災害対策特別委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/07/13
会議録
○委員長(小柳勇君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五月二十六日北村暢君が委員を辞任され、その補欠として足鹿覺君が選任されました。
○委員長(小柳勇君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。 最初に、派遣委員の報告を聴取いたします。先般、当委員会が行ないました東北地方の凍霜害の委員派遣について、派遣委員から報告を聴取いたします。鈴木君。
○鈴木省吾君 去る六月一、二日の両日、東北地方における本年四月及び五月の凍霜害の実情調査のため、福島、宮城両県下に委員派遣を行ないました結果を御報告申し上げます。 調査に参りましたのは、小柳委員長、藤原委員並びに私鈴木の三名で、事務局から宮出専門員が随行いたしました。 一行は、まず福島県郡山市役所に参り、市内の被害の状況につき説明を聞き、市内熱海地区におけるナシの被害状況を視察いたしました。今年の春の凍霜害の実情はナシ、リンゴ、桃、サクランボ等の果樹の被害が最も大きく、桑園、苗しろ等に大きな打撃を与え、被害額の規模は戦後二番目に大きいといわれております。たとえば福島市の調査によってみましても、四月十一日以降五月十七日までの間に最低気温が零度を下回った日が八日あり、その間ずっと例年平均気温以下の日が続いたのであります。この間、深夜重油などをたいて防霜対策を行なった日が六、七回に及んでおり、その間相当の努力と経費を費やしているのであります。しかし、最低気温零下三度八分等の凍害により、苗しろや桑園が予想外の被害を受けたのであります。特に果樹は時あたかも開花期にあり、低温のため受精障害となり、結実しなくなり、果樹地帯が広範な被害を受け、落果、不整形果の続出により被害は次第に大きくなっていったのであります。熱海地区の広いたなづくりのナシ畑に腰をかがめて入ってみますと、枝には緑の花芽が伸びているのでありますが、完全に結実したものはきわめて少なく、探してみないと発見できない状態でありました。下作のできない果樹園経営者にとっては、一年間所得の道がなく、再生産資金はもとより、生活資金にも事欠く実情にあるようであります。 次いで本宮町に至り、農協の大型育苗センターを視察いたしました。その育苗センターは事業費七百五十万円で、百三十二平方メートルの育苗ハウスをはじめ作業場・硬化ハウス等を設備し、一万五百個の木箱に土入れ、かん水、播種、覆土を自動的に行なえる装置によって、保温ハウス内で発芽、育苗せしめる施設で、育苗後はそのまま田植機にかけて本田に植えつけできるようになっております。普通苗代では四十日かかる育苗を、ここでは十五日で行ない、一回十ヘクタール分、七回転で七十ヘクタールの育苗能力を持っております。本宮町の一般苗代の被害率は四〇%で、追いまき苗節約とこの育苗センターでの再育苗で田植えを終わったようでありますが、苗代の被害対策としては最も近代的な施設と思われました。 続いて二本松市に至り、構造改善事業として開畑された桑園の被害状況を視察、福島市に入り県庁で県下全体の被害状況の説明を聴取、野田、庭坂等のナシ、リンゴ、桃等果樹地帯の被害状況を見て回りましたが、被害農家の主婦等も多数出迎えられ、防霜に活躍したリタンスタック——燃焼器等も見せてもらいました。次いで伊達崎に至り河畔の川の土手のところの桑園の被害状況を視察、リンゴ、桃の産地でもありますが常に霜害を受けやすい地区で地帯として基本的な対策を要するといわれていました。後、飯坂の県立園芸試験場を訪問、ナシ、リンゴ、桃等の凍霜害の技術的対策、蚕業試験場の霜害対策について説明を聞き、福島県での日程を終了しました。 第二日は、宮城県白石市に入り、市内の被害状況について説明を受け、地元の高橋、戸田両委員も参加、柿の被害の著しい美鷹地区を経て内親養蚕組合の十五ヘクタールに及ぶ山の上の共同桑園の被害状況を視察しました。開てん地の桑園でありましたが、刈桑の条桑は被害を受け、すべて刈り取られていましたが、残された株まで凍害を受け、発芽も少ないというひどい被害状況でありました。次いで果樹地帯で凍霜害対策本部を設けている蔵王町役場に至り町内の被害状況を聴取いたしました。ナシ、桃、リンゴ、梅等の果樹地帯であるだけに、その打撃はきわめて大きく天災融資は言うに及ばず、生活資金についても融資を考えてほしいという要望がありました。すでに出かせぎ収入に依存している農家もあるといわれ、さきの燃焼器に対する補助や果樹共済についても、もっと加入しやすくしてほしい等の要望がありました。途中、ナシ、リンゴ、梅等の被害地を視察し、仙台に入り宮城県庁で県下の被害状況を承り、苗代被害の最も大きかった大衡村を視察、惨たんたる被害を受けた前代を見て回りました。大部分が再播苗代で、田植えが例年より三十五日もおくれ、その減収率は二−三割に達するものと見られ、被害の少なかった他の町村では本田の苗が活着し、青々と育っているのに対し、まことに気の毒で、あぜ道に集ってきた村当局、農業団体の方々はもちろん、地元農家の方々に対し、心から御見舞いを申し上げ、予定の全調査日程を終了してまいったのであります。 最後に、福島、宮城両県知事はじめ、視察市町村、関係団体等の今次凍霜害に対する陳情と要望をまとめてみますと次のようであります。 一つ、天災融資法の早期適用と、経営資金のみならず生活再生産資金貸し付けワク等の設定をしていただきたいということでございます。 第二番目に自作農維持資金の融資ワク、特に累年被害者に対する融資ワクの拡大をしていただきたいということであります。 第三に、制度資金の既借り入れ金の延納、貸し付け条件の緩和、短期立ち直り資金の低利、無利子貸し付け等を考慮してもらいたいということであります。 第四番目に被害農家に対する所得税の減免措置を講じていただきたいということであります。 第五は、被害市町村に対する地方交付税の増額を考慮してもらいたいということであります。 第六番目には苗代追いまきに対する種子、肥料、資材の購入助成、水稲育苗センター設置費、転作種子購入費助成等を考慮してもらいたいということでございます。 第七番目には、養蚕資金の利子補給、桑園回復肥料、農薬費、夏秋蚕種等購入費助成を考えていただきたいということでございます。 八番目には、県、市町村蚕業技術員設置費助成と燃焼器等凍霜害防除対策費に対する助成を考慮してもらいたいということでございます。 第九番目には、農業共済保険金の早期概算払いの実施をお願いしたいということでございます等であり、凍霜害の恒久的対策としては試験研究機関等による基本的な凍霜害防霜の技術対策、防霜器等防止、予防対策の確立、水稲育苗センダー、果樹共同開葯貯蔵施設等大規模な近代的施設の設置等、凍霜害についても予防と未然防止は対策にまさることが強く強調され、われわれもその必要を痛感してまいったことをつけ加えて御報告申し上げて報告を終わります。
○委員長(小柳勇君) ただいまの報告に対し質疑のある方は順次御発言を願います。
○鈴木省吾君 視察に行ってまいりまして、特に地元の要望の強かった点二、三要約をしましてお尋ねをしたいと思います。 一つは、ただいまの報告にも申し上げましたが、果樹園でいままでは気温が下がってまいりますと古タイヤをこう皿のようにして重油をたいておるわけですが、それでは燃焼効率が悪いのと、特に福島地方では住宅がその近辺にできてまいったもんですから、その煙が非常にもうもうと出てまいって公害だという騒ぎが起きておるわけでございます。したがって、その重油等の燃焼の効率を上げるためにもまたそういう公害等の騒ぎをなくすためにもりリタンスタックという重油燃焼器——簡単な機械装置でございますが、それがありますと完全燃焼に近くて、しかも温度の上がりも一度くらい高いということを地元で言っております。それで以前国費の補助があったんだろう、したがって、それにプラスして県費の補助があって三分の一くらいの受益者の負担、農家の負担で済んだときがあるのだと、これからやはりそういう設備をする必要があると思うのだが、今後国費の助成等をひとつ考えてくれないか、こういう要望が非常に強かったのであります。なおまた派遣委員の方々も、考慮すべきであろうというような意見であったのでありますが、農林省ではどうですか、どういうふうにお考えになりますか。
○説明員(大河原太一郎君) 鈴木先生にお答え申し上げます。 お話しのとおり凍霜害の防止につきましては従来、重油のドラムかんによる燃焼とか、たき木の燃焼等を行なっておりましたが、いろいろ効率なりあるいは人家の近所では公害等、御指摘の問題も起きているということは承知しております。そういう点にかんがみまして、ただいまお話しのございましたリタンスタック——これは効率的な重油燃焼器でございますが、これが非常に効果があるということにつきましては、農林省といたしましても十分承知しております。これについては過去に、完全なリタンスタックのようなものができる前にも、重油の燃焼器を凍霜害の災害の際に助成した経緯はお話しのとおりございますが、今後もこれら凍霜害の常襲地域に対しましてはこれらの普及と申しますか、導入というものは積極的に進めなくてはいけないというように考えておるわけでございますが、ただ施設が個人施設にわたりますので、これの個々の助成というような点については多少検討を要する点があるかと思いますが、さしあたっては先生の御案内のように、農業改良資金の無利子資金の導入によりまして、積極的な導入を進めたらよろしかろうというふうに考えておりまして、関係県と目下協議中でございまして、御指摘のように前向きには対処したいと思いますが、助成の方法についてはもうしばらく検討をさしていただきたいというように考えております。
○鈴木省吾君 それでは時間もないようですから、次の点簡単にお尋ねします。それは融資の点でございます。天災融資法による資金の融資、これは一般被害者に対しては二十万円を限度として、六・五%の利率ですか、特別被害者に対しては三%の利率ということになっておるようでございますけれども、今日のような特に被害の大きい果樹園経営者なんかは二十万円という限度では、これはもう幾らも生産の役に立たないのじゃないか。かなり専門的な果樹園経営をやっておる人が多くなっております時代に合わないのじゃないかと、こういうふうに考えます。あるいはまた、生活資金のほうですと、自作農維持資金ですか、これのほうを使えばよろしいということでございますが、大きな果樹園経営者になりますと、二ヘクタールも三ヘクタールもやっておるような果樹園経営者は、一年間全然収入がなくて、しかも逆に経営費のほうはよけいかかるような状態ですから、経営資金のほうの二十万円、これはもちろん限度をもっと上げてもらわなければ、とても時代に合わないのじゃないかと思います。それから生活資金のほうのめんどうが全然見られないことになりますので、それは自作農維持資金のほうでやったらいいだろうというようなお考えになるかと思いますが、これも限度五十万円ということでございます。しかも何か聞くところによると、常襲果樹地帯なんかは三年に一度か五年に一度か被害があるわけですから、前の借金の残がまだ残っておるというような方があるわけです。そういう人たちは前の借金がこの中から引かれるのだというふうに私ども説明でちょっと聞いたのですが、その後調べてみますと必ずしもそうではないというふうなあれもありますけれども、その点はどういうふうになっておるか。限度は時代に合わないので、これをもっと引き上げたらどうだ、こういう点ひとつ農林省のお考えを伺いたいと思います。
○説明員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 先生の御指摘の点は数点あるかと思いますけれども、一つは天災融資法による災害資金の限度でございますが、これは過去におきましては、一般の稲作経営と普通農場を主体といたしました経営を想定いたしまして二十万円でございましたが、その後畜産なり、果樹等相当の資本装備を要し、経営支出も大きい経営が出てまいりましたので、最近時点におきまして改正いたしまして、果樹については五十万円というふうに限度を引き上げております。なおお話しのように、農業経営の推移を見まして、固定的ではなくて、今後も常に要支出額というものをもにらみ合わせながら、限度については検討していかなくてはならぬというふうに考えておりますが、当面は五十万円というふうに一般の普通の農家に比べまして相当高い限度を設けておりますので、ほぼこれでいけるのではないかというように考えております。 第二点は、生活資金関係でございますが、これにつきましては、先生のほうがお詳しいでしょうが、災害が起きますと、農協等の短期資金でまずつないで、相互扶助でやってもらう。さらに被害の大きいものについては、いまもお話しの出ましたように、自作農維持資金によりまして、これは経営資金のみならず生活資金もめんどうを見るという制度になっておりまして、これでやっていただくということでございまして、今回も相当な特別ワクを設定いたしまして、被害農家の需要には、ほぼ資金の額としてはこたえさせていただいておるというふうに考えております。 もう一つ第三点は、限度の問題のようでございますが、お話しのように五十万円でございます、自作農維持資金。これについては、連年災害を受けた方ですでに借りております方については、追加の借り入れについて頭打ちになるという問題の指摘かと思いますが、これにつきましては、非常にある意味で生活にも経営にも使えるし、利率も安いし、それから二十年という長期の金でございますので、農家の方々にも必要最小限度借りていただくというようなたてまえで五十万円という限度を設けておりますが、これも過去の災害の態様を見ましてケースバイケースで、非常に被害があるという場合には、個々のケースで災害でも検討を続けて、それについて引き上げを特例的にやった例はございますし、また今後もそういう形でやっていきたいというように考えておりますが、今回の東北等の関係におきましては、まだこの点について県当局とも十分話も済んでおりませんので、地元のお話等も十分承って最終的な結論を得たいというように考えております。
○委員長(小柳勇君) 私から一つ聞きたいが、対策が、もうぼくら調査しても二カ月ですが、何かいまの答弁聞くと、どうも対策ができるのが来年になるような気がしてならぬのだけれども、災害に対してもっと敏速な対策はできないでしょうか。
○説明員(大河原太一郎君) 東北の凍霜害等につきましては、当委員会においても現地調査をしていただきましたが、農林省といたしましても、県の要望を聞き、あるいは現地に関係者を派遣いたしまして実態を調査をいたしまして、最も緊要な対策といたしましては、天災融資法の発動、自作農維持資金の特別ワクの設定、あるいは共済金の早期支払い、これは全部済んでおります。ただいまの御質問は、今後の取り扱い、災害の態様による弾力的な取り扱いというような点について種々御指摘があったというふうに承知しております。
○藤原房雄君 ただいまの東北の視察団に参加させていただきまして、私も感じた点二、三ございますので、その点についてお伺いしたいと思いますが、一つは冷害の発生でございますが、二年に一ぺん、三年に一ぺんこういう冷害がありまして、それでたいへんな農家の方々が被害を受け、それに対する対策もたいへんな経費を必要としますので、毎年このことで同じようなことばが繰り返えされておるわけでありますが、私はこういうことを考えますと、どうしても予防体制というものを整備強化しなければならないということを痛切に感ずるわけでありますが、そのためには、これは技術の進歩、具体的には気象観測とかいろいろなことがあるだろうと思うのでありますが、どうも冷害が発生したその対応策、いまもお話ございましたけれども、その対応策もややおくれがちであるということで後手後手に回っておると、こういう考え方にどうも立たざるを得ない。もっと気象観測や予防体制というものを強化する予算措置なり、または研究体制というものがもっと強化されないのか、こういうことをしみじみ感じたわけであります。 霜道の問題にいたしましても、福島の園芸試験場に行きましたときにも、いろいろ研究しておるようでありますが、これもやはり予算のワクの中で非常に限られた研究。外国でも相当な大がかりな霜を防除するための研究が行なわれているようでありますけれども、先ほど鈴木委員からお話ございましたように、わが国では重油をたく、それも生の重油をたくために公害だと騒がれる、こういうことが唯一の防除策だというふうにいわれているのでありますが、毎年といいますか、二、三年おきに繰り返されるこの冷害、凍霜害の問題でありますので、もっと抜本的な対策を講ずる強力な姿勢というものが必要ではないか、このように痛切に感じてきたわけでありますが、この点につきまして、現在の態勢、これからに対する考え方といいますか、その辺についてお伺いしたいと思いますが。
○説明員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 凍霜害等につきましては、災害の直後におきましては、いろいろ検討いたしますが、やや実行について、また二、三年そういう災害がございませんと、ややその点についての施策の進め方について、必ずしも十分じゃない面が見られるというような御指摘でございますが、凍霜害につきましては、先生御案内のように、農林省の園芸試験場の本場、支場——盛岡にございますが、これにつきまして、凍霜害についての各種の試験研究は、現在実施中でございます。で、これはまあ凍霜害に強い品種の育成から始まりまして、肥培管理その他の問題等が中心でございまして、常襲地帯における肥培管理等をいかにするかというような問題について、それぞれやっておりますが、お話しのように、その点について必ずしもまだ十分ではないというような御指摘もございますので、個々の研究テーマにつきまして、さらに充実をはかっていきたいというふうに考えております。 なお、お話しのございました気象観測と災害の予知という問題につきましても、従来農林関係におきましても、県の行政組織あるいは普及事業等を通じまして、気象関係との関連については十分注意を払っておったつもりでございますが、突発的な気象事変としての凍霜害については、必ずしも適切な予防的な指導について十分ではない面がございますので、この点についても、さらにこの予防、気象観測と予報との関係、それに伴う技術指導との関係につきましては、さらに再検討いたしまして、態勢の充実を期したいと考えております。
○藤原房雄君 まあ、外国では相当大がかりな実験をしておるようでありまして、霜の冷たい風に当たる、そういうところに対して、扇風機等で空気を大幅に攪拌するとか、それから霜道ですねを防ぐような土地の造園といいますか、これに対する大がかりな対策が講じられ、研究が進められている。これはたいへんな大きな問題でありますので、一朝一夕にはできないことだと思いますけれども、しかし、二、三年おきに繰り返されるこの凍霜害の被害金額というものは非常に大きいということから考えますと、やはり根本的な対策を講じなければ、同じことを繰り返すことになるのではないかという、こういう危惧を非常に持つわけですが、特にこのたびの東北の凍霜害につきましては、稲作につきましてはある程度天候の回復によって持ち直したと、こういわれておりますが、やっぱり被害の多いのは果樹それに畑作、これに集中しておる。こういうことから、稲作につきましては、非常に品種の改良やらいろいろな問題で、改良が加えられているわりに果樹や畑作については、おくれておる、こういうことを非常に痛感したわけです。さらにまた、この共済制度、保険制度、この問題につきましても、果樹や畑作につきましては非常におくれておる。果樹につきましては六品目ですか、試験実施中ということでありますけれども、これはいろんな隘路があるだろうと思いますけれども、しかし、日本の国の果樹の生産の大部分をになう方々が、二、三年おきにこういう被害をこうむるということにつきましては、これはわれわれも真剣に考えなきゃいかぬ。その中のいろんな一つ一つについては検討されることだと思いますが、早期に実現するとともに、現在の試験の状況をいろいろ聞いてまいりましたけれども、もっと入りやすいといいますか、国庫補助をふやして、果樹の共済制度等につきましても、みんなが賛成して入りやすいような姿に一日も早くしてもらいたいという声が強かったわけですが、さらに畑作につきましては全然進んでないということで、共済制度や保険制度につきましても、果樹、畑作について早期に対策を講じなければ、この果樹や畑作に携わる農家の方々はいつになっても恵まれない環境の中で、先ほどもお話ございましたが、いろいろな天災融資法や自創資金等をお借りいたしましても立ち直ることができずに同じことを繰り返しているということが言われるのじゃないかと、こういうふうに思うわけですが、この果樹や畑作の共済または保険制度の今後の見通しといいますか、考え方について概略でよろしいですが、お伺いしたいと思います。
○説明員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 果樹については先生十分御案内のように果樹の損害評価とか、あるいは保険設計、料率等の規模、技術的なむずかしい問題がございましたので、四十三年度から果樹保険臨時措置法を制定いたしまして、これまで実施をやらしていただいているわけでありますが、四十七年に終えますので、四十八年から樹種を拡大し、さらに本格的に実施するということで今日進めているわけでございます。その際には果樹農家等の加入が容易になるような制度の仕組み等についても十分配慮して、これを取り上げなければならないという点については御指摘のとおりだと思うわけであります。なお地域的な畑作補助については、これは全国的な保険設計を組み立てるにつきましてはなかなか困難な問題もございますので、過去におきましても、農業共済制度におきましても、たとえば北海道のなたねとか、その他地域性の問題については試験調査をやっておるわけでございますが、今後は新しい農業政策の方向に即して、地域性の強いものにつきましても、地域地域である程度の共済的なものを仕組むような点で積極的に進めてまいらなければならないというふうに考えております。具体的な品目をこれとこれとというような点については、ただいまお答えいたしかねるわけでございますが、方向といたしましては、そのようなものを本格的に取り上げていくということについては努力を進めているというふうに考えております。
○藤原房雄君 最後に、時間もないようですが、本年の水稲の冷害につきましては、天候が一応持ち直したといわれておるわけですが、ちょうど被害期のときが苗代期のときでありまして、植えつけがおくれたという。しかし今後の気象状況については一体どうなるのかということにつきましては、これは予測し得ないところだと思います。気象庁のいろいろな長期予報によりますと、本年は天候不順と言われております。単なる遅延とか障害というだけではなくて、凶作というようなことも考えられるのではないか。こういうことで、春に植えつけがおくれたというものが、何とか一段落ついたという安易な気持ちではなくて、春の冷害が凶作につながらないように、政府としてもこれは万全の対策、関係機関の総力をあげて、これに対する対策が必要ではないか、そのように水稲については考えるわけでありますが、この点については政府としてはどういう姿勢でこの東北地方の水稲の冷害について考えていらっしゃるか。それから六月に入りましてたいへん寒い日が続いて、北海道の畑作がたいへんな被害を受けておる。伝え聞くところによると二十億ともいわれておりますが、この北海道における畑作の問題についても同様なことが言えると思います。いずれにしましても秋の収穫期にならなければ現実の被害状況というものはわからないかもしれませんけれども、これに対する十分な対応策というものを考えていかなければならないと思いますが、この水稲と北海道の畑作の問題につきまして、現在のお考え御答弁いただきたいと思います。
○説明員(大河原太一郎君) 二つの点の御質問だと思いますが、第一点の水稲の問題につきましては、お話しのとおり本年苗代期に非常に低温に見舞われまして、ために苗の生育とか、その他に非常な遅延の問題を生じまして、田植が全国的に見ると、これは東日本でございますが、東北を中心として七日ないし十日おくれたというような事態があったわけでございます。これに対しましては、気象方の暖候期の三カ月長期予報等もございましたので、農林省といたしましては、五月の二十日以降に災害対策本部を早急に設置しまして、本年度の稲作期間全域を通じまして、その指導を例年に増して詳細な技術指導を行なうという態勢を整えたわけでございます。幸い、お話にもございましたように、その後六月に入りまして、気温の上昇その他によりまして、苗のやや軟弱という点は見られますけれども、生育等につきましては、ほとんど平年に近い回復状況を示しているわけでございます。もちろん今後そういう弱い苗でございますので、稲作にとりまして一番大事な出穂期とか、登熟期とか、そういう段階におきます気象条件の変化については深甚な注意を払いまして、それぞれ肥培管理に遺憾のないようにしていきたいというふうに考えておるわけでございます。 それから第二の北海道の晩霜の問題でございますが、お話しのように六月の初旬相当大きな晩霜が北海道地域にございまして、畑作物——アズキその他の豆類とか、バレイショ等について被害を受けたことはわれわれも承知しております。で、農林省におきましても、直ちに園芸局の畑作振興課長を現地に派遣いたしまして、詳細調査をさしたわけでございますが、幸いまだその生育の初期でございますので、植えかえその他被害を最小限に食いとめるというようなことで道の指導なり、あるいは関係農家の努力もございまして、当初予定されましたよりも被害は軽微に食いとめられるのじゃないか、というふうにわれわれ考えておりますが、なお北海道庁と十分連絡をとりまして、災害の取り扱いについては遺憾のないようにしてまいりたいというふうに考えております。
○委員長(小柳勇君) 他に御発言がなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたしました。 —————————————
○委員長(小柳勇君) 次に、本年六、七月の梅雨線豪雨等による被害に関する件について調査を行ないます。 まず、政府から報告を聴取いたします。栗山総理府総務副長官。
○説明員(栗山廉平君) ただいまの委員長からお話しのございました梅雨前線による被害及び台風十三号による災害につきまして御報告申し上げます。 まず初めに、梅雨前線の災害でございますが、本年は例年よりも早く六月の初めに南日本から順次梅雨に入りまして、七月十二日に梅雨があけたわけでございますが、この期間日本付近に低滞する梅雨前線の上を低気圧が通ったために、ところにより局地的に大雨が降り、災害が発生いたしました。特に六月二十七日朝鮮半島中部に発生した低気圧が発達しながら、日本海南部を北東進したため北陸地方に局地的な大雨が降ったのでございます。 また、七月の一日から二日にかけまして、低気圧が日本海を東進し、この低気圧の中心から南東に延びる温暖前線が日本付近を通過いたしましたが、この前線に向かって高温多湿の南からの強い風が吹き込み、このため島根県を中心に局地的な大雨が降ったのでございます。 この梅雨前線による被害は、一般被害といたしましては、死者、行くえ不明十二名、負傷者十二名、建物全半壊三十五棟、罹災者五千一名などとなっております。 また、施設関係等の被害といたしましては、これは県の報告等によりますと、公共土木施設が百八十一億円、農地等が六十六億円、農作物等が二十四億円等になっておりまして、総計いたしまして二百九十三億円と相なっております。 この災害により被害の大きかった新潟県の新発田市及び島根県の江津市につきまして災害救助法を適用し、被災者の収容、食糧の供与、被服、寝具その他生活必需品の支給等を実施いたしておるところでございます。 次に、台風十三号による災害について御報告いたします。 七月四日、沖の鳥島島の北約二百五十キロメートルの海上に発生した弱い熱帯性低気圧は、ゆっくり西南西に進みながら発達し、五日に台風十三号となったのでございまして、これが種子島の南東約二百キロメートルで最も発達し、中心気圧九百九十ミリバール、最大風速三十メートルとなったのでございます。この台風は、七日午後七時二十分浜名湖付近に上陸し、毎時三十五キロメートルで関東南部を通り、八日の四時、茨城県鹿島付近で弱い熱帯低気圧となって鹿島灘に抜けたのでございます。 この台風は比較的高緯度地帯で発生し、小型で勢力が弱かったため、台風による直接的な被害は比較的少なかったのでございますが、この台風の前面に当たる愛知、三重などで、六日夜半から七日の明け方にかけまして大雨が降り、また浦和市と大宮市でたつまきの発生があったのでございます。 この台風による被害といたしましては、一般被害として、死者一名、負傷者十三名、建物全半壊六十三棟、罹災者二千二名等となっております。また、施設関係等の被害といたしましては、県の報告等によりますと、公共土木施設十億円、農地等二億円となっておりまして、総計十四億円にのぼっておるのでございます。 以上をもちまして二つの災害につきましての御報告を終わります。
○委員長(小柳勇君) 次に、気象庁大野主任予報官。
○説明員(大野義輝君) ただいま副長官から非常に細部にわたりまして御報告がございました。なお、多少つけ加えたいところもございますので、それについてお話を申し上げたい、こういうふうに思うわけでございます。 梅雨前線が活動を始めました六月のごく初めでございます六月二日に九州で梅雨を宣言いたしますと、とたんに、六月の三日、四日あるいは六日、その次は六月八日、九日、十日、相次いで九州南部から雨が降り始めました。その後一時小康状態を保ちましたが、六月の十八日、十九日、二十日、この三日間にわたりまして、この雨は平地はもとより山岳方面もかなりの雨が降りまして、たとえば九州南部では三百ミリ程度の大雨が降ったわけでございます。特に山のほうでございますと、市房山というのが熊本県にございます。ここの朝方の三時間の雨量でございます八十六ミリ、非常な大雨が降ったわけでございます。その後、その前線が南に下がりまして、十九日には鹿児島県の枕崎、やはり十二時から十五時までの間に四十三ミリという大雨が降ったわけでございます。傾向といたしましては、十八、十九日は熊本県付近でございまして、その後二十日ごろには南に下がりまして九州南部に大雨が降ったというような状況でございます。 で次に、この梅雨前線が南北に振動いたしまして北上いたしました六月二十八日でございます、新発田市を中心にいたしまして典型的な局部的な集中豪雨が降ったわけでございます。二十八日から二十九日の二日間に二百ミリをこえるような大雨が降ったわけでございます。二王子岳という山がございますが、そこでは一時間に、やはり朝方でございますが、八十二ミリというような豪雨が降りまして、その後さらに次の一時間では四十九ミリ、大体二時間で百三十ミリ程度の大雨が降ったわけでございます。これによりまして河川がはんらんいたしまして合計二百ミリ程度の局地的な大雨が降ったというこういうことでございます。 その後六月二十七日から七月の二日ころにわたりまして、やはり次は島根県を中心に豪雨が降りました。二十七日に先行性というか前駆現象で大体百五十ミリ前後の大雨が島根県中部あるいは東部を中心に降りました。その後続いて七月一日、二日にわたりまして、やはり同程度の豪雨が降りました。結局島根県の佐田、掛合、その辺を中心にいたしまして合計三百五十ミリ程度の豪雨が降ったわけでございます。特に七月一日の掛合でございます。午前九時から十時までの一時間に四十七ミリ、江津では十時から十一時までの間に五十五ミリ、桜江では同じく十時から十一時五十八ミリという信じられないような豪雨が降ったのでございます。これが六月二十七日、七月一日、二日の島根県の豪雨のありさまでございます。 次に、その前線がさらに北上いたしまして、七月二日、三日に秋田、山形県下でやはり大雨が降りまして、鳥海山では三時間の雨量が午前九時まででございますが、七十五ミリという大雨が降ったわけでございます。幸いこれは二日、三日でそのあと続いて豪雨が降るというようなことはなかったわけでございます。 次に、台風十三号でございます。これは本年最初に本土に上陸した台風でございまして、七月七日の午後七時二十分浜名湖に上陸したわけでございます。これの前日六日でございますが、名古屋市を中心にいたしまして、四日市その辺を中心にいたしまして大雨が降りました。六日の二十二時、二十三時にわずか三ミリの一時間雨量でございましたのが、その後二十三時から二十四時に二十ミリそして零時から一時に三十ミリ、一時から二時に十三・五ミリ、合わせて六十三・五ミリがほとんどこの三時間にわたって激しく降り続けましたので、多大な被害が出たわけでございます。 そのほか埼玉県の浦和、大宮方面のたつまきでございますが、被災をしたあとを調べてみますと、長さ四キロ幅百メートル程度の範囲で南南西から北北東に向けて通り抜けたという形勢になっております。これまた局部的ではございますが、非常な被害を受けたわけでございまして、災害のありさまから調べてみますと、おそらく三十メートルはこしていたのではないだろうかというふうに推定されるわけでございます。 以上でございます。
○委員長(小柳勇君) 消防庁古郡管理官。
○説明員(古郡良秀君) 先般の梅雨前線によります集中豪雨の被害中、特に県及び市町村におきまして災害対策本部を設置いたしました事例について、県からの報告に基づきまして御報告申し上げます。 まず島根県でございますが、六月二十七日から七月一日まで豪雨がありまして七月一日の十四時三十分島根県災害対策本部を設置しております。なお市町村におきましては大田市、江津市、広瀬町、温泉津町、三刀屋町、頓原町、桜江町、加茂町、金城町、大東町、旭町、仁摩町、木次町、多伎町、川本町、以上十五団体におきまして市町村の災害対策本部を設置しております。 この被害でございますが、人的被害といたしまして死者四名、行くえ不明者一名、重軽傷者三名でございます。 なお住家の被害といたしましては全壊が十二棟、半壊が七十七棟、一部破損が二百八十棟、床上浸水が四百三十二棟、床下浸水が二千七百五十五棟、その他非住家二百五十五棟の被害がございます。以上島根県についての報告でございます。 次に新潟県でございますが、新潟県におきましては六月二十八日に、豪雨によりまして新発田市、聖籠村、この一市一村で災害対策本部を設置しております。 この被害でございますが、床上浸水が五百十七棟、床下浸水が三千百三十一棟、その他非住家に十七棟の被害がございます。以上でございます。 —————————————
○委員長(小柳勇君) 委員の異動について報告いたします。 本日、河口陽一君が委員を辞任され、その補欠として大谷藤之助君が選任されました。 —————————————
○委員長(小柳勇君) 砂田総理府総務副長官から発言を求められておりますので、これを許します。
○説明員(砂田重民君) 総理府の総務副長官に就任をいたしました砂田重民でございます。 私の所管をいたします仕事非常に数多くございますけれども、特に災害対策の政府の行政的な措置の適否が国民生活に非常に大きな影響のありますことを肝に銘じまして、十分責任を感じながら働いてまいりたいと、かように存じておりますので、どうぞ災害対策について非常に御熱心な先生方、特段の御指導よろしくお願いを申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○委員長(小柳勇君) 本件に対し質疑のある方は、順次御発言願います。
○塩出啓典君 それでは、きょうは午後いろいろな行事がありまして時間も限られておりますので、要点だけについて御質問したいと思います。 まず最初に総理府にお聞きしたいのですが、この島根県は御存じのように一月にも雪台風がありまして、二月には雪の災害、三月は佐藤造機の倒産、それで今回の集中豪雨、そのように非常に災害が重なりまして、過疎県として非常に財政的にも県や市町村もたいへんじゃないかと思います。そういう点で今回の災害についての激甚災の指定というのを、県知事の要望の第一にもあるわけですが、この一月の雪台風のときにも数カ町村は局地激甚の指定を受ける、このように聞いておるわけですが、これは大体どういう進行になっておりますか。その点ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(高橋盛雄君) ただいま先生からお尋ねのありました一月の島根県下における冬季風浪の市町町、特に激甚な災害のあった市町村の局地激甚の指定の進行状況というお話でございますが、現在各省において査定結果をまとめ中でございまして、中央防災会議におきましては、できるだけ早く各省からまとまった査定資料を今後とりまして、現在の、いままでの例でまいりますと、実は一年に一回局地激甚の指定を実施していたわけでございますけれども、そのような状況にかんがみまして、できるだけ早く局地激甚の指定を行ないたい。これについては全国の標準税収入の関係もございます。それとにらみ合わせながら、できるならば、できるだけ早く指定にこぎつけてまいりたい、このように考えております。
○塩出啓典君 一月の災害の場合のいわゆる標準税収入は四十六年度の分と四十五年度の分ですか。一月の災害の場合、これはどういうぐあいですか。
○説明員(高橋盛雄君) 指定基準によりますと、当該年度の標準税収入額ということになっております。できるだけその災害発生の近い年度の標準税収入を用いるべきではないか、このように考えておりますが、なお、これにつきましては、実は年に数回にわたって指定するということは、実は今回が初めての検討項目でございますので、その辺をかみ合わせながら判断してまいりたいと、このように思っております。
○塩出啓典君 要はやはりこういうことをすみやかに、もう一月の分は半年以上になってしまうわけですから、早く政府も局地激甚をちゃんときめて、そしてやはりそういう熱意を示すことが私は大事じゃないかと思うので、そういう点総理府の副長官にもひとつ検討していただいて、今回の場合も標準税収入の点もあると思いますが、できるだけひとつすみやかに決定をすべきだと、このように要望したいと思います。その点どうでしょうか。
○説明員(栗山廉平君) ただいま先生のおっしゃいましたことを十分体しまして、すみやかにこぎつけられるように努力いたしたいと思っております。
○塩出啓典君 それで、これもちょっと一月の続きでございますが、非常に災害の復旧工事について、いわゆる現地の皆さんの要望としてはやはり港の修理にしてもすみやかにやってもらいたい。これは今回の災害でもやはり同じでございまして、特に台風シーズンを迎えて非常に緊急を要する点が多いと思うのですね。それで私は一月の災害は、これは主として農林省のいわゆる水産漁港関係が主体であったわけでございますが、この災害復旧工事は今年度大体何%ぐらいですか、何か四〇%ぐらいの計画でいくとかというように私お聞きしておったのでございますが、これはもしわかりましたら、大体この災害復旧工事は年度別に何%ぐらいの計画でいま進んでいるのか、その点はどうなんですかね、わかりますか。
○説明員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 先生御指摘の点については、計数にわたって何%ということについては、ただいま資料の用意もございませんのでお答えしかねるわけでございますが、災害発生時後の当委員会におきましても、先生等から早急に復旧についての御指摘がございましたので、現地査定等については従来にもまして早急な査定を終了したというふうに承知をしております。したがいまして、緊急を要するものはもう三年以内、その他のものは五年というように、それぞれ復旧をやっておりますが、一つは単なる原形復旧ではなく、将来をおもんばかったその改良復旧なり、あるいは災害関連工事というようなことをして一そうの施設高揚の発揮、再度の災害防止という点で、そのことについてもいろいろ検討があり、一部したものもあるわけでございまして、それらを十分勘案した上で早急な復旧をはかりたいと思うわけでございますが、どの程度の数字ということにつきましては、ただいま資料の用意がございませんので、後刻しかるべく御報告させていただきたいと思います。
○塩出啓典君 できるだけ現地の要望にこたえて、緊急を要するものは間に合うように、今回の災害についてもひとつお願いしたいと思うのです。 それで、今回は非常に島根県が一番被害がひどくて、しかも一月の被害よりもかなり大きいわけですね、現在の金額で。それで各市町村にとっても局地激甚が指定になるかならないかということが非常に大きな問題じゃないかと思うのですが、ところが市町村によっては、一月のいわゆる雪台風のときの被害と同じ、ダブっている市町村もあるわけですね、同じ一年の間に。しかも二月には雪もありまして、そのように二度、三度きているわけですね。ところがそういう一年に一回災害を受けるところと、二回、三回受けるようなところですね、局地激甚を指定する場合には、そういう点は考慮されているのかどうか、その点どうなんですか。
○説明員(高橋盛雄君) お答えいたします。 局地激甚は、あくまでも災害単位で指定されますことにつきましては、一般の激甚災害と同じでございます。したがいまして、災害単位にその被害額を査定いたしまして、それでその被害額が基準に合致するかどうかということを判定してきめるわけでございますので、局地激甚に該当するような数度の災害を受ければ、それはそれとして重複をいとわず指定する、このように相なるわけでございます。
○塩出啓典君 そのたびたびの災害が全部激甚災以上であれば指定になるわけですが、一つ一つは、激甚災に指定する基準にちょっと低いと、両方足せば、はるかに越していると、けれどもいまの激甚災というものは災害ごとですから、そういうのは全然指定もされないわけで、そういう点ちょっとぼくはどうも現実に矛盾しているのじゃないかと思うのですがね。そういう点は、ここでは早急に結論は出ない問題かもしれませんが、これは一つの課題として、私は総理府においては検討すべき問題ではないか、このように一年のうちに何回もあるということもめったにあるものではありませんから、そういう点もひとつ検討していただいて、しかも今回の激甚災の指定にあたっては、そういう点もひとつ考慮に入れて、許される範囲で、できるだけ大幅にこれを認めるべきではないか、私はそのように要望したいのですが、その点どうでしょう。
○説明員(高橋盛雄君) 公共土木につきましては、先生御存じのように連年災の制度がございます。連年災を受けた場合は国庫負担率も総体的に上がるわけでございますが、それを踏まえて、さらに激甚の財政制度がございますので、公共土木国庫負担法等、母法で救えるところはそのような例によって救っていただくと、さらに激甚につきましては、これは先生からいろいろ貴重な御意見を承ったわけでございますけれども、あくまでも現在の災害ごとに指定するというたてまえでおりますので、なお検討させていただきたい。このように考えております。
○塩出啓典君 あと災害復旧は急を要するわけで、そういう各省の査定官等の現地派遣は、現地の準備が整い次第すみやかに、しかもできるだけ大ぜい派遣をして、短時間に終わるようにすべきだと、そのように思うわけですが、建設省としてはその点どうなっておりますか。
○説明員(川崎精一君) 直轄関係につきましては、これは私どもの内部のことでございますので、さっそく緊急復旧等で実施をいたしておるわけでございますが、補助関係の河川並びに道路につきましては、特に現在の状況では工法的に非常にむずかしい復旧を要するといったところはあまり見当たらぬようでございますが、やはり災害の激甚さに応じまして、できるだけ早急に災害査定を実施したいということで、鹿児島県につきましては七月二十日前後、それから島根県につきましては七月の下旬、それから岡山県等につきましては八月の上旬を目途にいたしまして、現地の準備の完了次第査定をいたしたいというふうに考えております。その他の県につきましても、それぞれ準備が終わりますれば、私どものほうのスケジュールと合わせまして、できるだけ早急に実施をいたしたいと考えております。
○塩出啓典君 それで、今回は非常にがけくずれ等があって、島根県の川本町でも二人死亡、あるいは大崩海岸もやはりがけくずれ、それからまた、先般福井県の小浜市においてもそういうがけくずれで何名かなくなっておるわけでございますが、この問題について急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律、これが先般通過いたしまして、それに基づいていわゆる危険区域の設定、総点検等を建設省はすでに何回かやっておる、そのように聞いておるわけでございますが、大体全国のいわゆる危険区域というのは現在のところ何カ所あるのか、そのうち工事の完了したのは大体何カ所であるか。大体の数でいいですから……。
○説明員(川崎精一君) 私どものほうで、急傾斜地で崩壊の危険があるような区域につきまして、大体がけの高さが約五メートル以上、それからその崩壊によりまして危険を生ずる対象の人家が五戸以上、こういったところを対象にいたしまして四十四年に調査をしたわけでございますが、その結果によりますと、全国で約一万三千カ所余りそういった対象のところが、府県の調査から集計いたしますと出ておる次第でございます。で、これに対しまして、四十七年までに四千カ所を対象にしてできるだけ急傾斜地の崩壊の防止に対する危険区域の指定を進めておるわけでございまして、四十七年までに四千カ所程度を指定したいと考えておりますが、現在七月一日で全国で約一万四百カ所余り危険区域の指定が行なわれております。なお、現在までの施工個所でございますが、これにつきましては四十二年から事業をスタートさせまして、本年度で第五年目を迎えるわけでございますが、現在施工いたしております個所は二百六十二カ所でございます。以上でございます。
○塩出啓典君 なかなか指定をしても、工事が百六十二カ所で、危険個所と思われるのが一万三千もあって、限られた国の予算で全部やれということはなかなかむずかしい問題だと思うんでございますが、そこで、たとえば今回がけくずれで死亡いたしました川本町のいわゆる金比羅山のがけ等は、まだ危険区域の調査の中には入ってなかった、そのように聞いておるわけでございますが、こういうあぶないところがそういう一万三千カ所の中にまだ入ってなかったとすれば、それはどういうわけでやっぱりそういうあぶないところが漏れておったのか、その点はどうなんですか。
○説明員(川崎精一君) 私どものほうで四十二年と四十四年の二回にわたりまして調査をしたわけでございます。で、ただいまお話しの川本町のがけくずれの件でございますが、これにつきましても再三、県からも地元の市町村にそういった個所はないかということを調査のつどやはり照会をいたしておりますが、だいじょうぶだというような報告で、この崩壊いたしました個所につきましては先ほどの調査にも入っておりませんし、それから、もちろんしたがって危険区域の指定にも入っておらなかったわけでございますが、私どもといたしましては、こういった非常にがけくずれのような状況は地域的なものでございますので、とても私どもでも全貌をなかなかつかみにくいというのが実情でございます。したがって、市町村の報告をもとにしていろいろ仕事を進めておるわけでございますが、ほかもやはりたくさん見落とし等があるんじゃないかと思われるわけでございまして、そういった点はなお今後十分に、漏れることのないようにいたしたいと考えておりますが、なお、川本町の災害につきましては、現在県とも協議をいたしまして、できれば危険区域に指定をして、何らかの緊急の崩壊防止対策を行ないたいというようなことで、現在県と協議をいたしておるところでございます。
○塩出啓典君 そのがけの下に住んでいる天神町という部落の人たちは、まだ危険があるために自分の家にも帰れないで、町のお計らいで、別に急造の住宅をつくって住んでいる状態でございますので、できるだけすみやかにこれは危険区域に指定をして万全の対策をやっていただきたい、このことを要望しておきます。 それで問題は、私はなかなかどこが危険区域であるかということは非常に問題だと思うんですね。そこの土質にも関係してくるし、雨量にも関係してくると思うのです。確かにこの急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律の第四条には「前条第一項の規定は、必要に応じ、当該指定に係る土地に関し、地形、地質、降水等の状況に関する現地調査をして行なうものとする。」、だからこの法律の中にはちゃんと土質のことも考えていかなければいけないし、雨量のことも考えていかなければいけないし、地形のことも考えて、その上でやはり急傾斜地の指定をしろ、そういうふうに法律には書いてあるわけですね。ところが建設省から全国の市町村に配付したそういう危険区域の調査に関する内容を見ますと、単なる五メートル以上で戸数五戸以上だ、角度は三十度以上だ、そういう非常に私たちから見れば——われわれもしろうとではございますが、ちょっとあまりにも幼稚といいますか、現在はいろいろ科学の発達した時代ですから、もっと科学的にその土質等の調査をして、単なる人間の勘によるような方法ではなしに、もう少しやはり科学的にそういうがけくずれ危険度を調査するような、そういう点にもっとぼくは力を入れていかなればいけないんじゃないか。そうして全国の一万三千を一ぺんにやれと、これは無理なんですから、当然やはりそこの危険度、重要度というものをいろいろ土質とかあるいは降水量、あるいはそこの傾斜地形、あるいはそこにいる被害を受ける対象戸数、そういうようなものから全国的に検討して、やっぱりこういうところが、ここは優先的にやらなければいけないんだと、もう少しそういう科学的なやり方を研究すべきじゃないか、そういう点で私もたびたびそういう防災科学の研究という点において、大学における研究とあるいは建設省の実際の工事との間のそういう連絡も非常によくないんじゃないか、そういうことを何回もこの委員会でも指摘したことがあるわけですが、そういう点について建設省はどう考えておるのか。特に大崩海岸のようなものは、ほんとうにもう一番車のひんぱんに通る、そういうところでああいうことが起こるということは、われわれはほんとうに心配なんですね。そういう点はどうなっておりますか。
○説明員(川崎精一君) この急傾斜地の、先ほど申し上げました調査の対象の範囲でございますが、これは悉皆調査をするということになりますと、ほとんど人家のあるのをことごとく調査をしなくちゃいけないというようなことで、そういった調査の範囲も非常に膨大になるわけでございます。したがって、先生のお話しのように、何か的確な簡単な調査の方法があって、そういったものを府県なり市町村を通じてくみ上げていくというような方法については、さらに私どももなお検討する余地があろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、これはまあほとんど個人の特定の財産が対象でございまして、非常に広範囲の不特定といったものではございませんので、国の援助のしかたというものにもやはり限度があるわけでございます。したがって、なるべくは危険区域に指定をしてもらって、そういった崩壊の防止のための事業が進まない間は、これは市町村の地域防災計画等に組み入れまして、災害時の避難なり誘導なり、そういった措置とあわせて、まあできるだけ死亡等の悲しい事故のないように現在いろいろ指導をいたしておるわけでございます。 なお、大崩海岸につきましては、これはちょっと——直接は道路関係の事業でございますので、私どもからちょっとお答えするのは不適当じゃないかと思いますので……。
○委員長(小柳勇君) その問題はあとでやりますから。
○塩出啓典君 それでは時間がありませんので、今回非常に島根県の災害を見ましても、たとえば江津市の都治川というのは昭和四十四年、四十六年と続いておるわけですね。大田市の銀山川とか静間川というのは昭和四十一年、四十五年、四十六年と、そのように二、三年おきに堤防が決壊をして被害を受けているわけです。まあやはり確かに中小河川等においては注意を要する個所は非常に数が多いわけでございますが、特にそのように、二、三年おきに災害が繰り返されているようなところでは、これはほんとうに川幅を広くするとか、治水ダムをつくるとか、まあ重点的に優先的にやっていかなければいけないんじゃないか、そのように思うのですが、その点はやっぱり建設省としてはそういう考えでやっておるわけですかね。
○説明員(川崎精一君) 最近の私どもの河川改修費のウエートから申し上げますと、かなり伸び率にいたしましても、あるいは全体の事業の額にいたしましても、中小河川あるいは小規模の改修といったところに比重を持たせておることは確かでございます。ただ、非常にそういった個所数の多いことと、それから最近の地域開発等によって、われわれが計画しておった当初よりもまた別の水の出方というようなものがあらわれてきておるというようなことで、現在の河川改修の状況ではなかなか追っつかないのが実情でございますけれども、非常に連年災害を受ける河川とかいったものにつきましては、そういったものを集計して、できるだけそういったところに重点的に予算を配賦するように心がけておるつもりでございますが、今後とも島根県のような連年災害の起こるようなところにつきましては、さらに重点的に改修を進めるように、私どもも十分配慮いたしたいと思います。
○塩出啓典君 最後に、いわゆる川本町の先般のがけくずれが、先般の理事会でもちょっとお話ししましたように、山の上に児童公園をつくったために、それががけくずれの原因になったのではないか、そのように地元の人たちも言っておるわけですね。いままで何回か町のほうにも非常にいまの状態では心配だから、この山頂の児童公園にみぞをつけてもらいたいとか、しかるべき対策を立ててもらいたいと、そういうことを何回か要望しておってこういう状態になったわけでございまして、やはりそういう災害が単なる天然災害であるのか人災であるのかということは、その被害に対する補償の問題もあって私は非常にこれは大事な問題である、そのように考えておるわけでございますが、それに対して建設省といたしましても、これは責任の一端——監督不十分という点もあるわけでございまして、そういう点、やはり十分調査をして、被害者の方々に対しても十分な補償ができるように努力をしてもらいたい、そのことを要望したいと思います。それとあといろいろお聞きしたい問題もございますが、一応その点だけ要望したいわけでございますが、建設省のお考えをお聞きしたいと思います。
○説明員(川名俊次君) 川本町の金比羅公園の災害につきましては、近く調査に参りまして、御趣旨の点につきまして、十分調査をしてまいりたいと存じます。
○委員長(小柳勇君) 以上で、本件についての調査はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(小柳勇君) 次に、静岡県大崩海岸の道路崩壊に関する件について調査を行ないます。 まず、政府から説明を聴取いたします。高橋道路局長。
○説明員(高橋国一郎君) 七月五日、一般国道百五十号線の静岡市石部地区におきまして、約三千立方メートルの土砂の崩落がございまして、とうとい人命を失いましたことを深くおわび申し上げます。 このまず事故の状況を御説明申し上げますというと、場所は静岡市石部地内というところでございまして、一般国道百五十号線でございますが、この区間は静岡県知事の管理する区間になっておるわけでございます。名前の示すとおり、この地区は昔からかなり土砂くずれの多い区間になっておるわけでございまして、今回の事故は、第五洞門と通称言っておりますが、いわゆる落石覆工をかねてやっておるわけでございますが、その第五番目につくりました第五洞門の地区に、山腹から約三千立方メートルの土砂が崩落いたしまして、洞門を押しつぶしましてたまたま走行中の車両の一台が埋没しまして、死亡者一名の事故を生んだような次第でございます。 この原因につきましてはただいま調査中でございますけれども、先ほど申し上げましたようにきわめて岩質の悪いところでございます。この地区は有名な糸魚川−静岡構造線という日本でも最も悪い地層のところに近いところでございまして、岩質は玄武岩を主体としておりまして、大体四十五度ないし六十度程度の傾斜をなしておる斜面でございますが、これが今回の雨によりまして、相当雨水がその岩の中に浸透いたしまして、それが今回の地すべりを起こしたものじゃなかろうかというふうに考えたわけです。なお、事故の前の日の午後六時四十分ごろ、約十三時間ほど前でございますが、小さな地震が起きております。これが若干影響したのじゃなかろうかというような推定もされておるようでございます。 この個所は大体一日の交通量が一万一千台程度ございます。道路の幅は車道幅員で申しますと四・五メートルないし五メートル舗装された道路になっておるわけでございますが、今回の事故を起こしました洞門は第五洞門でございますが、昭和四十四年度に設置したものでございまして、その区間はわりに岩質がよい区間でございましたので、それより六年ほど前の昭和三十八年に岩盤にそれぞれセメントモルタルを吹きつけておりまして、その区間につきましては従来の落石状況は小さな石がぱらぱら落ちる程度で、今回のような大崩落はないというふうにわれわれは推定しておったわけでございまして、したがいましてその構造物といたしましては、主として高張力鋼のH型鋼を主要の部材としてつくりました鉄骨構造の落石覆工をつくった次第でございます。 以上簡単でございますが、一応御報告いたします。
○委員長(小柳勇君) 本件について質疑のある方は、順次御発言願います。
○高山恒雄君 この問題は、いま御説明がありましたように、被害者は一人で済みましたけれども、最初の新聞、テレビ等の報道によりますと、数名の人が犠牲になっておるのではないかというような報道がなされて、当時の新聞あるいはニュースを聞いた人は非常に不安を持ったと思うのですが、まあ幸いにして一人だけの犠牲者で終わったことは不幸中のまだ幸いではなかったかと、こういう感じがするわけです。 そこで、お尋ねしておきたいことは、もう言うまでもなく岐阜県の白川町における大災害がございまして、そしてその後はいわゆる政府としてもかなりそれに対する対策をお立てになったと思うのです。なおまた監視等においてもそういう崩壊の危険性のある地域においては、ある程度の対策も立てておられたとこういうことを聞くわけですが、しかしこの今回の落石が、まあ一トン半ぐらいのものが落石してもこれは完全に防止することができるんだと、こういう立場であったのにもかかわらず、こういう犠牲が出たという点については、一体落石したその量はどういうものが落石したのか、何トンぐらいのものが一体落ちてきたのか、こういう点ひとつお聞きしたいのです、トン数ですね。
○説明員(高橋国一郎君) 全体では六千トンの土砂が崩壊してきたわけでございますが、ただ五トン程度の石が相当ごろごろ落ちてきたというように聞いております。
○高山恒雄君 そこで、そうしますと政府がいままで考えておったその一トン半ぐらいのものの洞門しかつくってなかったと、こういうことになるわけだろうと思うのです。 そこで、いままで大体八十ミリを中心とする降雨に対しては通行中止をするという監視体制も整えておるわけです、政府は。ところが一回の量がそういう量であって、三日間にわたって九十ミリ以上の降雨があったと、したがって地盤がゆるんだのではないかということが言われておるわけです。一体こういう点はどういう考え方なのか。一回の雨量が八十ミリであれば交通を遮断する、ところが三日間にわたって九十ミリ以上の雨が降って地盤がゆるんだ、山くずれというのはこれが重大だと思うのです。そういう点の見解はどうお考えになっているのか、お聞かせ願いたいと思う。
○説明員(高橋国一郎君) 飛騨川のバス転落事故を契機にいたしまして全国一斉に総点検を行ないまして、その際に異常降雨時におきましてはその地区地区によって違いますが、その地区でそれぞれ何ミリ以上降ったら車をとめるというような規制を行なうような方策を打ち出したわけでございまして、この区間につきましても、その基準といたしましては連続降雨量八十ミリもしくは台風時速二十メートルの風が吹いた場合には、そういう場合にはとめるというふうな規定になっておるわけです。もちろんそれ以外にたとえばそれでなくても岩石の崩落があるようでしたら車をとめることになりますが、雨量等によるものは一応連続降雨量八十ミリというふうにきめておったわけであります。今回の雨を見ますというと、七月一日に十六・五ミリ降っているようでございます。それから翌日二日が最も多くて六十一・五ミリ降っているようでございます。それから三日目は、これは早朝にもう雨は上がったわけでございますが、夜間に八ミリ降っているようでございます。トータルいたしますと、八十六ミリでございまして、御指摘のとおりいわゆる交通規制を行なう八十ミリをこえた次第でございます。 この点につきましてはわれわれといたしましても強く道路管理者である県を指弾したわけでございますが、いろいろ事情を聞いてみますというと、二日目までの雨、つまり十六・五ミリと六十一・五ミリまでの雨はどうやら県は情報をキャッチしておったわけですが、三日目の朝はすでに雨が上がっておりまして、先ほど申しましたように八ミリと申しましたがこれは夜間に上がったようでございますので、その時点においてすでにもう上がっておったものですから、その時点で八十ミリ降らなかったかどうかの確認をなされずに、したがいましてまだ八十ミリに達しない、しかも崩落もないということで交通はそのまま開放しているようでございます。御承知のようにこの事故はその翌日が四日で、四日は一日晴天であったわけでございますが、五日の朝の八時四十五分に崩落が起こっている次第でございまして、確かにその後規定の八十ミリをこえてもパトロールをしなかったという指弾を受けますが、きわめて事務的に申しますというと、実はそういう時間的ないしは情報のずれがございまして、今回はパトロールと交通規制を行なわなかったというのが実情でございます。
○高山恒雄君 私はそういう点を聞いているのじゃないのです。静岡の気象台の話では六月二十八日から三日までの間、三日はあなたはお天気になっておるとおっしゃいますが、九十八ミリの雨量があったというのですね。それは記録に出ているのですよ。九十八ミリです、三日間。ところが政府がお考えになっておるその考え方の中には連続して、断続を含めないで連続して八十ミリの場合にはこれは交通を遮断することがある、こういうたてまえを立てておられるでしょう。ところが私が申しますのは、二十八日から断続して九十八ミリの雨が降ったような場合こそ山のゆるみから危険ではないかと申し上げている。こういう処置を考えておられるのかどうか、これを聞きたいのですよ。
○説明員(高橋国一郎君) いまの御指摘は連続降雨量というのはどういうものであるかということに関連をするわけでございます。したがいまして、このつかみ方についてはきわめていろいろ疑問があるわけでございますが、われわれといたしましては、一日でも一応雨が降らない時期がございますというと、それは一応切り離しておるわけでございます。つゆどきはもしそれを全部入れますというと、一日に数ミリ——二、三ミリ降った程度のものが一カ月も続く場合は、それを連続降雨量にするかどうかということになりますというと、これにつきましては、たとえば二十四時間なら二十四時間もし降雨量がないとしますと、そういうものは一応ネグりまして、それからちょっとまたストップというふうに考えませんと、これはほとんど一カ月間連続しまして、そうしますと、百ミリとか百数十ミリというような非常に大きな数字が出てまいります。そういうことでございまして、結局この崩落と雨との関係というのは非常にむずかしい問題でございますけれども、いま申しました一日数ミリ程度の雨ですというと、これはおそらくほとんどあまり地すべりには大きな影響は与えないというふうに通常考えております。やはり一日数十ミリ、まあ正しくは時間雨量に換算いたしまして十ミリ程度以上の雨というものが、きわめて地すべりに大きな影響を及ぼすのじゃないかというふうに考えられておりますので、いま申し上げましたように、連続降雨量をどこからどこまでとるという場合にも、おっしゃるとおり二十八日から確かに降っているようでございますけれども、途中中断いたしますというと、二十八、二十九日は降っているようでございますが、二十八日一日降って二十九日はほとんど降ってないようです。われわれの記録では一日に〇・五ミリと申しますから、ほとんど晴天に近いもので、ぱらぱらというのがちょっとあった程度かと思いますが、そういう場合にはここでもって切断いたしまして、連続降雨量の中には入れておらないのが通常でございます。
○高山恒雄君 私はそれがいいか悪いかという問題については、あなた方専門家として検討されておるんですから、なんですけれども、しかしわれわれしろうとが考えますのに、雨期に対する継続的な四日でも五日の間でも九十ミリから百ミリ近くの雨が続いたらば危険がある、したがってこの雨期に対する山くずれは多いのでしょう。そういうものをどうして取り上げておかなかったんですかということが聞きたいのが一つと、もしいままでそういう考え方がなかったとするなら、たとえば二日間なら二日間、一日なら一日に八十ミリ降った場合に遮断するんだということであるだけならば、これはもう今度のような雨期に対する一週間なら一週間の雨量に対して百ミリか百十ミリの雨が降っておった、したがって、地盤はゆるんでおるということとの対比をしますと、これは八十ミリ降らない場合の対策は何もないわけです。これを考慮する必要があるんじゃないかと私は考えるわけです。説明は要りませんがね。それを私はあんたを責めるわけじゃない。そういうものが考慮の中に入ってなければ入れるべきだ、災害防止の一つとしてこれを私は申し上げたい。 それからもう一つ。これはいまのは答弁は要りません。要りませんが、もう一つ申し上げたいのは、一体洞門というのは二百何ぼですか——二百五十メーターにわたる洞門ができておるわけですね。今度の問題の場合は、洞門と洞門の境に落石したんだ、洞門の上に直接落石してこの被害になったのか、その点はどうなっているんですか。
○説明員(高橋国一郎君) ただいまの第五洞門というのは、全体の長さが百二メートルでございます。そのうち、まん中付近、四十二メートルに土砂がくずれ落ちておりまして、境目でございません。大体まん中付近、正しくは静岡側から四十二メートル、それから焼津側から十七メートルですから、むしろ焼津側のほうに寄りまして、ほぼ中央四十二メートルのところに土砂くずれがあったわけでございまして、そこがくずれ落ちたわけでございます。
○高山恒雄君 そこで、最初お尋ねしたように、一トン半から二トンくらいのものはだいじょうぶだと、しかもこの十五メートルの高さから落ちても十分防止ができておるのだということが、報告の中にも入っておりますし、また当然そういうふうに確認してやられたと思うのですよ。ところが、こういう事態になってきたという場合に、まだ、いま調査中だとおっしゃいますけれども、私らテレビや新聞その他で見まして、現場を視察したわけではありませんけれども、テレビで見まして、もっと勾配があれば、下は海ですから、あれだけの鉄骨ですから、勾配があれば、そのひさしを通って海に出てしまったのではないか。その勾配が足りないのじゃないかというふうな感じを私たちは受けるのですよ。そういう点はどうですか、専門家ですから。私らしろうとから見て、あの十メートルから二十メートルの地域から落ちておるわけです。落石しておるわけですね。それが洞門の勾配がもっときつければ何もそこでとまらなくても、あの鉄骨で当然耐えて、海のほうに落石したのではないか、こういうような感じがするわけですよ。そういう点はどうですかね。
○説明員(高橋国一郎君) ただいまの御指摘は、われわれは通称洞門と言っておりますけれども、洞門の上の勾配をきつくいたしまして、土砂流をその勾配に沿って落としたらどうかというおそらく御意見かと存じます。実は、こういう工法につきましては、主として雪国のほうで、なだれ等がございます場合によく採用されておりまして、それによって落とすという場合が非常に多いのでございますが、これは雪の加重に比べまして、今度の土砂というものはたいへん大きな加重になっております。したがいまして、そういう設計をいたしますというと、非常にがんじょうな構造物でないともたないということであります。今回非常に困りましたことは、海側のほうが擁壁になっております。海から浸食されておりまして海側が弱くなっておりますから、そこにがんじょうな基礎がつくれないという最大の欠点がございます。それからもう一つ、山の傾斜でございますけれども、この傾斜が非常に急である場合、たとえば六十度以上八十度くらいでございますというと、いま申しましたおおいもわりに簡単にできるわけでございますが、今日、図面を持ってまいりませんけれども、最初の傾斜というのはわりに四十五度くらいとゆるくなっております。それから先に行ってから六十度くらいになっております。そうすると、その構造というのは非常に大きな構造物になりまして、それでもって落石を海側に落とすような構造にするためには相当大きな工事になりまして、先ほど申しました、その場合に結局加重が一番海側のほうに、こちらに加重がかかり、防壁をいたしましてもそれをささえる海側の基礎が非常に弱いというのが最大の欠点でございます。構造上むずかしいというのが実情でございます。
○高山恒雄君 非常な経費が要ると言われますけれども、人命にはかえられぬのですよ。これはそういう点は犠牲者が一人で済んだからいいのですけれども、これが五人も十人もとなればたいへんなことだと思います。一人でも人命が軽視されるということは考えておりませんよ。そういう意味から言っておるのではありませんけれども、まあ不幸中の幸いで、一人であったからいいと言えぬでしょうけれども、経費の問題は私は別問題に考えて、そういうところの道路の被害をどうなくするかということになれば、これは雪国であろうが雪国でなかろうが、ある程度海に流すということができる施策が立つならば、当然政府はやるべきだと思います。その点はひとつ意見として申し上げておきたいと思います。 なお、その後、新しくかわられた大臣も、その雨量が多量であろうとなかろうと、そういう危険地域においては今後十分なる監視態勢を整えたい、こういうことを言っておられたのですが、これは大臣に聞くべきかもしれませんけれども、当局としては大臣のその発言に対して何かいま対策を立てておられるのか、この点ひとつお聞きしたい。
○説明員(高橋国一郎君) われわれ道路管理者といたしましては、全く申しわけない次第というふうに考えておりまして、今回の事故にかんがみまして再度総点検を行なうことを指示しております。これは御承知のように四十三年の飛騨川の大事故の場合は、これは未曾有の集中豪雨でございまして、あれだけの雨が一時間に百ミリをこえたと言われておりますし、あれだけの集中豪雨が象りますというと、大体の山というのはくずれるのが常識——常識と言っちゃ失礼ですが——というのが実情かと存じます。今回はそれに比べますと非常に雨が少なかったわけでございまして、八十ミリ程度であるということ。ただここの最大の特徴は、大崩という名が示すとおり昔からの難所であったということでございます。こういうところにつきましては、再度もう一回点検いたしまして、ここに近い個所が全国にあろうかと思いますので、十分に検討いたしまして、たとえばその八十ミリの基準そのものもすでにもうもっと低くすべきではなかろうかという検討も必要になりましょうし、またわれわれといたしましては、この事故が雨がやんで二十四時間以内に起きている事故でございます。つまり晴天のときに起きた事故でございます。こういうことを考えまして、従来飛騨川の事故などの場合は、大暴風雨のためにがけくずれがあったわけでございますが、今回の場合は天気がよくなって二十四時間ぐらいたってから起きた事故ということになりますので、この点も十分再検討いたしまして今後の事故対策を立てたい、というふうに考えておるわけでございます。それで事故後直ちに道路局長名で通達を出しまして、総点検を命ずるということを当時指導したわけでございますけれども、一片の通牒だけでは、とても全国の道路の十分な管理はできないというふうに判断いたしまして、急遽本日午後全国の担当課長を招集しております。この席上におきまして、ただいまの大崩の事故、それから引き続き起きました岐阜県の加茂郡白川町におきまして起きました事故等を詳細に説明いたし、それらに対する対策等を十分に話し合って、今後の事故の防止に全力をあげたい、というふうに考えておる次第でございます。 なお、われわれといたしましては、道路の特にこういう事故のできるだけ絶滅を期するために、防災事業につきましては、今年度におきましてもすでに予算の配賦は終わっておりますけれども、急遽他の予算を振りかえてこれを重点的に行ないたいというふうに考えておりますし、四十七年度の予算要求には、この事故防止を最大の重点といたしまして予算要求したいというふうに考えている次第でございます。
○委員長(小柳勇君) 以上で本件についての調査は、本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三分散会