決算委員会 第6号
- 発言数
- 273 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/03/03
会議録
○委員長(森元治郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る三月一日、佐田一郎君が辞任され、その補欠として平島敏夫君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(森元治郎君) 昭和四十三年度決算外二件を議題といたします。 本日は、午前会計検査院、午後行政管理庁の決算につきまして審議を行ないます。 まず、会計検査院の決算につきまして概要説明を聴取いたします。山崎会計検査院長。
○会計検査院長(山崎高君) 昭和四十三年度会計検査院所管一般会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。 会計検査院主管の歳入につきましては、予算額二百九十二万余円に対しまして、収納済み歳入額は三百三万余円であり、差し引き十万余円の増加となっております。 次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額十六億七千二百四十九万余円に、予備費使用額五千三百六十八万余円を加え、これから予算補正修正減少額二十三万余円を差し引いた予算現額十七億二千五百九十四万余円に対しまして、支出済み歳出額は、十七億千六百四十一万余円であり、その差額九百五十三万余円は不用額で、そのおもなものは、人件費であります。 支出済み歳出額のうちおもなものは、人件費十四億四千三百九十五万余円、検査旅費一億千四百六十八万余円、庁舎等施設費千三百六十八万余円となっております。 以上、はなはだ簡単でございますが、会計検査院所管の昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算について御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○委員長(森元治郎君) 次に、決算検査の概要説明を聴取いたします。
○説明員(中村祐三君) 昭和四十三年度会計検査院の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○委員長(森元治郎君) それではこれより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○小林武君 四十二年度決算で、文部省予算で購入した絵画等の美術品についての会計検査について説明を求めます。
○会計検査院長(山崎高君) さっそく私も御答弁しなければいけないところでございますが、だいぶこまかい検査の実務に関することでございますので、担当の局長から御答弁したほうがいいと思います。いま連絡しておりまして後ほど答弁いたしますので、御了承願いたいと思います。
○委員長(森元治郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(森元治郎君) 速記を起こしてください。
○説明員(鎌田英夫君) お答え申し上げます。たいへんおそくなりまして失礼申し上げました、 この懸案の美術品、絵画でございますけれども、この購入後、巷間で、にせものではないかという風評がありましたうちに……
○小林武君 ちょっと待ってください。質問がよくわからぬと思うんですが、ぼくはいま四十三年度の決算について聞いているわけです。ぼくが前に問題を提起したのは、あとでちょっと関係上言いますけれども、これは三十九年度決算だと思います。それであなたにお尋ねするのは四十三年度決算ですからね。その中で文部省の予算で買っている美術品、それは絵画等その他ですね。これの検査をやったわけでしょう、会計検査は。
○説明員(鎌田英夫君) やっております。
○小林武君 その会計検査はどういう検査のしかたをしたかということをお尋ねしているわけです。いまそれらの中に贋作があるかどうかということを聞いているんではないわけです。四十三年度に購入したものについて、あなたのほうでは会計検査やったんでしょう。
○説明員(鎌田英夫君) はい、やりました。
○小林武君 やったならば、そのやったものについて説明してもらいたいと、こういうことです。
○説明員(鎌田英夫君) お答え申し上げます。 検査につきましては、毎年購入のものにつきましてやっておるわけでございますが、その価格につきましては、西洋美術館なら西洋美術館、そういう美術館へ参りまして、実際にその購入の価格が妥当であるかどうか、その価格につきましては美術館のほうにもいろいろ資料がございまして、あるいは購入の前例、一般的にそういう価格であるというような前例もございますので、そういうものと対比いたしまして、大体この価格は妥当であると、こういう心証を得まして検査を了しておるわけでございます。
○小林武君 価格については、そうするとそれは書面検査をしたということですか。
○説明員(鎌田英夫君) 書面検査ももちろんやっておるわけでございまして、書面検査の時点におきましても、できるだけ資料を集めまして検査をいたします。それと同時に、その後実地検査に参りましたときに、いろいろな資料を相手方にも提出を求めまして、いろいろお話を伺いながら検討すると、こういう状況でございます。
○小林武君 それ、ひとつ絵画を例にとりますと、その場合の実地検査というのはどういうしかたですか。
○説明員(鎌田英夫君) 実地検査と申しますのは、先ほどから申し上げておりますようなことでございまして、実際に美術館なら美術館へ参りまして、その絵画を、どういうものであるかというものを拝見すると同時に、その価格について種々向こうの担当者の説明を聞き、あるいは参考にした資料を徴しまして、比較検討して、大体これでいい、あるいは高過ぎるというような心証を得るわけです。
○小林武君 ちょっと、あれですかね、会計検査院で実地検査をやる場合には、そのいまのお話のとおりではちょっと私は納得できないわけです。三十九年に文教委員会でさんざん問題になりましたのは、その贋作であるということの論争であったわけですが、そうなりますというと、絵を見てきたということは、少なくともその絵が、美術館に所蔵して国民に見せるというような、そういうものに値する絵であるかどうかということによるわけですわね。それが一体あなたがおっしゃるようにその価格に値するものであるかということになるわけで、書面検査をわれわれ考えれば、書面を見て、まさしくその金の授受が行なわれて品物が来た、そこまではよろしい。しかし、その絵がどういうものであるか、彫刻ならばどういうもので、まさにそれはだれだれのしっかりした作品であるということの証拠がなければならぬはずだと思うんです。そういう点の実地検査というものはやられたのかどうか、そういうことを聞いているわけです。
○説明員(鎌田英夫君) お答え申し上げます。 購入につきまして実地検査に参りましたその段階におきまして、やはりその絵なら絵、彫刻なら彫刻、そういったものにつきまして鑑定書があるようでございます。したがいまして、その鑑定書を拝見いたしまして、これは間違いなくその作品である、こういう心証を得ておるわけでございますが、いずれにいたしましても、その段階におきまして私どもといたしましては、にせものであるというような先入観を持っておらぬわけでございまして、その点は、結果においてそういうことが起こりました場合にはまことに遺憾な事態が起こる、こういうわけでございますが、検査の段階では、とにかくにせものであるというようなことは、鑑定書がある以上、その鑑定書まで疑うと、こういう態度では検査いたしておりません。
○小林武君 まあ会計検査院というところは、美術品に関してはあまりしっかりした検査をやっていないのじゃないかというような印象をいま持ちました、正直言って。鑑定書があって、その鑑定書がにせものであったというのが三十九年の決算のときに出てきた問題です。贋作ですからね、贋作だってちゃんと鑑定書はついてくるわけです。 それからことばじりをとらえるわけじゃありませんが、先入観を持っていっていないから、鑑定書があればいいというようなことでは、美術品についてはそう簡単にはいかないと思います。ここがむずかしいところだと思います。まあぼくは、会計検査院というものの会計検査は、先入観がなければだめだと思うんです。間違いがないかどうかと、あるかもしれない、そうでないですか、一般のものは。これは、向こうで出したものが間違いないであろうという先入観で逆にいったら、会計検査という仕事は私は独立の官庁として準司法的なあれまでやるような官庁としては、ちょっと私は納得いかないですがね、これはどうなんですか。
○説明員(鎌田英夫君) 検査にあたりまして、そういう贋作であるという先入観を持たないというふうに先ほど申し上げましたが、これはちょっと、確かに先生のおっしゃるとおり、少し言い過ぎでございましたので、その点はおわび申し上げて撤回させていただきますが、一般に検査にあたりましては、確かに価格についても、高いか安いか、あるいはこの品物が仕様書どおりのものであるかどうか。美術品でありますと、間違いなくその人の作品であるかどうか、これは一応疑って疑うと申しますか、聞違いないものであるかどうかという態度で検査するわけでございます。ただ、特に美術品につきましては、私どもその経験が乏しいと申しますか、知識がないと申しますか、そういうような点もございまして、多少、先ほど私が申し上げましたように、まさか国立の美術館でそういうものをつかまされることがあるとは思えない、こういうような先入観を持っておったのではないか、私、その当時のことをよく存じないのでございますけれども、そういう態度が多少あったかと、そういうふうに反省いたしております。
○小林武君 私は、先ほどからお断わりしているように、三十九年の問題については、これはひとつとっておいて、四十三年度の決算においてあなたたちが一つの経験をしたわけですから、ただし、これは決着がついてないからね。会計検査院で決着がついてないというのは、表面的にはついてないものですから、あなたのほうでは、これについてはどっちかということのはっきりした態度をとれないということはわかりますよ。わかりますけれども、四十三年度決算ということになりますと、あなたたちのほうでは検査したわけだ。そのするにあたって鑑定書があったからとおっしゃいますけれども、従来文部省の買ったものの中には鑑定書のあるものとないものがあるんです。今度の場合は調査官は、この調査に直接当たった方は、鑑定書がそれらの美術品について全部ついておったかどうかという、これはどうですか。
○説明員(鎌田英夫君) 鑑定書がこの美術品について全部ついているというわけでもないようでございます。したがいまして、鑑定書のあるもの、ないもの、あるものは鑑定書をもちろん参考にいたしますし、ないものにつきましては、やはりいろいろお話を伺って間違いないと、こういう心証を得て検査を終わっていると、こういうような状況でございます。
○小林武君 この点についてはあまりこれ以上聞きませんけれども、やはりちょっとこの点、そのほかの会計検査についてはわかりませんけれども、美術品に関してはいささか納得いきません。鑑定書のないものもある、鑑定書のないものはお話を承っていて、作品を見ないで実地検査もおかしいと思うんです。書面検査で終わっているというなら別です。しかし、作品を見ての場合に、お話を承ってではちょっと困る。私は文部省に対してはどんなものでも、とにかくしかるべきものは全部鑑定書を見てというのが私の主張なんです。しかし、鑑定書が全面的に信用できるかといったらそれはできない。できないだけに深刻なんです。そういうものはどうするかという問題を提起しているわけですから、いまのお話で言うと、これは三十九年の問題を取り扱いましたときのことに、ちょっとやはり触れなきゃならぬわけでございますが、三十九年のときは、これは皆さんは価格は御存じだと思いますから申し上げませんけれども、三十九年度決算、そのときに出てまいりましたのは、質問をしましたのが四十一年の二月十七日です。アンドレ・ドランの「ロンドンの橋」、ラウル・デュフィの「アンジュ湾」、モジリアニの「女の顔」、この三点を贋作ではないかという質問をしたわけです。なぜ贋作でないかということについてやりましたことは、購入先のルグロなる人物がきわめてあいまいな人物で、贋作を売り歩く画商であった。その周辺には非常に贋作をやるグループがあって、そしていささか筋の通った画商から買ったものでないということもあるし、作品その他についても、さまざまな専門家の意見の中に、これは贋作であるというような意見があったということからこれは始まったわけです。その際、私はたいへん問題だと思いましたのは、何回か答弁をやって、美術館長をはじめ専門の美術評論家、美術館内にいるところの評論家の方がが、いずれも本物だと説明しているわけです。いずれも本物だと言う。当時の美術館長は、私は最高の権威だとは言わなかったけれども、私を信じてくださいと、こう言った。灘尾文部大臣はそれに対して、館長が本物だと言っているので、私はそれを信じています、こう言っているわけです。ところがもう灘尾さんも答弁をしたときには、ルグロなる人物の化けの皮があらわれて、アメリカの何とかいう大富豪がさんざんこのルグロに贋作をつかまされたというあれがアメリカでも問題になった。フランスの新聞はこれをもう盛んに書き立てた。そういうときでも贋作でないと言い張ったわけです、文部省。そのときに、私は、会計検査院の説明員の方からこういう説明を聞いたわけです。実施検査は実施していない。なお、このことの検査にあたって実地検査しても、これの真贋を決定する能力の持ち合わせがない。だから西洋美術館の判断に従うと、こう言っている。ところがそのとき前の美術館長がやめておりまして、新しい西洋美術館長が来ておるわけですが、この美術館長は、この作品の真偽をきめるのが私の責任であると思っておりますと、こう言っているんです。この美術館長は後に科学検査といいますか鑑定といいますか、それを、芸術大学とかあるいはある光学会社の特殊なレンズを使ったものでやっておるようでありますが、この検査の結果についてもなかなかはっきり出てこないから、フランスに行って、そして確かめてくるという答弁をこのときしているわけです。まあそのときの後任の美術館長というのは、若干怪しいというようなことについて、あれを出しておる。三十九年のこのときからいまでも同じ答弁なんですね。 そこで、私はこれはひとつ検査官にお尋ねしたいんですが、検査官は一体いままでこういう美術品の検査にあたって、まあ言ってみれば能力がないという前回の答弁と同じだ。知識がない。いまの御答弁の中にもある。知識がない。信ずるよりしようがない。こういうことで一体いいのかどうか。私は、美術品というのは、相当膨大な額を買わなければならぬものであるし、それから日本のそういう方面のためにはもっとやはり買うべきだということを主張しているんです。しかも、いまは美術品というようなものは、何といいますかな、一つの投資の対象になるような状況になっている。そういうときにいまのような一体検査のしかたでいいのかどうか。このことは院長からひとつ御答弁願います。
○会計検査院長(山崎高君) 美術品の関係でございますが、美術品と申しましても、絵画のみならず、たとえば日本産のものといたしましても刀剣の購入というようなものもあると思うのでございます。会計検査に課せられた一般的な至上命令から考えますと、われわれはあらゆる努力をしても納得できるだけのいい検査をしなければいかぬ、これはわれわれに課せられた義務だろうと思っております。しかし、現実にはそれではどうかということになりますが、現実の問題としては、現在あるところの能力を最大限に発揮いたしまして、できるだけ本物かどうか、検査してもの申すという気持ちでやらなけれいけない、そういう気持ちを持ってやらなければ、検査院が存在する理由がなくなると思うのでございます。そういうようなことで職員はやっておるのでございますが、ただ、何ぶんにも高度の専門知識を要するというものもございます。それはあらゆる分野にわたりまして、美術品のみでなくて、あるいは高度の科学技術知識を要するというようなものも現在検査をしなければならぬということもあるわけでございます。一般論といたしましては、やはりわれわれといたしましては、そのような場合にはできるだけ勉強をいたしまして、あらゆる方面の知識を得るための研修に努力する。研修の努力だけで足らぬ場合には、さらに外部の鑑定を依頼するとか、検査院としてできるだけの努力をする、こういうような方法もございますので、できるだけの手を尽くして検査をしたという実効をあげなければならぬ、かように考えております。一般論でございますけれども、一般的な気持ちとしてはそういうものでなければならぬというふうに考えております。
○小林武君 院長にちょっと、私ここで説明員の答弁についてひとつごらんになっていると思いますけれども、これは美術品だけではないという――「これはひとり美術品の問題に限りませんで、たとえば現在日進月歩の技術面の検査におきましても、実はわれわれもトップクラスの技術系の職員というものを採用するということも事実上できかねます。」と、私はこれは単なる美術品だけではないということもよくわかるのです。そのほかにも、これはとにかくいろいろな新しい兵器の問題もあるでしょうし、いろいろな問題出てきますからね、だから、これは率直な意見として私は非常に参考になっているわけです。いまの一般論という院長の御答弁を聞きましても、やはり率直さを持っている。しかし、幾ら率直さをほめようとしても、会計検査院というものの性格からいって、これが一体その職責を果たしているかどうかということになりますというと、これは私はやはり重大な問題になると思うのです。ですから、それについてもよほどの決意がなければならぬと思うのですが、これは従来からずっとそれを、たとえば美術品の問題を一つの例にとってみても、そういう態度というのは今後も特段の大きな思い切った改革をやるというようなことについては、計画がいまないわけですか。
○会計検査院長(山崎高君) 一般的に高度の知識を要するものの会計検査をどうするかという問題になると思うのでございますけれども、実はこの問題は私たちが二、三年前に東京で国際最高会計検査機関会議というものをやりましたのですが、そのときの議題としても、やはり会計検査の技術的能力を一体どうやって樹立したらいいだろうかというのが各国の頭痛の種となっていたのでございます。その際に、おきましても、やはり各国の悩みとして、会計検査院に非常に高度な技術系職員を得ることが困難な客観的事実が各国とも共通しております。しかし、それでもできるだけ採用するというような方向につとめなければいかぬということ、待遇の面なり、いろいろの面を考えて採用するということに努力しなければいかぬ。それからもう一つは、部内の職員の研修というものをどんどん実施いたしまして、そうして技術的な知識、素養を高めなければいかぬ。そういうふうなことをして技術的知識といいますか、技術検査といいますか、そういうものの要請にこたえなければいかぬというのが各国の共通の悩みといいますか、問題になっております。率直に申し上げますと、それは現在の日本に技術系職員が非常に少ない中で、検査院ではそういう者をどんどん採ると言ったけれども、ちゃんと採れるのか、今度何人採ったかと言われますと、すぐにいい答えが出るとは思いません。しかしわれわれとしてはこの問題についてはできるだけ努力をいたしておりまして、たとえば技術専門官というようなものを置くとか、それから電子関係の職員を採用して充実する。そのほかにコンピューターやいろいろな問題につきまして職員の研修をして能力を高めることもやっております。 美術品に関するお話でございますが、やはり美術品につきましても、鑑定をするような能力を持つというような人がほんとうはなくちゃいかぬというふうに考えるわけでございますけれども、そうかといって、多岐にわたる方面につきまして実際に適当な人が来るかとかいうようなことを考えますと、やはり限界が現実にあるということで、これを補う方法はどうしたらいいかということになりますと、先ほど申しましたように、できるだけ努力をして、やはり検査の実施にあたっては実態をつかむとともに自分の能力外の点については外部に鑑定を頼むとか、試験をしてもらうとかというような方法がありますので、そういうような方法を講じて、できるだけほんとうのことがわかるようにしなければならぬ。こういうようなことでステップ・バイ・ステップで進むしかないんじゃないかと考えております。おっしゃるとうりまことに重要なことでございまして、たとえばにせものを本物と思っていることは確かにいけないのでありますが、そのにせものを買った動機等について十分調べてみれば、あるいはだまされるのがもっともだと思われるものがあるかもしれません。しかし、会計事務職員の責任という問題は別といたしましても、やはりできるだけ本物かどうかということを検査院としては知るように努力をしなければいかぬというふうに考えております。
○小林武君 知るようにだいぶ努力はするでしょうけれども、努力だけではどうにもできないことがあるわけです。私は、会計検査院というようなものが存在するからには、絶対間違ったもの、少なくともこの法律に書いてあるとおり、あやまちや、あるいは故意にそういうことをやるとかというようなものに対しては絶対許さないという態度が検査院になかったら、会計検査院というものの存在は無意味になってくると思います。そういうことからすれば、やはり一度そういう問題にぶつかったら、少なくともその問題を解決するような手だてを当然要求しなければならぬ。私は、先ほど来予算の報告をいただいてみても、どうしなければならぬかというようなことは、金の問題が影響してくる。その努力が私には見えないような気がするし、やややはり惰性でやっているんじゃないかというような、私ははなはだ失礼だけれども、そういうふうな感じがする。 そこで、これはどうなんですか。いま国際会議のことがお話し出ましたけれでも、検査官は三人で会議をしてやっていると、その報告については責任を持つということでございましょう、検査については。その際には一体そういう調査官の当たった調査の事実を踏んまえてこのことが一体どうであるかというような点については、しさいに検討するわけですか。三人の合議制というのですが、どのくらいの時間をかけているのですか、これについて。
○会計検査院長(山崎高君) 検査官会議というものは、検査院の意思決定機関というふうにわれわれ考えております。で、検査の実務は、これは検査院法によりまして事務総局が行なうということになっております。つまり検査官会議の指揮監督を受けて事務総局は検査の仕事を行なうというふうになっております。検査官会議というものは一つの判断機関というふうになっておりまして……
○小林武君 判断機関……。
○会計検査院長(山崎高君) 意思決定機関というふうに法律はなっております。で、検査院自体が、検査官会議と事務総局と二つ並立しておりまして、この二つで構成している。普通の役所ですと、検査官会議の下に事務総局があるという構成になっていますけれども、検査院法は、検査官会議と事務総局と並立して両者からなっているというふうになっております。ただし、検査官は検査の実務というものはやらないわけであります。検査の仕事というものは事務総局が行なうと法律に書いてあるわけでございます。しかし、検査の仕事を行なう際には検査官会議が指揮監督して行なうというふうに書いてあります。でございますから、たとえて申しますと、毎年毎年――今年も二月にもうやったのでございますが、各課長が、ことしはこういうふうな検査をしようというようなことについて、こまかい資料を提出しまして、各課ごとに、検査の重点事項といいますか、ことしはこういう点の検査に力を注ぎたいというようなことについての会議がございます。その会議でわれわれとしては説明を聞くとともに、この点はどうなっているというようなことを質問しまして、その結果その年度の計画を立てます。検査に行くについても課の何%の力はどこに向けて、何%の力はどこに向ける――対象が非常に多うございますので――そういうようなこともやはり話を聞きまして、それで検査を実施する。実際問題としては、何か事が起きたり、その計画がまた途中で変わることもございますけれども、それは、まあこまかい問題は事務総局にまかしているというようなことはございます。それから途中でもってたとえば何か意見表示する、検査報告作成の前に改善の処置を要求する、これはやはり検査官会議が必要な場合もございます。すなわち軽微な事項は事務総長限りでできますけれども、その他のものはやはり検査官会議にかけまして決定致します。それから出納官吏等の弁償責任の検査ということがございますが、そういうときはやはり検査官会議で、弁償責任を追求しなければならないというような問題もございます。それからこれは一番われわれも忙しい思いをするのでございますが、最後の検査報告をまとめるときで、これは一体不当事項として断定していいかどうか、その場合、どういう点にこの案件の難点があるかというようなことにつき、いろいろと説明を聞きまして、そこで決定していくというふうに検査官会議は運用していくわけでございます。そこで、いま言った検査能力の充実という問題も、もちろん、たとえば予算要求の時期になりますと、検査院の予算をきめる際、あるいは検査院のおもな人事をきめる――調査官以下の人事というものはこれは全部事務総長に委任しておりまして、これは事務総長が全部やる、われわれは委任しているのでタッチいたしませんが、課長以上の人事をきめる際は、やはり検査官会議の決定によるというふうな大体の仕組みで運営をしているわけでございます。
○小林武君 先ほど申し上げました三点の絵は、もう正式に文部当局から私に贋作でございましたという報告はないわけです。ないけれども、これは間違いない、もうすでにあげられているのですから。彼の売ったものは、すべてこれは贋作だと、買った三点については明らかになっている。ところがどうなんですか、三十九年度決算というものは、皆さんのところでは、もうすでに国会においてこれを報告すれば、贋作であっても何でもそれは責任はもうすでになくなったということになりますか、こういうことですか。そうさかのぼってまでかれこれ言うことはないということになっていますか。
○会計検査院長(山崎高君) 私どもといたしましては、当該年度の検査が終わりますと、議会に報告いたしまして、それで検査は済んだということにしております。そうでございませんと、たとえば十年前にさかのぼってどうかというようなことになりますと、もう資料がございませんし、それからまた新しい問題が次々とたくさんございますので、そちらのほうの監督がおろそかになっても困るというような点でそういうような方針をとっています。たとえば一ぺん検査をやった問題について議会でいろいろ問題になったけれども、自分たちはもう検査してしまったからもう知りませんというようなことは、これはやはり言うべきではない。そういうことがありましたら、やはりもう一ぺん調査いたしまして、できるだけ事柄を解明するということの努力をしなければいかぬのではないか、そういうふうに私は考えております。しかしあまり古い問題では……。去年はいいけれどもそれでは五年前ではどうか、十年前ではどうかということになりますと、これはケース・バイ・ケースで判断しなければいけないのではないか。あまり古くなりましても、証拠書類の保存期間だとか、いろいろな難点があると思うのでございまして、非常にさかのぼった古いものまでお前それでは引き受けるかと言われましても、これはやはりケース・バイ・ケースによって判断すべき問題ではないかと思います。基本的にはそういうふうに考えております。
○小林武君 何といってもあれでしょう、責任全然ないとは言い切れないけれども、法的には、これはしかしもうすでに三十九年度決算というものは終わってしまうから、あとはそれで終わりなんですね、これは。しかし、それはもうしかたがない。それだから私はあなたに申し上げるのです、それだから。そのものは贋作でないということになって、これは美術館の中にあるわけなんですから。同時にまた、これは予算執行に当たったのは、ちょうど私が質問したあれでは、ちょうど三年のあれが切れた。本来これはもう全部で二千万幾らのその金は弁償しなければならぬのでしょう、させなければならぬのでしょう、あなたのほうは。どうですか、そういうあれをしなくちゃならぬのでしょう。予算執行の責任者というものは、これはたしか美術館長だと思いましたが、その当時質問しましたら……。そういう問題も時効になってしまってどうにもならぬ。長引かせればもうとにかくいいかげんになってしまうというのがこれは問題なんです。だから私はよほど検査に対して権威を持たなければならないのではないか、こう思うのです。この三点の絵については、私も文教委員会でその決着をつけようと思いますけれども、しかし、どちらもうやむやに過ごしていますが、私はそのときの最後の質問のときに、このことについての結果はとにかく報告してもらいたい、質問するしないは別として報告してもらいたい、こう言ったけれども、美術館長もその約束を守らないし、それから文部省当局もそれを守らない。こういうことになっていますから、私は会計検査院というものは非常に責任があるのではないかと思います。 そこで、私はこの事態から見て、今度のきょうの御答弁からも見まして、やっぱり能力がそこまで及ばぬということ。非常に会計検査というものは単純なものでなくなった。書面などを通して、書面のあれがそろっていればよろしいというものでなくなっちゃったわけです。一つの国のやるところの問題は、文化面もあれば、美術面もあれば、いろんなものが出てくるわけです。だから、そういう点についての会計検査院のいわゆる責任というか、果たすべき使命というものは非常に大きくなってきている。ところが、いまのようなやり方でやるということは、私は、何のために内閣に対して独立の地位を有してやらなきゃならぬのか、会計検査院そのもののもう存在価値が疑われるようなことになりはしないかということを心配するわけです。そういう感じはお持ちになりませんか。それはどうですか、院長さん。あなたは、一体こういうことをやっていったら、結局そういうことになると思いませんか。私は責任感ということになると、アメリカのFBIというのは、どういうことをやるかわからぬけれども、テレビ映画なんかを見ていると、大体ギャングだとか、スパイだとかやっているような、そんなふうな感じがするんですが、しかしこのFBIが絵画についても真贋を決定するというような、そういうものについて実に的確なりっぱな報告をやっているんですよ。私はそれについて翻訳したやつですけれども、見せてもらいました。FBIというのはそういうことをやっているんです。だから、当然会計検査院の中にもそういうものがなきゃならぬと思うんです。美術館長が、とにかく絶対これは間違いありませんと言ったのが、その美術館長がそう言っても贋作は贋作なんです。私はある日本の有名な画家の話を伝え聞いたことがあるんですが、おれの作品というのは全部どこに何があるかということがみんなわかっている、かいたものは。それ以外みなにせものだよと。そういったにせものがたくさん出るというと画家も箔がつくというようなことを言ったそうでありますが、そういういまの美術家の状況ですから、贋作がうんと出ているということは考えなきゃならぬ。考えなきゃならぬとしたら、どうしたらいいかという対策もないことでは私はだめだと思います。 そこで、一体これは調査官というのか、調査員というのかわかりませんけれども、実際第一線に立って調査なさる方々というのは、一体どういうこれは採用のしかたをするのか、これは全部新規のあれとして採用するのか、あるいはどこかの専門家を、これを会計検査院に来てもらうのか、その点のことはどうなっていますか。第一線の、つまり調査をやる方ですね。
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。 会計検査院におきましては、調査官という者が中心になって検査を実施しておるわけでございますが、そういう要員はやはり国家公務員試験の上級とか中級とか、そういうような区分に基づきまして、採用候補者名簿に基づきまして、検査院独自で採用しておる、これが主流をなしております。まあ場合によりますと、ほかの官庁、たとえば建設省とかそういうところで、そういう土木とか、そういうものの経験者、あるいは技術的に水準の高い人というような者を途中から採用するという、こういうこともございますが、主流はあくまでも検査院が独自で公務員試験合格者から採用しておる、こういう状況でございます。
○小林武君 現在の検査員といいますか、検査官はどうなんですか。独自に採用した方と、それから各省といいますか、各官庁から採用した者と、比率はどういうことになっていますか。全体の人数は幾らですか。
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。 現在、調査官の定員は六百十名となっておりますが、実員が五百八十名ございます。先ほど申しましたように、原則として会計検査院が採用した人が大部分でございまして、ほかの省庁等から参りましたという者はほんのわずかでございまして、ちょっといまその数字は記憶しておりませんので、もし御必要でありますならば、あとで御提出いたしたいと思います。
○小林武君 それで、その採用にあたりましては、第一局、第二局、第三局、第四局、第五局というような局に分けて、そうして事務分掌事項というようなものがきめられているわけでありますが、これについてはどうなんですか。先ほど言ったように、専門的な仕事として長い間の経験とか、あるいは研修を通して専門性を高めなきゃならぬところがあると思うんですが、そういうことについてはどうなんですか、配慮がされているんですか。たとえば美術品を扱うというような方は、少なくともそのことについて採用のときから考慮に入れて、さらには研修の機会も与えて、十分そういうものを調査できる能力をつけると、こういうようなことについての人事的なあれはやっているわけですか。
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。 あるいは先生の御質問にぴったりではないかと思いますけれども、先ほど来お話がございますように、検査各課におきましては、たとえば文部検査課ではたとえばそういう美術品の問題がございます。あるいは鉄道検査課でございますと土木とか機械とか、そういうようなものが検査の対象としてウエートを占める、こういうような問題が出てまいります。あるいは原子力研究所を検査対象に持っているところは、そういう問題が検査対象になりますから、そういう面の向きのものを将来採用するとしましても、そういう素質のある人を採用したいというのがわれわれの意向ではございますけれども、先ほど来お話がありましたように、なかなか技術関係者あるいはそういう専門的な分野の人というものは、採用する際におきましてもなかなか検査院に来ていただけない、こういうような状況でございます。ただ、われわれとしても努力いたしておりまして、現在の段階におきましても土木とか機械とか電気とか、そういうような専門的な分野のものにつきまして、いろいろなグレードはございますが、相当素質があるいわゆる技術者といわれるような者につきまして、これは百名程度、調査官が先ほど申しました定員六百十名のうち百名程度は、そういうような技術的な素養があるという者で占めておる、こういうような状況でございまして、われわれとしても今後もそういう面について大いに努力してまいりたいと考えております。なお、それだけではいけないんでございまして、内部に入りましてから、いろいろな機会をとらまえて研修をする。これは当初入りました際におきますところの事務官研修とかあるいはある一定の期間を過ぎました主任者研修というようなものにおきましては、これは必ず研修をさせて、その中におきまして、もちろん検査自体の問題その他技術的な問題もできるだけ幅広く入れまして専門的な教養を高めていく、こういう努力をいたしております。さらに機会をつかまえては課内の研修というものがございまして、検査経験に基づきまして、一般の事務官でございましてもそういう努力とかそういうものの検査をしなきゃならぬわけでございますから、そういう面についての研修を行なう、あるいは全員的な美術関係の研修を随時やる、こういうようなことでその素質を高めていく、こういうような努力は大いにやっているつもりでございます。
○小林武君 いかように努力しても、やっぱり努力だけではできないし、また非常な、これで間違いないという整備をしましても、先ほど来申し上げましたような、日本の第一級の美術の専門家が贋作をつかまされて本物だと思い込んでいるということもあるわけですよ。それはもう万全ということはないと思います。したがって、これは会計検査院の中だけで処理することが不可能だということも場合によってはある。そうした場合ですね、これは会計検査院法の施行規則の中にもありますように、顧問制度というものが置かれるようになったわけです。これの整備状況はどうなんですか。
○会計検査院長(山崎高君) 院法には顧問制度がございます。これは旧検査院法をそのまま受けた規定でございまして、旧検査院法においても顧問制度はあったわけでございます。それを受けているわけでございますが、現在も顧問を置くかどうかということは、ときどき検討の対象になるのでございますが、現在の技術の状況というものは非常に多岐にわたって専門化して数が多くなっているという関係もございます。旧検査院法のときは顧問おったわけでございます。昔は電気なら電気の方が一人おれば電気のことは何でもわかる。大学の教授のような方がおれば、その方面の大家ですから全部わかってしまう。ところが現在は分野がこまかくわかれておるので、顧問を頼むと数ばかり多くなって並び大名になってしまうというおそれもありますので、重点的に依頼するしかない。何かありましたらそういう人のところに行って御意見を聞くということも一法ですが、それよりむしろ鑑定を依頼しようというので、現在は鑑定依頼ということに重点を置いておりますので、顧問は現在置いてございません。
○小林武君 まあ顧問制度を置いたからといって完ぺきだとは言えませんけれども、文部省の場合には絵を購入するのに購入委員会というのがある。購入委員会というのは少なくとも専門家を集めたもので、購入委員ががん首をそろえて贋作を買ったわけですから、これはもうどんな制度であってもそれは先ほど来申しているようにこれで一〇〇%安心できるということではない。しかし、広くいろんな意見を聞くという、これは必要だと思うんです。だからやはり顧問制度というようなものを……。いまの会計検査院の中で限界がありましょう、調査員の方々では。それからまた幾ら研修をやられたとしても到達できないところもあるでしょうし、また一人一人の力なんというものは大体限界がございますから、これはいいと思います。しかし、そういうもののあれを、大体どこをどうやるというようなものは整備すべきだと思うんです。それから検査法の二十八条ですか、いろんな鑑定書とか資料とかの提出の依頼ということがありますけれども、これはひとり官庁だけではなくて、あるいは大学もありましょうし、各種の研究所もありましょうから、そういうものを利用するというようなことがなかったら、私は会計検査院というもののほんとうの使命にこたえられないような気がするわけでありますが、そういう点について、すでに、何といいますか、この問題ならばここへというような計画はできているわけですか。
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘のとおり、院法の二十八条がございますので、この規定を活用いたすということはわれわれも十分考えておるわけでございます。したがいまして、予算、要求の際におきましても、最終的に認められた金額は十分とは言えませんが、たとえばいろいろな専門的な事項について調査を委託するという場合の諸謝金、あるいはいろんな土木関係等におきましてテストピースを取る、これはなかなかやはり即座に現地調査に行きましてテストピースを取りましても、それ自体を試験する機械装置というようなものは、これは研究所へ行かなければないわけでございますので、そこで、そこへ持ち込みまして強度をはかっていただく、そういう面につきましても今年度から予算要求の結果、若干ではございますが認めていただく、こういうようなことで、やはり先ほど来先生の御指摘のございましたように、そういう専門的な面についてやはり徹底的な検査をしていく、あるいは真実を明らめていくという努力を今後もますますやってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○小林武君 最後に要望を申し上げておきます。 これが四十三年度、四年度の決算におきましても、会計検査院ばかりではございませんけれども、まあその他のことについても、ほんとうに進歩発展が早くて追いつけないようなものもあるわけです。会計検査院の中からこれだけの能力がない、知識がないというようなことは、これはやっぱり言ってもらいたい。それは先ほどからも言っているから、くどいようですけれども、いろいろな手当てを講ずれば私は可能だと思うんです。その手当てを講じてもなおかつ万全だとは言えないということも私はよく知っている。しかし、あらゆる手当てを講じて、少なくとも能力がないからというようなことを会計検査院が会計検査に関して、その中に含まれることに関しておっしゃることは、やっぱり今後やめてもらいたい。技術関係でございましたら実地検査をやる、先ほど来鑑定書がないものもあると言ったが、ない場合にはどういうものをそれじゃやるのか。鑑定書がない場合には一体どういう手当てを講じて鑑定書にかわるものを求めるのか、あるいはこのことについてのだいじょうぶだということについての確かめも……。単なる、購入したもののことだけを聞くというようなことは、美術品に関しては特に私は問題があると思います。 以上、そういうことについての御努力を要望いたしまして、私の質問を終わります。
○沢田実君 私は会計検査院から提出をしております毎年の検査報告を見ましても、検査院がわずかな陣容で非常に勉強なさって成果をあげていられることに対しては敬意を表するものですが、特に四十四年度の検査報告の中にはそのような事例と思われるものはたくさんございます。たとえば日航機のYS11の問題、あるいは国鉄の蒸気機関車D51の問題、あるいは住宅金融公庫の預託金の指摘あるいは東京都の下水砂利の転用等、そういう点に非常な努力がうかがわれるわけです。検査院の皆さんが非常に努力をなさっておることを私は評価することにやぶさかではございませんけれども、検査院の使命が非常に重大である、こういうことから、なおこうしてほしいというような希望もあるわけでございまして、そういう点について若干お尋ねをいたしたいと思います。 最近の検査報告についてお伺いをいたしたいわけですが、いま四十三年度の検査でございますけれども、報告書は四十四年度の報告書でいろいろお聞きをいたしたいと思いますので、その点御了承いただきたいと思います。で、昭和四十五年度の検査方針、いま院長おっしゃいましたように、検査方針というものが決定したようでございますが、その検査方針というものは検査の重点なりあるいは検査個所の選択方法なり、いろいろおきめになるのだろうと思いますけれども、その性質上事前に発表するということは、これはできないことは承知いたしておりますけれども、検査後に大体こういう方針で検査をしたのだという検査の基本方針を発表するというようなことはできないものかどうか、まずお伺いしたいと思います。
○会計検査院長(山崎高君) 検査方針を検査報告に掲載する問題でございますが、実はこの問題につきましては、昨年検査報告を作成する際にわれわれも議題にのせまして、どうしたものかということで意見を交換したり、議論をしたわけでございますが、やはり結論的には検査方針というものを各課別にずっと見てみますと、ほとんど似たようなもので、たとえば工事でいいますと、積算の検査をするとか、工事の施行がいいか悪いかということで、似たようなものが非常に多い。一度書いてみますと、その時は珍しいからいいかもしれませんが、毎年毎年書いてみるとどのようなものですか、ことし載せて来年すぐ落とすというわけにはいかぬでしょうから、書いてみると実にマンネリになってしまって、一つも新味がないことになってしまうということもあるでしょうし、また実際的な面からいいますと、同様な事案を翌年度も継続して検査するというようなことがございますので、やはりあまり手のうちを見せないほうがいいだろう、やはりこれは秘扱いにしておりますので、なるべく部内限りでやるほうがいいのではないかというような見地から昨年も見送りの状態になっております。しかし御意見でございますので今後も十分念頭におきまして検討いたしたいと、かように考えております。
○沢田実君 検査報告の量でございますが、毎年少なくなっておるように思うわけですが、前は相当分厚い報告書をお出しになったようでございますけれども、最近のを見てみましても、三十九年が三百五十四ページでございます。四十年が二百七十六ページ、四十二年が百八十ページ、四十三年が百七十ページで、四十四年のは百四十九ページに減っております。ですからもう少し内容を詳しく、われわれが見てもわかりやすくお書きいただいたほうがいいのじゃないかと、こう思うわけです。で、四十四年度を見ますと、百三十一ページに首都高速道路公団のところに図面なんか入っておりまして、非常にわかりやすくなっておるわけですが、そういうことをお考えいただいたらどうか。説明会ではガリ版のいろいろな図を配付してくださって御説明いただきますのでわかるわけですが、この報告書だけでは全くわかりにくい。それで、ああいうものまで入れておつくりになったらどうかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○会計検査院長(山崎高君) 検査報告がだんだん薄くなってまいっておりますが、薄くなりました大体の理由は、いままでは補助金の事案一つ一つをとり上げまして、たとえば積算が悪いとか水路工事が粗漏だとか、みな同じような事柄を一つ一つ並べて説明しておりましたのを、昨年は概要で簡単に説明しよう。積算が悪いとか、施行不良とか、概要だけにして、あとは表にいたしましたので、それが非常に影響して薄くなったのでございます。また一方、平易化ということも必要ではないかという点は考慮いたしまして、昨年は、先ほどもお話がございましたように、注を入れたり、図面など入れたのでございますが、さらにまだわかりにくい点があるのではないかと思いますので、ページ数はふえてもいいから、もっとわかりやすくするという点においてはひとつ検討いたしたいと、かように考えております。
○沢田実君 不当事項に取り上げる金額の基準でございますけれども、たとえば、いままでは二十万円以上のものを不当事項として取り上げておったようですが、ことしは三十万円以上になさった、そういう方針が変わったようですが、ことしは四十四年ですが、そういうことについてはこの報告書に何も書いてないわけです。ですから、報告書をいただきましても、御説明いただけばわかるけれども、報告書を見ただけではわからない。報告書にお載せになるのにはいままでと基準を変えたものがほかに何かあるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○説明員(小熊孝次君) ただいま検査報告の掲載基準のお話がございましたが、これにつきましては、まず検査院におきましては、検査報告に掲記する場合におきまして内部的な一つの基準、これはあくまでも原則でございますけれども、そういうものは一応は持っておるわけでございます。ただこれにつきまして、いままでございました基準というものが二十八年当時に考えました基準なものでございますので、その後、社会、経済情勢も非常に違ってまいっておりますので、それを先ほどお話がありましたように、まあ引き上げるということをしたわけでございますが、しかしこれはあくまでも内部的なものでございます。ただこれは、先生の御指摘の点は補助金などではないかと思いますが、必ずしも補助金だけではございませんで、その他につきましても一応考え方といたしましてはその二十八年当時の基準のものでございますから、それは引き上げるというようなことはやっております。
○沢田実君 ですから、そういう事情をあげられるでしょうから、ここにお書きになったらどうですかと申し上げるのです。
○会計検査院長(山崎高君) 一昨年は基準を書いたものがございましたが、昨年は基準は必要なかろう、大体表を見ればわかるだろうということで取ったというようなことでございます。また、金額が何万円以下の場合は悪いことをしてもいいのだと思われはしないかという問題もありまして、あまりはっきりするのもどうだろうということもあります。しかし、これはいずれ府県等におきましても、検査院が大体重点を置く基準がこの程度だということがわかるわけでございますので、やっぱりはっきりさせる意味で書いてはどうだという点も考えられますので、書き方の問題もございますけれども、今年の問題としてひとつ検討させていただきたいと考えております。
○沢田実君 いまそれしかないようなお話でしたけれども、件数の取り方なんかも四十四年度でいいますと、租税収入四十四年は一括して一件にしております。いままでは四十四なら四十四となっているわけです。大蔵省えらい数が少なくなったなあと思って見てみますと、四十四年一件にしてある。こういうふうに、毎年毎年変わるわけですけれども、これではせっかく表をつくっていただいてもわれわれ比較できないわけです。同じ一件が全国にわたって一まとめにして一件にしてあるのもありますし、ものによっては一つ一つですね。たとえば農林省、建設省のほうは、中にはまとめたのもありますけれども、一つ一つのものもある。ですから表にしてみましてもわれわれ比較はできないのです。われわれしろうとがせっかく出してくださった表で毎年の成績を比較できるように、そういう件数にしていただくわけにいかないものでしょうか。
○会計検査院長(山崎高君) 租税の徴収過不足の件数の点でございますが、これはかっては一々納税者の名前を出して納税者批判みたいなことをやっておったのですが、たとえば納税者の名前を出すと、税務署の電子計算の間違いでも、納税者がまるで脱税したような受け取り方をされるということも考えなければいけませんし、したがって、納税者の名前は検査報告に出すべきではないと思います。これは世界各国の共通の意見でございます。そういう点もございます。むしろ、われわれが批判しているのは納税者ではなくて税務署であるわけです。検査の対象は税務署――官庁でございますから、これは数年前税務署単位に直したわけでございます。また、昨年から租税の徴収過不足を一件にまとめましたのは、同じ歳入の面でも、保険料の徴収不足の事態については、各都道府県全部を一表にして一件になっております。本来ならばかなり件数が多くて検査院がこれだけやったのだということをあらわしたいという希望はありますが、これらの案件の性質からいって一件とすべきではないかというのが私の年来の主張でございまして、昨年やっと一件になったわけであります。今後ふえることはないと思うのですが、落ちつくところに落ちついたというふうに私は解しております。その点御了承いただきたいと思うのです。
○沢田実君 そういうふうに会計検査院のお考えで毎年変えますので、比較ができませんということを申し上げているわけです。たとえば四千件なら四千件は検査する。集めてきて照会一応出ますね、この四千件のうち表に出るのは百五十しかないわけです。その百五十件というものを広げてみますと、あるいは千件なり二千件になっている。四千件のらち二千件についてはこういう問題だということですけれども、表にしてみますと百五十しか出ないわけです。なぜそういう一致しないやり方をおやりになるのですか。こらしてみたら統計の意味はなくなって、全然比較はできないわけです。その考え方が検査院の考え方です。毎年変わったのでは表の必要がないでしょうということを申し上げているのですが、その点どうですか。
○会計検査院長(山崎高君) 照会件数については、こういうふうに一件にして扱うことになった関係上、なるべく実態に即したほうがいいと思いまして、照会したのが全部で何件かということを書いてあるわけですが、今後はこの形が変わることは絶対ございませんので、その点ひとつ御了承いただきたいと思います。
○沢田実君 ちょっと院長さん、私が申し上げていることとすれ違っているのですけれども、それは四千件は、件として四千件という件数があるわけです。その件数をいろいろ調査なさっているわけですから、表になさるのもそのうちの何省については何ぼということで、四千件をずっと照会なさって、結果的には二千件ぐらいになっている、調べてみると。ところが表には百五十件としか出ていないのです。それでは表の意味がないではないですか。統計としてお出しになっても、一の意味がみんな違うのですから、しかも毎年変わってくるのですから、それでは表の意味がないでしょうと申し上げているわけです。
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。照会すなわち質問を発しましたものがたとえば四千件であったといった場合におきまして、その中には、相手方の答弁によりまして、これは不当と言えないものもございます。そういうものを除きましてあとのものは、不当と認定したものは百五十数件の中に全部入っているわけでございますが、その中に、先ほど先生が御指摘になりました税について申し上げますが、去年は四十四件あったものが一件になってしまったと。番号としては一件にしぼりましたので、こういう形になっていると、こういう問題はあると思います。ただ、いずれの場合におきましても、照会したものがすべて不当になるということはございませんので、それを差し引きましたものにつきまして不当と認定したものについて、先ほど院長が申し上げましたように、たとえば税の関係につきましては、このたびは掲載のしかたを変えたわけでございますけれども、今後は一件でいくということで、今後は比較対照ができると、こういうことになるのではないかと、あるいは御質問の御趣旨に合っていないかとも思いますが、一応御答弁いたしたいと思います。
○沢田実君 合っていないのですよ。ぼくの言っているのは、四千件という件数でわざわざ調査をおやりになって、この報告書に入れるときには一件の内容がみな変わってくるのですよ。一という数字の意味がないのですよ、要するに。一じゃないのだもの。そうでしょう。同じ一件というけれども、四十件も五十件も合わせて一件のもある。一つが一件のもあるのですよ。そんなんだったらこんな表の意味がないでしょう。どうせ表としておやりになるのだったら四千の単位その一つ一つを一という数字でおやりにならなくちゃ、表の意味がないでしょう。なぜこんなことをやるのかということを申し上げているのです。それで、同じような性質のものは四十四件でも一件とするのだとおっしゃるなら、こっちの表ですね、件数みたいな表みたいなものにしても、表としての意味がないでしょう、ぼくらしろうとから見ると。そうでしょう。一つの数字の重みが違うのだもの。おわかりでしょう、申し上げていることが。
○会計検査院長(山崎高君) たいへんどうも恐縮でした。同じ件ということばを使いながら件の意味が違うじゃないかということでございますので、この点はやはりもう少し検討さしていただきまして、何かいい表現を考えたいと思いますので、ひとつ来年までお待ち願いたいと思います。
○沢田実君 四十四年度の分には郵政の不当事項というものが一つもないようですが、四十三年までは、郵政関係では、郵便貯金関係の不正行為というものが毎年ずっと出ています。これはお調べになっても、ないのか。ことしは、あったけれども載せないのか。これはどうでしょうか。
○会計検査院長(山崎高君) 郵政関係だけではございませんが、不正行為というものは大体国損額の全部または一部が補てんされていないものがあった場合に検査報告に載せるという扱いになっておりまして、四十四年度におきましては補てんされていないものが一件もなかったので記載がなかったのでございます。従前と同じような扱いでございます。なお、御参考までに申し上げますと、郵政関係におきましては、四十四年度にかかる不正行為は四十九件、千七百万余円でありまして、一件当たり十万円以上のものは三十五件、千六百万余円であります。これは四十五年九月末現在、すベて補てんされているという関係になっております。
○沢田実君 それから建設省、農林省関係の補助事業ですが、施工不良の場合、事業主なり会社名を記入するということが、今後そういうことをしないようになるためにいいのじゃないかと、ころ思うわけですが、といいますのは、建設省と農林省の補助事業というのは、ずっと不当事項が毎年多いわけです。それで建設省あたりでも、直轄工事じゃないからどうしようもないのだ、こう言っているわけですね。そういう意味からも、不当事項と指摘されたような業者の名前をはっきり出して、今後そういう者に絶対させないようにするという意味でいいのじゃないかと思いますが、その点はどうでしょうか。
○会計検査院長(山崎高君) これは従来とも同じ扱いでございます。実際の状況を見ますと、業者としては大体地方業者が多いわけでございます。町村ですから、地方に土着している小さな業者が多いのですが、県の指導方針としては、検査院がこういうふうに具体的に検査報告で指摘いたしますと、大体指名停止というような措置をとっておりますし、中には、検査院が照会しただけで三カ月指名停止というところもございまして、非常に重大な影響がございますので、なるべく業者名をあげることは控えております。われわれが批難しているのは、官庁の指導、監督が悪いということで官庁を対象にしておりますので、あとの、業者に対する指導というものは、やはりそれぞれの事業主体にまかしたほうがいいのじゃないかということを考えまして、できるならば今後もこの方針を続けていきたいと、かように考えております。
○沢田実君 不当事項のほかに改善要求事項あるいは注意事項というのが最近出てきているわけですが、検査院としては、不当事項をきちっと指摘なさることが、一番、何といいますか、検査院としての趣旨に合致するのだろうと思うわけですけれども、改善事項やら注意事項というものが多くなりますと、行管の勧告とあまり違わなくなってしまうのじゃないかということを思うわけですが、あるいはまた、不当事項ということになりますと各省庁とも処分調書等を出さなければいけませんので、罪一等を減じてやってくれというよううなことになっているのかどうか。その辺を心配するのですが、その辺のお考え方はいかがでしょうか。
○会計検査院長(山崎高君) 検査院の本来の仕事はやはり不正を正すということにあると思うのでございます。これはもうおっしゃるとおりでございます。しかし最近ずっと見ますと、不当事項というのはやはり個別的な事案が非常に多いということがございますし、また、不当事項として批難する以上は、数字をはっきりつかまえなければいけないということもございます。また全国的傾向的な問題で、たとえば若干の府県ではこういうふうになっているから、類推していくと、全国的傾向的なものではないかということも出てくるわけであります。あるいは、積算の基準といいますか、会計職員が個々の案件について清算する際の基準というものはどうか。こういう点もっと検討したほうがいいのではないか。それから決算検査で不当とするには、決算結了しなければいけませんが、みすみす国が損をするようなことを年度途中だからといって、ほうっておいて、決算が終わってからいけないと批難するよりも、年度途中であっても国損を早期に防止するという見地から、悪いものは早く直せと言ったほうがいいのじゃないかというようなこともございますので、私はせっかく規定があるのですから、こうした事案については検査院法三十四条をどんどん活用して、国損の早期防止ということをやったらいいのではないか。軽微な事項は事務総長でも出せるのだから、これは活用しなければおかしいということで、ようやく軌道に乗ったわけでございます。二、三年前までは一つの方法として留意事項というものを置きましたけれども――これは不当性は軽いけれども気をつけたらいいとか、こういう点は直したらいいとかいうことでございますが――検査院がやるのははっきりとした法律上の根拠がないといけませんので、むしろ三十四条を活用してどんどんやったほうがいいということにしたわけです。去年あたりは事務総長名でも出しましたし、また五月ごろからも出しております。本来ならもっとどんどん早く出したほうがいいのですが、去年はたまたま十一月にかたまった傾向がございます。これはどんどん活用したらいい。そしてそういうのを出したけれどもなお個々の事項として不当であるというときには、不当事項として批難し、ダブルパンチを加えることも法律上できるわけでございますので、大いに活用しろということで調査官を督励しておるわけでございます。その点ひとつ御支援を願いたいと思うわけでございます。
○沢田実君 不当事項を罪一等を減じて減らしたんじゃなしに、それ以外のことまで注意をするんだ、こういうことで了解いたしました。 それから未確認事項ということですが、特に防衛庁関係は四十二年まではたくさんの金額が報告になっておったわけですが、四十三年以降はございませんけれども、それはどんなふうになっているんでしょうか。
○会計検査院長(山崎高君) 数年前まではこの防衛庁の検査で未確認というものが非常にあったわけでございます。これは旧検査院法におきましても、検査が終わっても回答がこないというのをつかみまして未確認として掲記しておりました。未確認なら翌年度も検査できるという考え方で、旧院法時代は未確認というものを置いたわけでございます。防衛庁関係だけは二、三年前までこれが残っておりました。その意味は、やはり防衛庁関係だけは、たとえて申しますと、納入物品で発注した物と異なるものが納入されるという場合があったり、あるいはその発注後、時日が経過したため陳腐化して役に立たないというような物が納入されるなどのおそれがありましたので、これは当局に対しまして、これらについては引き続いて積極的に検査を行なっていくという意思表示と、それから未納入の物品については納入を促進させるという意味をもって未確認額を置いたわけでございます。しかしながら、最近におきましては、当初のような誤りを起こすおそれがなくなってまいりましたので、これはあえて掲記する必要がないというふうに考えまして、一々並べても意味がないのではないかということで落としたわけでございます。しかし落としたからといって、これは検査ができない、検査確定したという意味ではございません。この精算を終了するまではやはり引き続いてそれぞれ同じように厳重に検査を行なっております。落としたわけは掲記する意味が少なくなったという点で落としたわけでございます。
○沢田実君 四十三、四十四、四十五年の金額はおわかりになりませんか。
○説明員(鎌田英夫君) 掲上いたしましたのは四十二年度でございまして、四十三年度、四十四年度いずれも未確認分として掲上いたしておりませんが、先生の御質問の御趣旨は、四十二年度と同じように掲上したらどのくらいになるかと、こういう御質問でございますが、ちょっと四十三年度、四十四年度につきましては四十二年度と同じような集計を実はいたしておりませんで、個々のものについてそれが納入されたかどうかというような点を追及する、こういう検査の状況でございます。
○沢田実君 ちょっとお聞きすることが前後いたしましたが、先ほど注意事項の点で御回答をいただいたわけですが、それから郵便局の関係は全部問題が解決したのでそれらは載せないとおっしゃったのですが、四十四年度分の、ページで六十三ページそれから八十三ページの二カ所ですが、災害復旧工事の問題ですけれども、両方とも積算過大の事実があったけれども、それは全部減額させたのでというようにここではお書きになっていらっしゃるわけです。だから普通ならば不当事項としてもいいようなものだと思うのですけれども、そういうふうにしないで報告しているわけです。郵便局のほうの関係は不正行為だけれども返済してしまったので載せない。こうおっしゃっているわけですが、その辺の、報告書に載せる基準というものが一貫していないように思いますが、その辺はいかがでしょうか。
○会計検査院長(山崎高君) 災害事業費の査定は、これは決算の検査ではございませんで、災害が起きたときに現地に参りましてその復旧予算自体がちょっと大き過ぎるじゃないかということで、これはほんとうを言うと、検査院がそこまで不当事項としてやるのは一体どうなのか、これは決算でも何でもないじゃないか。この検査は歴史的な背景が非常にあるのです。かつては建設、農林省の両方から補助金を二重に取ったようなこともありまして、それがもとで補助金適正化法ができまして、現在は弊害はほとんどなくなっており、金額はだんだん減っているという傾向もあります。また、決算検査は別にやるわけで、その結果、災害復旧工事の不当事項として載せているわけです。査定検査は予算を減額させたので、しかも査定段階で行って見てきたのだから、不当事項というよりも是正事項だという見地で昨年是正事項を置いたことによってちょうど置き場所ができたので、ここに入れたのであります。
○沢田実君 わかりました。 最後にもう一点お尋ねしたいわけですが、処分調書の問題ですが、この間、日航製の問題をお聞きしたのですが、通産省から処分調書が出ておりませんが、会計検査院としてはどういうふうにお考えですか。
○会計検査院長(山崎高君) 処分の要求につきましては、これは検査対象によってずいぶん違うのでありまして、日航製の場合で言いますと、会計検査院法でも、予責法の規定によりましても、国または公社等に該当しない。そこで、検査院としては権限上は責任追及をできるという立場にないのであります。権限は全然ないわけでございます。しかし、会社の経理とか今後の検査に非常に影響がございますので、われわれとしてはトレースという意味で、会社のほうはどういうふうなことをしたかということを注目して、その結果につき情報を入れてもらうようにしている、こういう状況でございます。こちらからあらためてこうしたらいいじゃないかという法律上の権限はないわけであります。その点ひとつ御了承願います。
○沢田実君 その点で二つの問題をお聞きしたいのですが、その一つは、通産省に対しては、責任はないというふうに検査院としてはお考えですか。
○会計検査院長(山崎高君) 私が先ほど申しましたのは、会計事務職員としての責任ということを申したのでありまして、通産省が行政上責任を持つかどうかということは別の問題であります。われわれが検査し得るのは会計経理に関することになっておりますし、また法律でも責任を追及できるのは、会計事務職員に対してということになっておるのでありまして、行政責任とか政治責任等につきましては、議会のほうにおまかせをするということになっておるのであります。
○沢田実君 その点はわかりました。それから会社に対してはできないのだというふうないま御答弁のようでありますが、三十四条で「会計検査院は、検査の進行に伴い、会計経理に関し法令に違反し又は不当であると認める事項がある場合には、直ちに、本属長官又は関係者に対し当該会計経理について意見を表示し又は適宜の処置を要求し」とありますが、適宜の処置の要求というのは、これは、検査院が経理の対象にしている全部について当然あるのだという、そういう考え方、そういう逐条解釈ですけれども、そういう解釈をおとりになっていらっしゃる方があるわけですが、いまの院長の御答弁ですと、それは違うというお考えですか。
○会計検査院長(山崎高君) 改善要求の中に、早くいえば人事に関することが入るかということになるかという御質問ですが、院法三十四条は、やはり会計経理の具体的な悪い点につき、こういう点が悪いとか、ここがいけないというようなことを会社にも出せると思うのでございます。ですが、それに関連して当該責任者の責任追及ができるかということになると、やはりこれは院法三十一条とか予責法等の規定によらなければ権限上は検査院としてはなすべきでないと、かように考えております。
○沢田実君 その問題ではなしに……。通産省のほうはわかりました。要するに、日航製の株式会社に対して、会計検査院として適宜の処置を要求するということができないのかどうかということです。
○会計検査院長(山崎高君) これは会社たとえば船会社までも検査院が検査する対象全部にこの条文は適用できると、かように考えております。
○沢田実君 そうしますと、日航製で不当事項が指摘された問題について、こういう処分をしましたという処分調書というものはこないんですか。
○会計検査院長(山崎高君) 改善要求はできるわけでございますが、改善要求は今度していないわけでございます。今回のは、不当事項として批難し、議会に報告したわけです。検査院としてはこれは直せというのじゃなくて、こういう事態が起きて、これだけの現実に損害が起きた。これはいけないことだといって批難して議会に報告したわけでございます。
○沢田実君 ちょっと私が申し上げるのが通じないのですが、不当事項として指摘されますと、その指摘された各省が処分調書というものを出すわけでしょう。その問題についてこの人は解雇したとか減給にしたとか、処分調書というものをこっちに送るのです。処分調書がくることになっているのですが、日航製は十億の不当事項として指摘されながら、その処分調書は出ておりませんと申し上げているのですよ。だから、処分調書を出せといって会計検査院から、ここにありますように適宜の処置を要求することはできないのですかと申し上げているのです。ですから、通産省は、それはいまお話しのように会計経理に関してだから、通産省はその対象にならないと。だから、通産省で処分調書を出すことはないわけです。だけれども、日航製という会社では十億という損を与えたのですから、不当事項で指摘されたのですから、その会社が自分の不手ぎわでやった者を処分したという、そういうものが出ているのじゃないか。たとえば農林省で不当事項を指摘されれば、それを担当した担当官をこういうふうに減給にしたとかあるいは解雇したとかという処分調書というものがくるのです、報告があるのです。日航製については何にもありませんので、会計検査院として会社に対してそういうものを出せと、こういうふうに処分したんだと、処分調書を出せという処置の要求というのはできないのかと申し上げているのです。
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。 ただいま先生のお話がございました点でございますが、これは政府官庁あるいは政府関係機関その他でもわれわれは検査いたしまして、それで不当とかいろいろなことをやりました際に、その後の状況、その担当者についてどういう取り扱いをしたか、その部内におきまして。そういうものにつきましては、相手から調書を取るとか、そういうことはやっておりません。しかしわれわれは、まあ会計経理を適正にしていくという配慮から、相手官庁等あるいは相手方に聞きまして、どういうことが行なわれたかということは実質的には調べております。相手方に当然の義務としてそういう調書を出さなきゃいかぬとか、そういうことではございませんが、われわれは検査の過程もございますので、先ほど院長からお話ございましたように、今後の経理とかそういうものの適正を期するという、その相手官庁の態度がどうであったかというような点につきましては、われわれとしても関心を持っておりますので、われわれのほうで自主的に、相手方からどうであったかということを聞くということは、当然やっておるわけでございます。
○沢田実君 そうしますと、もう一ぺんお尋ねをしますが、各官庁が不当事項として指摘されたことについて、処分調書を国会に出しますけれども、それは会計検査院とは関係ないということですか。
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。 ちょっと思い違いをしておりましたが、先生のおっしゃいましたのは、政府側の答弁といいますか、こういう不当事項があったことに対して、政府側としてはどう考えるかと、こういう問題ですが……。
○沢田実君 処分調書。
○説明員(小熊孝次君) これにつきましては、これは政府側が検査院の指摘に対してどうするかということを国会へ出すということで、これは政府側が全部つくるべきものでございますから、もちろんそれにつきましては、印刷されたものにつきましてわれわれはちょうだいいたしております。
○沢田実君 政府がつくることはわかっているのですよ。わかっているけれども、出るのと出ないのがあるから、出ないものについて、会計検査院として処分をどうしたと言えないのかと聞いているのです、ぼくは。院法でこういうふうに処置を要求できるのだから、だからそういう処置の調書を、こちらへ報告していないところに対しては、そういう処分調書を国会に出せというようなことは会計検査院としては言えないのですかと聞いているのです。
○説明員(石川達郎君) 処分調査の件でございますが、それが国会に提出される過程につきましては、ただいま次長から申し上げたとおりでございます。 われわれが承知している限りにおきましては、これは処分をまだ行なっていないということで、該当なしというようなふうに承知をしているわけでございます。
○沢田実君 いまのよく聞こえませんでしたが、どういうことですか、もっと大きな声で……。
○説明員(石川達郎君) 処分調書が国会に提出されます過程につきましては、ただいま次長から申し上げたとおり、政府答弁に沿いましてこれは出されるわけでございますが、したがいまして、われわれも、内部の規程としましては、先ほど来お話のありましたような趣旨に沿ってそういったものにも関心を持ちまして、相手方から提出をさせているわけでございますが、日航製の問題につきましてわれわれが承知している限りにおきましては、これはまだそういった処分を行なっていないということで、処分の該当がないというふうな報告を受けているわけでございます。
○会計検査院長(山崎高君) どうもはなはだ御質問のとらえようがおそうございまして恐縮でございます。 先生のおっしゃったのは、国会に出す処分調書。私は検査院に出す処分調査と思ったので間違っておりました。国会に検査院が報告を出すと、政府からその弁明書でこういうふうにやったとか、非常に遺憾だという、あのことでございますか。――これは検査院に関係があるかないかというと、私はこれはやはり検査院には関係がないと思っています。検査院としては法律上国会に検査報告を出すことが検査院の権限なんでございます。検査報告に記載した不当事項のうち、検査院は国または公社に損害を与えたと認めたとき、検査院法三十一条等によって会計事務職員の責任が一体懲戒に値するかどうか、責任を追及すべきかどうかということを検査院が調べるわけでございます。もしそれが懲戒に値することであれば、その懲戒を要求して、そのことをまた国会に報告しなければならないという法制になっております。ですから、検査院が表向きやることは、法律の権限によるわけですから、法律に書かれたことしかできないのではないかと思うのです。しかし実際的には検査しておりますから、国会に出したその処分調書を検査院にもほしいと、これは事実上の行為としてわれわれもらっておりますが、それが法律上請求権があるかというと、それは別の問題であるというふうに考えております。 ですから、政府が国会の国政調査あるいは決算の審査の関係で、検査院はこう言っているが政府はこうでありますといって意思表示することはありましょう。しかし検査院としては、国会にこれを出せと言うことはできないわけです。事務上の連絡という意味で言うことは別でございますけれども、法律上それがいいかどうかということになりますと、やはりそれは検査院とは関係ないことであるというふうに考えております。
○委員長(森元治郎君) ほかに御発言もないようですから、会計検査院の決算につきましてはこの程度にいたします。 速記を中止してください。 〔速記中止〕
○委員長(森元治郎君) 速記起こしてください。 ―――――――――――――
○委員長(森元治郎君) それでは、これより行政管理庁の決算について審査を行ないます。 この際、おはかりいたします。議事の都合により、行政管理庁の決算の概要の説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それでは、これより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○和田静夫君 昨日来、実は行政監理委員会が昭和四十年発足以来出したすべての意見等に目を通してみたのでありますが、それには二通りのタイプがあります。一つは、きちっと行政監理委員会意見という形になっているものと、もう一つは、委員の名前が羅列してあって、あて先が行政監理委員会委員長になっているものとの二通りであります。そうして、行政監理委員会発足当初のうちは前者の形式を踏んでいるものが多いのですが、最近ではほとんど後者の形式になってきているわけです。特に荒木さんが長官になられたあとこの傾向が非常に激しいわけですが、この二つの形式の違いは一体まず最初どういうところにありますか、長官の答弁を。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 委員会の意見は委員会設置法に基づく成規の意見でありまして、委員長を含むものでございます。そのほかに、委員長を除く全委員の一致した意見が提出されて公表される場合がございます。この場合、行政管理庁長官が兼ねる委員長を含む審議を行なって意見の取りまとめをすることが時宜に適さない場合等において、委員の判断によって提出されるものでございます。
○和田静夫君 そこで、行政監理委員会の意見の出し方の傾向が、初めのうちはいま言われたように、法律に基づいて委員会意見という形で出していたものが、いま言ったような形に変わってきているわけです。そこら辺の事情の変化について行政管理庁長官としてどういう御見解をお持ちですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 委員長を行政管理庁長官が兼ねている関係上、委員長を含む意見を取りまとめるためには内閣の意向も慎重に考慮する必要がありますが、これによって意見を取りまとめていては時期を失すると思われる事項があって委員の意見が提出される場合も増加しているものと思います。
○和田静夫君 これは行政監理委員会の委員長が、長官がやはり多くの場合参加をされた形でこの法律に基づいた委員会意見という形が当初出ておったように、現在もやっぱりそういう形のほうが私は好ましいというふうに判断をするのですが、行政管理庁長官そのようにお思いになりませんか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろんそのように思いますが、いま申し上げましたような事情で、とかく委員長を除いた委員会の意見が出る場合が多いように思います。
○和田静夫君 意見が出る場合はもちろん多いでしょうが、そこに委員長自身、長官自身が参加をされておって意見の交流が行なわれて権威あるものにしていく、どうもそこで長官自身が言質を取られてどうしても身動きならなくなるというような危倶をお持ちになって出ない形が多くなったのか、そういうことがあるんですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いいえ、そのようなことはございません。むしろ民間委員の方々が、さっき申し上げたような立場にある行管長官であるから加えないほうがよかろうという判断のもとに、いわば忌避されると申すのは少し大げさですけれども、民間委員のほうから遠慮してくれというふうな気持ちで対処されることが多うございます。
○和田静夫君 行政監理委員会の設置法を見てみますと、その三条は「長官は、委員会から、前条第一項の規定による意見又は答申を受けたときは、これを尊重しなければならない。」、つまりこれは努力規定ではなくて明らかに義務規定だということであります。行政監理委員会の意見を尊重することは、行政管理庁長官の、言ってみれば義務である。それを怠るということは、そうすれば明確な法律違反である。法律に基づかない意見と、法律に基づく意見という形式を踏んでおるものとは、明確に区別をされなければならない、そういうふうに考えますが、そう理解してよろしいですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大体そのとおりだと思います。委員長が加わって成規の委員会の意思がきまりました場合は尊重せねばならないということに相なりますが、そうでないときには尊重しなくてもいいということじゃございませんけれども、法律上尊重しなければならないという立場には立たない。しかしながら、その意見の内容が現実に即し、示唆に富む事柄については、実際上尊重してこれが実行に当たるという態度で臨んでおります。
○和田静夫君 そこで、いま申し上げたような前提に立って、以下幾つかの質問をいたしますが、まず、昭和四十年の十一月四日に行政監理委員会は行政改革の推進に関する意見を出しておるわけです。そうしてさらに、四十一年の七月二十一日に行政改革の実行に関する意見を出しております。そして政府にいろいろと注文をつけております。そして、同年の昭和四十一年の七月二十六日に地方事務官制の改革に関する意見、四十二年の八月三十一日に特殊法人の改革に関する第一次意見、十月五日に第二回行政改革閣僚協議会を前にして行政監理委員会の意見と、まあ、こう続いているわけです。これらの意見がまず尊重されたかどうか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 尊重しながら、その推進に努力しておりますが、その経過については政府委員からお答え申し上げます。
○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。 ただいまの御質問のうち地方事務官の件に関しましては、政府におきまして第一次及び第二次行政改革三年計画の中で、それぞれの所管大臣それから自治大臣及び行管長官の三者の覚え書きができておりまして、その趣旨に基づきまして地方事務官の問題を処理すべく検討中でございます。一方、行政監理委員会からは、御指摘のように、七月二十六日にこの意見が出されておりますが、この中のたとえば厚生省関係につきましては、これは政府の方針といたしましては、保険関係の抜本改正があって、その上でこの地方事務官制度を行なうということで、しばらく先に延ばしておりますので、特に今回の行政改革の計画の中には入っておりません。運輸省関係の地方事務官については、監理委員会の御意見にほぼ沿った方向で三大臣覚え書きが作成されておりまして、それにつきまして現在鋭意検討中でございます。また、労働省関係の地方事務官制度につきましては、労働省の地方行政組織全般の問題といたしましてこれを取り扱っておりますので、必ずしも行政監理委員会の意見のとおりにはなっておりません。しかしながら、以上の――厚生につきましてはあとの問題になっておりますが、運輸省、労働省の二省の地方事務官制度につきましては、監理委員会の御意見をできるだけ尊重しながら、その検討を進めている状況でございます。 それから特殊法人の整理の問題でございますが、これにつきましては監理委員会の御意見を十分尊重いたしまして、昭和四十二年に特殊法人の整理に関する閣議口頭了解をいたしておりまして、この線に基づきまして逐次実施しつつあるところでございます。
○和田静夫君 実はこれらの意見というものが全く尊重されなかったということ、これを安西正夫、江口俊男、太田薫、佐藤功、橘善守、寺尾一郎といった六名の委員全員が認めています。そして翌四十二年の十一月九日付で、これら六人の委員は行政監理委員会松平勇雄委員長あてに行政改革の緊急事項に関する意見を提出しております。その中にこら述べています。「行政監理委員会は発足以来、行政改革の推進に努力してきたが、この間、その実現にはほとんど見るべきものがないことは遺憾である。すなわち、委員会が去る八月、」――四十一年八月のことです。「政府に提出した公社・公団等特殊法人の整理統合に関する意見についても、政府の作業は遅々として進まず、行政改革に対して果して政府が熱意を有するのかさえ疑わしい状況である。しかも、最近における諸般の客観情勢の変化は、行政改革の必要を一層切実、緊急なものたらしめている。」、こう述べているわけです。私は、これを読んだときに、行政改革に対する政府の熱意がなくて、行政監理委員会の意見を尊重することができない行政管理庁長官は、設置法に違反せざるを得ないわけですから直ちにやめるべきである、当時の松平長官にそれだけの英断があったならば、今日の各省庁のセクショナリズムに押されて身動きができなくなるようなだらだらした政府の姿勢も少しははっきりして改まっていたのではないか、そういうようにまあ思っているわけです。行政監理委員会の意見を尊重できない行政管理庁長官は、先ほども確認をしましたように法律違反をしいられるわけでありますから、やめるべきであるという私の主張、考え方について、現在長官の立場におられる荒木長官はいかがお考えになりますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 極力意見を尊重しながら推進はしておりますけれども、何さま関係省庁の意見を克明に取りまとめることに手間どっておりまして、努力不足を嘆かねばなりませんけれども、今後とも行政改革本部を中心に極力推進してまいりたいと思います。
○和田静夫君 やっぱりもっときびしい態度というものが要求をされなければならぬのだろうと思うのです。行政監理委員会の設置法には罰則規定がありませんから、まあ大臣おやめなさいなどというような強制もなかなかするわけにいかぬのですが、私は、政治家である以上それくらいの責任感があってよいのだと実は思うのです。 今日、昭和四十三年度の決算についてここで審議をしているわけですが、この年は、いわゆる行政改革の三カ年計画が樹立をされた年です。行政監理委員会はその六月二十日に、行政改革三年計画の初年度において実施すべき事項に関する意見、こういう意見を提出をして、さらに七月の二十九日に行政改革の今後の課題と方針と題する意見を提出をしておりますが、これらの意見は長官尊重されましたか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政府委員からお答えいたします。
○政府委員(河合三良君) ただいまの御意見につきまして、監理委員会から緊急に処理すべき事項ということを御指摘を受けておりますが、そのうちで特に国の行政事務の地方委譲、それから特殊法人の整理統合、補助金の整理統合等につきましては、御趣旨の点は十分に尊重して処理いたしておる次第でございます。
○和田静夫君 このときの長官はどなたです。
○政府委員(河合三良君) 木村前長官であります。
○和田静夫君 私は、まあ実は、先ほどのような考え方からいけば、木村長官自身も設置法に違反せざるを得ないような状態に――のろのろ各省庁のいわゆる意見を尊重せざる態度におけるこの仕事の進捗状態で、長官自身が法違反の立場に追いやられるわけだから、木村さんも実はやめるべきであったと思う。しかし、同時に私は、歴代の長官の中で木村長官が行政改革に一番熱心だったと思う。いま取り上げています地方事務官制度の問題一つ取ってみましても、木村長官は、みずから委員長をつとめた行監委員会の法手続を踏んだ正式意見として、すみやかなるその廃止を二度にわたって出していらっしゃいます。荒木長官になってからどうもこの問題が影が薄くなってきています。そういう気がするのですが、長官そういうことはありませんか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一つには能力の違いであろうかとも思います。足らざるを憂えて今後さらに努力したいと思います。
○和田静夫君 いつもながらの答弁なんですがね、これは私が言っているのではなくて、行政改革の緊急課題に関する意見、この中で、もうお読みになっていると思いますが、荒木長官になってから行政改革はまさに冬眠状態にあると言えると、これらの意見の中で出ているわけです。したがって、いまお約束になったように、事務官制度の問題について早急に解決をする姿勢をどうぞ長官在任中に示してもらいたいと思うのです。いかがでしょう。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は行政改革に取っ組むにつきまして、いろいろ考えたんでございますが、役所のセクショナリズムということが壁が非常に厚い、現実問題として容易ならざるものがあることを覚えます。それにつきましては、原則的に基本条件を整えてかかるほかに手がなかろうというふうにも思ったのでありまして、その意味において、まず総定員法の御制定をお願いいたしました。総定員法の制定されまして以来、年々歳々一万人以上の増員が毎年積み重ね方式で実施されておりましたものが、四十三年度以来、五十万六千五百七十一名の総定員のワクを下回りまして、一名も増員ということはなしに、むしろ下回っておるという結果をもたらしました。 そこでもう一つは、行政組織法の改正をしていただいて、やはり基本線を打ち立てることがどうしても必要である、こう考えまして、今国会で御審議を願いたく準備を進めているところでございます。この二つのレールが敷かれまして、その上に立ってセクショナリズムの打破に向かって一路邁進したいと思っております。
○和田静夫君 ともあれ長官、法的責任、義務をお持ちになっているわけですから、ちょっと私具体的に聞きますが、木村長官時代の二つの強い意見を受けて、少なくとも地方事務官の問題をめぐっては、先ほども局長から答弁がありましたように、各省に動きが見られました。その一つのあらわれとして、昭和四十三年十一月二十三日に、陸運行政についての運輸大臣、自治大臣の覚え書きが結ばれた。そして四十三年十一月三十日、行政管理庁長官に現在の荒木さんが就任をされた。そして間もなく十二月の十八日に、行政管理庁長官としてのあなたは、あなたを委員長とする行政監理委員会の正式な、地方事務官制の廃止に伴う陸運行政の改革に関する意見を受け取っておられます。そこには、「地方事務官制の廃止に伴う陸運行政の改革に関する行政管理庁長官、運輸大臣および自治大臣間の覚書(四十三年十一月二十五日「陸運行政について」)は、特に第一項前段の部分など内容が不明確であり、今後におけるその取り扱い方次第によっては、陸運行政の改革に関する臨時行政調査会意見および行政監理委員会意見の方針に沿わない結果となるおそれがあると認められる。よって、当委員会は、今後における運輸、自治両省の協議に当たり、次のような当委員会の方針が実現されるよう、行政管理庁長官が適切な措置をとることを要望する。」、このようになっているわけです。あなたはこの意見を尊重する法的義務があったわけですから、どのような適切な措置をとられましたか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政府委員からお答えいたします。
○政府委員(河合三良君) ただいまの御指摘につきまして、監理委員会の御意見といたしましては、「陸運局および陸運事務所で所掌している事務については可能な限り知事に機関委任し、この事務に必要な限度において地方事務官を地方公務員とする。」、それから「陸運事務所の車検・登録事務については、極力民間業者の活用を図り、終局的には陸運事務所は特殊車両の検査および民間業者の指導監督のみに当たることとする。」、「陸運事務所の事務については徹底的な簡素・合理化、能率化を図り、これによって生ずる余力は他の必要な部門に振り向けるものとする。」、「自動車運送事業の免許基準を明確にする。」、「なお、陸運事務所において行なっている事務のうち地方に委譲することを適当としないものについては、これを国の事務とし、これに従事している地方事務官は運輸事務官とする。」、「陸運行政に関し、都道府県知事の意見を反映しうるよう法制上の措置を講ずる。」というような御意見になっておりますが、このうち相当部分について、この御意見に沿った方向で検討を続けているわけでございます。 第一の項目につきましても、一部の現在の地方事務官を地方公務員にするということに結果としてなるのではないかというふうに考えておりますし、また、車検・登録事務につきましても、これは民間業者の活動ということになっておりますが、車検につきましては、これは指定整備工場の増加によりまして車検制度を事実上民間の指定整備工場で行なわせて、国がそれを監督するという方向に向かっているようでございます。登録事務については、民間業者の活用ということはまだ入っておりませんが、しかしながら、本申し合わせのできました後、コンピューターの大幅な導入計画ができ上がりまして、それによりまして運輸省の自動車の登録事務につきましては、相当大幅な機械化が行なわれ、それによって全国一元的に行なえるという方向に進んでおりますので、これはこれとして処理をするのが適当かというふうに思っております。 その他、ただいま読みました監理委員会意見の中身につきましても、主として、ほぼこの方向で現在検討を進めておる次第でございます。
○和田静夫君 それで、検討を続けているという答弁でしかないわけですから、その限りにおいては、四十三年の意見というのはまだ一つも生かされていない、こういうことに結果的になるわけです、経過的にはどうあろうとも。それで、いま一言言われましたね、地方事務官制は廃止されて地方公務員になると思われる、そう言われたですか。
○政府委員(河合三良君) 監理委員会の御意見によりますと、「この事務に必要な限度において地方事務官を地方公務員とする。」、「この事務に必要な限度」と申しますのは、知事に機関委任をするということでございますが、その機関委任をされました範囲で必要な部分については、これはそういう措置も出てくるかというふうに思っております。
○和田静夫君 その部分は、いまのところ、その答弁でとどめておきます。 昭和四十四年の一月に出された行監の、地方労働行政機構の改革の方向に関する委員の見解、これを読んでみましても、各三名の委員が支持する二種の意見を委員長に提出して、しかも、関係省庁間の協議において、行政管理庁長官がこれについて善処すべきことを要望していますね。そこで荒木長官はこの要望にどのようにこたえられましたか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それも政府委員からお答えいたします。
○政府委員(河合三良君) ただいま御指摘の監理委員会意見の労働省関係につきましては、意見がA、Bと分かれておりまして、監理委員会の御意見といたしましても必ずしも統一した御意見になっておりません。しかしながら、いずれにいたしましてもこれをできるだけ尊重するようにということは当然のことだと思いますが、一方におきまして、この労働省関係の地方労働行政機構については、これは地方事務官制度の問題のみならず、労働行政全般に関する措置となっておりまして、そういう意味から従来の監理委員会の御意見とは若干食い違った点もあると承っております。しかしながらできるだけ、監理委員会の御意見は、これは尊重すべきものといたしまして、十分参考といたしまして、現在これの検討に当たっておる次第でございます。
○和田静夫君 何か予算委員会が始まるそうで大臣出られますから、いまの、ちょっとおきまして、大臣に一言だけ聞いておきます。一つは、私はこの間、地方行政委員会で、管区警察局の廃止問題で質問したら、大臣はぶっきらぼうに、考えていませんと、こら言われたが、あのとき出どころを忘れていたものだから、あれ以上追及したかったが当面の行政改革事項の中に、明確に、私が述べたとおり、管区警察局の廃止問題が意見として出されている、要望として……。それを受けないような答弁というのはたいへんけしからぬと思っているので、そのことだけをちょっとつけ加えておきますが、後ほどやろうと思ったが、時間がどうも大臣のほうにないから、私は大臣に一言だけ尋ねます。先ほど言われたとおり、各省間のセクショナリズムを廃止していく、こういう形の決意を承りました。したがって、そのことに対して私は期待をしたいと思うのですが、昨年の十一月の十一日に、佐藤総理大臣は、行政管理庁長官のあなたに、地方事務官制の廃止の検討を指示した、こう伝えられました。そこで大臣から、その内容はどういうものであったのか、そしてこの総理の指示に基づいて、長官はみずから閣僚としての地位をかけてその廃止を、断行を行なうつもりがあるか、この二つだけ承りたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 確かに総理からそのような指示を受けました。以来事務当局を督励して、それが推進に当たらせております。
○和田静夫君 指示の内容を一言で言ったらどういうことですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 行政改革の目玉商品でもありませんけれども、重要な一環として地方事務官制度の廃止をもっと推進しろという指示であったと思います。
○和田静夫君 地方事務官制の廃止を推進をしろと、こういうことでありますので、大臣いま勇気を持って進められると、こういう趣旨の答弁をされたのですが、それに期待をいたしましてよろしいですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 努力いたします。
○和田静夫君 そこで先ほどの労働関係の問題なんですが、行政管理局長これ一体どういうスピードで進んでいきますか。また、どういうふうに進めろと、行管としてはいろいろ協議をされますか、指示をされますか。
○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。 方向といたしましては、これは申すまでもなく三大臣覚え書きの方向で推進すべきだというふうに考えております。また、そのスピードでございますが、御承知のように、非常に長期間にわたって存続してまいりました制度でございますし、また、先ほど来申しておりますように、この労働省の問題につきましては、地方事務官問題に限らず、労働行政としての労働省の地方行政全般にかかわる考え方が三大臣覚え書きの中に入っておりますので、非常に影響するところも大きいと思いますので、なかなかすぐにどういう結論を出すということはむずかしい問題が多いかと思いますが、この方向でできるだけこの実現を推進したいという考え方を持っております。
○和田静夫君 厚生省関係の地方事務官の取り扱いについては、まだ具体的な方向すら明らかになっていない現状であります。地方事務官制度の改革はすでに多年の懸案であります。国と地方公共団体の間の事務配分の合理化の見地から、その実現が強く要望をされています。そして先ほど、総理大臣の指示に従って荒木長官はまあ明確に努力をすると、こう答えられているわけです。法的にさえ国はその廃止の義務を負っているわけすでね、さっきからも、こうずっと手続を踏んできますと意見が行管から出ているんですから。それが現状のまま低迷していることについて、私は長官はもっと責任を感ずべきだ、こう思うのですが、しかしまあ長官出られまして私努力をすると言われたので、言ってみれば、局長もいま答弁されていますが、次官にぜひ答弁していただきたいと思いますが、利害関係者同士に幾らやらせておったって、行政改革だとか地方事務官の廃止、身分の移譲問題だとかいうものが常識的に考えてもうまくいくはずがありませんよね。そのためにこそ行政管理庁というものがある。したがって、もっと、何といいますか――地方事務官制についての改革に関する意見というのは昭和四十一年の七月二十六日にたいへんきっちりしたものとして出されているのですから、それを断行する、こういう姿勢が必要だと思うんですがいかがですか。
○政府委員(黒木利克君) 私も行政管理庁に参りまして一年余りになりますが、その間の経験から、行政改革については改革を行なう方法論が確立されていなかったことに効果をあげなかった理由があるのではなかろうかという結論に達しました。その方法論というのは、一つは解決をしたわけでありますが、国家公務員の総定員法で、これは内閣の責任で国家公務員の削減の方針をきめれば内閣の責任でこれが実行できるという実行の担保ができたわけでございます。あとは、行政機構の改革に関しましては、これは地方事務官制度も含めてもそうだと思いますが、今度の国家行政組織法の改正によりまして、たとえば局部の新設、廃止というものは内閣の責任においてやれるようにすると、こういうような方法論が確立することによって行革が推進されていくのではないかというふうな、これは私の一年の経験でございますが……。 で、先ほど先生から、だんだん、行政監理委員会の答申を尊重しないし、かつまた、行政監理委員会としての意見が正式の意見でなくて個々の委員の意見になりつつあるのはどういうわけかということをおっしゃいましたが、行政改革が抽象的な段階で済む段階ではよかったのでありますが、だんだん、どの局部をつぶすんだとか、どの人員を何名減らすんだとかいうようなことになりますと、内閣だけの責任、内閣だけの権限でやれる段階ではいいのでありますが、いろいろやはり圧力団体、長い間の伝統がございますから、そういう関係団体の圧力が内閣の力を越えて加わってくるということによって、その困難性がだんだん強くなってきたのではなかろうか。したがいまして、大臣も先ほどおっしゃいましたように、行政改革をだんだん具体的に進めなくちゃならぬという段階になると行政監理委員会の正式な意見というものがなかなか困難になる。つまり行管長官は内閣の一員でもありますから、内閣でやはり発言をしたことはその実行を確保しなければただ遠ぼえだけでは困るわけですから、そうなると、やはり各省大臣との事前の話し合いをつけて閣議でそれをきめていくという努力をしなければなりませんが、そうなると、その時期を失してしまうというようなことで、ついつい大臣も責任を感ずるあまりに委員会の委員長としての参加ができないということに今日なっているんではないか。したがいまして、今国会で国家行政組織法の一部改正の御審議を願うことになっておりますが、これをすみやかに通していただいて、この総定員法の活用と、この国家行政組織法の活用と両々相まって行革がかなり効果をあげるんではなかろうか。それ以上のことになりますと、やはりこういう行政改革の権限を行政管理庁から内閣の――これは総理府から行政管理庁自体を内閣に置くと、こういうようないろいろ改正の御意見もありますが、行政管理庁をどこに置くかという、どういう権限を持たせるかという問題までやはり考えないと、具体的な改革の問題になりますと、先生の御指摘、御非難に当たるようなだらしない結果になってしまうんではないか、こういう私の感想でございます。
○和田静夫君 河合局長に伺いますがね、いまの厚生省の地方事務官廃止問題、四十一年の七月二十六日のあの地方事務官制についての改革に関する意見に基づいてどういう見通しでもって進みますか。これはいわゆる医療制度全体の抜本的な改革などと付随するとかいうような形のことだけではなくて、地方自治法附則八条との関係において、「当分の間」というのが二十五年間近く続いているわけですからね。二十五年ももう「当分の間」なんという法律解釈はぼくは成り立たぬと思っているのだけれども、それらとの関係どうですか。
○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。 確かに二十五年も「当分の間」ということばで続いておりますのはまことに不自然、ことばの意味そのものから申しますと不自然かと思いますが、やはりまあ医療制度の、あるいは保険制度の抜本改正ということはどの方向でどうきまるかということになりませんと、この現在の厚生省の保険、年金関係の地方事務官をどういう形で処理するかということはきめがたいのではないかというふうに思っておりますので、現在どういう方向でどうするかということについての考えを申し上げるだけの自信がございません。
○和田静夫君 このことは局長、言えるんじゃないですか。厚生省その他を指導するにあたって、ともあれ地方自治法附則の八条は「当分の間」、不自然に二十五年近く続くわけだけれども、そのことを抜きにしても主体は地方公務員なんです。当分の間地方事務官にしているだけなんです。したがって、医療制度全体の改革などというものとは全然関係なくして、法の趣旨に基づいて「当分の間」は不自然なんですから、いまも言われたとおり、不自然なことはまずはずしてしまう、このことだけは指導として言えませんか。
○政府委員(黒木利克君) 実は私、社会保障を専門に勉強しております者の一人としてお答え申したいと思いますが、実は医療保険から医療保障といいますか、それが発展の方向だといわれております。医療保障への方向というのは、国の責任が強化されていくんだ、これから医療保障に国が直接責任を持って、国の公務員でこれを施行するんだというのが進歩の方向だという一つの考えがあるわけです。ところが、国民健康保険のように、地域の住民が連帯責任でお互いで解決をしていくんだという、一面考えがございまして、確かにそういう国保は、そういう精神で立法もされ、今日まできておるわけで、その調整をどうしたらいいかというようなことで現在いろんな厚生省の関係の諮問機関で審議をしておられるんですが、そこでたとえば、いわゆるいまの医療保険も、老人に対する医療保険というようなものを一つ考えてみても、新しく制度として考えてみて、これは国の責任でやったらどうか。ところが、地域保険とあるいは勤労者保険と分けられるわけですけれども、この地域保険のほうはひとつ地方の自治体でやってもらったらどうだ。勤労者保険のほうをどうするかという問題があるわけですが、これが健康保険問題のいま中心問題になりつつあるわけなんですが、それがその中間的な性格なんですが、その割り切りようがなかなかむずかしいものですから、そこで国がどの程度一体責任を持ったらいいか、地方自治体にどの程度持たしたがいいかということをまずきめないことには、この施行に当たる職員の身分もきめかねるということで悩んでおるんだと思います。だから、やはり医療保障という時代になれば、私は理想を言うと、国の直轄機関でやるべきだということもこれは考えなくちゃなりませんで、そこら辺の地方事務官制度というものは廃止してしまえということは行政管理庁としても多年の考えなんですが、それはいま言った医療保障制度の時代の、国の責任で国家公務員がやるという方向に背反するので、そこでジレンマを感じていま悩んでおるという現状でございます。
○和田静夫君 特に政務次官の場合には、なるべく厚生省の側にお立ちになる考え方が強く出ると思います。私の場合は、逆の立場に立つ場合が出ると思います。そのことをいま論議をするのではなくて、地方自治法の附則八条というものの精神、主体は地方公務員を地方事務官にしているわけです。そして「当分の間」なんです。その「当分の間」は二十有余年続いているわけです。したがって、これは局長も言ったように不自然です。まずそれをもとにお返しなさい。いま政務次官が言われたように、医療制度の問題はお互いに考えなければならないのではないかと思いますが、これとそれとは別に考えてよろしいんじゃないか、不自然なものはやめようじゃありませんか、これが行政改革の一番の姿勢でなければなりません。こういうことを主張しております。おそらく荒木長官の努力しますという精神の基本は、まずそこにありましょうと受け取っておりますが、その辺のことは十分踏まえて努力をしてきた、こういうことでよろしいでしょうか。
○政府委員(黒木利克君) 大臣がお答えをいたしましたとおりでございまして、私が申し上げましたのは、社会保障の専門家としての私見だということでございます。
○和田静夫君 特殊法人についてお聞きをしますが、四月の二十日、私はこの決算委員会で日本自転車振興会、日本小型自動車振興会それから地方競馬協会、これを一本化をして、そうして業務を合理化したほうがよい、こういう私が意見を述べたのに対して長官は検討すると答えられたわけです。その後、行政管理庁としてどういう検討をされましたか。
○政府委員(河合三良君) 昨年四月二十日の御質問をいただきまして検討いたしまして、その内容につきまして御趣旨のとおりにするのが適当かどうかいろいろ研究いたしましたが、一応、補助金交付というような点については共通点もございますので御指摘の点そのとおりかと思いますが、実際にやっております仕事の相当部分は、たとえば選手、審判員あるいは競走馬、自動車、自転車等の検定、登録とか免許、あるいはそういう職員の養成あるいは一般的な指導、訓練というような業務でございまして、それはそれぞれの分野において全く違った種類の対象を対象とした業務でございますので、それぞれ専門分野が異なっていると思いますので、これらを統合することは必ずしも適当とは考えられないということに現在は考えております。
○和田静夫君 もっとも、先ほどの行政監理委員会関係の意見としては、昨年十一月二十五日に安西正夫、犬丸實、太田薫、佐藤功、寺尾一郎、吉武信の六名の委員による当面の改革事項についてというのがありますね。この意見を行政管理庁としては尊重されるおつもりですか。
○政府委員(河合三良君) 十一月二十五日の御意見におきまして相当、各種の特殊法人についての御意見をいただいておりますが、そのうち、たとえば専売公社の塩の専売部門の廃止でございますとか、あるいは鉄建公団の出資比率の問題でございますとか、あるいは東北開発株式会社のあり方の再検討でございますとか、そういうものにつきましては、かなりこの御趣旨に沿って検討も進め、また実際にそれを進めている状態でございます。
○和田静夫君 ことしもまた人事院は例年どおり、国家公務員法百三条の第九項に基づいて、俗に天下り白書と呼ばれる営利企業への就職の承認に関する年次報告書を国会及び内閣に提出されました。この報告書によりますと、特に高級公務員が職務上密接な関係にあった営利企業に天下りする例がこの年度も多いとして国会や新聞が取り上げた批判しておりますね、昨日来。そこで衆議院決算委員会において政府側の答弁、昨日ですか、関連企業に天下ることが直ちに汚職に結びつくとは考えられない、まだ前途有為な人材が退職後就職せずそのままになるのはどうかというような意味の答弁であったと思うのです。この答弁くらい私は的はずれな答弁はないと思います。もとより天下りの問題と汚職の問題は私も別だと思っております。ただ、高級公務員が在職中密接な関係にあった営利企業に天下りする例が多いということは、公務執行の厳正さに対する国民の疑惑を呼ぶおそれがあるところからいろいろ批判が出ていると思います。人事院のいわゆる天下り白書が出るたびに報道機関が取り上げ大騒ぎするわけですが、この繰り返しを一体いつまで続けられるのだろうかということをたいへん疑問に思うのです。昭和四十四年の三月十二日、これは荒木委員長が出ておりますけれども、行政監理委員会は、公務員の汚職の防止等に関する意見を行政管理庁長官としての荒木さんに提出をされておりますね。その中にははっきり「臨時行政調査会意見は、「(人事院による)規制を強化し、公務員が離職後二年間は、離職前五年間に密接な関係のあった民間企業へは、事由のいかんを問わず転出できないこととすべきである。」と勧告している。」、「政府は、上記意見の方針に沿って次のように措置すべきである。(1)人事院の承認は、各省大臣の申出があった場合にはじめて行なわれるものである。従って、各省庁は、この際、露骨ないわゆる天下り人事の承認の申出を厳に自粛する。(2)役員以外の職員又は嘱託、顧問等として就職しようとする場合も、上記(1)と同様とする。」、こうなっております。行政管理庁長官は、この意見を尊重するという法的義務があるわけですから、これをいかに果たしたか、そして今後何らかの手を打つつもりがおありになるのか、次官のほうにお伺いします。
○政府委員(黒木利克君) 四十四年三月十二日の六人の行政監理委員会の委員の御意見の要旨につきましては、さっそく人事院にその旨をお伝えしてあるのであります。人事院におかれましても、国家公務員法に基づく審査を厳正に行ない、そして民間企業への就職の承認をするというようなことで実施されておると存じます。また私たちとしては、公務員制度の全体に関する問題もございまして、これは行政改革の問題あるいは行政整理の問題ともからみまして、こういう公務員制度につきましてもいろいろ検討してほしいということを人事院に申し入れてあるような次第でございます。
○和田静夫君 そこで人事院にお尋ねしますが、四十四年十二月に出された行政監理委員会の「行政改革の現状と課題」は、「なお、この意見においては、人事院が就職承認制度の運用の基準を厳格化することの必要性については直接には触れていない。これは、行政組織における人事院の特別な地位を考慮した結果であるが、人事院においても、この点について適切な措置を講ずることが期待されることは、いうまでもないところである。」、こういうふうに述べております。人事院としてこの行監の意見に沿った適切な措置、そしていま答弁がありました人事院に対する申し入れ、それらを含んで適切な措置をとるつもりがありますか。
○政府委員(島四男雄君) 御質問にお答えするにあたりまして、まず私どもがこの制度の運用にどういうふうな態度で当たっているかという点について申し上げたいと思います。 申すまでもなく、公務員法の百三条のねらいというものは、職員が在職中その地位と職権を利用して特定の営利企業と情実関係を結びまして、やがてそのコネを使って当該企業に就職するという弊害を防止することにあると思います。本来、職員の在職中の職務の公正を確保するためには、上司の不断の監督が第一でございまして、もし不正があれば懲戒をするということでありますけれども、さらに、このような制度を設けまして退職後関係私企業に就職することを規制して、コネをつけてもむだであるということにしているわけでございます。ところで、法律はこのいわゆる天下りについて絶対禁止のたてまえをとっておりません。人事院の承認というものを条件としております。これは申すまでもなく、職員が退職した時点においては一般国民と全く同じ地位に立つわけでございまして、したがって、憲法に保障する、たとえば憲法二十二条の職業選択の自由であるとか、あるいは憲法二十七条の勤労の権利というものを当然基本的人権として持っているわけでございます。したがいまして、このようないわゆる公共の福祉による制限と、いま言ったような憲法上の保障する基本的人権とのかね合いというものをどこでわれわれは判断をするかという点が一番この制度を運用する私どもの苦慮する点でございます。したがって、各省においてこの営利企業へ就職することを自粛するということは、これはもう法律以前の問題でございますので、これは大いに自粛してけっこうでございますが、また、それが望ましいというふうに私どもも思うわけでございますが、一たん各省大臣名をもって私どもに承認申請が出ました暁においては、いま言ったような法律上の観点からこれを審査しなければならないというのが私どもの基本的な立場でございます。したがって、私どもとしましては、いま言ったような趣旨に基づきまして、過去五年間に本人が在職しておったポストとそれから就職しようとする企業との関連を判断の主要な基準としておるわけでございます。その結果、過去のポストが職権上当該企業に対する監督権の行使その他によりまして不当な支配力を及ぼす可能性があるという場合には承認しておらないわけでございます。たとえば、大蔵省の銀行局長は、たとえいかにその在職中職務を公正に遂行しておりましても銀行への就職は一切私どもでは承認しておらない。たとえばまた、厚生省の薬務局長は、製薬会社への就職は一切私のほうは認めておらないというわけでございます。 ところで、ただいまの御質問でございますが、いま御指摘の行政監理委員会の意見も私どもは十分承知しておりますし、行管からのそういうお申し入れも十分私どもとしては念頭に置きながらこの制度を運用しておるわけでございまして、さらに一般新聞その他の世論の、この問題に対する批判というものも十分承知しておるわけでございます。で、私どもとしては、この制度を運用するにあたってそういった諸般の情勢を十分考慮しながら厳正にこの制度の審査に当たっておるという次第でございまして、具体的にしからばどういう点で厳重に、厳格に審査をしているかという点を一、二申し上げますと、たとえば従来、書類審査であったものを、やはり問題があるというように思われるケースについては一々実地に調査をしております。さらにまた単なる法令等の形式審査だけではなくて実質的に内容に当たって、たとえばその方が過去において汚職関係を起こしたことがないかどうか、あるいはその方が就職しようとする。ポストが一体当該省庁にどのような影響力を及ぼす地位にあるか、さらに就職後一体その方はどういう影響力を与えるだろうか、そういったようないろいろの、もろもろの観点で私どもでは具体的に個々のケースごとに詳細に厳格に審査しておるということが申し上げられようと思います。幸いにいたしまして、私どもが承認いたしました案件でいままで汚職等の不正事件を起こしたケースは一件もないということをこの際申し上げておきたいと思います。 ―――――――――――――
○委員長(森元治郎君) この際、参考人の出席要求に関しおはかりいたします。 昭和四十三年度決算外二件の審査のため、本日、参考人として全日本郵便切手普及協会専務理事今井龍之助君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認めます。 なお、その手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森元治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午後二時に再開することとし、休憩いたします。 午後一時二十一分休憩 ―――――・――――― 午後二時十五分開会 〔理事和田静夫君委員長席に着く〕
○理事(和田静夫君) 委員会を再開いたします。 この際、参考人の方に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は御多忙中のところ、本委員会のため参考人として御出席をいただき厚く御礼を申し上げます。委員会は、委員の質疑に対して御意見を述べていただくというふうに進めてまいりますので、よろしくお願いをいたします。 ―――――――――――――
○理事(和田静夫君) 昭和四十三年度決算外二件を議題とし、休憩前に引き続き質疑を続行いたします。御質疑のある方は順次御発言願います。
○二宮文造君 本日は行政管理庁の関係の決算の審議と、こういうことになっております。 そこで、行政管理庁の職務の中で特に行政監察、特に私はその中で取り上げまして、郵政事業の行政監察について御意見を伺いたいと思うわけです。 前々回の決算委員会で私、郵便切手の問題で郵政当局に質疑をいたしました。やや答弁があいまいでもありましたし、また、はたしてそういう運営のしかたがよろしいものかどうか、行政管理庁の御意見も伺いたいということで、本日また再びその機会をいただいたわけです。 で、管理庁では、三十六年の八月ないし三十九年の六月に、それぞれ郵政事業の監察経過を述べられております。しかし、それらは、郵便切手の面については監察をされてないようでございますので、私最初にお伺いしたいのは、行政管理庁で、郵便事業のうち、切手の発売あるいはまた切手が発売されたあとでどういうふうな流通過程をたどっているだろうか、こういう問題について行政監察をなさった経験があるかどうか、これをお伺いしたいと思います。
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。 切手の問題につきましては、当時監察はしたと思いますけれども、特に取り上げて勧告をすることはなかったんで、まあ書いてなかったということじゃないかと思いますが、その使用したあとの流通でございますが、そういったことまでは、これはちょっと監察対象からはずれますので、やったことがございません。
○二宮文造君 ちょっとお伺いしたいのですがね、行政管理庁では郵便切手というものをどういうものだと、こう御認識ですか、切手の性格。
○政府委員(岡内豊君) これは有価証券でございます。
○二宮文造君 という一般の意見なんです。ところが郵政当局は――ちょっと郵政当局での切手の理解をおっしゃってください。
○説明員(高仲優君) 郵便法三十二条に、「郵便に関する料金は、この法律に別段の定のある場合を除いて、郵便切手でこれを前納しなければならない。」という規定がございます。この規定からいたしまして、郵政省といたしましては、郵便切手は料金を納付した証票、料金納付を証明する証票というふうに考えておりまして、したがいまして、これは郵政大臣が発行するものだ、このように理解いたしております。
○二宮文造君 一般の理解は有価証券だ。それが証拠に通信販売のときに切手をもって代用するわけですね。これは郵政当局はお認めになっているはずです。この点どうですか。切手を代用して、通信販売等の場合代価として切手で代納する、こうやっている業者はたくさんありますが、郵政当局ではこのやり方をどう理解されていますか。
○説明員(高仲優君) 事実としてそういうことが行なわれているということは承知いたしております。しかしながら、この場合において、切手を有価証券――手形、小切手のたぐいのように、これをもって換金するというためではなくて、その業者はいずれ郵便切手を使って手紙を出し、あるいは小包を出すということを前提として便宜切手で代用しておる、さようなことではないかと考えております。
○二宮文造君 ちょっと、管理庁のほうはしばらく聞いていてください。こういう状態になっておる。そこで、それでは、今度は郵便切手の売りさばき人の場合、売りさばき規制というものをつくって、そして定価販売を売りさばき人に義務づけている。それは売りさばき人が売る場合に定価販売をするのであって、あとは定価というものは郵便切手にはないんでしょうか。
○説明員(高仲優君) 郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律というのがございます。その法律の第五条に「定価で公平に売りさばかなければならない。」ということが記載されております。したがいまして、仰せのとおり、売りさばき所におきましては当然定価販売をすべきものであると考えております。また、郵便局の窓口におきましては、当然のことながら、定価販売をいたすものでございます。そのほかの問題についてお尋ねでございますが、切手商等が額面を上回る価格をもって取引いたしておる事実は聞いております。しかしながら、これを取り締まる法規は別段ないのではないかというふうに考えております。また、外国におきましても、郵便切手が趣味のコレクションの対象となっておりまして、ものによって非常な値段を持っておるという事実があることも承知いたしております。
○二宮文造君 いわゆる記念切手、それらを含む特殊切手だけでも年間の販売高は百億円をこえる、こういう事実があります。その上に立って私はお伺いするんですが、そうすると、いまの答弁によりますと、切手の売りさばき人が売る限りにおいては定価で売らなければならない、切手を持つ人が売りさばき人以外であれば定価を守らなくてもよろしい、こういうことですね。
○説明員(高仲優君) 事実として、各個人間あるいは業者間において額面を上回る取引が行なわれておるという事実があるということを申し上げた次第でございます。それにつきましては、当方といたしましては、直接これに干渉する、定価販売をせいという権限は持っておらないと考えております。
○二宮文造君 そんな持って回った答弁なさらないで、私の申し上げたとおりはっきりおっしゃっていただけばいい。売りさばき人が売る限りにおいては定価で売らなければならない、売りさばき人でない者が売るときには定価は守らなくてもよろしい、よろしいですね、こうなります。ところが、売りさばき人の免許を持っている者が、私は切手の商売人でございますと、二重人格に立って売る場合には、これはどうなんですか。売りさばき所で売るときには定価を守る、売りさばき所以外で売るときには定価を守らなくてもよろしいと、こういうことになりますか、売りさばき人の場合。
○説明員(高仲優君) 売りさばき人と切手商を兼ねておるというケースは、私は実は存じないのでございますが、そういうケースがあったとして、その売りさばき人である資格において郵便局から、これは切手類売りさばき所の商品という形で仕入れたものを売りさばき所では売らないでほかに横流しするということがあるとすれば、それは売りさばき所法の精神にもとるものである、このように考えております。
○二宮文造君 郵政監察の方いらっしゃっていると思うんですが、いままでに売りさばき人が定価を越えて販売をしたというので、監察にひっかかった例はありますかどうか。
○説明員(舘野繁君) ただいままでそういうケースはございません。
○二宮文造君 そういう監察をなさったことはありますかどうか。
○説明員(舘野繁君) 売りさばき所におきまする売りさばき方につきましては、郵便局考査の際に、全部ではございませんけれども、ただいままでの全国的な考査におきまして考査対象にいたしたことはございまするけれども、先生お話しのようなケースが考査であがってきたということは私聞いておりません。
○二宮文造君 そこで、なぜ私こういう質問をするかといいますと、これは前回も申し上げたんですが、たとえば記念切手を発売をする、約五千万枚上下はありますけれども、一種について五千万枚の発売をするときに、そのときそのときで違いはありますけれども、約六十万枚ないし七十万枚、ですから一割二分ないし一割五分、発行枚数の一割二分ないし一割五分が大口の団体に割り当てられる。その中で、全日本切手普及協会、ここは売りさばき人の指定を受けております。売りさばき人の指定を受けておりながら、そこから売られる郵便切手は額面を越えて売られているという事実もあった。問題は、売りさばき所に郵便切手が出る、そうして売りさばき所において定価販売を励行させる、こういう郵政事業の趣旨が一貫していればいま言ったような問題は出てこないわけですが、大口の団体に対して一割五分ないし一割二分という特殊の割り当てをやっているがゆえに、いま言ったような問題が起きると私は思うんですが、なぜ大口割り当てをしなければならないか、そうしてその大口に割り当てたところに対してはなぜ定価販売をさせないか、一定の期限をかけてもよろしい、なぜ野放しにしているか、この点について郵務次長さんにお願いしたい。
○説明員(高仲優君) ただいまのお話でございますが、一〇%ないし一五%が大口割り当てになっておるというお話でございますが、そのような大きい数量にはなっておらないと考えております。具体的にいま数字は持っておりませんが、個々の場合で見まして、まず四%かそこらのところではなかろうかというふうに考えております。まず、この点が一つ。 次に、なぜ大口割り当てを行なっておるかという点につきまして申し上げます。実はこうしたことが始まりましたのは、昭和三十年代の終わりごろからと聞いております。それまでは、いわゆる切手ブームという事態がございませんのでスムーズに販売されておった。しかしながら、オリンピックの切手が出る前後から切手収集の趣味が非常に進んでまいりまして、郵便局の窓口に行列をつくるというような事態が発生するに至りました。そうした際、いわゆる切手商がアルバイト等をたくさん使ってその列の中に入り込み、それが繰り返し繰り返し回る等のこと、また、割り込みをやらせる等のことがあって、一般の顧客からの苦情が非常に多かった。そうした点から、発売時における窓口事務の円滑な運行と、それから一般顧客のむしろ利便を考えて大口の割り当てというものを始めるに至ったと聞いております。なお、そうした大口割り当てをやればそれだけ一般の顧客に対する数量が少なくなるわけでございますが、こうした場合に対処いたしまして、切手ブームの進行とともに一回の発売枚数は逐次ふやしておりまして、その大口割り当てを行なった数量をさらに上回る数量をふやしております。たとえて申し上げますと、切手ブームがまるでない終戦後の当初のころにおきましては、少ないものにつきましては、一回五十万の発行しかいたしておらないのでございます。ところが、一つの代表例で申し上げますと、昭和三十八年に赤十字百年という切手を出しておりますが、これは千二百万程度の発売になっております。しかしながら、その後の進行、売れ行きを見まして、現在におきましては二千数百万、いわゆる大口割り当てと称するものをはるかに上回る増刷はいたしておる次第でございます。ただいま申し上げましたように、その発生の起源は昭和三十八年ころ切手ブームと称されるものがそろそろ出てきて、郵便局にたいへんな行列をつくり、その中に切手商の差し回しの者がたくさん入ってきて、一般の顧客に不便を与えるという事実が出て、それに対して事務処理の円滑化、一般顧客の便利をはかるため、一面、大口割り当てをやるとともに発行枚数自体もその後大幅にふやしてきておるというのが実情でございます。
○二宮文造君 四%、五%ということをあなたは数字を知らないでおっしゃっておりますが、いただきました昭和四十五年度の資料によりますと、一番多いのが万博の記念、これが九千万枚、それから一番少ないので国際文通週間ですか、国際文通週間の千二百六十万枚、平均したところ三千万枚から四千万枚、これだけの発売がされております。これは資料のとおりです。こまかい数字はありますが、時間の関係で省略します。一方、あなたのほうから特殊切手売りさばき人の対象団体名調書――私は、一割二分、一割五分というのは控え目の言い方なんです。あなたのほうからいただいたものによりますと、東京郵便切手商協同組合が二十二万から三十六万、西日本郵便切手商組合が二十五万から三十万、この二つだけを合わしただけで四十七万から六十六万、その上に北海道郵趣連盟が八千、全日本切手普及協会が九万から十三万、郵政弘済会が六万から七万、大蔵省印刷局朝陽会が四万、これを合計いたしますとたいへんな数字になりはしませんか。二千万枚、三千万枚に比べてこれを合計しますと、上限は八十万をこえますよ――失礼しました。いまの私の数字は間違いでした。一割二分――一割五分、取り消します。四%、五%にしましても、それが六十万枚、八十万枚という数字になってきますと、これが値段を乱すのです。売りさばき人には定価販売を強制しながら、こういう大口の需要はやめたほうがいいのじゃないかと思う。 それで私のところへこういう手紙が来ております。よろしいでしょうか。ちょっと余談になりますけれども、「私は切手やコインの収集が万人に幅広い教養と健全な趣味を与えるものであることを期待しております。ところが日本政府を代表する郵政省や造幣局は発行数を限定し、切手商やコイン商、ブローカーなどに切手やコインを投機の対象とするようなやり方に対し、私は怒りを感じております。切手やコインの発行権限を有する日本国家が一部の者にのみ利益を与えるやり方に対しては私は失望しております。新記念切手や記念コインの発行日には子供たちが学校を休んでまで入手しているようなこともあるようであります。また、切手やコインの売り場に集まる子供たちは、この切手はすごく値上がりした、このコインは高価になったなどの話を聞くにつけ、日本の切手やコインの収集界の前途にものさびしいものを感じます。」――これは私は、愛好家としての声だろうと思います。そこで、そういうふうな大口割り当てをやった結果、どういうふうになったか。もっと具体的に――いま普及協会の話をしました。これは前回指摘をしましたので具体的には申し上げませんが、逓信総合博物館というものがあります。これはどういう種類の建物ですか。
○説明員(佐藤昭一君) 逓信総合博物館は、これは郵政省とそれから日本電信電話公社、それから国際電信電話株式会社、それから日本放送協会、この四者の協定によりまして、四者がそれぞれ建物の経費を分担いたしまして、それぞれ博物館の事務を行ない、逓信協会に一部事務委託しておるところであります。これを逓信総合博物館と称します。
○二宮文造君 逓信総合博物館の建物はいわゆる政府関係の四者の建てたものである、その管理運営を協会に委任をしている、こういうことですね。そこで、そこの食堂とか売店はどういう趣旨で置かれておるのですか。
○説明員(佐藤昭一君) 食堂、売店は、これは博物館の本来業務ではございませんが、いわゆる博物館の入館者等の便宜をはかるという意味におきまして、付帯業務として行なっておるわけであります。これは郵政省のほうから協会のほうに建物の使用許可をいたしまして、これを協会のほうで、それぞれ業務をまた他の業者に委託をしておる、こういう形になっております。
○二宮文造君 要するに、いわゆる郵便事業あるいは電信電話事業、そういうものの普及、周知徹底、そういうことのために建てられたものである。そこで、その入場者に対してサービスをするという意味で、業者に売店ないし食堂を委託しておる、こういうことでありまして、そこで、私奇妙な事実を見てきたわけですが、現在、東京中央郵便局でこういう張り紙がしてございます。在庫切手一覧表、そこで八種類のすでに発行された記念切手がまだ在庫しております、で、窓口でお買いください、こういう趣旨の張り紙がしてございます。ところが、この逓信協会の――いわゆる逓信博物館の中の売店ですね、これは吉田何とかという人が経営されておるそうです。協会から使用許可をとって吉田何がしという方がその売店をなさっておるようですが、たとえば、ここにありますナンバー3のところに、こういう表示があります。これは中央郵便局の表示ですよ。四十年十月三十日発行、耳鼻咽喉小児科学国際会議記念額面三十円、シート構成十枚、要するに三十円の額面のものがありますと、こういう表示になっている。ところがこの逓信博物館の中の売店では、その三十円の切手が七十円で売られている。遠いところじゃないんですよ、大手町の逓信博物館。そして今度は丸の内へ来て、中央郵便局へ行けば三十円、逓信博物館の中では七十円、それから同じように、日本万国博覧会の記念第二次、これがやはり売れ残って五十円となっておりますが、これが逓信博物館では百三十円、それから昭和四十五年十月二十四日に発行されました国際連合創立二十五周年記念、五十円のものが百五十円、これはどうでしょう、よろしいですか。
○説明員(高仲優君) 中央郵便局におきましては、仰せのとおり、在庫のある限り、それは定価で売っておりますし、それは当然のことでございます。しかしながら、切手商が現実に額面と違った値段をつけて売っておるのがいま現在の状況でございます。先ほども申し上げましたように、過去において発行数量の少なかった時代の切手、これは非常な高値を呼んでおるという実情がございます。そうしたものが値段より高く売られているのは事実でございますし、先ほど申し上げましたように、切手商という商売が現に行なわれている以上、また、そうした値段がついて取引されておる、そういう顧客があるという事実から見まして、それを押えるのははなはだむずかしいことではないかと考えます。ただ、中央郵便局からあまり離れていないところで、現に中央郵便局で額面で売っているものを、高い値段をつけて売るというのはばかげたことであるし、また、そうした事実が中央郵便局ではあるということを公示しておるわけでございますから、そうした値段がついても売れないんじゃなかろうかというふうに考えます。
○二宮文造君 それは間違いです。記念切手は発売と同時に売り切れてしまう、こういう先入観があります。記念切手は並ばなければ買えない、だから子供が学校を休んででも買いに行きます。逓信博物館へ行った切手愛好家の人は、どうせ買えないものがここにあるんだから買う、買っちゃいます。売れるから、こうやって展示しているんです。ごらんなさい。これはちゃんと値段をつけて売っています。これはあなた方のPRが悪いのじゃありませんか。なすべきことをやってないんじゃありませんか。むしろ、今度逆に解しますと、切手商との間に癒着があるといわれてもしようがないじゃありませんか。子供に何と弁解しますか。定価以上に売られたってしかたがない、しかたがないと言わないで、なぜ定価以上に売られるか、それは大口割り当てをするから、一方では、定価販売という明確な規定がありながら、その援用をサボっているからこういうことになるじゃありませんか。もし、あなた方のほうで新聞、雑誌等を通じて、これこれのものは残っておりますとただの一回でも公告したことがありますか、周知徹底したことがありますか。私は、郵政事業は大きな曲がりかどに来、邪道に入っていると思うのです。いまにして姿勢を正していただきたい、こう私は思うわけです。
○説明員(高仲優君) 先ほど申し上げましたとおり、記念切手の発行枚数につきましては逐次ふやすように努力はいたしております。なお、切手商との癒着という問題がごさいましたが、大口売りさばきを始めるに至った経緯は、先ほど申し上げたとおり善意のものでございまして、別段癒着しているという事実はございません。
○二宮文造君 理解できない。悪循環している、事実は……。
○説明員(高仲優君) なお、先ほど申し上げましたように、大口割り当てというものをやっておるけれども、さらに、それを上回る枚数を発行いたしております。千万台から始めまして、いま二千数百万、ものによっては四千万以上というところまでやっております。なお、この点につきましては、今後の発行について十分検討いたしたいと考えております。
○二宮文造君 私のところへまいりました別の手紙を読みますと、こういうふうに指摘をしております。これが愛好家の考え方ですよ。受け取り方ですよ。よろしいですか。「新切手が買えないことについて……いま切手の愛好者がいちばん困っていることは、新発行の切手が、すぐ即日売切れて、あと二倍も三倍も出さなければ買えないことです、郵政省は意識的に、ハンガーマーケット政策をとっており、このことは多くの切手愛好者が知っていて、つねに腹を立てていることです。ぜひとも、このことを問題として」取り上げてもらいたい。「イギリスは発売後一年間は売切れないことを保証し、アメリカは一億枚以上印刷して、二年ないし三年は売切れないようにしています。」これはやはり公平の原則というものに立てば、こうすべきだと彼は言うわけです。それから「フランス、ドイツ、イタリアなど大国で、新切手を買うことはまことにたやすいのに、日本だけがこんな仕末です。」あなたは癒着問題はない、こうおっしゃっておりますが、先ほどから指摘をしたように、売り出したその売り出し中にも五割のプレミアムがつくのですよ。売り切れたとなるとすぐにもう倍になる。こういうことは実務をやっていらっしゃる皆さん方は十分御存じだ。にもかかわらず、それを是正しようとしない。そこに大きな問題があるということを私は指摘をしておきたいし、これはひとつ郵政の大きな問題として是正すべきだ、是正の方向に進むべきだ、こう私は声を大にして叫びたい。御意見を伺いたい。
○説明員(高仲優君) 売り出す早々に売り切れるという事実がございます。これはおっしゃるとおりでございます。こうした点を考え、十分今後の発行については前向きに検討いたしたいと考えております。 なお、一言言いわけを言わせていただきますと、最近、先ほど申し上げましたように、三十八年ごろから以降たいへんなブームでございますが、以前は刷ってしまって、そのまま売れないで、荷もたれになる、何年越しという時代がだいぶございました。そのころは多いものでも五百万、少ないものでは五十万刷っても、そういう事態になった事実もございまして、いささかこちらのほうの考え方が消極的になっておった点があるかもしれませんので、そういった点、十分検討させていただきたいと思います。
○二宮文造君 これは、もうあなたがおっしゃることは、生きた政治ではないんです。こういうものは、やはりブームになり、そうして対象になる人数が多くなってくれば、当然独占事業なんですから、迷惑をかけないように、悪循環を起こさないように、いままでのやり方を是正するのが政治であり、いわゆる専売事業、独占事業の考えるべきことじゃありませんか。それをいままでがこうだったから、これからずっといくのだというふうな姿勢を示すから、業者との癒着があるのではないかと、こういうふうに一般から見られるわけです。この二点については、明確に今後は方向を検討してもらいたい。 それから同じようにこまかい問題になりますが、あの見本切手というのが出ますね、新切手が出るときに。あの見本というのはどういうふうにして領布されるのですか。
○説明員(高仲優君) 見本切手は何と申しますか、切手類の周知用という目的と、それから、郵便局に事前に配付して、郵便局自体の職員の参考に供するという目的でつくられておりまして、これの配付は、本省から郵政局または郵便局にいくものは、本省から郵政局へその所要枚数を出して配給いたしております。
○二宮文造君 ですから、どういうふうに配給するのですか。窓口向けが何ぼ、学校向けが何枚、団体向けが何枚、しかもそれをどういう形で出していくか。
○説明員(高仲優君) 郵政局の事務参考用といたしまして各郵政局十枚ずつ、郵便局の窓口掲出用といたしまして約一万八千、学校教材用といたしまして四万二千五百、それから一般周知用等といたしまして千七百、新聞、資料等といたしまして百六十、その他のものがございまして、大体六万八千枚程度を印刷いたしております。
○二宮文造君 そういう場合に、おたくのほうから出すときに、その見本切手はシートのまま出しますか、あるいはここに郵政省教材用と、こういうプリントがあります。ここへちゃんと貼付欄があるのです。こういうふうに一枚ずつ張って教材用としてお出しになるのか、あるいはシートでお出しになるのか、この点はどうなんですか。
○説明員(高仲優君) 郵政局まではシートでいっておると思いますが、郵政局から各集配局に出すのにつきましては、数量の関係がございますから、シートに満たないもの等はそれぞれ切り離し、所要枚数を発送しておるものと了解しております。
○二宮文造君 ところが、業者の手ヘシートで渡っているのはどういうわけでしょう。ここにも管理の不十分なところがあるのです。シートで渡っている。それから普及協会は、この見本切手を、この郵政省というのを消して、教材第何号というのを消して、ここへ張って三十円で売っていますね、これはどうでしょう。御答弁願いたい、普及協会。
○参考人(今井龍之助君) これは、私がそこへ関係する前からやっておる問題でございます。
○二宮文造君 やっているかやっていないか、事実だけでけっこうです。
○参考人(今井龍之助君) それで、省から出た学校向けの教材用を一般の方からわれわれにもそういうものを、解説したものをほしいという有志家の要望があったそうでございます。それに基づきまして、省で教材用として出しているものと同じ内容のものを解説書として、それに見本切手をつけて、解説書の作製費とか輸送料とかいうものをちょうだいするという形で、それを三十円で売っている事実はそのとおりでございます。
○二宮文造君 次長さん、よくこの事実をお知りいただきたい。よろしいですか。見本で出したものが三十円で売られているのですよ。窓口で売られているのですよ。輸送費じゃないのですよ、窓口で売られている。それから同じく逓信博物館で、ここにこの見本、大きく写真拡大しておりますが、昭和四十二年八月九日発売、第五十回全国高等学校野球選手権大会記念の人文字、それからピッチャー、旗、この図案のそれぞれ十五円の見本切手があります。これがいまそれぞれ百五十円と値段をつけられております。見本切手が百五十円、よろしいですか。これは裏打ちにのりがついているんですよ。台紙に張って渡したというおっしゃったような渡し方だったら、裏打ちはのりがとれているはずです。シートで渡っていればこそ裏打ちにのりがあるんです。いわゆる周知徹底用にされなかったという証拠です。この見本の出し方について検討願いたい。やはりマニアというものは変なところに商品価値が出るそうです。見本と書いてあるから値が出るんだ、こういうことらしいんですね。ですから、いまも首かしげていらっしゃいますが、私でも疑問に思うことが、長年くろうとの道を進んできたあなたが御存じないということで、よくぞ私は郵政事業ができたものだと、ほんとうにあきれが返る。この見本の作製、これは大事なことでしょう、周知徹底するために。ならばそれでその趣旨が最後まで生きるように厳重に管理を願いたい、よろしいですか。自今、本日以降発行されます見本切手の取り扱いに不公平のないようにお願いいたしたいと思います。 それからちょっとまことにこまかい問題であれなんですが、こういう質問が――これは全日本郵便切手普及協会が出しております「切手」という機関紙があります。その八八五号、一九七〇年の二月二日ですから、昨年の二月二日です。その二ページに、こういう質問があるんです。「問」として「四五年用年賀葉書の印刷業者別組番号は「切手」八七七号によりますと、七円葉書のB記号は、五〇一組から一六〇〇組まで、となっておりますが、私の落手した年賀葉書の中に<B一六〇一組>と印刷されたものがあります。これはどのような訳ですか。その理由と調製所、配給地域をご教示ください。」こういう質問が出ておりますがが、この件について御説明願いたい。
○説明員(高仲優君) 切手は印刷局ですべて印刷いたしておりますが、はがきにつきましては、印刷局のほかに従前から民間の業者が入っておりまして、それで……。
○二宮文造君 B一六〇一組が出たその理由です。関さんに聞けばよくわかります。
○説明員(高仲優君) これは新潟県関屋郵便局に配付しました分が火災により局舎が焼失したので、それに組分する数を再調製して、補足したということでございます。
○二宮文造君 何枚印刷したんですか。
○説明員(高仲優君) ただいま資料を持ち合わせておりませんので、調べまして後ほどお答えいたします。
○二宮文造君 関さんに聞けばわかります。
○説明員(高仲優君) 六万九千枚程度であるということでございますが、なお調べまして、違っておりましたら訂正させていただきます。
○二宮文造君 ここに回答が出ておるんです。 「このことについて、郵政省主管課にお尋ねしましたところ、郵務局業務課から次の回答をいただきました。 理由四四年九月十一日新潟県新潟関屋郵便局が火災により局舎が焼失したため同郵便局に配分したお年玉つき郵便はがきが損傷し、売りさばきが不能となったので損傷分だけ追加調達した。 二 損傷数 六万八千枚 三 追加調達葉書 (一)種別 お年玉つき通常葉書(七円) (二)調達数 六万八千枚 (三)組番号 組B一六〇一組 番号「〇〇〇〇〇〇」から「六七九九九」ま で (四)配分先 新潟県新潟関屋局 (五)調製元 大蔵省印刷局 (編集部)」 となっておりますが、これは業務課から、こういうふうな回答をお出しになって、この「切手」に載ったんでしょうか。
○説明員(高仲優君) その関係の事務を所掌いたしておりますのは、いま申されたとおり、郵務局業務課でございます。また、そういったものは業務課でなければ知り得ないところであろうと思いますので、当然のことながら業務課から答えが出たものと考えます。
○二宮文造君 そこで、要するに、これは関屋郵便局が焼けた、そのために配分した六万八千枚焼けた。そういうことで、一般利用者に迷惑をかけるので、六万八千枚追加して渡した。全部が関屋へいっているわけじゃありませんね、全部が。そうですね。ところが、私はそうでないものを持っているわけです。そうでないということは――個人名をあげてたいへん恐縮ですが、現在の切手係長。そしてもう一つ、私は前提に説明しますが、発行されるべきでない一六〇一組が出ているということ、マニアにとっては、この一六〇一組というのは、たいへんな値段をしているということを、まず私言いたい。そして、たとえば郵務局の次長が、よろしいですか、郵務局の次長が関屋郵便局に送達されるべき、そこで配付されるべき番号のものを御自身の年賀状に使ったら、これはどうなります、御自身の年賀状に使ったら。いま言いましたように、これは非常に、いわゆるマニアの間には法外な値段をしている。私のところへ近藤勇という人がよこしてくれたのです。実在なのかどうか、住所も書いてありますが、珍しい名前だと思います。その方から送っていただいた。よろしいですか、現職の切手係長が自分の知り合い、それは切手関係者です。切手関係者に、それを、年賀状を発送した、問題の一六〇一組を使って。しかも私、ここにあげております名前は伏せましたけれども、足立区村田何がしという方は、これはもう切手業界でも右翼の人です、マニアの中では右翼の人です。おそらく関さんも個人的な面識はあるはずです。事情を知りながら、なぜこういうことをこれに載せたか、「切手」誌に載せたか、価格をつり上げるためです。一六〇一組というのはそういう希少価値のあるものなのか。それを私は持っている。一六〇一組の値段をつり上げる。マニアの垂涎の的にする。つり上げれば上げるほど値段は高くなる。そういうふうなことを私はしてよろしいかどうか。ここにもまた業者と郵政当局との間に癒着があると言われてもしかたがないじゃありませんか。現物をごらんに入れまししょうか。ただ、私は名前は、これは近藤勇君が伏せてくれといいますから、伏せます。しかし、字体が一緒のことを証明するため、この写しだけ出しました。一六〇一組です。御答弁願います。
○説明員(高仲優君) 実は、私切手のブームは知っておりましたが、はがきに至るまでブームがきておるというのは、ただいま承って、実は正直びっくりした次第でございますが、ただいま聞きましたところでは、関屋の郵便局まで出向いて、そこにおいて購入したということでございます。一般の顧客として出向いて購入する分には、特段の問題はないのではなかろうかと考えております。
○二宮文造君 おみごとな答弁です、実にみごとな答弁です。そういうことで、この国会の審議ができますか。何日に行きました。その当日の出勤簿をごらんになりましたか。年賀状は発売と同時に売り切れますよ。そこまで確認して、あなたはいまの答弁をされましたか、いかがです。
○説明員(高仲優君) 確認はいたしておりません。
○二宮文造君 もう一回聞いてください、何枚買ってきたか。
○説明員(高仲優君) 二百枚を購入した趣でございます。なお、休暇を取って、出向いたということでございます。
○二宮文造君 では、その当時の出勤簿の一覧表を御説明願いたい。しかし、そういうことをやるべきでないということは、これはやはり現職の係長ですよ、そういうことをやるべきでない。私はあえてそれ以上追及しません。資料も要りません。要りませんが、しかし、ここにも問題点があるということを私は指摘をしておきたい、よろしいですね。 それから次に、私もっと不可解なのは、大臣も何かやりくりしてお見えいただくようなんですが、郵便切手の発行はどういう年次計画でやるのか、そうして、それは大体いつごろに年度の計画をして、そうして、たとえば国定公園なり国立公園なり、そういうものの候補地の選定はどういうルールで行なわれるものか、概略御説明いただきたい。
○説明員(高仲優君) 記念切手の発行の手続の概要について申し上げますと、各省あるいは省外のものであれば、その団体の発行の申し出がこれはいろいろございます。それをまとめまして、大体前年のうちに、そのまとめたものを郵政審議会の切手の専門委員がおりますが、その専門委員にはかりまして、候補を決定するという手順に相なっております。来年度につきましても、実は審議会の委員にはかりまして、つい先ごろ候補を来年度発行すべき切手について決定し、発表を行なった次第でございます。大体、例年同じような手続でやっております。
○二宮文造君 巷間、郵政大臣になると、その任期中ないしその直後に必ずその出身地あるいは選挙区の記念切手が発行される、あるいは記念切手でなくても図柄が採用される、こういうふうなうわさがあることは御存じですかどうですか。
○説明員(高仲優君) そういううわさが立っておるという事実は私存じておりません。
○二宮文造君 郵務局次長には、郵務局にお入りになったのはいつですか。
○説明員(高仲優君) 私、郵務局次長を拝命いたしましたのは、昨年の七月であったと記憶いたしております。
○二宮文造君 その以前はどこにおりましたか。
○説明員(高仲優君) その前は、官房文書課長をやっております。
○二宮文造君 もう少し下々の事情にも通じていただきたいと思うんです、よろしいですか。 切手帳あるいはいろいろな本があります。愛好家の方々がたくさん本を出しておられます。それで私、全部調べてみました。あまり繁雑なので、昭和三十五年以前にはさかのぼりませんでした。しかし、概括的に言いますと、――その地元の団体から要望があって、そういうことで発行するという総括的な御意見ですが、どうも郵政省の切手の発行のしかたがもう首尾一貫しない。たとえば文化人シリーズというのがあります。これは昭和二十四年十一月三日から二十七年十一月三日、約三年間で終わっておりますが、十八選です。十八種類、十八人出ております。それから観光地百選というシリースが昭和二十六年二月十五日から始まりましたけれども、これは二十八年の、五月三日で取り、やめになっています。観光地百選と言いながら、十選で終わっている。それから昭和三十五年三月十五日から十一月十五日にかけて日本三景切手、これは三つ出ております。それから花のシリーズが三十六年の一月三十日から十二月一日まで、これは十二選出ております。これは大体一年間、その月に合わして十二選出たと、これは大体納得できるんです。それからその次ですね、年中行事、ひな祭りだとか、何だとかいう年中行事のシリーズは、三十七年の三月三日から三十八年の二月の三日にかけて四つしか出ていない。これもどうもしり切れトンボ。それから鳥シリーズが三十八年六月十日から三十九年五月一日、一年間で六選出て終わっています。それからお祭りシリーズが、これは一体どういうわけでこうなったのかあとで申し上げますが、三十九年四月十五日から四十年十二月三日までの間に四つ出たきりで、しり切れトンボです。それから名園切手が、公園でしょう、これが四十一年二月二十五日から四十二年一月二十五日までの間に三つしか出ていない。日本の国に名園は三つしかないのか、これもしり切れトンボ。それからまたお魚シリーズ、これが四十一年一月三十一日から四十二年七月二十五日、この一年半何がしの間に十二出ております。一ダースだから、これは数がそろったと見るべきでしょうか。国宝シリーズ、四十二年十一月一日から四十四年九月二十五日、これまたそれから続くのかどうか知りませんが、その間に二十一選。どの分野を見ても、思いつきばったりでやっているんではないか、こう私は思えてしかたがないわけです。 そこで今度は非常に作業がめんどうだったんですが、歴代の郵政大臣の任期中、その出身地ないしは選挙区に関係のある、関係の深い図柄、あるいはそういうものが発行されたかどうか調べました。これ以外にもたくさんございます。任期後一年以内に発行されているものもあります。おそらくこれは任期中に決議されたであろうとは想像できますけれども、一年の期間があいておりますのは省きました。そういう趣旨で整理をしてみますと、これは資料を差し上げれば一目りょう然なんですが、私もうんと苦労したんですからここで読ましてくださいよ。 まず、衆議院、岩手一区から出ていられる鈴木善幸さん、この方の大臣就任は三十五年七月十九日、その年に三十六年度年賀用の切手が出ました。それがこの岩手の「金のべっこっこ」という郷土人形の図柄を使っております。これはうし年です。三十五年十二月二十日に発行されております。続いて昭和三十五年十二月八日、就任、神奈川三区から衆議院に出られた小金義照さん。この方の就任中に三十六年十月八日に一九六一年国際文通週間(東海道五十三次のうち箱根)、選挙区です。それから同じく三十七年一月十六日、富士箱根、伊豆国立公園の切手が出ております。同じ年度に二つも箱根の関係の切手が出る、私不審でしかたがない。さらにその次の大臣、三十六年七月十八日に就任した鹿児島出身、参議院、全国区の迫水久常さん。この方の就任中、三十七年四月三十日、錦江湾国定公園、これの図柄が採用されております。次の大臣、三十七年七月十八日に就任された手島栄さん。なくなった方です。出身が鳥取、参議院、三十八年十二月十六日、この方は半年しか就任されておりませんので、ちょっと就任からおくれますが、三十八年十二月十六日に三十九年度年賀はがき、鳥取県の「岩井挽物人形の辰」です。辰年にちなんで辰の郷土玩具の図柄が採用されております。ただ一人の例外が三十八年一月八日就任されました千葉の小沢久太郎さん。この方はどうしても見当りません。もっともそうでしょう、たった半年しか大臣でいなかったですから。次は、三十八年七月十八日就任の岐阜出身の参議院議員古池信三さん。この方が三十九年四月十五日、お祭り切手というのを始めまして、高山まつりを一番に使っております。しかも、このお祭り切手は先ほど指摘をしましたように、それに続いては祇園まつり、相馬野馬追、秩父まつりとこの四つだけでもうぶち切れております。要するに、これは高山まつりを先用せんがためのプランではなかったかと推測をいたします。同じく三十九年七月十八日に大臣に就任された鳥取出身の衆議院、徳安實藏さん、この方の時代には四十年一月二十日、大山隠岐国立公園の切手が出ております。同じくさらに続いて四十年六月三日、就任の東京出身、茨城の選挙区から出られた郡裕一さん、参議院、この方の就任中、四十一年二月二十五日、先ほど指摘しました名園切手というのがこの時代に発行されました。水戸の偕楽園が一番に登場しております。しかも、この名園切手は後楽園、兼六園と続いて、三つで切れてしまっております。さらに四十年の九月二十一日、これはちょっと就任後間もなくですから、あえて関係がないと言えば、そうですが、しかし、まだこれくらいのことはできるかもわかりません。第九回国際原子力機関(東海村原子力発電所)、この切手が出ております。その次の分の「関屋の里」は、また別の関係になりますから、ここでは申しません。さらに四十一年八月一日、就任のその次の大臣、新谷寅三郎さん、奈良出身、奈良選出、参議院、この方の就任中四十一年十二月十日、四十二年度年賀用の切手として奈良の「一刀彫りの羊」が用いられております。さらにその次、非常に勇ましい方です、小林武治さん、長野出身、静岡選出、参議院、四十二年十一月二十七日、秩父多摩国立公園の切手が出ております。これは東京、山梨、長野だったと思います、国立公園の範囲は。それから同じく四十二年七月十日、南アルプス国立公園、これは長野、静岡が入っているはずです。あとでまた詳しく申し上げます。さらに、四十三年三月二十一日、八ケ岳雪中信高原国定公園、これはちょっと私も固有名詞の呼び方が違うかもわかりませんが、この点はひとつ御理解願いたい。さらに引き続いての大臣、四十三年十一月三十日就任の兵庫出身、兵庫四区から選出をされました河本敏夫さん、衆議院、四十四年八月二十日、氷ノ山後山那岐山国定公園の切手が出ております。同じく四十四年七月二十一日、兵庫県姫路城の国宝シリーズ桃山時代の切手が出ております。これも選挙区です。さらに現職、四十五年一月十四日、郵政大臣に就任した井出一太郎さん、長野出身、長野二区選出、衆議院、四十五年九月十一日、妙義荒船佐久高原国定公園、こういうふうに、あとから振り返ってみて私はあれしたのですが、大体が切手の発行に確たる方針がない。そうして現職大臣の出身地、ないしは選挙区のこういう切手が出る。あたりまえだと言えば言えるかもしれませんが、私はやはりこれは役職、地位利用であり、独占事業としての郵政事業ではうまくないんじゃないか、こう思うのですが、どうです。
○説明員(高仲優君) 大臣から自分のところに関係のあるこれこれの切手を出せというような御下命があったという事実は私聞いておりません。ただいま御指摘のありましたのは、主として年賀の関係の切手、それから国立公園、国定公園の関係の切手でございますが、年賀の関係の切手につきましては、そのえとにちなみました民芸品というワクの中で考えておりまして、それぞれ民芸品として優秀なものであるということで発行いたしたものと考えております。 なお、国立公園、国定公園について申し上げますと、これはだいぶシリーズが長く続いておりまして、実はいままでの発行状況を申し上げますと、国立公園につきましては、たしか全部で二十三あろうかと思いますが、すでに十九地域、五月二十日に西海国立公園の切手の発行を予定しておりますので、そこまで入れますと、もうすでに二十件発行しております。そうしたわけでございますので、むしろ選択の余地はあまりないのではなかろうか。また、国定公園について申し上げますと、これは全国で四十四カ所ではなかろうかと思いますが、すでに三十四カ所発行いたしております。これまた選択の余地というものはすでにしてあまりなくなっております。たまたま御指摘のございましたケースは、確かに大臣の出身地と関係のあるものでございますが、三十四件発行しており残りは十件。国立公園につきましては、二十三のうちすでに十九出しておるといったようなことで、そうそのように非常に恣意的にやるのにしてはもはや選択の余地はあまりない形になっておりますし、最初申し上げましたように、大臣から出身地の国立公園、国定公園の切手を発行せよという御下命がおりたという事実は聞いておりませんので、あるいはこれは偶然の一致というのにしてはちょっとまずいかもしれませんが、あえて申し上げますれば、事務方の勘ぐり過ぎといいますか、そういう点で御下命があってという事実はございません。また、今後も国立公園、国定公園は続けていくわけでございますが、ただいま申し上げましたように、たまたまその中から今後大臣が出るかどうか、これは偶然の問題ではなかろうかというふうに考えます。
○二宮文造君 そういう答弁が返ってくるだろうと思って私また別に調べております。よろしいですか、冗談じゃありませんよ。偶然の一致などというものではないのです。たとえば国立公園の場合、私地域的に調べてみました。北海道に四カ所、新潟を含む東北に三カ所、関東・中部に七カ所、関西・中国・四国に五カ所、九州で四カ所、こういうふうに国立公園をまずグループに分けてみました。ところが、北海道の場合は切手の発行のしかたが七番目、十二番目、十七番目、大体五、五、五といっておるわけです。それから東北の場合は五番目、十五番目、十八番目、それから今度は関東・中部の場合は一番目、二番目、四番目、十番目、十三番目、十四番目と続いておるわけです。しかも、その十三番目というのが小林大臣が就任中で、四十二年七月十日、南アルプス、この国立公園の切手が出ておるわけです。ところがこの南アルプスは、国立公園に指定されましたのが三十九年六月一日です。三十九年六月一日に国立公園に編入され、そして四十二年七月十日に切手が発行になっております。これは長野、山梨、静岡にまたがる国立公園です。出身地と選挙区にまたがるところです。いいですか、そうしてその前、新潟、富山、長野、岐阜、これにまたがります中部山岳国立公園というのは昭和九年十二月四日に指定されておる。にもかかわらず、この切手は発行されていない。よろしいですか、こういうことが一つ。それから関西・中国・四国に五つあると申しました。その五つの中で、どういうふうに出されたかといいますと、六番目、八番目、九番目、十九番目と切手が出ております。その八番と九番と並んだ九番目、これが四十年一月二十日発行されました大山隠岐です。徳安實藏さんの関係、よろしゅうございますか、八番、九番と並んだ九番目ですよ。関西・中国・四国に五つしかない、その二つが続いておる。こういう事実が出てまいりました。 次に、国定公園のほうへ入りますと、この前の大臣の河本大臣のときに氷ノ山後山那岐山というこの国定公園の切手が出ております。これは兵庫、岡山、鳥取にかかわる国定公園です。大臣の河本さんは兵庫四区、政務次官の木村さんが参議院の岡山地方区。それを例証するために、参議院の木村さんは、この切手の贈呈式に岡山で出席しております。しかも、この氷ノ山後山那岐山という国定公園は指定になりましたのが四十四年四月十日、切手が発行されたのが四十四年八月二十日、わずか指定から四カ月。さらに、大臣、ちょっとこういうものが出てまいりましたのでお伺いしたいのですが、私いま質疑をしておりますのは、歴代の郵政大臣が大臣に就任されると、その就任中ないし直後に必ずその出身地ないしは選挙区に関係のある郵便切手が発売される。これは大臣の意思でないかもわかりません。しかし、もし井出大臣であれば、清廉潔白な井出大臣であれば、世間の疑惑を招くようなそういうものを発行するのはやめてくれと、そういうことが私は期待されるのですが、事務ベースでどんどん進んでしまったのかどうか。こういうものがいま出ております。ごらんいただきたい。御存じでしょうか。片や郵政大臣、片や政務次官、政務次官は肩に郵便のかばんをかけてスクーターに乗って走っております。私は、もう非常に尊敬する井出大臣、おそらく不本意であろうと思う。そして私はいまずっと過去、大臣から十二代さかのぼりまして、十二代の大臣まで、郵政大臣になられて就任中あるいは直後に関係する切手が出されたということ、こういう事実になってくるが、非常に遺憾だと、こういうものをずっと名前を、非常に申しわけないけれども、指摘をいたしました。それでいまいよいよ現職の大臣のところへまいったわけです。大臣の所感を伺いたい。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいま御指摘ありましたが、この事実は私も承知をしております。まあ何と申しましょうか、いま二宮さんおっしゃる事務ベースとでも言いましょうか、大体国立公園が幾つある、国定公園が幾つある、それをば大体順序に記念切手を発行するというような前例になっておるようでございまして、まあおそらくこれは審議会等の議を経るということでございまして、一応の順序というふうなものはあるのではないか、こういうふうに心得まして、まあそれほど深く留意をせずに今日までまいったと、こういうことでございます。
○二宮文造君 ところがですね、残念ながらその答弁は当たらないのです。国定公園が四十幾つあります。それを私、ブロック別に分けてみました。よろしいですか。北海道に四、新潟を含む東北に四、それから関東ですね、関東に三、それから中部、北陸、ここで六、それから愛知、三重、岐阜、この三岐方面で六、関西で四、中国で五、四国で四、それから九州で五と、こういうふうに大体大まかにブロック別に選別できるわけです。そうして問題の中部、北陸のところを見ますと、よろしいですか、三十三番目に発行されたのが能登半島、これは四十五年八月一日に発行しております。続いて妙義荒船佐久高原が出ているわけです。三十三番、三十四番と、非常に残念ながら、順番ではないのに、大臣の御出身地のところが、事務ベースではどう説明したか知りませんが、順番ではないものが入っているわけです。たとえば、北海道の四つの場合は、五番目、十番目、二十番目、二十五番目と、五きざみに発行されております。それからまた東北の四つの場合は一番目、二十一番目、二十八番目、三十番目、やはり連続番号はない。ところが、大臣、どうです。三十三番目に引き続きまして三十四番目と出ている。やはりこれは、こういうふうな結果が出てくるということは、私、先日来郵政事業というものについてもう少し――いまも郵便料金の値上げという問題、そうして体質改善の問題、こういうことがいま世の中の焦点を浴びているわけです。そういう中にあって、歴代の大臣ないし政務次官がそれを私したかのごとき印象をもって見られるのは私はまずいのじゃないか。ひとつ井出大臣の時代に、こういう慣行はぶち切ると事務当局に言明をしていただく御意思がありますかどうか。だれが見ても公平な、そういうやり方にしたらどうかと私は思うのですが、大臣の御見解を聞きたい。
○国務大臣(井出一太郎君) まあそうおっしゃられれば、何かこう偶然とか何か申し上げても、あるいはそれは弁解に聞こえますから、あえて申しません。決してそういうことが故意になされたわけでもございますまい。まあこのことはこのこととして、いまおっしゃいますように、やはり一つのルールを定めてとでも申しましょうか、問題の処理をきちんとすべきであろうと、この点は同感でございます。
○二宮文造君 ひとつ大臣に、明確な方針をつくって世間の批判を受けないようにやっていただきたい。で、大臣がそこにいらっしゃらなかったので、私はこういうふうなパターンがあるということを申し上げておきます。何々シリーズというものを始める。そうして三つ、四つで発行をとめてしまう。これがいわゆるお祭りシリーズ、名園切手です。お祭りシリーズは岐阜の高山から始まっております。古池大臣の時代の就任中に終わっております。それから郡大臣の時代には今度は名園切手、これが偕楽園と後楽園と兼六園、偕楽園がトップです。これもやはりそういうパターンをとっております。それから大臣の前大臣の河本さんの時代、それから井出大臣の時代は同じパターンなんです。大臣と政務次官の抱き合わせという切手でございます。申しましょうか。河本大臣の時代には氷ノ山後山那岐山国定公園の郵便切手が出ているわけです。しかも、先ほど言いかけたときに大臣見えたのですが、これは四十四年四月十日指定になったのですよ。そうして四十四年八月二十日に切手が出ているのですよ。突貫作業ですね。そうして御存じのようにこれは兵庫、鳥取、それから岡山にまたがる国定公園です。切手の贈呈式はどこでやられたか。兵庫県側は宍粟郡でやられているのです。宍粟郡というのは河本大臣の選挙区です。岡山県側は岡山市でやられているわけです。そこへは木村さん出席しているわけです。しかも、この中国には、比婆道後帝釈というのがまだ未発行です。これは三十八年七月二十四日に指定になっているけれども、まだ未発行。同じく西中国山地、四十四年一月十日島根、広島、山口の範囲の国定公園が指定されておりますけれども、これも未発行。それらを追い飛ばして、四十四年四月十日に指定になったこれが選ばれている。大臣の関係のところはもう申し上げなくてもわかりますね。群馬三区と、それから長野二区、隣り合わせです。妙義荒船佐久高原ですね。それから切手の贈呈式は群馬側では群馬三区の下仁田、ここは小渕政務次官が出席しております。盛大な会合だったようです。それから一方では、野沢局で贈呈式が行なわれている。これが前大臣から引き継がれた一つのパターンだ。どうか、ひとつこういう実情を正確におつかみになって、古いことばですが、やはり李下に冠を整さず、瓜田に履を入れず。最高責任者の立場にある大臣、政務次官、それが郵便切手を私的に云々されるかのごとき、そういう心証は郵政事業全般に私は影響する、こう思いますので、先ほどの大臣の答弁を前向きに受け取りまして、ひとつ事務当局にもおべっか使うな、こういうふうに御指示をいただきたい。これで大臣はけっこうです。
○国務大臣(井出一太郎君) そういう不用意なことのないようにいたします。
○二宮文造君 最後に高仲さん、この間の問題になりますが、あなたはこの前、使用済みの切手、そのことについて何がしかの御答弁をなさいました。しかし、私は事実を御存じでやったかどうかということを申し上げて、あとで会議録を訂正しなければならないような不用意な発言はお控えになったほうがよろしいでしょう、こう老婆心ながら御注意申し上げた記憶が残っております。普及協会のことについて、問題の使用済みの切手、やっと手に入りました、やっと。よろしいですか。それで、私はその当時言わなかった疑問をいま申し上げますが、この使用済みの切手はどういうふうにして中央に集めてくるのですか。
○説明員(高仲優君) 確たるデータを持っておりませんのですが、本省にすべて回収し、それをまとめて資材部において売却いたしておると考えております。
○二宮文造君 本省で回収して、資材部で売却する、その一括払い下げの先が全日本切手普及協会ですね。それで、その払い下げの値段が二十円ですよ、キロ。そうしますと、年間一万七千キロ。いわゆる郵政省の収入は三十四万円ですね。一万七千キログラムかける二十円、わずか三十四万円。この人手不足のおりに、これだけ労働力というのが不足して、ただでさえ労使関係が他の政府機関よりも複雑な郵政省において、わずか三十四万円のものを全国から回収する理由は、一体どこにあるのです。なぜ回収するのですか、総額で三十四万円ですよ。御答弁いただきたい。
○説明員(高仲優君) 当初、以前は郵便局にとめ置きまして、郵便局限りで焼却処分をしておったのでございますが、切手ブームということで、これにも商品価値がある、利用する余地があるということからやったものと考えますが、三十四万円に対して、こちら側のほうのかかる経費がどのようになっておるか、実はちょっとデータが持ち合わせがございません。その点につきましては、後ほど資料をもって差しあげたいと思います。
○二宮文造君 どうしてこういう切手が出てくるのでしょう。私考えるのに、代金別納郵便がありますね。代金別納郵便で郵送したいと思うときには、窓口へ持っていきますと、台紙を提示されてて、これに張ってくれと、こういうのです。それで利用者の方が台紙に張って、窓口に出す。切手を数えて、それからまた郵便数を数えて、よろしいというわけで窓口を通るのですが、大体こういうシステムになっておりますか。
○説明員(高仲優君) 別納の場合におきましては、現金で納付することもできれば、切手で納付することもできます。切手で納付した場合には、後日の証としてそれを保管するため、従前、郵便局限りで廃棄処分、焼却処分をいたしておったときにおきましても、台紙に張って、それに消印を押し、必要な記載事項、これはいつ、どこどこの差し出しの分の料金納付の証であるということで、一定年限、郵便局に保管し代金納入の証拠とするとともに、会計検査あるいは業務考査等の際の資料として一定年限保存しております。そのやり方自体につきましては、過去も現在も変わりないものと考えます。
○二宮文造君 したがって、あなたがこの前――私もその説明でそうかなと思ったのですが、普及協会へキロ二十円で渡しても、台紙をはがしたり何かするので、現物は三分の一程度に減ってしまいます、こういうあなたの御説明でした。私、現物を持ってないがゆえに、ああそうか、台紙がきたのを全部はがして、そうして普及協会で整理をされるのかと、こう思っておりましたところが、見てください。これ全部、どれ見ても台紙つきです。集まってきたものを箱に詰めただけなんです。そうして三百グラムが四百円――。何か答弁があったら言うてください。
○説明員(高仲優君) 先ごろ申し上げましたのは、ここにかような台紙がございます。ここに、切手はこういう部分に張ってある。この余白のところに各種記載事項がある。この耳をすべて切り落とすということが一つと、それから切手売りさばき協会が、そのような箱にまとめて売りさばく際におきまして、記念切手を一定数量まぜてございます。現在は、普通切手二に対して特殊切手一の割合でまぜて、一種のデパートでやる福袋のように、あけてみたら、通常切手は三分の二であるけれども、三分の一は特殊切手が入るということでやっておるということを聞いております。郵便局から集めましたもの、これがすべて三分の一は記念切手であるということはございませんので、集めてきたもの、かりにこれが一万七千キログラムといたしますと、これは耳をはずして、一万七千キログラムが相当減りますけれども、その減ったもののすべてが一対一の組み合わせになって商品として売り出せるわけではないので、全体の中から記念切手をまず抜いて、それの倍数に相当する通常切手と組み合わせて一つの箱をつくっておる、このように聞いております。したがいまして、二十円のものが直ちに四百円で売られるのではなくて、まず第一段階といたしまして、耳、余白、これは落とさせます。台紙からはがすということはやらせておりませんので、そうした台紙がついて、ただ耳のところに何月何日何の何がしさんの差し出しの郵便物、何々の領収のものだといったような差し出し人等のわかるような事実は全部はずせということを要求しておる。その作業をやらせ、それから記念切手と一定の割合でまぜる。この記念切手はたしか私の記憶では三分の一は記念切手にするということでございますので、すべてがすべて売れるというふうには私、考えておらないので、その旨申し上げたのでございます。 なお、ついでに申し上げますと、昨年、昭和四十四年度におきまして年間払い下げたのは、たしか一万七千キログラム、代金三十四万円何がしということになっておりますが、これでもって商品が幾ばくできたかということになりますと、実は記念切手等のかみ合わせでございますので、そのお手元の箱にいたしまして二万箱はできておらないのでございます。それで、その人件費とか材料費、それから運搬費であるとか、そういったものを考えました場合に――私、概数で申し上げます。後ほどこまかいデータは差し上げたいと存じておりますが、二十円で出たものがそのお手元の箱のような形で整理された場合にかかる経費は二百七十円ばかりになる。つまり、払い下げを受けたもののすべてが商品になるわけじゃないという点から、実は原価は二百七十円程度になるのであるという説明を切手普及協会の側から私は聞いております。なお、二百七十円ばかりのものを四百円で売るということは、確かに三〇%ばかりの利潤になってはなはだしいもうけのようにも見えるのでございますが、先般、決算の問題について先生言及されておられますが、決算書で見る限りにおきましては赤字あるいは黒字の境目てございまして、こういう営利的な矛盾を生む部分もございますが、実は、そのほかに切手教室であるとか切手の展覧会とか、いわゆる出血的なサービスをやっておる事実もございます。それからまた景山元逓信省管理局長が理事長をやっておりますが、この方も三十三年、三十四年とも無給でございます。なお、退職者で職員あるいは理事をやっておる者の給料につきましても私調べたのでございますが、非常に安い給料ということになっております。たとえば、たまたま中村宗文という名前が出ましたが、彼は現在月五万五千円の給料、それからそのほか一般の職員……。
○二宮文造君 今井さんは幾らです、今井さんは。
○説明員(高仲優君) 今井さんは十万円です。
○二宮文造君 安いほう言わないで、高いほうも……。
○説明員(高仲優君) それでは全部申し上げますと、景山理事長ゼロ円、今井理事十万円、赤座理事六万円、中村理事五万五千円、以下、たとえば最近おきまして入った者――郵便局長から入った者がございますが、月三万円という者もございます。すべて職員は五万円以下。女子職員も多いんでございます。総勢が大体二十八人かそこらの小世帯でございますが、二万円台ばかりでございます。女子職員につきましてはそういったわけで、総合いたしましては、決して暴利をむさぼるとかあるいはばく大な利益金をやっておるとか、何らかの資金源になるとか、そういった事実は全くないものと私考えております。
○二宮文造君 私が質問をしない余分なことをあなたがそういうふうにるる説明をされるからかえって普及協会と郵政省との間に何かあるんじゃないか――私はそこまで言いたくなかった、言いたくなかったけれども、あなた、そういうことを言うのだったらたいへんな問題になりますよ。約束できますか。普及協会の経理について証票から全部私に見せる、そういうことが確言できますか。あなたは、給料が安い、営利ではない、ところが反面、普及協会が郵政事業の普及という大義名分を掲げて――これはけっこうだけれども、実際に運営されていることは子供泣かせのことをやっているじゃないか。マキシマム・カードだとか初日カバーだとか先ほどの見本の問題だとか、あるいはこの消印済みの切手の販売のしかたとか、そういうことを私はるる指摘をして、こういうことはおやめなさいと、もっと補助金を出すなら出す、そういう経理関係を明白にして、一口に百五十万といわれ、三百万といわれる、しかも子供を中心にした愛好家に不信の念を起こさせるようなことをおやめなさいというのが私のテーマなんです。あなたは本題からそれてしまった。やれ給料が安いの、インチキはいたしておりませんと、余分なことをおっしゃいますが、お約束できますか、証票をつけて、帳簿あるいは銀行の通い、そういうものも私に見させていただけますか、どうでしょうか。それが約束できない限りは、そういうことはおっしゃるべきじゃない。取り消してもらいたい。経理全般については不明確です。答弁いただきたい。
○説明員(高仲優君) 御質問以外の点にわたって給料を申し上げた部分について、これは質問の趣旨にはずれるということでございますので、その部分につきましては取り消させていただきたいと思います。
○二宮文造君 そして、こういうことはもうほんとうにおやめになったほうがよろしいと思います。たとえばこれには台紙がありません、ガン切手。台紙がない、のりもついている、消し印だけ出ている、これは一体どうしてこういうふうにまぎれ込んできたか。これもわからない。それからこれをごらんなさい。消し印が不明確です。全然消しておりません。十円で使えます。監察局長、行管のほうもこれ確認しておいてください。さがしてきたんじゃないんですよ。偶然手に入った箱にこういうものが入っているんですよ、この二枚。
○説明員(高仲優君) ただいまの消し印のやり方はまことに不適切であるというふうに考えます。
○二宮文造君 なぜこういうことになるかという原因についてはお考えになりませんか。現行制度に確かに手落ちがある、現行の回収方法に手落ちがある、現行の払い下げのしかたに手落ちがある、そこにまた疑惑を招く、こういうようにはお感じになりませんか。
○説明員(高仲優君) 消し印の点につきましては、ただいま申し上げましたとおり、これは常に明瞭に消すように指導いたしておりますが、ただいまの切手はまことに不適切でございますので、その点につきましては、あらためて注意を下部に喚起いたしたいと考えております。 なお、払い下げのやり方についてでございますが、先回、若干私御説明申し上げましたとおり、ただ回収したままのものは、どこにだれが出した郵便物の受領証という形がはっきりする部分がございますので、これをそのまま出すのはいけないので、その点を責任を持って切らせるという点から、一般に競争入札等に付することなく切手普及協会のほうに払い下げ、その耳を切り落とすという仕事をやらせておる次第でございます。
○二宮文造君 ですから、こういう全部一括払い下げをしてもわずかに三十四万円だ。それに見合う人件費とか、これはもうたいへんなものだ。普及協会のためにそういうふうなことはすべきではない。やはり中央に集めてくる、一括払い下げをするといういままでのシステム、これは再検討を要すると思います。 そこで、私のところへこういう、先ほどとまた別の手紙なんですが、来ておりますが、「キロミクスチャーについて……」、ずいぶん専門用語をお使いになっております。「郵政省がキロ二十円で払下げ、それをいくら選別するからといって、三百グラム四百円はひどすぎます。外国では、普通公開競売にするのが建前で、こんな外郭団体に暴利をむさぼらせることはしていません。だいたい一キロ二ドルから二ドル五十セントが世界的な相場です。」、不当に安過ぎるというのです。七百円ないし九百円、七百円から千円が相場だというのです。ちょうど相場でお出しになっているわけですよ、普及協会は。よろしいか。ちょっと試算しますと、一キロで二十円なら、三百グラム四百円、これをキロに直しますと千三百三十二円、六十七倍。この間指摘をしましたように、もしこれが三越で選別されて売られますと、七グラムが六百五十円。その場合はキロに直しますと、九万二千八百五十円。何と四千六百四十三倍。それから突っ込みで二グラム百五十円で売っているケースもありました。それで逆算をしても七万五千円。何とこれが三千七百五十倍。大根よりひどいですよ。そういうやり方はまずい。改むべきだ。 それからさらにこの方は提言をしております。「全郵普の経理を調べていただきい……わたくしたち、切手の愛好者は、全日本切手普及協会のあり方について、いつも疑問をもっています。といいますのは、その協会の設立目的が、「切手趣味の健全な普及」でありながら、実は金もうけの活動ばかりしているからです。」。ちょっと中略します。「さらに、わたくしたちは、この協会で発行する、「切手」という機関紙を、強制的に買わされます。なぜ強制かといいますと、新発行の切手の予告が、この「切手」にしか、公表されないからです。それは新聞にも、のることはありますが、すべてがのるわけでなく、「切手」をとっていないと、わからない仕組みになっているからです。外国では、たいてい三カ月位から半年前に、予定が公表されるので、いろんな雑誌や、新聞にのります。わが国でも、例えば「郵趣」とか「全日本郵趣」といった切手雑誌があり、わたくしも愛読者の一人ですが、新発行の切手の予告は、間にあいません。一カ月前にしか公表しないしくみを作って、月刊の切手雑誌には、どうにもならないようにして、じぶんたちの週刊の「切手」には、間に合うようにしています。」。その「切手」を読まなければ新切手に対する手当てができない。だからそれを読む。もうずっと具体的にあがってきた事件を調べてみますと、この全日本切手普及協会といをものが、マニアの間では、何だか頭にかぶさったよけいなもののようになってるようです。これはひとつ会の運営のしかたを善導していただきたいし、先ほどからずっと指摘をしたことについて抜本的な姿勢で取り組むかどうか。まず郵政の監察官から、私がるる述べましたようなことについてどのような所信を持たれたかお伺いしたい。
○説明員(舘野繁君) 郵政監察といたしましては、ただいままでの監察の考査その他の仕事のやり方といたしまして、非常に数少ない監察官の陣容で全国二万余の郵便局の業務の考査等に当たっておりますために、本省内部部局での仕事につきましては、それぞれの部局の自律と申しまするか、それにおまかせし、要すれば、本省の部局のものにつきましては、外部の行政管理庁あるいは会計検査院等の厳正な外部チェックがございまするので……。
○二宮文造君 具体的に言ってください、そんな抽象的な表現じゃなくて。
○説明員(舘野繁君) 私たちといたしましては、地方郵政局及び郵便局等の業務の考査をやってきております。本省の各部局のそれぞれの施策につきましては、承知をしておりまするけれども、今後も本省内部部局の仕事のやり方につきましては、それぞれの部局において最も適当な方策をとっていただくことを期待しておりまして、監察といたしましては、特別の、何と言いますか、措置というものをいたす決意はございません。
○二宮文造君 りっぱなものだ。行政管理庁、まさかそんな答弁じゃないでしょうね、局長さん。
○政府委員(岡内豊君) いろいろお話をお伺いいたしましたので、十分に調査をいたしまして善処したい、かように考えております。
○二宮文造君 次長さん、とうとう政務次官間に合わなかった。だけど大臣が出てくれたんで、もう右にならえですから。 それで本日の質疑を通して、いわゆる郵務局として数多く検討をし、手直しをしなきゃならない問題があると思います。具体的な分についてはけっこうですが、総括的にあなたの決意を伺いたい。
○説明員(高仲優君) 郵務局自体の切手の発行等に関する仕事のやり方あるいは切手普及協会の業務運営に対する指導、この両面につきまして、いやしくも外部からの疑惑を招くことがないように今後十分措置いたしたいと思います。
○二宮文造君 それから、そこの管理課長じゃないや、あなた。
○説明員(佐藤昭一君) 秘書課長でございます。
○二宮文造君 秘書課長さん、逓信博物館の中における常軌を逸したような切手の販売について善処をされるおつもりがあるかどうか。
○説明員(佐藤昭一君) 先ほど御指摘の点につきまして、実は私どものほうで十分その点把握しておりませんので、なお十分調査いたしまして、誤解のないように善処してまいりたいというように思います。
○二宮文造君 会計検査院いますか、郵政関係の人は。
○説明員(鎌田英夫君) 私、二局長でございます。郵政省の関係です。
○二宮文造君 私がるる指摘をいたしましたその問題について、会計検査院としての御決意を伺いたい。
○説明員(鎌田英夫君) ずっと先生の御指摘を伺っておりまして、非常に不可解と申しますか、おかしな問題があるというふうに伺いました。会計検査院といたしましては、たとえば切手普及協会というようなところに対しましては検査いたしておりませんけれども、なお会計経理の面で、歳入あるいは歳出に影響があるかどうかという点を、先生の御指摘の事項につきましてなお調査いたしまして、今後厳格な検査を施行していきたい。こういうふうに考えます。
○二宮文造君 最後に政務次官、やはり私どもは、行政の姿勢というものはどこから見てもやはり清廉潔白であってほしい。そうでなくてさえもいろいろな波風が立つ世の中です。国民が、政治が信頼できるように、先ほど私が数々指摘をいたしましたけれども、その一つ一つが、それはもちろん反論もありましょう、反論もありましょうけれども、特に今回の場合は、いたいけな学童たちを相手にした商売です。それだけにいまの切手の問題については私どもは納得ができない。ましてや、それが郵政事業の大きな柱になっているわけですから、ひとつ行管としても、いろいろな形でこの郵政の事業というものの善導といいますか、方向転換といいますか、そういうものに積極的に取っ組んでいただきたい、こういう気持ちがするのですが、政務次官の答弁を伺って終わりにしたいと思います。
○政府委員(黒木利克君) 監察局長からお答え申しましたとおり、行管としては善処いたします。
○理事(和田静夫君) 他に御発言もないようですから、行政管理庁の決算につきましては、この程度にいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十三分散会 ―――――・―――――