決算委員会 第14号
- 発言数
- 117 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/05/17
会議録
○委員長(森元治郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 本日、菅野儀作君が委員を辞任され、その補欠として中津井真君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(森元治郎君) 昭和四十三年度決算外二件を議題といたします。 本日は、前々回に引き続き、締めくくり総括質疑を行ないます。佐藤総理大臣が出席されましたので、これから総理に対する質疑を行ないます。 なお、理事会におきまして、総理に対する質疑時間は、答弁を含めて九十分ということに決定いたしておりますので、非常に窮屈でございますが、委員の皆さんの御協力のほどをお願いいたします。また答弁される総理のほうにおかれましても、中身を十分含めて、しかも簡潔にお願いいたします。 それでは御質疑のある方は順次御発言を願います。
○和田静夫君 まず阪口司法修習生の問題でありますが、自分の意思というよりは、例の新任を拒否された不新任の司法修習生の問題で発言が許されれば質問をしてみよう、そういう前日の修習生の打ち合わせ会の決定によって静かに発言を求めた。何ら修了式を混乱させたなどという事実はない。打ち合わせ会議で阪口君が選ばれたというのは、阪口君の世話好きの人のよさを示すものでこそあって、罷免される筋合いのものとは私は思われなかったのでありますが、総理はこのことについてどうお考えになっているか。 また私は、第二に、当日現場に居合わせた何人かの人から話を聞きました。それによれば、いつも来ていたはずの三人の来賓も来ておらず、式次第さえなく、阪口君が発言を求めると、何らの制止行動もなく、話し始めるとすぐ終了宣言が行なわれています。あれはもう明らかに裁判所側の予定の行動であったということになろうと思うのであります。そうして阪口罷免のあった後の石田最高裁判所長官の唯一の発言は、私は君より国を憂えているというあの名文句であります。そもそも行政府、立法府から独立をした司法、裁判官の立場というものは、みずから「かっかする主義者」であってはならないと思うのであります。真実であれ、虚偽であれ、憂国の情といったもので突っ走りがちの政治家——行政府や立法府を冷静な目で見詰めるくらいのものであるべきであろうと私は思います。その点、裁判官を一度もしたことのない事務総局から佐藤総理が最高裁長官をお選びになった。こういう人事というのは、私はミスキャストであったのではないかといま思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの最終的な問題だけについて最高裁長官を選んだのはミスキャストだ、こういうふうなお話のようですが、私はさようには考えません。政府がやっていることは正しかった、さように思います。
○和田静夫君 昨日一斉に、一昨日かの下田最高裁裁判官の新潟における発言が報道されました。この発言は御存じのとおり、体制側に裁判官というものは常にいなきゃならぬ。体制側に批判をする者については裁判官をやめてもらうのは当然だ、こういうような形の発言になっておる。この最高裁裁判官も佐藤人事だと、こう言われているのでありますが、これも私はたいへんなミスを犯されておるのじゃないかと思うのですが、反省はございませんか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 人事についてこれを私、責任ある地位で処理したのでございまして、別にただいま間違っている、かようには私思っておりません。ただ、この際申し上げておきますが、三権分立のたてまえから私は行政の長でございますので、裁判の実際のあり方等について、とやかく意見を述べることはいろいろ誤解を受けますから、これは差し控えたいと、かように思っております。ただ、私の責任において行なった、それは当然私自身に責任があることです。それははっきり申し上げておきます。
○和田静夫君 総理は、現石田最高裁長官、それから吉田事務総長の間に黒いうわさがあるということを御存じですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 知りません。
○和田静夫君 私は、ここに第十九回国会衆議院決算委員会の議事録を持っています。昭和二十六、七年当時、石田現長官は事務総局次長をしており、吉田事務総長は経理局長をやっておりました。大阪家庭裁判所庁舎の建設をめぐり、鹿島建設との契約をめぐって、最高裁判所は会計検査院から不当事項の指摘を受けています。これは会計検査院から受けているので、私が言うのではありません。随意契約にしろ最高裁の水増し見積もり額がなぜ鹿島側の独自の見積もり額と一致したか。これについて最高裁側は何ら説明をしないまま、事務総局次長、経理局長といった職責にあった二人を責任もとらせずに転出をさせてしまっているわけです。これでは、この二人に黒いうわさが立って当然ではありませんか。このような要素がある人を、事柄も事柄、司法府の最高責任者の地位に置いておくことが、先ほど来ミスはなかったと総理はお答えになったのでありますが、適当であるというふうにはどうしても判断ができません。いかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 当該事案については私自身全然承知しておりません。したがって、先ほどお答えしたとおり、知りませんと、かように申したのですが、ただいま仰せのごとく何かここに不正があると、それは究明しなければならぬ、かように私は思います。
○和田静夫君 先ほども申しましたように、この事実の指摘は検査院がなしているわけであります。したがって、当時の議事録を読んでみても、岸上最高裁説明員は経理局長の責任において答弁をいたしております。したがって、総理はこの事実関係についてまあ知らないとお述べになったのでありますから、ぜひ調査をされて、この指摘について事実関係が明らかになれば、当然最高裁の長官並びに事務総長について責任を明らかにさせる、こういう措置をこの機会に求めておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 決算報告は決算委員会において十分審議されたものではないかと、かように思います。その決算委員会で決議された事項について、あらためて私がとやかくすると、これは少し行き過ぎじゃないか。ただいま和田委員の言われるように、不正があると、かような疑惑があるならば、これを明確にされるほうが本筋じゃないか、かように私は思います。
○和田静夫君 いや、そう言われますならば、繰り返さざるを得ませんが、二十六、七年当時のこの事実について、第十九回国会における論議というものの中で、いま触れましたように、答弁は明確にされないまま、言ってみれば残されているわけであります。残されているものが、後ほど出てきて、国政全体に対して言ってみれば検討をする機会を持った私たちが、過去にさかのぼって当然にそれを検討してみるということは許されることであって、そのことを総理は否定をされるということにはならないと思うのであります。そういう観点に立って私は申し上げているのであって、したがって、いま総理が言われましたように、事実関係を知らないとお答えになったのでありますから、その点はお調べになるということは、当然私たちが求めれば求める側に決して不適正はない、私はそう言わざるを得ないと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 和田君、私の言っていることを誤解されては困りますが、皆さん方がそれだけのものを取り調べる権限をお持ちじゃないか。その決算委員会がまずおやりになるのが当然だろう。政府は政府としてもちろんその事態を明らかにいたしますけれども、政府はただいままでの審議の結果、この決算で結論の出たものを重ねてやろうとは考えておらない。だけど皆さん方はそれをいつでもやり得る権能を持っていらっしゃる。その立場でやはり決算委員であられるのじゃないか。かように私は指摘したわけです。別に私どもが拒んだと、こういうわけじゃありません。皆さん方御自身でやろうとすれば、やれることじゃありませんかと。
○和田静夫君 私のほうは、継続的にこれを取り上げていきますが、言ってみれば総理の側としても、知らないとお答えになったわけですから——しかし、こういううわさがあるし、指摘をされたことがあるんですから、そこにさかのぼって調査をされながら、言ってみればわれわれの調査について対応をしていく。そういう姿勢はあってしかるべきであろう。私はそう申し上げている。それはいいわけでしょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私も同感です。十分政府は政府として調べます。
○和田静夫君 次に、佐藤総理は、過ぐる十日の自由民主党の第九回参議院選挙対策全国会議で、自民党が党議できめている自主憲法を直ちに制定することはできないが、党議できめたことを実行するためにも参議院選挙で勝ってもらいたいと述べられたそうであります。確かに総理はこれまで現行憲法は国民の間に定着しつつあるので、私の在任中には改正しない。こう言明されていたはずであります。そこでお尋ねをいたしますが、総理の真意は、現行憲法が国民の間に定着しつつあるので、さしあたりは改憲を考えるべきではないということであるのか、それとも国会内に改憲勢力が足りないので、当面はできないが、参議院選挙にでも勝って勢力が十分になれば、すぐにでもこれをやりたいということなのか、はっきりおっしゃってください。
○国務大臣(佐藤榮作君) 衆議院段階でもしばしばこれは答えたのでございますが、まあ政党というものは何によらず、すべてのものについて基本的に掘り下げて検討すること、これは当然ですからお許しがいただけるだろうと思います。ましてや憲法のような基本的な問題について、これはしょっちゅう検討されるということは望ましいことだろうと、かように私は思います。 ところで自民党は、結党以来自主憲法を持つ、こういうことを党員同士、また国民に向かっても約束をいたしております。したがいまして、そういう意味のことはぜひとも検討が続けられるという、こういう意味において理解されてしかるべきだろうと、かように思います。私は、しかしなかなか、ただいまの状況から申しまして、定着しつつある憲法、これを改正するということは容易なことではないと、かように思っておりますので、私の在任中にはさような事態は起こらない、かように思いますけれども、しかし、とにかくあらゆる機会に、われわれの結党の基本的な態度、その精神は国民の理解を得るように、一そう努力すべきだ、かように私申しておるのでありまして、別に、いままでのところとやかく言われる筋のものではない、かように思っているわけであります。
○和田静夫君 いま言われましたように、佐藤さんが総裁をしておられる自由民主党は自主憲法の制定、すなわち憲法の改正を党議としてきめていらっしゃる。そして、佐藤さんはその党議を実行するために参議院選挙で勝ってもらいたいとお述べになった。とすれば、今度の選挙に佐藤総裁は改憲の意思を国民の前に明確にして臨むべきであろうと思うのです。それが一党の総裁としてのフェアな態度ではないかと私は考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 選挙を戦う上におきましてはいろいろの問題がございます。もちろん基本的な自民党の基本方針でございますから、それらのものが当然国民から批判を受ける、こうあってしかるべきだと思いますが、直接その問題をひっさげて選挙を戦うかどうか、これはひとつ私のほうにまかしておいていただきたい。よろしくお願いいたします。
○和田静夫君 一党の総裁が、非常に基本的な国の問題について、選挙で避けられることにはならないだろうと思うので、なるべく明確にされて戦われるということがフェアだろうと思います。それを私は強く期待をしておきます。 二月の閣議で承認をされました天皇、皇后のヨーロッパ訪問、これは外向きは万博期間中に日本をたずねられた諸国元首に対する返礼であると説明をされていますが、国民は非常に高齢になられた天皇の健康を気づかいながら、デンマーク、ベルギー、イギリス、オランダ、スイス、西ドイツ、それぞれ数日間しか滞在しない。こういうたいへんな日程、何万ものカメラフラッシュにさらされる、こういうあわただしい消耗的な御旅行に、なぜ派遣されるのだろうかと率直な疑問を持つのであります。一説によりますと、同じ閣議で他の決定もなされているように伝えられます。つまり、この天皇の旅行を通じて、天皇の地位について規定した憲法条文を改正して、それをバネに全面的改憲に乗り出そうという、そういう方向というものが確認されたかに伝えられるのでありますが、そういう事実が一体存在したのでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまお尋ねになりましたような事実は全然ございません。私は、陛下が国際親善のために訪欧したいと、こういう御意向であられるなら、たいへん私ども国民といたしまして、このことを実現さしてあげたい、またそういう意味で政府自身が御協力申し上げる、これは当然だと、かように思っておりますが、ただ、いま和田君も御指摘になりましたように、御高齢であられ、たいへん窮屈な御旅行ではないか、この辺を十分考えるべきだ、こういうことは申してございます。また、そういう意味で、侍医自身からもいろいろ陛下の御日程、御旅行の全体についての意見なども出ております。したがいまして長い御旅行は、これは御無理だろうというので、ただいまのような御旅行の日程がようやく決定したのであります。そういう際でありますので、ただそのことだけは私どもも十分注意をいたしておりますが、その問題といわゆる自民党の持つ基本的な自主憲法の問題これを一緒にしていくような、そういうようなことは絶対にございませんから、これは御安心をいただきます。また、さようなことがあってはならないと、かように私も考えております。
○和田静夫君 過日、名古屋高等裁判所が、御存じのとおり、地鎮祭行事に対して違憲の判決を行ないました。公費を神主に支払う、そういうような形のものは違憲であると明確にされたわけであります。したがって、今後考えられることは、政府関係の公の庁舎などの建設に当たって、言ってみれば、神主による地鎮祭が国費の支出を伴って行なわれるということは違憲性を持つと、こう思います。総理は、今後の一切のこれらの行事において、名古屋高裁の判決を支持されて、その上に立った、言ってみれば、形でこれらの行事を進められる御用意がありますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 名古屋高裁ですかで地鎮祭等についての判決があった。第一審は津地裁の判決があった。——これは私も新聞で読みまして、なるほどこういうことがあるかなと、実は意外に思ったようなことであります。したがいまして、今後われわれも十分こういう事柄については理解のいくようにしなければならない。どうこうする、こういうことはただいま申し上げませんが、十分気をつけて行なうべきだ、かように思っています。
○和田静夫君 十分に検討されていくということですか、行事は行なっていくということですか、いまのような形で。
○国務大臣(佐藤榮作君) いまの名古屋高裁でやられたそれが、まあ最終的な判決かどうか、そこらにも問題があります。したがって、いま私、地鎮祭そのものについてもいろいろの意見のあることを念頭に置いて、これから地鎮祭をやるような場合には、そういう問題が起こらないようなことをくふうして、考えるべきじゃないかと思っております。私は、どちらかといえば無宗教に近いほうの考えですから、そういうことにあまりこだわらないで、いままでやっておることが普通許されるのか、かように思っておりましたが、裁判の結果はなかなかきびしいものが出ているようです。しかし、まだ最終決定とまではいかないのではないか、かように思います。そこらも考えながら、それまでに問題が起こらないようにくふうすべきじゃないか、かように思います。
○和田静夫君 高裁の決定ですからね、非常に権威あるものとしてやはり理解をしながら対応するという、そういう姿勢というものがやはり求められてしかるべきだと思うんです。そういうことはやはり強く要望しておきたいと思います。 過日、ニューヨークタイムズは、日米間に核兵器の日本通過をめぐる秘密協定が存在するというのが伝えられて、そうして日本政府はこれをすぐ否定をされた。あるいは衆議院沖特委などにおける最近の連合審査等においてもこれが否定をされているようでありますが、まあ総理が否定をされても、アメリカの軍艦やあるいは米軍機が日本に立ち寄るときだけ核をはずし、どこかに置いてくるなどということが一般の常識に反することはもう明らかであります。国民の疑いは、単に否定をされたというだけでは、絶対に晴れないと思うのであります。それとも、一部指摘をされていたように、ニューヨークタイムズにああいう記事が出たということは、はっきり核抜きの証拠を見せてしまうと抑止効果がなくなる、そういうことが考えられたアメリカ政府の高等戦術である、そういうふうにお考えなのか。私は、総理が秘密協定の存在をどんなに否定をされても説得力を持ち得ない状態に、いま申し上げたような論理に立てば、あると思う。説得力をもって否定できるただ一つの道というのは、日本が核拡散防止条約を即時批准することだと思うのであります。総理は、核拡散防止条約即時批准のため、努力をされるおつもりかありませんか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 核拡散防止条約、これは御承知のように、われわれが核の平和利用においておくれをとらないように、その保障を取りつければ、核拡散防止条約はもちろん批准すべき段階だと、かように思っております。そういう意味でこの問題と取り組んでおるわけでありますが、ただいまのところ、その問題はその問題として、その前のニューヨークタイムズのあの記事そのものがやはり国民に非常に不安を与えたということですが、私は、アメリカ政府も、日本政府も同時にそのことを否定しておりますので、さような点について私は新聞記事を云々とは申しませんけれども、特にその出所等も明確でないそういう記事について、その信憑性は十分疑問を持ってしかるべきじゃないか、かように思いますし、私は、ニューヨークタイムズの記事のほうが政府声明より、アメリカ政府声明よりもより高く評価される、こういうところにまことに不満なものがあるのですが、私は、国民自身がおそらく政府声明のほうを確実なものであると評価してくれるだろうと、かように期待するものであります。
○和田静夫君 総理の決意はわかりましたが、ニューヨークタイムズによりますと、アメリカの上院外交委員会がこうした協定の存在を知っているように伝えられます。今秋の米国の議会における沖縄返還協定の批准時にあるいは事実が明るみに出るかもしれません。その事実がきょうの答弁に残念ながら相違する、こういうことになった場合、仮定の問題には答えられないと言われればそれまでですが、総理には責任をとる御用意がおありになろうと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 総理大臣はただいま政治の最高責任者ですから、あらゆる事柄について責任をとるのは当然であります。一つの問題に限られてとやかく言われるまでもなく、全体の責任についてみな自分が責任をとる、こういう考え方でおる、かように御理解を願いたい。
○和田静夫君 最後に、日中問題について若干の質問をいたします。 佐藤総理からはっきりした御答弁をいただきたいと思うのでありますが、総理は以前、自分の在任中は日中関係の改善というものはあり得ないと発言され、後にその発言を取り消されたようでありますが、率直なところの心境というのは、日中国交回復の意思があるのかないのかということ、その点が国民の一番知りたいところでありますから、まず伺いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) どうも和田君のお尋ねは、どういうように理解していいか、皮肉なる質問か、あるいはそれとも真意を確かめようというのか、たいへん私も迷うのでありますが、私はもちろん隣同士の国、そういうものとは仲よくする、かようなことをいつも言っております。また、あらゆる機会に、日本は平和に徹する、同時にまたいわゆる仮想敵国を持たない、こういうことも申し上げております。したがいまして、その政治形態がよし違おうが、また社会形態が違おうが、そういう国とも仲よくする、これが基本精神でありますから、ただいまお尋ねになりましたように、中共とも仲よくするのかしないのか、その辺をはっきりさせろと言われれば、どうもあれだけことばをすっぱくして申し上げておることが、まだああいうような質問をはね返される、まことに意外に思います。それでただいまのように申したのですが、したがって私は、本来基本的には仲よくするのが当然だと、かように思っております。しかし、日中両国の間には幾多のむずかしい困難な問題がある、それほど両国の間にはいままでお互いに相互理解に欠くるものが非常に多いのじゃないか、かように私は思っております。そういう意味からまだまだ問題を片づけるということは、積極的な姿勢をとらない限り片づくものではないと思います。私が、この前の国会で、在任中云々の問題を取り消したのもそういう意味ですし、私がいかにも解決はしないと、かように申しますと、もう努力しないかのようにとられる。そのことは私の真意じゃない。私はなかなかそう簡単に、早急に解決される問題とも思いませんけれども、あらゆる努力をする、こういうので、もと申しました事柄は取り消すと、私は積極的な姿勢でこの問題と取り組む、こういうことを実は申しておるわけであります。そこらを誤解のないようにお願いいたします。
○和田静夫君 中国卓球団の副団長であった王さんは、自由民主党の佐藤さんのあとの総裁争いに顔を出すと言われるような大物クラスにまでお会いになっておられたようでありますが、この中国側の一連のいわゆるピンポン外交について、総理はどのような判断を持たれているのか、お聞きしたいのであります。日本の佐藤政権のネット越しに展開された米中ピンポン外交、私は、これはある条件が設定された中で展開されたと考えます。その条件は何であったか。私は、日本卓球協会の後藤会長が中国の政治三原則をのんで台湾チームを世界卓球大会からオミットしたことだと思うのであります。そして、それを承知で参加した米国の卓球チームも、この中国側の条件設定の軌道に好んで乗ったわけです。だからこそ中国は米国チームを北京に招待したわけでありますし、この事実は見落とすことができないと思うのです。この事実を見落として米中ムードだけに感触的に便乗して野田武夫さんを特使とする北京派遣などをきめてみたところで、私は何も出てこないのではないだろうか。佐藤総理は、最も重要であるべき外交の原則というものを忘れて、論理なきムード外交を展開しようとされているのではないかと若干危惧するのであります。二つ目に、一体、野田訪中というのは実現するとお考えになっておりますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 世界卓球選手権大会、これはたいへんな成功をおさめた、かように思います。そこで、中国のピンポン外交、こういうことばを使われますが、私はやはり、ピンポンであろうが、フットボールであろうが、何にいたしましても、やはり国際的に仲よくしようという積極的な態度の一つのあらわれだ、また、それはそれなりに評価してしかるべきじゃないか、かように私は思っております。ただいま言われますように、三原則がどうとか、四原則がどうとか、そういうことと別に、やっぱりスポーツでも交流する、そういう積極的な姿勢が評価されてしかるべきじゃないか、かように思っております。 第二の問題の、野田君の訪中というものに対してはまだきまりません。しかし私は、両国間の問題は、先ほどもちょっと触れましたように、相互にもっと理解を深めることが必要じゃないか、かように思います。そういう意味から何か原則、前提を取りきめて、しかる上で道を開く。それも一つの行き方でありましょうが、不幸にして、そういう点で一致を見ない現状においては、お互いにその話には触れないで、まあたとえばカナダが中国を承認した際にテークノートということばを使っておりますが、そういうような行き方もあるのであります。もっと国際的にお互いに交流を深めれば大体の問題は解決し得るのじゃないか、そういうような努力を払われるべきだ、かように私は思っております。ただいま野田訪中が必ず実現する、かように私は申し上げ得る段階ではございません。しかし、あらゆる機会に両国がやっぱり胸襟を開いて話ができる、こういうような場をつくるべきじゃないだろうか、かように思います。
○和田静夫君 アメリカ政府は、卓球の交流以来、次々に対中国政策をエスカレートさせて、台湾における主権はペンディングだという形で、とうとう米華防衛条約の相手国である国府に対して台湾における主権を認めない線まできてしまっている。対中国についてはアメリカと肩を並べて同一テンポで進みたいというのが、これまでの佐藤総理のほんとうの気持ちであったのでしょうが、もうすでにおくれをとっているのではないかということを思うのであります。アメリカが対中国政策を変更していくにあたって、一々日本にその情報を入れていっているのかどうか、アメリカからの日本へのインフォメーションの度合いをお聞きしたいのであります。
○国務大臣(佐藤榮作君) いま日本はアメリカにおくれをとっておるのではないか。また一方に日本は自主的に外交を展開する、こういうようなお話もあります。私は、日本の総理として日本の国益をいかにして守るか、また日本の平和をどういうようにして維持強化していくのか、こういうことを絶えず念頭に置いております。したがいまして、アメリカはアメリカ、日本は日本、こういう基本的な姿勢には変わりはございません。いままで、しかし、日米間ではこの問題を中心にしてたいへん友好親善関係が深まっております。したがいまして、中国問題の処理にあたって意見交換を間断なく行ない、しかも相互の両国の間にそごを来たさないようにあらゆる努力が払われておる、またさように私は確信しております。したがいまして、ただいまおくれをとった、あるいは先に進んだとか、とやかく言われることはないだろう——基本的な態度ですよ。先ほど申しましたように、私どもはあらゆる国と仲よくする、これが平和外交の基本的姿勢であります。その立場に立って、とにかく隣国の中国大陸、これを見ておりますので、アメリカのように——米華条約を大事にする、米華条約自身から申しますれば、いまの中国大陸というものはそう簡単には交渉が持てないような形だと思っております。しかし、いま和田君は、そういうようなことではあっても、国府の主権を否定するような方向にアメリカは踏み出したのだ、こう断定されますが、私はさようには見ておりません。おりませんが、とにかく何らかうまい話はないか、どういうふうに解決したらいいだろうか、いまアメリカもいろいろ悩んでおる最中であります。いまちょうど幸いに、私はまだ会いませんが——あるいは皆さん方お会いになったかと思いますが、アメリカの上院議員あるいは下院議員、それらの方が日本に見えておりますが、それらとも意見を交換されておることだろうと思います。私も、そのうちに機会があったら米議員団とも会う予定でございますが、そういう際にはさらに十分確かめたいと思っておる事柄もあります。ただいま言われますように、とにかく私どもは一方で平和外交を展開する、しかしいままで仲よくしていた各国、いわゆる友好諸国とも十分意見を交換いたしまして、そこにそごを来たさないようにする、これは当然の日本の歩むべき道じゃないか、かように思ってただいま努力の最中であります。どうも中共対策が不明確だとしばしば言われますけれども、これはただいまの段階におきましてはいろいろ基本的には仲よくするということはございますけれども、また平和に徹するということはありますが、しかし具体的にどうしたらそうなるのか、そういう点をただいま検討中である、さように御理解をいただきたいと思います。
○和田静夫君 時間がなくなりましたから……。秋の国連総会にどういう態度で臨むかという問題ですが、第一に、総理はアメリカがどういう態度をとると、いまお考えになっていますか。 第二に、アルバニア提出の中国の国連加盟、国府の追放の決議案がいままで毎年否決されていたのが、今度は賛成五十一、反対四十九、棄権二十五で可決された。そのとき愛知外務大臣は、来年はアメリカ提出の重要事項指定方式は通用しなくなるだろう、何らかの転換をはからなければならないと語られました。いま外務省も重要事項指定方式の否決の公算大という判断を持っておられるようであります。にもかかわらず、日本は秋の国連総会でなお台湾を国連に残すための努力をするのかどうか。するとすれば、どういう手を具体的に考えていらっしゃるのか、これが第二です。 それから第三に、台湾が国連に残れば、中国はなかなか入ってこないと思うのです。したがって現況では、台湾を国連に残すという努力というものは、中国を国連に加盟させないための行為に、言ってみればなる。この関係は、日本がたいへんシビアな選択を迫られると思うのですが、日本政府は日中関係改善のために日中双方の譲歩を予定しておるのでしょうけれども、日本は中国からどの程度の譲歩を期待し、日本としてどの程度の譲歩ならし得るとお考えになっておるのか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 実は、さっきの答弁で少し先走って、まだただいまの重大な問題について検討中だと、こういうことを申した後に、ただいま国連の問題が出て、それに対する態度を詳細に区分されてお尋ねがありました。その区分等についてただいま検討しておる最中でございますから、ただいま申し上げかねる状況であります。ただ私はこの機会に重ねて申しますが、私どもはどこまでも平和に徹する、またそういう意味で、ましてや隣の国と仲よくしたいと、こういう気持ちは十分理解されるようにあってしかるべきだと、かように思いますので、あとに悪い印象を与えないようなくふうはないものか。そういうことが私どもいまくふうしておる最中の問題であります。そうして一方では、少なくとも台湾の国府との間に二十数年間友好を重ねてきた、そうして一そうそれは深まってきておる、そういう状態がございますので、そう簡単に観念論だけで問題を解決するというわけにもいかない。そこらに非常にむずかしさがある、その実際問題のむずかしさを理論的にやはりいかにして調和するか。ここに問題があるのでありますので、簡単に結論が出ないというのもそこにある、かように御理解いただきまして、政府が慎重に検討するその態度は、これは御理解もいただけるのじゃないかと思います。しかし、いずれにいたしましても、慎重だ、慎重だと言っているうちに秋がまいりますから、それまでには何とかしなければならない。そういう意味であらゆる情報もとりながら、国際情勢に対処する、そういう態度でただいま、いかにすべきかということを検討しておる最中でございます。
○和田静夫君 検討中だと言われてしまえば、それまでですけれども、一つだけお聞きしますが、台湾問題の扱いで、日本がなかなか踏み切れない要素として、台湾にあるところの日本の資産の問題があるといわれておるのでありますが、これはれつきとしたことでしょうか、事実でしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 資産の問題もありましょうが、資産の問題が重要な点でただいま踏み切らないというものではございません。私は申し上げますが、戦時中また戦後を通じて中華民国との関係、これを御理解いただければ、日本は簡単にただいまの日華条約、その国際的な義務を果たさないで別に乗りかえる、かような状態ではない。こういうことだと御理解をいただきたいと思います。ただいま大蔵大臣がここに見えておりますが、どのくらいの資産がありますか、おそらくこれはなかなか評価もしにくいことだろうと思います。しかし円借款でといわれたものが一億五千万ドル。しかし、その一億五千万ドルのうち実際に実行しておるのは半分程度じゃないか、七千五百万ドルになんなんとする、そのくらいの金額ではないか、かように思います。その他にもいろいろの問題がありましょうから、いかに評価するか、これはむずかしいことだ。私はそれよりも、そういう経済問題ではなくて、国際的な信義の問題、かように理解しております。
○和田静夫君 私もそう思うのです。そもそもこういうものは賠償の一部という扱いぐらいに踏み切ることが必要だと考えます。ともあれ、国際情勢そのものは複雑怪奇であります。私の質問の論旨に対して、観念論的だといわれるようなことを言われましたが、私は、現実の動きを私なりに見ながら判断しているつもりで、決して観念論だとは思わない。いつ何どき戦争が起こるかもしれないように、いつ何どき平和が再来するかもしれません。そこには偶発的に起こり得る潜在的条件が埋められているのでありますから、私は、そのことはやはり考える必要があるだろうと思う。もうニクソン会談の成立の条件も、私たちの知らない世界で、いってみればいま着実に埋められているのだと、こう思うのです。私は、知らなかったのは佐藤総理ばかりであった、などというようなことにならないことを願ってやみません。 質問を終わります。
○黒柳明君 私は、公益法人のあり方につきまして総理にお尋ねしたいと思いますが、中でも、食糧庁の所管である食管物資、これを扱っている業界、まあいうまでもなく生産者米価が上がりまして、消費者米価にもはね返るのではないかと、こういう危惧も完全に取り去られたわけではありません。食管赤字も四千億になって、一般会計にまたしわ寄せをするだろうという、こういう総合農政のあり方、また抜本的な検討も加えられる時期、そういう時期にあたって、当然農林省の姿勢というもの、総理のいろんなこの問題に対処する対処のしかたというものも真剣にならざるを得なかろう。ところが私は、食糧庁関係のいわゆる公益法人、この点をいろいろ調べまして、いま重大なこういう国民生活に、ある意味においての物価高、この一端をつくっている、こういう食管物資を扱う公益法人の中に、非常に悪いことばですが、その食管物資にダニのように巣くって、そしていわゆる天下り、こういう実態、こういうのがあるわけですが、時間もございませんものですから、私はまず、どういう実態かということを数分で冒頭に述べてみたいと思いますが、お聞きいただきたいと思います。 私、食糧庁関係の公益法人を調べただけでも十二団体、そこにいわゆる農林省から天下っているのが三十二名。これはまだまだ——時間がこざいませんものですから——幾多あると思います。日本穀物検定協会、製粉振興会、増産ふすま中央協議会、日本麦類研究会、全国米穀配給協会、全国食糧信用協会全集連、製粉協会、食糧保管協会、米麦改良協会、日本食糧協会等、一番多い日本穀物検定協会十一名を含めまして三十二名、穀物検定協会の理事長が元食糧庁業務部長、あとはほとんどの人が食糧事務所長、当然農林省関係であります。最高は二十六万円——二十七万五千。大体二十万台取っております。第一点は、このいわゆる天下りは、ただ従来と違って、民間会社あるいは特殊法人じゃなくて、今回の場合には完全にこれは公益法人に対する天下り。 それから第二点は、人件費の問題であります。人件費だけを見ますと、総支出の五〇%以上を占める団体が相当ある。日本食糧協会では総支出が三百四十一万、そのうち人件費が二百十七万、六〇%を占めておる。日本麦類研究会では総支出が年間三千万、人件費が千八百万、これも六〇%。しかも千八百万のうち、役員の給料だけでも八百万を占めている。この人件費千八百万に対して事業費がわずか五百万、非常にアンバランスです。それから全国穀用紙袋協会、これは三千五百万のうち千七百万、これも五〇%。増産ふすま中央協議会、これは人件費四百六十九万のうち、役員の専務理事、これは元畜産局調査官でいらっしゃった方です。名前は避けますけれども、一人だけでその半分の二百三万、四三%。こういうことで、公益法人でありながら全体の支出の過半数を人件費で食っている。こういうこと自体、従来からいわれている、要するに天下りのための、こういう諸団体はでっちあげではなかろうかという疑問が、非常につきまとわざるを得ない。 それから第三点は、これはその中の一つの、冒頭の日本穀物検定協会、これに一番天下りが多いわけです。その歴代の会長——四代おります歴代会長が全部元農林事務次官なんです。しかもこの元農林事務次官は、就任期間が一年ないし二年で、すぐその次の行き先のところで、いいポストについている。これを勘ぐって見ますと、例の国家公務員法の百三条に抵触しないように、二年間のブランクをもって民間業者に行く。さらには農林漁業金融公庫総裁、そういういわゆるしっかりしたポストがあく前の一つの足がかりとして、浪人のたまり場として、そういうポストとして歴代会長に元農林事務次官がついている。これは四代にわたっております。個々の名前は避けたいと思います。こういう、穀物検定協会という一番天下りの多いところのキャップ、これを見ましても非常に不明朗な人事である。 さらに、この全体を通じて問題なのは、ただいま申しましたように、こういうことが国民の、消費者の物価高——しかも食管物資というのは非常に問題があります。それに降りかかってくるのではなかろうかという、コスト高になっている例、しかもこれは行政が介入している例。たとえば製粉振興協会では、これは基本のトン当たり二十円、それから一トンずつ袋に入ってこないでバラのときは二百円、そういうものがこの協会にてんづけ業者から納入される。納入されたという証明がないと、食糧庁から麦を業者に売却しない、こういうことになっている。何のためにこういう——一トン当たり二十円、さらに袋に詰めてないでバラになっていると、これが二百円、さらに賦課金が二十五円、これを協会に納めなければ政府の食管物資・麦を業者に売却しない、こういう制度を。これは製粉振興協会だけじゃありません。麦類研究会も、政府の麦に倉庫保管料の五%を賦課する。あるいは増産ふすま中央協議会も、ふすまの政府指定工場の製品にトン当たり三十円の賦課金がつけられる。あるいは日本穀物検定協会には、政府倉庫間の穀物移動量でトン当たり六十七円を協会に納めなければならない。こういう食糧庁としての行政介入をもって、こういう賦課金ないしはプラスアルファを協会に納める。そういうものを納めなければ業者として、この麦、ないし、こういう食管物資が消費者の手元までいかない。こういう政府が扱っている食管物資というのは、非常に——私は、なにも全部こういう協会か不必要だとは言っていないのです。中には、ひどいのになりますと——これは名前は出さないでくれ、こう言われておりますから名前は出しませんが——この中のある一人の、これはキャップですが、その人に言わすと、「協会に役人さんが天下るのを百歩譲って認めるとしても、来てくれるのなら、仕事のできる人をよこしてもらいたい。だけれども、協会が役人の浪人学校になったり、役人の碁やマージャンの遊び場になったりするのはごめんだ。」、こういうことはうまくないですね。名前は避けますが、こういうことを言っている人もいらっしゃる。こういう、非常に仕事がない一つの例なんです。これはなにも食糧庁の公益法人すべてがそうであるとは断言しません。少なくとも、短い時間で調べたこの十二の公益法人、その天下りの実態、さらにこれは給料、ないしは役員と職員とのアンバランス、こういうことも指摘されますが、天下りの実態、それからもう一つ、人件費、それが非常に全体の総支出に対してアンバランスで、過半数が人件費で食われている。明らかに天下りをキープする、そういうための協会になっているのではないか、こういう疑惑が非常に強いのです。しかもその中の一つは、歴代の農林次官が足がかりとして行っているきらいが非常に強い。さらに最後の重大な問題は、政府の食管物資を扱うにあたって、中には不必要な協会にまでこういう賦課金が取られる。こういうことがいまもって放置されていいものだろうか。まあ若干こまかい点になって、総理大臣の答弁にはちょっと不向きな向きもあるかとも思いますが、これはいま申しましたように消費者米価の値上げ云々があるのではなかろうか、こういう危惧のあるときにあたって、問題が大きくなると思いますので、あえて私は、従来の天下りとは違った形の、公益法人の一つの天下りが生んだ大きな悪例として、あえて総理の御答弁をひとつお伺いしたいと、こう思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) いま言われました公益法人、これはまあ直接公務員法の百三条の取り締まり規定のほうは、いわゆる営利会社、まあ営利法人の問題でございますが、ただいま公益法人そのものが食糧庁だけの関係で十二あるとおっしゃった。私はその数の多いのにまず驚いたのであります。したがって、これはもう少し私のほうも整理さすというか、また整理してしかるべきじじゃないかと、かように思いますので、もっと基本的な取り調べをしたいと思います。同時にまた十二法人は、人件費と総支出のアンバランスというか、事業費そのものから見ましてずいぶんおかしな使い方をしている、こういう御指摘であります。これはなかなか容易ならない状態ではないか、私そこまで存じ上げておらなくて、どうも天下り天下りというと、いつもこの点は営利法人に対する問題のように思っておりましたが、その前のいわゆる公益法人という形において、その公益法人自身が賦課金あるいはその他の形で——直接とは申しませんが、回り回っては消費者の価格にも影響を持つような方法でまかなわれている、そういう団体が少し多過ぎる、かように思いますので、これはもっと時間を与えていただいて、ひとつ調査する必要がありはしないか。ことに公務員自身が、ただそれをまず最初の足場にして、その次の踏み台にする。その際は当然退職金も多くなるでありましょう。いろいろな弊害を生じておると思います。それはもう少し時間を与えていただいて、私どものほうで調査をさしていただきたいと思いますが、問題は、おそらく基本的な考え方は流通の円滑化をはかると、こういう意味でスタートした法人だと思いますから、最初は悪意があってこしらえたものでもないでしょうし、その着想はいいにしても、結果はそのとおりになっておらない、こういうものがあるんじゃないかと思いますので、十分検討してみたいと考えます。
○黒柳明君 もう総理の答弁そのまま私もぜひとも実行に移していただきたいと、こう思います。それでいま総理が御答弁なされたのですが、そういう団体が多い、それで縮小を考えたい。これは私たちも、個人あるいは党としましても、いままで非常に外郭団体が問題になっておりましたが、これは公益法人という新しい団体に対する——法人に対する天下りなんです。それを含めまして民間企業あるいは特殊法人、そして公益法人、こういう天下りに注意して、やっぱり徹底的に調査もしてみたい。こう思っておりますので、いまおっしゃったようにひとつ政府側としても——当然必要なものは、私たち文句を言うわけではありません。ところが、どうも結果的には非常にうまくない結果になっている。こういうものに対してはいろいろやはり整理すべきはすると、こういうひとつ実行にまでも移していただきたいと、こう思います。 それからこれは人事院のある人に聞きましても、いまおっしゃった公務員法の百三条の問題ですけれども、こういう発言をしているわけです。公務員法百三条は民間企業への天下りの歯どめにするためだと、公益法人には法的制限がない、これは非常に社会的世論の批判を受ける問題であると、ある人事院のキャップの方——幹部の方がこうおっしゃっているわけですね。ですから当然——この公務員法の百三条では公益法人に法的制限を与えない、こういう問題は、これから私たちが従来の外郭団体への天下りと別に公益法人に対してだんだん調べてみようと、こういう初めにあたって人事院の方もこういうふうにおっしゃっているわけです。こういう観点から総理はどのような見解をお持ちになっておられるか。さらに、もう時間もありませんからまとめて御質問いたしますけれども、この各省大臣のいわゆる許可基準がないわけです、公益法人には、民法での基準だけであります。とすると、その許可基準あたりを設定する、そういう検討も含めて、いまのこの総理大臣の縮小ということも考えられはしないか、こういうことについてはどうでしょうかね。各大臣の許可基準、公益法人を設置するための。この点について……。
○国務大臣(佐藤榮作君) いま公務員法の百三条、いわゆる外郭団体に対する天下り、これは人事院がただいま十分検討し、私は十分その目的を達し、守られておると、かように思います。そこで公務員——私も公務員の一人で総理大臣でもありますが、これはぜひ理解していただきたいのは、公務員は定年その他の点からもわりあいに早くやめる、これが議会に出るとどうも官僚の出だと批判される、会社にいけば公務員がどうもいつの間にか営利法人のいいところへついている。こう言って批判を受けるけれども、ずいぶん同情すべき点もあるんです。したがって有能な人はやっぱり社会に奉仕する、そういうことでありたいと思います。ただ公務員であったというその経歴だけから、いかにもそこに何らか不都合があるような前提でものを見ないように、やっぱり広い目でひとつ見ていただく、これもお願いをしたいと思います。しかし公務員自身が在職中に特別な利便をはかる、それがってになって営利会社の重役になる、こういうことがあっては困りますので、そういう点は人事院が十分監督する。それが二年の期限にもなったと、かように私は思いますので、これはいずれにいたしましてもそこらに誤解のないようにいたしたいものだと、かように思います。総元締めである総理といたしまして、公務員——各省に対して一部誤解を受ける、疑念を持たれる、疑惑を持たれる、そういうようなことのないように、これはやっぱり綱紀を引き締めていく、これは私の責任であると、かように思います。 また、その次の第二の問題で、公益法人の設立が簡単過ぎはしないか、こういう御指摘でありまして、何か基準を設けたら、こういうことでありますが、これも私実情をもっと調べないと、ただいま返事をするわけにもいかないと思います。できるだけ公益法人を設立する許可基準、そういうものもできればつくりたいものだ、かように思いますので、いずれにしても公益法人だという形だけで簡単に設立されることは、私非常な弊害を伴うものだ、かように思いますので、黒柳君のただいまの御指摘は私もひとつ十分検討して、しかる上でその実績をひとつごらん願う、こういうことにお願いしたい。私のほうも十分取り調べるつもりでおります。
○黒柳明君 あと持ち時間が二分ありますので……。私ども別に公務員を白眼視しているわけじゃありません。りっぱな方がたくさんいることは御存じのとおりであるわけであります。ただ総理のおっしゃったとおりすぐ検討、あるいは縮小の実行をすぐやりませんと、私たちいま申しましたように、この外郭団体等を徹底的にこれからいい意味で調べていこうと、こう思っておりますものですから、つけ加えまして、また実行に対しての御努力をお願いしたいと思います。
○田渕哲也君 まず初めに、財政制度のあり方について総理の見解をお伺いしたいと思います。 現在の財政制度は、予算は単年度主義をとっております。この単年度主義の改変の是非についてはいろいろ論議のあるところでして、ここで私はこの論議をしようとは思いませんけれども、ただ、この予算の単年度主義の欠陥というものは、財政支出の最重点ともいうべき公共投資、社会保障あるいは社会資本投資を中心とするこの公共施設の部面については、本来はこれがもっと長期的な観点に立って計画的、継続的に推進されなければならないものであるにかかわらず、その規模が——各年度ごとの財政事情等によりまして、その公共支出の最適規模が必ずしも確保されない。これが今日の社会資本投資の不足という事態を招いておるのではないかと思います。具体的に例を申し上げますと、たとえば今日の住宅不足を見ましても、結婚適齢期の人口の増大あるいは人口の都市集中、こういうことは本来なら前々からわかっておる問題であります。ところが、それに対して政府の住宅投資というものが対応していない。また道路におきましても、モータリゼーションの一番急速な伸長の時期でありました昭和四十二年、四十三年、その時期において政府は、道路投資に対する一般財源の額を財政硬直化の理由をもって削減をしております。このように長期的な展望から見た場合に、私は、いままでの政府の財政計画というものが必ずしも適切ではなかったということが指摘できるのではないかと思います。しかも、このタイミングが適切ではないということが、一面においては住宅にしても、道路にしても、土地の用地確保の困難あるいは用地費の高騰等を招きまして、財政効率の面からは非常に悪くなっておるということが指摘できると思います。今後、総理は、財政面におきまして、長期的展望に立った政府の国民に対する責任体制を明確にするために、財政制度に多年度予算の構想を導入し、長期的な観点に立ってこの公共投資等を進めるお考えがあるかどうか、まずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) まあ最近はあまりにも何々五ヵ年計画、長期計画が多過ぎやしないか、かように思ってもおります。同時に経済発展計画等も長期的な観点に立ってやられている。これではその経済の実情にはたして相呼応して対策が立てられるかどうか。こういうことも実は心配なんです。しかし、いま田渕君の御指摘になりましたそれらの諸点は、まさしく私どもも考えなきゃならない。個々ばらばらの長期計画だけでは困る。総合的に全体としてやっぱり長期的な展望に立ってのものを持たなければならぬ。これがいま新全総合開発計画、そういう形でそれを指標にして、その線にできるだけ沿うように大蔵大臣も苦心している最中でございます。ただいま言われることはごもっともだと思っております。ただ一面においてあまりに硬直化しない、そういう予算の財政状態であってほしい。かように思いますが、そこらにある程度の融通はつけ得る。かような点も念頭におきながら基本的に一つの目標、その達成に向かって進んでいる、かように御理解いただきたいと思います。
○田渕哲也君 ただいま総理の御答弁の中に、確かに総合的な新経済発展計画、あるいはその他各種の五ヵ年計画、そういうものがあることは事実でありますけれども、私は、それが必ずしも財政に適確に反映されているとは思えないのであります。またその何々五ヵ年計画といったようなものも、たとえば道路一つ例にとりましても、五ヵ年たたないうちにこれを改変しなければならない。このような事態が非常に多いのでありまして、私は、もう少し長期的に見て、慎重な計画を立てる必要があるのではないか。一つここで具体的な例をあげまして、総理の御考慮を求めたいのでありますけれども、現在衆議院で自動車重量税が審議されております。ところがこの重量税、自動車の税金一つ見ましても、私はいかに行き当たりばったり的に財政というものを扱ってきたかということが明らかだと思います。すでに自動車には八種目の税金がかかっておりますけれども、重量税ができますと九種目の税金である。しかも、私が予算委員会でも申し上げましたように、自動車が大衆化すればするほど税が重くなってきております。こういう点一つとってみましても、行き当りばったりに財源が足りないから取りやすいところから取る、また道路が足りなくなって、交通地獄が起こってきたから道路投資をふやす、住宅が足りないから住宅をつくろう。このような非常に対症療法的な財政運用がなされておると思うのであります。この点に対する反省をしていただきまして、今後の財政計画のあり方についての再考を求めたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) いまの御意見は御意見として伺っておきます。それは十分ねらっていらっしゃるところはわからないではない。ただそのことばをとって言うわけではありませんが、取りやすいところから取る。これはやはり負担のほうから申しまして、国民公平に取るといいながらも、これはやはり非常に苦しい、苦痛だ、こういうような課税は避けなければならぬ。しかしやはりそれが取りやすいというようなところにこの負担はあり得るのじゃないか、かように思います。ただ自動車の場合はいかにもたくさんの形をかえての課税方法が行なわれておる。そういう意味から、ただいまのような批判もあるのじゃないかと思いますが、しかし納める側から申せば、やはり納めいい、比較的容易に、抵抗なしに納められる、そういう税はやはり取るべきではないか、必要なのではないか。また、あとのいろいろな住宅あるいは道路等の、あるいは下水にいたしましても対症療法的で、どうも少しおくれているのじゃないか、いつも政策がそうなっておる。こういうような御批判です。やはり政府の政策は、ときに先行も必要であり、ときに納得のいく施策とすれば、やはりおくれることも一つの方法だ、かように思いますので、一概には批判できない。国民の納得がいくということが何よりも大事なことだと思います。こういう意味で私は、これは議論するわけじゃございませんけれども、いまの取りやすい、納めやすい税金、あるいはまた対症療法としておくれている、そういうものも必要だ。こういうような下水などは確かに明らかにそういうものではないか。いまになると、下水の整備は非常に強く叫ばれる、しかし、なかなかいままでは納得はされなかった、かようなものでもある。かように思いますから、その辺は、御注意は十分私どもこれから気をつけてまいりますが、この政府自身の態度にも、ただいま申し上げるような弁解の余地のあることを御理解いただいて、やはりその弁解も御了承願いたいと思います。
○田渕哲也君 次に、PPBSについて、総理の御見解をお伺いしたいのでありますけれども、行政改革につきましては、行政面の整備縮小はやかましく言われておりますけれども、比較的見のがされておるのは、私は予算、財政制度の改革問題ではないかと思います。予算、財政面の改革なくして、私は真に国民のための行政改革はあり得ないと思います。ところで政府は、昭和四十三年に帰国した訪米経営情報システム使節団の提言により紹介されたPPBSを四十四年度予算から部分的に導入するという方向を固められ、以後、準備を進められておるということを聞いておりますけれども、私は、このPPBS制度は予算を単なる財政資金の収支計画としてではなく、財政資金の効果を指標として、行政の効率を把握することができるよう、予算と政策ないし事業計画を結びつけるものだというふうに理解しております。したがいまして、従来の比較的どんぶり勘定的な予算配分に比べたら、より合理的な近代的な制度ではないかと思うのであります。特に国鉄の新線建設の問題とか、あるいは本土——四国間の架橋の路線の決定の問題とか、あるいは食管制度のあり方の問題等、この財政の効果的運用の面からは種々検討すべき面がたくさんありますけれども、私は、これらの問題は、ややもすれば選挙対策やあるいは政治的な考慮が前面に出て、その結果、財政の効率化ということを妨げておる、こういう面が多いと思います。したがってこの面は、良識ある国民からは常ににがにがしく見られておる点だと思いますけれども、このような非合理な方策というものを多少とも改善しまして、予算編成の方法の近代化をはかっていただきたい。そのためにPPBSというものも、もちろんこれが万能とは思いませんけれども、一考に値するものではないかというふうに考えますけれども、総理は、これをどのように評価され、また今後具体的にどのようにこれを取り入れられる構想があるのか、お答をお願いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 田渕君のいま御指摘になりましたPPBS方式、これはやっぱり全部が全部非常に効果的だと、かようにも言えませんと思いますが、これはやっぱり十分調べなきゃいかぬと、かように思うので、まあ四十四年以来これと取り組んで、そうして長所を取り入れよう、そうしていま御意見を述べられましたように財政、予算、行財政、こういうものがやっぱり合理的、能率的で、また効率的でなきゃならぬ。そういうものの目的を十分達するためにもPPBS制度を採用する、目的はここにあるんじゃないかと、かように思います。しかし何にいたしましても、日本の現状からすれば、やっぱりこの新しい制度はまだ十分理解されておらないところもありますし、もっと検討し、要員の養成等からかかっていかなきゃならない。こういうものであるように思いますので、ただいませっかく大蔵省が中心になりまして案を練っておる、かように御理解をいただきたいと思います。私どものほうも、せっかく国民から預かった税、そういうものは、十分効率的に、また効率をあげるように使われることが、何としてもわれわれの責任だと思いますので、その意味で新しい制度についても十分検討してまいるつもりでございます。
○渡辺武君 私は、野原労働大臣の問題について伺います。 総理は、昨年四月二十日のこの委員会で、私の指摘しました森産業の町有地払い下げ詐欺、あるいは不正融資問題などに野原さん自身は関知していない。森産業の取締役であったこと、その他は大村秘書がかってにやったことだというように答弁されました。しかし、その後、私どもが調査したところによりますと、野原氏がこの事件に直接関与していたことを示す幾つかの事実が明らかになっております。で、もし直接野原氏が関与していたことが明らかになったならば、総理は労働大臣をどのように処置されるか。また、総理御自身はどのように責任を負われるのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 森産業の問題につきましては、この前詳細にお答えしたのと、その後何ら別に変わりはございません。
○渡辺武君 それでは事実を申し上げたいと思います。 第一に、野原氏は森産業株式会社の設立にあたって直接に関与しておられます。このことは西根町役場の依頼によって森産業を調査した帝国興信所の四十五年一月十六日付の調査報告書によって明らかであります。すなわち、この調査報告書は、森産業の「設立経緯」の項において次のように述べております。「現代表取締役森虎悦氏が現取締役野原正勝氏と相図り……当社を設立した」というふうにいっております。 また第二に、野原氏は西根町の町有地払い下げ問題に直接に関与しております。このことは、四十五年十月十五日、日本共産党岩手県委員会の質問に答えた、前西根町助役志村立志郎氏の供述によって明らかであります。すなわち、志村氏の語るところによれば、昭和三十八年八月ごろ野原氏は森産業の代表取締役森虎悦氏、それから取締役伊藤猛虎氏、その他の人たちと合同で問題の土地を視察しております。そして、これらの人たちは次のように言っております。「この土地は、野原氏が社長をしていた岩手精密には不適当だから、かわりに森産業を誘致しようじゃないか」という話し合いを行なっております。 それから第三に、野原氏は森産業の経営に直接関与しております。このことは、元西根町町長工藤直輝氏、それから岩手銀行本店の菊池常務取締役、それから森産業の元工場長・長山仁吉氏、その他の証言によりて明らかであります。すなわち、これらの人たちの証言によれば、野原氏は昭和四十年一月十二日、盛岡市中央通りのレストラン・ニュー・ヤマトで開かれた森産業主催の岩手県下の木材業者、金融機関、それから営林署その他との営業上の問題に関する会合に出席された。そうして、ほかならぬ森産業の経営方針について見解を述べております。この会合に出席した当時の西根町町長の工藤さんは、次のように言っております。「このように野原氏も言っている以上、工場建設は実現されるものと確信を持った次第です」と語っております。 以上のことは、野原さんが「関知していない」とか、あるいはまた「秘書が勝手にやったことだ」というようなことがまっかなうそであり、労働大臣が森産業の設立と経営、それから西根町の町有地の払い下げ詐欺などに直接深く関与していたことを明白に物語っております。総理は、このような労働大臣をどのように処置されるのか。それからまた、このような人物を閣僚に任命された責任をどのようにおとりになるのか、重ねて伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) いまいろいろお話がございましたが、私はまあ閣僚をつくります際に、在来から営利法人、営利関係の会社その他の重役、あるいはそのほかの公益法人の役員でも、報酬をいただいておる者は、これは全部やめてもらっております。それで初めて閣僚になる。こういうことをいたしておりますので、そういうような処置、その手続で、過去にどういう仕事をしたか、その仕事が法規に照らして違法でないか、また間違ったり、あるいは指弾を受けるようなことでないという、一応そういう点で線は引かれる。かように理解しておりますので、野原君の場合におきましてもそのような手続をして、そうして閣僚になった。かように御了承いただきたいと思います。
○渡辺武君 総理、少し誤解されているんじゃないかと思うのです。この問題は、野原労働大臣が大臣に任命されたあとで起こった問題ではない。それ以前に起こっておる問題です。森産業株式会社の取締役をしておって、そうしてこの会社が岩手県の西根町という町から約三万坪に及ぶ町有地の払い下げを受けた。しかも工場設立をするという約束のもとに払い下げを受けながら、工場を建てないので、詐欺同然に土地の払い下げを受けたことになった。この土地を運用してたくさんの融資を、様々な不正な手段によって受けたという事件、これに野原さんが直接関与している。こういうことを証言なさる方がおられる。私どもは必要な供述書もちゃんと取っております。そういう忌まわしい事件を起こされた方を労働大臣として任命されたのは、これは佐藤さん、あなたです。ですから、こういう忌まわしいことを起こされた方を任命された総理御自身の責任、これはあると思う。同時にまた、野原さん自身も過去のそういう事件について責任を負っているはずであります。それをどのように処置されるのか。そう伺っておるのです。
○国務大臣(佐藤榮作君) いま申し上げておりますように、労働大臣としてやっておる、その間に同時に批判を受けるような行いがあるかどうか。こういう事柄ならば、それは私がやはりいまの手続を十分に履行しておるから、そういうことはございません。それ以前の事柄についていろいろ議論されるものがある、かように思いますけれども、しかし、それは私の関知するところではない。ただいまそういう者を任命したのはどうもけしからぬと言われますが、それは明らかになっておれば別です。しかし私は、ただいま一応任命の際にそれぞれ所要の手続をとって、そして過去の行ないについても整理ができておる、かように理解しておりますので、ただいま申し上げたような答弁になるわけであります。ただ問題は大臣になる前にいろいろの事件があった、それを一体どうお考えかと言われると、それは私は関知しない、かように申し上げる以外にはございません。またこれは本人もここにおりますから、それに発言の適当な機会を与えられてしかるべきだと思いますが、私はただいま申し上げましたように、そういう個人がいろいろの政治活動をすると同時に経済活動もする、そういう状態が今日の実情でございまするので、大臣として責任をとる、とらないとか、また私がそれを任命したことがけしからぬ、こういう御批判でございますが、それは私が責任を負うべきような筋のものかどうか、ただいま言われるように、あるいは秘書が介在した、また本人がその場所には出かけたけれども主として秘書が処理した問題だと、こういうような問題だとすれば、私が任命したこと自身、渡辺君から責任をとれ、こういって詰め寄られるほどの問題ではないのじゃないか、かようにも思います。しかし私が任命したことは私の責任ですから、これは私も十分に考えますけれども、ただいま本人もいらっしゃるから、ひとつ説明の機会を与えさしていただきたい、かように思います。
○委員長(森元治郎君) 時間ですが、やってください。
○国務大臣(野原正勝君) すでに総理からお答えされましたが、森産業という会社の設立に際しまして私は参加した記憶はございません。それで実は、森産業の株主総会とかあるいは役員総会というふうなものにただの一度も招集を受けたことはないのでございます。したがって森産業の事件は、私の名前を利用されたことは事実でございますが、私は何ら関知していないという点で、先ほど来御指摘がありましたような事実も実は全く承知しておりません。ですからこの問題に関する限りは、御指摘のような点はまことに当たらないものであるというふうに考えます。
○渡辺武君 委員長、いまの大臣の答弁について……ほんの一言でいいです。
○委員長(森元治郎君) それでは許します、簡単に。
○渡辺武君 私はまず、総理大臣の答弁そのものがこれはまことに遺憾だと思います。それは、こういう問題について政府がまじめな態度をとって事をただすかどうかということは、これはもう佐藤内閣ができて以来数々起こった汚職問題について、佐藤首相自身がまじめな態度をとるかどうかということを試す試金石だ。ただいまの御答弁は佐藤首相が依然として言いのがれに終始しているというふうにしか私には思われません。まことに遺憾です。この野原労働大臣の問題につきましては、いま労働大臣御自身も関知していないと言われましたけれども、私はその反証をいまここであげている。もし総理がまじめな態度で事を処理しようとするならば、少なくともこの問題の審議について内閣として責任を持って真剣に調査するというくらいのことをやるべきだと私は思う。労働大臣については私がいま申し上げただけではない、もっとほかの問題がある。たとえばこの森産業事件のほかに——もう時間がないから、一つだけ申し上げますけれども、岩手県にある北岩手製材業協同組合の前理事の大川修という人が次のような証言をしております。その証言だけ読みます。「昭和四二年一月におこなわれた総選挙で衆議院議員野原正勝氏に北岩手製材業協同組合から、参百五拾万円の献金をおこないましたが、この際、献金の見返りとして、林野庁から針葉樹約二萬石の払下げの約束がありました。そのごこの約束の確認と献金を手渡すため、私のほか、北岩手製材業協同組合の幹部がともに上京し、東京・赤坂の野原事務所のちかくにある料理屋「みよかわ」で衆議院議員野原正勝氏と、当時の林野庁長官、林野庁業務部長、林野庁青森営林局長が同席の会合をひらき、確認をえ、又野原正勝氏秘書に献金をわたしました。約束はそのご間もなくはたされました。」こういうことをはっきり供述している。これは汚職の疑いがある。そのほか、野原さんがかつてつくっておられた埼玉県の会社がありますが……
○委員長(森元治郎君) 簡単にまとめてください。
○渡辺武君 秩父精密宝石株式会社、これは総額約四千万円に及ぶお金を、これを得意先から借りたまま、さらにまた中小企業金融公庫その他政府金融機関から借りっぱなし、そうして固定資産税も納めないという状態で、踏み倒したままでもって倒産をして、そうしてその会社の資産をいまあなたがやっている岩手精密工業株式会社、ここに全部移した。こういうこともやっておられる。野原さん、これはもう、森産業の設立に関与しないと言っておられますけれども、あなた山林の調査に行かれたでしょう。それからまた盛岡市のニュー・ヤマトいうレストランで森産業経営の問題についてあなたは発言されておる。たくさんの証人がおります。そうしていま私が申しました、選挙後の献金とそうして山林の払い下げ。これらの関係を、あなたははっきりとその存在を私は確認すべきだと思う、ここで。あなたがもし良心があるならば、そうすべきだと思うけれども、どうですか。
○国務大臣(野原正勝君) まず岩手県の大川某なる者の献金の問題、これは、そういう記憶は全然ございませんし、そういう事実は全くございません。まことに遺憾な質問でございます。同時にまた、埼玉県の秩父精密宝石は、私はなるほど頼まれて社長になったわけでございますが、昭和四十二年にやめております。その後会社はいろいろな関係で事業が不振になりまして倒産いたしました。しかし会社の模様を聞きますというと、かなりな資産がございますので、それぞれ担保物件等を処分中でございまして、おそらく迷惑をかけるようなことはなかろう、全部そういったものについては相当返済できるということを伺っております。したがってその点は、秩父精密宝石の処理につきましては、どうなっておりますか詳しくはわかりませんが、その持っておる資産を処分すればそれぞれ適当に解決がつくと伺っております。それから同時に、岩手精密のほうに秩父精密会社を倒産にして持っていったのじゃないかということでございますが、岩手精密というのは実は株主の大部分がシチズンという会社でございます。私もなるほど最初はそこの社長を頼まれてやったのでありますが、それもその後やめまして、シチズンがもっぱら力を入れてやっておる。いまではりっぱに経営をやっておるようでございますが、秩父精密宝石とは何ら関係がないのであります。したがってそういうような、倒産をして岩手精密のほうに資産を持っていったというような事実はございません。そういう点でどうもいまの渡辺君の質問というものは何の意味かわかりませんが、まことに遺憾でございます。その点はあらゆる角度からお調べになっていただけば明白になると思います。それ以上申しませんが、私個人に関する限りはいかなることも絶対に不正をやったというようなことはございませんから、その点は御承知願いたいと思います。
○渡辺武君 山林の視察とニュー・ヤマトはどうですか。
○国務大臣(野原正勝君) 山林の視察というものは、私はちょいちょいやりますので、途中でありますからあるいは見たかもしれませんが、よく記憶ございません。 それからニュー・ヤマトというレストラン、それもちょいちょい使っておりますが、そのときにそういうことがあったかどうか、何せ十年もたちますというと、そういうことはもうほとんど忘れております。ですから、そういうことがはたしてあったかどうかということは、私は記憶にございません。
○委員長(森元治郎君) 他に御発言もなければ、昭和四十三年度決算外二件に対する質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(森元治郎君) 次に、昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件、昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書及び昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)、以上九件を一括して議題といたします。 これらにつきましては、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようですから、討論はないものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十四年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十四年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び経費増額調書、昭和四十四年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和四十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和四十五年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上七件を一括して問題に供します。 これら七件について承諾を与うべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(森元治郎君) 多数と認めます。よって、これら七件は多数をもって承諾を与うべきものと議決されました。 —————————————
○委員長(森元治郎君) 次に、昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書及び昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)を問題に供します。 右二件について異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(森元治郎君) 多数と認めます。よって、右二件は多数をもって異議がないと議決されました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき、これら案件の報告書の作成などにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(森元治郎君) 次に、昭和四十三年度決算外二件を議題といたします。 これらの質疑は、先刻終了いたしました。 それでは、これより討論に入ります。 理事会におきまして協議いたしましたところ、内閣に対する警告につきましては、お手元に配付いたしましたような案文につき意見が一致いたしました。警告の案文を朗読いたします。 なお、議決案はお手元に配付してあるとおりでございます。 討論される方は、賛否を明らかにして御意見をお述べ願います。
○和田静夫君 私は、日本社会党を代表して昭和四十三年度決算につき、内閣に対する警告決議を除き、これに反対の意を表明するものであります。 その理由の第一は、依然として、各省庁に対する会計検査院による不正不当事項の指摘があとを断たないということであります。これらの不正不当事項はいずれも綱紀の弛緩によることは申すまでもありません。しかも、これらの各野党委員によるあらゆる角度からの追及を通じて描き出された全体像は、その氷山の一角たるを思わせるのに十分であったのであります。きびしく綱紀の粛正を要望せざるを得ません。 反対の理由の第二は、昭和四十三年度予算がいわゆる財政硬直化の顕著なあらわれの中で編成されたものであるにもかかわらず、その是正の方法として何ら根本的な点に手が触れられていないということであります。確かに政府は、財政硬直化を理由に食管会計、公務員給与、地方財政、社会保障費等の抑制策に出ました。しかし、これらの予算項目それ自体を抑制していくという方策にしても防衛関係経費の予算総額の伸び率一丁八%に対する三九%を許している限り、国民に説得力を持つものではあり得ず、実効もそう期待し得なかったのであります。いわゆる財政硬直化打開の根本方策としては中央、地方にわたる政治、行政の支配管理機構の改革をおいてほかにありません。財政硬直化問題は根本的には中央、地方にわたる各省の政治、行政の支配の態様が貨幣面に投影された問題であるからであります。補助金行政のあり方の問題が毎国会むなしく論議され、特殊法人の整理統合は遅々として進まず、高級官僚の各種機関へのいわゆる天下り問題が商業新聞の紙面をにぎわすだけのことに終わっている状況、現況の中で予算執行の根本的な意味での効率化は望み得べくもないのは当然と言えましょう。 最後に、本委員会の昭和四十三年度決算審査の途上において取り上げられた諸点の中で最もセンセーショナルであったものは例の富士銀行事件であります。この事件は大蔵省の監督行政の不備の問題にとどまらない現代社会の深部における腐敗を感じさせるものでありました。この事件が大きななぞにつつまれたまま、ほうむりさられようとしていることはきわめて遺憾であります。 以上により、私は昭和四十三年度決算に反対するものであります。
○和田鶴一君 私は、自由民主党を代表し、昭和四十三年度決算を是認し、政府に対する警告案に賛成するものであります。また、国有財産関係二件についても是認するものであります。 私どもは、過去一年にわたり、本決算を審査してまいりましたが、国会における決算審査は、予算執行の結果が国民の納得するような姿になっているかどうかについて検討を加えてまいるものであり、まことに重要な意義を有するものであります。 本委員会の審査の過程において、政府の財政執行上改善すべき幾多の事項が指摘されたように思いますが、それらの点はすでに措置済みの七のもあり、これから是正されるものもあるかと存じます。特に、本決算に関連しての政府に対する警告事項につきましては、それが全会一致、院をあげての意思であることが例年の例であることにもかんがみ、予算に反映さるべきは反映し、行政上改善すべきは適確に措置し、再び同じような指摘を受けることのないよう善処を要望するものであります。 次に、会計検査院が限られた人員と予算のもとに、財政監査の重責を果たされていることはその労を多とするものでありますが、国民の会計検査院に寄せられる期待が実に大きいだけに、これからも職員が一致協力し、身を持するに厳に、執務に当たっては中正に、その職責を全うし、もって国民の期待にこたえられんことを切に要望いたすものであります。 以上数点を指摘し、私は決算並びに警告事項に賛成いたすものであります。
○二宮文造君 私は公明党を代表して、昭和四十三年度決算について政府に対する警告決議を除き、不承認の意思を表明するものであります。 以下本件決算審査の過程で、わが党各委員の質疑によって明らかになった幾つかの点に触れつつ不承認の理由を申し上げたいと思います。 第一は、国庫補助金の問題であります。開拓パイロット事業国庫補助金及び団地造林事業国庫補助金が農林事業の振興政策として国から支出されたのにその事業対象地域が前者は民間ゴルフ場に、後者は民間ゴルフ場付属の別荘地に転用された例であります。 いま一つは、町道改良事業国庫補助金が地元観光企業のために不当に支出された事例であります。 いずれも地元企業の利益のために国民の血税が悪用され、その陰では中央、地方の政界人が何らかの形で力添えをし、その背景のもとに補助金行政が曲げられたという事例であります。 昭和二十年代の末期、わが国の補助金行政は災害復旧事業の国庫補助金経理を中心として乱脈がその極に達し、ついに補助金適正化法の立法を招いたことは、御承知のとおりであります。 本件決算の審査の経過において明らかになったこれらの事例は、ゴルフ観光等の第三次産業の隆盛を伴った国民経済の大きな変動の中に起こったことに注目すべきだと思うのであります。 この新たな国庫補助金の紊乱の趨勢、そしてそれが、地域地域における政界、財界、官界の癒着によって進行していることは看過してはならないことであります。 そして残念なことはこの趨勢に牽制を加える大きな期待と責任を背負うべき会計検査院が人員の不足等のため、あるいは、その同じ地点に検査を施行しながら、これらの指摘に至らなかったり、あるいは全く関心すら示さないまま決算の検査を了しているとしていることであります。 これらの質疑の結果明らかになった事例については、その後それぞれ補助金の国庫返還などの是正措置がとられたのであります。 このように初歩的な行政ミスが国会の指摘をまって初めて是正されるということは全く言語道断のことといわねばならないのであります。会計検査院当局あるいは関係各省当局の猛省を促しておくものであります。 第二は、いわゆる外郭団体の問題であります。本件決算審査の過程において明らかになった外郭団体の事例はいづれも行政の機能ときわめて密接な関係に立つ公益法人の問題として提起されたのであります。 すなわち、郵便切手にまつわる全日本郵便切手普及協会、水先料の認可行政に密着した日本パイロット協会及びそれに関連する一連の公益法人並びに雇用促進事業に関係する中高年齢者福祉協会の事例であります。 一は、郵政省発行の有価証券としての郵便切手が収集趣味の対象に転化して、いわゆる郵趣商品化する過程に介在するものであります。 二は、水先案内料を政府が認可する権限を持つことによって水先人の給与額から政府の方針として一定部分を吸い上げ、それを財源として多数の公益法人の設立運営をはかる仕組みのものであります。 三は、雇用促進事業団の業務の委託機関の名目でつくられながら実質の機能が伴わないものであります。そして、これらの公益法人は、ほとんど全部がそれぞれの行政部門の一部の高級官僚の天下りによって構成されているのであります。 過去本委員会において、いわゆる外郭団体の問題は幾多取り上げられたのでありますが、従来のそれは民間企業としてあるいは企業的実質を持った法人として政府または政府関係の機関との契約等につき会計検査院の正規の批判にさらされる形のものであったのであります。 それに比し、これらのいわゆる公益法人は、まことに高級公務員にとって新しい優雅なべールに包まれた外郭団体の形成といわねばなりません。しかも、これらの法人は、役員数が職員数よりはるかに多かったり、類似業務について重複して設立されたり、あるいは有名無実であったりするばかりでなく、記念切手を特権的に優先して手に入れて販売するなど、国民大衆の側からきびしく批判されねばならぬ要素を多分に含む実態だといわねばなりません。 わが党の委員は、切手収集に幼い夢を抱く少年たちも含め、各界各層の大衆の支持のもとに幾たびか政府に対して質疑を重ね、きびしく問題を指摘してまいったのであります。しかし残念なことに、これらはすでに高級公務員の利権の場と化し、既得権は一種のなわ張りと化しており、もはやがんとして抜きがたいものとなっているということであります。このような一部の高級公務員が行政をあたかも私物化していこうとする状況というものは、これでよいものでしょうか。強い警告を政府に対して発するものであります。また、この種の問題の追及が今後本委員で一層強化されるよう特に要望するものであります。 第三に、国有財産の管理に関する問題であります。米軍ゴルフ場として米国に提供している国有土地の問題及び全国的に存在する里道畦畔等の国有地の管理処分の問題であります。 前者については従来、米軍基地の総点検等のわが党の党活動の上に立って、米軍ゴルフ場は米軍への提供施設とすること自体に疑義があるとの東京地裁の判決事実を踏まえ、米軍ゴルフ場の使用の実態を明らかにしつつ、その解消を本委員会においてもしばしば政府に求めてきたところであります。しかしその後、在日米軍人の減少に伴い米軍によるゴルフ場の使用は閑散をきわめたにもかかわらず、政府のその返還交渉は遅々として進まなかったのであります。 本件決算審査の過程で明らかになったところによると、それらの米軍ゴルフ場は米軍側の独立採算制のもとでの管理費等の支弁のため、一般日本人に会員権を販売しあるいは公然とビジターに有料でプレーさせるところまで変質するに至ったのであります。これではまさに、米軍がゴルフ場の営業をするのに、国有土地を無償で使用させているといわざるを得ません。政府は、そのような不要不急の米軍ゴルフ場の返還を一刻も早く実現して、そこを住宅や都市公園に何ゆえに当てないのでしょうか。これは政府の対米姿勢の問題というより、むしろ政府の怠慢であると断ぜざるを得ないのであります。国民の要望にこたえる米軍ゴルフ場返還措置は即刻とらるべき緊急事だということを、再度ここに申し上げておくものであります。 後者は、民間ゴルフ場と日本住宅公団との土地売買に関連して明らかになった問題でありますが、ゴルフ場の造成にあたってその地区内の里道畦畔等の国有土地が政府に無断で形状変更され、あるいは無契約のまま処分されているということであります。里道畦畔といえば、文字どおり、あぜ道等のことでありますが、一ゴルフ場当たりにすれば数ヘクタールにもなり、金額も数千万円にものぼる貴重な国有財産であります。大蔵省は通達まで発して出先に注意を促しているにもかかわらず、その管理の実態は怠慢そのものといわねばなりません。あるところでは一坪の土地のことで国からひどい仕打ちを受けて、その管理がきびしいことをいやというほど知らされるのが弱い国民の立場であります。一方で何十万坪という土地のゴルフ場経営者は、何のとがめも受けず国有地をのみ込んでしまって、当局も見てみぬふりでは不公平もはなはだしいといわねばなりません。当局は戦後のあと始末として行くえ不明になった国有地を求めて、いわゆる実態調査を全国的に長年月にわたって行ないました。 いまや全国的開発ブームの陰で、このような形で消えてゆく国有土地について、通達の実効をあげ、これらの国有土地のあと始末に困るようなことがないよう巌正な措置を強く要求し警告いたすものであります。 第四に、政府ないし政府関係機関の行為がみずから守るべき規範に違反しているという問題であります。 国立大学付属小学校において入学に際して違法な寄付収納をしている問題、日本専売公社において、タバコの販売価格は定価でなければならないにもかかわらず意外にも値引きを伴う卸売り販売という異常な事態が発生している問題であります。 前者については入学金ないし寄付金として入学者全部から一人につき数万円の金を徴収している事実が明らかになったのであります。これが義務教育の無償をうたった憲法の精神をじゅうりんするものであり関係法令に反することは明らかであります。 次に、専売たばこは専売法によって定価販売が規定されていることは御承知のとおりであります。にもかかわらずパチンコ店の景品としてたばこの大量需要が起きたことに伴い、公社は従来の小売り店設置の基準をゆるめて、その需要に応じて大量販売が可能な、いわば卸売りの形態を容認しているということであります。その結果卸売りに伴う値引きが現実に行なわれ、そしてその取り締まりはほとんど放任状態であって、公社は専売法違反をこのように放任することによって販売量の増大をもくろんでいるのが実態であるといわねばなりません。 すなわち一つは、大蔵省のおひざ元における政府関係機関の法律に対する基本態度の誤りであり、もう一つは教育の機会均等という義務教育の基本理念を政府みずからの手で無視しているということであります。換言すれば、みずからを拘束する法規範の厳然とした法益に行政当局が眼を開くことなく、実勢と惰性に安易に引きずられて法規範をないがしろにするという、行政としては絶対あるまじき姿であるといわねばなりません。 行政の法に対する姿勢という原点について政府の覚醒を強く促さざるを得ないのであります。以上四点はいずれも予算執行の根本的姿勢に関するものであって、その結果である決算の承認不承認を決定するにあたって特に重要なポイントとなるものであると確信するものであります。 これらの四点のほか、政府の公害対策、物価対策等にわたって質疑を重ねました。その結果、政府は口では人間尊重といいながら、その実績は人間尊重とはうらはらのものであったといわざるを得ないことを付言いたします。 以上をもって、昭和四十三年度決算についてこれを不承認とする理由とするものであります。 これをもって討論を終わります。
○田渕哲也君 私は、民社党を代表して、昭和四十三年度決算外二件を是認するととも一に、先ほど委員長御提案の警告決議案に対し、賛成するものであります。 私が政府に対し要望いたしたい諸点は、警告決議案に列挙のとおりで十分でありますが、この際、これにつけ加えて次の点を要望いたしたいと存じます。 本委員会における決算の審査が会計検査院の決算検査と最も大きく違うところは、本委員会の審査が民意に基づいている点にあることは言うまでもありません。したがって政府は、本委員会において取り上げられた事案に対しましては、ただ単に事務的な言いわけがましい説明に終始することなく、事案の奥にひそむ民意のあるところを心耳をもって洞察していただきたいと思います。 特に、昭和四十三年度決算の審査を顧みますると、国有財産の管理、処分に関する問題が、わが党のみならず他の会派からも依然として数多く取り上げられております。中には、すでに裁判所において係争事件となっているものもあり、本委員会において最終的結着をつけるにふさわしくない事案もありましたが、これは最近の土地問題とも関連して、国民の国有財産の管理、処分に対する関心がなお根強く存在することを示しております。もっとも、この国有財産の管理、処分に関する行政は、数年前、本委員会において共和製糖事件を中心として国有財産問題が数多く取り上げられて以来、その改善並びに改善への努力のあとがきわめて顕著であることは、これを認めるのに決してやぶさかではありません。しかし、いまなお、この種問題があとを絶たない現状であることを考えると、今後一そう国有財産の管理、処分については、厳正公平なる態度をもって臨み、不正不当行為の絶滅を期してもらいたいと存じます。 特に、この点を要望し、討論を終わります。
○渡辺武君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十三年度一般会計決算、特別会計決算外二件について、これを承認できないことを表明します。 その理由の第一は、この決算が、もともとわが党が反対した昭和四十三年度予算そのものの執行の締めくくりだからであります。この予算執行の結果、わが党が予算審議にあたって指摘したとおり、日本のアメリカに従属したもとでの軍国主義の復活とアジア進出は一そう促進され、大企業は前年度を上回る利潤を確保した反面、国民の命と暮らしは、過酷な重税、物価値上がり、公害、交通事故、住宅難社会保障制度の立ちおくれなど、一そう危うくなったことは明らかであります。 それだけでなく、第二に、この予算執行の過程で大企業、大資産家の大口脱税は見のがされたが、国民大衆に対しては源泉所得税が予算よりさらに五十一億円増加し、さらに簡易生命保険及び郵便年金、厚生年金保険、国民年金などの各特別会計の収入が予算を大きく上回っていることでもわかるように、事実上、大衆収奪が一そう激しくなっており、また支出面では、職業転換対策費老人福祉費中小企業対策費初等中等教育助成費、私立学校助成費などが百三十五億円も削られるなど、国民に対する支出の引き締め、打ち切りが強行されています。 また第三に、政府は一般会計で一千百九十九億円、特別会計で二千四十八億円の予備費を使用しましたが、一般会計予備費使用額のうち予備費の費目としてふさわしい災害復旧費は、わずか三百四十九億円にすぎず、残りは公務員給与費から防衛施設費、艦艇建造費に至るまでの広般な経費に及んでいます。これは憲法八十七条の予備費に関する規定の乱用であり、財政法の民主的条項を踏みにじるものと言わねばなりません。 第四に、会計検査院の検査報告が百八十二件の不当事項について指摘しているように、また本委員会での審議によっても明らかなように、政府及び政府関係機関の予算執行は、依然として乱脈であり、国家資金の浪費など、高級官僚の腐敗は著しいものがあります。 第五に、特に政府関係機関の決算についていえば、たばこの値上げと労働者に対する合理化攻撃から生じた専売公社の大幅な黒字、大企業のための低料金の貨物輸送と輸送力増強をおもな原因とする国鉄の大幅な赤字、大企業の強化と海外進出を目的とする日本輸出入銀行、日本開発銀行への出資及び融資の集中など、いずれも大企業奉仕と国民収奪の結果を示すものにほかなりません。 以上が、わが党が昭和四十三年度決算を承認できないおもな理由であります。 次に、国有財産の増減及び現在額総計算書についてでありますが、純増額の内容及び構成比のおもなものは、日本輸出入銀行、アジア開発銀行への出資や防衛庁の艦船、航空機の新造など、主として大企業のための出資及び投資と兵器の増加がその内容となっておりますので、これを承認することはできません。 また、国有財産無償貸付状況総計算書については、本来、国有財産のおもな使途の一つは、公園、緑地など国民の福祉のための無償貸し付けでなければならず、わが党はこの無償貸し付けそのものには賛成するものでありますが、その実行面において不明瞭な点があり、必ずしも賛成しがたいので、棄権の態度を表明するものであります。 最後に、警告決議案については、その内容はわが党の見解を全面的にあらわすものではなく、また十分には満足できない点を含んでおりますが、基本的には一致できますので、賛成の態度を表明するものであります。
○委員長(森元治郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。 昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十二年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十三年度政府関係機関決算書につき採決をいたします。 第一に、本件決算は、これを是認すると議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(森元治郎君) 多数と認めます。 第二に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(森元治郎君) 全会一致と認めます。よって、昭和四十三年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決されました。 次に、昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算書につき採決いたします。 本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(森元治郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決されました。 次に、昭和四十三年度国有財産無償貸付状況終計算書につき採決いたします。 本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(森元治郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって異議がないと議決されました。 この際、関係大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいまの御決議に対しましては、政府といたしましてこれを尊重し、各省各庁と密に連絡をいたしまして、遺憾なきを期してまいりたいと存じます。 なお、各種金融機関におきまして不祥事件が続発いたしましたことはまことに遺憾であります。不祥事件の防止のため金融機関自身でできる限りの努力をいたさなければならないことは申すまでもないことでありますが、当省といたしましても、御趣旨のとおり検査、行政両面の施策を通じましてその指導、監督につとめる所存でございます。
○国務大臣(倉石忠雄君) 農林省関係公共事業につきましては、常日ごろその適正な実施に努力しておりますが、なお御指摘のとおり不十分な点も見受けられますので、御決議の趣旨を体して今後とも一そうその改善をはかってまいりたいと存じます。 また、農薬残留の毒性対策につきましては、改正農薬取締法の施行に伴い、残留性の強いBHC及びドリン系農薬使用基準を定め、これらは林業用以外に使用させないこととするとともに、DDT、BHC及びドリン系につきましてその販売を禁止または制限して対策の万全を期しておるところでありますが、今後とも安全対策の実施については遺憾のないように措置してまいる所存であります。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御決議のございました日本航空機製造株式会社の件につきましてはその御趣旨を十分尊重し、指導監督につとめてまいる所存でございます。
○政府委員(山村新治郎君) ただいま御指摘を受けました鉄道の安全対策につきましては、人命尊重の原則によって施策を講じてきておるところであります。鉄道の重大事故の大半は踏切における事故でありまして、大型車等の不注意等外部要因によるものが多く、政府といたしましてはこれらの事情を勘案して今後とも引き続き安全のための有効適切な施策を講じ、一般と鉄道係員の資質の向上、鉄道諸施設の整備充実をはかり、事故防止に万全を期し、御決議にこたえたい所存であります。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいま御決議のありました郵政省関係の事項につきましては警告の趣旨に沿うよう十分努力してまいりたいと考えております。
○国務大臣(内田常雄君) 御指摘のありました残留農薬など厚生省関連の行政事項等につきましても、ただいま御指摘の点を十分考慮をいたしまして、技術上の点をも含め御趣旨に沿うよう今後指導監督してまいる所存でございます。
○国務大臣(野原正勝君) ただいま御指摘をいただきました労働省所管の事項につきまして御決議の趣旨に沿うよう指導監督にさらにつとめてまいる所存でございます。
○委員長(森元治郎君) 以上で関係大臣の発言は終わりました。 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべきこれら案件の報告書につきましては、ただいまの本委員会の議決内容によりこれを作成することといたしまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(森元治郎君) 速記を始めて。 —————————————
○委員長(森元治郎君) 次に、昭和四十四年度決算外二件を議題といたします。 まず、昭和四十四年度決算につきまして、その概要説明を聴取いたします。福田大蔵大臣。
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十四年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに本国会に提出し、また、昭和四十四年度の国の債権の現在額並びに物品増減及び現在額についても本国会に報告いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。 昭和四十四年度予算は、昭和四十四年四月一日に成立いたしました本予算と、昭和四十五年三月四日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。 昭和四十四年度本予算は、わが国経済の持続的成長の確保と物価の安定を眼目として、財政面から景気を刺激することのないよう、財政規模は適度のものにとどめ、国民の負担の軽減をはかるため、所得税及び住民税等の減税を行ない、財政体質の改善をはかるため、公債発行額を縮減して一般会計の公債依存度を引き下げるとともに、歳出内容について、限りある財源の適正かつ効率的な配分につとめ、国民福祉向上のための諸施策を推進することとして編成されたものであります。 なお、補正予算は、公務員の給与改善をはじめ、本予算成立後に生じた事由に基づき、特に緊要となった経費その他公債金の減額等につきまして、所要の補正を行なったものであります。 昭和四十四年度を顧みますと、わが国経済は、引き続き好況に推移しました。経済活動は、春以降活発な盛り上がりを示し、九月には日本銀行は、景気の行き過ぎを未然に防止し、物価の安定をはかることを目的として一連の金融引き締め措置を実施しましたが、結局、実質経済成長率は一二・六%となり、ここ四年間高い成長率を維持しました。なお、卸売物価は前年度比三・二%、消費者物価は同比六・四%の上昇となりました。 こうした経済の状況を支えた大きな要因は、設備投資や住宅建設の増勢等による国内需要の伸びと、世界貿易の活況、国際競争力の向上等を背景とした輸出の高い伸びでありました。また、国際収支も、輸出の増大と外人証券投資の大幅な流入超過を主因として、十九億九千万ドルの黒字となりました。このように、国際収支が黒字を続けるなかで経済は拡大を続け、企業収益は九期連続の増収増益、賃金は前年度比一六・三%の大幅な上昇を記録するなど所得面でも著しい伸びが見られたのであります。 このようなわが国経済の状況を背景として昭和四十四年度予算が執行されたのでありますが、以下、その決算の内容を数字をあげて説明申し上げます。 まず、一般会計におきまして歳入の決算額は七兆千九十二億六千六百五十一万円余、歳出の決算額は六兆九千百七十八億三千七百九十八万円余でありまして、差し引き千九百十四億二千八百五十三万円余の剰余を生じました。 この剰余金のうち七億八千百七十一万円余は、空港整備特別会計法附則第四項の規定によりまして、空港整備特別会計の昭和四十五年度の歳入に繰り入れ、残額千九百六億四千六百八十二万円余は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和四十五年度の歳入に繰り入れ済みであります。 なお、昭和四十四年度における財政法第六条の純剰余金は六百九十七億八千二百五十万円余となり、この純剰余金の二分の一を下らない金額は、財政法第六条第一項の規定によりまして、公債または借入金の償還財源に充てることとなるわけであります。 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額六兆九千三百八億五千四百二十一万円に比べて千七百八十四億千二百三十万円余の増加となるのでありますが、このうちには一昭和四十三年度の剰余金の受け入れが予算額に比べて九百五十三億三千六百七十万円余増加したものを含んでおりますので、これを差し引きますと、昭和四十四年度の歳入の純増加額は八百三十億七千五百六十万円余となるのであります。その内訳は、租税及び印紙収入における増加額八百九十三億千三十六万円余、専売納付金における増加額二十三億十五万円余、官業益金及び官業収入における増加額七億四千八百八十七万円余、政府資産整理収入における増加額四十六億八千九百七十七万円余、雑収入における増加額二百三十四億千七百八十二万円余、公債金における減少額三百七十三億九千百四十万円となっております。 一方、歳出につきましては、予算額六兆九千三百八億五千四百二十一万円に、昭和四十三年度からの繰り越し額七百二十二億九千六百七万円余を加えました歳出予算現額七兆三十一億五千二十八万円余に対しまして、支出済み歳出額は六兆九千百七十八億三千七百九十八万円余でありまして、その差額八百五十三億千二百三十万円余のうち、昭和四十五年度に繰り越しました額は七百二十六億三千五百八十七万円余となっており、不用となりました額は百二十六億七千六百四十二万円余となっております。 次に、予備費でありますが、昭和四十四年度一般会計における予備費の予算額は七百十六億円であります。その使用額は七百十五億九千四百五十九万円余でありまして、その使用につきましては、別途本国会に提出の予備費使用承諾案について御審議をいただきますので、説明を省略させていただきます。 次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。 財政法第十五条第一項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は二千四百四十六億三千九百七十一万円余でありますが、実際に負担いたしました債務額は二千三百七十七億五千七百五十八万円余でありますので、これに既往年度からの繰越債務額二千二百十六億千百五十三万円余を加え、昭和四十四年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額千四百八十九億四千七百二十万円余を差し引きました額三千百四億二千百九十一万円余が、翌年度以降に繰り越された債務額になります。 財政法第十五条第二項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は百億円でありますが、実際に負担いたしました債務額は六十四億四千六百四十六万円余でありまして、既往年度からの繰り越し債務額五十一億九千三十二万円余は、昭和四十四年度中に支出その他の理由によって、その全額が消滅いたしましたので、六十四億四千六百四十六一万円余が、翌年度以降に繰り越された債務額になります。 次に、昭和四十四年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は四十二でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。 なお、これらの特別会計の歳入歳出の決算額を合計いたしますと、歳入決算において十六兆二百九十二億千四百万円余、歳出決算において十四兆三千九十四億千六百八十万円余であります。 次に、昭和四十四年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は六兆千七百八十三億二千七百十二万円余でありまして、この資金からの歳入への組み入れ額等は六兆千六百七十六億四千三百八十九万円余でありますので、差し引き百六億八千三百二十二万円余が、昭和四十四年度末の資金残額となります。これは、主として国税にかかる還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。 次に、昭和四十四年度政府関係機関の決算でありますが、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算の内容につきましては、別途それぞれの主務大臣から御説明申し上げる予定であります。 〔委員長退席、理事和田静夫君着席〕 また、その他の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。 次に、国の債権の現在額でありますが、昭和四十四年度末における国の債権の総額は十兆九千四百八十二億千三百六十八万円余でありまして、その内容の詳細につきましては、昭和四十四年度国の債権の現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。 次に、物品増減及び現在額でありますが、昭和四十四年度中における純増加額は六百五十九億五千二百四十五万円余でありますので、これに前年度末現在額四千六百三十億九千五百六十八万円余を加えますと、昭和四十四年度末における物品の総額は五千二百九十億四千八百十四万円余となります。その内訳の詳細につきましては、昭和四十四年度物品増減及び現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。 以上、昭和四十四年度の一般会計、特別会計、国税収納金整理資金及び政府関係機関の決算等につきまして、その大要を御説明申し上げた次第であります。 なお、昭和四十四年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いてまいったのでありますが、なお、会計検査院から百五十三件にのぼる不当事項について指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。 これにつきましては、今後一そう経理の改善に努力を傾注いたす所存であります。 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。 —————————————
○理事(和田静夫君) 次に、昭和四十四年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和四十四年度国有財産無償貸付状況総計算書につきまして、その概要説明を聴取いたします。福田大蔵大臣。
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十四年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和四十四年度国有財産無償貸付状況総計算書を、会計検査院の検査報告とともに本国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十四年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について申し述べます。 昭和四十四年度中に増加しました国有財産は、行政財産三千六百六億九千二百三十三万円余、普通財産三千六百五十九億二千四百八十五万円余、総額七千工百六十六億千七百十九万円余であり、また同年度中に減少しました国有財産は、行政財産九百三十九億九千四百五十五万円余、普通財産千百六十億八千八百十一万円余、総額二千百億八千二百六十七万円余でありまして、差し引き総額において五千百六十五億三千四百五十一万円余の増加となっております。これを昭和四十三年度末現在額六兆三千三十六億五千三百七十三万円余に加算いたしますと、六兆八千二百一億八千八百二十五万円余となり、これが昭和四十四年度末現在における国有財産の総額であります。 この総額の内訳を分類別及び種類別に申し上げますと、行政財産においては公用財産二兆四千三百九十億三千五百八十万円余、公共用財産八百二十一億四千百七十四万円余、皇室用財産九百十九億七千七百六万円余、企業用財産一兆二千十一億九千九百二十五万円余、合計三兆八千百四十三億五千三百八十六万円余となっており、普通財産においては三兆五十八億三千四百三十八万円余となっております。なお、この普通財産のうち二兆四千八百三十八億九千七百万円余は政府出資等となっております。 また、国有財産の総額の内訳を区分別に申し上げますと、土地一兆七千九百五十億九千八百二十六万円余、立木竹六千二十四億三千七百十五万円余、建物九千四百七十五億五千五百七十八万円余、工作物六千五百九十六億千八百九十七万円余、機械器具十億三千九百十二万円余、船舶千八百二十三億二千三百八十三万円余、航空機千四百七十億二千五百二十九万円余、地上権等五億四千二百二十八万円余、特許権等六億五千五十三万円余、政府出資等二兆四千八百三十八億九千七百万円余、合計六兆八千二百一億八千八百二十五万円余となっております。 〔理事和田静夫君退席、委員長着席〕 次に国有財産の増減の内容について、その概要を申し上げます。 まず、昭和四十四年度中における増加額を申し上げますと、前述のとおりその総額は七千二百六十六億千七百十九万円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって増加した財産は五千七百九十億四千百五十五万円余でありまして、このうち購入、新営工事、政府出資等歳出を伴うものは五千五十四億千四十一万円余、現物出資、交換、寄附等歳出を伴わないものは七百三十六億三千百十四万円余となっております。 第二に、国の内部における異動によって増加した財産は千四百七十五億七千五百六十三万円余でありまして、このうち各省各庁または各省各庁の部局等の間における財産の移管等調整上の増加は千九十二億八千五十五万円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の増加は三百八十二億九千五百八万円余となっております。 次に、減少額について申し上げますと、その総額は二千百億八千二百六十七万円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって減少した財産は八百五十二億四百三十一万円余でありまして、このうち売り払い、出資金回収等歳入を伴うものは三百六十六億八千七百十一万円余、交換、譲与等歳入を伴わないものは四百八十五億千七百十九万円余となっております。 第二に、国の内部における異動によって減少した財産は千二百四十八億七千八百三十六万円余でありまして、このうち各省各庁または各省各庁の部局等の間における財産の移管等調整上の減少は千三十三億千百八十九万円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の減少は二百十五億六千六百四十六万円余となっております。 以上が昭和四十四年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。 次に、昭和四十四年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について申し述べます。 昭和四十四年度中に増加しました無償貸付財産の総額は百六億五千五百十五万円余であり、また同年度中に減少しました無償貸付財産の総額は五十一億四百二十九万円余でありまして、差し引き五十五億五千八十五万円余の純増加となっております。これを昭和四十三年度末現在額七百七十一億百八十九万円余に加算いたしますと八百二十六億五千二百七十五万円余となり、これが昭和四十四年度末現在において無償貸し付けをしている国有財産の総額であります。 この増減のおもなものを申し上げますと、増加したものは公園の用に供するもの百三億千六百五十万円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの一億三千三百七十八万円余等であります。 次に減少したものは、公園の用に供するもの四十五億九千九百九十二万円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの三億八千四百八十九万円余等であります。 以上が昭和四十四年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(森元治郎君) 次に、昭和四十四年度日本専売公社の決算につきまして、概要説明を聴取いたします。福田大蔵大臣。
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十四年度日本専売公社収入支出決算につきまして、その概要を御説明いたします。 まず、事業の概況について申し述べます。 第一に、たばこ事業におきましては、葉たばこの購入は、二十万六千トン余、金額にして千二百四十八億一千三百二十八万円余であり、当初の予定に比較いたしますと、二万四千トン余、金額にして百六十一億五千百六十六万円余の減少となっております。 また、たばこの製造及び輸入は、二千百八十六億本余であり、当初の予定に比較いたしますと、五十九億本余の増加となっており、その販売は、二千百三十五億本余、金額にして七千五百十一億三千十五万円余であり、当初の予定に比較いたしますと二十一億本余、金額にして百四十三億五千八百十五万円余の増加となっております。 第二に、塩事業におきましては、塩の購入は、国内塩百二万トン余、輸入塩五百八十九万トン余、金額にして合計三百五十億九千二百二十万円余であり、当初の予定に比較いたしますと、十万トン余、金額にして八億三千九百六十八万円余の減少となっており、その販売は、六百八十二万トン余、金額にして四百三億五千五百十二万円余であり、当初の予定に比較いたしますと、五万トン余、金額にして十五億三千三百七十三万円余の減少となっております。 次に、決算の内容について申し述べます。 まず、収入支出について御説明いたします。 昭和四十四年度における収入済額は七千九百五十六億二千百六万円余、支出済額は五千三百四十五億八千五百六十五万円余であり、収入が支出を超過すること二千六百十億三千五百四十万円余であります。 また、昭和四十四年度の総収益七千九百七十七億九千三百九十万円余から総損失五千三十六億五千三百十三万円余を控除した純利益は二千九百四十一億四千七十七万円余であります。これから日本専売公社法第四十三条の十三第三項の規定により積み立てる三百八十二億九千六百六十二万円余を控除した専売納付金は二千五百五十八億四千四百十四万円余であり、当初の予定額二千四百三十八億九千五百六十一万円余に比較いたしますと、百十九億四千八百五十三万円余の増加となっております。 以下、これを、収入、支出の部に分けて御説明いたします。 まず、収入の部におきましては、収入済み額は七千九百五十六億二千百六万円余であり、収入予算額七千八百三十億百八十万円余に比較いたしますと、百二十六億一千九百二十五万円余の増加となっております。 次に、支出の部におきましては、支出予算現額は五千七百三十四億七千七百三十三万円余でありまして、支出済み額は五千三百四十五億八千五百六十五万円余、翌年度に繰り越した額は百八十九億二千二百四十八万円余でありまして、差し引き不用額百九十九億六千九百十八万円余となっております。 次に、予算総則に規定した事項にかかる予算の実施について御説明いたします。 まず、予算総則第六条により予備費を使用した額は職員給支払いのため二十億七千六百四十九万円余であり、同条の規定により予算を流用した額は職員給支払いのため十四億四百十六万円余であります。 次に、予算総則第九条の規定による特別給与の支出に充てた額は業績賞与支払いのため九億四千二百十五万円余であります。 最後に、債務に関する計算について御説明いたします。 日本専売公社法第三十五条第一項の規定による債務負担行為の限度額は、塩事業費において九十四億円でありますが、実際に負担した債務額は塩事業費において二十五億四千四百七十三万円余であります。 また、日本専売公社法第三十五条第二項の規定による債務負担行為の限度額は一億円でありますが、実際に負担した債務額はございません。 さらに、日本専売公社法第四十三条の十四第二項の規定による長期借入金の最高限度額は千四百九十億円でありますが、実際に借り入れた額は千百億円であります。 また、同じく短期借入金の最高限度額は二千三百億円でありますが、実際に借り入れていた最高額は二千億円であり、短期借入金は、すべて昭和四十四年度内に償還し、翌年度へ繰り越した債務額はございません。 以上が昭和四十四年度の日本専売公社の決算の概要であります。 なお、昭和四十四年度の日本専売公社の決算につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けたものはございません。 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(森元治郎君) 次に、昭和四十四年度日本国有鉄道の決算につきまして、概要説明を聴取いたします。橋本運輸大臣。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 昭和四十四年度日本国有鉄道決算書を国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。 昭和四十四年度における日本国有鉄道の運輸成績は、旅客輸送人員で対前年度五%減、輸送人キロで二%減、貨物輸送トン数は対前年度横ばい及び貨物輸送トンキロは二%増にとどまりましたが、収入においては、旅客収入において、昭和四十四年五月十日に実施した運賃改定の影響もあって対前年度一八%、貨物収入において対前年度二%それぞれ増加いたしました。 以下、収入支出の内容を勘定別に御説明申し上げます。 まず、損益勘定におきましては、収入済み額は一兆五百八億五千四百七十六万円余、支出済み額は一兆一千七十六億六千五万円余でありまして、支出が収入を超過すること五百六十八億五百二十九万円余でありますが、これは予算上の区分による収支決算の結果でありまして、いわゆる損益計算上では昭和四十四年度純損失は一千三百十五億八千九百九十八万円余となっております。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入は予算額一兆一千億八千六万円余に対しまして四百九十二億二千五百三十万円余の減収となっておりますが、その内容は、運輸収入におきまして五百三十一億一千五百六十五万円余及び財政再建助成金一億二千百七十二万円余の減並びに雑収入四十億一千二百七万円余の増収となっております。 他方、支出は予算現額一兆一千三百十四億四千八百四十二万円余に対しまして二百三十七億八千八百三十七万円余下回っておりますが、そのうち、翌年度への繰り越し額は二百三十六億三千三百五十六万円余で残額一億五千四百八十万円余は不用額となっております。 次に、資本勘定におきましては、収入済み額は六千七十七億二千四百三十四万円余、支出済み額は六千百三十三億九千九百五十三万円余であります。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入は予算額五千四百十四億九千二百六十五万円余に対しまして六百六十二億三千百六十九万円余の増収となっております。これは損益勘定からの受け入れ減百八十三億三千七百八十万円余、資産充当による収入増百八十億一千九百四万円余、鉄道債券の発行及び借り入れ金の増六百六十五億五千四十六万円余によるものであります。 他方、支出は予算現額六千二百六十二億一千百三十万円余に対しまして百二十九億一千百七十六万円余下回っておりますが、そのうち、翌年度への繰り越し額は百五億六千九百九十五万円余で残額二十三億四千百八十一万円余は不用額となっております。 工事勘定におきましては、収入済み額は四千五百十五億九千四百三十二万円余、支出済み額は三千九百九十七億九千四百六十二万円余であります。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入は資本勘定からの受け入れが多かったため、予算額三千八百十八億四千八百十七万円余に対しまして六百九十七億四千六百十五万円余の増収となっております。 他方、支出は予算現額四千四百十三億六千八百九十一万円余に対しまして四百十五億七千四百二十八万円余下回っておりますが、そのうち三百八十七億三千四百九十九万円余は翌年度への繰り越し額であり、残額二十八億三千九百二十九万円余は不用額となっております。 この工事勘定の内容に関連して主要施策の実績について申し上げますと、日本国有鉄道は日本国有鉄道財政再建計画を実施して財政の立て直しをはかるとともに収入を確保し、業務運営の能率化を促進し、あわせて安全の確保をはかるため、十ヵ年間に総額約三兆七千億円にのぼる投資を予定しておりますが、その初年度にあたる昭和四十四年度における計画事項別決算額は、通勤輸送八百二十八億二千百三十四万円余、新幹線一千五十一億六千五百六十四万円余、幹線輸送力増強一千八十五億一千七百七十二万円余、合理化・近代化等一千三十二億八千九百九十一万円余、合計三千九百九十七億九千四百六十二万円余となっております。 最後に、昭和四十四年度の予算の執行につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。 以上、昭和四十四年度の日本国有鉄道決算につきまして、その概要を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、さらに御質問のつど御説明申し上げたいと存じます。 何とぞ、御審議のほどお願いいたします。 —————————————
○委員長(森元治郎君) 次に、昭和四十四年度日本電信電話公社の決算につきまして、概要説明を聴取いたします。井出郵政大臣。
○国務大臣(井出一太郎君) 昭和四十四年度日本電信電話公社の決算書類を会計検査院の検査報告とともに第六十五回国会に提出いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十四年度における日本電信電話公社の決算は、前年度に引き続き黒字決算となっており、損益計算上の利益金は、事業規模の拡大に伴い、給与その他諸費、利子及び債務取り扱い諸費等が増大しましたが、収入が順調に推移したため、前年度よりも増加し、二百六十八億百万余円となっております。 また、建設計画につきましては、集団電話を含め加入電話増設約百九十五万五千加入を主要工程とする建設工事を実施いたしました。 以下、決算の内容を勘定別に御説明申し上げます。 損益勘定におきましては、収入済み額九千三百四億七千四百五十一万余円、支出済み額九千百四十億二千八百五十一万余円でありまして、収入が支出を超過すること百六十四億四千六百万余円となっております。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては予算額八千八百六十五億九千七百九十五万余円に対し、四百三十八億七千六百五十五万余円上回っておりますが、これは電話収入及び専用収入で四百五十二億一千六百二万余円の増収があったのに対し、電信収入及び雑収入で十三億三千九百四十七万余円の減収があったためであります。 他方、支出におきましては、支出済み額は支出予算現額九千百五十八億一千八百六十六万円に対し、十七億九千十四万余円下回っておりますが、この差額は、翌年度繰り越し額九億六千六百六十七万余円と不用額八億二千三百四十七万余円とであります。 資本勘定におきましては、収入済み額は六千八百六十二億六千百四十万余円、支出済み額は六千五百三十九億七千六百五十八万余円でありまして、収入が支出を超過すること三百二十二億八千四百八十二万余円となっております。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額六千三百八十三億二千八十三万余円に対し、四百七十九億四千五十七万余円上回っておりますが、これは損益勘定より受け入れが百億三千八万余円、資産充当が三十一億九千七百二十五万余円、設備料が六十億三千九百七十二万余円、電信電話債券が二百八十六億七千三百五十一万余円、いずれも予算額に比べ増加したことによるものであります。他方、支出におきましては、支出済み額は支出予算現額六千五百四十三億八千四百七十七万余円に対し、四億八百十八万余円下回っておりますが、この差額は、おもに翌年度へ繰り越すこととしております。 建設勘定におきましては、収入済み額は六千二十七億二千七百三十四万余円、支出済み額は五千九百七十四億九千八百五十一万余円でありまして、収入が支出を超過すること五十二億二千八百八十二万余円となっております。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額五千八百七十億円に対し、百五十七億二千七百三十四万余円上回っておりますが、これは資本勘定より受け入れが増加したためであります。他方、支出におきましては、支出済み額は支出予算現額六千二百七十六億八千四百八十四万余円に対し、三百一億八千六百三十三万余円下回っておりますが、この差額は全額翌年度へ繰り越すこととしております。 なお、昭和四十四年度は日本電信電話公社の電信電話拡充第四次五ヵ年計画の第二年度に当たっておりますが、実施いたしました建設工程のおもな内容について申し上げますと、加入電話増設は、事業所集団電話及び地域集団電話を含め、百九十五万加入の予定に対し約百九十五万五千加入、公衆電話増設は四万個の予定に対し約四万個を実施し、また、市外電話回線増設、新電話局建設及びデータ通信等についても、それぞれおおむね予定どおり実施いたしております。 最後に、昭和四十四年度の予算執行につきまして、会計検査院から不当事項一件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾なことでありまして、日本電信電話公社に対し、適正な事業運営につきまして、今後一そうの努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。 以上をもちまして、私の説明を終わります。 —————————————
○委員長(森元治郎君) 次に、会計検査院より、昭和四十四年度決算検査報告並びに昭和四十四年度国有財産検査報告に関する概要説明を聴取いたします。山崎会計検査院長。
○会計検査院長(山崎高君) 昭和四十四年度歳入歳出決算は、四十五年十月十五日内閣から送付を受け、その検査を終えて、昭和四十四年度決算検査報告とともに四十五年十一月三十日内閣に回付いたしました。 昭和四十四年度の一般会計決算額は、歳入七兆千九十二億六千六百五十一万余円、歳出六兆九千百七十八億三千七百九十八万余円でありまして、前年度に比べますと、歳入において一兆四百九十三億九千三百四十七万余円、歳出において九千八百七億五千六百二十万余円の増加になっており、各特別会計の決算額の合計額は、歳入十六兆二百九十二億千四百万余円、歳出十四兆三千九十四億千六百八十万余円でありまして、前年度に比べますと、歳入において二兆六千二百二億七千百五十九万余円、歳出において二兆四千六十六億九千五百五十五万余円の増加になっております。 なお、国税収納金整理資金は、収納済額六兆千七百八十三億二千七百十二万余円、歳入組み入れ額六兆四百七十四億三千四百四十一万余円であります。 政府関係機関の昭和四十四年度決算額の総計は、収入五兆五千四百二十四億九千七百六十二万余円、支出五兆二千百工十八億九千六百十八万余円でありまして、前年度に比べますと、収入において七千五百四十億六千七百万余円、支出において六千六百八十一億三千百二十四万余円の増加になっております。 昭和四十四年度の歳入、歳出等に関し、国及び政府関係機関等から提出された計算書二十二万余冊及び証拠書類五千九百六十七万余枚につきまして書面検査を行ない、また二千八百余の局所等につきまして三万八千余人日をもって実施検査を行ないました。 このようにして検査いたしました結果につき、その概要を説明いたします。 まず、不当事項について申し上げます。 不当事項として検査報告に掲記しましたものは合計百五十三件でありますが、これを収入、支出の別に分類し、態様別の金額を概計いたしますと、次のとおりであります。すなわち、収入に関するものといたしましては、租税収入の徴収額が不足していたものなどが六億四千二百万円、保険料収入の徴収額が不足していたものが四千二百万円であり、支出に関するものといたしましては、工事費の積算が適切でなかったため、契約額が割り高になったものが二千百万円、工事の監督、検査が適切でなかったため、施工が設計と相違していたものが七百万円、保険金等の支給が適正でなかったものが三千三百万円、補助事業の実施及び経理が適切でなかったものが二億九百万円、契約の締結及び解除にあたっての処置が適切でなかったため、多額の手数料を支払う結果になったものが十億三千五百万円でありまして、これらの合計額は、十九億九千二百万円になっておりまして、前年度の十二億六千二百万円に比べまして七億三千万円増加しております。 これらの不当事項は、租税、工事、保険補助金、その他の項目に分けて検査報告に記述してありますが、特に、工事及び補助金に関するものにつきまして説明いたします。 工事につきましては、不経済な結果になったと認められるなどの事例を毎年度指摘しておりますが、四十四年度におきましても、農林省、日本国有鉄道及び日本電信電話公社におきまして、工事の施行に際し工事費の積算が適切でなかったためひいては契約額が割り高になったと認められるもの、工事の監督及び検査が適切を欠いたため出来形が設計と相違していると認められるものが見受けられます。 補助金につきましては、その経理が当を得ないものを毎年度多数指摘して注意を促してきたところでありますが、四十四年度におきましても、農林省及び建設省の公共事業関係のものにつきまして、工事の施行が不良になっているものなどがまだ少なからず見受けられます。また、その他の補助金につきましても、補助の目的に沿わない結果になっているものなどが見受けられます。 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について説明いたします。 四十四年十二月から四十五年十一月までの間におきまして、会計検査院法第三十四条の規定により意見を表示し是正改善の処置を要求いたしましたものは十七件であります。 この内訳は、厚生省の簡易水道事業における管路布設工事費の積算に関するもの、児童福祉法による保護等に要する費用に関するもの、農林省のコンクリート二次製品等を使用する工事の施行に関するもの、草地改良、開拓パイロット両事業における土壌改良等の施行に関するもの、開拓パイロット事業における事業効果に関するもの、外国小麦の買入予定価格のうちに含まれる海上運賃の積算に関するもの、内水面ほ場整備事業による造成農地の他目的転用に関するもの、運輸省の航空交通管制自動化システムの保守請負契約に関するもの、建設省の特定多目的ダム本体建設工事の予定価格の積算に関するもの、日本国有鉄道のコンテナ貨物等積卸料の算定に関するもの、蒸気機関車の廃車及び全般検査の実施に関するもの、変電所における受電設備の力率に関するもの、日本道路公団の建築工事の生コンクリート価格の積算に関するもの、トンネル掘進機の利活用に関するもの、首都高速道路公団の開削式工法による隧道工事の予定価格の積算に関するもの、水資源開発公団のダム建設工事の予定価格の積算に関するもの、電源開発株式会社の水力発電所建設工事の予定価格の積算に関するものであります。 以上をもって概要の説明を終わります。会計検査院といたしましては、機会あるごとに関係各省各庁などに対して、適正な会計経理の執行について努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し述べましたような事例が見受けられますので、関係各省各庁などにおいても、さらに特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。 次に、昭和四十四年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。 昭和四十四年度国有財産増減及び現在額総計算書及び国有財産無償貸付状況総計算書は、四十五氏十月二十四日内閣から送付を受け、その検査を終えて、十一月三十日内閣に回付いたしました。 四十三年度末の国有財産現在額は六兆三千三十六億五千三百万余円でありましたが、四十四年度中の増が七千二百六十六億千七百万余円、同年度中の減が二千百億八千二百万余円ありましたので、差し引き四十四年度末の現在額は六兆八千二百一億八千八百万余円になり、前年度末に比べますと五千百六十五億三千四百万余円の増加になっております。 次に、国有財産の無償貸付状況について申し上げますと、四十三年度末には七百七十一億百万余円でありましたが、四十四年度中の増が百六億五千五百万余円、同年度中の減が五十一億四百万余円ありましたので、差し引き五十五億五千万余円の増加をみまして、四十四年度末の無償貸付財産の総額は八百二十六億五千二百万余円になっております。 検査の結果、昭和四十四年度国有財産増減及び現在額総計算書に掲載されている国有財産について、その管理が不当と認めましたものは、農林省の船舶に関するもの一件でありまして、その内容につきましては、昭和四十四年度決算検査報告四一ページに掲記してあります。
○委員長(森元治郎君) 以上で昭和四十四年度決算外二件に関する概要説明の聴取は終わりました。
○二宮文造君 ちょっと委員長に資料の要求をお取り計らいを願いたいと思いますので、一言申し上げたいと思うのですが、会計検査院に対して次の資料をお願いしたい。これをお取り計らい願いたいと思うのです。 昭和四十四年度決算検査報告の一〇ページによりますと、「会計検査院は、国、政府関係機関等の昭和四十四年度の歳入、歳出等に関して、歳入の徴収、歳出の支出等の事務を行なう職員から提出された計算書二十一万三千余冊、その証拠書類五千九百六十七万余枚について書面検査を行ない、また、四十四年十一月から四十五年十月までの間に、上記の職員が所在する局所等のうち約二千八百箇所について、三万八千余人日をもって実地検査を行なった。なお、検査に伴い関係者に対して発した質問は四千余件である。」、このように記載されております。また、同じ趣旨のことが、先ほどの院長の概要説明の中にもありました。 そこで、三点お願いをしたいわけでありますけれども、国及び政府関係機関等の昭和四十四年度の歳入歳出等につきまして会計検査院が行なった検査につきまして、その一つは、書面検査及び実地検査の検査方針について、その基本方針と、各省庁別の具体的な検査方針——これはちょっとお断わりをしておきますが、何も私、会計検査院の検査方針に介入するつもりは毛頭ございませんので、先ほども院長の概要説明の中に、百五十三件、十九億余の不当支出金の指摘がございましたけれども、これらの検査報告を発表されましたとき、世間では、これは氷山の一角であると、こういうふうな趣旨のことがよく行なわれます。一生懸命会計検査をやられた検査院の職員にとってみれば、氷山の一角であるというふうな表現は、まことに当たらないものではないか。そこで、この基本方針ないしは具体的な検査方針というものを示されますと、四十四年度における会計検査院のいわゆる守備範囲というものが明確になります。その守備範囲の中でこういう不当事項が指摘されたのだと、こういう国民の理解ができるかとも思いますので、この基本方針ないしは各省庁別の具体的な検査方針についての資料をお願いしたい、こういう意味であります。なぜそういう検査方針をとったかということには介入はいたさないつもりであります。 また、二番目に、実地検査につきまして、実地検査をした二千八百余ヵ所のその個所名及びその所管省庁の名称、それからいま申し上げました二千八百余ヵ所のうち、昭和四十四年度の検査報告に掲記された個所、これは指摘番号を記入していただくと、まことに好都合でございます。 また、三つ目には、検査に伴いまして、関係者に四千余の質問を発したと、このように述べられておりますが、その公文書で質問しました四千余の質問の直接の相手方の名称及びその所管省庁の名称、二番目には、右のうちで、四十四年度の検査報告に掲記されました相手方の名称、これは指摘番号をも表示していただくと好都合でございます。 以上、三点についての資料を、ぜひ御協力を願いたいと、こう思うわけであります。
○委員長(森元治郎君) ただいまの資料要求につきましては、御要求のように取り計らいます。 —————————————
○委員長(森元治郎君) 次に、本委員会は、昭和四十二年度決算につきまして内閣に対し警告の議決を行ないましたが、この警告に対し内閣のとった措置などにつきまして、説明を聴取いたします。藤田大蔵政務次官。
○政府委員(藤田正明君) 政府は、従来から、決算に関する国会の審議議決、会計検査院の指摘等にかんがみ、国費の効率的使用、事務事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等につきまして特に留意してまいったところでありますが、昭和四十二年度決算に関する参議院の審議議決にかんがみ、各省各庁におきまして講じております措置を取りまとめて、その概要を御説明申し上げます。 一、公務員の綱紀につきましては、閣議決定等により、責任体制の整備、人事配置上の配慮、服務規律の確保、部内監察制度の強化、不祥事件発生の際の適正な処分等の措置を講じ、その厳正な保持をはかってきたところでありますが、さらに議決の御趣旨に沿いまして、人事管理官会議等を通じて綱紀の粛正について、それぞれの職場の実態に応じた適正、かつ、具体的な措置を講ずるよう指示したところであります。政府は今後とも、公務員が国民全体の奉仕者としての自覚に徹し、厳正な綱紀を保持するように一段と努力してまいる所存であります。 二、補助金に関する不当事項の発生防止につきましては、従来から各省各庁におきまして、それぞれの事案につき、原因の究明及び対策の樹立に格別の努力を傾注いたしているところであります。昭和四十二年度の決算検査報告における補助金関係の不当事項について見ますと、補助事業者の交付要綱等に対する理解が十分でなかったこと、災害復旧事業等小規模かつ多数のものを緊急に実施する必要がある事業について、事業実施体制が必ずしも十分に即応し得なかったこと等にそのおもな原因があると考えます。このような実情にかんがみ、その対策といたしまして、補助事業者に対する国の出先機関及び都道府県を通ずる指導監督体制の整備充実、担当職員に対する指導研修の強化、工事実施業者の選定の適正化等を強力に推進することにより、改善を期していく所存であります。 三、大口脱税につきましては、職員の重点的な配置及び取引資料の解明、実地調査の充実等により、脱税の早期発見をはかるとともに、その事実が認められる場合におきましては、迅速に特別調査または査察調査等を実施し、その捕捉と徴収につとめているところであり、昭和四十六年度予算におきましても、大口脱税事案の調査等に要する経費につきまして増額をはかり、その執行に遺憾のないよう配慮することといたしております。 四、公社、公団等特殊法人及び審議会等の整理統合につきましては、行政全般にわたる簡素能率化の一環としてその推進につとめているところであります。すなわち、公社、公団等特殊法人につきましては、昭和四十三年度以降、愛知用水公団等六法人の統廃合または再編成を実施いたしますとともに、その新設につきましても、従来から厳に抑制する方針を堅持してきたところでありまして、昭和四十六年度におきましては、新設を一切認めないことといたしております。一方、審議会等につきましては、昭和四十三年度に六の審議会を廃止または統合し、さらに昭和四十四年七月閣議決定の第二次行政改革計画に基づき、昭和四十四年度及び昭和四十五年度におきまして、中央、地方を通じて十九の審議会等の整理統合を実施したところであります。また、昭和四十六年度におきましても同計画の趣旨に沿って統合等により四審議会を減ずることといたしております。なお、今後とも議決の御趣旨に沿い、特殊法人の整理簡素化及び審議会等の整理統合につきまして引き続き努力してまいりたいと存じます。 五、災害復旧補助事業につきましては、現在、地方公共団体等の負担力や工事施工能力等を勘案して、緊要な災害復旧事業は三ヵ年、その他の復旧事業を含めて全体を四ヵ年で復旧するたてまえになっておりますが、もとより条件が許しますならば、早期に完成することが望ましいわけでありますから、従来から財政事情を勘案の上、初年度二五%、次年度四〇%、三年度二〇%、四年度一五%という原則進捗率にこだわらず、極力復旧を促進するよう配慮してきたところであります。昭和四十六年度におきましても、歳出予算において復旧進度を高めるとともに、国庫債務負担行為の活用によって、四十四年災については一〇〇%、四十五年災については八三%までの契約を行なえるよう措置いたしております。今後も、災害復旧事業にかかる工期の短縮及び事業の促進につきましては、その年の災害発生状況、工事施工能力や財政事情等を勘案の上、逐次改善の方向で努力してまいりたいと考えております。 六、国立大学の受託研究費の経理につきましては、議決の御趣旨にかんがみ、昭和四十五年四月、受託研究費の取り扱いについて基本方針を定め、各大学に指示して学内事務規程の整備とその関係者への周知徹底をはかるとともに、昭和四十五年度から受託研究関係費に繰り越し明許の予算措置を講じて、その取り扱いの適正化をはかっております。また、教官研究費の確保につきましても、昭和四十六年度予算におきまして所要の増額を行なっております。 七、中小企業金融における債権の保全と融資の厳正のための指導の強化につきましては、今回の事例にかんがみ、商工組合中央金庫が多数転貸しの方式で融資する場合には、組合の実態を十分調査するとともに、必要に応じて、個別転貸し先についても所要の調査をするなど、その審査方法等について改善を行なわせるとともに、再びこのような事例の起こらないよう指導を行なっております。 八、自衛隊の装備のうち有償援助調達にかかる物品の納入がおくれていたものがありましたが、その納入促進につきましては、例年格別の努力をしているところでありまして、昭和四十五年度には専門の係官八名を米国に派遣して事務の処理に当たらせておりますが、昭和四十六年度にはさらに三名を増加し、十一名の係官により現地における事務処理の促進をはかることといたしております。また、引き続きパンチカード・システムによる事務機械化により有償援助調達にかかる膨大な契約品目につきまして、その契約履行状況を迅速適確に把握し、納入の促進につとめているところであります。 九、電子計算機の導入につきましては、その促進と利用の高度化をはかるため、政府における電子計算機利用の今後の方策について閣議決定を行ない、これに基づきまして、電子計算機利用技術の開発、各種標準化等についての調査研究、その他電子計算機利用上の隘路となっている諸問題を解決するための措置を積極的に講じてきたところであります。 特に、電子計算機の利用を一層計画的かつ合理的に行なうため、昭和四十四年度からは一部基幹要員に対する統一的研修を実施するとともに、昭和四十五年度からは、各省各庁に共通的な業務に関する統一的システムについての調査研究を開始いたしました。 今後とも、これらの措置をさらに推進いたしますとともに、各省各庁が個々の行政事務分野に電子計算機を導入するにあたりましては、事前に周到な研究調査及び関係省庁との連絡調整を行なうほか、共同利用の促進をはかるなど、電子計算機の円滑な導入と効率的な活用につとめてまいる所存であります。 以上が、各省各庁におきまして講じております措置の大要であります。
○委員長(森元治郎君) 以上で説明聴取は終わりました。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十三分散会