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65回国会参議院1971/03/18

建設委員会 第9号

発言数
216
登壇者
22
会派数
5
開催日
1971/03/18

会議録

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。昨十七日、山下春江君、長屋茂君、堀本宜実君、山内一郎君、奥村悦造君及び大森久司君が委員を辞任され、その補欠として小山邦太郎君、柳田桃太郎君、米田正文君、丸茂重貞君、山崎五郎君及び塩見俊二君が選任されました。     —————————————

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案の審議のため、日本住宅公団及び住宅金融公庫の役職員を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 御異議ないと認めます。     —————————————

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 建設業法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 建設業法がいま審議されておりますが、それ以前の問題として、特に政府の行政態度の問題として、たしか一昨年の四月だったと思いますが、東京都の墨田区の荒川放水路の第二新四ツ木橋基礎工事において、シートパイルがはずれて青森県の出かせぎ労務者が死亡した、こういういまわしい事件があったわけですが、その後、新聞等に報じられておるように、建設省まで司直の捜索の手が伸びたこういうことが新聞に報道されておるわけです。非常にいまわしいことだと思うのです。業者とのなれ合いもさることながら、やはり業者と政府の何と申しますか、行政に対する態度、これが非常に国民に対して疑惑を与えておると思うのです。そうして一体どうしてこういうように本省まで司直の手が伸びるような、しかも何というか、逮捕者まで出すというような、こういうことが起こったのかですね。詳しいことは目下司直の手で捜索中ですので、これは何とも言えないわけですが、いずれにしても事の真偽は別として、こういう事実が起きておる、こういうことについて建設大臣はどういうようにお考えになっておるか。  さらに、道路局でもけっこうですが、どういうことでこういうように捜索を受け、さらにはまた逮捕者まで出したのか。態度のほうは建設大臣のほうに。どうしてそうなっておるのか、いままでの経緯を道路局のほうから釈明願いたいと思うのです。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘の新四ツ木橋の工事の施工にあたって、ああいう災害を起こしたことは、まことに遺憾だと思っております。しかもこの原因をこの事件直後、日本における技術の最高の権威ある人々の構成による事故調査会を設けまして、約一年近くの時間をかけて、その結果当時の報告として建設大臣に出されたことは、これはある意味における不可抗力である、従来の学説で思い及ばなかったいわゆる地質の低部における軟弱地盤の一つの何と申しますか、いままで考えられなかった事態が起こっておる、したがってこれは不可抗力である、こういうふうに報告されて、われわれはその報告を信じておった。しかるに事件後二年もたってから、今度は検察の手が伸びて、しかも証拠隠滅のおそれがあるとかなんかいうことで逮捕されたことについては、全くこれは常識では考えられない、私のほうとしても非常に戸惑っている次第でございます。この報告の内容、それから今日までの経緯につきましては、これは技術に関する問題でございまするので、事務当局から御説明申し上げます。

菊池三男建設省道路局国道第一課長

○説明員(菊池三男君) 新四ツ木の事故につきましては、たいへん痛ましい事故でございますが、これの原因につきましては、ただいま大臣が申されましたように、直後に技術委員会をつくりまして十分慎重に検討した結果、軟弱地盤の問題、それに面外座屈という一つの新しい考え方の問題等によりまして、これは不可抗力であるというふうに報告書では出ております。したがいまして、私どもはその報告書の委員の方々も、技術的に非常に権威の高い方々ばかりでございますので、それの出ました報告書というものは、そのまま私どもも受け取っておりまして、これはやむを得ない事故であるというふうに考えております。したがいまして、その後書類を送検したということが新聞に出ておりました。その書類を送検したという理由も新聞の紙面で読むだけでありまして、どういうわけで書類送検したかということは、何ら私どもはわかっておりません。それから続いて、逮捕をされ、またそのときにも、新聞の紙上によりますと、証拠隠滅あるいは何かそういうことで逮捕されたというふうに書いてございますけれども、これもやはり捜査の問題でございまして、私どものほうは全然わかっておりません。したがいまして、どういう理由で書類を送検し、どういう理由で逮捕したかということは、私どもは現在何もわかっておりませんけれども、ただ私どものほうといたしましては、先ほど申しましたように、この事故の原因というものは、やむを得なかったんであるということを確信しておりますので、あとは捜査のほうの段階が進むに従って明らかになるというより、現在はやむを得ないというように考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 あの工法が非常にすぐれた工法であるかどうかは、私どもも専門家じゃないので、欠陥があるとかこれは完全だとかということはこれは言えませんが、しかしながら逮捕された直接の原因は、たとえば建設省が言うように不可抗力であったとするならば、なぜそういう関係書類の提出を東京エコンですかがしないのか、また建設省がそれを出させるように、不可抗力だということをはっきり言っているんだから、それだけ自信があるのであるならば、当然行政態度としてもそういう書類はやはり解明するために出すべきだと思うんですね。ところがこれを出さずに、それが原因になって三者が、間組と東京エコンと建設省が逮捕されておる。これはやはり疑惑に包まれると思うんですが、なぜそれを出さなかったか、また出すようにしなかったのか、この点はどうもいまの答弁を聞いても釈然としないわけです。何か疑心暗鬼があり、若干欠陥があるから、それを隠蔽するために動いたんじゃないかというような憶測も出てくるわけですが、完全に不可抗力であるということを物理的に証明できるならば、こうでございますということをこれは全部出して協力するのが、同じ行政でありますから、警視庁でも、これは当然だと思うんだけれども、それができぬで、それが原因になってやはり逮捕されているということになると、国民としては大きな疑惑を持たざるを得ない、こういうことになるわけですが、いかがですか。

菊池三男建設省道路局国道第一課長

○説明員(菊池三男君) ただいまのエコン建鉄がこのリングビームの特許権を持っておるところでございます。エコン建鉄が何か書類の提出を渋ったというお話でございますけれども、少なくとも私どものほうは、この内容について、特にエコン建鉄あるいはこの施工の業者といろいろ相談をいたしますと、そうじゃなくても疑惑の目で見られますので、エコン建鉄とは一切私どもは折衝しておりません。したがいましてエコン建鉄が書類を出し渋ったかどうかということは、実はいまここで初めてお伺いする段階でございますので、特にそういうようなエコン建鉄が資料を提出しないけれども、それを何とか早く出すようにというような連絡でもあれば、私どものほうは、何にも隠すことはございませんので、あるいはそうなったかとも思いますけれども、全然そういうことは存じておりませんし、また私どものほうも、内容につきましては、先ほどの委員会で一年有余にわたっていろいろ調査しました結果のことでございますので、特に内容を隠すとかいう必要もございませんので、そういう点がもしあれば、どんどんその原因の究明に対しては協力していくつもりでございます。ただ、私どものほうのこの委員会でやりました結果とあるいはその捜査でやりましたこととが、何か内容的に一致しない点でもあってあるいは調べる点があるのかなということを、われわれは内々そういようなことぐらいしかどうもないんじゃないかというふうに考えておりますけれども、これも先ほど申しましたように、後に明らかにされることだと思います。少なくともそういう種類の証拠を出し渋るというようなことはございません。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 逮捕された青島某ですね、この方について、やはりそれ相当の疑いがあって逮捕されたんでしょうから、そういうような挙動——挙動というとおかしいけれども、疑わしいようなことが、この方は皆さんの役所ですからね、そういうやっぱり疑われるに足ることがあったというように考えておるのか、全然これはもうそういうことはないと、こういうようにいまの段階で確信しておるのか、この点をお伺いしたいと思うのです。実はきょうは間組もそれから地検のほうからも来て聞きたいと思うのですけれども、時間がないようですからこの点は保留しておきたいと思いますが、とにかく青島さんについてそういうように疑われるに足る何かあったのかどうか、その点は皆さんも行政のほうで、これは他人ごとじゃないから、いろいろな聞いたりなんかしておると思うので、調べておると思うのですが、その点はどうかということと、それからリングビーム工法では、リングのまわりにシートパイルを打ち込んだ際二十センチのすき間があって、それを溶接でごまかしたんじゃないか、こういう疑いを持たれておる。それから納入されたリングビームが最初から不良品であった、こういう点も疑いを持たれておるわけです。この点について、これはもちろん何とか委員会とかそういう調査機関を設けてやったことはよくわかりますが、建設省自体としても、その点まで突っ込んで調査したのかどうか、専門家が調べてここまで突っ込まなかったというのはおかしいと思うんですね。しかも地検にしても警視庁にしてもこういう技術についてはしろうとだと思うのだ。こういうところがこういう疑いを持って、専門家のほうがこれを見のがしたということになると、どういう調査をしたのか、どういうように行政的に調べたのか、これは疑わしいと思うんですね、その点ひとついかがですか。

菊池三男建設省道路局国道第一課長

○説明員(菊池三男君) 第一番目の青島個人の問題でございますけれども、彼は非常に技術的にもすぐれておりますし、少なくともそういう証拠隠滅あるいは何か不正なことをしたとかいうようなことに対する疑いは私どもは毛頭持っておりません。  それから第二点の、シートパイルを打ちますときに、二十センチのすき間があいたので、溶接したものでそれを穴をふさいだというふうな御質問と思います。これは、実は、シートパイルを打ちますときに、シートパイルにみぞがございまして、みぞをかみ合わせながら逐次ずっと打ち出していくわけでございます。その場合に、このリングは直径が二十三メートルございますので、シートパイルを約二百枚くらい打つわけでございます。そうしますと、順々に端から打ってまいりますと、一番最後に来ましたときに、理論上はぴしっと合うはずでございますけれども、みぞの余裕がございますので、そこら辺が重なってまいりますと、びしっと締まるということはほとんど不可能でございます。そういう場合には、一番最後のところの一つ手前でやめまして、三枚のものに一枚溶接して調節をとりまして打ち込むということでございますので、これはリングビームに限らず、その他の通常やっております二重締め切りの場合でも、通常の一重締め切りをやる場合でも、最後はみんな打ちどまりはそういうことになっておりますので、これはやむを得ないことだと思います。  それから、リングに不良品があったのではないかという御質問でございます。これは、事故の起こりましたあと、全部リングもそれからシートパイルも引き上げまして、土木研究所に持っていって現在全部組み立ててございますけれども、その材質について詳細に検討いたしました結果、欠陥はなかったというふうに報告書に出ております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 この問題であまり時間をかけたくないと思いますので、これで終わります。この件に関しては保留にしておきます。  それで、一応、捜査の司直の手によっていずれかの結論が出ると思うのですね。その結果は別としても、あそこで死亡された方々に対してどういう処置をいままでとっておったのか。これは、不可抗力だということで補償する場合と、施工者にこれはやはり大きな過失があったと、こういう場合の処置とはかなり違ってくると思うのですね。したがって、いままで処置したとするならば、これは何というか、調査報告にもあるように、建設省がそういう態度をとっているように、これは不可抗力であった。こういう金銭的な処置がとられたわけですね。それが司直の手によって、そうじゃなかったということになると、これは事情変更になるわけですから、全然違ってくるわけですね。その点はどうなっていますか。

菊池三男建設省道路局国道第一課長

○説明員(菊池三男君) 遺族の補償の問題につきましては、労災保険で一時金を支払っております。それから、一時金のほかに年金、これも労災保険の年金でございますけれども、これが出ております。必要があれば額も申し上げますけれども、それ以外に請負業者の間組から、各遺族に対しまして、一人頭三百六十五万円という見舞い金が出ております。それから、葬祭の費用といたしまして、十数万円がそのほかに出ております。請負の業者とそれから遺族の方々との話し合いがこれで一応ついたということになっております。ただこれは、先生言われましたように、不可抗力であるという前提に基づいてやったのか、あるいはどういうことであったのか。これは請負業者と遺族の問題でございますので、私どもはそれに対しては特に関知はしておりませんけれども、実情はそういうような支払いがなされております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 この点についてはあとに保留しておきたいと思うのです。  そこで、大臣にお伺いしたいことは、建設業も、かつてのように労働集約型の産業じゃなく——まあ労働集約型の産業であることはこれは間違いないけれども、相当、技術革新によって、直接労働力に依存しなくてもよろしい。非常に省力的な技術が開発されていることはこれは御承知のとおりです。でも、他の産業から見るならば、屋外作業であるということ、さらには、どうしても人の手に何というか、かからなくちゃならぬということで、ある意味の、ほかの産業よりは労働集約型の産業に属しておると思うのです。そこで、今度の建設業法の改正も、これは非常にいい長所もあると思うのです。これは何でも悪いということゃじない。非常にいいところもあると思いますが、私が心配することは、労働条件が非常に不安定だということですね。他の製造工業等と違って、非常に労使関係もこれは安定しておらぬ、これは片務的である。普通、労使関係はやはり労働力を提供するほうとそれを提供されるほうで、合意に基づいて一つの労働条件というものが決定されるわけですけれども、長い因襲といいますか、体質といいますか、非常に、何といいますか労使関係というのは一方的である。こういう面から、このままずっと推移するならば、他の産業はどんどんどんどん、労使関係はもちろん技術も発展していくのだから、技術なりあるいはその作業要員の確保ということは、遠い将来に非常に憂慮すべき事態に来るのじゃないか、こういうように考えておるわけです。そういうことでありますから、単に労働条件を引き上げるということじゃなく、やはり健全に建設業というものを発展させるためには、これは外国と比較しても社会資本なり公共事業というものは非常にまだおくれていることは御承知のとおりなんで、将来、国家的な要請としても建設業というものは相当嘱望されるし、発展してもらわなくちゃ国民が困るわけですね。そういうことでありますから、労使間の片務性、前近代性、これでいいのかどうか、どういうお考を持っておるのか。これじゃいかぬと思うのですね。しかも最近は、労働事情が一ころの買い手市場から売り手市場になっているわけですね、大臣も御承知のように。地方の工事をやる場合にも、いままでは使ってくれたけれども、いまは農家のおかみさんを集めるにも、マイクロバスで、さあいらっしゃいませというようなことでなければ人が集まらぬと、こういうような事態になっているのだから、これがますます、どんどん労働力の偏在ですね、労働問題というのは建設業にとっては重要な問題になると思うのですね。そういうわけだから、労働問題について、やっぱり前近代性を脱皮しなくちゃならぬのじゃないかと思うのですね。この点に関する大臣の所見をお伺いしたいと思うのです。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) そのとおりだと私は思っています。従来は、農村にいわば季節労務者の労働資源が非常に豊富にあった。だから安易に出てくるし、またそれを相手に建設事業がやられておる。ところがこのごろは、やっぱり、単に収入がいいというだけでは来ないのです。やはり、安定して、まず第一に安全性ということ、それから確実に支払ってもらえるということ、それから就業時間中における何といいますか労働関係がいわゆる合理化されていなければいけない、住宅関係が環境がよくなければならない。こういうことをしなければ、とうてい人が集まってこないと思います。ところが、一方において、公共事業あるいはまた民間の建設事業というものが相当大きくなると思います。現在でも大体国民総生産の二〇%を占めておりますから、一つの業種としてはこれは非常に大きいことです。製造工業でも製鉄工業などでも、非常に大きいなどといっても、国民総生産の二〇%にははるかに及ばない。化学製品だってみんなそのとおりでしょう。そうすれば、国民総生産の二〇%ということは非常に大きなウエートを占めておる。その将来伸びる企業において、しかも御指摘のように、かなりまだ労働集約的な仕事がしかも野外においてなされるということになりますれば、今後はどうしても安定した労使関係の確立が必要になってくる。そういう点から、実は今度の業法等も、大きくそういう事態を踏まえてやっておるわけであります。従来でありますれば、一定の金額を納入して届け出すれば、そうして一人の技術者があれば、もう無条件にこれは建設業者になり得る。しかもそうした建設業者になれば、その専門技術者が持っておる技術を越えて何でもやれると、そういうようなものが乱立しておると、とうていこれはまず労務の面で経営できない。もちろん一人親方等についてはそれぞれの救済措置を講ずるが、少なくとも今度は一定の技術的な、あるいはまた、経営能力として信用度、こういうものを持たなければ、これはまず労務対策からまいっちゃう。おそらく今後は建設労務に従事する人は支払い条件のほかにいわゆる共済制度の問題、住宅の問題、あるいは退職に関する条件等、これは必ずみな要求されてくると思うんです。そのときに、いままでのような考え方ではとてもやり切れない、やり切れなければこれは倒産していく。出ては倒産する、倒産するということではいけない。そこで今度はかなりこまかく専門業種を分割してそれぞれの許可制度にし、それからまた下請をするような人には、今度は特定建設業の資格条件を満たしました者についてのみ下請業をやらすことができる。そのかわり、下請をさせることのできる特定建設業者というものを相当の法的にも義務づけをして、そうして今度は下請するほうがそれに対する保護を受けると、こういうようなことをしていって初めて私は労使関係が合理化されていく。まあ合理化、いわゆる労使関係の面から見てもその点は必要である、こういうふうに考えておりまして、御指摘の点は、これはいままでは主として業界が自分でやっているんだと、あとは労働省がいろいろそういうふうな面の建設労務の指導、監督に当たっているということでやってきたけれども、もちろん、それが主体でありますけれども、建設省としても建設労務の安定確保について各方面にわたって行政指導し、これを強化してまいらなければならないと考えておる次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 非常に建設業に従事する労務者の条件なり、労働環境なり、労使関係というのは立ちおくれておるということは、大臣も率直に認められておるようですが、特に低い高いの問題は別として、不払いが相当多いわけですね。これは労使関係が正常にいっとらぬ、前近代的であるという証左になると思うんです。私の調査では、建設業における賃金の不払い未解決事件は、昭和四十五年の九月末現在で一千四十四件、人員にして六千七百六十二、金額にして二億二千七百六十四万、こういうように多額にのぼっているわけです。これは表面に出たものだけでこれだけあって、出かせぎしてきて、もらえないでどこへどうかけ込んだらいいかということで泣き寝入りしておるものを含めると相当高額にのぼるだろうと、こういうように推定をされるわけです。もちろん、今回の改正法ではこれに対するある程度の歯どめといいいますか、従来に見られなかったいい面も出ています。これは私は率直に評価しましょう。がしかし、これでもはたして万全かどうかということになると、私は若干疑問を持たざるを得ないわけです。というのは、知事あるいは建設大臣は、元請の特定事業者に下請負業者の賃金遅払い等について立てかえ払いすべきことを勧告することができると、こういうように規定されておるわけですね。そうしてまあ衆議院において、この勧告に従わない業者に営業の停止を命ずることができるように衆議院のほうで修正されてきておるわけですね。これでも私考るとまだ実行という点になると若干不安な点があるんじゃないか、こういうように考えるわけです。したがって、私の考えとしては、元請の特定業者は下請業者の賃金遅払い等の場合、立てかえしなければならぬと、勧告じゃなく、こういうようにやっぱり明確にやはり規定したほうがすっきりするんじゃないか。そうなると、元請業者がそういうような何というか、事故を起こすような、不払いをやるような業者を選定しないんですよ。もうはっきり自分は立てかえてやらなくちゃならぬということが明らかになっておるものだから、みずからに被害が及ぶようなものをやはり選定しないと思うのですよね。相当厳選すると思うのです。そうなると、私はやはりこの面における労使関係というものは非常に明確になってくるんじゃないか、こういうように私の私見でありますけれども、まあ以上考えるわけです。さらに、発注者に対しても、請負代金の支払い前であれば賃金の遅払い、不払いを受けた労働者は立てかえ払いを発注者に請求することができると、こういうように二段がまえでいくと、これは何というか、一〇〇%とまで言えないけれども、まあ八、九〇%はこの種の労働者の保護というもの、労使関係の前進というものは出てくるんじゃないかと、こういうように考えるわけです。この点は起案に当たった計画局では、その点まで立ち入ってやっぱり考えてみたわけですね。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) その発想はよく私わかる。ただ御承知のように、建設業というものはだいぶ移転していくのですね。そこでもしそういうふうに厳密にやると、これは下請業じゃなくて系列の、いわば班に固定してしまいまして、地方業者は、今度は大手がやらなきゃならぬ仕事には全然入っていけないという実は不安がある。だから、結局は不払いを起こした場合において、特定業者が実質上の責任を負うという結果になればいいんだ、こういう関係から、いわゆる厳密に固定して、下請業者の不払いは即特定業者の支払い義務であるというまでいくことが法律的に何といいますか、支払いを受け得ない者に対する保護にはなるけれども、今度は地方のある専門的な業者が大手に完全にがんじがらめになっていかないと、もう仕事ができないというマイナスの面も出てくる、この点を私は配慮してやったのであります。そうじゃないと、これはもうたとえば鹿島なら鹿島のものは、ちょうどいまの再販問題で起こっているメーカーと販売店と同じような形できちっとやらないと契約しなくなる。そうすると、専門建設業が今度は非常に窮屈になってくる。こういう点もありまするので、国会の御決議にもありますし、現実にそういうことをしたならば行政勧告で営業停止もするし何かするし、実質上私は救済される。こう考えて、この法律には私も実は沢田さんと同じ考えを最初持ちました。どうせやるなら全部支払い義務を命じたらいいじゃないか、そうなったならば、全然民法上の契約に基づくところの下請負の責任もなくなってくるのですね、経営上の。そこもまた問題だということでそうしたのでありまするが、まあ立法したところの事務当局からさらに御説明いたします。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御質問の趣旨、よくわかります。また、大臣がその趣旨については、ただいま御答弁申し上げたとおりでございますけれども、立てかえ払いの勧告という制度を設けて、直接払うということにはしなかったのでございますけれども、特定建設業というものと、それから労働者の間には、御承知のように直接の雇用関係というものは全くないわけでございます。しかしながら、先ほどからお話がありますように、特定建設業というものは、労働者は間接でも、下請を通じてでもいろいろ作業に使っているわけです。したがって責任はあるわけでございますから、労働者の救済ということを重点に置きまして、この制度を設けたわけでございますけれども、先ほど大臣からもお話を申し上げましたように、民法関係におきまして、そういう債権債務のそういう関係というものが全く特定建設業、元請と労働者にはないと。それからまた元請が下請代金というものを払います。払ったのにまだそういう賃金の不払いに対して立てかえ払でなしに直接払うということになりますと、二重払いということも考えられるわけでございます。そういうことからいたしまして、この法律におきましては勧告にした、立てかえ払いの勧告を知事または大臣がするということにしたわけでございます。先ほどお話がございました発注者の関係におきましても、同じようなことが言えるわけでございまして、直接の契約関係というのが労働者の間にはないわけでございます。したがいまして、やはりそういう義務づけを設けなかったということにいたしておるわけでございます。しかしながら、この勧告制度というものを十分にひとつ今後も運用いたします。現在も行政指導といたしましても相当効果を実はあげているわけでございます。また御承知のように、賃金不払いにつきましても、労働省からそれを発見したら建設省とかに通報制度を行ないます。相当数ございます。私どもまたそれを発注者に通報いたしまして、そういう業者は選ばない、その他こういうことのないように今後もつとめてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 これはまあ大臣と同じ選挙区だから私はあえて聞くわけですが、これは他意はありません、全然。私が疑問に感じていることは、建設業の場合、これは民間の発注者もあるでしょう。しかし、社会資本を成立させるということになると、国の発注が非常に多くなると思うんですね。まあ欠格条項もありますが、私はこれは素朴な疑問を感じているわけですが、県会とか国会とか、こういう人が直接責任を持っているかどうかわかりませんよ、その社長になって、非常にそれにからまる疑惑というのは非常に国民の中から多いわけですね。だれそれは県会出るそうだ、あれは自分の仕事を取るために出たんじゃないかとか、そういう人は非常にはでな政治活動をしているところを見ると、これはやっぱり取り返すんじゃないかと、そういうことが公然と、議員同士でもこれは好ましくないじゃないかという、こういう声も出ているわけですね。これは民間の場合これは問題ありませんよね。しかし、これはやっぱり官公需の場合は相当国民から疑惑を持たれることになると思うんですね。そういうことだから、やっぱり自分がその政治に出たならば、そこは全部だれかにやらして自分がタッチしないと、そこを何かきれいにしないと建設業につきまとうそういういろいろなうわさというものは、やっぱり国民の間から消えないと思うんですね。これはどうお考えですか。これはぶしつけな質問ですけれども。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) これはそういうふうに疑惑を持って見れば何でもこれは——しかし、現在は完全なるこれは指名ではありますけれども、非常に公平なる発注態度をとっていますから、その間において公平なるあれが行なわれる。ただ都道府県という自治体では、業をやっておる方は県会議員であれば県の入札には大体除いているとか、そういう関係でいままで県会議員になったときに、おやじさんが県会議員になると、むすこに譲るとか、何かそういうことになっていると思います。ただし国会議員にそれをやったら全然仕事ができなくなるから、これは国会ではもう——これは私は疑惑を持てばいろいろあるかもしれませんけれども、そのために特に非常に不当なあれをやっているということは、あまりそう聞いておりません。この意味でこれは土木業者のみならず、いま事業をやっている人はみなそうなれば官庁に物を納めていけないということになったら、これはまことに困るし、たとえば酒屋だって官庁に特別にやっているじゃないかというふうになったりすると、私はやはり職業の自由ということと、それから選挙並びに選挙されることは全部平等であるということであって、問題は私はその人たちの道義的な政治姿勢の問題であって、公共事業をやっているから、公共事業については議員になってはならないということはどうも少し片方から見た場合に、それが非常にピューリタンのように見えるけれども、それはある一面においては非常に私は偏向したやり方ではないか。だから私はこれは行政の立場から見て誤りなきを期する、公平を期するということだけでいいではないかというような感じがするのでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 まあ、自分がこれは議員専用だから、こういうふうに言われると困るわけですが、要はどういう立場にあってもやはり政治道義的な基本的な政治姿勢の問題だと思います。その点はよくわかりますが、ただ素朴なそういう疑問を持っているのでお聞きしただけで、そこで欠格条項ですね。今回の改正案では許可の欠格条項として第八条第五号で建設工事に従事する労務者の使用に関する法令の規定で政令で定めるものにより罰金以上の刑に処せられたものを掲げ、許可しないことを明文で規定している。これに関連して次の点をお聞きしたいと思うのです。  それは第一は、労働者の使用に関する法令で、政令で定めるものは具体的に一体何なのか、この点をちょっとこれは明らかでないないと思うので、ここにこういうものであると、こういう点を御説明願いたい、こういうように考えます。  第二は、この政令にこれらの政令に規定される条項に違反して監督処分を受けただけでは、これは不許可の要件にならぬわけです、監督処分を受けただけでは。要は罰金刑以上の刑に処せられた、こういう要件になっているわけです。そうなると、裁判で刑が確定するのを待ってこれは不許可をする、こういう手順になるのじゃないかと思うのです。そうなると労働者保護という点から見て時間的な問題もありますから、実効というものは全然これは期されないというのじゃないか、非常に時間的なむずかしさが出てくるのじゃないか、こういうふうに私は考えるわけです。したがって、監督官庁による監督処分を受けた、こういう者も許可をしないというほうの範疇に入れるべきじゃないか、こういう考えを私個人が持つわけです。まあ、この点についてやはり検討の際おそらく御検討されたと思いますけれども、どういう観点でこうしたのか、その間の事情を若干お聞かせ願えれば幸いだと思うのです。  それから第三点は、これらの政令で定める条項に違反して罰金刑以上の刑に処せられたものの過去の実績、いままで罰金刑以上に処せられている、こういう例があったのかどうか、おそらくあまり多くないだろうと私は思います。まあ、これはずっと前にさかのぼればこれはきりがありません。したがって、ここ数年でもけっこうだから、こういうもののもし統計があったら、こういうことがありましたと、こういう件数になっていますということをお示し願いたいものだ、こういうふうに考えます。  それから第四点は、出稼ぎ労働者ですね、これはなかなか把握しにくいわけですね。百二十万、百五十万といわれておりますから、非常に把握しにくい一つの特質を持っておる。これらについては労働法規の適用の基礎となる雇用関係が非常にいま申し上げましたように不明確なために常時雇用の労働者より労働法規の取り扱い上非常に不利に置かれる場合が多いんじゃないか、こういうように考えられるわけです。したがって、出かせぎ労働者については八条の五号に定める労働法規に違反するかいなかの判定というのは、繰り返すようですけれども、非常にむずかしい。したがって、八条五号及び二十四条の六の規定だけではこれは出かせぎ労働者という点に視点を置くと、非常に保護に欠けるんじゃないか。ねらっているところはわかるけれども、これは漏れるんじゃないか、こういうように考えられるわけですが、これも立案の段階で相当こまかくデスカッションしただろうと思うんですけれども、これはどういうようにお考えになっているのか、そのことをお聞かせ願いたいと思うんです。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) まず第一点でございます。第八条の第五号の「労働者の使用に関する法令の規定で政令で定める」、この具体的なものでございます。私ども現在考えているのは、労働基準法とか職業安定法というようなものの中で建設業の営業に非常に関係の深いものについて考えているわけでございます。現在考えているのは、基準法の第五条に御承知の労働の禁止という規定がございます。それから職業安定法では四十四条に労働者供給事業の禁止というのがございます。こういうものを一応考えております。その他は実はほかの現行法でもそういう関係の立法例がございます。たとえば港湾労働法というようなものもございまして、そういうようなものを参考にいたしまして、法制局と詰める考えでおるわけでございます。  それから第二点は、そういうようなときに実効が期せられるかどうか。罰金刑以上の刑に処せられなければそういう欠格要件にならないのではないかというお話、これも、ごもっともな点だろうと思います。これもやはり道路運送法その他の立法例というものを、私ども法制局といろいろな検討をいたしまして、こういうことにいたしたわけでございますけれども、おそらく他の立法例もこうなっているということ、これは御承知のように行政処分、監督処分ということでなしに、いわゆる資格要件を欠くものという欠格要件でございます。したがって、その生命を奪う、最初から許可されないというものでございますから、相当やはり厳密に考えてこういうことに他の立法例もなっているだろうと考えるわけでございます。したがいまして、私どももそういう他の立法例を参考にしながら、こういうことを定めたのでございます。  それから第三点のいろんなこういう関係の統計でございますけれども、これは、実は法務省でとっていると思いますけれども、現在私どもまだ連絡を受けていないわけでございます。申しわけありません。  それから第四点は、出かせぎの労働者につきましてのいろんな問題でございます。これも先生のおっしゃるとおり、出かせぎの労働者につきましてはその就業経路がはっきりいたしません関係で、雇用関係が非常に不明確というものが非常に多うございます。したがいまして、私どもの労働関係のいろんな法令、ただいまの第八条第五号だとか、また先ほど御説明いただきました二十四条の六というような特定建設業がそういう関係についても十分指導する、労働法令に違反しないように指導するという、そういう規定だけでは、おっしゃるとおりなかなか実効をあげることはできないものと私ども考えておるわけでございます。今後は関係の労働省その他とも十分連絡協議を重ねまして、その就業経過というものをもっとはっきりする、いわゆる縁故採用その他をなくして安定所を通ずるものを多くする、こういうことによっていろいろの雇用関係というものを明確にしていく、こういう努力がもちろん必要であろうかと思います。労働省におきましてもそういうことの対策要綱というものをすでにおつくりになって、労働者手帳を支給するとか、送り出しの府県とかあるいはまた受け入れの府県というものに対して、十分そういう措置をとるように指導を講じておるようでございます。私どもその点は十分建設業者を指導していく、先生のおっしゃるような明確な雇用関係というものをまず確立するということが大事だというふうに考えているわけでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 労働基準法によって、労務提供業の特定のものは別として、無許可のものは禁止されておることは、これは御承知のとおりです。ところが建設業については非常に多いんです、これは。しかし、建設行政のサイドだけでは、これはなかなか締め出すことはむずかしいと思うんですね。しかも労働力が非常に逼迫しておれば、まあ何とか集めてこいということになるから、これは建設省のほうでそういうものを禁止しようといったって、建設省のほうでは完全に何というか、これは阻止することはできないと思うんです。  そこで労働省の安定局のほうにお伺いするわけですが、非常に多いんですよ。おそらく何というか、労務提供、まあ無認可の労務提供業の方々をたよっていく人に限って、やはり不払いとか、そういうものが多いのじゃないか。職安の正規の窓口を通したものも若干あるだろうけれども、率からいったならば、そういうようにだれか顔役が人を集めて、そうして向こうの業者と話し合いをつけて行ったのが多いのじゃないかと、こういうように考えられます。現に私どものほうにもこういうトラブルがくるのは、たとえば何というか、月八万円なら八万円の契約で行ったんだけれども、もらってみたところがこれは頭をはねられている、話が違うと、こういうトラブルが非常に多いんですね。これは非常にたくさん数が多いんですよ。まあ出かせぎ御三家の人がたくさんおるようだが、百人ぐらい集団で連れていってあそこの親分になっているわけだ。そうしてわけのわからない計算書で上前をはねているという人も多いと思うんですね。そういう人方も法規はわからぬと思うんですよ。昔からあった慣行で、悪意はないと思います、私は。だけれども、その結果が賃金の不払いだけじゃない。蒸発だとか、どこへ行ったかわからなくなっちゃうということも出てくると思うんです。これはやはり地元においてはそういう人方も昔からそういうことをやっておったので、おれは顔をきかせて若干の手数料をもらっただけだということで、悪意はないと思うんだけれども、やはり建設業の労使関係の近代化のためには、いつかはこれにメスを入れなければならないときがきているのじゃないかと思うんです。そういうことですから、労働省の方々、そういうものに対してその実態を把握しておるのかどうか。私が知っているだけでも十本指ありますよ、そういうことをやっている人方が。いまそれをどうこうということじゃなくて、秋田とか青森とか、そういったところに片寄ったところばかりじゃなく、建設業の労使関係、労働関係、こういう観点からそれに意を注いでいるのかどうか、どういうことをいまやっているのか、そういう実態を知っているのかどうか。その点をまず第一に労働省の方、どなたでもけっこうですから、お答えを願いたいと思うんです。

保科真一労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(保科真一君) ただいま先生御指摘のように、出かせぎ労働者につきましては、職業安定局といたしまして、職業安定所を通して就労するようにということを市町村、農業団体等の連携をとりまして強く呼びかけをしておるところでございますが、三割から四割ぐらいが安定所を通じて就労するというようなことで、安定所を通じないで就労する者が多いというような状況でございます。こういう安定所を通じない者がどういうような経路で就労しておるかと申しますと、先生がおっしゃいましたように、そういう募集人のあっせんというようなものもございますし、それから特定企業に就労いたしまして、毎年毎年同じ事業所に働くから、安定所を通さないで毎年毎年同じところに行くからというような方もかなりおるわけでございます。それから企業から文書募集とか直接募集とかいう安定法の正規の手続によって募集しておるという場合もあるわけでございます。問題は、そういうやみ募集人なり、あるいは労供事業をやるというようなものによって就労する場合に一番問題があると思いますので、こういう事態に対処するため、事業主に対しましては安定所なり正規のルートを通って採用するように、それから出かせぎの働かれる方々に対しましては、安定所を通って就労するようにということを強く呼びかけておる次第でございますが、今後さらに市町村、農業団体等の連携を緊密にいたしまして、民間の職業相談その他を活発にするほか、あるいは総合農政の展開に伴いまして、昨年から農業者転職相談員というような相談員を置いておりますので、そういう相談員の活用をはかりまして、正規のルートを通って就労するように強く働きかけております。なお、そういう悪質な手配師等に対しましては、基準監督署とも十分連携をとりまして厳正な処置で臨んでまいりたいというふうに考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 私は冒頭に、建設業における労使関係の安定ということは、建設業の将来のある意味の生死にもかかわるということを述べたわけですが、その見解については大臣も同じような認識を持っておられるようですが、いまのように出かせぎだけでは食えない、農民だけでは食えない、こういった行ったり来たりしておる、浮動しておる労務者がおるうちはまだいいんです。完全に労働人口が、特に農業人口が総就業人口の五%とか、僻地並みの一〇%となって、ほとんど出る労働者がなくなった場合には、やはり労使関係が安定しなければ、これは労働条件も低いし、トラブルも多いし、作業は劣悪だし、そういうことであるからなかなか要員の確保もむずかしくなる。労働事情、労働力の事情が非常に悪化してくる、こういうことも考えられるので、これは労働省のほうでも、やっぱり労使関係を安定させるために、戦後労働法ができたとき、それぞれの町工場なりいろいろな分野において労働組合の結成に非常に保護助成をしたわけですね、行政的に。ところが最近においては、そういう、何というのか、行政努力をあまり顕著に払っておらぬように見えるわけです。私は他の業種については、それぞれやはり相当の組織力もできていってるし、普及率もどんどん出ていってるわけですけれども、建設業の場合は非常に前近代的、それらの産業から比較すると非常に前近代的だと思うのです。そういうことだから、労働省としても、もちろん労働組合を結成するというのは、労働者の自発的な意思です。がしかしながら、そういうものをつくるなら、あんたなんかあしたから雇わないと。こういう古いがんこな、百年前に回れ右したようながんこな頭の人がいるわけです。そうじゃなくて、安定するためにはそういうほうがいいんだという行政指導をPRというか、ほんとうの意味の労働行政の真意というものを、まあ労働省の行政サイドでもすべきではないかと思うのです、あまりおくれておるものですから。これに対してどう考えていますか。

岸良明労働省労政局労働法規課長

○説明員(岸良明君) ただいま御指摘になりました点でございますけれども、先生、先ほど来御指摘になりますように、確かに建設産業におきます労働組合の組織率というのは、全産業に比べまして非常に低い、これはもう御指摘のとおりでございます。ただ、労働法施行当初、組合結成等につきまして労働省がやったように現在でもやったらどうかと、こういうお話でございますけれども、やはり先ほど来お話を申し上げておりますとおり、建設産業において組織率が低いという原因は、やはり建設産業におきます労使関係の前近代性ということに根ざしておる。したがいまして、そういうような諸条件について十分な、たとえばただいま安定のほうから申しましたとおりに、安定関係でありますとか、あるいは基準関係でありますとか、そういう方面で十分条件をつくっていくということが非常に大切だと思うわけであります。そういうような条件が整備されまして、そこでだんだんと組合というものが結成されてくるようになる。で、労政関係におきましても、これはたとえば退職金共済制度等をすでに創設いたしておりますとか、あるいはまた、労働教育を通じまして労使双方に対して労働組合制度の重要性、そういったようなものを十分、これは私どもいままで労働教育を通じてやっておるわけであります。したがいまして、結成につきまして直接いろいろと指導をするということは、やはり労働組合の、御指摘にありましたように、性格上なかなか問題があろうと思いますので、そういう面の基盤造成という面で今後大いに努力してまいりたいと、かように存じます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 行政管理庁が昭和四十五年の六月の二十二日でしたね、労働省に対して季節労働者対策に関する行政監察に基づいて勧告を行なっておりますね、労働省に対して。相当何というか項目が多いのですね。これはまあちょうど一年前だから、ちょうど一年近くになりますね。全部これはどういうことをやっているかと言ったって、全部やったとは思いません。だけれども勧告の受けっぱなしでおるのかどうか、少しでもこの中で前進したものがあったら、こういうことをやっています、こういう努力をしておりますというものがあったら、これも勧告の受けっぱなしでは困るものだから、われわれは少しでも前進したものがあったらひとつ明らかにしてほしいと思うのです、これは。

保科真一労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(保科真一君) 行政管理庁が昨年の六月でございましたか、季節出かせぎ労働者の対策に関する行政監察の結果に基づきまして勧告がございました。労働省といたしまして職業安定局、労働基準局、その他訓練局関係局が寄り集まりまして、今後この勧告を受けてどうすべきかにつきまして種々検討いたしまして、本年の一月御返事を行政管理庁に差し上げたところでございますが、勧告を受けまして種々検討いたしましたのでございますが、その後勧告を受けて実施しました事項といたしまして、出かせぎ労働者の方の中には農業に従事しておられて農閑期に出かせぎに出られる方が多いというようなこともございますので、こういう農業に従事しておられる方、そういう方が出かせぎに出られる場合につきまして、市町村農業団体との連携をさらに緊密にしようということで、農業者転職対策会議というものを安定所に置きました。これは市町村農業団体の方にお集まりをいただきまして就労経路の正常化をはかっていく、そういう呼びかけをしようという趣旨のもとに会議を設けました。それから農業者転職相談員を全国で五百二十人農業団体等の方に委嘱しまして、そういう出かせぎに出られる方々の御相談を受けまして安定所に取り次いでいただいて、安定所が紹介しようというようなこと。それから巡回職業相談を昨年よりかなり密度を濃くして巡回職業相談をいたしております。そのほか需要地から供給地のほうへ求人連絡をするわけでございますが、こういう求人情報をより早く精密にやろうというようなことで指示をいたしておるところでございます。  それから監督署と安定所との連携が今後一そう必要になると思いますが、これも基準局と相談いたしまして、今後監督署のほうで賃金不払い事業所等、あるいは労働環境の悪いような事業所につきまして、安定所に通報を受けてその実態をよく受け入れ地のほうに連絡をするというような方法をどういうふうにやろうかというような協議をいたしまして、近く実施するというようなことで考えております。そのほか訓練その他ございますので、関係のほうからお答え申し上げます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 これはまだ聞こうとすれば一日では聞き足りないほど非常に膨大な項目にのぼっていますね。たとえば健康診断とかいろいろたくさんあります。しかしこれだけ聞いてもしようがありませんから、一応忘れると困るものだから注意を喚起するために私言っておるわけです。ただ建設事業における寄宿舎規定ですが、これは官公需の場合は、そういう宿舎を規定どおりの宿舎をつくるための予算の積算の基礎になっているでしょう、これはどうですか。

大津留温建設大臣官房長

○政府委員(大津留温君) もちろんそういう作業の本体の工事費のみならず、その本体を工事するための準備工事、あるいは仮設工事に必要な経費は積算いたしております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 ところが、現実に官公需の場合でも規定どおりにいっておらぬところが私たくさん知っております。だから労働省のほうもそういうものをやっぱり規定どおりにさせるようにこれは行政監督すると同時に、やっぱりそういうことを発注しているのですから、積算に入っているのだから、建設省サイドでもやはり行政指導で注意を喚起してもらいたいと思うのですね。この点はやはり要望しておきます。  それと次に、建設業といっても非常に最近は幅が広くなりましたね。建設専業ではなく兼業もこのごろ出てきておるわけですね。たとえば大手の総合商社や鉄鋼、造船、電気メーカー、これが建設業の分野にも非常に積極的に進出しておるわけだと思うんです。これは兼業者だと思うんですが、この比率が非常に高くなっているわけですね。そういうことですから、建設省はその実態をどういうように把握しておるのか。これはもう何というか、兼業は別だというふうにほっておいたらたいへんなことだから、この把握をどうしていますか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) お尋ねの兼業者の割合等についてでございますが、いろいろ鉄鋼、造船その他のメーカーが建設業の分野に進出していることは御承知のとおりでございます。統計によりますと、登録業者の中で兼業者の割合は二〇・九%ということになっております。代理人登録の場合は四五・九%ということになっております。その中で一番多いのが建設資材製造業の兼業が一番多いということになっております。登録業者の中の約五%ということになっておりまして、ついで機械器具の製造業の兼業、それから土石採取の輸送業の兼業というものが非常に多うございます。  これは登録業者の中でのシェアでございますけれども、兼業者がどのくらい工事を施工しているかということもついでに御説明申し上げますと、全体の登録業者の施工ワクの中の約二五%というものを兼業者が施工いたしておるという数字になっているわけでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 たとえば私詳しいことはわかりませんけれども官公庁、国とか公の機関が工事を発注する場合、その予算の積算の基礎に地場賃金というものをとっておるのかどうかですね。私これは若干意見を述べますが、地域におるから労働条件が低くてもいい、生活が低くてもいい、こういうことはやはり政治の立場として許されないと思うんですね。やはり労働条件というものはその労働の価値に基づいて支払うものである限りは、どこの地域におろうが、寒いところにおろうがあったかいところにおろうが、その労働に対する対価というものはやはり正確でなければならぬ、差別をつけられないものです。聞くところによると、たとえば東京の何というか、労働需要の関係と需給の関係からいって、ここは高い、向こうは安い、こういうことで地場賃金というものを加味して積算の基礎に入れている。こういうことは民間ならやむを得ないのですけれども、官公庁発注の場合やはり行政の非常に態度として疑問があるんですね、その点について。であるから、不払い多発地帯は仕事があるけれども賃金が非常に少ない。それが東京まで出てこなくちゃならぬということも拍車をかけている一つの要素になろうと思うんです。そういうことから、少なくとも官公庁の場合は地場賃金というものを積算の基礎に考慮すべきではないと、こういうように考えていますがいかがですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) 公共工事につきましての設計上の労務単価というのは先生すでに御承知のように関係の官公庁が実態調査をいたしまして、それをもとにして都道府県ごとにこれは定められておりまして、またそれを各事業主体ごとに二〇%の運用幅がございまして、実態に沿うようにしてきめているのでございます。したがって先生のお話によりますと、地場賃金によっているわけでございます。したがいまして、労働者の労務単価というのが非常に都市部と農村部では差があるというのは御指摘のとおりでございます、ある程度そういう差があるようでございます。これは結局建設労働力の需給の関係に基因するものでございます。したがいまして、労働力というものが今後流動性を持ってきますと、次第にこれは是正されていくというふうに私ども考えておるわけでございますけれども、やはりどうしても問題は農村部におきまして、そういう雇用機会を十分に与えるということがまず第一でございます。事業量をふやして需要をふやしていくということが第二であろうと思います。したがいまして、そういう関係のいろんな方策をいろいろ考えなければいけませんし、同時に、建設業の指導も十分はかりまして、そして格差是正につとめてまいりたいと考えておるわけでございますが、非常に賃金が低いというようなことがないように十分注意をいたしたい、というふうに考えます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 時間がないようなので最後にお聞きしますが、ランクづけといいますか、等級格づけですね、前にもこれは質問したようですが、この基礎になる現行の審査制度の中で、つまり主観的な事項ということがありますね。この点についてお聞きしたいのは、たとえば昭和四十年十二月には労働福祉の状況という項目が、これは追加されたと思うんですね。これはどの程度重点を置いているのかですね。これは重点を置かないのか置いているのか、加味しているのかどうか非常に疑わしいと思うんですよ。これは加味しているかもわかりません。したがって、私の聞きたいのは、労働福祉の状況の中の労働賃金の支払い状況あるいは労働環境、宿舎等も含まれますが、退職金制度等についての詳細などういう点をどう加味しているのか、この点をこの際に明らかにしていただきたいと思います。  それともう一つ、皆さんのところにも、これはコンクリートブロックの陳情書が全部行っていると思いますが、これも下請企業の中に入れてほしいという、非常に因果関係がある、不払いも多いというような陳情がきているわけです。これは今度の業法改正でどういうとらえ方をしておりますか、この点について。この点をお聞きして私の質問を終わります。

大津留温建設大臣官房長

○政府委員(大津留温君) 初めのお尋ねの資格審査の主観的要素の中に労働者の福祉についてどういう点を考慮しているかという、詳細ということでございますが、まず賃金の不払いというようなことがあったかどうか。それからそういう下請業者に賃金の不払いということを過去にやったことがあるということを知りながら下請業に使ったというようなことも、請負業者の責任にしております。それから建設業退職金共済組合の制度ができておりますが、これに加入しているかどうかというようなことも、審査の対象にいたしております。

高橋弘篤建設省計画局長

○政府委員(高橋弘篤君) コンクリートブロック業の取り扱いについてでございますが、これはいろいろ形態がございまして、コンクリートブロックというものを現場でこれを製造して、そうして現場でそれを売買している、そういう場合には建設業でないと私は考えておりますが、仰せのようないろいろな点、建設業法の下請の保護その他の点につきましては、これに準じましていろいろ指導してまいりたいというふうに考えているのであります。またこれを現場で組み立てるということになりますと、これは建設業になろうかと思います。そういう場合には建設業法に従いまして下請業の保護がはかられるということになると思います。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 本法律案についてはこの程度にいたします。     —————————————   〔委員長退席、理事松本英一君着席〕

松本英一日本社会党

○理事(松本英一君) 次に、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案を議題とし、質疑を行ないます。  本法案に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。

田中一日本社会党

○田中一君 せんだっては、どうも、途中で建設大臣とのやりとりが終わってしまったのですが、その後、政府のほうからもいろいろ問題になる点の資料を提出してもらっております。建設大臣は、これは住宅プロパーの法案だと、こういう宣言をしておりましたから、住宅建設という面についての政府施策の各部局の持っている方法について資料を出してもらったんですが、おそらくこれは建設大臣も見ておられると思うのです。したがって、きょうは住宅金融公庫並びに日本住宅公団の役員に来てもらっておりますが、まず第一に伺いたいのは、この構想によって農地を提供しよう、水田を提供しようとする農民の収入というものは、所得というものは、何が対象となるかという点でありますが、これは明らかに地代相当額が収入であるということになります。したがって、地代相当額——これは地代相当額を払うのはだれかというと居住者が払うわけです。そうすると現在水田として耕作をしている収入との見合いの問題です。これは資料として出してもらいましたが、この点について住宅局長から、この資料に基づいてこうなるんだという説明をひとつしてほしいと思うんです。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 御要求によりまして資料を御提出したわけでございますが、従前の農業所得と今回のこの農住法によりまして賃貸住宅を建てました場合の収入の比較等について詳細な資料を御提出申し上げておりますが、御承知のように、今回の農住法によります賃貸住宅を建設いたしました後におきます農地所有者の所得につきましては、いろんな要素がございまして、そういった要素を前提として計算いたしておりますので、確定的な幾らになるというのはございませんが、一応の前提条件を考えて、御提出申し上げました資料によりまして御説明申し上げますと、宅地の価格が平米当たり一万五千円という場合と平米当たり三万円という想定をいたしまして、従来の農業所得によります所得と今回この法案によりまして賃貸住宅を建てました場合の所得の比較ということで申し上げますと、平米当たり一万五千円程度の地域にございます農地につきましては大体九倍ないし十倍、それから地価が平米当たり三万円という地域におきまして、この新法によります賃貸住宅を建てました場合は従来の農業所得の十八倍ないし二十倍程度の農地所有者の収入になるであろうということで積算いたしております。

田中一日本社会党

○田中一君 どうも、そういう資料を皆さんに配ってないでそういう説明をしたんじゃ、わからぬわけです。  この資料の第「3」のところに——ひとつ同僚の委員もごらん願いたいと思うんですが——宅地の価格。この宅地の価格は、少なくとも水田のときよりも、これを宅地化すると、これは大体十万円見当になるんじゃないか、坪当たりですよ。これは、三平米で十万円程度になるんじゃなかろうかと……。そうすると、これによって、「3」の資料にあるとおり、その収入が、所得が、これは三千坪とする——一ヘクタール、三千坪の土地は減歩によって、三〇%の減歩があるから、それを差し引いたものとして計算すると五百二十五万円になると、こういうわけですね。しかし従前の、これをしないで農業だけの所得になると五十六万円だと、こういう説明なんですね。これは三万円と見た場合には千五十万かな、千五十万円の収入がある。従前の農業だけの場合には同じく五十万円、これに対しては三〇%の減歩になるから、これは幾らだ、これはどうなります。説明してください。もう一ぺん、もう少し具体的にわかるように説明してください。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) いまお話しのありました資料の配付でございますが、委員部を通じて全委員の方に御配付いたしております。  それから積算の基礎でございますが、ちょっと御質問の趣旨がわかりませんが、もう少し詳細に説明しろということでしたら、担当の課長から御説明いたさせます。

升本達夫建設省住宅局住宅企画官

○説明員(升本達夫君) 御説明申し上げます。  いまお手元にお配りしてございます「資料3」としまして、「農住建設者の所得比較」ということで指定いたしてございますが、こちらにございますように、一ヘクタール当たりの収入比較をしてございます。おただしのように平米当たり、従前につきましてはこれは農業所得でございますので地価に直接かかわらず一ヘクタール当たり従前の農業においては五十六万円というふうに措定してございます。この五十六万円は一番下に表がございますが、耕地十アール当たりの農業所得、これは農林省の農業所得統計から引いてございますけれども、これによりますと、十アール当たりで全国四万二千円、南関東地区で五万六千円ということになっておりますので、これを一ヘクタール当たりに換算いたしまして南関東地区五万六千円の十倍、五十六万円が農業所得であるというふうに措定してございます。  それからこれに対応いたします地代、農住建設によります地代収入でございますけれども、これは事業施工後の宅地の価格が平米当たり一万五千円となると措定いたしますと、一ヘクタール当たり三〇%の減歩を想定いたしまして、一ヘクタールの七割、坪でいたしますと二千百坪、二千百坪に対応する収入といたしまして平米当たり一万五千円の五%、年五%、この年収をそのまま掲げまして五百二十五万円という収入を措定いたしました。同じく施工後の地価が平米当たり三万円、坪十万円と措定いたしますと、その下の欄にございますように、千五十万円の収入になります。これをそれぞれ農業収入と比較いたしますと、右欄にございますように、九・三七倍、もしくは一八・七四倍という数字になります。以上がこの資料の御説明でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで地代はわかりました。地代はわかりましたから、今度は住宅というものに、賃貸住宅にこれを加えてみるとどうなるか、その表はこれは私が要求した表ですから申し上げるわけですが、第「2」の問題になりますね、これをひとつ説明してください、第2表です。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 詳細は担当企画官から御説明申し上げますが、御要求の資料につきましてわれわれといたしましてはいろいろな試算をいたしておりますので、その試算につきまして資料を提出いたしたわけでございますが、御承知のようにこの内容についてはいろいろと過程がございます。今回の法律によりまして、実際にできます具体的に建てる住宅につきまして家賃がどうなるかという点については、今後われわれの努力をいたします目標といたしましてはいろいろございますけれども、実際にどうなるかという数字を積算いたします場合には、いろいろな仮定を入れて積算いたしておりますので、そういった点を加味いたしまして御了解いただければ幸いであるというふうに考えます。内容については企画官から説明いたします。

升本達夫建設省住宅局住宅企画官

○説明員(升本達夫君) 引き続きそれでは資料2の御説明を申し上げます。  「事業主体別家賃限度額比較」としてございますが、その表にございますように公営住宅、公庫賃貸住宅、公団賃貸住宅並びに本案の農住との家賃比較を一表に掲げてございます。それぞれ条件を説例として書いてございますが、中層耐火の床面積五十二平米、それに対応いたしまして敷地を六十五平米使う、その場合の敷地の地価は平米当たり三万円、坪十万円であるという前提を置きまして、この前提でそれぞれ公営住宅、公庫賃貸住宅、公団住宅を建設いたしますれば家賃はどういうことになろうかという比較をいたしたわけでございます。結論といたしましては、公営住宅の一種でございますと、合計欄にございますように一万三千七百円強、第二種でいたしますと九千五百円強、それから公庫の賃貸住宅のうも公庫が地方住宅供給公社に融資をいたしまして、地方住宅供給公社が建設し賃貸します場合でございますと一万九千八百円強、それから「土地担保」とございますのは、これは一般民間の土地所有者が自分の土地を利用いたしまして、その土地に公庫の融資を受けて賃貸住宅を建設、経営いたします場合でございますが、その場合でございますと二万七千円強、それから公団の場合でございますが、これは公団の団地形式の場合の賃貸住宅中層の場合を想定いたしまして二万四千七百円強、それから本案の農住でございますが、全く同じ条件でいたしますと二万八千円強という数字になっております。家賃の積算の内訳を中段書きにいたしてございますけれども、それぞれこの家賃の違いは、注といたしまして建物の償却費の積算の方法が違っておりますことと、地代相当額が違っております。これが大きな要因でございますので、それぞれ二点につきましてその算定方式を下欄に下書きに注書きしてございます。なお、「その他経費」とございますのは、修繕費、管理事務費あるいは土地・建物にかかわる公租公課、損害保険料、空屋引当金等を包括してございますが、これはすなわち実費というふうにお考えいただきたいと思います。以上でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 住宅公団の総裁に伺いますが、あなたのほうで現在やっているこの規模のものが、この表にあるように二万四千七百四十四円、これを上回るのがこの利子補給農協の住宅、こうなるわけでございます。むろん公営住宅等については地代という、土地取得というものは考えられておらぬと思いますが、問題になるのは、ここでもってこの農住の場合には二十五年というものを耐用年限として見て、ほかの建物は全部七十年というものを償還期間として算定しているという違いがあるわけです。そこで住宅の家賃政策として考えた場合にこれでいいのかどうかということを建設大臣から説明を聞く前に、一ぺん住宅金融公庫の総裁と住宅公団の総裁とおのおのからこういう高家賃住宅政策に政府が移行しておる。そうしていまや住宅問題は三百万戸以上が不足しておりますけれども、相当な国民所得があるために質のいい建築物を、住宅を求めているというこの傾向もこれは否定できないと思うのです。そうして市街地に多くこうしたこの種の住宅をやっておる住宅公団の総裁としては、住宅公団としてはこうした傾向について、あなたのほうでも相当高家賃の建物をこれからつくるような傾向に移るのではないか、こう思うわけなんです。その点批判をひとつしていただきたいと思うのです。林さん、あなた方の実態から見てですよ。

林敬三日本住宅公団総裁

○参考人(林敬三君) たいへんむずかしい御質問でございますが、住宅政策の一つの柱を担当させていただいております者として申しますと、土地の値上がりということが実に御承知のようにつらいのでありまして、その結果安いところを求めれば遠くなって通勤可能の限度のところまでいまやいかんとしておる。また職住近接で近いところを求めればこれまた異常な、諸物価に比べて比較にならない値上がりでございます。しかしこれは、それが一つの実態でありますから、私ども実施機関といたしましては、その間に処して極力土地の先行取得ということにつとめます、あるいは大規模な団地の開発ということにつとめますとともに、工場あと地のような都心部には高層住宅をつくりまして、そして高層住宅は住宅で御承知のように建築費がかかりますけれども、極力地価の高いところは高いで、高層的な活用をはかるということで努力をしておりますし、また御承知のように量産化を活用いたしまして、そしてプレハブ化を一そう促進して、そして労務の節約あるいは全体の経費の節約をはかって極力この高家賃になろうなろうとするのを押えて、そして公団本来の目的であります中堅階層あるいはそれより少し下回るこういう階層の一般中堅所得階層という方の需要にこたえるようにしておるわけでございます。それでやはり年々地価が上がる、またいろいろな賃金が上がる、あるいは資材の価格が上がるということ、この趨勢に対処いたしますと、年々家賃が数千円ずつ上がっていくという状態であって、すでに十五年間の間に家賃は三倍になっているという状態である。五年前には当初の二倍であったのが十五年後の今日では三倍になっておるというような、新しいものをつくりますとそういう状態になっておるのであります。それで、それでいいかということでありますが、これはやはり賃金の各家庭の収入の増加あるいはその他いろいろな物価の値上がり、そこいらともにらみ合わせてある程度の妥当な、容認していただける程度においての家賃の上昇というものは、これはやはりやむを得ない現象であるというふうにも考えておる次第でございますが、しかし極力これを低く、低くするように現在の状況の中において私どもとしては将来を見通して最善を尽くしていきたいと存じます。それからまた、いたずらに低家賃というだけのものばかりをつくりまして、そのために国民の生活水準が年々に上がっていくのに対応しないようなものばかりをつくるような結果に将来なるということも、相当長い期間使う不燃焼の建物をつくる立場といたしましては、よく反省をしていかなきゃならないのでありまして、年々幾ぶん質をよくする、幾ぶん広くする、それと負担し得る家賃のぎりぎりに押えていったときにどの程度になるかということをあわせ考えながらやっていくということで、いまいろいろの御指導、御批判を得ながら最善を尽くしている次第でございます。  これと今度ほかの住宅、今度の農住住宅や何かとの比較ということになりますと、これまた御承知のように、それぞれ公団住宅には公団住宅の守備範囲というか、おおむねのねらいがありますし、公庫住宅には公庫住宅の一つの担当分野があるし、公営住宅は公営住宅でありまして、そこに農住の住宅というのが新しい政策としてここに生まれようとしているのでありまして、それぞれの持ち味の違いというものが出てまいりますので、一がいにどこでどう、こちらが高いこちらが低いというような比較というものはやはりできない。やはり全体としてこれらの公的施策住宅というものを考えましたときは、やはり今度の御提案のものは大体全体としてバランスのとれた線に私どものほうから見ていっていいのではないか、かような感じを持つ次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 住宅金融公庫でいまこれに該当するような中高層の住宅に対する融資をしていますが、この家賃というのはこれはあなたのほうは押えていますね、この家賃は。アパート等に融資をする場合には一定の家賃に押えていますね。それはどのような基準になっていますか、説明を願いたい。

浅村廉住宅金融公庫総裁

○参考人(浅村廉君) 私ども融資機関といたしましていろいろな貸し付けをやっておりますが、この家賃の算定方式というものが金融公庫法で定められておりまして、くどくど御説明することもないと思いますが、ここにもそのようなことで整理されまして、積み上げでこういうことに相なるという表が出されておるわけでございます。私どもは、ただいま住宅公団の総裁からお話がありましたように、やはり融資機関ではございますが、実際金を使って建てられる住宅というものに対して関心を寄せておるわけでございまして、家賃につきましてもそういう算定方式で算定はいたしますけれども、しかし、それがほんとうに法律の趣旨に合うものかどうかということなども十分あわせて考えまして、一応私どもは融資をしておるわけでございます。  そこで、私どもの分野といたしましては、この表にもございますように、公庫賃貸資料の2のまん中ほどに公庫賃貸というのがございまして、公社、土地担保と二つに分かれてございます。私どもがやっております土地担保というのがちょうどいま御審議をいただいております農住とよく似た仕事でございまして、これは遊休未利用の土地を活用して、できるだけ良質の市街地住宅を普及させようという趣旨から貸し付け条件を少しくよくいたしまして、そしてお貸しをしております。家賃の算定方式は、すべて同じように建物の償却費、私どもで申しますれば、私どもがお貸しいたしました金の償還額あるいはその地代の相当額といったようなものをいろいろ積み上げまして家賃が出されておりまして、私どもの融資分野といたしましてはこの分野が一番家賃を高く見ております。表にもございますように、二万七千六百七円とございますが、私どもの融資の対象でできる住宅ではこの家賃が一番高い水準になっております。これは土地を持っておる方がみずから賃貸住宅を建てる、中堅層に便宜を与えるためにみずから賃貸住宅を建てるということを奨励する意味もございまして、この程度の家賃で私どもは融資を認めておるわけでございます。以上でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 根本さんに伺いますが、また新しい住宅供給方式が生み出されるわけでありますけれども、はたしてこういう高い家賃のものを借りるという人がいるか。これはいるでしょう、これはもう三百何十万戸足りないんですから、しようがないからこれを借りよう。住宅公団でも家賃の値上げを企図すると大きな抵抗がある。私は、借りる人がかりにいるとする。いるとするならば、農民がこうして自分の水田あるいは自分の持っている土地を提供して、これは賃貸住宅をつくることに魅力があるかどうかという点を、非常に懸念するわけなんです。なぜならば、これはたとえば年三分でしたね、三%の金利補てんを十年間受ける。これを受けないで自分で農協から金を借りてやった場合はどうか。これはあとでもって農林省の方式を聞きますけれども、そうすると、家賃は自由です、農協という民間団体が幾ら八分五厘で金を貸しても。これに関して家賃は取れるわけじゃございません。いい質のものを自分で選択できる。農民が結局十年間三%の建設費の利子補給を受けたものだから家賃は制限される。もう一つ問題は、家賃の中に地代が入っております。これは地代相当額というものを時価によって——いま政府が一生懸命すべての物価を上げようという政策をとっておりますから、これは当然上がります。上がっていった場合に、はたして——一年ごと二年ごとに家賃の値上げを言った場合ですよ、この場合に居住者が応ずるかどうかという問題です。固定資産税は年々改定して、たくさん取られるようになる。地価の評価を高めていって税金を取る方式になっている。今度の改正の地方税の場合は、これは別としても、固定資産税は上がっております。毎年上がる。こういうものによって農民が毎年毎年税金が上がった分だけ家賃の値上げをしていったならばどうなるかということです。おそらく魅力を感じません。初めのうちは二百戸、二百五十戸程度のものを自分が団地の家主として持つけれども、負担が重くなる。これは当然税金が上がり地価も上がってくれば、それだけの地代をもらわなければならぬということになりますと、請求してもなかなか居住者二百五十人が、それも勤労者を入れるということが前提条件になっておりますから、おいそれと応ずるものじゃない。そうなってくると、農民ははたしてこの資金を借りて住宅を、宅地をつくる方向にいくかどうかという問題を心配するわけなんです。私はおそらく他にいろいろな方法があるなら、それを求めると思うんです。このいまの農林省が行なっているところの計画は、まだ確たる方針が出ておりませんが、この行き方を見るともう少し弾力的です。で、地方公共団体等にも多く力を借りてやっていこうという考え方に立っております。これは補助金の百万円、マスタープランだそうでありますが、これはよくわかりました。ほんとうに他と比較して、他から融資を受けて行なう住宅を貸与する家主ですね、家主業としてほんとうにこの方法が魅力があるかどうかという点なんです。これはおそらく農民は取っついてくるであろうというので、この提案をなされたと思いますけれども、私はしさいに調べてみると、これは農民はついてこないと思う。法律ではっきりと地価並びに税金等所要の費用が上がった場合には、家賃は改定していいのだということになっていればいいけれども、これは押えようとしているのです、家賃を。そういう点はどういう考え方でいるか、伺っておきたいと思うのです。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。これは田中さんは全部承知の上で、いろいろの角度から検討されて御批判されていることだと思います。  まず第一に、非常にこれが魅力があってこんなうまいことがないということだったら、私は一体それじゃ政府の住宅政策は農民の転業のためにそういうことをやるかという批判が出てきます。もう一方、今度は農民に対して何らの魅力がなかったらこれはまたできないと、ここはほどほどにバランスのとれたということが私はねらいだと思うのです。ところが従来の政府の政策住宅でありますというと、先ほど公団総裁からお話がありましたように、まず第一に土地を入手することが非常に困難になってきました。これをあえて政府の政策住宅を建てるために公団が買い取ろうとすると、もう特に最近におきましては農民が経済的な合理性を越えた高い値段を要求します。所有権をどうしても放したくないからであります。その次にいよいよこれをやったとなると、今度は地方自治体との関係で関連公共事業費の負担をいろいろ要求される。で実質上首都圏なんかにおいてはよほどの離れたところでないと、かなりの土地を入手することはほとんど困難になってきた。そこで農民にとりまして売り渡すことはしないけれども、それを自分でもって土地を持ちながら住宅を建て、それを賃貸する何らかの道が講ぜられるとならば、現在の農業の大きな転換期にあたって、市街地区域に指定されたところの農地の活用が非常にむずかしいのです。これを畑地に転換するとなれば、やはり相当の投資をしなければいかん。宅地にして売るとなると売りたくないということで、そこでこういう制度が一つの救済の道になる。しかしこれによって非常にべらぼうなもうけができるというほど私は利益はないけれども、少なくとも現在の一般的な水田耕作、あるいはまた野菜経営をするということよりは、安定しかつ有利であるという程度で、私は農民はかなりついてくると思います。  それからこの制度のあれは、公庫の資金といえどもこれは財投の資金を使っておる、これには限度があります。ところが今度はこの制度は、土地は農民自身から出していただき、資金は農協の資金を使う。そのときにあたって今度は利子がどうしても農協資金は高くつくから、それを薄めるために三%の利子補給をする。利子補給は一般会計から出るから、これはわずかの金で相当の住宅が供給できるというところにこれはメリットがある。それから入る方からするならば、現在ならばほんとうは何といっても公営住宅に、安いところにはいりたい。ところがなかなかそれが当たらない。公団住宅、これもとても何倍、何十倍ということでなかなかはいれない。しからばこれは民間経営者のアパートあるいはマンションに入ろうとすると、あまりにも高過ぎる。そうすれば一つの消費者と経営者との間に、そこにある程度の一つの合理的なエリアができてそこに相当の者が入ってくれる。しかしこれは初めてのことでありますから、あまりにも希望的な観測で計画を立てると、これはずさんになるから、それでわずかに五年間で五万戸という程度ですから、しかもこれが東京、大阪、名古屋という人口過密地帯においてこれをやるということであるならば私はやれるんじゃないか。そうしてそのやった結果に基づいて今度は農民側から見ても、あるいは入居者の面から見ても、いろいろ新しい反省材料が出るでありましょうから、その時点においてあらためてこの問題を再検討した上で、これがいいということで定着するならば、さらにこれを進めていく。これはとうてい両者から見て、いけないというならば、これはまた別に考えなければいけないという意味で、ある意味におけるこれはテストケースであることは事実でございます。その意味において不確定要素がかなりある。だから田中さんからいろいろ御指摘になられたこと、私はよくわかります。これはあまり大きな希望を持っていくと農民はとてもそれについていきませんよ。何らかの甘みを出さなければならぬという点もあるかもしれません。しかしあまり甘みが出てくると、今度は入居者からひどいじゃないかということになりますから、私はいまの程度で一つのテストケースとしてやって、いろいろとまた御批判を受けて、改善すべきものがあれば改善していくと考えておる次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 それじゃ自治省のほうから一ぺん説明してほしいんだが、来ているかな。——こういうものが突然出現すると、これに対して地方公共団体はこれに関連する仕事をしなければならないのです。これは何も考えておらないんですか。これは宅地化して住宅を建てるということだけを考えておる法律案なんです。したがってこれに対して都市区画整理は、これは計画局か都市局かどっかでもってそれを持っておりますから、それを利用すればいいでしょう。しかしそこにはむろん市街化区域でありますから、すべての下水道その他が入っているものという場所もあるだろうし、ないものもある、そういう場合にはこれは強制される。いやおうなしに先行投資として強制されなければならない、地方公共団体は。特に二ヘクタール、二百五十戸程度のものだそうでありますが、こうなると、それに対する手当ては、ことしはおそらくどっか希望される都市が、その準備をことしの予算で、四十六年度の予算で計上しておるところがあるかもしれません。しかし多くないと思うのです、ほとんどないと思うのです。これから法律ができていくのですから。その場合に自治省としてはどういう援助をしようとするのか、また指導をしようとするのか、その点を伺っておきたいと思うのです。

石見隆三自治省財政局地方債課長

○説明員(石見隆三君) お答えいたします。  まだこの法律案に基づきます団地ができ上がっておらないわけでございますので、具体的な実態はわれわれも承知できないわけでございますけれども、いま御質問にございましたように、一般的に団地ができました場合には、当然それに伴いまして道路あるいは広場というように、関連公共施設の整備が必要となるということは当然だろうと思うのであります。そこで御質問の住宅団地の中におきます道路、あるいは広場等の建設の点につきましては、それが市町村の事業として行なわれます場合には、その地方負担に対しましては、その事業の規模なりあるいはまた当該市町村の財政状況というようなものを勘案いたしまして、地方負担分につきましては、当然これは地方債の対象として取り扱っていいんじゃないかというふうに考えておるわけであります。なお、地方債とあわせまして、御案内のように、一般的に地方団体におきましては、これらの事業の地方負担分につきましては、税あるいは地方交付税によります一般財源措置ともあわせてこういうような問題を処置したいというように考えておる次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 固定資産税の現状の動きというのをひとつ説明願いたいと思うのです。

石見隆三自治省財政局地方債課長

○説明員(石見隆三君) 私、財政局の地方債課長でございまして、固定資産税を担当しておりませんので、税務局固定資産税課長にあるいはお願いしたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 これはどっちみち強要されるわけですね。むろんこれは閣議決定なすったものであるから、自治大臣も、その点は十分おれのほうで引き受けると、こういう発言があったものだと思います。ことしは二千戸建設したいという計画でありますが、その予算措置もしておるわけでありますから、これはひとつその点十分に配慮しなければならぬことが一つ。  それからもう一つね、この二百五十戸の団地を管理するのに、たいへんなものなんです、これは管理が。管理費というものをどのくらい、坪当たりで取るのでしょうけれども、どれくらい取ろうとするのか。住宅金融公庫の融資の賃貸住宅にしても、これはあまり大きな声じゃ言えないけれども、これは相当な管理費を取っているわけなんです。管理費を少なくとも共益費という名前で取っておりますけれども、こういうものがプラスされると、たいへんな家賃になるわけです。また、管理者に対して、これは農協がやるかあるいは本人がやるか知りませんけれども、どっちにしても、この受け取り方というもの、このトラブルというものはとうてい、住宅公団ですら音を上げている現状なんです。これはもう金融公庫は金貸しですから貸せばいいのです。しかし、住宅公団は、管理していくのが役目なんですから、これはたいへんなことです。新聞の三面記事でいつも見受けるのは、家賃の値上げとか管理費の値上げとか、いつも大きな問題になる。二百五十戸の集団になりますと、これはたいへんなことなんです。一体そういうことに農民は耐えられるかどうかということです。ある年限たつと、修繕の義務、これは当然あります。修繕しなければならぬ、家賃取っていますから。こういうことに当然新しい農民家主が耐えられるかどうかということを考えると、さっきの説明のように、五十六万円が一千万にも収入がふえるのだということを言われると、何だか得のような気がするけれども、実際にそれに当たってみた場合には、たいへんなことなんです。私はもう詳しく知っているから、あまり言いたくないのですがね、地方公共団体にしても、こういうものが建設されると言われた場合には、これは何にも、市にも何にも関係がないのです。その自治体には何にも関係ないのです。まさか自治体の市長でも町長でも、農協に行って、そんなものを建てるのはああだこうだということは言わないのですよ。しゃべれば、乗っかってきて、地方自治体の財政に響くわけですから。こういう計画を立てるなら、——私が言いたいのは、低家賃住宅を国民が望んでおるのです。住宅公団の総裁は低家賃住宅というのは非常に質が悪いのだという前提でものを言っていますけれども、そんなものじゃないのです。国家が持つところの住宅政策というものは、やはり妥当なる家賃、国民の求めるものは低家賃なんです。よくて安いうちを望んでいるのであって、傾向としては、これはおそらく三万円以上の負担をしなければ入れないわけです、この計算で見ましても。そうすると、はたして魅力があるかどうか。これは魅力は何かというと、居住者が魅力あるものとして入居を希望するかという点が一つです。もう一つの問題は、いま大臣が言っているように、農民が、押えられた農民がはたして魅力があるかということ。土地を貸すのは同じでありますから、たとえば農協に土地を貸す。農協で経営してくださいというのも一つの方法。もう一つは、地方公共団体に貸すわけです。地方公共団体は何にも国家資金をもらわぬでよろしい、補助金をもらわぬでよろしい。そこで、公営住宅を国民が望んでいるというのはこれは大臣もよく御存じのとおりです。安いからです。そうすると、公共団体に土地を貸して時限をつける。これは二十五年で金を返すのですから、二十五年お貸ししましょうと、管理から一切は、これは公営住宅でなくて地方公共団体住宅ですね、自治住宅です。そうして、三%の金利補てんなんか要らないのです。これに乗せてもいいわけです。公営住宅を乗せてもいいし、または単独でやらしてもいいのです。そうして地代は、一定規模の期間の地代のスライド制、これは固定資産税をかける額はきまっておりますから、それに地価の上昇というのを見合いながら、スライド制をもって借りておく。二十五年たったらこわしますということで、まだ合意が得られればあと二十五年延長してもよろしい。こういうことにして、新しい家主をつくるよりも、農協資金を使って、家賃の、地代の補助を地方公共団体が行なうということになれば、負担の多い公営住宅なんかあんまりほしくないところが多いのじゃないかと思う。それよりも、どっちみち家賃に換算するのだから、いま公営住宅を建てるには、土地から、二分の一とか四分の三とか補助率はいっておりますけれども、建設そのものは違う。農協は一坪十四万円くらいかかりますと言っています。公営住宅は、土地は求められない、おまえのほうでさがせ、おまえのほうの負担でさがせ、そうして建設費というものはうんと安く算定していますから、地方負担が大き過ぎる。だから、これを、地方公共団体に全部土地を貸してこれによって行なわせる。地代は、先ほど言ったように、スライド制でその間を調整していけばいい。それで、居住者には、直接そのままの姿でもって家賃に加えないというような方法が考えられないかどうかということなんです。私は、そのほうが、その市町村の政策の一つとして、単独低家賃住宅が生まれるのではないかと思うわけなんです。私がこんなことを言うのも、この法律の「目的」に「水田」ということばが入るからなんです、「水田」ということばが。したがって、根本さんは、農林大臣もやったし秋田の米どころの出身だから、やはりそういうことに対する、農地に対する関心が非常に強いです。何とかそれと住宅政策とを結びつけてやったならば、農民はもっといいのじゃなかろうかという発想でしょうけれども、価値の高い土地は十万円で想定してますけれども、十万円どころじゃございません。もっと高いわけです、地域差がありますから、どうしても。そういうところに、価値の高いところに居住者は住みたいのです、近いから。安い、しかも水田の埋め立て地の安いところは間接費がうんとかかるから行きたくないという、この妙な悪循環があります。だからほんとうにいまのこの発想でもって農民が、これは魅力があっていいんだといって飛びつくというならば、居住者はこれに対してそっぽを向くようになるし、いまの段階では、農民がほんとうにこれを受けて建てようとするかどうかという点が、お示しになったところの資料から見ても、あまり魅力的じゃございません。まあテストケースだから一ぺんやらしてくれ——これけっこうです、やってもけっこうでしょう。けっこうでしょうが、住宅政策の面から見た場合には、ほんとうにきわもの的な、いわゆる反射的な発想からきたんではなかろうかと思うのです。したがって、農民のためにも入居者のためにもならない手法だというふうに、私は感ずるわけなんです。建設大臣が日本の住宅政策の親元をしてなけりゃ、こんなこと言うんじゃございません。水田なんていうものが入るから、こういういやみも言わなきゃならないんです、これはね。最近の立法の傾向として、この際一言言うんですが、どうもそこにいる官僚の諸君、国家公務員の諸君は、安定した自民党内閣のこの姿の中で、あなた方の知恵を借りないで、政治家の知恵を借りないで、発想を一つの自分の都合のいい形のまとまったところの政策を打ち出すという傾向が強いんです。これは非常に考えなければならぬのです。御承知のようにアメリカは行政府から法律案出さない、みんな議員が出す。あなた行政府の長だからこれは提案権があるからやるんだとおっしゃるけれども、もう少しこれを、ただ単にあなたが指名する審議会の委員は、あなた方に答申をするんだというものじゃなくして、広く国民の層の中に問題を持ち込むということを最近はしなくなった、というようにぼくは感ずるわけであります。これは二十何年間あぐらをかいてたとは言いませんよ。あなたのようないい政治家もいるけれども、とんでもない政治家がいて、この安住の地に官僚諸君がすわり込んでる、そうしてがんじがらめでもってものをやっておる。この程度のものなら——いいですか、ただ単に三%の利子補給するんだというものなら、ことぐらいならば、こんな法律をつくる必要ないんです。話し合いでもできるんです、こうだ、ああだ、官僚が言わないでも。外国の立法、外国の社会の習慣というものは、私は驚いたのは、フランスなんか行ったって法律によらないんです。常に話し合いの中で慣行でやってるんです。この程度のものをやるなら法律なんか要らないんです。できるんです。そうして、よりよく国民がほんとうに求めるものが、そこで所産として生れてくるんです。どうしてもこういう立法でくると、どうにもならぬ問題になる。運営は、何か運営はもう少し弾力性があると思います。実際に家賃をここへ納めるんだというところが、まあそれは何かの形でもって家賃をたくさん農民がもらえるというような方法をとれると思う。けれども、この場合にはあまりに建設費が高い。だから、はたして勤労者がこれに飛びついてくるかとなると、なかなか、ほかにもっといい住宅があるから、公営住宅にしても、住宅公団にしても、これから相当研究しようとしているし、住宅金融公庫だって、最近はどうも借りる人が少なくなったらしいので、相当国民の前に自分のすべての希望をさらけ出して求める者に供給しようという考えになってると思う。どうかひとつ、そういう点について、私はテストケースだけじゃ済まないと思う。もう少し実施するにあたっては、建設省の場合のくふうにしても何にしても、これは地方公共団体が行なうならばまだ一歩遠慮してもいいけれども農民にしてやらさせよう、農協にしてやらさせよう、非常に危険があるのです。これをひとつ建設大臣の御意見を伺うと同時に、いま山下固定資産税課長が来たからあとで説明して下さい。どういう固定資産税増徴というか、あれはどういう方式をもってやっているのか伺っておきたい。前にちょっと伺いますが。

山下稔自治省税務局固定資産税課長

○説明員(山下稔君) 農地を宅地にいたしました場合においては、もちろん地目の変換によりまして評価がえをいたしまして宅地としての評価額を出し、それによって課税をすることになります。ただ御案内のとおり、現在宅地につきましても一ぺんに評価額によって課税する仕組みになっておりませんで、古い評価額と新しい評価額との上昇率の差によりまして、高い上昇率を示したところは高い割合、低い上昇率のところは低い割合で毎年少しずつ税負担がふえていくという仕組みになっております。すなわち三十八年の評価額と新しい評価額との比較をいたしまして、その上昇率が三倍未満のところは毎年一割増し。三倍ないし八倍のところは二割増し。八倍ないし二十五倍以下のところは三割増し、二十五倍以上の上昇率を示すところは四割増しというふうに毎年少しずつふえていく仕組みになっております。したがって農地を宅地に転用されました場合には、その仕組みによって毎年三十八年度の額が少しずつふえていくということになります。この場合三十八年度の額というものは、もちろん地目の変換がございますので、現実に新しく宅地としての三十八年の評価額というのはないわけでございますので、そこの仕組みといたしましては近傍の宅地と比較いたしまして、三十八年度当時、もし宅地であればこれくらいの評価であったであろうという評価額を出しまして、その評価額と新しい評価額とを比較いたしまして、先ほど申し上げましたような形で、毎年税負担がふえるという仕組みになっております。それにいたしましても新しい評価額に比べますと、きわめて低い水準の課税ということになろうかと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 ちょっと山下君ね、今度の場合には六千坪というものを一団として宅地造成しよう、その中には半分は水田であるとこう言っている。あとの半分は何でもいい、こういうわけなんです、この場合には。そういう仕分けをしながら課税するのですか、竹やぶもあった、何もあった、水田もあった、水田はとにかく五〇%以上なくてはならない。その場合にはどういうぐあいに経過措置としてやっているんですか。税金の取り方、宅地化した場合と。

山下稔自治省税務局固定資産税課長

○説明員(山下稔君) 固定資産税の評価は、御案内のとおり地目によって評価の区分をいたしておりますが、現在問題になっておりますような場合は、おそらく水田が宅地化されるという状態で賃貸住宅が建てられることになろうかと思います。あるいは山林等がありましても、それは宅地になるという形を一回とるであろうと思います。したがってそういうふうに地目が変わりました場合には、いままで水田としての評価額でございましたものを、宅地としての評価額に直さなければなりませんので、水田が宅地に転用されたときに、それを宅地並みに評価がえをするという作業をいたしまして、宅地としての評価額を出すわけでございます。ただ、その評価額によって直ちに課税するわけではないということは、先ほど申し上げたとおりでございます。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) たいへん新しい構想を含め、いろいろと訓戒的な御意見も承りましたが、私は農家の方が自分で利子補給を受けて、そうしてこのような農住政策に協力したほうがいいか、あるいはまた御指摘のように、むしろこれは地方自治体なりあるいは農協自身に条件づきで貸してあげる。そうしてそれを住宅政策に使ってもいい、そのほうが安全ならそのほうがいい。それは私はけっこうだと思います。これは何もこっちのほうでそうやってはいけないとか何とかというのじゃなくて、要は私は、できるだけ都市近郊で今度の線引きで明確に市街化区域に編入されてそのまま農業用地として持っていくことが適当でなくなった人は、何らかの形において私は住宅政策なりあるいは都市政策に協力するような道を開くことが必要である。その一環として住宅政策としてこの農住政策はやっているわけでございます。  いま田中さんから御提案のありましたことは、私も一つの発想だと思います。一応実はそういう点も事務当局に検討さしてみているのでありまするが、スライド制をとった場合に、いまの地方自治体が公営住宅ではたしてそれが家賃——いまのところは全部公営住宅は一定の値段で改定しておりますが、それをスライド制にしてやるということについて、運営上、入居者との間にうまくスムーズにいくかどうかということにかなりの危惧があるわけです。

田中一日本社会党

○田中一君 そうじゃないです。そう言っているのじゃない。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) その点はあとでお示し願いますけれども、いずれにしても国か地方自治体が一々土地を買って、それでその上に永久的な賃貸住宅をやらなきゃならぬというほどのことは考えていない。これは研究の余地があると思います。長期賃貸計画を立てて、その上に公営住宅を建てることが現実に可能であれば、私は大いにそれはやってほしいと思います。ただしかし、これはいま強制するわけにもいきませんが、これは農民と地方自治体の任意の話し合いの結果やっていただきたい。いまのこちらで提案しているのは、その点を農民の土地所有者に重点を置いて、これらの人々が自分の持っておる農地、特に水田を、一つの農業経営からいわば賃貸業者に転換する道を一応開いたということである。その結果、今度は入居者にも相当程度のこれは便益を供することができるであろうという想定のもとにやっております。しかし、これはやってみなければわからないという、かなり不確定要素もあることは事実でございます。これは十分実施の過程において検討してまいりたいと思います。  それから、三分程度のあれなら、こんなぎょうぎょうしい法律をつくらなくてもいいじゃないかという発想も私わかりますが、日本の慣行では、特に国会でそんなことやったらとんでもないおしかりを受けまして、政府が補助をしながら、あと法律をつくらずにやるのはけしからぬといって、これはおそらく野党から猛烈な抗議を受けると思うのです。田中さんのようにわかりのいい人ばかりならいいけれども、なかなかそうはいかないので、これは特に利子補給でございますから、税金を使うときにあたって厳密なる、法律をつくらないというわけにはいかないと思います。ただ、私はいま田中さんが御指摘したように、特にフランスもそうでありますが、イギリスのごときは相当の実は国家の助成が、研究でも何でも、議会主義の発達したああいうところでありながら、案外一つの慣習法的に、それからもちろん国会には法律はかけないけれども、合意ができれば財政援助もこれを相当やらせることは、さすがにおとなだと思うのです、私は。ただ日本はまだそこまでいきませんで、一銭一厘たりとも税金を使うときにあたって行政府に一任するというほど、まだ政府が信頼されていないというのが実情でございますから、まだなじめないと思いますので、これは今後の運営上お互いに研究しなければならぬ問題だと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 地方公共団体が家賃を補助しろと言っているのじゃない、地代です。居住者には全然家賃はそのままでもけっこうです、こういうことなんでしょう。そこで、この発想というものが、宅地をつくるのだというならわかるというのです、住宅を建てるのだという。住宅を建てればうんともうかるのじゃなかろうかという一つの気持ちを持たせる、期待させるところに問題があると言っているのですよ。宅地をつくるのだ、水田を宅地にしろ、その分は金がかかるから利子を補助しようというのはわかる。農民が自由に——だれが二十五年間借金して、二十五年たったあとの住宅というものはどんなものか。公営住宅で高輪にありますよ、一つ。あれは二十四年か二十五年ころつくったのじゃないですか。これは二十年たっています。住宅が二十五年たってやっと借金を払ったときに、コンクリートの形骸だけが残るということになって、ほかにもっといい住宅が安く手に入るようになれば、自分のたとえば賃金で入れるようになれば、そっちへいってしまいます。入る者がなくなっちゃうのですよ、コンクリートの形骸が、スラムが残るきりだ、そのくらいに日本の住宅技術というものは進歩しております、どんどん進歩しております。あと二十五年たった暁に、はたしてそれだけの家賃で入れるか、入れないですよ。入る者が絶無とは言いません。言いませんけれども、もっといいものが安く手に入るようになるのです。そういうことをしていいのかということなんです、農民の利益になるかということなんです。二十五年たった住宅を見てごらんなさい、コンクリートの住宅というものはどういうものか。この前の公営住宅法の改正で家賃を高くしました。これは当時、十年間くらいは約九百何十円くらいだった、一番初期には。これは、日本の家賃政策というものは、建設費の時価に見合う家賃ということで法律がきめておりましたからそうなっておるわけです。だから公営住宅にしても、二十年間家に入るのに困って、六畳一間を一万五千円も二万円も払って木造の民間アパートに入っている。これが二十年間がまんして、やっと入ったところが、もう公営住宅でも二万円以上になっている。二十年間高い家賃を、生活を切り詰めながら負担をしている。ところが、二十年前に入った者は安い家賃でもって、これは不合理じゃないかということで、公営家賃の値上げについてはわれわれは賛成しましたよ、ある限度まで。おそらく住宅公団あたりでも、その矛盾には非常に苦しんでいると思う。そこで今度、最近やっているような手を打ったものだからまた抵抗が強い。農民が、地価が上がったから値上げをしよう、税金が上がるから値上げをしろという場合に——借金を返すには二十五年かかるのです、その間に値上げの交渉なんかしたらたいへんなことになりますよ。これは考えてやらなければいかぬです。管理一切を、農協だってそうです、農協だからいいというものじゃない。地方公共団体に管理させるというのが一番妥当だと思うのです、たくさん家を持っているのですから。そういう点について、これはいよいよ実施するにあたっては、多治見君やその他の課長君の言うことだけをそうかそうかと聞くんじゃなくて、もう少し国民と話し合いなさい、対話してくださいよ。勤労者と対話しなさい、この法律はちゃんと入居者を限定しているんですから。手法はいろいろあると思う。この法律はもう三%の利子を補給して、住宅も含めた利子ですね。区画整理事業のほうは無利子の金があるから、これは建設省持っていますから、これを当てはめるという、これはまた限度がありますよ、十何億程度だったと思うけれども、そうしてやろうというのでしょう。住宅に対する二十五年間の負担というものは農民にかかっているわけです。二十五年たったら、いままで安かったものは高くなるんじゃなかろうかと思ったら、そうじゃないのです、家なんというものは。特にコンクリートの家よりもっとしょうしゃな、近代的なものがどんどん開発されていくんですから、こういう点を一つ申し上げたいと思います。その意味で農林省からきょう来ているはずですから、農林省の農協課長から農林省の構想を説明願いたい。

板野権二農林省農政局農業協同組合課長

○説明員(板野権二君) それでは農林省で実施いたしております農住の事業につきまして、御説明申し上げます。  資料として私のほうで現在実施いたしております実施要領お配りしてございますが、この表題でごらんいただきますように、調査研究というふうになっておりまして、趣旨といたしましては、モデル的に農住の手法等につきまして調査研究をしようというのが趣旨でございます。  内容につきましては、まず第1の趣旨及び第2の選定基準のところに書いてございますように、考え方といたしましては、農業の面からの土地の利用にも配慮し、農と住の一体的な指導というふうな観点から事業を進めております。それから事業地区の採択地区の面積につきましては、これはこの前も申し上げましたとおりでございまして、第2の1の(2)に書いてございますように、おおむね二十ヘクタール以上の団地ということで一応考えておるわけでございます。  それから実施いたします事業のおもなものは、第3の2に書いてございますように、基本計画の策定、いわゆるマスタープランづくりでございます。以上、きわめて簡単でございますが、私のほうで実施いたしております事業の骨子はそういうことでございます。  これに対する国の助成といたしましては、マスタープランどおりに一地区百万円の補助金、こういうことで実施しておるわけでございます。ただ、本年度にこのマスタープランをつくりました地区につきましての第二年目の事業として、四十六年度におきましては、その地区につきましての調査設計に対して助成をするということを考えておりまして、この調査設計のための補助金として一地区百五十万円を予定をいたしております。以上でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 住宅を建てる場合には住宅金融公庫の資金を利用しようかというような考え方もあるように聞いておりますが、この点はどうですか。

板野権二農林省農政局農業協同組合課長

○説明員(板野権二君) いま申し上げましたように、モデル的にその開発手法等を検討しようということでございまして、今後の住宅の建築なり経営の問題につきましては、必ずしも固定的に考えておるわけではございません。いま先ほど御指摘のような考え方もございますが、いずれにいたしましても、ことし及び来年度の研究の結果を待って今後のモデル的な方式を打ち出してまいりたいと、かように考えておるわけであります。

田中一日本社会党

○田中一君 浅村君、君のところにどこかの府県から交渉あったかな。こういうものができ上がったときには住宅金融公庫の資金を貸してくれるかというような交渉がありましたか。

浅村廉住宅金融公庫総裁

○参考人(浅村廉君) ただいまのところ、私まだそのような話を伺っておりません。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) いまのに関連して、先ほど農林省のほうから御説明ございましたように、農林省でも農住計画推進についての調査費の補助を出して、いろいろ御調査願っております。それで、この調査の結果、まあ今後はっきり具体的にこの農住構想を実施しようという場合に、どういう手法でどうやるかということは、これからわれわれ農林省とも十分緊密に連絡して実施するつもりでございますが、現在お話しのように特に住宅金融公庫に具体的に金を貸してくれないかというような申し込みをする段階までには至っておりませんが、現在の段階でわれわれが承知いたしておりますのは、今回の御提案をいたしております法律によって事業を実施する地区が、できる地区が、現在農林省で調査いたしております地区の約半分ぐらいに該当するのじゃないか。そのほかこの調査が進みました場合に、住宅金融公庫で実施いたしております土地担保賃貸住宅の手法によって実施したほうがいいじゃないかという地区も当然出てくる。したがいまして、この両手法を合わせましてその地域地域の特性に応じて具体的に一番有効な方法で実施したい、というふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 どうも、たとえば厚生省が厚生年金の還元融資として当時三十億程度のものを都道府県を通じて企業者に直結した住宅を提供したものなんです。その資金をつくったのです。そうすると、直ちに建設省は大あわてになって住宅金融公庫にまた三十億の産業労働者用住宅とかなんとかというものを設定してすぐにまたそれをやらしておる。まるで各省が追っかけっこしているわけなんですよ。なわ張りを広げたい、これは非常にむだが多いんです。同時にその融資の条件が違うのです、おのおの違う。片っ方は住宅金融公庫を、同じ対象です。同じ産業労働者に対する住宅供給でありながら、片っ方は住宅金融公庫を通じてやる、片っ方は都道府県を通じて建設させる。融資の方法も、融資の貸し付け方法もいろいろなものが違うのです、みんな。私はあなたが日本の住宅政策の元だと思う。各設置法にもおそらく、そんなものがあるかどうか知りません。各省のやつを調べていないけれども、建設省には必ずそれがある、確立している。通産省には大きな意味の住宅政策に対する協力的なものの条文があったかと思いますけれども、ほかにはないわけなんですよ。大蔵省が公務員住宅を建てるだなんということは設置法にあったかどうか、ちょっとぼくは調べてないけれども、このような分裂した住宅政策を持つことに、自民党内閣の大きな欠陥があるのです。これは自民党の政策なんです。いま申し上げているように、農林省の構想、この構想のうち、今回の提案された法律の違い方は、今度の法律は住宅建てるのだとこうきめているわけです。農林省だってそうです、二十ヘクタールの大きな土地を、これはむろん住宅を建てないのだときめません。やっぱり建てるものもある、ことに農住といううたい文句を使っている以上。同じものに競合して、この各省のそこにいらっしゃるところの官僚諸君がなわ張りを取るために国民不在の政策を立案するところに、私は大きな問題があると思うのですよ。いま聞くと、農林省と緊密に連絡をとって、あるいは住宅金融公庫の金を使う場合もある、あるいは住宅公団もぜひここへ来てくださいということもあり得ると思うのです。こういうところに非常に大きな、二十何年間居すわっている自民党のイージーな国民不在のものが多々あると思うのです。これは困る。あなたはそんな人じゃないのだから、ひとつこの点は十分に閣内でも発言してそういうもののないようにしてほしい。同じものじゃありませんか、結局。とまどいます。ことに農協の監督権というものは、それは農林省があそこに課長がいるのですから、握っているでしょう。しかし、農協というのは、政府に直接関係のものじゃございません。法律によってつくられたものに違いありませんが、これは農民のための農協なんです。そういう点について、ひとつどうか建設大臣は今後ともすっきりした、あなた方の所管のものをふやすだけじゃなくして、国民全体の利益のために考慮されることをお願いして質問をやめます。

松本英一日本社会党

○理事(松本英一君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時四十分まで休憩いたします。    午後零時四十分休憩      —————・—————    午後一時四十七分開会

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) ただいまから建設委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言を願います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 議題となっております法案について、前回あるいは本日の午前中に田中委員のほうから総括的な質問がありました。私、もっぱら条文にのっとりましてこまかい問題を若干お伺いをしたいと思うわけであります。  まず第一条に「住宅不足の著しい地域」と、こういうふうに問題の土地が提起されておりまして、第二条に入って、第二項ですか、「大都市及びその周辺の都市に係る都市計画区域」云々と、こういうふうにきめられ、さらに政令で、政令の案のほうで、「首都圏の既成市街地若しくは近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域若しくは近郊整備区域、中部圏の都市整備区域、人口五十万以上の市の区域、新産業都市の区域、工業整備特別地域を含む都市計画区域等を予定している。」と、こういうふうにその問題の地点をここで概括的に言われているわけでありますが、当面考えられることは、一団地が二百五十戸、本年は二千戸、五年間で五万戸というふうな総ワクの中から考えますと、いろいろ並べられておりますけれども、一体どこを重点に考えていくのか。総ワクがきまっているわけですから、こんなに広げちゃってもどうしようもないという感じがするわけなんです。その点について考え方をお願いしたい。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) この法案の施行地域の問題でございますが、お手元にお配りしてございますように、いまお話のございましたように、住宅難の激しい大都市地域を中心に考えてまいりたいということで現在考えておるわけでございますが、具体にこの法律が成立いたしまして、どういう地区でどういう形でこの事業が実施されるかということになりますと、いろいろ問題がございますが、午前中御説明申し上げましたように、現在農林省で調査中でいろいろ調査している地区がございます。それと、先生御承知の農住地区等その他いろいろ調査を進めておりますが、その中で今度の法案でこのシステムに乗ってまいり得る区域というのはきまってまいると思いますので、お話しのように、確かに当面は初年度といたしまして非常に限られた範囲で住宅難の非常に激しい地域だけで初年度二千戸でございますので、これについては住宅難の非常に激しい大都市地域だけについて事業を実施するということになろうかと存じます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 いまちょっと具体的にその農住構想の中で調査している地域とかこういうふうな具体的な地域を明示するようなしないような、そういう答弁があったのですが、現実に調査を進めているところあるいはまた本年度の予定に乗っかりそうなところ、こういうところはどこですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 現在具体的に考えております地域ということでございますが、農林省におきまして昭和四十五年度に農住計画推進地域の調査をやっております。この調査対象といたしまして、農林省としては二十カ所を対象に取り上げましてその調査を実施しているわけでございますが、その中で現在までに調査の大体の進み方を見まして、われわれ今度のこの制度で賃貸住宅が建設できるという一応の見通しでございますが、そういうふうに見ておりますのが、大体半分の十カ所というふうに考えております。具体的に示せというお話でございますので具体的に申し上げますと、農林省で調査いたしております地域のうちで、東北につきましては宮城県仙台市の中田、それから関東で埼玉県の安行にございます安行、それから千葉県の君津市の宮下、神奈川県の川崎にございます柿生、それから愛知県の東浦にございます緒川新田、それから兵庫県の加古川市におきます友沢、それから岡山県の白石、広島県の坂町、福岡県の下貫という大体農林省の調査をいたしております地域の半分程度が、今度の新しい法案のシステムに乗ってこれるのではないか、という推定をいたしております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そうしますと、いわゆる都心に職場を持つそういう人たちを仮定した場合、対象の地域は埼玉県と川崎くらいになりましょうか、いまのあげられたところでは。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) この制度を発足いたしますにあたりまして、大都市の住宅難問題を解決したいということが一番大きなねらいでございますので、大都市中心にやっていきたいということで、われわれも特に三県の通勤可能地域ということに重点を置いてやっていくというつもりでございますが、具体的には今後そういったわれわれの今後考えております実際の事業がどこまでやれるかという、現在は先ほど御説明申し上げましたのは、一応農林省が調査いたしました地域の中でそういったものが乗ってくるであろうということを申し上げましたので、実は三県につきましては、われわれといたしましては今後独自の調査もいたしまして、できるだけ三県集中でやっていきたいということで考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そうしますと東京を中心に考えました場合に、大体この構想の中に入るいわゆる首都圏の何キロ圏というのがありますね。何キロ圏までを構想の中に入れますか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) お手元にお配りしてございます政令案にもございますように、首都圏整備法で規定されております既成市街地、それから首都圏内の近郊整備地帯ということを主目的にやりたいということでございます。具体的に申し上げますと、通勤圏が五十キロということで考えたいということで考えておりまするが、東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城、この府県にわたってやりたいということで構想を進めたいと考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それで、大体まあわかってはおりましたが、第二条の融資機関ですが、これがいわゆる農協、いわゆる信連とか単位農協の資金を使う、この場合まだほかに金融機関はあるわけですが、あえて農協というふうに、その系統機関を使うということに規定をした理由はどうでしょうか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) ただいまお話ございましたように、実際の今後事業を推進していきます場合、農協の資金を一番、俗に申し上げますと当てにしているといいますか、この資金をポイントと考えているわけでございますが、法律、政令の規定上特に限定はいたしておりません。それでもし他の金融機関でこういった条件の融資ができるという場合には、今後できるだけ広げてあらゆる融資機関からこういった融資を受けて、政府の利子補給によって最終的に賃貸住宅を建設される方に同一条件で金が流れるという可能性が出てまいりました場合には、その道も広げたいというふうに考えておりますが、当面農協資金いわゆる系統資金でございますが、これを主体に考える以外に現在の金融情勢からいってほかに期待できる融資源はないであろうというふうな想定をしているわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それで、あと非常にこまかい問題なんですが、大体二百五十戸という団地を想定した場合に、それに要する建設費二百二十何万、一戸当たり二百二十何万ということを予定しますと、その資金総額が一団地について建築費だけで五億円をこえるわけですね。そういうふうな一口にいって大きな単位の大きな融資の場合、それが長期にわたるからということではあるのですが、お話にあった年利九分とか、あるいは信連の場合の年利八分とかいうこの立て方が、私もちょっと金融の利率の割合というのが一般にどういうものか頭にありませんが、五億円というものを単位に考えた場合ちょっと九分とか年利八分とかいう金利の立て方が高いのではないか。たとえば市中でローンをやっております、十年とか十五年とか。その場合の金利がたしかあれは五百万くらいを最高限度にしたり一千万を最高限度額にしておりますが、その場合も大体九分〇六厘とか高いものは九分五厘くらいのもありますが、しかしそれは最高限度額、口数が小さいですよね。五億円を単位に考えた場合のこの系統資金を使っての金利がむしろ高いのではないか、こう思うのですが、この点はどうでしょうか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 実は事務的にこの制度を考えました場合に、確かに先生の御質問にございましたような点が非常にポイントでございます。こういった条件で、はたして資金動員ができるかという問題でございますが、確かにお話しのように、現在の通常の市中金融機関からはこういった条件の資金は引き出せないというのは、現在の金融状況から見て確かにそのとおりでございます。したがいまして、われわれといたしましては特殊な系統資金として農協の資金を活用する、その場合にどういった条件で貸していただけるかということにつきまして、農林省その他農協関係の機関といろいろ折衝があったわけでございますが、その結果、この程度の資金量をこの程度の金利条件で貸していただけるということを、ほとんど事務的には保証されているというところまで詰めまして、これならやれるということでこの制度を発足させるべきであるということに踏み切りましたわけで、提案いたしたわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 いや、これは私の質問の趣旨が間違っているんでしょうかね。私、一単位が五億円とかいうふうな高額な単位になった場合の利率が、長期にわたるからとはいえ、利率が九分というのは高いのではないかで、試みにいま市中金利を話したわけです。市中銀行のローンなんかを見まして、十年とか十五年の場合に確かに九分を出ております。出ておりますが、それは最高限度額五百万とか一千万とかに限られておる。だから、市中銀行で、もし利子補給の適用を受けるならば、さらにもう少し下がった利率で貸し出しができるのではないだろうか、こう私はしろうとなりに考えるわけです。その辺で、市中金利の情勢というものからもう一ぺんお話を願います。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) ちょっと御質問の趣旨を取り違えて御答弁を申し上げたようですが、確かに表面金利だけをとらえました場合には、いまお話しのように、市中銀行の金融の条件につきましていろいろなバラエティーがございます。ただ、住宅建設の場合にはこれは非常に長期の資金でございますので、二十五年というような長期の資金につきましては、現在金融機関でそのままそういった長期の金融をしているところはないわけでございます。一応長期の約定をいたしましても、短期の金融の約定をもとにいたしまして途中の借りかえその他で、結果的には長期になるという例はございます。しかし、そういった例は金利的には非常に高いものになる。したがいまして、ここでわれわれが想定いたしておりますような金利で、この年限で貸していただける金融機関としては、現在は農協しかないというふうに考えておるわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それで、今度ちょっとこの資料の御説明をいただきたいわけですけれども、午前中の質疑の中で、概括的にそれを思い出してみますと、大体平米当たり三万円、坪当たり十万円の地価の場合、その農地を所有していた方の地代、収入は一年間に大体千五十万になる、これは農業所得に比べると十八倍ないし二十倍、夢のようなふところに入ってくる金額だという御説明がありました。それを受けて質問をするわけでありますが、資料の2のところに、農住のいわゆる「事業主体別家賃限度額比較」という第二表ですね、その「農住」の欄を見ていただくと、地代相当額八千百二十五円、月額となっております。この計算はどうしてこうなったんでしょうか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 地代相当額の算定につきましては、その下の欄に「家賃算定根拠」というのがございまして、そこに地代相当額ということで書いてございますが、農住につきましては地価の五%を地代相当額として家賃の中に算入して徴収できるという規制にいたしたいということを考えているわけでございまして、八千百二十五円というのは、そこにございますように平米当たり三万円、したがって坪当たり十万円という地価を算定いたしまして、それからその五%を地代相当額として家賃に算入した場合の金額ということで資料として作成したわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 いや、第二表と、第三表の関連が出てこないわけです。第三表は一ヘクタール当たり、しかもそれが三〇%の減歩率を見て、それで二千百坪ですね、それで千五十万円、こういう数字が出されているわけです。今度はこの八千百二十五円をどう逆算すれば——データは同じなんですから、平米当たり三万円ですから、どう逆算すれば千五十万円になるのか、どう私計算してみても千五十万にならないのです。この八千百二十五円と千五十万、ちょっとその数式を数えてもらいたい。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 算出のしかたは所管課長から御説明申し上げますが、資料2で申し上げておりますのは、一戸当たり家賃を計算いたします場合の基礎の数字をあげてあるわけです。それでそれを全体として総合して、農地の所有者が一ヘクタール当たりどれくらいの収入になるかということを、いろいろな前提条件を置いて計算したのが資料の3でございまして、その間、数字的には一応説明のつく算式になっているようなわけで、詳しく御必要でございますならば御説明申し上げます。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 局長、わかるようにちょっと説明してくださいよ。速記をとめて。   〔速記中止〕

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 速記をつけて。

二宮文造公明党

○二宮文造君 実は私この第三表の農地所有者が一ヘクタール当たり千五十万の地代収入になりますと、こういうふうに資料ではありますけれども、実際に住宅をつくって所得をあげた場合に、これと同じような条件で進んだとしても千五十万にはならないのではないか。どうも八千百二十五円掛ける十二割る六十五分の七千と、こういうことで千五十万にはなりませんよ。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) いや、なるんじゃないかと思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そうですか、それじゃ、またあとでひまなときに私やってみます。  それからもう一つ御説明いただきたいと思うのですが、同じく第二表の農住の建物償却額、すなわちその借り入れ金の償還ですね、月額一万四千四十一円と、こうなっておりますが、この一万四千四十一円でけっこうです。これでずっと二十五年間払い続けたときに、残債のあれは幾らになりますか、二十五年たったときに。

升本達夫建設省住宅局住宅企画官

○説明員(升本達夫君) お答えいたします。これは償却の条件——償却といっておりますけれども、これは借り入れ金の償還の条件でございますので、二十五年間で元利均等償還ということになりますので、二十五年終わりましたところで残債はゼロということになるわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そうですか。やはりぼくもこれ、そろばんが間違っているのかしら。ざっと計算をしまして、一万四千円でしょう。一万四千円を十二倍する、それで年額の償還ですね。それから二百二十三万円に対して、一応五分五厘とはなりますけれども、しかしそれは十年間ですから、一応かりに二百二十三万円の建設費に対して年間七分ぐらいにしますか、平均。七分にしても十四万円ですね、十五万円ですから。そうしますと、家賃収入がいわゆる償還資金としてこれ元金になるのが十何万円にしかなりませんね。その中で占める金利の部分が相当部分になるんじゃないか、そうなりますと、二十五年で償却できましょうか。

升本達夫建設省住宅局住宅企画官

○説明員(升本達夫君) 説明が若干不足しておりまして恐縮でございますが、この一万四千円とはじきましたのは、下の表にございますように、五分五厘の二十五年間の元利均等の償還の額でございます。これは御承知のように、十年間五分五厘でということになりますので、十年間の月償還額が一万四千円でまいります。ところが十年以後につきましては、これは利率の制限がございませんので、その部分については十年終わったところで設定された利率によりまして、以後十五年間の償還が行なわれるということになるわけでございます。したがいまして十一年目から二十五年目までの間、同じように一万四千円の償還額というわけではございません。その時点で設定されました八分なり九分なりの利率に基づきまして償還額がはじき直されるということになります。

二宮文造公明党

○二宮文造君 たとえば九分ではじいたときの月の償還額は幾らになります。まあ元金が三分の二になっていますよね。

升本達夫建設省住宅局住宅企画官

○説明員(升本達夫君) ちょっといま直ちにその具体の数字でお答え申し上げられませんけれども、かりにこの条件を利子補給を行なわずに九%の金利のものを二十五年間で償還するといたしまして償還額をはじきますと、お手元の資料に、さらにおおむね五千円ほどプラスされることになります。

二宮文造公明党

○二宮文造君 私は、資料としてはそういうところもやっぱりお出しいただかないと、たとえばわれわれが地方へ帰りまして、今度は利子補給があるんだ、水田を住宅に転換をする、こういう利子補給があるんだ、その場合に地代は一千五十万入るのだぞ、それで毎月払うのはこれだけで、このとおりに説明をしていきますと、そりゃあほんとうに農家の皆さんにとっては落とし穴に入ったような、ほんとうに説明不足のまま終わってしまうわけですね。きれいなところだけが話になって、十年たったらこうなる。たちまち十年たって三千円なり五千円なり余分に償還しなきゃならぬとなりますと、これは管理費もそのころになると修繕費なんかかえってかかってくるほうですから、今度は自分の取るべき地代のほうから償還に回さなきゃならない、こういうことですね。そういうふうな、まあひとつこの住宅に踏み切ろうとする農地の所有者には心配な点が将来にわたって出てくる。それを頭に置きながら、今度は第二条の本文のほうの一、二、三号、いわゆる契約を結ぶ対象の資格者といいますか、その人について、一、二、三について御説明いただきたいと思うのですが、一はよくわかりますが。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 一は、書いてあるとおりでありまして、「特定賃貸住宅の敷地となるべき土地の区域内の農地その他の宅地以外の土地を所有する個人」ということでまあ表題にございますように「農地所有者等」という表現でございますが、そういった農地を持っておられる方ということでございます。  二は、こういった住宅を「建設するために宅地造成に関する工事が行なわれた土地の区域内の宅地を所有する個人」ということで、こういった住宅を建設するために宅地の造成を行ないまして、それによって、その区域内の地目その他変わりまして、その後土地の区域内の宅地の所有権を得た方でも、当初この法律が目的といたしております条件に合致している方と同様な資格で賃貸住宅を建てたいという方がおりました場合には、それもこの法律で利子補給の対象としたいということでございます。  それから、第三号につきましては、これは「政令で定める」と書いてございますが、その特定賃貸住宅の敷地となります土地につきまして、建物の所有を目的といたしまして地上権、賃借権あるいは使用貸借によります権利等を有する方で、一号で目的といたしております土地、農地の所有者と同じような資格で、同じような目的の賃貸住宅を建てたいという方について、やはりこの法律から除外するのは不適当じゃないかということで、そういった方についても、この法律の対象として利子補給したいということでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そうしますと、たとえば宅地を造成する、その場合に資金が要ります。資金が要る。その資金を捻出するために、宅地造成と同時に地上権を与える、いわゆる民間デベロッパーが、そういうふうな形で地上権を取得して、いわゆるここで言う権利者になることはできますか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) お手元に政令の資料としてお配りしてございますが、法律の「第一項第一号又は第二号に該当する個人が主たる構成員又は出資者となっている会社又は貸家組合」というふうに一応縛りたいということで考えているわけでございまして、そういった、その宅地造成を始めました場合に、その土地を所有している農地所有者等が主たる構成員となっている組織体に限って、こういうものを認めたい。したがって、いわゆるデベロッパーが投資をして、土地を取得して、それについて貸し家を建てるという場合には、このシステムには乗せたくないということできめていくつもりでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 その会社あるいは貸し家組合と、それで、そのまた、「主たる」という御説明がございましたけれども、その主たるというものの割合ですね、たとえば会社の場合、出資の割合とか、あるいは株主の人数に占める割合とか、そういうものは規制をするのですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 「主たる」というふうに書いてございまするが、そういった個人が構成いたします組織体が、われわれが目的といたしております、それを構成する農地所有者の意思を反映する組織体なり会社なりということが保証されない場合は、御心配のように、デベロッパーが自分の資金力を動員してそれを買って、それで賃貸住宅を建てて、そこにデベロッパーの意思どおりの住宅を建てるという場合もございますので、この「主たる」ということは、要するに農地所有者でありまする個人がその意思を反映できる組織体ということを考えておりますので、具体的に申し上げますと、株式なら半数以上、財団ならその半分以上、要するに農地所有者の意思に反して動かせるということのないようにということで、現在の法制でいきますと、株式でも財団でも、とにかく五〇%以上の発言力がある組織体ということを考えておるわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 わかりました。  そこで、たとえば二ヘクタールという土地ですね、この二ヘクタールという土地、そうして、しかも水田を五〇%と一応想定しておるようですが、その範囲内の中で、ただ一人か二人、ごく少数の人数が、非常に重要な部分で、私は貸家組合に参加したくない、会社に入りたくない、要するに住宅を建設してそれで収入を上げていく意思がない。他の者は賛成である、ほんとうに一部を占めている人間が反対だという場合には、これは成立しませんね。これを何か土地収用法にかけたり、あるいは区画整理事業、都市再開発みたいに、何人かの賛成があればもうそのままその意見が通るような仕組みを別途お考えになるかどうか。反対者がいる場合にはもうそれは成立しないと、こういうことでくくってしまうか。この点はどうでしょう。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) お話しのような具体例が出てくる可能性、必ずしも否定できません、そういった場合もあろうと存じます。ただ、この法律におきましてはそこまでは何も規制を考えておりませんので、あくまで、土地所有者が合意でこういったものをつくりたい、そのつくりたいという団地がわれわれの考えております住宅経営に適合いたしました場合は利子補給をするということでございますので、もしお話しのように、一つの団地をつくりたいということで、大部分の方が賛成されて、一番枢要なところに土地を持っておられる方が反対という場合に、これを賛成に強制するというような手段については、この法律は何にも規定してございません。ただ、その場合に、全体の団地として、われわれが考えております良好な住環境を維持できる賃貸住宅ができるかどうかという判定の問題でございまして、そこが抜けたために、われわれの考えております良好な賃貸住宅ができないという場合には、これは利子補給の対象にできないというわけでありまして、もし、一人の中枢におられる方が反対したという場合でも、そこを除いてそのほかで全体の団地として良好な住宅経営ができるという条件が満たされました場合には、そこを除いて利子補給できるわけでございますので、その反対の方を特に強制的に賛成させるというようなことについては、この法律では全然予想はしておりません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それじゃ規制する何ものもない、強制はしない、法律ではくくらないということでございますね。  そこで、先ほど都心を中心にして考えた場合に、まあ大体県名をあげられて、通勤可能な五十キロ圏というところで想定をしてみたいというお話なんですが、これは私はニュースで見たので、現地を歩いてないのでちょっとわかりませんけれども、茨城県の筑波郡伊奈村——もう御承知だろうと思うのですが、ここで村営の——村営といいますか、村が中心になって分譲住宅をつくった。距離からいいますと、東京都心から約四十キロ圏。それで上野から取手駅まで五十五分。四月から快速が出て、またそれが若干縮まるそうです。しかも、取手駅からバスで二十分の当該地のようです。そこで、敷地が二百二十八平米——よろしいですか、これは借地です、農家の借地。敷地が二百二十八平米。それから建て坪が三十九・六平米、十二坪です。この分譲住宅です。間取りが六畳と四畳半、それから四畳半の台所兼食堂、それから浴室、水洗便所と、どの程度のものかわかりませんけれども、大体こういう間取りになって、八十五万円で分譲しているという、たいへん好評だというのですね、勤労者の方に。それで村としては一千戸を目標にやっているけれども、農地法の関係で遅々として進まなくて、現在完成したのも含めて四百二十八戸。この申し込みは非常に多くて、前には分割払いも許したのですが、もう一時払いでどんどん償却させている。この場合に、土地の提供者、農地の所有者は月千八百円を地代として受け取っているわけです。もう分譲住宅ですから、要するに土地を貸してしまっているわけですね。そうしますと、この場合、平米当たりの月の地代が八円なんですね。八円。まあ十アール当たり八万円になるというのです。米十俵の計算になるというので、農家の方は非常に喜んでやっている。村当局は推進をしてきたわけです。ところが、いまおっしゃったような、これは四十キロ圏ですから、これが平米当たりの幾らの地価かはわかりませんけれども、もしこの利子補給の法案、臨時措置法による中高層の建物を建てた場合、いまの村営の分譲住宅の場合の借地料、いわゆる入ってくる地代と、それからいまこの資料に出していただいた地代とでは格段の差ができてくるわけです。この辺に私は非常に矛盾を感ずるわけですが、はたして、その資料にあげられた地代というものが、こういう事実関係から比べて見て、可能でしょうか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 確かにお話しのような実例がございまして、われわれもその点につきましていろいろ検討はいたしております。ただ、あそこの場合、非常に特殊でございまして、いまのお話しですと、四十キロ圏というお話しでございましたけれども、大体いま五十キロ圏に近いところでございます。それとあそこは都市計画区域の中に入っておりませんので、都市計画法の適用がございませんで、端的に言いますと、かってに何でも建てられるという区域になるわけでございます。私どものほうは、都市計画区域の中で、市街化区域としてきめられて、市街化すべき区域であるというふうに都道府県が考えまして、今後この市街化を進めていくべきだという土地についてこの法案を考えているわけでございまして、ああいうふうに都市計画区域外で、ああいうふうに村の当局のお考えによっていろいろお建てになるという事例もございますけれども、それとは全く次元を異にした問題であるというふうに考えております。ただお示しのように、あそこでたまたまそういった条件でそういったものを建てて、非常に好評を博しておるし、また希望者も多いというのも、これはまた実態であろうというふうに考えますので、その点は都市計画全体として検討すべき問題があるのじゃないかというふうに考えます。それとまた、家が建って、安く分譲されたという現実の事態がございますけれども、建った家が、はたして今後の、われわれが考えておりますような良好な住宅環境を備えた住宅であるかどうかという点につきましても、まだ相当検討する余地がある。私も徹底的に研究しておりませんけれども、いままで伺ったところでは、いろんな問題点があるのじゃないか。そういった点を改善するとすれば、またそれについての費用の問題もございますし、また償還の問題もございます。したがいまして、今度提案しておりますこの施策は、市街化区域内で行なうということで、第一点そもそもスタンドポイントが違いますので、あの筑波の例を比較してお話しいただいて、実例としてはいろいろ問題ございますけれども、向こうがこうだからこっちはこうだということについては、われわれとしては当面考えておらないというのが実態でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 私の質問の趣旨は、あくまでも想定されている地代収入というのが過大に評価されているのじゃないか、というイメージがどうもくずれないわけです。   〔委員長退席、理事松本英一君着席〕 ですから、そういう面からいろいろな質問のしかたをしますので若干行き違いになるかもわかりませんけれども、しかし、いずれにしても、たとえば農地を所有していらっしゃる方が、農家の方が当面の米の需給の事情、あるいは農業の行く先、それからまた住宅難、こういう問題に思いをめぐらして、そして村の施策に乗っていなかったわけですよね。やっぱりこれは国の施策の方向というものも理解した上で協力している形なんです。農地保有者は、農家の人は協力しているかっこう、協力のしかたによって一方じゃどっさりと地代が入る、一方じゃ農業所得に毛がはえたくらいの所得でおさまっちまうというふうなでこぼこができたのじゃ、政治全体の問題としてまずいのではないかと私は思うわけです。  今度は逆に違った面で一つ比較をしてみたいと思うのですが、これはちょっと古いです。四十三年度版の建設省の計画局の地代家賃、この資料の中からちょっと引いてもらったわけですが、給与住宅ですね、給与住宅の場合に一戸当たりの敷地面積が四百六十四・三平米、それで一戸当たりの地代が八千六百七十五円、平米当たり二十四円二十銭こういう単価が出ております。東京都でそういうことになっております。それから六大都市を平均した場合は給与住宅の普通建てで一戸当たり敷地面積が三百六十六・五、地代が六千九円、平米当たりの地代が十七円九十銭、こういうこれは統制対象外の地代、家賃になっております。けさほどお伺いした千五十万は坪十万円としますと、そして千五十万と計算した場合に、坪当たり五百円ですね。平米当たり百六十円か七十円くらいになります。いままでの東京都のいわゆる統制対象外の地代、家賃に占める部分と今度の場合に占める地代の占める部分とが、あまりにも開き過ぎるのではないか、こう思うのですが、この点の比較はどうでしょうか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) いまお話しの資料、私も初めて拝見するわけですが、確かに給与住宅については非常に安い平米当たりの地代になっております。ただ、総額につきましては給与住宅の約倍、そしてわれわれ住宅政策で考えます場合に、給与住宅というものは非常に特殊な部門に属するというふうに考えております。と申し上げますのは、給与住宅は一定の勤務条件をもとにしてその企業主が従業者に対して供給する住宅でございますので、これにつきましては借家法の適用その他について非常に一般の貸し家とは違う条件下に置かれておるわけでございまして、雇用関係の変動によってその住宅に入る権利につきまして相当な影響を受けるという特殊性がございまして、その反面、企業はそういった特殊性をもとにして特定な入居者に対して非常に企業としてできるだけの恩典を与えるという努力をしておるわけであります。これは現実に給与住宅の家賃を見ますと、一般の賃貸住宅の家賃とは全く違っておるわけであります。したがいまして、この地代につきましても、端的にわれわれの提出いたしました資料と比較して非常に安いじゃないかというお話でございますけれども、   〔理事松本英一君退席、委員長着席〕 確かにそういった条件を考えましても、まだ安いような気がいたします。ただ年代の差それから個個の立地条件の差等を考えますと、非常に条件が違いますので、われわれが御提出申し上げました資料につきましては、一応こういったことで資料は相当精密に検討してやったつもりでございますので、こういった地代は農地所有者の収入として考えても、まあ計算としてはできるのではないかというふうに考えておるわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 いやみを言うようで恐縮なんですが、給与住宅を一生懸命説明していただいて……普通建てのほうを見ても、そんなに違わないと思うのです。借家の普通建てのほうを見ても、大体東京都の場合は一戸当たりの敷地面積は百六十八・五平米、そうして総額が四千七百六十円、平米当たり三十一円三十銭、六大都市の場合は平米当たり二十五円六十銭、ですから一生懸命、会社の云々という御説明をいただいたけれども、統計の上にあらわれてきた地代というものと、今度の利子補給のこの法案の中で考えておる地代とは格段の差がある。農家の方にとってはそれが大きなえさにはなります。えさにはなりますが、はたしてここで書かれたような返済の……実際に今度は融資を受けて、返済をしていく段になると、それだけの農家の所得というものが考慮されるかどうか。これはこれだけのものを確保してあげなければ、これはもう責任重大ですよ。自分の農地に鉄筋のうちを建ててしまうのですから、もうおいそれと転用はできません。建ててしまって、あれは一応の試算であったと、実際には融資契約をする、保険料もあれする、生命保険料もかける、それからまた貸し家組合の事務費も計算しなければならない、また従来のお百姓さんが何人か集まって二百五十戸のその建物の管理をしていくのですから、やはりそれには人件費も必要でありましょうし、いろいろな勉強をしなければならない問題が出てきます、いままでと全然違った未経験の場所に入っていくのですから。ですからこの法案を提案されるその趣旨はよくわかりますけれども、これを実行していく上において、こういうところも契約しなければならない、あるいはまた農民の方に、こういう面をしっかりPRをしていかなければならないというものがなければ、絵にかいたぼたもちだけで説得をしていくというのは非常に私危険ではないか、こう思うのですが、この辺、もう少し資料の問題とか計算の問題とか、実際に即しての考え方を御説明いただけませんか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) ただいまお話しの全体の趣旨はまことにごもっともでございまして、われわれも、この制度を発足させたいということで検討いたしました段階では、そういった心配も含めましていろいろ検討したつもりでございます。ただ、地代、それから家賃という問題でございますが、これは、いまおあげになりました統計その他を見ましてもわかりますように、確かに、私どもの計算しました、これから発足するこの制度によって建てる賃貸住宅の地代、家賃等とは相当の懸隔がございます。これは、御承知のように、地代、家賃等が一般の物価と非常に違います点は、経済的な客観条件が変わった場合に、その客観条件に従って上げるということが非常にむずかしいという特徴が一つございます。特に地代につきましては、借り主と地主の合意の問題がございますので、卑近な例で申し上げますと、たとえばデパートで物を買う場合には、諸物価が上がった、あるいは労働賃金が上がったということで、いままで一メートル十円だった織物を十二円にしましょうということで、経済条件の変化に応じて値段を変えるということは、わりあいに容易でございますけれども、地代、家賃については非常にそういった点で制約を受けるわけでございまして、支払い側であるたな子なり、借り主なりの合意が必要でございますので、そういった点で、なかなか経済条件の変動に応じて上がるということにならないわけでございまして、それが過去の統計で見ますと、どうしてもそういった作用が働いて、統計的には低く出てくるという面がございます。したがいまして、われわれといたしましては、こういった統計面をそのまま、これからやります施策について、この統計の数字をもとにしてやるわけにはいかないという事情にございますので、お話しのように新しい制度といたしまして、農地所有者のこの制度に基づく賃貸住宅を建設いたした場合の所得というのが、一番制度のポイントでございますので、その点につきましては、われわれとしても非常に慎重に検討したつもりでございまして、現在の経済の実勢に応じて、新しく賃貸住宅を建てた場合にはこれくらいの地代価格を見込んだらだいじょうぶだ、また、見込んでも、借り主なりたな子なりが入ってくるという確信を持ってこの数字を出したわけでございまして、個々の団地それぞれについて申し上げますと、条件によっていろいろ数字が変わってきますが、過去の統計資料との差は、そういった面で、ある程度懸隔があるというふうにお感じになる面が多いと思いますけれども、そういった事情でございますので、新しい制度の発足といたしましては、慎重に検討して、この程度はだいじょうぶであるという確信をもってやっているわけでございます。   〔委員長退席、理事松本英一君着席〕

二宮文造公明党

○二宮文造君 そうしますと、確認しますけれども、建設省の試算によりますと、農住を建設した場合の農地所有者のいわゆる収入ですね、あるいは地代収入、ここにあげられているものが農家の収入、こう見てよろしいと、こういう御説明でございますか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 現在の家賃積算の内容から考えまして、そういう御趣旨のようなことになると存じます。ただ、地代相当額を五%までは見てよろしいというふうに考えておりますけれども、その点についての、実際にお建てになる方の御判断というものは、また別にあろうかと考えます。したがいまして、従来の例で見ますと、そこにございます、公社の賃貸住宅がございますが、これなども地代相当額について上限をきめて家賃を規制しているわけでございますが、実際は公共団体の意思が入りまして、そこまで取らんでもいいじゃないかということで、地代相当額については、相当な減額を考えて家賃をきめております。したがいまして、農家の農地所有者の方が実際に規制の範囲内で家賃をきめます場合に、われわれの多少希望的な観測も入りますが、地代相当額につきましては、相当下げた計算でおやりになるということもあり得るのではないか、というふうに考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それで、この利子補給の対象になるいわゆる融資額ですね、これは建築費に限るのでしょうか。先ほどちょっと私も言いかけたのですが、宅地の造成費、これはどうしても、水田あるいは山林、雑種地、そういうものを含めてやりますと、これは相当の造成費がかかると思うのですが、これは対象にはなりませんか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) ここで、家賃の積算の限度の資料で御説明申し上げておりますように、地代相当額が一応地価をもとにしてきめてございます。その地価といいますのは家を建てる状態になった土地の地価ということで、それをもとにして算定するわけでございまして、したがいまして、宅地造成をする費用をそのまま利子補給の対象にするということはございませんけれども、宅地造成をした結果に基づいて上がった地価について地代を見るということで、まあ算定しているのかしていないのかと言われますと、しているともしていないとも言えますが、直接の利子補給の対象として宅地造成費を組み込むということは考えておりません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 その宅地造成の資金は、やはり農協が担当するのでしょうか、その辺の話し合いはできているのでしょうか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 従来の実例でわれわれ判断するほかはないわけでございますけれども、そういった面についての資金融通については、農協が従来もいろいろめんどうを見て、融資をするなりいろいろやっているようでございます。また農民といたしましても、そういった蓄積があるわけでございませんので、何らかのそういった援助がなければ宅造もできないというのが実態であろうかと考えられますので、そういった面についての農協の援助というような面について、われわれも今後いろいろ御協力を仰ぎたいというふうに考えております。また個々の実態からいって、そういった面についての融資その他系統資金でいろいろめんどうを見ていただけるというふうに考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 農住のいわゆる融資対象になった土地の造成あるいは建物、そういうものは事業者の責任でやっていきます。今度は、上下水道とかガスとか道路とか、こういうものの地方公共団体と事業者との関係は、どういうふうにお考えになっていますか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) これは、この法律の御審議の過程でしばしば衆議院においても御質問がございまして、実はわれわれといたしましても一番問題であるというふうに考えて、いろいろ努力をする必要があるというふうには考えております。現在、公団が非常に大きな団地をつくりまして、それに伴います関連公共施設というのが、非常に今後の団地建設の問題点といいますかネックになっているというのは、御承知のとおりでございます。ただ、今回の法案によります事業は、お手元にお配りしてございます資料にございますように、一応、住宅公団のつくります団地とは相当規模が違う小さな団地というふうに考えられますので、そういった道路あるいは下水道等の大きな公共施設について、直接この団地で賃貸住宅を建設される方が負担しなければいかぬという問題は少ないだろうというふうに考えられます。ただしかし、二百五十戸まとまって団地を建てますので、その団地に対しての道路問題、下水道問題、その他いろいろ問題があるというのは、これは当然でございます。現在われわれが考えておりますのは、この法律のシステムで建てます団地につきましては、これは法律にございますように、市街化区域内でございますので、できれば区画整理事業の一環としてこの団地づくりをやるというのが、一番理想の姿じゃないかというふうに考えまして、できるだけ区画整理の手法に従って、区画整理事業の中の団地経営ということで団地経営をやりたい。   〔理事松本英一君退席、委員長着席〕 したがってその場合には、そういった公共関連事業につきましては、区画整理事業ではっきりきめて、それぞれの地方の負担なりあるいは賃貸住宅の経営者の負担なり、はっきり負担区分をきめてそれぞれ負担をしてしっかり関連公共施設を整備して、そして団地をつくるという形にしたいということで今後事業を進めるつもりでございますので、もしそういった区画整理事業の一環としてやれないというような事例のありました場合には、やはりこの団地経営そのものを都市計画施設として決定していただきまして、この都市計画施設に伴いますいろいろな都市区画施設の補助金なり、公共企業体の負担なり、あるいは無利子にするなり、いろいろな制度がございますので、そういったものも活用してやっていきたい。できるだけこの賃貸住宅の経営者にそういった公共的な負担が直接かかってくることのないような手法で事業を進めたいというのを第一点に考えているわけであります。ただ共同施設の場合に、非常に直接に住宅に関連して必要な施設、居住者が直接そこに住むことによって必要な施設、たとえば人居者が共同で使います集会所みたいなもの、こういったものはやはり賃貸住宅の経営者が負担して、その費用で建設してあげる必要があるというふうに考えられますので、こういったものは建築費の中の付帯施設として融資の対象に農協に入れていただきまして、それについても利子補給の対象にしていくということでその救済をしたいというふうに考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 具体的にこういう農住を建設したい、こういうときに手続はどうなっているんでしょうか。その事業者がいる、それと直接この融資、農協と融資が始まる。それから農協と今度はこっちのほうとのいわゆる利子補給の契約をやるわけですね、いま金融機関と。その場合に建設費はやはり従来の公営住宅のように建設省自身に積算単価というものを持っていて、そしてこうやっていく、組み立てていく。実際の建築費と対象になる単価とがいつも違って、これがまあ超過負担の問題でいつも議論になります。今回の場合はいわゆる建築費、付帯設備も含めて妥当だと思われる建築費、それはそのまま融資の対象になるんでしょうか、もしそうしますとその建物が非常にぜいたくにわたらない建物であるとか、あるいは環境をこわさない建物であるとか、建築の単価がやっぱり場所によって違うと思うのです、この単価は適当な単価であるとかないとか、こういう判断はどこで下すんでしょうか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 資料としてお配りしてございませんが、省令としてそういった基準をきめたい。いまお話がございましたように非常にぜいたくな、まあ極端に言いますと御殿のような家を建てる場合にこれは利子補給はしない、あるいは過密狭小になるような住宅については、これはもちろん国の政策としてやるわけではない、こういったものは利子補給しない。したがって標準の範囲内の宅地、住環境がいい、標準の環境が整備できるというようなものを目標にいたしまして標準をつくって、それに適応するものについて利子補給をしますということになるわけでございますけれども、その場合にお話しのように公営住宅の超過負担の問題、あるいは金融公庫の標準建築費と実際の建築費の違いの問題、いろいろ問題がございますので、そういった面も勘案いたしまして、この制度におきましてはできるだけ実際の建築費に近い標準建設費を設定いたしたいということを考えておりますが、要するに基本は金融機関と実際の建築をされる農地所有者との間の契約の問題でございます。われわれとしてはこういった標準に適合する契約について利子補給をしますということで、その標準につきましてはできるだけ実態に近いそのもの、また付帯施設、先ほど申し上げましたような集会所等も入れた付帯施設まで含めて利子補給の対象にしたいということできめたい、というふうに考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そうしますと、お話を聞いているとますます建築をしていく場合に隘路ができますね。大体農家の方、住宅を建てる方は住宅建設資金というのはまず持ってない、宅地造成費から借りていかなければならない。いまの答弁によりますと、適当なものさしがあって、そのものさしにかなえば、必ず建築費全額利子補給の対象にしますという答弁ならこれはいいのですが、いろいろ省令で条件をつくって、実際その建築費に近いところで対象にいたします、こういう答弁ですと、やはり何か従来のやり方が、いつも対象になるのが低いですから、実際この建設にかかったときに利子補給の対象が、限度額が下げられたりそれから余分な負担金が出てきたりということで、実際その建築が始まったときに、農家の方に余分な苦労をかける問題が残ってくるのじゃないか、こう思うのですがね。ひとつこれは法の運営のあり方ですから、ただいまもうこんなたいへんなときに、農家の人も背に腹は変えられなくて、新しい方向に転換するのですから、できればその要望に乗っかるような、そういう運営のしかたを包括的にきめていただきたいと、これは私の要望ですが。  それで時間もまいりましたので、最後の点、いまの問題で、どこでチェックするのですか、金融機関と国との契約の段階でチェックするのですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) そのとおりでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そうしますと、実際にどうなるのでしょう。建設が始まってから利子補給の契約ができるのか、建設を手がける前に、計画の段階でこの話がきまるのか、この点はいかがです。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 先ほどの御質問と合わせてお答えするような形になりますが、確かにお話しのように、農民の方それぞれ家をお建てになった経験のない方が新しい住宅をおやりになるわけでございますので、いろいろな問題あろうかと思います。したがいまして、そういった点についての事務的な指導なり、そごがないように、事業の実施にあたって考慮するということを、われわれも考えております。  それからいまの問題でございますが、国が金融機関に対して利子補給をいたしますので、農民の方は、こういった制度があるということをお知りになって、したがって自分の持っている土地に住宅を建てたいという気持ちをお持ちの場合に、金融機関と金融の交渉をされるわけでございますが、そのときに金融機関側で、こういった条件でこういったものを建てるなら金をお貸ししましようという条件づきの契約と申しますか、要するに一応の金融の承諾を与えるというかっこうになりまして、その承諾に基づいて金融機関のほうから国に対して、利子補給をしてくれという申請が参って、それで国でそれを審査して、利子補給しましょうという契約ができた場合に、初めて金融機関は農民の方に具体的に金を貸す。こういう形になると思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 じゃ申し合わせの時間が来ましたので結論に入りたいと思うのですが、大臣新しい方向でこういう施策を考えられた、住環境のいい建物、それからまた適当なる家賃、またその農家の方が次の生活を目ざしていく、所得を上げていく、こういういろいろな面から今後の法律を考えられたわけですが、ちょっといまお伺いしていても、何かこう心配な点が出てくるわけです。それからまた先ほどの茨城県の伊奈村の例と比較するのはいけないと、こうおっしゃいますけれども、乗っかった線路によって自分の収入が大幅に違ってくるというふうなことも、これはまずいのではないか。またさらに今度は建設省のほうでは緑農住区ですか、この構想も持っておられて、またそれにこれがいまの利子補給が入っていくというお考えもあるようですが、それらのことで、とにかく農家の方が先祖伝来の土地を、いわゆる農業から変わって見なれない分野に入っていくのですね。経営には全然自信がないわけです。借り手がなかったらどうするかという心配までしていかなければならない。いわば農家の方にとっては一大冒険を展開するわけです。そういう面での国の保護といいますか、アドバイスといいますか、そういうものは非常に大事だと思うのですが、大臣のひとつ方針を伺いたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 確かにそういう初めての経験であるし、しかもいままで農業ばかりやった人が、めんどうくさい仕事だと思うのです、ある意味において。そこで、これはどうしてもその地区の農協のお世話が必要だと思うのです。これは、先ほど来管理の問題も出たけれども、なかなか個人ではやり得ない。そういう関係で、農協が相当てこ入れし、また農林省のいわゆる農住政策とタイアップしてやって、こういうような形で、まずこれは経営ができるかできないかの判断がそこに出てくると思うのです。そうして今度は、先ほど来いろいろ問題になりました関連工事等もなかなかこれはたいへんなことですから、できるだけこれは私のほうの都市局あたりがめんどう見て、いまの区画整理組合あるいは街路等も、市街化区域でございますから、いずれはやらなければならぬところですから、街路のお世話をするというようなことで、農林省を中心とする農業金融機関あるいは単協の、おそらくこれらの人はみんな農協の、組合員なわけですから、そうして、今度収入——入ってきたものもちゃんと預金しておかないと、次からどんどん使ってしまえば、あとの償還とかあるいはいまの金利計算だって、百姓は自分ではなかなかやり得ないのです。だから、私は、実際上の管理は地元の農協にお願いして、家賃の徴収から、それから税金のこととか、大部分がこれは農協の世話でやるようにしないと、とても今度このために一つの組合をつくってその経費を負担して、人件費等といったらなかなかできぬと思うのです。そういう意味で、十分地元の農協とも連携をとらせながら、御指摘の不安の点はできるだけなくして、とにかく彼らには土地を提供して、とにかくこういうものにひとつ方向転換して、その結果が住宅政策におれは参加したという程度のことでないと、何から何まで自分がいまの民間のアパート経営者みたいな形でやるということはなかなかむずかしいと思いますので、十分気をつけて指導をさせます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 ちょうどいま管理の話が出たのですけれども、私も、ほかはだいぶいろいろ聞かれたので、住宅を建てるほうの援助についてはこの法律きめているのですけれども、しかし二ヘクタール、二百五十戸以上というような規模で貸し家が建つということになれば、当然これは管理をどうするかという問題が出てきます。これは大臣がいま言われたような意味での農民自体直接管理の能力はないと言うと悪いけれども、そういうあれだからというような、そういう意味だけでなくて、たとえば今度そこに入っている居住者との関係で管理の問題が出てくる。これらについてどういうふうに考えておるのですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 先ほど大臣からお答えいたしましたとおりでございまして、この管理の問題、いろいろございます。しかし、公団住宅あるいは公営住宅等の管理と違いますのは、所有者が大体の場合は現地におられまして、直接自分の持っている住宅に目が届くところにお住みになっているのが通常の条件であろうと存じますので、そういった面では公団住宅、公営住宅等の管理とは若干違った条件のもとで管理が行なわれる。いい面で言えば血の通った管理といいますか、入居者と持ち主との間の対話がスムーズに行なわれるということも考えられます。そういった面で必ずしも公団住宅の管理等とは同一の問題ではないと考えますが、ただ先ほど大臣がお答えいたしましたように、持ち主の方自体がそういった住宅管理の問題について経験のおありになる方ではございませんので、そういった面についての技術的な指導あるいは管理上のいろいろな技術的な問題点についての協力なり、助言というものが必要だと考えますので、われわれ公共団体を通じてそういった面についてももちろん、努力するつもりでございますが、この場合は農協等が現在、いろいろなそういった面についての努力をいたしておりますので、そういった機構も大いに活用いたしまして管理面の問題を解決していく、所有者の負担をできるだけ軽くしたいということで努力するつもりでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そういう面で、この資料でも一番終わりの紙を見ますと「モデル設計」という形で出ていますけれども、これだと一つの小団地ですね、そういう形になる。そうすると、当然みんなで共同利用する部分の管理なり費用負担ということが問題になるわけですけれども、その点では農協でもそういう問題に備えて、農協がサービス会社でもつくったらという話も出ておるように聞いているのですが、そういう面はどういうふうに考えておりますか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 確かにお出しいたしました資料、これはわれわれの理想としております、希望といいますか、姿でございまして、こういったものができればわれわれとしてはありがたいわけでございますが、なかなかこういった姿にはならないかと考えますが、こういった近い姿で団地経営をやりたい、するつもりでございます。したがいまして、こういった理想的な団地ができました場合に、個々の農地所有者の方に全体の管理についてお互いに相談してくれろと言いましても、なかなかうまくいかない、こういう実態がございます。現在、農協等で考えておられますのは、農地所有者に共同管理組合のような総合組織をつくらせまして、そこでつくっていただいた組合なり法人なりで管理していく、ということを考えておられるようでございます。したがいまして、われわれといたしましても、そういった方向でこの管理を実施したらいいのじゃないかと考えておりますが、ただ、実際のいままでいろいろ農業関係者とか、あるいはこのシステムが発足いたしました場合に、私もやりたいという希望者の方がございますので、そういった方々のいろいろな御意見を伺っておりますが、なかなか共同管理組合というものをつくって、それに管理を全部まかせるというのはむずかしいようでございます。したがいまして、そういった方法が一つの方法。それからもう一つは、こういった団地ができました場合に、棟ごとに所有者が変わるという例がございます。御提出いたしました資料では、七棟住宅となっておりますが、これは一棟一棟別々の所有者になる。こういう姿が従来の農民の方の性向なり何なりを考えてそのほうが適当であろうという御意見も、農協内部におありのようでございます。したがいまして、そういった区分けができます場合には、個々の方々が一棟一棟建てて一棟一棟管理していくという姿もあり得る。あり得るというよりも、そういったほうがいまの農民の意識の実態からして、スムーズにいくのではないかという御意見が、農協関係その他におありのようでございまして、そういった御意見も十分参酌いたしまして、できるだけ管理がスムーズにいくようなシステムを考えていきたいということでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そういうことですけれども、民間の貸し家ですね、結局。そうすると、これはいまの借地法、借家法ですか、あれ以外には貸借関係、そういうものを規定する法律というのはないんじゃないですか、ありますか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 御承知のように、主体は建物の賃貸借関係でございますので、借地借家法、これが主体でございます。ただ先ほどちょっとお話出ましたように、地代家賃統制令等ございまして、それがこの場合は適用にならない。ただ、御質問の趣旨よくわかりませんが、先ほど申し上げましたように、地代とか家賃とかいろいろ規制がございまして、持ち主と入居者なり、土地の借り主との間の合意ということが大前提でございます。これがやはり相当強くその後の契約関係を縛るというふうに考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そこんところですね。個人の一戸建ちの家とか小さなアパートが何軒かあるという程度なら、家主と個人の契約でやっていけるけれども、中層なり何なりの、一つの棟にしても相当大きなものができるし、そうすると、共益部分というものが当然そこに出てくる。そういうものについて一体どうするのかということになると、いまの借家法だけのあれではできないこともないだろうけれども、非常にぎくしゃくしたものが出てくるだろう。そこで私、この管理の問題で、具体的な例としては、そういう団地を経営して管理の問題でいろいろ苦労しておられるのは、これ住宅公団なんです。公団の方来ていますか。——じゃ、ちょっといまいないそうですからね。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) ちょっと速記やめて。   〔速記中止〕

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 速記始めて。

春日正一日本共産党

○春日正一君 公団のほうにお聞きしますけれども、四月から共益費を上げるということでいろいろ問題があるようですけれども、どういうような問題がありますか。

林敬三日本住宅公団総裁

○参考人(林敬三君) 御承知と存じますが、この住宅公団がいま管理しております賃貸住宅団地というのは六百二十五ございまして、そうしてその中でやはりどうしても物価高の結果、共益費を変えなければならないのが百十九団地でございます。そのうち値上げをする団地が八十四、値下げをする団地が三十五というようなぐあいでございまして、ある程度の維持の方法というものが前年度あたりに思い切ってできましたときは、翌年度はかえって値下げをするというようなところも出てまいっておるのでございます。そこで、現在まあ八十四——値下げのほうは問題ございませんが、値上げのほうの八十四についてそれぞれ私のほうの管理を担当いたしております当局が、管理事務所が主でございますが、いろいろと団地の代表の方々とお話をして納得をしていただくと、こういう努力を続けておるのでありますが、いまなおやはり数個団地につきましてまだ話し中であって、結末に至ってないという状況でございます。  まあいま御質問の、どういう内容が問題点なのかということでございますが、それはもう団地によりましていろいろでありまして、まあしかし大きく言うとある程度のパターンがありますが、まあいろいろとそれぞれの方がそれぞれに考えられ、それぞれの気持ちを持っていらっしゃるので、こう一言にして申し尽くせないのでございますが、宮地管理担当理事から補足してその点を申させていただきます。

宮地直邦日本住宅公団理事

○参考人(宮地直邦君) いま総裁が申されました、どういう点について議論があるかという点でございますが、大きく分けましては、一つは共益費というものはどういう性質の費用であるかというような点についていろいろ御質問がある、もう一つは共益費の内容について積算の基準等を明らかにしてくれと、こういう御主張、あるいはまた共益費のこれは内容に入りますが、一部において公費の負担のほうが適当じゃないか、こういうふうな主張と、こういうふうなところに大体の議論は集約されるかと存ずるのでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 もう少し具体的に言うと、私もう時間がないからこっちで調べたの言いますけれども、東京の三多摩の八団地では、都が汚泥処理に補助金を出すことになったけれども、その額がまだきまってない。値上げ額には補助がない前提で費用が見込んである、ところがまあ公団のほうでは一戸当たり二十円程度だからまあそのままのんでくれというようなことを言っているので、それはのめぬということでひっかかっているというような問題があるというように聞いておりますし、それから武蔵野の緑町ですか、ここでは団地内の街灯電気代、砂場の砂の補充代を市が補助金を支出できるという問題があるので、これまあ値下げしてくれという問題がある。それから小平では汚泥処理、水道検査料等の問題で自治会から提案が出されて、目下検討中で、近いうち結論が出るだろう、こういうような形で、そういう具体的な問題についていろいろな不満があり、そうしてそれがなかなか一致しないと、そこの土台にいまあなたの説明された、たとえば共益費というものを公団がこの規則でいわばきめてですね、そうしてまあ押しつけてくると、どういう計算でやったのか、どうなったのか、こまかいあれですね、報告というようなものがされないし、しかも出てくる役人は質問をいろいろされると、はっきりした返事しないで帰って行ってしまう。そういうような状態が何回も繰り返されるものですから不信が起こるということになっているわけですね。  そこで私も、まあ小平の団地の例ですけれども、これ千七百戸だそうですけれども、これについてお聞きしますけれども、この防犯灯補助金、砂場の砂の補充の金が小平市から支出されることが明らかになって、値上げはまあ二百二十円に修正されたということなんですけれどもね、この補助金の出るということは、ずっと以前から市役所のほうでは公団から領収書さえ出してくれれば、それに応じて市役所としてその分は支出するという話になっておって、自治会のほうからその領収書を出してくれというふうに求められておったのを、公団はそういうことを聞かずに、住民の負担ということでやってくれという方向をとってきた。だからこういうふうなやり方をすれば、当然住民から見れば、まあ市民税払っているわけですから、それで公共施設として市役所のほうで金を出してくれるというのに、公団のほうはそれはかまわずに共益費を取っているということになれば、公団から税金を取られているような感じを受ける。そこらに問題があるんじゃないかと思うんですが、どうですか、その辺。

宮地直邦日本住宅公団理事

○参考人(宮地直邦君) いまの共益費の中に入っている費用が一部関係市町村のいわゆる公費負担になります場合におきましては、一般論といたしましては、われわれのほうにおきましてはそれだけ共益費の減額要素になることは当然だと思っております。ただ、ただいま申されました小平市の場合は、まだ一部街灯、砂場等につきましての議決が終わっていないために、まだ未決要素が入っているためにそういうことだと思いますが、早い機会に、われわれのほうの通帳作成に間に合いましたならばそれは減額要素と考える。なお、年度途中におけるこの改定は、これは著しく困難です。それは金額及び通帳一冊打ち直すために相当の費用がかかります。それと減額する費用との相関関係において、私のほうは現在管理事務費等の赤字がありますが、考えたいと思います。  それからなお第二点の積算の内容ということは、その概要は計画において示し、決算において御説明いたしておりますが、一部の方の御要求が積算単価と申しますか、われわれのほうが業者に発注するその予定額がわかるようなものにつきましては、これは公団の内部といえども関係者以外秘のものでございますから、これまた御要求いただきましても示し得ないことになりますので、その趣旨を御了解いただきたいと思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 まあそこがえらい問題だと思うのですけれども、この問題は最後のところへ持っていくとして、もう一つ、小平の団地の問題で、団地内の下水処理場の汚泥の処理ですね。これについて公団は団地サービス株式会社に委託しておいでになる。そうしてこの団地サービスから大東精運への二重下請をやって、それを認めておるわけですけれでも、この問題について私のほうでも調べてみたんですけれども、清掃法第十五条では、「特別清掃地域内においては、その地域の市町村長の許可を受けなければ、汚物の収集、運搬又は処分を業として行ってはならない。」、こういうことになっておるんですね。団地サービスは小平市の許可を受けておりますか、私は受けてないと聞いておるんですけれども。

宮地直邦日本住宅公団理事

○参考人(宮地直邦君) 団地サービスは現在市のいわゆる指定業者ではございません。したがって、運搬もいたしておらないということでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そうすると、公団が団地サービスにその仕事を出すということは、公団自体が違法を承知で出しておるということですね。当然団地サービスが仕事ができないんだから、そこの地元の団地サービスが外注に出しておる大東精運ですか、これは許可を受けておる業者ですね。それに直接出せばいいのに団地サービスに出して、いわゆる建設委員会でよく問題になる一括下請ということをやって、トンネル会社的なことをやっているから、住民から見ればそこで幾らか高いものについているということが問題になるし、法律的に言えば、許可を受けてないものに公団が委託したということになれば、これは違法じゃないかという問題も出てくる。そこらはやはりはっきりさしたほうがいいんじゃないですか。

宮地直邦日本住宅公団理事

○参考人(宮地直邦君) 汚水処理をいたしますについては、清掃法、現在は法律が変わりましたけれども、それを引き継いだ法律によって、一定の技術能力のある者に限定されておりまして、そういう者の養成を団地サービスにおいてはいたしておりまして、この清掃に関する限り団地サービスは全国的に最も能力を持っておる団体の一つになっております。で、公団は汚水処理を総括的に団地サービスに委託いたしまして、そうして汚泥処理の運搬のみを、これは小平市におき二ましては水道条例によりまして指定業者でなければできませんので、その部分の委託をして、汚水処理全般の管理業務の一部を委託して下請に出しているということです。いま申されましたようなトンネル機関というふうな状態には、経理内容におきましても、利益をここで取っているというような状態にはございません状態を、御了解いただきたいと思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 私も了解できないし住民もなかなか了解していないようですが、そこでもう一つ最後の問題ですけれども、こういう問題がなぜ起きるかという問題ですね。あなたのさっきのことばで言われてもそうだし、ここの賃貸契約書の規定を見ましても、この共益費という問題について、やはり非常に大きな意見の違いというか、それがあるし、公団のとっている立場にはやはり私は無理があると、そう思うんですよ。たとえばこの公団の賃貸契約書によりますと、「共益費」というところ、第七条の第五号で「その他賃貸住宅がある団地内の居住者の共通の利益を図るために、甲が特に必要であると認めたものに要する費用」と、こうなって、公団が必要と認めさえすれば何でも取れるということになっているんですね。それからその次の第二項のところでは「前項の共益費の額は、甲が定めるものとし、甲は、物価の変動又は附帯施設若しくは賃貸住宅の敷地の改良等を理由として、共益費の、額を変更することができるものとします。」こういうふうになっているんですね。つまり共益費を上げるも下げるも、どうきめるも、どの程度のものを必要対象と認めるかということも、公団の支所長が一切の権限を持ってきめるということになっている。ところがそれではなぜ共益費を家賃と区別しておるのか、明らかに家賃というのは、個々の住宅についての賃貸料としてこれは取られておるんだし、共益費というのはむしろ共有部分ですね、団地内の。それの維持管理、そういうものに必要な費用ということになっておるでしょう。そうすると当然これは個々の家をどうこうという問題じゃなくて、公団敷地内の芝生であるとか通路であるとか、いろいろな共用の施設であるとかというようなものを維持したり補修したりというようなことになるわけでしょう。そうしますと、一般市民の場合でも、たとえば街路灯であるとかあるいは先ほど言った砂場の砂の補充であるとか、あるいは公共部分の清掃であるとかというようなものについては、直接金を取られないで市役所が市民税でもってまかなってやっているわけでしょう。そうすると公団の住民もやはり市民税を払っている。そういうことになれば、ほかの部分では市役所に道路の清掃から補修から全部やってもらっておるのに、公団の敷地の中だけは治外法権で、二重に税金を取られるということになる。この点で考え方の問題として、そうやって市役所は税金を取ってそういうふうにやっておるけれども、しかしここには地方自治というたてまえがあるんですね。住民は自分たちの議員を選び、自分たちの市長あるいは町長を選んで、それで直接すぐというんでなくても、とにかく自分たちで選んで気に入ったようにやらせていくという監督権を持っているわけです。しかし、公団の共益費の場合には、それは何にもない。一方的な天下りだ、何ら監査されない、そこに問題がある。つまり住民の自治というものを、あれだけ大きな団地だから認めなならぬ。私も、ついでだから言ってしまいますけれども、そういうところからもっと小さな単位にしても、たとえば町内会という単位を考えてみても、いまではやはり区役所なりそういうところから若干の補助金つけてもらって、そして共同の生活環境を守るような補助的な役割りをしていますよ。そうしてあそこではやはり防犯灯つけてくれとか何とかいうことは、町会の費用でつけてもそういうような自治的なものとしてやられておる。それが日本の国の全体のシステムになっている。ところが、公団のお城の中では公団が天下りにやってきて、そしてある場合には追ん出すとか水道とめるかというような強行をやってくる、そういうようなことも起こってくる。だからそこらの辺ですね、住民の自治ということをもっと認めて、住民が自発的に自分たちの住んでいる環境を良好な状態に保とう、守っていこう、そのためにはこのくらいの負担はしようがないじゃないか、出そうじゃないかという気持ちにしていくシステムが必要じゃないか。そこのところ、その辺、公団どう考えておりますか。

宮地直邦日本住宅公団理事

○参考人(宮地直邦君) 第一点の家賃と共益費の御理解は先生と同様にこれは、家賃はその専有部分の対価である、共益費はその以外の共同部分の維持管理の費用である、こういうふうに考えております。で、共益費において払うものにおきまして他の団地外の住民と違ったような公費的な負担というものが起こりましたときには、それはわれわれもまた入居者の方々の御意見も尊重し、市——自治体と相談いたしてそういうもののないように努力はいたしておるところでございます。なお、契約書第七条の五号につきましては、この規定によりまして公団は何でもできるように、こういうふうに御理解をいただいたんでございますが、実は、この条文はそういうふうな誤解を招くことはございますが、実はある団地等におきましては何でもかでも共益費を出すからやってくれ、こういうふうな要望も出てくる、そういうふうなまた要望が起こってきた時期もあったんです。そのためにこの第五号というのは、特に従来の関係を明らかにするために書きまして「甲が特に必要」と書きましたのは、何でもかでも認めるんではなくて、公団といえども共益費は制限的に共同の利便に関するもののうちでも制限的に解釈しようという趣旨において「特に」と書いたんであって、もし先生の御意図のようでありましたら「特に」はなくて、公団の必要と認めるものはやると書けばいいことでありますが、その辺の範囲が特にあらわれている。「特に」という文字の入れた点において、決して公団が独善的にものを運ばないという趣旨をあらわしておるのであります。なお共益費の一部分に、いま先生の申されたような町内会的性格もあります。しかし、全くもう直接的に家賃に接着したような性格もございます。そういう独得の内容を持っておりますので、ことにその町内会的性格もありますので、われわれといたしましては契約書がこうあるというのでなくて、契約書の条項というのはこれは裁判規範でございますから、こういう表現にならざるを得ないと思いますけれども、実際の運営にあたりましては、そういう入居者の方々の意のあるところを十分体しまして、その計画等も説明をいたしてこの実施にあたっているようなものでございまして、単に法律条項がそうであるから、一方的にきめるということは、われわれの意図いたしているところではございません。もちろん自治会等がございまして、公団でいろいろの活動をされております。われわれ公団の財産を管理する一方におきましては責任がございます。また他方におきましては、御承知のように公団の住宅というのはああいう密集した形をとっておりますから、一つの制約がある。そういう意味において管理をいたしておりますが、そういう問題に触れない限りにおいて自由に活動していただくことを念願し、またわれわれはそういう自治活動に対して、積極にも消極にもタッチすることは適当でないと思っております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 その答弁、私言っているのは、ここで特にどうするとかかってにする気持ちがあるかないかということを聞いているのじゃなくて、この契約書を見れば共益費というようなものは公団がきめ、範囲もきめ、金額もきめて出してくると、そうしてまあ途中で変更はめんどくさいから困る、公団の都合で言えばそうでしょう。しかし納めるほうからいえば、途中でかりに安くなったとすれば、なぜ返さぬかという問題は当然常識として出てきます。ところが公団の都合が悪いからというような答弁ですね。公団の都合だけを中心にしてものを考えている。だからさっき私が言ったのは町内会でもそうなんじゃないか、あるいは自治体としての市民の権利としてもそうじゃないか。ところが一番近代的であるべき公団の建物の中で最も専制的な管理がやられておる、一方的な。そこに問題があるのじゃないか。そこを私言っておるので、だから、そういう管理のしかたをしていくところに非常な不信があるし、それから、さっき言われたように区別がつかないという問題も、住民の不信の理由になっているわけです。どこからどこまでが共益費の部分なのか、どこからどこまでが家賃部分なのかということは、区別がつかないようなものがある。たとえば芝生の手入れというようなものでも何でもちょっとばかりあれしたところは、共益費で直す、少し大きくなれば、これは公団の管理費のほうで直すから家賃部分で直すということになるでしょう。そうすると、同じ芝生のこれくらいのものは共益費だ、その倍か三倍になれば、これは家賃だというような、どこに区別があるんだ。非常に恣意的にやられるのじゃないかというような不信も住民にある。だから、私が言っているのは家賃だけ払っていれば、それはかまわんじゃないかということではなくて、大きなあれだけの団地なんですから、当然良好な住環境を保とうとすれば、共同していろいろやらなきゃならん部分があるのだけれども、それを住民が納得して、さっきの話で、ふやしてくれというところがあるからと、こう言われた。まさにそうなるようにならなきゃならんものなんだ。ところが実際にはそうなっていないところに、さっき言われたようないろいろなトラブルが起こってくるでしょう。だから、それをそういうふうにしていく気持ちがあるかどうか。これは総裁にお聞きしたほうがいいと思いますが、どうですか、その点は。

林敬三日本住宅公団総裁

○参考人(林敬三君) いまお述べになりましたことは同感でございまして、私どもも契約にこう書いてあるから、だから、権限があって、強制するというような気持ちで初めから出て、そういう態度で出るということは、絶対にやらないつもりでございます。なお、しかし、そういう御質問があること自体、これは至らない点があるのではないかということは、十分私ども係り員ともども反省をして、今後遺憾なきを期してまいりたいと存じます。しかし、さっきも宮地理事から申しましたように、家賃でというのは専用部分に対するものでございます。共通の廊下とか、広い芝生とか、ああいう共通のものは、これは共益費でまかなう。そこで、団地においても共益費にずいぶんの金額の違いがあること、団地の姿が違いますために起こるわけでございます。それから、そこにあります自治体というものが、また千差万別でございますし、ずいぶん行き渡ったことをしてくださるものと、全く非常にその点薄いという場合もありまして、いろいろとそうなればやはり公団としては、一定の妥当な水準に、お話しのように住環境を維持していくというために、この共益費をいただいてこれを維持管理していく。公団の持つ財産であり、施設であり、これを住民の方に提供して共同で使っていただくもので、その管理の責任を持っておりますわけですから、そこで最善を尽くして誤りないようにしていきたい。もちろん、市民税なんかと二重になりますところはこれはもうお返しをするわけで、ただ年度途中になりますと、これはまあたいへんな数で動きがつきませんので、それはもし余りますれば翌年分でお返しをする。そのくらいのことは、これは全体の事務の運営からいきまして、かえって逆に費用が出てしまうような状態もあって、認めていただいて、そこはきれいに、きっちりした住民のための共益費によるところの共通部分の維持管理というものを一そう進めてまいりたいと、かように考えております。もう理想としましても、希望としましても、また当然の努力すべき姿としても、お話しのように、いやしくも不信感を持たれるというようなことのないように、そしてお互いに共同で暮らしているところはこの程度まではしかたがない、また必要なんだということを住民の方もみんな思っていただける、こういうおおむねの御納得——まあ特別の例外の方はいろいろございますが、御納得のいただくところで公団としてはきめてまいりたいという態度をとって、いまでも努力し、今後一そうまた反省をし、努力をしてまいりたいと思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 もう一つ。それで共益費と一口に言っても、これ日本国じゅう寄せると相当なものなんですね。この資料で見ますと、四十五年度で二十八億三千百万円ですか、それで団地サービスに下請さしておる金が十四億七千五百万円ですか、だから相当大きなものですね。一つの小さな自治体の予算に匹敵するぐらいのものは取っているわけですから、そういうものについて住民がやはり大きな関心も持つし、どういうことになるかということを考えるのはそれは当然だし、そういう点で、いま運営については住民の意思を十分尊重してということを言われたけれども、しかし、私は、これは制度的にもやはりこういう形でやっておって、それでこの条文があるからといって、最後のきめ手になれば、ぴしゃっと水道をとめるとか追い出すとかいう問題が出てくるのですね。私も一回そういうケースにぶつかったことあるけれども、だからそういう形じゃなくて、もう少しここを直す必要があるのじゃないか、そう思います。その点どうかということと、それからいまの共益費の問題で、話し合いのまだ途中で、四月一日になったからといってそういう折衝を打ち切って一方的に値上げを強行するというようなことをされるかどうか、その点を公団のほうにお聞きしたいと思います。  それからもう時間も尽きていますから私ついでに結論までお聞きしたいのですけれども、私こういう公団の問題お聞きしたのは、大臣、民間でも、この法律による団地ができてきますと、当然そういう共益部分に対する管理というようなものができて、農協でもサービス会社をつくろうというような話がある。ということになってきますと、当然この問題出てくるわけですね。だから、そういう意味で、公団はこうなっておって、こういう問題があるということで、まあ話のわかりいいためにお聞きしたのですけれども。だから、これをとって見ても、いろいろ複雑な問題があるので、まして、民間の団地ということになれば、これはもう借家法しかないわけですから、これでいろいろな問題を解決するということになれば、たいへんむずかしいことになってくる。そういう意味で、団地の住民の、そこを借りている住民の自治という点をはっきりさして、先ほど町内会の例もありましたけれども、そうして団地の住民が自発的にやる。それを管理するものとして協力もし、あるいは協力を引き出してやっていくような形のシステムにしませんと、民間の場合には、この問題一そう複雑にこんがらがってくるおそれがある。それはどうされたらいいか。そこで大臣のお考えを聞きたいと思うのですが、一度に聞きましたから、まず、公団のほうからお答えいただいて、大臣のお考えも聞かしていただきたいと思います。

宮地直邦日本住宅公団理事

○参考人(宮地直邦君) 従来の日本の賃貸住宅におきまして、共益費というような考え方というものはなかったわけでございます。公団の団地というような、こういう生活環境になりまして、共益費的な考え方、まあマンション等につきましては管理費といっているような、いろいろなところがありますが、いずれも、こういうものの独自の概念がやや自然に育ってくる。けさほどの御議論にも、委員長の御発言にもありましたが、自然発生的に、恒例的に出てくる概念でございます。そういう意味におきまして、われわれは共益費というもののあり方、その他につきましては、十分検討をいたしていきたいと思っております。  第二点、突然打ち切るかという問題でございます。先ほど来、総裁並びに私がお答え申しておりますように、われわれとしましては全力を尽くして多くの方の納得を得るよう努力を払ってまいりますことを、決して否定するものではございませんけれども、たまたま、従来の例におきまして、最終的に一部の方に納得を得られないというふうな不幸な事態が起こるのでございます。そういう場合におきまして、われわれ喜んでそういうことをするということじゃございませんが、賃貸住宅三十六万というものを管理しております段階におきましては、一つの型としてやる場合におきましては、やむを得ずそういうふうな措置、打ち切ってやるという意味ではなくて、公団がそうせざるを得ない立場に追い込まれたような場合には、そういう法律上の措置というようなことに至ることのあることを、まあこれは最悪の事態として御了承をいただきたい。決してわれわれさような事態を念願してやっておるわけではございません。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 実務に関することはこちらから……。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 共益費の問題、お話しのような点、いろいろあると存じます。ただ、全般的にわれわれ考えておりますのは、共益費につきましては、実際にかかった費用をいただくということで、これは住宅を所有し、管理している方々の当然の責務といいますか、今後の管理をやっていく上において必要だった経費を住民の方に払っていただくよりほかに手はないわけでございます。そこは契約にしたがいまして、共益費として、かかったものはいただく、これは当然のことだろうと思います。ただ公団という公的機関では、そういった面についてもできるだけ住民の意思を尊重したいということで、いまの契約などをお読みいただいてもわかりますように、住民の意思を尊重していくというのをたてまえにしてやっているわけでございます。ただ、今回提案いたしております農住につきましては、これは所有者が農地の所有者、農民でございます。したがって、共益費につきましても、やはり入居者と所有者が話し合いでおきめいただくという以外には、何ら規制の手はないというふうに考えております。まあ公団の共益費の問題とは若干質が違って、話し合いによってすべてはきまるというふうに考えております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 私、ちょっと予算のほうに行ってましたので、質問がダブるかもしれませんが、簡単に触れておきたいと思います。  この法案のメリットといいますか、ほんとうの政府の考え方というのは、水田の宅地化に重点を置いておられるのか、それとも特定賃貸住宅の建設が必要だからなのか、農地の所有者にあるのか、大体どういうところにウエートをかけておられるか、ちょっと大臣の見解を聞きたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) これは端的に申しますと、まず、やっぱり住宅政策にプラスになるということでございます。それは最近の都市、特に大都市におきましては、公営あるいは公団住宅のための土地を入手することが非常に困難でありまして、ややもすればずっと遠隔のところ、五十キロよりずっとこえたところまでいかなければなかなか手に入らない。これはどこに原因があるかというと、農民の方々はやはり土地に対する、所有権に対する執着が非常に強いために、売れと言えばよほどの高いものでなければ手放さない。ところが、そういうものを無理して買うというと、今度は非常に高くつくために、公的住宅づくりに非常に困難である。ところが今度は自分で自分の土地に相当の資金をかけて中高層のものをつくる、それには資金がない。それを今度は金融機関から借りてやるとすれば、利子が高過ぎてこれまたたいした利益にならない。そのためにこの土地の問題が非常に困難になっておる。そこでわれわれは農民の方々がどうせ今度線引きされた市街化区域には、農業を原則としてやり得なくなる。がしかし、農業もやれないし、その上に自分でも他になかなかいい転換がないという状況のときにあたって、この制度をやりますれば、自分の所有欲は満足させることができる。資金については農協から借りて、その高い利子分は政府が補助してやれば、まあかなりの安定した職業転換ができる。そうしてまた、そういうような地区にはまだまだ入居者がある、こういうふうな観点で住宅政策をまず第一に考える。  その次に第二点として、たまたま市街化区域に入ったところの水田は、実際上他に転用する方法はないのです、ほんとうは。したがってそこにはやはり水田を持っておって転換しなければならぬ農民が、一番私は線引きされたところの農家の中で一番苦しいところだと思うのです。そこでこれをまず第一に政府の水田転換という施策と平仄を合わせて、かつ水田農民をある意味において救済のできるという政策である、こういう観点でやったことでありまして、そのメリットはどっちに重点を置くかというと住宅政策に置くのだ。それから線引きされた農地の市街化を促進することができる、そうして水田の転換ができる、まあ大体そういうところがねらいでございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 一団地の面積が二ヘクタール以上、また住宅の戸数が二百五十戸以上、本法案による利子補給のそれが対象になるのですが、もちろん都市計画法の第一条に規定する市街化区域における都市の施設であると思いますが、都市計画法の第十三条第一項第三号で、都市施設は市街化区域については、少なくとも道路または公園及び下水道を定めることになると思うのです。その都市計画の一つの基準があるのかないのか、そういうことは予想しておられるのかどうか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) お話しのように、この法案で考えております事業対象に融資いたします場合に、一団地の面積が二ヘクタール以上、二百五十戸以上というふうに考えております。したがいまして、これはある程度の規模の団地でございます。そこで、これを市街化区域内に限ってやっていただくということになっておりますので、われわれ理想的な姿といたしましては、そこの区域の区画整理を都市計画法に従ってやっていただきまして、区画整理の中の一つの事業としてこの団地を立地させるということで、お話しの公共施設その他区画整理の一環として全部整備をして、その中で農地所有者が一団地を建てるという姿が理想であるというふうに考えております。ただ、そのとおりいかない場合がございますので、そういう区画整理事業の一環としてやることができない場合には、この団地経営そのものを都市計画事業として決定していただきまして、そういった関連工業施設の整備については都市計画で十分配慮していただくということを前提に、この団地を考えております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 その場合、二ヘクタール以上、二百五十戸以上ということになりますね。ところが三ヘクタール以上になるかもしれない。場合によって地域によっていろいろ構想が出ると思うのです。その場合に、二百五十戸建ててあとは要らぬのだということになれば個人の売買にこれはゆだねるのかどうか、その点はどうですか。開発はやったが、そこで二百五十戸は完全に建った。しかし予想よりも、大体二ヘクタールに対してそれ以上の山の土をとって埋め立てするということになれば、これが逆に三ヘクタールになるかもしれませんね、開拓する場所が。そういう場合に余った用地は個々の売買にまかすのかどうか、そういう点はどうですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) われわれが考えております一団地の面積が二ヘクタール以上、あるいは住宅の戸数が二百五十戸以上というふうに考えておりますけれども、これは住宅政策の要請から申し上げまして、そういった規模の団地、そういった規模の戸数以上でなければ良好な住宅環境が維持できないというところから、最低限をきめてこれ以上にしていただきたいということを申しておるわけでございまして、お話しのように、これがもっと大きな団地で、想定いたされます実際上の予想といたしましては、たとえば地方の住宅供給公社あるいは公団、それから住宅金融公庫の融資住宅等、公共的な資金を使って団地経営をしたいという事業者と、この法案によります事業者が共同でもっと大きな団地、たとえば百ヘクタールという団地をつくります場合にも、その中で全体について良好な住宅環境が維持できるという契約になっております場合は、その中の農地所有者の経営します団地住宅についてその利子補給制度を生かすということでございまして、したがいまして、その逆にもしこういった、これに適合いたします団地経営が行なわれまして、その利子補給を実際に実施いたしました後に、その周辺の土地が個人の自由の売買にまかされるということになりましても、この制度ではその点までは考えておらないわけでございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 それでまた下水道に対しては、公共下水道が設置されるところに限られると思うのです、実際は。その点はそうされるだろうと思いますが、もし都市施設に認定しないとすると、この良好な住宅環境とは一がいに言えなくなるのではないかという点が考えられるのですね、そういう点はどう考えますか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 先ほどお答えいたしましたように、都市計画として決定いただきましてその都市計画として建てるという場合には、当然そういった面の配慮も都市計画として考えて、そういった条件が充足しなければ、良好な住宅環境はできないのだということでやるつもりでございますので、この事業にあたりましては、そういった心配のないようにやりたいというふうに考えております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 法の第二条の第二項で、大都市及びその周辺の都市にかかる、都市計画区域にかかる市街化区域ですね、これに限定されて都市計画区域の線引きはどのような状態で進行しておりますか。それからすでに線引きが完了し、都市計画法が適用された地域で、市街化地域で、土地利用の形態はどのように分析されているのか、この点も伺っておきたいと思います。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 私、所管ではございませんが、都市計画の線引きは現在御承知のように作業進行中でございまして、年度内に八五%程度の線引きが完了するというふうに聞いております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 もう一つ。一団地の面積を二ヘクタールとしていますね。これ二百五十戸以上ということになると、特定の賃貸住宅、その半分を占めればいいことになると、こう言っておれらますな。その面積またその戸数は半分ということの残りの部分は分譲住宅にすると、こういうことですか。そういう点はどうです。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 残りの部分につきましては、特にこの法案で条件をつけておりませんので、分譲住宅でもけっこうでございますし、またあるいは他の事業主体による賃貸住宅が建設されても、一団地の住宅として全体が良好な住宅環境を保持できる計画になっておればけっこうでございますと、そういうふうに考えております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 そのときに、分譲住宅でもいいということになると、これは別途資金という問題もありましょうけれども、もし分譲住宅をつくるという場合はこれは地主がやるのですか。それとも、土地だけで売るということもあり得ると。そういう点は、土地持ち主の自由にさせておくのかどうか、この点はどうですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) その点につきましては、この法律で想定いたしておりますのは、この法律によって利子補給を受ける賃貸住宅が良好な住宅環境を保持できるということを一つの大きな目的にしておりますので、これと合わせて一団地を形成いたします住宅につきましては、特に条件はつけておりませんが、お話しのように、もしこれと合わした団地計画の中で、分譲されたためにその後の住宅環境が阻害されるという心配がありました場合には、団地計画全体の審査におきまして、賃貸住宅について利子補給をするかどうかという判断のときにそれも含めて判断するというだけでございまして、特にこの制度によりまして、利子補給を受ける賃貸住宅以外の土地につきまして、分譲がいいとか悪いとか、あるいは賃貸でなければいかぬというような条件は別につけておりません。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 そのときに、政府は指導の立場に立つだけなのか、政府の意見が強く反映されるのか、その点はどうですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 政府といたしましては、この制度によりまして建ちます住宅について、利子補給をするという一つの恩典を与えるわけでございますので、その限りにおきましては、指導力があるといいますか、いまのお話しのように団地の条件について審査をするということになると思いますが、利子補給の対象とならない住宅についてどうのこうのという指示なり指導なりは、政府としてできる範囲外でございます。ただ、先ほど申し上げましたように、利子補給をする賃貸住宅の条件が、良好なる住宅環境を保持できるかどうかということについてその一団地の計画について審査をして、それによって利子補給の対象についての住宅環境条件を審査するというだけでございまして、もし、この対象となります申請を受けた賃貸住宅の環境が、その隣にある分譲住宅によって非常に阻害されるという心配がある場合には、こちらの賃貸住宅について利子補給をしないということをきめるだけでございまして、こちらをどうしようということは少なくともこの法案では何も予想しておりません。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 そうすると、この間委員長が質問しましたように、二ヘクタールを中心とする二百五十戸の住宅ができて、さらに分譲地ができる。そうした場合に、その土地は、ずっと周囲は上がるかもしれませんね。そうでしょう、一つのそういう特定なものをつくるのだから、値上がりしますね。それには政府は何も関与できませんな。できませんが、一体、その値上がりの、政府が考えておる何かのそこに手を打たなければ、土地の値上がりは逆にこれ進行していくんじゃないかという気がするのですよ。この間委員長も質問をされましたがね、私もその点でそう思うのです。何でもないたんぼの中に二ヘクタールに二百五十戸の家ができて、そしてその周囲は、それができたためにますます発展してきて、そうして農地が高くなる。そうして今度は、買うのには五万円にも六万円にもなってどうにもならぬ。交通の便は非常に、この二百五十戸を対象として政府が金をつぎ込んでいろいろなものができてきたという場合に、まるで、なんですね、据えぜんですね。そういう値上がりが起こらぬとお考えになっているのか、私は起こると思うのだ。それに何にもやらないでいいか。まあ干渉もできぬとも考えますが、一体そういう点はどうお考えになりますかね、非常にむずかしいところだと思う。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 観念的に可能性を考えれば何でもいろいろ可能性が出てくると思いますけれども、おそらく私のいまの考えでは、そういう事態は非常にまれだと思います。大体二ヘクタール以上の土地でしかもその中に半分の水田が含まれておるということで、そうしてその上に、かつ金融機関が、端的に言えば農協資金がこれに融資するという条件のもとにこれはやるわけでございますから、したがって、これはその土地を持っておる農民の方と農協との完全なる理解の上にこれがなされていく、こう思います。したがっていまのように、こっちにいろいろの二百五十戸以上のものができた、あとはそれじゃ造成して売るということにする。その場合にも、これはかなりの資金をかけなければこれはできないことです。そうすると、そういう場合に、一体、片っ方のほうが土地の値上がりするのを黙って見ておれば、こっちのほうが非常に条件悪くなります。そうすると、農協は金を貸しておるのですが、自分がますます不利になるということです、これは。あるいは償還できないかもしれない。こっちのほうにやられてしまうということになると、私は、農協としては、やはりそれだけに分譲するというなら、むしろこっちのほうにも同じように規模を拡大して、二百五十戸の事業を三百戸なり四百戸にしてその土地を全体的に使うということになるのが私は必然ではなかろうか、こういうふうな感じがすると思うのです。そのときにあたってもう一つの可能性は、今度は、別に民間デベロッパーがその近接地を買ってやろうということになる。そうすると今度は、利子補給もしていないし何にもないから、うんと条件が悪くなります。そうすると、入居者のほうが、これは高いじゃないかということになるし、こういうようなことで、民間デベロッパーがそこに競争してまで、片っ方は利子補給していろいろの条件がいいなと、これを民間デベロッパーがやるということになると、よほどの人じゃないと私はそうないのじゃないかというふうに考えておるのです。しかし全然皆無とは言えない。皆無とは言えません。しかし、いまそれを押える条件をつけると、今度は立法措置が混乱してしまいましてこれはできませんから、そのときには私は、いま都市計画とか何とかでめんどうを見なければこれはできないことでありますから、こちらのほうはそういう行政的な手法でチェックというか、牽制することも可能であると思いまするので、これやってみなければわかりませんけれども、まあそうざらにそういう事態が出てくる、たとえば公団ができるとその周辺の土地がうんと上がる、それほどの影響はないではないかというふうな感じがしているのでございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 そこで、もう一つ聞きたいのだが、市街化区域で農地はどのくらいあるのか、それから水田はどのくらいあるか。千葉県と東京都を例にしてできたら説明してもらいたい、どのくらいあるのか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 大都市の周辺というふうに表現してございますが、現在具体的に考えております首都圏、それから近畿圏、中部圏、これのわれわれの考えております、三圏と申しておりますが、この三地区の圏内で水田は七万ヘクタールあるという数字になっております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 首都だけは何ぼあるんですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○政府委員(多治見高雄君) 首都だけで二万五千ヘクタール。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 そこで大臣に、これは私の考えが間違ってるかもしれません、私は専門家じゃないですからね。こういう点をおやりになるなら、いま労働省が持ち家制度を持っておるんですよ。これはだいぶ大臣も力になってやられたそうですが、私はそういうものとどうしてこれを並行的にやらないのかという感じがするわけです。いま農協が場合によったら損するかもしれんとおっしゃいましたけれども、地域平均のたんぼが現在百坪なんですね、百万するとまあしますか、それが三百万になり、四百万になれば、農協は金出すと思います。今度開拓やると思いますね。それから政府が利子補給をして、一つのそこに二百五十戸の都市をつくるために、利子補給までしてつくったために、その地価が値上がりする。今度それがべらぼうな値段になってきたから売る。一方、今度労働省は持ち家制度の貯金をこれからさせよう、そして持ち家制度ですね、できるならば金利の補てんをやって、そしてやらせようと、こういうお考えになっておるんだね。これなぜ二つ結びつけないのか。したがって、二百五十戸の二ヘクタールという考え方をしないで、広範な都市をつくる、二百五十戸はその地主の権限におけるほうだが、一方持ち家制度の開発をやるんだと、こういう行き方が私は正しいんじゃないか。そうすると、先ほど大臣も、まあ適確な、私は考えが誤解だったとは思ってないのです。もっと広域なものを日本の政府として考える、あまりにもばらばらじゃないか、こういう感じを持つわけです。私はこれ悪いとは言いませんよ。悪いとは言わないけれども、せっかく持ち家制度の貯蓄をさせて、これからやろうとするならば、そういう地域の買収を早くするとか、あるいは土地貸与と言ってもいいですがね、売らぬというなら貸してもいいですよ。そこへ持ち家制度を持ってくるとか、何かもっと方策があるじゃないかという感じを私はしているんです。この点どうですかね、大臣。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) まず第一に二百五十戸と限っているのではないのです。最低限度二百五十戸ということですから。これがもっと、これは五百戸になっても、もっと多くなってもこれはかまいません。問題は労働省の持ち家政策は家を持たせるということで、その持ち家のときにはいまの状況ではどうしても土地も持ちたいという観念につながっているわけです。ところが、農民のほうは土地は売りたくないんだ、こういうところに問題点がある。それで、もしこれが農協との話で、地代を取って賃貸でいいということになれば、それは幾らでもわれわれのほうでこれをやっていく過程で労働省と連携をとってやれますけれども、農民はそれではどうもおもしろくないという気がどうもあるようなんです、打診してみると。スライドして上げるということになると、いま必ずトラブルです。いま借地借家法によると、これはやっぱり借りたほうが強いんですよ、どうしたって。そうすると地主のほうがとてもそれは、そんなところに貸すということはいやだということになる。そうすると、結局観念的には土地を貸してやれということは、他の生産業だったらメリットがあってできるけれども、家を貸すということになると、なかなかこれはむずかしいのじゃないかと思います。しかし、それは全然絶無だとは言えない、それはそういう可能性があるというのだったら、これは農住政策をやる一面において、農協等とも通じて農家の人々にも働きかけて、労働省の持ち家政策にタイアップできるものならば、これは大いにわれわれも指導、誘導していきたいと、こう考えます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 どうも大臣は持ち家制度は簡単にできるようにお考えになっておるような気がするんですよ。この間の新聞じゃないですけれども、東大の教授で明治生まれの人が十三人かおやめになった。その人の意見を聞きますと、九百万円足らずの退職金だと言いますね。むろん年金はある。したがって、まだ働けるからいままでの給料の半分かせいで、年金でいままでの生活ができればいいところだと、不可能だろうと、こう言っておったと思うんですよ。いま九百万円で大臣おっしゃるように土地までほしいというけれども、実際は日本のサラリーマンじゃ土地は買えないんですよ。この現実をどうお考えですか。それは売るほうもなかなか売らないですよ、価格が上がるまで待つんですよ。ところが建てるほうも日本のサラリーマンじゃ最高大学教授が一千万円足らずの金をもらって、いま土地を買うて、自分が住えるような家ができるとお考えになるところに問題がある。そこで大臣、私はちょっと横道に入りますけれども、あとで御質問申し上げますが、持ち家制度に非常に骨をおっていただいたそうですが、これは私も聞いておる。  労働省にちょっとお聞きしますが、大体労働省がこの積立貯金に対する金利は何ぼ見ておられるのですか。

藤繩正勝労働省労働基準局賃金部長

○政府委員(藤繩正勝君) 今度提案をしております勤労者財産形成促進法案におきましては、一般的に勤労者が多く現に貯蓄をしておる。しかしながら一般の銀行等ではなかなか住宅ローンに還元されていない状況でありますので、特別のシステムでこれを貯金をいたしまして、できるだけ多くいま御提案のような持ち家制度等に還元したいという趣旨でできているわけであります。そこで、貯蓄をいたします場合には、これは通常の銀行でございますとか相互銀行、信用金庫、労働金庫等々と、貯蓄契約をいたしますので、その金利はそれらの金利によるわけでございます。で、恩典といたしましては、通常の小額貯蓄の利子の非課税の別ワクとして、さらに百万円につきまして、利子の非課税を施そう、かような内容でございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 その金利は幾らのつもりですか。

藤繩正勝労働省労働基準局賃金部長

○政府委員(藤繩正勝君) したがいまして、勤労者に銀行が払います金利、これは通常の銀行預金の金利になるわけであります。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 普通の。

藤繩正勝労働省労働基準局賃金部長

○政府委員(藤繩正勝君) はい。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 たとえば七分四厘四毛とか、五毛とか、普通ですね。

藤繩正勝労働省労働基準局賃金部長

○政府委員(藤繩正勝君) さようでございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 そうすると、これは利子補給をすることになっておりますな。この利子補給というのは、いまおっしゃるように雇用促進事業団が利子補給するでしょう。これは利子補給しようとする金は幾らですか。

藤繩正勝労働省労働基準局賃金部長

○政府委員(藤繩正勝君) 仕組みを少し御説明をさしていただきますと、一般勤労者が広くそういう形で金融機関に貯蓄をいたします。それで勤労者の貯蓄というものがはっきりいたしますので、これを雇用促進事業団にできるだけ持ってまいりまして、そうして雇用促進事業団から事業主またはその団体あるいは日本勤労者住宅協会等に持ち家分譲資金として貸し付けよう、こういうことになっておるわけでございます。  そこで、金融機関等から雇用促進事業団が調達いたします場合、これはできるだけ協力を願うことにいたしておりますけれども、まあいままでの前例からいたしまして一定の水準がございます。まあ八分四厘、五厘等の水準がございます。で、それで借りてまいりますけれども、それでは高うございますから、そこで今度は貸し出す場合には、やはり同じような似たような制度と均衡をとりまして、まだ決定はいたしておりませんが、現在のそういった類似の制度で見ますと、まあ大企業なら七分、中小企業六分五厘というような貸し出し金利になっておりますので、その程度の金利で貸し出していこうというふうに考えております。  なお、実際に今度は事業主等が建てまして分譲する場合に、さらに事業主がこれに手を貸すということで金利負担をするということも考えられますので、現実に勤労者が事業主から譲り受けて割賦償還をしていきます場合には、さらに低い金利になることが予想されます。そこで雇用促進事業団が金融機関等から借りまして、そして貸し付ける場合に逆ざやになりますので、その差を利子補給をいたしたい。具体的にまあ七分がどのくらい、六分五厘がどのくらいというウエートの関係もございますし、正確な計算はまだいたしておりませんが、まあ一分五厘ないし二分程度の逆ざやは生ずるんじゃないか、その程度は利子補給をしていかなきゃならないんじゃないか。政府は雇用促進事業団に出資をいたしまして、その出資金の運用でその逆ざやを見ていこう、こういう考え方でございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 これ、いま何ですね、この事業団に出資をされているのは一般会計から一億、それから失業保険特別会計から五億ですか、四億ですか。

藤繩正勝労働省労働基準局賃金部長

○政府委員(藤繩正勝君) 五億でございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 五億ですか、で、六億円ですな。

藤繩正勝労働省労働基準局賃金部長

○政府委員(藤繩正勝君) はい。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 そこで、七分四厘四毛の普通銀行の金利を払うということに——これはもう銀行に預けるんだから、そのとおりだと思うんですが、もし積み立てたお金で持ち家をつくろうとした場合の金利は、借りる場合にはどれだけのつまり金利を払うのか。

藤繩正勝労働省労働基準局賃金部長

○政府委員(藤繩正勝君) 勤労者が自分の持ち家を持つ方法といたしましては、御承知のようにいろんな方法がございまして、最も通常の場合には住宅金融公庫から借りる場合でございます。これは五分五厘で借りるわけでございます。いろんな形で自分の貯蓄をおろしてそれを頭金等にして、まあ建てるであろうと思いますが、この貯蓄を利用して雇用促進事業団から貸し出しをいたしました場合、これは先ほど申し上げましたように事業主、またその団体あるいは日本勤労者住宅協会に事業団から貸し出すわけです。それが六分五厘あるいは七分という金利で貸し出します。そこで事業主等は持ち家を建てまして、勤労者に分譲してまいります。普通の場合はおそらく割賦分譲になるだろうと思います。その場合に、できるだけ企業の協力を仰ぐように法律に義務規定も置いておりますので、そこで企業がさらに幾らかの利子補給を見てくれますれば、六分五厘よりさらに低い金利になる。通常の場合先生御承知のように、最近では相当の企業で持ち家援助をいろいろやっております。そこで、今度の法案でも雇用促進事業団が事業主等に融資をいたします場合、必ず事業主のほうで何らかのそういう援助をするということを条件にいたしております。そこで実際は、少なくとも住宅金融公庫等の金利とそう変わらない程度の金利で割賦償還ができるというふうに持ってまいりたい、というふうに思っているわけでございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 そうしたら労働者の個々の者に対しては金利の助成はないわけですな。銀行に預けておる七分四厘四毛が百万円たまったとするなら、税金は利子に対してつきませんけれども、今度は足らないから二百万円借りようと、ローンから。あるいは事業団から借りてもいいわけですが、借りようという場合のその金利は六分五厘で貸すのか七分四厘四毛で貸すのか、それはどうですか。そこで分かれてくるわけですね。何分で貸すかによって利子補給を事業団がやるのかやらぬのかということがわかると思うんです。建てる人は一体何分で借りるのか。

藤繩正勝労働省労働基準局賃金部長

○政府委員(藤繩正勝君) 先ほど申しましたように個々の勤労者が自分の持ち家を持ちます形は、住宅金融公庫から借ります場合が通常でございましょうし、いろいろな形があると思うのでございます。この勤労者財産形成促進法では、財産形成の対象といたしまして一般貯蓄とそれから持ち家というものを考えておりまして、貯蓄は何も必ずしも持ち家を持つための貯蓄だけではない。およそ勤労者がいろいろな形でほとんどの勤労者が貯蓄をなさっておりますので、その援助をしようということになっておるわけでございます。そこで持ち家のほうの融資は個人別の融資は住宅金融公庫等の系列がございますからそういう形をとりませんで、雇用促進事業団から事業主等に貸し付ける、そして事業主あるいはその団体あるいは日本勤労者住宅協会が持ち家を建てます、そうして分譲していくと、こういうことになるわけであります。そこで先ほど御説明いたしましたように、雇用促進事業団が金融機関等から調達いたします場合の金利と、それから事業主等に貸してきます場合の七分ないし六分五厘との金利の差を、政府が雇用促進事業団に出資をして金利補てんをしていこうとこういうわけでございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 したがって、先ほど言われました六億円の出資を政府がしているけれども、それで利子補給が実際にできるのかどうかという考え方を私は持つわけです、六億円くらいで。場合によっては事業団が家をつくることもあるんでしょう。事業団自体がやる場合もあるんでしょう、出資をして。それはあるんですね。

藤繩正勝労働省労働基準局賃金部長

○政府委員(藤繩正勝君) 現在のところでは雇用促進事業団が直接持ち家を建設するということには考えておりません。先生御承知のように雇用促進事業団は従来からいろいろな社宅あるいは移転就職者用の宿舎といたしまして、財投の資金をもっていろいろ建設をいたしました。これはこれで従来どおりますます拡充をしてまいりたいと思っておりますが、今回の持ち家につきましては、先ほど申しましたようなルートで事業主等に貸し付けをしていくということを考えているわけでございます。  そこでいまお尋ねの六億円ばかしで十分な利子補給ができるか、こういうお話でございますが、実はこの勤労者財産形成貯蓄は昭和四十七年の一月一日から税制上の恩典が動き出しますものですから、実際に資金がたまりますのは実は少し時間があるわけで、昭和四十八年度程度から実際には動き出すであろう。そこで当面まあ非常にわずかな金額を出資をいたしております。これはいまのところ運用しておきまして、そうして利子補給に備えるわけです。しかしながら財産形成貯蓄がたまってまいりますれば、当然貸し出しの規模あるいは持ち家建設の規模は拡大をしていくわけでございます。それに必要な利子補給に要する出資もまた拡大をするわけです。それはむしろ今後の予算の問題として処理をいたしたい。私どもは相当大きくなってまいるだろうと考えております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 大臣、この問題はですね、私は労働者の貯蓄奨励の一つだと思うのです。建ててもいい、建てないでもいいという考え方ですからね。また社内貯蓄という問題もあるわけです。しかしこれはたな上げにいたしましてもですね、私は農協法の場合は個人に利子補給をやるんです、早く言えばね。個人の地主に利子補給をやっておるわけです。そしてできた住宅は、今度は逆に集団で貸与することができるのです。あるいは一つの社宅になるかもしれません。二十五戸あるいは四十戸のビルができたとするならば、集団で貸すことができるというあなたの答弁ですから。そうしますとある会社が近くにあって、そうして社宅に利用したいからひとつうちに、自分のところに貸してくれぬかといったら、これも貸す幅があるのだから貸すでしょう。そうすると住宅を建てる地主にはどのくらいの補給をやっておられるかというと、大体五分五厘の利子補給をやっておられるでありませんか。片方の労働省が言っている貯金奨励だと言っているけれども、持ち家制度という名前をつける限りにおいては、私はそれはおかしいと思う。持ち家制度の意義をどこに求めるかによってこの法律が生きるのであって、場合によっては貯蓄してもいいのだというなら、いま社内貯金していますよ、また、持ち家制度していますよ、労使で協議をしている。多いところでは九分五厘、持ち家制度を確立するために労使で協議して九分五厘の利子を出していますよ、どんどんそれでできるわけですね。ただし、宅地という問題になってくると、大臣、これはないのですよ。私は、持ち家制度という名前をつけるからには建設省の——貯蓄奨励なら労働省でけっこうです。しかし、労働省でやられてもいいけれども、大臣も力を入れておやりになるなら、もっと個人の地主に対して利子補給するなら、労働者に対する利子補給の限界をもっと明らかにしてもらわなければ困るね。これは大事です。一農民に利子補給しておって、労働者が家を建てるというときには八分五厘なり九分五厘の金利を借りざるを得ないのですよ、こういう片手落ちはないです。だから、貯金奨励だとおっしゃるなら、私はそれでけっこうであるけれども、持ち家制度の法案だということになれば、このくらい片手落ちはない。建設省という名前がつく限りにおいては、私は少なくともこの問題については——趣旨か悪いというのじゃありませんよ、趣旨はいいけれども、建設省はそれでいいのかと私は言いたいですね。大臣どうですかね、この点。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) これは、まず第一に間接的には農民、地主に利子補給したように見えるけれども、これは個々の農家には利子補給はしないのです。これは金融機関にやるのです。要するに、これは農家自身を救済するわけではなくして、入居者の家賃を上げないための施策です。そこにちょっと高山さんと私のほうの解釈が違う点があるのです。それからもう一つは、労働者の財産形成のあれで、貯蓄ができます。そうして、それはいろいろお話ありました雇用促進事業団でこれはめんどう見てやるということで、私はかなりこれは土地造成なんかにあっせんしてやるということもできると思うのです。たとえばいま住宅公団は分譲住宅やっています。これは土地つきです。家もできております。それに対して、もし雇用促進事業団あるいはいまの勤労者持ち家政策の貯蓄としてそれがたまってくれば、これで転用できるという道もあると思いまして、私は何と申しますか、勤労者が持ち家を持つというためには、いろいろな方法があっていいと思うのです。これは、いまの公庫の貸し付けも、これは勤労者がうんと使ってもいいけれども、やはり私が労働省と相提携してやったゆえんのものは、勤労者個人のみならず、企業者自身、勤労者をかかえておる企業者がもっと勤労者のために財産形成なり、そのうちの特に住宅について、ただ単に賃金を上げさえすればあとは関係ないのだということじゃなくして、やはり自分の従業員に対して、企業自身も家を持たせるための積極的な協力をしてほしい。これは建設省だけでできない。やはりこれは労働省が腰を入れてやることによって可能だということでありまして、かなりの多種多様な手法が行なわれていいではないか。住宅問題だから何でも建設大臣といっても、なかなかこれはなじみませんので、それで私はやはりこれは労働省が企業と十分に協力しながら持ち家を持たせるということが、私は労働政策として非常な前進である。また、企業もこれによって相当な安定ができるというふうに感じている次第でございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 最後にしますが、大臣のお話聞いていると矛盾があるのですね。それならいわゆる持ち家制度じゃなくても貸与制度ということで政府が利子補給をして、そうして一個人の地主にそれをまかせるのじゃないんだと、こうおっしゃるならば、どうして会社の社宅のような集団的なものを入れているのですか。これは会社に事業団で、いわゆる雇用促進事業団が金貸すのだから、そこから金を借りて会社は社宅をつくればいいじゃないか、そうでしょう。ところが一方は、農村の農地を利用して、これから建てるというやつも集団で貸りることができるのでしょう、社宅の役目をするのです。ほんとうにもっと個人が持ち家制度の買えるというのは公団しかないわけですね。いま福祉協会がやっておりますよ、これは非常に安いですよ。安ければいいのですよ、私は。大臣おっしゃるように、安くするとおっしゃるならば、私はいいけれども、労働省のいまの考え方では、貯蓄してローンを借りて、十五年のにしてもいい、二十年のにしてもいい、こういうお話ですね。いま十五年や二十年も金利を九分も払って持ち家制度をやっていたら、その人はたいへんですよ。幾ら長くても五年、五年以上長期かかったらいかぬですよ。五年で支払うくらいの能力があるならば、持ち家制度で買ってもよろしい。そういう問題を考えてくれば考えてくるほど、一方は間接的に住宅の不足をまかなうためにやるとおっしゃるならば、私は集団には貸すべきではない。それを一般に安く政府が利子補給までしてつくるわけですから、安く一般の労働者にそれを貸す、一般の市民に貸す、こういう行き方にするならばいいと思う。そして雇用促進事業団がつくる場合は、これは雇用促進事業団から金を借りて、会社が積み立てた金と両方で家をつくって、個人なら個人のものにすればいいじゃありませんか、二つともどっちか幅があって。それなら非常に経営者の都合のいいことになって、個人の持ち家制度というのは、労働省の案は全くしり抜けだ。私はドイツの法案も見ました。しかし、そこまでは持ち家制度は、日本の労働省がいま考えておるのが、一夜にドイツのようにいけとは言いません。けれども、いま利子補給をやろうとしておられる考え方、労働省が持ち家制度をやろうという考え方が、あまりにも会社の社宅的な要素の居住者に限ってくる、持ち家制度にならない、こういう点を心配するわけです。持ち家制度という名前をつける限りにおいては、私はやっぱり持ち家制度のシステムをもっと深く入れるべきだ、建設省として。この点をひとつ大臣にお願いしておいて、お考えはどうか、ひとつ最後に聞かしてください。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) まあ、いろいろの考え方があると思います。しかし私は、これが一つの勤労者の持ち家制度の第一歩でありますが、これで万全であり、これ以外に絶対ないということもないと思います。これは初めての試みでありますから、十分これは運営の結果、改善することがありますれば労働省と建設省と十分協議をし、あるいはまたこれは税法上の問題も相当あります。したがって、大蔵省についても私は十分にこれは協議して、そして、とにかくいま何といっても日本の国民にとって最大の問題は、勤労者にとっては家を持ちたい、持たせるということです。幾ら賃金が上がったとかいろいろGNPがどうこうといっても、やはり、働いているときに家を持ち、老後に安定した家を持つということが最大の問題でありますから、その解決のためにいまいろいろの、これは端的に言えば試行錯誤があると思います、これだけ逼迫していますから。しかし、それをいろいろやってみた結果が、今度は隘路もはっきりし、また改善の道も出てくる。そうしたものをすなおに受けとめて改善していかなければならないと思う次第でございます。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 私から最後に申し上げますが、いま各委員の質疑並びに私が午前中に申し上げたこと等も勘案いたしまして、建設大臣はもう住宅政策はお離しになることなんです。労働省がやっている手法もいいじゃないか、あれもいいじゃないか、これもいいじゃないか、六種類にもわたる住宅政策というものはそれぞれ利害得失がある。また原資を異にしており、今日の社会機構というもの、これを全部をそんな混乱させたところの住宅政策というものでいいんだというお考えならばこれは相当お考えにならなければいけません。私は常々住宅政策というものは国民に平等に、持ち家であろうと賃貸であろうと居住する権利があるのでありますから、一つの意思から生まれなきゃならぬと思うんです。したがって、もうこれからは住宅庁あるいは住宅省でもいいです、専門にそれをやるという中央官庁ができなければ、ますます混乱するばかりです。したがって、この点はこの法律案そのものも一つの手法にすぎません。したがって、この機会にどうか実現可能とか不可能とかいうのじゃなくて、国民との対話の中から最良な方途を見出して総合的な立案をすることを私は希望します。午前中もいろいろ申し上げましたけれども、それがいいんだというお考えならば、あなたはもう住宅政策の欠格者ですよ。国民の求めているものはそういうものでないんです。その点どうか御勘案願い、またお考え願うことをお願い申し上げます。  他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますから、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

上田稔自由民主党

○上田稔君 私は、ただいま可決になりました農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案に対し、各派共同提案による附帯決議案を便宜私から提出いたします。まず案文を朗読いたします。    農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨    時措置法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当って、左の諸点につ  いて配慮し、その運用に遺憾なきを期すべきで  ある。  一、特定賃貸住宅は、都市計画に適合した公共   施設および利便施設の整備された居住環境の   良好な一団地として建設するよう指導し、国   または地方公共団体は必要な援助をはかるこ   と。  一、農地等の所有者が、その農地を転用して行   なうことに鑑み、特定賃貸住宅の管理につい   て適切な助言及び指導に努めること。  一、特定賃貸住宅の建設に当っては、農林省に   おいて調査研究している農村住宅団地建設計   画と十分な調整がはかられるよう指導するこ   と。   右決議する。  以上でございます。何とぞ御賛成くださいますようお願いいたします。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) ただいま述べられました上田稔君提出の附帯決議案を議題といたします。——別に御質疑もないようでありますので、これより本附帯決議案の採決を行ないます。  上田稔君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 全会一致と認めます。よって上田稔君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し根本建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 委員各位の御熱誠なる御審議に対し、まず心から感謝申し上げます。  ただいま御決議がございました農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案に対する附帯決議につきましては、政府といたしましても御趣旨を尊重し、その運用に遺憾のないよう措置してまいりたいと存じます。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十五分散会

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