決算委員会 第12号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/03/24
会議録
○委員長(森元治郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十三日、沢田実君及び黒柳明君が委員を辞任され、その補欠として鈴木一弘君及び小平芳平君がそれぞれ委員に選任されました。 —————————————
○委員長(森元治郎君) 委員の異動に伴い理事が一名欠けておりますので、この際理事の補欠選任を行ないたいと存じます。 選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に和田静夫君を指名いたします。 —————————————
○委員長(森元治郎君) それでは、昭和四十三年度決算外二件を議題といたします。 本日は、前回に引き続き、締めくくり総括質疑を行ないます。 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○和田静夫君 まず、オリンピック担当相にお聞きをいたしますが、オリンピックの五輪のマークの使い方について御説明を願います。
○国務大臣(西田信一君) オリンピックマークは、国際オリンピック憲章の第五十六条に、国際オリンピック委員会の専有物であるということが明示されております。そこで、同憲章の第二十四条には、各国のオリンピック委員会、日本で申しますと日本オリンピック委員会——JOCがこのマークを使用する専有権を持っているわけでございます。「これらの使用は「オリンピック」ならびに「オリンピアード」という言葉の使用とともに、オリンピック競技大会に関係ある活動に限定しなければならない。」こういう制限があるわけでございます。 日本オリンピック委員会は、これらの規定を受けまして、日本オリンピック憲章規定を設けまして、その使用を厳重に行なっておるわけでございます。
○和田静夫君 そこで、JOCがこれを使用させるときには、オリンピックに関係するような事業ですね、たとえば、最近統一地方選挙なりあるいは参議院選挙などを前にしまして、何々を励ます会、予定候補者を励ます会などというようなものに五輪のマークが使われること、そのことをJOCは許可をいたしますか。
○国務大臣(西田信一君) オリンピックマークで先生のお尋ねになりましたのは、いわゆる五つの輪の五輪でございまして、これをもし使用いたします場合には、日本オリンピック委員会に使用の申請をいたしまして、そしてその承認を受けなければならないことになっておりますので、したがいまして、あのオリンピックマークをそういう場合に使うことはあり得ないと思います。
○和田静夫君 そこで、いわゆる承認の基準ですね、その基本原則というのは、商業的に、政治的に、宗教的に、あるいは個々人の利益のために、一部の利益のために使ってはいけない、こうなっていますね。
○国務大臣(西田信一君) そのとおりでございますが、日本の場合、札幌オリンピックがございますから、そのことをもって申し上げますが、ことしから若干緩和されまして、オリンピック委員会の方針によりまして、もちろん憲章に従ってでございますが、使用料をある程度納めることによりまして使用させる。もちろん宣伝、使用の方法につきましては、視聴覚以外には使ってはいけないという制限がございますが、そういう緩和措置がとられておるように思います。
○和田静夫君 政治的なものに使ってはいけない、このことは間違いございませんか。
○国務大臣(西田信一君) 間違いございません。
○和田静夫君 オリンピック担当相は三月二十日、札幌市民会館で開かれた板垣武四さんの後援会・励ます集会に御出席になりましたね。
○国務大臣(西田信一君) たまたま私、北海道に行っておりまして、その会のほうから出席を希望されましたので、十分ばかり出ました。
○和田静夫君 何もしゃべられた内容その他を問題にしようとは思っておりません。そこで問題は、その会議で五輪のマークがみごとに使われているわけですね。オリンピック担当相が出席をされた札幌市長予定候補、自由民主党の予定候補、その予定候補を励ます会で、札幌オリンピック大会のための五輪のマークが、選挙の「一〇〇万人が手をつなごう」という、このパンフと一緒に同一の封筒に入れられながら参会者に配られた。しかも、オリンピックの責任者である担当相が出席をされておる。こういう事態というものは非常に遺憾な事態だと思うのですが、いまどのようにお考えになっていますか。
○国務大臣(西田信一君) 私は、ちょっと出ましたのでございますけれども、一般の人が入るところから出入りしたわけでもございませんし、そういうものが配られたということは、実は承知しないでおりましたが、帰りましてから、どこかの新聞に出ていたのを見ました。ただ、先生、オリンピックマークが使われているというふうにいま御指摘でございますけれども、先ほどから申し上げましたオリンピックマークは、そこには使われておらないかと思うのでございます。それは札幌市がつくったものらしいのでございますが、これは札幌オリンピック大会を象徴するシンボルマーク三つの組み合わせになったそれがたぶん使われておるように私は記憶しておりますが、オリンピック憲章でいっておりますオリンピックマークを使っていたものではないと思うのでございます。
○和田静夫君 いわゆる五輪のオリンピックマークが、ごらんになればわかるとおり明確に使われているわけですよ。これは見てください。全体として、いわれるように表章が使われてないという論理にはならないのですよ。たとえばこれが抜き出されていれば、三つくっついているということにはならんでしょう。しかし、こういう形で印刷をされて、一番向かって右側の五輪のマークというのは、まさに独立したところのオリンピックマークである、こういうことになります。しかもこれがオリンピックを招致する札幌市の助役である人、その人が予定候補者である。こういう形でもって使われていくときには、五輪のマークそのものを含めて利益誘導——選挙のための事前運動と利益誘導のためにオリンピックマークが使われる、こういうことになろうかと思うのです。いま担当大臣はこのものが配布をされたかどうかということを御存じない。そういう問題は別にしても、この事態については私は、担当相としてかなり責任を感じられなければならない筋合いだと思いますが……。
○国務大臣(西田信一君) こういうものがそのとき配られたということは、私はあとで新聞で見たんでございますけれども、これはお許しをいただきまして、このマークのことをちょっと申し上げたいと思うのですが、これは札幌冬季大会の組織委員会がきめたシンボルマークでございまして、もちろん、これは使用権は組織委員会にあるわけでございます。これを使う場合には組織委員会の事務局長あてに使用の承認を受けなければならぬということになっておりまして、札幌市はこれを調べて、承認を受けてこういうものを使っておる。そこで今度の会合は、札幌市政懇話会という会があります。これはずっと古く昔からあるようであります。市政の研究とか、いろいろなPRとかをやっておるようでありますが、市のほうではこの印刷物は相当部数刷ったようでございまして、これは市がみずから頒布をいたしましたり、またいろんな団体等の手をわずらわしてPR用に使っておるようでございます。それがたまたまその場所で使われたということは、結果的に私はどうもあまり適当ではなかったように思うのでありますけれども、オリンピックをなるべく多くの人に知ってもらう、理解してもらうということのために、実は市はいろんな努力をしておる。それがたまたま市政研究会でございますから、市のためにいろいろPRをしたりしている団体でありますので差し上げたんだと思いますが、これはいろんな団体にお願いしてPRしておるようでございます。たまたまそういう何といいますか、激励会のような場所で配られたということは、結果的にはどうもあまり適当でなかったように思われます。
○和田静夫君 言われるとおり、私は、これが政治的な目的を持った集会以外で使われているというなら、話は別だと思うのです。選挙をもう間近に控えてこれが使われたということに問題があるし、しかも市長予定候補の立場にあったところの助役であった。その市は冬季オリンピックを招致している。そうすれば、板垣さん自身の力でもってこのオリンピックというのは招致された。したがって、冬季オリンピックは板垣の手で成功させましょうということになっておるわけですから、これはもののみごとに公私混同ですよね。したがって、オリンピック担当相としてはそういうことはもう困るじゃないかと言われるのが筋合いだったと思うのです。
○国務大臣(西田信一君) 私は、その後新聞を見ましたし、御質問もあるということでございましたから、一体どうしてこういうものをあれしたのかということを札幌市に聞いてみました。ところが札幌市はそういう会合に配るんだということを承知せずに、他の団体にお願いしているような軽い気持ちで渡したらしいのでございます。それがたまたまそういうところで頒布されたということが、気持ちはそういう選挙ということでなくても、そういう誤解を受けるということになったようでございますし、そのことは私は適当でない。今後は市もそういうことに十分注意をすると思われますし、注意をさせたいと思います。また、そういうことは今後起きないように私ども注意してまいりたいと思います。
○和田静夫君 官房長官に最後にお尋ねしますが、いまやりとりしたとおりでありまして、問題は、そのいわゆる市長予定候補者、選挙戦に臨むその政治集会にオリンピック組織委員会の五輪のマークなり、あるいはオリンピックのために計画をされているところの、言ってみれば案内、宣伝物などが巧みに使われていく、こういう状態というものはオリンピック成功のためにも避けなければならないことであろうと思うので、これは担当相も出席をされておったことでありますので、やっぱり閣内の問題としてもっとしっかりした規律というものを保持していただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(保利茂君) 先ほどからお話を伺っておりまして、政府も第十一回の冬季オリンピックを日本に招致できた。御承知のようにかなりの巨費を投じて施設をいたしておりますし、政府としてもこの国際的な行事を成功してもらいたい。それにもまして地元のほうでは、とにかく先般のオリンピックあるいは昨年の万国博覧会、まあとにかく成功裏に終わっておるようでございますから、札幌地元当局としてもたいへんな力の入れ方、これはもう当然だと思う。札幌、北海道発展の一つの転機に持っていこうというような何もありましょうし、たいへんけっこうだと思っておりますけれども、ただ、いまやりとりされましたことが、おそらく市当局の意思でもなかろうと思うのでございますけれども、このオリンピックが政治的に利用されるというような誤解を抱かれるというようなことは、はなはだ遺憾なことで、その点は西田大臣も十分承知されておられるようでございますし、とにかくオリンピックのこの行事にいささかも陰をさすようなことのないように、この上とも十分注意してまいりたいと考えておりますから、どうぞ御了承いただきたいと思います。
○和田静夫君 おそらく選挙が始まると、北海道は御存じのとおり知事選挙その他激しい争いになっていますから、閣僚の皆さん方がそれぞれお歩きになれば、こういう事態にぶっからないとは限らないわけでありますから、ひとつ閣議としても十分その辺の注意をされますようお約束を願いたいと思います。
○国務大臣(保利茂君) 御注意の点につきましては十分注意いたしまして、皆さんにもそういうことを御注意をいただくように取り計らってまいりたいと思っております。
○和田静夫君 それじゃ、そこで選挙部長に伺いますけれども、もう一つ問題がこれにはあるのです。この板垣武四さんという人がこういうポスターを出されているのですね。この中に出てくる一連の写真、これはもう著作権法に基づいて札幌市が持っているものです。これは札幌市が広報として出しているいわゆる「広報さっぽろ」です。「広報さっぽろ」に掲載されているところの写真が、特定人の選挙の事前運動用のものに全部使用されている。で、この人は御存じのとおり助役でありましたから、助役なるがゆえに手に入れることができるところの市の財産をかってに個人が使う、こういう状態が出ておるわけですね。われわれも使いたい、こんなりっぱな写真。われわれの税金でつくった写真、そうして市が持っているところのもの。まさにこれは、一方では著作権法に基づくところのものを盗みとったということになりますから、著作権法に基づくところの罰金その他を求めるところの訴訟を起こすということに——これは親告罪ですから——これはなりましょう。訴え出ればすぐやられるということになるのですが、その前に、公的な所有物がその地位を利用して個人のいわゆるリーフ、パンフに使われていくという問題について、選挙担当者としてどのようにお考えになりますか。
○政府委員(中村啓一君) 和田先生の仰せになりましたように、公務員というような公の立場にあります者が、その地位を特定の選挙に——もとより自分の選挙も含めて、持ち込むというようなことは最も好ましくないことだというふうに存じておりまして、何回か国会の御論議の末、いわゆる地位利用による選挙運動あるいは選挙運動に類する行為は厳禁をされてまいっておるというふうに承知をいたしております。私どもは、いやしくも公務員が公の立場を選挙に持ち込むことは絶対に控えるべきであると存じておる次第でございます。
○和田静夫君 そこで、この事態は、まあ選挙部長も非常に長く北海道にいらっしゃったし、北海道の事情はよくおわかりになるわけだ。これは十分に注意をされてしかるべきだと思いますが、約束されますか。
○政府委員(中村啓一君) 和田先生の御指摘のように、現在は市長選挙が告示になっておりませんので、現時点におきまして、いわゆる市長候補のための選挙運動があるということは、全く公選法上は許されないところでございます。したがって、現在かりに板垣さんのためにある行為が行なわれておるとすれば、先ほど御指摘のありました励ます会も含めまして、いわゆる政治活動として行なわれておるものと存じます。私どもは、特に最近政治活動という名前のもとに、しばしば選挙運動に踏み込むおそれのある場合もございますので、具体的な例もあげまして各都道府県選管に対しまして、警察庁と連絡をして注意を喚起しておるところでございまして、こういうことでエスカレートしないように、ぜひ私どもは、今度の統一選挙にあたって留意をいたしたいと存じております。
○和田静夫君 最後にしますが、これは当然著作権法の二十一条、十七条の関係でこれは違反ですから、したがって罰則百十九条で三年以下の懲役または三十万円以下の罰金、こうなりますから、当然この人は市長候補にはなれないでしょうぐらいのことを考えながらものは言っていますけれども、これぐらいのものというのは、いま言われたとおり、おそらく候補者として立候補されれば同じことがされていくわけですから、事前にわかっているものに対しては、ちゃんとチェックする機能というものを選挙担当としてはやはりしっかり考えてもらう、そういう機能をしてもらわなきゃ困る、こう思うのですがね。それはどうですか。
○政府委員(中村啓一君) 和田先生の仰せのように、その点が現在の選挙界の実情を顧みますと非常に大きな問題点の一つだろうと思います。私どもの立場でいわゆる政治活動につきましてあまり検閲的機能を発揮するということも、たてまえとして問題がございますし、といって政治活動の名前で、それに名をかりて選挙運動が行なわれるという事態になっても困るということでございまして、たいへんむずかしい問題を含んでおりますが、私どもはやはり粘り強く関係の方々に都道府県ないし市町村の選管を通じまして違法にわたらないように、過熱しないように、エスカレートしないように極力御注意を申し上げていく。一方、警察もまた積極的に警告措置をとっていただくということによって、御趣旨の点に対処してまいりたいと存じておる次第でございます。
○和田静夫君 厚生省に簡単に一言だけ聞きますが、あなたのほうでの民間法人日本看護協会、この日本看護協会は国際会議に加盟をしていますが、この国際会議に日本の准看護婦は加盟できますか。
○説明員(松下廉蔵君) 現在の国際看護婦協会の規約によりますと、一国に一つだけの看護婦の団体につきまして団体加盟を認めまして、その一国に一つの看護婦の団体の構成員はすべて国際看護婦協会の会員としての資格を有するというたてまえになっておりまして、現在社団法人日本看護協会が国際看護婦協会の会員になっております。准看護婦も日本看護協会に加盟しておりますものは全部日本看護協会の正会員でございますから、したがって規約のたてまえ上、当然国際看護婦協会の会員の資格を有するものという形になっておるわけでございます。
○和田静夫君 それじゃお聞きしますが、先ほどあなたからいただいた国際看護婦協会基礎文書、定款並びに細則によりますと、細則、第一章会員、第一節「国内で一看護婦協会がICNの加盟会員協会となり得る。その条件は、a その投票を行なう会員が、ICN定款に定義されている看護婦のみで構成されること。b 目標を定義する時の定款・細則および規則がICN定款第三章にあげられているICNの目的と調和すること。」、さっき御説明を受けたときは第一節のところだけの説明を受けたんですが、あとを読んでいくとたいへん疑問が出てくるわけですがね。いま読んだとおりになっている。そこで看護婦の定義ということになりますと、国際看護婦協会の定款によりますと、看護婦の定義、「看護の基礎教育課程を修了し、免許を受け、健康の増進、疾病の予防、並びに病人の世話に関して最も責任のある看護業務を行なうことを国によって認められたものを言う。」、こうなっているわけですね。この看護婦の定義の看護婦にどうして准看護婦が入るのですか。
○説明員(松下廉蔵君) 国際看護婦協会の看護婦の定義は、いま和田先生の御指摘のとおりでございます。それで、現行の保健婦助産婦看護婦法におきましては看護婦の定義は「この法律において、「看護婦」とは、厚生大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助をなすことを業とする女子をいう。」、それから准看護婦の定義は、「この法律において、「准看護婦」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護婦の指示を受けて、前条に規定することをなすことを業とする女子をいう。」というふうに規定されております。いずれもこれは国際的な観点から申しまして、このICNの定款で申しております「教育課程を修了し、免許を受け、健康の増進、疾病の予防、並びに病人の世話に関して最も責任のある看護業務を行なうことを国によって認められたもの」という定義にあてはまるものとして国際的に認められている。そういうふうに考えている次第でございます。
○和田静夫君 それではお尋ねしますが、この定款で言うところの看護婦というのは、原文ではどうなっているのです。
○説明員(松下廉蔵君) ナースであると承知しております。
○和田静夫君 そうでしょう。そのナースという観念の中に、特殊日本的な准看護婦が入るなどというような常識は成り立ちませんよ。
○説明員(松下廉蔵君) たいへんことばを返すようで恐縮でございますが、当初日本で昭和二十三年に保健婦助産婦看護婦法が制定されました当時におきましては、いまの准看護婦という制度はございませんけれども、類似の形といたしまして甲種看護婦、乙種看護婦という制度が置かれておりまして、その当初におきましては国際的な評価といたしまして、いま先生が御指摘になりましたよう左若干の問題点もあったように聞いております。その時点におきましては日本看護協会といたしましても、乙種看護婦につきましては準会員という扱いをいたしまして、国際看護婦協会の会員になりますものは正会員である甲種看護婦だけというような取り扱いをしておったようでございますが、その後、准看護婦の教育課程等も進んでまいりまして、その業務の実態、能力等につきましても国際的な評価が高まってまいりまして、昭和三十八年の四月に日本看護協会の総会におきまして准看護婦も含めて全部を正会員にするという決議をいたしまして三十八年七月十六日付をもって定款の改正をいたしまして全部正会員といたしております。それと併行いたしまして、国際的にも准看護婦を含めたものが全部国際看護婦協会の会員として適当なものであるということが認められまして、それ以後は国際的な立場におきましては准看護婦も含めて会員であるという取り扱いがなされているわけであります。
○和田静夫君 准看護婦の方からいわゆるこの国際看護婦協会の会費をおとりになっているのは、いつからですか。
○説明員(松下廉蔵君) 私の承知しております限りでは、国際看護婦協会の会費としての徴収は別段いたしておりませんで、全部の会員につきまして一定額の会費を徴収いたしまして、その中から、これは団体加盟の形をとっておりますので、日本看護協会といたしまして国際看護婦協会と相談いたしまして算定いたしました額を、まとめて会費として日本看護協会から納めるという形をとっておるようでございます。
○和田静夫君 看護協会会則では、御存じのとおり第八条二項に「前項の会費は本協会八百五十円(国際会費を含む)」、こうなっているわけです。
○説明員(松下廉蔵君) いま申し上げましたように、日本看護協会の全会員から集められた会費の中から、国際看護婦協会と協定いたしまして定められた額の会費を納めているという意味では、御指摘のように八百五十円の中に国際看護婦協会の会費も含まれてはおるわけでございます。
○和田静夫君 そこで問題なんですが、いわゆる国際会費も含まれている。私は、この問題できょうそんなに時間をかけているわけにいかないんですが、ちょっと緊急を要するから質問したんですが、現在の看護協会にいわゆる正看護婦分相当額しかとにかく国際的には会費をお払いになっていない。それはやりとりとしてはいろいろありますよ。実情がどうだとか、こうだとか言って——まけてくれとか何とか言って国際会費を払うやり方はあるでしょう。しかしながら、その算定の単位は正看護婦を単位にしながら折衝をされている。とにかくおたくが認可をしている財団法人。そうすると、いま読み上げたとおり准看護婦から国際会費分を取っている。十七歳になるかならないかというような、こういう方々から——准看護婦の人たちから会費を取ってきたんですね。そして国際会議にはこの人たちは資格がなかった時代があるし、資格がある今日でもこの人たちの分は、言ってみればこの国際団体には払われていない。だとすれば准看護婦の国際会費分というのは、看護協会会長石本さんと言われるんですか、石本さんに代表される看護協会によって詐取されている、こういう論法というものが成り立ちませんか。しかもきょうは、いま選挙のことに触れましたから、その看護協会の集められた会費の中から、全国参議院選挙に向かっての予備行動が裏づけされるということになってくると、もっと問題でしよう。
○説明員(松下廉蔵君) 先ほど御説明申し上げましたように、会費一人の会費が年間八百五十円でございます。その会費の中には抽象的な意味では国際看護婦協会の会費が含まれておる。ただ、どの人の会費の中に幾ら含まれておるという形ではございませんで、先ほど御説明いたしましたように、全部の会費の中から国際看護婦協会に一定額を納めている。したがって、いまお話しのような看護婦の資格を有する会員の払った会費の中からだけ国際看護婦協会の会費が納められて、准看護婦である会員の払った会費の中からは国際看護婦協会の会費は納められていないという形ではございませんで、全員の会費の中から四十四年度で申しますと、計算の基礎といたしまして三万五千人分、納入額といたしまして四百六十五万円という会費が納められておる。そういうことでございますので、いまはお話がございましたように、特に准看護婦については国際協会の会費を徴収してないという形ではないと承知いたしております。
○和田静夫君 准看護婦から国際関係費は引いていないと、こう言われるんですか。いまその最後のところがちょっと聞き取れませんでしたが。
○説明員(松下廉蔵君) いま、ちょっと申しようが悪くて言い間違えたかもしれませんが、申し上げたいと思いましたことは、准看護婦の会費の中にも看護婦の会費の中にも、同じように国際看護婦協会の会費分が観念的に含まれておるということを申し上げるつもりであったわけです。
○和田静夫君 そうでしょう。含まれている。そこで、それじゃ四十三年の正看護婦の人員は何名ですか。
○説明員(松下廉蔵君) 申しわけございません。ちょっと数を手元に持ち合わせておりませんので、後刻調べて答弁いたしたいと思います。 ただいまの訂正をさしていただきます。看護協会に問い合わせましたところでは全部八百五十円。これは保健婦、助産婦、看護婦、准看護婦を通じまして同じ額の会費を徹収いたしております関係で、四十二年度においてその分類が幾らと——特に看護婦、准看護婦は同じ日本看護協看護婦会という部会に属しております関係で、その分類はいまのところちょっと不明でございます。
○和田静夫君 いやいや、厚生省として正看護婦は何人で、准看護婦は何人ということはつかめないということですか。
○説明員(松下廉蔵君) いまおっしゃった免許を受けております正看護婦、准看護婦の数は一応調査は可能でございます。ただ、そのうちで日本看護協会に加盟しておる者がそれぞれ幾らかということにつきましては、いまちょっと資料を持ち合わせておりません。
○和田静夫君 これは私の調査によれば、国際関係のいわゆる会費を納められている正看護婦——おわかりになりましたか。わからない。——その会費は正看護婦の数を単位にしながら国際的に折衝が行なわれていると、こういうことなんですよ。初めから准看護婦なんというものを——ちょっといまの言い方が悪いですけれども、准看護婦を国際会議の会員にする、そのために会費を納めるという、そういう考え方じゃなくて国際団体に納める会費を含んで准看護婦からお取りになるということは、これはたいへん若い子供たちをだましているやり方じゃないですか。含んでとか含まないとかいうようなことを言われたって、ちゃんと単位はきまっているんだから——さっき読んだとおり八百五十円という、その中には国際会費を含んでおりますよ。本人たちは国際会費を払っているつもりです。しかし、それは中間で詐取されてしまって、行ってはいないわけです。それをはっきりさせたほうがいいんじゃないですか、もしあなた方の言いわけが立つとするなら。私は立つと思わないんだけれども。
○説明員(松下廉蔵君) 何べんも同じことを申し上げるようでたいへん恐縮なんでございますが、日本看護協会の会員になっております者は、保健婦、助産婦、看護婦、准看護婦を含めまして全部国際看護婦協会の会員でございます。したがって、その各会員から国際看護婦協会の会費を含めました同額の会費を徴収するということにつきましても、私は別に支障はないと考えております。
○和田静夫君 あなたはさっき認められたでしょう。私は妥協していって、昭和三十九年の時点までは国際会議の会員ではなかったでしょう。それじゃ払った時から昭和三十九年までの国際会議費、いわゆる団体加盟費について返還請求が起こった場合、どちらが勝つと思います。返還請求をするほうが勝つにきまっているじゃないですか、会員でなかったのだから、そのときは。そうでしょう。 そこで、ぼくはこの問題であまり時間をとっておれないから言っておきますが、あなたのほうが何もしゃちこばって、これが正当だとか言う必要はないんです。認可をされている財団法人看護協会に対して、言ってみればそういう指導をされるという姿勢がいまあなた方に必要だと思うんです、ぼくは。少なくとも疑惑を持っているわけです。准看護婦の諸君は——いま一応時間がないから論議を途中でやめて、三十九年までは一歩妥協するとしても、三十九年以前までに払っているところの国際会費については、資格がなかった方が取られているんですから——資格がなかったことがいま明らかになってきたんですから、当然そのときのものについてはお返しをするとか、どうとかいう措置の指導というものはあり得るでしょう。今後は、言ってみれば規約の改正等を通じて、この加盟費についてどういう措置をしていくかということは別の問題として、指導の焦点にはなる問題でしょう。問題に全然ならないというお考えですか。
○説明員(松下廉蔵君) たいへん資料が粗漏で申しわけございませんが、ただいま御指摘になりました三十八年度までの、定款改正に至りますまでの会費が同じであったかどうかということは、いま手元にございません。ただ先ほど申し上げましたように、正会員、准会員という区別がなされておりましたので、不確かではございますが、私の記憶ではその当時におきましては会費に差別があったように記憶しております。これはもう一ぺん調べましてはっきりさせたいと思っております。 それから、ちょっとおくれましたが、先ほどお尋ねの看護婦の数でございます。これは就業いたしております看護婦の数は——会員の数はちょっと区別しておりませんが、就業しております看護婦の数を申し上げますと、先ほどお尋ねの四十三年末におきます就業看護婦の総数は十二万六千七百五十二名でございます。
○和田静夫君 前段の部分については、問題がなければ問題を提起はしませんよ。訴えがあるから問題を提起しているのであって、言ってみれば区切りをつけて返還請求をすれば混乱するだけでしょう。だから必ずしも、いまそんなことをやれということを言っているのではなくて、過去の問題、現在から将来にわたっての問題で、認可をされている法人のあり方について、いま指摘をしたような部面については、もっと慎重な指導なりをいま必要としている、そういう視点はお持ちになったほうがよろしい。それで、あなたのほうが調査をされなければならない部分については調査をしてもらって、あとで検討するということにしますが、その視点をお持ちになるということについて、それまで否定されるということになれば、この問題はもっと突っ込んでやらなければなりませんが、いかがですか。
○説明員(松下廉蔵君) いま先生の御指摘のとおり、日本看護協会は厚生省が所管しております社団法人であり、大体、全国で最も一大きな保健婦、助産婦、看護婦の団体でございます。医療関係者といたしまして非常に大きなウエートを持っております。こういうような大きな団体の運営につきまして、特に多くの会員をかかえていることでもあり、その構成も四つの種別に分かれておるというような状態でございますので、もし御指摘のような点で、会員の中に不満なり、誤解なり、十分に徹底していない点があるとすれば、これは私どもといたしましても会の幹部を指導いたしまして、そういう間違いのないような運営をさせなければならないと、かように考えております。
○和田静夫君 文部大臣にお尋ねをします。金沢大学の問題を中心とする国立大学全体の運営についてであります。 まず、国立大学という教育の場で、試験を受ける、あるいは受けさせないの問題で、教育をする側、いわゆる教授と、教育を受ける側、学生との間に訴訟が起こっていますが、そういう事態というものを文部大臣としてはどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(坂田道太君) 私、昭和四十三年の十月に文部大臣に就任いたしましたが、その当時、大学は荒れに荒れておりました。一体これが大学のたてまえであるか。最高学府であり、良識と理性の府でなけりゃならない。そして教官と学生との間には信頼関係がなけりゃならぬ。それで初めて大学の教育あるいは研究というものができる。ところが、そういうような教官と学生との信頼関係が失われ、また学生同士においても相反目し合うというような事態であったわけでございます。その後、大学紛争は一応収拾段階に入りましたけれども、しかし、その傷あとと申しますか、傷痕はまだ完全に払拭されたとは申せませんし、今後、教官対学生の信頼関係を回復するために、大学当局も努力をされることでございましょうし、私たちも、指導助言を通じまして、あるべき大学の姿にしなければならないというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、いろいろ理由はありましょうが、その際にも、いろいろ、ストライキ、つまり授業をしない、あるいは試験を受けないというような事態もあったことは事実でございますので、そういうあり方というものは好ましいものではないと思います。そういうような気持ちでおる次第でございます。
○和田静夫君 実は、金沢大学の場合は、世にいう教授の側の教育ストといわれているやつがあるんですね。そこで、その訴訟を起こした側は確かに学生でありますし、いわゆる下級審では、起こした二人の学生側が勝訴をした、こういうことになって、大学側は控訴をするという状態になってきておるわけですが、問題は、文部大臣にお聞きをしたいのは、実はきょう文部大臣にお聞きをすることは、文部大臣にとっては非常にあれだろうと思うのですが、私は金沢大学の学長と、それから病院長を参考人としてお呼びをしたのですが、どうも与党の方と話がつかなくて、きょうお呼びすることにならなくて大臣に御足労を願ったのですが、問題は、訴訟を起こした側は確かに学生ですが、訴訟を起こすようにすすめ、そそのかしたのは当の井上教授であったという事実については御存じですか。
○国務大臣(坂田道太君) 私は、そのようなことは聞いたことがございません。
○和田静夫君 私は、ここに幾つかのカセットを持っていますが、これは井上教授と学生たちのやりとりのカセットであります。本人もテープの回っていることを知りながらおしゃべりになっているのですから公明正大です。いま私は、どちらの肩を持つという立場で言うのじゃなくて、事実関係を追って言うのですが、実はこのテープを聞いてみまして、大臣にもぜひ聞いてもらいたいと思うのですが、これは、井上教授とこの訴訟を起こした上島あるいは五臓という両君には何度か会見をしているのですよ。そして会見をして話し合っているわけです。そのときに——昨年の七月の時点での話し合いがこれなんですが、この中で井上教授は「法廷という手もあるではないか」、こういうふうに言って、そういうふうにはっきりさせて、それに基づいて実は学生の訴訟ということになるわけです。「法廷という手もあるではないか」と言ったそのときに、教育は放棄されていませんか。
○国務大臣(坂田道太君) そういうことをおっしゃったかどうかは、まあテープにあるわけでございましょうけれども、それはやはりその一場面でございまして、それをもってすぐ私がこうだ、ああだというような批評は慎みたいと思うわけでございます。ただ、申し上げておきますが、私のほうで入手しております事実はこういうことでございます。昭和四十四年の十二月から昭和四十五年の五月までに、医学部学生が授業放棄を行なった。井上教授は、昭和四十五年二月、卒業を希望する学生に対し、同年二月十七日に法医学の試験を実施した。しかし、いわゆるスト派の学生——原告二名を含む——はこの試験の実施を妨害し、みずからもこれを受験しなかった。さらに、受験し、卒業した学生の就職、臨床研修を妨害しようとした。また、昭和四十五年の五月に授業再開後、同年二月に受験しなかった学生が法医学の受験を希望したところ、担当の井上教授は、これらの学生が前述の行動に対する反省を示した上で試験を受けるよう指導し現在に至っている。全然試験をやらないというのじゃない。反省をするならば試験を受けさしてやる、こういうことを言っているというふうに聞いておるわけでございます。そういうような事実に基づいて判断する限り、井上教授がとりました行動というものが、直ちに教育の放棄であるというふうには言えないのではないかというふうに思うわけでございます。
○和田静夫君 いま、一方的に言われたことについて、それだから御本人に来てもらわなければ——学校関係者に来てもらわなければ話にならないので、参考人にそういうことをお聞きしようと思ったら、委員会の出先ではさまったことを、与党の国対のほうからチェックされるということになったのですが……。そこで、その事実関係については私はあとから述べますが、一つだけ大臣にポイントとして聞きたいのですが、いまの教育制度、大学制度というものは、好むと好まざるとにかかわらず、試験を受けなければ入学ができません。試験を受けなければ進級ができません。試験を受けなければ卒業ができません。したがって、この試験というのは、好むと好まざるとにかかわらず、教育の中に含まれていますか。
○国務大臣(坂田道太君) 試験は事実上存在するということは、私も認めます。
○和田静夫君 そうしますと、その試験を拒否するということ、それはどちらの関係においても、一般論として、そこにはすでに教育の中に含まれている試験が拒否される、そのことによって教育は、その時点においては放棄されていますね。
○国務大臣(坂田道太君) 大体からいうと、入学した学生というものは、まず第一にその教育を受ける、あるいは教授を受ける、研究をする、そういう意欲を持って入ります。それをストライキをもって、先生が試験をするというのに、それをしないというのも理屈はありましょうけれども、おかしい話であります。それからこの件に関しましては一応、先生のおっしゃる——抽象的にはいろいろございましょうけれども、先生自身は——井上教授は反省をするならば試験は受けさせる。こう言っておるわけでございますから、完全な意味において試験を拒否しているわけじゃないというふうに、私は理解をしているわけでございます。
○和田静夫君 文部大臣、そこは事実関係の批判で非常に違うので、反省をしても——あとから出しますが、特定の人間についてはお前はだめだ、私の目の黒いうちはお前は試験を受けたって決して合格はさせませんよ、私の目の黒いうちは医者にはさせません、こうなっているのです。したがって、前提が違いますから、大学関係者を呼んだけれども——こういう論議になってしまうのでないかと思って呼んだけれども、たびたび言ってもしかたがありませんが、そこがたいへんな問題なんです。私は若干違います。 私は、ちょっともう一つ見解を聞いておきますが、学生の試験を受ける権利、こういうものについてどのように考えられるかということです。これは御存じのように、学校教育法の六十三条一項には、釈迦に説法ですから文部大臣に言うまでもありませんが、「大学に四年以上在学し、一定の試験を受け、これに合格した者は、学士と称することができる。」と定められているわけです。そこで金沢大学の学則は、その五条で「学科課程、学修方法、試験修了および卒業については、学部規程および教養部規程で定める」、こうなっているわけです。そうしてその六条では「学部規程の定める基準に合格し、学校教育法六三条により、学士と称することができる者には卒業証書を授与する」と規定されています。そうして、これを受けて、同大学の医学部規程の九条は「本学部に八学期以上在学し、必修科目の全部の試験に合格した者には、本学通則第六条により卒業証書を与える」、七条は「科目試験は、担当教官ごとに一年に一回行なう」、こう定めている。同大学医学部科目試験に関する内規で試験申請に関する手続がこういうふうに規定されているのですが、こういう法律や規則をずっと見てみますと明らかなように、学生は学校教育法自体によって試験を受け、それに合格しなければ学士となることができない。これを裏から考えてみますと、学生の試験を受ける権利というのは、まさに学校教育法から直接に認められているところです。そこには何ものも介在していないと思うのです、これはいかがです。
○政府委員(村山松雄君) 学校教育法等の御解釈につきましては御指摘のとおりであると思いますが、問題はその大学の教育でございますから、そういう法令の規定は最低の基準を示したものでありまして、学生について試験をやる場合にどういう教育的な配慮を講ずるかというところまで法令としては規定をしておらないわけでございます。ですから大学において取り扱いは必ずしも一様ではございませんで、在籍学生には全然無条件で試験を受けさせるというような扱いをしている大学もございますし、たとえば在籍学生だけでは不十分で、一定の日数の出席でありますとか、場合によってはその指導教官の承認の意味の認め印でありますとか、そういうものを内規上あるいは慣行上要求しておる大学もあるわけであります。医学部のごときは若干そのような配慮をしておる例が多いようでありまして、これは教育的配慮としてやってしかるべきものと考えておる次第であります。
○和田静夫君 原則ですが、もし試験を受けさせる、あるいは受けさせない、こういうことが、たとえば本質として学校なり教授なりの何というか、裁量行為といいますか、そういうことになりますと、そこに教授の恣意が入る状態というものが出てきますね。つまり一人の教授が、特定の学生が気にいらないという理由だけで試験を受けさせないでおく、こういうことができることになります。そういうことになりませんか。
○政府委員(村山松雄君) 学生は当然のことでありますが、法規あるいは学校のきめた規則、内規等に従いまして教育、研究という目的を達するように修学しておるわけであります。教授のほうは、学生の修学状況を見まして、単位を与える評価の手段として試験を行なうわけであります。しかしその際、大学教育の目標としておりますところは単に知識、技術を修得するというだけではなしに、何と申しますか、人格的な完成というようなことは、これは法令には必ずしも明文がございませんので、当然の前提として考えておるところでございます。本件の場合には、井上教授としては、医学部の学生としては他の学生が受験をしようとするのを妨害したり、あるいは就職のじゃまをしたりすることはあるまじきことと考えまして、そのことについて反省を求めさせて、人格的完成を目ざした上で試験を行なおうと考えておるわけでありまして、その限りにおいて何も試験を受けさせない、教授の恣意で受けさせないということでは必ずしもないと考えております。
○和田静夫君 そんなことを言われたって、あなたの言われることは全くうそだらけなんですよ。まず金沢の地方裁判所というのは、教授側のやっているのは誤りだという判決を出した。これは下級審だと言われればそれまでですけれども、とにかく下級審だって二人の学生の立場というものを認めました。あなたの恣意がすでにあなたのいまの答弁の中に入っておる。しかも金沢大学では、試験を受けさせる、受けさせないということで、井上教授の恣意がまかり通った。たとえば、いまあなたも言われたように、さっき大臣も言われたように、反省があったら、明治調豊かなおわびの文章を、いまの小学校では書けないようなおわびの文章を刷っておいて、これに捺印をして、それでおわびがまかり通ったなどというようなことが教育ですか。
○政府委員(村山松雄君) 反省というのは、御指摘されるまでもなく、ほんとうに本心そう思って、その結果が文章的な表現になるものでなければならないと思います。何か例文をつくっておいて、それに捺印をしたことをもって反省ということでは必ずしも十分でないと思います。しかし、それすらもしないということであれば、もう全然反省の実が認められないわけであります。どの程度のことで反省と認めるかどうかという最小限度の手段として、おそらくそのようなことをされたのではなかろうかと思います。
○和田静夫君 したがって、そういうような所定のわび状でもって反省、教育効果をあげるという御答弁ですから、教育効果をあげるときに明治調豊かなわび状をもって、それでこれに捺印をしなさいということでは、そんなものは反省にもならなければ教育効果にもなりません。むしろみずからの意思に反して捺印して、試験を受ければどっちみち出る、出てしまえば勝負に勝ったということで、出ていくほうがろくでもないということになるではありませんか、逆の意味では。そのことのほうが教育の尊厳を傷つけること、よりはなはだしいというふうに考えなければ私はならぬと思うのです。卒業試験をかつてやった者を、お前らの費用でもってパーティーに呼んで、お前らはあやまりなさい、そうすれば考えます。あるいは新聞に謝罪文を広告しなさい。さすが新聞社は断わったようですが、こういう状態が生まれておる。それから先ほど大臣もちょっと申しましたが、訴訟を起こした一人、金沢地方裁判所では勝訴をした上島君——ウエ島君というのかカミ島君というのか知らぬが——その上島と書く学生に対しては、たとえお前は試験ができてもお前はだめだ。こういう形のことを言われればわび状どころではなくなる。そういう恣意がまかり通るような形というものは、これはもう是正をすることが当然でありましょう。そういう全く、えてかってなことが通用するということになり、先ほど教育の中に試験制度自体を含んでおるという大臣の御答弁にあったように、とうていやはり本来的には許される筋のものではない、原則的にはですよ。
○国務大臣(坂田道太君) 井上教授の恣意ということだけではなくて、たとえば今度の控訴は三月十八日にやっておりますが、これは金沢大学評議会で控訴することを決定しておるわけであります。教官といたしましては、このようなことを支持しておる。それで見ると井上教授だけの恣意ではないということが言えるかと思います。だから、井上教授がとられた教育的配慮というものをやはり一応評価している、そうでなければこのような評議会で控訴するということには私はならないと思います。
○和田静夫君 それはそうだ、金沢大学の学長に来てもらおうと思ったんですが、来られないからそういうことになっちゃうのです。金沢大学の学長は明らかに、井上教授のやっていることはやり過ぎですと、こういう談話を発表されている。それは私も大学の自治の関係だからこれ以上言わないが、おそらく、東北大学から招かれて行った法文学部の人が、医学部出身の学長候補と対立をして学長に当選をされた。したがって、法文学部出身の学長としては、医学部を扱うことにたいへん苦労されたと思う。それから、文部大臣もいま一般論としてお答えになった、医学部の教授会というお話がありました。私もそれは一般論としてそう思う。ところが、内容的にずっと突っ込んでいくと、法医学の教授であるということがたいへんな問題ですよ、やっぱり。これは文部行政として一ぺん考えなきゃならぬことだと思う。法医学の教授即警察というような関係において、どういう形のことが一体まかり通るかということだ。私は、調べれば調べるほど、その白い巨塔の内部というものをのぞいてみて、たいへんな問題だと思う。いまはそのことを言っておりませんが、その辺のことはいまの大臣の答弁と内部の事情は違いますから——大臣に申し上げることじゃなくて、私は参考人が来られたらその点をただしたかったのですが、その点だけは御理解を願っておかなければなりません。
○国務大臣(坂田道太君) いま先生は、医学部教授会だけの、いわば狭い範囲内においてこういうことをきめたとおっしゃいましたけれども、そうじゃなくて、医学部教授会もきめ、それからその他の学部も一緒になった、いわゆる全学的意思をきめる評議会によってきまったということでございますから、学長もそれには同意をしておる、このことはひとつよくお考えをいただきたい。よく学問の自由、大学の自治ということをおっしゃいますけれども、それはどういうことかといったら、こういうような問題については多少の問題はある場合がございます、われわれから文句の言いたいこともございますけれども、一応直接の責任者であるところの大学管理機関の意思を尊重するというのが、学問の自由と大学の自治を守ることである、こういうことでございます。私は、その意味において、この評議会で控訴した、このことは先ほど申しましたような報告と、大体私たち事実関係を聞いてみまして、やはりそういうようなことになったかなあということを感じとして持っておるわけでございます。
○和田静夫君 その、評議会できめられた、きめられて控訴をされたことに対して私は言っているのじゃなくて、控訴されていることについては、金沢地裁の審理の中で、たとえば本人の調べがなお不十分——本人というのは井上教授を呼んだ直接の調べが不十分ではないかという、法廷技術上の問題を中心としての論議、論議がいってみれば控訴とつながっていった。教育そのものの価値からいってみれば、学長の談話というものは、井上教授のやり方というものに対して、必ずしもあのようなことがよいとは思っていない。法廷の技術的な問題と、この問題は別です。はっきり談話はそうなっておるのです。前者の部分についてじゃなくて、後者の部分について先ほど私が申し上げた。 そこで、今度の問題のもう一つの問題点というのは、この試験を受けさせる受けさせないが、学校側の裁量行為としてあらわれているのじゃなくて、いまの控訴をしたしないというのも、井上教授の裁量行為として実はあらわれているという点、この問題が一つ大きな問題になるのではないかと思うのです。それはどういうことかといいますと、この井上さんは、これこれこういう教育的観点で——先ほど学術局長も言われたとおり、観点でこういう懲罰措置をとるという、そういう意思を教授会においても意思表明をされている。——お調べになったからおわかりだと思う。そして、そういう表明をして、その了解をとるという手続というのは何も踏んではおられないんですよ。したがって、学長や学部長ともに、訴訟とは別にいま申しましたように、試験は早くやられたほうがよいという意思表示をされている、こういうことになってきてるんです。そういう事態が惹起される唯一の根拠というのは、この試験受験申請書への担任教授の承認印のみなんです、争いは。承認の印があるから受け付ける、ないから受け付けないということだけなんです、争いを突き詰めていきますとね。で、金沢大学の内規にその承認印を求めることの規定がありますか。
○政府委員(村山松雄君) 先ほど御説明申し上げましたように、大学において試験を受ける手続等は一様でございませんで、金沢大学においても、一定の出席日数ということは表現上ございますが、担任教官の認め印を押すということは慣行としてなされておったようでありまして、手続の明文としてはあらわされておらなかったようでございます。
○和田静夫君 私はまあ、控訴されていることですから、地裁の判決を何もあれこれしませんが、ただ、判決を読んで見て、こう思うんです。「受験申請手続については、「試験を受けようとする学生は、予め所定の受験申請書を学部長に提出しなければならない。」と定めているだけです。「他に学内規則を精査しても予め該科目担当教官の承認印を求めるべき旨の規定はなんらみあたらない」。試験受験申請書用紙の中にも、承認印を押すことを予定する欄は設けられていない。「また、受験申請書に……承認印を求める学内慣行といえども……、試験実施の日時・場所の協議の便宜と、学生の受験申請資格の有無をいわば事務処理上の便宜のため事前に最も事情に明るい該科目担当教官が先ず確認・証明して処分権限を有する学部長にその判断資料を提供するためのものでしかなく、他に受験申請手続上予め……担当教官の承認印を要するものとする根拠を見出すことはできない。従って、原告らが既述のように……出席時間数を充足して履修を了え受験資格を有していることが確認できる以上、原告らの本件受験申請は適法になされたものということができ、該科目担当教官は承認印」を押すことを「拒絶することは許されないところである」、つまり学部長、学校側というのは「承認印のないことだけを理由として……提出した……受験申請書の受理を拒むことはできない、そういう「受験の門戸を閉すことは」できない、これはまあ判決です。私はそうだと思うんです、ないんですから。いまも言われたとおり、慣行だと言われる。しかし、慣行は試験の日時や場所などのことについて事前にちょっと相談をするというだけの慣行。それを、試験を受けさせる、受けさせないの承認印というところまで持っていくというのはたいへんな拡張解釈。したがって、学校側の意思として早く試験をやらせたほうがよいと考えるのならば、井上教授の意思はともかく、大学の意思としてやっぱり早く試験を受けさせたらよい、そういうふうに私は思うが、文部当局というのはそういうふうに思いませんか。
○国務大臣(坂田道太君) この、試験を受けさせないのはけしからぬじゃないかという、そこだけをおっしゃれば非常に明快単純なんですけれども、実申しますとそうじゃなくて、四十五年の二月に同教授は試験をやっているんですよ。そのときにはこの、いわゆる訴えた二人を含む反対派が試験を拒否したわけです。やらなかったわけです。井上教授は試験をやらせようとしたわけです、現実に。受けた者もあるんです。そうしてその際に、先生がおっしゃる試験を受けようとする善良な学生を妨害したんです。それも一事実です。そしてまた、それのみならず、その妨害されても試験を受けた、卒業した、その人が就職をしようということもまた妨害をした。こういうようなことはやはり教育上は好ましいことじゃないということは先生もお認めいただくだろうと思うんです。そのことがやはり井上教授には基本的にあるわけです。おれは大体試験を最初から受けさせないなんとは言ってはいないんだと、現にやらせたじゃないか、そのとき君らは妨害したじゃないか、しかし、そのストライキをやったことは本人の責任なんだ、自分が試験を受けなかったことに対しては、おとなである学生が責任を持つのはあたりまえなんだ、という考えがおそらくあるだろうと思う。ところが教育者として、あるいは人の生命を預かるお医者さんという、いわば医は仁術なりという、そういうモラルを一番大切にしなければならない、そういう将来の医者の卵が、人が受けようというのにそれを妨害するとは何ぞや。これは一体学生としてあるまじきことではないのか、これも私は正しいと思います。就職を妨害するというようなことも私はけしからぬ話だと思う。それに対して井上教授は、おれは承知できない、そういう学生は卒業さすことはできない。しかしそれは去年のことです。ことしまた追試験をやろうとしたわけです。それはとにかく悪かったからと何らかの客観的な意思表示をされれば、われわれは試験を受けさせますというのは、教育者としての一つの配慮であるし、考えであるというふうに私は思うんです。したがいまして、評議会でもそういうふうに構想をおきめになってやられたというのも、私はなるほどそうかなという感じを実は持っておるわけでございます。しかしこれは、先生のおっしゃるように、事実関係は私たちは報告に基づいてやっておりますから、それに基づいて私は申し上げておるわけであります。
○和田静夫君 大臣が述べられたいわゆる基礎的な資料がすべて正しいものならば、大臣の論法というのはいまのところ七〇%ぐらいは通るが、ところが基礎資料はかなりの違いがあるわけです。それは井上教授が報告されることが一方的なものであることにもなるし、あるいは私のほうで言っていることが一方的であるかもしれない。しかしながら、私の場合には現地に行って十分に調べながら、ある意味じゃ長い学生のストライキからずっと今日までを客観的にながめてきての立場です。そういう立場でまず言うんですが、前段の、試験をやったではないか、それを妨害したではないか。大学が正常な状態になるときに、学生側と話をし合って十分に納得さすという行為に欠けた試験というもの、それに対して絶対多数があのときは受けてない。言ってみれば、ある所へ何というか、だまされて誘導されてきて、密閉された密室の中で一部の試験が行なわれた、こういう状態になっている。したがって、その横での教授との話し合いというものに入れなかった諸君によって行なわれている、こういうことであります。そこが一つの違いですよ。そこがやっぱり大きな問題なんです、ほんとうは。 それから二つ目は、わびるとかなんとかいう問題でございますが、さっき私言いましたが、わびるということを前提にしても、おまえはだめなんだと言えばわびようがない。おまえは試験を受けてもできるだろうが、わしの目の黒いうちは通さんのだ。また定年でやめても——きょうあたりやめられているかもしれないが、あとは非常勤講師になって強引に大学に残って、おれの目の黒いうちは絶対通さないんだということになったらわびようがないんではないですか。こういう事実というものをやはりしっかり見てもらって、こういうやり方というのはやはり正しいやり方ではない、こういうふうに思うんです。学生のこれは裁判所での証言ですから、私は、そこでそんなにうそがあると思わないんですが、たとえばいまのくだりを読んでみまして、井上教授ほおまえたちと話し合ってもむだだと言いながら、しかしわしの話は聞きなさいというような形でソファーに腰かけられて話を始めた。そのころにはすでに機動隊は医学部の運動場横に待機していた。話の最中にどこからか電話が三回かかってきた。最後の電話でのやりとり——井上教授、学生に向かって、ここの部屋にいま何人いるか。A君、B君、O君……十五名おります。井上教授、受話器に向かって、十五名ぐらいじゃしかたない。受話器置く。しばらくして機動隊は学内に入る。したがって、摩擦を起こしてもしかたないと思って学生たちは半信半疑で教授室を出ていく。こういう形になっているんですよ。その辺のところもやはり両々考えていきませんと、私はいけないと思うんです。そこで一つ問題にしたいのは、学内に機動隊を呼ぶ権利は一体だれにありますか。こういういわゆる教授個人が電話でもって機動隊を呼び込むということは、これは越権行為であります、井上さんであろうが、だれであろうが。
○政府委員(村山松雄君) この警察力の出動というのは、警察事案、つまり刑法違反であるとか暴力行為であるとか、そういうときに出動するわけであります。したがって、そういう事案があれば何人といえども要請できるわけでありますが、大学の場合には慣行などもありまして、望ましいやり方としては、大学の責任者であります学長がそういう事態を察知して出動を要請するというのが普通のやり方でございます。それが普通のやり方でございまして、何人といえども生命、財産等に対する急迫不正の危険がある場合には要請し得ると考えております。
○和田静夫君 これはね、カセットにおさめておりますから明らかなんですが、生命に危険があるとか——そのときの状態ですよ。三べんの電話でもって警官を呼んだときの状態というのは、要するに平和裏に話し合っていて、しかもお説教をしているんですよ。全部お説教です。学生は何も言っているわけじゃない。わしの言うことを聞けと言っている。そういう状態で、一教授がこういう状態にあって真剣に機動隊を呼び込むということは、これは井上さんの人柄がどうであろうと、これは運営上許されることではない。そのことだけはいまの答弁との関連で明確だと思うのです。さらに、一つお聞きしたいのですが、学長というのは言ってみればそういう場合に無力でしょうか。また大学の自治との関係で、大学の自治の内容が言ってみればたいへん問題になるのだろうと思いますが、国家公務員法の九十八条のいわゆる命令権との関係というものは、こういう場合には文部省はどういうふうに取り扱われるのですか。いわゆる大学学長の命令権というようなものは……。
○政府委員(村山松雄君) 大学の学長は、国家行政組織法に言うところの各省の付属機関の長でございまして、これは管理権を有するわけでございますから、形式的には学内の管理に対しまして権限を有する職員でございますが、実際問題といたしましては、特に国立大学は大学全体としては評議会、それから大学の構成要素でありますところの医学部におきましては、医学部教授会が法的にもある意味の管理機関的な権限を与えられておりまして、学長はそういう組織上の管理機関の議を経て諸般の判断をし執行するということになっております。したがいまして、普通の行政機関のように学長が何か自分の判断で職務命令を出すというようなことは実際問題としては至難事であろうかと考えております。
○和田静夫君 金沢大学のこの医学部のもう一つ問題を引き続いてお尋ねいたします。その前提として、まず文部大臣にお聞きをいたしますが、金沢大学の付属病院に限ったことではないと思いますが、あとで厚生省にも聞きますが、たとえば金沢大学の付属病院には三十二床以上の隠しベッドがあるんですね。このことは公式の資料から立証されますが、そういうことは御存じですか。
○政府委員(村山松雄君) 大学の病院の病床数でございますが、これは一つには予算上積算の基礎としてきまっております。それから医療法の関係では、これは届け出まして承認を受けております。それから実際にはかなり大きい病院でありますので、ベッドがすべて稼動状況にあるというわけでもありません。そこで実用上、実働ベッドというような言い方をしております。この三者は本来ぴったり一致するのが望ましいわけでありますが、かなり大きいと管理上も病院長の管理下で号令一下いかないような事情もありまして若干の差異がございます。御指摘の金沢大学の場合ですと、予算ベッドが七百八十四、医療法で承認を受けておりますのが七百六十四でございます。それから実際には紛争などもありまして、六百七十程度しか動いていないというのが現状でございます。
○和田静夫君 厚生省はこういう、いわゆる金沢大学に限らず全国の大学付属病院に存在し得る隠しベットについて一体どういうように把握されておりますか。
○説明員(松下廉蔵君) いま文部省のほうから御答弁がありましたとおり、これは本来医療法上の承認されておりますベッド数、これは正確に申しますと、病室の使用承認ということで、医療法の規定の上では患者を収容いたします室については検査を受けて、普通ですと許可ですが、国の開設の場合ですと、国の承認を受けた上でないと使用を認められないというたてまえになっております。 それから医療法施行規則では、定員を越えて収容をしてはならない、緊急の場合を除きまして。そういう規定がございますので、ただいま大学学術局長から御答弁がありましたように、やはりこれは一致するのが適当であろうと、あるいは少なくとも運営されるベッドは、医療法で承認されておるベッドのワク内において行なわれるのが適当であろうというふうに考えております。
○和田静夫君 そこで文部省ですが、文部省の大学病院の基本問題調査研究会の中間報告書を読んでみましたら、そこで設定をした大学病院での診療要員、その診療要員の最低基準からずっとはじいてみますと、金沢大学附属病院の診療定員は五〇%に満たない状態なんです。診療定員が最低基準の五〇%にも満たない状態のもとで三二%以上の隠しベッドを設けている大学病院というのは、一体どのような診療業務をやっていると判断をされているわけですか。
○政府委員(村山松雄君) 病院の基本問題研究会というのは、これは望ましいあり方を検討願ったわけでありまして、したがいまして現実がそれに及ばないことは、これはやむを得ないことでございます。しかし、現実を認めておったんでは向上いたしませんので、専門家の御協力を得まして望ましいあり方を御検討いただいて、文部省としてはそれを目標にして、だんだんと整備していきたいと、かように考えております。蛇足を加えますと、あの病院の基本問題研究会は、その後起こりました大学紛争でありますとか、あるいは大学病院はあまり大規模にしないで、関連病院などとの関連において総合的に臨床教育研究をやるといったような観点については検討不足でございます。しかし、それにいたしましても、文部省としては大学病院は現状で十分であるとは決して考えておりません。漸次向上させるべきものと思っておりますけれども、望ましいあり方に対して及ばないということが、直ちに著しく不当であるとは必ずしも考えないわけであります。 金沢大学におきましても三〇%とおっしゃいますが、現在、予算病床数七百八十四に対しまして、医療法承認ベッド数七百六十四でありますから、差はまあわずかと言っては恐縮でありますけれども、二十床でございます。この差も合わせることが望ましいことは申すまでもないので、大学としてはそのような処置を早急に取りたいと考えておる次第であります。
○和田静夫君 そこで、そういう状態というのは、いわゆる無給医局員の存在ですね、無給医局員の存在を前提にしないということでは考えられないことでしょう。したがって、それは各所で指摘をされているわけですね。そこで文部大臣にお聞きをいたしますが、文部省は各地に起こる大学病院紛争に触発をされてか、いわゆる無給医局員というものを国家公務員の一般職の非常勤職員、こういう扱いに予算措置をされた。その予算措置というのはいわゆる無給医局員のすべてをカバーするものですか。
○政府委員(村山松雄君) 御指摘のように、大学病院には長年慣行として無給医局員というものが存在しておったわけであります。これは医師のように、単に免許資格を得ただけでは十分でなくて、その後、相当先輩指導者のおる病院で修練をしなければならないという特質を持った専門職については、ある程度評価された制度であったわけでありますけれども、最近になりまして、そのようなあいまいなと申しますか、身分、あり方が不安定なものを置くことはよくないということで、御指摘のように、必要な分については非常勤職員という形で有給化をはかったわけであります。で、非常勤職員にいたしましても、有給化の観点といたしましては、大学病院の診療上必要な職員という観点でやりましたので、任意、自発的に存在する無給医局員を自動的に切りかえるという性格のものではございません。結果的には、従来存在しました無給医局員の数よりは、有給化いたしました非常勤医員の数は少ないというのが実情でございます。
○和田静夫君 そこで非常勤職員という扱いは、彼らの診療業務の実態をどのような認識の上に立ってやられたわけですか。
○政府委員(村山松雄君) 大学病院におられる医師免許証を有した方、つまり従前の無給医局員という方はどういうつもりで大学病院におられるか、必ずしも一様でございませんが、まあ大ざっぱに概括いたしますと、一つは自分自身の研究、修練のためであります。それから大学としては、やはり実際問題として診療に従事しなければ実地修練はできないという関係がございますので、診療に従事するからには、やはり大学病院の立てた計画に従って診療していただく、つまり診療要員としてとらえている面があるわけであります。それから三番目には、大学病院で学部学生あるいは大学院学生などもそれなりの臨床の実習をやるわけであります。で、無給医局員ないしは改めて非常勤医員にいたしましても、これらの人とも協力をし、場合によっては指導するという関係もあると思います。そういういろいろ複雑な関係でございますが、有給化の観点としては、大学病院の診療要員という角度にかなりウェートを置いて有給化をしたという経過に相なります。
○和田静夫君 それからお尋ねしますが、大学病院というのは、調べてみるとほんとうに驚くんですが、まず指導的医師団というのがございましょう。それからその下にいわゆる無給医師団、それから診療専任医師団というようなことで、臨床研究医、研床研修医、副手、それから研究員、協力研究員、それから専修生ですか、それから大学院生、そういう形になっていますね。これらの一つ一つについて実は定義を下せると思うのですが、問題は、その診療実態というものを文部省は分け隔てることができますか。
○政府委員(村山松雄君) 大学病院には、御指摘のように、大学のほかの学部には見られないようないろんな職種と申しますか、種類の職員がおります。まず、現在は責任者といたしましては臨床講座の教授、助教授、それから助手というものは、同時に大学病院においては診療科という形で責任者になります。で、そのほかに病院につきましては、国立大学の組織で申しますと、病院費の所属にかかるところの講師と助手というものが職員として配置されております。この講師と助手が、特に診療面については外来、入院について一応の責任を、臨床講座から併任するところの教授、助教授の指導を受けて責任を持つわけであります。そのほかに、御指摘の非常勤の医員でありますとか、臨床研修医でありますとか、そういう者がおるわけであります。それらの方々は、たてまえとしては臨床講座に属される方は主として教育、研究であり、病院費に属される方は主として診療であるし、それから大学院学生とか学部学生などは当然のことながら教育を受ける立場であります。しかしながら実際面といたしましては、まあ学部学生は医師の資格は有しませんけれども——これはちょっと別でありますけれども、その他はすべて医師の資格を有する人で、職分上のたてまえが違うわけでありますけれども、まあ診療行為に関しましては、たてまえが違うから違うやり方をするというわけにはまいりません。大学病院としての診療計画を立てて、その計画の中でそれぞれ分担をするという形で入っていくわけであります。したがいまして、まあ御指摘のように実際問題として職種が違うから職分がどう違うかというような明確な区分は実際上は困難だと考えます。
○和田静夫君 いま最後に言われたとおりだと私は思う。それはいわゆるその診療の場でとらえてみますと、もうほとんど免許を有する医師であり、大学院生である者とそうでない者、それから学位を有する者と有しない者、それぐらいの程度の区別しかありませんよね、診療の場でとらえれば。そこで厚生省にお尋ねをいたしますが、従来病院の事務局で一括的に処理をされて、そして記載事項も代筆して厚生大臣に提出するならわしになっている、あの医師定期届け出表ですよ。医師定期届け出表というのがありますね、調べてみたら。そうしたら、これを厚生省のいわゆる記載要領に従えば、いわゆる無給医師は無職の者と記載される、そういうものであってよいはずでありますか、そういう記載例がありましたが。
○説明員(松下廉蔵君) 恐れ入ります。ちょっと条文を調べておるのですが、ちょっと見当たりませんので時間をいただきたいと思います。——どうも失礼をいたしました。いまのお話は医師法に規定されております、毎年十二月三十一日現在の状況を翌年の一月十五日までに医師の免許を持っておる方全部について厚生大臣に届け出ていただく書類のことかと思います。で、その届け出事項の内容は医師法施行規則の第六条に基づきまして第二号書式で定められておりまして、その中に業務の種別と従事先の名称、それから従事先の所在地、従事する診療科名というのが入っておるわけでございまして、これは医師法の解釈といたしましては、診療に従事しているかどうかを、法律の本文のほうで医業に従事する者についてはその場所まで届け出るという規定になっておりまして、医師法の解釈といたしましては衛生法規であります関係上、医業に従事しておるということは不特定多数人に対して医行為を繰り返し行なっておるということを意味しておりまして、その行為によりまして報酬を受けておるかどうかということには関連がございません。したがって大学病院におきましてたとえ無給でありましても現実に医業を行なっております者につきましては、そういう区別なしに大学において医業に従事する者という形で届け出が出される、そういうふうに了解いたしております。
○和田静夫君 金沢大学の場合調べてみますとね、これはまあおそらくどこでも一緒だと思うのですが、医師定期届け出表は、業務の種別は医育機関付属の病院の勤務者。従事先の名称は金沢大学医学部付属病院。従事する診療科名は、たとえばこの場合第一外科、こうなっております。そうすると病院の方針に即して事務局がこういうように記載をしてきたということは、いま私が示したような実態認識を示しているものだと思うのです。こういう前提に立って文部省に二、三尋ねますがね。副手、研究員は、いわゆる医学部の内規において医学部長が委嘱するたてまえをとって、その属する講座における診療に従事するとされている、そういうものですね。ところが、その付属病院の規則には、副手は科の診療を行なうというふうになっていて、研究員は部長の命を受けてその科の診療に従事すると、こういうふうになっているわけですね。委嘱を契機に医学部に繰り入れられたところの副手などが、何を契機にして付属病院の診療科に編入をされるのか。
○政府委員(村山松雄君) 副手でありますとか研究員でありますとか、そういうものは、必ずしも学校教育法上の制度に基づくものではございませんで、医学部付属病院などのこの実態から、まあ長年慣行上そういうものが存在しておったわけであります。したがいまして、それをどう扱うかということはまあすべて大学レベルで処理されておったわけであります。どちらかと申せば副手というのは若干まあ職員的な色彩が強うございますので、委嘱というような扱いをしておるのではないかと思います。それから研究員というようなことになりますと、自分のために研究をさせてもらうという、まあ自己便宜的な感じが強いもんですから、その研究先のほうで研究員の受け入れを許可するというような扱いをしておるのではないかと思います。 実際問題としては、大学がそれぞれ慣行、内規等を設けてやっておりますので、必ずしも一律でございませんけれども、概略的な感じを申し上げますと、以上のようになろうかと思います。
○和田静夫君 まあ研究員やら副手やら、たくさんのことをやりたいのですが、時間もありませんから、ここで私が申し述べたいのは、いわゆる勤務を命ぜられた者が無給であるということ、ただで働かされるということに対する不合理を全くのしろうととして感ずるからなんです。それがいわゆる理不尽なものでないという感覚が文部省なりあるいは大学付属病院関係で生まれるということについて、どうしてもこれに肯定を与えることがでないのであります。で、一言でいえば、ただ各部長の辞令を見てみますと、金沢大学医学部研究員、あるいはまあ副手を委嘱すると、こうなりましょう。そうして外科学第一教室勤務を命ずる、こういう形で発令をされますね。そしてあとへいって研究員は無給とする。副手は常勤とし無給とする。勤務を命ぜられ常勤とするというのは一体何を意味しているんだろう。そこにペイされない、労働の奉仕というのが一体あり得るのだろうか、近代社会の中において。
○政府委員(村山松雄君) 職員的な扱いをし、常動的に勤務させるものを無給で置いておくということはよろしくないということにつきましては、文部省も一ここ二、三年来そういう自覚に立ちまして、診療上必要なものは、これを少なくとも非常勤職員にするということで予算措置もし、実際上の扱いも進めてまいったわけであります。それによりまして、従来種々雑多な者がおりましたのですけれども、診療に必要なものはそれ以外の扱いをしないようにということで大学側に助言をしておるところであります。ただ、先ほど来申し上げますように、大学病院というのは、臨床医学の実地習練、研修の場としては、日本の現状では一番整備されておりますものですから、現にその職を持っておる方、これは開業医の方も含めまして、職を持っておる方が毎日行くわけではない、週に一回とか、あるいは二回とか、あるいは月に一回とか、そういうことで大学病院に出向いて指導を受ける機会を持ちたいという希望を全部締め出すわけにもいかないのではないかと思います。そういうものについては、研究員でありますとか、研究生でありますとか、そういう扱いを認めることはまあやむを得ないのではないかと思いますし、そういうものを有給にするということは必ずしも必要でないのではないかと思っております。
○和田静夫君 大臣、ここで一言聞いておきますがね、いままでずっとここで冗長にわたったようなやりとりをいたしましたが、結果的に言いたかったのはそこなんです。いま言ってきたとおり、副手、研究員を含んで、辞令では命ぜられて勤務をしている者が、片方では無給だ。しかし、それらの人たちがいなかったならば大学病院という診療機関は成り立っていかない。診療の場では分け隔てがないわけですよ。そういうふうに労働が提供をされていながら、そして片一方では、大学病院という採算が保たれていながらその人たちに対してバックペイはない、労働に対する謝礼はないというようなことは近代社会においてはたいへん不合理だと思うのです。この辺は大臣、やはり一〇〇%改善の努力というものがあってしかるべきだと思うのですが、いかがでしょう。
○国務大臣(坂田道太君) 私、大学紛争に取り組んでまいりまして、特に東大の医学部が、あるいは病院その他によって東大の大学紛争というものが盛り上がっているといういきさつをずっと考えまして、やはりそこにメスを入れないと、あるいはそこを改善しないと、ほんとうの意味における医学教育というものも成り立たないし、同時に、医学部を持った大学自身のいろいろの大学紛争の原因がかもし出されてくるのじゃなかろうかというふうに思います。それからおっしゃるとおりに、確かに労働を提供しながら、それに対する給与は何にもなかったというようなことでございますが、私、就任以来、研修員につきましても、それから研修学生、研究員にいたしましても、お金を増額をしてまいってきたわけでございますが、ただいま申し上げますように、われわれといたしましては、有給の臨時職員もございますけれども、その位置づけをしてやる、そのかわりにまた一面、昔古い意味で、お金は要らないけれども、とにかく何といいますか、研究員にしてくれとかいうようなことも従来実はあったわけでございますね。こういうようなものは近代的に割り切って考えていかないといけないのじゃないか、すっきりすべきじゃないかというように私は思うのです。まあ、どういうようにこれから医学部の病院も含めまして改善、改革をやるかということで、いろいろせっかく議論をしているところでございまして、問題はそこにあるということは、先生の御指摘のとおりであろうと私は考えております。
○和田静夫君 最後に二点だけですが、現実の問題、金沢大学の付属病院で、実は若手医師たちに対して、昨年の五月七日付で、教授会に対し無籍化処分というのが出されております。これについてはどう判断されておりますか。
○政府委員(村山松雄君) 御指摘の問題は金沢大学の第一外科で起こっております。この臨床研修員あるいは研究員の希望に対して、大学側がこれを受け入れないという問題だと思います。この点につきましては、これは職員にいたしましても、あるいは研究的な方にいたしましても、それにだれを入れるかという判断をするのは、これは大学の権能と考えますので、文部省としては、それに対しまして特段の指導、助言はいたしておりません。大学が適当と考えるものは採用するし、適当と認めないものは採用しないということはやむを得ないことだと考えております。
○和田静夫君 私は、これは労働基準法違反であると実は思っております。したがってこれらの問題は、労働省との関係のやりとりをする用意をしておりますけれども、いま大臣が希望的に述べられましたように、まだ確定的にどうしようとは言いませんけれども、やはり労働が提供されながら、しかもそれがペイされない、そのことをいいことにして、逆の意味では、おまえたちはいい教育者だから、言ってみれば無籍者なんだという扱いは、たいへん不当な扱いである。それらを含んでのやはり改善方というものは、これは文部省において早急にやってもらわなければならないと思うのです。最後の答弁を大臣からお答え願います。
○国務大臣(坂田道太君) おっしゃるとおりでございまして、これはどうもひっかかるわけでございまして、私の申し上げましたのは、医療の診療に当たる人で、勤務を命じてやるというような場合は、これは当然のことながらやはりそれ相応の給与を払うべきであるということであります。しかしながらこれをむやみに、要求するが全部研究員に大学はしない、病院もしてくれないとか何とかというようなことも、やはり問題があるわけなんで、それはイニシアチブはあくまでも大学側にある。その辺はひとつ将来すっきりすべきじゃないか、そういうものを含めて、ひとつ十分検討する課題にしたい、こういうように私は考えております。
○和田静夫君 いまの検討をしてもらうことを約束をしておきますが、一言だけ言えば、辞令の一番最後にいって、無給にするなんという言い方はする必要はないと思うのです。被教育者的な考え方、ときどき研究にこられる、そのために入れてくれという人、これは研究費はいただきません、こういう形でいいのではないですか、逆の意味では。その辺がやはり論点が、たいへんいまの現行制度が狂っているような気がします。意見として申し上げておきます。
○説明員(松下廉蔵君) 先ほどお尋ねのありました、三十八年以前の日本看護協会の看護婦の会費と准看護婦の会費が違っておったのではないかということでしたが、資料がございませんでしたので、おそくなりまして恐縮でございますが、いま調べましたところでは、その改正前におきましては、看護婦が三百五十円、准看護婦が百五十円です。そういった点も先ほど御指摘のように誤解のないように十分指導させたいと思っております。
○委員長(森元治郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(森元治郎君) 速記を起こしてください。 —————————————
○委員長(森元治郎君) 質疑の途中でございますが、この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、鈴木一弘君が委員を辞任され、その補欠として沢田実君が選任されました。 —————————————
○小平芳平君 初めに自治省から、質問の通告をしておきましたところの三島市外五カ町村、この五カ町村は清水町、函南町、裾野町、伊豆長岡町、長泉町——三島市外五カ町村の箱根山組合という一部事務組合がありますが、この一部事務組合について、設立の目的あるいはその時期、そういう点を御答弁願います。
○政府委員(宮澤弘君) お答えを申し上げますが、初めに御了承を得ておきたいと思うのでございますけれども、昨日御質問の御通告がございまして、県を通じて調べたわけでございますが、なおデータ不足でございます。先ほど小平委員からは契約書の写しなども拝見をいたしました。ただいまのデータでお答えできる限りお答えを申し上げたいと思います。 ただいまのお話の三島市外数カ町村の一部事務組合でございますが、設立の許可になっておりますのは昭和十六年ということになっております。で、御承知のように、一部事務組合は、市町村の加入いたしますものは都道府県知事が許可をいたします。静岡県知事が許可をいたしておるわけでございます。目的といたしましては、公有地の財産の管理並びにこれに伴う造林観光及びその他の開発に関する事務、こういうものがこの一部事務組合の目的と申しますか、仕事の中身になっておりますというふうに私どもが調査した限りではなっております。
○小平芳平君 そしてこの一部事務組合が管理している二十二万坪、この二十二万坪のうち六万坪は三島箱根観光開発株式会社というところでゴルフ場としてゴルフ場を経営しているということ、それから十六万坪、これを大体四百五十区画ぐらいに区画を区切りまして、そしてこの契約書によりまして、三十四年の契約は坪二円、それからその後現在の契約によれば年額坪七円、この一市五カ町村の共有地をこの観光開発株式会社が年額坪七円で借りているわけです、その契約書もございますが。そしてその年額七円で借りた土地を今度はこの会社は分譲をしております。その分譲価格は、若干いろいろ違いがありますが、一平米八千円、したがって大体坪二万六千四百円、七円で借りた土地を二万六千四百円で、そういう権利金を取って一区画五百万とか八百万で分譲をしているわけです。そういうことはこの一部事務組合として趣旨に沿いますかどうか。どういう御判断をお持ちですか。
○政府委員(宮澤弘君) ただいまの事実でございますが、まず手続的な面から申し上げますと、ただいまお話もございましたけれども、一部事務組合が三島箱根観光開発株式会社と三十四年に契約を結んでおります。この契約書によりますと、お示しのように契約の当初は賃貸料は二円五十銭になっております。私どもが調べたところでは現在坪二円五十銭が七円になっているわけでございます。で、この契約を結ぶにあたりましては、組合の議会の議決を経てやっておるわけでございます。手続的には成規の手続をとっておるものと思われます。それからただいまのお話で、この組合から土地を借りました箱根観光開発株式会社が、宅地にして分譲しておると、こういうお話でございましたけれども、私どもが調査をいたしました限りでは、箱根観光開発株式会社は組合から借りました土地を転貸をいたす、こういう形式をとっておるようでございます。で、転貸につきましては、この契約書の中でやはり組合と協議をする、こういうことになっております。組合と協議も了しているように聞いておりますので、その限りにおきましては、これも手続的な面におきまして手続は一応了しておるものと思われます。そこで箱根観光開発株式会社は、借りました土地を転貸をいたす。で転貸の場合も、転貸の借料といたしましてはやはり坪年額七円で転貸をいたしております。こういうことでございます。組合から借りました同じ地代で転貸をいたしておる、こういうことでございます。ただその転貸の際に、一時金といたしまして、宅地開発協力費という名目のようでございますが、坪当たり一万円借り主から取っておるということのように、私どもは承知をいたしておるわけでございます。
○小平芳平君 最初は二円だったわけです。この第四条をごらんになればですね、「金二円也とし」、そして三年間は二円で、その次にですね、三年過ぎてから二円五十銭になっているわけです。——よろしいですね。それから転貸という点は、確かにこのパンフレットには転貸とは全然書いてない、このパンフレットには。確かに法律的にはこれは転貸に当たるんじゃないかと私も思います。思いますが、要するに契約書を取りかわすと同時に借地権成立、賃借権登記となっております。そして譲渡手続は名義変更届を出すだけです。こうなっております。そして値段は、この区画によって一平米当たり五千円から八千円と、こういう値段がついていることは御存じないですか。
○政府委員(宮澤弘君) 存じません。
○小平芳平君 ぼくら、これは現地でもらってきたんですがね。あなた、存じませんって、あなたどこで調べたんですか。
○政府委員(宮澤弘君) 冒頭にもお断り申し上げましたように、昨日の午後のお話でございまして、県を通じて調べましたので、そこまで資料を私どもは集めておりません。
○小平芳平君 A地区、B地区、C地区、D地区と、こういうふうに分けまして、そうして区画が大体三百五十区画あるんです。そして面積と単価と総金額。総金額が四百万、五百万、八百万と出ているわけです。全然知らないと言う以外にないですか、答弁のしようが。
○政府委員(宮澤弘君) ただいまお示しの事は、私ども承知をいたしていないというふうにし上げる以外にございません。
○小平芳平君 それでは、この契約書によれば十カ年で契約を更改するということ、それから必要がある場合は、明け渡しをする、立ちのきその他いかなる名義による請求も行なわないこと、というふうに契約書はなっております。しがって、その土地を、二十二万坪にのぼるこの地を、この観光開発株式会社は、必要があればいつでも返しますか。
○政府委員(宮澤弘君) 私ども当事者ではござませんが、推測の域を出ないわけでございますが、ただいまお話のように、契約書には、公用の他必要がある場合には契約を解除できる。こういう規定になっておりますことはおっしゃるとおりだと思います。
○小平芳平君 したがいまして、いかなるパンフレットが配られていようとも、いま行政局長の言うように、同じく七円で転貸しているだけであって、したがって必要があると一市五町村の方が要求すれば、契約書どおり当然返ってくると、こういうことですね。
○政府委員(宮澤弘君) 契約書を読みますと、まさに私はそのとおりだと思います。
○小平芳平君 それでは、法務省民事局長にお尋ねしたいのですが、こうした、いまお聞のような公有地を、共同管理している土地を借りたわけです。坪七円で借りているわけです。その坪七円で借りた土地を、また人に、この。パンフレットによれば、一区画五百万、八百万というお金を取って転貸をするわけです、この。パンフレットによれば。そうした場合、そこには何が成立するわけでしょうか。この。パンフレットによりますと、そこには契約書を取りかわすと同時に借地権成立となっておりますが、こういうことが成立するのかどうか。それから譲渡手続は名義変更届けを出すだけですというのですが、これは土地の所有者に何ら関係なく、そういう譲渡手続が、名義変更届けだけで済むものかどうか、それが第二点。それから第三点としては、これは固定資産となって投資の楽しみもあると、こういうふうになっておりますが、以上三点について御見解を承りたい。
○政府委員(川島一郎君) まず、借地権が成立するかどうかという点でございますが、御承知のように、借地権というのは、建物所有の目的で土地を借りるという場合でございますので、この場合、おそらく宅地として建物所有の目的で転貸がなされておるものと思います。この場合にも、借地権が成立しているのではないかというふうに、お話を伺って、考えております。 それから、第二点の、転貸の手続として名義変更届けだけで足りるかどうかという点でございますが、これはもとの土地の所有者である一部事務組合が、借地人である三島箱根観光株式会社に対して、この土地を転貸してもよろしいという承諾を与えておるといたしますならば、その会社が第三者に対して土地を転貸するということは、その会社と転借をする者との間の契約のみで有効に成立する、かように考えております。 それから最後の、投資の楽しみ云々の件でございますが、これはどういう趣旨かちょっとわかりかねるのでございますが、一つの財産として、それを将来さらに有効に換価することができると、まあそういう趣旨ではないかと思うわけでございますが、転借人がまたその土地を、その転借権を第三者に自由に譲渡することができる、その場合、権利金と申しますか、対価と申しますか、そういうものを徴取することができるということになっておれば、あるいはそういうことも一あり得ようかと思うわけでございます。
○小平芳平君 もう一度、民事局長にお尋ねしますが、したがいまして、いま私が指摘しましたような契約書によりまして、そうして十年を一区切りとしまして、それで立ちのき料その他は要求しないで、公の必要があれば返しますということになっているわけですから、したがいまして、それはもう金額を幾らで転貸したところで、それぞれ、また借り人は保護されないわけですね。要するに、もとが十年が一区切り、で必要があれば、いつでも返すというんですから、買ったほうは、たとえ金額が幾らで買ったにしても、それは買ったほうは保護されないわけですか。
○政府委員(川島一郎君) 仰せのとおり、もとの契約が、組合のほうで公共の必要がある場合には、いつでも解除できるということになっておりますれば、その解除が行なわれますと、そこで転借人の権利も消滅することになりますので、そういう場合には、先ほど申し上げましたような、転借権を譲渡するという余地もなくなります。
○小平芳平君 自治大臣、お聞きのような問題がいま起きまして、実際問題の三島市議会が困り切っているわけです。ということは、三島市長が代表となって、一市五町村で共有している土地であるわけです。二十二万坪あるわけです。ところが、それはこの契約書どおりならば、さしたる問題はないわけです。ゴルフ場として貸している。そうして公共の必要があれば、いつでも返しますということなら、問題はないんですが、そこに大がかりな宅地造成が行なわれている。写真も全部あるわけなんです。そうしてこの大がかりな土地造成の行なわれているところで——局長は何も知らぬと言うのですが、こういう値段までつけて売り出しているわけです。ですから、いまの民事局長のお話だと、これは買ったほうがばかだということになるわけです、何ら保護されないわけですから。そういうことでよろしいですか。そうすれば市民の権利は守られます、買ったほうがばかみただけなんだということならね。地元の市民の権利は守られるし、一部事務組合としましてもそう問題はないかもしれませんが、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(秋田大助君) ただいま伺いました限りにおきましては、法律的には違法のことなく手続上はできておるように考えられます。なお、この内容につきましては、昨日先生のほうから項目だけのお話を承りましたものですから、こまかな点までは十分調べ切れなかった点につきましては御了承をお願いしたいと存じます。そこで全体としてどう考えるか。確かに市民の公有地としての権利及び利益は法律上保護されると思います。まあ買った人がばかをみるか、またはその方が観光開発会社に損害賠償なりの請求の権利はあると思いますから、必ずしもばかをみると——手続上いろいろめんどうなことがありまして、その限りではいろいろありましょうけれども——しかし問題は、地方行政上どう考えるかという問題も一つ残ります。まことに常識的にややこしいことになるわけでございまして、この点はなおよく事実を調べました上で、いろいろ問題があるようなら適当な指導をしなければならない場合もあろうかと存じますけれども、ただいまのところ、伺ったところでは何とも申し上げようがございません。なお、よく実情は調べたい、こう思います。
○小平芳平君 それでは大臣、もう一点、この一部事務組合の代表は三島市長がなっているわけです。ところが、この三島観光株式会社が設立されたときの取締役に現職の市長が入っているわけです。この代表は佐野隆一という方が社長のようですが、その役員の中に一部事務組合の代表もその中に入っているわけです。こういう点はどうでしょうか。
○国務大臣(秋田大助君) 法律的な解釈はひとつ民事局長にお願いをいたすといたしまして、それが適当であるかどうかという問題は残ろうかと存じます。事実上、またどれだけの役割りを取締役として三島市長がされましたかというようなところにも、いろいろ最後の判断をくだすべき点があろうと思いますけれども、普通の形ではそういうことのないほうが望ましいというような感じはいたすわけでございます。
○小平芳平君 したがいまして、自治省に対する質問はこれで終わりますが、一部事務組合としましては公有地を管理し、また観光開発をするというようなことを目的にうたっているわけでありますので、そうした一部事務組合が管理している公有地を、こういうふうに——値段は幾らか局長は知らないと言うけれども、そこにはごらんのとおりの値段が書いてあるわけですから、これは一部事務組合の定款違反にもなるんじゃないかと思いますが、そういう点はいかがですか。
○政府委員(宮澤弘君) 一部事務組合自身は、先ほども申しましたように土地の管理をするわけでございますが、管理の一つの形態といたしまして、土地を観光会社に貸しておるということ自身は、私は法律上規約とか目的違反になるとは思いません。ただいろいろとお話を承ってみますと、間でこの観光会社がいわばかなり利潤を得ておるような形にも受け取られるわけでございます。おそらく一部事務組合といたしましては、地域の開発というような観点からこのことを考えたのだろうと思うのでございます。また資本力その他いろいろな面もございましょうけれども、最近はやはり公共団体自身がこういう仕事を直接やるということもいろいろ各地で行なわれておりますので、はたしてこういうやり方がよかったのかどうかということにつきましては、私はなお批判が残るだろうという気はいたすわけでございます。
○小平芳平君 それでは建設省に……。この箱根山の宅地造成をいま大規模にやっておるわけですけれども、それで宅地造成の許可は簡単におりたかどうか。要するに静岡県でもって宅地造成の許可をしております。宅地造成事業、現地予備調査、これは土木部長の名前で出ておる。それから許可もしておる。工作物の許可の申請については許可もしておる。それからまた建設省も御答弁としては、法律的には知事の許可を得ておるのだから問題はないとおっしゃるんでしょうけれども、こういう箱根の大事な部分がそういうふうに切りくずされますと、現に去年も大場というところがその下のところにあるわけです。ここは集中豪雨の結果、浸水しまして大きな被害を起こしておる。六月十五日に三百ミリか四百ミリの雨が降ったために床上浸水九十七一尺床下浸水百五十八戸破損四戸、田畑が土砂をかぶったものが百九十八・五ヘクタール、埋没した田畑が二十三ヘクタール、もう去年の雨季にこういう被害が起きておる。ところが、いまこういうような宅地造成をやって、はたして今年の夏はどうなんだろう、今年の雨季はどうなんだろう、非常に地元が心配をしておるんですが、そういう点について、去年あたりも各地で私はそういう洪水の被害地を歩きましたが、どうもあの宅地造成が原因じゃないかという声を私は各地で聞いたのですが、建設省としてはこういう宅地造成が好ましいものと考えられるかどうか。
○政府委員(朝日邦夫君) お答えを申し上げます。私どもも住宅地造成事業に関する法律、これは御承知のとおり都市計画法の施行に伴いまして現在は廃止になっておりますけれども、本件の宅地造成に関しましては、この法律によって静岡県知事の認可を受けておりますことは、先生御指摘のとおりでございます。そこで、ただいまの御質問の土地でございますけれども、この法律の制定されました趣旨は、やはり人口の集中に伴いまして住宅用地等の需要が著しい地域で、相当規模の造成事業が行なわれることによって災害が生じたりすることを防止をする、あるいは環境を整備するために必要な規制を行なう、こういう趣旨で制定をみておる法律でございまして、いわばそういう危険があると思われる個所について規制の区域を建設大臣が指定をいたします。これは各都道府県知事の申し出に基づいて指定をいたすわけでございます。したがいまして、その地域がそういった危険があると考えられる場合には、知事の申し出によって大臣が指定をし、そしてその区域におきます宅地造成事業について、主としてただいまの環境上あるいはその災害防止上必要な規制を加えることによって、いわば工事の施行並びにその結果について危険がないようにという観点で規制をするわけでございまして、その地域についてこういう工事が行なわれることが適当かどうかということについては、この法律では直接的には判断をするたてまえになっておらぬわけでございます。 そこで、具体の本件に関しましては、ただいま先生の仰せのとおり、事業主といたしましては先ほど来申されておりますところの三島箱根観光開発が事業主といたしまして、そこで宅地造成の認可を申請をいたしております。これにつきましては、四十四年の二月三日に知事が認可を与えております。その開発の目的は別荘地の開発ということになっておるようでございます。そこで、しからば、その地域においてそういう工事を行なうことによって生ずるかもしれない災害を防止するために、どういう措置ができるのかということでございますが、これは、この法律の五条の二項四号におきまして、「施行地区内の土地が地盤の軟弱な土地、がけくずれ又は出水のおそれが多い土地その他これらに類する土地である場合においては、地盤の改良、擁壁の設置等安全上支障がないように必要な措置が講ぜられていること。」という規定がございまして、これも実は本日、県につきまして、県のこの法律の所管の建築部局につきまして電話でもって聞き取ったわけでございますけれども、やはりこの土地は規制区域に入っております、もちろんのことでございますが。沢の土砂流の流下によります災害発生のおそれなしとしないということで、これの未然の防止のために砂防堰堤を四ヵ所設けております。それから、これの排水のための側溝あるいは管渠につきましての設計につきましても、現地の実態を存じませんので、それが十分であったかどうか、私もここで申し上げるあれはございませんけれども、少なくとも県といたしましてはその堰堤の設計について、大事をとるならなおまだ心配があるということで、勾配の裏勾配を直させ、あるいは水たたきにふとんかごを設置させるとか、石だだみ工を施工させるとかいうような、堰堤の補強策を講じさせております。それから側溝につきましては、急激な流れの速い水でございますので、しばしばこれがあふれ出るというおそれがございますから、これにふたをかぶせるとか、あるいはその下水路の補強をさせるとかいうような指示をいたしておるようでございます。 なお、一般的に出水期を控えましてそういう災害の防止、宅地工事に伴います災害の防止についてはどうかということでございますが、これは、こういう指定区域内で認可をいたしました事業が行なわれている個所につきましては、極力早目に現場をパトロールいたしまして、もしも施工上あぶないという個所があるならば早急に手当てをするようにという指導をいたしております。したがいまして、当然その点は県当局も承知をいたしておると思いますが、なおしかし、さらに地元にそういう不安があるようでございますれば、私どもといたしましては早急に、再度県が現場を確認をいたしまして必要な措置をとるように、指示をいたしたいと思います。
○小平芳平君 政務次官、去年の六月十五日です、この地区に降った雨のために、この下に大場という町があるわけです、そこでは現に先ほど述べたような床上浸水、床下浸水、あるいは田畑へ土砂が流入する、道路が決壊する、そういう被害が起きてるわけです、現に。したがって、まあ局長がいま、再度さらに念を入れて監督するように言われましたが、これはもう去年の六月のなまなましい経験もありますので、これはもう至急再検討していただくことが必要だと思いますが、いかがですか。
○政府委員(田村良平君) ただいまの御質問のとおりでありまして、最近のラッシュのような宅地造成、住宅産業の非常な激化に伴いまして、至るところで危険なことが営まれておることはよくわかります。具体的な御指摘でございますから、建設省といたしましてはこの宅造に関して、どういう経過をたどり、現状はどうであるかという点につきまして、いま部長からも御説明いたしましたが、さっそく当該県の責任者に調査をいたさせまして、何ぶんの報告をいたしたいと思います。
○二宮文造君 関連して。自治省とそれから建設省にお伺いしたいんですが、まず自治省にお伺いしたいことは、やはり一部事務組合というものは、そのまあいわば理事者といいますか、その方々は、共有財産の善良な管理ということは、やはり理事者として当然の責務だろうと思います。いま伺ったところによりますと、年額一坪七円で貸与した、貸し付けた、その貸し付けを受けたものがそこに記録されているような法外な価格で転貸をする、これは、そういうことを許すということは、事務組合の理事者としていわゆる共有財産の善良な管理という、そういう責任にはずれているんじゃないか、こう私は思うわけです。しかも、聞いたところによりますと、三島市長、現職の三島市長が当該の会社に重役として入る、こういうことですね、これはいわゆる善良な管理という義務に違反するんではないかという心配を私は持つわけです。これについて明快な答弁をいただきたい。 それから建設省にお伺いしたいことは、どうもその会社の出したパンフレットと実際の運用面と説明が違います。もしその会社が出したパンフレットのとおりであれば、三島市内のいわゆる一部事務組合に属する住民が利益を阻害されるわけです。もしパンフレットどおりでなくて、住民の利益が守られることであれば、今度はそれをパンフレットを信じて買った消費者がばかをみなければならない、こういう関係になってきますね。この点、説明ちょっと私へたですけど、わかっていただけると思う。そこで、問題の三島箱根観光開発株式会社は、本社が東京にあるようですが、東京都知事認可の宅建業者であるかどうか、また、そういう実際と異なっているようなパンフレットをつくり、かりに消費者に迷惑をかけるとすれば、宅建業法の告知義務違反というものも出てまいると思いますが、その関連において御説明いただきたい。
○政府委員(朝日邦夫君) ただいまの点も、私、実はこのパンフレットを入手しようと思いましたけれども、ついにただいままで間に合いませんでしたので、いま初めて拝見するんでございますけれども、法律上から申しますと、宅地建物取引業法、これがいわゆる宅建業者の規制をいたしておるわけでございまして、この法律は御承知のとおり昭和二十七年に議員立法で御制定をいただいた法律でございます。その制定の当初から、実は宅地建物の賃貸そのものについては法律の対象外に——業者としての対象外にしておりますので、そこで本件は、その一部事務組合と三島観光開発との契約から見ますると、その土地を買い受けたんではなくて、借りてそれを別荘地その他として造成をして、それを第三者にまた貸しをするということも承認をしておる契約内容になっておりまして、この際の三島観光の立場はある点では宅地造成工事の施主の立場であると思うわけでございます。 それから取引の面から言いますると、また貸しをするというだけのことでございますので、実はこれは宅建業法の規制外になるわけでございます。なお三島観光開発は、私ども調査をいたしました限りでは、建設大臣の免許も東京都知事の免許も取っておらないようでございます。ただ取っていないからといって、いままで申し上げましたとおり、本件に関しまする限りは無免許営業ということにはならないというふうに思います。
○二宮文造君 私、そういうことはよくわかります。ですけれども、施主であろうと何であろうと、消費者を守るということは、やはり建設行政として一番大事なことです。昨年来マンションの取引なんかについても非常に被害者が出てきた。それで宅建業法の改正ということが当面の急務になって出てまいったわけですが、もしいま御答弁のように施主としてやったと、しかも消費者に迷惑をかけたと、いまのいわゆる賃借り権というものが——いわゆる地上権というものが、元契約によれば公用ないし必要な場合は無条件で返すと、こういう元契約になっているわけでしょう。それが全然伏せられてしまって、ただ手続をとれば名義書きかえはできるんですと、承諾は不要ですと、こういうふうなパンフレットを見て、それを借りて家を建てた。ところが撤去してくれ、返してくれという問題になったら、これは宅建業者でありませんから建設省としては知りませんぞと、こういうように私は逃げられないと思う。施主であれば施主であるだけに今度は建設業法とか、まあ私、適当な法律はわかりませんが、そういうもので規制がされるべきだと思うんですがね。このまま野放しということはないでしょう、消費者に迷惑をかけた場合。
○政府委員(朝日邦夫君) ただいま申し上げましたように、先生の御趣旨のことは私もよくわかるのでございますけれども、ただ私ども宅地、建物の取引について消費者保護をはかる立場、これはこの業法を通じましてあることはもちろんでございます。その限りでは、この国会にも業法の改正案を提案いたしておるわけでございます。ただ、いまのように法律的にはこれは宅建業法上の問題になり得ないものでございますから、先生のお話の御趣旨はよくわかりますけれども、ただ法律上は、この宅建業法の問題で嫌ないということを申し上げざるを得ないわけでございます。
○政府委員(宮澤弘君) 組合の管理者は、お示しのように善良な管理者の注意義務をもって組合の事務を執行する義務があるわけでございます。先ほども申しましたように、今回の問題は手続的には少なくとも個々の条文に照らしますと、法律上の違法の点はございません。それから先ほども御議論に出ましたが、契約の面におきましても、これは組合側から申しますれば、いまおっしゃいましたような一般の転貸を受けました土地をまた借りる人の立場はまた別にいたしまして、組合の立場から申しますならば、公用上の必要が生じた場合はいつでも無条件で契約が解除できる、しかもその際には立ちのき料その他いかなる名義による請求も行なわない。こういう契約でございますので、私は契約自身といたしましてはかなり注意をして契約いたしておると思います。ただ、先ほどもお話がございましたが、一体賃貸料坪七円というのがどうだろうか、私はあの辺の相場その他は存じませんけれども、どうも私も常識的な感覚から申しましても、少し低いような気がいたすわけであります。
○小平芳平君 自治大臣、たいへん恐縮ですが、もうちょっとお待ち願いたいんです。もう一つ農林省、これは農林大臣その他農林省のほうはたいへんにいろいろな事情をつけて出てこられないようなんですが、お尋ねしますが、これは森林法の保安林の指定になっていたわけです。これは水源涵養のための保安林となっていたわけです。それが何のぞうさもなく三十四年八月十九日に解除されました。それはどれだけの面積を解除したか、それをお答え願いたい。またどういう理由で解除したか。
○説明員(海法正昌君) お答え申し上げます。当該地と先生がおっしゃいます地域の大部分が昭和三十一年の三月七日に農林省告示九九号で水源涵養保安林に指定をされておりますが、うち百三十五町七九〇八、これは昭和三十四年八月十九日に農林省告示第七五四号をもって指定理由の消滅という理由で保安林の指定が解除されております。ただ、その施行平の四七三七の六、それから四七三七の七、四七三六の一の三番地については、目下調査をしておりますので、わかり次第資料を提出いたしたいと思います。保安林の指定の解除の理由はただいま申し上げましたように指定理由の消滅ということで解除をいたしております。
○小平芳平君 指定理由が消滅したというのだから、水源涵養の必要がなくなったということでしょう。ところが、どれだけの面積を解除したのですか、どれだけの面積を。
○説明員(海法正昌君) ただいまも申し上げました百三十五町七九〇八でございます。
○小平芳平君 ところが、それが合わないのですよ、面積が。そうでしょう部長さん、面積が合わない。まことに奇々怪々でいま部長がお答えのように三カ所は不明なんです。三カ所は台帳を見ても依然として保安林であるような、あるいはないような、三ヵ所は不明の地がある。しかも農林省が百二十五・七九ヘクタールを解除したと、いま答弁されるんですけれども、半分ぐらいの土地がどっかへ行方不明になっちゃっている。そうでしょう。現状はどうです。
○説明員(海法正昌君) ただいまお話しいたしましたように、その中には用途のわからないものもあるようでございますので、この点につきましてはよく調査をいたします。
○小平芳平君 保安林の場合は刑事罰があるわけです、刑事罰がですね。ですから何の許可もなく保安林に宅地造成をやったなんてことになれば、これはもう刑事罰なんです。そうじゃありませんか。
○説明員(海法正昌君) 森林法の二百六条によりまして、違反行為がありますれば、三十四条第一項というのがございますが、「規定に違反し、保安林又は保安施設地区の区域内の森林の立木を伐採した者は、三万円以下の罰金」ということになっております。ですが、指定理由の消滅で保安林を解除いたしましたものにつきましては、この用途について特定されてない場合においては罰則はないと思います。
○小平芳平君 そんなのんきなことを言っているんですけれども大問題になっているんですよ。担当の農林省がそんなのんきなことを言ってどうしますか。要するに、これだけを切りくずしているわけですよ。これだけを宅地に、こっちはゴルフ場になっている。ここを、水源涵養の指定理由が消滅したといったら、一体この水源地というのはどこですか。こっちのほうの、下のほうはまだ依然として保安林になっているんですよ。
○説明員(海法正昌君) ただいま聞いておりますところでは、その全面について保安林の解除をしておるようでございます。それで、ただ三地番につきまして、ちょっといま不明でございますので、先ほど申し上げましたように調査をして御報告をしたいと思います。
○小平芳平君 要するに、森林法の保安林を許可なくくずしたらどうかということは、それはもう法律上の刑事上の問題であるとともに、先ほど来建設省に対してるる質問しているように、それこそ住民の生命、財産、もう災害が起きるかもしれないという、住民の生命、財産にも重大な脅威を与えている、現に。それを結局、農林省は幾ら調べても一体どれだけ保安林なのか、いつどれだけ解除したのか、合わないんだよ、全然。で、三カ所行方不明なんだ。この中にもし保安林として残っているものがあれば、それを切りくずしたら罰金でしょう。それが、そんなあいまいなことでは困るじゃないですか。どうですか。
○説明員(海法正昌君) ただいまお話のございましたように三地番不明の点がございますが、大体二町歩くらいだろうと思われますけれども、これにつきましては前にお答え申し上げましたように、よく調査をして御報告申し上げます。
○小平芳平君 それもそうだし、先ほど解除したというのは四十万坪解除したというのですが、実際の地元の所有者は二十二万坪しか持っていないと言っているんですよ。十八万坪はどこか行方不明になってしまっている。そういう御答弁しかできないんですか、どうですか。
○説明員(海法正昌君) その点につきましてはちょっとはっきり私どもわかりません。
○小平芳平君 自治大臣、お聞きのようなことが最近あるわけです。これはどこへも持っていきようがないのです。この問題は第一に、宅地造成は建設省では合法的に許可を受けているというし、保安林の解除はというと、保安林はどうも倍くらい解除したようだけれども、全然数字は合わないわけです。それから厚生省、厚生省は国有林の中に許可をこれまた難なく与えている。いま質問して答弁してもらっても同じことだったのですが、難なく厚生省は国立公園の中にそういうものをつくるについて許可を与えている。こういうことは非常に疑惑を持つじゃありませんか。おそらく政界財界の大物が、実力者が動いているのではないかとか、あるいは一民間企業に保安林の解除、国立公園の許可、それから建築の許可がすらすらいっている。こういう点について、しかもパンフレットによれば何十億という利益があがることになる。このとおり計算すれば二十八億かなんかもうかるようになっている。非常に疑惑を私は深めますが、いかがでしょうか、大臣としていかがでしょうか。
○国務大臣(秋田大助君) 各省関連のことでございまして、その点はさらに御調査を要する点もあろうかと存じます。それらの全貌を明らかにしないで、軽々な批判を下すことは慎しみたいと存じます。ただ自治省関係といたしましては、ただいま局長からお答え申し上げましたとおり、借地料の金というものが市価及びその現状に照してどうであるか。ただいま関連質問もありました。管理者としての注意が十分払われておるのかという点、ないしは、要するにこれは、所有権の移転ではなく、使用権ということ、そのパンフレットに書いてはございますけれども、また土地の所有者が組合であるということも書いてはございますけれども、この権利証に一体どれだけのことが十分書かれておるかどうか、そういう点について直接組合の責任でないとしても、もとは組合から出ているものについて非常なあいまいなことがされておるというようなことを、自治体なり、またそれにつながる組合として看過しておくことの適不適という点につきましては、十分調査をする必要があろうと思います。先に申し上げましたとおり、そういう点についてはさらに調査をいたしまして、それらの点について不適当な点があれば——また法に違反するところはいまのところないようでございますが、そういうことがありますれば、それ相当に善処をいたしてまいりたい、こう考えます。全体的な批評につきましては、ひとつこの際慎みたいと思いますので、その立場をひとつ御了承願いたいと存じます。
○小平芳平君 自治大臣には住民の利益を守るほうの御検討を特にお願いしたいということが一つと、それから先ほど建設省の答弁は非常におかしいですよ、それは。建設省の答弁は、二宮委員の質問に対する答弁では、結局、消費者は何ら守られないということですね。消費者は守る手がないということです。実際問題、この土地は値段は幾らか、とにかく一区画を一人々々が借りるわけですね。その土地へは何か建てるわけですよ、結局。目的はそれだけれども、契約は十年だし、あるいは契約書によればその土地につくったものもそっくり市にお返ししますという契約になっている。それから、立ちのき料も要求しませんという契約になっている。ですから、これを買った人は何ものも守られないということですよね、法律上は。そういうふうに、皆さんが法律上問題がない、法律上問題がないと言われるならば、法律上はこの土地を転貸を受けた人は、たとえ幾らで転貸を受けたにしても何らの補償もない、そういう結果になるわけでしょう。それは現在の建設省の法律としては守りようがないということですか。これで終わります。
○政府委員(朝日邦夫君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、いま私自身、個人といたしましては仰せのようなもどかしさと申しますか、そういうものを感ずるのではございますけれども、私どもの立場といたしましてはこの法律を通じて消費者の保護をはかっておるわけでございまして、このような案件につきましては、その規制をしております法律が——消費者を保護しております法律が規制外としておるものでございますから、そういう意味でいかんとも存しがたいと申し上げておるのでございまして、気持ちの上では私自身、個人的に申せば何か割り切れないように感ずることは事実でございます。
○委員長(森元治郎君) 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五分散会