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65回国会参議院1971/03/19

決算委員会 第10号

発言数
291
登壇者
21
会派数
4
開催日
1971/03/19

会議録

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  この際、おはかりいたします。  昭和四十三年度決算外二件の審査のため、本日、財団法人全日本郵便切手普及協会専務理事今井龍之助君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認めます。  なお、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) 昭和四十三年度決算外二件を議題といたします。  本日は、締めくくり総括質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 人事院による高級公務員の民間企業体へのいわゆる天下り承認数は四十二年で百二十一人、四十三年百三十五人、四十四年百七十七人、四十五年百九十三人と、まあだんだんふえてきているわけですが、実際はもっと多いのではないかと思われます。いかがですか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 私どもで報告を申し上げておりますのは、二等級以上の本省課長級以上ということでまいっておりますけれども、二等級以上の人たちが全公務員一般職の中で一年に一体何人やめているかという離職者の数の問題からまずくるわけです。これは約千八百人去年やめておるわけです。私どもが報告申し上げたいわゆる私企業転出者はいまお示しの数字のとおりです。あと残りはどこへいっておるかというお尋ねだろうと思いますが、これは、実は私どものほうとしては、そこまで調べる、別にやむを得ない必要性というものがありませんから調べてはおりませんけれども、しかし、念のために、そういうお尋ねもたびたびありますので、三年ばかり前でしたか調べたことがあります。毎年は、これは無理である、三年おきか五年おきくらいに調べておいたほうがよかろうという程度の調べはしておりますけれども、一口に申しますと、大体その官職に見合った、関係のないポストにいく、たとえば一番いい例は大学の先生で、ほとんど全部が私立大学へいっております。これはこっちのほうに関係のないこと。たとえば、人事院の職員というのは関係企業というのはありませんが、人事院の職員がやめて保険の外交員をしておられるという、現実にそういう例はあります。そういうような方面でめいめい自分がその道をさがしておられる。まあ何とかそれで食うには困らないだろうという方便はとっておられるということが観察できます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 たとえば昭和四十五年は二等級以上で千八百五十人やめていらっしゃる。そのうちの百九十三人がまあいってみれば、天下りの報告の中に載っているわけですが、いま言われたように、たとえば私立大学に一ぺん出る、あるいはつとめておったところの官庁とは関係ない企業にいかれる。しかしながら二年ぐらいして舞い戻って、関係のところに入る。こういう事態についての調査はいかがでしょうか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 法律の規制は、退職後二年間の問題でありますから、二年間の間はわれわれとしては目を離せない。場合によっては、罰則の適用のある問題ですから、その心がまえで臨んでおるわけです。二年たったらもうしょうがないです。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その二年以内で動いている状態について、お調べになった結果というのはどういうふうに出ておりますか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) これは、御承知のように、各省大臣あるいは外局長官が責任者となって、そして、たとえば私企業就職の承認をしてくれというようなことを申し出られますのは、みな大臣あるいは長官の名で人事院あてにこられるわけです。したがって、第一次的な責任は部内の統括の責任をお持ちであるところの大臣、長官、これが第一次の責任者である。したがいまして私どもは一人一人の公務員を相手に、二年間以内にどこかへいくときはよろしく頼むということではできません。これは大臣、長官に厳重に申し入れて、その辺は抜かりのないようにということを申し上げております。われわれとしては裏づけ的に目をみはっておるというのが実態でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 国家公務員の上級職試験にパスした人のうちから、さらに各省の選考によっていわゆる幹部職員がつくられますね。そして登録をされるわけですけれども、これらの幹部職員が地方自治体に四十四年度で六百二十二人、四十五年度で六百三十八人も実は天下っているわけです。で、この状況を、自治省は、まずどう判断をされますか。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) ただいまの数字は、必ずしも私どものほうへ全部通報されている数字ではございませんが、現在の機構制度のもとにおきましては、地方公共団体へ国家公務員が就職をいたします場合にも、都道府県知事の要請に基づき、都道府県知事の同意を得て、就職をいたしておるわけでございますので、それは任命権者である都道府県知事の意向に反するものではない、かように理解いたしておる次第であります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この前、二宮委員が取り上げられたときも、実際同じような答弁をしているわけです。問題は、あなた、自治省の立場として、ほかの各省が言うような繰り返しでは困る。私は、こういう状態の中から、中央が押しつけるのではないと、いかに抗弁をされたところで、そうして自治体が希望するんだということを言い続けられたところで、中央官僚のコネを求める中央指向型の地方自治というものが進行しているという現状についての反省というものは、あなた方のほうでまずやってもらわなければならない問題だと思うんです。で、これは、きょうは大臣がお見えにならないんですが、次官、いかがですか。

大石八治自由民主党自治政務次官

○政府委員(大石八治君) われわれのほうとしては、確かに地方との関係というものが持ちたいことでありますし、また、地方事情のことに実際的な経験の上で、また中央で行政を担当するという意味で、地方に出ていくということは一つの方法であろうと思いますが、御指摘のように、それがあつかましく押しつけるというような形の問題は、私ども今後、細心の注意をしていかなければならぬ問題だろうと、こういうふうに思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 特に、官房長の答弁というのは一向に反省がないわけです。私は、あなたが官房長なるがゆえに、もっと真摯な態度をこの天下り問題についてはとるべきだ。そういう上に立って、きょう再び、くどいようですが、これを取り上げているんですが、いろいろの答弁がありますが、自治体への天下りを前提として定員以外に職員をおとりになっている。このことはどんなに地方の要望であると言われたところで、現実、あなた方の姿勢というものを裏づけている。そして人事計画を中央でかってに立てている。それを以下具体的に取り上げますが、私は四十四年の三月十八日の地方行政委員会で、二十三年組の松本亨氏、三十七年組の上川博氏、三十七年組の滝実氏の例をあげて、一年置きのポストの飛び歩きを指摘をいたしました。そのときに当時の野田自治大臣は「和田さんのおあげになった事例でございますが、お聞きしていますと、少し転々とし過ぎているように感じます。これはどういう事情か、これは事情説明しろと言われれば説明しましょうけれども、その事情は別といたしましても、まあこう転々といたしておりましては、落ちついて仕事ができないという御批判は私は率直に受けます。これはいろんな特殊事情とか、要請がどうとかありましょうが、こういうことはやはり特例でございましょうが、これはやはりなくしていくべきことだ。」、こう明確に答えているんです。しかるに、この事態というのは一向に、実は変化をしていってない。そのことについて、考え方をまず明らかにしてもらいたいと思います。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) ただいま御引用になりました野田自治大臣の御答弁というものは、私どももそのとおりあるべきである。そういう方針を旨といたしまして、人事の異動を行なっておるつもりでございます。ただ、個人個人の場合をとりました場合に、まあいろいろの事情がございまして、必ずしもそのとおりになっていない例もあるいはございましょうかと思いますが、基本的には、ただいま御引用になりました自治大臣の答弁どおりの方針をもちまして、人事異動を行なってまいりたい、かように考えている次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 御承知のとおり、四十四年七月一日の地方行政委員会で、佐藤総理は私に対して、いま申し上げた事例を含んで、不適当でありますと、こう総理は内閣の責任において答えられた。ところが自治省は、一向にそれを、いま答弁をされたような形では改めていらっしゃらない。たとえば、自治省二十七年組の叶野七郎氏、この場合を見てみますと、四十二年・人事院公平局審理官、四十三年・自治省大臣官房調査官、四十四年・福島県人事委員会事務局長一四十五年・地方公務員災害補償基金調査室長、かくのごとく相変わらず毎年飛んでいるんです。  また、自治省二十五年組の青山満夫氏の場合、四十一年・岩手県企画部長、四十二年・公営企業金融公庫企画課長、四十三年・自治省大臣官房調査官(総理府陸上交通安全調査室)、四十四年・近畿圏整備本部大阪事務所長、四十五年・消防庁防災救急課長、こういうひどい状態です。こういう状態を改められる、いまの答弁はそういうふうに承ってよろしいですか。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) ただいま具体的に二人の氏名をおあげいただきまして、御指摘をいただいたわけでございますが、この両名につきましては、そういうふうにひんぱんな異動をせざるを得なかった具体的な事情があるわけでございますが、それは特に人事に関する問題でございますので、あまり申し上げたくないと存じておりますが、基本的にはこういうような例は避けるべきである、これは適当でない、まあ私どももさように考えておるわけでございまして、原則といたしましては、こういうようなひんぱんな異動を避けてまいりたい、改めてまいりたい。かように考えておるわけであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ひんぱんな異動については改める。そこで、先ほど読み上げました野田自治大臣の当時の答弁の中に、それぞれそれなりの事情がある、それをあげろと言われればあげましょう。こういうふうに言われておりますので、いま申し上げました叶野氏と青山氏の場合の具体的な事情をまず説明をしてください。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) 突然の御質問でございますので、四十一年あるいは四十二年と申しますと、五、六年前の事情でございますので、いま手元に資料がございません。もし必要がございますれば、後ほど御説明申し上げます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いや、あなたのところへはもうちゃんとこれがいっているわけですからね。しかも、四十三年の決算の総括ですから、四十一年、二年は問いません。四十三、四十四、四十五、この三年にわたっては説明できるでしょう。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) 私ども具体的にいま手元に資料を持っておりませんので、詳細な御答弁はいたしかねるわけでございますが、たとえば昭和二十七年の叶野君が、四十四年に福島県の人事委員会事務局長になりまして、四十五年に地方公務員災害補償基金の調査室長に転じております。その事情につきましては、福島県内における人事の都合によりまして、福島県のほうの御要望によって自治省のほうへ転出さしてもらいたい、こういう要請がございまして、そういう御要請をごもっともと認めましてこういう異動を行なっておるわけでございます。ほかの場合につきましては、青山君の最近の場合は、自治省大臣官房調査官、それから近幾圏整備本部大阪事務所長、消防庁防災救急課長、これはいずれも国の機関相互間の異動下ございまして、ただいま御指摘になっております国と地方公共団体との間の人事交流の問題とは、若干はずれておると存ずるわけでございますが、これは、ただいまちょっと事情を明らかにいたしておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 じゃ、そのあとの場合だって、岩手県の企画部長から公営企業金融公庫に行ったという事態があります。いま叶野七郎氏の場合に福島県から動かしてくれという要求があったというが、福島県にはこれを置いておいてもらいたいという要求があった。これを一年で召し上げてここへ移さなければならないか。全体のあなたが計画している人事異動は、中央の都合のほか何もないじゃありませんか。この場限りの答弁をされては困る。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) 福島県が置いておきたい、こういう御要望がありましたものを、私どものほうが、福島県の意向に反して自治省のほうへ採用した、そういうものではないというふうに私は聞き及んでおります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 あなたね、あなたのほうからこの人事をこうしますという話がいかなくて——一ぺん、いやいやながらでも受け取ったものは、何とかその人の持っておる能力を自治体の中で使いこなそうとする自治体側の努力がある、それを自治省の側は否定的に、全体の人事異動の関係でもって動かしている、これは明確じゃありませんか。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) その点につきまして、具体的にお名前をおあげになってのお話でございますので、叶野君が、福島県から地方公務員災害補償基金のほうへ異動いたしましたにつきましては、自治省の計画に基づく一方的な異動ではなくて、福島県のほうの御要望に基づくということを申し上げておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 あなたは、それではなぜ派遣ということばを使われますか。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) 派遣ということばが適当でなければ取り消します。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そう簡単に取り消されちゃ困ってしまう。あなたは人事異動を中心的に握るところの官房長として、派遣という思想でもってこのことに処してきていることはあなたの言辞が明らかにしている。ここで取り消したからといって終わるようなものじゃないでしょう。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) ことばを簡単にいたしますために、そういうことばをつい使いましたけれども、派遣というのが基本的な思想ではございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 派遣というような思想をお持ちになっているから、いままでのような形での、一年区切りでの飛び歩き的な人事異動というのが原則的に行なわれてくる、そういうことになるのでしょう。派遣でなかったならば人事に介入しなければいいじゃないですか。何のために人事に介入するのですか。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) 各県から、こういうポストにこういう人をほしい、こういう御要望がございます。これは、一つの府県だけではございませんで、四十六の府県それぞれから時期を同じうし、あるいは時期を異にいたしましてございますわけでございますので、そういう各地方公共団体の御要望をまとめまして、相互にあっせんをするというのが自治省の役割りでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 次官、いま申しましたように、派遣という思想でもって人事が取り扱われてきている。この辺は、言ってみればわれわれ官僚じゃないわけですから——いまここで簡単に取り消されましたけれども、根底に十分その思想があってなされてきたという事情は動かしがたいものがあります。したがって、官僚経験者である佐藤総理も不適当でありますと私にお答えになったのだろうと思いますので、今後十分これらの点につきましては大臣、次官の目を光らせる、そういう約束をしていただきたい。

大石八治自由民主党自治政務次官

○政府委員(大石八治君) まあそれが地方団体との関係のことでなくても、私は御指摘のように一年ごとに転々するという人事自体というのは、あまりにも短か過ぎると言いますか、そういう点でも適当ではないというふうに考えますから、御指摘の点、十分今後注意いたしたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 たとえば三十九年組ですが、これらの人々は国家公務員上級職の試験をまずパスして、その上で自治省の幹部職員の採用の試験にパスをして、そしてまあ言ってみればこの名簿に記載されるわけですね。だから当然自治省につとめているものと思って私調べてみますと——三十九年組を一覧表にまとめてみたところが、実はたいへんな状態であります。まあそれぞれの人の名前を読み上げていってもよろしいのですが、石川尋延、三十九年採用、三重県地方課、それから始まって、そして三重県の財政課、自治省の行政局公務員部、そして四十四年には千葉県の企画部企画課主幹、四十五年には衛生部公害対策課長などというわけです。石橋忠雄・広島、川崎正信・兵庫、などというような形でずっといるわけです。で、こういう形で全員二十人が地方に天下りしているわけです。このときのこの人たちは一体——まず、この現況はお認めになりますか。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) この前、二宮委員からの御質問の際にもお答えいたしましたように、自治省といたしましては、地方公共団体の幹部候補者を人事院の試験の合格者の中から地方団体にかわりまして採用をしておる、こういう考え方をとっておるわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘のありました三十九年に地方公共団体の幹部候補者として採用いたしました者が各地方団体に参っておりますことは、そういう事情に基づいておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それでは、その事実はお認めになるということですね。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) ただいまの詳細につきましては、私手元に資料がございませんが、三十九年に各県に採用されました者が、その後国あるいは地方公共団体の間を異動しておるという事実はそのとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、このときこの立場にある人の身分は地方公務員ですか、国家公務員ですか。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) 三十九年に採用されましたときの身分は地方公務員でございます。三カ月間自治省におきまして研修をいたしておりますが、その研修期間だけ国家公務員に併任されているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、人事院にお尋ねをいたしますが、いままでは実態においてずっと何回かにわたって四十四年以来この問題を取り上げてきて、法律的に一体どうなんだろうということを最近考えてみたのです。そうすると、国家公務員法の五十六条でありますか、この五十六条は「採用候補者名簿による職員の採用は、当該採用候補者名簿に記載された者の中に、採用すべき者一人につき、試験における高点順の志望者五人の中から、これを行うものとする。」、こうなっておりますね。いよいよもって私はどうもいま自治省が行なっている天下り人事派遣というものは、この法律に抵触をしていく状態が出てきているというふうに最近思います。そこでそれを前提的にしながらお尋ねをしますが、ここで言う「採用すべき者」の数は一体どこできめますか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 大体各省庁で新年度何人新規採用をされるかという見当をおつけになりまして、それは情報としてわれわれのほうでいただいておるわけであります。したがいまして、まあ試験の採点の際にこれを採用するということにはなりませんけれども、合格者の幅を何人までとるかというような場合には、そういう点を十分に勘案しながら合格者の数をきめておるということは申し上げられると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いや、いわゆる「採用すべき者一人につき」のその「採用すべき者」ですね。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) 試験の結果、最終合格者がきまりまして、これが採用候補者名簿に載ります。その段階から各省からそれぞれ、うちはたとえば法律区分を何名、経済区分を何名という具体的な数の提示の請求があります。たとえば十名あるいは十五名、そうしますと、それに十五かける五、十かける五ということで、それぞれの省へ提示いたしておるというのが、この条文からきます提示のしかたでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、自治省いまの五十六条との関連において、先ほど、採用して落としていった者は地方公務員だと、こう言われている。そうして三カ月の研修期間に入って併任になると言う。併任も問題ですけれども、その地方公務員だと言われた、そのときにおける言ってみれば採用をされた者が「採用すべき者」の中に入っていますか、入っていませんか。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) 国家公務員法の解釈は人事院のほうにお願いいたしたいと思いますが、私どもはその国家公務員の上級試験に合格されました人、この試験に合格されたという一つの事実に着目いたしまして、その中から地方公務員を採用いたしているわけでございまして、国家公務員法上の採用すべき数、あるいは国家公務員法に言う名簿の提示とは別のものと理解をいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自治省で「採用すべき者一人につき」の数の中に入っていない、そういうことですか。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) さようでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしたら、もっと具体的に問いますが、四十五年度の自治省の定員は何人ですか。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) 五百三十五名でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 このときに自治省が採用したいと言ってきた人数は何人ですか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) いまの、そのときこちらへ提示を求められた数は、ただいまちょっと資料を持っておりませんので、すぐにはお答えいたしかねます。先ほど答えましたことに関連いたしまして、かける五で提示をいたした者の中から自治省のほうで五人に一人ということで採用を内定されるわけです。そうして最終的には、採用になっていきますと、そのうちからこれこれこれを採用したという名前の連絡をいただきまして、私どものほうは採用候補者名簿から採用になったということで削除する、こういう手続を踏んでいく、それで名簿からは消えていくと、こういう形になっていくわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それは名簿から引かれていきますね、そこなんですよ、たいへん疑問なのは。自治省が採用をこれこれこれをしますと人事院に報告する。人事院は名簿から落とす。その自治省が採用した人間はどこへ行くんですか。三十九年に採用したのは全部地方へ行く、したがって岸さん的な派遣をしたという思想が生まれるんでしょう。それはどうなんです。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) この前、二宮委員からの御質問もございましたように、上級職甲の合格者のうち自治省に採用された者がゼロとなっているわけです。これはどういう事情かという御質問が二宮委員からあったわけでございますが、その際にもお答えいたしましたように、地方公務員として採用をいたしておりますために、国家公務員としての自治省での採用はゼロである、こういう事情に相なっている次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうだから、たとえば四十五年度採用ゼロ、定数に満たざる部分をどこから埋めますか。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) 自治省といたしましては、自治省の各定数に欠員を生じました場合には、地方公共団体の職員の中から採用をいたしておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 みなさい、そこでからくりが明らかになったでしょう。自治省がいかにゼロと言ったところで、そこで満たざる部分については前年派遣をしてきた者を召し上げていく、こういう形のシステムにしているがゆえに、新年度の者はまず——この前のあなたのいわゆることはをかりれば、勉強をさせるために、地方の実情を知ってもらうために地方に——こういう発想になるんじゃないですか。そうして、そこの一定の期間実習を経てきた者を自治省本省の定員の中に入れていく。そういうことが、言ってみれば中央指向型の地方自治へというあなた方の願望から出ていないということに、どこからなりますか。まさにそのものずばりでしょう。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) 私どもは決して、中央指向型の願望に基ついて、ただいま申しましたような人事のやり方をいたしておるものではございません。また、最初に御指摘がありました勉強のためというようなことも、私からお答えいたしました記憶はございませんわけでございます。この前も申し上げましたとおり、地方公務員の幹部候補者を地方公共団体にかわりまして採用をいたしておるというのが、自治省の毎年度の新規採用者の考え方でございまして、それは明らかに地方公共団体の職員を充足いたしますために自治省がかわって採用している、こういう考え方でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ、そのとき同時に自治省は採用すべき者を採用したらいいじゃないですか。何で自治省として新年度のときはゼロにしておく。あなたが言われるようなことならば、自治省はちゃんと名簿に載った者の中から自治省本省が採用したらいいじゃないですか。穴を埋めたらいいじゃないですか。地方から委託を受けて、本来地方公務員である者をかわって採用してやっているんだというような便法を使う必要はありません。あなたがいかにここでごまかしの答弁をされたところで、あなたの思想は、先ほど取り消された、おれのところから派遣をしてやっているんだという、あなたの談話の中で明らかですよ。それを否定する何ものもあなたはない。具体的な人事の動きから見てそうでしょう。だれが聞いてもそう思うでしょう。思わないのはあなたぐらいなものだ。それは明確に改めるべきです。ここの部分について、いま人事院の、採用したいと言ってきた人数の関係が明らかになればもう少し突っ込みますが、いまのことをまず答えておいてください。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) 自治省は自治省で固有の職員を採用するという制度も、もちろんあり得るわけでございまして、そういう制度というものも考え方によりましては一つの存在であると思いますが、自治省におきましては、そのやっております仕事の性質からいたしまして、やはり地方公共団体におきまして地方行政の実情を十分承知いたしております職員が中央官庁としての自治省におきまして地方行政を担当するということが適当であろう、こういう判断に基づきまして、先ほど御指摘のありました幹部候補者以外の、たとえば雇いの職員にいたしましても、あるいは事務官にいたしましても、地方公共団体の職員の中から公募いたしまして採用をいたしておる次第でございます。したがいまして、これはいま問題となっておりますところの幹部候補者のみの特色ではございませんで、自治省の人事の構成全体がそういう仕組みに相なっておるわけでございます。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) 先ほどのお尋ねに対するお答えでございます。四十三年が二十名提示請求、四十四年が二十名、四十五年が十五名、こういう状況でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 みなさい。あなたのところは初めから自治省の定員、自治省が採用したいと人事院に要望している人数がみごとに出たじゃありませんか。そうしてこれは、いまのあなたの論法からいけば自治省に採用するんじゃないと言われた。地方に肩がわりをして、おれのところでやってやってるんだと、こう言われる。そんなことにならないじゃないですか、あなた。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) この人事院の上級職試験の合格者の中から地方公務員を採用するというやり方は、もう多年にわたりまして行なっておるわけでございまして、ただいま二十名とか十五名とかいう数字をお示しになりましたが、これは国家公務員法上の採用すべき数字というものに厳密には該当しないのではなかろうか。先ほど申しましたように、地方公務員として採用するという前提で人事院にお願いをいたしておる次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 前提——地方公務員として採用するという前提は、あなたがかってにつくっている前提であって、自治省が必要とするところの人数は二十、二十であり、十五である。こういう形になってきているのです。それだから、いかにここで答弁で便法を用いても、あなたの頭の中には、先ほどすぐ簡単に取り消すなんということを言われた派遣という思想が濃厚に生きている一そういう人事のからくりというのはおやめなさいと、こう言っている。そうして野田自治大臣も、佐藤総理大臣も不適当と、こう言っている。責任者が不適当だと言っている、それらのものについて、なぜ官房長は改めないのです。そんなにあなた方は国会を軽視していきたい……。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) 野田大臣なり佐藤総理がお答えになりましたのは、先ほど御指摘がありましたように、非常にひんぱんに異動を行なうとか、あるいは現に七十数名も上級職試験に合格した者がおりますのを全然顧慮しないで、そういうものを追い越して若い者が出ていくというようなことをとらえまして、不適当であるとおっしゃっておるやに私どもは理解をいたしておるわけであります。人事院の上級試験に合格いたしました名簿の取り扱い、あるいはその名簿を提示していただきますためにどういう申し入れをするか、そういう申し入れのしかたにつきまして不適当である、あるいは改めるというふうにおっしゃっておるわけではないものと理解をいたしておる次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そういう答弁じゃ答弁にならない。人事の基本に——人事のやり方の基本に誤りがあるから、逐年、言ってみれば飛び歩き的な異動が起こるんじゃありませんか。そういう反省がなければ話にならないわけでしょう。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) そういう基本的な人事のやり方につきまして、転々として異動するとか、先ほど御指摘のございました点につきましては、私も改めるとお答え申し上げておりますし、先ほど政務次官も十分注意すると申し上げておる次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自治省官房長は大体人事を扱っておれば、それで一〇〇%の仕事になると思ってますけれども、したがって、岸さん、それじゃこれからは一体いまの事態を改めるために、最低どれくらいおくんですか。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) これは実際に人事をやってみますと、各四十六都道府県さらに都市もございまして、なかなか私どもが希望いたしますようにあっせんなり交流なりが行なわれがたいわけでございます。それぞれの地方団体の御事情がいろいろございますわけでございます。したがいまして、画一的に何年というようなことは申し上げかねるわけでございますが、一年で転々と異動すると、こういうような実情は改めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 さっきからいろいろ事情を言っていますが、人事院にちょっと答えてもらいたいんですがね、ゼロかける五は五になりますか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) ゼロかける五はゼロでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自治省ね、七自治省はもともとゼロなんだ。それは五十六条によって五人の者から試験をするなどというようなことはできないでしょう、自治省ゼロなんですよ。じゃ、あなたのところの人間はどこからとっている、さっきのように地方からこうやって一はじめからその発想でしょう。国家公務員法第五十六条との照らしにおいて、あなた方の姿勢も改めなきゃならぬということは明確なんです。それともあなたはゼロかける五は五だというのか。

岸昌自治大臣官房長

○政府委員(岸昌君) ゼロかける五は五であるとは申しません、ゼロでございますが、地方公務員の人事の構成につきまして、まあできるだけ優秀な人を多数確保いたしたい、こういう願望は、これは当然であろうと思うわけでございます。その点は御理解いただけると思うんでございますが、そういう場合に、まあ、やはり人事院が行なっておられますところの国家公務員の上級試験の合格者というのは、権威ある人事院が行なっておられます制度といたしまして、新しく公務員になろうという優秀な人がきそって受けておるわけであります。それに合格したということは、それだけの能力が公証されておるわけであります。地方公務員につきましても、全国的に見まして、できるだけ優秀な職員を確保してまいりたい、こういう観点からそういうふうに能力の公証された人事院の名簿の中から採用してまいるということは、最初に申し上げました観点から見まして十分許されるところではなかろうかと、かように考えておる次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最初からあなたのほうで、ことし何人ぐらいなどというような予定が立って、そして地方はいやいやながら引き受ける。それはあなた、言うことを聞かなけりゃ地方交付税で締められたり、いろいろする。そういうことが逆の意味である。そんな優秀だ、優秀だと言われるのなら、一ぺんそれは地方で仕事をしている実情を見ましょうや、決してそんなもの優秀だと思いませんよ。中央官庁において優秀だと思う職員が、地方へ行って決して優秀じゃない。一般の職員との間のいざこざの多くは、天下りの職員との間に起こる。協調性がない。一年や二年で東京に帰るということを頭におきながら仕事をしている。そごがある。優秀だと言われてわざわざ採用してあるのならば、福岡県庁なら福岡県庁にやったままそのままにしておきなさい。あの人間をこう動かしたいなどということは言わずにおったらいいじゃないですか。その辺の反省というものをやってもらわないと困る。この辺はよくひとつ次官、大臣にお伝えを願いたいと思います。  そこで、大蔵省の側に移りますが、大蔵省に私のほうから提出をしましたこの名簿に訂正の個所がございましょうか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 昨日いただきました名簿でございますが、申しわけございませんが、時間が非常に短かかったので、すべてについて一々これにあたる余裕はございませんでした。したがいまして、全部が全部そのとおりだとは申しかねますけれども、できるだけの範囲で調べましたところでは、お示しの人たちが現在それぞれのお示しの信用金庫におるようでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私がつくりました名簿以外に、ことし新しく加わった分はありませんか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) ことしというのは、おそらく四十五年度というお尋ねと思いますけれども、ちょっといま手元に持っておりません。御要求でございますれば、できるだけまとめてみたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃあとで資料としていただきたいと思います。  そこで信用金庫で不正事件が相ついでいます。私はまあ、さきの本委員会でこうした天下りの結果として大蔵省の検査をにぶらせている。そういうふうに指摘をいたしました。大蔵省側はいや経営近代化のために人を送っている、こういうふうにお答えになったのです。しかし、そうお答えになりましたが、私は一体これでも経営の近代化に役立っているのかという事象を一つあげますが、最も不祥事件の多かった関東財務局の管内で百三十九の信金がありますね。この百三十九の信金のうちで、二年間に一度も内部検査を行なっていない信用金庫が二十八もあります。これは関東財務局の調べですでに明らかにされていることですから、その事態は明白ですが、その中で常設の検査機構を持たない信用金庫が三六%。一信用金庫あたりの平均検査要員は三・三人。二年間に実施した検査回数というのは二十三回——一般検査です。そういうふうになっていて、六割までの信が店内検査担当の役員にまかせているという状態が私の調査で明らかになっています。これでは犯罪を起こす位置にある者が自分で検査をしているということになる。また組織規程をずっといただこうと思って、それぞれお願いして見ますと、組織規程のない信用金庫が四三%くらいあります。検査権限規程のない信用金庫が五八%あります。検査の実施要領は三二%も整備されていないという計算になります。臨店確認は八〇%の信用金庫で行なっていない。また店内検査を二年間に一度も実施しなかった信金が実に三十三信金ある、こういうことになっている。そうすると、この前お答えになった経営近代化のために人を送っているのだという論法はどうも通用しない。経営近代化は、このことによって決して行なわれていない。信用金庫の不正事件というものは——これは信用金庫不正事件の内容そのものは明白の総括で行ないますが、天下りの問題との関連きょうはこれを追求しておきますけれども、どうも私にはそう思われますが、いかがですか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) いまいろいろな点について和田委員のお示しの点がございました。私も、おそらくそういった実態があろうと思います。それがまさに私が二月十七日、当委員会において申し上げたところでございまして、信用金庫というのは、最近業務量が非常に拡大してまいりまして、それに対応しての体制、内部牽制組織に欠如があるということでございます。それを何とか体質をみずから打ち立てることに指導を向けておるわけであります。なにしろ最近のことでございますので、御指摘のような、いろいろな欠陥をまだ蔵しておるわけであります。私どもといたしましては、昨年来いろいろ金融機関の不祥事件がございましたが、それを防止するためには、何といいましても第一に金融機関みずからの検査体制、内部牽制組織の確立ということが必要だと思います。そういう確立のためにも、外部から行政機関がいろいろ指導をするということのうちから、金融機関がみずからそういう体質をつくるために陣容を建て直すという必要を痛感いたしておるわけでございます。そのために私どものほうから関係者が信用金庫に入っておるというわけではございませんけれども、信用金庫側としましてもそういった次第を十分認識をいたしまして、やはり何とか、そういう内部体制の確立のために少しでもそれに向いた人がほしいという要求もかなりあるわけでございます。  なお、今後とも、信用金庫の内外から、御指摘のような点がないように努力をいたしてまいりたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 人事院にちょっとお尋ねをいたしますが、人事院が承認をされています官庁からの天下りの承認数の推移、これは人事院の一覧表でずっと申しましてみますと、大蔵省は四十二年・三十四人、四十三年・三十四人、四十四年・三十六人、四十五年・四十二人、通産省が四十二年二十二人、四十三年・十八人・四十四年・三十人、四十五年・三十人、運輸省が四十二年・十一人、四十三年・十三人、四十四年・十九人、四十五年・二十一人、農林省が四十二年・十三人、四十三年・十七人、四十四年一十七人、四十五年・二十人、建設省が四十二年が十三人、四十三年が十四人、四十四年が二十五人、四十五年が十七人、郵政省が四十二年から五人、六人、六人、十一人、北海道開発庁が四人、六人、九人、十一人、国税庁が三人、十二人、十二人、十人、厚生省が四十二年が三人、そして四十四年が二人、四十五年が六人、食糧庁が四人、二人、三人、六人、林野庁が三人、二人、五人、六人、海上保安庁が四十三年から始まって二人、一人、四人、労働省が二人、二人、四人、三人、気象庁が四十三年から始まって一人、二人、二人、総理府が四十五年に一人、経済企画庁が三人、二人、三人、一人、特許庁が一人、一人、一人、一人、中小企業庁が一人、一人、零、一人、首都圏が四十四年一人、科学技術庁が四十三年に二人、四十四年一人。そうして、計が、私がきょう報告申し上げました四十二年が百二十一人四十三年が百三十六人、四十四年が百七十四人、四十五年が百九十三人。これは確認をされますね

島四男雄人事院事務総局職員局長

○政府委員(島四男雄君) ただいまお示しの数字は、そのとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで人事院は、いま申しました不祥事件がひきもきらない金融機関の状況というものを、それからいま私が大蔵省に御質問をしましたような内容に見られるような信用金庫の実態それらとの照らしにおいて、検査する側の金融機関へのおびただしい天下りというものを、ただ承認を与えるということだけではなくて、どのように御判断になって承認を与えられますか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) この私企業への就職規制の基本的な法のねらいは、これはその職場における個々の公務員の規律の確保ということにあることは間違いないことでございまして、職場にあって自分のねらう私企業と不当な情実を結んで、そしてやがてその企業へ入り込んでいくと、そういうことは認めない。したがって、ひるがえって在職中にそういうものと不純なコネを結んでもこれはむだだと。したがって、そういうことはやらぬという、いわばこれはからめ手からの規制になっているわけです。したがいまして、私どもはこの承認の運用にあたりましては、その人が過去五年間に在職しておりますポストを洗ってみて、当該企業とそのポストの職権との間にくされ縁の生じ得る可能性があるかないかということを調べます。したがって、可能性のないポストを経てきた人であればもその職場における不純なコネの発生ということはありませんから、これはわれわれとしては承認をしておる。したがいまして、たとえば信用金庫の場合でも地方の支分部局で管轄区域が全然違うという場合には、管轄区域の違うところに不当な権限の行使をするわけはありませんから、そういう者は他に格段の理由のない限りは原則としては承認せざるを得ない。これは基本的に人権との関係もありますから、そうむやみにわれわれとしてはしばるわけにはいかない。むしろ、この法のねらいは職場における規律の確保ということが重点なんですから、この世にいう天下りの規制を幾ら厳重にしてみたところで、第一の、その根本の職場の規律の維持というものに力を入れなければ何にもならない。天下りができないならば、いまのうちにふところにしこたま入れてしまおうとなってしまってはおしまいなんです。したがいまして、この法のねらいはもっと深いところにある。したがいまして、お話のように金融機関に対する検査機構、その他行政の秩序の維持という面に、当面各大臣にそのほうに十分力を入れていただいて、いわばからめ手のチェックとしてここにこういうものがあるという考え方でわれわれは臨んでおるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大蔵省にちょっとお尋ねいたしますが、この間渋谷信用金庫の仙川支店が大蔵省よりの人事を断わったがゆえに認可がおくれたという話を聞きますが、そういう事実はありますか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) いまお示しの信用金庫の支店の問題については初めて伺いましたけれども、まあその点は十分後刻調査もいたしたいと思いますが、そういうことのために支店の認可をおくらせたということはないと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは申請日時と認可日時があったら教えてください。  二つ目は、全く一般論でお聞きするのですが、いま名前をここであげるのを控えるために一般論としますが、某信用金庫が支店の認可申請を、たとえば都内より千葉県の某市に出したのです。ところが認可がむずかしい。そこで大蔵省より人材を迎えてくれれば認める。こういう状態がありますが、これは千葉県に申請をしたのですからお調べになれば、私のほうがここで名前をあげなくてもわかるのですが、そういう事実もありやなしや、これも後ほどあわせて一緒に教えていただけばと思いますが。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) その点も調査いたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大蔵省は、たとえば経営近代化とかいろいろなことを言われながら、ある意味ではひもをつけたつもりで送り込むのかもしれませんがどうもミイラ取りがミイラになっているような例が多いのではないかと思われるのです。お尋ねしたいのですが、大蔵省はいわゆるトップ融資といわれるものについて、どういう見解をお持ちになり、指導をされていますか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) トップ融資といいますのは、いわゆる俗語でございますので、おそらくトップ融資といわれておりますことは正規の審査手続を経ないで金融機関から融資が行なわれるものをトップ融資とおっしゃっておると思いますが、やはりそれぞれの金融機関におきましては審査手続というのが内部規程でも確立されておりますから、それぞれの手続を踏んで、審査をし融資手続をとるのが至当だと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 どういうような指導をされていますか、これからまたされますか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) いわゆるトップ融資なるものを発見いたしました場合には厳重に注意をいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私は、さきの本委員会でも西武信用金庫の不正問題を取り上げましたが、西部信用金庫は、三月十六日、あのときに指摘をいたしました日本ウインザー株式会社の社長沢博士氏を詐欺容疑で告訴いたしました。この点はさらに明日やりますから御用意願っておきたいと思いますが、きょうはこの事実の指摘をしておくだけにとどめますが、大蔵省側はそうした不正事件と西武信金への並木前関東財務局金融検査官室長の天下りとは全く関係がないと、この間も言われました。しかし、これを見ていただきたいのでありますが、実は沢氏を介して紹介された八洲運輸へのトップ融資ですね。つまり申請店の意見としては現在取引なく、購入物件、千葉県館山で地域外であり、見返りもなく、又担保収益……」、とにかくこれがちょっと薄いのですが、八百十一万六千円不足している事態というものが報告されて、現在の金融情勢を勘案いたし、積極的にここと取り引きすることはいかがかと思われる。こういう、言ってみれば融資決裁申請書の写しがここにあるのですこれをちょっと見てもらいたいと思うのですがね。このFの項です。そこで問題はそういうようないわゆるFという意見が出たにもかかわらず、トップの判断で融資が決定された。トップの判断で融資が決定をされたのに、ちゃんと並木さんが判を押していますね。左肩の上に。これはまさにミイラとりがミイラになった例ではありませんか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 当該事件の内容をつまびらかにいたしませんので、いま直ちに申し上げかねますけれれども、いま御指摘の不適当と思われるというのは申請店意見、したがいましてその融資を受け付けた店の判断がまず出ておるようでございます。それに対しましてまた本店の審査意見というのが書いてありますが、これはちょっと読みづらいので、後ほどよく勉強いたしたいと思いますが、そういう本店の審査意見を踏まえまして、そして部長——審査部長だと思いますが、常務、専務、副理事長でございますか、それぞれの決裁を経ておりまするので、これがはたしていわゆるトップ貸しといわれるものでありますのか、あるいは融資手続はちゃんと踏んだものですけれども、そのときの判断に十分なものがなくて、その融資に後ほど欠陥が生じたということなのかということは、ちょっと判断いたしかねます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 もっといい例があるのですがね。それはこの前調査を求めました日仏自動車、すでに倒産していますが、この日仏自動車の社長はだれですか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) 日仏自動車販売株式会社の当時の社長、代表取締役は中谷正勝氏であります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 中谷正勝さん、これは退官のときの肩書きは関東財務局金融検査官、昭和三十六年三月一日退官、そして三和信用金庫に天下られた。この三和信用金庫に天下った元検査官が、三和信用金庫からどうもでっち上げ会社であると思われる日仏自動車にさらに天下った。そしてこげつきなどを含む、言ってみれば事件をつくったという、そういう一つの例であります。また、さきに警視庁の捜査二課の摘発を受けた協和信用金庫木村乗俊理事長、この浅草支店の不正融資にからむ背任、業務上横領事件が、その後の調べから想像された以上に深い根を持っていることが、御存じのとおり次第に明るみに出てきました。そして悪の主役を演じた同支店の支店長代理前山明雄氏はすでに起訴をされて、さらにきびしい追求を受けていますが一それとともに、同金庫に非常にずさんな経営のあり方があったことが浮きぼりになってきています。八億円をこえるといわれる被害総額が前山の犯行、そして導入預金による不正融資と、事件とは直接関係のない預金者の口座からかってに預金を引き出したものなど、言ってみれば金融機関の生命とも言うべき定期預金証書の偽造乱発までやってのけてきたことが今日明るみに出ていますね。これも見ました。この偽造証書は、前山が逮捕直前の去る十月まで、にせ金づくりそのままの犯行を続けていたことを示しています。それから満期証書の決済のために次々と、にせ証書をつくっては金融ブローカーにたたき売りをするという、いわゆるネズミ算式手口でもってこの罪を重ねていった。捜査当局もこれらのにせ証書乱発の実数をまだつかんでおらぬようですが、ブローカーから善意の第三者に渡った定期預金証書が満期日前のために、まだ眠っているとするならば、被害はさらに相当額に達すると思われます。このように、にせ金づくりそのままの、言ってみれば前山なる者の犯行というのは、協和信金の経営のあり方自体にも私は問題があろうと思う。かつ、長期にわたる犯行をわからずにきた前山の上司・小野真次前回支店長が大蔵省検査官出身であったことと関係がないだろうか、私はそう思うわけです。  そこで、私は大蔵省と人事院の両方に求めたいのですが、信用金庫の内的ないろいろの問題は明日総括で取り上げますが、天下りとの関係において考えてみなければならぬのは、先ほど人事院総裁が言われましたが、せめて検査官ぐらいは金融機関への天下りぐらいを自粛をさせる、こういうことが必要ではないだろうか。私は、それくらいの節操を持っていいのじゃないか、そのように思いますが、まず大蔵省いかがですか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(中橋敬次郎君) それより先に、ちょっとそれとも関連いたしますので、日仏自動車販売株式会社の代表取締役中谷正勝氏は、確かにお話のように元関東財務局の金融検査官でございましたが、そこをやめましてから、普通の会社に就職をし、みずから事業を起こしたようでございまして、その日仏自動車販売株式会社がお示しの三和信金と融資関係を持ったことは確かでございますけれども、中谷正勝氏が三和信金につとめたということはないようでございます。  それから、一般的に先ほど御指摘の点でございますけれども、これは再々申し上げておりますように、信用金庫なりあるいは一般の金融機関というものが広く人材を求めるということは、やはり最近の状況から見ましてもやむを得ないことでございます。むしろ役所といたしますと、非常に優秀な人たちが次々とやめていくのも、またこれ私どもの仕事のほうからいいますと、なかなか困った問題も包蔵しておるわけでございますけれども、それは別にいたしまして、そういう人たちが新しい職場でいままで蓄積しました知識と経験を生かして、いいほうに——信用金庫なら信用金庫の業務の改善のために尽くしてくれるということは、また別の意味で望ましいことだと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 金融検査官のお話でございますが、大蔵省の場合でいいますというと、検査部長というのがあります。これはもういけません。しかし、その検査部長の下に検査官が何人もおられて、その人たちは自分の担当というものがちゃんときまっておりますから、あそこをやろうということを自分できめて自分で行くというような体制になっておりません。したがって、自分が担当しておる銀行、金融機関であれば、これはもうもちろんわれわれのほうといたしましてはアウトでありますけれども、担当に関係のないところであれば、これはやはり先ほど申しました趣旨から申しましてわれわれとしては承認せざるを得ない。さっき三十六年という話がちょっとありましたけれども、三十六年は実は相当甘いころです。そのあとだいぶやかましくなって、ずいぶん引き締め引き締め、今日のところでは各省から恨まれてしょうがないくらい引き締めているわけでありますけれども、いまの検査官についてのお尋ねにお答えしますれば、現在もいま申し上げたようなことであれば、これは認めております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 敬愛する佐藤さんの答弁だからあまり言いたくないのだけれども、前段の関係のないというのは、検査官同士でも、このつながりというのは、具体的に自分がその特定の役と関係がなくても、同僚その他の関係というのは明確にこれは心理的にも存在するわけでしょう。その辺の配慮というものは人事院としては私は必要とするのではないだろうか。この点はひとつ学者らしい答弁をいただきたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 尊敬する和田委員から重ねてのお尋ねでございますけれども、これはいまのこの承認制度というのは非常に冷酷な面もあるわけです。いかにその人が誠実に、まじめに、公正に仕事をやっておったという証拠があっても、お前はそのポストに対しては絶対アウトというような面もあります。これはまさに基本的人権の大きな制約になるわけです。こういう例はおそらくないと思います。全然悪い証拠もなしに職業選択の自由をもう許さないのですから、そういう面と両方かね合わせて考えませんと、われわれの立場としては相当これはデリケートな、また深刻な面を持っておるということを御了承願いたい。しこうして、根本はすべての行政のあり方を正すということです。一人一人の公務員のあり方を正すということがあくまでも根本である。これは各省大臣、長官は大いにその辺に努力をしていただきたいというのがわれわれの要望でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最後の、後段のほうは私が聞くのじゃなくて、横にお並びになっている方によく聞いてもらわなければならないと思います。  そこで最後に、熊本県羊角湾の干拓事業に伴う漁業補償の件の総括をいたします。  経営規模の縮小をしようということで崎津漁協に三千九百九十五万六千五百二十六円支払われた。それが全組合員平等配分ということで、もちろんこれは正組合員か準組合員かの違いや年功加算や水揚げ高の加算で若干の凹凸はついたものの、基本的に一人平均二十四万円ずつあのときの論議で明らかなように配分されたわけです。ここからほんとうに被害を受けた人と、ほとんど被害を受けない人とが同じに扱われたという問題が生じて訴訟が起こっているわけです。そこで私は、どうしてもここで総括しておかなければならないのは、金額がどのような基準に基づいて算出をされたかということを、まずひとつこの機会に問いただしたいのです。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 最初に先生におわび申し上げなければならないのですが、先日の委員会で、崎津漁業に払われました六千七百何がしの中身につきまして、若干間違えて答弁申し上げました。後ほど担当の課長から訂正御説明を申し上げさせたいと思いますが、そこで経営規模縮少に伴う三千九百九十五万六千五百二十六円、これが実はこの六千七百一万五千円の中身になっておるわけでございます。この配分につきましては、これは主として漁業の経営規模の縮少に伴う資本装備の遊休化、あるいは労働が過剰になるというような観点から払われました金でございますから、いわゆる個人配分になる筋合いの金でございます。そこでこれは財産なり、あるいは漁業の実態なりというようなものを調査をいたしまして、このこまかい算出の基礎は、ここにちょっと持ち合わせておりませんけれども、相当正確に積算されまして、この金額は積み上げられております。一配分につきましては、これは実は一般に漁業補償等は、漁業権に伴って、いわゆる漁業権の縮小その他に伴っての遊休化でございますので、漁業権の一部減少とうらはらで積算されるわけでございます。したがいまして、個別の配分につきましては、一般的に組合の由の話し合いによって行なわれる。崎津漁業の場合には十九名のたしか配分委員ができまして、その配分委員の会議によりまして公正に算定され、またその配分基準等につきましては組合員の議決によって行なわれたというように伺っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 悪いですが、いまのどういう基準に基づいて算出されたかというところですね。算出の基準、これはいま答弁できなければあとでください。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 後ほど資料を提出いたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、公共用地の取得に伴う損失補償基準の第五十二条、この一は、漁業の経営規模の縮小に伴う資本及び労働の過剰遊体化により通常生ずる損失額、それから二に、漁業の経営規模の縮小に伴い経営効率が客観的に低下すると認められるときは、これにより通常生ずる損失額。これはまず個人なり企業体なりがともに算出をされるその総和が三千九百九十五万六千五百二十六円になったということではないですか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 一応算出をいたしました結果がそうなったわけでございます。ただ先ほど申し上げましたように、この三千九百九十五万六千五百二十六円のとらえ方は、漁業の実態なり、それから個々の資産の所有状況なりというものを調査いたしましてでき上がっておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうなれば、個人個人にその算出額を払わないのはおかしいということになりますね。そうなりませんか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 先ほど申し上げましたように、配分につきましては、実は国の積算の基礎になったとおりに払われるかどうかは、実は問題があるわけでございます。先ほど一般論を申し上げたのですけれども、水産庁等の指導を見ましても、漁業協同組合の中で配分をめぐって問題が起きるケースが間々あるわけでございます。そこで、それはやはりあくまでも十分話し合いが行なわれて、皆さんが納得がいくような方、式でやられるべきであるということで、先ほど申し上げましたように、配分基準を組合の議決できめまして、その配分にあたっては配分委員会でそれぞれ公正に撰ばれた委員によりましてやるということが一般的に行なわれている方法でございます。したがいまして、その中で行なわれました数字と国がいわゆる補償金を支払うときの積算しました内容と違うことが起きるわけでございます。これは、実はそれで問題がなければやむを得ないわけでございます。また、そこまで国の積算基準が拘束できる筋合いのものではないというふうに思っております。したがって、配分の内容と国の積算基準とがぴったり一致しなければならないというふうには思っていないわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その配分を漁業組合にゆだねたということについてたいへん理解ができないものだから、その前段の質問をしているのですが、いま言われたような形だと、たとえば五十二条の二項ですね、「前項の場合において、解雇する従業員に対しては、第六十二条の規定による離職者補償を行なうものとし、事業主に対する退職手当補償は行なわないものとする。」となっているのですね、そうすると、この五十二条でいう経営というのは個人のものではなくて、漁業組合の経営、こういうことになりますね、いま答弁を聞いていますと。そうすると、いまの読み上げた二項との関係で不自然じゃありませんか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 漁業協同組合が経営者であるというようなことにも一がいに言えないわけでございまして、各漁業者それぞれが経営者である観点にも立てるわけでございます。これはいわゆる組合の持っております漁業権に基づいて各漁業者が各人漁業行使権で漁業を営んでおるというふうなことになると思います。今回の場合については、一部の消滅でございますので離職補償というものは考えていないわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私は、離職補償を聞いたのじゃなくて、おたくの基準の趣旨からいって、組合を予定したものじゃないのでしょう。個人個人を予定しているものでしょう、この基準というのは。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) この経営につきましては、  おっしゃるように個人個人になると思います。ただ先ほど申し上げましたように、漁業権そのものは漁業協同組合が持っておりますので、それとうらはらに各人漁業行使権で漁業が行なわれているという関係がございます。したがいまして、これはいわゆる多数説と申しますか、一般的にこういう種類の漁業権の補償につきましては、経営の補償も、それから漁業権の補償も一体として行なうというのが、一般的なやり方だというふうになっているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いや、いま言ったとおり、これは組合を予定したものでなく、損失補償の基準でまず個々に算出されていく、そうしてその総和が一定のものになる。そういうことになれば個々に算出された算出額が個々に渡されないというのは不自然じゃありませんか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 積算は、これは経営の実態から行なわなければなりませんから、個々に財産なり何なり行なうわけでございます。しかし、それはいわゆる漁業権が行使されます海面全部に対して行なわれるわけでございますから、なお残存する漁業権も当然今回のケースにおいては残る一わけでございます。したがいまして、全体としてとらえるよりほかに漁業権そのものについては方法はございませんので、たとえば漁獲高というふうなものは、個々の漁民が幾ら毎年とっておるかということは困難なわけでございます。結局漁業協同組合に水揚げされました総額というような形で統計数字としては出てくるわけでございます。そういうものをもとに補償額を算定いたします関係で、いわゆる財産と水揚げ量というものは別に出てくるような形になります。財産みたいなものは個人別に出てまいりますし、漁獲高に伴うものは全体としてとらえていくよりほかに方法はないわけでございます。なかなか分離しがたい面があります関係と、漁業権そのものが協同組合の所有でございますので、漁業権と一体となって支払う。もちろんその中身につきましては、漁業権に伴う補償分は幾ら、それからそういう個人の経営の縮小化というようなものに伴うものは幾らというふうに積算はいたします。積算はいたしますけれども、その配分につきましては、先ほど申し上げましたように、国の積算で押しつけるという筋合いのものではないという解釈になっておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ漁業組合に配分をゆだねた法的根拠を教えてください。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) これは特に法的な根拠というようなものはないわけでございます。一般に従来行なわれております方法でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それは誤りじゃありませんか。今後改めなければならないのじゃありませんか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 配分方法につきましては、実際問題として漁業協同組合の総会の議決という有効な民主的な方法がとられる限りにおきましては、特に改めねばならないというふうには思わないのであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そう言われますが、ぼくはほかの協同組合もずっと当たってみたのです。たとえば一番関係のあるところで、水産業協同組合法の第五十条、これを読んでみますと、漁業権の一部消滅補償についてはわかりましたが、個人に対するそれについては予定してないのです。どうしますか。いまそういうことを言われますが、民主的に行なわれているなら問題がないのです。民主的に行なわれていなかったらどうしますか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) これは総会議決に基づいて、いわゆる支払う側と支払われる側の間のいわゆる契約が成り立つわけでございますから、国といたしましてはその契約が正当であり、それに基づいて支払う以上は、その配分についてまで国が口を差し入れるというような根拠はないものだというふうに思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 配分を漁業組合にゆだねるところの法的根拠は、あなたはないと言うのでしょう。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 法律上の規定というのではなくて、いわゆる契約に基づいて払われるわけでございますから、法律上の根拠というようなものは特にないと申し上げたのであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いやわかりました。そうだからその契約をする主体は個人でしょう。それだから、さっきから組合と個人という問題についてあなた方の基準に照らしてみて、どこから見ても個人しか出てこない基準になっておるでしょう。個人との契約が行なわれないというのはどういう理由ですか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) したがいまして、契約を行ないますときには、いわゆる組合の議決あるいは委任状ですね、そういうものの提出をもって個人の委任状を受けた相手方と契約を締結するという仕組みになっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、ぼくはそれを問題にしておるわけであります。この事案においては、委任状を出していない諸君を含んであなた方は一括してやっておるわけでしょう。委任状を出していない、そういう人たちについてはどうされるのですか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) いわゆるこの地区の漁業補償に関する協定を締結する中に、総会議事録の謄本もしくはいわゆる委任状というような形になっております。この場合には、総会議事録の謄本でもって正当な相手方ということで行なわれております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃあなた、議事録の全部を見られましたね。この間要求してあなたのほうから出してもらった。そうすると、そう言われるのなら、金額決定なり配分のしかたなりを決定した、言ってみれば、昭和四十四年三月二十六日、漁協の総会議事録、これはいま言われたとおり農林省の判断材料になったものですね。決定的に重要な意味を、そういう意味では持ったわけでしょう。そういう意味では、これは公文書ですね。この総会議事録を十分検討されましたか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) これは支払いに当たりました九州農政局では十分内容を見たものだと信じております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 見たものだということになると、その九州の人を呼ばなきゃならぬということになりますけれども、私はこれをいただいて——呼はなくても答弁できますか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 議事録の内容を詳しく私も覚えておるわけではございませんので、御期待の答弁はなかなかむずかしいとは思いますけれども、有効な議決があったものというふうに解しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 実は、たいへん江藤さんにお願いしてけさから親切に教えてもらったのです。教えてもらったのですけれども、わからぬものがあるので、実際きょう質問しているので、まず常識的に、だれが考えたって、四十四年七月六日、これは配分のしかたをきめた崎津漁協の臨時総会の議事録なんです。ちょっと、いただいてずっとまくっただけで、理事三人は判こを押しておりませんよ。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) これはいわゆる議事録でございますので、当然理事は判を押すべきものだというふうに思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、紛争があること自体はおわかりになっておったわけです。紛争があること自体がおわかりになっておって、しかも理事三人が判を押していないことについて不自然にお思いにならなかったか。あなたがごらんになったわけじゃないからしょうがありませんから、したがって現場を呼ばなければどうにもならぬかと思いますが、現場でこれを見てふしぎに思わなかったのか。また、これが上がってきて、あなた、目を通されて、私みたいにしろうとでもふしぎに思うのに、ふしぎに思われなかったのかどうか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 私もしろうとでございますので、実は詳しいことは知りません関係で特にふしぎに思いまして、その点どうだという点をただしましたのですが、専門家の意見では、これは議決は有効である、その理事が最後に判をついていないのはおかしい、しかし本来これは押すべきものであるという意見を聞きまして、なるほどというふうに思った次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これはもう少しあなたのほうで調べる必要があると思いますね。この辺は。再調査を私はしてもらう必要がある。ふしぎに思って、有効性を持っておるというだけで進んでいかない状態です。いまだってまだたいへんな紛争の状態ですね。後ほど述べるような告発事件まで起きている。しかも、このあと四十四年の十月五日に、この総会の議長だった出崎嶋男という人、この人は「前略御免、要件に入ります。昭和四十四年七月六日総会の席上、私が議長に選任されて議事終了致しましたる時の議事録の内容で、議案は第四号迄まちがいないと認めて○○書記殿に出崎(印)をおしてもらいました。(昭和四十四年九月二十一日)併しながら第四号議案可決後組合長の発言が書いてあるが其の時は散会近しとして組合員の皆様が立って帰りつつありました。又配分に付いては無記名の多数決で決定した事でありました。組合長の発言後に議事録に(一同異議なく承認す)との一と言はよくない。これは皆様に議長が承認を求めたようにとれるので、この所は誤りであるので取り消して下さい。」、こういうふうに言っている。  それから議事録署名人からも「昭和四十四年七月六日の総会議事録については別紙の通り議長出崎嶋男氏の書面の通りであるので私共も訂正を求めます。」、こういうふうになっているのです。この事実は御存じですか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) いま読み上げられました内容は、私の手元にもございます。一応内容も見、経緯も聞きましたけれども、そのことが議事録にあります議決の内容を変更するものではないというふうにみております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私は、議事録というのは、そういう意味では公文書として有効性を持たないと思う。いまの署名をしていなかった、捺印をしていない理事の関係、あるいは議事録中にあるところの議長あるいは議事録署名人が求めているところの要求、それらを一ぺん再調査をしていただいて、説明のできる状態にしてもらいたいと思いますが、それはよろしいですか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) なお、さらに十分調べまして御説明いたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 次ですが、小方水産、小島水産、出崎水産、岩下水産といった網元について、さきの本委員会で報告された金額と、九州農政局羊角湾開拓建設事業所より発行されている公共事業等の買収証明書の金額、これは税務署に出したやつですね。この間に十数万円それぞれ差があるんです。これはなぜですか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) その税務署に出された書類は、実は存じておらないわけでございますけれども、先日の委員会で申し上げましたそれぞれの金額の内容は、契約金額とも合っておりますので間違いはございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いわゆる納税証明書を私は持っておりますが、買収証明書、これは実は江藤さんにまだお見せしていないんです。明確に金額はいま言ったように違うので、この間うちからいろいろ説明をしてもらった十八万、たとえば小島さんの場合十八万という金額はどうもあの説明では通らない、こういうふうに思うんです。ちょっと申し上げますが、町長がくどき落としの金を反対派の諸君におくった節があるんです。いまの小島水産の小島万一氏の場合、農林省がこの間言われましたように六百五十九万四千円でしたね、ところが熊本農政局の証明はやっぱり六百四十一万四千円です。十八万円の差です。これはいわゆる船子に渡したものだというのが説明であったわけです。その限りでは私は納得をしておったんだが、どうもあとから証明書が出てきたのを見ると、そういう状態ですよ。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) いまの点につきましては、再度調べまして御説明いたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは調査をしてください。特に補足的に申し上げておきますが、四十四年の十月二十日ごろに小島万一さん、これは病気だったものだから、長男の三四氏のところに、町長が反対しないようにといって、約十八万円くらい封筒に入れて持ってきた事実があるんです。そういうような関係が出てくれば出てくるほど、どうも金額の差というものが非常に不自然になってきます。  次に漁業権の一部消滅補償の二千二百七十一万六千百五十円についてお聞きをいたしますが、この議事録によりますと、初めこの金額は約二千二百万円という内示だったんですね。ところが結局半分の一千百万円できまっております。これはどういうことでしょう。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) この漁業権は、いわゆる崎津漁協と、その先にあります天草漁協と二つの漁協の共用になっております。したがいまして、共用でございますので、両方に対して二千二百七十一万六千百五十円を払ったということになったわけでございます。配分につきましては、これは両方の組合が話し合いをいたしまして、合意に達したところで払った。したがって、約半分ずつになるということだと聞いております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 全然被害のない天草漁協に対してもなぜ千百万円いったのだか、ふしぎに思うのだが、いま説明があったように、共用漁業権こういう結果の話し合いがあった、こういうわけですね。そこまでは一応認めるといたしまして、しかしそこまで私は認めますから、これからあとの質問に対してきっちり明快な答弁をいただきたいのですが、四十四年の五月一日の議事録によりますと、実はこういうことになっておりますね。「二千二百万は内示ならばそれでもよいが、組合に残す場合一千百万にしてもよいのではないのか、総意ならば」、これは前局長が言っているのですが、こういうことになっておるのですね。それから組合長は、「改めて疑惑がないようにやりたいと二つに分けた」、こういっております。あなた方のことばによれば、その半分が天草漁協にいったとかいうことですね。そうすると、あなた方は、協同組合法の原則に、一つの協同組合が他の協同組合のことについてきめることができないという原則があることを御存じですか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) おっしゃるとおりでございます。そこでこの二つの漁協はいずれも契約書の相手方になっておるわけでございます。九州の農政局長が甲でございまして、乙のほうがいわゆる崎津漁協と天草漁協と両方になっておるわけでございます。ただ漁業権がいわゆる共用の漁業権でございますので、分離いたしかねますので、同時に積算をいたしまして、それぞれ組合の中で話し合って、両方とも同意をして判を押している、六千七百万円一本でこれは協定書ができておりますので、その中身につきましては、合意に達したところで支払われたということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私は昨日、そういう答弁もあろうと思って法制局に実は問い合わせました。そうすると、漁業権の一部消滅補償について、崎津漁協が一千百万を承認して、天津漁協も総会を開いて一千百万をきめ、結果として二千二百万円になったというなら話は別だが、初めに二千二百万がどこかできまって、崎津漁協がその配分を天草漁協との相談で分けるなどということは法律上あり得ない、こう言っているのです。農林省はこの法違反をそのまま認めたことになるのではないか、そう私は思いますが、いかがですか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) これはそれぞれの漁協組合で決議をされておりまして、当然、先ほど申し上げましたように、その議事録謄本が契約の付属書類にくっついておるわけであります。それが正しく議決されたかどうかという問題が先ほどちょっと出ましたけれども、いずれも適当である、適法であるということで支払われたわけでございまして、それぞれ一千百万何がしというような形で支払われているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ天草漁協の総会議事録がいただけますか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 御要求があれば、取り寄せましてお持ちいたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ天草漁協千百万円の議事録をください。明日の総括で使いますから、きょうじゅうに届けてください。  次にちょっと聞いておきますが、四十四年の三月二十六日の臨時総会の議事録ですね、これによりますと、政治折衝加算というやつが出ておるわけです。政治折衝加算千五百四十万円。政治折衝加算というのは何ですか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 補償はあくまでもいわゆる被補償者を相手としての折衝でございますので、政治折衝というようなものはございません。ただ、その総会においてどういう議論をされたかは私ども実はその当時の事情は知らないわけでございます。いろいろなニュアンスで語られたことばではないかと推察をいたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 局長はね、政治折衝云々とありましたが、局の第一次内示の二千三百万の内容については説明できます。第一次の内示が少ないということで折衝された結果三千六百万まで加算され、交渉委員の方も御存じの通りでありますが、それでも不足だと云うことで、町長の方も上京され折衝の結果五千何百万円になりえたものですと、こういうことなのです。折衝の内容はそうじゃないですか。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 当時の関係者がおりませんので、この点のニュアンスまで私にはわからないわけでございます。一般的に漁業補償というのは非常にどこでも重要な問題でございます。したがいまして、ある地区の漁業補償の内容は他の地区の前例にもなるということも起こり得るわけでございます。そういう意味で、特に補償につきましてはいわゆる用地官という専門職がその取りまとめに当たっておる、それは各農政局にもその用地官がおりますし、また本省にも専門に担当する職員がおるわけであります。地方農政局で算定しました内容につきまして、全国的に見てバランスを失していないかどうか、あるいは必要があれば内容が妥当かどうかという点につきまして意見を求めてまいることがございます。天草の場合、あるいは崎津の場合、いずれもそうでございまして、本省で基準その他が適切であるかどうであるかという点について一応の議論をしたわけでございます。その結果、いろいろ議論いたしまして、要求は大きい、たいていの場合要求はうんと大きくて、それがだんだん折衝が煮詰まって、最後には全国的なバランスを見、国の補償基準に照らして、それ以上は出せない、これは国は当然出せないわけでありますということで、あとは話し合いで折れていただくということのために、非常な時間を費していっているのが普通でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これ以上出せない——ぐんぐんぐんぐん折衝するたびに上がっていく、折衝というものがたいへん不明確なニュアンスを持っているのだと思いますね。これはほじくるとおもしろいのではないかと思っているのですが、言われるようにずっと来るたびに、折衝するたびに金が上がっているわけです。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) そういう、来るたびに上がるというのではなくて、最初はいわゆる買い手と売り手みたいなものでございますから、なかなか金額の折り合いがつかない状態から出発するわけでございます。それが双方の力で若干算出の内容等にあるいは落ちがあったり、そういう点を補正したりということがございましても、いわゆる政治折衝と言われるほどのことが行なわれることはめつたというか、全くありません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いや、政治折衝というのはたくさん行なわれるのじゃないですか。決算委員会でいままで大体こう、林野の関係で出てみたり、農林省の関係で出てみたりというのは政治折衝が大体においますよ。ここでそれ以上のことを言おうと思いませんが、全体としての羊角湾のいわゆる開発事業計画自体にそごがあったのではないかということを、私はこの問題を扱って実は思います。たとえばミカン山をつくる、したがって羊角湾をとめる、淡水化する、水をくみ上げるといってみたところでミカンの入植者はいない、こういうことになっていますね。すると、この計画というのはやっぱりどうも農林省側の計画に手落ちがあった、そう言わざるを得ないと思うのです。すでに、ここに写真をとってきましたが、植林でヒノキがずっと植えられているわけですね。これはミカン畑がつくられるものじゃないということが明らかですよ。いよいよもって、これは山林地主化をしていく条件というものが皆さん方からお出しになった補償金や開発計画でもって実はできていくのじゃないだろうかという感じがいたしますが、ミカンがここでできるとお思いになっていますか、いまでも。

杉田栄司農林省農地局建設部長

○説明員(杉田栄司君) 羊角湾の開拓事業は、前回にも申し上げましたように、非常に意義のある仕事であることは今日でも変わらないと思っております。まあ入植という問題が出ましたけれども、これは特に入植を考えておるわけじゃございませんて、いまの開拓方式はすべて地元増反方式でございますので、その点御了解いただいておると思います。いまのミカン山をつくるつもりがヒノキが植わっているという点は、これにつきましては、いわゆるミカン園を造成いたします間に広い地域、これは千三百二十六ヘクタールの広大な山地でございますから、中にはやはり部分的に石があったりしまして、開墾不適のところが出てくるわけです。これを数字で申し上げますと、たとえば四十四年度に造成いたしました二十五ヘクタールのうち二・二二ヘクタールが不適地でございました。四十五年度に造成いたしました九十四ヘクタールの中では四・七ヘクタールが部分的に不適地でございました。こういう部分の地区を除外いたしまして、そうでないいいところを現地に造成するわけでございます。したがいまして、その除外されましたところにつきましては、土地所有者においてあるいはおっしゃるようにヒノキを植樹するということが起きておるというふうに承知しております。

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) 午後一時に再開することとして、休憩いたします。    午後零時二分休憩      —————・—————    午後一時十分開会

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) 委員会を再開いたします。  昭和四十三年度決算外二件を議題とし、休憩前に引き続き質疑を続行いたします。御質疑のある方は順次御発言願います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 本日は四十一二年度決算審議、その総括に関する審議でございます。そういう意味合いにおきまして、前回問題にいたしました郵便切手の問題につきまして、非常にくどいようになりますけれども、やはりその方向性というものも明確にしておきたいと、こういう意味で、三度になりますけれども、この問題を提起をいたしまして、郵政省の的確な指導といいますか、それをお願いしたいと、 こういうわけでございます。  いろいろ問題がありまして、そのこまかい問題につきましては、たとえば売りさばき人のところで定価販売されるべきものが、切手収集家の希望に応じるという意味で大口団体に何十万枚と売り渡されると、それが発売日にすでにもうプレミアムをつけると、こういうことは切手の性格上好ましくないじゃないかという問題、あるいはまたその普及協会の業務の内容について、これはなすべきことではないではないかという問題、それらの問題については前回も提起をいたしました。きょうも若干それらの問題にも触れますけれども、根本的にまず私は郵便切手の取り扱いについての法体系が明確でないんじゃないか、そこにいろいろな問題が出てくるんではないか、こう感ずるわけです。  そこでお伺いしたいわけでありますが、郵便法第八十四条に「行使の目的を以て郵政大臣又は外国政府の発行する郵便切手その他郵便に関する料金をあらわす証票を偽造し、若しくは変造し、又はその使用の跡を除去した者は、これを十年以下の懲役に処する。偽造し、変造し、若しくは使用の跡を除去した郵便切手その他郵便に関する料金をあらわす証票を行使し、文は行使の目的を以てこれを輸入し、他人に交付し、若しくはその交付を受ける者も、同様とする。」、こういう規定がございます。そこでお伺いをしたいのは、ここに「行使」ということばが三カ所出てまいります。「行使の目的を以て」というその「行使」、あるいは「証票を行使し」という「行使」、それからまた「行使の目的を以てこれを輸入し」という「行使」、この「行使」の意味をお伺いをしたいわけです。そこでそれがはっきりしますと、いまの切手の流通過程におけるいろいろな問題が解決されるんじゃないかと、こう私は思うわけです。お伺いしたい。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 郵便法の八十四条で用いております「行使」ということばは、偽造もしくは変造、または使用のあとを除去した郵便切手類を真正なものとして——本物としてという意味でございますが、真正なものとして使用し得る状態に置くことを意味していると、かように考えます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そこで、前回ですか前々回ですか、郵便切手の行使ということば、これは政府側の解釈は、郵便料金として行使される、郵便料金の領収として行使される、こういうふうに限定されたような御答弁をいただいたような気がするわけですが、この法文の解釈は、確かにいまおっしゃったように、偽造、変造に関する行使ですね、それからその郵便切手を郵政大臣が発行するその目的は、郵便料金の領収を証する証票である。したがって、その郵便切手はいわゆる郵便料金として代納され使われる、そこに「行使」ということを限定されて考えているようですが、この点はどうでしょう。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 前回お答え申し上げたと思いますが、郵便切手は、お話がございましたように、郵便料金納付の証票として使われると解しております。したがいまして、この八十四条の「行使」というもの、これは全く内容が一緒でございまして、やはり郵便切手として郵便を出すためにつまり使われると、こういう同様の意味だと考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そうしますと、マニアの間で、自分はもう収集するだけだと、郵便切手として使うんじゃないんだ、料金のかわりに使うんじゃないんだというので、そういうものをマニアの間でつくるとかなんとかということは、この八十四条の規定にひっかかりますか。郵便料金には使わないんですよ。自己のところにとどめておくわけです。そういう場合につくった——変造した、偽造したということはどうなんでしょう。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 偽造したものを行使するかしないかという問題は、たいへん主観的な問題でございまして、把握することがまことにむずかしいと思うんです。したがいまして、現在使われている切手ですね——一円からございますけれども、それが非常にまぎらわしいものでありますと、これは現実にどういう経緯があるか存じませんけれども、だれかがこれは郵便として行使する可能性が非常に多いわけでございますから、これはやはり行使を目的としてと、こういうふうに解すべきではなかろうかと存じます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 非常に明快な答弁でございます。とにかく「行使」というのは、郵便料金として使われることが「行使」であって、だから変造というのは、現在使われている、現在効力を持っている郵便切手、それに類するものをつくれは——変造すれば、たとえそれが収集家のものであっても使えば使えるわけですから、真正なものと相手をだまして使えるものですから、これはいけないと。だけれども、現在使われていない切手ならばこの八十四条の規定を受けないわけですか。現在、たとえば五銭とか十銭とかあるいは一銭五厘とか、かってそういうふうな切手がありますね。それも百五十枚張れば十五円になるとかなんとかいうことになるかもしれませんが、そういう場合はどうなんでしょう。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) たいへん限界がむずかしいところでございますけれども、おっしゃいましたような三銭とか一銭五厘あるいは五銭、こういった切手は、これはやはり世の中にあると思います。収集家の間でやりとりされておるということもあると思うのです。ただし、それは郵便としていわゆる行使の対象になるかと申しますと、これはもうその可能性がきわめて薄いわけでございますので、私どもといたしましては、この八十四条の対象と考えていないわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 私はしかし、郵便切手はまさにいま商品です。売買されているわけです。売買されていて、しかもいわゆる額面よりも何十倍、何百倍、ものによりますと何千倍という値段をもって取引されている。したがって、それは変造したりなんかしますと、これはやはり郵政省の考え方は、行使というのは郵便料金として行使するのだ、その狭い範囲に限定されて、対象においていないようですけれど、社会的な通念からいきますと、行使というのは郵便料金に使う、これも行使でしょう。ところが人と交換をする、あるいは売買の対象にする、そういうことも私は行使に入るんじゃないかと思うわけです。そこで、一般的に刑法なんかの立場で刑事問題として考えた場合に、行使というのはどういうふうな意味合いを持つのか、刑事局の刑事課長さんがお見えになっておると思うのですが、一般的にいって行使というのはどういうことになるのか、これをひとつお伺いしたい。

前田宏法務省刑事局刑事課長

○説明員(前田宏君) ただいまお話しのように、行使ということばがあちこちで使われておるわけでございますけれども、文書偽造にもございますし、また通貨の偽造にもございますし、またいま問題になっております郵便法でも使われておるわけでございまして、必ずしも同一ではないように考えられるわけであります。したがいまして、郵便法の場合には、先ほど郵政当局のほうからお答えがございましたように、やはり郵便切手としての性格というものに着目いたしまして、郵便切手として使われるという用途が入っているのではないかというふうに思います。そこで、郵便切手の外観を持っているものでありましても全く切手性を喪失している、失っているというようなものがありますと若干問題があろうと思いますけれども、まず郵政省のほうからお答えがありましたように、その切手自体が現在流通しておるというものであります場合には、それがまた本来の用途とし使われるという可能性も十分あるわけでございますので、そういう場合には積極的に解するというふうに考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 適当に解するということじゃなくて、私がいま具体的に例をあげました交換の対仁にするとか売買の対象にするとか、そういうことを目的としてやる場合には、行使という範疇の十に一般には入るんじゃないか、こう思うのですがこの点もう少し具体的に……。

前田宏法務省刑事局刑事課長

○説明員(前田宏君) いまおっしゃいました交換売買と申しましても、結局それがいずれはまた切手として使われるという可能性を含んでいる場合だろうと思うわけでございまして、それが先ほど私が申しましたように、全く郵便切手の性格を失っておって、単なる商品という場合には、むしろ問題があるのではないかと思いますけれども、通常の場合は現に流通している切手でありますからば、当面の当事者間では交換、売買ということがございましても、その過程におきまして、流通段階に置かれるということが一部考えられるという意味におきまして、積極的に解すべきじゃないかと思うわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それじゃちょっとわかりませんので、問題の立て方を変えましょう。たとえば十礎という郵便切手がある、これは大体使いませんね。これは対象にならないと郵政省ではおっしゃる。ところが、これを変造して、そしてちまたに出ます。そうしますと、それが収集家の間では法外な値段で売買される。買う人は真実のものだと思って買うわけです。そういう場合に、刑法上の詐欺とか何とかいう罪を構成しますか、相手をだましている場合。

前田宏法務省刑事局刑事課長

○説明員(前田宏君) ただいまのようなことでございますと、当然詐欺罪の成立ということが考えられると思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 したがって、郵政省でおっしゃる郵便料金として使うことだけが行使ではなくて、もはやこれがマニアの対象になっていて商品的か価値を一緒に持っておるという場合には、やはりその郵便切手の取り扱いというもの、これは郵政大臣の専管事項ですから、郵政大臣しか出せないわけですから、そういうものについての取り締まりというものも、郵政省でお考えにならなければ、一般大衆に迷惑をかけるわけです。よろしゅうございましょうか。  それからこの間は、郵政省が単なる郵便料金をあらわす証票である、こういうお話でございますけれども、現在の郵便切手の持っておる一般的な性格——いわゆる売買の対象になる、商品価値があるという一般的な性格からいいますと、やっぱりこれは有価証券とは言いがたいと思いますけれども、金券に代用される、金券という範疇に私は入るんじゃないか。金券と通常称しますと、紙幣とか収入印紙とか、それからまた郵便切手とかいうものを金券として一般に考えております。いろいろ法律がありまして、紙幣とか収入印紙、それからまたたばこの証票とかトランプ印紙税の証票とか、そういうものはそれぞれの法律でくくっております。ですけれども、郵便切手だけは野放しになっているわけです。これも世間にいろいろ偽造のものが出回って、物議をかもす大きなもとになっている、こう思うわけです。  そこで私、ここに切手を持っておりますが、おめがねをお願いしたいと思うんですが、ここに同じ切手が四枚あります。この中に偽造が一枚あるんです。——こういうものが出回っております。これがいま十円で売買されておるわけです。しかも、五百種類とか三百種類とかいう切手が集まりますと、三分の一は偽造だといいます。それが普通にマニアの間では神聖なものとして売買されておるわけです。もう専門家の皆さんが見ても十分に見分けがつかない、そういうものが出回っているということです。ですから、これはやっぱり郵政大臣は、切手の発行だけには責任があるけれども、市場に流通してしまえば、それはどんな値段で売買されようと、どんなものが出ようと一切関係がないという姿勢は、これほど——百五十万とか三百万とかいわれるマニアの数がふえてきた現段階においては、これは郵政省の責任というものは非常に強くなってくると思うんですが、どうでしょうか。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) いまの郵便法のたてまえといいますか、郵便法の仕組みといいますか、から申しますと、法八十四条に規定してございますように、発行について郵政大臣は責任を持ちますし、それが郵便として行使されるかどうかについて厳重なる関心を持つものでございますが、行使の目的、いわゆる郵便としての行使の目的以外のことにつきましては関知しないと、こういうのがいまの郵便法の考え方でございます。したがいまして、いまお話がございましたような、郵趣界において偽造、模造切手が非常な問題になっておるということに、どう対処するかということになりますと、これはいまの郵便法ではだめでございまして、新しい角度から見直すとか、あるいは詐欺、これはやはり詐欺でございましょうから、刑法上の詐欺という方向で攻めるか、どちらかではなかろうかと考える次第でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そういうふうなことだけで、いまの問題は解決しないと思うんです。これはあとで私申し上げようと思ったんですが、たとえば、ここに「切手図鑑」というのがございまして、万博のときに世界各国が記念切手を、いわゆる外国の通貨であらわした記念切手を発行して、それが輸入されたのか、あるいは何か知りませんが、未使用のまま国内に流通をしております。そしてまた、たくさんございます。そして私どもが聞いたことのないような——非常にその国にとっては失礼な話ですけれども、国の名前の記念切手が出ているわけです。どうでしょう郵務局長、グレナダという国、どこにあるか御存じですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 寡聞にして存じ上げません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 じゃ次に、モーリシャスという国はどこにあるか御存じでしょうか。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) これも存じませんが、アフリカかどこか……。

二宮文造公明党

○二宮文造君 マナマという国は……。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 存じません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ラサールカイマルという国は……。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 中近東あたりにはともかく一ぱいございますので、存じません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 もうとにかく無数の国名で外国の郵便切手が国内に未使用のまま流通しているわけです。よろしゅうございますか。しかも、それは外国で印刷をして日本の国に入ったんじゃなくて、日本の国の印刷技術が非常に優秀なために、国内の印刷所で印刷され、どういうルートを通じてか知りませんけれども、国内で流通をしているわけです。さて、それの真偽のほどというのはマニアの間ではもう見分けがつかないわけです。よろしゅうございますか。そこで、この法八十四条に、終わりのほうですが、「行使の目的を以てこれを輸入し、他人に交付し、若しくはその交付を受ける者も、同様とする。」、こういう規定、これは変造切手、偽造切手であれば、明確に八十四条に違反するんですが、郵政当局に聞きますと、どういう種類のものが国内で印刷をされ、その本国政府とどういう契約で印刷され、あるいはまた市場へ流れているか、全然状況をつかんでいない。これは一体八十四条の本文の目的からしますと、怠慢じゃないでしょうか。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 外国郵政省の依頼を受けて、日本で印刷をすることがあるかと思います。その実例の詳しいことは存じませんが、考えられることでございます。それはどこかの国の正規の郵便切手ということになろうかと思います。ところが、正規の切手でなくして、偽造するということになりますると、八十四条に抵触すると考えますが、その実態につきましては、私は詳細を存じ上げておりません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 いや、私の言うのは、八十四条に明確にこういう規定がある。外国のものを偽造してはならない。だから、どういう外国の依頼を受けて、成規の手続で国内で印刷をされ、そしてまた、いろいろな手続を経て国内で流通しているそれはこれこれですよという実態を郵政省が御存じなければ、どれが本物で、どれがにせものであるかということを知るよしもないじゃありませんか。そういうことは郵政省でなさっておりますかというんです。八十四条に明文があるんですから。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 外国の依頼を受けまして、外国の郵便切手を印刷しておるのは、大蔵省の印刷局でございまして、これにつきましては、私どもよく承知をいたしておるんでございますが、民間方式で印刷をしておるということは考えられることでございますけれども、その実態があるかどうかにつきまして、実は存じていないわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 だから、それでよろしいですかというんです。それでいいか。ここにはっきり郵便法に——郵便法というのは郵政省の基本法です。そこに明確にうたわれておるにもかかわらず、民間で発注されたものをわれわれは関知しない、こういうことでよろしいですかというんです。  やはり、これはもういやみを言ってもしかたがない。いままでが野放しであるならば、省令なり何なりの形で、この法文を受けて、やはり日本で印刷をする外国の切手、これはもう印刷をしているんですから、いろいろな手続を経てすぐ国内に流通します。そういうマニアのためにも、省令なり、あるいは規則なり、そういうもので実態を掌握し、規制をすべきではないか。ぜひそうすべきじゃないかと私はいまここで提言をするわけです。いままでは野放しでした。この点はどうでしょう。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) いまの問題は、八十四条で申しております外国政府の発行する郵便切手の偽造、この偽造をやっちゃいけないというのが八十四条でございますから、それとの関連におきましても、御指摘の点はごもっともだと思いますので、いましばらく実態を確かめまして、必要あらば対処措置を講じたいと思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 その問題はほんとうに明文があるんですからね、ちゃんと実態をおつかみになって……。  ただ、私、遺憾なのは、郵務局へ私たびたびお願いをしたわけです。日本で外国政府の依頼を受けて、そうして印刷をした、そういうものが実態がわかれば資料として提出を願いたい。こう申し上げたところが、全然わかりませんという答弁なんです。いま、郵務局長の答弁によりますと、大蔵省の印刷局でやっている分は実態を掌握している、こういうお話で、私はちょっと意表に思ったわけです。それは印刷局でわかっているのであって、郵政省じゃわからないのじゃないですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) おっしゃるとおりでございまして、印刷局に問い合わせればすぐにわかると、こういう意味でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ですから、その辺についても野放しのまま。これもひとつ善処をお願いしたい。  それから、次に入ります。私は前回も問題にしましたけれども、売りさばき所では定価で販売をする、同じ日に大口の割り当てを受けた団体でプレミアムをつけて売る、こういうシステムはもう絶対にやめてもらいたい。これはまあしばしば、この間の次長さんの説明によりますと、特殊の団体に対して大口割り当てをする、それに至ったいきさつということはよくわかります。しかし、そのいきさつがいまや悪用されまして、マニアに迷惑をかけているという段階になりますと、これはやはり切手の持つ性格ですね、独占事業である、郵政大臣が発行するものである。こういう本来の立場から立てば、悪循環しているようなやり方は当然規正をしていただかなきやならぬ。たとえば郵便法の三十三条は、御承知のとおり「郵便切手その他郵便に関する料金をあらわす証票は、郵政大臣が、これを発行し、郵政省及び別に法律の定める売さばき人において、これを売さばく。一、だから郵政省で売りさばく、また別に定めた売りさばき人で売りさばく。団体へ大口にやっていいということじゃないのですね。それが団体へ大口にいくのは郵政省からいくのだ、こういう答弁も返ってくるかもわかりませんけれども、それは納得できない。なぜかならば、今度は売りさばき人の規則のところに、これは何条でしたか——郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律、これの第五条には非常に明確に切手の売り方というのを性格づけているわけです。「売さばき人は、その売さばき所における一般の需要をみたすに足る数量の郵便切手類及び印紙を常備して、当該売さばき所において定価で公平に売りさばかなければならない。」、こういうふうに売りさばき人に、売り惜しみをしてはならぬぞ、プレミアムをつけてはならぬぞ、しかもきめたところで売らにやならぬぞと、こういうふうに法は規定をしてあるわけです。ところが、前回、前々回の答弁によりますと、郵政省の窓口から出た切手商のところではわれわれは関知しません、こうなるわけですね。ですから、これはやはりもとは団体に対する大口割り当てというところに問題があるので、この点については次長さんも将来にわたって考えなきゃならぬという答弁をいただいておりますが、その後具体的に郵政省でどういうやり方をしようかと御検討になったかどうか、またこれから検討するとすれば、どういう方向で検討なされようとしているか、この点をお伺いしたい。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 大口にかなりのものを売りさばき当日に分けてあげている、こういう実態はもう御承知のとおりでございますが、これはそれなりに一つの理由があるわけでございまして、それにつきましても御説明申し上げたと思います。ただ、やり方につきましては御指摘のよりな弊害も起きてきますので、大口に分けてあげたものは十日間は売らないと、それから一月でございましたか、この間は定価売りを守らなければならないと、こういうしばりを実は課しておるわけでございますが、それが守られていないということでありますならば、そのほうにつきましては、大口の方々によく趣旨が徹底するように対策を講じなきゃならないと、かように存ずる次第でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 問題の認識の程度が非常に疑われる。私、これで三回目ですよ、この切手の定価販売のことについて申し上げたのは。前二回にはいま言われたようなことは一言も御答弁がない。いま言われたことは、それはどういうふうな取りきめで、文書によって通達をしているか、通達しているとすればいつか、そういうものはわかりますか。ただ単に口頭でこういうようにしてもらいたいという要望でしょう。義務じゃないでしょう。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) こまかい手続につきまして私、全部を承知しておりませんので、まことに失礼を申し上げます。ただいま問いただしましたところ、やはり文書でもってその大口の方々にいま私が申し上げた諸点につきましては申し渡してあるということです。もちろん、その方々のモラルに期待するということでございますので、罰則つきといったような、そういうきびしいものではございませんけれども、申し上げましたような趣旨につきましては言い聞かしてあると、こういうことでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それでは、私に許された時間は二時四十分までで、まだ一時間程度ありますので、その申し渡した文書を取り寄せて、ここで御披露願いたい。それは御手配願いたいと思います。相手方の誓約書があれば誓約書もあわせて。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) そのようにいたします。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そこで、そういうふうなやり方ではまずいというのです。前回私が提示したのは、切手というのはだれにも需要がある限り公平に分配されなければならぬ、そういう性質のものです。それを、数が限定されているがゆえにプレミアムを呼ぶような、そういふうな切手の販売のしかたは性格上よろしくないと思います。したがって、これは従来のいきさつは了としますけれども、十日間は店頭に出しちゃならないといったって、それは出ている、あるいは一カ月間は定価販売を守らなければいけないといったって、それが野放しになっている。こういう状態ですから、無制限に出すか大口割り当てをやめるか、このどちらかでないと、この弊害はとどまりません。しかも、私、使用済みの切手がどのような値段に売買されようとも、これは郵政省の責任じゃないと思います。これはほんとうに純然たるマニア同士の相対ずくです。しかし、未使用の切手、しかも郵政省から大口に割り当てを受けた、その未使用の切手がたとえ一カ月後であろうが、二カ月後であろうが、プレミアムをつけて売る、極端な——ことによると発売日に、売り出し日にプレミアムを呼んでしまう、こういう現行のあり方は、これはひとつ正していただかなければならぬ。こういうことを前前から言っているわけですがね。もう少しその姿勢を厳格にして御答弁をいただきたい。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) ただいま発売しております切手が、発売後非常に間もなく高い値で売買されておるという実態も承知しておりますので、この点は省といたしましていろいろと検討いたしました結果、そういうことをなくす第一のきめ手はやはり発行枚数にあろうと、かように存じます。したがいまして、四十六年度、四月から発行いたします切手につきましては発行枚数を大幅にふやす。目下のところ、まあ発行いたします切手の種類によっても違いますけれども、一割ないし一割五分程度増刷したらどうかということです。そういうことをやって成り行きを少しながめてみまして、それでもなお御指摘のようなことが続くとするならば、なおそれ以上の増刷もいたさなければならないかということも検討いたしておる次第でございます。  それから、先ほどの大口の、まあこれは切手商でございましょうけれども、それに発行当日別途に分けてあげておるという、このやり方でございますが、先ほど申しましたように、切手を増刷するということで郵便局の窓口の混乱が緩和されるといったような事態になりますれば、もうそういったような大口に対して別途分けてあげるという意味もなくなるわけですから、この切手の発行枚数を増すという問題と関連さして、その問題をよく検討してみたい、かように存じます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 やっぱり私、三回目、こうくどく取り上げたかいが出てきました。だんだんと郵政省の姿勢がはっきりしてきました。ただここで一回の答弁だけじゃなくて、私の性格上非常にしつっこいですから、どうかひとついま言われた趣旨に基づいて、要するにマニアに迷惑をかけない、不労所得を得させない、そしてまた、流通過程を混乱させない。そういう意味で御検討をいただきたいと思うのです。  それでなお、その郵政省の姿勢の問題につきまして、私まだ二、三点、疑問に思うことがありますので申し上げたいのですが、大蔵省の印刷局の方いらっしゃいますね。大蔵省の印刷局が日本郵便切手百年記念模造シートというのを印刷していますが、これは発注者はだれで、枚数は何枚か。それからまた単価は幾らか、これをお伺いしたい。印刷局の単価ですよ。

青山保光大蔵省印刷局長

○説明員(青山保光君) お答え申し上げますが、この郵便切手百年記念の模造シートの件でございますが、発注者は切手普存協会。それでその契約の相手方は、これは財団法人印刷局朝陽会ということになっています。この財団法人印刷局朝陽会と申し上げますのは、先生あるいは御承知かと思いますが、印刷技術の練摩で、あるとか、あるいは印刷局職員の福祉増進というようなことを目的にいたしまして昭和九年に設立されました大蔵大臣所管の財団法人でございます。その財団法人がやっております。そこでその枚数でございますが、これは六万五百枚。そこでこの朝陽会から普及協会のほうに渡しました値段が一枚につき二十円と、かように相なっておるわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 私、印刷局から朝陽会に渡した値段も知りたいのです。

青山保光大蔵省印刷局長

○説明員(青山保光君) この模造シートは外側の表紙とそれからまん中の切手の印刷部分とからなっています。契約の当事者は朝陽会一本ということでございますが、そのうちまん中の切手の部分を——これは、朝陽会はそういう切手の模造品のような高級な印刷をする能力はございませんので、これは印刷局が手を貸したと申しますか、そういう形に相なっております。その部分がこれは九円でございます。残りの十一円をもちまして朝陽会が……。

二宮文造公明党

○二宮文造君 これが十一円ですね、朝陽会があれするからね。

青山保光大蔵省印刷局長

○説明員(青山保光君) そういうことになっています。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それで、ここでもう御承知だと思いますが、「大蔵省印刷局製造」というのがここに載っております。これは非常にオーソライズされた名前ですね、印刷局で製造したのですから。こうなりますと、一般には非常に権威づけられます。これは印刷局で印刷されますと、発注者がだれであろうと、これは全部大蔵省印刷局というのを入れるのでしょうか。

青山保光大蔵省印刷局長

○説明員(青山保光君) 印刷局のあり方でございますが、原則といたしまして印刷局で製造する印刷物につきましては、すべて印刷局製造という表示をいたすことになっております。ただ例外といたしまして、注文者と申しますか、そちらのほうから、要らない、やめてくれというお話があれば別でございますが、普通はそういうことはございません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そこで郵政大臣、これが百円なんです。普及協会が六万五百枚つくって百円なんです。これは普及協会でなければできないしろものです。大蔵省印刷局に交渉をし、そして印刷局製造というオーソライズされた刻印を打って出している。二十円のものを百円で売ると。六万枚ですよ。そういうことが、これは郵政大臣が認可して、いわゆる切手の普及ということを大義名分にうたっている普及協会の業務としては適切かどうか、こう思うのですがね。この点どうでしょう。大臣の心証をお伺いしたい。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) まあ私も、どうもいま初めてそういうことをここで伺ったわけです。したがいまして最初からの二宮さんの御質疑等を十分伺っておりませんでしたが、その問題だけとり上げますと少し穏当を欠いておる、こういう感じであります。

二宮文造公明党

○二宮文造君 えらい監督官庁の立場にあるわけですから、やはり指導を適切にやっていただきたい。私、何も普及協会の営業を妨害するわけではないのですが、あまりにもいまのブームに乗っかってしまっている。そしてかえって混乱を来たしているという感じがするわけです。同じように、非常にこまかいことを申し上げて恐縮ですが、二種類になっているのです。六万五百枚が、一種類じゃないのです。二種類になっている。御承知のように、こちらには定価百円と載っております。こちらは無じるしです。よろしゅうございますか。これがいま幾らしていると思いますか。五千円でも売り手がない。五百枚しか印刷していない。六万五百枚のその五百枚が無じるしです。これはどういうところに出されたかといいますと、記念事業をやりまして、そして切手展、普及協会が切手展に招待をした、その来たお客さまに渡すために五百枚用意したと、こう言われてるわけです。しかしもう普及協会であれば、あるいはまた郵政局内の、郵務局内の切手に非常に造詣の深い方であれば、これは六万枚出てる、これは五百枚しか出ない、こうなりますと、ここに稀少価値を生むということは事前に察知できるわけです。むしろこれに稀少価値を持たせるために六万枚、五百枚という別刷りをした——結果から振り返るとそうなるわけです。しかも、その切手展にそれでは何名の招待状を出したかといいますと、三百名に招待状を出した。あと二百枚はどっかにしまってしまってるわけです。しかも、その当日、紫色の引きかえ券を持ってこられた方にこれを渡したわけです。紫色の引きかえ券を持ってきた人は百二十数名なんです。三百数十枚——この無じるしのいままさに五千円でも買えない品物が三百数十枚行くえ不明。それで、郵趣家の間でこれがもうぶんどりになってる、ウの目タカの目でさがしてる、こういう状況です。これはもう事前からそういう事情を察知してやったことで、普及協会か、あるいは申しわけないけれども郵政省当局か、その中でこの無じるしによって不当に利得した人がいるのではないか、こう思うわけです。ですから、このことも事情お含みの上、普及協会の事業というものについて適切な指導をしていただきたい。——大臣、本鈴が鳴ったようでございます。

井出一太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 衆議院のほうの事情で失礼をいたしますが、ただいま伺いまして、どうもわれわれたいへんうかつであったわけでございます。まあこの切手ブームといいますか、ほんとうに純粋な愛好者のためにはサービスをしなけりゃなりませんけれども、いまおっしゃたような中間に介在するいろいろな機関のその意図を役所の立場でもう少し究明をせにゃいかぬと思いますので、きょう承りまして、この面の行政の重要な参考にいたしたいと、かように存じております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 これは普及協会の方、今井さん、非常にお気の毒ですがね、まあ聞いてください。同じように普及協会から、郵便創業百年記念切手メダルというのを発売されております。この切手メダルを作製され、発売された趣旨はどこにありますか。

今井龍之助財団法人全日本郵便切手普及協会専務理事

○参考人(今井龍之助君) 郵便百年を記念いたしまして、記念品としてメダルをつくった次第でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 こまかいことを伺いますが、製造元、製造枚数、どういう販売方法をされたか、お伺いしたい。

今井龍之助財団法人全日本郵便切手普及協会専務理事

○参考人(今井龍之助君) 製造元は新日本産業株式会社、そしてそれの製作販売につきましては製作会社に委託いたしまして、販売はその製作会社のルートを通しまして、そのほかに切手普及協会でも郵趣家で希望の方に頒布した、こういうことになっております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 若干ここにも資料がございます。それを言って今井さんの補足をしますが、この記念メダルはわが国で初めてのもので、四種類の竜文切手、四十八文、百文、二百文、五百文からなり、当時の切手そのままをみごとに写しています。二度とめぐってこない切手百年の祭典を記念して、この機会をお見のがしなく御愛蔵ください。そこで、純プラチナ製四点セット、十八グラムのもの四つで売価が三十万円、それから純金製で同じような四点セット、ただ純金の量目、これは十三・五グラムのもの四つ、それで十万円、あと純銀製では四点セットで四千円、銅製で千六百円、その他いろいろな値段が表示されております。ここで純プラチナだけを取り上げてお伺いすれば、あとは右へならえになりますからあれしますが、この製造元の価格、それからいわゆる普及協会の仕入れ価格、あるいはまた販売者の切手商なんかの仕入れ価格ですね、それと一般の小売り価格、プラチナの場合はどうなっておりますかお伺いしたい。

今井龍之助財団法人全日本郵便切手普及協会専務理事

○参考人(今井龍之助君) 製造元の原価は、プラチナの場合に、製造元に調査いたしましたところ十六万五千四百円になっているわけでございます。それから、協会へおろしてもらう値段が二十四万円で、一般の方に売りさばく値段が先ほど申された三十万円、それから協会以外の、デパートとかそのほか切手商とか、頒布しておるところも協会と同じ卸値段で、二十四万円でおろしておると承知いたします。

二宮文造公明党

○二宮文造君 いま伺いましたところによると、プラチナの七十二グラムになりますね、十八グラム掛ける四ですから。七十二グラムで製造原価が十六万五千四百円、それから業者の仕入れ価格が二十四万円、販売価格が三十万円、こういう確認をいたしました。ところが、同じように純プラチナです。ここに新聞広告が出ておりました。東京上野の松坂屋で現に売っております。これが純プラチナですね、純白金小判百グラム純度千、これがデパートで売っているのが十七万六千円です。現在も売っております。よろしゅうございますか。そして、なるほど製造に手間はかかりません。しかし、私は製造工程というのは見ておりませんのでわかりませんけれども、これもやはり小判としての加工品です。それから一方、竜文切手のメダルのほうも鋳型をつくっての加工品。まあその加工の精度に若干の違いがあるかもわかりませんけれども、そう変わるものではない。そうすると、百グラムのものが、一般に、いわゆる小売りで十七万六千円に売られている。七十二グラムのものが、切手となぞらえてブームに乗って三十万円で売られる。七十二グラムですよ。三十万円で売られている。これもひとつ、切手の普及を目的とした公益法人である、財団法人である普及協会としては、ちょっとやはり本質にもとるのではないか。こう思うのです。今井さん、御感想いかがですか。

今井龍之助財団法人全日本郵便切手普及協会専務理事

○参考人(今井龍之助君) お話のように、製造元の私のほうでつくらしておりますものと比較いたしますと、相当の開きもあるようでございます。お話のように、彫刻の関係とか、いろいろとそういうような関係で小判の——あいにく私その小判を見ておりませんので、また見ましても私しろうとでございますので、そういうこまかいところまで判定することが至難でございますので、なおお説によりまして十分検討いたしまして、是正していくものはしていきたいと、こういうふうに考えております。  なお、このメダルにつきましては、もう一応製造した数量がおおむね終わりになりましたので、二月末をもちまして協会と製造元との契約を解除いたしました。ただ、残品が千個ぐらいありましたので、それを三月中売ることだけを認めまして、やることにいたしております。つけ加えて申し上げます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 いや、私はそういうことをお伺いしているんじゃないです。基本姿勢なんです。基本姿勢ね。郵政大臣の認可したいわゆる公益法人、財団法人、こういうかさの下で、いわば独占的、あるいはまた、それを権威的に権威づけられたところが、一般に出回っている市価と極端に開きのあるような、そういう事業をなさることが、基本姿勢としてまずいのではないか。こういうことをお伺いするわけです。今後も、その種の事業が進められると思います。しかしそれは、あくまでも切手の普及といういわゆる公益的立場に立って、こういう問題を二度と起こさないような、いわば教訓といいますかね、そういうものにしていただきたいというのが私の取り上げた理由なんです。よろしゅうございますか。御意見があれば……。

今井龍之助財団法人全日本郵便切手普及協会専務理事

○参考人(今井龍之助君) お話のとおりでありまして、私ども、こういう仕事に対しましてしろうとがやっております関係で、いまの御指摘のような問題が出たと存じます。姿勢といたしましては、お話のように、公益法人であります関係上、利益を追求する運営方法と申しますか、さようなことは十分慎まなければならぬということも十分考えておりますので、今後の協会の運営につきましては、十分その点一そう考えてやってまいりたい、こう考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 このプラチナのメダルを発注されたのはいつですか。

今井龍之助財団法人全日本郵便切手普及協会専務理事

○参考人(今井龍之助君) 発注いたしましたのは、しかと覚えがございませんが、大体十月の初めころだと記憶いたしております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そこで、十月ごろのプラチナの一般価格、地金のこれは純度純粋な純金の一般販売価格を通産省で教えてもらいました。そうしますと、十月はグラム千八百円、十一月は千七百五十円、十二月は千六百五十円と、こう値下がりを見せております。そして、もしこれを七十二グラムで換算をしますと、十二万九千六百円なんです。この十月の高値のところで十二万九千六百円。それが、製造元の原価として十六万五千四百円とはじきだされてきているわけです。私、疑うわけじゃありませんけれども、メーカーの場合は、大体、製造原価の中に管理費とか、もうけとかいうものも入っているわけですね。それがもし、ここで示されているように、仕入れ価格が二十四万円、こらなりますと、この普及協会が一般にこういう記念事業として渡していこうという立場であれば、原価計算というのは当然なさると。そうでなければ、私はやっぱり、一つの事業をなさっていくのに、親方日の丸で、おまえのところつくってこい、幾らでもいい、言い値で買おうと、こういうふうな発注のしかたはどこもしないわけです。ましてそれは、公益法人であれば、またあなたのように官僚育ちであれば、いつの場合も原価計算というものは脳裏から離れないわけですね。非常に悪い見方ですけれども、私は、この製造原価十六万五千四百円、この中にまあ製造元の利潤も入っていますけれども、しかし、帳簿上普及協会が二十四万円でこれを受け取ったとすれば、巷間間々あることは、リベートの問題が出てまいります。私、あるとは言いません。やっているとは言いませんけれども、こういうケースの場合にリベートというのが考えられるわけです。競争入札でもない、競争見積もりでもない。特定の人と契約をする。帳簿づらだけが合えばいい。こういう官庁のそういう経理のシステムから見ますと、間々、ここにリベートという問題がかみ込んでくる。私はないと信じております。あればたいへんな問題です。それらのことも踏まえて、先ほども申し上げたように、普及協会のいわゆる純粋な郵便切手の普及事業というものに、本来の方向を転換していただきたいと思います。これはもう答弁も要りません、そのとおりとうなずいていらっしゃいますから。これはまあ言いたいところもあるでしょう。銅の場合は原価を切って売っておりますと。それは金額にして微々たるものですから、あえて取り上げません。金、プラチナの場合に、どうも普通の値段よりも高すぎる。これは政務次官もよく実情を御調査されてお願いをしたいと思います。この問題はその程度にしておきます。  それから、次に、これはちょっと非常に技術的な質問になりまして、私も技術関係に詳しくはありませんので、よほど説明をうまくやっていただきませんとわかりにくくなりますが、いわゆる人件費の、何と言いますか、節約と言いますか、事務の能率化をはかるということで、郵政省では刷色検知方式による取りそろえ押印装置の研究開発をなさったと、こう聞いております。要するに、郵便切手がいろいろな張り方をしてくる、それを消し印をしなきゃならぬ、そのときに人力を省いて機械でもって消し印をしていく、こういう機械を研究開発していこうというお立場で、四十一年ごろから研究を委託されてきたと、こういう話を聞いておりますが、その経緯について御説明いただきたい。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 切手に消印しなきゃならないんですが、そのやり方にはいろいろございます。人手でやる場合につきましては問題こざいませんが、最近のように機械で消印をするということになりますと、いろいろむずかしい問題がございまして、世界各国がこの問題に取っ組んでいるわけでございます。外国では燐光を塗りまして、燐光を機械が読み取るという方式をとっておるところもございます。四十一年に東芝に研究をしてもらいましたのは色でもって見分けるという、つまり切手の一部に色を塗りまして、それを機械が読むというきわめて特殊な方式でございまして、それに取っ組んでもらったわけです。かなりの時間もかかったようでございますが、東芝におきましてはたしか大宮の実験所であったと思いますが、そこでいろいろと実験をしたわけですが、そのためには素材が要るわけでございまして、つまり切手に相当するものをこさえまして、それに目的の色を塗ってみる、塗ったものを機械に読ませるということを繰り返し繰り返し実験をしたわけでございます。その際に使われましたものは、私も実はそれを最近見たわけでございますけれども、なんですか、東芝切手とかいうようなことばで言われておるそうでございますが、目的はいま申し上げました趣旨のもとに実験用として使われたものでありまして、郵便局の窓口あるいは売りさばき所等において発売されたものでは全然ございません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 私が質問しないところまで、非常に気にしていらっしゃる証拠だと思いますが、質問しないところまで御答弁をいただいて、こっちの質問の順序が非常に狂ってくるわけです。どうかひとつ質問した範囲内で御答弁いただきたい。  いまの御説明ですけれども、東芝にはなるほど色によっていま消印をしていく、そういうものの研究開発を委託したのが四十一年七月十五日、その委託金額は四百万円、そうして研究委託の期限が四十一年九月十日、約二ヵ月足らずの期限でもって開発をしてもらいたい、こういうことのようです。このとおりですね、よろしゅうございますね。  それから、その前に日本電気——NECに対しても今度は考え方の違ういわゆる発光によって、光をつかまえて、そうして消印をしていこうということで、やはり日本電気にも開発を依頼した、依頼したといいますか、私、契約書を取っておりませんから、委託研究の研究費を出されたのかどうか確認をしておりませんが、そういう作業があってNECもやった。しかし、NECのほうが機械が割り高になる、あるいはやってみた効果が不ぞろいになるということで、東芝のほうに重点がかかってきた、こういう経緯のように聞いております。そこで、この契約書によりますと——東芝の問題ですよ。契約書によりますと、第十一条、「甲および乙は研究内容および成果について相手方の承諾なくして第三者に漏洩し、または公表することがないようつとめるものとする。」、こういうお互いの契約があります。これは当然のことだと思います。新しい機械を開発していく工業所有権の問題特許権の問題にも関連していく、それが開発の途中で競争相手の業者に漏洩されては困る。ですから、会社側もこの作業をやっていく研究開発ですから、作業をやっていくことについては、ごく内密に機密が漏洩しないように努力するでしょうし、また当然郵政省当局のほうも、その会社側の立場を理解して漏洩しないようにつとめる、相互信頼のようなここに契約の条項がございます。これはもう新しいものを開発していく会社とすれば、当然歯どめとして盛っておかなければならないことだと思うわけですね。そこで、いまはしなくも質問なく答弁いただいた問題に触れるわけでございますが、東芝において一九六六年に二色刷りのエンゼルフィッシュ三組、緑と青と赤ですが、この三種類のいわば試験研究用の切手をつくりました。いまここに現物がございます。それから同じく一九六七年に今度は同じようにエンゼルフィッシュのデザインで青と赤の二種類を印刷しております。これは東芝が研究開発をするために必要なもので、いろいろに色を考案しながら、また現在流通しているおもな切手の色というものを頭に置いて、試験研究のためにこういうレッテルをつくった、これは当然のことだと思います。それがこのエンゼルフィッシュのこの切手が幾らしていると思います。切手じゃないです。ラベルなんですが。お聞き及びだろうと思います。どうですか次長さん、幾らだと思います。

高仲優郵政省郵務局次長

○説明員(高仲優君) 私も、その切手の存在そのものについて最近知った次第でございまして、正確な値段は存じません。相当高額で取引しているやに聞いておりますが、具体的な金額は知りません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 局長さんは。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 私も金額を存じません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 十万円です。一枚。そうして非常に残念ですけれども、某郵便局の上層幹部、それから郵務局の郵便機械化企画室の職員の方、それから郵務局管理課の方がお持ちのようでございます。私は冒頭に言いましたように、機械を新規開発をしていく会社側は、それこそ神経質に、機密漏洩はしたくないものですから、持ち出し厳禁、身体検査までして——こういうものは、色印刷したんだからどんなものでもいいじゃないかというわけにいかないのです。なぜこういう色を選んでいるかということで機械を開発していく方向づけがされるわけです。これさえも会社側ではもう出さないわけです。厳密にこれは取り扱いをやったと私は想像するのです。それがごく少数かどうかしりませんけれども市場に出回って十万円している。  それからまた、ここにございますが、これはNECの開発した発光模擬切手、あるいは発光郵便切手というのですか、そういうものだそうですが。このはがきはゼロ円です。それでこれはやはり郵便はがきに使っております夢殿というのですか、夢殿はがき、その図案で金額のところはゼロ円です。で「日本郵便」の文字は日本郵政と書いてあります。お目にかけますけれども。しかも川崎の消印をつくって、これはまあ試作したのでしょう、ごらん下さい。  ここにありますこれは、発光切手というのだそうです。光を放って、そして検別をする、これも消印が入っております。これは日本電気の関係です。そういうものが会社側から出回るということは考えられない。それも発光切手ないしはゼロ円はがきと称してマニアの間には非常に高価な値段を呼んでいるそうです。まだこちらに今度はNEC、日本電気が東芝に続いて開発していった日本電気の刷色検知用模擬はがきという現物もここにございます。これらのものが会社側は厳格な保管のもとに管理をしていくのに、まあ郵政省全体とはいいません、全部が全部郵政省から出ているとはいいませんけれども、そこにある消印のような、あるいははがきのような、そういうような形で出回ってくること、これも私は切手ブーム、マニアの感情に乗って、職務上の何か空気が弛緩しているんじゃないか。私、そういうふうに思えてしょうがないわけです。いま郵便料金の値上げという問題これは世間で非常に関心を呼んでおります。今国会の大きな焦点の一つにあげられております。そういう矢先に前々回からずっと一貫して私が申し上げてきたように、外郭団体における目に余るような不当な値段、またそれに便宜を与えるような郵政当局の姿勢、さらにはまた切手商組合に対して大口の割り当てをする、そのために一般の人があおられて高い値段で切手を買わなければならない。またいま申し上げたように、絶対に出るはずのないものがこういう形でごく少数でも出て、それがマニアの関心を呼んでいる。ずっとこう一連の正常な切手ブームというのじゃなくて、それをあおっているような、それに便乗しているような姿勢というものが感じられてならぬわけです。まあその一つ一つについて、きょうは非常に明確な答弁をいただきました。切手の配布のしかたの問題にしても、あるいはまた定価販売の問題にしても、あるいは外国の郵便切手の実態の掌握、規制の問題にしても、きょうは非常に前向きの御答弁をいただきましたけれども、それだけでこの問題は解決しないと私は思うわけです。そこでこういう事実を踏まえた上で、郵政次官、あなたの在任中に精力的にこの問題と取っ組んでいただきたいし、またそれができる人だと私は確信をしております。前回おいでいただきまして、若干お気にいらぬことを言ったかもしれませんが、それはそれで終わりましたので、そういうことを踏まえて次官の郵政事業、特に切手、はがきという問題、あるいはまたそれにかかわる郵務局内部の問題というものにどういう改革を意図されるか、お伺いしたい。

小渕恵三自由民主党郵政政務次官

○政府委員(小渕恵三君) 先生の御指摘されましたこと、事実と考えますればまことに遺憾しごくのことだと存じております。  最後に御指摘のありました刷色検知方式取りそろえ押印機に使用します切手の問題につきまして、かりにも部内からそういうことが生じてきたといたしますれば、これまた綱紀を粛正すべき問題の重要点ではなかろうかというふうに考えております。この契約にもございますように、こうした秘密を伴う研究開発につきましては、甲乙双方の責任においてその漏洩について責任を持つべきものでございますので、さらにこうした問題について検討し、さようなことの起こらないように考えてまいりたいと思います。  なお、切手の問題につきましては、私も就任いたしまして以来一年有余カ月になるのでありますが、ごく最近におきましてようやくフィラテリストなることばも初めて知ったような次第でございまして、この切手の問題につきまして先生の御指摘のような諸問題が実は提起されておられる実情について、はなはだ認識不足であった点については反省をいたしておるわけでございます。やはり昨今の切手ブームを見ておりますと、本来的に、切手が趣味に基づくところの収集でなくして、若干投機を目的としたような感なきにしもあらずでありまして、こうしたことは本来的な切手の真の理解に結びつかないということを私自身も考えております。過去三回にわたりまして当決算委員会におきまして指摘をされましたことにつきましては十二分に検討し、今後こうしたことの起こり得ないように私自身も責任をもって対処いたしてまいりたいと存じます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 先ほどのあれ、届きましたですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) はい。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ちょっと読んでください。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) この昭和四十四年十月二十日付郵務局長から地方の郵政局長あての公文書でございます。「特殊切手の特別売りさばきについて」ということで、前文がございまして、あとへ「記」といたしまして内容をこまかに書いてございますが、それは非常に長いのでその中身を要約して申し上げますと、発売日以降一カ月間は額面をこえる価格で譲渡または販売を行なわないということを一つ書いてございます。それから、発行日から十日を経過するまでは店頭販売を行なわない。それから、念書を出させるということでございまして、その念書の内容は、つまり、いま申し上げました新切手の発行後十日間は販売いたしません、それから一カ月間は額面に手数料……額面で価格販売いたします。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ちょっと待ってください。そこのところを、ややこしい言い方をした。そのとおり読んでください。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 一カ月間は、額面に手数料、五十円以上は二十円以内、五十円未満は十円以内を加えた価格で販売いたします。こういう念書を出させるという措置を講じてございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 また問題があるじゃありませんか。先ほどのあなたの答弁と全然その公式文書が違うじゃありませんか、中身が。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) この売価は定価で売るのでございますが、デパート等の店頭を利用した場合のこともございますので、そのときには適正利潤といいますか、それを加えた価格——その手数料は、いま申し上げましたように、五十円以上につきましては二十円以内、五十円未満については十円以内の手数料を加えた価格で発売して差しつかえない、このようにいたしますと、こういう念書でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 政務次官、定価販売、定価販売ということを強調させながら、いわゆるその念書を取ったその正式の文書の中に、プレミアムを認めるような取りかわしになっているじゃありませんか。これはどうでしょうか。御検討なら御検討でもけっこうです。

小渕恵三自由民主党郵政政務次官

○政府委員(小渕恵三君) 私も、先生に御指摘いただきまして初めて承知する文書でござい律して、ごく素朴に考えまして、この法律どおりに考えまして、こうしたプレミアムつきで販売することを前もって承知したようなかっこうになっておることは好ましいことではないと存じますので、今後検討させていただきたいと存じます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ですからけっきょく、ここで馬脚があらわれたわけです。現在の切手ブーム、またほんとうにマニアの方が迷惑している根源は再三私が指摘をしたように、郵政当局の姿勢にあったと、こういう結論になるわけですよ。したがって、そういうものも含めて悪循環を起こさないように、混乱を起こさないように御検討いただきたい。  私は、これはちょっと定価販売とは違いますけれども、戦前には省令がありまして、それで偽造なんかの場合でも非常に明確な規定がありましたね。ですからぼくは、これはこのまま復活するというわけじゃありませんけれども、郵政省の信義にかけてこの問題とはまつ正面に取り組んでいただきたい、どうでしょう局長、もうこれ以上あんまりやると私もくどくなりますから、大体もう焦点が出ましたので終わりにしたいと思いますが……。

竹下一記郵政省郵務局長

○政府委員(竹下一記君) 御指摘のように、模造切手の取り締まりにつきましては省令がございました。それが終戦直後廃止になっておりますが、要するに切手が郵便事業のために使われるということのほかに、趣味の世界でいろいろと取引の対象になっておるというのが実態でございます。私どもは切手を発行する立場からいたしまして、この切手趣味というものが健全な形で健康的に伸びていくということを期待いたしますがゆえに、もしそれをゆがめるようなことであるならば、ゆがんだ形で切手趣味というものが進んでいくということは決して好ましいことでもございません。もし、そのゆがみの原因が偽造であるとか、模造であるとか、そういうものに出てくるという実態が明らかになりましたならば、その時点において一いまお聞きしておりますると、そういう事例も間々見受けられるようでございますので、その点につきましては十分実態を調査もいたしまして、新しい程度からこの問題を見直してみたらどうかと考えます。

森元治郎日本社会党

○委員長(森元治郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕   〔委員長退席、理事渡辺一太郎君着席〕

渡辺一太郎自由民主党

○理事(渡辺一太郎君) 速記を起こして。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、昨年九月と十月の二回にわたりまして全税関労働組合員に対する税関当局のびっくりするようなひどい差別的な定期昇給延伸の問題を質問してまいりました。その際、特に十月八日の当委員会の私の質問に対しまして藤田政務次官は「渡辺委員言われたような、これまた批判があるとすれば、われわれとしてもその批判をまた聞くべきであろうかと思います。そのような批判を心いたしまして、今後ともそのようなことがないようにつとめるつもりでございます。」という答弁をなさっておられます。で、谷川関税局長も「外部から不信をこうむらないように、従来以上に適正にやります」という御答弁をなさいました。その後、私が関税当局のとられた措置について一応の調査をしてみましたけれども、まだもちろん十分なものになったというふうにはとうてい言えませんけれども、しかし関税局長さんが、政務次官の言明された方向で先任者の誤りを正すために努力をされてこられておるということは、率直に認めることができるというふうに思います。しかし、全税関労働組合員に対する不当な差別的な処置は、定期昇給延伸の問題だけにとどまりませず、これは特別昇給もそうですし、それから昇任、昇格の問題もそうですし、あるいはまた研修問題についての差別もそうですし、いろんな側面にわたっているわけであります。私は、きょうはこのいろんな問題の中でも特に昇任昇格についての差別の問題、これを取り上げて質問したいと思います。  で、最初に税関局長さんにお尋ねいたしますけれども、税関当局が全税関労働組合員であるという理由で、長期にわたって組合員に集中的に昇任昇格の差別を続けてきているという事実、また税関の女子職員に対して同じように昇任昇格の差別を続けてきたという事実があることをお認めになっていらっしゃるかどうか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○政府委員(谷川寛三君) いままでお答えをしてまいりましたように、私どもは国家公務員法なり、それからまた給与関係につきましては給与関係の法律、それから人事院規則、まあそういった関係の法令の定めるところに従いまして適正な人事管理をやってまいっておるというふうに確信をいたしております。その方がどの組合に属しておるから、それから女子であるからということで差別をするようなことはいたしておりません。それから、この際、女子の方について申し上げておきますが、私は女子の方につきましてはいま申しましたように、とにかく経験とか資格、それから能力とか勤務の実績とか、いろいろなことを勘案いたしまして、適材適所、その向き向きに従いまして喜んで働いていただけるようにしておるつもりでございますが、まあ先生も御案内だと思いますけれども、私どもの税関の職場というのはなかなかむずかしいところでございます。まあ女子の方にたとえば麻薬の臨検捜索、それから密輸の臨検捜索に先頭に立っておいでいただくというわけには、これはちょっとまいりませんと思います。それから夜間船舶に乗り込んでまいりまして機関室にも入りまして船内捜索をするということも女子の方にお願いするわけにもまいらぬ。それから実証をお願いするとか、夜間の警戒に任じていただくということもなかなかむずかしゅうございます。そういったように非常に税関の職場はむずかしいところを中心にして成り立っておりますので、私ども苦慮しておる次第でございます。ただ、いろいろ分析の関係でございますね。こういうところには女子の方——薬学とか自然科学関係の高等教育を受けた方——がおられます。そういうところではすでにもう課長さんも誕生しております。それからまあ統計とか庶務とか給与とか経理、そういったところは女子の方にも向くと思います。それからまた男まさりという方もおられますから、そういう方につきましてはどしどし係長さんとかそういった役付にもし向けてまいっておりまして、すでに二十名足らずではございますが、役付の女子の方も誕生いたしております。まあそういうことで、決して差別をするというようなことはいたしておりません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 決して差別はしておらない——まことにけっこうなご答弁をいただきましたけれどもね、私はいま局長さん言われたその事実とは全く反対に、ひどい差別が長期にわたって継続的に行なわれているという事実があることを聞いております。これを明らかにするために、私この質問に先立って委員部を通じて資料要求をいたしました。そのことはお聞きになっていらっしゃると思いますけれども、この資料はどうなっておりましょうか。

藤田正明自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(藤田正明君) 御要求の資料につきましては現在取りまとめ中でございます。近い時期に御提出できるものと思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それでは今月末くらいにはいただけますか。

藤田正明自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(藤田正明君) そのように努力いたします。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いまの御答弁でも明らかだと思うのですけれども、私がお願いした資料は、これは時間もないので簡単に申しますけれども、たとえば昭和二十四年、二十五年、二十六年の高校卒または国家公務員初級試験合格資格者、こういう人たちについて。その他ありますけれども、こういう人たちについて大蔵省本省及び各税関の在籍職員の中で、現在どのような等級と号俸に格づけされているのか、採用年度別男女別の人員をお願いしたわけです。これをいただけば下のほうでなかなか五等級まで上がることができない、もう何十年もつとめているにもかかわらず依然として六等級、平職員でとどまっている人たちがほとんど全税関労働組合員、あるいはいま女子については特別のご答弁がありましたけれども、女子職員が非常に多いということが一目りょう然と私はわかると思う。それでお願いしたんですけれども、しかしまだいま調査中、取りまとめ中ということなんですね。そうしますと、つまり資料要求があってから初めて調査されて、そしていま取りまとめ中ということではないかと考えられるわけですね。私が請求する前に、すでに全税関労働組合からはこの税関当局に対しては調査してほしいというたびたびの要求があっていると思います。それにもかかわらず、いま私が要求したような簡単な資料についても、この質問に間にあわないというような状態なんですね。いま関税局長からは差別はないというふうに言われましたけれども、一体こういうような実情をよく調査されて、そうしてその調査に基ついての御答弁なのか、これを伺いたいと思います。

谷川寛三大蔵省関税局長

○政府委員(谷川寛三君) 全体として把握をいたしまして申し上げておる次第でございます。ただし、私いつも申しておりますように、どなたが、どの人がどの組合に属しておるかということは承知いたしませんので、そこらはひとつ御了承いただきたいと思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それは関税局長さん、なんです上、答弁としても筋の通らぬ答弁ですよ。だれが労働組合員かなんということはもうあなた知れ渡っていることです。特に最近は全税関の組合でこういう新聞を出して顔写真まで入れて、私はこういう差別をされている、私は組合員ですということをはっきり述べている。一人一人全部経歴から何から出ています。これを見ただけだってだれが労働組合員かなんということははっきりするんです。大体当局がだれが労働組合員か知らないなんというばかな話がありますか。そんな答弁は答弁になりませんよ。で、そういう事態で、まあ隠しておられるならやむを得ません。私はきょう、政府側の資料について質問したいと思ったわけですけれども、そういう事態ではしょうがないですね。  なお、念のために人事院総裁お忙しい中をわざわざお見えいただいておりますので、人事院のほうではこの全税関労働組合員に対する関税当局の不当な昇任昇格の差別、この実態について御調査なさっておられるんじゃないかというふうに思いますけれども、どうでしょうか。もうこの点については全税関労働組合の本部も支部も、何回となく人事院に実情も訴え、調査もお願いするということをやってきました。ですから、その点について差別の疑いがあるということもすでに考えていらっしゃると思います。御調査なさっていらっしゃるかどうか、それを伺いたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) お示しの問題は給与局系統というよりも、むしろ公平局系統で、私どものほうとしては調査につとめてきておるつもりでございます。しかし詳しいことをこの場で申し上げていいでしょうか。どうでしょうか。その調査のやり方について、われわれとしてはいろいろまたふんまんやる方なきことがあるんですけれどもね。いまはいいですよ。いまは非常に相互理解でいいですけれども、一時われわれが調査したくてもそれが円滑にいかないという事情があったことだけはひとつお含みおき願いたい。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、重ねて伺います。失礼ですが。いま調査されていらっしゃるわけですね。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 調査ができなかった部面がありました。しかし現在のところ調査し得る状況に入っている。これは私はたいへんけっこうなことだと思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それでは、大蔵省からも人事院からも、きょうは資料をいただいて、それに基づいて質問するということができませんので、私が全税関労働組合当局を通じて調査した中間報告をもとにして議論をせざるを得ないと思います。その資料は、もうすでに大蔵省のほうにも人事院のほうにも差し上げてございますので、それをごらんいただきながら私の質問をお聞きいただきたいというふうに思います。なお、お手元にあげたもので若干数字が訂正されたものがありますので、それはあらためていま申し上げておきます。  私が調査したところによりますと——東京税関の例で申します——これは昭和四十六年一月現在の数字でありますけれども、公務員五級職試験、現在の中級職試験、これに合格し、もしくは旧高専卒業の資格で、昭和二十五年に採用された者、この人たちが東京税関には現在十三名おります。その十三名の中で行(一)四等級、つまりすでに課長補佐または課長相当の役職におられる方が六名、それから行(一)五等級、つまり係長もしくは係長相当、これが六名、それから行(一)六等級、つまり役職についていない一般職員が一名おります。この一般職員六等級の一名が全税関労働組合員、五等級以上には全税関労働組合員はただの一人もいないという実情です。  同じく公務員五級職試験合格者、これは旧高専卒業の資格を含んでおりますけれども、昭和二十六年に採用された者の中で、現在三十五名残っておりますけれども、そのうち行(一)三等級、うまり課長相当が一名、行一四等級、これが十四名、行(一)五等級が十五名、行(一)六等級が五名です。この六等級のまま据え置かれている五名全員が全税関の労働組合員、五等級以上に全税関労働組合員は一人もいないというのが実情です。なお、現在東京税関では全税関の組合員と女性を除いて昭和二十八年の高卒入関の者、これが全員役付職員となっており、約七割の者がすでに行(一)五等級に昇格している。つまり、あとから入関した人が先に入関した人を飛び越えて、そうして五等級に昇任しておる。これは官庁ではあまりざらにはない現象ですよ。これが、全税関労働組合員五名が依然として六等級にとどまっているという実情があるがゆえに、組合員以外の者はそれを飛び越えて五等級に昇進しておるという状況です。  それから昭和二十四年高卒で採用された者、現在十名いるうち行(一)五等級が九名、行(一)六等級が一名ですけれども、この六等級一名が全税関の組合員。五等級の中にはもとより全税関の労働組合員は一人もいないということです。  それから昭和二十五年高卒で採用された者、現在十五名中行(一)五等級十一名、行(一)六等級四名です。ところが六等級のままに据え置かれておる四名のうち三名が全税関労働組合員であり、一名が女性だ、こういうことです。もとより五等級以上には一人もいない、こづいう状況です。  時間がなくて残念ですけれども、とにかく実情をよくつかんでいただくために、もう少し私詳しく報告してみたいと思います。  昭和二十六年に高卒で採用された者、現在三十五名いるうち行(一)五等級が二十九名、行(一)六等級が六名。この六名のうち二名がまた全税関労働組合員、四名が女性、五等級の中にはもちろん全税関労働組合員はいない、こういう実情です。  それから横浜税関の例をもう一つ申し上げてみますと、昭和二十三年の入関者の中で、現在七名いますけれども、行(一)五等級が五名、行(一)六等級が二名、これは合計七名ですね。六等級のまま据え置かれておる二名は全税関の労働組合員。こういうことで、五等級以上にはもとよりいません。  昭和二十五年に税務講習所を卒業して入関した者、現在三名いるうち行(一)五等級が二名で、行(一)六等級が一名ですけれども、この一名というのが全税関労働組合員、五等級以上には一人もいない、こういうことです。  昭和二十五年の高卒入関者の例をとりますと、現在二十四名中行(一)五等級十八名、行(一)六等級六名、この六等級にいる六名のうち三名が全税関労働組合員、あと三名は女性という状況で、五等級以上には一人もいない、こういうことです。  なお、この横浜税関はもとより、神戸税関、それから大阪税関、それから函館税関、長崎税関、門司の税関、名古屋の税関、みんな同じような状態があらわれておる。特に門司の税関については特殊な場合でありますので一言だけ申し上げておきます。  全税関門司支部の組合員である長田という人は、旧高専卒業生で昭和二十三年門司税関に採用された。そのときの同僚十名、うち女性二名、これは女性を除いて全員が五等級係長または係長相当となっているけれども、長田氏は現在もなお六等級審査官のままに据え置かれておる、こういう状況です。長田氏は全税関が分裂する以前のすなわち昭和三十九年四月に下関外郵出張所の係長、つまり審査官となり、現在まで同じポストについている。もともと長田氏が任命されているポストは標準職務表及び等級別定数の指令から見ても、行(一)五等級に評価されているのが普通です。その証拠に長田さん以外の人が長田さんが現在のポストについたときには五等級に格付けされていたという状況です。  このほかにもまだ図表に示してお手元に差し上げてあります。これを見ていただけば一目瞭然このひどい状態がわかっていただけると思いますけれども、この実例をお聞きいただけば、関税局の中で全税関労働組合員及び女子職員が長期の間継続的に五等級つまり係長または係長相当への昇任昇格から排除されており、別のことばで言えば、組合員であること及び女性であることを理由にして昇任昇格上の著しい差別が行なわれていたということがはっきりと示されていると思う。大体国家公務員はストライキ権を奪われておる。そのストライキ権も奪われて抵抗できないような状態にしておいた上に、昇任昇格を徹底的に差別をした。組合員であるからということで、そうして組合を分裂させ、組合から脱退を強要する、組合から脱退を強要するという実例も幾つかございます。全税関の労働組合員の中には、もし必要があるならば、委員会に参考人として呼んでいただきたい。そうすれば自分が生き証人になって、当局による組合脱退強要、これを申し上げますと、何人もおりますよ。そういう実情が明らかにわかっていただけると思うのです。関税局長はこの事実をお認めになるかどうか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○政府委員(谷川寛三君) 昨晩渡辺先生のほうからただいまの資料をちょうだいいたしましたので、私は実は先ほども申しましたように、組合の所属いかんについては存じませんけれども、近くの東京税関にちょうど担当官が所在しておりましたので、東京税関の分についてだけ当該数字につきましてただしてみましたところが、この数字は信憑性がないようでございます。間違っております。間違っておりますが、ただいまお話がありましたように、私どもの人事行政につきまして、いままでも申し上げておりますように、私どもは決して法令からはずれた人事管理はやっていないと思っておりますけれども、そういう誤解が生じておるようでございますから、この際また、前回も申し上げたのでございますが、より一そう勉強いたしまして、より適正な人事管理をやってまいりたいというふうに考えております。この数字はそういう意味で信輝性はないようでございますが、なおよく勉強をさしていただきたいと思っております。  なお、この中にも特定の個人のお名前が出ておりますが、私はやっぱりこういう方のお名前はいろいろ差しつかえがございますので、こういうところで申し上げることはいかがかと存じておる次第でございます。  なおまた重ねて申し上げておきたいのでございすが、いまお話が出ました等級の問題につきましては、私どもは法令の定めるところによりまして、そうして先ほどもちょっと申し上げたところでございますが、その職務の内容とか資格とかそれから能力とか経験とか、まあそういったものも勘案いたしまして、それから勤務の実績もよく見せていただきまして、任命権者が予算で定められた定数の範囲内であんばいをすることになっておりまして、必ずしもその方がその職にあることによりまして、定数上の等級に区分されなければならないということはないのでございますので、この点はひとつ御了承を賜わりたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私も先ほど申しましたように、この資料については中間報告だと申し上げました。もちろん完全なものでないことは、いま申し上げた中でも数字を若干訂正していることでもおわかりだと思う。しかしここに盛り込まれておることの基本的な動向は、これはゆるがないと思う。十分に信頼するに足ることのできる資料だと思う。違っておるとおっしゃるのはどこが違っておるのか、その点を御指摘いただきたい。

谷川寛三大蔵省関税局長

○政府委員(谷川寛三君) それはまた別途なにいたしますが、数字がいろいろ違っております。全体的に。それから、私もう少し申し上げさしていただきたいのでございますが、前回申し上げましたけれども、同じ年次に入ったから同じに進級しなければならないということだと、これは私は人事管理というものはあってなきがごとしだと思っております。国家公務員法、それから人事院規則等の公務員関係の法令の精神、規定するところを見ましても、決してそういうことは書いておりません。やっぱりよく働かれる方はそれなりに処遇しなきゃいかぬ。そのために勤務評定もございまして、公務員法では勤務評定は定時にやって、それに相応した処遇をしなきゃならぬぞということを書いておるぐらいでございまして、同じ年次に入ったから同じに進級しなきゃいかぬというのだったら、これは働く意欲が出てまいらぬだろうという気がいたします。そういう意味で私は前回も申しましたが、みんな仲間でございますから、みんなりっぱに、同じ年次に入った方は同じに進級していただきたい、そういうことを希望するものでございますけれども、それは管理者といたしましてはできない。やっぱり勤務の実績等も見まして、そうして適材適所で配置もするし、そうして評価もしていかなければ、国民から負託されました重要な任務を完遂する意欲が全然出てまいらぬじゃないかというふうに考えておる次第でございます。これからも無用の誤解を招かないように一生懸命より一そうの努力をいたしますが、その点だけはひとつこれは御了承いただきませんと、人事管理というものがそれはもうやる意味がなくなってくるという感じがいたします。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 関税局長のその立場は、いずれまた一あとで少し問題にしようと思うんです。しかし、はっきり申し上げますけれども、この前もちょっと私申し上げたと思うんですけれども、世論調査をしたところが、税関で働いている職員の人たち、これは職場が暗い、差別が行なわれていると回答した率が一番大きいんですよ。非常に暗い職場。その暗い職場の理由はどこにあるかということは、組合員であるということを理由にして、もう何にも勤務上では何のきずのつけようもない人が、これが長期間にわたって当然つくべき役職にもつけないというような実情に置かれておるというところにその職場の暗さの一番大きな根源がある。組合員が差別されているということは、組合員以外の人だって職制の強い圧迫のもとに非常にびくびくしなければならぬような事態が当然あらわれてくるのは、これは言うまでもないというふうに見なければならぬと思う。しかしその問題についてはさらにあらためて取り上げたいと思います。  人事院総裁にお尋ねしたいと思いますけれども、先ほどこういう実情について御調査いただけるという趣旨の御答弁がありましたけれども、いま私が申し上げたところでおわかりいただいたと思いますけれども、一体労働組合員であるということが理由になって、この昇任昇格の差別が行なわれているというふうにしか判断できないような事態がいまこの税関の職場にあらわれているわけですね、労働組合員と女子職員。この人たちが六等級に長期間据え置かれて五等級以上の役付には永遠になれないような状態に置かれておる。一体こういう組合員であること、女性であることを理由に昇任昇格上の差別を許す法律や規定があるんでしょうか、まずこれを伺いたい。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 公務員法の第百八条の七「職員は、職員団体の構成員であること、これを結成しようとしたこと、若しくはこれに加入しようとしたこと、又はその職員団体における正当な行為をしたことのために不利益な取扱いを受けない。」、それのみの理由によって不利益な取り扱いをすることは公務員法違反ということになります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 女子についてはどうですか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 女子については、これは憲法の第十四条にあるでしょう。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いま総裁が御答弁されたとおりだと思う。組合員であるとか、女子であるとかいうような理由によっての不当な差別ということは、これは絶対にやるべきことじゃない。それが谷川さん、あなたの趣場でやられているんですよ。これは重大問題だと言わなければならぬ。  重ねて人事院総裁に伺いますけれども、時間を節約する上で私のほうから先回りをして伺うようなことになりますけれども、現在国家公務員の昇任の方法は、試験制度ではなくして選考の方法がとられておりますけれども、この場合でも、人事院規則八−一二の第二条の任免の根本規定にうたわれている公務員法二十七条、つまり「平等取扱の原則」、それから国家公務員法三十三条に定める「任免の根本基準」、それから国家公務員法第五十五条第三項及び国家公務員法第百八条の七の規定、これに反して選考してはならないというふうに思いますけれども、それ以外の規定が何かございますでしょうか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) ただいまお示しの法律なり規則の条文以外には取りたててございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、いま言われた昇任の根本原則が、もし正しく守られていれば、これは常識的に考えても、いま私が報告したような全税関労働組合員及び女性だというだけで五等級以上に昇任することができないというような実情は私は起こらなかったと思う。特に先ほど申しましたように、あとから入関した人が先に入関した人を飛び越えて昇任昇格するというような、官庁ではちょっとざらにはない異常な事態が起こるというようなことはなかったと思う。どうでしょうか、その点は。

谷川寛三大蔵省関税局長

○政府委員(谷川寛三君) 私も先ほど人事院総裁がおっしゃいました公平の原則は、これは法律できめられておることでありまして、私ども人事管理をする者にはこれは憲法でございます。が、幾度もお答えをいたしますけれども、私どもはその憲法の上に立って、いろんな法令の定めるところに従ってやっておるわけでございまして、決して差別的な扱いをする、特定の団体に属しているから、それから女性の方であるからといって差別的な扱いをするということは毛頭しておりません。  それから先ほど先生税関が暗いとおっしゃいましたのですが、私おりに触れまして税関や支所へ参るのでございますけれども、私はほかの役所の職場に比べまして決して暗いとは思っておりません。暗いと感じるのは主観によることもございましょうが、私どもが見まして全体として非常に気持ちよく職務に精励をしていただいておるというふうに観念をしております。だからさらに最近もみんなで申し合わせをいたしまして、たとえば職場の行政の改善にいたしましても、末端の一人一人から、大事な国際化時代に入りました税関でございますから、重大な使命達成のためにも、みんなでアイデアを出し合ってそして明るい気持ちのいい職場を築こうじゃないかというムードをつくろうとつとめておるわけでございまして、決して暗い職場だというふうには私ども見ておりません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 当局のほうが暗くないと言っている職場で組合員に聞くといや暗いんだというのが大体普通のような感じですね。これは立場が違って当局が喜ぶような職場、ここには組合員の権利や自由が抑圧されているというのが往々にしてあることですよ。その点も考えながら職場の実情は見てほしいと思う。  ところで昨年十月に私が質問したときに、谷川さんは私に、昇格になるとこれは幹部だから単に技術的なテクニックでりっぱな成績をあげているというだけで登用するわけにはいきませんという趣旨のことを答弁されております。また、ただいまも同じ時期に入関したからといってそれが自動的に昇任昇格をしていくというわけじゃないというような趣旨のことも言っておられます。その意味は一体どういうことでしょうか。全税関労働組合員及び女子職員は、たとえ能力があろうとも、また就職が早かろうと、これは幹部に登用することができないんだという趣旨のことでしょうか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○政府委員(谷川寛三君) そういうことを言ったわけではございません。とにかく御案内のとおり昇給にいたしましても時期が来たから上がるという権利ではないと私ども思っております。勤務成績によりまして、給与法、人事院の規則をお読みいただきましておわかりいただけますように、勤務成績等のいろんな勤務の実績を判断いたしまして、そして一定の時期が基準でございまして、その範囲で、予算の範囲で昇給をする、あるいは昇格等にいたしましてもそういう法令の範囲でやるということでございまして、私は一定の時期が来たらとんとんと上がっていくというものではないと思っております。先ほどお答えいたしましたとおりに、それでは士気の高揚にはならぬと思っております。ただ、いまおっしゃいましたように、特定の組合員であるから上げないということではございません。適材適所、能力と資格と経験と勤務の実績、そういったものを判断いたしまして適材適所で幹部登用をするわけでございます。ですから、ただ単にあるいは技術的な面で税関長から表彰を受けたから幹部にするというわけにはまいりません。それとこれとは別でございまして、りっぱな技術を持っておられる方でございましても、さてその方を大ぜいの部下を統括する幹部に任用できるかと申しますと、そこは別の判断、いま申し上げましたようないろんな判断を交えましてやるわけでございまして、法律できめられましたさっき申しました人事管理の憲法であるところの公平の原則は、これはもちろん私どもの大きな原則でございます。ですからそれをはずれるわけではございません。いま申しましたようにそれをはずれるわけじゃございませんが、幹部に登用するとなると別の判断でやらなければ組織は動かないと、かようになっております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いろいろご答弁なされますけれども、私は事実は事実だと思う。もしあなたのおっしゃるように憲法や国家公務員法その他の法令に基づいてちゃんと原則どおりにやっていれば、全税関労働組合員だけが六等級にとどまっていていつまでたっても五等級以上に昇進することができない、女性もまたその多くが六等級にとどめられているというような事態が起こるはずないですよ、そうでしょう。そんなばかなことが起こるはずがない。ところが現に起こっているわけです。あなたがどのようにここでりっぱな答弁をなされようと、事実は事実として動かない。何か関税局として昇任昇格についての局独自の基準があるんですか。憲法やあるいは国家公務員法、人事院規則、これとは別に、何か局独自の基準があってそれに基づいてやっているんですか、どうですか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○政府委員(谷川寛三君) 先ほども申しましたように、昇任昇格につきましては法令に、こまかくは人事院の規則にきめられておりまして、局独自ではそういう基準は持っておりません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 基準がないというのは、これはまたおかしな話ですね。昇任昇格の基準がなくして現実に昇任昇格が行なわれているとすれば、基準なくして行なわれているとすれば、その昇任昇格は当局が悪意的にやっているとしか考えられないじゃないですか。そういうことでやられて、それで労働組合員が、あるいはまた女子の大多数が、これが平職員でいつまでたってもとどめ置かれる、こういうことになっているんじゃないですか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○政府委員(谷川寛三君) たとえば級別の定数につきましては、予算で毎年定数が指示されますし、それからまた人事院の規則によりまして、こういう資格ができたらこういう上のところに上がる一応の資格がつくんだというその基準がございます。そういう範囲で、それからまた場合によっては退職をされる方もございますから、そうしますと予算の上に一つ退職された方だけ数がふえる、そういう範囲におきまして、これまた法令に定めておりますが、勤務成績をにらんでいかなきゃいけません。これはもちろん原則になっておりますから、先ほど申しましたように。だからすべて法律にきめられておりまして、あと、そういうふうに勤務の実績等を勘案いたしまして任命権者が任命すると。ですから、もうすべてこの昇任昇格につきましての基準は、法令に定められておりますその範囲で任命権者が勤務実績を見て、能力に応じて昇任昇格をきめていくということでございまして、決して懇意的になる余地はございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 決して懇意的になる余地はないと言っても、基準がなくして任命権者が勤務の実績その他に基づいてやるということになれば、あれは労働組合員だからして勤務実績悪いというふうに主観的に判断して、そして昇任昇格から落とすということは、これは当然起こり得るわけです。大体関税当局に昇任昇格の基準がないというのがおかしいですよ。  人事院に伺いますけれども、いわゆる指定官職以外の一般職員の選考について、選考基準はどういうことになっておりますか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) 御承知のように、本省の課長相当以上につきましては人事院が直接選考するということになっておりますが、それ以下と申しますか、それより下位の官職につきましては、個々の任命権者がみずから選考機関として選考するということになっております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 ちょっと正確におっしゃっていただきたいと思いますね。もう少し正確に。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) 本省課長以上の官職につきましては、ただいま申しましたとおりであります。それ以下の官職、これにつきましては、任命権者が選考機関としてその定める基準によって行なう、ということは、職員の任免に関しまする八−一二の規則の九十条に規定しておるところ下ございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 つまり審査の基準に照らして行なうわけでしょう。審査の基準がなきゃならないわけですね、どうですか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○政府委員(岡田勝二君) その件につきましては、いま申しました規則の九十条、「その定める基準」ということになっております。そのとおりでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうすると、関税局に昇任昇格の審査の基準がないというのは、人事院通達に違反ということになるんじゃないですか。大体基準がないということは、私、いま申しましたように主観的、恣意的な差別人事が行なわれる可能性が十分にあるということだけれども、同時にまた法律的に言えば、人事院規則さえ守られていないということになるんじゃないですか。審査の基準はあるのかないのか、この点ははっきり御答弁いただきたい。

谷川寛三大蔵省関税局長

○政府委員(谷川寛三君) 決して人事院の規則に違反してございません。さっき申しましたように関税局独自で、こうなったらこう上げるというあれはございません。それだったらかえって全然おかしなものになりますよ。もうすでに人事院の規則で何等級から何等級に上げる場合は、こういう資格ができた場合は上げられますよという基準がございますね。それから先ほど申しましたように予算で級別定数がずっときまってまいります。それからさっき申しましたように、退職されますとそれだけ数がふえますので、その範囲で、そしてあとは、この法令に、勤務成績を取り入れなきゃならぬ、こういう場合はこうと、ちゃんときめられております。これだけずっとこまかく基準がきめられております。あとはこの法律にきめられた勤務成績というものを勤評によってやりますので、われわれが各職場に持っております勤務評定の記録書でございますね、それを見ながら、そしてまた、それに基づいて実際の勤務状況を見ながら、個々に任命権者が判定をしてまいるということでございまして、もう基準は、これはずいぶんこまかく人事院の規則等によってきめられておると思っておる次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 もう少しその問題は追及したいと思いますけれども、時間がきましたので、あとの取りまとめに入りますけれども、局長、それはおかしいですよ。一般的な基準に基づいてあなた方がやっておられるならば、決して組合員であるからという差別が起こるなんていうことは、これは起こりようがない、そうでしょう。女子職員であるからといって六等級にいつまでとどめおかれるなんていうことは起こりようがない。ところが、先ほどあなた自身がいみじくもおっしゃったように五等級以上はこれはポストの数によって定員がきまっているわけでしょう。そうすると、そこに一定の審査が行なわれなきゃいかぬ。選考がある。その選考の基準は何かということを言っておる。それがないといえば、これは人事院規則違反でもあるし、またあなた方のところが恣意的な人事をやっているということの裏書きになるんじゃないですか。客観的にそういう基準がなければ、昇任昇格の公正は保障できないですよ。その基準なくして、あなた方がかってにもしやっているとすれば、これはたいへんなことです。今後そういう基準をつくられる意図があるかどうか、これをまず第一に伺いたい。

谷川寛三大蔵省関税局長

○政府委員(谷川寛三君) 関税局独自の基準というものはなかなかつくれません。いま申しましたように、人事院の八−一二の規定するところによりまして結局はやっておるわけでございます。そこに差別の入りようがございません。ただ、いま申しましたように、その人事院のきめます資格に合ったらみな上げられるかといいますと、それは資格でございまして、この資格になったら上げられるというわけでございまして、そこは勤務の実績によりまして、勤務評定によりまして、勤務状況によりまして任命権者が判断をするわけでございます。むしろ、このような基準をつくりますと、それに入ったら全部そこでぴしゃっといってしまって、これは働く意欲がさっき申しましたように全くなくなってまいる。私ども決して人事院の規則その他の法令に違反してやっているとは思いません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それはおかしいんです。おかしいけれども、時間がきましたので、いずれその議論はまた次の機会に譲りたいと思います。  最後に政務次官に伺いたいと思うんですけれども、この前政務次官は、これは今後そういう誤解の起こることのないようにつとめるという趣旨のことを御答弁されました。これは定期昇給の差別の問題についてであります。きょう私は昇任昇格についての差別の実態を明らかにして、そうしてその点に基づいていろいろ伺ったわけです。その質疑を聞かれておって、次官は大体の実情はおわかりになったと思うけれども、こういうことは一日も早く是正すべきだと思います。これは谷川さんの前任者のやったことで、谷川さんを追及するのは若干気の毒な点もあるけれども、しかし、いま責任者だからあえてこれは追及しているわけですけれども、しかし、悪いことは一日も早く改める、改めるのは私は早いにこしたことはないと思う。その点どんなふうにお考えになっておられるか、これをまず第一にお聞かせいただきたいと思います。  それから第二に、昇任昇格の選考基準がないというようなお話でありましたけれども、昇任昇格の選考基準がなくて、勤務評定その他に基づいて任命権者がこれをかってに昇任昇格さしていくというようなことでは、ここに恣意的な人事の行なわれる可能性が十分に伏在するし、また現にその差別的人事が行なわれておる。今後税関当局として、この人事院規則に忠実に基づいて、やはり一般的な基準に違反しないようなつまり公平の原則あるいは労働組合員であるからといって差別しないという原則、さらにはまた国家公務員法の三十三条に基づく基本原則、これらに基づいて、だれに見せても恥ずかしくないような公正妥当な基準を私はつくるべきだと思う。そしてこれは労働組合との団体交渉の対象として十分に納得のもとにやる、こういう人事行政を行なうべきだと思います。その点についても御意見を伺いたいと思います。  それから最後に人事院総裁にお伺いしたいんですけれども、国家公務員法第五十三条によりますと、採用者昇任について候補者名簿をつくる義務があるわけですね、同時にまた当事者の請求があれば、この候補者名簿の閲覧を認めております。これは人事の公正を保障するための規定だと私は理解しております。ところがせっかくの規定がありながら、現在昇任については試験制度がないために、この規定は働いていないのは御存じのとおりだと思います。しかし、精神はこれは生かすべきだというふうに私は考えます。したがって、選考による昇任にもこれを準用すべきであって、職員は自分が昇任の選考の対象に入っているかどうかについて知る権利を保障されなければならぬのじゃないだろうか、聞きにいけば選考の対象に入っている、あるいは入っていないというようなことを知る権利は十分持っているんじゃないか。こうしてその権利を保障されて初めて人事の公正の原則というものが担保されるというふうに私は思います。ところが、時間がなくて詳しく申し上げることができませんけれども、ここに羽田の税関につとめておる人たちが、自分たちがいつまでたっても六等級にとどめおかれているその理由は一体何ですか、もし私たちに悪いところがあれば十分改めるから、その理由を知らしてほしいと、再三歴代の税関長に要望を出しておる、これは書留郵便で送りましたという証拠まであるんです。ところが当局のほうはそれに対して一言半句の答弁がない、こんなばかなことがありますか。そういう事態がいま局長が明るい明るいと言われるその職場に現に起こっておる、たいへんなことですよ、これは。そういう事態で、もし問い合わせいたしましたならば、やはり回答すべきだというふうに思いますけれども、その二点について総裁の御答弁を承りたいと思います。

藤田正明自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(藤田正明君) 先ほど来、昇任昇格について、渡辺委員のほうからは不当な差別をしておる、この現状をどう見るか、あるいは改めるなら早いほうがよかろうというふうな御発言がございましたが、関税局長のほうではそのような不当な差別はしていないということでございます。私、政務次官といたしまして、そのような不当な差別があるとするならば、早く改めるべきだと思いますし、今後とも公正妥当な人事管理が行なわれるべきだと思います。そのような努力をいたすつもりでございます。  また、第二点の昇任昇格の基準が、勤務成績の基準が関税局自体ないじゃないかということでございますが、これはまあ国家公務員法並びに人事院規則にこまかく定めてあるところに基づきまして、またその勤務評定も複数の人間がやっております。おおむね公正妥当にやっておるものとわれわれは信じておるものでございますが、今後ともこれが公正妥当になるように努力をいたすつもりでおります。

谷川寛三大蔵省関税局長

○政府委員(谷川寛三君) ただいま羽田の例が出ましたが、羽田のお話は初めて伺いましたが、昇任昇格等について御不満のある諸君から、理由にきましての質問があった場合は、管理者といたしましてよくその話をして、今後改めるべきところがあれば、こういう点が悪いのだからよく注意しなさいということもしてあげなさいということは始終言っておりますが、なお徹底していない向きがあるような点もいまのお話ではございますから、今後とも徹底をいたしまして、おりに触れて指導をするようにしたいと存じます。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) あとのほうから先にお答えして、逆になりますけれども、いま谷川局長の御答弁を聞いていて非常に安心いたしました。その調子で、円満な話し合いで万事談笑のうちに解決されるように望みたいと思います。  なお、選考の場合については、これは、御承知のように任用の候補者名簿の場合については一人につき五人というやかましい規則なんかが厳格に規定されておる。ですから、閲覧の問題が出てまいりますけれども、選考のほうは、候補者のワクというものは全然出てまいりませんし、ちょっといまの話にはなじまない。しかし、まあそういうことをもうちっとちゃんとしようということになれば、公務員法の、実は、昇任の場合も競争試験をやれというのがほんとうの趣旨なんです。したがって、昇任の場合についても競争試験の制度をとるということに踏み切れば、これは万事行くんですが、それがまた実際運用上の問題としてはなかなかむずかしいという実情だけは御了承を願って、私もたいへんつっけんどんなお答えをいたしましたけれども、きげんよくお答えを申し上げます。よろしくお願い申し上げます。

渡辺一太郎自由民主党

○理事(渡辺一太郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十三分散会      —————・—————

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