
○国務大臣(野原正勝君) 御指摘のありましたように、金利につきましては、できるだけ低廉にしたいと、御指摘のように行ないたいと考えております。
○佐野芳雄君 ある程度ごまかしもいいけれども、低利なんかいいですよ、六分五厘も七分から見れば低利ですし、七分も八分から見れば低利です。そうすると、局長が言ったように、住宅建設のための類似機関、住宅金融公庫もやっておるのじゃないですか、年金事業団もやっておるのですよ。これらは預金の義務は何もないのですよ。返済の条件さえ整えば貸してくれるのですから。預金の義務を負って高い金利を取るというようなばかなことはないですよ。五分五厘とは言わぬけれども、その類似機関に対して恥ずかしくないようにいたします、その点努力いたします、これくらいは言ってもらわなければ困る。
○政府委員(岡部實夫君) どうも私の答弁が十分でございませんで、ご迷惑をおかけしましたが、いま御指摘のように、類似の機関と十分調整をとって、適正な金利できめていくための最善の努力をいたします。
○佐野芳雄君 調整といっても、よその機関でどんどんまた何年前からやってるんです。調整する必要ないのですよ。問題は事業団のほうの構成をしてこれから運営していくあなた方の腹の問題ですよ、調整する必要ない。大臣どうです。
○政府委員(岡部實夫君) 調整というのは、両方調整するという意味ではございませんで、それを見ながら、私どもの資金源が国がぽんと出す資金でございませんものですから、その辺をよく計算をしながら、類似の機関の金利の状態も十分見ながら適正に定めてまいりたい、こういう趣旨でございます。
○佐野芳雄君 今度のこの法律ができますと、主として融資の事業団体になるのは、あなたのほうの雇用促進事業団ですね。で、雇用促進事業団の今年度の、四十六年度の住宅に関する移転就職者用宿舎を見ても百五十八億円出ているんですよ。それで、ぼくはこの問題に関して、これはきょう十分な詳細な資料をもらおうと思っておったのです、それは次の質問のために。それから質問をしようと思ったけれども、それをやると、きょう上がらなくなるから、その資料の調査の要求はいたしますが、それを見てからということはやめますけれども、はっきりしておきたいと思うのだけれども、この雇用促進事業団は——きょうこの資料をもらいました。「雇用促進事業団便覧。」、そうすると、この発足以来、五万五千戸も建っているんですね。これは労働省としてはいいことをやっていると私は思う。ILOの勧告にもこれは十分沿うていると思うのです。たとえば2DKの程度ですけれども、三千円か、四千円の家賃ですよ。これはILOの勧告が言っているところの労働者のための住宅の提供の本旨だと思うのです。労働省はそこまでいいことをやっているんですよ。それなら雇用促進事業団がもっと積極的に住宅政策を推進することを考えればいいんですよ、いつまでも離職者の問題だけにこだわらずに。そうでしょう。そうすればいま申した資金の問題も何も資金がない、資金がないというようなことで目先のないことを言わなくてもやれるはずなんですよ。 そこで、ついでですから資料の要求をしておきます。資料はあとで下さい。それを見てから質問というのはやめますさかいに。 そこで、このことを検討しておりまして私は気がついてきたのですけれども、発足当時からなら、ずいぶんになりますから、せめて四十六年度を最後にして四、五年の間の雇用促進事業団の——特に全体でもらったらいいと思いますが、予算額とその事業計画——事業を遂行してきているんですから。それが一つです。それを出してもらいたいと思います。 それから、その中で特にこまかくほしいのは、移転就職者用の宿舎第一種、これの四十二、三年ぐらいから四、五年ぐらいの間、各年ごとの建設状況、地区並びに戸数、それからその年度において建てた宿舎の広さ、それからその家賃、それをひとつ各年ごとに——えらいすみませんが、そのかわりこの質問とは関係ありませんから、あとでゆっくりもらったらいいと思いますが、しかしこれは来年では困るので、半月か一カ月の間にほしいと思います。 それからこれは非常にむずかしいと思いますが、それをしていなければ労働省として私は怠慢だと思うのですが、一定の期限が来てその宿舎から出ていきますね、出ていかざるを得ないのだから。そうして出ていった者が次に入った、政府の宿舎から出て次のところに転出していった場合の広さ、家賃を教えてほしい。これは知らぬと言うかもわからぬけれども、それは怠慢ですよ。せっかく炭鉱なり、あっちこっちから人を呼んできて宿舎を提供して仕事をあっせんした、そこまではいいとします。出て行った者は関係ないのだということじゃこれは困るので、これはある程度調べていると思うから、だからAならAという人が福岡なら福岡の炭鉱をやめて就職をあっせんしてもらった、宿舎に入れてもらった、そこで二DKなら二DKで三千五百円であったが、一年か二年たって出されたから出て行った、そして次の変わったところの広さと家賃が一体何ぼか。これはわかるはずですから、だからそれを出してもらいたい。これはILOの勧告の言っている問題点にからむわけです。それが一つ。 それからあわせて、最近は就職あっせん、就職の定着性が問題ですから、そういうふうにしてせっかく遠いところから都市に出て来た、仕事につかしてもらった、けれども住宅があったからしんぼうしておったけれども、とてもじゃないけれども、四千円や五千円の家賃だったからいままではおったけれども、一万円や一万五千円取られたんじゃとてもめしを食えぬ、残業ばかりしてなくちゃならぬというようなことで、おそらく定着をしないで、逃げていくと言うと悪いけれども、転転とする傾向があるのかないのか。これは将来の転職者の就職指導の上にも大きな影響を持ちますから、この際ついでですからひとつその資料をここ二、三年のやつを出してもらいたいと思います。よろしゅうございますか。 いつごろまでにその資料をもらえますか。
○政府委員(住榮作君) 事業団の予算額、事業計画、さらに宿舎の建設状況、この資料はきわめて短期間に調製いたしまして提出できるかと思いますが、先生第二番目におっしゃいました宿舎から出て行った方々の転出先の住宅の広さとか家賃の関係、さらに第三点の転職者の実態、この点につきまして、実は既存の資料があるかどうか現在のところ確信が持てませんので、既存の資料があればすぐ出せると思いますが、ないとするならば調査もしてみなければならないことになるかと思いますが、この点につきましては、整えますことは整えるつもりでございますが、直ちに出せるかどうか、ただいまちょっと即答しかねますので、御了解いただきたいと思います。
○佐野芳雄君 私は、労働省がいまやっぱり一番力を入れておられるはずのものは就職あっせんと、そのあっせんした者の定着性の問題だと思うのですね。そうすると、わざわざ年間百億なり百五十億の金を使うて宿舎を提供して、宿舎を出て行ったことが一つの発端になって家賃が高うなった、収入に見わない、ILOの勧告に反して見合わない、これじゃ残業ばかりしなければいかぬ、それじゃやめてどこかに行きましょうかというふうなことになっておるおそれがないのかどうか、それを心配しているわけですから、当然あなたのほうとしては資料がないと言うやろうと思っておったけれども、それじゃ私は困ると思う。だからあるべき資料を出してください。なければ、これは今後大事な問題だから、具体的に検討してもらわぬと困ると思います。 それから、いま言った住宅問題についての資料は、ある面困難かもわからぬけれども、少なくとも就職状況の定着性の問題、これは調べがついているはずです。それはひとつ出してください。この委員会の質問と関係ないが、出してもらえますか、よろしいか。
○政府委員(住榮作君) できるだけの資料を整えて提出させていただきたいと思います。
○佐野芳雄君 それから、もう一ぺんこの際大臣に明確なお答えを伺っておきたいと思いますが、先ほどの金利の問題について、五分五厘は消します。けれども、しかし少なくとも住宅金融公庫、年金事業団が現在行なっておるような金利の体系については、労働省は全面的な協力をしたいと思う、努力をしたいと思うということ、それはよろしいか。
○国務大臣(野原正勝君) その方針で進みたいと、こう考えます。
○佐野芳雄君 そこで私は、これを取っておいたわけじゃないのだけれども、労働省内部の問題はいいのですか。ということは、雇用促進事業団が現在行なっておりまするそれぞれの融資事業に対する融資の金利は、おおむね六分五厘から七分なんですよ。私が心配しておるのはそれなんだ。局長は類似の住宅建設の事業機関ということで、私は住宅金融公庫、年金事業団をさしておったのだけれども、あなたのほうはこれとは別に、持ち家制度のものではないけれども、いろいろな施設に対する融資でやっているわけです。これは事業者が中心ですからね、それは関係ございませんというなら言うてもらいたいと思うが、その点の混乱調整はたいへんなことで、ある意味でできないかもしれないけれども、それはよろしいな、いまのお答えで。
○政府委員(岡部實夫君) 雇用促進事業団の場合は持ち家分譲、持ち家を対象とするものではございません。したがいまして、直接それと対比するものではございません。いま大臣のお答え申し上げた線で十分検討したいと思います。
○佐野芳雄君 それじゃ、その点重ねて、私は、このことがあとあとひっかかってきやせぬかと思うが、いまおっしゃるように、これは住宅じゃございませんから、これはそれとは一応関係ないと、こう理解してよろしいな、大臣よろしいな。
○政府委員(岡部實夫君) けっこうでございます。
○佐野芳雄君 それでは、もうだいぶ時間もおそいようですからこれ以上——だいぶありますけれども、きょうはやめます。
○委員長(林虎雄君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。——別に御意見もなければ討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 勤労者財産形成促進法案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(林虎雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
○小柳勇君 私は、ただいま可決されました法律案に対し附帯決議案を提出いたします。案文を朗読いたします。 以上でございます。
○委員長(林虎雄君) ただいま小柳勇君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。 小柳君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(林虎雄君) 全会一致と認めます。よって、小柳君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野原労働大臣。
○国務大臣(野原正勝君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、これが実現に努力いたしたいと存じます。
○委員長(林虎雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林虎雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十一分散会 —————・—————