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65回国会参議院1971/05/17

外務委員会、沖縄及び北方問題に関する特別委員会連合審査会 第1号

発言数
165
登壇者
23
会派数
6
開催日
1971/05/17

会議録

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) これより外務委員会、沖繩及び北方問題に関する特別委員会連合審査会を開会いたします。  連合理事会の申し合わせにより、まず、私が連合審査会の会議を主宰いたします。  沖繩の施政権返還交渉等に関する件を議題といたします。  この際、愛知外務大臣から発言を求められております。これを許します。  愛知国務大臣。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 沖繩返還交渉に関する現在までの経緯に関して御報告いたします。  戦後の日米関係で最大の懸案であった沖繩返還問題が、昭和四十四年十一月二十一日の佐藤総理大臣とニクソン大統領との間の共同声明によって、沖繩が一九七二年中・核抜き・本土並みでわが国に返還されることにつき基本的な合意を見たことは、つとに御承知のとおりであります。それ以来日米間におきまして沖繩返還協定の締結のための交渉が東京で開かれ、私とマイヤー駐日米国大使との間で話し合いが重ねられてまいりました。  米側との交渉における日本側の基本方針は、一九七二年中・核抜き・本土並みという共同声明の三原則に基づいて円滑な復帰の実現をもたらすことであります。私は、今までの交渉を通じてこの基本方針が十分に貫かれるものと確信いたしております。  これより返還交渉の進捗ぶりを御報告いたしたいと存じますが、申すまでもなくいまだ交渉中のことでもあり、概要の説明にとどめさせていただきます。  返還協定につきましては、まずその前文において、同協定が締結されるに至った経緯を述べることとなるものと考えられます。  本文におきましては、第一に、米国がサン・フランシスコ平和条約第三条に基づく沖繩の施政権をわが国に返還すること、また、返還される領域は、平和条約第三条の地域から奄美、小笠原両返還協定によって返還された地域を除いた残りの全地域であることを明らかにすることとなるものと考えられます。  第二に、安保条約及び関連諸取りきめ、通商航海条約等の日米間の二国間条約が復帰の日から沖繩に適用されるとの確認を行なうことになります。このように安保条約、地位協定、事前協議に関する交換公文等がそのまま何らの変更なしに沖繩に適用になるのでありまして、したがって、核の持ち込み、戦闘作戦行動のための発進等も当然事前協議の対象となるわけであります。  第三に、わが国は、復帰にあたり安保条約及び地位協定に従い、米国に対し沖繩において施設・区域を提供することとなります。政府としては、協定署名にあたり、現在米国が沖繩において使用している軍用地のうち、復帰にあたり施設・区域として提供することとなるもの、一たん提供された上で近い将来に返還されることとなるもの、復帰までに返還または縮小されることになるもの、を適当な方法で明らかにしたい所存であります。政府としては、沖繩県民の要望を常に念頭に置き、基地の整理統合に真剣に取り組んでいる次第でありますが、安保条約第六条の規定に従い、必要な施設・区域を米国に提供することは、これまた当然のことであります。  第四に、沖繩県民の方々からの要望に接しておりまするもろもろの対米請求に関しましては、いまだ満足すべき解決に達しておりませんが、政府としては、今後ともできる限りの努力を続けていく所存であります。  第五に、裁判の引き継ぎの問題につきましては、社会秩序の安定性を維持しつつ円滑な復帰をはかるという観点から、琉球政府裁判所及び米国民政府裁判所の裁判は、民事事件、刑事事件とも原則として引き継ぐとの方向で合意を見るに至ると考えております。  第六に、沖繩における民生上有益な米国政府の資産は、三公社をはじめとして、わが国に移転されることになります。政府といたしましてはこれら資産が沖繩県民にとって有用なものであること、また、沖繩返還により米国が特別な負担を要することを考慮して、公正妥当な額の支払いを米国政府に対し行なうことを考えております。なお、これらの資産の取り扱いに関しましては、沖繩県民の福祉を十分考慮して、それぞれの資産に最も適切な方法で処理してまいりたいと考えております。  以上のほか交渉中のものとして、現在沖繩において運営されている「アメリカの声」(V・O・A)の中継局の取り扱いの問題があります。この問題につきましては、電波法等わが国の法制上のたてまえからいたしましても、かかる外国政府の放送業務がわが国内で行なわれることが望ましくないことは当然であります。他方、米国政府は、V・O・Aはその放送内容からしても何ら刺激的なものを含まず、米国海外広報庁の事業の一環として諸外国においても行なわれているものとして、その継続を強く要望しております。この困難な問題につきましては、何らかの解決を見出すべく話し合いが続けられておりますが、いまだ結論に達していない状況にあります。  さらに、交渉事項として外資系企業等の取り扱いの問題、航空問題等がございます。  外国人及び外資系企業等の復帰後における取り扱いにつきましては、これまでこれらのものの活動の実態把握につとめるとともに、これらのものの大部分が相当の期間にわたって沖繩で正当に活動してきたこと、沖繩経済の将来のあり方、わが国の外資政策等を考慮に入れ、具体的な取り扱い方針の検討を行なってきたところ、近く政府としての方針を米側に通報し得る見込みであります。  また、現在沖繩に乗り入れている米国航空企業の問題につきましては、復帰後は本土・沖繩間の内国運輸は認めませんが、国際運輸については一定の暫定期間中引き続き運航を認めるという方向で妥結の見込みとなっております。  最後に、沖繩における米国のいわゆる特殊部隊の問題でございますが、従来しばしば国会で説明してまいりましたとおり、復帰後は安保条約のワク内でのみその活動、存続が認められることは当然であり、そのために所要の話し合いを行なっております。  以上申し述べましたところが協定及びその他の問題に関する交渉経緯の概略でございますが、政府といたしましては、この交渉が一日も早く妥結し、調印の運びとなるよう鋭意努力中であります。  そして、協定は、国会の御承認を得た上で、米側の手続終了とも相まって批准書の交換を行ない、明一九七二年のなるべく早い時期に、民族の悲願である沖繩の祖国復帰を達成する所存であります。国民各位の一そうの御理解と御支援をお願いする次第であります。  以上で御報告を終わりますが、沖繩県民の方々が日本国憲法のもとに安心して祖国に復帰できるためには、諸般の対策を必要といたします。このため、政府といたしましては、協定の承認を求める国会におきまして、沖繩の民生の向上、経済の振興、県民の福祉の増進等の確保を目的とする法律案を協定と同時に提出いたしまして御審議を願うことといたしておりますことを申し添える次第でございます。

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) ただいまの愛知外務大臣の報告も含め、これより質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。

松井誠日本社会党

○松井誠君 いま御報告がありましたこの中間報告、これが、一昨日、衆議院で報告をされましてから、国民の多く、特に反戦復帰というものを願い、平和憲法のもとにおける復帰を願ってきた多くの国民にとって、非常に大きな不満、不安というものを呼び起こしたのであります。特に、現地沖繩では、もういち早く、多くの団体がこれに対して不満を表明をする、屋良主席みずからも、具体的にこの中間報告の個々の項目について、すべて、不安ないし不満、そういうものを表明をされる、こういう反響を見るに至りました。そこで、非常に限られた時間ではございますけれども、やはり、ここであらためて政府のこの返還交渉に臨む基本的な姿勢そのものを問題にせざるを得ないことは、きわめて残念であります。  われわれは、この返還交渉というものを、何かアメリカの恩恵にたよった、返してもらうという立場から行なうべきではない、これがわれわれの年来の主張であります。その根拠は、その最大のものは、言うまでもなく、われわれ社会党が年来主張しておりまするように、この沖繩占領というものを根拠づけておる平和条約の第三条、これが無効である、あるいは、もうすでに少なくとも失効をしておる、こういう立場が基本にあることはもとよりでございますけれども、しかし、それだけではない。なるほど、直接返還交渉の衝に当たったのは政府ではありますけれど、しかし、その政府を突き動かしておるもの、あるいはアメリカ政府をも突き動かしておる一番の原動力は何かといえば、それはまさに復帰に対する国民の運動であったはずであります。特に、沖繩県民を中心とする激しい復帰運動があったればこそここまで問題が進展をした。この復帰運動というのは、単に、一つの民族が引き裂かれておるのは忍びない、あるいは異民族の支配下におるのは忍びないという、そういうような民族的な感情だけではなくて、きわめてこの平和運動——すぐれて平和運動である、すぐれて人権回復の運動である、そういう面を持っておったわけであります。  この原動力が国民運動にあるということは、これは何もわれわれだけの主張ではございません。私はたびたび援用したいと思いますけれども、いわゆるサイミントン議事録というものがある。去年の初め、アメリカの外交委員会のいわゆるサイミントンという委員会で、沖繩についてのいろいろな審議が行なわれ、ジョンソン国務次官や、ランパート高等弁務官、あるいは在日米軍の最高司令官であるマギー、そういう多くの人も出席をして証言をしておる。これは秘密会でありましたけれども、去年の八月に一部分削除をして公表をされた。いまだに政府の全訳がありませんから、私はしかたがありません、去年の暮れにある雑誌に二カ月にわたって連載をされました抜粋ではありますけれども、翻訳、これを材料にしてこれからもお伺いをいたしますが、このサイミントン議事録によりますと、いわゆるこの沖繩の返還というのは、もしこのままでいけば、日本の基地もあるいは沖繩の基地も、五年あるいは十年しかもたないだろう、ここで返還をしなければならないという理由がそこにある。こういうことをジョンソン国務次官自身が言っているわけであります。したがって、われわれはこの返還交渉における国民の発言権というものは非常に大きなものでなければならぬ、こういう基本的な立場をとっております。  御承知のように、沖繩には「琉球処分」ということばがある。沖繩の人々の運命が自分できめられなかったという、そういう歴史の繰り返しが何回かある。それを沖繩の人たちは「琉球処分」と言っておる。われわれも現にあの平和条約第三条をつくるときに、沖繩県民の意思を無視をして、平和条約三条で、日本の本土から事実上切り離した。しかし、沖繩の人たちは、この「琉球処分」ということばに非常に長い歴史上の重みというようなものを感じておる。今度は「琉球処分」というものに終止符を打とう、われわれの側からすれば、この「琉球処分」というものを繰り返してきたそれのいわば償いをしよう、こういうものが私は今度の返還交渉における歴史的な意味を持たなければならなかったと思う。そういうものが頭から無視をされましたから、いま言ったような大きな不満というものが出てきておる。十九日には、そのことを抗議をして現地ではゼネストが行なわれようとしておる。こういう国民の不満というものに対して、これからでもおそくはないと思いますけれども、一体政府はどのように対処をされるおつもりか、そのことをまずお伺いをいたしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) いろいろと御意見を交えての御質疑でございまして、私からもまた詳細にあらためてお答えしたいところでありますけれども、時間的な制約もあるようでございますから、できるだけ簡単にお答えいたしたいと思います。  まず第一に、沖繩の返還問題は、政府といたしましては、平和条約をもとにしてアメリカが沖繩に対して施政権を持っておるゆえんのものは平和条約第三条でございますから、その平和条約第三条によって沖繩が有しておるところの施政権の返還、これは常識的にいえば私は領土の返還問題と言っても間違いじゃないと思います。これを平和的な話し合いによって解決をする。そして、従来から日本の国民が確信しており、政府もこの点を何度も確認をしておるわけでありますが、潜在主権が沖繩にある。その根拠によって、平和条約三条に基づいて施政権の返還を完全に求めようと、平和的な話し合いで解決したいというこういう立場に立って、一昨年、両国最高首脳の間で政治的にその合意ができた。そのできました合意は共同声明で発表されているわけですが、沖繩返還については、共同声明の第六項、第七項、第八項で返還についての基本原則——先ほどの報告で申しましたように、われわれは三原則と言っておりますが、これに基づいて協定ができて円滑に施政権返還ができることを一日もすみやかにと思いまして、努力に努力を続けておるわけでございます。  それから、この中間報告に対して御不満があるということは私もよく理解ができるわけでございます。その大きな一つの理由は、きわめて抽象的である。それから、いままで国会を通じて政府が言っておったことと新しいことはないではないか。私は主としてこういうところがら御不満あるいは御希望というものが出てきていると思います。その点は私も十分よくわかります。  同時に、政府の立場もひとつこの際聞いていただきたいと思いますのは、これだけの民族的な大きな大事業でございますだけに、条約というようなものについては先例を見ましても、戦後におきましても、本来ならば交渉中の段階ではほとんどこれはやれていないことで、しかし、これだけの大問題でございますから、国会を通し、あるいは沖繩の方々にも、その状況がまだ煮詰まっていなければ、いないことを率直にお伝えをすることが政府としての任務であると考えまして、あえてこの連合審査会におきまして、現在のありのままの姿を申し上げているような次第でございます。  また、これを裏から申しますれば、いままでも私がしばしば申し上げておりますように、国会の委員会等を通じて、質疑応答の際等においてはできる限りお答えをして事情をお知らせするようにしたいと言っておりましただけに、この報告におきましては、それ以上に新しいことというものが、あるいは新味を感ぜられなかったかもしれません。しかし、政府として、公の立場においてこれを中間的に報告いたしたわけでございますから、なお、ただいまのおことばにもございましたけれども、われわれとしても、沖繩の方々はもちろんでございます。与野党の国会の方々からも、十分御批判や御意見を承りまして、なお一そう努力を新たにいたしたい、こういう立場におりますことを一言明らかにさせていただきたいと思います。

松井誠日本社会党

○松井誠君 私は主としてお尋ねをいたしたいことは、この返還協定によって日本の安全保障の体制、それが一体変わるのか変わらないのかということであります。いわゆる変質論というものについてであります。結論から先に申しますと、私はこの返還協定、それの基本になる一昨年の暮れのいわゆる日米共同声明によって明らかに大きく変わってくる。その一番中心をなすものは、「極東の安全」という考え方が「日本の安全」という考え方よりも上に立つ。言ってみれば、「日本の安全」をいわば犠牲にしてまでも「極東の安全」というものは守らなければならないと結論づけざるを得ないような、そういう考え方に変わってきた。形式的には、安保条約そのものにも「日本の安全」と「極東の安全」というものを並べてある。しかし、その比重というものは、必ずしもその段階では明らかではございません。しかし、少なくともいままで政府が言ってきましたのは、いわば「極東の安全」というものが必要なのは「日本の安全」にとって重大であるから、「日本の安全」というものの結果として「極東の安全」に貢献をする、そういう立場で考えてきたと思うんでありますけれども、しかし、それが、この共同声明やあるいはそれと並行して行なわれました例の総理大臣のプレス・クラブにおける御演説、そういうもので、「極東の安全」そのものはもう「日本の安全」にとっても欠くべからざるものだという、そういう言い回しに変わってきた。このこと自体はさして大きな変化だとは言えないかもしれない。しかし、このことを、先ほど引きましたサイミントン議事録では、非常に問題にしておる。並みいる議員はきょとんといたしまして、何が一体それが新しいことなのか、こういう質問をしておる。ジョンソン国務次官は、そういうふうな「極東の安全」というものを日本が非常に重視をする、こういうようになったのは、公式の声明としては初めてなんだ。そしてこういうことまで言っておるわけですね。とのサイミントン氏が、それは一体沖繩返還の交渉のいわば取引ということにもなるのか。そういう質問をするとジョンソンは、ある意味ではそうだ。そして、一番最後のところですけれども、「沖繩の施政権が返された場合、あなた方は、極東の他の場所でのわれわれの安全保障上の公約の履行に関連することがらは自分の知ったことではないという立場をとり、したがって、あなた方の答えは通常ノーということになるのか、それともこの問題を世界のこの地域」——つまり極東であります——「この地域におけるあなた方の全般的な安全という観点から見るようになるのか」というように問うて、そしてこの「極東の安全」という立場から、むしろイエスということを言うんだと言わぬばかりの表現をしておるわけであります。で、これだけではまだ具体的でないということであるならば、さらにこれが、こういう考え方が具体化するとどうなるかということを申し上げたいと思うのであります。  これは、もう事前協議そのものが一体変わるのか変わらないのかという、そこで具体化をされていく。共同声明は、御承知のように、なるほど安保条約そのものはそのまま適用されるということを一方では書いてある。しかし一方では、いわば基地機能は現状のとおり維持をする。そういうことばで書いてありませんけれども、アメリカの国際的な義務の効果的な遂行を妨げないようにするということが書いてある。この二つは実際は二律背反です。つまり、基地機能を維持しようとすれば自由発進を認めざるを得ない。しかし、それは明らかに安保条約の変質になる。安保条約をそのまま適用すれば事前協議をしなければならないということになる。したがって、基地機能というものは当然低下をする。この二律背反をどうして一体結びつけるのか。これを結びつけるのが、実は極東を重視をするというその考え方で事前協議に臨もうという、それで結びつける以外にはない。ですから、ジョンソン国務次官が共同声明のあとで行なった例の「背景説明」という中でこのことを非常に強調をしておる。必ずしもイエスということを約束をしたわけではないけれども、しかし、少なくとも態度を決定する場合の一つの基準を明らかにした。その基準は何かといえば「極東の安全」を重視するということなのです。これは例の韓国に緊急事態が起きたときにどうするかという問題について総理大臣がプレス・クラブで演説をした。例の「前向き」という日本語の正文でありますけれども、実際は積極的に、あるいは肯定的にすみやかに事前協議に対しては返事をしましょうということ、このことをサイミントン議事録ではどのようになっているかといいますと、結局、それは事前に同意を与えたということになるのかという質問に対して、たとえばこういうふうに言っておるわけです。事前に同意を与えたのだから、したがって、その際には協議をする必要はないのかという質問に対して、ジョンソンは、「いやそうはいえません。私をしていわしむれば、日本はこのコミュニケで、われわれが実際に韓国防衛について彼らと協議を行う場合には、日本の答はイエスになろうということを、いいうるせいいっぱいのところまでいっているということです」。そしてまたそのあとで、それではこの日本の基地を韓国防衛のために戦闘作戦行動のために使うということを、そういう権利を与えるということをはっきり言ったのかという、そういう質問に対しては、「与えますと確言するのにすれすれのところまで来ている」。このあとは削除になっている。「しかしわれわれもなお、日本と協議することを公約している」。つまり、形の上で協議するという形式だけは残っている。しかし、実際は極東の安全を重視する、そういう立場から日本は返事をしましょう、協議にも応ずる、そういう基準というものをはっきりさせた。その基準を具体的にいえば、事前に同意をしたとは言えないけれども、しかし、それのすれすれのところまでいっておるのだというのがサイミントン議事録の書き方で、こういう見解に対しては大臣はどのようにお考えでございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) この点ももうしばしば論ぜられたところでございますから、なるべく簡潔に、しかし、大切なことですから、項目を分けてお答えをいたしたいと思います。  まず第一が、この沖縄返還に伴って安保条約が変質したのではないか。これは全然さようなことはございません。これはただいま報告いたしました中でもその点には私としては触れておるつもりでございますけれども、まだ条約のいわゆるワーディングがはっきりできておりませんから正確な御理解を得ることが困難かと思いますけれども、この点につきましては、沖縄返還協定作成につきましても政府として特に関心を持っている点でございます。しかし、これは衆議院でも申し上げましたのですが、たとえば共同声明の文章が引用されるようなことがかりにあったといたしましても、共同声明自体が安保条約の変質をうたっているものではない。この点も政府の立場をはっきり御理解をいただきたいと思います。そうして変質論ということがどういう点から取り上げられているかといえば、具体的には事前協議の点で論議が行なわれるわけでございます。この事前協議というものは、本土におきまして一九六〇年に始まりました制度でございますけれども、米軍の装備、配置の重要な変更 それから戦闘作戦行動ということについて事前協議がかかっておる。そうして、その事前協議というものは、かかりました場合に、日本政府としてそれに対してどう応対するかということは、日本の安全ということを基礎に考えまして、イエスと言うこともありますがノーと言うことがあるということは、これは一九六〇年の当時の内閣、あるいは当時からの私の前任者からもしばしば申し上げておるとおりでございます。イエスもあればノーもあるというのが事前協議というものの制度であるわけでございます。しかしながら、たとえば核というようなものについては、これをわがほうは非核三原則によりまして日本としてはノーの立場を堅持しており、このことは今回の沖縄返還についての共同声明の第八項におきましても日本側の見解というものは十二分に理解され、これが表明されているわけでございます。サイミントン委員会の議事録は、私ももちろん当の責任者でございますから十分読んでおりますし、また、それに関連する米側の関係者の意見、動向等も十分に私としても承知をしているつもりでございますけれども、このサイミントン委員会の議事録の日本語訳もごく最近に外務省としてもお配りをすることに用意を進めておりますが、ごらんをいただいて御通読いただければ幸いと思いますけれども、たとえばこの事前協議のイエス、ノーのくだりについても、一面において御引用のようなジョンソン次官の発言などもございますが、同時に、そんなことを言ったって日本の総理大臣はイエスという約束をしておりませんよ、ということを議員側からもまた追及しているというくだりもあるように、全体を通じて、特に秘密会のような場合におきまして非常に自由な雰囲気で率直な意見交換がいろいろの点から出ている。これは総合して判断をしなければならないことであると思います。そもそも一九六〇年以来一番の基本は、岸・アイク共同声明にもさかのぼるわけですし、そしてこれがサイミントン委員会の中でも、アメリカ政府側からも冒頭から出ておりますが、そもそもこうした共同声明で岸・アイクのとき以来、日本の欲せざることはしないのがアメリカのたてまえであると、こういうことが全体にアメリカ政府の態度としてかぶっているということも非常に私は重大な点ではなかろうかと思います。  以上、きわめて概括でございますが申し上げましたように、私はただいまの御質疑の中にある御意見については、遺憾ながら政府としてはそれについては別の態度を持っており、また安保条約そのものについての考え方、これも別の考え方を持っております。そうして、本土においては私どもとしては正しい選択であると考えておりますこの安保条約というものが、そのまま本土並みとずばりと何らの変更なしに適用されるということによって、沖縄にあるところの米軍の性格も違いましょう、そうしてまた、いわゆる提供すべき施設・区域の範囲というものも考え直されなければならない、これが沖縄の復帰の一つのかなめになる考え方である、こういうふうに私どもは存じておる次第でございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 いままでの政府の態度がこの共同声明を機会に変わるという、そのことを私は問題にしておるのであって、いままでの態度のことをお聞きしておるのではございません。しかし、時間がありませんから、私はもう質問は一つだけしかする余裕がなくなりましたけれども、この事前協議が変わるというのは、言うまでもなく、沖繩の基地の使用の態様が変わるという意味よりも、むしろ日本の本土の基地の使用の態様が変わるということ、したがって、ジョンソン次官があの「背景説明」の中で言っておるように、この事前協議の制度というのは、沖繩の場合には、理屈の上からは、それが基地の使用のあり方について理論上は狭まる、しかし、本土全体はむしろ広がってくる、こういうことを言っておる。つまり、そういう意味で、この事前協議の変わり方というのは、本上全体にかぶってくる、いままで事前協議というのは、実際はしり抜けでありましたけれども、しかし、使おうと思えば、とにもかくにも日本が戦争に巻き込まれることをチェックをする、そういう手段になり得た。しかし、今度は逆に、これが一〇〇%イエスというのではないにしても、事前に包括的に大体イエスと言いましょうということを約束することによって、むしろアメリカの戦略というものに協力をする、そういう道具にいわば変わってしまう。全く反対のものに変質してしまう。これはまさに変質そのものだと思う。  しかし、私はもう時間がありませんから、最後に一つだけお伺いをしたい。それはいわゆるベトナム条項というもの、もしベトナム戦争が終わらなかったら一体どうするか、という問題について、そのときに協議をする、その協議は安全保障条約上の協議ではないと、ジョンソン次官は「背景説明」の中で、返還前の協議だということに留意を願いたい、こういう思わせぶりのことを言っておるわけです。しかし、それが何であるかということはサイミントン議事録を読めばおわかりになる。そのところは大事ですから、そのとおり読みますと、つまり、それはこういうことを意味するというのですね。「復帰の実現が予定されている時期以前にわれわれが沖繩から行なうこと、あるいはしたいと思うことがある場合には、沖繩からしたいと思うことを引続き行なうわれわれの能力を妨げないような何らかの合意あるいはとりきめを作成しようということです」。意味するところは明らかだと思う。つまり、そういう約束をすることによってこのベトナム条項というものを生かそう、これがあいまいな表現の中におけるベトナム条項というものの意味だ。時間がなくなりましたからこれで質問を終わりますけれども、お答えを簡単にいただきたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 前段にもお答えしたいところですが、まあ、くどくなりますのでやめておきます。  ベトナム条項は、一言お答えいたしますと、何らか必要があると認められる場合が起こるかもしらぬので、その際には、再協議といいましょうか、御相談をいたしたいというのが共同声明にその趣旨が出ているわけでございます。その当時国会を通じて何べんもこの点も御質疑がございましたけれども、何をということ、きまっていないんだと、状態が、将来のことだし。しかし、幸いにして現在の状況におきましてそういう必要はなくなりました。ということは、あらゆる意味で、初めから私は、この再協議ということがかりにあったとしたって、それは沖繩返還については第六、第七、第八項のワク組みの中で、そしてことに返還後の事前協議に対する予約というようなことではございません。この点はジョンソン君の言っておることとまさにぴったり合うわけなんですが、そういう意味でたいした心配もしておりませんでしたけれども、しかし、この再協議ということは全然予想しない。円滑にこの協定ができることになっておりますことはよかったことだと私は思っております。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 外務大臣の返還交渉中間報告を聞きまして、その御労苦を多としながらも、私どもはこれに対して不満の意を表せざるを得ないのでございます。と申しますのは、中間報告は、従来明らかにされた線から一歩も出てないということ、それからもう一つは、抽象的であるばかりでなく、VOAや特殊部隊の問題等、県民の疑惑を取り除くにはほど遠いものがあるのでございます。その点につきまして私どもは非常なる不安を持っております。どうか大臣がこの問題を歴史的に、将来においても恥ずかしくないような堂々たる態度でもって処理されんことを私ども百万県民は願っている次第でございます。  それで返還協定についてお伺いしたいのでございますが、最近におけるアメリカ当局者の基地に対する姿勢には、かなりきびしいものを私どもは感じております。たとえば去る一月にチャップマン米海兵隊司令官は「復帰後も米軍は自由な作戦行動がとれる」と言明しております。三月にはロジャーズ国務長官が外交報告の中で、「米国にとって不可欠な沖繩基地は確保する」と述べて、復帰後といえども「太平洋のかなめ石」としての沖繩の価値及び基地の機能に何ら変更はないのだというような印象を与えているのですが、これは単にアメリカ側の希望として受け取っていいものかどうか。また、現在進められている返還協定の交渉におきまして、核抜き・本土並み・七二年返還という基本原則は十分に貫き通されているのかどうか。そして返還協定はいつごろ調印される見通しでありますか、外務大臣にお伺いいたしたいと存じます。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 第一の御不満の御意図の御表明につきましては、先ほど松井委員のお尋ねに私も率直にお答えしたつもりでございますが、これだけの大事業でございますから、その経過、経過をできるだけ御説明をいたしたいと、こういう気持ちでございますから、本日以降におきましても、十分いろいろの御意見を胸に納めて対米折衝上堂々たる態度で御期待に沿うようにいたしたい。今後とも大いに努力をいたしたいと思っております。  最近の米側の言動についてのお尋ねですが、まあチャップマン海兵隊司令官はともかくといたしまして、私はアメリカ大統領の外交教書——本年三月、それからそれに引き続いての国務長官の外交青書とでも申しましょうか、その中の沖繩返還についてのくだりについては、率直に申しまして、稲嶺委員のお読み取り方が、ちょっと心配をし過ぎておとりになっていらっしゃるのではないかと思います。ただいまこの返還協定にあらわれてまいっておりまする米政府側の意図というものは、先ほど来御論議がありましたように、安保の変質であるとかあるいは安保の適用にあたっての本土の沖繩化であるとか、そういったことは全然ございません。なおしかし、これらの点につきましても十分当方の原則を確立いたしたいと思います。そういうわけでございますから、私が三原則と言っておりますのは七二年中の返還、そして本土並み、これは協定上において確保いたされます。したがって、核抜きということについても、御同様、私は先ほど報告で申し上げましたように、十分貫かれ得るものと確信をいたして事に当たっているわけでございます。  調印の時期はいつかというお尋ねでございますが、やはりこうした基本原則はきまっておりますけれども、ほんとうに世紀的な大事業でありますだけに、両国がそれぞれ国会の御審議に対して十分たえ得る——と言っては語弊がございますが、十分御審議を願って、かつ、両国の国会で圧倒的の多数で御承認を得られるようにというかまえからいたしまして、なかなか条文づくりには時間がかかります。したがって、たとえば何月何日ごろはというところまで本日申し上げられませんけれども、一日もすみやかに調印にこぎつけまして、そしておそくも年内には両国それぞれの国会の御承認をいただいて、七二年のなるべくすみやかな時期に実現ができるようにということで鋭意努力をますます進めてまいりたいと思います。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 返還協定の交渉の中で私ども沖繩県民が最大の関心を持っておりますことは、返還時において米軍基地の整理縮小が行なわれるのかどうかということでございます。御承知のように、沖繩の米軍基地はその規模、密度におきまして本土のそれをはるかに上回るものがございます。返還交渉によって沖繩全島面積の一三・八%に相当する約三百平方キロにも及ぶ百二十カ所の米軍基地のうち、復帰と同時に返還されるのはどの程度の規模になる見通しであるのか。また、沖繩県民及び本土政府がこれまで繰り返し返還を要求し続けてきました那覇空港はどうなるのか。さらに、那覇市周辺の那覇軍港、与儀の燃料貯蔵施設、牧港(まちなと)住宅地等について、これらが返還される見通しはあるかどうか、外務大臣の御見解をお伺いいたします。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど御報告いたしました中にも述べたわけでございますけれども、調印の時期は一日もすみやかにと思っておりますが、その調印をいたしますのと同時に、返還実現に至りますまでに解放というか、返還といいますか、あるいは縮小になるもの、これは明らかに具体的にいたしたいと思います。  それから、返還時に、返還と同時に安保関連取りきめが適用されるわけですから、返還実現の効力発生の日以降、安保条約に基づく施設・区域として提供することになるもの、これはもちろん明らかにいたさなければなりません。  それからもう一つのカテゴリーとして、返還はできるんだ、合意ができますが、手続その他である程度の日にちがかかる——つまり返還の予約でございますね、こういう対象になり得るものも明記いたしたい。内外に公表をいたすべく、いま一生懸命努力をいたしております。那覇の空港というようなお話もございましたが、この現地の沖繩の方々のお気持ちというものを十分体しまして最大の努力をいたしたい。一日もすみやかにその内容が公表できるようにいたしたいということで、ただいま鋭意努力をいたしておる次第でございます。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 次に、米国資産の買い取り問題についてでございます。  まず、資産買い取りの範囲及び規模はどの程度になるのか、その見通しをお伺いいたしたいと存じます。  それから、沖繩県民の間には、県民生活と密接に関連をする電力公社、水道公社、開発金融公社——いわゆる三公社の資産買い取りの問題についてでございますが、これは私どもは沖繩県民に無償でそのまま譲られるもんだと期待いたしていたのでございますが、案に相違いたしまして、相当多額の資金を払ってこれを買い取らなくちゃならぬような状態になっております。   〔外務委員長松平勇雄君退席、沖繩及び北方問題に関する特別委員長米田正文君着席〕 しかし、われわれといたしましては、これによってわれわれ沖繩県民の生活に負担にならないような方法をぜひとっていただきたいということを希望するものでございますが、外務大臣あるいは関係閣僚の御意見をお伺いいたしたいと存じます。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 資産の引き継ぎは、一つやはり典型的なものは、ただいまお尋ねの三公社等であろうかと思います。これは突如として政府が変わったわけじゃございませんで、すでに国会を通じて考え方、取り上げ方の姿勢は明らかにしておったつもりでございますが、一昨日の衆議院の連合審査会でも大蔵大臣からもまたあらためてその話が出ましたように、日本国の大蔵大臣は世界一にしぶちんである。しかし、日本国の立場からすれば、今後とも沖繩の方々のお役に立つようなパブリック・ユーティリティーを、施設を残していく場合に、これを適正に評価その他をしまして、これに対して日本政府がある程度の支払いをするというのが日本政府としての当然の責務ではなかろうか。これが日本政府の本件に対する基本姿勢でございます。したがいまして、その内容等について、あるいはいまの気持ちからいたしまして、今後どれくらいの支払い額を評価すべきかということをいま検討いたしております。これは決して「買い取り」という思想ではないわけでございます。  それからもう一つ、私の報告の中にもあげておきましたように、返還ということにアメリカ側が踏み切る場合に、その返還ということをやるために、アメリカのほうがかなり負担をしなければならないようなものもあり得るわけでございまして、そういうようなものも合わせまして、公正に適正に判断をして両国間で平和的な話し合いをつけるというのが日本政府の財政当局の考え方でもあるわけでございますから、外交交渉に当たっております私といたしましては、そういう点も十分頭に入れまして米側との交渉に当たっているわけでございます。事柄がそういう計算その他の問題でございますから、いろいろに金額が伝えられておりますが、金額の最終の詰めは、まだある程度の時間をかしていただかないと、できないと思っております。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 次に、対米請求権の問題についてお伺いいたします。  政府は、対日平和条約第十九条(a)項による対米請求権の放棄の規定は沖繩に一及ぶといたしまして、原則的には請求権を放棄するようでございますが、私ども沖繩県民といたしましては、現実の問題といたしまして、アメリカ側が負担するもの、本土政府が負うべき請求権の問題は依然として残っていると考えております。すでに沖繩側からも軍用地の復元補償、漁業補償など十数項目にわたって要求が出されているはずでありますが、現在の交渉段階でどのようなものが対米請求の項目になっているのか。また、それらについてどの程度の話し合いがなされておりますか。そうして、本土政府が肩がわりする項目はどういうものがあるか、外務大臣にお伺いいたしたいと存じます。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これも、先ほど報告の中に申し上げましたのが非常に率直なありのままの報告でございまして、実は沖繩の方からごらんになれば、この対米請求という問題はほんとうにこれは大事な問題である。私も切実にこれを痛感いたしている次第であります。したがって、考えられるあらゆる対策、措置について私といたしましてもありとあらゆる努力をいたしておるのでございますが、まだ対米関係において話し合いがついておりません。たいへんこれは折衝のむずかしいことを私も感じておるわけでございます。そこで、ちょっとくどくなりますけれども、平和条約第十九条のいわゆる放棄の規定は、これはサンフランシスコ平和条約の解釈として、そこにいわゆる「日本国」には沖繩県が含まれる。ここにいわゆる「日本国民」には沖繩県民が含まれるという解釈がかねてからの政府の有権解釈でありまして、その限りにおいて請求権の放棄ということは奄美、小笠原と同様になされなければならない。しかし、そのことはサンフランシスコ平和条約から申しまして、日本がアメリカ政府に対して要求のできないという性格のものであって、沖繩の一人一人の県民の方がそういう請求を期待し、あるいは法律的にも十分の根拠ありとしておられることとそれとはまた別問題であると私は考えております。したがって、沖繩県民の方々のお立場を十分に考えながら、考え得るありとあらゆる適切な措置を講じたい。ただ、現在の段階では対米の話し合いがまだ本件について煮詰まっておりませんので、したがって、他の関連する考え方もまだ申し上げる段階にありませんことを非常にこの点は残念に思いますが、十分に今後の検討の対象として、政府として万全の配慮をいたしたい、かように考えております。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 米軍の干潟管理権についてお伺いいたします。  沖繩は土地狭小の上、その一三・八%を米軍用地に接収され、土地利用計画及びその開発に大きな隘路となっております。しかも、米軍用地先の干潟管理権も米軍が有し、これら地先の干潟による国土造成が困難であり、沖繩開発に支障を来たしております。沖繩の埋め立て可能地は約五万ヘクタールといわれ、今後の工業化のためにどうしても用地確保が必要となっております。ところが、開発に有力な場所が米軍用地先であるため開発が推進できず、そのためにえらく困っております。この干潟管理権を一日も早く民側に移管してもらうよう米側と交渉してもらいたいと存じます。沖縄は干潟による土地造成が容易であり、沖縄開発にこれは不可欠でございますので、外務大臣の積極的なるこれに対するお考えと御交渉をお願いいたす次第でございます。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私としても十分承知をいたしておる次第でございます。この干潟は、特にこの沖縄の特殊な地形からまいりますところの特殊な大きな問題でございますから、提供すべき施設・区域、返還を期待している施設・区域の問題とあわせまして十分に考慮いたしてまいります。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 外務大臣に対する質問はこれで終わりますが、総務長官にお伺いいたしたいと存じます。これは、沖縄にとって非常な重要な問題になっておりまして、失業対策に対してお伺いいたします。軍雇用員の解雇、それから、復帰に向けまして企業家の事業に対する不安感が非常につのってまいりまして、いま沖縄では新規雇用は手控えております。そのため就職率が非常に低下いたしまして、沖縄の失業率は非常に高くなりつつあります。これが復帰不安の大きな要因になっておりますが、政府は公共投資等によって沖縄の失業者を吸収するお考えはないかどうか、お伺いいたしたいと存じます。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 失業者の発生に対しまして、再就職のあっせん等、当面の対策に対しまして、現在軍の離職者対策といたしまして、四十六年度離職者等の諸手当五億二千万円を組んでおります。しかし、基本的には、おっしゃいますように、さらに積極的に公共事業等をいたしまして企業を活発にしていって失業者を吸収するという必要があると思いますので、財政援助費に一般会計四百二十七億円はじめ、約六百億円の援助費を組んでおります。その中に本年度におきまして公共事業を予定いたしておりますものは空港整備七億、国土保全開発二十二億、公営住宅三億、水道事業一億、公立学校施設整備二十三億、基地周辺整備費三億、訓練飛行場設置一億、下水道事業二億、復帰記念事業四十一億等がおもなる公共事業でございます。なお、復帰の後におきましては、沖縄振興開発計画等を立てまして活発な公共事業等やってまいりたいと思っております。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 次に、通産大臣に、アルコアの問題、それに関連することについてお伺いいたしたいと存じます。  最近アルコアは沖縄に対する進出をやめました。それで私どもは、アルミ五社の場合でも、あるいはもうアルコアが進出をやめたから、沖縄進出をやめるのではないかというふうな非常な不安を沖縄では持っております。私どもといたしましては、沖縄アルミが事業を遂行されて沖縄の主要なる産業として今後繁栄することを望んでいるわけでございますが、しかし、これにはいろいろと注文がありまして、これに対する政府の対策もまだきまっていないようでございます。これについての通産大臣の御意見をお伺いいたしたいと存じます。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) アルコアが進出を断念する旨十日ほど前に知らせてまいりました。それとの関係で五社が進出計画を変更をするというようなことは聞いておりませんので、ただいまのところ五社は計画どおり進出を考えているものと思っております。発電施設等々、相当大きな計画になるようでございますから、私どもとしても、五社がそういう計画であれば、できるだけ現地の方々の御要望も考えつつ便宜を供与してやりたいと考えます。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 次に、物価対策についてお伺いいたします。  沖縄住民の最も心配いたしておりますのは、復帰時において物価が上がるのではないかという懸念でございます。米の値段は据え置くということで一安心をいたしておりますが、石油類、電気料金等が上昇をするんじゃないか、全体的に上がっていくのではないかということで、物価問題について非常な不安がございます。これに対するきめのこまかい対策が要請されると思いますが、この点についての政府のお考えをお伺いいたしたいと存じます。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 便宜私からお答え申し上げます。  その点は復帰対策要綱におきましても、御指摘のような考慮を政府がするということが決定されておるわけでございますが、さしずめ、従来輸入されておった物資につきまして問題が起ころうかと思いますので、暫定措置として、私どもできるだけ輸入の実績等を考えまして、内地と千編一律の措置が適当でないと思われますときには、暫定的な特例を考えてまいりたいというふうに思っております。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 大蔵大臣にお伺いいたしたいと存じます。  私どもは通貨の切りかえの際においては三六〇のレートでもって切りかわるというふうに考えておりましたのですが、最近の国際金融情勢から考えますと、日本に対する世界的な圧力のために、途中においてこれの切りかえが行なわれるのではないか。その場合に沖縄県民の損失はばく大なものになる。こういう意味において、復帰時において三六〇のレートでもって私どものドルを切りかえてもらうように措置を講じていただきたいというのが現在のわれわれ百万県民の願いでございますが、この点に対する大蔵当局の御意見はいかがでございますか、お伺いいたしたいと存じます。

藤田正明自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(藤田正明君) 率直に申し上げまして、現在では、円の切り上げとか為替の変動幅の拡大ということは考えておりません。と申し上げますのは、日本には西独と違いまして為替管理法という、短期流入につきましては厳重にチェックする方法がございます。またもう一つはトレードの面がございますけれども、これに関しましても貿易の自由化、資本の自由化あるいは秩序ある輸出の強化というふうな面に大いに努力いたす所存でございます。今後とも円の切り上げについては一切考えておらぬということを申し上げまして答弁といたします。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 あと二つだけ問題を提起いたしたいと存じます。一つは住宅政策でございますが、沖縄の都市地域におけるところの住宅難は非常に深刻でございまして、結婚したくても家が借りられないために結婚できない。あるいは那覇の表通りはいいのですけれども、裏側を通ると非常なみじめな状態でございます。政府は沖縄住宅事情を調査してこれに対する対策を立てる前にぜひ調査団を派遣していただきたいというふうに考えております。  もう一つ、防衛庁長官にお伺いいたしたいと存じます。自衛隊の沖縄配備と役割りについてお伺いいたします。返還によりまして当然沖縄にも自衛隊が配備されるわけでございますが、これは日本の領土を守り日本の平和を維持する任務を有するものと理解しておりますが、昨今、沖縄の米軍基地兵力の整理、縮小が進められているといわれます。これの肩がわり的役割りをになって自衛隊が沖縄に配備されるのじゃないかという声もあります。日本の自衛隊が日本の領土を守ることは当然でございますが、アメリカ側の対外的戦力の縮小分をカバーし、また行動を起こすことは、もちろん法的にも許されることではございませんが、沖縄基地の持つ性格、また時期的に見ても、一切の疑惑を取り除いてもらいたいと思うのでございます。自衛隊の沖縄配備とその役割り及び米軍との関係につきまして防衛庁長官の御見解を承りたいと存じます。  先の住宅政策については建設大臣にお願いし、また、自衛隊の件は防衛庁長官にお願いいたします。

田村良平自由民主党建設政務次官

○政府委員(田村良平君) お答え申し上げます。沖縄におきます住宅問題につきまして調査団を派遣せよということでございますが、実はこの五、六年、建設省住宅局といたしましては調査団を派遣いたしまして一応の実情調査をいたしております。この機会に申し上げておきますことは、沖縄ではただいま住宅難世帯とみなされますものが六万八千、率にいたしますと約三割五分でございますが、世帯数二十万のうちの三五%になっております。本土と比較いたしますと、非常に高い住宅難の実情でございます。したがいまして、沖繩が復帰されたあとにおきまして、この住宅問題につきましては、すでに建設省住宅局が確立いたしております五カ年計画とどういう関連を持つかということは、復帰後に政府が立てるでありましょう基本的な方針に沿いまして、特別な住宅対策というものを、年次計画をつくるのか、それとも現在の計画の中で改定された沖繩に対します住宅問題の解決対策を確立するか、その問題が残されております。以上、最近の実情を申し上げまして、すでに五、六年、実態の調査もいたしておりますので、復帰後におきましては、これら問題の解決のために、建設省住宅局としましても真剣に取り上げていきたいと考えます。御答弁を申し上げます。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 沖繩県民の御了解を得まして、自衛隊を沖繩に一部進出せしめたいと念願しております。もとより自衛隊は、その際は自衛権の範囲内で必要最小限度の沖繩県の防衛行為を担当するのでございまして、米軍がいま一部やっておるような対外的な影響力を持つような仕事は絶対やりません。このことはここではっきり申し上げておきたいと思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 十五日に行なわれました衆議院の連合審査の質疑応答を踏まえ、再確認という意味でお尋ねをしたいと思います。  先ほども御答弁がございましたように、今回の返還にあたっては、「協定等はじめ沖繩県民の意思を十分に尊重する」、これは政府のいままでの一貫した姿勢であり、また、ただいまの答弁にもそれが強調されていたように受けるわけでありますが、しかし、今回の中間報告についても不満があるでしょうという、そういう表現、また、沖繩県民の受け取り方もたいへん激しい抵抗があるということはいなめない実情ではないかと思うのであります。そこで、この協定が確定するまでの間に、具体的にどういうスケジュールで県民の意思を尊重するかという方策をとられるのか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) たとえば一番当面のところでも、二十日か二十一日には沖繩の屋良主席が上京される。あるいは立法院長も上京されるように承知いたしております。これまでもできるだけ直接現地の御意見や空気に接することにもつとめてまいっておりますし、それから現に、私は、何より大きなことは国政参加が実現をして、そして沖繩出身の与野党の方々に衆参両院で直接に御意見を伺い、また、これにお答えをすることができるようになったということは、返還を目前にいたしまして、今日の状況においてはほんとうにたいへん政府としてもありがたいことだと考えております。これらを通じまして、今後ともなお一そうの連絡と申しますか、お話し合いと申しますか、それにつとめてまいりたいと思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 これはあくまでも仄聞するところでありますから、はっきりさしていただきたいと思うのでありますが、今回の中間報告策定にあたっては、担当大臣である山中長官が何か参加をしなかったとか、あるいは外交問題に関する限り総務長官は要するにこうした種類の相談にあずからないと、これは風評であっていただければたいへんありがたいと思うのでありますが、もし政府部内において見解が不統一である、あるいは考え方に足並みがそろわないというようなそうした事態が招来いたしますと、これは県民の意思を尊重するどころではない、たいへんな基本的な問題に発展しかねないということを憂慮するわけでありますけれども、その点いかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 全く意外なことを承る次第でございまして、さようなことは全然ございません。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 次に、一番やはり沖繩県民の方々が憂慮し、疑いを持っている問題といたしましては、衆議院の連合審査でも指摘されておりますように、一体核抜きというものは明記されるのかどうなのか。しかし、核というものはどうもあるらしいと、総理大臣からもそうした明確な答弁を得ることができないままに終わったような印象があります。そうした核抜きの問題と、また並行的に非常に憂慮しなければならない点として、ニクソン・ドクトリンの遂行上、むしろ沖繩の価値はこれからかえって深刻なくらいに増大するであろう。また、外務省当局もそういうふうに受けとめているというふうに聞いております。沖繩の基地の機能を低下させないということが今回の返還交渉の大前提になっている、こういうふうに伝えられているんでありますが、この点はいかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これはまた根本問題になりますので、お話を申し上げますと長く時間かかりますが、まあ、できるだけ簡単に申し上げたいと思いますが、政府の考え方は、安保条約をそのまま何らの変更なしに沖繩に適用いたしますから、したがって本土並みになり、そして核、あるいは自由発進というようなことが事前協議という制度を通してなくなる。それ、すなわち本土並み。これがもう基本的な考え方でございます。それから同時に、現在のところはまだ来年の某月某日になりませんと、施政権が米側にあるわけですから、現在、沖繩にあるところの在沖米軍の性格というものは、いわばアメリカ本土にある軍隊と全く同じ状況にあるわけでございますね。ですから、これが安保条約をそのまま何らの変更なしに適用されれば、その安保条約に定められる性格、使命を持つ軍隊であり、区域であり施設になるわけですから、そこに非常に大きな違いがあるのであります。ただいま防衛庁長官からお話がありますように、よく自衛隊が肩がわりだというようなことばが使われるけれども、現在、米軍が持っておる役割りや施設やあるいは機能をそのまま肩がわりを自衛隊がするものではないんでありまして、そういう点も合わせてお考えいただければ、その点は理解いただけるものだと、まあ私はそう思いますけれども、いかがなものでございましょうか。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 基地の機能については返還後段階的に解消をしていきたい、それが政府の方針のように伺っております。しかし、現状を見る限りにおいては、それがはたして可能であるかどうか。もうすでに防衛庁筋あたりでも、現在の沖繩の機能というものが、極東の中枢基地として集中的に有機的に結合しておると。いわゆる複合基地のそういう様相を形成している。また、そうしたことによって沖繩の価値の低下というものは考えられない、むしろそのことを全面的に米側はいま打ち出している、これは否定できない事実である、こういうような見解を伺っております。そうしますと、今後沖繩の基地の機能というものは、返還後といえども段階的解消どころではない。段階的に強化拡充されていくおそれはないか。この点を非常に心配するわけでありますが、いかがですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 「段階的」というおことばが出ましたから、たとえばこういうことはあると思いますですね。施設・区域が、先ほど来申しておりますように、返還のときに、そのときに返還されなくても準備整い次第という、むしろ何といいましょうか、予約する形で段階的になるものは私はあり得ると思います。しかし、機能といいますか、性格ということになれば、安保条約が適用されることによって基本的にその性格は変わるわけですから、沖繩が返ってきてからどんどん施設・区域の持っている役割りがふくらんでしまうというようなことは政府としては絶対に考えているところではございません。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 なるほど、おっしゃるとおり、安保条約の体制下ということになれば、いま御質問申し上げたような傾向にあることはないだろうという御答弁でございますが、しかし、しばしば問題になっておりますように、米国筋、いわゆる政府高官筋といわれる人たちの発言というものを聞くにつけても、はたしてそうだろうか。戦争というものは計画された上に起こるものではございませんし、一触即発、しかも不測のときにそういうことが起こるという可能性が十分にあるわけであります。そうしたことを考えた場合に、やはり沖縄の基地というものは、米国側としては、いままでの経緯から考えましても、そうたやすくは手放せない。むしろ補給基地あるいは通信基地としての機能を増大することによってそれをいわゆるカムフラージュの材料としてますますこれから強化するおそれはないだろうかというふうに考えるわけでありますけれども、この点、重ねてお尋ねをしておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) いまお答えをいたしましたのが政府の考え方であり、姿勢でございますから、重ねてお尋ねになるような事態が私は起ころうとは思いませんし、起こらないように、そこがまたむずかしいところで、交渉事の、必ず御安心願えるような仕組みと現実の姿ができ上がっていくようにこの上とも努力をいたしまして、事実の上でも御返事ができるようにいたしたいと思います。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 いずれにしても、こうした問題の内容というものは、相当長期間にわたって議論が繰り返されてまいりました。そして、いまいよいよ返還という事実を前にいたしまして、やはりそういう点を、沖縄県民としても、いや日本国全体としてもその点を確認し、そしてなるほど安心できるのだなという政府側としての明快なやはり考え方というものの表現が必要ではないだろうか。私がいまここで米国筋の云々ということを申しました。先ほどもそうした点について外務大臣がお触れになったようでありますけれども、受け取り方が違うではないかといういろんなそういう見方というものがございましょう。けれども、なぜそうしたものが引用されなければならないのか。やはり、相手があることであるということもわれわれは十分了解しておりますけれども、相手があるなればこそその辺の煮詰め方というものを、政府の考え方として必ずこういたしますというふうに言い切れないものか。もし、言い切れないにいたしましても、多少は前進的な意味で、この問題については必ずアメリカ政府とこう約束を取りかわして協定の中に盛り込みますというようなお約束はできないものでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ちょっとお尋ねのポイントを私、とりかねたように思うのですけれども、要するに、返還については、私どものいわゆる三原則を中心にして、そしてしばしばこちらでもお答え申しておるような気持ちで十分の成果をあげてまいりたい、かように存じます。同時に、交渉事でございますから、アメリカのほうでも、サイミントン委員会ではございませんけれども、これだけの大問題ですから、先方でもいろいろの点からいろいろの議論があり得ると思うのです。それだけに米政府当局も同じように苦心をしておるところがあるということも十分想像ができることではないだろうかと考えております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 次に防衛庁長官に二点ほど伺っておきたいと思いますが、これは私の記憶に間違いなければのことでありますが、かねて長官が、私的意見かどうか知りませんが、お話しになりました、返還後において核を含めた総点検をやりたいということを表明なさいましたが、それは事実上可能性があるものかどうなのか、それが一点と、それから自衛隊の移駐によりまして、先ほどもその考え方を述べられておりますけれども、やはり自衛隊の本来の役割りというものから考えてみた場合でありましても、何かを意識しなければならない。その防衛の役割りというものが必ずそこにからんでくるはずであります。これも宍戸官房長の意見を申し上げますと、中国大陸については結果的にはその防衛意識の中に入ってくる、こういうようなことも言われておりますけれども、そういうような国際環境のいろいろな変化というものも十分に計算の中に入れて自衛隊の移駐というのをおやりになるのかどうなのか、この二点。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) まず、返還後核の不存在の確認、そういう意味においてアメリカ側といろいろ話をしまして、先方の合意を得て何らかの技術的方法を発見して実行いたしたいと思います。これは、沖縄県は本土とは多少いろいろないきさつが変わっておりまして、県民の皆さんが核の問題について御心配になっているということは十分われわれは推察しなければならぬ特殊事情がございます。そういう面から、県民の皆さんに安心していただくような措置を講ずることは、やはり日本政府のある意味における責任でもあり、また誠意でもあると思うわけです。したがいまして、アメリカ当局ともいろいろよく話し合って、アメリカとしても沖縄県民の協力なくして基地を長い間維持していくことは不可能なんでありますから、そういう意味においては、県民との間に調和を保つということは、アメリカ側としても考えてもらわなければならぬこととでもあります。そういう面もよくとっくり話し合って何らかの技術的方法を発見してやりたいと思います。で、アメリカの先般のガスに対する取り扱い等を見てみますと、やはりおおらかに県民の誤解を晴らそうという誠意がうかがえるわけです。ガスについてすらああいう誠意を見せるのでありますから、もっと大きな心配事である問題についてわれわれがよく説けばわかってもらえると、私はそう思います。これはわれわれの誠意と責任においてこうしたいと実は念願しているところであります。  それから、沖縄に進出いたします自衛隊の役割りは先ほどお答え申し上げたとおりでありまして、厳にそれに限局いたします。それで進出いたしますものの機能を見ますと、空のほうは、局地の防空的な仕事を担当いたします。これはナイキ、ホークあるいは進出いたします戦闘機部隊を見れば、それで当然わかると思います。それから陸のほうは、大体警備関係あるいは災害、あるいは場所によっては受託工事なんかも御要望に応じてやれるようにしたいと思っております。海のほうは、沿岸警備に限局いたします。  それで、お話しのように、沖縄が返還されますと、中国大陸及び台湾と境界を接しますから、防空識別圏その他の問題で問題が出てくる可能性がございます。そういう点については、慎重に対処しようと考えているところでございます。

片山武夫民社党

○片山武夫君 まず第一に外務大臣にお伺いいたします。  いろいろ一昨日からきょうにかけて返還の中間報告についての質問がありました。まだ中間的な報告でありますので、あまり結論的な御答弁ができないことは、これはやむを得ないと存ずるわけでありますけれども、重複しないように、ごく簡単に二、三お伺いしたいと思います。  いま御承知のように、沖縄の尖閣列島が、利権その他の問題をめぐっていろいろ問題が起きておりますけれども、これは問題を起こさないように何らかの適切な処置がいまとれるかどうか、その問題について外務大臣のひとつ御見解をお伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 返還を受ける対象の地域の問題につきましては、全然御心配のないように、条約づくりの上につきましても、現に米国が施政権を持っている地域であって、すでに小笠原・奄美協定で返還された分を除く全領域であることを明確にいたす所存でございます。

片山武夫民社党

○片山武夫君 ただいまの御説によりますと、これはもうアメリカの施政権下にあるのだから、これはもう沖縄返還と同時に日本に完全に返ってくる。したがって、そういう状態にあるわけでありますから、むしろアメリカ側において、この利権の問題をめぐって問題を起こさないように、返還時まで一応、何というか、現状のままにしておくといったような措置がとれるかどうかということを実はお伺いしたかったわけでありますけれども、その辺についての話し合いはどの程度進んでおりますか、ちょっとお伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) お尋ねの点、私、誤解したかと思いますが、返還される対象になる領域については、一点の疑いもないようにきまるはずでございますが、大陸だな、海底の問題になりますと、これは今回の沖縄返還の問題とはまた筋の違った問題でございまして、日本は大陸だな条約に入っておりませんし、大陸だな条約に入っておる諸国とはそもそも基本的に見解を異にしておる。そして、いかなる国も一方的に大陸だな資源の開発等を排他的に行なうことはできないというたてまえを日本としては強く堅持しておるわけでございます。したがいまして、そういうたてまえからしていかにすべきかという問題もあるわけでございますが、ただいま御意問のあります点につきましては、それらのいまお話のありました点も十分考慮に入れ、また、一般的な大陸だな資源の開発調査等をどうするかという、この特殊の問題に対する考え方、いろいろの点から慎重に考究をいたしたいと思っております。

片山武夫民社党

○片山武夫君 お伺いしたいことがたくさんあるわけでありますが、時間がないようでありますので。  先ほど質問の中に出てまいりました沖繩の返還後の通貨の問題なんでございますが、これは特に大蔵関係ですから、大蔵省から返事をしていただいてもけっこうだと思いますが、いまいろいろ円の切り上げの問題について問題が起きております。円の切り上げをいつするのだと言って切り上げをされたためしはない。これは通貨の引き上げあるいは引き下げもそうだろうと思うのですが、やりますよと言ってやったことは、これは過去にそういう例はないと思います。やらぬやらぬと言うのがこれはたてまえだと思いますけれども、ただ問題になるのは、いまいろいろ外国からの圧力もあって、どうしようかという問題は起きていると思います。そういうときにあたって、たまたま沖繩の返還時期がもう迫っている、そういう時期でもありますから、おそらくこの通貨問題についても、県民はいろいろ心配をされていると思うのであります。そこで、切り上げということになれば、これはいろいろ思惑も起きるだろうし、混乱も起きるだろうと思いますが、おそらく私が質問すれば、いや、それはやらぬという見解を発表されることはこれは想像されるわけでありますけれども、しかし、ただここで考えておかねばならぬことは、国際的にいろいろ問題になっているのだから、もし変動が、あるいは引き上げをせねばならぬということが、こういう時期に、返還前に起きた場合にどうするかというようなことについては、いろいろ県民の方々にPRしておく必要があるのじゃないかと、こういった問題が確かにあると思います。そういうやはりこまかい配慮もしなければならぬと思うのでありますが、いまここで、返還が決定するまで、いわゆる通貨交換するまで円の引き上げはしない、円は動かさぬという約束ができればそれはけっこうなことだと思うのでありますけれども、おそらくそれもむずかしいような状況下にいまあるのだと思います。だから、もし近い返還前にそういうことが起きたらこのドルと円の関係をどうするのかというようなことについてのPRぐらいは必要だと思うのですが、その点、大蔵省としてどう対処されようとしているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

藤田正明自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(藤田正明君) 先ほどの稲嶺委員の御質問に答えたとおりでございまして、現在では円の切り上げについては一切考えておらないわけでございます。それによりまして、沖繩の返還実施の前にそういうことがあり得るとも考えておりませんので、その対策は現在考えておらないのであります。もし万一ということがございましょうけれども、そういうときにはそれなりに十分な対策を考えまして、沖繩県民の方々に御迷感にならないようにいたす所存でございます。重ねて申し上げますが、現在では一切円の切り上げについては考えておりません。

片山武夫民社党

○片山武夫君 いま、円の切り上げをしない、当然そう言うだろうということはわかっておりますが、たとえばレートがこうなったときにこうなるのだ、あるいは影響がこうなるのだといったようなことのPRをしておく必要があるのじゃないか。そんなことはもう経済界はわかっておるのだと言ってしまえばそれだけかもしれませんけれども、一般の人たちは、これはもう値打ちがなくなるのだといったようなことで混乱を起すような場合もあり得ると思うので、そういったようなPR的なことをいまからしておかねばならぬのじゃないかという気がするのですが、その点はどうですかということを実はお伺いしたわけです。

藤田正明自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(藤田正明君) ただいまのような、円のもし切り上げがあった場合にどうするのだというふうなPRをしておく必要はないか、こういう御質問だと思いますが、円の切り上げがあったときにどうなるかというふうなことは、たいへん影響が甚大でございまして、そのようなことを政府がこのようなときにPRするということは、その影響のほうが大きなことになるという心配がございます。現在、ただいま申し上げましたように、しばしば大蔵大臣が言明いたしておりますように、考えておらないというのが現状でございますので、そのようなPRは慎しみたい、やりたくない、かように思っております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 沖繩の返還ということについては、だれでもが望んでおることだし、日本共産党も前からそのために努力をしてきておりますけれども、問題は、いま政府の進めておる返還の方針なり内容というものが国民にとって非常に不安の種になっておる、また、不信をさえ呼び起こしておるというところに一番問題があると思います。これを相当時間をかけて究明して、やはり国民のそういう意向を協定に反映するということをやるべきだと思いますけれども、きょうの会議に見られるように、時間が非常に少ないということを遺憾に思います。  そこで、一つだけ問題をしぼってお聞きしますけれども、政府のけさの報告でも「沖繩県民の方々からの要望に接しているもろもろの対米請求に関しましては、いまだ満足すべき解決に達しておりませんが」、こういうふうになっているのですが、目下折衝中ということのようですけれども、これは私は、前からも請求権の問題は何回か沖繩委員会で問題にしてきましたけれども、この対米請求権について、アメリカ側では、講和前のものはサンフランシスコ条約の十九条(a)項で放棄されておる、講和後のものは外国人損害賠償法などによって補償済みである、だから法的には対米請求権というようなものはないんだという立場をとっておると聞いておりますし、日本政府もこの立場を認めて、対米請求権の放棄ということを前提として、講和前の補償漏れ、軍用地復元補償で米側の補償の対象にならなかったものなど幾らかについて、見舞い金というような形で解決をしようとしておるというような話も流れておるわけでありますけれども、この間の真相をお聞かせ願いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 請求権の問題は、ただいまも御指摘ありましたように、中間報告で率直に現在の状況を申し上げておるとおりでございます。ただいま春日委員から、先方の根拠としてサンフランシスコ平和条約第十九条を引用されましたが、これはそのとおりでございます。そして先ほど松井委員の御質疑にお答えいたしましたように、どうもこの点は政府としては認めざるを得ない。つまり、放棄という原則をとらざるを得ないというのが従来からの解釈でございます。しかし、その解釈の中でも、講和前において、「補償」という字は使わなかったけれども、米側として、日本流にいえば、「お見舞い」をしたこともある。また、日本政府が国会の御承認を得て、それに準ずる措置をやったこともあるというのがこれは過去の事実でございます。  それから第二におあげになりました例などについても、政府としては十分な研究をいたしまして、その上に立って米側と交渉すべきものは交渉いたしております。前にも沖繩特別委員会で申し上げましたように、私は、多くの沖繩の公私の団体あるいは個人的御要請、御陳情を受けておりますものを総まとめにして便宜上おおよそ十の項目に分けてみまして、それを御報告したこともございますが、そのとき念のために申しましたように、この十が対米請求権として扱われるべき筋合いのものではないかもしれませんが、これは実態を中心にした調査報告でございますということを申し上げたとおりでありまして、いま春日さんの御指摘のとおり、米側としては米側としての条約的、法律的根拠をまだかなり強く持っているということも、率直なところ、真実でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 私は、日本の側からすれば、やはり当然の権利として要求すべきもの、そういうものがたくさんあるし、そういうようなものは当然要求すべきだというふうに思います。その点で具体的な例を申しますと、たとえば伊江島の基地の問題で、これは一九五五年の三月でありますから講和後であります。アメリカ軍が突然上陸してきて、広大な農地を取り上げて演習場にしてしまった。そうして、それに抵抗した農民はひどい目にあわれているわけです。家も焼かれる。そういうふうにして土地を取られたために、農民が路頭に迷って、たくさんの栄養失調者を出したというふうにいわれております。そうして、こういう状態で生きていくために、やむにやまれず演習場の中に入って農耕をしたり、たま拾いをしたりというような者に対しては射撃命令が出されて、実際にその機銃掃射でやられた人もあるというような事実があるのですね。だから、この問題では当然講和後の問題であるし、大体そういうことが不法行為なんだから、日本の政府の側として当然権利として補償を要求すべきだ。そうして具体的の例でいいますと、五九年の九月に石川清鑑という二十八歳の人、比嘉良得という三十八歳の人が拾った爆弾の解体中爆発で死亡された。これに対する補償金がそれぞれ八十万と百万円ということになっておりますけれども、これで適当なものと考えるのか、これで済んだということになるのか、これが第一点。  もう一つは、死んだ人はそれでもそうやって補償になるのですけれども、生きておると、基地の中に入ったのは犯罪だといって追及されるために、むしろ被害の請求ができないで隠さなければならぬ。そういうつらい立場に置かれてきた。たとえば五九年三月、東江(あがりえ)栄一さんという二十九歳の人が演習地内で右足を砕かれた。それから山城秀徳さん、これは直撃弾で負傷している。そのほか機銃掃射で右腕切断とかいうような人もあって、これに類する人が三十八名もおるのですね。これが請求できない。そういう状態でずっと置かれてきておるのですけれども、これについては伊江島軍用地被害地主代表ということで一九六五年の八月十九日付で佐藤総理大臣あての陳情書が出ておって、その項目の中に、米軍が射殺し負傷させた多数の農民たちに適正なる補償をしてもらいたい、それから、土地を失ったため生産面でも一億五千百九十二万円の損失をこうむっている、これを補償してもらいたいというような陳情が出されております。これは政府も御存じだと思います。こういう問題については、当然権利として請求もし、そうして十分な補償もしてあげなければならないだろう。死んだ人の正当であるかという問題と、そういう事情のために補償請求できずにいる人たちの請求権の問題、それからもう一つは、調印がされたらそのときにきまってしまうのでなくて、むしろ復帰後、調印ができたあとでいろいろな形でこういう潜在したものがたくさん出てくるだろうと思うけれども、それを十分補償できるような条件をきちんときめておくこと、このことが必要だろうと思いますけれども、その点、大臣の考えを聞かせていただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 実は、人身事故中心のお尋ねでございますが、人身事故については講和発効前のもの、それから講和発効後のもの、それからいろいろございますが、ずいぶん政府といたしましても積極的にその資料等を集めて、そして、いままでやりました話し合いは、そのすべてをとにかく米側との話し合いの場にぶつけておるわけでございます。非常に問題が多岐にわたりますので、いまそういう点を詳細にまだ申し上げられるだけ整理できておりませんけれども、たとえば人身事故について、条約上その他は米軍がまあかりに義務がなかったものでやっているものがあって、その場合、しかし事実上、先ほどもちょっと申しましたが、見舞った、事実上金を交付したからそれで済んだんだという見解をとるにしても、その期間に同じような事故を受けた者が申告漏れ、実質上補償漏れになっているものもございます。それとそれとの権衡をどうとるかという問題もございます。前者のほうは、条約上やらなくてもいいものを人道的の立場に立って措置したんだから、それ以上日本側として条約上、法律上要求する権利はないと、こういう主張がかりに通ったにいたしましても、先方がその期間事実上やりました行為に、エクイティーの原則と申しましょうか、公平の原則からいって瑕疵ある場合には、米側として、事実上かもしれないけれども、それを実質的に補償するという措置が望ましいという見解もとり得るわけでございます、日本側としては。それらの点、非常にきわめて具体的な事例がございますので、この扱い方については、米側に対しましても、もちろんでございます。それから日本政府側といたしましても十分な配慮をする必要があるのではないかと思いますが、何と申しましても、米側とこれはいま話し中でございますから、それに関連してどうこうということをまだ申し上げるべき時期ではない。しかし、政府としては、ほんとうにこの問題については真剣な態度で検討しておりますと申し上げることに、本日のところは、とどめておきたいと思います。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 まず、この中間報告がいかに抽象的であり、そしてその反響として現地沖繩ではどのように不満の意を表明しておるかということにつきましてはすでに御承知だと思います。屋良主席は、まことにほど遠いものである、という不満の意を表明し、それから沖繩立法院におきましては与野党一致して、沖繩自民党も含めて、請求権放棄はまかりならぬ、二つに、米資産の引き継ぎの有償まかりならぬ、三つに、核抜きを明確にする。この点につきましては与野党一致して、満場一致決議されておりますし、また民間団体におきましては、この返還協定の内容はいただきかねると、この最大の不満の意を表明するために五月十九日にはゼネストに向けて、さらにその背景のもとに百余名の者が本土政府へ請願隊を結成いたしまして十六日に沖繩を出発いたしております。このような騒然たる情勢の中でこの返還協定が発表されておるわけでありますが、私は、このたびの中間報告は、これまで沖繩県民並びに国民から秘密外交による返還協定であるということを強い不満をもって国会の中で幾たびか指摘された、それに答えられたものと理解いたします。しかし、この中間報告が沖繩の命運にかかわる、また日本国民にとりましてもまことに重大な歴史的な意義を持つ事柄でありますが、政府はこれまで「沖繩県民の民意を尊重する」と絶えず並べてこられました。ところが、県民並びに国民にとりまして、関心を持っていただけに、その内容はまことに抽象的であるということを先ほども外務大臣みずからこれを述べられたのでありますが、まことにそのとおりであります。ならば、そのような姿勢、内容を沖繩の行政責任者である屋良主席、また立法院に対して正式に報告をなさるべきだと私は信じます。そのことについてどのように考えておられるか、また、どのように報告していただくのか、そのことがまず第一点。時間がございませんので、このような重大な問題をわずか十分で意見を述べるということは、それ自体が私は沖繩県民の立場からまことに遺憾にたえません。そういう気持ちをこめてこの第一点を申し上げた次第であります。  次に第二点に、軍用地の整理縮小につきましてお尋ねいたします。政府はこれまで、復帰対策の万全と豊かな沖繩県づくりに全力を尽くすと言われました。沖繩の長期経済開発は軍用地並びにそこにある施設の解放なくしては考えられません。そこで、現在アメリカが使用しておる土地並びに施設の内容につきまして、一つ、即時返還、いわゆる復帰と同時に返還されるもの、二つに、復帰までに返還されるもの、復帰後も当分継続される施設、この区域を具体的に明確にしていただきたい。ただいまこの会場に、その問題に関連いたしまして、やむにやまれず、この解放なくしては沖繩の復帰体制づくりも、また豊かな村づくりも不可能である、絵にかいたもちにすぎない、こういう不安を抱いて、基地の最も核といわれておる北谷(ちゃたん)村の村会議員、村長さんはじめ数名の方がこの席に傍聴に来ておられます。この北谷村は七五%が軍用地で二五%しか残っておりません。このような情勢の中では、どんなにさか立ちしましても豊かな村づくりということは不可能であります。御参考までに地図でお示ししますが、この斜め線が軍用地七五%であります。この黄色いところをぜひ村づくりのために解放してほしい。ここには、アメリカの永久施設でなくしてコンセットのかまぼこ型の建物、いつでも撤去できるこういう不用の施設がある。そのところをねらってぜひこれだけは解放してほしい、こういう願いをこめてここに見えておるわけでありますが、こういうことも関連いたしまして、ぜひそのことを明らかにしていただきたい。  第三点は防衛庁長官にお聞きいたしたいと思いますが、去る十五日の衆議院における連合審査会の中で、七二年・核抜き・本土並みの返還の三原則を不変のものとして、ということを強調された。そのことに対して、核撤去はどのようにして確認するかというこの質疑の中で、あらゆる方策、納得できる方法でそれをいたしたいと、こう言っておられる。そのあらゆる方法、方策、その具体的な方策、納得できる方法は一体どのような方策、方法があるのか。これをいま考えておられる防衛庁長官のひとつ御見解をお聞きいたしたい。  まず、以上の点を、一応一まとめとしてお尋ねをいたします。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 第一の手順の問題ですが、これはすでに喜屋武委員のお耳に入っておるかと思いますが 今回、国会でかような形で御報告を申し上げる事情になりましたので、時を移さず、むしろ事前に屋良主席に対しましては、私、交渉の当事者としても早急にお目にかかって——まあ随時、上京されるたびには必ず会っておりますけれども、今回も特に、できれば上京をしていただきたいということを申し、かつ、それがなかなか主席の都合でできなかったようですから、那覇駐在の高瀬大使を私の代理として、那覇におきましても報告すべきことは十分いたしておる次第でございます。したがいまして、それに対して時を移さず談話も発表されておるし、私のほうへも連絡がございますし、また立法院におきましても、先ほどお話がございましたような超党派的な決議ができたというようなことで、それを携えて議長さん等が御上京になるということを聞いております。先ほど申しましたが、喜屋武委員はじめ沖繩県民の方々から代表者を国会にこうやって現実にお迎えしており、ここで十分意見の交換もできる。さらに、政府といたしましては、直接沖繩の県民の代表の方々と十分この上ともに連携を密にしてまいりたいと考えております。  それから、報告の内容が御不満であろうということは私も申したとおりなんですが、それは裏からいえば、この交渉の経過そのまま、何しろ途中なのであって、できたものを御報告しておるわけではございません点を十分御留意いただきたいと思います。  それから、北谷村につきましては、私も、お持ちの地図よりは小判かもしれませんけれども、常に持って歩いております。北谷村は、いまも御指摘のように、全地域の七五%ですか、その中には第三十砲兵旅団、プラザ住宅地、北谷村砂辺(しゃへん)住宅地、ハンビィー飛行場、キャンプ桑江等々がございます。こういう実情もつまびらかにいたしております。そうして、一般論でございますけれども、先ほど報告をいたしましたように、沖繩返還のときに返還されるもの、それからその後暫時時間がかかるけれども返還されるもの、それからしばらくの間安保条約第六条の目的のために提供することを適当と考えるもの、これらをたとえば表にいたしまして、調印の時期にできるだけこれを日米合意のもとに発表することにしたい、かように考えておりますが、いま全体についての非常に真剣な討議を行なっておりますときでございますから、この地域についてはどういうふうになる、この地域についてはどういうふうになるという見込みを申し上げるのには、まだちょっと時間が尚早であるということを御理解いただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 核不存在確認の問題は政治問題であると同時に技術的問題でもあると思います。そこで、外交当局並びにわれわれのほうでそういう基本的な話し合いをまずやりまして、その了解が得られるならば、今度は技術的問題として下のほうに問題は下がってきまして、そうして具体的にどういうふうにするかということは技術的に検討していきたいと思うわけです。たとえばナイキの基地のようなものはわがほうが接収いたしますが、ナイキの基地のような場合には、核弾頭ありやなしや、接収すればすぐわかるわけであります。そのほかの問題につきましても、要員を派遣するとか、あるいは連絡会議を開くとか、ともかくいろいろなやり方を考えてみまして、合理的な方法でこの問題を実行していきたいと考えております。

米田正文自由民主党

○委員長(米田正文君) 喜屋武君に申し上げます。時間が来ましたし、午後の関係もありますので、また次の機会にひとつお願いいたします。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 それじゃ、時間がないようでありますから、また午後にいたしたいと思います。

米田正文自由民主党

○委員長(米田正文君) 午前の質疑はこの程度とし、午後は十二時三十分より再開いたしますが、午後の部は、政府委員の出席等の関係もありますから、時間厳守をぜひお願いを申し上げます。  暫時休憩いたします。    午後零時十五分休憩      —————・—————    午後零時四十分開会   〔外務委員長松平勇雄君委員長席に着く〕

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) これより外務委員会、沖繩及び北方問題に関する特別委員会連合審査会を再会いたします。  休憩前に引き続き、沖繩の施政権返還交渉等に関する件を議題とし、質疑を行ないます。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 去る三月の予算委員会で、沖繩返還交渉に関する中間報告をされるよう要望いたしました。それにこたえられたことは大いに歓迎いたしますが、残念なことに非常に抽象的であったことを遺憾といたします。  そこで、時間がないので、端的にお尋ねをいたしますが、この沖繩返還に関連をして今日問題となっている各種の案件、これについて、日本側がその主張を強く出してそれを貫こうとすれば、返還の時期に影響が起こるのかどうか。まず、第一にこの点からお伺いをいたします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) おそらく午前中、交渉の折衝をしておる外務大臣からお答えしただろうと思います。まあ、事柄の性質上、やっぱり円満に話をつける、それを第一に実施する。ただいまこうやったらどうなるだろうとかああなるだろうとか、こういうことまで考えるととかく交渉もうまくいかないと思いますから、だから、とにかく主張すべきは主張し、また相手方も主張すべきは主張するだろうと、かように思いますから、そこで、話がどういうことになるか、こういう方向を見出すというのが私どもの考え方でございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 そういう交渉をこれからだんだん煮詰めていくのは当然だろうと思いますが、返還の時点から沖繩は、米国の施政権あるいはその支配から解放されてわが国のものとなることは、これは当然でありますが、そうだとすれば、今日問題となっている安保のワク外あるいは範囲外といわれるような諸問題について、たとえばVOAはじめさまざまな特殊部隊、あるいは重要な核問題、核抜きの問題等、これらについて日本はその主張を十分貫く権利と自由を持っているはずだと思うんですね。ですから、話し合いを十分おやりいただくことは当然だと思いますが、しかし、それを強く押せば影響があるのかどうか。そこのところはうまくいかないと困るからできるだけ、と言うが、七二年返還を約束されたんですから、うまくいかないということは私理解できないんですが、その辺はいかがでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたしますが、これはもうおそらく話したと思いますが、七二年・核抜き・本土並み返還、この基本的な問題をゆがめることはできない。これはもう私どもが当然主張しなけりゃならない。ことに核の問題につきましては、非核三原則をわれわれが国民に約束しているんですから、この点はすでに取り組んだ当初にニクソン大統領にも話をしてあるし、十分に了解を得ているものと、かように思っております。ただ問題は、沖繩の基地そのものが非常に膨大なものなんで、また非常に各種のものを持っている。まあ、VOAもそのうちの一つでありますが、そういうものが返還の際に即時に完全に撤去できるかどうか、そういう問題に当面するだろうと思います。そういう場合に、それぞれの立場から、将来はともかくとして、今日はこのままで、あるいは少し時間をかしてくれろと、こういうような交渉があるのではないかと思っております。そういうことが、譲れることと譲れないことがありますから、そういう問題を個々の問題について相談せざるを得ない、かように私は思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 そこでたとえば、いまお答えのありましたVOAはじめ各特殊部隊等、その中には一応安保のワク内で本土にもあるようなものもありますが、明らかにワク外と考えられるようなもの、これについて、たとえば暫定的にしろそれを残すというようなことになれば、これは全く「本土並み」ということとは異質のものになるであろうと思います。しかも、それが撤去のために三月とか半年、時期的にずれるという問題ではない。うわさによれば、たとえば五年というような説すら出ておる。こういうようなことになってくると、しかも、この安保のワク外の問題についてそういう相手側の主張を認めるということになれば、これがいわゆる安保の変質といわれている問題に該当するんではないかという気がいたしますが、いかがでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 安保の変質という、こういうものがどういうときに言われるか、これは一つ問題があると思います。私どもは、安全保障条約、これは沖繩が返ってくることによって変質する、さようなことはないと、かように確信を持ってただいま交渉に取り組んでおります。しかし、ただいま言われますように、非常に広範にわたって、まあある党からいえば、ほとんど基地の中に沖繩があるので沖繩に基地があるのじゃないのだと、それほど密度の高い、そういうものを一体どうするか、こういうような問題があろうかと思います。しかし、そういうことが具体的にはそれぞれ国民の納得のいくような方法で解決されると思います。まあ問題は、きれいさっぱりに米軍が手を引いてくれることもけっこうですが、一面、やっぱり祖国復帰が円滑に遂行されると、こういうことは、やはり沖繩の経済の実態をも勘案しなければならない、そこらの問題もありますから、米軍だけの問題で問題が解決するわけでもない。日本側には日本側としてのやはり理解のしかたもあるわけでありますから、その辺のところがやはり相談ではないか、かように実は思っております。ただ、いまのVOAの問題を一つとりましても、日本国内に電波法がある。この電波法のもとにおいてのみ放送は許されるのだ。外国放送が自由自在に放送される、かようなことは考えられない。しかし、それにしても、VOAを、一体相手方ももう少し準備もあるからというような話でいろいろ相談しているんですが、それがどこらにおさまるか、こういうことをやっぱり気をつけてやらなければならない、かように思います。ただ、VOAが存続したから直ちに変質したと、こういう論理的な飛躍のないように、そこらは十分現実を理解してもらいたいと思います。また、いろいろ毒ガスその他特殊兵器、これらを撤去することは、もうすでに毒ガス等は行なわれておりますが、このほうは比較的県民も現実になくなったことについて理解するだろう、かように思いますけれども、一番問題になります核の問題、これは大統領と私との間で核抜き・本土並み——「本土並み」だけでいいわけなんですが、さらに「核抜き」とまでつけ加えたところに、特殊な事情を勘案して丁寧に扱われておる。それだけに、この問題もやっぱり国民が納得がされるというような措置をとらなければならないだろう、かように思っております。いずれにいたしましても、折衝ごとではありますけれども、問題の本質を見失なうことのないように、本来の姿にできるだけ忠実に私どもは取りきめをしたい、かように思っております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 私は、賛成、反対は別として、安保のワク内で進められている協議に触れているわけではないのです。明らかに安保のワク外の問題ではないかといわれる問題について合意をされるならば、それは明らかに安保の変質になるということを申し上げておるわけです。しかし、これはこれ以上申しません。  それから協定文に「核抜き」を明記することがなぜできないのか。これを私は非常に疑問に思っておるのですね。ニクソン大統領が日本の佐藤総理の非核三原則を認めたのだから、いわゆる相互信頼関係で、ということのようです、これはお答えが。そうだとすれば、その信頼を明文化することは一向さしつかえないはずだと思うし、そのことが信頼に私は反することにはならないと思うのですが、どうもここが理解に苦しむところですが、いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私とニクソン大統領とでいわゆる七二年・核抜き・本土並み——まあ三原則、共同声明の形ではございますが堂々と世界に発表した。こういう事柄ですから、その上に、さらに何らかの措置をとったらどうか。これを、そこまで出したのだからもうこれでわかるじゃないかと言い得るのですが、さらにまた、いまやっているハイレベルのほうでその点を引き出してもっと明確にしておけと、こういうふうな御意見もあろうかと思います。そういう点がただいま外務当局が折衝しているそのものじゃないか、かように思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 この問題は、私、たとえば日本の非核を明確にすること、これは世界も歓迎するであろうと思うし、おそらく総理の胸中には核抑止力との関連があるんではないかという感じがするのですね、これを明らかにすることは。それは私はこの前も予算委員会でも申し上げましたように、日本に関しては本土内には核を置かないと総理がはっきり言われているのですから、それはないことを明らかにすることは抑止力とは無縁の問題です。だから、ここで言う抑止力ということは、賛否は別でありますが、アメリカの核の配置がどこにあるか、それを明らかにするかしないかということが問題になるので、日本の本土内について問題になるわけはないですね。ポラリスとかあるいは第七艦隊あるいはICBM、そういうようなものが一体どこにあるか、日本の本土以外にどこにあるかということを言うのは核抑止力に関連する問題で、日本の本土の中にそういうものがないということを——総理は、置かせない、持ち込ませないと言っているのですから——それを明らかにすることは、私は一向差しつかえないと思うのですが、それがどうしてできないか。どうしても私納得できない。もう一度お聞かせいただきます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私はいま、非核三原則、日本国民はつくらず、持たず、持ち込みも許さない、こういうことを世界に向かってはっきり言っている。沖繩が祖国に復帰すれば当然沖繩もその一部だ、かように思いますから、この三原則の問題は沖繩に除外例があるわけはございません。除外例のない問題だと、さように考えると、それを何かことさらに言わなきゃならないかとか、言わぬでもいいじゃないか、こういう議論も成り立つわけです。問題は、いままでがアメリカの施政権下にあって、あるだろう、また、そんなことはおれは知らない、かようなことでいろいろ議論をしている、そういうのが沖繩の状況だと思います。また、マクマホン法その他から申しましても、だれもそれについてメンションしないというのがいまの現状だと思います。しかし、日本が日米安保条約を必要としておるゆえんも、これはもう核のかさのもとに日本の安全を確保する、協力を得る、そういう考え方であります。しかも、それをつくらず、持たず、持ち込みも許さない、そういうところでアメリカの核の抑止力——最近の科学の発達から申しまして、日本になきゃならぬとか、あるいは沖繩になきゃならないとか、そういうふうに私は考えません。ただいまの抑止力の問題、それが直ちに沖繩に核を必要とするのだとか、こういう議論にはならないだろう、かように思います。したがって、いずれにいたしましても、この問題は核抑止力、その問題に関連があるということではない。これはもう祖国に復帰する、だから本土並みになるのだ。もうそれはそのまま受け取っていただきたい、かように思っております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それから、この核に関連をして、私どうしてもそれはふに落ちないし、不合理であると思うことは、今度の中間報告にもありますし、いままでの議論でもそうでありましたが、核持ち込みは事前協議の対象となると、こう言っておりますね。これはおかしな話で、理論上の問題ではないかと思うのです。絶対に日本の立場では核を持たない。アメリカもそれを認めておる。そうなると、これは事前協議になってイエスもあればノーもある、の問題じゃないですね。オール・ノーである。オール・ノーで、日本の根本的な非核をニクソン大統領も是認し、また、アメリカ当局を日本政府が信頼されておるとするならば、核持ち込みに関連して事前協議が起こるわけがない。ですから、これは理論上いえばそういうことになるということだけで、そんなことは起こり得るはずがないから、これは一言余分だと私は思うのですが、この点はいかがでございましょう。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 羽生君と私は全然同感でございます。したがって、そういう議論が出てこないように、それほど理解していただきたい、かように私思っております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それから総理は衆議院で、核撤去の検証については国民の納得のいく形で何らか考えたい、こう言われたわけです。それから、帰られましたが、先ほど中曽根防衛庁長官はどなたかの質問に——渋谷さんですか——答えられて、核抜きを点検するようにアメリカの理解を得ながらぜひ実行したい、こう言っておられますが、総理が、国民の納得のいく形で何らか考えたいとおっしゃるのは、具体的にはどのようなことを一応お考えになるのか。それは細目に、これとこれだとは言えなくても、おおよそこういう方法があるのではないか、こういうことはいまこの場で一応のお答えをいただくことができませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これはもう羽生君ですから、相手の軍事的施設、それを日本が点検する、こういうことはおそらく頭から断わられる、かように思いますが、しかし、もともとこういう問題なら、先ほどの持ち込みについての御議論がありますように、日本の態度が非常にはっきりしておる。こういうことになると、アメリカ側も、日本の態度のはっきりしている事柄について、それと反対の方向でやることは、これはよくよくでなければやれないはずです。したがいまして、私どもは、相互信頼という関係で、ものごとをはっきりしておれば、こういうことは起こらないはずです。しかし、点検をしないでさようなことが言えるか、こういうような議論が出てくるいまの現状でございますから、相互信頼がもっと厚くなれば、そういうことは心配しなくて済む。もうすでに現状でも、いま原潜がいろいろ入ってくる。核武装し得る原潜が入ってきておるじゃないか。これはいつのまにか持ち込みを許しているじゃないか。こういうような議論までいま発展しておりますから、そういう点について、そんなものじゃないんだ。これはもう常時核武装できる、そういう施設はあっても、常時は持っておらない。そういうような実情がはっきりすると、これは誤解はなしに済むんじゃないだろうかと思います。とにかくこの問題につきましては、私ども、軍当局とももっと緊密に連携することによって、実情を国民に明らかにし得るようなことができれば、最善の努力をしたいというのが私どもの考え方であります。ただしかし、いま何ができるか、かように詰められますと、これがやれますとかこれはやれませんとか、こういうふうなことがなかなか明確にできない。たとえば、いま日本に返されるそういうものは、はっきりこれはないことをわれわれ確認することができますけれども、しかし日本に返さない場合、新たに施設を貸与する、提供する、こういう際に、やはりその施設はどういうものだとかいうような話はつくだろうと思いますが、そういう際が、まあいわゆる点検ではありませんけれども、可能な範囲で明確にし得る機会ではないだろうか、かように考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 先ほど中曽根防衛庁長官は、今度の沖繩返還問題について、沖繩県民が非常な不満を持ってこれを注視しておる、そういう場合に、やはり沖繩県民の協力を得られなければアメリカの基地も維持できないのではないか。そういう意味でも、やはりアメリカの理解を得てぜひそれを実証をしたい、こう言われました。私はごもっともだと思います。その方法は問わないけれども、それはぜひやっていただきたい。若干感情を害することがあったって、私は、それが長い目で見て沖繩の上にプラスになると、こう考えております。そこで、そういう場合に、防衛庁以外にどこが参加するか知りませんが、防衛庁中心でおやりになると思いますね、自衛隊というか防衛庁というか。私は、それにこの種の問題の専門家をやはり加えるべきではないか、科学者ですね、専門家を。もし実証するような場合があれば、それを加えるべきではないか。これは当局を疑うわけではないが、どうせそういうような意味でいろいろな誤解があるならば、防衛庁、自衛隊等のほかに、やはりこの種の問題に関連する専門家を実証の場合に立ち会わせる、そういうことも考えられていいではないか。いまそういうことをすると約束はできないにしても、何らかの方法を総理がお考えになるという場合には、私はそれもひとつ考慮していただかなければならない重要な要件だと思いますので、この点をひとつ伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 羽生君のただいまの御提案、だいぶ幅のある考え方のようですが、私はやっぱり国民を納得さすと、こういうような場合に、政府が考える一つの方法、それをやっぱり羽生君も考えられたと、かように私は理解いたします。ただいま、この席で、必ずそうしますと、かように申し上げるのではございませんけれども、ただいまのようなやはり国民の納得しやすいような方法、これはやっぱり考うべきだと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 もう一つ、先日の衆議院の連合審査の際に、どなたかの質問に答えられて、やはりSR71偵察機についても他国の領域を侵犯せぬよう何らかの保証が必要と、こう答られておるんですが、核抜きの実証の場合と同様に、これもやはり何らかの保証という場合に、たとえばどういうことが考えられるのか。これは総理なり外務大臣、どちらでもかまいませんが、何かそれをただ思いつきで総理は言われたことではないと思いますね。これはアメリカがどこまで相手の国に入るか予測できないのですから、それをそういうことのないようにする保証、たとえばどういうことが考えられるか、どうでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 衆議院の委員会で私からお答えいたしましたから、私から申し上げますが、先ほども御質問がございましたが、安保条約のワク組みがそのまま何らの変更なしに本土と同じ性質で適用されるということは、きよう午前中もしばしば申し上げましたが、そのワク組みから申しまして、たとえばいわゆる特殊部隊等のあり方については返還前に話をつける、そして本土並みにするという方向で現在政府は鋭意努力中でございますが、SR71については、ただいま御指摘のような行動の規模、範囲というようなことが確かに問題になると思いますから、かりにSR71というようなものが駐留する場合でありましても、その行動については国際法的に違法なような行動はしないということの保証を取っておくことが確かに必要である、かように考えております。で、その方法論等についてはまだ十分煮詰まっておりませんが、ぜひそういうふうなかっこうにして、適切と認められる方法によって国民各位に御安心を願うようにいたしたい、こういうふうに考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 そこで、先ほど来申し上げておる核抜きの問題、それを協定上、できれば——できればでなく、私たちの立場からいえば、ぜひ明記を実現していただきたい。あるいはVOAを、暫定的にしろ、それを認めるようなことのないようにしてもらいたい。特に、中国問題がいま非常な重要な国際的案件になっているこの際に、しかも、この前も申し上げましたが、実は一両年——あるいは二、三年かわかりませんが、とにかく当面中国問題が非常に重要になっておるこの国際情勢の中で、いろいろ説明されても、明らかに謀略放送であるといわれておるVOAのような機関が、日本に返還されれば、日本のほんとうの意味の国土の一部ですから、それを沖繩から送信されるというようなことが認められるとすれば、私は非常にまずいことになる。したがって、あくまで私はこの撤去の方針を貫いていただきたいと思うわけです。そこで、これらの問題、核抜きの問題、明記の問題、あるいはVOAの問題、その他特殊部隊の問題等々、当面問題になっておる重要な案件について、総理が返還の基本線をニクソン大統領との会談で認めた以上、あとは外相や事務当局まかせでなしに、非常な困難な問題については、私は、ニクソン大統領に親書を送るなり、何らかの方法で総理自身も積極的に問題解決のために乗り出される意欲を示すべきではないかという感じがするわけです。私は、ここまでくれば——これはもうちょっとあとで伺いますが一時間も非常に制約されておる時期でありますので、これほど、しかも日本的に問題になり、沖繩県民としても重要な関心を持っておるこの問題の最後の仕上げということになると、私はそれらのことも考えられていいんではないか。それはそれぞれ指示を総理が与えられておるかもしれませんけれども、やはりそれだけの熱意を示される必要があるんではないかと考えますので、特に、そういう意味での総理の取り組みというものを私は要望したいと思うんですが、いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの御意見しごく私もっともだと思います。しかし、ただいま、まだそこまでは煮詰まっておりません。ただいま事務的な作業の段階でございます。その辺でもっと話を詰める、そういうことを作業してもらいたい、かように思っております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 いや、私の言うのは、煮詰めていって、どうしても暗礁に乗り上げて解決が困難である、日本はこういうことを主張したいんだけれども、しかし、アメリカがどうしても強くて、これが解決が不可能だと。つまり、総理がアメリカの意見に最初から根本的に方針が同じだった場合は別ですよ。そうじゃなしに、総理の意見はアメリカの意見とは違うが、しかし、アメリカがなかなか譲らないという場合ですね、その場合は、事務当局が煮詰めることも大事ですけれども、総理自身の主観的な意図なり、あるいはイニシアチブというものが重要な意味を持つんではないか。そういう意味での積極性を期待したい、こういうことを申し上げておるわけです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) あるいはそういうようにおとりかもしれませんが、私ども積極的に意欲を持って、ただいまのお話、十分心がけていくつもりでございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それから、これは時間があとわずかで終わりますが、調印の時期は、いつも外務大臣は、夏ごろと言われておりますが、六月一日説が強いんですが、どうなんですか、ちょっとお伺いしたいわけです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ただいま羽生委員の総理に対する御質問のようなことでもございまして、いま調印の時期をちょっと明確に申し上げるわけにまいりません。中間報告で申し上げましたように、私の気持ちとしては一日もすみやかにと思いますけれども、同時に、ただいま御指摘のように、非常に重大な問題でもございますから、われわれとしては、日本側の意見というものをこの上ともに十分に通したい、こう考えますから、現在の段階で調印時期を申し上げるのはちょっと尚早かと存じます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 これはもうあらゆるところで六月一日調印というのがずっと流れておるわけですね。で、いま外相の御答弁もありましたけれども、私は、ここまでくれば、しかも、たとえば外相の今度の中間報告の中に、このように煮詰まらない外交交渉は異例のことであるということを報告されておりますね。それほどに懸案がまだ残っておるわけです。そうすると、六月一日というと、あと半月ですね。そういう拙速なことをやられるよりも、私は、時期は多少ずれても、十分問題解決に取り組んでいただきたいという気がするわけです。そこで、十日か二十日急いだってしようがないと思うんですが、どうもあとばたばたと片づけられて六月一日というような感じも受けるんですが、それは私の憶測でしょうか。憶測であれば幸いですが、私は、やはりここまでくれば、ほんとうに取り組んで、そこで十日や二十日の遅延は問題ではない。あくまでも問題の解決するまで日本の態度を貫くという姿勢が必要ではないかと思いますので、これは何かちょっと政治的な意味がやはり関連して、こういう質問はあまり好むわけではないですが、しかし、重要なことであるから、お伺いさせていただきます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いろいろ外務当局いま知恵をしぼっている最中でございます。この問題は、できれば、できるだけ早いほうがいいと、しかし、いまお話にもありましたように、拙速をとうとぶというような問題ではない。だから、これは十分話を掘り下げて、そうして国民が納得いくように、そうして祖国復帰が円滑に円満に実現できるように、かくすべきだと私は思います。で、何よりも六月一日説を私は否定するものですが、私自身、まだいつ調印するという相談を受けておらないんです。このことは大体外務当局がイニシアチブにしても、私にも一応相談はあるはずである、かように思います。私自身知らないことをいま議論することはどうかと思うのであります。まあ、いまのは御意見として伺っておいて、ただいまのように慎重に、しかも国民が納得いくという、そこに第一に重点を置くと、かように理解させていただきます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 私の質問はこれで終わります。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 時間がございませんので、個条書きでひとつ御質問いたしますが、最初にサンフランシスコ平和条約の第三条についてお伺いいたします。  外務大臣の報告によりますと、この協定本文において、「第一に、アメリカがサンフランシスコ平和条約に基づく沖繩の施政権をわが国に返還すること、また、返還される領域は、平和条約第三条の地域から奄美、小笠原両返還協定によって返還された地域を除いた残りの全地域であることを明らかにすること」、こうございます。これによってサンフランシスコ平和条約第三条は事実上完全に死文化することになるわけであります、こう思うわけです。そこでお伺いしたいのは、この第三条を事実上死文化したものとしてこのままほうっておくのか、それともこの死文化に伴って何らかの国際的なアクションをとるのかという点をお伺いしたい。これまでの政府の御説明によりますと、政府はこのまま放置しておくお考えのように一応受け取られるのでございますけれども、この際国連その他の適当なるチャンネルを通じまして、サンフランシスコ平和条約をむしろ改正するための積極的なイニシアチブをとる考えはあるかどうか。なぜこういう点を強調するかと申しますと、このアクションを通じまして、総理は沖繩問題が解決すれば戦後は終わったと、こうおっしゃっておりますけれども、残された最大の懸案であります北方領土問題についても、現状を打開するための大きな糸口を見出せるのじゃないかという考えから私はこういうことを伺っておるわけです。つまり、この第三条の削除と同時に、第二条の(c)項の千島列島の範囲についても、国後、択捉が放棄される千島列島の範囲に含まれないのだというわが国の主張を国際的に明確化するチャンスじゃないかというふうに考えるわけでございます。もちろん、このアクションはあくまでも平和的な対話をしたいわけでございまして、決してソ連に対して一方的な挑発行動をするわけじゃございませんけれども、現状のままではこの北方領土の問題の解決の望みはほとんどないと思いますので、この沖繩返還の最大の好機をこの際国際的に活用されたらいかがかと、こう考えるのでございますが、総理大臣、いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) サンフランシスコ平和条約第三条は、今回沖繩の施政権返還が効力を発生いたしますれば、その結果死文になる、これが政府の従来からの解釈であり、今後もさようでけっこうであろうと、こういうように考えておるわけでございます。と申しますのは、多数国間のこの種の条約ではそういう扱いがこれまでの国際通例であるということから申しまして、それが妥当であろう、こういうふうな考え方をとっているわけでございます。それから、同時に、平和条約、講和条約というような性質の条約は、一ぺんできますと、それで確定するわけでございまして、その平和条約あるいは講和を結んだ条約というものがその後の状況に応じて改正されるというようなことは、これは例のほとんどないことではないか、これは条約論を主とした見解でございますけれども、従来はそういう政府としては見解を持っておったことは御承知のとおりだと思います。北方領土の問題につきましての御意見はまことに見識のある御意見と思いますけれども、しかし、これはやはり別途、いわば堂々たる日本の主張において日ソ間において本来解決すべきものである、かように考える次第でございます。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 時間がございませんので次に移りますけれども、今度のこの中間報告をめぐる最大の争点はいわゆる安保条約が変質したかどうかという点で、私どももちろんこういった考えを持っておりませんけれども、率直にいって、基本的には変質はしないけれども、極東情勢がいついかなるときに重大な変化が起きるかわからぬ。そういった場合には何らかの問題が起きるのじゃないかという素朴な疑問なり不安なりが国民の中にあることは私は事実だと思うのであります。と申しますのは、たとえば米軍当局は、最近キー・ストーンということばをやめましてステッピング・ストーン——「要石」から「飛び石」ということばを使ってきている。それに関連いたしまして、米軍当局あたりは、新聞なんかを見ますと、機能の変化は価値の低下ではないという論理を前面的に押し出してきているわけでありますね。そういったことに関連いたしまして、私は、たとえばキー・ストーンがいわゆるステッピング・ストーンになったというこのアメリカ側の見解は、やはり沖繩基地の将来の一面を何か暗示しているような感じにも受け取れるわけであります。それにまた関連いたしまして、たとえば中曽根防衛庁長官が、条約というものは運用には幅があるのだというようなことをおっしゃられておりますし、きのうのNHKのテレビを見ておりますと、東大のある教授が、核があるかどうかということについて日本側には調査権がないのだ、これがどうも心配だというようなことを言っているわけであります。ここ数日来の新聞の論調というものを分析してみますると、やはりこの焦点は事前協議にしぼられてくるわけでございますけれども、従来この安保条約の改定当時は、政府は事前協議というものは歯どめとして位置づけていたわけでございますけれども、今後はまっこうからこの事前協議の現実化の洗礼を受けることになる。そうすると、たとえば先ほど羽生委員もお聞きになっておりましたけれども、現在沖繩にあるSR71偵察機とかあるいはグリーン・ベレーの特殊部隊、安保条約の一つの焦点であったしまた今後も問題になると思う「極東の範囲」、この「極東の範囲」に直接、間接戦闘作戦行動として事前協議の対象になるわけですね。こうした極東情勢の介入は、まあ、現実化は、中共はもちろん、近隣諸国へのインパクトが増大して、流動するこの国際情勢をより複雑化するのじゃなかろうかという、考えと申しますか、そういったものがないとは私は断定できない、その点、総理いかがでございましょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いまのお話、たいへん、まあ勉強されております。私どもものごとを考える場合に、沖繩が祖国に復帰する、これは一体アジアにどんな影響を与えるか。日米だけの問題と、かように考えてしかるべきなのか。また、むしろ祖国に復帰することによってアメリカの戦略体制に変化がある。そのことは極東の安全と平和に役立つのか、あるいは危険をもたらすのか、そういう問題があろうかと思います。私は、むしろこの沖繩が祖国に復帰されることによって、日本の平和憲法に、その精神の範囲内に、いわゆる本来の安保条約のワク内で沖繩にいる米軍も従わざるを得ない。むしろそれが弱くなろうが、ともかく極東の安全、平和、そのためにはむしろプラスじゃないのか、かように私は考えるものであります。そのところの考え方の相違でいまのようないろいろの議論が出てくる。あるいはキー・ストーンでなくて今度は飛び石の役割りをするのだ、こういうような議論が出てくると、やっぱり沖繩の軍、これは大部分強力なもので、われわれの考えられないようなものがそこに役割りを果たすのじゃないか、こういうような心配も生まれてくるのじゃないかと思います。しかし、いまいろいろ折衝をしておるそのアメリカ当局と日本政府との交渉、それにおきましては、いわゆる三原則——七二年、さらにまた核抜き・本土並み、その大ワク、その精神は生かしております。十分役立つようになっております。だから、その線で中身を直す。しかし、ただそこに問題は、先ほどから御議論になっておりますように、すぐ返還と同時にすべてのものが撤去される、あるいは全部が変わるとか、こういうことにならない。ある程度の時間的な余裕を与えざるを得ない。これは米軍にも少し時間を与えてくれろというものもありましょう。私どもも、円滑に祖国復帰をする沖繩の県民の利益を考えても、非常な急激な変化はやはりとらないところであります。しかし、それが基本的な線、いわゆる安保の基本に触れるようなことがあってはならない。そこにいま一番の注意を払いながら折衝しておる、こういう状態であります。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 時間がございませんので、あとの二問、まとめてひとつお伺いしたいと思うのですけれども、外務大臣の報告によりますと、この返還される沖繩の領域は、平和条約第三条の地域から奄美、小笠原両返還協定によって返還された残りの全域である。さっきも申しましたように、この場合、いわゆる尖閣諸島は当然疑いなく返還区域に含まれると考えていいかどうか。これはもう歴史的にも日本領であることは間違いないのでございますけれども、総理大臣も日韓条約のときにたいへん苦労された竹島の問題もございますし、私どもも一番おそれますのは、尖閣列島が第二の竹島になりはしないかという心配を持っているわけでございます。その点についていかがということ。  それから最後には、これは非常にこまかいことでございますけれども、ことに外務大臣は、沖繩が祖国に正式に返る日は四月一日ということを希望されているというようなことを私伺っているわけでございますけれども、最近の新聞を見ますと、きょうは沖繩の議員の方もいらっしゃいますけれども、この四月一日という日が沖繩の歴史からいうと実に悲しい不幸な出発の日になっておる。たとえば一八〇九年の四月一日には、薩摩の島津藩が沖繩に侵略して二百六十年間の圧政に苦しんだ。これが一六〇九年の四月一日です。それから一九四五年の四月一日、これが悲しい記録を残しました米軍の沖繩本島への上陸。一九五二年の四月一日、これが米軍占領下の琉球政府の樹立だと、こうした記録がある。したがって、沖繩の方々は、やはりこの祖国に返る日はこうした日は避けてもらいたいという声もあるのだと言うのでございますけれども、これは外務大臣でも総理大臣でもけっこうでございますから、御答弁願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 尖閣島は、午前中の御質疑にもお答えいたしましたように、これはもう明らかに返る中に入るわけでございます。これは条約文の上からいいましても、すでに平和条約第三条で米国が施政権を持っているものの中から奄美、小笠原を除いたすべての領域ということで非常に明確になるはずでございますし、また、それでも安心ができないということでございますならば、他の適当な方法も考えたいと思っております。御承知のように、条約文には何々島、何々島とは書きませんのが通例でございますから、そういう点で必要にして十分な規定を置きたいと考えております。  それから四月一日の問題は、前々から外務委員会あるいは沖繩特別委員会でも与野党から御質問をいただいておりますように、たとえば琉球立法院のお考え方などは、四月一日が望ましいということで、政府にも御要請がございます。その中には、これはいろいろの御意見があるのだろうと思いますけれども、たとえば会計年度等の関係から見ても四月一日が望ましい、こういう御要請を承っておりますので、そういう御要請は十分腹に入れてまいりましょうというお答えをしておることは事実でございますが、また別にただいま御指摘のような御意見があるとすれば、そういう点もなお一そう慎重に現地の方々の御意見を残すところなく承知をしておく必要があるということをわれわれも痛切に感じた次第であります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 十分の時間しかございませんので、総理に二点だけお伺いをいたしたいと思います。  一つは、共同声明に書いてあるいわゆるベトナム条項の問題、あるいは再協議条項の問題。この共同声明ができたころは、七二年といえば大統領選挙がある、したがって、ベトナム戦争は終わっているのが常識だというような考え方が相当強かった。しかし、どうも最近はそうではなくて、ベトナム戦争は終わっていないという可能性が非常に強い。そういう意味では、現実味を帯びた条項になってきた。ここでベトナム戦争が終わっていなければ協議をするということが書いてありますけれども、この協議というものは、安保条約による協議ではないということは、これははっきりしておる。これは一体何を協議するかということで議論になったことがあるわけでありますが、その当時はB52の問題ではないかという議論があった。しかし、それがいまはない。それで、総理もお読みになったかもしれませんけれども、あのサイミントン委員会の議事録というようなものの中に、ジョンソン国務次官は、それはこういう意味なんだ、つまり、返還時にまだベトナム戦争が続いておればアメリカが沖繩からしたいと思う、そういうことが妨げられないような合意、あるいは協定をするという意味なんだ、こういう証言をしておるのです。こういう事実が一体あったのか、なかったのか。その点をまずお伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 総理から御答弁があると思いますけれども、午前中にもこの点明確に申し上げましたように、そういうくだりが共同声明の中にございましたし、そのくだりについて米側があるいは期待したかと思われることは、サイミントン委員会の証言の中にも出ているのではないかと想像されます。しかし、現実の問題としてもうそのいわゆる再協議というようなことは必要がなくなった、これが現状でございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 その御答弁は午前中に聞きました。しかし、なぜ再協議の必要がなくなったのかという理由についてはお述べにならなかったし、いまも述べられない。総理からひとつお伺いしたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま外務大臣がお答えしたように、その必要がなくなったから、これ、やらないんでしょう。

松井誠日本社会党

○松井誠君 必要がなくなったというのは日本の一方的な考え方であって、アメリカがこの条項に基づき協議をしようと言ったときには一体どうするのか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これはもうここまで協定づくりの話がとにかく進行しておるわけでございますね。そうして、この点については先方からも何も話がございませんし、もう現状におきましては、実はおととい私は衆議院ではこう申し上げたんですが、まあ、いわば常識的にいえば、これは忘れられたものであると、こう理解していただいて常識的にはよろしいのではないでしょうかと、こう御説明いたしましたが、私はそういうふうに理解をいたしております。

松井誠日本社会党

○松井誠君 さっぱり意味がわかりません。つまり、それは日本側のいわば期待であって、アメリカがもしこのように考えているとすれば、いまは言わなくても、いよいよ返還という前になって言う可能性というものが十分あるだろう。だから私は聞いておるのです。しかし、その問題をやっておりますと十分を超過いたします。ですから、そういう大きな疑問だけを申し上げて、もう一点の問題に移りたいと思うのです。  それは、先ほど羽生委員から言われたいわゆる特殊部隊の問題、この特殊部隊が存続をするということ自体が、やはり安保が変質をするのではないかという大きな疑惑の一つの根拠になっておる。そこで、政府の立場としては、時間を節約するために私のほうから要約をしますと、ともかくそういう部隊というものの能力が問題なのではなくて、具体的な個々の行動が問題なのである、だからその行動を安保のワク内に制限をする、それでいいではないかというのが政府の考え方のようです。はたしてそうだとすれば、一体安保のワク内にどういうふうな形で行動を制限することができるのか。具体的なことはお聞きしませんけれども、一体そういうことが可能であるのかどうか。常識的にはとうてい私は不可能だと思います。ところが、SR71にしましても、いわば領空や領海を侵犯をすることを本来の任務としているような、そういう戦略部隊である。あるいはその第三海兵水陸両用部隊、これは御承知のように、いわば緊急の事態のときには、第七艦隊にいつも約二個大隊が乗っておりまして、一旦緩急のときにはいつでも上陸ができる、そういう緊急の部隊。したがって、この第七艦隊というのはしょっちゅう西太平洋を遊よくをしておる。いざというときにはそこからその水陸両用部隊が出て行く。ヘリコプターも積んでおりますし、歩兵も二個大隊。そういうものがあるときに、そういうものを置いておいて、具体的な行動で制限をするということが一体できるのか。第七心理作戦部隊にしてもそうだと思うのです。これは先ほどVOAの話がありましたけれども、VOAよりももっと悪い国連軍放送という、そういうようなののプログラムをつくっているのはこの第七心理作戦部隊。そういうものを本来の任務としておるこの部隊、そういうものをもし置いておいて、具体的な個々の行動でチェックしようということになりますと、とうてい私はできない相談だと思うのです。できない相談だとすれば、置いておいてそれをチェックするのではなくて、やはり基本的には出て行ってもらう。そういう基本的な態度をはっきりする必要が私はあると思う。この点について外務大臣の御答弁は非常にあいまいです。総理からはっきりした御見解をお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほどベトナム条項について私は簡単にお答えしましたが、まあ、日本側とすればさような疑念を持たない、その協議の必要はないと、かように思いますけれども、しかし、アメリカ側はそうは思わないかもわからない、御指摘になりましたように。そういうことも考えられる。アメリカ側でどう考えているか、これはまた別だ、かように私も思います。しかし、そういう場合に、出た場合にですよ、日本側の態度ははっきりしている。そういう意味でわれわれは折衝をする。ただ単に日本側にはその理由はないとかというような簡単なことではなしに、日本側のやはり基本的な態度から見て、外国の戦争に介入するというようなことはこれは避ける、そういう態度で十分説得することができる、私はかように思います。  それから、その次の問題、SR71だとか、あるいは特殊部隊だとか、いろいろございますが、一番私どもの心配しておりますのは、やはりこのアメリカがいろいろ訓練をしている、あるいは東南アジア諸国からわざわざ部隊を呼んでそれに訓練を授ける、こういうようなことはこの返還と同時にやめてもらえる第一じゃないか、かように思います。また、このSR71にいたしましても、領空侵犯を任務としているというのはやや言い過ぎではないか、かように私は思います。これは高空偵察、非常に高いところから見ておる。これは領空侵犯は避けて、高いところから見る。あるいは気象通報、これが第一の任務である。かように私は理解しておりますので、あまり悪意にとらないほうがいいのではないか、かように私は思います。また、これが絶えず領空侵犯をするというならば、私どももそういう部隊がいては困りますから、これはもちろん警告とは申しませんけれども、十分連絡をとる方法がある、かように思っておりますし、それらには行き過ぎがないようにわれわれ気をつけてもらわなければならない、そういうようなことで話はつくのではないだろうか。   〔外務委員長松平勇雄君退席、沖繩及び北方問題に関する特別委員長米田正文君着席〕 まあ、その他の部隊の訓練等につきましては、いままでもいろいろ問題がありましたが、これからも長くその部隊がおればきっと問題を起こすだろう。そういう際に、今回の祖国復帰に際して、残る米軍、それはできるだけ縮小さるべきものだと、またその方向でいろいろ折衝する、これがただいまの任務であります。ただ、いきなり全部を停止すると、こういうわけにはまいりませんけれども、できるだけさようなことが、まあ長い猶予期間ではこれはナンセンスでございますから、そういうことを話を詰めようとせっかく努力している最中ですから、この上とも鞭撻を賜わりたい、かように思います。

石原慎太郎自由民主党

○石原慎太郎君 沖繩返還による沖繩からの核の撤去に関しましては、私は、日本の防衛の戦略からいって非常に疑問を持つのでございますが、いずれにしても、沖繩に核があるかないか、あるいはこれからあるかないかという問題を議論するときに、それを確かめるために結局相互信頼によらざるを得ないという相手側の事情がある。その相手側の事情をつくっている相手側の法的な根拠なるものが私には非常に理解できない。いままで原子力法とかあるいはその前にありましたマクマホン法という法律の名前が幾つかあげられますけれども、実際にいかなるアメリカ側の法律の——そのアメリカの国内法が日本に適用するしないの問題は別にしまして、いかなるアメリカの法律のいかなる条項に核の存在というものが大統領の専管事項になっているか、あるいはそう解釈せざるを得ないような条項があるのかということを、外務大臣あるいは政府委員の方にお尋ねしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) マクマホン法についても従来もしばしばお答えしておりますが、さらに条文についてのお尋ねでございましたら政府委員からお答えいたさせたいと思います。いずれにいたしましても、日本としてはアメリカと核についての、たとえば事前協議に関する約束、了解というようなことをやっておりますが、それが現実に実行できないようなことがマクマホン法その他に規定されているものではない。それだからこそ、米側としてもそういったようなはっきりした約束を日本政府との間にやっておる、これが現実の姿でございます。

石原慎太郎自由民主党

○石原慎太郎君 そうすると、アメリカ側に条文としてはっきりした、こういった事態を拘束するものはないわけですね。結局、私たち側のつまり憶測、まあ、その戦略なら戦略というもののアメリカにとっての重要性というものを基本にしたこちら側の常識的な憶測というか、あるいは常識というか憶測というものが、つまり、こういった問題に対する突っ込んだ話し合いあるいは確認というものを避けて、信頼関係というものに強く依存するという姿勢をつくっていると解釈してよろしゅうございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 大体常識的にはそういうふうに御理解いただいて間違いないと思います。そもそもマクマホン法その他一連のアメリカの法制というものが、先ほど申しましたように、こういうふうな二国間の政治的な協定あるいはそれに準ずるようなものを妨げるものではないというのが、マクマホン法についての条文的解釈以外に、米政府の態度として日本政府に明らかにされているところでございますから、それを合わせて私は政治的にさように考え、またさように政府の考え方として明らかにしている次第でございます。

石原慎太郎自由民主党

○石原慎太郎君 つまり、相手の立場を政治的なニュアンスでこちらが解釈しての話し合いと私理解させていただきましたが、その上でさらに御質問を総理にしたいのですけれども、アメリカ側にそういう事情があり、こちら側にそういう判断があるということで、そういう事情、つまり、アメリカ側のそういった事情というものが、間に日本とアメリカと結んでおります安保条約、しかも、その条約の中で、アメリカが責任を果たさなくてはいけない日本のアメリカの核のかさによる抑止的な防衛、あるいはさらに進んだ防衛というものと、今度の返還交渉で、沖繩の返還で沖繩の核に適用されている非核三原則と、つまりアメリカ側のそういった事情ですね、つまり、核の所在というものをあかしにくい、あかすことができないそういうもの、そういう規制が、間に安保条約をはさんで、日本の非核三原則——私に言わせれば、原則というよりも日本側の三つの期待だと思いますけれども、そういうものと本質的には私はどうしても矛盾するような気がしてならないのですけれども、これは矛盾するとお考えになりませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) どうも石原君の質問、つかみかねたのですが、何か、いま日本は非核三原則、これを持っていて、その非核三原則に忠実であれば、日本が核のかさのもとに日本の安全を確保することができないのではないか、それと矛盾するのでないか、こういう御意見かと思ったんですが、そうでしょうか。私が聞いて恐縮ですが、もう一度。

石原慎太郎自由民主党

○石原慎太郎君 ことばをかえてそれではもう一度御質問させていただきますけれども、つまり、アメリカは日米安保条約にのっとっていろいろな形で日本を防衛しなくてはならない。特に日本の防衛の核戦略体制というものは、かつて防衛庁の長官が言われましたように、すべてアメリカにまかせ切りで、そのアメリカはその責任にのっとって合理的にあるいは機能的に有効的に日本の防衛というものを核の上でもしなくてはならぬわけですが、アメリカのそういう核のかさに依存して日本の防衛を有効に果たす、その防衛の有効性と、それでは、つくらぬ、持たぬ、持ち込まさぬという非核三原則と、非常に乱暴な聞き方になるかもしれませんが、どちらが大事でしょう。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ますますわからなくなりました。(笑声)私はこういうように理解しているんですよ。アメリカの核のかさ、これは戦争をしたときに大事だと。働きだすばかりじゃない。やはり抑止力という、戦争抑止力、その効果が大事なんだ、こういうことをやっぱり考えていただきたい。やっぱり核を持つ、そうしてみずからが戦争に臨むと、こういう場合に、アメリカの核のかさにたよっていると、いかにも大国的心情からは情けないことじゃないかと、こういうような気持ちがあろうかと思いますけれども、それとは違って、いまの戦争に核が使われると、こういうことも考えるが、その前の段階で、アメリカの核、それはやはり戦争抑止力になっている。そこにやはり重点を置いてものを考えていただけば、日本の国策ともちっともたがいはない、食い違わないと、かように私は理解しております。やはり戦争はない。戦争抑止力、そこに強大なる核の保有国であるアメリカ、そういうものが戦争抑止力としてやっぱり効果をあげると、かように私は理解しております。

石原慎太郎自由民主党

○石原慎太郎君 逆に私にはどうも総理の御答弁がよくわからないんですが、また違った形でお尋ねいたしますが、最後に一つだけお尋ねいたしますけれども、日本のそれでは非核三原則、つまり、沖繩にも核を置かさないという形で主張をされる非核三原則と、アメリカの、それでは沖繩にも、あるいはもちろん日本のほかの本土にも核を置かぬ、今度返還される沖繩にもすでにある核というものを撤去した形でアメリカが、つまり、いままでと同じように、つまり、有効性を減ずることなく日本の防衛に責任を遂行し得るという、つまり、何といいましょうか、了承というものをアメリカの当局が政府に対してしておるんでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 核のかさというものは、沖繩に核があるかないかという議論よりも、いま申し上げますように、アメリカの強力なる核戦力、それが戦争抑止力だと、こういうような見方のほうが私は正しいんじゃないかと、また日本もその道を選んでいる。でありますから、フランスの場合をとってみて、自分は——フランスはアメリカあるいはソ連と同等あるいはより以上の核の戦力は持たないけれども、核兵器を持つことによって核戦争に自分たちも発言し得るその余地があるのだ、これはなくなったドゴールさんの所説ですが、そういうことを言われた。しかし、私はそうではなくて、ドゴールさんのような考え方も一つあるが、日本の場合はそうじゃなくて、核は持たないと、また持ち込みも許さない、もちろんつくらない、そういうことでアメリカの核抑止力そのもとにあるのだ、そのほうが日本の安全をはかるについて望ましいことだ、できるだけ各国ともそうあってほしい、これは私どもの主張です。そして、核そのものは本土にもないが沖繩にある必要もないのだ、これはやっぱり沖繩に核が、米軍の核がなければアメリカの核のかさにたよれないと、こういうものではないと、これもはっきり私は申し上げたい。

石原慎太郎自由民主党

○石原慎太郎君 もう一度、最後に一つだけお尋ねいたしますけれども、つまり、そこにちょっと見識、見解の差があると思うのですが、私はアメリカの非常に強大な、つまり、日本を守っている核のかさというものの骨の一本として沖繩があり得たと思いますし、その骨を抜くことで決してアメリカの核のかさというものから水が漏らない、その有効性を感じないと判断してよろしいわけですか。確認の形になりますが、そう解釈してよろしゅうございますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、沖繩がどういうことになろうと、日本の安全確保にこと欠くようなことはない、むしろ沖繩に核がないことが日本の安全確保に非常に役に立つと、また、そのことがアジアの平和に役立つと、かように確信いたします。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 けさの外務大臣の報告に関連してですが、六ページに「現在沖繩に乗り入れている米国航空企業の問題につきましては、復帰後は本土・沖繩間の内国運輸は認めないが、国際運輸については一定の暫定期間中引き続き運航を認めるという方向で妥結の見込みとなっております」、これに対して私どもの感触といたしましては、一定の暫定期間を過ぎたあとにおいては現在の沖繩の那覇にある国際空港を国際空港として認めないというような意思があるかどうか、この点について、私どもの誤解ならいいですが、この前の委員会におきましても私は第一級国際空港に指定するよう質問しておりますので、この疑問を明らかにしていただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 結論から申しますと、それは関係ございません。そこで私の申したかったことは、いわゆるカボタージュでございますね、こういうものは絶対認めませんということ、それから、国際的な運輸関係についてはある程度やむを得ない暫定期間が必要だということを率直に申しましたのでありまして、将来の国際空港のあり方等について全然これは関係ございません。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 これではっきりいたしました。この問題については、沖繩では、これはあまりはっきりしないものですから、みんな疑問に思っておりまして、非常に不安に思っておる。これでよく私どもは了解いたしました。  それから総理大臣にぜひこれは私お願いいたしたいのですが、これは今度の協定とは別の問題になりますが、いま日本の本土におきましては一日内閣というものがある。これをぜひ沖繩のほうで復帰前に開いていただけないかということでございます。佐藤総理は、沖繩に現職の総理として最初に来られた。ところがいろいろな過程を経まして現在沖繩のほうでもいろいろな問題が起きておりますし、こういったようないろいろな問題や疑問点をじかに解消するということが大事じゃないかと思います。で、私どもは、いままで各種各団体の陳情を受けております。東京にも参りまして、いろいろ議会においてもあるいは各委員会において沖繩の代表の諸君が来ていろいろ話をしております。今回、ぜひ復帰前に総理が御決心されて、沖繩において一日内閣を開かれ、じかに総理が沖繩の声なき声を聞かれるということが今後の沖繩政策の推進がきわめて有益に進んでいくのではないかというふうに考えますので、これに対する総理の御見解をお伺いいたしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 簡単に一日内閣を開けと言われますけれども、そう簡単なものじゃございません。これは稲嶺君のせっかくの願いだと言われましても、そう簡単に、承知しましたとは言えないのです。まして、いま、復帰前、多数の閣僚を連れて乗り込むことはいかがかと思いますし、私は、それよりも、やはりこういう機会に、皆さん方、国会の場を通じて、またその他の場合でも、県民の御要望をつぶさに政府にお伝え願って、そうしてその線で、十分期待に沿うような復帰条項、それを取りきめたいと、かように思いますので、いまの一日内閣とは別に、ひとつそういう意味の御協力をお願いしたいと思います。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 私ども、沖繩の問題を通じまして、政府あるいは各方面の方々とお会いいたしまして、少し何か了解しにくいとか、理解しがたいとかいう問題がときどき出てまいります。そういうわけで、ぜひ今後の問題解決には、できるだけ現地の声を聞かれるということが大事なんじゃないか。これがまた、両者の間に問題が早く解決して、そしてスムーズにりっぱな復帰ができることになる。こういうように考えておりますので、総理におかれましても、これは沖繩のみんなが考えておりますので、ぜひその点は御了承を願いたいと思います。  次に、この前総理にお願いいたしました海洋博の問題でございますが、そのとき総理には、七〇年に大阪万博をやった、七五年にまた沖繩に海洋博を開くのは無理じゃないかというふうなことをおっしゃっておられたのですが、私どもいろいろ調査をいたしてみますと、特別海洋博の場合には支障はないんじゃないかという結論に来ておりますので、ぜひ総理におかれましては、日本の海洋開発技術の向上、発展、それからさらに沖繩の今後の経済的な発展、それから基地の縮小に伴うところの経済開発、人員整理に伴う失業等もあり、その間において私どもはその発展への道としてどうしても海洋博はやるべきだという結論に達しております。これは、財界におきましても、またわれわれ百万県民におきましても熱望しておることでございますので、ぜひ七五年には特別海洋博を開かれるように御推進あらんことをお願いいたしたい。またもう一つ、ぜひこれは閣議決定として至急やっていただきたいというようにお願いいたします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いわゆる万博条約、それから見て、直ちに行なえるかどうか、これはまたもう少し検討を要する、かように思いますが、しかし、沖繩にこの種の国際展示場、そういうものを開催することは、沖繩それ自身にも非常な意義があるし、また今後の経済発展にも役立つ。これは、いま稲嶺君が御指摘になったとおりであります。しかし、一体、参加国がどうなるか、あるいはどんな展示物ができるか、また宿舎その他どういうようにそろっておるか等々、輸送の問題等もありましょうし、なかなかむずかしい問題がいろいろあります。それをうまくやろうというので、一部予算をたしかつけたんじゃないかと思っておりますが、そういうことで具体化の方向で前向きにとにかく検討することは、これは私どももやぶさかではございません。が、ただいま言われましたように、そう簡単なものではないことだけ一応御了承願っておいて、私は、私どもだけでも、日本だけでの内国的なものでも、そういう博覧会が必要なものであり、また沖繩の経済を刺激することができるんじゃないか。そういうことも、もし万国のものができないなら国内的なものでも考えようと、こういうような意味でただいま取り組んでおるわけであります。  また、先ほどの一日内閣の問題ですが、私は、県民の方々がこの戦争で、戦時中を通じ、また戦後異民族のもとで生活をされたその御労苦はたいへんなものだと思います。こういうものは、なかなか、口では申しますけれども、そこに生活をしておられる方々とほんとうに一体となってその気持ちが解け合う。これにはなかなかむずかしい問題もあるんじゃないかと、かように思いますので、沖繩県民の、ほんとうに心情に触れたような扱い方がどうしても望ましいだろう。そこで一日内閣でもやればというような御提案であったのだろうと思いますが、そういうようなことをも踏まえて、できるだけ、ただいまの状態ではすぐにはできませんけれども、いまの実情、いま取り組んでおる、せっかく日米間で祖国復帰についての具体策を講じつつある際でありますから、具体的な案件についてのお話を遠慮なしに、自分たちは仲間だ、こういうところで積極的にひとつ政府にも教えていただきたいし、鞭撻していただきたい。かように思います。何といっても、長い間、二十数年間、もう生活様式が、ドルの生活と円の生活と、その一事でもたいへんな差があると思いますから、これをやはり円の生活に切りかえるために、また日本人としての本来の一体化、それでこの問題と取り組むためにも、よほどわれわれは努力しなければならない問題だと、かように思いますから、遠慮なしに実態についてのお話を聞かしていただきたい、かようにお願いをいたします。  私は、他の機会、衆議院でも申したのですが、あの豆記者の諸君に会いましても、最近はたいへん明るくなっておる。前はずいぶん暗い感じを持ちました。しかし、豆記者自身がもうすでに明かるい気持ちになっておる。こういうことを考えますと、やっぱり私は、いままでの努力がむだでなかった、かように思います。今回の総仕上げについても、やはり私どももまた元気が出るわけでありますから、どうかその辺のところも御理解をいただいて、十分粗漏のないように政府を御鞭撻賜わりますようお願いしておきたいと思います。

米田正文自由民主党

○委員長(米田正文君) 稲嶺君、もう時間ですから簡単に。

稲嶺一郎自由民主党

○稲嶺一郎君 さっきの尖閣列島の問題ですが、これはただ希望だけいたします。  これは、私、沖繩に属しておりますので、われわれとしては、政府がほんとうに腹を据えてこの問題には取りかかってもらいたい。これだけを申し上げまして終わります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 尖閣列島の問題は、先ほど来外務大臣から答えましたように、これはあとへ問題が残らないように十分努力したいと思っております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 私はまず核についてお伺いしたいと思いますが、一昨日から、沖繩の核抜き実現ができるかどうか、種々質疑が行なわれました。まだまだ国民の皆さまの疑惑は完全に晴れていないと、こういうふうに思います。というのは、私も、先般の予算委員会で、中曽曾根防衛庁長官の、沖繩の核を総点検したいと、こういう意図を受けて、外務大臣ないし総理に聞いたわけです。総理も、各大臣の言うとおり前向きに取り組むと、こうおっしゃった。しかしながら、すぐその直後、核の撤去はニクソン米大統領との約束で十分だ。外務大臣も、友好国家間では相手国の軍事施設に立ち入り検査しないのが国際法の原則だ、こうおっしゃった。また、先般の衆議院で、前向きにやる、何らか国民の納得する方法でやると。内容の明確化はまだともかくとしても、そういうことで、沖繩のいわゆる核総点検——総点検ということばが適当であるかどうかは疑問でありますが、あるかないかを何らかの形でチェックする。こういう総理の、政府の態度が二転、三転しているのではなかろうかと、こう思うわけでありまして、ちょっとくどいかと思いますけれども、はたしてこれをやるのかやらないのか、できるのかできないのか、まず冒頭にそのことからお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 七二年・核抜き・本土並み、これはもうニクソン大統領と私と共同声明までいたしておりますから、この点を重ねて申し上げることはないと思います。ただ、いま沖繩にどういうような基地があるか、今度沖繩が祖国復帰すれば、これは当然明らかにしなければならないことです。そういう場合に明らかにできることではないだろうか、私は一応ばく然とさように考えております。また残すべきもの、これについてもどういう理由で残すとか、また、いついつになればこれは撤去するとか等々の相談があるだろう。これは外務大臣からお答えしたとおりでありますから、その点を重ねては申しませんが、その際が、いま言われるような点を私ども自身が確認できるチャンスではないか、かように思っております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 要するに、点検される、こういう方針ですね。じゃ、その時期、いつになるか、まずこの協定調印の前かあとか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 引き継ぎの際というのが正確でしょうね。やはり引き継ぎの際じゃないと、そういうものをチェックする機会はないだろう、かように思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 引き継ぎの際というのは非常にばく然とした幅のある御答弁である、こういうふうに思います。いずれにせよ、私どもが現に基地に入りましていろんなそういう調査をしました。そういう点から見ますと、残念ながら、申しわけはございませんが、政府自民党は基地内まで立ち入っていない。基地の状況もつぶさにつかんでいない。これは国際法上できない、こういう立場でありますけれども、やっぱり基地のそばにいる百万の沖繩住民は絶えず現実に非常に不安にさらされているし、毒ガスの移送問題にしましても、そのあと、ああいう非常にがたがたした問題ありましたし、ましてこの核につきましては、撤去したのかしないのかということについては、非常にこれは大きな疑問があります。ですから、その引き継ぎをする期間にやる、こういうこと、抽象的で幅があるんですけれども、返還協定ができたあとはこれができますか。いま言いましたように、この期間がはっきりわかりません、抽象的で。だけれども、かりに協定が調印されたあと、これはできるかどうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これはやはり返還協定ができたということと施政権の返還になることとは違いますから、そういう問題について調印ができたということは、法律的にそこでいままでできなかったことができるというような意味では、何ら条件が変わったものとは言えないと思います。それから、この「点検」ということばは私は不適当だと思いますけれども、先ほどお聞き取りいただいたかと思いますが、あるいはいらっしゃらなかったかもしれませんが、防衛庁長官が申しましたとおりでございます。これは沖繩県民の方々の心情ということもよく理解できておりますし、それからいま日本国民のだれしもが本土に核があるとは思っておらぬと思います。ところが、沖繩の場合におきましては、そこが不明確で、正確にいえば、あるのかないのかわからない。この状況であることが沖繩の場合特殊でありますだけに、返還のときに核抜きで、きれいな形になりましたということを、何らかいろいろの方法を苦労して考え、かつ、日米の協力のもとに御安心願えるような適切な手段、方法を講じたい。これは法律的、条約的な問題というよりも、政治的な配慮というものが非常に必要であろう。これは中曽根君の指摘しておるとおりに私も考えておるわけであります。

黒柳明公明党

○黒柳明君 もう一回、重ねてですけれども、引き継ぎをするとき、という総理の御答弁なんです。これは時間的にも幅があると思います。非常に抽象的な期間を意味されたと思うのです。ところが、調印をしたという時期、それは明年の何月の何日か。それで効力を発揮するわけですね。その後に、いま言ったような点検がむずかしかったらば、ほかの調査する、こういうことができるのかできないのか、この点、私はイエスかノーかを聞きたいんですけれどもね。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私がいま申しましたとおりであって、つけ加えるべきことはございませんが、これは協定によって権利義務の問題として点検とか点検でないとかということで取り扱う性質の問題ではないと思います。しかしながら、返還後、そうして効力発生後、日本が提供した施設・区域の中のことでございますから、返還の効力が発生してから後におきましてとらるべき適切な方途を考えるべき筋合いの問題である、こういうふうに考えるのが妥当じゃないかと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そうすると、総理大臣のおっしゃった引き継ぎのときというのは協定調印後、こういうことになるかと思いますが、そうしますと、安保条約が本土並みに沖繩に適用される。そうすると、いまだかつて日本でそういう基地の中に立ち入って調査したという経験はない。沖繩だけはそれをやる、できる、こういうことになるわけでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) そこまでお詰めになりますと、私も率直に申しますが、これは条約的、法律的あるいは国際公法の問題にまで立ち入って考えなければならぬ問題だと思います。したがって、総理が言われますように、また私も申しましたように、沖繩の県民の方々に御安心をいやが上にも願えるように、この返還のときに核抜きで返還になることは政府はこれほども疑いを持っておりません。しかし、ないことを証明をし、ないことに御納得を得ることについてはいろいろの困難性もあると思いますから、そこはこれからも十分に知恵を働かし、また米側の協力も求めて、できるだけ善処をいたしたいということを現に考えておるわけであります。

黒柳明公明党

○黒柳明君 それを煮詰める前に、間に、ちょっと関連したことですが、これは総理大臣というわけにはいきません、外務省当局でもけっこうです。第十八戦術戦闘航空団あるいは戦略通信部隊沖繩通信グループ八重岳海外通信ステーション、こういう特殊部隊があることを知っておりますか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) いわゆる沖繩における特殊部隊につきましては、先般委員会で一部われわれの知り得た範囲内のことを申し上げたわけでございますが、その他二、三まだ実態を把握中の部隊がございます。それらにつきましては、いずれ実態を把握次第御報告申し上げたいと思っております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 だから私は言うんですよ。野党の公明党がすでに知っていて、政府がこれから知るなんという、そんなばかな沖繩返還の協定づくりなんてありますか、そんなばかなことが。野党が知っているんですよ。この機能までも知っているんですよ、私たちは。長くかかりました。努力しました。それを、政府がこれから調べよう、つかまえようなんという、そんなばかなことはないでしょう。どうですか、これは。こんな大切な問題ですよ。これは私たち簡単にできたとは言いません。米軍の基地に入るのはほんとうに日本人はオフリミットです。まして沖繩です。アメリカの施政権下です。その中に私は入って、そうしていろんなできる限り条件を駆使して、そうして沖繩の基地を総点検をして発表をした。いま特殊部隊が出ている。政府の中にはつかんでいない特殊部隊がある。こういうものを見落とすと、総点検をした、核は抜いたよと言ったって、日本の基地だって核があるかわかんない。たびたび、核があるような、あるいは塩素ガスが住民に被害を与えているような、いまもって在日米軍基地だっていろんな問題が出ているじゃないですか、トラブルが。それがこれから返ってくる沖繩、特殊部隊というものに対して大きなここで問題になっている。それが、政府がこれからつかもうなんて、そんなばかな——済みません、ばかなんていうことばを使って。そんなのろい作業をやっていたんじゃどうするんだ。だから私は、ここの核抜きまでも非常に疑問に思う。一体何をやっている機能だかわかっていますか。出ていかないですよ、いままでのマスコミには、政府がつかんでいるところには。どういう機能をやっている特殊部隊だか知っていますか、これ。まあわからないと思うのですけれども、念のため。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 政府といたしましては、米側とずっと折衝を続けておりますことは、いまさら申し上げるまでもございません。それから、先般も日本共産党でお調べになったものについての御質疑もございましたが、それぞれ公党の面目にかけて責任を持ってお調べになったことでございますから、それに一々コメント申し上げるわけではございませんが、政府として掌握して政府としての責任で御説明をするというものは、おのずからまた適切、詳細でなければならない、またそれだけに責任も非常に大きいということを自覚いたしまして、これは確かに実態が掌握できたというものについて先般も委員会を通じて公表いたしたわけでございますが、漸次これから、残りましたものにつきましてもさような方法をとりたいと考えます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 私も、何も政府のことをけなすわけじゃありませんけれどもね、先般の予算委員会でも私は沖繩の国有地の問題を取り上げました。国有地がキャバレーになり映画館になり娯楽施設になる。いまのうちからそういう協定に対して、返還後これをどう処置するのか、政府が握らなきゃだめだよと三月に言ったばかりですよ。当然、こういう戦略的な部隊が焦点じゃないですか、この沖繩委員会の、外務委員会の。その焦点に当たっているときに、いまもって、米政府と折衝しております、そういう答弁では非常に——これは公明党に予算でもつければやりますよ、一生懸命、政府に協力して。従来から言っているんです。予算がないから限度があります、私たちだって。  そういうことで、この十八戦術戦闘航空団というのは、従来のいわれていた三百七十六戦略航空団とは違うんです。三百十二航空師団に所属して、問題のEB66の電子中隊があるのですよ。昨年これが編入されたのです。いいですか。SRが四月の三十日には、北鮮の平壌放送で、領空を侵犯したなんという——これはわかりません、確認しようがない。あるいは二月には北京放送で、中国領空を侵犯したと、こういうことを言っていますよ。そのSR、そういう機能は持っていたって、働きをセーブすれば置いておいてもいいかもわからない、こんなことをおっしゃっている。ところが、これは実際の戦闘可能、しかも電子砲を持っているのですよ。このEB——エレクトリック・ボムですよ。こういう戦略戦闘師団が配置されている。当然こういうこともつかんで、つかんだ上で、特殊部隊はああこうするのだというならば私は納得する。政府の努力を買う。わからないで、特殊部隊はああだこうだなんと言ったら困っちゃうじゃないですか。どこにあるか書いてありますけれども、言いたくありません。こんなにこまかいのですよ、私たちの資料は。  それからもう一つは、戦略通信部隊八重岳のステーション。これは山の一番てっぺんにあるのです。私もえっちらおっちら登りました。たいへんだったんです。そこへ行って現場を見てきました。これも中共の飛行場がテレビジョンで写るのです。そういうものがあるのですよ。VOAが受信、送信するなんていうものじゃないんですよ。こういうものがある、八重岳のてっぺんに。これこそたいへんじゃないですか、このままにしておいたら。これがあるかないかわからないで、それでここで特殊部隊をどうするんだ、ああするんだなんという論議を展開しても、私たち公明党が聞いていますと何をやっているのかなと——申しわけありませんけれども、そういう感を深くする。だから、沖繩島民のこの心配はいつまでたってもぬぐい去れないんだと、こういうことです。まあ、私はいつもやわらかい静かな者ですけれども、あまりのこういう政府の無責任な態度でちょっと声を一段と荒げたわけではありますけれども、ひとつ総理大臣、こういう特殊部隊に対しての論議というものはなかなか納得できる答弁をいただかない。どころか、まだ政府がつかんでないような、対米折衝しているような段階のものがある。ならば、そういう機能がどういう機能かもわかんない。返還されたあとに残っていたら、また後日それが国際間のトラブルになる。どうですか、こういう政府の怠慢は、総理大臣。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) まあ政府の怠慢と一がいに言われても困りますが、私はいろいろ政府には政府の言い方もあるだろうと、かように思います。また黒柳君がお調べになったこと、これが別にスパイ行為というわけでもないし、いろいろ苦労されてそこまで政府にも注意を促された、こういうようにとりました。私はたいへんありがたく鞭撻を受け、御協力願えるものだと、かように思いますので、この上とも万全を期したいと思います。  先ほど稲嶺君に答えたように、何といいましても祖国復帰、これは大きな仕事でございます。戦争で失ったその領土、それが施政権が平和のうちに返ってくるという、まあ、いろいろな問題があろうと思いますけれども、しかし、それをやっぱり、先ほど申しましたように、大筋はとにかく間違いないようにするということで、ただいませっかく努力している最中でございますから、これはおくれたら何にもなりませんけれども、いま御注意を受けたこと、もちろん外務事務当局も聞いておりますから、十分ただいまのようなお話の線に沿ってまた折衝を重ねることだ、かように御理解をいただきたいと思います。ありがとうございました。

黒柳明公明党

○黒柳明君 いや、そう言われますとね、私も人がいいもんですから、二の句がつげなくなっちゃうんですよ。いつもこれで私ごまかされるんです。(笑声)先回もこれでごまかされたんです。政府に何も水をぶっかけるわけじゃありません。ほんとうに私も、公明党はいつも苦労して総点検だ、あるいはいろいろな行動する野党としての面目躍如たるものがあるわけですけれどもね、何もこれ、私たち、この国会で政府をいじめるための行動でも総点検でも何でもありません。まあ、こういう不備がある。そういう点も何とか補って、同じ日本の国民としてあるいは沖繩のためにがんばると、こういうことでありますものですから、ひとつ総理大臣も前向きに善処されて、至急この特殊部隊その他沖繩の状況を完全に把握してもらいたい。それは日本政府が真剣に——総理大臣、こっち見てくださいよ——真剣にアメリカ政府に対してものを言っていけば、何もこの時期へ来てアメリカはそんな逃げやしませんよ。隠すような、そんな態度をとりやしませんよ。何か私は真剣度が足りないのじゃないか、こういうように思いますよ。もう一歩真剣になって、沖繩のまず基地の現状を把握して、実際を認識しなきゃ評価できないじゃないですか。無認識で評価したったってだめですよ。そういう点について従来の姿勢、これは先ほど言った国有地の使い方の問題ですよ。この米軍基地ないし特殊部隊の存在にせよ、非常にあいまいである。ぜひともこの際皆さん方、全国民の前で、政府が真剣に取り組んでいる上にもなお真剣に、——野党の公明党に、全国民の前でお前、何やっているんだなんと言われるような、そんな弱い自民党じゃありません、天下の自民党じゃないですか。(笑声)ひとつ今後絶対こういうことのないように、私は真剣に沖繩の平和を求める一国民の立場として、前向きな真剣な態度をとってもらいたい。  最後に、まだ時間がございますので、先ほどからのSR71ですね、これは私は確かに違法にならないように、そういう話をして、それで機能はあっても、まあ置くということは断言していませんけれども、そういう方法もある。だけども、もう平壌放送からも北京放送からも、年がら年じゅう領空を侵犯した、侵犯したっていう、間近かに返還を迎えようとする今日、そういうのが耳に入ってくる。これは確認できません。しかしながら、火のないところに煙がないというたとえのとおり、何らかやっぱり向こうを刺激する行動をしていることは間違いありません。少なくともいま現在こういう刺戟をすることはやめてもらいたい、こういうことも通じて、また対米折衝を強くやっていけないか、もらえないか、この点どうですか、総理大臣。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私もときどき北京放送を耳にするのですが、その中にはいろいろ実際に合わないものもございます。全部が全部実情に合っている、かように考えるのはいかがかと思います。ところで、ただいまの問題についてせっかくさような注意がございましたから、やっぱり私どももそういう間違いが起こっておるのではないかというような目をもって見ることも必要だろう、全部が全部おとなしくうまくいってるんだと、かようにはなかなか考えられない。疑ってみることも必要だと、かように思います。  先ほどちょっとわき見していたのは、実は外務事務当局の顔を見てたのです。そうするとこちらを向きなさいとしかられたのですが、やっぱり問題が問題でありますだけに、折衝しております事務当局に十分事態を認識してもらいたい、かように思っていろいろ注意もいたしておりますから、その辺はお許しを得たいと思います。私もおんなじような気持ちで、この問題を真剣に、先ほど稲嶺君に答えたとおりですが、沖繩県民の立場に立って、間違いが起こらないように注意すること、これは公明党の皆さんに劣らない気持ちでございます。どうかよろしくお願いいたします。

黒柳明公明党

○黒柳明君 よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 時間がございませんので、まとめて御質問申し上げたいと思いますので、逐一御答弁をいただきたいと思います。  政府は、沖繩返還交渉に際しましては、七二年返還・核抜き・本土並みの三原則に従って行なっておられるようでありますけれども、七二年返還というのは、これは時期の問題ですから、ほんとにそうかどうかよくわかるわけです。また核抜きの問題は、ほんとに核があるかないかという確認の問題がありますけれども、これもあるかないかという、これは非常にはっきりした問題である。ところが、この「本土並み」というのは、私は非常にあいまいなといいますか、幅の広い解釈ができる要素を持っておるのではないかと思います。私はまあ今回の中間の報告を見ましても、政府はここでこの方針に従って交渉を進めておるけれども、いまの時点で、アメリカ側の主張のどういう部分がこの三つの原則に反しておるのか、三つの原則からはみ出ておるのか。これは七二年・核抜きの問題はいまのところ問題ないようでありますけれども、「本土並み」という意味については私はたくさんの問題が出てきておるのではないかと思います。政府は、この「本土並み」ということを一体どのように解釈しておるのか、この点をお伺いしたいと思うのであります。  それからまた、すぐ本土並みにできるのか、ある程度暫定期間を置かないと本土並みにできないものがあるのか、この点を明らかにしていただきたいと思うのであります。  まず「本土並み」の解釈ですけれども、まず第一には、条約とか法律の適用があると思います。これは、沖繩が特に差別されることは「本土並み」とは言えない。いまのところ、日米安保条約その他の条約にも本土並みの適用ということがいわれております。しかし、ここで私が一つ気がかりになるのは、基地の再契約の問題であります。これがもしスムーズに行なわれない場合には、特別な立法も必要だということも前々から話には出ておりますけれども、これは特別な立法をつくるということになるならば、これは法律的に沖繩が本土並みといえるかどうか。もちろん、その法律は本土にも適用されるとなれば、これは本土と同じでありますけれども、これはいわゆる「本土の沖繩化」である。VOA放送についても同じであります。電波法を改正するとか特別な法律をつくらなければならないなら、やはりこれは「本土の沖繩化」と言われてもしかたがないのではないか。  それから、第二番目は、やはり基地の問題があろうかと思います。基地の問題、まず第一には規模の問題でありますけれども、現在は非常に沖繩は量的に基地の数が多くて、量の違いは質の違いに通ずるということもいわれますけれども、それほど量は本土とは変わっております。これについて、政府は一体どの程度の基地を縮小すれば本土並みにできるというふうにお考えか、お伺いをしたいと思います。  次には基地機能の問題でありますけれども、先ほどからもいろいろ話にも出ておりますように、特殊部隊の問題があります。SR71あるいは第七心理作戦グループ、陸軍情報学校、本土の基地にはないこのようなものを沖繩に置くということは、基地機能の面でやはり本土並みと言えないのではないか。この点についての政府の御見解もお伺いしたいと思います。  第三点は経済問題でありますけれども、特に外資企業の取り扱いであります。日米共同声明にも、既存の企業の権益というものは尊重するというような項目があるわけですけれども、またアメリカ側の業界のそういう要望もきわめて強いようであります。これは暫定的に本土と違ったような措置を認めざるを得ないのかどうか。政府としましてはそれも本土並みと考えていいのだと思われておるのかどうか。  以上の点について御答弁をお願いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) たいへん多岐にわたっておりますので、あるいはお答え漏れができるかと思われますが、まず第一の、交渉上三つの原則の中で何が困難か、それから本土並みということはずいぶん幅があるが、これはほんとうに本土並みになるかと、こういうお尋ねでありますが、私は本土並みを十分貫かれると確信しておりますことは中間報告で申し上げたとおりでございます。なぜかならば、この第一点は特に安保条約をめぐってのお尋ねであろうかと私考えますが、これは条約そのものはもちろんのこと、関連の取りきめ等がそのまま何らの変更なしに沖繩に適用されるということで、このワク組みがしっかりできますことは、現在、沖繩のいわゆる軍事基地が米国の本土並みに使われている、自由無制限で行なわれるというのとは全然性格が変わって、安保条約ということでワクががっちりできるという点においてまさに本土並みである。核抜きの問題も、総理もよく言われるように、本来なら本土並みといえばそれで核抜きということも含まれるのであるが、核抜きということは特殊の問題でありますから、三原則の大きな一つに取り上げているとよく言っておられますが、そのとおりでございまして、本土並みが確立できると思います。ところが、御質問の中にも出ますように、おまえはそう言うが本土並みではないという根拠とおっしゃるのは、いわゆる提供すべき施設・区域の数が本土とは比べものにならず、総体的に多い。そうして基地の中に沖繩が存在するといわれているような状態がどの程度改善されるのか。大体いまと同じような状態で施設・区域が提供されるならば、密度において、数において本土並みではないではないか。この点はそういう状態で御批判を受けるようなことがあるいはあるかと思います。しかし、一番大事なことは、自由発進だとか、核隠しだとかいうことが行なわれないことが絶対大事なのであって、その意味で完全な本土並みである。それから、その基地の密度の問題あるいは機能、数の問題でありますが、これは再々申し上げておりますように、沖繩が復帰いたしますその時期において、安保条約によって提供すべき施設・区域。それから、この時点からはしばらく提供するけれども、一定の時期を限って返ってくるもの。それからもう一つ、一番わがほうとしては大切なことは、おそくもこの復帰の効力発生のときまで、もう軍事基地として使っていることが返還されるもの。この問題、三つに分けて、具体的地点を入れたものをこの条約調印の日にできるだけこれを発表したい。そうしてその中身が、できるだけいま再々御主張がございましたような線に沿うようなものをこの際に発表するようになりたいというので、現在まあほんとうに努力に努力を重ねておる次第でございます。それから新たに安保条約適用下において提供することになるところの施設・区域につきましては、これは日米合意のもとに提供されるものになりますから、もし民有地の場合に私どもとしては地主さん等との間に円満な話し合いで提供ができるようにということで、すでに防衛施設庁等の非常な協力を得て、現地におきましても内々の話を始めているわけでありますけれども、この点についても、現在の時点における私の覚悟といたしましては、岡崎・ラスク協定のようなものはつくりたくない。それから、奄美、小笠原返還協定よりももっとよいものをこれらの点については考えたいと思っております。日米間におきましては、しかし、御指摘のように、国内的にはある種の立法というものが必要な場合も想定されるということは御指摘のとおりでございます。  それから特殊部隊でございますけれども、これはまあ申すまでもないことですが、返還までに毒ガスを扱っている部隊なんというものは当然いなくなるわけです。それから、「核抜き」でございますから、核を扱っている部隊がもしありとすれば、これもなくなるわけでございます。それから、先ほど例としてあげましたが、もっぱら第三国軍隊を訓練するがために置いてある施設などは、これは当然撤去の中に入るべきものであると思います。それから、第三国の領空、領海を侵すようなおそれのある行動をもっぱらするというようなものがもしあり得るとすれば、これは何らかの手段によってこれを控制するような、控えさせるような保証を取りつけるということが、これまた必要であることは申すまでもございません。したがいまして、一がいに何々第一部隊がいかぬとか第十六部隊はいいんだとかというふうではないんで、その性格により、あるいはその行動の予想される規模等にわたりまして、日本側の完全な本土並みに沖繩をしたいということが確保できるように、今後の折衝で十分の成果をあげるようにしたいというのが現在の政府の立場であります。  それから第三番目の外資企業の問題でございますが、これは一言にしていえば、返還の効力発生と同時に一切本土並みになるわけでございますから、あらゆる日本本土の法令がこれに適用されることは申すまでもございません。もし何らかの意味で、中間報告でも申し上げましたように、外資法との関係というようなことを考えなければならないかどうか、あるいは沖繩経済のために有用な面はどうかという積極な面、それらを合わせまして、どうしても必要だと思われる点は立法事項に国内的に考えなければならぬものもあるかとは思いますけれども、あくまで原則的にこれは本土並み立法でやらなければならない、かように考えております。その後の、返還後の措置についてのある種の行政的な措置等で間に合うものもあるいはあろうかと思いますが、それらについても、もしどうしても必要だということであるならば、日米政府間で行政府同士の話し合いということもあらかじめ必要かと考えております。  それからVOAについては、中間報告でもう率直な現在の状況を御報告申し上げているわけです。日本政府の基本的な考え方、それから、それに対してなかなか米側が非常に強い要請を繰り返して、いまだ撤回の見込みを示しておりません。ただ、この点で念のために申し上げておきますが、これは安保条約系統の問題ではない、条約的、法律的に。提供する施設・区域ということではなくって、アメリカ国務省の系統であるUSIAの民間と申しますか、これの放送施設の問題であって、中間報告で申し上げましたように、アメリカ側とすれば、他の友好国との間にも同種のものを認めてもらっておるのであるから何とか考えてもらえないだろうかということを非常に強く要望いたしておるわけであります。この話し合いの結論はまだ出ておりませんので、われわれとしてはもうできるだけ日本の基本線というものを貫くように今後とも努力したい、かように存じております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 返還協定の一番の問題は米軍基地の問題だろうと思います。  それで、最初に、沖繩に米軍の基地が一体幾つあるのか教えていただきたいんですが、これ端的に。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これも端的に申し上げますのに多少のまだ時間がかかりますので、ただいまここで明確に申し上げるところまで用意しておりません。これはですね、幾つあるかということは、なかなかまたむずかしい問題で、海、空、陸あるいはその他の部隊等のいわゆる基地の勘定のしかた、帳簿へのあげ方なども違っておりますので、安保条約適用を前にいたしまして、日米でできるだけその勘定のしかたの基準をはっきりした基準をつくりまして、そして詳細に御説明ができるようにいたしたいと思いまして、ただいま、先ほど来申しておりますような今後の処置の問題を合わせまして、できるだけ精細なものを御報告いたしたいと、いま鋭意準備中でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 返還協定がもうごく近いうちに適用というのに、いまだに政府から権威ある基地の数が知らされないということは、非常に遺憾だと思います。  そこで次ですけれども、総理はおとといも、沖繩の米軍施設については一たん返してもらった上であらためて提供する形にしたい、うやむやな継続は避けたいというような答弁をされましたけれども、あらためて施設・区域を米軍に提供するということになれば、当然地位協定に基づいて個々の施設または区域ごとに合同委員会を通じて協定を結ばなければならないはずだと思いますけれども、そういう手続を踏みますかどうか。  それから、協定においては個々の施設ごとに使用目的を明記するのですかどうか。  それから、合意し提供すべき施設・区域については国民に明らかにしますか。それで、従来必ずしも発表しないでよいということで、本土の基地でも発表されないようなものもあったんですけれども、基地の所在を、すべて沖繩の今度の場合、発表しますかどうか。この四点についてお答え願います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 総理が一昨日衆議院でお答えになりましたようにですね、そして先ほど私もちょっと触れた点ですが、返還になりますと全部ステータスが変わるわけでございますから、日本のものとしてあらためて安保条約の目的に応ずるものとして、日米合意のもとに必要な施設・区域を提供することに相なりますから、返還が効力を発生したその日に、少なくとも安保条約及び関連取りきめによりまして、合同委員会の結論を得て提供すべきものを決定して提供するということに相なります。その点は少なくとも法制的にはきちんとした区別がそこでできるし、またでかさなければならない。  それからその態様等に応じて提供すべきものの性格、性質等を明らかにせよ。これは本土並みに明らかにすべきは当然でございます。それから自然、発表等につきましても公表いたしますことは当然のことと考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それで、うやむやにしないという立場からすれば、前の岡崎・ラスク交換公文でやられたように、提供について合意に達しなかったものを暫定的に認めるということはないと思いますけれども、その点、はっきり言明していただけますか。  そこで、政府は日本国土の一部を新たに外国軍隊の使用のために提供するというのですから、当然、提供すべき施設・区域はもちろん、提供できない現在使用中の基地も含めて、その数はもちろん、その他の実態について、協定の調印前にこれをすべてよく知っておる権利があるし、よく知っていなければ協定を結ぶに際して国民に対する義務が果たせないだろうと、そう思うんですけれども、先ほど来の質疑を聞いていますと、いまだにわかってないというようなものがかなりあるわけでして、そういう点で、総理はこれについてどういうふうに考えておられるか、これが一つです。  それから次に、核兵器の所在の確認とか、特殊部隊の実態の把握についての問題ですけれども、核の所在の公表が禁じられておる、あるいは公表の権限がだれにあるとかというようなことは、これはアメリカの国内の事情であって、わが国の利益という点からいえば、日本政府のかかわり知るところではないことだと思います。太平洋のどこかに核兵器を置くとか、そういうことなら日本政府は無関心でおられるかもしれないけれども、日本の国土に核兵器を置く、あるいは核兵器があるかないかを日本の政府がしっかり握っておるというようなことは、これは当然国の主権国家としての権利なんで、だから知る必要があるし、特に、現在、施政権がアメリカにあるから、だから返還後まで確認するすべがないということでは、これは、日本政府が自分の意思でもって沖繩の個々の基地をあらためてアメリカに使わせるかどうかということをこれから協定できめていこうというのでしょう。そのきめていこうという前に、どこに何があるか、そうして、そういうものを置いてもらっては困るとか困らぬとかということがはっきりわかっておって言えなければ、これは話にも何にもならぬわけですから、だから、そういう点では、先ほど来の論議の中で、何か核兵器のあるかないかというような問題が、引き継ぎの時期にと、つまり協定調印後にということになってしまうと、私、前に質問した点と食い違ってくると思うのですよ、個々の基地について。これを許すか許さぬかあらためて合意して、協定で貸せるというふうに言っておるのに、それは実際引き継ぎの時期まで実態がわからぬということでは、これはまずいと思います。だから、アメリカの原子力に関する国内法がどうきめておろうと、また、今日施政権をアメリカが握っておったとしても、この返還交渉の中で日本政府が核のあるなし、基地の実態の確認をすることができなくて、どうして日本の主権を守って、国民の利益を守っていくことができるか。私は、そこのところを非常に大事な問題だと思うのですよ、原則論として。つまり、国の主権を守るという意味で。この点について、国民がだれでも納得できるような答弁を総理からお願いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) だいぶ多数の問題についてお尋ねがございましたが、核の問題についてだけ私からお答えいたします。  アメリカに対してニクソン大統領、これはもうアメリカの全権を持っておる。アメリカの国内法はニクソン大統領を縛っておるわけです。その国内法は日本の総理を縛るわけじゃございません。これはもう御指摘のとおり。ところで、私は、ニクソン大統領に対して、日本は非核三原則を持って、そうしてまた非核三原則を守っていく。こういう立場で、これについての基本的理解いかんということをよく話しをしております。したがいまして、これについては、いまさら誤解はないと思っております。したがって、ただいまのような危険があれば、私どもは積極的に行動に移し得ると、かように思いますが、私はただいままでのところ、日米間でお互いが不安を持ったりあるいは疑惑を持ったりするようなことはないだろうと、ただいまのところでは思っております。しかし、ないだろうでは済ませないと、かように言われるのですから、ただいま私は日本の行き方をはっきり大統領に説明し、大統領もこれを了承しておりますので、また、沖繩が祖国に復帰するそのとたんに本土並みになるのですから、そういう意味において、これは十分確信を持ってこの問題に取り組むことができる、かように私は思っております。その他の問題については外務大臣からお答えさせます。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 第一点は、私の現在の覚悟といたしましては、岡崎・ラスク協定のようなものをつくらないでこの条約をつくりたい、私の現在の覚悟はそういう覚悟で当たっております。十分まだ話が煮詰まったわけではございません。  それから調印前に中身を知らなければというお話も、これはまあ一応ごもっともと思います。それがもう一番いいことでございましょう。しかし、なかなかこれはやはりむずかしい問題でもございますから、先ほど来申しておりますように、いわゆる現在の軍事基地、これを三つのカテゴリーに分けて、おそくも調印のときには、同時には、その概要というものを内外に公表いたしたいということで努力を大いに重ねているというのが現状でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 率直に申し上げまして、衆参両院で中間報告されておりますその内容からいたしまして、今日まで衆参両院で論議ざれたその内容の域を出ておらないのではないか、しかも、それがむしろ抽象化された形で中間報告をされておるのではないか、こういう印象さえも、特に沖繩の者の立場からそういうことを率直に私は感じておるわけであります。そういう中で総理にお尋ね申し上げたいことは、いままで国会論議の中で、あるいはまた連合審査会の中ではっきりいたしましたことは、六月調印、あるいは秋の批准国会、そうして七二年の四月一日ということで、まあこの中間報告では七二年の早い時期にと、こういう表現になっておるわけでありますが、そこで私、この論議の中ではっきりいたしておりますことは、非常に沖繩県民側あるいは国民として不満を抱いておる、こういうことが明らかになっておることはお認めくださると思います。したがいまして、今日までの論議をさらに吸収されて、そして残された日米交渉の中でそれを煮詰めて、今回のは中間報告でありまするので、煮詰めてさらに最終報告として国会に報告をしていただいて、その結果を調印に持ち込む、そして批准国会、これが私は順序でなければいけない、こう思うわけでありますが、そういう意味で、この調印を急ぐということは、むしろ事をし損じる。しかも、県民の意思を無視された形で、今日まで強調してまいりました県民不在、あるいは国民不在と、こういうわけでありますが、いよいよそういう感を持つおそれがあるわけでございます。そのことについて総理の御見解をお聞きしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 基本的な問題として、皆さん方こうして国政に参加しておられる。これは返還前に国政参加というのはなかなかむずかしかったのですよ。それができるようになった。そこらにも私ども政府といたしましても、アメリカ側としても、十分沖繩県民の意向を国会の場において伝えたい。またそれを聞きたい。これが国政参加ができたゆえんであります。私はそのことを踏んまえてただいまのお尋ねにお答えしたいと思うのですが、なるほど、今回の中間報告だけではなかなか抽象的だと、あるいはむしろいままでの審議から見て後退の感すらあると、かように言われますが、中間報告だけで、沖繩祖国復帰の問題をこの段階でこれだけだと、かように考えることは、これはどうかと思う。政府はいままで一貫して説明をし、また皆さん方の御意向も伺いながら、それを取り入れるべきは取り入れて、そして交渉を重ねてきておる。そして、いま中間報告の段階で一応まとめて皆さん方の御批判を伺い、同時にまた、その機会に県民の声を聞こうとしておる、こういう状態でございます。したがって、ただいまのが非常に抽象的で不満だと、かように言われるが、いまの相手方のある交渉の段階においては、これはより以上のものを要求されるほうがむしろ無理じゃないか。しかし、この段階でも、問題の所在、こういう点が問題、これが問題、そういうようなことは十分論議されておるのでございまして、私は県民の方々も、なるほど問題にもしないで調印すると、こういうような状態でないことは理解していただけるだろうと思います。これは何よりも沖繩県民の心配なのは、県民不在だと、かように言われますけれども、皆さん方がこうして国政に参加しておられるそのこと自体でも県民不在じゃないんだ、はっきり私どもは胸を張ってそれが言えるのじゃないかと思っております。大事なことは、なおその際に、いま沖繩県で問題になっておる具体的な事案に全然触れないで済んでおるか。そうじゃない。そういう問題は全部取り上げられておる。そういうことを考えますと、いわゆる県民不在だということは当たらないと。ただ、その問題がどういうように煮詰まるか、どういうような結論が出るか、こういうところに非常に関心を持っておる、こうおっしゃるならば、そのとおりだと私も申し上げますが、しかし、ただいま、そうかといって、最終的の調印の前にもう一度この会議を開けとおっしゃることはいかがでしょうか。私どももちろん誠意をもって県民の御要望にこたえて最善を尽くす決意ではございます。しかし、ただいま調印がいつできるかわからない。六月といったって、これは先ほどの話でございまして、私自身もまだ聞いておらないのですから、そこにきまっているわけじゃありません。しかし、この種の問題はできるだけ早く問題を片づけたいというお気持ちは、きっと県民の方もお持ちだろうと思います。いつまでもペンデングにしておいちゃ困る。それかといって、基本的な線が失われるような、見失われるようなことがあっちゃならない、これがいまの実態じゃないかと、かように思います。  ただいまの、最終的段階においてもう一度開け、これはお気持ちとしては私どもも伺っておきますが、しかし、これは実際には無理ではなかろうか、かように思いますので、その点は率直に御披露申し上げまして政府の所見を申し上げたいと思います。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 もう一点お伺いいたしますが、ただいまの御答弁の中で、私たち沖繩七名の者が参加しておることが県民不在でないと、こうおっしゃる気持ちはよく理解できます。ならば、われわれの要求が最大限に吸収されていくというところに問題があると思います。もし形式的に参加したことによってそれが県民不在ではないというふうにすりかえられますと、事は重大である。こういう意味でわれわれの率直な訴えを最大限に吸収して反映さしてもらうと、こういうことになれば、県民不在ではないということにつながると思います。  そして、もう一点、そうなりますと、結局政府の政治姿勢が私はきわめて重要になってくると思います。そこで、その政治姿勢についてお尋ねいたしたいと思います。  まず、いままでのこの沖繩返還協定の衆参両院の流れをいま一度振り返ってみますというと、安保と関連事項の完全適用だ、こういうことが一貫して述べられた。ところが、そういった中でだんだん安保外のものもあるのじゃないかということが国会論議の中で指摘されて、一つ一つそれが浮き彫りにされてきたということが事実であります。それはお認めになると思います。そして、それがいわゆる特殊部隊という形であらわれておる。その特殊部隊の中でも、いままであらわれていないものもまだまだ沖繩にあるということは、先ほど来の論議の中でもはっきりいたしておるわけであります。そうしますと、そのようにだんだん国会論議の中で具体的に示された中でそれを認めてこられた。そして、それは安保のワク外である。こういうことで今日に至っておるわけでありますが、私はそこで申し上げたいことは、ひとつ対米姿勢を、これは失礼な言い分かもしれませんが、何かアメリカ・ペースに立って、だんだんだんだんとなしくずしに一歩一歩下がっておられるのではないかという、こういう不安さえも持っているわけでありますが、そういうことにならない、こういうひとつ御決意を承りたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 祖国復帰に際しまして、私ども別にアメリカの考え方に追随するとか、そういうような考えは毛頭ございません。また、特殊部隊等がいろいろ出てきたいまの現状をそのまま承認しない。現状を変えるという、そこに本来の私どもの目的もあります。そういう意味でいろいろ折衝しておる、こういうのが現状でございます。  そこで、皆さん方から言われる、いま「完全復帰」というような表現がされて、何でもかんでも全部取り除かなければ気に食わない、こういう運動がある。これは基本的問題、これが一つあります。けれども私は、どちらかというと、いま沖繩の生活、県民の生活そのものに、経済的な現況等を見て、やはり急激な変化というものはわれわれも避けるべきものがあるのじゃないか。そういう点で、いまの米軍に急激な変化を与えないこと。それもただ与えないというだけではない。われわれの主張を生かしながら、しかもアメリカの変化があまり急激に来ないように、そういう方法はないか。これはもうはっきり申しまして、アメリカがたとえば毒ガス部隊を持っておる。こういうものは、これはもう致命的な問題ですから、それは除く、帰ってもらう。こういうことでただいま交渉しておる。あるいはまた特殊部隊にいたしましても、東南アジア諸国に対しての訓練をしておる。そういうようなものは、本来のわれわれの気持ちから申しまして、そういう仕事まで沖繩でやっていただいてもらっちゃ困る。これは沖繩の方々が困られても、そういう仕事はひとつやめてもらう。あるいはまた、先ほど来いろいろ議論になっております、そういうような核の部隊とかあるいはその他の部隊、これは県民の方に経済的な影響を与えても、悪影響を与えても、そういうものは取り除く。そういう基本的な姿勢はくずさない。しかしながら、その他の問題でやっぱりお互いに話をつけ、そうして急激な変化がないほうが望ましいこともあるのじゃないか。望ましいことならば、そういうことはわれわれもあまり急がないでやっていきたい。これがいまの態度であります。それがただいま言われますように、日本はアメリカのペースに乗っているのだ、こういうような批判を受けやすいのでありますが、そうではないので、私どもはいま今日までの生活の実態、これを考えながら、あとへ悪影響が残らないように、そういう状態はいかにあるべきかということでいま取り組んでおる。かように御理解いただきたいと思います。また、先ほど申しますように、皆さん方が出ていらっしゃる。そのことはまことに重大なる意義があるんですから、価値がある、意義がある、かように思いますので、皆さん方のお話については政府は全部そのとおりするとは申しませんけれども、政府を鞭撻していただいて、あらゆる機会に御発言願って、そういうことがあってりっぱな返還を実現する、こういうことにいたしたいと思いますから、これはもう国会ばかりが皆さん方の意見を聞く場所でもございませんから、個人的にお目にかかることは当然であります。そういう点があったらひとつ遠慮なしに政府に御進言いただきたいし、また成り行き等もチェックしていただきたい、かように思います。

米田正文自由民主党

○委員長(米田正文君) 予定の持間ですから簡単に。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 簡単に。  いまの総理の御答弁の中で、私が「完全復帰」と申しましたのは、いますぐ手のひらを裏返すがごとくに取ってのけるという意味じゃなくて、完全復帰を目標に、めどにという姿勢でありますので、そのように御理解願いたい。  そこで最後に外務大臣に……。このような質疑の中で時間だ時間だと、こう打ち切られることにも私たち非常に抵抗を感ずるわけでありますが、このような必死になって沖繩の運命を、歴史的な運命を切り開いていく重要な、大事な時期に、時間の制約制約ということで泣かされることに対しても非常に抵抗を感ずるわけでありますが、どうか沖繩県民がいかに必死になって、復帰してよかったと、こういう復帰を願っておるかということをひとつ真剣に受けとめていただきたい。こういう意味で最後にひとつ質問をいたしたい。  まず外務大臣に軍用地の使用について安保条約第六条に基づく施設・区域並びに地位協定の実施に伴う土地などの使用に関する特別措置法附則二項の、土地所有者と関係人との使用についての協議が成立しない場合は六カ月以内に一時使用することができると、こううたわれておりますことは御承知のとおりだと思うんです。ところが、小笠原諸島の復帰に伴う暫定措置法第十二条第三項によりますというと、五カ年以内と、こうなっておりますが、はたして沖繩のこの土地の場合にそのいずれを考えておられるのであるか、それをお聞きしたいということが第一点。  次に、これは大事な問題でありますので、大蔵大臣が見えておられませんので関係の方の御答弁を願いたいと思いますが、円とドルの為替レートに関連しまして、午前の論議の中でその交換率の一対三六〇の問題があったわけでありますが、まあ、これにつきましては最近国際情勢の動きの中で円の切り上げの問題があったわけでありますが、そのことは理解いたしましたが、幾多ある沖繩の復帰不安の中でこの問題も非常に大きなウエートを占める不安の一つであります。そこで、この交換方法に対する具体的な配慮をお聞きできる範囲内においてお聞かせ願いたい。  第三点は、預貯金並びに貸借金の利率は一体どうなるのであるか。  以上のことについてお答えを求めます。

井川克一外務省条約局長

○政府委員(井川克一君) 安保条約の規定に従いまして沖繩における施設・区域を提供するということをただいま外務大臣が御答弁になりました。そして、その場合、できるだけ岡崎・ラスク方式を避けていきたいということも申されました。しかしながら、外務大臣、はっきりおっしゃいましたように、その最終的な結論というものは、話し合いというものは、いまだついていない段階でございます。そういう段階のもとにおきまして、現在におきましてどのような国内法的な手続ができるのか。これとてもまだ検討中の段階でございまして、まず第一に、返還協定によりましてどういうふうな手続で施設・区域を提供するかということをきめてから考えなければならない問題だと思います。

岡島和男大蔵省大臣官房参事官

○説明員(岡島和男君) 第一点の通貨の交換方法でございますが、これにつきましては、大蔵省をはじめといたしまして、日本銀行等と十分いま実態を調査いたしましてその方法を鋭意検討中でございます。まだ具体的な方法につきましては御説明する段階に至っておりませんが、沖繩の県民の方々に御迷惑がかからない方法で実施いたしたい、かように考えておる次第でございます。  それから預貯金の利率でございますが、これにつきましては、すでに昨年の十一月に発表になりました沖繩復帰対策要綱におきまして預貯金の利率の扱いについて大筋の考え方がきめられておりますが、預貯金の利率につきましては復帰とともに本土と統一する方向で考えますが、必要に応じて経過措置を考えるということでございます。その具体的な方法につきましては、現在鋭意詰めておりまして、なるべく早い時期にまた御説明をすることができるのではないか、このように考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 要望を兼ねまして終わります。  私がこの土地契約の問題をお尋ねいたしましたのは、処理のいかんによりましては私有財産権の不可侵の原則を侵すおそれがある。こういうこととも関連をいたしまして大事をとっていただきたいということと、それからなお幾多お尋ねしたいことがあるわけでありますが、時間の制限がありますので、また今後の委員会の中でお尋ねしてただしていきたいと、こう思います。  いままで述べましたこと、また多くの方々が述べられたことに対し、ひとつ外務大臣をはじめ——特に外務大臣には日米交渉の主役であられますので、どうかひとつこの意見、要望を最大限に吸い上げていただきまして、沖縄県民が何のために復帰したかわからないと、こういう結果でなくて、復帰してよかった、こういう結果がもたらされまするよう要望いたしまして、最後に外務大臣の御決意をお願いいたしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) あらためて申し上げるまでもなく、ただいまの喜屋武委員のお気持ちを十二分に体して大いに努力を新たにいたします。

米田正文自由民主党

○委員長(米田正文君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

米田正文自由民主党

○委員長(米田正文君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。  これにて散会いたします。    午後三時九分散会

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