決算委員会 第13号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/03/26
会議録
○委員長(森元治郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動に伴い、理事が一名欠けておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。 選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認めます。それでは、理事に和田静夫君を指名いたします。 —————————————
○委員長(森元治郎君) 昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書、昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)、昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件、一昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件、以上九件を一括議題といたします。 まず、これらの概要説明を聴取いたします。藤田大蔵政務次官。
○政府委員(藤田正明君) ただいま議題となりました昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十四年度一般会計予備費につきましては、その予算額は七百十六億円であり、このうち、財政法第三十五条(予備費の管理及び使用)の規定により、昭和四十四年七月四日から同年十二月二十三日までの間において使用を決定いたしました金額は五百八十九億一千九百二十一万円余であり、これにつきましては、すでに第六十三回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十五年一月二十日から同年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は百二十六億七千五百三十八万円余であります。 その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の十七件、その他の経費として日雇労働者健康保険事業に対する国庫負担金の昭和四十三年度精算不足を補うために必要な経費等の三十件であります。 次に、昭和四十四年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は四千六百九十億九千一万円余であり、このうち、昭和四十四年九月五日から同年十二月十九日までの間において使用を決定いたしました金額は一千四百二十四億二千五百八万円であり、これにつきましては、すでに第六十三回国会において、御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十五年一月九日から同年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は二百七十一億九百六十五万円余であります。 その内訳は、労働者災害補償保険特別会計における保険金の不足を補うために必要な経費、厚生保険特別会計健康勘定における保険給付費の不足を補うために必要な経費等十八特別会計の二十六件であります。 次に、昭和四十四年度特別会計予算総則第十条(特別給与の支出)及び第十一条(歳入歳出予算の弾力条項)の規定により、昭和四十四年五月二十九日から同年十二月十六日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は八百八億四千二百九十七万円余であり、これにつきましては、すでに第六十三回国会において御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十五年一月六日から同年三月二十七日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は六百億五千二百五十九万円余であります。 その内訳は、郵政事業特別会計における業績賞与に必要な経費及び同特別会計における仲裁裁定の実施等に必要な経費等七特別会計の九件であります。 以上が、昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の事後承諾を求める件の概要であります。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。 次に、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十五年度一般会計予備費につきましては、その当初予算額は一千百億円でありましたが、本件提出後の昭和四十六年二月十二日に成立いたしました昭和四十五年度一般会計補正予算(第一号)により、百億円を修正減少いたしましたので、改予算額は一千億円となっております。 このうち、財政法第三十五条(予備費の管理及び使用)の規定により、昭和四十五年五月一日から同年十二月二十二日までの間において使用を決定いたしました金額は、八百七十三億六千三百九十四万円余であります。 その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の二十八件、その他の経費として、米生産調整奨励補助金等の不足を補うために必要な経費等の二十七件であります。 次に、昭和四十五年度各特別会計予備費につきましては、その当初予算総額は、五千九百三十七億八千九百六十二万円余でありましたが、本件提出後の昭和四十六年一百十二日に成立いたしました昭和四十五年度特別会計補正予算(特第一号)により、八百五十一億五千四百十五万円余を修正減少いたしましたので、改予算総額は五千八十六億三千五百四十七万円余となっております。 このうち、昭和四十五年十月二十八日から同年十二月二十二日までの間において使用を決定いたしました金額は九百七十五億四千八百三十四万円余であります。 その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買入れに必要な経費等三特別会計の四件であります。 次に、昭和四十五年度特別会計予算総則第十一条(歳入歳出予算の弾力条項)の規定により、昭和四十五年五月一日から同年十二月二十二日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は百一億七千四百五十万円であります。 その内訳は、石炭対策特別会計における炭鉱整理促進に必要な経費の増額、道路整備特別会計における道路事業及び街路事業等の調整に必要な経費等五特別会計の十五件であります。 以上が、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件の概要であります。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。 次に、昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書の報告に関する件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十四年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定に基づき、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額は百億円でありまして、このうち、昭和四十四年発生河川等災害復旧事業費補助等五件につきまして、昭和四十五年一月二十三日の閣議の決定を経て、総額六十四億六千百万円の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。 以上が、昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書の報告に関する件の概要であります。 次に、昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)の報告に関する件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十五年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定に基づき、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額は、二百億円でありまして、このうち、昭和四十五年六月二十六日から同年十月二十三日までの間において、閣議の決定を経て、総額九億七千三百四十四万円余の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。 その内訳は、遠距離救難用航空機購入等の四件であります。 以上が、昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)の報告に関する件の概要であります。
○委員長(森元治郎君) それではこれより質疑に入ります。 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○和田静夫君 まず、具体的な予備費の使用内容に入る前に、二、三確認をしたいのでありますが、それは予備費というものの性格についてであります。 予備費は、申すまでもなく憲法八十七条に、「豫見し難い豫算の不足に充てるため、國會の議決に基いて豫備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。」、こういうふうになっています。そこで「豫見し難い豫算の不足に充てる」という予備費の性質上、予算案には予備費の細目は示されず、歳出の大蔵省の部に予備費の総額が計上され、これが予算審議の際、国会の議決の対象になっているわけです。すなわち、予算というものは、本来使途を具体的に定めて、それに必要な経費を具体的に示すべきものでありますが、予備費はそれの例外をなしております。ただ予備費一本として総額が示され、国会の予算承認を得ているにすぎないわけです。したがって、その具体的使用結果については、具体的に使用細目が国会に報告されなければならないと思うのです。そして国会の承認を受けるべきです。これは財政民主主義のたてまえ上私は当然だろうと思います。すなわち、予備費は予算原則のいわゆる例外をなすものであって、例外をなす以上は、むやみに拡張解釈をすべきではない。したがって私は、後ほどその拡張解釈がなされたという視点に立って、具体的に四つぐらいの問題について質問したいと思っているわけです。法令に定められたとおりの範囲内で、なるべく制限的に、厳格に運営すべきである、これが予備費であろう。まず、この予備費の私の見解に対して大蔵省の見解を求めたいと思います。
○政府委員(竹内道雄君) 予備費の使用につきましては、ただいま先生からお話のございましたとおりでございまして、要は予見しがたい予算の支出に充てるために予備費を使用するということが法令上、憲法上、あるいは財政法上きめられておるところでございまして、それはこの予備費の要件を逸脱することはできないというふうに考えております。
○和田静夫君 えてして予備費については、この憲法八十七条の「内閣の責任でこれを支出することができる。」とある文句だけをとって、予算で予備費総額を取ってしまえば政府はもうこれはいただきだと、そういう考え方で、どのように使おうとかってであるといった気性が部内の一部にあるとしたならば、これは私はたいへんな誤解であろうと思う。予見できない使途のために予算策定の際一括して計上するだけで、その使途の具体化した暁には、詳細な厳重な国会の査定を経なければならない。本来なら予算委員会でその審査をやるべきものかもしれませんが、これが決算委員会に託されて、議案としてとにかく審議されるその意味で、予備費の審査というのはきわめて重要な意味を持っていると思います。先般予備費の審査について重要な改革がなされました。すなわち従来、総調書だけが議案となって、各省の調書は参考資料となっていたのでありますが、昨年から各省の調書が総調書とともに議案として国会に提出され、議決対象となる。これは私がさきに述べましたように、予備費というものは政府が随意に使っていいものではなくて、一般予算でこまかい具体的費目について審議して予算を通しますように、予備費についてはその使用結果について細目にわたって国会の事後承認を受ける、そういった精神に基づいての改正であったと考えます。あの改正を通じて大蔵省も今日そのようにお考えになっていますか。
○政府委員(竹内道雄君) 財政法の三十六条の三項に「内閣は、予備費を以て支弁した総調書及び各省各庁の調書を次の常会において国会に提出して、その承諾を求めなければならない。」という規定に基づきまして、総調書のみならず各省各庁の調書をもあわせて提出するということであるべきだという解釈に基づきまして、従来の取り扱いを改めまして、各省の調書もあわせて提出いたすということにいたした次第でございまして、その中身といたしましては、予備費支出決定の内容について総調書並びに各省の調書を提出いたしたということでございます。
○和田静夫君 概括的にいって、先年来総合予算主義という考え方の導入によって、本来補正予算を組むべき経費の支出まで、予備費によってまかなわれる傾向が生じてきておるように思われます。そのような傾向というのは私は好ましくない、財政国主主義の原則、あるいは財政法の規定の趣旨から、予備費の使い方というのは本来の性格に合ったように制限的に、厳正に運用すべきである、こう考えられますが、いかがですか。
○政府委員(竹内道雄君) 先生御承知のように、財政法二十四条では、予見しがたい予算の不足に充てるため予備費として相当と認める金額を予算に計上することができると書いてありまして、一方補正予算につきましては、予算作成後に生じた事由に基づいて予算に追加変更を加える必要がある場合ということでございまして、事柄によっては予備費で支出いたすべきか、補正予算で支出いたすべきか、そのときの状況によって判断さるべきものでございまして、予備費支出の要件と、補正予算の要件とは必ずしもそう大きな差はないというふうに考えられるわけでございますけれども、いずれにいたしましても予備費支出につきましては「豫見し難い豫算の不足に充てるため」ということが唯一の、しかもどうしてもこの範囲を逸脱するものは予備費使用には適さないということであろうと思います。
○和田静夫君 昭和四十一年度の予算編成方針において、積極的に有効需要の拡大をはかり、経済の安定的成長へのすみやかな移行を目的にして、財政法を弾力的に運用するための予備費が増額された、六百五十億。当時としては画期的な規模の予備費となった例がありますけれども、私は、たとえば米の問題にしてもそうですが、このように政策目的のために予備費を使うというのは、これは妥当とは思えないのであります。会計検査院、お見えになっていますね。そういう視点についてどのように検査されていますか。
○説明員(中村祐三君) ただいまの御質問は、予備費をどういう目的に使うかということについて会計検査院が意見を言えるかどうかというふうに拝聴したわけでございますが、御承知のように予備費の使用決定という行為は、財政法で予算の配賦と同様予算の配賦があったとみなすということになっておりまして、具体的にどういう目的に予備費を使用決定するということは、どういうことに予算を設置するということと同じ意味でございまして、その限りにおきましては会計検査院としては、こういうものに予備費を使うべきではないというようなことは検査の権限上申し上げられないというふうに考えております。ただし、その予算執行の結果何か不当と認めたような事項がございまして、それがそういった予算というものにはね返って、どうもそういう予算のつけ方に疑義があるということがございましたならば、それは会計検査院の第三十六条の規定によりまして改善意見が——そういう予算のつけ方についてはこういう点で疑義があるという限りにおいては意見が申し述べられるのじゃないかというふうに思われますが、先ほど申し述べたように、どういうことに予備費を使用決定したということ自体で、その段階で直ちに意見を申し上げるということは現在のたてまえではできないんじゃないかというふうに考えます。
○和田静夫君 いまの質問について、次官いかがでしょうか。
○政府委員(藤田正明君) 予見しがたい予算の不足について予備費の使用ができる、これは御説のとおりでございます。ただ、予見し得る事項であっても予算の不足が生ずることはあるわけでございます。そういうことに対しても予備費の使用が当然できるというふうに考えます——政策目的に対しましても予備費の使用もし得るというふうな解釈をいたします。
○和田静夫君 そこで、私は具体的に聞きますが、いま予見しがたい予算の不足に充てるためのものでなければならない。で、財政の弾力的な運営や、あるいは経済の見通しの間違いを是正するためには使うべきではないのではないだろうかと私は思うのです。で、その予見しがたい予算の不足でありますが、政府は毎年公務員の退官、退職手当を予備費から出しています。どこの役所にいっても来年どのくらい人がやめるか大体わかっているわけですね。その退職手当が予見しがたい予算の不足と言えましょうか。
○政府委員(藤田正明君) 予見し得る事項ではございますけれども、しかし、その総額なり何なりはその年によって多少の相違もございますので、あるときには大幅な違いもございます。予見し得る事項ではございますが、予見し得る予算の不足ということになりますと、その点予備費の使用を考えるというふうに解釈いたしております。
○和田静夫君 予備費の使用について、昭和二十九年四月十六日の閣議決定段階——その後何回も改正をされたこの文章でありますが、これによりますと、国会の開会中は大蔵大臣の指定経費及び四項目にわたる一定の経費以外には予備費の使用を行なわない、こうなっておりますね。これは厳重に守られていますか。
○政府委員(竹内道雄君) 守られていると存じます。
○和田静夫君 そうしますと、国会開会中に使用された予備費はよほど緊急な経費とみなさなければなりませんが、それがこの政府の定めた基準に合っているかどうかですね。ちょっとまあ検討さしてもらいたいのですが、資料としていただけますか、整理して。
○政府委員(竹内道雄君) ちょっとよくわからなかったので恐縮なんですけれども、予備費の使用——どういう予備費を使用いたしたかにつきましては、お手元の使用調書で差し上げてあるわけでございますけれども、それ以外に御要求のものは何でございましょうか、ちょっと恐縮でございますが。
○和田静夫君 いわゆる国会開会中に使用された予備費について。
○政府委員(竹内道雄君) さようでございますか。恐縮でございますが、そういたしますと、使用調書の中で——差し上げておりますものの中で、国会開会中に出しましたものと、そうでないものと、しるしでもつけてお出しすればよろしいということでございますか。それでお出しいたしてよろしゅうございましょうか。
○和田静夫君 この閣議決定の通達には第三項に、予備費を使用した金額については、これをその目的の費途以外に支出してはならないと、まあありますね。これは財政法第三十三条二項、すなわち費目流用を認めた例外をなす、すなわち予備費については一切流用を認めておらない、こういうふうに解釈してよろしいですか。
○政府委員(竹内道雄君) 予備費の使用が決定いたしましたときには、その経費につきましては予算の配賦があったものとみなすということになっているわけでございまするけれども、それを受けまして三十三条の二項の各目の経費、金額については大蔵大臣の承認を受けなければ目間の経費流用はできないということになっておりますので、予備費の使用決定をいたしましたものは予算の配賦があったと同様でございまするから、その費目につきまして、各日間の流用は大蔵大臣の承認がなければできないということになろうかと存じます。
○和田静夫君 もう一ぺん聞きますが、昭和二十九年四月十六日の閣議決定の「予備費の使用について」の3で、予備費の使用金額については、これをその目的の費途以外に支出してはならない、こういうふうに通達されたのは、財政法第三十三条二項の費目流用を認めた例外、すなわち予備費については一切流用を認めておらないという趣旨の閣議決定じゃないのですか、これは。
○政府委員(竹内道雄君) 昭和二十九年の閣議決定の三項にございます、予備費を使用した金額については、その目的の費途以外に支出してはならないという項目は、予備費を支出した、それをそれ以外の目的に使ってはいけないということを言っておるわけでございます。
○和田静夫君 いまのお答えだと、予備費の流用というのは可能だということですか。
○政府委員(竹内道雄君) 予備費を一たん支出いたしましたときは、予算の配賦があったものとみなされるわけでございまするけれども、そもそも予備費として支出決定をいたしましたものにつきましては、その支出目的以外の目的に支出することはいけないということを閣議で決定いたしたということでございます。
○和田静夫君 政府通達の二項の三号ですね、予備費の使用によらなければ時間的に対処しがたいと認められる緊急な経費、こういうのがあります。そうすると、災害の場合などに予備費使用の必要が生じた時期、すなわち災害発生の日時がはっきりしないと実際に使用した時期との関連が判明しかねる。そういう点が起こりますね。そこで予備費使用原因発生時期を総調書等に明らかにする。まあ明らかにしていただきたいと思いますが、明らかにされる用意はありませんか。
○政府委員(竹内道雄君) 使用総調書の書き方の問題でございまするけれども、事柄によって必要なものであれば、さようなことを使用調書の中に書き加えるということも検討さしていただいてけっこうではないかと思います。
○和田静夫君 次に、弾力条項のことですが、今回提出されている承諾案件のうちで国立学校や治水関係のもの、災害復旧費の場合に見られますように、一般会計に計上した予備費を、特別会計の支出に充当するために繰り入れの方法として特別会計予算総則の弾力条項を使っていますが、このやり方というのは弾力条項の乱用の疑いがどうも濃いような気がするのですが、そんなことはありませんか。
○政府委員(竹内道雄君) 必ずしもさように考えておりません。と申しますのは、たとえば御承知のように、経済企画庁に調整費というのがございます。調整費を実際に使いますときには各省に移しかえまして、各省でまたそれを使うということになっておりまするけれども、かような経費につきましては調整費は調整費という目的で一たん予算の決定を受けたわけであるから、これを使用する際に、かつては各省に一たん受け入れまして、それをまた予備費で支出しておったというようなこともあるわけでございます。それにつきましては、一たん国会で予算の決議をもって調整費として使用決定したものであるから、それをもう一度予備費支出を各省の特別会計において認めるという必要はないんじゃないかというような議論が、むしろ国会でされたこともあるような次第でございまして、さようなものは現在たしか弾力条項で処理いたしておるかと思うのでありますけれども、必ずしも弾力条項の乱用というふうには考えておらない次第でございます。
○和田静夫君 この予備費といえども一般会計と特別会計と別個に計上されておるものを、両会計間をみだりに混合する、これは財政の運用を乱す結果になるように思いますがね。それから弾力条項というのは、そもそも特別会計設置の目的となっている事業収益が計上額よりもオーバーした場合、その事業量の増加に伴って直接必要な経費に充てるため設けられた制度でしょう。特別会計の目的と何ら関係のない災害復旧費の繰り入れを弾力条項でやるというのは、制度乱用であろうと私は思いますね。学校や治水のような収益の伴いがたい部面では、災害復旧を何とかしたい、その必要性は十分わかりますけれども、しかしそれとこれとはまた別問題であって、弾力条項を使ってその必要を満たすということは、私は許されないと思います。なぜこういう乱用が行なわれたかといえば、昭和四十三年度から始まった総合予算主義の結果です。災害復旧は補正予算を組んで正面から行なうべきであるのに、それからのがれるような形でやっていくものだから、乱用というような結果が生ずるのではないかというふうに考えるのですが、大蔵省そうお思いになりませんか。
○政府委員(竹内道雄君) 弾力条項の乱用かどうか、たいへんむずかしい問題でございますけれども、御承知のように予算総則の今年度で申しますと第五項で、いろいろな特別会計におきまして、事業のため直接必要な経費の支出に充てるための弾力条項があるわけでございまするけれども、災害等につきましては、ここで実際に一般会計からの受け入れをやっておりますのは災害の事務費でございまして、災害の経費そのものではないと存じております。いずれにいたしましても弾力条項というものを乱用するということは、国会の権限との関係でいろいろ問題になるべき事項であろうと思いますけれども、そういうような趣旨を体しまして、私どもといたしましては予算総則におきまして弾力条項を発動できる場合を限定いたしまして、それについて御承認をいただておるという状況であります。
○和田静夫君 予備費の原則論として最後に伺いますが、予備費が国会で否決されたときですね、政府はそのとき支出未済のものがあったとき、その支出をストップされますか。
○政府委員(竹内道雄君) たいへんむずかしい問題でございまするけれども、予備費として決定いたしましたものにつきましてまだ支出してないというものがある。そういう状況のもとにおきまして万一予備費の使用が否決されたという場合には、まだ使われておらない金額につきましてはその支出をとめるということが、法律上当然そうあるべきかどうかということについてはやや疑問があると思いますが、支出をとめるということが適当な措置ではないかというふうに考えております。
○和田静夫君 総理府にお尋ねをいたしますが、沖縄の軍関係離職者対策援助に必要な経費ということで——九十五ページですが、一億九千六百万円を使用されておりますね。沖縄財政援助資金全体を見ますと三十一億九千三十四万五千七百六十円が翌年度繰り越し額、こうなっております。この間の事情をちょっと説明してください。
○政府委員(岡田純夫君) 御承知のように当時三十一億九千万円の繰り越しをいたしております。これは一つには、御承知のように沖縄は非常に離島が多い。人の住んでいないところを入れますと八十二からございますが、人の住んでいるところだけでも四十五、六。多少減ってきておりますが、そういうようなところにつきましてのいろいろな施設、設備を整備しますときに、輸送その他に非常に手間がかかるというような事情がございます。それからこのときも災害のために予備費の支出を緊急にお願いしたかっこうになっておりますが、台風の常襲地帯でもございまして、いろいろ工事をやります場合の適期の問題これが非常にせばめられております。海上の波でありますとかいうふうなことで離島に対する対策等を含めて非常に工事に影響がある。それからまた米側の施政権下にございますことでもあり、特にいろいろ向こうとの話し合いでございますとか、あるいは琉球政府の意見を聞く、その他いろいろ関係方面と連絡をとらなければならないケースが多いというようなことからある程度繰り越しが出ざるを得ない前提がある。いま一つは、会計年度が違っておりますので、本土と申しますか日本は三月三十一日でございますが、向こうのほうは米会計年度で六月三十日まででございます。もちろん、そこら辺のことも頭においてやるべきかもしれませんけれども、事実上どうしても年度末にずれました場合には、そういうふうな繰り越し措置をとらざるを得ないというふうなこともございまして、好ましくないのでなるべく圧縮するように努力はいたしておりまして、連年この繰り越しの率というものは減ってきております。しかしこの年度でも三十一億九千万円ということになっておる、こういうことでございます。それから一方予備費から一億九千六百万円支出することになりましたのは、これはいわゆる軍労の退職金、これは法律に基づきますものと米軍のいわゆる使用者という立場からの退職金と両方ございますが、米軍の使用者としての立場からの退職金が、本土の場合と沖縄の場合とで差額がございます。これは要するに、いまお話がございましたような当初から予見できない、むしろあえて本土がそこまでカバーしなくてもいいのではないかということで予想しておらなかった経費でございますが、年度末に至りまして、全軍労ストというふうなものを控えて大量解雇が始まった時点において、この米軍の退職金の差額というものが非常にクローズアップされてきた。ここで沖縄の退職者の立場等を考えまして、その差額というものを補てんさしてもらうことにしたという特別な事情に基づくところの措置として、予備費から一億九千六百万を支出した、かようなことになっております。
○和田静夫君 運輸省、「スイス航空会社所属航空機の損傷事故に係る損害賠償に必要な経費」ということで四百八十万円予備費から使用されているのですが、これはどういう事故でしょうか。
○説明員(丸居幹一君) 東京国際空港で昭和三十二年九月十三日に、スイス航空に所属しておりますDC6B型というのが地上試運転をいたしておりましたそのときに、下に敷いてありましたスチールマットがはね返りまして尾翼を損傷いたしました。そこで、それに対する損害賠償請求事件が相手方から提起せられまして、それが裁判上の和解に途中から変わりまして——裁判所の強い勧告でもって裁判上の和解に四十四年六月になりました。そのときに賠償償還及び払い戻し金は残が七十万ほどございましたのですが、それが和解勧告で和解が成立いたしました額が五百五十万でございました。その不足分の四百八十万円を予備費から支出していただいたわけでございます。
○和田静夫君 そうすると、その払われた総額というのは五百五十万ですか。
○説明員(丸居幹一君) そのとおりでございます。
○和田静夫君 この事故というのは、明らかに運輸省のいわゆる航行管理の手落ちからきたものでしょう。
○説明員(丸居幹一君) このスチールマットが敷いてありました場所でございますが、ただいまはコンクリートに変わっておりまして、当時はまだ米軍から羽田の空港を返還を受けまして、われわれ運輸省で管理いたしまして間もないころでございまして、まだスチールマット等が残っておった時代でございます。その米軍の残したスチールマットの敷いてある部分を試運転場として指定いたしておりました。米軍もそういうことで使っておったわけでありますが、そこをやはりずっとスチールマットを敷いたまま試運転場に使っておりました。そこで、スイス航空がそこで試運転をすることにつきまして空港の許可をとったわけでございますが、空港はそこを試運転に使うということになっておりますから、当然そこで試運転するように指示をしたわけでございます。そこでスイス航空は自分の飛行機を試運転いたしましたところが、どういうことであったのか、そのスチールマットがプロペラの回転の風速にたえられないで切れまして、そしてもち上がって尾翼を痛めた。まあその当時の記録を見てみますと、管理者側といたしましてもそのスチールマット等については定期的に調査、検査等をいたしまして、十分注意しておたっわけでございますけれども、そういう事故が起こった。相手側のスイス航空は、われわれのほうの指示に基づいて、そこで指示どおり試運転したわけでございまして、飛行場管理者側に責任がないと言いきれなかったという事態だと思います。
○和田静夫君 これは飛行場管理者側にいわゆるミスがないとは言えない事態であった。その結果、これだけの国損が出た。スチールマットが引っかかったのが機体のしっぽだったからいいようなものの、別のところだったらもっとたいへんなことになったかもしれない。そうすると運輸次官、この事故に対する責任というのはどういう形で処理されましたか。
○政府委員(山村新治郎君) ただいま飛行場部長から申し上げましたように、責任が全然ないというようなことまでは断言できない。そこでその後につきましては、その後はもうスチールマットそのほかを取り除きまして、完全にコンクリートをもちまして試運転場というようなことにしております。しかし、その責任が全然ないというようなことまでは言えないというところでございます。
○和田静夫君 それはよくわかります。そこで全然責任がないということは言えない。そうして五百五十万の国損を与えた管理上の責任は、どういうふうに運輸省としてはとられましたか。
○説明員(丸居幹一君) どういうふうにとったかということでございますが、点検の状況その他から見ましても、十分点検等もいたしておりましたので、その当時の責任者である、たとえば空港長が処罰されるとか、あるいは航務課長をどこかへ飛ばすとかいったような処分はいたさなかったことと思います。ただ、われわれとしましては国損をおかけしたことにはなっておりますけれども、損害賠償としての和解に応じたということと、二度とこういう事故の起こらないように、どうもスチールマットではやっぱりぐあいが悪いということで、予算をお願いいたしまして、順次にそこをコンクリートに舗装したエプロンに変えていく、そうして試運転場も全部コンクリート舗装なので、そういうめくれるというようなことのないように改善をいたしました。
○和田静夫君 そっちのほうはわかりました。後段はわかりました。五百五十万というのはそんなちっぽけな金じゃないんですが、そういう事態を招来させた管理者側の責任というのは、運輸省としては全然ないとお考えになったわけですか、これは。
○説明員(丸居幹一君) これは、先生おっしゃるとおりに五百五十万の国損というのは、われわれも小さな金額であるとは思っておりません。たいへん申しわけないことをいたしたというふうに存じております。ただ私が先ほど申し上げましたのは、そこに当時携わっておりました個々の人間の過失はなかっただろうかということをいろいろと調べてみたんでありますが、先ほど来申し上げましたように、そのときまではたくさんの飛行機がそこで試運転をいたしておりましたが、別に事故はありませんし、またある程度のそういった風圧には耐えると考えて、ずっとそこを試運転場に使っておりました。まあ米軍から引き継いだ状態でやったものでありますので、われわれのほうにも、そういった事故がいままでなかったものですから、そのまま使っておったというふうな状況でございまして、どうもそういう事故が起こり得るということを予見するだけの能力も——当時運輸省のほうに技術的な能力もなかったものでありますから、特にだれかが非常に点検をなまけて、そのためにこういう事故が起こったとか、あるいは非常に大きな過失をどこかでおかしておったとかいうふうな点が見当たりませんでしたので、個々人についての処分は行なわれなかったように記憶しておりますが、五百五十万円という、かなり大きな国損を与えたことにつきましては、この席をかりまして、あらためておわびを申し上げるよりほかないと思います。
○和田静夫君 アメリカから引き継いで、それからいろいろと試験をやっていて事故が起こらなかったので、なぜ起こったかわからない。管理上の、言ってみれば点検という行為を通じての、特にサボった人もいなければ、あるいは過失もない。そうすると、最初の、管理上絶対にわがほうに落ち度がなかったとは言いきれない、したがって五百五十万払う結果になったのだということとの関係では、どういうふうに考えたらいいんですか。
○政府委員(山村新治郎君) 先ほど申しましたように、これはスイス航空側からすれば、その飛行場管理者の責任であるということを言われました。確かにそれに全然責任がないということは言いませんが、いわば不慮の災難に近いようなものじゃないかと思いますので、その点、御了解いただければありがたいと思います。
○和田静夫君 なかなか名答弁です、いまのは。そこで、こういう事態が起こらないように後ほどつとめた。何かアメリカが使っておっていいものだから、そのままどうも点検を十分にやらずにということも類推はされますね。アメリカさまさまなどというような。そこで一番不思議なのは、年度内に実効があがるのが予備費でしょう。とにかく運輸省側に、言ってみれば管理上の——まあ不慮の災難にしろ一応は認めざるを得ないような事態が小指の先ぐらいでもあった。そういうミスに基づくものが予備費で支払われるなんということはよくよくのことだと思うのですが、こういう使用というのはいいんですか。
○政府委員(竹内道雄君) 私ども聞いておりまするところでは、たいへん長い間の係争事件であったわけでございまするけれども、最終的に和解が成立いたしましたので、その和解成立と続きまして予備費を支出いたしたので、やむを得ない措置ではなかったかというふうに存じます。
○和田静夫君 ベトナム共和国の難民救済に使用した予備費、四十五年度の四ページ、この四十五年度の使用調書によりますと、外務省はベトナム共和国の難民及び水害による被災者に対する救援に必要な経費として一億八百万円を予備費から使用されています。 そこでまず第一に、このベトナム共和国とあるのは、いわゆる北ですか、南ですか。
○政府委員(須之部量三君) 南でございます。北のほうはベトナム民主共和国といっております。
○和田静夫君 難民とあるのは洪水による難民でしょうね。いわゆる戦災による難民も含みますか。
○政府委員(須之部量三君) 実は、この予備費でお認めいただきました難民でございますが、これは御存じのように昨年の四月——三月ごろからでありますが、四月以降に例のカンボジアで動乱が起きまして、そのためにカンボジアにおきますベトナム系の住民と、それからカンボジア系の住民との間の非常な、言うならば相克が激しくなったわけでございます。そのためにカンボジアからベトナム系の住民をかなり本国へ引き揚げさせたわけでございます。それが夏ごろから始まったわけでございますが、当時実は、カンボジアとベトナムの間の外交関係がございませんで、日本がカンボジアにおけるベトナム人の利益代表国でもあったわけでございます。そのためにベトナム人の本国引き揚げに関連していろいろ外交的な仕事もやっておったわけでございますが、そういう関係もありますし、それから第三国からも、カンボジアから引き揚げたベトナムの難民、それに対するいろんな援助の動きもございました。国際赤十字のほうから日赤のほうにぜひそれに対する援助を考えてほしいという要請がまいったわけでございます。それがちょうど具体的に参りましたのは、たしか九月ごろからだったと思いますけれども、そのカンボジアから引き揚げた難民について何とか日赤として援助してやりたい。その補助金を政府のほうに要請してきておったということでございます。それから同時に、それを考えておりましたときに、たしか十月の下旬ごろでございますか、洪水も起きまして、その洪水のほうの難民に対する援助の要請も同時に参りましたので、その双方を一括いたしまして、ともに日赤に対する補助金ということで予備費をお願いした次第でございます。
○和田静夫君 そうしますと、カンボジアからの引き揚げということになると、やっぱり戦争犠牲者の難民救済ということに使われているということなんですね、一部は。
○政府委員(須之部量三君) 広い意味でおっしゃいますれば、カンボジアに戦火が波及いたしまして、そしてベトナム系の住民がベトナムに引き揚げてきたというその難民、つまりタイ、ビルマもかなり収容しておりますので、それに対する援助ということでございます。
○和田静夫君 これは当然日本赤十字社を通して行なわれた援助だと思うんですが、そうなれば非常に人道的な立場を貫くべきであろう。そうすると南北同様に行なわれるべきだと思うんですが、その点はどうですか。
○政府委員(須之部量三君) 御質問の前段の日赤を通じたかという点は、日赤からむしろ政府のほうに補助の要請がございまして補助したものでございますから、すべて日赤を通じております。それから北のほうはどうかという点でございますが、もちろんこれは人道的な見地からは南、北と差がないという見方が取り得るのは当然のことでございますけれども、やはり現在外交関係もございません。日本と北との間には外交関係もございませんし、政府レベルでの援助ということは、やはりいま時期的に時期尚早だと考えざるを得ないと思いますが、ただ国際赤十字というようなものがその立場から北のほうに援助を考えるというようなことで、日赤のほうにほんとうに人道的な見地からいろいろそれに対しての援助はできないかということを言ってくるというような場合は、これは確かにおっしゃるとおり柔軟性を持って考えて検討してよろしい問題ではないかというふうに考えておりますが、日赤はある程度従来も北のほうに同じような人道的な援助をやった例は現にあるようでございます。
○和田静夫君 そこで北のほうに四十四年、四十五年度に日赤を通じて、いま言われたように現にあると言われるのは、どれくらいの物資ですか。どれくらいの額ですか。
○政府委員(須之部量三君) これは別に政府関係ではございませんで、日赤が自己資金でやったものというふうに私聞いております。したがいまして、いまその詳しい数字を私存じませんけれども、大体額としては数千万円、四、五千万円のものだったというふうに聞いております。
○和田静夫君 日赤から外務省に求められれば北のほうにも人道的な立場で措置をする、そのことは必ずしも否定をされない……。
○政府委員(須之部量三君) 先ほど申しましたとおり政府対政府ということでは、これはもちろん考えられないと思います。ただ先ほど私も言いましたような国際赤十字というものが主体となってやるというような状況がかりにあるということになりますれば、いま私ここで全面的に否定するという立場はとるべきでないというふうに考えております。
○和田静夫君 日赤から南のほうに対しては要請が強くて、北のほうに対してはほとんどないという原因はどういうところにあるんでしょうか。
○政府委員(須之部量三君) これはやはり今回問題になりましたのは、カンボジアに戦火が急に広がったという異常な事態に関連してのことでございますし、そのときにカンボジアから現実に引き揚げましたのは南のほうに引き揚げたわけでございますし、昨年の夏ごろの問題点は南だけに限られておったわけでございます。したがって、この問題に——つまり昨年の夏ごろカンボジアに関連して起きた問題については、これは南だけが問題になっておったというふうに考えます。 その他、一般的な意味での、ちょうど南北を通じて戦争が行なわれているその点についてどうなんだという点については、おそらく国際赤十字のほうからは日赤のほうにやはりその点についても考えられないかという連絡は以前からもきておったと思いますし、その関連で現に先ほど申しましたとおり、日赤としては数千万円のものを北のほうにも従来やった例があるということになっておると思います。
○和田静夫君 こういうことはありませんかね。これは何も南北ではなくて、いずれの国であるにしても赤十字社はあるわけですね。そうすると、その赤十字社同士が日本の赤十字との関係でそれぞれ内々の打ち合わせを行なうという形の過程を経ながら、結果的には援助要求なり要請なりというような形になっていく。結果を得るためには、そういうことでしょうね、経過は。
○政府委員(須之部量三君) もちろん、いずれの国の赤十字も同じような立場をとっておるわけでございましょうけれども、いままでの連絡が、まあおのずからその連絡の密な赤十字と、それから連絡が必ずしも密でない赤十字と、それは当然あると思います。したがいまして、日赤がやはり南の赤十字との連絡が北に比べればより密接だということは、これはあり得るかと思いますが、これはやはりいまの状況でやむを得ないところではないかと思います。ただ、今回の南における難民の救済の問題等も、実は国際赤十字社のほうがイニシアチブをとっておりまして、国際赤十字のほうから日赤のほうに最初何とかしてやってほしいという連絡があったのは事実でございます。したがいまして今後動くとすれば、日本と日赤がこの二国間の関係でどうこうという、その面ももちろんあると思いますけれども、むしろベトナム問題というようなことになってくると、やはり国際赤十字というようなものがイニシアチブをとって、それがそれぞれの国の赤十字の意思を反映して行動するという場合が多いんじゃないかというふうには考えます。
○和田静夫君 カンボジアのほうからの難民ばかりに目が行くと、そういう論法が成り立つと思うんです。洪水、あれは南北に起こりましたよね。北に洪水はありませんでしたか、あのときに。
○政府委員(須之部量三君) 私の存じておりますのは、昨年の夏にはたしか、むしろベトナムの南のほうの中部に起きたとうふうに了解しております。
○和田静夫君 北にこういう救援物資などが送られていった四十四年、四十五年——洪水に対する難民という形でのいわゆる処理でしょう、あれは。
○政府委員(須之部量三君) 四十四年、四十五年度には私ども別に北に対しては何もやっておりませんし、御質問の御趣旨はどういうあれかと思いますけれども、日赤が先ほど申しました数千万円の自己資金からの援助をしたというのも、四十四年、四十五年ではなくて、もうちょっと以前ではなかったかと思いますが、少なくとも従来北に行ないましたのが数千万円にのぼっておるということは聞いております。ただ、御質問の趣旨が、四十四年、四十五年に政府資金で何かやったかということになりますと、それはございません。
○和田静夫君 この十三ページの一億八百万の内容は何ですか、それじゃ。
○政府委員(須之部量三君) 金額のほうでおもなものだけを申し上げます。 医薬品が二千万円、それから食料品が千万円、それから繊維品が千四百万円、それから車両、これはトラックでございますが、四台、六百万円、それから屋根をふきますトタン一板でございますが、これが三千五百万円、それからその他かやとか、いろいろな炊事道具といいますか、炊事をするためのいろんなもの、それが合わせまして二千二百万、そのほかに事務費が三十四万円、それで合計一億八百万円でございます。
○和田静夫君 カンボジア共和国に、難民救済に六億一千二百万、これの内容を……。
○政府委員(須之部量三君) カンボジアのほうでございますが、カンボジアに対する援助は、一次と二次と二度に分けて行なっておりますが、まず第一次のほうでございますが、いまのようにある程度内訳を申しますと、薬品が一億九千五百万円、それから衛生材料とかX線フィルムとか、そういうものでございますけれども、約二千四百万円、外科用の道具等が八百万、それから食料品が二億六千六百万、それから衣類が一億六千九百万、それから先ほどのかや等の寝具と申しますか、そういうものでございますが、三千三百万、それからそういうものを運びますトラックが二千万ということが第一次でございまして、合計全部で七億一千六百万、こういうことでございます。 それから第二次の援助の内容でございますが、医薬品が五千三百万、それから食料品が二千九百万、それから繊維品が千三百万、それからこれは救急車とか、トラックとかマイクロバスとか、移動診療車等々のいわゆる車両関係でございますが、三億一千二百万、それから救助艇でございますけれども、これが千五百万、それから難民用の組み立ての住宅資材、これが一億五千万、大体以上が第二次のおもなものでございます。
○和田静夫君 そこで一次二次を通じての、たとえばトラックだとか、あるいは救助艇的なもの、これが戦争目的に使われることはないでしょうね。
○政府委員(須之部量三君) 実は、その点が一番私どもも気を使ったわけでございまして、この内容につきましては、日赤のほうで、カンボジア赤十字ばかりでなく、国際赤十字のほうとも十分打ち合わせた上でわれわれのほうに申請があったわけでございますが、特に気をつけまして、カンボジアの赤十字のほうとカンボジア政府の双方から、今回の援助のものを軍需用に使わないということは、書面でその保証をとりつけております。
○和田静夫君 これは念のためですが、たとえばこの追跡調査を行なって、もしいまのような形で赤十字社同士の約束以外にこの救済物資というものが使われていた場合、その補償を求めるとか、あるいは今後の援助を中止するとか、そういう用意は当然あるわけでしょう。
○政府委員(須之部量三君) 私どもとしましては、もちろんそういう事実があれば当然考えなくちゃいかぬ問題でございますが、ただ、従来カンボジアといろいろ私どもが仕事をやった関係からいいまして、向こうの政府もカンボジアの赤十字も、使わないということに文書で保証しておりますし、十分信頼し得るに足るものというふうに私どもは考えております。
○和田静夫君 日赤から外務省にベトナム難民救済の補助金申請があったのはいつですか。
○政府委員(須之部量三君) ベトナムのほうの申請がございましたのが昨年の十一月二十二日でございます。それで二十三日、その翌日に補助金交付の決定の通知をいたしました。
○和田静夫君 ところが、この十三ページの使用決定によりますと、閣議決定は十一月二十日ですね。そうすると日赤から正式の申請がなされていないのに閣議決定がなされた。こういうことにこの報告によると、なりますね、これはおかしいんじゃないですか。
○政府委員(須之部量三君) 日赤から、いうならば内々話がありまして、その話はもちろんもう少し以前からずっとあったわけでございます。その内容について大蔵省ともいろいろ話し合ったわけでございますけれども、従来のこの予備費の支出、これは本件ばかりじゃございませんで、その一つのやり方というものは、話が実際上きまりますと、むしろ予備費のほうの支出の決定が先にあって、いうならば形式的な申請書が出て、それで決定するというのが、従来ほかの件につきましても同様のやり方であるというふうに私どもは了解しております。
○和田静夫君 実はさっきから、ぼくがくどくど言っているのはそこなんですがね。したがって、いわゆる南の赤十字社との関係においては——国際赤十字社を通してもですね、いってみればわが国との国交関係その他からいって、たいへん仲よく話ができる状態にある。北のほうとは国交の関係がない。しかし、赤十字本来のいわゆる目的からいけば、その原則というのははっきりしているわけです。そこで予備費使用のために内々に政治的にいろいろの動きがあるということになってきて、どうも南に偏重をして、北のほうは初めから問題にならぬ。そういう形のものが十一月の二十日の閣議決定、この閣議決定を受けて日赤があらためて申請を二十二日に出す。二十三日に補助金の許可を与える。こういうような一連のシステムになっているのです。そういう思惑、言ってみればそういう政治的援助の思惑というものはございませんか。
○政府委員(須之部量三君) 本件は、そのような政治的なあれはございません。もっぱら日赤が人道的な考慮からぜひ援助したいというのに対して、政府としてはそれを受けて、それでは補助金を出そうということにきめたわけでございますが、いまおっしゃいました補助金が先にきまって、それで申請書が出るというのは、これは私どもとしましては、従来もほかの件についても、言うならば同じ手続をとっておるということでございますし、その手続自体はどうもそういうふうに元来やるものであるというふうに、私どもは了解しております。
○和田静夫君 まあ当然、私が述べたようなことというのは危惧されることですから、たとえば戦争目的に使われないなどというようなことを含んで、十分の配慮というものを今後続けていただきたい。 最後に、運輸省の関係に戻ります。二〇ページ、この遠距離救難用航空機の購入に必要な経費、こういうことで二億六百一万四千円予備費から使用されているのですが、この「かりふおるにあ丸」事件のときに、YSが一機あった。ところが、それは言ってみれば即応的に発進をしなかった。なぜ発進をしなかったのか、その事情を……。
○説明員(貞広豊君) 当時の「かりふおるにあ丸」事件のときに私どもで持っております遠距離に対処できる航空機はYS一機でございましたが、これも一機一クルーでありまして、常時二十四時間発進態勢におることがきわめて至難でありましたので、そのときに小型ではございますけれども、三百マイル程度まで出ることのできる、夜間はだめでございますけれども、ビーチクラフト型機がございまして、当時の距離、海上気象条件等を勘案して一まずビーチクラフト機を発進させましたけれども、予想に反しまして非常な空中の乱気流で機長から引き返すという連絡を受けまして、かねて発進態勢に置きましたYS11型を続けて直ちに発進させたというふうな経緯がございます。
○和田静夫君 遠距離海難救助は自衛隊も出動できることになっておりますね。
○説明員(貞広豊君) 言われるとおり、自衛隊法に基づきまして海上保安庁長官あるいは現地の各本部長から要請をすると出動してもらえることになっております。
○和田静夫君 そこで、先ほど常時発進態勢になかったという意味のことを理由づけされたのでありますが、いま認められたように、現在の段階では海上保安庁と防衛庁の連係プレーのうちにそれは可能だ、こういうことですね。ところが、その自衛隊機も即応的には出ませんでしたね。これはお隣に「よど号」の主役がいらっしゃいますが、あの「よど号」のときなんかは、自衛隊法に違反して浜松のジェット基地からスクランブルをやっているのです。あれは中曾根防衛庁長官は、自衛隊法違反だと気がつきませんでしたと、ここで私にあやまった。ところが海難救助というのは何も防衛庁長官が認可しなくてもできる。そのときには発動しないという、たいへんな矛盾に、これを読みながら気がついた。ほんとうは防衛庁長官を呼んで、ここでもう一ぺん頭を下げさせようと思ったのだけれども——どうしてそういうことになったのですか。
○説明員(貞広豊君) 当時のことを振り返ってみますと、海上保安庁の第三管区本部長から要請はいたしましたけれども、実際発進できたのは、先生の言われるように、かなりおくれて発進になっております。
○和田静夫君 いや、どうしてそうなったのですか。
○説明員(貞広豊君) 私ども外からでは十分真意をお伝えすることができませんけれども、いろいろ内部的にやはりある程度問題もあったようでございます。その後は防衛庁長官の指示に基づいて活発に行動をしてもらえるようになったのでございます。
○和田静夫君 この辺は防衛庁にいつかの機会に尋ねる以外にないでしょうが、そこで聞きたいのは、一機が二機にYSがなったからといって、常時発進態勢がとれますか、
○説明員(貞広豊君) 機材はなるほど二機で物理的にいいのでございます。あとはクルー、搭乗員の問題でございます。おかげさまでと申しますか、うれしいことには四十六年度の御審議いただいている予算では、機材は二機でございますが、搭乗員は、クルーは三クルーをいただくようになっております。発進態勢はとれると思っております。
○和田静夫君 そこで常時発進態勢がとれるとする。私はちょっとそれもあまり肯定できる状態ではないと思うのですが、それぐらいの常時発進態勢がとれるといま言われたのですが、こういう失敗が起こらぬように心がけてもらえばいいのですが、YS11機を買うか買わないかということですね。これはすぐれた政策上の予算をどうつけるかという問題でしょう。そうすると「かりふおるにあ丸」事件が刺激になって予算がついたということだと思うのですがね。これが予備費から支出されているという状態に非常に疑問を持つのです。この場合、予備費が動員をされる、予測しがたい緊急性というのは一体何なんですか。
○説明員(貞広豊君) 具体的に緊急性として的確に御説明申し上げられないかもしれませんけれども、海上保安庁ではかねて遠距離救難体制といたしましてこれを充実するということに鋭意努力いたしてきております。四十一年度以降、船につきましては二千トン型二隻、航空機につきましてはYS一機が四十四年度までに獲得、整備できました。海上における救難のことは、時間が問題でございますので、いろいろ工夫はいたしましても、遠いところでSOSが出た場合、船がかけつけたのでは時間がかかる。まあ持っている巡視船は、従来の経験から、そういう海象等も勘案いたしまして、海難の起こりそうなところに前進させておくというような態勢をとっておりましても、やはりいつどこで起こるかもしれませんので、航空機、遠距離救難機というものがぜひ必要であるということから、終始予算の要求をいたしてまいりました。四十五年度においてはこれが認められませんでしたが、その直後、二月の半ばごろになりまして、言われるような「かりふおるにあ丸」事件が起こったわけでございます。これでは、当時の第六十三国会でも先生方から叱責もあり、世論も強く海上保安庁の救難体制の弱体を指摘されまして、どうしても早急にこれを入手しなければいけないという状態に追い詰められたということでございます。これにつきまして運輸大臣のほうから指示がございまして、どうしてもほしいと折衝に入ったのでございますが、すでに財政当局としてもいろいろの観点からいわゆる宿題か出まして、それを大臣の絶大な御尽力にもかかわらず、その宿題を解きほぐしていっておるうちに、ついに四月に入ったというふうな経過をたどっているのでございます。
○和田静夫君 このYS11の発注先は……。
○説明員(貞広豊君) 日本航空機製造です。
○和田静夫君 いつできますか。
○説明員(貞広豊君) 本年の十一月に入手の予定でございます。
○和田静夫君 そこで、先ほど的確に答弁をいただけなかったんですが、この発注先と入手月日との関係で問題は予備費ですよ。予備費の審議だから、この予備費か動員された緊急性というのは——これは八億何千万でしょう、YSというのは。そうすると二億円ですがね、たとえ二億でも企業の側が早くくれといった、そういうことじゃないんですか。
○説明員(貞広豊君) 先ほどのように、どうしたことか昨年は連続三件、四件と、悲惨な遠距離救難が起きたわけでありますが、航空機は製造過程におきましてかなりの期間を必要といたします。四十五年度に入手できないといたしましても、四十六年の冬には——また同じような事故が起きた場合には対処できないので、四十六年冬のせめて海難多発季までにはぜひとも間に合わせたいというのが偽らざる心境でございます。
○和田静夫君 いや問題は、予備費が緊急動員をされなければならない、予備費がここに使用されなければならない性格についてわからぬから聞いている。いま言われるようなことであるから、私も、たとえば飛行機だとか船とかいうのは製作に一年以上、あるいは数年かかる性格のものでしょう。そうすれば、代金の一部が予備費から計上されるというのはおかしいでしょう。その場合、まさに補正予算そのものを組むべきでしょう。要求もされない、便宜的に予備費でもっていく。しかも日本航空機製造、これはいまここではやりませんで、別の機会にするけれども、企業側からの要求をまるまるのんで、言ってみれば二億払わなければならない。何でそんなものを先に渡さなければつくってくれないんですか。
○説明員(貞広豊君) 先生の言われる意味がわかりましたが、製造工程はそういう工程が必要でございまするけれども、四十六年の冬までに入手するためにはあの時期に発注をする必要があったわけでございます。
○和田静夫君 二億渡して発注をしなければならないという理由は、どういうところにあるんですか。
○説明員(貞広豊君) 二億渡して発注するということではありませんで、全額八億幾らでございますが、二カ年で発注いたします額で、そういうふうに分けたわけでございます。
○和田静夫君 なぜ予備費から出すんですかと言っている。
○政府委員(竹内道雄君) YSを発注する場合、あの時期にYS一機を追加発注する。その発注の緊急性については、先生お認めといいますか、それはしようがなかったと思います。なぜ二億円をそのときに支出しないで、注文だけしておいて、二億の金は補正で払ったほうがいいのじゃないかという御質問かと思いますが、私どもの聞いているところによりますと、YS等の発注に際じましては、メーカーに対して三割程度の前渡金を支払うというのが通常の慣例であるので、この件に限って特に支払いをしないということは困難であるので、その三割相当分の金額の支払いをいたしたいというのが運輸省のほうの申し出であったように存じます。
○和田静夫君 こういう予備費の使用というのは、大蔵当局はこれでいいんだと思っておりますか、私はこういうのはすべて補正予算を組んでやるべき筋合いのものだと思いますが。
○政府委員(竹内道雄君) YSの発注の問題につきましては、実はいままでにもおしかりをこうむっておりまして、その予備費で支出したことがいけないというよりも、もう少し海難救助の問題について予算作成等からもっとめんどうをみてやるべきでなかったかというようなおしかりを受けまして、私ども反省いたしているところでございますけれども、本件につきまして債務負担行為といたしまして八億の追加をやり、現金支出として二億を出したということにつきましては、私どもといたしましても、できればその二億のお金は後払いにしてもらえればたいへんありがたい話であったわけでございますが、しかし取引の慣行といたしまして、三割程度の前渡金は当然渡さないと相手も非常に困る、発注にも支障を来たすということでありましたので、事柄の緊急性にかんがみまして債務負担行為と合わせまして二億の予備費の支出をいたしたというのが実情でございます。
○和田静夫君 これは海上保安庁の立場に立って言えば、大蔵当局ざまを見ろ、予算要求をしてもなかなか話を聞かなかったからこういう事件が起こったんじゃないか、得たり賢しということに結果的にはなりますね。それはそういうふうにお思いになりませんか。やはりもっと最初から詰めるべきだったと思いますか。
○政府委員(山村新治郎君) ちょうど先生にほんとうにいい質問をしていただきました。特に今度の場合には緊急性を認めて——竹内次長からいわゆる海難救助という問題にあまり関心がなかったのを反省しておるということでございまして、きょうはいい速記録を残していただきました。今後は、そのように人命という問題に対しましては全力をわれわれは尽くしていくつもりでございますが、それにしましても大蔵省はなかなか渋いところで、われわれが予算獲得の場合に、おそらくこれは全力を尽くしてやりましても大蔵省のほうでは値切りに値切る。しかし、これは大蔵当局の立場としてはしようがないと思いますが、やはり事人命の問題に関しましては、ただいま次長の反省によりまして、今後は十分な予算がついていくものだと思います。それにつきましても今度の場合の緊急性には、先生の言われるように、いろいろな不備な点はあるかもしれませんが、やはり運輸省としても、大蔵省があれだけ理解を示しているということをはっきり断言していただきましたので、こちらのほうもひとつ心配のないように、十分力を尽くしてやってまいるつもりでございます。
○和田静夫君 実は、これからなんですよ、私の質問は。いまの答弁でたいへん大切なことは、これはまさに運輸省の立場で、大蔵省に……まず、運輸省は何でYS11にするのですか。
○説明員(貞広豊君) 先生の御質問は、ほかに適当な航空機があるのではないかということかと存じますけれども、今度の、いま御審議いただいておりますYSにつきましては、すでにYSがある。それから早く入手ができるというふうなこともありまして、やはり航空機は持ったあとの保守整備などで同型機をそろえるのがいいというのが一般常識であります。そういう意味もあってYSにしておるわけであります。たとえば米軍が使っておるC130、こういうものは発注するにいたしましても金額も膨大なもので、手がつけられません。あるいは先生はPS1飛行艇のことを御想像になっておられるかとも思いますけれども、これにつきましては昨年大蔵省から調査費をいただきまして海難救助の効率化に関する調査委員会を持ちましていろいろ検討をお願いいたしました。やはりその結論から言いましても、PSはメーカーが言うような性能であれば、これはまことに適当な飛行艇である。しかしながらまだ、これを水陸両用機に直すと、ほんとうに、言うようにしけの中で海上に降りてドアを開けて、救助できるのかどうかという、そういう機体の改造、その他いろいろな、さらに開発を進めなければいけないまだ段階でございます。しかも今度は値段のほうは、一応そういうふうなものができたといたしましても、メーカーの言によりますと約二十五億ぐらいと称しております。さらにまた、海上保安庁機としてこれを使用する場合には、防衛庁の飛行機と違いまして耐空証明というものを取る必要がございますので、これも概算、メーカーは十億ぐらい上積みが必要だと、こんなに申しておりまして、値段もたいへんでありますし、それよりもまだ開発途中であるので、それがほんとうに実用機として実績を示した場合、こういう飛行艇はやはり値段を別にすれば、いい飛行機だと思っております。
○和田静夫君 あなた、あまり値段を心配する必要はないですよ。そうでしょう。片一方、防衛庁のは一機七十億、八十億という、ほとんど使うか使わないかわからないし、ほごになっていくのですよ。あなたのほうは的確に使わなきゃならない。SY二機でもって完全ではないことはお認めになっているわけでしょう。いま次官が言われたとおり次官は非常に前向きで要求をされて、その解決をしなければならぬと、こうお思いになっているわけです。金のことよりも性能のことを考えながら、言ってみれば長期的な展望を持って大蔵省に対していまから要求をなされていく、そういう措置をやっていかなければならない筋合いのものでしょうが……。まず性能という点について調査費をつけて調査をされておる。私はYS11をもう一機買うというときに、まあ緊急性の問題はありますけれども、PS1ならPS1の論議というものが必然的に起こり得ると、今度の四十六年度の予算の要求の中にはそれは入るべきだと。ところが大型化されるという説明を聞きますと、さっきから性能の問題……、たとえばアメリカの海兵隊からPSの発注が来ております。そうすると、アメリカの海兵隊はほんとうによほど人がよくて、性能についてもまだ見きわめのつかぬものを日本に発注してきた、こういうことにも逆の意味ではなろうかと思うのです。私の言いたいことは、予算の審議を通じてとにかく長期的な視野を打ち立てるべきだ、余分にお金の心配をされてそのことを怠るということは許されないのじゃないか、私はそう思っております。大蔵が受けるか受けないかは、皆さんと私が一緒になって受けさせるということもあるでしょう。そういう観点というものを大切にすべきじゃないか。運輸省はそうお考えになりませんか。
○政府委員(山村新治郎君) ただいま海上保安庁からの答弁では、いままでの予算の獲得の慣例に従いまして、大蔵省が渋くてとても出さないであろうというところで、金の問題をあれほど重要視したと思いますが、しかし今後は、いま竹内次長からあれほど理解ある答弁をしていただきましたので、ここでまあ何もそのことばじりをとらえるということではございませんが、やはり人命というものに関する問題につきましては、金なんというものは幾らかかろうと、そういうことは考えないでやっていくべきだと、運輸省として、海上保安庁に対してそういうような姿勢でやっていけということで指導してまいるつもりでおります。
○委員長(森元治郎君) 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十五分散会